冬月「15年ぶりだね」QB「ああ、間違いない、魔女だ」(299)

ほむら「…」

シンジ「何この巨大な女の子は……」

ミサト「これは対魔女用決戦兵器、魔法少女初号機『ほむら』よ」

シンジ「こ、こんなものを僕に見せて何を」

?「お前が乗るんだ」

シンジ「その声は……まさか父さん?!」

qb「久しぶりだな、シンジ」ヒョコッ

シンジ「」

ミサト「碇司令!」

シンジ「えっ……父さん? 本当に父さんなの、こいつ……?」

qb「何を訳の分からないことを言っている?
碇久兵衛(qb)、父親の顔も忘れたのか……」

シンジ「僕の知ってる父さんは、少なくとも人間だったような気がします……」

/ズシンッ……!\

qb「やつめ……ここを嗅ぎ付けたか」

リツコ「シンジ君、こっちに来て! 今すぐ出撃の準備をするわ」

シンジ「い、嫌だよ! 数年ぶりに父さんに会ったと思ったら
やけにデカい女の子を見るわ父親は見たことない小動物になってるわ……

――こんな状態で戦えって?!
出来っこないよっ!」

ミサト「シンジ君……」

qb「必要だから呼んだまでだ」

シンジ「……」

qb「乗るなら早くしろ、出なければかえ」

リツコ「司令、シンジ君逃げました!」

qb「えっ」

シンジ「あんなのが父親だなんて……認められるわけがないじゃないかっ!」タタタッ

ミサト「シンジ君、待って!」

ほむら「……」ヒョイッ

シンジ「うわっ、なにするんだ?!
こいつっ離せよっ!」

リツコ「!ほむらが無人で動いた……?!」

qb「ほう……? レイを呼ぶ必要は無さそうだな……
シンジ、どうする?
その高さから落ちたら死ぬぞ?」
シンジ「の、乗りますっ!
~乗れば良いんでしょ!」

マヤ「エントリープラグ、挿入します」

ズププッ…

ほむら「んっ……///」

シンジ(プラグ内)「父さん……」

qb「何だシンジ?」

シンジ「この何とかプラグって、今一体どこに」

qb「余計な詮索はするな」

ミサト「魔法少女、発進!」

シンジ「と、父さぁああん」

マヤ「パイロットとソウルジェムのシンクロ率、かなりの数値ですね」

リツコ「訓練もなしにこのレベルとは……」

冬月「碇……これで本当に良いんだな?」

qb「…」ニタァ…

―――

シンジ「あれが……魔女……」

ゲルトルート「キシャアアア」

リツコ『シンジ君、まずは歩くことだけを考えて!』

シンジ「歩くったってどう」

ミサト『考えるだけでいいから!』

シンジ「くっ……(歩く、歩く……)」

ほむら「……」ズシ

シンジ「!」

ほむら「……」ズシン、ズシン

リツコ『やった!』

シンジ「歩く、歩く……うわっ?!」

ほむら「!」ガッ、\ズシャアァッ/

ミサト「」

リツコ「思いっ切り転けたわね」

ミサト『シンジ君、逃げてッ!』
シンジ「う、わ……」

ゲルト「キシャシャ」シュルルッ

ほむら「~!」メキメキ、ボキン

シンジ「!! ぐああああッ!」

ミサト『落ち着いて、捕まれたのはアナタの腕じゃないのよ!』

ゲルト「」ギラッ

バシュウッ!

リツコ「頭蓋前部に亀裂が!」

ドサリ……

ほむら「」ブシュウウゥ

マヤ「頭部破損、損害不明……!」

ミサト「シンジ君、シンジ君!
……作戦中止! プラグの強制射出を!」

マヤ「だめです! 完全に制御不能です!」

ミサト「何ですって!?」

………

シンジ「ここは……?」

シンジ「もしかして僕、死んじゃったのかな?

やっぱり……無理だったんだよ、あんな化け物と戦うなんて」

???「……ンジ……シン」

シンジ「? 誰……?
この声は……母さん? いや……」

???「碇シンジ、あなたはまだ死ぬべきじゃない……
私の力を貸してあげるわ……だから……」

シンジ「君は一体……?」

……

ほむら「」ギラッ!

ゲルト「!!」
グシャアアアッ

ゲルト「ギェアアアアァ?!!」ブシュウゥゥ

ミサト「どういうこと?!
ほむらァがいつの間にか再起動を……」

リツコ「ジェムとのシンクログラフはいまだマイナス……
そして再起動から魔女への攻撃までの時間差はほぼゼロ……

――まさか、暴走?!」

ほむら「ホムァアァァァァ!!」
ダダダダダッ

ゲルト「グギググ……」
フィィィ……

マヤ「魔女、イヌカレーフィールドを展開しました!」

ミサト「守りに入った……
ということは、今の一撃が相当効いたみたいね……」

ほむら「ホムッ」ガシッ…メキメキ

ゲルト「?!」

マヤ「ほむらもイヌカレーフィールドを展開!
劇団空間を中和させていきます……!」

ゲルト「ゲェァァァ!」

ほむら「ホムァアァァァァ!!!」

冬月「勝ったな」
qb「ああ」
ピタッ、 バキバキ メシャメシャ グチャグチャ……

次の瞬間、市街地には両羽を残して挽き肉にされた魔女の死骸が転がっていた

マヤ「」ゲロゲロ……

qb1「第4の魔女の襲来と魔法少女の
適合者の確保、および実践投入」

qb2「ここまでは計画通りだが、
中破した魔法少女の修理費や
周辺の復興……国が一つ傾きかねんよ」

qb3「予算は我々の方で話をつけるとして、
くれぐれも本来の計画を忘れぬようにな、碇君」

qb「承知しております。
――人類補完計画、全てはインキュベーターのシナリオ通りに」

冬月「(いつ見ても猫の井戸端会議にしか見えんな……)」

病院にて

シンジ「……ミサトさん」

ミサト「迎えに来たわよ、もう大丈夫そうね」

シンジ「はい……」

エレベーター前

ポーン、ガララ……

シンジ「……」スタスタ

ギュムッ
qb「グエッ」

シンジ・ミサト「えっ?!」

qb「シンジ、ここだ……親を踏む奴があるか」

シンジ「ご、ごめん、父さん」

エレベーター内にて

シンジ「…」

qb「…」

ミサト「…」

シンジ「(すごい気まずい)」

qb「シンジ」

シンジ「!」

qb「お前の住居についてだが」

シンジ「…」

qb「私と一緒に暮らさないか?」
シンジ「えっ?!!」

ミサト「司令?!」

qb「三年も放っておいたからな……」

qb「その埋め合わせをしたい」

シンジ「な、そんな……だからって今更何でそんな話を
(父さんが……僕と……)」

qb「言葉通りだよ、施設はネルフの方で手配しよう」

ミサト「碇司令……」

qb「緊張しなくても良い。

――ただ、食事は朝昼晩の三回でシー○ーの缶詰、
トイレの取り替えはシートが汚れるその都度、
散歩は朝と夕方に30分ほど、
毛繕いは私の方でやるが、
ブラッシングは週に二回ほどしてくれたら
私としては助かるのだが……

どうかねシン」

シンジ「ミサトさんにお願いがあります」

――その後ネルフの居住施設は全てペット(父さん)可だったので
ミサトさんに頼んでペット不可な(ただしペンギンは許可の)
彼女のマンションに住まわせてもらうことになりました

第壱見滝原中学

先生「転校生の」

シンジ「……碇シンジです」

モブ「やだ可愛いー」

モブ「女の子みたい」

モブ「古風な制服だなぁ」

トウジ「……なぁアイツが」

ケンスケ「そうだよ、間違いない」

さやか「ねぇねぇ聞いたぞ碇くぅーん?

キミ、ロボットに乗って怪獣と戦ってるんだって?」

シンジ「え、……うん、そうだけど」

中沢「こんな時期にこんな所に
わざわざ転校してくるんだしなぁ」

さやか「いやあ、嬉しいねえ。
平和を守るヒーロー様とお近づきになれるなんて」

仁美「あらあら、いけませんわ美樹さん

上条君がありながら、あなたと言う方は……」クドクド

さやか「ちょっ、何であいつがそこで出てくるのよっ!
別に恭介はただの……」

シンジ「アハハ……(騒がしいなぁ……)」

トウジ「なぁ、転校生」

シンジ「えっ」

トウジ「ちょいと面貸してくれへんか?」

校舎裏にて

トウジ「おまえ、魔法少女ゆうロボット乗ってるのはホンマなんか」

シンジ「う、うん。
正確には人造人間らしいけど」

ケンスケ「へぇ! それは興味深い
是非とも資料があれば貸してほしいかな……」

トウジ「お前は黙ってろ!
そんな事はどうでもええんじゃ……
ワシが言いたいのはなぁ、
こないだのお前の戦いがあまりにも下手くそだったもんやから、
ワシの妹がケガしてしもうた事なんじゃっ!」

シンジ「なっ……そんな……」

トウジ「すまんのぅ転校生……
だがワシはお前を殴らなアカン、殴らな気がすまんのや……」

ジリジリ……

シンジ「うっ……」

バキッドカッボキボキッ

\ウギャアー/

ガララッ
ミサト「シンちゃーん、聞いたわよ

今日、学校でクラスの男の子に絡まれたんだって?」

シンジ「……」

ミサト「彼の……鈴原君の事情も聞いたわよ、
まぁ仕方ないと思うの」

シンジ「……」

ミサト「でもね……だからって
殴りかかってきた彼に抵抗まではまだしも、
反撃から転じて、一方的に暴力振るったのは良くなかったと思うわ

お医者さんによると、全治三週間だそうよ?」

シンジ「ついカッとなったら気付いた時には……

それに良いじゃないですか、
結果的に妹さんと同じ病院に入れたんですから」

ミサト「良いわけないでしょッ!」

ミサト「とにかく、明日学校終わったら、
病院まで謝りに行きなさい!

これは上官命令でもあり、あなたの保護者としての命令よ?」

シンジ「わ、わかってますよ……もう」

ミサト「(ひょろい形して、こないだのほむらぁの暴走みたいに
いざキレたら何するか分からない子なのね……

慰謝料と治療費はネルフ負担で済んだから良かったものの……
色々先が思いやられるわぁ)」

翌日、第三見滝原病院前にて

シンジ「ごめんね委員長、
買い物まで付き合わせちゃって。」

ヒカリ「いいのよ、鈴原にゃ丁度良い薬になっただろうし……
ちょっと心配だけどね」タジタジ

シンジ「(昨日の一件以来、
クラスの皆との距離が縮まるどころか
ますます離れちゃったな……

まあ、転校初日だったし
別にそこまで気にしてはいないけど)」

さやか「ありゃ、そこにいるのは碇くんに委員長!」

シンジ「えっと、美樹…さんだっけ」

さやか「気軽にさやかで構わないよ?
委員長も一緒って事は
鈴原のお見舞いに来たのかな?」

ヒカリ「どうしてそこで私を鈴原と結びつけるのよ……

そういうあなたも上条君のとこに足繁く通っているのね?」

さやか「うっ、うるさいなっ!」

シンジ「そういえば、昨日もその名前を……
その上条君って美樹さんの友達?」

さやか「さやかで良いのに……ま、いいか。
そうね、友達……なのかな。

むしろ腐れ縁かしら」

ヒカリ「素直じゃないわね」

さやか「アンタにだけは言われたくないわッ!

で、恭介もここの世話になってるのよ」

シンジ「まさか、こないだの僕の……」

さやか「違う違う、あいつはその前からよ。
今はまさにリハビリ段階ね……

あいつのバイオリン、また聴けるまで居てやるのは、
幼なじみのさやかちゃんだけの仕事なのよ」

シンジ「バイオリンか……
(そういえば、父さんから手紙貰ってからあまりに色々な出来事がありすぎて、
チェロの練習、すっかり忘れていたなぁ)」

シンジ「(それから……昨日クラスにあった二つの空席のうち、
一つは上条君って子のものだったみたいだけど……

じゃあ、もう一つはどんな子の席だったのかな……)」

病室にて

トウジ「て、転校生……」

シンジ「す、鈴原くん。
昨日はその……ごめん」

トウジ「――トウジでええわ、
そんかわし、ワシも転校生やのぅて碇と呼ばせてもらう。

それに、あん時はワシもどうかしとったわ。
昨日の晩はその事で妹にこっぴどう叱られてな」

シンジ「トウジ……」


ヒカリ「良かったわ、二人とも仲直り出来て……」


『もう治らないんだよ!』カシャーン!
『恭介!!』

シンジ・トウジ・ヒカリ「!?」

トウジ「この声……上やんの病室の方か?!」

上条恭介の病室

上条「さやかはさぁ……僕をいじめたいのかい?
僕が音楽を弾きたくても弾けない身体と分かっていて
こんなcdをいつもいつも……」

さやか「そ、そんなつもりは……
それに治療を続ければいつか腕だって」

上条「治らないって言われたよ。
その医者に諦めろって……
もう二度と動かないんだよ、
奇跡か魔法でもない限りッッッ!」

さやか「……き、恭介……私は」タタッ

ヒカリ「あ、美樹さんっ!

……行っちゃった」

トウジ「……無理もないわ。

妹から聞いた話じゃ、あいつは毎日血のにじむような
リハビリ……いや努力をしとったゆうからな、
ただ自分の好きなバイオリンをまた弾けるようなるために。

それがワシが昨日入った夜に、担当の医者さんがあいつんとこ行ってな……」

シンジ「そんなことがあったんだ……」

病院外にて

さやか「恭介のためと思っていたのに、
逆にそれが恭介を苦しめていたなんて……
あたし、一体どうすれば……
恭介の言うとおり、奇跡か魔法が……」

???「あるのだよ、それが」

さやか「?! うわっ、何この生物ッ」

qb「君の言うところの奇跡か魔法があるとするならば……
君はどうするかね、美樹さやか」
さやか「(おまけに喋ってる)

どういうことよ……大体、アンタ何であたしの名前知ってんのさ?」

qb「質問しているのは私の方なんだがな。

まあ端的に言おう」

――私と契約して、魔法少女にならないか?

ヒカリ「ダメだったわ……
美樹さん、もう帰っちゃったみたい」

トウジ「そうか。
まあ、これはあいつらの問題じゃからなぁ」

シンジ「僕たちも帰るね。

宿題やプリントはまた届けに来るよ」

トウジ「うげぇ……せっかく病院でゆっくり出来る思ったのに」

ヒカリ「バカ言ってんじゃないわよ!
――今日渡したのも、次来るまでにしっかりやっておきなさいよ?」

トウジ「ほんま、委員長にゃかなわんわ……」

シンジ「はは、大変だなぁ……」

トウジ「待て、お前にゃ言われとうないわッッ」

病院入り口にて

prprpr....
シンジ「あ、ミサトさんから電話だ……」

ヒカリ「碇くんと暮らしてるって人の?」

シンジ「うん……」ピッ

シンジ「もしもし、ミサトさ」

ミサト『シンジくん、もしかして、まだ病院に?!』

シンジ「ええ。今から帰るところで……」

ミサト『そっか……じゃ、いいかしら?
落ち着いて聞いてほしいの……』

シンジ「……」

ミサト『今、その病院に魔女が現れようとしているわ』

シンジ「えっ……!?」

ミサト「細かい説明は省かせてもらうけど、
魔女は確認されているものだけに関しては
グリーフシードと呼ばれるタマゴから誕生する事が判明しているの
そしてグリーフシードは孵化に必要となる、
人間のマイナスの感情を吸い取るべく
それが最も濃い場所を好んで植え付けられるわ。

例えば……」

シンジ『病院とか?』

ミサト「御名答。
それでね、これから近くのネルフ職員に車を出させるから、
なるべく早くそこから離れて今から言う指定のポイントで彼と合流を」

シンジ『その、ミサトさん……』

ミサト「どうしたの?」

シンジ『ミサトさんが言った、そのグリーフシード……
色は黒っぽくて、サイズはピンポン球くらいでしょうか』

ミサト「え、ええ。
そうだど……まさか」

シンジ『おまけに禍々しい雰囲気の……ザザーッ』プツン

ミサト「ちょっ、シンジくん……シンジくん?!
回線が遮断された……ということは!」

青葉「ポイントxxを中心に半径500m規模のイヌカレーフィールド発生!

ちょうど第三見滝原病院を包むような形です」

マヤ「衛星カメラで視認できるほどの劇団空間……

そして信号確認、パターン青……魔女です!」


ミサト「広範囲イヌカレーフィールド……
魔女が安全に孵化するための保育器であり……
誕生直後の栄養摂取のための狩り場ッッ。

シンジくんが危ないわ!」

第三見滝原病院(イヌカレーフィールド内)

ヒカリ「な、一体どうなってるのよ……ここから出してよッ!」

シンジ「ミサトさんから貰った資料によると……この空間の用途は2つ、
 一つは魔女が自分の身を守るために、もう一つは……」ブツブツ

使い魔「シャオーッ」「ヒィヤァッ」「マア-ォッ」

ヒカリ「きゃああああっ?!」

シンジ「うわあああッ!
……そうだ……え、餌となる人間を逃がさないための檻ッッ!」

使い魔「シャシャシャ」

ヒカリ「こ、来ないでっ!」バシッ使い魔「ウギャッ」

使い魔「キシシ」
シンジ「うっ、くそっ、来るなあ!
――駄目だキリがない……」ジリジリ

\キャアアアア/  /ウワアアア\

シンジ「周りでも使い魔が人を……トウジ、大丈夫かな……」

ヒカリ「きゃっ」
使い魔「クフフフ」スリスリ

シンジ「委員長っ!」

使い魔「ニシシ」ギリギリ
使い魔「キョウノバンゴハン」ミシミシ

ヒカリ「痛い、やめてよっ!
嫌だよぉ……私、死にたくないよ……
碇くん……た、助けてよぉッ」

シンジ「あ……あっ
(駄目だ……怖くて身体が動かない、このままじゃ
委員長が死んじゃうっ)」ガタガタ

シンジ「(だけど一歩め動けないッ……
逃げようとすら思えないッ……)」ブルブル

――

ミサト「ほむらぁは待機中だけど、
問題はシンジくんをあの中からどうやって回収するか……
もう、こんな時だってのに碇司令と副司令は今どこに?!」

冬月「碇なら今は別件でこちらには対応出来ないぞ」

ミサト「副司令っ、
碇司令の散歩に出掛けていたわけではないのですね!」

冬月「あいつの散歩タイムまではあと二時間くらい時間があるよ」

冬月「碇からは既に頼まれていてな」

ミサト「司令が?」

冬月「対策は打ってある。
ただちにイヌカレーフィールドを破り、魔女を殲滅だ」

ミサト「しかし魔法少女初号機の搭乗者は……

――まさか、零号機――レイを?!」

シンジ「委員長……委員長ッ」

ズシリ、ズシリ、

シンジ「?!」

暗闇の魔女「ウフフ……イタダキマス」

ヒカリ「……あ、あれが……魔女っていう怪獣?

お、大きすぎる……
私、あれに食べられちゃうの?

い、嫌ぁ……」

シンジ「ああ……っ(駄目だ……魔法少女も使えない今の僕に……
いや、魔法少女があったって
僕に委員長を救えるだろうか……
くそっ、やっぱり僕って本当に――)」

バリバリメキメキ

シンジ・ヒカリ「?!」

魔女「ゲェッ?!」

???『……』

???『……』バンバンッ

ダキューン、ダキューン
使い魔「グァッ」

ヒカリ「きゃっ」ドサリ

シンジ「委員長ッ!
大丈夫?」タタッ

ヒカリ「ええ、
それより、あれって……」

シンジ「僕も知らないよ……
でも、あの姿は……」

キキイーッ

シンジ・ヒカリ「!」

ガチャリ

ミサト「凍結されていた魔法少女零号機……『マミ』よ!」

シンジ「ミサトさんっ!!」

ミサト「ごめ~ん、ちょっち遅れたわァ。
さ、ここはレイに任せて、二人だけでも車に乗って!

逃げ遅れた人々の救出は戦自に任せてるわ!」

マミ『ティロティロッ』ダキューン、ダキューン

魔女「ニギャッ」ビシビシッ

ミサト「さすがはレイね」

ヒカリ「……あ、綾波さんがあのロボットっていうか、大きな(色々な意味で)女の子を?」

ミサト「魔法少女よ、洞木さん……だっけ?
シンちゃんのクラスメートの?」
シンジ「委員長はあの魔法少女に乗っている人のこと、知ってるの?」

ヒカリ「そっか……碇くんは知らなかったよね」

マミ『……ティロ……』

ヒカリ「昨日、上条くんの他に席、もう一つ空いていたでしょう?
 ――あれは彼女の席なのよ」

マミ『フィナーレ!』ズダアアアン!
魔女「ニギャアアアァ!!」
\チュドオオオオン!/

ヒカリ「綾波レイ――口数少ない子で、
彼女のことは私もあんまり知らないんだけどね」

シンジ「綾波……レイ」

青葉『魔女、コアの破壊と形象崩壊を確認!』

その晩

ミサト「綾波レイ、機関が選出した一番最初の魔法少女適合者だけど、

ここに配属されるまでの経歴は一切不明。

まさに謎の美少女ってやつねぇ」

シンジ「綾波って人も、黄色い魔法少女の事も
僕、今日初めて知りましたよ……

他にいたんなら、前の魔女との戦いで助けてくれたら良かったのに……」

ミサト「それがシンちゃんがほむらぁに乗る少し前にね、

マミァの起動実験で事故が起きたのよ。

ちょうど碇司令も立ち会っていてね……」

シンジ「父さんも?」

――――
―――
――


マミ『ティロロロ、ティロロロ…モウナニモコワクナーイ!!』ガンガン!

qb「いかんっ……レイ!」

マヤ「駄目です……マミ、こちらの操作を受け付けません!」

リツコ「やむを得ないわ、ケーブル切断、プラグ強制射出を」

マミ『ティロロロ……!』プシューッ

マヤ「プラグ射出完了、

マミの停止まであと五秒、3…2…1!」

マミ『フィナッタ!』ガクン!

qb「ゥルゥエェ~~~~~イィィッッッ!」タタタタタッ

リツコ「碇司令ッッッ!」

エントリープラグ前

qb「レイッ! 今そこから出してやるからな……」ガシッ、\ジュウゥーッ/

qb「~ゥァァッ熱ゥゥゥゥゥゥッッッ!」ボオオオ

ネルフ職員「大変だ! 司令が燃えてるゥ!」

リツコ「しょっ、消火器!

誰か消火器を!」

ブシュウウゥ

レイ(他の職員から救出された)「碇司令……大丈夫ですか?」

qb「……問題ない」ブスブス


――
―――
――――

ミサト「って事があったのよ」

シンジ「むしろ父さんの方がひどい目にあってませんか……?」

ミサト「それから、これ。

 更新されたレイの入構証なんだけど
リツコ渡しそびれたらしくって、シンちゃんから彼女に渡すよう、頼まれたの」

シンジ「は、はい……このカードですね」ジーッ

ミサト「――お、もしかして写真で惚れちゃったり?」

シンジ「ぶっ、なんでそうなるんですか!?」

ミサト「ふふ、冗談よ冗~談。

でも、仲良くなっとくには越したことないわよ?

いずれ共同で作戦展開するに当たっては、
チームワークが大事になるんだから、ね?」

シンジ「わ、分かってますよもう……」

翌日、綾波のアパート

シンジ「……」ドキドキ

シンジ「呼び鈴の反応がないなぁ……って、
扉も鍵が掛かってないし」

ガチャリ

シンジ「ごめんくださぁい、綾波いる?

碇だけど、カードを渡しに……」
……

シンジ「……お、お邪魔します」

シンジ「さ、殺風景な部屋だなぁ……
ミサトさんちはそれ以上だったけど、ゴミも所々散らかってるし、

本当に女の子の住まいなのかな?」

レイ「誰?」スタスタ

シンジ「ぁ、綾波……ってうわっ」バッ

レイ「?」

シンジ「ご、ごめんなさい、
僕は、そのリツコさんから頼まれて、カードを届けに!

まさかお風呂に入ってたなんて!
タオル一枚ってちょっ……」

シンジ「って……あれ、今チラッと見たタオルって……
なんか動物の毛皮っぽかったような」

シンジ「失礼」チラッ

qb「」グデーン

シンジ「父さん?!」

シンジ「父さん! なんでこんなところに……っていうか死んでる?」

qb「」

シンジ「あ、綾波っ! 父さんに何を……」

レイ「これは碇司令じゃないわ。これはただの抜け殻……」

シンジ「抜け殻……?」

レイ「司令は死んでも代わりがいるもの。

――それより、どいてくれる? 着替えるの、邪魔なんだけど」

シンジ「うわっ……ご、ごめんっ!」

通学路にて
シンジ「その、綾波は……怖くないの?」

レイ「……何が?」

シンジ「何がって、魔法少女に乗ることだよ。

 毎回あんな魔女を戦って、痛い思いもして……

もしかしたら、最悪死んじゃうかもしれないんだよ?」

レイ「あなた、碇司令を信じられないの?」

シンジ「信じられるわけないよ、あんな珍獣!」

レイ「……」クルリ、スタスタ…

シンジ「え?」

ガスッ(腹パン)
シンジ「グフッ?!」ドサッ…

レイ「…」

シンジ「いきなり何を……」ピクピク

レイ「……結構可愛いのに」ボソッ

シンジ「…!?」

レイ「……」スタスタ

ケンスケ「お~い碇、おはy……あれお前どうしたの?
 腹抱えて膝なんかついて、まさか下痢かい?」

シンジ「」ピクピク

『女の子の美的センスは全く訳が分からないよ……』

そう痛感するシンジであった

第壱見滝原中学

ケンスケ「で、魔女が襲ってきたからトウジ達は病院移ったんだ。

 いいなあ、俺も生で魔法少女見たかったよ」

シンジ「そんな場合じゃなかったよ、死ぬかと思ったんだから」

ヒカリ「そうよ、呑気なものねえ……ところで志筑さん、
今日は美樹さんと一緒じゃないのね?」

仁美「ええ、それが電話にもメールにも出ないご様子で……」

ヒカリ「そっか……実は昨日、上条君と喧嘩別れしちゃったみたいで、
志筑さんなら何か知っているかなって思ったけど、
あなたにも何も言っていないのね」

仁美「ええ。でもやっぱり心配ですわ……学校が終わったら
 美樹さんのお宅に行ってみようと思います」

ガラッ

上条「みんな、おはよう、久しぶりだね」

中沢「お、上条お前もう身体は……
 って!?」

シンジ・ケンスケ・ヒカリ・仁美「「「「!?」」」」

上条「ん? どうしたの?」ガシャンガション、プシュー

シンジ「えっと、昨日は病室からの声しか聞かなかったけど、あれが上条恭介君?

ずいぶんと筋肉質…いや、金属質な体つきなんだね……」

仁美「いえ、違いますのよ?!」

ケンスケ「うん、あんなにかっこよいわけがない」

ヒカリ「突っ込みどころはそんな所じゃないわよ!」

中沢「お前もう身体は大丈夫なのかよ……じゃなくて、
 いや、お前、その身体は大丈夫なのかよ!?

 頭以外の全身がその……雷○みたいな」

メ上条「ああ、すこぶる気分が良いよ。
 昨日試したんだけど、ヴァイオリンも問題なく弾けるし」ウィンウィーン

中沢「手だけじゃなく、歩くことだってままならないって聞いていたのに……
 いったい何があったんだ?」

メ上条「ああ、僕もいまだに信じられないよ。
 それが昨日さ――」

さやかが出て行った後、魔女が誕生する少し前

上条「……僕って最低だ。さやかにそんなつもりなんて全くないのに。
 いくらさやかに当たったからって腕は、僕の音楽は戻ってこないのに。

 もう、こうなったらここから飛び降りて死ぬしかな――」ガシッ

上条「!? 誰だあんたは」

男「待て小僧。
ヨーロッパの格言にこんなのがある…
『老人が自殺する所…その町はもうすぐ滅びる』」

上条「……?」

男「よほど思いつめることがあったのだろう…
――だが心配することはない、俺はここのヤブとは違う。
ある男の命を受けて、貴様のためにやってきたのだ」

上条「! あなた医者なんですか?」

男「うむ。俺の手にかかれば貴様の腕も身体も動かせるようにしてやる」

上条「でもお医者さんはもう二度と動かないって」

男「くどいな…いいか? 我がネルフの医学薬学は世界一ィィィ!
できんことはないイイィーーーーーーーッ!!
 小僧、今すぐ荷物をまとめろ。場所を移す。」

上条「は、はい…」

―――
――


メ上条「というわけで、目隠しをされて連れて行かれた先で……」

中沢「ホイホイついていっちゃったのかよ!」

メ上条「自殺を考えるくらい、気が動転していたからね。
 でもお蔭でこうして自分の脚で学校に来ることも出来たんだし。

 それはそうと志筑さん、さやかはまだ来ていないのかい?」

仁美「え、ええ。実は昨日から連絡が取れなくって……」

ガラッ

先生「は~い、ホームルーム始めますよー」

シンジ「転校……美樹さんが?」

仁美「ど、どういうことなんですの先生!?」

ヒカリ「そうですよ、いきなりすぎて……」

先生「先生にも何がなんだか……

 昨日の晩に急にご家族の方から連絡があって
ただ『遠くへ引っ越す』と、行先も告げず。

 そして今朝の会議には既に手続j完了の書類が…」

メ上条「そんな……僕はまださやかに謝ってもいないのに」

中沢「上条……」

その日の放課後

仁美「綾波さん、そして上条くんが来て全員揃ったかと思ったら……
 今度は美樹さんがいなくなるだなんて……信じられませんわ」

ヒカリ「(鈴原がハブられているのは気のせいかしら)」

シンジ「……上条君の話だと、ネルフの人が関係しているみたいだから、
 僕帰ったらミサトさんに聞いてみるよ」

prprprprpr

シンジ「あ、ミサトさんだ。
 もしもし? ミサトさん、何か用事―」

ミサト「今どこかしら? 緊急招集よ!
 魔女が現れたわ!」

シャルロッテ「」フヨフヨ

日向「目標は第三見滝原市目指して南下中」

マヤ「今までの魔女と違って小柄な上、随分と可愛らしいですね」

ミサト「見た目はどうあれ反応は青、紛れもなく魔女よ。

魔法少女の出撃準備は?」


青葉「マミは凍結解除まもないこないだの運用のため、
改修作業を引き続き施工中。

今回の作戦は初号機、ほむら単独での実行となりますね」

ミサト「そもそもマミを実戦投入するなんて予想していなかったもの……

どちらにせよ、この戦いはシンジくんだけで
やることになっていたでしょうね……」


マヤ「魔法少女ほむら、発進します!」

ほむら『』ゴウンゴウン

シンジ「……」ゴウンゴウン

シャルロッテ「!!!」ギラッ

青葉「目標内部から高エネルギー反応」

ミサト「まさかっ!」

ミサト『シンジくん避けて!』

シンジ「えっ?!」

ほむら『』地上にガシャアーン

シンジ「ちょっ、最終ロックが外れてないから無r」グッグッ

シャルロッテ「グアアアォ」バシュウウウウウ

ほむら『ホムァアアアアアアアッ』ジュウウッ
シンジ『ギェーーーーッッッ』ガクガクビクンビクン

ミサト「シンジくんッッッ!!
 やむを得ないわね……急いで防壁展開、
ほむら及び搭乗者の回収を!」

――

ミサト「ほむらの被害状況は?」

マヤ「胸部を中心に全身の装甲が著しく溶解してますが、
機体内部は辛うじて損傷を免れてますね」

ミサト「あと少しでソウルジェムに傷がつく所だったのね。

マミとは違って、ほむらにはいらないと思っていた
拘束具(ブラ)をつけて無かったらと思うと、ぞっとするわ。

――搭乗者の容態は?」

マヤ「現在はicuでの治療を受けています」

ミサト「目標は現在第三見滝原中心にて、本部目指して掘削中……

シンジくんが目覚めるまでには次なる作戦を考えないとね……」

――どうして魔法少女に乗ったの?
魔女と戦って、痛い思いをして、
ひょっとしたら最悪死んでしまうかも知れないのに……

シンジ『……あの時、誰かに頼まれた気がしたんだ』

シンジ『父さんや……悪い人じゃないけど、
ミサトさんやリツコさんも僕に魔法少女に乗ることを頼みはしたさ。

 でも、その誰かの願いは、皆の内に秘めてる
目的や夢に比べてちっぽけなんだけど、
でもずっと純粋で切実で……』

シンジ『僕には夢もないし、
皆が何をしたい事に対しても、興味はあんまり無いんだけど

もし、こんな僕でもその誰かの願いを叶える手助けになれたら、

それはとっても嬉しいなって……』

――
シンジ「……」

シンジ「どこかで見た天井のような……」

レイ「起きたのね」

シンジ「あ、綾波っ……」

レイ「これから作戦を伝えるわ、まず――」

(省略)

レイ「ご飯、食べておいた方が良いわよ」

シンジ「またあれに乗らなきゃならないなんて……」

レイ「そう、なら別に構わないのだけど」

シンジ「?」

レイ「作戦中、本部は全員出払っているから
自分の代わりに碇司令の散歩と
ブラッシングを誰かに任せたい、と冬月副司令が……」

シンジ「」

レイ「それじゃ……」ガララッ

シンジ「ハッ……!」ガツガツムシャムシャ

シンジ「ミサトさん!」

ミサト「シンジくん! ……もう大丈夫なの?」

シンジ「ええ、もうこの通り……」

ミサト「来てくれてありがとう。――正直、もうほむらぁには乗らないかも……と思ってたわ」

シンジ「珍j……父さんの世話だけはしたくないので……」

ミサト「そっかぁ……お父さん、やっぱり苦手なのね。

……あたしと一緒だわ」

シンジ「え、ミサトさんも……」

ミサト「えぇ……」

シンジ「ミサトさんのお父さんもあんな小動物なんですか?!」

ミサト「んなわけないでしょッッッ!」

リツコ「ほら、そこッッッ、説明始めるわよ?」

ミサト「戦自から拝借したものを改造した、
この陽電子砲による長距離からの砲撃が今回の肝よ。

 ただ、この武器、エネルギー充填から目標捕捉までにちょっち時間が掛かるの。

 そうなるとさっきみたいに、先手を取られる可能性もなきにしもあらずって事……」

リツコ「そこで今回は各魔法少女の特性上、
射撃特化型のマミ――つまりレイには陽電子砲による砲撃を、
そして盾を装備しているほむら――つまりシンジ君には、
レイを敵からの砲撃から守ることを任せます」

ミサト「分かったわね?」

シンジ・レイ「「はい」」

更衣室にて

シンジ「さっきのだってヤバかったとは思ったんだけど……

今度こそ、死んだかもしれないね……」

レイ「……」

レイ「私は死なないわ」

レイ「あなたが守るもの」スタスタ

シンジ「」

シンジ「ですよねー」ハハハ

シンジ「……」

シンジ「――そう変に期待しないで欲しいよ、もう……」ハァ……

シンジ「綾波はどうして魔法少女に乗ってるの?」

レイ「……私には、これしか無いの」

シンジ「?」

レイ「あの時、これに乗る以外の選択肢は無かったわ

――魔法少女は、マミは全部を失った私との、唯一の絆なの」

シンジ「綾波……」

レイ「時間よ……さようなら、碇君」スタスタ

シンジ「……」

シンジ「やっぱり僕死にそうだね……」ゾクッ

ミサト「作戦開始よ!」

マヤ「エネルギー充填開始」

青葉「陽動部隊による砲撃も開始されました」

日向「魔女もこれに反応、各攻撃ポイント、次々に蒸発」

リツコ「お願い、間に合って頂戴……ッ!」

――

シンジ『……』

レイ『……』

シャルロッテ「キサマ、ミテイルナ!!」
ミサト「くっ、やっぱ早く気づかれたわね。
――だけど!」

シャルロッテ『グググ』キュイイイン……

青葉「目標、マミとほむらを捕捉したもよう」

マミ「陽電子砲、エネルギー充填完了」

日向「最終安全装置解除、撃鉄起こせっ」

ミサト「レイ、今よ」

レイ『了解』

マミ『ティロ……』カチッ

シャルロッテ『オラァ!』カッ!!

マミ『フィナーレ!』バシュウウウウン!!

――――!!

ほむら『ディーフェーンス』ビリビリビリ

シンジ「くっ……」ミシミシミシ

マミ『……』

シャルロッテ『ギャアアアアアアッ』ジュアアアアアッ

――

マヤ「やった!」

ミサト「レイ、シンジ君!」

青葉「待ってください、まだ魔女のコア反応が消えてません!」

ミサト「何ですって?!」

――

シャルロッテ『』ズルリッ

ミサト「何よあれ……」

リツコ「まさか今までの姿は……デコイ?!」

シャルロッテ『コレガオレノホンタイノハンサムガオダッッッ!』シュルルル

マミ『エッ!?』ビクッ

ほむら『!!!』ビクッ

青葉「目標、こちらに超高速で接近!」

ミサト「嘘ッ!? 陽電子砲の方はどうなの?!」

マヤ「駄目です、今からでは再発射まで充填間に合いません!」

リツコ「レイ、逃げて!」

シャルロッテ『マミマミクッテ、パワーアップ!』ガパァ

マミ『アッ……』

レイ「――!!」

シンジ「あ、綾波ィ―――ッッッ!」

ガブリッ

マミ『』ダラーン

ドチャッ

マヤ「零号機……マミ、頭部損傷」

青葉「そんな」

ミサト「シンジ君、あなたも早く逃げ……」

シンジ『――あっ綾波……また僕は……』

シンジ『くそっ……
逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ
逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ……』

シンジ『うわあああああっ!』ダダダ、ガシイッ!!

青葉「初号機ほむら、盾を捨て陽電子砲を装備!」

ミサト「シンジ君……陽電子砲の状態は?!」

日向「マミにより第二次に備えヒューズは交換済み、
エネルギー充填もたった今完了!」

ミサト「それなら!」

ミサト「この距離からなら、
イヌカレーフィールドも張れないわッ……

――シンジ君、やりなさい!!」

シンジ『食らえ化け物……

目標をセンターに入れて……ティロ……フィナーレ!!』
ほむら『ティ、ティロ……フィナーレ!!』バシュウウウウン

シャルロッテ『ギィヤァアアアアアアアア』

―――
――


青葉「魔女、完全に沈黙しました」

シンジ『ハァ、ハァ……そうだ、綾波っ!』ダダッ

シンジ「綾波っ……うわっ熱っ!」ジュウゥッ

シンジ「くっ……」ギギギ、プシューッ

レイ「う……碇……君?」

シンジ「綾波、良かったぁ……

 というより別れ際に弾避け役にさよならとか、
縁起でもない事言うなよォ……

 しかも言った本人が死にかけるなんて間抜け過ぎるじゃないかァ……

 あとティロ・フィナーレって何だよ、中二っぽくて恥ずかしいよ……

 僕まで無意識のうちに使っちゃったじゃないか……ううっ」シクシク

レイ「……中…二?」ムッ

シンジ「――でも、生きてくれていて、良かったァ」メソメソ

レイ「――!
ごめんなさい……こんな時、
どんな顔すれば良いかわからないの……(色々複雑な心境で)」

シンジ「笑えば良いと思うよ」ズビッ

冬月『碇、零号機並びに施設の大半に多大な損傷を追ったが、
作戦は無事終了したようだ』

qb「分かった……ドイツから二号機及び
そのパイロットの支援を要請するよう、手配を急いでくれ。

それと……『例の品もな』」

冬月『了解』プツリ

qb「三号機の建造ももうじき完了する。

あとは搭乗者の確保だが……これも大体の目星はついている。

人類補完計画も折り返し地点に来たというわけだ」

qb「――しかし、今日の散歩は我慢か……」ウズウズ

二週間後

ピンポーン
ミサト「はぁい、誰よこんな朝から……」プシュウー

加持「よっ! 葛城、久しぶり。
相変わらず朝はだらしないな」

ミサト「」プシュ
ガシッ
加持「オイオイ冷たいな……
まだ昔の事を根に持ってるのかよ」

ミサト「なぁんでアンタが……
北欧支部の方で働いてんじゃなかったの?」

加持「ドイツ土産を届けに来たのさ。
まあ、一足お先に俺が着いちゃったけどね……

――それで、例の少年は今どこに?」

ミサト「シンジ君のこと?
彼なら、今朝早くから墓参りよ。
父親の散歩も兼ねてね」

霊園にて

qb「三年振りだな、ここに二人で来るのは……」

シンジ「あの時はすぐ絢子さんの所に預けられちゃったから……
あんまり覚えてないや」

qb「そうか」

シンジ「母さんはどんな人だったの?」

qb「ユイは大切な事を私に教えてくれた、
それくらい私にとってはかけがえのない存在だった」

シンジ「……一応聞くけど、母さんって二足歩行だったよね」

qb「当たり前だ……
あ、でも夜はたまに四足歩k――きゅっぷい!

シンジ、いきなりリードを引っ張るのは止めてくれないか?」

ブロロ……
ミサト「シンちゃん、久々にお父さんと話せてどうだったぁ?」

シンジ「最悪でしたよあの珍獣……
母親とののろけ話を延々とするわ、
墓標毎に臭いを嗅いでマーキングしようとするわ、
大の方を二回もするわ……

――保健所の方で処分してくれないですかね」

ミサト「魔法少女の扱いには慣れたのに、
碇司令だけは相変わらず嫌いなのね……」

prprprpr

ミサト「あら、通信が……もしかして!」

ハコの魔女『キャハハハハ』ズドーン ズドーン

ブロロ…
ミサト「あれが今回の魔女か……ずいぶんサイバーパンクなデザインね」

シンジ「……ネルフまで間に合いますか?」

ミサト「ほむらは既に待機済みだけどね…
マミはまたまた修復中だし……」

加持「問題ないよ。そろそろお荷物が届く頃だ」

シンジ「うわっ、後部座席に変なオッサンが!」

加持「オッサンだなんて酷いなぁ、碇シンジ君」

シンジ「え、何で僕の名前を」

加持「話は後だよ……ほら、窓の外を見てみな」

ミサト「あれは戦自……いや、ネルフヨーロッパ支部の輸送機?」

シンジ「何か落としましたね……あれは!」

赤い魔法少女『キャッホー♪』

シンジ「魔法少女?!」

加持「そう、あれが魔法少女二号機……『杏子』だ」

ハコの魔女『ナンダァ?!』

杏子『イクゼ!』ジャキッ

ミサト「槍を構えた!」

加持「杏子は中近距離格闘に特化した魔法少女だ。

そしてあの槍は、魔女の発生させる
イヌカレーフィールドをも貫く力を秘めているのさ……」

杏子『クライナ!』グサッ

ハコの魔女『グエッ……ナンチャッテ』グシュグシュ

ハコの魔女a『キャハハハハ』
ハコの魔女b『アハハハ』
ハコの魔女c『ウフッ』

ハコの魔女z『ニシシ』

杏子『!?』

シンジ「分身した?!」

ミサト「こないだのお菓子の魔女と同じ、
本体はあの中のいずれかって事かしら……

でもあの数は骨が折れるわよ」

加持「それも問題ないよ。杏子の槍は――」

杏子『シャラクセェ!!』ジャキッ
ジャララララララ

ハコの魔女atoz『』グサグサグサグサ
加持「変幻自在だからね」

港湾部、杏子の回収地点にて

シンジ「あれ、綾波も来てたんだ」

レイ「……」

加持「魔法少女の適合者同士、顔合わせは必要と思ってね……
先に来ていて貰ったんだよ。

 杏子の御披露目もここでするはずだったんだけどね……
随分派手な初陣となってしまったな」

ミサト「全くだわ。
 それに……マミもそうだったけど、
この杏子って魔法少女も、なかなか刺激的なカラーリングしてるわね」

???「違うのはカラーだけじゃあないわ!」

シンジ「!」

アスカ「所詮、零号機と初号機は開発過程のプロトタイプとテストタイプ……
けど、この二号機は違う。

 これこそ実戦用に作られた世界初の、本物の魔法少女よ……
正式タイプのねっ!」

ミサト「アスカ! アスカじゃないの」

シンジ「知り合いなの?」

加持「紹介するよ。ユーロ空軍エースの式波・アスカ・ラングレー大尉だ。

 そして彼女こそ、二番目の魔法少女、『杏子』のパイロットだ」
アスカ「久しぶりね、ミサト。

――んで加持さん、
そっちのどいつが魔法少女パイロットなわけ?」

加持「両方だよ、奥にいるお澄ましさんがマミのパイロットで一番目の子。

そして、手前の少年がほむらのパイロットで三番目の子さ」

アスカ「ふぅーん、アンタが三番目ね」ツカツカ……

シンジ「な、何?」ドギマギ

アスカ「……隙ありッッッ!」ゲシッ

シンジ「ウギャアアッ?!」ビョーン、ピョンピョン

ミサト「溜め無しでスネ蹴りとは……衰えてないわね」

アスカ「うっわ、無警戒過ぎ。

そもそも魔女の出現時に不在って話と言い、
アンタ達、それでも魔法少女の適合者なの?

――まぁ、所詮は司令のエコヒイキに、七光りって所かしら」

シンジ「い、いきなり何なんだよ……」ジンジン

加持「すまんなぁシンジ君……アスカはこれでも、
さっきのが魔法少女パイロットとしての初陣だったんだよ。

 それに君も既に二体の魔女を倒してるらしいじゃないか。
その実力は七光りでもない、本物だよ?」

アスカ「!? こいつが?
……まぐれでしょ」ジッ……

シンジ「こ、今度は何だよ」

アスカ「加持さんが認めても、あたしはアンタを認めないっ。

――ま、いいわ。
これからは魔女は全部あたしだけで狩る。
プロトタイプもテストタイプも、パイロット同様
お役御免って事を思い知らせてやるんだから!」スタスタ

シンジ「……あ、綾波……どうする?
あんなのと組まなきゃならないのか……」

レイ「仲良くしろ、と命令されるなら……そうするわ」

その日の昼過ぎ、ネルフ司令室にて
加持「知ってるとは思いますが、
魔法少女二号機とそのパイロットを連れてきました。
 実力の程は……ま、報告書の意味が無くなってしまいましたね。
実際に見ていただいた通りですから」

冬月「ふむ、それとベタニアベースでの『事故』だが……、
ご苦労だったね」

加持「大変な仕事でしたよ?

――とりあえず予定通り、
第3の魔女は魔法少女五号機共々、処理出来ました。
基地の計画はあれにて頓挫でしょうね」

qb「……」

加持「おっと、忘れちゃいませんよ司令、『お約束の代物』です。 封印されていた予備、飼い主とペットを繋ぐ魂の絆ですね?」

qb「ああ、人類補完とは全く関係ない
『クライスラー製のリード(犬猫両用)』だ」ニタァ……

加持「ではこれで。
しばらくは好きにさせて頂きますよ?

 今は到着したばかりの二号機パイロットの
フォローに回らねばなりませんしね」プシュー

冬月「加持リョウジ首席監察官。

……信頼に足る男かね?」

qb「――問題ない。私が保証しよう」ムシャムシャ、キュムキュム……

冬月「」

冬月「ああ……少なくとも、
貰ったジャーキー頬張ってるような男よりは信用できるな」

葛城家

シンジ「はあ……今日は色々と疲れたなぁ。

ミサトさんが戻ってくるまで一休みでも」ガラッ

シンジ「――って、ゲェーッ!!!
僕の部屋がダンボールだらけ?!」

アスカ「失礼ね、あたしの荷物よ」

シンジ「いや、僕の部屋――
 って、そもそも何で式波がここにいるんだよッ?!」

アスカ「さっき言わなかった?
 あたしが来た以上、アンタもエコヒイキもお払い箱なの」

シンジ「だからって何で家に」

アスカ「あらレディに異国で一人暮らしさせるつもり? 有り得ないわよ。
 だからって男の加持さんと一緒の部屋も不味いじゃない?

 そうしたら後は知り合いはミサトくらいだからね。
 これからはミサトはあたしと暮らすのよ。

――ま、どっちが優秀か考えたら当然の結果よね」

シンジ「そんなぁ……」

アスカ「それにしても日本の家屋って何でこう狭いのかしら。

 おまけに部屋一つに鍵もついてないだなんて、危機感ないんじゃないの?」

ミサト「あら、日本人の信条は察しと思いやりだからよ?」

アスカ・シンジ「「うおおぁあああ~~ッッッ!!??」」

シンジ「ミサトさん、脅かさないで下さいよォ……」

アスカ「……ったく。
 ほら、アンタもさっさとゴミと一緒に出て来なさい?

 ど~せネルフの方で寮を手配してくれるでしょ……?」

シンジ「……ネルフの……寮?」

―――――

qb『シンジ、私と暮らさないか?』

qb『埋め合わせをしたいんだ』

qb『安心しろ、ネルフの手配した独身寮は全てペット可なんだ』

qb『もう、シンちゃんの意地悪っ♪』

qb『シ~ンジ、パ パ だ よ』

qb『shinji, you're my son!』

――――
―――
――


シンジ「noooooooooooooo!!」

アスカ・ミサト「」ビクッ!!

シンジ「式波ィ……その部屋はくれてやってもいい……

――だけど絶対に僕はこの家からは出て行かない、これだけは譲れない」ギロリ

アスカ「なっ、何よアンタ……
(こいつの目つき……こ、怖い)」
シンジ「いいね?」ギラッ

アスカ「わ、分かったわ……」

シンジ「……」

シンジ「――じゃ、ミサトさん。
式波に部屋あげちゃったし、
これからは奥の物置使わせてもらうね?」

ミサト「え、ええ……」

シンジ「荷物だけ運び終わったら晩ご飯作るからっ」ニコ、タタタッ

アスカ「うう……何なのよアイツ」

ミサト「アスカ……シンちゃんの前で父親絡みのネタは禁句よ。
――覚えときなさい」

晩御飯後

ミサト「社会科見学ゥ? 加持がぁ?」

シンジ「ええ。魔法少女の適合者同士の親睦を深めたいそうですが、
折角なんで、クラスの友だちも一緒に連れてきても構わないって」

ミサト「ふぅーん、あいつ関わるとロクな事ないわよ?」

アスカ「ならあたしはパ~ス。

 お子ちゃまと同列扱いなんて、ユーロ空軍大尉の名が泣くわ」

ミサト「あー駄目よ、和を以て尊しとなぁーす。
 ってなわけでアスカも行きなさい。

これは上司としての命令よ?」

アスカ「……仕方ないわね」

週末、海洋生態系保護施設にて

ケンスケ「セカンドインパクト前の海洋生態系の復元を目指した実験施設、
 その神に等しき所業をほんの一部とは言え見学出来るとは……!
 ホント持つべきものは良き友って感じ。
ありがとうな、碇!」

ヒカリ「すっごい物々しい雰囲気……
 アイツも来たがってたわけだわ……」

仁美「惜しかったですわね……鈴原さんは来週明けには退院だそうで」

メ上条「僕達まで誘ってもらって悪いね……ありがとう碇君」

シンジ「ううん、お礼なら加持さんに言ってよ」

アスカ「ふん……」

レイ「……」

加持『よーう、来たな少年少女計七名っ。
 ここから先の検査が大変なんだが、気長に待ってるからな?』

検査及び滅菌処理終了後……

ケ・シ・メ「「「うわあ~っ♪」」」

シンジ「こ、これがセカンドインパクト前の生き物なんですか!
 どれも初めて見るものばかりだ……」

メ上条「見てよ相田君! 背中に何か背負った生物がいるよ!?」

ケンスケ「うおおおッッッ!!!
上条、君はすごいものを見つけてくれたね!
あれはガメラのモチーフになった爬虫類の仲間だよ?!」

メ上条「ガメラ?!
 懐かしいなあ、僕も昔のフィルムで見た事があるよ。
確か銀色の鳥が輪切りにされて……」
ワイワイ

アスカ「ふん!
子どもがはしゃいじゃって、バッカみたい」

ヒカリ「式波さんもこっち来ましょうよ。ペンギンって生き物が……」

アスカ「ごめんなさい、あたしはあんまり興味ないの」スタスタ

ヒカリ「あっ」

仁美「……(小声で)綾波さんとは違う意味で
付き合い方に悩む人ですわね」

たまにageないとそのうち700より下になってスレ落ちしちゃうぞ

昼食

一同「「「いただきまーす」」」
アスカ「!」

ケンスケ「おっ、意外とイケるじゃないか」ムシャムシャ

ヒカリ「いや、むしろとっても美味しいわよ?」

加持「ああ、見事な火加減に味付けだよ」

仁美「驚きですわ……碇さんって料理の才能があったのですね」

シンジ「絢子さんも日中働いてる人だったから、いつも家事全般は僕の担当で……

 ミサトさんに至ってはレトルトしか作らないし、
必然的に僕が作るしかないんだ」
加持「台所に立つ男はモテるぞ、シンジ君」

ヒカリ「鈴原に聞かせてやりたい言葉ね?」

ケンスケ「アイツなら、『男のすることやない』とか言うだろうなァ」

>>98
ありがとう
スレ数600超えたんだね

近い内に一回上げます

シンジ「あれ、綾波は食べないの……?」

レイ「ごめんなさい、私はこっちを食べるの……」カパッ

qb「」グデーン

シンジ・その他「「「「 !? 」」」」

シンジ「(これくらいの、お弁当箱に、
父親父親ちょっち詰めてっ……だと……?!)」

シンジ「あ、綾波。その……」

レイ「勿論、碇司令の抜け殻よ」

アスカ「し、司令?」

シンジ「また抜け殻……もしかして、毎日それを?」

レイ「私の主食なの」モキュモキュ

シンジ「――ねぇ、一口貰っていいかな?」

レイ「どうぞ」スッ

シンジ「……マシュマロみたいな食感だ……悔しいけど味も悪くないし」モキュモキュ

シンジ「(いや、それよりも綾波の食生活が不安になってきたぞ……
 こんなのしか食ってないから普段からやせ細ってたり、
怪我ばっかりなんじゃあないのか……?)」モキュモキュ

仁美「そういえば、上条さんも食べないのですか?」

シンジ「あ、確かに……」

メ上条「御免ね碇君、僕も綾波さんと同じで
今はこれを摂取してるんだ」ドカッ
『出光100』

一同「「「!??」」」

ケンスケ「ガ、ガソリン……?!」

ヒカリ「か、上条君あなた……」

仁美「随分と未来に生きてらっしゃるのね」クラッ

アスカ「ちょアンタ大丈夫?!

――いや、今朝から思ってたけど、
ホント誰よこのメタリックな男……」

加持「……」

シンジ「……」

昼食後、自由行動の時間

シンジ「今日はありがとうございました」

加持「お礼を言いたいのはこっちの方だよ。
アスカとミサトの世話をしてくれて助かってる。

――で、話はそれだけかい」

シンジ「ミサトさんに訊こうと思って、
そのまま訊かずじまいだった話なんですが……」

加持「上条恭介君の事だね。
俺も初めて見た時はビックリしたよ」

シンジ「話は聞いてると思うんですが、
彼は事故で身体、特に左手が……」

(略)

シンジ「彼を今の身体にしたのはネルフなんですか?

もしネルフなら何の為に……」

加持「――じゃあ、俺の知っている限りで
ひとつひとつ、話していこうか」

加持「上条君の身体を改造したのは間違いなく、ネルフだ」

加持「恐らく葛城よりは、りっちゃん……
赤木博士の方が知っているだろうが……

 今や彼の身体の大部分は機械や人工筋肉に置き換えられているだろう。
 俺の見立てでは、脳やそれを維持するための血液以外は既に……」

シンジ「……」

加持「それと言うのもな……今の彼は、似ているんだよ。

――魔法少女に」

シンジ「魔法少女……ですか?」

加持「彼のボディに使われているパーツや技術は、魔法少女のそれとほぼ同じ――
強いて言うなら、ソウルジェムが無いくらいの違いかな。

 今の上条君はまさに、擬似魔法少女というわけだ……少女じゃあないけどね」

シンジ「本人はあまり気にしてはいないようなので、良いとは思うんですけどね。

問題は上条君の幼なじみです」

加持「美樹さやか、か。
上条恭介君の機械化に彼女の失踪が絡んでるのは、
まず間違いないだろうな。

――だが、悪いがこっちは確証が掴めていないんだ。
彼女がどうなったのか、まだ俺も調べものの途中でね……」

シンジ「……そうですか」

加持「話は変わるが、葛城が何故来なかったか知っているかい?」

シンジ「え……ミサトさんは『アイツに関わりたくない』って」

加持「ハハッ、まあそれもあるだろうがなぁ……

 この青い海特有の生臭い匂い……これが彼女にはあの嫌な出来事を思い出させるらしいんだ。

――セカンドインパクトをね」

シンジ「セカンド、インパクト……」

加持「葛城が君同様、父親嫌いなのは知っているね?

彼女の父親も自分の仕事に首ったけで、
葛城は自分の事を構ってくれない父親に不信を募らせ、
憎みさえしていたそうだ」

シンジ「……」

加持「だが、セカンドインパクトの起きたあの日、
その場に居合わせていた彼女を救ったのは、その父親だったんだよ」

加持「セカンドインパクトは表向きは原因不明扱いで、
世間的には大質量隕石の衝突とか、宇宙人の攻撃なんて説が囁かれているが……
その正体は、ある巨大な魔女の暴走によるものだ」

シンジ「魔女……それじゃミサトさんがネルフに入ったのは」

加持「少なからず親の仇討ち、という目的もあるだろうな」

シンジ「ミサトさんと魔女にそういう因縁が……」

加持「ああ。だが、決して彼女を責めないでやってくれ。
 少なくとも葛城は君やレイ、それにアスカを復讐の道具と見なしているわけじゃあない。

 生き残った者として、去っていった人たちの思いを背負って、
彼女なりに戦っているだけなんだよ……」

シンジ「……」

加持「君は葛城の事は好きかい?」

シンジ「えっ?
まぁその……嫌いじゃないですけど……」

加持「良かった。
だったら、あいつを支えてやって欲しい。

それは今の俺には出来ない、
君にしか出来ない事なんだ」

シンジ「……」

ミサト「ほむら、並びに杏子を至急ポイント-xxへ、
マミも修復完了次第向かわせて!
あとは救助部隊の要請を――」

リツコ「魔女には休日も祝日もないのね……」スパー

ミサト「がっつり後で給料ふんだくってやれば良いじゃない。

今はやれるだけやって次に繋げないとね……」ハァー

―――
ビーッビーッ

メ上条「ん?」

加持「この警報……」

ヒカリ「見て……空が……もしかしてこれって!?」

仁美「洞木さん……?」

シンジ「イヌカレーフィールド……また魔女だ」

ケンスケ「まっ、マジで?!」

アスカ「あら、これってあたしの活躍するチャンスじゃない……」

シンジ「こんな時に何言ってんだよ式波……」

アスカ「あ~ら、七光りは魔女を二体も倒してるくせに、今更怖じ気づいたわけェ?」

シンジ「数とかそういう問題じゃなくて……」

アスカ「分かってないわねッ。
あたしと杏子にかかれば、こないだみたいに魔女なんて――」

シンジ「わ、分かってないのはそっちの方じゃないか~ッッッ!?
 イヌカレーフィールドに閉じこめられたんだよ!?
僕も、式波も、綾波も……
――魔法少女のパイロット全員がッッッ!!」

アスカ「――!? ッッるさいわねッ!
そのくらい理解してるわよッッッ!」

加持「オ~イ、喧嘩してる場合か? 奴らが来たぞ!」

アスカ・シンジ「!!」

落書きの使い魔a「レオナルド」
落書きの使い魔b「ミケランジェロ」
落書きの使い魔c「ラファエロ」
落書きの使い魔d「ドナテロ」

落書きの使い魔abcd「カワバンカ!」バァァ~ン

ヒカリ「いやああああああッッッ!」

シンジ「委員長、落ち着いて……!」

メ上条「あ、あれが……!」

仁美「あれが魔女ですの?」

加持「いや、あいつらは使い魔。
魔女の忠実な僕で、餌となる人間をさらったり食らったりするのさ」チャカッチャカッ

加持「アスカ、それにレイも……これ、使えるよね?
シンジ君達を守ってあげるんだよ」ポイ、ポイ

レイ「……了解しました」パシッ、ジャコッ

アスカ「……チッ、仕方ないわねェ」チャカッ

加持「ひとまず施設の外へ――結界の壁まで行こう」

タァーン
使い魔「スプリンターセンセイ!」グチャ

ズキャーン
使い魔「シュレッダー!」ドサリ

職員「た、助け……」

使い魔「ロックステディ!」ガシッ
職員「うわああああ~」

ヒカリ「ああッ、施設の職員さん達が……」

加持「今は自分の身の安全だけに集中するんだ、いいね?」バキュウウン

アスカ「出口が見えてきたわよ?」

シンジ「でも、どうやってイヌカレーフィールドからの脱出を?!」

仁美「ハァ、ハァ……私もう走り疲れて……キャッ」ドサリ

ヒカリ「志筑さんっ!!」

ケンスケ「あ、危ないッ」

加持「むっ、しまった?!」

使い魔「イヒヒ、エイプリルゥ~」バッ

仁美「きゃああああ」

メ上条「やめろおおおおッ!」バチバチバチ……

ガキイイイン!
使い魔「ギェッ!?」

レイ「!」

アスカ「うっそ!」

シンジ「あれは……イヌカレーフィールドッッッ!?」

加持「やはりそういう事か……!」スタスタ

シンジ「加持さん!」

メ上条「ウリャアッ!」バキイッ!
使い魔「フットダン!」グチャアッ

メ上条「志筑さん、大丈夫かい?」ギュッ

仁美「え、ええ……ありがとうございます」

シンジ「加持さん、あれって……」

加持「ああ……ジェムを持たないイミテーションとはいえ、
彼も魔法少女としての戦闘能力と特殊能力を持っているようだね。
 まさかイヌカレーフィールドまで展開出来るとは……
だが、活路は見えたぞ!

上条君、こっちに来てくれ」

メ上条「は、はいっ……」


仁美「……上条さん」

リツコ「今のところ、目立った動きは無いわね」

ミサト「加持の馬鹿がくたばらない限りは大丈夫よ……でも、
少しでもイヌカレーフィールドが弱まったのなら、そこを一点集中砲火で――」

バチバチバチ

リツコ・ミサト「「!」」

加持「お待たせ」ヒョイッ

ミサト「かっ、加持君?!」

リツコ「魔法少女にしか突破出来ない劇団空間を……どうやって?!」

加持「説明は後だ、今はシンジ君の友だちの保護を……

それと――用意してるんでしょ?」
シンジ「ミサトさんっ!」

アスカ「ミサトっ!」

ミサト「……!
ええ。二人ともこっちへ!」

ミサト「魔法少女ほむら・杏子、発進!」

ほむら『ホムホムッ』ズシン

杏子『オッシャァ』ズズゥン……

リツコ『二人とも、まずはイヌカレーフィールドの完全消滅を!』
シンジ「分かりました。
イヌカレーフィールド、展k…」
杏子『マナイタハ ドイテナ!』ジャキッ

ほむら『ホムッ?!』

シンジ「んなっ!」

パリーン……!

ミサト「槍の一突きでフィールドを破った!?」

シンジ「ちょっと、式波! 危ないじゃないかッ」
ほむら『マナイタジャ ナイモン』グスン

アスカ「ちんたらやってらんないわよ。
そもそも、あたし一人で十分って言ってるでしょー?」

ミサト『二人とも、今は魔女を倒すことだけに集中しなさい!』

アスカ「んな事言われたって、その魔女がまだ出てきていないんですけどー?」

シンジ「!」

落書きの使い魔たち「ギシギシ」ワラワラ

メキメキメキメキ

大落書きの使い魔「!」バァーン

シンジ「使い魔達が合体した?!」

リツコ『食らった施設職員たちのエネルギーをひとまとめにしたのね……
じゃあ、恐らく今回魔女はここにはいないわ』

アスカ「……」

シンジ「とにかく、これ以上被害を広げさせたら駄目だ……」
ほむら『ホムァーッ!』ジャキッ、ダダッ

大使い魔「ヒイッ?!」

カキイ~ン

シンジ「えっ」
ほむら『ホム?』

大使い魔「ン? ワシ、マダイキテル?」

杏子『サセナイヨ』ググッ……
アスカ「全くもう。
七光り、あんた勝手に何してくれちゃってんのよ?」

ミサト『アスカ?!』

シンジ「式波、それはこっちの台詞だ……
何で使い魔を庇ってるんだよッッッ?!」

アスカ「やれやれ……
――あ ん た バ カァ?

 いっくらデカくなったって、所詮コイツは使い魔よ?
倒したところでグリーフシードを一つも落とさないじゃない」

シンジ「グリーフシード?
それが何で今出て来るんだよ?」

アスカ「ハァ?! ミサト、ちゃんと七光りに魔法少女の扱い説明した?
――コイツ基本中の基本すら学んでなかったの? 信じらんないッッッ」

シンジ「良いから、槍を降ろしてよ式波!
そいつを殺せない!」

アスカ「人の話は最後まで聞きなさいッッッ。

グリーフシードは魔女の卵でもあり、
魔法少女のコアであるソウルジェムを保つ為に、
必要不可欠な存在でもあるのよ?
――ちゃんと定期的にストック作っとかないと、
ジェムが濁りきってしまうじゃない?」

シンジ「何だって……?」

シンジ「リツコさん!」

リツコ『そうよシンジ君……
ネルフの技術だけではソウルジェムの劣化は防げない……
魔女を倒す事は、魔法少女の維持にも繋がる話なの』

シンジ「そんな……ジェムが濁りきってしまったら」

リツコ『そ、それは』

アスカ「さぁね。少なくとも魔法少女としての力は発揮出来なくなるでしょ。
まぁ、理解出来て?
ほらさっさとあんたこそ武器を収めなさいな。

この使い魔だって、もうちょっと大きくなれば魔女へと成長するわよ。
そうしたら刈り入れ時ね」

シンジ「何言ってんだ式波……こんなの絶対おかしいよ……
何の罪もない人が今さっき食べられていて……これ以上放って置けっていうの?!」

ほむら『ホムム』ググッ
杏子『ウゼーナ……』ギリギリ

アスカ「そんなら、魔法少女が動かなくなったら
誰が魔女から人類を守るっていうのよ?
こういうの、日本語で『大事の前の小事』って言うんでしょ。

――たかが数十人数百人食われた所でギャアギャア喚かないでよ」

シンジ「式……波ッ」

ミサト『(まずいわね……)シンジ君落ち着いて!
アスカも煽るような事言わないで、今回は使い魔の殲滅を――』

アスカ「あ、それとも七光りは魔女の撃墜記録をあたしに抜かれたくないから、
ノーカン扱いの使い魔のうちに殺したいのかなぁ?

――だってあたしの実力なら、使い魔は勿論、魔女だってすぐ殺せちゃうからね。

そうやって自分の居場所がなくなるのが怖いわけだ、ホント嫌な奴ゥ~」

シンジ「」

バキイッ!!
アスカ「――きゃあああっ?!!」
杏子『ナンダァ!?』ズシャアアア

ほむら『ホムァアアアアッ』ウオオオ

アスカ「~ッ痛ぁ……! な、何が起きたって言うのよ……」

リツコ『今のはほむらの時間停止能力。まさかまた暴走を』

マヤ『いえ、初号機パイロットとジェムのシンクロ率は正常です』
ミサト『(あら、マヤいたんだ……じゃなくって、)

これは、ほむらじゃなくってシンジ君がキレただけだわ……でも、まずいわよ』

シンジ「……式波ィィ……君こそ……
君こそ、自分の戦績だけしか考えてない最低な奴じゃないかッッッ」ブツブツ……

ミサト『半月前に、クラスメートを病院送りにしてるから……
ましてや魔法少女に乗った今ではなおさら――』

アスカ「あら、素人上がりで七光りのくせに、
空軍大尉のあたしと張り合おうってわけェ?」
杏子『――オモシレェ!』ジャキン、ジャキン

アスカ「なめるんじゃあないッッッ! 返り討ちにしたげるッッッ!」グッ

ほむら『ホムホムァアアアアッ』ダダダダダ
シンジ「もう一度言って見ろ、
その鼻っ柱をへし折ってやるッッッ!」ウワアアアアアア

ガキン! ズドン! ズシン!

マヤ『あわわわ……赤木先輩、魔法少女同士で戦うなんて』

リツコ『不様ね』

ミサト『あぁんの馬鹿どもが……!』

――ただいま交戦中

マヤ『それにしても目に見えて明らかに初号機パイロットの精神状態が
大きく乱れてそうな割に、問題なく動かせているのは一体……』

リツコ『激昂することでかえって戦いへの迷いが消えてるのかもしれないわね。
ほむらの闘争心とうまい具合に共鳴し、その力を無駄なく引き出してるわ。
何にせよ、意外とキレやすい現代っ子なのね』スパー

ミサト『真面目に分析されても困るのだけど……
下手に魔女が暴れるより質が悪いじゃない!』

リツコ『そうねぇ……ま、これ以上の心配には及ばないわ』

ミサト『?』

アスカ「七光りィ~ッッッ!」

シンジ「式波ィイィィィィッッッ!」

――!

マミ『ティロロ、ティロロロ』ジャキッ!
ほむら・杏子『『――!』』
レイ「……そこまでにして」

シンジ「なっ、綾波……!?」

アスカ「エコヒイキ……?
間に入って……喧嘩両成敗のつもり?!」

リツコ『その通りよ、両者とも武器を下しなさい。
さもなくばlclの圧縮濃度を上げて、卒倒してもらうわよ?』

ミサト『二人とも、反省しなさい!
 あなた達が無駄に争ったせいで使い魔は逃すわ、
海洋保護施設は半壊するわ……!
 魔法少女として戦う自覚が足りてない!』

シンジ・アスカ「「……」」
ほむら『』スッ
杏子『アーア、シラケチマッタゼ』スッ
マミ『ティロロ♪』ニコニコ

アスカ「ふんっ……アンタが余計な出だししなければ……」

シンジ「式波が数字なんかにこだわるから」ブツブツ

アスカ「何ですって?!」

ミサト『いい加減にしろッッ!

続きは明日か今日の晩に

いまさらだけど式波なんだな

本日の予定が午前で終わっちゃったのでパソコンに変えて続き書きます

>>127
愛憎ドロドロの惣流派ですけど、加持さんスキーを上手く書けないので
今のところドライな式波さんで

その日の夜

ミサト「ええっ、アスカ帰ってきて無いの?!」

シンジ「……ええ。本部で一緒にこっぴどく叱られてからは、それっきりなので」

ミサト「シンちゃん、アスカを探してきて頂戴。女の子を一人にさせちゃダメよ?」

シンジ「えっ……何で僕が……そもそも今回のことだって式波の独断で」

ミサト「それは我を失って彼女を攻撃した、あなただって同じことでしょう?

 レイも含めてだけど、あなた達はチームなのよ? 仲間は互いにフォローしないとね」

シンジ「――わかりましたよ」

――――

アスカ「ったく、七光りもミサトも……誰もかも、あたしの優秀さを認めないなんて!

使い魔の相手なんてあたしには役不足だって事を……次には理解させてやるんだから」

ヒカリ「あれ? 式波さん……こんなところでどうしたの?」

アスカ「あんたは洞木……ヒカリ? あんたこそこんな時間に一人で何してんのよ」

ヒカリ「私はこれ、買い物よ。
晩御飯の材料を買いに行っていたところで、これから帰るところなの」

洞木家

ヒカリ「さ、遠慮しないで上がって行って」

アスカ「本当にいいの?」

ヒカリ「一応、葛城さんには電話しておくけどね」

アスカ「!? それはちょっと……」

ヒカリ「じゃあ、葛城さん家に帰る?」

アスカ「~!! 分かったわよ」

ヒカリ「じゃあ、決まりね。これから晩御飯作るから!」ガチャッ

ノゾミ「おかえりお姉ちゃん! ……あれ、お友達?」

アスカ「あ、あたしは……」

ヒカリ「ただいま。そうよ、今週入ってきたクラスの子なの」

ノゾミ「そうなんだ、じゃあ一緒にご飯食べていこ? コダマ姉ちゃんもそろそろ帰ってくるし!」

アスカ「……うん、そうするわ」

ヒカリ「ふふっ、碇君の料理食べていたら刺激受けちゃったからね。今日は腕によりをかけるわよ~?」

葛城家

シンジ「た、ただいまあ」ヘトヘト

ミサト「あらおかえり―長かったわね」

シンジ「ミサトさん、すみません……結局式波見つからなくって」ヨロヨロ

ミサト「あー、そのことだけどね、洞木さんちに泊まるってさっき電話が」

シンジ「」

シンジ「委員長ん家に!? 携帯あるんですから、すぐ連絡してくださいよ……」コテン

――――――
洞木家の寝室

アスカ「で、あの七光りがね……グチグチ」

ヒカリ「式波さんは碇君をライバルだと思ってるのね」

アスカ「あたしが? あの七光りを? 冗談でも笑えないわよ……」

ヒカリ「はいはい」

アスカ「……」

ヒカリ「どうしたの?」

アスカ「洞木さん……はあたしの話、ちゃんと聞いてくれるのね」

ヒカリ「当り前よ。友達だもの」

アスカ「友達……」

ヒカリ「そうよ? 同じクラスになったし、今日だって――怖い目には遭ったけど
一緒に社会見学もしたし、化け物から守ってももらった。

 今なんて家に来て晩御飯食べて、お風呂に入って、同じ部屋で寝てる。
もう立派に友達かそれ以上の関係ね?」

アスカ「いや、女の子同士ってのはあたしの趣味じゃあないんだけど……
でも、友達か……悪くないわ、洞木さん、あんたが良ければあたしは……」

ヒカリ「ヒカリ、って呼んで良いよアスカ」

アスカ「……おやすみ」

――――――

葛城家の風呂場

シンジ「あああ今日は散々な一日だったぁ……」ブクブクブク……

ミサト「シンちゃん、早く上がってくんないかしら~?」

シンジ「あと10分このままで……」ブクブク

翌日、ネルフ本部

日向「マグダレナの観測所からの通信、3分前の映像です。これを見てください」

青葉「第3監視衛星が目標を捕捉、この姿は……」

マヤ「こないだの落書きの使い魔でしょうか? しかし信号のパターンは完全に青です」

ミサト「アスカの狙い通り、随分と立派に育ってくれちゃったわねェ……件の使い魔はこれより魔女と認定します。

それで奴の狙いは……当然、ここよね?」

マヤ「マギカによる再計算ですと、ネルフ本部への命中確率はシックスナイン、と出ました」

日向「n2航空爆雷による攻撃も全く受け付けていません」

マヤ「マギカの予測ですと、被害予想範囲は直径40㎞……
その、ジオイド、超えちゃってます……1万5千キロレベル!」

ミサト「まさに魔女そのものが一つの爆弾って感じね」

マヤ「イヌカレーフィールド、落下威力も加算されますから――」

日向「それだけの威力でしたらジオフロントは壊滅、セントラルドグマまで丸裸にされますね」

ミサト「ところで碇司令、冬月副司令は?」

青葉「お二人でしたら、今朝方から――」

―――――――

qb「いいぞ……じつになじむ。さすがはクライスラーのリード。ほどよい首の締め付けだ。

 冬月、予定を変更だ。次は先週完成したという公園へ行こう」

冬月「何か大事な事を忘れているような気がするが……まあいいか」

―――――――

ミサト「……副司令は、散歩の時間中、携帯の電源を切っておくタイプだったわね」

青葉「ダメです。やはり、現在通信不能」

ミサト「仕方ない、こちらで独自に判断するしかないわね。

日本国政府及び関係各省に通達。ネルフ権限における特別宣言を発令!

半径120㎞全市民はただちに退避――」

青葉「問題ありません。既に政府関係者から我先に逃げ出してます」

――――――

冬月「おや、完成したばかりだというのに、やけに静かだな……」

qb「構わん。大型犬に怯える必要なく、堂々と散歩ができるのだからな」

――――――

日向「一般市民の退避完了」

マヤ「マギカのバックアップは松代へ頼みました」

リツコ「で、どうするのミサト?」スパースパー

日向「この距離からのイヌカレーフィールドを突破できる射程を収めた武器は……
杏子の槍の投擲でも無理でしょうね」

マヤ「空間の歪みもひどい為……こないだのような、マミによる狙撃も不可能です」

青葉「魔法少女と言ったって、箒かモップで空を飛べるわけではありませんからね」

日向「こんなふざけた見た目とスペックの相手では……手の施しようがありませんよ」

……
リツコ「……呆れたわ、それが作戦って言えるの? マギカによる計算では失敗する可能性は99%強、

仮に成功したとしても魔法少女を3機とも大破……とても技術部としては受け入れられない。

ドグマにある極秘機構の保護を最優先にすべきよ」スパスパスパー

ミサト「可能性はゼロじゃあないわ。

奇跡が起こるのを待ってなんかいられない。

――奇跡は人の手で起こすものよ!」

リツコ「~~~ッッッ、葛城一佐ッ!!」スパパーッ!!

ミサト「現責任者は私よ? 私が判断します。そして魔女の殲滅は……私の仕事だもの」

リツコ「仕事? あなたの個人的恨みじゃないの、魔女への復讐はッッ!」スパスパスパーッ!!!

ブリーフィングにて

ω ωω<な、なんだってー!
シンジ「空から降ってくる魔女を!」

アスカ「受け止める!? 手で?」

レイ「……」

ミサト「(今レイも叫んだような……)そうよ。

イヌカレーフィールドを展開した魔法少女で直接、あの落書きの魔女を受け止めるの」

アスカ「ま、ちょっとビックリしたけど……3体も要らないんじゃない?

人類を守るくらい、あたし一人で十分だもん」

シンジ「またそれかい……昨晩反省したんじゃなかったの?」

アスカ「はァ? 昨日の続き、ここでするつもり?」

ミサト「そこまでー。いい? 魔女の落下予想範囲は広すぎて一人じゃカバー出来ないの。

ほむらは当然、中近距離戦闘の杏子、そして射撃特化型のマミでもね」

レイ「――この配置の根拠は?」

ミサト「勘よ、か・ん。女の勘ってとこかしら」

アスカ「~~~~ッッッ!? 何ったるアバウトッ」ハァ

シンジ「あのう……勝算は?」

ミサト「神のみぞ知る……、と言ったところかしら?」

アスカ「だったら尚更、足手纏いさん達にはご退場願いたいわね。あたし一人で何とかしてみせるっての!」

ミサト「この作戦に必要なのはシングルコンバットのスコアじゃあない。

――あなた達3人の力を合わせなければならないのよ」

アスカ「やっぱり、ミサトも私の才能を認めてないのね?」

ミサト「違う……信じているからこそ、あなたにも頼んでいるの!」

シンジ「僕は式波はちょっとなぁ……」ボソ

アスカ「あ"ァん?」ギロッ

ミサト「シンジ君は黙ってなさいッッ!!」ウガー

シンジ「ヒィッ!!」ビクビクッ!!

そして、それぞれの配置へ――

レイ「……」
マミ『ティロロロ……』
―――

アスカ「ふふん、この作戦で証明してあげるわ……あたしの真の実力を!」
杏子『ウズウズスンゼ!』
―――

シンジ「こんな時なのに……ほむらの中、すっごく落ち着くなあ……
もう乗っているのが当たり前なのかな。

 ぶっちゃけ、自宅だと今の部屋(物置)は埃っぽいし……
そうだ! 次から時間つぶしのために、漫画とかお菓子でも持ってこようかな」

ほむら『ソレハヤメテ』
シンジ「ん? 何か聞こえたような……気のせいかっ」

青葉『魔女、映像で捉えましたッ! 最大望遠で映します』

三人「「「!!」」」

ミサト『おいでなすったわねぇ。目標は電波攪乱が酷い為、光学観測は役に立たないわ。
 よって、今回は各自の判断で行動してもらいます』

青葉『魔女接近―――距離、二万ッ』

ミサト『魔法少女とあなた達に賭けるわね。では作戦開始……スタートッッッ!!』

杏子『ッシャアアー』ドドドド
マミ『ティロロロロロ』ダダダダダダ
ほむら『ホムッ、ホムッ』ズドドドドド

青葉『目標距離1万5千……』

アスカ「へへん、どうやらこのままならアタシが一番乗りねッ……

フィールド全開で受け止める? ~何て地味すぎるのかしら!

地上に落ちる前に杏子の槍で墜としてやるわよ!!」

ミサト『アスカ、油断しないで!』
――――
落書きの魔女『……』

落書きの魔女『カァ~ッ、ペッペッ!!』シュバシュバッシュババ

ズドーン!!

杏子『ナンダアリァ!?』

青葉『目標の距離1万4せ……目標から正体不明の物体射出ッ! 落下地点の被害状況はただいま計算中……』

アスカ「あれは……」

落書きの使い魔a「レオナルド」
落書きの使い魔b「ミケランジェロ」
落書きの使い魔c「ラファエロ」
落書きの使い魔d「ドナテロ」

落書きの使い魔abcd「カワバンガpart2!」バァァ~ン!!

杏子『オマエラハ!』
アスカ「こないだの使い魔?! しかもサイズが違う……こないだの大使い魔並みじゃないのッ!?!」

ミサト『さすが元使い魔……足止めってやつねッ』ギリリ

青葉『さらに目標のイヌカレーフィールド変質! 現在軌道を入力計算中……』

アスカ「なんですって!? 予想より早いじゃないの!?」
杏子『オマエラドケロー』ブンブン

落書きの使い魔abcd「キャハハハ」ヒョイヒョイ、ビシビシ!!

アスカ「くっ……このままだと間に合わないじゃないの……って、あっちの方向……?!」

ミサト『アスカ?』

アスカ「確かヒカリの家が……」

―――――

ヒカリ「当り前よ。友達だもの」

ヒカリ「そうよ? 同じクラスになったし、今日だって――怖い目には遭ったけど
一緒に社会見学もしたし、化け物から守ってももらった。
 今なんて家に来て晩御飯食べて、お風呂に入って、同じ部屋で寝てる。
もう立派に友達かそれ以上の関係ね?」

ヒカリ「ヒカリ、って呼んで良いよアスカ」

―――――

杏子『クタバレッ』グシャッ
落書きの使い魔a「ギャッ!!」ザクザクッ
落書きの使い魔b「レオナルドー!!」

アスカ「……あたしのせい? あたしが使い魔を見逃したから……
あたしのとった行動のせいでヒカリの……友達の家が……い、嫌っ、そんな、あたしは……!!」

シンジ『大丈夫ッ、式波!』

アスカ「!?」

シンジ『こっちで……何とかする!! ミサトさんッッッ!!』

ミサト『ok、緊急コース形成! 605から607っ』

ほむら『ホムホムホム』ズダダダダダ

ミサト『次ッッッ!1072から1078スタンバイ!!』

ほむら『ホムァーッ!!』ピョイーンピョイーン

青葉『目標、変形しました!!』

日向『距離にして1万2千……!』

ほむら『ホムァー』ズザアアアアーッ!!!
シンジ「間に合った……イヌカレーフィールド……全開ッッッッ!!!!」

ガキイイイイイン!!!

落書きの魔女『チカラクラベトイコウカ……』メキメキメキメキ
ほむら『ホムアアアアアアアア』メキメキメキバキボキ
シンジ「うっ……ギャアアアアアアアア……!!!!」ミシミシミシ

アスカ「七光りッ!!!」

アスカ「くそッくそっこの使い魔ァッ……殺してやる殺してやる――」

ダキュキューン
使い魔c『グエッ』グチャ
使い魔d『アベシ』パァーン

杏子『!?』
アスカ「!!」

――――

マミ『ティロ……フィナリマシタ』ヒューッ♪
レイ「相手があの魔女でないのなら……この距離間でも狙撃は出来るわ……二号機、早く魔女のコアを」

――――

アスカ「~ッ! 分かってるわよ、エコヒイキの癖に……あたしに命令するな!」
杏子『……アリガトナ』ダダダ

杏子『トウチャクー』ズザアア

アスカ「七光り! 待ってなさい! それっ!!」
杏子『オラアア!!』ブンッ!!
魔女のコア『ンー、オシイッ!』ヒョイッ

アスカ「外した?! ちょこまかとぉ……もう時間がないのに!!」

シンジ「くっ…ア……カ…!! アス……!!」ベキベキベキ

アスカ「……七光り!」

シンジ「アンコー! 早くヤッてくれェ―――――ッ!!」

アスカ「!?」
杏子『!?』

レイ「アンコ? ……早くしなさい」

ミサト『(アスカ…?)アンコ……!』

アスカ「何それ……あたしは……あたしは……」プルプル
杏子『アタシハ…』ピクピク

アスカ・杏子「『アンコじゃなァ~~~~~~~~いッッッッッ!!!!』」

―――――――

日向『目標消滅しました』

ミサト『みんな……よくやってくれたわ、ありがとう』

青葉『冬月司令から電話入っています。近くの喫茶店(ペット可)で休憩中だそうです』

ミサト『おつなぎして』

青葉『はい』

ミサト『申し訳ありません。私の判断で魔法少女を2体中破、うちパイロット一人を負傷させてしまいました。

すべての責任は私がとります』

冬月『気にしなくてよい。魔女殲滅に対し、その程度の被害で済んだのはむしろ幸運ではないか』

ミサト『―――! ありがとうございます』

qb『ああ、よくやってくれた葛城一佐。――初号機のパイロットに繋いでくれ』

ミサト『!』

シンジ「父さんが……僕に?」

qb『シンジ、今いる喫茶店なんだがな……
ペット同伴だと、おやつを一つサービスしてくれるらしい。

 次散歩する時は、是非とも一緒に立ち寄―――』

シンジ「」プツン

qb『む、電波が悪いのか……回線が切れてしまったようだ。

 ――では葛城一佐、あとの処理は頼む』

ミサト「あ、はい……」

―――――

杏子『……』タイイクズワリ
アスカ「……あたし一人じゃ……何も出来なかった」ギュッ……

今日はここまで、明日また時間あれば書きます

その日の晩、葛城家

アスカ「ずっと一人が当たり前だったのに……孤独なんて気にならなかったのに」

――――

シンジ「~♪」

ガラッ

シンジ「!」

アスカ「こっち向くなよ、七光り……少しだけここにいさせて」

シンジ「……式波?」

アスカ「今日、どさくさに紛れて名前呼んだでしょ?」

シンジ「あ、アンコだっけ \バキッ/ グエッ、何すんだよ?!」

アスカ「アスカよア・ス・カ! さんざんミサトが呼んでるのに覚えてなかったの? 最低!」

シンジ「ご、ごめん」

アスカ「まあいいわ。特別にアンタも……アスカでいいわよ。その代わり私もバカシンジって呼ぶから」

シンジ「じゃあ、アスカは……何で魔法少女に乗っているの?」

アスカ「愚問ね。黙ってなさいよバカシンジ」

シンジ「……(えぇ~?)」

アスカ「……自分の為よ。少し前は誰かの為に乗っていたかもしれない。

――でも、それがある時、全部ダメになっちゃったから……もう自分の為に乗るしかなかったの」

シンジ「アスカ……」

アスカ「でも、今日は……久々に……ううん、もしかしたら生まれて初めて、

誰かの為に魔法少女に乗って良かったって、心底思ってるのかもしれない。

――ま、アンタのせいで気分は最悪なんだけどね」

シンジ「はぁ……?」

アスカ「アンタこそどうして魔法少女に乗っているのさ?」

シンジ「わからない」

アスカ「あんたバカ? そうやって責任逃れして……」

シンジ「父さんに褒められたい……のは違うな。今日、あの後父さんから通信が入ったんだ。

――なんか、喫茶店でくつろいでいたんだってさ。小動物のくせに」

アスカ「うわぁ……ええと……アンタの父親って、一応組織のトップなんだよね?」

シンジ「うん」

アスカ「……父親に悩まされてたのは自分だけじゃないか」ボソッ

シンジ「何か言った?」

アスカ「うっさい。お喋りはここまでよ、とっとと寝なさい」

シンジ「ここ僕の部屋(物置)なのに……」

翌朝

ミサト「アスカー、洗顔ソープちょっち借りるわね」

アスカ「ちょ、ミサト! いい加減自分のくらい買ってきてッ!!」

ミサト「ケチー」

アスカ「そのケチにビオレ半分以上使われてんだけどォ!!」

シンジ「……昨日のことが嘘のように朝から騒がしいなあ。

僕怪我人なのに、いつも通り朝ごはん担当だし。

――さて、これでお弁当は全部かな?」

アスカ「じゃ、これもらっとくよ?」

ミサト「いつもありがとね♪」

シンジ「どういたしまして」

アスカ「ん?(弁当箱は4つ、あたしたちは3人。これは……)」

第壱見滝原中学、昼休み

アスカ「ふむ……やっぱり昨日怪我したからかね。とはいえ、悔しいが相変わらずの味だわ」

ヒカリ「アスカ、仲直りできたの?」

アスカ「それは聞かないで」

ヒカリ「えーなんでぇ?」
キャッキャ

ケンスケ「式波が委員長と打ち解けている……この2,3日で何があったんだ……?」

ケンスケ「なぁ、上じょ―――」

仁美「上条さん、その……こないだのお礼にお弁当作ってきましたの。お口に合うかどうか分かりませんが……」

メ上条「『太陽スーパーコロナ』か、実は食べるのは初めてなんだ。ありがとう志筑さん」

仁美「えへへ」テレテレ

ケンスケ「」

ケンスケ「――誰もガソリンなんか飲まねーよ! ったく、志筑さんも今朝から上条への視線が熱いし……」

ケンスケ「なあ碇、お前はどう思―――」

シンジ「綾波、これ……お弁当」

レイ「えっ……」

シンジ「あれから綾波の食べられそうなもので考えて、作ってみたんだ。

正直、あれ(父さんの死骸)ばっかり食べていたら身体によくないよ……うん、あれはダメ、ゼッタイ。白いし。」

レイ「あ……ありがとう、でも……」

シンジ「?」

レイ「箸の使い方、わからないの……」オドオド

シンジ「えっ?! (そういえば手掴みで食っていたっけ……)」

レイ「――碇君、食べさせてくれる?」

シンジ「」

アスカ「」<ブフゥーッ!!

ケンスケ「oh...」

ケンスケ「クソックソッ、どいつもこいつも色気づいちゃって、嫌~んな感じ!!

まさか碇大将まで我々を裏切るとは……トウジ、僕ら野郎二人だけでも、寂しく冷や飯でも突っつこうぜ?」

トウジ「……あぁすまん、ワシもパス。ちょっと屋上で風に当りに行ってくるわ」

ケンスケ「おいおい、どうしたんだよトウジ? 晴れてようやく、

それも妹さんと同時に退院できたというのに、元気なさそうだな?

もしかして……病院がそんなに居心地良かったとか?」

トウジ「……お、おう、そんなもんや……」ガラッ

ケンスケ「……」

シンジ「トウジ……?」

レイ「碇君……箸、止まってる」アーン
キャークスクス♪
シンジ「うっ……はい……」ヒョイ、ヒョイ
ヒューヒュー♪

屋上

トウジ「……はぁ……」

――――
―――
――


退院の2日前、病院にて

黒服『鈴原トウジ君、だね?』

トウジ『はい、そうですが……何か用で?』

黒服『私はこういう者です。今日は君にお願いを……』

トウジ『ね、る、ふ……? ネルフって、センセの職場の?!』

黒服『――あまり人に知られたくない話なので、こちらへ』

トウジ『……』

黒服『碇シンジ君の友達ということは、君は少なからず魔法少女について知っているね?』

トウジ『はぁ……実際に見たことは、あ、黄色いねーちゃんのはチラッとだけ。あの時はこっちも大変で』

黒服『それで十分。この魔法少女、今現在ネルフは零号機から二号機までの計3機を保有しているのだが……

つい先週、四体目となる3号機の建造が終了したのだよ』

トウジ『あの……全然話が見えんのですがぁ』

黒服『その魔法少女に乗るパイロットが限られているのは、君も察せるでしょう?

ネルフでは魔法少女の建造とは別に、常に魔法少女の適合者探しも行っているのですよ。

――各機関の協力を得てね』

トウジ『……まさかワシ、いや僕に乗れとか言うんじゃないんでしょうね?』

黒服『ええ、そういうわけでは無いですよ?』

トウジ『でしょ? あ~もう、ほんまやったら冗談きついわ――』

黒服『……用があるのはあなたの妹さんの方です』

トウジ『――!?』

黒服『ネルフによる魔法少女の適合者探しの一つとして、
病院からは、定期的に血液検査を中心とした体組織データを送っていただきましてね。

 そこから魔法少女のコアであるソウルジェムとのシンクロ率を、
理論上の数値ではありますが導き出すことが出来るのですよ』

トウジ『……まさか』

黒服『おめでとうございます、あなたの妹さんと3号機の相性が非常に良いことが先週判明したのです!』

トウジ『んなアホな……!?』

黒服『ところが困ったことにですね、妹さんは魔法少女に乗るのを頑なに拒んでおられるのですよ。
 魔法少女のパイロットになった暁には、国から報奨金など様々な保障がつくというのに……』

トウジ『そんなん、あたりまえですわ! 魔法少女乗るのがつらい仕事なのはセンセから散々聞いとる!
それを年端もいかぬ子に……ワシの妹に任せよう言うんか?!』

黒服『申し訳ないですが……ネルフの権限として、原則決定事項でこれを断ることは出来ないのですよ。

――ただ、運用後のパイロットのメンタル面を考慮すると、今のうちに妹さんには、
お兄さんである貴方の方から乗るよう、説得していただきたいと思ったのですが……』

トウジ『……ふざけんな……! なぁおっちゃん、これを断る方法はないんか?
 あいつは優しすぎる。魔女と戦うなんて、あいつには絶対無理や……ワシにはわかる!』

黒服『おそらくシンジ君達の話を通して存じているとは思われますが……
魔法少女が3機ある今でさえ、今後の魔女との戦いに勝ち続けていける保証はありません。

 現に、その碇シンジ君も命を危険に晒して初めて勝てるケースばかりなのです。
魔法少女をより多く配備することは、今やネルフの、いえ、人類に課せられた急務なのですよ?』

トウジ『それは……そうなんかも知れへんがぁ……』

黒服『ただ、彼女以上の素質がある方が見つかれば、話は別なのですが……』

トウジ『!』

トウジ『おっちゃん、魔法少女って……センセ、いや、シンジみたいな男でも乗れるんやろ?』

黒服『ここだけの話ですが……彼は例外中の例外ですよ?

一族で血の近い方に魔法少女適合者としての素質のある者がいる場合を除けば……

――基本的に魔法少女は若い女性による操作でしか扱えません』

トウジ『だったら……おるわ! ここに……! ワシが乗る!

 ワシが妹の代わりにその3号機に乗ればええんや!』

黒服『あなたがですか? 確かに……参考までにと、取らせて頂いたデータの上では
あなたにも適合者としての素質はありますが……お世辞にも妹さんほどとは思えない』

トウジ『そんなんデータだからや! なぁ、頼む、ワシならきっと出来る! 戦うのは男の仕事でええんじゃ!』

黒服『そうですか。あなたがそこまで言うのなら――』
―――
――


時は現在に戻ってネルフ――

青葉「これがグラウンドゼロ……第二支部と魔法少女4号機が試験運用されていた地点です」

ミサト「酷いわね……」

日向「衛星からイヌカレーフィールドの消滅が確認できます」

ミサト「爆心はおそらく……4号機よね。うちのマミ達も大丈夫でしょうね?」

マヤ「その、4号機は――」

リツコ「4号機は長時間戦闘を想定しての、次世代エネルギー搭載型のテストタイプ……だったらしいわ」

マヤ「北米ネルフ管轄機体の技術情報に関しては、赤木先輩にも十分な開示がなされてないんです」

ミサト「と、なると知っているのは……」

qb1「先の事故で5号機が魔女と相討ち、同四号機も消滅した」

碇qb「魔法少女の損失は計画に支障をきたしますが……」

qb2「問題ないよ、これも修正の範囲内さ」

qb3「尤も君のところで完成したという、3号機の存在もあってのことだが」

qb4「最新鋭機なのだろう? 君のところの主戦力たりえるだろうな」

碇qb「我々は現在も魔女殲滅作戦を遂行中です。3号機はあくまで量産化を想定してのテストタイプ。

主戦力としてはとてもとても……」

qb5「それは君の懇ろにしているプロトやテストタイプも同じことではないかね?」

qb6「然様、来るべき約束の時に必要な魔法少女は一機で十分。

いずれにせよ、それまでに障害となる魔女は全て退けねばならない。全ては人類補完計画のために」

碇qb「承知しております。すべてはインキュベーターのシナリオのままに……」

冬月「それで碇、3号機のパイロット候補は承諾してくれたのかね?」

qb「ああ。快く引き受けてもらった……」

冬月「まぁ、普通に頼めば断られるのがオチだからな……

自分の家族、そしてありもしないデータに踊らされてしまうのはいつの時代の人間も同じ、か……」

――――

そして放課後

シンジ「トウジ、帰ろう。何があったのかは知らないけど……話したくないなら無理に話さなくっても良いし、ね?」

トウジ「……センセ。……すまんのぅ」

ケンスケ「らしくないなートウジ。
――そうだ、ダブル退院祝いに何か食ってこうよ? 碇のおごりで!」

シンジ「え、ちょッ?! いや、その……別にいいけど……」

トウジ「あはは……そうさせてもらおか♪」

同じ頃、喫茶店にて―――

店員「ハイオクマンタン、オモチシヤシター」ゴトッ

メ上条「それで志筑さん、話って何だい?」ズズー

仁美「大事なお話ですわ……そのわたくし、上条さんの事が好きですの」

メ上条「なんだ、僕も志筑さんの事は好きだよ? だって友――」

仁美「違いますの……一人の男性として、お慕いしておりますの……」

メ上条「」ブフーッ!!

仁美「上条さん……お返事は終わったらでかまいませんわ(うっ、ガソリン臭いですわ……)」

メ上条「え、何が?」

仁美「――美樹さんの事です」

メ上条「!」

仁美「上条さんを見てきた時間は、美樹さんのほうがずっと上ですわ……だから、お友達に抜け駆けをしたくないんです」

メ上条「何言っているのかな志筑さんは……話が見えないのだけど。さやかは半月前に転校しちゃったんだよ?

それに、彼女は単なる幼馴染だったに過ぎないし――」

仁美「うそつき。美樹さんが上条さんを見ていたように、上条さんもずっと美樹さんの事を見ていたのですよ?

それは今も同じです……まして、そのように後悔を帯びた目ならなおさら……」

メ上条「……! 僕が……さやかを……」

仁美「ですから……たとえ彼女がどんなに遠くに行かれていたとしても、確かめる術はきっとあるはずです。

上条さん……その時、あなたの気持ちが本当に、美樹さんの方に傾いていないのであれば……

―――その時で結構です、返事をくださいな」

仁美「では、私はこれで……」

メ上条「僕は……」

その日の夜

シンジ「……携帯にメールが……上条君から? 珍しいなぁ」

シンジ「……」

シンジ「ミサトさん、加持さんの電話番号かメールアドレス知ってる?」

ミサト「知らないわよ? あいつのは全~部消したからね! アスカに聞きなさい!」

アスカ「アンタが加持さんに? 珍しいわね。ほれ……ケータイだしなさい。で、何かあったの?」

シンジ「うん、用事があるのは上条君だけどね」

アスカ「あのサイボーグニンジャが? まったく話が見えないんだけど」

シンジ「大したことじゃないよ、たぶんね(……たぶん)」

――――
―――
――


3号機テスト当日、松代の実験施設

オペレーター1「3号機適合者到着確認、現在仮説通路を移動中です」

オペ2「主電源切り替え準備……接続確認、切り替え完了」

オペ3「内部電源設備に異常ありません」

リツコ「カウントダウン再開します」

リツコ「これまでの試験用プラグでのシンクロテストは概ね合格……あとは実際に動かせるかどうか……ね」スパー

―――

トウジ「このプラグスーツゆうん? けったいな感じじゃのう……いまだに慣れんわなぁ」スタスタ

トウジ「センセの話によりゃ、センセは黒髪ロング、綾波は金髪ドリル、新・転校生の式波とか言うんは赤髪ポニテ……

 ワシの乗る魔法少女はどない奴なんやろ? もしかすると赤、黄色と来てるんやから、『青』だったりしてなぁ」ハハ……

ネルフ本部

ミサト「アンタがここにいるの、初めて見たかもね」

加持「中々様になってるだろ? まあそれはいいよ。とにかく上条君、久しぶりだね」

メ上条「その節はお世話になりました」

シンジ「加持さん、美樹さんの行方が分かったのは……本当なんですか?」

加持「ああそうさ。だが……実を言うと、君達にはあまり教えたくないんだ……」

メ上条「? な、何故です……」

シンジ「そうですよ。それに……どうして僕にも、なんですか?」

加持「――あまりに残酷すぎるからさ。だけど……いずれ分かることになるだろうからな……」

――――
3号機ドックにて

トウジ「な、なんやて……? こいつは―――」

リツコ「鈴原君……このことについては、後で説明するわ。さ、今はこちらへ……」

リツコ「エントリースタート」

オペ1「lcl電荷」
オペ2「初期コンタクトに異常ありません」
オペ3「パイロットの精神状態……かなり動揺している模様……」

リツコ「……了解。やはり最初に説明しておくべきだったかしら? まぁ、今回は飽くまで試験。
必要最低限動く事が出来れば、その段階で合格とします。――状況をフェーズ2へ。第二次接続開始……」

――

トウジ「……なあ、何でお前がここにおるん? そもそも魔法少女って一体何や……?」

???『…フフフ』

トウジ「誰じゃ?」

???『…アタシッテ……ホントバカ』

トウジ「!!」

―――――― ― ―

ヴーッ!! ヴーッ!!

オペ1「シンクログラフ反転?! パルス逆流していきます」

オペ2「プラグ深度100オーバー!」

リツコ「何故急にッッ?!」

オペ3「精神汚染濃度が危険域へ達します!」

リツコ「まさか……3号機のソウルジェムが、いえ――3号機がパイロットを?!」

オペ1「プラグ深度、危険域を超えました!」

リツコ「今すぐ引き戻して! パイロットがヒトでなくなってしまうッ!」

オペ2「ダメです、制御不能!」

リツコ「実験は中止します! 急いで電源を落として!!」

オペ3「体内に高エネルギー反応!」

リツコ「まさか……魔女ッ?!」

―――――――
3号機『…ウオオオオオオオ!!!』ギラッ!!
――――
―――
――


ネルフ本部

マヤ「伝令! 松代で爆発事故があった模様!」

シンジ・ミサト・加持・メ上条「「「「――!」」」」

ミサト「被害状況は?」

青葉「不明です。3号機テスト場が爆心の模様……地上施設の倒壊を確認」

ミサト「救助部隊、第三部隊をただちに派遣……戦自が介入する前にすべてを処理して!」

青葉「了解」

qb「第一種警戒態勢」

ミサト「碇司令?」

qb「総員、第一種警戒態勢だ。零号機から二号機まで、ただちに出撃させろ」

ミサト「ですが初号機はまだ――」

qb「二度も同じことは言わん……」

日向「事故現場南方に未確認移動物体を確認……パターンオレンジ、魔女とは確認できません」

シンジ「……加持さん」

加持「いいから、行きたまえ。こっちはこっちで、ね?」

シンジ「はい」タタッ

加持「葛城、車借りていいか? 俺達も現場まで行きたいんだ」

ミサト「何で? ダメよ、危険に決まってるでしょ?」

加持「おや、俺を心配してくれているのかい? 嬉しいなぁ……」

ミサト「馬鹿、車の方よ! まだローン返済しきってないんだから!

――何かあったら、残りのローン含めて、新しいの買ってもらうからね?」

加持「うむ、交渉成立だね。それじゃ、上条君、俺たちも行こうか?」

メ上条「……僕も、ですか?」

加持「実際に見た方がいいんじゃないかと思ってね……」

メ上条「……?」

加持「なに、安全は保障するよ。ただし、そのあと君がどう行動するかは……君に任せたい」

メ上条「――分かりました」

マリの出番はあるんでしょうか

また続きをちょっとずつ

>>178
真希波さんは出ません

その後、野辺山近郊……ほむらの待機地点にて

ミサト『今回はいつもと違い、通常なら最前列のほむらの修復が十分に完了していない為、
目標から近い順に杏子、マミ、ほむらを間隔を空けて配置……マミに代わって、シンジ君には射撃による援護を主に任せます』

シンジ・レイ「『了解しました』」

アスカ『こないだの魔女であたしの撃墜数は二体とあんたと同点。当然、今回の魔女はアンタには獲らせないからね?』

シンジ「また記録の話? 懲りてないな……」

ミサト『分かってないわね、今のはアスカなりのシンジ君への気遣いよ?』

アスカ『なっ、そんなわけないでしょ? 黙って指示だけ出してればいいのよ!』

ミサト『はいはい』

シンジ「リツコさん、大丈夫でしょうか……?」

ミサト『救助は続いているわ。それにあいつが死ぬとしたら、たぶん煙草の吸いすぎとか、そんなところだから』

シンジ「なんですかそれ……」

青葉『二号機待機地点に監視対象物接近! 二号機パイロットは待機状態より、戦闘態勢へ移行せよ!』

アスカ『了解!』

ズシン、ズシン……

アスカ「来たわね……さあて、アンタが魔女なら容赦なく狩らせてもらうわ……
これってバカシンジへの借りも返せるし、リベンジも果たせるしと、一石二鳥じゃないの」
杏子『…アイツカ』

???『』ズシン、ズシン……

アスカ「って……何あれ……」
杏子『……?!』

???『ウオオオオ』ドドドドド

アスカ「――! 速っ―――!」

――――

アスカ『きゃあ――ッ!』ザザー

青葉『二号機との通信が途絶えました!!』

ミサト『アスカ?! アスカ!』

シンジ「アスカが一撃で倒された……ッ?!」

日向『目標、そのまま零号機側へ進行』

ミサト『レイ、気を付けて!』

レイ『了解』

ドドドド……
レイ「……」グッ…
マミ『ティロロロロ……』チャキッ

???『ギャアアアアアアア』ドドドドド
レイ「――?!!」
マミ『ティロッ?』

レイ「……あなたが……なぜ?!」ガッ
レイ「しまった――」

―――――

レイ『あああっ―――!』ザザーッ

青葉『零号機も通信断絶!』

ミサト『レイまであっさりと……』

シンジ「(直前の綾波の声……動揺していたけど……一体何があったんだ?)」

――――
ブロロー、バタン

メ上条「あれにシンジ君が乗ってるんですか……」ガシャン

加持「そうだ。そして――」スチャッ

加持「もう『一機』、いや『一機だったもの』が……来る!」

青葉「現在目標は初号機へ接近、そしてたった今映像での捕捉完了……メインモニターへ転送します」

――
3号機『』ズズン、ズズン……

シンジ「!?」
――

日向「パターン確認完了……青です……」

冬月「やはりこれか……」

ミサト「活動停止信号を発信、エントリープラグを強制射出して」

マヤ「だめです、停止信号及びプラグ排出コード認識しません」

qb「魔法少女3号機は現時刻を以て破棄……監視対象物を第9の魔女と識別する」

シンジ『何で……』

ミサト「シンジ君……?」

3号機『』ズシン、ズシン……

シンジ「魔女……これが魔女ですか? 父さん」

qb『そうだ……目標だ……』

シンジ「バカな……あれは魔女じゃない、どこからどう見たってほむらと同じ、魔法少女じゃないか……

――違う、僕が言いたいのはそんな事じゃあない! 何で……何でだよ!?」

さやか『』ズズゥン、ズシイィンン……

シンジ「どうして……美樹さんが魔法少女になってるんだよッ!?」

――――

加持「あれが……すべての答えだ」

メ上条「……そ、そんな」

ズズン、ズシン……
シンジ「はは……父さんも趣味が悪いよ? 大体、人類を守る兵器のデザインに僕の元クラスメートの女の子だなんて。

 上条くんが見たらビックリじゃないか……でも、そうなんだろ? 父さん、あれは美樹さんをモチーフにした魔法少女なんだよね?」

ミサト『あれが、あの魔法少女が……シンジ君の……?!』

ズシン、ズシン

qb『あれは魔女だ』

ズシン、ズシン…

シンジ「いや、魔法少女でしょ――」

qb『言い方を変えようか。あれはもはや魔法少女ではない……魔法少女3号機、

――さやかのソウルジェムは完全に黒く染まり、グリーフシードを内包した魔女となったのだ』

シンジ「ふ ざ け る なッッッ!!」

さやか『ガアアアアア』ズドドドド……ガバアアッ!!
ほむら『!』

青葉『魔女、初号機に向けて大きく跳躍!』

さやか『キャハハハハハ』ガシッ、ズシイイン
ほむら『ホ…ムァ…』ギリギリギリ
シンジ「うが……」メキメキキ……

――
マヤ「初号機、頸椎付近に侵食発生……神経回路の断線を次々に確認! このままでは危険です!」

冬月「侵食タイプの魔女……危険すぎる」

ミサト「シンクロ率を28%までカットして!」

qb「待て」

ミサト「司令?! このままでは初号機パイロットが――」

qb「シンジ、なぜ戦わない?」

シンジ『……むしろ……こっちが聞きたいよ……何で、どうして美樹さんが……魔法少女になって!

しかも魔女になんか! なっているんだよッッ!!

こいつが本当に美樹さんだって言うんなら……ほむらは! マミは! 杏子はどうなんだよ?!

魔法少女って……一体何なんだよォッッッ?!』ギリギリ……

ミサト「司令……! どういう事なんですか?」

冬月「碇……」

qb「ああ。……今まで特に聞かれなかったからな。――美樹さやかは私と契約し、魔法少女となったのだ」

さやか『アハハハ…タノシー♪』メキメキ…
シンジ『……話が吹っ飛びすぎてる』ギリッメキメキ…

qb「お前が死なない内に話し切れるかなどわからんぞ……? まあ良いだろう」

qb「15年前、第1の魔女が南極上空で大爆発を起こした。――これが後のセカンドインパクトと呼ばれる事件だ。

 この時、世界中に散らばった魔女の残骸の――あるモノはグリーフシードとして長い年月をかけて、

少しずつ人間の負の感情を吸って魔女へと代わり、またあるものは人間の体内に因子として植えつけられた……」

ミサト「まさかそれが……」

qb「魔法少女――いや、魔女としての素質だよ」

シンジ『魔女……!? グフッ』ギリギリ

qb「そして、再び現れるであろう魔女との戦いに向けて、我々が出した結論――

それは、魔女を兵器として利用する事だった」

qb「私はちょうどその頃に、出会ったのだ……『インキュベーター』とね」

ミサト「インキュベーターってネルフの上層組織の……」

qb「そうだ。この時、私はヒトの身体を捨て、今の姿と能力を得た。

――魔女として素質ある者の願いを叶える代わりに、その魂を抜き取るという力をな……」


qb「ところが、魔女というものは全くヒトの制御の及ばないほどの強大な力を秘めていてな……

結局はあきらめて、もう一つの方式を採用することになった」

qb「それが魔法少女だ……」

シンジ『!!』

qb「そもそも魔法少女自体、便宜的に作られた言葉に過ぎない……

ヒトと魔女の境界に……その魂をソウルジェムという形で無理やり固定することで、

ヒトによる制御を可能とした魔女、それが魔法少女の正体なのだよ、シンジ」

qb「話が過ぎたな……さあ、シンジ……そいつはもはやお前のクラスメートではない。

魔女だ、我々の敵だ……倒すがいい」

シンジ『こいつは美樹さんだ……それにパイロットだって乗ってるはずだ……僕にはできない!』ギリリ

qb「お前が死ぬぞ」

シンジ『いいよ……二人を殺すよりは、いい!! ぐあああああ!!』ミシミシ

qb「……シンジ」ギリッ

――――
さやか『ガアアアッ』ブンッ!!

ほむら『グフッ』ドサリッ……
シンジ「!?」

さやか『グガガ……ガガ』ジュルルル……

青葉『魔女の内部より、何かが……』

ズルズルッ
オクタヴィア『キャハハハッハハア…』シュウウウウ
さやか『』ズズウン……

シンジ「美樹さんのソウルジェムがあった所から……魔女が」

オクタヴィア『アハハハハ……ハァ……』クルッ

qb『人魚の魔女か……シンジよ、あれこそ魔女の因子を持つ人間の魂が、

ソウルジェム、グリーフシードを経て行き着く最後の姿なのだ……

その正体を見て尚も、お前は戦いを拒むと言うのか?』

シンジ「……くそっ、くそおおッ……」
ほむら『ホムム…』ググッ、フラフラ……

オクタヴィア『……キミデ アソブ ノモ…アキテキチャッタナ……』ズシン、ズシン……

ミサト『シンジ君! 立って! お願い……!』

オクタヴィア『……シネ……』
ブゥン―――!!!

ガキイイイン!!
シンジ「――! これは……イヌカレーフィールド?!」

さやか『』ググググ……
オクタ『!?』ググググ…

ミサト『一体どういう事?! 3号機のジェムは失われたはず……』

マヤ『エントリープラグ内部に何者かが侵入している模様……』

???『大丈夫かい、碇君……』

シンジ「君は!」

メ上条『ここから先は……僕にまかせて!』ググググ

―――

冬月「な、ジェムのない魔法少女の器を動かしているだと?! 彼は一体!」

qb「『疑似魔法少女』だな……ジェム抜きに器を操作する技術……

我がネルフの研究していたモルモットを、こんな所で見られるとはな」

加持「結局、行ってしまったか……尤も、今の彼を止める理由など、どこにも無いがね」
トウジ「ううっ……」

――――

メ上条⇒さや上条『……あなたが、さやかと契約したんだって?』ガキィン!!

オクタ『ググウウ』ズザアアアアー!!

日向「魔女、イヌカレーフィールドによる打撃で大きく後退!!」

qb「――そうだ、彼女の願いを叶える代わりに、その身体からソウルジェムを生み出した」

さや上条『じゃあ、もう一つだけ……聞いて良いでしょうか……さやかは……一体、何を願ったんですか?』ダダダ

オクタ『!!』フィーン、ガキイイン!!

青葉「魔女も……3号機の剣による攻撃に対し、イヌカレーフィールドを展開!」

シンジ『……美樹さんは、上条君の身体を動かせるようにって願ったんじゃ――』

qb「――違う」

シンジ『!』

―――
――


第三見滝原病院にて

qb『…さあ、美樹さやか、今の君は願いを叶えるだけの資格を有している。

――その魂の代価にして、君は何を願う?』

さやか『あたしは――』

qb『……』

さやか『恭介がこの先、どんな身体でも……

たとえ今みたいに、手の動かないようなままの身体であっても、

それを乗り越えていける強い心と、そんな彼を支えてくれる素敵な友達を持てたら、いいなって……』

qb『……ほう……美樹さやか、あまり口出しはしたくないのだが……その願いは正直、理解に苦しむ。

――何故、正直に彼の身体の回復を願わない? 君の素質ならば、その想いを現実にするには釣銭が戻ってくるほどだぞ?』


さやか『へへ……確かにあたしもそうなったらいいな、って今まで何度も思ってきたよ?

でもね……考えてみたら、恭介は今までもずっとバイオリンを練習してきたの。天才とか、環境なんて関係なしにね。

天から与えられたものじゃあない、バイオリンの力は――恭介が血の滲むような思いで……自分の力で掴み取ったものなの』


qb『……』


さやか『――だから、それを運命が無慈悲に奪ったからと言って、恭介がそう簡単にあきらめるわけがない……

あたしは恭介を信じてるもの。――だって、恭介はあたしの……さやかちゃんの自慢の幼馴染だからね?』フフッ


qb『そうか――まあ、私としてはソウルジェムさえ回収できれば、良いのだがな』

qb『(……そのついでだ、試しに疑似魔法少女の実験体としても有用となろう……)』

―――
――

さや上条『そうだったんだね……さやか……君は――』シュバッ……
ドサリ…ザクッ

オクタ『ギュアアアアアアアア~ッ!!!』ブンブン

さや上条『!』ブシュウウウウウッ

青葉『3号機、左前腕を切断……!!』

日向『人魚の魔女……さらに反応が強く……』

ミサト『これは魔女が……美樹さんが、動揺しているの…?』

シンジ「上条君ッ!!! 駄目だッ!!! もういい!!!」

さや上条『……』ブシュウウウウ……

さや上条『……さやか……君は僕の事をそこまで思って……そんな姿にまでなって……』

オクタ『ギエエエアアアア!!』フィイイィ……

マヤ『魔女、イヌカレーフィールドを展開』

青葉『守り……』

ミサト『いえ、そんなものじゃあない……彼女のそれは拒絶よ』

シンジ「!!」

さや上条『……怖がらなくていいよ……僕だ……忘れたのかい?』ガキイイイイイイ……

日向『3号機も右手でイヌカレーフィールドを、劇団空間を中和していきます』

オクタ『! クルナ……ヤメロッ……コナイデェ……』ブンッ、ブンッ!!

ザクッ、ザクッ……!!

ミサト『このままでは3号機のパイロットが……死んでしまう!』

さや上条『……さやか……』ブシュッ…ズシン、ブシュッ……ズシン……

――― ―‐-

―――
――


さやか「恭介、お願い!! 見ないで!! 来ないでよぉ……!!」

上条「……」

さやか「あたし、こんな姿になったんだよ……もう死んでるんだよ?

こんな身体で抱きしめてなんて、言えない! ――キスしてだなんて言えないよぉ……!」

上条「さやか――」ギュウッ
さやか「――!!」

さやか「いやだ……離れて……でないと、あたし恭介を――」

上条「……ずっと言いたかったことがあるんだ」

上条「最初に一言、『ごめんなさい』」

上条「そしてもう一言……『ありがとう』って」

さやか「――!」

上条「君の祈りがあったから、僕は立ち直れた。君の思いが通じたから、僕はたくさんの素敵な友達と出会えたんだ」

上条「でも、同時に君の存在が僕にとって、どんなに大きなものだったかも分かった……」

上条「それに、いくら誰かの為に幸せを祈ったって……一人じゃ……やっぱり寂しいよなぁ……?」

さやか「恭介……」ギュッ

上条「――さやか、もう大丈夫だよ。君だけを一人にはしない――」

―――
――

オクタ『ウアア……アアア』ザクッ、ザクッ……
さや上条『……』ブシュウッ、ブシュウッ……

シンジ「上条君……止めて!!!! それは―――!!」

さや上条『さやか――ッ!!』ザクッ!!!
オクタ『――!!』グアサアッ!!
マヤ『3号機プラグ、及び目標のコアに亀裂、さらに高エネルギー反応が……』

ミサト『まさか――』
シンジ「~やめろおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

松代基地、爆発現場

リツコ「――ええ、何とか生き延びたわ。我ながらビックリするくらいのしぶとさね」スパーッ

リツコ「……ところでミサト……魔法少女3号機……さやかは?」

リツコ「――そう、処理されたのね……魔女として。

――いいわ、落ち着き次第……私の話せる限りで話すわ。

ところでシンジ君は……」

―――
――

ジオフロントのネルフ本部

マヤ「初号機ほむらの連動回路……カットされています」

青葉「まさに籠城だな…」

ミサト「射出信号は?」

マヤ「プラグ側から固定されていて……受信しません」

ミサト「――シンジ君!」

シンジ『――僕がバカだったんだ……』

ミサト「!」

シンジ「父さん……何故見てるんです?! 何か言えよ……何とか言えよ!?」

qb『……』

日向『シンジ君、彼が身を挺さなければ君のほうがやらていたんだぞ?!』

シンジ「……そんなの関係ないよ」

日向『だがそれが事実だ!!』

シンジ「そんな事言って僕を怒らせないでよ……ほむらに残されているあと185秒と時間停止能力……

これだけあればネルフの半分、いやこの本部の全部を壊せるんだよ?」

青葉『今の……いや、普段から意外とキレやすかった彼なら、やりかねませんよね』

ミサト『シンジ君、話を聞いて! 魔法少女が無ければ今日まで私たち、生き残ることすら出来なかったのよ?』

シンジ「そんなの関係ないって言ってるでしょッッッ!!」

シンジ『父さんが……美樹さんをッ! 上条君を……殺したんだッッ!! それだけじゃあないッッッ!!

マミだって、杏子だって……このほむらだって!! 生きていたんだ!! 普通の人間として!!

それを父さんは……アイツは……殺したんだッ!!!』


ミサト「シンジ君!!」


シンジ『こんな奴の下で何も知らず、のうのうと戦っていた僕がバカだったんだ…!!

父さん……何とか言えよ……何とか言えよ、この小動物!!

アンタ何も分かっちゃいないんだ……! アンタも大切な人を失えばいいッッ! そうすればきっとわかる!!』


qb「残念だよ、シンジ。――lcl圧縮濃度を限界まで上げろ。子供の駄々に付き合ってる暇はない……」

シンジ『まだ直轄回路が残って……ゴボッ』ゴボボボボ……

シンジ「(畜生、畜生ッ……)」ゴボボ――

ミサト「――それで、本当なら検査に行きたいところでしょうけど、

こっちも色々あり過ぎて困ってるのよね。洗いざらい、話してもらうわ」

リツコ「ええ。こうなった以上は、話すしか無いでしょうね……」

加持「――その話なら、俺も聞かせてほしいな……」

ミサト「加持君……」

リツコ「あら……鼻が利くわね、さすがは政府の犬ってとこかしら?」

ミサト「!」

加持「バレていたか……だが俺が知りたいことは、きっとミサトと同じさ」

加持「じゃあ、とりあえず、このターミナルドグマの扉を開けようか……」ゴゴゴゴ

ガタンゴトン……ガタゴトゴトン
???「碇シンジ、あなたはいつもそれを聴いているのね……」

シンジ「ああ。耳を塞げば、心も塞がるんだ。嫌な世界を見なくて済むからね……これは昔、父さんが使っていたものなんだ」~♪

シンジ「これがあれば、父さんが守ってくれるような気がしていたんだ。――僕の勝手な思い込みでね」

シンジ「結局は父さんは、訳も分からない珍獣になって人殺し、あまつさえその死体を冒涜して……あんな最低な父親だなんて、思いもしなかった」

???「碇シンジ……あなたはお父さんを……キュウべぇを分かろうとしたの?」

シンジ「してません」キッパリ

???「ええ、そうよね。私もあいつだけは……理解しようとも思わないわ」

シンジ「……僕たち、気があうね」

???「奇遇ね。――私もそう思っていたの」

シンジ「君の名前は?」

???「私? 私の名前は――」

―――
――

シンジ「……またここか……もう……嫌だ……!」

ガラッ
黒服「お、目覚めたか。着替えたら出たまえ。司令がお会いになるぞ」

――

司令室にて

qb「魔法少女の占有、本部設備の破壊、稚拙な恫喝、エントリープラグ内への勝手な私物の持ち込み……

これらはすべて犯罪行為だ。何か言いたいことはあるか?」

シンジ「はい……僕はもう、魔法少女に乗りたくありません」

qb「……本当に?」

シンジ「くどいぞッ!!!」

qb「そうか……では、出ていけ」

シンジ「はい」スタスタ……

qb「また逃げ出すのか? ほむらと会ったときのように……」

シンジ「……」ピタッ

qb「自分の願望とは、あらゆる犠牲を払ってでも手に入れる価値がある……たとえそれが自分の魂であってもだ」

シンジ「……」

qb「シンジ……大人になれ」

シンジ「……僕は大人である以前に、人間ですらない奴にそんな事を言われたくありません」スタスタ

qb「……」

冬月「こりゃ一本取られたな、碇」hahaha...

qb「黙れ」

冬月「はい……」

qb「――私だ、三番目の登録を抹消。ほむらは次の適合者を見つけるまで凍結――」

ネルフ内の休憩室にて

ミサト「ごめんなさい……私にはシンジ君を止めることは出来なかったわ」

アスカ「ミサトが気に病む事は無いわよ……むしろビックリだわ。
――あのバカシンジ今の今まで戦い続けてこれた事がね」

レイ「……」

ミサト「じゃあ、私はこれで。あなたもレイも、しっかり休んどきなさい。

――おそらく次が、最後の戦いになるわよ」

アスカ「ええ。そうさせてもらうわ。

それと杏子とマミのコンディションもバッチリにしてくれるよう、言っといてね!」

ミサト「……ええ。そうリツコに伝えとくわ」

アスカ「はぁ……目覚めたら、ネルフもアイツも、とんでもないことになってたわね」

レイ「……」モキュモキュ

アスカ「(また死骸を食ってる……)
特に魔法少女の正体には、度肝を抜かされたわ。

ミサトの話が正しければ、あたしやアンタにも、魔女の種が入ってる事になるのよ?

ま、道理で魔法少女があたし達、一部の人間にしか動かせなかったわけだけど」

レイ「……」

アスカ「――ちょっとショックよね。アンタはどうする?
バカシンジは父親不振もあるし、もう乗るつもりもないみたいだし……」

レイ「……むしろ――」

アスカ「!」

レイ「むしろ……納得が行くわ。魔法少女が……マミが私と心を通わせられた理由」

レイ「上手く言えないけれども……それはきっと、あなたも同じように感じているはず」

アスカ「……そうかもね」

レイ「でも……美味しくない」

アスカ「?」

レイ「もう、これ、食べられない。私……
碇君の作ったご飯、食べたい……これからも、ずっと……」

アスカ「それって、遠回しのプロポーズじゃないの。あははっ……
あんなに人形っぽかったエコヒイキも、随分と人間じみてきたわね」

レイ「……?」

アスカ「そう思ってんなら、次の戦いは絶~ッ対に負けられないわよ?

きっちり休んで、きっちり戦って、きっちりケリ着けて、
あのバカを連れ戻しましょ、レイ」

レイ「……! ええ、アンコ」

アスカ「――アスカよ! アしか合ってないじゃないのッ!」

ジオフロント近くの、とある駅構内――
『日本政府より、特別非常事態宣言が発令されました。
緊急条例に基づき、この列車は最寄りの退避ステーションに停車します。
ご乗車のみなさまはただちに列車より――』プシュー

シンジ「魔女か……」

加持「――シンジ君」

シンジ「加持さん。どうしてこんな所に?」

加持「君を探していたからね。もう魔法少女には乗らないんだって?」

シンジ「ええ。――こんなことなら加持さんの言ってた通り、
美樹さんの事……知らない方が、良かったかも知れませんでしたね」

加持「彼女の事は遅かれ早かれ、知ることになっていただろうさ」

シンジ「それで、用件はそれだけですか?」

加持「実は君に是非とも会ってほしい人がいるんだ。……来てくれるね?」

シンジ「……はぁ?」

ネルフの発令所
日向「総員、第一種戦闘配置……対地空迎撃戦用意!」

冬月「目標は?」

青葉「現在侵攻中……旧小田原防衛線、突破されました」

ミサト「今の衝撃波がそれ? ただ事じゃないわね……」

―――

シンジ「加持さん……こっちはネルフの方じゃないですか。
――まさか父さんと仲直りしろとか、言うんじゃありませんよね?」

加持「君がしたければそうすれば良いけど……ハズレだ。
折角だし、道すがら……予備知識的なものとして、話をしておこう」

シンジ「予備知識?」

加持「ああ。ちょっと前に聞き入れた、重要なお話さ――」

碇シンジの拘束直後、セントラルドグマの奥深くにて

リツコ『碇司令は聞かれない限りは答えない人だから、きっと言ってない事だと思うけど……

15年前のセカンドインパクトは作為的に引き起こされたものだったの。
――遠い星から来たインキュベーターによってもたらされた、第一の魔女を使っての、ね……』

ミサト『……何ですって?』

加持『連中は何のためにセカンドインパクトを?』

リツコ『人類補完計画……全ての人間を純粋なエネルギー体へと還元し、
この滅びゆく宇宙を維持するためのエネルギーに充てる事、が真の目的らしいわ』

リツコ『魔女は、その方法は数あれど、いずれも食らった人間を余すとこなくlclへ還元することが出来るようなの』

リツコ『……言ってみれば究極のエネルギー変換炉よね』

ミサト『……』

リツコ『でも、15年前の計画は失敗に終わった』

加持『それが魔女の爆散に繋がるというわけか……』

リツコ『ええ、御名答……魔女の吸い取ったエネルギーは、そのキャパシティを大きく上回り、

結果として第一の魔女は、自分の肉片と子種を世界に振りまいて消え去った……』

ミサト『奴らは……インキュベーターは、補完計画を諦めたの?』

リツコ『まさか? その為のネルフであり、その為の魔法少女よ?』

リツコ『さて……着いたわ。ここに奴らの次なる計画……
――サードインパクトの鍵となる存在が、安置されているわ』ギィィ……

ミサト『……これは、いや……この子は?』

ピンクの髪の女の子『……』

リツコ『鹿目まどか。彼女もまた魔女の因子をその身に宿した
魔法少女の適合者であり、魔女候補でもあるわ』

加持『眠っているようにも見えるが……彼女は生きているのか?』

リツコ『ええ、生きているわ。ただし、ほむらがソウルジェムに変化した直後にかけた呪いによって……
彼女だけ、時間がずっと停止したままなのよ。

――彼女が碇司令と契約しないようにね』

ミサト『……何故、ほむらはそんなことを……』

リツコ『言ったでしょう。――この鹿目まどかこそ、サードインパクトの鍵なのよ』

リツコ『第一の魔女……ワルプルギスの夜が、セカンドインパクト直後に
世界中に散らばったという話は、さっきも言ったと思うけど……

――それで奴の存在が完全に消えた訳ではないの』

リツコ『例えば砕けたビスケットの、いずれの破片も等しい大きさとは、限らないでしょう?』

ミサト『何が言いたいの?』

リツコ『一つには、魔女の因子の大きさ、強さよ。

 小さい欠片は放って置いても魔女にはならず、自然消滅するし……
人間の母体に取り込まれた種子が弱ければ、魂を取り出しても魔女としては発現しない……』

リツコ『……それならば、もう少し大きい破片は?』

加持『そいつが人間の負の感情を吸って魔女や使い魔になり、あるいは母親の身体から、
いずれ精神的に不安定な時期を迎えるであろうその子へと、因子が受け継がれるという事なんだな?』

ミサト『なら、もっと大きい破片……つまり、ワルプルギスの夜の片割れとも言うべき存在は?』

リツコ『そこまで理解出来たなら、もう言う必要もなさそうだけど……』

qb『半分はそこにいる鹿目まどかの魂の中に、そしてもう半分は……再び力をつけた今、
まさにここに向かっている最中というわけだよ。

――完全なる復活を果たすためにな』ヒョコッ

ミサト『い、碇司令ッ!?』

qb『赤木君……今までずっと我々に忠誠を尽くしてくれていたのに……
ずいぶんあっさりと告白してくれたものだね?』

リツコ『――私はただ、サードインパクトを回避するためだけに……、
どんなに汚いやり方でも……その方策を模索していただけ』チャキッ

ターン!

qb『キュプッ』グチャ

ミサト・加持『『!!』』

リツコ『あなたみたいな、獣に魂を売った奴に忠誠を誓った覚えなど、ないわ。
……そこはお互い様かも知れないけどね』ヒュー

qb『』

ミサト『り、リツコッ、あんた碇司令を……!』

加持『――なるほど、綾波レイが主食にしていたり、毛皮にしていたわけだ』

新qb『その通り』ヒョコッ、ムシャムシャ

ミサト『ゲェーッ!?』

新qb⇒qb『――きゅっぷい』

リツコ『――まるでダメなおっさんがやると、全く可愛く聞こえない音よ?

あざといのは、見た目だけにしておきなさい』

qb『私だって、何も好き好んでこの身体になったわけじゃあない……
全ては補完計画を達成し、魔女の中へと消えたユイと再び会う為さ』

ミサト『(そのわりにはペット生活を充分に満喫していたような……)』

リツコ『昔の女をまだ引きずってるの? そのために今までの全てを施策したというのだから……
――あなたは人類にとって、本当に迷惑な存在ね』

qb『ワルプルギスの夜が復活してしまえば人間は皆、宇宙の一部へと変わる。
私はその時間をほんの少し早めているだけに過ぎない』

qb『今まで魔法少女とその適合者を以て、魔女を退けてきたのも……

 最強の魔女候補にしてワルプルギスの夜の最高の餌たる鹿目まどかを、
他の凡庸な魔女の為に無駄に食らわせないための話さ』

ミサト『碇司令、あなたって人は……!』

加持『――だったら、その餌を今ここで駄目にしてしまったら?』スチャッ

ミサト『加持くんっ?!』

加持『……』

qb『……』

リツコ『……無駄よ』

qb『賢明な判断だよ赤木君。仮に今ここで鹿目まどかを殺害して魔女の半身が失われたとしても、

ワルプルギスの夜は再び身を隠して、15年前かそれ以上の力をつけて戻ってくるだろう……』

qb『むしろ君たちはオリジナルの力の半分しか無い魔女の親玉を、
そのもう半身を餌に、叩くチャンスを握っている状況にあるのだよ……?』

ミサト『そんなっ……』ガクッ

加持『――あはは、やっぱりこんな脅しじゃあ効かないか……はぁ』スッ

qb『そしてもし、ほむらのかけた呪いが解けた上で鹿目まどかが私と契約し、魔法少女として
ワルプルギスの夜を倒したとしても……彼女の魂もまた、ワルプルギスの夜そのものだ。

――行く行くは、人類を滅ぼす魔女へと変わるだろう』

リツコ『どう転んでも、インキュベーターの思う壺、って事よ……』スパー

ミサト『……じゃあ……私たちは今まで……何のために戦ってきたって言うのよッッ!!』

リツコ『無論、生き残るために他ならないわ』

ミサト『リツコ!』

加持『ああそうだな、りっちゃん。やることはただ一つ……
――ここに来るワルプルギスの夜を倒す、それだけだ』

qb『鹿目まどかが私と契約しない限り、魔女の因子は永遠にその魂に閉じこめられたまま、
彼女と生死を共にするであろう……。

――よって後はそのもう半分を殲滅することが、君たちに課せられた最後の作戦という事になるな』

ミサト『……!』

qb『さあ、葛城君。君もそろそろ持ち場に着いた方が良い。

何しろ最終決戦だ……私も冬月も、出来る限りのサポートをしてあげようじゃあないか!』

ミサト『――はぁ?! 今まで散々ヒトを滅ぼしたがっておいて、どういう風の吹き回しよ?』

qb『もう忘れたのかね、魔女が人間の負の感情を何より好むという性質を。

どのみち君たちがワルプルギスの夜に勝てる要素など、どこにも無いのだよ』

ミサト『~~ッッッ!』

リツコ『……』

加持『……』

qb『ギリギ○まで頑張って、ギ○ギリまで踏ん張って……
○ンチの、ピ○チの、ピン○の連続……
――そんな時、絶望して滅んでくれたまえ』

リツコ『うるさい……っと!』ターン!

―――
――


加持「――というように、ワルプルギスの夜がターミナルドグマに安置されている
鹿目まどかを取り込んでしまえば、第一の魔女は完全、いやそれ以上に強く復活し、
今度こそ人類は全て、宇宙に必要なエネルギーとして取り込まれてしまうだろう……」

シンジ「父さんが……そんな事を……」

シンジ「――でも、僕はもう……ッッ!!」

加持「勿論、最終的に決めるのは君自身さ。
 だけど、これはまさに……一生のお願いだ……
今はもうちょっとだけ、その決断を先へ延ばしてはくれないか。

――さあ着いたよ。この扉の先で、彼女が君を待ってくれている」
シンジ「――これは……!」
―――
――


発令所にて

オペレーター『第3見滝原市を中心に、集中的な大嵐を観測』

オペ2『付近の住民は既に地下施設へと、避難完了……キャッ?!』ザザーッ



青葉「だ、第四地区に直撃……!」



日向「24層からなる特殊装甲が……今の一撃ですべて……だと?!」



冬月「……15年ぶりだね」



qb「ああ、間違いない……『魔女』だ」


ワルプルギスの夜『アハハハハハハハ!!!!』

qb「――ひさしぶりだな、ワルプルギスの夜」ニヤア~ッ

ミサト「あれが、ワルプルギスの夜……! 私も15年ぶりではあるけど、実際に見るのはこれが初めてね……!

――皆、総力戦よ! 要塞都市全ての迎撃設備を特化運用……僅かでも良い……魔女を食い止めて!」

ミサト「アスカ、レイ……十分休んだかしら? ――敵の侵攻は想像以上に早く、想像以上に激しいわ。

予定していた地上での迎撃には、もう間に合わない……そこでアスカはジオフロント、本部付近から射撃による迎撃を、
レイはさらに離れた指定のポイントから随時、対遠距離武装による狙撃でアスカの援護を!」

アスカ・レイ『『了解』』

青葉「目標、ジオフロント内に侵入!!」

日向「魔法少女二号機、杏子と会敵します……!」

―――

ワルプルギスの夜『キャハハハハハハハ』

杏子『デ、デケェー!!』
アスカ「あれがワルプルギスの夜! もう第五次防衛線を突破したっていうの……?!」

マミ『ティロロロ……』
レイ『速攻で片付けないと、本部が駄目になるわ』

アスカ「分かってるわよそのくらいッ!」
杏子『イクゼ……』ガシャン

杏子『オラオラオラオララララララ』ガガガガガ……!!

ワルプルギスの夜『アハハハハハ………』ガキキキキイイイ!!

杏子『ナッ…?!』ガガガガ……ガシャン!

青葉『目標はイヌカレーフィールドを展開……二号機による攻撃の効果は全くない模様!』

アスカ「――見てれば分かるってぇ~のッ! フィールドが強すぎて……ここからじゃ埒が明かないわ!」

ワルプルギスの夜『ホラホラホラ……』フワワ……ズズズ…

ミサト『あれは!』

アスカ「第3見滝原市のビル群……?!」

ワルプルギスの夜『ソレッ!!』ブン、ブン、ブンッ!!!

アスカ「あ、危ないっ!! こいつめっ!!!」
杏子『クソッ』サッ、サッ――! ガスン!! ズン!!! ズドン!!

日向『目標、建造物を二号機及び本部側へ向けて投擲! 一部は本部施設を直撃……! 被害状況は――』

ミサト『アスカ、上手いわ!』

杏子『ウオオオオ!!』ダダダ
アスカ「遠くで駄目なら……ゼロ距離で勝負してやる――!」

アスカ「杏子ご自慢の槍を味わえッッ!!!」
杏子『ウォーーーーリャアアアア!!!!!』ブォオオン!!

ガキイイイイン!!!!

アスカ「なっ……貫通しない?! 今までどんなイヌカレーフィールドも穿ってきた、杏子の槍が……!」
杏子『――!』

ワルプルギスの夜『ウフフフ……』シューーーッ!!

レイ『――アスカ、危ないっ!』

バキイン!!!

アスカ「きゃああああっ!」
杏子『……グアアア』ガガッガッガガア!!

青葉『二号機に目標の拳が直撃! 大きく吹き飛ばされました!』

ミサト『レイ、魔女の注意をアスカからそらして!』
―――
レイ「了解……! 陽電子砲……発射!」ガチャン
マミ『ティロ……フィナーレッ!!!』バシュウウウウッ!!!

ワルプルギスの夜『クハハハハ……』キュウウウウン…

レイ「!」
マミ『……フィナラナカッタ?!』ガーン!

ミサト『――嘘! 光学兵器さえも無効化するって言うの?!』

ワルプルギスの夜『ソーレッ』ヒュンヒュン

使い魔a『キャハハハハ』
使い魔b『イヒヒヒヒ』
使い魔c『クフフフッ』


アスカ『!』
杏子『アレ、カザリジャナイノカ』ジャキッ

青葉『目標、更に使い魔を二号機へ向けて射出!』
ミサト『マミの武装を切り替え、出来る限り撃ち落として!』

レイ「……了解!」
マミ『ティロッ、ティロッ』ガシャン――ドキュン、ズキュン!!

使い魔達『グエエッ』グシャッ、ブシャッ

――

アスカ「サンキュー、レイ!」
杏子『ウリャッ、トリャッ』ザクッ、ズバッ!!
使い魔達『ギャブーッ』

ワルプルギスの夜『ウフフフ……』フワフワ

アスカ「……近づきさえしなければ、向こうからの投擲攻撃には何とか対応できると言うものの……
だからって、接近戦で杏子の槍が通らない程のイヌカレーフィールド……

あれを破らないことには……こっちからは爪一つ立てられないじゃない!」

アスカ「――だったらもう、使うしか……無いか! 『とっておき』を!」
杏子『チッ……』

アスカ「レイ、引き続き、あたしに使い魔を近づけないよう、援護を頼むわ!」

レイ『了解』ガシャン
マミ『ティロロロ』ズキュン、ズキュン!!

アスカ「出撃前に赤木博士から教えてもらった、二号機だけの奥の手……いくよ、杏子!」スクッ
杏子『……アア!』

アスカ「モード反転……裏コード、『オフィーリア』!」ガチャン
杏子『――!?』ドクン!

杏子『ギャアアアッ?! ウグガガガ……』メキメキメキ……
アスカ「――ぐぅぁっ……?!」ミシミシ

レイ『!?』

ワルプルギスの夜『……?』フワフワ
―――
ミサト「あ、アスカ!? これはどういう……」

マヤ「杏子のリミッター、解除されていきます! それに伴い出力も大幅上昇……プラグ内のモニター、続行不能に!」

ミサト「!」

リツコ「二号機のプラグ深度はマイナスへ。――汚染区域に入ったのよ」

マヤ「そんな……先輩、アスカに一体何をさせたんですか?!」

リツコ「魔法少女のソウルジェムは、ヒトを超えた力を出来る限り強いままに制御するために、ヒトと魔女の中間地点に固定された状態。
――今のアスカはその位置を少しだけ、ほんの少しだけ……魔女側へとずらしたのよ」

杏子『ギャアアアアウウウ……!』メキメキッ!!

マヤ・ミサト「「――!」」

杏子『グルルルルル……』シュウウウ…

マヤ「――ヒイッ?!」

日向「二号機が……この姿は」

リツコ「本当に少しだけだというのに……まさに魔女化の一歩手前ね。辛うじて元・ヒトと認識できるくらいの……」

――

アスカ「我慢してよ、杏子ォ……アンタが魔女化しないよう、あたしが支えるからさぁッ!」ググッ
杏子『フシュルルルル……ガアアアア!!!』ズダアアアンッ!!!

青葉『二号機……ワルプルギスの夜へ向かって、大きく跳躍!』

ミサト『パワーもスピードも……そして攻撃性も……元の杏子の比じゃないッ!』

ワルプルギスの夜『アハッ!!?』ガキイイイイイン

アスカ「身を捨ててこそ……浮かぶ瀬も…あれェッ!!!!」
杏子『ウオオオオオッ』バリッ、バリッ、バリッ!!!

杏子『ギュゴッ、ギャゴッ、グルウウウッ!!!』バリバリッ、バリッ!!!

ワルプルギスの夜『アハハハハ』バリバリッ

日向「目標のイヌカレーフィールド、次々と破壊されていきます」

マヤ「すごい……さっきまで少しも傷つかなかった結界を、こんなにも簡単に!」

リツコ「マミやほむらと違い、元々闘争心の高い杏子のジェムだからこそ出来る芸当よ……」

ミサト「でも、このイヌカレーフィールドは多重構造……! いまだ杏子はワルプルギスの夜まで到達出来てないわ!!」
――
ミサト『レイ! 目標のイヌカレーフィールドにも攻撃を集中して!』

レイ「了解……」
マミ『ティロロロ……』ドキューンキューン

ワルプルギスの夜『……』バチッ、バチイッ!!

ワルプルギスの夜『……ソコニイタノカ』クルッ

レイ「!!」

ワルプルギスの夜『……ウフフフ』バシュウッバシュウッ!!

使い魔達『ヒャッハアアー!!!』

青葉『目標、投擲攻撃の対象を零号機へ変更、使い魔を射出しました!』

マミ『ティロロ』バキュン、キュン!
レイ「(全部……撃ち落とせない)武装を接近戦へ変更――」ジャキッ

使い魔『ヒャハッ』ガシッ、ビシッ

マミ『ティロロ…』グッグッ、ブンブンッ
レイ「くっ……」

日向『使い魔群が零号機を捕らえました』

ミサト『まずい! レイ――!』

レイ「――!」

ワルプルギスの夜『ウフフフ』ズズズズ……ッブオオオン!!!

青葉『また、ビルを……今のマミでは!』

アスカ『させるかあああッ!!!』
杏子『グギュグバアアアッ!!!』ボオオオオオオッ!!

ミサト『ひっ、火を噴いたぁ~ッッッ?!』

ドガアアアアンッ! パラパラ……

レイ「!」
マミ『ビ、ビビルシカ ナイジャナイ……!』

青葉『寸前で破壊――』

マヤ『か、完全に化け物……』

杏子『ギャアオオオオ!!』シューッ、ゲフッ!
アスカ「ふぅ、大丈夫? レ――」

ワルプルギスの夜『アマイ』シュルルッ

杏子『!』

ワルプルギスの夜『ハイ!』シュバッ

――グサアッ! ―――

アスカ「――きょ、杏…」
杏子『―――ガッ?!!!』

パキイィイン……!!

アスカ「……!」
杏子『』ガクンッ、キュウウン……

ワルプルギスの夜『キャハッ』ブンッ

ドガガガガッ……
杏子『』ズザアアアア~ッ
アスカ「くぅっ……油断したぁッ!」ムクリッ

ミサト『――い、今のは……ッ?!』

リツコ『……!』ギリッ

ワルプルギスの夜『アハハ、アハハハハ……』フワフワ…

アスカ「さあ、まだまだこれからっ! ガンガン攻めてガンg……」ガシャッ…
杏子『』

アスカ「?! ちょっと…大丈夫、杏子……?! 杏子ッッ!!!」ガッガッ、ガシャガシャッ…!
杏子『』

アスカ「きょ……杏……子…?」
杏子『』

マヤ『――二号機杏子のsg反応、完全に消滅……そ、ソウルジェムの崩壊を確認、しました……』

レイ『――!』

ワルプルギスの夜『アハハハハハ~!!』パタパタ……

ネルフ施設内某所

シンジ「これは……シンクロテスト用のエントリープラグ……?」

加持「さっきした話の後……りっちゃんに頼んで突貫で設えてもらった特製プラグさ」

加持「そしてこいつは現在、初号機のソウルジェムと一時的ながらリンクしている状態にある」

シンジ「今更僕にシンクロの訓練をしろ、とでも言うんですか……」

加持「会わせたい人がいるって、言ったろ? 彼女に会うためには、まず君がこの中に入る必要があるんだよ」

シンジ「!! その人って……まさか、ほむらが……!?」

加持「碇司令の手でソウルジェムに変えられた人間の魂とは……基本的には意思疎通は不可能となるが……」

加持「このほむらだけは、例外だったようでね。
――例えば、ソウルジェムにされた直後に鹿目まどかに呪いをかけたという、さっきの話……。

 君自身も、たぶん身に覚えがあるんじゃないかな」

シンジ「! 確かに……最初にネルフに来たときも」

加持「君は碇司令の非道なやり方を許せなくて、魔法少女に乗ることを止めたようだが……」

シンジ「……」

加持「せめて、その君のパートナーはどう思ってるかくらい、最後に聞いてあげる気はないかな……ってね?」ガシャン

シンジ「……ほむらが……僕に?」

加持「さ、入るなら早くしたまえ。もう、時間が無いんだ……」

シンジ「……」

加持「準備は良いかい?」

シンジ『――はい』スチャッ

加持「では、シンクロ開始……!」ガチャン

――――

シンジ「……」ギュイイィ……

シンジ「……何かが頭の中に流れ込んで来る……! このビジョンは……僕の記憶とは違う」

―――
――


――――――
qb『鹿目まどか……君には素晴らしい素質がある』

qb『私と契約して、魔法少女にならないか?』

まどか『わ、私が……?』

???『待って、まどか! そいつの話を……聞いてはいけない!』

――


シンジ「あの子が加持さんの言っていた、鹿目まどか……父さんはあの子も魔法少女にしようとしていたのか」

???「そう、そしてアイツは、まどかを使ってサードインパクトを引き起こそうと目論んだ……」

シンジ「! 君は……いや、君が……」

ほむら「……暁美ほむら……初号機のソウルジェム、その生前の姿よ」

シンジ「じゃあ、最初に出会った時、逃げようとした僕をつまみ上げたのも」

ほむら「――私よ。あなたには、どうしても私と一緒に戦ってもらいたかったから……」

シンジ「……」

ほむら「怒っているの……かしら? 無理もないと思うわ……
ずっと平穏に暮らしていたあなたを、この凄惨な戦いに巻き込んでしまったのだから」

シンジ「……分からないよ」

ほむら「!」

シンジ「確かに今思えば、詢子さんのところで暮らしていた時は、
痛いことも、辛いことも、悲しいことも……何も無かったよ」

ほむら「……」

シンジ「本当に……何も無かったな……」

シンジ「……」

ほむら「……時間だわ。」

シンジ「?」

ほむら「二号機……佐倉杏子がたった今、倒れた。
ヒトを半分捨てた魔法少女でさえ、敵わなかったのね。零号機……巴マミもじきに――」

シンジ「あ、アスカが……?! それに……綾波まで」

ほむら「後は……あなたの気持ちだけ」

ほむら「――今まで散々あなたには無茶な事をさせてきたもの。もう、無理強いはしないわ。

 それに……たとえワルプルギスの夜を倒したとしても――
奴が残した魔女の因子はこれからも、世界のどこかで呪いを振りまくことでしょう」

シンジ「……そんな!」

シンジ「――最後に、一つだけ聞かせてよ」

ほむら「何かしら?」

シンジ「暁美さんは……どうして魔法少女になったの? サードインパクトを防ぎたいから? それとも――」

ほむら「――秘密よ」

シンジ「……えぇ?」

ほむら「あるいは、もう忘れたのかも知れないわね。

……でも今は、私の大切な友達……まどかを救いたい。私はどうなったっていい。

世界がどうなったって良い。だけど、まどかは……せめてまどかだけは……絶対に助けたい。

すべての願いと祈りは……ただ、その為だけに」

シンジ「(……願い、か)」

―――
――


青葉「目標、本部地上施設へと進行中!」

ワルプルギスの夜『ソレッ――!』ブウンッ!!

ズガァアアアン!!!

日向「目標による攻撃施設が施設を直撃!! もう少しでメインシャフトも露出します!」

レイ『くっ……行かせない!!』
マミ『ティロォーッ!!』ジャキッ、ダウッ、ダアァン!!!

ワルプルギスの夜『ウフフ?』チュイーン、チュイーン……

ミサト「レイ、駄目よ!! アスカでさえ勝てなかった相手だもの――もう良い、もう良いわ!!」

リツコ「ミサト……」

ミサト「想定していたよりも早いけど……今からドグマの自爆装置を作動させます」

マヤ「それじゃ……件の女の子を殺すと?! 葛城さん、いくらなんでもそれは――」

ミサト「……我々の任務は人類の平和を守ることでもあり、それにつながる、
このドグマの極秘事項を魔女から守ることでもあるのよ?

――ここに入った時から、とっくにその覚悟はしていたのでしょ?」ギリリ…

マヤ「……」

ミサト「悔しいけど……サードインパクトだけは、起こすわけにはいかない。
この行動が単なる先延ばしに過ぎないのだとしても、生きている限り、絶対にチャンスはあるはず……」カタカタ……

リツコ「ミサト……ここは私が――」

ミサト「いいえ、私がやるわ――全ては私の責任よ!」カタカタ……

プシュー……カシャン……

青葉「……くっ」

日向「……我々の……敗北か」

冬月「碇……」

qb「……ああ」

マヤ「……ううっ」

リツコ「――目を背けちゃ駄目よ」

ミサト「皆、そして鹿目まどかさん……」

ミサト「――ごめんなさい」ガシャーン!!

ミサト「……?!」

リツコ「……どういうことッ!? 自爆装置が……作動しないだなんて?!」

ミサト「嘘……動作確認は作戦開始前に……正常に終えたはずよ?」

qb「……」

リツコ「碇司令……あなた、まさか!?」

qb「――私が君たちに講釈するためだけに、わざわざドグマまで降りたと思ったのかね?」

冬月「……内部から装置の解除と偽装の処理済みというわけか、お前らしいな」

qb「客人を前に、鍵をかけておくのは失礼だろう?」ニヤリ……

ミサト「こ、この小動物ウゥゥッ?! 結局アンタ、私たちの邪魔をッ……!」チャカッ

リツコ「……よしなさい。弾の無駄よ。――と、なるともう完全にお手上げね……」

qb「そういうことになるな」

レイ『ああああッ!!』
マミ『ティロロロロ!!』ダダダダ……バッ!!

ワルプルギスの夜『フンッ!』ガキイイイン!! バシッ

マミ『ティ……ロッ』ズザアアアアア……
レイ『……ううっ』ムクッ

ミサト「あの……レイが我を忘れて……」

ワルプルギスの夜『アハッ』ブウウンッ!!!

グシャアアアッ!! ゴゴゴゴゴ……

――――

ミサト「!」

青葉「ついにメインシャフトが完全露出……」

日向「このままですと、目標は施設本部へ侵入、一気にこの発令所まで降下してきます!」

ミサト「……非戦闘員は退避! 急いで!」

マヤ「非戦闘員は退避! 繰り返します! 非戦闘員は退避――」

qb「無駄なことを……」

ズガアアアアンッ……
ミサト・リツコ「「!?」」ビクッ

ワルプルギスの夜『ウフフフフ……ハロー♪』ズズズズ……

マヤ・日向「「……!」」
青葉「も、目標……第一発令所正面より侵入……ッ!」ガタガタ

ミサト「万事休す、か――」ギリリッ

ワルプルギスの夜『アハハハハ……ハハハ……?!』ハッ

???『ミサトさん!』

ミサト「!?」

???『固定ロックを全部、外してッッ! 早くッ!!!』

ミサト「この声は……?! ロックを全解除して!」

日向「?! ろ、ロック解除します――」ガチャン!

青葉「くっ……一体何が何や――」
――ピタアアッ!!!―――
ワルプルギスの夜『』
ミサト「」
リツコ「」

???『うわああああああああああッッッ!!!』――ドドドドド!!

ドガアアアアン!!!

ミサト「――今の音は何……って、魔女がいないッ!?」

リツコ「リフト前モニター見て!」

ミサト「!」

ワルプルギスの夜『――ッ?!』グシャアアッ!!

ほむら『ホムムム』ガシイイン!!
シンジ『うおおおおおッ!!!』ギシッ……

ウイイイイイン……バシュウウウウン!!!

青葉「目標、ルートxxを通じて地上へと射出!!」

ミサト「今のはほむら……シンジ君ッ?!」

―――――
ドドドドド

シンジ『おおおおおお――ッ!』
ほむら『ホムッ、ホムッ、ホムッ!!』バキッ! グシャッ! ドカッ!
ワルプルギスの夜『グエッ、グアッ、アハハッ』ドズンッ、グシャッ、メコオッ!!

―――
――


バシュンッ!

レイ「――あれはッ!」
マミ『ティロッ?!』

―――
アスカ「バカシンジッ?!」
杏子『』

―――
ワルプルギスの夜『――クッ』バシッ!

ほむら『ホムッ?!』ズガガガ……
シンジ「くそっ……ふり払われたッ!!」ザアアアーッ

マヤ『シンクロ率……90%台をキープ! これは――!!』

リツコ『今まで片方が暴走しないと扱えなかった時間停止能力も……完全に使いこなしているわね』

ミサト『シンジ君! 今のあなたなら……ワルプルギスの夜が結界を張る前に、奴に一撃を与えられるはずよ!』

シンジ「ミサトさん……わかりました!」ガシャン
ほむら『ホムッ』フシューッ

ワルプルギスの夜『クフフ』フィィ……

ミサト『まずい、またイヌカレーフィールドを――』

アスカ『バカシンジ!! 来るの遅すぎッッ!

言い訳は後で聞くから、今はそこに刺さってる、杏子の槍を使いなさいッ!』

シンジ「アスカ!」ガシッ

レイ『碇君、これも持って行って!』
マミ『ティロロ』ブンッ

ほむら『ホムホム』パシッ
シンジ「これって――零号機の強化マスケット銃!」

レイ『どっちも一発限り――』
アスカ『しくじるんじゃないわよッ!!』ビシッ!

シンジ「二人とも……ありがとう!」
ほむら『ホムッ……!』ダダダッ

レイ『こちらも残りの武装で援護するわ……!』
マミ『ティロティロッ……』ドガガガ…!

ワルプルギスの夜『ウフフ』ガキキキ……!

ワルプルギスの夜『ソレ、ソレッ』ブンッ、ブウウンッ!!

ミサト『シンジ君、タイミングは敵の投擲ないしは攻撃時……一瞬だけ結界が解除されるその瞬間よ!
――時間停止能力の持続限界時間も考えてッ!』

シンジ「はい!」

ほむら『ホムッ、ホムッ』サッ、サッ……ズズウン…!
シンジ「そうだ……暁美さん……今はできるだけ近づこう!」ガシャガシャ…

―――

qb「シンジ……結局逃げなかったのだな」

リツコ「あら、想定外かしら」

qb「――どうだかね。まだ、シンジは知らないだろうからな……」

ミサト「……?」

―――

シンジ「うおおぉおぉッ!!」
ほむら『ホムッ!!』ダッ…!

ワルプルギスの夜『チッ……』フィイイイ……

青葉『初号機、ワルプルギスの夜へ接近!』

日向『目標、再びイヌカレーフィールドを展開……!』

レイ「させない……!」バッ
マミ『ティロロロロロ……!』フィイイイイイイ……!

ワルプルギスの夜『!?』ギギギギ……

マヤ『レイ、あなた!!』

青葉『目標の劇団空間、零号機の結界の中和による、展開の妨害を受けています!』

ミサト『いけないレイ! その状態で近づきすぎていたら、あなたもマミも――!』

ほむら『!』ダダダ……

レイ「――マミ、ごめんなさいね……」
マミ『……フフ』ニコッ

ワルプルギスの夜『……ハアアッ!!』シュバッ!!!

マミ『―――ッ!!!』ズドッ……パキイイインッ!!!

マミ『』ガクンッ…キュウウウンッ……
レイ「本当に……ごめんなさい……」ドサッ

シンジ『うおおおおおおおッ!!!』ダッ!!

ワルプルギスの夜『アハハハ――』フィイィ……

シンジ「暁美さん、今だッッッ!!!」
ほむら『ホムゥウウーッ!!!』ガチャアアン!!

ワルプルギスの夜『』ピタアァ……!!

シンジ「だああッ!!!」ガチャ!!
ほむら『ティロ……フィナーレ!!』ズダアアアアンッ!!!

ワルプルギスの夜『』ピシピシピシ……!!!

シンジ「もう一発ゥゥ―――ッ!!」ブンッ……!!
ほむら『ホムアアアアアアアアアッ!!!!!』グオオオオオッ!!!

―ガチャン!―

ワルプルギスの夜『――ハハハ…ハッ?!』カシャンッ、カシャンッ、カシャンッ―――!!

シンジ「うおおおぁあああああッ!!!」

???『……シンジ』

シンジ「!」

―――シンジ、お前に母親を――ユイを殺せるのか?―――

シンジ「なっ?!」
ほむら『ホムッ?!』ググッ…

qb『……シンジよ』

ワルプルギスの夜『――』ニヤァッ

シンジ・ほむら「『――!』」

シュバッ―――グサアアアッ!!!

シンジ「――!!!!!!」
ほむら『―――!!』

――パキイイインッッ!

シンジ「!」
ほむら『』キュウウン……

マヤ『……初号機の……ほむらのsg反応が……ソウルジェムが……!』

ミサト『――嘘ッ!!』

ワルプルギスの夜『フフフ』ブオンッ
ほむら『』ドシャアアアッ……!

ワルプルギスの夜『アハハハ……タノシカッタァ……♪』フワフワ……

ほむら『』
シンジ『……どういうことだよ父さん……』ガシャッ

青葉「も、目標……再びメインシャフトへ侵入……」

リツコ「――運用できそうな通信機器だけ持って、今度こそ総員退避ね」

ミサト「……そんな」ガクッ

リツコ「ミサト……」

シンジ『……答えろよ父さん……』ガシャッ

qb「――ユイが消えたのは3年前というのは知っているな」

ミサト「……?」

qb「気づかなかったわけでもあるまい? お前がどうして魔法少女を操れたのか……」

qb「そして薄々感じていたのではないか? お前の母親がどういう存在だったのか……」

シンジ『……』

qb『ユイは魔法少女が開発される前のプロトタイプ――いわば第二の魔女として、
ワルプルギスの夜をコントロールするために、その身をグリーフシードへと変えたのだ』

qb『彼女もまた、ワルプルギスの夜の大きな欠片を持っていたのだ。もちろん、鹿目まどかには劣るがな……』

qb『当時のネル不はワルプルギスの夜を操ることで、再びサードインパクトを引き起こそうと考えたのだが――失敗。

ユイはこの魔女の一部となってしまった。私は彼女には行ってほしくなかったのだがな……』

シンジ「う、嘘だそんな事……ッ!!」

qb『嘘ではない、ユイはお前を愛していたから……お前を守りたかったから、自ら魔女になることを志願したのだ。

自分がワルプルギスの夜を制御できれば、サードインパクトを防ぐことが出来る――それが彼女の最後の告白だった』

シンジ「……!」

qb『その愛情が、私に向けられることは……決してなかったよ!』ギリリッ

qb『それでも私は諦めない……再び、ユイに会いに行く……』

シンジ「父さん! 待てよ! 父さんっ……くそっ……!!」ダンッ

シンジ「――暁美さんッッッ! まだやれるんでしょ? お願いだ、動いてよ!」ガシャ
ほむら『』

シンジ「……暁美さん、言っていたじゃないか……鹿目さんを助けたいって!
今まで、ずっとその為に戦ってきたんだろ?!

――だったら、今動いて! その願いを叶えようよ!? 僕がッ!! 手伝うからさッ!
僕だって……誰かを見殺しになんかしたくないんだよ!! もうそんなの嫌なんだよ!!!」ガシャガシャ!!

ほむら『』

シンジ「――だから! 動いてよッッッ!!!!」ダンッ!!!
ほむら『』

―――
シンジ『……ううっ……くそっ!! くそっ!!! くそおおおッ!!!!』

アスカ「シンジ……」
杏子『』

レイ「――碇君……」
マミ『』

ターミナルドグマにて

まどか「……ここは?」ハッ

qb「初号機ほむらのかけた呪いが……彼女のジェムが砕けた事によって、解除されたというわけだな。

魔女化しても呪いは継続、かといってそのままでも、ジェム単体は強き魔女の力なしには砕けず……随分と迂回させらたものだ」ヒョコッ

まどか「あ、あなたは……!」

qb「もうじき、ここにワルプルギスの夜が来る。鹿目まどか、君は彼女の餌となるのだ」

まどか「――!!」

qb「佐倉杏子は死んだ。巴マミのジェムも砕け散り――今や、暁美ほむらもいない。君が、最後の魔法少女候補だよ」

ジオフロントにて
ミサト「全員脱出できたかしら? 後は急いで、シンジ君たちを回収して地上へ――」ピーッ

ミサト「シンジ君、どうしたの?」スチャッ

シンジ『ミサトさん……ドグマにいる父さんと……通信、つなげられますか?』ガガッ……

ミサト「シンジ君……? ……わかったわ、リツコ! マヤ!」

―――――

まどか「ほむらちゃんが……!? 嘘……」

qb「さあ、どうする? 魔法少女となりて、ワルプルギスの夜消したいと願うか?

それとも全てを諦め、全てを受け入れるか――? 君には選ぶ権利と、それに足る資格もある……」

まどか「私は……」

シンジ『――選ばなくてもいい!』

まどか「!」

qb「……? シンジか?」

qb「今更何の用だ?」

シンジ『――父さん……決めたんだ』

qb「……」

シンジ『――なります……! 僕が! 魔法少女に!!!』

ミサト・リツコ・マヤ・まどか「『『『!?』』』」

qb「ほう……」

ミサト『――ってシンジ君は男の子じゃ――』

リツコ『いえ、彼も碇ユイから……魔女の因子を受け継がれている。
彼も魔女に……いえ、魔法少女のソウルジェムへと、なれるはず……!』

qb「そうか、お前もようやく己の運命を自覚したようだな……本当に遅すぎるがな……まあ、良いだろう」

qb「碇シンジ、愚かな息子よ……お前はその魂を対価に、何を願う?」

シンジ「僕は……」

――――

レイ『……あの時、これに乗る以外の選択肢は無かったわ』

アスカ『……自分の為よ。少し前は誰かの為に乗っていたかもしれない。
――でも、それがある時、全部ダメになっちゃったから……』

さやか『恭介がこの先、どんな身体でも……
たとえ今みたいに、手の動かないようなままの身体であっても、
それを乗り越えていける強い心と、そんな彼を支えてくれる素敵な友達を持てたら、いいなって……』

上条『いくら誰かの為に幸せを祈ったって……一人じゃ……やっぱり寂しいよなぁ……?』

ほむら『世界がどうなったって良い。だけど、まどかは……せめてまどかだけは……絶対に助けたい』

―――
――


シンジ「15年前に飛んで――ワルプルギスの夜が来る前に、すべてを終わらせたい……

――いや、終わらせる!!!」

ミサト『シンジ君!? その願いは――!!』

シンジ『これが僕の願いだ……さあ、叶えて見せろよ父さん、いや、インキュベーター!!』

qb「――やはり、そう来たか……だが、シンジよ」

qb「いくらお前がユイから因子を引き継いでいるからと言って、それだけの願いをかなえるには―――」

アスカ『――だったら、あたしも同じね……あたしもその願いでバカシンジと同じ、魔法少女にしなさい!』

レイ『……私も』

qb「!!」

ミサト『あなたたち……!!』

アスカ『大体、あたしを差し置いて……何でアンタが魔法少女に率先してなろうとしてんのさ?
ちょっと想像したら……意外と似合いそうで複雑だわ』

レイ『……』コクリ

シンジ『……ははっ』

qb「――き、貴様ぁ……レイまで……!!」ゴゴゴ……

qb「! しまった……契約成立……しかも、シンジの願いに二号機パイロット、レイの願いが引きずり込まれて――!!」

シンジ・レイ・アスカ『『『――!!!』』』ギュオオオオオッ―――!!!!

――――

ミサト「ほむらが――光に……!!!!」

ほむら『……』
マミ『……』
杏子『……』

リツコ「ほむらだけじゃない……マミ、それに杏子も!」

―――カッ!!!

マヤ「そんな……ほむらの形状制御のリミッターが消えています……解析不能!!」

ミサト「一体何が起きているの?!」

青葉「ほむら内部から新たなsg反応……これは3つ?! 発信源は一つですが、波長は3タイプのソウルジェム!」

――待ってください、さらに3つのsg反応……これは! マミ、杏子……そしてほむらのソウルジェムが!!」

ミサト「シンジ君の……レイの……アスカのソウルジェムが一つに!

それだけじゃあない……砕けた3体の魔法少女のジェムも、今再び彼らに力を与えているのよ!!」

日向「ほむらが……姿を変えていく……あの姿は……?!」

リツコ「ヒトの域に留めておいた魔法少女が本来の姿……いえ、その先へと『進化』したんだわ。

魔女という死と呪いの終着点すらも超えた……言うなれば……『女神』に!!」

シンジ『……行くよ!!』バシュウウウッ!!!!

シュオオオオオ……

ワルプルギスの夜『ハハハ……ウグウウ?!』ビクッ

まどか「!!」

qb「……来てしまったか……! あの姿は……ユイ? いや……シンジ……なのか?」

まどか「(……暖かい……まるで、ほむらちゃんがそこにいるみたい……)」

シンジ『まだ願いが叶えられていない……これは……』

ワルプルギスの夜『ヒイイイッ……ウギギイ……』グルル……

qb「――! さすがは最強の魔女。同等の強さを得た魔法少女の願いすらにも、抗おうというとは……」ニッ

シンジ『……!』

qb「どうするシンジ? お前たちの力は互角、だがそのワルプルギスの夜を捻じ伏せなければ、願いは叶わない……お前には勝機が無いぞ……!」

シンジ『勝ち目ならあるさ……』フッ

qb「!」

まどか『ほむらちゃんの仇は……私が討つ!』ガシャンッ!!

qb「なっ!!!」

シンジ『――行くよ、鹿目さん……!』

ワルプルギスの夜『!!!!』

シンジ『最強と同等になった魔法少女に、最強の魔法少女適合者が乗ったんだ……!』ガシッ…
ワルプルギスの夜『ヒッ……ハ、ハナセッ……!!』バタバタ

シンジ・まどか「『行ッッッけええええええ~ッ!!』」ドシュウウウッ!!!!
ワルプルギスの夜『イヤアアアアアアッ!!!!』ドシュウウウッ!!!!

qb「シンジィイイ―――ッ!!! やめろおおおおおおッ!!!!!」

バシュウウウウウウン!!!

ミサト「! 今、シャフトから飛び出したのは……」

青葉「目標、及び魔法少女――空高く急上昇!」

リツコ「……どうするつもり?!」

日向「!! 見てください……両者のsg、及びgs反応が消滅!!」

マヤ「一体どういうことなのッ?!」

ミサト「――願いを叶えに行ったのね……シンジ君」

インキュベーター母船――
qb1「○▽×…」【10数時間後、地球へ降下】

qb2「×○□…」【大気圏突入前に兵器投下準備をせよ……】

qb3「◎…×□○△」【伝令……前方に未確認の反応が】

qb1「―――?!」【マジで?】
―――
――

シュバッ!!!
シンジ『――あれがインキュベーターの母船か……そしてあの中にも、目覚める前のワルプルギスの夜が……』
ワルプルギスの夜『ア、オウチダ……』バタバタ

まどか「……ほむらちゃん」
シンジ『……これで終わりだ』グッ
ワルプルギスの夜『!!』ブオンッ――!!

シンジ・まどか「『受け取れ――――ッ!!!!』」バシュウウッ!!!

ワルプルギスの夜『イヤアアアアアッ―――?!!!!!』

qb【―――?!!!】ゴオオオッ!!!

―――ピカッ!!

まどか「宇宙船が、魔女ごとバラバラに……」

シンジ『砕けた破片はこのまま地球の重力に引っ張られて降下……
――でも、全て大気圏で燃え尽きるだろう。もうワルプルギスの夜は復活もしないし、生まれもしないんだ』

パァァ……!

まどか「この光は……!」

シンジ『――時間切れかな……奇跡の……時間切れだ』
―――
――

マヤ「光が……これは一体?!」

リツコ「ミサトの言ってることが正しいのなら……歴史が変わろうとしているのよ。
タイムパラドクスさえ黙らせる、女神の力によってね……」スパー

ミサト「きっと……ほむらの時間停止能力が、シンジ君達の願いによって時間逆行能力へと発展したんだわ……」

ミサト「(――シンジ君、やったわね……お疲れ様……!)」

冬月「碇……残念だったな」

qb「……私の……負けだよ……」

冬月「……これから、どうするんだ?」

qb「どうするも何も……また、全てを忘れて15年前から、新しくやり直す事になるんだ」

冬月「……」

qb「せめて……私も、願うしかないな。今度は良き夫であり、良き父となれるように――」

―――
――


―――
――

シンジ「……終わったよ、暁美さん」

ほむら「――ええ。……だけど……」

シンジ「?」

ほむら「これであなたとその仲間の記憶も……何もかもが、なかった事になってしまう。

――全て忘れてしまうこと、それだけが私は……」

シンジ「確かに、それは口惜しいかも知れないね……。
……でも、僕達はまたやり直せる」

シンジ「無くなった思い出の分だけ、別の思い出を作っていけば良いんだ……
それに、せっかくもう一度生きるチャンスを貰ったんだから、せめて願おうよ。

――次は……いや次も、もっと良い人生でありますように……ってね?」

ほむら「ふふっ、そうね……そうよね……」スッ
シンジ「手……?」

ほむら「碇シンジ、今までありがとう。またあなたに会えると、いいわね……」

シンジ「――僕もだよ暁美さん。最後まで一緒に戦ってくれてありがとう。……僕の、最高の魔法少女……」ガシッ
―――
――


エピローグ【そして、戦いは終わった……】

まどか「うわあぁ……もう、確実に遅刻だよね……さやかちゃんと仁美ちゃんは先に行っちゃったし」

まどか「パパから借りてきた自転車はパンクするし……これなら素直に歩いてきた方が楽だったかも……」ガラガラ

まどか「って、きゃっ――?!」ガシャン
レイ「あ、ごめんなさい、……遅刻しそうなもので」イソイソ……

まどか「い、いえ……私こそ……(隣町の学校の子かな?)」タテナオシ、ット…

マミ「あら、あなた……今日は災難のようね」カチャカチャ、ズズ……

まどか「え、ええ(こちらは同じ学校の……先輩かな?)。あの……
もう学校の時間なのに、どうしてそんな喫茶のテラスでお茶なんて……遅刻しますよ?」

マミ「今日は運勢が良くないみたいだから……サボることにしたのよ」カチャカチャ

まどか「えっ」

杏子「おっと、危ない……道の邪魔だよっ」ガシャン!

まどか「ああッ、またぁ!?」

マミ「本当に災難ね」クスッ

マミ『あ、でもあなた……今日は一つだけ、良い事があるわ。
――あなたはきっと、運命的な人と出会うでしょう。私の勘には期待しても良いわよ?』

まどか「――って言っていたけど、本当かなぁ……?」ガラガラ……
キーンコーン
まどか「あああ、そんな事より、急がなきゃっ!」ガラガラ
―――
――


トウジ「なぁセンセ知っとるか? 今日、ウチのクラスに転校生が来るらしいで?
 ウチのガッコじゃ、センセ以来久々じゃのう」

シンジ「そうなの?」

ケンスケ「しかも女の子だってさ!」

上条「はは、それはちょっと楽しみかもね」

シンジ「か、上条君?!」

ケンスケ「お前も分かるのか、上条! このクラスの女子にはまともな女がほとんどいないからなぁ……
これで、志筑さんよりもっとお淑やかな大和撫子でも来てくれたら……アダダダダ」

アスカ「相田ァ……口には気をつけたらどうかしらね」ギリギリ
ヒカリ「……そうね、認識を改めてもらおうかしら」

上条「はは……」

さやか「恭介も恭介で、なぁに3バカに共感してるのかしら……」パキポキ

上条「さ、さやか?!」

仁美「美樹さん……右手を任せますわ。わたくしは左手の小指から一本ずつ……」フフフ

上条「志筑さん……それは洒落にならないから止めて!
せっかく二人のおかげで退院できたのに……二人のせいでまた入院とかって……ね?」ダラダラ

トウジ「ほんまにこの女たらしは……」イライラ

シンジ「平和だねぇ……ところで鹿目さんは、今日はお休み?」

仁美「それが……今朝は寝坊で先に行くようにと、鹿目さんのお母様から伝言が」

さやか「まどかが寝坊ってのも珍しいわね……」

先生「はい、着席して下さーい。朝のホームルームを始めますよー」

先生「……ですから、男子の皆さんはたかが目玉焼きの焼き具合程度でクドクド……」

シンジ「(早乙女先生、新しい彼氏さんと上手く行ってないのかな?)」ヒソヒソ

ケンスケ「(なんでも、相手が二股か三股かけていたとか、そうでないとか……)」ヒソヒソ

先生「そこ! 加持さんの悪口を言わないで下さいな!」

シンジ・ケンスケ「「はーい」」

先生「コホン、では今日は転校生を紹介します……さ、入って下さいな」

ほむら「はい……」ガラッ……
ざわ……

トウジ「……ッほ~ぅ!」

ヒカリ「鈴原ッ!」ギロッ

キュ、キュ、キュ……
ほむら「暁美ほむらです」

シンジ「!」

ほむら「今日から、よろしくお願いしま――」
ガラッ
ほむら「!」

まどか「す、すみませェーん、寝坊しましたぁ!」

先生「鹿目さん……後から来るなんて、転校生二人目のつもりですか?」\アハハハ……/

まどか「うぅ~っ恥ずかしい……って、あれ?」

シンジ「暁美……ほむら?」
:
ほむら「鹿目……さん?」
:
まどか「……この女の子は……」:
:
シンジ・ほむら・まどか「「「(((夢の中で会った、ような……?)))」」」



――約1ヶ月間ありがとうございました

シンジ君とレイを忘れないでね

<終劇>

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