【艦これ】時過ぎて、戦後の日々 (86)

艦隊これくしょん のSSとなります。
戦後の艦娘たちの日々を個人的に妄想して、それを少しずつ形にできたら幸いです。

あと、徹底的に個人の趣味と妄想と欲望に忠実ですので、
「この配役ねーわ」
とかもあるかもしれません。ついでに、
「口調ちげえ」
とかもあるかもしれません。

それらは大体、>>1が持ってないかあまり運用してない子、もしくは妄想で脳内設定固めてる子、もしくはゴルゴムか乾巧の仕業です。

それでもいいという方のみ、下スクロールをお願いします。
基本不定期更新になり、全艦娘かけるかなんてわかりませんし未来まっくろくろすけですが、よろしければお付き合いください


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449334551

忘れてた、酉付けます

『拝啓 蝉の声に暑さを覚える今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。』

『………などと、堅苦しい書き始めはやはりまだ向いていないようです。乱文、お許しください。』

『皆さまお忙しいところかと思われますが、ふと思うところありこうして筆を執らせていただきました。』

『忘れ得ぬことです。』

『終戦から、もう5年が経ちました。』

『あの戦争が集結し、艦娘という存在の意味が薄れ、私たちは選択を迫られました。』

『全ての武装を置き、火砲の硝煙も主機の轟音もない世界で、『人間』として生きるか』

『己が存在と矜持をそのままに、いまだ残る火種から故国を守る防人となるか』

『それは、あまりに唐突で重すぎる選択だったことを今でも覚えています。』

『だからこそみんな迷い、悩み、それでも決断を下したんだと思います。』

『そしてその結果として、それぞれの選んだ場所で、選んだ道で、今を歩んでいるかと思います。』

『申し遅れましたが私は、今――――――――――――――――』

某所 市街地


雷「暑い………あっついあっついあっつい!!」

響「やめてよ………余計に暑く感じるじゃないか」

電「でも、本当に陽ざしがキツイのです………でも、寄り道したら遅刻しちゃいますよ?」

響「そもそも、登下校中の寄り道は一応校則違反だからね」

雷「うう………けど、流石に喉が渇いて………」

電「この先に自販機があったのです。そこで休憩しましょう」

雷「そうね、そうしましょう。流石に耐えられないわよ、こんなの。………以前はこんな暑さ、全然苦でもなかったのに」

響「………そうだね」

電「ずっと、艤装に守られてたんだなぁって………今になって凄くわかるのです」

響「それでも………私は、今は幸せだよ」

電「響ちゃん………」

響「まだ戦争が続いていたなら………こうして、第六駆逐隊の、軍の制服じゃなくて………『普通』の学校の制服を着て、『普通』の学生として生活できるなんて、ありえなかったんだから」

雷「………そうね。それは確かにそう」

響「それに、こういう日々じゃなければ、こんな子供っぽい雷も見れなかっただろうしね」

雷「んなぁ!?」

電「あ、あはは………確かに、なんだか暁ちゃんっぽいのです」

雷「う………ぐぐぐ………いや、あの………これは、張りつめていた糸が切れたというか、その………ね?」

響「言いたいことはわかるよ。けどまさか、あの頃は暁の役目だったわがままポジションが雷になるなんてね」

雷「く、屈辱だわ………」

電「あ、暁ちゃんが聞いたら怒ると思うのです………」

響「………その暁は、まさかまさかではあったけどね」

雷「あー………それは確かにね」

響「さっきの例えじゃないけど、言うならば逆に、糸がさらに張り詰めたって感じかな」

電「最初のその話を聞いたときにはびっくりしたのです………けど」

雷「ええ。暁が本気で考えて、本気で悩んで、その上で出した本気の答えなんだから。それに何一つおかしなことも恥じ入ることもない、素敵な道じゃない」

響「もっと言えば、正直な話私はあの道を選ぶ子はそんなに多くないと思ってたんだ。特に、私たち駆逐艦は」

雷「私たちは『元』駆逐艦でしょ。それでも、繋がりが切れたなんてありえないけど」

電「時々くる手紙でも、大変だ大変だって言ってても………凄く、充実してるみたいなのです」

雷「この前久々に会った時なんか、流石にびっくりしたわよ。本当にあの暁なのか、ちょっと数秒考えちゃった」

響「その後怒られてたよね」

雷「うん。けど、それで『ああ、やっぱり暁だ』って安心できたのも変なな話だけど」

雷「今頃は、もうお仕事でしょうか」

響「学生の私たちが登校時間なんだ、間違いないだろうね………と。そうだ、話し込んでたらこんな時間に………」

雷「あー!!!ちょ、ちょっとこのままだと遅刻じゃない!!ええい、ジュース買うだけ買って走るわよ!!飲むのは走りながら!!」

電「は、はわわ!?それは危ないのです!!」

響「すでに前提の時点で炭酸飲料が禁止になったね」

雷「早く早く!!こんなのばれたら、暁に笑われちゃうわ!!」

響「………………………」




響(暁。私たちはこんな騒がしい日々ばっかり送ってるけど………暁は、どうだい?)




響「きっと、心配なんかいらないとは思うけどね」

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関東県内 軍港エリア







天龍「………ん。それじゃあ、訓練内容に変更はない。提出された時点の予定と編成で行ってくれ。ああ、頼んだ」

ガチャッ

天龍「………ふぅ。これで今日の、っつーか今んとこの訓練計画は終了、か………前みたいに昼飯抜きはやめてくれよマジで」

「お連れ様。コーヒーでも飲む?」

天龍「あー、頼む。これで次の遠征班の帰港まではゆっくりできるな」

「そう安心してるところ悪いんだけど、報告だけ聞いてもらってもいいかしら?」

天龍「………あー、わかった。コーヒー飲みながらでいいならな。流石に頭が割れそうだ」

「ん。砂糖は一個でいい?」

天龍「二個で」

「はいはい。………で、報告っていうのは第三訓練小隊の事ね。はい」

天龍「ああ、あそこか。そういえばまだ報告が来てなかったな。ん、サンキュ」

「正確には、あなたが電話対応に追われてる時にきてたのよ。流石にその場で渡すのはどうかと思ったから私のところで止めておいたけど」

天龍「お気遣いどーも。で、何かやらかしたのか?」ズズー

「んー、そうじゃないわね。ただ、訓練用の砲塔、具体的には12cm単装訓練砲塔の消耗が酷いらしいわ。できるだけ早期に新しいものと交換してくれって事」

天龍「おいおい、もうかよ………訓練用の装備もただじゃないんだが」

「どっかの誰かさんが鬼の訓練させてるからじゃない?あ、私もコーヒー飲ませてもらうわね」

天龍「ん。………てか、俺の訓練そんなに厳しいか?」

「かつての神通さんたちと並んで、というか再来扱いされてる程度には」コポポポ

天龍「………平時とはいえ、訓練を疎かにすることの恐ろしさはよくわかってるから自然とこうなってるだけだ。俺は悪くない」

「誰もあなたが悪いなんて言ってないじゃない。それに厳しくはあってもあなた評判はいいし部下もみんな懐いてるんだからいいことでしょ?まあいろいろアレな評判はあるけど」

天龍「その評判について詳しく」

「『隻眼の訓練棲鬼』、『怖い通り越してヤバい』、『あの人の普通の基準は遥かイスカンダルまで吹っ飛んでる』、『砲弾ぶった斬って突撃してくる大魔神』、『てか主砲が効かないんだけどあの人マジで』、などなど」

天龍「おい待てなんか俺に懐いてる奴がいるとかさっきの発言の信憑性が薄くなってくるんだがどういうことだ」

「昔散々欲しがってた評判じゃないの?『ふふ、怖いか?』だっけ?………ふう」ズズー

天龍「おいやめろそれ以上掘り起こすな」

「ま、さっきの発言に一切の嘘はないわよ。少なくとも、訓練は理不尽でも普段はあなたほどのいい上司なんてそうそういないんだから」

天龍「………ま、それにしたって」

「何?」

天龍「俺の黒歴史掘り起こして遊んでくれやがって、こっちもいろいろ掘り起こして仕返しの一つでも………と思ったんだが」

「思ったが?」

天龍「少なくとも、今のお前には何も言える気がしねえよ」

「あら、そう?私の恥ずかしい話なんて山ほど知ってるじゃない」

天龍「自身も訓練教官勤め上げて、しかも俺の補佐までやってくれて………おそらくは俺以上に隊の事を把握してて。しかも担当してる部隊の成績も文句なし、部下もぞろぞろついてきてる」

「褒め殺しかしら?」

天龍「その上、あんなに嫌がってたブラックコーヒーを今では俺の隣で美味そうに飲んでるお前に、何が言えるってんだか………なあ、








『一人前のレディ』」









暁「当然よ。ようやく手に入った平和をこういった形で過ごすのは、私が選んだことだもの」

天龍「………お前が軍に残って教官職を目指す、なんて言いだした時は正直戦闘中の後遺症か何かかと疑ったものだが」

暁「褒め殺しの次はずいぶんケンカ売ってくれるのね」

天龍「試験一発でパスして、気が付いたらスーツ着こなして指揮とってて、あれだけ苦手で眠くなってた事務までこなしてる姿なんぞ、あの時のお前からどうやって想像しろってんだ。そんなこと予想できる奴はな、俗に予言者っていうんだ」

暁「ま、一番想像もつかなかったのは私なんだけどね」

天龍「そうかいそうかい。………姉妹と一緒に過ごす道もあっただろ?今更ながら、よかったのか?」

暁「姉妹だから全員一緒の行動しなければいけないなんてことはないでしょ?それで未来を狭めてたら元も子もないし、それこそようやく手に入れたこの平和を台無しにすることに他ならないもの」

天龍「言うねえ」

暁「あの子達も、自分たちで考え抜いて、自分たちで悩みぬいて、その上で道を決めたの。そして私は、こういった形であの子たちの平和を守り、この平和を過ごす道を選んだ。だから後悔なんてない」

天龍「雷が仰天してたもんな。何で今更になって長女の風格だしてんだか」

暁「………ま、あの頃に出せてれば一番だったんだけど。それもまたってことで」

天龍「………お前には勝てねえよ、少なくとも今は」

暁「ふふ………なのです♪」

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関東県内 某大学



飛龍「ねー、蒼龍。今日の講義で経済関係入ってたっけ」

蒼龍「ん、確かなかったような………どうしたの?」

飛龍「代返お願いしようかなって」

蒼龍「さらっと何言いだすのかなこの子………」

飛龍「だって、苦手なんだもんあれ………ぶっちゃけ過去問あればいけるわけだし、わざわざラリホー聞きに行く必要はないと思うのー」

蒼龍「いやいや、まああの教授テストは適当なくせに居眠りには目敏いけどさ………多聞丸にめっされるよ?」

飛龍「うなー………それでも、経済関係は眠くなるし頭痛くなるしで嫌なのー」

蒼龍「飛龍が多聞丸関係にスルーかますってどれだけ嫌なのさ」

飛龍「いいのー、私はずーっと本の山に埋まって生きてくんだからー」

蒼龍「ほんと艦娘辞めてからだらけたよね………ていうか、その本の虫は一体いつ発症したのよ」

飛龍「もともと本は好きだったよ?ただ、今までより断然時間が増えて読める量が増えたから、一気に読んじゃう感じになってるだけ」

蒼龍「だからって、その量はどうかと思うよ?そのカバンの中、ほとんど本でしょ?」

飛龍「今月は古典文学月間なの。それに、いいと思うんだけどなぁ、こういうの」

蒼龍「なにが?」

飛龍「軍を離れて、就職って道もあったけど………それなりに憧れてた、この学生生活ってのも。学生時代は楽しむものだっていろんな人が言ってるし」

蒼龍「解釈の違いとかその他もろもろが存在してる気がするんだけど」

飛龍「割と気のせいじゃない?ていうか、蒼龍が本読まなすぎなのもあると思うんですがそれは」

蒼龍「読むには読むよ?」

飛龍「ラノベとか少女漫画ばっかりじゃない」

蒼龍「趣味だからいいじゃない。それに最近のマイトレンドは少年漫画です」

飛龍「あー、この間から増えてきたね………ってそうじゃなくて。ほら、これとかおすすめだから読んでみなって」サッ

蒼龍「うわっなにこれブ厚!!これ絶対読み慣れてない人間にお勧めするのじゃないよね!?」

飛龍「量はあるけど内容はそこそこライトだよ?」

蒼龍「そういう問題じゃなくて………あー、もう………」

飛龍「終戦してから本が手に入りやすくなっていい時代になったねー」

蒼龍「だからって、部屋の床が抜けるんじゃないかってくらい買いこむのはどうなの………」





「お二人さーん、ちょっといいですかー?」トテテ

蒼龍「ん?あれ、祥鳳じゃない」

祥鳳「すみません、突然呼び止めて」

飛龍「いやいや、別にいいって。ていうか、この時間は弓道サークルの練習中じゃなかったっけ?」

祥鳳「もう、忘れましたか?弓道場のある武道館エリアに工事で業者が入るから、今日から数日練習できないって言ったじゃないですか」

飛龍「あ、そうだったそうだった。すっかり忘れてたよ、ごめんねー」

蒼龍「………飛龍はほんとそろそろ、一度多聞丸にお説教されてもいいと思うんだけど」

祥鳳「あ、あはは………そしたら、うちの姉にもお願いしたいところですが」

蒼龍「あー………また?」

祥鳳「はい。数日、家に帰ってきていません。どうせ今頃、また顔中煤とオイルまみれにして工具握ってるでしょうけど………」

飛龍「終戦からいろんな方向性の子たちがいたけど、あの子達ほど楽しそうなのもそうそう見ないよねー。ほんと、生き生きしてるというか、水を得た魚というか」

蒼龍「あのメンバー、本当に楽しそうだよね。けど年頃の女の子が揃いも揃って、工具の音を目覚まし代わりにするような生活はどうかと思うけど………」

祥鳳「せめて、もう少しだけでも普通に女の子らしい生活してほしいというのはあるんですが………」

蒼龍「あの顔見ると、強く言えない?」

祥鳳「ご明察です。買ったばかりのおもちゃで目を輝かせてる子供からおもちゃを取り上げるような真似は、ちょっと………」

飛龍「そのおもちゃ随分とオイルと鉄くさいけど」

蒼龍「私たちからはすっかり縁遠くなったよねー。軍に残った子達とかは今でも日常なんだろうけど」

飛龍「ま、私たちだってずっと学生生活やってるわけじゃないんだから。ここからもう一度軍に行く選択肢だってあるし、あの子達みたいな道もあるし、なんだってできるんだから」

祥鳳「そうですね。今の私たちには………宿命も、使命も―――――もう、ありませんから」

蒼龍「………正直、最初はすっごい喪失感あったけど」

祥鳳「慣れてみるものですね、こんな日々にも」

飛龍「ま、だから今のうちに学生生活をしっかり楽しんで、やりたいことやって笑って泣いて、本当に行きたい道を探してそこを目指せばいいだけでしょ?しょーじき、私も今のところ3つほど候補がある中でグルグル迷ってるわけだし」

蒼龍「ダメな子になったと思ってた飛龍が意外としっかり考えてて戸惑ってる私、蒼龍です」

飛龍「ふふーん、読書は知識だけでなく、思索の幅も豊かにするのだよ蒼龍君」

蒼龍「偏りすぎもどうかと思うけどね………って、そうだ。祥鳳、何か用事があったんじゃないの?」

祥鳳「あ、そうでした。えっと、もしかしたらもう届いてるかもしれないんですけど………」

飛龍「届いてる?今は未着になってる本はないはずだけど」

蒼龍「いや違うから」

祥鳳「えーっと………あった。はい、この手紙なんですが――――――」

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関東某所   工務店【AYAZ工業商会】


瑞鳳「んあー………どーこやったっけ、10番のインパクトヘッド………」ゴソゴソ

秋津洲「あれ?それって確か、昨日夕張が使ってたかも?ていうか、秋津洲のドリルどこー!?」

明石「あー、はいはい。インパクトヘッドは今夕張が奥で使用中、もう一個のセットが33-4番のボックスにありますから。で、秋津洲さんのドリルはあなたが昨日使ってそのまま2番の作業台です。道具の管理はちゃんとしてくださいってば」

瑞鳳「私のは私のせいじゃないと思うんですけどー」

秋津洲「素で忘れてたかも………」

明石「歳ですか?」

秋津洲「ぴっちぴちの女の子に何言うのこの人はー!!」

ガチャッ

夕張「呼ばれて飛び出てユウバリン」

瑞鳳「あ、来たなー盗人めー」

夕張「いや別にあんたのじゃないしもう一セットあるんだからいいでしょうに。あと明石さん、昨日頼まれてたやつ、全部終わったよー」

明石「あれ?あの作業ってインパクト使いましたっけ?」

夕張「いやまあ、大半は溶接だったんだけどね。おかげでまだ目がチッカチカしてる。ただまぁ、ちょーっと奥の方に要交換なボルトの集落を発見しまして」

瑞鳳「え、アレそんなに酷かったの?」

夕張「あれ、酷いとかそんなレベルじゃなくて何が起きた状態だったんだけど。ボルトの群れの9割以上がサビルンルンになってるとかどんな環境で使われてたのってレベル」

秋津洲「うわー、うわー、秋津洲の担当じゃなくて本当によかったかも………」

明石「マジですか………それをこの短時間で終わらせる夕張も夕張ですけど」

夕張「まー、カオスな状況は現役時代から慣れっこだったしねー。ついでにこんなもの作る余裕もあったくらい」ヒョイッ

瑞鳳「ちょ、何故に龍騎のベルト作ったし」

夕張「は?龍騎は仮面ライダー史上に残る名作ですが何か?」

明石「私は電王が好きですけどねー、特にゼロノス。ていうか、そのベルト普通に買って持ってませんでした?」

夕張「オール金属製フルスクラッチです」

秋津洲「重っ!?重いかも!?」ズシィ

夕張「一度やってみたかった。Wの方でも検討したけど、あっちは金属だと逆に違和感でそうだったのでこっちで」

瑞鳳「どーせなら武器作ればよかったのに。それで思い出したけど、今度ドライブのマシンを全部一通り作ってみない?」

明石「また突拍子もなく何を言いだしますかこの卵焼き製造機は」

瑞鳳「最近は他の料理も作れるし!!」

秋津洲「スクランブルエッグの津波に飲まれた哀れな被験者の秋津洲はその意見に断固抗議するかも」

瑞鳳「だ、伊達巻きとか、ポーチドエッグとか………」

明石「あーた、材料が卵メインじゃないと途端にやる気無くすじゃないですか」

夕張「てか、流石に車両はどうなんですか。いや、作りたいですけど。めっちゃやりたいですけど」

明石「それには激しく同意します」

瑞鳳「そこで、耳寄り情報をお届けする、「んぅんぅづほづほチャンネル」のお時間です」

夕張「毎度のごとく語呂最悪なんですけどそれは」

秋津洲「舌噛むかも」

瑞鳳「自動車三台とバイク四台の中古が、タダ同然の廃棄処分価格で入手できるとしたら?」

明石「kwsk」

秋津洲「kwskkm」

夕張「kwsk」

瑞鳳「まあ、ぶっちゃけこの間息抜きに行った鳳翔さんのお店で知り合ったおっちゃんから、そういう話をもらったよーってだけなんだけど」

明石「一応責任者私なんですから、せめて一報ほしかったんですがそれは」

夕張「ほうれんそう、ほうれんそう」

瑞鳳「あー、それに関しては忘れてた。ごめんごめん。ただ、そのおっちゃんがまあ俗に言う中古車販売業者なんだけど、今度店を閉めるらしくて」

秋津洲「普通に他に転売しないの?」

瑞鳳「したらしいよー。で、残ったのがその七台。要するに、「中古車業者はゴミと判断して買う気も起きない」けど「わずかでも金になるならそうしたい」、しかし「広い範囲弄れる人間にはまだまだ未来と魅力が見える」状態の中途半端な状況なのよ、その七台」

明石「なにそれ胸が熱い」

夕張「私ら好みの状態過ぎてやばい」

秋津洲「買う?買うかも?」

明石「瑞鳳さん、すぐにその見積もりを出してください。予算から抉り出します」

瑞鳳「そういうと思ってたよー。そのおっちゃん、もし決まったら電話くれって連絡先おしえてくれたから」

夕張「マジナイスなんですけど。秋津洲ちゃん、ガレージ稼働できる?」

秋津洲「ん、この間の大量購入のおかげで、一気に場所は開いてるよ」

明石「さー、終戦後も工具を握り、技術を磨き続けた私たち【AYAZ工業商会】、腕の見せどころですよ!!」

秋津洲「バイク一台、こっちにもらいたいかも。ちょーっと試したい秋津洲流改造術があるの!!」

瑞鳳「よっしゃ、おっちゃんに連絡してくる!!その後プラン決めね!!」

夕張「戦後になって、兵器だけじゃなくこうしたもの―――『作りたい』と思った物を作れるようになった幸せ、今日も今日とて、これからも噛みしめていくとしましょうか!!」

明石「よし!!そうと決まれば………」


瑞鳳「………あ」


秋津洲「あれ?なんか瑞鳳が固まってるかも」

夕張「ペトリフィカス・トタルスでもくらった?」

明石「誰が物理的に石になったと」









【不在着信  祥鳳  16件】







瑞鳳(あ、これあかんやつや)

というわけで、書きだめしてある分だけ、動物園でアレ投げてくるゴリラのごとく投げつけておきました。
更新はこんなハイペースにはいきませんが、もしよろしければこの社畜にお付き合いいただければ幸いです
では、今日はここまで。まるゆ犯してきます

途中送信しましたごめんなさい

>>祥鳳「あ、あはは………そしたら、うちの姉にもお願いしたいところですが」
姉じゃなくて妹じゃない?

こんばんわ。イベントやろうやろうとして結局諦めの悟りを開きかけてるうつけ者は私です。
あと、なんだかすごく反応いただけて驚いて菩薩フェイスで失禁しかけました。ありがとうございます。
さらっと書いたのをひり出す前に、二つばかり返信をば

>>21
私も調べたのですが、今作では「瑞鳳型航空母艦一番艦」というのを採用しました

>>艦娘の年齢について
こ、今回の投下で軽い説明はするし。指摘されてから慌ててぶち込んだわけじゃないし、本当だし。まるゆの貞操賭けてもいいし(震え声)
まあ実際のところ、大まかすぎて説明になってないレベルでは設定考えてはいますが、実際にどのくらいの外見年齢になってるとかは
皆さんでご自由に想像していただいて大丈夫です。普段から勝利ならぬ紳士のイマジネーションしてる皆様なら、皆様自身にとっての最適解で
想像できると信じ、私はブン投げます。

では、投下を開始します。

関西某所   山の麓の民家



古鷹「青葉、おかえり。今回も少し長引いたね」

青葉「あー、使用するはずの空港でふざけたビッグトラブルが発生しまして。昔みたいに海を自分で行ければいいんですが………って、ダメだ。今回内陸国だった………」

古鷹「さっそく作業?」

青葉「ええ。さっそく、です。帰国が少しでも鮮明なうちに吐き出しておきたいので」

古鷹「………………」

青葉「………あー、もうしっかし………なんでこう、一回一回国を出たり入ったりするのに許可申請が山盛りになりますかね………あの頃はこんなめんどくさくなかったですよ」

古鷹「あはは………まあ、混乱時と平時では全然違うから………」

青葉「ま、それは仕方ないとして………まずは写真の選別からですねぇ」

古鷹「コーヒー、淹れる?」

青葉「いえいえ、大丈夫ですよ。まあ、いつも通りですから………ね?」

古鷹「………ごめん。現役の時に、何度も見てたはずなんだけど………艦娘を引退してから、環境の変化とかもあったのかな………」

青葉「ある種、艤装の加護もあったのかもしれないですね。そう考えれば、当時艦娘の中でPTSDとかの例が少なかった理由も納得できます。正直、軍を離れて最初は私もきつかったですよ。………今でも、平気だなんて口が裂けても言いたくないですが」

古鷹「青葉………」

青葉「こういうものを平気で見れる人間ばかりの世界、それが珍しくもない世界………それは地獄っていうんですよ。そうしないために………私たちは戦ってたんですけどねぇ」

古鷹「………1年、もたなかったね」

青葉「あの時は正直、また艤装付けて殴り込んでやろうかと思いましたよ。何十万発も砲弾と弾丸をぶっ放してようやく得たものを、たった一発の砲弾で投げ捨てやがったんですから」

古鷹「………最初は、他の国も止めに入ってたけど………」

青葉「他国による平和維持、それはつまりどういうことなのかなんてわかってたわけで。結局一か月もしないうちに我も我もと暴れる馬鹿が沸いて出て、あとはお決まりの負の連鎖。………言いたくないですけど、救えないですよ」

古鷹「他の子達も、みんな悔しがってたね………」

青葉「深海棲艦がいたころは、それこそ今までの喧嘩腰どこに投げ捨てたって感じで協力してたあの時が、完全に表面上の薄っぺらいものだったって感じです。それに、ここまで平和を取り戻そうとした全員の、流れた血も、涙も、どんな思いだったのかすら踏みにじられた気分です」

古鷹「………結局、終わらないのかな………来ないのかな。戦争の、ない時代は」

青葉「来ませんよ、そんなもの」

古鷹「ッ………………青葉………」

青葉「もう、そればっかりはどうあっても覆せない事実ですよ。私だって、認めたくなんてないですし、これを考えるたびに血管の1,20本ブチ切れそうですし」

古鷹「でも………!!」

青葉「だから、私はこうして戦ってるんですよ………砲を、魚雷を………カメラに代えて」

古鷹「前に言ってた言葉、今でも覚えてるよ」

青葉「その言葉、今でも変わってませんよ」

.









「あんたたちのしてることはこういうことなんだ、と………この血と肉の塊が、あんたたちがかつて守りたかったもので、それをこうしたのはあんたたちだ、と」

「自分たちではどうしようもないものが消えた瞬間、都合よく理由見つけて火器を握ってる奴も、珈琲でも飲みながら他人事として眺めてる奴も」

「共通の敵がいなくなった、異種の敵がいなくなった瞬間、同族同士で共食いを始める………」



「それがお前らだ、と。目に見える形で突き付けてやる」









青葉「………それが、戦場カメラマン………青葉の。今でも変わらない、決意です」




.



古鷹「………前に、誰かが言ってたんだ」

青葉「?」

古鷹「『青葉はまだ、戦争に呪われてる』『あの子は魂を戦場においてきてしまった』って………」

青葉「………耳の痛いお話です」

古鷹「私は、そうじゃないと思うけど、な」

青葉「間違ってないですよ。だって、平和を守る、平和を伝えるやり方なんていくらでも他にあるはずなのに、こんな性格悪い理由でこんなことしてるのは私なんですから」

古鷹「でも、本心から平和を願ってる」

青葉「我慢できないだけですよ。それに、戦争がこの地球から無くならない事、救いようもない人間がいる事、どうあがいても全員が手を取り合うなんてファンタジー小説でもない限り無理なんだって、わかってるんですから」

古鷹「それでも………青葉は、歩くのをやめてないじゃない」

青葉「だから、我慢できないだけなんですよ。青葉にそんな評価は過大です。それに、青葉は古鷹さんの方が輝いて見えます」

古鷹「わ、私なんて………」

青葉「人の心に、少しでも温かい何かを届けたい………そういって絵本作家になったんじゃないですか」

古鷹「あ、あはは………まだ、なかなか上手くいかないけどね」

青葉「だんだん知名度も上がって、最近では賞だってとってるじゃないですか。汚いものを見せつけるやり方なんかより、とても素晴らしいことです。私には………もう、できない」

古鷹「………青葉」

ギュッ

青葉「………古鷹、さん」

古鷹「青葉は、汚くなんてない。だって………その許せないって気持ちが、我慢できないって気持ちが………青葉の、気持ちの証明だから」

青葉「気持ち………ですか」

古鷹「その気持ちがあるのは、青葉が………本当に、この世界が好きだからだよ」

青葉「………青葉、結構馬鹿ですよ?そこまで考えてるかどうか………」

古鷹「考える事じゃなくて、湧き上がってくることだと思うけど」

青葉「………あはは」









青葉「写真の選別は、ちょっと休憩です。コーヒー飲みましょう。たまには青葉が淹れますよ」

古鷹「ありがと。それと、あとで絵本の感想聞かせてね」








青葉(………ああ、なんだかなぁ)

青葉(救えないだなんだ、厨二病みたいなこと言っておいて………)



青葉(青葉は今、本当に幸せ者です)

関西   某港



「………いやぁ、いい出航日和だねぇ」

「ほんと。これなら………どこまででも、航ける」


「正直、本気で諦めてたんだけどね………ていうか、実際一度それは折られたわけだし」

「それは私たち全員一緒でしょう?だって、そうじゃなかったら悲しいけど今はないんだから」

「そりゃそうだけどさぁ………ああ、そうそう。次の航路は少し長くなるから、色々買いこんできたんだよねぇ。夜、一杯どう?」

「あんた………ほんと、自重しなさいよ………?」

「今はしっかり時間も量も守ってるよ?休暇以外」

「その休暇で被害こうむるのは誰だと思ってるのよ………はぁ」

「次の船は、随分と大きい。それが戦争じゃなく、人の笑顔を乗せるためだってのが最高にうれしいじゃないか。祝杯もあげたくなるってものさ」

「それに同意しない理由はないわね。けど、ほんとにいい出向日和………自分の足でもいい気持だったけど、こうして乗るのもいいわね」

「船が船に乗る、かぁ………まったく、妙な人生、いや艦生だよ」

「さっきもいったでしょ?だから今があるのよ」

「そうだねぇ………あー、そういえば、なんだけど」

「何?」

「今度の船、ピアノがさ………あって」

「いいじゃない、弾いてみれば」

「あたし、やっぱなんかガラじゃない気がして………気が引けるっていうか………」

「何言ってるの。いつもあたしに怒られてる馬鹿なあんたも、お淑やかにピアノ弾いてるお嬢様気質のあんたも、どっちもあんた自身でしょ?ほら、胸を張ってお嬢様してきなさい」

「うう、そういうのは熊野とかに任せたいんだけど………」

「あの子ピアノなんて弾けないじゃない」

「そういう問題じゃなくてさぁ………」

「髪をしっかり真っ直ぐにしてから、周りもびっくりしてたもんねぇ。艦載機積んでた頃じゃ考えられない姿だし」

「その姿させたのは誰さぁ………」

「あたし。あんたがふっかけてきたゲームで勝って、罰ゲームで」

「あれ、絶対イカサマでしょ………普通に考えてあの連勝はないって………」

「さぁ?まあ、師匠がよかったのよね」

「うわぁ。うわぁ………この子、さらっとイカサマの技覚えてたの白状したよ遠回しに………」

「船上カジノディーラーでもやってみようかしら?」

「やめて、想像したら無駄に絵になって困るから」

「あら嬉しい」

「ニコニコ笑顔でイカサマして搾り取ってる姿が」

「あんた禁酒」

「ちょ、いくらなんでも横暴だってば!!流石にそれは………」





ボォォォォォ――――――――――――………





「っと、そろそろ出港準備か。船員は戻らないとねぇ」

「そうね。ま、あとは部屋で待機しながら、お土産のラインアップでも考えましょ」

「うんうん。今回色々行くから、レパートリー広くできるねぇ。いろんな酒が揃いそうだ」

「それしか無いの?あんた………ま、船員は船の上が長いから、給料は使えるときに使わないとね」

「え?船上のバーは?」

「………はぁ。ま、いいわ。お小言は後」

「よっし、それじゃあ………














           いこうか、出雲丸?」











「ええ。                  ………橿原丸」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

太平洋沖    某海域





「こちら災害緊急展開部隊第一分隊!!ダメです!!消火間に合いません!!」

『こちら第二分隊!!こっちも同じだ、この船の後部はすでに人が立ち入れる状況じゃない!!』

『こちら本部。衝突事故を起こした対象船舶の消火は断念する。現場の隊員は総員、逃げ遅れた船員の救助に努めろ。第三分隊、船員名簿と照らし合わせ、逃げ遅れた要救助者を特定せよ』

『第三分隊了解!!』

「くそ、これじゃあいつ爆発してもおかしくないぞ!!」

「隊長、俺に行かせて下さい!!まだ、まだ助けられる!!」

「やめろ!!まずは要救助者の残存を………!!」

「おい、それより………あの馬鹿どうした!?」

「っ!?まさか、あいつ………また!!」



『こちら本部。要救助者は全員救助………いや………





           まずい!!小学生男子一名が、取り残されている!!』

少年「ゲホッゲホッ………う、うあぁ………お、母さん………」

少年「どこ………お母、さん………お父、さん………どこ、ぉ………」

少年「熱い、よ………苦しいよ………どこ………どこにいる、の………?」


少年「助けて、よ………」



ガラッ



少年「………あ………ああ、あぁ………」







少年「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」





ドガァ・・・・・・・ン・・・・・・・・













『こちら本部!!もう状況は限界ラインを越えた!!無念ではある、だが全隊員を撤退させろ!!明日命を繋ぐために、今日ここで死ぬことは許さない!!』

「こちら第一分隊!!本部!!聞こえるか!!」

『どうした、第一分隊。トラブルか!?』






「コールサイン スピリット3の馬鹿が、現場から帰還していません!!」

少年「………あ、れ」

少年「なん、で………        あ   」






「間に合った、か………っかぁー、あっちぃ」






少年(僕と、同い年くらい………?ううん、もうちょっとだけ、年上………?)

少年(助けて、くれた………?でも、なんで、こんな女の子が………)






「………無事か?」

少年「う、うん………………」

「この馬鹿野郎」

少年「………え」

.















深雪「  諦めんな!!!  」















.

少年「………………!!」

深雪「こちら、スピリット3!!要救助者、残り一名を確保!!左舷前部に移動する、機動ボート廻してくれ!!!」

『てめえ!!このバカ、また命令ブッチして突っ走ったな!?』

深雪「いいから早くしてくれってば!!この船、あと5分もつか怪しいんだって!!」

『だったら命令聞け馬鹿野郎!!………説教は、その子を無事に助け出してからだ』

深雪「さっすが隊長。話が分かるぅ」

『帰ってきたらいつもの店で死ぬほど説教してやる。だから、』



『さっさと帰ってこい、ヒーロー』




深雪「おうっ!!深雪様、帰還するぜぇ!!」

少年(あの日、燃え上がってる船の上で僕を助けてくれた人………深雪、って言うらしい)

少年(なんか、あの後凄く怒られてたけど………)












深雪「あたたったぁ………た、隊長ストップ!!ちょっとだけ時間ちょうだい!!………おい、ぼーず!!」

深雪「いいか、さっきも言ったけどな………諦めるな」

深雪「生きろよ。お前は………生きろ」

深雪「そんでもってさ………深雪様が、それが欲しくても見れなかった奴らの分も、本当に欲しかったもんを、しっかり堪能してくれ」





深雪「どっかの誰かさんたちが戦って、手に入れて、今も守りたいって思って必死に戦ってる………この世界をさ!!」

少年(まだ、あの人の言ってたことはわからない)

少年(でも、きっといつか、わかりたい。その気持ちだけは、無くしたくないって思ってる)

少年(だから………頑張りたいって、そう思えたんだ)

少年(いつか、あの人の隣に立って)

少年(ありがとうございました、と………言って)

少年(僕も、守りに来ました………って。そう言えるように)

少年(初めて、やりたいこと、なりたいものを見せてくれたあの人の背中に、隣に、立てるように)

少年(僕は………今、この資料を手に取ったんだ)


『国立海洋総合校 救難部門 入学申込書』




少年(………まぁ、まずは)




少年「諦めませんでしたって、言うためにも」

少年「試験、がんばろっと」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



中部某所    中学校




葛城「こらー!!そこ、廊下走るなぁ!!!」

「せ、せんせースンマセン!!けど、これにはのっぴきならん理由が………!!」

葛城「説明してみな?納得いったら許すから」

「モンハン7Gの発売日なんす!!」

葛城「私だって早く買いに行きたいけど我慢してるんだぁ!!明日から掃除当番5日間!!」

「ちょ、マジすか!!」

葛城「ついでに、私も狩りに呼ぶこと!!休みの日、私の仕事がない時に!!」

「………余計なお世話っすけど、生徒をゲームに誘う女教師って、つまり男っ気が………」

葛城「当番十日間」

「藪蛇ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

葛城「私が望む素材出すまで、もしくはハンターランク上げ手伝だったら許す!!」

「全力で奉仕いたします、サー!!!」

葛城「サーじゃない!!私は女だ!!」

「マム!!」

葛城「よろしい!!ちゃんと呼ぶのよ!?もしくは私が呼ぶから!!」

「イエス、マム!!好物のマドレーヌ持参いたします!!」

葛城「よろしい!!ではいけ!!」








葛城「………あー、あいつら本当に暴れん坊なんだから………」

「あっはは。大変そうじゃない、葛城」

葛城「!?瑞鶴先輩、お疲れ様です!!」

瑞鶴「ん、やっほ。なんだかんだ言って、なんとか板についてきたみたいじゃない?教師も」

葛城「う、うーん………でも、なんというか………学生たちからは、友達感覚って感じじゃないかって………」

瑞鶴「いいじゃない。ガッチガチに固めて、距離とられて陰口叩かれるより数百倍いいわよ。もちろんいきすぎはダメだけど、あんたは中々上手く距離とってると思うし」

葛城「う、うぅ………でも、私の理想は瑞鶴先輩なんですってばぁ」

瑞鶴「それは嬉しいけど、葛城は葛城、私は私。下手に他人になろうとして無理なんてしたら、待ってるのはそのどれでもない歪な模造品もどきだけよ?葛城の未来は、葛城の未来でいいの。私もそれが一番だと思うし」

葛城「私の、未来………ですか」

瑞鶴「そう。艦娘としての役割は………まだ、私たちが鉄の塊だったころからの宿願は、もう果たされた。今ここにいる私たちの明日は、かつての魂に刻まれた記憶じゃなくて、今ここにいる私たち自身が探して選んだもので作られていく。変わるべきものと変わらないから素晴らしいもの、変えられるものと変えられないものを、しっかり見定めて、ね」

葛城「………先輩、本当に変わりましたね。なんていうか………本当に、かっこよくて、綺麗な女性(ひと)になりました」

瑞鶴「あはは。本人としては、少し老け込んだかなぁなんて思ってガックリきたりしてるんだけどね。今だってなんか馬場臭いお説教しちゃった感じあるし」

葛城「そ、そんなことないです!!かっこよかったし、心にきました!!」

瑞鶴「ありがと。じゃあ、そんなふうに言ってくれる後輩を幻滅させないように、もっと頑張ってもっともっと、カッコいい先輩にならないとね」

葛城「いつか、追いつきます!!」

瑞鶴「ふふ、追い越すって言ってくれた方がうれしいかな………ていうか、葛城」

葛城「はい?」

瑞鶴「さっきの男子の言葉じゃないけど………あんた、本当に浮いた話無いわよね。可愛いのに」

葛城「」

瑞鶴「あら?まさかあんな話の後に下世話な話で攻めてくるなんて思わなかった?大丈夫よ、もうここ生徒来ないから」

葛城「せ、先輩ぃぃぃ………」プルプル

瑞鶴「何よチワワみたいになって………ていうか、真面目な話、そういう相手ほしいなら少し急いだ方がいいんじゃない?」

葛城「ま、まだ若いですもん………」

瑞鶴「よし、今の発言については後で問い詰める。………ほら、私たちの成長速度って、本当に未知数なんだから」

葛城「………………」

瑞鶴「艦娘を引退し………というより、あの戦争が終わった時、ね。今でも艤装を付けて海に出てる子もいるけど、それは深海との大戦で蓄積されたノウハウで作られた、いわばレプリカ。そうじゃなければ、まあ現代モデルってところかしら」

葛城「あの日………艦娘を続けるか否かの意志に関わらず、艤装の加護はすべて消えた………」

瑞鶴「そう。そして、その瞬間から私たちは、艤装を使うことができるだけの普通の人間となった。現代モデルに加護はない。それと同時に、戦時中はほぼ見られなかった成長や………あまり言いたくないワードだけど、老化が確認された」

葛城「それが不思議とバラバラなんですよね、その速度」


「そう。まるで、抑え込まれていた時間の差の様に」

瑞鶴「あら、足柄じゃない」

葛城「足柄さん、どうも!」

足柄「うふふ、なんだか面白そうな話してたから、ちょっと混ぜてもらおうかなーって。で、その成長速度の差だったわよね?」

瑞鶴「そうだけど、あんた仕事は?」

足柄「急ぎの面倒事はぜーんぶ片づけて、あとはちょこーっと雑事みたいなものだけ。ま、テスト製作も前々から問題のプランは考えてたからね。ほとんどそれに沿って原稿に起こしただけよ」

瑞鶴「はぁ、なんだかなぁこの抜け目のない英語教師」

足柄「暇を持て余して後輩からかってた数学教師さんと、生徒に大人気の体育教師さんもね」

瑞鶴「………はぁ。ぶっちゃけ、さっきの話の通り一番の謎はその成長速度の差なのよね」

足柄「私たち重巡洋艦や空母組、戦艦組なんかの………まあおおざっぱに言えば、すでに成人、もしくはそれに近い外見の子が多かった艦種の成長速度は、比較的穏やかで、普通の人間とあまり差が無い様にも見える」

葛城「一番成長速度が爆発的に早かったのは、駆逐艦の子達でしたね」

足柄「そこ。たとえば普通の人間が同じように5年の月日を過ごしたとしても、その外見的変化は25歳の成人と10歳の子供では極めて大きい差がある。そもそも、艦娘は『何歳』って表現が極めて難しいし、どこに基準を定めていいのかもわからないものだし」

瑞鶴「抑え込まれてた時間ってのはその事ね。本来あるべきだった成長が、抑え込まれていた分を取り返そうとするかのようにやってきている。まるで………人間が過ごすべき時間の流れの中に、戻されたかのように」

足柄「あるいは、戻れるようにしているかのように」

葛城「まあ、それでも個人差はありますけどね。あんまり変わらない子もいますし」

瑞鶴「あんたとかね」

葛城「瑞鶴先輩、その5年のうちに1サイズ成長した胸部装甲、成長分いただけませんか?」

瑞鶴「ちょ、さっきまで尻尾振ってたわんこだった子が猟犬になったんだけど」

足柄「目がマジね………ていうかなんで成長把握されてんのよあんた」

瑞鶴「私が聞きたいわよ………まぁ、最初の話に戻るけど、私たちもそうだけどいい人見つけるなら早いうちってね。これから急に老化しないなんて限らないんだから」

足柄「うわ、やめてよそういうの。私らの成長はもう普通の人間と同じペースになったはずなんだから。たぶん、きっと」

葛城「でも瑞鶴先輩、成長というか、外見のイメージは大きく変わりましたよね」

足柄「胸部装甲?」

瑞鶴「やめい。あー、まあ普通に髪型じゃない?流石に教師やるからにはツインテールにしてるわけにもいかないし」

足柄「最初はストレートヘアのあんた、瑞鶴だってなかなかわからなかったわよ、アレあんたのトレードマークだったんだから」

瑞鶴「まとめとしては、人間、イメージなんて年齢の成長以外でだっていくらでも変えられるって事ね。服装髪型一つで大きく変わる程度には」

葛城「私も、いっそ髪型変えようかなぁ………」

足柄「切るのはおすすめしないわよ?自慢の髪なんだから、よーく考えなさい。世の中には長さ云々じゃなくて量と密度でry」

瑞鶴「そこまで。教頭に聞かれたら大惨事よ?」

足柄「わかってるわよ。私だって、第二次職員室海戦はごめんだわ」

葛城「あの人、艦載機積んでても勝てる気がしないんですけど」

瑞鶴「バイクと衝突事故起こして『教頭先生がバイクを撥ねました』なんて報じられる人に何を今さら。さ、長く話し過ぎたわね。そろそろ戻りましょう」

葛城「はい。あー、早くモンハン買いに行きたい………」ムニニ

足柄「ねえ、それ買ってからでいいから、今日ちょっと付き合わない?瑞鶴もね」

瑞鶴「何よ、また飲み屋?」

足柄「またってなによ、今月初めてじゃない。こんな話したらもっと話したくなっちゃった。ビールくらいなら奢るわよ?」

葛城「遅くならなければ、是非。初日からプレイするの楽しみでしたので」

瑞鶴「あー、はいはい。多数決で負けましたってね。民主主義民主主義。じゃ、店は久々に――――――――――――――――」

うぐぅ。時間も何も全く取れない

はい、本日は一組だけの更新になります、最近電気毛布の魔力に負けかけてる>>1です
もう少し溜めてからひり出そうとしましたが、とりあえずできた一節だけ………

関東   某所    パン屋『Bear&Bell』



鈴谷「ふっふっふ~ん。やっけた焼けた、こんがり焼けたぁ~っと」

熊野「あら、今日はずいぶん色合いが綺麗ですわね」

鈴谷「いつもは汚いみたいに言わないでよぉ………でも、うん。今日のは自信作!!」

熊野「香ばしくていい感じですわね。こちらももうすぐ焼きあがるようですわ」

鈴谷「あ、じゃあ熊野、こっち並べてもらっていい?あっちはやっぱ、鈴谷が面倒見たいから」

熊野「はいはい………ふふ」

ガチャッ

鈴谷「んふふ~………おし、最高の出来!!」

熊野「本当にカレーパンに拘りますのね。まあ、確かにうちの看板商品ですけど」

鈴谷「そりゃ、鈴谷特製のカレーパンだからね!!パンに合うようにしっかり研究したし、これの専門店でもよかったくらい」

熊野「駅前とかでしたら、需要もありそうですけど………」

鈴谷「ん、でも今の形でいいと思ってるよ。熊野のサンドイッチとフランスパンも大人気だし、常連さんも増えたもんね」

熊野「ですわね。鈴谷はこのお店を始めると決めた時、本当に頑張りましたもの」

鈴谷「パン自体はある程度は作ったことあったから、練度上げるのとレパートリー増やすのに必死になって練習したからねー。それと、お店の開業資金。貯めたよー。必死になって貯めたよー」

熊野「最初に誘われたときにはびっくりしましたわ。てっきり、学生の道を選ぶものだと思ってましたから。もしお店をやるにしても、カレー専門店だとばかり」

鈴谷「考えたけどね、それも。けど、パンであることに意味があるんだよ」

熊野「あら?それは初耳ですわね」

鈴谷「あり?そうだっけ?言ってない?」

熊野「ええ、まるっきり」

鈴谷「ありゃー………?普通に開業前に言ったと思ったんだけど………ていうか、気になって聞いたりしなかったっけ、熊野」

熊野「気にはなっていましたが、あんなに目を輝かせて資料までそろえて、楽しそうに話す鈴谷を見れば、ね」

鈴谷「うぐ………ちょーはずいんですけど、それ………」

熊野「うふふ、いいじゃないですか。なんでしたら、今改めてお聞きしますわ。………何故、パン屋を開こうと?」

鈴谷「ん………それは………」



カランッカランッ



鈴谷「あ、いらっしゃいませー!!」

熊野「いらっしゃいませ。………あら」

「おねーちゃん!!今日もパン買いに来たよー!!」

鈴谷「お、ありがとねー。今日はどうする?何にする?」

「んっとね、カレーパン!!」

熊野「あらあら、またですの?」

「それと、弟にサンドイッチ!!」

鈴谷「はいはーい。いつもありがとねー、ちょー嬉しいよ」

「んーん。こっちこそ、いつも美味しいパンありがと!!」

鈴谷「んひひ、可愛いなぁもう」

熊野「弟さんは一緒じゃないんですの?」

「外で友達と遊んでる!!おかーさんにお願いしたら、おやつに買っていいって!!」

鈴谷「お、マジ?じゃあ、はい。友達の分、マフィンサービス」

「え?いいの?」

鈴谷「うん、今度はみんなも、お母さんも連れてきてね」

「うん!!ありがとう!!」

カランカラン・・・



鈴谷「………………………」

熊野「ふふ、相変わらず、可愛らしいですわね………鈴谷?」

鈴谷「あれが、パン屋の理由だよ」

熊野「………?」

鈴谷「パンってさ、基本的に片手で食べられるじゃん?カレーはテーブルに座って食べないといけないけど、パンはその気になれば走りながらでも、本を読みながらでも、食べられる。………ま、お行儀はちょいワルだけどね」

熊野「………ああ、そういうこと………」

鈴谷「一個100円ちょっとのパンは、カレー屋と違って子供一人でも簡単に買えて、子供はそれを好きな時に好きなように食べられる。家に持って帰って、家族と。ベンチに座って、お話ししながら。公園で、友達と遊びながら」

熊野「流石に、カレー屋に一人で小学生が来るのは難しいですものね」

鈴谷「そ。それに、子供だけじゃない」




鈴谷「仕事行く前だったりお昼にだったり、お腹を減らしてくるサラリーマン。家族で食べる光景を想像しながらパンを選ぶ、お母さん。杖ついて優しそうな顔で、自分の分なのか孫にあげるのか、どれ買うか選んでるお年寄り。ドライブなのか、もっとしっかり予定たてた旅行なのか、車の中で食べるのを選んでる他の街の人達」



鈴谷「片手で持てるサイズなのに、こんなに気軽に買えるのに、いろんな人のお腹を一杯にできて、たくさん種類があるから飽きなくて、食べた人が笑ってくれて」











鈴谷「これってさ………っちょーすっごいことじゃない?」

熊野「………………………」

鈴谷「ちょっとお行儀悪いくらい、いいじゃん。お腹いっぱいにするだけなら、それこそカロリーメイトとかだけでもできるんだから。ご飯食べて一番大事なのって、結局『幸せになれるか』でしょ?」

熊野(………本当に、鈴谷の誘いに乗ってよかったですわ)

熊野「………価格を必死に抑えたのも、片手サイズの種類を増やしたのも、そういうことでしたのね」

鈴谷「そ!!この『Bear&Bell』のモットーは、『美味しく楽しくお腹いっぱい胸いっぱい』!!行列ができてテレビ取材受けて雑誌に載ってネットで有名になるお店より、『町の誰もが知ってる美味しいパン屋』が目標だよ!!だから、熊野!!」

熊野(だからこそ、私は………)

熊野「………はい」









鈴谷「これからも、よろしく!!」



熊野「………ええ。もちろんですわ、鈴谷」





熊野(この、笑顔を。楽しそうな背中を………私は)



熊野(いつまでも見たいと、そう思ったのだから)

はい、本日はここまでです。短い?全部乾巧の仕業です。もしくはディケイドに破壊されました。

もう少し位早く書けると思ってたら、いい感じに仕事の予定をミチミチとねじ込まれて泣きたくなってました。
あと、誰出したか把握できなくなる不安があったので名簿作って管理することに。流石に多いな実装艦………

また最低でも一組分くらいは書けたら投げに来ます。次は球磨型かぼのたん書きたい。
また時間がありましたら沸いて出ます。では、今日はこれで

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