【ヒアリズム】 (101)


「私の話を聞いて下さい!」


「俺の言うことを聞いてればいいんだよ……」



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【ヒズムリアリズム】


空調の効いた薄暗い室内


ゆらゆらと揺れる真っ白なカーテンの隙間から月光が射し込み、ベットを照らす


その部屋には二つの影があった



ひとつは黒い山羊のような水牛のような二本足の生き物


背中には黒い小さな羽根がついている


悪魔「さて、今回はどうなることやら」



そして、もうひとつは白いカラスのような、アヒルのような翼を持つ、三本足の生き物


こちらには背中に四枚の白い羽根がついている


天使「これで引き分けが連続で二回ですものね」

 

二人は部屋の中央の小さなテレビ画面の砂嵐を覗いている


悪魔「神様も厄介なお遊びを考えたもんだなあ」


リモコンをくるくると器用に手のひらで回し、悪態をつく悪魔



天使「まあまあ、でも今回はどう転ぶかわかりませんよ?」


天使は笑みを崩さずに話を続ける


天使「では、仕度も整いましたし、そろそろ始めましょうか?」


悪魔「ああ、そうだな」




天使「 Listen 」



悪魔「越えて離れていく、『今』を見下ろして」


天使「越えて止まらない、時間を止めてみて」


その言葉と共に、悪魔はリモコンのボタンを押した




ウィウィ


ジャジャーン


ピシャー


ドン





ー Play Back!! ー


.



フッと、無重力を落ちていくような、駆け抜けるような、不思議な感覚で私は意識を取り戻した


女「うーん……お、重い……」


私はベットに横たわっている


そして、もう一人


ベットの横の椅子に腰かけ、私に覆い被さるように、もたれかかって寝ていた



友「Zzz ……Zzz…」


私の右手は友さんの両手に包まれている


女「泣いて、いたの?」


友さんの頬は月の淡い光を反射して、てらてらと輝いている


女「何があったんだっけ?」


うーんと唸って、カチコチと音たてる壁掛け時計の針を眺める



夜中の十二時を少し過ぎた頃、か……


さて、今日のことを思い出してみよう


……まあ、もう日を跨いでしまった訳だが


女「あ、れれ?」



駄目だ……


寝起きだからだろうか


どうにもモヤがかかったように、昨日のことが思い出せない


女「むむむ……私はホンモンの女子高生ですよ。りあるじぇーけーですよ」


そんな、昨日の夕飯が思い出せないような、お婆様な年齢ではないんだけどな



あらま、本当に今日の出来事が思い出せない
困ったもんだ


女「えーっと、私は誰?ここは何処?」


なんてふざけてる場合ではないよね



私は女


とある女子高に通っていた、極普通の女の子だったと思う


容姿も至って普通だと思ってる


まあ、この長い黒髪と、他人よりも白い肌、そして高校の制服が黒いから、オセロ感ある、なんて知り合いから言われたこともあったけど


私からしたら、それって誉め言葉じゃないよねって話よね



で、ここは病院の二人部屋


ついでに、私の上に乗っかっている、この重石はというと、同室の患者仲間の友さん


女「いい加減重いんだけど」



友さんとは同室になって日は浅いけど、なんだか一緒にいて安心するんだよね


なんて言うか、昔馴染みの友達みたいな


ずっと古くからの長い付き合いみたいな感じ


女「まあ、友さんは私よりもいくつか年上の大人なんだけどさ」



そんなこんなで独り言をしていると、お腹の上に乗った重石さんも、ようやく起きたみたい


女「おそよう」


友さんの乾いていない頬を、手で優しく拭ってあげた


女「悪い夢でもみていたの?……ああ、やっぱり」


涙はそのせいだったのね



女「でも内容までは思い出せないのか」


まあ、朝に起きたとき、夜に夢をみたことは覚えているんだけど、内容までは覚えてないときって、意外に多いからね


女「夢、かあ」


ふと出てきた言葉で、友さんが心配そうにこっちを見たのがわかった



女「ああ、違う意味の夢の話なんだけど」


友さんには話しておこうかな


私は一度ベットから降りて、月明かりのこぼれる窓辺へと移動した


女「私、小さい頃に夢があったんだよね」


窓ガラスに手を当てて、ゆっくりと戸を開いた



むせるような熱気が部屋に流れてくる





私は夏が嫌いだ




.



女「毎晩毎晩、熱帯夜だね。嫌になっちゃう」


ふと、部屋が暗くなった


月がどんよりとした厚い雲で隠れたからだ


これから夜の夕立になるかもしれない



女「ベットの脇の机に乗っている、それね、私のオトモダチ」


私とお揃いで、腕に真っ赤なリボンを巻いたテディベアを指差す


女「その子ね、私が小さい頃に腕が千切れちゃったんだ」


男の子に乱暴に扱われて、ボロボロになったんだよ


そういえば、あの日もこんな熱帯夜だったね


あー、嫌だ嫌だ



女「でもね、大事な人にもらった子だからさ。修理の業者さんに直してもらったの」


リボンで隠しているのは、その傷痕なんだ


女「でね、そういう何かを『なおす人』いいなーって、漠然と思ってさ」



ふっと、雨降る前の、独特な湿気った夏の夜風がカーテンを揺らす


手首に巻いたリボンが、ゆらゆらと陽炎のように踊っている


女「そうそう、あの頃はよくお裁縫とか練習したし、小物とか作ってたなあ」


このリボンもその頃から使っているものだから、長い付き合いだね



女「でも、それは小さな頃の、子供の夢」


そんなもの私なんかが、なれるわけないもんね


女「でもさ、でもね。そういう夢も、持ってるだけでも、良いのかなって、最近思うんだ」


今の私みたいに、なにも無いより、よっぽど良いと思うんだ


現実的じゃなくてもさ


夢があるって『素晴らしいこと』なんだろうね


女「さっすが友さん!わかるよね、この気持ち!」


私は窓の外を眺めている


ずっと相槌を打って、聞き手に回ってくれた友さんの声が、少しだけ震えている気がする



うーん……


この様子だとホントノコトなんて話せない雰囲気だよね


よし、このお話はこれでお仕舞い


女「まあ、あれだよ」



ぽつり


一滴の水が窓の縁を濡らす


遂に降ってきちゃったか


パタリと窓を閉めて、サッとカーテンを手繰り寄せる


外気が入り込んだ室内は、すっかり生温い嫌な空気に変わってしまった


カーテンを握りしめて、ひとつ深呼吸



今、友さんはどんな顔してるのかな?


よし、安心してもらえるように、出来るだけ笑顔で、ね


華麗とは、お世辞にも言えない、ぎこちないターン


女「諦めて投げ出す、そんな日が来るまでは、何度でも頑張ってみようかな」



なんて言ってみて


柄にもないよね


思ってもないのにさ


私も遂に、暑さにヤラれちゃったかな






……ほんと夏って嫌い




.



夢を、みていました


夢の中で、夢をみる夢


彼女が自ら命を絶つ夢をみて、飛び起きた後に、彼女が本当に死んでしまう


そんな夢


そして、自分はまた目を覚まします


夢でも見た、何度目かの今日を迎えるために



起きると、自分の目の前には件の彼女が、濡れた自分の頬を優しく拭ってくれていました


友「……おそよう」


そして、またこの真夏の夜が始まったのです


彼女との別れの夜が



友「……うん。ちょっとね」


彼女は泣き顔の自分を心配して、怖い夢でもみたのかと尋ねてきました


そんな彼女のことを思うと、胸がしめつけられたように苦しくなり


自分は、先程みていた夢の話など、出来るはずもなく


友「うーん……けれど、どんな夢だったっけなあ?」


と、嘯くのでした



しかし、彼女はしきりに夢の話を気にしている様子です


……もしかして、彼女も同じような不思議な、不気味な夢をみていたのでしょうか?


そんな考えが頭の端に浮かんでくると、それがまるで風船のようにプクラプクラと膨れていき、心がざわめきました


……不安、です



ですが、杞憂のようでした


友「違う意味の夢、と言うと?」


なるほど


どうやら、将来の夢の話のことのようですね



私の手を名残惜しそうに離した彼女は、ゆっくりとベットから降りて、窓辺へと移動しました


彼女の長い黒髪が、透き通るような白い肌が、月に照らされ、妖しく煌めいています


ふと、自分の心が僅かにまたざわめいたことに気が付きました



嫌な予感、とでも言うのでしょうか


自分はそんな違和感を喉の奥に飲み込んで、言葉を吐きました


友「幼い頃の夢ねえ。どんな夢なのかな?」


自分からしたら、まだ幼さの残る彼女


そんな彼女の小さい頃の夢


それが、純粋にとても気になりました



戸に手をかけ、窓を開く彼女


夜風に揺れる彼女の黒髪を見て、また先程の違和感が湧いてきました


少し頭が痛い


何か忘れているような気がしてなりません



友「あ、ああ……」


自分は彼女の問いかけに生返事しかできませんでした


なぜなら、尋常ではない量の額を流れる汗や、平時ではあり得ない苦しい動悸が、自分を襲っていたのです


彼女が背を向けているので誤魔化すことは出来ましたが……



そして、自分は思い出してしまったのです


先程の夢の内容を、ハッキリと





彼女が死んでしまう夢





それが、今の状況と全く同じであることを



次の瞬間、身を翻した彼女に悟られないようにと、頭痛にやや顔をしかめながらも、話を続けました


幸いにも月が雲で陰り、室内が暗くなった為に、感づかれることはありませんでした



友「このテディベアのことかい?」


彼女がお友達と称す、机の上に置いてある古びたぬいぐるみを、ひょいと抱きかかえます

ぬいぐるみの腕にはリボン……いえ、これはそんな可愛らしいものではありません


腕には、赤黒い包帯が巻いてあります


そう、彼女の左手首に巻いてある包帯と同じものです



再び窓より先を眺める為に背を向けた彼女


彼女はテディベアの話を淡々と続けます


友「千切れ……た……?」



……ああ、自分はこの話を知っています


そして、このテディベアの話の後の話も……


友「うん、うん」

頭の中が真っ白になってしまった自分は、もはや、彼女の話など頭に入ってこず、少しばかり上擦った声で生返事をするしかできませんでした



夜風に彼女の長い後ろ髪がふわりと揺れました


夏の虫のような


もっと詳しく表すのなら、蜻蛉のような儚さを持つ彼女


その彼女の過去


友「そう、なんだね」





自分はもう、その過去を知ってしまっているのです



もう、その後のことは、本当に殆ど覚えていません


女「諦めて投げ出す、そんな日が来るまでは、何度でも頑張ってみようかな」


そう、その言葉と、何かを憂うような、諦めたような笑顔


そして、最後の身投げする彼女の姿だけは覚えています






やはり彼女は死にました




.

【ヒリアリズム】完

次【night museum】

間に短編投下するかも?

訂正
【ヒズムリアリズム】完

短編投下します


【正義とアクチュエータ】


私は今、『かくれんぼ』している『おに』を探してる


え?


隠れん坊なのに、鬼を探すのはおかしいって?


別に間違ってはいないから、今は良いのよ


今は、ね



女「みーつけた」


そうして、私はようやく見つけたの


……話は今朝に遡る



女「あんた、今日の放課後は暇?」


男「んあ?」


私は今、彼氏がいる


私の全てを理解して、包み込んでくれる優しい彼が



まあ、その彼氏、男とは幼馴染みで、昔から家族ぐるみの付き合いをしていたんだけど


去年、あなたから告白してきたのよね


あの時は、心臓が揺れるように嬉しかったのを今でも覚えている



女「放課後、暇かって聞いてるのよ!」


男「うーん……わりいな、今日は無理だ」


付き合い初めて、明日で丁度一年だったよね?



女「ふーん、先約でもいるの?」


男「あ、ああ。隣のクラスの男友とゲーセンで遊ぶ約束してるんだよ」


嘘よ


だって私は知ってるの


女友と二人で買い物に行く約束、してるのでしょう?


なんで私にそんな嘘を吐くの!?



男「じゃ、俺そろそろ行くから」


また明日な、と手を振って教室を飛び出した彼
教室に一人残された私


女「おかしいでしょ」


彼女いるのに、他の女と遊びに行くなんて


追いかけよう


それで……



……そして今に至る訳


ねえ、わかる?


鬼って言うのはね、悪者なのよ


ねえ、わかる?


鬼って言うのはね、退治しないといけないのよ



だからもう、あなたは逃がさないわ


だって折角、『隠恋慕』(かくれんぼ)している『泥棒猫』(おに)を見つけたのだから






女「みーつけた」




.



そして、私は声をかけた鬼が振り向く前に、それを降り下ろしました


ねえ、あなたを私で


私の色で、塗りつぶしてあげるわ

【正義とアクチュエータ】完

やっぱり短編だと書きやすいですねえ

【night museum】

夜明けまでには、まだまだ遠い、深い夜

薄暗い小部屋で、幾度となく繰り返し、同じ映像を見せられている、二つの影があった


重い瞼をしばたたかせながら、悪魔はリモコンのボタンを押して、一面漆黒のアスファルトが映るテレビの画面を砂嵐に戻した

静かな小部屋で、ザザーっと耳障りな音だけが響いている

悪魔「んだよっ。結局、前回とさほど変わらねえ!」


天使は隣に座っている悪魔を眺めて、ふうと溜め息ともとれる深い息を吐いた

天使「まあまあ、僅かですが動きはありました」

しかし、腑に落ちないこともあったが、と天使は悪魔に聞こえないように小さく呟いた


悪魔「裏返せば、三連続で大きな動きはなしって事だけどな」

悪魔は隣に立つ天使を睨み、不満を吐き出すような大きな溜め息をひとつした

悪魔「第一よお、こんな大掛かりな神様のお遊びなのに、こっちからの介入が一度きりなんて、ゲームクリア不可能だろ」


ずっとグルグルとループしているだけで、終わりの見えない神様考案のお遊び

悪魔はそんなゲームに飽きたようで、手持ち無沙汰な手のひらの上で、またグルグルとリモコンを器用に回している

天使「まあ、元を辿ると、このゲームにも意味はあるんですけれどね」


悪魔「あいつらの魂が繋がってるから、片方が死んで、片方が生き残る事がダメなんだろ。知ってるぜ、そんなことならよ」

そう、稀にではあるが、幼い子供と母親や、親しい友人等、密な関係同士で魂がリンクすることがある

極僅かな期間ではあるが、その期間では、お互いの魂が干渉し合ってしまう


つまり、片方が死ぬと、もう片方も死んでしまうということだ

天使「ええ、ですから、今回のように女さんがお亡くなりする運命の中で、生きるべき友さんの魂が繋がってしまいました」

もしくは、片方が死ぬ運命にあっても、もう片方が生きる運命へと引っ張ることもある

悪魔「なのに、今回は中途半端な結末になるってのが問題な訳だよな」


女と友の運命を偶然にみつけてしまった神様

天使「だからこそ、神様は今回の舞台を用意したのですよ」

神様が用意したのは、結末が結果となるまで、幾度となく繰り返される舞台だった

その、輪のようになっているコースの運転席に乗せられたのは、他でもない、この天使と悪魔なのだ


悪魔「さっきも言ったがよ、元々こっちから直接手をくだせねえルールだし、お手上げなんだが」

天使「生死に関わる介入は禁止とされていますからね」


ルールはこうだ

女と友、どちらともが生きて夜明けを迎えられれば、天使の勝ち

どちらとも死ねば悪魔の勝ち

このゲームでの天使と悪魔の介入は一度のみ許されている

しかし、生死に関わる介入

つまり、直接助けたり、殺したりは禁止とされる


天使「ところで悪魔さんは前回はどんな方法で介入したのですか?」

天使は悪魔に率直な質問をぶつけた

悪魔「教えるわけねーだろ。お前が教えたら、教えるか考えてやるよ」


天使「私ですか。私は、そう、記憶ですね」

天使は羽の先で、自らの頭をツンツンと叩いて見せた

悪魔「記憶だあ?またつまらねえことしてんなあ」


天使「いやいや、そのお陰で、今回は友さんに動きが少しばかりですが、ありましたからね。まだ上手く記憶が引き継げていないようですがね」

なるほど、と悪魔は腕を組んで答えた

天使「で、悪魔さんはどんなことをしていたのですか?」


悪魔「俺のほうか」

悪魔は腕を組んだまま、ニタリと笑う

悪魔「俺のは、そうだな……」







悪魔「The xxx だよ」




.


【night museum】完

次【The xxx】

間に短編差し込みます

短篇投下します


【そまって】


真に受けないでよ



大学を卒業して、特にこれをしたいということがなかった私


たまたま学校から紹介のあった、とある農業関係の会社の営業として就職しました


初めての一人暮らしは、アパートを探すことや、家具一式を揃えること等、準備が大変だったのは覚えています



私は三人兄弟の一番上なんです


共働きの両親は、昔から幼い弟たちにばかり手を焼いていました


なので、私は一人でも身の回りのことはほとんど自分でできました


一人が寂しいと感じたことは、その頃はありませんでしたね



何より、働き始めてからは忙しくて忙しくて、他のことを考える時間もありませんでした


私の勤めた会社は、社員とパートさんを合わせても十人足らずの零細企業


そこで私は私という個性を全て捨てました


いいえ、元より個性や目標等の存在していなかった私なので、むしろ染まったと言ったほうが正しいのかもしれませんね



繁忙期は本当に忙しかったですね


朝の五時には起きて


六時に出勤、作業場掃除をして、メールチェック


八時半から現場にでて、パートさんと一緒に作業


お昼は朝にコンビニで買ったパンをかじり


午後は製品を箱詰めして出荷作業



日が暮れても、終わらないこともしばしばありました


出荷作業が終われば、事務所でパソコンを


上司が夜遅くまで事務所に籠る方だったので、一通り仕事が終わっても、先に帰ることもできず、気づけば夜の十時なんてのもざらでしたね



個人的に一番キタのは、ふた月休み無しでしたけどね


まあ、休みなんてあっても二週間に一度でしたが


それでも二ヶ月はキツかった



まあ、その果てにこの有り様ですよ


遣り甲斐はありましたし、働いている間は楽しかったですけどね


でももう限界でしたよね



だから、こんなもの用意したんですよ


病院なんて、いても暇ですから


ほら、労基へ提出する資料です



……ふふふ


安心してください


冗談ですから



だって最初に言ったじゃないですか


真に受けないでよって


ねえ、ちゃんと私の話、聞いてますか?

【そまって】完

少しだけ投下します

【The xxx】

天使「なんですか、それは?」

The xxxなどという、聞いたこともない存在

悪魔「まああれだ、呼び方なんざ、TheXでもなんでもいいんだけどよ」


悪魔は、パチンと照明のスイッチを切った

天使「どちらにせよ意味がわかりませんがね」

互いの瞳だけが、眠りを知らぬ繁華街のネオンのように、ゆらゆらと妖しく光っている


悪魔「がはは、正体はその目を閉じて感じでくれよ」

悪魔は慣れた手付きで、いつものごとくリモコンのボタンを押した

天使「まったく意地悪な方ですね」




そして物語はまた……



ウィウィ

ジャジャーン

ピシャー

ドン

仕事忙しくてなかなか筆が乗らない……
また来ます


今夜、深夜に騙される

この物語は、そう決まっている


女「諦めて投げ出す、そんな日が来るまでは、何度でも頑張ってみようかな」

振り返ると、そこに友さんはいなかった

夏の夜の生ぬるい風がカーテンを揺らす

揺らす

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