とある豆芽の手淫進化 (752)

適当適当超適当

下ネタ万歳下ネタ万歳

スレタイの読み方は『とあるモヤシのオナリューション』で



#1 性の覚醒(おくれてきたししゅんき) 



〜〜とある病院〜〜

冥土帰し「ふむ……身体が外部からの刺激を受けるようになったからだろうね?」

一方通行「これはよォ……どうにかなンねェのか?」

冥土帰し「どうにか、ねぇ……以前の状態に戻せはするけど、本来ならそれが普通なんだよ?」

一方通行「はァ? こンなンが普通だァ?」

冥土帰し「うん。人として……生物として、だね?」

一方通行「生物として…………マジかァ……」


冥土帰し「まあ、手術なんかをしなくても元に戻すだけなら簡単なんだけどね?」

一方通行「ンだとォ…… そンな裏技があるとか聞いてねェンですけどォ」

冥土帰し「やれやれ……そうだ、君は上条君というツンツン頭の少年を知っているかい?」

一方通行「……あァン? 何で三下の名前がそこで出るンだァ?」

冥土帰し「彼に協力を仰いでみるといい。この件については、僕より彼の方が適任と思うんだけどね?」

一方通行「本当だろォなァ……」

冥土帰し「そこは保障するよ。彼には僕の方から連絡を入れておくからね?」

一方通行「あァ……」


〜〜とある公園〜〜

上条「おーっす。久しぶりだな一方通行」

一方通行「……よォ」

上条「世話になってる病院の先生から相談に乗るように言われたんだけど……何かあったんでせうか?」

一方通行「あァ……詳しい説明とかは聞いてンのかァ?」

上条「いいや。当人から聞くべきだと思ったんでね」

一方通行「そォか…………ここ数日の話なんだがよォ……」

上条「はいはい」

一方通行「いきなりちンちンがぱンぱンになってやべェンだが、どうすりゃいいか分かるかァ?」

上条「  」


一方通行「おィ、ちゃンと聞いてンのかァ? コッチは結構切実な話してンですけどォ」

上条「き、聞いてますよ!ちゃんと耳かっぽじって聞いてますよ!」

一方通行「ならいいンだがよォ……」

上条「因みに、それって今もだったりするのか?」

一方通行「いンや。なンて言うかよォ、黄泉川やら結標みてェなでけェ乳見るとなるみてェだなァ」

上条「ほうほう……」

上条(コイツおっぱい星人だったのか……って、黄泉川ってどっかで聞いたような……)

一方通行「でェ、どォすりゃあいいンだァ?」


上条「うーん…………オナニーすればいいんじゃないかと上条さんは思いますよ?」

上条(人の名前憶えるのには結構自信あるんだけどなあ……)

一方通行「おなにィ? なンだそりゃァ?」

上条「その反応は……まさか知らないとか!? 健全な青少年ならば誰もが嗜むオナニーですよ!?」

上条(うわー、何かすっごいムズムズしますよー)

一方通行「不健全で悪かったなァ……つゥかよォ、知らねェから聞いてンだろうがよォ」

上条「あー……すまん」


上条(黄泉川と巨乳で脳内検索脳内検索……)

一方通行「いいから説明してくンねェか」

上条「はいよ。オナニーってのは、アレをシコシコサワサワズリズリする事ですよはい」

上条(……検索結果一件)

一方通行「……分かンねェ。マジで分かンねェ」

上条「結構分かりやすく言ったつもりなんだけどなあ…………あっ」

上条(黄泉川 巨乳での検索結果:黄泉川愛穂 別称オナペット13号)

一方通行「あァ?」


上条「思い出した! 黄泉川ってもしかしてあのジャージで巨乳の先生じゃねえか?」

一方通行「そォだけど、それが………………ああああああああァ……」

上条「あ?」

一方通行「アイツの乳思い出したら、ちンちンがやべェ事になって来たンですけどォ……」

上条「お、おい……確かに黄泉川先生のオッパイはやばいけどそんな」

一方通行「三下ァ……」

上条「は、ハイッ!」

一方通行「三秒以内におなにィの仕方を明確に教えンのと、愉快なオブジェになンの、どっちが好みだァ?」

上条(やべぇ……目がマジだ……)


一方通行「さァァァァン……にィィィィィ……いィィィィ」

上条「固くなるしたちんちんを思う存分扱いたりして精子をぶっ放す行為ですはいっ!」

一方通行「なるほどなァ、それでさっきの説明かァ……理解したぜェ」ニィッ

上条「ご理解頂けたなら何より……ってここでズボン脱ごうとするなあああああああっ!」

一方通行「あァン? 何か問題あンのかァ?」

上条「いやそういうのは外でっつーか人前でやるもんじゃないって……ほらっ、あそこにトイレあるだろ……」

一方通行「……コッチは限界なンだってわかんねェか?」

上条「警備員とか知り合いに見つかったらどうすんだよ……」

一方通行「……チッ」

一方通行「さァァァァン……にィィィィィ……いィィィィ」

上条「固くなるしたちんちんを思う存分扱いたりして精子をぶっ放す行為ですはいっ!」

一方通行「なるほどなァ、それでさっきの説明かァ……理解したぜェ」ニィッ

上条「ご理解頂けたなら何より……ってここでズボン脱ごうとするなあああああああっ!」

一方通行「あァン?」

上条「いいからその包皮装甲(フルメタルジャケット)を仕舞えええええ!」

一方通行「……それが何か問題あンのかァ?」

上条「いやそういうのは外でっつーか人前でやるもんじゃないって……ほらっ、あそこにトイレあるだろ……」

一方通行「……コッチは限界なンだってわかんねェか?」

上条「警備員とか知り合いに見つかったらどうすんだよ……」

一方通行「……チッ」



テクテク...(一方)厠

( ;上)ホッ



         厠<くけくきこきかかー!

( ;上)Σビクッ




        \ズガーン!/
黒翼→>>>>>>> 厠<<<<<<<←黒翼

( ;上)「ちょおおおおおおおおお!?」



              .↓白翼
              .V
              .V
              .V<ズバーン!
黒翼→>>>>>>> 厠<<<<<<<←黒翼



( ;上)「三枚目どっから出たー!? ナニか!? ナニからか!? ナニからなんですか!?」




テクテク(一方)...厠

( ;上)(お、終わったのか?)


一方通行「……」

上条「ど、どうだった……?」

一方通行「……………………上条くン」

上条「はははははいっ! ななななんでございましょう!?」

一方通行「ほンとうにありがとォ。こンな爽やかな気分になれたのは上条くンのお陰だよ」

上条「 」

一方通行「なンて言うかさ、キミが友達でよかったァって心から思うンだ」

上条「   」


一方通行「上条くンがよければなンだけど……コレからもよろしくって事で、握手、してくンないかな?」

上条「えっ、あっ、はいはいこんな俺でよければ……!?」

上条(な、なんかねちょってした! ねちょってしてた! ねちょってしてました! ここここれはまさか!?)

一方通行「どォか、したのかな?」

上条「い、いや……別に何も……」

上条(言えねえ……こんないい顔したコイツに「トイレで手を洗いましたか?」なんて言えるワケがねえ……)

一方通行「そっか。ならいいンだ」

上条(……不幸だ……)



#1 sub:幻想殺し(りあるはころせない)








#1.5 スティル=マグヌス (すてぃるさんじゅうよんさい)


スティル「……やはりこの国は侮れないな。まさか僕の欲求に完璧に答える本があるとはね」

スティル「僕の国で売ってるこの手の本は、どうしても年上ばかりだから……うん、やはり同年代がいいね……」ペラ、ペラ、

小萌「あっ、あの時の神父さん!」

スティル「!?」


小萌「やっと見つけ…………ねぇ、神父さん」

スティル「な、なんだい? 煙草なら吸ってないだろう?」

スティル(……トイレが壊れていたからベンチに座っていたけど、人払いの結界を張っておくべきだったかな……)

小萌「そうではなくてですね……」

スティル「じゃあ何なんだい? あの時の事は気にしなくて良いと言った筈だけど」

スティル(やはり結界を張っておくべきだったな。人が来る所では落ち着いてマスターベーションも出来やしない)

小萌「……神父さんともあろう人がそういう、その、ロリータな本をこういう場所で読むのは先生感心しないのです!」

スティル「ロリータ、ねぇ……」


小萌「先生の記憶が確かなら、その『LO』という本はロリロリな本なのです!」

スティル「ちょっと待て……君は、僕を何歳と思っているんだい?」

小萌「えっ……えーと……」

スティル「僕はこれでも十四歳なんだけど。近い年齢の子が載っているポルノがコレしか無かったんだよ」

小萌「 没 収 な の で す ! 」

スティル「なっ!? よくよく考えれば僕にも非はあったかもしれない!しかしそれは流石に横暴じゃないか!?」

小萌「こういう本は十八歳からなのです! なので先生が没収するのです!」

スティル「かっ、返してくれっ! それは……ソイツは初めて買ったエロ本なんだ!」

小萌「駄目でーす!」

スティル「頼む! ご希望とあらばジャパニーズDO・GE・ZA styleだってする!だからっ」

小萌「そんな心配しなくても、先生は盗ったりしませんよ?」

スティル「じゃあ……」

小萌「ちゃんと十八歳になったら返してあげるから安心するですよー」

スティル「 」

小萌「先生はコレを保管してくるのですー」

スティル「えっ、ちょ……うああああああああああああああああああああああああ!」

#1.5 外見詐欺(じゅうきゅうさいとかいっておけば)




徹頭徹尾このスタンスで行こうと思ったり思ってみない事も無きにしも非ずと言った数日後に記憶にありませんと言う為に今からカンペを仕込んでみたり
次回の投下も超適当

( ^ω^)ニコッ

( ^ω^)ヤカッ

てす

次から投下するときはこの鳥で

スレタイ回避しなくて良かったかもしんないにゃー……

>>14
wwwwwwwwwwwwwwwwww

それと赤毛の不良神父はスティルじゃなくてステイルだぜい



#2 悲壮後悔(なんであんなことしたんだろう)


一方通行「……」

上条「……なあ、その尋常じゃない凹み方は一体なんなんだ?」

一方通行「なァ……オマエは、身近な奴を考えながらおなにィした事あるかァ?」

上条「……………インデックスで、一度だけ、な」

一方通行「なンだろうな……なンで、こンなに死にたくなるンだろうな……」

上条「……分かるぜ一方通行」

一方通行「調子こいてよォ、二回も三回もやるンじゃなかったぜェ……」

上条「……ちょっと待て」


一方通行「あン?」

上条「二回も三回もって…………一回目で気付けよ」

一方通行「言いてェ事は分かる。けどよォ、他に思い浮かべるモンがねえンだよ」

上条「……いやエロほ」

一方通行「分かるかァ? 俺はもう知っちまったンだ。止められる訳がねぇだろうがよォ!」

上条「……だからエロほn」

一方通行「止まらねェンだよ! 自分でやべェって思っても! 罪悪感で胸が塗り潰されても!」

上条「……」


一方通行「この手とちンちンがよォ! 求めるンだよ! もっと! もっとってなァ!」

上条「————言いたい事はそれだけか?」

一方通行「……三、下?」

上条「言いたい事は分かる。その気持ちも分かる。けどよ————テメェは吠えるだけで終わるのか?」

一方通行「ンだとォ……」

上条「テメェはもう知っちまった。オナニーを覚えちまったんだ。俺だってそうだ。もう忘れる事なんて出来やしない」

一方通行「じゃあどうしろってンだ! きンたまはち切れるまで我慢しろってかァ!?」

上条「出来るかそんな事! 一週間、いや、二日だって無理だ! 俺だって若いんだ!」

一方通行「なら……それならどうしろってンだよォおおおおおおおおおおおおお!」


上条「だからこそ、ずっと続けていく為に、テメェは皆がハッピーエンドになる方法を知らなきゃいけねえんだ!」



上条「それすら知ろうとせずに、無理だとか諦めるだとか抜かすなら————俺がその幻想をぶち殺す!」キリッ



上条「……」

一方通行「……すまねェ、俺とした事が」


上条「という訳でエロ本を買いに行こうぜ!」

一方通行「えっ」

上条「ほら、早く行こうぜ」

一方通行「あ、あァ…………なンか納得いかねェ」



〜〜とある本屋〜〜


上条「で、こちらがエロ本コーナーですよと」

一方通行「こンなにあンのかよ……」

上条「専門店には劣るけど、ここも結構品揃えいいからな」

一方通行「そォか……」


——で、十分経過——

上条「まさかSMスナイパーが置いてあるとはなあ…………あれ、まだ選んでないのか?」

一方通行「……表紙見てたらよォ、ちンちンがやべェ事になってそれどころじゃねェンだ……」

上条「どうする? 一遍出直すか?」

一方通行「ここまで来て買わねェってのは、流石にねェよなァ……コレにするぜェ」

上条「ッ!? ろくに表紙も見ずに選ぶなんて……そんな事、上条さんには恐ろしくて出来ませんよ」

一方通行「初めて買う訳だしなァ、運を天に任せてみるってのも悪くねェ」

上条「まぁ……一方通行が良いんなら、俺が口挟む事じゃないか」

一方通行「そォいうこった」





上条「いっけねぇ、今日特売だったんだ! 悪いけど先帰るわ!」

一方通行「おゥ。じゃあな…………っと、こっからだと、家よりアジトの方が近ェな」

一方通行「今日は集合する予定もねェしなァ、誰もいねェだろ」カチッ


#2 sub:豆芽絶叫(ぜンいンちンこついてるンですけどォ!)




#2.5 結標淡希(しょたこん)


海原「おや、読書ですか?」

結標「ええ。テーブルに置いてあったのだけど……なかなか興味深いわ」

海原「そう言われると、少しばかり心惹かれますね」

結標「読んでみる?」

海原「では…………あの、結標さん」

結標「なにかしら?」

海原「その、この『わぁい』という本はどう見てもエロ本なのでは」

結標「違うわよ」

海原「えっ」


結標「全員男の子……いえ、男の子と男の娘だから、エロ本みたいな低俗なものとは違うわよ」

海原「……すいません、ちょっと理解が追いつかないみたいです」

結標「男の娘なんて……って最初は思ってたけど、冷静に考えたら一番美味しそうな時期の子が一番似合うのよね」

海原「そ、そうなんですか……」

結標「そうよ。短パンから伸びる太もももいいけど、スカートの裾から覗く膝や脛もまた味わい深いって思い知らされたわ」

海原「は、はぁ……あっ、買い物に行かなきゃならないんでした」

結標「そう。じゃあ同じ本を買ってきてくれない?」


海原「えっ」

結標「この本、鼻血で張り付いちゃってまともに読めなくなっちゃったの」

海原「  」

結標「保存用と観賞用で二冊お願いね」


#2.5 sub:正当進化 (ただただゆがみなく)




>>29
把握

タイトルのセンスねえなあとスレを立てるたびに思います。
書けたらまた来る

海原「ていうか関わりたくないんですけど」

結標「なんですって。この高尚な趣味がわからないなんで…いいわショタのすばらしさを教えてあげる」

海原「いや遠慮しま…ちょっやめうわああああ」

…saga s

海原「ううっ僕はノーマル、ノーマルなんだ……助けてくれショチトル、はぁはぁ、うっ!!…ふぅ」


こうですかわかりません

脳内であわきん無双がはじまりすぎてやばいので、
収拾つける為に一方さん達はお休みです



#2.75 淡希再臨(まおうこうりん)


結標「ちびっ子帝国……駄目ね。ショタっ子牧場……もなんか違うわね」

土御門「なーにぶつぶつ言ってるのかにゃー?」

結標「キャッ!?…………脅かさないでよ土御門」

土御門「そりゃスマンですたい。で、あわきんは考え事かにゃー?」

結標「ちょっとね…………そうだ土御門、ひとつ質問があるんだけど」

土御門「なんだにゃー、俺でよけりゃあいくらでも聞くぜい」

結標「ショタを表すいい言葉って無いかしら?」

土御門「…………ショタときたか」

結標「浮かばないならいいんだけど……」



土御門「ちょぉーっと待つにゃー。ここは第一位の力を借りるべきですたい」ピッピッ

結標「ちょっと待って、何で一方通行がそこで出るの? もしかしてアイツもショタコンなの?」

土御門「いんや。“超能力”じゃなくて、”妄想力”の第一位だにゃー」プルル

結標「……?」

土御門「もしもしー、俺だにゃー」

土御門「お前、ショタって言葉でまず何を思い浮かべるかにゃー?」

土御門「……流石第一位。それを最初に口にする辺りが常人と違うぜい」ピッ


結標「……で?」

土御門「おちんちん。だってにゃー」

結標「おちんちん…………いい響きね。濡れたわ」

土御門「濡れ……ッ!?」

結標「決めた。私、おちんちん王国を建国するわ」

土御門「 」


〜〜〜

エイワス「——人間という存在は本当に面白いな。私の興味を惹く者がこうも同時に存在するとはね」

アレイ☆「……今は君が顕在するべき時ではないと思うのだが」

エイワス「そう言うなアレイスター。せっかく君にとって有益な情報を提供しようとしているのだから、無碍に扱うのは感心しないな」

アレイ☆「ほう、なら聞かせてもらおう」

エイワス「つい先程だが、この学園都市内にてレベル6へと進化する鍵を手に入れた者がいる」

アレイ☆「続きを」


エイワス「鍵を手に入れた者とは結標淡希。彼女が進化する為に必要なのは」


エイワス「二万通りのシチュエーションでの二万人の少年の拉致」


アレイ☆「……?」

エイワス「いや、誘拐と言った方が正しいか?」

アレイ☆「……何を言っているのか理解しかねるな」

エイワス「私もだよアレイスター。しかしコレは真実だ」


アレイ☆「……話を戻そうか。結標淡希がレベル6に到達した場合、彼女の座標移動はどう進化するのかね」

エイワス「彼女がレベル6に到達した場合か……その気になれば学園都市を丸ごとお星様にする事が出来るな」

アレイ☆「………………お星、様?」

エイワス「言葉通りの意味だ。学園都市が完璧に収まるサイズの領域を、冥王星辺りまで飛ばせる様になる」

アレイ☆「ま……まぁ、こちらの手の内にあるのならば」

エイワス「おっと……どうやらあちらに進展があったようだ——」


〜〜〜

土御門「 」

結標「あっ……そういえば、土御門もアレイスターと会った事あるわよね」

土御門「……ああ。呼び出しとか結構あるからにゃー」

結標「アレイスターって、不思議系ショタっぽいと思わない?」

土御門「〜〜〜ッ!」

結標「何て言うか、小鳥とお話したりとかさ」

土御門「プッ……ククッ……に、似合いすぎてやばいぜい……」

結標「おちんちん王国にぜひとも欲しい逸材ね……」


〜〜〜〜

エイワス「新たな情報だ。レベル6に到達した彼女の最終目標は…………アレイスター、君らしい」

アレイ☆「…………一ついいか?」

エイワス「なんだね?」

アレイ☆「……結標淡希が私を誘拐してどうなるというのだ」

エイワス「ふむ、その点に付いては流石の私も理解が追いついていないのだが……」

アレイ☆「だが?」

エイワス「彼女曰く、君を『おちんちん王国』の名誉国民として迎えたい。だそうだ」

アレイ☆「 」



〜〜〜〜


土御門「一つ聞くけど……おちんちん王国を造ったとして、子供達がずっと笑顔いられると思ってるのかにゃー?」

結標「…………そう、ね。男の子や男の娘の心を蔑ろにする所だったわ」

土御門「……もしかして、本気で造るつもりだったのかにゃー?」

結標「本気になっちゃいけない?」

土御門「えっ……」

結標「大丈夫よ。もうそんな気はないから」



〜〜〜〜


エイワス「……つまらんな。彼女は自ら鍵を放棄してしまったようだ」

アレイ☆「本当か? 本当だな? 本当だろうな?」


#2.75 sub:無双未遂(がくえんとしはすくわれた)

ねる




#3 痛恨失態(かぎしめわすれた)


打ち止め「ねえねえ、あの人は体調悪いの? ってミサカはミサカは空席を見ながらあの人の事を心配してみる」

黄泉川「それは……まぁ、あれじゃん」

芳川「あの子もちゃんと男の子だったってだけよ。心配しなくても大丈夫よ」

黄泉川「き、桔梗! 物には言い方ってモンがあるじゃんよ!」

芳川「言い方って……もっと直接的に言った方がよかった? それともお赤飯でも炊く?」

黄泉川「ぐっ……」

打ち止め「それってどういう事なの? ってミサカはミサカは興味津々にたずねてみたり」

黄泉川「打ち止めがもうチョイ大人になったら分かるじゃん……多分」

打ち止め「汚いさすが大人きたない! ってミサカはミサカは頬を膨らましつつ憤慨してみる!」


芳川「……コレはあの子の根底に関わる問題なの。だから、私達の口から勝手に言う事は出来ないわ」

打ち止め「そっか……ってミサカはミサカは後であの人から聞く気満々でここは引き下がってみる」

芳川「そう…………このままあの子が引き篭もったら……貴方の責任ね、愛穂」

黄泉川「いやいやアレ見ただけでそこまで大事になる訳が……」

芳川「大事になったら大事になったでいいじゃない。貴方が責任取るだけだし」

黄泉川「いいじゃないって…………責任ってなんじゃんよ!」

芳川「————十歳近く年下の旦那様って、なかなか良い響きだと思わない?」

黄泉川「       」



〜〜〜〜


一方通行(ぐゥゥ……人に見られンのがこんなに恥ずかしいもンだとは……)ビターンビターン

一方通行(思わず黒翼が出そうになったぜェ……)ビターンビターン

一方通行(ごめンな木原くン……今なら全力で俺を殺そうとしたオマエの気持ちよく分かるわ……)ビターンビターン

一方通行(でもよォ……女装して『アアッ、ダメよテレス! 私達は姉妹なのっ……ンンッ!』は……)ビターンビ…

一方通行(やべェ……今思い出しても滑稽過ぎンぞ木ィィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!)

一方通行「……クカ……クカキ……クカキケコカカキクケキキコカカキクココクケケけこきくかくけけこかくけきかかこけききくきかこかか————!」



打ち止め「な、なんかあの人が壊れてる……ってミサカはミサカは扉に耳を押し当てたまま恐怖を覚えてみたり……」

芳川「仕方ないわ。十代後半っていうのは難しい年頃なのよ」

打ち止め「えっ!? じゃあミサカも十代後半になったらあんな風に壊れたりするの? ってミサカはミサカは……」

黄泉川(うっわ……これはもしかしてマジで責任取んなきゃなんねえじゃん!?)

黄泉川(あ、一方通行に『あなた、ご飯とお風呂と私とどれが良いか選ぶじゃん!』とか死ねるじゃん!)ビターンビターン

打ち止め「よ、ヨミカワまで……ってあれ? ヨミカワは十代後半じゃないよね、ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

芳川「そっとしておいてあげなさい。それが優しさよ」

#3 sub:不協和音(くビかくターけけンこかくビけきターかかこンけききこかか————!)

おやすむ



#3.5 元女教皇(まえかがみりょうさんましん)


神裂「日頃の感謝の気持ちとして、このような物を作らせていただきました」

「……」

神裂「勝手な事を、と思われるかもしれません。ですが、私なりの感謝の気持ちを受け取って欲しいのです」ファサッ

「……」

神裂「よく、お似合いですよ」

「……」

神裂「……ち、因みに、私の浴衣とお揃いなのは偶然生地が余っていたからであって、別に他意と云う物は……」

「……」

神裂「……」

「……」

神裂「……何時からでしょうね。気付けば、貴方無しの生活など考えられなくなってしまいました」

「……」

神裂「あの上条当麻に感じた感情とは、似ているけど違う感情がこの胸にあります」

「……」

神裂「これが、恋、というものなのでしょうか」


「……」ゴゥン

神裂「ふふっ、やっと返事をしてくれましたね————AI搭載型全自動洗濯機さん」


#3.5 sub:神裂火織(かおりね、せんたくきさんととけっこんするの)


かんざきさんじゅうはっさいェ……

>>75-79
( ^ω^)ニコッ



#4 再度挑戦(もうわぁいなんてえらばないよ)


一方通行「ふぅ……流石に結標だけじゃ飽きてきたな。かといって……黄泉川でやンのはなァ……」

一方通行「こン前のは、何か違ったし……ちゃンとしたエロ本買いに行くかァ……」

一方通行「この時間だと……三下は学校か。まァ、一人でも問題ねェだろ」

〜〜〜〜

打ち止め「あなたもお出かけ?ってミサカはミサカは珍しく午前中に行動しているあなたに聞いてみる」

一方通行「あァ、ちょっと野暮用でなァ……って、あなた“も”って事は、あのクソニートもどっか行ったのか?」

打ち止め「うん。大体九時くらいにお出かけしたよ。ってミサカはミサカは『コイツ……動くぞ!』と驚愕した事を思い出してみたり」

一方通行「アイツがなァ……珍しい事もあるもンだ」


打ち止め「で、ミサカも一緒に行きたいなーって、ミサカはミサカは期待の眼差しであなたを見つめてみたり」

一方通行「ダメだ。大人しく留守番してろ」

打ち止め「ぶーぶー!ミサカは一人ぼっちじゃ死んじゃうんだぞー!ってミサカはミサカはあなたそっくりの特徴を持つ動物みたいな事を言ってみる」

一方通行「……土産に菓子でも買ってきてやっからよォ、クソガキは留守番しとけ」

打ち止め「一生懸命お留守番するからホワイトロリータ希望!ってミサカはミサカはお菓子目当てにパァフェクトな留守番する事を宣言する!」

一方通行「じゃあ、頼ンだぜェ」



〜〜とある本屋〜〜


芳川「いらっしゃいませ……って一方通行じゃない」

一方通行「 」

芳川「どうしたの? エロ本コーナーならあっちの方よ」

一方通行「それは知って……じゃねェ!」

芳川「それじゃあエロ小説ね。小説コーナーの一番奥にひっそりとあるわ」

一方通行「ちげえっつゥの! 何でオマエがここにいるンですかァ!?」

芳川「ああ、その事。見ての通り、今日からここで働いてるのよ」

一方通行「……はァ?」

芳川「それより、エロ本は買わないの? 愛穂には言わないから安心して買っちゃいなさい」

一方通行「買える訳ねえだろうがァ!」



〜〜〜〜


一方通行「クソッ、まさかクソニートがあの店で働き始めるたァな……」

一方通行「他に売ってある店とか…………ン、こんなトコに本屋なン、ぞ……」


[大人の本屋 Aiwass]


一方通行「 」

一方通行「…………ま、まァ、入ってみっかァ……」


杉谷「いらっしゃいませ……まさかお前が来るとはな」

一方通行「……ちょっと待て。ちィっとばっかし考えさせろ」

杉谷「疑う気持ちは分かるが罠ではない。お前のせいで無職になった俺の、行きついた先が偶然ここというだけだ」


一方通行「それ以前によォ、何でお前が生きてンですかァ?」

杉谷「俺を何だと思っている。忍者を舐めるな」

一方通行「……忍者ってすげェ」

杉谷「それ故、再就職は悩んだものだ。イギリス辺りで忍者学校を開くべきか、それとも別の道か。とな」

一方通行「コッチを選ンだ理由は?」

杉谷「エイワス直々の指名となれば、断れる訳がない」

一方通行「…………マジか」

杉谷「この状況で嘘など吐いてどうなる」


一方通行「はァ……それもそォだな」

杉谷「理解してもらえたようだな。で、買う目当てはあるのか?」

一方通行「……乳がでけェの、だなァ」

杉谷「そうか。ならばあちら側だ」


〜〜一時間後〜〜


杉谷「随分と入念に選んだものだな」

一方通行「二の轍は踏まねェって心に誓ってたンでなァ……けど」

杉谷「けど。ときたか」


一方通行「寝起きで抜いとかなきゃ、やばかったぜェ」

杉谷「ふむ、努力は認めよう。一冊で千と五十円になります」

一方通行「カードで……あン? その一緒に入れてンのは何だ?」

杉谷「ああ、コレか。これは“未元工房”新製品の試供品だ」

一方通行「未元粘質(ダークヌチャー)……? なンだァソイツは」

杉谷「俗に言うローションと云う奴だ。一度使ってみるといい」

一方通行「ローション、ねぇ……」

一方通行(ローションってなンだ?)

杉谷「また来てくれる事を願っている。そのための努力はお前がしろ」

一方通行「ハッ……気が向いたらな」



〜〜黄泉川宅〜〜


一方通行「ふぅ……」



一方通行「ふぅ……」



一方通行「ふぅ……それにしても、ローションって何に使うンだろう?」

一方通行「後で芳川さンにでも聞いてみようかなァ」


芳川「ただいま。久々に働くと疲れるわね」

一方通行「おかえり芳川さン」

芳川(ああ、コレが噂の聖人タイムというものなのね……)

芳川「ただいま一方通行。打ち止めは?」

一方通行「お昼寝中だねェ。で、一つ聞きたいンだけど、芳川さンはローションって何に使うか分かるかなァ?」

芳川「ローション、ねぇ………それは私より愛穂の方が詳しいと思うわ」

一方通行「そっかァ……」

芳川(……がんばってね、愛穂)




黄泉川「たっだいまー。今日も一日疲れたじゃーん」

一方通行「おかえり黄泉川さン」

黄泉川「……一方通行、もしかして熱とかないじゃん?」

一方通行「そンな事ないよ。それよりもさ」

黄泉川「それよりも?」

一方通行「黄泉川さンは、ローションの使い方って分かるかなァ?」

黄泉川「 」

黄泉川(お、落ち着くじゃん黄泉川愛穂! 耳年増なのは理解してるけどここは大人の対応で)

一方通行「分かるなら、教えてくンないかなァ?」


黄泉川(ろ、ろろろろローションの使い方教えろって……それはつまり、私の身体を使ってててててて!?)

黄泉川「あ、あくしぇ…………コホン、一方通行、それは本気で言ってるんじゃん?」

一方通行「芳川サンが、黄泉川サンが詳しいって言ってたンだけど……分かンなィなら友達に聞いてみるよ」

黄泉川「桔ィィィィィィィィィ梗サァァァァァァァァァァァァァン! ちょぉぉぉぉぉぉっとこっち来るじゃんよぉぉぉぉっ!」

#4 sub:未元粘質(しゅせいぶん かきねじる)

さあて次は誰を出そうかな


( ^ω^)ノシ

バレンタインですね。
チョコは貰えませんでしたが妹からビールを1ケース貰いました。


#4.5 垣根帝督(おれの『仮性包茎(ハーフカバー)』に、じょうしきはつうようしねえ)



冥土帰し「で、新しい顔の調子はどうかな垣根君?」

垣根「悪くねえ。良い感じだ……けどよ、普通、顔って取っ替えれるモンじゃねえよな」

冥土帰し「だねえ。アンパンサン見てやってみたんだけど、正直上手くいくとは思ってなかったんだよ?」

垣根「……ソイツはあれだ。俺ってメルヘンだからよ、アンパンサンとは相性がよかったんだ」

冥土帰し「能力、想力共に第二位は伊達ではない、といったところかな?」

垣根「当然だろ…………で、冥土帰し」

冥土帰し「なにかな?」


垣根「この病院って、下着の替えはねえのか?」

冥土帰し「必要なら持って来させるけど……今すぐ必要かい?」

垣根「ああ。出来れば今すぐがいい……俺のブリーフは限界なんてもうとっくに超えてるんでな」

冥土帰し「そういえば、脳を分割されていた時に一度も替えていなかったね……そんなパンツで大丈夫かい?」

垣根「大丈夫だ。問題ない……とは言えねえな。動く度にブリーフがバリバリ音を立てやがる」

冥土帰し「それじゃあすぐにもってこさせようかね?」

垣根「一番良いのを頼む」

冥土帰し「はいはい……ああ、僕だよ。こちらに下着を一着もってきてくれないかな?」

冥土帰し「すぐに持って来るそうだよ?」


垣根「そうか。なら全裸で待たせてもらうぜ」

冥土帰し「別に構わないけど……そうそう、君には一つ謝っておかなければならない事があったね?」

垣根「ん?」

冥土帰し「君の脳が三分割されている時に、勝手ながら君の身体を保健の授業に使わせてもらったんだよ?」

垣根「保健の授業……つまり性教育か。おいおい、そういうご褒美は俺の意識がある時にやるべきだろ」

冥土帰し「そう言われてしまうと、形だけでも謝ろうと思った僕の気持ちはどこに向ければ良いんだろうね?」

御坂妹「ご所望の品をお持ちしました。とミサカはノックし忘れた事に、自身にうっかり属性があったのかと凹みながら言ってみます」

垣根「すまねえな、お嬢ちゃん」


冥土帰し「わざわざありがとう。それじゃ、全裸の垣根君に渡してもらえるかな」

御坂妹「はい。初めまして垣根さん。とミサカは気持ちうやうやしく下着を差し出します」

垣根「悪いな……っておい」

御坂妹「そしてお久しぶりです、ていとくん。と、ミサカは視線を下げて手を振ります」ニヒッ

ていとくん「」プルプル

御坂妹「ミサカはコレから用事がありますので、とミサカは久方振りに見るていとくんの愛くるしさに後ろ髪を引かれながら退室します」


冥土帰し「……」

垣根「……」

冥土帰し「因みに彼女、いや、彼女達が保健の授業の生徒なんだけど、妙に君のていとくんは気に入られてるみたいだね?」

垣根「俺って良い男だから仕方ねえだろ…………それより冥土帰し、コイツはどっちが前になるんだ?」

冥土帰し「おやおや……下着、としか言わなかったからそれを持ってきたんだね?」

垣根「まあ、穿けば分かるか」


#4.5 sub:水白縞々(おいおい、こんなごほうびもらえるなんてきいてねえぜ?)


( ^ω^)ノシ

俺の投下時間に常識は通用しねえ



#5 違和異相(あっれ、なんかおかしくね)


一方通行「あるェー?」

一方通行「なンっつゥか、本のヤツ明らかに違うよなァ」

一方通行「でもなァ……俺のコレがどうやりゃあこォなるかって考えっと……わかんねェ……」

一方通行「やっぱ本と現実じゃ違ェって事……いや……」

一方通行「……他のヤツと比べンのが一番手っ取り早いじゃねェか」



〜〜〜〜


一方通行「おィ、オマエら」

芳川「何かしら。味カレーならあげないわよ」

黄泉川「ご飯ならまだ準備すらしてないじゃんよ」

打ち止め「えっ、あなたがまさかの食いしん坊キャラに!?ってミサカはミサカは翌日食い過ぎで呻くあなたを想像してみたり」

一方通行「そンなンじゃねェ……今から銭湯行こうぜェ!」



〜〜とある銭湯男湯〜〜


上条「ふぁー、やっぱでかい風呂は良いなー」

一方通行「マジでたまンねェなぁ……」

上条「極楽極楽」

一方通行「いいねェいいねェ最っ高だねェ…………じゃねェよ」

上条「えっ?」

一方通行「……俺がなンの為にオマエを呼び出したと思ってンだ」

上条「単に気分良いから風呂奢ってくれるってだけじゃなかったのか?」

一方通行「ちげェよ!」

上条「じゃあ何だよ。上条さんのニコニコ相談室に何か御用って事か?」

一方通行「あァ…………三下、俺のちンちンの事なンだがよォ、コレは普通なのかァ?」

上条「…………は?」


一方通行「本の奴と比べても何か違ェし、オマエのは……俺のとあンま変わらねェな……」

上条「なっ……失礼な! 俺のはお前のよりご立派ですぅー!」

一方通行「そォか? 毛は生えてっけどよォ、サイズはあンま変わンねェだろ」

青ピ「なんやなんや。風呂は静かに入るもんやでー……って上やんやないか」

上条「おっ青ピか。丁度良い、俺と一方通行、どっちのちんこが立派か判、て、い?」

一方通行「あァン、誰だオマ、エェェェェェェェ?」

青ピ「なんやの二人して…………ああ、ボクの息子さんかいな」

ブルーマウンテン「」ブランッ

上条「いやおいなにそれこわい」

一方通行「キメェっつゥか……グロじゃねェか……」


青ピ「二人して失礼なやっちゃなぁ。けど……色白の別嬪さんに凝視されるってのは、なかなかクルもんがあるでぇ!」

ブルーマウンテン「」ムクムクムクッ

上条「うわぁ! トトトトトランスフォーム!?」

一方通行「ちょっと待てェ!? ちンちンはそンなでっかくなるモンじゃねェだろォ!?」

青ピ「ああっ! そんな可愛らしいお口からちんちん発言やなんてぇ!」

上条「」イラッ

一方通行「」ビキッ



〜〜〜〜


上条「……落ち着いたか?」

青ピ「うん。前が全然見えへんけど、不幸(ハードラック)と踊(ダンス)っちまったと思って諦めとくわ」

一方通行「……で、このウサンクセェドサンピンは何処のどいつだ?」

上条「あっ、コイツは俺のクラスメイトの青ピ。変な奴だけど良い奴だぜ。変な奴だけど」

青ピ「どもどもー、皆は青ピとか青髪とか変態紳士とか呼んでるけど、好きに呼んだらええと思うよ。よろしくなあーくん」

一方通行「あー、くん……だぁ?」

上条「ちょ……青ピ! コイツ見た目はこんなもやしっ子だけど」

青ピ「知っとるで。学園都市の第一位やろ」

上条「おまっ、知っててそれかよ!?」


青ピ「べつええやん。アクセラレーターやからあーくん。至って自然なあだ名の付け方やと思うけど」

一方通行「チッ……まァいい」

上条「へっ? いいんでせうか?」

一方通行「三下の知り合いっつゥ事は、どォせ言っても聞かねェンだろ……で、ドサンピン」

青ピ「あ、ボクの事かいな。なんでも聞いてえな?」

一方通行「俺のもよォ、オマエみてェにその、でっかくなるのかァ?」

青ピ「あー、それなりにはおっきくなると思うけど……正直ボクサイズは難しいと思うわ」

上条「じゃ、じゃあ俺のは?」

青ピ「外人さんでもない限り、誰でも無理やと思うで。だってボクのこれは能力の賜物やもん」

上条「……あれ? オマエってレベル0じゃ」


青ピ「ところがどっこい!ボクは『強制固定(ビガーパンツ)』って能力持ってたんやねこれが」

一方通行「……聞いた事ねェな」

青ピ「そりゃあレベル1やからね。ちんこ剥いて皮固定した時点で満足してもうて『自分だけの現実』なんか碌に鍛えてへんし」

上条「どう考えても能力の無駄遣いじゃねえか……」

一方通行「いいじゃねェか。能力が強すぎても碌な事にはなンねェしなァ……俺みてェによォ」

青ピ「結局は人次第やでカミやん」

上条「そういうもん、なのかなあ……」

青ピ「まぁ……その代わりって言えるか分からへんけど、ボクの『自分だけの猥褻(サーオナルシコリティ)』は半端ないでぇ!」

一方通行「『自分だけの猥褻』だァ……?」


上条「えっと…………ああ、つい最近エイなんとかっていう、外人みたいな名前の人が発表した奴か」

一方通行「エイなんとか…………もしかしてエイワスって言うンじゃねェだろォなァ?」

上条「知っているのか一方通行!」

一方通行「なンだァ、そのノリは」

上条「いや、つい」

青ピ「なんやあーくん、エーちゃんと知り合いかいな」

一方通行「知り合いっつゥか……ちィっとばっかし因縁があってなァ」

青ピ「そっか、まあええわ。詳しいアレは忘れたんやけど、エロ方面の想像力が高ければ高いほどレベルが高いって奴やで」

上条「なるほど、そういうあれならお前の独壇場だな」

一方通行「でェ……レベルって言葉が出たって事はよォ、能力者のアレと同じって考えていいのか?」

青ピ「そうやねぇレベル5までってトコは同じやね……簡単に説明すると」

青ピ「本なんかを見ながらでしか抜けない感想力者。コレがレベル1やね」

青ピ「思い出で抜けるのが想像力者。コレがレベル2」

青ピ「ある程度の材料さえ揃っていれば、それを組み合わせて抜ける空想力者。コレがレベル3でここら辺で壁にぶち当たる人が多いらしいなあ」

青ピ「木の股やら壁の模様からエロスを抽出できるのが幻想力者。流れからしてコレがレベル4なんやねー」

青ピ「それらを踏まえた上で、他者の追随を許さない何かを持ってるのがレベル5の妄想力者なんやけど……」

青ピ「何を隠そう、このボクこそが妄想力者の頂て……あれ、カミやん? あーくん?」



一方通行「湯上りの牛乳はたまンねェなァ」

上条「ほんと、何で風呂上りだとこんなにうまいんだろうな」


#5 sub:解決未遂(あんなちンちンにはなりたくないかなァ)

青ピ可愛いよ青ピ

( ^ω^)ノシ

てす

わんもあ

シャープは半角なのね
というわけで


♯4.5 御絞五和(くわがたにわたすのはいつだってだいふき)



建宮「……五和、今日は対浜面奥義『原子崩し』対聖人奥義『聖人崩し』に並ぶ、第三の崩しを伝授するのよな」

五和「はい」

建宮「コイツを発動まで持って行く難度は、正直言って前者二つの崩しとは比べ物にならんのよな」

五和「……そのような技を、私が使えるのでしょうか」

建宮「できると信じているからこそ、なのよな」

五和「教皇代理……」


建宮「五和、第三の崩しは対異性奥義……即ち、発動させれば上条当麻はお前のモノとなるのよな!」

五和「!? ……しかし、それでも私如きが元女教皇様に勝てるとは」

建宮「そこは大丈夫なのよな」
五和「えっ?」

建宮「元女教皇様は、我らの知らぬ遠い所へ逝ってしまわれたのよな……」

五和「そ、そうなんですか……?」


建宮「つまり今こそ千載一遇の好機なのよ!」

五和「……分かりました。私、第三の崩しであの人を射止めてみせます!」

建宮「その心意気や良し! 一度しか見せぬから、しっかりと目に焼き付けるのよな!」

五和「はい!」

建宮「牛深!」

牛深「応!」ガラッ



建宮牛深「「松葉崩し!」」キリッ


五和「コレが、第三の崩し……」ゴクッ

♯4.5 十字凄教(えがおのたえないあっとほーむなきょうだんです)

携帯メインで投下する人まじすげえと思いましたまる

( ^ω^)ノシ


なし崩し「ふふ、松葉崩しが伝授されたか」

木の葉崩し「しかし奴は我ら崩し団の中でも末席」

ブロック崩し「我らがでんじゅされるのはまだまだであろうな」


そンな訳で#5


#5 自慰事情(なァ、オマエらおなにィとかすンの?)



海原「やりませんね」

土御門「やらないぜい」

結標「やるわね」

一方通行「どォやら音を反射してたみてェだな……でェ、オマエらはおなにィやってンの?」

海原「過去にはありますが、ここ数年やってません」

土御門「少なくともここ一年はやってないにゃー」

結標「毎日朝晩二回よ」

一方通行「こいつァ……全く以って予想外だぜェ……」

海原「そうですか?」


土御門「いやいやいや、海原は第三位の事考えながら毎日やってるんじゃないのかにゃー?」

海原「失礼な……僕にとって、御坂さんとはそんな低俗な存在ではありません」

結標「じゃあ何なのよ」

海原「言うなれば……崇拝対象ですね。そんな存在で抜くなんて罰当たりにも程があります」

一方通行「じゃあよォ、ちンちンがぱンぱンになったらどォすンだ?」

海原「僕は基本夢精派ですが……土御門こそ、妹との妄想で色々やってそうですよね」

結標「それどころか手を出してそうよね。キャラ的に」


土御門「…………分かってねえ。分かってねえよテメェらは」

一方通行「そォだな。分かってねェ。身内で抜いた後の罪悪感って奴をよォ」

土御門「ちょっと待つんだぜい、一方通行」

一方通行「あァン?」

土御門「何でそこで共感した風に“身内ので抜いた”なんて言葉が出るんだにゃー? 俺は舞夏で抜こうとした事すらないぜい」

一方通行「じゃ、じゃあよォ、何で分かってねェ。なンて言葉が出るンだァ?」

土御門「俺の舞夏への愛は純粋過ぎて、性欲なんて入り込む余地がないぜい。って言いたかったんだにゃー」

海原「一方通行……もしかして、小さな御坂さんで……」


土御門「アクセラレータじゃなくて、アクセ(イ)ロリータだったのか……」

結標「Bボタンを押して進化を中止すれば……手遅れよね。ようこそ、子供の世界へ」

一方通行「ちげェよ! 俺は打ち止めの事はそンな風に見てねェ!」

海原「信じられませんね。小さくとも御坂さんは御坂さん。その可憐さは変わりませんから」

一方通行「嘘じゃねェ! 俺は、俺はよォ……アイツのお兄ちゃンなンだからよォ、絶対にそンな事はしねェ!」

海原「そんな、近親相姦願望まであるなんて……」

一方通行「ねえっつってンだろォがァ! 大体なァ、俺はでけぇ乳じゃねェとカチカチになンねェンだよ!」

海原「そんな戯言を今更聞くとでも?」


土御門「…………あー、海原海原。後でカミやんからパクった第三位のプリクラあげるから、ちょっと待つにゃー」

海原「はい! お望みとあらば伏せお回りお手何でもどうぞ」

結標「で、何をするつもりなの?」

土御門「……黄泉川愛穂。だにゃー」

一方通行「ッ……」

結標「誰?」

土御門「一方通行の現保護者ってトコかにゃー。シャツに( 三 )なシワが出来るレベルの巨乳だぜい」

結標「ああ、それがさっき言ってた身内って訳ね」

海原「……それが真実であるという証拠は?」

土御門「アイツを見て見ると良いにゃー」

海原「…………なるほど、と言って良いのですかね」


一方通行「……ここら辺によォ、ロープとかなかったかァ?」ゴソゴソ

結標「さあ……」

一方通行「そっかァ……ここら辺でみた気がすンだけどなァ……」ゴソゴソ

海原「完全に鬱に入ってますね。どうしましょうか」

一方通行「あァ、こンなトコに拳銃があるじゃァねェか。弾ァ……入ってンな」

土御門「……スイッチ切っとくかにゃー」カチッ

一方通行「qbfwjちrl……khbp……」ゴロッ


結標「……で、土御門」

土御門「なんだにゃー?」

結標「あなたは性欲処理はどうしてるの?」

海原「土御門も夢精派ですか?」

土御門「いんや、コイツだにゃー」スッ

結標「アンタ……まだ高一よね」

海原「すいません。身内で抜いてるのと同じくらい引きました」

土御門「何とでも言うが良いにゃー」

#5 sub:会員証明(しゅういちふうぞくせいかつ)




黄金騎士鎮魂曲の初打ちでエンディングうめえwwwwwwwww

( ^ω^)ノシ

#〜がズレてる事に今更気付いた^p^
と言うか木原くンのジャージの下のシャツって一方さンと同じメーカーじゃね?
そんなこんなで



#6.5 海原光貴(このひともあるしゅのしすこんだとおもうんですよ)


ショチトル「……寝起きか? 髪の毛が跳ねているぞ」

海原「ははっ、つい先程まで仮眠を取っていたもので。ところで……体調はどうですかショチトル」

ショチトル「悪くない」

海原「そうですか。顔色も良いですし、早く退院できると良いですね」

ショチトル「……退院した所で、行く当てなど」

海原「大丈夫ですよ。僕の住んでいる所には、あと二人位は住める程度に部屋が余ってますから」

ショチトル「私と、トチトリを引き取るとでも?」

海原「そう言ってるつもりですが。ああ、僕と一緒に住むのが躊躇われるのなら、隣にでも部屋を借りましょう」


ショチトル「…………保護者気取りか」

海原「たとえ師弟関係だったとしても、兄妹は兄妹ですから」

ショチトル「……エツァリ」

海原「はい」

ショチトル「……臭い」

海原「ははっ、我ながら臭い事を言ったと思います」

ショチトル「それもだが、貴様自身からなんか生臭い匂いがする」

海原(……やはり、バレましたか)


ショチトル「貴様、まさかとは思うが」

海原(……時間が無かったとは言え、ぬめったままの下着で来るのは流石に無謀でしたね)

ショチトル「……私から奪った原典を濡らしたにもかかわらず、碌に干さずに持ち歩いているんじゃないだろうな?」

海原「…………はい?」

ショチトル「はいだと……肯定したな貴様! 貴様それでも魔術師か!」

海原「…………申し訳ありません」

ショチトル「原典である以前にそれは皮製品だ。ちゃんと干さなければ臭うし……それどころかカビが生えたらどうする!」

海原(助かった、と言って良いのでしょうか)


ショチトル「今すぐ干して来い! この際あの……ドライバーという奴でもいいから!」

海原「……ドライバーではなくドライヤーですね」

ショチトル「うるさい、私は科学かぶれの貴様の様に機械には詳しくない!」

海原「分かりました。それではコインランドリーで乾かしてきますが……何か買ってきて欲しい物はありますか?」

ショチトル「そうだな……」

#6.5 sub:漫画希望(エツァリおにいちゃん、ショチトルねぇ……あにといもうとでドロドロになるやつがいいなぁ)


( ФωФ)ノシ


ショチトル「今すぐ干して来い! この際あの……ドライバーという奴でもいいから!」

海原「……ドライバーではなくドライヤーですね」

ショチトル「うるさい、私は科学かぶれの貴様の様に機械には詳しくない!」

海原「そういう事にしておきましょうかね。それではコインランドリーで乾かしてきますが……何か買ってきて欲しい物はありますか?」

ショチトル「そうだな……」

#6.5 sub:漫画希望(エツァリおにいちゃん、ショチトルねぇ……あにといもうとでドロドロになるやつがいいなぁ)

俺、この投下が終わったらエロ本で抜くんだ……
正直( 三 )このAA考えた奴はすげえと思いますまる


#7 陰部開放(おとなのかいだんのぼるきみはまだしんでれらさ)


一方通行「はふゥ……おなにィ後の熱い風呂は最高だぜェ……」

一方通行「……そォいや、あのドサンピンのはなンっつゥか、先っぽの皮が無かったっつゥか……」

一方通行「もしかして、ここの皮ってのは剥けるよォになってンのかァ?」

一方通行「…………やってみっかァ」

一方通行「おっ……おォっ?」ズルッ…

一方通行「マジで剥けンじゃねェか」ズルン


あーくん「ひゃぁぁぁぁぁん! らめぇぇぇぇぇっ! あちゅっ! あちゅいのらめぇぇぇぇぇっ!」

一方通行「がァっ!? ちょっ、なっ、なンですかこの痛さは! 早く戻さねェt」

あーくん「そんなっ、びんかんなとこさわっちゃらめぇぇぇぇぇぇっ!かたくなっちゃうぅぅぅぅっ!」ムクムク

一方通行「ぎっ!? ぐゥゥっ、ち、ちンちンの首、が、」

あーくん「ひゃぁぁぁっ、らめっ、らめなのぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

一方通行「そ、そォだ、血流の、操作、し、て、ちンち、ンの膨張を、抑えれ、ば……」

一方通行「く、そォ……痛みで、意し、きが……」


『なあ一方通行』

一方通行(この声は三下……幻聴、だよ、なァ?)

一方通行(幻聴でも構わねェ……助けてくれよ、ヒーロー)

『熱膨張って知ってるか?』キリッ

一方通行(ふざけンな……)ガクッ



〜〜〜〜

黄泉川「……一方通行の奴、えらく長風呂じゃんよ」

芳川「オナニーでもしてるんじゃないの?」

黄泉川「…………もう突っ込まないじゃん」

芳川「もしかしたら、お風呂に白いのが浮かんでるかもね」

黄泉川「いやいやまさか……」

芳川「愛穂、受精させる気があるなら良い医者紹介するわよ」

黄泉川「歯ぁ、食い縛った方が良いと思うじゃんよ」

#7 sub:豆芽危篤(けっきょくふろばであわふいてしろめむいてるってわけよ)

クソどォでもいいおまけ『今までに出てきたキャラたちの紹介その�』

一方通行さん:最強のモヤシ。おっぱい星人。パイパン且つ神聖包茎。
最終回では公転オナニーで学園都市を滅ぼす予定。

上条当麻:通称三下。幻想殺しなんて大層なもので毎日オナニー。
既に二回死んでるしいいっしょ?という感じで、最終回までにもう三回くらい(社会的に)死ぬ予定。

冥土帰し:ナースフェチかつハゲの癖に凄い奴。見た目以外はマジイケメン。
最終回の三話前に病院専門のクリーニング屋を始めて、ナース服をくんかくんかし続ける予定。

厠:いわゆるトイレ。一方通行に良いように嬲られてお嫁にいけない体になった。
最終回では垣根帝督の冷蔵庫と合体し、一方通行の前に立ち塞がる予定。

ステイル=マグヌス:大きなショタという矛盾した存在。イノケンテイウスが唯一の友達。
最終回においてマントの中でちゅぱちゅぱするという大事な役割を担う予定。

月詠小萌:かわいい。合法ロリかわいい。ステイルキラー。
最終回で、自身の正体が屠殺系科学少女モエキュンキュンである事をタバコを咥えたまま語る予定。

黄泉川愛穂:( 三 )「————これが脂肪だと言った記憶は無いが?」もしかしたら硬いかもしれない。
最終局面で自身の右手が『陰棒殺し(チンチンブレイカー)』である事を知り、とりあえず近くにいた上条当麻のちんちんを消してみる予定。

気が向いたときに続く。


( ^ω^)ノシ

たとえそれが尻だったとしても、プリプリした尻ならば何も問題はない。
少佐のお尻とか最高。
そんな風に始まる#7.5


#7.5 芳川帰し(おかえりくださいごしゅじんさま)



芳川「ねえ」プル

冥土帰し「なんだい?」

芳川「あの子を助けてあげて。できなかったら、わたしはあなたを許さな……」プルプル……

冥土帰し「誰に向かって言ってるんだか。あそこは僕の戦場だよ?そして僕は必ず戦場から」

芳川「ぶふぁ! うくっ、ぶふっ! ふぎぎっ!」

冥土帰し「……ひどい保護者だねえ。あの子は間違いなく地獄の苦痛を味わったんだよ?」

芳川「ばふっ! ぷ、くっ、あの子ね、白目剥いて泡吹いて、ちんちん押さえぶひょぁぶっ、ぶふふぐっ!」

冥土帰し「……僕は必ず戦場から帰還してみせるね。今までずっと戦ってきた患者とその息子を連れて、さ」

芳川「息子っ……やだっ、ヤバっ、ツボにきたッ……ぶふぉ!」



『誰にモノ言ってっか話かってンのかオマエ。俺ァお笑いなンて見た事ない人間だぜ?』


『そンな人間に誰か笑わせろって? 嘲笑う事は出来ても笑わせる事なンかできねェよ』


芳川「なん、だ……」

芳川「やればできるじゃない、あの子……うくくくく」

#7.5 sub:芳川外道(ほら、わたしってじぶんにはとくにあまいから)


短い?
ソイツは気のせいだ。

( ^ω^)ノシ



『誰にモノ言ってっか分かってンのかオマエ。俺ァお笑いなンて見た事ない人間だぜ?』


『そンな人間に誰か笑わせろって? 嘲笑う事は出来ても笑わせる事なンかできねェよ』


芳川「なん、だ……」

芳川「やればできるじゃない、あの子……うくくくく」

#7.5 sub:芳川外道(ほら、わたしってじぶんにはとくにあまいから)

(;^ω^)ノシ

もしも自身の身体に関する願いが叶うなら。
視力を上げるより、慢性腰痛の改善より、ちんこの皮を伸ばしてほしい。
今思えば皮オナこそ至高の[田島「チ○コ破裂するっ!」]だった。

そんな風に始まる#8


#8 入院生活(となりのじじいのいびきにさつい)



一方通行「オイコラ」

冥土帰し「なんだい?」

一方通行「なンで俺ァ両腕拘束されてンですかァ?」

冥土帰し「何でって……こうでもしなきゃオナニーするだろう?」

一方通行「その言い方は…………まさか……」

冥土帰し「皮を縫ってるから、一週間ほどオナニーは禁止だね?」

一方通行「マァジで言ってンですかァ!?」

冥土帰し「至って本気だね。しかし、コレも仕方の無い事なんだよ?」


一方通行「仕方ないで納得すると思ってンのかァ!? 納得なンぞ出来るわけねェだろォがよォ!」

冥土帰し「一つ言わせてもらうけどね……もしオナニーをして縫い目が裂けた場合、君は皮を切らなきゃならないんだよ?」

一方通行「あァン? 皮を切ったらどォなるってンだ?」

冥土帰し「この際ハッキリ言わせて貰おう。オナニーの気持ちよさは半分以下になるだろうね?」

一方通行「なン……だとォ……」

冥土帰し「……それを失ってからでは、遅いんだよ?」

一方通行「チッ……一週間だな。一週間ぐれェ我慢してやンよ」



〜〜〜〜


一方通行「……なンで鳥類と同じ病室なンですかねェ。ここは動物病院じゃないンですけどォ」

垣根「おいおい……誰だよこんなトコで大豆発芽させたの。ベッドに根っこ張ってるじゃねえか」

一方通行「……食肉加工場と羽毛布団工場、どっちが良いかくらい選ばせてやンよ」

垣根「……スーパーの野菜コーナーで売れ残って萎びてそうな奴が何言ってやがる」

一方通行「……」イラッ

垣根「……」ビキッ

一方通行(そォいや……俺スイッチ入れンの無理じゃねェ?)

垣根(あ……もし騒いで追い出されたら、下着の替え貰えなくなるじゃねえか)


一方通行「……ヤメだ。傷に障るよォな事はしたくねェしな」

垣根「奇遇だな。俺もそう思ったトコだ」

一方通行「……」

垣根「……」

一方通行「そォいや、オマエはなンで入院してンだァ?」

垣根「こういう時は自分から話すもんじゃねえか?」

一方通行「チッ…………まァいい。昨日初めてちンちンの皮剥いたンだけどよォ」

垣根(コイツ、この年で真性だったのかよ……やべぇ、指差して笑いてえ……)


一方通行「普通に剥けたもンだからよォ、一気に剥いたら戻ンなくなって手術したってェだけだ」

垣根(おいおいおい……初剥きで全部剥くとか、なんっつうブレイブハートだよ……)

一方通行「でェ、オマエはなンなンだ」

垣根(クソッ、言いたくはねえが学園都市の第一位って肩書きは伊達じゃねえってトコか……)

一方通行「おィ、俺のは聞いといて自分はダンマリたァ……良い度胸してるじゃねェか」

垣根「あ、ああ俺な。俺は…………ちんこにバター塗って猫に舐めさせようとしたら、思いっきり嚙まれた」

一方通行(……ッ!? 悪人と自認してる俺でもそンな事できねェぞ……)


垣根「ついでにキンタマ引っかかれたり、飼い主からちんこに電撃喰らわされたりよ、マジ死ぬかと思ったぜ」

一方通行(うおォ……想像しただけできンたまがヒュンってなりやがったぜェ……)

垣根「つーかよ、治るまでオナニー禁止ってのがな……」

一方通行「……我慢できると思うかァ?」

垣根「ハッ、俺はそれくらい余裕だぜ。お前と違って出来る子だからな」

一方通行「言ってくれるじゃねェか。そンじゃあよォ」



黄泉川「一方通行、見舞いに来たじゃんよー」ブルンッ


垣根「 」ビンッ

一方通行「 」ビンッ

垣根「あ、あ、あ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

一方通行「あがっ、あがァァァァァァあああァァァァァっ!」

黄泉川「えっ、ちょっ、誰かー! 誰か来るじゃんよぉー!」



黄泉川「一方通行、見舞いに来たじゃんよー」ブルンッ


ていとくん「俺に常識は通用しねぇぇぇぇぇっ!」ビンッ

あーくん「くかかかくきくかけくけこかあああああああ!」ビンッ

垣根「あ、あ、あ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

一方通行「あがっ、あがァァァァァァあああァァァァァっ!」

黄泉川「えっ、ちょっ、誰かー! 誰か来るじゃんよぉー!」



〜〜〜〜


翌日

黄泉川「あれ、面会謝絶になってるじゃんよ……」

打ち止め「そっか……ってミサカはミサカは肩を落としながら、扉の向こうのあの人が早く良くなりますようにって祈ってみる」

芳川「皮なんて、唾つければ治りそうなものなのにねえ。そう思わない、愛穂?」

黄泉川「……なんで私に振るじゃんよ」

芳川「愛穂が直にペロペロしたら面白いのにとしか思ってないわ。他意はないから安心して」





一方通行「kljゆgjfouyfhghupigen」←演算補助カット

垣根「……」←三分割再び


#8 sub:面会謝絶(ちんちんさいゆうせん)



投下した直後にこうすりゃ良かった!が多いですはい。

( ^ω^)ノシ


12巻の巻頭イラスト見る限り黄泉川さんって生えてないよね。
そして始まる#8.5


#8.5 欠陥電気(し、いわく、したぎはみせるもの)


上条「入院したって聞いて来てみれば……面会謝絶って、何やったんだアイツ……」

御坂妹「おや、何をしているのですか。とミサカは久方振りに会ったあなたに声を掛けてみます」

上条「あ? ああ、御坂妹か。ここで会ったって事は、お前はメンテか何かか?」

御坂妹「いえ、こちら部屋に入院している方に一言謝ろうかと思って。とミサカは自身がここにいる理由を説明します」

上条「まさか、一方通行を入院させたのってお前なのか?」

御坂妹「違います。そもそもミサカがあの人に勝てるとお思いですか? とミサカはタイマン張った時の恐怖を思い出しつつ……」

上条「……どうかしたか?」

御坂妹「……思い出すと恐怖で色々漏れそうなので考えるのはやめます。とミサカは少しばかり湿った下着の感触に辟易しながら呟いてみます」

上条「あ、ああ、うん……」


御坂妹「それと、私が見舞いに来たのは同室の垣根さんにです。更に言うならばていとくんにですが、とミサカは付け加えます」

上条「……ていと、くん?」

御坂妹「ええ、ていとくんです。とミサカは垣根さんから先日頂いた、ていとくん実物大ストラップを取り出して見せびらかします」ニヘッ

上条「…………なぁ、その垣根さんって小学生か?」

御坂妹「いいえ、大体あなたくらいの歳でしたが。とミサカは返答しつつ、ていとくんモドキの隠されたギミックを今こそ見せんと」

ていとくん(偽)「きっもちいいっつってんだろぉがよおおおおおッ!!」ビンッ

御坂妹「 」ビクッ

上条「 」ビクッ


御坂妹「どうです。このていとくんストラップは変形機能も有しているのですよ。とミサカは更なる機能があった事を思い出しつつ」

上条「ちょっと待て!待ってください!嫌な予感しかしないから待っていただけませんかお願いし」

ていとくん(偽)「 」ビュルビュルッ

上条「ます…………って、なんだこ、れ……はぁああああああ!?」

ていとくん(偽)「ふぅ……俺の『未元陰茎(ダークマラー)』に常識は通用しねえ」キリッ

御坂妹「手遅れ、でしたね。とミサカは先端をあなたに向けてしまっていた事を少しばかり後悔しています」

上条「……この、俺の顔に掛かったのって……」

御坂妹「ええ。この先端から出たものです。と、今のあなたの映像をMNWに流しながら返答します」

上条「不幸だ……マジで不幸だ」

#8.5 sub:初回死亡(10024〜2001「そっち側、ですか。とミサカは(ry」)


あと2回上条さんは社会的な死を向かえるのですまる
( ^ω^)ノシ

もし新しくスレを立てるとしたら主役は杉谷さん。
一方さん杉谷さんアックアさんが好きな男キャラTOP3です


#9 退院前日(あしたにはおなにーできるよ!やったねあーくん!)


一方通行「明日、かァ……良く我慢できたと思うぜェ」

垣根「明日、だな。長かった、実に長かった」

一方通行「……抜糸で死ぬかと思ったけどなァ」

垣根「それもまた良い思い出だろ……もう二度と味わいたくねえが」

一方通行「……で、よォ」

垣根「なんだよ第一位」

一方通行「ンな呼び方すンな。そンな肩書きなンぞ、今となっちゃクソみてェなもンだ」

垣根「オーケー第一位。把握したぜ」

一方通行「チッ…………まァいい」

垣根「ハッ、第一位様も丸くなったもんだ」


一方通行「オマエがそう呼びてェンなら好きにすりゃァいい……つゥかよォ、なンでナース服なンだよ」

垣根「いいだろ。白衣の天使とか俺が着るとマジ天使だからな」

一方通行「ねェよ…………じゃなくてですねェ。なンなンですかァ、その無駄に綺麗な足はよォ」

垣根「心配するな。自覚はある」ニコッ

一方通行「良い顔してンじゃねェ!」

垣根「おいおい、顔が赤いぜ第一位」クイクイッ

一方通行「スカートずらしてンじゃね……ッ!? なァンでお前が縞パン穿いてるンですかァ!?」

垣根「俺はそこらの雑魚とは違うからな。やはり趣味も一味違うってワケだ」

一方通行「……見苦しいもン見せてンじゃねェ。 さっさと仕舞いやがれ」


垣根「残念ながら俺も両手が使えねえんだ。諦めてそっぽ向いてくれや」ニヤニヤ

一方通行「なンでだ……なンで、こンなモンから視線が……」

垣根「ハハッ、第一位様は男で勃起するような変態さんだったかよ」

一方通行「してねェっつゥの!」

あーくん「じぶンいつでもいけますンで」

垣根「強がりは良くないぜ?」

一方通行「ンなワケ……ねェ……」

垣根「……」

一方通行「……」

垣根「…………なぁ、恥ずかしいから、マジであっち向いてくんねえか?」

一方通行「お……おまっ、オマエが顔赤くしてンじゃねェ!」

#9 自慰禁中(いまならババァのブラチラでいけるぜェ)


信じられるか? 去年までの俺ならコレだけの量に一週間かかってたんだぜ……
指が勝手に動く事の何と楽しい事か
(*^ω^)ノシ

こんなの書いてる人間の指がどこで動くかなんて決まってんでしょうが^p^
何時の間にやら200越えてたのねとか思いながら始まる#9.5


#9.5 監視映像(おい、どういうことだオイ)



土御門「…………明日からよ、どういう顔して一方通行と話しゃあいいかわからねえ」

海原「……心底同感です。第二位と同室という事で念の為、と監視カメラを設置したのが裏目に出ましたね」

結標「別に良いじゃない。一方通行がホモだったとしても、役に立てば良い訳だし」

土御門「オマエは良いよな、女だからよ。だがよぉ、俺らは男だ。明日から奴の前に立つ時は自身の尻を警戒しなきゃならねえ」

海原「もし仮に、の話ですが、一方通行が本気を出して襲ってきた場合……僕達は一瞬で薔薇を散らすでしょうね……」

土御門(……背中刺す刃(Fallere825) が背中側から挿されるとか皮肉どころの話じゃねえぞ……)


結標「私は別にどうでも良いんだけど…………まぁ、目の前で襲われた時限定で良いなら、助けてあげても良いわよ」

海原「ほ、本当ですか?」

土御門「結標……信じて、良いんだな?」

結標「ええ。その場凌ぎになると思うけど、限界距離まで飛ばしてあげるわ」

海原「……結標さんと同じチームで本当に、本ッ当によかった……」

土御門「ああ、グループのリーダーである事をこの日ほど感謝した日はねえ……」

結標「安心するのは勝手だけど、只じゃないわよ」

海原「……分かっています。僕が出来る事であれば何なりと」

土御門「貯蓄の半分……いや、七割までなら出す」


結標「そんな畏まらなくても大丈夫よ。あなた達が小学生の頃の写真をくれれば良いだけだから」

海原「 」

土御門「 」

結標「一応言っておくけど前払いで宜しくね」

土御門「……数年ぶりの実家に連絡がこんな形になるなんてな……」

海原「まさか、こんな形で母国に連絡する羽目になるとは……」

#9.5 sub:漁夫の利(このあわきんさまがゆうこうかつようしてやろうというのだ)


関係ないけど黄泉川先生とオリアナのおっぱいに挟まれて窒息死したい

( ^ω^)ノシ

俺、投下終わったら超電磁砲の新刊買って来るんだ……
寝ぼけ眼を擦りながら始まる#10



#10 退院万歳(おれはじゆうなンですゥ! ふりィだむなンですゥ!)



一方通行「たっだいまァーってなァ」

打ち止め「おかえりー! ってミサカはミサカは久々に会えたあなたに思わずギューって抱きついてみたり!」

一方通行「おゥ、クソガキ。ちゃんといい子にしてたかァ?」

芳川「おかえりなさ、フヒュ、一方通行。クッ……フヒッ……」

一方通行「なァに笑ってンだクソババァ。老化促進させンぞ?」

黄泉川「おかえりじゃん一方通行。その、アレはもう……大丈夫じゃん?」

一方通行「ン…………あァ、まァ、なンっつゥか、もォ、大丈夫だなァ」

黄泉川「そ、そっか。ま、まぁ、こういうのアレだけど、もうちょい、アレ、大事にしなきゃダメだと思うじゃんよ……」


芳川「愛穂、ちゃんと私のあーくんは大丈夫? って言わないと分からないわよ」

黄泉川「ぶふぉ!」

打ち止め「あーくん? 貴方とあーくんは同一人物じゃないの? ってミサカはミサカは可愛らしく小首を傾げてみたり」

芳川「一方通行とあーくんは、敢えて言うなら父と息子の関係ね」

一方通行「……なァに余計な知識付けさせよォとしてンですかァ?」

黄泉川「そ、そうじゃんよ! 打ち止めに聞かせるような事じゃないじゃん!」

打ち止め「?」

一方通行「…………でよォ、悪ィが、一時間ばっかし一人にさせてもらえねェか」

黄泉川「あー、もしかして相部屋だったから変に疲れたとかじゃん?」

芳川「……くっ……くふっ……」


一方通行「そンなもンだ……そォだ、ただ俺ァ疲れてるだけだ。あン時は疲れすぎて変になってたンだ……」

打ち止め「あなたはいつも一人だから、そういうので余計に疲れるんだろうね。ってミサカはミサカは言った後で失言に気付いてみたり」

黄泉川「そっか……じゃあ今日は部屋で大人しく寝てると良いじゃん」

一方通行「おォ。すまねェな」


芳川「愛穂の意気地なし」

黄泉川「なんでそうなるじゃん?」

芳川「あの子、一週間も溜めてたのよ。ここは愛穂が上目遣いで『私が一方通行の気が済むまで抜いてあげるじゃん』とか言うべき所じゃない」

黄泉川「桔梗……拳と足刀、どちらがいいじゃん?」




〜〜〜〜



一方通行「……もォいいか」カチッ

一方通行「一週間おなにィしてねェとはいえ、能力限界まで使っても限界ギリギリたァ、やっぱあの乳はやべェなァ……」

一方通行「まァいい……さァて、エロ本で思う存分ぶちまけ……あン? こンな本あった……あァン?」

『巨乳大全』

一方通行「ゴクッ……誰が置いたかは知らねぇが……有効活用させてもらうぜェ!」

#10 sub:犯人桔梗(かのじょなりのおわびのきもち)






一方通行「なッ……なッ……なンで……」

一方通行「なンで、ぜン、ぶ、黄泉川の顔なンですかァ……」

一方通行「ァ……ぐゥ………がァァああああああああああああああああ!!!」

#10 sub:職人乃技(ききょうがひとばんでやってくれました)

さて、一方さんは結局何で抜いたでしょう
1:巨乳大全
2:自分のエロ本
3:あわきん
4:垣根
5:木原くン

( ^ω^)ノシ

正解はあなたの心の中に( ^ω^)ニコッ



#10.5 疑心暗鬼(あの、なんでおれのうしろでぱいるばんかーかまえてるんですか?)


海原「……」

土御門「にゃーにゃにゃにゃーにゃーにゃーにゃにゃーにゃー」

海原「……一つ、宜しいですか?」

土御門「なんだにゃー」

海原「色々と考えてみたのですが、やはり一方通行はシロではないかと」

土御門「どの意味でかにゃー? いろんな意味でアイツは白いぜい」

海原「ホモ疑惑ですよ。あの時は流石に動揺しましたが……後になって考えてみると、少しばかり腑に落ちませんね」

土御門「その根拠は、この前のアイツの態度かにゃー」

海原「ええ。彼の性格上、ホモである事を隠すだけなら、あんな無様な態度など見せずに別の手段を取るでしょう」

土御門「確かに…………けどにゃー、オマエは一つ大事な事を忘れてるんだぜい」

海原「……なんでしょう」


土御門「世の中にはな————男も女もいける、両刀使いってのがおるんですたい」

海原「では……一方通行は……」

土御門「そこは分からんぜよ。けど、確かめてみるのは悪くないと思うんだにゃー」

海原「確かめる、ですか……」



〜〜〜〜


海原「……こんな公園で何を? それに、この漫画みたいな罠と……あの本は……」

土御門「生け贄捕獲装置だぜい!」

海原「土御門……まさか一般人を?」

土御門「いんやー。捕まえるのは、先月辺りからこの学園都市に不法侵入している魔術師だぜい」

海原「しかし、魔術が使われたりといった気配は…………あなたの知り合いですか」

土御門「一日二日なら放置してても良かったんだが……流石にここらでお仕置きしとかないとにゃー」ニヤリ

海原「……で、その知り合いは、こんな罠に引っかかるほど馬鹿なのですか?」

土御門「馬鹿じゃあねえが、お猿さんな年頃だから簡単に引っかかると……っときたきたっ」



ステイル「…………なんだアレは。雀捕りに似ているが、サイズが余りにも……!?」

土御門(……ステイル、お前が何の為にここにいるのかはぜーんぶお見通しだにゃー)

ステイル「アレは……アレは表紙からして間違いなくエロ本! 神よ、この奇跡に感謝します!」

海原(……なんで、エロ本であそこまでテンションが上がるのでしょうか……)

ステイル「周りに人は……よし!『我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931)!』」

土御門(ッ……エロ本拾うのにそこまで全力出そうとするのはお前だけだぜい……)

ステイル「手に入れたッ! 僕はついに」パタッ

海原(……まさか本当に引っかかるとは……)


ステイル「なッ!? 僕とした事が我を忘れ……」

土御門「ステイルー、久しぶりだにゃー」

ステイル「その声は……土御門っ! コレは何の真似だ!」

土御門「——何の真似? その言葉、そっくりお前に返させてもらうぜ」

ステイル「チィッ……灰は灰に、塵は塵に」

土御門「一応言っておくが、魔術を使って逃げようとすれば……この学園都市全てがオマエに牙を剥く」

ステイル「クッ……」

土御門「魔術師のオマエが学園都市に不法侵入…………イギリス清教と学園都市の関係をぶち壊すつもりか?」

ステイル「そんなつもりはないっ!」

土御門「信用できねえな…………と言いたい所だが、俺とオマエの仲だ。見逃してやらない事もない」

海原(土御門……なんて邪悪な笑顔をしているんですか……)


ステイル「君の事だ……ただで、とは行かないんだろうね」

土御門「なぁに、簡単な事だ。とある人物の前で、全裸で尻を突き出してくれればいい」

海原「ブッ!」

ステイル「冗談、にしては性質が悪すぎるな」

土御門「勿論本気だ。選べよステイル」

ステイル「………………無理だ」

土御門「そうか。それじゃあ……っと、電話か」

ステイル(…………終わった。僕の人生はここで終焉を迎えたんだ……)

土御門「もしもし、ん? は? で、そん時……なんかホモ臭い挙動とかは……そうか。ああ、またにゃー」パタン

海原「どちらからです?」

土御門「喜べ海原。アイツはシロだ」

海原「はい?」


ステイル(どうせ最後なんだ。この本でオナニーをしよう)

土御門「その道のプロから見て、アイツがノーマルだと判明したって言ってるんだ」

海原「……はああああああああ……よかった。本当に、よかった……」

土御門「安心したら腹減ってきたにゃー。海原、どっか飯食いに行こうぜい」

海原「構いませんが……あの人はどうします?」

土御門「コレもまたお仕置きって事で、放置だにゃー」

ステイル(この本……何かおかしいぞ。何かで張り付いているし、それに……)

#10.5 sub:赤髪覚醒(なるほど……こういうのも、ありなのかもしれないね)


ふとした拍子に世界が広がる事ってあるよね

( ^ω^)ノシ

昨日風呂の排水管が詰まって水道屋に来てもらったんだが最悪だった
作業に俺とインデックスが立ち会ったんだが、なんか白いものが詰まってて、「これはヤバイ!」って思ったら

水道屋「あーこれは・・・」
イン「何なのかな?」
水道屋「これは精液・・・ですね」
イン「え?・・・」
水道屋「多分彼がお風呂で毎日してるんでしょう・・・オナニーを」
イン「・・・・・・」
上条j「・・・・・・」

水道屋\(^o^)/シネヤ
上条\(^o^)/フコウダ・・・

花粉症で俺がヤバイ。
鼻水でかぶれて鼻下がヤバイ。
ダイナマ伊藤久々に読んだら腹筋がヤバイ。

そんなどうでもいい前書きから始まる#11


#11 絶体絶命(おれァ、またくりかえすってェのかァ)


一方通行(俺ァ……決めたンだ。どンな形であれ身内には、手ェ、出さねェってよォ……)

一方通行(そォだ、いっぺン萎れさせりゃァ何とかなるじゃァねェか…………頼むぜ木ィィィィ原くゥゥゥゥゥゥン!)


木原『あぁっ、ダメよテレス! そんなトコ弄られたらおかしくなッ、ひあぁぁぁん!』


一方通行(あるェ、木原くンが可愛く……じゃねェ! 頼むぜヒィィィィィロォォォォォォォッ!)


上条『ようインデックス』

インデックス『なあに、とうま』

上条『熱膨張って知ってるか?』

インデックス『ふふっ、とうまのここ、熱膨張しちゃったんだね。凄く熱そうなんだよ』


一方通行(おォォォォォォい! 俺の頭はどうしちまったンですかァ!? 学園都市第一位の脳味噌は腐っちまったってンですかァ!?)

一方通行(……落ち着けェ……萎えさせンのが無理ってンなら、黄泉か……ッセェェェフ! それ以外で抜けばいいってンだァ!)

一方通行(そォだ、俺にはよォ、結標って強ェ味方がいるじゃねェか!)



結標『ねぇ、いつも私の胸見てるでしょ』

結標『もしかして、触りたいの?』

結標『 私は別に良いわよ。その代わり、優しくしなきゃダメよ。女の子って繊細なんだから』


一方通行(いいぜェ、いい感じだァ……)


結標『ンッ……そうよ、上手じゃない』

結標『上手に出来たご褒美に、お姉さんがギュッてしてあげる』


一方通行(流石は結標だァ、性格はクソだがその乳だけは評価してやるぜェ……)


『どう、柔らかいでしょ?』


一方通行(あァ、たまンねェなァ……)



垣根『そうか。俺のお稲荷さんはそんなにたまんねぇか』

一方通行「 」

垣根『俺にこんな真似させたんだ……責任、取ってくれよ』

あーくん「 」

#11 sub:珍々沈黙(ただしみっかほど)


( ^ω^)サワッ

( ^ω^)ヤカッ

( ^ω^)サンッ

( ^ω^)クミッ

( ^ω^)ノシ

超電磁砲6巻のくかか一方さんの顔がいい感じに飛んでて惚れる。
そんなこんなで#11.5


#11.5 好機到来(そのこうきがおとずれたりゆうはさておき)


建宮「……五和。ついに、この時がやってきたのよな」

五和「教皇代理……この時、とは」

建宮「明日……元女教皇様が、あの学園都市に出向される————この意味が分かるのよな」

五和「遂に、この時が来たのですね」

建宮「そう」


建宮「「 松 葉 崩 し ! 」」五和


建宮「にて上条当麻を仕留める好機がやって来たのよな」


牛深「五和、気合を入れろ。お前が血の滲む様な修練を重ねて習得した」


五和建宮「「「 松 葉 崩 し ! 」」」牛深


牛深「が遂に御披露目だ」

五和「……私に、出来るでしょうか」

浦上「大丈夫よ五和。今の貴方なら」


浦上建宮「「「「 松 葉 崩 し ! 」」」」牛深五和


浦上「を完璧に繰り出す事が出来るはずよ」


諫早「そもそもだ、五和の」


諫早浦上建宮「「「「「 松 葉 崩 し ! 」」」」」五和牛深


諫早「を避ける事の出来る男なんて、男じゃねえな」

野母崎「そうだな。五和が元より持つ、天から授かったその胸と、」


諫早浦上建宮「「「「「「 松 葉 崩 し ! 」」」」」」五和牛深野母崎


野母崎「が揃えば敵はないな」

建宮「そう、勝利は既に約束されたも同然ッ! なのよなっ!」


香焼「ねえ対馬」

対馬「なに?」


香焼諫早浦上建宮「「「「「「 松 葉 崩 し ! 」」」」」」五和牛深野母崎対馬


香焼「って一体何なんすか?」

対馬「アンタにはまだ早い」

#11.5 出陣前夜(きょうだんないでのいべんとにはみんないよくてきにさんかします)

ヾヽ( ^ω^)ノシ

おい

五和はどうやって練習したんだよ、おい

……おい

上条「よう>>269。木人拳って知ってるか?」(キリッ
多分そう云う事なんだと思います。
そう、つまり、#12の投下開始という事なんです。


#12 平穏な刻(このとしでこんなかれたきぶんになるなんて)


一方通行(……まさか、あの日から一度たりともギンギンになンねェとはな……)

一方通行(結果オーライじゃあるがよォ、ちいィっとばっかしやりすぎじゃねェかなァ、垣根くンよォ……)

一方通行(しっかし……ちンちン硬くなンねェだけで、なンでこンな落ち込むンだろォなァ……)

一方通行(…………そンだけおなにィが身近にあったって事かァ……)

打ち止め「こんこんっ!こんこんっ!ってミサカはミサカはノックを口にしながらアナタを呼んでみる」

一方通行「……打ち止めかァ、どォした」

打ち止め「がちゃっ!ばたん!今日もアナタはお出かけするのかな? ってミサカはミサカは質問してみたり」

一方通行「そォだなァ……昨日退院したばっかだしなァ、今日はずっと家にいるかァ」

打ち止め「じゃあミサカも一緒にゴロゴロする!ってミサカはミサカは今日は一杯アナタに甘える事をここに宣言する!」

一方通行「…………たまにゃァいいか」


打ち止め「おおっ! その言葉は嘘じゃないよね!? ってミサカはミサカは予想外の言葉に思わず聞き返してみたり!」

一方通行「別におかしくはねェだろ。俺はオマエの兄ちゃ…………保護者っつゥか、家族なんだからよォ」

打ち止め「えっ……あっ、うん……」

一方通行「どォした?」

打ち止め「まさかアナタが家族って言ってくれると思わなかったから。ってミサカはミサカは喜びの衝動に身を任せてみる!」

一方通行「がふゥ!」

打ち止め「あやややや、ごめんなさい! ってミサカはミサカはアナタにスリスリしながら謝ってみたり!」

一方通行「オマエなァ…………まァいい。でェ、なンかしてェ事とかあンのかァ?」

打ち止め「じゃあじゃあ、絵本読んで欲しい!ってミサカはミサカは颯爽と取り出してみたり!」


『いちまんさんじゅういっかいしんだみさか』
え・はいばらきよたか ぶん・かまちかずま

一方通行「…………別のにしねェか?」

打ち止め「しかたないなあ。ってミサカはミサカは新たに本を取り出してみたり」


『つよがりなうさぎさん』
え・はいばらきよたか ぶん・かまちかずま

一方通行「コレは大丈夫そォだなァ……」

打ち止め「わくわく!てかてか!ってミサカはミサカは期待の余り正座で待機してみたり!」

一方通行「ンじゃ読むぜェ……歯を食いしばれよ、最強————俺の最弱はちっとばっか……」

打ち止め「わくてか!わくてか!」

一方通行「…………なァ」

打ち止め「わくて……どうかしたの?ってミサカはミサカは不意に問いかけてきたアナタを下から覗きこんでみる」

一方通行「打ち止めァ……こォいゥ、ノンフィクションじゃなくてよォ、もうチョイ歳相応の奴にしねェか?」


一方通行「ン……コイツァ図鑑じゃねェか。こンなもンを俺が読ンでどォすンだ」

打ち止め「妥協する代わりにアナタの膝の上で一緒に見るの!ってミサカはミサカはコッチの方がいいかもって思ってみたり」

一方通行「そォいう事か。そンじゃァ、学園都市第一位の頭脳を持つ俺が全力で解説してやろォかねェ」

#12 sub:嗚呼平穏(おしりですりすりされてもおれのちンちンはぴくりともしませンでしたァ! せェふ!)


( ^ω^)ニコッ

クソどォでもいいおまけ『今までに出てきたキャラたちの紹介その�』

土御門:唯一の非童貞。可愛い義理の妹がいるのに非童貞。能力のおかげで三連射ぐらい出来そう。
最終回では屠殺系科学少女モエモエキュンのマスコットキャラになるのかもしれない。

芳川桔梗:下ネタと他人の色恋沙汰が大好きな元クソニート。やる気出したら一晩で何でもやってくれる。
最終回で本気出す。

結標淡希:飛び級でレベル6になろうとしたショタコン。あのサラシを緩めたらオッパイ力が跳ね上がる。俺のちンちンも跳ね上がる。
最終回では、ショタコンのくせにおいしい役回りを頂くんじゃあないかと予想されます。ショタコンのくせに。

青髪ピアス:学園都市における想力者第一位。二万の射精を経て今尚童貞。ずっと童貞。
最終回では遂にヘアヌードをお披露目する事が決定しました。

建宮斎字:肩書きはえらそう。肩書きだけは。原作と余り変わりない気がするよ。
最終回では、ステイルのちゅぱちゅぱを全力で妨害するという重役を担う予定。

五和:( 三 )「————ここに詰まっているのは、夢だけとは限りませんよ?」新ジャンルすなおっぱい。
最終回ではおっぱいが膨らんで、全ての男子に夢と希望を与えるのかもしれない。

打ち止め:この話では基本モブキャラ。可愛いモブ。一緒にトトロ見たい。
最終回でも…………すまない、モブキャラなんだ。

垣根帝督:パンツ大好きな能力想力共に2位。露出狂という訳ではなく、セクシーな姿を見せるのもイケメンの義務と考えているだけ。
最終回でもその姿勢は変わらないと思います。

木原くン:故人。一方通行が嫌いな理由は女装オナニーを見られた挙句、笑いを堪えながら気を使われてしまったから。
最終回では、強敵(とも)として空に在りし日の姿が浮かび上がるはず。

海原:ミサカ教信者。夢精派筆頭。こいつだけCLAMPがキャラデザしてても違和感ないと思います。
最終回でもイカ臭いパンツはいてる予定。

杉谷:忍者の癖に語尾にござるとかニンニンとかつけない。そんなエロ本屋のカリスマ店員。
最終回では公転オナニーする一方通行のために命を掛けてエロ本を宅配する予定。

神裂火織:洗濯機>>>>>鯛茶漬け>>>>(越えられない壁)>>>>>>>上条>>>>>>>騎士団長
最終回であると気付く事なく洗濯機とイチャイチャする予定。

アレイ☆:えらい人。だったのは原作での話。結標曰く、不思議系ショタ。
最終回では上条さんに引けを取らぬ不幸振りを発揮するやもしれんね。

エイワス:えらいのかどうだかわからない人。っていうか人? っていうかなんなの?
最終回にもかかわらず本屋の棚卸しに奔走する予定。

注意:このキャラ紹介は��共に真偽入り混じっております。ご注意ください。

( ^ω^)

(^ω^)

( ^ω^)ノシ

最終回云々は一割ほど嘘書いてる。と今の内に予防線を張っておく事にするよ!
即ち、残る九割はホントにやるという事さね。

そう……つまり、今から#12.5の投下開始ということなんだよ!


#12.5 完全自由(そういや、おれってこせきじょうどうなってるんだ。やっぱしぼうあつかいか?)


垣根(俺の部屋無くなってたしな……財布やらカードやらは行方不明だしよ……)テクテク

垣根(まあ寝床はスクールの頃の奴を使えばいいとして……)テクテクドン

「あうっ」

垣根「っと、すまねえ。考え事してたモンでな……って」

初春「いえ、こちらこそすいまっ……むぁあああああああああばっばばばばば」

垣根「オマエ、あん時の……」

初春「あああああほ毛ちゃんの事なら知りません! い、今はほんとに知らないですっ!」

垣根「いやそれはもういい。つうか、こんなトコにへたり込んだらスカート汚れちまうぞ。ホラ、立てるか?」

初春「すいませ……って騙されませんよ! 手を取った瞬間に関節を決めて、チキンウイングフェイスロックに移行するんですね!」

垣根「……そんな事するつもりはねえ。コイツは単なる善意だってえの」

初春「し、信用出来ません!」


垣根「なんでだよ……ああそうか、イケメンが私なんかに優しい訳ないって思ってるんだな。安心しろ、俺は優しいイケメンだ」ニコッ

初春「そんなんじゃなくてですね…………そもそも、何で男なのに常盤台の制服着てるんですか!?」

垣根「ナース服とコレと全裸でどれか選べって言われたらコレだろ。ナースも悪くはねえが全裸は流石に……いや、アリだったか?」

初春「無いです!」

垣根「やっぱそうだよな。イケメンでも全裸で外歩いたら警備員に捕まっちまうもんな……けど、パンイチなら……」

初春「……」

垣根「いや、ブラジャーしとけば何とかなる……か?」

初春「なりません! ちゃんと服を着てください!」

垣根「じゃあこの格好がベストだな……っと、一人で立てるか?」

初春「は、はい……あの」

垣根「なんだ?」


初春「本当に、今日は何でもないんですか?」

垣根「そもそもぶつかったのも偶然だしな……つうか、あん時はすまなかったな」

初春「えっ」

垣根「幾ら苛立ってたとは言え、一般人に手を出すなんぞイケメンにあるまじき事やっちまったんだ。本当にすまなかった」

初春「いえ……反省してるんだったらもういいです。もうあんな事しないでくださいね」

垣根「ああ……お詫びと言っちゃあ何だが、俺に出来る事ってねえか?」

初春「お詫び、ですか?」

垣根「そう、お詫びだ。お金の掛かる事以外なら何でも聞いてやるぜ!」

初春「……無しって言うのは」

垣根「勿論無しだ。あとセックスでイかせろってのも難しいな。俺童貞だし」


初春「…………それじゃあ、スカートを捲らせてもらえませんか?」

垣根「そんなことでいいのか?」

初春「はい。友達がいつも私のスカート捲るんですけど、もしかしてすごい楽しい事なのかな、って思って……ダメですか?」

垣根「俺にとってはご褒美だが……本当にいいんだな?」

初春「はい!」

垣根「よぉし、いつでもいいぜ」

初春「それじゃあ……いきます!」バサッ!


垣根(ナニコレ……思った以上に恥ずかしい! が、アリだ!)

初春(コレは……楽しい! 佐天さん、こんなに楽しい事を私にやってたんですね!)

垣根「おいおい、たった一回で終了か? 気の済むまでやっていいんだぜ?」

初春「お、お言葉に甘えて……」バッサバッサバッサバッサ

垣根(ふぉぉぉぉぉぉ! この絶妙な衣擦れと風が俺のていとくんに新たな快感を!)

初春(やばい! やめられないとまらない具合がやばいです! ハピ粉並にヤバイです!)バサバサバサバサ




電|佐天)(初春……アンタも、捲り道に足を踏み入れてしまったのね……)
柱|と/

#12.5 sub:定温物質(と、いっていいのだろうかこれははなはだぎもんです)


( ^ω^)ノシ

おれ、とうかおわったらしんやくよむんだ……
だから、#13がはじまるんだ



#13 千客万来(ひとりのかたにはれいぞうこ)



一方通行「でェ、俺を何処に連れてこうってンだァ?」

上条「いいからいいから。どうせ暇だったんだろ」

インデックス「あくせられーたにも皆を紹介するんだよ!」

一方通行「……皆ァ?」

上条「まぁ、俺の戦友でインデックスの友達ってトコか」

インデックス「かおりもおるそらもいい人なんだよ!」

一方通行「……女か」

上条「そういう事だ」ニコッ

一方通行「カカッ……見せて貰おうじゃねェか、外人とやらの実力をよォ……」ニヤッ

インデックス「二人とも楽しみなんだね。私も久しぶりだから楽しみなんだよ!」


〜〜〜

五和「もうすぐ、待ち合わせの時刻ですね」

神裂「ええ……遂に、この方を親友であるあの子に紹介する刻が訪れました」

五和「……」

洗濯機「……」

神裂「緊張などなさらずとも大丈夫です。あの子は、きっと貴方の事も笑顔で迎えてくれますよ」

オルソラ「あらあら、本当に仲睦まじいのでございますね」

オリアナ「……流石のお姉さんも、この展開にはちょっとついて行けそうにないわ。帰っちゃダメ?」

シェリー「引越し手伝いなんて始めたのが運の尽きね。諦めなさい」

オリアナ「そういうアナタは、どうしてついてきたの?」

シェリー「ドウジンシ、とかいう曰くつきの本がこの国にあるらしくてね。少しばかり興味を引かれたのさ」




インデックス「あっ! いたんだよ! かおりー!」

上条「おいおい走るなって………………で、どうよ一方通行」

一方通行「あの日本人二人のも中々……いや、かなりのもンだがよォ……あの金髪痴女のは一体なンだァ? ありゃァ本当に乳かァ? 」

上条「信じられねえだろうけど、アレは……あのオッパイの柔らかさは幻想じゃなくて本物だ。俺の右手でも壊せねえ」



インデックス「ひさしぶりだね!」

神裂「ええ。お久しぶりですインデックス」

シェリー「元気にしていたか、インデックス」

五和「お元気そうで何よりです」

オルソラ「今日はインデックスさんのためにシュールストレミングなる物を持ってきたのでございますよ」




一方通行「……オイ」

上条「なんでせうか?」

一方通行「なァンでオマエはアレの柔らかさを知ってるンですかァ?」

上条「そ、それはですねぇ……」

オリアナ「だって、お姉さんとそこの坊やは人前では言えない関係ですもの」

一方通行「ン、だ、とォ……」

上条「あ、あの、オリアナさん……?」

オリアナ「忘れたなんて言っちゃやあよ? あの時のすっごいのなんて……お姉さん、忘れたくても忘れられないんだから」



インデックス「ところで、かおりが肩に担いでるそれは」

神裂「————それとか言うなこのド素人が!!」

インデックス「」ビクッ

五和「ぶふっ!」

シェリー「ばふっ!」

オルソラ「およよよよ」

神裂「…………失礼しました。この方は、AI搭載型全自動洗濯機。私の、婿となる方です」




一方通行「す、すっごいの、だとォ……」

上条「お、オリアナ何を……って、一方通行。お前、顔……」

オリアナ「あら、この程度で顔真っ赤にしちゃうなんて可愛いわねぇ。こんな可愛い子見ると、お姉さんギュッてしたくなっちゃう」

一方通行「お、おいオマエ何しよォって……むごォ!」

オリアナ「あんっ、そんな暴れたらお姉さん感じちゃう」

青ピ「こ、この技は! 男だったら一度は喰らいたい技TOP3が1つ『オッパイ窒息』やないか!」

上条「知っているのか青ピ! ……じゃなくて、何でオマエが普通に混ざってんだよ!」

青ピ「通りがかっただけやけど、何か面白そうな事やっとんなーって思ってな。それにしてもいいオッパイやなあ」



インデックス「ほあぁ……まさかこんな身近で種の壁を越えた恋愛を見るとは思わなかったかも……」

オルソラ「必ず最後に愛は勝つというものでございますよ」

シェリー「コイツは種、どころかもっと大事なモンの壁すら越えてしまってる気がするがね……」




一方通行「」ビクンッビクンッ

オリアナ「あらいけない。お姉さんとした事がちょっと夢中になり過ぎちゃったみたいね……」

上条「一方通行……いい顔で気絶してんなあ……」

青ピ「あーくん、カタキは取ったるで……そこのセクシー極まりないお姉さん! ボクとラウンド2といこうやないの!」

オリアナ「うーん……ごめんねボク。お姉さん、奥手な男の子じゃないと燃えないの」

青ピ「そんな事無いでぇ! ボクかて女の子に触れただけで心臓バクバクするついでにエレクチオンする程度にはシャイボーイやでえ!」

オリアナ「それって、日常生活送るのにすっごい支障があるって、お姉さん思うんだけど……」

一方通行「」ビクンッビクンッ

#13 sub:乳初接触(めをつぶればりきしのちちだって)


( ^ω^)…


…(^ω^ )


( ^ω^)…





( ゚ω゚)クワッ




上条「……アイツら話し込んでるみたいだし、ジュースでも買いに行くか」

五和「あの、上条さん……少し、宜しいですか?」フーハーフーハー

上条「あ、ああ、五和か。別にいいけど」

五和「あの、コッチへ……」フンハーフンハー

上条「あ、ああ……って、こんな物陰で一体……」

五和「すいません上条さん!」シュババババッ

上条「は? えっ? あれ、俺の服……ええっ!?」

五和「————行きます!」







諫早浦上建宮「「「「「「 松 葉 崩 し ! 」」」」」」五和牛深野母崎対馬










上条「 ア ッ ー ! 」







諫早建宮((((( えっ ?)))))牛深野母崎対馬

浦上(ごめん特訓相手やってただけにこうなることはわかってた)

#13 sub:建宮反省(やりつかいならつくほうをえらぶってわかってたはずなのよな)


お約束って大事だよね
という訳で新約を堪能してくる

( ^ω^)ノシ

オマエら生きてるか?
生きてるな?
一人も死んでないよな?



#13.5 閑話休題(そのころどくりつきょうわこくでは)



滝壺「こっちはトーン貼り終わったよ」

浜面「こっちも滝壺の奴で写植完了だぜ!」

番外個体「おっけぇぇぇ……頑張った……ミサカは本っ当ぉぉぉぉぉに頑張った……死ぬ、もう死ぬ……」

浜面「大丈夫大丈夫。片目片腕無くして生きてる奴だってそこにいるんだから」

麦野「ふふ、うふふふふ、たまんねえ、まじたまんねえ……」

番外個体「そういうのはなんか違うってミサカは思うんだけどぉ……」

滝壺「大丈夫だよみさかわーすと。私は鼻からエクトプラズム出そうになってるみさかわーすとを応援してる」

番外個体「ぎゃは……っていうか、ミサカってば電波受信しまくりでここ一週間くらい碌に寝てないんですけどぉ……」

滝壺「電波は私も受信してる。電波仲間」


浜面「……で、一応給料貰ってるからどうしようが文句は言わえけどよ、この、書いた奴ってどうするんだ? 」

番外固体「どうするって……売るに決まってるじゃん。ばかなの? しぬの?」

浜面「売るって……言っちゃなんだけどよ、こういうのが売れるのか?」

滝壺「あー、分かった。電波の発信源とかにだね」

番外個体「そういうこと……この前のも一万近く売れたから、同じくらい売れるかなぁ……」

浜面「コレが、一万冊か……何かスゲエな」

滝壺「……ねえみさかわーすと」

番外個体「なぁにい? ミサカがもし男の子だったら今頃アレがギンギンだよねぇ……ぎゃはっ☆」

滝壺「ずっと思ってたんだけど、これってあくせられーただよね?」

浜面「あ、そういうことか。ずっと引っかかってたんだけどそういう事か」


番外個体「そうだよぉ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」

浜面「お、おい……」

滝壺「なるほどなるほど。電波発信源はあくせられーたが好きな子がいっぱいいるんだね」

番外個体「……本当ならミサカは今頃あの人と一緒にいたはずなんだけどなあ……いいなぁ、打ち止め……」

浜面「もう寝た方がいいんじゃねえか? お前、目がヤベエぞ?」

番外個体「言われなくてもがががががががぐぐぐひひひひひゃひゃやぁああああ」

滝壺「あ、電波」

番外個体「一方通行ていとくんの子供ちんこに蹂躙と……この、全裸ウニは……おぉけぇい、ミサカギンッギンになっちゃった☆」

浜面「無茶すんなって、フラフラじゃねえか」

番外個体「ざぁーんねん。ミサカってばさ、この電波さんから逃げられないみたいなの。っていう訳で、浜面ちゃん、コーヒーおねがぁい」

浜面「…………言っても無駄みてえだな」

番外個体「一週間出さなかった奴みたいに、凄っく濃っいいのお願いねぇー」

#13.5 sub:猛毒電波(9969たいぶんのぼんのうじゅしんちゅう)

募金くらいしか出来る事がないという事実がもどかしい。

( 'ω`)ノシ

ちょっと考え方を変えたら少し気分が楽になった。
出来ない事を悔やむんじゃなくて、出来る事をやればいいって。
偽善でもいいじゃない。自己満足でもいいじゃない。

そんな訳で2レスほど番外編

皆でちょっとづつでいいから募金しようぜキャンペーンCMその�

インデックス「とうま、今日はモヤシが少ないんだよ……」

上条「ウチも裕福じゃないっては分かってるんだけどさ……つい、モヤシ二袋分だけど、募金しちまってな」

インデックス「ぼきんって、ひとだすけのあのぼきん?」

上条「ああ。俺も不幸だけどさ、同じ国で、俺よりももっと辛い目に逢ってる人がいるって思ったら……すまん」

インデックス「何で謝るの? 私はシスターなんだよ。とうまがいい事したのに怒ったりする訳ないかも」

上条「……ありがとな、インデックス」

インデックス「それに、足りない分はとうまの分から貰うから大丈夫かも!」

上条「オイそれは無しだろ!って俺のから先に箸付けるなああああ!」

一人百円でも、一万人分なら百万円になるんです。
募金ってのは元気玉方式なんです。

皆でちょっとづつでいいから募金しようぜキャンペーンCMその�

一方通行「コレ、頼むぜェ」

杉谷「ニ冊か。承った」

一方通行「おォ…………あン? こりゃァなンだァ?」

杉谷「学園都市第一位というのは、案外常識知らずなのだな。それは募金箱という奴だ」

一方通行「募金箱ねェ……」

杉谷「1670円になるが、支払いはカードでいいか?」

一方通行「いィや……諭吉から頼むぜェ」

杉谷「一万円、確かに……商品と8330円の釣りに」

一方通行「おっとォ、俺は諭吉とカードしか持たねェ主義でなァ。釣りは好きにしろ」

杉谷「では、募金箱に入れさせてもらうが構わないな」

一方通行「ソイツはお前にくれてやったンだ。好きにしろ」

杉谷「おい」

一方通行「なンだァ?」

杉谷「どんなに格好を付けようが、商品を忘れるようでは話にならんぞ」

どんな形であったとしても、直接でなかったとしても、レベル0の俺らが人を救う事が出来る。
沢山いる中の一人であったとしても、直接の感謝の言葉がなかったとしても、募金した奴はヒーローなんだと思うよ俺は。


というか#13の( )は(ひとりにかたにはせんたくき)ですね。
オマエらくれぐれも千羽鶴とか送るなよ。
( ^ω^)ノシ

げんじつとうひげんじつとうひ
はじまるはじまる#14

#14 職務質問(じつはひとりのぞきふほうしんにゅう)


一方通行「 」

海原「何と言うか、幸せそうな顔で気絶してますね」

結標「あと三歳若かったら病弱系ショタとして…………寝顔だけなら今でも十分にいけるわね」パシャパシャ

土御門「あわきん……興奮するのは勝手だけど、涎くらい拭くべきだと思うぜい」

結標「うふっ、うふふ、持って帰っても問題ないわよね? テイクアウトしても問題ないでしょ?」

土御門「残念ながら、当店ではテイクアウト以前におさわり厳禁となっておりますにゃー」

結標「いいじゃないちょっとくらい。別に減る物でもないでしょ」

海原「貴方に持ち帰らせたら、一方通行の貞操が減るどころか失われるかと」

結標「無理矢理とか寝込みを襲うのは趣味じゃないわ。ただ脱がせていろいろ着せてパシャパシャするだけ」

土御門「そぉい!」

結標「うぐっ」


土御門「……気絶、してるな」

海原「首の後ろに綺麗に決まりましたからね」

土御門「で、海原」

海原「なんでしょう」

土御門「暫くは起きないとは思うが、結標と一方通行の監視を頼む」

海原「別に構いませんが……貴方は?」

土御門「ちょっくら不法侵入して来た身内に職務質問だぜい」



〜〜〜〜


土御門「で、ねーちん」

神裂「なんでしょう」

土御門「学園都市に来た理由が、『洗濯機の構造を完璧に学ぶ為』たぁどういう了見だ」

神裂「この方の事をもっと良く知る為です」

洗濯機「……」

土御門「……マジで言ってるんだな」

神裂「はい。ゆくゆくは霊装『聖母の洗い桶』と洗濯機を組み合わせ、私とこの方の子を生そうと考えています」

土御門「……魔術師の、しかも聖人が学園都市に住むって事の意味は、理解してるんだよな?」

神裂「ええ。この方と共に生きる為ならば、全てを捨て去る覚悟をしています」

土御門「……まぁ上には話通してあるみたいだし……んじゃ、ねーちんはもういいにゃー」

神裂「そうですか。では」



〜〜〜〜


シェリー「なあ土御門、何で私だけ拘束衣を着なきゃならないんだ」

土御門「学園都市で好き放題暴れた奴がなぁに言ってるんだにゃー」

シェリー「…………あ」

土御門「もしかして、すっかり忘れてたとか言うんじゃ無いだろうにゃー?」

シェリー「てへっ」

土御門「真顔で『てへっ』とか言われてもにゃー……で、学園都市に来た理由がねーちんの付き添い、なんて理由じゃねえよにゃー?」

シェリー「ドウジンシ。とかいう曰くつきの本に興味を惹かれてな」

土御門「つまり、同人誌買う為にわざわざ日本の学園都市までやって来たと」

シェリー「理解が早くて助かる。ところで、ドウジンシはどこで売っているか分かるか?」

土御門「同人誌。ねぇ……」


杉谷「それならば当店[大人の本屋 Aiwass] へお越し頂きたい」

シェリー「」ビクッ

土御門「」ビクッ

杉谷「当店は同人誌5000冊を取り揃え、更には日本で唯一『地獄のミサカ』先生の全作品を取り揃えている本屋でもある」

シェリー「…………じゃ、じゃあ案内してもらおうか。構わないよな土御門」

土御門「あ、ああ……」



〜〜〜〜


オルソラ「あの、私はなにをされるのでございましょうか?」

土御門「あー、お前は帰っていいぜい」

オルソラ「つまり私の出番はコレでおしまいなのでございましょうか」

土御門「残念ながらそうだにゃー」



〜〜〜〜


オリアナ「ねえ」グリグリ

土御門「 」

オリアナ「ねえってば、お姉さんの声が聞こえないのかしら?」グリグリ

土御門「あ、ああ……なんっつーか、ちょっとばっかし予想外すぎたぜい」

青ピ「ああん! こんな綺麗なお姉さんに踏み躙られるなんて、ボクは天下一の果報者やでぇ!」

土御門「青ピ……お前何やっとるんだにゃー?」

青ピ「あーくんのカタキを取るためふにゃぁ! このビューティフル極まりないお姉さんに勝負をあふぅ!」

土御門「あぁもう、一々喘ぎ声上げるの止めて欲しいぜい……」

オリアナ「二人とも知り合いなの? 知り合いならどうにかしてくれないかなぁー。お姉さん正直泣きそうなんだけど……」グリグリ

土御門「……正直今だけは他人の振りしたいにゃー」


青ピ「つっちーのいけず、ぅうん! ボクら親友やぁぁんらめぇ!」

オリアナ「……お姉さんの初めてが危なくなったら、術式使ってもいい?」グリグリ

土御門「しかたねぇ、但しいっか」

青ピ「んっ」ビクビクッ

土御門「 」

オリアナ「oh...」

土御門「…………で、オリアナは本当に引越し手伝いだけって事でいいんだにゃー?」

オリアナ「ええ……」



〜〜〜〜


土御門「」ビキビキ

五和「あ、あのぉ」

土御門「……お前、上やんに何したか分かってんのか?」

五和「……」ビクッ

土御門「上やんはなぁ、インデックスと同棲して結構経つのに、過ちを犯す事なく童貞を守り続けてきた」

五和「……」

土御門「ある時な、俺は上やんに聞いたんだ。『そろそろ上やんの部屋では科学と魔術が一つになった頃かにゃー?』ってな」

五和「ぶっ」

土御門「チッ…そしたらな、上やんの奴、いい顔してこう言いやがった。『童貞を守れない奴に何が守れる(キリッ』ってな……」

五和「……」

土御門「わかるか? アイツはな、童貞とインデックスを守り続けてきたんだ。思春期特有の暴走する性欲を必死こいて押さえてな」

五和「……」


土御門「それなのに……童貞喪失より先に、お前のぶっといので上やんの処女は奪われた。分かるか、その意味が」

五和「……わかり、ません」

土御門「なら教えてやる……」


土御門「上やんが男に目覚めたらどうしてくれるんだぜえええええええええええええい!!!!!!!!!」


五和「 」

土御門「わかるか!? 俺は上やんと仲良くてしかも寮は隣の部屋! 」

五和(男同士の絡み合い……これはありかも……)タラッ

土御門「背中刺す刃が背中挿す刃やられたりやらされたらどおおおおしてくれるんだぜええええええええええい!!!!!!!!」

五和(あぁ、土御門さん……貴方のお陰で、世界が広がりました)ダラダラダラダラ

土御門「チクショオオオオオオオオオオオオ! せっかく一方通行がシロだと分かったって言うのによぉおおおおおおおおお!!!!」


#14 sub:元春悶絶(おもいうかぶのはせっきょうごにやらないか)


あれ、一歩通行さんの出番が最初だけだ……

(;^ω^)ノシ

>>335
振りか? 振りなのか?

そうでごわす

>>336
( ^ω^)ニコッ

>>337
クソ吹いたwwww

コンビニに行く度に募金箱に惑わされます。
いいだろう、テメエの腹がパンパンになるまでやぁってやるぜ!

そんな風に始まる#14.5


#14.5豆芽拉致(しらぬがほとけとはいったものよ)


海原「監視と言われましたが……結標さんが一方通行より先に起きた場合、正直、自分にはどうする事も出来ないんですよね」

海原「まぁ、一方通行が涎塗れになるくらいで実害はありませんし……ここは結標さんにやられた振りでもしておきますか」

海原「うわーやられたー」バタッ


〜〜とあるビルの屋上〜〜


一方通行「こォひィおかわりィ……」zzz

結標「ふふっ、うふふっ……かぁわいい寝顔してるわねぇ……」

垣根「中々可愛い寝顔じゃねえか……だが、今の俺の可愛さには劣るな」

初春「 屈みこんだ時にめくると、いつもとは違ったパンツさんの姿が! スカートめくりとは思った以上に深いのですね!」バサッ

結標「この血管が透けそうなほど白い肌と幼さをギリギリ残した年齢、そして歳不相応な純粋無垢極まりない寝顔……コレに勝てるとでも?」

垣根「ハッ……俺はそんなアリキタリとは一線を画すんだよ。そう、こんな風にな!」ワッシャワッシャ


結標「……はね?」

初春「なるほどっ! 突然の風に捲れ上がるスカートと見え隠れするパンツさんの絶妙なコンビネーション! 新しい……」

一方通行「おォ、打ち止めァ……悪い子はいねェがァ……」zzz

垣根「どうだ! 常盤台の制服を完璧に着こなしている時点で天使な俺が、ファンシーなウイングを装備してマジ天使状態だぜ!」

結標「帰れ」

初春「それは無いです」

垣根「なんだと!? アイドル的可愛さにファンシーさまで加わったこの垣根帝督を門前払いたあ、目ん玉腐ってんじゃねえのか!?」

結標「おどろくのはいいんでー、もうえふえふとかー、ているずとかのせかいにかえってくれませんかー?」

初春「どらっぐおんどらぐーんとかー、にーあのせかいのひとならがまんしますけどー」

一方通行「誰だァ……俺のこォひィ全部炭酸こォひィにしやがったのはァ……」zzz

垣根「ハッ、何だ…………俺の可愛さはお前らが嫉妬するレベルって事か。流石は俺!」

_,,_
結標「……」
_,,_
初春「……」

垣根「´・ω・`」

結標「……その表情の可愛さに免じて許してあげる」

垣根ヽ「*´・ω・`」ノ

一方通行「……ひィろォ……熱膨張はねェ、そンな万能じゃないンですよォ……」

結標「で……貴方達は、私が一方通行をちゅっちゅぺろぺろするのを邪魔をするつもり?」

初春「いいえ。むしろ応援します」

結標「貴方は?」

垣根「全力で支援するに決まってるだろ」

結標「……全力で支援、ねぇ」

垣根「そのツラ、俺を舐めてやがるな」

結標「貴方に何が出来るっていうのかしら? というか、邪魔しないでくれればそれで良いんだけど」

垣根「…………お前、未元物質って知ってるか?」




で、ちゅっちゅぺろぺろ酒池肉林がありまして、



一方通行「ンあ……なァンで俺はこンなトコで寝てンだァ?」

一方通行「うェ……なンか全身ベトベトしてやがる……って、なァンで俺がこンなフリフリ着てンだァ!?」

一方通行「もしかしてよォ、こンまま帰ンなきゃなンねェってェのかァ……?」

#14.5 古典幼服(ごすろりゆりこたんさんじょう!)

おまえらへ。
ぼきんばこにまんさつぶちこむゆうきをおれにください。

( ^ω^)ノシ

オレ ガンバッタゾ
パチの勝ち分全つっぱ…………とまでは行かないものの一万発分くらいしてきたよ。
ナンバーセブン辺りからお前の根性はその程度か!とか言われそうな程度ですが^p^

そンな偽善者自慢から始まる#15


#15 漢女帰宅(ゆりこたんおうちにかえゆ)


一方通行「あァ……俺も、木原くンと同類になっちまったンだなァ……」

一方通行「……」

一方通行「いや、なってねェ……俺はこの格好でおなにィなンてしてねェしなァ……」

一方通行「……」

一方通行「つゥかよォ……なァンで俺がこンな目に逢わなきゃなンねェンですかねェ……愉快すぎンぞ……」

一方通行「服はパクられてっしよォ……杖があンのは不幸中の幸いってかァ?」

一方通行「……」

一方通行「はァ……帰るかァ……」カチッ



〜〜〜〜


一方通行「たでェまァ……」

打ち止め「お帰りなさいあなた!ってミサカは、みさ、かは……」

芳川「どうしたの打ち止め……って一方通行なの?」

一方通行「ジロジロ見てンじゃねェ……俺だってよォ、好きでこンな格好してる訳じゃねェンだ」

打ち止め「はわわわっ、ごめんなさい!ってミサカはミサカは謝りつつ似合ってるかもって思ってみたり!」

芳川「そうね。確かに…………! 一方通行、ちょっとそこで待ってて」

一方通行「あァン?」

芳川「さあ、コレを持って」

一方通行「……ヤクルトなンぞ持たせてどォしよォってンだ」

芳川「ヤクルトを軽く掲げながら一言どうぞ」

一方通行「乳酸菌摂ってるゥ?」ニコッ

打ち止め「oh....beautiful....misaka....misaka....」

芳川「Accelarator....Frightening child....」


一方通行「って、なァにやらせてンですかァ! そンなに馬鹿にしてェンですかァ!?」

打ち止め「いいえむしろ賞賛しています。と、ミサカはミサカは驚きが抜け切らぬせいでいつもの口調が出来ずにいます」

芳川「馬鹿にはしていないわ。ただ、やらせずにはいられなかっただけよ」

一方通行「チッ……でェ、黄泉川はいねェのか?」

芳川「愛穂なら今日は飲み会って言ってたけど……もしかして、その格好見られたかったの?」

一方通行「ちげェよ。あのお節介焼きに色々心配されンのが癪なだけだ」

打ち止め「ふぅーん。ってミサカはミサカはそう言いつつ顔を赤らめるあなたを見てニヤニヤしてみたり」

一方通行「…………俺の顔、赤くなってンのか?」

芳川「鏡、見てきたら? 色素が薄いからってのもあるでしょうけど、首筋まで真っ赤よ」

一方通行「……まァじかァ、ちょっと確認してくるぜェ」

打ち止め「うひひひひ。ってミサカはミサカは鏡の前で絶叫するあの人を想像してみ……た……」

芳川「ここまで完璧にメイクされてた、ら…………ちょっと待って一方通行」

一方通行「あン?」


打ち止め「もしかして、ずっとそのままで帰ってきたの? ってミサカはミサカは驚きの余り目を白黒させてみる!」

一方通行「あァ。仕方ねェだろォが、着てた服も見当たらなかったンだからよォ」

芳川「そういうアレじゃなくてね……お尻に手を当ててみて」

一方通行「尻がどォしたって……サワサワ……打ち止め。俺の尻ントコはどォなってやがる」

打ち止め「あのね、その、その……ミサカ恥ずかしくて言えない!ってミサカはミサカは思わず目を隠してみたり!」

一方通行「おィ……その反応、一体どォしたってンですかァ?」

芳川「……落ち着いて聞いて一方通行」

一方通行「…………お前がそンなクソ真面目な態度取るたァ……やべェのか」


芳川「ええ。スカートがね、捲られているの。そして、捲られたままの状態で固定されているわ」

打ち止め「あのね、エッチな下着が丸見えなの! ってミサカはミサカは指の間からチラり! チラり!」

一方通行「はァァァァあああああああああ!?」

芳川「ねぇ、一方通行。余計な事かもしれないんだけど」

一方通行「ってェ事は俺はアレか! そンな状態で街中歩いて来たって事かァァァあああああ!」

芳川「人の趣味にどうこう言うつもりはないんだけど、黒でシースルーの下着なんて一体どこで……」

一方通行「どォりで尻が涼しいと思ったンですよォォォォォォ!」

芳川「……って、聞いてないわね」


#15 sub:製作垣根

(こていぐ

              /\
            /:::::/
     ,. - 、 /:::::/     . 、
   〃´⌒>':::::::/   ,. <::::::::〉
   {{. /:::::/ヾ>:'´::::::;>'"´
  く^>':::x=fム<´::::::>'"
 /:::::厶イ:::::::,.>'´}}

く::;.:ィ´::::::::x<乂_/ノ〜〜〜〜[ピンセット] )
 ヽ:>'"´ヽ.> ` ¬'´ 


おなにィして寝る
( ^ω^)ノシ

オリアナはベッドの上では明かりを消してとか言うタイプ。
ソースは俺の妄想。
そしてこの#15.5も俺の妄想。


#15.5 上条当麻(このしろいてんじょうをみるのはなんどめだろう)




上条「…………なあ、インデックス」

インデックス「なに、かな?」

上条「俺、何で入院してるんだ?」

インデックス「とうま、覚えてない? とうまは全裸で気絶していたんだよ?」

上条「——上条さんは花も恥らう男の子ですよ。そんな全裸で気絶だなんて」

インデックス「……とうま、覚えてない? とうまのお尻に五和の『海軍用船上槍』が刺さっちゃったんだよ?」

上条「——いやいや、そんなの刺さってたらこんな風に返答なんて出来ねえって」

インデックス「…………とうま、覚えてない? とうまは救急車が来るまで晒し物だったんだよ?」

上条「——晒し者って……マジ?」

インデックス「とうま、気付いてない?」



インデックス「インデックスには、とうまが夜中やっている事はとっくにバレてるんだよ?」


上条「゚д゚」<really?

インデックス「YesYesYes」

上条「゚д゚ 」<oh...Jesus....



〜〜〜〜


冥土帰し「君、本当は覚えてるんだろう?」

上条「……トラウマレベルで脳味噌に刻まれちゃってますよ……」

冥土帰し「……しかし、良く我慢したものだね?」

上条「何が、ですか」


冥土帰し「君、お尻に槍が刺さったままなんだよ?」

上条「えっ」

冥土帰し「すぐにでも手術すべきだったんだろうけど、どうしても外せない用事があったからね?」

上条「え、あの、本当に、まだ刺さってるんですか?」

冥土帰し「うん。麻酔が効いてるから気付かなかったのだろうけど、ぶっとくて黒々したのが刺さってるね。だから今から手術するんだよ?」

#15.5 sub:神上討魔(そのげんじつもぶちころせない)


困った事に上条さんが何度死んだか数えていなかった(;^ω^)
まあいいか三度も四度も変わらない( ^ω^)ノシ

海軍用船上槍・・・刃じゃなくて柄が刺さってるんだよな・・・?

年度末には魔物が潜んでいる。
おそろしやおそろしや。

>>366
もし、もしもの話だけど。
鞘が、黒くてぶっといアレの形をしていたら?
( ^ω^)ニコッ

そんな訳で、久しぶりの投下は#16なんだ。


#16 友人襲来(いちどこぶしまじえたらまぶだちじゃい)


一方通行「はァ……さっさと着替えっかァ……」

芳川「あら、もう着替えちゃうの? 写真も撮ってないのに」

一方通行「ソレが嫌だからに決まってンだろォが」

打ち止め「えぇー、一緒に写真とりたーい!ってミサカはミサカはMNWに映像をうpりながら」

一方通行「ベクトルチョープ」ペシッ

打ち止め「あうぅ!暴力反対!って、ああーっ! ミサカはミサカはデータが飛んだ事実にショックを受けてみる!」

一方通行「そういうのはよォ、せめて普通の格好ン時にしやがれってンだ……」



打ち止め「あ、そういえばお客さん来てるよって言い忘れたね。ってミサカはミサカはわざとらしくテヘッと舌を出してみたり」

芳川「大丈夫よ。親友って言ってたし……けど、まさかあの子にお嬢様学校の知り合いがいたなんてねぇ……」

打ち止め「もしかしてあの人の彼女!? ってミサカはミサカは新たなるお姉様の誕生の予感に身を震わせる!」

芳川「どうかしらね……」



〜〜〜〜


一方通行「 」

垣根「ほうほう、コイツは中々……」

一方通行「オイ」

垣根「おおぅ……エグいな……」

一方通行「なァンでオマエがいるンですかァァァァァアアアアア!?」

  て
垣根そ ビクッ


垣根「び、ビビらせんじゃねぇよ!」

一方通行「しかもなァに勝手に俺が隠してた本読ンでンですかァァアアアア!!?」

垣根「いいじゃねえかエロ本くらい。ほら、代わりにVer.常盤台な俺のパンチラ見せてやるから」ペラッ

一方通行「……よし、ブッ殺す」


垣根「いいのかなぁ? 本当にここで能力全開で俺をぶっ殺そうとしていいのかなぁ?」

一方通行「何が…………チッ!」

垣根「ハッ……気付くのが遅いんじゃねぇか?」

一方通行「汚ねェな……オマエを殺そうとすりゃあ、エロ本も巻き添えを食らうって寸法かァ……」

垣根「ご名答。つうかよ、エロ本見られたくらいで何でそうキレるかねぇ。男友達の部屋に行ったら普通にやるだろ」

一方通行「………………ェンだよ」

垣根「すまん、聞こえなかったからもう一回言ってくれ」

一方通行「……友達の部屋とかよォ、一遍も行った事無いって言ってるンですゥ……」

垣根「……ごめん」


一方通行「もォいい……着替えっからアッチ向いてろ」

垣根「……あ、ああ。エロ本、読んでてもいいよな?」

一方通行「勝手にしろォ…………しっかしメンドクセェ服だなァ……っと、こォか?」

垣根「どれにしようかなぁ……おっ、この巨乳大全っての……って」

一方通行「ソレに触ンじゃねェ!」クワッ

  て
垣根そ ビクッ

 
垣根「お、おお……」

一方通行「いいな、絶対に触るンじゃねェぞ」

垣根「分かったよ…………なぁ、第一位」

一方通行「……なンだ」


垣根「巨乳大全の中、チラッと見ちまったけどよ、もしかして、あん時見舞いに来た……」

一方通行「……他人の空似って奴だ……ン、こォ、だな、なるほどなァ」

垣根「もしかして…………お前、あの女の事が好きだったり?」

一方通行「……」

垣根「……」

一方通行「……分かンねェ。そもそもよォ、俺ァ人を好きになった事がねェンだ」

垣根「へぇ……お前、恋ってのがどういうもんか知らねぇのか」

一方通行「そォ言ってンだろォが…………で、よォ、恋ってのをしたらよォ、心はどォなる?」

垣根「心はどぉなる。ってか……クセェな。そういう台詞は俺の専売特許な筈なんだがな」

一方通行「茶化すンじゃねェよクサレメルヘン。真面目な話してンだ」


垣根「はいはい……まぁあれだ、一言で言えばときめきメモリアルだ」

一方通行「……マジで分かンねェ」

垣根「もっと砕いて言うなら……好きな相手の事を見たり考えたりすると、胸が熱くなるってぇ感じか」

一方通行「なァるほど………………ちょっと待てェ」

垣根「なんだよ、まだわかんねかってのか?」

一方通行「……その対象はヒーロー……っつゥか、男も対象に入ンのかァ?」

垣根「えっ」

一方通行「おい、なァンで尻押さえンですかァ?」

垣根「あ、うん……お前が男でちんこ立つって言うんなら入るんじゃぁ、ないかな……」

一方通行「いや、男はねェだろ……」


垣根「そうか。それならいいんだ。で、この巨乳大全ってマジスゲエな。貸りてっていいか?」

一方通行「触ンなっつったろォがァああああああ!」


がたがたがたん


芳川「一方通行、はしゃぐのもいいけど他の部屋の迷惑に……あらあら」

打ち止め「着崩した貴方がマウントポジション……ってミサカはミサカはたまたま手にしていた携帯でパシャパシャ!パシャリ!」

一方通行「ちげェ! オマエらぜってェ勘違いしてンぞ! 俺はただ……」

垣根「…………責任、とってくれるよね?」

一方通行「野郎が頬赤らめンなァあああああ!」

芳川「えっ、一方通行……そっち、だったの……」

打ち止め「コレがMNWで評判のやおい……ってミサカはミサカは余りの衝撃に鼻血を噴出してみたり!」ボタボタボタ

一方通行「ちげェって! 違う! 俺はそンなンじゃねェえええええええ!」

#16 sub:垣根赤面(はじめてだから、やさしくしてね)

さあ、もうすぐ最終回。
かもしれない。

( ^ω^)ノシ

>垣根「巨乳大全の中、チラッと見ちまったけどよ、もしかして、あん時見舞いに来た……」
え?

>>379
>>235
( ^ω^)ニコヤカッ!!!!!


いつもと毛色の違う#16.5


#16.5 一触即発(おもにせいてきないみで)



黄泉川「たっらいまぁー」

一方通行「静かにしやがれ。芳川はともかく、打ち止めは熟睡してやがンだからよォ」

黄泉川「ごっめんねぇー」

一方通行「ったくよォ、どンだけ呑ンでンだこの酔っ払いがァ……」

黄泉川「わらしらってぇ、心行くまで呑みたい時ってのがあるじゃんよぉー」

一方通行「うっせェ、酒臭ェから喋ンじゃねェ」

黄泉川「ぶー! 優しさって奴が足りないじゃんよー!」

一方通行「っ!? あァクソ、いきなり抱きつくンじゃねェ!」

黄泉川「いいじゃんよー。それともー、わらしみたいな年増がらきつくのは気持ち悪いとかひふんやないじゃん——


—— 一方通行? 彼をそう呼ぶ声は、呂律が回らず舌っ足らずで、まるで甘える幼児のような言い方。
一方通行は、そんな風に呼ばれた事が何故か嬉しくて。だけど、何故か苦しくて。

一方通行「……あァ畜生、押し倒すならせめてソファーとかでしろってンだ」

黄泉川「あー、悪かったじゃんよー。でもちゃぁーんといたくないよーにしょーげきはころしたじゃんよー」

一方通行「……ケッ」

でも、逃れるように突き放す事なんて出来なくて。
ただ、抱きしめられ、自身の薄い胸板に頬がすり寄せられるくすぐったさに身を任せるばかり。

一方通行の顔のすぐ傍に、化粧っ気のない、酒に良い頬を桜色に染めた黄泉川愛穂の顔がある。
少しばかり身を捩じらせ、彼女の顎に手を添えれば口付けを交わせる距離に、黄泉川愛穂の唇がある。

一方通行の右手が、自然と彼女の顎に添えられる。
が、その手はすぐに離された。

一方通行「……チッ」

黄泉川「んんー、ろーしたじゃん?」

一方通行「……何でもねェ」


歳不相応な仕草で首をかしげる黄泉川を他所に、一方通行は軽く頭を振る。
その行為が照れ隠しである事に、彼自身は気付いていない。

彼—— 一方通行は、ある意味不幸だったのかもしれない。
今この時、この瞬間、彼が衝動に身を任せていれば、その胸中に在る容を成し始めた想いは、何の障害もなく叶っていた。

一方通行は、把握していない。
今この瞬間の光景は滞空回線によって監視され、エイワス、そしてアレイスターに含み笑いを提供している事を。

一方通行は、失念している。
未だ垣根帝督は帰宅しておらず、ドアの隙間からその目を光らせているという事を。

そして———— 一方通行は、気付いていない
この躊躇いが、学園都市に未曾有の危機を招く引き金を引いた事を。


黄泉川「んにゅー」

一方通行「……チッ」

一方通行は舌打ちをしながらも、自身の胸で寝息を立てる黄泉川の顔を慈しむ様な視線で眺める。
その胸中にある感情が何であるかを、彼は未だ完全に理解していない。

が、それが胸中にある事に、一方通行は何故か心地良さを憶えていた。

一方通行「……のン気なもンだぜ」

そう呟きながら、一方通行は彼女の頭へと手を伸ばし——


一方通行「……こンな手で、触れていい訳がねェだろォが」

——その手は、彼女に触れる寸前で動きを止めた。
寝域を立てる黄泉川から目を背ける一方通行の顔には、心を、衝動を殺さんとする歪んだ表情。

彼は、漸く思い出す。
未だ、自身の咎は雪がれてなどいない事を。
自身の両の手——否、その全身も、心も、魂も、その存在全てが暗い朱色に染まっている事を。

誰かは、彼の事を赦したかもしれない。
少なくとも、打ち止めは一方通行という存在の咎を、当の昔に赦してしまっているだろう。

だが、自身が赦さなければ、永遠に、その咎が赦される事はない。

一方通行が喉に覚えたのは逆流の感触。
この様な汚れ切った手で自身は、他者に、妹(ラストオーダー)に、家族に触れてしまっていたという、自虐による嘔吐感。


一方通行(……最悪っつゥのは、こォいうのを言うんだろォな)

口を掌で押さえる彼の顔は、酷く歪んでおり——

黄泉川「ん、んん……あれ?」

——黄泉川愛穂が目を覚ました時、一方通行の姿は既に其処にはなく。
彼と同居していたと云う証拠すら、彼女と同居人の記憶以外——全て、喪われていた。
まるで、彼と云う存在が幻想であったかのように。

#16 sub:持物処分(もちろんえろほんも)


最終回が一番長くなるだろうなぁと。
はたして、最終回で放置した事のある俺に書ききる事が出来るのだろうか!?

(;^ω^)ノシ

さあて、幾つ消化できるかな( ^ω^)
間違いなくここからが長いぜ(;^ω^)
最終話だけ分割投下ですはい(´^ω^)

 そ う い う わ け で 


#LAST


——彼は知っている。
世界は不条理に満ちている事を。
この学園都市ではそれが殊更である事を。

——彼はその事実を知っていた。
この学園都市に於ける名実共に第一位であるが故に。
不条理に押し潰された者達の羨望と嫉妬を、一身に受け続けたが故に。

——彼はずっと前から気付いていた。
最強と呼ばれ続けていた自身の心は、その輝かしい称号とは裏腹にとても弱いと云う事を。
自分自身の攻撃的な性格はその実虚勢でしかなく、臆病さの裏返しだと云う事を。

——彼は気付けなかった。
永き間、ずっと孤独だったから。
実験対象に愛情を向ける人間など、一人もいなかったから。

——彼は、弱かった。
最強でありながら、無能力者(レベル0)に負けてしまうほどに。
自身に向けられた愛情から、目を背けてしまうほどに。

——だから、だろう。
彼は、逃げ出した。自身の本心さえも受け入れきれずに。
楽な道を、選んでしまった。



         モヤシ  オナリューション
————とある豆芽の手淫進化————




——学園都市に存在する、窓の無いビル。
その屋上で、一人の少年が膝を抱えて座りこんでいた。

幼さの残る顔に表情はなく、その肌の白さと相まってマネキンを思わせる。
目の焦点は定まっておらず、呆然とした視線は前へと向けられているものの、何も捉えてはいない。

「……大した事ァねェ。ただ、昔の生活に戻るだけだ……」

抑揚のない声での呟き。
それと共に少年の脳裏に過ぎったのは、無機質な、真っ黒い部屋。
玄関を開けても料理の匂いなど漂ってこない、ただいまもおかえりも存在しない、過去の自身が存在していた場所。

それは、少年にとっての孤独の象徴。
それは、今の少年にとって死よりも恐ろしい、恐怖の象徴だった。

「カカッ…………こンな精神状態でも、関係無しってェ訳か」

余計な事まで脳裏を過ぎり、思わず勃起した少年の名は一方通行。
最強と云うハリボテのない彼は、どこにでもいる、弱い、独りの人間であった。




                   オナリューション
————#Last 手 淫 進 化 ———— 





——部屋、と呼ぶには余りに広大な空間を満たすのは、数にして数万にも及ぶ機械類。
そこから伸びる数十万にも上るコード、ケーブル、チューブは血管の様に床を這い、その空間の中央へと集約される。

部屋の中央に存在するのは、赤い液体が満たされ、所々に白くねばつくなにかが浮遊する巨大なビーカー。
そんな生理的嫌悪感を催すビーカーの中には、緑色の手術衣を着た人間が逆さに浮いていた。

それは『人間』と表現するより他なかった。
銀色の髪を持つ『人間』はショタにも男の娘にも見えて、ロリにも貧乳にも見えて、童貞にもヤリチンにも見えた。
『童貞』としてあらゆる可能性を手に入れたか、『ヤリチン』としてあらゆる可能性を捨てたか。
どちらにしても、それは『人間』以外に表現する言葉がなかった。

「ふぅ……どうせ最初から見てたのだろう、出て来たらどうだ?」

ビーカーの中に浮かぶ『人間』は、自身の眼前、何もない空間に問いかける。
まるで、誰かが其処にいるかのように。


「……」

「……」

「……いる、のだろう?」

『人間』が再び問いかけたのは、最初の問いかけから一分ほど後。
その一分の間に、『人間』は答えが帰ってこない事について、幾つかの可能性を考えた。

——故に。一分と云う、長い思考時間を与えられたが故に。
存在しない者を呼んでしまったのでは、という可能性が浮かんでしまったが故に。
『人間』は、その常人よりも幾許か艶を帯びた顔、その頬を少しばかり紅く染めた。

「ほう、君にも感情があった……いや、残っていたか。と言う方がこの場合正しいかな」

「ッ!?」

——直後。
再度の問いかけに応えるように、全身を淡く輝かせる存在がビーカーの前に現れた。

「まさか、君(アレイスター)に“萌え”を覚える日が来るとはね。これでは結標を笑う事など出来ないな」

薄ら笑いを浮かべ、声を出さずに笑うその存在は、人の身姿に似ていながら、人とはかけ離れていた。
存在の密度が。醸し出す雰囲気が。その身から漂わす体臭が。その鼻腔からはみ出す鼻毛の量が。
それは『人間』と酷似していながら、『人間』とは最も離れた存在だった。


アレイスター「……エイワス。君は些か余計な知識を取り入れ過ぎている気がするのだが」

エイワス「君がそんな些細な事を気にするとはね……そんな事より、そろそろ始まるのではないか?」

アレイスター。と称されたビーカーの中の『人間』をよそに、エイワス。と称された存在は楽しそうに、目を細めながら言葉を更に紡ぐ。
相対するアレイスターは何を言っても無駄、と悟っているのか口を紡ぎ、小言を押し殺す。

エイワス「ああ、楽しみだ。彼が今日と云う日を以って、位階を上る」

アレイスター「それを以って、彼は絶対能力者(レベル6)となる、か。楽しみだ」

言葉と共に、アレイスターの唇が弧を描く。
無理もないだろう。プランを予定通り進める為とはいえ、一度はその可能性を摘み取ったのだ。
その可能性が再度芽吹く、と云う事実はアレイスターに笑みを浮かばせるだけの価値があった。


が——

エイワス「否。彼は絶対能力者、などという存在すらも塵芥に感じられる存在へと化す」

アレイスター「なっ……」

——直後、エイワスはアレイスターを絶句させるほどの言葉を紡いだ。

エイワス「昇華された彼の存在は、言うなれば————絶倫能力者(レベルSEX)」

アレイスター「 」

エイワス「人の三大欲求を能力の内に取り込む事により、彼は私すらも殺し得る力を得る。ああ、人の可能性がここまでとは、な」

アレイスター「 」

エイワスの語る内容は、アレイスターを絶句させるに充分な衝撃を与える。
『人間』は、『人間』であるが故に『人間』を舐めていた。
『人間』であるからこそ、『人間』の限界を勝手に決めていた。

だからこそ、アレイスターは、見誤ってしまった。
人間の可能性を。


エイワス「……始まるな」

絶句し、思考を放棄したアレイスターをよそに、言葉を紡ぎながら、エイワスは天を仰ぐ。
視線の先で座する未来の絶倫能力者を仰ぎ見るかのように。

エイワス「しかし残念だ。今日が棚卸しで無ければ、特等席で見れたのだがね」

エイワスが満面の笑みを浮かべると同時にその存在の姿は掻き消える。
アレイスターがそれに気付いたのは、それより数秒後、この空間————窓の無いビル全体が揺れる衝撃によってだった。

本日の投下ここまで( ^ω^)
最終話はこんなスタンスで行くです( ^ω^)

( ^ω^)ノシ

正直死ぬかと思いましたこんばんわ。
寝込んでいる時に煙草を吸ったらヘヴンが見えそうになりました。
今年からはちゃんと予防接種受けようと思いますまる

という日記から始まる#Lastその2

——時は、少しだけ遡る。

時間は午後を幾らか過ぎた辺り。
場所は、札を吸い込む四角い悪魔の存在する公園。

休日であるというのに、その公園には人の声はなく。
日はまだ高きにあるというのに、子供達が遊ぶ姿はない。

そんな公園のベンチには、隣り合って座る二人の人物。
一人は真紅の髪を肩ほどまで伸ばし、右目の下にバーコードのタトゥーを入れた長身の男。
もう一人は、桃色の髪色をした、中学に入学するかどうかといった年頃の少女。

「……」

「……」

二人は互いに相手に一瞬視線を動かし、視線が重なると同時に俯く。という動作をかれこれ数十回ほど繰り返していた。
その仕草には、どこか初々しさが感じられ、二人の知り合いならばふふ、と微笑むものであろう。

が、訳知らぬ者が見たなら、眉を潜める光景であろう。
赤髪の不審者がこの場所に人払いの結界を張っていなければ、今頃は警備員に囲まれていたに違いない。


「で、コモエ。インデックスを介してまで僕を呼び出した理由は……一体何だい」

俯いたまま、赤髪の不審者は少女に問いかける。
その表情にあるのは困惑、そして僅かばかりの畏怖。

しかし、コモエと呼ばれた少女はそんな表情に笑顔を返す。
人間としての器の差が如実に現れた瞬間であった。

小萌「今日はですね、こちらを神父さんに」

「神父さんというのは止めてくれ。僕にはステイル=マグヌスという名前があるんだ」

小萌「そうでしたね。今日はですね、先生はステイルちゃんにこの本を返しておこうと思ったんですよー」

ステイル「…………まさか、こんなにも早く返ってくるなんて」

小萌が差し出した本を震える両の手で受け取りながら、ステイルは両の目を潤ませる。
そして、永く離れていた恋人と再会したかのように、本の表紙の女の子と見つめ合う。
更には、愛おしき人を抱きしめるように、本をその胸に掻き抱いた。

——ステイルがこの様な行為に走ってしまうのも、無理の無い事かもしれない。
その本は、コミックLOは、すているさんじゅうよんさいが一度は手にし、理不尽な理由から没収されてしまった代物なのだから。


ステイル「……取り返そうなんてしたら、僕はすぐさまにでも逃げるからな」

小萌「そんな事はしませんよー。先生は約束を破ったりは嫌いなんですからー」

本を懐にしまいこむステイルを眺めながら、小萌は自身の教え子を眺める時と同じように頬を緩ませる。
見た目とは裏腹にかなりの歳を重ねている彼女にとってみれば、見た目はどうであれ十代の子供は可愛くて仕方がないのだ。

ステイル「……そうかい」

小萌「はい。それじゃあ、先生はコレで」

ステイル「……理由は?」

不意に、ステイルが尋ねた。

それが、余りに唐突だったから。
目的を達成した安堵で気が緩んでいたから。
ステイルの声色が、余りに真剣だったから。

ステイル「君が自身の発言を取り消してまで、コレを返そうとした理由を尋ねているんだ」

小萌「……」

小萌は、表情を強張らせ、笑顔の下に隠していた表情が、露となった。
どうにか取り繕わんと小萌は口をモゴモゴさせるが、出てくる言葉は要領を得ない。


ステイル「…………どうやら厄介事みたいだね」

小萌「ッ!?」

ステイル「微力ながら、僕も助力させてもらう事にするよ」

ステイルと話す小萌は、僅かに震えていた。
何かを押し殺していた。何かを覚悟していた。それなのに、笑っていた。
その姿が、過去の、記憶を殺される直前の、ステイル=マグヌスが殺し続けてきたインデックスを思い起こさせたのだ。

小萌「……ダメです。これは、学園都市の問題なんです」

返答は——押し殺した、絞り出すような声で吐かれたのは、拒絶の意思。
ステイルの申し出は、小萌の教師としての矜持に逆らうもの。
だからこそ、受け入れる事が出来なかった。

ステイル「それなら尚更だ。インデックスがこの街にいる。それだけで命を賭ける理由は十分すぎる」

小萌「…………死ぬかもしれない、としても?」

ステイル「愚問だね。僕は、彼女の為に生き、彼女の為に死ぬ。ずっと昔にそう決めたんだ」

小萌「……そう、ですか。シスターちゃんは愛されているのですね」

しかし、ステイルの魂に刻んだ誓いを前に、彼女は諦めたような笑みを浮かべた。
ステイルの想いが小萌の思いより強かったという訳ではない。

——逃がす事が叶わないのであれば、自分が守る。命を賭けて。
この学園都市230万人の生徒達と一緒に、ステイルも全力で守る。
ただ、それだけだ。月詠小萌がやる事に何も変更などないのだ。


小萌「ねえ、ステイルちゃん————煙草、貰えますか?」

ステイル「いいけど……その代わり、僕が付き合うのは大目に見てもらうよ」

小萌「むふー、仕方ないですねー」

小萌は少しだけ意地の悪い笑みを浮かべつつ、ステイルより煙草を受け取る。
その煙草には何らかの魔術が施されていたのか、小萌が咥えると同時に先端に火が点った。

ステイルが煙草を咥えるのを横目に、小萌は紫煙を深く吸い込む。
そして立ち上がり、二歩、三歩と足を進めながら紫煙を空へと吐き出した後、

小萌「どうせばれるでしょうから————先に見せておきますね」

いつもの天真爛漫な表情とは違う、歳相応と言うには余りにも達観した表情と声色で、月詠小萌はそう告げた。

ステイル「一体、」

——直後。
ステイルが、言葉の意味を問うよりも先に。
小萌の身体に変化が現れた。

ステイル「————ッ!?」

小萌の肌に幾条もの閃光が走り、淡く輝く軌跡を残す。
閃光が描くのは、月光の色の燐光を放つ、緻密な幾何学的紋様。
それは、月詠小萌というキャンパスに描かれる魔法陣。


ステイル「これは、夢、ではないのか……」

ステイルの背を、冷や汗が伝う。
彼が覚えた感覚は、原典を前にした時に感じたものと似ていた。自動書記と相対した時のものと似ていた。
似てはいたが——眼前の、月詠小萌という存在の威圧は、そんな生易しいものではなかった。

ステイルがそう感じるのも無理はないだろう。
彼の眼前にて覚醒しているのは、日本における最上位の三柱が一柱『月読』の模造品。
模造品とは言え、天使に勝るとも劣らぬ力を誇っているのだから。

小萌「……」

ステイルの表情の変化を感じ取ったのか、小萌は背を向けたまま、何かを堪えるように天を仰ぎ、口を強く噤む。
しかし、自身の変化を止めようとはしない。

存在は人を超えていながらも、その精神は、心は、魂は悲しいほどに人間であったから。
戦場で、親しみを感じた相手から恐れの視線を向けられて尚、冷静でいられるほど強くはなかったから。

だから、彼女は敢えてこの場でその力を見せた。
ステイルが、恐れ戦いて逃げる事すら仕方ないと思った。

それでも、月詠小萌は期待してしまった。
無愛想で、ぶっきらぼうだけど、心優しい少年が受け入れてくれるという奇跡を願ってしまったのだ。



——そして、閃光が止んだ。


小萌「……これが、私。先代学園都市守護者『屠殺系科学少女モエキュンキュン』」

月詠小萌は振り返る事無くそう告げた。
硬質な、少女のような外見にそぐわぬ声で。

彼女は返事を待つ。
背を向けたままで。

そのまま、十数秒経った頃だろうか。

ステイル「………凄いな。笑いしか出てこないよ」

辛うじて小萌に届く大きさのステイルの声に恐怖の色はなく、ただただ驚きに満ちていた。
それ故——

小萌「ふふっ、凄いでしょう。伊達に1200年以上生きてませんからね」

——振り返った月詠小萌の表情が、満面の笑みであった事は必然であろう。

……下ネタ成分が殆どないね(;^ω^)
次頑張ろうと思いますまる( ^ω^)

( ^ω^)ノシ

小萌「1200歳なのです」
ステイル「なん・・・だと」

そんなのが頭に浮かんだ

oi
おい
俺の尻にミスファイアリングシステム仕込んだ奴誰だ。
放屁する度尻からパンパン落としてやばいんだけど。
っていうか痛いんだけど。

という感じで、今回も下ネタ殆ど無いよ殆ど話進んでないよどうするんだよ的展開

——その日、学園都市は朝から妙な雰囲気に包まれていた。
何時もと変わらぬ光景の中に、異質が紛れ込んでいるような違和感を、誰しもが覚えていた。
しかし、誰もその事について口にしようとはしなかった。

その違和感が余りに漠然としていたから。

視界に映っているのに、それに気付けないような感覚。
見えていながら、知覚出来ないという矛盾。
知覚出来ぬが故に、その違和感は記憶の端に捨て置かれる事となる。

まあいいか。という言葉と共に。

それが魔術という、この都市に住まう者にとって未知の法則によってもたらされているという事実。
それを語った所で、この都市に住まう者は一笑に付すだろう。

ありえない。という言葉と共に。


統括理事会勅令の緊急召集に応じた警備員の一人、

「んー…………はーい、こっちは立ち入り禁止だから悪いけどそっちでUターンするじゃんよー」

黄泉川愛穂もまた、その一人であった。

黄泉川「にしても、いきなり区画閉鎖たぁ……鉄装、お前何か聞いてないじゃん?」

鉄装「いいえ。皆さん色々と噂してるみたいですけど、確信持ってる人はいないみたいですね」

黄泉川「そっか……統括理事会は一体何考えてるじゃんよ」

黄泉川愛穂の視線の先には、統括理事がいると噂される窓のないビル。
その視線の先に一方通行がいる事に彼女は気付いていない。

そもそも、早朝に呼び出され慌てふためきながら家を飛び出した彼女は、一方通行が行方を晦ました事に気付いていない。
まぁ、気付いていたとしても、彼女が自身の立場を忘れ、一方通行を探す為に奔走するという事無いだろう。
この区画閉鎖が、一報通行から住民を隔離する為だという事実を彼女が知る由などないのだから。

過ぎたる過去の話ではあるが。もしも、という話ではあるが。
前日の黄泉川愛穂の酩酊具合が、幾許か理性を保ったものであったならば。
抱擁という行為が、少年を赦す言葉を伴っていたならば。

——過ぎたる過去の話ではあるが。もしも、という話ではあるが。
前日の黄泉川愛穂の酩酊具合が、幾許か理性を保ったものであったならば。
抱擁という行為が、少年を赦す言葉を伴っていたならば。

今頃二人は、顔を見合わせると共に引き攣った笑いを浮かべながらも、何時もと変わらぬ日常を送れていただろう。

しかし、その光景は今となっては幻想でしかない。
当人が気付かぬままに未来は確定されてしまったのだから。



————


警備員が閉鎖する区域の内で、文字通り暗躍する者達がいた。
ある者は一定の間隔で小石を撒き、またある者は自販機の横に、街路樹の根元にとあらゆる所にチョークで記号を記していく。
それらは通常であれば清掃ロボットによって撤去され、清掃されてしまうもの。

だが、今この時、学園都市に於いてこの区画だけはあらゆる機械が動きを止めていた。
故に、彼らは阻む者の無いこの場所で、己に課せられた役目を黙々と果たしていく。

『こちら牛深。式の第一節完了した』

『こちら対馬。第三から第七に掛けての術式接続確認完了』

『こちら香焼。あ、あのっ、そのっ、え、エロ本拾ったっすけど持って帰ってもいいっすよね……?』

暗躍するは、魔術集団『天草式十字凄教』
彼らが造るは、学園都市に住まう者が覚えていた違和感の正体。
大規模な、一歩間違えば学園都市を消滅させる強力な術式の魔法陣。


それを指揮するは、

「こちら土御門。牛深は野母崎と共に補助術式の構築を、対馬は諫早の構築式の再確認を。香焼は後で風俗奢ってやるからそれはポイしなさい」

金髪にサングラス、そして前を開けたアロハシャツという不良といっても差し支えない少年。
名を土御門元春。この様な身なりではあるが、歳若くして陰陽博士の称号を得たほどの者である。

土御門「…………で、建宮。何か言いたそうだがどうかしたか」

言葉と共に振り向く土御門の視線の先には、髪を乾かさずに寝てしまったような髪型の、首に紐に連ねた小型扇風機を下げた男。
男の顔には、苦虫を噛み潰したような、憮然とした表情。

男の名は建宮斎字。
この様な残念な成りではあるが、天草式十字凄教の教皇代理である。
あくまで代理であるが。

建宮「なぁ、土御門」

土御門「……なんだ」

互いに、硬いものを呑んだような声。
一歩間違えば、そのまま殺し合いを始めかねないような声色。


建宮「俺も……エロ本拾ったら風俗奢ってもらえるのよな?」

土御門「そんな事しなくても、成功すりゃあ学園都市から報酬出るからそれでいけばいいぜい」

建宮「……」

土御門「……」

建宮「…………そう、か。ならばよいのよな」

僅かばかりの沈黙の後、建宮は心底安堵したかのような溜息を吐きながら頷いた。

土御門「それだけ、かにゃー?」

建宮「……我らは償わねばならぬ身。我らが信念にそぐわぬ事で無いのなら黙って従うのよな」

土御門「……」

言葉は、償いは土御門に向けられたものではない。
それを土御門は十二分に理解している。


それでも、土御門はそれを利用した。
彼ら天草式十字凄教だけではなく、警備員、自身の担任である月詠小萌、そして、親友である上条当麻でさえも。
彼にも、全てを犠牲にしてでも守りたい存在がこの学園都市に在るから。

だからこそ、土御門は今この時構築させている魔法陣を、防御術式であると偽った。
天草式十字凄教の者達に気付かれぬよう、配置、割り当てに細心の注意を払って。
人としての良心があるならば、この様な術式が日本にある事自体に嫌悪感を覚えるであろうから。

土御門「そうか……なら、ちぃーっとばっかし暴走して変な術式組み始めてる五和のとこにいってもらうぜい」

建宮「げぇっ!?」

だからこそ、土御門は自身の心さえも殺す。全てが終わった時、全ての責を自身が背負う覚悟さえもって。
頭頂にそそり立つ、屠殺系科学少女モエキュンキュンの相棒である証である二本の耳を揺らしながら。

次回は信頼の実績のていとくん&桔梗さんだから大丈夫な筈。
一方さんもでる予定だから話も進む筈。

(;^ω^)ノシ

久々にアレだな、シリアルって言葉がピッタリ嵌る感じのSSだな

一方さんの出番は次回頭に繰り越しとなりましたまる
>>447白いのぶっかけそうな辺りですねまる
サクマドロップの爪割りトラップが今尚健在である事を体験しましたまる

そんなわけで芳川&垣根編ですまる

——彼は、全てを失った。
金も権力も立場も。心も意思も夢も希望も目標も矜持も悪意も敵意も最低限の権利さえも。
全てを失った果てに、人とは呼べぬ機械の一部にまで成り下がった。

それなのに。

それなのに、彼はそこにいた。
全てを奪われたままに、人として蘇った。

全てを失ったが故に。

全てを失ったが故に、彼は手に入れた。
新たな可能性、というかけがえのないものを。

そんな彼は今この時——


「……はぁ」

——何の因果か、正座のまま溜息を吐いていた。
彼が座す場所は、とあるマンションの一室。生足にフローリングは少々辛いか、少年はぶるり、と身を振るわせた後、

「なぁ、芳川さんよ……服、返してもらえねえか。それ、俺の一張羅なんだが」

と、備え付けのベッドに座ったまま自身を舐る様な視線で見つめる、眠たげな眼の気だるげな雰囲気を纏う女性に問い掛けた。
それに対し彼女は、

芳川「それって、ここで脱げって事かしら。それとも垣根君、貴方が脱がしたいの?」

挑発するように囁きながら、底意地の悪い笑みを浮かべ、更にはスカートの中がギリギリ見えぬ加減で足を組み替える。

垣根「……どうしてこうなった」

垣根と呼ばれた女性用下着一枚の青年は心からそう呟いた。
常盤台の制服に身を包んだ芳川桔梗の太股の付け根を凝視しながら。


——どうしてこうなったかと問われたならば、不幸が重なったとしか答え様が無いだろう。

つい何時ものクセで着衣をそこらに脱ぎ捨て、下着一枚で寝てしまった垣根帝督。
時を同じくして、私物を全て処分した上で失踪した一方通行。
新作の本を潜ませようと、一方通行の部屋の扉を開けた芳川桔梗。

それだけならば、問題は無かった。
幾ら火薬があろうとも、火の気が無ければ爆発は起きないのだから。

しかし、この時の芳川桔梗は炎となりうる危うさを秘めていた。
数日前の彼女であれば、幾らかの洒落を盛り見ながらも、大人の対応を取る事が出来ていただろう。
だが、その数日の間に、彼女は心に大きな心の傷を負ってしまっていた。



——それは、芳川桔梗が打ち止めを連れて買い物に出かけた時の事だった。


『あれ、桔梗さんじゃないですか』

彼女が買い物先のスーパーで出会ったのは、絶対能力進化実験より昔に、共にプロジェクトを進めた元同僚の男性。
苦楽を共にし続けたからであろう、朴念仁と称された事さえある芳川桔梗がここ数年でただ一度、男女としての好意を抱いた存在。

そんな相手との、偶然の再会。
そんなありふれた偶然は、科学者であった芳川桔梗に運命という言葉を胸に抱かせた。

『久しぶりですね。えっと、五年振りですっけ?』

色恋を知らぬ同居人共を焚きつけていたせいもあるだろう。
黄泉川愛穂の初々しさに、自身にもこの様な時代があったと思い出してしまったせいでもあるだろう。

これは、フラグではあるまいか。
偶然という名の再会フラグからの、恋愛フラグではあるまいか。
遅咲きの恋の予感に、芳川桔梗(年齢非公開)は初心な乙女のようにときめいてしまった。


が——



『あれ、もしかして』


その幻想は、


『桔梗さんって結婚していたんですね。娘さんはお父さん似かな?』


いとも容易く、砕かれた。


『あ、そういえばですね、俺もなんですよ』


それこそ木っ端微塵に。


『俺も、結婚したんです』


反撃の機会すら与えてもらえぬままに。


傷は、余りに深かった。
自分にも他人にも甘いと自負している芳川桔梗にとって、致命傷となりうる程に。
尻を浮かせた体勢で爆睡する垣根帝督と、脱ぎ捨てられた常盤台の制服を前にして、

『私だってまだいける』

知らずの内に、愛憎入り混じった声で、そう呟いてしまうほどに。

——その結果、

垣根「正直よ、すっげぇ寒いんだけど」

芳川「そう…………で、垣根君。私を見てどう思う?」

他人にも自分にも甘いという自負から、『他人』が抜け落ち、その分の甘さが自分へと回された。
芳川桔梗は、兎にも角にも自分に甘い駄目人間へと成り果てた。


垣根「どうって……正直、歳考え」

パァン

言葉は最後まで吐く事を許されなかった。
そして、頬を叩かれた。と垣根が思い至るより先に、質問は繰り返される。

芳川「で、垣根君。私もまだまだいけると思わない?」

垣根「いや、何かイメクラじょ」

パァンパァン

またしても、言葉は最後まで吐かれる事を許されなかった。

垣根「……じゃあ、何て言えってんだよ」

往復ビンタを受けた垣根の両頬には、紅葉の如き掌の跡。
芳川を睨むその目には、幾らかのイラつきと多大な戸惑い。


芳川「答えを強制しているつもりは無いわ。ただ、垣根君が 本 当 に 思 っ て い る 事 を聞きたいだけよ」

垣根「……ッ」

芳川の笑顔に、垣根は寒さとは違う悪寒を覚えた。
彼は知らぬ。彼は一度たりとて見た事はない。
ここまでの狂気を秘めた、人の心をへし折る笑顔など見た事はなかった。

芳川「それじゃあ垣根君。私と常盤台の制服という神コラボを見て貴方はどう思った?」

垣根「……俺の未元物質以上に、常識が通用しねぇと思いました」

それは、学園都市第二位『垣根帝督』の敗北宣言であった。

次からやっと話が進むよ!やったね■■ちゃん!

( ^ω^)ノシ

妹達はいっぱいいるから一人位抱き心地のよさそうなミサカがいてもおかしくないよね!

どうでもいいけどインパクト以来久々にスパロボやりながら「照準値ってなんぞ……」とか呟いてます。
削板「螺旋力……?」とか妄想したり。


そんな訳で投下するよ

——髪も肌も白く、一対の紅い瞳をもつ少年。
少年は、自分は全てを捨てた。自分には何も残されていないのだ。と自身の心に言い聞かせ続けた。

少年は近しき者を汚す事を恐れた。
暗い赤と白濁に塗れた手で触れていた事を、心底後悔していた。

少年は気付いてしまった。
自身が何かの拍子で力を行使すれば、人は容易く壊れる事を。
性欲が理性を侵し、その末に凌駕する事を。

少年は想像してしまった。連想してしまった。重ねてしまった。
自身が屠った一万を超える妹達の死に様と、近しき者達の姿を。
自身が所持していたエロ本の、張り付いてしまったページを。

故に、少年は孤独を選んだ。
自身が壊れる方がマシだと思った。
だから、弱いままの自分でいられるあの場所から逃げ出した。

そして、行く当ても無いままさ迷い歩き、行き着いた場所が窓の無いビルの屋上。
それが明確な意思を持っての行動であったなら。明らかな敵意を持っての行動であったなら。
それならばアレイスターも納得し、全力で排除に掛かれただろう。

しかし、この時の一方通行に悪意など無く。
思考の半分を家族と呼べた者達への罪悪感で占め、残る半分を、

一方通行「……こンままだと、ちンちン爆発すンじゃねェか?」

未だ嘗て体験した事の無い、先端から汁が滴り落ちる程の勃起に注いでいた一方通行にとって、この場所を選んだのは偶然でしかなかった。

一方通行「どォせここなら誰も見てねェしなァ……」

一方通行は辺りを見回しながらベルトに手を掛け、その手は躊躇いを覚えたか、動きを止めた。
彼の脳裏を過ぎるのは、黄泉川愛穂に自慰行為を見られてしまったその瞬間。


一方通行「…………あァン?」

——近づいてくる、聞き覚えのある連続した風切音に気付いたのは、まさに紙一重。
もし、彼がそれに気付かづ自慰行為を始めていたならば。
その姿は丁度街の風景を撮影していたTV局のヘリよって、学園都市中にばら撒かれていただろう。

『学園都市第一位、下のサイズはレベル1』という不名誉なタイトルと共に。

一方通行「チッ……隠れてやり過ご————ッ!!!!」

絶句と共に、一方通行の目が大きく見開かれる。
その視線はヘリよりももっと先、何も無い筈の空。

一方通行「……なンっつゥ悪夢だこりゃァ」

一方通行は見てしまった。
幻覚や錯覚の類であったとしても、彼の目はそれを確かに捉え、知覚した。


それは偶然か必然か。
その方向は、仇敵、

一方通行「化けて出たってかァ……木ィィィィ原クンよォォォォォ!」

彼が名を呼ぶ者が、文字通り消滅した方向。

彼は見たのだ。
空に浮かぶ、爽やかな笑みを湛えた木原数多を。

一方通行「オマエにだけは、ぜってェ見られる訳にはいかねェンだよォ!」

直後、一方通行の頭からヘリの事など消し飛んだ。
それだけではなく、並列して思考していた事柄が全て思考から除外された。

例外はただ二つ。
『おなにィをする』『天に浮かぶ木原数多に見られない』
その二つを同時に実行する為に、学園都市最高の頭脳はあらゆる可能性を模索し、

一方通行「————あは」

弾き出された答えに満足したのだろうか。
学園都市最強は人を人と為す感情が欠落してしまったかの様な笑みを浮かべ、視線を足元へと向ける。
その視線の先にあるのは——


一方通行「は、はは、あは、か、くか」

——学園都市に於ける最高の科学技術。そして最強、且つ最凶と畏怖された魔術師の秘儀。
決して相容れぬ筈の、対極にある筈のその二つの融合によって生まれたのは、巨大な棺、とも称せる建造物。

一方通行は、視線を下へと向けたまま拳を振り上げる。
そして、地球の自転のベクトルを用いた一撃すらも受け止めきる強靭さを誇る巨大な棺の屋上で,
翼と呼ぶには余りに規格外な黒翼を顕現させ、

一方通行「かかきかくかけかくかこかくかきけかこけけかー!」

抑揚のない笑い声と共に、一方通行の拳が振り降ろされた。
奇しくもそれは、エイワスがその直下の空間から消えると同時。

——その結果を奇跡と呼ぶべきか、それとも必然と呼ぶべきか。
それとも、矛と盾が衝突し、力の勝る方が被害を受けたのだから当然というべきであろうか。



————


——窓の無いビル。その屋上に生まれたのは二本の黒色の柱。
直後、窓の無いビルはその高さの半分ほどを地に沈めた。

それを目にした者は、例外なく心に湧き上がる恐怖に身体を縛られる。
それなのに、取り乱すものはおらず、ただ一様に諦めに似た表情を浮かべていた。
本能が、理解したのだろう。余りに深い絶望に、発狂する事すら無駄であると。

それが翼である事など、誰も理解できはしない。

黒翼が最初に発現した時、それを目の当たりにした者の一人は星と化した。
二度目に発現した時、翼はコレほどの大きさなどなかった。
三度目の発現はこれに近い大きさを誇っていたが、それと相対した者は今病院のベッドで——

インデックス「とうまとうまー。お見舞いに…………とう、ま? あれ、とうまーどこにいったのー?」

——ただ一人、それが何であるかを完璧に理解した者がいた。
万全とは程遠い身体状態でありながら病院を抜け出し、翼の主を止めんとする者がいた。



————


——窓の無いビル。その屋上に生まれたのは二本の黒色の柱。
直後、窓の無いビルはその高さの半分ほどを地に沈めた。

それを目にした者は、例外なく心に湧き上がる恐怖に身体を縛られる。
それなのに、取り乱すものはおらず、ただ一様に諦めに似た表情を浮かべていた。
本能が、理解したのだろう。余りに深い絶望に、発狂する事すら無駄であると。

それが翼である事など、誰も理解できはしない。

黒翼が最初に発現した時、それを目の当たりにした者の一人は星と化した。
二度目に発現した時、翼はコレほどの大きさなどなかった。
三度目の発現はこれに近い大きさを誇っていたが、それと相対した者は今病院のベッドで——

インデックス「とうまとうまー。お見舞いに…………とう、ま? あれ、とうまーどこにいったのー?」

——ただ一人、それが何であるかを完璧に理解した者がいた。
万全とは程遠い身体状態でありながら病院を抜け出し、翼の主を止めんとする者がいた。


「あの馬鹿……お前が選んだ未来ってのは、そんな事しなきゃなんねえ未来なのかよ」

手術衣のままで病院の裏口から抜け出す少年は、歯を軋ませる。
不幸に愛されるが故に、手術を再三延期にされてしまった少年は、尻に槍を挿したまま、ふらつきながらも遠方に映る二本の柱を睨み付ける。

「そんな事、ある筈ねぇよなあ。もしそうだとしても、俺は絶対に認めねぇ……」

独善に満たされた少年は歩き出す。
自身がヒーローである宿命を知らぬままに。
黒翼が顕現した理由を知らぬままに。

それと時を同じくして、

「ほああ……なんや、まさかアレがつっちーマル秘情報の奴かいな……」

青く染めた髪に両の耳朶にピアスという特徴の少年は、呆けたような顔を浮かべていた。

「まぁ、友達の為やさかい…………久々に命掛けてみよか」

が、その細い目に宿る光もその声色も、学友達の知らぬもの。
幾多の修羅場を潜った者のみが得うる凄みがあった。

さあ、一方さんは無事オナニーできるのか?

( ^ω^)ノシ

GWボケが未だ治りませんこんばんわ
予想通りボッチウィークでした


という訳で投下するよ

——まるでウォーリーを見つけてしまったかのように、垣根帝督は情欲の権化と化した芳川桔梗を押しのけながら、窓の外の更に先へと視線を向ける。
一区画以上離れた場所からでもハッキリと分かる、瓦礫を巻き上げる竜巻、そしてその中心より天を衝く一対の黒柱へと。

垣根「なぁ、ここは一時休戦といこうじゃねぇか……芳川さんよぉ、アレ、何だと思う?」

芳川「うふふ、垣根君の態度次第で教えてあげてもいいけど? ほら、腕の力抜いて」

垣根「おい、ちょっ、ダメだっっつぅの! 下に手を伸ばすんじゃねぇ!」

垣根の提案も質問も、今の芳川の耳には届かない。
その視覚も聴覚も触覚も、全てを垣根帝督——正しくはその瑞々しい肢体へと向けている芳川桔梗には、外の異変など届かない。

その指向性には些かの揺らぎも無く。
たとえ、唐突に扉が開かれ、


打ち止め「もー、さっきからうるさいよ! ってミサカはミサカは……」

まさかのR-18展開にたじろぐ打ち止めを以ってしても、

垣根「oh……」

打ち止め「えっと、この現場はまさかの昼ドラ展開!? ってミサカはミサカは生昼ドラに困惑と期待で胸一杯になってみたり!」

芳川「打ち止め、見ていいのは見られる覚悟が有る者だけよ」

その情欲は留まる事を知らない。
肉体も精神も全く揺らぐことはない。

芳川「分かるわよね、打ち止め?」

打ち止め「……(;^ω^)ニコッ」

芳川桔梗の言葉は、言霊と呼べる程の重みを持つ。
理など通じぬほどに幼き打ち止めに、理を魂に刻ませ、半笑いのまま扉を閉じさせるほどに。

垣根「え……」

芳川「これで、邪魔者が入ってくる事は無いわね」

芳川桔梗の言葉は、垣根帝督の耳には届かない。
腕を絡められ、耳元で囁かれているにもかかわらず。
垣根帝督は、絡めとられて尚、閉じられた扉の向こうへと救いを求める視線を向けていた。


力など使える筈も無い。抗える筈も無い。
押し当てられる胸の感触は、今この時全身に覚える女性の体の柔らかさは、垣根帝督という童貞から抗う力を奪い去る毒を秘めていたのだから。

垣根「……好きにしろ」

芳川「……そう。でも好きにするのは全部終わってからじゃないと無理よね」

諦めを吐いた垣根に、その言葉の意味が通じただろうか。
全部終わってから。という意味を理解できただろうか。

芳川「ちょっと遅くなったけど、質問の答えを返すわね。アレは、一方通行の本来の力よ」

垣根「……おい、何を言ってやがる」

芳川「貴方、相対したのでしょう? アレを顕現した一方通行と」

垣根の耳元で囁かれた声は、欲に狂った声ではない。
科学者としての芳川桔梗の理知的な声。

垣根「……ッ」

その声に対し、垣根は余りに無防備すぎた。
故にその言葉は、垣根の頭に沁み、脳内にて記憶を蘇らせる。
アレを背中から生やした一方通行との死闘を。


芳川「ベクトル変換という能力は……アレの法則を科学によって捻じ曲げ、人に扱える程度抽出したに過ぎないわ」

垣根「……それを、何でお前が知っていやがる」

芳川「あの子の心を壊す事で枷を取り払い、アレを発現させる。それが私の関わった絶対能力者進化計画のプランB。

     その為の、二万体のクローン。あらゆる環境、あらゆるパターンの戦闘なんて只の名目に過ぎなかった。
     クローン達は学習した事を共有する。だから、殺す度に人間味を増した存在を相手にする事になるの。
     正直……一万三十一体のクローンを屠って尚、あの子の心が壊れなかった事は奇跡に等しいと思うわ」

とまでささやいて、芳川はふぅ、と溜息を吐く。
その吐息が届く先は、垣根の耳。

垣根「ひぃあっ……」

未知の感覚に垣根は身を捩じらせるが、足を絡めた芳川を除ける事など出来はしない。
それでも学園都市第二位の頭脳は、この状況に於いても芳川が五秒弱でささやいた言葉の意味の大凡を理解する程度には働いていた。

それが幸か不幸か、はさて置くとして。
今この時学園都市で起きている事、そして、コレから起こり得る最悪の事態を理解するには十分過ぎる情報。

垣根「やっ、らっ、らめぇ……」

耳を甘噛みされながらも、垣根は情報を整理する。
耳朶をはむはむされてなお、最悪の答えは導き出された。


垣根「つまっ、んんっ、アイツゥゥゥゥんん! ここっろぉぉぉぉん! ぶっこわぁぁぁぁぁぁおぅ!」

垣根は喘ぎながらも思い出す。
人とは呼べぬ、学園都市にとって有益な“機械”であった己を。
心無く、命ぜられるままに、アレイスターのにとって有益なものを吐き出し続ける存在であった己を。

心の壊れた後の世界はそれと同じだろう。
何も感じない。何が起きても動じない。信号の反射として、命令に只応じるだけの機械。
そこには何も無い。己が命令に従った後の結果が残るだけ。一方通行もそういう存在になろうとしている。

芳川「それを、防ぎたかった。だから、あの子に家族と—— 一人の異性を愛する事を知ってもらいたかった。心を強くする為に」

垣根「ハァ、ハァッ……んんっ、でもっ、やりすぎたぁぁぁああああぁん!」

芳川「ええ。正直エロ本の件はやりすぎたと思うわ」

——それを、今の己は許せるだろうか。
一昔前ならば、心が悪意に満ちていた頃ならば。
満面の笑みを浮かべたまま、ザマァねぇな、第一位。とでも吐いていた事だろう。

だが、知ってしまった。
アレは、アイツは、一方通行は化け物なんかじゃなかった。
自分もまた、化け物なんかじゃなかった。

互いに、どうしようもない事で笑えた。
心のままに笑うという事がどういうものなのか、ようやく思い出せた。

そして、気付いてしまった。
未来がこの手にあるという、生きているならば当たり前の事に。


垣根「ちょっ、ストッ…………ァっ、俺が、止める」

芳川「……」

少しの沈黙があった。
それを保ったまま、芳川はその身を垣根の上からするりと退ける。

垣根「……アイツにはでっけえ借りがあるみてえでな」

身を起こしながら、芳川から顔を背けて垣根は呟く。
立ち上がり、彼が向かう先は扉ではなく、遠い先に竜巻が覗える窓。

垣根「じゃあ、行かせて貰うぜ」

芳川「……終わったら、続きをしましょうね。貴方が望むなら一方通行と一緒でもいいわよ」

垣根の背に掛けられた声は、押し殺した声。
端々に窺えた感情は、情欲。

垣根帝督はそれを聞かなかった事にした。
理知的な芳川桔梗に胸をときめかせてしまったが故に、青き心は淫獣の存在を直視出来なかったのだ。



—————


杉谷「……任務、か。いい響きだ」

——命令一つで己はこうまで変わるものか。
大人の本屋Aiwss店員である杉谷は、紙袋を小脇に抱えそう思う。

身は自然と引き締まり、心は日本刀の切っ先の如き鋭さと冷たさを併せ持つ。
目的の為ならばいかなる事も許されるという、良心のタガを外す事による開放感。
その感覚はかつての杉谷が常としていたもの。一度覚えてしまえば二度と忘れる事は出来ない感覚。

平穏の中で錆びついてゆく事もまた由。と彼は退屈とさえ呼べる日々の中で考えていた。言い聞かせていた。
だが、やはり一度血を吸った刃はその味を二度と忘れる事など出来ないのだろう。

杉谷「しかし……オーナーも中々難儀な事を言ってくれるものだ」

その眼前にあるのは、巻き上がる粉塵によってその姿を下界から完全に閉ざした窓の無いビル。
二歩、たった二歩足を踏み出すだけで、その身は枯葉の様に舞い上がり、共に舞い上げられた瓦礫によって挽肉へと化すだろう。


瓦礫と暴風の結界を見据えたままで、杉谷は自身の使命を反芻する。

杉谷「……只の届け物で、命の覚悟をせねばならん日が来るとはな」

表面は平静を装ってはいるものの、その目が、心臓の鼓動が、言葉よりも饒舌に彼の高揚を語る。
身体もまた全力を出せる事に喜びを覚えたか、熱を帯び、身に纏うスーツをその内より押し上げる。

杉谷「それもまた、一興か」

杉谷は笑う。
学園都市に訪れて初めてであろう、満面の笑みを浮かべたまま、その身を竜巻の中へと飛び込ませた。

彼は知らぬ。
その届け物がエロ本である事など。

だが、知っていたとしても彼はこの時笑っていたであろう。
心に刃を乗せるという事はそういう事なのだから。

決して任務放棄して職安に行こうとなどしない。
それが忍という生き方なのだから。


つづく

第三期では遂に杉谷さんの出番が!!!!!!!!


あるといいね!

( ^ω^)ノシ

はてさて、きっと冬には終わるよね。
終わるよね?


投下するよ!



「——ふふ。強すぎる力というのは不便なものだな、一方通行」

そう呟きながら、人あらざる者は笑う。
声にした名より遥かに強い、まさに次元の違う力を持っているにもかかわらず、まるで他人事のように。

それは、声の主が人でないからこそのもの。
喩えるならば、恐ろしく強い、雀蜂すらも単体で屠る蟻がいたとしても、人は興味を示しても恐れは抱かない。
同種で無い存在の身になって考える事など、無理だと知っているからこそ。

「君はただ自慰をしようとしているだけかも知れない。しかし、たったそれだけの事すらこの学園都市は許容できないのだよ」

人あらざる者の言葉には憐れみがあった。
人間から逸脱した力を持ちながら、人間であろうとした者へと向ける憐憫が。

その存在は奇特な存在であった。
科学者に通じる、異常なる好奇心を持っていた。

そうでなければ気付きもしなければ、興味も抱かない。
そうでなければ人に神の摂理を教える筈も無い。


「我を通すか。それとも我を殺すか。どちらだとしても、君の未来に待っているのは地獄しかない」

彼は、気まぐれなる傍観者。
彼は、傍観者であるが故に、全ての事象を肯定するもの。

「足掻け。自身が叶わぬと思った夢が、未だその胸で燻り続けているのなら」

その声は、願いを叶える為の唯一の方法は、誰にも届かない。
届かぬと知っているからこそ、彼はその言葉を吐いたのであろうが。

「なるほど。天井を受けに回しつつも一方通行にへたれさせるか…………ううむ、地獄のミサカめ……追加発注確定だな」



————


——まるで涙を堪えるように、魔術師達は顔を上へと向ける。
竜巻を目の当たりにして尚、魔術師達は声一つ上げなかった。
それが、始まりの合図だと知っていたから。

彼らが造ったのは、古き世より伝わる呪術の陣。
災厄の流れを歪め、一点に集約するその陣の詳細を知らぬままに、魔術師達は造り上げた。

小萌「——終わったら、皆で焼肉でも食べに行きましょうね」

風吹く音の中で、月詠小萌の声は魔術師達の耳に正しく届いた。
その言葉に、苦笑を浮かべる者もいれば、焼肉の脂をビールで流す感触を思い出し、喉を鳴らす者もいた。

土御門「……」

ステイル「……」

だが、土御門元春。そしてステイル=マグヌスだけは、沈黙を保っていた。


土御門元春は全てを知っている。
ステイル=マグヌスは月詠小萌との対話で察してしまった。
故に、笑える筈も無かった。

明るく焼肉を食べに行こうと言った彼女が死ぬかもしれないのだから。

知らせぬ事は、罪悪を背負わせぬ為。
知れば、後悔する。
知れば、この状況であっても別の手を考えようとする。

彼らは、天草式十字凄教の者達はそういう人間なのだ。

だからこそ、土御門元春と月詠小萌は敢えて告げなかった。
人の身を以って災厄を鎮める『人柱』という忌むべき術式の行使という責を自身らが背負う為に。


自身の声で魔術師達の緊張が解れたのを察したか、彼女は陣の一点——生贄の立つ場所へと足を踏み入れ、

小萌「では——」

土御門「ちょーっと待つにゃー。あと五分、いや、あと十分くらい待って欲しいかにゃー」

小萌「…………十分、ですか。じゃあ、五本吸うくらいの時間はありますね」

携帯電話を耳に当てた土御門の静止の声に、月詠小萌は全身から力を抜き、ふう、と息を吐きながらポケットから煙草を取り出す。
そして咥えた煙草に火を点しながら、

小萌「……イレギュラーですか?」

土御門「いんや、切り札のおでましだぜい」

言葉と共に、土御門の顔に笑みが浮かぶ。
が、その目に在るは苦渋の感情。



小萌「ああ…………今更ながら……教師、失格ですね」

そう呟く月詠小萌の顔には自嘲。
気付かない訳が無い。気付かない振りなど出来る筈が無い。

それでも、止める事が出来ない。
力はあれども、彼女は万能とは程遠いのだから。
土御門元春の告げる切り札がなければ、アレを止める事など出来ないのだから。

どれほどの痛みを心に受けたか、月詠小萌の眼から涙が一滴頬を伝う。
その傍らで、

ステイル「十分か……いけるな」

建宮「ちょぉぉっ!?マントにもぐってなぁにやろうとしてんのよな!」

ステイル「ちゅぱ……ちゅぱ……」

建宮「おぉぉぉぉまえさんはぁぁぁなぁぁぁにやっとんのよなぁ!」

ステイル「ガリッ」

どれほどの痛みを棒に受けたか、ルーンを極めた魔術師が戦闘不能となった。

最後の1レス分のデータを間違って消してしまうという^p^

どうでもいいけど戦国大戦始めました^p^
マッハでICカードなくしました^p^

( ^ω^)ノシ

仕事が忙しかったんです!
嘘です!
戦国大戦に必死こいてました^p^!

——まるで天を仰ぐように、警備員達はビルの隙間から見える黒翼へと視線を向けた。
ざわめきは、伝播する。人から人へと、爆発的に。それを目の当たりにした者が幾人もいたが故に。

黄泉川「なん、で」

目を見開いた黄泉川愛穂もまたその一人。
生死を分かつ状況で、失血による意識混濁の中だからこそ強く目に焼きついたその翼が、再度、その視線の先で顕現するという事の意味。

瞳孔が絞られると共に、きゅう、と音がしたような気がした。

黄泉川愛穂は白い少年を知っている。
十全に知り尽くしているとまでは行かないまでも、彼の強さも弱さも知り、その上で、家族よりも近しい者に抱く感情を仄かにながら抱いていた。

速まる胸の鼓動が自身を追い立てるような、そんな感覚を覚えた。


黄泉川「どう、して」

だからこそ、立ち尽くす。
あの少年が。不器用な優しさに満ちたあの少年が、再び力を振りかざす事など微塵も想像していなかったから。
あの少年には明るい未来が待っていると、心の底から信じていたからこそ。

心の中で、理想が、幻想が、ガラスのように音を立てて砕けたような錯覚。

その破壊の余波が、思考を止める。
故に、発端が自身である事だと気付ける筈も無く。
自身が、少年の未来を左右する最後の鍵である事など、理解出来る筈も無く。

目に映る物全てを理外へと放り出したが故に、傍を抜ける影に気付く筈も無かった。



————


上条「……ごめんなインデックス。でも、俺にはこうする事しか出来ないんだ」

この場に居らぬ同居人に謝罪の言葉を吐きながら、上条当麻は壁に右手をつきながら、ただ先を、窓の無いビルを目指す。
その歩みは牛歩の如く遅い。が、それが今の彼にとっての最大速度。

一歩足を進めるたびに、言葉にし難い違和感が彼の身を襲う。
その苦痛は言葉に出来ぬほど。常人ならば、一歩も歩く事は叶わぬだろう。

それでも、彼の足は止まらない。
尻に石突を深く埋めて尚、穂先が地を擦る振動がその尻を襲い続けているにもかかわらず。

上条「…………一方通行。お前が笑っちゃいけねえって、幸せになっちゃいけねえって誰が決めたよ」

彼は見返りなど求めない。自身の犠牲を厭わない。
ただ彼は、見知った者が落ち込み、悲しむ顔を見るのが何よりも嫌いなのだ。

!!
ヤベェ全然話覚えてないわ


上条「もし、だけどよ……お前自身がそう思ってるってんなら、先ずは——」

不意に、彼の体が揺らぎ、右手が壁を擦った。
重力に惹かれるままに、その身は彼の意思を無視したまま、前のめりに、地面へと向かう。

その頬が地に触れた時、彼の心は、諦めを覚えるだろう。
その時、彼は一つの終わりを迎えるだろう。

もう二度と、何かに立ち向かう事など出来はしない。
彼は、一人の弱者へとなり果てる。

それはヒーローとしての、終焉。
それは上条当麻にとって、ある種の死と言っても過言では無いだろう。


やがて——鈍い音がした。


上条「————」

少年の半開きになった口から声が漏れる事は無かった。
閉じかけた瞼から窺える眼は呆として、その先を見つめる。

上条「あ——」

視線の先にあったのは、地面ではなかった。
よく見知った黒色の生地。そして、視界の端に映ったのは、

上条「あ、あ……」

彼の良く知るものと同じ、青色の髪。
思考に霞の掛かったままの上条当麻の声が震える。

青ピ「なぁ、上やん。無茶と無謀って、似てるようで全然違うと思うんやけど」

優しく、諭すように掛けられたその声に、上条当麻の意識は嫌が応にも引き戻される。
そして、その顔が、涙を堪えるように、痛みを堪えるように、くしゃくしゃに歪む。


上条「なんっ……でっ……」

何故こんな場所に来てしまったのかと。
何故自身の命を蔑ろにするような真似をするのかと。
頼むから、日常に戻ってくれ。こんな馬鹿は俺一人で十分だと。

呻きにしか聞こえない、掠れた声で上条当麻は憤る。

その言葉は、確かに青ピに届いた。
その筈なのに、彼はいつもと同じようにヘラリと笑い、

青ピ「なあ上やん。ボクかて、あーくんの友達なんやで?」

そう言い切った。



————


称するならば、滾り。
それは、彼の者の心身を支配する。

——汝の欲する所を為せ、それが汝の法とならん

その一文は、滾りに支配された彼の者にとっての真理。
彼の者が、理知的なる頭脳を行使出来る状態であったならば、それは容易く実行されたであろう。

しかし、それは心身を支配する滾りにより阻害されている。
そして、彼の者は自身が気付かぬ内に枷に束縛されていた。

——オカズが無ければ抜けぬ

米のみは食事にあらず。と同義であろう贅沢病に侵されてしまっていた。

故に、彼は悶え苦しむ。
触れれば迸るであろう滾りの元凶を持て余しながら。


つづーく

>>510
大丈夫、俺も昨日読み返した( ^ω^)



( ^ω^)ノシ

すごく今さらだけどサーオナルシコリティの空想力者の定義のある程度の素材って何を指すの?

自分がレベル2か3かわかんなくて困ってるんだけど…

気付けば一ヶ月ちょい放置
だが私は謝らない( ^ω^)ニコッ
投下に立ち会えたら明日は大吉!くらいの心持ちで行くといいんじゃないかと思います。

>>518
そうですね……残り香、膝裏、耳の穴辺りがボーダーラインですね。
絶対領域とかブラチラとかは、全力で運動したあとに夕飯が豚の角煮だったレベルです。
ご飯お代わりするだろ。三杯くらいお代わりするだろレベルです。

という訳でちょっくら投下するです。


——そこは、現と幻の交錯する場所。
現の法則が適応されながらも、それを観測できるのは只一人であるが故に。
観測者が、理を捻じ曲げる事の出来る力の持ち主であるが故に。

それ故、現と隔絶された場所。
物理的に、瓦礫を巻き上げる嵐によって隔絶された場所。
只の人には立ち入る事の出来ぬ場所。

そこに在る事の出来るのは只一人。
在る事の出来るのは、最強であった、最強であり続けるはずだった存在。

そう——

「…………無様、とでも言うべきか?」

——ただ一人だけの筈だった。


一方通行「……なンで、お前がいる」

イレギュラーに動揺する事も無く、一方通行は声の方へと振り返る。
その声で誰であるか察し、その上で、コイツならば。と思ったが故であろうか。

一方通行「店番はどォした、杉谷さンよォ」

杉谷「……俺としては、何故。と問われたところで、任務だから。としか答え様が無いのだがな」

不快感を露にした一方通行の言葉を受け流しつつ、杉谷は手にした紙袋を一方通行の足元へと放り捨てる。

一方通行「……」

杉谷「……?」

が、一方通行の目にその紙袋は映らない。
一方通行の思考と視線はそこに届かない。
彼の視線は、振り向いたまま、固定されていた。


杉谷は、一糸纏わぬ姿であった。
だが、その身には傷一つ無い。

衣服は犠牲となった。
衣服さえもこの瓦礫を撒き上げる嵐への供物となったのだ。

過酷という言葉に生温さを抱く程の試練。
それは、杉谷に昂揚を覚えさせ、更には彼が未だかつて感じた事が無いほどの性的興奮を覚えさせた。

一方通行「チッ……俺だってなァ、あとニ、三年すりゃァよォ、そン位に……」

杉谷「そこから、か。この学園都市の技術の粋を以ってすれば可能だろうが、それで並んで貴様の自尊心は満たされるか?」

一方通行「……成長期舐めンな」

一方通行の言葉に、杉谷は言葉の代わりに腰を振るって応える。
風を斬るは、彼らの立つ窓無き棺にも負けぬほどに雄々しくそそり立つ丸太。


その行為は明らかな挑発。
だが、一方通行の表情が変わる事は無い。
苛立ちを視線に乗せる事も、悔しさに歯を軋ませる事もなく、ただ一言。

一方通行「……用が済ンだンなら帰れってンだ」

そう吐き捨て、顔を背け————彼が顔を戻した時、杉谷の姿はどこにも存在しなかった。
まるで煙が逆巻く嵐に千々に刻まれたかの様に、杉谷がそこに在ったという痕跡は無かった。
一方通行の前に投げ捨てられたままの紙袋を除いて。

一方通行「……チッ」

一方通行はその紙袋に目を向けはしたものの、手を伸ばそうとはしない。

彼の心は今この時、乱れ、叩きのめされ、そして、萎れていた。
彼のポークビッツには勝っているが人並みとは言い難い逸物もまた、萎れていた。

それもまた当然。
いかに滾っていようが、同性の限界まで屹立したモノを見て滾りを維持できる筈がない。


一方通行「幾ら成長しよォがよォ、あンなもンに勝てる訳ねェだろォがよォ……」

—— 一方通行は、二度目の下半身的な意味での敗北を以ってようやく理解する。

貧乳であるが故に、如何にして大きくするかと苦悩する者の心境を。

喪男であるが故に、彼女持ちには無条件に見下されているいう錯覚を。

巨乳と並んで歩き、視線が隣にばかり向かう者が覚える屈辱を。

持たぬが故に覚え、伴侶を持つ者へと向けてしまう嫉妬を。

そして、自身がどう足掻こうが決して届く事は無いという————諦念を。

前へと進む力を削ぎ、未来を奪わんとする猛毒。

彼は気付かない。
その理解が、心を蝕む毒だという事を。

彼は気付けない。
その毒が、前へと進む力を削ぎ、未来さえも奪わんとする猛毒である事を。

彼は未だ気付けないままでいる。
その眼前に在る紙袋が微かに透け、その中身が毒への特効薬である事を示しているというのに。

彼には見えていないのだ。
微かに透けた、巨乳大全の文字が見えてはいないのだ。


一方通行「幾ら成長しよォがよォ、あンなもンに勝てる訳ねェだろォがよォ……」

—— 一方通行は、二度目の下半身的な意味での敗北を以ってようやく理解する。

貧乳であるが故に、如何にして大きくするかと苦悩する者の心境を。

喪男であるが故に、彼女持ちには無条件に見下されているいう錯覚を。

巨乳と並んで歩き、視線が隣にばかり向かう者が覚える屈辱を。

持たぬが故に覚え、伴侶を持つ者へと向けてしまう嫉妬を。

そして、自身がどう足掻こうが決して届く事は無いという————諦念を。

彼は気付かない。
その理解が、心を蝕む毒だという事を。

彼は気付けない。
その毒が、前へと進む力を削ぎ、未来さえも奪わんとする猛毒である事を。

彼は未だ気付けないままでいる。
その眼前に在る紙袋が微かに透け、その中身が毒への特効薬である事を示しているというのに。

彼には見えていないのだ。
微かに透けた、巨乳大全の文字が見えてはいないのだ。



〜〜その頃のロシアン〜〜


番外個体「……ぅひぃ」

滝壺「……ぬふぅ」

浜面「おいおい、どうしたよ二人揃って変な声上げて」

番外個体「ぅうーわ何コレ……これキツ過ぎてミサカすっごい頭痛いんだけど……」

浜面「風邪か? 体調悪いなら寝た方がいいんじゃねえか?」

滝壺「違うよ浜面」

浜面「違うって……じゃあ」

滝壺「来るの。招かねざる客、極東からの来訪者が」

浜面「……?」

番外個体「うぅー……あぅ、やば、ちょっ、ミサ、カ、トイレに隠れ、て

バンッ



御坂「フヒヒwwwwwwwwwww上条総受け百本勝負本があると聞いてはるばる学園都市からやってきたでござるよwwwwwwwww」


白井「お姉様×お姉様20002本勝負本があると聞いてきましたのwwwwwwwwwwドゥフフフwwwwwwwwwwwwwwww」


番外個体「おそ、かった……」

御坂「無いなら出来るまで待つでござるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww待つでござる」

白井「何年でも待ちますことよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれこそ苔のむすまで」

浜面「なんで第三位と金魚の糞が……って、コレがアレか。滝壺が云ってた奴らか」

滝壺「……う、ん……零距離だと毒電波ががががががが……」

浜面「滝壺? 滝壺!?」

滝壺「浜面の汁だく本を作れって私の中のゴーストが囁いた(キリッ」

浜面「うぉぉぉぉぉい!?」

麦野「あ、それ私も読みたいから手伝うわ」

浜面「ちょぉぉぉぉぉ!?」


続く

さあ、投下が先かDat落ちが先かのチキンレース( ^ω^)ノシ

——嗚呼、と絶望交じりの吐息を漏らしたのはどちらであっただろうか。
頬を撫でる、髪を梳く、と喩えるには余りに強き風がその溜息を彼方へと飛ばす。
上条当麻、そして青髪ピアス。そのどちらもが、圧倒されていた。

既に見ていた筈なのに。
容易く想像出来た筈なのに。

それでも尚、彼らの眼前にあるそれは、絶望を覚えさせるに充分過ぎた。

彼らの目の前には、窓の無いビルを囲む余りにも巨大な竜巻。
もし仮にレベル5の空力使いの能力者がいたとして、これほどのサイズと風力を作り出す事ができるだろうか。

青ピ「なぁ、上やん。これってあーくんがやっとるんかなぁ……」

上条「……だろうな」

声に滲む感情は畏怖。


そして——

青ピ「間違いなく、恥ずかしい事やっとるんやろうなぁ……それ以外でここまでやる必要性なんて考えられへんしなあ」

上条「つまり、家で出来ないからってビルの屋上でオナニーやろうとしてんだな……」

青ピ「それしか考えられへんよなぁ……あかんなぁ、こんなんあーくんにはまだ早すぎるで!」

上条「こんな……みんなに迷惑を掛けるようなオナニーは、オナニスト失格としか言い様がねえ!」

——理解。そして同情。
それが勘違いであろうと無かろうと関係ない。
彼らは若いのだ。暴走する年頃なのだ。

青ピ「……ボクらが、止めるんや」

上条「……ああ!」

その青さは、若さは、時として強さとなりうる。
不条理を、絶望差を打破し、磐石を覆す力になり得る。


そして——

青ピ「間違いなく、恥ずかしい事やっとるんやろうなぁ……それ以外でここまでやる必要性なんて考えられへんしなあ」

上条「つまり、家で出来ないからってビルの屋上でオナニーやろうとしてんだな……」

青ピ「それしか考えられへんよなぁ……あかんなぁ、こんなんあーくんにはまだ早すぎるで!」

上条「こんな……みんなに迷惑を掛けるようなオナニーは、オナニスト失格としか言い様がねえ!」

——理解。そして同情。
それが勘違いであろうと無かろうと関係ない。
彼らは若いのだ。暴走する年頃なのだ。

青ピ「……ボクらが、止めるんや」

上条「……ああ!」

その青さは、若さは、時として強さとなりうる。
不条理を、絶望差を打破し、磐石を覆す力になり得る。


——その証拠と云うべきか。
上条当麻は力強く地面を踏みしめ、滾りを呼気に乗せ、自身の切り札である右拳を硬く握り締める。
その様は、つい先ほどまで半死人であったとは、未だ尻に槍の石突きが刺さっているとは思えぬほどの力の漲りを感じさせる。

青髪ピアスもまた同様。
その顔から、笑みは消えていた。
常日頃身に纏っていた緩い雰囲気は裏返り、獣の如き、危うさすらをも含むものへと変化する。

上条「コレが能力でやってるってんなら——」

青ピ「————ここは、ボクに任せてもらうで」

上条「ッ!?」

五体満足と満身創痍の差か、上条が駆け出した時既に青髪ピアスは荒れ狂う竜巻の直前。
勢いのまま、躊躇無く突き出されるは青髪ピアスの両掌。

青ピ「ボクの本気、見せたるでぇぇぇぇっ!」

叫びと共に両掌が竜巻に触れる。
共に巻き上がるは砂塵。
響くは金切り音。


——その証拠と云うべきか。
上条当麻は力強く地面を踏みしめ、滾りを呼気に乗せ、自身の切り札である右拳を硬く握り締める。
その様は、つい先ほどまで半死人であったとは、未だ尻に槍の石突きが刺さっているとは思えぬほどの力の漲りを感じさせる。

青髪ピアスもまた同様。
その顔から、笑みは消えていた。
常日頃身に纏っていた緩い雰囲気は裏返り、獣の如き、危うさすらをも含むものへと変化する。

上条「コレが能力でやってるってんなら——」

青ピ「————ここは、ボクに任せてもらうで」

上条「ッ!?」

五体満足と満身創痍の差か、上条が駆け出した時既に青髪ピアスは荒れ狂う竜巻の直前。
勢いのまま、躊躇無く突き出されるは青髪ピアスの両掌。

青ピ「ボクの本気、見せたるでぇぇぇぇっ!」

叫びと共に両掌が竜巻に触れる。
共に巻き上がるは砂塵。
響くは金切り音。


上条「バッ……青ピ!大丈夫か!?」

上条当麻の脳裏に浮かぶは、両腕を言葉道理破砕した青髪ピアスの姿。
その未来は、彼の知る青髪ピアスであったなら現実となったであろう。

しかし、上条当麻は青髪ピアスという人間の本性を知らない。
彼の能力を、『強制固定(ビガーパンツ)』ちんこの皮を固定するだけのものと侮っていた。

が——その侮りは、一瞬にして払拭される事となる。

青ピ「——どや、上やん」

上条「あ——」

上条当麻の目に、その光景はどう映っただろうか。
我が目を疑うように何度も瞬きし、その目を擦り、それでも我が目が信じられぬのか、右手を両の目に触れさせる。

その両目が映すのは、時の流れから取り残された竜巻。
不定であり、流動であり、現象であり、奔流であったそれは、今この時、完全に固定されていた。


青ピ「ボクかて、捨てたモンやあらへんやろ?」

上条「こ、これ、お前がやったのか? お前、レベル1だったはずじゃ……?」

上条当麻の震える声に、青髪ピアスは小さく頭を振る。
言葉で否と答えるには、騙していた時間が長過ぎた。
容易く、嘘を吐いていたと告げるには、余りに親しくなりすぎたのだ。

青ピ「……後で本当の事言うから、今は堪忍な」

そう呟く青髪ピアスの身体は、無残な状態だった。
竜巻に触れた衝撃による数多の傷が肌に刻まれていた。
衣服はまるで爆ぜたかのように、欠片一枚すら残っていない。

上条「……分かった」

上条当麻は頷く他なかった。追求など出来よう筈がない。
全裸の親友にその様に乞われて尚追求など出来る筈も無かった。


青ピ「さあて、行こか」

上条「ああ……」

青髪ピアスの言葉に頷きを返したその時、

上条「あ?」

青ピ「どないしたん?」

上条当麻は、鼓動を感じた。
胸ではなく、尻に。

上条「なにが……いや、俺はコレを……?」

青ピ「ホラホラ行くで」

上条「あ、ああ……」





青ピ「上やんのアホォォォォ!絶対触ったらアカンゆうたやないかぁぁぁぁっ!」

上条「無理言うなぁぁぁっ!不幸だぁぁぁぁぁっ!」

つづく


短いわ繋がりおかしいわでもうねてへぺろ


青ピ「さあて、行こか」

上条「ああ……」

青髪ピアスの言葉に頷きを返したその時、

上条「あ?」

青ピ「どないしたん?」

上条当麻は、鼓動を感じた。
胸ではなく、尻に。

上条「なにが……いや、俺はコレを……?」

青ピ「ホラホラ行くで」

上条「あ、ああ……」





青ピ「上やんのアホォォォォ!絶対竜巻に触ったらアカンゆうたやないかぁぁぁぁっ!」

上条「無理言うなぁぁぁっ!不幸だぁぁぁぁぁっ!」

つづく


短いわ繋がりおかしいわでもうねてへぺろ

prpr

——風の音が止んだ。

最初はそれを、錯覚か。と疑った。
そして、自身の感覚が世界とズレ始めたのか、と疑った。
然程の時を経ずして、一方通行は否。と断じた。

それは錯覚でも無く違和でも無く、純然たる事実。
彼の眼前で、確かに竜巻は時の流れから切り離されていた。


理解の後に生まれたのは、新たな疑問。
それを誰が行う事が出来ようかという疑問。

——アレイスター。
否。アレなら、今この状況がアレにとって不都合な状況ならば、もっと直接的な手段を取るだろう。
回りくどい事をするならば、一方通行に近しき者——例えば黄泉川愛穂などを手に掛け、それを見せつけるであろう。

それに類するエイワスもまた同様。

ならば——魔術師。
それもまた否。一方通行は、学園都市と魔術師という存在の関係を漠然ながら理解している。
学園都市のレベル5筆頭である自身が、学園都市にある意味反旗を翻しているこの状況は、魔術師という存在にとって阻害する理由は無い。

それなら——

一方通行「……カッ」

—— 一方通行は、緩やかに、睾丸を震わす。
この学園都市に於いて、アレイスターを除き唯一、十全を知る事が出来ず、尚、この現象を起こしうる可能性を持つ存在に思い至ったのだ。

ナンバー6。

レベル5の中で唯一、名も能力名も明記されぬ存在。
一方通行ですら、その片鱗に触れる事の出来ぬ存在。

一方通行「なァンで動いてンのか知らねェが……敵対するってンなら、近代芸術の列に加えてやンよ」



————


「……なんでしょうかアレは。と……」


何気なく空を見上げた誰かが、ぼそりと呟いた。
その声は、誰にも届かない。呟きを発した者自身の口内でのみ、響いた。

その者は、生まれて初めて我が目を疑った。
生まれて初めて、疑うと云う思考を持った。
歳若き故に少なき記憶の中から、該当するものは無いかと全力で思い起こした。

「本当に、なんあのでしょうか。と……」

彼女の記憶の中に該当するものは確かにあった。
しかし、記憶の中のそれと、その眼が映したものが結びつく事は無い。

形状は同じであれど、大きさが、違いすぎた。
そして、その者が見たそれには翼が生えていた。

空を舞うは、巨大なパンツ。
奇しくもそれは、その者が履いているものと同じ柄であった。


呆、とした表情のまま、その者は竜巻の方へと向かうそれを眺め続けた後、

「……これが、白昼夢というものですか。と、ミサカは自身が観測した現象についてそう結論付ける事にしました」

その者————彼女の名前は御坂10032号。
彼女はこの日、生まれて初めて折り合いを付けるという事を知った。
一つ大人になったのだ。彼女が夢見る大人のレディーへと一つ近づいた日だった。



————


——黄泉川愛穂という人間にとって、この行為は正しいものであっただろうか。
彼女は、自身にそう問い掛ける。答えなど帰ってくる筈もなく、そもそも答えなど在るかどうかすら怪しい疑問を。

それでも、彼女の足は止まらない。我を忘れたかの様に、走り続ける。
思考の片隅を過ぎるのは、任務放棄、独断専行等の逸脱行為による始末書の枚数。

一瞬、黄泉川愛穂の表情が歪む。しかし、足を止めるには至らない。
彼女の頬には少しばかりの赤らみ。その心臓は、常よりも幾許か高鳴り続ける。

黄泉川「クッソ、コイツは…………洒落になんないじゃんよ」

——黄泉川愛穂は不幸であった。
今この時、この瞬間に於いては上条当麻並に不幸であったかもしれない。

完全に、忘れていた筈だった。
そもそも記憶していなかった筈だった。


白磁のような肌に触れた事など。
薄く、華奢な胸を抱きしめた事など。
吐息が交わるほどに唇を近づけた事など、記憶していなかった筈だった。

だが、その記憶は今この時、完璧なまでに蘇った。
とある本屋の店長が魔術的な云々かんぬんで介入をおこなったが、それは、ほんの僅かな切欠に過ぎない。
脳が忘れていても、皮膚が、筋肉が、神経が、そして————心が覚えていたのだ。

黄泉川「あぁーもうっ!わっけわかんねえじゃんよぉぉぉぉぉっ!」

彼女、黄泉川愛穂は今この時ようやく自覚した。
自身が恋をしていると。しかも、十二支一回りも離れた少年に——

つぢゅく

エークラ打ってくるノシ

——轟くは破砕の音。
音は、衝撃を伴って拡散される。
押し広げられた大気は密度を増し、視を阻み、像を歪める。

竜巻が静止している間に、如何程の運動エネルギーが蓄積されていたか。
衝撃波に触れたビルにはヒビが入り、防弾ガラス並に耐衝撃性に優れた窓ガラスが一つ残らず砕かれていく。
その勢いは幾ら拡がろうと、微塵の陰りも見られない。

——だが。
窓の無いビルを中心とした、半径1キロの地点を越えようとしたその時。

衝撃波は、不意に消失した。
スカートの端を煽る程度の風すら残さずに。

それは、偶然でなければ奇跡でもない。
言うなれば必然。当然の結果。


魔術を学び、地脈についての知識を幾らか学んだ者であれば、一種の結界によって衝撃波が止められた事を理解出来たであろう。
加えて魔力の流れに敏感であったなら、衝撃波の消失した瞬間に力が消失したのではなく、“どこかに送られた”という事実に怖気を覚えただろう。

——歪めた地脈を衝撃を送るパイプとし、一点に集めるなどという行為が正気の沙汰である訳がない。
一点に集めるという事は、その一点に全ての力が集約するという事。
集約した衝撃を処理し切れなければ、力は歪められた地脈へと逆流し——歪められているが故に、地脈は容易く崩壊する。

結果引き起こされるのは、学園都市という存在自体の崩壊。

防ぐ為に必要なものは器。もしくは触媒。
一点に集約された衝撃を受けきるか、それとも置換するか。
出来なければ、この都市は崩壊する。

陣を張った者はそれを十全に理解しておきながら、実行に移した。
全ては、学園都市を、大切な者を守る為に。


土御門「おぉう、コイツは何というか……いや、俺には舞夏がッ……!」

建宮「この建宮斎字……何故に今時カメラの無い携帯を買ってしまったのかと心底後悔しているのよな……」

ステイル スココココココ

月詠「あわわわわわ! そ、そんな目で先生の事ガン見しないでほしいんですー!」

衝撃を受け止めた反動であられもない姿となってしまった月詠小萌をガン見するその姿に、崇高な意思など微塵も感じられる事は無い。

だが、それもまた致し方なし。

土御門元春の頭頂に生えた二本の耳が屹立するのも無理は無いだろう。
建宮斎字が新たなる属性に目覚め、熱き迸りに頬を濡らし、歯を食い縛る事もまた然り。
だが、ステイル=マグヌスは自粛すべきである。流石に若さ故の過ちでは済まない。

月詠小萌は今この時————“見えそうで見えない”を完璧という言葉ですら賞賛としてまだ足りぬほどに体現していた。
模造品とはいえ、神であるが故に為し得た奇跡を目の当たりにしているのだから。

嗚呼、チラリズムかくも素晴らしきものであったか。



————


時は僅かに遡る。
詳細に記すならば、竜巻が束縛より放たれて0.734秒後。多分そのくらい。


——しましまパンツは空をとんでいました。
とてもに大きく、あの日でもないのにはねつきだったせいで、パンツと思われなかったパンツは空をとんでいました。

しましまパンツにはなかの人がいました。
なかの人は、ざんねんな人でした。

なかの人はパンツがだいすきで、いつもサドルになりたいとかパンツになりたいとか思ってました。
だから、たまたま見つけたトイレのがれきでほねぐみをつくって、俺が縞パンだ!とさけびながらパンツになりました。

これでがくえんとしの2ばんめなのだから、このまちにはあたまがよくてもアホしかいないということがよくわかります。

なかの人は、なにをしようとしていたのかわすれて、じゆうきままに空をとんでました。

そのちょくご、

かきね「ちょっ、えっ、あぷばっ!」

たつまきがかいほうされたしょうげきをもろにうけたパンツは、バラバラになりました。
まかいとうしのラスボスなんてひじゃないくらいに。
ちから99になったしゅじんこうのバトルハンマーのいちげきでのされるザコてきよりあわれなくらいに、めたくそにされました。

BGM:勇気一つを友にして



————


——天地が流転し、五感は攪拌され、世界は上条当麻の知るものとは異なる様相を晒す。
身体は高層ビルの屋上を超え、その傍を外人の一物と同程度の大きさのコンクリート片が通り過ぎる。
これは死ぬな。果たしてこれは幾度目の死であろうか。と、上条当麻の脳は至極冷静に、自身の死亡回数をカウントし始める。

彼が不幸を常としているという事は、この状況に置かれているという時点で云うまでもなく。

故に、と言うべきか。
彼、上条当麻は死という物に触れ過ぎていた。馴れすぎていた。
だから、それが最後の死になり得るという事に気付けずにいた。

傍らの青髪ピアスが周囲を固定し、防護幕を作っているその時も、まるで他人事のように、眺めるばかり。
自身がどうすれば助かるかなど微塵も考えもせず。


それ故——

青ピ「——上やん!」

青髪ピアスが叫んだ時既に遅く——

上条「おふぅ!」

肉体、精神共に無防備であった上条当麻の尻より伸びる槍に、コンクリートの塊は、直撃した。

声にならぬ苦痛。
それを以ってようやく実感される死への恐怖。
度を超えた痛みを受けたが故の、瞬間的な自我の消失。

ただの一瞬であったかもしれない。
だが、その一瞬は上条当麻という存在の本能、そして本質が表に出るには十分過ぎる時間であった。

生まれた熱は、過去に一度感じたもの。
覚えた感覚は、自身の内より何かが生まれる痛み。
それは、覚醒というべきか。それとも、進化というべきか——


青ピ「上やん!起きとったら返事……」

——言葉は、爆ぜる音によって遮られた。
青髪ピアスの眼前で、何かが爆ぜた。
そして、うねる様な音と共に、まるで上条当麻を守るかのように————何かが、顕現した。

顕現した何かは、近辺の上条当麻に危害を生す存在全てを敵と見なしたが如く、瓦礫を打ち払い、破砕し、穿ち抜く。
ただの一瞬で、その空間は砕かれた瓦礫によって砂漠の如く砂塵の舞う状況へと成り変わる。

青髪ピアスは、全てを見た。
上条当麻の尻の辺りが爆ぜる瞬間を。
そこから生まれた何かを。

青ピ「……嘘やん」

その言葉は、彼の本心を吐露したもの。
見たものは、人には存在せぬ——いや、辛うじてそれが存在していた名残を残すのみの筈である部位。
見たものは、雄々しき柱。


——否。それは柱などではない。
大黒柱を思わせるほどに太き尻尾。
それが、上条当麻の尻から生まれていた。

上条「——心配かけちまったな。青ピ、お前の方は大丈夫か?」

青ピ「ぼ、ボクの方は問題あらへんけど、上やんのそれ……」

上条「……コレか。一体なんだろうな」

そう呟く上条当麻の視線は、自身の尻の方へと向かう。
彼の尻に生まれたのは自身の思うがままに動き、岩塊すら容易く打ち砕き、穿ち貫く尻尾。

それは“竜王の顎”と対をなす“竜王の尾”
尻に挿した物の特性を理解し、更には曲解した上で自身の身体の一部として扱う事の出来る特性。
五和の手によって挿された海軍用船上槍は今この時、上条当麻の身体の一部と化したのだ。


上条「夢じゃ、ねえんだな……」

青ピ「夢やったら良かったんやろうけどなぁ……」

上条「ああ…………チクショウ、これから先、下に何履けばいいんだよ……」

青ピ「そんな事より上やん」

上条「……なんだよ」

青ピ「何かボクら落っこちてるんやけど……」

上条「えっ、おあああああああああ!」


上条「夢じゃ、ねえんだな……」

青ピ「夢やったら良かったんやろうけどなぁ……」

上条「ああ…………チクショウ、これから先、下に何履けばいいんだよ……」

青ピ「そんな事より上やん」

上条「……なんだよ」

青ピ「何かボクら落っこちてるんやけど……」

上条「えっ、おあああああああああ!」

つづきゅ☆ミ


エークラうたずにGOD打ったら神二回
しかし15連
サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/

——『人間』の硝子越しの先にあった世界を映す小窓が、次々と消滅していく。
空間上にあった実体を持たぬそれらは、幻想であったかのように消え去っていく。
最後に残された一つは、唯一実体を持ち、厚みを持ち、電波を受信し、電気で作動する小窓。

人、それをテレビジョンという。

それもまた映像にノイズを交えた後、完全に沈黙。

「……先ほどの一撃の影響か」

苦さを覚えたかのような表情で呟きながら、『人間』は瞑目する。
そして思考する。後悔する。もっと早くテレビを換えるべきであったか。と。
が、この都市の開発に着手してから今この時まで、余りに永い時を共にして来た同胞をそう容易く替える事等出来るはずもなく。

『人間』は瞑目したまま、天地逆転した状態で、黒色の何かを片手に、ビーカーの中に浮いていた。
故に、テレビに触れる事は出来ない。

更に、先程の衝撃で通信網にトラブルが生じたか、通信がどこにも繋がらない。
それ故、『人間』はテレビに絶妙な角度で打撃を入れる事が出来ずにいた。


「……状況把握も出来ず、暇潰しも許されない。というのは少々退屈が過ぎるな」

言葉と共に、鈍い音が二度鳴った。
それが何の音であるかを理解するのは、観測者である『人間』——そして、もう一人。

「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!」

召喚され、頭部をテレビの角で強打し、のたうつ者。

直後、沈黙していたテレビが再び像を映し出す。
映し出されたのは、

篝火の前に棒立ちとなった、人に持てるとは思えぬ巨大な鈍器を片手に、頭に宝箱を被り、
胸元まであるコルセット付きの白スカートを履いた、太ましき中年男性のキャラクター。

「むぅ……心の狭い黒ファンだったか……」

それを眺めながら、『人間』は床でのた打ち回る者に目もくれないままに溜息を吐く。

それから数秒した頃だろうか。
ようやく『人間』は、未だ床でのた打ち回り続ける者へと目を向けた。

「余り無様な姿を晒すな。それでも君は————」

「んごぉー!ごっ!もごぉー!」

『人間』はそれに何を見ただろうか。
それは『人間』と酷似していながら——否。同一でありながら、余りに違っていた。


身体は縄で芸術的な縛りを施され、両の眼は革製の目隠しで封じられ、

鼻腔は金属製のフックによりその内側を醜く晒し、

口腔は穴の開いたピンポン球の如き物で閉じる事すら叶わず涎を垂れ流し続け、

よくよく見れば腋毛はペルシャ絨毯の様に緻密な編込みが施され、両の乳首には特に何もなく、

股間には“未元工房”最終作『未元淫孔(ダークアナー)』

尻に深く突き刺さるは衝撃の杖、

そして————脛毛は一毛たりとも余す事なく無理矢理三つ編みとされていた。

「エイワスめ、悪戯にしては度が過ぎているぞ…………まぁいい」

その呟きと共に、再び、鈍い音が二度鳴った。


「……」

「もごぉ……ぐっ……もぐぅ……」

再度、どこからともなく落下して来た者もまた、芋虫の如くのた打ち回る。
更に八度、鈍い音が鳴る。全てが、見てはならぬものであった。

「……ぁ」

『人間』は、それらから目を逸らす事が出来ずにいた。
ただ眺め続ける事しか出来ずにいた。
『人間』が下界に直接手を下す為のもっとも有効な手駒全てが、彼の眼前で芋虫と化しているが故か。

「……」

『人間』はどうする事も出来ずにいた。
滞空回線からの情報は断絶、通信の接続も遮断され、自身の手足たる自分自身すら封じられた今この時の彼は籠の中の鳥も同然。
いや、籠の中の鳥がまだマシであろう。自身の声が誰かに届く可能性があるのだから。

『人間』の声は決して誰にも届く事はない。
少なくとも、事が全て終わるまでは。

——幸い、と言うべきであろうか。
『人間』はただ一点を見つめたまま放心していた。
故に、自身が籠の中の鳥よりも惨めな存在である事に気付けない。

『人間』視線の先にあるのは初代PS3(20G)
正しく述べるならば、初代PS3(20G)であったガラクタ。
10時間に及ぶキャラメイク、そして1200時間に及ぶ人間性とソウルの結晶は、永久喪われてしまったのだ。



————


結標「……どうにも騒がしいわね。海原、貴方何か聞いてないの?」

端末で暗部内を行き交う情報を見つめながら、結標淡希は向かいのソファーにて煎茶を啜る同僚、海原光貴に尋ねる。
しかし尋ねられた当の本人は聞こえていないかの様に、ずず、と煎茶を更に一啜りした後、茶請けの芋羊羹を齧って頬を緩ませていた。

結標「海原。ねえ海原、聞いてるの?」

海原「あ、ああ。そう言えば海原は僕でしたね。申し訳ない」

結標「……知り合いの見舞いに行く度にそうなって帰ってくるわよね」

海原「あの子と一緒にいると昔に帰った気分になってしまいまして……心の切り替えが上手くいってないのでしょうね。それで、何の話でしょう」

結標「外が騒がしいみたいだけど、あなた何か聞いてない?」

結標の言葉に海原は首を横に振り、再び煎茶を啜り始める。
何かを聞いていたとしても、何らかの命令を受けていたとしても、結標の疑問を晴らす答えが彼の口から出る事はない。


それも当然。今回の件の全容を知るのはアレイスターとエイワスのみ。
彼らから命令を受けた者らも、

『本屋でエロ本の置き位置を少し変える』
『いつもよりも生地の薄い、乳を強調した服装で街を歩く。但し巨乳に限る』
『雑誌の表紙、広告の看ををいつもより少しだけ際どい物に変える』

などという、それだけでは何の意味も持たぬセクハラまがいの命令では意図を理解出来よう筈もない。
故に、理事長も遂に気が狂ったか。理事長も色を知る歳か。などという言葉と共に、その命令は意図を深くまで探られる事もなく果たされた。

——社会人であれば、上の人間の気が狂ったなど考えたくはない。
伝聞であっても広めるなど以ての外なのだ。


それ故に、結標には何の命令もなく、何らかの情報が届く事もなかった。
もし彼女に命令が届き、いつもより生地の薄い服を着よう物ならば色々と見えてしまうから。

彼女自身が意図せずにとしても、一方通行の目の前で扇情的な行動を取ってしまったならば。
果たして、一方通行に少年性を見出してしまった結標淡希は情欲の獣と化した一方通行を撥ね退ける事が出来るであろうか。

答えは否。
心情的に。という点もあろうが、それ以前に彼女と一方通行にはどうしようもない程の実力の差がある。
如何な手段を使おうと組み伏され、贄となる未来しかないだろう。

そうなってしまっては、色々と青少年の健全な育成を疎外するような描写を入れねばならない。

とある魔術の禁書目録は一応全年齢対象である。
その二次創作であるとある豆芽の手淫進化も一応全年齢対象なのだから、その様な描写は避けねばならぬのだ。


海原「……僕達には特に命令も降りていない訳ですし、このままでいても良いのでは?」

結標「そう、だけど……」

言葉尻を濁しながら、結標は思考を巡らせる。
彼女の脳内を巡るは、都市内の騒動の理由と、学園都市理事長への反逆の糸口。
その思考は『グループ』という暗部組織の中で反骨精神溢れる者共の一員であったが故か。

否。それは彼女が元々持ち合わせていた気概。
元より彼女は学園都市に対する反逆者である。
それは今尚変わらない。

だからこそ、彼女には、グループという組織に属する者達には素質があった。
最低の結末を認めず、否定し、拒絶して、最高の結末を手に入れる鍵となり得る素質が。


結標「……」

海原「おや、どちらへ?」

結標「この状況なら、上層部に食い込む隙がどこかにあるかもしれないでしょ?」

海原「……なるほど」

頷きと共に、海原は湯呑みに入った煎茶を飲み干し、残った芋羊羹を口の中に放り込む。

海原「はらは、ほふほひっひょひひひはひょう」

結標「……日本語で喋ってくれない?」

海原「ほっほひふへひ……土御門から、貴方が動いた時に共に動け。とのお願いがあったもので」

結標「土御門が、ねぇ……」

どこまで読んでるんだか。と口中で呟きながら結標は扉へと向かう。











海原「……まだ、ですか」

結標「一週間振りなの!もうちょっと待ってなさい!」

誰も玄関とは書いていないのであった。



————


——竜巻の消えた学園都市。
その中枢、窓のないビルの周囲は静寂に包まれていた。

静寂を終わらせたのは、貫きの音。
一本の柱が、窓の無いビルの壁を穿ち貫いた音。

柱はしなり、逆の側を天へと、屋上へと運ぶ。
屋上へと運ばれたは上条当麻。そして、令嬢の如く抱えられた青髪ピアス。
白色の少年は、下半身をさらけ出したまま、声を出さずに笑う。

三つの視線は濃密に蜜時の舌の如く、濃密に絡み合う。
だが、その表情は友であるとは思えぬほどに殺伐としたもの。

始まる。
終わりが、始まる。


神裂「ああ……今日は貴方の温もりがひとしお愛おしいです」

洗濯機「……」ゴゥン

tuduku

まともな人間いねえなあ

——始まりに言葉は無かった。
三者が口を開くより、言葉を紡ぐより先に、親指ほどの大きさの金属製円錐が一方通行の眼前にあった。

放ったのは青髪ピアス。
固定時に運動エネルギーが蓄積される事を利用した、不意を突いた一撃。
当然の如く、それは容易く放った者の元へと反射され——

青ピ「格下やからって舐め過ぎやであーくん」

——青髪ピアスの額、薄皮一枚分手前で停止する。

一方通行「——オマエが舐め過ぎてンだよォ!」

が、その時既に一方通行の姿は青髪ピアスの眼前。
固定された円錐を押し込まんばかりに、彼の掌は放たれていた。


しかし、

上条「甘いっつうの!」

一方通行「チイッ!」

異音と共にそれを阻むは上条当麻の右手。
止められたと気付くと同時に、一方通行はその身を翻し左足で床を擦りながら能力を発動。

巻き上がるは、床に落ちた瓦礫、そして砂塵。
銃弾の如き速度でそれらは障壁を生み出し——

青ピ「うーん……僕の能力、さっき見せた上に銭湯で説明したと思うんやけどなあ」

——直後、それは固定される。
視界を阻まれた。と一方通行が悔いたと同時に、障壁は穿たれる。
それが何かと気付くより先に、一方通行は能力の加減すらままならぬまま、大きく飛び退く。

過去の、『実験』の最中の一方通行であったなら、それを反射しようとして、最悪の形で戦闘は終了していただろう。
だが、今の一方通行に慢心はない。頭に血を上らせる事もない。血を集めるのは股間ただ一点のみ。


一方通行に蓄積された戦闘経験と、実践の中で研ぎ澄まされた直感。
それが、障壁を穿ったものが危険極まりない存在だと警鐘を鳴らした。

銃弾と等しき攻撃の速度が、ではない。
窓のないビルの外壁を貫く鋭さ、でもない。
それは、もっと別の、もっと危険な本質を秘めた何か。だと一方通行は判断した。

その警鐘は正しい。
自分だけの現実を保持し、その上で魔術の存在、概念を身を以って知った一方通行だからこそ——

上条「おおおおおおおおおおおおおおっ!」

一方通行「クソがァ!」

——上条当麻の尻より生えた竜王の尾の存在を、現実として、脅威として受け入れた。
故に、反射を行おうとはせず、出来うる限り接触せぬよう大きく回避を続ける。


が、それは長くは続かない。
大きくしなった竜王の尾の薙ぎ払いを避けようと跳躍し、彼の足元を丸太の如き尾が通り過ぎた直後、

青ピ「あーくーん? 上やんばっかやなくて僕にも構ってーや」

その身体は、彼の頭上に在った青髪ピアスの作り出した見えない壁に阻まれた。

一方通行「ぐゥ……ドサンピン風情がやってくれンじゃねェか」

衝撃は自動的に相殺されたとは言え、予想外の事態に一方通行の着地の姿勢は乱れる。
規則的に揺れていた玉袋もまた、竿と共に大きく振るわれた。

青ピ「そらなあ、僕ってやる時はやる男やし……そんな事より、よそ見しとってええんかいな?」

そして、一方通行が青髪ピアスの言葉につられるように、彼の視線を追った時——眼前には再度打ち振るわれた竜王の尾。


一方通行「————」

思考より先に反応したのは本能。

一方通行「立派なモン生やしたからって調子に乗ってンじゃねえぞォォォォォォォッ!」

上条「俺だって好きで生やした訳じゃねぇぇぇぇぇぇっ!」

叫びと共に顕現するは、彼の身を覆う程度の大きさの猛禽類の翼に似た黒翼。
大きさ、という観点のみで言えば彼が今までに顕現させたものとは比べるべくもない。
だが、その一対の黒翼に凝縮されたエネルギーの密度、そして安定感はかつて顕現させた黒翼とは天と地ほどの差があった。

——竜王の尾に対し一方通行が覚えた感情は、恐怖でも戦慄でもなく落胆。
無能力者でありながら、塵芥の如き存在でありながら、二度までも己を止めてみせた者の輝きが急に色褪せてしまったかのような錯覚。

人が化け物を打ち倒すからこそ意味があるのだ。
化け物同士が殺し合えばただ強い方が生き残るのみ。

ならば。
化け物同士であるならば。
そちらが化け物として自身に襲いかかるのならば。

己もまた、化け物として相手する他ないのだろう。

——竜王の尾と黒翼が触れ合う。その能力を侵し合う。人に在るはずのない部位を砕き合う。
生まれた異音は軋みと言うには余りに大きく、歪で、不定で、まるで

上条「一方通行ァァァァァッ!」

一方通行「三下ァァァァァァッ!」

人の身では持ち得ぬ力を持ってしまった少年達(ばけものども)の咆哮の様だった。


続く

仕事が忙しいほどスラスラ書ける仕様みたいですor2

or2=3 プヒー

新年じゃないですかー
来月でSの壁越えちゃうじゃないですかー(年齢的な意味で)
やだー!

という訳であけましておめでとうございます。
今年最初の投下となります。

——大きく、揺れていた。縦へと。横へと。滑らかに。縦横無尽に。
防護服が脱ぎ捨てられ、枷の解かれた大きく突き出た球形は、コレ幸いと云わんばかりに御乱心であった。
四肢を束縛する鎖から解き放たれた猛獣の如く、未だ二枚の布着にという枷に遮られて尚、圧倒的という言葉が相応しいほどに大きく揺れていた。

それを見た者がいたならば、音届かぬ距離であろうとも漢の魂を打ち震わす弾力に満ちた音を聴いたであろう。
意せぬ内に、その球形の一挙一動を網膜に焼け付けんと、人の目を憚らず瞬きを忘れ凝視したであろう。
もし傍に在ったならば、揺れから生まれた空気の流れに触れ、その感触に想像を掻き立てられたであろう。


それも致し方なし。
昔、誰かが言った。『そこには——おっぱいには漢の夢が詰まっている』
それが真理であればこそ。

貧乳が小さいのは何故か。
ささやかな夢や、現実的な夢ばかりを詰め込んでいるからだ。

婆の乳が垂れているのは何故か。
そこには枯れた夢しか詰まっていないからだ。

ならば——巨乳には如何なる夢が詰まっているか。
そこに詰められているのは浪漫。
男ならば一度は夢見るであろう大きな夢が、コレでもかという程に詰まっているからこそ大きいのだ。

故に。
夢見る男は大きなおっぱいが好きなのだ。


黄泉川「……桔梗。そんなしょうもない事をナレーション風に言いたいが為に態々電話してくるとか、間違いなく嫌がらせじゃんよ」

芳川「そんな事言われるなんて心外ね。でも、これはとても大切な事よ。特に一方通行みたいな思春期の若い子に対しては殊更

黄泉川「うがあああああああああ!」

芳川桔梗の言葉は、黄泉川愛穂の叫び、そして携帯電話が握り潰されると共に断絶された。

黄泉川「ああああああああああああああっ!もう!」

状況が状況でなければ黄泉川愛穂はその場で心行くまでのた打ち回っていただろう。
もしそうしていたなら、彼女のオッパイの躍動は未知の領域を我々に見せてくれていただろう。



————


——竜巻の破裂による衝撃。
それを受け流し、月詠小萌へと注ぎ込んで尚、結界は顕在であった。

だが、完璧にとは行かない。
術式の施しが甘かった数箇所に生まれた綻び。
それはその周囲に掛けられていた人払いの術式に干渉し、破壊した。

偶然か。それとも必然か。
まるで狙ったかのように、その綻びを錯乱状態に陥った巨乳が駆け抜けた。

「えっ…………えっ?」

侵入者の存在に最初に気付いたのは、月詠小萌。
今この時、彼女は結界の陣の一部と化しているが故に、その感覚も等しく広がっていたからこそ気付いた。
結界の境界を踏み越えた黄泉川愛穂を。


小萌「な……なんで黄泉川先生がー?」

思わず驚きの言葉が口から漏れる。
つい先刻の衝撃を受け止めたが故に、感覚にノイズが走り内部の状況は分からない状態。
だが、ただの人間が足を踏み入れていい場所でなくなっている事は確か。

その様な場所に、身体能力に優れているとは言え、ただの人間である黄泉川愛穂が踏み込めばどうなるかなど、想像は容易い。

しかし、今の彼女に侵入者を止める術はない。
彼女が今の位置から離れれば、陣はその意味を成さなくなる。
ただの一瞬離れただけであったとしても、その瞬間に第ニ波が訪れたらと考えれば、二の徹を踏んでしまう事も無理は無いだろう。

小萌「えっと、黄泉川先生の足に追いつけるのは……」

月詠小萌は思考する。
黄泉川愛穂とはそれなりに深い付き合いをしているが故に、彼女の性格もその身体能力も知っている。
男性遍歴が碌にない事も。同居人がニートと化している事も。独身なのに子持ち同然の状態になってしまっている事も。


だから、土御門を介して天草式の者達を動かした所で間に合わない事は分かっている。
かといって、自身がこの場を離れれば、陣はその役を果たさなくなるどころか、下手をすれば陣が暴走する危険性すらある。

が、それ以前に。

小萌「うぅ……ちょっと位なら……あぁ、でもこの格好じゃあ……」

ボロ布と化した衣服のままで黄泉川愛穂に話しかけよう物ならば、この先十年は話のネタにされるだろう。
そもそも、この格好はどう考えても如何わしい行為を無理矢理やられたような——

黄泉川「        」

小萌「         」

何故。という言葉すら月詠小萌の口から漏れる事はなかった。
黄泉川愛穂もまた同様。


唖然とした表情のまま、月詠小萌は再度思考する。
何故、彼女が目の前にいるのか。彼女は窓の無いビルの方へと一直線に進んでいたはずなのに。
黄泉川愛穂がこちらに気付く要素など何一つなかった。こちらに来なければならない理由などない筈だった。

それが——

小萌「ッ!?」

突然の光に月詠小萌は瞼を強く閉じる。
同時に耳に届くは機械的な音。
それが、二度、三度と続いた。

小萌「あっ、ななななんで撮ってるんですか!? 携帯をコッチに向けないでくださいー!」

黄泉川「いや、警備員が状況把握の為に写真を撮っておくのは当然じゃんよ」

——懇願は無碍にされ、その在られもない姿はカメラによって記録された。
コレも一種の職業病であろうか。シャッターを切り続ける黄泉川愛穂の表情は至って冷静。
つい先程までの錯乱した様子は微塵も感じられる事はない。


対する月詠小萌の表情は取り乱し、涙目になり、羞恥の余り頬を桃色に染めたもの。
その上で、スカートの隙間から下着が見えぬよう手で押さえる姿は、幼女嗜好が無かったとしても、嗜虐芯を強くそそられるであろう。

しかし、その涙を湛えた眼の奥には月光の如き、暗く冷たい光。
その口に牙在らば、唇は剥かれ、並び立つ尖りを軋ませていただろう。
理性によって封じられていた人在らざる者の本性、紛い物の神として造られた存在意義。

胸中にて膨らむは——殺人衝動。

月詠小萌が足に力を込めて踏み出せば、黄泉川愛穂が反応するより先に懐に入る事は容易い。
月詠小萌が少しだけ本気を出して腕を振るえば、豆腐に針を通すが如く、容易く心の臓を貫くだろう。

あのおっぱいさえなければ。
眼前のおっぱいがただ大きいだけのおっぱいであったならば、彼女は衝動に身を任せていた事だろう。


だが、黄泉川愛穂のおっぱいは完璧すぎた。
嫉妬心を抱く事すら許されぬほどに。

月詠小萌は知らずの内に、持たぬがこらこそ、それに崇拝に近い憧れを抱いてしまっていた。
それ故に、おっぱいに傷つける行為など出来る筈もなかったのだ。

己の中の殺人衝動を噛み殺すかのように、月詠小萌は一度歯を軋ませる。
そして、数度の深呼吸で息を整えて、黄泉川愛穂に問い掛ける。

小萌「あのっ、黄泉川先生」

黄泉川「写真なら野郎共には絶対見せないから安心するじゃんよ」

小萌「それは当然です! じゃなくてですね、なんで私の事に気付けたんですかー?」

それは当然の疑問であった。
黄泉川愛穂が向かっていた方向と、月詠小萌がいる位置とでは大きく方角が異なっていた筈で——

黄泉川「………………あ」

黄泉川愛穂の顔から、見る見る内に色が失せていく。
そして、その顔がぎこちなく後ろを振り向き——その喉から、ヒィ。と声にならぬ悲鳴が漏れた。
彼女の視線の先には、



      おっぱい!
    おっぱい!

  -=≡  _ _ ∩
 -=≡  ( ゚∀゚)彡←建宮
-=≡  ⊂ ⊂彡

 -=≡  ( ⌒)
  -=≡ cし′


      おっぱい!
    おっぱい!

 -=≡  _ _ ∩
-=≡  ( ゚∀゚)彡←牛深
-=≡  ⊂ ⊂彡

 -=≡  ( ⌒)
  -=≡ cし′


      おっぱい!
    おっぱい!

  -=≡  _ _ ∩
 -=≡  ( ゚∀゚)彡←土御門
-=≡  ⊂ ⊂彡

 -=≡  ( ⌒)
  -=≡ cし′



目を血走らせながら叫びを上げ、全力で腕を振りながら駆けて来る天草式十字凄教の野郎衆の姿があった。

つづいてしまう


ツインエンジェル中押しおもすれ( ^ω^)

色々おかしいぞ!

      乙ぱい!
    乙ぱい!

  -=≡  _ _ ∩
 -=≡  ( ゚∀゚)彡
-=≡  ⊂ ⊂彡

 -=≡  ( ⌒)
  -=≡ cし′

ma.sa.ka.no.to.ri.ba.re

という訳で次のレスから鳥変えますwwwwwwww




上条「っらあああああ!」

一方通行「舐ァめンなァァァァァァァァァァァ!」

——黒色の硬質な翼と、大樹の如き色形の尾が衝突する。
尾は軌道を逸らして床へと突き刺さり、黒翼は一方通行の身体ごと大きく弾かれる。
その瞬間だけを見れば、一方通行は辛うじてながらも上条当麻の一撃を受けきったと言えるだろう。

が、受けられる事は上条当麻にとって想定内。
次撃こそが、本命。

上条「気ィ抜いてる暇なんてねえぞ!」

一方通行「ッ!?」

一方通行が体勢を立て直す寸前、上条当麻の叫びと共に、床に突き刺さった竜王の尾の像がぶれる。

——障壁を貫き、窓の無いビルを穿った竜王の尾。
その根幹を成すは、五和の保持していた海軍用戦場槍(フリウリスピア)。
施されていた術式は————年輪を由来としたもの。


一方通行「なンだってンだ……コイツァ……」

年輪とは、樹木に在るもの。
樹木とは、根幹より支柱————枝を生し広げるもの。
そこから生まれたのは、幾百、幾千もの枝。

それが、一方通行を包み込む様に襲いかかる。

上条当麻の甘さ故か。
それとも、慣れぬ力故に御しきれず、間違って殺してしまわぬ様にという配慮故。
枝の先端は鈍器の如く膨れ、奇妙な丸みを帯び、先端からは奇妙な液体の滴り——それ故の恐ろしさが一方通行の菊孔を窄めさせた。

一方通行「まるでよォ……とびっきりの悪夢じゃねェか……」

——--太い線が、細い線が、徐々に視界を埋めていく。
絡み合い、その途中から更に枝を生す。まるでこの世界を侵食するかの様に。


ほんの一秒に満たない時間であったが、一方通行はその様を呆けた表情で見つめていた。
理解出来ないものに対する恐怖に心が縛られてしまっていた。
その呪縛を解いたのは、

上条「終わりだ一方通行!」

一方通行「————ッざけンな!」

皮肉にも上条当麻の叫び。
我を取り戻すと同時に、黒翼が縦横無尽に振り回され、襲い来る枝を一気に薙ぎ払う。

幾度も。

幾度も。幾度も。

幾度も。幾度も。幾度も。

それでも枝が減る事は無く。
拮抗はしているものの、それ以上になるかと言えば否。と言わざるを得ない。


一方通行「ちィィ!」

枝と打ち合わせる度に、無理矢理叩き切る度に恐るべき硬度を誇る筈の黒翼の表面が削られていく。
それは、上条当麻の右手には劣れども、枝の一本一本が幻想殺しと同様の力を持っているという事実他ならない。

少しでも反応が遅れれば勢いに負け、形勢は一気に傾くであろう状況。
故に、一方通行は極限まで集中していた。彼の世界から音も色も消え去るほどに。

だから、一方通行は、失念していた。
今この時、自身に降り注ぐ攻撃の余りの苛烈さに意識を集中させ過ぎた故に。
その存在をその他としてしか捉えぬ、ある種の傲慢さがあったが故に——もう一人、この場にいる事を意識から除外していた。

「————あーくんって、ホンマいけずやなあ」

一方通行「ッ!?」

声が聞こえたのは一方通行の後方。
彼が振り向くより先に、何かが風を裂く音がした。

一方通行が振り向こうとしたのは、あくまでも反射的行動に過ぎない。
彼は今この時になっても“その他”をまだ甘く見ていた。
相手が能力者であるなら自身にとって虫けらにすら等しいという考えを捨てきれぬほどに、自身の能力を過信していた。

——故に。
音は響いた。


まず、何かが砕け散る音。
そして、肉へと何かが挿し込まれた音。


砕け散ったのは、一方通行の反射膜。
挿し込まれたのは、青髪ピアスの突き出した一本の枝。


それが深々と。
突き刺さっていた。


小ぶりながらも張りのある、艶やかで染み一つない尻の最奥に。
大気に晒されていた、一方通行の尻の最奥に。


深々と。
そう、深々とねじ込まれていた。


大輪の薔薇が花びらを散らす映像と共に。



一方通行「————————————!」


一方通行の絶叫は、数千にも及ぶ枝の打突音によって掻き消された。


青ピ「—————————————!」

上条「青ピぃー!すまーん!」

巻き添えを食らった青髪ピアスの絶叫もまた、数千に及ぶ枝の打突音によって掻き消されえたのであった。



つづく

三十路になった絶望にうちのめされてました(#)ω#)
昔書いたのを読み返してたらちょっと元気がでました( ^ω^)

一ヶ月とか開かないようぼちぼちがんばります

御坂妹「これは…………流石に、白昼夢では無いようですね。と——」

——彼女は、彼女達は誰よりも彼と深く繋がっていた。

彼女らは誰よりも彼の強大さを知っていた。
その身を以って。10031体の犠牲を以って。
畏怖すらも抱くほどに知っていた。

打ち止め「……あの人の霊圧が消えたって——」

芳川「なん……だと……」

だからこそ、信じられる筈が無かった。
その反応が失われるなど。繋がりが途絶えたなど。その事が何を意味するかなど。

番外個体「……触手プレイ……ぎゃはっ、新刊はコレで行こうって——」

しかし。
信じようが信じまいが、事実は変わらない。

窓の無いビルの屋上で、倒れ伏したまま彼は動かない。
下半身を露にしたままで。尻に枝が刺さったままで——



————


結標「……」

海原「……」

——眼下の喧騒に、二人は項垂れながら溜息を吐く。
それがただの気分の悪くなる光景ならば、二人は笑顔で談笑する事も可能で在っただろう。
その気になれば凝視しながら飯を食う事すら出来るだろう。その気になればの話であるが。

だが、二人の表情は暗く、重い。
まともでない喧騒の中に、知った顔が幾つも並んでいれば誰だってそうなるだろう。

結標「……こういう時、どういう顔をすればいいのか分からないわ」

海原「……笑えばいいと思います」

結標「…………流石に笑えないわ」

海原「…………ですよね」


二人が頭を抱えたのはほぼ同時。
認めたくないのだ。自身が認識したその光景を——



——不自然に腰を引いた姿勢。
濁りを湛えた眼の奥には、暗い欲望の光が宿る。
下品に歪められた唇は、その内を牙を剥くように晒す。

生えている者に於いて一人の例外なく。
獣の如く理を知らず、獣の如く己を律する事を知らず、獣の如く慈愛を与える事も知らぬかのよう。

彼らはその対極に在る者であったというのに。
奔放でありながらも自戒を知り、義に篤き者達であった筈なのに。

今は見る影もなく。弱者二人を取り囲むその様は、まるで野犬の群れにでもなり果てたかのよう。
男達は、一心不乱でありながら、狂気乱舞でありながら、怒涛且つ破竹でありながら、狂気に身を任せていながらも、
一糸乱れぬ統率で大きく振り上げた左腕を力強く振り下ろし続ける。



       _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.      _  _∩.
     ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ■∀■)彡

     (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡
    _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.
  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  川゚∀゚)彡

  (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.
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   し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J.   し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J



おっぱい!おっぱい!の掛け声と共に。


その中央には、涙を目の端に溜め、ガタガタと歯の根も合わぬほどに震える二人の女性。
一人が震えるたびに、ボロ布と化した衣服がチラリズムの限界を突破し続けた。
もう一人が震えるたびに、神の奇跡と称しても過言ではない乳が、繊細且つ大胆に質量を持つ残像を生み出し続けた。

黄泉川「いったい、なんなんじゃんよぉ……」

小萌「うぅ……」

おっぱい「ぷるぷるぷる……」

その姿に、何かを感じない者がいるであろうか。
否。断じて否。漢に非ずとも。雄と称す自信なくとも。不能であったとしても。
喩えその目が見えずとも。その耳が聞こえずとも。触れる事すら香りを覚える事すら出来ずとも。

生えているならば屹立するのだ。
Stand Up To The Victory!
S t a n d U p T o T h e V i c t o r y !


一歩、また一歩と男共が歩を進めるたびに円陣は狭まっていく。
そして、男達の手が女性に触れるか触れぬかという距離で、

黄泉川「ひぃっ……」

黄泉川愛穂の悲鳴と共に、月詠小萌の唇が引き攣り、

小萌「……ギィ」

言葉としての意味を成さぬ呻きを漏らした。

その声は、酷く濁った様な声だった。
人の声とは言い難く、獣の唸りとも異なる、金属の軋みの如き声であった。
この世の物とは思えぬ声。絶望を音に表したかの様な声。

同時に、全ての動きが一斉に止まる。
男達だけでなく、月詠小萌の隣に在る黄泉川愛穂もまた同様。


そして————生まれた静寂の中で、みちり。と内より張り詰める音が響いた。

男達が最初に確認したのは自身の息子であった。
獣と化したが故にか、謙虚な心などありはしなかった。

——男達は、月詠小萌が如何な存在であるかを知るが故に、その恐ろしさを深く理解している。
いや、それを一時的にとは言え失念していたのだから、“していた”と言うべきか。

しかしまあ、そこら辺はもうどうでもいい事なのだろう。
既に手遅れなのだから。どうしようもないくらいに手遅れ極まりないのだから————


————



上条「……暖かい」

上条当麻は誰に言うでもなく、そう呟いた。
その身体は震えていた。その声も震えていた。
尻から生えた尾も、それに呼応するかのように震えていた。

一方通行の身体が、小さく震えた。
その姿を上条当麻は見ていない。
でも、感じた。

上条当麻にとって温もりとは、温かさとは力の源であった。
癒しであった。安らぎであった。喜びであった。命を賭ける価値すらあった。

上条当麻は知らなかった。
温もりが、人の心を傷付ける事がある事を。

——いや、それは違うのだ。と上条当麻は頭を振る。
その動きにつられて尾が小さく揺れる。


一歩通行「ンあァああァァ……」

再び、一方通行の身体が小さく震えた。

上条「……資格を、失ったんだろうな」

この先、温もりを感じるたびに彼は思いだすのだろう。
この惨状を。あの感触を。そして、友の大切なものを奪ったという自身の罪を。

上条「……一方通行の中、暖かいんだな」

彼は、自分の罪を確認するかのようにそう呟いた。


tudkuhazu

思い浮かぶままに書いてたらこうなったとだけ言っておこうと思います。

——その闘争に勝者は存在しなかった。

誰が自責に押し潰された者を勝者と呼ぶだろうか。

誰が倒れ伏したままピクリとすら動かない者を勝者と呼ぶだろうか。

誰が意識を手放した後も嬲られ続ける者を勝者と呼ぶだろうか。

故に、その闘争に勝者は——




五和「まさか上条さん総攻めがこの目で見られるとは……ドゥフフフゥーフゥー!」パシャパシャ




——敢えて勝者を上げるならば、この者であろうか。
任務を放棄し、只管に上条当麻を追跡し、心行くまで陵辱の光景を堪能した五和こそが唯一の勝者と呼べるだろう。



上条「……」

上条当麻は動かない。
俯いたその顔を上げ、拳を掲げる事が出来たならば、彼は勝者となれたであろうに。
その顔は床を向き、その両の眼は涙を湛える。

上条「ぐ……うぐっ……」

やがて、重力に惹かれるように涙が、滴り落ちた。一度落ちた涙はもう止まらない。
堰を切ったかのように零れ落ち、上条当麻の膝元に跡を残し続け、

「テメェ……一方通行に何してくれやがった?」

上条「——ぐッ!」

涙は不意に拭われた。

全力の蹴りという荒々しい手段によって。
衝撃は上条当麻の尾を伝播し、

一方通行「ォォァァァア……あっ」

青ピ「ぬふぅ」

一方通行と青髪ピアスの身体に痙攣を促した。

「おい、聞いてんのか!?」

上条「………聞いて……」

涙に滲んだ上条当麻の目が最初に認識したのは、透き通るような白色の、一方通行のものとはどこまでも対照的な翼。
次に、彼にとってはある種の因縁すらある、常盤台の制服。
そして、足元には綺麗に畳まれた縞模様の薄布。


上条「………………ッ!」

そこまで認識した所で、上条当麻は唐突に顔を背ける。
蹴られた直後ですら半ば呆けていたというのに、今この時、彼の顔には困惑————そしてときめきの表情。
頬は朱を帯び始め、うな垂れた股間の海軍用戦場槍には血が巡り始め、龍王の尾もまた主の滾りに呼応し始めていた。

無理もあるまい。
如何な状況であろうとも、喩え心が絶望に浸されていたとしても——彼は、上条当麻はうら若き少年なのだ。
はいてない。の響きだけで強くなれる気がしたよ。どころか実際強くなれるのだ。性的な意味で。


しかし、それを維持出来たのはほんの数秒。
夢を見れたのも。胸の高鳴りをに心地よさを覚えられたのもまた同じく。

「なぁーにシカトしようとしてくれてんのかなぁー?」

上条「あだだだだだだっだだああああっああ—————」

不意に、絡みつくような声と共に、鋭い痛みが上条当麻を襲う。
モミアゲを乱暴に掴まれ、視線は無理矢理引き戻され、

上条「————あっ」

気の抜けた声と共に、その顔から喜びの色など消え失せた。

知らなければ、幸せな時間はもう幾らかは続いていたのだろう。
だが、上条当麻はそれを知っていた。全く同じものをその目で見ていた。
故に、気づいてしまった。


「なぁ、お前——」

上条「なんで、なん、で」

視線が重なる。いや、正しくは重なってなどいない。
うわ言の様に『何で』と呟き続ける上条当麻の目は、何かを見てしまった瞬間、現実を見る事を止めてしまったのだから。

上条「なんで————んが……」

「あ゙? テメェがなんでそれを——」

問い返されるより早く。呟きと同時。
上条当麻の瞳孔が開く。そして、眼の端から昏い紅が一条。

上条当麻の顔から血の気が失せる。
血を吸い尽くされたのみでは至らぬ程に。
蝋と見紛うばかりに。血管が透けて覗くほどに。


唇より尾を引く音色はまるで深遠から漏れ出た音の様。
全てに裏切られた末に憤死した者の呻きですらそれには至らない。
死の間際に神の不在を自ら証明してしまった狂信者の絶叫ですらそれには届かない。

その表情はありとあらゆる絶望を含んだ死相の如く。
Those who produced the brown half-solid in underwear in the face of public
ですら、慈愛の心を抱くであろう。
Those at whom it stayed on in the room not to mention masturbation was seen by the mother
でようやく同じ表情を浮かべるであろうか。

一方通行と青髪ピアスを屠った時ですら、上条当麻がコレほどの悲愴を露にする事はなかった。

視線が引き戻される一秒にも満たぬ時間。
その内の刹那と呼べる程の一瞬。


上条当麻は見てしまったのだ。見なければ、気付かなければ幸せだったのだろう。
肉体言語系Sな、はいてない常盤台の女子になじられるという、人によっては至福の夢を見続ける事が出来たのだろう。
だがもう遅い。上条当麻は見てしまった。

片膝立ちになっていた相手のスカートの中身を。
未熟陰茎(マーダマラー)とでも称すべきそれを。
何処かで——御坂妹が見せたストラップと全く同じそれを。

学園都市第二位、垣根帝督のお粗末なていとくんを。



————


彼の表情に、恐怖はなかった。
悪鬼羅刹の如き形相の月詠小萌、彼女の荒ぶる姿を見て尚、ステイル=マグヌスの表情に恐怖が浮かぶ事はなかった。

小萌「キシャアアアアアアアアアア!」

土御門「ぬあぁぁぁぁあああああああああああああ!」ブチブチブチブチッ

今この時、眼前で土御門元春のウサ耳が頭髪毎もぎ取られる瞬間を目の当たりにし、

小萌「アオォォォォォォオオオオオオオオン!」

建宮「あいやああああああああああああああああああああ!」ブチンッ

建宮斎字のオオクワガタの如き髪がコクワガタのメスになったその瞬間も、その表情が変わる事はなかった。
月詠小萌の爛々と輝く双眸が、自身へと向けられたその瞬間ですら。


小萌「グルルルルルルル……」

ステイル「僕の番、か……」

感覚が麻痺していた訳ではない。現実を放棄した訳でもない。
ただ、彼は、ステイル=マグヌスは為に命を賭けると告げたのだ。




勿論全部嘘である。
周りが一気に屠られたせいで感覚なんぞイカれている。
現実など月詠小萌が狂化すると同時に投げ出した。

賢者タイムだったり、ビビり過ぎて何かもう色々と漏れてたり、それが服やら何やらに見事に染みて足に絡まってどうしようもなくなっただけである。
怖いとかもう全部通り越して諦めの境地に達しただけである。

ステイル「どうみても手遅れです」ジョババババババ

小萌「ボンドォォォォニガリガドォゴダイバディダアアアアアアアアア!」

そこでステイル=マグヌスの意識は途絶えた。

彼が次に目覚めたのは三ヵ月後。
全てが終わった後であった。

——垣根帝督は、上条当麻が絶望し、崩れ落ちるその瞬間までを観測した。
見も知らぬ他人と言って良いほどに両者に関係はなく、友好関係など微塵もある筈も無く。
故に、その表情に困惑はあったものの、垣根帝督はあくまでも客観的に観測した。

上条当麻の表情が絶望に染まる瞬間を。
上条当麻の体から力が抜け、重力に惹かれるがままに膝を付く瞬間を。
上条当麻の顔面が無防備なまま床に叩きつけられ、嫌な音が耳に届くその瞬間まで。

その瞬間まで。
その先はなかった。
そこで終わった。

垣根「アッ……」

垣根帝督の意識はそこで途切れた。


——五和は、上条当麻が絶望し崩れ落ちるその瞬間までを観測した。
そして、垣根帝督の意識が途絶えるその瞬間を観測した。


「……………え?」

そこには震えがあった。
ぷるり、ぷるりと音を伴った震えが。

その音は、おっぱいの震える音。
その音の元——右腕を振り抜いた体勢の五和の心は恐怖に満たされる。

彼女が覚えているのは、上条当麻の表情が絶望に染まったその瞬間。
ほんの僅かな時なれど、彼女の意識は途絶え、気づけばその右腕は振り抜かれていた。
気づけばその手にある筈の物が存在が消失していた。

五和「え、え……」

彼女は狼狽えながらも何が起きたのか、何を起こしてしまったのかを思い起こす。

遠く離れたビルの上で起きた出来事を五和は見てしまった。
上条当麻の顔が蒼白と化し、彼が前のめりに倒れる様を。
五和はその光景をはっきりと、両の目で、妄想をふんだんに混ぜ込んだ上で捉えてしまった。


故に脳は沸騰し、真偽を確かめる思考は消し飛んだ。
そして次の瞬間、その手に握られていたはずの一本の槍は女の細腕では届くはずもない場所にあった。

その場所は、仮に彼女の知る術式の知識を用いたとしても、届くはずのない、刺さる筈のない場所。
彼女の獲物、五和の内心の腐化に伴い、それに相応しき形へと改修された海戦用戦場槍は——視線の遥か先、垣根帝督の出口を塞いでいた。

五和「あ、ああ……」

彼女の心中の憤怒は消えていた。声は痛ましいほどに震えていた。
彼女の両の眼は限界まで見開かれ、ありもしないものを凝視するかの様。
彼女の両の手は頭を抱え、そこから生えた十本の指は強く頭を掻き毟る。

その様は、明らかな困惑。
理解の放棄。



しかし彼女は気づかない。


彼女の唇は両頬に強く引かれ、まるで下弦の月のような弧を型作っていた。
それ以外が悲哀を雄弁に語っているというのに、ただ唇だけは凄惨さを覚えるような笑みを浮かべている事を。

——進化というべきか。それとも深化というべきか。
精神の腐化の進行により、松葉崩しなる術式は彼女の意思など関係なしに変貌を遂げていた。

主が望む望まぬにかかわらず。

何一つの例外なく。

その手から放たれた槍は男の菊を必ず貫く。

それが『 松 葉 崩 壊 』






————


















繋がった。












四人の少年たちは繋がった。
ひとつの術式により繋がった。

松葉崩しという術式によって。
一人の手より放たれた二本の槍によって。
三人は有線で繋がり、一人は尻に刺さったそれをアンテナとして。

どこまでが計画の範疇であったか。
どれが偶然でどれが必然であったか。

それを知れたとすれば唯一人。だが、これは彼の者の掌から離れた出来事。
この地に於いて最も高位にある存在は、ただただ、この光景をこの未来を観測したに過ぎない。
彼の者ですら自身の手に余ると判断したが故に、僅かな干渉以外を行う事はなかった。

そのような事など露知らず、彼らは共鳴し波及し及ぼし合い犯し合い混ざり合う。
彼らは貪欲に補い合い喰らい合い奪い合い与え合う。

不足は補われ欠落は埋められ欲望は満たされる。
壁を越え、最果てへと突き抜け、有り得ぬものをその手に掴み。

結果。
少年たちは到達した。
人の手には届く筈のない領域。

神魔の領域。
Level 6へ。


——空の色が朱を帯びる。
やがて空は夕焼けとは異なる紅に染まる。
大気が軋み、空間は綻びを晒し、宙に亀裂を覗かせる。

理から外れた域の力が、神話として語られるべき力が一点に集約したが故に。
集約された力が領域の許容を越え、その器から溢れ出し始めていたのだ。

——四人が身を震わすと同時に、竜王の尾が動きを見せた。
尾は収縮し、逆再生の様にその枝は形を失い、上条当麻の尻へと引き戻され、一本の尾へと戻る。
その先端には茶ばんだ何かと、紅の飛沫。

申し合わせたかの様に、四者は同時に立ち上がる。
ただ、上条当麻以外の三人は尻を抑えていた。
垣根帝督の尻には魔改造された槍が突き刺さったまま。

上条「……」

垣根「……」

青ピ「……」

一方通行「……」

誰も、視線を合わせようとはしない。
四人は揃いも揃って空いた手で顔を覆う。


上条(……いくら勢い余ってっつーか……尻尾が勝手にやった事とは言え……責任、取らなきゃなんねえのかなあ……)

青ピ(童貞より処女を先に捨てるやなんて……いくらボクかてキッツイもんがあるでぇ……)

垣根(なんなの……なんか尻が痛気持ちいいんだけど……マジでなんなのこの尻に刺さった固長いの……)

一方通行(どォすンだよ……もォお婿に行けねェじゃねェか……)

逃げ道を探すように。
現実から逃れる術を探るように。
四人の視線は視線を重ねぬよう細心の注意を払いながら、床を見回す。

その視線が上に向けられることはない。
視線が重なれば自身の動揺が見透かされることなど分かりきっていたから。

故に。

幾らかの時間の際はあれど。
彼らが忘れ去られていた紙袋を見つけるのは時間の問題だった。


上条「……」

青ピ「……」

垣根「……」

一方通行「……」

四者は、声を発することなく唯唾を飲み込む。
この状況で、否応なく神経を研ぎ澄まされたが故か。
level6へと位階を登ったが故か。

気づいた。
その身を打ち震わす衝動を覚えた。

窓のないビル、その屋上に捨て置かれた紙袋の異質な存在感に。
その中身が、有り得ぬはずの可能性に踏み込んだものであるという事に。

上条「……」

青ピ「……」

垣根「……」

一方通行「……」

そこで、四者はようやく顔を見合わせる。
表情は無表情にも見えて喜怒哀楽のどれにも見える。
ただ、真剣であることに間違いはない。


青ピ「……それって、落し物なんかなぁ?」

最初に口を開いたのは青髪ピアスだった。
それ、とは今更言うでもあるまいが捨て置かれた紙袋。

垣根「テメェ……まさか最初に見つけたから自分のだとか言うんじゃねぇだろうなあ?」

その言葉に反射的に噛み付いたのは垣根帝督。
表情は変わらないが、あからさまな敵意がその視線を、声色を粘つくものに変える。

青ピ「そんな事言うてへんよ。ただ、最初に見つけたからには……ボクが責任もってお巡りさんに届けなあかんかなあって?」

垣根「嘘吐くのも大概にしやがれ。妄想力第一位がただそれだけで済ませるわけねぇだろ」

青ピ「嫌やわあ。妄想力第二位って、もしかして最初に被害って付くんやろか?」

垣根「……なんつった?」

青ピ「やっかみって嫌やねー。って言っただけやでー?」

敵意は明らかな殺意へと変わる。

一方通行「…………ソイツァよォ、オレが貰ったもンなンでなァ、コソ泥みてェな真似は勘弁だぜェ」

一方通行は勃起したまま、淡々とした口調でそう告げた。
彼に限らず、全員が勃起していた。


青ピ「……」

垣根「……」

一方通行「……」

三者が、睨み合う。
だが、上条当麻だけが動かない。
彼だけは顔を見合わせた上でも、紙袋を目にして尚、表情を変えることはなかった。

そんな彼の唇が、動きを見せた。

上条「………………済まねえ、禁書目録」

最初のつぶやきは誰の耳にも届かなかった。
だが、

上条「………………お前の事、大好きだった」

青ピ「……何言うてんの上やん」

垣根「……?」

一方通行「……?」

再度呟かれた声に、三者は耳を傾けた。
その声には、覚悟があった。

そして、三度言葉は呟かれる。

上条「お前ら!」


その声はとても危ういものを孕んでいた。
全てを捨てる覚悟を含んでいた。

故に否応がなく心に、尻に響く。






上条「全員責任とってやる! だから! 俺の子を産んでくれ!」







その言葉に嘘偽りはなく。
だからこそ。それを理解させるだけの男であったが故に。
上条当麻以外の三人は恐怖に顔を引きつらせ、両の手で尻を抑えたのだ。



つづく?



ちょっとリアルで頑張ってきた。
その甲斐あってお給料が上がったよ!ヒャッハー!

——上条当麻の身体が、人とは異なる存在へと変質していく。体表には葉脈の如き筋が浮かぶ。
それは模様ではない。ミミズ腫れの様に膨れたその筋は、尻に刺さった槍より伸びる根による肉体への侵食。
皮膚下を這い回る根はやがて皮膚を突き破り、全身に巻き付き、その体に新たなる甲殻を、人の身には有り得ぬ武器を形作る。

肉体は樹齢千年を超える巨木を人の形へと圧縮したが如き表皮と筋密度を持ち、

尻より生えた槍は再び——いや、先程よりも生物的な表皮の尾へと変わり、

五指には如何な獣ですら持たぬ程に鋭く太い爪が伸び、

背には蝙蝠の翼と似た——ただ、コウモリのそれとは違いそれ自体が凶刃となる翼が生まれ、

頭部には元の髪型を踏襲したかの様に、不揃いな角が幾本も後方へと伸び、

貌には、人のものとは掛け離れた凶悪な牙の並ぶ突き出た顎。


その姿は竜。
その姿は人知を超えた力が形を成した結果。
上条当麻の姿は、人という範疇から完全に逸脱し——




——それが、姿だけならばどんなに幸せであっただろうか。




変化の触媒となった一本の槍。
その槍は持ち主の手によって幾度となく術式を塗り重ねられてきた。
呪詛とも取れるほどの強き恋慕と共に。腐敗した邪念と共に。

故に、槍は適合した。上条当麻の異能を完全に引き出す最高の触媒と成り得た。
不幸にも、精神、思考、魂を侵食————汚染できるほどに。




上条「————ホォォォォォオオオオオオオオオオオオオオモオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」




天を劈き、臀部を震わさんばかりの咆哮が界を揺るがし、




青ピ「一遍体許したからって……二度目も簡単に行くとは思わん方が、ええんとちゃうかなあ?」



声の終わり同時に響いたのは銃声。
一連の動作があまりに無造作で。あまりに大雑把で。あまりに自然体で。あまりに適当で。
余りにいつも通りであったが故に、上条当麻はそれが攻撃の動作であると理解できなかった。

だが、放たれた大口径の銃弾は甲殻に軽く埋まるに留まり、その内にある上条当麻には届かない。
反撃とばかりに上条当麻が踏み込み、十メートル近い距離を一瞬で射程圏内まで縮める。
しかし、そこから繰り出した横薙ぎは空を切り、風切る音に再び銃声が重なる。

二度。三度。それは繰り返される。それでも、届かない。巨木ですら薙ぎ倒すであろう一撃は届かない。
ただ一度、青髪ピアスの頭頂の毛を刈り払ったのみで、彼の身を薄皮一枚削ぐ事すら叶わない。


それだけではない。一撃が空を切る度に青髪ピアスは少しづつ、既に近距離であった距離を詰め始める。
そして至近距離、更には零距離と呼べるほどに距離は詰められ、吐息がかかる程の距離、上条当麻の眼前で、

青ピ「まぁ————二度目なんて、絶対に許さへんけどな」

それを誇示するかのように両の目を見開き、ニィ、と歯を剥いて笑う。
表情に恐れはない。あるのは自身が得た力に対する絶対的な自信。

そこで、ようやく上条当麻は青髪ピアスの姿を認識する。
彼の見開かれた目と視線が重なる————否。その目は上条当麻を見てはいない。

違うものを見ている。異能を介して違う領域を覗いている。
人の身であれば覗いてはならぬものを——深淵を覗いている。


青ピ「ホンマたまらんわ!このゾクゾク感で何回でもイけそうやでぇ!」

上条「HOOOOOOOOOOOOOOOMOOOOOOOOOOOO!」

——零距離で、死の満ちた領域で青髪ピアスは体積を増大させて尚、その身に傷一つない。
圧倒的な速度がある訳でなく、強固な防壁を展開している訳でもない。
例え上条当麻の攻撃を予知していたとしても、分かっていたからと簡単に躱せる速度領域ではない。

——『強制固定』(ビガーパンツ)は進化を遂げた。
青髪ピアスが覗いているのは、自身の前に広がるあらゆる可能性。
その中の千に一つ、万に一つ、億に一つの可能性を彼は捉え、それへ至る道筋を固定——確定させる。

進化した異能の名は『矯正確定』(ウィナーパース)
蜘蛛の糸の如きか細き勝利への道筋を、確定と称して良いほどに強固にする力へと。


青ピ「ふっふぅー! ちゃぁーんとボクの事見んと当たるもんも当たらへんでぇー!」

上条「YARANAIKAAAAAAAAAAAAAA!」

青髪ピアスは死線を潜る。潜り続ける。
この一分にも満たぬ時間の間に、これまでの生涯で潜り抜けてきた死線の数を遥かに超える量の死神の求愛を躱し続けた。

大気の裂ける音と銃声の合間にぺちん、ぺちんと玉が内腿に打ち付けられる不快な音が響く。
その更なる合間で、ふぁさり、と薄布が風に揺れる音が、普通であれば聞き分ける事など出来ぬはずの音が——不意に、上条当麻の耳に届いた。

音が届いた事は偶然ではない。
その音は、戦音の中でさえ耳障りと思える程にハッキリと、幾重にも重ねられて奏でられたのだから。

それでも、上条当麻の視線は、意識は、青髪ピアスに注がれる。目を離せる訳がない。意識を余所に向けれる訳がない。
自身の外見が人でなくなったとは言え、親友の急所に向けて躊躇いなく銃弾を叩き込んでくる相手から意識を離すなど有り得ない。
いや、青髪ピアスは錯乱しているか誰かに操られている。ならば自分が正気に戻さなければ——と、いつもの上条当麻であれば考えるかもしれない。


だが、今の上条当麻の思考に常識は通用しない。今の彼の脳内はお花畑であり薔薇の園なのだ。
自身と相対する青髪ピアスの視線と意識を自分へ向けさせ、その体を組み伏し、心身を余す事なく蹂躙し尽くす事しか考えてはいない。

故に、上条当麻は止まらない。
抑えの効かぬ衝動に身を任せ、獣のような欲望に手綱を委ね、溶岩の如く滾る激情に魂を焦がす。
まるで恋患いの様に。恋は盲目の言葉の通りに。

青髪ピアス以外が、まるっきり見えていなかった。
幾条もの閃光が、自身に触れるその瞬間まで。



————


無造作に尻の槍を引き抜きながらも垣根帝督はキメ顔だった。
畳んで置いていた下着を履きながらもその顔はキメ顔だった。
抜いた槍の先端で上条当麻を指し示し、閃光が放たれた瞬間もまたキメ顔だった。

垣根「——テメェら、第二射用意と行こうじゃねえか」

「「「了解です。しかし——」」」

テメェらと呼ばれ、応えたのは彼が得た新たなる力の顕現達。
進化した未現物質によって生み出された仮初の生命。


垣根帝督の言葉と共に突き出された右手の先。
そこに在る未現物質製の硬貨がその存在を雄弁に語る。

それらは呆、とした表情のまま視線を上条当麻へと向ける。
そして知識に存在しない異形に視線を向けたまま、

「「「アレは何という生き物でしょうか?とmisakaは首を傾げます」」」

言葉通り皆揃って可愛らしく小首を傾げた。

垣根「さてな。だが、俺達の新たな門出にゃあ相応しい相手だ」

垣根帝督のその背後に並び立つはlevel5の模造品、消耗品と称された者の更なる姿似。
模造品を更に模造した存在でありながら、彼女らが纏う紫電はオリジナルのそれと遜色ない。


「傍に大きなていとくん持ちがいますが? misakaはふとした疑問を口にします」

「あの大きなていとくんは小さなていとくんが大人になった姿なのでしょうか?とmisakaは時の流れに恐怖を覚えます」

「大きいていとくんより小さなていとくんの方が、ジパングではグローバルスタンダードであるらしいですね。とmisakaは胸を撫で下ろします」

垣根「…………そういうのは後でやれ」

「「「お断りします。とmisakaは(゚ω゚)でお断りします」」」

貪欲な程に他者を求めたが故に。
生み出された仮初は自我を持ち、個性を持った。

友人を求めたが故に。
垣根帝督は、命令系統の頂点であれど絶対的な権限を敢えて持とうとはしなかった。

ぼっちであったが故に。
仮初であってもぼっちでなくなる為に。




つづく

反省はしていない後悔もしていない。
ただSSで地の文を書くのはこれで最後にしようと思う。

——紫電を纏う幾十の閃光。
それは回避不可の速度で放たれた未現物質性の硬貨。

確かにそれは届いた。上条当麻へと、届いた。
初段も、二段目も、そこから止めと言わんばかりに放たれた三段目も。
全ては上条当麻に届き、表皮を炭化させ、翼に穴を穿ち、体の端々を抉り取った。

だが、そこまでであった。
その事実を理解し垣根帝督は顔を歪める。

垣根「チッ……冗談にも程があるぜ」

青ピ「何しとん!?死ぬかおもたやないの!」

垣根「うるせぇ!どうせ当たんねえだろうが!」

毒づくのも無理はない。
本家を凌駕する威力の超電磁砲ですら、竜を滅するには至らない。
上条当麻の命には届かない。膝を付かせる事すら叶わない。

それどころか、彼の与えた傷はその眼前で枝を絡ませ、埋められていく。
青髪ピアスの度重なる射撃によっても成し得なかった、竜に回復を行わせたという事実でさえも、手応えというには物足りなすぎる。
垣根帝督の心には響かない。


misaka「勝率は0.0003%といったところでしょうか。とmisakaはいそいそと撤退の準備を開始します」

垣根「アレにケツ向けてトンズラってか……」

上条「HooooMoooo……」

逃げれるならばどんなに楽だろうか、と垣根帝督は考えつつアレに尻を向けるという意味に気づく。
ここで敗北を喫する事に何の意味があるだろうか、と思いつつ垣根帝督はそっと尻を抑える。

青ピ「おろ?」

だが、ゆるりと振り向いた上条当麻と視線が重なった時。
上条本来の眼球とは異なる、黒目のない琥珀色の眼球と視線が交錯した瞬間、その思考は消失した。

垣根「…………無理、だな」

自身を標的と見定め、ゆるりと一歩を踏み出した竜を凝視したまま垣根帝督は呟く。
諦めを漏らしたような言葉でありながら、その声には熱さがあった。


misaka「oh...諦めてここでおしまいですか、とmisakaは」

垣根「——————違ぇよ」

misakaの言葉は否定の言葉で断ち切られ、

垣根「バケモン相手だとして……ケツ向けて布団頭から被ってガタガタ震えつつシコシコしてろってか?そんなダセェ真似なんぞ真っ平ゴメンなんだよ!」

咆哮と共に垣根帝督の右腕が大きく上へと掲げられる。

その叫びは、青臭さすら覚えるような、何も見えてはいないガキの強がりであるかもしれない。
だが、その強がりは垣根帝督にとって譲れぬ意地。
強がりで一度は我が身を滅ぼし、それでも尚消えぬ魂の有り様。

馬鹿は、死んでも治らなかったのだ。

misaka「やれやれ、男の子ですねえ…………で、如何にしてあれを討ちますか。とmisakaは半ばヤケクソ気味にていとくんに指示を仰いでみます」

垣根「ムカついたからよぉ……全力全開でヤツをブッ潰す!コイツでな!」

言葉と共に、上へと掲げられていた横へと大きく振られる。
同時に、misaka達の両の手に常人であれば腰を痛めかねぬ重量が具現化。

misaka「ほほう、これはこれは……とmisakaは黒くて硬くて長くて太い逸品にうっとりしてみます」

不穏な呟きを漏らしながら凶暴な笑みを浮かべる彼女らの掌中に生み出されたのは、グレネードランチャーに似た巨大な銃口を持つ単発式の銃。
彼女らはその銃を扱い慣れた得物のように弄び、

misaka「…………」

誰が言うでもなく同時に前へと突き出し、照準を一点へと集中させる。


misaka「「「「…………」」」」」

彼女らは、号令を待つ。
彼女らは、意思を持てども能力で生み出されたモノでしかない。兵器でしかない。

故に、彼女らは待つ。
主が、号令を放つのを。
人間が、撃鉄を起こし、引き金を引くその時を。

垣根「……」

垣根帝督は無言のままに、再び右腕を天へと掲げる。
同時に、misaka達の人差し指が引き金へ添えられる。

上条「HooooooooooMooooooooooooooo……」

垣根「……」

青ピ「かーみやーん、なーんでボクのこと無視すんのー?」

垣根帝督の視線は注がれる。意識もまた注がれる。
ただ一つの存在に。上条当麻という存在に。
故に、青髪ピアスの声も、その手から放たれる銃の叫びも届かない。

同様に竜の二つの眼、その瞳孔が縦に絞られ、垣根帝督を睨みつける。
愛憎入り混じった感情を顕のままに。

互いに、その視線を逸らそうとはしない。
気圧されたかの様に呼吸を止めた垣根帝督とは対照的に、竜は牙の隙間より熱気を伴う呼気を吐き出す。

互いの視野が狭窄していく。
互いに、互い以外に映る存在全てをノイズとして処理していく。


青ピ「こんな味気ないんなら攻めより受けの方がまだマシやと思うんよボク、は……なんや?」

ビルの外より乱入してきた一つの影さえも。

上条「HooooooooooMooooooooooooooo……」

垣根「……」

互いに、五感で相手という存在を全力で知覚していく。
風音も、数度の靴音も、ノイズとして処理していく。

青ピ「へっ?なんでこんなトコnなぼぁ!」

不意に響いた青髪ピアスの悲鳴さえも。

上条「VaaaaaaRaaaaaaaaaaaZoooooooooKuuuuuuuuu!」

垣根「……覚悟はいいかクソッタレ」

垣根帝督は竜を見つめたまま大きく息を吸い込み、掲げた右腕に力を込め、その手を


——突き出すと同時に。号令を叫ぶより早く。
竜の顎から、衝撃波を伴う咆哮が放たれた。



垣根「あ?」


突き出された右手は肘から先が消失していた。
それどころか衣服は無傷でありながら身体の皮膚の大半が消失し、肉は削れ、部位によっては骨を覗かせる。
misaka達の姿はどこにも存在しない。

瞬きをするより短い時間で、全ては消え去った。

垣根「あー」

それが意味する事を理解するより前に、垣根帝督は思い出す。
かつての、自分の姿を。

溢れ出す血液が衣服と縞パンを斑に染める。
染みきれぬ血液が肌を伝い、重力に引かれて足元に血溜りを作り上げる。
致死量を明らかに超えた出血。

しかし垣根帝督はそれを意に介さない。
苦痛の表情すらなく、かろうじて動く左手で下着越しに自身のていとくんを弄びながら二度三度頷く。

垣根「しっかし、全力全開も出す前に潰されちゃあ意味ねえわなぁ……」

竜の尾が、翻る。
垣根帝督はそれを気にしようともしない。

垣根「お前もそう思うだろ?」

顔を上げてそう呟いたとき、竜の尾の先端は垣根帝督の胸に触れていた。
槍の穂先の形を残したそれは、何の躊躇いもなく、彼の胸板を貫いた。


それはどう見ても致命の一撃。
事実、それに貫かれると同時に垣根帝督のせがれいじりは停止していた。

が、垣根帝督の命を奪うには至らない。
それより先に、理解が追いついた。

垣根「ハハッ……やっぱ俺ってすげえわ」

上条「Gei!?」

尾に貫かれたまま、垣根帝督は呟く。
下着の前面に血とは明らかに異なる染みを作ったまま。
竜の尾が更に突き込まれても、その口から呻きも悲鳴も漏れることはない。

垣根「……分かんねえって顔してんな。つまりだな」

理解が追いついたが故に。
全てを把握したが故に。
垣根帝督は貫かれたままで満面の笑みを浮かべ、

垣根「俺の未元物質に常識は通用しねえって事だ!」

啖呵を切ると同時に、喪われたはずの右手で竜の尾を引き裂いた。

はたしてつづくのだろうかてきつづく。

ていとくんふっかつていとくんふっかつ!

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