お嬢「この完璧な私がアンタを振り向かせてやるのよ!」イケメン「……?」 (10)


お嬢「首を洗って待ってなさい! 次はきっとアンタを振り向かせてやるんだから!」

イケメン「何を言ってるんだい、お嬢さん」

お嬢「何でなのよ、何でなのよ! なんでアンタは……!」

イケメン「お、お嬢さん…?」

お嬢「『またね』、次はきっとアンタを……」バッ

イケメン「待つんだお嬢さん! そっちは車が!!」



< キィイイッ!!


────────── ドンッッ グシャァッ






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お嬢「……!!」ガバッ

お嬢「……」

お嬢(車に跳ねられて『戻ってくる』のは、次からはやめよう……思ったより酷い苦痛だった)

お嬢「はぁ……」


< カチャ……シャーッ


保健医「大丈夫? お嬢さん、始業式で倒れたそうだけど……」

お嬢「ええ、恐らくは貧血だと思うわ」

保健医「そうなの、頭を打たなくて良かったわね」

お嬢「アイツが抱き止めてくれたんでしょ」

保健医「あら、意識はあったのね」

お嬢「そんなところね」


お嬢(……もう何度もここからやり直してるから、とは言えないわね…毎回)




───── 『最初の』卒業式の日…… ─────



お嬢「私の告白を……受けられない?」


イケメン「気持ちは嬉しいけど、僕にはもう心に決めた相手がいるんだ」

イケメン「それに……君はその相手を沢山苦しめてきてる、僕はそれを許すわけにはいかない」


お嬢「なっ……何を言ってるのよ! あんな底辺の女が私よりもアンタに相応しいって言うの!?」


イケメン「……」

イケメン「そうだ、彼女こそ君の何倍も輝いてる」


お嬢「っ……!」

お嬢「私にはお金も、将来の地位も、ルックスも、何もかも揃ってるのに……!」

お嬢「アンタなんか知らない!! どっか消えなさいよ!」


イケメン「……」スタスタ…



お嬢「……」

お嬢(何故? この私の告白に、何の不備があったというの……)

お嬢(イケメンに近寄ってきた牝豚共を排除し、私の父に頼んで何度も旅行に連れていったじゃない……! アイツの周りにいた女達も!)

お嬢(見た目だって、並みのモデルより磨きあげた……!)

お嬢(勉強だって、都内で一位を維持し続けたじゃない! あんな馬鹿女達の何倍も私は努力した!)

お嬢(なのに……どうして…………?)


< ビュォオオッ

お嬢「きゃっ……!」グラッ


お嬢「っと……」ガシッ

お嬢(今日は風が強いわね、こんな屋上からとっとと降りましょうか)

< ミシッ……バキンッ!






お嬢「………………え……?」フワッ……





────────── ヒュゥゥウウウウウッッ


お嬢(うそ……落ちてるの私……)


お嬢(何……これ、私…………どうなるの……?)


お嬢(……やだ…………私まだ死にたくない………)


お嬢(わ、私は…っ、もっとアイツの傍に……っ…)



お嬢(アイツに好きになっ…………)




< ぐちゃっ






───── 現在(四度目の始業式) ─────



お嬢(……今思えば、あの日に私が死んだ後…)

お嬢(いいえ、もしかしたらやり直したいって思いが死んだ私をこの三年目の始業式に戻したのかもしれない)

お嬢(どちらにせよ三度目の告白は失敗……)

お嬢(原因はやっぱり同じ、アイツの目は私を見ていない……)

お嬢(何故?)

お嬢(ただ繰り返したわけじゃない、今度はアイツの周りに来た女達を尽く潰した)

お嬢(それが裏目に出たというの…?)

お嬢(わからない……何故……)



【翌日】


お嬢(今日は三年最初の授業を受けて、それから最後にクラスで顔合わせ……)

お嬢(当然、教室にはアイツがいる)

お嬢(私はいつも通り颯爽と教室へ入る)

お嬢(けど……ここから先よ)

お嬢(今までと同じでは意味がない、なら新たな印象を与えるべきよ)

お嬢(…………)


お嬢(髪型を変えてみるのはどう…?)


お嬢(それとも、もっと何か……)


< 「おはようございますお姉様!」

< 「今日もお美しいですわね、さすがお姉様ですわ」


お嬢「……おはよう双子嬢」


双子姉嬢「どうかされたのですか? あまり顔色がよろしくない様子ですが……」

双子妹嬢「何処か体調が優れないのですかお姉様?」

お嬢「ちょっとした悩み事よ、気にしないで」

双子妹嬢「そうなのですか、お姉様程の方にもなると様々な事にお悩みになっても仕方ありませんね」

双子姉嬢「それよりもまたこうして三年生になって一緒のクラスとは、凄い偶然ですわ!」

双子妹嬢「そうですわ! きっと私達はずっと一緒という……」


お嬢「言っとくけど私、レズビアンじゃなくってよ」


双子姉嬢「!?」

双子妹嬢「!?」


お嬢(もうやだこの双子姉妹……)


お嬢(そう、私は知っている……)

お嬢(『最初の三年生』の時、私がイケメンを修学旅行先で夜這いを仕掛けたあの夜……)

お嬢(双子姉妹の手によって捕らえられね、今まで私と同じクラスだったのはいつか私をモノにしたいが為だったという事を知らされ……)

お嬢(そして私は無残にもこの二人に処女を散らされ……!)ギリッ

お嬢(イケメンはあの女と素敵な夜を……!!)ギリギリッ


双子姉嬢「あ、あの……お姉様…?」

お嬢「黙りなさいこの不潔ポニーテールが!!」ゴッ!

双子姉嬢「あはぁんっ……!!」ドサァッ

双子妹嬢「姉上様ぁ!」


双子姉嬢(嫌ですわ、この拳……素敵)きゅん…


お嬢(くっ、しまった殴っちゃった……)

お嬢(これでコイツは一年中私に殴られようとする変態になるのよね……ッ)

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