スーパー


おとさん「つむぎは今日何食べたい？」

つむぎ「いか！！　いかの王冠食べたい！！」

おとさん「王冠かぁ……王冠と何食べたい？」

つむぎ「んっとね！　王冠とね！　王冠と里芋のやつ食べたい！！」

おとさん「お、いいね。じゃあ――」

よつば「とーちゃん！　肉が安い！！　これ98円だって！　お買い得ってやつだよ！！」

とーちゃん「100?98円な。そもそもお前相場わかんねーだろ」

よつば「そんなことない！　今日の新聞の広告でのってた！」

とーちゃん「たぶんそれはあっちの奴」

よつば「……」

よつば「はー？」

とーちゃん「聞こえないふりしやがってこいつ……」

ﾁﾗｯ

おとさん「（緑色の髪の子……つむぎと同じくらいかな）」

おとさん「（なんだか楽しそう）」

つむぎ「おとさん！　お菓子かって！　マジガルの！！」
ﾃﾃﾃｯ
おとさん「あ、つむぎ、ちゃんと手をつないで……」

ﾁﾗｯ

とーちゃん「（なっげー髪の子だ……）」

とーちゃん「（よつばとおなじくらいか）」

よつば「とーちゃん！　今日あれな！　刺身の気分な！！」

とーちゃん「ハンバーグだっつってんだろ」

　数日後、公園


よつば「今日はぶらんこおにこみをします」

とーちゃん「ぶらんこおにこみ？」

よつば「ブランコに乗ります」

とーちゃん「ブランコに乗る」

よつば「漕ぎます」
ｷﾞｯｺｷﾞｯｺ
とーちゃん「漕ぐ」
ｷﾞｯｺｷﾞｯｺ

よつば「いきおいついてきた！」
ｷﾞｰｺｰｷﾞｰｺｰ
とーちゃん「おお、早いな」
ｷﾞｯｺｷﾞｯｺ
よつば「あははははは！！　はえー！！　あははははは！！」

とーちゃん「そんなに楽しいかお前……」

とーちゃん「で、ぶらんこおにこみってなんだ」

よつば「……」

よつば「なんだそれ？　あたらしいあそびか？」

とーちゃん「こいつ……」

おとさん「あ……」

おとさん「（この前の緑の髪の子だ）」

つむぎ「おとさん！　あのこつむぎとおなじくらいだよね？」

おとさん「うん、そうだね。話しかけてみたら？」

つむぎ「うん！！」

よつば「あっはははははは！！ひぃっひひひひひ！！」
ｷﾞｰｺｰｷﾞｰｺｰ
とーちゃん「お前それどんだけ楽しいんだちょっととーちゃんも興味出てきたぞ」
ｷﾞｯｺｷﾞｯｺ

つむぎ「あの！！」

よつば「へあ？」

とーちゃん「ん？あ」

とーちゃん「（この前の長い髪の子だ）」

つむぎ「あのね！　つむぎっていうの！　あなたは！？」

よつば「よつばはよつばだよ？」

つむぎ「へ？」

とーちゃん「ごめんね、コイツ……よつばバカだから」

つむぎ「おとさーん！！　はなしかけたよー！！！」

おとさん「うん、偉いねつむぎ」

おとさん「いきなりすいません。この辺りにつむぎ……うちの子と年の近そうな子があんまりいなさそうなので、もしよろしければと思って」

とーちゃん「え？　あぁいえそんな。よつば……うちのもそんな感じです」

よつば「？　よつばはえなとかみうらとかふーかとかかーちゃんとかとあそんでるよ？」

とーちゃん「お前と年が近い子じゃないだろ」

　数分後

ｷｬｲｷｬｲ
とーちゃん「話しかけてくれてありがとうございます。あいつ本当に年の近い友達がいないんですよ」

おとさん「え、あ……そんなお気になさらず。申し遅れました。私『犬塚』と申します」

とーちゃん「『小岩井』です。よろしくお願いします」

よつば「とーちゃんにあわねー！！」

とーちゃん「うるさい」

つむぎ「おとさんはいつもそんなかんじだよね」

おとさん「はは……」