【艦これ】 蒼龍 「提督、メリークリスマス……」 (54)


※ 艦これの『蒼龍』を主人公としたクリスマス短編SSです。

※ エロやグロなどはありません。ちょっとラッキースケベがあるぐらいです。

※ キャラの性格や口調、お互いの呼称などはなるべくゲームに合わせていますが、筆者の独自解釈も多いです。そういうのが許せない方は読まないほうがよろしいかと思います。

それでは、お楽しみ下さい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450956467



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わたし蒼龍がこの鎮守府に着任したのはずっと前。赤城さんと同時期に着任して、最初期の鎮守府を支えました。


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提督 「くっ。この海域の敵は強い。また空母と戦艦のみんなには負担をかける」

赤城 「いえ、戦ってこそのわたしたち! 全力で参りましょうっ」

扶桑 「そうです、活躍の場があるのはとても嬉しいことです」

山城 「ドックにいるほうが長いとか、もう言わせない」

蒼龍 「はい! 頑張りますっ」


……



提督 「次の出撃は……蒼龍と龍驤に入ってもらう。資材がもう全然無いから、赤城はお休みな」

赤城 「うう、大食いでごめんなさい……」

提督 「いや、君はうちの最強戦力なんだ。消費が多いのも仕方ないさ。蒼龍は戦力も高いけど燃費が良いのが助かるよ。負担をかけるけどよろしく頼む」

蒼龍 「はい、お任せ下さいっ! 」

龍驤 「なんや……うちには何もないんかい」

提督 「もちろん龍驤も助かってる。軽空母だから脆いとはいえ、燃費が良くて火力が凄いからな。ここには敵戦艦も出る。空母の二人が何とか沈めてくれれば活路が見える。どうか頑張ってくれ! 」

龍驤 「おう、まかしときっ! 」


こんな風に、初期の頃は燃費が良くて頼れる火力として、随分とあちこちに出撃しました。懐かしいなぁ。やっぱり頼りにされて嬉しかったなぁ。





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そんな頃からかれこれ2年……鎮守府はすっかり賑やかになり、空母も沢山。強くて個性的なみんなに囲まれて……。押しの弱い性格なんかもあって、わたしはすっかり影が薄くなってしまいました。


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…………と、本来ならこうなるはずなのですが……我が鎮守府では、わたしは変な意味で目立ってしまっています。良いんだか悪いんだか……


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――――― 12月のある日 提督執務室


提督 「うむ、これで今月も難関海域突破だな。空母のみんなには負担をかけた。お疲れ様」

赤城 「いえ、空母総出撃みたいなのはある意味とても楽しいですよ」

加賀 「レ級は許しませんけど」

瑞鶴 「装甲空母になった強みを遺憾なく発揮出来て嬉しいわ! 」

翔鶴 「そうですね、本当にありがたいです」

飛龍 「いいなー。わたしも装甲化してほしい……」

大鳳 「でも、飛龍さんの回避能力や火力も素晴らしいですよ! 」

葛城 「わたしも支援じゃなくて前線出たかったなー。瑞鶴先輩と一緒に! 」

雲龍 「でも支援艦隊も大事よ? 」

天城 「そうよ葛城! わたしたちの燃費の良さも強みなんですから」

蒼龍 「でも、空母チームも本当に賑やかになったね。グラーフさんも練度上がったらここに加わるから……もっと賑やかになりそうね」





赤城 「そうですね、初期の頃と比べると本当に賑やかになりました」

蒼龍 「ほんとですよねー。わたしたちも前線に出る機会がすっかり減っちゃいましたね」

提督 「それは本当に済まないと思うが、逆に出撃が少なくてゆっくりできる生活を楽しんで欲しいかな……って、蒼龍は少し被弾してるのか? 」

蒼龍 「あ、うん。小破程度だし、海域突破できたから後でゆっくり入渠したらいいかなって」

提督 「だ、大丈夫なのか……九九艦爆がはみ出たりしないか? 」

蒼龍 「え、えっと、少しだけはみ出そうかも」

提督 「そ、それはいかん! ちょっと見せてみ……って、うわぁ(スッテン)(ぽよよん)」

蒼龍 「え……きゃ、きゃぁぁぁ! 」

飛龍 「ああ、提督が蒼龍の格納庫に顔を突っ込んで! こら、離れなさいっ! 」

加賀 「許しません(ぐいぐい)」

蒼龍 「あわわ……大丈夫です、大丈夫ですから」

提督 「す、すまない蒼龍、うっかり転んでしまって……」





赤城 「提督……また蒼龍さんの格納庫ですか……もしかして、わざとなんじゃないですか……? 」

提督 「ち、違う、断じてわざとなんかじゃない! 」

瑞鶴 「でも、そういうのって必ず蒼龍さんにだよね……? 蒼龍さんが笑って許してくれるのをいいことに、セクハラしてるだけなんじゃないの? 」

提督 「ち、ちがう、これはトラブルなんだ! トラブルでちょっとエッチなことが起こるのは仕方がないことなんだ! 」

翔鶴 「……不思議です。『トラブルでエッチなことが起こるのは仕方がない』って言われると、何故か納得してしまいます」

雲龍 「そうね……何故かしら。トラブルなら仕方がないって思っちゃうわね」

飛龍 「いーえ、それでも許しませんっ! ことあるごとに大事な蒼龍にセクハラしてっ。多聞丸も怒っちゃいますよ! 」

加賀 「とりあえずお仕置きしないといけませんね(スチャ)」

瑞鶴 「この点だけは気が合うわね。目標、提督執務室の提督。青あざができる程度に傷めつけて!(スチャ)」

提督 「いや、ほんとにトラブルなんだ……勘弁してくれー! うわぁぁ(ドーンドーンドーン)」





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そうなのです。たまにだけど、提督がトラブルでエッチなことを……。わたしの格納庫に顔を突っ込む、手を突っ込む、わたしの下敷きになった提督の顔にわたしの格納庫が……などなど。

トラブルでエッチなことが起こるのはしょうが無い……うん、しょうが無いんですけど、何故かわたしだけなんです。それで目立っちゃいます。こんな目立ち方したくないのになぁ。


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――――― 少し後 間宮さんのお店


加賀 「(もぐもぐ)それにしても、やはり提督のセクハラは問題ね」

翔鶴 「いえでも、わざとじゃ無いでしょうし……」

瑞鶴 「でもさ、明らかに蒼龍さんばっかりじゃん。絶対おかしいよ! 」

大鳳 「そうね。わざとじゃ無いにしても、何か理由があるのではないかと思うわ」

赤城 「(もぐもぐもぐ)ちなみに、正規空母がわたしと蒼龍さんの二人だけだったころから、やっぱりこういうことはありましたよ」

天城 「ということは……2年前ぐらいからですか! それはまた根深いですね」

飛龍 「懐かしいなぁ。わたしが最初に見たのは、蒼龍の格納庫からこぼれそうになった99艦爆を受け止めようとした提督が、何故かおっぱいを鷲掴みにした時かな。あの時はじめて提督に爆撃したなぁ」

葛城 「蒼龍さん、もっと怒ったほうがいいですよ!」

雲龍 「それか、代償としてよい艦載機を求めるとかしてもいいかも」

蒼龍 「いやぁ……でもわざとじゃないし……あはは……あくまでトラブルだし……」





++++++++++

そりゃあ、みんなの前でエッチなことされるのは恥ずかしいしいやだけど……代わりに、凄い恐縮して謝られて……お詫びにって美味しい食事をごちそうになったりするのも楽しみだし……。こんなのがばれたら大変だから内緒なんだけど。


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翔鶴 「次の正規空母の会では、このことを議題にしましょう 」

赤城 「(もぐもぐもぐ)でも、前も議題にしたことありましたよね? 」

大鳳 「そうなんですか? わたしは知らないから、きっとわたしが着任する前ね」

加賀 「そうでね、1年前とかそのぐらいかしら? 」

翔鶴 「そうでした。飛龍さんが音頭をとって、確か愛宕さんに協力してもらって」

葛城 「へー! どんなことをしたんですか? 」

瑞鶴 「……この話は悲しくなるから、葛城は聞かないほうがいいわ。大鳳もね」

大鳳 「……? 」

飛龍 「でもあのときは成果無しで、結局何も分かりませんでしたね」

加賀 「でも……そうね、あの頃とは状況も変わりましたから、一度話してみるのもいいかも(ちらっ)」

雲龍 「? 」

天城 「? 」

赤城 「じゃあ次の正規空母の会は、それをお話しましょう」





――――― 夜 二航戦の部屋

飛龍 「じゃあ電気消すよ。おやすみー」

蒼龍 「うん、おやすみ~」


……

……


蒼龍 「ね、飛龍、まだ起きてる? 」

飛龍 「起きてるよ。どうしたの? 」

蒼龍 「あの……さ、昼間に空母のみんなと話した件なんだけど……」

飛龍 「うん? 提督のセクハラの件? 」

蒼龍 「そうそう。あれってさ……みんなに、そんなに心配かけてるのかな? 」

飛龍 「ぶっ。あはははははは……心配はかけてないよ。だってみんなも、蒼龍が嫌がってないことはわかってるだろうし」

蒼龍 「別に嫌がってないわけじゃないよ! 恥ずかしいし……」

飛龍 「恥ずかしいけど別に嫌じゃない、でしょ。わかってるって」

蒼龍 「うー……」

飛龍 「だからほんと、心配してのことじゃないよ」





蒼龍 「それじゃあ、どうしてなんだろう? 議題にして何か対策をするとかになったらどうしようかなって」

飛龍 「どうしてかっていうと……うーん、半分以上は嫉妬かなぁ」

蒼龍 「えっ……? 」

飛龍 「だってさ、提督がセクハラまがいのことする相手って、全艦娘の中で蒼龍だけなんだよ。何でわたしにはしないのっ! って、わたしですら思うもん」

蒼龍 「えー! だってセクハラだよっ」

飛龍 「セクハラされるのが好きなわけじゃないけどさ。蒼龍だけ特別だよねって話」

蒼龍 「うー、なんか納得出来ないっ」

飛龍 「あとはまぁ……じれったいからとかそういうのかな」

蒼龍 「何がじれったいの? 」

飛龍 「うーん、これだからなぁ。ま、そんな心配しないでっ。飛龍さんに任せておいて。変なことにならないように、わたしが作戦考えるからさ」

蒼龍 「……ごめんね飛龍。ほんとはわたしのほうがお姉ちゃんなのに、いつも頼ってばっかりで」

飛龍 「いいってこと! じゃあ、明日から早速準備しなきゃ」

蒼龍 「……なんか不安かも…………」





――――― 数日後 鳳翔さんのお店

赤城 「それでは、本日の正規空母の会を始めます。かんぱーい」

一同 「かんぱーい」

グラ子「いつも思うのだが、何故正規空母の会合では最初に乾杯なんだ? 日本では会議の最初に乾杯する習慣があるのだろうか」

蒼龍 「えっと……この正規空母の会は、会議じゃなくて食事会&飲み会みたいなものだから……」

グラ子「なんと! 定期的な宴会だったのか」

大鳳 「わかります。わたしも最初は真面目な会合だと思ってましたから」

加賀 「失礼な、真面目な会議ですよ。ただ時間節約のため、食事とお酒も一緒に済ませてしまっているだけです……経費で」

瑞鶴 「真面目な会議ねえ……でも今日の議題は……」

飛龍 「はいっ。今日の議題は『提督の蒼龍へのセクハラ問題を考える』ですっ! 」

グラ子「これが真面目な話題なのか……? 」

天城 「グラーフさん、ここは深く考えてはいけません」





飛龍 「1年以上前に同じ議題が提起されて、作戦も行われましたが、結果は芳しくありませんでした。それを知らない人も多いと思いますので、まずは前回作戦の説明から行いますっ! 」

赤城 「飛龍さんが積極的ね。それではお任せしますね」

瑞鶴 「あ、大鳳、葛城、こっちに集まって」

大鳳 「どうしました? 」

葛城 「どうしました先輩? 」

瑞鶴 「前回は一人で肩身の狭い思いをしたけど、今年は仲間が多くて心強いわね。三人で心を強く保ちましょ! 」

大鳳 「? 」





飛龍 「前回の話し合いでは、何故蒼龍にだけセクハラが向くのかという疑問に対して、『和服の巨乳』がターゲットなのではないか? と仮説が立てられました! 」

加賀 「そうね……わたしも十分に大きいけど、わたしの場合、和服というより弓道着よね」

飛龍 「わたしは巨乳という程ではないし……」

葛城 「瑞鶴さん、なんとなく分かりました」

大鳳 「……」

瑞鶴 「油断しちゃだめよ。この後ずっとこの精神攻撃が続くんだから」

飛龍 「それで前回は、愛宕さんに蒼龍の着物を着てもらって1日秘書艦を努めてもらいました」

蒼龍 「あれはすごかったよね……」

翔鶴 「着物がちょっと小さくて……今にもこぼれそうなことになってましたよね」

瑞鶴 「それなのに元気にぱんぱかぱーんしてたよね」

天城 「そんなことがあったんですか……」

グラ子「あなたたちは一体何をやっているんだ……」

飛龍 「でも結果としては、セクハラ行為は一切起きず。仮説は崩れました」

加賀 「そうだったわね。では今回はどうするのかしら? 」





飛龍 「でも、『巨乳』はきっと必ず関係すると思うんです。だって提督の蒼龍へのセクハラって、基本的におっぱいだけですから」

赤城 「そうですね。他のセクハラは見たことがありません」

大鳳 「泣きたくなってきたわ……」

飛龍 「それでですね、巨乳と何が組み合わせっているのかを見極めるために……前回は『和服』だったんですけど、今度は『正規空母』をキーにして条件を統一してみようと思うんです」

加賀 「正規空母に限定するの? 」

飛龍 「いえ、正規空母と装甲空母ですね。軽空母だとほら、千歳さんがずっと前からいますけど、何も起こってないですよね」

翔鶴 「そういえば、千歳さんもすごい巨乳よね。それに和服っぽいし……」

葛城 「空母の性能に胸部装甲はなんの関係もない……(ブツブツ)」





飛龍 「それで作戦なんですけど……幸い明日はクリスマスイブじゃないですか? それで、こんな服を用意しました! 」

天城 「真っ赤な可愛いお洋服ですね。これは一体……? 」

翔鶴 「これは……サンタクロースの服ですか? 」

飛龍 「はい! これをこのメンバー全員が着ます。服装の差を消すわけです。このキワドいミニスカサンタ服を着てクリスマスパーティーとなれば……提督の体質(?)上、必ずトラブルが起きるでしょう。それで見極めるんです! 」

赤城 「なるほど……考えましたね。でも、これを着るのはすこし恥ずかしいですね……」

加賀 「サンタクロースというのは寒い国の人だと聞いたけれど、こんなに薄着なの? 」

グラ子「あなたたちはクリスマスとサンタクロースを誤解している」

瑞鶴 「あ、あはは。グラーフさん、日本のクリスマスって、基本的にただのお祭りだから……」

蒼龍 「飛龍……何をがんばって準備しているかと思ったら、こんなことを……」

飛龍 「こんなことなんて失礼なっ! 」





飛龍 「良い? 1年前とは違いますっ。正規空母にも巨乳が何人も増えて、しかも、不思議ちゃん、おとぼけお姉ちゃん、巨乳化した清楚系、クールドイツ人など、属性も色々です! 」

雲龍 「? 」

天城 「? 」

翔鶴 「? 」

グラ子「もしかしてわたしも入っているのか……」

大鳳 「瑞鶴さん、手を握っても良いですか? 」

葛城 「瑞鶴先輩、去年はこの攻撃に一人で耐えたんですね…… 」

瑞鶴 「うん……でも今は違うわ。仲間がいるって素晴らしい」

大鳳 (でも……でもわたしは改二できっと……きっと! )

飛龍 「これでもやっぱり蒼龍がセクハラ対象になるなら……どうしても蒼龍じゃないといけない理由があるっていうことで納得できるでしょっ」

蒼龍 「!!」





――――― 12月24日 夜 鎮守府クリスマスパーティー会場


提督 「それでは、当鎮守府では初となる全体クリスマスパーティーをはじめます。クリスマスがはじめてという人も多いと思うが、難しく考えず、料理や飲み物を存分に楽しんでほしい。それでは、メリークリスマス! 」

ワイワイ

ナニコレ、オイヒイ!

コノトリニクガ……


陸奥 「空母のみんなはお揃いのサンタ服なのね。すごくかわいくてうらやましいわ」

蒼龍 「あ、あはは……わたしは恥ずかしいです……」


肩が完全に出てるミニスカワンピースサンタ服なんて……うう、恥ずかしいっ


プリンツ「グラーフさん、かわいいです! 」

Bismarck「そんな可愛いサンタ服を着るなんて意外ね。もっと堅い子だと思っていたわ」

グラ子 「……泣きたい」


龍驤 「サンタ仲間やね! 」

那珂 「那珂ちゃんとおそろいだね! 」

大鳳 「はい……わたしはお二人と一緒にいますね」

葛城 「わたしも入れて……」

龍驤 「な、なんや、せっかくのクリスマスやのに、随分と不景気な顔しとるな」

瑞鶴 「だってね……こんな服をお揃いで着ちゃうと……さ……」

龍驤 「あ、ああ……そうやな、うちらで固まっとこうか! 」





加賀 「提督……飲み物よ。お酒が飲めない提督のために、ちゃんとジュースを持ってきたわ」

提督 「あ、ああ。ありがとう」

赤城 「わたしは、ほーら! 食べ物を一杯取ってきましたよ! 」

提督 「こ、こんなには食べられないなぁ…… 」

翔鶴 「はい、ケーキです。七面鳥は……瑞鶴が怒るからありませんけど♪ 」

天城 「ほら、こちらもどうぞ食べて下さい」

雲龍 「クリスマスって……おいしくていいわね……」

提督 「って、ていうかさ……空母みんなで可愛いサンタになってるんだな……びっくりしたよ。うん」

飛龍 「可愛いでしょー! わたしが用意したんですよっ」

提督 「そうだったのか。でも、赤城や加賀までお揃いを着ててびっくりしたよ。グーラフまで着てるもんな」

加賀 「正規空母の会でおそろいを着ようと決めたのよ」

提督 「それはまた、不思議な決め事を……」





蒼龍 「あの、提督。わたしも食べ物を持ってきました。チキンですけど美味しかったですよ」

提督 「お、おお。蒼龍もおそろいだな。ありがとう、頂くよ」

長波 「おー! あっちにも美味そうなものがあるなっ」

朝霜 「いいねぇ、突撃っ」


ドンッ


朝霜 「お、司令悪いね」

提督 「おっ、とっ、とっ、とっ……あわわわ……(ぽよん)」

長波 「あわわ、転んだ提督が蒼龍さんにっ」

蒼龍 「あわわわわ、提督! そんなところに顔突っ込んだらずり落ちちゃう~~! 」

飛龍 「……まぁ、そうなるよね」

加賀 「予想通りね……」

赤城 「やっぱり、そうりゅうことなんですね」

蒼龍 「そうりゅうことってなんですかっ! 助けてくださーい! 」

提督 「もがもがもがもが」





瑞鶴 「こら、離れなさい! もう、やっぱりこうなるんだから(ぐいぐい)」

提督 「はぁはぁ、す、すまん。げほっげほっ」

蒼龍 「/// あ、あはは……またトラブルしちゃいましたね」

加賀 「もうわざととしか思えないわね」

朝霜 「いや、今のはあたいが司令にぶつかっちゃったんだよ。ごめんな、蒼龍さん」

赤城 「またナチュラルに蒼龍さんにトラブルセクハラですね……」

翔鶴 「もう運命なのかもしれませんね……」

提督 「げほげほっ、いやほんとにすまん。朝霜、悪いけどその水もらうぞ(ぐいっ)」

朝霜 「あ、それ日本酒……」

飛龍 「大変! 提督はアルコールまるっきりダメなのに! 」

提督 「……ヒック」





蒼龍 「提督……大丈夫? 」

提督 「ひっく……大丈夫に決まってるだろー」

榛名 「これは……大丈夫じゃないですね」

飛龍 「榛名さん、その一言のために登場ありがとう……」

加賀 「困ったわね」

雲龍 「提督、お水よ」

提督 「(ごくごく)ぷはっ」

天城 「雲龍姉様、それ日本酒です! 」

雲龍 「……間違えたわ」

提督 「うぃー、ひっく」

赤城 「……どうしましょう」





提督 「ひっく……そりゃなぁ、トラブルでセクハラになっちゃうのは、ほんとに申し訳ないと思ってるんだぞ……ひっく」

飛龍 「え、ええ……さ、提督、そろそろお部屋に帰らないと……」

提督 「でもなぁ……蒼龍も悪いんだぞっ……ひっく……」

蒼龍 「ええっ!? 」

提督 「だってなぁ……そんな魅力的な胸元を見せられたら、ガン見しちゃうだろ……ひっく。そしたらトラブル確率だって上がるし、トラブった時には見ていたところに倒れちゃうのも仕方ないだろっ……ひっく」

蒼龍 「えええ! が、ガン見っ!(胸元隠しっ)」

加賀 「これは瓢箪から駒ね。いい機会です。全部聞いてしまいましょう」

翔鶴 「そうですね。でも提督、胸元が魅力的な女性は他にもいっぱいいますのに、どうして蒼龍さんだけなんですか」

蒼龍 「え、えっと……そういうこと直接聞いちゃうのは……」

提督 「ひっく……そんなん決まってるだろ、蒼龍が大好きだからだよっ!」

蒼龍 「ひっ ///」

飛龍 「あーあ」

赤城 「やっぱりですね」





提督 「そもそもな、強くて健気な部下っていうだけで素敵なのに……ひっく……被弾してやだやだ言ったり、ちょっとしたことではしゃいだりする可愛い子でな……ひっく……その上、小柄で巨乳だぞ! もうドストライクだろ! 惚れてまうやろ! 」

蒼龍 「あ、あの……空母だけじゃなくて、み、みんな聞いてるから……/// 」

一同 (しーん)

赤城 「あの提督……そのぐらいにしてお部屋に帰ったほうが……」

提督 「そもそもな、俺は小柄巨乳が大好きなんだよ、もともと! だから潮とかも好きだけど、やっぱり性格とかその他諸々鑑みて、やっぱり蒼龍が一番大好きなんだよっ……ひっく」

潮  「ひっ……(胸元隠し)」

曙  「なに言ってんのよ、この変態クソ低督! (回し蹴り)」

提督 「ぐあ……」(バタン)

一同 (しーん)






翔鶴 「ま、まぁ……酔った勢いとはいえ、提督もちょっとは本音を言えて良かったですね、うん」

瑞鶴 「正直、ドン引きね……」

漣  「潮、提督と二人っきりにならないように気をつけるんだよ」

曙  「必ずわたしが同行するようにするから」

潮  「う、うん……」

村雨 「えー、じゃあわたしにもチャンスがあるかなぁ」

白露 「あんた最近、すんごい育ったもんねぇ」

千歳 「わたしも小柄なほうだけど……どうかしら」

千代田「千歳お姉は提督のことなんて気にしなくていいの! 」


ワイワイ ガヤガヤ






――――― 夜 二航戦の部屋


蒼龍 「ふんふふ~ん♪ ふんふふ~ん♪」

飛龍 「ふー、今日は色々大変だったね。その割には、蒼龍はご機嫌みたいだけど」

蒼龍 「えっ、そんなことないよ! 」

飛龍 「どう見てもご機嫌でしょ……あんな告白だったのに、やっぱり嬉しいの? 」

蒼龍 「えっ……えっと……あ、あはは……/// 」

飛龍 「わからないなぁ。提督は確かに真面目で一生懸命だし、指揮官としても優秀だと思うけど……イケメンって訳じゃないし、そこまで魅力的かなぁ」

蒼龍 「え、えっと……。でもさ、そんなこと言ったら、多聞丸だってすごいおじさんだし、甘いマスクって訳じゃないでしょ? でも、すごく素敵だと感じて、大好きなんでしょ? 」

飛龍 「そっか……まぁ、そうだよね。好みは色々、ツボは人それぞれなのかな」

蒼龍 「そうだよー。それにね、ここだけの話だけど、実はセクハラのお詫びにって言って、良く食事に誘ってくれたりしてたんだー。悩みを聞いて真剣に一緒に考えてくれたりしてさ……」

飛龍 「そんなの知ってたよ。だって普段は一緒にご飯食べるのに、たまにあれこれ言い訳して出かけるでしょ。一生懸命おしゃれしてさ。気づかない訳ないじゃん」

蒼龍 「ええ! 気づいてたの!? 」

飛龍 「はぁ……そういう、ちょっと抜けてるところも蒼龍の魅力なのかもね」





飛龍 「ま、それだけ嬉しそうなんだし、告白はOKするんだ? 」

蒼龍 「/// う、うん……そうなる……かな? 」

飛龍 「あーあ、わたしが寂しくなっちゃうなー。蒼龍を取られちゃうのかぁ」

蒼龍 「取られるとか、そんなことないよ! 飛龍はわたしの一番大事な家族じゃんっ」

飛龍 「ほんとに? 提督と同棲とかしない? 」

蒼龍 「ど、同棲! /// し、しないよそんなのっ」

飛龍 「ふふーん、どうだかっ。でもまぁ、ありがと……。あと、おめでと」

蒼龍 「う、うん……その……ありがと」

飛龍 「あーあ、でも明日、提督はどんな顔してるのかな」

蒼龍 「ふふ……きっと青ざめた顔して謝ってくると思うなー」

飛龍 「きっとそうだね。じゃあ、朝から会いに行ってあげなきゃね」

蒼龍 「うん。そのつもり。さ、早く寝よっ」





――――― 翌朝 提督執務室

提督 「死にたい……いっそ記憶がなくなれば良かったんだが……」

提督 「俺は酔った勢いでなんということを……終わりだ……もうすべて終わりだ……。これからは変態のレッテルを貼られ、皆から冷たい視線を浴びながら生きていくんだ……」

提督 「蒼龍、ドン引きだろうなぁ……。確かに本音だったけど、もっとオブラートに包むなり言い方もあっただろうに、ああああ、俺のアホアホアホ! 」


コンコンコン


蒼龍 「蒼龍です、入ります」


ガチャ


提督 「あ……蒼龍、お、おはよう……」

蒼龍 「/// えへへ、おはようございます」





提督 「あ、あっとだな……そ、その……」

蒼龍 「提督、昨日は大変でしたね。気絶した提督を明石さんがクレーンでお部屋まで運んでくれて……もう痛くないですか? 」

提督 「そうだったのか。曙に蹴られて星が飛んだところまでしか記憶が無くてな……。もう大丈夫みたいだ」

蒼龍 「そうですか、心配だったのですが、良かったです(にっこり)」

提督 「あ、あう……あの、あのだな蒼龍」

蒼龍 「はい提督(にこにこ)」

提督 「そ、その……す、すまん! (がばっ)」

蒼龍 「提督! どうしたんですか、頭をあげて下さいっ」

提督 「昨夜はその……酒のせいとはいえ……あんなひどいことを言ってしまった……さぞ腹立たしかっただろうと思う」

蒼龍 「ふふ……ひどいことって何ですか? 」





提督 「そ、それはその……蒼龍が小柄で巨乳だとか……」

蒼龍 「でも、それが提督のドストライクなんですよね?(によによ)」

提督 「うぐっ……つ、つい、酒に負けて本音が……」

蒼龍 「じゃあ……わたしのことが一番大好きっていうのも……本音なんですか? 」

提督 「あ……そ、それは……」

蒼龍 「どうなんですか?(によによ)」

提督 「その……本音だ……蒼龍が一番大好きなんだ」





++++++++++

わたしは空母としては一番じゃない。妹の飛龍にもかなわない。

でも、この人の中でわたしは一番。それは何よりも嬉しいわたしの誇り……


++++++++++





蒼龍 「ふふ、提督。ありがとうございます。怒るどころか、本当に嬉しいです」

提督 「それは……その……OKだということだろうか」

蒼龍 「はいっ!」

提督 「あんな……酒に酔った勢いの、性癖丸出しのダメな告白だったのに? 」

蒼龍 「ええ、あんな告白でも、わたしにとっては最高のクリスマスプレゼントでした!」

提督 「そ、そうなのか……良かった……もう終わりだと思ってたよ……あはは、良かった……」

蒼龍 「もう! こんなことで涙ぐまないで下さいっ。ほら拭きますからこっち向いて」

提督 「ああ、す、すまない(近い! 顔が近い!)」

蒼龍 「そうだ……わたしからも……クリスマスプレゼントしないと ///」

提督 「/// あ、ああ、それは嬉しいな」


蒼龍 「それじゃあ失礼して……提督、メリークリスマス……大好きです(ちゅっ)」



艦!!




はい、クリスマス用の短編でした。ただのドタバタラブラブで恐縮です!
クリスマスに間に合わせるために、クリスマスイブに一人黙々と、クリスマスイチャラブ話を書いたよ! ……俺、何やってるんだろう。ああ、せめて蒼龍ちゃんのやわらかいお体をムニムニしたいです。

以下、筆者の過去作です。基本的に長編でシリアス要素多めで書いてるのですが、こういう、ただドタバタするラブコメをもっと書きたいなーって思ってます。書いてるとついシリアスになっちゃうので。

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おお、こっちがまだ残っていた!
応援レス頂けてとてもうれしいです。リアル事情もあって次々に新作とはいきませんが、今後も書いていきたいですね。

また長編を始めました。よろしければこちらもぜひ。

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このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年12月25日 (金) 11:59:27   ID: 0k2r0WwE

蒼龍可愛くて最高でした。

2 :  SS好きの774さん   2015年12月31日 (木) 00:41:25   ID: otpsCvPJ

壁はどこですか?

3 :  SS好きの774さん   2016年07月23日 (土) 22:41:57   ID: aPq0_MYo

良いね!

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