小鳥「プロファーザーさん」 (113)




P「うん……うん……はいはい」


P「じゃあ、明日よろしく頼む、銀行の前で待ってる」


P「……え?紹介?」


P「おいおい、スキャンダル事は困るんだが……」


P「全く……悪い冗談はよしてくれ」


P「まぁ写真くらいなら見せても……あっ」


P「もしもし?もしもし?」


P「……切ったか、話の途中だったのに」ピッ


小鳥「長い電話でしたね」


P「あぁ、すみません、お昼休みなのにうるさくして……」


小鳥「ご友人の方と、お電話ですか?」


P「えぇ……明日、買い物の手伝いをして貰いたくて」



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小鳥「へぇ、何を買うんですか?」


P「色々買うんですけど……」


P「一番でかいのは、二段ベッドですかね」


小鳥「二段ベッド?」


P「亜美がクリスマスプレゼントに望みましてね……」


小鳥「……えっ!?二段ベッド、買ってあげるんですか!?」


P「えぇ……あ、この事は内緒にしてくださいね?」


P「わざわざ、1人ずつウチの事務所の皆にクリスマスプレゼントを悟られないように、欲しい物を聞いたんですから」


小鳥「全員にサプライズですか!?」


小鳥「というか、二段ベッドなんて、そんな高い物買ってあげるんですか!?」


P「いやぁ、1.8mですよ」


小鳥「値段の話!」


小鳥「それに、亜美ちゃんの他にも事務所みんなにって……全員分買うんですか!?」


P「えぇ、欲しい物を聞いた結果、春香は菓子作りの一式具、千早はウォークマン、やよいは家族みんなの布団、真はマウンテンバイク、伊織は高級ネックレス、雪歩は茶道具、美希は蜂蜜、貴音はカエルの着ぐるみ、響はカピパラ、あずささんはマッサージ機、律子は新しい眼鏡、真美は亜美と一緒に使える大きな机……ですかね」


小鳥「それ全部……明日の買い物で!?」


P「えぇ、丁度明日給料日ですし。ボーナスも……」





小鳥「い、いいんですか!?莫大な費用かかりますよ!?経費じゃ落ちませんよ!?」


P「あの子達には、事務所を大きくして貰うと共に、一緒に楽しく仕事させて貰ってるんです」


P「これくらい、当然ですよ」


小鳥「え、えぇ……」


小鳥「じゃあ、ご友人さんに手伝ってもらうのってのは……?」


P「あぁ、トラックで運んでもらうためです……俺、大型トラックの免許持ってないので」


小鳥「は、はぁ……よかったですね、運んでくれる優しいご友人がいてくれて」


P「えぇ、でも性格は尻軽な野郎でしてね」


P「それで、手伝うから事務所のアイドルでかわいい子1人紹介してくれっていうんですよ」


P「最近また彼女に振られたくせに……失礼なやつですよね?」


小鳥「ふふふっ、軽いジョークのつもりで言ったんですよ、きっと」


P「ウチのアイドルは全員かわいいのに」


小鳥「そこですか」




P「だって、皆可愛いのに、ですよ!」


P「なのに、あいつはまるで可愛い子が1人だけみたいな言い方して!」


小鳥「えっと……とりわけて可愛さが目立つ子、『可愛い』が売りのアイドル、とかじゃないですか?」


小鳥「例えば、やよいちゃんとか……いや、紹介しちゃいけませんけど」


P「1人1人に可愛い所があって、全員が同じくらい可愛いんです!」


P「一番、なんていません!みんな平等に可愛いんです!」


P「まぁ、他の事務所の子より、ウチの事務所のアイドル達が一番可愛いんですけどね、みんな同じ可愛さですけど」


小鳥「もうなんかややこしいですねぇ……」


小鳥「とりあえず、プロデューサーさんはウチのアイドル達が一番可愛いと」


P「そう!そうです!」




P「で、さっきの話の続きですけど」


P「アイドルの紹介は無理だが、事務所で撮ったアイドルの写真は見せてやる」


P「って言おうとしたら電話切られちゃって……」


小鳥「えっ……」ドキッ


P「たくさん撮ったのが溜まったから、見せたかったんですがねぇ……」


小鳥「……あ、あぁ〜、そうですか、あははは」


P「いやぁ〜、見せたいなぁ……」


P「誰かにこの写真に写ってる、アイドル達のアイドル活動以外での、普段の姿可愛い姿を見せて」チラッ


P「可愛さを、共感して貰いたいなぁ……」チラッ


小鳥「え……えぇ〜っと……」


小鳥「ちょ、ちょ〜っと、公園に散歩ついでにさえずってきますね〜……」ソロ〜ッ…


P「……………」


P「音無さん」ガシッ


小鳥「うっ……右肩を……」




P「先週撮った、ウチのアイドル達の写真なんですけど……」


P「見ます?」グイッ


小鳥「え、えっと……」


P「見ますか!?」ググイッ!


小鳥「あの……」


P「見ちゃいます!?」グググイッ!!!


小鳥「そ、そのぉ……」


P「見ちゃいますよねぇ!?」ググググイッ!!!!


P「よし、じゃあ一緒に見ましょか!」スッ


小鳥「う、うわぁ……広辞苑真っ青の厚さの写真達……」



P「まず一枚目の写真はですね、やよいと伊織がオセロ対決したやつでですね、意外とやよいが強くて、手に汗握る熱戦でしたよぉ!」ベラベラ…


P「2枚目は、あずささんと千早が事務所でボイスレッスンしてやつなんですけど、見てくださいよ、まるで仲の良い姉妹の様ですよ!今度、姉妹物のドラマの話があったら2人を推し進めてもいいかもなぁ……」ベラベラ…


P「あと、これ!貴音と響と美希が仲良くソファーで寝てるんですよ!くぁー!なんだこの可愛いシュガーマフィン達は!こんな子達をプロデュース出来るなんて幸せ物だ俺は!」ベラベラ


P「あぁ、そうだ、PCの待ち受け見ます?これがまた皆可愛いんですよ、携帯の待ち受けのやつも可愛いんですよホラ」ベラベラ


P「あ、それで写真の続きですけど、次は春香がロボットに乗るドラマを皆で見てる写真で……」ベラベラ


小鳥(…………………)


小鳥(はぁ……もうこの写真全部見せられるの、もう7回目なんだけどなぁ……)




小鳥(本当、プロデューサーさんのこの……子煩悩というか……親バカというか……)


小鳥(親バカになった、お父さんプロデューサー……『プロファーザー』化には、困ったものだわ……はぁ)


小鳥(ご友人さんが電話を切ったのも、この調子だからだろうなぁ……)


P「それでこれは、雪歩がブラジルを目指して事務所に穴を……おっと」ポロッ


P「しまった、写真少し落とした……汚れちゃう、拾わないと」スッスッ


小鳥「あぁ、手伝います」スッスッ


P「あ、ありがとうございます」スッスッ


小鳥「……あら?」ピラッ


小鳥「この写真、事務所で撮ったやつじゃないですよね……初めて見ます」


小鳥「これは千早ちゃん……で、千早ちゃん家の部屋、ですか?」


P「ん?……あぁ、それですか」


P「その写真はですね、先週の月曜日、事務所の昼休み時……」



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P「え?春香、地元の帰り道そんな暗いのか?」


春香「そうなんです……今は冬ですし、夜になるのが早くって」


千早「春香の家に行った事あるから知ってるけど、あの帰り道じゃ暗くて危ないわ」


春香「千早ちゃんも、一人暮らしだけど大丈夫?夜になったら、ちょっと怖くない?」


千早「そうね……正直、まだ一人暮らしに慣れてないから、夜はちょっと怖いわ」


P「そうだよなぁ、若い女の子が1人夜道を歩いたり、賃貸マンションで住むってのは怖いよな」カタカタ


P「何があっても大丈夫なように、個人での防犯や対策も心掛けてくれよ」カタカタ


千早「はい、わかりました」


春香「……ところで、さっきからパソコンで何してるんですか?」


P「ん?あぁ……」カタカタ


P「送り迎えのレンタカー予約と、セコムの契約」カタカタ


千早「……あの、何のレンタカーとセコムですか?」


P「何って……お前達の為に予約してるんだよ」カタカタ


P「今日から毎日、春香を帰りに送る為の車と」カタカタ


P「千早の家に付けるセコムを」カタカタ


春香・千早「「………………」」


春香・千早「「えっ!?」」





春香「ちょ、ちょっと待って下さい!ちょっと待って下さいよ!プロデューサーさん!」


千早「私達は、そんな事をして貰うために話してた訳じゃ……」


P「いや、これは俺がしたいからしてるんだ」カタカタ


P「春香は、俺が責任を持って毎日家まで送る」


春香「そ、そんな……悪いですよぉ」


P「……もしかして、俺に送ってもらうのが嫌か?」


P「なら、送り迎えの人を専属で呼んで……もちろん、信頼できる会社の女性を」


春香「ち、違います!そうじゃなくって!プロデューサーに申し訳ないというか……」


P「そんな罪悪感、感じなくていい、俺がしたいからそしてるだけだ」


P「もし、夜道に変質者が出て、春香に取り返しのつかない事が起きてみろ……ううぅ!」ブルッ…


P「俺は気が気でいられなくなる!!」ブルブル…


P「だから、今日から帰りは俺が送る、いいだろ?」


春香「えっと……その、ぷ、プロデューサーさんがいいなら……///」


春香(プロデューサーさんと毎日一緒に帰れるんだ……ふふふっ///)






P「そんで、千早はセコムと契約する!もちろん、契約費用は俺持ちでかまわない!」


千早「そ、そんな……私、なんだか後ろめたくなります……」


P「頼む!本当は一緒に住んでお前の身の安全を守ってやりたいんだが……」


千早「「い、一緒に……!!///」」カアァ…


P「男女を一つ屋根の下に一緒にいさせる訳にはいかないからな」


P「苦肉の策だが、取り敢えずセコムにお願いする」


P「いいだろ千早!?セコム会社が説明しに来たら、俺も一緒に聞くから!なっ!?」


千早「じゃ……じゃあ、プロデューサーが、良ければ……///」


千早(一緒に……住みたいって……プロデューサーと私が……///)ドキドキ…






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P「で、その日は千早の家でセコムの説明聞いた後、春香を家に送ったんです」


P「それで、その時に『千早セコム契約記念』に撮った写真なんです」


P「あ、春香の『車で送りました初回記念』の写真もありますよ、ほら、LEDライト付きカメラで撮ったから暗い夜道でしたけど、プリティな顔をバッチリ取れてますよ」スッ


小鳥「斬新な記念ばっかですね……」


小鳥「でも、まさか担当アイドルの為にそこまでしてあげるだなんて……凄いですね」


P「いやぁ、プロデューサーなら当然ですよ」


P「何しろ、可愛いアイドル達の私生活の安全管理もプロデューサーの仕事ですから」


P「というか、俺が管理したいんです。死ぬほど心配なんですよ……」


P「だから、平日の夜は千早に電話を入れてるんですよね……嫌がられてないかな……」


小鳥(本当、親バカ……アイドルバカだなぁ……)







小鳥「……あら?この写真も初めて見ますね」ピラッ


小鳥「これは……真ちゃんと雪歩ちゃん……」


小鳥「学校の前で、制服姿の写真……?」


P「あぁ、それはですねぇ、先週の火曜日、事務所の昼休みでですね……」



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P「確か、真は女子校だよな」


真「はい、だから男友達はほとんどいなくって……」


P「いやぁ、女子校なら仕方ないさ」


P「変な男やダメ男が寄付きにくい環境なんだから仕方ない仕方ない、ふふっ」ニコニコ


真「な、なんか嬉しそうですね……」


P「いやぁ、別にぃ?」ニコニコ


P「学校の友達や教員が皆女性だから安心してるわけじゃないよぉ」ニコニコ


真「あ、先生には男の人もいますよ?」


P「………え?」





真「結構かっこいいって評判の先生が、うちのクラスの担任なんです」


P「な……なに!?イケメン!?担任!?」ガタッ


真「えぇ、昼休みになると女子が、よく先生の周り囲んでお喋りしてますよ」


P「……真も、かっこいいとか思ってるのか?」


真「え?まぁ、頭とかも良いですし、かっこいいとは思いますよ」


P「!!!」


P(な……なんてこった……これは大変だぞ!)


P(真の魅力を前にして、その先生が真に惚れないはずがない)


P(そんで……そいつが真に告白するかもしれない……いや、するはずだ!)


P(しかも、真は相手の印象を悪いとは思ってない!むしろ、かっこいいとか述べた!)


P(告白の返事を快諾するかもしれない……)


P(真は恋に恋してるような年頃だからな……なくは、ないぞ)


P(そんな事は絶対ダメだ!交際は後10年は許さん!)


真「かっこいいとは思います……けど」


真「ボクは、プロデューサーみたいな人の方がかっこいいと思います……な、なんて……えへへ///」テレテレ


P「そんな何処の馬の骨だかわからんよう奴はダメだ!真!!」バンッ!


真「え、えぇ!?自己否定ですか!?」






P「だいたい、女子校に男性教師が存在してる時点でおかしいんだ!」


真「教師だけじゃなくて、掃除員、体育会系の部活専門監督、警備員、クラスで買ってるマングースが男性ですよ」


P「なにぃ!!?」


P(それじゃあ、女子校に通わせてる意味がないじゃないか!!)


P(それに、よく考えたら通学の時にも男はウジャウジャいる……)


P(女子校に通ってるからといって、安全というわけじゃないんだ!)


雪歩「プロデューサー、真ちゃん、お茶淹れたよ」コトッ


真「あ、ありがとう雪歩」


P(雪歩……そうだ、雪歩にこそ男性を遠ざける護衛や環境が必要じゃないか!)


P(雪歩は男性が苦手なんだ……知らない男が多勢に道歩く通学路にも、きっと苦労してるはず……)


雪歩「プロデューサーもお茶、どうぞ」スッ


P「………………」


雪歩「……プロデューサー?」


真「どうしたんですか?さっきから何か考え込んで……」


P「……よし、決めた」


P「2人とも、今後学校へ行く時は、毎朝俺が車で送る」


真・雪歩「「…………………」」


真・雪歩「「え、えぇ!?」」




真「そ、そんな!悪いですよ!」


雪歩「ま、真ちゃんの言う通りですぅ!プロデューサーも忙しいのにそんな……」


P「いいや、もう決めた事だ、明日朝迎えに行くからな」


P「それと、真の学校には職員採用条件を変えて貰うよう、電話しないとな」


P「例えば、男性は雇わないとか、女性だけ採用とか、髭の生えない人を採用する、とかな」


雪歩「プロデューサー……本当に、送ってもらっても良いんですか?」


雪歩「私、朝結構早くて……プロデューサーの通勤時間に被るんじゃ……」


P「そんな事は些細な問題さ……俺はただ、雪歩を守りたいんだ」


雪歩「私を守りたい……わ、わぁ……///」ドキドキ


P「真、俺はお前が思う護ってくれる王子様なんて柄じゃないが」


P「それでも、お前を守りたいんだ」


真「そ、そんな……プロデューサーは僕にとって充分に……///」テレテレ


P「だから、学校に行く時は、俺が送らせてもらう。いいな?」


真・雪歩「ぷ、プロデューサーが……いいなら……///」




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P「というわけで、2人を朝学校へ車で送ってるんです」


P「それで、その時撮った『真を学校へ無事に送った初回記念』と『無事に学校へ雪歩を送った初回記念』の写真がそれです」


小鳥「毎朝だなんて、睡眠不足になるんじゃ……大丈夫なんですか?プロデューサーさん?」


P「えぇ、2人は責任を持って、安全運転で送ってますから、大丈夫です!安全は保障します!」


小鳥「いやそういう事じゃなくて……プロデューサーさんの心配を……」


小鳥「……あら?また、新しく見る写真……」ピラッ


小鳥「これは……やよいちゃんと、伊織ちゃんの……パーティ会場での写真、ですか?」


P「え?……あぁ、それは、先週の木曜日、事務所の終業時間くらいにですね……」




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やよい「プロデューサー!今日はありがとうございました!」


P「いやいや、こっちもやよいの頑張ってる姿見れて良かったよ」


やよい「私、まさかプロデューサーが参観日に来てくれると思いませんでした!」


P「『下の兄弟達と参観日が被って両親が来れない』って、やよいが話してるのを聞いたからね」


P「ご両親の了解を得て、すっ飛んで行ったわけだよ」


P「それにしても、偉かったねやよい、他の友達もリードして調理実習を進めたんだから」なでなで


やよい「えへへ、家庭科は得意ですから……///」










ガチャッ

バンッ!!


伊織「ちょっと!バカプロデューサーいる!?」






やよい「あ、伊織ちゃん!おはよう!」


P「おぉ、なんだか騒々しいな、伊織」


伊織「誰のせいだと思ってるのよ!」


やよい「どうしたの?伊織ちゃん?」


伊織「……このバカプロデューサーったら、今日あった学校の参観日に来たの」


やよい「あ、伊織ちゃんも来てもらったの?」


伊織「『伊織ちゃんも』って……もしかして、やよいも?」


P「あぁ、やよいは午前にあって、伊織は午後にあったから、丁度2人の所に行けたんだよ」


やよい「そうだったんですね……お昼休みに調理実習で作ったハンバーグ、一緒に食べてゆっくりしてたから」


やよい「もう用事がないと勝手に思ってました」


P「やよいのハンバーグ、今まで食べて来たハンバーグの中で一番おいしかったよ」


やよい「えへへ、また家で作った時、食べに来てくださいね///」


伊織「ちょっと!話を逸らさないでちょうだい!」





やよい「伊織ちゃん、どうしてそんなに怒ってるの?プロデューサーが来るの、嫌だったの?」


伊織「……違うのよ、問題点はそこじゃないの」


P「何が問題なんだ?」


伊織「あんた、授業の時、私が挙手しても先生に当てられなかったからって……」


伊織「授業後に、先生に苦情入れだしたじゃない!」


P「いやぁ、だってあの先生、35人中12人しか当てなかったんだぞ?」


伊織「時間が少ないから仕方ないじゃないのよ!」


P「しかも、当てられなかった、35分の23人に伊織を入るのはおかしいだろ」


P「アイドルで、可愛くて、ツンデレで、キュートで、何やかんや面倒見が良くて、頭も良くて、優しくて、実は甘えん坊な所もあって、やっぱり可愛い伊織を当てないなんて、あの教師どうかしてるじゃないか」


伊織「なっ、なに言ってんのよ!理由が私情で溢れかえってるだけじゃない!///」


伊織「それに、あんた友達からモンスターペアレントってうしろ指さされてたわよ!」


P「口が悪い友人だな、友達選びはしっかりしないといけないぞ?」


伊織「あんたに非があるから悪いんでしょ!!」




伊織「『なぁに、あの人……誰の親?』とか『絶対あんな父親嫌、反抗期とかに居たらキツそう』とか、友達が話して……」


伊織「すっっっごく、恥ずかしかったんだからぁ!あんな辛い想いしたの初めてよ!///」


P「俺だって、先生の教育方針に文句言った後」


P「伊織に声掛けても無視してくるから辛かったんだぞ?」


伊織「他人のフリしてたの!!」


P「寂しい事してくれるなぁ……ん?おぉっと、もうこんな時間か」


P「さっ、伊織も来て2人が揃った事だし、そろそろ行くか」


P「二人共、出掛ける準備して」


やよい「出掛ける準備……?」


伊織「ちょっと、話はまだ……それに、どこ行くつもりなのよ?」







P「どこって……二人が授業参観を頑張った祝賀会さ」


やよい・伊織「「祝賀会……って……」」


P「乗組定員2500人も乗れる、超豪華客船を一つまるまる貸し切ったからな、期待していいぞぉ?」


やよい・伊織「え、えぇ!?」「は、はあぁ!?」


P「あぁ、もちろん友人や親族の方々ご近所さん、誰でもお呼びして構わないぞ?」


P「それに、豪華なゲストも呼んでるんだぞ?なんと、社長が昔プロデュースしたアイドルを……」


伊織「ま、待ちなさいよ!話が飛びすぎて、ついていけないわよ!!」


伊織「何で授業参観があっただけで祝賀パーティ開くのよ!!」


P「普通だろ?頑張ったら、その分を祝う。当然の行いじゃないか」


やよい「あ、あのあの、それって費用とかってのは……もしかして、プロデューサーの……」


P「もちろん、俺持ちだが?」


伊織「正気!?あんたの給料で豪華客船なんて借りたら、次の給料まで水だけで生きてかなきゃならないのよ!?」




P「そんな心配、2人はしなくていいんだ。それより、友達とかに連絡しなくていいのか?」


やよい「あ……じゃ、じゃあ、私家族の皆を呼んでも……」


P「あぁ、それは既にもう連絡してる」


やよい「えっ!もう、してくれたんですか!?」


P「やよいは家族想いだからね、予測つきやすいさ」


P「伊織にも、家族全員に連絡したぞ。みんな来るって言ってくれたぞ」


伊織「はぁ!?」


伊織「な、なに勝手に呼んでるのよ!」


伊織「家族を授業参観頑張ったパーティに呼ぶ、なんて聞いた来ないわよ!」




P「まぁまぁ……折角二つの家族が集まるんだ、最近出した曲を披露したらいいじゃないか」


P「船内には、大きなステージもあって、丁度いいしな」


やよい「そうですね!伊織ちゃん、一緒に『きゅん!ヴァンパイアガール!』歌おうね!」


伊織「うぅ……な、なんなのよぉ……やよいも乗る気満々だしぃ……///」


伊織「……わかったわよ!やればいいんでしょ、やれば!///」


P「よーし!可愛いアイドル二名様、豪華客船でのパーティへご案内!出動ー!」


やよい「うっうー!楽しみですぅ!」


伊織「はぁ……」





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P「……で、その時の船上パーティーで撮ったのが、それです」


小鳥「プ、プロデューサーさん……本当に貯金、大丈夫なんですか?」


P「えぇ、レンタカー代やセコムの契約料金は払えるよう、計算してます、大丈夫ですよ」


小鳥「だから、そうじゃなくって……身の心配を……はぁ」


P「授業参観の時、ビデオカメラで撮ろうとしたら警備員に没収されましてね……」


小鳥「授業参観にビデオ……」


小鳥「まぁ、最近の学校規則は厳しいですからね」


P「10個共全部……」


小鳥「厳しくなかった、当然だった」



P「カメラといえば……もう写真は全部拾えましたよね」


小鳥「……あ、あたしの足元に二枚……」スッ


小鳥「……これも、どっちも初見の写真ですね」ピラッ


小鳥「一枚目は………部屋の中にいる響ちゃんの写真と……」


小鳥「もう一枚は………あら?」


小鳥「ブレててよく分からない写真……ですね」


P「あぁ……それは、先週の金曜、出勤時間で……」



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ガチャッ


P「うぅ〜……寒い寒い、早く暖房を点けよう」ピッ


P「……よし、暖かくなって来たぞ、これでアイドル達が寒い想いしなくなるな」


P「さて、早速みんなにあげる、クリスマスプレゼントのリスト作成しないとな」


P「えーと、一番高いのは伊織の高級ネックレスで……値段は、ゼロの数が……一十百千万十万百万……」ブツブツ







ガチャッ


響「はいさーい!」


P「おぉ、響か。はいさい」


響「あっ、事務所あったかい!」


P「暖房ガンガンつけてるからな、そうだココア入れてやろう」スクッ


響「いいの?ありがと!プロデューサー!」





P「じゃあ、ソファで待っててくれ、上着はロッカーに入れるんだぞ」スタスタ


響「うん!」スルスル……


パラパラ……


P「……ん?」ピタッ


P「響、上着から何か散らばってるぞ?」


響「え?」


P「これは……動物の毛?」


響「あっ……」ドキッ


P「響、何で上着に動物の毛がひっついてるんだ?」


響「え、えっと……」


響「か、家族のみんなが触っちゃったからだぞ!」


P「前に引っ越し記念で買ってあげた、クローゼットに入れとけば、そんな事にはならないだろ?」


響「うっ……」






P「……まさかとは思うが」


P「上着を、部屋のそこら辺に脱ぎっ放しにしてる」


P「なんて事はないだろうな?」


響「うぅ……ご、ごめん」


P「そんな風に服を脱ぎ捨てられるのは、部屋が汚れてる証拠だぞ」


P「響、今の自分の部屋、散らかってるんじゃないか?」


響「う、うぎゅぅ……」


P「……図星の様だな」


響「本当、ごめん……最近のアイドル活動が忙しくて」


響「服の管理とか、部屋の掃除、家庭管理を怠っちゃうんだ……」


P「はぁ……ま、確かに忙しい身じゃ、家庭管理は大変だな」


P「だが、だからといって」


P「上着が毛だらけになる程の、散らかった部屋を」


P「プロデューサーとして、ほっとくわけにはいかないぞ」





響「そ、そんなに心配しなくても、大丈夫だぞ!プロデューサー!」


響「部屋が子供のおもちゃ箱みたいに」


響「どこに何があるか分からない程、ゴチャゴチャに汚れてる訳じゃないんだ!」


P「……本当か?」


P「部屋がゴチャゴチャになりすぎて」


P「そのカバンの中に、関係ない物が入ってる、とか、そんな事はないのか?」


響「あはは!そんな事絶対にないぞ!」


響「ほら、開けて見せるけど、中には必需品だけ……」ジー


パカッ








ブタ太「ブヒィ……」ヒョコッ


響「………………」


P「………………」


P「おもちゃが箱を飛び出してるぞ」


響「……おどるおもちゃの?」


P「チャッチャッチャ、じゃないだろ」


響「うぅ……中身確認しないで持ってきたから気付かなかったぞ……」




P「はぁ……服だけじゃなく、家族(動物)までもが散らかってる様だな」


P「必要以上に、家族を買い過ぎてるんじゃないか?」


響「ペットショップのみんなが、可愛すぎて、つい……」


P「可愛い物を見たいなら、鏡を見なさい」


ブタ太「ブヒッ」oink、oink


響「……ん?え?ブタ太、それ本当か?」


P「どうした?」


響「いや、あのね、ブタ太が……」









ガチャッ


バタンッ!!


タタタタッ!!


P「ん?なんだ!?」


響「何かが、ドアから勢いよく入って来たぞ!」




P「不審者か!?響には指一本触れさせないぞ!」










ボフッ


P「………ん?え?」


P「……なんか、俺に抱きついてきたけど……え?」


響「えっ……」


響「………あ、もしかして、貴音?」


P「なに?」


P「……本当だ、貴音だ」


貴音「……………………」ギュウウゥ………


P「ビックリした……正体が貴音なのも驚いたし」


P「急にハグして来たのにも驚いたよ……今もされてるけど」


響「どうしたんだ、貴音?まさか、外で変質者にでもあったか!?」


貴音「………………」ギュウウゥゥゥ……


P「いたたた……貴音、ハグは嬉しいんだけど、ちょっと腕力強すぎるよ」


響「………………」ジー


響「た、貴音、ちょっとくっつき過ぎだぞ……」


貴音「……………へ」


P・響「へ?」




貴音「へび……が」


貴音「あの、怪奇的な風貌であり、妖怪の形状によく模されている、あの蛇が!!」


貴音「階段の天井から、にゅるっと……舞い降りて来て……」ぶるぶる……


P「えぇ?蛇が天井から……?」


響「あ……あのね、プロデューサー……」


響「ブタ太が、ヘビ香も付いて来たって、さっき……」


P「……成る程、ウチの事務所をお化け屋敷にしたのは、お前が原因か」


響「ご、ごめんだぞ……」


貴音「あなた様……」グスッ


P「大丈夫大丈夫、響がお化け退治してくれる」なでなで


P「ほら、響。おばけ回収して来るんだ。オバキュームいるか?」


響「あったら使ってみたいぞ……じゃあ、行ってくるね」タタタ……






P「………さて」


P「ほら、貴音。いい加減離れなさい」


P「他の人がみたら、変な風に勘違いするかもしれないだろ?」


貴音「…………………」ギュウウゥゥ……


P「それに、貴音、以外と力強いからあばら骨がそろそろ限界で……」


貴音「……大変失礼致しました」パッ


P「ん……さて、響がヘビを捕獲して来て……」


P「残った問題は、一つ」


P「響の部屋を、どうやって綺麗にするかだな」


貴音「響の部屋を……はて?」


P「……そういえば、貴音も一人暮らしだよな」


P「貴音は自分の部屋、ちゃんと片してるか?」


貴音「そうですね……正直、アイドルになる以前の時よりも、掃除回数は減ったと……」


P「そうか……まぁ、忙しくなれば当然か」


P「よし、家政婦でも雇って……いや、待てよ」





P(最近は、家政婦に装って物取りをする奴もいるし……)


P(何より、知らない人を娘の家……間違えた、ウチのアイドルの家に入れたくないな)


響「プロデューサー!居たぞ!ヘビ香!」


貴音「ひゃっ!」ギュッ!


P「……よし」


P「決めた、土日はお前達の家へ俺が掃除しに行く!」


響「……えっ?」


響「ええぇ!?」


貴音「…………」ちらっ


ヘビ香「シャー!」ボック


貴音「!!」ギュウウゥゥ……



響「ぷ、プロデューサー、自分の家に来るのか!?」


P「あぁ、昼頃から行くからな。出来るだけ、ゴミはまとめとくんだぞ」


響「そんな……なんか、申し訳ないというか……その……」


響「そ、それに、プロデューサーが家に来るのって、ちょっと緊張するというか……///」ドキドキ


P「そんな風に掃除を嫌がったって、中止にはしないからな、絶対に行くからな」


響「い、嫌がってなんかないぞ!ただ、その……///」ドキドキ


P「もちろん、貴音もだ。いいよな?」


貴音「りょ、了解致しました、なので、その大蛇を早く何処へ……!」ぶるぶる…


響「ヘビ香は普通サイズだぞ?」








ーーー
ーーーーーー
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ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー




P「で、掃除しに行って、『響と一緒に部屋を掃除しました記念』の写真を撮ったんです」


小鳥「休日にわざわざ、アイドルの家を自ら掃除……相変わらず、アイドル想いですね」


小鳥「それで、もう一枚のこの、ブレまくってる写真は?」


P「あぁ、これが貴音の部屋の写真……のはず、なんですけど」


P「何故かですねぇ、部屋の写真を撮るとこうなって……不思議ですよね」


P「貴音に聞いても、トップシークレットって教えてくれないし」


小鳥「えぇ……何が起こってるんでしょうかねぇ……」


P「とにかく、これで毎週の土日は、2人の部屋をチェックする用が増えましたよ」


小鳥「……えっ!?毎週チェックしに行くんですか!?」


P「えぇ、一週間も空けば部屋は簡単に散らかりますからね」


P「あと、チェックの後に一緒に出掛けて欲しかったり、一緒に部屋ですごして話し相手になって欲しい、とも言われたので、それで……」


小鳥「プロデューサーさんの休日を、響ちゃんと貴音ちゃんが独占するとは……」




P「他のアイドルの部屋も確認しに行こうかと、2人に話したら」


P「それは駄目だって止められましたね、貴音なんてちょっと頬膨らまして」


小鳥「あぁ……」


P「掃除嫌いだけど、チェックされるのは好きだなんて、変ですよね、ははは」


小鳥「うん……そう、ね」


P「さて、写真で可愛さを堪能出来ましたし、仕事しますか!」


小鳥(はぁ……なんだか、休んだ気にはなれないなぁ……)


小鳥「あ、ちょっとお茶飲んできますね、プロデューサーさんは?」


P「あぁ、俺はいらないです、ありがとうございます」










小鳥「んっんっ……かぁ〜、うまいんだなぁ、これが!」プハ〜


小鳥「キッチンの冷蔵庫で冷やした茶は最高ね!」


小鳥「……それにしても、プロデューサーさんって本当アイドル想いで、アイドルバカだなぁ」


小鳥「もし、アイドルに彼氏とか出来たら、どうなるのかしら……」


真美「ほうほう、興味深い話ですなぁ」


小鳥「ひゃっ!!///」ビクッ


亜美「じゃあ早速、実際にやってみたをしましょうか!真美殿!」


真美「へっへっへ……双海屋、お主も悪よのう……」


小鳥「あ、亜美ちゃん真美ちゃん、2人共いたのね……ビックリしたぁ」ドキドキ


小鳥「というか、やるって……どういう事?」


亜美「ここで、人間観察バラエティモニ○リング発動ぅ!」


真美「『もしもアイドルがプロデューサーに「彼氏が出来た」と言ったらどうなる?』をモニ○リングゥ!」


小鳥「え、えぇ!?だ、ダメよ!二人共!」


小鳥「あのアイドルバカのプロデューサーさんに、そんな事したら……!」


小鳥「……どうなるんだろ、よし!カメラ準備よし!」


真美「お、おぉ……カメラいつ準備してたの?」


小鳥「事務所の一つ一つの場所に、カメラ設置してるからね」


亜美「なんで設置してんの?」


小鳥「レッツ、モニタリング!!」











P「ウェディングドレスでの撮影依頼のメール……」カタカタ


P「おいおい、結婚前にウェディングドレスを着ると」


P「結婚が遅れるって噂があるんだぞ?」


P「最高じゃないか、アイドル達の結婚相手を慎重に選べるぞ!!」カタカタ


P「早速、了解の返事を……」カタカタ


真美「兄〜ぃ、ちゃんっ!」ピョンッ


P「おぉ、真美。どうした、首に抱きついてきて」


亜美「亜美達ね、ちょっと嬉しい事があってね〜」ピョンッ


P「おぉ、亜美も……ははは、何だ?嬉しい事って?」


亜美「えぇ……どうする、真美?教えちゃう?」


真美「チコーッと、恥ずかちいですからなぁ」


P「何があったか知らないけど、俺も一緒に祝わせてくれよ」




真美「えぇ〜……兄ちゃん、本当にお祝いしてくれるの?」ニヤニヤ


P「あぁ、勿論。お前達が嬉しい事を喜ばないわけがないさ」


亜美「……言っちゃったねぇ?約束は守ってね、兄ちゃん!」ニマニマ


真美「実はねぇ……」


亜美「亜美達………」


真美・真美「「彼氏が出来たんだーーー!!!」」










P「…………………」


P「…………………」


P「…………………」


真美「…………あ、あれ?」


P「…………………」


亜美「…………に、兄ちゃん?」


P「…………………」





真美「…………お〜い、兄ちゃん?」ブンブン


P「…………………」


亜美「顔の前で手振っても、無反応だ……」


真美「……あれあれ?」ピタッ


亜美「どったの?」


真美「………………」スススッ


真美「……!!」


真美「亜美!!兄ちゃん息してない!!」


亜美「うえぇっ!!?」


P「」


亜美「本当じゃん!兄ちゃん、爽やかな笑顔のまま硬直してる!」


真美「石像みたいになってる!息してないから本当にそれっぽいYO!」


真美「うあうあ〜!に、兄ちゃん!!目ぇ覚ましてぇ!」ゆさゆさ


亜美「亜美達、まさかこんな事にはなるとは思わなかったYO〜!!と述べております!」


小鳥「え、ちょ、これホンマもんの事故?ちょ、カメラ止めろぉ!」アセアセ




真美「さっきのは嘘!嘘だYO!兄ちゃん!」


亜美「亜美達、兄ちゃん以外の男子には、あんまり興味ないからぁ〜!」


P「」


P「」


P「」Pコンッ!


P「ほ、本当だろうな!?彼氏なんていないよな!?亜美、真美!?」ガタッ


真美「う、うん……」


亜美「嘘ついて、ゴメンね?」


P「そ、そういう冗談は勘弁して欲しいよ……心臓に悪い」


P「それに、いいか?お前達はまだ13歳あたりだろ?」


P「交際なんて、まだ早いお年頃だ」


真美「じゃあ、何歳ならいいの?」


P「ん〜……そうだなぁ」


P「十……じゅ〜〜〜…………」


P「……16?」


亜美「あ、結構妥当だね」


P「そう、16年後」


亜美・真美「「年後ッ!!?」」





P「そうだ、それまで交際なんて俺は絶対許さん」


亜美「み、三十路手前まで酷いよぉ!!」


真美「周りの友達なんて、付き合ってる子は付き合ってるYO!」


小鳥(三十路手前が交際適齢期……じゃあ、あたし焦る必要なんてなかったんだ!!)パァァ……


P「周りがしてるからするって考えは好きじゃないぞ?」


亜美「でもぉ……」


P「周りに合わせるなら、成績も平均点くらい取れるようにしなさい」


真美「ぬぬぬ……その流れには、乗りたくないなぁ……」


小鳥(そうそう、周りに流されない生き方が一番なの!うん!)


真美「ブー……じゃあ、兄ちゃんとなら付き合っていいの!?」


P「なに?」


亜美「そうそう、兄ちゃんが三十路まで彼氏作るのダメって言うなら」


亜美「その間、兄ちゃんが代わりに、亜美達のボーイフレンド(仮)になって!」


P「彼氏代わりに?」





P「なったら、具体的に何するんだ?」


真美「そりゃあ、イチャイチャは当然のこと……」


亜美「仕事終わりにデートとか、一緒にご飯食べに行くとか、兄ちゃんの家で遊ぶとか!」


P「……あまり普段の行動と変わらないな」


P「まぁ、どこぞの馬の骨を連れてくるよかマシだ」


P「いいぞ、そのボーイズ……ラブ?(仮)?とかいうに、俺がなるよ」


亜美・真美「「ボーイフレンド(仮)!!」」


亜美「やったー!真美!イタズラついでに兄ちゃんゲットしちゃったYO!」


真美「うんうん!これで真美達大人の階段登るしたんだねぇ!」


小鳥「えっ、ちょっ、先越された!?」ガタッ


P「うぉっ、小鳥さん、いつの間にこっち来てたんですか……」




小鳥(プロデューサーさん、本気ですか!?中学生とそんな……)ヒソヒソ


P(いやぁ、2人とも本気で付き合おうとしてませんよ)ヒソヒソ


P(ちょっと、恋愛の真似事をしてみたいと思ってるだけですって、ははは)ヒソヒソ


P(その真似事にちょっと、付き合うだけですよぉ)ヒソヒソ


亜美「ねぇねぇ、真美!いつか兄ちゃんの家に泊まって、3人で一緒に寝よっか!」


真美「そだね!んっふっふ〜!真美達、もうラブラブな関係だから、それくらい普通だよね!」


亜美「結婚したら、どうやって3人で暮らしてくかも話し合わないとね〜!」


小鳥(2人とも結構、本気だと思うんだけどなぁ……)


小鳥(……それにしても、今回のモニタリングの反応結果は)


小鳥(『石像彫刻と化す。その後、交際はまだJCだからと大反対する。』ね)


小鳥(『JCだから大反対』、か……)


小鳥(………ん?じゃあ、もしも……)ピヨンッ!


小鳥(……………………)悶々、悶々……


小鳥(……!!)テコリン!!


小鳥(そうか……閃いたぞ!!)







ガチャッ


あずさ「……あら?ここ、コンビニじゃないみたいね」


P「あ、あずささん、おはようございます」


小鳥「ジャストミニッツ!!」


P「あれ?あずささん、今日は休みじゃ……」


あずさ「その……自宅付近のコンビニに行こうとしたら、ここへ……」


小鳥「亜美真美あずさちゃん、ちょ〜っと、来てもらえますか」グイグイ


亜美「え、なになに?」スタスタ


真美「どったの?ピヨちゃん?」スタスタ


あずさ「えっ、あの、今あずさちゃんって……それに、腕引っ張って何処へ連れて行くんです〜?」スタスタ


P「あれ、4人とも何処へ?あと音無さん、仕事はー?」


















P「………何分か経ったけど、キッチンから出てこないな」


P「……まぁ、あとで聞くとしよう。それよりも、さっきのメールの返事を」カタカタ


P「……何?新郎役も必要?」ピタッ


P「じゃあ駄目だ。断ろう、うん」カタカタ


P「例え撮影だろうと、ウチのアイドルを顔も知らん男と結婚させないからな!絶対!」カタカタカタッ!!


あずさ「あ……あの〜、プロデューサん?」


P「あっ、あずささん……すみません、騒いでしまって……」


あずさ「い、いえ……それで、あの〜」


あずさ「プロデューサーさんに、相談したい事が、あるんですけど……」


P「相談?どうしたんです、深刻な顔して」


P「……ま、まさか、俺が不甲斐ないばかりにアイドルを辞めたいとか!?」ガタッ


あずさ「い、いえ!プロデューサーさんは頼りになる人ですよ!」


P「そ、そうですか……よかったぁ、ありがとうございます」


あずさ「でも……」


あずさ「アイドルを辞める……というのは、当たってる……と思います」





P「………………」


P「……え、え、ん?え?は?え?」ガタッガタガタッガタッ


あずさ「だ、大丈夫ですか!?椅子から崩れ落ちましたけど!?」


P「い、いや、いやいや、ちょっと待って下さいよ、あずささん」


P「や、辞めるって……どういう事ですか!?」


あずさ「あ、あのぉ、実は私……」


あずさ「……結婚、するんです」


P「…………………」


P「………………………………」


P「……………………………………………」











真美(おぉ……これはこれは)


亜美(はてさて、どうなる事やら……)


小鳥(『もしも、「結婚適齢期」のアイドルが、親バカプロデューサーさんに結婚すると言ったら?』)


亜美(これって、トリビアになりそうですね!)


真美(楽しくなってきたね〜!!)ニヤニヤ


小鳥(カメラアングルを、プロデューサーさんの顔にズームアップ!!)ジー…



P「…………………」


あずさ「…………………」


あずさ(ち、沈黙が……)


あずさ(亜美ちゃん達に頼まれたから、言ってみたけど……大丈夫……かしら?)


あずさ(プロデューサーさん、眉をひそめたまま動かない様子だけど……どうしたのかしら?)


あずさ(もしかして嘘だって気付いたんじゃ……)


P「…………………」


P「…………フゥ」


P「…………………」スッ


P「…………………」ぺラペラ……カキカキ


あずさ「……あ、あの、プロデューサーさん?」


あずさ「急にノート開いて、どうしました?」


P「相手は、どんな奴です?」


あずさ「………え?」


P「結婚する糞やろ……んんっ、相手の事です」


あずさ「えっ……あ、あの、えぇっと……」アセアセ


あずさ(ど、どうしましょう……考えてなかったわ〜……)アセアセ





あずさ(と、とりあえず、答えないと……えっと、じゃあ……///)


あずさ「あ、芸能界の営業をなさってる方、です……」


P「成る程……会う機会の多い仕事だから、あずささんに集ってきやがったんですね……」カキカキ


P「その人は、もちろん三高ですよね?」


あずさ「え……三高?」


P「高学歴、高収入、高身長、この三つが結婚の最低条件です」


小鳥(最低ハードル高ぇ……)


あずさ「え、えっと……詳しくは知らないですが、全部、普通くらいかと……」


P「えぇ!?普通の身分で、ウチの3美(艶美・完美・快美)なアイドルと結婚する気だとぉ!?」


P「なんて生意気な奴だ……性格も捻くれてる鬱屈した奴でしょ!」


あずさ「そ、そんな事ありませんよ!とっても素敵な方ですよ!」


あずさ「凄くアイドル想いの方で、いつも私達の事を優先に考えてくださっていて……」


あずさ「前も、私が悩みを抱えてた時も、仕事で疲れてるにも拘らず」


あずさ「高級なレストランの予約を取って、悩みを聞いてくれたりして……///」


P(くそっ……あずささん、完全にそいつに対して、ほの字じゃないか!)


P(俺も先月くらいに同じ様な事をしたが、やはり好きな奴に悩みを聞いて貰うのとは比べ物にならないか……)





P(だが、あずささんが悩んで弱ってる所を狙って、そこに付け込んだようにも思えるぞ……)


P(卑怯な手を使って、ウチのアイドルに手を出しやがって……許せん!)


P「そいつはきっと、人の弱みに付け込んで、あずささんを騙そうとしてるんですよ」


あずさ「そ、そんな事ありませんよ!」


あずさ「……ありませんよね?プロデューサーさん?」


P「えっ、い、いやぁ、俺に聞かれましても……」


P「とにかく、あずささん!そいつと話をしたいです!今そいつは何処にいます!?」


あずさ「えっ、あ、あの、それは……///」


P「せめて一発、(真に)殴らせて貰わないと気が済まない!」


P「話はそれからです!さぁ!居場所は!?」


あずさ「えっと……あ、あの、私の隣に……といいますか……もう近くに……///」


P「連れてきたんですか!よし、柔道の試合会場借りて、安穏な会話を……」くるっ






小鳥「はい、ドッキリ大成功ーーーーーー!!!」









P「……………」


P「は?」


小鳥「プロデューサーさん!ドッキリですよ!ドッキリ!!」


P「……………」


P「え?音無さんが、三高じゃない結婚相手……?」


小鳥「ドッキリって言ってるじゃないですか!ほら、看板見て!」スッ


『ドッキリ大成功!!』


亜美(いつの間に作ったんだろ……)


P「……え?じゃあ、結婚の話も、さっきの亜美と真美みたいに冗談……?」


真美「イッエース!兄ちゃんの行動、要観察させてもらったYO!」


P「……………」


P「はぁ……なんだぁ……焦ったなぁ、本当……」ストンッ


亜美「兄ちゃん、ずっとしかめっ面でヤンキーみたいだったね」


P「いやだって……結婚するって聞いた瞬間、頭の中に修正液ぶち撒かれたみたいになって……」


P「何をどうしたらいいか分からなくなってね……」


小鳥(その割には、ノート開いて冷静に相手の事聞き出してましたね……)




P「あずささん、本当に結婚なんてしませんよね!?」


あずさ「え、えぇ……今の予定は……」


P「今の予定は!?結婚する見込みでも!?」


あずさ「そ、それもありません!」


P「そ、そうですか……よかった、それを聞いて安心しました」ホッ


P「ウチのアイドル達に結婚なんてまだ早いですからね、20年くらい」


真美「ねぇねぇ、兄ちゃん!真美達、兄ちゃんの家に泊まりたいんだけど!」


P「ん?あぁ、すまないが、それは来年に持ち越してくれないか?」


亜美「え〜?なんでぇ?」


P「予定を明けるのには時間が掛かるからね、残念だけど今年は仕事で埋まって……」


亜美・真美「「ブー!」」


小鳥(JCが泊まることにはお咎めないのね……)





P「まぁまぁ、代わりと言っちゃなんだが」


P「もうすぐ皆で、雪歩の誕生日祝いと一緒にクリスマスパーティを行うじゃないか」


亜美「あ!そうだよね!もうすぐ宴だ!」


真美「ケーキだ!プレゼントだー!」


P「さぁて、今年はサンタさんは来てくれるかな〜?」


真美「んもぅ!兄ちゃん!真美達はそういうのは信じないお年頃なんだよ!」


あずさ「あらあら、だったら亜美ちゃんも真美ちゃんも、サンタさんからのプレゼントはいらないかしら?」ニコッ


亜美「うあうあ〜!それとこれとは話が違うYO〜!」








ワイワイ……ガヤガヤ……あらあらうふふ……


小鳥「ふふふ、まるで家族みたいな会話ね」


小鳥「……あれっ、じゃああたし今、蚊帳の外状態?」


小鳥「クリスマス、窓の外で家族団欒を眺める独女?」





小鳥「はぁ……まぁでも、今年は皆でクリスマスを祝うんだし、寂しい想いはしないはず」


小鳥「皆でケーキ食べて、雪歩ちゃんの誕生日祝って、クリスマスプレゼントを……」


小鳥(……ん?クリスマスプレゼント……)


小鳥(そういえば、プロデューサーさん……アイドルの皆にはプレゼント用意してるって言ってたけど……)


小鳥(あたしへのプレゼントは……え、まさか……あたしには無し?)ズーン……


小鳥(……そういえば、あたし欲しい物とか聞かれた覚えがない……)


小鳥(……はぁ、あたしは所詮、アイドルじゃないって訳ね……)シュン…


P「……あれ?どうしました?音無さん?」


小鳥「い、いえ、何も……はぁ」


P「?」







ガチャッ


美希「ただいま!ハニー!!」






P「ん?おぉ、美希か。おかえり」


美希「ハニー!ミキ、今日もドラマの撮影頑張ったの!」


美希「だから、約束してたご褒美欲しいな」


亜美「ご褒美?」


P「はいはい、ほら、ソファで膝枕してやるから来なさい」


美希「はーい!」


真美「えぇぇ!?そんな約束してたの!?」


亜美「ミキミキずるいYO!亜美と真美にも膝枕してよ兄ちゃん!」


P「足が3本あればやったが、美希が先に約束してたから、美希からだよ」


美希「ハニー!早く早く!撮影中、ずっと我慢して……」




律子「こらっ!美希!!」


美希「にゃにょっ!?」ビクッ


亜美「ひ、ヒィ!ごめんなさい!」


真美「も、もうしませんから!いや、ちゃんとしますからぁ!」


律子「あんた達じゃなくて、美希に怒ってるの」


あずさ「ど、どうしました?律子さん?そんなに怒って……」







美希「律子、ミキにハニーを取られて嫉妬してるの」


律子「なっ!ち、違います!///」


律子「それに、律子『さん』!!」


P「律子、美希を現場に連れて行ってくれてありがとうな、ココア入れようか?」


律子「あ、大丈夫です……って、それよりも!美希を叱ってくれませんか?」


P「どうしたんだ?美希は撮影頑張ったって言ってるぞ?」


美希「ご褒美の為に、ちゃんと仕事したの!」


律子「仕事はしたにはしたけど、礼儀がなってなかったじゃない!」


律子「監督と敬語使わずに話したり、脚本を一回読んだだけで見直さなかったり、気に入った衣装を貰おうとしたり!実際に貰ったけど!」


美希「でも、スタッフの皆、そのままでいいって笑って言ってくれたの」


律子「だからって、あんたねぇ……」


P「まぁまぁ、美希の個性が受け入れられて、いい環境じゃないか」


美希「ねー!ハニー!///」スリスリ


律子「はぁ……」



律子「それに、廊下で会った961プロのジュピターにも挨拶せずにスルーしたんです」


P「え……?」


P「……変なことされなかったか!?律子、美希!?」ガタッ


律子「な、なんですか、そんな驚いた顔して……」


亜美「兄ちゃ〜ん、いくらジュペターが男のグループだからって心配し過ぎ!」


真美「そんなに心配されると、男の人と共演した時、真美達何にも出来なくなっちゃうYO!!」


P「え……あ、あぁ、そうだな……ちょっと、心配し過ぎたかな……ははは」


P「…………………」


小鳥「…………?」


小鳥(なんか……いつもの親馬鹿振りとは違うような……)


律子「美希、いくらジュピターが、あの961プロのアイドルだからって」


律子「あっちから挨拶して来てくれたのに、無視するのは良くないじゃない!」


小鳥(あ……悪評高い961プロだから、過度に心配したのかしら?)


美希「だって、ハニーがジュピターには、目を合わせても、話しても、声の届かない迷路を越えて近づいたら駄目だって……」


律子「なっ……プロデューサー!!」


P「良くやった、偉いぞ?美希?」なでなで


美希「いやん……気持ちいいの///」


律子「もう!真面目に聞きなさい!」くわっ!!





P「それで、今日の活動報告は他にあるか?」


律子「え?いえ、後は今言ったの以外美希は良く出来てたと……」


P「いやぁ、美希の報告じゃなくて」


P「律子の報告だよ」


律子「え?私の報告?」


律子「私は別に、いつも通り美希を送り迎えして、スタッフの方達と打ち合わせて……」


P「他には?例えば、辛かった事とか、悩みが出来たとかないか?」


P「どんな小さな事でもいい、苦しい事があったら相談してくれ。力になりたいんだ」


律子「な、何ですかそれ、まるで子を想う親みたいに……」


P「俺は親以上に律子の事を想ってるんだよ!」


律子「な、なぁ!///」





美希「むー!ハニー!浮気はヤッ!」プイッ


P「美希の事だって、大事に想ってるさ」


亜美「じゃあ、亜美は亜美はー!?」


真美「真美もー!!」


あずさ「じゃあ、私の事は〜……なんて///」






ワイワイ……ガヤガヤ……もー!……


小鳥(はぁ……アイドルじゃない律子さんにも、『プロファーザー』さんは発動するのに)


小鳥(あたしには、何にも反応してくれないのよね……)


小鳥(まぁ、律子さんは元アイドルってのもあるから仕方ないっちゃ仕方ないけど……)


小鳥(皆、プロデューサーさんにモテモテでいいな……)


小鳥(あたしにも、縁談話があればな……)プルルルル…プルルルル…






小鳥「……あら?携帯に電話……?」ピッ


小鳥「もしもし?……あ、久しぶりー!元気してた?」


小鳥「どうしたの?急に電話なんて……え?」


小鳥「本当!?絶対行く!!」


小鳥「しかもクリスマスって!エクセレントッ!!」








真美「……あれ?ぴよちゃん電話中?」


P「なんか雄叫びあげてるな……どうしたんだろ?」


小鳥「うんうん……わかった、後はLINEで教えてね、じゃあ」ピッ


P「なんか、いい事あったんですか?」


小鳥「えへへへぇ……聞きたいですかぁ?」ニヤニヤ


美希「変な本読む時の顔になってるの」


小鳥「実はぁ……クリスマスに合コンする事になりましてぇ!!///」


全員「!!!」







亜美「良かったじゃん!恋人欲しがってたから超チャンスじゃん!」


美希「居眠りしてる時、寝言では『結婚』『男』しか言わないもんね」


真美「ついにぴよちゃんが、独身という名の巣から巣立ちするときが……!」


あずさ「それで、クリスマスって言ってましたけど……予定とか大丈夫なんですか?」


小鳥「はい!その日は休み入れてたので!」


律子「休み入れてたって……じゃあ、用事あったんじゃ?」


小鳥「いやぁ、雪歩ちゃんの誕生会&クリスマスパーティで二日酔いになりそうなので、安泰日と思って……」


律子「酒飲む気ですか……」


小鳥「まぁまぁ、無礼講という事で……」


小鳥(………あ、そうだ)






小鳥(プロデューサーさん、何か反応してくれるかしら?)


小鳥(アイドル達に見せるみたいに、心配してくれるんじゃ……)くるっ


P「…………そうですか、合コン、楽しんでくださいね」ニコッ


小鳥(あはは……やっぱり、アイドル以外には固執しないのね……)シュン……


小鳥「……えぇい!絶対彼氏ゲットしてやるーーーーー!!」ピヨー!!


亜美「よっ!その意気だYO!ぴよちゃん!」


真美「あまり素の自分を見せちゃダメだYO!」


P「…………………」


P「…………………」













P「…………………」



ーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーーー





ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー



小鳥「オアァァァアーーーー!!ち、遅刻するぅ!!」タタタ……


小鳥「昨日の、雪歩ちゃんの誕生会とクリスマスパーティでハジけまくった挙句、爆睡したら……」タタタ……


小鳥「12時間も寝ちゃったぁ!遅刻するぅ!!」タタタ……


小鳥「……ハァハァ、こ、ここね、この居酒屋ね」ゼー……ゼー……


小鳥「……よ、よし!化粧も、少し荒れたけど、まぁ、何とかばっちし!チェックOK!!」


小鳥「いざ!尋常に参る!」ガラララ……










小鳥「えっと、何処にいるかしら……」キョロキョロ


小鳥「……あっ!いたいた!」スタスタ……


小鳥「遅刻してごめーん!なかなかドアに鍵がかからなくって……」ピヘヘ……


小鳥「もう皆揃ってるの?」


小鳥「あ、すみません、遅れちゃって!」ペコペコ


小鳥(わぁー、皆結構イケメン揃いだ……)


小鳥(右からイケメンさん、隣もイケメンさん、最後はプロデューサーさんね、うんうん、いい面子……)


小鳥「……ん!?プロデューサーさん!?」



P「あ……や、やぁ、どうも……ははは」


小鳥「え、ちょ……な、何でいるんですか!?」


P「い、いやぁ、偶然ですよ偶然、まさか音無さんが来るとは思いませんでしたよ」


P「俺も大分前から約束してたんですよ、合コンの」


P「たまたまですよ、たまたま」


小鳥(ちょ、ちょっと!あの人知り合いなんだけど、連れて来たの誰なの!?)ヒソヒソ


小鳥(……あんたが連れて来たの!?何で!?)ヒソヒソ


小鳥「……え?プロデューサーさんと、仕事関係で知り合いになったの?」


小鳥「……今日の午前に?」


P「あっ……」


小鳥「それで、何故か合コンの事を知っていて」


小鳥「半ば無理やり参加出来るようにお願いして来た……?」


P「ちょ、ちょっと!それは言わないでって……」


小鳥「……どういう事ですか?プロデューサーさん?」


P「ま、まぁまぁ、全員集合したんですし、取り敢えず乾杯しましょうよ!乾杯!酒が冷めちゃいますよ!」




ーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーーー




ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー



小鳥(自己紹介も終わって、何となく1人ずつに話し相手が出来たみたいね……)


小鳥「で、何でいるんですか貴方は」ジー……


P「……いや、だから、これは奇跡的な、クリスマスの巡り合わせというか……」


小鳥「どうやってあたしの友人と友達になったんですか?」


P「い、いやぁ、仕事で『偶然』知り合いになりまして……」ハハハ…


小鳥「……………」ジー


P「……さーて、誰か焼酎頼む人いるー?」


小鳥(……プロデューサーさんは、何が目的なのかしら……)


小鳥(明らかに、あたしがこの合コンに参加する事を知った上で、参加したと思うけど……)


小鳥(参加する理由がわからない……)


小鳥(アイドルの誰かが来るなら、変な男を寄り付かせない為だってわかるけど)


小鳥(あたしはアイドルじゃないし……じゃあ何故?何の理由が?)



小鳥「ぶつぶつ……」


小鳥「…………えっ?」


小鳥「あ、あたしですか?はい、何ですか?」


小鳥(真ん中のイケメンさんに話しかけられちゃった……)ドキドキ……


小鳥「しゅ、趣味ですか?えーっと……」


小鳥「ね、ネットサーフィンとか……あと、フィギュア集めとかも……///」


小鳥「………え?フィギュアに興味あるんですか?」


小鳥「どういうのが……えっ!?あたしもそれ好きです!」


小鳥「あそこの会社のは、色使いが鮮やかでいいですよね〜!」ニコニコ


P「………」


小鳥「あの、今度超合金の奴が出るの知ってます?クレーンゲーム限定で不評ですけど……」


P「………」


P「フィ、フィギュアくらい知ってますよ……俺だって……骨格標本とか……」ボソッ


小鳥「え?何か言いました?プロデューサーさん?」


P「………いいえ、別に」ムスーッ……


小鳥「………?」




小鳥「あっ、あたし皆のお酒注ぎま……」ガシャッ


小鳥「あっ!こぼしちゃった……」


小鳥「あ〜ぁ、服にシミが付いちゃ……」


小鳥「……え?ふ、拭いてくれるんですか?」


小鳥「そ、そんな、大丈夫ですよ、これくらい……」


小鳥「あ……ありがとうございます、ふふふ」


小鳥(もう1人のイケメンさんも、優しい人だなぁ)


P「………」トントントントンッ…


P「……ちょっと、触りすぎじゃないですかね?」


P「セクハラのライン超えかけてますよねそれ?超えてますね?超えやがってこの野郎」


小鳥「え、いやいや、服の汚れを拭いてくれただけじゃないですか」


P「…………」ムッスー…


小鳥「…………?」




小鳥「………え?お約束の王様ゲーム?」


小鳥「いいですね!やりましょっか!」


小鳥「じゃあ、あたしから引きますね……えぃっ!」スッ


小鳥「えーっと……あちゃー、王様じゃなかっ……」


P「……………」ジー……


小鳥「……あ!プロデューサーさん、今あたしの番号見ました!?」バッ


P「いいえ、そんなわけないじゃないですか、ルールは守る男です俺は」


小鳥「ほ、本当ですか……?」


小鳥「じゃあ、王様の人は…….」


小鳥「あっ、王様?あたしの友達なんだから、あたしに得するやつお願いね!」


小鳥「ふんふん……3番と2番がマウストゥーマウスでキッス……」ふんふん……


小鳥「………えっ!?3番!?」


P「!!」


小鳥(ど、どうしよう……あたし3番だ……)





小鳥(2番は……真ん中のイケメンさんだ……!)


小鳥(えー!!ど、どうしよう!まだ心の準備が……!)ドキドキ…


P「…………………」


P「とぉーるるるるるる、るるるんっ」(裏声)


P「あ、電話……はい、もしもし、Pです……えっ!?」スッ


小鳥「?」


P「音無さんの親が危篤!?もう今すぐに死にそう!?というか死んでる!?」


P「ふんふん!わかったー!今すぐに向かうー!!」スクッ


P「音無さん!聞いでしょ!?早速鳥病院に行きましょう!」グイグイ


小鳥「え、ちょ、何でプロデューサーさんがあたしの親の情報を……うわわっ」グイグイ


P「じゃあ、そういうことで!今日楽しかったです!お勘定は音無さんの分も入れて置いときます!じゃあっ!!」タタタ……


小鳥「ちょっ、ちょーーー!!せめてマウストゥーマウスをぉーーー!!」ズルズル



ーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーーー






ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー



小鳥「……あ、あの!プロデューサーさん!」ハァハァ……


小鳥「いつまで引っ張って走るつもりですか!」ゼー……ゼー……


小鳥「それに、あたしの親が危篤とか嘘ですよね!絶対!!」


P「………………」タタタ……


P「………………」ピタッ


小鳥「あっ……やっと止まった……」


P「…………はぁ」


P「……すみませんでした」


小鳥「え?」


P「せっかくの合コンを、台無しにしてしまって……」


小鳥「……そ、そうですよ、どうしてこんな事したんです?」


P「…………その、なんというか」


P「…………家族が、取られたみたいで……嫌だったんです」


小鳥「……家族?」


P「…………」


小鳥「それってどういう……ちゃんと一から説明してくれませんか?」


P「……話せば長くなるので、あそこ喫茶店で話ましょうか」



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『父はプロデューサーで、俺の家は父子家庭でした』


『母は物心つく前に離婚していて、いませんでした』


『小さい時、よく父の職場、芸能プロダクションの事務所へ行ってました』


『保育園が決まる迄は、毎日父に連れてこられてたんです』


『その時、面倒見てくれた事務所の人達が、いい人達だったんです』


『父の親友や、父とその親友2人がプロデュースしていたアイドル……』


『2人が、自分を家族の様に扱ってくれたんです』


『楽しく遊んでくれたり、嬉しいかった事を共感してくれたり、ちゃんとしたルールや人生の厳しさを教えてくれたり……』


『俺は母親がいなかった分、皆に思いっ切り甘えて、楽しく過ごしてました』


『あまり家では笑わない父も、事務所では笑ってくれる時がありました』


『本当に幸せな生活でした……でも』


『それは、最悪な形でバラバラになったんです』





『きっかけは、父と親友、2人のアイドル育成方法での意見の食い違いでした』


『2人は自分のやり方に合わせようと、担当アイドルをプロデュースしました』


『結果、担当アイドルは2人のバラバラなやり方に合わず、精神的に参り』


『夢だったトップアイドルに魅力を感じなくなり』


『自分から、アイドルを引退していきました』


『その事で、父と親友の間に溝がさらに広がり』


『父は事務所を飛び出し、事務所の皆はバラバラになりました』


『父には2度とその事務所に行くなと言及され、大人になるまでは行けませんでした』







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小鳥「……そんなことが昔、あったんですね」


P「えぇ……」


P「俺は、どうしても楽しかったその想い出を忘れられず」


P「結果、父と同じプロデューサーになったんです」


P「そして、仕事をしていくに連れ」


P「ウチの事務所のアイドル達も、昔みたいに家族に思えてしまって」


P「大切に扱いたい……守ってあげたい……」


P「皆に何か変化が起きたら、またバラバラになるんじゃないか……」


P「そんな心配をしてしまい、ちょっと過保護になってしまうんです……」


小鳥(ちょっとレベルじゃないけど……)







小鳥「……アイドルを大切に扱う理由は分かりました」


小鳥「でも、今日あたしの合コンへ来た理由が分からないんですが……」


P「………理由は、その、なんというか……」


小鳥「………?」


P「………す、すごく、言いにくいんですけど……2つありまして……」


小鳥「2つ?」


P「1つ目は、さっき話したアイドルに音無さんが似ていて」


P「それで、その、音無さんが知らない男に取られて」


P「またそのアイドルみたいに、離れていくんじゃないかと思い、怖くって……」


P「つい、過度に邪魔をしに……いや、音無さんを保護しに……」


小鳥「そ、そうだったんですか……」


小鳥「それで、もう1つは?」





P「………その、気持ち悪いと思うかもしれないですけど……」


P「音無さんと、仕事していくうちに、事務所の皆がですね」


P「俺が父、音無さんが母、アイドル達は娘達、社長が祖父みたいに」


P「本当の家族みたいに思えて来て……」


小鳥「……えっ!?あ、あたしがプロデューサーさんの妻……///」


P「だから、合コンがあると聞いて、しばらくした後……」


P「なんか、奥さんが取られたみたいになって、嫉妬した、と言いますか……」


P「だから、今日の合コンは無理矢理、参加して……今に至るわけです」


P「す、すみません……勝手にこんな事を考えていて……」


小鳥「い、いえ……そんな……///」ドキドキ


小鳥(ぷ、プロデューサーさん、そんな風に想ってくれてたんだ……///)





P「……あ、そうだ」


P「それで、奥さんみたいに、いつもお世話になってる音無さんには」


P「アイドル達とは違う、一番いいクリスマスプレゼントを渡したかったんですよ」ガサッ


小鳥「え……あ、あたしにも用意してくれてたんですか!?」


P「本当は、昨日2人きりになって渡したかったんですけど」


P「音無さん、パーティでハジけまくった後爆睡して」


P「社長に車で送ってもらってたので、渡せなかったんですよ」


小鳥「いや、あの、それは、クリスマスプレゼントを貰えないかと思って、ヤケクソになってて……///」


P「音無さん……受け取ってくれますか」


P「俺はコレを渡して、音無さんの人生を本気で幸せにしたいんです!!」


P「約束します!俺が音無さんの幸せな結婚生活を支えます!」


小鳥「え……あの、それって、もしかして……///」


小鳥(こ、この状況は……間違いなくプロポーズ!!///)


小鳥(家族みたいな関係、から本当の家族へランクアップ!?///)


小鳥(受け取って欲しいのって……まさか、まさか指輪!?///)ドキドキ






P「どうか、コレを受け取ってください……」


P「音無さん……俺、あなたが思う、人生最高の伴侶に……」


小鳥「は……はい!もちろん!!///」















P「人生最高の伴侶に……相応しい男をまとめた、プロフィール集です!!」バッ


小鳥「はいぃ!喜んで承りま………」


小鳥「……すぁ?」




P「見てくださいよ!ホラ!一番最初の男なんて完璧ですよ!一押しです」パラパラ


P「三高はもちろん、性格も向上心があり、将来性十分!なによりイケメンで優男!!」パラパラ


P「でも、これは俺の先入観で決めてる事ですからね、最終的には音無さんに決めてくださいね!」


P「あ、勿論この全員は俺の友人ですから、実際に会ってみたかったら言ってくださいね!」


P「直ぐに俺が、お見合いのセッティングをしますから!」


P「音無さんには、最高の人生を送って貰いたいので」


P「合コンなんて不確定な物なんかよりも、俺が最高の相手を用意しますからね!」


P「それが、俺のクリスマスプレゼントです!」ニコッ


小鳥「………………」


小鳥「………………」ガンッ


P「……どうしました?頭机にぶつけて?」


小鳥「……なんでもないですよ、なんでも」


小鳥(……つまり、プロデューサーさんは)


小鳥(あたしを、大切なファミリーの奥さんみたいに、家族の一員に見ていたけど)


小鳥(あたしへの恋愛感情とか、結婚願望はなかったって事ね…)


小鳥(すっごい、複雑な考えよね……はぁ)






小鳥「はぁ……それで、プロデューサーさん」


小鳥「さっきの話の後、お父さんはどうなったんですか?」


P「………………」ピタッ


P「……父とは、勘当しました」


小鳥「え?」


P「父のアイドル育成は……結果だけを見つめて、アイドルを大切にしないやり方でした」


P「そのやり方に反対しても父は無視して、挙句の果てに俺は家追い出された…」


P「というより、俺が家を出ていきましたね」


P「それ以来、顔を会わせてませんし、連絡も取ってません」


小鳥「そうだったんですか……すみません、知らないとはいえ、こんな事聞いちゃって……」


P「いえ、いいですよ」


P「父のやり方は、また昔の悲劇を繰り返しそうなやり方で……本当、許せなかったんです」


P「アイドルに求めるのは結果だけ、絆や信頼なんてそこにはありはしない」


P「そんな父を嫌ったから、俺は今の育成方針になったのかもしれませんね」


小鳥「なるほど……」




P「……でも、父のやり方は正しい所もあるんです」


P「結果があるから、アイドルは大好きなアイドルを続けられる」


P「関係や人の付き合いばかりを見ていても、アイドルは長続きはしない」


P「結果が前提にあってアイドルは成り立つ、というのは納得してるんです」


小鳥「…………………」


P「………音無さんは、どう思いますか?」


小鳥「え?」


P「父の、結果を重視するやり方」


P「俺の、関係を重視するやり方」


P「どっちが、正しいと思いますか?」


小鳥「……………」


小鳥「あたしは、ですね……」





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P「『どっちも当ってて、どっちも違う』」


P「『二つ共、両方の考えを大切にしないといけない』」


P「『でも、それは1つだけでやっても、過度に行い過ぎるのも間違っる』」


P「『一方の考えを正しく思って、一方に考えを否定するんじゃなくて』」


P「『両方の考えを大切に、使うタイミングを見計らうのが大事』」


P「……だってさ、父さん」


黒井「……………」


黒井「勘当したはずだ、私に息子はいない」


P「……本当、俺の言う事の裏を言う人だな」




黒井「貴様はそれを言いに、ウチの事務所へ来たのか?」


P「…音無さんに言われて、やっと気付いたよ」


P「いがみ合うより、お互いやり方を考え直した方がいいと思う」


P「俺は、アイドル達を守ったり擁護するだけじゃなくて」


P「アイドル達を信じて、1人で出来る事はさせて、結果を出させるつもりさ」


P「いわゆる、『子離れ』ってヤツだよ」


P「…………すっっっっっごい、心配で、辛いけど」グスッ


黒井「……………」


P「父さんは、少しくらいアイドルとの友好関係築いたらどうだ?」


P「今のスパルタ方針でも、結果重視でもいいからさ」


P「ただ、アイドルとの人間関係、仲間意識は持ってくれよ」


P「961プロは、こんな簡単な事も出来ないのか?」


P「961プロは、不可能という文字を見た事すらないんだろ?」


黒井「………不可能じゃなく、不必要だからしなかったまでだ」


P「………はぁ、全く」カキカキ


P「ほら、俺の電話番号」スッ


黒井「?」





P「先ずは、俺で心開く練習してくれよ」


P「俺は父さんから、芸能界の厳しさを教わりたいからさ」


P「お互い、プロデュース活動を成長させよう」


黒井「…………………」


黒井「フン、そんな物、不要だ」


P「…………父さん」


黒井「……毎月の月末、私はいつも仕事終わった後、1人で飲むバーがある」


P「え?」


黒井「場所は高木にでも聞け」


黒井「そこで、ふざけた活動報告をしてみろ」


黒井「二度と貴様が、プロデュース出来ない様に手を回すからな」



P「…………………」


P「本当、ハッキリ言わない人だな……」


P「楽しみにしてるよ……じゃあ」スタスタ


ガチャッ


P「ん……あ!君たちはジュピター!」


P「ウチのアイドルが可愛いからって手を出してみろ!アイドル活動出来ない様に仕向けるからな!!」


黒井「…………………」




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小鳥「……まさか、プロデューサーさんが黒井社長の息子だったなんて」スタスタ…


小鳥「じゃあ、もしかして、昔の話で出てきた、親友の人っていうのは、社長……?」スタスタ…


小鳥「……まぁ、それはいつか社長に聞けばいっか」スタスタ…


小鳥「さぁて、事務所に着いた事ですし!今日も1日元気良く!」


小鳥「どうやって、モンハンをバレないようにしようかしら……」


小鳥「とりあえず、入ってから考えよっと」


ガチャッ


小鳥「おはようござい……」


P「お、音無さん!助けてください!!」ダダダ……




小鳥「ぷ、プロデューサーさん?どうしたんですか?」


小鳥「髪もボサボサで、服も乱れて……あたし好みの格好になって」じゅるっ


P「そ、それがですねぇ……」


P「俺、音無さんに教わってから心機一転」


P「アイドル達を信じて、独り立ちさせるように思い直したじゃないですか」


P「で、これが本当に最後の過保護な行為と思ってですね」


P「なんでも早い方がいいと踏んで、将来の為に」


P「みんなに超オススメの、才色兼備な将来の結婚相手を紹介たんですよ」


P「そしたら、何か全員怒り出して来たんです!」


小鳥「………………」




P「変ですよねぇ、折角いい男達を紹介したのに……」


P「あ!もしかすると、既に他の好きな男でもいたのかもしれませんね!」


P「くっそー……きっと学校の友人とかにいるんだろうな……」ブツブツ…


P「出来れば、オススメの中から好きになって欲しいんだがなぁ……エリートばっかだから将来性のある奴ばかりなのに……」ブツブツ…


小鳥「……………」


小鳥「……はぁ」


小鳥「最初に教えないといけない事、教え忘れてたなぁ……」


P「え、なんの事です?」

















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