男「俺の精子は万能薬」 (173)

男「治療不可の重病や致死レベルの大怪我でも一瞬で治癒させる事が出来る」

男「けど……だからと言って何の得になるんだよっ!」

男「出して10秒以内に接取して貰わなければ効果なし」

男「まあ口内接取でも治療できるからまだいい、のか?」

男「ただし冷凍などといった保存は不可」

男「つまり病気・怪我した人の前でオナニーして飲ませないといけないのだ」

男「…………糞やんけ!」

男「理由を知らない人からすれば死に掛けの人や苦しんで寝込んでる人の前で興奮してるクズやろうじゃねえか!」

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男「初めて俺の精子にこんな能力があると気付いたのは――14歳のころだった」

男「当時の俺はオナニーに目覚め、サルのように耽る毎日だった」シミジミ

男「そんなある日、いつもの様に学校帰りの体育館裏で女子の練習姿を見ながらナニっていた」

男「しかし――もうすぐでイキそうなときに後ろから『ガサリ』という音がした」

男「咄嗟で判断を誤ってしまった俺はシコったままそちらへ向いてしまう」

男「正直俺は終わったと絶望していた」

男「けれど、そこにいたのは今にも死にそうだった猫だった」

男「車にでも引かれたのだろう。猫は下半身がグチャグチャだった」

男「その姿に居た堪れない気持ちになったのだが、同時に人でなかったという安堵から射精してしまった」

男「突然の事に驚く猫。そして俺」

男「精子は猫の顔面に注がれ、ゆっくりと垂れていった」

男「死にかけの猫にぶっかけてしまった時、流石にオナニーを止めようかと本気で思った」

男「だが――その猫は次の瞬間、驚いた事にジャンプして走り出したのだ!」

男「その時のオレはまさか精子にそんな力があると思わず、動物の生存本能にただ感動した」

男「死にかけじゃなかったという安堵から再び俺はシコったけど」

男「それから数日したある日、HRで学校の桜が切られることになった」

男「先生の話によると病気でいつ倒れるか解らず危険だからとの事でだそうだ」

男「俺はその木には大変お世話になっていた(意味深)」

男「ならば最後ぐらいはと夜誰もいなくなってから木に向かって万感の思いを込めて射精した」

男「因みにこの時点でまだ生死が特効薬だと気付いていない」

男「ただこの木を登った事でオナニーの素晴らしさを気付かせてくれた。その感謝からだ」

男「そして次の日、事件は起こる」

男「柄にもなく感慨深い思いで登校し――驚愕する」

男「その時は11月ごろだったと思う」

男「だというのに、その桜が満開になっていたのだ!」

男「それは俺だけでなく生徒や先生も驚いていた」

男「何せ病気で来年は咲くかも怪しいと囁かれていた木が、葉が全て落ち見窄らしかった桜が――」

男「こんなにも美しく咲き誇っていたのだから……!」

男「因みにこの時『もしかして俺の優しさは誰かを癒やすのでは!』という勘違いをしていた」

男「まあ普通精子が万能薬になるとは思わないだろう」

男「またおおっぴらに公開するレベルではないが若干の中二を患っていたというのもある」

男「俺はシャイボーイなので人に言う前にまず試した」

男「当然効果は無し」

男「本気でないと駄目なのかと当時好きだったシフェンテスさん(仮名)を思ってみた」

男「しかし、これも駄目」

男「半場諦めかけ、久々にオナニーをしようと体育館裏へ行って――気付く」

男「俺がナニっていた場所だけ草が異様に育っていると!」

男「まさか……と当初は否定した」

男「精子が治療薬になるなどと夢にも思わなかったからだ」

男「それに精子はタンパク質だし、肥料代わりになった可能性だってある」

男「だが、それでも……試さずにはいられなかった」

男「そして俺は精子が万能薬だと気付いたのだった」

男「けれど俺はこの能力を人に使ったことは一度も無い」

男「だって精子を飲ませるってとんでもない行為だろ!」

男「しかも目の前でやらなきゃいかん……って、何の罰ゲームだよ!?」

男「どうせなら俺の精子が媚薬になるとかが良かったよ」ガックリ

男「べ、別にモテないからって使ったことがないわけじゃないんだからねっ!」

男「こうして俺は誰にも試せないまま高校生を迎えたのだった」

男「因みに具体的に効果を説明しよう」

男「まず俺自身には効果がない(ただし俺は人より病気にも強いし怪我の治りも早いみたいだ)」

男「次に摂取した生き物は一瞬で現在におけるもっともよい肉体を得る事が出来る」

男「解りやすく言うと……少しややこしいのだがまず前提として寿命は延びない」

男「これは恐らく生命は細胞の分裂回数が決まっているからとからしい(by理科教師)」

男「そのため俺の精子によって万全になろうとも再び錆びていくから延びないのだという」
(詳しくは良く解らないのだがあくまで俺の精子は現在の状態を万全にするだけで情報そのものは残るとの事)

男「結局は自然に細胞は朽ちていくので瞬間治したところで日々溜まっていく老化は防ぎようが無いのだ」

男「なお鍛えた肉体を元に戻すことは出来る……が結局鍛練しなきゃ衰える」

男「なおこの実験は俺個人で行ったもので実際の研究や検証をした訳ではないのであしからず」

男「だって研究とかいって拘束されたら怖いじゃん!」

男「もしかしたら鬱ゲーに出てくる様な身動きできない状態でただ精子を出す人形みたいにされたら!」

男「他にもいろんな薬物とか投与されて廃人になるのも嫌だし」

男「裏の世界で生きたり、俺の精子の事を隠すって言う手もあるけどそれも絶対安全じゃないだろう」

男「結局使わずに黙って生きるしかないんだよ」

男「せめて金儲けに仕えたらいいんだけど……無理だろうなぁ」ハァ

次回『選択』
その時男はどちらを取るのか……

とぅービぃーこんてにゅー?

>>12 修正


男「だって研究とかいって拘束されたら怖いじゃん!」

男「下手したら鬱ゲーに出てくる様な身動きできない状態でただ精子を出す人形みたいにされたら!」

男「他にもいろんな薬物とか投与されて廃人になるのも嫌だし」

男「裏の世界で生きたり、俺の精子の事を隠して医者やるって言う手もあるけどそれも絶対安全じゃないだろう」

男「結局使わずに黙って生きるしかないんだよ」

男「せめて金儲けに利用出来たらいいんだけど……無理だろうなぁ」ハァ

男「高校生活は大して面白くも無い」

男「片手で収まる程度の知人は出来たがそれだけ」

男「相変わらず女子はと話せない」

男「結局今も変わらず俺の趣味は家でゲームかオナニー」

男「特別な出来事も起こらずきっと三年間を無為に過ごす……筈だった」

男「どうでも良い事だが人間生涯で事故を目の当たりにする確率ってどれ位だろう?」

男「少なくとも両親や親せきは一度も見た事がないと聞いた」

男「また俺もニュースで聞く程度で関わる事なんてないだろうなって思ってた」

男「けれどこの能力を持っているからかただ不幸だったからか」

男「今、目の前で人が大怪我をしていた」

男「現場は俺が通う高校前の大通りで発生」

男「原因は大型トラックの急カーブによる転倒」

男「幸いとは言えないがトラックで轢かれた者はいなかった」

男「けれど積んであったパイプが人々(主に学生たち)を襲った」

男「大量のパイプが勢いよく飛んでくるのだ。無事ではすまない」

男「打撲や擦り傷は勿論、骨折や下敷きの被害も多そうだ」

男「だが、それよりも俺が目を覆いたくなったのは――」


男「何本ものパイプが腹部へと突き刺さった少女がいたことだった」

男「どうやったらあんなになるんだろうかと思える程パイプは見事に少女へ突き刺さっている」

男「パイプから下たる血液は鮮やかで状況も考えず『綺麗だな』なんて思った」

男「俺が我に返ったのは周囲から上がる耳を劈くような悲鳴でだ」

男「幸運なことに俺は事故が起こった場所の反対車線側にいたので脅威に怯える事は無かった」

男「けれどこれはどうするべきなのだろうか」

男「普通の人間なら怯えて逃げ出すか急いで救急車を呼ぶだろうが俺は違う」

男「俺には事故に遭った人々を、彼女を助ける事が出来る」

男「特にあの少女は病院に搬送されてもまず助からないだろう」

男「けれどこの精子なら救えるのだ!」

男「だというのに、人々の目がある状況でオナニーする勇気が俺にはなかった」

男「考えても見て欲しい。この状況でオナニーをすれば間違いなく人生を終える」

男「同じ高校の生徒からは白い目で見られるし、そもそも公然猥褻罪でタイーホされるかもしれない」

男「それに苦しんでいる少女の前でヌける自信がない」

男「迷って視線を彷徨わせていると――嫌なことに少女と目が合ってしまう」

男「大分出血しているのだろう、彼女の目は虚ろになっていた」

男「それとももう生きられる可能性を諦めているのか」

男(そ、そうだよ。普通の人はこんな力持ってないんだし俺が他人の為に人生投げる必要なんてどこにもないじゃないか)

男(あの子は不幸だった。ただそれだけじゃないか)

男「自分は悪くないのだと言い聞かせてその場を後にしようとする」

男「その時――少女の瞳から一筋の涙が零れるのを見た。見てしまった」

男「彼女がまだ生きたいと願っている事を知ってしまった……!」

男(何がもう生への可能性をを諦めている、だ。そんなの俺の勝手な言い訳じゃねえか)

男(都合の良い言葉並べて逃げる口実をさがしてるだけじゃねえか!)

男「知ってしまったからには見て見ぬ振りは出来ない」

男「しかし行動を移すにはあまりにも臆病だった」

男(な、何してんだ! 助けるってききき決めたんだろ)ガクガク

男(だったら急いで彼女に精子を飲ませなきゃダメだろ!)ガクガクガク

男「必死に心を奮い立たせるが体は反して震えを強くする」

男「そうこうしてる間にも彼女の命は刻一刻と削られているというのに」

男(動け、動けよっ! 早くしないと彼女が、彼女が死んじまう!)

男(散々格好良いシチュエーションって奴に憧れてただろうが! それが今だろ、だから動いてくれよ!)

男「傍から見れば俺の姿はどう見えてただろう」

男「可哀想だと悼んでいる少年だろうか、目の前の光景に恐怖する少年だろうか」

男「どちらにせよ何もしていないことに変わりはない」

男「終ぞ俺は彼女の元へ向かうことは出来なかった」

男「ただ彼女やその他のけが人が救急車で搬送されているのを呆然と眺めていたのだ」

男「そう。俺は最後の最後まで自己保身を捨てきれなかった」

男「だというのに……必死に葛藤したから良いじゃないかと思ってる自分がいる」

男「そんな俺に反吐が出る気持ちになりながらその日を過ごしたのだった」

次回『邂逅』
男は道を決められるのか……

とぅービぃーこんてにゅー?

パイプ内に精子を注げばバレなかったんじゃ…

>>31-32
君らの発想に完敗
ちなみに無機物は治りません


男「事故から数日、未だに罪悪感が残っていた」

男「またあの事故での被害者の大半は未だ入院しているとの話を聞いてしまったのも余計後悔させた」

男「そのせいか元々内向的だった俺はあの日を境に更に無口になってしまった」

男(どうして……どうして俺が責任を感じなきゃいけないんだよ!)

男(そうだよ、そもそもこんな能力だから救えなかったんだよ!)

男(触れただけで治せる力とかだったら俺だって躊躇しなかった)

男(だから――俺は悪くないっ!)

男「その度に何度も何度も必死に正当化しようとしても『俺には救えた』という言葉が脳から離れないでいた」

男「オナニーはしなくなった。すると思い出してしまうから」

男「また眠れなくもなった。寝る度に思い出してしまうから」

男「残念なことに友達と呼べる人がいなかったので俺はひたすら勉強した」

男「けれど残念なことに体力も気力もあまりなかった俺は2日も持たず倒れてしまう(ひたすらって程でもなかったw)」

男「恐怖で眠れはしなかったが体が動かないというのはなんだかおかしかった」

男「これはもしかしてあの時救わなかった罰なのかな、と思いもした」

男「そうこう考えている内に俺は保健室……ではなくカウンセリング室へと連れて行かれた」

どうでもいいかもしれないけどちょっと書き方変えて良いです?
それとも今まで通りの方が良いです?

現在は男の語りも台詞として書いてますが、地の文として書いた方が楽かなぁと思いまして
その代わり使ったことがないので見辛くなる可能性が大でありんす

5人くらいの意見をお聞かせ願いたい

やりたいようにどうぞ

>>38-41
意見ども
4人ですが嬉しくなり我慢できなくなったので投稿再開

『どうしてこんな所に?』と最初は思った。
けれどそれは目の前の人と会話していく内に解っていくだろう。

???「こんにちは、意識はあるかしら?」

はい、と答えようにも思ったように動かせない。
仕方なく瞬きをしてみた。

???「うん、それじゃあ取り敢えず――寝よっか」

そう言い終えると同時、彼女は俺の意識を刈り取った。

ゆっくりと目を覚ます。
覚醒してまず感じたのは後頭部の痛み。
原因不明の鈍痛に悩まされながらも少しずつ頭を回転させて周囲を見渡し、こちらを見つめている女性に気付く。

???「やっほー、よく眠れた?」

男(誰、だっけ?)
男(確か寝る前の記憶を辿りカウンセリング室へ連れてこられたことまで覚えているが――)

そこまで考えこの人に気絶させられたことを思い出す。

男「ひぃ――っ!? 殺される!」
???「いや、殺さないって」

そうはいわれてもいきなり気絶させられた相手を信用なんかできない。
一刻も早くこの場から去ろうとするが、体力がない状態の俺は簡単に捕まってしまった。

???「落ち着いた?」

男「な、なんとか」

???「全く、人を殺人者呼ばわりなんてちょっとひどいんじゃない?」

だったら出会い頭に襲わんで欲しい。
せめて説明するとか。

???「けどその様子だと少しは眠れたみたいね」

そう言えば少し楽になっている気がする。
だからと言って目の前の人の感謝なんてできないが。

男「そ、それで……どうして俺ここにいるんですか?」

???「男君はカウンセリング室で厭らしい事でもすると思ったの、ヤダッ!」////

男「ちちち違いますよ! どうして倒れたのにこの部屋に連れてこられたかって訊いてるんですよ!」

なんだかこの人と話していると疲れそうだ。
と思った矢先、

???「そんなの君が一番分かってるんじゃない?」

予想外の言葉を受けた。

何か書いててキモい気が……
変に地の文を使おうとし過ぎてるから?
試行錯誤しながら書いていきますので書き方が変わるかもしれませんがよろしくオナシャス
今日はもう寝ます

そんなに違和感ないと思う

糞見辛いな

>>50
やはり見辛いか……
ただ>>48-49の方は問題ないと言ってくれたのでもう少しこのまま書いてみますわ


男「わ、分かってるって、何を言ってるんですか?」

戸惑いながらもなんとか言葉を返す。
正直この人が何を言いたいのか解らなかったけれど酷く動揺した。

???「私には分らないわ。でもその様子だと心当たりくらいはあるんじゃない?」

『心当たり』と問われれば一つしか思い浮かばない。
確かにその事に関してならばカウンセリング室へ連れてこられたのも頷ける。
けれど……この先生が事故の件を言っているのだとしても、俺は他の人とは悩んでいる理由が全く違う。

男「何の事だか……良く解りません。俺そんなに頭良くないからハッキリ言って貰わないと」

???「そう? なら違っていたら別に良いんだけど先日起きた事故見なかった?」

彼女は俺の目を真っ直ぐ見ながら尋ねてきた。

男「……見ました、けど」

やっぱりそうか、と思いながら答える。

あの事故は学生たちにとって衝撃的だったのは事実だろう。
現に俺も悩みは違えどこうして悶えている。
それを見越しての対応なのかもしれない。

???「そっか。で、男君はあの事故をどうしたいと思った?」

質問の意図が解らず首を傾げる。

どうしたい?
そんなの俺にはどうすることも出来ない。
強いて言うのなら――『見なかった事にしたい』だ。

???「思ったことを素直に言って良いんだよ」

その発言に思わずすがりたくなる。
別に言ってどうこうなる訳ではないが口にしてしまったら最後、俺は二度とこの力で誰かを助けなくなってしまいそうで怖かった。

???「先に私が意見を言おっか。今の私の立場からすればカウンセリングの仕事が増えるからヤダな~って所かな」

彼女は俺に話しやすくしようとと考えたのか冗談交じりに述べた。
気を遣って貰えたことに嬉しく思ったが、やはり俺の思いは口に出来ない。
なので無難な意見を答えよう。

「自分じゃなくて良かったって思ってる俺が嫌で、でも事故にあった人は可哀想だなって思っていて……」

何となく悩んでいるけれど要領を得ない感じで話した。
これなら適当に誤魔化せるだろう。

――けれど彼女には通用しなかった。

???「もしかして君、助けたかったの?」

男「――は? なに、を」

確信を突かれたからか動揺を隠せず無意識に声が裏返る。

???「さっきから聞いていると負傷者に同情しているようには見えなかったから」

男「ど、同情してますよ!」

同情は確かにしている、可哀想だとも思っている!
俺が悩んでいるのはこの力があるのに助けられなかった事なのにと、思わず声を荒らげてしまった。

???「ごめんごめん、そう言いたかったわけじゃないの」

彼女は苦笑いしながら俺の頭を撫でてくる。

???「ただ男君が事故にあった人たちに罪悪感の様な感情を抱いていると思ったからよ」

男「……どうして、そう思ったんですか?」

???「どうしてと言われれば経験としかいえないけれど、その様子じゃ図星ね」

先生はにっこりと笑うと撫でるのを止め、正面に向き合う。

???「無理に話せとは言わないけれど悩みは誰かに打ち明けるとスッキリするわよ」

???「それにただ何もせず暗い感情を溜めこむよりはマシじゃない?」

そう諭されて俺はこの人になら話しても良いかもしれないと感じた。
なにより――

???「あ、でもその悩みが解消されるとは思わないでね」

時折おどけてみせる彼女の人柄がそう思わせたのかもしれない。

次回『改悟』
男は何処へ進むのか……

とぅービぃーこんてにゅー?

>>58
誰がしゃべっているか分かりやすいからあったほうが親切やな

>>59-62
ありがとうございます
もう余計なことで悩まない!

それでは悩みも解決した所で今日も程々に書いていきます



心理「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私は心理、心理先生って呼んでね♪」

男「あ、俺は男って言います」

遅すぎる自己紹介の後、俺は悩みを打ち明け……ようかどうか迷った。

いや、話そうとは思っている。
ただ『俺の精子は万能薬なんです』と言って信じて貰えるだろうか。

悩んだ末精子の事は暈して話す事にした。

心理「ふーん……君の唾液が万能薬、ね」

男「俺自身まだ本当に効くかどうか疑わしいですけど事実動物とかは治せているんです」

心理「まあ真偽はともかく君自身がその能力を知覚している時点で悩む理由にはなるわね……」

先生も完全に信じた訳ではなさそうだが、少なくとも俺が真剣に悩んでいるという事は伝わったようだ。
考えているのか彼女が黙ってしまったので俺も静かに返答を待つ。
暫らくすると徐に顔を上げて真剣な面持ちで切り出した。

心理「それなら――私と『キス』しようか?」

男「ふぇっ!?」

素っ頓狂な声を出しながら俺は直立をしていた。
しかしこれは仕方ないのだ。
童貞で女子とも真面に話した事無い俺には衝撃過ぎる発言だったのだから。

心理「だって君の唾液が本当に万能薬か分らないんでしょう?
 だったら確かめるしかないじゃない」

確かにそれはとても嬉しい申し出だが如何せん俺は一つだけ嘘を吐いてしまっている。
そう、唾液が万能薬なのだという嘘を!

くそう、もし最初に精子が万能薬だって言ってたら咥えて貰えたんだろうか。
――いや、それはないな。
うんうん、アリエナイ。

心理「……もしかして私とするのがイヤなんでしょう」

動かず黙ったままの俺に何を思ったのか先生はそう尋ねてきた。

心理「酷いっ、勇気を出したのにこんなババアじゃ嫌だと思ってるのね!」

男「そ、そんな訳ないじゃないじゃないですか!」

最初の出来事で目がいかなかったが心理先生はかなりの美人だ。
黙っていればミステリアスだし見た目も若いし胸もその……大きいし。
もし本当にキスが出来るのならむしゃぶりつきたい位だ。

だがしかし、俺は出来ないのだ。

今から実は精子が万能薬でしたと言うか!?
それとも取り敢えずキスしてから嘘でしたと打ち明けるか!?
そんな事をすれば信用を失うどころかブッ飛ばされるか警察にご厄介だ。

何より折角本気で思ってくれているこの先生を騙したくない。
なので俺は――

男「た、ただ冗談を真に受けたから驚いちゃっただけですよ」

嘘を吐いたあげく嫌われる道を選択した。

男「だって唾液が万能薬って!
 子供ですら信じない話を鵜呑みにされちゃ焦っちゃいますよ!
 まあ確かに下心がなかったわけじゃないけどそんなあっさり信じられちゃ萎えちゃいますって!
 もしかしてセックスが万病の治療法だって言っても信じちゃう人ですか!?」

恐怖を捨て嘲るように一息で捲くし立てる。
正直声が震えそうになったり上擦りそうになったが勢いで誤魔化した。
それよりも好意を踏みにじる言動に涙が出そうになるのを堪えるのが大変だった。

何せ泣く権利がある筈が無いのだから。

対して先生は無言だった。
真剣に考えたのにそれが嘘だったことに憤慨しているのだろうか。
それとも冗談を俺が本気で捉えたことに呆れているのだろうか。

どちらにせよこの静寂は耐え難い。
俺は努めて明るく歩き出す。

男「まあでも先生と話せて楽になりました。
 事故の件で悩んでいたのは事実ですし、こんな冗談に乗ってくれた先生には感謝してます。
 それじゃあ失礼します」

淡々と礼を述べ出口へ向かった。
先生に嫌われてしまった事は残念だがこれでいい。
これで良いんだと、無理矢理自分を納得させ部屋から出ようとする。

しかし――それは先生に背後から抱き締められたことによって叶わなかった。


心理「君って本当に、分かりやすい子だね」

次回『改悟2』
男の道は善か悪か……

とぅービぃーこんてにゅー?

全身を包み込まれるように抱擁されたからか自然と力が抜ける。
そのまま体を預けたい衝動に駆られるが何とか踏みとどまった。

心理「別に無理せず甘えればいいのに」

心境を悟ったのか柔和な笑みを浮かべながら顔を向ける先生。
対して俺は気恥ずかしさで顔を逸らしてしまう。
けれど次視線を戻した時には、変わらぬ表情ではあるが雰囲気が真剣なものになっていた。

心理「君はきっとすごく悩んだんだね。助けられる力を持ってしまったが故に。
 そして自己犠牲という発動条件に苦しんだ。良心に苛まれて。
 何より誰も助けられなかったという後悔で押し潰されそうになってしまった。
 でもね……君は救っているんだよ?」

甘く澄み透った声で囁かれる言葉は甘美で彼女の言葉に縋りたくなる。
けれどそれは一瞬だ。

俺が誰を……? あの時は誰も助けられなかった。
そんな適当な慰めを聞いたって虚しくなるだけだ。

心理「男君の力があれば確かに助けられたのかもしれない、救えたかもしれない。
 けどもし救ったとしてもその中で絶対に救われない人が出てしまうわ」

彼女がナニを言っているのかわからない。

だというのに、息が出来ない。
鼻の奥がひどく、痛い。

心理「人はね、他人の犠牲の上で成り立つ幸せなんてたとえ助かったとしても救われないの。
 心がその幸せを受け入れられないから。
 だから私は心を助ける事こそ救いだと思うの。
 そして君は事故の時確かに一つの心を守ったでしょ?」

男「あ……」

彼女が紡ぐ言葉を理解する。
同時に自分ではどうしようもなかった葛藤が、解けていく。

心理「そう。だから君は救ったんだよ。

 ――自分自身をね」

男「ぅ、あ……っ! うわぁあああああああああああ――っ!」

溜まりに溜まった感情が爆発し、自然と泣き叫んでいた。
ただただ必死にグチャグチャの思いを吐き出そうとひたすらに泣いた。

その間、先生は何も言わずに優しく抱きしめていてくれた。

さんざん考えたがもうアカン
これが折れの文才の全力

……疲れた、寝る!

暫らく泣いた後、少し落ち着いたので俺と先生はソファへと腰を下ろした。

心理「もう大丈夫?」

そう尋ねながら先生はハンカチを差し伸べてくる。
俺は涙声になりそうだったので首だけで返事をしハンカチを受け取った。

心理「子供のうちは溜めこんじゃダメよ。直ぐ感情に押しつぶされちゃうから」

優しい声と頭を撫でてくれたお蔭で俺の心はだいぶスッキリした。
けれど思考がクリアになったからか今までの醜態と現在のこの状況に羞恥で顔が真っ赤になる。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずかふざけた発言をした。

心理「もちろん男の子はあっちも溜めこんじゃダメだからオナニーも大事よ」

男「何言ってんですかっ!」

心理「も~、冗談じゃない~」

怒鳴る俺に先生は膨れっ面で返す。
くそっ、反則的に可愛い。

男「そ、それでは落ち着いたのでそろそろ失礼しますっ!」

このままじゃ脳みそが沸騰しそうなので急いで立ち上がろうとする。
だが先生に頭を押さえ付けられて立ち上がれなかった。
……この人意外に力ある?

心理「話はまだ終わってないでしょ。
 一番の問題がまだ解決してないじゃない」

一番の問題、とはなんだろうか。
俺が悩んでいたのは助けられなかった事だ。
だがそれも先生の言葉で楽になれた。
なら彼女の言っている問題とは?

心理「だから君の……えと、その」

先程までハキハキと喋っていたのに突然歯切れが悪くなる。
何をそんなに言い煩っているのか考えて、気付く。
もしかして俺の唾液が万能薬って事を言ってるのだろうか。

男「そのですね、さっきの話は――」
心理「君とのセックスが万病の治療法だって話よ!」
男「唾液じゃなくて…………は?」

先生の口から出た発言はとんでもない内容だった。

この人は何を言ってるのだろうか?
余りに脈絡のない発言に首を傾げずにはいられなかった。

男「先生は何を言ってるんですか?
 いやそもそもどうしてセ、セックスが治療法だなんて勘違いを」

心理「えっ! だ、だって嘘だって言った時に冗談っぽく例えで言ったじゃない」

……確かに思い返してみればそう述べたかもしれない。
しかしだとしてもどうしてそれが本当だと思ったのだろう。

心理「あの時の男君はわざと信じてもらえないように悪ぶったでしょ。
 確かに元々信じにくい内容だからあそこで冗談だと言われれば納得するかもしれないけど、治療法云々の発言している間だけは私の目をしっかりと見て言ってきた。
 だからそこでの発言こそが本当だと思ったの。
 何より君が嘘を吐き続けられるような人じゃないと判断したからね」

あと表情でバレバレよ、とも付け加えられた。
本当にこの先生には嘘が吐けないな。

男「あの、確かに先生の考えは正しいんだろうけどちょっとだけ違うんです」

心理「違う……?」

もうここまで来たら偽る必要もない。
正直に伝えよう。


男「実は俺の精子が――万能薬なんです」

本当は前回でここら辺まで書ければ良いと思ってたけど満足のいく感動的なシーンが書けなくてふて寝してしまった
まあ文才がないのは今更だからもう気にしない


次回『模索』
男はとうとう一歩踏み出す時が来た……

とぅービぃーこんてにゅー?

>>78 修正


心理「流石の先生もね、その手伝いは出来ないって言うか……
 (そもそも君が動物にそう言う事をしていたことに正直驚いたって言うか)ボソボソ
  でもね! 先生も君の能力が役立つ方法を考えるから」

この人は何を言ってるのだろうか?
余りに脈絡のない発言に首を傾げずにはいられなかった。

男「先生は何を言ってるんですか?
 いやそもそもどうしてセ、セックスが治療法だなんて勘違いを」

心理「えっ! だ、だって嘘だって言った時に冗談っぽく例えで言ったじゃない」

……確かに思い返してみればそう述べたかもしれない。
しかしだとしてもどうしてそれが本当だと思ったのだろう。

心理「あの時の男君はわざと信じてもらえないように悪ぶったでしょ。
 確かに元々信じにくい内容だからあそこで冗談だと言われれば納得するかもしれないけど、治療法云々の発言している間だけは私の目をしっかりと見て言ってきた。
 だからそこでの発言こそが本当だと思ったの。
 何より君が嘘を吐き続けられるような人じゃないと判断したからね」

あと表情でバレバレよ、とも付け加えられた。
本当にこの先生には嘘が吐けないな。

男「あの、確かに先生の考えは正しいんだろうけどちょっとだけ違うんです」

心理「違う……?」

もうここまで来たら偽る必要もない。
正直に伝えよう。


男「実は俺の精子が――万能薬なんです」

正直に打ち明けた後、直ぐに俺は先生を連れて実際に見せた。
断っておくがオナニーや射精を見せた訳じゃない。
精子が本当に万能薬かを知ってもらったのだ。

心理「……本当に切り刻んだ木も、再生してる」

心理先生は驚きを隠せいない様子で復活した草木を凝視していた。
先程まで俺が見えないようにオナっている姿や確認の為に精子を見せた時は恥じらっていた姿はどこへやらだ。

それにしても久々だったからかそれとも彼女の前で隠れてしたからか沢山出たな!
何だか新たな性癖に目覚めそうな気する……。
っと、今はそんなバカな事を考えている場合ではなかった。

男「それでその、信じて貰えましたか?」

心理「まあ植物は完全に治る事は分ったわ。因みにこれはやっぱり動物も?」

男「ええ。確かめてみた所治せました」

先生はそう、とだけ口にすると考え込んでしまう。

そう言えば今更ではあるが今後俺はこの能力とどう向き合っていけばいいのだろうか。
以前の事故のような場面がまた起こる可能性もある。
その時俺はまた逃げるか、今度は救うのかどちらを選べばいいのか。

心理「ねえ男君、ちょっといい?」

などと没頭していると先生が呼んでいる事に気付く。

男「えっ、はい! なんですか?」

慌てて返事する俺を気にした様子もなく彼女は続ける。

心理「君はこの力を誰か、大きく言えば世界の役に立てたいとか思ってる?」

その問いに直ぐに返事は出来なかった。
現に俺も最初はこの力を役立てるべきか迷ったから。

以前にも思った事だが出来ることなら人を助けたいし、私利私欲にも利用したい。
しかし他人に利用されるだけの人生になるような事態は避けたい。
だから公にこの能力を公開したいとは思わないのだ。

もう一度考えて見たが俺の中で結果は変わらない。
冷徹な奴だと思われるかもしれないが先生には素直に言おう。

男「そうは思ってないです。か、可能なら目の前で誰かが傷付いても見て見ぬ振りをしたいくらい……です」

いざ話すと先生に見限られないか心配になって語気が尻すぼみになっていた。
いつの間にか俯いてるし……。

と、不意に目線が上がる。

心理「ちょっと意地悪な質問だったね」

気付けば先生が両手で俺の頬を掴み、顔を持ち上げていた。
割と今更だがこの人は年頃の男子高校生に対してちょっとスキンシップが過ぎやしないだろうか?

なんてドキドキしている俺を余所に柔らかい笑みを見せた。

心理「この力を知れば世界中から君の精子が欲しいと押し寄せるでしょうね。
 でもそれは決して良い事だけではないだろうから。
 よくある話として奇跡の聖女として謳われた人が後に魔女の烙印を押され処刑されるなんてのもあるし。
 一生施設の中で人助けのために使われる、なんて可能性もあるかもしれないから」

男「そ、それはさすがにそれは漫画とかの読み過ぎじゃ」

心理「死にかけだろうとどんな病気だろうと治すってのは君が思っている以上に凄くて恐ろしい能力なのよ。
 その状況の人からすれば何を支払ってでも欲しいと思うはずだし、利用したいと考える人間も確実にいるわ。
 君の言った通りどんな悲惨な光景に遭遇しても一般の対応だけで済ますのが望ましいわね」

冗談で流そうとした俺を叱るかのように諭される。
特に最後の言葉には何というか……複雑な感情がこもった重みがあった気がした。
勿論俺も考えなかった訳ではないが先生の言葉で改めてこの力がより恐ろしいものだと実感をさせられる。

心理「っとまあ怖がらせるのはここまでにして!」

先生はシリアスな雰囲気は終わりと言わんばかりにパンと手を叩いた。

心理「正直私も出来るなら見て見ぬ振りするのが一番だろうけど、男君は優しいからそれだと自分の心が参っちゃうと思うの」

優しいかはともかく俺も精神が耐えられるか不安である。
今回の事故後だって先生に会うまで相当悩んだ訳だし。

心理「だから将来の方針の一つとして考えてみて欲しいんだけど」

軽い口調だが将来という前置きから真剣な話だと判断し自然と姿勢を正す。
そして彼女は意外な職業を提案してきた。


心理「――君、カウンセラーになってみない?」

次回『取捨』
男は能力とどう向き合うのか……

とぅービぃーこんてにゅー?

先生との会話を終えた頃には日も沈んでいた。

心理「だいぶ遅くなっちゃったね。車で送ろうか?」

その申し出はありがたかったが少し歩いて考えたかったので断った。
あとでめっちゃ後悔するのだがこの時は真面目に能力と向き合いたかったのだ。

男「カウンセラー、か……」

先生と別れた後、改めて口にしてみる。
正直理由を説明された今でも悩んでいた。

心理『君の能力を生かすなら重病や大怪我をして心が参ってしまった人にカウンセリングしていきながら飲ませれば良いと思うの。
 飲んでもらうにも上手く隠して誤魔化さなければならないけど近くにいられれば機会はあると思うから』

確かに悪くない案だとは思うが最善とは思えなかった。
だからと言って俺は他に手段が思い付かない。
ならばと利点と欠点を考えてみた。

利点はほぼ確実に近付けるところだ。
普通病人や怪我人に接触する機会はない。
しかしカウンセラーなら容易に近付けるだろう。

次に信頼を得やすい。
相手は精神的に不安定で脆い状態なので心の拠り所になりやすい。
そこを突けば騙すのも楽になる。

逆に欠点はある程度話術が必要になる。
信頼を得るにも騙すにもなくてはならない。

またそれ以前に資格も必要だろう。
それには話術に加え知識も重要になる。

他にも利点欠点はあるだろうが現段階ではこれくらいだろう。
そして考えるまでもなく欠点が俺にとっては大問題だ。

まず人見知りのコミュ障なので話術は論外。
次に知能が低いので今からだと猛勉強が必要になる。
最後にカウンセラーに必要不可欠な思いやりの心が全くない。
これは一番の致命的欠点だ。

総合的にみるとやはり俺にカウンセラーは無理な気がする。
最初から諦める姿勢が良くないのはわかっているが先生だって方針の一つだって言ってたじゃないか。

そう結論付けた俺は考えるのを止め自宅へと走る。
今はただ2日ぶりに満足するまでオナニーがしたいという欲求でいっぱいだった。

次の日、俺は授業を終えると再び心理先生の元へ訪れていた。
昨日考えた事を一通り述べて今更だけどなんて我儘なんだ俺は。
カウンセラーは嫌だから別の案を出せって言ってるようなもんじゃないか。

けれど先生は嫌な顔をしなかった。

心理「まあ苦手な分野を背負ってまで無理に目指す必要はないわ。
 嫌々だと長続きせず直ぐに辞めてしまうだろうから。
 それに能力を仕事に使わない別の付き合い方があるだろうし」

笑顔で返してくれる姿を見て改めてこの人がカウンセラーなんだなと思う。
俺だったら確実になら自分で考えろって言ってしまいそう……

男(ん? 背負う、無理に、必要はない、直ぐに辞める、別の付き合い方)

断片的な言葉が不意に頭の中で浮かび上がる。
そして考えるよりも早く欠けていた文字が組み合わさり――閃く。

男「そうか――っ!」

心理「ひゃあっ!? ど、どうしたの……急に立ち上がって?」

思い立ったが吉日。この考えに至ったからには動せずにはいられなかった。
何より上手くいけばあの事件の被害者を助けられるかもしれない。

男「先生っ!」

俺は戸惑う先生を余所に眼前まで迫り手を握る。

心理「な、なにっ!? いっておくけど先生は駄目だからね! まだけいけ――」
男「俺を先生の助手にしてくれませんか!?」
心理「んが……って、はい?」

気持ちが先走り過ぎて大胆な行動に出てしまったことに後で後悔した。

次回『雪辱』
男は立ち向かえるのかそれとも……

とぅービぃーこんてにゅー?

休日、俺は高校近くの病院に来ていた。
理由は勿論、あの事故で怪我してしまった学生たちを助けるためだ。
今度こそ俺の精子を飲ませて!(邪な気持ちはほとんどない)

しかし自分で言いだしてここまで向かったのは良いがいざとなると酷く緊張する。
加えて嘗てのトラウマがよみがえり今にも吐きそうだ。

男(おちおちおちおちつんけっ! こういう時こそ冷静にならなんだ!?
 まずは呼吸を整えて、スゥ――)
男「げほっげほっ!?」

どうにか落ち着こうと深く息を吸うが焦りのせいか咽てしまい余計に混乱していく。

なんて一人でテンパりダンスを舞ってると突然視界が暗くなる。

???「だーれだ?」

さっきまでの余裕のなさが嘘のように頭がクリアになる。
――いや、一色に染められた。

男(背中におっぱい! 柔らかい双丘! たわわな二つの果実! ダブルチョモランマ!)

駄目だ、今度は別の問題で冷静さを欠いている。
しかし諸君、この状況は一生に一度あるか解らない。
ならば全神経を背中に集中してこの感触を堪能せねば!
まずは乳首を――

???「ねえ、聞いてる? 私は誰でしょう?」

イカンイカン。
今日の目的を忘れるところだった。
けれどもう少し味わっていたい。
だがここで返事をしなければ離れてしまう可能性もある。
ならば最善の一手は――!

男「誰って……心理先生しかいないでしょう」

心理「せいか~い。ご褒美に良い子良い子してあげる~」

確かに正解だ。
流石俺。
この状態でなでなでして貰うとか最高だッ!

だがマズイ。
数日必死に我慢して溜めていたモノが今にも爆発してしまいそうだ。
現に息子が場も弁えず唸りを上げている。
誠に残念だが彼女から距離をおいた。

男「な、なにするんですかっ! 子供じゃないんだから止めて下さいよ!」

心理「良いじゃない。それとも嫌だった?」

男「嫌とかそう言う問題じゃなくて恥ずかしいんですよっ!」

恥ずかしいのは本当だ。
こんな公共の場で女性に対して免疫のない童貞ボーイの俺にはキツすぎる。
まあ今回は別問題で慌てたんだけどね。

男「取り敢えずその話は置いといてもう行きましょう」

ともあれ冷静にはなれた。
未だに落ち着いてない箇所はあるが悟られぬよう歩き出す。

心理「まだ時間はあるから一応今日の段取りを確認しておきましょう?」

先生は腕時計をチラリと見た後、近くのベンチを指差す。

男「わかりました、そうしましょう」

俺としても座れるのはありがたいのでその提案は嬉しい。
それに確実にこなす為にもおさらいは大事だ。
そんなわけで俺たちは席に座ることにした。

もうしばらく話は進まないが今日はこれにて失礼

心理「まず私がカウンセラーとして生徒たちのアポイントを取るまでは問題ないわ。
 でも次からが本命だから気を引き締めないとね」

先生とベンチに座り、確認がてら復唱していく。
今回の作戦は非常に簡単なものだ。

まず先生が心のケアと称して入院中の学生と接触する。
そして俺は怪我人と仲の良い生徒として先生と同行させてもらう。
違和感はあるだろうがカウンセリングに必要だとか適当な理由でなんとかするつもりだ。

心理「確かにこれなら君がカウンセラーになる必要もないし、人目に付かない所にも呼び出せるからだいぶ楽になるわね」

そう、先生の言うとおりこれで俺が抱える問題の多くが解消された。
まず彼女の存在のお蔭で俺の信用は必要なくなる。
よって見ず知らずの人間である俺が病院に入れるのだ。

次に隔離できる。
カウンセリングならプライバシーもあるだろうし容易に人目に付かない場所へ行けてオナニーしやすい。
勿論それでも怪我人には隠れてしなければならないが大幅に楽になる。

何より俺が話さなくて良いことだ。
他にも先生が注意を引き付けてくれることで精子を飲ませる隙が出来るのもあるが一番の懸念はそこだった。

……だってコミュ症なんだもんっ!

心理「でも少なからず君にも注意がいくはずだし、医者や看護師の目が無いとも限らないから油断はできないわよね。
 それに言葉にすると簡単そうだけど実際隠れてオナニーって難しそうだし。
(というか下手すると私には丸見えになりそうだし)ボソボソ」

確かに提案した俺が言うのもなんだが相当穴だらけな案である。
そもそも案ですらない酷い内容だろう。

けど、それでもやらなければならない。
あの時死を前に涙した少女の為にも今度こそ助ける。
だから俺はどんなに馬鹿だと言われようとやるつもりだ。

心理「今から力んでると肝心な時にヌけないわよ。
 ほら、リラックスリラックス」

感情が先走りし過ぎて無意識に体中に力が入っていた。
手なんて早くも汗びっしょりだ。
しかし先生、顔を両手でムニムニしてくれるのは嬉しいが別の所に力が入ってしまってます。

心理「さて。そろそろ時間ね。
 それじゃあ行きましょうか」

彼女はそう言って立ち上がって歩き出すが、俺はもう少し立ち上がるのに時間がかかった。

病院に入ると先生は慣れた様子で受付の人と話を進め、無事部屋へ案内される。
しかも使われていない個室を使わせてくれるようだ。
これは俺としてはとてもありがたい……!

心理「よかったね、これでヌき放題よ!」

冗談交じりに微笑みかけてくれるが今の俺にはその余裕はなかった。
けど必死に唇を噛んで平静を心がける。

程なくして扉がノックされた。

「し、失礼します」

控えめな挨拶をして入ってきたのは端整な顔立ちをした男子生徒だ。
ネクタイの色からして三年生だろうか。
身長もあり、なんだがモテそうだ。

我が校ではその年度によってネクタイまたはリボンの色が違い、生徒がどの学年かを区別できるようになっている。
現在は三年が緑、二年が青、そして俺のような一年は赤だ。
本当は上履きも同じように色分けされているが今回は病院なので関係ない。

しかし最初の相手が男子とは……若干テンション下がる。
そんな事を言ってる状況ではないのだがどうしても男として、ねえ?

心理「あら、久しぶりてっちゃん」

とここで心理先生は男子生徒を知っていたのか立ち上がって近寄ると頭を撫でた。
やはり誰にでもそう接するのか……。
解っていたけど何か釈然としない。

てっちゃん「や、止めて下さいよ心理先生! そっ、その呼び方も人前では嫌だと何度も」

心理「良いじゃないの、もう~照れちゃって。いつも女の子に言われ慣れてるでしょ?」

ほう、言われ慣れてますか。
こいつぁ俺の敵だな。
なんか猛烈にやる気を削がれていくな。

けれど、てっちゃん(笑)先輩の姿は痛々しい姿だった。

自分で立ててはいるが足は引き摺っていて右手はギプスで固められている。
病衣を纏っていて解らないがチラリと見えた包帯が体にも怪我をしているのだと教えてくれた。

男(俺のバカ、何感情に流されてんだよ。今度こそ助けるんだろっ!)

自らを叱咤して気持ちを切り替える。
今は余計なことを考えずに出来ることをしよ――

心理「えいえいっ、相変わらずほっぺたぷにぷにね~」

てっちゃん「ややや、やめてくださいってば~」

…………冷静になれ俺。
嘗ての過ちを払拭するんだろ?

二人がいちゃついている間、俺は自らの感情と戦っていた。

次回『昂奮』
男は今度は救えるのか……

とぅービぃーこんてにゅー?


保守してくれた方々ありがとうございます

男「それじゃあ先輩、セックスしようか」
てっちゃん「ちょ!やめ――アッー!」
心理「男同士ってこんな感じなのか・・・」
男「オラオラ!もっと腰振れよ!」パンパン
てっちゃん「ひぎぃ!?」ズボズボ
男「くぅ、でる!」ビュルルッ!
てっちゃん「うわああああああっ!?」ビクンビクンッ
男「これでアンタの怪我は治ったぜ!」
てっちゃん「何を馬鹿な――って本当に完治してる!?」
男「また掘ってほしい時はいつでも呼びな」バサァ
てっちゃん「お、男さん・・・!」ポッ
こうして僕らは堅い肉棒で結ばれたとさ

情けねえ……
全て言い訳だが最後の書き込み以来多忙で書く気力がなかったんです
すいません
では書かせて頂きます。


全員が落ち着いてようやく腰をおろし向き合う。
僅かの沈黙の後、最初に口を開いたのは先輩だった。

てっちゃん「先生がいらしたのはやはりそう言う事ですよね」

既に心理先生を知っていたので彼女が病院へと来た理由も予測できているのだろう。
訊ねてはいるが確信に近い言い方だ。
やがて視線は俺に向けられる。

てっちゃん「しかし彼はいったい……?」

まあ追求されるだろうな。
カウンセリングだと解っているのなら尚更だ。
しかしその対応は既に考えている。

心理「何って……私のボーイフレンドよ」////

男・てっちゃん「「ブフゥッ!?」」

恥じらいながら答える先生に思わず吹き出してしまった。
何故か先輩も。

男「にゃに言ってるんですか!」

予定外の発言に思わず声を上げてしまう。
対して先生は俺たちの反応を楽しそうに眺めている。

心理「男君まで驚いちゃったらてっちゃんを騙せないじゃないの~、これじゃあ直ぐにバレちゃうわ」

全く……どんな状況でもこの人は変わらないな。
そこが可愛い所なんだけどさ。

心理「まあ冗談はともかく男君は私のサポートよ。
 違和感を覚えるかもしれないけど、彼の先輩としての助言は君たちにとって無駄にはならない筈よ」

先生の一言で先輩は察したのか納得してくれた(何故かムカつく)。
一応深く問い詰められた場合の回答も用意していたがこれは助かる(でもなんか嫌だった)。

心理「今回の事故は多くの生徒が巻き込まれてしまったわ。
 軽度で済んだ子もいれば君や他の子のように入院せざるを得なくなってしまった生徒たちもいる。
 学校としても勿論だけど私個人としても皆が早く元の生活に戻れるようにサポートしたいの」

さっきまでのおちゃらけた空気から一点、真摯な思いが彼女から伝わってくる。
当然なのだろうがやはり先生は凄い。

心理「まあ彼は君たちの程度によって必要かどうか判断するから。
 最初からいられると話しづらいようなら席を外して貰うしそこは遠慮なく行ってね」

先生からあえて俺の存在を放すよう促させたのも作戦の中だ。
俺の役目は精子を飲ませることだけであってカウンセリングには全く役に立たない。
最後の退出までに口に入れられれば任務は達成できる。
最悪精子だと教えずに無理矢理入れてしまえばこっちのモノなのだから。

心理「それに男の子だもん、エッチな話とか聞かれたくないものね」

てっちゃん「そんなこと気にしてませんっ!」

それにしても先生は相変わらずの通常運行だった。

次回『昂奮2』
男は遂に遂げるのか……

とぅービぃーこんてにゅー?


今回も保守してくれた方々ありがとうございます

結果から述べよう。
てっちゃん先輩に飲ませることは成功した。
心理先生のフォローが大きかったのもあるが成功したのだ!

ではその方法を回想しながら教えよう。

てっちゃん「――……なことがあったんで意外に退屈しませんでしたよ」

心理「そうなんだ、これもてっちゃんの人徳のなせる技ね。それともイケメンだからかな?」

てっちゃん「か、からかわないで下さいよ。それでですね……」

先生は常に聞き手に回っていた。
いや、彼を喋らせていたが正しいだろう。

対して俺はそんな二人を少し離れた位置で座っている。
彼女の合図を待ちながら。

とようやく先生からのウインクが飛ぶ。
合図だ!
すぐさま俺は行動に移る。

あらかじめ持ってきた飲むヨーグルトにアロエとバニラビーンズを混ぜたものを二つのコップへ注ぐ。
解っていると思うがこれは精子に気付かなくするためだ。

そして二人から見えないように後ろを向いてシコる!
始めた瞬間、話していた先生の声が微妙に落ち着きのない声になり良いオナニーのスパイスになった。
しかし先輩に気付かれないかという心配もあり中々でない。

男(クッ、思った以上に出ないぞ……)

あまり激しく出来ないせいもあるのか数分シコった今も射精には至ってなかった。
幸い先輩は先生と話すのに夢中で此方を振る向く心配はなさそうだが、いつ終わるか解らない以上あまりゆっくりしている場合ではない。

男(どうする……いっそトップギアでオナニーでもするか!?
 いや、それで気付かれてしまっては元も子もない。
 けどこのままじゃ出そうにないし)

などと考えながらチラリと二人の様子を見て――見つける。
最高のオカズを。

男(先生があるじゃないか――ッ!)

気付けば俺は二人の方を向きナニっていた。
彼女が平静を保てないくらい慌てる姿も気にせず!

てっちゃん「それでですね……ってどうしたんですか心理先生?」

心理「ひゃいっ!? えええええと! て、てっちゃん!」

動揺を隠せない先生はとにかくこちらを向かせまいと思ったのか先輩の顔を両手でつかむ。

てっちゃん「うぇっ!? せ、先生?」

心理「ちょちょちょちょっとだけわちゃしと睨めっこしましょ!?」

てっちゃん「はっ、はいぃ!」

二人の様子は見ていて面白いだろうが今の俺にはそんな余裕はなかった。
何せ心理先生の恥ずかしがっている顔でたまらなく興奮していたのだからっ!

オーガズムに達する直前に先生にウインクで合図する。
それを見ていてくれたかを確認する余裕はなかったがきっと大丈夫だろう。
俺は慌てて1つコップを取り、俺の息子から放たれた精子を注いだ。

男(うぁ……凄い量)

普段より沢山出てしまったため飲んだ時に気付かれそうだがこの際仕方ない。
すぐさま俺はチンコをしまい、軽くシェイクしてからもう一つのコップを手にし二人へ近付く。
するとタイミングを計ったように先生が声を上げた。

心理「そっ、そう言えば喉乾いたわねてっちゃん!」

あたふたして喋ったせいか酷い棒読みだ。

てっちゃん「そうですね! 飲みましょう!」

けど先輩も余裕がないからか特に気にした様子はなかった。
ならば行くしかない。

男「それなら丁度良かった。今飲み物を用意したんですよ」

そう言いながら二人に手渡すと、まず先生がコップを勢いよく煽った。
時間との勝負なので先生には飲むのを促してもらう予定だったのだがそこまでの余裕はなかったらしい。

しかしそれが功を奏したのか先輩も一気に飲んでくれた。

だがこれで終わった訳ではない。
最難関は精子が飲料に混ざっているのが気付かれていないかだ。

目的は精子を飲ませることだからどんな手だろうと飲ませれば達成はできる。
しかしバレれば俺の今後が終わってしまう。
それに協力して貰った先生も無事では済まない。
だからこそ絶対に気付かれる訳にはいかないのだ。

男(どうだ……バレてないか?)

祈るような気持ちで先輩を見つめる。
先程まで動揺していた先生もいつの間にか冷静な表情で向き合っている。

しかしなかなか反応がない。

男(ま、まさか精子が入ってることに気付いた!?)

そう考えたら急に不安になり手が震えてくる。
そんな俺の様子を察したのか先生が先輩へ声を掛けた。

心理「ぼうっとしちゃってどうしたの? もしかしてさっき私が顔を触ったのが痛かった?」

けれど彼は反応しなかった。
余りの異常さに肩を揺すろうとしてある事に気付く。

彼の視線が一転に固定されているのだ。

その視線の先を追うとそこには先生の顔が――
いやっ!?


彼女の口から垂れた飲むヨーグルトに集中している――ッ!!

ハッ!?
そうか、解ったぞ!
つまり先輩は先生の口から僅かに零れたヨーグルトを見て口内射精された姿を妄想したんだ!
しかもヨーグルトを飲んだからか唾液に粘性が増して余計にそれを掻き立てる!

これは男子なら仕方ない反応と言えよう。
けど流石にガン見しすぎだ。

男「先輩コップ預かりますよ」

俺は彼から強引にコップを奪う。
するとようやく我へと帰ったのか先輩は慌てて視線を逸らした。

この様子なら精子にも気付いてないだろう。
しかし何か釈然としない自分がいた。
あとすぐ先生に口を拭うよう言った(その時もエロかった)。

次回『節制』
男は前へと歩み出す……!

とぅービぃーこんてにゅー?


何度も寝落ちスイマセン
あと保守ありがとうございます

先輩には早々に自室へと戻ってもらった。
理由はあの時点で怪我が治ったと気付かせないためだ。
別にこれ以上先生といちゃつく様子が見たくなかったからではない。

心理「はぁ~、無事上手くいったわね~。
 あ、でも次からはあんなことしちゃダメだからねっ!」

心理先生は大きく息を吐いたかと思うとすぐさま俺に注意をしてきた。

男「え、俺何か変なことしました?」

心理「し、したじゃない!
 とととっ、突然先生の方を向いて……その(おにゃにぃを)」

目立つ失敗はしていないと思ったのだが先生はブツブツと文句を言ってくる。
まあ普段とは違う表情が見れて俺としては嬉しい。

心理「と・に・か・く! 次はもっとバレないようにすること! いいわね!?」

拒否を許さぬ物言いに首を縦に振るしかなかった。

それにしても俺はやり遂げた。
ついに、やり遂げたのだ……!

たった一人かも知れない。
だけど、込み上げてくる喜びを抑えられなかった。

男(やったんだ……遂にやったんだ!)

少しだが自信が付いたのが解る。
まだまだこれからではあるものの、やれる気がしていた。

男(これならあの子も……!)

思わず手に力が入ってしまう。
だがあくまで冷静にだ。
そう言い聞かせながらも俺は今以上に気合を入れて次の患者へと臨むのであった。

その後のカウンセリングは、全員に飲ませるとまではいかなかったがバレることはなく進んだ。
正直何度か危うい場面はあったが、心理先生のフォローに助けられたのは言うまでもない。

心理「ふぅ~、今日はこのくらいかしら」

陽も傾いた頃、先生は伸びをしながら投げ掛けてくる。

男「そうですね。流石にもう射精できそうにありませんし」

心理「そそそそんな事聞いてませんっ!
 もう良い時間だから帰りましょうって言ってるの!」

未だソッチには耐性がないのか顔を赤くしながら叱られた。
今日一日で結構色々なエロい事を見せたのに、初心な先生に思わず笑ってしまう。


……まあ、そこが良いんですけどね!

心理「ふーん、先生をからかう子には優しくしてあげませんからねー」

子供っぽく頬を膨らませる先生も可愛い。
けどそろそろ誤っておくか。

男「ごめんなさい、謝りますって!」

心理「先生の心は深く傷つきましたので簡単には許しませーん」

頭を下げるがそっぽを向いて聞く耳を持たないって感じだ。
ぐっ、ちょっと仲良くなったと思ったからって調子に乗り過ぎたか……?

心理「なーんてね!
 さっ、そろそろ帰りましょ」

動揺した俺の心境を見計らったかのように彼女は振り向いてはにかんだ。

男(ッ――!?)

ドキッ、と心臓が跳ね上がる。
夕焼けというシチュも相俟ってか、いつも以上に先生が綺麗に映えた。

心理「先生は手続きを済ませてから帰るから男君はもう帰っても平気よ」

男「ぇ、……あっ!」

見惚れていたせいか反応に遅れて返事が出来なかった。
しかし俺が改めて挨拶をしようとしたときには既に彼女は室内から去ってしまっていた。
それとも結構長い時間呆けていた……とか。

男(うわっ、だとしたらめっちゃ恥ずかしい……!)

部屋で一人悶絶する。
さんざん変態行為をしていたくせに今更という感じもあるが、自ら行動するのと無意識では恥ずかしさが違う。

しかし、この状況は好都合だ。

だって俺の本当の目的は、


――目の前で助けられなかったあの子を助けることなのだから。

次回『顫動』
男は目を逸らさずにいられるか……

とぅービぃーこんてにゅー?

多分もう難しいと思うので先に謝罪を。
平日夜中まで、土曜も仕事で考える余裕がもうありません。
そして今まで見てくれた方ありがとうございます。
落ち着いた時、残っていたらここか別スレで上げるかもしれません……。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年07月08日 (土) 23:51:02   ID: Klxgxncw

正直続くと思ってた

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