一騎「試したいんだ」総士「一騎……?」 (17)

第4次蒼穹作戦、2日前

マークニヒト コックピット内

音声『―――君は知るだろう。本当の悲劇は絶望によって生まれるのではない事を。運命に抗う事で見出される希望。それが僕らを犠牲へと駆り立てた―――』

総士「……夜も遅い。今日はここまでか……む?」

ピピピ……

総士「一騎……?」ピコーン

一騎『あ、総士。まだ起きてるか?』

総士「どうした一騎……こんな時間に」

一騎『……少し、頼みたいことがあるんだけど』

総士「……?」

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―――

喫茶 楽園

一騎「悪いな、総士」

総士「気にするな。二人ほど集めてくれということだったが……」

甲洋「……」

操「お邪魔しまーすっ!」

総士「夜も遅い。時間を考えた結果、この二人なら問題ないとの事だったが……」

一騎「ああ。ありがとう、皆」

総士「それで……何をするんだ?」

一騎「……これだよ」スッ

甲洋「あ……」

操「……何これ?」

総士「……本気か、一騎?」

一騎「……部屋の掃除してたら、出てきてさ」

一騎「今の俺ならどうなるのか……考えてたら、眠れなくなった」

一騎「どうしても試したいんだ……俺が変わったのかを」

総士「一騎……わかった。付き合おう……二人とも、座ってくれ」

甲洋「……」コクリ

―――

操「うん、なかなか楽しいね、これ!」

甲洋「……」

操「……だから言葉で話そうってば」ムスー

総士「君はよく喋るな……一騎、君の番だ」

一騎「ああ……!……」ムッ

甲洋「一騎、顔……」

一騎「あっ……」

―――

操「うん、やっぱり君たちと遊ぶのは楽しいや!じゃあ、またね!」バタン

一騎「…………」

総士「一騎……その……」

一騎「……島の祝福を受けたら、変わるって事は分かってた」

一騎「もしかしたら、俺という存在自体、全部変わっちゃうんじゃないかって……」

一騎「でも……これは変わらなかったみたいだな」

甲洋「一騎は……昔のままだったね」

一騎「……そうだな」

総士「……どうだった?変わらなかった感想は」

一騎「……嬉しかったよ、凄く」

総士「そうか……」フッ

一騎「さて……俺も帰るよ」

総士「送ろうか?」

一騎「いいよ……」

一騎「…………」

総士「一騎……?」

一騎「……いつか、また」

一騎「皆でやろうな、これ」

総士「……そうだな」

甲洋「皆で……昔みたいに」

一騎「……じゃあな、また明日」バタン

総士「……ああ、また明日」

翌日

マークニヒト コックピット内

総士「………………」ピッ

総士「変わらないから、美しい物もある」

総士「だけど僕らは変わり続けた……明日を目指す為に」

総士「そう……守れなかった約束を守るために……」

―――結論だけ言おう

―――島からの祝福を受け、存在と痛みを調和させる存在になった僕の親友は……

―――以前と変わらず、トランプでは弱かったのだった

総士「(5連敗とは……本当に変わらないな、一騎)」

―――終―――

以上です

一期を見返してたら書きたくなった……あの空白の3日間が保管されればいいな

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