タルト「私が、円環の理を……?」まど神「うん!」 (19)

時代が離れてるせいか、タルトが出てくるSSってないよなぁと思ったので書いてみます
基本は、ウェヒヒな女神様とまったりな円環世界で進行

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――円環の理――


まど神「ほむらちゃんのお迎えがそろそろかなってスタンバイしてのに……」

さやか「なんだかキュゥべえに捕まっちゃったみたいだね、ほむらのやつ」

まど神「ど、どうしよう、さやかちゃん! ほむらちゃんが、ほむらちゃんが!」

さやか「落ち着きなよ、まどか。ほむらの結界の中に入って迎えに行けばいいんだよ」

まど神「そっか!」

なぎさ「じゃあ、なぎさもチーズを食べについて行くのです」


さやか「でも、その間円環の理はどうしよっか」

まど神「大丈夫。代役に心当たりはばっちりだよ!」

さやか「おお! ……ちなみに誰?」

まど神「ジャンヌ・ダルクことタルトちゃんだよ!」

さやか「おおー、さすがのビックネームですなぁ!」

まど神「まあ、なんだかんだ言って大変なお仕事だから、生前もすごい力を持ってなかいとだめなんだ」

さやか「なるほどねぇ。でもそれだったらエジプトのクレオパトラさんとか聖母で名高いマリアさんとかでもいいんじゃないの?」

まど神「そこらへんの人たちだと、邪な心を見抜かれたうえでお説教されそうで……」

さやか「邪な心って、おい神様」


まど神「ち、違うよ? 邪って言っても、見滝原そっくりの結界の中で眼鏡のほむらちゃんとイチャイチャしたいっていう純粋の目論見があるだけだよ?」

さやか「純粋に邪じゃ、なお悪いでしょ」

まど神「うっ。で、でも、そういうさやかちゃんだって、杏子ちゃんに対して心残りがあるんでしょう?」

さやか「うっ」

まど神「それにタルトちゃんなら大丈夫だよ! 過酷な運命を潜り抜けた魔法少女の中でも純真だし、何よりあの時代のなかの魔法少女の中でもとびきり信仰心が高いから私の言うことは大体なにも疑わずに二つ返事で引き受けてくれるの!」

さやか「おい神様」

なぎさ「チーズ、チーズ!」


まど神「うーん、タルトちゃんの時代はこの辺りだったんだけど……」ウロウロ

さやか「ねえ、なぎさ。あたし、さっきのまどかの話を聞いたせいで、なんか罪悪感がするだけど……。そう、あれだよ。自分が遊ぶためだけによく知りもしないクラスの子に掃除当番を押し付けてるような感じ」

なぎさ「たぶんタルトは大喜びでまどかのお願いを引き受けると思うので違うのです。それに、なぎさはチーズが食べれればなんでもいいのです」

さやか「えぇー……」

まど神「……違う、あの子じゃなくて――あ、いた。タルトちゃーん!」

タルト「……え? 鹿目さま!?」


タルト「どうされたんですか、鹿目さま。わたし、いらっしゃると聞いてなかったのでなんのおもてなしの準備も――」アワアワ

まど神「もー、タルトちゃん。まどかでいいって言ってるのに」

タルト「そ、そんな! 私のような村娘なんかが、魔法少女の救いである鹿目さまのことをそんな軽々しく呼べません」

まど神「そんなこと言ったらわたしだってただの庶民の子供だよ」ウェヒヒ

さやか「タルトがただの村娘でまどかがただの庶民の娘だったらあたしらとかなんだろうね」

なぎさ「なぎさはただのチーズでもいいのです」


まど神「でもタルトちゃんは歴史に残るほどすごい魔法少女だよ? 私なんて、そういう方向だったら全然だし」

タルト「いいえ。鹿目さまは、その功績が人の記憶に残ったのならば、聖ジョージや聖パトリックのような聖人に列挙されているような――」キラキラ

さやか「……この時代の人たちの信仰心ってすごいよね」

なぎさ「なのです。それにタルトって、よりによってキュゥべえのことを天使様って呼んじゃうくらいですし」

さやか「魔法少女の真実を知ってもキュゥべえを天使呼ばわりとか、もうその心を持つタルトのほうこそ天使だよね」

なぎさ「時代なのですかね。なぎさにはよくわからないのです」

リズ「タルトが天使なのは認めるけれども、魔法少女の真実を知ってもなお保たれる純粋さはタルトだからこそよ」

さやか「!?」

なぎさ「!?」


タルト「あ、リズ」

まど神「リズさん。どうしたの?」

リズ「タルトに話があったから来たのだけれども……まどかのほうこそなんの用かしら」

さやか「そういえばまだ本題に入ってなかったね」

なぎさ「二人して功績の持ち上げ合戦してたのです」

リズ「そう。謙虚さは美徳だけれども、あなた達は二人とも誰に対しても誇れる人生を歩んだのだから、胸を張ればいいのよ」

タルト「いいえ、リズ」

リズ「……?」

タルト「私は結局何一つ遂げられないまま、絶望に身を任せようとしました。『乙女』などと持ち上げられてはいたものの、鹿目さまに救われただけの――」

まど神「それは違うよ」


まど神「タルトちゃんは……ううん。タルトちゃんだけじゃなくて、魔法少女のみんなの願いと行動に、無駄なことなんて一つもないよ。みんなみんな頑張ってきたことに悪口を言うなんて、いくらタルトちゃんでも許さないよ」

リズ「そうよ、タルト。あなたの願いと行いで、フランスに光が注がれたのは確かなことだもの。それはきっと、魔法少女の希望の光になったまどかの願いと比べても劣るものではないわ」

タルト「リズ、鹿目さま……」

まど神「うぇひひ。そうだね。ありがとう、リズさん」

リズ「どういたしまして。それでまどか。結局はなんの用だったの?」

まど神「あ、えっとね――」


タルト「そうですか。天使さ――いえ、インキュベーターに捕らえられた鹿目さまのご友人を迎えるために……」

リズ「キューブ……。もともと信用はしていなかったけれども、あからさまに人間を害する奴だとは思っていなかったわ」ギリッ

まど神「それで少しの間、円環の理をお願いしていいかな。リズさんや他の魔法少女の子達と協力もしていいから」

タルト「もちろんです!」

リズ「断る理由はないわね。……ところでまどか。同い年のタルトはちゃん付けなのに、どうして私はさん付けなのかしら?」

まど神「え? え、えっと、リズさんって、やっぱりリズさんって感じだし……」アタフタ

リズ「そう……」ズーン

タルト「リズ!? まだ気にしてたんですか!?」



エリザ「さやか……。付き添いは、あなたで大丈夫ですの? 何なら少し戦闘の手ほどきをしてあげてもよろしくってよ?」

さやか「マジですか!? ぜひぜひ! 向こうで杏子やほむらにバカにされたくないんで!」

メリッサ「なぎささん。チーズもいいんですが、こっそりお酒持ってきてくれませんか?」ヒソヒソ

なぎさ「たぶん、あの結界の中にはないと思うのです。紅茶を代わりに持ってくるのです」ヒソヒソ







イバリ「……」オイデ オイデ

レイケツ「……」コイコイ

まど神「わ、わ。手を引っ張らないで。……でも、思った以上に歓迎してくれてるなぁ。ちょっと嬉しいな」ウェヒヒ



ウソツキ「……」バッテン

ワルクチ「……」ダメダメ

なぎさ「え? ここを通せないって……ああ、なぎさは魔女の形じゃないと招待されないのですね」ポンッ



ヤキモチ「……」ガスッ

ヒガミ「……」ボコッ

さやか「痛ッ、イタタ! ね、ねえ、こいつらなんであたしにだけ執拗なまでローキックしてくるわけ? おかしいよね!?」




タルト「……鹿目さま、行ってしまわれましたね」

リズ「タルトなら大丈夫よ。それで、タルトを中心とした代理円環の理のメンバーは……」

メリッサ「微力ながら協力します、タルト」

エルザ「ふふんっ。このわたくしが援軍に加わるのですから、百人力と心得なさい!」

タルト「久しぶりのメンバーですね」クスッ

リズ「そうね。またこの四人で揃って何かをできるなんて思ってもなかったわ」

メリッサ「そう、ですね。ここに来てから話すこと自体はおおかったですけれども、昔のように何かを成し遂げるということはありませんでしたね」

エルザ「仕方ないですわ。何かがある場所でもないですもの」

タルト「なんにしても鹿目さまの代理です。頑張りましょう!」

一気に書ききろうと思ったのに、意外と時間がかかる……。
ていうか、タルトの読み込みが足りないせいですげえ変なこと書いてる部分が多いや。聖人のとことかよりによってイギリスの聖人だし、そもそもジャンヌ自身聖人に列挙されてるし。

明日か明後日に完結させます。

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