リヴァイ「プレゼントは24時間で完成させる」(19)

*リヴァイ誕生日記念のSSです。

*リヴァハンです。リヴァ→ハンな感じのリヴァハンです。

ハンジ「ごめん! リヴァイ!」

リヴァイ「あ? なんだ。突然」

ハンジ「今年のリヴァイの誕生日のプレゼントを買うお金がないんだ!」

リヴァイ「……年末セールで古書を買いまくったせいじゃ」

ハンジ「ぎくっ! そうともいうけど、それはそれ、これはこれだよ」

リヴァイ「……………はあ」

リヴァイ「別に無理してまでプレゼントが欲しい訳じゃねえよ」

リヴァイ「ガキじゃあるまいし。用意出来ねえっていうなら、別にいい(プイッ)」

ハンジ「まあまあ、そう拗ねないでくれたまえ!」

ハンジ「プレゼントを買う事は出来ないけど、その代わり、明日一日、私の時間をリヴァイにあげようじゃないか!」

リヴァイ「時間……?」

リヴァイ「それはつまり、25日は丸一日、ハンジを俺の自由にしてもいいって話か」

ハンジ「ざっくり言うとそういう事だね!」

ハンジ「マッサージでもしてあげようか? それとも、おつかいに行ってあげようか?」

ハンジ「大掃除のお手伝いとかも、まあ、やれなくはないよ」

リヴァイ「いや、年末の大掃除は既に済ませているから別にいい」

リヴァイ「そうか。時間か……分かった。そういう事なら、やって貰いたい事はある」

ハンジ「お? 何? 私は何をすればいいのかな?」

リヴァイ「それは当日に言う。今日は早めに寝て、ゆっくり休んでおけ」

リヴァイ「明日の朝の6時には俺がハンジの部屋に迎えに行く」

ハンジ「そんな朝早くから何をするの?」

リヴァイ「だから、それは明日言う。寝坊すんなよ。じゃあな」

ハンジ「了解~♪」


そして12月25日。朝6時。


ハンジ「リヴァイに言われた通りに朝6時に起きましたよ」

ハンジ「久々に徹夜しないで普通に寝たから、目のクマがキレイになくなったよ!」

ハンジ「たまには早く寝るものだね!」

ハンジ「そろそろリヴァイが来るはずだね」

コンコン♪

ハンジ「はいはい、今日は起きていますよ」

リヴァイ「ちゃんと起きていたか」

ハンジ「で? 何処かに出かけるのかな? 朝一の馬車に乗るのかな?」

リヴァイ「その前に準備が必要だ」

リヴァイ「今日は特別に許可を取ってある。今から風呂に入れ」

ハンジ「えええええ?! 朝から風呂?! 流石に寒すぎないかな?!」

リヴァイ「いいからさくっと入ってこい!」

ハンジ「えええええやだああああ! ごふっ!」


リヴァイにあて身を食らったハンジは気絶した!


リヴァイ「ハンジ班、後は頼んだぞ」

ニファ「了解しました!!」



ハンジ班のメンバーに担がれて、風呂場へ連行されるハンジ。

その様子を見送り、リヴァイはふっ…と小さく笑うのだった。





ハンジ「……………」

リヴァイ「なんだ。その不服そうな顔は」

ハンジ「いや、まさか真冬に風呂って。何の修行かと思った」

リヴァイ「普通の奴は冬でも定期的に風呂に入るんだがな」

ハンジ「そうなのかもしれないけど、私にそれを求めるのは間違ってる!」

リヴァイ「今日は特別だ。湯冷めしないように厚着しろ」

ハンジ「………何処かに出かけるの?」

リヴァイ「トロスト区に行く。今日は黙って俺について来い」

ハンジ「………ぬう。分かったよもう」




トロスト区にて。



ハンジ「…………………」

リヴァイ「どうした。店の前で立ち止まって」

ハンジ「いや、だって、ここ、女性専用の下着屋なんだけど」

リヴァイ「そうだが?」

ハンジ「えっと、まさか、リヴァイ、女装するの?」

リヴァイ「馬鹿か。俺が女装する訳ねえだろうが」

ハンジ「え? じゃあ誰の下着を買うの?」

リヴァイ「んなもん、決まってるだろうが。ハンジのだ」

ハンジ「ええええ?! 私、お金ないよ!」

リヴァイ「払うのは俺だから気にするな」

ハンジ「?! えっ……意味わかんないんだけど?! ちょっと!?」


ハンジの手を無理やり引っ張って、店の中に入るリヴァイであった。


ハンジ「………………」

リヴァイ「次は………あの店だな」

ハンジ「あの、リヴァイ……」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「何故、黒のレース生地の、しかも結構お値段のする下着を購入したのかな?」

リヴァイ「化粧品を買うから移動するぞ」

ハンジ「話聞いてないね?! なんなんだよ一体?!」



化粧品を購入後、小休止の為に喫茶店に入る2人だった。


ハンジ「あのさあ……リヴァイ」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「今日は確かに、私の時間をリヴァイにあげるとは言ったけど、何でリヴァイが私の下着と化粧品を買うの?」

リヴァイ「それが必要だから、としか言えん」

ハンジ「だから、何に必要なのかって聞いてるんだよ!!!」

リヴァイ「次は貸衣装屋に行くからな」

ハンジ「一体、私は何をやらされるんだ?!」

リヴァイ「…………ふっ」

ハンジ「意味深に笑うのやめて!!」




そして、貸衣装屋にて。



ハンジ「ディアンドル? え? それを着ろってこと?」

リヴァイ「そうだ。これで必要なものは全て揃った。帰るぞ」

ハンジ「えっ……ちょ、リヴァイ、一体なんなのよおおお!?」




調査兵団宿舎。

ぺトラ「兵長、お帰りなさい!」

リヴァイ「準備は出来ているか?」

ぺトラ「ばっちりです!」

リヴァイ「わかった。後の事は頼んだぞ」

ぺトラ「はい! 仕上げは任せて下さい!」

ハンジ「…………」



ぺトラに連れられて、別室行きとなるハンジだった。


ハンジ「ねえ、これってまさかだけどさ……」

ぺトラ「はい。そのまさかですよ。ハンジ分隊長♪」

ハンジ「マジでか! マジでやれってか!!」

ぺトラ「いいじゃないですか。お似合いですよ」

ハンジ「いやあああああ!」




そして、完成したのは………

普段は絶対見られない、ディアンドルガールのハンジであった。

エルヴィン「おお、素晴らしい」

ピクシス「うむ。これはなかなか」

ザックレー「ほう……」

ミケ「いい出来じゃないか」

モブリット「分隊長、お綺麗です!」

エルド「流石、ぺトラだな」

オルオ「いい仕事したな」

リーネ「似合ってるわよ!」

ニファ「素敵です!!」

ナナバ「ふふっ……皆、拍手で迎えてあげましょうか」



パチパチパチ………



ハンジ「もう……皆で飲み会する気、満々だったわけね(顔覆う)」

リヴァイ「話、聞いていなかったのか? 俺の誕生日に恰好つけて、夜に軽い飲み会するとエルヴィンが言っていたんだが」

ハンジ「あーうー。話半分にしか聞いてなかったかも。寝不足で」

リヴァイ「ふん……聞いてなかった方が悪いな」

ハンジ「つまり、今日はこの格好で皆にお酌してまわれってこと?」

リヴァイ「正解だ。もっというなら……」


リヴァイは隣の席を指さして、


リヴァイ「ここで俺の酒を注げ。それで良しとしてやる」

ハンジ「はいはい。分かりました! 頑張ってやりますよ!! もう!!」



ワインやビールを皆に注いで周り、忙しく動き回るハンジ。

皆の分が終わると、漸くリヴァイの隣に座り、ハンジはリヴァイのグラスに酒を注いだ。

ハンジ「はい、どうぞ」

リヴァイ「ん」

ハンジ「やれやれ。でもさあ、リヴァイ」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「お酌して回るのが目的なら、化粧品とディアンドルだけで良かったんじゃないの? 何で下着まで新調したの?」

リヴァイ「……………」

リヴァイ「それは飲み会が終わってから教える」

ハンジ「あ、そうなの?」

リヴァイ「これが終わったら、俺の部屋で2次会やるからな」

ハンジ「了解! 後でってことね」

リヴァイ(…………プレゼントの完成まで、あと3時間ってところか)



そして3時間後、飲み会はお開きとなり。




ハンジ「いやー飲んだ飲んだ! 楽しかったね~♪」

リヴァイ「オイオイ、顔赤いぞ」

ハンジ「リヴァイは赤くないね。ザルで羨ましいなあ♪」

リヴァイ「いいから、しっかり歩け。手に掴まれ」

ハンジ「うい~」



ギィ…



ハンジ「あれ? 私、リヴァイのベッドに寝ていいの? 普段は勝手に寝たら怒るのに」

リヴァイ「今日は特別だ。誕生日だからな」

ハンジ「あはは! そうだったね! 誕生日おめでとうリヴァイ!!」

リヴァイ「ああ。ありがとう。……ところでハンジ」

ハンジ「なあに?」

リヴァイ「顔が大分、赤いぞ。暑くねえか?」

ハンジ「確かにちょっと暑いかも」

リヴァイ「緩めてやろうか?」

ハンジ「え? いいよ~流石にそこまで甘えるのは、ちょっと……」

ハンジ「………えっと、顔、近くない?」

リヴァイ「そうか?」

ハンジ「えっと、まさかとは思うけど……」

リヴァイ「ん?」

ハンジ「これってアレかな。そういう展開を期待していらっしゃるのかな?」

リヴァイ「なんで急に敬語になる」

ハンジ「だあって、いくら私でも、流石に察するというか!!」

ハンジ「あああ! ほら、良く言うじゃないか! 男性が女性に服を贈るのは、脱がせたい願望の現れっていう!」

リヴァイ「良く分かってるじゃねえか」

ハンジ「でも、待ってくれ! 私は私の時間をリヴァイにあげるとは言ったけど、私自身をリヴァイにあげるとは言ってないよ!!」

リヴァイ「『俺の自由にしてもいい』かと確認した筈だが?」

ハンジ「そうだけど、ちょっと、リヴァイ、時計を見よう!」

リヴァイ「ん? ……!!」



その時、丁度、夜中の0時を1分過ぎた。



リヴァイ「…………ちっ(盛大な舌打ち)」

ハンジ「もう誕生日はおしまい! だからおしまい!」

リヴァイ「………飲み会をさっさと切り上げるべきだったか」

ハンジ「滅多なことを言っちゃだめだよ!! 折角皆が祝ってくれたのに!」

ハンジ「というか……ごめん。来年からはちゃんとプレゼントを贈るようにするからさ」

ハンジ「その、リヴァイとそういう事をするのは無理だ。勘弁して欲しい」

リヴァイ「……………悪い。俺もふざけ過ぎたな」

リヴァイ「……(名残惜しそうな表情)」

ハンジ「あーうー」

ハンジ「じゃあせめて、この格好をモブリットに記念に描いて貰う?」

リヴァイ「…………ちっ」

リヴァイ「仕方ねえな。それで妥協してやる」

ハンジ「うん。妥協して。お願いだから」

ハンジ「モブリットに一晩で完成して貰おうっと」




出来上がったハンジのディアンドル姿は、

モブリットのスケッチブックから切り離されて、

リヴァイの部屋に飾られるようになったのだった。



リヴァイ(もし来年のプレゼントを忘れやがった時は、下着姿で酌をさせてやる)



…………と、リヴァイが心密かに来年の計画を立てている事は、

ハンジの預かり知らぬところであった。




リヴァイ「プレゼントは24時間で完成させる」(おしまい)

明日はリアルが忙しいのでイブにかけてUPしました。
ディアンドル姿と下着姿、どっちのハンジさんに酌されたいか。それが問題だ。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom