浜面「JCスタッフいい加減にしろ…」 (149)

浜面「ぶっ殺すぞ」

滝壺「急にどうしたの?はまづら」

浜面「どうしたもこうしたもねぇよ滝壺。アニメ禁書3期がいつまで経っても始まらねぇんだよ!」

滝壺「ああ、そのこと。アニメ業界も難しいんだよ、きっと」

浜面「だってさ、原作未読側からすれば、俺ってただの一児の母を殺そうとしたクズって認識なんだろ?」

滝壺「実際はまづらはクズだよ」

浜面「えぇー…。ここは滝壺が例の台詞で俺を慰めてくれる所じゃねぇのかよ」

滝壺「そんなの知らない」

浜面「いつもの穏和な滝壺はどこに行った…」


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滝壺「それで?はまづらが言いたい事はそれだけ?」

浜面「まあ、そうだけどさ。だって気に食わないだろ?俺って原作では大将や一方通行と並ぶヒーローなのに、原作未読側の記憶には自分の悪い所だけしか残らないんだ」

滝壺「でもはまづら。もしかしたらモブ扱いされて視聴者の記憶にすら残ってない可能性が…」

浜面「あっ…」

滝壺「更に言えば禁書事態が忘れられてる可能性だって…」

浜面「それはない!」

滝壺「でも…」

浜面「滝壺!それだけはあり得ない!あり得てたまるかよ!」

滝壺「そう…」

浜面「……。でもそうだよな。よくよく考えると一番かわいそうなのは、駒場の野郎だよな。視聴者からすればいまいち戦う動機がパッとしない男だったし。なんかゴリマッチョな印象だろうし」

滝壺「大丈夫だよ、こまば。私はそんなこまばを応援してる」

浜面「応援も何も既に死んじまったよ! ていうか、駒場のロリコン野郎にはその台詞で励ます癖に、彼氏の俺には何の励ましの一言も無いだなんてどういう了見だ!?」

滝壺「それは違うよはまづら。よく考えて? 私に何度も同じ台詞で励まされたら、自分が何にも成長できてないみたいで不甲斐なく感じてしまうでしょ?」

浜面「そ、そうか…」

滝壺「全部はまづらの為だよ」

浜面「なるほど。つまり、俺の自信を守る為に、あえて他人を応援したって事か!!」

滝壺「そうだよ」

浜面「なんだよ!俺の事大好きじゃねぇか!アハハハハハハハハハハ!!!」

滝壺「フフッ」

浜面「舐めてんのかテメェ!」

滝壺「え?」

浜面「え?じゃねぇよ! その理屈はどう考えてもおかしいだろ!」

滝壺「ごめん。ちょっとからかってみただけ」

浜面「まあ、可愛いから許すけど」

滝壺「でも、確かにはまづらはかわいそう。中途半端に登場させたせいで、かみじょーやあくせられーたより知名度が低いし、はまづらの印象が悪くなっただけだよ」

浜面「そうだ!しかもよりにもよって俺が1番小者してた時だったし。多分その後の3期で俺のイメージを挽回させようとしてたんだろうけど、肝心の3期が来ねぇんだよ!!」

滝壺「それに登場したのは2クールの中でたった1回だったね」

浜面「これならいっそ登場しない方がよかった…」

滝壺「はまづら…」

浜面「……」

滝壺「……」


浜面「いや、なに黙ってんだよ」

滝壺「え?」

浜面「今こそあの台詞で俺を励ます時だろう」

滝壺「もうこまばに使ったし」

浜面「あの台詞に1日1回の制限なんてあるのか!?」

滝壺「私はそんな軽い女じゃない」

浜面「彼氏が落ち込んでる時に励まさない彼女がどこにいるんだよ!?」

滝壺「甘えちゃダメ。自分の足で立ち上がらなきゃ。どこかの天使が言ってた。はまづらは何度叩きのめされても自分の足で立ち上がる事ができる男だって」

浜面「誰だよそんな事言ったの」

滝壺「だから天使」

浜面「意味がわからねぇ…」

浜面「はぁ……」タメイキ

滝壺「でもはまづら。私なんて1話も登場してないよ」

浜面「は? 何言ってんだ? 超電磁砲の方で登場しただろ?」

滝壺「あっ、そっちもカウントするんだ」

浜面「当然だ!前半から後半までバッチリ活躍してたじゃないか!」

滝壺「そうかな?」

浜面「そうだよ!麦野の『原子崩し』と滝壺の『AIMストーカー』のコンビネーションで第3位を追い詰めたのを忘れたのか?」

滝壺「でも後半は…」

浜面「後半だって良かった!第3位の気配に気付いたりさ、なんかただ者じゃない感じな雰囲気醸し出てたし。俺なんかと比べりゃ天と地ほどの差があるぞ」

滝壺「大袈裟じゃないかな?」

浜面「大袈裟じゃないさ。お前は俺なんかよりも凄いんだ」

滝壺「そうか、私はまづらより凄いんだ」

浜面「誇っていいんだ滝壺!俺なんか比べ物にならないぜ」

滝壺「うん。自分を誇るよ」

浜面「さあ笑え笑え!アハハハハハハハハハハ!!!」

滝壺「フフッ」

浜面「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」


浜面「腑に落ちねぇぞクソッタレェ!!!」バンッ!

滝壺「はまづら、うるさい」

浜面「ごめん」

浜面「……」

滝壺「……。でも、きっと浜面だけじゃない。同じ境遇の人は他にもいるはず」

浜面「そんなヤツいるか?」

???「ここにいるぞ」

浜面「あっ、アンタは…!」

アックア「久方振りである、日本の少年。どうやらその少女の一命は無事に取留める事ができたようであるな」

浜面「ロシアの時のおっさん!」

アックア「おっさんではない。私は傭兵崩れのごろつきである」

浜面「いやおっさんなのは事実だろ」

滝壺「もしかして無職なの?」

アックア「無職ではない。私は傭兵崩れのごろつきである」

滝壺「それって要するに無sh…」

浜面「おい、やめてやれ滝壺。いい歳したおっさんに言ってやる言葉じゃねぇよ」

アックア「少々腑に落ちんが…まあ良しとしよう」

とりあえず今日はここまでにしておきます

浜面「アンタもアニメ禁書に不満があるってのか?」

アックア「無論。私が登場したのは最終回1話手前。恐らく大半の原作未読の視聴者の記憶には四天王の1人くらいの認識で記憶に残ったであろう」

浜面「でもアンタ禁書のゲームに出演してたじゃねぇか。俺なんかよりも待遇が良いだろ」

アックア「なら少年よ。1つ訊ねるが、アニメで動き回るのと、ゲームの中で動き回るのと、お前にとってどちらが有意義であるか?」

浜面「そりゃ、アニメだけど……」

アックア「私も同じ意見だ」

浜面「はぁ…責めて本編じゃなくても、番外編とかで出番を用意してほしかったよな」

滝壺「番外編で言えば、ふれんだは後の展開にも関わらずに大活躍だったね」

浜面「どうしてフレンダだけ…」

滝壺「やっぱり、アニメ製作サイドに好かれてたんじゃないかな?ふれんだって可愛いし」

アックア「羨ましい…」

浜面「やっぱりこんな不良やおっさんよりも可愛い女の子の方が需要があるのか」

アックア「私も女に生まれたかったのである…」

浜面「その発言はやめとけ。お前の帰りを待ってる人達が悲しむぞ」

アックア「どうせ待っているのはむさ苦しい門番と牢獄だけである」

浜面「ああ、そうかい……」

滝壺「おっさん苦労してるんだ」

アックア「おっさんって言うな」

浜面「ったく。この世の中上手く行かねぇ事ばっかだな!」

アックア「アニメ内での中途半端な登場など生殺しも良いところである!」

浜面「まったくだぜ!」

???「まだ良いじゃないですかー。私なんてあなた方より不遇な扱いなんですからねー」

浜面「お、お前は…!」

テッラ「どうも。左方のテッラです」

浜面「知らん」

アックア「テッラか……」

滝壺「おじさんの知り合い?」

テッラ「如何にも。私はそこの後方のアックアの同僚でしてねー。彼とは色々あったものです」

浜面「なんかあったのか?」

アックア「私が殺した」

浜面「マジで……?」

アックア「反りが合わなかったものでな」

滝壺「じゃあなんでここで今生きてるの?」

テッラ「カエル顔の医者に助けてもらいましてねー」

浜面「なんか胡散臭いな」

テッラ「ていうか、そんな事などどうでもいいのです。今は私の文句を聞いてもらいたいですねー」

滝壺「あなたもアニメ禁書に不満があるの?」

テッラ「勿論です。あなた方は先程、自分が不幸だと嘆いていましたが、とんでもないですねー」

アックア「テッラ、何が言いたい?」

テッラ「上条と当麻…」

一同「…!」

テッラ「そう、あなた方は彼と対面し、言葉を交わし、彼と自分自身の間に物語を展開させる事に成功している。それだけで十分な勝ち組とは言えませんか?」

浜面「ま、まぁ…」

アックア「うむ…」

テッラ「むしろ文句を言う権利は私にこそあると思いますがねー。PVでは姿だけ、本編では声だけの出演…。満足なんてできる訳がありません」

浜面「そうなると、アンタの方がかわいそう、なのか……?」

アックア「惨めだな」

テッラ「えぇ、なんなら嫉妬しているくらいです。私もアニメで動き回りたかった……。3期が始まれば、最初に『幻想殺し』の前に立ちはだかる敵はこの私だというのに、その肝心な私の姿を映さないだなんて、あのスタッフの思考は測りかねます」

浜面「まあでも、3期なんて来なかったんだから、別に良いじゃねぇかよ。声の出演だけなら、視聴者の自分に対する評価を落とす事もないだろ」

テッラ「いいえ。映るに越した事はありませんねー」

滝壺「どっちも惨めな事に変わりはないよ」

>>26
テッラ「上条と当麻」

テッラ「上条当麻」です。間違えました

アックア「他人の芝生が青く見えるとはこの事であるな」

テッラ「そういうものですかねー」

アックア「そういうものである」

テッラ「……」

テッラ「……!そういえば彼女…。ああ…名前を忘れてしまいましたねー。あの金髪碧眼の娘ですよー。確か名前は……」

浜面「金髪碧眼の女の子なんて腐るほどいるぞ」

滝壺「もしかして、ふれんだ?」

テッラ「そう!その娘です」

浜面「フレンダがどうかしたのか?」

テッラ「彼女はこの禁書ワールドで、私を含めた数少ない死人の中の1人ですよねー?」

浜面「そうだ。フレンダは確かに死んだ……」

テッラ「妙ですよねー。後で死ぬ予定の癖に、番外編の超電磁砲では相当に活躍したらしいじゃないですかー」

滝壺「それはふれんだが可愛いからだよ」

テッラ「可愛ければ出番が増えると? 気に入りませんねー。だったら私の活躍だって用意してほしいものです。他の男よりかはチャーミングでしょう」

アックア「鏡を見てみろ。2度とそのような事は口にできないぞ」

テッラ「あなたも似たようなものですよねー」

アックア「やはり女は特をするのか……」

テッラ「こんな事なら女に生まれたかったですねー」

浜面「お前もそれを言うのか…」

滝壺「でも女の子は生理とかきついよ」

浜面「こら滝壺!健全なおっさん達の夢をリアルで打ち砕くんじゃないの!」

テッラ「それにしても悔しいですねー。フレンダという少女、後で死を迎える展開が待っているにも関わらず、下手をすれば他のサブキャラよりも活躍している。ここにいる全員の登場時間を合計しても、彼女が活躍してた時間に辿り着けないのではないでしょうか?」

アックア「よせ。虚しくなるだけである……」

浜面「そう考えるとなんかフレンダに腹が立ってきたな」

滝壺「落ち着いて、はまづら。ふれんだは何も悪くないよ」

テッラ「まっ、どちらにせよ、私が最も不遇な扱いを受けているのは確実ですねー」

???「ほう、どうやらお前は気付いていないようだな。自分がまだマシな待遇を受けている事に……」

浜面「お、お前は…!」

フィアンマ「喜べ小麦粉。お前の渡り歩いてきた人生は、自分が現状を把握する能力に欠けている事を証明してくれたぞ」

浜面「やっぱり知らねぇ!」

テッラ「これはこれは…右方のフィアンマではありませんか」

滝壺「小麦粉って言われた事には突っ込まないんだ……」

今回はここまでです

浜面「誰だよこいつ?」

アックア「右方のフィアンマ。かの第三次世界対戦の裏で糸を操っていた張本人である」

浜面「マジかよ…!」

滝壺「そんな黒幕さんもアニメ禁書に不満があるんだ」

フィアンマ「当然だ。確信を持って言える。俺様はこの中で最も待遇に恵まれていない」

テッラ「しかしあなた、アニメに中途半端に登場した訳でもないのに待遇も何もありませんよねー」

フィアンマ「いや登場しただろ」

テッラ「えっ…?」

フィアンマ「名前だけ」

浜面「うわっ……」

滝壺「ここまで来ると気持ち悪い」

テッラ「必死さを感じますねー」

フィアンマ「やめろ。俺様がちっぽけに見えるだろ」

アックア「お前のその発言が既に小者じみているがな」

フィアンマ「まあ聞いてくれよ。俺様もアニメ禁書への不満が積もりに積もっているんだ」

浜面「…で、アンタの不満って?」

フィアンマ「先程も言ったが、アニメ禁書において俺様はまだ名前だけしか登場していない。他の『神の右席』の一員にはある程度の威厳や存在感が感じられるのに、俺様だけ視聴者に聞き逃されてそうな会話の間に名前が挟まっただけなんだ」

浜面「それもう登場してないのと同じじゃね?」

フィアンマ「いや、登場はしている」

滝壺「変な人…。ここで否定すればJCスタッフへの怒りも鎮める事ができたかもしれないのに…」

浜面「ていうか登場ってより伏線としてアンタの名前を拝借しただけだろ」

フィアンマ「誰がなんと言おうと俺様は登場したんだッ!!」

浜面「なんだよこいつ……」

テッラ「さてはあなた、実はアニメ未出演の烙印を押されるのが嫌なんですね?」

フィアンマ「ッ!」ギクッ

浜面「図星ですか。あなた素直にアニメ禁書に貢献できて喜んでますね?」

>>46

すみません。間違えました

浜面「図星ですか。あなた素直にアニメ禁書に貢献できて喜んでますね?」

これテッラの台詞です

アックア「成る程。アニメ未登場の者達との格差を少しでも広げたいといった所か」

浜面「なんだよ。結局名前だけで満足してるのかよ」

滝壺「あなたのその不満は私達に接触する為の建前だったんだね…。アニメに出演したっていう履歴を確実なモノにしたくて、実歴のある人達からの賛同が欲しかったんだ」

浜面「小者の中の小者じゃねぇか!」

フィアンマ「し、しかし…俺様の言い分は間違ってはいないはずだ…。…前方のヴェントは学園都市を引っ掻き回した。…後方のアックアは上条当麻の前に現れ、新たな脅威として彼にその存在を強く印象づけた。…左方のテッラは声のみの出演だったが、その不気味さは少しでも視聴者に伝わっただろう」

アックア「まあ、そうであるな…」

フィアンマ「そして俺様、右方のフィアンマは名前だけの出演。ピラミッドの頂点は崇高に輝いて見えるものだが、視点を変えてみると、その表面積は下方と比較して非常に少なく、人の視界に映りにくい位置にあるという事だな」

浜面「こいつ遠回しに自慢してるだけじゃねぇか?」

テッラ「うざいですねー」

滝壺「こいつきらい」

フィアンマ「酷い言われようだ…。俺様はただ、他の『神の右席』との間に差別を感じたから、ここでその不満を吐き出しただけなのに…」

浜面「尺の問題だろうが。それくらい我慢しろよ」

テッラ「日本の少年のおっしゃる通りですねー」

アックア「2クールだから仕方ないのである」

滝壺「そう言うみんなも尺の都合で活躍できなかったのに」

浜面「わかってるよ滝壺。でもこいつだけは腹立つ」

テッラ「このエセローマ教徒め」

アックア「こいつこそ異端審問にかけるべきであろう」

フィアンマ「うぅ…」グスッ

滝壺「同じローマ教徒なのに容赦しないんだね」

テッラ「異端者には容赦しませんよー」

アックア「こいつにだけは魔法名を名乗りたくないのである」

フィアンマ「尊重の欠片もないのか……」

浜面「まあ、そっちの宗教の事は詳しく知らないし、好きにやってくれ」

フィアンマ「おい!救いの手は無いのか!?近くに上条当麻はいないのか!?」

テッラ「そんなに都合よく現れる訳がありませんねー」

浜面「だろうな。暗部抗争の時だっていなかったわけだし」

滝壺「ふれんだ死んだもんね」

今回はここまでにしておきます

今回はここまでにしておきます

テッラは「そのフレンダという少女。あの娘は超電磁砲Sがアニメ化する前にも1度1期で姿を見せていますしねー。本当に羨ましい限りです」

浜面「えっ、そうなのか?」

滝壺「うん。超電磁砲1期で姿だけ映ってたよ。私も含めてアイテムは全員登場してた」

浜面「……」

アックア「…?どうした少年」

浜面「なんだよ…。超電磁砲の2期だけじゃなくて、既に1期にも登場してたってのか…」

滝壺「はまづら?」

浜面「ふざけんなアイテム!!」

滝壺「ッ!?」ビクッ

浜面「あいつらばっかり待遇され過ぎだろうがよッ!やっぱり女か!?女は馬鹿みたいに需要が高いってか!?ああん!?」

アックア「仕方がない。時代は萌えである」

浜面「何が萌えだ!俺は3人目の主人公だぞ!番外編の超電磁砲でも大将と一方通行は活躍したのに、俺だけは活躍できてないんだぞ!?どう考えてもおかしいだろ!」

フィアンマ「いやおかしくない。お前に何ができるというんだ無能力者」

浜面「うるせぇ!車の鍵をこじ開けるならお手のものよ!」

滝壺「はまづら、たったそれだけのスペックで科学と超能力が発展した学園都市で活躍するなんて難しいよ」

浜面「よしわかった!じゃあアニメじゃなくても良いから、俺が主人公のスピンオフをくれ」

テッラ「あなた身の程を知っていますか?」

浜面「いいじゃねぇかよ。需要だってあるだろ」

一同「ない」

浜面「全員から否定されちまったよ……」

テッラ「当然です。正直科学サイドのスピンオフはもう飽きられている事ですし、どうせなら魔術サイドのスピンオフの方が受けが良いでしょうねー」

フィアンマ「それにお前みたいな落ちこぼれより、俺様が主人公を務めた方が恐らく人気がでるだろう」

アックア「旧約の黒幕が何を言うか。私は作中でもヒーロー扱いされていた事がある。私が適任である」

テッラ「『とある魔術の神の右席』ですか……」

アックア「そうなるとヒロインはヴェントになるのか」

フィアンマ&テッラ「おえっ!」

フィアンマ「あいつは化粧が酷いから嫌だぞ」

テッラ「素顔は悪くないようですが、あの化粧は落ちないでしょうねー」

アックア「うむ。自分で言っておいてなんだが、徐々に不快になってきたのである」

浜面「アンタら仲悪いよな」

滝壺「その内ふれんだみたいに仲間に殺されそう」

テッラ「既に経験済みですよー」

浜面「だめだこりゃ……」

浜面「やっぱり次のスピンオフは俺しかないだろ」

滝壺「アイテムの日常とか?」

浜面「そんな明るいモンじゃない。もっとダークな感じの……」

滝壺「でもそのジャンルは『とある科学の一方通行』に先取りされてるよ?」

浜面「『とある科学の一方通行』が何だってんだ! こっちは俺の荒れてた時期を描いた『とある科学の武装集団《スキルアウト》』だぞ!」

フィアンマ「よくわからんが雑魚そうだな」

浜面「よく分からないのに雑魚とか決めつけるな!中にはあの一方通行の自宅を荒らし回った英傑もいるんだぞ」

滝壺「はまづら、暗部と比べたらやってる事が幼稚すぎるよ」

テッラ「まあ、十中八九『とある科学のスキンヘッド』は採用されませんねー」

浜面「スキルアウトだよ!誰も剃髪なんかしてねぇよ!」

アックア「どちらにしろ面白味がなさそうである」

滝壺「きっとはまづらが車を盗んでいくお話なんだね」

浜面「お前らはあれか? 俺を貶めなきゃ気が済まないのか!?」

滝壺「ううん。そんな事ない。私はただ
はまづらのスピンオフなんて考えたくもないだけ」

浜面「滝壺さん怒ってんの?」

滝壺「ちがうよ。もしもはまづらが番外編で主人公になっちゃったら、商業上他の女の子と3、4人くらいフラグ建てる展開になりそうだし……」

浜面「滝壺……」

滝壺「私はそんなはまづら見たくない」

浜面「滝壺…そこまで俺の事を…!」ウルッ

テッラ「おやおや、異教の猿が泣いてますねー」

フィアンマ「ヒーローなんだから泣いちゃ駄目だろ、スキンヘッド」

浜面「アンタら俺と滝壺の青春に水をかけんじゃねぇよ!」

今回はここまでにしておきます

フィアンマ「お前の青春などたかが知れてるだろう」

浜面「言ってくれるじゃねぇかエセローマ正教徒」

フィアンマ「おい! 俺様はローマ正教の実質の支配者だぞ!?」

アックア「ああ、平凡な高校生に説教されたローマ正教徒である」

テッラ「威厳もクソもないですねー」

フィアンマ「クソ…! ロシア編さえアニメ化すれば俺様の偉大さと知名度が一気に世に広まるはずなのに…! JCスタッフいい加減にしろ!!」

滝壺「やっぱりそこに行き着くんだね」

浜面「当たり前だろ。後さっきも言ったが、3期もそうだがアイテムのヤツらだけやたらと待遇が良いのが許せない。ふざけんなッ! あいつらのどこが良いんだよ!? 変な拘りばっか拗らせてる変態集団じゃねぇか!!」

滝壺「でもはまづらだってアイテムの一員だよ?」

浜面「じゃあ俺の出番も増やせよ!! エッチな要素が欲しいなら、俺にパンツやらおっぱいやら触らせればいい話だろうがッ!」

滝壺「はまづら……」

テッラ「気持ち悪いですねー」

浜面「うるせぇ! なんなら絶賛大活躍中のフレンダのナイス美脚を舐めまくってもいいんだぞ!?」

フィアンマ「それはお前しか得しないから視聴者の反感を買うだけだろう」

浜面「今更だろ! こっちは原作で絹旗のパンツ見てんだぞ! じゃあもう触ってもいいだろ!」

滝壺「よくない」

浜面「いやいや、もう開き直ろうぜ滝壺。俺がスケベする、あいつらが赤面する、俺がタコ殴りにされる、完璧な流れじゃねぇか」

滝壺「やだ。はまづらは私の彼氏だもん」

アックア「それに、お前は3人目の主人公だが、そんな扱いで満足なのであるか?」

浜面「もういいんだよ。どうせなら思いっきりあいつらを赤面させてやりてぇ。だからラッキースケベ要員でも構わないから俺を番外編に出してくれよ!」

滝壺「はまづらが壊れていく……」

浜面「そうだ! どうせなら全員バニーガールの格好で登場させよう! だって皆バニーガール好きだろ!? 好きなんだろ、え? 金髪碧眼のバニーガールもいるんだぞ!?」

テッラ「それあなたの趣味ですよねー」

浜面「俺がどんなに汚れてもいい…。どんな汚名を着せられても、俺は最後の最後まで全力でラッキースケベに尽力するぞ。だから俺に出番をーーーッ!!」

フィアンマ「素晴らしい心構えだな。お前には男優がピッタリだ」

滝壺「やめて」

アックア「堕ちたものだなフィアンマ。それがローマ正教徒が口に出す言葉か……」

フィアンマ「言っておくが、オッレルスの方がかなりキツイぞ」

浜面「誰だか知らねぇが、まさかここにやって来たりはしねぇよな?」

フィアンマ「まさか。今頃あいつはシルビアとお散歩に出かけいる事だろう」

浜面「可愛いヤツらだな。お前も一緒に出かけりゃ良かったのに」

フィアンマ「……」

アックア「まさか追い出されたのか?」

フィアンマ「察してくれ……」

テッラ「追い出されたんですね?」

フィアンマ「……」

アックア「追い出されたのだな? そうなのだろう? んん?」

フィアンマ「黙れ!!」

滝壺「かわいそうに…」

フィアンマ「同情するな!」

浜面「ちなみに追い出された理由は?」

フィアンマ「働けって言われた……」

浜面「ああ……そりゃ駄目だよおっさん」

滝壺「頑張っておっさん」

フィアンマ「神様……、俺様の全盛期を返してくれ」

テッラ「おっさんが惨めに懇願してますよー」

フィアンマ「うるさい」

アックア「しかしこいつは腐っても元『神の右席』。神と並ぶに値する実力と尊厳を持っていながら、それでもなお神に祈るとは、余程の精神的負荷が働いていたのであろう」

フィアンマ「これも全てJCスタッフの仕向けた悲劇か……」

滝壺「それは関係ないと思う」

フィアンマ「よし、こうなればJCスタッフ打倒の為に反乱軍を組織しよう!」

浜面「は? いきなりどうした?」

アックア「ふむ。反乱軍か……」

テッラ「しかしここにいるのは5人。これだけの人数ではとても反乱は起こせそうにないですねー」

フィアンマ「そう、今の我等には仲間が必要だ。同じような境遇を経験した同士を集めなくては…!」

浜面「えっ、なに? もしかしてこのまま反乱軍を結成する流れか?」

滝壺「らしいね」

今回はここまでにしておきます

テッラ「そうは言いますがあなた、誰か心当たりでもあるんですか?」

フィアンマ「ああ、少なくとも3人は知っている」

アックア「お前に同じ志を持った知り合いが存在している事に驚きである」

浜面「アンタら元仲間だろ……」

テッラ「ええ、『元』仲間ですねー」

浜面「キリスト教徒の癖に冷たいんだな」

滝壺「第三次世界対戦を引き起こした張本人だもんね」

浜面「ローマ正教大丈夫かよ」

フィアンマ「今はそんな事はどうでもいい。とにかくJCスタッフに反旗を翻す仲間を集めに行くぞ」

浜面「えっ…今から行くのか?」

フィアンマ「当然だ。計画の進行は迅速な方が良いに決まっている」

テッラ「まあ、フィアンマの意見は的を射ている事ですし、私も同行しましょうかねー」

フィアンマ「お前はどうするのだ、アックア?」

アックア「私は、私の心に刻んだ魔法名に従うまでである」

テッラ「つまり同行するんですねー。わかります」

フィアンマ「そうと決まれば早速向かうぞ」

浜面「向かうってどこに?」

フィアンマ「言ったろう。心当たりがあると」

滝壺「今から向かう場所にその人達がいるの?」

フィアンマ「そういう事だ」

浜面「…で、その肝心の場所ってのは…?」

フィアンマ「北欧の魔術師共が擁する海上要塞、『船の墓場』だ」

浜面「知らん」

滝壺「しらない」

テッラ「知りませんねー」

アックア「私は知っている」

フィアンマ「お前達はもう喋るな」

ー船の墓場ー


オティヌス「……」

マリアン「……」

トール「……」

マリアン「はぁ…駄目だねトール。全然なってない。そんな戦法で私達に勝とうって思ったの?」

オティヌス「拍子抜けだな。自慢気に戦いを挑んで来たものだから、少しはマシな策でも練ってきたかと思ったのに…。待っていたのはお前の無様な敗北か」

トール「……」

マリアン「アンタはもう詰んでるよ、トール。最初の一手で攻め込みすぎたね」

トール「……くっ……くくっ…!」

オティヌス&マリアン「…?」

トール「はっ…!ははっ!ハハハハハハハハハッ!!」

マリアン「トール……?」

オティヌス「何かおかしいか?」

トール「いやー、すまんすまん。何しろこんなに簡単に引っ掛かってくれるなんて思いもしなかったからよー」

マリアン「は……?」

トール「俺の作戦、気付いてなかったろ?」

マリアン「作戦……?」

オティヌス「……」

トール「さっきアンタ達言っただろ。俺が最初の一手で攻め込みすぎたってな。そうだよ、俺は攻めた。攻めて攻めて攻めまくったさ。けどよ、アンタ達が俺のその戦法に対して口を出してきたって事は、つまりアンタ達は自分の奥の手をここまで温存してた訳だ」

マリアン「何を、言ってるんだ……?」

トール「アンタ達はとっくに、まんまと俺の術中に陥っていたって事だぜ。黒小人さんに北欧の魔神さんよ」

マリアン「アンタ、まさか…!」

オティヌス「……!」

トール「さあ、俺のターンだ。見せてやるよ、全能神トールってヤツを」シュバッ!

バサアッ!

トール「『革命』だぜ。これで立場は逆転しちまったな、大富豪さんよ」

マリアン「クソッ! 手札に2を3枚貯めてたのに…!」

オティヌス「この場で『革命』か。……つまりお前の手札にあるカードは3か4、かつて最弱だったカードか?」

トール「おっせぇよ。ヒントなら最初から転がってたのによー」

オティヌス「お前、さては全能神の力を使って都合の良い手札を手元に揃えていたな?」

トール「ああ、俺はなぜだかいつもトランプで負けちまうからよ。だから全能神トールの
力を解放して、絶対に勝てるカードが配られる位置に座ったって訳だ」

マリアン「『大富豪』に勝つためだけに世界を動かすなんて、言っちゃなんだけど、アンタの感性ってイカれてるよね」

トール「マリアン、お前にだけは言われたくねぇよ」

オティヌス「遂にトランプにまで経験値を求め出したか、戦闘狂め」

トール「言ってろ。どっちにしろ、もう俺の勝ちは決まった。これからは大貧民だなんて呼ばずに、大富豪様って呼びな」

オティヌス「フフッ……」

トール「あん?」

マリアン「なんだ、次はオティヌスか?」

オティヌス「あくまでただの魔術師のお前が、魔神である私の上を行こうとするなんてな…。私も舐められたものだ」

トール「ああ、そして実際に打ち勝った。お前は負けたんだよ、オティヌス」

オティヌス「ん? なぜそう言い切れる?」

トール「は?」

オティヌス「お前は世界を動かす『全能神』かもしれんが、私は世界を意のままにする『魔神』だぞ。お前よりもスペックが遥かに高い私が、どうして下位のお前に敗れる可能性など考えられる?」

トール「…ッ! オティヌス、テメェ……!」

マリアン「まさかアンタも?」

オティヌス「私のターンだ」シュバッ!

バサアッ!

オティヌス「革命返し」

トール「チクショーッ!!」ドン!

オティヌス「格の違いを思いしれ。虫けら」

マリアン「こりゃ私達には勝てないわ」

今回はここまでにしておきます

トール「もう1回!もう1回やろうぜ!」

オティヌス「まだ私とマリアンの決着がついていない」

マリアン「少し我慢してなよ大貧民」

トール「クソッ!今度こそその大貧民から抜け出せると思ったのによ」

マリアン「無理だったね」

トール「じゃあよ、今度は『ババ抜き』しようぜ」

オティヌス「同じだバカ」


???「随分と楽しそうに過ごしているじゃないか、グレムリン」

マリアン「…!船の墓場に侵入者!?」

オティヌス「誰だ?」

フィアンマ「右方のフィアンマだ」

オティヌス「なんだ、オッレルスのとこの居候じゃないか。どうした? まさか遂に追い出されのたか?」

フィアンマ「……」

オティヌス「……」

フィアンマ「……」

オティヌス「えっ、いやなんか言えよ」

フィアンマ「追い出された……」

オティヌス「えっ…!?」

マリアン「あーらら」

トール「じゃあアンタ本格的にホームレスか」

フィアンマ「言わないでくれ…」

オティヌス「しかし、敵ながらあいつのお人好しな性格はよく知っている。あいつがそう簡単に人を見捨てるとは思えん」

マリアン「一体何があったの?」

フィアンマ「働けって言われた」

オティヌス&マリアン&トール「あっ……」

フィアンマ「俺様、ニートなんだな……」

マリアン「ちょっと、この人かわいそうじゃない?」

トール「なんとかしてやれよオティヌス」

オティヌス「私があいつを説得してやればいいのか?」

フィアンマ「いや、迷惑かけるし良いよ。気にするな」

オティヌス「なんならハローワークに付き添ってやろうか?」

フィアンマ「もうその話はやめろ! 言っておくが、俺様がここに来たのは悩みを相談する為じゃない」

トール「じゃあなんだよ?」

フィアンマ「まあ待て。説明する前に、まず俺様の連れを紹介しよう」

トール「あん?」

フィアンマ「入ってこーーい」

浜面「どうも、おじゃましまーす」

滝壺「おじゃまします」

アックア「失礼する」

テッラ「入りますよー」

オティヌス「……」

マリアン「……」

トール「……」

フィアンマ「では1人ずつ紹介していこうか」

オティヌス「いや、いらん」

フィアンマ「……?そうか?」

オティヌス「……」

マリアン「オティヌス、ショック受けてるね」

トール「あっさり居場所がバレてたのが気にくわないんだろうな。あいつって秘密基地を作って高揚するようなタイプだったのか?」

マリアン「さあ、私に訊かれてもね」

今回はここまでにしておきます

オティヌス「まあいい…。それで、お前達の用件とはなんだ?」

フィアンマ「それについてはこの少年が説明する」

浜面「えっ!?」

滝壺「頑張ってはまづら」

浜面「ちょっと滝壺さん!? 俺ってただの無能力者よ!? 明らかに何かの黒幕っぽい集団に向かってあんな個人的な不満をぶちまけられますかい!!」

アックア「安心しろ。あの第三次世界対戦を生き抜いたお前なら、なんて事は無いはずである」

テッラ「ええ、ヒーローですから大丈夫でしょう」

浜面「ああクソッ! 自分で散々ヒーロー公言してたから言い訳も効かねぇよなあ!」

オティヌス「いいから早く話せ」

浜面「あ、はい……」

浜面「実はさ、アンタ達にお願いがあるんだ」

マリアン「お願い?」

浜面「そう、お願いだ」

トール「グレムリンに入れてほしいとか?」

浜面「いや、全然違う」

マリアン「あそこにいるミョルニルみたいに人間のパーツを捨てて最適化したいとか?」

浜面「だからそれもちが……えっ!あいつ人間なの!?」

ミョルニル「……!!」ガタゴトッ!

浜面「ごめん。学園都市のドラム缶ロボットだと思ってた」

オティヌス「おい、話を伸ばすな。私は今トランプゲームを一時中断されて若干怒りを覚えているんだぞ」

浜面「ああー! 言います言いますーッ! だからその片目だけで睨まないで! おしっこチビりそうだわ!」

滝壺「はまづら、どうでもいい。早く言って」

浜面「わかってんだよ!」

浜面「じゃあ気を取り直して本題に入るけどさ……。ほら、アニメ禁書って3期始まらないだろ?」

トール「そうだな」

浜面「頭に来るだろ?」

トール「えっ、なんで?」

浜面「あれ?」

トール「マリアン、お前怒ってるか?」

マリアン「いいや。オティヌスは?」

オティヌス「3期が未だに製作されないのは残念に思うが、別に怒ってはない。むしろトランプ勝負に割って入られた事に苛ついている」

フィアンマ「何故だ!? アニメ3期が成功すれば、お前達が活躍する新約のアニメ化にだって繋がる可能性があるのに!!」

トール「アンタ達、まさか俺達が同じような境遇にいるだなんて思って、ここに傷を舐め合う為にやって来た訳じゃねぇよな?」

滝壺「そういう事とは違うと思うよ」

テッラ「我々は反乱軍を結成するつもりなんですがねー」

マリアン「は? 下らないね。あの『神の右席』が随分と暇そうな事してるじゃないか。トランプ一緒にやるか?」

浜面「どうして……、どうしてだよ……?」

マリアン「ん?」

浜面「アンタら、確か鎌池和馬10周年記念PVに登場したんだろ? その時に思わなかったのか? こんな中途半端な登場じゃなくて、本編に沿った登場が良かったって!!」

トール「おいおいおいおい、そりゃ贅沢すぎるってモンだぜ。こっちは原作でバッチリ活躍してんだ。それだけで満足なのに、加えて俺達はPVに出演させてもらったんだよ。アニメ絵で登場できただけもう十分恵まれてるだろ?」

浜面「そ、そりゃそうかもしれないけど……」

アックア「私はもっとアニメで活躍したいのである!」

マリアン「我慢しな。無いもんは無い」

テッラ「では、満足していると言うのですか? 今の現状に納得していると?」

オティヌス「ああ。こちらとしてはアニメ絵になれた時点で勝ち組のようなものだ。それだけで胸を張れる」

浜面「マジかよ……」

オティヌス「例えば、あそこのバレーボールなんかは『パズデックス』経由で描かれた自分のアニメ絵を見て歓喜していたぞ」

バレーボール垣根「俺の『未元物質』に常識は通用しねぇ」

オティヌス「……まあ、流石にバレーボール並みに変形させられた姿はアニメ絵にならなかったようだが」

浜面「……えっ? ていうか、あいつもしかして第二位!?」

オティヌス「ああ、私が体をバレーボールの形に圧縮してやった。写真撮るか?」

浜面「……。写真撮って麦野に見せてやろうかな」

滝壺「ふれめあには見せない方がいいかも」

フィアンマ「そんな事はどうでもいい!!」

フィアンマ「こいつらは異端者だ。たまにはローマ正教のしきたりに従い、この手で罰してやるのも悪くはないだろう」

テッラ「ええ、良い考えですねー。異教の猿には我々の崇高な計画が理解できないようですしー」

アックア「ふん。ローマ正教の古いしきたりには賛同しかねるが、今後、こやつらが我等の計画の弊害にならんとも限らない。今の内に摘んでおくのが最良であろう」

トール「へぇー、面白くなってきたじゃねぇか。ちょうど周りには一般人はいねぇ事だし、これはこいつらとの戦いから経験値をゲットする良い機会かもな」

浜面「えっ、本気でやるのか……?」

滝壺「めんどくさい。付いてこなきゃよかった……」


フィアンマ「まあ、ここは俺様が様子見で先に行かせてもらおうか」

トール「オティヌス、マリアン、手ぇだすなよ。こいつらは全員纏めて俺の獲物だ」

フィアンマ「ふん。舐められたものだな。『神の右席』が神と並ぶ存在であることを、再び思い出させてやろう」

トール「いいねぇ…。神様とも戦ってみたかったんだよ」

フィアンマ「命知らずが」

トール「でも確かよ、アンタ上条ちゃんにゲンコロされた後に、色々あって右腕切断されたんじゃなかったっけ? 俺の目がおかしくなけりゃ、アンタの肩から生えてる『それ』は……」

フィアンマ「そう、『聖なる右』だ」

オティヌス「驚いたな…。まさか『幻想殺し』みたいにニョキニョキ生えてきたのか?」

フィアンマ「そんな訳がない。俺様のこの右腕は、とあるカエル顔の医者に治してもらったのだ」

トール「誰だよ」

フィアンマ「科学サイドの優秀な医者だ」

マリアン「嘘臭いなぁ。私にだってできないだろうし」

フィアンマ「嘘ではない。そう、実はあの僧正とぶつかって押し負けてしまった後に、事前にその医者の偉業を耳にしていた俺様は、あえて僧正に敗北し、あえて病院に運ばれたのだ! 『あえて』だぞ! だから決してマジの噛ませになった訳ではない! 俺様の存在枠はまだ特別な位置に座しているのだ!! 噛ませじゃないぞ!!!」

アックア「貴様、やはり気にしていたのか」

テッラ「必死に否定している所を見るに、彼は彼なりの都合の良い言い訳を考えていたのでしょう」

トール「アンタかわいそうなヤツだな」

フィアンマ「やめろ。哀れみの目を向けるな。あれはわざとだったんだ。計画通りだったんだ。だからその目をやめろッ!!!」

トール「まあそんなのはどーでもいい。やろうぜ、右方のフィアンマ」

フィアンマ「言っておくが長期戦は期待するな。なにせ、俺様の『聖なる右』は振れば必ず当たるのだからな」ニヤッ

マリアン「戦乱の剣」チラッ

フィアンマ「」バタッ

一同「……」

トール「……」

浜面「おっ、おい!? 今何が起きた!?」

滝壺「赤い人が倒れた」

浜面「見りゃわかるよ!!」

アックア「恐らくあれは、『戦乱の剣』」

浜面「な、なんだよそれ?」

テッラ「『世界の終末』を再現する魔剣ですねー」

アックア「恐らくフィアンマはあれを見た瞬間、死んだ方がマシと思い込んだのであろう。本能的な恐怖に屈したか」

テッラ「そして実際、フィアンマの心肺機能が停止し、彼はその場で意識を失ってしまったと」

滝壺「つまり、そう思わせるくらいあの剣が強力ってこと?」

テッラ「そういう事です」

浜面「おい、もう戦いなんてやめようぜ!」

トール「おいおい、冗談じゃねぇぜ! こちとら第三次世界対戦を引き起こした黒幕が目の前であっさり倒れちまって拍子抜けしてんだ。せめて残りのヤツらは俺を楽しませてくれよな」

テッラ「では、私がご期待にお応えましょう」

浜面「おい、アンタ大丈夫なのか?」

テッラ「見くびってもらっては困ります。1度死にはしましたが、私は『神の右席』の一員。私の『光の処刑』の術式をもってすれば、この世にある物質の強弱の優先順位を入れ換える事が可能」

トール「そりゃスゲェな! 是非とも拝見したいね、アンタの戦いってヤツを」

テッラ「ではお望み通り見せてさしあげましょう。神の右席の戦いを…!」

トール「楽しませろよ、ベイビー」

テッラ「優先する。ーー人肉を下位に、小麦粉を上位に」

マリアン「戦乱の剣」チラッ

テッラ「」バタッ

トール「……」

一同「……」

トール「マリアン、お前それマジで面白くないからやめろ」

マリアン「ああ、ごめん」

アックア「テッラがやられたか……」

浜面「なあ、アンタも絶対に無理だって。やめとけよ、もう我慢しようぜ」

アックア「勘違いしてもらっては困るぞ、少年。私は今、己の私欲の為に剣を握っているのではない」

浜面「?」

アックア「私が剣を握るのは、あらゆる地にいる、涙を流す民の為である。この世界にはアニメで活躍したいと願う者が何人いるのだろうか……、そしてアニメ3期が製作されない事実を知って涙を流す者が何人いるのだろうか……」

滝壺「おじさん……」

アックア「私はそんな涙など認めん。認めたくはないのだ」

トール「……」

アックア「私は『後方のアックア』である時も、『ウィリアム・オルウェル』である時も、いつでも自分の胸に刻んだ魔法名に従って戦場を駆け抜けてきたつもりだ…。無論、今回も同じである」

マリアン&オティヌス「……」

アックア「そう、私の名は……」

浜面「おっさん……」

アックア「『Flere210(その涙の理由を変える者)』である!!」

浜面「おっさァァァァァァァァァァァァァァァァァァん!!!」ドバッ

滝壺「無職って言ってごめんなさい」

アックア「さあ、剣を取れ『雷神』。決闘だ」

トール「いいや、『雷神』じゃねぇよ。そこまで格好つけられちゃ、こっちも全力出さなきゃ割りに合わねぇよなぁ……」

オティヌス「トール、まさか……」

トール「いい機会だ。お前に見せてやるよ、『全能神トール』ってヤツを!!」

アックア「では存分に戦うぞ、全能神トール!!!」ダッ

トール「ったりめぇだ!!!」ダッ

浜面「いけェェェェェェェェェェ!!!ヒィィィィィィィィロォォォォォーーーー!!!」


マリアン「戦乱の剣」チラッ

アックア「」バタッ

トール「ふざけんなクソがァァァァァァアアアアア!!!」

滝壺「結局こうなっちゃうんだ」

今回はここまでにしておきます

トール「おいマリアン! さっき『やめろ』って言ったよな? つーかその前に手を出すなとも言ったぞ?」

マリアン「ごめんごめん。いやだってさ、オティヌスも『大富豪』の続きやりたがってるしね?」

トール「そんなモンいつでもできるだろうが!! でも『あいつら』は違う! 『神の右席』だ。滅多に会えねぇし、そもそも俺にとっちゃ周りに一般人がいねぇこの状況すら珍しいんだよ! わかるか?」

マリアン「怒るなよトール」

トール「怒るに決まってんだろ!! こっちは千載一遇のチャンスを邪魔されたんだ!! オティヌスだって『主神の槍』の製造妨害されたら怒るよな!?」

オティヌス「怒るっていうか、ぶち殺すな」

トール「ほら見ろ。オティヌスはわかってくれたぜ? あいつは俺の『理解者』な訳だな」

オティヌス「いや、そんな軽々しく『理解者』に任命されても困る」

トール「アンタもいちいち細かい所に反応しなくていいから」

マリアン「わかったわかった、謝る。でもまあ、まだ2人残ってるから大目に見てよ」

トール「明らかに小者クセェ野郎と病弱な女だけじゃねぇかよ」

浜面「な、なんだとテメェ!!」

滝壺「やめて浜面。冗談抜きで死んじゃう」

浜面「でもよぉ……」

オティヌス「それで? お前達はどうするつもりだ?」

浜面「え?」

オティヌス「だから、ここに反乱軍のメンバーを集めに来たのだろう? しかし主戦力だった3人はやられたぞ」

浜面「あ、どーしよ……」

オティヌス「用がないなら帰ってくれ。お前達のせいで中断してた『大富豪』を再開したい」

滝壺「はまづら、もう帰ろう」

浜面「……駄目だ」

滝壺「え?」

浜面「ここで引き下がる訳にはいかねぇ」

滝壺「でも、『3匹のおっさん』は倒されちゃったよ?」

浜面「そんなどっかの小説のタイトルみたいに呼ぶのはやめてやれ」

滝壺「はまづら、アニメ3期なんてどうでもいいよ。はまづらと一緒にいれるならそれだけで十分だよ」

浜面「滝壺……」

滝壺「だからもう帰ろう?」

浜面「それでも、駄目だ」

滝壺「……、どうして?」

浜面「禁書のアニメ3期は、最悪諦めるよ。……でも、今は別の理由であいつらと相対したい」

滝壺「それって……」

浜面「滝壺、俺が戦うのは、いつだって俺の為だよ。だから今は黙って俺を見守っててくれないか?」

滝壺「……なにをする気?」

浜面「大したことじゃないさ。ただ、あいつらに自分の生き様を見せつけるだけだ。あいつらを説得してみせる!」

滝壺「……わかった」

浜面「わかってくれたか?」

滝壺「うん。はまづらがこれ以上何の為に戦うのかは見当もつかないけど、私はここで見守ってる事にする」

浜面「感謝するぜ、滝壺。俺は良い女を持てて幸せだよ」

滝壺「だったら無事に帰ってきてね。はまづらが思う良い女がここで待ってるから」

浜面「おうよ!」

オティヌス(『階段』を揃えるか、それとも……)

浜面「やいお前ら!!」

オティヌス「なんだ、まだいたのか。アニメ3期の事なら他をあたれ。私は今マリアンと『大富豪』に興じていて忙しい」

浜面「その事じゃねぇ。それはもう妥協した」

オティヌス「なら用件をさっさと言え。それとも何か? 『大富豪』に混ぜてほしいのか?」

浜面「見当違いもいいとこだぞ。俺はアンタ達に頼み事があって残ってる」

トール「まさか俺と戦う気になったか?」

浜面「だから全然違うんだよ! ちょっと黙ってろ!」

マリアン「ーーで? アンタの頼み事って何さ?」

浜面「ああ、アンタらさ……」

一同「……」

浜面「バニーガールになるつもりはねぇか?」

一同「……」

一同「は?」

浜面「バニーガールになってくれ!」

マリアン「ちょっと待って。全然話が見えないんだけど」

トール「バニーガールってアレだよな? 女が着る衣装だよな?」

オティヌス「それを何故私達が着なければならんのだ? 意味がわからん」

浜面「意味がわからないと思うのも当然だ。でも、俺はお前達にバニーガールを着てほしいんだよ!!」

オティヌス&マリアン&トール「???」

滝壺「はまづら、もしかして……」

浜面「ああそうだ。これは、アニメ3期が無理なら、せめて番外編に出してくれよっていうただの俺の要望だ! どうだ、気持ち悪いだろ!?」

オティヌス「いや、明らかに説明不足だ。もう少し丁寧に説明してくれると助かる」

浜面「要はあれだよ。バニーガールって需要高いだろ?」

トール「えっ、そうか?」

浜面「そうなんだよ! それでもしもバニーガールのキャラが増えたら、そりゃやっぱり何かしらのハプニングが欲しいよな!? ただ突っ立ってるだけじゃ何も面白くないもんな!?」

マリアン「そ、そうなの?」

浜面「そうなんだよ! 世の中の男子はラッキースケベに飢えてんだ! だからラッキースケベ要員として番外編とかで俺が利用されて、自然と出番が増えていくって寸法よ! ほら、俺ってバニーガールの動画視聴しまくってるだろ?」

トール「いや知らねぇよ」

浜面「視聴しまくってんだよ!! この前なんか女の子4人の携帯に一斉にバニーガールの動画送信しちまったんだからな!!」

トール「お、おう……。そりゃ気の毒だな……」

浜面「俺の人生終わったかと思ったよ!! どうだ、気持ち悪いだろ!?」

オティヌス「ああ、最高に気持ち悪い。虫酸が走る」

マリアン「もうこっち見んなよ」

滝壺「ここまで気持ち悪いと応援できない……」

浜面「あははははははへへへへへへ!!!」

トール「なんか俺、アンタの事応援したくなってきたぜ。今までずっと辛かったんじゃねぇのか?」

浜面「この状況見りゃわかんだろ!? 俺は『アイテム』の女の子全員からこう思われてる。バニーガール好きのパシリってな」

トール「アンタ不器用だな。きっとこうやって損ばっかして生きてきたんだろ? ちょっと躓いただけで地雷地帯に転がっちゃうみたいによー」

浜面「まあ、でもそこで得られたモノもあったんだ……うん」

トール「ほら、落ち込むなよ。今度一緒に飲みに行こうぜ。そこでアンタの不満じっくり聞いてやるからよ」

浜面「はい……」グスッ

マリアン「なんか上司と部下みたいになってるぞ」

トール「アンタ、名前は?」

浜面「はまづらしあげ」

トール「じゃあ浜面ちゃんだな。よろしく」

浜面「ああ、よろしく……」

トール「ところで浜面ちゃん」

浜面「なんだ?」

トール「俺男なのに、どうしてバニーガール着せようと思ったんだ?」

浜面「……、やっぱり男なのか?」

トール「そらそうよ」

浜面「いや、てっきり俺っ娘ケンカ好き属性持ちの女の子かと」

トール「どんな女だよ」

浜面「まあ、バニーガールの下りの所から若干怪しんではいたよ」

トール「いやでもよ、俺って実は女の子に変身できちゃうんだぜ?」

浜面「女装って事か?」

トール「そんな小規模なモンじゃないぜ。 容姿とか声質とか体型とか、まんまコピーして変身できる」

浜面「そいつはすげぇな。『肉体変化』みたいなモンかよ」

トール「少し違う気がするな。『そっち』の事は専門外だから詳しくねぇがよ」

浜面「ん? という事はつまりアレか? そいつは特定の誰かに変身できるって事だよな?」

トール「ああ、女に限ってな」

浜面「じゃあ好きな女の子に変身して体とか触りまくれるじゃん!!」

トール「でも自分の体だぜ? やったとしたって萎えちまうよ」

浜面「アンタじゃねぇ。俺だよ俺!」

トール「あん?」

浜面「わからねぇか? 俺がアンタを触るんだよ。例えばアンタが、そこにいる眼帯つけてる金髪の姉ちゃんに変身すりゃあ、それはつまり、一時的にそいつと同じ体になるって事だよな?」

トール「そうだな」

浜面「じゃあ俺が変身したアンタのおっぱいを触れば、それはつまり、そこの姉ちゃんのおっぱいを触るのと同じ感触を味わえるって事だよな?」

トール「ほう……」

浜面「つまりつまり、アンタはオナホみたいな存在って事だな」

トール「殴るぞ」

浜面「いやごめんごめん。今のは冗談だよ。ジャパニーズジョークだよ」

トール「そうかよ」

浜面「でも良かったじゃねぇか。これでアンタの技の応用範囲が広がったぞ」

トール「いつ応用すんだよ」

浜面「俺が使いたいとき」

トール「フンッ!」

浜面「ごへえっ!?」バコッ!

マリアン「あーあー、日本の学生はバカばっかなんだねー」

滝壺「はまづらみたいな一部の人だけだよ」

オティヌス「どちらにしろ、下らない事に変わりはないな」

今回はここまでにしておきます

トール「アンタ絶対に毎日痛めつけられてるだろ?」

浜面「はい…。タマキン蹴られたり、顎を外されそうになったり、そりゃ色々と」

トール「じゃあ次からは余計な事を言わないように心掛けろよ? じゃないとマジに死んじまうぜ」

浜面「肝に命じておきます……」

滝壺「それではまづら、結局バニーガールの件はどうするの?」

浜面「あー、どうしようかな…」

トール「いやいや、俺は着ないからな!」

オティヌス「無論私もだ」

マリアン「という訳でもう帰ってね」

浜面「ハァ……。結局俺の願いは叶いずじまいかぁ……」

滝壺「仕方ないよ。今を受け入れて生きていこう」

浜面「3期ほしいなー」

滝壺「わがまま言わない」

浜面「せめてよー、ロシア編までアニメ化してくれりゃ文句ないのにさぁ」

滝壺「気持ちはわかるよ」

浜面「ていうか、ロシア編どころか新約だって何だかんだ言って面白いだろうが。まだ需要とかあるだろ。ストックだって溜まりに溜まってるのに…。それなのに何を考えてんだ、あの無能スタッフは」

滝壺「そう怒らないで」

浜面「あーあー! 禁書3期アニメ化しないかなーーーーー」

滝壺「しないよ」

浜面「してほしーなーーーーー」

滝壺「子どもみたいな事言わないの」

オティヌス&トール&マリアン「……」

トール「まあ、さっきはアンタ達の意見を否定したけど、俺だって『新約』のアニメ化に期待してないかって言うと嘘になる」

マリアン「私だってアニメで是非とも活躍したいね」

オティヌス「『新約』がアニメ化すれば、グレムリンの正規メンバーの殆どが登場するはずだろうしな」

トール「尺を考慮すると『新約』の1期は6巻までが妥当かね」

浜面「6巻って言ったら色んな怪物が学園都市に集うトンデモ構成だったよな」

トール「科学と魔術がより一層交差してたな」

オティヌス「『幻想殺し』、『超能力者(レベル5)』、『聖人』、『グレムリン』、その他大勢によって『フロイライン=クロイトゥーネ』を中心に群像劇を繰り広げていたな」

マリアン「アニメ化しなきゃ勿体ないね」

浜面「……でも、アニメ化はされないんだよなぁ……」

一同「……」

オティヌス「……よし、わかった」

浜面「わかったって……なにを?」

オティヌス「今からこの世界を破壊する」

一同「は?」

オティヌス「そして、アニメ3期が放送された世界を創造する」

トール「そんな事ができんのか!?」

オティヌス「できる。私は魔神だぞ」

マリアン「やっぱり魔神の持つ力は計り知れないね」

滝壺「どうして今までそれを思い付かなかったの?」

オティヌス「考慮には入れていたさ。だが『あいつ』が望むこの世界を軽々しく破壊するのは果たして本当に最善の選択なのか疑問に思っていてな」

トール「アンタも随分と丸くなったな」

オティヌス「かもしれない。……だがもう決意したぞ。アニメ3期が製作されないこの不完全な世界を破壊し、もっと完全な世界を構築する」

トール「いいぞやっちまえ!」

マリアン「そこに倒れてる『神の右席』らも喜ぶんじゃない?」

オティヌス「それでは始めるぞ」

浜面「ちょ、ちょっと待てよ!」

オティヌス「どうした?」

浜面「アンタ、もしかして今からこの世界を破壊するつもりなのか?」

オティヌス「安心しろ。『破壊』というよりは『塗装』に近い。この『世界』という名のキャンパスに染みがあったから、ほんの少し絵の具で塗り潰すだけだ。お前やお前の仲間達が消える訳じゃない」

浜面「……でも、だけど、それってつまり、1度は皆を殺すって事じゃねぇのか?」

オティヌス「言っただろう。殺しはしない。この世界に必要な物を付け加えるだけだ。その影響で誰かが不幸になる事は決してない」

浜面「……それでも、会ったばかりの野郎に預けられるほど、俺達の人生は軽くなんかないんだよ! それが滝壺や『アイテム』の皆の人生なら尚更だ!」

滝壺「はまづら……」

トール「浜面ちゃんよ、アンタあれだけ3期が欲しいだの言ってた癖に、ここに来て諦めちまうのか? 手を伸ばせば届くのに?」

マリアン「所詮こいつが渇望してた物ってのは、こいつにとってはリスクを背負う事にも臆しちまうような、ちっぽけな物だったんだろうさ」

オティヌス「なんだ、その程度か人間」

浜面「アンタ達の土俵で決め付けんなよ。アンタ達にとっては、人の命や人生なんて物は賭けに出せるような小さな代物なのかもしれねぇ。もしかしたら、ずっとそんな決断を迫られるような環境で生きてきたのかもしれねぇ。そんなアンタ達にとっては、簡単な決断も下せない俺は半端者に見えるだろうな」

浜面「だがな、それでもこいつは俺が歩んできた人生だ! 俺が悩んで、決断して、必死にもがき続けた末に手に入れたモンなんだ! アンタ達にとってはちっぽけなモンかもしれねぇけど、俺にとっては自分が必死で生きてきたっていう確かな証なんだ! 端っから簡単に天秤にかけられるようなモンじゃねぇんだよ!!」

オティヌス「馬鹿を言うな。私だって人の人生の価値くらい計り知れる」

浜面「だったらアンタ達の常識をこっちに押し付けてくんじゃねぇ! こっちは大事なモン背負ってんだよ!」

トール「その大事なモンってのは、そこにいる女の子の事かい?」

浜面「ああ、こいつは泥にまみれた人生の中で、唯一手に入れた俺の宝物だ。だからこいつだけは、滝壺の人生だけは絶対に傷付けさせねぇ。こいつは俺の誇りなんだからよ」

滝壺「はまづら……」

浜面「ごめん滝壺。さっきから勝手な事ばっか言っちまって」

滝壺「ううん。私は見守ってるって約束したから。それに、そんな格好いいはまづらを私は応援してる」

浜面「ッ! 滝壺……」

オティヌス「参ったな…。これだけ格好をつけられてしまっては、引き下がるしかないじゃないか」

トール「やるな浜面ちゃん。魔神を説得するなんて大したモンだぜ」

マリアン「見直したよ」

浜面「い、いやー…。彼氏として当然の事をしたまでだぜ」

オティヌス「おい、お前。『はまづら』と言ったか?」

浜面「ああ、うん」

オティヌス「お前のそいつに対する熱い想いは伝わった。自分の欲していた物を女の為に捨てるとは、中々格好いい男じゃないか」

浜面「これでも、俺は滝壺の彼氏なんでね」

滝壺「はまづらカッコいい」

オティヌス「それでは、私も槍を使うのは中止にしよう。お前の人生に免じてな」

浜面「ああ、物分かりが良くて助かったよ」

オティヌス「それにしても実に惜しいな」

浜面「なにが?」

オティヌス「もしもアニメ3期が放送された世界を受け入れていれば、お前達の知名度も今より上がっていただろうに」

浜面「まあ、正直信用できるような要素がどこにも無いからな……」

オティヌス「そうか。しかしだな、知名度が上がれば自然と需要も上がるんだ。そうなればお前の女の抱き枕なんて販売していてもおかしくはないんだがなぁ……」

浜面「……、今何て言った?」

オティヌス「そこの女の抱き枕が販売していてもおかしくはないと言ったのだ。もしかしたらバニーガール姿の抱き枕とかあったかもな。実に惜しいなー」

浜面「今すぐその世界を創るんだ!! 早く!!」

滝壺「は、はまづら!?」

トール「おい、アンタの人生論はどうしたよ?」

浜面「あ? 俺の人生? そこら辺のドブにでも捨てとけよ」

マリアン「うーわあ……」

滝壺「はまづら、ちょっと説明して」

浜面「説明もクソもあるかよ! ずっとお前のバニー姿が見たかったんだ! バニーガールのお前を抱いて寝るのが夢だったんだよ!! それだけだァ!」

滝壺「むっ。私よりも綿を詰め込んだ枕を選ぶなんて、はまづらなんか知らない!」

浜面「おい、眼帯のパツキン姉ちゃん! 早くやってくれよ!」

オティヌス「お前テンション上がると急に馴れ馴れしくなるな」

浜面「どうでもいいから早く!!」

オティヌス「ええいせかすな! どれだけバニーガールが見たいんだ。この変態め」

浜面「俺は男らしく欲望に忠実なだけだ」

マリアン「最低かこいつ……」

オティヌス「しかしなんだ、お前のその態度に煽動した私が言うのもなんだがな、お前手のひら返し過ぎやしないか?」

浜面「良いんだよ。性欲は何よりも優先されるぜ」

トール「やれやれ。こりゃ左方のテッラの『光の処刑』だって敵わねぇな」

マリアン「ていうか、今純粋にアニメ3期の次に来る新約のアニメが楽しみなんだけど」

トール「それは俺も同じだ。また上条ちゃんを叩きのめすの楽しみだぜ」

マリアン「ベルシと私のとこの下りは力入れてくれよ、スタッフ」

浜面「ほらほら早くやれ! じゃないとマントに手を突っ込んでケツ揉みまくるぞ!」

オティヌス「やめんか!! 人間ごときが魔神に対して無礼だとは思わんのか!?」

浜面「俺にとっちゃもう魔神なんて『バニーガール』の足元にも及ばない」

オティヌス「あーくそ! こいつといるとイライラする。終わったら『あいつ』の所に遊びに行こう」

浜面「ほらほら、モタモタすんなよ露出狂」

オティヌス「準備は整ったが、必ず後で殺してやる」

浜面「こいこいこいこいこーーい!!!」

オティヌス「ちちんぷいぷい世界よ終われ♪」


宣言通りだった

直後に、全てが壊れ

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オティヌス「……」

オティヌス「静かになったな」

???「……」スタスタ

オティヌス「ん? あ、お前は」

上条「……」

オティヌス「よう『理解者』。また会ったな」

上条「不幸だ……」

オティヌス「そうだ、トランプで遊ばんか? お勧めは『大富豪』だ」

上条「ふざけんな! インデックスと素麺食ってたら世界終わっちまったよ! 軽々しく滅亡するとかどうかしてんじゃねぇのかこの世界!!」

オティヌス「安心しろ。ちゃんと元いた場所へ帰してやる」

上条「じゃあなんの為に世界を壊したんだよ?」

オティヌス「いや、ちょいとアニメ3期が放送された世界を創造してみたくなってな」

上条「アニメ3期だと……?」

オティヌス「ああ、禁書のアニメ3期だ。不満か?」

上条「いや、全然不満じゃないけど。むしろ嬉しいかもな」

オティヌス「ちなみに3期は3クールでロシアまでぶっ続けでやるぞ」

上条「お、おう…。ありがと」

オティヌス「ちなみにその3期終了後にへヴィーオブジェクトの放送が決定されているが、それは新約1巻冒頭で浜面が映画館で『HO』を見ている描写があるので、そのパートをアニメ化するにあたっての布石だったりする。もちろん商法的な見込みがあって放送されるものだがな」

上条「おぉ、なんか細かい所までどうも」

オティヌス「あと新約の1期は6巻までだから、お前がトールに惨敗する所で終了だな」

上条「まあ、丁度良いんじゃないか?」

オティヌス「ああ、新約の2期ではお前の挽回が始まる訳だしな」

上条「えっ、もしかして新約の2期の放送も確定してる感じ?」

オティヌス「当然だ。私とお前が最も輝く所だぞ。アニメ化しないなんて損しかない」

上条「なんか、ご苦労さん」

オティヌス「おう、朝飯前だ。それより相談があるのだが」

上条「相談?」

オティヌス「ああ、新約の2期の終わらせ所だがな、新約10巻で綺麗に締めるか、それとも新約13巻の『理想送り』登場で次の戦いを予感させて締めるか、どちらがいい?」

上条「うーん…。どっちだって良いんじゃないか? だって新約10巻だって最後は学園都市の統括理事長が魔神達に対して魔法名を名乗って終わりっぽいし」

オティヌス「そうか、なら13巻で区切ろうか」

上条「お前の好きにしろよ。まあ、とにかくお前が悪事を企んでないようで安心したよ。アニメ3期が放送された世界なだけなんだろ?」

オティヌス「ああ、それと浜面の彼女がバニーガール姿で抱き枕になって販売されている世界だ」

上条「なんでそんなピンポイントなんだよ……」

オティヌス「浜面に頼まれた。言っておくがバニーガールはヤツの趣味だ。私じゃないぞ」

上条「わかってるよ、それくらい」

オティヌス「まっ、慌てて創造することもない。少しここでくつろぐのも良いだろう」

上条「なんにもないけどな……」

オティヌス「トランプだけならあるぞ。『大富豪』やるか?」

上条「はぁ……、それしかないならやるっきゃねぇだろ」

オティヌス「よし、そうこなくては」

上条「お手柔らかに頼むぜ。俺って不幸だしさ」

オティヌス「……」

上条「……」

オティヌス「浜面をバニーガールの格好させた世界にしてやろうかな」

上条「やめてやれ。その幻想は俺にもぶち殺せる自信がない」



終わりです。ここまで読んでくれてありがとうごさいました

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