モバP「凛っていい匂いするよな」 (37)

凛「」ススッ

P「無言で距離をとるなよ」

凛「えぇ……だって半分セクハラだよ、今の」

P「そうかもしれんが……ほら、俺と凛の仲じゃないか」

凛「親しき仲にも礼儀ありって、学校で習わなかった?」

P「うっ……まさか高校生にそんなことを言われるとは」

凛「プロデューサーって、絶対授業とか真面目に聞いてなかったタイプだよね」

P「失礼な。凛こそあれだ、気が乗らない時は屋上でサボ凛してるタイプだろ」

凛「うちの学校屋上開いてないし」

P「じゃあ開いてたらサボ凛するのか」

凛「しないよ。不良じゃん、それ」

P「そうか。意外と真面目なマジ凛だったんだな」

凛「人の名前で遊ぶのやめてくれる?」

P「かわりに凛は俺の名前で遊んでもいいぞ」

凛「ふーん」


凛「エロデューサー」

P「ひねりのない直球すぎるだろ。もう少しブレーキングボールにしよう」

凛「アイアムファストボールオンリー、オーケー?」

P「やっぱり授業真面目に受けてないだろ」


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P「わかった。ならこうしよう」

P「こういうのは互いにフェアなら問題ない。だから凛が俺の匂いを嗅げば解決だ」

凛「私が……プロデューサーの……匂いを?」

P「ああ」

凛「………」




凛「やだよ絶対臭いよセクハラだよ」

P「失礼な! ちゃんと香水を使ってるぞ」

凛「だったら香水の匂い嗅ぐからいいよ。いちいちプロデューサーを経由する必要ないし」

P「それじゃ本末転倒じゃないか」

ガチャリ


ありす「おはようございます」

凛「あ、ちょうどよかった。ありす、私のかわりに嗅いでくれない?」

ありす「……はい?」




ありす「はあ。Pさんの匂いを、ですか」

ありす「しかし、くだらないことで言い争いしてるんですね。お二人とも」

P「ぐさっ」

凛「胸に刺さる……」

P「薄いのに?」

凛「プロデューサーは頭が薄いよね」

P「貴様触れてはならんことを」

ありす「言ってるそばからこれですか……」

ありす「嗅いでもいいですけど、少しだけですよ」

P「ありすは素直でいい子だなあ」

凛「私も素直に拒絶してるだけなんだけど」

ありす「………」クンクン

P「どうだ? 別に臭くないだろう?」

ありす「………」チョイチョイ

凛「ん? どうしたの、手招きして」





ありす「なんだか香水の匂いが強すぎるような気が」ヒソヒソ

凛「ああ、それってあれじゃない? 体臭をごまかすためについつい香水をつけすぎちゃう感じ」ヒソヒソ

ありす「なるほど。そうなるとPさんのもともとの匂いは……あっ」ヒソヒソ

凛「きっと香水で隠してる下には………」ヒソヒソ


P「ひそひそ話で陰口叩くのやめてくれ。傷つく」

凛「陰口じゃないよ。本人から見える範囲で言ってるから」

P「小学生の言い訳か!」

ガチャリ


泉「おはようございます……なにしてるの?」

P「凛にいじめられてる」

凛「プロデューサーにセクハラされてる」

泉「……よくわからないけど、いつものように馬鹿をやっていることだけは把握しました」

泉「ふむふむ」カタカタ

泉「プログラミングの結果、今回はプロデューサーに非があるという結論が出たわ」

凛「勝訴」

P「ばんなそかな」

ありす「(何をプログラミングしたんだろう)」

凛「理論派な泉の意見は参考になるね」

泉「それほどでも」

泉「でも……凛さんは、プロデューサー相手だとなんだか子どもっぽくなりますね」

ありす「それは私も思っていました」

凛「ん……まあ、プロデューサーが小学生レベルだから、それに合わせちゃうというか」

P「それはもしかして、俺のことが好きだということか?」

凛「ほら、すぐこうやって冗談言う人だし」

泉「なるほど」

ありす「凛さんも大変ですね」

P「凛の評価と引き換えに、俺の評価がどんどん下がっている気がする」

凛「みかんあるけど、食べる?」

ありす「いただきます」

泉「私も」

凛「はい、どうぞ」

ありす「冬はこたつでみかんという風習がありますが、なぜなんでしょう」

泉「さあ……はっきりとした理由は明らかになっていないようだけど」

凛「昔からのお決まりなんだろうね。それが今までずっと文化として続いてる感じ」

泉「単なるロジック以上のものがありそう……それはそうと、凛さん皮剥くの上手ですね」

ありす「片手でスムーズに剥いてます」

凛「ん、そうかな。慣れれば普通だと思うけど」


P「………ふむ」

P「なんだか、こうして見てると仲良し三姉妹みたいだな」

凛「三?」

泉「姉妹?」

ありす「ですか?」

P「うん。雰囲気も似てるしな」

P「ありすが末っ子で、泉が上のお姉さんだ」

凛「ちょっと待って。学年的に私が長女のはずなんだけど」

P「泉のほうが頭もスタイルもいいし」

凛「む……それを言われると否定できない」

泉「そ、そんなことは……」

ありす「泉さんって、夏場は制服の胸元をかなり開いてますよね」

凛「自分のスタイルに自信があるんだろうね」

泉「あ、あれは違うの! 友達にそうしたほうがいいよって言われてなんとなくしただけで、あとは涼しいのも事実だったし」

凛「羨ましいね。泉お姉ちゃんは」

ありす「まったくです」

泉「な、なぜ冷たい視線を向けるんです……」

泉「そ、そうよ。間をとってありすちゃんを長女にすればいいんです!」

ありす「えっ」

凛「なるほど」

凛「ありすお姉ちゃん」

泉「ありす姉さん」

ありす「お、お姉ちゃん……悪くない響きかも」テレリ

凛「お姉ちゃん」

ありす「はいはい、なんでしょう」ニコニコ

凛「ジュース買ってきて」

泉「私ポテトチップスで」

ありす「お姉ちゃんパシリにされてませんか?」

P「お前達、本当に息ぴったりだな。漫才トリオみたいだ」

ありす「むむ……こうなれば」

ありす「P、お姉ちゃんからの命令です。ジュースとポテチを買ってきなさい」

P「あれ? 俺弟にされてる?」

ありす「この際近くにいる人も巻き込んでいきます」

凛「プロデューサーが末っ子の弟か」

泉「年齢逆転ゲームってところかしら」

P「俺が末っ子……待てよ」

P「ということは、お姉ちゃんに甘えても当然ってことだよな」

P「凛おねーちゃん、甘えさせてくれ」

凛「私やらないよ。泉お姉ちゃんやりなよ」

泉「私やらないよ。ありす姉さんやって」

P「押しつけ合うのやめろよ。なんか悲しくなるだろ、弟嫌われすぎだろ」

ありす「弟だからダメなんじゃないですか? 同性の妹なら」

P「妹?」

凛「じゃあP子だね」

P「お黙りなさい!」

泉「モノマネうまい……」

P「で、結局弟の俺はお姉ちゃんにスルーされる定めなのか」

凛「私は甘やかさないよ」

泉「私も」

ありす「………」

ありす「(正直、いつもなでなでされているぶん、Pさんを思い切り甘やかしたいかも……)」ソワソワ

凛「………」チラ

凛「まあ、一番うえのありすお姉ちゃんに頼めばいいんじゃない?」

泉「そうね。ありす姉さんにお願いすれば?」

ありす「えっ……」

ありす「(こ、これは……二人が私を気遣って出したパス!)」

P「ありす?」

ありす「し、仕方ないですね。ここは私が弟の願いを叶えてあげます」

P「え、いいのか? 軽い冗談のつもりだったんだが」

ありす「いいから来てください。ほら、膝が空いています」ポンポン

P「わ、わかった」

凛「さて。私達はコンビニに行こうか」

泉「ジュースとポテチ買わないと」


ガチャ、バタン


ありす「(ありがとうございます、姉さんたち)」

ありす「ほら、弟くん。お姉さんが膝枕をしてあげます。ついでに耳掃除もしましょう」

P「な、なんか本格的だな……せっかくだし、頼もうかな」

ありす「ふふっ♪」

IN コンビニ


凛「ありすは恥ずかしがり屋だから、お膳立てしてあげないとなかなか動けないんだよね」

泉「ですね。プロデューサーのこと大好きなの、バレバレなのに」

凛「今頃、耳掃除でもしてるんじゃないかな……今日はコーラにしよう」

泉「ポテチ、ポテチ……うーん。どの味にしよう……」

凛「うすしおにしたら?」

泉「どうしてですか?」

凛「プロデューサーが好きじゃない味だから。つまみ食いされなくなるよ」

泉「なるほど。それはいいですね」ニヤリ

泉「でも、プロデューサーも仕事中は真面目なのに……どうしてあんなに子供っぽいんだろう」

凛「少年の心を失わないことが、若いアイドルと接するプロデューサーという職業に必要なんだってさ」

凛「若い目線から見ることで、大人が気づきにくい点を知りやすくなるって」

泉「……なるほど。意外と考えているんですね」

凛「ま、全部建前だろうけどね。ニヤニヤしながら言ってたし」

泉「……感心して損しました」ハア

凛「あ、そうだ。チョコレート買っておこう」

泉「凛さんはチョコレート好きですね」

凛「うん。でもこれはプロデューサー用だよ」

泉「頼まれてたんですか?」

凛「ううん。けど多分、そろそろ甘い物食べたい気分になってそうだから」

凛「帰ってから言われるより、今買っておいたほうがいいでしょ」

泉「ふうん……」

凛「なに?」

泉「いえ。プロデューサーのこと、よくわかってるんだな、と」

凛「それはまあ、事務所のアイドルの中だと一番あの人と付き合い長いし……なにその顔」

泉「いえいえ」

泉「お似合いだと思いますよ、凛姉さん♪」

凛「ね、姉さんって。さっきまで私のほうが妹って設定だったでしょ」

泉「年齢逆転タイムは終了です」

泉「ほら、行きましょう姉さん。ありすちゃんにも何か買っておかないと」スタスタ

凛「姉さん、か……まあ、悪くないかな」フッ

凛「ただいま」

泉「今戻りました……あれ?」



P「zzz」グッスリ

ありす「耳掃除をしているうちに眠ってしまって……そろそろ膝が疲れてきました」

泉「熟睡ね……」

凛「なんだかんだ、いっぱい仕事してるから。疲れてたんだろうね」

ありす「どうしましょうか。膝がしんどいのですが、起こすのも悪いような」

凛「いいんだよ。起こして」


凛「ほらプロデューサー、ちょっとだけ起きなよ」ペシペシ

P「……ん? りん……?」

凛「寝るんなら仮眠室使いなよ。ほら、立って」

P「あぁ……わかった」ウトウト

凛「なんか危なっかしいから私が連れて行ってあげる」

P「おー……ありがとう」ヨロヨロ

泉「………」

ありす「………」

泉・ありす「……お母さん?」

ありす「凛さんって……えっと、あれです。姉御肌なところありますよね」

泉「だね」

泉「あ、そうそう。イチゴのエクレア買ってきたけど、食べる?」

ありす「いただきます」

泉「即答ね……はい、どうぞ」

ありす「……あの、泉さん」

泉「なに?」

ありす「私でも、プログラミングってできますか」

泉「プログラミング? そうね……ダンスや歌と同じで、練習すれば誰でもできるようになるわ」

泉「ある程度は、だけど」

ありす「そうですか」

泉「興味があるの?」

ありす「……泉さんがいろいろやっているのを見ていると、少しだけ」

泉「ふふ、そう。なら少し触ってみる? お姉さんが教えてあげるわ」

ありす「……はい。お願いします、泉お姉さん」

泉「わかったわ。下の兄弟は大事にしないとね」フフッ

凛「ただいま――」



ありす「えっと、これをこうして……あ、画面が」

泉「『Hello, World!』。うん、ちゃんとできたわね」

泉「えらいえらい」ナデナデ

ありす「あ、ありがとうございます……」



凛「………」

凛「よくわからないけど、私も撫でておいたほうがいい?」

泉「ぜひどうぞ」

ありす「なっ……ちょっと、私の頭はおもちゃじゃ」

凛「なでなで」

ありす「あうぅ……」

泉「ふふっ♪」



おしまい

プログラミングの結果 X
シュミレートの結果 ○

終わりです。お付き合いいただきありがとうございます
正統進化系と言われてるわりにはありすと泉が絡むSSってあまり多くないような、そんなこともないような

微デレなしぶりんのSS(過去作宣伝)
モバP「今日もよく頑張ったな」ナデナデ 渋谷凛「こ、子ども扱いしないでよ」アセアセ(モバP「今日もよく頑張ったな」ナデナデ 渋谷凛「こ、子ども扱いしないでよ」アセアセ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446556160/))
渋谷凛「クリスマスプレゼントの定番って、なんだと思う?」(渋谷凛「クリスマスプレゼントの定番って、なんだと思う?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449047883/))

ありすの進化系の表見て思ったんですが、あれだけルートが多いとイーブイじゃなくて希望皇ホープじゃないと足りなくないですか

>>25
確かにそちらの方が適切ですね、ありがとうございます

というわけで>>8の訂正

>泉「プログラミングの結果、今回はプロデューサーに非があるという結論が出たわ」
から
泉「シミュレーションの結果、今回はプロデューサーに非があるという結論が出たわ」
に直しておきます

また間違えてしまった…

>>8の訂正
泉「ふむふむ」カタカタ

泉「シミュレーションの結果、今回はプロデューサーに非があるという結論が出たわ」

凛「勝訴」

P「ばんなそかな」

ありす「(何をシミュレートしたんだろう)」

凛「理論派な泉の意見は参考になるね」

泉「それほどでも」

泉「でも……凛さんは、プロデューサー相手だとなんだか子どもっぽくなりますね」

ありす「それは私も思っていました」

凛「ん……まあ、プロデューサーが小学生レベルだから、それに合わせちゃうというか」

P「それはもしかして、俺のことが好きだということか?」

凛「ほら、すぐこうやって冗談言う人だし」

泉「なるほど」

ありす「凛さんも大変ですね」

P「凛の評価と引き換えに、俺の評価がどんどん下がっている気がする」

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