女「どちら様ですか?」 男「え?」(7)

男「ん~・・・このド田舎も久しぶりだなぁ~」

父「そうだなぁ。ここから引っ越したのももう8年も前の話だからなぁ」

男「とりあえずばあちゃんに顔を見せてこないと」

父「そうだな。久しぶりに元気な面見せて来い。父さんはもう行くけど、体には十分気をつけろよ」

男「うん。父さんこそ無理はするなよ。母さんのこともあるし」

父「あぁ。それじゃあな」

犬2「ワンワンッ!ハッハッハ!」

男「よう犬。お前も元気だなぁ」

婆「あらあら。男ちゃんよく来たわねぇ」

男「あっ、ばあちゃん。これからよろしくお願いします」

婆「はいはい。こちらこそ。犬2もうれしそうだねぇ」

男「犬2?こいつ犬しゃないの?」

婆「それがねぇ・・3年前に犬は死んじゃってねぇ」

男「そうだったのか」

婆「じいちゃんの後を追うようにねぇ」

男「犬、じいちゃんになついてたからな」

男「じゃあ犬2って」

婆「犬の子供だよ」

男「へー。といっても犬との違いがよくわかんないや」

犬2「ハッハッハ」

婆「とりあえずおあがり。長旅で疲れたでしょう?」

男「あ、うん。お邪魔します」

婆「編入手続きはもう済んだの?」

男「うん。通うのは1週間後くらいだったかな?」

婆「学校にはもういってみたの?」

男「いや、遠めに眺めたくらいかな」

男「んでも変わってなくて安心したよ。まさか少子化の影響で小中高が一貫だなんてね」

婆「久しぶりに懐かしい校舎で勉強できてよかったじゃない」

男「うん。もう8年も前の話なのかー・・・」

婆「あっというまだった?」

男「長いようであっという間だったような・・・」

婆「まだまだ人生長いんだから、存分に遊んでおかないとだめよ?」

男「久しぶりだし、少し町をみてこようかな」

婆「そうね。もしかしたら友君たちに会えるかもしれないわよ?」

男「友かぁ・・・年賀状のやり取りしてるくらいだったからなぁ。久々にあいたいな」

婆「そう。それじゃあ、おばあちゃんは裏の畑にいると思うから」

男「うん。それじゃあちょっとブラブラしてくるよ」

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