戦士「んー…」

戦士「森に繁殖した魔物の討伐…まあ、手頃かな」

戦士「おっちゃん、これやるよ」

店主「お、それやってくれるのかい？そこの森は資材調達に欠かせないから助かるよ」

戦士「飯を食い終わったら早速行ってくる」

店主「ああ、頼んだよ」

森

戦士「さて…」

ｸﾞﾙﾙ…

戦士「いきなり囲まれちまったなあ」

魔物a「ｸﾞﾙｱｧｯ!」ﾊﾞｯ

戦士「ふん」ｽﾞﾊﾞｯ

魔物a「ｸﾞｶﾞｯ!?」ﾌﾞｼｬｱ

戦士「統率力はあるが個々の戦闘力はイマイチ」

戦士「まあ、余裕だな」ｽﾞﾊﾞｯ

魔物y「ｸﾞｯｶﾞ…」ﾊﾞﾀ

戦士「ふう…」

ｶﾞｻｯ

戦士「！」ｻﾞｼｭｯ

魔物z「ｶﾞｸﾞｯ」ﾌﾞｼｬｱ

戦士「まだいたのか…油断できないな」

戦士「(…物音なし。こいつで最後かな)」

戦士「…帰るかな」

戦士「…！」

ｽﾞﾄﾞﾝ

戦士「(今の音…何だ？)」

戦士「動く気配はない…か」

戦士「…あっちの方だな」
ｶﾞｻｺﾞｿ

>>7「う…」

戦士「！、こいつは…」

狼娘

狼娘「グルル…」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

戦士「…狼？いや、人…？」

狼娘「！、なんだ、お前」

戦士「(言葉を話せるのか、知性はあるようだ)」

戦士「トラバサミか」ｻﾞｯ
戦士「(罠を外すほどの知性は無いようだ)」

狼娘「私をどうするつもりだ！近付くな！」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

戦士「罠を仕掛けたのは俺じゃないが…近付くな、と言われたらしょうがないな」

狼娘「え？」

戦士「そろそろ罠を仕掛けたやつが戻ってくるかもしれないな」

狼娘「！」

戦士「さて、俺も暇じゃないし、そろそろ行かないとな」

狼娘「っ！」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

戦士「じゃあな、がんばれよ」ｽﾀｽﾀ

狼娘「…ま、待って！」

戦士「ん？」

狼娘「…その、」

戦士「…」

狼娘「は、外せ」

戦士「…」

狼娘「…外して、下さい…」

戦士「礼儀はあるようだな」ｶﾞﾁｬ

狼娘「！」

戦士「これは結構食い込んでるな、ほら」ﾇﾘﾇﾘ

狼娘「！、うっく！」

戦士「あー暴れるな、傷薬塗ってやってんだから」

狼娘「…！」

戦士「かなり染みるが、速効性のやつだ」

狼娘「痛み、ひいた…」

戦士「…」

戦士「さて」ｽｯｸ

狼娘「！」

戦士「俺はもう行くぜ」

戦士「そうだな、さっきも言ったが罠を仕掛けたやつが戻ってくるだろうから早くここを離れた方がいいな」

戦士「じゃあな、また罠にかかるんじゃないぞ」ｽﾀｽﾀ

狼娘「あ…」

狼娘「…」

次の日

戦士「ようおっちゃん、森の魔物はあらかた片付けたぜ」

店主「おう、おつかれ！」

店主「いやあ、いつも助かるぜ。ありがとよ！」

店主「ほれ、報酬だ」

戦士「おう」

店主「…そうだ、さっき勇者パーティーがこの町を発ったんだ」

戦士「ほう」

店主「いやあ、どいつも青臭い若僧だったからちっと心配なんだがな…」

店主「いっそあんたが付いてってやればよかったんじゃねえかい？ん？」

戦士「冗談はよしてくれよ、子守はごめんだ」

店主「はは、お固いこって」

店主「そうだ、こんな依頼があるんだが、どうだい？」

戦士「…隣町まで届け物だぁ？」

店主「あんたが魔物を片した森の先の町なんだがな？」

店主「なんでも、貴重品だから腕利きに頼みたいんだと」

店主「ほら、倒したばかりじゃあ、まだ不安があるんだよ」

戦士「残党狩りを兼ねて…か」

店主「そうだ。しかも、依頼主が結構な貴族様でな、羽振りもいいぜ？」

戦士「…ふむ」

戦士「ちなみに届け物の中身は？」

店主「ああ、>>18だとよ。」

店主「俺にはよくわからねぇが、新薬の材料になるそうだ」

生け捕り狼娘

レスはええなｗ
飯食ってくるからしばし待て

戦士「(狼娘…？)」

店主「荷物はそこに置いてある」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

戦士「…さっきから気にはなってたがそれなのか」

店主「そうだ。生け捕りだから今日中とのことだ」

戦士「隣町につく頃には日が暮れるが…」

店主「宿代は依頼主が立て替えてくれるらしいぞ」

戦士「…よし、わかった」

店主「おお、受けてくれるか！」

戦士「早速だが行ってくるぜ」

店主「ああ、待った。ほれ、干し肉」ﾋｮｲ

店主「日頃から世話になってるお礼だ。持ってけ」

戦士「サンキュ」

森の中

戦士「…」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

戦士「…」ﾊﾟｶ

狼娘「むがむが…！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

戦士「まさかと思ったがお前か…」

戦士「また捕まったのか？」ｶﾁｬ

狼娘「ぷはっ」

狼娘「た、助けに来てくれたのか！？」

戦士「残念だが違うな」

狼娘「え…」

戦士「お前を運ぶ依頼を受けたんだ」

狼娘「は？」

戦士「悪いが運命だと思って諦めてくれ」ｶﾁｬ

狼娘「むが！？むがー！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

戦士「…」ｶﾊﾟ

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

戦士「…」

戦士「…」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

戦士「…」

荷物「」ｶﾞﾀ…ｶﾞﾀ…

戦士「…」

荷物「」…

戦士「…」ﾊﾟｶ

狼娘「むぅー…」ｸﾞｩｰ

戦士「…」

戦士「…」ｶﾁｬ

狼娘「んが？」

戦士「ほれ、干し肉だ」ﾋｮｲ

狼娘「！」ｶﾞﾂｶﾞﾂ

戦士「…」

狼娘「ぶはー！助かった！」

戦士「そうか」ｶﾁｬ

狼娘「！？、ふが、ふがー！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

戦士「…」ｶﾊﾟ

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

隣町

戦士「すっかり日が暮れたな…」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

戦士「前の魔物の残党もいなかったな」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

戦士「さて、届け先は酒場で聞けとか言っていたな」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

戦士「…」

酒場

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

ﾏｽﾀｰ「らっしゃい」

戦士「届け物の依頼を受けたものだが」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

ﾏｽﾀｰ「おお、あんたか。もっと真っ暗になった頃に来るかと思ってたぞ」

戦士「こいつはどこに届ければいいんだ？」

ﾏｽﾀｰ「ああ、それな。ここを出て左に真っ直ぐ行ったところに目立つ看板があってな、そこの家だ」

戦士「わかった」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

戦士「(左に真っ直ぐ、か)」

勇者「…」

戦士「！(勇者じゃないか。この町に来てたのか)」

僧侶「…」
武道家「！」
魔法使い「っ！？」ﾊﾞｼﾝ
武道家「～！」
勇者「…」ｱﾀﾌﾀ

戦士「(…まあ、上手くやってるようだな)」

戦士「…この家か」

戦士「目立つ看板というか…悪趣味だな」ｶﾞﾁｬ

？「おや、いらっしゃい。どちら様かな？」

戦士「依頼を受けたものだ」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

？「ああ、あなたが！いやはやありがとうございます」

？「おっと、名乗るのを忘れていました」

錬金術師「私は錬金術師です。よろしくお願いしますね」

戦士「俺は戦士だ」

戦士「で、これは一体何に使うんだ？」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

錬金術師「ああ、それですか？」

錬金術師「話には聞いていると思いますが、新薬の材料に使おうと思いまして」

錬金術師「具体的にはまず>>34するんですよ」

戦士「！」

蠱毒の材料

蟲毒についてググってたから遅くなったぜ


戦士「蟲毒？」

錬金術師「ええ、そうです。」

錬金術師「最近、このような人間のような姿を取る魔物が増えてきてましてね」

錬金術師「こいつらを捕まえて同じ牢にぶち込むんです」

錬金術師「そうすると飢えた魔物同士で喰い合いが始まりますね」

錬金術師「そうやって最後に残った一匹はあらゆる魔物の細胞を取り込んでいます」

錬金術師「こいつの細胞を解析すれば、何の成分が擬人化に起因しているか判明し、」

錬金術師「魔物を自由に擬人化させる薬ができるかもしれない」

錬金術師「と、いうわけです」

戦士「(よくわからん…)」

戦士「擬人化させたところでどうなるんだ？」

錬金術師「そうですね、まず擬人化した魔物は私達人間と同じ大きさ、二足歩行になり、機動力が私達と同等に、攻撃力と耐久力が大幅に減ります」

錬金術師「これだけでかなり戦いやすいでしょ？」

戦士「そうだな」

錬金術師「あとは…中には美しい容姿を取る魔物もいますからね」

錬金術師「貴族の間では大変人気になるでしょうね」

戦士「…」

錬金術師「おっと、ずいぶん話し込んでしまいました」

錬金術師「一日中歩いて疲れたでしょう？」

錬金術師「今晩はぜひ私の家で泊まっていってください」

戦士「そうするかな…」

錬金術師「お夕飯はお済みですか？まだなら作って差し上げますよ」

戦士「頼む」

錬金術師「はい、わかりました」

錬金術師「部屋はあちらにあります。ご飯の準備が出来たらお呼びしますね」

戦士「ああ…」

部屋

戦士「ふう…」ﾎﾟｽ

戦士「擬人化の薬、ね…」

戦士「(あの時たまたま助けただけだが…)」

戦士「(やっぱり気にかかるな…)」


戦士「…」ｳﾄｳﾄ

ｺﾝｺﾝ

錬金術師「戦士さん？ご飯の準備が出来ましたよ」

戦士「む…」

錬金術師「おや、もしかして寝てました？」

戦士「いや、もう少しで落ちるところだった」

錬金術師「どうぞ。店で出すものよりは見劣りしますが」

戦士「…うん、うまいな」

錬金術師「ふふ、ありがとうございます」

戦士「これならいい嫁さんになれるな」

錬金術師「あら、お世辞がお上手なんですね」

錬金術師「でも私はこの通り研究一筋なので、もらってくれる方がいないんですよねー」ﾊｧ

戦士「…」

錬金術師「そうだ、もうひとつ依頼を受けてくれませんか？」

戦士「うん？」

錬金術師「この町の外れの洞窟に擬人化した魔物が出たと報告がありまして」

錬金術師「それを捕まえにいこうと思ってるんですよ」

戦士「ふむ」

錬金術師「戦士さんが一緒に来てくだされば、心強いです」

錬金術師「ちなみに出てきた魔物は>>45と聞いています」

安価を置いて今日はここまで。
見てる人ありがとう。

酉

ゴーレム

戦士「ゴーレム？」

錬金術師「はい」

戦士「ゴーレム相手なら俺より魔法を使うやつがいいと思うが」

錬金術師「ゴーレム以外にも魔物がウヨウヨしてるんです」

錬金術師「それに錬金術師だって、戦えるんですよ？」

戦士「つまり、護衛…て感じか」

錬金術師「そういうことです」

戦士「そういえば、あれはどうしておくんだ？」

荷物「」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

錬金術師「ああ、あれは明日の朝にでも研究施設に届けます」

錬金術師「まだ捕獲数が少ないので蟲毒にはできませんので」

戦士「ふむ」

錬金術師「さて、もう夜も遅いですし、寝ましょうか」

戦士「そうだな」

次の日

錬金術師「おはようございます」

戦士「おはよう」

錬金術師「まずは荷物を施設に届けましょうか」

荷物「」…

戦士「…」ﾊﾟｶ

狼娘「zzz…」

施設

錬金術師「どうも、おはようございます」

研究員「ああ、おはようございます」

錬金術師「これがワーウルフの擬人化個体です」

研究員「はい、確かに受けとりました」

錬金術師「始めるまでにはあとどれくらい必要かしら？」

研究員「結構集まりましたからね、あと数日もすれば始めますよ」

錬金術師「そうですか、わかりました」


錬金術師「お待たせしました。行きましょうか」

戦士「…ああ」

格納部屋

研究員「そらよ」ﾎﾟｲ

狼娘「むぎゃ！」ﾄﾞｻ

狼娘「なにするんだー！」

研究員「あんまり暴れるなよ、体力持たないぜ？」

研究員「しばらくはここにいるんだ」ﾊﾞﾀﾝ

狼娘「むむむ」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

狼娘「出れない…」

>>53「…新しいやつが来たか」

狼娘「！、誰だ」

ラミア

ﾗﾐｱ「向かいの檻だ」

狼娘「…蛇…？」

ﾗﾐｱ「ラミアだ」

狼娘「ここは何だ？」

ﾗﾐｱ「私にもわからない…が、」

ﾗﾐｱ「どういうわけか人の姿をした者達ばかり集めているらしい」

狼娘「…私達、どうなるんだ？」ｷｮﾛｷｮﾛ

兎娘「…私、知ってるよ」

狼娘「！」

兎娘「扉の向こうで話をしているのが聞こえたの」

狼娘「(隣のやつか、ちっちゃいな)」

ﾗﾐｱ「何を話していたんだ？」

兎娘「うーんと、数日後に私達を一緒の部屋に閉じ込めるらしいよ」

ﾗﾐｱ「ふむ？」

狼娘「なんでー？」

兎娘「ごめん、そこまでは聞き取れなかった…」

ﾗﾐｱ「…そうだ、いい作戦を思い付いた」

狼娘「作戦？」

ﾗﾐｱ「脱出作戦だ」

ーーーーー
外れの洞窟

戦士「ふんっ」ｽﾞﾊﾞｯ

魔物「ｷｨｨｯ」ﾌﾞｼｬｱ

錬金術師「お強いんですね」

戦士「これくらいなら余裕だ」

錬金術師「ふふ、頼もしいですね」

戦士「結構奥まで来たが…」

錬金術師「そろそろ出てくるかと」

ｽﾞｼﾝ

ｺﾞｰﾚﾑ「…んあー？」

戦士「お出ましか」

錬金術師「捕獲が目的ですから殺さないでくださいね」

戦士「わかってる」ﾀﾞｯ

錬金術師「後方支援は任せてください」

ｺﾞｰﾚﾑ「何だお前ー」

戦士「ふっ」ｽﾞｶﾞﾝ

ｺﾞｰﾚﾑ「！、痛いなぁー」ﾌﾞﾝｯ

戦士「(擬人化してるがやはりゴーレムは硬いな)」ﾋｮｲ

戦士「(まあ、攻撃が鈍いからいくらでもかわせるが)」ｶﾞｷﾝ

ｺﾞｰﾚﾑ「この、なんなんだよぉー」

錬金術師「…下がってください！」ｷｨｨｨ

戦士「っ！」ﾊﾞｯ

錬金術師「術式・『氷槍』！」ﾊﾞｼｭﾝ

ｽﾞｶﾞｱｧｧｧｧﾝ

ｺﾞｰﾚﾑ「！？、ぐっが…」ﾖﾛ

戦士「(止まった！)もらった！」ｽﾞﾄﾞﾝ

ｺﾞｰﾚﾑ「！！、が…」ﾊﾞﾀﾝ

戦士「ふぅ」

錬金術師「お見事です」

戦士「あれが錬金術か、初めて見たな」

錬金術師「ええ、魔法のように精神力を使わないのが大きな特徴です」

錬金術師「まあ、魔法みたいに多様性がないので使い勝手は悪いのですが」

錬金術師「さて、連れて帰りましょうか」

戦士「…重い」ｽﾞｼ

錬金術師「頑張ってくださいね」

戦士「この為に俺を連れてきたな？」

錬金術師「あちゃー、ばれてしまいましたか」

戦士「…」

ﾄﾞｶﾞｱｧｧｧｧﾝ

戦士「…なんの音だ？」

錬金術師「あー、そういえば、ゴーレムの発見報告の時にちらっと聞いたのですが」

錬金術師「ここ、最近狂暴な魔物が住み着いたらしいんですよ」

戦士「そんな大事なことを…」ｼﾞﾛ

錬金術師「ああ、睨まないでください！魔物がいるのは最深部らしいですから大丈夫ですよ」

錬金術師「ただ、ここまで振動が来るもんですかね？まだここは入り口に近いのですが」

戦士「…ふむ」

戦士「(ここに来るまでにいくつか戦闘の跡があったが…)」

戦士「(今さっき出来たものなのか？)」

戦士「その魔物は討伐以来には？」

錬金術師「あったと思います。最近ですが」

錬金術師「…もしかして、誰か戦っているとか？」

戦士「かもな」

錬金術師「まさか、様子を見に？」

戦士「こんな重いもの担いでいけるか」

ｺﾞｰﾚﾑ「」ｸﾞﾃｰ

錬金術師「はは、そうですね。早く戻りましょうか」

戦士「ああ、そうす」

ﾄﾞｯｶｱｧｧｧｧﾝ

巨大ワーム「キシィェェェアアァァァ！」

勇者「うわあああああ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

戦士「…」

武道家「何だよあれ！でかすぎだろ！聞いてねーよ！」

魔法使い「ちょっとー！いつまで追っかけてくるのよ！」

僧侶「み、皆さん速いです！待ってください！」

勇者「こ、こんなはずじゃあ…」


戦士「…やれやれ」

錬金術師「仕方ない、ですね？」

戦士「よっ」ｺﾞﾄ

ｺﾞｰﾚﾑ「」ｽﾞｼｬ

戦士「援護を任せる！」ﾀﾞｯ

錬金術師「任されました！」ｷｨｨｨ


戦士「せいっ！」ｽﾞﾊﾞｯ

ﾜｰﾑ「ギシャ！？」

僧侶「え？」

勇者「あ！あの人は…！」

錬金術師「術式・『雷鎚』！」ｽﾞﾄﾞﾝ

ﾋﾞｯｼｬｱｧｧﾝ

ﾜｰﾑ「！！？！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

戦士「おらぁ！」ｻﾞｼｭﾝ

ﾜｰﾑ「ギ、キッ…」ｽﾞｼｰﾝ

武道家「す、すげえ…」

魔法使い「あんな大きい魔物を二人で…」

戦士「よし」ﾁｬｷ

勇者「あ、あの！ありがとうございます！」

戦士「…勇気と無謀は違うものだ」

勇者「え？」

戦士「自分の実力はわきまえるんだな」ｻﾞｯｻﾞｯ

勇者「…」


錬金術師「お疲れ様です」

戦士「ああ、援護ご苦労」ﾋｮｲ

ｺﾞｰﾚﾑ「」ｽﾞｼ

錬金術師「では、改めて帰りましょうか」

ーーーーー
格納部屋

ﾗﾐｱ「…と、こんな感じだ」

狼娘「うーん」

ﾗﾐｱ「問題は脱出口を開くためのパワーをもつ者がいないことだが…」

ｶﾞﾁｬ

研究員「そら」

ｺﾞｰﾚﾑ「うげー」ﾄﾞｻｯ

研究員「ああ、重かった…」ﾊﾞﾀﾝ

ﾗﾐｱ「…どうやら適任が来たようだな」

錬金術師「今回はありがとうございました」

戦士「うむ」

錬金術師「あと、もう数日後に実験を始めるのですが、」

錬金術師「万一に備えて警備について頂けませんか？」

戦士「わかった」

錬金術師「何から何までありがとうございます」

錬金術師「もう今日は自由にして頂いてもいいですが、ちょっと私の用事に付き合ってもらえませんか？」

戦士「何だ？」

錬金術師「今、高級傷薬の材料を切らしていまして」

錬金術師「>>72を取りにいくんですが」

短いけど今日はここまで。
見てる人ありがとう

黄金のりんご

戦士「黄金のりんご？」

錬金術師「はい。普通のりんごと違って栄養分が豊富です」

錬金術師「その分稀少で値も張りますが」

戦士「ふむ」

錬金術師「このりんごに含まれる成分が薬草の成分を分解するんです」

錬金術師「そうすることで回復の成分が体内に吸収されやすくなり、回復率と回復速度が大幅に…」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

戦士「…」

錬金術師「…あっと、失礼しました」

錬金術師「熱弁しちゃうの、癖なんですよね」

戦士「…で、取りにいくって話だが…」

錬金術師「ああ、別に森の中に入るつもりではないですよ」

錬金術師「商人の方に注文をしていまして、それを取りにいくんです」

戦士「？、俺がいる必要は…」

錬金術師「その…いつもより大量に注文したので」

錬金術師「私一人では持ちきれないかも、なーんて…」

戦士「…」

商人の店

商人「いらっしゃい！いいもん揃ってるよ！」

錬金術師「商人さん、どうも」

商人「あ、錬金術師さん！いつものちゃんと入荷してますよ」

錬金術師「ありがとうございます」

商人「最近、黄金のりんごの栽培法もある程度確立されましてね」

商人「これからは安く沢山入荷することができそうですよ」

錬金術師「本当ですか！それはありがたいです」

商人「しかし、これだけの量、持ち帰れるのかい？」ﾄﾞｻﾄﾞｻﾄﾞｻｯ

戦士「何だこの量は」

錬金術師「ははは…お願いしますね」

戦士「…」

戦士「ふう…」ﾄﾞｻｯ

錬金術師「いや、すごいですね。あれだけの量を軽々運べるなんて」

戦士「伊達に鍛えてはいないからな」

錬金術師「流石戦士さん。お礼におひとつどうぞ」

戦士「うむ」ﾋｮｲ

錬金術師「甘さと酸味の調和がいい感じで美味しいですよ」

戦士「確かにうまいな」ｼｬﾘｼｬﾘ

錬金術師「この後、どうします？」

戦士「もう休む…」

錬金術師「そうですか、わかりました」

錬金術師「引き続き私の家で休んでいただいても構いませんよ」

戦士「わかった」

狼娘「…」

狼娘「腹減ったなぁ…」ｸﾞｩｰ

次の日

錬金術師「おはようございます」

戦士「おはよう」

錬金術師「今日はどうします？」

戦士「酒場で適当な依頼でもこなしてくる」

錬金術師「わかりました」

錬金術師「私はここで他にやっている研究をしてますね」

酒場

戦士「さて、何があるかな…」

勇者「あ！戦士さん！」

戦士「ん？お前は勇者か」

勇者「探しました！」

戦士「…何か用か？」

勇者「まずはこれです」ｽﾞｲ

戦士「この金は？」

勇者「あの巨大ワームの討伐以来の報酬です」

勇者「倒したのは戦士さん達なので、受け取ってください！」

戦士「…いらないと言っても引き下がらないんだろうな。もらっておくよ」

勇者「ありがとうございます。後もうひとつあるんですが」

戦士「何だ？」

勇者「俺に稽古をつけてください！」

戦士「稽古？」

勇者「はい！俺、強くなりたいんです！」

戦士「…まあ、今日一日だけならいいだろ」

勇者「！、ありがとうございます！」

戦士「ただし、俺の剣技を教えるつもりはない」

勇者「え？」

戦士「手っ取り早く実力がつくのは実戦だ」

戦士「後ろからお前の戦いを見て、アドバイスしてやる」

戦士「マスター、>>83の討伐以来はないか？」

ﾏｽﾀｰ「ああ、ちょうどいいのがあるよ」

ドッペルゲンガー

勇者「ドッペルゲンガー？」

戦士「そうだ」

戦士「相手の姿に化ける高等種の魔物だ」

戦士「姿だけでなく、相手の動きすらそのまま反映されるから、自分の戦い方がわかる」

勇者「…その、俺が勝てるんでしょうか？」

戦士「相手が自分に化ける以上、実力は五分五分だ」

戦士「とにかく行くぞ。道中の雑魚との戦いも見てやる」

勇者「は、はい！」

勇者「せい！」ｽﾞﾊﾞｯ

雑魚a「ギキィッ」ﾌﾞｼｬｱ

戦士「踏み込みが甘い！それでは威力が出ないぞ！」

勇者「たあっ！」ﾌﾞﾝ

戦士「相手の動きをよく見ろ！動きを予測して当てるんだ！」

勇者「やっ！」ｽﾞﾊﾞｯ

戦士「対複数時は目の前の相手に集中せず、すべての敵に気を配れ！」

勇者「(ひぃ～っ！スパルタだ！)」

戦士「攻撃動作を終えたら戻さずに次の攻撃動作に移れ！無理なら直ぐ様距離を取る！」

勇者「はあっはあっ…」

戦士「そろそろ目的地だが…」

ｶﾞｻｯ

ﾄﾞｯﾍﾟﾙ「…」

勇者「…あの黒いやつが？」

戦士「そうだ」

ｸﾞﾆｬﾘ

影勇者「…」ﾀﾞｯ

戦士「来るぞ、構えろ！」

勇者「はい！」

影勇者「…」ﾌﾞﾝ

勇者「くっ」ｶﾞｷｨﾝ

戦士「相手の動きをよく見て、攻撃後の隙を狙うんだ！」

勇者「やっ！」ﾌﾞﾝ

影勇者「！」ﾋｮｲ

勇者「(かわされた！こういう時は…)」ｻﾞｯ

戦士「距離をとったか。わかってきたようだな」

影勇者「…」ﾌﾞﾝ

戦士「隙がないなら作るんだ。相手の攻撃を利用しろ！」

勇者「！」

勇者「(この攻撃を剣で逸らせば…)」ｷｨﾝ

影勇者「！」

勇者「そのまま斬りつけられる！」ｽﾞﾊﾞｧｯ

影勇者「！？」

勇者「このまま次の攻撃動作に！」ﾊﾞｼｭﾝ

影勇者「っ！？」

勇者「この大きな隙に、踏み込むっ！」ｽﾞﾊﾞｧﾝ

影勇者「！！！…」ﾊﾞﾀﾝ

勇者「はっはっ…」

勇者「…か、勝った！」

戦士「(…もっと苦戦するかと思ったが…)」

戦士「(さすが勇者、成長も早いな)」

勇者「今日はありがとうございました！」

戦士「後ろからヤジ飛ばしただけだがな」

勇者「そんなことないです！俺、色々わかった気がします！」

戦士「そうか」

戦士「勇者、お前はまだ未熟だが、成長が早い」

戦士「鍛練を怠るなよ」

勇者「はい！」

勇者「そうだ、何かお礼をしなきゃ…」

戦士「そうだな…飯でもおごってもらおうか」

勇者「わかりました！」

戦士「ただいま」

錬金術師「むむむ…この成分を抽出するにはどうすればいいのか」

錬金術師「蒸留では熱分解してしまうし、有機溶媒には溶けにくいから非常に効率が悪い…」

錬金術師「酸や塩基で処理するにも成分自体が反応してしまう…」

戦士「…」

錬金術師「…！、あ、あら、帰ってきてたんですか？」

戦士「ついさっきな」

錬金術師「いやはやお恥ずかしい。集中すると周りのことが見えなくなるので」

戦士「そうか…」

錬金術師「そうそう、例の実験、明日に行うことになりましたのでよろしくお願いしますね」

戦士「わかった」

錬金術師「今日はもう休みますか？」

戦士「そうする」

錬金術師「わかりました。ゆっくりお休みください」

狼娘「…」ｸﾞｩｰ

狼娘「隣の兎、おいしそうだな…」

兎娘「ひっ…」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

次の日

錬金術師「おはようございます」

戦士「おはよう」

錬金術師「今日は実験の日です」

錬金術師「よろしくお願いしますね」

戦士「ああ」

大部屋

研究員「こいつ重いんだよなぁ」ﾄﾞｻｯ

ｺﾞｰﾚﾑ「うー」

研究員「これで全部だな」ﾊﾞﾀﾝ ｶﾞﾁｬ

ﾗﾐｱ「しかし…我々をひとつの部屋にまとめるのは何故だ？…」ｸﾞｩｰ

狼娘「ｼﾞｭﾙﾘ」

兎娘「っ！」ﾋﾞｸｯ

ﾗﾐｱ「そうか…同士討ちのために飢えさせた状態でひとつの部屋にまとめたのか！」

ﾗﾐｱ「目的は読めないが、何とかしなくては…うう…」ｼﾞﾛﾘ

蛙男「ゲコッ！？」ﾋﾞｸｯ

？「あの…」

ﾐﾐｯｸ「食べ物、ありますよ…？」ﾄﾞｻｯ

狼娘「！」

狼娘「生き返るー！」ｶﾞﾂｶﾞﾂ

ﾗﾐｱ「助かった。ありがとう」

ﾐﾐｯｸ「箱の中に食べ物をため込む習性なので…」

ﾗﾐｱ「これで作戦を実行に移せるな」

ﾗﾐｱ「始める前に確認をするぞ」

ﾗﾐｱ「まず、ここの扉は鋼鉄で出来ている」

ﾗﾐｱ「私の持つ毒は強力な酸だから溶かすのは用意だ」

ﾗﾐｱ「毒によって扉を脆くしたところを」

ｺﾞｰﾚﾑ「僕が壊すんだよねー」

ﾗﾐｱ「そうだ、頼んだぞ」

ﾗﾐｱ「この部屋から脱出した後だが」

ﾗﾐｱ「ここの人たちはあまり強くないから突破は簡単だ」

ﾗﾐｱ「ただ、金髪の女には気を付けるんだ」

ﾗﾐｱ「知ってるやつが多いと思うが、あいつは錬金術を使う」

ｺﾞｰﾚﾑ「あいつの氷は痛かったなー」

ﾗﾐｱ「見つけた場合は言った通りにすれば大丈夫だ」

ﾗﾐｱ「他に気を付けるやつはいるか？」

ｺﾞｰﾚﾑ「あー…剣を持った男ー」

狼娘「(！)」

ｺﾞｰﾚﾑ「あいつに気絶させられたー」

ﾗﾐｱ「ｺﾞｰﾚﾑは最近来たからな…いる可能性もあるな」

ﾗﾐｱ「うん、これくらいだな。では作戦に移るぞ！」

ｽﾞｶﾞﾝ ｽﾞｶﾞﾝ

研究員a「お、始まったな」

研究員b「しかし、鋼鉄で囲んでいるから中の様子がわからないな…」

研究員a「…待て、衝撃が扉に集中しているような…」

ﾊﾞｯｺｵｫｫｫﾝ

ｺﾞｰﾚﾑ「壊したー！」

ﾗﾐｱ「よし、一気に行くぞ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

研究員a「うわぁー！？」

研究員b「まさか、出てくるなんてぶへぇ！？」ﾊﾞｼﾝ

錬金術師「何事ですか！？」

研究員c「魔物達が部屋を脱出しましへぶぅ！？」ﾄﾞｶｯ

狼娘「！、金髪の女！」

錬金術師「く、逃がしません！」ｷｨｨｨ

兎娘「それー！」ﾊﾞｻｯ

錬金術師「！、砂！？くっ目に…」

ﾗﾐｱ「今だ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

ｽﾞﾊﾞﾝ

ﾗﾐｱ「ぐあっ！？」

狼娘「！、お前！」

戦士「…一匹たりとも逃がさん」ﾁｬｷ

蛙男「ゲコォ！」ﾊﾞｻｯ

戦士「ふんっ」ﾄﾞｺﾞｯ

蛙男「グゲッ！？」

ﾗﾐｱ「くっここまで来て…」

狼娘「私がやる！みんな下がってて！」

戦士「一騎討ちか？いい度胸だ」

狼娘「…お前、よくわかんないやつだけど」

狼娘「今わかった！私の敵だ！」

狼娘「うがぁー！」ﾊﾞｯ

戦士「遅い」ﾋｮｲ

狼娘「ぐるるるるる！」ﾊﾞｯﾊﾞｯ

戦士「そんなものか」ﾋｮｲﾋｮｲ

戦士「おらっ！」ﾄﾞｺﾞｯ

狼娘「ぐっ！」

戦士「今ならこれくらいで許してやるが…」

狼娘「…舐めるなぁー！」

戦士「むっ！」ｶﾞｷﾝ

戦士「(いきなり速くなった？)」ｷﾝｷﾝ

狼娘「たあっ！」ﾌﾞﾝ

戦士「っ！」ｷｲｨﾝ

狼娘「うがぁー！！」ﾄﾞｺﾞｫｯ

戦士「ぐはっ！？」

狼娘「は、は、は、…」

戦士「ぐ…」ｶﾞｸ

ﾗﾐｱ「！、よし今だ！一気に脱出するぞ！」

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ…

狼娘「…」

戦士「…」

狼娘「手加減してくれたんだろ？」

戦士「…何のことだか」

狼娘「…」

狼娘「ありがとなっ」ﾀｯﾀｯﾀｯ

戦士「…ふっ…」

錬金術師「大丈夫ですか！？」

戦士「すまん、逃がした」

錬金術師「まさか、異種族同士で協力するとは」

錬金術師「これも擬人化の影響なのでしょうか？」

戦士「…」

錬金術師「…逃げられたものは仕方ありません」

錬金術師「とりあえず地道に研究することにしますよ」

戦士「そうか…」

次の日

錬金術師「え？もう大丈夫なんですか？」

戦士「ああ、軽傷だったし、傷薬も効いたからな」

錬金術師「そうですか…」

錬金術師「それで、もう行かれるので？」

戦士「元々、町を転々としていたからな」

戦士「そろそろこの町を出ることにするよ」

錬金術師「わかりました…」

錬金術師「それでは、お元気で」

戦士「ああ、じゃあな」

戦士「ふう…」

ﾀｯﾀｯﾀｯ

>>110「あ、あの！」

戦士「ん？」

エルフ

エルフ「助けてください！」

戦士「は？」

エルフ「このままだと仲間が…うっ…」ﾊﾞﾀ

戦士「あ、おい！」

戦士「…」

戦士「どうしたもんか…」

今日はここまで。第一部完、的な。
見てる人、支援してくれる人、ありがとう。

錬金術師「…それでわざわざ戻ってきたんですか？」ｼﾞﾄｰ

戦士「なんだその目は」

錬金術師「いえ、町を転々としているといいながらあっさり戻ってきたものなので」

戦士「…」

錬金術師「まあ、こんな事態では仕方がないと思いますが」

エルフ「…う…」

錬金術師「あら、気が付きましたか？」

エルフ「ここは…」

錬金術師「私の家ですよ」

エルフ「…は！みんな！みんなが！」

戦士「落ち着け」

エルフ「あ、はい、落ち着きます」

戦士「…」

エルフ「…」ｿﾜｿﾜ

戦士「一体何があったんだ？」

エルフ「そうです！みんな！みんなが！」

戦士「落ち着け」

エルフ「あ、はい」

戦士「で、一体何が？」

エルフ「そうなんです！仲間が危ないんです！」

戦士「だから落ち着け」

エルフ「あ、はい」

戦士「…何が」

エルフ「仲間達が！」

錬金術師「いい加減にしなさい」

戦士「…住み処が魔物に教われた？」

エルフ「そうなんです…」

エルフ「何処からともなく魔物の大群が押し寄せてきて」

エルフ「みんなあいつらに捕まってしまって」

エルフ「私は仲間たちのおかげで何とか逃げ出せたんですが…」

戦士「ふむ」

錬金術師「魔物たちの目的は何か心当たりがありますか？」

エルフ「多分…住み処の神殿に封じてある>>118かと」

黄金のトマトの苗

戦士「黄金のトマトの苗？なんだそれ」

錬金術師「！！、黄金のトマト！？」

戦士「知ってるのか？」

錬金術師「あれは、誰も見たことがない、伝説のトマトなんです」

錬金術師「なんでも、食べたら状態異常を何でも回復するとか、潜在能力が解放されるとか、」

錬金術師「色々な噂が出回っているのですが、誰も食べたことがないので推測の領域を出ません」

錬金術師「あー！成分解析してみたい！」

戦士「…」

錬金術師「…ごほん、失礼しました」

戦士「…で、何で封印なんてしているんだ？」

エルフ「黄金のトマトは勇者の資格を持つものが食することで、勇者の真の力が解放されるのです」

エルフ「しかし、実を作るには特殊な水が必要で、今や現存する苗は神殿に封印されたものしか残っていません」

戦士「…つまり、魔物の大群は魔王の手先だと言うわけだな」

エルフ「そうでしょうね」

エルフ「黄金のトマトを消し去ることで、勇者は魔王に対抗する力を得ることができなくなりますから」

戦士「…そういうわけだ。頑張れよ」

勇者「へっ？」

戦士「魔王が絡んでいるんだ。勇者が行くのは当然だろう」

勇者「いや、いきなりそんな話をされても」

勇者「戦士さんは行かないんですか？」

戦士「パス」

勇者「はあ…」

エルフ「それでは、道案内します。ついてきてください」

勇者「うん、わかった」

武道家「腕がなるぜ」

僧侶「エルフの住み処…どんな所なんでしょうか」

魔法使い「楽しみだなー」

錬金術師「さあ、行きましょうか」

戦士「…お前も行くのか？」

錬金術師「ええ、黄金のトマトは研究者なら一目見てみたい代物なので」

戦士「そうか…」

錬金術師「戦士さんも来てくだされば大いに助かるのですが」

勇者「そうですよ！戦士さんが来てくれれば百人力です！」

戦士「行かない」ｷｯﾊﾟﾘ

錬金術師「…まあ、そこまで言うのなら仕方ありませんね」

錬金術師「あ、そうだ。行かないなら行かないでひとつ頼みたいことが」

戦士「何だ？」

錬金術師「この前、魔物が逃げちゃったでしょう？」

錬金術師「それによって周りの環境に影響が出ていないか調べてほしいのですが」

戦士「…まあ、討伐依頼のついでにやるよ」

錬金術師「ありがとうございます」

森

戦士「ふん」ｽﾞﾊﾞｧ

魔物「ｸﾞｱｱｧｧｧｯ」ﾊﾞﾀﾘ

戦士「依頼にあった魔物は倒した、と」

ｶﾞｻｯ

戦士「む？」

狼娘「あ…」

戦士「お前か」

狼娘「…」

戦士「…一緒に逃げた仲間はどうした？」

狼娘「それが…」

狼娘「ここまで逃げたのはよかったんだ」

狼娘「でも、いきなり人が変わったようにだんまりになっちゃって」

狼娘「みんな、目付きが怖くなって」

狼娘「どこか行っちゃった…」

戦士「…」

ｶﾞｻｶﾞｻｯ

戦士「ん？」

兎娘「…」

狼娘「あ、うさぎ！どこに行って」

兎娘「がるるる…」

狼娘「…ど、どうしたんだ？」

兎娘「うがぁっ！」ﾊﾞｯ

狼娘「うわっ！？」

戦士「っ！」ﾄﾞｶｯ

兎娘「ギャッ」ﾄﾞｻ

狼娘「お、お前、何してんだ！」

戦士「見てわからないか？あいつは襲ってきたんだ」

兎娘「ぐるる…」

狼娘「うさぎ！一体どうしたんだよぅ！」

兎娘「ガァッ！」ﾌﾞﾝ

戦士「ぬん！」ﾄﾞｺﾞｫ

兎娘「ぐがっ…」

狼娘「！！」

戦士「気絶させただけだ」

…

兎娘「…う…」

狼娘「！、うさぎ！気付いたか！」

兎娘「…お、狼娘ちゃん…？」

狼娘「なあ、何があったんだ？」

兎娘「…私達、みんな操られて…」

狼娘「操られた？」

兎娘「エルフの里に…」

戦士「！」

兎娘「う、ぐ…！頭が…！」

狼娘「！、大丈夫か！」

兎娘「だめ、離れて！うあああ！」ﾀﾞｯ

狼娘「おい！どこ行くんだ！」

戦士「追いかけるぞ」

狼娘「え？」

戦士「あいつが向かった先がもしもエルフの住み処なら…」

エルフの里

武道家「せいっ！」ﾊﾞｷｯ

蛙男「くがぁ！！」ｽﾞｻﾞｰ

魔法使い「フリーズ！」ｷｲｨｨｨ

ｺﾞｰﾚﾑ「がっぐ！」ﾄﾞｻ

勇者「せいやっ！」ｽﾞﾊﾞｧ

ﾗﾐｱ「がああっ！」ﾌﾞｼｬｱ

僧侶「回復します！」ﾎﾟｫｫ

錬金術師「(…魔物の大群の中に昨日逃げた魔物がいるなんて)」

錬金術師「(一体どういうことなの？)」

勇者「神殿はどっち！？」

エルフ「こっちです！」

ﾐﾐｯｸ「ばあああ！」

エルフ「きゃあ！？」

勇者「この！」ｽﾞﾌﾞﾘ

ﾐﾐｯｸ「がっ…」ｸﾞｯﾀﾘ

勇者「他のみんなは捕まったエルフ達を探して！」

武道家「了解！」

？「…ふん、もう邪魔物が来たのか」

ｴﾙﾌ女王「うぐ…」

？「早く封印の解除法を教えてもらいたいものだが…」

ｴﾙﾌ女王「誰があなたなどに…」

？「まだ足りないか」ｹﾞｼｯ

ｴﾙﾌ女王「ぐはっ！？」

？「…仕方ない、手下」

手下「はっ」ｻﾞｯ

住民「じょ、女王様…」

？「封印の解除法を教えなければ…分かっているな？」

ｴﾙﾌ女王「く、卑劣な…」

ｽﾞﾊﾞｯ

手下「ぎゃああ！？」

？「む？」

勇者「ここが神殿か！」ｻﾞｯ

？「ほう、早い到着だな、勇者」

勇者「お前は誰だ！」

？「私の名は>>136」

>>136「魔王様の忠実なるシモベだ…」ﾆﾔﾘ

淫魔

勇者「淫魔だと？」

淫魔「魔王様の命を受けてここに封印されている黄金のトマトの苗とやらを消し去りに来たが…」

淫魔「何分私は非力なものでね。封印が解けないわけだ」

淫魔「だがしかし！この場で貴様を葬れば封印を解く必要もあるまい！」

勇者「覚悟しろ！」ﾀﾞｯ

淫魔「真っ直ぐ突進か。単純だな」ﾋｮｲ

勇者「(すれ違いざまに…)」ｷｨｨ

勇者「ライトニング！」ﾋﾞｼｬｱ

淫魔「な！？魔法！？」ﾊﾞｼｨﾝ

淫魔「ぐ…(あの突撃はブラフか！)」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

勇者「まだまだ！」

淫魔「舐めるな！ブラスト！」ﾎﾞﾝｯ

勇者「ぐあ！」ｽﾞｻﾞｰ

淫魔「隙を見せたな！チャーム！」ｶｯ

勇者「っ！しまっ…」

その頃

狼娘「そんな…」

戦士「遅かったか…」

狼娘「かえる！ごーれむ！」

狼娘「はこ！へびー！」

狼娘「何でみんな…うぅ…」

戦士「…」

狼娘「…」ﾀﾞｯ

戦士「どこ行くんだ！」

狼娘「こんなことをしたやつを倒すんだ！」

勇者「…」ﾕﾗﾘ

淫魔「ふふふ…」

エルフ「ゆ、勇者様…？」

淫魔「こいつには誘惑の魔法をかけた」

淫魔「これでこいつは私の忠実な下僕だ！」


狼娘「誘惑の魔法…」

淫魔「む？」

狼娘「みんなを操って、あんなことにしたやつは…」

狼娘「お前か！」

淫魔「おや、お前は擬人化した魔物達の中にいた一匹か」

淫魔「ここに攻め込む前、ちょうどよくいたものだからな」

淫魔「侵攻の駒として使わせてもらったよ」

狼娘「っ！」ｷﾞﾘ

淫魔「なぜお前に誘惑の魔法が効かなかったのかは謎だが…」

淫魔「まあ、お前に興味はない。さっさと消え失せろ」

狼娘「お前を倒す！」ﾊﾞｯ

淫魔「愚かな…」ﾊﾞｯ

勇者「…」ﾄﾞｶｯ

狼娘「いぎっ！？」

淫魔「おとなしく逃げていればよいものを…」

淫魔「そこまで死にたいのならば新しい駒の実験台にしてやる！」

勇者「…」ﾌﾞﾝ

狼娘「ひっ！」

戦士「っ！」ｷｨﾝ

狼娘「あ…」

戦士「淫魔か…厄介な」

淫魔「邪魔物が次から次へと…」

戦士「そら」ｺﾞﾝ

勇者「！！…」ﾊﾞﾀﾘ

淫魔「何？」

戦士「次はお前だ！」ﾀﾞｯ

淫魔「くっ」ﾁｯ

戦士「せや！」ﾌﾞﾝ

淫魔「ぬううっ」ﾊﾞｼｭ

淫魔「(こいつ、速い…！)」

淫魔「ブラスト！」ﾎﾞｶﾞﾝ

戦士「ぬ！」ｶﾞｷｨﾝ

淫魔「チャー」

戦士「甘い！」ﾌﾞﾝ

淫魔「ちぃっ！」ﾋｮｲ

淫魔「(誘惑の魔法を唱える隙がない！)」

戦士「そこだ！」ｶﾞｯ

淫魔「なっ！？(足！？)」ﾄﾞｻﾘ

戦士「ぬん！」ｸﾞｻｯ

淫魔「がはぁっ！？」

戦士「…」ｸﾞﾘｯ

淫魔「ぐがっ…」

淫魔「ぐっく…」

戦士「…」

淫魔「まさか、この私が…」

戦士「…」

淫魔「だが…まだ私は」

狼娘「このやろー！」ｽﾞﾝ

淫魔「が」ｸﾞﾁｬ

狼娘「この、この、この、」ｽﾞﾝｽﾞﾝｽﾞﾝ

淫魔「あ、が、ぎ」ｸﾞﾁｬｸﾞﾁｬｸﾞﾁｬ

狼娘「このぉー！」ｽﾞﾄﾞﾝ

淫魔「ヴ」ｸﾞﾁｬﾘ

狼娘「はあ、はあ、はあ…」

淫魔「」

戦士「…」

狼娘「…」

戦士「…」

狼娘「…う…」

戦士「…」

狼娘「うあぁ…」

戦士「…」

狼娘「うわあああぁぁぁぁ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

戦士「…」

戦いが終わったところで今日はここまで。
見てる人ありがとう

狼娘「ひぐ…ぐす…」

戦士「…」

狼娘「…」ｸﾞｼｸﾞｼ

狼娘「…うさぎ」ﾀﾞｯ

戦士「どこ行くんだ？」

狼娘「うさぎを探しにいく！」ﾀｯﾀｯﾀ

戦士「…」ｽﾀｽﾀ

エルフ「…あの」

戦士「俺はもう行く」

勇者「…う」

エルフ「あ、勇者様！お気づきですか？」

勇者「あ…エルフ。一体何が…」

エルフ「ええ、戦士様が…」

勇者「そうか…」

勇者「戦士さんは、もう行ったのか…」

エルフ「ええ、勇者様が気を失っている間に…」

勇者「…また助けてもらっちゃったなぁ…」

エルフ「…」

勇者「…強くなりたい」

町

戦士「…」

錬金術師「ただいま…でもないですかね」

錬金術師「来てたんでしょう？勇者さんから聞きました」

戦士「…」

錬金術師「淫魔…でしたっけ。逃げた魔物は奴が操っていたのですね」

戦士「ああ。」

戦士「勇者たちは？」

錬金術師「彼らなら、苗を育てるための聖なる水をてに入れるために北の山峰へ旅立ちました」

戦士「そうか…」

錬金術師「戦士さんは…聞くまでもないですね。ここ、町の入り口ですし」

戦士「…世話になったな」

錬金術師「お元気で。あ、そうだ」

戦士「ん？」

錬金術師「はい、黄金のりんご。一つ持っていってください」

戦士「サンキュ」

戦士「…」ｽﾀｽﾀ…

錬金術師「…」

道中の森

戦士「…」ｽﾀｽﾀ

…

戦士「…」

…
戦士「おい」

…

戦士「付いてきてるのはわかっているんだ。姿を現したらどうだ」

…ｶﾞｻ

>>155「…」

小人

小人「…」

戦士「(小人？)…何のようだ」

小人「…」

戦士「(殺気はない…一体なんだ？)」

小人「…来て」

戦士「…」

小人「…お願い」

戦士「…わかった」

小人「…こっち」ﾄｺﾄｺ

戦士「…」ｽﾀｽﾀ

小人の村

戦士「…ふむ」

小人「こっち」

戦士「…」

小人「村長、連れてきた」

小人村長「うむ、下がってよいぞ」

小人「…」ｺｸﾝ

小人村長「…さて」

小人村長「まず最初に聞こう。お主が勇者だな？」

戦士「違うが」

小人村長「えっ」

小人村長「しかし、エルフの里であの淫魔を倒したとの報告が…」

戦士「確かに倒したのは俺だが…」

小人村長「では勇者なのだろう？」

戦士「その理屈はおかしい」

小人村長「うぬぬ…まあ、淫魔を倒す実力があれば問題ないか…」

小人村長「折り入って頼みがある」ｷﾘｯ

戦士「…」

小人村長「最近ここら辺に狂暴な魔物が現れてな」

小人村長「ワシらの仲間が何人も犠牲になっておるんじゃ」

小人村長「是非倒してほしい」ｷﾘｯ

戦士「…」

小人村長「そうじゃな…対価は何を望む？魔物を倒した暁にはある程度のものは聞いてやろう」

戦士「…お前たち、ドワーフ族だろう？」

小人村長「いかにも」

戦士「俺の剣を強化してもらいたい」

小人村長「ふむ、そんなものでよいのか？」

戦士「ただし、強化には緋緋色金を使ってもらいたい」

小人村長「！」

戦士「緋緋色金を加えた合金は鋼鉄をも容易く切り裂き、刃こぼれもしないと聞く」

戦士「武器の製錬を得意とするドワーフ族なら持っているはずだろう」

小人村長「うぬぬ…緋緋色金はとても貴重なのだが…」

小人村長「…わかった。強化とは言わず、緋緋色金を最適の組成で添加し、極限まで鍛えたワシの最高傑作をくれてやろう」

戦士「いいだろう」

戦士「で、その魔物はどんなやつだ？」

小人村長「うむ、それがな」

小人村長「わからんのじゃ」ｷﾘｯ

戦士「…はあ？」

小人村長「いや、魔物には間違いないのだがな？」

小人村長「目撃したものがおらんのだ」

小人村長「皆殺されておるからな」

戦士「…」

小人村長「まあ、その、なんだ」

小人村長「とりあえず、最も多く殺された場所に連れて行こう」

小人村長「小人よ」

小人「…は」

小人村長「…頼んだぞ」

小人「…承知」

…

戦士「…ここら辺か？」

小人「…うん」

戦士「(至る所に爪痕があるな…地面まで抉れてやがる)」

小人「…」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

戦士「…守ってやるから安心しろ」

小人「…ん」

ｶﾞｻｻｻｻｯ

戦士「！」ｼﾞｬｷ

ﾋｭﾝｯ

戦士「くっ」ｷｨﾝ

？「おんやぁ？よく受け止めたなぁ」

戦士「…貴様が小人を殺して回ったやつか」

？「そうだぜぇ」

？「今日は小人じゃないゲストもいるようだがなぁ」

戦士「…」

？「まあ、やることは変わんねぇよな！」

？「行くぜぇ！この俺、>>165様がズタズタに引き裂いてやる！」

地獄の鎧

悪魔の鎧「ヒャッハァー！」ﾌﾞﾝ

戦士「くっ」ｷｨﾝ

悪魔の鎧「何だ？反撃しないのかぁ？そらそらぁ！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

戦士「(…)」ｷﾝｷﾝ

悪魔の鎧「そらよぉ！」ﾌﾞﾝｯ

戦士「そこだ！」ｷﾞｨﾝ

悪魔の鎧「甘いなぁ！」ﾄﾞｶﾞｯ

戦士「ぬがっ！？(盾！？)」

悪魔の鎧「へっどうしたぁ？終わりかぁ？」

戦士「ちっ」ｻﾞｯ

戦士「(…接近戦は不利か！)」

戦士「ぬん！」ｽﾞﾊﾞｯ

悪魔の鎧「へっ木なんて斬り倒してどうするつもりだぁ？」ﾋｮｲ

戦士「せい！」ｽﾞﾊﾞｯ

悪魔の鎧「倒れる木なんざあたんねえよぉ！」ﾋｮｲ

戦士「(この位置！)」ｽﾞﾊﾞｯ

悪魔の鎧「へっだから無駄」ｶﾞｯ

悪魔の鎧「…左右に倒れた木だと？」

戦士「横に避けられないのなら受け止めるしかあるまい！」

悪魔の鎧「ぐぅ！」ｶﾞｷｨﾝ

戦士「もらった！」ﾄﾞｶﾞｯ

悪魔の鎧「！、足を！」

戦士「そのままつぶれてしまえ！」

悪魔の鎧「ぬおおおお！」

ｽﾞｼｨﾝ

戦士「…」

小人「…終わった？」

戦士「…いや、まだだ！」

地獄の鎧が悪魔の鎧になってた。脳内変換よろ


ｽﾞｶﾞﾝ

地獄の鎧「やってくれたなぁ！」

戦士「ぬぅっ」ｷｨﾝ

地獄の鎧「てめぇは絶対ぶっ潰す！」

戦士「(さっきの倒木で鎧にヒビが入っている)」

戦士「(狙うならそこか！)」

地獄の鎧「おらぁ！」

戦士「さっきのダメージで動きにキレがないな！」ｶﾞｷｨﾝ

地獄の鎧「ぐぅっ！？」

戦士「もらった！」

地獄の鎧「舐めんなぁ！」ﾌﾞﾝｯ

戦士「！」ﾊﾞｷｨﾝ

地獄の鎧「はっ！てめぇの剣は粉々に」

ｽﾞﾄﾞﾝ

地獄の鎧「がはっ…！？」
戦士「…」

地獄の鎧「(…剣を捨てて拳を！？)」

戦士「ふっ！」ﾊﾞｷｨ

地獄の鎧「！、俺の剣が」

戦士「死ね」ｽﾞｼｭ

地獄の鎧「ごふ」

地獄の鎧「…くくく…」

戦士「…」

地獄の鎧「俺を倒したつもりか？」

戦士「何？」

地獄の鎧「まだまだ、俺は戦え」

ﾎﾞｼｭｳ

地獄の鎧「か」ﾊﾞﾗﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

戦士「！」

>>173「やれやれ…あっさり負けるとは。役立たずめ」

戦士「…」

>>173「お前が淫魔を倒した勇者だな？」

戦士「違うが」

>>173「えっ」

ロリ騎士

ロリ騎士「いやいや…だって淫魔倒したのお前だろ？」

戦士「確かに倒したのは俺だが…」

ロリ騎士「やっぱりお前が勇者だな！」

戦士「その理屈はおかしい」

ロリ騎士「ぐぬぬ」

小人「(…村長と同じにおいがする)」

戦士「…で、お前は誰だ？」

ロリ騎士「ふふん！よくぞ聞いたな！」

ロリ騎士「我こそは、ロリ騎士！」

ロリ騎士「魔王様直属の部下のひとりだー！」ｷﾘｯ

戦士「…」

ロリ騎士「…」

戦士「…地獄の鎧を使って小人を殺させたのはお前だな？」

ロリ騎士「そうだ」

戦士「…一体何が目的だ」

ロリ騎士「勇者でもないやつに話す義理はないな！」

戦士「…」

ロリ騎士「…」

ロリ騎士「…今は手を引いてやろう」

ロリ騎士「だが！近いうちにまたくるぞ！」

ロリ騎士「わははははは！」

戦士「…」

ロリ騎士「…」

小人「(…度々入る間は一体…)」

ロリ騎士「じゃ、そういうことで」

ロリ騎士「テレポート！」ﾊﾞｼｭﾝ

戦士「…行ったか」

小人「…」

戦士「…とりあえず一旦戻ろう」

戦士「村長と話をしないとな」

…

小人村長「…ふむぅなるほど。そういうことが」

戦士「ああ」

小人村長「とりあえず、同胞を殺した魔物を倒してくれたことには礼を言おう」

戦士「ああ」

小人村長「…」

戦士「…」

戦士「…報酬の剣だが」

小人村長「…やっぱり渡さないとだめ？」

戦士「だめだ」

小人村長「…」ｼｭﾝ

小人村長「これがワシの最高傑作の剣じゃ」

戦士「これが…」

小人村長「きれいな紅色じゃろう？」

戦士「すごいな」

小人村長「大切に…」

小人村長「…」

小人村長「…使ってくれ…」

戦士「ああ」

小人村長「…」

戦士「…で、これからのことだが」

小人村長「うむ」ｷﾘｯ

戦士「…」

小人村長「やつらの目的だが」

小人村長「ある程度予想はついておる」ｷﾘｯ

戦士「そうなのか？」

小人村長「うむ」

小人村長「おそらく、この村の地下深くに封印している>>184であろうな」

小人村長「あれは魔王にとって驚異のものだからな」

今日はここまで。
見てる人ありがとう。

>>182

戦士「桃色ブリーフ…」

戦士「って、なんだ？」

小人村長「ワシの生前から封印されていたものじゃからワシにもよくわからんが･･･」

小人村長「伝説の勇者の装備のひとつらしいの」

小人村長「まあ、見たことないからどこに装備するとかは知らん」ｷﾘｯ

戦士「…」

小人村長「それよりこれからのことじゃ！」

小人村長「お主の話からするに、近日中には魔物の手先が来るらしいな」

戦士「ああ」

小人村長「少しは村の者達も戦えるのじゃが…」

小人村長「やはりお主に頼みたい」ｷﾘｯ

小人村長「報酬はその紅剣で前払いじゃ」

戦士「いいだろう」

小人村長「では、今日はゆっくり休むがよい」

小人村長「寝床は村の者に案内させよう」

戦士「ふう…」

小人「…」

戦士「…いたのか」

小人「…ん」

戦士「…」

小人「…大丈夫？」

戦士「ああ、任せとけ」

小人「…うん」

次の日

戦士「まさか昨日の今日で来るとは」

ロリ騎士「覚悟しろー！」

戦士「お前一人か？手下はいないのか」

ロリ騎士「ふふん！今日はたくさん連れて来…あれ、いない」

戦士「…」

ロリ騎士「…」

小人村長「さあ、頼むぞ」ｷﾘｯ

戦士「うむ」ｼﾞｬｷ

ロリ騎士「…ふん！私一人で十分だ！行くぞ！」

ロリ騎士「てやー！」ﾌﾞﾝｯ

戦士「ぬん！」ｽﾊﾟｧﾝ

ロリ騎士「ふえぇ！？私の剣が真っ二つに！」

戦士「(何だこの剣、とんでもない斬れ味だ)」

小人村長「そりゃあ、ワシの最高傑作じゃからな」ｷﾘｯ

戦士「…」

ロリ騎士「…」

戦士「…」ﾀﾞｯ

ロリ騎士「わー！待った！タンマ！」

戦士「…」

ロリ騎士「ふ、ふふん！少しはやるようだな！」

ロリ騎士「だがまだまだこれからだ！私の恐ろしさに恐れ慄くがいい！」

戦士「…」

ロリ騎士「…」

戦士「…」ﾀﾞｯ

ロリ騎士「ひゃー！待った！タンマ！」

戦士「…」

ロリ騎士「ぐぬぬ…き、今日のところは撤退してやる！」

ロリ騎士「命拾いしたな！」

ロリ騎士「わははははは！」

戦士「…」

ロリ騎士「…」

ロリ騎士「じゃそういうことで」

ロリ騎士「テレポート！」ﾊﾞｼｭﾝ

戦士「…」

小人村長「…なんじゃったんじゃ、あやつは」

戦士「…」ｽﾁｬ

小人村長「あー…あんなやつならまた来てもワシら村の者たちでなんとかできるじゃろ」

小人村長「世話になったな」ｷﾘｯ

戦士「…」

戦士「…」

小人「…あの」

戦士「ん？」

小人「…あんな村長でごめんね？」

小人村長「聞こえとるぞ」

戦士「…ああ」

小人村長「聞こえとるからな」

戦士「…俺はもう行くぞ」ｽﾀｽﾀ

小人「…じゃあね」

小人村長「…無視しないで欲しいわい」ｼｭﾝ

三つ目の町

戦士「とりあえず酒場かな」

>>195「…」ﾄﾞﾝ

戦士「おっと」

>>195「あ、すみません、大丈夫ですか？」

戦士「俺は大丈夫だが…あんた、顔色悪いぞ？」

>>195「え？そうで…すか…う」ﾊﾞﾀ

戦士「…」

戦士「どうしたもんかな…」

奴隷少年

…

奴隷少年「…はっ」

戦士「気がついたか」

奴隷少年「あ、あの、えっと…」

戦士「ここは宿屋だ」

奴隷少年「あ…ありがとうございます」

戦士「…」

戦士「(質素な服から貧乏人かと思うが、体中に傷があるな)」

戦士「(虐待されているか、奴隷としてこき使われているか…)」

奴隷少年「…あ」

戦士「ん？」

奴隷少年「僕、もう行かなきゃ…」

戦士「もう少し休んだほうがいいと思うが」

奴隷少年「いえ、大丈夫です」

戦士「しかし…」

奴隷少年「大丈夫ですから！」

戦士「…」

奴隷少年「あ…すみません」

戦士「…」

奴隷少年「それでは…失礼しますね」ﾊﾞﾀﾝ

戦士「…ふむ」

酒場

ｶﾗﾝ

ﾏｽﾀｰ「いらっしゃい」

戦士「…」

ﾏｽﾀｰ「あんた、旅の人だね？」

戦士「そうだが」

ﾏｽﾀｰ「町は回ってみたかい？」

戦士「まだ宿屋しか行ってないが…」

ﾏｽﾀｰ「そうか…」

ﾏｽﾀｰ「悪いことは言わねぇ、早めにこの町を出たほうがいいぜ」

戦士「？」

ﾏｽﾀｰ「この町は金持ちのやつが多くてな」

ﾏｽﾀｰ「店の方には奴隷市場があるんだ」

戦士「(！)」

ﾏｽﾀｰ「しかも金持ちのやつら、好き放題にやりやがっててな」

ﾏｽﾀｰ「俺たち庶民からいいように金を搾り取るんだ」

ﾏｽﾀｰ「抵抗すると家族もろとも殺される」

戦士「…」

ﾏｽﾀｰ「やつらに目をつけられる前に出てった方がいいぜ」

…

戦士「…ふむ」

貴族「…おや？」

戦士「ん？」

貴族「貴様、町のものではないな。旅人か？」

戦士「そうだが」

貴族「見たところ、戦士のようだな…」

戦士「…」

貴族「…そうだな、貴様にひとつ、依頼を頼みたいが、いいかね？」

戦士「内容による」

貴族「ふはは、それもそうだな！」

貴族「では、まず私の家に行こうか」

貴族「話はそれからだ」

貴族邸

貴族「依頼の内容だが、簡単に言えば討伐依頼だ」

戦士「…」

貴族「最近、町のはずれの湖のあたりで魔物が出たと報告があってね」

貴族「その討伐を頼みたい」

戦士「…」

貴族「自慢ではないが、私はこの町でも一番の金持ちでね」

貴族「報酬は弾んでやろうではないか」

戦士「…魔物はどんなやつだ？」

貴族「報告によると>>203と聞いている」

ksk

まさか深夜でｋｓｋが安価をとるとはおもわなんだ



戦士「ｋｓｋ？」

貴族「キングスケルトン。略してｋｓｋだ」

貴族「手下の骸骨共を操り、周辺に被害が出ている」

戦士「…アンデッドか」

貴族「そうだ。アンデッド族が通常の攻撃ではしばらく経つと復活するのも知っている」

貴族「今まで聖なる魔法を使う者に討伐依頼を任せていたが、取り巻きによってなかなかうまくいかなくてね」

貴族「そこで貴様に奴の動きを止めてもらい、その隙に浄化させようと考えたわけだ」

貴族「紹介しよう。聖者だ」

聖者「…」ﾍﾟｺﾘ

貴族「彼女は聖魔法に精通しているだけでなく、回復魔法のスペシャリストでもある」

貴族「よろしくしてやってくれ」

聖者「よろしくお願いしますね」

戦士「…よろしく」

貴族「そうだな、早速だが討伐は明日行ってもらおうか」

貴族「今日は私の家に泊まっていってくれたまえ」

廊下

メイド「それではお部屋へご案内致しますね」

戦士「ああ」


執事「また失敗したのかね」

奴隷少年「うう…」

執事「同じミスを何回すれば気が済むんだ貴様は！」ｹﾞｼｯ

奴隷少年「あぐっ！ごめんなさい！」

執事「まったく、ご主人様が若い奴は物覚えが早いとおっしゃってこんな奴を買ってきてからに」

執事「全然物覚えが悪いではないか！」ｹﾞｼｹﾞｼｯ

奴隷少年「ごめんなさい、ごめんなさい！」

執事「謝るくらいならちゃんと与えられた仕事をこなせ！」


戦士「…」

メイド「…どうか、お気になさらず」

部屋

メイド「では、ご夕食のときにお呼びしますのでゆっくりおくつろぎください」ﾊﾞﾀﾝ

戦士「…ふう」

戦士「…」

戦士「ま、どうすることも出来ないな…」


戦士「…」ｳﾄｳﾄ

ｺﾝｺﾝ

メイド「失礼致します。ご夕食の準備が整いましたのでお呼びに来ました」

戦士「ん？ああ」

メイド「就寝中でしたか？これはとんだ御失礼を」

戦士「いや、もう少しで落ちるところだった」

夕食

戦士「豪華だな…」

聖者「私はここ毎日頂いていましたが未だに慣れません」

戦士「そうか…」

貴族「…ん？」

執事「おや？どうかなさいましたかご主人様」

貴族「この前菜だが、いつもと違ってひどい味だな」

執事「その料理は奴隷少年が作ったと聞いております」

貴族「そうか、罰を与えておけ」

執事「はっ」

貴族「まったく…若い奴を買ったのはいいが、いまだに使えないとは」

執事「失礼ながらあやつは解雇した方がよろしいかと」

貴族「いや、あいつはボロボロになるまでこき使ってやる」

貴族「あいつには、恨みがあるからな」

貴族「私の私怨に付き合ってもらって悪いが、もうしばらく世話を頼むぞ」

執事「はっ」

戦士「(味の違いが分からん…)」

聖者「(安心してください、私もです)」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

戦士「…」


夕食後

戦士「…」

貴族妹「…」

戦士「…ん？」

貴族妹「…」ｼﾞｰ

メイド「あっいけませんお嬢様！部屋から出て出歩いてはお体に触ります！」

貴族妹「…」ｽﾀｽﾀ

メイド「すみません、お嬢様を部屋に連れて行くので少しお待ちください」

戦士「ああ」

…

メイド「お待たせいたしました」

戦士「ああ」

メイド「お嬢様は昔は元気いっぱいで、外も走り回るほどでしたが」

メイド「難病にかかってしまい、少し運動するだけで息切れを起こすほどに衰弱してしまいました」

戦士「…」

メイド「…それでは、お部屋にご案内します」

戦士「(…いろいろ事情がありそうだな)」

次の日

貴族「準備はできているようだな」

戦士「ああ」

貴族「では頼んだぞ。聖者、道案内を頼む」

聖者「分かりました」


戦士「てこずっていると聞いたが」

聖者「はい、取り巻きの骸骨ならば問題ないのですが」

聖者「ｋｓｋは取り巻きをうまく使い、なかなか魔法を唱える機会がないのです」

戦士「ふむ」

聖者「なので戦士さんが攻撃してバラバラにしたところを、わたしが浄化します」

聖者「頼りにしてますね」

戦士「ああ、任せろ」

はずれの湖

骸骨a「ｹﾀｹﾀｹﾀ」

戦士「…でたな」

聖者「後方支援は任せてください」

戦士「ああ！」ﾀﾞｯ

骸骨b「ｶｶｶｶｶｯ」

戦士「ふっ！」ｽﾊﾟｧﾝ

骸骨a「ｹﾀｯ」ﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

骸骨b「ｶｶｯ」ﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

聖者「ホーリー！」ﾊﾟｧｧ

骸骨a「ｹ」ｼｭｩｩ

骸骨b「ｷ」ｼｭｩｩ

戦士「…多すぎないか？」ｽﾊﾟｧﾝ

骸骨l「ﾜﾀﾘｯ」ﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

聖者「どうやらｋｓｋは魔力を使って骸骨を大量に作り出しているようです。ホーリー！」ﾊﾟｧｧ

骸骨l「ｷﾗ…」ｼｭｩｩ

戦士「なるほど、きりがないわけだ」ｽﾊﾟｧﾝ

骸骨m「ﾓｯﾄｯ」ﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

聖者「…一撃でバラバラにするなんてすごいですよね。ホーリー！」ﾊﾟｧｧ

骸骨m「ｲｸﾞｩ」ｼｭｩｩ

戦士「伊達に場数は踏んでないさ」ｽﾊﾟｧﾝ

聖者「そうですか。ホーいっげふ、げふ」

戦士「おいおい、ちゃんと…いや、毒ガスか！」

ｋｓｋ「…」

戦士「毒霧魔法を使うのか。厄介な」

聖者「リフレッシュ！」ﾊﾟｧｧ

ｋｓｋ「…ﾌﾘｰｽﾞ！」ｷｨｨ

戦士「ちぃっ」ﾋｮｲ

聖者「アレジーバリア！」ｷｲｨｨ

聖者「これで少しの間は毒にかからないはずです！」

戦士「よし！」ﾀﾞｯ

取り巻き「ｶﾞｯｶﾞｯｶﾞｯ」

取り巻き「ｳｹｹｹｹｹ」

戦士「邪魔だ！」ｽﾊﾟｧﾝ

取り巻きs「ｶﾞｷﾞｲｨｨｨｨ」ﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

ｋｓｋ「ﾌｧｲｱ!ｻﾝﾀﾞｰ!」ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾝ


小人村長『その紅剣は魔法をも切り裂くぞい』ｷﾘｯ


戦士「…せいや！」ｽﾊﾟｧﾝ

ｋｓｋ「！？」

戦士「もらった！」ｽﾞﾄﾞﾝ

ｋｓｋ「ｶﾞｯ」ﾊﾞﾗﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

戦士「今だ！」

聖者「聖なる光で浄化せよ！ホーリーブラスト！」ｷｲｨｨﾝ

ｋｓｋ「ﾇｸﾞｳｩｩｩｩ…」ｼｭｳｩｩｩｩ

戦士「…やったようだな」

聖者「ええ。取り巻き達も消えていきました」

ｶﾞｻｶﾞｻｯ

戦士「ん？」

狼娘「あっ」

戦士「またお前か」

狼娘「こっちのセリフ…げほ、げほ！」

戦士「毒ガスを吸ったみたいだ。聖者」

聖者「はい。リフレッシュ」ﾊﾟｱｧｧ

狼娘「ふぅー…死ぬかと思った」

戦士「何でこんなところにいるんだ」

狼娘「うさぎが見つからない…」

戦士「…」

聖者「その魔物は？」

戦士「たびたび会うんだ」

狼娘「いろいろ世話してもらった！」

聖者「そうなんですか」

戦士「で、兎娘が見つからないって？」

狼娘「うん…」

狼娘「においを追ってたんだけど段々薄くなっていって」

狼娘「手がかりなくなった…」

戦士「…」

聖者「…とりあえず、ｋｓｋも倒したことですし、戻りましょう」

戦士「ああ…そうだな」

狼娘「あ、そうだ」

狼娘「こんなの拾った。なんだか分かるか？」ﾋｮｲ

戦士「これは？」

聖者「もしかして…>>222では？」

戦士「知ってるのか？」

今日はここまで。終わる気配がしない。
見てる人ありがとう。

死霊術の指輪

戦士「死霊術の指輪？」

聖者「そうです。これを装備するとアンデット族の魔物を操ることが出来ます」

戦士「つまり、ｋｓｋを裏で操っていた奴がいる？」

聖者「その可能性は高いですね」

戦士「…このことは報告しておいたほうがよさそうだな」

聖者「ええ。この指輪は処分します」ﾊﾞｷﾝ

戦士「…」

狼娘「…握りつぶした…」

…

貴族「なるほど、裏でｋｓｋを操っていたものがいると？」

聖者「はい」

貴族「そうか…」

貴族「よし、それではその黒幕を暴くため、湖の周辺などを調査してくれ」

聖者「わかりました」

貴族「今日はもう休んでいいぞ」

聖者「では、失礼します」

戦士「…」


貴族「…」

貴族「死霊を操る…まさかな」

執事「このロクデナシめ！」ﾄﾞｶﾞｯ

奴隷少年「うぐっ、ごめんなさい！」


戦士「…」

貴族妹「…」ﾁｮｲﾁｮｲ

戦士「ん？」

貴族妹「どうも」

戦士「部屋から出ていいのか？」

貴族妹「少しくらい大丈夫です」

貴族妹「それより、話しておきたいことがあります」

貴族妹の部屋

聖者「あら、あなたも？」

戦士「お前もか」

貴族妹「先ほども言った通り、お二人にお話しておきたいことがあります」

戦士「…なんだ？」

貴族妹「まず、私の体調について、何かご存知ですか？」

戦士「難病、と聞いたが」

貴族妹「執事やメイドたちはそのように認識しています。しかし…」

聖者「実際は違うのですか？」

貴族妹「はい」

貴族妹「これは難病なんかではなく、死の呪いです」

戦士「…死の呪いだと？」

貴族妹「はい」

貴族妹「この呪いは生きている者の生命力を少しずつ蝕み」

貴族妹「どんどん衰弱させ、死に至らせる呪いです」

聖者「…それをあなたのお兄さんはご存知で？」

貴族妹「はい」

貴族妹「…今から6ヶ月前の話です」

貴族妹「私たち兄弟は早くに両親を亡くしていました」

貴族妹「しかし、兄さんはとても優秀なお方なので」

貴族妹「親の遺した財産を周りの金持ち達に奪われるような失態は犯さず、逆にどんどん膨らませていって」

貴族妹「今では町一番の富豪となりました」

貴族妹「お兄さんは人望も厚いので、他の金持ち達も失脚させようとはしませんでした」

貴族妹「そんな頃です」

貴族妹「私は家の庭を散歩していました」

～

貴族妹「～♪」

黒ﾛｰﾌﾞ「…」ｻﾞｯ

貴族妹「！、誰ですか！」

黒ﾛｰﾌﾞ「…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

ﾎﾞﾜｧﾝ

貴族妹「あ…」ﾊﾞﾀﾘ

貴族「妹、そろそろ食事の時間…！」

貴族「妹！どうした！」

黒ﾛｰﾌﾞ「…」

貴族「…貴様がやったのか！」

黒ﾛｰﾌﾞ「…そいつには死に至る呪いをかけた」

貴族「何…？」

黒ﾛｰﾌﾞ「これは復讐だ。家族を失う苦しみ、貴様も味わうがいい」

貴族「な！」

黒ﾛｰﾌﾞ「…」ﾊﾞｼｭﾝ

貴族「くっ転移魔法か…」

貴族「おい！警備は何をしていた！」

執事「そ、それが…大量のアンデットにやられたようです」

貴族「…あいつ、死霊使いか…！」

執事「まず、お嬢様をお部屋へお連れします」

貴族「頼んだ」


貴族「…」

貴族「復讐…まさか」

貴族妹「お兄さん」→貴族妹「お兄様」にしといて



～

聖者「…」

戦士「…」

貴族妹「…その黒ﾛｰﾌﾞの男は父上が公開処刑に晒した女性の夫だそうです」

貴族妹「お兄様はその男の行方を追っているのですが、未だ手がかりが掴めていません」

貴族妹「ですがお兄様のことです。見つけたときにはその男を殺してしまうでしょう」

貴族妹「…復讐の連鎖は何も生みません」

貴族妹「お兄様が私のためにそのようなことをしようとしているのがとても心苦しいのです」

貴族妹「もしお兄様が殺そうとしたときは」

貴族妹「…どうかお兄様を止めてください」

…

戦士「…」

聖者「…重い話でしたね」

戦士「ああ…」

聖者「…今は気にしても仕方ありません」

聖者「今日はもう休みましょう」

戦士「そうだな」

次の日


狼娘「くんくん」

聖者「指輪のにおいから持ち主を探すことが出来るとは驚きです」

戦士「まあ、狼だしな」

聖者「指輪、捨てなくてよかったですね」

戦士「握りつぶしたおかげでひしゃげているがな」

狼娘「…！こっちだ！」ﾀｯﾀｯﾀ

聖者「付いていきましょう」

戦士「ああ」

聖者「…昨日の話ですが」

戦士「…今探している奴がそいつだって言うんだろ？」

聖者「ええ。聞いた限りでは死霊使いですよね」

聖者「そして今回は、ｋｓｋを操っていた」

聖者「死霊使いになるには特別な力が必要で、そんなに数が多くありません」

聖者「精神力はもちろん、死霊術の指輪のような道具が必要です」

戦士「…同一人物の可能性が高いな」

聖者「ええ」

狼娘「おーい！早くー！」

…

狼娘「…あそこ」

戦士「…貴族邸だと？」

聖者「まさか…この屋敷の関係者が？」

戦士「…何か騒がしいな」

ﾁｭﾄﾞｰﾝ

聖者「！、今の爆発！」

戦士「そうか、わかったぞ」

戦士「館の関係者ではなく、今現在、そいつが屋敷に来ている！」

戦士「急ぐぞ！」

聖者「はい！」

戦士「お前はここに残って、奴が逃げたときの足止めをしてくれ！」

狼娘「あいさー！」

貴族「…まさかまた来るとはな」

黒ﾛｰﾌﾞ「…」

貴族「あの二人がいないときに襲撃してくるとは…」

黒ﾛｰﾌﾞ「…呪いをかけるだけの魔力がようやく補充された」

黒ﾛｰﾌﾞ「次は貴様だ」

貴族「…むざむざとやられるだけだと思うなよ」ﾁｬｷ

黒ﾛｰﾌﾞ「！、魔道銃だと？」

貴族「ああ、精神力を弾丸にして打ち出す道具だ」

貴族「魔法のように詠唱など唱えずに攻撃できる」

貴族「…やられる前に殺してやる！」ﾊﾞｧﾝｯ

黒ﾛｰﾌﾞ「ちぃっ」ﾋｮｲ

貴族「よくも妹に呪いをかけてくれたな！」

貴族「その罪、死を持って償え！」ﾊﾞｧﾝｯ

骸骨「ｶﾞｱｱｧｧｧ」

ゾンビ「ﾌﾞｼｭﾙﾌﾞｼｭﾙ」

メイド「ひっ！」

ｽﾊﾟｧﾝ　ｼｭｳｳ

戦士「大丈夫か！」

メイド「あ、戦士様！聖者様！」

聖者「ここは危険です！早く避難してください！」

メイド「しかしお嬢様とご主人様が…」

戦士「俺たちに任せろ！」

メイド「…どうかよろしくお願いします！」ﾀｯﾀｯﾀ

戦士「…何故だ？指輪を持っていないはずなのにアンデットが出てくるとは」

聖者「…とにかく今は急ぎましょう！」

貴族「…ちょこまかと！」ﾊﾞｧﾝｯ

黒ﾛｰﾌﾞ「…」ﾆﾔﾘ

ゾンビ「ｽﾞｵｵｫｫｫ」ｶﾞｼｯ

貴族「！、後ろだと！」

黒ﾛｰﾌﾞ「掴まれては銃は撃てまい！」

貴族「くそっ！」

黒ﾛｰﾌﾞ「さあ、今こそ呪いを」

ﾊﾞﾝｯ

戦士「させるか！」ﾌﾞﾝ

黒ﾛｰﾌﾞ「何！？もう戻ってきたというのか！？」

聖者「ホーリー」ﾊﾟｱｧｧ

ゾンビ「ｾﾞｪｪ」ｼｭｩｩ

貴族「…助かった、礼を言おう」

黒ﾛｰﾌﾞ「くそ、邪魔が入ったか…」

戦士「観念するんだな」ﾁｬｷ

黒ﾛｰﾌﾞ「ふん！呪いをかけて死の恐怖をじっくり味わってもらおうと思ったが…」

黒ﾛｰﾌﾞ「もうやめだ！この場で殺してくれる！」ｶｯ

アンデットs「ｸﾞｳｳｩｩｩ」ｿﾞﾛｿﾞﾛ

戦士「！、こんなにたくさん！」

聖者「なぜ指輪を無しにアンデットを召喚し、操ることが出来るのですか！」

黒ﾛｰﾌﾞ「ふん、冥土の土産に教えてやろうではないか」

黒ﾛｰﾌﾞ「私は魔王様から力を授けてもらったのだ！」

黒ﾛｰﾌﾞ「息子を売って出来た金で手に入れた死霊術の指輪も不要なのだ！」

黒ﾛｰﾌﾞ「魔王様から授かったこの力、とくと味わわせてやる！」

アンデット「ｺﾞｵｧｧｧｧ」

戦士「ちぃっ」ｽﾊﾟﾊﾟｧﾝ

聖者「ホーリー！」ﾊﾟｱｧｧ

貴族「くっ！」ﾊﾞﾝｯﾊﾞﾝｯ

黒ﾛｰﾌﾞ「私もただ見ているわけでないぞ！ブラスト！」ﾎﾞﾝ

貴族「ぐあっ！？」ｽﾞｻﾞｰ

聖者「貴族様！」

黒ﾛｰﾌﾞ「ははは！どうだ痛いか苦しいか！もっと泣き叫べ！」

戦士「くそ…数が多すぎる！」

聖者「…戦士さん、時間を稼いでもらえますか」

戦士「ん？」

聖者「範囲聖魔法でアンデットを一掃します！」

黒ﾛｰﾌﾞ「させるか！メガフリーズ！」ｷｲｨｨｨﾝ

戦士「せいやっ！」ｽﾊﾟｧﾝ

黒ﾛｰﾌﾞ「！、魔法を切り裂くその紅剣、やはり緋緋色金か！厄介な！」

戦士「ぬおりゃあ！」ﾌﾞｫﾝ

アンデットs「ｸﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ」ﾊﾞﾗﾊﾞﾗﾊﾞﾗﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

黒ﾛｰﾌﾞ「！、一薙ぎでたくさんのアンデットを吹き飛ばすだと！？」

聖者「行きます！ホーリークロス！」ｶｯ

ﾊﾟｱｱｧｧｧｧ!

アンデットs「ｱｱｱｧｧｧｧ…」ｼｭｳｳｳｩｩｩｩ

黒ﾛｰﾌﾞ「アンデットを全部消されただと！？」

戦士「残るはお前一人だな！」ﾀﾞｯ

黒ﾛｰﾌﾞ「ふん！爆発魔法は切り裂けまい！ブラスト！」ﾎﾞﾝ

戦士「ぬぉっ！」ｷｨﾝ

黒ﾛｰﾌﾞ「この隙にアンデットたちを！」ｶｯ

…

黒ﾛｰﾌﾞ「…何故だ！？何故出てこない！？」

聖者「…マジックシール。あなたの魔法は封じました」

黒ﾛｰﾌﾞ「何だと！？」

戦士「どうやら勝負あったな」

黒ﾛｰﾌﾞ「くそ…くそぉ！」

戦士「さあ、覚悟はいいか」ｼﾞｬｷ

貴族「待て！」ﾌﾗ

聖者「貴族様？」

貴族「とどめは私が刺す」ﾁｬｷ

黒ﾛｰﾌﾞ「…何故だ！何故妻を処刑した！」

貴族「…お父様が考えていたことは残念ながら私には分からない」

貴族「だが！代わりに妹に手を下したことは許さん！」

戦士「待て！」

貴族「止めるな！」

ﾊﾞﾝｯ

貴族妹「お兄様！」

貴族「妹！？」

貴族「何故ここに！」

貴族妹「お兄様！お止めください！」

貴族「何故だ！お前は憎くないのか！」

貴族「呪いをかけられて、憎しみを感じないのか！」

貴族妹「お兄様！復讐は何も生みません！」

貴族妹「お兄様に人殺しなんてやってほしくありません！」

貴族「く…だがしかし…」

？「とんだ茶番だねぇ」

貴族「！、誰だ！」


奴隷少年「僕さ」

戦士「！」

奴隷少年「まずは…お前だ」

黒ﾛｰﾌﾞ「…何だお前は」

奴隷少年「息子の顔も忘れたのかい？父さん」

黒ﾛｰﾌﾞ「！？、お前は！？」

奴隷少年「よくも私怨のために売り払ってくれたね」ﾊﾟﾁﾝ

ｺﾞｵｵｵｫｫｫｫｫ!

黒ﾛｰﾌﾞ「ぐああああああああああああああああ！」ｼﾞｭｳｳｳ

奴隷少年「有無は言わせない、地獄の業火に焼かれて死ね」

黒ﾛｰﾌﾞ「」ﾌﾟｽﾌﾟｽ

奴隷少年「…次はお前だ」

貴族「！」

奴隷少年「代わりに妹に手を下したことは許さん…とか言っていたね」

奴隷少年「それ、お前が言えた事ではないだろう？」

貴族「っ！」

奴隷少年「お前はどこかであの糞親父の息子が僕だと知った」

奴隷少年「そして奴隷市場で売られていた僕を買い」

奴隷少年「糞親父が見つかるまでの間、僕に鬱憤を晴らしていた」

貴族「く…」

奴隷少年「いやあ、執事の蹴りは痛かったね」

奴隷少年「でもあれ、お前が命令してやらせたんだろ？」

貴族「…」

奴隷少年「…ひとつ、殺す前に教えてやろうか」

奴隷少年「僕のお母さんは魔物だったんだ」

貴族「何？」

奴隷少年「糞親父には正体を隠していたみたいだけどね。嫌われたくなかったんだろうね」

奴隷少年「そして君のお父さん。極度の魔物嫌いだったよね？」

貴族「…そうか…」

奴隷少年「理解したみたいだね」

奴隷少年「そう、君のお父さんはそういうのに敏感だったみたいでね」

奴隷少年「お母さんが魔物だと勘付いたんだ」

奴隷少年「だから処刑した」

奴隷少年「糞親父がお前を憎んだように、僕もお前のお父さんを憎んだ」

奴隷少年「だから…殺したんだ。君の両親をね」

貴族「！！！」

奴隷少年「魔物の息子だからね。当然僕も魔物だよ」

奴隷少年「だから二人だけで出歩いている機会を狙い、毒霧魔法で嬲り殺した」

貴族「両親の変死は貴様の仕業か！」

奴隷少年「そうさ」

奴隷少年「しかし、それだと糞親父が復讐できなかったからお前たち兄弟に目標を変えた」

奴隷少年「奴は死の呪いをかけるため、僕を売って死霊術の指輪を手に入れた！」

奴隷少年「僕は魔物としては未熟だ、ハーフだからね」

奴隷少年「毒霧魔法を使って精神力がない状態だった上に、奴隷生活では満足に精神力も回復できない」

奴隷少年「地獄だったよ」

奴隷少年「そんなときだ、僕はある人に出会った」

奴隷少年「魔王様だ」

奴隷少年「魔王様に忠誠を誓う代わりに、僕は力を手に入れた」

奴隷少年「お前たちに復讐するための力をね」

ﾊﾞｼｭﾝ

>>254「…これが新たな力を得た僕の真の姿だ。かっこいいだろう？」

死霊騎士

死霊騎士「この力を得て、僕はずっと待っていた」

死霊騎士「お前たちに復讐する機会をね」

貴族「…」

貴族妹「お兄様…」ｷﾞｭ

死霊騎士「すばらしい兄妹愛だよね。はたから見ててつくづくそう思ったよ」

死霊騎士「全く持って虫唾が走る」ｷﾞﾘ

死霊騎士「話は終わりだ。さあ、二人まとめて葬ってやる」

戦士「させるか！」ﾀﾞｯ

死霊騎士「外野は引っ込め。パラライズ！」ｶｯ

戦士「ぐっ！？」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

死霊騎士「さて、本当は串刺しの滅多刺しにして存分に苦しませて殺してやりたいが」

死霊騎士「奴隷としてぞんざいに扱われていた僕を妹さんは優しくしてくれた」

死霊騎士「その妹に免じて痛みを伴わずに一瞬で消し去ってやる」

戦士「待て！」

死霊騎士「デス！」ｺﾞｫｫ

貴族「！」ﾋﾟｷｨﾝ

貴族妹「！」ﾋﾟｷｨﾝ

聖者「あ…」

死霊騎士「…ふん」

戦士「…貴様ぁ…」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

死霊騎士「…さて、僕は魔王様のところに行くよ」

死霊騎士「君たちには何の興味もないしね」

戦士「待て！」

死霊騎士「待たない。テレポート！」ﾊﾞｼｭﾝ

戦士「く…」

聖者「…」

…

執事「…まさかご主人様がお亡くなりになるとは…」

聖者「すみません、私たちの力が及ばないばっかりに…」

執事「いえ、あなたたちがいなければさらに犠牲が出ていたでしょう」

戦士「…これからどうなるんだ？」

執事「ご主人様もお嬢様もお亡くなりになり、跡継ぎはいなくなってしまいました」

執事「この家はもうおしまいでしょうな」

戦士「…」

執事「何、心配は要りませんよ。他の富豪たちがきっと私たちを雇ってくれるでしょう」

執事「あと、ｋｓｋを倒した報酬がまだでしたな。どうぞ」

戦士「…」

執事「それでは、お元気で」

戦士「…」

聖者「…戦士さんはこれからどうするつもりで？」

戦士「…考えても何ともならないからな」

戦士「とりあえずは今までどおり放浪するさ」

聖者「そうですか…」

戦士「お前はどうするんだ？」

聖者「私はこの町の教会の出身なので。そこに戻るつもりです」

戦士「そうか」

聖者「お別れですね」

戦士「そうだな。じゃあな」

聖者「はい。貴方の旅に幸あらんことを」

町の外

戦士「…」

狼娘「よっ！」

戦士「お前か」

狼娘「…元気ないな？」

戦士「…」

戦士「俺もまだまだ未熟だよな」

狼娘「…そんなことないよ！」

狼娘「いつも助けてもらってるんだから！」

狼娘「胸張っていいんだぜ！」

戦士「…ありがとな」

狼娘「なーなー」

戦士「何だ？」

狼娘「よかったらさ、私も付いていっていいかな？」

狼娘「一緒にうさぎを探してほしいんだ！」

戦士「…」

狼娘「…ダメか？」

戦士「…いいぜ」

狼娘「！、やったー！」

狼娘「そういえばさ」

狼娘「まだ名前聞いてないや」

戦士「…戦士だ」

狼娘「私、狼娘！」

戦士「よろしくな、狼娘」

狼娘「こちらこそよろしくなー、戦士！」

今日はここまで。見てる人ありがとう。

この報告要らない気がするので次からは酉つきレスで締めます

狼娘「なーなーなー」

戦士「ん？」

狼娘「戦士はさ、なんか必殺技みたいなのってないの？」

戦士「必殺技？」

狼娘「うん」

狼娘「いっつもせい！とかぬん！とか、掛け声ばっかりじゃん」

戦士「…まあ、あるにはあるが」

戦士「俺は使うときはわざわざ必殺技名とか言わないからな」

狼娘「そーなのか？」

狼娘「まあいいや、どんなのがあるんだ？」

戦士「それは…」

ｶﾞｻｶﾞｻｯ

魔物s「ｷﾞｷｨｰ!」

戦士「…見せた方が早いな」ﾁｬｷ

戦士「ふっ！」ｽﾞﾄﾞﾝ

魔物「ｸﾞｶﾞｯ！？」ﾊﾞﾀﾘ

狼娘「！、見えなかった！」

戦士「今のが“閃光突き”だ」

戦士「瞬間加速して突進し、敵を貫く」

戦士「距離を一気につめるときや、先制攻撃に使う」

狼娘「すげー！」

戦士「…」ｼﾞｬｷ

戦士「せいやぁっ！」ﾌﾞｫﾝ

魔物s「ｶﾞｷﾞｨｯ！？」ﾌﾞｼｬｱ

狼娘「わ、あんなにいっぱい！」

戦士「これが“真空裂波”だ」

戦士「剣を薙いで真空波を飛ばす」

戦士「離れた敵や複数体の敵に使う」

狼娘「かっけー！」

戦士「そして…」

戦士「ぬん！」ｽﾊﾟﾊﾟｧﾝ

魔物「ｸﾞｶﾞｧｰ！」ﾌﾞｼｬｱ

戦士「今のが一対一の時に使う大技」

戦士「>>272だ」

乱れ切り

狼娘「乱れ切り！」

戦士「一瞬にしていくつもの斬撃を相手に叩き込む技だ」

狼娘「すげー！」

戦士「魔物はこいつで最後みたいだな」

戦士「先へ進もう」

四つめの町

戦士「まず酒場かな」

狼娘「…なあ、私、町に入っていいのか？」

戦士「ん？別になんともないぞ」

戦士「俺達が討伐するのは人間に危害を加えた魔物だけだ」

戦士「擬人化個体が増えてからは連れて歩く人も多い」

少年「ほら、早く来いよー」

ｽﾗｲﾑ娘「うにー、待ってよー」

戦士「あんな感じにな」

狼娘「へー」

？「あら？」

戦士「ん？」

？「そちらの娘、ワーウルフ？」

狼娘「そうだよ」

？「へえー、本来、ワーウルフは人には懐かないんですよ」

戦士「そうなのか」

？「こんな娘もいるんですねー」

狼娘「なー、誰？」

？「あっと、申し遅れました」

？「私の名前は>>277です。よろしくお願いします」

ﾒﾀﾙｽﾗｲﾑ娘飼い主

ﾒﾀｽﾗ飼主「そうだ、私も魔物を連れているんですよ」

戦士「そうか」

ﾒﾀｽﾗ飼主「えぇ、そこに…あれ？」

ﾒﾀｽﾗ娘「ばあっ！」

狼娘「うひゃあっ！」ﾋﾞｸｩ

ﾒﾀｽﾗ娘「あははは！」ﾋﾟｭｰﾝ

ﾒﾀｽﾗ飼主「こら、メタちゃん！」

戦士「メタルスライムか？それも擬人化個体。珍しいな」

ﾒﾀｽﾗ飼主「はい、そうです。でも、とてもイタズラ好きでして…」

狼娘「待てー！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

ﾒﾀｽﾗ娘「へっへーん！」ﾋﾟｭｰﾝ

狼娘「くそぅ、速い…」

戦士「しかし、一体どこで？」

ﾒﾀｽﾗ飼主「私、傷薬を作る仕事をしているのですが」

ﾒﾀｽﾗ飼主「森へ薬草を摘みに行ったときに足を怪我したあの娘と出会ったんです」

ﾒﾀｽﾗ飼主「ちょうど摘んでいた薬草を使って治療したら懐かれちゃいまして」

戦士「ふむ」

ﾒﾀｽﾗ飼主「それからはずっと一緒に住んでいます」

ﾒﾀｽﾗ娘「あははー！」ﾋｭﾝﾋｭﾝ

狼娘「追い付けない…」

狼娘「むむむ…」

ﾒﾀｽﾗ娘「どうしたのー？」ﾋｭﾝﾋｭﾝ

戦士「…」

戦士「そこ！」ｶﾞｼ

ﾒﾀｽﾗ娘「うわっ！？」

ﾒﾀｽﾗ飼主「！、すごいですね、まさか捕まえるなんて」

戦士「戦闘では敵の動きを予測しながら動くからな」

ﾒﾀｽﾗ娘「離せー！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

狼娘「仕返しだー！」ﾎﾞﾌﾎﾞﾌ

ﾒﾀｽﾗ娘「うひゃあー！」

戦士「そのへんにしとけ」

ﾒﾀｽﾗ飼主「あ、いけない。お昼ご飯の材料を買いにいくんだった」

ﾒﾀｽﾗ飼主「それでは私、もう行きますね」

戦士「ああ」

ﾒﾀｽﾗ娘「覚えてろー！」ﾋﾟｭｰﾝ

戦士「…俺達も酒場に行くか」

狼娘「酒場でなにするの？」

戦士「酒場では魔物の討伐依頼などを取り扱っているんだ」

戦士「荷物を運ぶ依頼とかも酒場にあるぞ」

狼娘「う、それって…」

戦士「まあ、無事でよかったな」

狼娘「お前が言うか！」

酒場

ｶﾗﾝ

ﾏｽﾀｰ「らっしゃい」

戦士「討伐依頼はないか？」

ﾏｽﾀｰ「あんさん、戦士かい？」

ﾏｽﾀｰ「なら、緊急の依頼があるんだ」

戦士「緊急？」

ﾏｽﾀｰ「ああ、今まで何人もこの依頼を受けたんだがな」

ﾏｽﾀｰ「皆返り討ちに会ってボロボロで帰ってきたんだわ」

戦士「…討伐対象は？」

ﾏｽﾀｰ「>>285。それもかなりの大物だ」