【ラブライブ】穂乃果「天下布武」【安価・コンマ】 (236)


・μ’sメンバーが乱世を生き残る

・安価やコンマによってキャラが死ぬことがある

・史実に対する改変あり

・極力少なくしたつもりだが、歴史上の人物が多数登場する

以上許せる方はよろしくお願いします


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永禄3年(西暦1560年) 尾張国 清洲城



穂乃果「うーん、今日もパンがうまい…」ムニャムニャ


恒興(池田恒興)「穂乃果様!」


穂乃果「もう…まだ寅の刻じゃん、なに?」ムニャムニャ


恒興「早く起きなされ!こうしている間にも西木野の軍勢が一つまた一つと我らの城砦を落としているのですぞ!」


雪穂「こんな時分でも平気で寝てられるなんて流石だよ、おねえちゃん…」


恒興「これは嫡男の雪穂殿。いつものように穂乃果様を起こしていただけませんか?」


雪穂「はいはい任せて」


雪穂「おねえちゃーん!朝だよ起きて!戦だよ!!」


穂乃果「…あ、雪穂!おはよー!」





穂乃果「………えっ?いくさ?」


これが私、高坂穂乃果、高校2年!…じゃなくて26歳!

今、私の治める尾張国が大ピンチなの。

それは………昨日突然、伝令によって伝えられた駿河国守護・西木野家による尾張国侵攻の知らせがきっかけだった。

デデデーン!(絶望)





______
_____
___


伝令『申し上げます!西木野家の軍勢が尾張に向けて侵攻を開始したとのことです!』


穂乃果『う、うそっ!』


雪穂『に、西木野家って…』


恒興『海道一の弓取りと呼ばれる西木野家の当主が攻めてくるということか…?』


穂乃果『あぁ…』ガクッ


雪穂『おねえちゃん!』


穂乃果『私の、私の輝かしい武将生活が……』


恒興『穂乃果様!』



______
_____
___


穂乃果「あれ、夢じゃなかったんだ…」


雪穂「お、おねえちゃん、大丈夫?」


穂乃果「尾張が無くなる…尾張が無くなる…」ブツブツ


雪穂「おねえちゃん、そんなに尾張が好きだったなんて…」


恒興「違いまする。あれはご自分の身を案じなさっているのです。」


穂乃果「どーしよー!西木野家が尾張を治めるようになったら穂乃果は間違いなく首刎ねられちゃうよ!」


穂乃果「だって!穂乃果は大うつけって呼ばれるほど馬鹿だし、仮にも高坂家の当主だし、生かしておく意味がないから真っ先に斬られちゃううよ!」


恒興「やはり…」


穂乃果「二人はいいよね!雪穂は5歳とは思えないほど冷静でしっかりしてるし!恒興は文武両道だし!きっと西木野家に召し抱えられるよ!」


雪穂「おねえちゃん」ハァ


恒興「穂乃果様、言い分はごもっともですが、戦うという選択肢はないのですか?」


穂乃果「…」


西木野軍 本陣





真姫「あっけないわね、高坂の奴ら」


泰朝(朝比奈泰朝)「全くです、真姫様。丸根砦も鷲津砦も難なく落ちました」


真姫ママ「あらあら、幸先いいわね」


真姫「丸根砦と鷲津砦では花陽が先鋒として向かったのよね?」


直盛(井伊直盛)「左様です。小泉の花陽殿の活躍によって両砦は今や我が軍の手に」


真姫(よかった、花陽は無事だったのね)


真姫(でも何か嫌な予感がするわ…)


真姫ママ「この調子で大高城まで行っちゃいましょうか♪早くゆっくり蹴鞠したいわね♪」


真姫(ママは相変わらずこの調子だし…)ハァ


清須城




伝令「申し上げます!丸根砦と鷲津砦が西木野軍によって落とされました!」


雪穂「…おねえちゃん、どうするの」


穂乃果「やっぱり守護代の傍流上がりの下剋上風情が西木野家になんて…」


雪穂「…でも!」


恒興「…穂乃果様。こうしている間にも昔から尾張を支えてきた家臣たち、民草たちが奮戦しているのですぞ」


穂乃果「!」


恒興「皆、穂乃果様だからこそついて参ったのです!今更西木野家などに鞍替えはできませぬ」


穂乃果「………!」




穂乃果「居ても立っても居られない!」ガバッ スタスタ


雪穂「おねえちゃん、どこ行くの!?そっちは能の舞台だよ!?」




穂乃果「だって可能性感じたんだ♪そうだ…ススメ♪」


穂乃果「後悔したくない目の前に僕らの道がある♪」


ザワザワ  ヤハリオオウツケヨ…  
         
           ミゴトナウタ…  ドゥーン!



雪穂「お、おねえちゃん?いきなり踊りだしてどうしたの?」


穂乃果「私、やっぱりやる!やるったらやる!」


ザワザワ


穂乃果「うんっ!みんな!出陣だよ!!!」


………


………ウオオオオー!!!!


桶狭間




恒興「さきほどの舞で皆の士気は最高潮ですぞ、流石穂乃果様!」


穂乃果「えへへ、よかった!」


恒興「しかしおどろしい雷雨ですな。西木野めの兵を見つけることも難儀かと」


穂乃果「うーん……………よしっ!」スーッ


恒興「?」


穂乃果「雨、やめー!!!」


スゥゥゥゥゥ…


恒興「!」


アメガヤンダゾ!
      

      ニシキノノホンジンダ!


穂乃果「よしっ!みんな穂乃果に続けー!!!」


ウオオオオオオ!!!




西木野軍本陣




真姫ママ「あら、雨がやんだわね♪休憩は終わりにして…」



ドドドドドド!
       

          ウオオオオオオオ!



真姫「すごい地響きと雄たけび!まさか…!」


伝令「申し上げます!高坂の軍勢の急襲ガッ………」ドスッ バタッ


真姫ママ「あら、矢が飛んで来たわ♪」


直盛「真姫様!お屋形様を連れて疾くお退きくだされ!ここは我々が!」


真姫「直盛、ありがとう!ママ、逃げるわよっ!」


真姫ママ「仕方ないわね。輿を捨てて主戦場からさっさと脱出しましょう」



…雨による地面の泥濘に加え窪地という最悪の環境で高坂軍の奇襲を受けた西木野軍は、兵力で優位に立ちながらもそれを活かせずにいた。


戦場は完全に乱戦の様相を呈していたのだ。




恒興「奇襲が成功して西木野軍は壊乱しています!一気に大将を討ち取りましょうぞ!」


穂乃果「うう、人がたくさん死んで………やっぱり戦は苦手だな」


恒興「先ほどまでの威勢はどうされた!行きますぞ!」グイッ


穂乃果「あっ!引っ張らないでよ!馬から落ちちゃうよ!」


パカラッパカラッ    ワーワー!



______
_____
___



穂乃果「あの騎馬集団の中に西木野の大将がいるよ!」


恒興「まさかここまでうまく事が進むとは」


穂乃果「さあ、あと少し!ススメ―「待てい!!!」


恒興「何奴!」


直盛「ここを通りたくばワシを討ち取ってみせい!」


恒興「…その兜、西木野家重臣井伊直盛とお見受けする」


直盛「いかにも!」


恒興「貴殿の相手、某が仕る!穂乃果様は兵を率いて先へ!」


穂乃果「恒興、死なないでね!」


直盛「いざっ!」


キィン! キィン!   ガキィン! ザシュッ!     ドサッ


西木野軍 本陣(撤退中)



ワーワー


          ワーワー


真姫「まずい、ここにも高坂の兵が攻めてきたわ!宗信!ママを守って!」


宗信(松井宗信)「」


真姫「そんな…!」


パカラパカラッ


一忠(服部一忠)「某は尾張国高坂家馬廻、服部一忠!駿河国守護西木野真姫ママ殿!その首頂戴する!」


真姫「ママっ!刀を取って戦って!もう守ってくれる家臣はいないわ…!」


真姫ママ「…」


一忠「覚悟っ!」シュッ


真姫「ママ!」


ガキィン!


ガキィン!


真姫ママ「でええい!」ザシュッ


一忠「あああああ!あ、あしが!」


真姫ママ「ワシを誰と心得る!海道一の弓取りとはワシのことよ!」


真姫「やったわママ!」


真姫ママ(ふぅ…)


真姫ママ「…ここはもう持たないわ。真姫、あなただけでも落ち延びなさい」


真姫「えっ?そんなっ!」


真姫ママ「早く行って!」ドンッ


ドスッ


真姫「きゃっ!押さないでよママ……………え?」


真姫ママ「うぐっ…落馬しちゃったわね」


真姫「そんな、ママが私を庇って矢を受けて…!」


パカラパカラッ


良勝(毛利義勝)「某は高坂家馬廻毛利良勝と申す!西木野家当主真姫ママ殿、その首もらい受ける!」


ガキィン! ガキィン! ガキィン!


真姫ママ「ぐっ」


真姫(助けなきゃ!ママが押されてる!)


コンマ判定
ゾロ目:間に合う
ゾロ目以外:間に合わない

↓1


ドサッ!


真姫(ママがのしかかられた!間に合わない…!)


良勝「お覚悟!」


シュッ










真姫ママ「まだよっ!」ガシュッ


良勝「ぬあっ!ゆゆ指がああ!」


真姫ママ(今よっ!)


シュッ!










真姫ママ(あっ……………)





ガシュッ! プシュッ!


「駿河国守護西木野真姫ママは毛利義勝が討ち取ったり!!」


真姫「いやあああああ!!!!!」




イヤアアアアアアア!!!!!


穂乃果「女の子の悲鳴が…!」


______
_____
___


パカラパカラッ


真姫「」


穂乃果「終わったみたいだね…。そこにいるのは嫡子の真姫ちゃんかな?」


「そこにあられる凛々しい若君!西木野真姫とお見受けする!」




真姫(ママの、ママの、ママの首が…)




「返事無きは肯定と捉える!投降せねば直ちに斬る!」




真姫(…まずいわ、逃げなきゃ。でも逃げてどうするの?)




「でやあああ!」




真姫(だめ、体が動かない…)




ガキィッ


泰朝「真姫様!ご無事ですか?」


真姫「え?私、生きてる?」


「邪魔をするでないっ!」


穂乃果「待って!」


「…御意」


真姫「?」


穂乃果「真姫ちゃん?あなた、よく見たらアイドルみたいにかわいいね!」


真姫「………」




真姫「ヴぇぇ!?」


穂乃果「今回は見逃してあげるよ、強く生きてね」ギュッ


真姫「っ!わかったわ、あ、ありがとう穂乃果…」


泰朝「真姫様、行きましょう!」


パカラパカラッ

______
_____
___


恒興「…全く穂乃果様は甘い」


穂乃果「恒興!生きててよかったよ!」


恒興「そんなことより、なぜ西木野の娘を生かしたのです?」


穂乃果「そんなことじゃないよ!それにいいでしょ、大将の死で西木野軍はもう壊滅状態なんだから」


恒興「むう…」


穂乃果「尾張が守れたんだからいいんだよ、これで」


恒興「…左様ですな。さあ、雪穂殿の待つ城に戻りましょうか」




こうして西木野軍の上洛を目指した進軍は大将であるママの死でもって尾張で終わりを迎えたわ。

私は駿河に戻って西木野家の当主となり駿河国を治めることになったの

今はママの死から立ち直れないけどこの国を守るために立派な大名になれるよう努力しないといけないのよね…

それにしても高坂家の穂乃果って、噂には聞いていたけどイミワカンナイ人ね

ア、アイドルみたいに可愛いってどういうことよ///

そもそもアイドルって何なのかしら?

まあ命の恩人ではあるけれども、ママの仇でもあるわ

次会った時は容赦してくれないだろうし、こちらも手を抜く余裕はないでしょうね

とりあえずは駿河を最び安定させるために同盟先である○○と■■、それと花陽にも書状を送って協力を要請しないとね


岡崎城




花陽「真姫ちゃんのママ、死んじゃったんだ…」グス


忠勝(本多忠勝)「初陣楽しかったです…」グス


花陽「っていうか勝手に岡崎城に入っちゃったけどいいのかな…?」


忠勝「この城は清康様の代から小泉のものです!何より花陽様の生まれた場所じゃないですか!」


花陽「そうだったね!えへへ、ただいま岡崎城!」


忠勝「それで今後はどうなさいますか?」


花陽「花陽は臆病だから強い方、つまり穂乃果ちゃんに味方するつもりだけど…」


花陽「まだまだ実質的な兵力は真姫ちゃんの方が上だし、どうしよう…」


忠勝の発言

1「西木野に頂いた御恩を忘れてはなりません、真姫様を引き続き支えましょう」
2「高坂の勢いには目を見張るものがあります、それに穂乃果様とは幼き頃より親交が深いではありませんか」
3「どちらにも与する必要はありません、ここ岡崎を本拠に天下を取りましょう!」

↓1


忠勝「高坂の勢いには目を見張るものがあります。それに穂乃果様とは親交が深いではありませんか」


花陽「そ、それはそうだけど…」


忠勝「煮え切りませんな、武士ならはっきりせんか!」


花陽「で、でも武士なら主君の死に殉じるべきなんじゃないかな?わたし、怖いけど切腹しちゃおっかな…」ウルウル


忠勝「花陽様みたいな臆病者に切腹などできるわけがございません」


花陽「もう!さっきから失礼だよ!大体忠勝って今11歳じゃないの!?口調おかしいでしょ!」プンプン


忠勝「そんなことより結局どうするんですか?」


花陽「………」






花陽「や、やっぱり穂乃果ちゃんの側につこうと思う…小さい時仲良くしてくれたしね!ふふ、また一緒に遊びたいな!」


忠勝「良いご決断です、さっそく書状をしたためましょう」


花陽(もうこの人が大将やった方がいいんじゃないかな…)

~~~~~~~~~~~

花陽へ


尾張への遠征ではご苦労だったわね、17歳の若娘とは思えない働きだったわ

もう知っているかもしれないけど、その尾張への遠征の最中で私のママが高坂に討ち取られたの



これからはママに変わって私が駿河を治め、いずれは天下に太平の世をもたらす…!

でもそれは私一人で成し遂げられるようなことじゃないの

あなたの力が必要なの、花陽

西木野の最前線として岡崎城を守ってくれることを期待しているわ



一緒に、天下を取りましょう


永禄3年(西暦1560年) 駿河国守護 西木野真姫 
~~~~~~~~~~~


花陽「………」

~~~~~~~~~~~
真姫ちゃんへ、花陽です


あの後家臣と2人で話し合いました

人気が出たこと、私たちの土地が多くの敵に狙われていること、西木野家のために力を貸してほしいと言われていること

嬉しく思いました

でも、私たちの答えは変わりませんでした

西木野家の家臣を続けることは、ありません



私たちは戦国大名であることにこだわりたい!

私たちは戦国大名が好き

民のために、家臣のために…実力者が集まり、競い合って、そして手を取り合っていく



そんな戦国大名が好き!
~~~~~~~~~~~


真姫「………何よこれ」クシャッ

____________
__________
________

清洲城




花陽「穂乃果ちゃん久しぶり!会いたかったよ!」ギュッ


穂乃果「花陽ちゃん!!!立派になったね!!!」ナデナデ


花陽「えへへ、そうかな///」


穂乃果「うちの砦も落としてくれたみたいだし、もう立派な武将だよ!」


花陽「そ、その節はごめんなさい…」


穂乃果「気にしないで、しょうがないことだし」


花陽「ありがとう…それで、同盟のことなんだけど」


穂乃果「うん、私もまだ弱小大名だし仲間が増えるのは大歓迎だよ!しかもそれが幼馴染の花陽ちゃんなら大大大歓迎!!!」




雪穂(とは言うものの、花陽さんこそまだまだ弱小大名だし、元西木野の家臣で完全には信用できないし、本当に同盟すべきかな…?)


1.同盟を組む
2.花陽を捕らえ、他国との交渉材料に使う(当該レスのコンマが奇数なら成功)
3.この場で花陽を斬り殺す(当該レスのコンマがゾロ目なら成功)

↓1


花陽「私は西木野から独立して故郷の三河を治めるつもりです。そのために穂乃果ちゃんの力が必要です、よろしくお願いします!」


穂乃果「………うん!こちらこそよろしくね!」


穂乃果「そうと決まればお祝いの宴だね!おーいサル!…じゃなくてネコ!」


凛「呼んだかにゃ?」サッ


穂乃果「宴会の準備をお願い!存分に花陽ちゃんをもてなすよ!」


凛「御意にゃ」


穂乃果「紹介するね、この子は星空凛、すばしこくて気が利く頼もしい側近だよ!ネコって呼んで可愛がってるんだ!」


花陽「凛ちゃん、これからよろしくね!」


凛「花陽様、よろしくです」ニコッ


花陽「花陽でいいよ?(かわいい…)」ニコッ


凛「……!じゃあかよちんって呼ぶね!(かわいいにゃ…)」

____________

宴会場




花陽「ええじゃないかええじゃないか~」サワサワ


穂乃果「花陽ちゃんおしり触るのやめて…っていうかお酒飲み過ぎ…」


凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃ~………………ん?」


     ヒュゥッ   シュトン


穂乃果「わっ!びっくりした!花陽ちゃん、矢文が来たみたいだよ?」


花陽「どれどれ…………………え、え、え、えええぇぇぇ!?」


凛「かよちん、どうしたの?」


花陽「う、うそ………あり得ないデス…」


穂乃果「?」


花陽「もう一度です………!」










花陽「もう一度、園田家と南家が川中島で戦をするみたいです!!!」



桶狭間編終了


◇甲相駿三国同盟編

天文23年(1554年)駿河国 善徳寺




亜里沙「遅いですね、ことりさん…」


絵里「心配する必要はないわ、あの子はおっとりしているように見えて豪胆で抜け目ないんだから」


ガラッ


真姫「…噂をすれば来たわ、“甲斐の鳥”が」


ことり「甲斐国守護南ことり、ごめんで登場です♪」


真姫ママ「ことりちゃんこんばんは、あなたのお母さんが会いたがってたわよ」


ことり「真姫ちゃんママさんこんばんは!…家出中のお母さんについてはもう少し預かっていただけると幸いです」


真姫(“家出”ですって?ことりが追い出したんでしょ…)


絵里「さあ、役者が揃った所で早速始めましょうか」






絵里「相模、甲斐、駿河の三国同盟についての密会を」


絵里「まず現状を確認するわ、といっても私たち三家は昔からくっついては離れてを繰り返していて複雑だから簡単にね」


ことり「うん、甲斐の南家は昔から相模の絢瀬とは争ってきたよ」


ことり「でも最近は越後の園田との戦いが激しいからそっちに専念したいの」


真姫「逆に駿河の西木野家は昔から基本的に南とも絢瀬とも仲が良かったわ」


絵里「嘘をつかないで、真姫。確かに昔は仲良くしてたけど最近あなたたちは南とばっかり仲良くして挙句の果てにはこっちに攻めて来たじゃない!」


真姫ママ「まあまあ落ち着いて、絵里さん。今は高坂の方に集中したいから絢瀬とは仲良くしたいのよ」


亜里沙「私たちとしても勢力を増してきた越後の海未さんや北関東の諸侯に力を向けるために西木野とは手を結びたいですしね」


真姫「まとめると…」


  西 南 絢 園        西 南 絢 園
西   〇 × △      西   〇 〇 ×
南 〇   × ×   →  南 〇   〇 ×
絢 × ×   ×      絢 〇 〇   ×
園 △ × ×        園 × × ×


真姫「左の状態だと敵が多いから右の状態を作って海未を共通の敵にしようということね」


絵里「さすが真姫ね」


真姫「こ、このくらい当然よ///」


真姫「ちなみに地形的には南が山梨、西木野が静岡、絢瀬が神奈川、園田が新潟から長野、高坂が愛知って感じね、大雑把だけど」




         南   × 園田
京都       〇     ×
    高坂 × 西木野 × 絢瀬




真姫「見ればわかるけど、私たちは上洛への経路を確保するために高坂と戦わなければならない」


真姫ママ(そのときに絢瀬と対立したままなら東西に戦力を二分しないといけなくなるから絢瀬とは結びたいわ)


真姫(一方、南とは仲良くしてきたけど裏切るのもありだわ。園田にかかりっきりになっている今なら十分倒せるはずよ)


真姫ママ(どうすべきかしら…?)

~~~~~~~~~~

絵里(私たちには上洛の意志があまりないから西木野と対立する理由はあまりない、というより出来れば戦いたくないわね)


絵里(そして南とは対立してきたけど今は共通の敵である園田がいるから結ぶ理由は十分ある…)


ことり(絢瀬とは争ってきたけど、目下最大の敵である園田を叩くためには同盟も辞さない)


ことり(西木野にはお母さんを預かってもらってるし、高坂に対して共闘できれば上洛への道も開けるから協力したいな)

~~~~~~~~~~


真姫(多分みんなはこう考えているはずよ)


真姫ママ(それなら、私たちが取るべき選択は…)


1.三国同盟を結ぶ
2.南との同盟を解消して絢瀬と同盟を結ぶ
3.南との同盟を解消して園田・絢瀬との三国同盟を結ぶ
4.南との同盟を解消して園田との同盟を結ぶ


↓1(あくまで西木野陣営の選択であり、実現するとは限りません)

※なお、ここでの同盟は単なる不可侵条約ではなく軍事同盟(武力援助)を含むものとします。また、同盟を結んでも後で裏切ったり裏切られたりすることがあります


真姫ママ「三国同盟を結びましょう!」





絵里「…私たちは賛成だわ、これから頼むわね」


ことり「ことりも歓迎だよ、これからもよろしくね♪」


真姫「ええ、この三家が集まれば怖いものなしだわ」


真姫ママ「とりあえずは共通の敵である園田と高坂への対処を頼むわ」


ことり「そうですね、ことりはもうすぐ海未ちゃんと一戦交える予定なのでそのときはよろしくお願いします!」




絵里「…一つ質問があるわ」


真姫「何かしら、絵里」


絵里「この同盟、どうやって維持するのかしら?人質交換でもするつもり?」


ことり「ことりは政略結婚で担保するものと思ってたよ、実際私の妹は真姫ママさんの奥さんだし♪」


真姫「そうね、じゃあ…」


1.「人質交換を行いましょう」
2.「政略結婚を進めるわ」
3.「特に何もしなくても大丈夫よ」

↓1


真姫「政略結婚を進めるわ」ドン


絵里「いいわね、簡単に解消できないし、次代でも同盟が期待できるハラショーな方法だわ」


ことり「具体的にはどうしよっか?(ハラショーって何だろう…?)」


真姫ママ「私の娘、つまり真姫の妹をことりさんの息子に嫁がせて」


ことり「ことりの娘を亜里沙ちゃんに嫁がせて」


絵里「私の娘である亜里沙の妹を真姫に嫁がせれば完璧ね」


ことり「じゃあそういうことで♪」


亜里沙・真姫((こんなに適当に私の結婚相手決まっちゃうんだ…(のね…))


絵里「予想以上に円滑に進んだわね。また何かあったら書状を送って頂戴」


亜里沙「皆さん、お元気で!」




____________

絵里「どうなることかと思ったけど案外上手く行ったわね」


亜里沙「うん、敵が三国もあったのに一気に一国になっちゃったよ」


絵里「それに婚姻関係での同盟ならそれなりに安心だわ、人質交換や代償なしなら信用できないから海未と交渉するつもりだったんだけどね」


亜里沙「これで当分は安心だね………当分は」


甲相駿三国同盟編終了


◇小田原編第Ⅰ部・川中島編

____________

永禄3年(1560年) 越後国 春日山城



「唵 吠室囉縛拏野 莎賀…」
「唵 吠室囉縛拏野 莎賀…」
「…」



弓を握った瞬間、心がすーっと落ち着くんです

同じように、読経をしている間は雑念が消えて心が澄み切っていくような心地がします

三叉の鉾を構えた異形の大男の像に睨まれているのに心が澄むというのも変な気がしますけどね



…感じるんです

この静かな祈りが進むにつれ、苛烈な武の神、毘沙門天が私の中に入り込んでいくのを

そして私の中の猛将の血が滾りだすのを…


海未「すぅーっ………」


信仰の時間の最後に、少女は目を閉じて祈った


海未「…」










海未「………!」パチッ


次に彼女が目を開けたとき、その瞳に普段のような優しく慈愛に満ちた光はなく、敵を射抜くかのような研ぎ澄まされた光だけが宿っていた


海未「絵里…今度こそ引導を渡してあげましょう」


海未「出陣です!小田原の絢瀬を討って関東管領上杉公をお助けします!」


オオオオー!!!!!

今日はここまでで

人がいるようでしたら明日の夜もやろうと思います

一応今日も少し進めようと思います

____________

園田軍 本陣




側近「それにしてもまさか西木野が高坂に敗れるとは」


海未「ええ、高坂のところの穂乃果という女はなかなか侮れないようですね」


海未「西木野が勢力を取り戻す前に早く絵里を討ちましょう」


側近「西木野と絢瀬は同盟関係にありますからね」


側近「そういえば南の方はよろしいのですか?南も絢瀬と同盟を組んでいたはずですが」


海未「心配には及びません。ことりの家臣を扇動して謀反を起こさせるように仕向けました、今頃その対応で忙しいはずです」


海未「さあ、上野国の諸侯たちを絵里の支配から解放しますよ、かかれー!!!」


園田軍の上野国での戦況は?

コンマ30以下:苦戦
コンマ31以上80以下:優勢
コンマ81以上:破竹の勢いで快進撃
※00は0と見なす

↓1


海未「みんなのハートを撃ち抜くぞ(物理)!」

海未「ラブアローシュート!ト!ト!ト!ト!ト!」バァン


敵将「「「「「「うっ…!」」」」」」ドスッドスッドスッ




園田の兵たち「「「ウオオオー!海未様に続けー!!!」」」


ドドドドドド


側近「…さすが戦場では毘沙門天の化身と呼ばれる海未様、鬼のようにお強い」


海未「誰が鬼ですか!」


側近「ピィ…!」


海未「さあ、まだまだこれからです!次は武蔵国に向かいます!」


園田軍の武蔵国での戦況は?

コンマ20以下:苦戦
コンマ21以上70以下:優勢
コンマ71以上:昇り竜の如き快進撃

↓1


海未「…」ヒュッ


敵兵「」ドサッ


海未「…」ヒュッ


敵兵「がっ…」ドサッ


海未「…」バァン


敵将「うっ…」ドサッ 




…いつまで続くのでしょうか、この戦いは

あと何人殺せばいいのでしょうか

毘沙門天を身に宿らせ、鬼神と化して戦う私のこの胸に深い哀しみがあると誰が気づけましょうか

泣いてみようか少し 違う自分を出せば変われる?  …自分?

ああ私は…



側近「海未さんポエム作ってないでもっと兵を鼓舞してくださいよ、苦戦してますよ」


海未「ああ、私としたことが申し訳ない…」


海未「小田原まであと少しです!かかれー!!!」


____________

鎌倉




海未「武蔵では苦戦しましたがなんとか鎌倉まで来ましたか」


憲政(上杉憲政)「大義であったぞ、海未」


海未「ありがとうございます関東管領上杉憲政殿………いえ、今は父上とお呼びした方がよいでしょうか」


憲政「そうかしこまるな。それにしても道中で多くの諸侯を味方につけたのだな、これもお前のカリスマが為せる技か」


海未「いえ、私はそんな………みんな父上の名の下に集まった将たちです」


憲政「相変わらず謙遜の多い娘だ。そんなお前に一つ頼み事がある」


海未「…なんでしょう?」




憲政「関東管領職をお前に譲りたい、そして幕府による正義の統治を関東に復活させて欲しい」


海未「私が………関東管領に?」


………

物心ついたころから、周囲の言葉に従って生きてきました

毘沙門天をこの小さい身体に宿すようになったのも、母の勧めで寺に入ったのがきっかけです

もっとも、兄が無能だったためすぐに寺から出されて戦いの日々に身を投じることになったのですが


戦いでは幼い頃から学んできた用兵術と毘沙門天の声だけを頼りに無心で敵を破ってきました

そうしているうちにいつしか軍神と呼ばれるようになり、多くの家臣がついてきてくるようになりました

私は困惑しましたが、家臣の期待に応えるために精一杯戦って領土を拡大していきました


しばらくすると、大きくなった領地のために家臣たちがお互いに争ったり私を裏切ったりするようになりました

私はただ期待に応えようとしただけなのに…


海未(…)


側近(まーたポエムか…)


側近(ちなみに関東管領とは室町幕府が関東に置いた地方政府の実質的長のような存在です)


………

内乱の処理にすっかり憔悴し、家臣に裏切られ失意に沈んだ私は信仰の道に生きようと思い、出家を志しました

そうすると、あんなに争いあっていた家臣たちが一致団結して私を引き留めだすではありませんか


結局折れてしまった私は再び乱世の世に帰ってきてしまいました

ですが未だにわかりません、どうすれば自分らしくこの世を生きられるのか…


そして今度は関東管領ですか…重すぎる期待です

しかし受けるしかありません、これまでもこれからもずっと、そうやって生きてきたし生きていくのですから


海未(…)


海未「わかりました、父上」




海未「私が関東管領を受け継ぎ、室町幕府による正義をこの地に取り戻します…!」


憲政「…うむ」


海未「さあ、小田原に向けて出陣です!!!」


オオオオー!!!!

____________

相模国 小田原城




亜里沙「お姉ちゃん、海未さんが私たちの領地に迫って来てるって!」


絵里「来たわね海未、迎え撃ってあげるわ」


亜里沙「でも今は真姫さんからもことりさんからも援軍が期待できないよ?」


絵里「関係ないわね。向こうの総大将は戦に滅法強い海未じゃなくて関東管領の上杉憲政よ、碌な指揮ができるとは思わないわ」


亜里沙「私たちも何度も戦ったけど上杉には負けたことないよね」


絵里「そういうことよ、さあ作戦はどうしましょうか?」


1.小田原城で籠城戦
2.打って出て平野戦

↓1


絵里「打って出て出鼻をくじいてやるわよ、平野戦の準備を!」


亜里沙「御意!」




絵里「世界最強のコサック騎兵たちも準備できたわね!よし、出陣!!!シベリアを駆け抜けるわよ!」


ウラーーーー!!!!


亜里沙(あれ?ここ相模だよね?)




____________
__________
________

パカラパカラッ


亜里沙「敵が見えて来たよ!」


絵里「………………え?」




絵里「あれが全部園田の兵なの…?10万はいるわよ………?」


絵里の指揮は?

1.一時撤退、城に戻るわ
2.戦力差が大きいから鋒矢の陣で一挙集中、海未の本隊だけを狙って決死の突撃よ
3.裏をかいて鶴翼の陣で行くわ、こちらの数を多く見せて相手を怯ませて包囲するのよ
4.無難に魚鱗の陣で挑むわ、防御に徹して一度様子をみましょう

↓1

中途半端ですみませんが今日はここまでで

次回は火曜日夜の予定
安価下


絵里「相模川の岸辺に鶴翼の陣で展開するわよ!」


オオオオー!!!!


高麗山から園田軍の全貌を確認した後、絢瀬軍は山を下り、相模川河畔に鶴の広げた翼のような形で陣を敷いた


亜里沙「鶴翼の陣は防御に向いた陣形で、敵を回りこませずに包み込んで撃破するんだよね?」


絵里「そうよ。今回は渡渉する園田軍に攻撃を仕掛けて、混乱している所を取り囲んで攻撃するのが狙いよ」


亜里沙「弓と鉄砲隊を川辺に生えた背の高い草に隠した上で本隊は見えやすい丘陵の上で構えて敵を誘うなんて、かしこそうな作戦だね」


絵里「かしこい作戦って言い切りなさいよ…」


亜里沙「もうすぐ海未さんの兵たちが川を渡り始めるよ!」


 ガチャガチャ       ザブザブ


斥候から前方の丘陵に絢瀬軍ありと伝えられた園田軍は丘陵の前に陣を構えるため木盾や陣屋資材を運んで相模川を渡ろうとしていた…


       ガチャガチャ    ザブザブ

  ワイワイ    ガヤガヤ




………ウテ!

   ヒュンヒュンヒュンヒュン!!     ズドンズドン!!


突如、川を渡り歩いていた園田の兵たちの耳に火縄銃の破裂音と空気を切り裂いて飛んでくる矢の音が飛び込んできた


足軽「絢瀬だ!絢瀬の奇襲……………がっ」ドスッ


侍大将「狼狽えるな!まず川を渡りきれ!……………んぐっ」ドスッ


ワーワー! ニゲロー!


川に足を取られていた園田兵は為す術なくバタバタと倒れていき、見えない敵から奇襲を受けた兵たちは混乱と恐怖で逃げ惑った


亜里沙「足軽隊、かかれー!!!」


ウオオ!!   ドドドド

ここぞとばかりに軽装の絢瀬足軽隊が川を渡って園田軍を追い立てる

行軍中であったため縦に並んでいた園田軍の兵たちは容易に左右を絢瀬の足軽隊に囲まれ、次々と討ち取られていった

____________

園田軍 本陣




伝令「申し上げます、先鋒の集団が絢瀬の奇襲を受けているようです!」


海未「!?」例の変顔


伝令「河畔に伏兵を置いており、渡渉中のわが軍に攻撃を仕掛けたようです」


海未「破廉恥な!」


伝令「先鋒の集団には今回の遠征の途上で我々に加わった者たちが多く、士気も低く疲労感もあり、壊滅状態のようです」


海未「こちらには10万の軍勢があるため負けることはあり得ませんが向こうに勢いづかせるのはまずいですね。裏切りを生みますから」


伝令「かといってこの状況から陣形を変えるのは困難ですし、如何しましょう」


海未はどうする?

1.自分が先頭に立って突撃を敢行する
2.前方で指揮して士気を向上させる
3.後方に待機、数の力が働いて戦況が好転するのを待つ
4.鎌倉まで撤退して体制を立て直す
5.使者を出して停戦要求

↓1


海未(………唵 吠室囉縛拏野 莎賀)




海未(………………!)パチッ


伝令(?)


海未「…私が前に出て指揮をします。あなたたち、準備をお願いします」


家臣団「御意!」


海未「行きますよ!前線アタックです!」


パカラパカラッ
___________
________
______

海未「なるほど、あの川辺の叢に兵を隠しているのですね」


侍大将「海未様!来てくださったのですね!苦戦しておるのですが、どうすれば…?」


海未「…火矢を放ちましょう」


侍大将「火矢ですか?確かに草を焼くのにはよいでしょうが、火矢程度で焼き切ることができるのでしょうか?」


海未「草を焼くのが目的ではありません。火矢に恐れをなした弓兵と鉄砲隊が射撃を止めてしまう隙を狙って軽装の足軽隊を突撃させます」


海未「川さえ渡ってしまえば数で優位に立つ私たちに戦況が傾くでしょう」


海未「弓隊、火矢、放て!ラブアローシュート!そして即座に足軽隊、対岸アタックです!」


ヒュンヒュン!  ドドドドドド!!

コンマ判定
01~30:絢瀬軍優勢
31~98:園田軍優勢
ゾロ目:海未負傷

↓1


火矢の持つ心理的効果は大きい

普通の矢には見向きもせず攻撃を続けていた絢瀬の兵たちも、火矢を見て焼死の恐怖が脳にちらつき、持ち場を離れて逃げようとしてしまう

すかさず、海未の足軽隊が川を渡り、絢瀬軍になだれ込む…



はずだったが、突撃を行う足軽の数が異様に少ない


海未「…何やっているんですか!」例の顔


海未「あなた、突撃を命令してください!」


侍大将「し、しました、ですが…」




足軽1「川を渡っている間に撃たれるのがこわいにゃ~敵にたどり着けないまま死ぬのは嫌にゃ~」

足軽2「大体うちらもともと海未ちゃんの兵やないし、やる気ないやん?」




海未「なっ、なんですかあの兵たちは…!」


海未「ぐっ、こうしている間にも兵が失われていってます…!私がどうにかせねば…!」

__________

絢瀬軍本陣




亜里沙「お姉ちゃん、海未さんの兵を川で足止めするのに成功しているみたいだよ」


絵里「ほら、やっぱりかしこい作戦だったのよ」ドヤ


亜里沙「海未さんたちの兵もだいぶ削れたみたいだし、亜里沙たちの軍も勢いづいてるし、一手打つなら今だよ、お姉ちゃん!」


絵里の作戦は?

1.全軍で川を渡って総攻撃、追い払うわ
2.園田軍を完全に川の向こう側に追いやって一安心してから撤退よ
3.今なら有利な条件で和睦できるわ、使者を出しましょう

↓1


絵里「こちらは数で圧倒的に負けてるわ、攻めには出ないで守り切ることを考えるわよ」


亜里沙「ハラッセオ!かしこい!」


絵里「亜里沙、もう一度足軽隊を突撃させてきなさい。もちろん、あなたが先頭に立つのよ」


亜里沙「あれ、お姉ちゃん、怒っちゃった?」


絵里「…戦況は刻一刻と変化するわ、急ぐのよ亜里沙」




__________
________
______

相模川


亜里沙「組織的な攻撃は止んでるけどやっぱりまだ川を渡る海未さんの兵がいるみたい」


亜里沙「足軽隊、かかれー!!!園田の兵を追いやって!」


オオオオー!!!

__________

園田軍 本陣


海未「くっ、これは園田の直属の部隊を突撃させないと突破できないですね…」


パカラパカラッ


伝令「申し上げます…!甲斐の南が北信濃に侵攻しているようです…!」


海未「!?ことりはもう反乱を制圧して軍備を整えたのですか…!」


憲政「…海未よ、関東遠征はある程度成功した。越後に戻るぞ、本拠を叩かれてはかなわん」


海未「…仕方ないですね。絵里、命拾いしましたね。この借りはいつか必ず返しますよ」


海未「…そしてことり、今度こそあなたに勝ちます…!」


__________
________
______

こうして海未による関東遠征はひとまず終わったわ


圧倒的な強さで上野と武蔵を平定した海未だけど、私のかしこい作戦により、小田原攻略戦では苦戦を強いられたみたい


上野・武蔵・相模の地侍勢力の一部を海未に奪われることになって絢瀬の勢力は少し弱体化したけどね


でも同盟先のことりが私たちの戦に同調して北信濃に侵攻してくれて本当に助かったわ


下手すれば小田原も奪われてたかもしれないもの、同盟って大切ね

__________
________
______

甲斐国 躑躅ヶ崎館(南家本拠地) 小田原で海未と絵里の戦端が開かれる少し前のある晩





行燈の薄明りに照らされた部屋の中でことりは表情豊かに語りかける


ことり「もう、謀反なんて起こしたらだめですよ?ことりのおやつにしちゃうんだから!」


苦悶の表情を張り付けたまま永遠に固まってしまった元家臣に




首「」


ことり「信用してたのになぁ、あなたのこと…」


首「」


ことり「でもけしかけたのは海未ちゃんだって最後に教えてくれて、ことり、嬉しかったよ」


首「」


ことり「そうだよね、悪いのは海未ちゃんであってあなたじゃない」


首「」




ことり「えへへ、待っててね♪あなたの恨み、ことりが代わりに果たしてあげるから♪」


翌朝 家臣団会議




ことり「みんな聞いてください!」


ことり「先日の謀反は海未ちゃんの扇動によって起きたことが明らかになりました!」


「なんと…!」「やはりそうであったか…」「ざわ……やざわ……」


ことり「こんな卑怯な手を使う海未ちゃんには、信濃や越後を任せることはできません!」


「そうだそうだ!」「ちゅんちゅん」




ことり「今から私たちは越後に侵攻します!かわいそうな園田家の家臣や民たちを海未ちゃんから解放してあげよう!」


「おおおお!!」

次回は1月2日

投下します

今後も場面によっては時代が進んだり戻ったりすることがある
わかりにくくて申し訳ない


【信濃国 川中島】




ことり「なかなか動かないね、海未ちゃん」


側近「はい、一体どういう作戦だというのでしょうか…」


ことり(…)


………


ことりと海未ちゃんが川中島で睨み合いを始めてからもう二週間あまりが経っちゃいました


私たちは海津城という、越後侵攻のための要になるはずのお城に籠っています


一方、海未ちゃんたちは海津城に向かい合うようにして立つ妻女山に布陣しています


ここ海津城は私たちにとって必要不可欠なお城だから何としても守らないといけません!


それは裏を返すとこの城が海未ちゃんにとって脅威になるということ、でも海未ちゃんは城を攻める気配を見せず山から動こうとしません


お城の前に不気味に立ちはだかる山の上で、海未ちゃんは一体なにを考えているの…?


………


ことり「はぁ…」


ことり「数の上ではことりたちが2万、海未ちゃんが1万3千って感じだけど、ことりはどうしたらいいのかな?」


家臣1「こうして城に籠っているだけでは埒が明きませぬ!今こそ妻女山に攻め込むべしです!」


家臣2「何を申すか、これは園田めの策略に違いない。下手に動くべきではない」


家臣3「そう見せかけて我々をここに釘付けにしておるのだ!そのうちに援軍が来るぞ!」


ヤイノヤイノ


ことり「…わかった、この話はやめよ?ハイ、ちゅんちゅん」ニッコリ


ことり「ここはみんなも信頼している隻眼の軍師さんに決めてもらおう、おーい軍師さん!」


軍師の提案は?


1.キツツキ戦法:別動隊が山を背後から攻撃、奇襲に驚いて山を下りてくる園田軍を本隊で迎え撃つ

2.空城戦法:撤兵すると見せかけて少数の兵を城に残す。園田軍が城を獲りに来たら少数の兵で持ちこたえ、
その間に本隊が戻って来て城の外で攻めあぐねている園田軍を撃破

3.正攻法:城から出て全軍で山に向かって突撃

↓1


軍師「空城戦法で園田を欺いてやりましょう」




ことり「…うん、わかった!」


軍師「城を守る兵には投石器、火器そして弓などの飛び道具をたくさん持たせ、兵が多いように園田に錯覚させます」


ことり「ことりたちの本隊は南家自慢の騎馬軍団で編成して、開戦次第迅速に戻ってきて海未ちゃんたちを蹴散らすって感じだね♪」


ことり「みんな、明日は私たちの最大の好敵手である海未ちゃんとの決戦です、頑張ろうね!」


「おお!!!!」


【妻女山頂 園田軍 本陣】 翌朝 南軍が行動を開始した直後




海未「ことりは城から動かないのですね、真っ当な武将なら当然のことですが」


海未「私には手に取るようにわかります。警戒、覚悟、自信………そして困惑」


海未「なぜ私が山から下りてこないのかわからず困惑しているでしょう、ふふふ、迷うのはあなたが優秀な武将だからですよ」


海未「あなたとこの川中島で剣を交えるこれで4回目…今回こそは勝たせてもらいますよ」


海未(そういえば前回は………)


~~~~~
前回の川中島!


ことり『う~ん、どうしよっかな~』


海未『今です、攻めますっ!』


ことり『あっ、海未ちゃんの軍が来た!逃げろぉ~!』


海未『なっ!何故なのです~!』


ことり『ごめ~ん!』


海未『勝つ方法が何か必ずあるはずです…!!もう一度です!!』
~~~~~


海未「そう、今までは私が攻める姿勢を見せると何故かすぐにことりに察知されて逃げられてしまっていたのです」


海未「ですから今回はあえて待ちます。動かざること山の如し…ふふ、かっこいいですね」ニヤ


側近(ん?)


海未「さて、海津城の様子でも見てみましょうか」


海未「………な!?あれは!?」


コンマ判定

90未満:海未がことりの意図に気付く
90以上:気付かない

↓1


海未「海津城の門が開け放たれ、あれだけもうもうと上がっていた炊飯の煙も見えないじゃないですか!?」


海未「城を失う損失よりも睨み合いを続けることによる損失の方が大きいと考えて城を棄てましたか…」


海未「私の勝ちですね、城はありがたくいただきますよ」






海未「と言うとでも思ったのでしょうか?」


海未「2週間以上もかけて守った城をそう簡単に棄てはしないでしょう」


海未「それに同じ棄てるなら山に向かって攻めてくる方が現実的ですね、こちらは数で劣っているのですから」




海未「…私は貴女がもっと優秀な武将だと思っていました」


海未「初志を貫徹、任務に忠実………しかし策に溺れ、動いてしまった」


海未「今度こそ貴女を討ち取れそうです…!ことり!」


海未「皆さん出陣です!!!私に続けー!!!」


ウオオオ!!!

____________

海津城前



側近「山を下りると霧が出てきましたが布陣場所はここで大丈夫ですかね?」


海未「ええ、飛び道具の射程から外れるぐらいの城の前が最適です。さて、城を攻めるそぶりを見せなければことりの本隊は出てこないのでしょうから…」


海未「欺かれたふりをして、欺き返してあげましょう………ふふ、騙し合いです」ニヤ
____________
________
____


海未「足軽隊は城を攻めてください!ただし常に攻めるのではなく断続的にです、兵を無駄に失わないように」


海未「そして本隊は城からやや離れて鶴翼の陣を敷きます!」


海未「おそらくことりは騎馬隊で駆けつけてくるので縦長の陣形になるでしょう」


海未「そこで我々は横長の陣形でことりの兵を左右から挟み込んで壊滅させるわけです」


海未「さあことり、いつでも来なさい!」

____________
________
____

伝令から園田軍動く、との報を受けた南軍本隊はすぐに動いた


ことり「よしっ、海津城を救うよ!かかれー!!!」


 ウオオオオオオオオオオオ!!!! 
                ドドドドドド!!!!



ことりの号令と共に法螺貝や陣太鼓が猛々しく鳴り響き、妻女山の死角となる盆地から戦国最強の騎馬軍団がうねるように霧の中に飛び出していった…



ドドドドドド!!!!

ドドドドドド!!!!

ドドドドドド!!!!



霧に包まれた草原を駆け抜けて空気を震わせる騎馬武者たちは勇壮そのものであり、自分たちの勝利を確信して手綱を握っていた



海津城を守ってくれいる仲間たち、園田の謀略で死んだ重臣、そして脳溶キュートボイスの大将を思い出して、馬を奔らせる



霧の向こうから聞こえる地響きに恐怖し、逃げ惑い、次々と討ち取られていく園田兵たちをイメージしながら霧を駆け抜けた騎馬武者たちが目にしたのは



整然と鶴翼の陣を敷いて自分たちを待ち構えている園田の大軍であった…


ドドドドドド!!!




海未「………!!!」


その到来を予期していた海未でさえ、万全の準備を施して迎え撃たんとしていた園田の兵たちでさえも


霧の向こうから轟く地鳴りに少し身がすくむ


海未「来ましたね………………鉄砲隊、撃てぇ!」


ズドドド!       
            ドサッドサッ


園田軍の予期せぬ迎撃態勢に対してどう対処すべきか考えようとした南の騎馬武者たちであったがすぐに思考を放棄した


自分たちの武器はこの突撃力、鉄砲をものともせずひたすら海未の本陣目指して駆け抜けていく


ドドドドドド!!!


海未「………流石にことりの騎馬軍団は精強ですね、一筋縄ではいきません」


海未「勢いがあってとても囲い込めるような軍勢じゃないですね」


海未「しかし、翼を構成する各部隊が騎馬軍団の猛攻を耐えきって押し始めるようになったらこちらの勝ちです…!」


海未「なんとか耐えきるのですよ!」



戦況コンマ判定

コンマ50未満 ことり優勢
コンマ50以上 海未優勢

↓1


側近「海未様、旗色が非常に悪いです。翼の一部を騎馬隊が突破したせいで陣形が崩れて攻撃を支えきれないようになっています」


海未「ええ、まさかことりの騎馬軍団がこれほどとは…」


側近「一度こうなってしまうと全体の崩壊も早いかと存じます」


海未「その通りです、退くなら今しかありません」




海未「ですが…今日の私は退けません」


海未「4度目の川中島、今回こそことりの首を越後に持って帰るつもりでやってきました…」




海未「………本陣アタックです!!!!!」


側近「海未様、それは………」


海未「止めないでください、今回だけは自分の意志で闘うのです」


海未「あなたたち家臣も民も職も関係ありません、ことりに勝ちたいがためだけに私は今日出陣しました」


海未「一度ぐらい、お願いをきいてくれてもいいじゃないですか」ニコ


側近「海未様…!」ポロポロ


海未「やめてください、私は軍神ですよ!必ずやことりの首を取ってくると誓いましょう」


海未「ですがもし私が討たれるようなことがあれば、そのときはお父様を支えてあげてください」




側近「……………私の主君は海未様です、お供します!」


海未「…わかりました!目指すは南軍本陣、続けー!!!」


オオオオー!!!


戦況を重く見た海未以下重臣数十騎はことりのいる本陣を目指して本陣アタックを仕掛けた


途中、幼い頃から自分を支えてきてくれた重臣たちが敵に討たれたが海未は馬を止めなかった




ドドドド!

             ワーワー!




そして…赤い甲冑の武者たちに厳重に護衛された南の本陣を見つけた



海未「はぁはぁ…あと少し…!」



側近たち数騎と共に猛スピードで突っ込んだ海未は護衛の武者たちを槍で突き飛ばし陣幕をぶち破ってことりの前に姿を現した



海未「ことりぃ!!覚悟ぉ!!」



白巾で頭を包み月毛の立派な馬に乗った美しい女性が陣幕を突き破って本陣に侵入し、太刀を抜いて振り上げるのを見て南家の重臣たちが腰を抜かす



ことり「………!海未ちゃん、来たのね…!」



しかしやはり甲斐の鳥は豪胆であった、籐椅子から立ち上がりもせず、軍配でもって太刀を受ける



ガキィン!!



海未「くっ!」



駆け抜けた海未は馬を切り返してもう一度ことりに斬りかかる!


ガキィン! 
           ガキィン!


コンマ判定

10未満:海未が斬りふせる
10以上60未満:海未が斬りつける
60以上:ことりが斬りふせる

↓2


ガキィッ!


ことり「しまった…!」


海未「…今ですっ!」


ことりが私の三太刀目を軍配で受けきれず、軍配を手から離してしまったのを見て私は勝利を確信しました


今のことりは、丸腰!一思いに首を掻っ切って終わらせてあげようと思い太刀を大きく振り上げます



           シュバッ!!



次の瞬間、振り上げた私の右腕が血を勢いよく血を噴いて宙に舞いました


ことり「…油断したね、海未ちゃん」


   ドサッ   ガシッ


腕を斬られてバランスを崩した私は落馬し、ことりに組み伏せられました。



なるほど…私が大きく振りかぶった瞬間に立ち上がりつつ抜刀して腕を斬ったのですね



ことり「ありがとう…そしてさよなら、海未ちゃん」




           ザシュッ!!




ことりの言葉を聞くや否や一瞬視界が赤く染まり、次の瞬間には私の目線はいつもの高さに戻っていました



ことり「関東管領園田海未、討ち取ったり…!!!」



…そういうことですか。私の首はことりに斬られ、今掲げられているのですね



また勝てなかったです…私の家臣たちはどうなったのでしょうか?



私と共にことりの本陣に乗り込んだ数名の側近たちがことりの重臣たちに組み伏せられ、首を斬られるのを見ながら、私の意識は途絶え………………



………


ことり(こうして第四次川中島合戦は劇的な終わりを迎えました)


ことり(作戦では完全に虚をつかれた私たちですが、騎馬隊の活躍で海未ちゃんの軍を半壊滅状態にまで追い込みました)


ことり(海未ちゃんは焦りからか私の本陣にまで駆けてきて私を討ち取ろうとしていました)


ことり(実際に辿りついたのは本当にすごいけど、来るまでにだいぶ消耗しちゃったんだろうね)


ことり(万全の状態の海未ちゃんたちなら、とんでいたのは私の首だった…)


ことり(海未ちゃんの首が浮かべていた、あの変顔、忘れられないな…)


ことり(結局、大将を失って壊乱状態になった園田軍は越後に撤退していきました)


ことり(破廉恥です、とかいって生涯不犯を貫いた海未ちゃんには跡取りがいない)


ことり(最大のライバルを失った私はどこか寂しい気持ちになっているけど、)


ことり(今後はすぐに私と絵里ちゃんと真姫ちゃんの間で実質空白地帯になった越後の争奪戦が行われるはず、譲れないです…)



小田原編第Ⅰ部・川中島編終了


◇永禄京都動乱編

永禄8年(1565年) 京都 二条御所付近




ザーザー
           タッタッタッタッタッタッタッ………



にこ「はぁっはぁっ…!」


ザーザー


にこ「はぁっはぁっ………どうしてっ…将軍家のっ…この私がっ!」


ザーザー      アー!ウンチダー!


にこ「こんな雨の中っ………ずぶ濡れになりながらっ!」


ザーザー


にこ「荒れ果てた夜の京の町をっ………はぁっ!………逃げ回らないといけないのよっ!」


ザーザー 
           タッタッタッタッタッタッタッ………






にこ「ふぅ…ここまでくれば大丈夫よね?」


ガシッ


にこ「きゃあっ………えっ、あなたは――」ムグッ


にこ「幕府第十三代将軍である私のママ!無事だったのね!」ギュッ


にこママ「仰々しいわね、とにかくあなたこそ無事で良かったわ…!」ギュッ


にこママ「さあ、側近が用意してくれたお寺に逃げ込むわよ!」
____________
________
____


にこ「はぁはぁ…もう安心していいのよね?」


にこママ「ええ…大変だったわね、にこ」


にこ「ううん、ママこそ」


にこママ「アライ三人衆、もといアライズの三人があれほどの戦力を用意しているなんてね」


にこ「そうね、ママもそれなりの兵を二条御所に置いていたし剣術の達人であるママ自身も奮戦したけどさすがに逃げるしかなかったわね」


にこママ「そもそも管領家の一つである細川家のさらにその家臣であるアライズが将軍の暗殺を企図して兵を出すなんて世も末ね…」


側近(管領家とは幕府の要職の一つである管領を代々担う家系のことで、それなりに権威のある家系です、今は少し形骸化していますが)


にこ「うん、もともとアライズの一族である三好長慶が将軍であるママをも凌ぐような権力を振るってたんだけど、」


にこママ「長慶が病死して、私が諸大名の紛争調停や幕府内の要職整理を始めて、権力を取り戻し始めたら、」


にこ「一族から権力が奪われてしまうことに焦りを感じたアライ三人衆がママに対して挙兵したって感じね」


にこママ「とりあえず今晩はここで過ごして明日の早朝、京都から脱出するわよ」


にこ「ええ、将軍家の威光をそう簡単には奪わせないわよ!覚えておきなさい、アライズ!」


…深夜




………ガチャガチャガチャガチャ         


にこ「…あによ、騒がしいわね」


側近「申し上げます、寺がアライズの兵によって包囲されています…!」


にこママ「!」


にこ「…ママ、どうするの?」


にこママ「御所と違って小さいこのお寺を包囲されてしまったら脱出するのは不可能に近いわ」


にこママ「にこ、幸いあなたはアライズに顔が割れていない。この寺の尼だとか言って逃げるのよ」


にこ「でも、ママは…!」


にこママ「ママなら心配要らないわ、返り討ちにしてくれるわよ」ナギナタフリマワシ


にこの発言は?

1.「…わかったわ、家のことは任せてね」
2.「…やっぱりムリよムリよ、どこにいたってムリよ、残って一緒に戦うわ!」

↓1

次は6日

安価下


にこ「どうせどこに行ったってツカマエラレチャウもの、私も刀をとるわ」


にこママ「………そう、ありがとう、にこ」


にこ「もうママ、そんな哀しい顔しないでよ!ママは将軍でしょ!絶対死なせないわ!」


にこママ「…」


にこ「はい!にっこにっこにー!」


にこママ「…!」


にこママ「にっこにっこにー!」



にこママ(にっこにっこにーは矢澤将軍家に伝わる今生の別れの挨拶…)


にこママ(笑顔で誇り高い最期を迎えようということね)


にこママ(死なせない、なんて言ってくれたけどちゃんとわかってるじゃない)


にこママ(いいわ、あなたの覚悟見せてもらいましょう)



にこママ「みんな、最後の一人になるまで戦うわよ!にっこにっこにー!」


にこ、側近一同「にっこにっこにー!」


にこママ「さて、配置だけど相手の方が圧倒的に数が多いから寺の通路で一列になって戦うわ」


にこ「囲まれないためにね。仲間が疲れたりやられたりしたときは入れ替わって前にでるのよ」




カカレー!!!

      オオオ―!!!        ドカドカドカドカ





にこママ「アライ三人衆のツバサの声ね、来るわよ」


にこ「………!」


ヒュンヒュンヒュン


側近「んぐう!」バタッ


にこ「怯まないのよ!退路はないんだから戦うしかないわ!」


戦況コンマ判定

ゾロ目以外:矢澤家全滅寸前
ゾロ目:矢澤家劣勢

↓1


側近「で、ですがこの狭い通路では矢の避けようがございませぬ…!」


にこ「避けないでいいのよ、床板でも死体でも盾にしてしのぐの…!」


側近「そんな…!」


ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン


にこ(文字通り沢から湧く水の如く矢を撃ってくるわね、矢澤だけに)



尾張国にいる星空凛『ちょ寒にゃ?』



にこ(…まあそろそろ痺れを切らして斬りこんで来るわよ)


ヒュンヒュンヒュン…



カカレー!! ウオオオ!! 

        ドタドタドタドタドタドタ


にこ「そら来た!」


にこママ「やっと来たわね、叩っ斬ったげるわよ」ブンブンブン!!


ザクッ グシャッ  

         アアアア!!


にこ「斬り合いになったら剣豪将軍ことママのいるこちらに分があるわ!みんなママを助けて!」


側近「はっ!」ガキィン


にこ「よし、いい感じね!体力が続く限り斬り続けるわよ」


にこ「次は私が前に出るわ、あなたは下がりなさい」


側近2「かたじけないです………………がっ」ドスッ


にこ「なっ!後ろから矢が!」


側近3「背後を取られました!通路の両側から挟撃されています!」


にこ「ぬわぁんでよ!!!」


にこ「って言ってる場合じゃないわね…!」ガキィン



ヒュンヒュンヒュン



にこママ(いよいよ最期が近づいてきたみたいね)


にこママ「背中合わせで戦うわよ、にこ!」


にこ「わかってるわ、こっちは任せて!」


ガキィン!ガキィン!    ドサッバサッ

____________
________
____


にこママ「はぁはぁ………もう私たち二人しか残ってないみたい、ねっ!」ブン


キィン   ウオオ! 
 
        ガキィン



にこ「………!」


シャキィン

         ザグッ


にこママ「あら、にこはもう喋る気力もなくなっちゃったのね」


にこ「…」ハァハァ


にこママ「この戦いが終わったら鍛え直してあげないと!」



ガキィ

            ヒュッ!

にこママ「…!」


コンマ判定

ゾロ目以外:にこママ斬られる
ゾロ目:にこママ九死に一生を得る

↓1




         ドスッ




にこママ「………んがあああ!!」


敵兵「! もう一太刀参る!」シュッ


にこ「ママ!!」


にこママ「はぁ…はぁ…にこには指一本触れさせないわっ!」ブンッ



ザシュッ



敵兵「…んぐうっ!」バタリ



にこ「ママっ!肩を斬られたのね、大丈夫!?」


にこママ「…」


にこママ「にっこにっこにー!」ヒュッ


ボォッ


        ゴォォォォォ


にこ「ちょっとママ!!なんで火を!!」


ヒヲハナッタゾ!       
          ハナレロ!


にこママ「…にこ、ここでお別れよ、私はもう刀を振れそうにない。ここでアライズの兵たちと一緒に燃えるわ」


にこ「そんなっ!私はまだ戦えるわっ!」




にこママ「ムリよ、だってあなた………泣いてるじゃない」




にこ「………!」ポロポロ


にこママ「矢澤家の人間は逝く時も笑顔って決まってるの。あなたはまだ死ぬ時ではないのよ」


にこ「にっこにっこにー!」ポロポロ


にこママ「…ふふ、駄目ね!鍛え直してきなさい!」


にこ「うぐっ………」ポロポロ


にこママ「幸い今はアライズの兵が火に驚いて離れているわ」


にこママ「私が最後の力を振り絞って3人ぐらい叩っ斬るからその間に逃げなさい!」


にこママ「火災の混乱の中なら逃げきれるはずよ!」


にこママ「うぐっ…!時間がないわ、行くわよ!にっこにっこにー!」


ウオオオオオオオオオオオ!!!        
             ザシュッ ドスッ シュパッ



タッタッタッタッタッタッタッ…


ドサッ







ゴォォォォォ…

____________
________
____


にこ(あの後私は夜の荒廃した京都を必死で走って何とか落ち延びたわ)


にこ(今は昔から将軍家を支えてくれていた家臣のもとに身を寄せているの)


にこ(京都からは追い出されてしまったけど、まだ将軍家が途絶えてしまったわけではない)


にこ(必ず幕府を再興して秩序のある世の中を取り戻してみせる)


にこ(そのためには、まずママを暗殺した後の京都を実質支配しているアライ三人衆ことアライズを駆逐しないと)


にこ(ママ、見ててね。アライ三人衆は私がこの手で必ず叩っ斬る。そして矢澤幕府の栄光を再び…!)




永禄京都動乱編 終


◇幕府再興編


永禄11年(1568年) 尾張国 清州城




穂乃果「いやー、今日もパンが美味いっ!」


凛「穂乃果ちゃん、最近は南蛮人から貿易で仕入れたパンとかいう食べ物ばっかり食べてるにゃ」


花陽「南蛮人と積極的に貿易するのはいいことだけど、パンよりご飯の方が美味しいと思うなあ」


穂乃果「むぅ!ご飯も美味しいけどパンも美味しいんだよ!ほらっ、食べてみて!」



ヒュッ             ストッ



凛「うわっ!またかよちんに矢文が来たよ!」


花陽「どれどれぇ…」モグモグ






花陽「……………ええええぇぇぇぇ!?!?!?」パクパク


穂乃果「なになに!?穂乃果にも見せてー!」


凛「ちょっとー、凛が先だよー!」


花陽「…二人とも、落ち着いて聞いてくださいね?」


ほのりん「ごくり…」




花陽「なんと、あの将軍家の矢澤にこから直々に上洛の命が下りました!」


ほのりん「えええー!!!」











ほのりん「で、矢澤にこって誰?」


花陽「ずこーっ」


花陽「矢澤にこさんとは矢澤幕府の第13代目将軍矢澤にこママさんの嫡子で本来なら征夷大将軍として天下を統治しているはずの人間です」


花陽「3年前の永禄の変でにこママさんがアライズに暗殺されてしまった後は越前に逃れて京都に戻る機会を窺っていたようですが」


花陽「なかなか上洛の要請に応じてくれる武将がおらず」


花陽「最終的に、美濃の斎藤を破るなど最近絶好調だった穂乃果ちゃんのところに要請が来たようです!」


花陽「はわ~、矢澤にこと言えば親の13代将軍から受け継いだ卓越した剣術と美貌、そして将軍らしからぬお茶目なキャラクターが云々…」


穂乃果「な、なんだかよくわからないけど穂乃果に助けて欲しいってことなんだね?」


凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃ~」


花陽「はっ、すみません。つい夢中になっちゃって…」


花陽「はい、にこさんの要望は穂乃果ちゃんに上洛して京都を平定してもらうことみたいだよ!光栄だね!」


凛「すごいにゃ~、京都行ってみたいにゃ~!」




穂乃果「うーん、上洛か…」


りんぱな「?」




穂乃果「しなくていいんじゃない?」


花陽「ほ、穂乃果ちゃん!今、なんて…?」


穂乃果「上洛、しなくてもいいと思う!」




りんぱな「ええ~!?!?」


穂乃果「だって、穂乃果たちの目標は尾張と三河を守ることでしょ?」


穂乃果「今はそれが出来てるから別に無理して京都に行かなくてもいいんじゃないかな?」


花陽「でも上洛ですよ!?上洛して幕府の権威を借りることは全ての戦国武将にとっての憧れなんですよ!?」


凛「それに、にこちゃんって言う人が困ってるんでしょ?将軍が暗殺されるような幕府なんてもう風前の灯火だよ!?助けないと滅亡にゃ!」


花陽(ナチュラルに毒舌が出る凛ちゃん好きだなー)



穂乃果「…!」ムムム



雪穂「お姉ちゃん!」


穂乃果「雪穂、どうしたの?」


雪穂「私、わかるよ、お姉ちゃんがどうして悩んでるか」


りんぱな「…」


雪穂「また自分のせいでみんなに迷惑をかけてしまうんじゃないかって心配なんでしょ?」


穂乃果「!」


雪穂「上洛に夢中になって周りが見えなくなって。尾張や三河の民に迷惑をかけちゃうようなことがあっちゃだめだって」


穂乃果「…全部バレバレなんだね」


穂乃果「武将になりたての頃は何も考えないで出来たのに今は何をすべきかわからないときがある…」




穂乃果「でも私だって戦国武将だもん!やっぱり上洛したい!」


穂乃果「民やみんなに迷惑かけちゃうかも知れないけど、上洛したい!」




ゆきりんぱな「…」コクリ


穂乃果「?」


ゆきりんぱな「だって可能性感じたんだ♪」


家臣「そうだ、ススメ♪」


穂乃果「後悔したくない目の前に♪」


一同「僕らの道がある♪」


穂乃果「よーし、上洛だ!みんな、続けー!!!」


オオオオ!!!!


次は水曜


花陽「さて、まずは美濃までにこちゃんを迎えに行かないとね」


穂乃果「美濃には斎藤家の残党がいるけど大丈夫かな?」


凛「斎藤は去年コテンパンにしたばっかりだよ!大丈夫にゃ!」


穂乃果「そうだね、よし、出陣!」


美濃での戦況 コンマ判定

ゾロ目以外:快進撃
ゾロ目:苦戦

↓1


【美濃国 岐阜城】




凛「岐阜城までは快進撃だったよ!」


穂乃果「さて、もうすぐ矢澤にこさんがここに到着するそうだけど…」


花陽「うぅ…緊張します…」


フスマバンッ!


ほのりんぱな「…!」


にこ「にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー!(ry」ドヤ


にこ「将軍家の矢澤にこよ!これからよろしく頼むわね!」


穂乃果「う…」ポカーン


花陽「ふむふむ…」メモメモ


凛「ちょっと寒くないかにゃ~」


にこ「…そこのアンタ、今寒いって言った…?」


凛「め、滅相もない!すっごいかわいかったです!最高です!」


花陽「すばらしい!さすがにこさん!」


穂乃果「こ、これが将軍家…!よーし私も、」


にこ「…」


にこ「将軍家をバカにする奴らに助けを借りるほど落ちぶれてはないわ!」


にこ「帰りなさい…!」

フスマピシャッ!


穂乃果「…」


花陽「ど、どうしよう…!にこさんに嫌われちゃったかも!?」


凛「台風みたいな人だったね~」




穂乃果「にこさん、寂しそうな目をしてた…」


凛「え?」


花陽「賑やかな人だな~って思ってたら怒っちゃったから、寂しそうなんて印象は受けなかったけど…」


穂乃果「穂乃果にはわかるの」


穂乃果「ほら、にこちゃんって将軍家の嫡子だから英才教育を受けて育ってるはずでしょ?」


凛「農民出身の凛とは真逆だよ」


花陽「にこさんはプライドが高いから私たちはもっと下手に出るべきだったっていう話ですか?」


穂乃果「もう、違うよ!」


穂乃果「にこちゃんはきっと物心ついた頃からお稽古とかで年上の人に何かを教えられるばかりじゃなかったのかな」


穂乃果「それで、対等な関係で話せる同世代の友達がいなかったんじゃないかって」


穂乃果「だから、きっと、私たちと仲間と言うか友達と言うか、そういう関係になりたかったんじゃないかな」


凛「うーん、将軍家の人がそんなこと考えるのかなあ?」


穂乃果「将軍家だから考えるんだよ!同じ人間なんだよ?」


花陽「そ、そう言われてみれば確かに」


花陽「最初にやたら元気よく”にっこにっこにー!”って言って入ってきたのも私たちを面白がらせるためだったのかも…」


凛「そう考えるとあの寒い挨拶も何だかかわいく思えるにゃ」


穂乃果「でしょ!? で、きっとそれがウケなかったから恥ずかしくて怒ったふりして私たちを追い出したんだよ!」


花陽「なるほどぉ…でも将軍家としてのプライドは絶対あると思うから本当に怒っていた部分も多少あると思うよ」


凛「反省してます…」


穂乃果「とにかく、二人ともわかってくれたみたいだね!」


花陽「何とかしてもう一度会ってもらって、仲間として受け入れてもらいたいですね!」


凛「そのために来たんだもんね!」


穂乃果「…うん! ありがとう!」




穂乃果「それで、こうしたら上手くいくと思うんだけど…」ゴニョゴニョ


りんぱな「………それいい!」


穂乃果「でしょでしょ~!」キャッキャッ


~~~

にこ「フン、なに仲良さそうに話してんのよ…」


にこ「帰れって言ったんだから早く帰りなさいよ、尾張に…」


にこ「こうなったら武将の手なんか借りないで自力で上洛してやるんだから!」




にこ「…でも、楽しそうだったな」

____________
________
____


翌朝・岐阜城




にこ「おはよう、みんな揃ってるわね?」


側近「はい。家臣一同、大広間にて帰京に向けての評定の開始を待っております」


にこ「よろしい。じゃあ始めようかしらね」


ガラッ

にこ「待たせたわね…………………」




ほのりんぱな「えへへ」ニコニコ




にこ「……………え?」


一同「おはようございます!」


にこ「なっ!?」


穂乃果「お茶です、お屋形様!」


にこ「お屋形様!?」


凛「京都への侵入経路を地図に書きました、お屋形様!」


にこ「うぇっ!?あんたは京都じゃなくて尾張に帰りなさいよ!」


花陽「お屋形様!参考に二条御所の構造を教えてください!…あとできれば将軍家の私生活も!」


にこ「………」


にこ「こんなことで押し切れると思ってるの…?」


穂乃果「押し切る? 私はただ相談しているだけです」






穂乃果「征夷大将軍矢澤にこを大将とした高坂・小泉連合軍の、次の作戦を!」


にこ「将軍…?」


ほのりんぱな「えへへ」ニコニコ


にこ「…でも今の将軍はアライズの下で傀儡になっている私の妹のこころで、」


穂乃果「にこ将軍!」


にこ「………」


にこ「厳しいわよ…?」


穂乃果「わかっています! 天下統一への道が厳しいことぐらい!」


にこ「わかってない! アンタはあまあま!」


にこ「アンタたちも!」


りんぱな「はいぃ!」




にこ「いい? 天下統一っていうのは戦に勝ち進むことじゃない、戦を無くすことなのよ!」


にこ「それをよーーーく自覚しなさい!」


ほのりんぱな「はいっ!」


にこ「…っ!」グスッ




にこ「それじゃあ出陣よ、にっこにっこにー!」


「「「にっこにっこにー!」」」


京都までの穂乃果たちの戦況、コンマ判定

33以下:苦戦
34以上66以下:順調
67以上:快進撃

↓1


【山城国 二条御所前】




にこ「はぁはぁ… やっと帰ってこられたわ、ここ京都に!」


花陽「美濃からここまでは苦戦しましたね…」


穂乃果「南近江の六角家の抵抗が予想以上に激しくてちょっと兵力が削られちゃったね…」グス


凛「苦労して辿りついた都だけど、意外と荒れてるんだにゃ~」


にこ「応仁の乱をきっかけにすっかり荒廃しちゃったわね…武装した浪人がうようよしてるわよ」


穂乃果「そんな中であのお城だけ異様な存在感…」


にこ「二条御所はもともと私のママが建てた館だったんだけど、アライズによって半要塞化されたみたいね」


花陽「あ、あの中にアライ三人衆が…!」


凛「そう言えばアライ三人衆とかアライズって一体何者なの?」


穂乃果「あっ!それ穂乃果も気になってた!」


にこぱな「はぁ!?(えぇ!?)知らないの!?」


花陽「アライ三人衆もといアライズとは綺羅ツバサ、統堂英玲奈、優木あんじゅの三人によって構成される日本随一の連合政権です」


花陽「武力と家系の両方を兼ね備えており、畿内と四国のほぼ全域を支配しています!」


にこ「そして何より、私の母親の仇よ…!」


ほのりん「…!」


にこ「たかが管領の家臣が将軍を暗殺するなんて、下剋上ここに極まれりと言った所ね」


花陽「はい…」


にこ「でもその暗殺も勢力を失いつつあるアライズが焦って起こした事件とも言われているわ」


にこ「ビビらせるようなこと言っといて悪いけど、戦力だけで言えば今の私たち連合軍の方が上のはずよ」


穂乃果「…そっか! よし、絶対勝ってにこちゃんを本当に将軍にしよう!」


凛「にこちゃんの妹も救出するにゃー!」


にこ「みんな…ありがとうね」


花陽(アライ三人衆なのに苗字がバラバラということにはつっこまない方がいいらしいです)


穂乃果「それで作戦だけど…」


1.強行突破で短期決戦。城の一点に猛攻をかけて突入
2.正攻法で包囲戦。都の浪人も味方に引き入れて大勢力で取り囲んで消耗させる

↓1


穂乃果「城の構造がわからない以上強行突破は難しいよね、包囲戦でいくよ!!」


オオー!!!!!


花陽「でも浪人も味方につけるって大丈夫なのかなぁ…?」


にこ「あいつらは強い方に味方するのよね。大丈夫よ、少なくとも勝ってるうちは」


凛「攻城戦なら凛に任せるにゃ~!投石器部隊、行っくにゃ~!」


~~~


ドーン!!   パラパラパラ…


ツバサ「どうやら攻撃が始まったようね」


英玲奈「ああ。コウサカとコイズミのレンゴウグンがヤザワニコを奉じて、上洛してきタ」


ツバサ「ついに矢澤将軍家にとどめを刺す日が来たのね… 相手方の武将は、」




あんじゅ「高坂の頭領、高坂穂乃果。戦での勢いと大胆な内政で頭角を現してきている尾張の戦国大名ね」


英玲奈「コウサカの重臣であるホシゾラリンは奇策や奇襲に長けており、イクサでは危険な相手ダ」


あんじゅ「同盟相手の小泉花陽。この子は大局的な視点と打算的な状況判断が武器ね」


ツバサ「そして矢澤にこ………!」


ツバサ「私たちが三年前に殺し損ねた相手…!こいつを討てば幕府は、日本は完全に私たちのものになる…!」


ツバサ「この戦はアライズの未来を決める戦になるわ、絶対に負けないわよ!」


あんじゅ「おー!」
英玲奈「オー!」




ツバサ「そう言えば、英玲奈。前から思っていたんだけど、あなたって喋り方変よね?」


英玲奈「ああ。ワタシは南蛮人だからな。黙っててスマナイ」


ツバサ「謝らないで。人種は関係ないわ!これからも共に戦いましょう!」


ツバあん(まじか…)

____________
________
____


一か月後




にこ「ちょっと!なんでまだ落ちないのよこの城!」


凛「凛に八つ当たりしないでよー」


花陽「凛ちゃんの攻城専門部隊が投石や火矢で攻撃してるけどなかなか侵入経路はできそうにないね…」


穂乃果「とは言えもうそろそろ兵糧も尽きかけてるだろうし精神もすり減ってるはず、あと一息頑張ろう!」


パカラパカラッ


伝令「申し上げます!桂川対岸からアライズ勢の大軍が進軍してきているのが斥候により確認されました!」


にこ「ぬわんですってぇ!?」


花陽「アライズは畿内全域と四国に勢力を持っている…!衰弱したとは言え各地の兵を集めて都に向かわせることは可能…!」


凛「時間をかけすぎたってことかにゃ」


穂乃果「ぐっ…!」




穂乃果「援軍が来たと言ってもおそらく兵力的には互角だよ!迎え撃とう!」


穂乃果「凛ちゃんの部隊は城攻めを続けて!花陽ちゃんと私は鶴翼の陣を敷くよ!」


オオー!!


にこ(頼もしいわね)


コンマ 戦況判定

偶数:高坂・小泉軍優勢
奇数:アライズ優勢
ゾロ目:討死が発生

↓1


ドドドドドド…


花陽「来たね…!」


花陽「鉄砲隊、よーく引きつけて!」



  ドドドドドド…
            ウオオオオオオオオオ!!



花陽「…てぇーい!」


ズパパパパン!!     グアアアア…!!


花陽「よしっ」


花陽「敵は落城寸前の城を救うために少し焦ってるみたい」


花陽「このまま突っ込んでくる敵を冷静に迎え撃つ態勢でいくよ!」


花陽「一点突破だけされないように気を付けてね!」

____________
________
____


穂乃果「花陽ちゃんが前線で踏ん張ってくれてるみたいだね!」


にこ「この動きに呼応して城の兵も打って出てくると思うけどどうかしらね」


穂乃果「城はネコに任せてるから大丈夫だよ!」


にこ「凛のことね?正直言って信用できないんだけど?」


穂乃果「凛ちゃんなら大丈夫だよ」


穂乃果「だって、凛ちゃんは………」






穂乃果「“知ってる”んだから」


【二条城 天守】




ツバサ「やっと援軍が来たのね…!」


あんじゅ「私たちの声を聞いて」


英玲奈「これだけの人数が集まっタ!」


あんじゅ「さっきまでと違って今は投石や砲撃もない!」


英玲奈「我々は勝ツ!」


ツバサ「…!」コクリ


ツバサ「城門開け!高坂を前後から挟撃するわよ!」



ゴゴゴゴゴ…



ツバサ「さぁ、時は来たわ!」


ツバサ「天下を獲るのは私たちアライズ!」


ツバサ「かかれーっ!!」


オオオオオオオ!!



        ズドドドドドドドン!!!!




グワァァァァ!! ナンダナンダ!?


アライズ「「「!?」」」ショッキングパーティ


英玲奈「何ダ!?何が起きていル!?」


あんじゅ「攻城用の投石器や大筒が城門前に配置されてるわ」


ツバサ「くっ…! 兵を退かせて!!」


ヒケー!!   カラダガコッパミジンニナルゾ!!



凛「凛知ってるよ」


凛「こういうの、“飛んで火にいる夏の虫”って言うんだよね」


凛「アライズへの援軍の規模は凛たちの軍とほぼ同じ」

凛「となると、確実に勝つためにはアライズが城から出て援護しないといけない」

凛「そして、落城が時間の問題になっていた二条城」

凛「援軍さえ退ければ後ですぐ落とせるんだから今攻撃する必要はない」

凛「城から出てくる兵に攻城用兵器をぶっぱなせるってことだにゃ」


凛「アライズの皆さん!」


凛「“飛んで火にいる夏の虫”になりたくなかったら降伏するにゃ!」


戦の決着 コンマ判定

ゾロ目以外:アライズ降伏
ゾロ目:高坂陣営、討死が発生して敗走

↓1


あんじゅ「完っ全にフルハウス…」


ツバサ「もはやこれまでなの…?」


英玲奈「イヤ、まだダ」


ツバあん「!?」


英玲奈「ホシゾラリンの話は、コウサカが我々の援軍と互角以上に戦うことを前提にしているゾ」


あんじゅ「打って出ることはできなくなったけど、降伏するにはまだ早いということね」


ツバサ「…」

ツバサ「だめね、川の方を見てみなさい」


英玲奈「ワレワレの援軍がヒトツ!に囲まれていル…」


あんじゅ「どうやら焦って突撃した所を包囲されたみたいね」


ツバサ「…完敗ね、私たちの」

____________
________
____


【二条城 本丸庭園】



ツバサ「…」
あんじゅ「…」
英玲奈「…」


穂乃果「降伏してくれてありがとうございます」


凛「おかげで死人が少なく済んだにゃ」


花陽「それで、アライズの皆さんの扱いですが…」チラッ


にこ「…」


にこ(ママの仇…)


にこはアライズをどうする?

1.処刑
2.流罪
3.家臣にする

↓1


にこ「…」




にこ「あんたたちは今後、にこの家臣として生きなさい」


ツバえれあん「…!!!」


ツバ「ありがとうござ『待って、それは言わないでちょうだい』」


えれあん「!?」


にこ「ママを殺した戦国最強の三人組アライズは今ここで死んだわ」


にこ「これからは宇宙ナンバーワン将軍にこにーのバックダンサー、もとい家臣として働くのよ!」


ツバえれあん「御意…!!!」


にこ「いい返事ね!」


穂乃果「それでいいの?にこちゃん」


にこ「いいのよ。 言ったでしょ?」

にこ「天下統一っていうのは戦に勝ち進むことじゃなくて戦を無くすことなんだから」


にこ「殺人のない世界にするために殺人を犯すのはおかしいわ」


穂乃果(…)


穂乃果「にこちゃんがそう言うなら」


にこ(これで…いいはず)


にこ「ツバサ、あんじゅ、英玲奈、まずはね」

____________
________
____


穂乃果「花陽ちゃんはどう思う?」


花陽「確かに、敵の大将には自害させるのが習わしですが…」


凛「自害させると遺児の恨みを買うことになって将来的には敵を増やすことになっちゃうにゃ」


穂乃果「でもアライズには過去何回も裏切られているんだよ?」

穂乃果「それに親の仇を討つ漢気すらない人に天下が治められるのかな?」


凛「そ、それは…」




花陽(穂乃果ちゃんの考え方は男らしいけど野蛮すぎる…)


凛(斎藤や六角に裏切られて最近ちょっと疑心暗鬼になってるんだにゃ、許してあげて?)


花陽(これが災いを招かなければいいけど)


凛(そうならないように私たちが支えてあげるんだよ!)


花陽(…わかってるよ)

____________
________
____


一か月後 京都




にこ「大義だったわね、穂乃果」


穂乃果「ううん、城下町ごと焼いたからすぐだったよ」


にこ「はぁ!? 水責めにして生け捕りにしろって言ったわよね!?」


穂乃果「いいでしょ?結局あの地域はにこちゃんのものになったんだから」


にこ「いいわけないでしょ! 無辜の民を殺したのよ!?」


穂乃果「…もう、疲れてるんだからほっといてよ」スタスタ




にこ「…」


ツバサ「穂乃果さん、働きぶりはいいけどやり方に問題があるみたいね」


凛「に、にこちゃん」


にこ「凛、ご苦労様」


凛「あの、穂乃果ちゃんのことだけど」


凛「京都に来ている間に尾張で一揆がおきて」


ツバサ「留守を任せておいた家臣の中にも裏切りがでちゃったみたいね」


にこ「人を信じられなくなっているのね」

にこ「それで、武力に物を言わせるスタイルになっているってわけね」


凛「武力で圧倒して、反抗する気を無くさせるのが平和への近道だって」


にこ「そんなの………恐怖政治じゃない」


凛「最近は凛でも進言しにくい雰囲気だにゃ…」


にこ「花陽が三河に帰っちゃってからはかなり荒立っているわね」


凛「そこで、にこちゃんに何とか穂乃果ちゃんを諫めて欲しいだけど…」


にこ「ふん、任せておきなさい」フンス

にこ「これでも立場上はあいつの上司なんだから!」


凛「お願いしますにゃ!」


ツバサ(…)

____________
________
____


にこ「大見得切ったのはいいけど…」


にこ「具体的にはどうすればいいのかしら」


にこ「あほのかと私じゃ考え方が違うのよね」


にこ「あいつは天下統一の先にある平和のためなら犠牲も厭わない」


にこ「私は………政治でこの国に平和をもたらしたい、流血は避けたい」






にこ「一体どうすれば…」


???「にこっち、お困りのようやね♪」


にこ「アンタは…!」


◇三増峠編

永禄12年(西暦1569年) 相模国 小田原城




絵里「どういうことよ!?」


側近「はい…どうやら甲斐の南に寝返るつもりのようです」


亜里沙「そんな…」


絵里「くっ…」


~~~

絵里(八年前の川中島合戦でことりが海未を破った)


絵里(共通の敵である海未に対抗するために結ばれた甲相駿三国同盟は存在意義を失い、簡単に破棄された)


絵里(ことりと真姫はまだ同盟関係にあるみたいだけどね)


絵里(それから、私とことりはそれぞれ武蔵と信濃に侵攻して領土を拡げた)


絵里(衝突することもあったけど戦力が拮抗していたから決戦になることはなかったわ)

絵里(つい最近までは…)


絵里(一年前からことりは越後への侵攻を開始した)


絵里(真姫の助けもあったからか順調に進んでいるらしい)


絵里(ことりが勢力を拡大するにつれ、もうすぐ南が攻めてくるという噂が絢瀬の領土で流布した)


絵里(支配下に入れかけていた上野や武蔵では私から離反する者が相次いでいる)


絵里(何とかしなくては…!)

~~~


亜里沙「お姉ちゃん…」


絵里「武蔵まで行って演説をぶってくるわ」


絵里「そうね、演目は絢瀬家の伝統と豊かな相模で…」ムムム


亜里沙「お姉ちゃん」


亜里沙「私も、家臣が寝返ってしまうのは嫌だけど…」


亜里沙「これがお姉ちゃんのやりたいこと?」


絵里「…」




絵里「でも、嫌なんでしょ?自分の家臣が他の国に寝返ったら!」


亜里沙「それはそうだけど…」


亜里沙「寝返りを何とかしなきゃって、無理しすぎてるんじゃない?」


絵里「そんな…無理なんて…」


亜里沙「お姉ちゃんも頑固だね」


絵里「私はただ、相模を存続させたいだけ」


【武蔵国 松山城】




絵里「このように絢瀬家の歴史は古く、」


農民「Zzz…」


絵里「この地域の発展にずっと関わってきました」


農民「わぁっ!!!年貢が増えたっ!!!」




農民「あっ、すいません…」


絵里「ごめんね、退屈だった?」


農民「い、いいえぇ!!後半、すごく引き込まれました!!」


絵里「はぁ…」

____________
________
____


【相模国 小田原城】




絵里(演説はあまり上手くいかなかったわね)


絵里(…)トボトボ


~~~

亜里沙『これがお姉ちゃんのやりたいこと?

亜里沙『私ね、高坂の戦い方を見てるとね、胸がかーって熱くなるの!』

亜里沙『一生懸命で、天下統一に向かって一直線で!』

~~~


絵里「…」ハァ


亜里沙「私ね」


絵里「あ、亜里沙…」


亜里沙「お姉ちゃんの嫡子として生まれて、絢瀬の跡継ぎとして戦ってきたけど」


亜里沙「ずーっと思ってたことがあるの」


亜里沙「お姉ちゃんは、本当は何がしたいんだろう、って」




絵里「…え」


亜里沙「一緒にいると、わかるんだよ?」


亜里沙「お姉ちゃんが頑張るのはいつも誰かのためばっかりで」


亜里沙「だから、いつも何かを我慢しているようで」


亜里沙「全然自分のことは考えてなくて!」


絵里「…!」


亜里沙「家臣を引き留めようとするのも、絢瀬の頭領としての義務感でしょ!?」


亜里沙「だから武蔵の人はお姉ちゃんの演説に魅力を感じなかったんじゃないの!?」


絵里「…!」プルプル




亜里沙「お姉ちゃんの本当にやりたいことは!?」






絵里「何よ…」


絵里「何とかしないといけないんだからしょうがないじゃない!!」


亜里沙「…」


絵里「私だって!」

絵里「好きなことだけやってそれで何とかなるならそうしたいわよ!!」ウルウル



亜里沙「…!」


絵里「自分が不器用なのはわかってる!! でも…!」ウルウル


絵里「今さら天下統一を目指そうなんて私が言えると思う!?」


タッタッタッタッタッタ…


亜里沙「ま、待ってよ!」

____________
________
____


絵里(亜里沙にまで怒鳴っちゃったわ)


絵里(私ってどうしてこんなに不器用なんだろう…)


絵里(おばあさまから受け継いだこの土地を守るため必死で戦ってきた)


絵里(上洛には興味がないそぶりを見せて内政に力を入れてきた)


絵里(戦国武将というよりむしろ政治家ね)


絵里(内政では日本一と言われるようになったわ………でも)



絵里「私のやりたいこと………」


絵里「そんなものっ…」




スゥッ


絵里「…?」


家臣団「…」ニコッ


絵里「あなたたち…!」


重臣「お屋形様、いえ、絵里様。お願いがあります」


絵里「ま、また演説? なら昨日伝えた書類を全部まとめて、」




重臣「絵里様、天下統一を目指してくださいっ!」


絵里「………え?」


重臣「一緒に天下を獲って欲しいです、政治家ではなく戦国武将として!」


絵里「何を言ってるの! 私がそんなことするはずないでしょう!」



家臣1「さっき亜里沙様から伺いました」

家臣2「やりたいなら素直に言ってくださいよぉ!」



絵里「ちょっと待って! 別にやりたいなんて…」


絵里「だいたい、私が天下統一なんておかしいでしょ!?」


絵里(上洛の気配も見せずに、ずっと関東にばっかりこだわってきたんだから)


亜里沙「やってみればいいんだよ?」


絵里「…」



亜里沙「特に理由なんて必要ないんだよ、やりたいからやってみる」

亜里沙「本当にやりたいことって、そんな感じで始まるんじゃない?」



絵里「…!」


家臣団「…」ニコッ


アクシュ! ガシッ!


絵里「…!」コクリ


ワアアアアアア!!


絵里「みんな、ありがとう」スタッ


絵里「さあ、行くわよ!」


重臣「どこへ?」


絵里「決まってるでしょ? 西よ!」


ウオオオオオオオオオオオ!!


絢瀬軍の徴兵の成果 コンマ判定

20以下:最初の演説の失敗が響いてあまり集まらなかった
21以上:西進政策が好評でたくさん集まった

↓1


一週間後 




絵里「みんな、よく集まってくれたわね」


絵里「これから私たちは甲斐に侵攻してことりを叩くわ」

ザワヤザワ…

絵里「南が相模侵攻の準備を整える前にこちらから攻めるのよ」


絵里「確かに強大な敵だけど今の私たちなら勝てるわ」


絵里「天下統一を目指すって決めたんだから」


絵里(それに、真姫も来てくれるんだから)


絵里「さあ、いつものいくわよ?」


絵里「えい、えい!」

応!!!


絵里「かしこい、かわいい!?」

エリーチカ!!!


絵里「よくできました! 出陣よ!」

オオオオー!!!


【駿河国 西木野館(後の駿府城)】




真姫「ことりがもうすぐ相模に侵攻するらしいけど」


親鳥「あなたも行くんでしょう?」


真姫「ん…ええ」


親鳥「歯切れが悪いわね」


親鳥「ことりと協力すれば確実に絢瀬を滅ぼせるのよ?」


真姫「わかってるわ」


真姫(問題はその後よ)


真姫(絵里を倒した後の私に同盟先としての価値があるのかしら)


真姫(絵里さえいなくなればことりは私なんて簡単に潰せる…)


真姫(それに、あの書状)


~~~

真姫へ、絵里です

あれから(同盟が無くなってからよ)絢瀬家内で話し合いました

内政が好評なこと、私たちの相模が多くの民に評価されていること、

関東の平和のために力を貸して欲しいと言われていること

嬉しく思いました

でも、私たちの本能は隠しきれませんでした


関東に固執し続けることは、ありません

私たちはやっぱり………戦国武将であることにこだわりたい!

私たちは戦国武将が好き


野望のために、功名のために、武将が集まり、競い合って、そして手をとり合っていく

戦国武将が好き!


ふぅ、ここからが本題よ

一緒にことりを討ちましょう

ことりを討った後は甲斐を分け合うことを約束するわ

返事、待ってるわね
~~~


真姫(前に似たような文面のものを花陽から受け取った気がするけど気にしないわ…)


真姫(ともかく、ことりを裏切れってこと)


真姫(絵里は私の不安がわかってて誘ってきてる)


真姫(戦力的にはことり>>絵里>>私)


真姫(絵里がいなくなった後のことりは私の手に負えないけど)


真姫(私が絵里と共闘すればことりに届きうる)


真姫(ことりを倒した後も同盟を継続してくれるらしいし)


真姫(決別することになったとしても絵里にならなんとか対抗できる…)


真姫(とりあえずは二枚舌外交で乗り切っているけど、)


真姫(明らかにここが西木野家の運命の分かれ道だわ)


真姫(どうする西木野真姫…!)


真姫(どうするどうする………)ブツブツ


親鳥「真姫さん、うるさいわよ」


真姫(………)ブツブツ


親鳥「もう! 徴兵はかけといたから早く出陣してきなさい」


真姫「ヴぇぇ!? ま、まだ作戦が…」


親鳥「そんなの後で大丈夫よ、真姫さんは賢いんだから」


真姫(…あまり遅くなると二人に疑われるからこれでいいのかもね)

真姫「わかったわ、行ってきます」スック


親鳥「真姫さん、死なないようにね」


真姫「この私が死ぬわけないでしょ? 大丈夫よ」


親鳥「それと…ことりのこと、頼んだわよ」

真姫「………任せておいて」




真姫「出陣よ!!!」

オオオオー!!!!

____________
________
____


【相模国 津久井城】




絵里「だいぶ山の中に入って来たわね」


亜里沙「峠を越えたらもう甲斐かぁ」


絵里「ここから先は警戒しながら進むのよ」


亜里沙「南は山岳戦にも強いらしいからこんな所で戦いになったら怖いなぁ…」


絵里「大丈夫よ、もうすぐ真姫とも合流する予定だし!」


絵里「今日はこの先の小高い丘まで行って野営よ!」

絵里「丘まで競争!負けた人ジュースおごりぃ!」

ダダダダダ!!

ウオオオオオオオオオオ!!

亜里沙(お姉ちゃん…兵の皆さん…)


コンマ判定

30未満:ことりの斥候に見つかる
30以上:見つからなかった

↓1


…翌朝 

相模国 三増峠




絵里「今日はあの先に見える盆地まで進むわ」


亜里沙「そこで真姫さんと落ち合うんだね!」


絵里「そうよ、行軍開始!」

____________
________
____


絵里「峠道が開けて盆地が見えてきたわ」


亜里沙「あっ、見て見てお姉ちゃん!」

亜里沙「もう真姫さんは着いてるみたいだよ!」


絵里「本当だわ、見下ろす先の盆地に黒い点がたくさん………」




絵里「あれ、ことりの軍勢じゃない………!」


絵里「赤備えの騎馬部隊が見えるわ…!」


亜里沙「そ、そんなっ!? なんでここに!?」


絵里「…どうやら私は真姫に騙されたみたいね」


絵里「単にことりと私の遠征時期が被っただけで真姫はこちら側だと信じることもできるけど…」


絵里「いずれにしろあの兵の数は明らかに決戦を意識してるわ」


絵里「この距離ならおそらく向こうもこちらを視認している…どうする?」


1.突撃:鋒矢の陣
2.バランス:魚鱗の陣
3.防御:鶴翼の陣
4.撤退

↓1


絵里「真姫が来てからだと確実に敗れてしまう」


亜里沙「かといって今撤退すると山岳戦が得意なことりに山岳部で追撃を受けてしまう…」


絵里「となれば、こちらから仕掛けて打撃を与えてから退くのがいいわね」


亜里沙「でも鋒矢だと数で勝る向こうに包囲されるかも…」


絵里「…」




絵里「魚鱗の陣を敷くわよ!」


絵里「緊密な連携を保ったまま深くまで侵入して攻撃、その後退くわ!」


亜里沙「わかったよ!お姉ちゃん!」


絵里「準備はいい?」


絵里「かかれぇー!!」


ウオオオオオオオオオオオ!!

____________
________
____


【南軍 本陣】




ことり「ふぅ~、ちょっとこの盆地で一休みしよっか!」


側近「こ、ことり様! あれを!」


背の低い草が群生する凸凹した平原から山に入る道を見やる

峠から盆地に駆け下りてくる人の群れ

白地に黒の三つ鱗の旗が山から吹き下ろす風に沢山はためいているのが微かに見えた


ことり「あれは…絵里ちゃんの!?」


ことり「なんでこんなところに…!」




ことり「…まあいいや、こっちから向かう手間が省けただけだし」


ことり「それに、

     …ウオオオオオオオオオオオ!!   …ドドドドドド!!


ことり「!?」


側近「絢瀬の軍が山を駆け下りて猛烈な勢いで向かって来ております…!」


ことり「…軍を動かすのが早いね、流石絵里ちゃん」


ことり「鶴翼で迎え撃つよ!」


オオー!!!!


ことり「真姫ちゃんが来るまで我慢すればこっちの勝ちなんだもん!」


戦況 コンマ判定

33未満:ことり優勢
33以上65未満:互角の戦い
66以上:絵里優勢
※00は0

↓1


【西木野軍 本陣】




真姫「やっと着いたわ」ハァハァ


真姫「どちらに付くか決めなきゃ…」


真姫「………あれは!?」


ワーワー!!
            ドドドド!!


高台から見下ろした先の盆地では既に戦が始まっていた


真姫「そ、そんな…! まだ私は…!」


土埃の舞う草原のあちこちで雄叫びや断末魔があがっている


真姫「ことり…絵里…! 戦況は!?」


鱗のように連なった絢瀬軍が翼のように横に広がった南軍の中央部を押している


数の違いから絢瀬軍が包囲されるのは時間の問題に思えるが、南軍の中央が突破されるのが先かもしれない


真姫「私は………西木野家は………!」

1.ことりに付くわ!
2.絵里に付くわ!
3.第三勢力として参戦よ!
4.適当な理由をつけて撤退よ!

↓1

次は日曜


真姫(南家とはずっと仲良くしてきた)

真姫(ママが討ち死にして西木野の勢力が弱まっても見捨てないでいてくれた)

真姫(それに…)



親鳥『…ことりのこと、頼んだわよ』



真姫(私とママはもう二度と会えないけど、あの人とことりはまた会えるかもしれない…!)


真姫(…)


真姫(絵里………ごめんね)


真姫「聞きなさい!私たちはこれから南の軍を助けるわ!」


真姫「南に受けた恩に報いたければ、この草原をひた走りなさい!」


真姫「狙うは絵里の首一つ! かかれぇー!!」


ワアアアアアア!!!!


【絢瀬軍 本陣】




家臣「申し上げます、亜里沙殿が南の侍大将の首級を挙げたそうです!」


絵里「亜里沙もたくましくなったわね…」


絵里「全体の戦況はどうなの?」


家臣「はい、南の本陣を脅かしつつあります」


絵里「潮時ね、退くわよ」


家臣「? 南ことりを討ち取る機会なのでは?」


絵里「これ以上時間をかけると危険よ、もうすぐ、





ズドドドドドドド………!!!


側近「なっ!? 地鳴りか!?」


絵里「………!!」


家臣「背後より、西木野の軍勢です…!」


      ワアアアアアア…! ドドドドド…!


絵里「来たわね… 真姫っ…!」ギリッ


絵里(わかっていたことだけど、実際に起きてみると辛い)


絵里(それに兵も…)


ワーワー!! ニシキノダ!!ウラギッタノカ!!

           ニゲロ!!コリャカナワン


側近「このままだと前後から挟撃されますぞ!」


絵里「真姫の出現で退くことすら難しくなったわね」


側近「どうされますか…!」


1.撤退よ!殿はあなたに任せるわ!
2.撤退よ!殿は亜里沙に任せるわ!
3.撤退よ!殿は私が務めるわ、亜里沙は次期当主だもの
4.ここまで来たらことりを討ち取るしかない!攻めるわよ!

↓1


絵里「少しでも早く戦場を脱出しないとまずい…」


絵里「退くわよ!下って来た峠道を駆け上がるわ!」


側近「ですが、敵が退くことを許してくれましょうか?」


絵里「殿を置くわ………指揮は、」

側近「わかっておりますよ、絵里様」


絵里「!」


側近「背後は…お任せください」


絵里「…頼んだわよ」


側近「はい、ではまた小田原にてお会いしましょう」ニコ


絵里(………わかってるくせに…“また”なんてないって)




絵里「皆、小田原まで駆け抜けるわよ!」


絵里「遅れた者は置いていくわ!私に続けー!」


撤退戦判定 コンマ

49以下:失敗、大将級が討死
50以上:成功

↓1


【南軍 本陣】




家臣「西木野の軍勢が現れました!絢瀬の背後に攻撃を仕掛けています!」


ことり「もう、真姫ちゃん遅い!」


ことり「ひやひやしちゃったよ 流石、相模のハラシショーこと絵里ちゃん」


ことり「でもそれもここまで」


ことり「全軍一気に前進して絵里ちゃんを包囲して!」





家臣「絢瀬は既に撤退を始めている模様です!包囲は難しいかと」


ことり「くっ」


ことり「こんな千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかない!」


ことり「騎馬隊を出して!絵里ちゃんの本隊を追うんだよ!」


ドドドドドド!!

____________
________
____


ドドドドドド…!!


側近「来たか、南の誇る戦国最強の騎馬軍団!」


側近(流石に足がすくむ…)

側近(だが、今だけは…!)


側近「ここから先へは一歩も進ません!」


側近「者ども、死んでも南を止めよ!」

応!




側近(見えてきたぞ)

側近(!)

ズドドドドドドド…!!

凹凸が多く少し固い地面の盆地を突進してくる騎馬武者の波

それはさながらうねり狂う津波のように絢瀬の殿軍に押し寄せる

兵たちは騎馬軍団の津波に飲み込まれるようにして死んでいった


側近(………絵里様………申し訳…ありま…せん)ガクッ

____________
________
____


【絢瀬軍 本隊】




絵里「だいぶ登ってきたわね」


亜里沙「うん、ここからはひたすら駆け下っていけば小田原に!」


絵里「ええ、先を急ぐわよ!」


ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン


家臣1「後ろから矢が………………あがっ」ドサッ


亜里沙「え!? もう追いつかれちゃったの!?」


絵里「亜里沙、止まったらダメよ!」


亜里沙「でも………きゃっ!」ドサッ


絵里「亜里沙っ!早く馬に戻っ…


ヒュンヒュンヒュン!!


亜里沙「お………」ドスッドスッ


亜里沙「」






絵里「」

絵里「ああああああ!!!」

絵里「亜里沙っ!亜里沙ぁああ!」


家臣2「絵里様!いけません!」


絵里「放してっ」


家臣2「なりませんっ!小田原には民がっ…!民が!」

____________
________
____


【三増峠付近の寺】




ことり「真姫ちゃん、お疲れ様」


真姫「ことりこそね」


ことり「真姫ちゃんが遅いせいでちょっと危なかったんだから!」


真姫「ごめんなさいね。でも絵里に逃げられたとは言え大勝できてよかったわ」


ことり「うん、最終的に絢瀬の戦死は三千ほどになりそう」


真姫「それはまた…大した数ね」


ことり「うん…それにこの綺麗な首………」


亜里沙「」


真姫「間違いなく絢瀬家の跡継ぎ、亜里沙ちゃんね」


ことり「善徳寺で会ったときのあどけなさと繊細さが残ったまま…」


真姫「…」




ことり「………一緒に終わらせようね、乱世」


真姫「…ええ」


◇穂乃果包囲網編?


【山城国 二条御所】




にこ「えっと、この条文はここをこうして…」


ガラッ


穂乃果「にこちゃん」


にこ「どうしたの、穂乃果?」


穂乃果「越前の朝倉が出てこないせいで丹波で苦戦してるんだけど」

穂乃果「にこちゃんがしっかり催促しないからだよ」


にこ「ご、ごめん。 今にこは式目に追加する条文を考えるので忙しくて…」


穂乃果「ねぇにこちゃん」


にこ「な、なに」


穂乃果「そんな紙っぺらだけで何ができるって言うの?」


にこ「!」


穂乃果「紙の上の文に効力を持たせるには」

穂乃果「背景に武力がないと駄目だよ」


にこ「…どういうことよ?」


穂乃果「朝倉に書状を送ってくれない?」


穂乃果「今すぐ丹波に出兵しないと、穂乃果を越前に差し向けるぞって」


にこ「…できないわ」


穂乃果「どうして?」


にこ「だってそんなのただの脅しじゃない…将軍がやることじゃないわ」


穂乃果「そう…」




穂乃果「じゃあ紙の上の言葉だけで今すぐ平和を実現して見せてよ」


にこ「それはできないわ。ねぇ穂乃果、わかるでしょ?」


穂乃果「わからないよ!どうしてじっとしていられるの!?」


にこ「穂乃果、感情的にならないで」

にこ「ほら、静かにしないとワシワシしちゃうわよ」ギュッ


穂乃果「!」


にこ(あっ………血の匂い…)


穂乃果「放してよ、ふざけに来たんじゃないんだから」サッ


にこ「…そうよね、ごめんなさい」


にこ「でもさっき伝えたことは本音よ」


にこ「私は政治の力で太平の世を実現するわ」


穂乃果「…」


穂乃果「そっか、よくわかったよ」


にこ「わかってくれるのね? ありがとう…穂乃果」






穂乃果「やっぱり、にこちゃんには天下統一を任せられない」


にこ「え…」


穂乃果「これ、『殿中御掟』」ポン


にこ「な、なによ、これ」


穂乃果「今後、にこちゃんにはこの掟に従って政治をしてもらうからね」


にこ「『穂乃果はにこちゃんの承認なしに諸侯を成敗していいことにする』…」


にこ「こ、こんなの認められるわけっ「ネコっ!」

シュッ


凛「動いたら首を…(にこちゃん、ごめんね…)」ジャキッ


にこ「! こんなやり方…!」


穂乃果「さっき言ったのはこういうことだよ」

穂乃果「武力による脅しがあって初めて紙っぺらに力が宿る」

穂乃果「わかったらそこに花押をよろしくね」


にこ「穂乃果! アンタは!」


凛「にこちゃん」ジャキッ


にこ「…っ」

にこ「……………」カキカキ

____________
________
____


にこ「どうしてこうなるのかしら」


にこ「私はただ…」


???「ワシワシ作戦もダメやったか~」ヌッ


にこ「きゃっ! びっくりさせないでよ、のぞみ」


のぞみ?「もう、ちゃんと発音してや!ウチは如ぞみ!にょ、ぞ、み、や!」


にこ「にょ、如ぞみ。全く、何でそんなに噛みやすい名前なのよ…」


如ぞみ「しょうがないやん、本願寺の宗主は通字として“如”を法名に入れるんやから」


にこ「本願寺も11代目、そう簡単に伝統を切り捨てるわけにもいかないわよね」


希「でもやっぱり呼ぶときは希でいいよ!」


にこ「ええんかい!」ビシッ


にこ「で?本願寺の宗主がこんなところに何しに来たのよ?」


希「いや~、にこっちが穂乃果ちゃんと上手くやっとるか確認しにきたんよ」


にこ「生憎ね。さっき見た通り穂乃果との関係は最悪よ」


希「そうみたいやねぇ」


希「…」

希「ね、新しい作戦を思いついたんやけど、聞きたい?」


にこ「どうせまた下らないことでしょ?聞かなくていいわよ」


希「じゃあ教えてあげなーい!」


にこ「はいはい」


希「一人で勝手にやるもん!」


にこ「え?やるんなら教えなさいよ!穂乃果に変なことするんじゃないでしょうね!?」


希「まぁまぁ悪いようにはせんから!」


希「楽しみにしとき~!」


希(死なんといてね、にこっち♪)


タタタタタ…


にこ「あ!待ちなさいよ!」

____________
________
____


元亀元年(西暦1570年) 山城国 二条御所




穂乃果「朝倉に書状を送り続けてもう1年…」


凛「未だに出兵の気配はないよ」


にこ「…」


穂乃果「もういいよね、にこちゃん?」


穂乃果「朝倉を討つから御内書を書いて欲しいな」


穂乃果「将軍の名の下に朝倉討伐を命じるって」


にこ「…」


にこ(また無益な戦いが生まれようとしている)

にこ(きっと朝倉は穂乃果の実力を知らないから命令に従わないのよ)

にこ(緒戦で戦力の差を実感して恭順してくれることを願うしかないわ)


にこ「…わかったわよ、書くわ」カキカキ


穂乃果「ふふっ、ありがとう」

____________
________
____


一か月後




穂乃果「花陽ちゃん、わざわざ来てくれてありがとう!」


花陽「ううん、穂乃果ちゃんは大事な同盟先だもん」


花陽「凛ちゃんもいるしね!」


凛「にゃー!」


にこ「私たちの軍は合わせて3万ほど」


花陽「対して朝倉方はかき集めても1万5千ほどかと」


穂乃果「将軍の命を無視するとどうなるか思い知らせてやらないと」

穂乃果「ね、にこちゃん?」


にこ「え、ええ(実質的にはあなたの命令じゃない…)」


高坂・小泉連合軍の若狭・越前南部での戦況 コンマ判定

10未満:苦戦
10以上80未満:順調
80以上:破竹の勢いで快進撃

↓1


【越前国 金ヶ崎城】




穂乃果「ここまでは順調だね!」


にこ「次々に城や砦を落とし、敦賀湾を望む天然の要害、金ヶ崎城まで来たわ」


花陽「連戦連勝で朝倉方の土豪も次々にこちらへ寝返っています」


凛「この調子で一乗谷まで攻め込むにゃ!」


にこ(そろそろ降伏してくれたらいいんだけど…)




ヒューーーーー         シュトッ


穂乃果「わっ、また花陽ちゃんに矢文だよ」


にこ「何か嫌な予感がするわね…」


花陽「えーと…」


花陽「ふぇぇぇぇえええ!?!?」


凛「な、何が書いてあったの? かよちん?」


花陽「た、た、た、大変ですぅ~!!!」






花陽「北近江の浅井が朝倉方に寝返って、こちらに侵攻してきているみたいです…!」


ほのにこりん「!!!」


穂乃果「え…? な、なんで…?」


にこ(高坂家と浅井家は政略結婚で同盟関係にあった)


にこ(浅井家の頭領、浅井長政は穂乃果にとって義弟)


凛(穂乃果ちゃんがショックを受けるのも無理ないにゃ)


にこ(これが穂乃果の心をますます蝕むことにならなければいいけど…)


凛(とりあえずは戦の心配をしないと)


花陽「この裏切りによって私たちは挟み撃ちされる形になっています」


花陽「戦力的にはほぼ互角ですが、ここが朝倉の領土であることも考えると…」


穂乃果「…」


高坂・小泉連合軍の作戦は?

1.ここまで来たら一乗谷まで攻め込もう
2.殿を凛ちゃんに任せて撤退しよう
3.殿を花陽ちゃんに任せて撤退しよう
4.にこちゃんに仲介を頼んで朝倉と講和しよう

↓1


穂乃果「………攻めよう!」




花陽「え?」


穂乃果「朝倉の本拠地、一乗谷まで攻め込もう!」


にこ「あんた、それ本気で言ってるの…?」


花陽「ここから先は地形も入り組んでくるし、本格的な朝倉領だよ?」


穂乃果「それはわかってる…」


穂乃果「でもそのためにここまでやって来たんだし、撤退するにしても危険が伴うよ」


穂乃果「それならこのまま進撃を続けた方がいい」


穂乃果「浅井が来る前に朝倉を討てばいいだけだよ!」


にこぱな「…」


凛「凛はどんなときも穂乃果ちゃんにお供するにゃ!」


にこ「…」


にこ「いいわよ、どっちにしろ私に逆らう権利なんてないんだし」


穂乃果「にこちゃん…」


花陽「わかりました、力になれるよう努力します」


穂乃果「花陽ちゃん…!」


穂乃果「みんなありがとう。決まりだね」


花陽(…)


穂乃果「敵は一乗谷にあり! ススメ―!!!」


オオオオオオオ!!


高坂・小泉軍の一乗谷までの戦況 コンマ判定

50未満:苦戦 一乗谷に辿りつくまでだいぶ時間がかかった
50以上:善戦 困難にも関わらず一乗谷まで短期間で進撃した

↓1


【越前国 一乗谷】


穂乃果「やっとここまで来た…」


花陽「まさか本当に浅井の到着前に一乗谷まで来るなんて」


にこ「峠道ばかりだし高地に置かれた砦からの攻撃が激しくて苦労したわね」


凛「でも穂乃果ちゃんの指揮のおかげで連携してどんどん進撃できたね!」


穂乃果「さあ、一息ついたら次は一乗谷攻略戦だよ」


凛「かよちん、一乗谷ってどんなところなの?」


花陽「一乗谷は三方を山、もう一方を川に囲われた城郭都市…」

花陽「おそらく朝倉家の当主は城下町の背後にある城に立てこもる構えでしょう」

花陽「城まで辿りつくには要塞化された城下町を突破しなければなりません」

花陽「さらに谷を挟む山々には砦が数多く築かれています」


凛「アキバに似てるね!」


花陽(?)


にこ「どうするの、穂乃果?」

1.夜の間に城下町に火を放って混乱の内に城まで駆けのぼろう
2.町ごと取り囲んで兵糧攻めにしよう
3.正攻法で行こう。城下町はゲリラに注意しつつ制圧するしかないよ

↓1


穂乃果「ここは正面から行こう!」


穂乃果「夜襲もありだけど城下町や左右の峠のことも考えると私たちにとっても危険が多い」


穂乃果「兵糧攻めには適した地形だけど時間がかかるから論外だね」


穂乃果「いいかな?」


にこ「文句ないわ」


花陽「それが最善だと思います…!」


凛(穂乃果ちゃんも凛も馬鹿キャラだけど戦となると賢くなるにゃ!)


穂乃果「よし、裏切り者の浅井が来る前に朝倉を討つよ!」

穂乃果「全軍、ススメ―!!!」


戦況 コンマ判定

50未満:攻略で苦戦 一乗谷城に到達する前に浅井軍到来
50以上:攻略が順調 浅井軍が来ないうちに一乗谷城へ

↓1



三日後




穂乃果「これで城下町の制圧はほぼ完了だね!」


凛「火を放ってれば一晩で済んでたことだけど、」


にこ「地道に侵攻したおかげで家臣や町人の一部をこちらに取り込めたわね」


花陽「ゲリラの抵抗が怖かったです…」


穂乃果「さあ、もう日も落ちるし明日の攻城戦に備えて休息をとろう」


にこ「そうね。この戦力差なら浅井が来る前に数日で落とせそうだわ」




          ドドン!!ドドン!!




凛「にゃっ!? 地震!?」



          ドカーン!! ズドン…



凛「凛の後ろの武家屋敷が消しとんだじゃった!」


にこ「これは大筒による砲撃ね…!」


花陽「そんな!?大筒が配置してあった朝倉の砦は全部落としたはずですっ」


凛「取りこぼしがあったみたいだね」


穂乃果「違うよ、あっちの山肌を見て!」



    ウオオオオオオオオオオオ… 
            ドドドドドド…!!



にこ「駆け下りてくる大軍…」


凛「あれは…」


穂乃果「浅井っ!」


戦果 コンマ判定

70未満:大敗。奇数なら大将級に討死が出る
70以上90未満:敗れるも被害少なく撤退できた
90以上:浅井を退け、一乗谷城も落とした

↓1


穂乃果「迎え撃つよ! 城下町の建物を利用して!」


花陽「まずいです!もう休息に入っていた兵が多く、迎撃態勢の構築が間に合いません!」


凛「そうこうしている間に浅井の兵が迫って来てるよ!」



           ワアアアアアア!!

                     ヒュンヒュンヒュン!!  

      バンバンバン!!



穂乃果「おのれ浅井………!」


にこ「穂乃果、」


穂乃果「…」コクリ


穂乃果「諦めちゃ駄目だよ! みんな、最後まで武器を持って戦って!」






既に高坂の手に落ちていた城下町は浅井の大筒によって躊躇いなく粉砕された


山からは盟友を救わんと怒涛の勢いで駆けてくる大軍


城からは援軍の出現に息を吹き返した朝倉の攻勢


連戦と山道の行軍で疲弊していた高坂の兵たちには突如出現した脅威に立ち向かう力も勇気も残っていなかった


武将たちの懸命の指揮も報われず、兵は散り散りになり、組織的な抵抗は困難であった


数刻のうちに高坂・小泉軍は一網打尽にされ


穂乃果以下武将たちは肩を寄せ合うようにして夜の山道を下り、京に落ち延びたのであった…


【山城国 二条城】




雪穂「お姉ちゃん!」


穂乃果「雪穂…」


雪穂「よかった…本物のお姉ちゃんだ」ギュッ


穂乃果「なんとか生きて帰ってきたよ」ヨシヨシ


雪穂「心配したんだからっ」


穂乃果「…うん、ごめんね」


雪穂「お姉ちゃんが越前で挟撃されたって聞いて尾張から駆けつけたんだよ」


穂乃果「…ちょっと無茶しちゃったかな」

穂乃果「兵もいっぱい失っちゃったし」


雪穂「…」

雪穂「このままじゃ駄目だよ」


穂乃果「え?」


雪穂「これからは私を、」


雪穂の発言の続き

1.側近として側に置いて!お姉ちゃんが暴走しそうなときの歯止めになりたいの
2.部隊の司令官として使って!お姉ちゃんばっかりに戦を任せるのは嫌なの

↓1


雪穂「側近として側に置いて!お姉ちゃんが暴走しそうなときの歯止めになりたいの」


穂乃果「でも、」


雪穂「もう昔とは違うんだよ?」


雪穂「一国の主どころか支配領域はほぼ五国分」


雪穂「養うべき家臣も民も増えてるんだよ?」


雪穂「大うつけと呼ばれてた頃みたいに勢いで進むのはいいことだけど、守るべき人たちがいることを忘れちゃ駄目だよ」


雪穂「お姉ちゃんには冷静な補佐官が必要なの、私みたいに!」


穂乃果「…わかった」


穂乃果「ありがとう、そしてこれからもよろしくね、雪穂!」


雪穂「うん、任せといてよ」


にこ「頼もしいわね」

にこ(穂乃果の過激さを和らげる方向に働いてくれるといいんだけど)


花陽「雪穂ちゃんがいれば百人力だよ!」

花陽(穂乃果ちゃんは荒さがあっても間違いなく稀代の天才と呼べる武将)

花陽(跡継ぎである雪穂ちゃんの才能も楽しみです)


凛「朝倉・浅井への報復戦が初陣になるのかな、期待してるよ!」


雪穂「皆さん、ありがとうございます」


雪穂「これからも高坂家をよろしくお願いします」ペコ


雪穂「ほら、お姉ちゃんも!」


穂乃果「ごめん、これからもきっと迷惑かける」


穂乃果「でも、追いかけていたいの。わがままなのはわかってるけど、私…!」


穂乃果「だから、これからも一緒に戦ってください!」

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英玲奈「我が主君ヨ、よくぞ帰られタ」


にこ「ツバサ、あんじゅ、英玲奈、私が留守の間、京を守ってくれてありがとう」


あんじゅ「京は平和だったわ」


ツバサ「ところで高坂穂乃果のことなんだけど…」

ツバサ「今回の大敗の原因は彼女の無謀な指揮に、」

にこ「そうよ」


ツバサ「?」


にこ「この戦いでわかったでしょ?」


にこの発言

1.「高坂穂乃果は優秀だけど粗があるからこれからも支えてあげないといけないわ」

2.「高坂穂乃果にずっと頼るのは危険かも知れないわ、いざという時は頼むわよ」

↓1


にこ「高坂穂乃果にずっと頼るのは危険かも知れないわ、いざという時は頼むわよ」


英玲奈「!」


あんじゅ「それは…」


ツバサ「確かにそうね」


ツバサ「政治も戦も彼女のやり方だと、いつか破綻するわ」


ツバサ「切り捨てる覚悟ができてるようで安心したわ」


英玲奈(矢澤ニコ、傀儡に甘んじているだけのただのお飾り将軍ではナイ)


あんじゅ(戦国時代に相応しいバランス感覚を持った人物…!)


にこ「じゃあ、そういうことだから」


にこ「いつでも動けるようにしときなさい」


アライズ「はっ!」

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あんじゅ「ツバサ、どうするつもり?」


ツバサ「…予定通り決行するわ」


英玲奈「本願寺のトウジョウノゾミの呼びかけに従うのカ」


ツバサ「ええ」


あんじゅ「高坂が浅井・浅倉に報復合戦を仕掛けている間に謀反を起こす…」


英玲奈「高坂がやや弱体化している今は奴を討つ絶好の機会だナ」


ツバサ「問題は私たちの主君であるにこさんね」


ツバサ「彼女も高坂に付くだろうから裏切って敵に回すつもりだった」


あんじゅ「実権を失った将軍に用はないしね」


英玲奈「将軍の名の下に集う大勢の兵を相手にしなければならないがナ」


あんじゅ「でも彼女自身が有能な司令官である可能性が浮上したわね」


ツバサ「ええ。彼女を奉じて高坂を討伐できれば幕府再興が現実味を帯びるわ」


あんじゅ「そして再興の原動力となった私たちは間違いなく重職を与えられるわね」


英玲奈「でもそれだと結局は私たちが旧来の権力体系に再吸収されるだけダ」


ツバサ「そうね…私たち自身で幕府を開くなんてことは不可能になるわ」


あんじゅ「どうすればいいのかしら…」




               ガラッ!!

にこ「アンタたち、出陣よ!」


あんじゅ「は、はいっ!」


英玲奈「!(聞かれていなかったようダナ?)」


ツバサ「何処へ行くの?」


にこ「私と穂乃果は朝倉と浅井を逆襲するわ」

にこ「あなたたちはその間、山城を守りつつ、摂津の諸侯を討つのよ」


英玲奈「なるほど、京の支配を盤石にするのだナ」


ツバサ「わかったわ。でもにこさんは高坂についていくの?」


にこ「ええ、朝倉・浅井との講和の機会を窺うわ」


あんじゅ(どうすれば…)


にこ「わかったらさっさと行きなさい!」

にこ「摂津の土豪に不穏な動きを見せてる輩がいるのよ」




ツバサ「…わかったわ!行ってくる!」


英玲奈(とりあえず、この話は保留だな)

____________
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【一か月後 姉川】




穂乃果「戦線は膠着状態だね」


花陽「はい…」


花陽「我々も力を蓄えてから出陣しましたが、やはり金ヶ崎での敗戦が響いて向こうにつく地侍層が多いようです」


凛「戦力がほぼ互角だから決戦にならないにゃー」


にこ「…」


~~~

ツバサへ

にこです

私たちは姉川で敵と睨み合ってる状態よ

浅井・朝倉と講和するなら今なんでしょうけど、なかなか出来る雰囲気じゃないわ

そちらはどうかしら?

京都を頼んだわよ

あと本願寺の希には気を付けなさい

~~~


【摂津国 野田城】




ツバサ「にこさんからファンレター…じゃなくて書状が来たわ」


英玲奈「ホウ」


ツバサ「浅井・朝倉が高坂と互角の戦いをしているようね」


あんじゅ「つまり彼女たちは姉川を離れられない」


英玲奈「反旗を翻すなら今ダナ」


あんじゅ「でも本当にそれでいいのかしら」


英玲奈「?」


ツバサ「私たちの目的を思い出しましょう」


あんじゅ「かつて畿内と四国にまたがる一大領地を築いたアライ政権の復活、そうでしょ?」


英玲奈「ああ、そうだな(南蛮人の私にはよくワカラナイが…)」


あんじゅ「なら、高坂を裏切ることが本当に最善なのかしら」


ツバサ「穂乃果さんは実質的に畿内の支配者じゃない」


ツバサ「彼女を討つか追い出す以外に何か他に策があるの?」


あんじゅ「高坂穂乃果を利用すればいいじゃない」


あんじゅ「このままいけば彼女は畿内・四国も支配下に入れるはずよ」

あんじゅ「そうなってから彼女から実権を奪うという方法もあると思うわ」


英玲奈「難しいナ。コウサカの性格と資質はそれを許すほどヤワじゃない」


あんじゅ「じゃあ高坂穂乃果に勝てるって言うの?」


ツバサ「今の穂乃果さんの保有軍事力はそこまで飛びぬけているわけではないわ」

ツバサ「それに…」


~~~


希『穂乃果ちゃんが留守にしとる間に謀反を起こすんよ!』


希『出来んとは言わせんよ?真宗の門徒は京中におるんやからね、わかっとるね?』


~~~


にこ『高坂穂乃果にずっと頼るのは危険かも知れないわ、いざという時は頼むわよ』


~~~


英玲奈「今なら我々に味方する勢力も多いハズだ」


あんじゅ「なるほど…勝算はあるわね」


ツバサ「希さんの発言は脅しともとれるけどね」


あんじゅ「それはつまり、高坂穂乃果を排除できたとしても私たちの上に新しい支配者が現れるだけかも知れないということ…」


英玲奈「ツバサ、どうする? このような機会は二度とナイぞ」


ツバサ「私たちは…」


続く発言

1.「反高坂・反矢澤の兵を挙げるわ!京は私たちのものよ!」

2.「反穂乃果さんの兵を挙げるわ!にこさんにはこちらについてもらうわ!」
(にこに説得の書状を送るが、当該レスのコンマがゾロ目なら失敗)

3.「謀反を起こすことはないわ!にこさんの命に従って摂津の平定を続けるわよ!」


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