【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ6】 (1000)

このスレは安価で

結城友奈は勇者である
鷲尾須美は勇者である

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的


・樹とイチャイチャ


安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります


日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡。1/10以下で瀕死状態になり、全ステータスが1/3減少
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる

※HPに関しては鷲尾ストーリーでは0=死になります


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに


前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ1】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ1】 - SSまとめ速報
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ2】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440313909/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ3】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ3】 - SSまとめ速報
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ4】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ4】 - SSまとめ速報
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ5】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ5】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450594811



銀→920ダメージ

天乃→1420ダメージ


牡羊座討伐


天乃「わかったわ。銀。みんなを守って」

銀「当然っ」

天乃の願いに応えた銀は笑みを浮かべると

斧を掲げて、宣誓する

銀「絶対守るさ。なんせあたしは天乃の――戦友だからな!」

精霊特有の光の中へと銀が消えていったのを見送り、

九尾の頭を撫でて、「行きましょ」と促す

九尾は何も言わずただ頷く

茶化す隙間のない信頼

茶化す意味のない繋がり

銀と天乃にはそれがあった

天乃「須佐之男、アレを使うわ」

須佐之男「……………」

須佐之男はどこからともなく刀を取り出し、天乃に捧げる

天乃「ありがとう」

向こうは銀に任せた。だから私は、こっちを叩くっ!


天乃「…………」

音が聞こえたなら

もっと凄いと感じるのかもしれない

駆け抜ける九尾の軌跡に散らばる木屑を一瞥して、天乃は思った

体に感じる風は以前乗った覚えのあるジェットコースターの比ではなく

固定具がなく、揺さぶられる危うさは息を付かせる暇を与えない

けれど、

だからこそ

天乃「九尾、突っ込んで」

九尾「承知」

あれだけ離れていた魚座のバーテックスが

接近に気づき、回避動作を思考する頃にはもう肉薄する

天乃「遅いわ」

剣の切っ先が厚いはずの装甲をものともせず、うお座の体を真っ二つに切り裂く

天乃「大胆な料理もたまにはいいと思うのよ」

九尾が駆け抜けた背後で、真っ二つに引き裂かれた巨躯が崩れ落ち、

封印を施すまでもなく、御霊が露出した


須佐之男→うお座  命中判定↓1(ゾロ目クリ)

風→牡牛座 命中判定↓2 01~99で命中 ゾロ目クリ

樹→牡牛座 命中判定↓3 ゾロ目クリ

東郷→双子座  命中判定↓4(秘中・狙撃使用  ゾロ目クリ)

友奈→牡牛座 命中判定↓5 ゾロめくり

夏凜→双子座 封印回避↓6 01~60成功


須佐之男→1870ダメージ

風→450ダメージ

樹→360ダメージ

友奈→515ダメージ

東郷→480ダメージ

夏凜→ミス



牡牛座に1325ダメージ

うお座に1870ダメージ

ふたご座に480ダメージ


うお座討伐


風たちがおうし座に一斉攻撃を仕掛ける中、

佇むだけだった精霊、須佐之男が刀を身構える

天乃「貴方……」

柄を下に、鐺を上に傾けつつ、姿勢をわずかに低くして

下げ緒のあたりを左手で握り、右手で柄を握って息を吐く

天乃「居合斬り……?」

須佐之男の構えがそれの一つだと

数々の武術を嗜んだ天乃にはひと目でわかった

猛々しい名前にそぐわない風の無い水面のような雰囲気に

天乃は思わず息を飲む

そして

うお座「!」

なんの前触れもなく、魚座が砂塵と消える

天乃「………………」

この道一本ならおそらく、私よりも……格上だわ

そう思うほどに、その居合の威力・速度は桁外れだった


https://i.imgur.com/TtSY7uv.png

1、移動 ※マップより座標選択 (黄色の座標は加速を使用します)
2、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
3、水瓶を倒しに行く
4、牡牛座に止めをさす
5、待機 ※勇者部・バーテックスが先に行動します

↓2

※移動の場合は銀が同行します


F16だと、ふたご座に攻撃できませんが、良いですか?


了解しました

暫く休憩いれます。21時には再開予定です



https://i.imgur.com/wmlxkJW.png


では、再開していきます


銀→水瓶座 命中判定↓1(必中 ゾロ目または40~49でクリ)

天乃→水瓶座 命中判定↓2(必中 ゾロ目または40~49でクリ)


銀→910ダメージ

天乃→2860ダメージ

計 水瓶座に3770ダメージ


防御力なんてなかった


銀「懐かしい顔だね」

天乃「そうね。今は園子がいないけど」

銀「前回はどうだったんだっけ? 烏龍茶?」

天乃「ええ」

銀の問いかけに、天乃は苦笑する

2年前、初めて戦ったバーテックスが水瓶座だった

その時に銀がサイダーっぽい味がしたと言ったため、

天乃も真似して飲んだのだが、その結果が烏龍茶っぽい味だったのだ

天乃「貴女がサイダーっぽいって言うから期待したのに」

銀「いやいや、ほんとにそうだったんだって!」

天乃「そういうことにしておいてあげる」

銀「だからさ――」

敵を目の前にして

他愛のない会話を繰り広げていた両者に放たれた水球が消し飛び、雨が降る

天乃「雨……嫌なこと思い出すから。私嫌い」

銀「じゃぁ、邪魔する奴。ササッと片付けるかっ」

天乃「そうしましょうか」

4つの瞳、3つの鋼の切っ先が向けられ

水瓶座の体がビクッと震える

けれど、畏怖を覚えるにはあまりにも遅かった


ほぼ無挙動の状態から前のめりに体を倒し、

一瞬にしてトップスピードまで加速する

銀「……精霊だから。かな」

体が軽い

吹けば消えちゃいそうなほどに

けれど、どんな攻撃でも受けきれそうなほど力が湧いてくる

銀「バーテックスッ! アタシは帰ってきたぞーッ!」

叫び、左手の戦斧を投擲

衝突を確認することなくまっすぐ駆け抜け、戻りかけの水球を斬り壊し、

大きく跳躍

銀「アタシの力――覚えとけぇッ!」

空中で回転し、水瓶座の体を縦に切り裂き着地

地面に突き刺さっていた斧を抜きざまに横一閃

水瓶座の体は豆腐のように綺麗に四等分され、ズルリと崩れ落ちていく


だが、それでは終わらない

銀「任せた!」

バックステップを二度三度踏んで水瓶座から離れ、委ねる

後方から文字通り神速に近い速さで接近する勇者、天乃は

白銀に輝く剣を平行に構え、敵を見据える

天乃「九尾、全力で突っ込みなさい!」

九尾「主様の望みとあらば!」

刹那、白銀の剣と黒装束そして桃色の髪が光の如く残光をなびかせて水瓶座を撃ち貫く

天乃「―――ふぅ」

水瓶座の体は跡形もなく消し飛び、

崩れゆく砂粒さえ、目にすることもなかった

天乃「……ソーダ味だったら。大目に見てあげたのに」

九尾「う、ソーダ」

天乃「ふざけないでよ」

九尾「くふふっ、ただの情報収集とはいえ、雑兵過ぎてつまらんのじゃ」

天乃「やっぱり、命懸けのシュミレートなのね? バーテックスの」

九尾「でなければこんな雑兵どもでくるわけなかろう」


風→牡牛座 命中判定↓1 01~99で命中 ゾロ目クリ

樹→牡牛座 命中判定↓2 ゾロ目クリ

東郷→双子座  命中判定↓3(必中使用  ゾロ目クリ)

友奈→牡牛座 命中判定↓4 ゾロめくり

夏凜→双子座 封印回避↓5 01~60成功


※ふたご座は30%回復でHP520→HP820です


風→900ダメージ

樹→360ダメージ

友奈→715ダメージ

東郷→480ダメージ

夏凜→ミス



牡牛座に1975ダメージ

ふたご座に480ダメージ


牡牛座討伐

https://i.imgur.com/t0NBM8l.png


天乃「友奈、体の方は大丈夫?」

友奈「私は……っ、平気。です」

天乃「無理しないで。九尾」

九尾「仕方があるまい」

友奈は精霊の加護がありながらも、

全身に打撲や擦り傷等の軽傷を蓄積させていて

少しとは言えど、赤い血が伝っていた

天乃はそんな友奈の大丈夫を言葉通り受け取るわけはなく、

強引に引き上げて、九尾の背中に乗せる

天乃「友奈は私が連れて行くわ」

樹「でも……間に合いますか?」

天乃「……夏凜に賭けるか。それとも」

九尾「主様の力を使うか。じゃな」

もちろん、必ず天乃が使わなければいけないということはないが……

https://i.imgur.com/hGADsfd.png


1、満開を使う
2、夏凜に委ねる


↓2


※委ねた場合、夏凜ちゃんがミスすると神樹到達になります
  (満開ゲージ不足により、東郷では間に合わない為)


天乃「……良いわ」

九尾「良いのかえ?」

天乃「夏凜がダメだったら私が刈る」

天乃の覚悟を決めた言葉に九尾が頷き、

勇者部の中で唯一身を寄せていた友奈だけが

その瞳を見つめる

友奈「なにを……するんですか?」

天乃「守るのよ。世界を」

誇張ではない

神樹様を守れるのかは甚だ疑問ではあるが

少なくとも、天乃の力を使えばバーテックスによる神樹への干渉はなくなる

使う力によっては、樹海にも多大なダメージを与えかねないが

それはこの際仕方がないことだ

友奈「夏凜ちゃん……っ」

天乃がその力を使うこと

それに何か嫌な予感を感じて、友奈は夏凜がいる方向に目を凝らし手を伸ばす

友奈「おね……がい。守ってっ」


夏凜→双子座 封印回避↓1 01~60成功


夏凜「っ、なんで。なんで当たらないのよッ!」

死角から投げ込んでいるはずなのに、

双子座は迷いなく進路を変え、夏凜の刀を躱す

投げても

投げても

刀は地面に突き刺さるだけ

夏凜「ちょこまかと……逃げるなぁッ!」

怒号とともに、今一度刀を投げる

しかし

ふたご座「―――」

双子座はひょいっと容易く回避すると

一瞬だけ振り向き、夏凜を嘲笑するかのように口元を歪ませる

夏凜「く……ぐっ、この……ッ!」

焦りと怒り

そして自分の無力さへの嘆きが手元を狂わせ、当たらないものがさらに当たらなくなっていく

気づけば、神樹様が目前に迫ってきていた


風「ま、まずいっ!」

東郷「っ――射程外です」

普段冷静な東郷も

スコープを覗いても遥か遠いバーテックスの姿に焦りを見せ、呟く

追いかけても今更だ

もう間に合わない

東郷「夏凜ちゃ……夏凜ちゃん?」

頑張って。お願い

声援を届けようとした勇者の姿はなく

いるべき場所にいるのは

見慣れた学校の制服に身を包んだ夏凜だった

樹「東郷先輩。夏凜さんがどうかしたんですか?」

東郷「っ……変身が解けてるわ」

三好夏凜は自分で自分を否定し、絶望し

端末を扱っても――勇者にはなれなくなってしまっていた


周りが焦りを見せる中で、天乃は一人冷静に息をついて神経を研ぎ澄ませると

草薙の剣を鞘に収めて、目を瞑る

天乃「死神さん」

死神「イイノ?」

天乃「この際、樹海へのダメージは考慮しないわ。一撃で仕留めるわよ」

死神「ワカッタ」

死神は頷くと、手持ちの鎌を振るって天乃の体を切り裂き、

天乃の内側に溜め込んだ汚れの塊が形を成した、

禍々しい黒炎を取り出して――天乃の胸元に勢いよくぶつける

天乃「ッ!」

その瞬間、

天乃を中心に瘴気とも取れる闇が樹海全域を覆い尽くし

駆け巡っていた

否、逃げ惑う双子座のバーテックスを冒し、その身を硬直させる

天乃「草薙の名に相応しい力を私に見せてみなさい」

白銀の剣はかつて、大蛇の尾に隠されていた頃のように漆黒となって猛毒を穿つ

その風のように穏やかで、残酷な斬撃は

樹海の木々を消し飛ばし、硬直するバーテックスを容易く消し飛ばした


※満開効果により、500ダメージ+草薙の剣(MAP兵器)威力1000により、戦闘終了
※樹海侵食率+10

https://i.imgur.com/ggX8n3J.png


では、此処までとさせて頂きます
明日は通常通りになるかと思います

ようやく戦闘終了ですが、
いくつか処理がありますので明日はそれを終わらせる予定です



九尾「更地になったのならりんごの木でも植えるかえ?」

死神「マズハツチカラ、コダワッテイクヨ」

樹「今そういう状況じゃないです」


では、今日も少しだけ進めていきます


天乃「っ……九尾。被害状況は?」

九尾「殲滅完了。小娘共に関しては衝撃で気絶しておる」

天乃「……そう。樹海は?」

九尾「ふむ……そこまででもなかろう。大体、3割といったところじゃな」

九尾は周囲を見渡して大雑把に被害状況を伝えると

九尾「今の世界は、主様が身を呈して守る価値があるのかえ?」

天乃の瞳を見つめ、会話を先制する

天乃「なんのこと?」

九尾「とぼけるでない。また、稲荷の力で全ての汚れを自分に移すのじゃろう?」

天乃「……………」

九尾「甘い蜜を吸うだけの人間どもに、たまには苦い味も吸わせれば良いではないか」

知り合いはもちろん、

見知らぬ誰かのためでさえ犠牲になっていく天乃の生き方

九尾は、天乃を慕っているからこそ、だんだんとそれが許せなくなってきていたのだ


1、料理を食べさせるなら。やっぱり、美味しいものが良いじゃない
2、私はね、この世界……割と好きなのよ
3、そうね……報われないのよね。頑張っても
4、私が強く傷つけた。だから、私が治すのよ


↓2



天乃「そうね……」

別に神樹に媚を売るつもりはないし

認めてもらおうだなんて思ってはいない

それでも、世界を助ける行いをしたということは変わらないのに

天乃「報われないのよね。頑張っても」

九尾「そうじゃな」

結局、敵視され、監視され、疎まれる

それなのに、身を犠牲にしてまで助ける意味があるのだろうか

天乃「…………」

九尾「一度くらい見逃して、主様の力の有り難みを女王蟻の如く貢がせるだけの人間どもに知らしめてやれば良い」

天乃「でも。貴女の言う通りの被害なら」

九尾「死人が出るやも知れぬ」

けれど、

それを見逃せないからと稲荷の力を使い続ければ

天乃が死んでしまうかもしれない

九尾「有象無能の人間と主様。存続すべきは悩むまでもなし」


天乃「でも」

九尾「でも」

天乃「……………」

九尾「そういうことじゃ。主様や。今がいつかになるだけで。蓄積した微弱な損失は多大な損失を生む」

天乃の言葉を打ち消すどころか

そっくりそのまま返すようなことをした九尾は鼻を鳴らすと

戻りつつある樹海の光を見つめる

九尾「主様を失うわけにはいかぬ」

天乃「だからって、見逃していいわけじゃないはずよ」

九尾「だからって、主様の愚行を見逃して良い理由にはならぬ」

天乃「………私は」


1、世界を助ける
2、世界を助けない


↓2


※身内に被害がないとは限りません


天乃「……………」

報われない

救われない

だったら

それなら

九尾「時間切れじゃ」

天乃「っ」

九尾の終幕の一言に導かれるように

ゆっくりとしていた光は眩すぎるほどに輝きを増して

何もかもを包み込み、世界を一変させていく

その先に見える世界はきっと

何かを失ってしまった世界

何かを見捨ててしまった世界

天乃「………っ」

だからこそ天乃は、目を閉じることはなかった



01~10 1
11~20 0
21~30 4
31~40 0
41~50 3
51~60 0
61~70 1
71~80 0
81~90 2
91~00 5

↓1のコンマ  

0以外は知人含む




01~10 右腕
11~20 右目
21~30 左目
31~40 記憶
41~50 触覚
51~60 嗅覚
61~70 両目
71~80 右腕
81~90 記憶
91~00 右目

↓1のコンマ  


では、ここまでとさせて頂きます
あすも同じような時間から

樹海率残り71% 注意が必要です



→助けない

大赦「なぜ見捨てたのです!」

→助ける

大赦「貴女のちからはやはり危険だ!」

では、初めて行こうかと思います


√ 7月3日目 夜(新居) ※水曜日

01~10 瞳
11~20 
21~30 沙織

31~40 
41~50 
51~60 九尾

61~70 
71~80 春信

81~90 
91~00 

↓1のコンマ

空白は常駐職員  


瞳「どうも。こんばんはです。久遠様」

天乃「あら……」

久しぶりに再会した瞳の表情に、

天乃は冗談を言うべきではないと判断して、言葉を区切る

嫌な予感がした。というわけではない

夕方の戦闘の後であるがために

その報告のために来たことは天乃だけでなく

樹にも分かった

瞳「ニュースの方はご覧になられましたか?」

天乃「あいにく、ここしばらく見てないわ」

瞳「そうですか……」

言うべきかどうか迷っているような瞳に

天乃は構わないで。と、告げる

どんな結果であるのかは、大体想像できていたからだ


瞳「簡潔に言う。のは、やや申し訳なく思いますが……自然災害の影響で数名の人が亡くなりました」

天乃「…………」

瞳「大規模に近い中規模のものだったそうです」

自然災害とは優しすぎる言い方だと天乃は思った

その自然災害は天乃達勇者による戦いの傷跡であり

天乃が止めなかった悲劇だ

二名の大赦職員にもそれは伝わっていたのか、

怪訝そうな顔つきで、「差し出がましいようですが」と、口を挟む

「自然災害ではなく、彼女のせいで。と、言うべきではないでしょうか」

瞳「なぜです?」

「彼女は以前の戦いで傷ついた樹海を癒す力を見せてくれました。それを使えば、樹海を。いえ、人々の命を救うことができたはずです」

女性職員は無感情に言いながらも

いかりや悲しみ、憎しみを感じられそうな雰囲気で天乃を見つめる

「そうではありませんか? 久遠天乃」



1、答えない
2、そうだと言ったら?
3、私の体にだって負担がかかるのよ。毎回。好きなだけ。そんな素敵な力じゃないのよ
4、そんなことないわ
5、救ったとしても貴女達が私を敵視する。だから、私は助ける意味がないと。思ったのよ


↓2


天乃「私の体にだって負担がかかるのよ。毎回。好きなだけ。そんな素敵な力じゃないのよ」

「ですが、それでも。貴女が勇者様だというのなら――」

天乃「こういう時だけ勇者様勇者様って。貴女、私のこと馬鹿にしてるの?」

薄氷を踏むのではなく、踏みくだいてしまったのだと気づいたとき

女性は初めて、感情を見せた

それほど、睨みつけているような天乃の瞳が恐ろしかった

目が離せない

呼吸をしたいのに、息が詰まったままで

目尻に涙が溜まっていく

天乃「私だって、人の命を軽く考えるような冷酷な化物ではないつもりだし、出来るのなら救うわよ」

「………………」

天乃「でも、ただでさえダメなのに、体がさらにダメになっていくと解っててそう易々と出来るわけないじゃない」

「……久遠、天乃」

天乃「私はね、神様じゃないの。勇者様でもない。英雄でもない。化物でもない。だから、躊躇うことだって、あるの」


天乃のせいだ

そういった女性は天乃が悲しげであることに気づいて、目を伏せる

化かし、騙し、弄ぶことが得意だと聞いていても

それが演技であるなどと疑うことは出来なかった

たった15歳の少女にどれほどモノを背負わせているのか

女性や男性職員は顔を見合わせると、首を振る

瞳「久遠様はご存知の通り、両足、聴覚、記憶、左腕、味覚の7つを失ってしまっています」

「……………」

瞳「そこまでしてくれた彼女を、私達はどのような目で見て、どのような扱いをしているのか。自覚するべきでしょう」

瞳はそう言うと

天乃のことを見つめ、右手に触れる

ビクッとしたのを手に感じ、頷く

右手は無事。反応もある。話すことができているのだから声も言語能力も問題ない

では、今回。到達寸前だったバーテックスを破壊したその代償はなんなのかと

瞳は一息ついて、問う

瞳「今回は、何を失われたのですか?」



1、何の話?
2、さぁ? 知らない
3、嗅覚。かしら


↓2


では、此処までとさせて頂きます。
明日はやらないかもしれませんが、やる場合は通常時間になります


昨日できなかったのと、明日できなかったので
今日は16時頃からの再開を予定しています


では、予定通り始めていきます


天乃「嗅覚。かしら」

樹「!」

あの戦闘のあと、すぐに気づいた

ただでさえ美味しくない食事が

さらに美味しくなくなって、楽しくもなくなってしまったのだと

瞳「……そうですか」

樹「なんで、どうしてそこまで……するんですか?」

天乃のために

余計な口をはさもうとしなかった樹は

とうとう我慢できずに口を開く

瞳の悲しげな視線を跳ね除けて、天乃を見つめる

樹「少しくらい。私達に任せても……いいじゃないですか」


天乃「……………」

出会った時から不自由で

出会ってからも、一つ一つ失って、さらに不自由になっていく

どれだけ頑張っても

こんなふうに、監視され、疎まれて、蔑まれて

たった一つ、たった一回

やりきれなかっただけで、罵倒されてしまうのに

残った大切なものを失ってまで頑張る

樹「私たちでは、ダメなんですか?」

任せられる人たちが他にいるのに

それに……自分たちに

任せることなく、犠牲になっていく

その理由が、樹には分からなかった

九尾「ふむ……問いに答えてやらぬのか? 妾の愛しき主様よ」



1、樹、貴女なら。任せるの?
2、私が守るのは、貴女達だもの。任せちゃったら、守れないのと同じ
3、その意味、その理由は自分で考えないといけないわ。貴女が決めた、将来のように
4、中古のジャンク品を壊せば済むのなら。誰だってそうするでしょう?


↓2


なぜ任せないのか

樹たちでは力不足なんていう事はない

樹達でも満開すれば天乃に並ぶことはできなくとも

足元にも及ばない。ということはないはずで

そうともなればバーテックスに遅れを取る事なんて、ないからだ

天乃「……そうね」

でも、バーテックスを倒す際に

何かを犠牲にしなければいけないのなら

まだ傷を知らない勇者よりも、

傷だらけの勇者の方が適任だろう

もっとも、天乃の守る理由はそれだけではないが、

天乃「中古のジャンク品を壊せば済むのなら。誰だってそうするでしょう?」

簡潔に、わかりやすくまとめたつもりの言葉はそんな自分を省みていないようなもので

九尾「……はぁ」

九尾のため息が聞こえたかと思えば

樹「っ……――久遠さんッ!」

樹が本気で怒っているという表情で、口を開いた


瞳「っ」

「!」

樹が大人しく、控えめな性格だと聞いていた大赦の職員達は

総じて驚愕し、息を呑む

どうなるのか分からない

それに合わせて、

何をしてくるのか分からないという不安と怖れがあったからだ

樹「中古品ってなんですか? まさか、久遠さんのことなんですか?」

天乃「えっ、その」

樹「ジャンク品ってなんですか。久遠さんの体のことなんですか?」

天乃「お、怒ってる?」

樹「どれくらい怒ってると思いますか?」

怒ってるともいないとも言わず、

ただ聞いてきた樹に、天乃は瞬きをして、息をつく

天乃「ごめんなさいと言ったら?」

樹「許さないと、返します」


天乃「……………」

怒った表情のまま

怖いくらいに穏やかさを感じる

その矛盾に天乃は言葉を溜め込む

樹「なんで、平気でそんなこと言えるんですか?」

天乃「別に平気とかそういうわけじゃなかったのよ。ただ、わかりやすい例えで――」

樹「久遠さんを例えれば、中古品でジャンク品ですか」

天乃「それは……」

九尾「無駄に喋らぬほうが良いのではないかえ? 墓穴を掘るぞ?」

九尾は助け舟を出すような言動をしながら

一歩引いて、現状を楽しげに見つめる

大赦にとっては驚嘆することでも

九尾にとっては酒の肴、物事の余興その程度でしかない

樹「私は、それじゃ全くわかりません」

天乃「…………………」

樹「どう考えても。そんな例え方は、私には無理です」


天乃「っ」

そう言って、樹は天乃の体を抱きしめる

痛いと言われる程に

苦しいと思わせる程に

許せないから

怒っているから

その気持ちの強さを体で感じてもらうために

樹「壊れて良いのは、代わりがあるものだけです」

天乃「……私には」

樹「ないです。だから、ダメです」

天乃「………………」

抱きしめてくる樹のからだを抱きしめ返して

天乃は失った嗅覚を扱うように鼻を動かして、樹の体に摺り寄せる

天乃「嗅覚なんてなくても、樹の匂いならわかるかもしれない」

樹「えっ?」

天乃「優しくて、暖かくて。安心できる。そんな匂いがする」


樹「久遠さん……?」

天乃「うん……感じる」

すんすんっと

感じることのできない匂いを嗅ぐ

樹「っ」

樹の右肩を掴み、

鎖骨を撫でるようにして、パジャマの襟をおり潰す

天乃「首筋って、他よりも匂いがするらしいわ」

そう言って、天乃が鼻を近づけると

「な、何をしているんですかっ」

女性職員が慌てて止め、

その声にハッとした瞳と男性職員も

それ以上はいけません。と、止めに入る

九尾「……やはり邪魔じゃのう。消すか」

楽しみをもぎ取られたかのような喪失感に、

九尾は鋭い牙を剥き、唸った

01~10 
11~20 九尾

21~30 
31~40 
41~50 九尾

51~60 
61~70 
71~80 九尾

81~90 
91~00 九尾

↓1のコンマ  


街が眠る、丑三つ時

何もかもが眠っているべきその静寂の中で

ボロボロのスーツを身にまとい、

破けたストッキングだけの足で、逃げ惑う

「はぁっ、はぁっ……はぁっ」

民家の一角に身を潜め、乱れた呼吸を整えようと大きな呼吸を繰り返す

ばくばくと激しい鼓動を鳴らす胸元に手を宛てがって

どうかお助けくださいと、神樹様に祈る

「私は、私はただ。そういう仕事を任されたから……っ」

見張れと、監視しろと

心を無に、あるいは、鬼にして

敵対する可能性のある久遠天乃を見ていろと、言われただけで

「痛い……っ、なんでっ」

整備されたコンクリートの路上でも

裸足には刺を指し、傷を付け、赤い涙を流させる


「死にたくない……死にたくないっ」

目の前で男性職員が忽然と姿を消した

否、久遠天乃の精霊。九尾によって食い殺された

そう、つまり

女性職員はその答えに気づき

「消えた6人。あれも全部――」

九尾「そう。妾じゃ」

自分が疑問の終わり、人生の終わりにたどり着いたのだと。気づく

「ひっ」

いつの間にか、彼女がそこにいたからだ

獣の姿ではなく

世にも美しい女性の姿で、月光さえも陰らせる見窄らしい装飾品としながら

ゆっくりと、近づく

九尾「主らは妾の主様を化物とでも考えているのやも知れぬが、それは違う」

「こ、こないで……っ」

九尾「化物とは妾のようなものじゃ。妾の初心なる乙女は、化物というには優しすぎる」


「殺せと命令しているのが、久遠天乃なんでしょう……ッ!」

九尾「ふむ。むしろ、主様は殺すな。と言った。何をされようと、主様は殺そうとはせん」

「じゃぁ……なんで。なんで私達を殺すのよっ」

九尾「妾が気に食わぬからだ……いや、冥土の土産に答えてやらぬこともない」

恐怖ゆえに、怒りをあらわにする女性を

九尾は何も気にすることなく見つめて、近づき

女性職員は尻餅をつく

九尾「もう一人がどうなったか、主は見たじゃろう?」

「……っ」

目の前に膝をついた九尾との近さに息を飲んだ女性職員は

こくっと頷いて、九尾を見返す

どうせ死ぬ。生き残れない

その謗念が逆に、女性を冷静にさせた


九尾「では、始まりの日を知っているか?」

「始まりの日……?」

九尾「ふむ。知らぬのならば無用な言葉か。流石に、時が経ちすぎたのだな」

九尾は残念そうに言うと

女性のほほに手を伸ばし、触れ、撫で下ろす

「どういうことですか……一体。貴女は……」

九尾「彼奴等は人間を喰らう。妾も喰らう。そういうことじゃ。無知なる愚かな人間」

「っ」

女性の視界いっぱいに九つの尾が広がり、

その尖った先端が自分へ向いていることを知り、女性は目を閉じる

見たくなかった

ほんの一瞬で終わって欲しいと思った

いつ来るのかわからない恐怖より

わかってしまう恐怖の方が嫌だと、思ったからだ

しかし

「んっ!」

九尾は女性の唇に唇を重ね、

舌を挿入し、口腔を蹂躙して、目を見開かせる

「んっ、ぅ、ゃ」

九尾「現実から逃がしはせん。死を悟りて見よ。そして、己の最期に絶望し、恐怖に溺れて消えよ」

「!!」

女性は悲鳴を上げることはできず

ただ、涙をこぼして――この世から姿を消した

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  三ノ輪銀 :交流有(戦闘)
・  犬吠埼風:交流有(戦闘)
・  犬吠埼樹:交流有(戦闘、同居、中古)
・  結城友奈:交流有(戦闘)
・  東郷美森:交流有(戦闘)
・  三好夏凜:交流有(戦闘)
・  三好春信:交流無()
・     九尾:交流無()

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流有(訪問)
・     神樹:交流有(放置)


7月3日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 34(中々良い)
  犬吠埼風との絆 51(高い)
  犬吠埼樹との絆 95(かなり高い)
  結城友奈との絆 51(高い)
  東郷三森との絆 48(少し高い)
  三好夏凜との絆 65(高い)
  三好春信との絆 30(中々良い)
   夢路瞳との絆 12(普通)

     九尾との絆 34(中々良い)
      死神との絆 27(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 0()

 汚染度■■■%


では、一旦休憩します
再開は21時頃を予定していますが、前後する場合があります


では、再開していきます



√ 7月4日目 朝(新居) ※木曜日

01~10 
11~20 夢

21~30 
31~40 
41~50 正夢

51~60 
61~70 
71~80 夢

81~90 
91~00 

↓1のコンマ  


√ 7月4日目 朝(新居) ※木曜日


天乃「私は知らない」

「だが、現に消えた!」

天乃「仕事が嫌で、逃げ出したんじゃないの?」

「なに……?」

男性も女性も代謝職員はふたり揃って消息を絶った

置き手紙はない

荷物も靴も何もない

だから、それはお前のせいではないか。と

朝、いないことが報告されてから来た職員は私のことを問い詰めてきていた

天乃「感情を殺させているんでしょう? 私からの影響を受けないように」

「……………」

天乃「でもね、人間。そう簡単に捨て去れるものじゃない。だから、辞めていっちゃうんじゃないの?」

「言い逃れをするつもりか?」

天乃「ううん。別に。私は身に覚えがないし、そうだと思ったから言っただけ」

樹「久遠さんは私とずっと一緒にいました。その間、ずっとぎゅってしてましたから。誰かを消すなんて無理ですっ!」


「犬吠埼樹。貴女の証言は信用に値するものではございません」

樹「な、なんでですかっ?」

「貴女は久遠天乃に肩入れしすぎています。有利な発言をする可能性がございますので」

大赦職員は樹の発言を考慮せず、

思考することさえせずに、バッサリと切り捨てる

「久遠天乃。何をした」

天乃「だから私はなにもしてないって」

「では、犬吠埼樹。貴女ですね」

樹「え、私は」

大赦職員は天乃ではなく

樹が犯人だと勝手に決め付けると

その手を掴み、ベッドから強引に引き摺り出す

「犬吠埼樹。貴女の行いによって、犬吠崎風への援助は大幅削減。あるいは打ち切られることでしょう」

樹「そんなっ」

「勇者だからと。8名もの大赦職員を消した罪が許されると思いますか?」


1、死にたくないなら、樹を放しなさい
2、私たちがやったっていう証拠は? どこにあるの?
3、須佐之男!
4、九尾!
5、死神!
6、樹にそんなことできるわけないでしょ……どちらかといえば、どう考えても。私でしょうに



↓2


天乃「私たちがやったっていう証拠は? どこにあるの?」

「どこにもありません」

天乃「なら――」

「ですが、何一つ。欠片も。まるで初めからいなかったかのように、証拠がない」

樹「……………」

「ゆえに、我々は超常的な力が働いたと考え、最も近しい久遠天乃を犯人だと考えているのです」

大赦職員は臆することなく、考えを述べる

天乃、樹

二人が何を思うか、どう捉えるか

傷つくか、傷つかないか

それを考慮せず、ただ、無機質に答えを出す電卓のように

天乃「なにそれ……そんな理由で私を疑って。樹になすりつけようとしてるわけ?」

「では、貴女はどう考えている。数ヶ月前。消えた6人はこの四国のどこにもいない。車でさえ見つからない」

天乃「………………」

「それをただ仕事から逃げたと言えるのか? 人間の手による誘拐、殺害だとでも言えるのか?」

01~10 
11~20 樹
21~30 
31~40 九尾
41~50 
51~60 死神
61~70 
71~80 須佐之男

81~90 
91~00 

↓1のコンマ  


天乃「なるほど。でも、だからと言って私たちを疑わないで欲しいわ」

「それはできない」

天乃「なぜ?」

「お前はバーテックスと同様の危険性のある存在だからだ。何かがあれば、お前がまず疑われる」

樹「久遠さんを一緒にしないでください!」

樹は大赦職員に激しく抗議すると

腕を振るって職員の手を振りほどき、

天乃のそばに舞い戻る

樹「久遠さんがどれほど傷ついているのか、分かっているんですかッ?」

「犬吠埼樹、君は」

樹「最低です」

「なっ」

樹「久遠さんの気持ちも、体も。何も知らないのに……っ」

樹は泣きそうな表情で、大赦職員を怒鳴りつける

さすがの樹も、看過できなかったのだ


九尾「犬妹に怒鳴られる主らの組織が蔓延るとは。世も末じゃのう」

「お前は」

九尾「妾は九尾じゃ。主様のせいか、最近は女子の方が好みではあるが、男子でも。妾はかまわぬぞ?」

九尾はそう言いながら職員に身を寄せ、体を密着させると

右の手を上半身に這わせ、舐めるように首筋に触れる

「くっ……」

九尾「くふふっ、お主。女の匂いがするな。妻子持ちかえ?」

「だ、だったらなんだと――っ」

九尾「なんだというのか……知りたいか?」

鼻先を擦るほどに肉迫し、職員の耳を唇で咥える

唾を乗せた舌先で耳朶に触れ、ゆっくりと離れると

透明の糸が伸びていく

樹「な、なにをして」

天乃「ゎ……私に聞かないでよ」

見ていられないとふたり揃って目を逸らし

それを横目で確認した九尾が職員の耳元で、何かを告げる

それがなんなのか、樹も天乃も知る由もなかったが

「すまなかった……何事もない。総報告する。しばらくは、捜索しよう」

職員が精神的に深く傷つくものだった。と言うのは

真っ青で、今にも消えそうな表情からはっきりとわかった


天乃「九尾、貴女一体何を」

九尾「主様の性的な要求の代理消費しようかと思ったのじゃが……断られてしまった」

九尾はさも残念そうに言うが

そこに本心はない。と

表情を読むのに長けた天乃は察して睨む

九尾「主様がもう少し発散してくれれば、妾もそう盛ることなく対話できるのじゃがのう」

天乃「何言ってんのよ。貴女」

呆れた息をついて、茫然自失な職員を見る

明らかに、壊れかけている

まるで、弱点の最も脆い部分を握り締められているかのような、

そんな悲観的なものさえも、天乃は感じていた

「……なんだ」

天乃「……大丈夫?」

「お前にっ――……いや、すまない。平気だ」

天乃「そう。なら、いいけど」


では、此処までとさせて頂きます
明日はできない予定になりますが、出来たら22時ころカラとなります
再開は 7月4日目 昼 からになります




九尾「……妻子を同性好きにするぞ」

「妻と子を奪わないでくれっ」

九尾「違うな。捨てられるのじゃ。お主がな」

「やめろーっ!」

では、今日は進めていこうかと思います

√ 7月4日目 昼(新居) ※木曜日

九尾、死神、風、樹、銀、東郷、夏凜、春信、須佐之男、職員との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、東郷
7、夏凜
8、銀
9、大赦職員
0、須佐之男
11、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷はメール
※メールは職員の検閲が入ります
※判定でのみ、夏凜、風、樹、東郷は来客


天乃「ねぇ、樹。友奈は大丈夫だと思う?」

樹「友奈さんは強い人ですから。きっと」

樹は疑うことなく言葉にして

天乃から目を逸らして、窓の外を眺める

その先に友奈のいる病院は見えないが、それでも

なんとなく、見る

天乃「……そうね」

戦闘の後、友奈は気を失ってそのまま病院へと搬送された

体の傷は守りがあるには重く、深く

半日経過した今も目を覚ましていない。らしい

樹「久遠さんの場合、友奈さんを気遣うよりも自分自身を気遣うべきかと」

天乃「私は別に、怪我してるわけじゃないし」

樹「怪我してるしてないの問題じゃないですよっ、もうっ」


昨夜、そして今朝

天乃と自分の置かれている状況

それを考えつつ

樹は頬を膨らませて、ちょっぴり怒る

わかっているんだか、分かっていないんだか

久遠さんはちょっと、読みづらい

そう思って、天乃を見ると

樹の視線は図らずとも、唇へと向かって

思考は今朝の九尾と職員のやりとりに回帰する

樹「っ」

天乃「樹?」

自分ができるようなことではない

でも、もしかしたら天乃なら。そう考えてしまう頭を振って、羞恥を隠した


天乃「ねぇ、そこの人」

「………………」

天乃「ねぇってば」

「……なんだ?」

天乃「樹がいても、出かけるのはダメなのよね?」

天乃が聞くと、職員は当然だ。と、切り捨てて首を振る

樹が登校を許されず、自習あるいは大赦側からの家庭教師になっている。という時点で

天乃は金輪際外出不可を覚悟してはいたが

樹までも。と言うのは、やや納得がいかなかった

樹「……私は別に、出かけられなくてもいいです」

天乃「でも」

樹「出かけることで会えないのなら、出かけないことで会い続けたい。私はそう思ってますから」

天乃「……そう」

樹「はいっ」

樹は偽りのない満面の笑みで応えた



1、九尾について考える
2、夏凜について考える
3、抱きしめてもらう
4、貴女達にはね、犠牲なく生きていて欲しいのよ
5、会い続けたい? それとも、愛を続けたい?


↓2


天乃「会い続けたい? それとも、愛を続けたい?」

樹「…………………」

一瞬ばかり驚きはしたが、

天乃の言葉遊びのようなものだ。と

樹はすぐに気づいて、向かい合う

樹「愛は続けるものじゃないと思います」

天乃「あら。じゃぁ、どうするもの?」

樹「そうですね………」

答えをためらうような素振りを見せながら、

天乃に身を寄せ、そっと手を握り引き寄せる

天乃「樹?」

天乃の手を握る左手、天乃の頭を支え抱き寄せていく右手

その感覚をしっかりと捉え

天乃が二度と得ることのできない匂いを感じながら、顔を近づけていく

樹「愛は、繋げるものです」

天乃「いつ――」

樹「………………」


01~10 職員がいる? そんなの関係ありません
11~20 
21~30 見られて恥じることではないので
31~40 
41~50 見よ。この愛
51~60 
61~70 見られてる? 違います。見せてるんです
71~80 
81~90 この場所に他人がいても。私たちの世界では、二人きりです
91~00 

↓1のコンマ  


天乃「――ん、樹」

樹「……………」

天乃は閉じかけていた瞳を開き

躊躇する樹を見つめ、小さく息をつく

近くには職員がいる

自失しているような脆さとはいえ

存在がないわけではない

ためらってしまう気持ちをわからないほど

天乃は樹に好意を抱いていないことはなく、

その気持ちに焦らされ、不快感を覚えてしまうほど

天乃は樹に好意を抱いていた

樹「……私は」

天乃「繋げるものと。いうのなら」


1、抱きしめる
2、キスをする
3、何もしない


↓2


では、ここまでとさせて頂きます
明日はできないかと思います


死神「ワー、ナニシテルノー?」

九尾「これっ、見てはならぬっ」

銀「やれやれ……」


では、再開していこうかと思います


天乃「目、瞑って」

樹「………………」

樹は天乃を見つめたまま逡巡し、

何も言うことなく、目を瞑る

天乃「…………………」

天乃は樹へとゆっくりと顔を近づけて

横目で職員を一瞥し、唇を重ねる

樹「っ」

天乃「ん」

手と手を握り合って

ほんの少し、1分にも満たない時間繋がり合って

そっと離れて、樹が目を開く

天乃「繋がれる気持ちはどう?」

樹「……ずるいです」

照れくさそうにそう言って

樹は朱に染めた頬を隠すように顔を伏せる

嬉しくて、嬉しくて

だからこその言葉に、天乃は満足そうに笑みを浮かべた


キスはしなくても、手をつないだまま

無いようである職員の存在をかき消し

ベッドの上で見つめ合う

天乃「彼がいて良かったわね」

樹「……久遠さんが、ですけど」

天乃「あらっ」

樹はぼそっと呟いたのだが

聞かず見るだけの天乃には関係なく

天乃「いないことにしてもいいのよ?」

と、冗談っぽく返すと

樹は後で覚えておいてくださいね。と、

ただでさえ近い距離をさらに近づけて

天乃の額に額をぶつける

今の私では、他人の前ではきっと。これが限界だけど

でも、いつかは

自分から繋げられるようになりたい

樹はそう思って、笑みを浮かべた

√ 7月4日目 夕(新居) ※木曜日

九尾、死神、風、樹、銀、東郷、夏凜、春信、須佐之男、職員との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、東郷
7、夏凜
8、銀
9、大赦職員
0、須佐之男
11、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷はメール
※メールは職員の検閲が入ります
※判定でのみ、夏凜、風、樹、東郷は来客

01~10 風
11~20 兄姉
21~30 東郷
31~40 樹海化
41~50 夏凜
51~60 死神
61~70 樹
71~80 九尾
81~90 須佐之男
91~00 職員

↓1のコンマ  


時間を持て余す樹が眠るそばで天乃が目を覚ますと、

金属音を鳴らしながら、須佐之男が天乃へと目を向ける

腰には天乃が渡した生大刀をしっかりと帯刀しており、

兜の奥、薄紫の瞳は天乃を見据え、閉じる

天乃「どうかしたの?」

須佐之男「………………」

聞いても答えることはない

そう考えていた天乃は

須佐之男が首を横に振り、「なんでもない」と、

少しばかりカタコトながら言葉を発したことに驚いて、目を見開く

精霊の言葉なら天乃は聞き取れる

否、聞こえてくる

それは須佐之男という名に反して女性らしかった

天乃「貴方……話せるの?」

須佐之男「……………」

須佐之男は軽く頷くと、兜を指さす

外すかどうか、ということらしい


天乃「外したら、どうなるの?」

その疑問に答えたのは須佐之男本人ではなく、

九尾「どうなるかは主様次第じゃ」

どこからともなく姿を現した九尾だった

九尾「こやつの真実を知ったところで、世界に影響は無い」

天乃「……真実?」

九尾「いかにも。この須佐之男が誰なのか。という真実」

九尾は何かを企んでいるような口調で言うと

ちらっと須佐之男を見て、笑みを浮かべる

九尾「しかし、主様あるいはこやつには何かがあるやも知れぬ」

天乃「例えば?」

九尾「さて。それは妾のあずかり知らぬ領域じゃ。妾が言えるのはただ、何かがある可能性がある。ということのみ」



1、見る
2、見ない


↓2


天乃「良いわ。その不確定要素から私は逃げない」

九尾「良き事とは限らぬ。それでもか?」

天乃「ええ。良し悪しいずれにせよ、何かを推し進めることができるのなら」

九尾「ふむ……」

九尾は無鉄砲にも思える事を言う天乃を見つめ、息をつく

言うことは子供の無茶な戯言

けれど、その真面目な瞳は茶化す空気を打ち壊す

九尾「確かに、現状は最悪に近い。これ以下はそうそうないじゃろうな」

結城友奈は意識不明、三好夏凜は戦意喪失

東郷美森は平静を装っているのが分かるほどには友奈の件で脆く、

犬吠埼風は妹と親友を監禁され、同居人を救えずにいることで、脆くなっている

今、なんの変化もなく樹海化されれば、きっと

いくら勇者といえど次こそは崩壊しかねない

九尾「よかろう。知るがよい……黄泉の者が隠蔽せし真実を。その目で」

九尾がそう言うと

須佐之男は頷き、兜に手をかけて持ち上げていく

天乃「……えっ?」

須佐之男「…………………」

見えたのは、どこか懐かしい金髪

感じたのは、どこか懐かしい雰囲気

そして………知る

天乃「貴方……ううん。そうではなく、貴女、だったのね」

須佐之男は――女性だった


では、此処までとさせて頂きます
あすもできれば同じような時間から

再開時に判定


園子「そう。私だったのだ~」

風「いいや、あたしだったのさ」

九尾「なん……じゃと……?」

天乃「否定しなさいよ」


では、少しですが初めて行きます


01~10 
11~20 須佐之男

21~30 
31~40 
41~50 天乃

51~60 
61~70 
71~80 須佐之男

81~90 
91~00 天乃

↓1のコンマ


ゾロ目で両方  


天乃「………………」

彼女――須佐之男の真実を知ったとき

天乃は懐かしい。と、思った

それは彼女が天乃の親友である乃木園子にどこか似ているからかもしれない

しかし、天乃はなんとなく、それは違うと思った

天乃「……ねぇ、貴女。私のこと」

「すまない。思い出せないんだ」

動揺隠しきれない天乃の言葉に、

彼女は申し訳なさそうに、答える

九尾「ふむ……ならば、汝の名を」

「……面目ない。それすらも、私は」

元須佐之男の少女は記憶をなくしていたが、

天乃は逆に無いはずのものを記憶として脳裏に思い浮かべていた

知らない人達の中、一人だけ今も見覚えのある少女がいたが

今は考えを増やすよりもまず、やるべきことがあった

天乃「若葉」

「?」

天乃「貴女の名前は、乃木若葉よ」


若葉「乃木……若葉。それが私の?」

天乃「ええ」

それを教えてくれた記憶

それが確かだと言える記憶

それは身に覚えのないものであるはずなのに

驚く程、鮮明で

天乃が黙り込むと、九尾が咳払いをして視線を集めた

九尾「主様。なぜ、その名を知っている」

天乃「わからない。けど……この子を見て。思い出した……のかしら?」

返事は曖昧

けれど、九尾は変に追求することもなく

ため息をついただけで何も言わなかった

若葉「それで、君は誰なんだ? 私と君は似ていないが……」


1、貴女は私の精霊。私がマスターよ
2、血のツナガリはないけれど、家族よ
3、私は……貴女の友達
4、なんだと思う?


↓2


天乃「血の繋がりはないけれど、家族よ」

若葉「家族……か」

若葉は確かめるように呟くと

悲しげな表情で首を振る

思い出せなかった

わからない

自分が【乃木若葉】だと言われても

本当にそうなのか、わからない

けれど

若葉「なぜだろうな。君の言葉は嘘じゃない。そんな気がする」

天乃「貴女、騙されやすい性格だったのかもね」

若葉「一応、信頼に値すると評価したつもりなんだが」

九尾「妾の主様の名は久遠天乃。名の通り天邪鬼でのう。照れ隠しじゃ」

クスクスと笑いながら言う九尾を横目で制止、違うから。と、若葉に言う

若葉「そうか。覚えておこう」

若葉は違うと思ったのかいないのか

そう言って、笑みを浮かべた

√ 7月4日目 夜(新居) ※木曜日

九尾、死神、風、樹、銀、東郷、夏凜、春信、若葉、職員との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、東郷
7、夏凜
8、銀
9、大赦職員
0、若葉
11、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷はメール
※メールは職員の検閲が入ります
※大赦職員は増員・変更されています


天乃「春信さん、現状どんな感じですか?」

春信「……夏凜に関しては完全に精神的な問題。とのことだ」

天乃「なんとかなりそうですか?」

春信「結城友奈。そして君の件もあってなかなか難しい。善処はするが……」

春信は先の言葉を言わなかったが、

その表情から続きを盗み見て、息をつく

善処はするが、最悪もう二度と勇者になれない

春信の言葉を完成させるならこうなるだろう

天乃「友奈は?」

春信「体の傷は大分……だが、もうしばらくは目を覚まさないかもしれない」

天乃「やっぱり、反動による神経へのダメージが大きい?」

春信「結城友奈を診た医師はそう言ったよ。無理した反動だろう」

樹「……あの、お姉ちゃんは」

春信と天乃の会話に

樹はゆっくりと、口を挟んだ


では、此処までとさせて頂きます
明日はまた、できない可能性がありますが
出来たら22時半ころから少しだけ。になるかと思います



天乃・銀・若葉のスリーマンセル完成


では、今年もやっていきます


春信「犬吠埼風は夏凜……三好夏凜ほどではないが、精神的に辛そう。らしい」

樹「夏凜さん、友奈さん。それに、私のことも……」

春信「……彼女は一応リーダーだ。その責任を感じているんだろう」

春信は言うかどうか迷って、そう言った

樹までも奪ったのは大赦だ

奪う必要なんてなかったはずなのに

天乃の監視という理由で、犬吠埼家から連れ出した

それが、犬吠埼風の心の拠り所まで奪ってしまうと知らずに

天乃「…………」

樹「……大赦は、お姉ちゃんをどう見てますか?」

春信「現状で問題がないと見ている。が、君に連絡をしない時点で問題があるのは間違いないだろう」

春信の言葉に、樹は目を見開く

大切な姉

大好きな姉

それがどんどん追い詰められていってるというのに……


1、春信さん。樹を返してあげて
2、このままでは勇者部がダメになる。それを分かっているの?
3、夏凜に会うことはできる?
4、友奈に会うことはできる?
5、風を呼ぶことはできる?


↓2


天乃「風を呼ぶことはできる?」

春信「不可能ではないだろうが……夏凜の件がある。放って来ることはできないだろう」

樹「私が呼んでもですか?」

春信は首を横に振って、難しい。と、返す

樹が心の拠り所とはいえ

大切な妹、可愛い妹。だからこそ強くありたい。強く見せたい

春信は自分が夏凜に対して思うこと

それを風も思っているだろうと考えて、答える

春信「彼女はきっと、君の前で弱音を吐こうとはしないだろう」

天乃「それで自分がさらに苦しむとしても?」

春信「しても。だろう」

天乃「……………」


それは春信の読解

けれど、樹は自分で考えて

そうなのかもしれないと思い至って、頷く

樹「呼べば来ると思います。でも、きっと」

天乃「大丈夫って、見栄を張る?」

樹「見栄……かはともかく、平気だっていうと思います」

寂しそうな表情で、言う

そんなことをしなくてもいいのに

そんな無理した強さなんて見ていたくないのに

たまには、頼ってくれたっていいのに

全員の沈黙による静寂が妙に寂しい気持ちを強くさせ、樹は俯く

天乃「……なら、仕方がないわね」

樹の手を握って、言う

そんな無理した姿を見せることになるなら呼ばないほうがいい

友奈が目を覚ましてくれれば、それだけで

いい方向に進める。はずだけど……

友奈の回復、時間による癒し

それらは神頼みに近いものだというのが

天乃にとってはすごく……不快だった


春信「……さて」

切り出しにくい雰囲気ではあったが、

春信は静寂を打ち破って、言う

春信「私からの報告は以上だが、何かあるか?」

天乃「なにかって言われてもね」

樹「…………」

友奈に会わせてはもらえないだろうし、

出かけることなんて許されはしない

では、何を望むか

なにを願うか

何を聞くか……


1、行方不明者の捜索は?
2、少しだけ。樹と二人きりにして
3、風に伝えて欲しいことがあるわ
4、ねぇ、どうしても友奈に会えない?


↓2


天乃「風に伝えて欲しいことがあるのだけど」

春信「伝えることでいいのか? 会う。ではなく?」

会ったところで

さっき話したように見栄を張ったりして

さらに自分を追い詰めてしまうだけだろう

天乃「ええ」

春信「わかった」

「三好春信殿。それは」

春信「言伝くらいは構わないだろう。現状を考えれば、拘っているべきではない」

「しかし……」

春信「責任は私が持つ。それで構わないだろう?」

「……上に報告します。きっと、許可は出ません。それでもですか?」

春信「私は大赦の人間である以前に、夏凜の兄だ」

春信はそう言うと、天乃を見つめた


1、貴女は、何も悪くない
2、貴女は独りじゃない。私たちがいる
3、ねぇ、勇者部って今5人よね? あと一人いると、ちょうど良いって思わない?
4、リーダーなら、背負って歩いてみせなさい。私に、樹に。みんなに


↓2


天乃「なら、貴女は独りじゃない。私達がいる。と」

春信「………………」

そのあとにも何か続くだろう

そう思っていた春信は、それ以降の沈黙に気づいて

それだけなのか。と、問う

天乃「ええ、それで十分よ」

春信「わかった。必ず伝えよう」

それだけで何か変わるのか

大赦職員の頭上に疑問符を見つけ、天乃は目を瞑る

何も聞こえず、何も見えず

なんの匂いも感じない無の空間

その喪失の世界で、少女は頷く

天乃「風ならそれで大丈夫。あの子はリーダーだけど、勇者部の部長でもあるんだから」

「貴女が一番の不安要素ですが」

天乃「あら、それはどうも」

意地悪な質問にも、少女は余裕の笑みで答えた


若葉絆値判定

↓1コンマ一桁+今回の交流値+2年間(10)

ゾロ目ならコンマ2倍

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  三ノ輪銀 :交流無()
・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流有(あいつづける、キス)
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流無()
・  三好春信:交流無()
・  乃木若葉:交流有(正体、家族)
・     九尾:交流無()

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


7月4日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 34(中々良い)
  犬吠埼風との絆 51(高い)
  犬吠埼樹との絆 98(かなり高い)
  結城友奈との絆 51(高い)
  東郷三森との絆 48(少し高い)
  三好夏凜との絆 65(高い)
  三好春信との絆 30(中々良い)
  乃木若葉との絆 18(中々良い)
   夢路瞳との絆 12(普通)

     九尾との絆 34(中々良い)
      死神との絆 27(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 0()

 汚染度■■■%


では、ここまで
できれば、また後ほどさいかいします


では、
去年ほど高頻度で行うことはできませんが
今年もよろしくお願いします


続きは明日、予定では夕方16時ころから
早ければお昼頃からとなります


再開時コンマ判定


失礼しました
20時頃からできればなと思います


では、再開していきます


√ 7月5日目 朝(新居) ※金曜日

01~10 若葉
11~20 樹海化
21~30 
31~40 友奈
41~50 風
51~60 大赦
61~70 
71~80 友奈
81~90 風
91~00 樹海化

↓1のコンマ  


天乃の勇者タイプを選択してください

1、死神:回避・機動高め
2、九尾:攻撃高め


↓2

http://i.imgur.com/ufKzL35.png


天乃「っ」

若葉「これは……」

銀「樹海化っ!」

樹「友奈さんも夏凜さんも戦えないのにっ」

樹の焦り

けれど、だからこそだろう。と、天乃は思った

この期を逃し全員が万全の状態では、バーテックス側に勝ち目はない

けれど、

今のjこの疲弊しきった状態で戦うとなれば

明らかに、天乃達が不利だからだ

友奈や夏凜は戦えない

風や東郷は精神的に疲弊して、戦意は万全とは言えないだろう

天乃「これ……結構まずいわよ」


若葉「どうする。主様」

天乃「そうね……」

まず主様ではなく、

久遠さんだったり天乃って呼んで。と思ったが

それは今言うべきことではない

音は聞こえない

しかし、巨大な気配を肌に感じ

マップを見たくないくらいに敵は多く、強い

銀「でも、やるしかない」

樹「…………」

天乃「大丈夫よ。私が勇者である限り、守りきってみせるから」

愛おしい恋人の言葉

普段安心できるはずなのに

この時ばかりは、樹に不安しか与えなかった

http://i.imgur.com/peoav9g.png


1、移動 ※黄色は加速使用
2、誰かを東郷達の救出に向かわせる
3、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
4、待機 ※バーテックス、勇者部が動きます


↓2


※移動の場合は、銀・若葉・樹はついてきます

1 K16


向かわせるのは


1、銀
2、若葉
3、樹
4、天乃


↓2


※複数可
※天乃の場合は、天乃単体で向かいます


失礼しました
確認したら、>>313では連取になるので
ずらして>>314です


http://i.imgur.com/HGKSYZF.png

移動完了

・バーテックス移動
・勇者部移動
・戦闘なし、ターン経過


天乃「どう思う?」

樹「友奈さんはまだ動けなくて、夏凜さんは多分……」

天乃「戦えないから下がらされた」

そして、東郷は友奈の下へ向かおうとして

風は非勇者である友奈と夏凜を守るために

単身、バーテックスを引き止めに向かっている

銀「疑問なのはバーテックスの動きなんだよな」

若葉「二体で犬吠埼さんを、残りで私達の気を引こうとしているんじゃないか?」

天乃「単純に考えれば。ね」

ただ、向こうが本当にそれだけの理由で動いているという確証はない

考えすぎと言われればそれまでではあるが

一歩間違えば前回のような

否、それ以上の被害もあり得るという現状を踏まえ

天乃は足を動かす

緊張していないといえば嘘になる

けれども、今、ここにいる4人のリーダーは少なくとも。私だ


1、移動 ※黄色は加速使用
2、誰かを東郷・夏凜・友奈に向かわせる
3、誰かを風に向かわせる
4、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
5、待機 ※バーテックス、勇者部が動きます


↓2


※移動の場合は、銀・若葉・樹はついてきます


向かわせるのは


1、銀
2、若葉
3、樹
4、天乃


↓2


※複数可
※天乃の場合は、天乃単体で向かいます


天乃「私と樹で東郷達の援護に向かうわ」

若葉「一般人か……確かに、安全確保は最優先するべきだ」

銀「あたしと若葉はどうしたら良い? 樹の姉と合流するか、あいつらと正面衝突するか」

罠だと言っているほどに怪しい団体を作っている獅子座の一団

あからさまに風狙いの射手座と蟹座のチーム

その二つに一つだ

天乃「二人はなにか意見ある?」

銀「気になるのは、蠍座だけ前に出てるところかな」

若葉「……後ろの一団を守るための壁役。という可能性はないか?」

天乃「というと?」

若葉「後ろの一団は全員が等速での移動だ。何かを示し合わせているように」

どこかから吹く風を受け、髪が揺れる

遠くを見据える若葉の表情に、天乃はいつぞやかに見せた、園子の面影を感じた

園子の面影ではなく、若葉の面影がある。というべきかも知れないが


銀「つまり、さそり座で止まるな。と?」

若葉「奴らの内、誰かに抜かれれば一般人が危険という現状では見過ごせない」

そこでさそり座に釣れれば、

後ろの一団の仕掛けが発動して危機に陥り

そこでさそり座を見逃せば

蠍座によって一般人が危険になる

天乃「……つまり、貴女は蠍座を無視して獅子座を攻めたい。と?」

若葉「ああ。きっと、その必要がある」

銀「とはいえ、樹の姉ちゃんもピンチだ」

銀の言うとおり

風は今、まともに戦えるほど万全ではない

若葉「私が獅子座。三ノ輪さんが犬吠埼さんのお姉さんを助けに行く。それでいいだろう」


1、二人で風
2、二人で獅子座
3、銀が風、若葉が獅子座


↓2


天乃「わかった。細かいところは任せるわ」

銀「天乃、若葉。気をつけろ」

若葉「私には――これがあるから平気だ」

若葉はそう言うと、

生大刀の等身をぎらりと光らせて、鞘へと戻す

神器として存在する生大刀の力と

先代勇者であり、今は精霊の力を得た若葉は強い

天乃「慢心はしないで。何があるのか分からないんだから」

若葉「……わかっている」

所詮、自分は精霊だ

無茶も無理も関係ない

不眠不休の無飲食でも死ぬことはないし疲弊もしない

そんな自分でさえ身を案じる天乃に、若葉は笑みを返す

若葉「必ず戻る。必ず帰る。心配するな」

いつかどこかで誰かにそう言ったような、気がした


蟹座→風 ↓1 命中判定01~87 命中
射手→風 ↓2 命中判定01~97 命中


蠍座→若葉 ↓3 命中判定01~10 命中


風→126+100=226ダメージ

若葉→回避

http://i.imgur.com/30wOcwy.png


背後で激しい炸裂音が聞こえ、樹が振り返り

爆風を感じた天乃が遅れて振り返る

天乃「この方向は……」

樹「お姉ちゃん……っ」

樹の手が震える

樹の瞳に恐怖が宿る

今すぐにでも飛んでいきたい。そんな焦りを感じる

でも、

樹が行けば、風は死ぬほど無茶をするだろう

けれど

天乃「樹」

樹「っ……銀ちゃんが、行ってくれてるから」

天乃「大丈夫?」

樹「それに、私達が夏凜さん達のそばにればきっと、お姉ちゃんは安心できるはずだから」



1、移動 ※黄色は加速使用
2、東郷接触 ※加速使用
3、夏凜接触 ※加速使用
4、待機
5、隠密使用 ※SP30消費


↓2


では、此処までとさせて頂きます
明日は可能ならもう少し早くから
できるだけ、開始前に告知は入れていきます



このターンで、銀が風と合流
若葉が獅子座に一撃

そして、始動


15時~16時頃に再開予定です


では、初めて行きます


天乃「夏凜!」

夏凜「……天乃」

樹「夏凜さん、大丈夫ですか?」

夏凜「戦ってもいないのに、大丈夫もなにもないわよ」

樹に対して、夏凜は厳しく言い捨てる

学校の制服のままの夏凜は端末を手にすると

天乃に画面を向ける

それは電源を入れているのかいないのか

どちらか判別もつかない黒い画面で、無数のひび割れが走っていた

天乃「割ったの?」

夏凜「捨てたのよ。でも、何故か戻ってきた」

天乃「捨てたって、貴女」

夏凜「何もできない、いるだけ無駄だし、大赦は返却受け付けないって言うから捨てたのよ」

夏凜の表情には希望もなにもない

憔悴しきった暗い瞳で天乃を一瞥し、風がいるであろう方角を見据える

夏凜「友奈をよろしくって言われたわ。何も出来ないし、何をよろしくなのか分からないけど」


樹「夏凜さん……」

夏凜「あんた――なんて失礼か。天乃達は風の援護に回ってあげて」

天乃「向こうにはちゃんと援護に向かってる」

夏凜「でも、無能を守るより有能を守らなきゃ」

天乃「っ」

あまりにも無気力だった

何もやろうとする気がない

今だって

言われるがまま、ただ友奈のもとに向かっているだけで

そこで何をするわけでもないだろう

夏凜「私を守ったところで……あぁ、友奈か。ついでに私? そんな手間必要ない。私はこの辺で囮にでもなっておくから」

樹「何言ってるんですか……・?」

夏凜「勇者になっても何もできないけど、勇者にさえなれないなら。生き餌になるしかないでしょ」



1、ふざけないで
2、引っぱたく
3、抱きしめる
4、樹に任せる
5、貴女が勇者だろうと無かろうと。私の世界の大切な一つ。だから、居なくならないで

↓2


天乃「夏凜ッ!」

夏凜「!」

怒りに任せた一撃は

赤い光に阻まれて、届かない

火花を散らし、主を守る義輝を一瞥し、天乃は夏凜を見つめる

天乃「生き餌ってなによ」

夏凜「…………」

天乃「三好夏凜っ、答えなさい!」

夏凜「そのままの意味。バーテックスの気を一瞬、一回でも反らせればと――」

天乃「そんなこと聞いてない。私が聞きたいのはなんで、貴女がすることが生き餌なのかってことよ」

天乃が手を引くと同時に、義輝も身を引く

夏凜は気力の感じられない瞳を天乃に向けると

聞こえないため息をついて、端末を天乃に押し付ける

夏凜「あんただって、満開を使ったでしょうが」

天乃「…………」

夏凜「私も満開するだけ。その代償が命だってだけの話」


天乃「なんでそんな軽く――」

夏凜「私の全ては勇者だった! なのに、私は何もできなかった。全てがなくなった!」

天乃「っ」

夏凜の突き飛ばす力は弱い

けれど、とても重くて一歩後退る

夏凜「だから軽いのよ……勇者になれなくなった私の命なんて」

天乃「夏凜っ」

夏凜「もしかしたら、バーテックスさえ見向きもしないかもね」

自暴自棄なんて軽い話じゃない

何も出来なかった

一撃も入れられず、足止めもできず

本当に何一つ出来なかった戦い

それが、夏凜にはとてつもなく深い傷をつけたのだ

夏凜「これ以上、足を引っ張りたくない。これ以上迷惑をかけたくない」


夏凜はそう言って、天乃の伸ばしてきた手を払い除けた


銀→蟹座   命中判定 225%  ↓1 ゾロ目または40~49でCRI

若葉→獅子座 命中判定 175%  ↓2 ゾロ目でCRI 



↓1 銀追加ダメージ

↓2 若葉追加ダメージ

※00=100


蟹座に514ダメージ
獅子座に834ダメージ


蟹座→銀   ↓1 命中判定 ゾロ目命中
射手座→銀 ↓2 命中判定 01~15命中

  蠍座→若葉 ↓3 命中判定 ゾロ目命中
獅子座→若葉 ↓4 命中判定 01~25命中
山羊座→若葉 ↓5 命中判定 ゾロ目命中
天秤座→若葉 ↓6 命中判定 ゾロ目命中

数が多いので、連取可


銀全回避

若葉に計220ダメージ


若葉「主様の信頼に、報いるためにも」

生大刀を構え、樹海をかけ距離を詰めていく

刹那――背後に強い殺気を感じて姿勢を低くする

若葉「っ」

その動作を追いかけるように、さそり座の尾が風を切り若葉を掠める

若葉「狙いは突破ではない――やはりかッ!」

さそり座は若葉が横を抜けたにも関わらず

追跡して、仕掛けてきた

つまり、蠍座の進行に意味はなかったのだ

先行しているように見せかけ、警戒させ

その裏でなにか企んでいる

その若葉の予想は的中したのだ

若葉「ッ!」

悟られたことを知ったバーテックスは一番強固であろう獅子座を盾に陣形を作り

若葉の攻撃に身構える

若葉「時間稼ぎのつもりなのか……?」

リーダーが正面に出てくるという時間稼ぎに、若葉は違和感を感じた

若葉「ぐっ!?」

その一瞬の思考の隙に――天秤座の分銅が突き刺さり

若葉「しまっ」

しし座の追撃の爆炎が降り注ぐ


少し休憩
20時頃再開予定です

早ければ19時半頃です

では、少し遅れましたがさいかいします









防御の隙を与えないような、バーテックスの連携

直撃した若葉は地面に叩きつけられ、転がっていく

若葉「っ」

だが、山羊座の射出口のような部分が光ったのを

一瞬とは言え見えた若葉はすぐに跳躍

そして――若葉の目の前で閃光が迸り、地面がえぐれて焼き消える

若葉「来るかっ!?」

獅子座、蠍座、山羊座、天秤座の連携に続き、

牡牛座の攻撃が来るかと身構えたが、

若葉のもとには何も来ず、攻撃の余韻を残して沈黙する

若葉「……なぜだ」

連携に合わせ、攻めるべきだった

にも関わらず牡牛座は攻撃に参加するどころか、

最奥に隠れている

若葉「まさか、牡牛座を守ることに意味があるのか?」

その若葉の疑問に答えるように、ソレは姿を現した

http://i.imgur.com/xVBxTiN.png



天乃「なっ」

樹「別のが結界の中にっ!」

天乃はマップを見て、目を見開き

樹は声を張り上げる

ありえないと考えていたわけではない

けれど、あって欲しくなかった新手の襲来

天乃「嫌な予感がする……ッ」

若葉を一人で行かせた

その選択が、脳裏に焼き付く

天乃「っ」

樹「久遠さん?」

天乃「……若葉」

不安に震え、怯える体を抱きしめて

樹と目を合わせる

樹は、樹ならどこまでも一緒に来てくれる

否、一緒に――来てしまうだろう

http://i.imgur.com/NT4ycXO.png


若葉「ここに来て新手だと……?」

天乃達が不安を抱く中

若葉はギリギリ肉眼で捉えられる位置に新しく現れたバーテックスを見据える

若葉「なんだ。なぜだ。進行することなく、守るような陣形……まさか」

ある、最悪の考えに至って、目を見開く

そんなことがあっていいはずがない

いや、しかし

ありえないというのは有り得ない

若葉「くッ!」

動け……動けッ!

底知れない不安と恐怖に震えそうな体に一喝して、駆け出す――が

若葉「ッ!」

蠍座の尾が若葉の目の前に振り下ろされ、足が止まる

若葉「邪魔をす……」

切り伏せて行くしかない

そう覚悟を決めた若葉の目の前で――ソレらは動き出した


天乃「なにあれ」

樹「合体……?」

銀「合体は男のロマンとか、男子が言ってたけどさ……敵がやると、絶望感増すなぁ」

銀は冗談めいたことを言うが

その表情は険しく、余裕などこれっぽっちもない

ソレがあまりにも強大で、凶悪だったからだ

天乃「逃げるもよし、来るもよしなんて」

近づかなければ向こうは安全に合体でき、

近づかれたとしても、目の前で合体し、反応を遅れさ――

天乃「若葉っ!」

叫び声は届かない

命令は届かない

精霊と天乃のつながりとは言えど、その遥かに離れた距離は

会話を許しはしなかった


スタークラスター→若葉  命中判定↓1 01~85 で命中

スタークラスター→若葉  命中判定↓2 01~90 で命中


若葉→250ダメージ

http://i.imgur.com/8p6Wkoq.png


天乃「若葉……っ」

これだけ離れていても、肉眼で見ることので切る巨体

その前で上がる爆炎の凄まじさに

若葉への不安がより強く、大きくなっていく

いくら先代勇者で精霊といえど

あの強力な攻撃の嵐に耐え切れるとは限らない

樹「久遠さん」

天乃「樹?」

樹「行きましょう。私たちなら、止められるはずです」

天乃「……………」

連れて行って平気なのか

守りきることができるのか

アレを倒すことができても何かを犠牲にしなければいけないんじゃないか

そんな不安に、天乃は悩んでいた


1、移動 ※黄色は加速使用
2、隠密を使用 ※SP30消費
3、待機 ※他のユニット全移動後に動く
4、夏凜接触
5、友奈接触
6、風接触
7、東郷接触
8、樹を誰かに向かわせる ※もう一度安価
9、単身で、スタークラスターへ


↓2

※移動の場合、樹がついてきます


天乃「風!」

風「っ……天乃」

樹「お姉ちゃん……傷だらけ」

風「友奈に比べたら、この程度……」

とは言いつつも、それが嘘なのは丸わかりだった

確かに、友奈のように流血まで至ってはいないし

みるも痛々しいというほどでもない

けれど、攻撃を受けたことによる鈍痛は見た目に現れないこともある

その証拠に、風はお腹を押さえるようにしていた

風「それより、あれをなんとかしなくちゃ」

天乃「その状態で突っ込んだら、死ぬわよ」

風「死ぬ気でやらなきゃ、どうにもなんないでしょ」

樹「死ぬ気でって……無理したら本当に死んじゃうかも知れないんだよっ?」

風「大丈夫……精霊がいるんだから。死にはしないって」


苦笑する風を一瞥し、振り返る

ついさっきまで近くにいた東郷の姿はなく

当然、友奈や夏凜の姿も見えない

天乃「…………」

無茶するな、死ぬかもしれない

とは言え、現状

戦えるのは銀、若葉、風、樹、天乃の五人

東郷は戦闘よりも友奈優先になってしまっているし、

その友奈はまだ目を覚ましていない

そして、夏凜も戦える精神状態ではない

ここで風まで欠ければ、4人

バーテックスと同数にはなるけれど、合体したバーテックスの力を考えると

同数では勝ち目があるとは思えない

もちろん、満開をすれば話は別だが……


少し中断
22時半頃には再開予定


失礼しました。続行です


さて、どうする。どうすればいい?

考えに考えて、最善・最良の選択をしなければいけない

一歩間違えれば全滅もあり得る

天乃「………」

今の私の満開を使っても

形勢逆転ができるとは言い切れない

樹「ダメだよおねえちゃんっ、無茶しないで!」

風「しなくちゃどうにもならない。しても、どうにもならないかもしれない……」

友奈の大怪我、

夏凜の戦闘不能

その状況に疲弊した風の精神状態による弱気な言葉に

樹も天乃も閉口する

天乃「どうしたら……」


1、風を樹に任せる
2、風もついてくるように言う
3、満開を使う ※次のターンから
4、樹と一緒に銀のもとへ ※次のターンから
5、樹と一緒に若葉のもとへ ※次のターンから


↓2

※行動は消費しているので、いずれにしても行動するのは次のターンになります


天乃「風、とりあえず私についてきて」

風「天乃に?」

天乃「東郷のスピードを考えると、東郷はおいていくしかない。でも、貴女はついてこられるでしょう?」

風「わかった」

風は軽く頷いて答える

そのほかの提案等をする気力はないらしい

樹「おねえちゃん、無理はしないで」

風「……出来るだけ、しない」

樹「お姉ちゃん……」

風はいつ気に対して、無理した笑みを返すと

大剣を担ぎ、前を向く

その瞬間――若葉がいる方向で爆発が起きた


若葉→さそり座 命中判定 ↓1 ゾロ目または 40~49 でCRI 魂使用

スタークラスター→若葉  命中判定↓2 01~85 で命中
スタークラスター→若葉  命中判定↓3 01~90 で命中
蠍座→若葉 ↓4 命中判定 ゾロ目命中

蟹座→銀   ↓5 命中判定 ゾロ目命中
射手座→銀 ↓6 命中判定 01~15命中

数が多いので、連取可



若葉→さそり座 2450ダメージ  さそり座消滅

スタークラスター→若葉 計950ダメージ  若葉リタイア

銀完全回避


若葉「くっ……」

最初の一撃

それだけで、あの合体バーテックスには

自分ひとりのチカラでは勝ち目がないと分かったし

逃げ切ることができないというのも、わかった

強いからこそ、見えた絶望

若葉「ならば――やるべきことはただ一つ」

どうあがいても勝ち目がないのなら

足掻けばなんとかなるやつと刺し違えてでも勝利する

若葉「私よりも、主様は強い。主様なら、お前なんかに負けはしない」

頼りきらなければいけない

それに申し訳ないという罪悪感を抱きながら

若葉は刀を鞘に収め、さそり座へと向かい、駆け出す

同時に合体バーテックスからの威圧を感じた――が、若葉は動かず一直線にさそり座へと向かう

若葉「うおぉぉぉぉぉぉッ!」

少女の雄叫びが轟き、瞬間、爆炎が若葉に直撃する

しかし

若葉「ただでは消えんッ! 信頼に――報いるためにッ!」

炎に包まれた、消えかけの体で抜刀

自らの魂を懸けたその一閃は空気を、巨躯を、世界を切り裂く

若葉「……すまない……ひなた」

そして、少女の姿は光となって消滅し、蠍座もまた砕けて消えていった


銀→射手座  命中判定 ↓1 ゾロ目または40~49でCRI


銀→いて座 魂使用  2250ダメージ  いて座消滅


銀「!」

若葉が消滅したのと時を同じくして

何かを感じ取ったかのように、銀は目を見開いて目を伏せる

戦斧の持ち手を握り絞め、

未だ一撃を入れていない射手座

遠距離から攻めることのできる、忌々しい天敵を見据え、切っ先を向ける

銀「若葉、あとは任せろ。アタシが――やってやるッ!」

今度こそ、最後まで守り通し、生き抜く

消えた若葉に誓い、今はいない園子に誓い、記憶の消えた東郷未森・鷲尾須美に誓う

いて座の矢の雨をサイドステップで躱し

身を削りそうな際どい弾道の矢を斧で叩き落とす

銀「あたしを誰だと思ってるッ!」

一度ならず二度までも

そんなことがあっていいのか? いいわけがない

銀「ッ! 利用させてもらう!」

自分を狙って地面に突き刺さった蟹座のシールドを足場に、跳躍

空中で一回転し――射手座の体を真っ二つに切り裂く

銀「あたしまでやられたら、天乃が泣いちゃうからな」

にやりと笑って、蟹座と向かい合った

http://i.imgur.com/5GcdFxg.png


天乃「………っ」

樹「樹海のダメージもどんどん酷くなっていってます」

封印している時ほどではないが

数が多かった分、そして強大な敵がいる分

樹海が受けるダメージは大きく、それはだんだんと樹海に近づいてきている

天乃「……うん」

若葉が消えた

もちろん、精霊だから死んでしまったわけではない

けれど、天乃にとっては死んだようなもの

精霊だから、別に良い

そんな割り切り方ができるほど、天乃は冷酷ではないからだ

樹「二人に何かあったんですか?」

天乃「……樹」

樹は天乃の表情から察して、首を振ると

天乃の手をギュッと握り締めて

樹「無事に終わらせて、絶対に勝ちましょう。勝って、笑顔でまた再会しましょう」

そういった


1、移動 ※黄色は加速使用
2、隠密を使用 ※SP30消費
3、待機 ※他のユニット全移動後に動く
4、夏凜接触


↓2

※移動の場合、樹・風がついてきます
※隠密は天乃にしか作用しません


銀→蟹座 命中判定↓1 必中技 ゾロ目または40~49でCRI  魂使用


判定 ↓2  ゾロ目  21~30  71~80 で友奈


銀→蟹座 4,775ダメージ  蟹座討伐


スタークラスター→樹 命中判定↓1 ゾロ目で回避 ほか命中
スタークラスター→天乃 命中判定↓2 01~87で命中 ゾロ目で回避
スタークラスター→風 命中判定↓3 ゾロ目で回避 ほか命中

スタークラスター→樹 命中判定↓4 ゾロ目で回避 ほか命中
スタークラスター→天乃 命中判定↓5 01~92で命中 ゾロ目で回避
スタークラスター→風 命中判定↓6 ゾロ目で回避 ほか命中


多いので、連取可


では、此処までとさせて頂きます
明日はできればお昼頃からとなります
再開時、ターン経過処理と戦闘処理


樹に計 484ダメージ
風に計 283ダメージ(本来532ダメージ 勇者はHP0にはならないため)  風戦闘不能
天乃に計 280ダメージ


移動・ダメージ処理済み  ターン経過処理未実行
http://i.imgur.com/IHs3u6v.png


失礼しました

風は再開時にコンマ判定いれます


13時~14時ころから再開予定です


では、ゆっくりと再開していきます


↓1 コンマ風のダメージ判定

01~00


天乃「近くで見ると……すごく、大きいのね」

遠くからでも見える

その時点である程度の大きさは覚悟していたが

予想を超える巨大さに、天乃は素直に驚きをこぼして、息をつく

樹「あんな大きいのが相手……だとしてもっ」

風「…………」

やる気に満ち満ちた妹

気力が失せ、生気すらも感じられなさそうな、姉

二人を見ていた天乃は思わず。そう、直感的に一歩後退った

何かがあると思ったわけではない、だが、体が進むこと、立ち止まること

そのどちらも嫌がったのだ

天乃「っ」

体が怯えてしまっている。そう考えた刹那――

どこからともなく飛来した炎弾が天乃の寸前までいた地面に着弾し、爆発する

天乃「い、樹っ! 風っ! 散開して! 今すぐ!」

叫び、身を翻して、空を見る

天乃「なっ」

空は血の赤色に染まり、目を凝らせば

それは無数の焼き尽くす炎の塊

樹「久遠さ――」

天乃「樹!」

そして、それは何もかもを覆い隠す爆発となって3人の勇者を吹き飛ばす

回避する余地など、なかった


天乃「っ……ぅ……」

九尾「主様。主様っ!」

天乃「九尾……っ、樹と風は!?」

九尾の呼びかけに応え、痛む体を無視して体を起こし

無残に焼け、吹き飛んだ周囲の樹木に顔をしかめながら、周囲を見渡す

樹はおろか、風の姿も見当たらない

九尾「彼奴の砲撃で多少なりと地形が変化した。犬妹はそこの下に落ちておる」

天乃「無事なの?」

九尾「攻撃を踏まえれば、無事と言えるが、もう余裕はない」

九尾はいつにもまして険しい表情で答えると

天乃の顔を一瞥して、首を振る

九尾「じゃが、犬姉は吹き飛ばされた。命の保証は出来ん」

天乃「なっ」

九尾「確認しようなどと考えるなよ? きゃつに背を向ければ主様が死ぬぞ」

天乃「風……」


天乃「さっきの攻撃、どうして察知出来なかったの?」

九尾「主様に聴覚が無かったからじゃ」

天乃「え?」

九尾「本当に微音ではあれ、落下音があった。が、主様はそれが聞けぬゆえ、妾の独断で一歩下がらせた」

それでもほとんど無意味じゃったが。と

九尾は悔しそうな言葉を呟いて、スタークラスターの巨躯を見上げる

しかし、天乃には疑問があった

音が聞こえなくても

攻撃してくる。と言うのは気配で判るからだ

だが、今回は気配すら察知できず、あまつさえ回避すら出来なかったのだ

それを察してか、

九尾は深刻そうな顔を、天乃に向けた

九尾「主様が車椅子の車輪で蟻をひき殺したとしよう。そこに、殺意はあるかえ?」

天乃「な……まさか」

九尾「彼奴にとって、主様らなどそれと同じ。道端に転がる弱者でしかないということじゃ」

天乃「……………」

九尾「足止めは出来ん。きゃつは平然と妾たちを踏み越えてゆくぞ」

http://i.imgur.com/ms4poBM.png


天乃「確実に勝つには、どうしたらいい?」

九尾「逃げるという選択はないのかえ?」

天乃「ないわ」

神樹だけがやられて消えるのなら、

それも構わないのかもしれない

けれど、ここには樹がいる

風や夏凜、東郷に友奈がいる

そして、みんながいる世界を守るためには、神樹を見捨てることなんてできない

九尾「主様が満開を使えば、従者である銀も多少なりと強化され、先ほど消滅し、療養中の若葉も出てこられるはずじゃ」

天乃「つまり、またしろ。と?」

九尾「確実を求めるのなら。じゃ。そのままでも銀と主様なら屠ることも不可能ではない」

しかし、やりきれなければ、

瀕死状態で変身も解けた風を巻き込んでの、さっきの爆撃のような雨がまた降り注ぐ

九尾「もしくは、犬妹に満開させるか。じゃな。主様には遥かに劣るが、戦力にはなるじゃろうて」


1、満開する
2、満開しない ※樹満開使用
3、樹に満開させず、自分も満開しない


↓2


天乃「そんなのダメよ」

九尾「……主様」

天乃「私がちょっと頑張ればいいだけなんでしょ?」

そう言って笑みを浮かべた天乃は

一番頑張るのは若葉かな。と、苦笑する

そのあからさまな無理した姿を見つめ、九尾は息をつく

主の決めたことだ。口出しすることはできない

九尾「主様の全身全霊、きゃつの御霊に刻もうぞ」

天乃「ええ、そうね」

体の力を抜き、天を仰いで、目を閉じると

風の流れが天乃を中心に回り始め、

死神と正反対の白装束がゆっくりと舞い始める

天乃「ねぇ、九尾」

九尾「なんじゃ」

天乃「出来たらでいいんだけど……」

九尾「善処はする。が、どうにもならんことはある」

記憶は止めて欲しい

天乃のそんな弱音を九尾は聞かずに答えて、姿を消す

天乃「…………満開ッ!」

体の内側から力溢れ出し、押しとどめるために胸に手を宛てがって――叫ぶ

幾度となく繰り返し、今はもう。慣れたもの

白と黒の入り混じったそれは、まるで九尾と死神の合体を思わせる

左手に草薙の剣、右手に生大刀に似た真っ黒な刀を持って、少女は駆け出す


銀「……っ、天乃!」

若葉「主様」

天乃「おかえり、全力で仕掛けて仕留めるわよ」

樹海を駆け巡る天乃の左に銀、右に若葉が姿を現す

動き出そうとしていた合体バーテックスは

その存在の大きさに、動きを止める

取るに足らない雑草のような存在

それが、気づけば無視できないほどに強い力を放っている

その状況に動揺はなかった

なぜなら、バーテックスは経験しているからだ

久遠天乃という勇者の戦闘能力を

無数の火炎の弾を雨のごとく降らせる

当たらない。掠りもしない

一直線に力が向かってくる。それを感じながらもなお、バーテックスは火炎弾を降らせる

無駄だ。無意味だ。それでも、仕掛け続ける

少しでも多く、経験するために


天乃「っ!」

横に飛び、木を蹴り飛ばして跳躍

降り注ぐ赤き雨雫を斬り払い、着地と同時に横に飛ぶ

銀「っとりゃぁっ!」

天乃の進路を阻もうとする水球を切壊して銀が先行し

若葉が背後に迫る厄介な追尾弾を切り捨て、炸裂させる

天乃「………………」

目の前だ。だが、闇雲な一撃は雲を切るがごとく

ゆえに、天乃達はバーテックスの周囲を駆け、観察し、どこを攻めるべきかをを思考する

若葉「主様、決まったか?」

天乃「見た目はあれだけど、基本構造に大差はないわ」

かと言って、目測約100mの化物のどこに核があるのかわかるわけではない

しかし

天乃「外装はほかのバーテックスの寄せ集め。なら、どこか。そう、アレ固有の場所に核があるはず」

若葉「ならば、外装を省き、3点を私達で全力で仕掛けるか」

銀「面倒な考えは抜きでやる方がやりやすいしな」

天乃「そうね。じゃぁ……決めましょうか」


銀→スタークラスター 判定↓1 ゾロ目  21~30 61~70 でCRI

若葉→スタークラスター 判定↓2 ゾロ目  01~10 31~40 でCRI

天乃→スタークラスター 判定↓3 ゾロ目  41~50 71~80 でCRI

銀→満開強化・魂使用  6500ダメージ
若葉→満開強化・魂使用  5850ダメージ
天乃→満開強化・防御無視 3600ダメージ

計:15,950ダメージ

ミス・訂正

銀→満開強化・魂使用  6500ダメージ
若葉→満開強化・魂使用  5850ダメージ
天乃→満開強化・防御無視 4100ダメージ

計:16,450ダメージ


若葉「っはぁぁぁぁぁッ!」

第一撃、若葉の全力全開の一閃がバーテックの巨躯を切り裂き、

遅れて爆音が轟く中、天高く跳躍していた銀が上空から戦斧一つをバーテックスの体に突きたてる

さすがのバーテックスも無視できず、銀へと目を向けた瞬間にはもう

銀の姿はバーテックスの背後

銀「鬼さんこちらッ!」

バーテックスの外装を破壊し、砂塵へと変え、

バーテックスの体が傾き始めた瞬間、銀は再び粒子となって消失

銀「残念こっちだ!」

正面、側面、上空、背後、足元縦横無尽に姿を現しては消え、バーテックスの体を切り刻み、

外装を消し去っていく

天乃「行くわよ」

ボロボロになり、今にも消えそうなバーテックスに向かって白い瘴気、黒い瘴気を放つ刀を手に、全力で衝突

爆発したかのような衝撃に崩れ去っていくバーテックスの体を足蹴に跳躍

天乃「ダメ押しの一撃、思い知りなさい」

封印もなしに露出したバーテックスの中心部分に

一撃、二撃、三撃、四、五、六、七……連撃を加え、蹴り飛ばし

天乃「っ!」

天乃は着地した瞬間に刀を頭上に構え、一本の弓矢となって大空に一閃を描く

合体した巨大なバーテックスは跡形もなく――消滅した


天乃「……ふぅ」 

銀「終わったはいいけど、この被害。結構大きいかもしれないな……」

戦闘には勝利した。が

本当に勝利と言っていいのか、

天乃だけでなく、銀や若葉も不安を覚え、顔を見合わせる

若葉「それより、主様。どうする?」

天乃「どうするって?」

若葉「この樹海のダメージ、なんとかするか? それとも」

樹海のダメージを一身に受け持つか

それとも

そのまま世界への被害を是とするか

わずかとはいえ、前回以上の被害があるに違いないが……

銀「天乃はもう十分頑張った。これ以上頑張らなくても、誰も文句は言わないはず」

若葉「しかし、背負わなければならない。世界を見捨てたという選択を」


1、世界を救う
2、世界を見捨てる


↓2


天乃「……良いわ。今回は、私が何とかする」

若葉「そうか」

天乃「……………」

この戦いは勇者にとって、勝利ではなく、敗北

犬吠崎風、犬吠崎樹、東郷美森、三好夏凜、結城友奈

本来はこの五人だけだったこの戦い

天乃「私達はイレギュラーだって、覚えてる?」

誰に問うわけでもなく、疑問を口にして、首を振る

天乃「稲荷、お願い」

文字通り全力全開

力を使い果たし、視界が霞む中で、天乃は稲荷を見送ると

離れたところから樹が駆け寄ってきているのが、見えた

樹「……!!」

何を言っているのか、どんな顔をしているのか

全くわからない

けれど、

天乃「私……守ったよ。樹」

天乃は安堵の笑みを浮かべてそう呟くと

糸の切れた人形のように、地面に倒れ付す

もう――限界だったのだ

01~10 右腕
11~20 触覚
21~30 視覚(奇数:右 偶数:左)
31~40 記憶(ゆゆゆ時代)
41~50 触覚
51~60 記憶(わすゆ時代)
61~70 視覚(両方)
71~80 右腕
81~90 記憶(ゆゆゆ・わすゆ時代)
91~00 視覚(奇数:右 偶数:左)

↓1のコンマ

スタート時間判定


01~10 夕方
11~20 夜
21~30 翌朝
31~40 夜
41~50 夕方
51~60 夜
61~70 翌昼
71~80 翌朝
81~90 夕方
91~00 夜

↓1のコンマ  


※再開位置は病院・個室固定です

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  三ノ輪銀 :交流有(戦闘、無茶)
・  犬吠埼風:交流有(戦闘、説得①)
・  犬吠埼樹:交流有(戦闘、無茶)
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流有(戦闘)
・  三好夏凜:交流有(戦闘、説得①)
・  三好春信:交流無()
・  乃木若葉:交流有(戦闘、無茶)
・     九尾:交流有(戦闘、無茶)

・      死神:交流有(戦闘、無茶)
・      稲狐:交流有(戦闘、救済)
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流有(戦闘、救済)


7月5日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 36(中々良い)
  犬吠埼風との絆 52(高い)
  犬吠埼樹との絆 100(かなり高い)
  結城友奈との絆 51(高い)
  東郷三森との絆 49(少し高い)
  三好夏凜との絆 68(高い)
  三好春信との絆 30(中々良い)
  乃木若葉との絆 20(中々良い)
   夢路瞳との絆 12(普通)

     九尾との絆 36(中々良い)
      死神との絆 29(中々良い)
      稲狐との絆 22(中々良い)
      神樹との絆 5(低い)

 汚染度■■■%


√ 7月6日目 昼(病院・個室) ※土曜日


戦いが終わったあと、全員が、病院に連れて行かれた

もちろん、私も

私と同じ病室には、お姉ちゃん、夏凜さん、友奈さん、東郷先輩の四人

そう、四人だけ

銀ちゃん、若葉さんは仕方ないにしても

久遠さんは一緒でも、良いはずなのに

樹「……あの、久遠さんは」

「久遠天乃さんに関しては、別室にてお休み頂いておりますので」

樹「会いに行きたいんです」

「許可できません」

昨日からずっと、こうだった

病室内にお手洗いがあるとは言え、夜は施錠され、窓も鍵のない嵌め込み式

まるで、病室じゃなくて牢屋みたいだと、思った


樹「……久遠さんの状態は、どうなんですか?」

看護師さんにそう聞くと、決まって、困った顔をして

でも、すぐに資料を見て、大丈夫ですよ。体に問題はありませんから。と、言う

大丈夫なら、会わせてくれてもいいのに

樹「……久遠さん」

会いたい。会いたい

目を覚ましてからずっと、一言も交わせず、触れ合えず、顔を見せることもできず

たった一人で病室にいる久遠さんのことが、心配で、可哀想で

ベッドから降りて、ドアを引こうとすると

「おや、行くのかえ?」

と、どこかで聞いたような声が聞こえて飛び退く

樹「…………」

白衣に同化してしまいそうなほどの白い肌

なびく黄金色の髪に、光る紅の瞳

樹「九尾……さん?」

九尾「いかにも。どうじゃ? このなーす。なるものの装いは」

樹「どこから取ってきたんですか?」

九尾「更衣室が見当たらなくてのう……適当な女子を脱がせた」

樹「何してるんですか……」


九尾の苦笑に、緊張も解けかけたところで、はっとする

樹は九尾の瞳を見据えて、問う

樹「久遠さんは大丈夫なんですか?」

九尾「体に関しては問題ない」

樹「…………」

看護師と似たような返答

しかし、九尾が言うとどこか違和感があるような気がした樹は

頭の中で、繰り返す

体に問題はない

体に関しては問題ない

体、 問題

体、関して、問題

樹「……関して?」

九尾「うむ」

樹「どこか別の場所に、問題があるっていうことですか?」

樹がそう聞くと、

九尾は悲しそうな瞳で、頷く

九尾「主様との接触を徹底して防ぐほどの理由がそこにはある」

樹「……目が見えなくなったとか、話せなくなった。とか、右手まで動かなくなった。とかですか?」

九尾「答えるわけにはいかぬ。妾がここに来たのは、主様がきっと、会うことを望まぬがゆえ。通さぬため、知らせぬために。ここにいる」


病院のどこかから女性の悲鳴が響いてきたが、

樹と九尾を取り巻く空気には微塵も影響せずに、消えていく

樹「……どういうこと、ですか?」

九尾「お主も、そのような顔をするのじゃな」

樹「どういうことですか?」

蒼き炎のような、静寂の怒り

九尾は樹にそんな普通ではないものを感じながらも、首を振る

さすがの九尾にも、恐怖があった

だが、

久しく身に覚えのない総毛立つ感覚を全身に受けながらも、九尾は口を閉ざす

樹「言わないのなら、通してください」

九尾「嫌じゃ」

樹「それなら、押し通ります」

樹は端末を取り出そうとして、気づく

樹「端末が――」

九尾「残念ながら、それは今手元にはない。諦めよ。小娘」

そう言った九尾は逃げる隙を与えることなく樹に飛びついて、押し倒し、両手足を押さえ、無力化する

九尾「悪く思うな。これもお主と主様の為なのじゃ」

樹「ッ!」

九尾の見開かれた瞳と視線が絡み合った瞬間、

樹の意識は抵抗すらできずに、刈り取られてしまった

少し休憩します

まさかこんなことになるとは思いませんでした


通常通り、天乃視点で進めるか
特例で樹視点で進めるか
再開時に多数決で安価する予定


17:30頃に戻ります


では、二分後に多数決


1、樹視点
2、天乃視点


↓2~↓4


では、樹視点で開始します


裸の看護師事件とか、余計な話は入ってくるのに、

久遠さんに関しては全く情報がないし

九尾さんはなぜか【誰にも不審に思われず】一般職員として

病院の一員になって、私達の病室に居座っている

樹「久遠さんは……」

九尾「言えぬ」

九尾はその一点張りだった

端末があれば今すぐにでも勇者になる樹だが

肝心の端末が無い以上はただの少女でしかない

それに、

樹「……お姉ちゃん」

風「……………」

風や友奈は目を覚ましていないし

夏凜も東郷も精神的に立ち直れていない

樹「勇者部が……壊れちゃったよ。久遠さん……っ」

泣きそうだった

縋り付きたかった

慰めて欲しいとまでは求めない

けれど、寄り添って、存在を感じて

この絶望的な状況でも頑張ろうとする気力を蓄えたかった

なのに、その天乃でさえいない

樹「っ、ぅ」

涙を我慢することなんて、できなくて

嗚咽をこぼす

今のこの病室に、手を差し伸べてくれる人は――いなかった


樹「……………」

いつまでも泣いてはいられない

そういきり立って、数分

ベッドに座って、病室を見渡す

風「…………」

友奈「…………」

風や友奈は愛も変わらずな状態で

東郷は友奈のそばで、ずっと友奈の手を握り、

夏凜は窓の外を眺め続けている

樹が言ったように

勇者部はもはや崩壊してしまっていた

けれど、

樹は久遠さんならここで泣いているだけなはずがない

何もしないわけがない

そう考え、目を開く



1、友奈接触
2、東郷接触
3、風接触
4、夏凜接触
5、九尾接触
6、イベント判定


↓2


樹「東郷先輩」

東郷「樹ちゃん……」

樹「わかっているんですよね? 今、どういう状況か」

大切な親友を守れなかった

その後悔に苛まれているとは言え

何も理解できていないわけではないはずだ。と

樹は思っていた

そして、その想像通り、東郷あ申し訳なさそうな表情を樹に向けた

東郷「ごめんなさい。私……何もしなかった」

樹「謝られても、どうしようもないです。それに」

東郷「…………」

樹「前回も、今回も。久遠さんに頼りきっちゃったのは……私も同じですから」

東郷「でも、私は友奈ちゃんの所に行くことしか考えてなかった」

樹「……そんなこと、分かってます」

東郷に対し、怒りがないと言えば嘘になる

夏凜はともかく、東郷は戦うことができたのに、

戦わずにいたからだ

樹「……………」



1、東郷先輩のせいです。東郷先輩が何もしてくれなかったからッ!
2、友奈さんはどんな感じですか?
3、謝るなら久遠さんに謝ってください。そのためにも、協力してください
4、東郷先輩。九尾さんをなんとか出来ませんか?


↓2


樹「東郷先輩、九尾さんをなんとか出来ませんか?」

東郷「九尾さん?」

そう、首を傾げる東郷に、

樹は壁際にいる明らかに人間ではない美貌を持つ看護師を指差す

樹「あの人です」

東郷「看護師の人を何とかして、どうするの?」

樹「病室を出ます」

東郷「でも……ううん。私に、樹ちゃんに指図する権利なんてないわよね」

何もしなかった

できなかったのではなく、やらなかった

それは何よりも重い罪

東郷「わかったわ。何とかしてみる」

やれない、やらない

そんな選択ができるほど、自由はない

東郷は自らを戒めるように考え、息をつく

東郷「何にもしなかったんだから、なんでもしなくちゃ……だよね? 友奈ちゃん」

友奈はなにも、答えない


樹「でも、どうするんですか?」

東郷「私の体を、最大限利用するわ」

樹「東郷先輩の体……?」

東郷は頷くと車椅子を動かして、九尾の下へと向かう

少女である東郷にとって

それはとてつもなく恥ずかしいこと

だが、それが樹の願いに応えるために有効な手段であるのならば

使わないという手はない

東郷「……あの」

九尾「なんじゃ」

東郷「その、お手洗い。行きたいのですが」

そう、手洗い場の利用

幸運なことに、室内に閉じ込めるためにトイレも室内に入っている為、

東郷は羞恥心を殺して、九尾と共に行こうとしたのだ

1から100まで手を借す必要はないが、多少は手を借さなければいけない

九尾「う、うむ……しかし」

東郷「お、お願い……します。その、あまり、我慢は、その……」

もじもじと体をくねらせ、頬を染め、懇願する

その表情に、九尾は困ったため息をついた


九尾「仕方があるまい……」

チラッと樹の方を見つめ、九尾は言う

そこまでして、会いたいのであれば会えば良い

会って、真実を知り

現実に呑まれて消えるなら消え

足掻くなら足掻いて見せろと赤い瞳を光らせる

九尾「きっと、その先は巌しいものであろう。それでも、主が主様とともにありたいと、強く、願うのであれば」

東郷「九尾さん?」

九尾「おや、すまぬ。今連れてゆくぞ」

車椅子を押し、九尾は東郷とともに

手洗い場のある一室へと消えていく

樹「……見てた」

九尾の視線に気付いていた樹は、

そうつぶやきながらも、病室を抜け出す

どうしても、天乃に会いたかったからだ


01~10 銀
11~20 
21~30 若葉
31~40 沙織
41~50 天乃
51~60 死神
61~70 天乃
71~80 
81~90 瞳
91~00 春信

↓1のコンマ  


空白は見つからず


不思議と、一直線だった

病室の扉付近の名前を確認をすることなく

導かれるように、通路を進み、

階段を登って、扉を開けて、さらに奥へと進んでいく

樹「……なんでだろう」

表札を見てみると、

名前はなく、本来なら空室のはず

けれど、樹はその部屋の前で立ち止まった

樹「……………」

知らないはずなのに、

分からないはずなのに

なぜだか、ここにいると私は思った

ううん、ここにいると感じた

樹「久遠さん」

扉を叩いて、名前を呼ぶ

色々な意味で、返事はなかったが

樹は迷うことなく、扉を開けた


天乃「……あら?」

樹「っっ!」

久遠さんがいた

その手には私が作った髪飾りを持っていて、

結んでいない、桃色の髪はまっすぐ下に下りていて

橙色の宝石みたいな目で私を見て

きょとんとした表情を浮かべる

樹「会いたかったですっ!」

聞こえない

それが分かっていても思わず叫ぶ

我慢できなかった涙が溢れて

抑えきれず、体が駆け出す

でも

天乃「な、なんなの!? 誰っ! それ以上来ないで!」

樹「え?」

天乃「病室間違えてるわ、私は――」

それ以上言わないで欲しい

それ以上知りたくない

それ以上聴きたくない

そう思っても、何も出来なかった

衝撃に呆然として、唖然として、愕然として

ただ、さっきまでとは違う意味の涙が溢れ出すだけで……

天乃「――貴女のこと、知らないんだから」

久遠さんのその言葉を……止めることができなかった


天乃「それとも、これ。貴女のものだったりする?」

樹「っ……」

久遠さんは困りきった顔で、私に髪飾りを差し出す

私が作った、久遠さんのための髪留め

私のじゃなくて、久遠さんの……なのに

天乃「床に落ちてたの。ダメよね、ここの看護師。ちゃんと整理整頓できないなんて」

樹「あ、あの……」

天乃「?」

樹「いえ……その」

なにを言えば良いのか分からなくなった

何をして良いのか分からなくなった

長くはないでも、短くとも何事にも代え難い大切な全てが

久遠さんからは消えていた


01~10 
11~20 行動可

21~30 
31~40 
41~50 
51~60 行動可

61~70 
71~80 
81~90 行動可

91~00 

↓1のコンマ


※空白は行動選択不可。連続して判定 


01~10 ナースコール 
11~20 どうかしたの?
21~30 大丈夫?
31~40 少し、話をする
41~50 ナースコール
51~60 ねぇ、もうちょっとこっち来てくれる?
61~70 自己紹介
71~80 私に似ている人でも、知り合いにいるの?
81~90 どうかしたの?
91~00 ねぇ、この髪留めの勇者部って、なに?

↓1のコンマ  


天乃「どうかしたの?」

樹「っ……ぅ……」

天乃「嫌なことでもあった? 怖いことでもあった?」

久遠さんの声は、変わらない

一瞬でも、私を怖いと思ったはずなのに

私のことを忘れて、知らない人になっちゃったはずなのに

久遠さんは、私のことを気遣って、優しい声で聞いてくる

天乃「……まぁ、さっきみたいに怒鳴ったら、そうよね。でも、貴女だって悪いのよ? 飛びかかろうとしたんだから」

樹「………………」

天乃「……………」

久遠さんは私を見つめて、息をつくと

髪留めを枕元に置く

天乃「もう飛びかからないって約束するなら、そこの椅子に座ってもいいわよ」

樹「……怖くないんですか?」

天乃「泣いてる貴女を放り出す方が嫌なのよ。そこの引き出しにハンカチあるから、使いなさい」


久遠さんが言うように引き出しからハンカチをとって、椅子に座る

ヘタに断って、久遠さんからの印象を悪くするのは嫌だったからだ

天乃「落ち着いた?」

樹「はい、ありがとうございます」

天乃「ふふっ」

樹「っ」

思わず浮かべた笑顔に、久遠さんは嬉しそうな笑顔を浮かべる

いつもと変わらない、私の大好きな笑顔

記憶がなくても、変わっていなかった

樹「なんで笑うんですか?」

天乃「ううん。ただ、泣いてるより笑顔の方が可愛いと思って」

樹「っ、何言って」

天乃「あら、嘘じゃないわよ? 私、貴女の笑顔好きよ」

馬鹿にするわけでもなく

心から嬉しそうな笑顔で、久遠さんは言う

それに暖かさを感じる私は、また、涙をこぼす

今までと変わらないような会話なのに

私たちの関係は――赤の他人

どうしてだろう

なんでだろう

なんで、こんなことにならなくちゃ……いけないんだろう

天乃「ど、どうしたのっ?」

樹「なんでも……っ、なんでもなっ……っ」

久遠さんはただ頑張っただけなのに

久遠さんは――みんなを守ってくれただけなのにっ

悲しみが、怒りを生む

怒りが、憎しみを生む

その連鎖に樹の心が黒く染まって、神樹様への反抗心が高まっていく


天乃「っ……」

天乃はやや無理矢理に体を動かして

身を乗り出すような姿勢になってまで手を伸ばすと

樹の頬、こぼれ落ちていく涙を拭う

樹「っ」

天乃「私でよければ、少しだけなら抱きしめられてあげても。良いわ」

樹「え?」

天乃「理由は知らないけど、そうしたかったんでしょ?」

天乃は少し、ためらいのある瞳で

けれど優しい面持ちで樹を誘い、手を引く

天乃がベッドに戻ると同時に、

樹の体がベッドに倒れかけ、慌てて手をつく

天乃「私もね? なんでかしらないけど、貴女のそんな顔、見たくないから」

樹「……………」


1、抱きしめる
2、断る
3、知ってますか? 私と久遠さんは、恋人だったんですよ
4、私は、犬吠埼樹です。貴女、ではないです


↓2


樹「私は犬吠埼樹です。貴女、ではないです」

天乃「そっか……犬吠埼さんって言うのね」

樹「っ」

そのまだ他人でしかない呼び方に、胸が痛む

けれど、無理強いはできないだろう。と、

樹が黙り込んでいると、天乃は私はね。と、切り出した

天乃「久遠天乃。こう見えて、一応中学三年生らしいわ」

樹「……私は一年生です」

天乃「年相応で羨ましい」

久遠さんはちょっぴり頬を膨らませてそう言うと

私の体をまじまじと見つめる

天乃「見てよこれ、私の身長は貴女と同じなのに、こんな体になっちゃって」

樹「嫌味ですか?」

天乃「えっ、そうなっちゃうの?」

樹「はいっ、嫌味です」

笑とともに、答える

これ以上心配させられないと、思ったからだ


天乃「そっか、嫌味か……困ったわね」

天乃としては、全くもってそんなつもりはなかったのだ

もっとも

そうやってどこか読めてない言動をしてしまうのは天乃らしいといえば、らしく

樹は困ったように、苦笑する

天乃「ねぇ、犬吠埼さん」

樹「なんですか?」

天乃「貴な……犬吠埼さんはここから遠いの?」

樹「少し、離れてるかもしれません」

ここまでの道のりを思い出してみると

一直線に進んだにも関わらず大体10分くらいはかかったような気がする

天乃「そっか、じゃぁ、いつも会いに来てもらうなんて難しいわよね」

久遠さんは子供っぽい悲しそうな声でそう言って

寂しそうな瞳を向けてきた


1、そうですね
2、会いに来ます。来ていいなら。毎日。何度でも


↓2


樹「会いに来ます。来ていいなら。毎日。何度でも」

天乃「ほんとっ」

樹「はいっ」

子供みたいな嬉しそうな笑顔を浮かべながら

癖なのかもしれない、私の手をギュッと握り締める

天乃「あ、ごめんね」

久遠さんはそう言って、困ったように笑うと

手を離して、体を引く

謝る必要なんてない

手だけじゃなくていい

抱きしめてくれたっていい

樹「……いえ、好きなだけ握ってくれてもいいですよ?」

そんなことは言えない

言えるのは、そんな冗談みたいな言葉だけ

天乃「ふふっ、ありがとう。気持ちだけで良いわ」

樹が思ったとおり

天乃は冗談として受け取って、苦笑した


※看護師(大赦職員)が来たため、自分の病室に戻ります


√ 7月6日目 夕(病院) ※土曜日


01~10 
11~20 友奈

21~30 
31~40 
41~50 友奈

51~60 
61~70 風
71~80 
81~90 友奈
91~00 

↓1のコンマ


※ゾロ目で両方
※風はダメージがひどく確率低め


友奈「っ……ぅ……」

東郷「!」

友奈「ん~……っ、ん?」

呑気な声を漏らしながら

眠り姫が、まぶたを開く

綺麗な赤色の瞳がすぐそばで手を握る東郷を見つめる

友奈「東郷さん?」

東郷「友奈、ちゃんっ」

友奈「どうしてそんな泣いて、わた――っ」

東郷「友奈ちゃんっ!」

友奈「わわわっ」

東郷は友奈が言い終える前に、体を抱きしめる

病み上がりということも気にせず

しっかりと、命を感じる温もりを抱きしめ、涙をこぼす

友奈「良く分からないけど……心配させちゃったんだね」

なんの気なくそうこぼした友奈は

分からないじゃないわ! と、東郷に強く叱られてしまった


友奈「風先輩に、夏凜ちゃんまで」

東郷「そうなの」

樹「……………」

友奈が目を覚ましたことで、

多少は変わるかと思ったが、

夏凜は友奈に「何もできなくて悪かったわ。もう、勇者辞めるから」と、言うと

そのままベッドにもどって、窓の外を眺めるだけに戻ってしまった

おそらく、風が目を覚ましたら謝罪して病室からいなくなるだろう。と

東郷は冗談じゃなく、思った

友奈「ところで……久遠さんは?」

東郷「それは」

友奈「久遠さんのことだから、一人だけ無事で家に軟禁されちゃってたりするの?」

友奈は知らないからこそ、

そして、天乃の強さを知り、信じているからこそ冗談っぽくそういった



1、天乃の記憶喪失を話す
2、そうですね、退院したら会いに行きましょう
3、寝ていたくせに……そんなふざけた事言わないでください
4、久遠さんはいろいろあって、精密検査で面会謝絶中らしいです



↓2


記憶喪失の理由は


1、満開だと話す
2、事故だと嘘をつく


↓2


樹「久遠さんは、記憶喪失です」

友奈「え?」

東郷「!」

樹「今回、久遠さんは私達を守るために満開をしたんです」

それで。と、樹が言うと

東郷は険しい表情を浮かべ、首を振る

満開したことによる、障害

以前、天乃は言っていたはずだ

勇者になったことで、体に障害をきたした。と

それはつまり、そう。満開したから……だったのだ

友奈「久遠さんは全部忘れちゃったの?」

樹「大赦の人から聞いた話では、2年前までの記憶は全てないそうです」

聞いたというよりは問い詰めた。と、言うべきかもしれないが

九尾以外はそれを知らず、誰も言わずに話は進む

樹「少なくとも、私達のことは何一つ覚えていません」


樹の言い方に、

さすがの友奈も刺々しさを感じて、目をそらす

その一方で黙り込む東郷は

自分と天乃

そして、友奈達との勇者としての違いを考え……気づく

自分の障害と精霊の数

天乃の障害と精霊の数

それらが綺麗に比例している。と

最初の一体、足の一体、記憶の一体

東郷「久遠さんも記憶を無くした。私のも、事故ではなく、満開による障害・代償だとしたら……」

自分が友奈たちと同期ではなく

それ以前、天乃と同じように先代の勇者であるのではないか。と

友奈「ごめんね、樹ちゃん。私知らなくて……さっき」

樹「気にしてません。寝ていたんですから、仕方がないですよ」

友奈「っ……怒ってる?」

樹「怒ってないです」


友奈「ごめん」

天乃と樹の関係を友奈は良く分かっている

その大切さも分かっている

だからこそ、例え意図したものではなかったとしても

冗談でも、悪い事を言ってしまったと反省し、後悔していた

けれど、樹は貼り付けたような笑顔で答えるだけ

それに恐怖を感じた友奈は、

それ以上怒りに体当たりはすまいと、東郷へと目を向ける

友奈「東郷さ……東郷さん?」

東郷「えっ、なに?」

友奈「東郷さん、どうかした?」

東郷「……ううん、何でもないの。ただ、久遠さんが心配で」

自分が一代前、天乃と同じ世代の勇者だったかもしれない

それも大事なことかもしれないが

ただでさえ滅茶苦茶で、惨状とも言える今と比べればちっぽけで

無駄に問題を大きく、そして、荒らすだけのことは言う必要はないと、誤魔化した


東郷「とにかく、満開の影響なら――……」

いつか戻るかもしれない

そう言いかけて、止まる

本当に戻る? 本当に治ってくれる?

自分の記憶、足、天乃の体

二年間の時を経て、どれだけ戻った?

東郷「…………」

何一つ戻っていない

なのに、戻るなんて下手なことが言えるだろうか

否、言えるわけがない

そんな葛藤する東郷の前で、樹は息をつく

樹は、天乃から全てを聞いていた

だからこそ、天乃の失ったものがもどるなんていう希望は無く

期待もなく

あるのは、悲しさと、喪失感、そして、絶望だけ

だからこそ……樹は、怒りを溜め込んでしまっていた


では、此処までとさせて頂きます
明日はもしかしたらできないかもしれませんが、
出来たらいつも通りの時間です
想像以上に暗いシナリオになりますが、
樹ちゃんの気持ちは選択肢で察してあげてください



現状
樹:神樹不信 東郷:動揺 友奈:不安
風:昏睡 夏凜:精神不安定 天乃:記憶喪失


絆値推移
天乃→樹(100→5)  恋人→気になる他人


樹ちゃんの恋に関しては、ある程度補正かける予定ですので
記憶を失わない限りは大丈夫です


では、初めて行こうかと思います


√ 7月日7目 夜(病院) ※土曜日

友奈、東郷、夏凜、風、九尾、天乃との交流が可能です

1、九尾
2、友奈
3、風
4、東郷
5、夏凜
6、天乃
7、イベントの判定

↓2

※天乃の場合は判定で成功した場合のみになります


失礼しました。まだ6日目です


01~10 男性
11~20 風 
21~30 瞳
31~40 銀
41~50 若葉
51~60 男性
61~70 九尾
71~80 夏凜
81~90 友奈
91~00 風

↓1のコンマ  


夏凜「……邪魔」

九尾「邪魔をしておるからのう。それは当然じゃろうて」

樹「……?」

みんながもう、寝ているような時間

静かとは言え、眠れていなかった樹の耳には

そんな二人のやり取りが鮮明に聞こえてくる

九尾「出てどうする。行ってどうする。お主には何もできることなどなかろう」

夏凜「わからないじゃない」

九尾「なにゆえ、そう思う」

夏凜「聞いたわ。天乃が記憶喪失になったって」

九尾「ふむ。それで?」

夏凜「捧げものがどこに行くか知ってる? 神様の手元なのよ」

夏凜の声は冷静なように聞こえはするが

その実、激しくたけり狂っていた

樹と同じなのだ

頑張って守った結果の代償を受け入れられなかったのだ

夏凜「だから……取り返しに行く。神樹様の所に」

九尾「それを無駄だと言っておるのが解らぬのか、たわけッ」


九尾「主らはすでに端末を失っている。勇者にはなれぬ」

夏凜「……だけど、それでも」

何も出来なかった

何もしなかった

そんな自分が何事もなくて

なんでも出来た。なんでもした

そんな最も讃えられるべき人が失っていく

それが、夏凜には許せなかった

しかし

九尾「何もしなかった者が。今更戯言を言うでないぞ? 小娘」

夏凜「っ」

九尾「出来ぬのであれば、妾も目は瞑ろう。いや、妾は手を貸そう。じゃがな。【何もしなかった】者にくれてやる慈悲などない」


九尾「己が無力さに一生を持って悔いれば良い。死など妾が許さぬ。犠牲になど妾がさせぬッ」

夏凜「っ」

赤い瞳をぎらりと鋭くして、夏凜を睨み

矛盾さえも噛み砕いてしまいそうな牙を剥き、九尾は唸って

夏凜は思わず後退り、蹴躓いて、尻餅をつく

九尾「そのような楽な道など、お主にはくれてやらぬ」

夏凜「……私は」

九尾「…………………」

見下ろす九尾の恐ろしい瞳に

夏凜は俯き、蹲って、言葉を失う

何も間違っていない。

そうだ、何もしなかったんだ

夏凜「っ、っ……くっ……」

何もなくなってなんかいなかった

戦う理由ならあった。戦える理由なら、すぐそばにあった

バーテックスさえ見向きもしないと言い捨てた自分の命を、

支えようと、守ろうと、大切に、大事に、見ていてくれた人がいたのに

自分はその人を見殺しにしたようなものなんだ。と、夏凜は自分自身を責めた



1、夏凜さん。神樹様と戦う覚悟はありますか?
2、九尾さん。私のことは通してくれますか?
3、夏凜さん。泣くくらいなら、どうして、何もしてくれなかったんですか?
4、私も同感です。東郷先輩もそうですが、今更後悔してるとかゴメンナサイとか、そんなこと言われてどうしろと言うんですか?
5、ならもっと難しい道を行けばいいだけです。何もしなかったなら、まだ。なにか出来ないとは決まってないんですから


↓2


樹的には夏凜は【許しがたい人達】の中に入っていると言えなくもない

しかし、夏凜は大切な部活の仲間

学年の隔たりのない友人

そして、大切な人の大切な人

だから

樹「夏凜さん」

夏凜「い、樹っ」

寝たふりをやめて、ベッドから降りた私は

座り込んだままの夏凜さんに近づいて、手を差し出す

樹「神樹様と戦う覚悟はありますか?」

と、問う

さっき、夏凜さんは真珠様の元に取り返しに行くといった

それが本気なら、本心なら

樹「私はあります……夏凜さんはどうですか?」


久遠さんのため

自分のため

樹は神樹様とでさえ戦う意思がある

例え勇者の力がないとしても、樹はその気持ちに揺らぎがなかった

夏凜「方法はあるの?」

樹「考えます」

夏凜「何するの?」

樹「考えます」

夏凜「考えて、ばっかじゃない」

夏凜は吐き捨てるようにそういって、首を振る

夏凜「悪いけど、遠慮するわ」

九尾「………………」

夏凜「私は誰とも組むつもりなんかない。目的が同じだろうと、絶対に」

樹「………」

夏凜はそう言って頬を拭うと、

樹と九尾を交互に見つめて、ベッドへと戻り、布団へと潜り込んだ


九尾「くふふっ、断られてしまったのう」

樹「……何か面白いですか?」

九尾「そう怒るでない」

樹「怒ってません」

九尾「ふむ……そうか。まぁ、その憤怒は明日に取っておくが良い」

樹「どういうことですか?」

樹の刀のような鋭さのある問

けれど、九尾は全く気にする様子もなく、苦笑すると

瞳を閉じて、息をつく

九尾「主様は二年間の記憶を失っておる。その意味が分かるかえ?」

二年間を喪失したということはつまり、

家族の記憶を失っている上に、

天乃は戦後、園子と過ごした記憶すら失っているということである

それはつまり、

九尾「友人も家族もない、孤独な少女。それが、今の久遠天乃ということじゃ」

樹「………………」

九尾「大赦としてはこれほど好都合な状況はあるまいて。要するに、心しておけ。ということじゃ。我が主の愛しき姫様や」

1日のまとめ

・  久遠天乃:交流有(接触、自己紹介、会いに来ます)
・  三ノ輪銀 :交流無()
・  犬吠埼風:交流無()
・  結城友奈:交流有(天乃の記憶喪失)
・  東郷美森:交流有(手を貸りる、天乃の記憶喪失)
・  三好夏凜:交流有(神樹との戦い)
・  三好春信:交流無()
・  乃木若葉:交流無()
・     九尾:交流有(会いにいく)

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流有(敵対宣言)


7月6日目終了後の結果

  久遠天乃との絆 100→5(低い)
  三ノ輪銀 との絆 20(中々良い)
  犬吠埼風との絆 150(かなり高い)
  結城友奈との絆 67(高い)
  東郷三森との絆 68(高い)
  三好夏凜との絆 35(少し高い)
  三好春信との絆 12(中々良い)
  乃木若葉との絆 10(中々良い)
     九尾との絆 20(中々良い)
      死神との絆 15(中々良い)
      神樹との絆 20(中々良い)


√ 7月日7目 朝(病院) ※日曜日

友奈、東郷、夏凜、風、九尾天乃との交流が可能です

1、九尾
2、友奈
3、風
4、東郷
5、夏凜
6、天乃
7、イベントの判定

↓2

※天乃との交流は九尾さんのお手伝いで判定なしです


樹「どういうつもりですか?」

九尾「お主にも、必要な選択があるのじゃ」

樹「……選択?」

九尾は思わせぶりなことを言いながら、

樹を天乃の病室へと連れて行く

誰も不審に思わない

誰も引き止めない

樹が天乃と接触することは大赦にとって好ましいことではないのに

誰も止めようとはしなかった

九尾「お主が決めるべきことがある」

樹「………………!」

開けようと扉に近づくと、声が聞こえた

久遠さんの笑い声だった。楽しげな声だった


『なんだよ。そんな笑うことないじゃないか』


樹「誰かいるんですね」

九尾「いかにも」

聞いたことない声の、男の人が部屋の中にいるんだ


ノックをする

『はーい』

声が帰ってきて

ゆっくりと扉が開いて、その人は姿を現した

「……君は」

樹「………………」

少なくても私たちよりは年上な感じの男の人

かと言って、高く見ても大学生? ほどの人

天乃「あら、犬吠埼さんが来たの?」

「っ……犬吠埼さん?」

久遠さんからだと、男の人のせいで見えないはずなのに、

久遠さんは確信しているような声で、そう言って

男の人は振り向かずに答えて、部屋が静まって

この子か? と、男の人が身を引く

天乃「そうっ、その子よ。その子が犬吠埼樹さん。私が来てってお願いしたの。通してあげて」

久遠さんは嬉しそうにそう言ったけれど

チラっと見た、男の人の表情は曇っていて

九尾さんは誰にも聞こえないように「大赦からの男子じゃな」と、言った


天乃「看護師の人も一緒?」

樹「あっ、えっと」

九尾「道案内しただけじゃ。邪魔はせぬ」

九尾はそう言うと、そそくさと病室を出ていく

天乃でさえ不審に思わないのは、

九尾か何かが細工をしているからかもしれない。と、樹は思い、首を振る

それを考える余裕はなかったからだ

天乃「何から言うべきかしらね、私もちょっと混乱してるの」

天乃は困りきった顔でそう言うと、

男性と樹を見比べて、息をつく

天乃「まず、犬吠崎さんはね、この病院でのお友達」

樹「っ」

「友達……か」

天乃「うん。でね、犬吠埼さん」

樹「はい――っ!」


友達。と言われたことに関して驚く間もなかった

落ち込む間もなかった

悲しむ間もなかった

天乃は男性を手招きして、椅子に座らせると

この人はね。と、言い

天乃「私とお付き合いしてくれてる人。この髪留め、この人が私のためにって特注してくれたみたいなの」

そう、告げたから。

樹「……え、と」

何言ってるんですか? と、言いかけた

噛み締めた奥歯が、握り締め爪の立てられた手の平が

熱く、痛みを感じ始めた

「あんまり他人に言わないでくれよ……」

男性は、天乃とは顔を合わせずに言って

すぐにハッとしたように、顔を合わせ、苦笑する

「……言いふらさないでくれよ」

天乃「ふふっ、ごめんねっ」

樹「…………………」

久遠さんは笑った

でも、どこか悲しそうだと、思った



1、本当に、恋人なんですか?
2、その髪留め、私が作ったんですよ
3、ふざけないでください!
4、久遠さんのこと、好きですか?
5、久遠さん。何か隠してませんか?


↓2


では、此処までとさせて頂きます
できる限り、通常(22時頃)からとする予定ですが、
来週あたりから、再開時間が遅く、終了時間も遅くなるかもしれません



春信さんは久遠さんの味方なので弾かれています。瞳さんも同様です


では、初めて行こうかと思います


樹「久遠さん。何か隠してませんか?」

天乃「ん?」

天乃は少し驚いたように目を見開くと

樹を見つめて、苦笑する

天乃「それはそうでしょ。貴女も。彼も。私からしてみれば、まだ他人なんだもの」

樹「たに……」

「他人って、僕は」

天乃「貴方には話したし、犬吠埼さんもどうせもう聞いてるだろうから、言うけれど。私はここ2年ほどの記憶がないの」

天乃は会釈程度に頭を下げ、ごめんなさい。と、続ける

形はどうあれ、感情のある謝罪に

樹も、男性も息を飲んで、押し黙る

天乃「だから、私は犬吠埼さんがなんと言おうと知らないし、貴方が恋人だと言おうと、分からない」

「…………………」

樹「久遠さん……」


天乃「でもね、恋人がいる。ということに関しては、不思議と違和感はないのよ」

天乃は困ったように、笑う

それはどこか悲しげで

けれど、どこか嬉しそうで

こう感じている。こう思っている

定めることのできない、表情だった

天乃「だから、私は貴方の言葉を嘘だとは言わないの。でもね、それとこれとは違うのよ」

「……傷つくよ。そういうのって」

天乃「ごめんなさい」

辛そうに男性は言い、天乃は悲しげな瞳を向け、謝罪を口にする

男性はしばらく黙り込み、

おもむろに天乃の髪を撫で、頬に触れると

目をまっすぐ見つめ合わせる

天乃「………………」

けれど、その瞳に、その表情に

男の人は耐え切れずに、目をそらす

「け、けど、それは君が――天乃が一番傷ついていそうだ」

天乃「………………」

「だから、僕は君のそんな言葉を受け続けるとしても。ここにいる」

樹「…………………」

言葉は嘘じゃないと思った

そこにある想いは偽りなんかじゃないと思った

でも

それが紡ぐ思い出が偽物だと。樹は知っていた


天乃「……ふふっ、ありがと」

樹「………………」

久遠さんは照れくさそうに、頬を染めた

冷たく突き放すようなことを言ったのに

それでもああ言われたら、嬉しいと思う

私だって、多分。嬉しくないわけではないと思う

こんな立場じゃなかったら。よかったねって、言ってたかもしれない

でも、私は――

九尾「回診の時間じゃぞ」

樹「!」

こんこんっとあと出しのノックに振り向くと

九尾さんが扉から顔を覗かせていた

「そうですか……天乃。じゃぁ、また」

天乃「うん」

樹「……私も。また」

天乃「うんっ」

手を振ってくれる久遠さんに、振り返すほどの余裕はなかった


√ 7月日7目 昼(病院) ※日曜日


九尾が交流を求めてきています


1、受ける
2、受けない


↓2


九尾「他人に恋人を奪われた気分はどうじゃ?」

大切な話がある

そういった九尾の呼び出しに応じたが

初めに言われた言葉が、それだった

樹「……………」

無言で踵を返す

遊びに付き合うほどの心の余裕がないからだ

しかし

九尾「あの男となら、主様はこの先。勇者として戦うことはなく、失うこともないかもしれぬ」

樹「………………」

九尾「のう。犬妹よ。主様がもう失わない未来と、また、失うかもしれない世界。お主はどちらを願う?」

九尾の問いに、樹は振り返る

無視はできない

屋上は風がなく、外であるはずなのに、無音

考えろ。答えろ

世界がそれを望んでいるように、樹は感じた


樹「久遠さんが失わない為に、私達が失う。私たちが失わない為に、久遠さんが失う」

九尾「いかにも。それが、せねばならぬ選択というもの」

なんて、ひどい話なんだろうか

ようするに、それは

相手を想い、自分を犠牲にするか

自分を大切にし、相手を犠牲にするか

そんな、選びたくもない選択問題

できるのなら、空欄で提出したい問題

でも、空欄では自分が犠牲になるだけ

九尾「妾は惑わしの力を持っておる。もう一匹の幻惑の力を借りれば、夢を見せることもできるじゃろう」

樹「……何が、言いたいんですか?」

九尾「お主と主様のしてきた恋仲としての行為を、あの男と主様とに置き換えて、見せることもできる。ということじゃ」

そうすれば、天乃はあの男性を正しく、恋人として認識して

たった一人の身近な人として、寄り添いあって生きていくだろう

九尾「さすれば、いずれ。子を産み、母となって。ごく普通で、当たり前の女としての生き方も出来ようぞ」

樹「……私がわがままを言った場合は」

九尾「また戦いに巻き込まれ、失い、苦しみ、普通とは程遠く。幸せなどとは言えぬ生き方になるかもしれぬ」


簡単じゃないですか

久遠さんの幸せを願うのなら、迷う必要なんてない

考える必要もない

九尾さんにお願いして、私との記憶をあの人との記憶として夢にして貰えば良い

樹「っ……」

でも、

私は。そんなの……っ

久遠さんには幸せでいてほしいのに

そんなのは嫌だって、私は……っ

樹の瞳から涙が溢れ出す。堪えることなんて出来はしない

握りしめた拳に痛みが走る。噛み締めた奥歯が削れるような音がする

九尾「主様は恋人の存在には違和感を感じてはおらぬ。どうじゃ? キスの一つでもさせてみるかえ?」

樹「ッ!」

九尾「主様が素直に応じれば、それまで。と、決断もしやすかろう?」


1、考えさせてください
2、分かりました。そうしてください
3、私が諦めれば、久遠さんが絶対に幸せになると。約束ができますか?
4、私は嫌です。私は……私は久遠さんを失いたくない


↓2


樹「考えさせてください」

九尾「ふむ……それは構わぬが」

九尾は優柔不断な態度に厳しいことは言わず

その気持ちをわからなくもない。とでも言うかのような、表情で告げる

九尾「あまり、猶予はないぞ」

樹「え?」

九尾「主様は数日中に転院が決まった」

樹「っ」

九尾「お主との接触が容易い今の環境は問題。とのことじゃ」

そういった九尾は「あやつも余計なことばかりしおって」と

あからさまなため息をつく

九尾「お主と離れたら、あの男は主様に好きなことし放題になる。主様は、あの男のみとなれば断ることもできまい」

樹「……好きなことって」

九尾「くふふっ。それはもう。神聖なる子を成す行為まで……な」

樹「……………」

九尾「嫌ならば行動すればよい。妾としては、主様がこれ以上失わぬ道を選んで欲しいが。無理強いはせん」


√ 7月日7目 夕(病院) ※日曜日

友奈、東郷、夏凜、風、九尾、天乃との交流が可能です

1、九尾
2、友奈
3、風
4、東郷
5、夏凜
6、天乃
7、イベントの判定

↓2


※天乃との交流は九尾さんのお手伝いで判定なしです


01~10 男性
11~20 風 
21~30 九尾
31~40 銀
41~50 若葉
51~60 男性
61~70 九尾
71~80 夏凜
81~90 友奈
91~00 風

↓1のコンマ  


九尾の場合……


若葉「済まないな、呼び出して」

樹「いえ……」

九尾との話を終えたあと、

病室に戻る途中で、樹は若葉に呼び止められた

今まで見たことのある格好ではなく、

デニムパンツに、パーカーでフードを被っていたからか

一瞬、男の子かと思って、警戒したのは秘密だ

若葉「主様について、話がある」

樹「男の人との交際を認めるかどうか。ですか?」

若葉「いや、違う」

樹「なら……」

若葉「主様はどうやら、あの男に不信感を抱いているようなんだ」

確信はない。だが、

若葉にはそう思えて仕方が無かった


若葉「犬吠埼さんとあの人では決定的に違う点があるからだ」

樹「性別ですか?」

若葉「それもあるが、そうじゃない」

若葉はそう言うと

樹の瞳をジッと見つめて、言う

若葉「あの人は紙面上、あるいは聞いた話でしか主様を知らない」

だからこそ、慣れていない

だからこそ、そこには大きな差が有り

そして、それは恋仲という密接な関係であるかどうか

それを疑う理由にもなる

若葉「あの人は主様と顔を合わせたまま話すことが出来ていない。その一方で、犬吠埼さん。キミは必ず合わせて話す」

樹「それだけ、ですか?」

若葉「ああ。しかし、たったそれだけと切り捨てがちなことだからこそ、キミのその当たり前が、主様にとっては大きな違いなんだ」


若葉「君も見たはずだ。主様が恋人が居るにも関わらず、キミの登場に心躍らせていたのを」

樹「……言われてみれば」

若葉「そういうことだ。つまり現状では、男性より犬吠埼さんを求めている。ということだ」

若葉はそう言うと、

壁に寄りかかり、天を仰ぐ

その髪色はどことなく犬吠埼姉妹に近く

その年上を思わせる雰囲気は、姉のようにも思えた

若葉「君の選択に役立つかは分からない。だが……」

樹「?」

若葉「だが、私は主様には幸せになって欲しいからな。余計であろうと、口出しはさせて貰った」

若葉はそう言い残し、逃げるように姿を消す

若葉はきっと、

九尾のような考え方はしていないのだ

天乃が幸せになるためには、男性と一緒になってはいけない

そういう考え方をしているんだろう。と、樹は思った


では、此処までとさせて頂きます
明日もできれば同じような時間からです


意地悪な選択肢ですが、選ぶ必要があります
8日目の夕方に転院予定です
そこまでの流れ次第では、選択肢なしで進む可能性もあります


今ここで変えても、樹は迷ったままなので、
NPC行動はどちらも選択せず。と、なります。そのため、変えるだけ無駄なので
視点に関しては、早くても樹側の問題が片付いてから
天乃側への変更になります

今後に関しては選択を狭める可能性があるので下手なことは言えませんが
どちらにせよ。樹が天乃を好きだということも、天乃の本当の記憶が樹を好きだということも
改変することはできません


では、再開していきます


√ 7月7日目 夜(病院) ※日曜日

友奈、東郷、夏凜、風、九尾、天乃との交流が可能です

1、九尾
2、友奈
3、風
4、東郷
5、夏凜
6、天乃

↓2

※天乃との交流は九尾さんのお手伝いで判定なしです


樹「九尾さん、お話。いいですか?」

九尾「断ると言ったら、お主はしなくても良いのか?」

樹「……………」

九尾「ふむ……まぁ、妾の投げかけた問に関することならば、致し方あるまいか」

月明かりだけの、暗い病室

そのせいで九尾の表情には影が差し、見えなかったが

樹は不思議と、いつもの愉悦に満ちた嫌味な笑ではないだろうと、思った

天乃のように感情を察しやすい観察眼は持ち合わせてはいないが

それでも、なんとなくそう感じた

それはきっと

樹「私が気持ちを諦めたら、九尾さん達も近づくことはできなくなる」

九尾「……………」

樹「違いますか?」

九尾もまた、

九尾「その問に否定の句は無い」

樹達と同様に、主である天乃を失うことにほかならないからだった


しかし、それでも九尾は自分たちが触れ合えなくなる道をすすめた

それは

大切で、大事で

守りたくて、失いたくなくて

たくさんの悲しみと、苦しみと、辛い気持ちを共有し、

その姿を見続けて

そして、愛しているからこそ、だった

九尾「主様は失いすぎた。己の為と豪語し、己を騙し、自らを犠牲にしすぎた」

樹「………………」

九尾「そこから解放出来るのならば、妾の喪失など、安きことじゃ」

九尾はにやりと笑って

樹は無表情に似た、哀色の表情を返す

樹「でも、九尾さんは私に選べといった」

九尾「……妾の独断では後悔するやも知れぬ。じゃからこそ、最も近きお主に決断を求めたのじゃ」


九尾「さて、犬妹よ」

樹「なんですか?」

九尾「答えは、定まったのかえ?」

九尾の問に対する問

恋人のために、自分を犠牲にするか

自分のために、恋人を犠牲にするか

それは、たった中学1年生の少女に問いかけるものではない

当たり前だ

大人だって、きっと答えを躊躇うことだろう

自分が代わりに死ぬ

それならもっと簡単なのに

樹「わた――」

九尾「……のう、犬臭い小娘よ」

せっかく出かけた言葉を、打ち切って

九尾は赤い瞳で樹を睨み、問う

九尾「お主はまだ、何一つ見てはいない。聞いてもいない。それでも、答えは決まったのじゃな?」

樹「っ」

九尾「流石じゃな。妾ですら崇め奉りたいくらいじゃ。ほら、答えてみせよ」


1、私は、九尾さんの気持ちが聞きたかっただけです
2、私は久遠さんと一緒にいたい
3、私は……諦めます
4、でも、時間がないと貴女が言った!
5、押し付けただけのくせにッ!
6、もう少し、考えます


↓2

2


樹「私は、久遠さんと一緒にいたい……っ」

九尾「妾の問い以降、夕刻そして今。主様にあわずして定めるか……」

九尾は複雑な面持ちでそう言うと

ため息をついて、樹を見定める

九尾「妾としては、もう少し考える小娘と思うておったが、見る目がなくなったのやも知れぬな」

樹「それは、だって」

九尾「まぁ、主様がどちらを求めているのか。大切なものを見ずに定める。それも良かろう」

それはきっと

天乃が樹とともにいることを望んでいたとしても

より、困難な道となるだろう

話すべき相手

問うべき相手

それと語ることなく、作り上げた道

それは……

九尾「必ずしも相手のためにはなり得ない。それが、それこそが――愛なのだから」

九尾はそう言って、姿を消した

1日のまとめ

・  久遠天乃:交流有(接触、隠してること)
・  三ノ輪銀 :交流無()
・  犬吠埼風:交流無()
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流無()
・  三好春信:交流無()
・  乃木若葉:交流有(天乃について)
・     九尾:交流有(天乃について、一緒にいたい)

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


7月7日目終了後の結果

  久遠天乃との絆 5(低い)
  三ノ輪銀 との絆 20(中々良い)
  犬吠埼風との絆 150(かなり高い)
  結城友奈との絆 67(高い)
  東郷三森との絆 68(高い)
  三好夏凜との絆 35(少し高い)
  三好春信との絆 12(中々良い)
  乃木若葉との絆 11(中々良い)
     九尾との絆 15(中々良い)
      死神との絆 15(中々良い)
      神樹との絆 20(中々良い)


√ 7月8日目 朝(病院) ※月曜日

友奈、東郷、夏凜、風、天乃との交流が可能です

1、友奈
2、風
3、東郷
4、夏凜
5、天乃
6、イベントの判定

↓2


天乃との接触には判定が必要です


01~10 
11~20 風

21~30 
31~40 
41~50 
51~60 
61~70 
71~80 
81~90 風

91~00 

↓1のコンマ  


空欄の場合、昏睡継続


樹「……………」

おねえちゃんは目を覚まさない

相変わらず、眠ったままで

何も言ってはくれない

樹「っ」

九尾はあの夜以降、姿を見せてはいない

それは当然、九尾による大赦への邪魔が無くなることへと繋がり

病室にまで、大赦職員が入り込んでくることになる

「犬吠埼風さんはかなりの重傷でした。もうしばらく――」

樹「しばらくで、済むんですか?」

「……………」

樹「お姉ちゃんと一緒にいる邪魔は、しないでください」

天乃と会うことを許しては貰えないのに

同じ病室の風とでさえ、余計な邪魔が入る

樹には、それがとても煩わしかった


それでなくとも、

頑張り続けた天乃に対する処遇

記憶を失った天乃に対する卑劣な行い

それらによって怒りは溜め込まれているのに

それ以上溜めてはいくら樹でも、我慢できる保証はどこにもなかった

風「………………」

樹「……お姉ちゃん。私、どうしたらいいのかな」

答えはくれない

ヒントでさえ、風は与えてはくれない

否、与えることはできない

天乃はしばらくしたら転院となるだろう

それがいつなのか、樹には分からないが、

早ければ今日だというのは、なんとなく予想がついた

天乃を諦めたくないのだとしても、転院されたらどうにもできなくなる

けれど、大赦による厳しい監視は行動を許してはくれない



1、風の髪を撫でる
2、大赦職員と話す
3、大赦職員と戦う
4、夏凜と話す
5、友奈と話す
6、東郷と話す


↓2


樹「友奈さん」

友奈「どうしたの? 樹ちゃん」

樹「友奈さんは、久遠さんのことが好きですか?」

友奈「それは……もちろんだけど」

友奈はそう言いながら、

樹の問に疑問符を浮かべ、困惑した表情で、見つめる

監視カメラの方がまだ良い

そう思えるような大赦職員の視線を感じる友奈の目の前で

樹は冷ややかな表情を友奈へと向けた

樹「友奈さん。下手に答えないでください。大赦の人に聞かれると、大変なので」

友奈「……ぅ、ん」

総毛立ち、鳥肌が駆け巡り、悪寒に震え

頬をなぞるように、冷や汗が滴る


1、久遠さんを助けるために力を貸してください
2、一緒に大赦を潰しませんか?
3、久遠さんのために、想いを捨てるか、自分のために、久遠さんを苦しませるか。どちらを選びますか?
4、友奈さんは、神樹様と……いえ、神樹と戦う覚悟はありますか?



↓2


樹「久遠さんを助けるために力を貸してください」

友奈「力を……」

助けられるなら力を貸そう

たとえ勇者の力がないのだとしても

天乃や樹のためとなるのなら……

けれど

友奈「どうしたらいいの?」

樹「っ」

友奈「樹ちゃん」

友奈は純真な瞳で問い、樹を見つめる

どうすればいいのか、友奈にはわからない

大人と比べれば未熟

それでも、多少なりと心得のある武術

その力を、何に、どうやって行使すればいいのか

樹に、教えて欲しかった


樹「どうって」

友奈「…………」

樹は答えに迷った

畏怖を覚えさせる少女とは言えど、

所詮は中学一年生の女の子でしかなく、

その思考はとてもではないが、想いに追いつくことなど出来はしないからだ

友奈「樹ちゃん」

樹「っ」

友奈はそんな樹のことを抱きしめると

背中に、頭に

手を回して、優しく撫でる

母が子にするように、宥めるような温もりのある手つきで

友奈「久遠さんは、今みたいな樹ちゃんを好きって言ったの?」

樹「それは……でもっ」

友奈「久遠さんが守りたかったのは、久遠さんが守ってくれたのは違うんじゃないかな」

樹「………………」

友奈「私は馬鹿だから、上手く言えないし分からない。でも、今の樹ちゃんを見たら、久遠さんはきっと。怒ったり、悲しむと思う」

だんだんと、抱く腕に力を込めて

密着していく体の温もりを、より強く、より深く感じて

友奈は、そう言った


樹「っ………」

それは友奈の想像だ

本当にそうなのかは、もう。天乃本人にすら分からない

けれどその温もりは熱く

その優しさは、痛かった

樹「…………っ」

友奈「!」

だから抵抗して、離れる

目頭が熱く、目尻に溢れ出してしまいそうなものを感じる

しかし、

樹は堪えて、首を振る

樹「私は、久遠さんを失いたくないんです……っ」

友奈「樹ちゃん……」

友奈の優しさと、思い

それで立ち止れる場所はもう――通り過ぎていた


では、此処までとさせて頂きます
予想外が続いていますが、早ければ8日目の夕方から天乃視点に移行出来るかと思います

これからより一層厳しい物語となりそうです

乙最近長いな寝落ちしかけた
どう見ても転院確定選択ミスっぽいっすね
九尾の台詞がアレだし絆5も下がってるし


そもそも足並みバラバラなんだもんそりゃこうなるよ
失敗だと思えても大赦エンドが見たい人からすれば嬉しくて大成功なんだろうし

>>775
>九尾「お主はまだ、何一つ見てはいない。聞いてもいない。それでも、答えは決まったのじゃな?」
>九尾「流石じゃな。妾ですら崇め奉りたいくらいじゃ。ほら、答えてみせよ」

こう言ってるのに決めちゃうんだもんな愉快犯かもな
まぁそれでも>>1には考えがあるようだしそこに期待するしかないか

色々とあったし中には焦りすぎた人もいただろうし落ち着こう

とりあえず九尾の発言見るに久遠さんに会うのが正答か
しかし今からでも久遠さんに会うべきか……樹ちゃんのメンタル的にマイナスに働く可能性もあって微妙な所なんだよな
でも、このままだと久遠さん視点の時に選択肢に樹ちゃんが出る理由が少なすぎるから残り全部使って久遠さんかなぁ

戦犯もなにも満場一致で2だったけどな
俺は>>599を信じて頑張るよなんにせよ天乃視点に戻るなら男と子作りは拒否れるしな

>>781
でも九尾の助力無いから判定クリアしなきゃ会えなさそうだぞこれ
死神が判定にすら居ないのが地味に気になるところだ

>>784
やらかしてるから運ゲーなのは仕方ないと割り切った。それに他に目ぼしい選択肢もないしな
昼、夕の二回ぶっ込めば一回くらいはいけるやろ(願望)
それかランダムで運命的な引き方をすればイッチが何かしらのプラス修正を働かせてくれると信じて運ゲーするか

>>788
やらかしてるなら運ゲーにしたら余計駄目だろ

九尾の台詞的に迷うのは仕方がないと思ってたっぽいから最初の考えさせては
間違ってはないはず
問題なのはそのあと天乃に会わず気持ちを見ず知らずで決めたからだろ
>>733>>734見る限り>>1の予想外はその辺だろうな

今は誰が悪いとか誰のせいだとか言って無いだろ
謝るだけならROMってろ

今の流れが>>1の予想外なら本来はもっといい流れの予定だったはず
希望的観測になるがもしもそうなら>>1はBadEndを狙ってないから多少の補正はしてくれるはず
だが安価とる前にちゃんと文を読め今回なんか読んでれば避けられたし
読んでないのが丸分かりだ

読み返してみるとさ
樹「少し考えさせてください」

樹「一緒にいたい」
だから九尾ブチ切れみたいな流れになってるけどさ?

実際は
樹「少し考えさせてください」

若葉からのアドバイス

樹「一緒にいたい」
だから別に心変わりしてもおかしくないよね、それこそ樹視点とやらで見ればね?

感想としちゃ
・九尾も九尾で任せようと思った割に急にブチ切れるよね、職員脈絡なくぶっ[ピーーー]し情緒不安定なん?

・そもそもこの人の中では若葉の言葉なんて心動かすに至らない取るに足らないものってこと?
・それとも「ハァ?なに自己完結しとんねんワシ通せや」みたいな意地があるの?現場監督かよ

・なんか昔バイト先で任せるって言うくせに細かいプロセスまで口出してくる仕事のできないバイトリーダーがいたなあという思い出が甦ったよ


※ここまでグダグダ書き殴ったけどまああくまで個人の感想なのでスルー推奨

追伸:もう反応するのもめんどくさいから前以て書いとくけどSSスレでSSの感想書くなとか勘弁してね

>>812
九尾が怒ってる?呆れてる?のは樹が天乃に会うことなく決めたからでしょ
それはもはや自己中で九尾が避けようとした事なんだから

天乃とは一回会っててその上で天乃についての助言もらって参考にしたんだろうにそれは何の価値もないって物言いだから現場監督なんだよ

>>815
だから天乃の気持ちを聞いてないでしょ
男性が恋人で良いのか的なやつとか
ただ若葉から聞いただけで天乃本人からはなにも聞いてないでしょ

現状では「あいつがこう言ってたからお前はこれで良いだろ?」みたいな押し付けだと思うけど違ってる?

>>816
何言ってるのか意味が分からない、最初に聞いた時点では天乃の気持ちもなにもないの尋ねて、その上時間がないって言っといてさ
少し考えさせてくださいって言った後は気持ちを必須の条件付けってすごいよね
考えさせてください=考える猶予できたら九尾の中では気持ち聞かなきゃNGなの?誰かに助言もらって結論出すのはアウトなの?

ゴメンよく考えたらまともに指示も出さないんじゃ現場監督ですらないや

九尾「お前どうする?迷ってんお?キスでもさせてら?決断しろよ」

樹「考えさせてください」

九尾「ほらほら時間ないぞ」
九尾(よっしゃ天乃から気持ち聞くんやな)



樹「助言もらって気持ち固まりました」

九尾「ゴラアァァァァァァなにやってくれとんじゃあああああ!気持ちやぞおおおおおお!」



わかりやすく言うとこんな状態
社会性パーソナリティ障害かよ

九尾は別に樹の味方でも聖人君主でもないからな 好き勝手に行動するだけよ
迷った時点で何か行動すると思ってたら、若葉と話しただけで決断したのが気に入らないだけ ただそれだけのこと

>>821
そうそう、そういうこと、やっぱ勝手にキレられても感強いよ
決断促しといて決断出すプロセスまで自分の思い通りに行かないと気が済まないって怖い

>>819
「最初に聞いた時点では天乃の気持ちもなにもないの尋ねて」
だからそのまま無いままに行動するのが九尾の後悔すると言った独断専行でしょ

「少し考えさせてくださいって言った後は気持ちを必須の条件付けってすごいよね
考えさせてください=考える猶予できたら九尾の中では気持ち聞かなきゃNGなの?誰かに助言もらって結論出すのはアウトなの?」
考えさせてって言う前から明らかに気持ち必須の条件付きでしょ会うための援護してるのが解りやすい誘導だと思うけど?

「その上時間がないって言っといてさ」
タイムリミット言わないで時間切れ寸前に教えた方が良かったの?
そうなったらそうなったで九尾だけでなく>>1にまでヤジ飛ぶと思うけどね

これ現実に当てはめたらどんだけ非社会的人格者かわかると思うわ


九尾「お前どうする?パーティあるけどあいつ誘う?決断しろよ」

樹「考えさせてください」

九尾「ほらほら時間ないぞ」
九尾(よっしゃ天乃から気持ち聞くんやな)



若葉「あいつパーティ行きたそうにしてたと思うよ」



樹「助言もらって気持ち固まりました」

九尾「ゴラアァァァァァァなにやってくれとんじゃあああああ!気持ちやぞおおおおおお!」


こんな目にあったら俺は少なくともその人ともう二度とかかわらないようにすると思う

もらった意見を参考にして書き加えてみた


九尾「お前どうする?迷ってんお?キスでもさせてら?決断しろよ」

樹「考えさせてください」

九尾「ほらほら時間ないぞ」
九尾(よっしゃ天乃から気持ち聞くんやな、会わせたのがヒントやし間違いないわ!やったぜ。)



樹「助言もらって気持ち固まりました」

九尾「ゴラアァァァァァァなにやってくれとんじゃあああああ!気持ちやぞおおおおおお!」


あぁ…うん…そうね


九尾「お前の彼女見合いするってさお前良いのか?」

樹「考えさせてください」

九尾「時間ないぞ」

若葉「あいつは見合いなんてしたくないだろう」

樹「友人は見合いしたくないだろうといってました」

九尾「はぁ?お前は彼女の気持ち聞いたのか?」

こうだと思うけど違うかな?
あと「必ずしも相手のためにはなり得ない。それが、それこそが――愛なのだから」九尾はこう言ってるから選択が間違ってなかろうと天乃の気持ちを無視した時点で樹のワガママでしかなくなってるよね

>>828
それならまだいいけど

>>九尾「お前の彼女見合いするってさお前良いのか?」

この段階で決断求めてるからねこの人




それで決断委ねといて時間開けて出した結論気に入らないなら最初から気持ち聞くよう言っとけと

あと
>>あと「必ずしも相手のためにはなり得ない。それが、それこそが――愛なのだから」九尾はこう言ってるから選択が間違ってなかろうと天乃の気持ちを無視した時点で樹のワガママでしかなくなってるよね

これも酷いよね、言うなればさ


九尾「はよ決めとけよ」



樹「時間経って結論出たんですけど……」

九尾「ハイアウトオオオオオ!お前気持ち聞いてないからアウト!お前のワガママでしかないjからアウト!」


みたいなもんでしょ
お前がそう思うならそうなんだろうな、お前の中ではな以外の何ものでもない気が

無茶言うぜ……


詳しいことは言えませんが、
九尾は知りたいことがあって、知った結果に失望しただけです
九尾ルートならともかく、違うので、深く議論する必要は今のところないかと思います


では、再開します

まあ、仕方ないさ 九尾にとって樹はあくまで、天乃を幸せにできる「かも」しれない一つの要因でしかないからね
だから九尾は「天乃の為に行動する樹」に期待したのであって、天乃の気持ちを無視して自分の為に行動する樹に失望しただけ
天乃とコミュとって、双方が明確に求め合うようになれば、またちょっかいだしてくるさ・・・多分


√ 7月8日目 昼(病院) ※月曜日

友奈、東郷、夏凜、風、天乃との交流が可能です

1、友奈
2、風
3、東郷
4、夏凜
5、天乃
6、イベントの判定

↓2


天乃との接触には判定が必要です

了解言うだけ無駄っぽいしな
安価は5

>>832
せやから自分勝手やねって感想書いただけなのに変に正当化しようとするやつが出てくるから話がこじれる

あ、>>1

安価は下で

>>834
スルー推奨言うてる相手に自分から突っ込んで最後その捨て台詞ってほんとにどんな気運持ちなの?
煽ってるわけじゃなくて純粋に興味ある


01~10 大赦
11~20 天乃
21~30 おばあちゃん
31~40 男性
41~50 大赦
51~60 天乃
61~70 大赦
71~80 男性
81~90 大赦
91~00 二人の接触

↓1のコンマ  


樹「………………」

久遠さんの病室に行く途中

もちろん私は隠れたけど、何人かの大赦の人らしき人とすれ違った

その結果、

病室が今、監視されていないとはわかっていたし

その部屋の前、その周囲にさえ誰もいないだろうと言うのだって、想像はついていた

樹「っ」

樹は天乃の病室の扉

その持ち手を掴んで、止まる

中から声が聞こえるからだ

天乃だけではなく、何度か聞いた、男性の声だ

彼がいるから、天乃は監視されない

彼自身が、その瞳が、天乃を見ているからだ


『……僕とキミは恋人なんだ』

天乃の声は聞こえない

『なにか思い出せるかも知れないんだ。だから』

天乃『だから、必要なの? 貴方がしたいからではなく、私のために?』

今度は天乃の声が聞こえた

樹「っ」

何が必要?

何がしたい?

何をしようとしてる?

考えるまでもないと、樹は俯き、取っ手を握り締める手に力を込め、歯ぎしりする

『そうだよ』

天乃『そっか』

『うん』

会話の空気は穏やかで

決して悪いものではないと、樹は感じ――


1、突入
2、様子を見る


↓2

九尾の言うことなんてアテにならないって何回学習すれば済むんだお前ら


樹「……………」

樹は扉を開けるのを止めた

ここでの天乃の選択

それこそが天乃の思いであり、望み

そう、思ったからだ

そして

ほんのわずかな静寂の後

天乃『ごめんね』

謝罪が聞こえた

天乃『……貴方の気持ちでは、私のこの右手は動かせない』

申し訳なさそうな、優しい声が聞こえた

『どうして』

天乃『貴方は恋人かも知れない【他人】だから』


『僕は友達ですらないんだね。犬吠埼さんには友達だと言ったのに』

男性の言葉に続いて、天乃の苦笑が響く

天乃『あの子は私に会いたかったと言った。なのに、あの子は私との関係を、未だに言わないの』

『だから?』

天乃『それはきっと、あの子が私を困らせたくないからだと思うのよ』

もしかしたら、すべて演技かも知れない

自分は騙されているのかもしれない

彼女にはものすごい詐欺師の才能があるのかもしれない

そんなことを考えながら、笑って

天乃は言った

天乃『だから、私はあの子を友達だと言ったの』

『……………』

天乃『少なくとも他人であっては欲しくないって、そう。思ったから』


樹「………………」

久遠さんは何も思い出していない

なのに、私のことを他人であって欲しくないといった

周りに他人しかいない

記憶がなくて、騙されるかもしれないという恐怖の中で

私のことを信じようとしてくれてる

ううん、信じてくれてる……っ

『僕だって君を困らせたくないよ。でも、僕は彼女とは違って男なんだ』

天乃『……だから、キスがしたいの?』

『好きな子とそういうことしたいと思うことを、キミは気持ちが悪いと言うかい?』

天乃『………………』

『僕だって我慢はするさ。君のために。でも……少しくらいは。キミも我慢してくれたっていいと思うんだ』

天乃『だからキスをしたいだなんて、貴方の少しはとても大きいのね』

『キミはもうファーストキスじゃない。それに、恋人同士なら、当たり前だよ』


1、突入
2、ノック
3、名前を呼んで入る
4、今は他人じゃないんですか?
5、待機


↓2


では、ここまでとさせて頂きます
霊安室の空き……の確認は必要ないですね。直に地獄の業火で火葬します
今日のような再開時間が今後増えるかもしれません


若葉「私に任せろ」

銀「アタシが」

九尾「いやいや、妾が」

死神「ワタシガ」

樹「私達で5人ですが、知ってますか? 人って。五体満足って言うんですよ」


では、再開していきます


男性の言葉のあと、天乃はしばらく黙り込んで、答える

天乃『でも、今の私にとっては、ファーストキスなのよ』

『……………』

天乃『だから、もう少し考えさせて』

天乃はやっぱり。申し訳なさそうな声色だった

天乃にとって男性は他人で

それを申し訳ないだなんて思う必要はないのに

天乃『だから、そうね。今は――』

そのあとの言葉は聞こえなかった

よく耳をすませば、布の擦れる音は聞こえるが

それ以上の音は何一つ聞こえないし

それ以降、数分間は物音ひとつしなかった

樹「………久遠さん」

何をしたんだろう

何をしてるんだろう

気になるけど、でも

今更開ける勇気なんて、なかった


天乃『――これで、我慢して』

『……ありがとう』

男性のお礼

それに対する天乃の返答はなく

そのまま男性の言葉が続く

『僕の我儘なのにね』

天乃『そうね。残念ながら、何も思い出せないし』

それはそうだ

ただの記憶喪失ではないし

そうであったとしても

その失われた記憶にいるのは

男性ではなく、樹だ

思い出せるわけなどない

『大丈夫だよ。もしも思い出せなかったら。これから作っていけばいいんだから』

天乃『……そうね』

男性の言葉とは正反対に

天乃は少し、寂しそうで

天乃『今日の夕方……よね? 犬吠埼さんに言ってくれた? 転院の件』

『ああ、言っておいたよ』

天乃『ありがと』

そういった天乃に答えようとした樹だったが、

大赦職員の接近に、仕方がなく。引くしかなかった


√ 7月8日目 夕(病院) ※月曜日

友奈、東郷、夏凜、風、九尾、天乃との交流が可能です

1、九尾
2、友奈
3、風
4、東郷
5、夏凜
6、天乃
7、イベントの判定

↓2

天乃との接触には判定が必要です


01~10 邪魔
11~20 邪魔
21~30 邪魔
31~40 
41~50 邪魔
51~60 
61~70 邪魔
71~80 
81~90 邪魔
91~00 邪魔

↓1のコンマ  


「もうすぐ回診のお時間ですので」

樹「……わざと、そういうことするんですか」

あきれて物も言えない

樹は天乃が言伝を頼んだ男性からは何も聞かされていない

正確な日時は教えてくれはしなかったが、転院の件を教えてくれたのは九尾だ

樹「久遠さんのためだなんて言いながら、嘘つくなんて」

「なんの事をでしょうか」

樹「っ………」

苛立たしい

腸が煮えくり返る。堪忍袋の緒が切れた

そんな言葉にする余裕もないほどに、樹は怒りを覚えていた

内臓が出血したかのような、じんわりとした熱を腹部に感じながら

そこから血の気が失せていく感覚が広がっていく

本気で怒るということを

樹は今、ここで。初めて経験した


樹「久遠さんが転院するはずです」

「……それが、なにか」

樹「私は久遠さんの……」

恋人?

元恋人?

それとも、天乃が言った友人?

そんなことは関係ない

天乃の関係者という時点で、そこに関わる権利があるはずなのだから

大赦職員扮する看護師を睨むように見つめ

樹は片足を、前に出した


1、実力行使で切り抜ける
2、どうして邪魔するんですか?
3、神樹様を傷つけられたくなければ通してください
4、久遠さんはこれから。どうなるんですか?
5、赦して欲しいと名乗っておきながら、赦されない事。するつもりですか?


↓2


樹「赦して欲しいと名乗っておきながら、赦されない事。するつもりですか?」

拳を強く握り締めながら、問う

力があれば、ぶん殴って

力がなくても全力で振るいかねない小さな拳を震わせながらの質問

「彼女に貴女達との記憶はございません。よって、下手に混乱させるだけの接触は不要と判断させていただきました。赦す赦さないではございません」

樹「不要……? 誰がそんなこと……っ!」

「彼女には子を為して頂かなければなりません。その為に必要な事ではございませんので」

なんて正直な答えだろうか

なんて美しいほどに醜悪な答えだろうか

樹「久遠さんはまだ中学生です」

「ええ。ですから、来年にはご結婚なされる予定なのですよ」

樹「久遠さんはきっと、嫌がりますよ」

「久遠家のご息女は皆、若くしてご結婚なされております。これは、久遠家の定めでございます」

樹「だから、嫌がっても関係ないって言うんですか?」

「いえ。もちろん。嫌がったままには致しません。彼と生活を共にして頂き、愛を築いて頂きます」

大赦職員は平然とそう言った


最低だ

最悪だ

樹「久遠さんが記憶を失ってるからって」

いいように利用しようとしているだけ

恋人を勝手にすり替えて、本当の恋とは違う恋をさせて

結婚させようだなんて

樹「赦せない」

「ですが、もう。彼女はこの病院にはおりません」

樹「!」

「もう二度と、貴女がお会いすることはないでしょう」

樹「っ……!」

樹は奥歯を噛み締め、勢い余って唇を噛みきって、鮮血を滴らせると

強く震えていた拳を解き、息をついて、目を見開く

友奈「樹ちゃん、ダメ!」

病室に――友奈の制止の叫びが上がった


では、8日目夜となりますが、ここから天乃に視点変更となります


√ 7月8日目 夜(某所) ※月曜日

男性、看護師(九尾)との交流が可能です

1、男性
2、看護師
3、イベントの判定


↓2



01~10 男性
11~20 看護師
21~30 非売品の御本
31~40 男性
41~50 看護師
51~60 事件
61~70 非売品の御本
71~80 看護師
81~90 事件
91~00 男性

↓1のコンマ  


天乃「…………」

犬吠埼さんは見送りに来てはくれなかった

私が勝手に友達といっただけだし、

向こうからしてみれば、そんな義理はないし

失望する理由も、嫌いになる理由もないけれど

残念では、あった

天乃「……ありがとう。とも、言えなかったし」

天乃がそんな風に残念がっているなどつゆ知らない看護師を装った大赦職員は

自分の端末を揺らした電話の内容に、「怪我?」と、呟いた

天乃「?」

「ケガって、なぜです?」

耳が聞こえないため、電話先の言葉は一切不明だが、

職員の反応だけは、つぶやきであれど、天乃には筒抜けだった

「犬吠埼樹が……? そんな馬鹿な」

天乃「!」

「分かりました。警戒しておきます」

詳しいことは不明だが

誰かが怪我をして、それには樹が関与していて

警戒することが必要な事態ということだけは、確かだった


天乃「あの」

「ん?」

天乃「えっと」

犬吠埼さんがどうかしたんですか?

そう聞いて、教えてくれるだろうか?

残念ながら、

教えてくれる可能性は極めて低い

なぜなら、話したところで不安にさせるだけだからだ

そういう時、誤魔化しのテンプレートで

大丈夫・心配ない・なんでもないと出てくるのだが……

「どうかしましたか?」

天乃が口を読んでいることに気づいていなかった看護師は

天乃のまじまじと見つめてくる視線に首をかしげた


「電話の件ですか? 大丈夫です。心配はいりませんよ。友人からでした」

嘘だ

誤魔化している

たとえ記憶を失っていても

ある程度の知識・知恵のある天乃はすぐにそう判断して、眉をひそめた

追求するだけ、きっと無駄

犬吠埼さんに何があったのか気になる

ただの友人だから。なんて、安い理由じゃないのはなんとなくわかる

でも、なんでそんな気持ちを抱くのかはまるで分からない

天乃「…………」

私にとって

彼女は一体なんなんだろう?

涙ながらに会いたかったと叫んだ犬吠埼さんと

名前を聞いてすぐに、何やら胸騒ぎを感じた私

私達の関係は……一体。なんなのかしら。あなたに会えば答えてくれる? 犬吠埼さん


では、ここまでとさせていただきます
明日はお昼すぎくらいからになる予定です


再開時、天乃サイドのまとめだし

予定通りにはいきませんでした
すぐに中断はいるかもしれませんが、軽くやっていきます

1日のまとめ

・  犬吠埼樹:交流無()
・     九尾(看護師):交流無()

・     神樹:交流無()
・     男性:交流有(接触)

7月8日目終了後の結果

  犬吠埼樹との絆 05(低い)
     九尾(看護師)との絆 00()
      神樹との絆 00()
      男性との絆 03(低い)

 汚染度■■■%


√ 7月9日目 朝(某所) ※火曜日

男性、看護師(九尾)との交流が可能です

1、男性
2、看護師
3、イベントの判定


↓2


01~10 事件続報
11~20 男性
21~30 非売品の御本
31~40 男性
41~50 非売品の御本
51~60 看護師
61~70 事件続報
71~80 男性
81~90 看護師
91~00 男性

↓1のコンマ  


「やあ、調子はどうだい?」

天乃「今日は火曜日じゃなかったかしら? 学校はいいの?」

「昨日だって月曜日。平日だよ」

男性は悪びれる様子もなく、苦笑すると

平気さ。と、続けた

「僕は別に学校になんて行かなくてもいいんだ」

天乃「……貴方も私と同じだったりするの?」

「いや、ただ。僕には家庭教師がいてね。勉強すべきところはもう済んでるんだ」

天乃「友達が待っているんじゃないの?」

「友達には友達が居る。でも、君にはもう。僕だけしかいないからね」

男性の羞恥心見え隠れする表情は

どこか、嬉しそうにも見えたが、天乃は小さく息をついて、首を振る

天乃「犬吠埼さんがいるわ」

「彼女はここにはいないよ」

天乃「でも……ううん。そうね。あの子も患者の一人。簡単には外出できないわよね」

そう。だから

私にはもう。この人くらいしかいない

でも、どこかで期待してる

あの子が、犬吠埼さんがもう一度、会いに来てくれることを

そんなことは、ありえないのに


天乃「でも。だからって、貴方が学校に通わなくていい理由にはならないわよ?」

「それは……あはは。そうだね。君のそういう所が僕は好きだよ」

照れたり喜んだり

そんな可愛らしい反応をするよりもまず、注意する

他人だからか

照れ隠しか

いや、きっと前者なんだろうな。と

男性は寂しげな息をつく

けれど、そのはっきりとした姿勢は嫌いではない

「そうだよ。僕が君に会いたかったんだ」

畳まれたイスを戻して座ると、男性は天乃の髪に触れ笑みを浮かべる

「髪はシルクのような手触りで、体はカシミヤよりも心地いい……昨日のように。抱いてもいいかな?」



1、ダメよ
2、少しならね
3、まるで、ぬいぐるみや人形の感想ね


↓2


天乃「まるで、ぬいぐるみや人形の感想ね」

「! ……気に障ったかい?」

男性は少し驚きはしたものの

すぐに笑みを浮かべると、手に天乃の髪を登らせて

額を撫でて、頬に触れる

「僕は人形を美しいと思っているよ。僕の持論ではあるけど、そこには人間の追い求める美というものがあるだろうからね」

天乃「………………」

「でも、君を人形だとは思わない。人形は美しいけれど、中身がなければ感情もなく。なによりぬくもりがない」

天乃「っ」

男性の親指だけが、天乃の唇に触れ

真正面に来ている男性の目線と視線が交わる

「それに。例えでも使わなければ恥ずかしいじゃないか」

天乃「…………」

「素直に君が美しいと、可愛いと、ずっとその存在や温もりを感じていたいと思っているなんて」

天乃「貴方」

「僕は初めに君に言ったよね? 五体不満足であろうと、記憶喪失であろうと。僕は君とともにいると」


天乃「………………」

「君が記憶喪失になって、僕は選ぶことができたんだ」

いや、言われた。だろうか

体が不自由で、

自分のことを何一つ覚えていない

文字通り、荷物のような少女と一緒にいる気はあるか。と

「考える時間はあると言われたけど、迷わなかったね。教えてくれた人に一息の時間も与えなかったよ」

天乃「……そっか」

天乃は素っ気ないような返事を返したが

その白い頬はほのかに朱色に染まっていた

真偽を気にしなければ、

嬉しいか嬉しくないかと言われたら、当然嬉しいからだ

これほどまでに強く、愛してくれているのだから

「君のこの初々しさも。たくさん見たいからね」

天乃「っ―――もぅっ、離れてっ」

思わず突き飛ばしてしまったが、

尻餅をついた男性は痛そうにすることもなく、嬉しそうに笑った

「そうそう。君のそういう反応が―――可愛くて好きなんだ」

男性は例えを使わずに気持ちを語った


√ 7月9日目 昼(某所) ※火曜日

男性、看護師(九尾)との交流が可能です

1、男性
2、看護師
3、イベントの判定


↓2


九尾「くははっ、少年に心奪われたのかえ?」

天乃「違――って、貴女確か向こうの病院にも」

九尾「それは妾の姉妹じゃな。実はのう。妾には病院の数だけ姉妹がおるのじゃ」

天乃「そうですか」

あからさまな嘘に乗る気分ではなく、

天乃は適当に返して、自分の左手を握る

感覚はない。当たり前だ。これはもう二度と返ってこない失ったものだ

九尾「ふむ。実のところ、妾はお主のためにここにいるのじゃ」

天乃「どうして?」

九尾「見知った看護師がいたほうが、不安もなかろう? まぁ、妾でなくとも良かったかもしれぬが」

天乃「貴女以外……犬吠埼さんのこと?」

九尾「……くふっ」

思わず、笑う

笑わずにはいられなかった

天乃「な、なに?」

九尾「いや、なに。普通は別の看護師や医師を想像するべきなのじゃがな。そうかそうか。お主はあの娘に体を看て貰いたいのか」

天乃「ち、違うからっ」


では、中断します
もしかしたら再開はあすになるかもしれませんが、
22時半頃までには。と思います


遅れましたが、さいかいします


九尾「まぁ良い。して、なぜ妾を呼んだ」

天乃「それは」

九尾「少年とまぐわうための寝床作りかえ?」

天乃「まぐ……なに?」

九尾「ふむ……そこまで盗まれたか」

九尾はつまらなそうに言うと

なんでもない。と、首を振って流れを打ち消す

九尾「では、妾に何を望む」

天乃「なによそれ、貴女はランプの魔人なの?」

九尾「くふふっ、かも知れぬな」



1、犬吠埼さんに、私の居場所を教えられない?
2、ねぇ、犬吠埼さんについて、何か知ってる?
3、じゃぁ、ランプの魔女様。何ができますか?
4、まぐわうって、なんなの?
5、あの人。そう、彼は病気かなにかなの?


↓2


天乃「あの人について聞きたいの」

九尾「あの人……というと、少年じゃな?」

天乃「うん。彼、平日でも病院に居るわ。だから、病気かなにかなんじゃないかって思って」

男性自身は、

そんなことはなく、ただ会いたいから来ているだけだ。と、言ってはいたが

それが本当なのかどうか定かではないし

鵜呑みにするほどの信頼は持ち合わせていなかった

それでも、彼の言葉に嬉しさを感じるくらいには

天乃は少女だった

九尾「ふむ……恋の病?」

天乃「真面目に言ってるのなら、看護資格取った証拠が見たいわ」

九尾「あながち間違いではないと思うがのう……少なくとも。少年が何かを患っている。という話は聞いてはおらぬな」

天乃「そう。なら、彼は健康な人なのね」

九尾「そうじゃな」

でなければ、お主の恋人として持ち出されはしないはず。と

思いつつも、九尾は言葉を飲み込んだ

【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ7】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ7】 - SSまとめ速報
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