モバP「ほう、ポケモンタワーか」 (77)

独自設定及びキャラ改変、「」外表記は全角です。
相変わらずの妄想の箇条書きなので描写が曖昧だったり分かりづらいかも知れません。

それでもよろしければ、今回もよろしくお願いします。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450236373

P「ここは…」

小梅「あ……お、起きた…お、おはよう…プロデューサーさん…気分はどう…?」

P「小梅…って事は、ここは…」

小梅「う、うん……そうだよ…シオンタウンの…おうち…ボランティアの…」

P「良かった…今回はかなり心臓に優しいとこに出たな…」

加蓮「さあ、それは果たしてどうでしょう?」

P「加蓮か? あれ、でも家の中には…小梅しか…」

小梅「プロデューサーさん…後ろの…壁…」

P「…ん?」

加蓮「やっほー♪」(壁から首だけ)

P「」

ーーーーーーー

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P「……はっ!?」がばっ…

加蓮「あ、生き返った」

小梅「魂…抜けてたもんね…♪」

加蓮「ねー♪」

P「お前らなあ…」

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P「つまるところ、加蓮…お前は霊体なんだな」

加蓮「うん、この世界での私はこの通り、とっくの昔に天に召されちゃったみたい」

加蓮「……って、成仏しないでふわふわ漂ってるだけだから、召されてはいないんだっけ…あはは」

P「…………お前…」

加蓮「そんな悲しそうな顔しないでよ、ちゃんと実体だって作れるんだもん」

加蓮「ちょっと体力を使っちゃうけど…ほら、こうして触れるでしょ?」

P「……冷たいな」

加蓮「霊体だからねー。…まあ、私のことだもん、どうせ無茶やって体が付いてこなかったとか、そんなとこでしょ」

加蓮「本当は前に会った時に言おうと思ってたんだけど…その、なんて言うか」

加蓮「ちょっぴり、ほんのちょっとだけ勇気が足りなかったっていうか…ダメだね、私、こういうの柄じゃないのに」あはは…

加蓮「湿っぽいの嫌いだから、どうせバラすなら面白い方がいいかなー、なーんて…はは…」

P「……………加蓮」

加蓮「あ、あー、ちょっと忘れ物思い出しちゃった」ぱんっ…

加蓮「ちょっと出てくるから…小梅ちゃんの事、お願いね、じゃあ!」

P「お、おい、待てよ加蓮!」

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

小梅「お茶…熱いから、気をつけてね…」こと…

P「ずいぶんヒビだらけの湯呑みだな…相当に年季モノだろ、これ」

小梅「わかんない…私は、この家の主じゃないから…」

P「…それは…?」

小梅「私の親はね…間違えて連れて行かれちゃったみたいなの…多分…私のせい、なんだけど…」

P「連れて行かれる…?」

小梅「霊能力の強い人ってね…それだけで、あの子達を連れて来ちゃうんだけど…」

小梅「あの子達は実体がないから…体が欲しくて、生きてる人の魂を追い出そうとするの」

小梅「けど…それは、失敗することが多いんだ…実体を持てないって事は、それだけ元々の力が弱いって事だから」

小梅「魂だけを引き抜いて…中に取り憑くことも、できないから…」

小梅「カラッポになった体が、突然動かなくなって残されちゃうの」

小梅「あの時は…びっくり、したな…突然、動かなくなって……そのまま、置いていかれちゃった、から…」

小梅「身寄りがない私は、そのままこの辺りをさまよって…」

小梅「そしたら、ここに拾って貰えたんだ…」

P「……その、拾った相手って」

小梅「…………」

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ざああああああああ………

小梅『お腹…空いたな』

小梅『もう何日も…なんにもたべてない…から…』

小梅『このまま、食べなかったら…会いに行けるのかな』

小梅『…………』

加蓮『もしもーし、生きてますかー?』

小梅『え…』

加蓮『あ、よかった…まだ生きてるね』

カラカラ『から。』

小梅『…あ…手、冷たいな…迎えに…来てくれたんだ…』

加蓮『………』

加蓮『ん、そうだよ。今から良いところに連れて行ってあげる』

小梅『……えへ』

小梅『……じゃあ…よろしく、ね…』

小梅『…………』かくん…

カラカラ『から!?』

加蓮『大丈夫だよ、まだ体、暖かいし』

カラカラ『から…』ほっ……

加蓮『じゃ、いこっか…とっておきの天国みたいな場所に、さ』

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小梅「それで…気が付いたら、ベッドの上で…パンと…スープと…」

小梅「加蓮さんはポテトを食べててね…それで、一口貰ったけど、とっても冷たくて」

小梅「けど……あんなにあったかいの、初めてだったなぁ…」

P「……小梅……加蓮……」

P「……俺、やっぱり加蓮を追いかけるよ…それ聞いたら、なんかますます…」

小梅「大丈夫…だよ」

小梅「加蓮さんには、さっきあの子が付いて行ったから…」

P「あの子って…小梅の、いつも側にいるって言う、あの子か?」

小梅「そっちじゃない…プロデューサーさんの…モンスターボール…」

P「……あれ、カラカラは?」



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ざああああああ…

加蓮「雨、か…」

加蓮「なんて言うか、私ってよく降られるんだよね…雨」

加蓮「まあ、自分でも明るいほうじゃないって自覚はあるし?それに」

加蓮「涙を隠したい時に、ちょうど良いタイミングで降ってくれるのは…結構ありがたい、かな」

カラカラ「からから。」

加蓮「アンタのことも勝手に連れて来ちゃったし、私ってばダメだなぁ、全然吹っ切れてないじゃん」

カラカラ「から…」

加蓮「まあ、プロデューサーなら、きっと許してくれるって思うけどさ」

カラカラ「かららら…」ぶるるっ…

加蓮「…寒くなってきたね、そろそろ戻ろっか」

加蓮「ごめんね、地面タイプなのに雨の中連れ出しちゃって…」

カラカラ「からかーら。」ふりふり

加蓮「えー? 全然平気、もうちょっといてもいい…って、絶対ウソでしょそれ」くすっ

カラカラ「……くしっ!」

加蓮「ほら、言わんこっちゃない…風邪ひかないうちに帰ろ?」

加蓮「雨だって、多分まだ激しくなるだろうし……あれ?」

ぽと…ぽと、ぽと、ぽとととと…!

加蓮「これ…氷…あられ?」

加蓮「こんなことって、今まで………」

カラカラ「から!かーらら!」わたわた…

加蓮「……え…何あれ…飛行船…?」

カラカラ「からら…」ぶるぶる…

加蓮「…うん………私でも感じる……すごい冷気…! 」

加蓮「アレは……!」


ーーーーーーーーーー

P「そうだよ、驚いてすっかり忘れてた…!こんなノンビリ話し込んでる場合じゃなかった!」がちゃっ!

P「あの概要書、あれに書かれてることが本当なら…!」

P「寒っ…!なんだ…!?」

P「いつの間に、一面雪景色に…」

小梅「こ、こんなの…ここは、雪なんてぜんぜん降らないのに…」

P「出てこい、リザード!」ぼんっ!

リザード「ガウ!」

P「ふう…あったかいな、お前の側は…小梅もこっち来い、あったまるぞ」

小梅「う、うん…!」

P「アレが今回のボスキャラってわけだ…とうとう姿を現しやがった」

小梅「見て…ポケモンタワーの…最上階に…」

P「横付けするつもりか…! あの飛行船…ロケット団はここでエネルギー実験をするって言ってた」

P「天候まで、バトルフィールドの範囲どころじゃない、こんなに広範囲で操るなんて…」

P「とにかく急ごう! アレをほっとくととんでもないことになる!」

小梅「待って…! うかつに、中に入っちゃだめ…!」

小梅「私の両親と…同じ目にあうかも…」

P「何!?」

小梅「せめて…幽霊が、プロデューサーさん自信でもちゃんと見えてないと…」

小梅「実際に視える私が教えたところで、口で言うのと視えるのとではぜんぜん違うもん…」

小梅「私…喋るのも…うまくないし…早くもないから…ごめんなさい」

P「……いや、いい。気にすんな」

P「どうにか手はないもんか…! あの中に入って、無事に戻ってこれるような…」

紗枝「そういうと思て、御入り用なモン、持ってきましたえ~」

P「紗枝!」

紗枝「桃華はんに聞いたんやけどな? これはシルフスコープ言う発明品で」

紗枝「かけるだけで、その幽霊が見えるようになるんやて」

P「何、うってつけじゃないか! じゃあ早速…」

紗枝「……あきまへん」すっ

P「へ」

紗枝「これは交換条件どす。プロデューサーはん、この「すこーぷ」が欲しかったら」

紗枝「このピッピ、私に譲っておくれやす♪」

ピッピ「ぴー♪」すりすり……

P(めちゃくちゃ懐いてやがる…)


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P「…ほら…ピッピのモンスターボールだ」

紗枝「わあ、おおきに♪ いやぁ、弱みに付け込んだみたいで悪いわあ♪」

P「なんかもう幽霊よりもお前が怖いよ俺は」

紗枝「言うたやろ、プロデューサーはん? 京女は転んでもただでは起きんもんや♪」

紗枝「せやからプロデューサーはんはウチのこと、根性がある言うて気に入ってくれたんとちゃいますか?」

P「ああ、根性と勝負度胸、ついでに色気と優しさもな」

紗枝「ついでじゃあかんですやろ、そっちが「めいん」やないと…」

紗枝「それに、誰にでも言うてるんちゃいますのん? 口達者のプロデューサーはんは」

P「う…反論できん…」

P「だが、とにかく助かった! 俺は急いで頂上へ向かう!」だだだ…

ぽろっ…

紗枝「プロデューサーはん、何か落としていかはったけど…これは…」

R団計画概要書だ…

紗枝「……これは……」

紗枝「…………もしもし」

紗枝「…せや。おそらくそこに、二人は捕まっとるいうことやね…」

紗枝「任せて、大丈夫やろか? ……おおきにな」

紗枝「…………」ぴっ…

紗枝「……うちがチカラになれるのはここまでや。後は、プロデューサーはん達にお任せしますえ…」

ーーーーーーーー

P「ここが…ポケモンタワーか…」

リザード「がる…!」

小梅「はぁ…はぁ…プロデューサー…さん…早いよ…」

P「小梅?」

リザード「ガル…」

小梅「私も、連れて行って…足手まといには、絶対にならないから…」

小梅「それに…上にいるのが、四天王だって言うなら、なおさら放っておけないし…」

P「……? よくわからんが…わかった!」

P「行くぞ、敵は一気に蹴散らして最上階だ!」

小梅「う、うん…!」

リザード「ガル!」

ーーーーーーーー

ーその頃、ポケモンタワー・最上階ー

ランス「…御覧なさい、この街の変わり果てた姿」

美波「…………」

ランス「あれは貴女の力が招いたものなのです…正確には、貴女の力を使い、この」

フリーザー「………………」ひゅおおお……

ランス「伝説の三鳥、フリーザーが形作った氷の芸術」

ランス「これから一日をかけ、街は全て雪に、氷に、白銀の棺の中に沈むでしょう」

ランス「逃れる術は最早ありません…逃げる先から凍りついていくでしょうね」

美波(こんな…何て事を…!!)

美波(私のチカラ…この氷のチカラは本当に大切なものなのに…!)

美波(私はーーー)

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ー数年前・ハナダシティジムー

ゆかり『…本当に、よろしいのですか…? 私は、まだ未熟で…』

ゆかり『とても美波さんの後を継いで、ジムリーダーなど…』

美波『ううん、ゆかりちゃんなら大丈夫だよ』

美波『それにね…私だって、最初から完ぺきだったわけじゃない。』

美波『ううん…きっと誰だってそうなんだよ』

美波『私は、もっともっと強くなってみたい。 そのために、これから世界を回ってお勉強するつもり。』

美波『未熟なのはお互い様だよ。…それにね?』ぎゅっ…

ゆかり『あ……手を…』

美波『私は、ゆかりちゃんの奏でるフルート、大好きだから…だから、任せてみたいって思ったの』

美波『全然関係ない事だって思うかもしれないけど、そうじゃないの。』

美波『何か一つの事を極めたり、それに向かって努力できる人は、きっとどこまでだって強くなれる』

ゆかり『そんな…それならなおのこと、私は、美波さんのように器用では…』

ゆかり『あなたは私の理想なんです…私は……万能に、なんでもこなせる美波さんのようには…』

美波『私は…浮気性だから。…色んなことに手を出して、器用だって言われちゃうけど、ただの器用貧乏だもの』

美波『だからね…一途に頑張るゆかりちゃんを見て、私も何か見つけようって思ったの』

美波『ゆかりちゃんは気づいてないかもしれないけど…あなたは私の、目標だから…』

ゆかり『………!』

美波『……ダメ、かな?』

ゆかり『……ずるいです』

ゆかり『断れるわけないじゃないですか…こんなの…』

美波『……じゃあ…』

ゆかり『……ジムは、お任せください。先代のあなたの名に負けないよう、立派にリーダーの任、果たしたいと思います』

美波『ありがとう…ゆかりちゃん…!』

ーーーーーーーーー

ーそれから幾ばくか時は過ぎ…シンオウ地方ー

美波『う……。ここ、は…私……』

アーニャ『アー……目を、覚ましました、ね…?』

美波『あなたは…?』

アーニャ『ミーニャ ザヴート アナスタシア……アーニャと、呼んでください。ニックネーム、ですね。』

美波『私…ここで、何を…』

美波『そうだわ…乗ってた船が事故で…それで私、海に投げ出されて…』

アーニャ『かなり長い間、水の中、いましたね…? すごくびしょびしょで…大丈夫ですか?』

美波『水は…私、水のチカラを使えるから平気なんだけど…寒さが…』

アーニャ『ここにいてください…暖かい飲み物、用意します…ね』

美波『……………』ふう……っ

美波『……外は雪…こんなに積もってるところ、見た事ないかも…』

アーニャ『ココア、熱いですよ…』コトッ…

美波『あ…どうも、ありがとう…』

美波『……あつっ…ふー…ふー…』ずず…

美波『…美味しい』…ぽろっ…

美波『あれ…変だな、視界がぼやけて…』

美波『……やだ、涙…止まらない……』

アーニャ『…………』よしよし…

ーーーーーーー

アーニャ『いい調子です、そのまま、撃ち込んで…!』

美波『はあああああっ!!』きぃいいい……ん!!

ラクロスのクロスから放たれた球体エネルギーが、炸裂と同時に冷気を撒き散らした…

美波『はぁ…はぁ…できた…!』

美波『私の水のチカラを…新しく手に入れた氷のチカラと、融合して…氷塊を内側から水圧で炸裂させる…』

美波『これが、私の…私だけの『アイスボール』……!』

アーニャ『ミナミ、すごいです!完璧です!カッコいいです!!』キラキラ…

美波『…ありがとう、アーニャちゃん…これは、あなたと…もう一人、私の大切なお友達のおかげで出来たチカラよ』

アーニャ『アー…いつも話してくれますね。ユカリのコトを話す時のミナミ、とっても嬉しそうです♪』

美波『うん。ジムを任せっきりで飛び出して来ちゃったけど…今頃、どうしてるのかな…』

美波『また会えた時のために…この技にももっと、磨きをかけなくちゃ』

美波『私の、大切な友達二人から貰った大事なチカラだから…』

ーーーーーーーーー

美波(久しぶりにこっちに戻って来る用事が出来て…早く会いに行かなきゃって思ってた矢先、捕まって…)

美波(その上…いいようにチカラを使われるなんて………悔しい…!!)

美波(こんなコトのために、チカラを付けたわけじゃないのに…!)

ランス「フハハハハ……絶景ではないですか…まさしく…」

ランス「息を呑むほどに真白な、完全なる無の世界…」

ランス「時も、人も、空間も!全てを塗り替え、私が!」

ランス「私が世界を創り上げた!この氷の世界で私は王となるのです!」はははははは…




加蓮「トチ狂ったこと言ってんじゃないよ」


ランス「……は?」

ひゅんひゅんひゅん…! ばりいいいい……ん…

ランス「……カプセルのロックを、破壊して…!?」

カラカラ「……から!」ぱしっ!

加蓮「時間を塗り替える? 空間を塗り潰す? 世界の王になる? バカ言わないで」

ランス「貴女は…!? ここへ一体、どうやって…」

カプセル「……ウィーーーン」プシュー…

カプセルが開いたようだ…

美波「あ……」がくっ…

美波(身体が動く、けど…力が……意識も……)

加蓮「………」すう……っ…

ランス「消えた…!?」

加蓮「よっと…」だきっ…

美波「…………」かくん……

ランス「一瞬で消えたかと思えば、いきなり背後に現れナイト気取りですか?いただけませんね…」

加蓮「騎士なんて大層なものじゃないよ…ただのユーレイ。」

加蓮「ここへは、外から手だけ実体化して、この子を連れて飛んできただけ」

加蓮「それに、そもそも私には戦うだけの力なんてないし…ここに来るだけでもう、体力も気力もほとんどカラッポだし」

ランス「では、何故…?」

加蓮「決まってるでしょ」

加蓮「…この子の借りを返しに来た、それだけだよ」

カラカラ「からら…!」

ランス「……ふうん…」

ーーーーーーーーーーー

P「邪魔だどけェ!!」バキィッ!

R団員「ぐおおおっ!!」

リザード「がああああっ!!」ぼおおおっ!

R団員「あちちっ!あちちちちっ!!」

P「く……こう数が多くちゃキリがない…急がなきゃ街がやばいってのに…!」

小梅「プロデューサーさん…先に行って…!」

P「小梅!?」

小梅「泣いてるの…ここに住んでる…みんなが…」

小梅「私は…ここでこいつらを食い止めるから…だからプロデューサーさん…早く行って…!」

P「……必ず追いついてこいよ」

小梅「大丈夫だよ…もしやられても…演出用の血糊ケチャップならたくさんあるから…」

P「何が大丈夫なんだよオイ…むしろ不安でいっぱいだよ俺は」

R団員「………」じり……

小梅「……行って!」

P「く…!すぐに戻る!!」

P(信じていいんだよな…! 小梅…!)

ーーーーーーーーー

ーーーーー

小梅「行っちゃった…」

小梅「うん……うん、大丈夫だよ…それに、みんなも、手伝ってくれるよね…?」

R団員「何をさっきからごちゃごちゃと…」

R団員小隊長「薄気味悪い娘だ…おい、いいからタコっちまえ!!」

R団員「うおおおおおおお!!」

ばき!どご!ぐしゃ!ばこぉおん……

R団員小隊長「がはっ……」

R団員小隊長「なんで俺がタコられ…れ、れる…」ばたっ……

R団員「な…身体が、勝手に…!」

R団員「うわああああすいやせんリーダー!!」

小梅「『あやしいひかり』…ふ、ふふふ……♪」

小梅「スプラッタショーの…始まり…始まり…♪」(背後に無数の霊)

R団員「ヒィッ!!」

R団員「こ、こけおどしに決まってら!こんどこそやっちまえー!!」

うおおおおおおおおお………

ーーーーーーーーーーーー

P「はぁ、はぁ、はぁ…! はっ、はぁ、はぁ…!」だだだだだっ…!

リザード「ガウガウ!」だだだだだ…

P「見えた…あの入り口が最上階だ…!」

P「間に合え…! はぁ…げほっ! 間に合え…!」

ばっ……!

P「はぁ…はぁ…っ……こ、れは…!」

加蓮「……………」

美波「………………加蓮ちゃん!」

カラカラ「………から、ら…」

ランス「驚きましたねえ…ユーレイでも実体化すれば風除け程度には役立つらしい」

ランス「しかしユーレイが凍るとは…クク、これは新発見ですよ、まったく…ハハハハハ…!」

P「………何があった」

美波「プロデューサーさん…! 私、私のせいでこんな…私が、動けない身体で前に出ちゃったから…!」

P「……加蓮…」

ランス「そうですよ、悪いのは貴女です、氷の四天王。」

ランス「ろくに動けもしないのに、つまらない怒りで我を忘れ、前に出るなど…正気の沙汰ではない」

ランス「そして、ようこそ侵入者…この私の創り上げた……凍える世界へ!」

加蓮「…………」

P「………やりきった顔で寝やがって…リザード」

リザード「ガル…?」

P「加蓮と美波を連れて下まで下がれ。炎で少しづつ解凍するんだ」

P「生身の人間なら無事じゃ済まないだろうが…こいつは、実体があっても霊体だ」

P「助かる見込みはある」

リザード「がる…!」こくん…

美波「プロデューサーさん…でも、私のせいで…」

P「ゴメンな…怖かったろ」

美波「!」

P「待ってろ、すぐに終わらせる、そしたらみんなで…飯でも食おう」

P「久々に作ってくれよ、美波の手料理…前のパーティの時みたいにさ」

美波「………! 必ず…」

美波「必ず戻ってきてくださいよ!? 私、夕飯だけ作って、一人で帰りをずっと待つなんて、イヤですからね!」たたた…

P「…………行ったな」

P「……カラカラ、行けるよな」

カラカラ「からら…!」

ランス「そもそもの話…解せませんね、何故残るのです、一緒に逃げればいいでしょうに」

ランス「どの道逃げ場などないのです。逃走劇を演じるのなら、皆で仲良く逃げ惑えばいい」

ランス「そうすれば、少しはマシな絵面になるというもの…氷の世界で、絶望の表情を永遠に貼り付けて…」

ランス「芸術品と呼ぶにはいささか不出来でしょうが…枯れ木でもまあ、賑やかしくらいにはなると思いませんか?」

P「……小梅、わかったよ、お前の言ってたこと」

P「俺にも見える…スコープなんて付けなくても、カラカラの母さんが泣いてるのがくっきり見えるんだ」

P「大好きなこの街をこんなにされて…大好きな子供がこんなに傷ついて」

フリーザー「…………………」

P「そんで、大好きな子供が大好きな街を守るため…大好きな親の無念を晴らすため」

P「こうして立派に、自分の意思で戦ってる」

カラカラ「…………!」こくっ…

ランス「親愛の情…フン、くだらない……全て凍りつかせれば、その浮かれた頭も少しは冷えてくれますかね」

P「凍らないさ」

ランス「何を…」

P「相手が誰で、どんなに強くて、勝ち目がなかろうと…」

P「母ちゃん泣かす奴は、反省するまで尻叩きに会うもんだ」

カラカラ「からっ!」ばっ!

ランス「フン、聴けば聴くほどに下らない!見るに堪えないとはまさにこの事です」

ランス「やりなさいフリーザー! 全てのエネルギーを使って構いません!」

ランス「どの道あの四天王は逃げられないのです…また後でゆっくりエネルギーを吸い出しましょう」

ランス「今度は吸わせすぎて、命を落とすかもしれませんがね!」

ランス「さあ、やってしまいなさい!フリーザー……」

フリーザー「…………」ギロっ……

ランス「え」

ランス「何故そこで私を睨むのです!敵はあちらです、やってしまいなさい!」

ランス「何をしているのです!さあ、早く!」

ランス「く…馬鹿な、この氷の支配者である私には、逆らえる者などいるはずが…」

ランス「まして、下僕たる手持ちポケモンがこのような…」

P「そもそもフリーザーは操られてただけでお前の手持ちじゃないよな」

ランス「……は?」

ランス「操る…操るには、催眠を…催眠は四天王に…それをカプセルでリンクして…カプセル…」

ランス「あ」

カプセル「………」ぼろっ……

P「…妄言を吐いて浸って、気が大きくなって周りが見えてない」

ランス「う、うるさい!うるさいうるさいうるさい!」

ランス「こちらにはまだ手持ちポケモンがいるのです!いきなさいマタドガス!」

マタドガス「マータドガース!」

ランス「食らいなさい!『ヘドロ…』」



………斬…ッ…!

P「……『かたきうち』!」

カラカラ「……から」

マタドガス「ドガ…ガス…ガス…」ばたっ…

ランス「…………ぐはっ…!」どさっ…

P「…安心しろよ…刃なんてない…『みねうち』だからさ」

P「だが…その腐った魂には、こいつの剣が届いたはずだ…」

カラカラ「…………………」ぱあああああ……

ガラガラ「……ガラ!」

P「……これで、お前の母さんも…笑って眠ってくれればいいよな、ガラガラ」

ガラガラ「……ガラ…」

フリーザー「………」ふっ…

ばさ…ばさっ……

P「フリーザー…行っちまった…」

P「これで雪もやむ…これ以上被害が広まる事はないだろう」

P「さて…問題はこの氷漬けの街だが…」

P「建物もほとんど埋まっちまってる…」

P「……そもそもこの雪じゃ外に出られないじゃないか…!」

P「唯……法子…!」

ーーーーーーーーー

ぴぴぴぴぴ…かちっ…

P「…………やけに寒いな」ぶる…っ

P「……って、外は雪じゃないか…っと、ニュースニュース」

「近年類を見ないほどの豪雪で…各交通機関にも大きく影響が…」

P「……事務所、大丈夫かな…」

P「あ、もしもし。おはようございます…はい、今日の予定についてなんですが…」



シルフスコープ「…………」

ーーーーーーー

ーーーーー



ーおしまい。

今回はここまでになります。ありがとうございました。
ゆっくりとではありますが完結させるつもりで頑張っていきたいです。

では、依頼とさせていただきます。

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