【TOX2】ルドガー「強くてニューゲーム?」 (226)

テイルズオブエクシリア2のお話です
クリア済みです

間違いなどあればご指摘いただければと思います

それではいきます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449558146

第1章 青年の目覚め

それはある一人の少女のために死んだはずだった青年の物語

(…ここは?)

視界は白いモヤで覆われている
身体がふわふわしていてどっちが上なのかどっちが下なのかもわからない

(いや、それよりも…俺は…誰だっけ?)

青年は混乱していた

(……そうだ、思い出した)

その言葉と同時にモヤから光がさしこみ

(俺は…俺は!!)

その光が青年を包み込んだ

ルドガー「…ん」パチッ

激しい日差しに目を覚まし、思わず声がもれた
快晴の朝だ

ルドガー「ここは…俺の部屋?一体どうして…」

青年は今さっきまでの光景を思い出す
親友に少女を託し、目の前で少女の時空因子化が解除されるのを確認出来た
その時安堵と共に俺の存在は消えたはずなのに…と

ルドガー(まさか…俺が時空因子化したのか!?)

考えられる真っ先の理由はそれだった

ルドガー(ここは…俺が作った分史世界なのだろうか…。とにかく状況を把握しないと)

青年は未だ混乱したまま、時計で日付と時刻を確認する

ルドガー(この日付…!あの入社試験の…!!)

その日付は青年がクランスピア社のエージェントとしての入社試験を受けた日であった

ルドガー(とにもかくにも情報だ…まずここが分史世界かどうかを確認する必要がある)

ルドガー(もし分史世界ならばいっそのこと自分の手で…)

青年は分史世界の危険性を痛いほど理解している
たった一つだとしても、この分史世界がある限り正史世界は正常ではなくなってしまうかもしれない

その時、ポケットの中に違和感を感じた

ルドガー(ん?…俺の時計!?何故…!?あの時エルに託したはず…!!)

中身はルドガーの、いや、ヴィクトルの時計だった

ルドガー(時計…!ということは骸殻も…)キィィン

時計が光り、青年は全身を鎧のようなもので覆われた

ルドガー(フル骸殻まで発動出来るのか…)

身体の感覚も以前とまったく同じだ

ルドガー(一体…何が起こったって言うんだ)

ルドガー(どうするべきか…)

青年は迷っていた


ルドガー(いきなりビズリーのところに押しかけるか?それとも入社試験に行って兄さんから聞いてみるか…)

以前幾度となく行ってきた「選択」だ
こんなものかわいいものだが、と一人苦笑いしながら思案しているその様は他人が見たらさぞ不審者らしいものだろう

ルドガー(とりあえず兄さんのところに行こう。確か時間はっと…)

そこで再び時計を見た青年は学習能力もなく、以前と同じ冷や汗をかく


ルドガー「やばっ!遅刻!!」

第2章 最強の新人

ユリウス「お前これがクランスピア社の試験ってわかってるのか?」

ルドガー「ごめん、兄さん」ハァハァ

間一髪だった
あの電車に乗り遅れてたら間違いなく遅刻していたな、と激しく息切れをしながら思う青年は身体中汗まみれだ

ユリウス「試験内容は魔物を5体倒してくること。武器はこれを使え」カチャ

ルドガー(あんまりいい武器じゃないな…)グッグッ

ユリウス「ふっ…同じ構えか。やはり兄弟だな」

こんなとこにも兄弟の繋がりを感じてしまうこの男は生粋のブラコンなのだろう

ユリウス「さぁ行ってこい。試験はもう始まってるぞ!」

ルドガー(話はこの試験の後でいいか…)コクッ

青年の前に2体の魔物が現れる

ユリウス(悪いな…ルドガー。お前を危険に晒したくないんだ…)

ルドガー(アックスピーク2体か…座りながらでも勝てるな…)


青年は剣をいつものように構え、そして…


ルドガー「ふっ!!」

ドドッ!!


他のエージェント「!?」
ユリウス(…なに!?)

一瞬にして魔物2体を屠った

ユリウスもエージェント達も驚きが表情にありありと表れている

ルドガー(あと3体…奥にいるかな…)スタスタ

青年は一瞬で倒したことがさも当たり前のように後ろを振り返りも見向きもせず、奥へと歩を進める

ユリウス(馬鹿な…素人の動きじゃない…)

エージェントA「ユ、ユリウス室長」

ユリウス「!!な、なんだ」

エージェントA「彼…相当な腕ですよ…試験なんていらないんじゃないですか?」

ユリウス「い、いやしかし…!」

エージェントB「あの動きだけでわかりますよ…少なくとも、俺らみたいなただのエージェントが束になっても到底敵わないってことは」

ユリウス(誤算だった…まさかずっと特訓でもしてたのか?)

ユリウスは考える
何故戦闘の素人であるルドガーがこんな動きを出来るのか、と

ユリウス(いやそれにしてはかなり落ち着いているし、動きも実践そのものだ…訓練でどうにかなるものじゃない…)

ユリウス達が驚いていると奥からさっき行ったばかりのルドガーが戻ってきた

ルドガー「終わったよ兄さん。奥に行って確認してきてくれ

ユリウス「ん、あ、あぁ。もう終わったのか…」ボソ

エージェントA「確認してきます」ダッ

とりあえず職務を全うしなければとエージェントはすぐ確認に向かった

しかしユリウスは…



ユリウス(だが…まだだルドガー!)



「キャアァァァ!」

薄い炎のようなもので出来た魔物が女性を今まさに襲おうとしている

汚いやり方だが、倒せはしない魔物に対し自らの力量も考えずに戦闘を行えばプロとして失格
我らに助けを求めてもそれはそれでエージェントとして失格
これこそがユリウスがルドガーを落とすために考えた秘策であった

ユリウス(さすがにこの魔物はまだ倒せないだろう!)

ルドガー(そっか…この後に強い魔物が現れてそれで俺は不合格になったんだったな…まぁ兄さんが仕組んだものらしいけど)ダダッ


ルドガー(さっきのやつらじゃ準備運動にもならなかったからな…)ズッ!

青年のもつ双剣から光が放たれはじめ、そして…

ルドガー「双針乱舞!」

ドガガガガガガ!!

ルドガーは光を纏った双剣で魔物を切り刻む

魔物「グ…ガッ…」ドサッ

魔物も何が起こったのか理解することも出来ず、ルドガーの前に無残にも倒れる

まさに圧倒的である


ユリウス「な…!!」

ルドガーは魔物が消沈したことを確認して、剣をしまった

ルドガー「ふぅ…これでいいか?兄さ…いや」

そしてユリウスの方に振り返り、満面の笑みでこう言った

ルドガー「ユリウス」ニッ

もう書【TOX2】ルドガー「強くてニューゲーム?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449558146/)き溜めがないのでここまで
次回はいつになるのか分かりませんがなるべく早くきます
感想をいただければ幸いです

それでは

ふぁ!?ww
変なの送っちまったw

書いてきた
投下しまっせ
1日に2回も投下するなんてもう出来ないかもしれないw


第3章 再会

ルドガー「結局落とされるのかよ!!」

合格を通達する紙をくしゃくしゃにしたルドガーは一人自室で叫んだ

-薄い炎の魔物を倒した後-
ルドガー『これで合格だろ?ユリウス』

ユリウス『む…んん…』

ユリウス〈まずいな…このままでは合格にしない理由がない…〉

ルドガー『あ、あとそれとさ、聞きたいことがあるん…』

ユリウス『待て!ルドガー!』

ルドガー『?』

ユリウス『合格通知は追って出す。だから今日のところはこれで解散だ』

ルドガー『え!?ちょ、ちょっと待ってくれユリウス!話があって…!!』

ユリウス『いくぞ、お前たち』ザッ

エージェント達『え?あ、は、はい…』

エージェントA〈なぜだ…?ユリウス室長は彼を合格にしたがらないように見える…。クランスピア社に弟が合格した、なんて兄として嬉しい以外の何物でもないと思うが…〉

ルドガー『…なんなんだよ、兄さん』

ポツンと一人残された青年は戸惑いながらつぶやいた

ルドガー(その日、兄さんは家に帰って来なかった。そして翌朝にポストを見てみたら…)


-合否判定通知書-
ルドガー・ウィル・クルスニク様
あらゆる精査をした結果、貴殿を「不合格」とさせて頂きます
なおこの判定に関しましての詳細な結果や判定基準などは一切公表しておらず、また質問・抗議などは一切受け付けておりませんのでご了承をお願い致します
これからもどうぞクランスピア社をよろしくお願いします

なんて通知が来たものだから青年もつい叫んでしまったのである
間違いなく合格だと思っていたらこれなのであるから、当然の反応といえばそうであるのかもしれない

ルドガー(ま、考えられる理由は一つしかないな…)

確信を持つ青年
何故ならそれは以前、前の世界で聞いているからである

『ユリウスは君を守りたかったんだ。危険な仕事はさせたくなかったのだろうよ』

確かそんなことを言っていたっけな、と

ルドガー(話も結局聞けずじまいだし、はぁ…)

ある少女の言っていた言葉を思い出す

『ルドガーって幸薄いよねぇ…』

幸先の悪いスタートだった


結局ユリウスは2日経っても帰ってこなかった
連絡は入れてくるからその点心配はない
やはり無理やり落とした手前、顔を合わせづらいのだろうか

そう考えるルドガーは今、朝食を摂りながら着替えをしている
不合格ならば駅の食堂で働く
そう決めていたらしい(実際ルドガーもそうだった)ので、渋々と準備をしていると言うわけだ


正直言って電話やメールでもう聞いてしまおうかと思った
なんなら直接クランスピア社に行こうか、とも
だがやはり面と向かって話しをしないとどんな誤解が生まれるかわからない
そんな風に迷っているうちに今日を迎えてしまった
だが話しを聞く前に、青年はある予感をしていた

ルドガー(感覚的なものでまったく確証はないが…それでも…)



ルドガー「この世界は…分史世界じゃない…かもしれない」


何故だかそう思えた

ルドガー(ま、今は考えていても仕方がないか…)
すべての準備を終え、家を出たルドガーは駅へと向かった


ルドガー(俺の記憶が正しければ確か途中で…お、いたいた)

青年はやや向こうの方で佇んでいるかつての、いや、今でも親友だと思っている男を見つけた

とんとん

「…!」


彼の肩をたたくとおもむろに青年は

ルドガー「駅に行きたいんだろう?俺も行くから、一緒に来るか?」

と言い放った
何故そんなことを知っているのか
それは前の世界でもそうであったからだ


青年がここ数日で確信したこと
それは正史世界と全く同じことが起こっているということだ
ジュードがここにいた、ということはその予想も間違いないものだろう
正史世界をなぞっているのだ
この世界はやはり分史世界なのだろうか
そう考えていると親友はこちらを振り返り…



ジュード「…!!……ルド…ガー?」


ルドガー「…え?」


どういうことだ
この時点では俺とジュードは全くの赤の他人のはず
有名人のジュードはともかく、いち一般人の俺のことを赤の他人が知っているはずがない

ジュード「やっぱり…ルドガーだぁ…」ブワッ

ルドガー「ちょ、ちょっと待ってくれ!なんで俺のことを知ってる!?」

ジュード「え…?」ピタッ

この言葉にジュードはまさに顔面蒼白ともとれる表情をした
ここでルドガーはある一つの考えにいきついた
ま、まさか…ジュードも俺と同じ…

ルドガー「まさか…ジュードも気づいたらこの世界に…!?」

ジュード「やっぱり…僕の知ってるルドガーなんだね」



ジュード「一緒に旅をして、世界を救い、エルのために命を投げ出した、僕の親友…」

ここまで
流石に今日はもうこれ以上は無理ですw
次回はまぁいつになるやら

ではでは

ちゃおっす
投下します


第4章 動き始める世界


ジュード「よし、みんなにも連絡を入れたよ」

ルドガー「助かる」

とりあえずルドガーの存在を気になっていた仲間たちを安心させるべく、発見・同じ状況であることをメールにて伝えた

ルドガー「ってことはジュードもあの日の朝に…」

ジュード「うん…気がついたら、ね」

ルドガー「そして俺たちだけじゃなく、みんなまで…」

二人はまず互いの現状、そして知りうる限りの情報を交換した
・この世界は正史世界をなぞっている
・現状、以前の世界のことを知っているのは仲間たちのみ
・正史世界と変わった点はいまだ見つかっていない(ここは分史世界ではない?)
・ミラ、ミュゼとはいまだ連絡が取れていない
ということだった

ジュード「目が覚めた日の昼頃にアルヴィンから電話がきたんだ」

ジュード「『ルドガーという名前を知っているか?』ってね」

ジュード「そこで僕は自分の置かれてる状況が一人じゃないってことを知り、みんなに連絡を入れたんだ」

ルドガー「なるほどな」

ジュード「みんな目が覚めたらって言ってた」

正直言って助かった
ルドガーは心底そう思った
事情を知っている心強い仲間がいるというのは、こうも安心感を与えるものかと感嘆したものだ

ジュード「ルドガーにもメールを入れようと思ったんだけど…アドレスが存在しませんってきて…」

ルドガー「あぁ、それは今のGHSのアドレスと以前の世界でジュードに渡したアドレスとで違うからだな。確か借金を背負った後にアドレスを変えたんだよ」

ジュード「そうだったんだね。連絡が取れなかったからルドガーは…やっぱり消滅してしまったのかって…思ってたよ」

ルドガー「心配かけて悪かったな」

ジュード「ううん。もう済んだことだよ。それでね、それでも僕はなんとなくルドガーと会える気がしてね…ルドガーと始めて会ったあの日、この場所に来ることにしたんだ」

ルドガー「そうしたら俺の方から声をかけてきた、と」

ジュード「うん!」

その後も二人は様々な会話を続けながら、駅を目指した
彼らにはこの後、真っ先にしなければならないことがある
みんなもそろそろ駅に到着しているはずだ

ルドガー「みんな!」

エリーゼ・ティポ・レイア「「「ルドガー!!」」」

ローエン「ルドガーさん!」

アルヴィン「よう!俺は信じてたぜ」

ガイアス(この男が言うと信憑性が全くないな…)

ルドガー発見の報を受けていた旅の仲間達はルドガーを見つけるやいなや駆け寄っていった
レイアやエリーゼなどは号泣である
その状況に青年は恥ずかしくもあり、だがそれ以上に嬉しかった
自分にはこんなにも慕ってくれる仲間達がいるのだ、と

ジュード「よし、みんなそろったね」

アルヴィン「あぁ…だが…すまない」

ジュード「そっか…いなかったんだね…」

ローエン「えぇ…彼女の姿はどこにも…」

エリーゼ「ごめんなさい…」

ルドガー「…っ」

ルドガー(いや…まだ可能性はある…!)

彼らが絶対に成さなくてはならないこと
それはエルと出会い、助けることだ

以前の世界ではこの駅でルドガーとエルは出会った
出会い方こそ最悪のものだが
しかし彼女は駅では発見出来なかった

ならばまたこの列車に乗っている可能性がある
あのエルがこの世界に来ている確証はない
それにいたとしても、以前の記憶はないのかもしれない
だが、それでも…!


ルドガー(エル…!待っていてくれ…!)


ジュード「アルクノアは?」

アルヴィン「もう見つけた。向こうの方に隠れてる。突入する機会をうかがってるっぽいな」

ルドガー達は駅の改札横で作戦会議をしていた
以前の世界をなぞっているのならばここでアルクノアがテロを起こす
何をするのか分かっていれば対策はいくらでもしようがある
市民の安全のために、またいまだ見つけられないエルの安全を確保するためにも、このテロは未然に防がなくてはならない

ローエン「恐らく発車と同時に乗り込むつもりなのでしょう」

ジュード「うん。以前もそうだった」

ガイアス「それまで待ってやる道理はない。こちらから仕掛けるぞ」

レイア「そうだね。クランスピア社のエージェントと警察にも連絡済みだよ。アルクノアに悟られないように私達の奇襲に合わせて突入するみたい。ただ、一つ気がかりなのは…混乱が起きるだろうから市民に知らせることが出来なかったこと…。もし何かあったら…」

ごめん、だいぶ長くなったな
長い文章は今度からちゃんと行でくぎります

エリーゼ「大丈夫!市民の方々は必ず守ります!」

ティポ「任せろー!」

ルドガー(アルクノアのやつら…ご愁傷さま)

この世界において最高戦力とも言える面子の本気だ
彼らを知っている者からしたら、いかに恐ろしいことなのかよく分かるだろう

アルヴィン「やつらはあそこで隠れて固まってる。探そうと思わなきゃまず見つからないだろうな」

ガイアス「敵は確実に無力化しろ。迅速にだ」

ジュード「うん…じゃあ、いくよ…1、2の…!」

ジュードの掛け声とともに全員が飛び出した

アルクノアA「ぐあっ!」
アルクノアB「がはっ!!」
アルクノアC「な、なんだ!?」

突然現れたルドガー達に混乱するアルクノア達
正面からやりあったとしても戦力の差は圧倒的なのにも関わらず、奇襲である
対処する暇もなくアルクノアのメンバーはやられていく
次々となぎ倒されていく仲間達
それに加えて奥のほうから警察とエージェントが走ってくるのを見たアルクノアの幹部らしき者が即座に大声を発した


幹部「チッ!!予定変更だ!今すぐ作戦を開始する!」
アルクノア「「!!」」

その声と同時に混乱していたアルクノア達はルドガー達に向かってくる者
それと列車に向かって走り出すものとで分かれた
恐らくルドガー達に向かってきたのは元々駅で撹乱や時間稼ぎをする者達だったのだろう
足止め役に多くの人数が割かれている

ルドガー「くっ…!!」

ルドガー(思ったより数が多い!!)

レイア「まずいよ!何人かに突破された!!」

アルヴィン「くそったれ!!ジュード!ルドガー!ガイアス!追え!!」

ルドガー「!!」

ジュード「…わかった!ここは任せるよ!」

エリーゼ「早く!列車の中にも市民の人達がいます!」

ローエン「頼みましたよ!」

ガイアス「あぁ!いくぞ!」

ルドガー「おう!」

ルドガーとジュード、それにガイアスの三人は列車に乗り込むべく走り出した
だがアルクノアもただやられるわけにはいかない、と

アルクノア「いかせるか!」バッ!

三人の前に立ちふさがる

だが今回ばかりは相手が悪い
ガイアス「邪魔だ!!」ズアッ


ガイアス「獅子戦吼!」ドンッ!!


アルクノア「がぁっ!?」「ぐおっ!!」
ルドガー(うわぁ…今モロにはいったな…)
ガイアス「止まるな!走り続けろ!」


アルクノア「よし、乗り込んだ!」
アルクノア「こっちもだ!予想外の妨害で相当数減ったが、手はずどおりに動け!」
アルクノア「「「おう!!」」」

侵入したアルクノア達にやや遅れて三人も突入する

ルドガー(チッ!!)
まず目の前に広がった光景は今まさに乗客を撃とうとする一人のアルクノアと複数の乗客の姿だった
その奥では他のアルクノアがどんどんと先へ進んでいる

補足:真ん中のアルクノアってのは幹部のことです

ガイアス「引き金を引かせるな!」

ルドガー「おぉぉぉぉ!」

ルドガー・ジュード・ガイアス「魔人剣(拳)!!」


ドドドォォンン!!

乗客スレスレで飛んでいった3つの衝撃波はアルクノアを吹き飛ばした
アルクノア「ぐあぁっ!!」

乗客「ひぃっ!!!……あ、あれ?」
今まさに目の前で銃を構えていたアルクノアがずっと向こうに横たわっている

ジュード「無事ですか!?無事なら僕達のうしろに下がって!」

乗客「は、はい!」「た、たすかった…」

アルクノア「ちぃ!追いついてきやがった!」
アルクノア「たった3人だ!返り討ちにしてやる!」

この三人を相手にして逃げるという選択をせず、立ち向かうとい選択をしたのは完全に間違いだった

ガイアス「ルドガー!!」

ルドガー「あぁ!一気に片付ける!」チャラッ

ルドガーはポケットから金の懐中時計を取り出し、構える

キィィィィィィン!

アルクノア「な、なんだ!?」

ルドガーの四肢が鎧のようなもので覆われている
ルドガーが発動したのはハーフ骸殻だ
フル骸殻は時空因子化の速度が速い
そうそう使えるものではないのだ

それに相手は雑魚ばかり
ハーフ骸殻でも十分すぎる程である

ルドガー「狙い撃つ!ゼロディバイト!」

ルドガーの槍からいくつもの衝撃波が飛んでいく

ドドドドドドド!!!

アルクノア「ごふっ!?」

この攻撃でアルクノアはほぼ全滅まで追い込まれた
ただ一人、幹部だけを除いて

幹部「く、くそっ!なんなんだてめぇら!!」

ガイアス「終わりだ。残りは貴様一人だぞ」

ジュード「大人しく投降してください。出来れば手荒いまねはしたくありません」

ルドガー「」ギロッ

幹部「くっ……!!」

追い詰められた人間はすることが限られている
降伏、無謀な突撃、そして…

幹部「おらぁ!このガキがどうなってもいいのか!!」ジャキッ

少女「きゃっ!」

人質である
アルクノアの幹部はすぐそばで固まっていた少女に銃口を向けた

その少女を見て三人は同時にかたまった

ジュード「…なっ!?」
ガイアス「!!」

幹部が銃口を向けた少女
それは



ルドガー「エル!!!」

今日はここまで
次回はたぶん来週の月曜、かな?
もっと早く来れたら来ます

ではでは

おっす
投下しますん


第5章 クルスニクの鍵

ルドガー「ッ!!」ギリッ

エル「…え?」

幹部(む?なんだ知り合いだったのか?ならば好都合。ここはこのガキを利用して…)

人質は取られた側からすれば近しい者ほどより効果が増す
だが…

エル「だ…だれ?なんでエルの名前知ってるの…?」

ルドガー「なっ…!?」

ジュード「!!」

ガイアス「以前の記憶がない…か」

幹部(どういうことだ?知り合いではないのか?)

ルドガー「エ、エル…」ジリッ

幹部「近寄るな!!」ジャキッ

エル「…っ」ビクッ

ルドガー「…!!」

ジュード「くそっ…!」

ガイアス「…」

幹部「分かっていると思うが、俺は躊躇なく殺せるぞ。少しでもおかしな動きをしてみろ…このガキの命はないぜ」

幹部(少なくともこのバケモン達はこのガキになんらかの思い入れがあるようだ…それならば十分利用価値はある…)

質側がどうこうではない
敵対する者達の動きを止められるならば人質は誰でもよいのだ

幹部(なんとかして脱出せねば…)
幹部はもはや逃げることのみを考えていた

ジュード(とにかくエルの安全確保だ…なんとかしないと!)

ルドガー「…」

ガイアス「ルドガー」

ルドガー「!」

ガイアス「余計なことは考えるな。今は成すべきことを成せ」

ルドガー「…!!ああ…!」

幹部「近づくなよ…おら!こっちに来いガキ!!」グイッ

エル「きゃっ!」

ジュード「っ!」グッ

ルドガー「!!」ギリッ

幹部「おっと!そこから一歩でも近づいてみろ。どうなるかなぁ…」

ガイアス「」ギロッ

ガイアスのまるで射殺さんばかりの鋭い目が幹部にそそがれた

幹部(こいつが問題だな…こいつだけ落ち着きも迫力も段違いだ…とにかく距離を…)

幹部「よし…そのまま後ろに下がれ」

ルドガー「くっ…」

従うしかないルドガー達は一歩二歩と下がる
だがここで幹部は前の三人に集中するあまり、後ろから影が迫っていることに気がつかなかった

幹部「よーし、そのままだ。そのまま手を頭の後ろに付けて両膝を…」

ガンッ!!

幹部は後ろから強烈な一撃を後頭部にもらった

幹部「がっ!?」

エル「きゃっ!?」

ルドガー「!?」

ジュード「え!?」

ガイアス「!」

幹部「なん…だと…」

ユリウス「周りに敵しかいないことを忘れ、常に気を配ることを忘れたお前の落ち度だ。そこで寝てろ」チャキ

突然現れたユリウスは武器をしまいながら無情にもそう言い放った

幹部「く…そ…!」ドサッ


ルドガー「ユリウス!!」

現れたのはルドガーの兄であるユリウスであった

ユリウス「なんでお前がここにいるんだ、ルドガー」

ルドガー「それはこっちのセリフだよ!」

ユリウス「それにそっちの二人は…マティス博士とガイアス王…なんでこんな大物二人とお前が…」

ジュード「友人なんです」

ガイアス「俺もだ」

ユリウス「ゆ、友人!?」

驚くユリウス
無理もない
友達と言うには相手が相手だ

ガイアス「何か問題でもあるか?」

ユリウス「い、いえ…」

ユリウス(王と友達…?どういうことなんだルドガー)

エル「もうっ!何がなんなのー!!」


5者が5者とも混乱していると、奥からさらに人物が現れた


ビズリー「見事だ、ユリウス室長」パチパチ

ユリウス「ビズリー…」

ルドガー(ビズリー!)
そこにいたのはかつてルドガー達に最後の壁として立ちふさがった男だった

ビズリー「そしてそこにいるのは…マティス博士と…まさかのガイアス王ですか…」

ガイアス「…」

ビズリー「何故あなたのような者がここに?」

ガイアス「なに、所用だ」

ビズリー「ふむ、まぁ深くは追求いたしません。王であれば言えぬこともあるのでしょう」

ガイアス「…」

ジュード「ルドガー」ボソッ

ルドガー「あぁ…どうやらビズリーも記憶はないようだ…」ボソボソ

ビズリーの態度からして恐らく以前の記憶はないのだろう
やはり記憶を持っているのは俺達だけか…
ルドガーがそう思案していると、突然後ろの扉が開き



アルクノア「くそがぁぁ!!こうなったら最後の悪あがきだぁぁぁぁ!!!」ジャキン


倒し損ねたアルクノアの残党であろう男が銃を向けて入ってきた

エル「な、なに?!」

ジュード「!!」

ルドガー「まずい!エル!!」ダッ

アルクノアに最も近いのはエルだ

アルクノア「死ねぇぇぇぇ!!」

エル「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

エルの叫び声と同時に空間がひずむ

ユリウス「なに!?」

ビズリー「むっ!?」

ガイアス「これは…!!」

ジュード「まずい!ルドガー!!」

ルドガー「くそっ…!エル!!」ダッ

そして


ズァァァァァァ  フォン


アルクノア「な…!?消えた!?」

ユリウス「これは…まさか…!!」

ビズリー「面白いことになっているじゃないか…!」ニヤッ



エルとルドガー達三人はその場から姿を消した

とりあえずここまで
多分今日の夜のうちにまた来れる
これなかったらスマソ

ではでは

帰ってきたぜぃ
投下します


第6章 分史世界

ルドガー「うっ…」

ジュード「ここは…」

ガイアス「どうやら…侵入してしまったようだな…」ムクッ

エル「え、え?なに?どうなったの?」

ルドガー「あぁ」ムクッ

ジュード「どうやらそうみたいだね…」ムクッ

エル以外の三人は現状を把握する

前の世界で何度も体験した、あの感覚だ
分史世界への侵入
本来ならば力を開放出来る一族がその意思を持ってその者のみ侵入できるものなのだが
例外がある

クルスニクの鍵だ

この鍵の力を持つ者は周囲を巻き込んで侵入することが出来る
そしてこの力はエルのものだ
エルの危険から脱しなければという本能から分史世界に侵入してしまったのだ


ルドガー(鍵の力は健在…か)

ジュード「どうする?ルドガー」

ガイアス「どうするも何も、時空因子を壊すしかあるまい」

ルドガー「そうだな。とにかく元の世界に戻らないと」

エル「もー!!エルにもちゃんと説明してよー!!」

ルドガー「ん、あー…」ポリポリ

ジュード「ごめんね。エルには多分まだ難しいかな」

エル「じゃあ分かるように説明してー!っていうかなんでみんなエルの名前知ってるの!?」

ガイアス「む…」

ジュード「そ、それは…」

エル「んー?」ジトー

ジュード「え、えっと…」

ルドガー「…エルのパパから聞いたんだ。そのうち私の娘がそっちに行くってな」

とっさにルドガーが口からでまかせを言う

ジュード「そ、そうなんだよ!エルのことを頼むってお願いされてね」

ジュードもそれに合わせる

エル「なーんだ。パパのお友達だったんだね!」

ガイアス「…そうだな」

エル「そっか…でも…パパは…」

まずい
エルはあの夜のことをトラウマに感じる節がある
話題を変えなければ

ルドガー「そ、そういえばまだ俺達の自己紹介がまだだったな。俺はルドガーだ。ルドガー・ウィル・クル…いや、ルドガーって呼んでくれればいい」

エル「ルドガーね!わかった!」

あえてルドガーはクルスニクという名を隠した
エルがクルスニクのことを知っているはずはない
が、念には念だ

ジュード「僕はジュード。ジュード・マティスだよ」

エル「ん、ジュード!」

ガイアス「俺は…アース…いや、ガイ…アスでいい」

エル「??」

ルドガー「ガイアスはな、王様なんだぞ」ボソッ

ルドガーはニヤニヤしながらエルにそう教えた

エル「おうさまー!?」

ガイアス「ルドガー…」スラッ

ルドガー「!?」ビクッ

ジュード「ちょ、ちょっとガイアス!剣を抜かないで!?」

ガイアスにとって自分が王だとは知られたくなかったのだろうか
うん、知られたくなかっただろうな
以前のエルがガイアスをどういう風に扱っていたのか見てればそうだろうとは予想がつく
まぁいいか、とルドガーはすぐさま全力で逃げられるよう構えながら思案する
ルドガーもガイアスも若干楽しそう見えるのは何故だろうか

すまんちょっと野暮用があった

ジュード「と、とにかく!時空因子を早く探さないと」

ルドガー「確か以前もこうやって侵入したな。確かその時は…」

ジュード「ユリウスさん…だったね…」

ガイアス「…」

ルドガー「…」グッ

ルドガーは今まで3度、自分の兄を殺している
1回目はこうして列車で凶暴と化した兄を
2回目は正史世界で魂の橋をかけるために
そして3回目、兄の望んだ世界を壊して…


エル「?」
苦しそうな顔をするルドガーをキョトンとした表情でエルは見ていた

ガイアス「ルドガー」

ルドガー「…あぁ。分かってる」

意を決した

4人は恐らくユリウスがいるであろう、先頭車両に向かった


ジュード「ここだね…」

ルドガー「あぁ…いくぞ」

ガシャ
扉が開きそこには

ルドガー「…っ!」

やはりユリウスがいた
しかも既に完全に時空因子と融合してしまっているのだろう
雰囲気がかなり違う
ピリピリしていて、今にも殺しにかかってきそうである

ユリウス「来るな。全部俺に任せろ」

あの時と全く同じ言葉だ

ならばもう…躊躇いはしない!

ルドガー「…」チャキ
剣を構えるルドガー

それに合わせてジュードとガイアスも構えた

ルドガー「エル、さがってろ」

エル「う、うん」タッタッタ


ユリウス「ルドガー…なるほど、そういうことか」

ルドガー「…」スッ

ユリウス「殺す!!」ダッ

ガキィィン!!

ルドガー「ぐっ!」

ユリウスの剣を受けるルドガー

ルドガー(重いっ…!!)

ジュード「シッ!!」
ガイアス「ふんっ!」

ルドガーの横から二人がはさみうちの形でユリウスに攻撃をしかける

ユリウス「チッ」ババッ

それは紙一重でかわされる

ルドガー「一迅!」バッ

ユリウス「なに!?」

ガキン!
だがそれも受け止められた
しかし本命は

ルドガー「ジュード!」

ジュード「うん!」バッ

ユリウスの後ろに急にジュードが現れる

ジュード「はぁっ!!」ドンッ

鋭い正拳突き
それもジュードによるものだ
まともに食らったら立ってはいられない程の破壊力をもつ

ユリウス「くっ!!」バッ

ジュード「!!」

だがそれさえもかわされる
しかし


ガイアス「残念だったな」ズッ

その先は地獄だ

ユリウス「ぐっ…がぁ…」ドサッ

結局ものの数十秒で決着はついた
無理もない
骸殻すらまとっていないユリウスではこの3人を同時に相手にするのは無理だ
ほぼ一方的な戦いだった

その時

ノヴァ「な、なにこれ!?」
ヴェランド「これは…!?」

二人が現れた

ルドガー「!」

これもあの時と同じだ
だとしたら

ヴェランド「こいつは…ウチの社員を!おい、さっさと殺せ!!」

ルドガー「…」

やはりこうきたか


ジュード「ルドガー…」

ルドガー「…」

ユリウス「ふふっ…殺せないか?優しいな…お前は…」

ユリウスが起き上がろうとしている

ルドガー「スゥ…フゥ…」

覚悟は…決まった

ユリウス「だからっ!」ビッ!

ユリウスの投げた剣は

ガキィィン

ユリウス「なっ!」

ルドガーに阻まれる
そして

ルドガー「すまない、兄さん」

キィィィィン

ドシュッ

ルドガーの槍がユリウスを貫いた
そして世界は

ピシッ…ピシッ…パリィィィィィン


壊れた

ここまで
間が空いてすいませんでした
次回は多分明日
無理なら木曜になります

ではでは

こんばんわ
VとGfは私もプレイしました
Gfの戦闘は楽しかったです
Vは100倍光翼剣で遊んでました
他にはD2やA、マイソロジーなんかもやりましたね
こうしてみると結構少ないや…

投下します


第7章 青年は世界を作り始める


ルドガー「ん…ここは…」

ジュード「…戻ってきたね」

ガイアス「トリグラフ駅だな」

エル「え?え?なに?どうなったのー!?」

4人は元の世界へと戻ってきた
帰還した場所はトリグラフ中央駅
その改札のすぐそばだった
付近は厳重体制になっている

ところで実はルドガーはある試みを行っていた
それは

ジュード「!ルドガー、それ…」

ルドガー「あぁ」チャキ

ユリウスの剣だ
鍵の力を使ってこの世界に持ち込んだのだ
そして

スゥゥゥゥ

ジュード「消えた!」

ルドガー(やっぱり…)

ガイアス「なるほどな。つまりここは…」

ルドガー「あぁ。間違いなく、正史世界だ」

ジュード「!!」

エル「??」

何がなんだか分からないエルをおいて3人は話し込む

ジュード「でも、ここが正史世界だとするとますます分からないね」

ガイアス「何故世界の時間軸が大幅に戻っているのか、か」

ジュード「うん…」

ルドガー「…」


分史世界ならばこの世界はそういう世界なのだ、で解決出来た
だが分史世界のユリウスの剣が消えたことにより、この世界は正史世界だと判明した
正史世界に同じ物は存在できないからだ
明らかな証拠が出たのだ

だがそれによって新たな疑問も生まれてしまった
この世界が正史世界ならば、何故時間が巻き戻っているのか
そして、何故自分達以外はそれを知らないのか

ジュード「僕たちだけで考えてても仕方が無い。とにかく、みんなと合流しよう」

ルドガー「そうだな。こっちでは何かあったかどうか聞きたいしな」

ガイアス「今後の対策も、だな」

ルドガー「あぁ…」

今後の対策
何の対策か
そう、ビズリーによる工作だ
彼は恐らくあらゆる手を使ってルドガーを動かしにくるだろう
最悪、仲間を手にかけるかもしれない
そのことに対してもよく話し合わなければならない


ルドガー「どこにいるかな…」

ジュード「うーん…」

ガイアス「…!どうやら、向こうから来たぞ」

レイア「ジュード!ガイアス!ルドガー!」タッタッタ

エリーゼ「みなさんご無事ですか!?」

ティポ「心配だったんぞー!」バホー


ジュード「みんな!」

ルドガー「こっちは全員無事だよ」

ローエン「安心いたしました…。む?エルさん!!」

エリーゼ「え!?」

アルヴィン「エル!」

ローエン達がエルの姿を見つける
しかし


エル「…」ササッ

ルドガーの後ろに隠れてしまった
突然知らない人から名前を呼ばれるのだ
無理もない


レイア「エル?」

ジュード「みんな、実は…」

ジュードが事の顛末を伝える
市民への被害はかろうじて出なかったこと
分史世界に侵入してしまったこと
この世界がまぎれもなく正史世界であることが判明したこと
そして…エルの記憶がないこと


レイア「そっか…」

エリーゼ「エル…」

アルヴィン「じゃあ、なんで俺達だけ記憶が…」

ジュード「それはまだ分からないんだ」

ローエン「では今後もますます調べていく必要がありますね」

ルドガー「あぁ」

ガイアス「そして早急に手をうたなければならないことがある」

ローエン「…ビズリーさんからの工作、ですか」

ジュード「流石ローエン。話が早いね」

アルヴィン「確か以前は…」

ジュード「僕らが目を覚ました時には治療済み、そしてルドガーに対して莫大な借金さ」

アルヴィン「そっからはトントン拍子でビズリーの思い通り、だったか」

レイア「でも今回はその借金のくだりが…」

ルドガー「あぁ、ない」

エリーゼ「つまり何か他の手を打ってくる、ですか」

みながみなどうするべきか迷っているとガイアスが口を開いた



ガイアス「こちらからいけばいい」

ルドガー「え?」

ジュード「どういうこと?ガイアス」

ガイアス「向こうがからめ手で来る前に、先にルドガーがエージェントとしてクランスピア社と契約してしまえばいい。
そちらの方がいろいろとやりやすかろう。
向こうとしては早急にルドガーとエルを手中に収めたいところだろうしな」

アルヴィン「なるほど。向こうの良いように動いてると思わせて逆にこっちが向こうを利用するってか」

ジュード「…うん。クランスピア社ならより多くの情報を持ってるだろうしね」

ローエン「下手に周りをコソコソされては厄介ですからね」

ルドガー「なるほどな…よし、分かった」

レイア「よっし、決まりだね!」

エリーゼ「それではクランスピア社に?」

ルドガー「あぁ、すぐに行こう」

ルドガー(ビズリー…お前の思い通りにはさせない)


以前の世界とは違う、新たな世界を作りに


ルドガー達は第一歩を踏み出し始めた

第8章 対峙

一行はルドガーの自宅にいた
そして何をしているのかと言うと


ルドガー「さ、出来たぞ」

アルヴィン「待ってましたー!」

レイア「わーい!!」

エリーゼ「良いにおいですー」

ティポ「腹ペコだー」

ガイアス「頂こう」

ローエン「またこうしてルドガーさんの手料理が食べられるとは…ジジイは感激で涙があふれてきましたよ」

ルドガー「はは、大げさだなローエンは」

ジュード「僕もまたルドガーのご飯が食べられて嬉しいよ」

ルドガー「て、照れるな…」ポリポリ

食事を摂っていた
腹が減っては戦は出来ぬ
一仕事終えた後のご馳走というわけだ


エル「なんかすごー!」

ルドガー「めしあがれ」ニコッ


エル「うまー!!」

アルヴィン「うまうま」ガツガツ

レイア「ちょっとアルヴィン!それ私の!」

アルヴィン「うるせぇ!レイアはガイアスのでも食ってろ」

レイア「」チラッ

ガイアス「」ギロッ

レイア「無理にきまってんじゃん!殺されるよ!!」

ジュード「もう…二人とも…。はい、レイア。僕のをあげるよ」

レイア「あ、ありがと…ジュード」

ローエン「ほっほ、楽しい食事ですね」

エリーゼ「まったくです」クスクス

ルドガー「たくさん作ったからそんな取り合うなよ」ハハハ

アルヴィン「ふー、くったくったー」

エリーゼ「もう、アルヴィン。お行儀悪いですよ」

ティポ「そうだそうだー!」

ジュード「ルドガー。片付け手伝うよ」

ルドガー「あぁ、助かる」


楽しい会食を終え、テレビをつけてくつろいでいた
すると

『次のニュースです。今日の列車テロを受けて、警察はクランスピア社社員、ユリウス・ウィル・クルスニク容疑者を指名手配しました』

ルドガー「…」グッ

ジュード「ユリウスさん…」


ユリウスが指名手配されていた
これも以前と同じだ
恐らく、これもまたビズリーの工作の一環だろう

ルドガー(待っていてくれ…兄さん!)


ガイアス「そろそろいくぞ」

ジュード「そうだね。あんまりグズグズもしていられない」


一行が外に出てマンションの公園に差し掛かった時、向こうの方から赤い人影が見えた
傍にはヴェルとイバルの姿も見える

ルドガー「!」

ジュード「そうか…確かルドガーはユリウスさんを探すように言われて」

ガイアス「ふん、ちょうどいい」

アルヴィン「頼んだぜ、ルドガー」

ルドガー「あぁ」コクッ


向こうもこちらに気づいたらしく、顔がややニヤついているように見える

ビズリー「やぁ。みなさん揃ってどこかへお出かけかな」

ローエンやガイアス、アルヴィンなどは大人らしく敵意を隠し、平静のままだ
しかしレイアやエリーゼなどは顔にありありと敵意が表れてしまっている


ビズリー「…ふむ。そちらのお嬢さん方は私に何か恨みでもあるのかな?まぁ大企業の社長など務めているとそんなことは日常茶飯事なのだがね」ハハハ

レイア「別に!何でもありません」プイッ

エリーゼ「ふんっ」プイッ

アルヴィン「おい、姫達。そりゃさすがに無礼すぎるぞ」ボソ

ビズリー「なに、かまわないさ」

ローエン「申し訳ありません」


イバルはかつての知り合いが大集合しているのに驚きを隠せず、ただただポカンとしているだけのようだ

ジュード「それで、何か御用があってここへいらしたのではないですか?」

ビズリー「そのとおりだ。君達はユリウスのことについて、もう知っているか?」

ルドガー「指名手配…」

ビズリー「話が早い。それで、君はどうする?兄の無実を証明したいか?」

ルドガー「当たり前だ」

ビズリー「はっはっは、どうやって証明するつもりなのだ?」

ルドガー「…ユリウスを見つければいいんだろう」

ビズリー「…君は本当に話がよく分かる」ニヤッ

ルドガー「そのことで一つ、提案がある」

ビズリー「む?」

ルドガー「俺を…エージェントとして雇ってくれないか」

ビズリー「!!」


これには流石のビズリーも驚きが隠せないらしい

ビズリー「…君は確か入社試験に落ちているはずだが?」

ルドガー「俺の骸殻の力は必要じゃないのか?」

ビズリー「…なに?」

ルドガー「俺はもう知っているよ。骸殻の力のことも、分史世界のことも」

ビズリー(どういうことだ…。ユリウスが教えたのか?いや、それはない。ヤツはルドガーを守ろうとしていた。
ならばわざわざ巻き込んでしまうような発言はしないはずだ…。一体…)

ルドガー「答えを聞きたい。どうだろうか?」

ビズリー「…いいだろう。君を、わが社のエージェントとして雇おう。ヴェル」

ヴェル「はい。では手続きの方を致しますので一度社にご足労をお願いします」

ルドガー「」コクッ


成功だ
これで恐らく監視がつくこともないだろう
社の情報もある程度あされる

ビズリー(どういうわけだか知らないが…利用出来るものはすべて利用する。ふふ、いい働きを期待しているぞ…)ニヤッ

ルドガー(悪いが、利用させてもらうぞ…ビズリー)


ルドガーはまた一歩
己の望む世界のために歩みだした

ここまで
次回はいつになるかまだ分かりません

ではでは



片手剣強すぎじゃないですかね…?

こんばんわ
投下します

第9章 平和、ときどきテロ


ヴェル「それではこれで全ての手続きが終了となります」

ルドガー「ああ」

ヴェル「そしてエージェントの業務内容ですが…」

ルドガー「分史世界への侵入かつ時歪因子の破壊、及びカナンの道標の回収、だろ?」

ヴェル「え?え、えぇ…その通り…です」

ルドガー「じゃあまた分史世界が見つかったら連絡をくれ。俺はもう外で待ってるみんなの所に戻ろうと思うけど、まだ何かあるか?」

ヴェル「い、いえ…特には」

ルドガー「ん、じゃあまた」スタスタ


ヴェル(…何故業務内容を…?)

ヴェルは混乱していた
同時に危機感も覚えた
無理もないだろう

ヴェル(エージェントの実の業務内容は対外秘のはず…まさかどこからか情報が漏れている?
いえ、彼はユリウス室長の弟…話を聞かされていたのかしら…)

対外秘の情報をつい先ほどまで無関係だった人物が知っているのだ
様々な憶測が頭をよぎる

ヴェル(私が考えていても仕方がないわね。社長の判断に任せましょう)

結局深く考えることをやめてしまった


ルドガー「おまたせ」

アルヴィン「おう、おつかれさん」

ジュード「大丈夫だった?」

ルドガー「あぁ、契約の場には何故かビズリーもいなかったしな。スムーズに進んだよ」

レイア「これからどうするの?」

ルドガー「とりあえず分史世界発見の電話が来ない限りは動けないから、特にすることもないな」

エリーゼ「それまでどうしましょうか…」ウーン

エル「ねぇ!!」

ローエン「はい、エルさん。なんでしょう」

エル「エル、カナンの地に行かないといけないんだけど!!」

ルドガー「分かってるよ、エルのパパから聞いたしな。
でもごめんなエル。カナンの地はすぐに行けるようなところじゃないんだ」

エル「そ、そうなの…?」

ジュード「うん…でも、行くための準備を今進めてるんだ。それがルドガーの仕事さ」

エル「へー!じゃあエルとルドガーは相棒ってことだね!一緒にがんばる相棒!!」

ルドガー「!…あぁ…そうだな」クスッ

エル「あー!!なんで今笑ったのー!」

ジュード「ふふっ」

エリーゼ・ローエン・レイア「」ニコニコ

アルヴィン「エルはやっぱりエルだなぁ」ニヤニヤ

ガイアス「ふっ」

エル「みんなまでー!もー!!」

ジュード「さぁ、とりあえず電話がかかってくるまですることもないから自由時間にでもしようか」

エル「無視されたー!!」ガーン

レイア「賛成!」

エリーゼ「エル、一緒に街におでかけに行きませんか?」

エル「おでかけ!!行く!」

ルドガー(単純だなぁ…)

レイア「あ、わたしもいく!」

アルヴィン「んじゃあ保護者として俺も同行するかな」

エリーゼ「保護者ならジュードがいいです」プイ

アルヴィン「ジュード君も年齢的には保護される側なんだけど…」

ジュード「はは、じゃあ僕も行くよ」

ガイアス「役人達にはしばらく任せると言ってあるが、やはり心配だな」

ローエン「電話で連絡をとってみてはいかかですか?」

ガイアス「うむ。それもそうだな…」スッ ポチポチ

ローエン(おやおや)

ガイアス「…ローエン、何も反応しないぞ」

ローエン「充電が切れてますね。私のGHSでどうぞ」

ルドガー(ガイアス…まだGHSが…)ホロリ

ガイアス「ルドガー…」スラリ

ルドガー「なんも言ってないだろ!!」


結局この日はレイア・エリーゼ・エル・アルヴィン・ジュードは街に出かけに行き
ルドガー・ガイアス・ローエンはフィールドでギガントモンスター狩りにでかけた

ルドガー(金…今のうちに少しでも稼がないと…)

癖が抜けないのか、借金は背負っていないはずなのにもはや金の亡者である
結局、ルドガー達はたった3人で4体ものギガントモンスターを狩った
もはやモンスターの方が可愛そうになるレベルである
そしてルドガーの懐事情はあったかくなった

ルドガー(よし、これで万が一の時でも大丈夫だろう…)ホッ

お金については人一倍シビアになっていた

この日はその後みんなで夕食をとり、各自解散となった

翌日、ルドガーのマンション前の公園にて再び集まった面々はあることについて話し合っていた


アルヴィン「あと3日後だな。今日中には出発しよう」

ジュード「そうだね。先手はうっておかないと」

ガイアス「侵入経路などはつかんでいるのか?」

アルヴィン「あぁ、もう大方調べはついてたからな」

エリーゼ「今度は完全に未然に防ぎたいですね」

彼らが何を話しているのか

エル「あの人達もしつこいよねー」

ローエン「確か当日にはリーゼマクシアの親善団体もいらっしゃいましたね」

ガイアス「既に通達は出した。無理にでも中止させたからそれは問題あるまい」

レイア「研究員の人たちは?」

ジュード「僕のほうから言っておいたよ。みんな前日の夜に郊外の宿に泊まるって」

アルヴィン「うっし、なら当日はもぬけの殻。いるのはアルクノアのみだ」

レイア「遠慮無しにガンガンいこう!」

エリーゼ「無力化させるだけですよ」ジッ

レイア「わ、わかってるってー」

以前の世界ではこの3日後にヘリオボーグ研究所がアルクノアに襲われた
またテロだ
だからそれを潰す
もうこの間のように万が一の事態にもならないようにしなければならない

ジュード「準備は終わった?」

エル「うん!」

ルドガー「よし、行こう!」

少ないですが今日はここまで
エクシリア2のMADとか見てるとたまに泣けてくるレベルのものがあって面白いです

ではでは

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