男「君を成仏させて俺も死ぬ!」幽霊「……?」(96)

幽霊「ちょっと貴方の言っている意味がよくわからないのですが…」

男「えー、だって君結構俺の好みの女の子だし」

男「未練があるから君も化けて出てきたんでしょ?」

幽霊「それはまぁそのはずなんですが」

男「だから君を成仏させて俺も死んで2人で天国で仲良くしようかなと」

幽霊「…それ、貴方が死ぬ意味あるんでしょうか?」

男「だってこんな可愛い子と会えたんだからどうせならスキンシップとりたいじゃないか」

男「こんな風にさ」モミモミ

幽霊「へ?」

男「え?」モミモミ

幽霊「~~~///」カアァァァ

男「おぉ~!」

幽霊「……死んでくださいっ!!!」カッ

男「ぎゃああぁぁぁぁ頭痛いー!!」ゴロゴロ

幽霊「しっかり反省してください!」

男「反省する!反省するから許してください!」ゴロゴロ

幽霊「…本当ですか?」

男「本当です、嘘つかないから許してー!!」ゴロゴロ

幽霊「ふぅ……分かりました」シュン

男「あっ…痛いの止まった…」

幽霊「もうっ…いきなり何なんですか」

男「それはこっちの台詞だよ」

男「いきなり現れたと思ったら【私幽霊なんです】って言い出すんだから」

男「俺も遂に頭がおかしくなったかなって思って思うままに行動してみたらこれだよ」

幽霊「…確かに説明が足りませんでしたね。申し訳ありません」

幽霊「といっても私も貴方に説明できるほど現状をよく理解していないので…」

男「でも幽霊なんでしょ?」

幽霊「それはまぁ…なんとなく分かるんですよね」

男「でも今触れたよね?」

幽霊「はい、あ、貴方が私のむ、むねを……///」

男「ねぇ、もう一回触ってみてもいい?」

幽霊「………」パリッ

男「ちょっ!怒らないでくれって!誰も胸を触るとは言ってないだろ!」

幽霊「そ、そうなんですか」ホッ

男「ちょっとお尻のほうを」

幽霊「余程この世に未練が無いようです、今すぐ楽にしてあげますね」ニコッ

男「ちょっとしたジョークだってばあばばばば」ビクンビクン

男「もうしません、許してください」orz

幽霊「いい加減にしないと本当に祟り殺しますよ」

男「悪霊じゃなくてもそんなことできるのか?」

幽霊「殺意が沸いたら出来るのではないでしょうか?さっきみたいに」

男「なるほどね…今度から気をつけるよ」

男「それにしても君の未練って何なんだろうね?」

幽霊「うーん、それが全く思い出せないんですよね」

男「まぁゆっくり思い出すといいよ」

男「とりあえずさっきからずっと立ってるから座ったらいいんじゃないかな?」

男「ほら、このクッション使うといいよ」

幽霊「あっ、どうもありがとうございます」

男「で、なんでここに現れたんだ?」

幽霊「さぁ…気がついたらこの家の前にいたのでよくわからなくて」

男「行く当てはあるのか?」

幽霊「いえそれもちょっと…」

男「ふーん、じゃあこの家に暫くいるといいさ」

幽霊「えっ?いいんですか?」

男「どうせ、男の一人暮らしで退屈してたところだしな」

男「まぁ君がそれでいいんだったらだけどね?」

幽霊「いえいえ、贅沢言ってられる立場じゃないのでお言葉に甘えさせていただきます」

男「そっか、それじゃあコンゴトモヨロシク」グッ

幽霊「なんですか、その言い方とその手は?」

男「言い方は気にするな、重要なことじゃない」

男「今日から同居するんだから仲直りの握手だよ」

幽霊「私は貴方に一方的にセクハラされただけなのですが…」

男「だから、謝罪の意味も込めてだって。ほらっ」

幽霊「…わかりました。それじゃあ暫くの間よろしくお願いしますね」ペコリ

男「あぁ、よろしく」ニコッ

ドキッ
幽霊「……?」

男「さて、君と話してた間にもうお昼になるんだが君はご飯は食べるのかい?」

幽霊「見ての通り幽霊ですからね…お腹は今のところは空いてないみたいです」

男「そっか、まぁちょっと今から作るから適当にゆっくりしてて」

幽霊「それではちょっと横にならせていただきますね、なんだか疲れちゃって…」

男「あぁ、出来たら起こすよ」

幽霊「すみません……あっ」

男「どうした?何か思い出したか?」

幽霊「そうじゃなくて…寝てる間に変なことしたら怒りますからね」ジトッ

男「【変なことしたら怒りますよ】か。信用無いんだな」クスッ

男「まぁ当然か、あんなことしちゃったしな」

男「それにしても……」

男「…いやいや……さって何作るかな?」ガチャッ

男「冷蔵庫の中身もずいぶん質素だなぁ…ご飯と野菜炒めとラーメンで我慢するか」

男「まぁ作るの簡単だからいいんだけどね」トントントントン

男「ほっ、よっ」ジャッジャッ

男「後は盛り付けて~完成」

男「おーい、ご飯出来たぞ~」

幽霊「……すー…すー…」

男「…よく眠ってるみたいだな」

男「というか幽霊でも寝ることあるんだな」

男「新発見!幽霊は睡眠をとる!どっかに売れないかな?」

男「なーんてな、幽霊なんて信じてもらえないのがオチだろ」

男「ほらっ起きてくれ、ご飯だぞ」ユサユサ

幽霊「ん~…」ガバッ

男「うぉっ!」ドスン

男「ててて…ん?」

幽霊「すー…すー…」

男「おいおい…上に乗っかってきておいてまだ寝てるのかよ…」

男「しかも結構がっしり掴まってきてるから幽霊の胸が当たってる」ムニ

男「これでこの状態のまま俺が起こしたりしたらどうせ怒られるんだろ…はぁ」

男「…飯も冷めるから、いつまでもこうしておくわけにもいかないし」

男「よし…覚悟を決めるか…」

男「ゆ、幽霊さーん。起きてくださーい。ご飯ですよー」ユサユサ

幽霊「……ん……ごはん…?」ボーッ

男「そうそう、いい匂いしてるだろう?」

幽霊「…クンクン……うん…いい匂い…」

男「じゃあご飯食べるからそろそろ俺の上からどけてくれるかな?」

幽霊「うえ…?…………//」ボッ

幽霊「きゃああああぁぁ!」パリッ

男「やっぱりこうなりますよねえぇぇぇーー!!!」

半端だけど尋常じゃなく眠いのでここで寝ます
続きはまた起きてから~

幽霊「ごめんなさい!ごめんなさい!」

男「あ~大丈夫大丈夫、ちょっと身体だるいけど問題ないよ」

幽霊「幽霊なのに寝ぼけるなんて恥ずかしいです…」

男「まぁ慣れてないんだし仕方ないだろ?」

男「そんなことより飯にしよう。ほらっ」

幽霊「…ありがとうございます」ペコリ

男「器とか箸とか持てそう?」

幽霊「えっと…あれ」スカッ

幽霊「うーん…うーん…」スカッ スカッ

幽霊「む~~~~!!!」スカッ

幽霊「なんで持てないの~!!」

男「駄目みたいだな…でもクッションは大丈夫だったのになんでだろ?」

幽霊「はぁ……わかりませんがこれじゃあ食べられないですね…」ショボーン

男「まぁ物が食べられるかどうかもまだ試してないんだけどな」

男「とりあえず…あーん」

幽霊「?」

男「口開けろって。もしかしたら器には触れなくても食べられるかもしれないだろ?」

幽霊「へっ?えっ…でっでも……///」

男「ごちゃごちゃ言わない、冷めちゃうだろ。ほらっあーん」

幽霊「む~///………あーん…」パクッ

男「おっ」

幽霊「もぐもぐ…おいしいですっ!」

男「これならいけるみたいだな、よかったよかった」パクッ

幽霊「ん゛っ!?」

男「うん?どうした?」

幽霊「そのまま食べちゃうんですかっ!」

男「だって箸持ち替えるの面倒だし」

男「何かまずかったか?」

幽霊「いえ、まずいということはないんですが…なんというか」

幽霊「幽霊といえど一応女ですし…ちょっと気にしちゃうというか」

男「そっか、俺は別に君が生きてても死んでてもそういうの気にはしないんだが」

男「まぁ君がそう言うなら止めとこう。悪かったな」ペコリ

幽霊「あ、あのそんなに畏まらないでください」

幽霊「元々そんなこと言える立場ではないのにこちらこそ厚かましいことを言ってしまってすみません」

幽霊「やっぱりさっきと同じように同じ箸でかまいません」

男「本当にいいのか?俺は別に厚かましいだなんて思ってないぞ?」

幽霊「いえ、これからお世話になるのですからこれくらいのことは慣れないと」

男「わかった、それじゃあこのままでな。ほら、あーん」

幽霊「あーん」パクッ

男「あーん」

幽霊「あーん」パクッ

男「…なんだか小鳥の世話をしてる気分になってくるな」

幽霊「むっ、小鳥だなんて失礼ですっ!私は歴とした人間ですよっ!」

男「いや、幽霊だろ?」

幽霊「…そうでした」

幽霊「御馳走様でした」

男「お粗末さまでした」ジャー

幽霊「洗い物までおまかせしてすみません」

男「触れないんだから仕方ないだろ?」

幽霊「そうですね。それにしても男さんって料理得意だったんですね?とっても美味しかったです!」

男「そりゃどうも。昔から結構作ってたからな」

幽霊「昔っていつ頃からでしょうか?」

男「俺が大学生になってからずっとだから大体8年くらいかな?」

男「必要に迫られれば上手にもなるもんだよ」

幽霊「はぁ~なるほど」

男「さてと」キュッ

男「片付けも済んだことだしこれからどうする?」

幽霊「そうですね…何かしら自分に関する手がかりのようなものを探したいのですが」

男「手がかりねぇ…とりあえず外に行ってみるか」

男「俺も今日は仕事休みの日だし。家の中は俺がいない日にでも調べるといいさ」

幽霊「ではそうさせてもらいます」

男「じゃあとりあえずこの近場でも歩いてみようか」

幽霊「はいっ!


全然進んでないけどとりあえずここまで
続きは今日の朝か明日の夜になるよ~

男「まずは家の周りを散歩でもしよう」

幽霊「わかりました」

男「とりあえずぶらぶらして目に付いたものがあったら教えてくれ」

幽霊「はい、それにしてもこの辺は一軒家が多いですね?」

男「まぁ町の中心からはちょっと外れたところだからな」

男「特別な物とかはないが、静かで住みやすい場所だとは思ってるよ」

男「電車ですぐに中心部までは行けるしな」

幽霊「へぇ~、でも私もここはなんだか落ち着く気がします」

男「そりゃ良かった」ニコッ

子供「ねぇ、お母さんあの人誰とお話してるの?」

子供母「しっ、見ちゃだめよ」

男「おっと…そういえばここで話してたら独り言いってるようにしか聞こえないのか」

幽霊「私のせいですね…すみません」

男「いちいち気にするなって、そんなキャラじゃなかったろ?」

男「こっちこそあまり話せなくなるけど勘弁な」

幽霊「いえ、一緒に探してくださるだけでも十分です。ありがとうございます」

男(思ってることが伝えられたら楽なんだけどな)

幽霊「本当にそうですよね」

男(ん?あれっ今俺喋ったか?)

幽霊「いえ?あれ、なんでわかるんだろ?」

男(俺の考えてること筒抜けなのか?)

幽霊「うーん、何か分かる時と分からない時があるみたいです」

幽霊「もしかしたら会話のような状態でなら伝わるのかもしれないですね」

男(それって俺が話したいと思ってたら伝わるってこと?)

幽霊「あくまでかもの話ですけど」

男(それじゃあ…頭の中で伝えたくないということを意識しながら)

男(エロい事でも…)

幽霊「?」

男(どうだった?)

幽霊「ちょっとよくわからなかったです。ただ…」

男(ただ?)

幽霊「顔がニヤけてます。いやらしいこととか考えてないですよね?」

男(な、なんのことかな?)タラ

幽霊「反応は怪しいですが…まぁ証拠もありませんし良しとします」

男(ふぅ…助かった)

男(ところで結構歩いたと思うんだがどうだ?)

幽霊「今のところ特に身に覚えのあるものは…」

男(そうか…)

男(まぁ初日で見つかるとは思ってなかったしな。焦らずいこう)

幽霊「はい、頑張りますっ」

男(よしっその意気だ)

男(それじゃあ最後にあそこにでも行ってみるか)

幽霊「あそこ?」

男(あぁ、俺がよく遊びに行ってた公園だ)

キャーワーワー
幽霊「わぁ、結構広いですね」

幽霊「それに子供も沢山います」

男(まぁここらの子供の遊び場は大抵ここだからな)

男(俺も小さい頃はここで走り回ってたもんさ)

幽霊「へぇ~、ちょっとその頃の男さん見てみたいです。アルバムとかはないんですか?」

男(さぁ、あったと思うけどどこにやったかは覚えてないな)

男(まぁ気が向いたら見せてやるよ)

幽霊「え~…まぁいいです。約束ですからね?」

男(あぁ…)

幽霊「公園にも寄りましたし、そろそろ家に帰りますか?」

男(その前にスーパーで買い物だな)

男(晩御飯何かリクエストある?)

幽霊「そうですね~オムライスなんてどうですか?」

男(うん、いいかもな。それじゃあ材料買いに行こう)

幽霊「はいっ」

イラッシャイマセー
幽霊「やっぱり人が多いですね」

男(そりゃ休日のこの時間だからな)

男(俺らのように晩御飯の準備に買い物に来てる人が多いんだろう)

幽霊「そうですよね、あっ男さんあれ見てください!」

男(どうした?)

幽霊「あれですよあれ!卵のタイムサービスが始まるみたいです!」

幽霊「急いで行かないと売り切れちゃいます!」

男(あー、そうみたいだな。でも無理して買わなくても大丈夫だよ)

幽霊「何言ってるんですか!貧乏なんだから意地張らないのっ」

男(えっ…?)

幽霊「ほらっ早く早くっ!」

男(あ、ああ。行ってくるよ)

幽霊「頑張ってきてくださいね!」

ワーワーワー
男「くっそ、相変わらずここのお店のタイムサービスは激しいな」

男「どっかで半額弁当でも奪い合ってろよ」

男「ほっ!と…漸く手に入ったか……疲れる…」グッタリ

男(お待たせ…なんとか取れたよ)

幽霊「頑張ってましたね、後ろから見てましたよ」

男(そーかい)

幽霊「それじゃあ他の材料も買って帰りましょうか」

男(そうだな、えっとあといるのは…)


アリガトウゴザイマシター
男(もうこんな時間か…)

男(晩御飯少し遅くなりそうだけど待っててくれよ?)

幽霊「あっはい。それは大丈夫です。ただ…ふぁ」

男(疲れたのか?)

幽霊「あはは…少しはしゃぎすぎちゃいましたかね。ちょっと眠たいです」

男(そうか……よっと)

幽霊「へ?うわわっ」

男(こらこらっ暴れると落ちちゃうって)

幽霊「いきなり何するんですか!下ろしてください、エッチ!」

男(うわ、心外だな…そんな気持ちこれっぽっちもないのに。)

幽霊「それ、私の目を見て言えますか!」ジーッ

男(勿論だ!)ジーッ

幽霊「……」ジーッ

男「………ぐ」サッ

幽霊「ほらやっぱりやましい気持ちがあるんじゃないですか!降ろせー!」ジタバタ

男(こらこら!……っといい加減冗談はこれくらいにして。疲れたなら無理しなくていいんだ)

幽霊「………」ピタッ

男(慣れない状態で負担が掛かり続けてるんだ。きっと君や俺が思っているよりもね)

男(これからどれくらいの期間、君がその状態でいられるのかはわからないけど、君はその身体と長い付き合いになるかもしれないんだ)

男(こんなところで無理してもし何かあったら困るだろ?)

幽霊「…でもこれじゃあ迷惑かけっぱなしになってしまいます」

男(これくらいのことなんでもないさ、だから暫く休んでいるといいよ)

幽霊「…変なことしたらすぐに祟りますからね」

男(あぁ、好きにするといいよ)

幽霊「………ありがとうございます」

ガチャッ
男「ただいまー」

幽霊「スー…スー…」

男「まだ寝てるか、ベッドに寝かせて…」

男「寝てる間にささっと作ってしまおう」

トントンジャージャーカンカン
男「うん。まぁまぁの出来だな」

男「今度はさっきみたいにならなきゃいいんだが…」

男「メシだぞーそろそろ起きてくれ」

幽霊「うーん…ん…男さん?」

男「あぁ希望通りオムライス作ったから食べよう」

幽霊「あっ、はい。ありがとうござまふ」

男「まだ軽く寝ぼけてるみたいだな…」

幽霊「はむっ…もぐもぐ」

男「どうだ?」

幽霊「ん~美味しいです♪卵がトロットロでふわふわですね」

男「そっかそっか、良かったよ」

幽霊「男さんは明日はどうされるんですか?」

男「うーん、俺は明日からはまたいつもどおり仕事だな」

幽霊「そうですか、では昼間にちょっと色々見させていただきますね」

男「あぁ、そうするといいよ」

男「……ん、そういえば俺が居なかったら君はどうやってご飯を食べればいいんだ?」

幽霊「あ…………」

幽霊「ま、まぁ幽霊なんですから一食抜いたくらいじゃきっと死にませんよ」

男「人間は一食抜いたくらいじゃ死なないが得体が知れてないから逆に不安だな……」

男「かと言って俺が仕事休む訳にもいかないし…」

幽霊「大丈夫ですよ!その代わり早くお家に帰ってきてくださいね?」

男「むぅ…まぁやむを得ないか。頑張って早く帰るとするよ」

幽霊「はい、お待ちしていますね」

男「あぁ、さて片付けして風呂はいるとするかな」

男「あれ…君はお風呂どうするの?」

幽霊「幽霊なんで汚れてもないんですけど出来れば入りたいですね」

男「だよね、じゃあ先に入るといいよ」

幽霊「ただ……」

男「ただ?」

幽霊「着替えがないんですよ…」ボソッ

男「えっ?」

幽霊「だから、下着の替えがないんですよっ」

男「…幽霊だからそういうのって念じれば変えられるんじゃないの?」

幽霊「出来るかもと私も思ってたんですけど出来ないんですよね…」

男「じゃあ今着ている服とかはなんなの?」

幽霊「よくわかりません、脱ぎ着は出来るみたいですけど」

男「ふぅ…じゃあ俺がコンビニで買ってくるから待ってるといいよ」

幽霊「で、でも…」

男「着替えは俺が普段着てないスウェットでとりあえず我慢してくれ」

幽霊「すみません、なんだか」

男「まぁ気にしないで。それじゃあちょっと行ってくるよ」

バタン
幽霊「行っちゃった…何か気を遣ってもらってばっかりだな…」

幽霊「少しは恩返ししないと」

数分後
バタン
男「買ってきたよ」

幽霊「おおお、お帰りなさいっ」

男「…どうしたの?そんな慌てて」

幽霊「べべ別にあわわててなんか無いですよ?」

男「…ふーん、まぁいいけど。せっかく買ってきたんだから入るといいよ」

幽霊「お、男さん、先に入られたらどうですか?」

男「俺?どうしてまた?」

幽霊「見たところうっすら汗をかいていらっしゃるみたいですので風邪をひかないように先に汗を流してください」

男「多分風邪ひくほど冷えないと思うんだけど…」

幽霊「私のために外に行ってくださったことで風邪をひかれてしまっては寝覚めが悪いのでどうぞ!」

男「そう?じゃあ悪いけど先に入らせてもらうよ」

幽霊「えぇ、どうぞどうぞ」

男「…?」

ゴシゴシ
男「なんか挙動不審だったけどどうしたんだろう?」

男「まあ男の家で風呂に入ることになったら流石に動揺もするか」

男「………幽霊…ね」

幽霊「男さん、お湯加減どうですか?」

男「あぁ丁度よさそうだよ?ってどうして脱衣所に来てるの?」

幽霊「それは…」ファサッ

男「っ!?」
ガラッ
幽霊「し、失礼します」

男「うぉっ!?」

幽霊「あまりこっちを見ないでください…恥ずかしいです」

男「わっ悪い」

男(タオルは巻いているけど…腕とか太腿とか見えてて…)

幽霊「…背中流させてください」

男「えっ、大丈夫だよ。自分で洗えるから!」

幽霊「でも…今日私お世話になりっぱなしでせめてこれくらいはさせてください」

男「真っ赤な顔してるし君も恥ずかしいんだろ?無理しなくても」

幽霊「大丈夫ですからっ!……お願いします」

男「……あー……うん…じゃあお願いするよ」

幽霊「はい…」

幽霊「では、失礼します」

男「うん…」

ゴシゴシ
幽霊「…痛かったりしないですか?」

男「そんなことないよ、大丈夫」

幽霊「そうですか」ゴシゴシ

男(やましいことは考えるな、好意でやってもらってるんだ。落ち着け俺!!)

幽霊「背中終わりました…」

男「そっ、そう。じゃあ後は流してくれたらもう大丈夫だよ」

幽霊「……前も」

男「えっ…」

幽霊「前も洗います…」ゴシゴシ

男「!?!?」

幽霊「う、動かないでください…」

男「あ、あぁ」

幽霊「ん…っしょ…ん……」ゴシゴシ

幽霊「はぁ……はぁ……ん…」ゴシゴシ

男(やばい……吐息が耳元とか…首元に当たっておかしくなりそうだ…)

男(それに…)

幽霊「はぁ……んっ……はぁ…」グッ

男(さっきから…背中に胸が当たってる……)

男(限界近いかも………いや…なんとか…)

幽霊「ん……しょ……」

幽霊(恥ずかしい……恥ずかしいけど……)

幽霊(この人のために何かしたいと思うのはなんでだろ…)

幽霊「……はぁ……んっ…」ゴシゴシ

幽霊(今日初めて会ったはずなのに……どうして…)

男「ぐっ…」グラッ

幽霊「あっ……」サワッ

男「くあっ………」

幽霊(これって…男さんの……)

幽霊(洗わなくちゃ…いけないよね……)

男「っ!?」ガタッ

幽霊「きゃっ……」

男「………」ザバッ

男「のぼせたから先に上がるよ、ゆっくり入ってくるといい。着替えは置いておくから」ガラッ

幽霊「あっ………待って…ください」
バタン
幽霊「……なんでこんなにドキドキしてるの?」

幽霊「初めて会った時にはあんなこと言ったのに……」

幽霊「…っ!……何か思い出しそう……なのに」

幽霊「…どうして……」

幽霊「男さん……貴方は私のこと知っているの?……」

幽霊「私は貴方のことを知っているの?……」

幽霊「男さん……」

男「はぁ…はぁ…はぁ……」

男「理性…完璧に飛ぶところだった……」

男「何やってんだよ…バカッ!」

男「こんなことして何になるって言うんだ!」

男「………本当に……何やってんだろう…」

男「………」

幽霊「……あの…お風呂ありがとうございました…」

男「…あぁ……」

幽霊「着替えもありがとうございます、ちょっとおっきいですけど凄くあったかいです」

男「そうか、良かった」

男「俺明日早いからそろそろ寝るよ…ベッドは使っていいから」

幽霊「で、でも」

男「気にしないでくれ。床にもう布団敷いてあるし。それじゃあおやすみ」

幽霊「あっ…はい。おやすみなさい…」

幽霊「ベッドふかふかです」

幽霊「それに…あったかい…」

幽霊(なのに…なんでだろう?……)

幽霊(…さみしい………)

幽霊(何か足りなくて…さみしくて辛いです…)

幽霊(……もう…頭の中ぐちゃぐちゃで……わからない…)

チュンチュンチュン
男「ん……」

男(体が重い…)ガバッ

男「…なんで俺の布団の中にいるんだ?」

幽霊「んんっ………すー…すー…」

男「よく寝てるみたいだな……」

幽霊「………で…の」

男「…?寝言か?」

幽霊「…なんでなの………」

男「…それは俺の台詞だ……バカ…」

幽霊「ん……」

幽霊「…男さん?」キョロキョロ

幽霊「もう出かけられたのかな」

幽霊「あら?書置きが…」

男「よく眠ってるみたいだから先に出かけるよ。それと昨日下着を買ってきたついでにサンドイッチも買っておいた」

男「テーブルの上に置いておくから食べてくれ、それなら最悪掴めなくてもかぶりつけるだろうし」

男「それほど遅くならないうちに帰るから。それじゃあ」

幽霊「男より…か」

幽霊「ありがたく食べさせていただきますっ」

幽霊「それにしても」

幽霊「昨日は色々しちゃったなぁ…恥ずかしい」

幽霊「どうしてあんなことしちゃったのかよくわからないけど」

幽霊「はっ、いけないいけない。本来の目的を思い出さないと!」

幽霊「男さん、ちょっと探させていただきますね」

幽霊「まずは押入れの中からっと」

幽霊「ダンボールが沢山ありますね」

幽霊「大変ですけど一つ一つ開けさせてもらいましょう」

幽霊「うーん、これは服だけのようですね」ガサゴソ

幽霊「それでこっちは雑貨」ガサゴソ

幽霊「これは…ゲーム機ですね」

ガサゴソガサゴソ

幽霊「ふぅ……なかなか手がかりになりそうな物はないですね」

幽霊「でもこの家に来たんだからきっと何かあるはず」

幽霊「ん?これは…アルバムでしょうか?」

「男ー」

男「…………」カタカタ

「おい、聞いているのか?」

男「…あっ…はい、すみません!」

「頼んでた資料どうなってる?」

男「こちらに纏めてあります、っとっと」

「おいおいしっかりしてくれよ?お前には期待してるんだからな」

男「すみません」

友「おいおいどうしたんだ?珍しいな」

男「いや、ちょっとぼーっとしててな」

友「お前が仕事中にか?ふーん……何かあったのか?」

男「いや、大したことじゃないさ」

友「本当か?」

男「あぁ、問題ないよ」

友「わかった、まぁもうすぐ飯の時間だ。ちょっと付き合えよ」

男「そうだな、じゃあもうひと踏ん張り頑張るとするよ」

友「あ~、朝も疲れた。どこで飯食う?」

男「社員食堂でいいんじゃないか?」

友「うーん、あそこももう何十回行ったか分かんないくらいだが…まぁいいか」


友「すいませーん、日替わりランチひとつ」

男「同じものをお願いします」

「あいよー」

男「何回も来てるけど値段が安いのはお得だよな」

友「逆に言えばそれだけなんだけd」

「何か言ったかい!」

友「いえ、何も」

モグモグ
友「そんで、結局何があったんだ?」

男「だから大したことはないって言ってるだろ?」

友「バーカ、お前と俺何年の付き合いだと思ってんだ」

友「それにさっきから自分で言ってるじゃねーか」

友「大したことはないっつーことは何も無かった事にはならねーよ」

友「嘘つくの苦手なんだからさっさと話しちまえ」

男「…ふぅ、かなわないなお前には」

男「……正直俺も戸惑ってるんだ」

友「ふーん、後輩の女の子にでも告白されたか?」

男「…いや、そんなことはない」

友「お前は知らないかも知れないが結構人気なんだぜお前?」

男「………」

友「そろそろいい加減女の一人でも作って過ごしたらどうだ?」

男「…っ!」

友「っとこれは禁句だったな、悪かった。ただ…」

友「いつまでも引きずってても何もならないぞ」

男「引きずるもなにも!」

友「悪かった、悪かった。だからそんなに騒ぐな。目立ってるぞ?

男「……」スッ

友「まぁ俺が前に一度だけ言った時も同じ態度だったし分かってたさ」

友「ただな、俺らだっていつまでもこんなじゃいられない」

男「…そう簡単に割り切れるもんかよ」

友「わかってる。ただ俺が言いたいのは悔いだけは残すなってことだ」

友「お前はあの時死ぬほど後悔したんだろ?」

友「だから…お前にとって大事なことなら今度はきっちりやるんだな」

男「友……」

友「ったく、お前が腑抜けてたら俺の仕事が増えるだろうが」

友「うじうじすんのは止めてしゃきっとしろよ?」

男「…あぁ、ありがとう」

幽霊「このアルバム…男さんの小さい頃の写真ですね!」

幽霊「うわぁ、赤ちゃんの頃からびっしり埋まってますね」

幽霊「所々文字も書いてありますね、どれどれ?」

幽霊「”今日は男が初めてハイハイをした、たくさん歩いて疲れちゃったかな?よく眠っています”」

幽霊「”今日は男がはっきりとママと呼んでくれた!感激!”この文字綺麗ですしお母さんでしょうか」
ペラペラ
幽霊「あっ、こっちはちょっと字が違いますね」

幽霊「”男とキャッチボール、なかなかいい球を投げる、将来が楽しみだ”」

幽霊「”保育園の駆けっこで一等賞、流石は俺の息子だ”ふふっこちらはお父さんみたいですね」

幽霊「本当に沢山写真があるなぁ…あらこの写真?」

幽霊「”女ちゃんとのツーショット写真です、仲が良さそうで微笑ましいです”」

幽霊「”女ちゃんと男の入学式、二人ともバッチリ決まってます!”この写真の子は…」ペラペラ

幽霊「”男と女ちゃんの卒業式、男ったら恥ずかしがらなくてもいいのに”」

幽霊「この後のページにも結構出てきているけど…これって私?」

幽霊「あっ……高校生で終わってる」

幽霊「最後の一枚は男さんと私の高校の卒業式の写真…」

キィーン
幽霊「くぅっ……あ、頭が」

幽霊「痛い……男…さんっ…」
パタッ
幽霊「………」

男「………俺きちんと伝えることにするよ」

男「それがどういう結果になるとしても」

男「そうじゃなきゃ折角会いに来てくれたお前に顔向けできないもんな」

男「……」

男「待ってるだろうし…帰るか」

男「ただいまー」

男「静かだな?寝てるのか」

男「ん…あれは…」

幽霊「……」

男「おいっ!どうしたんだっ!」

幽霊「…男?」

男「今、男って…」

幽霊「…えへへ、アルバム見てたら思い出しちゃった……なんで忘れてたんだろうね」

幽霊「男と一緒にあの公園で遊んだことも、一緒に海に行ったり山に行ったことも」

幽霊「男とデートしたことも……」

幽霊「なんで忘れてたんだろうね?…」

幽霊「色々思い出せて嬉しかった、でも…」

幽霊「私、どうして自分がこんなになってるかわからないんだ」

男「お前……」

幽霊「ねぇ、男なら知ってるんでしょ?…教えて…くれないかな」

男「お前…震えて…」

幽霊「本当はね…怖いの…知ってしまうのが」

幽霊「でも…このままじゃいられないってこともわかってるの」

幽霊「だから…男の口から聞かせて?」

男「あぁ…分かった。俺もそのつもりで帰ってきたんだ」

男「よっと…」

幽霊「ん」

男「場所を移したいからちょっと背負ってくな」

幽霊「どこ触ってるのよ…男のエッチ…」

男「馬鹿…真面目な話する前なんだから茶化すな」

幽霊「わかってるよ…へへ」

幽霊「男の背中おっきいね」

幽霊「昔と変わらない…」

男「俺がお前をおぶったのは中学が最後だろ?」

幽霊「中学が最後でも…私はずっと背中見てきたから」

男「……」

男「…お前の最後の記憶はいつだ」

幽霊「多分…大学2年生の夏休みかな」

男「だろうな…」

男「あの夏俺達は家族ぐるみでキャンプに行こうとしてたんだ」

男「お互いの息子も娘もいい歳だってのにな」

男「まぁそれだけ仲が良かったってことなんだろう」

男「俺もお前もキャンプには行く予定だった、だけど」

男「俺は一緒には行けなくなったんだ…急にバイトのシフトを変わってくれって先輩に頼まれて」

幽霊「………」

男「だから俺は数時間ほど遅れて行くことにしたんだ、車の免許も持ってたしちょっとくらい遅れても大丈夫だと思って」

男「でも……俺は結局皆とは合流できなかった」

幽霊「男……」

男「今でも俺は覚えてるよ…」

男「グチャグチャになった親父の車と」

男「病院に運び込まれていた家族を」

男「…皆…即死だったらしい」

男「俺の両親も…お前の両親も……」

幽霊「もういいよ…男」

男「でも…お前は生きてたんだ……」

幽霊「えっ……」

男「お前の親父さんとお袋さんがかばってくれたおかげで」

男「お前は…生きてたんだ」

幽霊「お父さん…お母さん……」

男「着いたぞ。お前が今いるはずの病院だ」

幽霊「ここに、私が?」

男「あぁ。まだ面会謝絶の時間にはなってないから行こう」

幽霊「…うん」

幽霊「あれが…今の私」

男「あぁ……ずっと起きてないから痩せちまってるだろ」

男「事故の怪我は治っても…全然起きないから……寝ぼけてないで早く起きろって何度思ったか」

男「だから俺は、今回お前が会いに来た時に本当に驚いたんだ」

男「最初は他人の空似だと思った、だから幽霊であっても俺には関係ないと思った」

男「でも話したり寝顔見たりしてたらやっぱりお前じゃないかと思い始めた」

男「確信したのはスーパーでお前に言われた時だけど」

男「”貧乏なんだから意地張らないのっ”ってな」

幽霊「あっ……」

男「凄く懐かしい響きだと思ってな、面食らったけどでも本当に嬉しかった」

男「でも同時に俺は怖くなったんだ」

幽霊「怖く…なった…」

男「あぁ……お前が本当に会った時に言ったとおりに幽霊だったら」

男「お前が死んでしまうんじゃないかって……最後に会いに来てくれただけなんじゃないかって」

男「だから…だからっ……」

幽霊「…ふふっ……馬鹿だなぁ…男は」

幽霊「私のことなんか忘れちゃっていいのに…」

幽霊「もう事故が起きて6年経ってるんだよ?…」

男「…忘れられるわけないだろっ!」

幽霊「っ!」

男「俺はっ……俺は…何年経っても覚えてるっ!俺がお前のことをどれだけ好きだったか!」

男「俺がお前のことをどれだけ愛していたか!」

男「たった6年位で消え失せるほどのそんな安いもんじゃなかったんだっ!」

幽霊「…バカッ!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿っ!」

幽霊「でもっ…嬉しい…嬉しいよ…男」

男「女……」

幽霊「ねぇ…男?」

男「なんだ?」

幽霊「キスしてくれるかな…」

男「………」

幽霊「もう…そんなに…時間がないみたいなんだ……だから」

男「……わかった」

幽霊「ん………ん…」

幽霊「ありがと……男」

男「……どういたしまして」

幽霊「この前の続きはちゃんと起きてからして上げるからっ!」

男「あぁ」

幽霊「ぜったい、ぜったいにしてあげるからっ!」

男「あぁ…」

幽霊「待っててね、男っ……」

男「……今度は早起きしてくれよねぼすけ」

~2年後~
男「おい、そんなに走って大丈夫なのか」

女「平気だよっ!起きてもう1年も経つんだからっ」

男「だけどなぁ…」

女「もう、そうやって心配ばかりしてるとハゲちゃうぞ?」

男「うるさい!ってか…」

女「ふぇ…」

男「心配くらいさせてくれ……今までそれすら出来なかったんだから」

女「…ふ、ふーん…それならまぁ多めに見てあげるよ」

男(あの出来事から1年後、女は目を覚ました)

男(にしても最後に会ってから1年後に目を覚ますとはやはりねぼすけのようだ)

男(医者が言うには奇跡だったらしい)

男(まぁ俺も正直そうとしか思ってない)

男(この時くらいは神様を信じることができた)

男(まぁ助けるならもっと早く助けてくれとも思ったが)

男(事件直後…失意の底にあっても心が折れずに入れたのはあいつが…女が生きていたからだと思う)

男(きっと女が死んでいたら俺も…)

男(だからこそ俺は今、この時を)

男(何年も待っていたこの時を大切にしたいと思う)

男(交通事故から8年一緒に暮らせるようになるまで随分長かったように感じたが)

男「女ー!」

女「なーにー?」

男(意外とそうでもないのかもしれない…なぜなら)

男「結婚しよう!」

女「…うんっ!大好きだよっ男っ!」

男(この先女と生きていく時間の方が、もっと何倍も永いのだから)

                             おしまい

これにて終了となります。
書いている途中で大腸炎になって寝込んだりして大変でしたが書き終えれてよかったです。
ちなみに幽霊が触れるものは男が長期間触っていたものとしています。
例外として下着がありますが(汗)

長期間になりましたが、読んでくれてた方ありがとうございました!
それではまた何か書く事があればその時にでも

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