イヴ「……メリークリスマス」スヴェン「ああ、メリークリスマス」 (40)

ブラックキャットSS

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トレイン「かぁー……さみい」

イヴ「12月だもん」

スヴェン「ここがジパングだったらお前はこたつで丸くなってるだろうな」

トレイン「こたつ? なんだよそれ」

スヴェン「……寧ろお前が知ってる方がおかしいよな」

イヴ「そうだね」

トレイン「さみーし俺もう寝るわ」

スヴェン「おう、寝てろ寝てろ。 一生寝てろ」

イヴ「お休みトレイン」

トレイン「zzz……」

スヴェン「もう寝やがった……」

イヴ「……」

スヴェン「……なぁイヴ」

イヴ「?」

スヴェン「明日はクリスマス……サンタさん、来るといいな。 もしサンタさんが来たらお前は何をお願いするんだ?」

イヴ「……」

スヴェン「……イヴ?」

イヴ「……スヴェン、私知ってるよ」

スヴェン「?」

イヴ「子ども達にクリスマスプレゼントを置いてるのは……子ども達のお父さんやお母さんでしょ?」

スヴェン「……本で見たのか?」

イヴ「うん」

スヴェン「はは……こりゃ参ったな」

スヴェン(そうだよな……イヴはもう子どもじゃねえよな)

イヴ「それにねスヴェン……私、もうプレゼントはもらってるよ」

スヴェン「俺、何かあげたか?」

イヴ「……こうやってスヴェンが一緒にいてくれることだよ」

スヴェン「!!」

イヴ「私ね……こうやってスヴェンと一緒にいたり……一緒に話したり……それだけで幸せなんだ」

イヴ「だから……私にとっては毎日がクリスマスかな」

スヴェン「イヴ……」

イヴ「普通の人は毎日が誕生日って言うのかもしれないけど……」

スヴェン「……?」

イヴ「私、自分の誕生日分からないから……」

スヴェン「……」

イヴ「私の誕生日っていつなんだろう……」

イヴ「……」

ナデナデ

イヴ「……?」

スヴェン「……だったら今日を……12月24日を誕生日にするのはどうだ?」

イヴ「スヴェン……」

スヴェン「今……つまり12月24日の夜……なんて言うか知ってるか?」

イヴ「……クリスマス・イヴ?」

スヴェン「ああ……」

スヴェン「お前の名前はイヴ……それは偽りようのない事実だ」

スヴェン「こんな素晴らしい名前にはこんな素晴らしい日がお前の誕生日に相応しいと思うんだけどな……」

イヴ「……」

スヴェン「あ……いやだったか? その、わりいな。 なんか無理矢理決めさせようとしちまって……」

イヴ「……ううん、嬉しいの。 スヴェンが私のために言ってくれることが……」

スヴェン「イヴ……」

イヴ「私の誕生日は……12月24日……クリスマス・イヴがある日……それでいいかな?」

スヴェン「……ああ、勿論だ」

スヴェン「……! つーことは……」

イヴ「……?」

スヴェン「誕生日……おめでとう、イヴ」

イヴ「……うん、ありがとう」

スヴェン「なあ……本当にいいのか? プレゼント」

イヴ「うん」

スヴェン「その……新しい本とか……いらないか?」

イヴ「うん。 気を使わなくていいよ」

スヴェン「参ったな……もうすぐ25日になる。 お前の誕生日が終わっちまうのに……なんかしてやりてえんだけどな……」

イヴ「……そうだ!」

スヴェン「……?」

イヴ「スヴェン、今から一緒に洋服屋さんに行ってもいいかな?」

スヴェン「……? おう、いいぞ」

スヴェン(服が欲しいのか)

スヴェン「起きるとは思わねーけど……とりあえずトレインに置き手紙だけ置いとくか」

イヴ「うん」

店員「ありがとうございましたー」

スヴェン「なあイヴ……本当にこんなのでよかったのか?」

イヴ「うん」

スヴェン「その……お前は俺がこれを着ると嬉しいのか?」

イヴ「うん」

スヴェン「……」

スヴェン(まさか俺にぴったりのサイズのサンタの服を買うことになるとは……)

スヴェン「帰ったぞー」

イヴ「トレイン、まだ寝てるのかな」

トレイン「zzz……」

スヴェン「……こりゃ置き手紙書く意味なかったな」

スヴェン「えっと……じゃあ……これを俺が着るのか?」

イヴ「うん」

スヴェン「待ってろ……すぐ着替えるからな」

イヴ「目瞑ってるから着替え終わったら言ってね」

スヴェン「おう」










スヴェン「……着替えたぞ」

イヴ「……開けていい?」

スヴェン「おう」

イヴ「……」パッ

イヴ「!!!」

スヴェン「……どうだ?」

イヴ「スヴェンのサンタ姿……かっこいい」

スヴェン「そ、そうか……」

スヴェン「……本当にいいのか? これで」

イヴ「うん。 ありがとう」

スヴェン「……まあお前が喜んでくれて何よりだ」

カチ……カチ……

イヴ「あ……」

スヴェン「ん? 時計がどうかしたのか?」

カチ……カチ……

イヴ「11時59分……」

スヴェン「本当だ……もうこんな時間だったのか」

カチ……カチ……

イヴ「4……3……」

カチ……カチ……

スヴェン「2……1……」





AM 0:00

イヴ「……12月25日」

スヴェン「ああ……クリスマスになったな」

スヴェン「あ……やべ」

イヴ「どうしたの?」

スヴェン「俺としたことが……まだクリスマスケーキを買ってなかった」

イヴ「今日はもう遅いから寝よ?」

スヴェン「そうだな……晩飯の時に一緒に買いに行くか」

イヴ「うん!」

トレイン「ふぁーあ……」

イヴ「あ、起きた」

トレイン「お前らが騒がしいからな……」

トレイン「……!! スヴェン……」

スヴェン「なんだよ?」

トレイン「その格好……サンタって……あはははは!!! 似合わねーー!!」

スヴェン「……」イラッ

イヴ「スヴェン、トレインは嫉妬しているだけだよ」

スヴェン「ああ、なるほどな」

トレイン「はぁ!? なんで俺がサンタ姿に嫉妬しなきゃいけねーんだよ!?」

イヴ「違うの?」

トレイン「ちげーよ!」

トレイン「つーか外、すげー雪だな」

イヴ「……そうだ」

トレイン「?」

イヴ「ねぇトレイン、今日は遅いからやらないけど……明日雪合戦しよう」

トレイン「おいおい、雪合戦したいとか子どもだなぁ姫っち」

スヴェン「寒いのを嫌って外に出ない馬鹿の言うことには何も説得力はねぇよ」

イヴ「トレインは本当は負けるのが怖いからやりたくないだけなんだよね」

トレイン「ほー……そこまで言うか。 いいぜ、明日後悔させてやる」

イヴ「釣られたね」ボソッ

スヴェン「ああ」ボソッ

スヴェン「明日はボコボコにしてやれ、イヴ」

イヴ「うん」

トレイン「俺のセリフだっての!」

スヴェン「負けた方がクリスマスの買い物手伝えよ」

イヴ「あ……やっぱ私、負ける」

トレイン「は?」

イヴ「スヴェンのお手伝いしたい」

スヴェン「イヴは優しいな……じゃあ勝ったら買い物に付き合うことにするか」

イヴ「うん」

トレイン「えっ、じゃあ俺棄権するわ」

スヴェン「……これじゃもう勝負さえできねえじゃねえか」

イヴ「じゃあ勝った方がクリスマスプレゼントを負けた方からもらうのは?」

トレイン「おっ! いーな!! 姫っちにたっけーやつ買わせよっと!!」

スヴェン「大人気ねぇ……」

イヴ「私が勝つから大丈夫だよ」

トレイン「俺だっての!!」

スヴェン「……こりゃ明日は騒がしくなるかもな」

今日はここまで

次の日

トレイン「……」

イヴ「……」

スヴェン「かれこれ一時間はやってるな……」

トレイン「姫っち、お前が盾使ってなかったら俺はもうとっくに勝ってんだからな!!」

イヴ「トレインだって顔面以外当たってもアウトだったら終わってるよ」

スヴェン「……タイムアップ!!」

トレイン・イヴ「!!」

スヴェン「これ以上やったら日が暮れる。 勝負は引き分けだ」

イヴ「スヴェンがそういうなら仕方ないね……」

トレイン「……まあいいや、俺はさっさと家でのんびり……」

スヴェン「お前も俺達の買い物に付き合え」

トレイン「はぁ!?」

スヴェン「引き分けのペナルティだ」

トレイン「わけ分かんねえよ……」

イヴ「家にずっといたら怠け者になるよ」

トレイン「分かった分かった!! 荷物持ちすればいいんだろ!! やってやるっての!!」

スヴェン「とりあえずまずはここで買い物だ」

イヴ「うん」

トレイン「さっさと終わらそうぜ」

ガン!!

??「!!」

トレイン「……と、わりい。 肩当たっちまった」

??「……」

トレイン「……?」

??「……クロ様?」

トレイン「!!!!」

キョウコ「うわーーーーーー!!! クロ様ーーーー!! 生クロ様ーーーーーーー!!!!」

トレイン「ちょ、おま……離せ!!」

キョウコ「イヴイヴもおじさんも久しぶりーーーー!!」

スヴェン「驚いたな……ジパングにいたんじゃなかったのか?」

キョウコ「冬休み使ってクロ様に会いに来たの!! 本当に会えてよかったーーー!!」

トレイン「分かった分かった!! 分かったから!!」

スヴェン「……キョウコ、そいつ連れて好きなところに行っていいぞ」

キョウコ「えっ!? いいんですか!?」

スヴェン「よかったなトレイン、買い物に付き合わずに済んだぞ」

トレイン「……買い物の方がマシな気がするけどな」

キョウコ「わーーーい!! クリスマスにクロ様と二人きりだーーーー!!」

スヴェン「……これがうちの場所が書いてある地図だ。 夜にうちでクリスマスパーティやるからな、それまでには帰ってこいよ 」

キョウコ「はーーーーーい!! 行きましょうクロ様!!」

トレイン「へいへーい……」

イヴ「キョウコさん、嬉しそうだったね」

スヴェン「ああ……さて、俺達もさっさと買い物終わらせるか」

イヴ「うん」

キョウコ「見て見てクロ様!! サンタさんがいるーー!!」

トレイン「おー……そうだな」

キョウコ「見て見てクロ様!! あっちにも!!」

トレイン「おー……」









キョウコ「ルンルン♪」

トレイン「……あっと言う間に夜だな」

キョウコ「本当だ!! クロ様といるとこんなに時間が過ぎるのが早いんですね!!」

「泥棒だーーーーー!!!」

トレイン・キョウコ「!!」

スヴェン「ふぅ……だいぶ買ったな」

イヴ「スヴェン、私この軽いやつよりその重たそうなやつ持ちたい」

スヴェン「気持ちだけで充分さ。 女の子に重いもん持たせるなんて紳士じゃねえ」

イヴ「いいの? 無理してない?」

スヴェン「心配してくれてるのか、ありがとうな。 俺は大丈夫だ」

スヴェン「……早く家に帰って準備しねえとな」

イヴ「……ねえスヴェン」

スヴェン「?」

イヴ「クリスマスパーティって……人数が多い方が楽しいよね?」

スヴェン「まぁ……そうだな」

イヴ「……呼んでもいいかな?」

スヴェン「?」

キョウコ「クロ様ーーー!! さっきのクロ様めちゃくちゃかっこよかったです!!」

トレイン「分かった分かった」








トレイン『掃除屋サンタから……不吉のプレゼントだ』








キョウコ「クロ様にはキョウコをプレゼントしますね!!」

トレイン「いらねぇ……それよりも動いたら腹減った、さっさと帰ろうぜ」

キョウコ「はーーーーーい!!」

リオン「……」

スヴェン「よお、ゆっくりしてけよ」

イヴ「トレイン達が来るまでもうちょっと待っててね」

スヴェン「飯はもう準備したから後は来るだけだからな」

リオン「クリスマスパーティとか子どもくさ……」

イヴ「内心嬉しいんじゃないの?」

リオン「なっ……そんなわけねぇだろ!!」

リオン「俺は本当は来るつもりはなんもなかったんだよ!! けどお前がどうしてもって言うから仕方なく来たんだよ!!」

イヴ「そっか……ありがとね」

リオン「お、おう……」

リオン(……なんか俺だけカッとなって馬鹿みたいじゃん……)

ガチャッ

スヴェン「ん?」

リンス「イヴちゃーーーーーん!!」ギュウウウ

イヴ「く、苦しい……」

リオン「この人も呼んだの?」

イヴ「うん」

リンス「イヴちゃんから誘いが来るなんて思わなかったわ!! 本当嬉しい!!」

リンス「……こいつがいなければね」

ジェノス「……辛辣だなぁリンスちゃん」

スヴェン「お前のことだからこういう日は泥棒の仕事を任せられてるかと思ったが……大丈夫だったのか?」

リンス「ええ、特に何もなかったわ……」

リンス「ただなんにもなかった所為でこいつが『今日をリンスちゃんと過ごすために今まで生きてきた』とかわけの分かんないこと言い出してきたんだけどね」

ジェノス「わけは分からなくていいさ……こうして君といるだけで俺は充分だからね」

リンス「あっそ……本当なんでついてくるよ……」

イヴ「でも人数は多い方がいいから……」

リンス「そ、そうよね!! イヴちゃんの言う通りよ! ごめんなさいジェノス!!」

ジェノス「……」

スヴェン「……男ってのは辛えな」ポンッ

ジェノス「……女の子の笑顔が見られれば辛くもなんともないでござんすよ」

ガチャッ

トレイン「あー腹減ったー」

キョウコ「ただいま帰りましたーーーー!!」

ジェノス「どうも、No.13」

トレイン「ん、なんであんたがこんなところに」

イヴ「私が呼んだの、クリスマスパーティは人数が多い方がいいと思って」

キョウコ「わーーーー!! みんな久しぶりーーーー!」

リオン「なんでこいつがいるんだよ……」

リンス「……相変わらず元気そうね」

スヴェン「よし、みんな集まったから始めるか」

キョウコ「はーーい!!」

トレイン「うめーうめー」

リンス「ちょっと!! あんたもうそんなに食べてんの!?」

ジェノス「独占はよしてくれ、リンスちゃんの分がなくなる」

リオン「うるさ……」モグモグ

イヴ「……」モグモグ

キョウコ「クロ様!! あーん!!」

トレイン「いいっての!!」

ジェノス「リンスちゃんは!?」

リンス「私も却下」

リオン「大人って黙って食べれないのかな……」

ワイワイガヤガヤ……

スヴェン「しっかしまぁ……こうして大人数でクリスマスパーティやるのも……何年ぶりかな」

イヴ「スヴェン」

スヴェン「ん?」

イヴ「あげる。 全然食べてなさそうだったから……」

スヴェン「おう、ありがとうな」

イヴ「……みんなで食べるとこんなにも楽しいんだね」

スヴェン「ああ、そうだな……お前のおかげだよ」

イヴ「?」

スヴェン「お前が『呼んでいい?』って聞かなかったらこんなに賑やかにならなかったからな……ありがとな」

イヴ「……うん、私のほうこそありがとう」

スヴェン「?」

イヴ「いつも……プレゼントをくれて」

スヴェン「……俺がお前と一緒にいることか?」

イヴ「うん」

イヴ「……あっ」

スヴェン「どうした?」

イヴ「私まだ……アレ言ってなかった」

スヴェン「アレ?」

イヴ「クリスマスになったら必ず言うでしょ?」

スヴェン「! そういや……言ってなかったな。 言うか?」

イヴ「うん」








イヴ「……メリークリスマス」

スヴェン「ああ、メリークリスマス」

〜終わり〜

クリスマスを過ごすトレインを書きたかっただけでした、ありがとうございました。

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