本田未央「プロデューサーとのごはん」 その2 (814)

前スレ
本田未央「プロデューサーとのごはん」
本田未央「プロデューサーとのごはん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434980705/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449925100

P「お疲れ、未央」

未央「やみのまー! いやー、今日も疲れましたよー!」

P「全然疲れてなさそうなんだが」

未央「いやいや、未央ちゃんはとっても頑張りましたよ? だから、ご褒美が欲しいなー?」

P「まあ、頑張ったのは事実だからな……何がいい?」

未央「んー……お腹が空いてるから、何か食べに行きたいかも。何でもいいから、ね」

P「……なんだか、こういった感じのやりとり、前にもやったような気がするな」

未央「そうだったっけ?」

P「そんな気がする」

未央「んー……そう言われてみればそんな感じもするような、しないような……」

P「まあ、だからなんだって話でもあるんだがな」

未央「プロデューサーから振っといてそれ言っちゃう? いや、そうなんだけどさー」

P「だろ? ……まあ、とにかく、行くか」

未央「そだね。行っちゃお行っちゃおー!」


――店の前

未央「お、ここは……ラーメン屋さん? そう言えば、初めてプロデューサーに連れて行ってもらったところもラーメン屋さんだったね」

P「今日のところはラーメン屋というか、つけ麺屋みたいなところあるけどな。……そう言えば、そうだったな」

未央「うん? ラーメンもつけ麺も一緒じゃないの? というか、つけ麺がラーメンの一種みたいなものじゃないの?」

P「んー……どうなんだろうな。俺もよくわからんが、ここはつけ麺専門店……だったはずだ」

未央「へぇ……でも、つけ麺ってあんまり食べたことないかも。そもそもプロデューサーと一緒じゃないとラーメン屋さんになかなか来ないし?」

P「お、そうなのか。つまりここも来たことがない、と。チェーン店だし、結構色んなところにあるから知っていてもおかしくないとは思うが」

未央「見たことはあるかもしれないけど……覚えてないかなー。意識してなかったら覚えられなくない?」

P「確かにな。何度も通っている道にある店でもまったく知らなかったりするからな」

未央「そういうことそういうこと。……まあ、とりあえず入ろっか」

P「そうだな」


――店内

未央「ほうほう……ここ、割りと社会人御用達のお店だったりするのかな?」

P「あー……そうかもな。ここはそういうところかもしれない」

未央「それって理由とかあるの?」

P「ある……が、まあ、先に何を頼むか決めるか。と言っても、つけ麺か辛つけ麺か、ってくらいだが。あと、量も決められるが……」

未央「量? そんなの決められるんだ」

P「ああ。まあ、つけ麺だからな。麺とスープ……というか、つけ汁と言った方がいいのか? とにかく、それが別々に出されるからな。麺の量も調節しやすいんじゃないのか?」

未央「あー、そういうことかー。それで、量ってどれくらいの区別があるの?」

P「並、中、大……これが全部同じ値段で、特大だけ100円プラスだな」

未央「えっ、同じ値段なの?」

P「ん? そうだが……いや、確かに初めてなら驚くか。理由は……まあ、サービスじゃないか?」

未央「へぇ……太っ腹だね?」

P「なんで疑問形なんだよ」

未央「いやあ、ただより高いものはないと言いますし?」

P「使い方間違ってる……って、まあ、そんなことはどうでもいいか。量はどうするんだ?」

未央「ん? えーっと、そうだね……なになに? 並が200gで中が300gで大が400g……ん? これがぜんぶ同じ値段なの?」

P「そうなるな」

未央「おおー……それはなんだか、すごいね。でも、400g……ぜんぶ同じ値段ってなるといちばん多いのにしたくなるけど、さすがに無理だよね?」

P「なんで俺に聞くんだよ……」

未央「いや、400gが多いってことは感覚的にわかるんだけど、実際どれくらいの量なのかはわかりませんし?」

P「……まあ、そうか。とりあえず大は俺が腹いっぱいになるくらいだからやめといた方がいい。未央なら……並か中じゃないか? 並でちょうど。中で腹いっぱい、って感じだろ」

未央「さすがプロデューサー。私のことを私以上に知ってるね!」

P「それ、今言う台詞か? ……で、どっちにするんだ?」

未央「んー……そうだね。せっかくだから中にしよっかなー。多過ぎたらプロデューサーが食べてくれるでしょ?」

P「まあ、そうだが……お前から言うことか?」

未央「えへへ……確かに今のは流石に図々しかったかも。ごめんね、プロデューサー」

P「べつに謝らなくてもいい。俺と未央の仲だし、遠慮する必要もないしな」

未央「え? プロデューサーと私の、仲、って……その」

P「あっ……い、いや、今のはそういう意味じゃなくてだな……」

未央「そっ、そうだよねー! ごめんごめん、ちょっと、勘違いしちゃったよー!」

P「……その、べつに勘違いってわけでもないが……」

未央「えっ……」

P「……」

未央「……」

P「……あー! もう! なんでこんなところでこんな雰囲気になってるんだ。未央が中、俺が大で決まりでいいな? 注文するぞ?」

未央「う、うん」

P「よし。すみませーん!」


――

未央「おおー……これがつけ麺。割りと多い?」

P「どうだろうな。まあ、これまで俺と付き合ってきた未央なら食べ切れるだろ」

未央「それ、よろこぶべきかどうなのか迷っちゃうんだけど。でも、こういうのなんだ。このスープ、と言うか、つけ汁? この色は……何味?」

P「魚介系だな。濃厚魚介系のつけ麺、って言うと割りとスタンダードな感じがするな」

未央「そうなんだ。あと……麺、すっごく太いね。これを言ってもいいのかわかんないけど……うどんみたいな感じがするかも」

P「極太麺もここの店の特徴だな。いや、つけ麺は割りとこういう麺が多い印象もあるが……」

未央「そうなの?」

P「俺の知る限りは、な。やっぱりスープと絡ませることが重要だからなのかもな」

未央「ほうほう……あと、この麺の太さを考えると、思ったよりも出てくるのが早かったね。ファストフード……ってほどじゃないかもしれないけど、それが社会人御用達の理由?」

P「まあ、そうだろうな。早く出てきて、腹いっぱい食べることができる。牛丼なんかと比べると値段はさすがに違うが……それでも、来るだけの価値はある」

未央「おっ、つまり、おいしいんだね? これは期待がもてますなあ」

P「魚介系は好みがわかれるところではあるが、な」

未央「好みがわかれるところではあるが、たぶん未央も好きな味、って?」

P「そういうことだな」

未央「やっぱり、プロデューサーは私よりも私のことを知ってるね。うんうん、これからも精進してくれたまえ?」

P「何様だよ」

未央「うーん……お星様?」

P「お前、星だったのか……」

未央「アイドルだしねー。ほら、私ってよく星に例えられるでしょ? パーフェクトスターですし?」

P「そうだな」

未央「むぅ……冷たくない?」

P「冷たいと言えば、早く食べなきゃ冷めるぞ」

未央「あ、そうだね。じゃあ、いただきまーす」

P「いただきます、と」

未央(さてさて、つけ麺ですかー。スープに麺をつけて食べる……なんか、ざるそばを思い出すかも。というか、たぶん同じことなんだろうなー)

未央(濃厚魚介系のスープ……らしいけれど、どういうものなんだろう。さすがにスープは……うん、飲まないよね。濃そうだし。ざるそばのおつゆを飲まないのと同じで?)

未央(えーっと……ざるそばと同じ要領で、麺を持って、漬けて……おおう、これは見るからに濃いね。ドロドロっぽい。麺を漬けるとより鮮明、って感じ? これは確かによく絡みそう……というか、足りるのかな? さすがに足りるかな? どうだろ。なんだか心配になってきたかも……って、食べる前から何を心配してるんだ、私。取らぬ狸の皮算用、って?)

未央(とにかく、麺をスープによく絡めて……いただきます)ズルズル……

未央「んっ……」

未央(おおー、これは濃いですなあ。前に……プロデューサーに初めて連れて行ってもらった『こってり』の店とはまた違うって感じ。これが魚介系……なかなかに癖が強いというか、何と言うか? あ、これが前の塩ラーメンのお店でプロデューサーが言ってた『雑味や生臭さ』みたいなものなのかな? でも、私はそこまで嫌いじゃないかも)

未央(あと、麺もなんだかいい感じかも。極太だからなのかな。この濃厚なスープに負けてないというか……麺も麺で楽しめるみたいな。どっちかが主張し過ぎているわけではなくて……いや、どっちも主張してきてるから、相対的に同じくらいに感じるのかも)

未央(シコシコというか、ゴワゴワというか、なかなかに食べごたえのある感じ。やっぱりうどんが思い浮かぶなー……いや、ちょっと違うんだけど)

未央(こういうの、食べるの初めてだなー。うん、おいしい! 濃厚なスープが極太麺に絡んで、それを一気に啜るのが気持ち良い。いくらでも食べられる……みたいな感じではないけれど、かなり良いね!)

未央(なんて言ったらいいのかなー……なんか、この感じをうまく表せる言葉があるような気がするんだけど……ジャンク? あ、ジャンク。ジャンクな感じ)

未央(なんだか褒め言葉なのかどうかわからない言葉になっちゃったけど、この早さで出てきて、この量が出てきて、この濃い味。ジャンク、って感じがするかも。そりゃおいしいよね! っていう)

未央(つけ麺……良いね! これは色んなお店のつけ麺を食べてみたくなっちゃいますなあ……)

P「どうだ? 未央。つけ麺は」

未央「おいしいよ! すっごく太い麺とすっごく濃厚なスープが良い感じ!」

P「だよなー。この味がこの早さで出てくるチェーン店、それに量を調整できるなんて、そりゃ人気も出るだろ、って話だ」

未央「うん。人気も納得、って感じかも」

P「魚介系、ってことで割りと癖があるというか、臭みはあるんだが、そこまで嫌な臭みってわけでもないんだよな。むしろ魚のいいにおい、って感じか。そりゃ、苦手な人も居るんだろうけどな」

未央「私は好きだったなー。みくにゃんとかは苦手かも?」

P「あー……確かにみくは苦手そうだな。こういう臭みがないんだったら魚介系もいけるんだろうが……」

未央「だねー……って、でも、鰹節とかの出汁は大丈夫っぽいよね? ここのも割りと鰹っぽい感じじゃない?」

P「ん、確かにそうか……いや、そもそも鰹の出汁が大丈夫なのかどうかわからんが……どうなんだろうな。みくにはみくで基準があるんだろうが……」

未央「うーむ……みくにゃんがどこまで大丈夫なのか。これは結構な謎かもしれませんね、ワトスン君?」

P「俺がワトスン役かよ……でも、そうだな。気になるな。……一回、試してみるか」

未央「試してみるか、って……なんだか悪い人の台詞みたいだよ、プロデューサー」

P「アイドルのプロデューサーなんて悪いもんだ。もちろん、本気で嫌ならやらないがな」

未央「まあ、プロデューサーならそうだろうけど……みくにゃんもみくにゃんで、嫌がりながらもやりそうなんだよねー」

P「あいつはそういう奴だからな。無理はさせないつもりだが」

未央「本当にねー。みくにゃん、プロ意識高いからたまに心配になるんだよねー」

P「プロ意識が高いことはいいことなんだが、な。まあ、俺を信じろ。誰にも無理なんてさせないよ。もちろん、未央。お前にもな」

未央「……うん。でも、プロデューサーにも、無理なんてさせないからね」

P「んっ……そうか」

未央「うん、そうだよ」

P「……さて、食べるか。冷めない内に、な」

未央「……うん」


――店の外

未央「はー……お腹いっぱい。余は満足じゃー」

P「誰だよ……まあ、良かったよ。口に合ったみたいで」

未央「正直、プロデューサーが好きなものはだいたい私も好きなんだと思うよ? ほら、好きな人の好きなものは好きになるって言うでしょ?」

P「……それを言うのか」

未央「えへへ、言っちゃうー♪」

P「あんまりそういうことを言わないように、って約束じゃなかったか?」

未央「そうだったっけ? でも、その前から私ってこんな感じじゃなかった?」

P「……まあ、そうだが」

未央「それなら問題ナッシング、ですよ。これからも積極的にいっちゃうからね」

P「……あんまり来られると、俺の方が我慢できなくなりそうなんだが」

未央「そう? ……私は、そうなってもいいんだけどね」

P「っ……お前、そういうの本当にやめろよな」

未央「破壊力高い?」

P「凶悪的だ」

未央「えへへ……ごめんね?」

P「謝るくらいならやるなよ……」

未央「善処しまーす」

P「善処、って……お前なあ」

未央「だって、できる気がしないんだもん。……あ、話は変わるけどさ、そう言えば、プロデューサーに初めて連れて行ってもらった店ってラーメン屋さんだったでしょ?」

P「ん? ……まあ、そうか。そう言えばそうだな。いつのことだったか、って感じだが」

未央「いつ……いつだったっけ。かなり前だったような気がするし、最近だったような気もする。夏よりは前だったような気がするんだけれど……」

P「まあ、それくらいだな。で、それがどうしたんだ?」

未央「あ、そうそう。それでさ、今日もラーメン屋……じゃ、ないけど、そういう感じの店だったわけじゃん?」

P「そうだな。それが?」

未央「……プロデューサーとこういう関係になって初めての店がまたここ、って、なんだか、運命的なものを感じない?」

P「……まだそういう関係じゃないけどな」

未央「『まだ』、なんだ」

P「ああ」

未央「……こういう時は、照れ隠し、しないんだね」

P「して欲しいか?」

未央「ううん。今のままでいいよ。今のままが、好きだから」

P「……そうか」

未央「うん」

未央「もう……それじゃあ、私もポエム返し、してあげるよ」

P「ポエムって……お前」

未央「いいからいいから、聞いて?」

P「……わかった」

未央「……プロデューサー。最初にラーメン屋さんに連れて行ってもらってから、私たちは色んなお店に行ったよね。それから、私たちの関係も変わっていって……実はね、プロデューサー。私、もうプロデューサーがこういうところに……ラーメン屋さんとか、そういう『普通は女の子を連れて行かないような場所』に……それだけじゃなくて、もう、一緒にごはんを食べにいけないんじゃないか、って……そんなことを、思ってたんだ」

P「……うん」

未央「でも……プロデューサーは、今日みたいに、連れて行ってくれたでしょ? それは……その、とっても、嬉しかったんだ。だから……これからもいっぱい、こういうところに連れて行ってね。お願い、できる?」

P「……言われるまでもない。頼まれなくても連れて行くさ」

未央「……えへへ。なんだか、変な雰囲気になっちゃったね」

P「……そうかもな」

未央「……それじゃ、帰ろっか」

P「……そうだな」

未央「……ねえ、プロデューサー」

P「なんだ?」

未央「これからも、よろしくね」

P「……こちらこそ、よろしくな」



これにて今回は終了です。
この店は良い店だと思うんですよね。つけ麺界のファストフード店? いや、ファストフードってほどじゃないんですけど……前スレのうどん回の某うどん屋さんみたいな感じがします。つけ麺界のあのうどん屋さんみたいな? どっちも『製麺』って名前に入ってますし。

今回は前スレというか初回を意識した感じですね。でも初回と全然違うのはやっぱり色々と変わったということなのかもしれません。

このSSはこのように未央とごはんを食べたい妄想SSとなります。
不定期で続ける予定ですが、ひとまずは、ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ありませんが……って、前スレではなんだか恒例みたいになってたからこれも入れてましたが、これは本当に必要なのか? みたいなところありますね。完全に私事ですし。でもたまにSSと関係あることも話すから……うーん、どうなんでしょう。
とりあえず、昨日というか今日? の孤独のグルメがちょっと意味わからないくらいおいしそうで、おいしい洋食屋さんに行きたくなりました。(SSとは関係ない話)。でも今日これを書いてこの店に行きたくなりました。(SSと関係あるかもしれない話)。

改めてありがとうございました。

あっすみませんちょっと抜けてました

>>20>>21の間

P「……ラーメンからつけ麺に変わったように、俺たちの関係も変わったな」

未央「……んん?」

P「えっ、なんだその反応」

未央「いや……ちょっと、上手く言ったつもりだったのかもしれないけど、下手過ぎて」

P「……そこまでか?」

未央「うん。ちょっと引いたもん」

P「マジか……」

未央「うん。プロデューサーをやれてるのが心配なくらいセンスなかった」

P「そこまでか!? そこまで言われるほど悪かったか!?」

未央「いやあ……えへへ」

P「笑ってごまかすなよ……さすがに凹むんだが……」

未央「あ、プロデューサーの凹み芸だ」

P「芸って言うなよ……」

つけ麺はつけ汁をたっぷり絡ませたい時は熱盛りで頼みたいな
麺は冷やした方がシコシコ感が強くなるんだけどつけ汁が冷めやすいから麺を少しだずつ取って軽くつけ汁に付けて食う
そうすると麺の味も楽しめるし冷めにくくなるんだよ
あとは具は最後まで残してスープ割にしてから食う
Pがスープで割らなかったのは意外だったかも
あー、美味いつけ麺食いたくなってきたわ!

>>42
前回なんか物足りないなーと思っていた原因がわかりました。すっかり忘れてましたね。実際、そういう描写を入れていたら

P「そう言えば未央、スープ割り、するか?」

未央「スープ割り?」

P「ん、知らないか」

未央「うん。スープ割りってどういうの? 『割り』ってことは……『水割り』とか『ソーダ割り』とか、そういうのと同じ?」

P「それは違うと思うが……いや、同じと言えば同じか? まあ、説明すると――」

みたいな感じになっていたと思います。「ひやもり」「あつもり」に関しては認識していたんですが面倒だったので描写しませんでした。あれはどっちの方がいいのか未だに迷いますね。割りとお店側に任せているような気がします。あとは気分? Pはどっちかこだわりがあるような気もしますが未央はまだどっちかわからない段階だと思います。でも、どっちかが「ひやもり」でどっちかが「あつもり」にしても差別化できましたね。そう考えるとちゃんと書いた方が個人的な満足度が高かった気がします。次つけ麺のお店を書く時はそうすると……いや、覚えていれば、の話ですけど。


――事務所

未央「……」ポチポチ

P「……」カタカタ

未央「……」ポチポチ

P「……」カタカタ

未央「……ふわ」

P「ん、未央。眠いのか?」

未央「あ、ちょっと目が疲れただけだから。大丈夫だよ、ありがとね」

P「目が疲れるまで携帯を触るのはどうなんだ」

未央「目がしょぼしょぼになって肩も凝っちゃうくらいにパソコンを触ってるプロデューサーくんの言えることかな?」

P「まあ、俺は仕事だからな……」

未央「……むぅ」

P「なんだその顔。……心配するな。俺も適度に休みながらやってるからな。そうしないとちひろさんにも怒られる」

未央「そう? ……でも、うん、そっか。ちひろさんだもんね」

P「信頼できるだろ?」

未央「……ちょっと、妬けちゃうけどね」

P「……」

未央「……今の、反応ないの?」

P「……どう反応しろって言うんだよ」

未央「んー……わかんない」エヘヘ

P「わからないのか」

未央「でも、反応してほしかったの。これが乙女心というやつなのです」

P「面倒くさいな……」

未央「あー。乙女心を面倒くさいなんて言っちゃいけないんだー」

P「実際、面倒くさいからな……」

未央「そこまで言う? ちょっと凹むんだけど……」

P「あー……いや、まあ、面倒くさいんだが……面倒くさいところが、かわいくもありはするな」

未央「えっ……えへへ。もっと言ってー☆」

P「……こうなるから言いたくなかったんだよ」

未央「えー? こんな私もかわいいんじゃないの?」

P「……かわいいから問題なんだよ。仕事が手に付かなくなる」

未央「そう? あ、それじゃあちょっと休憩にしない? ずっと頑張ってたら疲れるでしょ?」

P「休憩って……でも、そうか。ちょうどいい時間だな。それじゃあ……うん、まあ、未央なら」

未央「ん? 私がどうかした?」

P「未央の言う通り休憩にしようと思ってな」

未央「本当? それじゃあ、肩でも揉んであげよっか?」

P「それは心惹かれる提案だが……それより、昼、食べに行かないか? もうそんな時間だろ」

未央「んー……そだね。じゃあ、行こっか」

P「ああ」


――電車

未央「今日はどこに行くの? どういうお店?」

P「俺も行ったことがないところだな」

未央「おっ、そうなんだ。前の……新宿のラーメン屋さんみたいな?」

P「ああ。別のプロダクションのプロデューサー……前の人とはまた違う人、だな」

未央「おおぅ、そこまで同じなんだ……」

P「未央が好きってことも同じだがな」

未央「そこまで!? というか、それ、結構複雑なんだけど……」

P「ファンが多いってことでもあるんだから嬉しいんじゃないのか?」

未央「いや、嬉しいんだけど……うん、嬉しい、でいいのかな?」

P「いいと思うぞ?」

未央「……そうだね。うん、そうだよね」

P「ああ。で、その店だが……確か、ハンバーグの店、って言ってたな」

未央「おお、ハンバーグ。ということはプロデューサー的にもかなり期待してる感じ? ハンバーグ、好きって言ってたよね」

P「そうだな。かなり期待してる。なんでも、ソースが最高にうまいらしくてな……」

未央「ほうほう、ソースが……どういうソースなの? デミグラスソース的なやつ?」

P「いや。確か……ガーリックバターソース? だったはずだ」

未央「ガーリックバターソース……? どんなのなんだろ。でも、おいしそうだね」

P「味は想像できそうで微妙にできない感じだよな。いや、想像通りなのかどうかはわからない、って感じか。ご飯が進む味、らしいが」

未央「ご飯が進むんだ。日本人に生まれてよかった、ってやつ?」

P「いや、それはわからんが……まあ、食べてみないとわからない、ってな」

未央「だね」


――店の前

未央「ほうほう……なんだか良い感じのお店だね!」

P「ああ。なんだか洒落てる。平仮名の店名が味を出してる、って感じだ。完全洋風、ってわけじゃなくて、なんだか日本的な要素もある……とでも言えばいいのか」

未央「確かにそんな感じだね。でも、なんだか外を見るだけでいいお店! って雰囲気でいいね!」

P「外見だけで判断してはいけないってのが飲食店の基本って感じではあるが、なんだか『いい店』って雰囲気がするよな。……とりあえず、入るか」

未央「おー♪」


――店内

未央「まさか地下があるとは……でも、この雰囲気、なんか良い感じかも」

P「地下は最近できたらしいな。なんでも、地下ができる前は行列も行列、って感じだったらしい」

未央「んー……確かに上だけだとちょっとキツいかもね。現時点で割りといっぱいですし?」

P「だな。あるいは俺らが並ばずに入れたのは幸運だった、って可能性もあるが」

未央「それはあるかも。実際、普段がどんなのかはわからないけど、ね」

P「まあ、まだこれが初めてだからな。普段がわからないのは当然だ……っと、それで、何にする?」

未央「ハンバーグじゃないの? ……って、メニュー、結構あるんだね」

P「俺はまあハンバーグにするつもりだが……確か、いちばん人気なのがこのチーズハンバーグってやつだったはずだ」

未央「あ、普通のハンバーグじゃないんだ。……うん、でも、私もそれにしよっかな」

P「グラム数は?」

未央「いちばん小さいのが200g……か。それじゃあそれで。プロデューサーは?」

P「まあ、300gだな」

未央「やっぱり。それじゃ、注文しよっか」

P「ああ。すみませーん」


――

未央「ライス大盛り無料だったんだね。あと、おかわりも無料って言ってたね」

P「だな。俺は大盛りにしたが……未央はしないでよかったのか?」

未央「しないよー。というか、プロデューサーこそ大盛りにしてよかったの? まずは普通のにして、それからおかわりすればよかったんじゃないの?」

P「ん、まあ、それはそうなんだが……いちいち注文するのってなんか申し訳なくないか?」

未央「あー……そっか。うん、まあ、そうかも。何度も店員さんを呼ぶのって、確かにちょっと申し訳ない感じあるよね」

P「お、未央もそう思ってるのか。未央らしいというか、未央らしくないというか……」

未央「えー。それ、どういう意味? 私もぐいぐい押しているだけの人間ではありませんよ?」

P「わかってるわかってる。ただ、未央ならどっちでも想像できただけだよ。店員さんを慮りそうではあるが、同時に店員さんを呼んだりすることに抵抗感がなさそうでもある、ってな」

未央「んん……? なんだかわかるような、わからないような……」

P「そうだな……つまり、未央を褒めてる」

未央「おっ、それならわかるよ。もっと褒めてくれてもいいんですよ?」

P「褒める理由がないだろ?」

未央「理由がないと人を褒めないというのはどうなのかな? 理由がなくても褒められたら嬉しいんだから、褒めてほしいなー」

P「理由がなくて人を褒めまくってるだけの奴って胡散臭いような気がするが――っと、そうこう言っている内に、来たぞ」

未央「えっ? あ、ほんとだ……サラダだね」

P「早かったな。これは……大根のサラダ、か」

未央「これ、今食べてもいいのかな?」

P「まあ、そうなんじゃないか?」

未央「それじゃ、とりあえず、いただきます?」

P「ん、そうだな。いただきます」

未央(ということでサラダ……だけど、さすがにこれがめちゃくちゃおいしいってことは……いや、でも、わからないなぁ……)

未央(とりあえず、食べてみなくちゃわからない、よね。ということで、いただきまーす)パクッ

未央「……うん」

未央(普通のサラダだね。いや、シャキシャキでおいしいんだけど……なんとなく、ここはそんなものじゃないって気がする。プロデューサーにいっぱいおいしいお店に連れて行ってもらって培われた『カン』みたいなものがそう言っているような気がする!)

未央(……そう言えば、このサラダ、残しておいた方がいいのかな。どうしよ。うーん、プロデューサーは……あ、食べてる。じゃあ食べちゃおー、っと)


――

未央「さて、ライスとハンバーグがきましたね、プロデューサー」

P「ん、そうだが……なんだそのノリ」

未央「え? いや、なんだかやりたくなっちゃって」

P「そうか。しかし……結構、ライスの量が多いな」

未央「そりゃ、プロデューサーは大盛りだもん。当然でしょ? いや、私のも割りと多いような気はするけど……」

P「まあ、ご飯に合うって話だし、問題ないだろ」

未央「かな? でも、これがガーリックバターソースなんだね。なんだか綺麗かも。黄金色? みたいな?」

P「チーズも結構なもんだな。というか、微妙にチーズかソースかわからないんだが……このハンバーグの上に乗ってるのがチーズだよな?」

未央「いや、明らかにそうだと思うけど……この付け合せにマッシュポテトとブロッコリー? これもこのソースに付けて食べるのかなー」

P「それは好みじゃないか? まあ、とりあえず、食べてみるか」

未央「うん、いただきます……って、さっきも言ったか」

P「べつに二回言ってもいいとは思うがな……いただきます」

未央「お、それじゃ、いただきまーす」

P「お前、それだと三回目になってるが……まあいいか」

未央(さてさて、ハンバーグ……ハンバーグですよ!)

未央(うーん、なんだかおいしそうなにおい……でも、そこまでにおいが強いというわけでもないかも。だから女の人が結構居るのかな。そうそう、ガーリックが入ってるソースで女の人がこんなにいっぱい、っていうのが意外だったんだよね。まあ、平日のランチだから、ってこともあるような気はするけど……それにしても、多いから)

未央(これは私も気にせず食べられる、ということかな? ブレスケアはきちんとするつもりだけど……って、そんなことはあとあと! 今は、これに向き合おー)

未央(まずはどこから手を付けようかなー。でもまあ、ハンバーグから? ということで……ちょっと切って、っと……)スッ

未央(おっ、すっと切れた。なかなかに柔らかいハンバーグなのかな? それで、これをガーリックバターソースに絡ませて……っと、思った以上にシャバシャバだなー。絡ませにくいかも。えっと、でも、なんとか絡ませて、っと)

未央(じゃあ、食べようかな。いただきまーす、っと)パクッ

未央「……!?」

未央(はー……こう来るかーこう来ますかーこう来ちゃいますかー! おいしい! いや、そこまで予想外の味、ってわけじゃないんだけど……いや、うん、ここまでのおいしさは予想外かも)

未央(ハンバーグは柔らかいことは柔らかいんだけど、ジューシーじゃないわけじゃなくて……なんて言えばいいんだろ。割っただけで肉汁が溢れ出す、みたいな感じじゃなくて、口の中に入れて噛むとじわーっと広がる、みたいな感じ? ふっくらジューシー、なんて言ったらいいのかな。もうこのハンバーグだけでおいしい気がする!)

未央(それから、このソース……このソース! このソースがもうすごい! というかヤバい! もうヤバいとしか言えなくなっちゃうくらいの味! ガツンとにんにくが来た後にバターのコクみたいな感じとかチーズのまろやかさというか甘みというかそんなのが来てとにかくおいしい! あー、もう! こんなのおいしいに決まってるよー!)

未央(あと、ライスに合うって言ってたよね。うん、そりゃもうライスに合うでしょうよ! こんなの合わないわけないもん! あ、でもでも、一緒に食べる前に単体で食べておこっかな。ライスははたしてどういうものか!)

未央(うんうん……なんだかぴかぴかでおいしそうな感じ! でも、ライスでそこまで食べ方を考えることはないよね。いただきます)パクッ

未央「……ほうほう」

未央(思ったよりおいしい。え? ご飯もおいしいんだけど。ちょっと硬めなのは『ライス』だから? いや、でも、このちょっと硬めなのがまた良いかも。うん、おいしい。ライスだけでもなんだかおいしい感じ……なんだけど! そんなことよりもハンバーグと一緒にこのライスを食べちゃいたい! ということで! ハンバーグを切って、ソースを出来る限り絡ませて……ライスに乗せて、食べる!)パクッ

未央「……んー!」

未央(うん! おいしい! わかってたけど! うん、うん! これは良いね! おいしい! ご飯が進んでもう最高!)

未央(このガーリックバターソースはなかなかに高カロリーって感じだけど……うん、でも、すごいなー。このソース、なんだかもう『ずるい』って感じ。食レポ的に言うと『旨味の暴力じゃー』みたいな? でも、そんな表現でも誇張表現じゃないような……とにかく、おいしい!)

未央(……そう言えば、このマッシュポテト、まだ食べてなかったなー……これをソースに、って……なんだか、想像するだけでおいしそうなんだけど! これは検証が必要だね! ということで、ソースをたっぷり付けて、っと……)パクッ

未央「……うん!」

未央(わかってた! わかってましたよおいしいってこと! というか、ポテトだからかハンバーグよりもソースが絡んできてるかも!)

未央(はー……もう、最高……こんなのを知っちゃったら、もう、ダメになっちゃうよ……)


――

未央「……それで、アイス、だね」

P「ああ。抹茶のアイス……うん、食べるか」

未央「うん」

未央(やっぱり、おいしいものを食べた直後だと、なんだか口数も少なくなっちゃう。というか、言葉なんていらない、って感じ。店の外に出るまでは、ただただこの余韻に浸っていたい、みたいな……って、まだアイスがあるんだけど)

未央(でも、このアイス……うん、なんとなくだけど、こういうお店のアイスはおいしいよね。ということで、っと)パクッ

未央「……ふぅ」

未央(もう、溜息が出ちゃう……抹茶のアイス。抹茶……抹茶のアイスなんだけど、良いな。おいしいな。ちょっとこってりしてた口の中がさっぱりするというか、癒やされたというか……)

未央(……めちゃくちゃおいしい抹茶アイス。もうこれだけでも満足できるくらいの味。でも、今までがあったからこそ、このおいしさが最大限に引き出されている気がする)

未央(なんだか、最高の終わり、って感じかも)

未央「……ごちそうさまでした」


――店の外

未央「……おいしかったね、プロデューサー」

P「うん、うまかったな」

未央「あのソース、いったいなんなんだろうね。本当、すごかった……」

P「ご飯が進む味だったよな。いや、聞いていた話の通りというか、話以上というか……とにかく、良かったよ」

未央「でも、ライスは思った以上に多かったかも。プロデューサーも多くなかった?」

P「まあ、結構な……それでも、あのソースがあったからな。腹はいっぱいだが……」

未央「私もお腹いっぱーい。おんぶしてくれる?」

P「今回は俺も辛いからダメだ。というか、お前も大して辛くはなさそうだしな」

未央「えへへ、バレた? まあ、満腹、って感じなだけだしね」

P「それならする必要はないだろ。というか、本来ならするべきではないからな」

未央「それはそうだけど……でも、こういう状況を利用してやりたい、って思っちゃうのは仕方ないじゃん?」

P「それ、言うか?」

未央「だって、本当のことなんだもん。……こういう理由がないと、恥ずかしくて、なかなか言えないし」

P「……それ、言ってて恥ずかしくないか?」

未央「……恥ずかしい、けど、でも、ホントのこと、だから」

P「……そうか」

未央「……うん」

P「……でも、本当においしかったな。他のメニューも気になるが……次に来たらなんだかんだであれを頼んでしまいそうだ」

未央「それは私もそうかも。本当においしかったもんね。……そう言えば、プロデューサー、前のラーメン屋さんみたいにならなかったね」

P「前? ……ああ、新宿の時の、か。あの時に『ゆっくり話したい』って言ったのは未央だろ?」

未央「……覚えててくれたんだ」

P「まあ、な」

未央「……えへへ。私はちょっと忘れてたんだけどね」

P「お前が覚えてなかったのかよ……」

未央「でも、思い出したよ。うん、そんな感じだったよね」

P「で、ゆっくり話した感想は?」

未央「んー……まだまだ話したい、かも」

P「そうか」

未央「そうそう」

P「……それじゃ、事務所までは、話すか」

未央「お仕事に戻るまでは、って?」

P「それは言うなよ……あ、そう言えば、未央、にんにくだったが大丈夫だったのか?」

未央「んっ……それ、言う? せっかく言ってなかったのに……すぐにブレスケアするから大丈夫だもん」

P「まあ、それならいいが……」

未央「……あ、プロデューサー。ちょっと顔、寄せてくれない?」

P「寄せる、って……なんかこれ、前にも何かなかったか?」

未央「あ、バレた? でも、さすがに今はあんなことできないかな」

P「ん? なんで……って、それ、つまり」

未央「……えへへ。さすがに恥ずかしいからね」

P「恥ずかしいなら言うなよ……」

未央「プロデューサーまで恥ずかしくなるって?」

P「……まあ、そうだが」

未央「それならセーフ! 私の狙い通りだね!」

P「狙い通りなのかよ……というか、今の関係の方が言いやすいんじゃないか? 俺が言うのもなんだが」

未央「んー……まあ、意識してるかどうかは、重要だからね」

P「お前の方はあの時だと意識してなかったのか」

未央「んん!? ……ね、ねえ、プロデューサー、今、自分が何言ったか、わかってる?」

P「ん? いや、べつに普通の……っ! 忘れろ! 今すぐ忘れろ! くそっ、俺はいったい何を……!」

未央「……プロデューサー、珍しく焦ってる? いや、焦る自体はそこまで珍しくないかな……大声で、って、ちょっと珍しいかも」

P「そりゃ……いや、本当に忘れてくれ。失言だった。……冬だってのに、顔が熱い」

未央「そう? ……それじゃあ」ペタッ

P「なっ……」

未央「ホントだ。熱いね、プロデューサー。顔も、ちょっと赤い?」

P「……お前の顔も、ちょっと、赤いぞ」

未央「……うん。わかってるよ。恥ずかしいもん。でも、それ以上に、幸せだから」

P「……そうか」

未央「うん! ……いつまでもこうしているのは、さすがにダメだよね」

P「まあ、な」

未央「……そう言えば、ハンバーグのお店だったのに私だけで良かったの? みくにゃんとからんらんとか……」

P「あー……それは、まあ、初めて行く店では、な。自分で行ったことがある店以外に連れて行くっていうのは、あんまり人を連れて行きにくいからな」

未央「私だけは特別、ってこと?」

P「……そうなるな」

未央「……そっか。そうなっちゃうかー」

P「……店の話からだいぶ離れたな」」

未央「そう言えばそうだね。まだまだ話したいことはいっぱいあるし……店の雰囲気とか、思った以上に良かったよね」

P「ああ。上と地下で結構感じも違ったしな。ああいうところだとデートにも適しているのかもな」

未央「そうだね。……いつか、また、来ようね」

P「……ああ」



これにて今回は終了です。
前スレで教えてもらった店ですね。教えてもらった時からどれだけ経っているのか……行ったの九月ですからね。約三ヶ月前ですね。もうあんまり覚えてないみたいなところありますね。記憶総動員みたいなところあります。でも割りと強烈な記憶だったので書けたことには書けました。

「ハンバーグ」の店ということでみくや蘭子を出すのかどうか結構迷っていたんですが、結局こうなりました。その理由はPが言いましたが、たぶんこのPは未央くらいの関係の人じゃないと自分の行ったことのない店にはなかなか行かないだろうなー、と思ったんですよね。まあ状況によるとは思いますが、とりあえず今回はこうなりました。
でもみくや蘭子も書きたいのでまた書くかもしれません。未定ですが。というかまた誰かと、ってなると誰がいいですかね。いや、書けるアイドルと書けないアイドルが居るので言われたところで書くというわけではないですが……書けたとしても書かなかったりするというかその方が多いのでこれ言っても意味ないような気はしますね。でも簡単に「あっ、それいいな……」ってなるので言われると割りと書きそうです。わからないですけど。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ありませんが孤独のグルメが終わってしまいましたね……いや本当に関係ないですね。ある意味では関係ありますけど私が好きでたぶん影響受けているってだけなので内容とはまあ関係ないですね。正月の特番楽しみです。
アニマス再放送が終わるのはかなりキツいですね。生きれるかな……まあ来年は来年で色々あると思うので、とりあえずは年末特番に期待しておきます。

改めてありがとうございました。


――事務所

P「寿司が食いてぇ!」

みく「えっ? Pチャン、いきなりどうしたの? ちょっとこわいにゃ……」

未央「うん! そうだね、プロデューサー! 未央ちゃんもお寿司が食べたい気分ですよ!」

みく「未央チャンまで!? って、これ、なんかイヤな予感がするんだけど……」

P「ということで、みく! 一緒に食べに行かないか!?」

未央「行こう、みくにゃん! お寿司を食べに!」

みく「えー……みく、お魚ダメって知ってるよね?」

P「いやいや、回転寿司ならいけるだろ? だから、な!?」

みく「確かに回転寿司なら食べられるものも多いけど……なんか、お魚も食べさせられそうな気がするもん……」

P「そんなことはない! なあ未央!」

未央「うんうん! もちろんですとも!」

みく「全然信じられないんだけど……とにかく、みくは行かないからね」

P「……そう、か。俺たちと一緒に食べるの、そんなに嫌、か」

未央「……私たち、みくにゃんに嫌われてるんだね」

みく「……」ムシ

P「……」ジー……

未央「……」ジー……

みく「……」ムシムシ

ガチャ

奈緒「おはようござ――って、何してんだ? Pさん、未央」

P「奈緒! 聞いてくれよ! みくがさぁ!」

みく「にゃあああああああもう! わかったよ! 行けばいいんでしょ! ただし! Pチャンと未央チャンだけじゃ心配だから奈緒チャンも一緒に、にゃ!」

未央「みくにゃん!」パァッ

P「みく! ありがとう! よし、というわけで、行くぞ、奈緒!」

奈緒「はぁ!? えっ、ちょ、どういうことか全然わからないんだけど!? 誰か説明してくれー!」


――

みく「でも、どうしていきなりお寿司なの? ドッキリ……にしては、Pチャンがでしゃばりすぎだよね」

P「でしゃばりすぎって……いや、まあそうなんだが。いきなり寿司なんて言った理由は、まあ、食べたかったからだな」

みく「えぇー……思ったより適当な理由でちょっとショックにゃ……。というか、それじゃあ、みくが一緒に行かなくてもよかったんじゃない?」

未央「それはですね、みくにゃん。前に私、プロデューサーと一緒にハンバーグを食べに行ったんだけど、その時にみくにゃんは連れて行かなかったでしょ? ハンバーグと言えばみくにゃんとらんらん、みたいなところあるしね。それで、その埋め合わせ的な?」

みく「埋め合わせならハンバーグにしてほしかったにゃ……というか、それなら蘭子チャンはどうして連れて来てないの?」

P「蘭子はハンバーグが好きだからな。そっちに連れて行くつもりだ」

みく「じゃあみくもそっちに連れて行ってくれない!?」

奈緒「……なんか、話を聞いている限りだと、あたし、完全に行く必要ないよな」

P「えっ……奈緒、回転寿司、嫌だったか?」

未央「『回る寿司なんかに連れて行かれるなんて屈辱だ』って……かみやん、すごいこと言うね……」

奈緒「そんなこと一言も言ってないだろ!? そういうことじゃなくてだな……」

P「いや、まあ、大した理由はないよ。みくが言ったからってだけじゃなく、ちょうど居たから……というか、あれで奈緒だけを連れて行かない方が不自然だろ?」

奈緒「……それもそうか。あれであたしだけ残されていたらさすがにちょっと……な」

みく「そう言えば、奈緒チャン、何か用事なかったの? そこを無理やり、とかだったら申し訳ないにゃ……」

奈緒「んー……別に、大事な用はないよ。ちょっと勉強しようと思ってただけ。みくも結構そういう理由で来たりするだろ? いや、みくに教えたことはあんまりないけど……」

未央「みくにゃんは勉強家ですからなー。いやー、見習わなくてはいけませんねー」

みく「未央チャンが言うと嫌味に聞こえるにゃ……未央チャンのキャラで勉強ができるって、ちょっとずるいよね」

未央「いやいや、ずるくないですよ? 私もそこそこに勉強してますからね?」

奈緒「ろくに勉強してなくてそれだったら本当にやってられないけどな……そう言えば、Pさんは学生時代どうだったんだ? 勉強、してたの?」

P「ん? はっはっは……さて、そろそろ着くな」

みく「話の逸らし方強引過ぎじゃない? というか、Pチャン、みくたちには勉強しろって言うのに……」

P「いや、確かに人のことを言える身分じゃあないが……でも、勉強をして損をすることもないだろ? 学生の本文は~、なんて言うつもりも言う権利もないが、勉強はやっておいた方がいいとは思うよ。芸能界でもそれを感じることはあるだろうし、な」

未央「プロデューサーもそういうの感じたことあるの?」

P「たまには、な……こういう話は俺よりも詳しい人が居るだろうし、これくらいにしとくか。気になったら大人組に――頼りになりそうな大人組に聞け」

奈緒「その言い方、頼りにならない大人が居るみたいだな……」

P「いや、頼りにならないわけじゃないが、勉強とか、そういう方面じゃどうかわからないだろ? ……まあ、とにかく勉強しろってことだよ。そろそろ着く。この話はこれで終わりだ」

未央「はーい。ま、心配しなくてもちゃんと勉強しますよ。ね、みくにゃん、かみやん」

みく「まあね。みくもアイドルを言い訳にしたくないし」

奈緒「アイドルだからって勉強できないのも格好悪いし、な」

P「お前ら……なんか、お前らを見てると自分が情けなくなってくるよ。昔の俺は、どうして勉強しなかったんだろうな……」

未央「そっち!?」

みく「そこで自己嫌悪にいっちゃうんだ……」

奈緒「なんというか……Pさんらしいな」


――店内

P「回転寿司……そういや、来るのは結構久しぶりかもしれないな」

未央「そうなの? プロデューサー、お寿司はあんまり好きじゃなかったり?」

P「いや、寿司は好きなんだが……一人で回転寿司ってのもなあ。一人なら他の店に行く時のが多い」

みく「Pチャンは一人回転寿司も一人焼肉も普通にやりそうだけど……」

P「んー……まあ、やらないこともないが、少なくとも回転寿司は一人でするメリットがあんまり感じられなくてな。何人かで来ても好き勝手に食べるだろ?」

奈緒「まあ、確かにそうかもな。回転寿司はみんなで来ても一人ひとりの好きなタイミングで好きなものを、みたいな気がする」

P「だから久々の回転寿司で、何を食べようか今から楽しみだ。あ、何かとってほしいものあれば言えよ。未央、奈緒」

未央「はーい。……そう言えば、みくにゃん、レーン側に座るのめちゃくちゃ早かったけど、それって」

みく「レーン側に座ったらお魚を食べさせられるかもしれないでしょ」

未央「ですよねー」

P「だから、食べさせないって……あ、注文するけど、何か先に注文しておきたいものとかあるか?」

奈緒「まずは……そうだな、茶碗蒸しとかじゃないか?」

P「ん、茶碗蒸しか。そう言えば、みくは茶碗蒸しってどうなんだ?」

みく「お魚が入ってなければ大丈夫だけど……」

P「……ここの、入ってたか?」

未央「どうだったっけ? 覚えてないなー」

みく「んー……それじゃあ、いいにゃ。べつのものを食べることにする」

P「そうか? じゃあ……っと、茶碗蒸しは奈緒も未央も頼む、ってことでいいんだよな?」

奈緒「うん」

未央「いいよー」

P「よし。それじゃあ注文、っと……しかし、時代も変わったよなあ。タッチパネルで注文できる時代になるなんて……」

みく「お寿司を素手で食べる人からすれば不衛生な気もするけどね」

P「あー……確かにな。毎回手を拭くって言っても、そうか。まあ、ここでは箸を使って食べてるが……」

未央「そう言えば、お寿司を素手で食べること……なんて、あんまりないかも。本当はそうするべきなんだっけ?」

奈緒「それは回らないところとかじゃないか? こういうとこではそこまで気にすることじゃないと思うが……」

P「回らない寿司屋でも絶対そうしろってわけじゃあないと思うけどな。周りの迷惑にならないのなら、自分の好きなように食べればいい」

みく「Pチャンがなんかいいこと言ってる……」

P「いいこと言ってるって思うんなら茶化すなよ……」

未央「あ、えびアボカド。プロデューサー、とってとってー」

奈緒「あ、あたしもお願い」

P「お前ら……あー、どれがいい、とかは」

未央「べつにないよ」

奈緒「あたしも」

P「わかった。じゃあ、っと。はい」

未央「ありがと♪」

奈緒「ありがと、Pさん」

P「どういたしまして。……しかし、やっぱり女子っていうのはえびアボカドっていうのが好きなのか? みくは……まあ、エビフライが無理ならえびはキツいか」

みく「食べられない、ってわけじゃあないんだけどね。 苦手ってだけ」

未央「やっぱりみくにゃんの基準はわからないなー……結局、何が大丈夫で何がダメなの?」

みく「んー……難しいかも。たこ焼きのタコは大丈夫だけど、お寿司だとダメだし……」

奈緒「ずいぶん面倒くさいな……」

みく「それは言わないでほしいにゃ……。みくも自分で面倒くさいってわかってるもん」

未央「というか、それだとお寿司で食べられるもの全然なくない? 連れて来て言うのもなんだけど……ダメ、だった?」

みく「連れて来たのに申し訳無さそうな顔をするのは卑怯じゃない? ……大丈夫だよ。たまになら、ね。あ、Pチャン。たまご、たまご欲しいにゃ」

P「ん、たまご、な……俺も注文しとくか」

未央「あ、それじゃあ私もー。かみやんは?」

奈緒「んー……今はいいかな。他のを注文するよ」

P「ん。それじゃあ、注文しとく。……そういや、えびアボカドってどうなんだ?」

未央「どうって? プロデューサー、実は食べたことなかったり?」

P「ないことはないが……あんまり食べないな」

奈緒「でも、『どう』って聞かれても答えにくいな……あたしは好きだけど」

未央「あ、そう言えばかみやんはえびアボカドに醤油派? 甘ダレ派?」

みく「えっ……甘、ダレ?」

P「甘ダレなんてかけるのか……」

未央「マヨネーズ系のには甘ダレが意外と合うんですよ? かみやんはどうなの?」

奈緒「いや、かけたことないけど……」

未央「……つまり、甘ダレをかけるのは私だけ?」

P「みたいだな」

みく「みたいだね」

未央「えぇー、おいしいのにー……かみやんかみやん、一回付けてみてよー」

奈緒「えー……本当においしいのか?」

未央「ほんとほんと! 未央ちゃんを信じてよー!」

奈緒「未央だから信じられないんだが……」

未央「ひどくない!?」

みく「まあ、未央チャンだしね……」

未央「みくにゃんまで!? ……うぅ、プロデューサー!」

P「いや、普段の行いが行いだからなぁ……でも、未央も実際にそう食べてるってことなら、おいしいんじゃないか?」

奈緒「ん……まあ、食べるだけ食べてみるけど……えっと、甘ダレを、どれくらいかけるんだ?」

未央「どれくらい? どれくらいって言われても難しいけど……そこそこ? 普通に? まあ、醤油の時と同じ感じで!」

奈緒「そんなに? ……うん、かけた、けど……」

P「うわぁ……」

みく「うわぁ……」

奈緒「その反応やめろよ! あたし、今から食べるんだぞ!?」

未央「いやいや、プロデューサーもこんな反応だけど、食べたら絶対……たぶん、えっと、おそらくおいしいって思うからね!」

P「なんだかどんどん信頼性が欠けていったな……不安になるんだが」

奈緒「今から食べるあたしの方が不安だよ……未央、本当に大丈夫なんだよな?」

未央「大丈夫って何回も言ってるじゃん。食べてみたらわかるって!」

奈緒「……それじゃあ、いただきます」

未央「召し上がれ☆」

奈緒「……」パクッ

奈緒「……?」モグモグ

奈緒「……意外といける」

P「マジか!?」

みく「ホントに!?」

未央「ふっふーん、でしょでしょ? 未央ちゃんを信じてよかったでしょ?」

奈緒「うん……いや、本当、なんでだ? マヨネーズ、マヨネーズか? マヨネーズと甘ダレ、それからアボカドがなぜか合ってる……うん、これ、おいしいよ」

未央「でしょ!? いやー、さすがかみやん、違いのわかる女だねっ!」

P「……奈緒、お前、嘘吐いてないよな? あと、醤油と甘ダレだったらどっちの方がいい?」

奈緒「嘘なんて吐いてないって。醤油か甘ダレか、は……人によるかもしれないけど、あたしは甘ダレの方が好き、かも」

みく「えぇー……」

P「奈緒……お前、そんな奴だったのか……」

奈緒「なんだよその言い草……Pさんも食べてみろって。本当に、意外といけるから」

未央「そうそう。食わず嫌いはダメですよ? 食べたこともないのにそんなことを言う資格はないのでは?」

P「……それじゃあ、えびアボカド、頼んでおくか」

奈緒「あ、あたしもお願い」

P「まだ食べるのか……?」

奈緒「……べつにいいだろ。本当においしかったんだから」7

未央「あ、注文するなら、プロデューサー、シーサラダもお願い。これもマヨネーズ系だから甘ダレが合ったりするんだよねー。海老アボカドほどじゃないかもだけど」

奈緒「……あたしもお願い」

P「奈緒……」

奈緒「だって、海老アボカドはおいしかったからさ。未央の言うものなら、信じていいかな、って……」

P「……まあ、それなら頼むよ。みくはどうする?」

みく「あ、それならチャーシューネギまみれをお願い」

P「ん、わかった。なら俺も……って、一回の注文は5皿まで、か。なら後でいいな。とりあえずこれで注文、っと」

未央「チャーシューネギまみれ……私、食べたことないかも。おいしいの? みくにゃん」

みく「みくはここに来たらだいたいこれを頼む……というか、これがメインかな。それくらいにはおいしいよ」

奈緒「……飽きないか?」

みく「たまごとかも食べるし、みくは大丈夫だよ。でも、確かにちょっとこってりめだし、飽きる人は飽きるかも」

P「俺も好きだが、さすがにあればっかりってなると飽きるかもしれないな。でも、うまいことは確かだ。回転寿司に来たなら回転寿司でしか食べられないものを食べないと、って感じもするしな」

未央「へー……それじゃ、私も回ってきたら食べるか、プロデューサーが注文する時にでも一緒に注文してもらおっかなー」

奈緒「あたしも、そう言われると気になってきたな……その時はお願い」

P「ん、わかった。……とか言ってると、たまごが来たな。注文したのは……」

未央「私と」

みく「みく」

P「で、俺か。……回転寿司に限らず、寿司屋に来たらたまごは絶対食べるんだよなー」

未央「そうなの? でも、私もそうかも。たまごでそこのお寿司屋さんの実力がわかるというものです……いや、知らないけど」

みく「実際、そういうことも言われているらしいけど……みくはそんなお寿司屋さんに行ったことないからわからないにゃ」

P「うーん……まあ、そう言われてはいるが、絶対の信頼性があるってわけでもないな。たまごがおいしかったら嬉しいってことは確かだが」

奈緒「そうなのか。でも、たまごってそこまで変わるか?」

P「かなり変わるな。うまいところは本当にうまい。と言っても、たまご焼きは人によって味の好みがかなり変わるからそれも人によるんだろうがな」

みく「……そう言われると、そういうところにも行きたくなってくるにゃ」

P「お! 行くか? 仕事ならいつでもとるぞ?」

みく「お仕事では行きたくないにゃ! 絶対お魚食べさせられるもん!」

未央「まあ、仕事で行ってたまごだけって……そういう企画なら問題ないかもしれないけど、ちょっと、お店にも失礼だよね」

奈緒「その理屈だとプライベートで行ってもキツそうだけどな……」

P「んー……みくは結構範囲が広いからなぁ。ただ単に『生魚が苦手』ってだけの人ならうなぎやら穴子やら海老やら、そういった『だいたい生では出されないもの』を食べれば問題ないんだが、そうじゃないからな……」

みく「みくもそういうのだったらまだ食べれるけどね。生魚は本当にダメだけど、そういう生臭さが抜けたのだったら食べられなくはないし。好んで食べたいもの、ではないけどね」

未央「うーん……プロデューサー、回ってないお寿司屋さんって、みくにゃんでも食べれそうなの、他にないの?」

P「んー……そもそも、そういう寿司屋は寿司以外のメニューも豊富なところは多いな。だが、それも魚介系の料理ってのが多いから……なかなかに難しいかもしれないな。でも、不可能ってわけでもないとは思う。最近は創作寿司に精を出しているところもあるし……うん、探せばあると思うぞ」

みく「そうなんだ……それじゃあ、そこなら、行ってみたいかも」

P「そうだな。また探してみるよ」

未央「……チラッ」

P「だから口で言うなって……その時はまた声をかけるよ。奈緒もな」

奈緒「んっ!? あ、あたしは何も言ってないけど!?」

P「行きたくないのか?」

奈緒「い、いや、その、行きたくないわけじゃないけど……」

P「なら行こう。まあ、いつになるかはわからないが」

奈緒「……ありがと、Pさん」

P「まだ感謝されるようなことはしていないから気にするな。というか、早く食べないと乾燥するな」

未央「あ、確かに。早く食べなきゃ」

みく「……うん、やっぱりたまごはおいしいにゃ」

P「いつの間にか食べてるし……いや、いいんだが」

未央「……ん、おいしい」

P「未央まで……まあ、俺も食べるか」


――店外

P「ふー……結構食べたな」

未央「いや、それはプロデューサーだけだけどね」

みく「Pチャンはやっぱり食べる方だよね」

P「そうか? これでも学生の時よりは少なくなったと思うんだが……」

未央「学生の時にどれだけ食べてたの……?」

P「全盛期ならもう10皿は余裕だったな」

奈緒「それは『全盛期』なのか……?」

みく「ごはんは大事だけど、食べ過ぎでカラダを壊すのはやめてほしいにゃ」

P「問題ない。そこのところはちひろさんに色々言われてるからな!」

奈緒「ちひろさんなら問題ないか……でも、おいしかったな、回転寿司。最初は意味がわからなかったけど、うん、連れて来てくれてありがと」

みく「みくも……いや、まあ、できればお寿司屋さん以外が良かったけど、おいしかったよ。だから、ありがとにゃ」

P「そうか。なら良かった」

未央「うんうん、良かった良かった。今度このメンバーで行くお高いお寿司屋さんが楽しみだね!」

P「ん゛っ……いや、うん、そうだな」

みく「今すっごい変な声出たけど……Pチャン、みくはハンバーグ屋さんで大丈夫だよ?」

奈緒「それみくの願望じゃないのか……? でも、本当、無理はしないでくれよな。あたしも……あたしたちも、Pさんが無理をするのは、嫌だから、さ」

P「あー……無理はしてない。大丈夫だ。そりゃ高いネタばっかり頼まれると困るが、俺もお前らのおかげで稼がせてもらってるからな」

未央「うわぁ……」

みく「ちょっと引くにゃ……」

P「んん!? その反応おかしくないか? 俺、お前らに気を遣って言ったつもりなんだが……」

奈緒「いや、それにしてもさっきのはちょっと……な」

P「……確かに言い方が悪かったかもしれないが、事実なんだから仕方ないだろ」

未央「あ、開き直った」

P「開き直った、ってなんだよ。……いや、そうなんだが」

みく「とにかく。みくたちは細かいことを気にするな、ってことでしょ? その心遣いだけは受け取っておくにゃ」

P「……奈緒ぉ。未央とみくがキツい……」

奈緒「情けない声出すなよ……もう。未央もみくも……その、あたしも、本当にそんなこと思ってるわけないだろ。Pさんには感謝してもしきれないくらい、だし」

P「奈緒……! やっぱり奈緒は優しいなぁ!」

奈緒「……うるさい」

未央「……むぅ。かみやん、最後の最後でいいところだけをとるだなんて、いけませんなぁ」

みく「奈緒チャンも乗ってたくせに……卑怯にゃ」

奈緒「はぁ!? いや、未央とみくの引き際が遅いのが悪いんだろ! あたしは悪くねぇ!」

P「お、テイルズネタか。奈緒も知ってるんだなぁ。うんうん、色々言われてるけど、俺は結構好きだぞ、アビス」

奈緒「違う! 知ってるけど違う! というか、そんなこと言ってないで助けてよー!」

未央「ふっふっふ……逃がさないよ、かみやん」ガシッ

みく「裏切りの罪は重いんだからね、奈緒チャン」ガシッ

奈緒「な、なんだよその手……Pさん!」

P「……やっぱり女の子どうしのいちゃいちゃは良いな!」

奈緒「良くない! あー、もー! 誰か助けてくれー!」



これにて今回は終了です。
お久しぶりです。時間がかかってしまいました。「回転寿司」ということでどこからどこまで書いていいのかわからなかった、というところもありましたね。カットせずに書いていたらどれだけの長さになっていたのか……という感じです。DC版なんてないですが。
回転寿司も回転寿司で好きなんですよね。今回取り上げたのはごく一部ですが、他にも色んなものがありますよね。どこがいちばん好きか、となるとその時々によって変わりますが、今回はとりあえずこの店です。

今回は久しぶりだったにも関わらずこんな形式でした。次からはまた未央と二人のになると……次はどっちがいいですかね。クリスマス編と年越し編は書いている途中で止まっている(止めている)んですが、未央と二人きりではなく今回みたいなお騒ぎ形式なんですよね。クリスマス編がニュージェネ編で年越し編はポジパ編という予定でした。間に合わなかった……。
でも次は未央とPの二人でのものになるかなー、と思います。いや、わかりませんが。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですがなかなかに色んなことがありましたね。ありすぎて困ります。
とりあえずデレステデレパイベはびっくりしましたし未央がかわいかったですね。あと微妙に設定の齟齬が生じたような気がしますがそれは置いておくとして、かわいかったです。あとデレステの限定SSRは本当やめて……。
デレパと言えば未央→泰葉の呼び方が「やすやす」で「よし! 合ってた!」となんだか嬉しくなっていましたね。でもデレパが公式かと言うと微妙なのでそれが正解というわけでもないような気はします。

あ、今回はみくと奈緒でしたが、奈緒は書き始めた時には予定になかったりします。ずっと奈緒も出したいなーと思いながら「あともう一人誰か……」と思って結局書いてなかったんですが、今回みくを回転寿司に連れて行きたいということででももう一人ほしいなーということでちょうどハマった、という感じですね。やっぱりかわいい。そのかわいさを出せているかはわかりませんが……。

長くなってしまいました。次もまたいつになるかはわかりませんが、書きたいものはなかなかにあるので早く書きたいです。

改めてありがとうございました。

あ、あとみくの「大丈夫」基準はなかなかに適当……ではないですが、私の予想でしかありません。今までの情報から考えるとここらだと思うんですが……なかなかに難しいです。


――山

未央「あとどれくらい? プロデューサー」

P「二十分くらいだな。半分ってところか」

未央「一時間くらいで着くんだね。思ったよりも近い?」

P「それでも一時間だけどな。遠いと言えば遠い」

未央「でもでも、山の中の撮影って最初に聞いた時はびっくりしたものですよ? 登山しなくちゃいけないのかー! 頑張らないとなー! って意気込んだもん」

P「その場合は『登山』の方の撮影になるような気がするけどな……」

未央「言われてみればそうだね。でも、車に乗ってるだけで山の上に……なんて、便利な時代になったものだねぇ」

P「誰の台詞だよ。あと、運転してるのは俺だけどな」

未央「あ、そう言えばそれも気になってたんだよね。プロデューサーが運転して現場に……ってくらいならいつものことだけど、こういう場所だったら車が出るような気がするんだよねー」

P「まあそれが普通だな。今回は例外だ」

未央「そう言うってことは、理由、わかってるの?」

P「俺はわかっていて当然だろ?」

未央「え……あの、もしかして……」

P「お、気付いたか。まあそう怯えなくてもいい。ドッキリでもない」

未央「そ、それじゃあ、何なの? ちょっとこわいんだけど……」

P「こわがる必要は……微妙だな。わからん」

未央「わからないの!?」

P「たぶん、大丈夫なはずだが……まあ、未央はいつも通りにしてくれればいい。先方もそれを望んでいるからな」

未央「……よくわからないんだけど、とにかく、いつも通りにしておけばいいの?」

P「ああ。それなら問題ないだろ?」

未央「……うん。そうだね。問題ない! 任せてよ、プロデューサー」

P「ああ、任せる」

未央「えへへ……あ、何かお店だ」

P「店? ……蕎麦屋、か」

未央「こんなところ……って言うにはそこそこ家もあるし、そこまでおかしくもないのかな」

P「山奥の蕎麦屋、ってだけを考えるとなかなか心惹かれるけどな」

未央「確かに。風情がある、って感じだね」

P「んー……帰りはここに寄ってもいいかもな」

未央「お! ほんとに? それはそれはやる気も上がりますなー」

P「そうか? なら、決まりだな」

未央「決まり? やったー! それじゃあ、どうしよっかなー。蕎麦屋さんってあんまり行ったことないんだよねー」

P「蕎麦屋によく行く女子高生ってのも珍しいけどな」

未央「そう? 行ってそうな子も居るけどなー」

P「肇とか紗枝とか? 芳乃も行ってそうだが……女子中学生になら心当たりもあるけどな」

未央「お、だれだれ?」

P「765プロのエミリー・スチュアートさん、だな」

未央「そっち!? いや、確かにそうだけどさぁ……ちょっとずるくない?」

P「うどんなら最上さん、ラーメンなら四条さん……765プロは麺類に強いな」

未央「麺類に強い……褒め言葉なのかどうかわからないね」

P「褒めてるぞ? だって、そういう番組を持ちやすいってことだからな。実際、三人ともその系統の番組を持ってるし……スチュアートさんはちょっと違うが」

未央「まあ、そういう見方をするとそうなんだけど……プロデューサーって、やっぱり765さんのアイドルのこと、好きだよね」

P「ファンだからな。仕事上でも勉強になることは多い」

未央「その割には、ウチの事務所ってあんまり765さんのところと仕事してないよね?」

P「してないことはないだろ?」

未央「そうだけど……そこまで多くはなくない?」

P「まあ、そうか。またあそこのプロデューサーさんと会った時にでも話してみるよ。……ん、そろそろ着きそうだな。心の準備をしとけ、未央」

未央「心の準備って言われても、何が待っているのかわからないんだけど……」

P「いつもの未央でいい。いつも通り頑張ってくれ、パーフェクトスター」

未央「……うん! 未央ちゃんの輝き、見せちゃいますよー!」


――撮影後・車内

未央「……ふぅ。楽しかったー!」

P「さすがだな。……本当、あの人相手にそんな態度で接することができるなんてなかなか居ないぞ?」

未央「そう? でも、楽しかったのは本当だからさ」

P「……まあ、それでこそ未央か。頼もしいよ」

未央「えへへ、お褒めいただき光栄です♪ それで、これからあのお蕎麦屋さんに行くんだよね?」

P「もうその話かよ……」

未央「いいでしょ? お腹、減ってるもん」

P「……まあ、もうそんな時間か。と言っても、確かそこまで遠くじゃなかったよな」

未央「うん。……あ、あそこ、あそこじゃない?」

P「あそこ? ……ん、見えた。車は……うん、停められそうだな。それじゃ、行くか」

未央「はーい」


――店の前

未央「ほうほう……なんだか雰囲気ありますなぁ」

P「そうだな……俺もさすがにこういうところは来たことがないな」

未央「そうなんだ? でも、そっか。山奥に来ることなんてないもんね」

P「まあ、ここでも本当の『山奥』ってわけじゃないんだろうけどな。住宅なんかは普通にあるしな」

未央「そう言えばそうだね。でも、本当に周りに何もなかったらやっていけないんじゃない?」

P「それもそうか……旅館とかなら別なんだろうが、ここはそうでもないしな。本当に周りに何もなくてもやっていける店ってのもあるとは思うが」

未央「そういうところは他にお金を稼ぐアテがあるか、そんなところにあってもお客さんが来るほどの店、かな。ここもそうかも?」

P「どうだろうな。とりあえず、入るか」

未央「うん」


――店の中

P「……雰囲気良いな」

未央「うん。外の風景もいい感じ! 風情がある、っていうやつ?」

P「そうだな……うん、良さそうな店だ」

未央「だね! これは……そば茶、だったっけ?」

P「ああ。あったかくていい感じだ」

未央「お、それじゃあもらっちゃおうかなー……」ズズ……

未央「ん! おいしい! おそばの風味が良い感じ!」

P「うん。期待が持てるな」

未央「持てますなー。で、これがメニュー?」

P「みたいだな。……結構種類があるな」

未央「そうだね。うーん……どうしよ。プロデューサーは?」

P「俺か? 俺は……そうだな、とりあえずはざるそばで」

未央「ざるそば。その心は?」

P「心って……まあ、初めての店はいちばん普通のものを頼みたくないか?」

未央「確かに……それじゃあ、私もそうしよっかなー」

P「そうか? ……それ以外にも何か頼むか?」

未央「プロデューサーはいらないの?」

P「……欲しいな」

未央「じゃあ頼もうよ。えーっと……この、マツバの唐揚げって?」

P「マツバ……マツバか。鶏肉だな。鎖骨か何かの付け根の部分、だったか。俺もあんまり食べたことはないな。確か名前の通り『松の葉』のように見えることからそう呼ばれているらしい」

未央「ほうほう……おいしいの?」

P「うん。うまいな」

未央「じゃあ頼もー」

P「そうするか。……ってことは、ざるそばとマツバの唐揚げ、でいいか?」

未央「うん。お願い」

P「わかった。すみませーん」


――

P「ん、来たな」

未央「結構早かったね? これが……マツバの唐揚げ。確かに松の葉っぽい? わからないけど」

P「わからないのかよ……」

未央「えへへ。で、これは何も付けずに食べたらいいのかな?」

P「一応塩……ん、これ、わさび塩? へぇ……そういう感じか」

未央「プロデューサー? どうして自分で納得しているのかな?」

P「あ、すまんすまん。このわさび塩ってやつをちょっとかけてもいいかもな。でも、まずは何も付けずに食べたらいいんじゃないか?」

未央「ん、そうする。それじゃあ、いただきまーす」

P「いただきます」

未央(ということで、マツバの唐揚げ。マツバの唐揚げ……プロデューサーの言った通り、骨の付け根の部分、なのかな。松の葉のような形の骨に、お肉が付いている感じ?)

未央(お肉がいちばんおいしいところは骨の周りって言うこともあるし、おいしいのかなー。どうなのかなー。まだこのお店は雰囲気だけしかわからないんだけれど、それだけでも期待値が上がっているんだよねー)

未央(ちょっと食べにくそうだけど……うん、とにかく、食べてみよう)パクッ

未央「熱っ……ん!」

未央(おお! おいしい! 食べにくいけどおいしい! なんだろ。確かに鶏肉なんだけど……味とか食感が、なんかいい! 骨の周りにへばりついているお肉を削ぎ落とすような……って言うと変な言い方だけど、そんなイメージ? その削ぎ落としたお肉がとってもおいしくて、味もなんだかちょうどいい!)

未央(うんうん、骨の周りのお肉ってやっぱりおいしいよね。これはいいかも。食べにくいんだけど、食べにくいのもそれはそれでいいかも? 一気にじゃなくて、ゆっくり食べることができるというか。食べにくいからそうせざるを得ないんだけれど、じっくり味わって食べることができる。うん、いいね!)

未央(で、次は……プロデューサーの言ってた通り、このわさび塩? を付けてみようかな)

未央(どれくらい付けようかな……とりあえず、適当に?)

未央(それで……食べる)パクッ

未央「……お!」

未央(おいしい! これはこれでいいですなー! わさびと塩の感じがいい! そこまで辛くはないし……付けるか付けないかは好みかも。どっちでもおいしいし!)

未央(うーん……まだ本命の蕎麦は来ていないけど、今の時点で未央ちゃんの評価は高いですよー!)


――

未央「で、来ましたね、ざるそばさん」

P「ざるそば『さん』って……まあいいが。とりあえず、食べるか」

未央「薬味は最初から入れた方がいいのかな?」

P「俺は最初は入れないな。それからぜんぶ入れる」

未央「じゃあ私もそうしよー」

P「べつに真似しなくてもいいんだが……」

未央「未央ちゃんも乙女ですからねー。好きな人の真似はしたくなるものなのです」

P「気軽に言うな」

未央「えへへ、だって事実だもーん♪ それじゃあ、いただきまーす。って、もう言ってるけどね」

P「そうだな。でも、まあ、いただきます」

未央(ということで、プロデューサーの言う通り、まずは何も入れないで、おつゆにつけて……っと)

未央(では、いただきます)ズズズ……

未央「……ん!」

未央(おいしい! なんて言うんだろ。風味? 風味がいい感じ! あと食感が結構意外! 割りとかため? かためなんだけど、喉越しは良くてつるつるしていていい感じ! つるつるしこしこ? って言えばいいのかな? どうだろ。違うような気もする。でも、とにかくおいしい!)

未央(それじゃあ、お次は薬味を……わさびは、どうしよ。プロデューサーは……ぜんぶ入れてるっぽい。でも、私はどうかわからないからなー……とりあえず、わさびだけでちょびっとだけ)パクッ

未央(……ん! いける! 大丈夫! あんまり辛くない! 香り? 風味? それだけがふわっと抜けて、なんだか爽やかな感じ。つんとしなくて、いい風味だけが残っている感じ。おお、これはもしや、いいわさびというやつなのでは……?)

未央(これだったらぜんぶ入れてもいいかも。ということで、ぜんぶ入れて……っと、これで、蕎麦を食べる)ズズズ……

未央「……うん!」

未央(わかってた! おいしい! 薬味を入れた方がやっぱりなんだかいい感じかも! わさびの風味とか、うん、色々とがいいハーモニーを奏でてる……って、『ハーモニーを奏でてる』なんて言ってるくせにそれ以外の表現が我ながら適当過ぎる……)

未央(でも、そんなのはどうでもよくて、とにかくおいしい。これが本当のざるそばってやつなのかも。うん、本当においしい!)

P「未央、どうだ?」

未央「おいしい!」

P「だよな。……正直、思った以上に当たりの店だったな」

未央「ふっふっふ……このお店を見付けた未央ちゃんに感謝してほしいものですなー」

P「確かにな。ありがとう、未央」

未央「どういたしまして♪」


――

未央「そば湯……そば湯だ」

P「そば湯だな」

未央「……どうやって飲むの?」

P「どうやって……か。うーん、そば湯の飲み方は結構人によるんだよな……俺はつゆに入れて飲むな」

未央「それじゃあそうするね」

P「まあ、流れからするとそうだよな」

未央「そうですよ。未央ちゃんは流れを大切にしますからね……」

P「どの口が言うんだよ……いや、確かにそういうところもあるけどな」

未央「でしょ? まあ、とにかくそば湯をいただきましょー」

P「だな」

未央(えーっと、とりあえず、このそば湯をこのおつゆに入れて……)トクトク……

未央(それで、これを飲む、と。……うん、とりあえず、飲もう)ズズ……

未央「……あ」

未央(……なんだろ。とっても……とっても、いい感じ)

未央(ほっとするというか、安心するというか……そんな味。そんな、風味)

未央(なんだか、ぽかぽかする。そばつゆの味もちょっと効いてて、それもまた、良い感じ)

未央(……これが、そば湯なんだ)

未央(……うん。これを最後に、って言うのは、いいね。とってもいい気分で、落ち着いた気分で、終わることができる)

未央(……ごちそうさまでした)

未央(って、まだそば湯は残っているんだけど……うん、それでも)

未央(やっぱり、こう言いたくなる。……ごちそうさまでした、って)


――店の外

未央「はー……おいしかったー」

P「うん、うまかった。というか、全般的にいい店だったな。雰囲気も良かったし」

未央「うんうん。気軽に来れる場所じゃないけど、こういうお店のためだったら遠出してもいいって思わせてくれるようなお店だった!」

P「だからこういう店がこういうところにあるのかもな」

未央「かもね。……でも、今日はいい一日だったなー」

P「そうか。そう思ってくれたのなら何よりだな」

未央「うん! 今日のお仕事の出来上がりも楽しみだし……プロデューサーと、こうしてドライブデートもできたしね」

P「……ドライブデートではないけどな。というか、それなら俺は他のアイドルともドライブデートをしていることになるが」

未央「わかってるけど……思うだけなら、いいでしょ?」

P「……思うだけなら、な」

未央「えへへ。ということで、私はとっても幸せなんですよ」

P「幸せなら、うん、良かったな」

未央「む、なんだか他人事……プロデューサーは幸せじゃないの?」

P「俺か? ……うん、幸せだな。未央が幸せでいてくれるなら、俺は幸せだよ」

未央「……プロデューサーって、結構、そういうところあるよね」

P「は? 何がだよ」

未央「なんでもないでーす」

P「そう言う時って絶対何かあるだろ……」

未央「あるけど言いたくないってことだもーん。ほらほらプロデューサー。運転に集中しなくちゃいけませんよ?」

P「お前……まあ、そうだな」

未央「そうそう。ちゃんと私をお城まで送り届けて下さいね? 王子様♪」

P「俺は王子様って柄じゃないが……言われなくても、きちんと送り届けてあげますよ、お姫様」

未央「……えへへ。なんだか恥ずかしいかも」

P「お前から始めたくせに言うなよ……俺まで恥ずかしくなってくるだろ」

未央「そう? そっか。そうだよね。……ねぇ、プロデューサー」

P「ん?」

未央「プロデューサーの言う通り、プロデューサーは王子様じゃないかもしれないけど……魔法使いかもしれないけど……それでも、私の気持ちは、一緒だからね」

P「……わかってるよ。でも、こんなところでそういうことは言うな」

未央「こんなところで? ……今は、車の中で、密室で、誰も居ないけど?」

P「……だからだよ」

未央「だから? ……うん? どうして?」

P「……言わない」

未央「えー? どうしてどうして? 言ってよー」

P「……未央。俺の気持ちと、俺が男ってことをよく考えろ。……俺にそこまでの理性があるって思わないでくれ」

未央「理性? ……ぁ」

P「……わかったか? わかったら……その、これからは控えめに、な」

未央「……はい」

P「……」

未央「……」

P「……こういう雰囲気がダメなんだよ! くそっ、顔赤らめて小さくなりやがって……!」

未央「……す、するなら、優しくしてね?」

P「だからその台詞はやめろ! あー! もう! お前! 今のはわかって言っただろ! でも顔は赤らめやがって……! 恥ずかしいなら言うなよ!」

未央「えへへ……でも、半分は、冗談じゃないからさ」

P「だーかーらー! ……くそっ、今日は割りと落ち着いてたのにどうして最後でこんなに焦らされなきゃならないんだよ……!」

未央「そういうプロデューサーも魅力的だから大丈夫だよ」

P「今魅力的とか言うな! もっとバカみたいなこと言ってくれ!」


未央「バカ? ……そうかも。私、プロデューサーバカかもね」

P「そろそろやめ――あ、いや、もう大丈夫だ。一周回って引けてきた。未央がわかっててそれを言ってると考えたら冷めてきた。よし、帰ろう」

未央「えっ! ……そ、それはそれで傷付くんだけど」

P「大丈夫大丈夫。未央はかわいいよ。ただ、そのかわいいと思う感情がそういうものとは別のものになったってだけだ。……よーし、運転、頑張っちゃうぞー」

未央「ちょっ! プロデューサー! そういうものとは別って何? え? 私のこともうそういう目で見れなくなったってこと? ねぇ? ねぇってばー!」

P「みーつぼーし、ぱって、はーじけて、とーびのって、りゅーせー♪」

未央「ちょ、無視しないで! 無視しないでよー! 謝るからー!」



これにて今回は終了です。
なんだか久しぶりのような気がしますがそうでもないような気がします。でもこれ書き始めたの1月なんでなんだか久しぶりな感じがあります。
ざるそば。冬にざるそばというのはどうなんでしょうか。でも私は好きです。冬のざるそばも冬のざるそばでおいしいと思います。
このお店は偶然近くに行く機会があって、たまたま見付けて入ってみたらおいしかったお店です。次に行けるのはいつになるかはわかりませんがまた行きたいです。というか、色んなそばのお店に行きたくなってきましたね……一つおいしいお店を見付けると他のおいしいお店もどんなものかと気になっちゃいます。

今回は割りといちゃいちゃ編? どうでしょう。最後は割りといちゃいちゃしてたような気がしますがギャグ終わりなところもあるので……まあ、どっちもみたいな? とりあえず未央かわいいということで。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係……あるかもしれない話なんですが、明日からちょっと東京に行くのでオススメのお店などがあれば教えていただけると幸いです。
前に教えてもらってまだ行ってないお店もあるんですが……どこに行けるかはまだわからないので。いやまあ、いつも通り教えてもらったところで行くかどうかはわからないんですけど、それでもよければ。

改めてありがとうございました。

久しぶりなような気もする軽食編


――新宿駅

未央「うー、疲れたー……プロデューサー、未央ちゃん、ちょっと休みたい……」

P「あー……まあ、確かに疲れているだろうが、そこまでゆっくりできる時間はないな……」

未央「えー……でも、未央ちゃん、ちょっとお腹空いちゃってるんですけど……」

P「ちょっとお腹が、か……ここなら、うん、じゃあ、ちょっとだけ寄るか」

未央「どこかお店?」

P「ああ。そんなにゆっくりするつもりはないが、さっと入ってさっと出ることもできるような店だからな」

未央「ファーストフード……的な?」

P「ファーストフードと言えばファーストフード……か? そうかもしれない。とりあえず、行くか」

未央「はーい」


――店の前

P「ここだ」

未央「ここ? 近いね。あと、なんだかちょっと雰囲気あるかも」

P「入りにくいか?」

未央「どうだろ。プロデューサーと一緒だから入りにくいとは思わないけれど、一人なら……でも、昔ながらのお店、って感じがして、なんかいいかも」

P「そうか。女子高生はちょっと入りにくいかもしれないと思ったんだが」

未央「確かに女子高生はちょっとわからないなー……でも、しまむーもしぶりんも普通に入れそうな気はする」

P「あー……まあ、あいつらは大丈夫な気がするな。凛は意外と怯みそうでもあるが」

未央「それ、ちょっとわかるかも。まったく動じないところも想像できるんだけどね」

P「凛はなぁ……っと、そんな話をしている時間はないな。さっさと入るか」

未央「確かに。急いで食べるのも嫌だしね」


――店の中

P「ベルクドッグを二つ。あ、ケチャップとマスタードはなしで」

未央「……ベルクドッグ?」

P「名前はそこまで気にするな。ホットドッグだよ」

未央「ケチャップとマスタード、なしなんだね」

P「未央は初めてだろ? なら、とりあえず最初はなしで食べた方がいいと思ってな」

未央「最初はスタンダードなのから、って?」

P「そういうことだな」

未央「……あれ? でも、プロデューサーは初めてじゃないんだよね?」

P「ん? ああ、そうだな」

未央「じゃあ、プロデューサーは違うのにして、それで、それを私がちょっともらう、っていうのでもよかったんじゃ……」

P「……確かに」

未央「いや、べつにいいんだけどね? 私はもらう側なんだし」

P「……ま、まあ、気付いていたけどな? ほら、ホットドッグを食べ分けるっていうのは間接キスどころの話じゃないような気もするしな」

未央「それ、今更過ぎると思うんだけど……」

P「……とにかく、最初はプレーンでいいんだよ。気になったらまた来ればいいだけの話だ」

未央「あ、逃げた」

P「逃げてない。……さて、たぶんそろそろできる。無駄話も終わりにしよう」

未央「無駄話って……あ、ホントにきた。ありがとうございます」

P「ありがとうございます。……じゃ、まあそこらで立って食べるか」

未央「座る……のは、ちょっと席が埋まってるし、私たちはこれだけだもんね。そうしよっか」

P「ああ。……それじゃあ、まあ、いただきます」

未央「お、もう食べる?」

P「食べる。そこまで時間があるわけでもないし、冷めたら嫌だからな」

未央「もうちょっとこう、うんちくみたいなのないの?」

P「特にない。食べ方もそのままかぶりつくだけだ。ソーセージをパンで挟んだだけの料理だ。ケチャップやマスタードもないし、特に気をつけることもないだろう? だから、とにかく食べてみろ」

未央「んー……わかった。じゃあ、いただきます」

未央(……でも、本当にシンプルだなー。ケチャップもマスタードもなくて、本当にソーセージをパンで挟んだだけ。おいしいんだろうけれど……さてさて、いったいどれほどのものなのかなー)

未央(とりあえず、手で持って……お、この手触り、なんだかいいかも。あったかくて、ちょっとかたい? ううん、これは表面だけかな。ちょっと力を入れると中はやわらかいことはわかる。表面がパリッとしてる? カリッと? うーん、まあ、食べればわかることかな。では、いただきます、っと)パクッ

未央「んっ……ん!」

未央(おいしい! ケチャップとマスタードがないっていうのはちょっと物足りないかも……と思ってたけどそんなこと、全然なかった。このパンとソーセージだけで十分……ううん、十分過ぎるほどにおいしい)

未央(パリッと……パキッと? していて、ジューシーなソーセージは思っていた以上においしくて、ケチャップとマスタードがいらないってくらい、しっかりと味がついている。あと、このパンがまた良い感じ。表面はサクッとしていて、やわらかい。噛むと抵抗なくすっと切れて、口の中でダマみたいな感じになることもなく、ほどけるように溶けていく……うん、これはおいしい!)

未央(これこそが『シンプルイズベスト』ってことなのかも。うーん……これはいいですなぁ。素材の味が存分に活かされているというか? トッピングもなにのにこんなにおいしいと言うよりは、トッピングが必要ないくらいおいしいというか。でも、トッピングをするとそれはそれでおいしいんだろうなあ、とも思う)

未央(しかも、ここは他にも色んなメニューがあるみたいだし……今度来る時はホットドッグ以外にも何か頼みたいかも。これだけホットドッグがおいしいなら、他のものもおいしいと思うし)

P「未央、どうだ?」

未央「あ、プロデューサー……って、もうなくなってる」

P「ん? まあ、ホットドッグだからな。しかもここのはめちゃくちゃうまい。すぐになくなる」

未央「いや、確かにおいしいけど……プロデューサーって、食べるの早いよね」

P「未央に比べれば、な」

未央「私もそこまで遅いわけじゃないと思うけど……でも、うん、本当においしかったよ、プロデューサー。私、またここに来たいな」

P「そうか? それじゃあまた来るか。今度はゆっくり、な」

未央「うん。そうしたい。……じゃあ、ちょっと待っててね。私が食べ終わったら、もう行こっか」

P「そこまで急がなくてもいいぞ。余裕……はないが、そこまで急いでいるわけじゃないからな」

未央「余裕がないんだったらゆっくりもできないんじゃない? ……でも、うん、プロデューサーがそう言うなら、お言葉に甘えて、味わって食べさせてもらうね」

P「そうしてくれ」

未央「うん。……」パクッ

P「……」

未央「」モグモグ

P「……」

未央「」パクッ

P「……」ジー

未央「……」モグモグ

P「……」ジー……

未央「……」

P「……」ジー……

未央「……ねぇ、プロデューサー?」

P「ん?」

未央「どうしてそんなに見ているのかな?」

P「ダメか?」

未央「ダメ……ってわけじゃないけどさ。美少女がおいしそうに食べてる姿を見て興奮しちゃったのかなー? なんて思って」

P「……まあ、そうだな」

未央「えっ……こ、興奮する、って……プロデューサー、そういう趣味だったの?」

P「いや、そういう意味じゃないけどな。ただ……そうだな、ただ、幸せだな、って思っただけだよ。未央が隣で、おいしそうに、幸せそうにしている。それを見ることができるなんて、幸せだな、ってな」

未央「……それ、ちょっと恥ずかしくない?」

P「……ちょっとは、な」

未央「……私も、その、幸せだけど」

P「……そうか」

未央「……うん」

P「……」

未央「……」

P「……ホットドッグ、食べないのか?」

未央「え? ……ううん、食べる」

P「じゃあ、食べろよ。……見てるから」

未央「……うん」

未央「……」パクッ



これにて今回は終了です。
某何かに影響されて行ったお店。このプロデューサーも櫻井のお嬢様が食べているのを見て行き始めたのかもしれません。
いや、本当においしかった。「これがホットドッグか……」なんて思ったくらいおいしかったですね。他のメニューも気になりました。また行きたいです。でもホットドッグは絶対に頼んでしまうんだろうなぁ、とも思います。

今回は割りと久しぶりのはずの軽食編でした。急いでいる設定のはずが終わりはめちゃくちゃゆっくりしてる感じ。でも、こういう終わり方もいいですよね、と自画自賛。私の力不足により伝えられているかどうかは微妙なところですが。

そう言えばバレンタインデー終わっちゃいましたね。でもバレンタイン編はこのSSでどこまでどう書くかがちょっと迷いますね。普通にいちゃいちゃラブコメになりそうな予感がします。個人的にはそれはそれで大好物なんですが。さらに言えばそもそももう過ぎた時点で書かないような気もしますが。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あと珍しくSSの話なんですが次回はまた東京編になるかなーと思います。教えてもらって行ったお店の話。前回のように間をあけすぎてもなんだかなーって感じなので。
まあ今の私がそのつもりというだけなのでどうなるかはわかりませんが……他にも色々なお店とかチェーン店とかコンビニとかP料理とか未央料理とか色々と書きたいものはまだまだあるんですが、そのすべてを一気に書けるわけではないのでもどかしいです。
とりあえず、これからも未央と一緒にごはんを食べるような話だということは変わらないと思います。

改めてありがとうございました。

未央「なんか、ガッツリ食べたい気分!」

P「は? なんだ、いきなり」

未央「いきなり、って……いやいきなりだけど、もうお昼時でしょ? ごはん、なんだかガッツリしたものを食べたいなーって思って」

P「あー……まあ、確かにそろそろそういう時間か。でも、ガッツリしたもの……ちょっと迷うな」

未央「迷うの? プロデューサーならいっぱい知ってそうだけど……」

P「まあ知ってるんだが……ガッツリしたものってどういうのだ? 量が多いってことか、肉か、とか」

未央「うーん……お肉で!」

P「肉……肉、か。それなら、俺もちょっと行きたいところがあるんだが」

未央「行きたいところ? どこどこ?」

P「俺は行ったことがない店なんだが、話に聞いてな」

未央「お、この流れ、前にもあったような気がしますよ?」

P「……まあ、その通りだ。また別の人だが、教えてもらった」

未央「ふんふむ……その『教えてもらった』系のお店は今まで大当たりも大当たりだったから楽しみかも。で、どういうお店なの?」

P「名前からすると……カレー屋?」

未央「カレー……ってことは、前の、大阪で食べたみたいな、お肉って感じのカレー?」

P「いや、俺が勧められたのは生姜焼きだな」

未央「……ん? 聞き間違いかな? も、もう一回言って」

P「生姜焼き」

未央「……で、その店は」

P「たぶんカレー屋」

未央「……カレーは?」

P「知らん。カレーもカレーでうまいみたいだが……なんでも、『生姜焼きがうますぎて生姜焼きがメインだと思われている』くらい生姜焼きがうまいらしい」

未央「……それはもう生姜焼き屋さんなのでは?」

P「それは違……どうなんだろうな。わからん」

未央「わからないんだ……」

P「とにかく、だ。『うますぎる』なんて言われたら行きたくなるだろ? ここからそこまで遠くないみたいだし……行かないか?」

未央「行く行くー。いったいどんなものなのか、私も気になりますし?」

P「決まりだな。じゃあ、行くか」

未央「はーい。レッツゴー」


――店の前

未央「……確かに、カレーって書いてあるね」

P「……カレーだな」

未央「しかも、生姜焼きじゃなくて『ハンバーグ&カレー』って書いてあるよ、プロデューサー」

P「……うん、そうだな」

未央「……本当に、生姜焼きがメインなの?」

P「い、いや、店としてはカレーとハンバーグがメインなんじゃないのか? たぶん」

未央「たぶんなんだ……ん? あ、なんか貼ってあるよ」

P「ん? なになに……『日本一のしょうが焼きを探せ!』?」

未央「横綱……大関……小結……? これって……あ、これが生姜焼きの、ってこと?」

P「ってことは、やっぱり生姜焼きが有名な店……ってことか」

未央「みたいだね。入る?」

P「ん、そうだな。いつまでも店の前に居ると邪魔だし……入るか」


――

未央「でも、結構他にもメニューあるね」

P「だな。ハンバーグにカレーにスパゲッティに……結構色々ある」

未央「『日本一のしょうが焼きの大関』っていうのがなんなのか、私にはよくわからないんだけど」

P「俺もわからん。でも、なんだかすごいってことなんじゃないのか?」

未央「かな。まあ、食べてみたらわかるってことで」

P「それもそうだな……っと、スープに、ナイフ、フォークか」

未央「……生姜焼き用?」

P「かもな。いかにも洋食屋って感じだし、それを使ってもいいってことじゃないのか?」

未央「……なんだか、こう置かれると使わなくちゃいけないような気がしない?」

P「ちょっとはするが、生姜焼きだしな……俺は箸でいいかな」

未央「……私もお箸かな」

P「結局そうなのか」

未央「だって……スープ、きたから飲も。冷めちゃうし」

P「そうだな。飲むか。いただきます」

未央「いただきます」

(あ、ミスです)

>>210>>211の間


――店内

未央(なんだか庶民派って感じのお店……って、なんかそういう感じのこと書いてある紙が貼ってある。自称・庶民派……なんて、さっちーに怒られちゃうか)

P「ん、カレー付けられるのか」

未央「え? ……あ、ホントだ。どうする?」

P「未央は?」

未央「私? プロデューサーのオススメ……とは、できないよね。私はいいかな。生姜焼きでごはんを食べ進めたいですし?」

P「ってことは、生姜焼きだけでいいか?」

未央「私はそれで」

P「じゃ、頼むか。すみませーん」

>>211の続き

未央(スープ……これ、何味のスープだろ。コンソメ? オニオン? とりあえず、飲もう)ズズ……

未央「……ん」

未央(あ、おいしい。味は結構濃い感じかも。一口飲んだだけでしっかりと味がわかる。でも、濃すぎるってわけじゃなくて、ちゃんとおいしい。高級店って感じじゃなくて、確かに庶民派って感じかも。親しみやすい?)

未央(上品な感じじゃなくて、割りとガツンとくるようなスープだけど……うん、おいしい。疲れた時とかに飲むといいような気がする。こういうお店だからこそ、って感じがする。店の雰囲気に合ってる。悪い意味じゃなくて、いい意味で)

未央(うーん……これは、なかなかいいお店なのでは?)


――

P「生姜焼きとライス、だな」

未央「だね。なんだか私の知ってる生姜焼きとちょっと違うかも」

P「確かに、ちょっとポークソテーみたいな感じだな。いや、ポークソテーかって言うと違うんだが」

未央「生姜焼きとナポリタンとキャベツが一つのお皿に、っていうのもなんだか良い感じかも」

P「……それを『良い感じ』って言うのは女子高生というか、アイドルとしてどうなんだ」

未央「えー。でも、プロデューサーはこういうのを見て『良い感じ』って言うでしょ?」

P「……言うけど」

未央「つまり、プロデューサーくんの影響なんですよ? 未央ちゃん、プロデューサーに色々と教えこまれちゃってるから……」

P「その言い方はやめろ」

未央「じゃあ、調教されちゃってるから」

P「もっとやめろ……ったく、食べるぞ。おいしそうで、腹が減った」

未央「それもそうだね。いただきまーす。……さっきも言ったけど」

P「……さっきも言ったけど、って言う必要あるか? まあ、俺も、いただきます、っと」

未央(さてさて……どこから手を付けようかな)

未央(やっぱりまずは生姜焼き? それともナポリタン? それともキャベツ? うーん……こういうのは、いったいどういう順番で食べればいいのか。いや、正解なんてないんだろうけど、いつも迷う)

未央(とりあえず……生姜焼きから食べてみよう。二枚の、大ぶりの生姜焼き。結構厚くて、プロデューサーが言ったみたいにちょっとポークソテーみたいな感じかも。いや、ポークソテーではないんだけれど)

未央(なんだか見た目からしてごはんに合いそう。とりあえず、一口……)パクッ

未央「……ん!」

未央(おいしい! なんだろ、なんて表現すればいいんだろ。お肉が大ぶりで、しっかりとしていて、お肉って感じで、それが甘辛いタレで味付けされていて……とにかく、おいしい!)

未央(そんな、何か変な味がするとかじゃなくて、本当に『めちゃくちゃおいしい生姜焼き』って感じ。うーん、これは確かに『うますぎる』かも)

未央(これ、絶対にごはんと合うよね。早くごはんと食べたい……けど! とりあえず、先に、このナポリタンにちょっと手を付けてみよう)

未央(ナポリタン……本当に、このナポリタンこそ『庶民的』って感じかも。生姜焼きも生姜焼きで『庶民的』な味を極めに極めたって感じだったけど、このナポリタンのヴィジュアルからして、もう『庶民』って感じ)

未央(このドーム状に盛られた、ケチャップたっぷりっぽいナポリタン。生姜焼きと接していて、下の方は生姜焼きのタレにつかっちゃってる。本当に、もう、『庶民』って感じ)

未央(こういうのを見るとなんだか『良いな』と思う。……正確には、思うようになった、かも。プロデューサーの影響で。私の中には、プロデューサーが今も生きているんだね……いや、死んでないし隣に居るけど)

未央(とりあえず、ナポリタンを食べよう。フォークもあるけど……ここは、庶民的にお箸のままで! さて、実食―!)パクッ

未央「……うん!」

未央(おいしい! ケチャップたっぷりで、庶民的って感じで、なんだか家でつくるみたいな味なんだけど……それがおいしい! なんだろ、このケチャップケチャップって感じがめちゃくちゃ良い。上品でもないし複雑な味でもなくて、『ケチャップ!』って感じなのに……なんでこんなにおいしいんだろう)

未央(確かに『付け合せ』っぽい味で、いい意味で『大雑把な味』とでも言えばいいのかな。繊細な味とかじゃなくて、もう『おいしかったらそれでいい』みたいな。それで実際、とってもおいいい)

未央(確かスパゲッティのメニューに『ナポリタン』ってあったよね。これ、いっぱい食べてもいいかも。こういう庶民的な、家庭的な、それでいてとってもおいしい味が楽しめる、って、結構貴重だと思うから)

未央(……さて、それじゃあ、次は生姜焼きとライスを一緒に食べよう。絶対おいしいってわかってるけど、それでも楽しみ。それじゃ、いざ……)パクッ

未央「……んー!」

未央(やっぱりおいしい! グッド! グッド! グッドだよ! この濃い目の味付けがごはんに合う。かきこんじゃいたくなるし、もうかきこんじゃう。マナーとかそういうのは気にしない。ここはそういうの抜きで食べれるお店だと思うし!)

未央(洋食屋なんだけれど、『日本の洋食屋』って感じ。昔ながらの? みたいな? こうして生姜焼きと一緒にごはんを食べると、日本人として生まれてきて幸せだなーって思う。この、ちょっとジャンクとも言える感じ……最高)

未央(生姜焼きを食べて、ごはんを食べて、生姜焼きを食べて、ごはんを食べて……ナポリタンやキャベツも合わせて楽しんで、もう順番なんて気にせず、マナーなんて気にせず食べる。肩肘なんて張る必要はなくて、ただただ『食べる』ことに集中できる)

未央(はー……幸せ)


――店の外

未央「おいしかったね、プロデューサー」

P「ああ、うまかった。『うますぎる』って言葉の意味もわかったよ。まあ、カレーもカレーで気になってきたけどな。ハンバーグも」

未央「それは確かに。あと、私はスパゲッティも気になったなー」

P「ナポリタン、うまかったからな……何に付けても気取ってないって感じで、それがまた良かった。まあ、女子高生が来るようなところじゃあないとは思うけどな」

未央「連れて来た人が言う? ……まあ、私も一人では来れないけどね」

P「また連れて来て欲しいってことか?」

未央「さすがはプロデューサー。私のことはわかってるね」

P「そこまで言われたら誰でもわかるだろ。……でも、そうだな。連れてくるよ。未央以外とは、さすがになかなか来にくいからな」

未央「それ、どういうこと? しぶりんもしまむーも……確かにちょっとダメそうだけど、あ、そうだ、あかねちんは? あかねちん、こういうの好きそうじゃない?」

P「お前は茜をどう思ってるんだよ……」

未央「明るく元気でとってもかわいい子?」

P「……まあ、その通りだな」

未央「でしょ? あと、実は結構女の子」

P「それもその通りだ。だから、あいつのことはめちゃくちゃ女の子扱いしたくもなるんだが……」

未央「未央ちゃんは?」

P「してるつもりだが?」

未央「えー……全然足りませんよ? もっとお姫様みたいに扱ってくれても構いませんことよ?」

P「お姫様……?」

未央「ちょ、何その反応! さすがに失礼だと思うんですけど!」

P「あー、はいはい。お姫様、お姫様ね……未央、ちょっと止まれ」

未央「? なんで?」

P「お姫様扱いするから。……あと、ちょっと、目、つぶっとけ」

未央「えっ……ま、まさか、キス……?」

P「どうしてキスがお姫様扱いになるんだよ……違うから、安心して目をつぶれ」

未央「なーんだ。……はい、目、つぶったよ」

P「ん、それじゃあ……っと」ヒョイ

未央「なっ……ぷ、プロデューサー? これは、いったい……」

P「お姫様扱いと言えば、お姫様抱っこだろ?」

未央「い、いや、だって、外で、ちょ、人通りが少ないとは言っても、これはちょっと恥ずかしいんだけど……」

P「はっはっは。たまにはお前も恥ずかしがれ。くるくるー」クルクルー

未央「ま、回さないで回さないで! なんかちょっとこわいから! あと、結構スピード早い! おーろーしーてー!」

P「はっはっは……あ、なんか腕が疲れてきた。未央、お前、結構重いな。もう下ろすわ」

未央「……いや」ギュー

P「……は?」

未央「重いって……重いって、さすがに失礼じゃない? プロデューサーくん、このまま事務所まで運ぶことを命令します」

P「いや、お前がおろせって言ったんだろ。早く下りろよ」

未央「重いって言ったことを撤回するまで下りないもーん。このままいちゃいちゃ帰るんだもーん」スリスリ

P「ちょ、顔を擦り付けるな。というか、本当に腕が疲れてきたから……」

未央「頑張って、プロデューサー♪」

P「……重いって言ったことは撤回します。軽いです。だからおりて下さいお願いします」

未央「よろしい。でも、軽いのならもうちょっとくらい大丈夫だよね?」

P「はぁ!? 約束が違うぞ! 早くおり――」

未央「……プロデューサーは、そんなに早くおりてほしいの? 私は……もうちょっとだけ、こうしていたいな」

P「そっ……それは、ちょっと、ずるくないか?」

未央「ずるくてもいいもん。お姫様はわがままなものなんですよ?」

P「……まあ、あとちょっとだけ、な」

未央「……うん。あとちょっとだけ、ね」ギューッ

P「……最後にお願いなんだが、胸を押し付けるのはやめてくれないか?」

未央「胸? ……プロデューサーのえっち」エヘヘ

P「……えっちでいいから、離れてくれ」

未央「エロデューサーさんの言うことなんて聞けませーん」

P「エロデュ……それはさすがになくないか? というか、いいから離れて……」

未央「やだもーんだ」

P「……はぁ。わかりましたよ、お姫様。あの交差点まで、な」

未央「……えへへ。ありがと、プロデューサー」

P「……どういたしまして」



これにて今回は終了です。
割りと久しぶりなような気がします。前回書いた通り東京編。バレンタインデー編とホワイトデー編を書こうとしていたのにすっかり時間が経ってしまいました。忙しかったとかではないです。ここで言うのもなんですけどまったくべつの書いてました。それでこっちが遅くなるのはなんだかなーと自分で思います。

今回のお店、本当においしかったです。近くに欲しい。通いたい。通えませんが。他のもちょっと頼みたいんですがなんだかんだで次も生姜焼きを頼んでしまいそうです。私のストライクゾーンのどまんなかって感じの味だったからまた行きたい……。
ここの近くに割りと色んな店があって「あわわ」ってなりました。教えてもらった店がこんなにいっぱい……行ってみてわかったんですが一応秋葉原から徒歩圏内? あそこらへんはおいしいものがいっぱい集まるものなんですか? それとも東京だから? 東京はいいなぁ……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですが今夜はSSA特番ですね。もう開場しましたね。なんだかSSとSSAって字面が似ているような気がします。どうでもいいですね。はい。
次はどうしましょう。今更バレンタインデー編? ホワイトデー編? それともまた別の何か? 割りと気分で決める気もします。バレンタインデー編は構想だけなら決まってるのでバレンタインデー編でもいいかもしれません。でもなんだか他のアイドルと一緒に、みたいなのも挟みたいところです。うーん、どうなるんでしょうか。未来の私に任せようと思います。
今月末に発売する色々が楽しみです。

改めてありがとうございました。

P「未央、ちょっと時間あるか?」

未央「ん? なになに? プロデューサー。あ、もしかしてデートのお誘いかな?」

P「デート……まあ、近いな」

未央「……え?」

P「で、どうなんだ?」

未央「えーと……その、はい。大丈夫です」

P「そうか。じゃあ、行くか」

未央「え、行く? 行くって、どこに?」

P「いつもと同じだよ」

未央「いつも? いつもって……あ」

P「ん、そうだ。ちょっと、飯を食べに、な」


――

未央「もー……変なこと言わないでよ、プロデューサー。さっきの、かなり性格悪いよ?」

P「先に言ったやつはどっちだ?」

未央「う……ごめんなさい」

P「素直でよろしい」

未央「……プロデューサーは?」

P「は?」

未央「私が謝ったんだからプロデューサーもするべきことがあるんじゃないですかねぇ……」

P「お前……すまなかった。これでいいか?」

未央「うん、いいよ。許してあげる♪」

P「……せっかく今日は俺の調子だと思ったのに」

未央「プロデューサーくんが私に勝つのはまだまだ先ってわけだね」

P「……まあ、俺とお前の関係はこういうのがいちばんちょうどいいのかもしれないけどな」

未央「えー……これ以上進展させないの?」

P「……まださせない」

未央「……『まだ』?」

P「……行くぞ。そこまで時間があるわけじゃないんだからな」

未央「はーい」


――

未央「そう言えば、今日はどこに行くの?」

P「ああ、言ってなかったか」

未央「うん、聞いてない」

P「今日行くのは……まあ、ラーメン屋だな」

未央「……プロデューサー、ラーメン、好きだよね」

P「お前は嫌いか?」

未央「ううん、好きだけど。正確にはプロデューサーの影響で好きになった、かも。私、プロデューサーの色に染められちゃった……」

P「その言い方はやめろ」

未央「でも、事実ですし?」

P「だから『言い方』って言ってるだろ……」

未央「えへへ……でも、ラーメン屋さんが好きなのって、結構乙女な理由もあるんだよ? プロデューサーとの思い出の場所だから……みたいな?」

P「ラーメン屋が思い出の場所ってのも変な話だな」

未央「かもね。こういうことはよくあることなのかもしれないけれど」

P「そうか?」

未央「女性経験の乏しいプロデューサーくんが言えることかな?」

P「お前は男性経験豊富なのかよ……」

未央「プロデューサーが初めてだよ?」

P「『初めて』とかそういう言い方するなよ……」

未央「んん? プロデューサーくんは『初めて』でどういうことを想像したのかなー?」

P「……お前、美嘉に毒されてるぞ」

未央「むしろ美嘉ねーはこういうことダメそうだけど?」

P「いや……あー、どうだろうな。あいつならそれくらいは言いそうだが……」

未央「……なんか、プロデューサー、美嘉ねーのこと『知ってる』って感じだね」

P「そりゃまあ、プロデューサーだからな」

未央「そういう意味じゃなくて」

P「は? どういう意味だよ」

未央「そういう意味」

P「どういう意味だよ……あー、そうだな、いちばん知ってるのはお前だけど、みたいなことか?」

未央「……そうだけど、言い方が悪いよ、プロデューサー」

P「もうちょっとキザに言えって?」

未央「それは気持ち悪い」

P「どうしろって言うんだよ……」

未央「どうしろって言うんだろうね」

P「お前がわからないのかよ」

未央「乙女心はフクザツなのです」

P「……本当にな」


――店の前

未央「ここが今日のラーメン屋さん……えーと、何が有名なお店?」

P「有名……ってわけじゃないな。うまい店ではあるが、特に有名ってわけでもないと思う」

未央「あれ? そういうお店ってなんだか珍しくない? プロデューサーってチェーン店とか有名なお店とかばっかり行くんだと思ってた」

P「誕生日に連れて行ったところとか違うだろ……」

未央「確かに。あのお店みたいなところ、また連れて行ってほしいなー♪」

P「そんな大事な日以外に連れて行っても変だろ」

未央「大事な日には連れて行ってくれるってこと?」

P「……入るぞ」

未央「あ、逃げた」


――店の中

未央「ここはプロデューサーの行きつけのお店だったりするの?」

P「んー……まあ、割りと、だな」

未央「割りと、なんだ」

P「月に一回は絶対行くってくらいだな」

未央「割りと行きつけのお店だ……」

P「だから言ってるだろ? で、メニューだが……」

未央「……結構色々あるね。つけ麺とか、まぜそば? とか?」

P「油そばとも言うな。食べたことないか?」

未央「プロデューサーに連れて行ってもらう以外にあんまりラーメン屋さんに行くこともないしね。食べたことはないかも。どういうものか、は知ってるけどね。スープがないんだっけ?」

P「まあ、そんな感じだな。食べたことないなら……と思うが、いきなりまぜそばっていうのも……」

未央「プロデューサーのここのおすすめは違うの?」

P「まぜそばもうまいが、最初はとんこつを食べるのがいいとは思う」

未央「そっか……うーん、どうしよう。まぜそばっていうのもちょっと食べてみたいかも……」

P「そうだな……それじゃあ、お前はとんこつを頼め。俺がまぜそばを頼むから。それでちょっと食べ比べてみたらいいだろ」

未央「いいの? やったー」

P「いつも通りって感じだがな」

未央「それは言わないお約束、だよ?」

P「とりあえず、とんこつとまぜそば、だな。注文するか」

未央「うん。しよっ」

P「よし。すみませーん!」


――

未央「……と、いうわけできたね。とんこつと、まぜそば」

P「来たな。うん、今日もうまそうだ」

未央「それがまぜそば、なんだ……なんか、『ジャンク!』って感じだね」

P「だな。実際、味もそんな感じだ」

未央「かれんとか好きそう」

P「あー、言われてみれば……あんまり連れて来たくないけどな」

未央「『野菜が入ってるから大丈夫』とか言いそう」

P「ポテトも野菜だから大丈夫とか言い出しそうだなそいつ」

未央「実際言ったらどうする?」

P「呆れる」

未央「怒らないの?」

P「そこまで怒らないって。ただ、凛と奈緒とも協力してちょっと本気で食事を管理するが」

未央「怒るよりヤバい……」

P「そんなことはない。というか、早く食べないとのびるぞ。俺のはまぜそばだからのびるってわけでもないだろうが、そっちはのびるだろ」

未央「あ、確かに。じゃあいただきまーす」

P「……まあ、俺も食べるか。いただきます」

未央(ということで、そこそこ久しぶりのラーメンかな。久しぶり? どうだろ。久しぶりなような気もするし久しぶりじゃない気もする……)

未央(えーと、とんこつラーメン。普通の……かどうかはわからないけれど、野菜とかが乗ってるラーメン。前に生っすかのラーメン探訪で見たやつとはまた違うけど、ちょっと似てるかも?)

未央(さてさて、味はどんなのなんだろ。とんこつと言えば『こってり』ってイメージがなんだか付いちゃってるけど……とりあえず、スープを)ズズ……

未央「……ん」

未央(あ、こんなのなんだ……うん、おいしい。『こってり』って感じじゃないんだけど……プロデューサーが『行きつけ』って意味がわかるかも。何と言うか、優しい味。飲むとほっとするというか……うーん、ラーメンのスープで、しかもとんこつでこういうことを思う日が来るとは思わなかったかも)

未央(でも、おいしいなぁ……ラーメンって、本当に色んな種類があるよね。私がまだ見たことがないラーメンもまだまだいっぱいあるんだろうし……って、これはラーメンだけの話じゃないかな。プロデューサーが割りとラーメン屋さんに連れて行ってくれるからそう思うだけ、かも)

未央(さて、スープだけじゃなくて、麺や具も食べてみようかな。麺は……結構太いかも。つけ麺屋さん……と、そこまで変わらないかも? この太い麺がこのお店の売りだったりするのかな。具はもやしとかそういうの。あと、チャーシュー……なのかな。あんまり見たことがないタイプかも。おいしそうだけど)

未央(まあ、とりあえず麺から……)ズルズル

未央「……んっ」

未央(あ、これはおいしい。スープだとなんだ『ほっこり』感が強かったけど、麺を食べると『おいしい』っていうのが先にきた。なんでだろ、これ。わからないけど……割りと麺はガシガシしてる? コシがある……のかな。どうだろ。何と言うか、『啜ってる』って言うよりも『食べてる』って感じがする。うん、そう、『食べてる』。そういう麺)

未央(あ、プロデューサーが『行きつけ』っていうのはこういう理由もあるのかな。プロデューサーって割りと食べる方だし、こういうがっつり『食べてる』って感じがするのが好きなのかも)

未央(……なんだか、これがプロデューサーが好きな味、って考えると、ちょっと色々考えちゃうな。プロデューサーが関係してるのかな。プロデューサーがいなくても好きだったのかな。……プロデューサーがおいしいって言ってるものがおいしいって思えるのは、たぶん、幸せなことなんだろうな)

未央(――って、なんでちょっとしんみりしてるの私。ラーメン、ラーメンだよ。ラーメン食べててしんみりする……もしこれがドラマとかだったらお客さんから突っ込みが入っちゃうシーンだよ。とにかく、食べよう)ズルズル……

P「どうだ? 未央」

未央「おいしいよ? さすがはプロデューサーの行きつけのお店と言いますか?」

P「そうか……良かったよ、本当。もしこの店がそんなに合わなかったりしたら割りとへこんだ」

未央「へこむんだ」

P「へこむ。俺は割りとメンタル弱いからな……」

未央「そうだね……」

P「……今のを否定してくれないとそれでまたなんかへこむ」

未央「プロデューサー、面倒くさいんだけど……」

P「面倒くさいとか言われるとへこむ……」

未央「めんどくさい……」

P「まあ、それは置いといて、だ。未央、ちょっと、食べてみるか?」

未央「あ、それじゃあ食べようかな。いい?」

P「ああ。その代わり、俺もちょっとくれよな」

未央「うん。私のものを召し上がれ?」

P「……それはちょっと違わないか?」

未央「……違うかも」

P「……食べるか」

未央「……うん」

未央(……なんかちょっと調子悪いけど、それは置いといて、まぜそば。まぜそばですよ、まぜそば)

未央(もうプロデューサーが混ぜた後だから、さっきとかなりヴィジュアルが違う……何と言うか、さっきよりもさらに『ジャンク』って感じ)

未央(とにかく、ちょっと食べてみよう。いただきます、っと)ズルズル……

未央「……んっ!」

未央(おいしい! うん、これ、おいしい。濃いからかな、ガツンとくる。食べた瞬間に『おいしい!』って感じる。『ジャンク』って感じ)

未央(これはなかなかに危ない食べ物かも……この、おいしいんだけれど濃くてジャンクな感じ。実際どうなのかはわからないけど、なんか不健康そうな感じ。……それなのに、中毒性がある感じ)

未央(とんこつラーメンはあんなに優しい感じなのに、こっちはこんなにもジャンクな感じ……表の顔と裏の顔があるんだね、この店は)

未央(あの優しい感じだけじゃなくてこういう味も楽しめるって考えると、うん、ここは結構『行きつけ』にしやすいお店かも。どっちも楽しめるから、飽きがこなさそう。しかも、これ以外にもメニューはあって……うん、ここ、良いお店かも!)

未央(……もう一口、食べよ)ズルズル


――店の外

未央「んー、おいしかったー! 余は満足じゃー!」

P「何のキャラだよ……」

未央「未央ちゃん……かなっ」

P「……このやり取り何回かやった記憶があるんだが」

未央「確かに。でも、このお店みたいに飽きがこないんですよ」

P「うまいこと言ったつもりか。そもそもこのやり取りは本当に飽きがこないか?」

未央「……飽きるね!」

P「すぐ認めるのか……」

未央「実際飽きるからね。仕方ない」

P「そうか……でも、本当に良かったよ。お前がここを気に入ってくれて」

未央「いつもプロデューサーが連れて行ってくれるお店は気に入っているような気もするけどね」

P「そうだな。でも、ここはやっぱり割りと来ている店だからな。お前に好きって言ってもらえると、なんだか、嬉しいんだよ」

未央「そう? ……まあ、でも、そうなのかな。私も、プロデューサーが好きなお店が好きで、嬉しかったし」

P「そうか」

未央「実はそうなんです。これも乙女心、だね」

P「乙女心、か……なあ、未央」

未央「ん? なになに? プロデューサー」

P「……これからも、よろしくな」

未央「……いきなりどうしたの?」

P「いや、ちょっと、な……俺も、お前の乙女心をたまには満たしてやりたい、って思ってな」

未央「……そっか」

P「そうだ」

未央「……プロデューサー、乙女心をわかってないと思ってたけど、ちょっとはわかってるんだね」

P「それはつまり、満たされたってことか?」

未央「……撤回。やっぱり、わかってない」

P「は? おい、なんでだよ。今、いかにも良い感じだっただろ?」

未央「言葉にしなくちゃ伝わらないけど、言葉にしないからこそ、っていうのもあるの」

P「……やっぱり、乙女心ってやつは難しいな」

未央「まあ、私だって面倒くさいって思うけどね」

P「自分でも思うのかよ……」

未央「うん。ごめんね、プロデューサー」

P「いや、謝ることでもないが……あー、もう、とにかく、だ。……これからもよろしくな、未央」

未央「うん。……末永く、ね」

P「……それはちょっと違わないか?」

未央「これは違わないよ。……違わないで、いてほしいから」

P「……そうか」

未央「そうだよ」

P「……それじゃあ、末永く」

未央「……うん。末永く」



これにて今回は終了ですお久しぶりです。

選挙期間はもっと投稿するつもりだったんですが結局この一回だけ、みたいになってしまいました。
これに時間がかかった……かと言うとこれは23時あたりから書き始めたやつなのでまったくそんなことはないです。
忙しかったかと言うとそういうわけでもないです。
今書いてるもう一つのアナスタシアのやつ……はちょっと影響しているかもしれません。
まだまだ書きたいものはいっぱいあるので時間がある時はもっと書きたいです。

久しぶりのお店はラーメン屋さん。おいしいところですがそこまで有名っていうわけでもないお店。こういうお店、割りとどこにでもあるんじゃないかな、と思います。どこにでもあるようでどこにでもなくて、でも、誰もが一つは持っている……こともあるかもしれないようなそんなお店。
久しぶりで、しかも選挙期間の終わりということでどうしようか……と考えたんですが、特別なようで特別ではない、でも特別な意味のあるようなそんな感じにしてみたつもりです。いつものような感じで、でもいつもとはちょっと違う……って、できてなかったら仕方ないですが。

「またラーメン屋か」と思われたなら申し訳ないです。
正直ラーメン屋のストックだけなら両手両足の指で数え切れないどころかラーメン屋だけで一スレ消化できるくらいの量あるんですが、それ以外の店もかーなーりありますしそれ以外のお店で書きたいのもいっぱい残っているのでそこまでラーメン屋ばっかりになるってことはないと思います。
今回はまあ先述の「この時期の意味」ってことを考えるとここかなーっていうので特別扱いして下さい。
と言って、またすぐラーメン屋を書いたりしちゃうかもしれませんが。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないんですが、総選挙ですね。今回の総選挙に関しては色々と話せることはあるんですが、私の言いたいことは一つです。
本田未央をよろしくお願いします。
あなたの一票を彼女の輝きのために下さい。
お願いします。

改めてありがとうございました。

あ、次は卯月誕生日編(大遅刻)か年越し編(超遅刻)かそれとはまったく関係ないいつも通りのやつかのどれかになると思います。

それでは。

(年越しじゃなくてクリスマス編でした……)


――朝

未央「おはよっ、プロデューサー」

P「ん……おはよう」

未央「おっとぉ? プロデューサーくん、おねむかなー?」

P「『おねむ』って……まあ、眠いが」

未央「この時間にって言ったのはプロデューサーなのに?」

P「なのに、だ……と言うか、お前、よく起きれたな。昨日は女子寮で、だったんだろ? 女子寮ならお前は遅くまで起きていると思ったんだが……」

未央「さすがの未央ちゃんも明日が早いってわかっていればそこまで夜ふかしはしませんよ?」

P「……ちなみに、今日は何時まで起きてた?」

未央「朝日は見てないよ☆」

P「その言い方絶対夜ふかししてるだろ……やっぱり若さか?」

未央「……おじさん?」

P「それやめろ。傷付くから。……まあ、せっかくこんな早くに来てもらったんだ。早速、行くか」

未央「はーい。レッツゴー!」


――電車

未央「でも、こんな早くに行って、お店、開いてるの?」

P「ああ。あそこらへんの店はだいたい朝の五時くらいには開いてた……と思う。今日行く店は初めてだが」

未央「五時……早いね。教えてもらったお店、だっけ?」

P「そうだな。割りと並ぶだろうからこの時間、ってわけだな」

未央「この時間でも並ぶんだ……だから、こんな時間に来い、って言ったんだね」

P「未央には悪いが、な」

未央「ううん。昨日、『食べたい』って言ったのは私ですし?」

P「その言った理由も俺が見ていたページを盗み見したからだけどな」

未央「仕事中にそんなところを開いているプロデューサーが悪いんですよ? あんなおいしそうな写真を見ちゃったら食べたくなるに決まってるじゃん」

P「実際、俺も食べたくなったし……ちょうど、今日は午前中から予定もあったしな」


未央「と言うか、今日は割りとハードスケジュールだけどね……がっつり食べて、スタミナ付けなきゃ」

P「俺もそうしなきゃ、な……そう言えば、未央は初めてか?」

未央「初めてって? 今から行くお店なら初めてだけど」

P「そうじゃなくて……つまり、築地だな」

未央「名前は知ってるけど初めて、かな。どんなところなの?」

P「何と言うか、『市場』って感じだな」

未央「『市場』?」

P「あー……まあ、見た方が早いな」

未央「そっか。じゃあ、楽しみにしとくね」

P「楽しみにするほどかどうかはわからないが」

未央「えー……せっかく未央ちゃんが朝から気分を盛り上げようとしてるのにその言い草はないんじゃないかな?」

P「……すまん」

未央「素直でよろしい。……ねぇ、プロデューサー」

P「なんだ?」

未央「眠い?」

P「……眠い」

未央「そっか。ちょっと寝る? 肩、貸すよ?」

P「……ん」

未央「っ……」

P「……」スゥ

未央「……」

未央(……本当に寝ちゃった。冗談半分だったんだけど、よっぽど眠たかったのかな)

未央「……いつもありがと、プロデューサー」

未央(肩くらいならいつでも貸すから、ゆっくり、ね)

未央(……まあ、朝が弱いだけ、なのかもしれないけど)


――築地

未央「ほうほう、これが築地ですか。……朝から結構人が居るね、プロデューサー」

P「観光地みたいなもんだからな。遠くからも人は来るし……店も多いしな」

未央「でも、この活気がある感じ……嫌いじゃないよ!」

P「未央はそうだろうな……こういう空気、好きそうだ」

未央「えー、何そのテンション。プロデューサーはそうじゃないの?」

P「嫌いじゃないが、特別好きでもない。さっさと向かおう。気をつけて、な」

未央「はーい」


――店の前

未央「……並んでるね」

P「並んでるな。まあ、隣の寿司屋の方が並んでるが」

未央「……これ、どれくらい待つの?」

P「隣のは……どれくらいだろうな。ライブが始まって終わるくらいは待つかもな」

未央「そんなに……ちなみにこっちは?」

P「さあ? 一時間かかるかどうかってところじゃないか? この時間ならまだ、な」

未央「……そう言えば、この時間でこんなに並んでるんだよね。その時点でこっちも、かー」

P「まあ、築地だからな。並ぶのは仕方ない。ゆっくり待とう」

未央「うん。ラジオのパーソナリティも務める未央ちゃんからすれば一時間くらいすぐですよ」

P「李衣菜は居ないし普段の二倍だけどな」

未央「それは言わないお約束! 今日のゲストはプロデューサーだから、しっかり付き合ってもらいますからね?」

P「まあ、俺も暇だからな。ただし、俺は喋りのプロってわけじゃないからな。素人相手でどれだけ面白くできるか、見せてもらおうか」

未央「ふっふっふ……リーナとのラジオで鍛えた私のトーク力、見せてあげるよ、プロデューサー!」


――

未央「――ということで、しぶりんとらんらんが二人で話しているのを眺めていたんだけど、それがまた……」

店員「二名様、どうぞー!」

P「ん、時間切れだ。続きは気になるが、また後で、な」

未央「はーい。でも、もうそんなに時間が経ったんだね。実はかなり早く列が進んでいたり?」

P「いや、そんなことはない。体感時間では俺もかなり短く感じたけどな」

未央「それはつまり、未央ちゃんのトークスキルがすごいということかな?」

P「あー……まあ、そうなんじゃないか」

未央「えー。ちょっと冷たーい。もっと乗ってよー」

P「後でな。とりあえずは席について注文してから、な」

未央「えー……でも、そうだね。入ろっか」


――店内

未央「ほうほう、こんな感じなんですね」

P「どんな感じだよ……」

未央「んー……こんな感じ?」

P「……まあ、そうだな。とにかく、注文するか。結局、未央はどうするんだ?」

未央「なんだか他のメニューもおいしそうなんだけど、プロデューサーは昨日見ていたアレ、だよね?」

P「ああ。そのつもりだ。もしかしたらもうなくなってるかもしれないからその時はまた別の、だが」

未央「それはそれでおいしそうだから問題なし! ということで、未央ちゃんもそれでお願いします」

P「ん、じゃあ頼むぞ。すみませーん!」


――

未央「ということで、やってきましたね、チャーシューエッグ定食」

P「やってきたな。残っていてよかったよ」

未央「うーむ……しかし、おいしそうですなぁ。朝からこんなものを食べるなんて……食べきれるかな?」

P「まあ、無理だったら俺が食べる……と言うか、本当に無理はするなよ? 予定もあるんだから」

未央「うん。きつくなってきたらすぐに言うね。まあ、朝じゃなかったらこれくらいは食べきれるし、大丈夫じゃないかなー」

P「まあ、食べきれたらそれがいちばんいいんだがな。ガッツリ食べて力を付けてもらわないと困るからな……っと、早く食べるか。いただきます」

未央「いただきまーす」

未央(さてさて……っと、でも、朝からこれはやっぱり重そうだよね。大ぶりのチャーシューと目玉焼き、そこにブラックペッパーがこれでもかってくらいにかけられて、横にはちょこんっとマスタード。チャーシューのタレはお皿の上で広がってサラダにまで付いちゃってる。それからお味噌汁とお漬物、そしてごはん。……朝からこれを食べたらそりゃあ元気がつくってなものですよ)

未央(さて、どこからどうやって手を付けるか……迷うけど、とりあえずはこのチャーシューから!)

未央(でも、この大きさはどうやって食べようか……切れるかな? ってことで、試しにお箸で……)ヒョイッ

未央(お! 崩れた! やわらかい! このチャーシュー、すごいやわらかい。触れただけですっと切れる……みたいな感じじゃないけど、お箸でもなんとか切り分けられそう。というか、一口サイズに崩せそう?)

未央(まあ、今のでちょうど一口サイズくらいには崩せたから、食べてみよう。いざ!)パクッ

未央「……おお」

未央(おいしい。何と言うか、思ったよりも『濃い』って感じはしない。いや、濃いんだけど……見た目だけだと、もっと『こってり』していて、それだけじゃ食べられない~、ってくらいだと思ってたんだけど、これだけでも食べられるくらい。あっさり……とも違うんだけど、なんだろう。『朝』向けにこういう味だったりするのかな。でも、これが良い。おいしい)

未央(とろとろのチャーシューの……『タレ』の味というか、お肉の味というか? でも、それはタレがあるからで……うーん、どう説明すればいいんだろ。とにかく、おいしい)

未央(こんなの、絶対ごはんと一緒に食べたらおいしいよね。じゃあ次は、チャーシューとごはんを、一気に……あ、チャーシュー、結構とりすぎちゃったかも。でもいいか。このまま……)パクッ

未央「……ん」

未央(だよね! うん、思った通り、合う! 思ったより『濃い』って感じはしなくても、それは見た目にしてはってだけで濃いことには濃いんだよね。それがごはんに合うったら合う。ほろほろのチャーシューに白ごはん。こんなの、合わないわけがないですよ)

未央(次は……うん、この目玉焼きと、だよね。明らかに半熟で、とろとろそうな目玉焼き。これとさっきのチャーシューを一緒に食べたら……そんなの、もう、おいしくないわけがないよね!)

未央(チャーシューをごはんの上に乗せて、それから半熟の目玉焼きをさらにその上に。そして、黄身を割って……うわ! 良い感じにとろとろ……チャーシューの上だけじゃなくて、ごはんの上にまでいっちゃった)

未央(ビジュアル的にはちょっとお行儀が悪い? でも、そんなこと言われても、こんなおいしそうなものを目の前にすると吹き飛んじゃう。タレでほろほろになるまで煮こまれただろうおっきなチャーシューに、とろとろの半熟玉子が合わさって……もう、食べよう!)パクッ

未央「……~!」

未央(おいっしい! うん、これはおいしい。すごくおいしい。さっきまでももちろんおいしかったけど、もう、これはもう……!)

未央(とろとろの半熟玉子とほろほろのチャーシューと白ごはん。そのぜんぶが一緒になって、もう、本当においしい。幸せ。もう幸せ。すごく幸せ。ハッピー。ガツンってきて、全身にパワー的なものがみなぎってくる感じ)

未央(……まだまだ食べたい。チャーシューと目玉焼きを一緒にして、絡めて絡めて、ごはんと一緒に一気にかきこんで……ああ、もう! おいしい!)

未央(朝から重いかもしれないけど、それでも、一気にスタミナ充填! って感じ! これから元気出して頑張るぞー! ってなる、みたいな?)

未央(……とにかく、食べよう。食べて、食べて、元気を出そー!)


――店の外

P「食べきれたな、未央」

未央「うん。いやー、朝からこんなにいっぱい、っていうのはなかなかないけど、こういうのもアリだね。朝から元気を出すためにはいちばん、って感じ」

P「スタミナ食って言うだけあったな。俺もなんか元気が出てきたような気がする」

未央「あ、そう言えばプロデューサーも初めてだったんだっけ。どうでした? お味は」

P「たぶん未央と同じ感想だと思うが……うん、うまかったよ。あのマスタードがまた良いアクセントだったな。付けなくてもうまかったからちょっと迷ったんだが、付けてよかった。チャーシューは脂身が多めでかなりこってりしていたが、あのこってりさもまた良かった。玉子と白ごはんと一緒に食べたらもう最高、って感じだな」

未央「チャーシューだけでもおいしいんだけど、ぜんぶが合わさってこそ、って感じだったよね。見た目にはちょっときたない感じにはなるけど、一度あの味を知っちゃうと……ね」

P「その言い方、なんか変な薬みたいだな……」

未央「……ハッ! ま、まさか、あの味を生み出しているのは、そういった薬があるからでは……?」

P「なんだよそのノリ……というか、そういうネタ、テレビとかでは絶対にするなよ? そういうのはシャレにならないからな」

未央「いやー、さすがの未央ちゃんもそれくらいはわきまえてますよ? それとも、プロデューサーくんは未央ちゃんが信じられないのかな?」

P「信じてるよ。というか、突っ込まなかったら突っ込まなかったで不満そうにするくせにそんなこと言うなよ」

未央「えへへ。でも、そんな私に付き合ってくれているから、プロデューサーはプロデューサーなんだよ」

P「それ、褒められているのかどうかわからないんだが」

未央「褒めてる褒めてる♪ 未央ちゃんのベストパートナーっていうことですから」

P「それがベストパートナーの条件って……本当、お前と付き合うのは疲れるよ」

未央「疲れるだけ?」

P「もちろん違う。……お前と付き合うのは、楽しいよ」

未央「……えへへ、なんか、面と向かってそう言われると恥ずかしいかも」

P「自分で言わせといて恥ずかしがるなよ。俺もちょっと恥ずかしくなってくるだろ」

未央「実はそれが狙いだったりして」

P「……お前、本当に面倒くさいな」

未央「俺以外には任せられない?」

P「……まあ、そうだな。俺以外には任せられないよ」

未央「うんうん、そうだよ。私のプロデューサーはプロデューサーだけなんだから……これからも苦労させるけど、それ以上に楽しませてあげるから、ちゃんと私と付き合ってね、プロデューサー♪」

P「言われなくてもそうするし、お前を苦労させて楽しませるのは俺の仕事でもある。覚悟しろよ?」

未央「それは今更じゃないですか? プロデューサー。……さて、それじゃあ、今日も頑張っていきましょうか」

P「……そうだな。今日も一日、頑張ろう。今日も、明日も……これから、ずっと」

未央「……なんだかポエミーだね、プロデューサー。あと、ずっと頑張ってたら疲れちゃうよ?」

P「……ほっとけ」



これにて今回は終了です。

選挙の結果発表とか色々ありましたね。4thライブのあれやこれやとかもありましたね。あと色々。
この店に行ったのは2月なんですが……築地の移転とかそういう話は結局どうなってるんですかね。次はフライの定食とかを食べに行きたいなーと思ったりします。フライもおいしそうなんですよね。でも築地だけでも他に行きたい店があったり……うーん、時間が足りない。

今回は割りとあっさりした感じだったような気がします。というか、卯月誕生日編になると思いますって言ってたのに違いますね。いや、卯月誕生日編も書くとは思うんですけど。今更かよって感じもありますが。
次は何のお店にしようかなー、とか。最近チェーン店とかを書いてないので久しぶりに書いてみたいかもしれません。でも、どこにしょうか……いっぱいあるんですが、いっぱいありすぎて迷うという。メニューが多いところはメニューが多いだけあって、というのもあったり……うーん、悩む。
つまり、次も未定です。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないんですがデレステSSR未央をようやくお迎えできてもう最高に嬉しいです未央かわいい。
担当アイドルのSSRがいるデレステってこんなに楽しいんですね。「みんなこんなゲームやってたのかよ」って感じです。
未央SSRに合わせて遊園地デート的な……のも書きたいなーと思いながらでもそれはちょっとどうなのかとかそんな感じのことを考えていたりいなかったり。遊園地ならでばの食事もありますけど、そんなに行った経験があるかと言うとあんまりないので。そもそも「デート」をさせるわけにはちょっといかないのでは? みたいなこともあったり。もうデートしているようなもんって言われたらそれまでなんですけど、そこはその……まあ、自分なりに面倒くさいあれやこれやがあったりするんです。するんです!
まあ、どうなるかはその時次第ということで?

改めてありがとうございました。


――事務所

未央「おはようございまーす!」

ちひろ「あら、未央ちゃん。おはようござ……その荷物は?」

未央「え? んー……ちょっとね。あ、ちひろさん。この後、キッチンを使いたいんだけど……」

ちひろ「キッチン、ですか? はい、大丈夫ですが」

未央「やたっ。ありがと、ちひろさんっ♪」

ちひろ「どういたしまして……?」

未央「それじゃあ、私、キッチンに行ってくるね! あ、プロデューサーが帰ってきても、このことは内緒にしておいてね! 約束だよ!」

バタン

ちひろ「……なんだったのかしら?」


――キッチン

未央「……さて、それじゃあ、作るとしますか!」

未央(まずはお米を……っと、せっかくだからバターライスにしようかなーっと)

未央(コンソメは……あったあった。これとバターを入れて……あと、ローリエも入れちゃおう)

未央(これであとはスイッチを押しておけば、あら不思議。作業が終わる頃にはバターライスが完成しちゃう。文明の利器サマサマだね)

未央(それじゃあ、調理といきましょう。最初は、まあ、玉ねぎかな。玉ねぎの微塵切りー)

未央(つんときちゃいそうだけど、我慢して、一気に……)トトトト

未央(よし、微塵切り終了! 次は……鶏肉を切っておこうかな。大きさは……割りと大きめでいいかな。ってことで、テキトーに、っと)グッグッ

未央(それじゃあ、今度は玉ねぎを炒めちゃおー! きつね色になるまでふんふんふーん……っと)

未央(それできつね色になったらスパイスを……ターメリックにクミンちゃんにガラムマサラさんに、あとはチリパウダーとかそういうのを入れてー)

未央(よし、これで一段落。次は鶏肉を投入――する前に、ちょっと準備を)

未央(鷹の爪やらブラックペッパーやらをべつで炒めて、ぽんぽんって弾ける音がしたらそこにさっきの玉ねぎと鶏肉を投入―。これをさっと炒めて)

未央(トマトピューレ! ヨーグルト! 赤ワインにマンゴーチャツネ! お水を投入ー!)

未央(それを煮込んで、お醤油お砂糖、チーズにチョコをひとかけら。ちょこっと塩としょうがを入れて)

未央(ぐつぐつ煮込んで……塩で味を調えて、さらに強火でぐつぐつ煮込む!)

未央(――ということで、未央ちゃん特製チキンカレーのできあがりー!)


――

ガチャ

P「ただいま帰り――」

未央「おかえり! プロデューサー!」

P「うおっ……未央、いきなりどうした?」

未央「プロデューサーを待ってたの! あ、プロデューサー、まだごはんは食べてないよね?」

P「ん、まあ、食べてはいないが……」

未央「それじゃあ、ちょっと来て。ごはんにしよ?」

P「は? いや、俺は仕事が……」

ちひろ「いいですよ、プロデューサーさん。行ってきて下さい」

P「いや、でも……」

ちひろ「問題ありません。それに、今日は事務所で、ですから」

P「事務所で……? ということは、ちひろさんが何か作ったんですか?」

ちひろ「……違います。いいから、未央ちゃんと一緒に行ってきて下さい。私はあとでもらうので」

P「ちひろさんも一緒に食べればいいじゃないですか」

ちひろ「……未央ちゃん、苦労しますね」

未央「まあ、こういうところも含めてプロデューサーですし?」

ちひろ「……まあ、それもそうですね」

P「……あの、俺、悪口言われてます?」

ちひろ「言ってません。……とにかく、プロデューサーさんは未央ちゃんと一緒にごはんを食べてきて下さい」

P「……よくわかりませんが、わかりました」


――

P「それで、ちひろさんじゃないってことは未央が作ったのか?」

未央「お、そこは気付くんだ」

P「さすがにな。というか、これで未央じゃないって方がおかしいだろ」

未央「私がプロデューサーを待っている時点で気付かないのもどうなんでしょうね?」

P「……だって、未央が作るとか、あんまりないだろ」

未央「まあ、ほとんどないね。前のおにぎりくらい?」

P「あー……そうだったな。あれはうまかった」

未央「お、また作って欲しい?」

P「……まあ、そうだな」

未央「どうしよっかなー?」

P「……それ、俺はどういう反応をすればいいんだ?」

未央「んー……『作って下さいお願いします』と言ってみる、とか?」

P「そこまでしなくちゃダメなのかよ」

未央「それだけでアイドルがつくったおにぎりが食べられるって考えるとお得じゃない?」

P「それは……まあ、そうなんだが」

未央「それなら、ほらほら、言ってみなよー」

P「……べつに言ってもいいんだが、そう言われると言いたくなくなる」

未央「えー……まあ、いいけどね。心配しなくても、また作ってあげるよ、プロデューサー」

P「……なんでお前が譲歩したような感じになってるんだ」

未央「はて、なんででしょう?」

P「なんでだろうな……」


――

P「ん、このにおい……カレーか?」

未央「そうそう。カレーだよ。チキンカレー。未央ちゃんの得意料理。それじゃ、よそうからプロデューサーは座ってて」

P「ん……いや、俺も手伝えることがあれば手伝うよ。飲み物とか、食器とか、出しとく」

未央「あー……うん。それじゃ、お願いしようかな。ありがと、プロデューサー」

P「どういたしまして……って、礼を言われるほどのことじゃあないけどな」

未央「そうかな? でも、言った方も言われた方も気持ちいいからいいでしょ?」

P「……まあ、そうか」


――

未央「さて、それじゃあ、食べましょうか!」

P「……思ったよりも本格的なんだが」

未央「未央ちゃん、頑張っちゃいました☆」

P「頑張っちゃいました……って、これ、本当に手間かかってるだろ。何と言うか、見た感じ」

未央「見ただけではそんなのわかる? というか、そこまで手間をかけているわけじゃないと思う。まあ、気合は入れて作ったつもりだけど」

P「それどこが違うのかよくわからないんだが……」

未央「まあまあ、とにかく、食べてみて」

P「……まあ、それじゃあ、もらうか。いただきます」

未央「召し上がれ♪」

P「……」パクッ

P「……」モグモグ

未央(……なんか、緊張する)

P「……」ゴクンッ

P「……未央」

未央「は、はい」

P「……うまい!」

未央「本当!?」

P「嘘吐いてどうするんだよ。本当にうまいよ。いや、マジで。店に出せるレベルじゃないかこれ」

未央「……そっか。うん、まあ、未央ちゃんの自信作ですからね」

P「いや、うん、本当に自信をもっていいと思う。うまい。いや、うん、うまい。……すごくうまい」

未央「プロデューサー、『うまい』しか言ってないよ?」

P「うまいからな。……未央、食べていいか?」

未央「え? あ、うん。どんどん食べて」

P「よし! ……」ガツガツ

未央(おおぅ……プロデューサー、がっついてる)

未央(確かにおいしいと思うけど……そこまでかなあ)

未央「……えへへ」

未央(……あ、私、すごいにやけてる。自分でわかる。でも、とめられない。嬉しい)

未央(……なんか、こういうの、良いなぁ)

未央(将来も、こんな風に……って、何を妄想してるんだろう。それはちょっと気が早いぞ、私)

未央(……でも、うん、幸せ、だな)

未央(……本当に、良かった)

P「……ん? 未央は食べないのか?」

未央「えっ!? ……あ、うん、食べる、食べるよ」

P「そうか。……なあ、未央。おかわりってもらってもいいか?」

未央「ん!? え、もう食べたの?」

P「……まあ、うまかったからな」

未央「……もう。でも、プロデューサーのことを考えて、いっぱい作ったから大丈夫だよ。あ、でも、ちひろさんの分は残しておいてね?」

P「……保証できないな」

未央「保証できないって、どんだけ食べるつもりなの?」

P「まあ、腹がいっぱいになるまで、かな」

未央「……じゃあ、たくさん召し上がれ、プロデューサー」

P「よしっ! それじゃあ、もらうな!」

未央「……プロデューサー、子どもみたい」

未央(でも、そんなプロデューサーも……って、なんか、私、すごいプロデューサーバカみたい)

未央(……間違っては、ないんだろうけど)


――

P「……ふぅ。さすがにぜんぶは無理だったな」

未央「そりゃ無理だよ……でも、それにしても食べ過ぎだと思うけどね。この後の仕事、大丈夫なの?」

P「う……まあ、それは、たぶん、問題ない」

未央「ほんとにー? って、いっぱい食べさせた私が言うのもなんだけどね?」

P「それは本当にな。……というか、本当にうまかったよ、未央。うん、本当に」

未央「えへへ、ありがと♪ まあ、大好きなアイドルが大好きなプロデューサーへ作ったものだからここまでおいしかったのかもしれないけどねー。最高の調味料は愛情! っていう?」

P「……それは、まあ、そうかもな」

未央「んっ……そ、それは否定しないんだ」

P「いや、まあ……純粋にうまかった、って言うのもあるが、未央がつくったものだからこそ、ここまでうまく感じたっていうのは……確かに、あると思うからな」

未央「そ、そっか」

P「ああ」

未央「……プロデューサーって、たまにずるいよね」

P「ずるい……か?」

未央「ずるいよ。うん、ずるい」

P「……よくわからんが、そう言えば、どうしていきなりカレーを作ったんだ?」

未央「どうして、って?」

P「いや、お前、今日オフだろ? それなのに、わざわざカレーを作るためだけに……って、その理由がわからなくてな」

未央「それは……ちょうど一年だから、かな」

P「……一年?」

未央「今日は、私にとっては特別な日なの。特別な日から、ちょうど一年。記念日、だから」

P「一年前に何かあった、ってことか? ……何かあったか?」

未央「うーん……秘密。プロデューサーには教えてあげない」

P「……そう言われると気になるんだが」

未央「それじゃあ……ヒント。プロデューサーだから、特別な日なんだよ」

P「俺だから……?」

未央「わからない?」

P「……わからない」

未央「そっか。……えへへ」

P「……なんで笑ったんだよ」

未央「ん? ……ナイショ♪」

P「……まあ、俺はうまいチキンカレーを食べられたからいいんだが」

未央「うんうん。プロデューサーはそれでいいのです」

P「……ありがとな、未央」

未央「どういたしまして♪ ……私からも、ありがとね、プロデューサー」

P「……どうしてお前が礼を言うんだよ」

未央「それは……今日が、そういう日だから、かな」

P「なんだよそれ。……でも、まあ、どういたしまして」

未央「……プロデューサー」

P「なんだ?」

未央「これからも、一緒に色んなものを食べに行こうね」

P「……まあ、そうだな」

未央「とりあえずの目標は、今日のカレーを超えるもの、かな」

P「それは……一生かかっても難しそうだけどな」

未央「……プロデューサー、さすがにそれは褒め過ぎじゃない?」

P「俺にとってはそうなんだよ」

未央「……そっか」

P「ああ」

未央「……ありがと、プロデューサー」

P「どういたしまして」



これにて今回は終了です。

何かからちょうど一年ということで、一周年記念的な? チキンカレーです。
未央のチキンカレー……どんな味なんですかね。愛情なしバージョンなら私も食べられるんですけどね。このプロデューサー羨ましいですね。くそっ……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係……あるんですけど、次は複数人のやつにしたいなーと思ってます。
自分の中でも候補はあるんですが、誰かこのアイドルとー、とか、こういうお店にー、とかあったら言ってもらえると嬉しいです。
例のごとく、言われたからと言って書くとは限らないんですが。
そもそも複数人のやつを書く前に卯月誕生日編とかクリスマス編とかが書き終わったらそっちを投下する気もしますが。
……でもなんか書き終わる気がしないのでやっぱり次は複数人で、ってやつだと思います。

改めてありがとうございました。


――事務所

ガチャ

P「ただいま――って、あれ? お前らだけか?」

未央「うん、お前らだけですよー」

梨沙「『お前ら』って言い方は気に入らないけどね」

舞「あはは……」

P「……なんだこの組み合わせ」

梨沙「『なんだ』って言われても、こっちこそ『なによ』って感じなんだけど」

P「梨沙俺に対して厳しすぎないか?」

梨沙「いつもこうでしょ」

P「確かに」

舞「えっと、私と梨沙ちゃんが勉強しているところに、未央さんが『教えてあげる』って」

梨沙「それでアタシたちが今やっている問題を見た未央が『んん……?』って頭を悩ませているところよ」

P「……未央、お前、勉強できる方だったよな? それもかなり。それなのにどうして……」

未央「んっ……そ、その、最近の小学生は難しいことやってるね☆」

P「……」

梨沙「……」

未央「ちょ、プロデューサーもりさりさもそんな目で見ないで……」

舞「だ、大丈夫ですよ、未央さん! 三年も経てば習ったことを忘れても仕方ないですよ!」

未央「うう……まいちーは優しいね……妹にしたい……」

舞「えっ」

P「どういうことだよ……」

梨沙「というか、三年前に習ったことでも義務教育で習ったことを忘れるってダメじゃない?」

未央「ぐっ……せ、正論を言われるとキツい……」

P「ぐっ……」

梨沙「なんでアンタまでダメージ受けてんのよ……」

P「小学生どころか中学高校大学で習ったことほとんど覚えてねぇ……」

梨沙「……学費がもったいないわね」

P「それ言われると本気でつらいからやめてくれ……」

舞「学校で習ったことを忘れているとしても、プロデューサーはプロデューサーだから大丈夫です!」

梨沙「舞、それたぶんフォローになってないわよ……」

P「そうか? 舞がそう言うなら大丈夫だな!」

梨沙「なんでなってるのよ」

舞「はいっ! 大丈夫です!」

P「大丈夫か!」

舞「大丈夫です!」

梨沙「これ、いつまで続けるの?」

未央「たぶんツッコミが入るまでだね」

梨沙「面倒なオトナね」

未央「まあ、そういうところも含めて『プロデューサー』ですし?」

梨沙「それは……褒め言葉かどうなのか、微妙なところね」

未央「お、『微妙』なんだ。『違う』んじゃなくて」

梨沙「……うるさい」

未央「お、照れちゃってー。りさりさはかわいいなぁ♪」

梨沙「そんなことを言うアンタはかわいくないわよ、未央」

P「ん? 梨沙がかわいい話してる?」

舞「梨沙ちゃんはかわいいです!」

梨沙「アンタたちいつの間に……と言うか、Pはいつまでそんなところで突っ立ってるのよ」

P「ん、それもそうだな。と言うか、せっかく買ってきたんだからこれも早く……」

未央「あ、そうそう、それ気になってたんだよね。プロデューサー、その袋、何?」

P「コンビニの袋だな」

梨沙「そんなこと見ればわかるわよ」

舞「中身はなんなのか、って聞きたかったんだと思います」

未央「まいちーやさしい」

梨沙「舞。Pはそういう質問だってわかっていたくせにあんな返しをしたのよ。ホント、性格悪いわよね」

P「俺、そこまで言われることしたか……?」

梨沙「言われたくなかったんならそもそもしないでくれる?」

未央「おお、正論」

P「確かにな……ごめんな、舞」

舞「わ、私ですか……?」

梨沙「まあ、謝るなら舞よね」

未央「まいちーだよね」

P「舞だよな」

舞「えぇ……」

未央「と言うか、また脱線しちゃってたけど、プロデューサー、その袋の中身は結局なんなの?」

P「ん? ああ、これか? これの中身は……これだ」

梨沙「……たこ焼き?」

舞「冷凍の、たこ焼き?」

未央「冷凍かぁ……」

P「……べつにお前らに食わそうと思って買ってきたわけじゃないからな」

未央「えー」

P「お前いちばん残念そうな反応してたくせになんだよ」

未央「いやー、だってこの流れなら……ね?」

P「いや、まあ、わからんでもないが……これは俺とちひろさんが小腹が空いた時のために買ってきただけだ。今食べる用じゃない」

舞「……でも、なんだかたこ焼きが食べたくなってきたな」

未央「お?」

梨沙「……ねぇ、P? 舞がこう言っているけれど……アンタはどうするの?」

舞「え? え?」

P「……これは冷凍庫行きだが、そうだな、それじゃあ、行くか」

未央「お!」

梨沙「決まりね。それじゃあ、準備をするからPは待ってなさい。……舞? 何してるの? 早く行くわよ」

舞「え? え? ……ど、どういうこと、なの?」


――外

未央「しかし、プロデューサーもまいちーには弱いんだね?」

P「まあ、舞だからな」

梨沙「アンタは割りとアイドル全員に弱いでしょ」

P「……」

舞「否定しないんですね……」

未央「実際、プロデューサーは私たちのこと大好きだよねー」

梨沙「気持ち悪いくらいにね」

P「気持ち悪いって言われると傷付くんだが……でも、べつに悪いことじゃないだろ?」

梨沙「さあね。手を出したらダメだとは思うけど」チラッ

未央「……ど、どうして私のことを見るのかなー?」

梨沙「べつに?」

舞「……? プロデューサー、どういうことですか?」

P「あー……まあ、俺はお前らのことが大好きだってことかな」

舞「それならわかります! 私もプロデューサーのことは大好きですよっ!」

P「天使かよ」

舞「て、天使って……」

梨沙「P。舞はこの中で最年少なんだからあんまりからかうのはやめなさい」

P「からかってるつもりはないんだが……と言うか、梨沙が言えるか?」

梨沙「精神年齢ではいちばん上なんじゃないかしら?」

未央「おお、言うねぇ、りさりさ」

梨沙「だって、事実じゃない?」

P「……梨沙の精神年齢が高い、ねぇ」

梨沙「……なによ。文句あるの?」

P「いや?」

梨沙「……なんか、むかつく」

P「むかつかれたか」ハハハ

梨沙「……」ケリッ

P「痛っ。ちょ、蹴ることないだろ?」

梨沙「……アタシだって、こういうところが、ってことはわかってるわよ」

P「……そうか」

梨沙「そうよ」

P「……うん。なら、そうだな。梨沙の精神年齢は、俺の思ったよりは高いのかもな」

梨沙「そのにやけ顔はむかつくし気持ち悪いけど……ま、褒め言葉として受け取ってあげる」

P「……」

梨沙「……なによ。どうして何も――」

P「舞……今、俺、梨沙に気持ち悪いって言われた……」

梨沙「はぁ!?」

未央「そこでそういう反応になるんだね、プロデューサー……」

舞「あ、あの……プロデューサー? 梨沙ちゃんが今言ったのは、そういう意味じゃないって思うんですけど……」

P「でも、顔が気持ち悪いって……」

未央「うわぁ……」

梨沙「……P。10歳の女の子に泣きついているアンタは、正直、本ッ当に気持ち悪いわよ」


――

未央「それで、今から行くのはたこ焼き屋さん……で、いいんだよね?」

P「ああ」

梨沙「アンタ、立ち直るの早いわよね」

P「それ言われると思い出してまた落ち込みそうになるからやめてくれ」

梨沙「アンタ、落ち込むのも早いわよね……」

P「熱しやすく冷めやすいのが性分だからな。まあ、お前らへの思いだけは冷めないけどな!」ドヤァ

梨沙「キモッ」

P「……ごめんな、気持ち悪くて……」

梨沙「……アンタ、『気持ち悪い』って言葉に何かトラウマでもあるの……?」

未央「りさりさ、それは聞いちゃいけないよ」

P「ああ、触れないでくれ。これは俺の……そう、言ってみれば『心のささくれ』かな……」

梨沙「飛鳥の下手な真似みたいで気持ち悪い」

P「へこむ」

舞「あはは……それで、プロデューサー。今日行くたこ焼き屋さんって、どういうところなんですか?」

P「んー……みくに教えてもらった店だな」

舞「みくさんが……?」

梨沙「みく、タコは大丈夫なのね……」

未央「みくにゃんの大丈夫な基準はよくわからないからねー。でも、みくにゃんが、っていうならなんだか期待できるかも」

P「なんでも大阪組で『東京のおいしいたこ焼き屋を探そうツアー』をやったらしくてな。それで『ここはおいしい』ってなった店らしい。あと、その時にドーナツ屋も教えてもらった。なんでも、その時に一人だけドーナツ屋に行こうと提案したアイドルが居たらしくてな」

未央「誰なのか一瞬でわかった」

梨沙「アタシも」

舞「私もわかりました」

P「『たこ焼きだけじゃなくて甘いものもあった方がいいかなーと思って』とかいう理由みたいだから許してやってくれ」

梨沙「たこ焼き関係なくてもドーナツ屋に連れて行きそうなんだけど」

P「それは否定できないが」

舞「否定できないんですか……」

P「いや、だって……なぁ?」

未央「『なぁ?』って……いや、まあ、わかるけど」

P「まあ、今日はそのドーナツ屋には行かないが」

未央「話に出したのに?」

P「ここからなら確実に一時間以上時間かかるんだが」

梨沙「ならいいわ……」

舞「というか、そんなところに連れて行ったんですね……」

P「まあ、一日じゃ済まなかったらしいからな」

未央「えぇ……」

梨沙「どんだけたこ焼きに対して熱を持ってるのよ……」

P「正直みんな途中から『もういいんじゃないか』と思っていたらしいが一日かけたらもう引くに引けなくなったらしい」

舞「でも、その結果見付かったならいいじゃないですか!」

P「舞は良い子だな……」

未央「そう言えば、まいちーも関西出身……兵庫県出身だったっけ? それなら実は結構たこ焼きにこだわりがあったりして?」

舞「こだわり……ってほどはないですね。たぶん」

梨沙「『たぶん』っていうのがこわいわね」

未央「どうする? プロデューサー。まいちーが一口食べた瞬間『こんなのたこ焼きじゃない!』って怒り出したら」

P「泣く」

梨沙「泣くのね……」

舞「そ、そもそもそんなことしません!」

未央「お、まいちーが怒った」

P「怒る舞もかわいい……」

梨沙「そんなアンタは気持ち悪い……」

舞「……気持ち悪いです」

P「舞に言われると本気でキツい」

未央「プロデューサーが悪いから仕方ないよ☆」

梨沙「そうね。Pが悪いから仕方ないわ」

P「いや今の未央と梨沙が悪くないか?」

舞「……確かにそうですね」

未央「ンフッ……まいちー、わかってなかったんだ。つまり、プロデューサーは流れ弾に当たっちゃった、ってことだね」

梨沙「まあ、Pだからべつにいいんじゃない?」

P「やっぱり俺の扱い悪くない?」


――店の前

梨沙「ここが……」

P「ああ。横山奈緒ちゃんオススメのたこ焼き屋さんだ!」

未央「……ん?」

舞「……みくさんじゃなかったんですか?」

P「みく曰く、『結局ここがおいしかったにゃ』だそうだ。ちなみに大阪にも兵庫にもある」

舞「そう言えば、見たことあるような……」

未央「何日もかけて探した意味……!」

P「いや、他のところもおいしかったらしいんだけどな? いくつか店は教えてもらったんだけどな? でも、あの横山奈緒ちゃんオススメって聞いたら行きたくなるだろ?」

梨沙「……そう言えば、アンタ、765プロのファンだったわね」

P「お前らのことも大好きだから心配するなって」

梨沙「べつにヤキモチとかじゃないわよ……」

P「お? わざわざそう言うってことは実は……?」

梨沙「いや本当に違うから誤解しないで気持ち悪い……」

P「本気のトーンで言われると傷付く」

梨沙「アンタがうざいから悪いのよ」

未央「確かに」

P「未央まで……舞ぃ」

舞「……今のは正直、仕方なかったかな、って」

P「舞にまで突き放された……がーんだな……」

未央「その台詞パクリじゃない?」

P「お、未央も見たのか。まあ漫画もドラマも貸したからなぁ」

舞「なんの話ですか?」

P「ん? 俺の好きな漫画とドラマの話かな」

梨沙「どうして今そんな話をするのよ……」

P「そう言われたら返す言葉もないな」

未央「確かに。早く買って食べよっか」

P「ん。まあ、とりあえずたこ焼きでいいよな」

梨沙「たこ焼きを食べにきたわけだしね」

P「何個くらい食べる?」

未央「んー……一個の大きさにもよるかな」

P「そりゃそうか。それじゃあ……まあ、残ったら俺が食べるし多めに買っとくか!」

舞「結局そうなるんですね……」

P「というか店の人に四人ならどれくらいの量だと小腹が膨れるくらいか聞く」

未央「まあ、それがいちばん良さそうだね……」


――

P「ってことで、買ってきたぞ」

未央「お! やってきましたか、たこ焼きちゃん!」

梨沙「たこ焼き『ちゃん』って」

舞「なんだかかわいいですねっ」

P「かわいいか……?」

未央「かわいいかな……?」

舞「えっ」

梨沙「未央、裏切ったわね……」

P「裏切ったな……」

舞「裏切られました……」

未央「まいちーにそう言われると割りと傷付く」

梨沙「アンタが悪いから仕方ないわよ」

P「仕方ないな」

舞「あの……たこ焼きも冷めちゃいますし、早く食べませんか?」

P「言われてみればそうだな。絶対今熱々で食べられるもんじゃないと思うがそれを『熱っ熱っ』って口をはふはふさせながら食べるのが醍醐味みたいなところあるからな」

未央「そんなところある……?」

梨沙「なんで自分からそんな苦行を……」

舞「わかります!」

未央「わかるの!?」

P「だよな!」

梨沙「……意外な伏兵ね」

P「それじゃあ、早速食べるか」

未央「食べよー食べよー☆」

舞「それじゃあ、いただきますっ!」

梨沙「いただきます」

未央「いただきまーす」

P「いただきます、っと」

P「……熱ッ! 熱いッ! 無理だなこれ……なぁ、お前らも――」

未央「……」ハフハフ

梨沙「……」ハフハフ

舞「……」ハフハフ

P「……俺だけ、か」

未央「んっ……プロデューサー、確かに熱かったけど、そこまで……?」

P「いや、だって、熱いし……」

梨沙「それが醍醐味じゃなかったの……?」

P「醍醐味だけど熱いものは熱いからな」

舞「それは……確かに、そうですね」

未央「……ねぇねぇ、プロデューサー」

P「ん?」


未央「ふーふー、って、してあげよっか?」


P「んっ……!?」

梨沙「なっ」

舞「えっ」

未央「……あれ? 私、変なこと言った?」

梨沙「……未央。二人きりならよくやってることかもしれないけど、今日はアタシたちも居るのよ?」

未央「でも、プロデューサーが熱いって……」

梨沙「……なら、もう何も言わないからしなさいよ……」

未央「そう? じゃあ、プロデューサー……」フー…フー…

未央「はい、あーん」

舞「ひゃー……」

梨沙「……ハァ」

P「……あーん……」パクッ

P「……」モグモグ

P「……」ゴクン

未央「おいしい?」

P「……味なんてわかるか!」

未央「えっ」

梨沙「そりゃそうよ」

舞「そうですね」

未央「……なんで?」

P「……未央。お前、俺と二人の時だってこんなことしないだろ。それなのに、なんで今日は……」

未央「……?」

P「……なあ、未央。お前、今自分がやったことを冷静に思い出してみろ」

未央「私がやったことを……ふーふーって自分の息で熱々のたこ焼きを冷まして、それを『あーん』ってプロデューサーの口、に――って」

未央「……わ、私、なにやってるの……?」

P「……時間差で恥ずかしがるのは卑怯じゃないか?」

未央「え、いや、その……し、しかも、りさりさとまいちーの前で……うぅ」

P「……ま、まあ、たこ焼きの味はわからなかったが……未央の気持ちは嬉しかったよ。だから、その……ありがとな」

未央「……うん」

梨沙「……何と言うか、『お熱い』わね」

舞「熱々、ですね」

梨沙「……さ、たこ焼きも食べるわよ。そこのバカ二人も食べなさい。いちゃいちゃしながらでもいいけど、せっかくのおいしいたこ焼きをおいしい内に食べないなんて許さないんだから」

舞「でも、本当においしいですよね、このたこ焼き。ソースはちょっと甘めで、生地はふわふわで、とろとろで……熱いんですけど、おいしいです」

梨沙「まあ、そうね。……これが大阪のたこ焼き、なの?」

P「んー……まあ、ものによるな」

梨沙「あ、二人の世界から帰ってきたのね、バカの片割れ」

P「バカの片割れ、って……ひどいな」

梨沙「ひどくないわよ。あんな光景を10歳と12歳に見せる方がひどいと思うけど?」

P「それは……まあ、すまん」

梨沙「アタシよりも舞に言いなさい」

P「あー……舞、すまん。悪かった」

舞「だ、大丈夫です。私も、その……なんだか、大人って感じで、良かったです」

梨沙「大人というか子どもみたいな感じだったけどね」

P「子どもみたいな感じ、って……」

梨沙「事実でしょ。まあ、アタシたちの前で『オトナ』みたいなことを始めても軽蔑するけどね」

P「さすがにしないよ……したこともないしな」

梨沙「ふーん……」

P「な、なんだよ、その目は……」

梨沙「べつに? ただ、未央も苦労しそうだな、と思っただけよ」

P「……それ、他の人にも言われるんだが」

梨沙「それだけアンタが……ってことでしょ。まあ、そんなアンタだから、なんだろうけど」

P「褒め言葉か?」

梨沙「褒め言葉よ。一応ね」

P「……ありがたく受け取っておくよ、梨沙」

梨沙「ええ。ありがたく受け取っておきなさい」

未央「……んー! おいしい!」

舞「はいっ。おいしいですっ♪」

P「……なんか、いつの間にかたこ焼きがなくなってそうな予感がするんだが」

梨沙「と言うか、未央も舞もいつの間に……」

P「……梨沙、行かなくていいのか? 早く行かなきゃなくなるぞ」

梨沙「……べつに、そこまで食べたいわけじゃないし」

P「そうか。でも俺は食べたいから行くな。おーい、二人とも! 俺の分も残してくれー!」タッタッタッ…

梨沙「ちょっ!? P、アンタ……! 未央! 舞! そこのバカの分は残さなくてもいいわ! アタシの分を残しておきなさい! ……あー、もーっ!」タッタッタッ…



これにて今回は終了です。
書き終わって思ったんですがこれ的場梨沙回なのでは……?
でもたこ焼きのところは未央だったからセーフですね。セーフということにして下さい。セーフ。
このお店はおいしかったですね。たこ焼きだけじゃないような気もしますが今回はまあたこ焼き回ってことでたこ焼きでした。熱々でふわふわでとろとろのたこ焼きに甘めのソースがたっぷり付いたのをはふはふしながら食べる……幸せですよね。熱いってなっちゃいますけど、それも楽しかったり。まあやけどには気をつけないと、って感じですけど。

フェス限未央はダメでした。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ありませんがこの短い期間にも色々ありましたね。
ありましたが、落ちたりお迎えできなかったりした記憶が大半です。

改めてありがとうございました。

P「……お」

未央「? どうしたの? プロデューサー」

P「いや……何と言うか、もうそんな時期か、と思ってな」

凛「そんな時期、って……どういう意味?」

P「夏になったんだな、って」

文香「夏……ですか」

未央「スマホを見てそう言ったってことは……何かニュースとかあったの?」

P「ニュースというか、まあ、ちょっとある店で期間限定メニューがな……」

凛「……何と言うか、プロデューサーらしいね」

P「どういう意味だよ」

凛「そういう意味だけど?」

文香「……つまり、プロデューサーさんは食べるのが好き、ということでしょうか」

未央「そういうことだね」

P「……俺、そんなに食べるの好きか?」

凛「嫌いなの?」

P「……好きだけど」

未央「やっぱり好きなんじゃん」

P「べつにいいだろ? なあ、文香」

文香「私は……そう、ですね。食べることが好きなことというのは、良いことだと思います。食欲は人間の三大欲求の一つですが、そんな中で『好きだ』と言えるということは、素晴らしいことではないでしょうか」

未央「そんなふーみんはあんまり食べるの好きそうじゃないけどね」

文香「……好きじゃない、というわけではありませんが……確かに、自分から進んで何かを食べよう、といった欲求はあまり大きい方ではないかもしれません」

凛「そう言えば、文香が何かを食べるところってあんまり見ないかも。ちゃんと食べてる?」

文香「食べて……そうですね、『ちゃんと』と尋ねられると、少し、考えてしまいます。アイドルになってからは、食べる量も増やしてはいるつもりですが……」

P「……なんか今プロデューサーとして聞き捨てならないような言葉が聞こえた気がするんだが……文香、お前、本当にちゃんと食べろよ? 読書に夢中で食べるの忘れたー、みたいなこと、ないよな?」

文香「……プロデューサーさん。奏さん曰く、『謎が女の子を美しく――』」

P「あるのかよ」

文香「……はい」

凛「……文香、そういう冗談言うんだね」

未央「はやみんの影響かな?」

P「お前の影響じゃないのか?」

凛「周子とかかもよ?」

文香「プロデューサーさんの影響、かもしれません」

P「俺かー」

凛「ふふっ……プロデューサー? これは責任をとらないといけないね」

P「責任って何の責任だよ……」

文香「……プロデューサーさん、責任、とってくれますか?」

P「文香にそれ言われると破壊力ヤバいな……」

未央「私も恋に落ちるところだった……というか、もう落ちた! コホン……文香、私と結婚しよう」

文香「結婚……ですか。それは……悩みますね」

凛「悩むんだ」

文香「未央さんは、魅力的な人ですから」

未央「お、未央ちゃん褒められてる?」

P「というか、かなり脱線したが……文香。このまま流さないからな?」

文香「……奏さんや周子さんのように、うまくはいかないようですね」

P「奏と周子が相手でもこういうのは流さないがな」

文香「それは……予想外、ですね」

P「で、だ……文香。さっきのことは事務所に帰ったら本格的に話し合うことにしよう。トレーナーさんたちも合わせてな」

文香「……逃げては、いけないでしょうか」

P「ダメだ」

文香「……残念です」

未央「というか、そうだ、これから食べにいけばいいんじゃない?」

P「食べに?」

凛「ああ……さっきの、期間限定のメニュー、だっけ。それのことじゃない?」

P「あー……でも、うーん……未央だけなら迷わないんだが」

凛「……それ、ノロケ?」

文香「少し、羨ましいですね」

P「そういうことじゃなく店が店だから未央以外は連れて行きにくい」

未央「それ、どういうことかな?」

文香「どういった店なんですか?」

P「牛丼屋」

凛「……」

P「ほら、こんな目で見てくる」

文香「牛丼、ですか……そう言えば、あまり、食べたことはないかもしれません」

未央「あれ? ふーみんは結構好反応?」

P「文香、行くか?」

文香「……そう、ですね。行ってみたいかもしれません」

P「そうか。じゃあ行くか。凛はどうする?」

凛「……行くよ。私も」

P「じゃ、決まりだな」

未央「ふっふっふ……なんだかんだ言って、しぶりんも来るんですなぁ」

凛「悪い?」

未央「ううん、むしろ嬉しいよ♪」

凛「……そう」

未央「お、照れた? 照れちゃいました? いやー、照れたしぶりんもかわいいね!」

凛「……うるさい」

文香「かわいらしい、と思います」

凛「ちょ、文香まで……からかわないでよ、もう」

P「かわいかったぞ、凛」

凛「黙って」

P「俺に対してだけキツくないか?」

凛「未央に対してもこんなもんでしょ」

未央「ん? 流れ弾かな?」

文香「……信頼の表れ、ということでしょうか」

未央「そうなの?」

P「そうなのか?」

凛「……文香」

文香「……凛さんに睨まれると、少し、こわいですね」

未央「わかる」

凛「……この二人は」

P「でも、凛に睨まれるとちょっと興奮するよな!」

未央「……え?」

文香「……それは、わかりませんね」

凛「……プロデューサー」

P「あっごめんごめんそんな目で見ないでくれ三人ともごめんごめんごめんって冗談だから冗談冗談いやマジでマジでちょちょちょ距離とらないでくれ待っごめ待ってく――」


――店の前

文香「ここが牛丼のお店、ですか」

未央「前に行ったところとは違うね」

凛「行ったことあるんだね、未央は」

未央「しぶりん? 今の言葉、ちょっと棘がなかった?」

凛「ないよ。プロデューサーと未央は仲が良いんだなー、と思っただけ」

未央「やっぱり棘ない?」

P「と言うか、凛は連れて行こうとしたら絶対不機嫌になるだろ……」

文香「先程も、そういった反応をしていましたね」

凛「あれは……べつに、プロデューサーになら、誘われたら、私も行くよ」

P「そうなのか?」

凛「……たぶん」

文香「たぶん、なんですね」

凛「今は……って、ずっと店の前でこんなことを話していたら邪魔になるでしょ。早く入るよ」

P「ん、そうだな。入るか」

文香「はい。それでは、私たちも……未央さん、どうかしましたか?」

未央「え? ……私、どうかしてた?」

文香「はい、少し」

未央「……そっか」

文香「はい」

未央「……何と言うか、ちょっと、私、幸せなんだな、と思って」

文香「そう、ですか。それは、素晴らしいことですね」

未央「うん。だから、感謝しなくちゃな、と思って」

文香「……私には、未央さんがどういう意味でその言葉を言っているのか、よくわかりませんが……幸せなら、笑ってもいいと思います」

未央「……そうだね。うん、その通りだね! ありがと、ふーみん☆」

文香「はい。どういたしまして」

未央「……入ろっか。ふーみん。プロデューサーとしぶりんも、待っちゃってるかもだし」

文香「そう、ですね。……入りましょうか」


――店の中

P「……お前ら、何してたんだ?」

未央「それは乙女の秘密、だよっ」

文香「乙女の秘密、ですね」

P「……そうか」

凛「納得するんだ」

P「なんかもう面倒くさいし早く食べたくなってきたからな……」

凛「……まあ、それは同意する、かな」

未央「さすがのしぶりんも店の中に入ったらこの魔力には抗えないみたいだね」

文香「それで……どういう風に注文をすればいいのでしょうか」

P「普通に店員さんに言ったらいい。それで、何にする?」

未央「プロデューサーが言ってた期間限定のやつで!」

凛「私も」

文香「私も、それで」

P「なんで俺に被せてくるんだよ……」

未央「いや、だって、牛丼屋ってなんだか早く決めなきゃいけない気がするし、それならもうプロデューサーが言ってたのでいいかなー、と思って」

凛「右に同じ」

文香「私は……よくわからなかったので」

P「あー……それなら、サイズはどうする?」

未央「普通で」

凛「私も」

文香「私は……そうですね、私も、それでお願いします」

P「お、文香ならなんか『ミニ』とか言いそうな気がしたんだが」

文香「私はいったい、プロデューサーさんから、どういう風に思われているのでしょうか……」

P「ほっとくと簡単に食事を抜きそうで目が離せないアイドル、だな」

文香「……否定は、難しいですね」

未央「難しいんだ」

凛「それじゃあ、みんな決定だね。プロデューサー、注文、頼める?」

P「ん、任せろ。えーと、それじゃあ……ん、決めた。すみませーん!」


――

P「ってことで、来たな。ニンニクの芽牛丼」

文香「ニンニクの芽……ですか」

未央「ニンニクの芽……食べたことないかも」

凛「というか、プロデューサー……牛丼だけじゃなく、ニンニク、って」

P「いや、まあ……正直来るまで忘れてた。注文する前に言っておくべきだったな」

文香「いえ……私たちも、確認を怠っていました。店内を見れば、これが期間限定だということはすぐにわかったはずですし……だから、プロデューサーさんのせいというわけではないかと」

凛「……確かに、文香の言う通りだね。ごめんね、プロデューサー」

P「凛の謝ることじゃ……というか、もう、食べるぞ」

未央「うんうん。早く食べようよ、三人とも♪」

文香「しかし……何と言うか、辛そう、ですね」

P「ああ。だから、辛かったら一緒に注文しておいたたまごでもかけてくれ」

凛「そのために注文したんだ、たまご」

未央「でも、最初はかけないで食べてみたいよね」

P「んー……まあ、その気持ちはわかるな」

文香「それでは、いただきます」

未央「いただきまーす」

凛「いただきます」

P「ん、いただきます」

未央(それじゃあ、えーっと……とりあえず、食べよう)

未央(この、ニンニクの芽と一緒に……でも、これ、本当に辛そうだよね。それがおいしい、のかもしれないけど……っと)パクッ

未央「……ん」

未央(あー……こういうことか。なるほど。おいしい。ニンニクの芽が、シャキッとしていて……なんだか、楽しい感じ。思っていた通り辛いけど――って、なんだか辛さが増してきた。後からくる辛さかー……!)

未央(でも、そこまで強いわけじゃなくて……いや、でも、思ったより辛い……苦痛ってほどじゃないけど、結構辛い……でも、おいしい……! 食感が楽しくて、辛くて、でも、おいしくて……旨味とでも言えばいいのかな。そういうのが感じられて……とにかく、おいしい)

未央(この牛丼の味と一緒だからおいしいのか、ニンニクの芽自体がおいしいのか……よくわからないけど、でも、うん、本当においしいな、って思える。でも、やっぱりちょっと辛い)

未央(だから、たまご……なのかな? じゃあ、ちょっと入れてみて……)パカッ

未央(ちょっと混ぜて、それから……食べる)パクッ

未央「……お」

未央(こう変わるかー! うん……うん! 結構変わる、結構変わるね、これ。いや、まあ、当然なんだけど……どっちの方が好きか、とかは好みがわかれるかもしれないけど、私はこっちはこっちで好きかも。辛さがやわらいで、たまごのまろやかさ? みたいなのが合わさって……うん、おいしい)

未央(うーむ……前に連れて行ってもらった時にも思ったけど、やっぱり、牛丼ってすごいのかもしれない。というか、ちょっと見たメニューだと、ここのお店は前のお店よりもメニューが豊富……なのかな? 同じ牛丼屋さんでも、やっぱり、店によって違うところは違うんだね)

未央(まだ他にも行ったことのないところもあるし……また、行ってみたいかも)

文香「……おいしい、ですね」

P「お、文香、口に合ったか?」

文香「はい。ニンニクの芽の食感と旨味が、牛丼特有のものでしょうか、この牛肉の味にとてもよく合っていて……おいしいです。ニンニクの芽の、この辛味もいいですね。見た目通り、あるいは見た目以上の辛味が全体の味を引き締めているように思えます。食べ進めれば食べ進めるほどに、より食欲を刺激されてしまいますね。素直においしい、と思います」

未央「……ふーみん、食レポの仕事とかしない?」

文香「えっ……私が、ですか?」

凛「うん……私も、今のを聞いて、文香にはそういう仕事が合っていると思った」

文香「それは、その……プロデューサーさん」

P「茜と一緒に仕事とってもいいか?」

文香「えぇっ……私は、その……はい」

未央「いいんだ」

文香「……何事も挑戦ですし、食べることもいいものだな、と思えたので」

P「お、マジか。いい傾向だな」

凛「まさか、牛丼屋さんが文香の食生活を改善する一歩になるなんて、ね」

未央「そのままふーみんはごはんを食べることが大好きになり、そのナイスバディにさらなる磨きをかけるのであった……」

P「確かに、文香は腹よりも胸に肉がいきそうな……あ、ちょ、そんな目で見ないでくれ。謝るから」

凛「プロデューサー、今の、セクハラだよ?」

P「それを言うなら未央の時点でセクハラじゃないか……?」

文香「……プロデューサーさんは、胸の大きい女性の方が、好き、ですか?」

P「ブッ……文香、お前、いきなり何を」

凛「……どうなの? プロデューサー」

P「凛まで……」

未央「それで、どうなのかな? プロデューサーくん」

P「どうなのかな、って聞かれても……正直、女性の胸ならなんでも――って、おい、聞いといて嫌そうな顔するな。特に凛」

凛「だって……ね」

未央「うん……ね」

文香「……はい」

P「文香までそういう反応するのやめろよ……というか、こんな話してないで、さっさと食べろよ」

未央「はーい」

文香「はい……」

凛「……胸、か」

P「凛だけどうしてそんなに気にしてるんだよ……」

凛「気にしてない」

P「いや、明らかに気にして――ちょ、ちょ、ごめん、謝るから、謝るからその手を下ろし――」


――店の外

P「ふぅ……やっぱり、うまかったな」

未央「プロデューサーが言うだけはあったね。さすがプロデューサー」

文香「さすがです」

凛「さすがだね」

P「なんで俺なんだよ……というか、文香と凛まで乗るなよ」

未央「いや、実際、おいしかったですし? だって、あのふーみんが食レポに目覚めるくらいだよ?」

文香「……目覚めたわけでは、ないのですが」

P「まあ、文香がそういう仕事も、ってのは確かに大きな収穫だな」

凛「そう言えば、プロデューサー、どうしていきなり茜の名前が出たの?」

P「ちょうど茜と組ませる相手を探していたから、だな。茜が食べている姿を見ると元気になるし、もともとそういう方向で何か仕事を……と思ってたんだよ。そこで、ちょうどさっきの文香だ。茜と文香って組み合わせも良いと思うし……まあ、そういうことだな」

文香「私に、できるでしょうか」

P「できるよ。文香なら」

文香「……そう、ですか。なら、頑張ってみたい、と思います」

P「ああ。俺も、全力でそれを手伝うよ」

未央「……なんか、いい感じだね」

凛「だね」

P「……なら茶化すなよ」

未央「いや、だって……ねぇ?」

凛「ね」

P「何がだよ……」

文香「……未央さん、もしかして、妬いているのですか?」

未央「んん!?」

凛「プッ……文香、直球過ぎない?」

文香「直球……ということは、図星、ということでしょうか?」

未央「んぅっ……ふ、ふーみん?」

文香「私も、そういったことには疎い方だと自負していますが……さすがに、未央さんとプロデューサーさんの関係なら、わかります。ですから、そういうことなのかな、と思いまして」

凛「ふふっ……文香はこう言ってるけど、どうなの? 未央」

未央「そ、それは、えっと、その……ぷ、プロデューサー!」

P「……ノーコメント」

未央「えぇ!?」

凛「それはちょっとずるくない?」

文香「プロデューサーさん……」

P「いや、ちょ、そんな目で……というか、これ、文香が悪くないか?」

凛「いやいや、文香はただ疑問に思ったことを聞いただけだと思うよ? ね、文香」

文香「はい、凛さんの言う通りです」

P「お前ら……!」

未央「……み、未央ちゃん、ちょっと先に行ってるねー」

P「あっ、おい、ちょ、未央、逃げるな! 逃げるなって、おい――」



これにて今回は終了です。
いや、最近食べておいしかったので……書きたかったんです。仕方ないですね。あと、ちょっと忙しくなりそうなので今のうちに……と思ったというのもありますね。
今回のお店は今回のお店で好きですね。割りと牛丼屋さんによって色は違いますよね。どこがいちばん好きかと言ったら難しいですが、その時の気分によったり、その時にやっているものによったりするような気がします。今回のお店は夏にこれをやっていたら行っちゃうことも多いですね……好きなんですよね、ニンニクの芽牛丼。

次回は結構あくような気がしますが、あかないような気もします。忙しいと言ってもその忙しさの息抜きに書くことも十分に考えられるので……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係……あるんですが、今回文香だったのは最近文香を書いたりその直後にCoJ3ドラマを聴いたりしたからです。
凛はなんか相性良さそうだったから連れて来ました。あ、凛と未央が文香に本を借りたりしている設定を書きたかったのに書くの忘れてました。しまった。
あ、最近書いた文香のは文香に失恋する話です。

卯月誕生日編早く書きたい……。

改めてありがとうございました。

P「――すまん。待ったか? 凛」

凛「ううん。私も、さっき来たところ」

P「そうか。なら良かった。……でも、せっかくの誕生日なのに、いいのか? あそこで」

凛「うん。あそこがいい。それに、私は私で、もう祝ってもらったから」

P「前の日曜日に……か」

凛「響子たちと一緒に、ね」

P「まあ、それはそうなんだが……せっかくの誕生日なんだし、何かプレゼントをねだっても……」

凛「プロデューサーを独占してるってだけで十分だよ。誰かさんには悪いけど、ね」

P「……」

凛「何も言わないんだ」

P「言わないというか、言えない、だな」

凛「ふふっ……確かに」

P「とりあえず、行くか」

凛「うん。行こうか」


――カラオケ

凛「まずはドリンクバー……だよね」

P「そうだな」

凛「あ、プロデューサー。知ってるかもしれないけど、歌う前はウーロン茶とかは飲まない方がいいんだって。のどのあぶらをとりすぎちゃうから。泰葉が言ってた」

P「俺も教えなかったか?」

凛「そうだったっけ。……嘘だよ、プロデューサー。覚えてるって」

P「ほんとかよ……」

凛「ほんとほんと。ほら、機嫌なおして」

P「……なんか、そう言われると子供扱いされているように感じるな」

凛「してないよ」

P「なんかしてそうな答えだな……って、いつまでもここにいても邪魔か。さっさと飲み物でも入れて、歌うか」

凛「そうだね。歌おう」


――

P「しかし、カラオケに来るのも久しぶりだな……」

凛「そうなの?」

P「ああ。まあ、たまに来ることもあるが……あんまりない。凛は……未央とかと一緒に、割りと来てるか」

凛「私は……その時による、かな。あんまり歌いすぎて、喉を痛めたくないし」

P「……やっぱり、凛は凛だよな」

凛「どういう意味?」

P「そのままの意味だよ」

凛「そのままって……まあ、いいけど。今日はプロデューサーもいるし、好きなように歌うから、覚悟してよね」

P「なんで俺がいたら好きなように歌うんだよ」

凛「プロデューサーを信じてるから。……プロデューサーは、私ののどの調子から、どこでやめればいいのか、わかるでしょ?」

P「それは……そうだな。好きに歌え、凛」

凛「うん。じゃあ、まずは……」ピッピッ

P「ん、いったい何を――って、おい、どうしていきなり部屋を暗くして……」

凛「――プラリネ」ボソッ

P「ブッ……おま、凛……いや、気持ちはわかるけどさぁ」

凛「……」(ギターを弾いているフリ)

P「そこまで再現するのか……というか、凛もそんなことやるんだな……まあ、凛の、なんて、なかなか聴けるもんじゃないし……じっくり、聴かせてもらうとするか」


――

凛「――ふぅ。どうだった? プロデューサー」

P「最高だった……」

凛「ふふっ。ありがと」

P「でも、凛がああいうことやるって珍しいな。みんなとのカラオケとかではやってるのか?」

凛「いや……みんながやってるから、私もやりたくなって。プロデューサーとなら、やってもいいかな、って。プロデューサー、765プロのファンだし、伝わると思ったから」

P「あー……まあ、実際、ジュリアさんめちゃくちゃかっこいいからな。あれは真似したくなる」

凛「というか、プロデューサーは歌わないの?」

P「……俺?」

凛「うん」

P「……俺も、歌うの?」

凛「……歌わないの?」

P「今日は凛が好きに歌う、って」

凛「プロデューサーも歌うって前提で、のつもりだったんだけど」

P「……そうだったのか」

凛「うん。そうだった」

P「……まあ、それなら、俺も歌うか。凛、お前がプラリネで来たなら……俺は、これだ!」ピッピッ

凛「……え?」

P「凛、コール頼むな。……『その時空から、不思議な光が降りてきたのです』」

凛「ンフッ……あれは誰だ? 誰だ? 誰だ? 誰なんだー」

P「『それは……』――」


――

P「ふぅ……やっぱり、メルヘンデビューは楽しいな!」

凛「ンッ……フ……フフッ……」プルプル

P「おいおい凛。いつまで笑ってるんだよ」

凛「いや……だって、プロデューサー、完璧過ぎ……」プルプル

P「凛もコール、完璧だったぞ!」グッ

凛「それは、まあ、何度も聞いてるし……でも、みんな、いつもこんなことやってたんだね。結構、疲れる」

P「ん? みんなと一緒に行った時とか、コール、やらないのか?」

凛「私は……あんまり、しないかな」

P「んー……まあ、凛はあんまりするイメージはないな。凛のコールしてる姿、かわいかったぞ」

凛「んっ……プロデューサーも、かわいかったよ」

P「そうか? アイドル、できそうか?」

凛「できないよ。ただのお世辞」

P「お世辞か。俺のはお世辞なんかじゃないけどな」

凛「……プロデューサー、未央がいるのにそんなこと言って……」

P「未央がいてもいなくても一緒だろ」

凛「……それ、未央には言わない方がいいよ」

P「言うよ、凛。俺はプロデューサーで、凛も未央もアイドルだ。その関係は変わらない」

凛「……変わるよ。だって、未央と、プロデューサーは」

P「確かに、俺と未央の間にそういう感情があることは……プロデューサーとしてはどうかと思うが、否定できない。そう思わせているのは俺のせいだ。ごめんな」

凛「違っ……責めてるわけじゃ、ないから。むしろ、私は……」

P「……ありがとう、凛。やっぱり、凛は優しいな」

凛「優しく、ないよ」

P「優しいよ。……でもな、凛。だからと言って、変に気遣わなくてもいいんだ。未央に対する遠慮も、俺に対する遠慮もなくていい。凛は俺のアイドルで、俺は凛のプロデューサーだ。俺と未央の関係がどうであっても……それだけは、変わらない」

凛「……そっか」

P「ああ」

凛「……うん。ごめん。私も、なんか、気にし過ぎてたかも。未央とプロデューサーが……そういう関係で、だから、私はそこから一歩引いた……そんな立場に、勝手に、なってた」

P「ああ」

凛「だから……ううん、それなのに、二人きりでカラオケに、なんて、おかしいよね。でも、もしかしたら、それこそが……って、それは考えても仕方ないか。私はアイドルで、プロデューサーは、プロデューサー。今は、それだけでいいよね」

P「そうだな。……せっかくの誕生日でカラオケなのに、こんな雰囲気はダメだな。凛、何か歌うか?」

凛「……うん。歌うよ。私が曲を入れるから、プロデューサーも、一緒に」

P「ん、わかった。なんでもこい」

凛「なんでも……なら、これで」ピッピッ

P「ん、なになに――って、いやいやちょっと待て待て凛とこれとか無理だろ絶対無理だってというか凛お前もかなり765さんのファンじゃ」

凛「そんなこと話してる場合じゃないよ、プロデューサー。さあ、行くよ――【アライブファクター】!」


――店の外

凛「ん……っと。思う存分歌ったね、プロデューサー」

P「……思う存分過ぎる」

凛「プロデューサー、遠慮しなくてもいいって言ったでしょ」

P「そういう意味じゃなかったんだが」

凛「じゃあ、どういう意味だったの?」

P「……もう、今日はそういう意味でいいよ。誕生日だしな。俺にできることなら、なんでも言うこと聞いてやるよ」

凛「なんでも……なら、三つ、お願いしたいかな」

P「……多くないか?」

凛「多くないよ。それじゃあ、まず、一つ目は――」


――店の前

P「……ここか」

凛「うん。プロデューサーに教えてもらってから、何度か一人でも来てるけどね」

P「気に入ってくれたなら嬉しいよ。で、何を頼む?」

凛「んー……プロデューサー、私がこの90周年限定っていうのを頼むから、プロデューサーはこのマンゴーのを頼んでくれる?」

P「飲み分けるの前提かよ……」

凛「色んな味を楽しみたいから。限定のは限定の期間中しか飲めないし」

P「あー……まあ、それはそうだな。それじゃ、とりあえず頼むか」

凛「うん」


――

P「こっちが『ホワイトチョコレート ラズベリー&ローズ』で、こっちが『ホワイトチョコレート マンゴーパッションフルーツ』だ」

凛「見ればわかるけどね」

P「そう言われると困る」

凛「困るんだ」

P「実際、見ればわかるからな……まあ、そんなことはどうでもいい。とりあえず、飲もうか」

凛「うん。それじゃ、もらうね。まずは、こっちの、ラズベリー&ローズから……」チュー

P「それじゃ、俺はマンゴーパッションフルーツとやらを……」チュー

凛「……ん、おいしい。プロデューサー、そっちは?」

P「おいしいよ。何と言うか……パッションって感じだ」

凛「なにそれ」クスクス

P「実際、そんな感じなんだよ。飲めばわかる。そっちはどうなんだ?」

凛「どう、って……プロデューサーがそんな感じだと、どう言うべきか、ちょっと迷うけど、おいしいことは確かだよ。ラズベリーの酸味とローズの風味、それにチョコレートが合わさって……私、これ、かなり好きだよ。爽やかで、上品な感じで……おいしいよ」

P「……なんか、そう聞くと飲みたくなってきたな。交換するか?」

凛「うん、する」

P「それじゃ……もらうな」

凛「うん」

P「……」チュー

凛「……」チュー

P「……んっ、こっちもうまいな。凛の言っていた通りだ。さすがは90周年限定、と言ったところか……」

凛「こっちもおいしいね、プロデューサー。マンゴーパッションフルーツ。こっちも爽やかな感じがするね。プロデューサーの言っていた『パッションって感じ』の意味もなんとなくわかるよ。……うん、こっちはこっちで、いいね」

P「まあ、夏だからな。爽やかなのはそれで、じゃないか?」

凛「そもそも、このショコリキサーからして冷たいから夏向きなような気がするけどね」

P「それは確かに。……そう言えば、凛」

凛「何?」

P「三つ、ってことは、あと二つ、お願い、あるんだよな。それってなんなんだ?」

凛「……そう言えば、まだ言ってなかったね」

P「ああ。それで、なんなんだ?」

凛「一つは……来年のこと。今年、卯月はバースデーライブをしたよね。それと同じで、私も……響子も一緒に、バースデーライブをしたいと思って」

P「……今年できなかったのは申し訳ない。来年はするよ、必ず」

凛「必ず、とか言って大丈夫なの?」

P「……全力で努めさせていただきます」

凛「ふふっ。必ず、じゃないんだ」

P「いや、まあ、ここで『必ず』と言えたらカッコ良かったんだが……さすがに、できるかどうか確定もしてないことにそう言うのは、な。まあ、凛と響子のバースデーライブなんて、絶対に成功すると思うし……十中八九、通ると思う」

凛「……そっか」

P「ああ。で、最後の一つは? 今のが一年後ってことは……次は、十年後とかか?」

凛「……ある意味、そうかも」

P「んっ……マジか。冗談のつもりだったんだが。……いったい、なんなんだ?」

凛「プロデューサーがプロデューサーでいてくれること、かな」

P「……どういう意味だ?」

凛「いつまでも私のプロデューサーでいて、ってこと。……これからも、私を見てて、プロデューサー」

P「……それは、言われるまでもないな」

凛「こっちは、必ず?」

P「ああ。必ず、だな」

凛「そっか」

P「ああ」

凛「……残り、飲もうか、プロデューサー」

P「そうだな。……でも、その前に、せっかくこんな雰囲気になったんだから、言っておくよ」

凛「『こんな雰囲気になった』なんて言ったら雰囲気ぶち壊しだけどね」

P「それは言うな。……凛、誕生日おめでとう。これからもよろしく」

凛「……これからも、私は全力で走り続けるよ。だから……プロデューサーも一緒に、ね」

P「……ああ。置いてかれないように、な」

凛「……ふふっ。私たち、店の中で何をやってるんだろうね」

P「確かにな。……早く飲むか」

凛「うん」



これにて今回は終了です。
渋谷凛さん、誕生日おめでとうございます。これからもよろしく。

未央が出てないですね。スレタイはどこにいったのか。というか卯月の誕生日より先に凛の誕生日を書いてしまいましたね。う、卯月の話もできるだけ早く書くので……。

この店は前にも書きましたね。というかカラオケで何か食べればよかったですよね。でも私がカラオケであまり何かを食べた経験がないのでやめておきました。最近はカラオケのごはんもおいしいという話は聞くんですけど……また食べてみたいと思います。

というか誕生日とは言え、凛連続ですね。まあ、誕生日なので。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですがSNの未央めっちゃ良くなかったですか?????
もう好き。大好き。やっぱり未央って未央だわ、と思いました。本田未央ちゃん……好き……。
というかSNが最高の番組ですよね。定期的にやってほしい。これからもアイドルのラジオみたいなのやってほしい……。
久しぶりにまったく関係ない話になりましたね。すみません。でも言いたかったんです。今回未央出てないから未央の話したかった……。

改めてありがとうございました。


――事務所

ちひろ「プロデューサーさん、おでこ、かして下さい」

P「……いきなりどうしたんですか? ちひろさん。熱でもあるんですか?」

ちひろ「熱があるのは……とにかく、ほら」ピタッ

P「ん……ちひろさん、手、冷たくて気持ちいいですね」

ちひろ「私の手が冷たいんじゃなくてプロデューサーさんのおでこが熱いんです」

P「そんなことはないと思いますが」

ちひろ「あります。……プロデューサーさん、今すぐ帰る準備をして下さい」

P「……絶対に、ですか?」

ちひろ「絶対に、です」

P「……わかりました。実際、体調が悪いのは事実ですからね。帰って寝ることにします」

ちひろ「その前に病院にも行って下さいね」

P「そこまですることじゃ――あ、はい、わかりました。だからこわい顔しないで下さい」

ちひろ「行くのならいいんです。それじゃ、病院に行ったら家に帰ってゆっくり休んで下さいね」

P「はい。でも、その前に色々引き継ぎを……っと」フラッ

ちひろ「っ……もう。そんなになるまで頑張らなくてもいいんですよ」

P「……すみません。ありがとうございます」

ちひろ「……引き継ぎなんて後でもいいから早く帰って下さい、と言えないのが難しいところですね」

P「まあ、俺がいきなりぶっ倒れてもなんとかなるようにはしてますけどね。でも、引き継ぎの手続きをするかどうかで結構変わりますし……最低限だけは、やっておかないと」

ちひろ「……プロデューサーさんがいなくてもなんとかなる、とは言えません」

P「……?」

ちひろ「だから、休まなきゃいけない時は、ゆっくり休んで下さいね。その間は、私が……私たちが、なんとかしますから」

P「……ちひろさんが言うなら、心配ないですね。と言っても、たぶん、一日休めばなんとかなる気もしますけど」

ちひろ「……プロデューサーさん」

P「……そんな目で見ないで下さい。ゆっくり、ゆっくり休みますから」

ちひろ「約束ですよ? って、こんな話をいつまでも続けているわけにはいきませんね。それじゃ、プロデューサーさん、お願いします」

P「はい。まず、スケジュールはちひろさんと俺での共同管理ですけど――」


――Pの家

P「……ただいま」

P(なんて言っても、誰もいないけど)

P(……べつに深刻な病気とかじゃなかったけど、数日はゆっくりしてろって言われたな)

P(まだまだやることは残っているのに……でも、そこまで心配かと言えば、まあ、ちひろさんもいるし、大丈夫だろうって思えるけど)

P(……全身がだるい。肌がなんだかぴりぴりとしているような感じ。寒気……も、するな)

P(頭痛はないし、喉も問題ない。熱はあるけど……それだけか)

P(……とりあえず、寝よう)

P(休んで、早く、なおさないと……)

P(……ああ、くそっ。こんなこと、普段は思わないのに……)

P(どうしようもなく、寂しい)

P(元気じゃないと、人恋しくなる……な)

P(誰か……何か……あ)

P(こういう時に、何か、元気つけてくれるような……そういうの、あったら、いいかもな)

P(誰がいいだろう……ゆかり、とか? 茄子も良さそうだな。美優さんも……)

P(凛は……凛だからこそ、こういう時に優しくしてくれるようなのがあったら、良さそうだな)

P(茜は……元気、出そうだな。藍子も、良さそうだ。なんか、心が穏やかになりそうな……癒やされそうだ)

P(卯月も良さそうだな……。頑張ります、って、いや、さすがにそれはないか)

P(……ああ、でも、俺は、やっぱり……)

P「……未央」

P(未央に、会いたいな)

P(今度は、どこに行こう。どこで、何を、食べよう)

P(未央と一緒に、どこかで……どこでも、未央となら……)

P「……未央」

P(未央に、会いたい)

P(苦しい。辛い。隣にいてほしい。隣にいてくれるだけで……)

P「……未、央……」


――事務所

未央「プロデューサーが!?」

ちひろ「はい。プロデューサーさんが言うには『大丈夫』みたいですけどね」

未央「……プロデューサーの言うことだと、ちょっと信用できないね」

ちひろ「それは否定できませんね」クスクス

未央「ちひろさんの目から見て、どうだった?」

ちひろ「顔色を見て、帰らせた方がいいと思うくらいには辛そうでした」

未央「……そっか」

ちひろ「……心配ですか?」

未央「心配……うん。心配だよ。私、こういう時には、何も……ちひろさん」

ちひろ「なんですか?」

未央「私、今日はこの後、何もないよね」

ちひろ「ありませんね」

未央「明日も、オフだったよね」

ちひろ「そうですね」

未央「……プロデューサーの看病、しに行っちゃ、ダメ、かな」

ちひろ「……本来なら、もちろん、ダメと言うところです」

未央「……本来なら、ね」

ちひろ「はい。どうやらうつるようなものでもないようですし、念のため、合鍵ももらっています。プロデューサーさんの了承も得ています。アイドルが来るとは、思っていないでしょうけど」

未央「それじゃあ……」

ちひろ「未央ちゃん。……プロデューサーさんのこと、お願いしますね」

未央「……うん!」


――Pの家

未央「お邪魔しまーす……」

未央(……ここが、プロデューサーの家)

未央(さすがに来るのは初めてだから、ちょっと、緊張する)

未央(でも、看病しに来たんだもんね。そんな、変なことを考えちゃ――へ、変なことって、私、いったい、何を……!)

未央(うぅ……お、落ち着け、私。本田未央ちゃん。パーフェクトスター……しぶりんみたいな感じで、心にリーナ、心にリーナ……これしぶりんに『私みたいって何?』って怒られるかも。あと、落ち着くならリーナよりもあーちゃんの方が落ち着けるような気がする)

未央(……うん、でも、ちょっと、落ち着いてきた。とりあえず、部屋に上がらせてもらおう)

未央「プロデューサー、入るよー……」

未央(寝てるかもしれないから、起こさないように……あ、ベッド。プロデューサー、寝てる……)

未央「プロデューサー。未央ちゃんが、来てあげましたよー……」

未央(なんて、聞こえてないだろうけど)

未央(……プロデューサー、ぐっすり寝てる)

未央(勝手に部屋のものに触るのはさすがにダメだけど、ちょっと、起きた時のために、何か、用意しておこうかな)

未央(えっと、この間取りだと、キッチンは、たぶん――)



P「――未央」

未央「ひゃっ! ぷ、プロデューサー、起きて――」

未央(……寝てる。ってことは、寝言? ……寝言!? え、寝言、寝言って、プロデューサー、いったい、どんな夢を……!)

P「……未、央……」

未央(……違う)

未央(プロデューサー、苦しそうに……辛そうに、してる)

未央「……プロデューサー」ギュッ

未央「大丈夫だよ、プロデューサー。私は、ここにいるよ。ここにいるから、安心して、ゆっくり、休んで」

P「……未央?」

未央(っ……プロデューサー、目を、開けて……起こしちゃった? せっかく、寝ていたのに――)

P「……」ギュッ

未央「えっ――ちょ、ぷ、プロデューサー!?」

未央(え、あ、なに? どうして、今、抱きしめられて……べ、ベッドだし、あの、その、さすがに、心の準備が――)

P「……ごめん、未央。でも、もう少し……もう少しだけ、このままで……」

未央(……プロデューサー)

未央「……うん。大丈夫。大丈夫だよ、プロデューサー。私は、どこにもいかないから。だから……今は、プロデューサーの、思うままにして?」

P「……ありがとう、未央」

未央「どういたしまして」


――

P「すまなかった、未央。寝起きだったからって、あんなこと……」

未央「謝らないでよ、プロデューサー。病気で、弱ってたんだもん。仕方ないよ」

P「仕方ないなんてことは……」

未央「……もう」ギュッ

P「んっ――ちょ、未央、いきなり、何……」

未央「……病気の時くらい、甘えてよ、プロデューサー。甘えても、甘えてくれても、いいんだよ」

P「……ごめん」

未央「謝らないでも……もう。プロデューサーは、やっぱり、プロデューサーだね」

P「……ん」

未央(……本当に、弱ってたんだね、プロデューサー)

未央(こんなプロデューサーを見て、ちょっと、かわいい、って……そんなことを思っちゃってる私は、悪い子かな。悪い子かも。……でも)

P「……未央」

未央「なあに? プロデューサー」

P「……ありがとう」

未央「……うん」

未央(プロデューサーが、安心したように見えるから。安らいでいるように見えるから)

未央(……まだ、もう少し、このままで……)


――

未央「お腹空かない? プロデューサー」

P「お腹……ん、まあ、そこまで空いてはないが」

未央「でも、食べた方がいいよね。ってことで、おかゆでもつくるよ。私でもおかゆくらいならつくれるからね」

P「なんで空いたかどうか聞いたんだよ……でも、うん、そうだな。ありがとう」

未央「どういたしまして♪ お礼はデートで勘弁してあげましょう」

P「デート、って……まあ、またどこかに連れて行くよ。約束する」

未央「えー。いつもの感じじゃなくてデートがいいなー」

P「だから、デートは……あー、もう。いいよ、わかった。デートじゃあないが……いつもとはまた別で、遊びに行くか」

未央「遊び……デートじゃないの?」

P「違う」

未央「そっか。……うん。じゃあ、楽しみにしてるね、プロデューサー☆」

P「……頑張る」

未央「……その言い方、なんだか、自信がないみたいだね」

P「うるさい。……ないんだよ」

未央「……えへへ。それじゃあ、確かに、頑張るしかないね、プロデューサー」

P「……なんで嬉しそうなんだよ」

未央「それはナイショ♪ それじゃ、そろそろおかゆをつくりに行くとしますか。キッチン借りるね、プロデューサー」

P「ああ。頼む」

未央「うん。未央ちゃんに任せたまえー。そんなに時間はかからないと思うから、ここで待ってて。それじゃ――」

P「」ニギッ

未央「……へ?」

P「……ん?」

未央「……」

P「……」

未央「……えっと、プロデューサー? 服の裾を握られてると、キッチンに、行けないんだけど……」

P「……あ」

未央「……もしかして、プロデューサー」

P「いやっ……その、ちょっと、さびしかっただけでだな。ひとりの部屋に戻るのがまた嫌だったというか、って、俺、何を言って……その、未央が来てくれて嬉しかったから、まだ一緒にいてほしい、って、だから、そうじゃなくて、いや、まあ、そうなんだけど、未央と離れたくないというか、いや、違う、違わないけど、いやいや違う、違うんだ。その、つまり……あー! 何言ってんだ俺!」

未央(……プロデューサー、顔、真っ赤)

P「えっとだな……つまり、今のは、ちょっと、間違えただけだ。なんか、手が勝手に動いたというか、それだけだ。だから……あー、頭が混乱してるな。とにかく、未央は行ってくれ。俺は、ちょっと、頭を冷やしとくから」

未央(こんなプロデューサー、ちょっと、珍しいかも)

未央(……なんだか)

未央「かわいいね、プロデューサー」

P「……は!?」

未央(あ、声に出しちゃった。……でも、いっか)

未央「一緒に行く? プロデューサーくん」

P「かわ……いや、だから、さっきのは……」

未央「……私は、一緒に行きたいよ? ほら、手、貸して」

P「……ん」ニギッ

未央「ん、よろしい♪ それじゃ、手をつないで……行こっか、プロデューサー」

P「……なんか、今日、情けないところを見られてばっかりだな……」

未央「病人がそんなこと気にしない。それに、情けなくなんかないよ。私にとっては、プロデューサーは、いつも……今も、かっこいいよ」

P「……かっこよくは、ないだろ」

未央「そうかな? そうかも。でも、かっこいいの」

P「矛盾してないか?」

未央「矛盾してちゃダメ?」

P「……わからない」

未央「なら、いいってことで。とりあえず、行こ? プロデューサー」

P「……ああ。行こうか、未央」

未央「って、キッチンに行くだけなんだけどね」

P「それは言うな」


――

未央「なんやかんやで、おかゆ、完成!」

P「なんやかんやってなんだよ……」

未央「なんやかんやは……なんやかんやです!」

P「なんでお前がそのネタ知ってるんだよ……」

未央「見たことあるから?」

P「いや、だろうけど……まあいいや。とりあえず、いただくか」

未央「私もちょっともらうね。それじゃ、いただきまーす」

P「いただきます」

未央(とは言ったものの、先にプロデューサーが食べてから、かな)

未央(普通のおかゆ、って感じだけど……プロデューサーの舌に合うかな。どうだろ)

P「」パクッ

未央(あ、食べた。もぐもぐして……この反応は)

未央「どう? プロデューサー」

P「ん。おいしいよ。ありがとう、未央」

未央「やたっ」

未央(良かった……)

P「なんというか、ちょうどいいな。おいしいよ。俺の舌に合ってる」

未央「まあ、プロデューサーとは何度もごはん行ってるからね。私からすれば、これくらい造作もないことですよ」

P「そうか。それなら、未央には毎日俺のごはんをつくってほしい……なんてな」

未央「んっ……ぷ、プロデューサー。それ、意味、わかってるのかな?」

P「ん? いや、今のはただの……あ」

未央「……」

P「いや、その、べつに、そういう意味じゃなくてだな。ただ、褒めようと思って言っただけで、変な意味は……」

未央「……ないの?」

P「……ずるくないか?」

未央「プロデューサーが先に言ったんじゃん」

P「それは、まあ、そうだが……ないことは、ない、です」

未央「です、って」

P「うるさい。からかうな。あー、もう、今日は本当にダメだな……」

未央「私は楽しいよ☆」

P「うるさい」


――

未央「りんごもあるんだけど、剥く?」

P「んー……うん。剥くか」

未央「あ、もちろん私が、だよ?」

P「……確かに素で俺が剥こうとしてたけどなんでバレた」

未央「プロデューサーだから?」

P「理由になってないと思うんだが」

未央「なんかそんな気がしたってだけだから気にしない気にしない。それじゃ、剥くね」

P「ん、頼む」

未央「頼まれましたー……っと」シュルシュル

P「……なんか、未央、うまいな」

未央「未央ちゃんは器用ですからねー」シュルシュル

P「自分で言うか」

未央「言っちゃうー」シュルシュル

P「……」

未央「……」シュルシュル

P「……なんか、こういうの、良いな」

未央「? 何が良いの? プロデューサー」

P「あ、声に出てたか。どうでもいいから忘れてくれ」

未央「えー。気になるよー。教えて教えてー」

P「……俺の家で未央がりんごを剥いていて、それを無言で見ることのできることが、って、なんか言ってて恥ずかしくなってきたな」

未央「……未央ちゃんがお嫁さんに来たみたい、って?」

P「んっ……そういう意味じゃなくて、ただ……でも、そうなのかもな」

未央「お、素直。なになに? 未央ちゃんがお嫁さんに欲しくなっちゃった?」

P「……答えにくいんだが」

未央「そう? ごめんね。……よし、剥けたよ、プロデューサー」

P「ん。早いな」

未央「早いよー。それじゃ、一口サイズに切っちゃって……はい、プロデューサー。あーん♪」

P「……あーん」

未央「お、ノリ良い」

P「言わないと食べさせないだろ」

未央「まあね。じゃ、改めて、あーん」

P「あーん」パクッ

未央「……どう?」

P「……ん、うまい。シャリシャリしてて、甘い。おいしいよ。未央も食べるだろ?」

未央「お、いいの? それじゃあもらうね。……あ、プロデューサー」

P「ん?」

未央「あーん」

P「……自分で食べろよ」

未央「あーん」

P「……ったく。あーん」

未央「んっ♪」パクッ

未央「……ん、ほんとだ。おいしいね」

P「おいしいな」

未央「未央ちゃんが剥いたからかな?」

P「りんごが良いんだよ」

未央「えー。冷たーい。アイドルの剥いたりんごなのにー」

P「……アイドルってことよりも、俺としては、未央が剥いたってことの方が大事だけどな」

未央「……それ、プロデューサーとしてはどうなのかな?」

P「ダメだな」

未央「だよね。……私は、嬉しいけど」

P「そうか」

未央「うん」

P「……」パクッ

未央「……」パクッ

P「……うまいな、りんご」

未央「……うん」


――

P「ん、もうこんな時間か。未央。さすがにそろそろ帰らないとな」

未央「帰る……帰る、かー」

P「なんだその反応。何か不満でも?」

未央「いや、不満というか、何と言うか……プロデューサー、一人でも大丈夫かなー、って」

P「大丈夫かなー、って……俺をなんだと思ってるんだよ」

未央「とは、今日のことを考えると言えないよね?」

P「……まあ、そうだな」

未央「……泊まってもいい?」

P「ダメだ」

未央「プロデューサーが自分を抑えられる気がしないって?」

P「そうじゃなくて、そんなことしたら、ちひろさんにどんだけ怒られるか……」

未央「……ちひろさんに怒られなかったら、いいんだ」

P「あ」

未央「……プロデューサーのえっち♪」

P「えっち、って……それを言うなら、先に泊まるとか言ったお前の方だろ」

未央「そうかな?」

P「そうだ」

未央「そうかー。まあ、セクシー担当だしね」

P「何のだよ……」

未央「ニュージェネとかポジパの? 美嘉ねーリスペクトー、みたいな」

P「……その二つのユニットなら、確かに、そうかもな」

未央「でしょ?」

P「まあ……って、何の話だよ」

未央「確かに、何の話だろ」

P「……とりあえず、帰れ、未央。俺なら、大丈夫だから」

未央「……ほんとに、大丈夫?」

P「ああ。ありがとう、未央」

未央「……ん。それじゃあね、プロデューサー」

P「ああ。それじゃあな、未央」


――

P「……ふう」

P(未央が帰った……か)

P(……大丈夫だとは言ったが、やっぱり、まだ寂しいな)

P「……ライブ映像でも、見るか」

P(やっぱり、ウチのアイドルは最高のアイドルだな)

P(……あ、ヤバいな、眠くなってきた)

P(テレビ、消さないと……いや、もう、いいか)

P(今日は、このまま……寝てしまおう)

P(……)

P(……)

P(……)

プルルルル

P「……ん?」

P(電話? ちひろさんか? 何か、あったとか……って、未央?)

P「もしもし。どうした? 未央」

未央『あ、プロデューサー。ごめん、もしかして、もう寝てた?』

P「まあ、寝てたな。でも気にするな。で、何の用だ?」

未央『いや……用というか、ちょっと、言い忘れていたことがありまして』

P「言い忘れていたこと……?」

未央『うん。プロデューサーに「おやすみ」って言ってなかったな、って』

P「……」

未央『まあ、もう寝ちゃっていたんだったら遅いし、むしろ起こしちゃっただけ悪いような気もするけどね』

P「いや、大丈夫だ。むしろ……」

未央『? むしろ?』

P「なんでもない。……未央」

未央『なに?』

P「おやすみ」

未央『……うん。おやすみ、プロデューサー』

P「……それじゃ、切るな」

未央『うん。おやすみ――って、これ、さっきも言ったね。こういう時、電話を切る時のあいさつってどうするべきなんだろ』

P「べつに、おやすみ、でいいんじゃないか? 二回言っても、べつに、な」

未央『……そうだね。それじゃ、改めて』

P「ん。おやすみ、未央」

未央『おやすみ、プロデューサー』

ガチャ ツーツーツー

P「……ありがとう、未央」

P(……寝よう)

P(ぐっすりと寝て、早く体調を戻して……そして、また)

P(未央を、みんなを……プロデュース、する、ために……)」



これにて今回は終了です。
割りと久しぶりですね! あと今回あんまり「ごはん」って感じじゃないですね! 次回はそんなことないと思います!

今回こんな感じになったのはちょっと体調崩して弱ってた時に「こんな時に未央がそばにいてくれたらなあ」とめちゃくちゃ思ったからです。つまり個人的欲望の塊です。……いつも通りですね!

次回は割りとガッツリ食べたいかな……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですがフェス限未央……! あとデレステの次イベも未央……!
頑張ります! 頑張りたい。頑張ろう……。
はぁ……未央とただ寄り添っていたい……。

改めてありがとうございました。

P「チャーハンが食べたい」

未央「えっ、いきなりどうしたの? プロデューサー」

P「いや、ちょっと知り合いがオススメしてた店があってさ。だから、行きたいな、って」

未央「それは未央ちゃんを誘っているということかな?」

P「まあ、そうだな。来るだろ?」

未央「えー。でも、私、アイドルだからなー。あんまり食べ過ぎるのもなー」

P「今まで食べまくってた奴がよく言う」

未央「それはプロデューサーのせい……だけじゃないけど、プロデューサーの責任もあるでしょ?」

P「それは……そうだな」

未央「そうそう。まったく、おかげで未央ちゃんのレッスンはハードなんですよ? 仕事もあるのに」

P「……確かに、俺があんなに色んなところに連れて行ってるのに、未央はスタイル良いよな」

未央「ふふん、これも未央ちゃんの努力の賜物ですよ。美嘉ねーやくみねぇにも話聞いたりしてるけど」

P「あー……その二人なら問題ないな。で、結局どうするんだ?」

未央「どうするって、何が?」

P「チャーハン」

未央「行くよ?」

P「なんだその『当然じゃん』みたいな言い方」

未央「いや、だって……当然でしょ?」

P「さっき自分が言ったこともう忘れたのか?」

未央「それはまあ、いつものおふざけですし? プロデューサーもわかってたでしょ?」

P「そりゃ、まあな。でも、実際、アイドルをそんなに連れて行くのもな……」

未央「そんなの、今更ですよ、今更。それに、未央ちゃんはプロデューサーとごはんを食べに行くために頑張ってるところもあるからね」

P「そのためかよ……」

未央「もちろん、そのためだけじゃないけど、そういうごほうびのためにも頑張ってるというところはあるというか? 頑張った後には、やっぱりおいしいものを食べたいですし。それが大好きな人となら最高でしょ?」

P「それはわかるが……いや、うん、そうだな。俺も同じ気持ちだから」

未央「私とごはんを食べるために頑張ってる?」

P「ってところも、まあ、あるな。正確には、それがあるって思えるから、より一層頑張れるというか」

未央「……なんか、スイーツを自分へのごほうびっていうOLさんみたいだね」

P「近いかもしれないな……」

未央「近いんだ……」

P「自分で言ってそういう反応するなよ……とにかく、行くか」

未央「おー」


――

未央「それで、チャーハンってことは、今日は中華料理屋さん?」

P「中華……中華、なのか?」

未央「『なのか?』って言われても困るんだけど」

P「確かにな。でも、実際よくわからないんだよな」

未央「というと?」

P「チャーハン専門店みたいなところだから、だな」

未央「チャーハン専門店……あ、なんか聞いたことあるかも」

P「お、そうなのか。行ったことは?」

未央「ない、けど、たまにテレビとかで見るような……気がする」

P「俺もまあ存在だけは知ってたな、チャーハン専門店。それで、今日行くところがなかなかおいしいって話を聞いたから行きたいと思ったんだよ」

未央「ほうほう。チャーハン専門店のチャーハン……いったい、どんなものが出てくるのか。楽しみだね、プロデューサー♪」

P「そうだな。俺も、かなり楽しみだ」


――店の前

未央「ここ?」

P「だな」

未央「……かにチャーハン?」

P「うん。……そのままの名前だよな、店名」

未央「わかりやすいけど……うん、わかりやすいけどね!」

P「とりあえず、入るか」

未央「うん……」


――店の中

P「チャーハンだけ、って言っても、チャーハンにもそこそこ種類あるな。どうしようか」

未央「うーん……それじゃ、私はこの『かに海鮮五目チャーハン』っていうので」

P「む。俺もそれにしようとしてたんだが……まあ、一緒でもいいか。なんかセットにできるみたいだが、未央はどうする?」

未央「自家製かに焼売一個と肉汁餃子が二個のやつ!」

P「わかった。それじゃ、注文するか。すみませーん!」


――

P「ん、まずは味噌汁か」

未央「味噌汁だね。かに味噌汁?」

P「らしいな。まあ、飲んでみるか」

未央「だね。それじゃ、いただきまーす」

P「いただきます」

未央(味噌汁……具は、これはネギ、かな? とりあえず、飲んでみよう)ズズ……

未央「ん!」

未央(わ! カニ! 結構カニだ! 一口飲むだけでカニってわかって、これは、なかなか……)

未央(ふぅ……。おいしくて、一気に飲んじゃ……あ! カニ! カニだ! 底の方にあって見えなかったけど、カニが入ってる! カニ身ってわけじゃないから、ちょっと、食べにくそうだけど……おおー、味だけじゃなくて、ちゃんとカニも入ってたんだ。なかなかびっくりかも)

未央(でも、味噌汁からおいしいなー。……チャーハン専門店で味噌汁がおいしいって、どうなんだろう。なんか、中華料理屋さんってスープのイメージが強いし……いや、おいしいんだけど。おいしいんだけどね? ……中華料理屋さんじゃなくてチャーハン専門店だから、かな)

P「……お。カニも入ってるのか」

未央「そうそう。カニも入ってるんだよね。なかなかびっくり」

P「確かに、ちょっと驚いたな。味噌汁だけでもおいしかったから、これでカニ味噌汁なのかと思ったよ」

未央「私も私も。まあ、最初にお箸で中を突っついてみたりしたら気づいたのかもしれないけど、すぐ飲んじゃったから」

P「俺もそうだな。しかし、これでチャーハンはいったいどんな……って、そろそろ来そうだな」

未央「あ、ほんとに? ……あ、ほんとだ」

P「で、来たな。かに海鮮五目チャーハン」

未央「カニと、いくら。あとは……イカ?」

P「だな。……うまそうだな」

未央「うん、おいしそう。いただこっか」

P「ああ」

未央(さてさて、かに海鮮五目チャーハン……どう食べようかな。とりあえず、まずはチャーハンだけで食べてみよう)

未央(わ。パラパラ。さすがはチャーハン専門店……スプーンですくっただけで実力を見せつけてくるとは! なんてやってないで、さっさと食べよー)パクッ

未央「……お」

未央(おおー……軽い。食感が軽い。すくっただけでパラパラだってことはわかってたけど、これは、思ったよりも……)

未央(なんか、全然べちゃってしてなくて、変に油っこくなくて……なんだか、いくらでも食べられそう、って感じ。チャーハンって油っこいイメージあったから、結構衝撃的かも)

未央(……これを、カニと一緒に食べたら、どうなるんだろう)

未央(……いざ!)パクッ

未央「……ん」

未央(あー……おいしい。こんなのわかってたけど……わかってたけどさ!)

未央(あと、そう言えば、カニといくら、イカだけじゃなくて……じゃこ? も入ってる? のかな? 海鮮五目感あるね!)

未央(……イカも食べちゃお!)パクッ

未央「……うん」

未央(柔らかくて、いい味してる! それからそれから……カニといくらを、一緒に!)パクッ

未央「んー!」

未央(おいしい! 純粋にチャーハンとしてもおいしいけど、一緒に食べると、海鮮の味が口いっぱいに広がって……本当、幸せ)

未央(あとは……そう言えば、餃子と焼売、食べてなかったな。食べちゃおー。まずは……餃子から!)パクッ

未央「……んっ」

未央(そ、そう言えば、名前、肉汁餃子だった……名前通り、すごい肉汁! おいしい……)

未央(……そのまま、焼売!)パクッ

未央「……はぁ」

未央(これもおいしい……なんか、もう、とにかく……おいしい)

未央(ぜんぶがぜんぶおいしくて……もう、最高ー!)


――店の外

未央「おいしかったね、プロデューサー!」

P「ああ。チャーハン専門店だけあって、チャーハンもちゃんとおいしかったな。正直、カニを推してる店だと思ってたから……いや、まあ、推してるとは思うんだが」

未央「うんうん。チャーハンとしてもおいしかったよね。私、ここ好きかも。そんなに油っこくなくて、軽くて、食べやすいし」

P「あー……確かに、あんまり油っこくなかったな。味はしっかりしてたんだが、しつこくなかった。なんだか、いくらでも食べられそうな感じだ」

未央「そうそう。プロデューサーは油っこい方が好きだったりしなかった?」

P「それは体調とか気分にもよるな。それはそれ、これはこれで別物って感じでもあるしな」

未央「そっかー……ふぇいふぇい、って、どうなんだろ?」

P「菲菲……どうだろうな。香港ってことは、広東料理が主流だから……こういうのも、割りと好きなんじゃないか?」

未央「プロデューサー、そういうのまでわかるの?」

P「いや、ただの予想だ。もしかしたら、油っこいのの方が好きなのかもしれない……」

未央「……どっちなの?」

P「菲菲に聞いてみないとわからないな。香港生まれって言っても、それでわかるのは傾向だけだからな。菲菲自身がどうかはわからない。菲菲は菲菲だからな」

未央「そうだね。私も私だし、プロデューサーもプロデューサーだもんね」

P「……『プロデューサーもプロデューサー』って、当然のこと言ってるな」

未央「じゃあ、PさんはPさんだから?」

P「……その呼び方やめろ」

未央「えー。なんでー? 呼んでる人いっぱいるのにー」

P「今になって未央からそういう呼び方されると、何と言うか、変な感じするんだよ」

未央「それはそうだけどさー……いつかは、そう呼ぶ日も来るでしょ?」

P「……かもな」

未央「かも?」

P「……たぶん」

未央「絶対じゃなくて?」

P「……あー! もう! とにかく! その日が来るまではあんまりその呼び方はするな!」

未央「もー。照れ屋さんなんだから」

P「照れ屋とかそういうのじゃ……帰るぞ、未央」

未央「はーい。……ね、プロデューサー。手、繋がない?」

P「……なんでだよ」

未央「ほら、ちょっと、夜は肌寒くなってきたからさ」

P「……ん」ギュッ

未央「……えへへ。ありがと、Pさん」

P「……その呼び方はやめろ」

未央「だね。でも、手、離さないんだね、プロデューサー」

P「未央が寒いって言ってるからな」

未央「そっか」

P「ああ」

未央「……」

P「……」

未央「……プロデューサー、手、あんまりあったかくないね」

P「……未央は、あったかいな」

未央「あたたまる?」

P「ああ」

未央「そっか。……良かった」

P「……なんか、逆になってないか?」

未央「確かにね」

P「……手は、離さないんだな」

未央「うん。……プロデューサーの手はあたたかくないけど、私も、あたたまってるから」

P「……そうか」

未央「うん」

P「……」

未央「……」ギュッ

P「……」ギュッ



これにて今回は終了です。
チャーハン。おいしかったです。他にも種類はあったのですが、まだ食べていないのでいつか食べたいところ……。

最近は肌寒いというか、ころころ気温が変わる印象です。上がったり下がったり。個人的にはもうちょっと落ち着いてほしいですね。

今回名前だけ出したアイドルはいつか出したいなぁ……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですがライブがありましたね。「ステップ!」は良い曲……。
本当に「本田未央」って感じの曲ですよね。大好きです。「ミツボシ☆☆★」も「ステップ!」も大好きです! 

遅くてもこれくらいのペースでは書いていきたい……。

改めてありがとうございました。


 CM。

 遠くから一人の少女の姿が映る。制服にマフラーを付けた長髪の少女。

 その手に何かを持っている。しかしまだそれが何かはわからない。

 カットが変わり、少女の整った顔が映し出される。

 少女はどこかを見ている。そのまっすぐな目は視聴者の心を掴む。

 少女が一本のポッキーを口に運び、パキッ、と割って食べる。

「……おいしい」

 今まで凛とした表情を見せていた少女の微笑み。

 そこでロゴマーク。「あなたも、私も」という少女の落ち着いた声から、視聴者が慣れ親しんだ「ポッキー」という男性の声。

 そして、次のCMに――


――事務所

未央「……しぶりん、本当にCMやってる」

P「まあな。しかし、今年もこんな大きな仕事が入ってよかったよ。さすがは凛、って感じだな」

未央「……実際、しぶりんのチョコレートへの愛は結構重いもんね」

P「でも、このCMでは『おいしい』っていうあの表情にすべてが込められているんだよな。いつもの凛を知ってる人からしても、このCMはかなり良いと思うんだよなー。あの渋谷凛が何かを食べてあんな風に微笑むとか、俺でも買いたくなるもんな」

未央「買わなくてもあるけどね。……いっぱい」

P「……本当に、いっぱい、な」

未央「……ポッキーゲーム、する?」

P「なんでそうなる」

未央「いやー、だってこんなにポッキーがあるんだよ? それに、今日はポッキーの日! これはもうポッキーゲームするしかないでしょ!」

P「そうはならないと思うが」

未央「えー。でもでも、ポッキーゲーム、したくない? アイドルとのポッキーゲームだよ? 貴重ですよ?」

P「アイドルとのポッキーゲームだから、やらないんだよ。……これ、去年も同じようなやり取りしたような気がするんだが」

未央「そうだっけ? そうかも。でも、去年と今じゃ……ほら、私たちの関係も、違うでしょ?」

p「同じだ。アイドルとプロデューサー。それ以上でもそれ以下でもない」

未央「えっ」

P「……なんでこの流れで本気でショックを受けてるんだよ」

未央「……あっ。そ、そっか。そうだよね。そういう流れ、だったよね。……でも、そうだとしても、それは言ってほしくなかったかも」

P「……すまん」

未央「……それじゃあ、ポッキーゲーム、しよ?」

P「それはできない」

未央「えー! なんでー! 未央ちゃん傷ついてるのにー!」

P「傷ついてる奴の言い方じゃないだろ……」

未央「……本当に、割りと、傷ついてるんですよ?」

P「っ……」

未央「……なんちゃってー! でもでも、傷ついてるのは本当だから、慰めて♪」

P「……未央」

未央「なにかな? プロデューサーくん」

P「……いや、なんでもない。お前は優しいよな」

未央「まあ、未央ちゃんは世界でも五指に入る優しさの持ち主ですからなぁ……」

P「そこまでは言ってないが」

未央「むぅ。そこは乗ってよ、プロデューサー」

P「悪い悪い。で、ポッキーゲーム、だったか?」

未央「……やってくれるの? アイドルとプロデューサー以上でも以下でもないのに?」

p「……お前、根に持ってるな」

未央「だって本当にショックだったんだもん。そんなこと言われたら、しぶりんやあーちゃんでも落ち込むと思うよ?」

P「……すまん」

未央「反省しているなら許してあげましょう。で、ポッキーゲームだけど……どうしよっか?」

P「どうするって?」

未央「負けた方に罰ゲーム的なの、ほしいなーって」

P「罰ゲーム……あんまり気は進まないが、まあ、いいぞ」

未央「お、いいの? 罪悪感かな?」

P「そうだよ。続けろ」

未央「えへへ。ごめんごめん。さっきのはもういいよ♪ いつまでも引きずられていると、私も気まずいからさ」

P「それじゃあ、罰ゲームはなしで」

未央「それはダメ」

P「ダメなのか……」

未央「ダメですとも。だって、そうしないとプロデューサー、わざと負けるでしょ?」

P「……」

未央「答えは沈黙」

P「当たり」

未央「当たりじゃないよ! 不正解だよ! だから、罰ゲームは……勝った方の言うことを一つ聞くこと!」

P「……それ、未央も聞くのか?」

未央「もちろんですとも。まあ、私は負けるつもりないけどね」

P「……そうか。うん、なら、俺も勝ちに行く」

未央「お? プロデューサー、そんなにしてまで未央ちゃんに聞いてほしいことがあるのかな?」

P「まあな。……さて、ちひろさんや他の誰かが帰ってくるまでには終わらせないとな」

未央「そだね。じゃあ、早速……あ、プロデューサー」

P「なんだ?」

未央「……もしも、どっちも絶対に負けないつもりなら……ポッキーゲームって、どうなると思う?」

P「そりゃ……未央、お前」

未央「私は、負けるつもりないからね」

P「……」

未央「それじゃ、しよっか、プロデューサー。ポッキーゲーム」

P「……わかった」

未央「じゃ、両端から食べていって、先に口を離した方が負け、ね? 私、チョコの部分もーらい♪」

P「……」

未央「ん。んー!」

P「……ん」パクッ

未央「んっふっふ……プロデューサー、未央ちゃんの顔が近くてドキドキしちゃう?」

P「……ノーコメント」

未央「ノーコメント、ね……えへへ。それじゃ、準備はいいかな? よーい……スタート!」

未央(とは言ったものの……うーん、顔が近い)

未央(いきなり食べ進めた方がいいかな? たぶん、プロデューサーの方からは食べ進めてこないだろうし、ゆっくりでもいいと思うけど……どうしよっかなー)

未央(私としては、ずっとこのままでもいいんだけど……それはちょっと、未央ちゃんの心臓がもつかわからないからなー)

未央(……改めてプロデューサーの顔をこんな風に見ることって、そう言えば、あんまりなかったかも)

未央(うーん……こうして見ると、やっぱり、顔だけならもっとかっこいい人はいる……ハズ、なんだけどなぁ)

未央(……なんで、こんなにかっこよく見えるんだろ)

未央(客観的に見れば……うん、べつに、そこまでかっこよくはない……と思う。第一印象でも、べつに、かっこいいとは思わなかったし。だから、たぶん、そんなにかっこよくはないんだと思う)

未央(でも……それなのに、こんなに、こんな風に見えるのは)

未央(……たぶん、好きだから、なんだろうなあ)

未央(うーん……恋ってこわいものですね。さえないはずのプロデューサーが、こんなに魅力的に見えるだなんて……いや、まあ、あんまり知られてないだけで、プロデューサーはめちゃくちゃ魅力的なんだけどね。あんまり知られてないだけで。いや、知られても困るんだけど)

未央(って、私、誰に言ってるんだろ。……まあ、いいや。もうちょっとだけ、このまま――)

P「未央」

未央「へ?」

P「そっちから来ないなら、こっちから行くぞ?」

未央「……え?」

未央(……いったい、プロデューサーは、何を……)

P「」サクッサクッサクッサクッサクッ

未央「……んぅ!?」

P「」サクサクサクサクサクサクサクサク

未央(え!? ちょ、プロデューサー、速くない? え? これ、今、何が、え? これは、ちょっと、予想外なんだけど!)

未央(わ、わ、わ。ぷ、プロデューサーの顔が近付いてくる。ちょ、ちょっと待って。こ、このペースじゃ、私が何もしなくても、プロデューサーの、唇が……)

未央(……ぷ、プロデューサー、私がさっき言った意味、わかってるよね? 覚悟、してるってことだよね? わ、私、離した方がいい? 離さなきゃ、でも、私……!)

未央(……ち、か……もう、鼻が、当たりそうで……唇も、もう、少しで……)

未央「……」ギュッ

未央(……顔が熱い。手が震えてる。力が入らない。ただ、ぎゅーっと目をつぶっている)

未央(まだ? もうすぐ? どうなるんだろう。どうなるの? 私の初めて、ここで、なの?)

未央(心の準備が、まだ、できてない……けど、でも、プロデューサーとなら……プロデューサーが、して、くれるなら……)

未央(……心臓がドキドキしてる。顔が熱い。でも、ちょっと、楽になった)

未央(目を閉じていてもわかる。プロデューサーは、すぐそこにいる)

未央(吐息を感じるような距離。肌から熱を感じるような距離。もう、今にも触れてしまいそうなほど、近く)

未央(……うん。もう、大丈夫)

未央(心の準備も、一応、できた。だから、今はもう、プロデューサーに、すべてをあずけて――)



パキッ


未央(……『パキッ』?)

P「……ふぅ。未央、顔、真っ赤だぞ?」

未央「……え?」

未央(……目を開けると、プロデューサー。唇に感触は……ない)

P「あんまり大人をからかうなよ? 俺だって、たまにはこれくらいするさ」

未央(……得意顔の、プロデューサー。にやけ顔の……!)

未央「ぷ、ぷろ、プロデューサー……!」

P「なんだ? 未央。いつもお前がやっているようなことだろ? そのお返しだよ」

未央「……!」

P「でも、あんだけやったら未央の方から離すと思ったんだけどな。そこは負けたよ。まあ、試合に負けて勝負に勝った、って感じだけどな。さ、罰ゲームでもなんでもこい。今の俺は機嫌がいいから、割りとなんでも聞いてやるぞ?」

未央(……完全に、調子に乗ってる)

未央「……プロデューサー」

P「ん? 何――」グイッ



チュッ


未央「――っぷは。……お返し、だよ」

P「……」

未央「次は、ちゃんと口にするから。……それが、お願い」

P「……未央、お前」

未央「プロデューサー」


未央「あんまり、女の子をからかっちゃダメだよ?」


未央「……それじゃ、私、そろそろ行くね。残りのポッキーはあげる。また明日、プロデューサー」

P「……ああ。また明日」


ガチャ



――

ちひろ「ただいま戻りました……あら? プロデューサーさん、どうかしたんですか? あ、ポッキー。ポッキーの日、ですもんね。一本もらってもいいですか?」

P「……どうぞ」

ちひろ「ありがとうございます♪ ……あ、プロデューサーさん、ポッキーゲームでもします? なーんて、冗談です♪ ドキッとしちゃいました?」

P「……」

ちひろ「……プロデューサーさん? 本当に、どうかしましたか?」

P「……ちひろさん」

ちひろ「?」

P「……女の子って、すごいですね」

ちひろ「……?」



これにて今回は終了です。
ポッキーの日……二回目! でも前とは割りと違う二回目! でも前と同じく食レポみたいなことはまったくやってないポッキーの日! いいのか……?

去年のポッキーの日は前スレの>>660くらいからのハズ。このSSでの凛はチョコレートが好きです。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですがそろそろ総選挙CD発売ですね。楽しみです。

青空リレーションすき。

改めてありがとうございました。


 夜。

 未央は独り、事務所の屋上で夜空を見ていた。

「……」

 何も言わず、ただ独りで夜空を見る。

 普段の彼女からは考えられない、静かな表情。

 明日、12月1日は本田未央の誕生日である。

 そして、バースデーライブが開催される日でもある。

 こんな時間になっても未央が事務所にいるのはそういったことが関係していた。千葉から事務所までそう時間がかかるわけでもないが、今回はこっちに泊まると言っておいたのだ。

 こういったことは何も珍しいことではない。LIVEの前日、女子寮などに泊まるアイドルは少なくなく、未央もその一人というだけの話だった。

 ただ、明日は未央のバースデーライブである。ソロライブが初めてかと言えばそういうわけではない。小規模なものであれば、今までにも経験したことはある。だが……。

「……プロデューサーからの、バースデープレゼント、だもんね」

 そう思うとなんだか嬉しくて、だらしなくにやけてしまいそうになる。誰にも見られてはいないだろうが、すぐにハッとして、未央は自分の頬に手を添える。

「冷たっ」

 頬に当たった自分の手がおもったよりも冷たくて、未央はそんな声を上げてしまう。……そう言えば、私の誕生日ってことは、もう、そんな季節なんだよね。……ちょっと、寒いかも。

 ちょうどそう思った時、ぱさり、と未央の肩に何かが降ってきた。

「ひゃっ」

 いきなりのことに未央は肩を跳ねて驚いてしまう。いったい、何が……。そう思って、肩に落ちてきたものを見ると、そこには見慣れたコートがあった。それがどういうことを表しているのか、未央が思いつく前にくっくっと笑い声が聞こえていた。

「ひゃっ、って。そんなに驚くことでもないだろ」

 未央が目を向けると、そこにはプロデューサーが立っていた。彼はそのまま未央にマグカップを差し出した。

「……ありがと」

 驚かされたことに文句を言いたい気持ちもあったが、その好意は素直に嬉しかったので、感謝を言って受け取ることにした。湯気が立ち上る、温かいココアだ。飲もうとしたが飲めなかった。それほど熱かったのである。

「明日はライブだってのに、こんなところで何してるんだよ」

 呆れた様子でプロデューサーが言う。確かに、翌日にライブを控えたアイドルがこんな時間にこんなところで何をしているのか、と言う話だ。

「いやー……実は、緊張してまして」

 返す言葉もなかったので、とりあえずごまかすことにした。そんな未央にプロデューサーは「ふーん」と口にして、にっ、と笑った。

「あんなにやけ顔してたのに、か?」

「なっ」

 さっきの、見られてた!? いや、まあ、確かに、あのタイミングなら……。

 自分でもだらしない顔をしているだろうと思っていたが、まさかプロデューサーに見られていたなんて……。さっきまでは寒かったのに、急に暑くなってきた。少なくとも、顔は熱い。恥ずかしい。

「まあ、それはそれとして……早く、中に入ろう。ここは寒い。風邪をひくわけにはいかないだろ?」

「……うん」

 プロデューサーの言葉は正しい。未央はプロデューサーに続いて事務所の中に入った。

 事務所には既に未央とプロデューサー以外誰もいなかった。この時間だから当然……というわけでもないのだが、少なくとも今日はそうだった。

「誰もいないね」

「そうだな。ちひろさんも、さっき帰ったし……未央は、女子寮でいいんだよな?」

「うん。こんな時間になっちゃったけど、入れる……よね?」

「正面からは入れないが……大人組にはこれくらいの時間まで仕事してる人もいるし、これくらいの時間まで飲んでる人もいるからな」

「……これくらいの時間まで飲んでるのって、大人なら普通?」

「普通かもしれないが、アイドルなんだからあんまり……いや、まあ、控えてはほしいし、ある程度控えてくれてはいるんだけどな? でも……でもなぁ」

「心配、って?」

 こくり、とプロデューサーがうなずく。心配……心配、か。

「……私も20歳になったら、そんな風になるかもよ?」

「ならないでくれ」

 即答である。そんなプロデューサーに対して未央は笑って、

「それは未央ちゃんが心配だからかな?」

「そうだ」

 これも即答だった。これも即答されるとは思っておらず、未央は一瞬だけ固まる。

「……プロデューサーって、束縛、強い方?」

「束縛……」

 プロデューサーはそうつぶやいて、ハッとする。

「い、いや、そういうわけじゃないぞ? 確かに心配だからだが……束縛が強い方じゃ、ない、と、思う。たぶん」

「たぶん、って……私は、べつに、束縛強くてもいいんだけど」

「んっ!?」

 ごほっごほっとプロデューサーがむせる。いきなりむせ始めたプロデューサーの背中を未央はさする。

「お前、そういうこと、言うなよ」

「なんで? ……あ、もしかして、えっちなこと考えた、とか?」

「……お前、意味わかって言ってるか?」

 意味。もちろんそれはわかっている。束縛が強いというのを、えっちなことで考えると……ん!? もしかして、私、すごいこと言った!?

「わかったみたいだな」

 顔を赤くして照れる未央を見て、プロデューサーは溜息をつく。プロデューサーもプロデューサーで、耳を赤くしていたのだが。

「というか、ココア、まだ飲まないのか? 冷めるぞ」

「あ」

 すっかり忘れていたと言うように、未央は手元のマグカップを見る。

「……さ、さっきは熱くて飲めなかったから、わざと冷ましていたのですよ?」

 口調からして明らかにおかしかったが、熱くて飲めなかったというのに嘘はない。幸い、さっきからそれほど時間が経っているわけでもなく、マグカップからはまだ温かみを感じる。

「……まあ、まだ冷めてはいないだろ。飲んどけ」

 プロデューサーに言われた通り、未央はココアを飲むことにする。さすがにまだ大丈夫だろうとは思いながらも、さきほどの痛みを忘れられず、恐る恐る口をつける。

 上唇がぴちゃ、と付いた瞬間思わず離してしまうが、熱くはない。

 それに安心して、今度はゆっくりとココアを飲んで……。

「ん……」

 温かい。熱くはないけど、身体の芯から温まるようだった。

 優しい味だった。甘くて、でも、少しだけほろ苦くて……それが、とても心地良かった。

「おいしいよ。ありがとう、プロデューサー」

「どういたしまして。身体、ちょっとは温まったか?」

「うん。プロデューサーのおかげで、体調は万全だよっ」

「……それならそもそも外に出るなよ」

 もっともである。しかし、未央は「えへへ」と笑ってごまかす。プロデューサーもまた、呆れたように笑うだけでそれ以上のことは何もしない。

「……明日、バースデーライブなんだよね」

 ぽつり、とつぶやくように未央が言う。その突然の変化に驚くこともなく、プロデューサーは「そうだな」と返す。

「プロデューサーの、バースデープレゼント?」

「……バースデープレゼントが仕事でいいのか?」

 プロデューサーは真面目な調子で言った。……こんなところは鈍いよね。未央は笑いながら、「もちろん、くれるなら他にもほしいけどね」と言う。

「でも……うん。私にとっては、最高のプレゼントだよ」

「そうか」

「うん」

 それだけを言って、二人は黙った。

 プロデューサーは仕事が終わったのだろうか? 自分の席に戻る様子も見せず、ただ、そこに立っている。

 でも、だからと言って未央は「帰らないの?」なんて言ったりはしない。

 そもそも、こんな時間まで未央が事務所に残っている理由は一つなのだ。

 それは……そう言えば、今、何時だろう。

 たぶん、そろそろ――

 未央がそう思って時計を見ようとした、その時。

「未央」

 その声に、未央はプロデューサーの方を見る。見ようとしていた側の、反対側。

 時計の反対側。

 そして、プロデューサーが時計の反対側にいるということは、プロデューサーから見て、私は――



 カチッ、と時計の針の音がした。


「誕生日、おめでとう」

 そう言って、プロデューサーは微笑んだ。

「……ありがとう、プロデューサー」

 ……祝って、もらえた。

 去年もそうだったけれど……今日は、プロデューサーに、いちばんに言われた。

 それが、とても、とても嬉しくて……。

「本当に、ありがとう!」

 未央はプロデューサーに満面の笑みを向けた。まだ「おめでとう」と言われただけだ。でも、それだけで良かった。それだけで、こんなにも……こんなにも、嬉しい。

 それ以上、言葉はいらなかった。

 おめでとうと言って、ありがとうと返した。

 二人は黙って、互いを見つめる。

 何も言わずに、見つめ合う。

 そして……。



 ピロロン


 静かな事務所に、通知音が鳴り響いた。


 ピロロン ピロロン ピロロン ピロロン


 その音は鳴り止むことなく、ずっとずっと鳴り響く。

「……ぷっ」

「……ふふっ」

 二人は顔を見合わせて、こらえきれないと言った風に笑い出す。

「こんな時くらい、通知音、切っとけよ」

「こんなことになるなんて思わなかったんだもん。そりゃ、私がこんな時間までいたのはプロデューサーにいちばんに祝ってほしかったからだけどさー」

「それ、俺に言ってもいいのか?」

「べつにいいでしょ? こんな雰囲気だし。今さら隠しても……じゃない?」

「それもそうだな」

 そうやって笑いあった後、プロデューサーが「お祝いの言葉、見ないでいいのか?」と言ったので、未央はスマホに届いた自分へのお祝いの言葉に返信していった。

 そうして未央がすべての返信を終え、一息ついたところで。

「じゃ、帰るか」
 
 プロデューサーが言った。「へ?」と未央から声が漏れる。

「……プロデューサー、仕事、もうないの?」

「ん? まあ、そうだな」

「……じゃあ、どうして、こんな時間まで残ってたの?」

「それはまあ、未央の誕生日をいちばんにいわ――」

 プロデューサーが固まった。

 そんなプロデューサーを見て、未央は「あれあれ~?」と意地悪な笑みを浮かべ始める。

「プロデューサーくん、それはいけないことじゃないのかなー? アイドルの誕生日をいちばんに祝いたいなんて理由で、アイドルをこんな時間まで事務所にいさせるなんて、ダメなことなんじゃないかなー?」

「……ついさっき、終わったところなんだよ」

「ほんとかなー?」

「……本当だ」

 もちろん、未央はプロデューサーを疑ってなんていなかった。ついさっきまで仕事をしていたのは本当だろう。ただ、あと少しで自分の誕生日だったから、それまでは……と思っただけで。

 それは未央にとってもありがたかったし、とてもとても嬉しいことだった。

 自分だけではなく、プロデューサーもそう思ってくれていた。

 それが嬉しくて嬉しくて……だからこそ、未央はプロデューサーのことをからかったのだ。

 しかし、からかい過ぎたのか、プロデューサーはとうとうむすっとしてしまった。

 そんなプロデューサーを見て申し訳なく思うのではなく、かわいいなぁ、なんて思ってしまう。

「プロデューサー、拗ねないで。からかい過ぎたのは謝るから~」

「……とにかく、帰るぞ。女子寮までは送るから、早く準備しろ。明日はライブなんだからな」

 そんなプロデューサーに対して、未央は小声で「……それなのに遅くまで帰らさなかったのは誰かなー」なんて言う。プロデューサーがわかりやすく落ち込む。

「ごめんごめん、べつにせめてるわけじゃないよ。本当、嬉しかったもん。感動したよ!」

 その言葉は未央の本音だったが、今のプロデューサーからすれば慰めの言葉にしか聞こえない。

「ごめんな……自分勝手で……」

 プロデューサーの自己嫌悪モードである。こうなるとすごく面倒くさい。それを未央は知っている。

 うーん、どうするか……これはさすがに私が悪いし、でも、このまま落ち込まれても……。

 そう思った未央は、そうだ、とあることを思いつき、ととと、と事務所の冷蔵庫の方に走ってあるものを持って戻ってきた。

 そして。

「えいっ」

 ぐさっ、とプロデューサーの口にあるものが差し込まれた。

 ポッキーである。

 いきなり、何を……そう思ってプロデューサーは未央の方を見た。

 未央は言った。

「早く立ち直らないと、またポッキーゲーム、だからね」

 ポッキーゲーム。

 その言葉を聞いたプロデューサーの脳裏に浮かんだのは、つい最近、ポッキーの日にあった……!

「それはダメだ!」

 プロデューサーが叫ぶようにして言った。よし、作戦成功。未央はプロデューサーに見えないように小さくガッツポーズをつくった。

「うん、やらないよ。だから、早く帰ろう? 私をお城まで送って下さいませ、王子様」

 演技がかった調子で、まるでお姫様がドレスのスカートをつまんであいさつをする時のように、ミニスカートをつまんで礼をして、それからお姫様がエスコートをされる時のように未央は手を差し出した。

 そんな未央を見て、プロデューサーは今までのことは自分のためにやってくれたのだと悟る。ふっと微笑み、

「必ず無事に送り届けますよ、シンデレラ」

 なんて言って、未央の手を取り、歩き出す。

「……の前に、色々、戸締まりとか確認しないとな」

「……台無しだよ、プロデューサー」


――

 女子寮の前。

「それじゃ、未央。明日――じゃなかった。今日のライブに備えて、しっかり寝ろよ」

「うん。プロデューサーも、だよ?」

「わかってる。さすがにちゃんと寝るよ。……あと、未央」

「何?」

「明日、ライブの後……時間、あるか?」

「……ごはん?」

「察しがいいな。まあ、そういうことだ」

「んー……それって、予約とかしてる?」

「予約……は、してないが、まあ、心配しなくてもいい」

「……どういうこと?」

「さあ? どういうことだろうな」

 プロデューサーは明らかに何かを隠している様子だったが、問い詰めても何も出そうにない。

 ……まあ、いっか。プロデューサーとのごはんは、楽しみだし。

「とりあえず……おやすみ、未央」

「うん。おやすみおー」

「……おやすみお」

 お、乗っかってくれた。珍しい。

 そのまま未央は女子寮の中に入って、プロデューサーと別れた。

 ……今日はライブだ。

 緊張はあまりしていない。緊張で眠れない、なんてことはない。

 でも。

 ……めちゃくちゃ楽しみだから、それで眠れない、って可能性は、ちょっとあるかも。

 未央はそんなことを思った。



 ちなみに、それから30分もしない内に未央は寝た。


これにて今回は終了……ではありません!
続きます!
たぶん今夜20時くらい!

誕生日おめでとう、未央。

ありがとうございました。


――バースデーライブ終了後・控室

P「お疲れ、未央」

未央「お疲れー! すっごく、すっごく楽しかったよ、プロデューサー! みんなが私の誕生日を祝ってくれて……私、みんなにお返しできたかな?」

P「ああ。ファンも楽しそうだったし……それは近くで見ていた未央もわかっているだろう?」

未央「……うん。えへへ、ありがと、プロデューサー♪」

P「……それ、俺に言う言葉か?」

未央「ファンのみんなにはさっき言ったし……私もファンも、みんなでこんなに楽しいライブをできたのは、プロデューサーのおかげだからね」

P「スタッフさんがいたから、だけどな」

未央「それはプロデューサーも一緒に言ったし……もちろん、感謝してるけどね! あと、ごまかそうとしても無駄だよ? 私はプロデューサーにめちゃくちゃ感謝してるんだからね」エッヘン

P「偉そうに言うな」ペチン

未央「痛っ……むぅ。誕生日なんだから、もうちょっと優しくしてくれてもよくない?」

P「そんなに強く叩いてないだろ。優しくもしてる」

未央「えー。足りないよー」

P「足りない、って……何をすればいいんだよ」

未央「んー……あ! 今はたかれた頭が痛いから、さすってくれない?」

P「……女性の頭を撫でるのはデリカシーがないってならないか?」

未央「それは正しいけど、こういう状況ではむしろそうやって聞く方がダメだと思うよ?」

P「よくわからんな……」

未央「とにかく! 早く早く、撫でてみてよ!」

P「……」サスッサスッ

未央「……なんか、くすぐったい」

P「それは下手ってことか?」

未央「んー……どうなんだろう? 私も頭を撫でられることなんてないからなー……」

P「お兄さんとかには?」

未央「いや、兄妹でも撫でられるのとか嫌じゃない?」

P「……それ、お兄さんにはあんまり言わない方がいいぞ」

未央「? どうして?」

P「……まあ、いいか。で、俺はどうすればいい?」

未央「どうすれば……あ、それじゃあ、もうちょっと強く撫でてくれない?」

P「強く……って言うと、これくらいか?」ナデナデ

未央「おっ! お、おお……これは結構、いい感じかも……」

P「いい感じなのか……」

未央「なんか……髪を切る時とかに、シャンプーされるのが気持ちいい、みたいな……そんな感じ……」

P「あー……ってことは、もうちょっと力入れた方がいいか?」

未央「それは……どうだろ? ちょっと、やってみてくれる?」

P「ん」ガシガシ

未央「んっ!」

P「あ、さすがに強かったか」

未央「あ、でも、これはこれで気持ちいいかも……マッサージされてるみたい……」

P「……なんか、犬みたいだな」

未央「……それはさすがに失礼じゃない?」

P「いや、なんか、こうやってガシガシ撫でて気持ちよさそうにしてるのを見ると、かわいいな、と思ってな」

未央「かわいい……なら、よし」

P「誰だよ」

未央「にゃんみおー!」

P「なんで猫だよ。それなら『わんみお』じゃないか?」

未央「いやー、それはみくにゃんに悪いかなー、って。……しぶにゃんとか、また見たいなぁ」

P「頼んだら……無理か」

未央「あの時はやってくれたけど……うーん」

P「……あ」

未央「? どうしたの? プロデューサー」

P「……髪」

未央「……あ!」


――車の中

P「ごめんな、未央。髪、ぐちゃぐちゃにしちゃって」

未央「いいよ。そもそもは私から頼んだんだし。それで、どこ行くの?」

P「どこ、って?」

未央「ごはん、食べに行くんじゃないの? 未央ちゃん、それも楽しみにしてたんだけどなー」

P「あー……まあ、そうだな。そもそも、俺が言ったんだしな」

未央「そうだよー。もしかして忘れられてる? ってちょっと心配になっちゃったよ」

P「それは悪いな。本当に心配してたなら、だが」

未央「くっ! 本当はそこまで心配していなかったと見破られたか……! それで、どこに行くの?」

P「事務所だ」

未央「事務所……何か、用事?」

P「ああ。ちょっとな」

未央「ん、わかったよ、プロデューサー。それじゃあ、ごはん、楽しみにしてるね」

P「……まあ、楽しみにしてくれ」


――事務所

ガチャ

未央「ただいま――」


パンッ!


卯月「未央ちゃん!」

凛「誕生日」

「「「おめでとー!」」」


パンッ! パンッ! パンッ!


未央「……へ?」

藍子「その反応……サプライズ、成功したみたいですね」

茜「未央ちゃんになら絶対に気付かれると思っていましたが……プロデューサー! さすがです!」

P「はっはっは。そうだろ。褒めていいぞ」

茜「さすがです! すごいです! 神算鬼謀です!」

P「なんでいきなり難しい言葉……」

茜「以前の食レポ番組で文香ちゃんが言ってました!」

P「食レポ番組でそれ言う場面あるか!? ……いや、確かあったな……文香、混乱すると割りと変だからな……」

文香「……変、ですか?」

P「あっ、いたのか……」

文香「変……変、ですか……変……」

P「文香? ごめん、ごめんって。変じゃない。変じゃないぞー」

未央(……これ、って)

加蓮「未央、どうしたの? 早く来なよ」

美嘉「でも、未央が気付かないなんて意外だね。プロデューサーが未央を相手に隠しきれるなんて思わないんだけど……」

泰葉「そもそもそういう話題にならなかった、という可能性もありますけどね」

加蓮・美嘉「「あー……」」

泰葉「それで、未央ちゃん。どうかした?」

未央「……あ、やすやす。えっと、その、大丈夫だよ。ちょっと、びっくりしちゃって」

加蓮「……Pさんと二人きりでごはんだと思ってたのに残念、とか思ってたりして」

未央「そんなことないよ。いや、まあ、確かにプロデューサーと二人でごはんだとは思ってたけど……むしろ、みんなと一緒で嬉しいよ! 美嘉ねー、かれん、やすやす……大好きだー!」ダキッ

美嘉「ちょっ……もう。アタシたちも大好きだよ、未央」

未央「み、美嘉ねーからの告白……私、どう答えたらいいのかしら」

美嘉「そういう意味じゃないから! と言うか、先に言ったの未央でしょ!」

加蓮「美嘉ってば、こんなところで告白だなんて大胆だね」

泰葉「本当に……びっくりしてしまいました」

美嘉「泰葉ちゃんまで……なんでいきなりそんな流れになるのー!」

凛「未央、プロデューサーも、やること、あるんじゃないの?」

P「あ、そうだな。未央、あいさつあいさつ」

未央「あいさつ……コホン。皆の者、今日は未央ちゃんのために集まってくれてありがとう。それでは、これから未央ちゃんの生誕祭を開催する! 皆の者、盃を取れ! 乾杯!」

凛「何そのノリ」

卯月「かんぱーい!」

「「「かんぱーい!」」」

凛「乗るんだ……」

奈緒「まあ、せっかくの誕生日だし……未央だしな」

みく「未央チャンだからね」

李衣菜「未央ちゃんだしね」

凛「未央……」

未央「はっはっは。皆の者、そこまで褒めずともよいぞ」

凛「いつまでそのキャラ続けるの」

未央「んー……飽きるまでかな」

凛「もう飽きた?」

未央「うん。それじゃあ、しぶりん! 君には余興として、しぶにゃんをやってもらいましょう!」

凛「……は?」

みく「ネコミミはここにゃ」

凛「え、なんで持ってるの」

みく「それはもちろん、こんなこともあろうかと、と思ってにゃ」

凛「どんなことなの……」

未央「ほらほら、私もしまむーも付けるからー」

卯月「えっ」

凛「……まあ、卯月が付けるならいいかな」

みく「いいんだ……」

未央「というか、もうみんな付けちゃおー! みくにゃん、人数分のネコミミ、ある?」

みく「あるにゃ」

奈緒「あるのか……」

加蓮「んー? 奈緒、もしかして恥ずかしい? 恥じらいの太眉乙女だもんねー」

奈緒「ちーがーうー!」

凛「じゃあ恥ずかしくないの?」

奈緒「……正直、もう、色んな衣装着せられてきたしな……」

凛・加蓮「「ああ……」」

みく「はい、Pチャン。これで最後にゃ」

P「え、俺も付けるのか?」

未央「もちろん! ……気持ち悪くなかったら」

P「気持ち悪いって言われたら本気で落ち込むからやめてくれ」

みく「えー……」

P「なんでみくが残念そうなんだよ……」

未央「つまり! みくにゃんの誕生日に付ける、ということだね!」

P「なんでだよ」

みく「まあ、そういうことだよね」

P「なんでだよ!」

茜「プロデューサー! 未央ちゃん!」

P「はい!」

未央「何? あかねちん」

茜「早く食べないと! ごはんが! 冷めてしまうと思うのですが!」

P「あ、それもそうだな。食べるか」

未央「ごはん……こ、これは……! フライドチキンとか、ピザとか……あと、なんか色々ある!」

P「そうだな。じゃ、食べるか」

未央「プロデューサー、つーめーたーいー」

P「今のどう乗れって言うんだよ……」

未央「それは……謎だね」

P「謎なのか……」

未央「とにかく、みんな、食べよっ☆ 私が許す!」

凛「誰なの……」

未央「ホスト?」

卯月「間違ってるような、間違ってないような……」

未央「でも、ゲストじゃないでしょ? 私のためのパーティーなんだし!」

藍子「とりあえず、食べましょうか。いただきます」

未央「うん! いただきまーす!」

「「「いただきます」」」

未央(それじゃ、まずはこのポテトから……)パクッ

未央「……ん」

未央(いい感じにしょっぱくて……これはかれんが好きな感じかな? うん、おいしい)

未央(次はフライドチキンを……っと)パクッ

未央「……うん」

未央(おいしい。……うん、本当に、おいしい)

未央(どうして、こんなにおいしく感じるんだろう)

未央(はっきり言って、ちょっと冷めてるし……そう考えれば、そこまでおいしくはない、はず、なのに)

P「どうだ? 未央」

未央「……プロデューサー」

未央(……そっか)

未央「とっても……おいしいよ、プロデューサー。ほらほら、プロデューサーくんも食べたまえ~」

未央(……そうだよね。こんなの、当然のことだった)

未央(ごはんの味は、それそのものだけで決まるものじゃない)

未央(今、この時……みんながいるから。プロデューサーたちみんながいるから、おいしいんだ)

未央(……なんか、そう考えると)

未央「プロデューサー」

P「ん?」

未央「私、実はプロデューサーと二人きりでごはんを食べるんだと思ってたんだ。それで、今日はどんなお店に連れて行ってもらえるのかなー、って期待していたりして」

P「……で、どうだ?」

未央「……とっても、とーっても、嬉しいよ、プロデューサー! ライブでもそうだったけど……みんなが楽しくしてると、私も楽しいから! こんな風に、みんなで食べるごはんは、とってもおいしいよ! だからありがと、プロデューサー♪」

P「どういたしまして」

未央「……えへへ。プロデューサー、大好きだよっ☆」

P「……さ、行ってこい。みんなで楽しく……だろ?」

未央「はーい。……でも、今日くらいは大好き、って言ってくれてもいいと思うよ?」

P「……大好きだよ、未央」

未央「……」

P「……なんだよ、その顔」

未央「……本当に言ってくれるとは、思わなかったから」

P「言わない方が良かったか?」

未央「ううん! 嬉しい! だから、ぎゅー♪」ギュー

P「ちょっ!」

未央「えへへ、スキあり~」ギュー

P「……」ギュッ

未央「っ」ビクッ

P「……ほら、これでいいだろ。とっとと行ってこい」

未央「……うん」

P「……はぁ」

凛「プロデューサー」

P「わっ! ……なんだ、凛か」

凛「うん」

P「……見てたか?」

凛「そりゃあね。私だけじゃないけど」

P「……みんなに見られてた?」

凛「さあ?」

P「さあ、って……迂闊だったか」

凛「まあ、誕生日だからいいんじゃない?」

P「そうか……そうか?」

凛「ふふっ。プロデューサー、動揺してる?」

P「……少しは、な」

凛「……ライブ、良かったね」

P「最高のライブだったからな」

凛「それは否定しないけど、私も負けるつもりはないよ」

P「そこでそんなこと言うのか……」

凛「『最高』なんて言われたら、ね」

P「……俺にとっては、みんな最高のアイドルなんだけどな」

凛「まあ、プロデューサーはそうだよね。それでいいと思う。そんなプロデューサーだから……なんて、今言うことじゃないね」

P「確かにな」

凛「……ライブがあったし、パーティーもそんな長くやっちゃダメだよね」

P「今はまだ元気そうだが、さすがにな」

凛「……プロデューサーが送るの?」

P「まあな」

凛「狼にならないように気を付けてね」

P「ならないに決まってるだろ」

凛「……本当に?」

P「……本当に」

凛「信じてるよ、プロデューサー」

P「それ言うと信じてないみたいだからやめてくれないか?」


――車の中

未央「んー……さすがに疲れたかも……もちろん、楽しかったけど」

P「なら良かった」

未央「……プロデューサーも疲れてるのに、ごめんね」

P「俺と未央の仲だろ」

未央「それは言わない約束……って、まさかプロデューサーの方からそういうことを言ってくるとは……」

P「疲れてるなら寝てもいいぞ」

未央「んー……でも、今日プロデューサーを独り占めできるのは、この車の中だけだから」

P「……そうか」

未央「……えへへ。プロデューサー、おめでとう、って、言って?」

P「……おめでとう、未央」

未央「もっともっと」

P「誕生日おめでとう、未央。生まれてきてくれてありがとう」

未央「もっともっと、情熱的にー」

P「情熱的、って……何を言えばいいんだよ」

未央「『おお、愛する人よ。今日は我が最愛の人がこの世に生まれ落ちたことを天に感謝する日……』みたいな?」

P「それ、言われて嬉しいか?」

未央「あんまり嬉しくないかも」

P「ならダメだろ」

未央「確かに。……でも、今日はずっとプロデューサーと一緒だったね」

P「まあ、ライブがあったからな」

未央「だとしても、だよ。日付が変わった時も一緒だったし、朝起きてからも、ライブの前も、ライブの後も、パーティー中も……ずっと、ずっと、一緒だったよね」

P「そうだな」

未央「……今日はとっても幸せな日だったよ。それはたぶん、プロデューサーが一緒にいたから。プロデューサーがいたから、いつもよりも、もっと、もーっと、幸せな日になったんだよ」

P「……そうか」

未央「うん! だから……プロデューサー、プレゼントのリクエスト、してもいい?」

P「ライブもパーティーもやったのに……未央もなかなか、強欲だな」

未央「そうする、って決めたからね」

P「……それで、なんだ?」

未央「えっとね……来年も、再来年も、この先、ずっと……プロデューサーから、『おめでとう』って言ってほしい。それを、約束してほしいな♪」

P「……そんなことか」

未央「うん、そんなこと、だよ」

P「そうか。……約束するよ、未央。これから先も、ずっと、ずっと……この日は、未央に『おめでとう』って言う日にする」

未央「もし約束を破ったら、ネコミミを付けてもらうからね。それで気持ち悪かったら気持ち悪い、って言うからね」

P「それはキツい罰だな。絶対に破れない」

未央「でしょ? ……ふわ」

P「……やっぱり寝た方がいいんじゃないか?」

未央「……うん。約束、してくれたしね」

P「ああ。だから、心配せずに、ぐっすり寝てろ」

未央「……その前に、もう一度、おめでとう、って言ってほしいな」

P「……おめでとう、未央。短い時間だが、いい夢を」

未央「……うん、おやすみ、プロデューサー。……最高の一日を、ありがとう」



これにて今回は終了です。
「プロデューサーとのごはん」かどうかは微妙ですけど、こんな誕生日もいいよね! みたいな!

あと、このSSは基本的には現実と同じ日付みたいな設定ですけど、今回は休日設定です。
そこまで重要でもないかなーと思って書いてませんけど、未央なら誕生日当日ってことよりもたくさんの人が見に来れる日を希望すると思うんですよね。
あとさらに書いてもいない設定として結構大きい箱だったりもする設定もあります。「できるだけたくさんの人と」っていう未央の希望をプロデューサーが叶えた形ですね。……この設定は数日前に投稿できれば書いていたんですが、間に合いませんでしたね。
他にもSS内で書いてないだけの設定は割りとありますね。このSSにおける未央はこれで17歳になった、とか。

本田未央さん、誕生日おめでとうございます。いつまでもこの日はあなたの誕生日を祝わせて下さい。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとこのSSについて。

今年も誕生日でスレ区切ろうかなーと思ってたんですが、1000までまだまだなのでこのスレで続けることにします。書きたいのはいっぱいあるので、またそこそこのペースで書いていきたいなー……とか。最近あんまり「ごはん」っていうの書いてないような気がしますし。……今回も。

……じ、次回はガッツリ食べます! たぶん!

改めてありがとうございました。


――事務所

未央「うー……外に出たくなーい」

P「何言ってるんだよ、未央。というか、今日事務所に来るまでで外に出てきただろ」

未央「そうだけど……一度この幸せを感じると、なかなか元には戻れないものなのですよ。ほら、いったん生活レベルを上げたら下げるのは難しいって言うでしょ?」

P「それはまあ、そうだが……いや、それとこれとは関係ないだろ」

未央「バレちゃったかー」

P「バレたな。……それで、未央。そろそろ出る時間だが」

未央「えー……まだもうちょっと時間あるでしょ?」

P「あるにはあるが……その前に、何か食べなきゃいけないだろ?」

未央「む。つまり、ごはんのお誘いかな?」

P「そんなところだな。で、どうする?」

未央「行きますとも! 準備するから、ちょっと待っててね」

P「寒くて外に出たくないんじゃなかったのか?」

未央「それはプロデューサーがあたためてくれればいいのです」

P「なんでだよ」

未央「アイドルが風邪をひいたら困るでしょ?」

P「カイロでも持っとけ」

未央「冷たーい。冬の寒さよりプロデューサーが冷たいよー」

P「先に出ていいか?」

未央「調子に乗りすぎました。ごめんなさい」

P「……早く準備しろ。余裕があるとは言っても、並んでたらどれくらい待つかわからないからな。早めに出ておきたい」

未央「はーい」


――電車

未央「で、今日はどこに行くの?」

P「四谷だな」

未央「ほう、四谷……いや、そういう意味じゃないんだけど」

P「ん、そうか。まあ、洋食屋……というか、かつれつの店、かな」

未央「へぇ……ということは、今日はとんかつとか、そういうの?」

P「いや、俺は違うのを頼むつもりだ」

未央「そうなの?」

P「ああ。もちろん、揚げ物もうまいんだけどな。今日はちょっと違うのにしよう、って気分なんだよ」

未央「へぇ……ということは、私もどうなるのかわからないってことかな」

P「だな。……特に、この時期だと」

未央「この時期だと?」

P「いや、いい。行ってみてのお楽しみ、ってことで」

未央「教えてくれてもよくない?」

P「べつにいいが、こういうのはやっぱり現地で見た方がいいだろ? まあ、予想するといいんじゃないか? この時期だと何か、ってな」

未央「……はーい」

未央(この時期……この時期って言うと、冬? それとも、一月……みたいなこと? 揚げ物だと……カキフライ、とか? あ、カキフライ! カキフライ、いいかも……。でも、プロデューサーの口ぶりだと、揚げ物ではないのかも……。うーむ、いったい、なんなんだろう。楽しみだなー)


――店の前

P「ん、並んでないな。珍しい」

未央「まあ、この寒さだからね……」

P「個人的にはこの店はこんな時期にこそ来たいんだけどな。季節限定メニューが好きなんだよ。今日頼むつもりはないが」

未央「季節限定……っていうことは、冬季限定?」

P「だな。で、メニューはここにも貼ってあるが……」

未央「あ、ほんとだ。カキフライに、ロースカツ。カレーもあるんだ……チキンサルサ? へぇ、こんなのも……あと、ポークジンジャーに、カキバター……カキバター!」

P「ん、それだな。個人的に、ここのカキフライとカキバターが好きでな……冬になったらできれば来たい店なんだよな」

未央「カキバター……カキバターかぁ……プロデューサーは、それなの?」

P「いや、今日はポークジンジャーにするつもりだ。これもまたうまいんだよなぁ……」

未央「……プロデューサー、もしかしてぜんぶおいしいって言うんじゃ」

P「可能性はあるな!」

未央「あるんだ……」

P「そんな目で見るな。未央もここの味を食べればわかるはずだ。で、未央は何にするのか決まったのか?」

未央「うーん……迷うところだけど、カキバターにしようかな。カキフライは食べたことあるけど、カキバターはないからね」

P「ここのカキフライは未央が今まで食べてきたカキフライとは別物だけどな……」

未央「ちょ! ここでそういうこと言う? うぅ……でも、カキバターにする! 決まり!」

P「わかった。それじゃ、入るか」

未央「うん! ……って、これ入ってから決めてもよかったんじゃ」

P「……確かに」


――店の中

未央「ということで! カキバターとポークジンジャーが来たね!」

P「来たな。……うん、もう匂いからして良いな!」

未央「もう見るからにおいしそうというか、すごい匂いしてるもんね……バターの匂いと、ベーコンの匂い……ん、ベーコン。これ、どうやって食べればいいんだろ?」

P「俺のオススメとしては、牡蠣をベーコンで巻いて食べる、牡蠣のベーコン巻きだな」

未央「うわ、なにそれ。絶対おいしい」

P「あと、俺のポークジンジャーもおいしそうだろ? ほらほら、後で食べさせてやるからな」

未央「くっ! 確かに、おいしそう……! ごはんと一緒に食べたい……!」

P「ふっふっふ……っと、まあ茶番はこれくらいにして、食べるか」

未央「うん。それでは、いただきまーす!」

P「いただきます」

未央(……でも、本当においしそうだなー。ぷっくりとした牡蠣。衣に焼き目がついてて、ひたひたのソースの上に並んでる。このソースはなんだろう。バターと……醤油、とか?) 

未央(他にも色々ありそうだけど……とりあえず、食べてみればわかるかな。ということで、まずは一口……)パクッ

未央「……ん~!」

未央(おいしい! すごい……すごく、おいしい。すっごくジューシーで、牡蠣とソースがいっしょになって……もう、すごくおいしい。そう言えば、牡蠣ってカキフライくらいでしか食べたことがなかったような気がするけど、牡蠣って、こんな食べ方もできたんだ……)

未央(……今度は、ごはんも一緒に)パクッ

未央「……んー」

未央(おいしい。一口食べてわかってたけど、ごはんにも合うなー……。一緒にあるベーコンのうまみも牡蠣が吸っているような気がする。つまり、この牡蠣はソースとベーコンのうまみ、それから牡蠣そのものが持つうまみがすべて凝縮された、めちゃくちゃおいしい物体になっているのだー! 的な)

未央(でも、本当にそれくらいおいしいんだもんなー……このソースだけで付け合せのキャベツも進んじゃう)

P「未央、どうだ?」

未央「あ、プロデューサー。おいしいよ。すっごくおいしい。一粒ほしい?」

P「もらえるなら是非とも。代わりにポークジンジャーを進呈いたします」

未央「ほっほっほ。くるしゅうない」

P「誰だよ」

未央「プリンスミオ!」

P「プリンスっていうか、キングっぽかったけどな」

未央「かな? まあそれはそれとして、交換しよ、プロデューサー」

P「ん」

未央「えへへー……ありがと、プロデューサー」

P「どういたしまして。こちらこそありがとう、未央」

未央「どういたしまして♪」

未央(さてさて、それではこのポークジンジャーも……元は大きな一枚肉。それがこんなに小さくなっちゃって……いや、割りと大きく切り分けてくれたけど)

未央(このソースがまたおいしそうだなー……すりおろされたジンジャーに、たっぷりのソース。それが豚肉と一緒になって……うん、食べよう!)パクッ

未央「……!」

未央(これは……おいしい……! ソースが甘辛くて、ジンジャーが爽やかで、お肉が柔らかくてジューシーで……すごくおいしい!)

未央(ごはんとも合って……いくらでもごはんが食べられそうなくらい……これは、確かにおいしいや)

未央(というか、このお店、ソースがすごくおいしいような気がする。でも、それだけじゃなくて……とにかく! すごくおいしい!)

未央(……おいしかった。次に来ることがあったら、ポークジンジャーでもいいかも……でも、私はまだ、手を付けていないものがある。そう、ベーコンだ)

未央(このベーコンで、牡蠣を巻いて……それを、食べる!)パクッ

未央「……っ!」

未央(こんなの……おいしいに、決まってる!)

未央(くぅ……最、高……!)


――店の外

未央「はぁ……おいしかったね、プロデューサー」

P「ああ、うまかった。やっぱりこの店はいいな……」

未央「なんというか、他のものも頼んでみたいけど、今回のもめちゃくちゃおいしかったからどうなるかわからない……って感じ」

P「あー……わかる。俺もまだぜんぶ食べたわけじゃないしな……」

未央「でも、また来たいのは確かだね」

P「だな」

未央「……ん」ブルッ

P「ん、未央。寒いのか?」

未央「うん。ちょっとね。中は、あたたかかったから……」

P「……俺のコートは」

未央「いらないよ。プロデューサーも寒いでしょ?」

P「まあ、そうだが……未央」

未央「なに?」

P「手」

未央「手?」

P「……駅まで、繋いで歩かないか?」

未央「……いいの?」

P「ああ」

未央「……えへへ。それじゃ、お言葉に甘えて」ギュッ

P「……寒いな、未央」

未央「うん。……でも、今は、あたたかいよ」

P「そうか。……そうだな」



これにて今回は終了です。
カキバター! ポークジンジャー! こんなの絶対おいしいじゃん! みたいな今回。おいしかったです。
久しぶりに平常運転っぽいやつ。でもちょっと短め? いつもどれくらいの長さでしたっけ? 平常運転がどれくらいの長さなのか忘れてしまった……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですが今回の未央かわいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 
月末未央。めっちゃかわいい。すごい。かわいい。演技も最高。原紗友里さんありがとうございます。
まあ私はフリトレですけどね! ……早く、エピソード、見たい……。

改めてありがとうございました。


――事務所

P「んー……」

未央(あ、プロデューサー。なんかうなってる。……どうしたんだろ?)

未央(疲れてるのかな……伸びをして……あ、そうだ。こっそり近付いて……っと)コソコソ

未央「……えいっ」ギュッ

P「んっ!? は、ちょ、なんだ!? 誰だ? 離れて……!」

未央「だーれだ♪」

P「未央か!」

未央「む、即答……誰かの声真似した方がよかったかな?」

P「いや、そんなことどうでもいいから離れろ。当てたんだからもういいだろ?」

未央「いやいや、当てたら離すとは言ってませんよ? プロデューサーくんが疲れているみたいだから、未央ちゃんが癒やしてあげようと思いまして」

P「……思いっきり頭に胸が当たってるんだが」

未央「癒されるでしょ?」

P「わざとか! お前、そういうこと軽々しくするなよな……」

未央「プロデューサーにだけだから大丈夫。ほらほら、未央ちゃんの胸をご堪能あれー」

P「っ……未央、お前、本当、早く離れてくれ」

未央「未央ちゃんのお胸では満足できない、と?」

P「そういう意味じゃなくてだな……」

未央「……えっちな気分になっちゃった?」

P「耳元でそういうこと囁くな!」

未央「……ふー」

P「っ! ……未央」

未央「怒らない怒らない。ほら、ぎゅー」ギュー

P「……あー、もう。これで癒やされてる自分の単純さが憎い」

未央「えへへ」

P「……」

未央「……」

P「……未央」

未央「ん? なにかな? プロデューサー」

P「……心臓」

未央「聞こえちゃった?」

P「聞こえちゃった、って……なら、早く離れろよ」

未央「んー……だーめ」

P「なんでだよ」

未央「恥ずかしいけど……でも、こうしているの、幸せだし……私も、安心できるから」

P「……そうか」

未央「うん」

P「……未央」

未央「うん?」

P「ありがとうな」

未央「どういたしまして。それでは、その代わりに……」

P「その代わりに?」

未央「仕事はいったんやめて、ごはん、行こ? ちょうどお昼だし、ね」

P「そうだな。それじゃあ、準備を……なあ、未央?」

未央「ん?」

P「離れてくれないと、準備ができないんだが」

未央「……もうちょっとだけ、こうしてちゃ、だめ?」

P「……ダメじゃない」

未央「……えへへ。デレデューサーだ」

P「……いつもデレてるだろ」

未央「えー。そうかなー?」

P「そうだよ」

未央「……うん。そうかも。未央ちゃんにはデレデレだもんね、プロデューサー」

P「語弊を招く言い方だな」

未央「でも、そうでしょ?」

P「……かもしれないが」

未央「……ぎゅー」ギュー

P「……ん」


――外

未央「それで、今日はどこに行くの? プロデューサー」

P「何も考えてなかったな……何が食べたい?」

未央「んー……元気が出るようなのとか?」

P「元気……あ、カツ丼とかどうだ?」

未央「カツ丼! カツ丼かー……うん、なんだか、食べたくなってきたかも」

P「じゃ、決定ということで……まあ、カツ丼以外にもあるけどな」

未央「でも、カツ丼が有名なお店なんでしょ? それじゃ、たぶんカツ丼を頼むかなー」

P「そうか? まあ、いつもそんな感じだな。気に入ったなら、また来ればいいだけだしな」

未央「そうそう。それじゃ、行こー」


――店の前

P「ってことで、ここだな」

未央「……喫茶店?」

P「だな。カツ丼の大盛りが有名……だと思う」

未央「ってことは、プロデューサーは大盛り?」

P「いや、ここの大盛りは本当に量が多いからな……大盛りにはしない」

未央「プロデューサーでもそうなんだ……」

P「俺はそこそこ食べる方かもしれないが、そこそこでしかないからな?」

未央「私からすればかなり食べる方だと思うんだけど……」

P「未央のお兄さんとか、俺より食べそうなんだが」

未央「それは……どうだろ? さすがに大盛りで有名―、みたいな店を一緒に行ったことはないから」

P「あー、それもそうか。そういうのは男友達とかと行くことが多いからな。それだと、家族だとしてもわかりにくいか」

未央「うん。でも、本当にカツ丼以外にも色々あるね……カツ丼以外のも、おいしいの?」

P「うまい。が、俺はカツ丼を頼むことが多いな」

未央「ということは、それだけカツ丼がおいしいということ?」

P「だな。少なくとも、俺は好きだ」

未央「ふむふむ……楽しみになってきた」

P「俺も話してたら楽しみになってきた……入るか」

未央「はーい」


――店の中

P「お、来たな」

未央「来ましたかー! ……ほうほう」

未央(普通の大きさでも十分に大きい……これは確かに、大盛りだとすごい大きさになりそう)

未央(でも、それよりも……なんか、すごい、おいしそう! たまごはふわふわとろとろで、出汁はひたひた。つゆだく、って感じ)

未央(光り輝く黄金の丼……みたいな? 味が濃そうだけど……うん、おいしそう)

P「じゃ、食べるか」

未央「うん! いただきまーす!」

P「いただきます」

未央(それじゃ、まずはカツとたまごをどかして……おお、ごはんもつゆにひたってる。これは予想よりも濃そうですなー)

未央(んー……カツは後で、最初はごはんとたまごから……っと)パクッ

未央「……んー!」

未央(おいしい! いつも食べているカツ丼とは全然違う。甘辛い出汁とふわふわとろとろのたまご、それから出汁の味がしっかりするごはんが口の中でほわっとほどけて……うん、おいしい!)

未央(これはこの出汁がおいしいのかなー……なんというか、全体的にレベルが高い。すごく、おいしい)

未央(えっと、それじゃあ、次はカツも一緒に……)パクッ

未央「……うん!」

未央(おいしい。衣がザクザクー、みたいな感じではないんだけど……カツ煮? みたいな? うーん、おいしい……)

P「どうだ? 未央」

未央「おいしいよ。想像していたのとは違ったけど、うん、甘めの出汁? つゆ? がいい感じ!」

P「だよな。やっぱりここはうまいな……大盛りじゃなくても、量は十分なくらいあるしな!」

未央「うん、量あるよね。……食べ切れるかな?」

P「食べきれなかったら俺が食べるよ。やっぱり濃い目だし、ちょっと飽きてくるかもしれないからな。その時はその時で味を変えたりしてもいいかもしれないが」

未央「うん。その時はお願い……でも、おいしいから食べきりたい……」

P「わかるぞ、未央。俺も初めて来て大盛りを頼んだ時はそんな感じだった……」

未央「初めて来て大盛りを頼んだんだ……」

P「いや、なんか、有名だったから……『いけるだろ』って思ったんだが……」

未央「ダメだったの?」

P「ギリギリだった。ただ、おいしく食べきるなら並だな、とは思ったな……」

未央「あー……」

P「……まあ、話してないで、食べるか」

未央「うん」


――店の外

未央「うおー……おいしかったけどお腹いっぱいだー……」

P「……ちょっと休めば良かったか?」

未央「いや、ちょっと……あそこに長時間いると……さらにお腹いっぱいになりそうで……」

P「あー……腹がいっぱいだと、料理を見ているだけでな……」

未央「うん……でも、ちょっと休みたいかも。プロデューサー、癒やして癒やしてー」

P「癒やすって……何をしろって言うんだよ」

未央「んー……私がした、逆?」

P「逆、って……つまり、こういうことか?」ギュッ

未央「そういうことそういうことー……頭をぎゅーってする代わりに、未央ちゃんの髪に頭を埋める権利をさしあげようー」

P「お前、俺をどういう人間だと思ってるんだよ……」

未央「未央ちゃん大好きな人―。そして未央ちゃんはプロデューサー大好きな人なのだー」

P「お前、腹がいっぱいでおかしくなってないか?」

未央「なってないなってない。んー……プロデューサーのお胸に癒やされる……」

P「俺の胸の何に癒やされるんだよ……」

未央「胸筋?」

P「胸筋か……」

未央「あとは、ほら、心臓の音を聞くと安心する、っていうやつ? プロデューサー、どきどきしてくれてるもん」

P「……そういうこと言われると恥ずかしいんだが」

未央「お、鼓動が強くなった」

P「実況するな……!」

未央「えへへ。しーあーわーせー」グリグリ

P「頭を胸に押し付けるな……あー、もう。そろそろ離れるぞ」

未央「もうちょっといちゃいちゃしてたいなー」

P「……お前な」

未央「ほら、私、お腹いっぱい。仕方ないでしょ?」

P「なくない。ほら、離れろ」

未央「ああー……まあ、いっか。十分癒やされましたし? プロデューサーも癒やされた?」

P「……まあ」

未央「なら良かった。それじゃあ、午後も元気に頑張ろー!」

P「……あ、未央。お前、そういや午後からレッスンじゃなかったか? そんな食べて良かったのか?」

未央「あ」

P「……未央?」

未央「……その、プロデューサーさん。ダンスレッスン以外には……なりません?」

P「ダンスレッスン以外でも動くだろ。まあ、その……頑張れ」

未央「……レッスンが終わったら、癒やしてほしいな」

P「……ああ」




これにて今回は終了です。
これは大阪にあるお店です! でもSS内では東京にあるという設定。都合のいい感じでお願いします。

今回はなんか未央にめちゃくちゃ癒やされたかったんです。ぎゅー、ってされたいなー……っていう欲求ですね。はい。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですが情熱ファンファンファーレ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
アレを絡めたネタとかにもしたかったんですが、まあ、またの機会に?
そして今年もバレンタインデーとかはスルーしてしまった……また書くかもしれないですけど、ちゃんとチョコは送ってる設定です。甘々な感じらしいです。はい。

改めてありがとうございました。


――事務所

P「……なんか、腹が減ったな」

未央「お?」

みく「どこか行くの?」

アナスタシア「ごはん、行きますか?」

P「食いつきがいいな……なんだ? どこか行きたいところでもあるのか?」

未央「行きたいところ……行きたいとこ。私はないかなー。ちょうどお腹減ってたってだけ」

みく「みくもべつに……魚じゃなかったらいいにゃ」

P「そうか。アーニャは?」

アナスタシア「……なんでもいい、ですか?」

未央「いいよ! プロデューサーはいっぱいお店を知ってるからね!」

P「お前が言うのか……というか、俺はそこまで知ってるわけじゃないぞ?」

みく「でも、みくたちよりは知ってるでしょ?」

P「それは……まあ、そりゃあな」

未央「ってことで、アーニャ、何が食べたい?」

アナスタシア「ンー……食べたいのは、肉じゃが、ですね」

みく「そう言えば、アーニャンは肉じゃがが好きなんだったっけ」

アナスタシア「ダー。ロシア料理も好きですけど……どちらかと言えば、和食の方が好きかもしれません」

未央「でも、肉じゃが……肉じゃがかー。お店で肉じゃが、ってあんまり見ないかも。プロデューサー、知ってる?」

P「ああ、一応。居酒屋みたいなもんだが……『お酒も出す店』って感じだから、ギリギリセーフか?」

みく「お酒が出る店でアウトならだいたいの店がダメになっちゃうし、セーフじゃない?」

P「まあ、そうか。……でも、絶対酒飲みたくなるんだよな、あそこ」

アナスタシア「プロデューサー、お酒、飲みますか?」

P「さすがに我慢するよ。アーニャがもうちょっと大きくなったら、一緒に飲もうか」

アナスタシア「ダー♪ ミオもみくも、一緒に飲みましょうね?」

未央「そうだね! 楽しみ……って、割りともうすぐ?」

みく「もうすぐ、って言っても、あと二年以上はかかるけどね」

P「……そう言えば、お前らもう高三か。時が過ぎるのも早いな」

未央「ちょっと大人になった未央ちゃんたちにドキドキしちゃう?」

みく「する?」

アナスタシア「しますか?」

P「ああ。こいつら受験生になったけど大丈夫かなってドキドキする」

未央「それは今言わないで」

みく「やめて」

P「……自分で言っててなんだが、お前ら結構勉強できる方なんだから、そこまで心配いらないだろ? な、アーニャ」

アナスタシア「ダー。私、大学生になるのも楽しみですよ? 二人は違いますか?」

未央「いや、大学生になること自体は楽しみなんだけど……みんな、かなり忙しそうだったから……」

P「アイドル続けながらだもんな。というか、お前ら全員進学か? そりゃ、個人的には進学を進めてはいるが」

みく「それはやっぱり、つぶしがきくから?」

P「だな。それに、大学で何かやりたいことが見付かるかもしれない」

アナスタシア「私、星についてもっと知りたい、ですね」

P「アーニャもこう言ってるし……あ、そう言えばアーニャ。もう志望校とかは決めてるかもしれないが、一応、宇宙とか天文関係に強いところを調べておいたからまた資料を渡すよ。どこがどういう研究をしているのか、ってのもある程度まとめておいた。参考にしてくれ」

アナスタシア「スパシーバ、プロデューサー。ちゃんと確認しますね」

未央「お、おお……み、みくにゃん、見た? なんか……受験生っぽいこと話してる……」

みく「みくたちも受験生だけどね。志望校、まだ決めてないからそろそろ決めなきゃいけないかな……」

P「やっぱり周りの子とかは決めてる子も多いのか?」

みく「はっきりと決めてるー……って子はそんなに多くないかな。『あそこに行きたい』って決めてる子も結構いるけど、ある程度のレベルを決めている、ってくらいの子が多いと思うにゃ」

P「そんなもんか。確かに、高三になる前に志望校、あるいはある程度のレベルを決めて、そこからクラス分け……みたいなものもするところもあるだろうしな」

未央「むぅ……この一年は頑張らないといけない、ってことかな」

みく「もっと前から頑張るべきだけどね」

未央「正論は耳に痛いからやめてほしい」

アナスタシア「でも、ミオは勉強、できますね?」

P「そうなんだよな。こいつ、これで勉強できるからな」

みく「ちょっとむかつくにゃ」

未央「ちょ、ひどくない? うう、アーニャー、なーぐーさーめーてー」ギュー

アナスタシア「ふふっ……いいこいいこ、ですね」ナデナデ

P「完全に子ども扱いなんだが……というか、さすがにそろそろ行くか。話はあとでもできるし、お前らも準備してこい。準備できたら行くぞ」

未央「はーい」

みく「うん」

アナスタシア「ダー♪」


――店内

未央「ほうほう、こういう感じですか」

P「どういう感じだよ」

未央「なんか、ドラマで見るような感じ?」

みく「あー……ちょっとわかるかも」

P「わかるか?」

アナスタシア「いい雰囲気のお店、ですね、プロデューサー」

P「お、気に入ってくれたか、アーニャ。さてさて、早速何を頼むか考えていくか」

未央「メニューはある、けど……壁にも色々貼ってあるね」

P「メニューに載ってないのが壁にあったりするから注意だな。肉じゃがは確定として……」

みく「Pチャンはいつも何を頼むの?」

P「枝豆と唐揚げが確定で、揚げ出し豆腐とかも割りと頼むな。出し巻きたまごとかも個人的には好みだな。酒を飲む時じゃなかったら生姜焼きとかもいい。あと、カレーとかもある。これがまたうまくてな……」

未央「たくさんあるんだね」

アナスタシア「ンー……迷いますね」

みく「あ、とん平焼き。とん平焼きなんてあるにゃ。Pチャン、みく、とん平焼きほしい」

P「さすがはみく。お目が高い。うまいんだよなーとん平焼き。って、ソースの味なら大阪出身だし、みくのが詳しいか?」

みく「どうだろ。わからないにゃ」

アナスタシア「あ、お刺身もありますね」

みく「……アーニャン? いや、頼んでもいいけどね。みくは食べないってだけで」

未央「ポテトサラダとかもあるんだ。おいしい?」

P「割りとなんでもうまいぞ、ここは。あー、ホタルイカの沖漬けとかもいいな……」

みく「そういうの頼んだらお酒欲しくなっちゃいそうだけど」

P「ぐ……わ、わかってるよ。こういう時はな、酒の代わりに白ご飯を食べるんだよ!」

アナスタシア「あんまり食べ過ぎちゃダメ、ですね? プロデューサー」

P「……気遣いありがとう、アーニャ」

未央「餃子にハムエッグに野菜炒めに、焼きそばとかもあるんだ。お茶漬けに卵かけごはんにウィンナーに……おでんとか、筑前煮とかも? うーん……これだけあると、迷っちゃうなー」

みく「もう適当に頼んじゃう? もし余ったらPチャンが食べてくれそうにゃ」

P「そういう適当なのやめてくれ。……えーと、今のところ確定なのは、肉じゃがにとん平焼き、それから枝豆か」

みく「枝豆確定なんだ……」

アナスタシア「私、揚げ出し豆腐がほしいです」

P「お、それじゃあ揚げ出し豆腐も確定、っと。他は?」

未央「白ご飯……って、やっぱりいるかな?」

P「俺は欲しい。んー……白ご飯があるならそんなにいっぱい頼む必要もないか?」

みく「かもね。食べきれなかったら困るし……もしまだ何かいりそうだったら、あとで頼めばいいんじゃない?」

P「それもそうだな。じゃ、とりあえずこれで頼むか。いいか?」

アナスタシア「ダー」

みく「みくもいいよ」

未央「うん! ……あ、唐揚げやっぱりほしいかも」

P「了解。それじゃ頼むな。すみませーん!」


――

P「まずは枝豆、だな」

未央「みんなで適当につまんでもいい?」

P「もちろん」

未央「それじゃ、いただきまーす。……ん、おいしい」

みく「粒がしっかりしてるね」

P「ここのはちょっとかためなんだよな。それで豆の味がしっかり感じられる。これがいいんだよなー」

アナスタシア「ん……おいしいですね。あと、ぽちぽち、楽しいです♪」

未央「枝豆って、こうやって食べるのがいいよねー。なんだか、ずっと手を動かしちゃう」

P「それも醍醐味だよなー。手が止まらなくて、いつの間にかなくなってる」

みく「……Pチャン、ペースはやくない?」

P「それは謝る。でも、止まらないんだよ……クッ、静まれ、俺の右手……!」

アナスタシア「プロデューサー、どうかしましたか?」

P「……ふざけてただけだから、ちょっと本気目に心配されると困るな」

みく「アーニャンの前でやるからにゃ」

P「みくが冷たい……アーニャ、癒やしてくれ……」

アナスタシア「みく、プロデューサーをいじめちゃ、めっ、ですよ?」

みく「今のみくが悪いの!?」

未央「まあまあ、おふざけはそれくらいにして、そろそろ来そうですよ?」

みく「未央チャンに『おふざけはそれくらいにして』って言われるのは複雑だけど……そうみたいだね」

P「ん……一気に来たな。どれから食べるか……」

未央「未央ちゃんは唐揚げから! んっ……熱々……でも、おいしい!」

みく「衣は結構薄めだね。噛んだだけでじゅわっと汁が溢れ出てくるにゃ」

アナスタシア「味もしっかり付いてますね? 味は濃いめ?」

P「だな。じゃあ俺は揚げ出し豆腐……あー、うまい。なんで揚げ出し豆腐ってうまいんだろうな……」

みく「みくはとん平焼きー。……うん、おいしいにゃ。たまごはとろとろで、ソースの味もしっかりしてて。みくはとん平焼きはソースが甘めなのが好みなんだよね」

未央「とん平焼きって、たまごと豚バラ肉……だったっけ? それにソースをかけたー、みたいな」

P「だな。って、関西には多いけど、こっちにはそこまで多くないか。未央とアーニャは初めてだったりしたか?」

未央「私は一応食べたことあるかな。アーニャは?」

アナスタシア「私は初めて、ですね。……んん、おいしいです!」

P「こういうソースの味ってなんでこんなおいしいんだろうな。何と言うか、においだけで食欲が刺激される。あと、とん平焼きってすぐなくなるんだよなー」

みく「とん平焼きにも色々あるけど、具材としてはそこまで多くないからね。お好み焼きよりも『ファーストフード』って感じがあるにゃ」

P「いか焼きみたいなもんか?」

みく「そうかも」

アナスタシア「いか焼き、ですか?」

未央「屋台で売ってる感じの?」

P「あー、そうじゃなくてだな……なんて説明すればいいんだ。粉もんなんだが……」

みく「クレープみたいなのを想像すればいいかな。小麦粉の生地でイカの切り身を包んで、それにソースを塗るの。もちもちしてて、おいしいにゃ」

未央「ほうほう……大阪に行った時にでも食べたいですなー」

アナスタシア「おいしそう、ですね? アーニャ、もちもち、好きです」

P「じゃ、また大阪に行く時にでも食べに行くか。……んー、やっぱりうまいな、とん平焼き。白ご飯で食べるのもまた良い……」

未央「それじゃ、そろそろ……今回の大本命、肉じゃがにとりかかりますかー!」

アナスタシア「ダー♪」

みく「牛肉、じゃがいも、玉ねぎ、しらたき、人参……みくの家でつくるのとだいたい同じかも」

P「まあ、そこまで変わらないんじゃないか? しらたきとか人参とかは家によりそうだし、あと、絹さやとかも入れるとこは入れるか」

未央「まあ、それはいいとして……早速、食べてみましょうか!」

P「だな」

アナスタシア「……ンー、フクースナ♪ おいしいです!」

みく「あ、結構じゃがいもがゴロゴロしてるね。お店のって、ほくほくしてるイメージだったかも」

未央「確かに。でも、ゴロゴロしてるけど、味がしっかりと染み込んでて……これ、おいしいね!」

アナスタシア「なんだか、お家の味、みたいですね?」

みく「ん、そう言えば、そんな感じかも。みくの家とは味付けがちょっと違うはずなんだけど……懐かしい味がする」

P「そうだな。確かに、家でつくるような肉じゃがだ。それがまた良いんだよ……」

未央「おふくろの味、ってやつ? プロデューサーも女の子の得意料理が肉じゃがだったりしたら嬉しい派?」

P「まあ、よく言うよな。女の子の得意料理が肉じゃがだったら嬉しい、って。個人的には肉じゃがにこだわらなくてもいいな。料理が得意なのもべつに必要ってわけじゃない。もちろん、得意だったら嬉しいが」

未央「ほうほう……つまり、プロデューサーくんは未央ちゃんにメロメロ、ってわけだね!」

P「お前料理そこそこって自分で言ってなかったか?」

未央「ふっふっふ……未央ちゃんも修行しているのですよ。今の私の料理を食べたら、プロデューサーはきっと漫画みたいなリアクションをするね」

P「そこまでか。それは楽しみだな。いつか食べたいところだ」

未央「お、それじゃあまた食べる? プロデューサーは何食べたい?」

P「んー、その時の気分にもよるからな……どうするか」

未央「また考えておいてね。私、頑張るから」

P「ああ。期待してる」

未央「うん。期待していてくれたまえ? プロデューサーくんっ♪」

みく「なんで二人はみくたちの前でいちゃいちゃしてるの?」

アナスタシア「私たちもいちゃいちゃ、しますか?」

みく「なんでそうなるにゃ」

P「……さ! それじゃ、肉じゃがを食べ進めるか!」

未央「だね!」

みく「あ、流された。……まあ、いいけど」

アナスタシア「肉じゃがとごはん、合いますね?」

P「そうそう、肉じゃがの牛肉と玉ねぎを乗せて簡易牛丼、みたいにするのが良いんだよな」

未央「あ、それおいしそう。私もやろーっと」

みく「とん平焼き、最後の一切れだけどもらっていい?」

P「俺はいいぞ」

みく「ありがと。それじゃ、もらうね」

未央「私は唐揚げをまたもらおーっと。唐揚げとごはんも合うよね」

P「ごはんはなんにでも合うからな! 厚揚げ豆腐とごはんでもいける」

アナスタシア「ンー……♪ ぜんぶ、おいしいです。幸せ、ですね?」

P「そうだな。幸せだ」

未央「こんな美少女たちと一緒にごはんが食べれて?」

P「……まあ、それもある」

未央「私たちも、プロデューサーと一緒にごはんが食べれて幸せだよ」

P「……そう言ってくれると、嬉しいよ」

みく「いい雰囲気のところ悪いけど、アーニャンが肉じゃがどんどん食べ進んじゃってるよ」

P「マジか! アーニャ、アーニャ、俺ちょっとしらたきほしい」

未央「私はお肉!」

アナスタシア「ダー♪ それじゃ、取り分けますね」

みく「そう言えば、まだ何か頼むの?」

P「んー……俺はまだいけるが、お前らは?」

未央「まだちょっと入るかも?」

アナスタシア「私もです」

みく「みくも。……まあ、残ったらPチャンが食べるでしょ?」

P「……あんまりいっぱい頼むなよ?」

未央「私、ちょっとカレー食べたいかも!」

みく「あ、みくもちょっとほしいかも」

アナスタシア「私も少しほしいです」

P「また結構大きいのを……ああ、もう、俺も食べたくなってきた。ここのカレーは一日置いたカレーっぽくて、たまにめちゃくちゃ食べたくなるんだよな」

未央「そう言えば、出し巻きたまごもおいしかったんだっけ?」

みく「ちょっとほしいかも」

アナスタシア「ダー」

P「わかった! それも頼むか! ……というか、もう、好きなの頼むか! すみませーん!」





これにて今回は終了です。
こういう店、好きなんですよねー。なんか、頼んだらなんでも出してくれそうなくらいなんでもある感じなのに、何を頼んでもおいしいっていう。ずるい。

今回はあんまりいちゃいちゃしてないですね。まあ複数人の時はだいたいこんな感じ? あと、食べているシーンで終わるっていうのは初めてかも。
孤独のグルメも始まって色々とごはんが食べたくなる季節ですね。スープカレーが食べたいです。でも今これ書いてて出てきたの食べたくなってきました。肉じゃがも、考えてみるとあんまり食べる機会ないなー……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですが劇場アニメ始まりましたね。
いったいどの回がアニメ化するのか全然読めないです。未央はどの回かなー、とか考えてます。この三人の回とか個人的には好きです。

ちょっと話題が遅いですけど、最近はカーナビニュージェネちゃんと一緒にドライブするのが楽しいです。未央が結構喋ってくれる。未央の台詞に台詞を返してさらにこの台詞を言ったらたぶん未央はこう言うだろうなーとかどんどん考えていくのも楽しいです。

改めてありがとうございました。


――外

未央「甘いものが食べたい」

P「ん? なんだ、いきなり」

未央「未央ちゃんは仕事で疲れたのです……疲れた人には甘いものが必要なのです……そうは思いませんかね? プロデューサーくん」

P「ああ、お疲れ様。でも、いつもならもうちょっとガッツリしたものー、とか言わないか? 肉とか」

未央「確かにお肉も好きだけど、今日は甘いものを軽く食べたい気分なの! というか、自分でもそう思わせるような言動をしてきた自覚はあるけど、私も一人のかわいい女の子。そして女の子と言えば甘いもの、でしょ?」

P「自覚あるのかよ。……でも、そうだな、甘いもの、食べに行くか」

未央「お、いいの?」

P「いいよ。いつものことだろ?」

未央「えへへ、それはそうだけど……改めて、未央ちゃんのわがままを聞いてくれるプロデューサーは優しいなーって」

P「これくらいのわがままならいくらでも。それで、どこか行きたいところはあるのか?」

未央「うーん……プロデューサーはオススメとか、ある?」

P「オススメ……いくつかは知ってるけど、こういうのは未央の方が知ってるだろ?」

未央「かもね。でも、今日はプロデューサーのオススメのお店に行きたいなー」

P「今日は、って言ってるけど、いつも、じゃないか?」

未央「そうとも言うー」

P「まったく……それじゃ、行くか。未央はもう知ってて、行ったこともあるかもしれないが、俺も食べたくなってきたからな」

未央「ほうほう、それはいったい?」

P「クレープだな。確か、前に美嘉とかがSNSに上げてたような……」

未央「美嘉ねー! それじゃ、私も知ってるかなー。行ったことあるかどうかはわからないけど!」

P「まあ、行ってみないとわからない、か」

未央「だね。あ、そう言えば、美嘉ねーが食べた時って、プロデューサーも一緒だったりしたの?」

P「いや? その時は違うな」

未央「じゃあ、プロデューサーは一人で行ったってこと?」

P「一人で、ではないな。あの時は……凛と藍子が一緒だったか」

未央「しぶりんとあーちゃん? ってことは……カフェみたいな? あーちゃんのオススメ、とか?」

P「違う違う。藍子じゃなくて、凛の勧めで行ったんだよ」

未央「しぶりんが? ちょっと珍しいかも。チョコレートじゃないのに」

P「お前の中の凛、チョコレート好き過ぎだろ……凛も美嘉か誰かから聞いた、って口ぶりだったからな。それでちょうど話題に出たから、じゃあ行ってみるか、って流れでな」

未央「それでおいしかった、と」

P「そういうことだ」

未央「ほうほう……なんだか、期待できますなー」

P「期待させて食べたことあったら悪いけど、な。……とりあえず、行くか」

未央「おー♪」


――店の前

未央「ここ?」

P「ああ。持ち帰り専門店、だな」

未央「ほうほう……なんだか、雰囲気もいい感じだね。おいしそう」

P「その反応だと、来たことはなかったか」

未央「うん。美嘉ねーが上げていたのを見た記憶はあるけど、それくらいかなー」

P「そうか。それで、未央は何にする?」

未央「んー……色々あるんだね。あと、思っていたよりも高級……」

P「それはそうだな。でも、せっかくだ。高いのでもいいぞ?」

未央「高いの……いや、でも、こういうところって、高いのだからっておいしいってわけでもないでしょ? そもそも、いちばん安いのでも高いし……プロデューサーのオススメは?」

P「俺? 俺は……こう言うとなんだが、初めてならいちばんシンプルな、焼きメレンゲと生クリーム、ってやつだな」

未央「ほうほう……じゃあ、私はこれにするね」

P「いいのか? もっと高いのじゃなくても」

未央「ううん、私も、初めてならシンプルなのの方がいいかなー、って思うから。……それに、おいしかったら、また来ればいいでしょ?」

P「また連れてこい、って?」

未央「ダメ?」

P「……いいよ。それじゃ、俺もこれにするか。頼んでくる」

未央「はーい。待ってるね、プロデューサー」


――

P「ん、これだ」

未央「ほうほう、これが……なんか、高級感漂う、って感じだね」

P「だな。……食べるか」

未央「うん! それじゃ、まずは一口……」カプッ

未央「……ん!?」

未央(うわっ! うわ、うわ~っ! すごい、これ、おいしい!)

未央(生地は香ばしくて、でもしっとりとしていて、もう、生地からおいしいんだけど、生クリームもまた良くて、それから、焼きメレンゲ、焼きメレンゲがさくっとした食感で、口の中ですぐに崩れて……すっごくおいしい!)

未央(これ、ちょっと感動的かも……なんだか、昔想像していた『雲を食べてみたい』って夢が叶ったみたいな感じ……それくらい、おいしい)

未央(あー……美嘉ねー、しぶりん、あーちゃん……知っていたなら教えてよ……これ、もっと早く知りたかったかも……!)

未央(あー、でも、もし先に知ってたら初めてがプロデューサーと一緒じゃなかったかもしれないわけで……いや、まあ、初めてがプロデューサーと一緒じゃないといけないってわけでもないんだけど、でも、うーん……もういいや! とにかく、もう一口)パクッ

未央「ん~!」

未央(おいしい! 生地がちょっとカリッと香ばしいのと、焼きメレンゲのさくっとした食感。これがもう楽しくて、そこに生地のしっとりとしたのと生クリームが合わさって……なんだか、天国みたい。夢心地、って感じ)

未央(ここ、知っちゃいけない店だったかもしれない……結構なお値段するのに……か、通っちゃいそう……)

P「どうだ? 未央」

未央「すっごくおいしい! 知っちゃったのちょっと後悔するくらいおいしいし、知らなかったのを後悔するくらいおいしい!」

P「あー……その気持ち、わかるかもしれない。なんだろな、これ。本当にうまくて、すぐなくなる。他のも絶対おいしいんだろうが……」

未央「このシンプルなのがもうめちゃくちゃおいしいってわかってるもんね」

P「そうなんだよ。だから、なかなかなー……」

未央「……それじゃあさ、プロデューサー」

P「ん?」

未央「次来る時は……どっちかがこれを頼んで、もう一つは、別のにしない? そうしたら、どっちも食べられる……でしょ?」

P「いいのか?」

未央「もちろん。いつものことでしょ?」

P「まあ、そうなんだが……なんか、一つ食べ切りたくなっちゃいそうなんだよな」

未央「……それはありえそうだけど、我慢してほしいな。ほら、大好きな未央ちゃんの間接キス付きだし?」

P「……それを言われると、素直にうなずけなくなるんだが」

未央「そう? ……でも、嬉しくない?」

P「黙秘する」

未央「あ、ずるーい」

P「大人はずるいもんなんだよ。……さて、もう結構な時間になってきたし、事務所に帰るか」

未央「ん、そうだね。暗くなる時間が遅くなってきたからあんまり感じなかったけど、もうこんな時間か」

P「送るか?」

未央「んー……いいや。プロデューサーも、遅くなっちゃうし」

P「俺はべつにいいんだが」

未央「私がよくないの! それとも、私の家に泊まる? 私の部屋に入っちゃう?」

P「泊まらないし入らない。……というか、そんなこと、簡単に言うなよな」

未央「プロデューサーじゃないと言わないよ。信じてるから」

P「……そうか」

未央「……でも、たまにはもうちょっと強引になってくれてもいいんですよ?」

P「っ……そういうことは、言うな」

未央「むらむらしちゃうから?」

P「そういうことは言うな! ったく……」

未央「えへへ、ごめんね、プロデューサー。……でも、本心だから、ね」

P「……わかってる」

未央「……えへへ」

P「なんだよ」

未央「なんでもなーい。プロデューサーもえっちだなーって思っただけ」

P「なっ……お前なあ、それを言うなら言わせてもらうけど、お前も結構えっちだからな?」

未央「えっ……そ、それを女の子に言うのはどうかと思うなー!」

P「お前から言っておいて何言ってんだよ。未央のえっち」

未央「だーかーらー! ……うう、これ、思ったより恥ずかしい……」

P「俺もいつもそう思っているんだから、お互い様だ」

未央「……プロデューサーは、私がえっちだったら、嫌?」

P「おっ……お前、ここでそれを言うか」

未央「……どうなの?」

P「……嫌じゃない、けど」

未央「そっか。そうなんだ。……ねぇ、プロデューサー」

P「……なんだ」

未央「……プロデューサーの、えっち」

P「ぐっ……否定できない……」

未央「……こ、これでもうお互い様! 終わり! プロデューサー、早く帰ろっ!」

P「そ、そうだな! 帰るか!」

未央「え、えっと……きょ、競争! 駅まで競争しよう!」

P「そ、そうだな! 競争! 競争するか!」

未央「うん! えっと、その……よ、よーい、どん!」

P「あっ! ちょ、未央、そのタイミングずる……はやっ! ちょ、はやい! 未央! 未ー央ー! ちょっと、ちょっと待ってくれ。さすがに現役アイドルに本気出されると勝てないんだが――」




これにて今回は終了です。
このお店は好きなんですよね! 個人的に初めて食べた時は感動するくらいでした。結構なお値段しますけど、それだけおいしいと思ってます!

今回は前回から割りと短いスパン。そのぶん長さも短い? かもです。いつもなら会話シーンも食事シーンももうちょっと長めかな?
次回も割りと早めに書けたらいいなーと思います。次はまた複数人……の予定ですが、未央と二人で今回よりも短いやつになる可能性もありますね。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですがまた東京のオススメのお店とかあったら教えてほしいです。いえ、前に教えてもらったのすら全然行けてないんですけれども。

そろそろまたチェーン店のとか書きたいなーと思いながらもどれを書こうか迷い中ー、みたいな状態です。次はチェーン店ではない……と思いますが。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あ、改めてありがとうございました、でした。どうでもいいですけれども。

未央「むむ……」

P「どうした? 未央」

未央「あ、プロデューサー……プロデューサーなら、いいかな?」

P「いいかな? って言われてもな。何の話だ?」

未央「プロデューサーくんは、フライドチキンとピザが融合したものを食べたことはあるかな?」

P「フライドチキンとピザ……って、そういうことか。未央なら一人で行くかとも思ったんだが」

未央「いやー。さすがに未央ちゃんでもあれを一人で食べるのはちょっと厳しいと言いますか。女の子だけでー、って言うのも、ちょっと厳しそうだし」

P「まあ、付き合ってくれる子もそんなにいないか」

未央「そゆことそゆこと。ってわけで、行かない? プロデューサー」

P「ん、行くか。俺も今回のはまだ行ってなかったからな」

未央「今回の……ってことは、前回のは行ったの?」

P「ああ。前のは、思っていたほどはこってりじゃなかった、って感じだったが……今回のは期待できそうだ」

未央「むぅ……私も好きなことは知ってるんだから、連れて行ってくれたらよかったのにー」

P「俺が行ったのは割りとギリギリだったからな。未央はもう行っていたのかと思っていたんだよ」

未央「まあ、今回連れて行ってくれるなら許してしんぜよう」

P「ありがたき幸せ。それじゃ、行くか」

未央「おー♪」


――店の中

未央「まさか三ツ星フィレサンドなんてものがあるなんて……」

P「まあ、アレを二人でわけるならそれも食べてちょうど、ってなもんじゃないか?」

未央「プロデューサー基準で言わないで……もしお腹いっぱいになったら、またプロデューサーにおんぶでもしてもらおうかなー」

P「アレ、結構疲れるからできればやめてほしいな」

未央「アイドルをおんぶできるなんて、むしろ幸せじゃないかな?」

P「それとこれとはべつだ」

未央「えー……あ、来たよ」

P「ん……それじゃ、どっちから食べる?」

未央「CHIZZAからで!」

P「そうか。……やっぱり、箱に入っている状態でもうインパクトあるな」

未央「開けよ開けよ」

P「わかった。それじゃ、オープン」

未央「おおー……思ったより、大きくない?」

P「どれくらいの大きさを想像してたんだよ……」

未央「宅配ピザ……みたいな?」

P「そんなもん食いきれるか」

未央「プロデューサーならいけるかなーって」

P「無理だよ……でも、今回のはチキンの上にビーフを乗せるとかいうバカみたいなことをしているからか、さらにインパクトが強いな」

未央「フライドチキンの上にチーズにプルコギ! ……大きさは思っていたほどじゃなかったけど、これはこれは、健康に悪そうな……」

P「でも、だからこそうまそうなんだよな……ザ・ジャンク! って感じで、最高だ」

未央「未央ちゃんもこういうのはこういうので大好きですよ。……とりあえず、一切れもらうね」

P「ああ。俺も一切れ……っと」

未央(……あれ? 手で持つだけで油でべとべとになるかと思ったけど、それほどでもない……そう言えば、プロデューサー、前回のは思っていたほどこってりじゃなかった、って言ってたっけ)

未央(フライドチキンの部分は油でギトギトって感じじゃなくて、結構あっさりなお肉を使っているのかな? まあ、それでも十分こってりな気はするけど……)

未央(……まあ、食べてみないとわからないってことで、いただきまーす)パクッ

未央「……んー!」

未央(ジャンク! これぞジャンクフード、って感じだ! 一口食べただけでガツン! ってくる。前のはどうだったかわからないけど、これはこってりしてる……でも、それがいい!)

未央(この土台に使われているチキンは……フィレサンドのチキンっぽいかも? チキンだけなら割りとあっさりめだけど、チーズとマヨネーズ、それからプルコギでこってりがどどどーんと上乗せされて、一気に口の中がこってりになるような……なんか、うまい表現が見つからないけど、そんな感じ)

未央(……プルコギも甘辛い味付けでいい感じ。ピザ屋さんのプルコギみたいな……確か、ここのお店の系列にピザ屋さんもあったんだっけ? なら、それと同じか、それに近い感じだったりするのかも。割りとそんな感じするし!)

未央(肉々しくてジューシーで……これはなかなかすごいね。でも、量はさすがに食べられないかなー。手も、最初はあんまり汚れないかな、って思ったけど、気付けば油でギトギトになってるし)

未央(んー……それじゃ、次は三ツ星フィレサンドにいってみよー。ミツボシと言えば未央ちゃんですからね。これはきちんと食べて確かめなければ!)

未央(えーっと……おお、バンズからちょっと違うんだね。さすが三ツ星。ベーコンと……これ、なんだっけ。ラタトゥイユ? が入ってる。あと、チーズも)

未央(バンズはふわふわ……もちもち? なんだか、このバンズだけでもおいしそうな感じ。さてさて、お味のほどは……)パクッ

未央「……ん!」

未央(あ! これおいしい! チキンフィレサンドは結構食べてるけど、これはこれでいいなー。チキンの旨味はいつも通りなんだけど、そこにベーコンとチーズが合わさって、さらに旨味が強力になっている……的な?)

未央(あと、ラタトゥイユもいい仕事してる気がする。これは……酸味? かな? バンズもいいなー……小麦味、って当然か)

未央(いつものはいつものでいいけど、贅沢なお味。うん、余は満足じゃー……なんちゃって)


――店の外

P「うまかったな、未央」

未央「うん、おいしかったー……でも、あんまり食べ過ぎるのはダメだね」

P「それはまあ、なんでもな。しかし、個人的には前のよりもガツンと来て良かった。やっぱりこういうのは、やるならバカみたいにこってりしたものにしてほしいよな。何なら、さらにこってりと、油まみれになるみたいなのでも俺はよかったんだが……」

未央「それだと私はキツそうだからやめてほしいかも……私は今回くらいでいいかなー」

P「三ツ星フィレサンドもよかったな。さすが三ツ星」

未央「さすが私」

P「なんでだよ。……そう言えば、未央、大丈夫なのか?」

未央「うん? 何が?」

P「苦しくなってないか、って。おんぶが必要かどうか、だな」

未央「意外と大丈夫だったね。でも、おんぶしてくれるなら頼んじゃおっかなー?」

P「ならしない。自分で歩け」

未央「はーい。あ、ねぇねぇプロデューサー。今度の仕事のことなんだけど……」



これにて今回は終了です。
前のCHIZZAの時書いてなかった……ですよね? なかったはず。書いてたら矛盾が生じちゃいますがスルーして下さい!

あと、そもそもCHIZZAも三ツ星フィレサンドももうやってないかもしれない……やってなかったら書くの遅すぎましたね。すみません。やっているならどっちもおいしかったのでオススメです! 

今回は間空いた割に短め! 書いてる途中のを抜かしてちょっと短めの書いたらささっとできたので、これくらいの長さのをぽんぽん書いた方がいいのかもしれない……。実際できるかどうかはわからないのですが!

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですがしんげき! さんふらわー! めっちゃ良い……かわいい……。
しんげきいつまでも続いてほしい……さんふらわーCD発売楽しみ……メロディも歌詞も好き……色んな感情があふれる……。

次回は複数人……って前も言ってできなかったしさらにめちゃくちゃ間が空いたりとここに書いたことあんまり実行できてない感あるのでどうなるかわかりません! 早めに更新できたらいいな……とは思います。

改めてありがとうございました。


――事務所

P「中華を食べたい」

菲菲「ワタシ、作ろうカ?」

未央「お! ふぇいふぇいの中華? 久しぶりに食べたいかも!」

P「あー……そう言われると俺も食べたくなってきたが、そうじゃなく」

のあ「……外食?」

P「だな。……というか、のあ。いたのか」

のあ「……貴方が認識していなかっただけ。でも、そう言われるのは……なかなかに、新鮮ね」

P「確かに、俺ものあに気付かないなんて、自分でも驚いた。ごめんな」

のあ「いいえ……非難しているわけではないわ」

P「そうか?」

のあ「ええ……だから、続きを」

P「ん。まあ、のあの言う通り外食に行きたい……中華を食べに行きたいな、と思ったんだよ」

未央「ほうほう……つまり?」

P「……お前ら、一緒に行かないか?」

菲菲「行くヨー!」

のあ「行くわ」

未央「私はもちろん! それじゃ、行こー!」


――外

未央「それで、どこの中華屋さんなの?」

P「んー……そんなに遠くない。歩いて行ける距離だな」

未央「ほうほう。近所の中華屋さん……なんだか、いい感じの響きですなぁ」

P「そうか? ……というか、菲菲にも来てもらったが、口に合うかな。菲菲は香港出身だから……広東料理?」

菲菲「うーん……たぶん、大丈夫ダヨ? 日本のお店は日本人の舌に合うようになっていることも多いし、別物だからネ」

P「まあ、だいたいそういう店だよな。一応、今回行くところは四川料理……と言っているが、まあ、それだけじゃないっぽいからな」

のあ「四川料理……香辛料による刺激……麻と辣ね」

未央「まーとらー?」

P「麻辣味。唐辛子の辛さと花椒の辛さだな。四川料理と言えばコレのイメージが強いな」

未央「ほあじゃお……聞いたことはあるね!」

P「花椒がそこまで使われている料理ってあんまり食べる機会はないからな。でも、言ったことなかったか?」

未央「あったっけ? うーむ……思い出せない」

P「今回行くところは……確か、担々麺が人気だな」

菲菲「担々麺……香港にもあるケド」

P「香港式の担々麺は日本式に近いんだっけか。今回行くところは……どうなんだろうな。他のところで食べるのとは違うんだが、本場に行ったことがあるわけじゃないから、四川の感じかどうかはわからない」

のあ「……汁は、どれくらいあったのかしら?」

P「汁……それは、割りと普通だったかな」

のあ「それなら……貴方の言う本場……四川省で食べられているものとは違うかもしれないわ。本場では、汁なしが多いから……」

未央「汁なし担々麺?」

菲菲「コンビニで売られているのを見たことあるネ!」

のあ「そうね……私も、なかなか好きよ」

未央「あれはおいしいよね。……あ、そう言えば、あれに入ってるのって……花椒?」

P「だな。と言うか、未央はまだいいとして、菲菲とのあもコンビニに行ってそういうの買ったりするんだな……」

菲菲「便利だからネ!」

のあ「便利だから」

未央「……未央ちゃんが『まだいい』扱いされたのはちょっと思うところがあるけど、二人の口からそういう言葉を聞くと……なんか、イメージが……」

P「どうしてか、あんまりないよな。でも、よく考えればお前らもコンビニくらい行くよなぁ……」

のあ「……P」

P「ん? なんだ、のあ」

のあ「あそこにあるのが、今日行くところかしら」

P「んー……あ、そうだな。もしかして、行ったことあったか?」

のあ「いえ、ないわ。ただ、話から推測するとここと思ったのよ」

未央「へぇ……たかみー、すごいね。私、全然わからなかったよ」

菲菲「ふぇいふぇいもわからなかったヨ! すごいネ!」

のあ「……言われるほどではないわ」

P「まあ、『担々麺』って思いっきり書いてはあるからな……とりあえず、入るか?」

未央「うん! 入ろー!」


――店の中

未央「ほうほう……なんだか、街の中華屋さんー、って雰囲気とはちょっと違うね」

P「かもな。で、何にする?」

菲菲「ワタシは担々麺!」

未央「私もー!」

のあ「私も」

P「俺もだな。あと、麻婆豆腐とか、餃子とかも頼みたいな。それでいいか?」

未央「うん!」

菲菲「麻婆豆腐に、餃子カー……うん、楽しみだネ!」

のあ「どれほどの刺激が得られるのか……期待しているわ」

P「それじゃ、頼むな。すみませーん」


――

未央「まずは麻婆豆腐と餃子が来たね。」

菲菲「麻婆豆腐……辛そうダネ」

P「実際、結構辛い。まあ、適当に食べていくか」

のあ「……私は、麻婆豆腐からいただくわ」

未央「じゃあ、私は餃子から!」

菲菲「ふぇいふぇいも餃子からもらうヨ!」

P「ん。じゃ、俺は麻婆豆腐から……いただきます」

菲菲「いただきます」

のあ「いただきます」

未央「いただきまーす」

未央(さてさて、この餃子だけど……焼餃子で、結構大きい。大ぶりの餃子だね)

未央(見ているだけじゃわからないし、それじゃあ早速……)パクッ

未央「……あふっ」

未央(んっ、熱っ、噛んだらなんか、すごい、肉汁が……ふぅ。ちょっと落ち着いた)

未央(これ、おいしいなぁ……噛んだ時に溢れ出してきた肉汁にはちょっとびっくりしたけど、お肉と野菜の旨味がいっぱい、って感じの餡に、カリッとした皮。なんだか、小籠包と餃子を組み合わせたみたいな感じ? なかなかに新感覚かも)

未央(うーん、おいしかった。じゃあ次は、麻婆豆腐を……の、前に)

未央「プロデューサープロデューサー」

P「ん、なんだ?」

未央「麻婆豆腐って……その、私が食べられるくらいの辛さ?」

P「うーん……どうだろうな。のあはどう思う?」

のあ「……私より、Pの方がわかっていると思うけれど」

P「それじゃあ、麻婆豆腐の感想で」

のあ「……この刺激は、なかなかのものね。花椒が効いている。ピリッと舌が痺れるような刺激……でも、同時に強烈な旨味もある。……私はこれにさらに山椒を入れるけれど、これなら、食べられるんじゃないかしら」

未央「ほほー……たかみー、ありがとう! 餃子はおいしかったけど、熱いから気を付けてね」

菲菲「本当に、おいしかったけど熱かったヨ……」

P「あ、そういや、注意してなかったな。忘れてた」

未央「もー……まあ、いいや。とりあえず、麻婆豆腐ももらうね」

菲菲「ふぇいふぇいももらうヨ」

P「ん。それじゃ、俺は餃子を……」

未央(さてさて、それじゃあ、麻婆豆腐をもらおっかなー。えーと、これを使って食べればいいのかな? ちょっとすくって……)パクッ

未央「ん……? ……んっ」

未央(あっ、これ、結構辛い。ぴりぴりする。これにさらに山椒を入れるって、たかみー……でも、うん、おいしい。たかみーの言う通り、辛さの中にしっかりと旨味もあって、食べやすい)

未央(というか、この刺激が、さらなる一口を求めてしまう……! 花椒が効いていて、でも強すぎるわけじゃなくて……このバランスがそうさせているのかな。あー、もう一口!)パクッ

未央(辛い! でも、おいしい! ……ちょっと、ごはんが欲しくなるかも。って、食べてから考えても遅いんだけど。……次来る時は、ごはん、あったら頼もうかなー)

未央(あ、そう言えば、菲菲は――)

菲菲「……」

未央「……菲菲、辛い?」

菲菲「……ちょっと、辛いネ。でも、おいしいヨ」

のあ「そう。……食べられないのなら、私がもらったのだけれど」

菲菲「……あげないヨ?」

のあ「とらないわ」

未央「……みくにゃんとかにしてるのを見ると、あんまり信じられないんだけど」

のあ「みくはみくだから」

未央「答えになってないのに、なんか納得しちゃう……!」

P「まあ、みくとのあのはじゃれ合いみたいなもんだからな。そう他の人には――ちょ、のあ! それ、俺の餃子……!」

のあ「……余計なことを言うから」

P「お前……あー、もう、いいや。担々麺もそろそろ来るみたいだし」

未央「……たかみーがそういうことするの、ちょっと意外かも」

菲菲「……意外ダネ」

P「そうか? ……いや、まあ、確かに、俺も最初はアンドロイドか何かかよってくらいに思ってたからなぁ……」

のあ「私は人間よ」

P「知ってるよ。今はもう」

のあ「……そう。それなら、いいわ」

未央「私たちはアンドロイドだと思っていたわけじゃないんだけど」

菲菲「勝手に巻き込まないでほしいネ」

P「はっはっは。……さて、担々麺が来たな」

未央「流した……」

のあ「……ん。この香りは……」

菲菲「おいしそうだネ! 見た目だと……濃厚?」

P「割りと。と言っても、くどいほどじゃない……と思う。まあ、食べてみればわかる」

未央「だね。それじゃ、いただきまーす、っと」

未央(まずは……うん。スープを一口)ズズ……

未央「……ん」

未央(おお、やっぱり濃厚。クリーミーな感じ。辛さはそこまででもないけど、甘さもあって、ゴマの風味も結構あって……でも、うん、プロデューサーの言ってた通り、くどくない)

未央(それじゃ、次は具を混ぜて……あ、思ったよりも麺が多い。ということは、麺が売り、だったりするのかな? とりあえず、食べてみて……)ズズ……

未央「……ん!」

未央(あ! これ、いい! おいしい! 麺自体はつるつるしてるんだけど、スープがスープだから、絡みついてくる。そして、後味に辛さがぴりっと引き締めて……これ、ずるずるいけちゃう!)

未央(んー……おいしい。麺をずるずる啜るのが気持ちいいし、味もおいしい。何よりくどくないからいくらでもいけちゃいそうになる。濃厚なんだけど、ずるずるといっちゃって……)

未央(……ん。ちょっと、口の中が辛くなってきたかも。汗も出てきたし……でも、不快じゃない。むしろこれがいい。お箸が止まらない)

未央(担々麺って、そう言えば、そんなに食べたことなかったような気もするけど……おいしいな)

未央(……また、来たいかも)


――店の外

未央「おいしかったね、みんな」

菲菲「お腹いっぱいだけどネ……」

P「麺にスープが絡むからなぁ……見た目より量があるよな」

のあ「……また、一人で来るかもしれないわ」

P「お、のあも気に入ってくれたか」

菲菲「その時はふぇいふぇいも行きたいネ。今日で味も量もわかったから、次は調整するヨ!」

未央「おっとぉ? 他のメニューは気にならないのかな~?」

菲菲「あっ……確かに、他のメニューも気になるネ。その時は……」

未央「うん。分け合おうとも、ふぇいふぇい。たかみーも、いい?」

のあ「……ええ。その時は、一緒に行かせてもらいましょう」

P「いいのか?」

のあ「一人で来る時は勝手に来るから」

P「ああ、そういう……」

未央「せっかく近くにあるんだし、他の子も連れて来たいよね」

菲菲「そうダネ。確か、辛くないメニューもあったカラ……」

のあ「……私が誘うとしたら……」

P「あー……そろそろ帰るぞ。まだ余裕はあるが、一応な。お前らの予定は、確か……」



これにて今回は終了です。
中華のおいしいところが近所にあると嬉しいですよね。いや、中華に限らずおいしいところが近所にあると嬉しいんですけれど。

担々麺ってそんなしょっちゅう食べはしないんですけど、おいしいところで食べると「おいしい……」ってなりますね。なりました。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですが上位来たり色々ありましたね……。Mobage版にはフリトレがあるからやさしい。
作中でPがのあさんのことを「のあ」呼びにしているのはべつに複雑な設定とかはないです。そう言えば大人組ってあんまり出したことなかった? ような気もしますね。これからもちょくちょく出していきたいような? そもそももうちょっとペース早めたいような。

たぶん次回は結構いちゃいちゃしちゃうんじゃないかなーと思っています。予定ですが。

改めてありがとうございました。

めちゃくちゃ遅くなりましたが今週中には投稿します。先に報告だけ。

未央「もう秋だね」

P「ちょっと肌寒くなってきたな。未央も、あんまり身体は冷やさないようにな」

未央「わかって……その、ちょっとお願いしたいことがあるのですが」

P「なんだ? 何かやましいことでもあるような言い方だが」

未央「や、やましいことってわけじゃ……身体を冷やさないように、って言葉とは反対になっちゃうんだけど」

P「反対……冷やすようなこと?」

未央「そう。それを、ちょっと、お願いしたいと言いますか」

P「……冷たいものでも食べたいのか?」

未央「お! それそれ! よくわかったねプロデューサー」

P「本当にそうだったのか……プールに行きたいとかじゃないだけ良かった、か?」

未央「プール……プールかー……プロデューサーが私の水着姿を見たいって言うなら、ついて行ってあげてもいいよ?」

P「行かない行かない。で、冷たいものって言うと、具体的にはどんな?」

未央「ふっふっふ……実はですね、今日は私の方がお店を探して来ているんですよ」

P「探して、か。行きたい店があっただけじゃなく?」

未央「うっ……ま、まあ、それはそれとして、とにかく! その店に行きたいわけなんですよ!」

P「ああ。べつにいいが……どういう店だ? アイス、とか?」

未央「アイス……とは、ちょっと違うかも。ヒントはそろそろ……もしかしたらもうやってないかもしれないってこと」

P「やってない? ってことは、夏だけ……。なんとなく、わかったような気もするな」

未央「そう? それで……いい?」

P「ああ、行こう。未央が連れて行ってくれる店ってのも楽しみだしな」

未央「楽しみにしてくれたまえー。それじゃ、行こっか、プロデューサー! 道は私が案内するから、付いてきて!」

P「ん、わかっ……引っ張るな引っ張るな。そんな急がなくても、店は逃げないって」


――店の前

P「ここか」

未央「うん。……さすがにそこまで人は多くないけど、一応、まだ人はいるね」

P「結構待つのか?」

未央「みたい。一人にかかる時間が結構長いんだって」

P「そうなのか。じゃあ、待ってる間に未央は勉強か」

未央「……い、今は、その、そういう時間じゃないから」

P「隙間時間に勉強することが大切……って、誰か言ってなかったか」

未央「い、言ってたけど……やっぱり、しなきゃダメ?」

P「……くっ。ふっ、ふふっ」

未央「何いきなり笑いだして……プロデューサー?」

P「悪い悪い。未央がいつも頑張ってることは知ってるよ。今は息抜きの時間だもんな。そんな時くらい、勉強しなくてもいいよな。俺だって、『勉強しろ』って言えるほど勤勉な学生だったわけでもないし」

未央「もー……でも、プロデューサーの学生時代かー。気になるかも」

P「特に面白いことは何もなかったから気にするな」

未央「そうは言っても、気になっちゃうものは気になっちゃうわけですよ。卒業アルバムとかないの? 学生の頃の写真とか」

P「ぜんぶ実家に置いてあるからない」

未央「それじゃあ今度持ってきてくれない?」

P「断る」

未央「むぅ……これは美嘉ねーやかれんにも言って手伝ってもらうしか……」

P「やめろ。絶対面倒なことになるから」

未央「だってプロデューサーは私の制服姿とか知ってるのに、私がプロデューサーの制服姿を知らないのって不公平でしょ?」

P「どこがだ。現役の学生とそれ以外じゃ別だろ。俺だって制服姿を知らない人も結構いるからな」

未央「ちひろさんとか?」

P「ちひろさんは前にコスプレで学生服着てるの見たな」

未央「……そう言えば、私も見たよ。でも、あれってちひろさんが通っていた学校の、なのかな? コスプレ用とかじゃなくて?」

P「どうなんだろうな。でも、学生時代の……って言うと、確かに見てみたいな」

未央「それと一緒で、私もプロデューサーの学生時代の姿を見てみたいわけですよ」

P「それは断るが」

未央「プロデューサーのケチ」

P「ケチ言うな」

未央「むぅ……いいもんいいもん。いつか絶対見せてもらうから」

P「はいはい。……ん、そろそろか。思っていたより早い、か?」

未央「だね。タイミングが良かったのかも」

P「と言っても、ここからまた待つ……ってこともあるんだが」

未央「その時はその時ってことで」

P「だな」


――店の中

P「結局、あれからすぐ呼ばれたな」

未央「ちょうどいい時間、だったのかな? それでプロデューサー、何にする?」

P「オススメとかはあるのか?」

未央「うーん……私も、知ってただけで来たことはないから……一番人気なのは、確か、カラメルミルクだったはず」

P「カラメルミルク……未央はそれにするのか?」

未央「そのつもり。プロデューサーは?」

P「……せっかくだから、他のにしようかな。このカカオミルク? にするよ。どういうものが出てくるのか気になる」

未央「ほほー……二人とも定番からは外れたね」

P「そう言えばそうだな。どうする? 俺はべつに他のでもいいが」

未央「ううん。そのままで。ファーストインプレッションは大事にしなきゃダメだよ、プロデューサーくん」

P「なんで横文字……まあ、そう言ってくれるならそうするよ」

未央「そうしたまえ」

P「何キャラだよ」


――

P「……来たな」

未央「来たね」

P「……これがかき氷。いや、かき氷なんだが……聞いた話以上だな」

未央「私も思ってた以上だよ。でも、おいしそう」

P「それはそうだな。とりあえず、食べて……なんか、崩れそうでこわいんだが」

未央「山みたい……というか、直方体みたい? だもんね。四角いかき氷」

P「まあ、注意して食べていくか」

未央「そうだね。それじゃ、いただきまーす」

P「いただきます」

未央(でも、本当に崩れちゃわないか心配……とりあえず、そーっとスプーンを……お、お? これ、大丈夫そうかも。食べ進め方によってはどうかわからないけど……うん。意外と、いける)

未央(スプーンですくっただけでも、氷がふわふわなことがわかる。カラメルと練乳がたっぷりかかっていて、その重さは感じるけど)

未央(……とりあえず、一口、食べてみよう)パクッ

未央「……ん!」

未央(ミルク! 甘い! からのカラメルの甘さと苦さ……おいしい! 氷に冷やされてなのか、とろっとしているだけじゃなくて、ちょっと固まっている感じのミルクとカラメルがいい感じに口の中で合わさって……おいしい)

未央(かなり甘いんだけれど、それが嫌にならない感じ? カラメルでほのかに苦いのがいいのかなー)

未央(氷はふわふわで……薄い氷の層が、何枚も重なっているような……口の中にいれると、それがふわっとほどけるような? それがミルクとカラメルと一緒になって……新感覚だけど、かき氷というか。不思議な感じ)

未央(んー……おいしい。結構甘いけど、ぱくぱく食べられちゃう。しーあーわーせー……)

P「そっちはどうだ? 未央」

未央「おいしいよ。プロデューサーの方は?」

P「おいしい。しかし、これがかき氷か。すごいな」

未央「それじゃ、ちょっとそっちも食べていい? 私のも食べていいから」

P「ああ。じゃあ、一口もらうな」

未央「うん。私もいただきまーす」パクッ

未央「……おー」

未央(チョコ! 思ったよりもチョコチョコしてる! ほうほうこれが……ティラミスっぽいような、違うような……チョコチョコしてるのにミルクの甘さがからまってきて……おいしい。アイスとはまた違うんだけど、アイスみたいな、かき氷みたいな……こっちも不思議な感じ。おいしいけど)

P「ん、こっちもうまいな」

未央「でしょ? プロデューサーのもおいしいね。食べてみたら、思ってたよりチョコチョコしてた」

P「ああ。かき氷に、ってどんなものかと思っていたが……合うな」

未央「合うね。……ね、プロデューサー。もう一口もらってもいい?」

P「ご自由に。その代わり、俺ももう一口こっちもらうな」

未央「どうぞどうぞ。……それじゃあ」パクッ

未央「……んー!」


――店の外

未央「おいしかったー!」

P「量も多かったが、食べ切れたな。その代わり、結構腹に来てるが……」

未央「それはそうかも。でも、頭がキーンってならなかったなー……削り方の違い?」

P「なんかそんなことも聞くな。実際そうなのかっていうのは経験するまで知らなかったが。……未央、身体、冷えてないか?」

未央「ちょっとだけ。さすがにあの量の氷を食べるとねー」

P「ならこれでも着とけ。大事な時期に身体を壊しちゃいけないからな」

未央「それはプロデューサーもでしょ? でも、ありがと」

P「どういたしまして。それじゃ、帰るか」

未央「うん。……ね、プロデューサー」

P「ん?」

未央「手、握って? 身体が、あたたまるまで」

P「……ん」ギュッ

未央「……えへへ。なんか、もうあったかくなってきちゃった」

P「……そうか」

未央「……手、はなさないの?」

P「……俺はまだあたたまってないから、もう少し、このままで」

未央「そっか」

P「ああ」

未央「それなら、仕方ないね」

P「ああ」

未央「……」ニギニギ

P「……なんだ? 俺の手が、どうかしたか?」

未央「ううん。ただ、プロデューサーの手だー、って思って」

P「なんか、くすぐったいんだが」

未央「……こちょこちょ」

P「んっ! ちょ、やめろ」

未央「ほほー。プロデューサーの手は敏感ですなー。ほれほれ、こちょこちょー。こちょこちょー」

P「何して……ああ、もう! むずむずするから、やーめーろー!」




これにて今回は終了です。
久しぶりの投稿になりました。特別忙しかったというわけでもなくただ遅れました。
私がこのかき氷を食べたのも夏からは少しずれて九月のことだったんですが、さすがに今だとやってないような気もします。でもやっているところはやっているような気もします。

おいしいかき氷ってどういうのだろうなーって思ってたんですけど、おいしいですね。おいしい。おいしいかき氷はおいしい。でも一人ではちょっと行きにくいかもしれない。

今回も結構短めだったような……次回は予定では複数人。長いかどうかはわかりませんができるだけ早めに……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですがめっちゃ色々なことありました。直近だと限定卯月の背景とか。久しぶりの三人イラスト? それはともかくめっちゃかわいい。
あとイリュージョニスタとかも。この一年間たのしい……。これからも色々と新展開というか確定していることもありますし、楽しみです。
しんげき、あの劇場とかやってくれないかなー……。

改めてありがとうございました。


――事務所

P「……ソース味のものが食べたい」

ちひろ「ソース味、ですか?」

P「あ、すみません。声に出てましたか」

ちひろ「そうですね。少し、休憩にしますか?」

P「そう……ですね。ちょうど一段落したところだったので」

ちひろ「で、ソース味、でしたか」

P「はい。なんか、たまに食べたくなるんですよね。ソース味のもの」

ちひろ「わかります。……言われると、私もちょっと食べたくなってきちゃいました」

P「お、じゃあ行きます? 予定が合うようなら、誰か他の人も誘って……」

ちひろ「そうですね! でも、いつにしましょうか。もうソースの口になっちゃってるので、できれば早めの方がいいんですが……」

P「俺もそうですね。んー……どうするか……」


ガチャ

未央「プロデューサー! みなみんが、みなみんがー!」

美波「ちょ、ちょっと未央ちゃん? 私はべつに、何もしてないと思うんだけど……」

P「……どうしたんだ? 未央、美波」

ちひろ「確か、未央ちゃんの勉強を美波ちゃんが見てあげていた……んですよね? 未央ちゃんは成績も良かったはずですし、そんな助けを求めるようなことにはならない気が……?」

未央「うぅ。ちひろさんの言う通り、ただ勉強を見てもらっていただけなら、私もこんなこと言わないよ? でも……でも! みなみん、私には厳しいんだもん!」

美波「そ、そんなに厳しいことはないと思うんだけど……」

P「あー……美波? いったい、未央に何をやったんだ?」

美波「え? ……未央ちゃんが思った以上にできる子だったので、私にできることくらいならできるだろうと思って、その、色々と」

P「なんか目が泳いでるんだが」

ちひろ「なんだか、教育ママみたいな発想ですね……」

未央「そう! それ! みなみん、こんな調子じゃお母さんになった時に大変だよ!? いくら未央ちゃんが頭も良くて運動もできるパーフェクトな美少女アイドルだとは言っても、限度ってものがあるんだからね!」

P「自画自賛するな」

ちひろ「……それが間違ってないのがまた、複雑なところですね」

美波「で、でも、実際、未央ちゃんは要領も良いですし、志望校の入試問題の傾向から考えるとこの勉強は必要だと思うんです! だから、ね? 未央ちゃん、私と一緒にもっともっと頑張りましょう?」

未央「ちょ、みなみんこわい! 目がこわいって! 私にも、他の子にやるみたいに優しくしてよー!」

P「……美波も変わったなぁ」

ちひろ「ですねぇ」

未央「そこ! しみじみしてないで、たーすーけーてー!」


――

美波「ソース味ですか? ならお好み焼き――重ね焼きにしませんか?」

未央「重ね焼き?」

P「あー……と言うか、未央と美波も付いて来るってことでいいのか?」

未央「ダメ?」

美波「ダメですか?」

P「いや、問題ないが……ちひろさんもいいですよね?」

ちひろ「はい。それで、重ね焼き、でしたっけ?」

未央「そうそう。重ね焼きって……何?」

P「ああ、その話……大阪では、お好み焼きって混ぜてつくるだろ? 広島では混ぜずに重ねてつくる。だから重ね焼きとも呼ばれている、らしい」

未央「つまり、広島焼きのこと?」

P「……まあ、そうだな。あと、その呼び方は広島の人の中には怒る人もいるから注意な」

未央「え。……み、みなみんって、確か、広島出身じゃ」

美波「うん。私は広島出身だよ」

未央「……ご、ごめんなさい」

美波「大丈夫だよ、未央ちゃん。私も、広島の外ではそう呼ばれてるってことは知ってるし……ですから、Pさんも気にしないで下さいね?」

P「でも、気にする人がいるのは事実だしな……やっぱり、言うなら『広島風お好み焼き』か?」

美波「うーん……そうですね。そっちの方がいいと思います。『お好み焼き』というのが大事だと思うので」

未央「ふむふむ……アイドルになってからもう結構経つけど、こういう勉強も大事なんですなぁ」

美波「勉強……Pさん。私、全国のこういう話を集めて資料にして、事務所のみんなに注意をした方がいいんじゃないでしょうか」

P「やるなら俺とちひろさんの仕事だから美波はしなくていい。……いや、本当にやるなよ? 絶対だからな?」

美波「……たぶん、やりませんよ?」

P「目を逸らさないでほしいんだが」

美波「でも、Pさんやちひろさんの仕事を増やすのも申し訳ないですし……ただでさえ、二人とも仕事が多いのに。私だって、もう大人なんですから――」

P「成人してるって言っても、まだ学生なら子どもだよ。大学も暇じゃないだろうし、ただでさえ二足のわらじだ。本来なら、中高生の勉強も見る必要はないんだが……」

美波「それは仕事じゃなくて『友達』の勉強を見ているだけですから。……でも、わかりました。無理はしません」

P「ああ。そうしてくれ」

美波「……やりたくなっちゃったら、やっちゃうかもしれませんけど、それはもう趣味みたいなものなので見逃して下さいね?」

P「……まあ、そこまでは口を出せないが、本当に無理はしないでくれよ」

美波「はいっ。Pさんこそ、無理はしないで下さいね?」

P「……はい」

美波「ちひろさんも」

ちひろ「えっ。……私もですか?」

美波「もちろんです。ちひろさんも、Pさんに負けず劣らず頑張りすぎですから」

ちひろ「美波ちゃんに言われると複雑なんですが……わかりました」

未央「おおー、さっきまではみなみんが怒られてるっぽかったのに、いつの間にか逆転してる……これが、みなみんの力……!」

P「……はっ。確かに、いつの間にか、逆転してる……だと……?」

ちひろ「美波ちゃん……恐ろしい子……」

美波「ちゃ、茶化さないで下さい、もうっ。……ほら、未央ちゃん。休憩はこれくらいにして、勉強に戻りましょう」

未央「えっ」

美波「それじゃあ、Pさん、ちひろさん、ごはんに行く時間になったら呼んで下さいね」

P「ん」

ちひろ「はーい」

未央「えっ、ちょ、待って。今日はもう終わりじゃないの? ……あの、みなみん? プロデューサー? ちひろさん? え? え? えぇー!」


――事務所の外

未央「つーかーれーたー……おなかへった……ごーはーんー……」

ちひろ「そう言えば、お店は決まってるんですか?」

P「いや、まだですね。どこにするか……」

美波「あ、それなら知っているお店があるので、そこでもいいですか?」

未央「お、みなみんの? なんだか期待できそうですなぁ」

P「美波のオススメは確かに期待できるな。楽しみだ」

ちひろ「美波ちゃん、こういうのもしっかりしてそうですからね。楽しみです」

美波「はいっ。期待していて下さい。きっとお口に合うと思いますよ?」

未央「お、言いますなぁ。これは期待できるかも! それじゃ、みなみんのオススメのお店にレッツゴー!」


――店の前

P「ここか」

未央「結構外れたところにあるんだね。穴場……的な?」

美波「実は私も教えてもらったところなんです。地元の味が懐かしくなることもあったので……」

ちひろ「ということは、巴ちゃんか留美さんかしら? いえ、巴ちゃんはさすがに知らないでしょうし……留美さん? と言うか、美波ちゃんならアイドル以外にも知り合いは多そうだけど……」

美波「留美さんです。同郷ということで話をしたら、教えてくれて」

ちひろ「へぇ……そう言えば、一人ひとりのオススメのお店ってあんまり知らないかもしれません。みんなで行くお店はだいたい決まってますし……」

P「思っているよりも、みんなこういうお店を知っていたりするのかもしれませんね」

未央「私とかが行くようなお店をプロデューサーが知らないみたいに?」

P「女子高生が、ってなるとちょっと話は違うような気もするが……いや、同じか? どうだろう」

ちひろ「……とりあえず、もう入りませんか?」

未央「ん、そうだね」

P「ですね」

美波「それじゃあ、入りましょうか。満席じゃなかったらいいんですけど……」


――店の中

未央「んー……ソースのにおいと大きな鉄板を見ると、こういうお店に来たって感じするね」

P「だな。えーっと、メニューは……お好み焼きと焼きそばと、あとは鉄板焼きとかか」

ちひろ「やっぱりお好み焼きと……焼きそばは、どうしましょうか?」

未央「広島のはお好み焼きの中に焼きそばが入っているんだっけ? でも、ちょっと違う?」

美波「うん。種類として別物だと思うから……どっちも頼むってことはそこまで珍しくないかな」

P「お、そうなのか。じゃあ個人的にはお好み焼きと焼きそばはどっちも頼みたいな」

未央「鉄板焼きにはとん平焼きとかもあるんだ……前に食べたのおいしかったし、私、これもほしいなー」

ちひろ「あ、枝豆……海鮮ものもおいしそう。美波ちゃん、ここって、量はどれくらい?」

美波「結構多めですね。でも、Pさんにとっては……どうだろう?」

P「美波にとっては多めでも俺にとっては……ってことか。じゃあ、少し多めか、ってくらいは頼んでもいいんじゃないか? たぶん、俺は食べ切れるから」

ちひろ「それなら、海鮮焼きが欲しいですね。それくらい……ですか?」

未央「私はそれで大丈夫だよ」

俺「はい。大丈夫だと思います」

美波「それじゃあ、注文しちゃいますね? あの、すみません――」


――

未央「み、みなみんみなみん、あんなにキャベツを盛ってるけど、大丈夫なのかな?」

美波「ふふっ、大丈夫だよ。見ていると……ほら」

未央「わ。ほんとだ。みるみるうちに小さくなって……すごいね」

P「……確かにすごいな。何度か見たことはあるはずなんだが、今まで見た中でいちばんの圧縮率かもしれない」

ちひろ「うーん、できあがるのが楽しみですね。こんなの見せられると、どんどんお腹が減ってきちゃう……」

P「そういう狙いもあるのかもしれませんね……」


――

未央「来た来たー! もう、めちゃくちゃおいしそう……!」

ちひろ「ソースが弾けて、いいにおいがして……ヘラで食べるんでしたっけ?」

美波「一応そうですけど……食べやすい食べ方でいいと思いますよ?」

P「まあ、とにかく……いただきます」

未央「いただきまーす!」

未央(えーと、ヘラで切り分けて……っと。ん、こういう断面なんだ……そばとキャベツ? あと、他の具材とか。今回は……うん、ヘラを使って、そのまま食べようかな。熱そうだけど……いざ!)パクッ

未央「あふっ……ん、んんー!」

未央(やっぱり熱々だったけど、おいしい! キャベツは甘くて、このそばももちもちで……それにフルーティーなソースの味が加わって、すごくおいしい!)

未央(やっぱり、こうやってはふはふしながら食べるのはいいなぁ……ソースの味も、やっぱりおいしいし。フルーティーで、甘めな感じ? 表面はカリッとしていて、中はふんわりしていて……でも、キャベツとそばもべちゃっとなってたりしてなくて……うん、おいしい。なんだか、ちょっと衝撃的かも)

未央(これが広島のお好み焼きかぁ……こういうのが東京にいても食べられるっていうのはやっぱりいいなぁ。本当、ありがたいことだよねー)

ちひろ「はふっ……ん、おいしい!」

P「うん、うまいな、これ。何回か食べたことあるが、いちばんかもしれない」

美波「ふふっ、お口に合ったみたいで良かったです」

未央「本当においしいよ。こんなにおいしいところ、教えてくれてありがとう、みなみん!」

美波「どういたしまして、未央ちゃん。私も留美さんに教えてもらっただけだから、私が感謝されるのはちょっと違うかもしれないけど……」

P「それじゃ、留美さんにも美波にも感謝ってことで」

ちひろ「ですね」

美波「……ありがとうございます♪」

未央「それじゃ、ちょっと焼きそばとかももらっちゃおっかなー」

P「お、それじゃ俺も」

ちひろ「私は海鮮焼きをいただこうかしら」

美波「私もいただきます。……ふふっ、みんながよろこんでくれたみたいで、本当に良かったです」


――店の外

未央「ふぅ……お腹いっぱいだよー」

P「無理に食べなくても俺が食べたのに」

未央「だって、おいしかったんだもん。おいしいものはいっぱい食べたくなっちゃうでしょ?」

P「まあ、そうかもしれないが……」

ちひろ「でも、おいしかったですよね。こんなお店を紹介されちゃうと……そう言えば、もう美波ちゃんはお酒も飲めるのよね。あんまり一緒には行けてないけれど……」

美波「わ、私は学生ですから。そういうのは、卒業してから、ということで……」

P「あんまり気が乗らない様子だが、何かあったのか?」

ちひろ「あー……美波ちゃん、どちらかと言うと介抱する側ですから」

P「あー……」

未央「……お酒、かぁ。私が飲めるようになるのは、二年以上先だね。今日も、私が飲めたらみんな飲んでた?」

P「んー……俺もそこまで飲む方じゃないからなぁ。美波が酔うところはちょっと見てみたくもあるが」

ちひろ「そう言えば、私も見たことないかも……美波ちゃん、誰かの前で酔うほど飲んだこと、あります?」

美波「……あまり思い出したくありません」

未央「そういうこと言われると見たくなっちゃいますなぁ。でも、酔うってどんな感じなんだろ。一回体験してみたいかも――」

美波「未央ちゃん。お酒は飲んでも飲まれるな、よ」

未央「……何があったの? みなみん」

P「まあ、飲み過ぎはダメってことだな。未央はそういうことを考える前にまず受験な」

未央「うっ。……あ、アイドルもだし」

ちひろ「もちろん、それも頑張ってもらうことにはなると思いますけど……やっぱり、大事なことですからね」

美波「そうだよ? でも、大丈夫。私がしっかり教えてあげるから!」

未央「みなみんに教えられるのがこわいんだけど……いや、ありがたいんだけどね? できれば、もうちょっとハードルを下げてもらいたいなー……って」

美波「未央ちゃん。……一緒に、挑戦しましょう?」

未央「これダメなやつだー!」


P「……受験生、か」

ちひろ「どうしました? プロデューサーさん」

P「いや……初めて会った時は高一だったのに、もう受験生なんだなって思うと、ちょっと」

ちひろ「……そうですね。なんだか、変な感じです」

P「みんな、成長してますもんね……小学生の子が中学生になったり、中学生の子が高校生になったり、高校生の子が大学生になったり、学生だった子が、卒業したり……俺も、どんどんオッサンになってるんですかね」

ちひろ「私もおばさんに?」

P「ちひろさんはまだまだみんなのお姉さん、って感じですけどね。と言うか、自分で言いますか」

ちひろ「……実は、自分で言ってちょっと傷付いています」

P「えぇ……」

ちひろ「……時間の流れって、こわいですね」

P「……ここでその台詞を言われると、なんか違う意味に聞こえるんですが」




これにて今回は終了です。
お好み焼き。おいしいですよねー。大阪のも広島のもどっちも好きです。たまにむしょうに食べたくなるのはなんなんですかね。ソースの魔力?

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですが、内容も全然関係ないですが、おめでとうございます。
……というか、せっかくだからパーティーな回にすればよかったかも? もう遅くはありますが、またやりたいところ。
そう言えば、このSSの中ではもう李衣菜は高校生じゃない……? なんか、変な感じかも……。

改めてありがとうございました。

P「誕生日おめでとう、未央」

未央「ありがと、プロデューサー。日付が変わった時にもメッセージをくれたから、今日二回目だね」

P「だな。去年や一昨年みたいに盛大に祝う時間はとれないからその代わりに……だと、さすがに小さすぎるか」

未央「うむ、それだと未央ちゃんは満足できませんなー。受験生とは言っても休息は必要なのです。他のみんなは予定があったりして無理だけど……今日一日、プロデューサーは未央ちゃんのもの、だよね?」

P「違うが」

未央「えー。誕生日プレゼント、『プロデューサーのこと一日好きにしていい券』じゃないのー?」

P「そんなことを言った覚えはないんだが……今日は誕生日とか関係なく仕事が入ってるからな。そんな時間はない」

未央「仕事が終わってからだったらいいでしょ? 今日の仕事は……撮影、だったよね?」

P「そうだ。もうちょっとゆっくりしてから行くか? それとも……」

未央「ん、大丈夫。プロデューサーが来るまでに他の子とはちょっと話したし、撮影前の準備もあるでしょ? あんまり早く着いても迷惑かもだけど」

P「わかった。なら行くか」

未央「うん。それじゃ、お仕事頑張ろー!」


――

P「お疲れ、未央。良かったよ」

未央「えへへ。ありがと、プロデューサー。今日は未央ちゃんの新境地を見せられたんじゃないかな~、なんて」

P「もちろん、それが狙いだったからな。とは言っても、俺も驚かされた一人ではあるんだが……」

未央「私もアイドルですからなー。プロデューサーの予想をも超えてゆく……そう、それはまるで、あの星のように……」

P「どの星だよ。あと予想と星関係なくないか?」

未央「それはまあ雰囲気ですよ雰囲気。それよりも、まだ時間、あるよね?」

P「撮影も早めに終わったからな。どこか行くか?」

未央「うん! 今日のプロデューサーは私のものだし?」

P「だからそんなこと一度も……まあ、わかったよ。それで、どこに行く? 誕生日だし、そこそこ高い店でもいいが……」

未央「えっとね。それは――」


――店の前

P「……本当によかったのか?」

未央「うん。遠慮とかしてるわけじゃないよ? 私、今更プロデューサーに遠慮とかしないもん」

P「それはわかってる」

未央「む。そこで『わかってる』って言われるのもなんか複雑な気が……まるで私がプロデューサーに対してわがままばっかり言っているみたい」

P「言ってない気か?」

未央「……言ってるかもしれなしい、言ってないかもしれない。難しい問題ですね」

P「誰だよ。まあ、確かに未央は変なところで遠慮することもあるけどな」

未央「んっ! ……それはあんまり言ってほしくないんだけど」

P「事実だろ? これでも長い付き合いだからな。今更そんなことで恥ずかしがるなって」

未央「……プロデューサーだって、変なところですぐ落ち込むし変なところで面倒くさかったりするし、あと――」

P「ごめんなさい」

未央「ふふん、よろしい。プロデューサーが私の弱みを知っているように私もプロデューサーの弱みを知っていることを忘れないように!」

P「肝に銘じます。……って、こんなことしてないで、さっさと入るか」

未央「そだね」


――店の中

未央「ふぅ……店の中に入るとやっぱりあったかいね」

P「ああ。でも、誕生日にラーメン屋か……」

未央「ラーメンが食べたい気分だったからねー。あと、ラーメン屋さんと言えばプロデューサーと色々と思い出もある場所だし?」

P「ここ連れてくるの初めてだけどな」

未央「ラーメン屋というジャンルの話だからいいのです。最近あんまりラーメン屋さんに連れて行ってもらってなかったし?」

P「確かに結構久しぶりか。未央と来るなら、って考えるとあんまり行ったことのない店に行こうと思うからな……」

未央「あー、やっぱり? それで、ここは何が有名なの?」

P「何が、って言うと難しいが……貝?」

未央「貝のラーメン……あんまり食べたことないかも?」

P「かもしれないな。そこまで珍しいってこともないが、そこそこ珍しいからな」

未央「やってるところはやってる、みたいな?」

P「そうだな。それくらいの表現がちょうどいい。で、注文は?」

未央「プロデューサーと一緒で!」

P「ん。それじゃ、ラーメンとチャーシュー丼だな。……いや、未央には多いか?」

未央「多いかな? でも、チャーシュー丼も気になるし……うん、一緒にする」

P「わかった。じゃ、それで頼むな」

未央「はーい」


――

P「で、来たな」

未央「ほほー……こういうビジュアルですか。なんだか綺麗に盛り付けられてるね」

P「見た目も味に影響するもんだしな。のびたらなんだし、さっさと食べるか」

未央「うん! それじゃ、いただきまーす」

P「いただきます」

未央(でも、本当に綺麗な盛り付けだなー……薄切りのチャーシューがスープを覆うように盛り付けられていて、スープがあんまり見えない。まずはこのチャーシューにどいてもらって……お、このチャーシュー、やわらかくて、しっとりした感じ。レアチャーシュー? って言うんだっけ。これはチャーシューを食べるのも楽しみ……だけど、まずはこの、黄金に輝く透き通ったスープから!)ズズ……

未央「……ん!」

未央(貝! 貝だ! もう、本当『貝―!』って感じ! 口に含んだ瞬間に口の中が海の……えっと、とにかく、貝でいっぱいって感じ! 味は醤油系? でも、醤油の味はそこまで強くないかな。強烈な貝の味と醤油の味、旨味と香りが口いっぱいに広がって……うん、本当に、『広がる』って感じ。余韻も貝~って感じで……ほんの少し、貝独特の『えぐみ』みたいなものも感じる。でも、どうしてかそれが全然嫌じゃなくて……どうしてなんだろう。それもなんだか『おいしい』って感じる)

未央(……スープを飲んだだけでわかる。このラーメン、めちゃくちゃおいしい。なんでおいしいラーメンってこんなにおいしいんだろう……いや、ラーメンだけじゃないだろうけど)

未央(とりあえず、次は麺を食べよう。ラーメンと言えば麺だからね。それを食べないことにはまだ勝負はわかりませんよ。なんて、料理漫画とかだったら展開が読めるフラグを言っておいて……)ズズ……

未央「……ん」

未央(うん! わかってた! これはおいしい! やっぱりラーメンは麺とスープの相性が大事だよね! しっかりとスープの味が一緒になって、でも歯ごたえは結構しっかりして主張していて……うん、すするのが気持ちいい麺、って感じ。ずるずるすするのが気持ちいい。それが貝の旨味が凝縮された極上のスープと一緒になるんだからもう最高。うーん、これはすごい……)

未央(と、スープと麺を味わったところで、一回チャーシュー丼を食べてみましょう。細かく切り刻まれたチャーシューがいっぱい乗ってて半熟玉子まで付いてるチャーシュー丼。……これもこれでおいしそう。とりあえず、いただきます)パクッ

未央「……うん」

未央(おいしいよね! うん、これはおいしい! ラーメンとはちょっとベクトルの違う味。なんだか『おいしい』っていう直球で来た……みたいな? 肉の旨味で口の中を征服してやるぜー! みたいな。ラーメン屋さんのこういうちっちゃな丼ってなんだかすごくおいしかったりするのはなんでだろうなー)

未央(さてさて、またスープを飲みまして、っと……あー、やっぱりおいしい。麺もすすって、それから具に手を付けていきましょう)

未央(チャーシューとメンマと煮玉子と……チャーシュー丼とラーメンで玉子がかぶってしまったなー。いや、チャーシューもかぶってるんだけど、ラーメンの方はレアチャーシューだし? ちょっと違うってことで)

未央(とりあえず、メンマからー……んー……強烈な何かがあるってわけじゃないけど、落ち着く感じ……コリコリしてて、味もおいしくて……良い感じ……)

未央(それじゃ、次は……この大ぶりのチャーシューをいただきましょうか! 麺と一緒に食べるかどうかは迷うけど……まずは、これ単品で!)パクッ

未央「……んー」

未央(おーいーしーいー……厚みはそんなだけど、結構大ぶりだったから、一気に頬張るとぼりゅーみー……口の中がお肉でいっぱい。しっとり上品で口の中に旨味が広がる感じ……おーいーしーいー……)

未央(はぁー……なんだか気が抜けてしまった……ここは煮玉子パイセンに口の中をキリッとさせてもらいましょう。煮玉子パイセン、カモン!)パクッ

未央「んー……!」

未央(やっぱり煮玉子パイセンは偉大ッスー! とろとろ半熟濃厚煮玉子ー! やっぱりおいしい! そのままスープ! うん! おいしい! 麺! おいしい! しーあーわーせー!)


――

未央「ふぅ……結局スープぜんぶ飲み干しちゃった……」

P「ここのうまいからなー。俺もあんまり飲み干す方じゃないが、ここのは飲み干す。濃すぎることはないし、うますぎるから」

未央「ハッ! まさか、多すぎるんじゃないか、って言うのはこういうこと……?」

P「バレたか……いや、未央も飲み干しとは思ってなかったけどな」

未央「おいしかったからねー。アイドルもラーメンの汁を飲み干すことはあるのですよ」

P「あるか? ……いや、ありそうだな」

未央「あるある。まあ、さすがにちょっと気をつけないと、だけどね」

P「アイドルだもんな」

未央「プロデューサーもだよ? 大人なんだし、私よりも危ないかもよ~?」

P「……善処します」

未央「それしないやつ。もう、健康診断とかはどうなの?」

P「今のところは大丈夫……の、はずだ」

未央「ハズじゃ安心できませんなー。プロデューサーの身体も大事なんだし、ちゃんと気を付けてよ?」

P「……まあ、うん。少なくとも病気にはならないようには気をつけたいと思います」

未央「よろしい。それじゃ……帰る前に、ちょっと、いい?」

P「ん? 構わないが……なんだ?」

未央「えへへ。ちょっとね。プロデューサーと、行きたい場所があって」

P「行きたい場所……?」

未央「あ、さすがの私でも一八歳になったからそういうところにー、とかじゃないよ? そこは心配しなくてもいいから」

P「最初からしてない。高校生だしアイドルだしな」

未央「でも私の友達に」

P「それは話すな! 女子高生への幻想が壊れる!」

未央「幻想ってわかってるんだ……」

P「夢でしかないとわかっていても夢を見ていたいものなんだよ。アイドルと同じで、な」

未央「アイドルと一緒にされたくないんだけど!?」

P「……そうだな。俺としたことが、取り乱してしまった」

未央「そんなに……? まあ、それはそれとして、連れて行ってくれる? プロデューサー。私が行きたい場所に」

P「……ああ。連れて行くよ。未央が言うならどこにでも、な」

未央「……そういうところでも?」

P「だからそういうことは言うな」


――

P「よ、っと……ここだな」

未央「うん。東京で星が見える場所。この時間なら、まだ行けるかなーって」

P「この時間なら、まだ、な。……でも、本当に見えるな。東京に、こんなに星が見える場所があったのか」

未央「アーニャに教えてもらってねー。私も、こんなに見えることは知らなかったけど」

P「星がよく見える場所で撮影、なんてこともあったが……いつでも行けるような場所でこんなに見えると、ちょっと、変な感じだな」

未央「だね。……プロデューサー、星、綺麗だね」

P「そうだな。……本当に、綺麗だ」

未央「私は?」

P「……言わされてるみたいで嫌なんだが」

未央「プロデューサーから言わないから悪いんだよ?」

P「言う暇ほとんどなかっただろ……でも、綺麗だよ、未央」

未央「綺麗だけかな?」

P「んー……こういうところで茶化すところは面倒くさくてかわいいよな」

未央「……それはあんまり言われたくなかったかも」

P「ははは。調子に乗るから悪い」

未央「むぅ。今日の私は『プロデューサー一日好きにしていい券』を持っているのに……」

P「渡してない渡してない。……誕生日プレゼントは、別にあるしな」

未央「え?」

P「誕生日おめでとう、未央。受け取ってくれ」

未央「う、うん。……開けても、いい?」

P「ああ。開けてくれ」

未央「それじゃあ……これは、ペン?」

P「ああ。普段使いできるものの方がいいかと思ってな。受験に使うには、遅かったかもしれないが」

未央「……ううん。ありがとう。大切に、使わせてもらうね」

P「……よろこんで、くれたか?」

未央「え? そりゃ、まあ、プロデューサーからのプレゼントだし、このペンも、なんだか良いペンっぽいし……授業とかではちょっと使いにくいかもだけど、プロデューサーも、勉強用に、って渡したわけじゃないでしょ?」

P「いや、使い方は自由にしてくれて構わないが……いざ渡す、ってなると本当にこれで良かったのかって考え出してな。結構、不安でいっぱいだった」

未央「……プロデューサーって、そういうとこあるよね。大丈夫だよ。確かに『指輪じゃないのかー』とは思ったけど」

P「指輪はない」

未央「ないかー。でも、いつかは欲しいなー……ちらっ」

P「……いつか、な。いつか」

未央「お! 言ったね? 言質とったから! 私、もう忘れないよ?」

P「そこはもうちょっとしおらしい反応じゃないのか?」

未央「ふっふっふ。未央ちゃんは力の入れどころを見誤らないのです。ここで言質をとっておかないと、プロデューサー、色々と言い訳とかしそうだし?」

P「さすがにしない。……と思う。たぶん」

未央「たぶん?」

P「……絶対」

未央「うむ。それでよいぞ、プロデューサー」

P「王さま?」

未央「みおおうさま」

P「なんかよくわからんな」

未央「みおおうさま、みおーうさま……未央サマー! ハッ! 夏は私の季節とは、つまり、未央ちゃんが王さまだということを表していたのかー!」

P「いや意味わからん。今冬だし。未央は王さまじゃないし」

未央「ちょっと意味わからないノリになっちゃってた?」

P「ちょっとというかだいぶな。だいぶ」

未央「そっかー。えへへ。プロデューサーからのプレゼントが嬉しくて、かも。なんちゃってー」

P「……照れ隠しでもそう言われると、なんか、嬉しいな」

未央「お、プロデューサーかわいい」

P「かわいい言うな。……と言うか、冬って思うとなんだか急に寒くなってきたな」

未央「そだね。……手、つなぐ?」

P「……ん」ギュッ

未央「……プロデューサーの手、あったかいね」

P「未央の手も、な」

未央「ということは……私たち、アツアツ?」

P「それ、違う意味に聞こえるからやめろ」

未央「でも、間違ってはない……でしょ?」

P「……かもな」

未央「……えへへ。プロデューサー、腕も腕も」

P「んっ……当たってるんだが」

未央「それは『あててんのよ』ってやつですよ。未央ちゃんのふにふに……いや、ブラ越しだからそこまでやわらかくはない? どう?」

P「感想を求めるな! ……やわらかいです」

未央「うん、正直者でよろしい。えっちなプロデューサーくん♪」

P「えっち言うな。エロい未央」

未央「エロっ……エロい未央は、ひどくない? どっちの意味にもとれるし……」

P「……どっちの意味でも合ってるだろ?」

未央「合ってませんー! どっちの意味でもエロくなんかありませんー」

P「いや、それはない」

未央「なんで!?」

P「だって……ああ、もう、暑くなってきた。そろそろ離れろ」

未央「ダメですー。でも……プロデューサーって、私のこと、そういう目で見てたんだ」

P「……そういう目だけじゃないぞ? というか、誕生日になんでこんな話をしてるんだよ……」

未央「プロデューサーがエロいとか言ったから?」

P「お前が胸を押し付けたからだろ……」

未央「そうかな? それじゃあとりあえずこれでこの話はおしまい、ってことで」

P「……それでも腕は組んだままなんだな」

未央「あ、おしまいって言ったのに続けてるー。というか、今までにも腕を組むことはいっぱいあったでしょ? 慣れないの?」

P「慣れな……いや、確かに、少しは慣れたかもしれないが、こう改めて考えるとだな……」

未央「そっか。うん、プロデューサーも、そう、だよね」

P「も?」

未央「なんでもありませーん。……プロデューサー、もうちょっと、このまま星を見ていてもいい?」

P「このままって……このままか?」

未央「うん。……ダメ?」

P「……いや、今日は未央の言うことを聞く日、らしいからな。それくらいなら、いくらでも」

未央「……ありがと、プロデューサー」

P「どういたしまして」

未央「……ね、もう一回、誕生日、祝ってくれない?」

P「ん? ……そうだな。誕生日おめでとう、未央。この一年もよろしく」

未央「こちらこそ、この一年もよろしく、プロデューサー。私のこと、もっともーっと輝かせてよね☆」



これにて今回は終了です。
割りと久しぶり? なラーメンです。でも「久しぶり」なんて言葉が出てくる時点でラーメンを何回も書いているということ……これはいったい……?

今年は更新頻度ぜんぜんでしたがこのSSでの未央が受験生だったからー……とかではなく普通にあんまり書けなかっただけです。これからもこれくらいの頻度かもしれませんが、そこそこの頻度で書いていきたいなー……と思います。

本田未央さん、誕生日おめでとうございます。この一年も、あなたが輝く一年でありますように。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですが今回の未央ヤバいですねマジ美少女マジ美人マジかわいいマジ綺麗すごいヤバい。
総選挙CDもあるし楽しみだし……Tulipも……なんか発表されるまでは「まだかなー」って思ってたんですけど発表されてからがめちゃくちゃはやくかんじる……こころのじゅんびが……。

改めてありがとうございました。


――駅

P「未央」

未央「えっ、あ――プロデューサー? 迎えに来てくれた、んだ」

P「ちょうど近くまで来てたからな。それと、お疲れ様。一段落だな」

未央「うん。まだ終わったわけじゃないけど……たぶん、大丈夫。だと、思う」

P「それは良かった。しかし、べつにまだ休みでもよかったんだが」

未央「ううん。私も久しぶりにみんなの顔を見たかったしね。身体もなまっちゃいけないし? しぶりんとかもそうでしょ?」

P「まあ、そうなんだが……凛はもう身体を動かしたくてうずうずしてる、って感じだったからなぁ」

未央「しぶりんが? それは見たかったかも」

P「見るからに『動かしたいー!』って感じだったからな。正直かわいかった」

未央「私は?」

P「かわいいって言われたいのか?」

未央「そうそう。あと、頑張ったご褒美とか欲しいなー、って」

P「……寄り道、するか?」

未央「するするー! いやー、プロデューサーくんは未央ちゃんのことがわかってますなー」

P「そんだけわかりやすいアピールされたらな。で、どこに行く?」

未央「んー……さすがにそこまで時間はかけられないよね。なら、そんなに時間はかからないような……あ」

P「どうした?」

未央「あそこ、行かない?」

P「あそこ? って……ああ。確かに、ちょうどいいか。ご褒美には安いかもしれないが」

未央「そう思うなら、ご褒美は後で追加してくれても構いませんよ? 私としては大歓迎ー」

P「考えとくよ。とりあえず、入ろう」

未央「はーい」


――店の中

未央「うーん……どうしよっかなー」

P「俺はここの飲茶とか結構好きなんだよな」

未央「お、そうするの? ドーナツじゃなく?」

P「でも、そんな時間もかけられないって言っててそれはな……」

未央「私はべつにいいよ? そもそも、ここにした時点で時間はあんまりかからない方だと思うし」

P「ただ、ドーナツが食べたいという気持ちもある」

未央「あー……じゃあ、どっちも、とか? 私も飲茶、ちょっと食べたいし」

P「なら、それでいくか」

未央「うん。けってーい。それで、ドーナツはどうするの?」

P「んー……チョコファッションで」

未央「それじゃ、私は……ゴールデンチョコレートで! なんか縁起良さそうだし!」

P「ゴールデンだから? ……飲茶は点心でいいか?」

未央「お、意外なところで来たね。もっとわけやすいので来ると思ってた。いや、三つに最初からわけられてるけど」

P「他のはさすがに重い気がしてな……あと純粋に食べたい気分だったから」

未央「食べたい気分なら仕方ないですなー」

P「うん。仕方ない。ってことで、注文しとくか。未央は席とっといてくれ」

未央「はーい。あ、飲み物はカフェオレでよろしく」

P「はいよ」


――

未央「はい、おかえりー」

P「ただいま。って、なんか違わないか?」

未央「違わない違わない。それじゃ、早速ドーナツをいただこっかなー。あ、はんぶんこ、する?」

P「チョコファッション、めちゃくちゃ半分にしにくいんだが」

未央「チョコ部分とチョコじゃない部分で?」

P「それなら簡単だけど嫌だろ……まあ、一回割ってみるか」

未央「うんうん。やってみてやってみて」

P「ん……お、意外といけた」

未央「まあ、半分じゃなくて四等分だけど?」

P「そっちのが簡単だからな。それに、同じことだろ?」

未央「同じことだねー。それじゃ、私のゴールデンなチョコレートを半分差し上げましょー」

P「ありがたき幸せ。って言っても、まずは自分のから食べるんだが」

未央「私もー。いただきまーす」パクッ

P「いただきます」

未央「……うん。やっぱりおいしいね。ドーナツ。この黄色いのがおいしい。この……パフみたいな……なに?」

P「粒?」

未央「そのまんまだね」

P「でも、それ以外どう表現すればいいのかわからないからな。正式名称あるんだろうか」

未央「どうだろ? とにかく、この黄色いカリカリがおいしいんだよね」

P「甘くて楽しい食感だよな」

未央「そうそう。子どもの頃とか大好きだったなー……今でも好きだけど」

P「俺もそうだったな。なんか『ゴールデン』ってのに惹かれた想い出がある」

未央「その気持ちはわからないなー。男の子だからかな? ウチの兄弟もそうだったかも」

P「かもな。それと比べると、チョコファッションとか、オールドファッション系のは『オトナ』って印象があった」

未央「あー、ちょっとわかる。なんか、子どもの頃は手を出しにくかったかも」

P「やわらかくないし、甘そうでもないからな。今となってはどんな見方だよって思うが」

未央「子どもの頃の純粋さを失ってしまった、ってことだね……」

P「純粋さ関係あるか?」

未央「あるある。未央ちゃん調べ」

P「それは説得力あるな」

未央「でしょ? 他にプロデューサーくんは未央ちゃんにメロメロー、なんて調査結果もあったり」

P「はいはい。それで、未央は点心、どれが食べたい?」

未央「スルーされたー。エビでお願いします」

P「ん。じゃあ俺が小籠包もらって……肉まんなら半分に割れるか?」

未央「割れそうだね。不器用なプロデューサーくんには難しいかなー?」

P「……お願いします」

未央「うむ。器用な未央ちゃんが綺麗に割ってあげましょ……あ」

P「……」

未央「ま、まあ、口に入れればいっしょ……だし?」

P「さすが器用な未央さま」

未央「むぅ。悪かったってー」

P「って言っても、俺がやったらもっとひどい結果になってたような気もするしな。ありがとう、未央」

未央「……どういたしまして」

P「それじゃあ、もらうな。……うん、やっぱりうまいな。こうやってほんの少し食べるのがいいんだよな」

未央「ちょうどいい量?」

P「食べてる間はもっと欲しくなるんだけど、それがまたちょうどいいんだよな」

未央「もっと食べたーいって思える間に終わるのがいちばん幸せって言うしねー。それじゃ、私もエビのを一口……うん、おいしい。ぷりぷりしてて、やっぱり好き」

P「……なんか、エビ食べたくなってきたな」

未央「食べに行く?」

P「諸々終わってから、予定が合えば。しかし、ピンポイントでエビって言うと……何がある?」

未央「んー……エビフライとか、エビチリとか?」

P「あとは……寿司とかでもあるか」

未央「ん! お寿司! 合格祝いに?」

P「……あんまり高くないところでお願いします」

未央「お、いいの? 言ってみただけだったんだけど」

P「問題、ない……と、思う。たぶん。街場寿司って感じのところなら、まあ……」

未央「回らないお寿司?」

P「とは言っても、回転寿司でもそこそこの値段する店も多いからな。金額的にはそう変わらないかもしれない」

未央「そうなんだ。なんか、回らないお寿司ってもっとお高い印象があったかも。でも、お寿司はもともと庶民のもの……だっけ?」

P「よく言われる話だな。とにかく、未央が金のことを心配する必要はないってことだ。それより心配することもあるだろうからな」

未央「うぐっ……わ、忘れたわけじゃありませんよ? 気が早いかもー、とは思ったけど、今から『合格祝い』って言ってた方が、なんか、気が楽じゃないですか」

P「それはそうかもしれないが……まあ、俺もそこまで心配しているわけじゃないけどな。後期の方は前期の合格発表の後、だったか?」

未央「そうだね。たぶん、大丈夫だとは思うんだけど……何が起こるかわからないし、それまでは勉強しとかないとねー」

P「それはまあ、な。……この、発表までの間がいちばんキツいんだよな。合格すればいいとは言ってもまだ試験は残ってる。勉強はしなくちゃいけない。でも、合否がわからない状態だと勉強もなかなか手がつかない。しなくちゃいけないのに集中できない。……俺の時は、そんな感じだったよ」

未央「だからこそ、こうして気分転換に来ているわけですよ。誰かと話してると、安心するから」

P「役に立てているなら光栄です」

未央「うむ。そなたは非常に我が役に立っておるぞよ。……ほんとうに、ありがとね、プロデューサー」

P「まあ、話しているだけなんだけどな。他に何かしてほしいこととかあるか?」

未央「なんでもいいの?」

P「ものによる」

未央「えー」

P「えー、じゃない。……まあ、できることならな」

未央「お、それじゃあ……そう言えば、まだ言ってもらってないことがあったね」

P「ん? なんか、あったか?」

未央「ほら。しぶりんの話、してるとき。私に言ってないこと、あったでしょ?」

P「凛の話? ……あー」

未央「わかった? それじゃあ、それを言ってほしいなー?」

P「……改めて言うってなると、なんか、アレだな。恥ずかしい」

未央「でも、できることでしょ? ほらほら。言ってくれたら、私、もっと頑張れると思うんだけどなー」

P「……わかった。言うよ。言いますよ」

未央「うん。言って言って?」

P「……かわいい」

未央「誰が?」

P「……未央が」

未央「じゃあ、続けて言って?」

P「……遊んでるだろ」

未央「もちろん。普段はさらっと言うこともあるのに、改めて言うとなると恥ずかしがってるプロデューサーくん」

P「説明するのやめてくれ」

未央「それで? まだ続けては聞いてないなー」

P「……未央は、かわいいよ」

未央「そう言うプロデューサーも、かわいいよ♪」

P「かわいいはやめてくれ」

未央「じゃあ、かっこいい?」

P「疑問形か」

未央「んー……プロデューサーが言われたいって言うなら、言ってもいいけど?」

P「……」

未央「……えへへ。まったくもう、プロデューサーくんは素直じゃないですなー」

P「ノーコメントで」

未央「そっかー。そっかそっか。……ね、プロデューサー」

P「……なんだ?」

未央「……やっぱり、なんでもない」

P「そうか」

未央「うん」

P「それじゃ、そろそろ出るか。近いとは言っても、さすがにな」

未央「だね。事務所まで、手でも繋ぐ?」

P「遠慮しとく」

未央「そっか。……えへへ」

P「……どうして笑ってるのかわからないんだが」

未央「そう? ……ふーん」

P「……なんだよ」

未央「んー? ……なんでもなーい」

P「……そうか」

未央「うん。そうなのです」

P「……帰るか」

未央「うんっ。いっしょに、ね」



これにて今回は終了です。
めちゃくちゃ久しぶりです。お久しぶりです。
「験担ぎ的な意味でカツとか……いや、でも、最近インフルエンザ流行ってるしな……それにカツとか重いもの食べさせるのも……あ、言ってる間にもう二月……バレンタインデーとか……いや、まさにって時期に人が多いところに行かせるのはどうなのか……あ、そうだ、それなら今まで書いてこなかったけど設定としてはある去年とか一昨年のバレンタインデーを書けば……あっ、バレンタインデー終わってしまった……それじゃあ……」
みたいな感じで迷いまくって全然書けませんでした。ちょこっと書いた状態で「時期的になー」と思って没になった残骸が結構あったりします。そんな言い訳とは関係なく純粋にめちゃくちゃ遅かったというだけではありますが。……すみません。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係あるかどうか微妙なんですけど今回の店の点心って最近あんまり見なくなったような気がしなくもないんですけど私が行っている店がたまたまそうってだけですかね? うーん……どうなんだろうか。
今回の店は書いたことあると思ってたんですがないっぽいので書きました。めちゃくちゃ頻繁に行っているってほどではないんですが、好きなんですよねー。個人的事務所設定ではなぜかこのお店のドーナツがよく事務所に置かれてあったりするらしいです。どうしてかなー。

改めてありがとうございました。

未央「高校卒業アンド入試合格アンド大学入学祝い!」

凛「お寿司だっけ」

P「だな」

藍子「でも、良かったんですか? 回らないお寿司って、高いんじゃ……」

P「高級店ってわけじゃないから大丈夫だよ。ありがとう、藍子。気遣ってくれて」

未央「……あのー、未央ちゃんの声、聞こえてるかなー」

凛「聞こえてるよ」

P「聞こえてる」

未央「それだったらさっきのに何かしらの反応が欲しかったんですけど! にぎやかし的な!」

藍子「えっと……わ、わー?」

未央「うう……あーちゃん。やっぱりあーちゃんだけが私の味方だよ……」

P「未央まで藍子に気遣わせてるな……」

凛「と言うか、入学祝いだけでいいと思うんだけど。他の、いる?」

未央「いりますとも。その三つが合わさったからこそ、プロデューサーが回らないお寿司屋さんに連れて行ってくれるんだからね」

P「べつにそういうわけじゃないが……まあ、本当におめでとうな、三人とも。大学はもう始まって少し経つくらいだと思うが、どうだ?」

未央「楽しい!」

藍子「楽しいです」

凛「『こういうのなんだ』って感じかな」

P「んっ……り、凛さん? なんか、二人に比べて答えがずいぶん淡白なんですが」

凛「まだ入ったばっかりだしね。高校の時とは全然違って……自由? と言うか、放任? な感じだけど、それくらいじゃない?」

P「えぇ……いや、まあ、俺もそんな感じだったかもしれないが、もっとこう、他に……ないか?」

未央「んー……なんでも自由にできるぶん、『なんでもできるー!』みたいな感じがある、とか?」

P「お、それそれ。そういうのがやっぱり大学の――」

凛「私たちの場合、自由にできるぶんはだいたいアイドルの時間になるから」

P「……ごめんなさい」

藍子「あはは……まあ、忙しいことはいいことですから。いつもありがとうございます、プロデューサーさん」

P「あ、藍子……よーし! これからもばんばん仕事とって来てやるからな!」

藍子「はいっ」

P「凛も! 大学生活、充実させてやるからな! 覚悟しとけ!」

凛「うん。期待してるよ」

P「……それで、実際のところ、大学はどうなんだ?」

凛「まだ気にしてたの?」

P「そりゃ、まあ……気になるよ」

凛「……悪くないよ。未央や藍子ほどかはわからないけど、楽しんでる、と思う」

P「そうか。……良かったよ」

凛「……ふふっ」

P「なんで笑う?」

凛「いや……プロデューサーは、私のお父さんなの? と思って」

P「……そんな感じのこと言ってたか?」

凛「うん。言ってた」

P「そうか……まあ、凛のことを大切に思っている、ってことで」

凛「ふふっ。じゃあ、そうしとく」

未央「……お二人さん、私たちのことを忘れてはいませんかね?」

凛「忘れてないよ。ね、プロデューサー」

P「忘れてない忘れてない」

藍子「じゃあ、私たちは?」

P「……私たちは?」

未央「私たちのことは、どう思っているのかってことですよ。ね、あーちゃん」

藍子「そういうことです」

P「そりゃ、大切に思ってるよ。当然だろ?」

未央「本当に?」

藍子「凛ちゃんと同じくらい?」

P「藍子にそうやって詰められるの、なんか、変な感じなんだが……もちろん、二人とも、凛と同じくらい大切に思ってるよ」

未央「ふむふむ……それならよろしい」

藍子「いえ、よろしくありません。未央ちゃんと私たちじゃ、大切の種類が少し違うんじゃないですか?」

P「んっ!?」

未央「ちょ、あーちゃん!?」

凛「あ、それは私も気になるかも。どうなの? プロデューサー」

P「……凛、お前、いやらしい微笑み方覚えやがって」

凛「レッスンの成果じゃないかな」

藍子「それで、どうなんですか? プロデューサーさん、未央ちゃん。未央ちゃんが大学生になって、お二人の関係に進展はあったんですか?」

P「藍子も記者みたいな聞き方するな?」

藍子「レッスンの成果です」

P「くっ……こいつら、アイドルから色んなものを得てやがる……! それも、余計なものを……! ……と言うか、未央! こういう時は未央が助けてくれる流れじゃないのか!?」

未央「えーっと……私も、その件については詳しく聞きたいなー、って」

P「ちょっ……お前、また、かわいいこと言いやがって! でも今は助けてほしいんだが!」

凛「かわいいだって」ヒソヒソ

藍子「これはスクープが期待できますね」ヒソヒソ

P「聞こえるようにひそひそ話するな! 何もないからな? 本当に」

未央「……何も、ないの?」

P「あっ……いや、今のは、だな」

凛「これ、修羅場じゃない?」ヒソヒソ

藍子「修羅場ですね」ヒソヒソ

P「そこの二人、聞こえてるからな……! あと、未央。お前もわかってるだろ? さっきのは、そういう意味じゃなくてだな……」

未央「……じゃあ、どういう意味?」

P「それ、は……」

未央「……んふっ。あ、ごめ、でも、もう無理……あははっ」

P「は? ……あー」

凛「どうしたの? プロデューサー。そんな溜息ついて」

藍子「ふふっ、あ、すみません。……ふふっ」

P「……凛も藍子も、あんまりこういうことしない方だと思ってたんだが」

藍子「やってるうちに乗ってきちゃって」

凛「何のこと?」

P「凛は共犯者が自白してるのによくのうのうとそう言えるな?」

凛「私は関係ないから」

P「ノリノリだったやつの台詞じゃないんだが」

未央「まあまあ。それくらいにして、そろそろ行かない? 私、お腹空いてきちゃったなー?」

P「ん、そうか。そうだな。そろそろ行くか」

未央「それでは、回らないお寿司に……レッツ、ゴー!」

藍子「おー♪」

凛「おー」

P「……そんな高いところじゃないからな? マジで」


――店の前

未央「ほうほう……確かに、お寿司屋さん! って感じのお店だね」

凛「プロデューサーが言ってた通り、そんなに高級店って感じじゃなくて、街のお寿司屋さん……みたいな感じだね」

藍子「念のためにお金を用意しておいたんですけど……余計な心配だったみたいですね」

P「……藍子。心配してくれるのは嬉しいんだが、べつに高級店でも無理したら払えるからな? ちゃんと給料もらってるからな?」

藍子「ですよね。失礼なことだとはわかっていたんですけど……回らないお寿司って聞くと、なんだか必要以上に身構えちゃって」

P「その気持ちはわからないでもないが……大学生になったとは言っても、それでいきなり大人になるわけじゃない。気楽に構えて任せてくれ」

藍子「……はいっ」

P「それで、だ。……そこの二人は、何をそわそわしているんだ?」

未央「っ……と、ですね。べつに、なんでもない、デスヨ?」

凛「私は本当になんでもないよ。いっしょにしないで」

P「……未央?」

未央「……実は、私も結構お金を持ってきておりました」

P「……そうか」

未央「プロデューサーを信用してなかったわけじゃないんだよ? でも……万が一があったらことだな、と思いまして」

P「……そうか」

未央「……あの、プロデューサー?」

P「……俺、もうちょっと身なりとかに気を遣った方がいいのかな」

未央「わー! ごめん! ごめんって! 私たちが心配し過ぎただけだからー!」

藍子「そ、そうですよっ。大丈夫ですから。ね?」

凛「……お店の前で騒いでないで、もう入らない?」

P「はい」

未央「ごめんなさい」

藍子「えっと……じゃ、じゃあ、入りましょう」


――店の中

未央「ん、中は思ったよりも広い……かも?」

凛「カウンターだけじゃなくてテーブル席もあるんだね。思ってたよりも気楽そう」

藍子「内装も完全に和風、というわけではないんですね。雰囲気はちゃんとありますけど、そこまでぴりっとしていない、というか」

P「そんなもんだよ。まあ、俺も色んなところに行っているわけじゃないからわからないんだが」

未央「この店にはよく来るの?」

P「ちょくちょくな。月に一回来るかどうか……いや、何ヶ月かに一回くらいか」

凛「いつもは誰と来てるの?」

P「何人かで来る時もあるけど、結構ひとりでも来るからな?」

藍子「お寿司屋さん……ということは、どちらかと言うと日本酒が好きな人ですか?」

P「いや、鮨も最近は結構ワインとのマリアージュに凝ってるところもある……が、ここは確かに日本酒だな」

未央「へー……お寿司と言えば日本酒ってイメージがあったけど、それだけじゃないんだね」

凛「どっちにしても、私たちはまだ飲めないけどね」

P「まあ、それはまた飲めるようになった時にな。ただ、本当に飲み過ぎないように。この三人だと……たぶん、大丈夫だと思うが」

未央「意外とあーちゃんがすごい酒豪だったりして」

藍子「えっ」

凛「ちょっとわかるかも。飲むペースはゆっくりだけど、ずっと飲み続けている藍子。想像できるから」

藍子「わ、私、そんなイメージありますか?」

P「なくはないな。逆に、めちゃくちゃ弱かったりするかもしれないが」

未央「お酒に弱いあーちゃん……それはそれで、想像するだけでかわいいですなー」

凛「藍子はどういう酔い方するんだろうね。意外と、悪酔いするタイプだったりして」

未央「ちょっと子どもっぽくなんてなられたらもうイチコロだね。かわいすぎて心配」

P「その場合は禁酒だな。藍子には悪いが、大事なアイドルだからな。信用できる誰かがいない限りは禁酒だ、禁酒」

藍子「……まだお酒を飲める年齢になってもいないのに、禁酒令まで出されちゃうんですか」

未央「あはは。でもまあ、あーちゃんはゆるふわだけどしっかりしてるし、大丈夫だと思うけどね」

P「誰でもダメになる可能性があるから酒はこわいんだけどな……」

凛「実感こもってるね」

未央「とにかく、酒は飲んでも飲まれるな、ってことですよ。そもそも今日誰もお酒飲まないのに、どうしてお酒の話に……」

P「さて、じゃあ何を注文しようか。俺はいつもおまかせでいくつか握ってもらってからお好みで……って感じなんだが、どうする?」

凛「話の変え方、ちょっと強引過ぎない? 私はそれでいいよ」

藍子「私もです」

未央「私も」

P「それじゃ、それで頼むか。すみません」


――

未央「お、これは突き出しってやつですね?」

P「そうだな。イカの湯通し、か」

凛「シンプルだね」

P「この感じがいいんだよ。ぐにぐに噛んで酒を飲んで寿司を待つ……って、酒は飲まないんだが」

藍子「……飲みます?」

P「飲まない」

未央「とりあえず、一口もらうね。……ん、おいしい。そこまでかたいわけじゃなくて、でも、しっかりと弾力はあって……確かに『いい感じ』だね」

凛「ん……うん。そうだね。おいしい。こういうの、私は好きだな」

藍子「確かに、凛ちゃんはシンプルなものが好きそうなイメージがありますね」

未央「あ、わかる。しぶりんはそういうの好きそう。まっすぐだし」

凛「まっすぐだし、って……どういう意味?」

未央「なんか……寄り道せずに、まっすぐに、と言うか……無駄がない感じ?」

藍子「洗練されたイメージですかね」

未央「あ、それそれ。洗練された感じ」

凛「……よくわからないんだけど」

P「なんてそっけなく言いながらも、内心くすぐったい気持ちになっている凛ちゃんなのでした」

凛「いちばん高いのばっかり頼んでもいい?」

P「ごめんなさい調子に乗りましたさすがに勘弁して下さい」

未央「……プロデューサー、たまにそんな感じになるよね」

藍子「プロデューサーさんですから」

P「……藍子? それ、俺、褒められてる? それとも貶されてる?」

凛「ん、次の、来たね。……鰹?」

未央「ほうほう……これは、おいしそうだね」

P「ああ。大ぶりで、軽く炙られていて……絶対うまいな」

藍子「それじゃあ、もらいますね。……わ」

未央「……おお。これは、すごいね」

凛「香ばしさもあって、脂の甘みもあって……でもそれ以上に旨味があるね」

P「めちゃくちゃうまいな……めちゃくちゃうまい」

未央「プロデューサー、語彙力語彙力」

P「いや、だって、もう……めちゃくちゃうまい」

未央「わかるけど」

藍子「プロデューサーさんがそうなるんですね……」

P「俺は食レポの仕事とかしないからな」

凛「それ、関係ある? と言うか、プロデューサーなら私たちにアドバイスできるくらいの方がいいんじゃないの?」

P「アドバイスができるかと自分ができるかはまた別だから問題ない」

未央「それではプロデューサー、さっきの私たちの得点は?」

P「いい感じだったんじゃないか? 素の反応って感じで」

凛「素だし」

藍子「素ですからね」

未央「ふむふむ……つまり、ありのままの私たちを大事にしろ、ってことだね!」

P「なんかいい感じにまとめてくれたな」

凛「それで、実際はどうなの? プロデューサー」

藍子「そういうことなんですか?」

P「そりゃ大事にはした方がいいんじゃないか? どっちがどっちかわからなくなったら困るからな。考え過ぎても良くないとは思うが」

未央「……プロデューサー、やっぱり色々考えてくれてるんだね」

P「プロデューサーだからな。それなりには考えてるよ」

凛「身なりについても?」

P「……やっぱりそんなにダメか?」

未央「ちょ、しぶりん、ここで掘り返す? またプロデューサー面倒くさい状態に入っちゃうじゃん」

P「面倒くさい……身なりもしっかりしてなくてさらに面倒くさくてごめんな……」

藍子「お酒、飲んでませんよね?」

凛「本当に面倒くさいね」

未央「大丈夫だよ、プロデューサー。プロデューサーはかっこいい……プロデューサーはかっこいい……面倒くさいところもかわいい……面倒くさいところもかわいい……」

凛「催眠術?」

未央「むむむむ……むーんっ!」

藍子「超能力ですか?」

P「ハッ! ……お、俺は、かっこいい……そして、かわいい!」

凛「効いてるし」

未央「そう、そうだよ、プロデューサー……プロデューサーはかっこいい……そしてかわいい……」

藍子「これ、まだ続けるんですか……?」

P「かっこいい……そして、かわいい……そうか! 俺が……俺こそが、アイドル!」

凛「違うよ」

藍子「違います」

未央「ごめん、それは違うよ」

P「未央、ここで梯子を外すのはさすがにひどい」

未央「とかなんとかやってる間に、握りの時間だよ。まずは……イカ!」

藍子「突き出しでも出ましたけど、やっぱり全然違いますね」

凛「じゃあ、早速……ん。これ……すごくおいしい」

P「身は包丁が入れられてやわらかく、すっきりとした強い甘みが噛むごとに広がる。そんでまた、酢飯がうまいんだよな。うまいイカと喧嘩もせず、しっかりうまい」

未央「歯切れも良いね。でも同時に、ふわっと口の中で解けるみたいな感じもする。……うん、すごくおいしい」

藍子「次は……カスゴ? って」

P「春の子と書いてカスゴだな。鯛の幼魚だ」

未央「ほうほう、鯛の……ん! んんー! おいしい!」

藍子「やわらかくて……でも、旨味も強くて。それが口の中で酢飯と混ざって……おいしいです」

凛「次は鯖だね。……うん、おいしい。脂が舌の上を流れるみたいに溶けていくね」

未央「それから、しっかりとした旨味もあって……おいしいなぁ」

P「で、ヅケ。……ああ、うまいな。ちょうど良い。程よい酸味がまた良いな」

藍子「イクラ……おいしいです。イクラそのものの味、という感じで、どこかすっきりとした味わいで、とっても、おいしい」

凛「蛤、か……おいしいね。やわらかい。甘くてコクのある煮詰めと蛤の風味、そこに酢飯が絡み合って……うん、すごくおいしい」

未央「そして、海老! ……んー! めちゃくちゃおいしい! と言うか、甘いね! 肉厚で、何と言うか……幸せが凝縮されているみたい」

P「それから穴子。……溶けていく。ふわふわとして柔らかく、香り良く、酢飯と絡まり合って、口の中で解けて溶ける。……最高だな」

未央「……おまかせはこれで終わり?」

P「ああ。お好みでも食べたいと思ったんだが……どうする? まだ食べるか?」

未央「食べたい」

藍子「プロデューサーさんがよければ」

凛「私も」

P「よし。それじゃ、俺は小柱と平目と海胆と鰯と――」

未央「いきなり多い」

藍子「そんなに食べたいものがあったんですか……」

凛「……まだ食べてないのを目の前で食べられたら、食べたくなりそうだね」

未央「あ」

藍子「……プロデューサーさん、できればそんなには注文しないで下さいね」


――店の外

P「ふぅ……最高だった」

凛「それは否定しないけど」

藍子「……お腹、いっぱいですね」

P「俺に合わせなくても良かったのに」

未央「あんなおいしそうな顔して目の前で食べられて我慢できるわけないじゃん」

P「はっはっは。でも動けないってほどじゃないだろ? 俺もめちゃくちゃ満腹ってほどは食べてないし……そうじゃなくても、めちゃくちゃ満足感あるからな……」

未央「動けないほどじゃなくても、お腹いっぱいはお腹いっぱいなんだよ?」

藍子「でも、本当においしかったです……ありがとうございます、プロデューサーさん」

凛「うん。本当においしかった。ありがとう、プロデューサー」

未央「あ、その点は私も同じ。プロデューサー、ありがとね☆」

P「ふっ……お前らのその顔こそ、俺にとっては最高のお返しだよ」

凛「その台詞は気持ち悪いけど」

P「ひどいな?」

藍子「そう言えば、未央ちゃんは大学に入ってからはこっちに来たんだっけ」

未央「そうだね。だから、高校の時より帰るのが遅くなっても大丈夫なのです」

凛「らしいけど、プロデューサー?」

P「ダメです」

未央「えー」

P「いや、確かに高校の時よりは余裕あるだろうけどな? それはそれとして、だな。送迎が必要なら呼べよ?」

未央「そこまで心配しなくても大丈夫だと思うけど……」

凛「プロデューサーの方が危険って?」

P「なんでそうなる」

藍子「まったく危険はないんですか?」

未央「それがね……ないんだよね……」

P「いや、当然だろ……むしろ手を出したらダメだろ」

凛「それはそうだろうけど……ね」

藍子「まったく手を出されないのも複雑ですよね」

P「待て待て待て。なんで責められてるんだ? 俺。褒めてほしいくらいなんだが」

未央「乙女心は繊細で複雑ってことなのです」

P「自分で言うか?」

未央「言っちゃう。未央ちゃんですから」

P「……とにかく、帰るか。せっかく入ったのにこんな時期から……ってのはな」

藍子「こんな時期から……って、こんな時期じゃなければ、プロデューサーさんはどうだったんですか?」

P「……反面教師としては優秀な人材だったかな」

凛「そうなんだ。意外かも。あんまり遊び歩くようなイメージなかったけど」

P「……うん、まあ、遊び歩きはしなかったんだけどな……うん……遊び歩かなくても、ダメ人間は生まれてしまうって言うか、な……」

未央「……この話題、触れない方がいい?」

P「はい」

未央「……よ、よし! あーちゃん! ほら、月が綺麗だよ! 東京でも月ってこんなに綺麗に見えるんだね!」

藍子「そ、そうですねっ。月はどこでもこんな感じだと思いますけど、綺麗ですっ」

P「……ふっ、心遣いが苦しいぜ」

凛「下手な誤魔化しが、じゃなくて?」

P「……今の流れは、凛も二人に付き合う流れじゃないのか?」

凛「決まっているわけじゃないでしょ?」

P「まあ、そうだが……なんだか、今日の凛はぐいぐい来るな」

凛「私らしくない?」

P「……そうだな。決めつけるのもおかしい話だが」

凛「大丈夫。私もそう思ってるから」

P「そうか」

凛「うん」

P「……それで、凛は何を言いたいんだ?」

凛「べつに。ただ、無責任で……自分でも、言うべきじゃないと思うこと」

P「……そうか」

凛「私には、あんまりわからないけどさ。……わからないなら言うなって話だけど、それでも、わかることはある。プロデューサーが教えてくれたことが」

P「俺が? ……思い当たるものがないな」

凛「アイドルのことも?」

P「……それなら、確かにな」

凛「うん。……アイドルは、アイドルだよ。私も、藍子も……未央も。アイドルだけど、それはイコールで結ばれない。でしょ?」

P「凛の場合は、ほとんど結ばれているような気もするけどな」

凛「店の中で話してたことは? ……って言いたいところだけど、あんまり否定できないかな」

P「だろ?」

凛「でも、今は私の話じゃないから」

P「……だな」

凛「……関係ないのに、どうしてここまで口出ししてるんだろうね」

P「関係なくはないから、じゃないか」

凛「そうかな」

P「ああ」

凛「そっか。……ううん。でも、やっぱり私は関係ないよ。余計なことを言い過ぎたかも」

P「いや……ありがとう」

凛「……お礼を言われるようなことかな」

P「そんな気持ちになったんだよ。受け取ってくれ」

凛「……ん。どういたしまして」

P「……さて。いつまでも二人で話してないで、さっさと二人に追いつくか。さすがに二人だけにはしてられないからな」

凛「そうだね。でも、最後にひとつだけ」

P「ん?」

凛「未央ももう大学生になったんだし、好きにすれば?」

P「……」

凛「余計なお世話だと思うけど、これだけは言っておきたかったから」

P「いや……うん。肝に、銘じとく。……ありがとう、凛」

凛「……ん」





凛「……あと」

P「あと?」

凛「さらに余計なことを言ってもいいなら『傍から見るとずっといちゃいちゃしてるようにしか見えないんだから今更何をうじうじやっているのか理解できない』とかもあるけど」

P「いやあのそれはやめて下さい正直仰る通りだと思うところもありますけど!」




これにて今回は終了です。
今回は前回からの流れってことでお寿司でした。お寿司はおいしいですね。おいしいです。お高いお寿司食べたいです。今回のはそんなにお高くない設定ですが、実際のところおいくらだったんでしょうか。東京のお寿司食べたいです。
もうちょっと同じ年齢の子を出すかどうかも迷ったんですがやめておきました。みくとか、さすがに……ですからね。

藍子→プロデューサーの呼び方は確か以前書いた時は「Pさん」でしたが、今回は「プロデューサーさん」でした。表記に一貫性がなくてすみません。個人的なあれやこれやです。

このSSでの未央ももう大学生ですね。大学生になって何かあるんでしょうか。今回の最後はプロデューサーさんが凛に色々と言われておりましたがどうなんでしょうか。正直今までも十分いちゃいちゃしとったがなみたいな思いもあるのですがどうなるのでしょうか。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですが総選挙ですね。明日の中間発表、ドキドキです。
総選挙中はめちゃくちゃ更新したろ! ……みたいに思っていたのですが今日になるまで書けませんでした。次は……わかりません。

改めてありがとうございました。

P「寮での生活はどうだ?」

未央「問題ないよ。前からちょくちょく泊まったりもしてたしねー」

P「さびしかったりはしないか?」

未央「さびしくは……ないかな。みんなもいるし、そんなには、ね。私ももうちょっとさびしくなるものだとは思ってたんだけど……いつでも会いに行けるからかな?」

P「どうだろうな。今の時代、いつでも会いに行けないところのほうが少なそうだが。いつでも会いに行けるからこそ、なかなか会いに行かなかったりもするからな」

未央「それ、プロデューサーの話?」

P「でもある」

未央「そっか。……プロデューサーは、ひとり暮らしを始めてすぐの頃は、どうだった? さびしかったり、しなかった?」

P「そうだな……一日目は、さびしさを感じたような気もする。一日目の、夜だったかな。二日目からはそんなこともなかったんだが……一日目は、さびしかったな」

未央「ふーん……そうなんだ」

P「そうだよ。ひとりがさびしいなんて格好悪いか?」

未央「ううん。そんなことないよ。だって、ひとりってさびしいもん」

P「……そうだな。ひとりは、さびしいか」

未央「今は、本当にさびしくない?」

P「さびしくないよ。未央もいるし、それでさびしいなんて言ったら贅沢だろ?」

未央「そっか。さびしいって言ってくれたら、夜も未央ちゃんがいっしょにいてあげたのになー?」

P「……大学生になってそういうこと言われると、余計に困るな」

未央「でしょ? ふふん」

P「わかってやってるのかよ」

未央「もちろん。好きな人を困らせたいのが乙女心というやつなのです」

P「好きな子に意地悪する小学生の男の子じゃなくてか?」

未央「む。そう言われると……確かに、ちょっと似てるかも? やめたほうがいい?」

P「やめられたらやめられたで調子が狂いそうだからそのままでいい。嫌ってわけでもないしな」

未央「小悪魔な未央ちゃんもかわいいってことかな?」

P「……どうだろうな」

未央「素直じゃないんだからー」

P「うるさい。……ごはんとかは、どうしてる? 寮でも出るだろうが、自分でつくったりはしてるか?」

未央「まあ、ぼちぼち? プロデューサーはどう?」

P「俺か? 俺は……学生の頃なら、つくったりもしてたか。何もやってなかったからな。時間が余りに余った結果、料理をすることもあった」

未央「へぇ……凝ったものとか、つくったの?」

P「そういう気分のときは、な。もう全然覚えてないが……カレーとかは、今でもつくるか」

未央「ほう、カレー。未央ちゃんの得意料理でもありますね?」

P「あー……未央の、うまかったなぁ。また食べたい」

未央「……そういうこと言われると、うれしいね。もっと言ってね? いつでもつくってあげるから」

P「それじゃあ、おにぎりとかもまた食べたい」

未央「お、いきなり言うね? 実は前から思ってた?」

P「たまにな。手料理が食べたいような気分のときは、未央のを思い出してたな」

未央「……そう、です、かー。……か、カレー!」

P「カレー?」

未央「そう! カレーの話してたら、食べたくなってきちゃった! どこか、行かない?」

P「ん、まあ、べつにいいが……そうだな、カレーか。なら、ちょうど行きたいところがあってな」

未央「行きたいところ? また、誰かに教えてもらったの? それとも、有名なところとか?」

P「有名なところだな。というか、チェーン店だしな。俺はあまり行ったことないんだが……未央はどうだろうな」

未央「カレーでチェーン店……この時点で、結構しぼられるね」

P「だろうな。それでいいか?」

未央「うん。考えている中のどこでもいいし……もし考えているのじゃなかったとしたら、それはそれで気になるし?」

P「じゃあ決定だな。えーっと、確か、ここらへんだと……」


――店の前

未央「あ、ここかー」

P「ここだな。未央は、来たことあるか?」

未央「よく見るけど、実はなかったり。それでも、このゴリラはインパクトあるし、知ってたけどね」

P「だよな。来たことがないって言うのは……まあ、未央はあんまり来そうではないな」

未央「実家暮らしのときは、カレーと言えばお家カレーだったしねー。でも、金沢カレー? だったよね? 食べたことないな。どういうの?」

P「どういうの、って言われると……濃い? あと、キャベツの千切りがいっしょに出てくる」

未央「キャベツ? カレーに、キャベツの千切り……ちょっと想像しにくいかも」

P「あと……って、ちょうどここに書いてあるな。えーっと……ステンレスの皿に盛られていて、フォークか先割れスプーンで食べる。あと、ルーの上にはカツが載っていて、ソースもかかっている、か」

未央「カツカレーが普通ってこと?」

P「みたいだな。確か、俺が昔に食べたときもそうだった」

未央「でも……フォークでって、食べにくくない? カレーだよ?」

P「まあ、ここに書いてある通りドロッとしてるしな。キャベツの千切りもいっしょに載ってるわけだし、ただのスプーンじゃ食べにくいのかもな」

未央「なるほど。と言うか、プロデューサーは食べたことあるんだもんね」

P「ああ。そのときもべつに食べにくいとは感じなかったな。……とにかく、入るか」

未央「ん。りょーかーい」


――店の中

未央「ん、食券制なんだ」

P「そう言えばそうだったな。これなら、入る前に何にするか決めておくべきだったか……」

未央「まあまあ、落ち込まない落ち込まない。それで、プロデューサーのおすすめは?」

P「おすすめって言っても、あんまり覚えてないからなぁ……未央はどうする?」

未央「お、今回は私から? それじゃあ……ん、チキンカツカレーにする。サイズは……どれくらいがいいかな?」

P「まあ、普通のサイズ……エコノミー? に、すればいいんじゃないか?」

未央「じゃあそうするね。プロデューサーは、いちばん多いファーストかな?」

P「いや、その間のビジネスで。トッピングとかはしないのか?」

未央「初めてだしねー。最初はスタンダードなのからいこうと思いまして」

P「そうか。なら、俺は……ロースカツカレーのビジネスで」

未央「このメジャーカレーっていうのじゃなくていいの?」

P「ちょっと量が多そうだからな。食べられないってことはないだろうが、あんまり量を食べたい気分でもない」

未央「そっか。それじゃ、早速食券を買って……適当に座ればいいのかな?」

P「たぶんな」

未央「で、食券を店員さんに渡して、待つと。……そう言えば、プロデューサー」

P「ん?」

未央「ちょうど行きたいところだった、って言ってたけど、どうしてなの?」

P「ああ、それか。いや、最近見たアニメで金沢カレーが出てきてな……」

未央「あー……そう言えば、プロデューサーってアニメ見るタイプだったね。私もプロデューサーの影響で見るようになったけど……最近は、見れてないかも」

P「お、それなら最近のオススメを教えようかな。まず、女子高生がキャンプをする漫画が原作のアニメがあるんだが……」


――

P「来たな」

未央「来たね。ふむふむ、これが金沢カレー……確かに見るからに濃そうだね。あと、香りが結構強い? これは……ソースのにおいも混ざってる? かな?」

P「そうだな。カレーなんだが、あんまりカレーっぽくない。ちょっと独特な感じがするよな」

未央「うん。このドロッと感は……一晩置いたカレーっぽい?」

P「確かに、そうだな。……とりあえず、冷めないうちに食べるか」

未央「だね。いただきまーす」

P「いただきます」

未央(さてさて、それじゃあ早速……って、そうだったそうだった。フォークで食べるんだよね。カレーにフォーク……最初に聞いたときは食べにくそうって思ったけど、これだけ濃厚なら)

未央(ん、すくえた。けど……ソースとカレーって、混ぜたほうがいいのかな? そこらへんはどれくらいのバランスがいいのかなー。まあ、最初の一口は混ぜずにいこう。それじゃあ、いただきます、っと)パクッ

未央「……ん」

未央(おお、濃い。確かに濃いね! あと、そこそこ辛い! でも、そんなに嫌な辛さじゃないかも。濃厚で、ドロドロで……そこにスパイスがピリッと効いて。それに辛いだけじゃなくて、甘みと塩味も効いていて、ドロドロのソースみたいなルーがそれを丸く包みこんでいる感じ?)

未央(でも、これだけじゃ濃すぎて口の中がドロドロになっちゃいそ……って、だから、キャベツの千切りがあるのかな。それじゃあ今度はキャベツの千切りをいただきます)パクッ

未央「……うん」

未央(やっぱり! キャベツの千切りで口をさっぱりさせるのが良いね。カレーだけだと濃いから途中で飽きちゃうかもしれないけど、キャベツが良い……清涼剤? になってる。カレー、キャベツ、カレー、キャベツ……って、そうそうチキンカツ)

未央(もうこのカレーがソースかってくらいドロドロで濃い感じだし、カツに合いそう。えっと……あ、フォークだし、カツも食べやすいかも。これで、カツとカレーとごはんをいっしょに口に入れて……)パクッ

未央「……うんっ」

未央(おいしい! やっぱりお肉はいいね。いい。サクサクしてて、カレーがドロドロな中でこの食感は楽しい。鶏肉のあっさりした脂が濃いカレールーと口の中で合わさってるのもいい感じ。ソースの味も舌の上を乗って、ふんわりフルーティーな香りが抜けてくる)

未央(そして、ここにまたキャベツの千切りを入れて、っと)モキュモキュ

未央(……うん。金沢カレー……いいね!)


――店の外

未央「おいしかったね、プロデューサー!」

P「ああ、うまかった。しかし、マヨネーズもあるんだったか……今度はかけてみるかな」

未央「お、また来るつもり? そのときは私もマヨネーズをかけようかなー」

P「なんでいっしょに来る前提なんだよ……」

未央「そりゃ、私とプロデューサーの仲ですし?」

P「どんな仲だよ――って、これ聞いたらどんな答えか返ってくるか予想できるな」

未央「アイドルとプロデューサーじゃなくて?」

P「そう言うつもりだったのか?」

未央「さて、どうでしょう。少なくとも今は、アイドルとプロデューサーだもん」

P「今は、か」

未央「うん。将来的には……どうなるかな? 私がずっとアイドルを続けるなら、ずっとアイドルとプロデューサーなのかもしれないけど……」

P「どうだろうな。未央が高校生から大学生になったように、俺も何かが変わるかもしれない」

未央「出世して、現場からは離れちゃうかも?」

P「そうなるかもな。……そのとき、未央はどうしてるかな」

未央「どうだろうね。アイドルのままか……それとも、女優さんになってたり?」

P「女優か。アイドルとしての未央も良いが……女優として活躍する未央も、見てみたいな」

未央「そう? なら……そのときも、プロデューサーはいっしょにいてくれる?」

P「いっしょに? ……そんなの、言うまでもない」

未央「……えへへ。そっか。うん。……うん。……でも、言ってみて?」

P「……言うとなると、恥ずかしいんだが」

未央「それでも。プロデューサーが恥ずかしがるところも見たいしねー」

P「変な趣味してるな」

未央「いい趣味じゃなくて?」

P「良くはないだろ」

未央「そうかな? と言うか、話、そらさないで。ほらほら、ね?」

P「……わかったよ。それじゃ、言うぞ?」

未央「うん。言って?」

P「……アイドルのままでも、女優になっても。たとえ、そのどちらでもなかったとしても。できれば、俺は、ずっと未央と――」



これにて今回は終了です。
久しぶり! めっちゃ久しぶりですね! もっと早く更新するつもりだったので話題もそんな感じですね。はい。

今回のお店は金沢カレーのお店です。気になりながらも行ったことなかったんですけど、あんな感じなんですねー。プロデューサーさんが言ってたアニメで見た……のほうのモデルは今回のお店じゃないっぽいですが、プロデューサーさんはそういうことまでは知らなかったみたいですね。まあ私もそっちの店行ったことないんですけど。そっちのお店も行ってみたい……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

あとSSとは関係ないですが「Stage bye Stage」良い曲ですね。CD発売が楽しみです。
CG STAR LIVEも行きたいなぁ……。

改めてありがとうございました。

P「うどんを食べに行こう」

未央「え? ……いきなりどうしたの? またうどん探訪?」

P「いや、そうじゃなくてな……ちょっと、近所にうまいうどん屋ができたって聞いてな」

未央「それで、行ってみたくなった、と?」

P「そういうことだな」

未央「……普段のプロデューサーだったら、こういうとき、私に何も言わずにひとりで行かない? 男の人ひとりだとー、って店だとまだわかるけど、うどん屋さんでしょ? いや、プロデューサーは男の人ひとりだとちょっとって店でも割とひとりで行く印象あるけど」

P「そう言えばそうだな。最近はあんまり新しい店を開拓したりしてなかったが……いつもなら、未央を誘う前にひとりで行ってみることが多かったか」

未央「そうそう。今までもないことはなかったけど、珍しいなーと思って。どうしたの?」

P「どうした、って言われても……なんとなく、初めて行く場所だし未央も誘うか、って思っただけでな。特別な理由はない」

未央「……特別な理由はない、ですか」

P「ああ。……あ、ここはそれっぽい理由をでっち上げる場面だったか? デリカシー? 的に」

未央「そういうことを聞くほうがデリカシーないと思うんですけど? でも……うん。特別な理由がない、っていうのは高得点かな。未央ちゃん的に」

P「そう……なのか?」

未央「そうそう。それで、もう行く? 私は今すぐでも大丈夫だけど」

P「ああ。未央がいいなら、すぐに行こう。近くだし、サクッと行ってサクッと食べよう」

未央「ん。それじゃ、しゅっぱつしんこー」


――店の前

未央「おお、ほんとにすぐだね、プロデューサー。しかし、ここは……なんだか、思ってたよりもオシャレな雰囲気?」

P「だな。店の前にメニューが置いてなかったら素通りするところだった。あんまりうどん屋っぽくないが……メニューも、ちょっと凝ってるのも置いてあるな」

未央「ん、確かに。定番どころだけじゃなくて結構色んなのがある……かな? これは……ニュージェネレーションうどん?」

P「無理やり結び付けなくていいから。店の前でずっと立ってるのもなんだし、さっさと入るか」

未央「はーい。二名様、ご来店でーす」

P「お前はどの立場なんだよ」


――店の中

未央「お、店の中もオシャレな雰囲気だけど……立ち食いなんだ。ちょっと意外」

P「そんなに広くないからかな。ビジネス街ってのも関係しているかもしれない。昼休みなんかにサッと入ってサッと出る、みたいな人が多いんじゃないか?」

未央「あー、そういう。えっと……あそこで注文する感じかな? うどんを注文している間に並べられている天ぷらなんかを選んでお会計するタイプ……うどん屋さんって、こういうの多い?」

P「んー……どうだろうな。俺もそんなにうどん屋に行ってるわけじゃないからなぁ……讃岐うどんはこういうスタイルの店が多いのかもしれない」

未央「ほうほう? それで、プロデューサーは何のうどんを注文するのかな?」

P「俺は……そうだな。冷かけで」

未央「冷かけ? って……かけうどんの、冷たいやつ?」

P「まんまだな。そうなんだが」

未央「『通』な食べ方ってやつ?」

P「いや、単に暑いからシンプルで冷たいのを一気に喉に流したかったってだけだな」

未央「おおう、そういう理由ですか……まあ、前にうどん屋さんに行ったときに変な食べ方してたもんね。そんなこと考えてないか」

P「ん? バカにしてるか?」

未央「してないしてないしてないヨー。それじゃ、私も同じので。注文しよしよ」

P「なんか釈然としないが、わかった。……すみません。冷かけの大盛りと並を一つずつ、お願いします」

未央「で、出来上がるのを待ってる間に天ぷらを?」

P「べつに取らなくてもいいんだろうけどな。このシステムだと……ついつい、取っちゃうよなぁ」

未央「だね。えっと……私は定番の鶏天かな。あ、かやくご飯もある。うどんと同じ出汁で……だって。そんなに量もないし、これも食べよ」

P「俺もまあ、似たような構成だな……それじゃ、俺は会計しとくから、適当に場所とっといてくれ。うどんは店員さんが出来上がり次第持ってきてくれるらしいから」

未央「ん。旦那さまの帰ってくる場所を守っておくのが妻の務めですからねー」

P「誰が旦那さまで誰が妻だよ……」

未央「それはもちろん、プロデューサーが旦那さまで、私が」

P「それ以上言わなくていい」


――

P「ん、来たな」

未央「……こうやって見ると、なんだか綺麗だね。うどんと出汁だけって、どんな感じになるのかなーって思ったけど……シンプルなこの二つだけだからこそー、っていう。侘び寂び? みたいな?」

P「侘び寂びか? でも、シンプルだからこその美しさっていうのはわかる気がするな。引き算の……だったか。必要最小限のものだけだからこそ研ぎ澄まされた美しさを感じるのかもしれない」

未央「そう本田未央のプロデューサーは熱く語った。冷かけの美しさを語る彼の姿は、私には少し眩しく見えた――」

P「恥ずかしくなるからやめてくれないか? 侘び寂びとか言い出したの未央のくせに」

未央「いやー、冷静になるとうどんを前に何言ってるんだろって思ってね。確かに綺麗ではあるけど、食べ物なんだし、まずは食べなきゃ」

P「それはそうだが……まあいい。いただきます」

未央「いただきまーす」


未央(さてさて、ラーメンだったらここでまずスープから、という感じだけど……うどんは、どうだろ?)

未央(いつもだったら麺をずるずるとすすっていくところだけど……冷かけ? だし、出汁の塩梅を確認しておきましょうか)ズズ…

未央「……お」

未央(おおー……おいしい。いい感じに冷えてるし、香りも旨味もしっかり感じる。ぬるくはないけど冷たすぎもしないのがポイントだね。あんまりにもキンキンに冷えてると味がわからなくなっちゃうし。そう考えると、これくらいの冷たさはベストかも。ちょうど夏だし、あっさりしてるから、ゴクゴク飲めちゃう)

未央(っと、ゴクゴク飲んじゃダメなんだった。うどんだよ、うどん。出汁をゴクゴク飲むのはせめてうどんを食べてからでしょう)

未央(それで、うどんは……うん、やっぱり綺麗に感じる。店の照明のせいかな? それとも、この黄金色の出汁とあいまって? まあ、とにかく、食べてみなくちゃわからないってなもんでしょう)ズズー…

未央「……」

未央「……」ズズー……

未央(……ハッ! おいしくて、ついずるずると食べ進めてしまった)

未央(うーん……おいしい。おいしいね、これは。いい感じの弾力で、かたすぎもせず、やわらかすぎもしない。これぞ讃岐うどん、って感じ。詳しいわけじゃないんだけど)

未央(どこかしなやかで、するすると食べ進められてしまう。あっさりとしながらもしっかりとした旨味を持つ出汁が絡んで、ズルズルと啜っていくのが気持ちいい)

未央(ずずーっと啜って、はぁーっと一息。そしてまたずずーっと啜って、はぁーっと一息。このサイクルがたまらない。麺類のものを思い切り啜るのって、上品とは言えないんだろうけど、やっぱり、すごく気持ちいい)

未央(ここらで鶏天とかやくご飯もいただきましょう。……んん、これもこれで良い感じ。揚げたて熱々ってわけじゃなくて、むしろもうちょっと冷めちゃってるけど、これはこれでおいしいなぁ。こういう、ちょっと冷めた感じのもののおいしさって、どう表現すればいいんだろう。衣もサクサクじゃなくなっちゃってるんだけど、それが良い、みたいな……難しい)

未央(かやくご飯も同じで、ちょっと冷めてしまっている。でも、それが良い。少し冷めることで味がしみたりしているのだろうか。なんか、落ち着いていながらもしっかりとした味合いを感じて……そう言えば、うどんと同じ出汁を使ってるんだっけ。食べていると、どこか安心したような気分になる。家庭的……とは、ちょっと違うけど、どうしてか少し懐かしい。そんな感じだ)

未央(そうして、またうどんをずずーっと啜って、出汁をごくごく飲んで、はぁーっと一息ついて……ぱくっと鶏天やかやくご飯にお箸をつけて)

未央(んん……このサイクル、止められないっ!)


――店の外

未央「はー……結局、お出汁、ぜんぶ飲んじゃったよー」

P「俺もそうだな。思ったよりも腹が膨れたんじゃないか?」

未央「うん。動けないーってほどじゃないけど、思ったよりは、ね。でも、あっさりしてたし、食べやすくて……たぶん、大盛りでもいけちゃったね。頼まなくてよかったけど」

P「そうだな。もうそろそろ夏も終わるが、あんまり食欲がないときなんかには重宝しそうだ」

未央「それは確かに……って、そう言えば、もうそんな時期かー。高校の頃だと……そろそろ夏休みが終わる頃だね。宿題に追われる時期だ」

P「去年なんて、確か、ちょっと早くに夏休みが終わって、もうそろそろ始まる頃だったんじゃないか?」

未央「んー……そうだったような気もするし、そうじゃなかったような気もする……去年は忙しかったからあんまり覚えてないね。学校でも学校じゃなくても、勉強してた気がするし」

P「受験生だったもんな。大学は九月の半ばか終わりくらいまで休み、だったか」

未央「だね。そのあたりはプロデューサーのほうが詳しいかも」

P「なんでだよ。確かに未央のスケジュールはだいたい頭に入ってるが」

未央「私よりも私のこと知ってるかも?」

P「そんなことはないと思うが……」

未央「でも、大学が休みでも、あんまり休みだーって感じはしないかも。プロデューサーがいっぱい仕事をくれるからねー」

P「ああ。高校の頃に比べて仕事を入れやすくてありがたい」

未央「私も仕事がいっぱいでありがたい……けど、お休みもほしいなー? なんて」

P「心配するな。身体は壊さないように気をつけてる」

未央「身体が壊れなかったらいいってものじゃないですよ?」

P「ははは」

未央「笑い事じゃないんですけど!?」

P「……まあ、ちゃんと考えてるよ。大学生とは言っても、だしな。昔に比べると、さすがに頑張りすぎたりはしないようになってるが」

未央「……そう言われたらそう言われたで、なんか、調子狂うね」

P「どうしろって言うんだよ。……とにかく、また休みは入れておくよ。遊びすぎて遊び疲れられても困るが……そういう日も、あったほうがいいかもしれないからな」

未央「……プロデューサーは?」

P「俺?」

未央「身体は壊さないように気をつけてるかもしれないけど……たまには遊ぶのも、大事だよ」

P「……そうだな。俺も、ちゃんと休んで、ちゃんと遊ぶよ。それでいいか?」

未央「んー……あんまり信じられませんなぁ」

P「そんなに信頼できないか? 俺」

未央「プロデューサーは私に頑張りすぎないようにって言うくせに、自分は頑張りすぎちゃったりしますからなぁ。休日はしっかり休んでるんだろうけど……遊ぶのは、信頼できない、から」

P「から?」

未央「私もプロデューサーもオフのときに、さ。……いっしょに遊んだり、しませんか?」

P「……」

未央「……む、無言は、ちょっと、悲しいんですけど?」

P「……あ、いや、悪い。……うん。そうだな。未央がいいなら、そう、するか」

未央「ほんとに? ほんとに、いいの?」

P「いいよ。むしろ、こっちからお願いしたいくらいだよ。未央は俺よりずっと遊び方を知ってるだろうし……未央となら、俺も、しっかり遊べそうだからな」

未央「……そ、っか。そっか。そう、ですか。……よーし! それじゃ、未央ちゃんがプロデューサーのことをヘトヘトになるまで遊び疲れさせちゃうからね! 覚悟しておくよーに!」

P「いや、ヘトヘトにされたら困るんだが……おい、聞いてるか? 未央? おーい」



これにて今回は終了です。
夏だしさっぱりしたものをー、って思いましたがちょっと涼しくなってきちゃいましたね。いや、涼しくなってきたこと自体は嬉しいんですが、また書くのがちょっと遅れちゃったかー、って感じです。

今回はうどんですね。讃岐うどん。ひやかけ、おいしいですよね。ごまかしがきかないとは言いますが、こんな季節にはおいしいお店でひやかけをぐいぐいするのが気持ちいいように思います。苦味がえぐみがなく、しかししっかりとした旨味を感じる出汁でいただく冷たいおうどんを一気にすする……気持ちいいです。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

あとSSには関係ないですがスターライトステージのMVで未央に踊ってもらってカシャカシャするの楽しいです。未央やっぱりかわいいです。美人さんです。
スターライトステージと言えば、でれぽでかき氷キーンってなってたし、かき氷を書いてもよかったなぁ……と思いました。書くかもしれません。

改めてありがとうございました。

未央「肌寒くなってきたなー、と思うわけですよ」

P「肩出しといてそんなこと言われても困るな」

未央「確かに。でもここは颯爽とジャケットを肩にふぁさーっとかけてくれるシーンじゃない?」

P「そうしたらどうなる?」

未央「親愛度が1上がるね」

P「1か……」

未央「不満? でも、もし親愛度の上限が10とすると……?」

P「大きいな」

未央「でしょ? ちなみに未央ちゃんの親愛度上限は600です」

P「その中の1か……微妙だな」

未央「ちなみに未央ちゃんの親愛度はすでにMAXです」

P「じゃあ意味ないな?」

未央「いやいや。ここでジャケットをかけてくれるとイベントが発生するからね。イベントスチルが埋めれるよ」

P「あー、ぶかぶかのジャケットを羽織る感じの?」

未央「そうそう。『これがプロデューサーの体温なんだ……』みたいな。乙女な感じのが見れますよ?」

P「先に言ったらぜんぶ演技だってわかることが難点だな」

未央「大丈夫大丈夫。未央ちゃん女優ですから。アイドルだけど」

P「というか、ほんとうに羽織るもの、何も持ってないのか?」

未央「持ってないデスヨ」

P「女優どこいった」

未央「えへへ。アイドルは身体が資本ですからねー。さすがに冷やさないようにって持ってるけど……ほら、あわよくばってオトメゴコロが炸裂したと言いますか」

P「それ、ほんとうに乙女心か? 持ってるならさっさと着とけ。心配だから」

未央「親愛度アップワード『心配』を検出しました。プロデューサーへの親愛度がアップします」

P「そんな機械的な上がり方してたのか……」

未央「これでプロデューサーへの親愛度はもうすぐ3000だね」

P「上限超えてるんだが」

未央「愛に限界はないからね!」

P「そういう話か? ……まあいいか。未央、この後の予定は?」

未央「プロデューサーが知っての通り、何もないよ。撮影が押す可能性も考えて予定は入れてなかったし……強いて言うなら、今からプロデューサーが言おうとしているのが予定かな?」

P「先を読むな」

未央「実は未来視が開眼してしまいまして」

P「宝くじを当ててほしいところだな」

未央「それは我が事務所が誇る幸運の女神さまにお願いしては?」

P「冗談じゃなく当てそうだからやめとく。……で、行くか?」

未央「もちろん。そろそろお腹も空いてきたし、ね」


――店の中

未央「お、今日はこういう感じのお店かー」

P「どういう感じだよ」

未央「知る人ぞ知る……みたいな? L字型のカウンターで、ちょっと奥まった場所にある感じが」

P「そこそこ有名な店だから違うな」

未央「でも私は知らなかった。なら実質『知る人ぞ知る』でしょ?」

P「屁理屈だな」

未央「言葉遊びと言いたまえ。それで、ここは……なんか、いっぱいメニューがあるね」

P「最初は表に書いてあるほうだけだったらしいんだがな。なんか増えていったらしい」

未央「お客さんのリクエストを聞いていって……みたいな?」

P「だな。そんなこんなで膨らんでいったらしい」

未央「それで、何がオススメ……って、いくつか『オススメ』って書いてるね。つまり、どれがオススメなのかわからないやつ」

P「まあ、そもそもメニューに書いてあるならぜんぶオススメってだけの話かもしれないけどな」

未央「確かにそうじゃなきゃメニューに書かないかー。……今までもオススメオススメ言ってきたんだから今更だけどね」

P「ホントにな。で、結局何を頼むか、だが……俺もここのは色々あってわからないんだよな」

未央「んー……カレーが多いね。見た感じ。どうなの?」

P「おいしいカレーだな。洋食屋のカレー、って言うのも違うが……どちらかと言えば、どろっとした感じかな」

未央「どろっとしてる以外なにも伝わらない……」

P「それだけで十分だろ? あー、前に行った金沢カレーみたいな感じではないな。スパイスカレーって感じでもない。なんて言ったらいいのか……難しいな」

未央「ほうほう……じゃあ、私はこの照り焼き丼にしようかな!」

P「カレーじゃないのかよ」

未央「いやー、なんかビビッと来ちゃいまして。プロデューサーは?」

P「ハヤシライスで」

未央「カレーじゃないんだ」

P「俺はいいだろ? ……まだ食べたことなかったからな。食べてみたかったんだ」

未央「そっかそっか。それじゃあ注文しちゃうね? すみませーん!」


――

未央「おお……! こ、これは……めちゃくちゃ意外なビジュアル!」

P「『丼』って感じじゃないな。まず皿が平たいし。白ごはんの上に具材が乗っている、ってぶんには丼と同じだが」

未央「鶏の照焼と卵に玉ねぎ。親子丼の鶏肉が照り焼きになっている感じだねー。つゆはないけど。でも、これはおいしそうな感じ……」

P「確かにな。……俺も一口もらっていいか? 完全に今まで見逃してたよ」

未央「いいよ。代わりにそなたのハヤシライスを献上したまえ」

P「もちろん。……いただきます」

未央「いただきまーす」

未央(でも、これはどうやって食べるかちょっと迷うなー。お箸? スプーン? 悩ましいところだけど……せっかくこういうお皿なんだし、スプーンで食べよう!)

未央(つやのある鶏肉と卵が食欲をそそるね。卵はとろとろ……ってほどじゃないけど、そんなに固まっているわけでもなくて。ぷるぷる? ともちょっと違うかな。やっぱりとろとろがいちばん近いかも)

未央(そこそこおっきく切られている鶏肉と卵、それから玉ねぎ、ごはんをすくって……ぱくり)

未央「……ん!」

未央(んー! これは! おいしい! 見たまんまの味なんだけど、見たまんまおいしい!)

未央(やっぱり照り焼きっておいしいよね。もう『照り焼き』って調理法からしておいしいのが約束されている気がする。甘辛いタレにジューシーな鶏肉。卵と玉ねぎが絡んで、そこに白ごはんですよ。間違いなくおいしいもんね)

未央(照り焼きのタレはどちらかと言うと甘さのほうが強い。弾力のある鶏肉の身は噛みしめると脂が染み出してきて、卵がそんな強い味たちを包みこんで、さらにごはんがクッションに。玉ねぎの食感も楽しくて……あー、おいしい)

未央(飴色の鶏肉ちゃんと玉ねぎちゃん、黄金色の卵とつやつや美白のごはんといっしょに口の中で演奏会……みたいな。ハーモニー? って言うのはちょっとおしゃれすぎるかな。もっとこう、庶民的な……でも、これはちょっと自分ではつくれないかも。卵の感じが難しそう。調理法からして『勝ち』って感じの照り焼きと卵の組み合わせだけど、それをさらにプロの料理人がやっているんだもんね。これはもうめちゃくちゃおいしいに決まっているってわけですよ)

未央「プロデューサー、やっぱりこれ、おいしいよ。一口食べる?」

P「ん? ああ、もらおうかな」

未央「ん。それじゃ、あーん」

P「……ん」

未央「……どう?」

P「……うん、うまいな。かなりうまい。絶対にうまいだろって組み合わせなんだが、バランスが良い。これは……次に来たときは、頼むかもな」

未央「ふっふっふ。この数多くのメニューの中からこれを選び出す私……天才かな?」

P「否定しにくい」

未央「それで、だよ。プロデューサー。私も私も」

P「ん? ああ、そうか。ほれ」

未央「ん。あーん」

P「はいはい。あーん」

未央「……ん、おいしい。ハヤシライスってカレーに比べると食べる機会が少ない気もするけど、おいしい料理だよね。ビーフシチューとかとはまた違った感じで、よりごはんに合うようにつくられているって言うか」

P「でも、味はなかなか説明しにくい感じなんだよな……コクと苦味? でも、苦味も嫌な苦味ってわけじゃないんだよな。トマトソースがいっしょに入っていて、甘酸っぱさもあって……ドミグラスソースのあの香り、甘みと酸味、それから深みのあるコクがいっしょになった複雑な味。これがおいしいんだよなぁ」

未央「ここのはあんまり苦味は強くないね。甘みと旨味が強い感じ? でもコクはあって……ぱくぱく食べられちゃいそう。スプーンが進む味だね」

P「ああ。高級感のあるホテルの味って感じのも好きだけど、こういうのもやっぱりうまい。一口一口じっくり味わうのもいいけど、勢いよく食べるのはやっぱり気持ちいいからな」

未央「ちゃんとゆっくり噛んで食べなよ? まあ、気持ちはわからなくもないけど」

P「わかってるわかってる。……あー、うまい」

未央「もー……。ん、おいしい」


――店の外

未央「ごちそうさま、プロデューサー」

P「ああ。やっぱりうまいな、ここは。まだまだ食べてないのもあるし、また来なきゃなぁ……」

未央「私は次来ても照り焼き丼を頼む可能性があるね。個人的にヒットしちゃった」

P「気持ちはわかる。確かにうまかったもんな」

未央「でも、自分でつくれるかもちょっと試してみようかなー。あの卵の感じは難しそうだけど、練習すれば近づけるかもだし」

P「確かに照り焼きと卵ってだけでまず外しはしないからな。あの味付けなら失敗してもまあうまくできるだろ」

未央「……プロデューサーって照り焼きとかつくる?」

P「ん? まあ、つくるときはあるかな。好きだし。って言っても、絡めて焼くくらいしかしないが」

未央「ふむふむ。ということは、私の担当は卵ということになるね」

P「まさかの共同作業か」

未央「初めての共同作業は照り焼き丼でした……」

P「今までにも色々としたような記憶はあるけどな」

未央「確かに。ならn回目の共同作業?」

P「nって」

未央「nは任意の自然数とする」

P「あー……その言い方、懐かしいな」

未央「学生時代を思い出しちゃう? 『あの頃に未央がいれば灰色の学園生活なんかじゃなくてバラ色の学園生活だっただろうな……』とか思っちゃってる?」

P「勝手に灰色にするな」

未央「バラ色だったの?」

P「……」

未央「おおう、その反応は聞いちゃいけなかったやつだね。ごめんね?」

P「謝られるとむなしくなるからやめてくれ……」

未央「あはは。まあまあ、そんな学園生活があったからこその今なわけですよ。何かが少しでも違っていたら、今、未央ちゃんとこうしていられなかったかもしれないわけで、そう考えると昔のことも肯定できない?」

P「……まあ、そうだな。肯定はできないが、否定もできなくなる。何かが少しでも違っていたら……か。蝶が竜巻を引き起こすくらい複雑な世の中だからな。些細なことでも、何かが少しでも違っていたら今みたいにいられなかったかもしれない、ってのはその通りか」

未央「そうそう。その世界だと、プロデューサーはプロデューサーじゃなかったかもしれないし」

P「未央もアイドルじゃなかったかもしれない?」

未央「かも、ね。……そんな世界だと、さすがに、私とプロデューサーは会ってないかな」

P「だろうな。接点がない」

未央「む。そこは運命がなんとかでどんな世界でもー、とか言うべきじゃない?」

P「何かが違っていたら今こうしてなかったかも、って最初に言ったのは未央だろ? 運命なんかじゃない。偶然だ。偶然にも俺がプロデューサーになって、偶然にも未央がアイドルになって。それで、偶然にも俺が未央のプロデューサーになった。それからも色んな偶然が重なって、今がある」

未央「偶然ばっかりだね」

P「ああ。……まあ、でも」

未央「でも?」

P「……そんな不安定な偶然の上に立っているからこそ……運命とも、言えるんじゃないか?」

未央「……ふふっ」

P「……あー、くそっ。笑うなよ。結構恥ずかしかったんだから」

未央「でも……ふふっ。べつにそういうシチュエーションでもないのに、良い感じのこと言うんだもん。笑っちゃうって」

P「うるさい。あー……もう二度と言わない」

未央「えー? 私、今みたいな台詞、結構好きだよ? シチュエーションさえ合ってたらめちゃくちゃときめいたと思う」

P「今は?」

未央「笑う」

P「だろうな! ……あー、過去に戻りたい。さっきのをなかったことにしたい。この短時間ならバタフライエフェクトも起こらないだろ」

未央「いやいや、今のはきーっちり未央ちゃんの脳内メモリに保存させていただきました。『……そんな不安定な偶然の上に立っているからこそ……運命とも、言えるんじゃないか?』ほら、かっこいい」

P「やめろやめろやめろ! あのな、未央、お前な、そうやってからかうから男はこういう台詞言えなくなるんだからな!? こういう記憶が後々にまで引きずるんだからな? また言われたいって思うんならからかうのはやめろよな……」

未央「あー、それは確かに困るね。うん、もう言わない。だから……また、絶対に言ってね? 具体的には、約一ヶ月後とか!」

P「それ、自分で催促するか?」

未央「するする。それで、言ってくれる?」

P「……そのときに思いついたらな」

未央「ん、よろしい。それじゃ、ロマンチックなシチュエーション、楽しみにしてるからね」

P「そこまでハードル上げられても困るからそこそこにしといてくれ」

未央「夜景の見えるホテルでディナーかぁ……」

P「現時点で高いな? もうちょっと下げてくれ」

未央「事務所でカップ麺かぁ……」

P「ひっく! 低いな!? 逆にそれでいいのか?」

未央「私はプロデューサーさえいればいいからね。……あ、今のポイント高くない?」

P「言わなかったらな? ……まあ、それなりに期待しててくれ。ホテルでディナーは……不可能じゃないが、しないけどな」

未央「……うん。期待しとく♪」



これにて今回は終了です。
ちょっと間が空きすぎちゃいました。勝利が約束された調理法ってあると思うんですけど、私の場合は照り焼きがそれに当たるんですよね。照り焼き味、好きです。
トゥインクルスター未央、めちゃくちゃにかわいいですね。あまりにもかわいい。「未央!」って感じがします。好きです。
ありがとうございました。

未央「思うんだけどさ」

P「ん?」

未央「おもちって、なんでついつい食べちゃうんだろうね」

P「……さあ?」

未央「あ、真面目に聞いてないな? アイドルとしては大問題ですよ、これは」

P「未央のことは信頼してるから大丈夫だよ。シルエットが崩れるほどは食べないし、食べたとしてもそのぶんちゃんと運動するだろ?」

未央「それは、まあ、そのつもりだけど……」

P「けど?」

未央「……信頼されるのは悪い気分じゃないけど、ちょっと重い、と言いますか」

P「重くしてるからな」

未央「あ、悪い」

P「あと、もちを食うことをせめられない理由がもう一つ」

未央「ほうほう。と言うと?」

P「わりと食べさせてる身で『もちだけは食うな』とも言えない」

未央「それは確かに」

P「――で、正月休みは満喫したか? 実家に帰るのも久しぶり……でも、ないかもしれないが」

未央「千葉だもん。近いからね。それでも、ゆっくりできたのは良かったかも。アイドルとしてはどうなんだー、とも思うけど」

P「毎年正月は休みなことも多いと思うが……いや、仕事があるときもあるけどな」

未央「お正月に放送される番組は事前に収録されるとは言っても、やっぱりそれだけじゃないもんねー。今年は比較的ゆっくりできたけど。受験勉強もないし」

P「大学は正月休みになんかあったっけか」

未央「私のところは特になかった……ハズ」

P「はず、か。まあ、未央のことだ、なんとかするって信頼してるが」

未央「うぐ……『信頼』って、裏切れなくするために言う言葉じゃないと思うんだけど」

P「未央もそういうこと言うことあるだろ? お互い様だって」

未央「お互い様かなぁ……」

P「それに、信頼するってことはいいことじゃないか?」

未央「いいこと、だけど……個人的には、やっぱり心配もしてほしいと言いますか」

P「してほしいのか」

未央「うん。信頼されるのは嬉しいけど、心配されたいし、疑われたい。それも、され過ぎると嫌だけど……ある程度は、やっぱり、してほしいかも」

P「そりゃまた、どうして」

未央「だって……心配するとか、疑うとかって、そのぶん、私のことを考えてくれているんだー、って感じしない?」

P「俺は未央のことを考えてないわけじゃないが」

未央「わかってるよ? でも……んん、なんて言えばいいんだろ。自分でも言葉がまとまらない……」

P「……そもそも、俺が未央のことをまったく心配も疑ってもいない、ってこともないんだがな」

未央「それはそれでフクザツ」

P「どっちだよ」

未央「どっちも? ほら、複雑な感情だから。言葉にできないものなのです」

P「そういうもんか?」

未央「そういうものです」

P「そうか……いや、でも、俺もちょっとはわかるかもな。信頼されたいし心配されたいし疑われたい。信じることと疑うことは矛盾せずに両立する感情で、たぶん、濃淡しかないんだ。どっちが濃いか、どっちが淡いか。グラデーションでしかなくて……俺は何を言いたいんだ?」

未央「えぇ……そこで私に聞く? なんかいいこと言う風な前置きだったのに」

P「いいこと言おうと思ったんだが思いつかなかった」

未央「かっこわる……」

P「かっこわるいは傷つくからやめてほしい」

未央「プロデューサー、かっこいいよ☆」

P「めちゃくちゃ嘘くさい……」

未央「嘘だもん」

P「……それはそれでかなしい」

未央「わがままだなぁ。それで、けっきょくのところ?」

P「けっきょくのところ……未央には俺のことを考えてほしい、のかもしれない」

未央「つまり、私と同じ結論ってこと?」

P「あー……そうなるか。プロデューサーとしてはどうなんだってところもあるけどな」

未央「いやいや、いくら信頼できる人であっても完璧な人なんていないんだからある程度は心配したり疑ったりすることは必要だと思うよ?」

P「急に真面目な話になったな」

未央「未央ちゃんは真面目なので。くいっ」

P「眼鏡かけてもないのに眼鏡くいっとするな」

未央「かけてほしい?」

P「どうしてそうなるお願いします」

未央「お願いするんだ……」

P「かけてほしいからな。でも、メガネなんて都合よく持ってるもんか?」

未央「ファッション用とか変装用にね。あんまりかける機会はないけどさ」

P「確かにな。見ないことはないが、あんまりかけてるイメージはない」

未央「たまにかけるからこそ価値が出ることを狙っていたり……は、べつにしないけどね。それじゃあ、メガネ、装・着! じゃきーん!」

P「変身でもするのか?」

未央「眼鏡をかけるの、変身って感じするもん。それで、どうかな? メガネ未央ちゃん」

P「それは最高なんだが」

未央「さ、最高なんだ。……具体的にどのあたりが?」

P「ぜんぶかな……」

未央「おおぅ、即答……なんか、仕事のときみたいな素直さだね」

P「仕事のとき以外も素直だと思うが……うん。個人的に眼鏡をかけた女の子は好きだから、ってのあるかもしれない」

未央「私みたいに元気な女の子がメガネをかけると印象も変わっていい感じ?」

P「それもある」

未央「仕事のこと考えてる?」

P「……ちょっと」

未央「うわぁ」

P「引くな引くな。仕方ないだろ? 最高だったんだから」

未央「仕方ないかな? でも、仕事だとしたら……どんな感じ? 今までにもメガネをかけたことはあるけど……それとはまたべつの?」

P「んー……そのあたりはまだ考えてない。メガネかけた未央をもっと見てたいってだけだからな」

未央「言ってくれればいつでもかけるよ? もちろん、そのときのコーデとの兼ね合いもあるけどさ」

P「……魅力的な提案だが、未央の言う通りたまに見るからこそってこともあるかもしれないから遠慮しとく」

未央「後にプロデューサーはこの選択をいたく後悔することになるのであった……」

P「嫌なナレーションやめろ。実際にそうなる気もするから」

未央「えへへ。気が変わったらいつでも言ってね? そのときは私の気も変わってるかもしれないけど」

P「変わってないことを祈るよ。……しかし、もちの話からめちゃくちゃ飛んできたな」

未央「だね。……とかなんとか言ってると、ちょうどおもちも焼けてきた感じかな」

P「だな。どうやって食べる?」

未央「うーん……私は家でもけっこう食べてきたからなー。プロデューサーは何食べたい?」

P「俺はいそべ焼きが食べたい気分かな。香ばしい醤油に海苔の風味が合わさったあの感じ。食欲がそそられる」

未央「お醤油のあのにおいって、妙にお腹が空いてきちゃうよねぇ。それじゃあ、最初は磯辺焼きといきましょうかー」

P「ああ。……ある程度、心配したほうがいいんだったか?」

未央「それはあとで。プロデューサーも、心配したほうがいい? お腹まわり、だらしなくなってないかー、とか」

P「……俺もあとで」

未央「ん、りょーかい。それじゃ、いただきます!」

P「いただきます」



これにて今回は終了ですお久しぶりですすみません。
特別な事情などはなかったのですが誕生日に投稿できませんでした。さらに誕生日から一ヶ月以上も経過していると言う……あまりにも遅くなってしまったので今回は生存報告的な回です。閑話? いつもそうではありますが、いつもよりもなんでもない感じの話です。せっかくのおもちの話だったのでおもち()の話もしてほしかったかもです。個人的願望。

前回のあのフリから誕生日回を飛ばすのはどうなんだとも思いましたがなかなか書き上がりそうにないので今回の感じになりました。すみません。
余談ですが、誕生日回はちょっとお高い焼き鳥屋さんとかに行ってもらおうかなーと思ってました。いつか書けるかな……わかりません。

次回はまだ未定ですががんばりたいです。
ありがとうございました。



「今日は何を食べようか」と彼が言ったので未央は「とんかつ!」と答えた。

 そういうわけで、とんかつを食べに行くことになった。


――


「それで、どうしてとんかつなんだ?」

 歩き始めてから数分、プロデューサーが尋ねる。未央は指を唇に当てて「んー」と考え込んでから、「なんとなく?」と首を傾げた。

「なんとなくか」

 そう言ってプロデューサーは笑う。しかし、それは呆れたからではなく納得したからだろう。

 なんとなく、何かが食べたくなることはある。出そうと思えばそれ以外の理由も出せる。今回の場合であれば、『カツ』だけに次のオーディションの験担ぎにー、とか、最近寒いからー、とか、最近お肉をあんまり食べてなかったから久しぶりにガッツリいきたいと思ったからー、とか、油ものは食べすぎないようにしてるけどたまにはやっぱり食べたくなるからー、とか。理由なんて、後付でもいいのであればいくらでも出せるものだ。

 でも、それはやっぱり後付でしかない。最初からそう思っていたわけじゃない。後になって考えてみれば『これが理由だったのかもしれないなあ』なんてことはたくさんある。なんとなく、気付けば、そう思っていた。理由なんて、それだけで十分だろう。

 例えば……未央はプロデューサーのことを見る。彼に対する色々なものだって同じことだ。なんとなく、気付けば。後になって考えてみれば『これが理由だったのかもしれないなあ』なんてことはたくさんある。でも、それはやっぱり後付でしかない。確かにそう思っている。それだけがわかれば十分だ。

「ん? どうした、未央」

 視線に気付いたのだろう。彼の質問に未央は「なんでもなーい」と弾んだ声で答える。「そうか」と彼が言ってくれたので未央は「うん」とうなずく。

 なんでもないと言ったときは、たいてい何かあるときだ。ただ、言いたくなかったり、わざわざ言うことじゃなかったり。

 触れられてほしくないのなら、触れるべきではないでしょう? ……なんて。プロデューサーは、ほんとうに放っておいてほしいときには放っておいてくれなかったりするし――まあ、そういうときは、自分でも気付かなかったところでは放っておいてほしくなかったと思っていたりするんだけど。

「とんかつってさ」

「うん?」

「あんまり食べる機会ないかも。そう思わない? プロデューサー」

「そうか? ……いや、そうかもな。確かに、食べる機会はそんなにないか。カツ丼とかカツカレーとかのが食べる機会あるかもな」

「揚げ物って自分ひとりだとあんまり作らないし、食べに行くことそんなに多くはないし……カツサンドとかは、差し入れでもらったりとかするけど」

「あー……確かにな。あと、とんかつは出来たてがいちばんって印象もある」

「それはなんでもそうじゃない? って、そういうことが言いたいわけじゃないよね。ステーキとかと同じ理論かな。冷めると肉の脂が固まっちゃって……みたいな?」

「でも、カツサンドとかはちょっと置いたほうがうまい気がするんだよな……」

「それもそれでわかる……」

「まあ、とにかく、とんかつ単体ってなると思ったよりも食べる機会ないかもな、ってことだな」

 そういうことかもしれない。とんかつは『とんかつを食べよう』と思わないとなかなか食べないイメージがある。唐揚げとかだと、もうちょっと気軽に食べる気がするんだけど。

「唐揚げは色んなとこで売ってるもんな。他の揚げ物に比べると食べる機会は確かに多い」

「未央ちゃんと言えばフライドチキンですからねー」

「フライドチキンと唐揚げは違わないか?」

「違うけど……わかるじゃん?」

「わかるけど」

 わかるんじゃーん、と未央は笑う。それを見て彼も口元に笑みを浮かべたものだから、未央はますます楽しくなって、少し前に出てくるりと回る。

「いきなりどうした」

「どーしたんでしょーねー」

 後ろ手を組みながら、彼のほうを向いたまま歩く。しかし、その時間が長く続くことはない。


「……後ろ向きに歩くな。危ないから」

 すぐに彼が非難するように眉を寄せてそう言うことはわかってたから。でも、それを素直に聞き入れるかと言えばまたべつの話だ。

「だよね。ここらへんはまだ一本道で大丈夫だとは思うけど、路地からいきなり人が飛び出してくることとかもあるかもしれないもんね」

「わかってるならさっさと前向いて歩け」

「えー。それは言葉じゃなくて、行動で示してほしいかなー、なんて」

「……お前なぁ」

 未央の思惑を察したのだろう。彼は呆れたように肩を落とし、「そんなことのために後ろ向きで歩くな」と唇を曲げる。

「ごめんごめん。もうやらないから、ね?」

「ね? って……そもそも、こんな回りくどいことしなくても言ってくれれば」

「してくれるの?」

 一歩踏み込み、下から見上げるようにして首を傾げる。彼は目をそらす。

「……最近は、割と、してるだろ」

 小さく唇を尖らせてそう言う彼を見ていると、かわいいような、ちょっといじめすぎたような、そんな感情が湧き上がって、「そうかもねー」と身を起こす。

「でも、わざわざ回りくどいことをしたいのもオトメゴコロというやつなのです」

「面倒くさいな」

「うん。そういう面倒くさいところにきゅんとしない?」

「しない」

 即答。そんな彼を見て、未央はふふっと笑い、

「うそつき」

 そう言って彼の腕にぎゅっと抱きつく。彼はそれに驚いた様子を見せながらも抵抗はせず、ただ不満を示すポーズのために口を結んだだけだった。

「プロデューサーって、素直じゃないよね」

 そんな彼を見て、未央は嬉しそうに笑う。

「未央も素直かって言ったらそうでもないだろ」

「それじゃあ、お互い様だ」

「かもな」

 彼は口元をゆるませて、未央はえへへーとだらしなく笑う。

 そうやって、ふたり、寄り添いながら歩いていく。



 ……って、なんだかこのまま終わるような雰囲気になっちゃってたけど、まだ店にも着いてなかった!


――


「ほうほう……ここが今日のお店ですか」

『とんかつ』と書かれた暖簾を掲げた店の前、未央は腕を組んでふむふむと店の外観を眺めていた。どうしてか訳知り顔だが未央は店の外観を見ただけでどのような店なのか察する能力なんて持っていない。ので、プロデューサーは「そうだな」と適当に返して暖簾をくぐり、未央も「つめたーい」と言いながら彼に続いた。

 内観もそれほど珍しいものではない。調理場の前にカウンター席が並び、その向かいにテーブル席がふたつ……いや、奥にもひとつ見えるので合計でみっつか。

 カウンター席はすでに埋まっており、テーブル席も入口からすぐのところ以外は埋まっていた。どうやらけっこうな繁盛店のようだ。席が空いていたのは僥倖だ。

 上着をかけ、席に着く。メニューを開けば、そこにはいくつかの定食が。

「ロースにヒレ、それからチキンカツやミックスフライ。今の時期は牡蠣フライも、か……」

 牡蠣フライ。これは冬季限定だ。すべて人類は『限定』という言葉に弱いものだが、もちろん未央も弱かった。しかし、今日はとんかつを食べに来たのだ。初めての店ということもあるし、やはりとんかつをいただくべきだろう。

 となれば、あとは何のカツにするか、である。大きく分けるならロースかヒレということになるが、それぞれ『特』の名を冠する上位メニューが存在していた。なんならロースはグラム数別にもわけられている。

 これは……どうするべきなんだろうか。未央はとんかつの知識がそれほどあるわけではない。ちらりと彼の顔を見ると、彼もまた未央のことを見ていた。

「えっと……プロデューサーは、もう決まってる?」

「ああ。特ロースの三〇〇。この店ではこれがベストだ」

 ベストらしい。なら、私も……と思うけど、三〇〇ってけっこうおっきくない?

「そうだな。だいぶ大きい」

「だよね」

 食べきることができるかどうか……未央は考える。なんだかんだでいつもはだいたい食べきることができるのだが、三〇〇と数字で表されると尻込みしてしまう。でも、プロデューサーがベストって言ってるからなー……よし!

「私も、三〇〇にする。挑戦するよ、プロデューサー」

「挑戦か」

「うん。失敗したらよろしく」

 そういうことである。もしものときは彼がなんとかしてくれる。曰く、『信頼してるよ、プロデューサー!』とのことだ。

「どういう信頼だよ……」

「まあまあ。とりあえず、頼も?」

「……だな。すみません」

 プロデューサーが手を上げて店員を呼び、注文を伝える。店員が言うには揚げるまでにけっこうな時間がかかるらしい。三〇〇となれば分厚いとんかつであろうし、それを低温で揚げるのであれば時間がかかってしまうのも仕方ないことだろう。と言っても、ふたりで話していればそんな時間はすぐに過ぎる。


 おまたせしました、とふたりに定食が供される。その中央、キャベツの山の麓に鎮座する、銀網の上に美しく並べられたそれを見て、未央は思わず目を丸くした。

 大きい。それが第一の感想であり、次の瞬間にはごくりと唾で喉を鳴らしていた。

 とんかつは合計六切れ。銀網をはみ出さんばかりの存在感を放ちながらも、断面を見せつけるように置かれた中央部の一切れによってそれが大きさだけのものではないことがわかる。衣は剥がれることなくぴったりと寄り添い、中心部はほんのりと赤い薄ピンク。脂が照明に照らされてきらきらと光る様はどこか淫靡ですらあった。

「……いただきます」

 手を合わせてそうつぶやいて、さあどうやって食べるか、と考える。

 まずは……やっぱりソースかな。未央は断面を見せつけるようにして置かれていた一切れを箸で持ち上げて、予想以上のずっしりとした重みに驚きながらもソース皿に入ったソースを付ける。そしてそのままかぶりつく。

「……んーっ!」

 ……おいしい! 唸るほどにおいしい。それが未央の感想だった。レアに仕上げられた肉の繊維はきめ細やかで柔らかく、噛んだ瞬間に脂の甘みと旨味が口いっぱいに広がっていく。噛みしめるごとに肉汁が溢れ、そして同時にとろけていく。

 柔らかいと言っても、そこに頼りなさなんてものは微塵も感じられない。肉々しく、弾力もある。この上なく『肉を食べている』と実感できる。

 ソースに負けず、喧嘩もせず、どちらの主張もはっきりとして両立している。たっぷりのソースをつけたこのとんかつで、艶々の白ごはんをかっこめば……これはもう、幸福以外の文字はない。

「はぁ……」

 数秒ほど、未央は感動に浸る。しかし、まだまだとんかつは残っている。今度は……塩だ。

 未央は今までの人生において塩でとんかつを食べたことなんてなかった。だが、このとんかつであれば塩で食べてもおいしいだろうとも思うことができた。

 一切れを寝かせて、断面に塩を振りかける。口を大きく開けて、それに思い切りかぶりつく。

「……ん」

 あー! こういうことかー! 未央は目を閉じて口いっぱいに広がる幸福を堪能しながら思う。とんかつに塩……合うね! 言うなればスイカに塩理論。ちょっと違うかもだけど、そんな感じ。塩のしょっぱさが肉本来の旨味甘みを引き立てているというか、引き出しているというか。ソースが互いに切磋琢磨しあうライバルみたいな存在だとすれば、塩は肉の良さを肉だけではたどりつけないところまで引き出す良き師匠だ。これはこれでめちゃくちゃおいしい。

 あー……これは迷う。すごく迷う。どっちもいい、けど……やっぱり、個人的にはソースかな。たっぷりつけたり、ちょっとだけつけたりして、それを白ごはんといっしょに食べるのがたまらなく気持ちいい。あと、関係ないけどそもそも白ごはんがめちゃくちゃおいしい。

 脳が喜んでいる。幸せを感じている。三大欲求のひとつは食欲で、それが今、確かに満たされていると心から思える。

「はぁ……」

 恍惚に、未央は全身から力を抜いて息を吐く。そして思った。

 ……とんかつって、こんなにおいしいものだったんだなぁ。

 と。


――


「ふー……おいしかったけど、さすがにちょっと苦しいかも」

 結局、未央はとんかつをたいらげた。なんならごはんをおかわりすらしてしまった。さすがに食べ過ぎたー、とお腹をさする。心なしか、ちょっと膨らんでいるような気もする。

「満足したか?」

「した!」

 それはもう。肉の甘み旨味たっぷりの分厚いとんかつに芳醇なソースをたっぷりつけて白ごはんといっしょに頬張っちゃって。これで満足するなっていうほうが無理な話だ。

「ただ、次に来るとしても同じの頼んじゃいそうなんだよね」

 他のメニューも気になってはいるのだ。とんかつがこれだけおいしかったのだから他のものもおいしいと思う。他の人が頼んでた海老フライとかおいしそうだったし……貝柱とかもおいしそうだったなぁ。牡蠣フライも気になるし……でも、このとんかつを食べておいて他のものは頼めない。主に胃の容量的に。

「あ、でも」

 そうだ、と未央は目を輝かせて彼を見る。いきなりそんな視線をぶつけられたものだから、彼は不思議そうな顔をして、

「なんだ?」

「いやー……プロデューサーの言う通り、ここのとんかつは三〇〇がベストっていうのは、身をもって勉強させていただきました」

 あの大きさだからこその食感なのだろう。絶妙な火入れを堪能するためには三〇〇を頼むしかないが、そうするとさすがに他のものは頼めない。というか、とんかつだけでもちょっと苦しくなるくらいだし個人的にはもうちょっと量が少ないと嬉しい。

 そこで、だ。

「そこで! 次にここに来るときは、三〇〇をシェアしながら他のメニューもシェアすることを具申します!」

 ひとりで食べれば三〇〇だけでお腹いっぱいになってしまう。他のメニューも気になるが、ここに来ればほぼ間違いなく同じものが食べたくなってしまうだろう。

 しかし、ふたりなら違う。三〇〇の味を堪能しながらも別のメニューを頼むことができる。

「ああ、確かにいいかもな。ここは他のメニューもすこぶるうまいが、三〇〇の魔力に惹かれてなかなか手が出ないんだ。しかし、食べてすぐ次の、って」

 彼がころころと喉に声を転がせて笑う。確かに、自分でもちょっと食い意地はってるかなーって思うけど……おいしかったんだもん。お腹いっぱいでも、次に来たときのことを考えちゃうくらいに。

「そうか。そこまで気に入ってくれたなら良かったよ」

「うん。連れてきてくれてありがと、プロデューサー」

「どういたしまして」

 でも、ほんとうにおいしかった。私はソースのほうが好きだったけど、塩もすごくおいしかったし……そう言えば。

「プロデューサーって、塩だよね」

「は? いや、確かにここのだとどちらかと言えば塩のが好きだが……いきなりなんだよ」

「んー? ちょっと、思っただけ」

 意味がわからないと彼が喉を鳴らす。そりゃわからないだろう。プロデューサーが塩、だなんて。

 とんかつは、ソースのほうが好きだったけど……うん。

「私も、塩、好きだよ」

「お、そうか。まあ、素材がいいからってのもあるんだろうけどな。塩で食べてうまいってことは肉がうまいってことだ」

 だから、こういうところでこそだよな、と彼は笑う。素材自体が良くないと、か。……そういう意味で言っているわけじゃないってことくらいわかってる。でも。

「……えへへ」

 笑みをこぼして、未央はぴたりとプロデューサーにくっついた。

「どうした?」

「ちょっと、くっつきたくなっちゃって」

「……そうか」

「そうなのです」

 剥がれることなくぴたりと寄り添い、歩いていく。

 そんなふたりの顔は、ほのかに赤く染まっていた。



これにて今回は終了です。

こんな形式ではありますが特別な回というわけではないですし、たぶん今回だけ……だと思います。どうしてか台本形式で書くとなかなか進まなかったので「じゃあちょっと違った書き方でやってみよう」と思った次第です。

とんかつもとんかつで色々とありますよね。火入れ加減とか衣の加減とかも好みでけっこう違うような気がします。ソースでいただくか、塩でいただくか、というのも……からしもつけるかどうか悩みます。味噌とかもありますよね。他にも店ごとに変わった調味料を出すところもあって……あまりとんかつを食べる機会はないのですが、そういったところは面白楽しく、なんだかいいな、って思います。ごはんはおいしく炊いておいてほしい……でもおいしすぎるとおかわりしたくなっちゃうので悩ましい……。

最近他の子に登場してもらってないような気がするのでそろそろ登場してもらってもいいかもですね。いつになるかは……。

ありがとうございました。

未央「2月28日ってさ」

P「ん?」

未央「2+28だから……30だよね?」

P「『だよね』って言われても困るが」

未央「つまり……私の日なのでは?」

P「こじつけがひどい」

未央「えー。ここは『そうだな!』って乗ってくれないと」

P「そうだな。未央の日だな。で、未央の日だったらなんなんだ?」

未央「なんかうれしい」

P「……そうだな」

未央「あ、プロデューサーってば、なに笑ってるの? ちょっと失礼じゃないかなー」

P「悪い悪い。でも、その理屈なら毎月未央の日がありそうだな」

未央「うんうん。だから毎月未央の日は未央ちゃんをかわいがらなければなりませんなー」

P「どうしてそうなる」

未央「かわいがってくれないの?」

P「……それはちょっとずるくないか?」

未央「ふむふむ……今のはプロデューサーに効果的、っと」

P「学習するな」

未央「わかってないなぁ。こういった地道な努力が実を結ぶのだよ」

P「何の実だよ」

未央「愛の実? なんちゃってー。……そう言えば、アイスの実っておいしいよね」

P「いきなりだな。まあ、おいしいけど」

未央「この季節にする話じゃないかな?」

P「冬に食べるアイスがおいしいとか、前に言ってたことなかったか?」

未央「言ってたような、言ってなかったような……でも、冬こそアイスっていうのはあるよね。夏は夏で、もちろんおいしいんだけど」

P「夏よりも溶ける心配が少ないしな」

未央「それも重要なポイント! うーん……こんな話をしていたからか、あったかい部屋でアイスを食べたくなってきたような……ちらっ」

P「はいはい。じゃあ買って帰るとしますか」

未央「しまーす♪」


――コンビニ

P「アイス以外に何か買うか?」

未央「いいの? それなら……しょっぱいものかな?」

P「甘いものにはやっぱりしょっぱいものって?」

未央「そうそう。アイスなら……あったかいものならもっといいかな?」

P「つまりホットスナック系か」

未央「そういうことに……なりますねぇ……」

P「何のノリだよ。……ホットスナックな。未央なら」

未央「フライドチキン!」

P「だよな。べつに決まってるわけじゃないんだろうが」

未央「実際、違うの食べることもあるからねー。でも今日のところはフライドチキンで」

P「ん。俺は……肉まんとかにしとくか」

未央「はんぶんこ?」

P「するする」

未央「フライドチキンもはんぶんこ……は、しにくいか」

P「俺はべつにいいぞ? 気にするなって」

未央「そう言われても気にしちゃうのが未央ちゃんだったり。……ポッキーゲームみたいな感じで反対側から食べる?」

P「フライドチキンで? それなら切り分けたほうがいいだろ」

未央「それかもう二個買っちゃうとか」

P「あー……それがいいかもな。量があるわけでもないし」

未央「そのぶん夜は少なめにしなきゃだけどね?」

P「わかってるわかってる」

未央「ほんとかなー? プロデューサーも健康には気を遣わなくちゃダメだよ?」

P「食べないよりはマシだろ? ……ごめんごめん。本当に、ちゃんとするよ」

未央「……うん、よろしい。って、そんなこと言っといてこれから買おうとしているものはぜんぜん健康によろしくないものなわけですが」

P「それは言うな」


――

未央「まずはやっぱりしょっぱいのから?」

P「かな。ほれ、肉まん」

未央「ん、ありがと。……冬って、肉まんの季節かもね」

P「冬と言えばコンビニの肉まんって?」

未央「うん。ふたつに割って湯気がぶわーって上るところとか、冬だなーって感じしない?」

P「わからなくもない。高校生とかが買い食いしてるイメージがなんか強いな」

未央「漫画とかアニメとかで?」

P「漫画とかアニメとかで」

未央「……プロデューサーにはそういう経験」

P「あると思うか?」

未央「ですよねー。未央ちゃんも……ないわけじゃない? かも」

P「未央はありそうな気もするな。いつもいつもフライドチキンってわけでもなかっただろうし」

未央「……羨ましい?」

P「いや、べつに。今更だろ」

未央「まあまあ、今日のところは未央ちゃんがいっしょにいるんだから、そんなに落ち込まないでってー」

P「落ち込んでないんだが……これ言うと『またまた~』とか言われそうだな」

未央「またまたー」

P「本当に言うなよ……」

未央「いや、今のは言うでしょ。明らかにフリだったじゃん」

P「じゃあどうすればよかったんだよ……」

未央「あの状況になった時点で詰みだよね。肯定したらそのまま進む、否定したら『逆に怪しい』とか言われて進む……ほんと、どうすればいいんだろうね?」

P「だいたい否定しようもないことだったりするしな。否定するための証拠を出せない」

未央「困るよね」

P「俺は現在進行系で困ってるけどな」

未央「えへへ」

P「えへへじゃない。……いつまでもこんなこと言ってると冷めるな。さっさと食べるか」

未央「そだね。じゃあ、いただきます」

P「いただきます……って、こういうのに言うか?」

未央「細かいことは気にしなーい」

P「……それもそうだな」

未央「……ん、おいしい。スナック感覚で食べれるこの味がまたいいよね」

P「本格的な中華まんとはまた違ったジャンルだよな」

未央「そうそう。……じゃ、次はフライドチキン……フライドチキン!」

P「んっ。……いきなりなんだよ、びっくりしたわ」

未央「いやー、やっぱりやっておかなきゃいけないと思いまして」

P「何をだよ……」

未央「……ふむふむ、やはりここのフライドチキンは他のコンビニのより塩気の強い味わい……」

P「食べてるし。……俺も食べるか」

未央「……」モグモグ

P「……」モグモグ

未央「……ふたりとも食べてたら黙っちゃうね」

P「食べてるからな……」

未央「それじゃ、最後はアイス!」

P「実?」

未央「実! 今日のはカフェオレ味!」

P「お、その味か。俺の好みだ」

未央「お? じゃあプロデューサーから食べる? あーん」

P「べつに未央からでもいいが……まあ、もらうよ」

未央「あっ! ……『あーん』って言わずにとった」

P「言う必要ないだろ? ……うん、やっぱりうまい」

未央「必要はないけどさぁ……私も食べよ」

P「食感が良いよな。外側……皮の部分と中の部分で違っていて、それがまた楽しくおいしい」

未央「ふぉれふぉれ」

P「口にもの入れたまましゃべるなよ…‥」

未央「んぅ……それそれ。この食感が絶妙なんだよねー。味によっても違う気はするけど……この味はほんとに『カフェオレ』って感じがするね。口の中にカフェオレ味がやさしく広がって、なんか落ち着く」

P「果物の印象は強いし実際果物のもおいしいんだが、この味はいいよな。個人的ヒットかもしれない」

未央「お? 買いだめしちゃう?」

P「割と迷うな……」

未央「おおう、迷うレベル。ほんとにヒットしてるんだね」

P「ホームラン級だな」

未央「ヒットを超えた……」

P「でも、あんまりアイスを買ってもアレか……」チラッ

未央「ん? ……ああ、そゆこと。私はべつにいいと思うよ。節度を守れば。アイスってあんまり賞味期限とか関係ないって言うし、ゆっくり食べれば」

P「健康には良くないかもしれないが」

未央「食べ過ぎれば、でしょ? ……そうだ、プロデューサーが食べるときは私もいっしょに食べるってことで。それならプロデューサーも体調を崩すほどは食べないでしょ?」

P「それ、未央が食べたいだけじゃ」

未央「それは言わない約束で」

P「……うん。じゃあ、そうさせてもらおうかな。ありがとな、未央」

未央「どういたしまして。……でも、ほんとにおいしいね。落ち着く味」

P「ああ。……落ち着く」



これにて今回は終了です。
短いですが今月中に一度は、と思いまして……。

このアイス好きです。どの味もおいしい。食感が良いですよね。うまいなぁって思います。

最近色々とアレなので未央にいやされたいです。みおみおみお……。

ありがとうございました。

未央「やむちゃかぁ……」

りあむ「りあむちゃんだよ! あの未央ちゃんにも名前を覚えてもらえてないなんて……やむ……でも覚えてくれるならやむちゃでもいいかも……」

未央「いや、りあむちゃんのことを言ってるわけじゃなくてね? 飲茶、食べたいなーと思って……まあ、りあむちゃんを見て連想したのは確かだけど」

りあむ「ぼく、食べられる!? ……未央ちゃんにならいいかも」

あきら「ダメでしょ。何言ってるんデスか、りあむサン」

未央「お、すなちー。おつかれー」

あきら「お疲れ様デス」

あかり「お疲れ様です!」

未央「あかりんごも。辻砂夢勢揃いですなー」

あきら「#辻砂夢 #何」

未央「違った? なんか、よくいっしょにいるイメージだから……」

りあむ「!?!!?!?!?! ぼ、ぼくと、ふたりがよくいっしょにいるイメージ……? ま、マジか……そんなことが……」

あかり「確かに、ふたりとはよくいっしょにいるかも……? でも、辻砂夢……あんまりかわいくないような……りんごとも関係ないし」

未央「じゃあ、りんごマスク餃子」

あきら「自分、マスクなんだ……」

未央「りんごサメ餃子」

あきら「#サメ要素 #歯だけ」

未央「ユニット名とか、あればいいんだけどねー。……ユニット組む予定、ある?」

P「ライブ用のユニットなら一回組んだけどな。『ネクストニューカマー』で」

未央「アレはちょっと違くない? わかってて言ってるんだろうけどさー」

あかり「あ、プロデューサーさん! お疲れ様です!」

あきら「お疲れ様デス」

りあむ「Pサマ! ちょ、ちょいちょい、来て」コソコソ

P「? ……なんだよ」

りあむ「ぼ、ぼくとあかりちゃんとあきらちゃんって、どう思う? 仲良く見える? どう? どう? い、いや、ぼくなんかと仲良く見えるなんて言ったらあかりちゃんとあきらちゃんに失礼かもって思うんだけど未央ちゃんがよくいっしょにいるイメージって言ってたからもしかしてと思って……ぼ、ぼく今恥ずかしいこと言ったかな? 的外れなこと言った? まったくそんなことないのに勝手に思い上がって調子に乗っちゃったかな? な? そ、そうだよね、ぼくなんかが誰かと仲良くできるわけないよね……やむ……」

P「やむな。りあむ、お前は、本当……人の話を聞く気がないな。口を挟む間もなく自分の中で自分にとって都合の悪い結論をつける。予防線のつもりかもしれないが、悪い癖だな」

りあむ「……しょうがないじゃん。ぼくだって、こんな自分にはなりたくなかったよぅ」

P「ならまずは人の話を聞け。……あかりとあきらとりあむは、俺の前から見ても仲良く見えるよ。『ぼくなんかと仲良く見えるなんて言ったら失礼』って、それこそふたりに失礼だろ」

未央「そうそう。それに、私ももうりあむちゃんとは友達だと思ってるし! 私よりもいっしょにいるあかりんごとすなちーがそう思ってないわけないじゃん? ね!」

あかり「は、はい! りあむさんとは、友達だと思うんご!」

あきら「……まあ、友達なんじゃないデスかね。こういうこと改めて言うのって、ちょっと恥ずかしいデスけど」

りあむ「ふ、ふたりとも……! 良い子すぎる! 天使か!? アイドルか!? いやアイドルだった! 推せる!!!!!!!」

P「友達じゃなくてファンになっちゃったよ」

未央「まあ、りあむちゃんらしいと言えばらしい……のかな?」

りあむ「……一安心したら、なんかお腹へってきた」

あきら「……は?」

りあむ「Pサマ! どっか連れてって!」

P「お前……べつにいいんだが、あかり、どこがいい?」

あかり「私!? なしてや! あ、じゃなくって、なんでですかっ?」

P「やっぱりラーメンか?」

あかり「ど、どうしてラーメン……好きですけど」

未央「そう言えば、この前も三人で行ったって言ってたっけ?」

P「ん、そうか。ならラーメン以外のほうがいいか?」

あかり「わ、私は、ラーメンでもいいんご!」

あきら「自分もべつにいいデスよ。映える店?」

P「『映える』店、か……なら、候補はあるな。餃子もおいしい」

りあむ「餃子!」

未央「餃子かー。ちょうど食べたかったんだよね。やむちゃだし」

りあむ「……未央ちゃんに『食べたかった』って言われると、なんか照れるな?」

P「何がだよ……」

あきら「それで、行くの? ラーメン屋」

りあむ「行く!」

あかり「行きます!」

未央「行こー!」

P「満場一致だな。……行くか」


――店の前

あきら「ん、いいカンジ」

あかり「わぁ……おしゃれな店……さすが都会……」

りあむ「……こ、ここ、ぼくが入っていいやつ? 門前払いとかされないかな? な!?」

未央「されないって。さあさあ、五名様ご案内~♪」

P「なんでお前が案内してるんだよ」


――店の中

未央「ラーメンの種類としては……醤油? なんか、変なメニュー名だけど」

りあむ「あ! ぼく知ってる! こういうの意識たかもごごごご!」

P「りあむ、お前な……」

あきら「#炎上 #不可避」

あかり「え? え? りあむさん、どうしたんですか?」

未央「あかりんご、君は知らなくてもいい……君には綺麗なままでいてほしい……」

あかり「……?」

P「まあ、それはそれとして、だ。メニューは何にする?」

りあむ「そのメニューがよくわからないんだけど……」

未央「んー……ぜんぶ醤油だけど、種類としては醤油の濃さ? あと、ベースのスープとかも違うのかな。説明だけじゃ、よくわからないけど」

P「未央の言う通り、大まかに言えば醤油の濃さの違いだな。定番はいちばん最初に書いてある淡麗の……いちばんあっさりしたスープか。初めて食べるなら俺もこれだと思う」

りあむ「Pサマが言うならそれで。あと餃子も!」

あきら「異議なし。自分もそれで」

あかり「あっ、私もそれでお願いするんご!」

未央「んー……他のも気になるところではあるけど、私もそれかなー」

P「わかった。りあむ以外は、餃子はどうする?」

りあむ「餃子だよ? 食べたほうがいいよ! Pサマがおいしいって保証してるんだもん! たぶんおいしいよ! ……あ、もしもそんなにだったとしてもぼくは責任とらないけどね。そのときはPサマのせいと言うことで……」

P「……まあ、俺のせいでもいいが、どうする?」

あかり「おいしいなら、食べたいなぁ……」

未央「私も!」

あきら「……自分はマスクがあるからいいけど、においとか、気にしないの?」

あかり「あっ」

りあむ「……ぎょ、餃子って、そんなににおいするものかな? な? ぼく、もしかしていつも餃子くさかった? めっちゃやむ!」

未央「ここのはにんにく入ってないみたいだよ? たぶんにおいは大丈夫なんじゃないかなー」

りあむ「にんにく入ってないんだ……個人的にはそういう気遣いよりも味重視がいいかも……」

P「お前……いや、気持ちはわからなくもないが、入ってなくてもおいしいからな?」

あきら「それで、結局どうするんです? みんな餃子は……頼むってことね。それじゃ、注文しますか。すみません」

P「んっ……先に言われた」

あかり「あきらちゃん、物怖じしなくてすごいんご!」

あきら「#店員さん #呼んだだけ」

りあむ「ぼくはむりだが……?」

未央「無理なんだ……」


――

未央「お、来た来た」

あきら「……映えてる」

あかり「す、すごい丼に入ってるんご……なんか、縦長い……?」

りあむ「食べにくそう」

P「それは否定できない」

未央「ん、餃子も……塩で?」

りあむ「塩……塩かぁ……まあ、なくはないかな」

P「何目線だよ」

あきら「映えてる」

未央「すなちーめっちゃそれ言うね? まあ、私も写真は撮るんだけどー……みんなも入る? プロデューサー以外」

あかり「入るんご! あ、私のでも写真撮ってほしいです……」

りあむ「えっえっ、ぼ、ぼくも入っていいの? 邪魔にならない? 画面の中にこんなピンク入ってたら邪魔にならない?」

P「そうだな。目立つかもな」

りあむ「ぼくも入らせてほしい!!!!!!!!!!!!!!!!」

あかり「了解。それじゃ、撮るよ。……」パシャ

未央「お、すなちーの写真はそういう感じかー……未央ちゃんも負けてはいられません。それじゃ、未央ちゃんバージョン……さん、にー、いち……」パシャリ

P「……うん、うまい」

りあむ「あー! Pサマもう食べてる! ぼくも食べたい! なんかめっちゃいいにおいするし! 伸びちゃうし!」

未央「そだね。それじゃ、私たちもいただきますか」

あかり「いただきます!」

あきら「……いただきます」

りあむ「んー! これめっちゃおいしい! 正直どうなんだろうって思ってたんだけど、意識高いだけあるな! おいしい……しゅき……」

あきら「……りあむサン」

りあむ「え、え? なに? ぼ、ぼくもいただきます言ったよ? みんなより早かったかもだけど、それはPサマもいっしょだし……なんだよぅ!」

あきら「いえ……特には」

りあむ「それ絶対何かあるやつだよね! ぼく知ってる! めっちゃやむ!」

あかり「ふわぁ……これ、うんめなぁ……」

あきら「……」

あかり「……はっ! じゃ、じゃなくって、おいしい! すっごくおいしいです! さすが都会のラーメン……! 都会って感じの味がします!」

あきら「#都会って感じの味 #何」

未央「まあまあ、すなちーも早く食べなよ。ほんとにおいしいよ?」

あきら「……それじゃ、自分も。まずは、スープから。……」ズズ

あきら「……ん! 確かにおいしい!」

あかり「……えへへ」

あきら「……いきなり笑って、どうしたの?」

あかり「え? えっと……あきらちゃんがおいしそうに食べてるから、良かったなって」

あきら「……そういうこと言うのは、ちょっと恥ずかしいと思う」

あかり「えっ!? だ、ダメだった?」

あきら「……そんなこと、ない、けど。……恥ずかしいだけで、嬉しい、かも」

あかり「……そ、そっか。それなら、よかったんご!」

あきら「#んご #台無し」

あかり「なしてや!?」

りあむ「……と、尊い。いや、ちょっと意味違うけど……顔が良いアイドルと顔が良いアイドルが仲良くしてると、やっぱり……良い……しゅき……」

未央「……この三人って、いっつもこんな感じ?」

P「そんなことは……あるかもなぁ……」

未央「でも、このラーメンは本当においしいね。どちらかと言うと『甘い』系のスープかな。甘みは旨みって言うけど、このスープはそんな感じするね。甘いのは甘いんだけど、くどいわけじゃなくて……嫌味がないと言うか? とにかく、おいしい」

P「飲んですぐに『おいしい』ってわかる系のスープだよな。口に入れた瞬間に口の中に旨味が広がる。ここ最近の流行と言えば流行だな。俺は好きだが」

未央「私も好き。まあ『流行』って言っても最近のラーメンにも色々あるらしいし?」

P「確かに色々あるな。淡麗系のスープもよく見るが、それ以外にも」

未央「それ以上は話が長くなりそうだから終わりで」

P「……はい」

りあむ「ん! 餃子、思ったよりおいしい! 塩ってどうなんだろうって思ってたけど……これは、そもそも餡がおいしいのかな。塩をつけなくてもおいしそうだけど……でも、塩分っておいしいからなー。これはこれで大事っぽい。ぼくの思う『餃子』とはちょっと違うけど、これはこれでアリだなー」

あきら「……うん。確かに、この餃子はいいかも。ラーメンの味とも合ってるし」

あかり「んめなぁ……」

P「御眼鏡に適ったようで何よりだ。俺は塩多めに付けるのが好きなんだが……こう視覚化されると塩分が気になりもするんだよなぁ……」

未央「プロデューサー、すっごくスープ飲んでるけど?」

P「スープは塩が見えないから……」

未央「……ね、プロデューサー」

P「……なんだ?」

未央「健康に、気をつけよう!」

P「……善処します」


――店の外

りあむ「はー……おいしかった……しあわせ……これ、夢か……夢なのか……? 幸せ過ぎてこわい……」

あきら「現実」

あかり「プロデューサーさん! 今日はありがとうございました! とってもおいしかったんご!」

P「どういたしまして。よろこんでくれたなら良かったよ」

未央「うむ! 三人とも、これを糧に、明日からも頑張るのじゃぞ!」

P「誰だよ……」

あきら「#誰」

未央「本田未央ちゃんだよ! 私をすこれよ?」

りあむ「それぼくのやつ! ……いや、ぼくのやつではないか……」

未央「りあむちゃんのことは私がすこるよ!」

りあむ「……!? ま、マジか……嘘じゃない……? 嘘だったらめっちゃやむよ……?」

未央「ほんとほんと。未央ちゃんウソツカナイ」

あきら「#つきそう」

未央「ウソジャナイヨー。未央ちゃんほど信頼できる人は他にいないって評判ダヨー」

あきら「誰に」

未央「あーちゃんとか」

あきら「あー……」

未央「しぶりんにはよく怒られるけど」

あきら「#嘘ついてそう」

P「それで、あかりたちはこれからどうする? 何も予定はなかったと思うが……」

あかり「とりあえず女子寮に帰って……うーん、どうしようかなー」

あきら「……ゲーム、やる? 確か女子寮に多人数用のがあったはずだし」

あかり「いいの? 私、あんまりゲームは得意じゃないと思うけど……」

あきら「自分も専門のゲームじゃないし……大丈夫だと思うけど」

あかり「そ、それならお願いするんご! えへへ……楽しみだなぁ……」

りあむ「……チラッ。……チラッチラッ」

あきら「……りあむさんも来ます?」

りあむ「いいの!? ぼ、ぼく、女子寮組じゃないけど……Pサマ!」

P「申請すれば問題ない」

りあむ「……申請か……」

P「……やっとくから行っとけ」

りあむ「さすがPサマ! P神!」

あきら「#P神 #何 #ダサい」

P「あーもう。うるさい。三人で何のゲームするかでも話しとけ」

りあむ「Pサマが怒ったー。ふたりとも。逃げよう!」

あきら「撤退の見極めは大事」

あかり「んご!」

タッタッタ……

未央「おおー、行ってる行ってる。若いっていいですなぁ」

P「未央も若いだろ。体力も今なら未央のがあるだろうしな」

未央「先輩面したいだけですから」

P「先輩面したいだけって言っちゃったよ」

未央「……プロデューサーは、ゲーム、しないの?」

P「さすがに女子寮までは行かないって」

未央「ふぅん……事務所の休憩室で、私とゲーム、する?」

P「時間があれば」

未央「素直じゃないなぁ。したいならしたいって言えばいいのに。思ってるだけじゃ伝わるものも伝わりませんよ?」

P「じゃあ、したい」

未央「いきなり『シたい』なんて……プロデューサー、強引すぎるよっ」

P「は?」

未央「マジトーンはやめて」

P「未央がいきなり変なこと言うからだろ……」

未央「……私は、プロデューサーとしたいな」

P「……は?」

未央「ゲームっ! あはっ、プロデューサー、顔赤くなってるよ? いったい何と勘違いしたのかなー?」

P「……今のは明らかに未央が悪いだろ」

未央「責任転嫁はよくないなー。……プロデューサーのえっち」

P「……えっちだよ」

未央「……え?」

P「俺はえっちだよ。悪いか?」

未央「ひ、開き直った……!?」

P「未央はどうなんだ? えっちじゃないって言えるか?」

未央「私は……まあ、えっちですけど?」

P「恥ずかしくないのか?」

未央「それをプロデューサーが言いますか?」

P「……」

未央「……」

P「……ふっ」

未央「……あはっ」

P「いったい何を言い合ってるんだろうな」

未央「ほんとほんと。ふたりしてえっちって言い合って……どんな会話だよー、ってね」

P「……そろそろ急がないと、あいつらに追いつけなくなるな」

未央「だね。それでは……競争だーっ!」

P「走るほどじゃないと思うが……まあ、いいか。あいつらを追い抜かしてやろう」

未央「お、プロデューサー、やる気だね? 私は負けないよ?」

P「俺も負ける気は……ない!」

未央「ふっふっふ……勝負相手として不足なし! よーい……どん!」



これにて今回は終了です。
お久しぶりです。めちゃくちゃ久しぶり。書き始めたらそこそこ早いんですけど……なかなか。
今回はあかり→ラーメンで夢見→餃子ってことでラーメンと餃子です。あきらちゃんごめんね。
次回は……いつになるかなぁ……わからないです。

ありがとうございました。

未央「……えへへ」

P「どうした? 未央」

未央「んー? ……いやー、シンデレラガールなんだー、と思って」

P「まだ慣れないか?」

未央「実はね。ちょっとだけ。でも、みんなが応援してくれたから……だもんね。『私はシンデレラガールなんだー!』って気持ちでいたいとは思っています」

P「弁護士にアドバイスもらって言質とられないよう言葉選びに気をつけてる会見みたいな言い方だな」

未央「そう言うプロデューサーは芸人のマネをしようとして会話の中で下手なツッコミをしようとしてる素人さん」

P「おまっ……それ、本気で傷つくやつだろ……」

未央「傷ついちゃった? ミオニウム補給する?」

P「どうやって?」

未央「とある筋からの話だと、この髪の外ハネをぴょんぴょんすると放出されるみたい」

P「どの筋だよ……と言うか自分の身体のことだろ」

未央「それとも、ぎゅーっと抱きつく、とか」

P「それはなし」

未央「えー」

P「『えー』じゃない。……この後の予定だが」

未央「ごはん? ……シンデレラガールですし、豪華なものだったり」

P「しないな」

未央「お、しないんだ。プロデューサーのことだから、なんかすごいもの用意してたりしてくれるのかなーと思ってた。プロデューサー、そういうの好きだし」

P「もうこれ以上ないものをしたつもりだからな。俺だけじゃないが……あれ以上のものをっていうのは無理だろ」

未央「……そだね。たとえどんな店だって、あのとき以上のものはないと思う」

P「だろ? 俺は勝ち目のない勝負はしない主義なんだ」

未央「それは懸命な判断です。……それはそれとして」

P「ごはんは食べたい?」

未央「それそれ。プロデューサーわかってるぅー」

P「そりゃな。……何が食べたい?」

未央「んー……それじゃ、ひとりとか、みんなとは、ちょっと行きにくいところ……とか」

P「それは、つまり」

未央「つまり、プロデューサーとふたりじゃないと行きにくいところ、かな」

P「……わかったよ。それじゃ、そういうところで考えてみるか。シンデレラガールを連れて行くには不相応かもしれないが」

未央「未央ちゃんを連れて行くには?」

P「……だな。ごめん未央。変なこと言ったな」

未央「構いませんとも。、まあ、おいしくないお店だったら構うかもしれませんけど?」

P「それなら安心してくれ。俺が保証する。絶対うまい」

未央「お、プロデューサーがそこまで言うとは……これは期待ができるかも」

P「未央の俺のイメージはなんなんだよ」

未央「不用意に言質とられないよう断言を避けがちなインターネットがうまい人」

P「それ本気で傷つくからやめてくれないか?」


――店の前

未央「中華ですか」

P「中華だな」

未央「街の中華料理屋さん……お昼なら大丈夫だと思うけど、確かに夜は……地元のとかじゃないと、ちょっと入りにくいかも?」

P「入れる人は普通に入れるとは思うんだが……」

未央「それを言ったらどの店でもそうでしょ? 私がどうか、って話だもん。変なところで不安にならないの」

P「性分なんだよ」

未央「知ってる。だから言ってるの」

P「いつも悪いな」

未央「それは言わない約束ですよー」


――店の中

未央「おおー……ほんとに、すっごく街の中華屋さん、って感じだね。コテコテでんがな」

P「エセ関西弁やめろ。……そうだな。常連さんも多いし、アットホームな雰囲気だしな」

未央「でも、すっごく繁盛してて……いい感じだね。テーブルも赤いし」

P「それ重要か?」

未央「なんか、中華屋さんって赤いテーブルのイメージない?」

P「まあ、あるけど」

未央「お客さんがいっぱい。テーブルが赤い。これはもういいお店と言っても過言ではないでしょう!」

P「『お客さんがいっぱい』に比べてテーブルの色がどうでもよすぎる」

未央「それで、メニューだけど……あ、あそこか」

P「だな。……何にする?」

未央「んー……いつものことだけど、プロデューサーのおすすめは?」

P「炒飯だな。蟹玉炒飯。これがうまい」

未央「すっごくパラパラしてるとか?」

P「そういうベクトルじゃないんだよ。でも、うまい」

未央「ほうほう……それじゃ、炒飯は頼むとして、他には?」

P「んー……俺はレバニラとか好きだが」

未央「レバニラかー……私、あんまり食べたことないかも」

P「レバーだから? いや、ニラもか」

未央「そういうこと。べつに苦手意識があるわけじゃないけど、わざわざ頼まないと言うか」

P「あー……それはわかるな。俺も、何かのきっかけで食べないと今も頼んでなかったかもしれないし……未央は何か食べたいものとかないのか?」

未央「そうだなぁ……あ、エビ。エビの天ぷら!」

P「お、それも良いな。……肉がほしいな。ここは……肉団子の唐揚げを」

未央「肉団子の……唐揚げ? ちょっと珍しいね」

P「そうか? ……そうかもな。肉団子と言えば甘酢あんかけってイメージも大きいか」

未央「そうそう。でも、プロデューサーが頼むってことはおいしいんでしょ? それも頼も?」

P「ああ、そうさせてもらう。……あと一品くらい頼むか?」

未央「それじゃ、蒸し鶏で!」

P「お、良いな。それじゃ、これで注文するか」

未央「……プロデューサー、もしかしてこれ、飲みたいラインナップ?」

P「飲まないけどな。……飲めるようになったら、また来るか」

未央「うん。そのときは、お酒の楽しみ方も手取り足取り教えて、ね?」


――

P「まずはエビか」

未央「海老天……良いビジュアルだね。小さいエビがくりっとなってて、中華屋さんの海老天だーって感じ」

P「衣もいい感じだよな。それじゃ、まあ……いただきます」

未央「いただきまーす」

未央(うーん……この、見るからに『海老天』って感じのビジュアル。でも、小奇麗な感じじゃなくて、むしろちょっと無骨な感じ)

未央(これがまた『街の中華屋さん』って感じがして良い……なんて思っちゃうのは現代人の郷愁みたいなものなのか。郷愁って言っても自分が体験したものじゃなくて映画とか漫画とかで追体験したものでしかないわけですけれども)

未央(とりあえず、揚げたてだし、早速食べさせてもらおう。まずいは一口……)パクッ

未央「……ん」

未央(あー……おいしい。これはおいしい。衣はサクッと軽いんだけど、エビはぷりっとして……でもエビもそこまで大きくないからすぐ口の中からなくなって)

未央(これ、ひょいひょい食べられちゃうなぁ。パクッ、サクッ、ぷりっ、ごくん。パクッ、サクッ、ぷりっ、ごくん。このループが続いちゃう)

P「次、蒸し鶏来たぞ」

未央「お、どんどん来るね、ってもう食べてる。ずるーい」

P「……うまい」

未央「聞いてないし。いいもん、未央ちゃんもいただいちゃうもーん」

未央(えっと、プロデューサーは……岩塩をつけて食べてたっけ。それじゃ、ちょっと付けて……)パクリ

未央「……んー!」

未央(うまー! これはおいしいなぁ、すごくおいしい。すっごくやわらかくて、弾力もあって……大きく切り分けられた、皮のついた鶏肉をがぶりと頬張ると、それだけでもう気持ちいい。大きなお肉にかぶりつくって、なんだかそれだけで一種の幸福感があるよね)

未央(噛むごとにじんわりと旨味が広がって……皮もまた良いんだよね。おいしい。何にも奇をてらったところなんてない味なんだけど、塩気と旨味、食感が絶妙で……ほんと、めちゃくちゃおいしい)

未央(はぁ……しあわせー……っと、いつの間にか肉団子が。これもちょっといただきましょう)

未央(でも、これは……何と言うか、素朴なビジュアル。肉団子を揚げただけ、って感じ。悪く言えばちょっと地味だ。でも、こういうのにこそ……)パクッ

未央「……うん」

未央(おいしいんだよねぇ……。なんか、食べた瞬間『うまい!』って感じる味じゃなくて、じんわりと、ほっとするおいしさと言うか……安心するおいしさだ……)

未央(表面はサクッと気持ちよく、豚肉と野菜……玉ねぎかな。その旨味甘みがじゅわっと広がる。口の中に入れた瞬間に肉汁があふれる……みたいな感じではなくて、ほんとうに、安心するおいしさ……なんだけど、どうしてかめちゃくちゃおいしい。バランスが……絶妙……なんか今日それしか思ってない気がする……)

未央(こんなに『街の中華屋さん』って感じのビジュアルで、実際出てくる料理もそうなんだけど……クオリティがめちゃくちゃ高い……こういう店もあるものだね)

未央(あ、レバニラも来てる。それと……炒飯も来た。ここは……炒飯からかな。プロデューサーはもうレバニラに手を付けてるっぽいけど)

未央(蟹玉炒飯……カニ玉が乗っかってるとかじゃなくて、蟹肉と卵が入った炒飯だ。このお玉の丸い形! これぞ『中華屋さんの炒飯』だよねー)

未央(さすがに外見だけじゃわからないけど……さてさて、お味は……)パクリ

未央「……んー!」

未央(これはおいしい! プロデューサーがいの一番に挙げたのもうなずけるおいしさだ。すっごくパラパラだったりするのかなー、と思ってたんだけど、むしろしっとりとしてる炒飯だ)

未央(いや、もちろん米粒がくっついてたりはしてなくて、そこを考えるとパラッともしてるんだけど……べちゃついてないんだけど、しっとりと、ふんわりとしていて……ものすごくおいしい。カニも良いんだよね。そこそこ入ってるし、風味も良いし……蟹肉の上品な甘さがなんだか合ってる。これもまた、バランスが良いなぁ……たまらない)

未央(食べてみた感じ、何も特別なことはしていないように思えるのに、ものすごくおいしい。シンプルなものほど奥深いとは言うけれど、それを実感している気がする……)

未央(……それじゃ、レバニラも……ん、プロデューサー、レバニラ、炒飯といっしょに食べてる。そういう食べ方もアリかー。ごはんが欲しくなる味……なのかな? またはお酒)

未央(せっかくだし、レバーもニラもたくさん取って……)パクッ

未央「……んん」

未央(こういう感じかー。おいしい。あと、確かにごはん進みそう。気持ちいいニラの食感と、やわらかいレバーの食感。臭みはほとんど感じなくて、代わりに旨味とコクが広がってくる。味付けも良いなぁ……これはごはんが欲しくなる。炒飯頼んでなかったら白ごはん頼んでたかも)

未央(でも、この炒飯は炒飯だけで食べたいような気も……でも、このレバニラにきっとごはんが……ええい、ままよ!)パクッ

未央「……んぅ~!」

未央(あー、おいしい! おいしいよー! やっぱり合う! 合うね! レバニラ単体でもおいしかったけど、ごはんといっしょだと……たまらない。それもただのごはんじゃない。絶品炒飯だ。おいしいものとおいしいものを加えたからってめちゃくちゃおいしいものになるとは限らない世の中だけど、これに関しては成功だ。この世界にまた一つおいしいものが生まれてしまった……)

未央(あー……もう。ここまでぜんぶおいしいと、他にも色々と食べたくなっちゃうな……)

未央(……あ! 冷麺もあったんだ……冷麺頼んでもよかったかも……でも、さすがにこれ以上は……)

未央「……プロデューサー」

P「ん? どうした」

未央「ここ、また来たい。頼んでないの、気になるもん」

P「……だな。誰かといっしょだと普段は頼まないメニューも頼めるだろうし、俺としても助かる。それで、気になるのって例えば?」

未央「冷麺!」

P「夏季限定か! ……これは、思ったより近いうちにまた来ることになるかもな」


――店の外

未央「おいしかったー……ここ、すっごく良いお店だね」

P「ああ。こういう『街の中華屋さん』ってところでめちゃくちゃおいしいものが出てくるって、一種の憧れだよな。こういうところがあると、まだまだ知らないおいしい店っていっぱいあるんだろうなって思えてくる」

未央「そういうの、なんか、良いね。……私たちが知らない街にも、人はいっぱい住んでいて、人が住んでるんだから、やっぱりそこにはお店もあって……そんな中に、こういうお店もあったりして」

P「そう考えると、ほんと、すごいことだよな。世界の広さを感じるよ」

未央「ごはん屋さんで?」

P「ごはん屋さんで」

未央「……なんか、さ」

P「ん?」

未央「お祝いって言ったら豪華なお店ー、みたいなイメージがやっぱりあるんだけど……こういうお店で好きなものを好きなように、って言うのもアリだよね」

P「……そうだな。ここは普段遣いできる店だと思うが、それ以外で使えないってわけじゃない。まあ、ゆっくりくつろぐってなると難しいかもしれないが」

未央「うん。……私、また、ここで……こういうところで、お祝い、したいな。格式高いお店じゃなくても、おいしいお店なら満足できて……ずっと、そんなふうにいられたらいいな」

P「……そうだな。どこでだって、良い店なら満足できる。そんなふうにいたいと思う」

未央「そっか。……ね、プロデューサー」

P「なんだ? 未央」

未央「いっしょに、付き合ってくれる?」

P「もちろん。ずっと、付き合うよ」

未央「……えへへ。プロデューサーなら、そう言ってくれるって思ってた」

P「そうか? ……まあ、そうか」

未央「うんっ。……改めて、これからもよろしくね、プロデューサー」

P「こちらこそ。これからもよろしく、未央」



これにて今回は終了です。
また間があいてしまいました。シンデレラガール記念回……かと言うとちょっと微妙?
お祝い回ってことで原点回帰的な意味もこめてラーメン……は前回したので、そういうの関係ない感じになりました。
お祝いっぽく豪勢に! ってのもちょっと考えてはいたんですが、CGのアレ見ると「これはちょっと越えられないなぁ」となり今回の方針に。
中華、おいしいですよね。『街の中華料理』って感じの、好きです。おいしい中華を食べたい……。
次回は……夏が終わるまでには……。

ありがとうございました。

未央「子どもの頃に好きだったお店があってね。この前、久しぶりにひとりで行ってみたわけですよ」

P「へえ。それで? どうだったんだ?」

未央「それが……思っていたほどおいしくなかったんだよね。いや、もちろん、おいしくはあったんだけど、思い出ほどではなかったと言いますか」

P「あー……そういう経験は俺にもあるな。その店がどうこうってわけじゃないんだよな。変わったのは自分のほうで……他の色んなものの味を知ったから、なのか」

未央「ということは、プロデューサーのせい?」

P「……可能性はあるな。そう考えると、なんかめちゃくちゃ申し訳ないことをしたような気が……」

未央「えー? なんで? そんなに申し訳ない気持ちになる?」

P「だって、そういうのって大事だろ? せっかくの思い出の味が、実際に食べてみるとあんまりだった、って……経験あるだけに、俺も悲しいってわかるから」

未央「そういうものかな? あ、さっきの話には続きがあるんだけど、そのお店の他のメニューを初めて食べてみたらめちゃくちゃおいしかったんだよね。思い出の味バージョンアップ」

P「……お前な」

未央「その顔はなにかな? 思い出の味がーっていうのは変わってないと思うけど?」

P「それは……まあ、そうなんだが」

未央「そうなんだが?」

P「……なんか、釈然としない」

未央「ぁは、それはそうかもね。申し訳ない損した感じ?」

P「申し訳ない損ってなんだよ。……そんな感じだが」

未央「そんな感じなんじゃーん。さすが未央ちゃん。以心伝心だね」

P「以心伝心か? ……あ」

未央「ん? どしたの、プロデューサー」

P「いや、俺にとって思い出の味って言ったらここかもな、と思ってな」

未央「ここ? ……あ、ここか。でも、ここは思い出の味ってより青春の味じゃない?」

P「青春ももう思い出みたいなもんだからな。未央は……最近も来るか?」

未央「んー……そう言えば、大学に入ってからは一回も来てないかも。高校の頃とかならドリンクバーで友達とー、みたいなのもよくあったけど」

P「……なんか、久しぶりにここで食べたくなってきたな」

未央「そうする? 私もそんな気分になってきたし」

P「じゃ、入るか」

未央「ん、りょーかい。……何にしよっかな。やっぱりドリア?」

P「……昔、それふたつ頼むこととかあったなぁ」


――店の中

未央「これこれ、この感じですよ。実家に帰ってきた気持ちとはこのことか」

P「大げさだな……で、何にする?」

未央「プロデューサーはやっぱりドリアダブルなの?」

P「それはしない。……なんか、メニューが変わってるような、変わってないような」

未央「そう? あ、でも、私がよく行ってる間でちょっと変わったことあったから……それかな?」

P「かもしれない。……だとすると、俺、ずいぶんと来てなかったんだな」

未央「かもね。それで、何にする?」

P「んー……生ハムがうまいって言うよな。それは頼みたいな。俺はあんまり食べたことなかったが」

未央「そうなの? 私はここの生ハム、けっこう好きだよ」

P「昔は量重視だったからなぁ……なんか、あんまり選ばなかったんだよな。いっつもドリア食ってたような気がする」

未央「なんだかんだでそうなったりするよね。でも、ちょっと意外かも」

P「意外? 何が?」

未央「プロデューサー、けっこう色んなもの頼むタイプだと思ってたから」

P「そうか? ……まあ、そうかもな。ただ、店によるって感じだな。他にもそういう店はあるよ。パッと出てこないが」

未央「店による、か。……確かに、そういうもんだよね」

P「今日は今まで頼んでこなかったのを頼むつもりだけどな」

未央「たとえば?」

P「……未央のオススメとか」

未央「未央ちゃんセレクトに頼りますかー。まあ、ここは私のほうが詳しそうですし? 私に任せなさーい」

P「うん、任せる。……エスカルゴってずっと気になってたんだが、どうなんだ?」

未央「それは私も食べたことない」

P「いきなり任せられない案件出たな……」

未央「だってこれ『みんな気になりつつもなかなか頼めないメニュー』ランキング一位みたいな感じじゃない? おいしいらしいって情報だけは聞くみたいな」

P「……頼んでみるか」

未央「そうしよう、そうしよう。あと辛味チキンとか?」

P「それは食べたことある。俺も確か好きだった」

未央「食べたことあるんだ。……頼む?」

P「頼もう。久しぶりだしな。頼んだことないのも頼みたいが定番のも頼みたい」

未央「思い出の味だし? それじゃあ、後は……私、ディアボラ風のってけっこう好きなんだよね」

P「あー、俺も好きだったな。鶏のとか好きだった」

未央「チキンとチキンが被ってしまったな……」

P「俺の中では別の種類だから大丈夫」

未央「別の種類かな? まあ、味は違うけど」

P「他に未央のオススメは?」

未央「パスタとか? ここのパスタ、けっこうおいしいと思うんだよねー」

P「俺はペペロンチーノダブルの記憶が強いな……おいしかったけど」

未央「ペペロンチーノにする?」

P「んー……イカスミってどうなんだ?」

未央「おいしかったと思う。……あんまり食べたことないけど」

P「ん、ないのか」

未央「いや、だって……口がね」

P「あー……」

未央「でも、頼もっか。って、なんか色んなものシェアする前提で話してるけど……」

P「いいんじゃないか? でも、シェアするならもうちょっと他にも頼みたいような気も……」

未央「シェアしやすいのってなるとピザとか?」

P「ピザか……それもいいいかもな」

未央「モッツァレラのでいい?」

P「ああ。……あとは、サラダとか頼むか?」

未央「サラダかー……個人的には小エビか青豆を推したいところ」

P「青豆……おいしいって聞いたことはあるな」

未央「お、食べたことない? それじゃ頼も? 量あんまりないからひとり一個で!」

P「じゃあ、そうするか。……これくらいでいいか?」

未央「いいんじゃない? 注文、する?」

P「しよう。ボタンは……そっちか。頼む」

未央「ん。それじゃ、押しちゃうね」


――

未央「まずは青豆だね」

P「だな。……これ、グリーンピースだよな?」

未央「うん。プロデューサーってグリーンピースはどう?」

P「べつに嫌いじゃないな」

未央「お、そうなんだ。嫌いだったら衝撃を受けるかもしれないお味……みたいだけど、違うんだったら衝撃は受けないかもね」

P「『みたい』って、食べたことあるんじゃなかったのか?」

未央「私もべつに嫌いじゃないから……でも、確かにそうかもとは思うかなー」

P「どういう意味だ?」

未央「食べてみればわかると思う。『あ、これは確かにグリーンピース嫌いな人でも大丈夫かも』って」

P「……じゃあ、とりあえず、いただきます」

未央「私も、いただきまーす」

未央(ということで、半熟卵を割って、青豆と混ぜて……食べる)パクッ

未央(……うん。これこれ。これだよねー。グリーンピースはグリーンピースなんだけど、青臭さとかボソボソ感とかがないと言うか……おいしいグリーンピースって感じ)

未央(『めちゃくちゃおいしい!』ってタイプの味じゃないんだけど、『あ、おいしい』ってなるタイプの味と言うか。なんだか安心する味だよね。あと、健康になってる感じがする。たぶん気のせいだけど)

P「あー……確かに、これはおいしいな。この豆自体がおいしい。やわらかくて、優しい甘さがある。それに温玉とベーコン……パンチェッタだったか? あんまり入ってはいないんだが、このちょっとの塩気がいい感じに効いてるんだろうな。これは、なかなかだな……」

未央「でしょ? これにチーズとかオリーブオイルとか合わせてもおいしかったりするんだよね」

P「アレンジもあるのか……と言うか、ここは色々とアレンジも効く店だったか。俺は出てきたものをそのまま食べることが多かったが……」

未央「ドリンクバーでも?」

P「ドリンクバーは……無難な混ぜ方ならしたことがある」

未央「へぇ……」

P「……未央」

未央「んー? その目はなにかな?」

P「するなよ」

未央「ナンノコトカナー」

P「……はぁ。次、エスカルゴ食べるか」

未央「ん、そうしよそうしよ? ……なんか、貝みたいなビジュアル?」

P「……言われてみればそうだな。サザエとかそういうタイプの」

未央「あー、ちょっと近いかも。実際に食べてみてもそんな感じなのかな?」

P「かもしれないな。どっちにしろ、食べてみればわかるか」

未央「だね。それじゃ、一個もらい」パクッ

未央(ふむふむ……ん、こういう感じかー)

未央(やっぱり歯ごたえは貝っぽい感じ。くにくにしてていい感じ。味は……ソースの味が強いかな。ガーリックっぽい? あとバター? 野菜もあるけど……メニューでプチフォッカとセットでーって載ってたような気がするけど、確かに合うかも)

P「こういう感じか。俺は結構好きだな。未央は?」

未央「私も。けっこう好き。だけど……頼むかどうかはちょっと迷うかなー」

P「来る人数にもよるか」

未央「うん。シェアするなら? とは思う。それと私はチキン派なので」モグモグ

P「……いつの間に」

未央「あー……これがおいしいんだよね。サクッとした皮にジューシーなお肉。辛さは正直ほとんど感じないけど、スパイスっぽい感じはして。とにかく、おいしい」

P「まあ、俺も好きだけどな? ……食べるか」

未央「……あ、プロデューサー、グラス空いてるよ?」

P「ん? ああ、確かに――」

未央「入れてきてあげる!」

P「んっ!? ちょ、未央、待……!」

P「……まあ、いいか」

P「……チキンうま」モグモグ


――店の外

未央「いやー、思い出の味だったね、プロデューサー!」

P「未央は思い出ってほど時間経ってるか?」

未央「微妙? でも、プロデューサーにとってはそうでしょ?」

P「それは……そうだな。学生時代を思い出したよ」

未央「青春の味?」

P「だな。俺に青春があったかと言うと微妙なところだが」

未央「反応に困る返答だ……まあまあ、今日未央ちゃんといっしょに青春したってことで、青春アップデート!」

P「青春……たとえば?」

未央「ドリンクバーとか?」

P「ドリンクバーか……」

未央「うん? なにかなその反応は。未央ちゃんミックス、おいしかったでしょ?」

P「まずくはなかったけどな……俺はふつうのでいい」

未央「でも、楽しかったでしょ?」

P「……それは、否定できないかもな」

未央「……えへへ。素直でよろしい♪」

P「……今日のも、また思い出の味になるのかもな」

未央「かな? また来たら『思い出』にはならないんじゃない?」

P「……そうだな。また来ればいいか。べつに来るのが難しい店ってわけでもないんだし」

未央「そうそう。そのときは未央ちゃんも付き合ってあげましょう」

P「来たいだけだろ」

未央「バレた? ……でも、プロデューサーも、私のこと、連れて来たいでしょ?」

P「……ノーコメント」

未央「えー? 素直じゃないなぁ」

P「悪いか?」

未央「ううん。それはそれでかわいいのでオッケーです」

P「……かわいいはやめてくれ」

未央「ちなみに素直でもかわいい」

P「どうしようもないな」

未央「うん、どうしよーもないっ」

P「……なんでちょっと嬉しそうなんだよ」

未央「えへへ。どうしてでしょうねー?」

P「……ほんと、どうしてだろうな」



これにて今回は終了です。

まためちゃくちゃ久しぶりになってしまいました。そのくせちょっと短めと言う。
次回は……誕生日までに少なくとも一回は更新したい……。

ありがとうございました。

卯月「未央ちゃん、誕生日おめでとうございます!」

凛「おめでとう、未央」

未央「やーやー、ありがとう、ありがとう。今日は未央ちゃんのために集まってもらって……ぐすっ、私、感動で……」

凛「それ何のノリ?」

P「照れ隠し」

凛「ああ」

未央「ちょ、勝手に納得しないでくれるかな? べつに照れてなかったけどむしろそれに照れちゃうから」

卯月「未央ちゃん……」フフッ

未央「しまむー? その笑顔がいちばん破壊力あるね? なにその『わかってます』みたいな顔……私誕生日だよね?」

凛「だから祝ってるじゃん」

P「うん。めでたい」

未央「気持ちがこもってない……!」

卯月「伝わってませんでしたか……?」

未央「しまむーやめて。しまむーが言うとなんかマジっぽいから。もう酔ってる?」

卯月「まだ一滴も飲んでないから大丈夫です!」

未央「大丈夫……なのかな……」

P「しかし、未央も二十歳か……時が流れるのは早いな」

凛「プロデューサーもおじさんになっちゃったって?」

P「そうだな。俺はもうとっくにおじさんだよ」

未央「ということは、プロデューサーと同い年のアイドルは……?」

P「お前それ絶対外で言うなよ」

未央「プロデューサーがおじさんとか言うからじゃーん」

P「じゃあおじさんじゃない」

凛「プロデューサー、その歳で『おじさんじゃない』は……ちょっと」

P「俺はどう答えれば正解だったんだよ……」

卯月「ふふっ、どうすればいいんでしょうね?」

P「ほんとにな……」

未央「それでは、今日の誕生日会場はとある個室居酒屋さんなわけですけれども」

凛「なにその説明口調。司会?」

P「本日の主役兼司会か……」

卯月「未央ちゃんらしいですね!」

凛「それ褒め言葉?」

未央「こほん! とにかく、皆様、今日はお忙しいところ集まってくださってほんとーにありがとうございます!」

P「ほんとに司会になっちゃったよ」

卯月「そう言えば、未央ちゃん、前にバラエティ番組の司会をやってましたよね。あれ、すっごく面白かったなぁ……」

凛「卯月、マイペース過ぎない?」

未央「名司会者を目指してますから」

凛「アイドルは?」

未央「トップアイドル兼名女優兼名司会者を目指してますから」

凛「なんか増えてる……」

P「ああ……いっしょに目指そうな、未央……!」

凛「なんか熱くなってる……」

卯月「未央ちゃん……私、応援します! 頑張ってください!」

凛「冷静なの私だけかな」

未央「クール属性だけに? どっ!」

凛「今の『どっ』何?」

未央「大爆笑の表現」

凛「なんだか寒いね。冬だからかな」

未央「そこまで言う? ごめんなさい」

P「……そろそろメニュー選ばないか? 頼んでからでも話はできるし」

未央「ん、そうだね。私は生!」

凛「ビール? やっぱり初めてのお酒はビールなんだね」

未央「お酒と言えばビールってイメージありますからねー。おいしいって話もよく聞きますし」

卯月「……初めてビールを飲んだときは『これで大人の仲間入り』って思ったなぁ」

凛「それで、卯月は大人になれたの?」

卯月「うーん……む、難しい質問ですね」

P「難しい質問だな。そう言う凛はどうなんだ?」

凛「どうなんだろうね。昔と比べると少しは成長したと思ってるけど……大人になってるかどうかはわからないかな。飲む前と後で変わったところがあるとすれば……」

未央「あるとすれば?」

凛「……これは未央がお酒を飲んでから話そうかな」

未央「む、焦らされた」

卯月「焦らしますね、凛ちゃん」

凛「うん。おあずけ」

P「……!」

未央「……うん? どうしたの? プロデューサー」

P「いや……今の凛の『おあずけ』、めちゃくちゃかわいくなかったか?」

凛「……は?」

卯月「かわいかったです! 私も思ってました!」

凛「ちょ、卯月まで。もう……」

未央「わたモゴッ!? モゴモゴモゴモゴ!」

凛「うるさい」

未央「……そ、それにしても先手で手を塞ぐことはないんじゃないかな?」

凛「……で、未央は生らしいけど、私たちは何頼もっか」

未央「スルー!? ちょ、本日の主役をスルーはなくない? ……あ、もしかしてこれも『おあずけ』っていう」

凛「居酒屋ってあんまり来ないかも。プロデューサー、おすすめは?」

P「んー、好きなの頼めばいいんじゃないか? ここは……確か、海鮮がうまかったかな」

卯月「ということは……お刺身とか?」

未央「ほんとに無視して進めてる! 唐揚げ! ビールには唐揚げってよく聞くから!」

凛「確かに唐揚げは多いかも。サラダは?」

P「ポテサラがうまい」

未央「お、ポテサラですかー。……お酒に合うの?」

P「酒飲みはなんでも合うって言うからな……」

卯月「お酒の種類にもよるんじゃないかな? ビールには……ポテサラの味付けにもよりそうです」

凛「ここのはどうなの?」

P「んー……ちょっと甘めかもな。ブラックペッパーもかけることはできる」

卯月「じゃあ……どうでしょう?」

未央「ってわからないんかい」

凛「卯月もそこまでお酒飲まないからね」

P「凛もそこまで飲まないだろ?」

凛「飲むときは飲むよ」

卯月「それなら私もそうですよ?」

凛「……それで、他には?」

未央「あ、逃げた。んー……あ、だしまき。だし巻きとかどう?」

P「お、いいな。じゃあそれも頼むってことで……個人的には煮付けとか欲しい」

卯月「うーん……お刺身、唐揚げ、ポテトサラダ、煮付け、それにだし巻きたまご。四人だったら……もうちょっと?」

凛「べつに後で頼んでもいいけどね。……枝豆も欲しいな」

未央「後で頼まないの? でも私も欲しいからさんせーい」

P「……とりあえず、これくらいにしとくか。足りなかったら追加で頼めばいいし、あんまり頼んでもテーブルいっぱいになっちゃうしな」

凛「今の時点でけっこういっぱいになりそうだけどね」

卯月「確かに!」

未央「しまむーの おいうち プロデューサーに つうこんのいちげき」

P「いや、べつに俺のせいじゃないし……とりあえず、頼むか」

未央「はーい。……そう言えば、ビールって私の他に誰が頼むの?」

凛「私はいいかな」

卯月「私も他のにします」

P「俺は……そうだな、ビールで」

未央「ん! それじゃ、注文しよっか。えっと、ベルを押して……」

未央「……店員さん! 生ふたつで!」


――

未央「おお……ほ、ほんとうに来ちゃった。来ちゃったよ、プロデューサー!」

P「テンション高いな。……でも、そんなもんか」

未央「そんなもんだよ。だって、初めてのお酒だもん……Foooooooooo!」

P「高すぎる」

凛「近所迷惑」

卯月「こわいです」

未央「ごめんなさい」

凛「……それじゃ、乾杯、する?」

未央「しますします! しちゃいまーす!」

P「それじゃ卯月、音頭を」

卯月「えぇっ! 私ですか!?」

未央「うむ。頼むよ、しまむー」

凛「誰」

未央「シンデレラガールさま」

P「めちゃくちゃ印象悪いシンデレラガールだな……」

未央「しまむーが?」

卯月「なんでぇ!?」

凛「その理論だと三人とも当てはまらない?」

P「……そう考えると贅沢すぎるな、このテーブル」

未央「プロデューサーのぜいたくものー」

凛「そうだね。ぜいたくもの」

卯月「そうだそうだー♪」

P「卯月まで乗らないでくれ。かわいいけど」

未央「しかし、シンデレラガールを三人集めて来るのが居酒屋とは……」

P「未央のリクエストだろ? 『いつもみんなで行ってる感じのお店』って」

未央「それはそうですけれども」

凛「プロデューサー、店、探してたのにね」

卯月「そうなんですか?」

凛「ほら、前に……」

卯月「あー……」

P「バラすな」

未央「探してくれてたの?」

P「……まあ」

未央「……そっか」

凛「卯月」

卯月「はい! それでは、未央ちゃんの誕生日を祝って、かんぱーい♪」

凛「乾杯」

未央「えっ? か、かんぱーい!」

P「……乾杯」

卯月「……ふぅ。このお酒、おいしいです」

凛「うん。私のも、飲みやすい」

P「……っぷは。うん、うまい」

卯月「……それじゃあ」

凛「うん」

P「未央、どうぞ」

未央「……そ、そんなに注目しなくても」

卯月「未央ちゃんのはじめてですから!」

凛「卯月、その言い方はちょっと」

P「未央のはじめてか……そりゃ見逃せないな」

凛「酔ってる?」

P「酔ってない」

未央「……じゃ、じゃあ、いただきます」

卯月「はい♪」

未央(……初めての、お酒。初めての、ビール)

未央(うーん……いざこうなると感動もひとしお、と言うよりはちょっと緊張すると言うか)

未央「……ええい、ままよ!」ゴクッ

未央「……」

未央(……こ、これは……!)

卯月「……どうですか?」

未央「……にがい」

未央(……うん。にがい。正直、あんまりおいしくない)

未央(あれー……? こういうのなの? ビールって)

未央(……いや、待てよ。確か、のどごしを楽しむ……みたいなことを聞いたことがあるような)

未央(もしかしたら、一気に飲むことで初めて良さがわかるのかもしれない……いざ!)ゴクッゴクッ

未央「っぷはー! うん! 変わんない!」

未央(わかんない! 良さ、わかんない! ……期待してたのにー!)

P「まあ、初めてのビールはなぁ……そんなもんだよなぁ」

凛「そんなもんだよね」

卯月「ですね」

未央「……プロデューサー、これ、何がおいしいの?」

P「……のどごし?」

未央「どこが? 炭酸だったらジュースでも飲んでおけばよくない?」

P「いや、違う、違うんだよ。ジュースじゃだめなんだよ。でも……何がうまいかって聞かれると、正直」

凛「麦の味が、とかじゃないの?」

P「正直俺は麦の味とかよくわからないからな……」

未央「えー……しまむーとしぶりんは?」

卯月「私は……あんまり、ビールが得意じゃないので」

凛「私もすすんでは飲まないかな。あと、お酒自体まだそんなに飲んでないし」

未央「……そう言えば、しぶりん。飲む前と後で変わったことってなんだったの?」

凛「『ビールはあんまりおいしくない』って知ってるか知ってないか、かな」

未央「……なんか、騙されたような気分なんだけど」

卯月「……わ、私の、飲んでみます?」

未央「……のむ」

P「飲むのか」

未央「のまなきゃやってられないもん」

凛「どこかで聞いたような台詞を……」

未央「しまむーのは……なんだっけ? ピーチ……なんとか?」

卯月「ピーチフィズですね! ピーチと……なんでしたっけ?」

P「桃のリキュールをソーダで割ったカクテルだな。そもそも『フィズ』って言うのは」

凛「その説明長くなりそう?」

P「……やめときます」

凛「よろしい」

未央「……とりあえず、いただきます」

未央(桃の……って、どんな感じなんだろう。やっぱりちょっと苦いのかな?)

未央(……とりあえず、飲んでみよう)ゴクッ

未央「……あ、おいしい」

未央(桃の香りがする。でも、そんなに甘みが強いわけじゃなくって……ちょっと爽やか? 酸味があるような……これは、確かに飲みやすいかも)

P「ピーチフィズはアルコール度数が比較的低いのも特徴だな。飲みやすいカクテルってのは度数が高いのもそこそこあるんだが、これに関してはそれほど気にしなくてもいい。と言っても、もちろん飲みすぎには注意が必要だが……そう言えば、未央、気分は悪くないか?」

未央「うん? 平気だけど……どうして?」

P「アルコールはダメな人はほんとうにダメだからな……未央はどうかな、と思って」

未央「たぶん大丈夫だよ? 大学でやったパッチテストでもそんな感じの結果出たし」

P「……そう言えば、大学でそんなのあったか」

凛「高校でもあったような気がする。保険の授業だったかな。そのときに」

P「そう言えばあったような気がする」

卯月「私は……あんまり強くないって結果でした」

未央「ということは、けっこう信憑性あるのかな?」

卯月「……かもしれません」

凛「それで、未央。私のも飲む?」

未央「ん、ちょっといただこうかな。しぶりんのは……梅酒?」

凛「梅酒はうめぇ酒だからね」

未央「ん?」

凛「え? ……あ」

卯月「凛ちゃん……」

P「今のは……」

凛「忘れて。お願い。……ここ最近、何回も聞いたから」

卯月「……た、たしかに、梅酒はうめぇ酒ですからね!」

凛「ぐっ」

未央「しまむー……またおいうちを」

卯月「えぇっ!? そ、そんなつもりは……!」

P「だが、梅酒は確かに飲みやすいしおいしい酒だよな。凛もちょっとハマってるみたいだし」

凛「……ハマってるってわけじゃないけど、お酒を飲むときは頼むかな」

P「誰かさんの影響で?」

凛「……それは否定しない」

未央「ほほう。しぶりんお気に入りのお酒、というわけですな? それは期待が膨らみますなぁ」

卯月「梅酒……次は梅酒にしようかな」

P「ほどほどにな」

未央「それじゃ、しぶりん、もらうね?」

凛「うん」

未央「じゃ、いただきー」ゴクッ

未央「……お」

未央(確かにおいしい。けっこう甘いし……あ、でも、さっきのよりお酒って感じがするかも。でも、そんなに嫌な感じじゃないような……)

未央「……これは『お酒』って感じするね。でも、おいしい」

凛「そう。良かった」

未央「うん。しまむーのもしぶりんのもおいしかったなー……次はどうしよ」

P「の前に残ってるビールな」

未央「……忘れてたのに。プロデューサー、飲まない? 間接キスだよ?」

P「飲まない。飲みたいところだが、ここで甘やかすのは良くないからな。ここは心を鬼にして……」

凛「……飲みたいところなんだ」

卯月「……プロデューサーさん」

P「そこだけピックアップするのやめてくれないか? そういう意味じゃないからな? ただビールがあるならって話で」

未央「……間接キスは、いやなの?」

P「いや、それは……四面楚歌やめろ!」


――

凛「……ふぅ。けっこう食べたね」

卯月「たべましたねー……ふわ」

凛「眠いの? 卯月」

卯月「ちょっとだけ……」

凛「そっか。……プロデューサー、卯月、眠いんだって」

P「……すまん、いま、そっちに意識を割く余裕がない」

凛「うん。見てればわかるよ。……未央、調子に乗って飲みすぎるから」

未央「……ぅん? なぁに、しぶりん?」

凛「……何と言うか、本当、個室で良かったね」

P「ほんとにな……」

未央「えへへー……プロデューサー、プロデューサーだー……」

P「近い近い近い近い」

未央「んー……酔ってるからー……しかたないのー……」

P「仕方なくない。仕方なくないから。……早く帰らないとまずいな」

未央「帰っちゃうの……? 私、今日はプロデューサーとずっといっしょにいたいな……」

P「ぐっ……!」

未央「……どきどき、してる? 実は、私も、どきどきしてたり……ほら」

P「ちょ、当たってる! 当たってるから! 凛が見てるから……!」

凛「私が見てなかったらいいの? 私たち、帰ろうか?」

P「いてください! お願いだから! 俺の理性のためにも!」

未央「……むぅ。私とふたりっきりはいやなの?」

P「そうじゃなくて……! ……なぁ、凛」

凛「なに? プロデューサー」

P「……酔った未央、危険すぎる」

凛「大丈夫だよ。たぶんプロデューサー限定だから」

P「何が大丈夫なんだよ……」

凛「それに、たぶん、そんなに……」

P「……そんなに?」

凛「……ううん。なんでもない。まあ、初めてのお酒なんだし、おおめに見てあげれば?」

P「我慢しろって?」

凛「うん。誕生日なんだし……わがままくらい、聞いてあげなよ」

P「……わかった。でも、ほんと、耐えられるかどうか」

凛「耐えられそうになかったら蹴ってあげるから大丈夫」

P「何が大丈夫なんだよ。いやでもそうなったらお願いします」

凛「うん、了解」

未央「……プロデューサー、ずっとしぶりんと話してる」

P「えっ、いや、これは、その」

未央「今日の主役をもっとかまいなさーい! 罰としてー……一生私の面倒をみる刑に処ーす!」

P「それ罰じゃな……じゃない。何言おうとしてんだ俺は。あぶな……ほんとあぶないな、酔い未央……」

未央「じゃあハグの刑? ぎゅーっ!」

P「それは生殺しの刑だからやめああああああああああやわらかいやわらかいやわらかい」

未央「……えへへ」

凛「……」

卯月「……? りんちゃん?」

凛「ん、なんでもない」

卯月「そうですかー。……みおちゃん、しあわせそうです」

凛「……うん」

卯月「おさけをのむと、ふわふわしますからねー……なんだか、きもちよくなっちゃいます」

凛「そうだね。……でも」

卯月「?」

凛「……たぶん、そんなに、酔ってないよ」

卯月「……? どういうことですか?」

凛「だから……卯月、ほんとに眠そうだね」

卯月「ちょっとだけですー……」

凛「……はぁ」

凛「私も、もっと飲んでおけばよかったかも」



これにて今回は終了です! たんじょうびぎりぎり……。

なんだかんだでそこそこ続いてる影響でこのSSの未央さんもお酒が飲める年齢に! びっくり! もしかしたら数え間違えてるかもしれない……。たぶん合ってるはず。
今回はごはん要素あんまりないですね。お酒しかない。そのお酒の描写もあんまり多くない。個人的には「ビールがおいしくないわけじゃなくて単に舌が合っていないだけ」とか「ビールにも色々と種類があってその中から自分の舌に合うものを探していったり自分の味覚を拡張していったりすることに楽しみがあるんだよ」みたいな感じのことを書きたかったところではあるんですけれど、まあそこんところは次回以降で! 渋谷の凛ちゃんは……まあ、まだあんまりお酒飲んでない設定なんで。卯月もですが。
余談ですが酔い酔い凛さんは酔い酔い凛さんでいちおう設定がありますが書く予定は特にないです。酔い酔い未央さんは……どうなんですかね? どうなんでしょう。そもそもまたお酒を飲む回を書くかどうかがわからないみたいなところあります。

とりあえず今日はそんなところで! イベントめっちゃ多いですね! 忙しい! 嬉しい多忙? ですかね? 時間がかかるイベントと時間がかかるイベントが重なるのほんと……嬉しい悲鳴が出てしまう……しかしアイプロ後半戦めちゃくちゃ楽しみだなぁ……はぁ……未央……上位いけるかなぁ……がんばろ。

本田未央さん、誕生日おめでとうございます。これまでも、これからも、あなたのことを応援しています。

ありがとうございました。

未央「実は、今日は未央ちゃんの誕生日だったりするんですよねー。……ちらっ」

P「祝っただろ?」

未央「祝われたけどー……祝われ足りないと言いますか」

P「情勢的に無理だな。そもそも今日は仕事も長引いたしな」

未央「それそれ。ほんとなら実家に帰ってホームパーティーとしゃれこもうとしていたのに……」

P「はいダウト。それなら家に連絡してるはずだからな。そんな様子はなかったし、もしするならもうちょっと安全な日にするだろ。つまり日を変えて今週末にでもするか、あるいは一昨日かそのあたりにでもやったか」

未央「う、鋭い。……でも、せっかくの誕生日に仕事が長引いたの、ちょっとは罪悪感を覚えたりしない?」

P「しないこともない。だから、この後は付き合うよ」

未央「……罪悪感を覚えるから、付き合ってくれるの?」

P「それは、違うが……。未央、聞き方がいやらしいぞ」

未央「それはプロデューサーが反省することじゃないかな? 照れ隠しだったとしても、ね」

P「……悪かったよ。罪悪感とか関係なく、俺が未央を祝いたかっただけで――いっしょにいたかっただけだ。これでいいか?」

未央「よろしい。それじゃ、誕生日デート、だね」

P「どこも行くとこないけどな」

未央「それは言わない。お店とかも……この時間だと、閉まってるかな」

P「だな。……散歩かドライブくらいか? でも、なにか食べたい気分だな」

未央「じゃあ、コンビニ? ……あ」

P「ん? ……ああ、ここのスーパー、まだ開いてる時間だったか」

未央「……ね、プロデューサー。ごはん、いっしょにつくるのはどうでしょうか」


――店の中

未央「メニューは?」

P「残ってる食材次第だろ。……まあ、なくはない、か」

未央「あ、お肉とかも一応ある。あんまりないけど」

P「何が食べたい?」

未央「プロデューサーこそ。って、私が誕生日だからか。うーん……そんなに時間がかからないやつ? 手間はちょっとかかってもいいから」

P「長時間煮込むようなのじゃなくてってことか。で、誕生日っぽいやつ……あるか?」

未央「そもそも『誕生日っぽい料理』ってなんだって話だもんね。ちょっと豪勢なの?」

P「豪勢なものはないんだよな……あ、高いステーキ肉なら残ってるけど」

未央「ステーキはあんまり気分じゃないかな……」

P「どっちだよ」

未央「と言うか、べつに豪勢じゃなくてもいいんだよ。大事なのは心だから」

P「単に『気分じゃない』ってのをいいように言うな……」

未央「うーん……今日は、鶏肉の気分!」

P「じゃあ鶏肉で。鶏肉の……なんだ?」

未央「時間かからないやつ、時間かからないやつ……あ、丼物!」

P「丼か……親子丼とかか?」

未央「とかね。あ、でも、ごはんがいるか」

P「それはなんでもそうじゃないか? まあ、ごはんがなくてもいいかもしれないが」

未央「早炊きだったらつくってる間に炊けるかな? それともレンチン?」

P「最近のレンチンごはんもおいしいからな……それでもいいかもな」

未央「じゃ、決定! 今日のごはんは親子丼です。材料買って、お家に帰ろー!」

P「……家?」


――女子寮内・未央の部屋

P「……うーん。これはグレー」

未央「なんか言った?」

P「いや……まあ、何と言うか。誰にも見つからずに来ちゃったな、と」

未央「寮監さんには会ったけどねー」

P「それはまあな。ただ、他のアイドルとか、そういう……な。と言うか、共用キッチンを使うんじゃないのか」

未央「共用キッチンのほうが大きいし、設備も揃ってるんだけどね。ふたりだけだし、いいかなって」

P「……まあ、いいけど」

未央「それと、こっちのほうが秘密感が出て……いいでしょ? ドキドキ、しない?」

P「悪い意味ではする」

未央「悪い意味かー」

P「……親子丼、さっさと作ろう。なんか、眠くなってきた。このままだと帰るのが危ない」

未央「泊まってかないの?」

P「泊まるわけないだろ……」

未央「つれないなー。それじゃあ料理とまいりましょう。はいはい、手を洗って洗って」

P「じゃあ、俺は……だしでもつくっとくか」

未央「そのうちに私は鶏もも肉を一口大に切り分けます。あと玉ねぎを薄切りに。はい、具材完成!」

P「早いな。それじゃあこれに入れてちょっと煮て」

未央「その間にごはんをチン!」

P「溶き卵を回し入れて……ちょっと半熟め、これくらいか?」

未央「それじゃ、丼に入れたごはんの上にかけて……完成! 親子丼!」

P「……すぐだったな」

未央「すぐだったねー。……あ、飲み物、用意してなかったね。ちょっと待ってて。冷蔵庫から取ってくるね」

P「じゃあ、その内に俺はトイレでも…………いや、やめとくか」

未央「いや我慢されるほうが心配だから変な遠慮せずに行って?」


――

未央「それじゃ、改めて……いただきます!」

P「いただきます」

未央(プロデューサーと私、共同作の親子丼。割といい感じにできた……と思う)

未央(見た目はいい感じにおいしそうだけど……とりあえず、一口)パクッ

未央「……うん」

未央(あ、おいしい。ふつうにおいしい。ちょっと濃いめ、甘めな感じで、プロデューサーの好みの味って感じだ。あー、これ、ごはんと合う。やさしい味の親子丼もおいしいけど、こういうしっかり味がついた親子丼も好きだなー。私はこっち派かも)

未央(あとは…………べつにコメントないかな。卵もいい感じってくらい? いや、ちょっと固めだけど、それはこういうものだと思うし。お店みたいなふわとろ親子丼はなかなか難しいですよ、やっぱり)

P「ん……割とうまくできたな」

未央「だね。これならお誕生日ごはんでも満足の出来ですよ」

P「なら良かった」

未央「ただ、ちょっとパーティー成分が足りないので……かんぱーい!」

P「はい、乾杯。って言っても、これは酒じゃ――うん?」

未央「あ、飲んじゃった」

P「……未央。これは?」

未央「お酒だねー」

P「……終電、まだだったよな」

未央「まだだよー。だから、今日は未央ちゃんに付き合いたまえ」

P「お前な……まあ、今日くらいはいいか」

未央「朝まで語り合わそうではないかー」

P「『今日くらい』って言ったよな? ……ほどほどになら、いくらでも」


――

未央「――とか言ってたのに、ね」

P「……スゥ……スゥ」

未央「寝ちゃったよ、プロデューサー。……私よりは、強かったと思うけど」

未央「疲れてたのかな? 割と眠そうだったもんなー……でも、プロデューサーにしては迂闊だったね」

未央「……明日は、私もプロデューサーも、ちょっと大変かもね。この時間に誰とも会わなかったことはまだ可能性あるかなって感じだけど、朝だとさすがに……だし」

未央「そう考えると、起こすのが吉――なんだけど」

P「……ん……スゥ……」

未央「……起こさなくても、いいかな」

未央「ごめんね、プロデューサー。服、しわになっちゃうと思う。お風呂にも入ってないし、歯磨きもしてないし。他にも寝る前にやることとかやれてないかな」

未央「でも……この誕生日プレゼントは、捨てるにはちょっと惜しいから」

未央「だから、おやすみ。プロデューサー」

未央「……いつも、ありがと」



これにて今回は終了ですがまるまる一年ぶりですね。遅すぎる。
書いては没、書いては没、書いては没、みたいな感じでしたね。いつも同じような感じなのに。何を没にするようなことがあると言うのか。とは思いますがまあ個人的なあれやこれやですね。個人的なあれやこれや。どれやねん。

ありがとうございました。

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