モバP「だりやすかれんと出会いの証」 (34)



―――事務所


李衣菜「う~~~~ん……」ペラ ペラ…

李衣菜「これがいいかなぁ……。うーん、こっちもいいなぁ……やっぱりネックr――」ブツブツ


加蓮「李衣菜? カタログ見て……また新しいヘッドホンでも買うの? ふふ、ほんと好きだよね」

李衣菜「うわっ!?」ビクッ

加蓮「うわ、って……そんな驚かなくても。ね、今度はどんなの――」

李衣菜「な、なんでもないよっ! 加蓮には関係ないし! お、お仕事行ってくるね!」タタッ


がちゃっ ばたんっ!


加蓮「…………」


泰葉「ど、どうしたの? 李衣菜、大声出してたけど……」トテトテ…

加蓮「……りーなにきらわれた」グスン

泰葉「え?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450692867

今回のお話は、

李衣菜「好き」泰葉「無関心」加蓮「嫌い」
李衣菜「好き」泰葉「無関心」加蓮「嫌い」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450172798/)

このお話とわりと繋がっています
こちらも読んでもらえると、だりやすかれんがバーストアピールしてくれます

加蓮「――ぐすっ」

泰葉「加蓮……李衣菜が意味もなく突き放すようなこと言うはずないじゃない」

加蓮「でも、だって……今までこんなこと、一度も……」

泰葉「まぁ……確かにそうだけど。李衣菜にもなにか理由があるんだと思うから……」

加蓮「……そう、だよね。友だちだもん、信じないと」

泰葉「ええ。ふふ、話してくれるまで待ちましょう?」

加蓮「うん、泣いてる場合じゃないよね!」


―――

――



―――あくる日


李衣菜「――それじゃちひろさん、お願いできますか?」

ちひろ「ええ、任せてください。知り合いにも連絡してみますから――」


泰葉「あ……」

泰葉(こんなところで……なんのお話かな)


泰葉「李衣菜、ちひろさん。ここでなにを――」

李衣菜「えっ、や、泰葉!? き、聞いてた!?」

泰葉「きゃ! う、ううん聞こえなかったけど……いったいなn」

李衣菜「あ、あぁーっと! レッスン行かなきゃ! そ、それじゃあっ」

泰葉「え、ちょ――李衣菜……!?」

ちひろ「あ、あら……」

泰葉「行っちゃった……。……李衣菜……」

ちひろ「え、ええと……泰葉ちゃん? 心配しなくても、李衣菜ちゃんは――」

泰葉「………………りいな……なんで……」フラッ

ちひろ「や、泰葉ちゃんどこへ……!」

泰葉「大丈夫です……。大丈夫……」フラフラ…


ちひろ「――李衣菜ちゃん。全部済んだらお説教ですからね……!」



―――


泰葉「りいなにきらわれた」グスン

加蓮「ってどこかで見たパターン……泰葉もなにか言われたの?」

泰葉「……それどころか、聞く耳も持たずに逃げちゃって……」

加蓮「そんな……。でも、泰葉が言ったんだよ? 話してくれるまで待とう、って」

泰葉「そうだけど……あそこまで露骨に避けられると……」

加蓮「だ、だよね……。んもう、とっ捕まえて洗いざらい吐いてもらわないと」

泰葉「……うん……」

加蓮「ほら、元気出してこっ。チャンスなんていくらでもあるんだから――」



―――それから


加蓮「あ、李衣菜っ。ちょっと――」

李衣菜「ご、ごめん加蓮! 今日は予定あるんだっ」



―――


泰葉「み、見つけた……李衣菜!」

李衣菜「うっ、泰葉……ま、また今度ね!」


―――


加蓮「きょ、今日はお仕事一緒だね。ね、ねぇ……」

泰葉「り、李衣菜、そろそろ話して――」

李衣菜「さ、さぁスタッフさんに挨拶しないと! そしたらリハでしょ、他にもやることいっぱいだよ!」タタタッ


―――

――



―――


加蓮「……………………」ズゥゥゥン…

泰葉「……………………」ドヨーン…


P「お、おーい。この世の終わりみたいな顔してるぞー? 生きてるか~……?」

加蓮「……ぇぐ。ぁうぅ、ひぐぅ……!」

P「なに、李衣菜に嫌われた? いや、ありえないだろ。お前らに限って」

泰葉「ぐしゅ、えぅ、ぅ、ぅぅうう……!」

P「ずっと避けられてる? ……うーん、なにか隠してるだけだと思うんだけどなぁ。あいつ不器用だし」

加蓮「う、ぅええええぇえぇぇ……!」メソメソ…

泰葉「だ、ってぇ……! なに、なにもっ、ぃって、くれないの……! ぐす、ぅぅ」ヒック

P「あぁもう泣くなって……絶対大丈夫だから。すぐ元通りになるよ」

加蓮「な、んで……そんな、ことっ……Pさんにわかる、の……!」

P「分かるさ。俺はいつだってお前たちを見てきたからな」ワシャワシャ

泰葉「……すんっ」

加蓮「ん……」

P「だから大丈夫。あいつのこと、待っててやりな。……あんまり遅くなったら、俺が叱ってやるから」

加蓮「……うん。分かった……」

泰葉「Pさんがそう言ってくれると……不安が薄れる気がします……」

P「ん、ならどんどん頼れ。そんな泣き顔、見たくないからな」

泰葉「はいっ、頼りますね……」ギュ

加蓮「えへ……いっぱい頼るから」ギュッ

P「なんでそこで抱きつく……甘えんぼめ」

「「ふふふ♪」」


P(こんなに寂しがってるんだから……早く決めて、仲直りしろよ――李衣菜)


―――

――



―――


たったった……


李衣菜「はぁ、はぁっ……!」


李衣菜(へへ、ようやく出来た!)

李衣菜(ごめんね、二人とも。ずっと避けちゃって)

李衣菜(私、優柔不断だから……やっぱり遅くなっちゃった)

李衣菜(ちひろさんにも、Pさんにも謝らないと。せっかく協力してもらったのに……二人に悲しい顔させちゃった)

李衣菜(――待ってて。最高のプレゼント、持っていくから!)


ちら

  ちら……


李衣菜「……あ、雪だっ」タタタ…



―――事務所


加蓮「あ……雪だよ、泰葉」

泰葉「降ってきたんだ……。李衣菜、遅いね」

加蓮「……ふん、李衣菜なんて風邪引いちゃえばいい」

泰葉「くすっ、今さら意地張るの? いろいろタイミング遅いよ……」

加蓮「ふふ、うーそ。……雪かぁ、もうすぐクリスマスだもんね。私たちが出会った季節」

泰葉「……うん。Pさんが、私たちをここに連れてきてくれた季節……」

加蓮「街を歩いてたらね、急に声掛けられたの。スーツの怪しいお兄さんに」クス

泰葉「私は……撮影スタジオで。見学の人かと思ったら違ってね……」

加蓮「へぇ、そうなんだ? ふふっ、李衣菜はPさんとどんな出会い方したのかな」


加蓮「――ねぇ、李衣菜?」


……がちゃ


李衣菜「なんでバレたの……エスパー? ……はぁ、はぁ……!」

泰葉「そんなに息を切らしてたら、いくらドア越しでも分かるよ……ふふ」

李衣菜「あー……薄いもんね、このドア」

加蓮「それに、事務所自体も超狭いし。……って、初めて来たときに思った。今もだけどね、ふふっ」

泰葉「今は物が溢れて……思い出もたくさん詰まってるものね」

李衣菜「へへ……。で、Pさんとの出会いだっけ? 加蓮とほぼ一緒だよ、駅前でぼーっとしてたら話し掛けられた」

加蓮「ふぅん、李衣菜もなんだ。……で? 他になにか言うことがあるんじゃないの?」

李衣菜「あっ……うん、そうだよね――」


李衣菜「――ごめんっ、加蓮、泰葉! ずっと……ずっと冷たくしちゃって……! 本当にごめんなさいっ!」

泰葉「…………」

加蓮「…………」

李衣菜「……え、えっと……」

加蓮「……ん、よし。許すっ」ニコッ

李衣菜「え、軽っ」

泰葉「ふふ、言い訳ばかりだったらもっと怒ったけど。ちゃんと謝ってくれたから」

加蓮「もー、あんまり待たせないでよね? このおバカ」

李衣菜「……うぅ。……うぅぅぅ゛ううう……!!」ポロポロ…

泰葉「え――り、李衣菜!?」

加蓮「な、なっ……どうしたの!?」

李衣菜「だっで、だってぇぇ! こんな゛っ、かんたんにゆ゛るしてもら゛えるなんてぇぇぇぇええ……! ぐずっ、ごめ、ごめ゛んねぇぇ……!」

加蓮「あーあーあー、泣きすぎ! 泰葉、ティッシュティッシュっ」

泰葉「は、はいはいっ……!」



―――


加蓮「――ほら、鼻かんで」

李衣菜「ちーんっ」

泰葉「よしよし……落ち着いた?」ナデナデ…

李衣菜「……ん、ぐしゅ。ありがと……」

加蓮「いっぱい泣いたね。ふふ、子供みたいだった♪」

李衣菜「ぅ~、しょうがないじゃん……」

泰葉「でも……よかった。やっと話してくれて」

加蓮「怖かったんだから……李衣菜に嫌われたんじゃないかって」

李衣菜「……ごめん。ほんとに」シュン…

加蓮「って、これじゃまるでイジメてるみたいじゃない……この話は終わり終わりっ」

泰葉「ふふ、ええ。李衣菜にも考えがあったんでしょう?」

李衣菜「う、うん……えっと、ね。私たち、この季節に出会ったでしょ? だから――」


李衣菜「二人のために記念のプレゼント、探してたんだ」

泰葉「プレゼントって……」

加蓮「……私たちに?」

李衣菜「うん、そう。……初めて顔を合わせたのも、ここだった――」


李衣菜「なんだかめんどくさそうにしてる女の子がいて……表情が読みにくい女の子がいて」

李衣菜「私も、アイドルなんて務まるのかな、って不安だったけど……」

李衣菜「レッスン受けたり、特訓したり……いろんなことを一緒にやってさ」

李衣菜「だんだん打ち解けて、だんだん笑顔が増えてきて。その度に仲良くなって……」

李衣菜「お互いのこと、いろいろ話したよね。たくさん、たくさん」

加蓮「……正直ドン引きしたでしょ。私の身の上話なんて」

泰葉「そんなこと、全然。それよりも嬉しかったかな……」

李衣菜「うん。そういうことも話してくれるくらい、信じてもらえるようになったんだ、って」

加蓮「えへへ……特別も特別なんだから」

李衣菜「……うん、特別。だから、私たちなら出来るって思えたんだよ。どんなことも」

李衣菜「Pさんに『エバーリース』ってユニット名、伝えられたとき……すごくドキドキしたんだ」

李衣菜「これが私たちの始まりなんだ、って。今までと違う、なにかが始まるんだって」

泰葉「……『常葉色の冠』。いつまでも緑の葉の木みたいに、ずっと笑顔で……」

加蓮「それにお姫様のティアラ、ね……。ふふ、Pさんたら乙女チックなんだから」

泰葉「ふふっ……♪」

李衣菜「あはは。Pさん拗ねちゃうよ、そんなこと言ったら」

李衣菜「で、回りくどくなっちゃったけど――」ゴソ


李衣菜「……私たちのリースにちなんだ――イヤリング。ようやく完成したんだ」チャリ…
http://i.imgur.com/2FKaDhG.jpg

加蓮「かわいい……!」

泰葉「これを、私たちのために……。それに、出来たって……?」

李衣菜「えへへ。なかなかこれだ、っていうのが見つからなかったからさ……手作りにしたんだよね」

加蓮「え、これ作ったのっ? 三組も……!」

李衣菜「最初は買えるようなお店、ちひろさんに探してもらってたんだけど……どこもしっくりこなくてさ」

李衣菜「それで、手作りにしようって。泰葉みたいに細かい作業は得意じゃないし、加蓮のネイルアートみたいな技術もないけど……」

李衣菜「私なりに、心を込めて作ったから……もらってくれたら、嬉しいな!」

加蓮「…………」

泰葉「…………」

李衣菜「お揃いだからさ、一緒に付けようよ! 絶対似合うと思うんだ♪」

加蓮「…………」

泰葉「…………」

李衣菜「……あ、あのー。なにか言ってくれないかなーって……」

加蓮「……泰葉」

泰葉「うん、加蓮」

李衣菜「へ?」


加蓮「(`;ω;´)」ブワッ

泰葉「(´;ω;`)」ブワッ


李衣菜「わぁ!?」

李衣菜「ちょっ、な、なんで泣くの!?」

加蓮「うれじい……うれ゛しいより゛ーなぁぁぁああ……!」ムギュゥゥゥゥ

李衣菜「なぁぁあ!? ぅぐ、ぐるじい……!」

泰葉「うっ……うぅ゛っ……りいな゛……りい゛なぁ……! すき、ぃ、だい゛すきぃぃ……!!」エグエグ

李衣菜「ああああ、アイドルどころか女の子がしちゃいけない顔してるよ!? そんな泣くことじゃないでしょ!」

加蓮「なくっ、な゛くにきま゛っでるでしょばかぁぁ、あ゛ぁぁああん!」ギュー

泰葉「う、ぅきゅ゛、うぅぅ゛ぁぁぁああんっ!」ギューッ

李衣菜「いだ、いたいいたいいだい!? 死ぬ死ぬ死ぬ死んじゃうってええ!」ギリギリギリ…!

「「うあぁぁぁあああん!!」」グギュギュウ

李衣菜「な、泣き止んでよ二人ともぉ! 誰か助けてえええ!」



―――ドア越し


P「……なんとかなりましたね。まったく李衣菜のやつ、心配かけて……」

ちひろ「た、助けなくていいんです? 李衣菜ちゃん苦しそう……」

P「先に泣かしたのはあいつですから。ふふ、存分に困らせてやりましょう」

ちひろ「……ですね。私もお説教しようかと思ってましたし♪」



李衣菜(――へへ、永遠の緑の冠。クリスマスに出会った、私たちの絆の証!)



おわり



李衣菜(……絆の前に死んじゃうぅぅぅ……がくっ)ギリギリ…

というお話だったのさ
クリスマスが今年もやってくる

そして3年目にしてだりやすかれんシリーズも通算50作到達
なので、今までのお話をタイトルだけ古い順に並べていくよー


モバP「小さいけれど、大きな一歩」

モバP「悪い夢のあとに」

モバP「疲れたときの特効薬」

モバP「だりやすかれんと年始め」

モバP「だりやすかれんの日常」

モバP「だりやすかれんと恵方巻き」

モバP「だりやすかれんの贈りもの」

北条加蓮「煌めくセカイが鮮やかに」

モバP「だりやすかれんがだらだら」

加蓮「かわいいね」李衣菜「うん、かわいい!」

多田李衣菜「理想なんて飛び越えて」

モバP「だりやすかれんのとある夏の日」

岡崎泰葉「虹を作っている場所が在る」

モバP「やすはすやすや」

北条加蓮「繋がってるこころ」

モバP「だりやすかれんと秋の空」

加蓮「こたつと」泰葉「みかんと」

加蓮「まだ?」李衣菜「うん、まだ」

多田李衣菜「へっくしゅ!」

モバP「だりやすかれんと年の暮れ」

つづき

岡崎泰葉「笑顔の源、繋いだ手」

モバP「だりやすかれんと新しい年」

モバP「だりやすかれんと……え、俺?」

モバP「だりやすかれんの甘々な愛情」

泰葉「え、李衣菜が風邪に……?」加蓮「」

モバP「だりやすかれんと新たなシンデレラたち」

モバP「だりうづやすりんみおかれん」

モバP「だりやすかれんととある梅雨の日」

モバP「だりやすかれんの星に願いを」

李衣菜「うーん」加蓮「うーん」

李衣菜「あ」泰葉「つ」加蓮「い」

モバP「だりやすかれんとパンツの日」

岡崎泰葉「星空アンサンブル」

モバP「だりやすかれんとまだまだ暑い日」

北条加蓮「みんなと繋いだ手」

モバP「だりやすかれんと秋の足音」

岡崎泰葉「過去を取り戻す今と未来」

モバP「だりやすかれんの暇つぶし」

モバP「だりやすかれんの休憩中」

加蓮「幸せな」泰葉「日々」

最後

モバP「だりやすかれんとセーラー服と……」

李衣菜「さ」泰葉「む」加蓮「い」

モバP「だりやすかれんとポッキーゲーム」

岡崎泰葉「もう一歩、その先へ」

モバP「だりやすかれんとぬくぬくもこもこ」

モバP「だりやすかれんとこたつむり」

モバP「だりやすかれんと冬の思い出」

泰葉「ヤンデレって?」李衣菜「加蓮のことだよ」

李衣菜「好き」泰葉「無関心」加蓮「嫌い」

モバP「だりやすかれんと緑のアイツ」

そして今作の
モバP「だりやすかれんと出会いの証」

以上
年内に目標達成出来て満足
いつもありがとう

今気づいた

今回で51作目だわ……キリのいい50作目がよりによってぴにゃネタとか……

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