モカ「ココアと勝手に付き合うなんて私が許すと思っていたのか」リゼ「!?」 (44)

・このSSはココア「リゼちゃんの好きな人ってどんな人?」の続きにしようと考えたものです
・ご注文はうさぎですか?SSです
・ココリゼ←モカキチ
・モカキチ
・短いです
・指摘等の点ありましたらお願いします


・モカキチ

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ココア母「モカー、ココアからよー」

モカ「ココアからの文通っ!」

モカ「最近文通のペースが早くてお姉ちゃんは嬉しいなぁ…」エヘヘヘヘ

モカ「どれどれ…まずは写真ね。みんな可愛いけど、ココアはもっと可愛い…」

モカ「ああもう可愛すぎるよおおおおおおおお」ジタバタジタバタ

ココア母(モカ…あなたのココアへの愛情が最近歪んでる気がするわ…)

モカ「そして手紙ね、こっちはどんなことが書いて…」

モカ「…」

ココア母「何が書いてあったの?」

モカ「…お母さん」

モカ「私ラビットハウスにもう一度行ってきます」

ココア母「あら、もう一回行くつもりなの?それだったら今回は長めにお暇しても大丈夫よ」

モカ「始めっからそうするつもりだよ…」ギリギリ

ココア母(モカ…私あなたが心配よ…)

――― ラビットハウス


ココア「聞いて聞いてー!またお姉ちゃんが木組みの街に来てくれるんだって!」

チノ「モカさんがもう一回来てくれるんですか?」

ココア「そうだよ、手紙に書いてあったんだ」

リゼ「へー、また賑やかになるな」

ココア「もしかして私とリゼちゃんが付き合ってることをお祝いしに来たとか?」

リゼ「それはないだろ…ってモカさん私たちの関係知ってるのか!?」

ココア「手紙で送っちゃった…えへへ」

リゼ「お、お前何してんだよー!!」

ココア「でも顔真っ赤だねえ、リゼちゃん」

チノ「嬉しそうです」

リゼ「や、やめろおおおおおおおお!」

ココアと私が付き合い始めて二週間経った。
私はタカヒロさんとチノに承諾を得て、今はラビットハウスで寝泊まり中だ。
ココアが私と一緒に生活したいと言ってきたのが始まりで、ココアの部屋を借りて暮らしていた。
不便もないし、何より好きな奴と一緒に夜を過ごせるということで私は最高の日々を送っていると言っていいだろう。
チノも「姉が二人になったみたいです」と私のことを歓迎してくれている。



ココア「それにしても、この前来たのにもう一回来るなんて…」

ココア「きっと寂しくて仕方なかったんだね」

リゼ「でもこの手紙…木組みの街にもう一度来ますだけしか書いてないなんておかしくないか?」

ココア「みんなに早く会いたいと思ってたんだよ、きっと」

リゼ「今までの手紙と見比べてみても…」

ココア「リゼちゃん!」バッ

リゼ「な、なんだいきなり!?」

ココア「お姉ちゃんと会うの、緊張しなくていいんだよ」

リゼ「緊張はしてないぞ」

リゼ「ただ…」

ココア「ただ?」

リゼ「…いや、何でもない…今日は遅いから、もう寝るか」

ココア「はーい!今日もベッドで一緒に寝ようね!」

リゼ「ああ、そうだな」

リゼ(…妙な胸騒ぎがするんだよな…)


――― 次の日


リゼ「ココアー、起きろー」

ココア「きょーはやすみだよー…」

リゼ「モカさんが近いうち来るかもしれないのにそんなにぐうたらしてていいのか?」

ココア「…あとごふんねかせて…」

リゼ「早く起きないと目覚めのキスするぞ」

ココア「じゃあお願いします」キリッ

リゼ「そんなことで起きるな」

ココア「えー、してくれるんじゃないのー?」

リゼ「あのなあ…」



ガチャッ



チノ「ココアさん、モカさんもう来てますよ」

ココア「えええええええっ!!??」

モカ「ココア、それにみんなお久しぶり!」

ココア「お姉ちゃん、どうしてこんなに早く来たの?」

モカ「それはね…」ギュウウウ

ココア「お、おねえちゃんっ!?」

モカ「ココアに会いたかったからよ♪」

リゼ「…」ムスッ

ココア「リ、リゼちゃんの前ではやめてよ…」ボソッ

モカ「何でやめてほしいの?」スリスリ

ココア「付き合ってるんだよ!?お姉ちゃんとこんなことしたらリゼちゃんを傷つけちゃう」ボソッ

リゼ「…」イライラ

チノ(リゼさんの顔が鬼みたいです…)ブルッ

モカ「そうそう、今回はもっと長くいられるようになったから、長い時間話したり遊んだりできるよ」

ココア「そうなの!?」

モカ「お母さんにお店の方は任せてきたから大丈夫」

チノ「モカさんがいてくれたら百人力ですね」

リゼ「ああ、そうだな」

モカ「リゼちゃんとチノちゃんも、困ったことがあったら私に何でも言ってね」

チノ「分かりました」

リゼ「そうさせてもらいます」

モカ「あと、ココアと今から二人きりで話があるんだけど、ココア借りていい?」

チノ「私は別に構いませんが」

リゼ「…いいですけど」

ココア「もしかしてリゼちゃん嫉妬してくれてる?」

リゼ「別に嫉妬なんてしてない!」

リゼ「じゃあ、私は用意済ませて下にいるから後でな」

ココア「うん」

モカ「用意って何の用意?」

ココア「デートだよ!」

リゼ「買い物だ」

ココア「私にとってはデートだよ」

リゼ「…ったく、仕方ない奴め…」

リゼ「じゃあ、デートにも行くから早く用意済ませろよ?」

ココア「はーい!」

チノ「じゃあリゼさん、その間こっち手伝ってもらえますか」

リゼ「ああ、分かった」

モカ「じゃあ、こっちも私が使ってた部屋に行こうか」

ココア「うん」

モカ「さ、入って」


ガチャリ


ココア(何で鍵を…)

ココア「鍵なんてかけなくても…」

モカ「ココア、後ろ向いててくれる?」

ココア「う、うん…」


ジャラジャラ シャッシャッ ジュッ 


ココア(何の音だろう…)

ココア「お姉ちゃん、なにし…」

モカ「こっち向いちゃダメ」

ココア「う、うん…」

モカ(よし、こっちの部屋から音が漏れないようにできた)

モカ「ココア、私がそっち行くからもう少しだけ我慢ね」

ココア「うん」

モカ「手を後ろにして?」

ココア「…え?」

モカ「いいから」

ココア「な、なんで?」

モカ「お姉ちゃんの言うこと聞けないの?」

ココア「いきなりそんなこと言われても…」

モカ「…」


次の瞬間、私の体に強い衝撃と痛みが走った
何が起こったのか考えるよりも先に激痛を堪えることのほうが大事だった
お姉ちゃんのほうに体を向けると、金属バットを持っていた

ココア「ぐはあぁ、う、ううう、うううううう、」

モカ「ココア、言うこと聞いて」


次は私のお腹に勢いよく叩きつけた


ココア「がはぁっっっ!!」

ココア「あ…あう…うああ…」

モカ「手を出して?」ニコ

ココア「だ…だひまふ…だすはらぶはないで…」

モカ「よし、いい子いい子!」ナデナデ


お姉ちゃんは手錠で私の手の自由を奪ってベッドに私を運んだ
これから私に何をするか分からなくて、私はひたすら怯えていた

モカ「リゼちゃんなんかと付き合って、いったいどういうつもり?」

モカ「ココアは、私だけを見ていればそれでいいの」

モカ「だから、もうあの女となんて別れちゃいなさい」

ココア「…」

モカ「あら、お姉ちゃんをシカトするつもり?」

ココア「…私、リゼちゃんのこと好きだから…」

ココア「別れたく…ない」

モカ「…」

モカ「よーし、決定!」

モカ「お姉ちゃんがその腐った愛情をなくしてあげる!」

ココア「え…?」

モカ「これ、なーんだ?」


お姉ちゃんが取り出したのは、どこかで見たことあるような道具だった
コンセントがついて、カバーを外すと先端がとがっているもの
私はそれが何か分からなかったが、とても危ないものだということは分かった
そしてお姉ちゃんがその道具の名前を言った瞬間、私は恐怖に震え上がった


モカ「これは、はんだごてって言う道具なんだよ」

ココア「っ!」

モカ「使ったことあるよね?工作のときに」

モカ「熱いけど我慢してね」


そう言って私の口にガムテープを貼った

モカ「まずは、すねからゆっくりね」ジュウゥゥ

ココア「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛んっっ!!!!!!!!」」

モカ「ほら見て、ココア!綺麗な足に穴が空いちゃった!」

モカ「ココアがあいつのことを嫌いになればここで止めてあげるよ?ねえ、どうするの?」

ココア「ふーっ、ふーっ、ふーっ「次はお腹だよ~」んんんんんんんんんんんんんっっっっ!!!」

モカ「お腹にも穴開けちゃっても問題ないよね?」

ココア「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん」ジタバタ

モカ「まだ二か所だけなのに、こんなんで悶絶してちゃまだまだよ?」

モカ「次は、その隣いくよー」


刺して、抜いて、刺して抜いての繰り返し
私は痛みを我慢できず何度も意識を遠のかせたけれど
お姉ちゃんはそれを許してくれなかった
でも刺された場所はそこまで多くはなかったし、すぐ治りそうな深さだった

~~~~~~~~~~~~~~





モカ「何でここまでされてもリゼちゃんと付き合い続けたいの?」

ココア「う…」

ココア「だいすきだから…」

モカ「あんな奴のどこが好きなのよ!!」

モカ「私を見てよ!!!私の事だけ!!」

モカ「私はこんなにココアの事を愛しているのに…」

モカ「どうしてそれがわからないの!!??」

ココア「ひっ…」ゾク

モカ「…私は隣にココアがいるだけでいいの…」ギュッ

モカ「ねえ、ココア…お姉ちゃんのこと見て…」


お姉ちゃんは、私の体に手を伸ばしてきた
私の服の中に忍ばせ、まさぐり始めた


ココア「…んっ」

モカ「優しくするから…」


ドンドンドンッ


リゼ「ココア?モカさん?」

モカ「…リゼちゃん…」

ココア(リゼちゃん…!)

ごちうさでこういうSSは求めてねーよ

リゼ「そろそろ出発しようと思うんですけど、話終わりましたか?」

モカ「…うん、終わったけど」

リゼ「じゃあ、ココア呼んでください」


モカ「…クソ…」ボソッ

モカ「分かった、今そっち行かせるねー」

モカ「ココア…この事をリゼちゃんやみんなに漏らしたりでもしたら」

モカ「みんなの命がどうなるかってこと、覚えててね」

ココア「…はい」

リゼちゃんを先に下に行かせようと私は考えた
傷跡が生々しく、見せられるものではないからだ
しかし、リゼちゃんは私の部屋に一緒に入ると言ってきた


ココア「リゼちゃん、別に私のことをそこまで気遣わなくていいんだよ?」

リゼ「いや、逆に気遣わない方がおかしいだろ」

リゼ「歩くたびに崩れ落ちるやつを安心してほっとくことができない」

ココア「じゃあ部屋まで運んでくれるだけでいいから」

リゼ「着替えもお前一人じゃ…」

ココア「いいから!」

リゼ「」ビクッ

ココア「…ごめん」

リゼ「…まあ、そこまで言うなら下にいるからな」


私は冷静に物事を考えられなくなっていた
リゼちゃんだけでなく、みんなの命も係っている
私の身に何か起きたことを知ってしまえば、みんな殺される
私は…

ココア「おまたせ、リゼちゃん」

リゼ「よし、じゃあ行くか」

チノ「気をつけてくださいね」

モカ「いってらっしゃい、二人とも」

ココア「…」ブル

リゼ「ココア…?」


モカ「…」

視点変更


リゼ(…ココアの様子がおかしい)

リゼ(モカさんとの話で一体何があったのか)

リゼ(彼女はすぐ吐き気を催し、行ったお店のトイレを借りたりしている)

リゼ(これで三回目だ)

リゼ「…大丈夫か…?」

ココア「私はだいじょぶだよ…」ニコ

リゼ「…」

ココア「ちょっと体の調子が…おかしいだけ」

リゼ「モカさんと何か…あったのか?」

ココア「…」

ココア「…リゼちゃ「二人ともー!」


声がした方へふり返ると、モカさんがそこにいた
ココアは私の裾を震えた手で、モカさんに見られないように掴んでいた

リゼ「モカさん、何しに?」

モカ「ココアが迷惑かけてないか、様子見に来ただけ」

モカ「緊張してるの、ココア?」

ココア「ううん…緊張なんてしてないよ…」

リゼ(ココアの掴む力が強くなった…)

ココア「ね、リゼちゃん…?」

モカ「よかった、てっきりココアがプレッシャーで吐いちゃってるかと思って心配だったのよ」

リゼ「そ、そうなんですか…」

リゼ(何で吐いたと…)

ココア「…」ガクブル

モカ「じゃあ、私はラビットハウスに帰ってるから、また後でね」

リゼ「はい、後で」

リゼ「なんでモカさんがココアが吐いたことを知ってるんだ」

ココア「お姉ちゃん、勘が鋭いから…」

リゼ「なんで震えていたんだ」

ココア「ちょっと気分が悪くなってたの」

リゼ「ココア、お前今日様子が変だぞ」

リゼ「モカさんに怯えてたり、足もおぼつかないし…」

リゼ「悩みがあるのなら私に打ち明けてくれ」

ココア「…リゼちゃん家に、行っていいかな」

リゼ「ああ、勿論だ」

リゼ(…ココアがおかしくなった理由も、分かるはずだ)


モカ「…あーあ…ココアったら本当にダメな子ね」

モカ「チノちゃんから始めようかな♪」

――― リゼ宅 リゼ 自室


リゼ「ここなら誰にも見られないし、聞かれる心配もない」

ココア「ほんと…?」

リゼ「ああ」


ココアは、私に抱き付いてきた


ココア「うう…助けて、リゼちゃん…」

リゼ「ど、どうした…!?」

ココア「お姉ちゃんが、おかしくなっちゃったの…」

リゼ「おかしく…?」

私は、ココアの話を全て聞いた
モカさんの話とは、ココアを自分のものにするため私から奪い取ること
そしてココアがモカさんに暴力を振るわれたこと
最後に、体を触られそうになったこと


ココア「…これで、全部…」

リゼ「じゃあ、今の体の状態は…」

ココア「…大丈夫だよ、ちょっと痛むだけだから」

リゼ「大丈夫なわけあるか!」

リゼ「何でそれを話さなかったんだよ!」

ココア「…お姉ちゃんが、みんなの命がどうなるかって…」

リゼ「…!」

リゼ「それで我慢してたのか…」

ココア「…我慢とかじゃないよ、みんなが大切だから…」

リゼ「…」ギュッ

ココア「ふえぇ!?り、りりりぜちゃん!?」

リゼ「もう、大丈夫だ…絶対みんなも、ココアも守る」

リゼ「まずはみんな家に呼ばないといけないな」

ココア「う、うん」

リゼ「じゃあ、チノから…」


プルルルル


ココア「あれ、チノちゃんから電話かかってきたよ?」

リゼ「チノの方から…?」

ココア「もしもしチノちゃん、今…」

チノ『助けてください、ココアさん!!』

ココア「どうしたの!?チノちゃん、今どうしてるの!!??」

リゼ「ココア…?」

チノ『モカさんに追われて、逃げてる途中です!』

チノ『今路地裏に隠れていて…この後どうすればいいでしょうか!?』

ココア「落ち着いて、チノちゃん!」

ココア「リゼちゃん、チノちゃんがお姉ちゃんに追っかけられてるって…!」

リゼ「何…!?」

リゼ「父の部下に今すぐ向かわせるから、そこで待機と言っててくれ!」

チノ「はぁ、はぁ、はぁ」


チノはさっきあったことを思い出していた




モカ『チーノちゃん』

チノ『はい』

モカ『ココアのこと、好き?』

チノ『え…そ、そんなこといきなり言われても…』

チノ『…明るくて、誰とでも話すことが出来て』

チノ『美人で、私の事を気遣ってくれて』

チノ『…私は、ココアさんのこと好きです』

モカ『そっか…』スッ


モカさんが取り出したのは包丁だった


チノ『モカさん、それ…』

モカ『ココアの事を好きでいていいのは、私だけなの』

モカ『チノちゃんみたいな部外者は、いらないんだよね』

チノ『ひっ…』

モカ『逃げようとするの?逃げたところでどうするつもりなの?』ザッ

チノ『こ、来ないでくださいっ!』

モカ『…大丈夫。痛いのは一瞬だけだから』

チノ『…ああああっ!!』ダッ

チノ「何で…どうしてですかモカさん…」

チノ「早く助けに来てください…」


「あ、いた!」


チノ「!」

チノ「あ…うああ…」




部下A「大丈夫ですかい、お嬢様の友達さん」

部下B「助けに来やした、安心して下せえ」

チノ「リゼさんの…」

チノ「…助かりました…」

部下A「さあ、こっちで…」


ドガッ バキッ


部下A「」ドサッ

部下B「」ヴァタッ


モカ「…みーつけた」

チノ「あ…」

モカ「…いいよチノちゃん、その顔…」

モカ「恐怖で埋め尽くされる顔、最高だよ…」

チノ「やだ…いやだ…ごめんなさい…」

モカ「どうして謝る必要があるの?」

チノ「た、助けてくださいココアさん!リゼさん!」

チノ「誰か!!お願いです!!」

モカ「…うるさいなあ」ゲシッ

チノ「げほぉっ」

モカ「静かに死ぬんだよ泥棒猫。喚くな」ドスッ

チノ「かはぁっ」

モカ「…死ぬ前に、その憎たらしい体を嬲ってあげる」

シャロ「何でこんな道通るのよ…」

千夜「ここ、甘兎庵への近道なのよ」

千夜「学校の近道にもなってるから、たまに利用してるの」

シャロ「その前に寝坊をなくしなさい」

千夜「は~い…」


タスケテクダサイ!!


千夜「シャロちゃん、今チノちゃんの声しなかった?」

シャロ「私も確かに聞こえたような…」


ダレカ!!オネガイデス!!


千夜「…シャロちゃん、こっち!」

シャロ「ええ!」

モカ「ココアにやすやすと近づいて…」ドス バキィッ

チノ「あぅ、がは」

モカ「自分の事を好きになってもらうつもりだったんでしょう?」ベキィ ズガ

チノ「うぇ、ぇえあぁいあ」

モカ「意地汚いなぁ、所詮義理の妹のくせに」

モカ「ココアを私から奪おうとするなんて」

チノ「ち…ちが…」

モカ「そうだ、最期にお姉ちゃんの声聞かせてあげる」

ココアは落ち着かない様子で部屋をうろうろしていた
私もチノの安否が気になって仕方がなかった
もうかなり時間が経っているのにもかかわらず父の部下からの連絡は全く来てなかった


ココア「私のせいだ…」

ココア「私のせいでみんなを巻き込むことに…」

リゼ「落ち着けココア」

ココア「落ち着いてられないよ!」

ココア「私がいなければこんなことにならなかったんだっ…」グス

ココア「私なんて…」

リゼ「ココア…」


彼女が苦悩していた理由を遂に聞き出すことが出来たと私は思った
ココアは自分の存在をラビットハウスを出たときには考えていたのだろう

そんなココアに私は優しく抱きしめてあげることしか出来ない
…私は無力だ

プルルルル



ココア「チノちゃんからだ…」

リゼ「見つかったか!」

ココア「もしもし、チノちゃん!?」


モカ『もしもしココア~…』

ココア『…!!』

モカ『リゼちゃんに打ち明けちゃったね』

モカ『じゃあみんながどうなってしまうか分かってるよね?』

ココア「っ…チノちゃんは何も悪くないでしょ!?」

モカ『いや、チノちゃんもココアの事が好きなんだって』

モカ『義理の妹として暮らしてく内に、情でも移ったんじゃない?』

ココア「…チノちゃん…」

モカ『そのチノちゃんは、今から殺しちゃうけど』

モカ『最期にココアの声を聞かせてあげるって優しいでしょ』

モカ『だから電話したの』

リゼ「あんた、それでも姉か!!?」

リゼ「ココアが悲しむようなことして楽しいのか!?」

モカ『ココアが悲しむ?』

モカ『プッ―――アッハハハハハハハ!!!』

リゼ「何がおかしい!」

モカ『ココアは私のぬいぐるみ!悲しもうがどうってことないの!』

モカ『私に向ける以外の感情を捨てて、ただ持ち主の愛情を受け止め、ただ傍にいてあげる』

モカ『それが私にとっての理想のココアなの』


ココア「ひぃっ…!!」ゾッ

リゼ(狂ってる…)

モカ『とりあえず、チノちゃんの声だけ聞かせるね~』

モカ『早くしゃべりなさい雌豚』ゴスッ

チノ『うえっ…………こ…こあ…さん』

ココア「チノちゃん…ごめんね、私何もしてあげられないっ…」

チノ『いいん…ですよ…ここあさんが…あやま…なくて』

チノ『……りぜ、さんと…幸せになって下さい…』

ココア「チノちゃんっ!!だめだよ、死んじゃダメ!!」

ココア「お姉ちゃん、私が行くから、チノちゃん…いや、みんなだけでも助けてよ!!」

モカ『ダメ』

モカ『じゃあね、また後で会おうね』


電話が切れた
私とココアは泣き崩れて、その場から動けなかった

モカ「じゃあ、死のうか」

チノ「…」

チノ(ああ、もう皆さんに会えなくなると思うと、寂しいです)

チノ(ココアさん、幸せになってください)

モカ「せーのっ」




ドスッ



私は、生きていた
恐る恐る目を開けると、そこには心臓を一突きされたモカさん
そしてその後ろで
千夜さんが包丁を刺していた姿があった


千夜「…はぁっ、はぁっ」

シャロ「…ギリギリセーフね…」

モカ「な…なぜ…」

モカ「なんだお前らぁぁああああああああっっ!!!!!!」

モカ「あああああああああっくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそぉああああああああ」

モカ「いたいぅっぅぅっいたいよいたいよいたいいたいいたいいたいいい」

千夜「チノちゃんの声がして、覗いたらモカさんがチノちゃんを殺そうとしてたから」

シャロ「良かった…甘兎と近くて」

チノ「…ありがとうございます…」

千夜「警察に連絡して、私が説明するから、チノちゃんは帰ってて」

チノ「はい…先にココアさんがどこいるか探してきます」

シャロ「いってらっしゃい、チノちゃん」

千夜「待って!ココアちゃんの居場所はリゼちゃんの家よ」

チノ「あ、ありがとうございます!」


タッタッタッタ


シャロ「千夜、説明できるの…?」

千夜「大丈夫よ、ココアちゃんにも来てもらえば私たちの行ったことも正当防衛に偽装できるわ」

千夜「傷跡を見せれば大丈夫よ」

シャロ「ふ、ふーん…」


シャロ(…千夜、何の話してるの…?)

私たちが家にいると、誰かがインターフォンを鳴らした
降りると、そこにはチノの姿があり
私とココアはチノに泣いて飛びついた

その後は千夜の潔白を正すためにココアが傷を見せ、そしてそのはんだごてからもモカさんの指紋が検出された
私はなぜ千夜が傷のことを知ってるのか疑問に思ったが、今は助かったことを喜んでいた
そして肝心のモカさんだが…


モカ「ココア……」

ココア「お姉ちゃん、大丈夫?」

モカ「ココア…私のこと許してくれる?」

ココア「…うん、大丈夫」

モカ「…良かった…」

モカ「私、どうかしてたみたい…」


実は私とココアが付き合うことを認めるつもりで木組みの街へとやってきたらしいが
記憶が実家にいる時から抜けているらしい…気づけば
何が起きたのかも思い出せず、の状態だ
そんなことからモカさんもすぐ釈放させてくれた

…何はともあれ、ひとまず落ち着きを取り戻してきた

後日談。


モカ「というわけで、ココアをよろしく頼みます」

リゼ「は、はい!」

モカ「ココアも我が儘とか、不倫とかしちゃダメだからね!」

ココア「私はそんなことしないよ!」

ココア「だって、リゼちゃんのことがこの世で一番大好きだもん」

リゼ「…私も、だ」

モカ「ふふ…良かった」

モカ「いいカップルになれるよ、二人なら!」

ココア「えへへ…」

リゼ「…」


私は、自然に笑みがこぼれていた



そう言えば、チノも私たちと寝ることになった
チノもココアの事を好きと知って、私と二人でココアに甘えたりしている

チノは最初遠慮していたものの
私はチノにも幸せになってほしいので、私達三人で生活していくことにした
モカさんもそれを許してくれた
というかチノに浴びせた暴言を覚えていてらしくモカさんは土下座していた

千夜「よかったわね、ココアちゃん」

ココア「二人ともベタベタだから、逆に困るけどね」

千夜「…そう…」

ココア「そうだ、千夜ちゃん」

千夜「何かしら?」

ココア「何で、私の体に傷があるってわかったの?」

千夜「些細なことよ」

千夜「私はココアちゃんのことだったらなんだってわかるんだから」

ココア「そ、そうなんだ」


千夜(ココアちゃんの事なら全部ね…)


終わり

>>17さん
申し訳ないです
自分の不甲斐なさをどうかお許しください

因みにはんだごては
某映画のアイデアです
多分知ってる方いらっしゃると思います

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