八幡『一色と巡った場所を奉仕部3人で巡る』 (24)

渡 航『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』(ガガガ文庫)の二次創作ss

10.5巻の内容を土台にして創作。

設定:フリーペーパー作成後,見本紙が奉仕部に届いたとしたところからのifもの。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450020806


「終わった、、、」

一色からのフリーペーパー作成の依頼は俺が担当していたコラムの書き上げに伴い終了した。

雪ノ下のチェックも済み,先程由比ヶ浜から無事に入稿できたとの連絡が来た。これで一色からの依頼は完全に達成したことになる。

長い戦いだった。特に俺が担当していたコラム作成に予想以上の時間がかかり,3人には迷惑と心配をかけた。雪ノ下が入稿が間に合うようにマネジメントしてくれたから良かったものの,そうでなければ完全に原稿を落としていただろう。

締め切りが迫った作家というのはこのような気持ちなのだろうかと勝手に想像してしまった。

そもそも高校生活に夢や期待とやらを抱いて入学してくる新入生のためのコラムを俺が書くということに無理があるのだ。

中学の時点で俺はそうした夢(笑)や期待(笑)が幻想に過ぎないことをきちんと学んだ上,更に高校にいたっては入学式にすら出ていない。

退院してクラスに入ってからは中学の反省を活かしつつステルス能力をふんだんに使い,平塚先生に奉仕部に強制入部させられるまでは帰宅部として孤高に活動してきた。

大事な事なので繰り返そう。そんな俺に新入生向けのコラムを書くことがそもそも無理なのだ。

とは言え,無理なことを(どういう理屈かは知らないが)実現させるのが仕事というものであり,そうした意味で俺は一生分の仕事をした。

もう二度と働きたくない。平塚先生に専業主婦という選択肢を消されてしまった今,俺は新たな道を模索しなくてはならないのである。

>2
すみません。2次創作を書くことが初めてなので色々と慣れてません。ルールやマナーで失礼なことも多々あると思いますが,宜しくお願いいたします。

※牛歩更新になると思います。ある程度,書き溜めたら投稿します。

小町「お兄ちゃん。お疲れー」

そういってマッ缶を差し出したのはマイ・ラブリー・エンジェルこと妹の小町だ。

仕事終わりのマッ缶ほどありがたいものは無い。流石,俺の天使。俺が欲しいときに俺の欲しいものをすっと出してくれる。
どこの嫁さんだよ。もう妹=嫁の等式が出来ても良いんじゃないかな。

「ありがと。小町」

そういって缶を受け取り,飲む。練乳の甘みが下から喉へと伝わり,俺の疲れを癒やしてくれる。

小町「それにしても大変だったねー」

「ああ。正直,新入生に向けたコラムなんて何書いたら良いのかさっぱり分からんかったし」

小町「小町も春には総武高校の新入生なんだけど。お兄ちゃんは小町に送る言葉とか無いの?」

受験当日までまだもう少し時間があるが小町は俺と同じ総武高校を第一志望にしている。正直なところ,決して余裕がある
成績では無いのだがここ数ヶ月は特に勉強に力を入れていて本人は受かる気マンマンである。

「いっそ小町への愛のメッセージを書けば良かったな。それならいくらでも書ける。なんならプリーペーパー一冊分,軽く書き上げる」

小町「……。お兄ちゃん,流石にそれは気持ち悪いよ」

軽くドン引きした小町を他所に俺は続ける。

「お兄ちゃんっていう生き物は妹への愛で溢れてるんだよ。特に千葉に生息しているお兄ちゃんは」

小町「その情熱の一部でもコラムに向ければあんなに苦労せずに済んだのに」

「馬鹿。小町以外の奴に送る言葉なんか無い。無い言葉を書かなきゃいけなかったから大変だったんだろうが」

無から有を生み出すとかどこのラノベの主人公だよ。

小町「でもなんだかんだでパソコンに向かってるお兄ちゃんカッコ良かったよ。仕事してるって感じで。今の小町的にポイント高い!」

「パソコンの前でカタカタしたり唸ったりしてるだけでイケメンになれるなら誰も苦労しねぇよ」

実際,世の中のほとんどの人がパソコンを持つ時代,今この瞬間も画面と向き合ってる人もいるだろう。

小町「何はともあれ,お疲れ様。」

「こんなのもう二度とゴメンだ。やっぱり働きたくない。絶対に働きたくない」

パソコンの前でカタカタしたり唸ったりするのはもう勘弁願いたい。何か働かずに稼ぐ手段は無いか。

正月に貰ったお年玉,あれで株とかFXとか始めようかな。画面見て,チャート見て,株価の変動を見て,って結局カタカタしたり唸ったりするんじゃねぇか。

自分に適した仕事が無いことに心を沈ませていると,

小町「ところでそのフリーペーパーって見本本とか貰えたりしないの?」

「雪ノ下あたりに確認せんと分からんけどなんで?」

小町「他のみんなより早く読んで予習すれば,高校生活を一歩リードして楽しめるじゃん」

「おまえはそれよりまずは受験勉強に専念しろ」

そう言って苦笑いしながら応えると小町はふくれっ面をしたが改めて小町には総武高校に入学して高校生活を楽しんで貰いたいと思った。




仕事が終わったことに対する開放感と愛しい妹とのひとときに心満たされていた俺はこのとき,全く予想していなかった。

終わったものだとばかりに考えていたこのフリーペーパーがもうひと波乱,引き起こすことになることを。

スレ立てて認知されるまで一週間あると勝手に思い込んでました。申し訳ありません。

話の展開や場面ごとのキャラの掛け合いはざっくりと考えているので,後は文章化するだけです(←フラグかな?)。

エタらないように頑張ります。ただ,半年後あたりからは本業が忙しくなるので徐々に更新が遅くなるかもしれません。それまでに完結出来るのが理想です。

書き始めてみて文章力の拙さを実感してますが,少しずつでも投稿していきたいと考えていますので宜しくお願い申し上げます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年12月20日 (日) 23:53:56   ID: DvgHTIVQ

期待

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