たぶん既出ジャンル「勇者と墓守」(5)


ひさびさに本業?です

墓守「こらぁ、おめぇらあ墓から出てくっでねえだぁ!
墓ン中にけぇれ!」カッ

アンデットのみなさん「「「オオオオオオオオオオ・・・」」」シュウウゥゥ・・・

勇者「ぬう、あれだけのアンデットを浄化してしまうとは!
きっと名のある神官に違いない!ぜひとも魔王討伐の旅に同行して欲しいものだな!」

あとは任せます。

逃げるにしてももう少し面白そうなスレ立てろよ

新ジャンルみたいな言い方すんなや


墓守「今日も神様の思し召しがありますように……」

人里から少し離れた森の中にひっそりと佇む霊園がありました。
寿命で平穏に亡くなった人、モンスターと戦って亡くなった勇敢な戦士、地主や領主など身分にかかわらず同じデザインの墓石に入り、同じように眠っています。
その霊園を管理している一人の墓守がいました。ついこの間まで母親と二人暮らしでしたが、母親が病で亡くなったため一人で墓守をしていました。

墓守「朝のお祈りも澄みました。お母さん、ジャック(馬)とジャッカル(鶏)に餌をやってから霊園の掃除にいってきます」

テーブルの上の母親の写真に微笑みかけてから一日の仕事をはじめるのが日課でした。
粗末な小屋の貧相な一頭と一羽の世話をし、霊園の掃除に取りかかりはじめた時です。

墓守「今日は何だか騒がしいような……墓石の予約は入ってなかったと思うけれど」

墓守が箒を片手に霊園の入り口に向かうと、一人の男がなにやら光りながら浮遊している物体と口喧しく言い合いをしています。
どう見ても墓に入る予定の人では無さそうですし、何より死者を弔う気持ちが見えません。霊園の入り口とはいえ、そこはもう死者が眠る土地なのです。

勇者「だから、こんな昼間に来たってしょうがないじゃないか!出るのは夜中だぞ!?」

妖精「下調べしないと暗闇のなかで困るでしょうっ!?行き当たりばったりで困るのはアンタなのよ!」

勇者「何のために無駄に光ってるんだよ、そんな時のために使うんだろーが」

墓守「お取り込み中、すみません」

勇者「えっ」妖精「ッ!?」

墓守「神聖な場所ですので、お墓参りは静かになさって下さい。用が無いのならお帰り下さいませ」

語気を強めた言葉に二人はお互いの非常識を恥じたようだった、頭を下げて霊園をあとにする後ろすがたにそんなに悪い人では無かったのかとほんの少し罪悪感が沸いた。

墓守「それにしても何だったんだろう……墓参り以外でここに来るなんて配達屋さんぐらいなのに」

町の人や少女の親類縁者でもめったに近寄らないこの場所に、あの人たちは一体何をしに来たんだろう。
それから夕方まで霊園の掃除をしている間中、墓守の頭はそればかりをかんがえていました。
結局いくら考えても答えなど出ず、霊園の中を掃除し、霊園の中央にある祭壇に聖水と祭具を飾り終えたころにはすっかり日が暮れていました。
自宅で昨日の残りの卵スープ温めと黒パンを切り分けていると、玄関のドアを叩く音がしました。ドアを開けたそこにいたのは。

勇者「夜分遅くに失礼します」

墓守「……ご用件を」

勇者「その、昼間はすいませんでした。あの、貴方に聞きたいことがあるんです。ゾンビってご存知ですか」

墓守「知りません、聞きたいことはそれだけですか」

勇者「えっ、ええ!?知らないって、その、本当に知りませんか?ちょっとだけでもいいんです」

墓守「知りません、お引取り下さい」

男の人は何か言いたそうな顔をしていましたが、無言でドアを閉めると観念したようです。
ドアの向こうで去っていく足音がきこえました。 
ゾンビだなんて、そんな昔語りがあるわけがありません。
まだここが霊園ではない荒れ果てた地だった頃の話で、村の人たちが寝物語にしているような話です。
小さな子供を脅すような昔話です、祭壇と祭具、聖水と神官の血を引く私がいるのです。ゾンビなどいるはずがありません。
今日の客人を忘れるため夕食を早々に終え、ベットに横になりました。

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