女「男は胸膨らんできた?」男「は?」(22)

まったり書きたい
男「何言ってんだよ俺男性だし」
女「男性だと胸膨らまないの?」
男「」

男「あまりにも常識すぎて誰も言わないんだと思う」
女「マジかー…」
男「ってことはさ…女は膨らんできたの?」
女「まぁ…ね?」
男「ほう」

女「そっか…何か男性って変だよね」
男「ん?」
女「何か変なのついてるし」
男「…ちんこ?」
女「それそれ。そっかちんこって名前だったっけ」
男「お前は言っちゃ駄目」
女「え」
男「女の子は言っちゃ駄目なの」
女「何でー?」
男「何でも」

女「理不尽だなぁ」
男「常識だよ」
女「じゃあ常識が理不尽だよ」
男「…かもね」
女「そうだよ」
男「そういうこと言えない人種なんだよ」
女「…と、言いますと?」
男「何でもない…」

女「ちんこってさぁ」
男「ちんこ禁止」
女「じゃあ何て言えばいいのさ?」
男「うーん…」
女「…」
男「今日だけ解禁」
女「禁止した日に解禁とは」
男「やむをえない。今日は特別な日としよう」
女「…と、言いますと?」
男「…何でもない」
女「まいっか、続けさせていただく」
男「どうぞ」

女「ちんこってさぁおしっこが出るんだよね」
男「まあそうだな」
女「そんな小さい穴で大丈夫なの?」
男「事足りる」
女「利点としては」
男「尿検査の時どこから出るかわからなくて取り損ねたりしない」
女「それは便利」
男「先に言うけど人にあげたりはできないよ」
女「さすがにわかる」
男「常識だしな」
女「でも理不尽だよね」
男「かもね」
女「そうだよ」
男「お前一人のために理不尽扱いされるのか」
女「そもそもそういうモノだよ。誰かがそうだと思ったら、そう、なんだよ」
男「相変わらずよくわからないね」
女「君がわからないと言うならわからないのかも知れないね。」

男「諦めてるの?」
女「ううん」
男「そう…良かった。」
女「ん?」
男「何事も諦めちゃ駄目だよ」
女「うん、常識だね。これは決して理不尽じゃないと思う」
男「そっか」
女「うん」
男「じゃあ質問」
女「どうぞ」

男「いつくらいから膨らんできた?」
女「3年前。小5…かな」
男「ふむ」
女「男は成長遅いのかと思ってた」
男「俺もお前の胸が膨らんできたってこと知らなかった」
女「目立つ服着ないからね。っていうか制服だと目立たないからね」
男「ん…」

女「どうしたの」
男「なんっか切ないなぁ」
女「もやもや?」
男「うん」
女「胸が膨らまないから?」
男「ううん」
女「じゃあ何で?わからない」
男「視野を広げようよ」
女「うーん…」
男「女も大人になってきてるんだな」
女「そうだね。女性は16歳くらいで体は完全に大人になるみたい」
男「嬉しい?」
女「わかんない。男としては嬉しい?」
男「わかんない…。」

男「ずっと一緒だったんだけどさ、俺の知らない部分が成長してるんだな」
女「そうだね。ずいぶんとお尻も大きくなったと思う」
男「それも気づかなかった」
女「意識してみればよくわかると思うよ。まあ制服のスカートは目立ちにくいから
  微妙かも」
男「うん」
女「体育の時見てみれば?」
男「何かを失いそう」
女「そっか」

男「やっぱ知らないとこが変わってるってのは切ないな」
女「私にはその感情無いな。知らないとこで君も変わってるの」
男「お互い様?」
女「そうだね。何で違うとこ同士が変わるんだろう」
男「わかんない…」
女「私もわからない」

男「わからないのは一緒なんだな」
女「そうだね」
男「うん。あ、女の家の犬が顔出してるよ」
女「今日はお出迎えかぁ。じゃあまた明日ね。」
男「うん」
女「何で違うとこが変わっていくのか、今夜考えといて」
男「女も考えて」
女「努力する。おやすみなさい。」

………

男(みんな常識として、違うとこが成長するのは知ってる)
 「ただいまー」ガチャ
 「風呂入ろ…」


男(常識って何だろ… 今日は食欲わかないや、お風呂上がったら寝よう)

………

女(私には常識が欠如してるのかな。今まで常識を理不尽だって嫌ってきたからかな)
 「…グスッ…何で涙が出るんだろ。何だろうね。」

―――知らないとこが成長してるんだな―――

女(男の知らない私になっちゃうのかな)
 (常識なら、どうなるんだろう。私は私のままなのかな)
 (…危ない、お風呂で寝るとこだった)


女「お休み、ポチ太」

―――

男「おはよ」
女「おはよ」
男「……わかった?あれ」
女「さっぱり…」
男「思春期だから悩むのかもね」
女「ああ、保健でやったあれね」
男「何で男は胸膨らまないの知らないのにそれは…」
女「興味ないことは覚えてないんだよ」
男「そっか…」
女「そうだよ」

男「…」
女「…」

男「あ、今日制服検査か…」
女「ほぼ顔パスだから関係ないんだけどね」
男「でもお前。スカート丈膝上になってる」
女「ホントだ。いつの間に」
男「無意識改造?」
女「背が伸びたんだと思う」
男「俺も伸びたから気づかなかった。縮んだとさえ思ってた」
女「君のほうがたくさん伸びたからね」
男「うん」
女「とか言ってる間に顔パス通行したね」
男「行いがいいからね」
女「じゃあまた帰りね」
男「はいよ」

―――

男「何でか考えてたら授業集中できなかった」
女「私も」
男「そっか…」
女「うん…」
男「世の中にはわかんないこともあるのかもね」
女「と、言いますと?」
男「何でもない…」
女「ん…」
男「何となく気まずい。」
女「口に出して言うことじゃないと思う」
男「言ってから思った」
女「うん…ふふ…」
男「判断するより先に口に出るクセがなおらない」
女「そのままでいいと思う」
男「そう…」
女「うん」

男「今日は犬いないね」
女「多分おやつに釣られてるんだと思う。昨日はいつもよりおやつ遅かったから
  お出迎えしてたみたい」
男「じゃあまた明日」
女「明日は土曜日だよ…」
男「でもさ」
女「明日も会いたい。家行っていい?」
男「ん…」
女「じゃあ午後から行くね。おんなじこと思った?」
男「うん。先に言われて驚いた」
女「私は気づいたよ。だから先に言った」
男「そっか。女にはわかって俺にはわかんないのか」
女「勘だけどね」
男「そっか…じゃあまた明日な」

――――

――――

女「お邪魔します」
男「どうぞ。親いるから2階上がって」
女「はーい」
男「結局何もわかんない」
女「感情まで違うなんて手詰まりだよ」
男「でもたまに同じこと思うじゃん」
女「そうだね」
男「男女の違いなのかなぁ」
女「その男女の違いってのが理解できないなぁ」
男「うん」
女「何で人を好きになるんだろうね」
男「えらく哲学的だね」
女「そうでもないよ」

男「まあ俺も思ってた。何で人を好きになるんだろうね」
女「違うとこが変わって、違うこと思うのにね」
男「そうだね」
女「理解できる気がしないのに何でだろうね」
男「うん…」
女「何で私は男のことが好きなんだろう」
男「何でだろうね…俺も好きだよ…何でだろ…」
女「これは同じ感情かなぁ」
男「うーん…常識かなぁ」
女「常識だけど、常識じゃないと思う。私は君じゃないし、君は私じゃない。
  でもどうしてか、お互い好きだよ。」

男「うん…」
女「君を理解できる気がしないのに、君を知りたい。君に触れたい」
男「俺も」
女「うん」
男「何でだろうね。考えも行動も違うのに、それは一緒なんだね」
女「うん…」
男「違うから、好きになるのかもね」
女「…と、言いますと?」
男「何でもない…」
女「うん…」
男「…好き…だよ」
女「うん…私も…」
男「そっか…」
女「君がいないと…何か駄目みたいだ」
男「俺も…」
女「何で君と出会う小1までは、私はそこに在ったのに」
男「うん…」
女「こんなにも君がいないと不安だ」
男「うん…俺も」
女「うん…」
男「…俺と一緒にいてほしい…ずっと離れないでいたいな」
女「…と、言いますと?」
男「…何でも、なくない」

おしまいノシ

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