結衣「七森中の怪物!?」 (65)

※注意
完全思い付きで書いた
後悔はしている
適当
微グロ
長い

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私の爪が鋭く伸び

血がついている

目の前に落ちている物体は人の形をしていた

見覚えのある顔

血の気を失ったその顔には数分前まで笑顔が浮かんでいたはずだ

ゴリュ

口の中で何か音がする

ニチャグチャ

私はそれを嬉しそうに咀嚼する


足元に落ちている人の形をしたもの

それは…

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「うわっ」

最近、これまでないほどおぞましい悪夢を見る

何故その夢を見るのか

それが何だったのか

寝るたびに鮮明になる


枕が汗でぬれている


だるい体をどうにか動かして洗面台に向かう


いつもと変わらぬ短い黒髪

自分ではあまりかわいいと思わない顔

そして、白い肌にクマが目立っている


急いで顔を洗う

(やばいな…)

ファンデーションを塗ってみる

(化粧でごまかしてもばれるな…)

やっぱり顔を洗う

(しかし、あの夢…)


(私は誰を食べたんだ?)

「ゆーいー」

いつもの顔

京子の顔

「おはよ」

いつもの挨拶を交わして

いつもの学校に行く

「あれっ?結衣、寝不足?」

京子はさすがに私のことをよく見てくれている

「ああ…」


「ゲームのやりすぎ?」

まあ、そうなるよな


「そうだったらよかったんだけど…」

「どったの」

「私が怪物になって誰か知ってる人を食べちゃう夢を見たんだよ」


(…すっごい笑いこらえてやがる)


「はぁ…京子に相談したのが悪かった」


「ごめんごめん」


「おっはよー」

あかりがやってきた

「あれ、靴下変えた?」

どう見てもパンストだが


「そうなんだ!」

あかりはいつでも笑顔を絶やさない


「もしかして、綾乃意識してる?」

「分かる?」

「意外ですなぁ」


「カッコいいんだもん」

あかりの笑顔で少し、不安が和らいだ気がした…


「実は私も…」


「なになに?」

あかりが輝いた眼で京子を見ている


「首輪付けて見ちゃいました」

よくよく見ると確かについてる


「なんで、首輪なんだ?」


「応募者全員サービスで当たっちゃってさ」

そんないつもの会話をしながら学校に行った

放課後、

ごらく部の活動が始まった

…途端に


「やべっ。プリント出すの忘れた」

青ざめた京子が突如立ち上がる

「まったく、京子先輩はぬけてますね」

ちなつちゃんのとげのある言い方だ


「ちなっちゃん。一緒に行こう」

おもむろに京子がちなつちゃんを連れていく

「なんで私が!?ゆーいーせーんぱーい!!」

段々フェードアウト

声も

意識… も…

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爪で肉を抉る

少女の顔が苦痛で歪む

抉られたその肉を私は口に運ぶ

おいしい

確かにそう私は思った



牙を容赦なく少女の体に突き立てて

血を飲む


喉の渇きが潤される


動かなくなった少女を見下ろしている


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「ゆ…い」

私を呼ぶ声がする


「ゆい…じょうぶ…」

段々意識が戻る


「おい、結衣大丈夫か」

京子の顔

あかりも覗き込んでいる


…また汗に濡れている


「もしかして、また怪物の夢か」

京子の問いに頷く


「結衣ちゃん、すごいうなされてたよ」

あかりがそっと語り掛ける

気が付くとあかりのに膝枕されていた


「ごめんあかり、汗…」

「大丈夫」

(あかりの優しさにはいつも助けられてるな)


………

「結衣先輩の見た夢ってどんな夢ですか」

ちなつちゃんが心配そうに見つめている


「あかり、嫌だったら耳塞いでくれ…」


耳をふさぐあかりを尻目に私はありのままを話した


「…そういえば、夢診断では怪物になる夢は自分の心がけがれていると

思い込んでると見るって聞いたことがあります」

ちなつちゃんがそういったけど、

私は自分の何に対してそういう夢を見たんだろうか…

帰り道、ちなつちゃんと分かれた後、京子が言った

「結衣、今日は一緒に寝ようか」

京子なりの気遣いだ

「結衣ちゃん・京子ちゃん。私も一緒に行っていい?」

あかりもうちに来てくれるといった



あかりは一旦うちに帰って、

「お泊りセットを持ってくる」といった


京子と二人…

「結衣。今日、ちなっちゃんが言ってたこと覚えてる?」

ゲームをやってる私の隣で京子がささやきかけてきた

「自分の心が汚いとか何とかのことか?」

その言葉は刺さり続けている

京子に劣情を抱いているのは確かだ

女の子らしくできなくて、ちなつちゃんに劣等感を抱いているのも確かだ

人にやさしくできなくて、あかりに劣等感を抱いているのも確かだ

考えれば、私の心は汚れている


「あんまり、考えるなよ。また眠れなくなるからな」

京子のまっすぐな瞳が私を見つめていた


あかりが来て

ご飯食べて

風呂入って

布団敷いて


寝る時間が来てしまった

体が小刻みに震える

「結衣ちゃん。大丈夫だよ、京子ちゃんもついてるから」

「今度は私が結衣を守るから」

「くさいセリフだな」

そう言い放つと深呼吸を一回して

私は布団に飛び込んだ

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少女が私を抱いた

私はその意味が分からない

彼女は獲物だ

私は彼女を掴み

腕の肉を食いちぎる

肉からしたたるその血を私は飲み干す

私はその夢を見た瞬間に飛び起きる

悪い夢だ

息をしようと口を開いた時

嫌な音が聞こえた

ニチャ


私は口に手を当てた

手が赤く染まっている


(嘘だ)

私は洗面台に向かった

(あぁ)

口の周りが赤く染まっている

(夢じゃないのか)

何を考えるより先に顔を洗っていた



人の気配がした

私を気遣っているようだった

手が血に濡れている

(お前は誰なんだ)

顔を見ることはできないが

彼女はコップを差し出してきた


(お前はなんでそんなに笑顔でいられるんだ)

意識がもうろうとして見えないが手に赤い花が咲いているように抉れている

私はコップを受け取りそれを飲んだ

(京子なのか?あかりなのか?)


眠りにいざなわれる…


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目を開けるとやっぱり京子だった

「おはよう。結衣」


京子の後ろにある時計はもう昼間を指していた


「どうしたんだよ… 学校は?」


「うなされてる結衣を置いていけるか!」


ふと、京子の腕を見た


「おい、京子… その腕…」

包帯がぐるぐる巻きされている

「あーこれ? やっぱ、気になる?」

手でスッと隠す


そして、はにかみ笑顔


「なんで笑ってるんだよ」

悪夢とよく似た風景

「机の上、見てみ」

朝食がそろっていた


「これ、京子が?」

その時気が付いた、包帯の理由に

「まさか、その時?」

「恥ずかしながら…」

「無茶すんなって… そういやあかりは?」

「先、学校行ってもらったよ」

「今から支度すれば、ごらく部には間に合うか…」

「私の作ったご飯食べてみ食べてみ?」

京子がすり寄ってきた



テーブルに着き、一口入れてみる

「なかなかにこのハムエッグうまいな」


「いやぁ、それほどでも」

京子、本気の照れである




朝食…というよりは昼食を食べ終えて、学校へ急いだ

良く寝たからか、愛妻の料理のおかげか体に活力が満ちている




「結衣先輩、大変でしたね…京子先輩も」

「私は付属品!?」


そんないつもの感じでごらく部が始まろうとしていた


「そうそう、杉浦先輩がプリント渡したいって言ってましたよ」


生徒会室に行くまでは…

「船見さん…と、歳納京子!?」

(自分で呼んどいてそれかぁ)


「プリント貰いに来ました」

「元気やねぇ、歳納さんは」

「それが取り柄ですから」

「それに比べて櫻子は」

「なんでこっち見るの?」


京子が生徒会室に来ると一気に賑やかになる

まあ、いつものことだけど


「はい、プリント」

5時限分のプリントがずっしりとのしかかる


「二人とも、部室までは気をつけて帰るんよ」

「やだなぁ、千歳。ここから教室まで何分もないじゃないか」

「二人とも知らない?七森中の怪物のこと」


「「七森中の怪物?」」

どれほど前から現れたのかわからない…

その怪物は人を襲う

しかし、被害者が見つからない

血に濡れたその少女が見つからない

怪物はいつの間にか現れていつの間にか消えてゆく


綾乃はその顛末を淡々と語った


「そんなもの本当にいるのか分からない、けど10人を超える目撃証言があるわ」


私はそれを聴く間に考えていた

もしかしたら、その怪物は私ではないか


「うーん。なんか、都市伝説みたいだな」

京子は少し悩んでそう言った

「とりあえず帰り道気をつけるんよ。お二人さん」

「ありがとう。千歳」

二人で手を振って部室に帰る

部室への帰り道京子が語る

「怪物か…、そんなもん本当にいるのかな」

京子が珍しく神妙な顔でしゃべりだす

「がおぉぉ」

だから私は指を曲げて京子に襲い掛かるようにうなる

「結衣がふざけるなんて珍しいな」

京子がはにかむ



「もしさ…」

「ん?」

「もし、私が怪物だったらどうする?」

京子に感化されたのか私も神妙になる


「なんだ。怖くなったのか」

「あぁ。自分が怪物かもしれないっていう恐怖だろうな」

背筋を流れる冷たい汗


「結衣がもし、怪物だったらさ。私、食われていいかも」

澄んだ瞳で京子が見つめている

「……え?」

「ちゃんと血肉にしてくれさえすれば…」

「ふざけていったんじゃない」

「私だってふざけたわけじゃない!でも、優しく食べてね」


もしかしたら

もしかしたら私が食べたのは


…京子なのか?

言葉少なに私たちは帰ってきた

「結衣先輩、京子先輩どうかしましたか?」

「いやぁ、結衣が七森中の怪物を怖がっちゃって」

「あぁ、最近噂ですよね…うちの学校ってこういうのはやるところでしたっけ?」

「七不思議もないような学校なんだけどねぇ」

「…」

「あかり?どうしたんだ」

「もしかして、怪物が怖いのか?」

「おいコラ。茶化すんじゃない」


あかりはこの話題だけは頑なに話さなかったが

話題を変えると参加した

…何だろうか

時間が経ち

あかりと京子が席を立った後に

ちなつちゃんが近づいてきた



「結衣先輩」

「どうしたのちなつちゃん」

「実は、あかりちゃんのことで相談したいことが…」

あかり…?

「いいよ。言ってみて」

「…じつは最近あかりちゃんの様子が変なんです」


「具体的にはどんな風に?」

「体育の時間休むことが多くなって…

スキンシップすると余計に痛がるし…

露出が極端に少なくなって…

何かを恐れるように震えるようになったんです…

おかしくないですか結衣先輩」

(体育を休む?あかりが?)

「うーん。判断材料が少ないなぁ」

「いじめられてるかも知れません」

(もしかしたら)

「あのあかりが、誰かに?」

「もしかしたら親しい誰かにいじめられているんじゃないかと思って」

(もしかするかもしれない)

「それで私に?」

「私にとっては一番信用できる人物ですから」

ちなつちゃんの視線が痛い

(京子があんな言動をしたのか私は分からない)

(あかりの様子はとてつもなく怪しい)

(私はどちらを選ぶべきか)

(もしも、失敗すれば…)

(その時は、その時だ!)




1.放課後すぐにあかりに聞いてみる
2.放課後すぐに京子に聞いてみる

→放課後すぐにあかりに聞いてみる

「ちなつちゃん」

「結衣先輩?」

「今日、京子と先に帰っててくれない?」

「聞いてくれるんですね。ありがとうございます」

「ちなつちゃんに迷惑かけるなんて…あかりによく言っておくよ」

(私が食べたのはあかりだ。間違いない)



時間は過ぎて、ちなつちゃんが京子を連れて行った

「あかり。話があるんだ」

振り返ったあかりの顔は暗かった


「どうしたの結衣ちゃん」

「あかり。最近何かあったか」

あかりの体が跳ねる。間違えなく何かあったということだ


「大丈夫だよ。何もないから」

顔は笑っていても目は笑っていなかった

「あかり…お願いだ私の前に座って話してくれないか?」

「いい…けど。まず、お茶入れてくるね…」

元気はあまりないらしい


「あかり。ちなつちゃんが心配してた」

「思い過ごしだよ…」

「体育休んだのはなんでなんだ」

「ちょっと、私の体が大人になっちゃったから…」

「ちなつちゃんのスキンシップを断ったのは?」

「激しすぎるから…」

「最近急に厚着になっているようだが」

「ちょっと、冷え性なんだ…」

「何を恐れているんだ」

「…」


質問にすぐに答えようとする…

こんなあかりは見たことがなかった

やっぱり、嘘をついている

「結衣ちゃん。お茶…冷えちゃうから」

そう薦められて一口飲む


「質問を変えるぞ」

「まだやるの…?」

「ごめん。でも、すぐに終わるから」

「…うん」

「七森中の怪物について心当たりは?」

「………」

「怪物の被害者について何か知っているんだろう?」

「………」

「あかり。お願いだ答えてくれ!」

「言えない」

「なぜ」

「この話は死ぬまで話さない」

「分かったよ」

「!?」

「私が七森中の怪物なんだな?」

「違う」

「私はお前を食べたんだ」

「違う!」

「私をかばうために、お前はッ」

「違う違う違う違う違うぅぅぅぅぅ」

「私は自首する」

「やめて」

「私はあかりを殺したくない」

「死なないよあかりは」


「…落ち着いて。結衣ちゃん」

思いがけず、お茶を飲みほした


「!?!?」

おか…しい

意識が


「ごめんね。結衣ちゃん」

遠くの方であかりの声が聞こえた気がした

「あ…かり…」

「記憶を失ってもらうね」

にっこりと笑ったあかりの手には…

「す…睡眠薬?」

「結衣ちゃんに食べられるの嫌いじゃないんだ」

「駄目だ…あかり…」

「京子ちゃんと結衣ちゃんが幸せなら私はそれでいい…」

最後に見たのは

笑顔のあかりと

その光を失った瞳だった


……
………
………?
あ…れ?
私は何を…しているんだろう
下を見た
あかり?
私の口から何かが落ちていく
グチャグチャ
ベチョ
肉の塊
あかりの破片
あかりを見た
あかりの中身はなくなっていた
「あかり!」
「あかり!あかり?」
「嘘だろ」
既にその体は熱を失い
ただそこには亡骸があるだけだった…
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
血と肉と涙が混ざり合った
その視界が赤に染まっていくのをただ茫然と立ち尽して感じていた

-BAD END-

「ちなつちゃん。ごめん、あかりに聞くにはあまりにも証拠が足りない」
「そう…ですか」
(残念というか、失望すら感じられる溜息に聞こえた)
「それと京子に確かめたいことがあるんだ」
「京子先輩に…ですか?」
「多分、あかりのことに関係していると思う」
「え?」
「ちなつちゃん。明日、あかりちゃんを家から引き離してくれない?」
「結衣先輩が言うならやりますけど…」
「あと、部活終ったらすぐにあかりを連れて行ってくれるかな?」
「注文が多いですよ」
「土日で勝負をつけようかと思って」
「分かりました」
「定期的に連絡するから携帯電話は持ってくれるかな?」
「はいはい」



ごらく部は終わり
ちなつちゃんがあかりを連れて行った

→放課後すぐに京子に聞いてみる

「京子。話したいことがあるんだ」
振り返ったらいつもの笑顔だった
「私は結衣には食われていない。それだけは言える」
「まったく、そういうところは勘がいいんだな」
「まーなー」
京子は違ったのか…
「実はな京子、あかりが被害者かも知れない」
「そんな予感はしてた」
やっぱり京子に言ってよかったと思った
「それで、今からその証拠を集めようと思うんだ」
「じゃあ、生徒会室にレッツゴー」
(早っ)

「たのもー。生徒会の看板をもらいに来たー」
「二度目ですわね」
「二度目やわー」
うん。そうなるよね

「今度はどうしたの歳納京子?」
「結衣からのお願いを聞いてください」
京子がエアマイクを私に渡す
とりあえず無視して
「あかりについて最近おかしなことがなかったか聞かせてほしいんだ」

「あかりちゃんかぁ…」
「そういえば、最近おかしな挙動をしていることが多いですわね」
「授業中なのにトイレに何回か行ったり…」
「具体的にはどの時間かって覚えてる?」
そこから聞き出した時間は、大室さんや古谷さん、
1年生にとっては意味のない時間のように思えた、しかし
「結衣。その時間は私たちの体育の時間だ」
(そして、以前私が倒れたことがあった時間)
「古谷さん大室さん、ありがとう」

「綾乃は何か知らないかなぁ」
「うちらはあんまり赤座さんと喋る機会がないんやわ」
(そうだった…)
「そうね。でも、あの事件関係なら西垣先生のところに顔を出しなさい」
「どうして?」
「先生が対策担当みたいだから」
西垣先生なら"私"について何かわかるかもしれない
「行ってみるか結衣」
「ああ。ありがとう綾乃千歳」
「ほな、おおきに」

用心に用心を重ねて理科室の扉を開く
…爆発するかもしれないし

「おお、歳納と船見。私の研究室にようこそ」
「…」
西垣先生とりせ会長が出迎えた
「今日は何の用事だ?爆発か?」
「西垣ちゃん、さすがにそれはないですから」
「七森中の怪物についてお話があります」
先生の眼差しが変わった
「もしかして…知っているのかその正体を」
「多分ですが。被害者の方は分かりました」
「…!」
「なんとぉ!さすが船見と歳納の黄金コンビだけある」
「なんですかその名前」
「今考えた」
(適当だッ)
「それでその被害者は今学校にいるのか」
「いません」
「それは良かった。怪物本人はいるのか?」
「いる…と、思います」

「結衣。外で待ってる」
何かを察したのか京子は出て行った

「…」
「船見。お前に近い人物で間違えないんだな?」
「はい」

「これを肌身離さず持っていろ。きっと役に立つ」
バッチのようなものが手渡される
「これは?」
「所持したものの位置・心拍数・脳波・周囲の状況の解析を行う通信機能付きバッチだ」
(犯罪臭がするな)
「被害者・怪物を見つけたときにはここのボタンを押して連絡をくれるか?すぐに駆けつける」
「はい、分かりました」
「あと、お前さんの行動がバレるから変な行動はしないように」
「…はい」
「…」
「…お聞きしたいことだ有るんですが」
「急にかしこまってどうした?」
「怪物はどう処理されるんでしょうか」
「…とりあえずは、眠らせて被害者と共に病院送りにするしかないだろうな」
(警察送りにはならないといいな)

「そういえば、西垣先生はどうしてこの事件の担当なんですか?」
京子がいつの間にか帰って来ていた
「ああ。校長に『どうせまた西垣の研究だろ』とか言われてしまってな」
(信用がないんだなぁ)
「二人ともこれで解決の糸口が見えそうだ」
「こちらこそありがとうございます」



とりあえず、まぁ
学校から出て
少し重たい雰囲気の京子と別れて
家に帰って
ご飯食べて
風呂入って
寝た

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私はその子の背中に爪を立てる
赤い翼が生える
翼のような吹き出す血が
噴水のように美しい
私はその血を浴びて
浴びて…?

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「…み」
「ふ…み」
「船見!」
気が付くと寒空の下暗い路上に立っていた
「西垣先生?」
バッチから声が聞こえてくる
「船見。座標が移動したと思ったら脳波があまり変化していない」
「それはどういう?」
「夢遊病かもしれん」
(夢遊病?)
「周りに誰かいたみたいだが、覚えているか?」
周囲を見渡す
「誰もいません」
「何かないか?」
道路を見る…
「ありました。『きときと水』の空のボトルが…」
そういえば、私の体…少し濡れてる
「ミネラルウォーターか。その被害者はおそらく…」
「私をかばっている…って、先生怪物の正体…」
「分かってる。月曜日に決着をつけよう」
私は明日のために休むことにした

『結衣先輩。あかりちゃん連れ出せました(はーと)』
(よかった)
『ありがとね。お礼は全て終わってからするよ』
『期待せずに待っています』
(こんなにドライだったっけこの子)

まずは、あの人に訊いてみよう

「すみません」
扉が開かれる
「あら。確か、あかりの友達の…」
あかねさんだ
「船見結衣です」

居間に通してもらう
「それで、結衣さん今日はどんなご用件なのかしら」
言おうとして、言葉に詰まる
「…最近あかりの様子がおかしくはないかと思いまして」
あかねさんの表情が固くなる。図星なのだろう
「両親とも話し合ってたのよ…あかりのこと」
あかねさんがうつむく
「最近、あかりのことが分からなくなっちゃって…」
あかねさんの頬を伝う涙
「夜中に家を出ていくこともあって…」
あかりはお姉さんの涙は見たくないはずだ…なのに
「お姉さん。あかりは誰かを庇っていると思うんです」

「誰かって誰なのかしら…」
「今は言えません。必ずいつか言いますから」
まさか、自分かも…とは言えない
「…今は、貴方に賭けてみてもいいかしら」
「お姉さん。そこで頼みがあります」
「何かしら」
「あかりの部屋。入ってもいいですか」
「…っ」
冷たい汗が流れる
「入っちゃ…いけませんか」
「あかりに絶対に誰も入れないでと…」
「知りたくありませんか…」
「…」
「…私も腹を決めます。何もなければあかりとお姉さんに土下座します」
「…分かりました。行きましょう」

あかりの部屋の前までつく
二人で見合わせて扉を開ける
「!?」
「…っ」
一目見て異常だと思う
様々なものが散乱している
あかりは整理整頓が得意なタイプだったはず…
足を踏み入れる
壁に掛かっていたはずの写真は床に落ち
机の上の鉛筆には折れているものもあった
ペットボトルがあちこちに落ちている
(きときと水…)
悪夢から目覚めたときに足元に落ちていたミネラルウォーター…
ゴミ箱をみつける
覗き込むと…
「あかり…」
血の付いた包帯がいくつもいくつもいくつも入っていた
ゴミ箱のそばには包帯と水のストックが置いてある
「包帯も水も家に常備してあることをあの子は知っているはずよ…なのになぜ」
「きっとあかりは…お姉さんを心配させたくなかった」
これで、あかりを追及するための証拠はそろった
あとは、あかり自身…
ないしは、あかりの体に訊くまでか?
「お姉さん。今日のことは内密にしてくれませんか」
「…もしかして、あかりに直接?」
「ええ。家族には知られたくないこともあるでしょう」
「本当にあなたを信用してもいいのね」
強い視線が私を貫く
「はい。あかりのことは任せてください」
「頼んだわよ」

その帰り道、ちなつちゃんにメールを送った
『例の件は終わったよ。ありがとう、ちなつちゃん』
『ありがとうございます結衣先輩。あかりちゃんには必ず明後日来るようにいいます』
『ちなつちゃんも明日はよく休んでね』

「あれ?船見先輩?」
「アホTシャツのお姉ちゃんと一緒にいた人だし」
そんな声がして振り返ると大室さんとその妹さんが歩いていた
「あかりちゃんはどうですか」
不安そうに大室さんが聞いてくる
「今度の月曜日に全てを終わらせるよ」
「あかりお姉ちゃんどうかしたし?」
「ちょっと最近、元気がないんだよ。あかりちゃん」
大室さんが妹さんの髪を撫でる
「それは、心配だし…」
妹さんの顔が曇る。あかりはこんな子まで心配させても私を庇うのだろうか
「きっと良くなるって。そうですよね、船見先輩」
「…うん。善処する」
「治ったら、あかりお姉さんのところ行くし」
「ああ。そうあかりにも伝えておくよ」




あかりはみんなに愛される存在だ
決して、独り占めするわけにはいかない
ましてや、あかりが私のせいで…
幼馴染失格だ…

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その日見た夢は
いつもと異なっていた

私はごらく部の部室に居た
しかし、見渡しても2人しかいない
そう、あかりがいないのだ
ちなつちゃんにそのことを聞くとうつむき
京子にそのことを聞くと涙を浮かべた

私があかりを殺したのだ

それを認めたくなくて学校中を駆け巡る
あかりの名前を叫びながら
生徒会室を訪れる
あかりの名前を出すと
綾乃や千歳は目を背けた
大室さんは何かに耐えて目を閉じ
古谷さんは涙を流していた
学校の中を走る
どこまでも走る

あかり、お前はどこにいるんだ

「ここだよ」

声だけが聞こえる
どこなんだ

「結衣ちゃんの」

?

「お・な・か・の・な・か」

!?

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声にならない叫びを発していた

「うおっ」
かわいらしい声がすぐそばから聞こえていた
「京…子?」
京子が机のそばで立っていた

「どうしたんだよ。鍵は?」
「結衣の後ろから付いて来て一緒に入った」
「気づかなかった…」
「倒れそうな顔してたからさついていったら案の定なんだもん」
「私、倒れてたんだ」


「…?」
「どうかしたかー」
「服どうしたんだよ」
「これはお母さんに買ってもらった」
「お前のじゃない。私のだ!」
「脱がして着せた」
「なぁ!?」
「すべすべしてて、白くて最高だった…」
「変態っ!?」
「ちょっと、しょっぱかったけど、おいしかった」
「舐めたのか!?舐めたのか?」
「何もそこまで恥ずかしがることないじゃん」
「幼馴染だといえどもプライバシーは尊重しろ」
「ええぇ…」
「なんだよ」
「結衣は私の旦那さんだろう?」
「なんで私が旦那なんだ!?」
「え?じゃあ、私の子供産んでくれるの?」
「何考えてんだよ…お前」

「元気そうでよかったよ」
(…こいつ)
「ん?どうした」
「心配してくれてありがとうな」
「いやぁ、どういたしまして」

「また、明日な」

「うん………?」
(?)
「違う違う。結衣と話すためについてきたんだった!?」
「忘れてたんか」

二人、机を挟んで対面する
「明日あかりに聞いてみるんだよね」
「ああ」
「その時の作戦を決めておこうと思ってさ」
「作戦って、聞くだけじゃダメなのか」
京子が机をたたく
「あかりのことだから逃げるかもしれないし」
机をたたく
「隠れるかもしれないし」
また、たたく
「だぁ!うるさい」
「ごめんごめん」
「じゃあ、生徒会の面々には生徒会室に居てもらって」
「ちなつちゃんには、ごらく部にあかりを連れてきてもらって」
「西垣先生にはちゃんと協力を取り付けてるから」

「なんだ、呼んだか?」
バッチから声が聞こえる
「先生、聞いてたんですか」
「甘い会話の頃から聞いてた」
「盗聴は犯罪ですよ」
「すまん。プライバシーは守るようにするよ。なぁ、松本」
「…」
(休日も実験に付き合っているのか?)
「西垣ちゃん。やっぱり、結衣は…」
「船見が怪物なのはほぼ間違いない」
「解決法はあるんですか?」 
「友人の医者に詳しい奴がいる。風谷って言うやつだ」
「夢遊病の専門医なんですか?」
「いや、サイコメトリーの専門医だ」
(なんだそりゃ)
「あれ、緑川だったかな。いや、神?」
「しっかりして西垣ちゃん!?」
「…」
「え?風谷で正しい?松本ありがとう」
「…」
「何だ松本。え?これ以上はお邪魔?そいつは失礼しました」
「…西垣ちゃんって嵐と共にやってくるよな…」
「ああ、嵐と共に去っていくけどな」

「あかりってさ」
京子が机から体をせり出しながらしゃべる
「ラムレーズンだよね」
(意味が分からない)
「それはどういう意味なんだ?」
「欠かせない存在ってことですよ」

「確かに。私たちは意外とあかりに支えられてるんだよな」
幼い子供だった頃、あかりは私たちを励ましてくれる存在だった
京子が泣いた時
私が落ち込んだ時
そばにいてくれていた
私たちが小学生となってあかりが後輩になっても
私たちをどこか助けてくれる存在だったのではないか私は思う

京子が変わって、私も変わったけれど
あかりは、優しさで私たちをいまだに支えてくれている

そんなあかりを私は殺そうとしているのだ

「暗い顔すんなって」
京子が私の隣に座る
「西垣ちゃんの友達が直してくれる」
「でも、私はあかりに…」
なんと言えばいいのだろう
そう、言おうとした瞬間
「元のみんなに戻れる」
京子が私の体を掴む
「悪夢が終わればいつもの4人のごらく部に戻れる。そう信じてる」
京子は泣きそうな
あるいは怒りそうな
どっちつかずの顔をして私を見つめていた

私はやっぱり京子とあかりがいないと駄目なんだな

そんなことを自覚しながらも
私たち二人はその後様々案を出し合い一日は過ぎていった…

「ん…」
すがすがしいほど目覚めがいい
「京子。起きろ」
優し目にデコピンする
「うげっ」
京子が起きるまで定期的にデコピンをかます
「うぅ…」
気が変わって、料理を作りに行く
体のダルさもなくいい朝だ
「ゆーいー…」
「何だ」
「体大丈夫なのか」
「ああ。気力が充実してる。あと、悪夢も見てない」
「…よかったな。あとはあかりだな」
日常を再びつかみ始めていた…

まるで、悪夢なんて無かったかのように時は過ぎ

放課後…

「あかり遅いなぁ」
「待ってれば来るさ」
足音が聞こえてきた
「よし」
「うん」
「ごめん、二人とも待った?」
「少し掃除が遅くなってすみません」
二人ともなにか申し訳なさそうに入ってきた

「あかり。聞きたいことがある」
まずは、私から聞く
京子は退路を塞いだ
「な…何かな…結衣ちゃん」
あかりの動きと顔色が怪しくなる
「何か隠してない?」
あかりの視線が定まらない
「隠してないよ。これまであかりは一回も嘘ついてないでしょ」
私の目を見て話してくれない
「お姉さんには隠し事はしてない?」
表情が固まる
「結衣ちゃんにはお姉ちゃんのことは関係ないよね」
口調がきつくなる
「夜中に居なくなるって心配してたよ。お姉さん」
呼吸の回数も増える
「お姉ちゃんに何か言ったの?」
「あかりちゃん。おかしいよ」
私の詰問に耐えかねてか、ちなつちゃんがあかりに話しかける
「私はおかしくないよ。結衣ちゃんもちなつちゃんもなんかおかしいよ」
「最近、体育休んでるんだってな」
「それは…」
「あかり。お願いがあるんだ」
「…」
「肌をよく見せて」
「駄目っ!!」
これまで聞いたことがないようなあかりの叫び声
「触らないでっ…来ないで」
「抵抗するなあかり」
「見るだけで終わるからじっとしてて」
「京子ちゃんなんか言ってよ」
「…」
京子は黙認した
あかりは、私が一瞬京子を見た瞬間に逃げた

「しまった」
「結衣。プランBだ」
「ちなつちゃん。一緒にあかりを捜そう」
「はい」
「京子は生徒会室へ」
「分かってるって」
おのおの走り出した



「赤座が逃げたんだって?」
バッチから聞こえる声-西垣先生だ
「はい。今追ってます」
「結衣先輩。どこからしているんですかこの声」
「そんなことはどうでもいいと思うぞ吉川」
「…」
「で、赤座を説得したら私もそこに行くから待っててくれいいな」
「分かりました」

「ちなつちゃんは下を。私は上に行くから」
「はい」

「ぐっ…」
「すみません」

廊下の先からあかりの声が聞こえた気がした

廊下の途中に千鶴さんが倒れていた
「千鶴さん。大丈夫?」
千鶴さんを起こしてあげる
「ああ。今ちょっと考えしてたら誰かとぶつかって…」
「その子どこいったか分かる?」
「そこの教室…」
奥の教室を指さしていた

「船見先輩」
「船見さん」
「大室さん、千歳」
「私もいるぞ」
「連れてきてくれたのか」
「ああ。綾乃とひまっちゃんは西垣ちゃんの手伝いだ」
「千鶴。ここに赤座さんおるんよね?」
「ああ。赤い髪の女の子だったらその教室に」
「ありがとう」
「姉さん。悪いけどさき帰るから」
「千鶴ぅ。ありがとう」
「歳なんたら。なんだか知らんが頑張れ」
「…今、私…励まされた?」
振り返ると千鶴はもう見えないところに行ってしまった
「入っていいですか?船見先輩」
「大室さんは前の扉に行ってくれない?」
「ラジャー」
「千歳は私と来てくれる」
「了解やわ」
「私は!?」
「後ろの扉を守ってくれ」
「ラジャァ」
(ドスが効いてるなぁ…)

教室は暗かった
「あかり。ここにいるのは分かってるんだ出てこい」
闇の中で何かがうごめく…
「なんで…」
「赤座さん…」
「あかりは何もしてないからここから帰して」
「駄目だ」
「どうして、分かってくれないの」
一歩ずつあかりに近づいていく
「今ならもとに戻れるよ」
また一歩
「来ちゃダメ」
一歩…
「来ないで」
生気のない目
冷たいまなざしが私を見ている
怪物だった私を見た少女はこんな憎悪を怪物には見せなかった
彼女は、あかりはなぜこんなにも冷たい眼をしているんだろう
「あかり。私は知ってるんだ」
「言っちゃ駄目」
「私は七森中の怪物だ」

言ってしまった…

「それ、本当なん?」
「うっそぉ」
千歳も大室さんも驚いている
「あかりはその被害者だ」
私はいつもよりも冷淡に言葉を発した
「あかりは体に私に襲われたときの傷が残っているはず」
「そんなの嘘だよ。あかりの体は自分で言うのもなんだけどきれいだし…」
「じゃあ、見せて」
「駄目」
「なんで」
「私をいじめたいんでしょ。みんなで」
「…あかり。部屋に大量に血の付いた包帯があったあれは?」
「…部屋に無断で入ったの?なんで!?信じてたのに…」
「ごめん。でも、私が起きた時にあかりの部屋にあったのと同じ水が置いてあった…」
「…っ」
「私を庇うことなんてない。本当のこと吐いてすっきりしよう。あかり…」
「なんで…?なんで…」
あかりは
泣いていた
「失敗しちゃったよ…」
涙が幾筋も流れていった
「ごめんね。結衣ちゃんを守れなくて」
「あかりは、バカだよ」
「結衣ちゃんがみんなに嫌われるかと思って」
「だからって、私に食われることないだろう」
「でも…」
「私は手術を受けることに決めたんだ。直ぐに治るよ」
「…え?」
「夢遊病みたいなんだ」
「よかった…」

「あかり…」
「何?結衣ちゃん」
「お願いがあるんだ」
「…?」
あかりが不思議そうに私を見ている

「傷…見せてくれないかな」

あかりの顔は複雑そうな表情を浮かべていた

「私がどれだけの事をやらかしてしまったか知りたいんだ」
あかりに刻まれている傷は一つということはあるまい
その傷一つ一つが私の罪だ

「…」
あかりは私の方に向き直り少し力を抜いた
「脱がせていいの?」

無言であったが、目は閉じていた

制服を脱がせる

「…!」
「ひどい…」
「赤座さん。よう耐えたね」
傷のないところがないそう形容するしかなかった
紫色と赤色の線が体を覆っている
しかも、それが全てではない
包帯が何か所にも巻かれている
血が滲んでいる

「あかり。すまなかった」
「いいよ。京子ちゃんが襲われなかったからあかりは安心したよ」
「あかり。守ってくれてありがとう…それと」
京子はあかりを抱きしめた
「心配かけるなよ。私たちに嘘までついて…」
「ごめんね。京子ちゃん」
「絶対に許さない。嘘をつけない体にしてやるぅ」
京子の目には涙が浮かんでいた

「お取込み中、すまないな」
西垣先生がやってきた
「…」
会長さんも一緒だ
「赤座。船見。病院に行くぞ」
二台の担架が用意されていた
その時だった
京子の体からあかりが崩れ落ちる
「あかり?」
「あかりちゃん?」
「大丈夫かあかり」

そんな突然の光景を前に私の意識も失われつつあった

七森中の怪物騒動はこれにて幕を閉じる
あかりと私は病院に行き、数週間の治療の後退院することが出来た
私の夢遊病はホームシックが原因だと告げられ、京子はできるだけ私の家に行くと宣言した
あかりの傷は深く、退院の後も激しい運動などは控えるように言われていた
私は退院して、一番最初にあかねさんに土下座をしに行ったのは言うまでもない

西垣先生は校長先生の誤解を解くことに成功し、おおっぴらに爆発の実験を行うことが出来るようになった
ちなつちゃんは時折病室にお見舞いに来てくれたけど怪物の私が怖かったらしく
あまり話をしてくれなかった

生徒会は怪物騒動の関係者という疑いも晴れ通常運行を続けている

そして…

「結衣ちゃん…」
「んー?」
「耳噛まれるの嫌いじゃないけど…」
「ふー?」
「くすぐったい」
「ごめんごめん。でも、あかり美味しいから…綺麗だし」
「もぉおお!結衣先輩!私も食べてくださいぃぃぃ」
「ちなつちゃんは私が食べるぅぅぅ」
飛んだ京子を捕まえる
「危ないだろ。あかりは絶対安静なんだぞ」
「その絶対安静のあかりをお姫様抱っこで自宅に連れ込んでるのは誰だよ」
あかりの顔が赤らんでいた
「あかりと私の快気祝いだ。私がどうしようと勝手だろ」
丁度、インターホンが鳴る

古谷さんと大室さんと花子ちゃんだ
「今開けます」

「花子ちゃんが来るの?」
「ああ。随分心配してたんだぞあかりのこと」
「悪いことしちゃったなぁ」
「あかりは、あかりだけのあかりじゃないんだ。それを忘れるなよ」
「うん」

そして、扉が開く…

-END-

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