【ごちうさ】ココア「ココアのアトリエ?」 (262)

「ご注文はうさぎですか?」
「アトリエシリーズ(アーランド、黄昏、不思議な本が対象)」のSS。

 安価あり。更新遅め(週末メイン更新)。 原作にない設定、カプなど、R-18もあるかも(ただし百合に限る)。
 男キャラも普通に出てくるのでそこも注意。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449331474


ココア『うう……』

???『……? どうしたの? 一人でこんなところに……』

ココア『――あ。な、なんでもない――』グウウゥ

???『……』

ココア『お、お腹が空いて……』

???『ふふっ、そうなんだ。あ、そうだ! 私、いいもの持ってたんだ。はい、どうぞ』

ココア『これって……パン?』

???『うん! 錬金術で作ったパン。美味しいよ』

ココア『う、うん。香りは大丈夫……もちもちも中々』クンクン パクッ

???『……プロっぽい』ゴクリ

ココア『美味しい! 私の手作りより美味しいよ!』

???『そ、そうっ? 良かったぁ……』ホッ

ココア『錬金術、で作ったんだよね? 私も作ってみたい!』

???『えっ? 嬉しいなあ……。じゃあ、特別にこの本をあげるよ』

ココア『本?』

???『うん。錬金術の指南と簡単なレシピ。練習すれば、いつかこれより美味しいパンを作れるよ』

ココア『これよりも……』

ココア『私、錬金術頑張る!』

???『うんうん。……いつもうまくいかないのに、こういう時上手くいくのはなんでだろう』

ココア『……?』

???『あ、なんでもないよっ。――っと、そろそろ私行かないと。じゃあね。錬金術――好きになってくれると嬉しいな』

ココア『うんっ! いつかお姉さんにも美味しいパンを食べさせてあげる!』

ココア『美味しいパン……お姉ちゃんにもこれで負けないよ!』

ココア『錬金術の勉強、頑張らないと!』グッ



 ――― 数日後 ―――

ココア『本失くした……』

モカ『ココア、あなた……』

 車内。

ココア「――ハッ!?」

 目を開く。
 なんだかギャグチックな夢を見たというのに、私は自分の息が切れていることに気づいた。
 ……あれは、いつのことだったかな?
 私が錬金術というものに興味を持ったきっかけの出来事で、大事な思い出だ。
 それと同時に大事なものを長いこと失くした、思い出したくないことでもあるんだけど。

ココア「ふふふ……」

 思わず笑ってしまう。

???「……?」

 ごとごとと音を立てて揺れ、動いている馬車。
 その車内でも私の笑い声ははっきり聞こえたみたい。
 向かいに座る、私の幼馴染が不思議そうな顔をした。
 彼女は――


 1・自称魔法使いの女の子
 2・とある一族の長の女の子
 3・私と同じかけだし錬金術士の元気な女の子
 4・複写の錬金が得意な小さな女の子
 5・ちょっと素直じゃない、黒髪の女の子

 ↓1 一つを選択

 ちょっと素直じゃない、黒髪の女の子。
 名前はミミちゃん。貴族のお嬢様で、ちょっと小さいけど、綺麗な子だ。

ミミ「いきなりニヤッとして、気味悪いんだけど?」

 こう言っているけど、とっても優しい子なんだよ。
 うん、私は知ってるよ。うふふ。

ココア「あはは、ちょっと昔のこと思い出しちゃって」

ミミ「昔のこと? ――ああ、あの本を貰った日のこと?」

ココア「うん。それと失くした日もセットで鮮明に」ゲンナリ

ミミ「あら意外。大切にする、勉強する、なんて言っててすぐ失くすんだから忘れてたんだと思ったわ」

ココア「うう、一応気にしてるんだからね。確かに私も悪いけど」

ミミ「まぁ夢に見るくらいだものね。……それにしても、不思議よね」

 すっとミミちゃんの視線が私の膝の上に。
 私が抱えている本。ちょっと古ぼけている革カバーの一冊。
 件のお姉さんから貰った本である。

ミミ「進学先に悩んでる時に、ひょっこり出てくるなんて」

ココア「これはもう運命としか言い様がないよね!」

ミミ「……そうかもしれないわね。でも、しっかり勉強しないと駄目よ?」

 フッと笑い、まるで私の保護者のように優しく言い聞かせるミミちゃん。

ココア「勿論! 立派なパンが作れるように頑張るよ!」

ミミ「パン作りのために錬金術士って……」

ミミ「他になにか目的とか、ないの?」

ココア「他に? うーん……」


 1・妹をいっぱいつくる!
 2・かわいい女の子と仲良くなりたい
 3・学校の生活をエンジョイしたい
 4・木組みの街で充実した生活を送りたい

 ↓1

ココア「妹をいっぱいつくる!」

 目的、といえばパンの次はそれが思い浮かぶ。
 妹……嗚呼、なんていい響き。

ミミ「……相変わらずね」

ココア「私が私たる理由だからね。そこは譲れないよ!」

ミミ「アイデンティティーの範囲なのね」

 ミミちゃんがジトッとした目を向けてくる。

ココア「学校は年齢の幅も広いらしいから、すごく楽しみだよ」

 小さい子から、私の少し歳下の女の子まで。
 色々なタイプの子がいると、やる気が出るんだけど。

ミミ「ココアが最年少だったりして」

ココア「そ、その可能性があった……! あ、でももしそうだったら、ミミちゃんを妹にしちゃうからいいかな」

ミミ「またお馬鹿なことを……今更妹になっても複雑でしょ」

ココア「そうかな? 私、割りとミミちゃんのこと妹として見てるけど――」

ミミ「なんで妹なのよ。どっちかといえば私が姉でしょ」ムッ

ココア「でもミミちゃん小さいし、かわいいし」マガオ

ミミ「よし、表に出なさい」ガタッ

ココア「ごめんなさい」ペコリ

ミミ「まったく……ココアはストレートに言い過ぎなのよ。学校では気をつけなさい」

ココア「そう? ――あれ? ミミちゃん顔がちょっと赤い」

ミミ「赤くない」

 ツンと言って横を向くミミちゃん。
 なんだか分からないけど、照れてる……?


 ※今日はここまで

ミミ「……で、私達が行くのって木組みの街、よね」

ココア「うん。木組みと石畳の街」

 私の街の本屋で買ったガイド本を取り出す。
 木組みと石畳の街……。綺麗で幻想的な風景に、野良うさぎ。

ココア「都会って感じだよねぇ」

ミミ「まぁ、都会よね。古臭い田舎とはすごい差だわ」

 全面的に同意するミミちゃん。
 地面が土だけ、いるのは野良猫、犬くらいという私達の故郷とは大差である。

ココア「楽しみだなあ。小さい頃くらいしか行ってないし」

ミミ「学校に通いに行くのよ。あんまりハメを外さないように」

ココア「えー? ミミちゃんも私の本にこんなに印つけて楽しみにしてたのに」

 本を開く。
 木組みの街の観光名所や、お店。そのあちこちに印がついており、これら全てはミミちゃんがやったこと。
 ミミちゃんはああ言ってはいるけど、木組みの街に行くことをすごく楽しみにしているのだ。

ミミ「そっ、それは――あ、ああっ! そうだ! ココア、居候先の確認はしておいた? 着いてすぐ迷ったら恥ずかしいわよ?」

ココア「え? 一応確認はしてあるけど――」

ミミ「そ、そう。それなら良かったわ」

ココア「ミミちゃん? 楽しみにして――」

ミミ「ココア?」

 顔を赤くさせたミミちゃんから静かな威圧が。
 これ以上からかうと、怒るわよ? というサインだ。
 私は苦笑して了解の合図。

ココア「……あ。もうすぐ着くのかな」

 馬車の動きが徐々に下がってくるのを感じ、窓へ視線を向ける。
 流れていく景色に石畳が映り、大きな家々がすぐ横に。
 馬車の足音も変化し、はっきりと木組みの街に着いたのだと確認できた。

ミミ「もうすぐじゃなくて、もう着いたみたいね」

ココア「ほえー。最近の馬車は早いんだね。私が前に行った時はあちこち寄って、御者さんが行商をついでにしてたけど」

ミミ「それがなくても今は稼げるんじゃないの?」

 そういうものか。
 まぁ、時代は変わるものだから納得だね。

ミミ「……さて。それじゃ、下宿先に向かうわよ」

ココア「うんっ! あぁ……今から青春の日々がはじまるんだね」

ミミ「大袈裟な……。明るい日々が待っているとは限らないわよ」

ココア「待ってるはずだよ! 学校に街に、カフェに下宿……嗚呼、絶対に楽しい」

ミミ「短絡的……」

 ミミちゃんが大きなため息を吐いた。
 絶対に楽しいと思うんだけどなぁ。短絡的かな?

ココア「さぁ、下宿先にレッツゴーだよ!」

 馬車が止まったと同時に、私は勢いよく席を立つ。
 ミミちゃんはそれに、呆れたようにため息を吐きながらもついてくるのだった。

ココア「はぁーかわいい……」

 馬車を降りて、木組みの街を歩く。
 石畳でできた道、水に橋、のどかな風景なのに、どこかファンシーで幻想的で……。
 あぁ、来てよかったと数分で思える胸躍る光景である。

ミミ「……」キョロキョロ

 ミミちゃんも嬉しそう。
 重そうな荷物と大きな槍を背負いながらも、あちこちを輝いた目で見ている。

ココア「すごいね、ミミちゃん。来たことがあるのに、ドキドキしっぱなしだよ」

ミミ「ええ、本当に。実物で見るとすごいわね……」

 いつの間にか私のガイド本を開き、中を見ながら街を眺めているミミちゃん。
 私よりもお上りさんチックに見えてしまうのだから、なんていうか。

ココア「ふふ。ミミちゃん、ラビットハウスってどこだっけ?」

ミミ「下宿先ね。それならあっちの方よ」

 ミミちゃんが地図を手に、ラビットハウスがあるであろう方向を指差す。
 ミミちゃんがいて良かった。自分一人だけだと絶対に迷うだろうし。
 さて、まずはまっすぐラビットハウスに向かうべき、だよね?
 ここは幼馴染の案内を信じて、進むとしよう。


 ↓1 偶数で迷う 奇数で無事到着

 奇数 無事到着

ミミ「ここね。ラビットハウス」

ココア「ここが……」

 喫茶店。ラビットハウス。
 香風さんちのお家だという喫茶店……。
 ミミちゃんの正確な案内により、無事到着してしまった。
 ――そう。到着してしまった。

ココア「寄り道ぜんぜんできなかった……」

ミミ「まず下宿先でしょ? 遊びなら休みにいくらでも付き合うわよ」

ココア「でも初日だよ? もっとイベントがあっても」

ミミ「さぁ入るわよ」

ココア「あぁっ、ちょっと無視はやめてっ」

 先にドアを開けて入ってしまうミミちゃんに続いて、私も来店。
 中に入ると香ってくるコーヒーのにおい。自然と落ち着いてしまう、いいにおいだ。

ココア「ふわぁ、綺麗なお店だね」

ミミ「そ、そうね。ちょっと緊張してきたわ」ソワソワ

ココア「ミミちゃんこういうお店来たことないの? 私はないけど」

ミミ「こんな洒落たお店、なかったでしょ」

 お店の入り口前でこそこそと耳打ちしながら言い合う私達。
 私の故郷では、コーヒーやら紅茶、お茶、料理にお菓子、いろいろな物を出すから、節操がないというか、カオスだったよね……。
 言うなればレストラン。雑に言うなら食堂。
 とても落ち着いてコーヒーを味わうような雰囲気ではない。食欲を満たすだけの場だ。

ミミ「ま、まぁでも、後々のためにこういうお店も自然に入らないとだめよね」

ココア「そうだよ。頑張って、ミミちゃん!」

ミミ「……なんで私の背中に隠れるのよ?」

ココア「なんとなく?」

 私もこういうお店は初めてなのだ。
 お上品なミミちゃんなら、すんなりと対応できるハズ。頼りにしてるよ。

ミミ「こ、こういう時は店員さんを呼んだ方がいいかしら」

 ……あ、ちょっと不安。



 ※今日はここまで

???「いらっしゃいませ」

 ミミちゃんと私、田舎者コンビがあたふたしていると、不意にどこからか声がかかる。
 前を見るとそこには、ミミちゃんと同じくらい――いや、もっと小さいかな?
 身長の詳細はともかく、かわいい女の子がいた。
 水色のロングヘアで、大人しそうな、けどしっかりしてそうな……一目で、ビビッときた。

???「二名様ですか?」

ココア「う、うんっ! 二名様!」

ミミ「そう、二名で――え? 何言ってんのあんた」

???「では、こちらのお席へどうぞ」

ココア「うんっ」

 私へ振り向こうとするミミちゃんの背中を押し、女の子が案内する席へと向かう。
 下宿先であるカフウさん家にやって来たのだという、本来の目的を忘れ私はすっかりお店をエンジョイするつもりでいた。

ミミ「え? なんで客になってるの? ええ?」

 そしてミミちゃんは分かりやすいくらいにうろたえていた。
 相変わらず予想外なことに弱い子だ。
 ミミちゃんを席に座らせ、私はその向かいに着席。

???「メニューです。ご注文が決まりましたら、お呼びください」

ココア「ありがとうございます」 

ミミ「え、ええ、ありがとう」

 メニューを受け取り会釈する私達。
 女の子はゆっくりと歩いて、カウンターへと戻っていった。

ココア「はぁ……あれ?」

 運命じみたものを感じつつ、彼女を見送り、私は気づく。
 彼女の頭にもふもふとした、白い何かが乗っているのだ。
 ちょっと距離が空いて見えづらかったけれど、多分うさぎだろうか。
 妹チックな女の子と、モフモフ……なんて贅沢なコラボ。

ミミ「……ココア」

 夢のような光景にのほほんとしていると、前からすごく低い声が。
 ……いけない。我を忘れすぎて、目的が二の次になってしまっていた。

ミミ「なんで喫茶店のお客になってるのかしら?」

ココア「ええーと……ごめんなさい」

ミミ「……はぁ。まぁいいけど。喉乾いてたし」

 女の子の何か期待するような視線に気づいたのだろう。
 彼女の方を見ると大きくため息を吐き、メニューを開くミミちゃん。

ココア「今後の参考のために、一回体験するのもいいことだよね」

ミミ「調子いいんだから。どうせあの子の見た目とか、頭のうさぎに気をとられたんでしょ」

 うう、読まれてらっしゃる……。
 メニューを見ながら淡々と言う彼女へ、私は小さく唸る。

ココア「そ、そんなことないよ。見てて、学園生らしくクールに決めるから」

ミミ(学園生がクールと思ってる時点で色々あれなんだけど)

 ミミちゃんがすっごく冷たい目で見てくるけど、気にせず女の子を呼ぶ。
 ミミちゃんは注文を決めているようだし、大丈夫だろう。

???「はい。ご注文は?」

ココア「その子をモフモフさせて!」

ミミ「おいコラ」

ココア「はっ!? つい」

???「ティッピーは商品じゃありませんが……コーヒー一杯につき一モフモフです」

ココア「それじゃあ、コーヒー六杯で」キリッ

ミミ「絶対『つい』じゃないわよね」

 ミミちゃんの冷静なツッコミ。
 身体が自然と動いてしまうのだから、仕方ないというか……。

???「かしこましました」

 ミミちゃんが訂正する間もなく店員の女の子がカウンターへと向かう。
 これで六モフモフ……コーヒー六杯で。
 一人では決してできなかった選択だろう。

ココア「ミミちゃんが一緒に来てくれて本当によかったよ」ニッコリ

ミミ「――この場面でそれを聞いても全然うれしくないんだけど」

???「お待たせしました。オリジナルブレンドです」

 コト、とお盆からテーブルに置かれるカップ。
 その数6つ。注文したのは私だけど、こうして見ると壮観ではある。

ココア「ありがとう。じゃあ早速……」

ミミ「いい香り……これだけでも値段相応ね」

 カップを手にする私達。
 ミミちゃんはお嬢様らしく、それっぽいコメントを口に。
 香り……いいにおいだけど、私にはよく分からない。
 飲み物なんだから、味の方が重要だとは思うんだけど……高級品というのは、そういう問題じゃないのだろうか。

ココア「……」ゴクッ

 疑問に思いつつ一口。
 コーヒーの濃厚な香りに、さっぱりとした口触り。
 しつこくない苦味、確かな旨味。ブラックなのに苦いだけでなく、ちゃんとした味があった。

ココア「……美味しい」

ミミ「本当ね。絶妙なブレンドだわ」

???「ありがとうございます」

 ペコっと頭を下げる女の子。
 ちょっとうれしそう……なのかな? 無表情に近いけど。

ココア「それじゃあ、約束の……」

???「はい。ティッピーのモフモフです」

 頭の上から毛玉みたいなうさぎを降ろす女の子。
 や、柔らかそう……触ったらどんなに気持ちがいいことか。

ミミ「じゃ、じゃあ、まず私が触らせてもらうわ」モフモフ

チノ「モフモフ一回です」

ココア「ヴェアア!? ミミちゃん! その子の身体が目当てだったのね!」

ミミ「いいでしょ。私だって三杯分のお金を払ってるんだから」

ココア「そうだけど、そうだけど……興味がないと思ってたのに」

ミミ「好奇心が刺激されたのよ。うん、いい手触りだわ」

ティッピー「あまり乱暴に触るな!」

ココア・ミミ『……』

 私達の動きがぴたりと止まる。
 ――今この子喋らなかった? 

???「今のは私の腹話術です」

ココア・ミミ『な、なるほどー』

 そっか、腹話術かぁ。
 うさぎが喋るなんてメルヘンないよね。

ココア「次は私だね」

 にこやかな雰囲気が戻り、私はティッピーといううさぎへと手を伸ばし、抱き寄せる。
 モフモフとしか形容できない、幸福な感触。
 一目見て尋常じゃないモフモフだと分かっていたけど、これは想像以上。
 私の予想をはるかに上回ったモフモフ具合だ。

ココア「こ、これは……幸せ……」

ミミ「よだれよだれ」

ココア「はっ、いけないいけない」

???「モフモフ六回分終わりです」

ココア「え? あ、あぁ……っ」

 しばしモフモフを楽しんでいると、女の子からティッピーを取り上げられる。
 まだまだ味わっていなかったけど……六回分よりも堪能したような気がする。それだけ幸福なモフモフだった。

ミミ「未練たらたらね」

???「後はコーヒーをお楽しみください」

ココア「むー……美味しいけど」

 美味しいけど、もうちょっと触りたかったなぁ……なんて。
 美味しいコーヒーを頂きつつ、私は未練がましく女の子の頭上でくつろぐうさぎを見た。

???「え? 今日から下宿する、ココアさんとミミさん……ですか?」

ココア「うん。ここがカフウさんの家だよね?」

???「はい。私はチノです。この喫茶店のマスターの孫です」

 チノちゃん……なんとなくだけど、この子によく似合った名前だと思う。

チノ「それで……なんでお客さんみたいなことを?」

ミミ「この子が勝手にやったことなの。なんだかそのうさぎが気になったらしくて。びっくりさせてごめんね?」

 ……ミミちゃんなんか優しい? チノちゃんに対して。




 ※今回の更新はここまで

 コーヒーを飲み終わった後、事情を説明。
 まぁ当然と言えば当然だけど、話はしっかり通っていたようでチノちゃんはそれほど驚いてなかった。

ココア「ちょっとコーヒーが気になって。えへへ」

チノ「そうですか」

ティッピー「嬉しそうじゃの、チノ」

チノ「……部屋に案内します」

 頭の上のティッピーに軽く手を置いて、チノちゃんが若干早口に言う。
 照れてるのかな? ――いや、でもティッピーはチノちゃんの腹話術だから……あれ? 意味が分からなくなってきた。

ミミ「何してるの? 早く行くわよ」

ココア「あ、うん」

 どういうことか考えこんでいると、ミミちゃんから声がかかる。
 椅子から立ち上がり、声の方向を見れば奥のドアを開くチノちゃんの姿が。その後ろにはミミちゃんが呆れ顔で立っている。
 思った以上にぼんやりしていたみたい。苦笑して、私は二人の後を追った。


 その日は平和に、楽しくあっという間に過ぎていった。
 喫茶店のお手伝いをしたり、学校のお話をしたりして、学校にまだ行っていないのにこんな楽しくていいのかな?なんて思ってしまうくらい幸せだった。

ココア「えへへ」

ミミ「……今日は突然笑うのが多いわね」

 夜。私たちにあてがわれた部屋。
 私のベッドの隣、彼女のベッドの上で本を読んでいたミミちゃんがフッと笑いながら言う。

ココア「これからが楽しみで。明日から学校もはじまるし、本格的に錬金術の勉強できるんだなぁって」

ミミ「……ココアは本当に錬金術を学びたいのね。勉強を楽しみにしてるなんて」

ココア「……そういえばそうだよね」

 勉強を楽しみに。言われてみれば、それって結構すごいことのような。

ミミ「分かってなかったのね。――さ、今日はもう寝るわよ」パタム

ココア「うん。おやすみ、ミミちゃん」

 ベッド脇に置かれたライトを消灯。
 暗くなった部屋の天井を見上げ、私は明日へと思いを馳せる。

 小さいころから憧れていた、錬金術。
 私に才能があるかは分からないけど、それでも私は錬金術士になりたかった。
 私にパンをくれたあのお姉さんのように、誰かに夢を与えられる、そんな錬金術士に。

ココア(明日から頑張ろう……)

 長旅で疲れた身体はすぐに意識を手放し、私は眠りへと落ちていった。




 翌朝。
 私はミミちゃんと一緒に学校へと向かった。
 ミミちゃんは兵士科。私は錬金科として入学式に出席し――それから、それぞれの科に分かれて今後の説明を受けることに。
 そこまでは別におかしなことはない。至って普通の学校である。
 ……けど、そこからがおかしかった。
 夢とこれからの生活に、わくわくうっきうきだった私が、我に帰るくらいには。

ココア(……ふわぁ、すごい学校だなぁ)

 設備は最先端。広大な敷地に、立派な校舎があり、科は5、6種類ほど。コースは普通と進学。
 私が通うことになる錬金科普通コースは他の普通科と同じく、進学と比べあんまり立派とはいえない校舎にあるのだけど、それでも一般的な学校に比べて立派であると言えるだろう。
 入学式を終え、案内された錬金科の教室。黒板と机、椅子――故郷の学校と置いてあるものは同じだけど、それすらも質が違うように思える。
 適当に座った窓際の席。周囲を見回し、私は感嘆をもらす。
 これから、ここで錬金術を……ああ、楽しみ。

ココア(……あ)

 早く先生来ないかな、などとそわそわしていると教室のドアが開く。
 先生かな? 錬金科の先生……どんな人なんだろう。
 私は期待を込めて、教卓の前に立つ先生らしき人物を見た。
 その人は――


 1・やる気がなさそうな眼鏡の女性
 2・青い服を着た、大人しめの女性
 3・ふわふわした雰囲気の女性
 4・白い髪の男性

 ↓1


 ※今日はここまで

 ――青い服を着た、大人しめの女性であった。

ココア(……おおぉ)

 思わず、凝視してしまう。
 肩の辺りを露出した、フード付きの青い服。
 スカートは薄ピンクと白のふわふわとした、ちょっとすけてるもので、ハイヒールから出る綺麗な色をした太ももが強調されているように見えた。
 頭にはそれらしいデザインの模様が入ったカチューシャみたいな物を。
 綺麗なのもそうだけど、できる錬金術士オーラがすごい人だ。

???「みなさん、おはようございます。本日は入学、おめでとう」

 外見通り可愛らしい声で、微笑し彼女は言う。
 教室の生徒のみんなから感嘆みたいな声がもれた。
 な、なんだろうこのすごい人を目の前にした一般人みたいな……。
 私も含めてみんな初対面だよね?

トトリ「私は錬金科普通コース担任のトトゥーリア・ヘルメルト。ちょっと長いから、トトリ先生って呼んでね」

トトリ「えっと……それで。これから錬金科について説明させてもらいます」

ココア(……?)

 持ってきたファイルを開き、トトリ先生が一瞬苦笑する。
 どうしたのだろうと思うが、瞬きをして再びトトリ先生を見ると、彼女はさっきと同じような笑顔を浮かべていた。
 気のせい?

トトリ「……びっくりしないでね?」

 ――気のせいじゃないみたいだ。
 不意に予防線を張る先生に、教室のみんなが不安そうな顔をした。

 なにを言われるんだろう?
 もしかして、成績を一定以上とらないと退学だとか、そういうこと?
 それとも、進学コースと合併したり――

トトリ「錬金科は授業を行いません」

 ――ん。……んん!?

ココア「ど、どういうことですか!?」

 学校で授業を行わない。
 それは最早詐欺レベルなことなのでは。

トトリ「あの……正直に言うと、私たちは最初授業の準備をしてたの。でも錬金科のお偉いさんの独断が通っちゃって、独学でアトリエ経営した方がためになるだろうって」

トトリ「だから、君達には校内の部屋を一室与えて、そこでアトリエ経営をしてもらいながら、三年間自力で錬金術を勉強してもらいます」

トトリ「勿論、放置はしないから安心してね。時々技術を見て、水準に満たない場合は課題も出るから。設備もこの学校だから、不自由はないはずだし……ね?」

 ……どうしよう。すごくツッコミたいけど、トトリ先生が申し訳なさそうだし……何も言えない。
 彼女もまた被害者であることが、容易に窺えるから。

トトリ「先生も精一杯頑張るから! みんなも頑張ろう!」

 一日目から精神論突入……ああ、すごく不安になる。
 教室のみんなも、何も言えないみたいだった。
 できるのかできないのか、止めるべきなのかそうでないのか、それすらも分からないで、ぽかんと目の前で説明する先生を見る。

トトリ「詳しい説明、はじめるね?」

 ……私達、どうなるのかな?

【チュートリアル】

『SSシステム面色々』

 ・このSSの目的
  三年間の学校生活を経て、立派な錬金術士になる。
  学校を卒業することができればクリア。キャラとのイベントを終えていると、個別エンディング突入。
  条件次第で延長戦。

 ・31日を12ヶ月。
  街にいる時は昼、夜のコマンドを二回選択すると一日経過。
  採取地に出掛ける際は>>1が良い意味で適当に決めた基準で経過。

 ・三ヶ月に一度、実力を測るための課題が提出される。
  課題をクリアすると報酬。出来によっては進学科への編入も可能。
  クリアできなかった場合は、数日消費しその期間で覚えるべき錬金術のレシピを習得。錬金レベルも上昇。

 ・昼コマンド
  出掛ける(コマンド決定後、場所を選択。イベント、依頼、買い物など起こること、できることは様々)
  街の外へ(採取地へと向かう)  
  勉強する(錬金レベルの経験値を入手)
  調合(アイテムを調合する)

 ・夜コマンド
  出掛ける(昼と同じく。ただし夜限定の出来事もあり)
  勉強する(昼と同じく)
  調合する(昼と同じく)

 ・調合
  まずレシピを選択し、素材を選択。
  作りたいものが決まっている場合は、素材、経由するアイテムなど、過程を詳しく記載してもOK。
  ただし、明らかに意図がおかしなものは却下。
  特性は3つ以下の場合は自動的に調合したアイテムに継承。それ以上の時は選択。
  品質はそれぞれの素材の平均で決定。

 ・素材
  調合で使用する元となる材料。
  品質はC、B、A、Sの4種類が各素材に存在。
  特性は素材、品質、によって固定。調合の際のアイテム効果も素材、品質によって変化。

 ・特性
  アイテムについている特殊効果のようなもの。
  攻撃アイテムの攻撃力を高めたり、隙を減らしたり、様々な効果が存在する。

 ・街の外へ
  錬金術の素材は、自給自足が基本。
  採取地とは錬金術の素材となるものが採れる場所。
  と聞けばいいこと尽くしであるように思えるが、勿論敵はいる。
  モンスターとの戦いを避けられないのも、採取地の特徴である。
  採取地では採取、敵を探す、などなどの選択肢が選択可能。

 ・戦闘ルール

 ・ステータス

 HP……体力。なくなると戦闘不能
 MP……精神力。スキルやアイテムを使用の際に消費
 LP……ルーンポイント。採取地へ移動、戦闘、採取の度に消費
 攻撃力……攻撃の強さ
 防御力……防御の強さ
 素早さ……行動の素早さ。200が最大
 耐性……属性攻撃への耐性。火、氷、雷、地の四種
 スキル……キャラの持つスキル


 戦闘では素早さが早い順から行動。
 行動を選択し、素早さの値に応じた行動順へと再度配置される。
 防御、アイテム、攻撃、スキル、必殺技の順から遅くなるので注意。

 例:素早さ100と素早さ50のキャラ、敵の場合

 素早さで勝る100のキャラがまず行動。
 攻撃を選択。敵に攻撃。
 すると攻撃の隙(300)- 100(素早さ)で200の分行動順が下がった位置に再配置。
 素早さが高い、隙のない行動を選択、それらの要素が揃うと連続で攻撃することも可能。
 1~999の番号がついたカードが下から上へと動く――とイメージするとやりやすいはず。一応原作基準。

 隙の一覧は
 防御 50~999(選択可能。指定がない場合は50)
 アイテム 200(アイテム、特性による)
 攻撃 300
 スキル 400
 必殺技 450

 攻撃、防御の際ダメージ計算は――
 攻撃力×(コンマ二桁分の%)-対象の防御力 = ダメージ
 と、なる。ゾロ目だとクリティカル。攻撃力二倍の計算。

 攻撃対象は>>1の方でランダムに抽選。
 錬金術士であるココアは2。二人の仲間は2。最前線の仲間は3で。合計7の分母。


 戦闘システムは試用なので、変更するやも


トトリ「ということで、大体は分かってくれたかな?」

 トトリ先生の説明が終わり、彼女が教室の生徒のみんなを見回す。
 ……私は説明されてもさっぱりだったけど……よかった。みんな微妙な顔だ。

トトリ「ま、まぁ詳しいことはやっているうちに分かると思うから。あと、先生も協力するから、なんでも気軽に言ってね」

 これ以上の説明は頭のオーバーヒートを起こしかねないと思ったのだろう。
 トトリ先生が話を切り上げ、ファイルを閉じる。

トトリ「ちなみに、採取するときの仲間とかは自由だから、みんな色々な手を使って頑張ってね」

トトリ「じゃあ、みんなのアトリエの鍵を渡すね。寝泊まりも自由だから――えっと、色々ごめんなさい」

 本当に申し訳無さそうに、トトリ先生がポケットから鍵の束を取り出す。
 色々驚いたことはあるけど……自分のアトリエが持てることは嬉しいかもしれない。
 うん。レシピ通りに作れば、きっと錬金術だって使えるようになるだろうし――頑張ろう!

ココア(よし……!)

 唖然とするみんなの中、私は一人頷く。
 昔は一人でやろうと思ってたのだ。設備が整っていて、先生もいるこの学校なら、昔よりも遥かにいい環境だろう。
 ――頑張ろう。
 ……と、決意したのはいいけど、どうやらここで説明は終わりみたい。
 ここから私の自主的な学園生活がはじまるんだけど――まず、どうしよう?


 1・アトリエへ
 2・採取の護衛を探す
 3・喫茶店を手伝う

 ↓1

ココア「採取の護衛を探そう!」

 鍵を受け取り、ざわざわとみんなが雑談している教室。私は思い立つ。
 これから街の外に行くのだ。ミミちゃんはあとで誘うとして、他にも助けがあったほうがいいだろう。

ココア「うんうん。友達もいっぱいほしいし……まず、それ優先だよね」

 さて。そうと決まれば護衛してくれる人を探しに行――きたいところだけど、どこで探そう?


 1・錬金科教室内
 2・学校内
 3・街

 ↓1

ココア「学校内を探そうかなぁ」

 錬金科とか街とかよりは、確実かもしれない。
 ミミちゃんの通う兵士科の生徒とか、確か魔術科とかあったような気も。
 ちょっと反則な気もするけど、先生とか職員の人に助けを求めるのもいいかもしれない。 
 私は再び、長考をはじめた。


 1・兵士科に向かう(普通、進学選択可)
 2・魔術科に向かう(上に同じく)
 3・他を探す

 ↓1

ココア「――よし。行ってみよう」

 鍵をしまい、ポーチを肩に提げる。
 兵士科の進学コース……とくれば戦闘のエキスパートが揃っているはず。
 我ながら頭が冴えてるね、ふふ。

ココア「――そういえばミミちゃんが通ってるのもそこだよね」

 教室を出て、ふと思い出す。
 貴族で勉強もできて、強くて――文句なしで進学のエリート入りを果たした親友。
 いきなり教室に行って、驚かれたりしないかな?

ココア「意外と喜んでくれたり……」

 自分で呟いて、それはないなとすぐ結論。
 何しに来たの?とか言われるのが関の山だろう。

ココア「それはそれで楽しみなんだけど」

 私は入学式前に渡された校舎の地図を見つつ、うきうき気分で目的地へ向かった。


 到着。
 歩いているといつの間にか、普通コースとはうって変って高級な雰囲気が。
 廊下の壁からドア、鼻に入るかおり。目に映るものも身体で感じるものもなにもかもがガラッと変わる。

ココア「こ、これが進学コース……!」

 エリートの世界に戦慄する私である。
 お、おそろしい差……!

ココア「でもここなら、頼れる人がいるよね」

 今日は入学式だというのに既にリアルが充実しているような顔をしている生徒達を見回し、私は廊下の端で止まる。
 よりどりみどりな状況……誰に声をかけようかな。


 1・三番目っぽいお姉さん
 2・ちっちゃい金髪の女の子
 3・目つきが鋭い男の人

 ↓1


 ※今日はここまでで

【早速戦闘ルール変更 素早さ上限を150に】

 あのちっちゃい金髪の女の子に声をかけようかな。
 なんとなくミミちゃんに似ていて、親しみ易い雰囲気だし。

ココア「ねえ、ちょっとお話いい?」

???「ん? スカウトなら乗らない――ロロナ!?」

 近づいて、声をかける。
 あまり警戒されないように、肩を叩いてできるだけ穏やかに声をかけたんだけど、あんまり意味はなかったみたい。
 何故かすっごくびっくりされた。ロロナ……って人の名前かな? 間違えられた?

???「って、違うか……」

ココア「ロロナって誰のこと?」

???「コホン……気にしなくていいわ。あんたによく似た雰囲気の子がいるだけだから」

ココア「そっか」

 若干恥ずかしそうに言う女の子。
 私に似た雰囲気……どんな人なんだろう?

ココア「あ。それで、スカウトってなんのこと?」

 もしスカウトが護衛の依頼ならば、断られてしまうこと。
 一応確認しておく。

???「護衛のことよ。他学科から依頼されることもあるから、慎重に、って説明されたのよ」

ココア「あ、あー……そうなんだ」

 どうしよう。早速交渉が決裂しそうな気配が。

???「で、なんの用? 見たところ錬金科っぽいけど」

ココア「!? な、なんで分かったの!?」

???「杖。そんなの持ってるの、錬金科くらいだわ」

 おおう……確かに。
 錬金釜というものをかき混ぜる用に故郷から持ってきたけど、錬金科の人以外、持ってる人は見なかったような。

ココア「すごいねぇ。その通り、私は錬金科で護衛を探してて……」

???「で、私に真っ先に声をかけたのね。見る目はあるけど――」

 女の子が周囲を見る。
 そこには他の兵士科であろう生徒達が一杯いる。強そうな人も沢山。

???「なんで私を?」

ココア「知ってる人に似てて。なんか親近感がわいちゃったから」

???「……性格面も似てるわね」

 深くため息。
 けど彼女は嫌そうな顔をしていなかった。

???「分かったわ。あんたの護衛、引き受けてあげる」

ココア「え!? いいの!?」

 断るなんて言っていたのに。
 ちょっと申し訳なくなるけど、彼女がいいと言っているならばいいのだろう。

???「ええ。親近感があるのは、私も同じだから」

ココア「良かった……あ、じゃあお名前教えて? 私はココア」

クーデリア「クーデリア。大体兵士科のグラウンドか、教室にいると思うから、出掛けるときは声をかけなさい」

ココア「うんっ、これからよろしくね」

クーデリア「ええ。それじゃ」

 私は笑顔で挨拶。するとクーデリアちゃんは淡白に短く返事をし、歩いていってしまう。
 ……ミミちゃんより冷たいかもしれない。
 ま、まぁ、護衛を受けてくれたんだし、大丈夫だよね。

ココア「幸先良しっ!」

 ということにしておく。
 ポジティブに考えないと。
 さ、これで仲間の心配もなくなったし、アトリエに向かおうかな。
 これから勉強したり、仕事したりする場所なんだから。

ココア「……うーんと」

 地図を開き、場所を確認。
 私はゆっくりとアトリエのある場所へと向かっていった。


 私のアトリエがあるグラウンドの端っこに到着。

ココア「ここが……」

 それは思ったよりも大きなアトリエだった。
 外から見ると普通の一軒家ほどの大きさ。レンガ作りで頑丈そうな反面見た目はファンシーで、かわいらしい。
 見ようによれば、パン屋にも見えなくもない。

ココア「これって、他の生徒にも与えられてるんだよね……」

 学校の敷地内に。さっき地図を確認したけど、教室一つをアトリエに、なんて生徒もいたし――これは当たりの部類?

ココア「ココアのアトリエ?」

 わくわくしながら鍵を開こうと、ドアへ近づく。
 するとドアの近くにあった看板が目に入った。
 『ココアのアトリエ』……フラスコみたいな絵とともに書いてある文字に、無性に嬉しくなってしまう。
 ここで私は三年間、錬金術を……。

ココア「頑張らないとね!」

 決意を新たに、鍵を解除。ドアを開く。
 ドアを開いて目に飛び込んできたのは、大きな釜。錬金釜だろう。
 空っぽの本棚に、机と椅子。生活ができるようにベッド、小さな台所もある。
 でも、まだまだ殺風景。新品同様の生活感皆無なお部屋だ。

ココア「……これ、優遇すぎないかな」

 他の学科の人とかは……あ、もしかしたら授業がないからこんなにお金がかかってるとか……?
 ふむぅ、まぁ難しいことは考えないでいっか。アトリエを貰ったんだから、大切にしないと。

ココア「……え?」

 考えていると、ドアがこんこんとノックされた。
 お客さんかな? でも早すぎなような。もしかして、ミミちゃん?

ココア「はーいっ」

 なんにせよ来客。私は元気よく返事をし、ドアを開いた。


 がちゃっとそれらしい音。
 ドアを開いて、私を出迎えたのは――

ココア「誰もいない?」

???「しただ」

 無人、ではなく声がした。
 その声のした方向、下を見るとそこには未知の生物が。
 どんな動物かは分からない。というか、今まで見たこともない生き物だ。
 全身モフモフと柔らかそうな体毛に包まれており、頭には星のような模様。ちっちゃい身体で二足歩行をしていて、耳は長く、服も着ている。

ココア「わ、わあぁ……」

 すごく、かわいい。抱きしめてモフモフとしてみたい。
 目を輝かせ足を一歩前に。すると、かわいい子が一歩後ろに。
 ……怖がられてるのかな。
 無理矢理さわろうとしては嫌われてしまうかもしれない。
 はやる気持ちを抑え、私はこの子が訪問してきた用件を尋ねることに。

ココア「な、何の用かな?」

???「さいしょのかだいだ。しっかりよんで、かくにんしろ」

ココア「課題? あ、そっか。ありがとう」

 封筒をポーチから取り出し、私へと差し出してくれる。
 課題。三ヶ月に一度出されるやつだよね。クリアしないと色々面倒なことになるだろうし……頑張らないと。

???「じゃあ、もうかえる」

ココア「うん、ありがとう。できれば今度モフモフさせて――」

 にこやかに、それとなく言うけど、かわいい子はスルー。とてとてと小走りで去っていく。
 ……クーデリアちゃんに続き、これ。流石に寂しくなってきた。

ココア「次こそ必ず……!」

 悪役みたいなことを言って、私はアトリエの中へ戻った。


ココア「……で」

 アトリエに戻り、ベッドに腰掛ける。
 課題。三ヶ月に一度出される、錬金術の技術を測るためのもの。
 それだけこなしていれば、学校から怒られることはない。
 でも立派な錬金術士を目指すなら、課題は通過点であるべきであって……気は抜けないよね。

ココア「――まず確認!」

 封筒を開く。
 真っ白な、折りたたまれた一枚の紙にはこんなことが書いてあった。

『品質Bのヒーリングサルヴを調合、期日に納品』

ココア「品質……?」

 えっと、確かあの人に貰った本に書いてあったよね。
 品質にはS、A、B、Cがあって……って、いきなりBかぁ。
 作るには最低Bランクの素材で揃えないといけないし、大変かもしれない。
 それにまずヒーリングサルヴっていうのがなんだか分からないし、そこから始めないとだね。

ココア「……不安だなぁ」

 錬金術未経験。初めての地で、初めての課題。
 しっかりできるか不安だけど、やるしかない。
 ……さぁ、早速はじめようかな。


 4月1日 【課題スタート】
  所持金 500コール
  錬金レベル 1
  知ってるレシピ 中和剤


 昼コマンド
  1・出掛ける(コマンド決定後、場所を選択。イベント、依頼、買い物など起こること、できることは様々)
  2・街の外へ(採取地へと向かう)  
  3・勉強する(錬金レベルの経験値を入手)
  4・調合(アイテムを調合する)

 ↓1



※一度ここで落ちま

ココア「勉強しようかな……」

 経験がないんだし、知識ぐらいは高めた方が良いだろう。
 さてと……参考書は一冊しかないから、これをしっかり読み返して……。

ココア「――うん。錬金術のことが分かった気がするよ」

 錬金経験値入手。
 錬金レベルが1上がった。


 勉強も一段落。
 休もうと思っていたところで、こんこん、とドアがノックされる。

ココア「はい、なんですか?」

 またあの子かな? そしたら今度はちょっと強引にでも抱きついて……。

ミミ「入るわよ。――って何してるの?」

 ドアの横でこっそり待機。
 抱きつこうと出待ちしていたけど、入ってきたのはミミちゃんだった。

ココア「なんだミミちゃんかー……」

ミミ「帰るわ」

ココア「あ、ごめんなさい! そういう意味じゃないから! モフモフした子が入ってこないか楽しみにしてただけだから!」

 踵を返し、すたすたと歩くミミちゃんを、私はなんとか引き止めた。


 ミミちゃんを連れ戻し、アトリエ内へ。
 お客様のミミちゃんはベッドに座らせて、私は木製の椅子に。向かい合わせに座る。

ミミ「そのモフモフした子っていうのはホムンクルスね」

 で、ミミちゃんにあの子のことを尋ねると、意外にもちゃんとした回答が返ってきた。
 てっきり知らないものだと思っていたのに。流石はミミちゃん。

ココア「ホムンクルス?」

ミミ「そ。言葉を話す不思議な生き物で……謎も多いわ」

ココア「そ、そうなんだ……ミミちゃん前から知ってた?」

ミミ「ええ。錬金術関係だから、ココアももう知っていたのかと思ってたわ」

 まったく知らなかった……。

ミミ「まぁとにかく、しっかり了解を得てからモフモフしなさいよ? 学校で生活するなら、仲良くしておかないと」

ココア「う……分かったよ」

 そうだよねぇ。逃げられるとつい追いかけたくなるけど、抑えないとね。

ココア「で、ミミちゃん何しに来たの?」

ミミ「ココアがアトリエを経営するって聞いたから、あたふたしてないかと心配したのよ」

ミミ「思ったよりも真面目にやってるみたいで安心したけど」

 ミミちゃんがベッドの枕横に置かれている本を見やり、微笑する。

ミミ「どう? 錬金科でうまくやっていけそう?」

ココア「うーん……実はちょっと自信ないんだよね。聞いてよミミちゃん」

ココア「かくかくしかじかで……」

 今日あったことを簡単に説明。
 錬金科のとにかくおかしな点を話すと、ミミちゃんが段々と真顔に。

ミミ「ちょっと抗議してくるわ」

 その顔で淡々と言われるとすごく怖い。
 理事長室に突入しかけない気迫である。

ココア「だ、大丈夫だから。錬金術の勉強って、授業で教えられるようなものじゃないんじゃないかな?」

ミミ「……そうね。得体のしれない技術だし……アトリエ経営はいい経験になるかも」

ココア「得体のしれない……」

ミミ「そういうことなら、採取も自主的になんでしょ? 私も手伝うから、いつでも声かけなさい」

ココア「うん。ありがとう、ミミちゃん」

 私から言うつもりだったのに、ミミちゃんから言われてしまった。
 ミミちゃんはやっぱり優しい。

ミミ「ええ。お礼に今度までにお茶を用意しておきなさい。アトリエの訪問者にお茶もなしだと失礼だから」

ココア「あぁ……そうだよね。お菓子も用意しておくよ。ミミちゃんが好きなやつ」

ミミ「いい心がけね。……さ、そろそろ訓練に戻ろうかしら」

 ポケットの時計を確認し、ミミちゃんが立ち上がる。
 訓練……兵士科も大変みたいだ。

ココア「頑張ってね、ミミちゃん」 

ミミ「ええ。ココアもね」

 ニコッと笑い、アトリエから出て行くミミちゃん。
 毅然とした雰囲気で、キビキビとした足取りで歩くミミちゃんは、なんだかかっこよく見えた。
 ミミちゃんも、この学校で何か目的を見つけたのかな。なんだか眩しい。

ココア「……よし」

 私も頑張らないと。
 まだ時間はあるし、さて……なにをしよう?



 夜コマンド
  1・出掛ける(昼と同じく。ただし夜限定の出来事もあり)
  2・勉強する(昼と同じく)
  3・調合する(昼と同じく)

 ↓1

ココア「出かけよう!」

 初日の夜――に近い、時間に街を探索。
 うん、ロマンティックでこれはこれでいいかもしれない。
 ええと……確か街の地図があったよね。

ココア「お茶の用意もしないといけないし……レシピ本がある場所も探さないと。後は装備、できればお仕事も……」

 あれこれと、やりたいことを確認しつつ地図に印をつける。
 結果――色々すごいことに。

ココア「行きたい場所が多い……」

 ……どうしよう、かな。


 行き先
 1・ラビットハウス
 2・フルール・ド・ラパン
 3・甘兎庵
 4・学園購買部
 5・冒険者ギルド

 ↓1

ココア「フルール・ド・ラパン……」

 ラビットハウスと同じく、喫茶店だけど、ガイドによると茶葉の発売もしているらしい。
 ミミちゃんは貴族の子だし、こういう専門店で買った物のほうが喜びそうだ。
 ……よし、行ってみようかな。

ココア「新しくできたらしいし、楽しみだなぁ」

 地図をしまい、私は意気揚々とアトリエを出た。

 フルール・ド・ラパン。
 新しくできたお店らしく外観がとっても綺麗で、他のお店と比べても目立つ。
 なんだかおしゃれな雰囲気……ラビットハウスとはまた違った方向性でおしゃれなのだけど、何て言ったらいいのか。

ココア「場違い感……」

 田舎者の私が入ってもいいのだろうか。
 ちょっと不安になるけど、これからの生活、喫茶店の一つや二つ、一人で入れないと困ってしまうだろう。

ココア「……。さ、入ろうかな」

 大きく息を吸って、吐く。
 一人で喫茶店。初めてで緊張するけど、割りと楽しみにしている自分もいた。
 ミミちゃん、私はここで一足先に大人の階段を登るよ……フッ。

ココア「……」ドキドキ

 内心ニヒルに笑いつつ、ドアを開き中へ。
 ハーブティーメインということもあり、店内に入った途端にハーブのいい香りが漂ってくる。
 ああ、お洒落……。
 ハーブの香りをお洒落の一言で片付ける辺りに、私の田舎者レベルが察せると思う。
 でも、これは期待できそうだよ。
 美味しいお茶が手に入りそ――

???「はい、いらっしゃいませ!」

???「い、いらっしゃいませー」

???「次、ありがとうございました!」

???「ありがとうございます!」

???「最後、テスさんかわいい!」

???「帰っていいですか?」

 ――どうしよう。雰囲気が色々台無しに。

ココア「あ、あのー」

 けれど入った手前帰ろうなんてことはできず、私はおそらくバイトの教習をしている二人へと声をかける。

???「はいはい、いらっしゃいませ……って、あれ?」

???「お客様……ですか?」

 気づいた二人は私を見て、不思議そうな顔をする。
 あれ? 私なにかやっちゃったかな?

???「あ、閉店の看板出すの忘れちゃった」テヘペロ

???「テスさん……」

テス「まぁまぁ。教習のためだから、いつもと違うんだし先輩のお茶目ということで」

 ジト目で見る金髪の子へ、テスと呼ばれた人はあっけらかんと笑う。
 良かった。私が何かしたわけじゃないんだね。

テス「ごめんねー。今日はもうお店閉じたつもりだったんだけど――お客さん追い出すわけにはいかないよね。まぁ、座って」

ココア「ええっ? いいの?」

テス「いいのいいの。ほら座って」

 ニコニコと笑い、私の背中を押すテスさん。
 戸惑っている内に、私は椅子に座らせられてしまった。

テス「シャロ。メニューメニュー」

シャロ「店長に怒られたって知りませんよ? はい、どうぞ」

ココア「あ、ありがとう」

 メニューを受け取り、お礼。
 いいと言っているんだし、ここはお言葉に甘えようかな。

ココア「ええと…今日のハーブティーとクッキーを」

シャロ「かしこまりました」

テス「へいまいど!」

シャロ「お店が違います」

 クールに言って、厨房へと歩いてくシャロちゃん。
 テスさん……年齢は私よりも上だけど、なんだか親しみ易いというか。距離が近いような気がする。

テス「うーん、シャロちゃんつれないなぁ」

ココア「あはは……」

テス「仲良くなろうと思ってるんだけどね。なんかうまくいかなくて」

 いつの間にか私の向かい側に座っているテスさん。
 お店を閉めているからだろう。客である私に対して遠慮がない。

テス「あ。お店閉めてるからね。今はオフの気分だから」

ココア「うん、私もそっちの方がいいから大丈夫だよ」

テス「おおう、タメ口……君は友好的でいいねぇ。シャロちゃんももっとべったりしてくれていいのに」

 べったり……はどうなんだろう。
 でも確かに、仲良くしたい人から敬語とかよそよそしい態度をされるのは気になるかもしれない。
 私もチノちゃんのそういうところは気になるし。

テス「あ、そうだ。君の名前は? 私はテス。あの子はシャロちゃん」

ココア「私はココアだよ。よろしくね、テスちゃん」

テス「ココアちゃんだね。よろしく。ココアちゃんは、ここの学校の子?」

ココア「うん。今年から錬金科に通うんだ」

テス「錬金科……珍しいね」

ココア「そうなの?」

テス「うん。学校ができた時からあった学科だけど――すごく生徒が少ないし」

 ……そ、そうだったんだ……。
 まぁでも私の故郷でも錬金術士だなんて人はいなかったし、そうなのかも。

シャロ「どうぞ。今日のハーブティーとクッキーです」

 なんて、世間話をしているとシャロちゃんが戻ってくる。
 トレイに乗せたカップとお皿を置いて、丁寧にお辞儀。まるでメイドさんだ。

ココア「ありがとう、シャロちゃん。……あ、いい匂い。美味しい……」

 カップを持ち、いい香りを鼻にいれ、一口。
 ホッとする優しい味わいが口に広がる。
 気が抜けてしまいそうな、香りと味。私は脱力し椅子の背もたれに寄りかかった。

ココア(このままゆっくりするのもいいけど……)

ココア(せっかくだからお話してみようかな)

 1・錬金科のことを話す
 2・シャロちゃんのことを聞く
 3・テスちゃんのことを聞く

 ↓1

ココア(錬金科のことを話してみよう……)

 なんとなく、私は思う。

ココア「錬金科の生徒だった人って知ってる?」

テス「錬金科の生徒かぁ……あたしは知らないなぁ」

シャロ「私も――あ、そういえばスイーツショップに一人いたような」

ココア「ス、スイーツショップ?」

テス「相変わらず錬金術ってわけわからないね」

 パン屋を目指してる私がいるわけだし、否定できない……。

シャロ「でも錬金術士がちょっと羨ましいかも」

ココア「え? なんで?」

シャロ「自給自足で色々作れるし、節約に……」

テス「ああー、分かる。あたしも錬金術が使えたら、もっとお得に生活できるのかも」

シャロ「――え? テスさんもですか?」

テス「うん。日々節約。無駄遣いは控えないと」

 ……おや、なんか共通点が。

シャロ「外で素材を集める、っていい節約法になるかも……」

テス「あたしもたまにしてるけど、いいもんだよ。危険だけどね」

ココア「……」

 ――シャロちゃん、外で採取するのに興味あるのかな。
 これは仲間を増やすチャンス?


 1・「採取についてくる?」
 2・「テスさんも外へ?」

 ↓1

ココア「もし良かったら……シャロちゃん、採取についてくる?」

 この機会は見逃せない。
 私はシャロちゃんへと、声をかける。

シャロ「え? 私が? えっと……戦いが苦手でいいなら」

 狼狽える様子を見せるけど、シャロちゃんは頷いてくれた。
 よかった……これで、また戦力が増えたね。
 しっかりした子だし、頼りになりそうだ。

テス「街の外へ外出に、戦闘――従者科のいい授業だね」

ココア「従者科? メイドさんとか執事さんの?」

テス「うん。すごく人気なんだよ。就職先が多くて、うまくいけばお金持ちの人に雇ってもらえるし」

シャロ「戦闘までしないといけないのが不服ですけど」

ココア「へー。本当に色々あるんだね、あの学校」

シャロ「他人事みたいですね……」

ココア「知らなかったから。あ。あと、敬語はいいよ。タメ口でフレンドリーに話そう?」

シャロ「……え、ええ。一緒に出掛けるなら、そうよね」

 控え目に頷くシャロちゃん。うん……制服のせいもあって、すごく可愛い。

テス「よかったね、シャロちゃん。友達ができてテスさん安心だよ」

シャロ「友達ができないなんて言ってないですけど……まあ、ありがとうございます」

ココア「ふふ。じゃあ、シャロちゃんの助けが必要になったら声かけるね」

シャロ「そうね。できるだけ早めにお願い。――さて、そろそろバイト上がりの時間ですよ」

テス「あ、本当だ。店長に話してくるね。じゃあね、ココアちゃん」 

ココア「……あ。私も帰らないと」

 時計を見る。
 私もそろそろ帰らないと、ラビットハウスの人達に迷惑がかかってしまう。
 入学初日だし、早めに帰らないとね。

ココア「じゃあ、またねシャロちゃん」

シャロ「ええ。お互い、頑張りましょ」

 手を振って、私は店から出て行く。

???「ネリ金術科の生徒が来たというのは本当かね!?」 

テス「だから店長、もう帰りましたってば」

 去り際、賑やかな声が聞こえてきたけど――早く帰らないと。
 私は気にせず足早にラビットハウスへ帰っていった。
 そういえば、なにか忘れているような……。

ココア「ま、いっか。早くチノちゃんに会いたいし」

 後日、私は茶葉を買いに再度ここを訪れることになるのだが――この時の私は知るよしもない。


 【シャロが仲間になった】


 ※今日は落ちま

戦闘は四人。仲間になるキャラはもっと大勢でござい
店長はご察しの通り


『一日経過』

 4月2日
  所持金 500コール
  錬金レベル 1
  知ってるレシピ 中和剤 赤


ミミ「起きなさい。もう朝よ」

ココア「うーん……あともうちょっと」

チノ「本当に起きませんね」

ミミ「いつもこうなのよ、この子」

 身体が揺さぶられ、近くから誰かの声が。
 呆れたような、逆に感心したような声。二人……かな?
 起きなくちゃと思うんだけど、身体がうまく動かない。こればっかりは仕方ないよね。
 錬金科は授業もないし、もう少しぐっすり眠ってても――

ココア「わぷっ!?」

 意識を手放そうと、ふっと身体が軽くなる感覚。
 それが訪れるとともに、顔に冷たいものがかかった。

ココア「な、なに!? どうしたの!?」

ミミ「やっと起きた」

 バッと身体を起こすと、ミミちゃんがベッド脇で水差しを手に呆れ顔。
 あれで水をかけられたみたい。ちょこっとだけど。

ミミ「おはよう、ココア」

チノ「おはようございます」

ココア「お、おはよう――って、ミミちゃん! 水はひどいよ!」

ミミ「何言ってんのよ。十分近く起きなかったじゃない」

ココア「十分……? えっと、それはいつからの時間? チノちゃんの本当に起きませんね、から?」

ミミ「もっと前よ。まだ寝ぼけてるならお水あげようかしら。成長するかも」

ココア「ご、ごめんなさい! 明日からはしっかり起きるから!」

チノ「……仲良しですね、二人とも」

 頭をぺこぺこ下げる私を見やり、チノちゃんが言う。
 仲良しなんだけど、起こしてくれるのは有り難いんだけど、もっと優しくしてくれると有り難いなぁ……なんて。

ミミ「さ、ほら早く着替えてご飯食べなさい。チノちゃんが作ってくれたのよ」

ココア「――さぁ、ミミちゃん。優雅にブレックファーストといこうか?」キリッ

ミミ「着替えるの早いわね」

 でもミミちゃんのお陰で今の私があるんだし、ここは感謝、だよね!
 うん、現金だとはよく言われるよ。


 朝食をとって自室。
 学校へ行くミミちゃん、チノちゃんを見送り、私はひと休憩。

ココア「なんだか駄目人間になった気がするよ……」

 学校へ行くみんなを見送り、自室でゆったり。
 ……このままだと際限なくだらけてしまいそうだ。

ココア「今日の予定をすぐ決めないと」


 昼コマンド
  1・出掛ける(コマンド決定後、場所を選択。イベント、依頼、買い物など起こること、できることは様々)
  2・街の外へ(採取地へと向かう)  
  3・勉強する(錬金レベルの経験値を入手)
  4・調合(アイテムを調合する)

 ↓1

ココア「……よっし!」

 ちょっと考えて、決定。
 外に出ることにしよう。
 このままだらけていては、課題がクリアできる気がさっぱりしないから。

ココア「外に行くよ!」

 意気揚々と私は椅子から床に立ち、遠出の準備をはじめた。


※今回は限界の四人全員で出発

『ステータス』

  ココア Lv.1(Next.5)
 HP:20
 MP:25
 LP:10
 攻撃力:8
 防御力:2
 素早さ:5

 スキル
  ・万物の理 『アイテムを一回分消費し、タイムカードを200の間隔で三枚発行。効果は一枚30%』

 武器:思い出の杖(攻撃+0)
 防具:普通の服(防御力+0)
 アクセサリ:なし
 アイテム:なし



  ミミ Lv.1(Next.4)
 HP:30
 MP:15
 LP:20
 攻撃力:15
 防御力:5
 素早さ:15

 スキル
  ・シーセンヴァッフェ 消費MP10 『敵一体へ攻撃。コンマにプラス30の効果』

 武器:長めの槍(攻+0)
 防具:お気に入りのマント(防+0)
 アクセサリ:なし


  クーデリア Lv.1(Next.4)
 HP:23
 MP:15
 LP:17
 攻撃力:10
 防御力:3
 素早さ:10

 スキル
  ・ラピッドシュート MP10 『敵全体へ攻撃。コンマにプラス20の効果』

 武器:普通の弾丸(攻+0)
 防具:薄手の洋服(防+0)
 アクセサリ:なし


  シャロ Lv.1(Next.5)
 HP:20
 MP:10
 LP:10
 攻撃力:10
 防御力:2
 素早さ:20

 スキル
  ・奉仕の基本 MP10 『味方単体のHPを攻撃力×コンマ一桁÷2回復』

 武器:布グローブ(攻+0)
 防具:おさがりの服(防+0)
 アクセサリ:なし

 全員に声をかけて、お昼過ぎに街の出入り口前で集合。
 暇な私がご飯を食べながら待っていると、真面目な仲間達は続々と待ち合わせ場所に集結した。

クーデリア「あら、ココア。暇なあんたはともかく、私が一番乗りかしら」

ミミ「ココア。早速呼ぶなんて、やる気があっていいこと――」

クーデリア・ミミ「……」

 ――した、んだけど、なんか空気が不穏な。
 え? なんで二人とも睨み合ってるの?

ミミ「あら、誰かと思えばフォイエルバッハのご令嬢ではないですか」

クーデリア「そういうあなたはシュヴァルツラング家の」

ミミ「なにしにいらしたんですか? お外も知らなそうなお嬢様がこんなところへ」

クーデリア「ちょっと友人と外出に。あなたこそここに何をしに? 街の入り口で募金活動とか……?」

ミミ「うぐぐぐぐ」
クーデリア「うぎぎぎぎ」

 ど、どうしよう。仲介する余地がない。
 というか、二人の間に挟まれてすごく嫌な予感がする。

ココア「あ、あのぅ、二人とも仲良く――」

ミミ「ココア! なんでこんな奴呼んだの!?」

クーデリア「それはこっちのセリフよ! こんなお子様!」

ココア「な、仲良く――」

ミミ「お子様はあんたでしょ! ちっちゃい身長して――」

クーデリア「言ったわね……! いいわ、出発前に誰が仲間にふさわしいか決めてやるんだから!」

ココア「あーっ、もう! 喧嘩したら駄目だって!」

シャロ「ご、ごめん! 授業と加害授業届けでですっかり遅れ――」

 争う二人へ、私が若干怒った口調で言うと、そこへシャロちゃんがやって来た。
 私の怒気に沈黙、そこへすかさずシャロちゃんが到着。タイミングとしてはほぼ最悪で。

シャロ「……え、えっと、ごめんなさい?」

 やって来たばかりのシャロちゃんも思わず謝ってしまうくらいの、空気の悪さだった。


 ワールドマップ


 ・近くの森  採取できるもの:???、???、??? モンスター:???、??? 移動日数:1
 ・安らかな川 採取できるもの:???、???、??? モンスター:???、??? 移動日数:1
 ・綺麗な草原 採取できるもの:???、???     モンスター:???     移動日数:2

 ↓1 行き先を決定


 近くの森へ。行きと帰りで一日経過。LP2消費。


 ゆったりと進んで、近くの森へ。
 地図で確認しながら探り探りだったけど、無事に到着できたみたいだ。

ココア「……ここだね」

ミミ「それらしい場所ね。ここなら、錬金術の素材も見つかりそうだわ」

クーデリア「シャロの目的も果たせるんじゃないかしら。ほら、あそこの植物とかどう?」

シャロ「あれは……毒ね」

クーデリア「……」

ミミ「……」

クーデリア「なによ、なにか言いたいの?」

 ……まだ不安だけど、まぁ大丈夫、だよね?


 1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
 2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)

 ↓1


 0.5日経過。採取後戦闘。


ココア「まず採取! これ錬金術士の基本だよ」

ミミ「基本を語れるレベルなのかしら」タメイキ

シャロ「早速ね。腕が鳴るわ……!」

 錬金術士を目指すなら、まず素材を手に入れないと。
 さぁて、張り切って素材を探すよ。

 で、何時間か経った。

クーデリア「こんなものかしら」

ミミ「……いまいちパッとしないわね」

 みんなで手分けして素材を採取。
 結構時間をかけてあちこちを探したんだけど――中々上手くいったんじゃないかな?

 うに C、ニューズ C、ニューズ C、うに Cを入手。


 ・うに カテゴリ:植物、食材
  ココア「トゲトゲとした、痛そうなトゲに覆われた木の実だよ」
  チノ「食材として、時には武器として使用できる素材ですね」
  ココア「うん。でも、これって栗――」
  チノ「うにです」

  品質ランク特性 C:大きい、安物Lv.1  二個所持

 ・ニューズ カテゴリ:植物
  ココア「トゲ付きの鉄球みたいな形だよね。武器に使えそう」
  リゼ「ああ。けど意外と棘みたいな根っこは柔らかいから、痛くはないけどな」
  ココア「そうなの? 見た目によらないんだね」

  品質ランク特性 C:弾けるトゲ、威力アップLv.1  二個所持



 ※今回はここまで

 採取も一段落。
 中々いいものも見つかったし、このまま続けていればもっといいものが見つかるかもしれない。

ココア「――よし、張り切って探そう!」

 みんなが各々作業をする中、私はふと目についた草むらへと一人向かっていく。
 なんとなくそこに、何かがあるような気がしたのだ。

ココア「ふふふ、これでみんなびっくり――」

 みんなを驚かせてやろう、そう思って草むらの中を覗きこむと――

『……』

 なんか丸っこい生き物と目が合った。
 モフモフと言えばモフモフ。茶色の、毛が生えたその子はくりくりとした瞳で私を見つめ、

『……』スッ

 おもむろにたるを取り出した。
 ……え? たるって、どこから……?
 って、言ってる場合じゃない! この子多分、モンスター!

ココア「み、みんな助けて!」

 草から飛び出すたるから跳びはねるように逃げ、私は助けを求める。
 みんな、戦う覚悟はできていたようだ。私が叫ぶとほぼ同時に、ミミちゃんクーデリアちゃんはそれぞれ武器を取り出した。

シャロ「え、えええっ!? た、戦い!?」

 シャロちゃんは私と同じ感じだけど。


 【戦闘開始】

 敵 たるリス 2体

 たるリス
 HP:15
 攻撃力:15
 防御力:0
 素早さ:15


 行動順

 1 シャロ
 2 たるリス1
 3 ミミ
 4 たるリス2
 5 コーデリア
 6 ココア


 戦いが始まる。
 その瞬間に動き出したのは、意外にもシャロちゃんだった。

シャロ「敵ならやけくそ!」

 様子を見ていたミミちゃん、クーデリアちゃんがぎょっとする。
 その場の全員が動けないでいる中、かけ出したシャロちゃんは――


 A・攻撃(対象を1か2で選択。指定がない場合ランダム)
 B・スキル(使用するスキル、対象の仲間又は敵を指定)
    1奉仕の基本
 C・防御(隙の大きさを指定可)

 ↓1

【攻撃 対象:1 コンマ38】
【攻撃力(10) × 0.38 - 防御力(0) = ダメージ(3.8= 4)】

【たるリス1 残りHP11】

シャロ「とおおおっ!」

 堂々と正面から肉薄。
 採取用かと思ってたけど、そうじゃないみたい。
 薄手のグローブを着けた拳で、たるリスの一体を殴りつける。
 意外と綺麗なモーション……なのかな? 真っ直ぐ放たれたパンチはたるリスに綺麗にヒット。

シャロ「どう!?」

 本人的には会心の一撃。
 ……でも、まだまだ倒すには足りないようだ。


 敵のターン

 ↓1 コンマで威力判定 末尾9で敵がスキル使用

【訂正 コーデリア → クーデリア】

【隙表記忘れ】
【攻撃の隙(300) - 20 = 280】

行動順
1 たるリス1
2 ミミ
3 たるリス2
4 クーデリア
5 ココア
280 シャロ



【対象:クーデリア コンマ:23】
【15 × 0.23 - 3 = 0】

『……!』

 攻撃されたたるリスが目をキッと鋭くさせる。
 彼は片手で持ったたるを軽く持ち上げ、そして――投げる。

クーデリア「なぁっ!?」

 何故かクーデリアちゃんに。
 攻撃し、一旦下がるシャロちゃんなんて眼中にない様子で、クーデリアちゃんにたるを全力投球。
 ちっちゃいクーデリアちゃん目掛け飛んでいくたる。

クーデリア「いった――くないわね」

 私があたふたしていると、たるをぶち当てられたクーデリアちゃんが真顔で言った。
 あ、あれ……? 思い切りたるが破裂して、木が飛び散って……。いや、考えないでおこう。


 隙
【300 - 15 =285】

行動順

1 ミミ
2 たるリス2
3 クーデリア
4 ココア
280 シャロ
285 たるリス1


 Next
 ミミの攻撃


 A・攻撃(対象を1か2で選択。指定がない場合ランダム)
 B・スキル(使用するスキル、対象の仲間又は敵を指定)
    1・シーセンヴァッフェ
 C・防御(隙の大きさを指定可)

 ↓1

【攻撃 対象:2 コンマ:83】
【15 × 0.83 - 0 = 12】

【たるリス2 残りHP:3】

ミミ「これくらいの相手なら楽勝ね」

 様子を見ているのか、動き出さないもう一体のたるリスを狙い、ミミちゃんが動き出す。
 身長を軽々と越す槍を手に接近。
 間合いに入らない内に、彼女は一回転。飛び込むようにして一歩大きく踏み込み、槍を横に振るう。
 思わず簡単がもれてしまう華麗な攻撃。
 見事にたるリスの体力を奪い、致命的なダメージを与えることに成功する。

ミミ「――さぁ、トドメ頼むわよ」


【300 - 15 = 285】


 行動順

1 たるリス2
2 クーデリア
3 ココア
278 シャロ
284 たるリス1
285 クーデリア


 Next たるリス2

 ↓1 敵攻撃コンマ判定 末尾9でスキル使用

【対象:クーデリア コンマ:50】
【15 × 0.5 - 3 = 5】

クーデリア HP 18/23


 ミミちゃんの攻撃を受け、弱っているたるリス。
 でも、彼は果敢にも動き出す。
 たるを持ち、そして目の前のミミちゃん――ではなく、またもやクーデリアちゃんに。

クーデリア「はあ!? なんで私――あいった!?」

 限りなく直線上に放たれたたるが直撃。
 流石にこれは痛かったようで、クーデリアちゃんは尻もちをついた。
 クーデリアちゃん……可哀想に。 

クーデリア「あんたら覚悟しなさいよ……!」



【300 - 15 = 285】


 行動順

1 クーデリア
2 ココア
277 シャロ
283 たるリス1
284 クーデリア
285 たるリス2


 Next
 クーデリアの攻撃


 A・攻撃(対象を1か2で選択。指定がない場合ランダム)
 B・スキル(使用するスキル、対象の仲間又は敵を指定)
   ・ラピッドシュート
 C・防御(隙の大きさを指定可)

 ↓1

【対象:1 コンマ:6】


※と決まったところで、今日は終了。落ちま

【修正 行動順のふたつ目のクーデリアがミミでござい】

【全滅時の説明がまだでしたね。
  全滅するとアトリエ恒例の、アトリエへ強制送還。通常の移動日数+3日経過で】


【10 × 0.06 - 0 = 0】

クーデリア「見てなさい。この銃で……」

 クーデリアちゃんが銃……って物を構え――てるのかな?
 私は見たことないけど、武器みたい。
 なんかクーデリアちゃんに似てちっちゃくてかわいいけれど、なんかなんか怖いような気も。

クーデリア「えいっ!」

 可愛い掛け声のあと轟音。
 な、なに今のぷにが爆発したみたいな音は……!?
 思わず耳を塞いで、敵の姿を確認。武器らしいし、なにかしらの変化があるはずなんだけど。

クーデリア「うっ……外したわ」

 外した。その言葉の通り、たるリスに変化はない。
 けど一体のちょっと横。そこにある木に小さな穴が空いているのが見えた。
 ……そ、そういう武器? 遠距離から穴を空けるって……こ、怖い。

ミミ「実物は初めて見たけど、すごいわね……」

シャロ「な、なんなの今の?」

 他の仲間のみんなも、私と大体同じ心境みたい。


 隙
 【300 - 10 = 290】


 行動順

1 ココア
276 シャロ
282 たるリス1
283 ミミ
284 たるリス2
290 クーデリア


 Next.ココアの攻撃

 A・攻撃(対象を1か2で選択。指定がない場合ランダム)
 B・スキル(使用するスキル、対象の仲間又は敵を指定)
   ・万物の理 【使用不可】
 C・防御(隙の大きさを指定可)
 D・アイテム (うにC 2個所持)

 ↓1

【攻撃 対象:1 コンマ:46】

【8 × 0.46 - 0 = 4】

 【たるリス1 残りHP7】


ココア「私も……!」

 みんなに任せっきりは駄目だ。
 杖を握りしめ、私は前に。たるリスの一体を狙い、杖を振り下ろす。
 確かな手応え。たるリスも痛がっているし、それなりにダメージは与えられたはず。

クーデリア「うぐぐ……自分が不甲斐ない……」

 クーデリアちゃんが落ち込んでいたけど。


 隙
【300 - 5 = 295】

 行動順

1 シャロ
7 たるリス1
8 ミミ
9 たるリス2
15 クーデリア
295 ココア


 Next.シャロ

 A・攻撃(対象を1か2で選択。指定がない場合ランダム)
 B・スキル(使用するスキル、対象の仲間又は敵を指定)
    1奉仕の基本
 C・防御(隙の大きさを指定可)

 ↓1

【攻撃 対象:2 コンマ:59】

【10 × 0.59 - 0 = 6】

 たるリス2 残りHP0


シャロ「つ、続くわ!」

 若干吃ったシャロちゃんが飛び出す。
 まだオドオドした様子だけど、突き出した拳は威力充分。
 綺麗にヒットし、たるリスはコロコロと後ろに転がって木に激突。倒したみたい。

シャロ「や、やった!」

ミミ「中々やるわね、シャロ」

 普段はあんまり褒めることをしないミミちゃんも賞賛するほどだ。
 確かに、シャロちゃんすごいよね……なんだかんだ攻撃に成功してるし、攻撃受けてないし。


【300 - 20 = 280】


 行動順

1 たるリス1
2 ミミ
9 クーデリア
289 ココア
280 シャロ


 Next.たるリス1

 ↓1 敵攻撃コンマ判定 末尾9でスキル使用

【コンマ:30 対象:クーデリア】

【15 × 0.30 - 3 = 2】

 クーデリア HP 16/23

 仲間を倒されたたるリスが、まるで敵をとると言わんばかりにたるを高々と掲げる。
 そして、投げた。

クーデリア「なんで!?」 

 クーデリアちゃん目掛けて。
 もうクーデリアちゃんは前世辺りの縁を疑ったほうがいいのかもしれない。
 痛そうだけど、まだまだ問題なさそうだ。
 たるをぶち当てられたクーデリアちゃんは、半分怒った状態で服についた破片を払う。
 ……クーデリアちゃん、すごく同情する。


【300 - 15 = 285】


 行動順
 
1 ミミ
8 クーデリア
288 ココア
279 シャロ
285 たるリス1

 Next.ミミ

 A・攻撃(対象を1か2で選択。指定がない場合ランダム)
 B・スキル(使用するスキル、対象の仲間又は敵を指定)
    1・シーセンヴァッフェ
 C・防御(隙の大きさを指定可)

 ↓1

【攻撃 対象:たるリス1 コンマ:57】

【15 × 0.57 - 0 = 9】

 たるリス1 残りHP0

ミミ「決めるわよ!」

 頼もしいセリフとともに、ミミちゃんが駆け出す。
 姿勢を低くし、間合いに入るとともに槍で一突き。グロテスクな光景が広がるのは目に見えていた。
 でもやはり、コミカルに転がり倒れるたるリス。
 苦戦はしたはずなのに、なんだか拍子抜けという印象が拭えない。


【勝利!】

ミミ「ま、これくらいの相手、こんなものよね」

ココア「流石ミミちゃん! すごい気迫だね!」

ミミ「まあね。……。喜んでいいのかしら、それ」

 経験値、それぞれ2入手。
 ニューズ C 一個入手。

【全員LP 1 消費】

       HP  LP
ココア    20   7 
ミミ     30  17
クーデリア  16  14
シャロ    20   7

 4月3日 半日経過
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤


クーデリア「散々だったわね……」

ココア「そ、そうだね」

ミミ「……流石に同情するわ」

シャロ「ずっと狙われてたし……なんでかしら?」

 戦闘を終えて、無力化させたたるリスから採取を行い、これで本当に一段落。
 クーデリアちゃんをみんなでねぎらいつつ、私は次、何をしようかと考えた。



1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)
3・移動する(他の採取地、街へ)

 ↓1

【1 採取 エンカウントなし】

ココア「気を取り直して、採取しよう?」

クーデリア「……そうね。ここにはあんたに付き合いに来たんだし、とことん付き合うわよ」

 ふてくされ気味に、クーデリアちゃんが言う。もうやけくそみたいだ。

シャロ「私もうに拾っておこう……」

 モンスターが出てきたけど採取はしておきたい。
 みんなで慎重に採取地の中を探索。最初の時見つからなかった素材も発見することができた。

 ニューズ C、アイヒェ C、アイヒェ C、ニューズ Cを入手しました。


・アイヒェ カテゴリ:植物、木材
  ココア「アイヒェ……。ただの木だね」
  シャロ「ただの木でも汎用性はすごいんだから。錬金術しかり、人々の生活しかり、必要不可欠な基本的素材よ」
  ココア「沢山あっても困らないってことだよね」
  シャロ「ただ重いから、持ち運ぶのは不便なのよね……」

  品質ランク特性 C:防御力+2 効果安定Lv.1  二個所持


【半日経過】


 4月4日 
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤


1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)
3・移動する(他の採取地、街へ)

 ↓1

【1 採取 エンカウントなし】


※今日はここまでで

 4月4日半日経過
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤

ココア「採取、採取。引き続き採取だよ!」

ミミ「何日同じ場所にいることになるのかしら……」

 ニューズ C、アイヒェ C、うに C、うに Cを入手しました。


1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)
3・移動する(他の採取地、街へ)

 ↓1

【1 採取 エンカウントなし】

 半日経過。

 4月5日
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤

 アイヒェ C、うに C、うに C、うに Cを入手。


ココア「……ふわぁ、よく寝たねぇ」

シャロ「外でこんなキャンプするとは思わなかったわ……」

ミミ「これから遠いところに行くと、もっと大変よ?」

クーデリア「身体は鍛えておくべきね」


1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)
3・移動する(他の採取地、街へ)

 ↓1

【1 採取 エンカウントなし】

【現在素材を入れるカゴの中には17個の素材。MAXを40に設定。アトリエに帰るとコンテナに移す形で】

ココア「さぁ! 張り切ってもう一回!」

クーデリア「しょうがないわね……」

 できるだけ錬金術の素材は見つけておきたいし、採取はしておきたい。
 みんなに再度お願いし、私たちは採取をはじめた。


 半日経過。

 4月5日 半日経過
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤

 アイヒェ C、ニューズ C、アイヒェ C、アイヒェ Cを入手。



1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)
3・移動する(他の採取地、街へ)

 ↓1

 現在カゴの中 21/40

【3 移動】

ココア「うん、こんなものかな……」

 ポーチは結構素材でうまってきた。
 移動するなら、このタイミングでいいだろう。

ココア「みんな、他の場所に行くよ」

クーデリア「ようやくね。どこに行くの?」

ココア「うーん、と……」

 そういえば、私が決めちゃっていいんだよね?
 こういうのは初めてだから、どうすればいいのやら――


ワールドマップ


 ・近くの森  採取できるもの:うに、ニューズ、アイヒェ モンスター:たるリス、青ぷに 移動日数:1  【選択不可】
 ・安らかな川 採取できるもの:???、???、??? モンスター:???、??? 移動日数:1
 ・綺麗な草原 採取できるもの:???、???     モンスター:???     移動日数:2
 ・街に帰る

 ↓1 行き先を決定

【安らかな川 行き、帰り分含めて一日消費 LP1消費】

 4月6日
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤
 カゴ 21/40


ココア「はぁ……心が洗われるねぇ」ハァハァ

シャロ「ちょ、ちょっと疲れてきたわね」ゼエハァ

クーデリア「あんたたちもうへばってきたの?」

 綺麗に流れる小川に到着し、ひと休憩。
 出発してどれくらい時間がかかったのだろうか。4日である。
 青春真っ盛りの少女が、4日。大問題だよね。

ミミ「ほら、へばってないで頑張りなさい」

ココア「う、うん! 大丈夫だよ!」

 ――さて、せっかく外にいるんだし頑張らないと。
 何をしよう?


1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)


 ↓1

【1 採取 エンカウントなし】

ココア「さ、採取しよう!」

クーデリア「採取ね。張り切っていくわよ」

 ミミちゃんクーデリアちゃんの二人はまだまだ余裕綽々といった様子。
 でもなんやかんや私とシャロちゃんのことを気にかけてくれてて……やっぱり優しい。

 正体不明のタマゴ C、正体不明のタマゴ C、正体不明のタマゴ C、水 Cを入手。


 ・正体不明のタマゴ カテゴリ:燃料、食材
  シャロ「何かが産んだ、何かが生まれるであろうタマゴ……これも謎が多いといえば多いわね」
  ココア「これが食材の材料に分類されるんだから、錬金術って不思議だよね」
  シャロ「不気味とか奇妙の間違いじゃないかしら」

  品質ランク特性 C:攻撃力+2 使用回数+1  二個所持


 ・水 カテゴリ:水、液体
  ココア「これぞ至って普通のお水だね」
  チノ「水、と一口に言っても味は品質で天と地ほどの差があります」
  ココア「美味しいコーヒーも、お水が重要だからね」
  チノ「ココアさんに違いがわかるとは思えませんけど」

  品質ランク特性 C:威力保証Lv.1  一個所持


 半日経過


 4月6日 半日経過
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤
 カゴ 25/40

 ※安価忘れ

1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)
3・移動

 ↓1

【1 採取 エンカウントなし】

ココア「……水が美味しい」

シャロ「本当ね……」

クーデリア「水際で倒れて、水飲んでるけど」

ミミ「重症ね……」

 こまめに休憩を挟み、採取。
 二人の視線に段々と憐れみが混じってきたけど、まぁまだまだ大丈夫。

 正体不明のタマゴ C、正体不明のタマゴ C、赤の粘土 C、水 C を入手。


 ・赤の粘土 カテゴリ:火薬、粘土
  ココア「赤い色をした粘土だね。手触りがよくて、ほんのりと温かい」
  チヨ「粘土だけじゃなくて、火薬の役割も果たすのよ。だから火気厳禁。陶器を作ろうとして爆発したこともあるらしいわ」
  ココア「爆発……私は火薬がなくてもするけど、気をつけないと」

  品質ランク特性 C:クリティカルLv.1 一個所持


 半日経過。


 4月7日
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤
 カゴ 29/40



1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)
3・移動

 ↓1


荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450628050/)


>>1を守りたい信者君が取った行動
障害者は構って欲しいそうです
障害者は構って欲しいそうです - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451265659/)

【1 採取 エンカウントなし】

 水 C、赤の粘土 C、正体不明のタマゴ C、赤の粘土 C を入手。


 半日経過。


 4月7日 半日経過
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤
 カゴ 33/40



1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)
3・移動

 ↓1

【1 採取 エンカウントあり】

 水 C、水 C、正体不明のタマゴ C、正体不明のタマゴ C

ココア「こんなものだよね」

ミミ「ええ。結構うまくいったんじゃないかしら」

ココア「疲れてきたけど、まだまだいけるものだねぇ」

クーデリア「……ん? どうやら、来たみたいよ」

シャロ「来たって? ――ああっ!?」

 シャロちゃんが素っ頓狂な声を上げる。
 飛び跳ねてそちらを見れば、青い、ぷにぷにとした何かが。
 これは、モンスター……!


【戦闘開始】

 敵 青ぷに 1体

 青ぷに
 HP:20
 攻撃力:20
 防御力:2
 素早さ:15


 行動順

 1 シャロ
 2 青ぷに
 3 ミミ
 4 コーデリア
 5 ココア

 Next.シャロ


 A・攻撃(対象を1か2で選択。指定がない場合ランダム)
 B・スキル(使用するスキル、対象の仲間又は敵を指定)
    1奉仕の基本
 C・防御(隙の大きさを指定可)

 ↓1

【攻撃 コンマ:83】

【10 × 0.83 - 2 = 6】

 青ぷに 残りHP 14

シャロ「せ、先手必勝!」

 やっぱり先に動き出すのはシャロちゃん。
 思い切りがいいのかやけくそなのか、出てきた青ぷにへ近づき、殴りつける。

シャロ「や、柔らかい……!」

 ぷるんと揺れる青ぷに。
 手を引っ込めたシャロちゃんは、戦慄したように呟く。
 や、柔らかいの? 触ってみたい……。


 隙
 【300 - 20 = 280】


行動順

 1 青ぷに
 2 ミミ
 3 コーデリア
 4 ココア
 280 シャロ

 Next.青ぷに

 ↓1  敵攻撃コンマ判定 末尾9でスキル使用

【コンマ:86 対象:シャロ】

【20 × 0.86 - 2 = 15】

 シャロ
 HP:5/20


青ぷに『ぷに!』

 攻撃を受け、痛そうな顔をしていた青ぷに。
 けど次の瞬間、青ぷにはちょっとした敵意を顔に出して、シャロちゃんに体当たりをかました。
 青い、ぷにぷにしたボディでの攻撃。それほど威力はないように思えたけど――

シャロ「どぅえええ!?」

 シャロちゃんは勢い良く跳ね飛ばされた。
 まるで大っきなボールでも当たったみたいに、背中から地面にぶつかり一回転。ビターンという効果音が聞こえそうだ。

ココア「シャロちゃん!? 大丈夫!?」

シャロ「だ、大丈夫じゃないかも……」

ミミ「クリーンヒットしたわね」

クーデリア「あれ、侮れないわね」

 すっごく痛そうだし……確かに強敵だ。

 隙
 【300 - 15 = 285】



行動順

 1 ミミ
 2 コーデリア
 3 ココア
 279 シャロ
 285 青ぷに

 Next.ミミ


 A・攻撃(対象を1か2で選択。指定がない場合ランダム)
 B・スキル(使用するスキル、対象の仲間又は敵を指定)
    1・シーセンヴァッフェ
 C・防御(隙の大きさを指定可)

 ↓1

【スキル シーセンヴァッフェ コンマ:86】

【今後のスキル選択の数字は小文字のaにしておきます】

【15 ×(0.86+0.30) - 2 = 15】

 ミミ MP 5/15

 青ぷに 残りHP 0


ミミ「――手加減は必要なしね」

 シャロちゃんの無事を確認し、ミミちゃんがスッと雰囲気を変える。
 槍を頭上で回し、バッと構え。青ぷにを見据えると、口元に笑みを浮かべた。

ミミ「私の槍術。有り難くその身に受けなさい!」

 な、何をするつもり?
 ただならない雰囲気に私は自然と身構えてしまう。
 ミミちゃんが動き出す。槍を両手で持ち、前に向けて肉薄。
 青ぷにに近づきほぼゼロ距離から刺突。次いで槍を引き、走った勢いのまますれ違いざまに切りつける。
 それから青ぷにの背後を数歩進み、距離を開き――

ミミ「とどめ!」

 槍を投げた。
 遠慮なさすぎる連撃を前に成すすべなく倒される青ぷに。
 最後に槍が刺さるとともに彼は、風船みたいに破裂した。

シャロ「か、かっこいい」

クーデリア「いいとこなしね……」

 シャロちゃんは大ダメージを受けたけど、結果としてたるリス戦よりも楽ができた。
 ミミちゃん、やっぱり強いなぁ……。


【勝利!】

ミミ「これくらいは兵士科として当然ね」

ココア「ミミちゃん流石!」

クーデリア「ほんとほんと。すごいすごい」

ミミ「あなたわざと言ってるわよね……」


 ぷにぷに玉 C を一個入手
 経験値 3をそれぞれ入手

 レベルアップ!

 ミミ Lv.2(Next.6)
 HP:30
 MP:15
 LP:20
 攻撃力:15
 防御力:5
 素早さ:15

 スキル
  ・シーセンヴァッフェ 消費MP10 『敵一体へ攻撃。コンマにプラス30の効果』

 ステータスポイント 2 入手。
 スキルポイント 2 入手。
 好きなステータスを成長することが可能です。
 スキルポイントは最低5溜まったら選択可能に

 HP、MP、LPは1ポイントで5。
 攻撃力、防御力、素早さは1ポイントで1上昇可能。


 ↓1 ミミのステータスポイントでどのステータスを成長させますか? 2ポイントなので二つ選択

ミミ「これでもっと、強くなってしまったわね」


 ミミ Lv.2(Next.6)
 HP:30
 MP:20 (+5)
 LP:20
 攻撃力:16 (+1)
 防御力:5
 素早さ:15

 スキル
  ・シーセンヴァッフェ 消費MP10 『敵一体へ攻撃。コンマにプラス30の効果』



 レベルアップ!


 クーデリア Lv.2(Next.6)
 HP:23
 MP:15
 LP:17
 攻撃力:10
 防御力:3
 素早さ:10

 ステータスポイント 2 入手。
 スキルポイント 2 入手。

 ↓1 ステータスポイントでどのステータスを成長させますか? 2ポイントなので二つ選択

クーデリア「私はまだまだこんなもんじゃないわよ」

 クーデリア Lv.2(Next.6)
 HP:23
 MP:20 (+5)
 LP:17
 攻撃力:11 (+1)
 防御力:3
 素早さ:10

 スキル
 ・ラピッドシュート MP10 『敵全体へ攻撃。コンマにプラス20の効果』



 レベルアップ!


 シャロ Lv.2(Next.7)
 HP:20
 MP:10
 LP:10
 攻撃力:10
 防御力:2
 素早さ:20

 スキル
  ・奉仕の基本 MP10 『味方単体のHPを攻撃力×コンマ一桁÷2回復』

 ステータスポイント 1 入手。
 スキルポイント 4 入手。

 ↓1 ステータスポイントでどのステータスを成長させますか? 1ポイントなので1つ選択

シャロ「成長……できてるのかしら?」

 シャロ Lv.2(Next.7)
 HP:20
 MP:10
 LP:10
 攻撃力:10
 防御力:3 (+1)
 素早さ:20

 スキル
  ・奉仕の基本 MP10 『味方単体のHPを攻撃力×コンマ一桁÷2回復』


 ※と、今日はここまでで

【チヤがチヨになっていたのを訂正】


 半日経過。

 4月8日
 所持金 500コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ 中和剤 赤
 カゴ 38/40


 ・ぷにぷに玉 カテゴリ:食材、薬の材料
  ココア「ぷにぷにとした手触りの、不思議な素材だね」
  チノ「時間が経つとしおれたりしてしまうので、しっかり保存しておかないといけませんね」
  ココア「カサカサになってもぷにぷに玉なんだよね?」
  チノ「名前の悲しいところです」

  品質ランク特性 C:品質アップLv.1 一個所持


ココア「今度は楽に勝てたね」

シャロ「そうね。ほとんどミミの活躍だったけど」

ミミ「シャロの貢献もあったわ。まぁ、私達だったらこれくらい楽勝よ」

クーデリア「……」

ココア「だ、大丈夫だよクーデリアちゃん! クーデリアちゃんはここにいるだけで癒やしになるからっ!」

クーデリア「私も兵士科なんだけど?」

ココア「ご、ごめんなさい……」

 だよね、気にするよね。
 私も錬金術できなかったら、すごく落ち込むだろうし。

クーデリア「……はぁ。帰ったら特訓ね」

クーデリア「さ、ココア。何すんの?」

 変なこと言ったら悪いし、今は自分に専念しようかな。

ココア「そうだね……どうしようかな」


1・採取(0.5日経過 ランダムに4つ素材獲得。コンマが1、2で採取後敵出現)
2・敵を探す(戦闘に突入。コンマ9で強敵。0.5日経過)
3・移動

 ↓1

【3 移動】

ココア(移動しようかな……)

 そろそろカゴも一杯になってきたし――


ワールドマップ


 ・近くの森  採取できるもの:うに、ニューズ、アイヒェ モンスター:たるリス、青ぷに 移動日数:1  【選択不可】
 ・安らかな川 採取できるもの:???、???、??? モンスター:???、??? 移動日数:1
 ・綺麗な草原 採取できるもの:???、???     モンスター:???     移動日数:2
 ・街に帰る

 ↓1 行き先を決定

【街へ】

ココア「そろそろ帰ろうかな。素材も一杯になったから」

ミミ「懸命ね。シャロもココアも消耗してるし」

クーデリア「そうね。ちゃっちゃと帰りましょ」

シャロ「早く帰ってご飯食べて寝たい……」

 みんな異論なし。満場一致で街へ帰ることに。
 初めての遠出。採取も戦いも決して悪くない結果だ。むしろいい方でもあるだろう。
 この調子で錬金術もうまくいくといいけど。

【ミミ、クーデリア、シャロの交友値が2上昇】
  【交友値】
 ・ミミ 52
 ・クーデリア 12
 ・シャロ 2

【現在の素材】

                『品質ランク特性』
・うに 【C 7個】       『大きい、安物Lv.1』
・ニューズ 【C 7個】     『弾けるトゲ、威力アップLv.1』
・アイヒェ 【C 7個】     『防御力+2 効果安定Lv.1』
・正体不明のタマゴ 【C 8個】 『攻撃力+2 使用回数+1』
・水 【C 5個】        『威力保証Lv.1』
・赤の粘土 【C 3個】 『クリティカルLv.1』
・ぷにぷに玉 【C 1個】    『品質アップLv.1』

【街に戻ると、ステータスは全快します】


ココア「ただいまー! チノちゃん!」

チノ「あ。ココアさん、ミミさん。お帰りなさい」

 数日間のお出かけ。
 通勤や通学中の人たちで賑わう街を歩いて、私とミミちゃんはラビットハウスへと戻った。
 ちょうどチノちゃんも学校へ行くタイミングだったみたいで、朝ごはんを食べていた。

ミミ「ただいま。……ごめんね、お店の手伝いもしないで出かけて」

チノ「いえ。お二人とも勉強が本分ですから」

 首を横に振り、静かに答えるチノちゃん。
 な、なんだか私が申し訳なくなってしまうしっかりっぷり……。
 そうだよね。お世話になってるんだし、お店のお手伝いもしないと。

ココア「チノちゃんごめんね! 一人きりで寂しい思いをさせて」

チノ「全然そんなことないです」

ココア「今度からお店とチノちゃんのことはちゃんと気にかけるから!」

チノ「聞いてください」

 うん、頑張らないと!
 何故だか二人の視線が冷たいけど、私は決意した。


 昼コマンド
  1・出掛ける(コマンド決定後、場所を選択。イベント、依頼、買い物など起こること、できることは様々)
  2・街の外へ(採取地へと向かう)  
  3・勉強する(錬金レベルの経験値を入手)
  4・調合(アイテムを調合する)

 ↓1

【1 出掛ける】

ココア「出かけようかな……」

 なんとなく、考える。
 まだ課題をクリアできる状態じゃないし――どこになにがあるのかはせめて把握しないと。

 で、どこに行くのかが問題だけど……。


 行き先
 1・ラビットハウス
 2・フルール・ド・ラパン
 3・甘兎庵
 4・学園購買部
 5・冒険者ギルド

 ↓1

【3 甘兎庵】

 私はガイドブックに載っていたお店に向かった。

ココア「甘兎庵……」

 木組みの街のお店が並ぶ通り。その中に、雰囲気が違うお店が一軒あった。
 なに風っていうのかな。よく分からないけど、おしゃれな雰囲気。立派な木の看板には達筆な文字。
 あまうさあん。読み仮名がないとなんて書いてあるか分からなくなってしまいそうな名前である。

ココア「ここは和菓子……屋さんなんだよね」

 和菓子ってなんだろう? お菓子と違うのかな。
 ええと――それと、簡単な雑貨とか売っているみたい。

ココア「錬金術の素材になるものとかないかな……」

 お菓子だけでもわくわくなんだけど、こう変わった見た目のお店だとそっち方面でも期待してしまう。
 私ははやる気持ちを抑え、甘兎庵の中へと入った。


???「いらっしゃいませ!」

 甘兎庵に入ってすぐ、声がかかる。
 ドアの前に立つ私へと近づいてきたのは、珍しい服装の女の子だった。
 小柄な身体に、赤っぽい髪。黒いつばが広いとんがり帽子をかぶっていて、服は……なんだろう。
 黒いローブ? 青紫のシャツと白いスカートの上に羽織っていて――まるで魔法使いみたい。
 そして何より、くりくりとした大きい目と幼い顔立ち。年齢はチノちゃん、クーデリアちゃんと大差ないような。
 す、すっごく可愛い……。

???「喫茶店のお客さん? それとも雑貨屋?」

ココア「えっ? えっと……」


 1・「君に逢いに」
 2・「どっちもかな」
 3・「雑貨屋に」

 ↓1


※一旦落ち

【2 どっちもかな?】

ココア「どっちもかな?」

???「どっちも? 珍しいね、そんなお客さん。チヤー。お客さんよ」

ココア(珍しいの……?)

 怪訝そうな顔をするも、お店の奥へ声をかける女の子。
 どうやらこの子は喫茶店の子じゃないみたい。奥から声が返ってくると軽く会釈をし、雑貨屋スペースであろう場所へ歩いていく。

チヤ「いらっしゃいませ。ごめんなさい、お待たせしてしまって」

 ちょっとしてやって来たのは、珍しい服を着た女の子。
 歳は多分私くらい。しっかりとした生地のお洋服――? 見たことないけど、綺麗な模様が入っていて、お腹の辺りで帯で止めている。
 不思議と黒くて長い髪と似合っていて、すごく綺麗な子だ。

チヤ「お席にどうぞ?」

 席に案内する仕草も優雅で、大人びている。

ココア「あ、うん。じゃあここに」

 適当な席に座る。
 チヤちゃんは抱えていたメニューを私の前に置き、厨房に。

ココア「……」

 メニューを開き、私は注文を決めようと視線を巡らせる。
 メニュー名がちょっと変わってるけど、なるほど、餡とかお茶とかお団子が多いんだね。
 うーん、何にしようか迷う……。


 1・あの女の子を呼んでみようかな
 2・チヤちゃんに聞いてみようかな

 ↓1

【1 あの女の子を呼んでみようかな】

ココア(あの女の子を呼んでみようかな……)

 お店の中にいるなら、詳しいだろうしちょっと聞くだけ聞いてみよう。

ココア「ね、ちょっといいかな?」

???「……あたし? どうしたの?」

 声をかけると快くこちらへとやって来る女の子。

???「――あ、メニュー読めないとか?」

ココア「え? 読めるよ」

 私が答えると、軽くずっこけるリアクションを見せる。
 メニュー、確かに分かり難かったけど読めないほどじゃないよね。

???「……。だったらなんで呼んだの?」

ココア「おすすめを聞こうと思って。なにがいいかな?」

???「本当珍しいお客さんねー」

 ため息を一つ。
 女の子は自然に私の隣へと座り、メニューの中の一つを指差す。

???「あたしのおすすめはこれ。甘くて美味しいのよ」

ココア「じゃあそれにしようかな。ありがとう。えっと――」

ウィルベル「ウィルベル。まほ――じゃなくて、雑貨屋さんのウィルベルよ」

ココア「ウィルベルちゃんだね。私はココア」

 微笑するウィルベルちゃんへ、私も笑顔で返す。
 嗚呼、ウィルベルちゃん……ちっちゃくて可愛い……。

チヤ「ご注文は――あ、ウィルベルちゃん。もうお客様と仲良しに?」

ウィルベル「呼ばれただけ。おすすめメニュー聞かれたのよ」

ココア「えへへ、ごめんね。あ、注文いいかな?」

チヤ「ええ。なににします?」

ココア「この――あそうだ。ウィルベルちゃんも同じでいい?」

ウィルベル「へ? あたしも?」

ココア「うん。お世話になったから。私のおごりだよ!」

ウィルベル「さ、流石にそれは……。もうあたし戻るから」

ココア「ちょっ、ちょっと待って! 本当は私がウィルベルちゃんと一緒にいたいの!」

ウィルベル「ええー……それはそれでどうなの」

チヤ「初対面でプロポーズなんて――大胆ねっ」

ウィルベル「そうじゃないでしょ」

ココア「じゃあ、これとこれを二つお願い!」

 ウィルベルちゃんが席を立たない内に注文。
 ふっふっふ……これで戻ることはできないよね。

ココア「さ、ウィルベルちゃん。頼んじゃったから食べていってね?」

ウィルベル「強引ね……。しょうがないわねー。お腹空いてたし、食べてあげる」

チヤ「良かったわね。ウィルベルちゃん甘いもの大好きだから」

ココア「そうなの? よかったぁー」

ウィルベル「チヤ。いいからお菓子早く持ってきて」

 照れ隠しするようなウィルベルちゃんに、くすくすと笑いながらチヤちゃんが厨房に。
 二人とも仲がいいみたいで、見ていてほっこりするなぁ。


 美味しい和菓子とお茶をいただいて、隣にはウィルベルちゃん。
 楽しい時間を過ごした後、私は甘兎庵内のウィルベルちゃんのお店を見てみることに。

ウィルベル「お客さんは久しぶりな気がするわねー。さ、なに見てく?」

 二個の棚には不思議な商品がいくつも。
 中には本もあって、なんとなくだけど錬金術の素材になるものもあるんじゃないかな。

ココア「ウィルベルちゃん、これって本当に雑貨屋さんなの?」

ウィルベル「え? うん、雑貨屋だけど?」

ココア「そ、そっか」

 まぁ雑貨も色々あるし、錬金術の素材になっても不思議はないよね。
 私としては有り難いから気にしなくていいかな。

ウィルベル「さ、冷やかしも歓迎。ウィルベルさんのお店、見てってよ」


 【ウィルベルのお店】

 ・魔導の書 『レシピ ・ゼッテル
            ・魔法少女の杖
            ・ドライハーブ』 価格:600コール
 ・火の石 C  価格:30コール
 ・ペンデクローク C 価格:50コール
 ・マンドラゴの根 C 価格:40コール
 ・マジックグラス C 価格:30コール

 ↓1 何か買う? 現在所持金500コール

【買わない】

ココア「あー……ごめんね、今日はなにも買わないでおこうかな」

ウィルベル「そう? ま、いいよ。今度はなにか買ってって」

 レシピ……気になるけど、お金が足りない。
 なにかお仕事しないといけないかな。

ココア「うん。それじゃ、今日は帰ろうかな。またね、チヤちゃん、ウィルベルちゃん」

チヤ「ええ。またのお越しをお待ちしています」

ウィルベル「またね、変わったお客さん」

 手を振り、甘兎庵から出る。
 お茶とちょっと変わったお店――利用する頻度は多くなりそうだ。
 レシピ本もこれから増えるかもしれないし、ちょこちょこ見てもいいかもしれない。

ココア「……さて」

 まだ時間はそれほど経ってないし、街を回ってみようかな?

 
 行き先
 1・ラビットハウス
 2・フルール・ド・ラパン
 3・甘兎庵 【選択不可】
 4・学園購買部
 5・冒険者ギルド

 ↓1

【冒険者ギルド】

 冒険者ギルドにやって来た。
 ガイドブックによればここは冒険者にお仕事を仲介している場所らしい。
 私が冒険者であるかは微妙なラインだけど、もしここでお仕事をもらえるなら、とっても有り難い。

ココア「……大きいなぁ」

 石で造られた、街でも一際目立つ建造物。
 色々な人が出入りしているそこは、他のお店とかとは違う雰囲気を放っている。
 冒険者。危険な場所を冒険する職業……やっぱり緊張感というものが違うのだろう。

ココア「――よし!」

 気合いを入れて頑張ろう。
 私は杖を握りしめ、ギルドの入り口をくぐった。

ココア「わぁ……」

 広い。すごく広いことは外から見て分かっていたけど、それでも中に入ると改めて思わざるを得ない。
 冒険者ギルド……ただお仕事を紹介してくれるだけだと思ったけど、中には武器が並んでるコーナーも見える。
 冒険者にとってお仕事と装備は大切ということ、なのかな?

ココア「どこから行こうかな……」

 私は弱いし、みんなの装備も気になるし、でもお金も欲しいし……。


 1・武器屋へ
 2・依頼カウンターへ

 ↓1

【1 武器屋へ】

 武器を見てみよう。
 私は自分の直感に従って、武器の並んでいるコーナーへと歩いていく。
 綺麗な武器と防具、私が今身に着けているものとは全然違う商品の数々が私の興味をひいてやまない。

ココア「レシピより高いのかな……」

 もしそうなら、今の私だと手も足も出なそうだ。
 ふぅむ。顎に指を当て考えていると、不意に私へと声がかかった。
 そちらを振り向くと――

 1・小さい女の子が
 2・大きい男の人が

 ↓1

???「何かお探しですか?」

 不意にかかる声。
 私が振り向くと、すぐ近くに小さい女の子がいた。
 頭に大きな緑色のリボン。フリルの付いた洋服に、丈夫そうな手袋。
 可愛いけどなんとなく作業服みたいな、無骨な印象も。
 物静かそうで、なんとなくチノちゃんに雰囲気が似ている。

ココア「武器屋さんが初めてだから、ちょっと見てたの。色々あるんだねー」

???「そうですね。冒険者は多いですから。これから学園の生徒の利用も増えますし」

ココア「生徒……ここって、生徒の人も来るの?」

???「主な客層の一つです」

 こくりと頷く女の子。

???「あなたも、学校の?」

ココア「うん。錬金科の――あ、あれっ? そういえば……」

 女の子に名乗ろうとして、私はピンと気づく。
 そういえば、この子……錬金科の列で見たような。
 教室にはいなかったし、進学コース……?

ココア「私錬金科に入学したばっかりなんだけど、あなたも錬金科にいたよね?」

???「錬金科? はい、そうですけど」

 女の子がきょとんとした顔でこちらを見る。

ココア「やっぱり! 私はココア。あなたは?」

ミルカ「ミルカ。錬金科、進学コース……です」

 最後にちょこんと敬語を付け足し。
 ミルカちゃん、ミルカちゃん……うん、覚えた。

ココア「あ、敬語はいいよ。もうお友達だから!」

ミルカ「……そう? なら、普通に喋らせてもらうから」

 面倒だから、と。小さな声でミルカちゃんが呟く。
 張り詰めた真面目な雰囲気から、ちょっと変わったような。

ココア「ここってミルカちゃんのお店なの?」

ミルカ「私はバイトよ。錬成を使わない鍛冶に興味があっただけ」

ココア「錬成? 鍛冶?」

ミルカ「……ただのお手伝いよ。武器とか防具を作ってる人は奥の工房にいる」

ココア「あ、そうなんだ」

 そうだよね。鍛冶とかは力仕事だし。

ココア「でもすごいね、ミルカちゃん。入学してからあんまり日も経ってないのにお仕事なんて」

ミルカ「運が良かっただけ。入学当初はいきなり放り出されてびっくりしたもの」

ココア「あはは……そうだよね」

 でもとりあえず働く、っていうだけでも偉いと思うのだ。
 私はお金に頭が回らなかったし……ミルカちゃん、賢い。

ミルカ「……それで、今日は冷やかしに来たんでしょ? 武器屋の利用法、聞いておく?」

ココア「う、うん。必要になると思うから」

ココア(冷やかし……)

ミルカ「そう。じゃあ、説明するわね」

 気怠い感じの目のまま、ミルカちゃんは語り始めた。


 ※今日はここまでで

 『チュートリアル』

 武器屋は素材、武器、レシピを買う他に武器の作成をすることができる。
 武器はインゴット系。防具はクロース系。武器、防具を一つ作るために一つ材料が必要。代金も性能によって発生。
 特性はそのまま引き継がれる。ただし品質のいいもの、特性がいいものは代金が高くなる。
 また、武器を元の材料にすることも可。その場合もコストは発生。


ミルカ「大体、こんな感じかしら」

ココア「武器を作ってくれるんだ……すごいお店だね」

ミルカ「まぁ、利用する人は少ないけど。大抵は、ここに並んでる武器でも充分だから」

ココア「え? そういえば、そうだよね。綺麗で出来もすごくよさそうだし」

 言われてみれば確かにこれだけで充分強くなれそうな気がする。

ミルカ「杖とか、普通じゃない武器を量産するのは大変だから――ということよ」

ミルカ「だから遠慮しないで利用してあげて。店主も喜ぶと思う」

ココア「うん、分かったよ。えっと――あと、商品見せてもらおうかな。どんなものがあるか見たくて」

ミルカ「ええ。錬金術士の卵なら、未来の常連さんだから」



 【男の武具屋】

 ・武器の基本 『レシピ ・インゴット
             ・ツィンク 』 価格:700コール
 ・防具の友  『レシピ ・クロース
             ・モフコット』 価格:700コール
 ・スティム鋼石 C  価格:50コール
 ・燃える土 C 価格:30コール
 ・岩塩 C 価格:30コール
 ・普通の服 C (防御力+2) 装備可能:ココア、シャロ 価格:200コール
 ・厚いマント C (防御力+2) 装備可能:ミミ、クーデリア 価格:250コール
 ・鉄の杖 C (攻撃力+2) 装備可能:ココア 価格:200コール
 ・鋼鉄の槍 C (攻撃力+2) 装備可能:ミミ 価格200コール


ココア「なるほど……」

 価格がこれでいいものか分からないけど……武器を作るためにはレシピを買うことも大切だろう。
 これも今の所持金じゃ足りないし、お金が貯まってから買わないと。

ココア「ありがとう、ミルカちゃん。今度また来るね」

ミルカ「楽しみにしているわ」

ココア「うん! お金貯めてくるから」

 グッとガッツポーズ。
 学校の生徒になってもお金お金……大変だよねぇ。勉強って。

 ミルカちゃんと別れて今度はギルドの受付カウンターに。
 ちょうどいいタイミングみたいで、あんまり人はいない。
 私が冒険者の仕事を貰えるか、冒険者になれるか分からないけど、とりあえず聞いてみようかな。

ココア「すみません」

 カウンターへ向かい、声をかける。
 冒険者ギルドの受付。そこに立っている人物はゆっくりと振り返った。
 その人は――


 1・おどおどした女の子
 2・綺麗なお姉さん

 ↓1

【1 おどおどした女の子】

 おどおどした女の子だった。
 薄い茶色のショートヘア。カウンター内にいる他の職員の人も着ている、冒険者ギルドの制服らしいものをきっちりと着ていて、第一印象が小動物的な人畜無害そうな人だ。

???「お、お客様?」

ココア「はい。ちょっと聞きたくて……ここって、冒険者の人に仕事を紹介してくれるんですよね?」

???「えっとあなたは冒険者――じゃないよね?」

ココア「学校の生徒ですけど、駄目ですか?」

???「学校の? ああ、それなら大丈夫。生徒手帳を見せてもらえるかしら?」

 生徒手帳? あぁ、そういえばそんな物を鍵と一緒にもらったような。
 ポーチをがさごそ。それらしい物を見つけ、カウンターの上に。

???「ココア、ちゃんね。うん。確かに確認しました」

ココア「これで依頼を受けられるんですかっ?」

???「うん。あんまり危険なことは任せられないけど、学校からお願いされてるから」

 学校……有り難いのに、なんか、不安になるというか。

フィリー「それじゃあ、お仕事の前に……私はフィリー。これからよろしくね、ココアちゃん」

 丁寧に頭を下げ、微笑むフィリーちゃん。
 受付だから堅苦しいのを想像してたけど、フィリーさんみたいな人で良かった。

ココア「はいっ、お願いします!」

フィリー「元気ねぇ。よいしょ、それじゃあ仕事の説明をするわね」

 フィリーちゃんがどこからか、ファイルを取り出しカウンターに広げる。
 学校じゃない、大人のお仕事の説明……い、いつもより真面目に聞かないと。


 ※今日はここで落ち

 『依頼チュートリアル』

 ギルドの受付では依頼を受けることができる。
 主に採取、調合、討伐の仕事があり、それらをこなすことでお金を貰える。
 採取、討伐は行けるマップから適当に。調合は現時点で入手できるレシピの中からランダムに。期限は無限。最大三つまで同時に受けることが可能。
 既に納品できるものがある場合、仕事を受けるか否かの安価で、納品する旨を書き込めばその場で納品することもできる。
 時たまキャラからの依頼もあるので、まめにチェックした方がいい。



フィリー「こんな感じかな。どう? 質問とか」

ココア「えーと……うん、大丈夫です」

 要はできそうなものを引き受けて、達成すればいいだけ。
 何を受けるかはしっかり考えないといけないけど、仕事を選ぶことができるのだ。
 普通に働くのと比較すると、勉強との折り合いもつきやすいだろう。

フィリー「そう? よかった。じゃあ早速、お仕事見ていく?」

 言って、フィリーちゃんがファイルと交換に、カウンターへと紙を数枚置く。

フィリー「学校に入ったばかりの人には、これくらいの依頼がいいんじゃないかな」


 ・ 『中和剤 赤』の調合 一個納品 報酬80コール
 ・ 『ゼッテル』の調合 二個納品 報酬100コール
 ・ 『ニューズ』の納品 二個納品 報酬80コール
 ・ 『マジックグラス』の納品 二個納品 報酬50コール
 ・ 『青ぷに』の討伐 二体 報酬100コール
 ・ 『緑ぷに』の討伐 二体 報酬120コール


 ↓1 どの依頼を受ける? 納品する?



 ※眠くなったので、落ち

【ニューズ納品
 中和剤 赤 の調合を受ける】

・ニューズ 【C 7個】     『弾けるトゲ、威力アップLv.1』

 2個マイナスで合計5個。

ココア「じゃあ、ニューズの依頼、これでお願いします」

フィリー「うん、確かに受け取りました。これ、報酬です」

 報酬80コールを入手。現在所持金580コール。

フィリー「ココアちゃん、お仕事の心配は要らなそうね。よかったぁ」

フィリー「調合のお仕事も、作ってからここへ納品してくれればいいから、頑張ってね」

ココア「はいっ、頑張って作ってきます」

 会釈をし、フィリーさんとお別れ。
 冒険者ギルドは何があるか大体分かったし、次、どこか行ってみよう。


 行き先
 1・ラビットハウス
 2・フルール・ド・ラパン
 3・甘兎庵 【選択不可】
 4・学園購買部
 5・冒険者ギルド 【選択不可】

 ↓1

【4 学園購買部】

 学校の中にある購買部。
 様々な科の学園生活に必要な商品を売っているところ、らしい。
 となれば少数派の錬金科に必要な商品も取り扱っているだろうし、行ってみて損はないはず。

ココア「ここかな?」

 広い学園の本棟。
 その一階に購買部はあった。
 外からも中からも入れるみたいでスペースは広め。街にあるお店よりも大きい。
 すごく立派なお店だ。

ココア「どんなお店なんだろう」

 呟き、外の入り口から店内へ。

???「いらっしゃいませー」

 購買部に入ると、私へおっとりとした印象の声がかかる。
 見れば入り口のちょっと横、学校側の入り口近くにあるカウンターに綺麗な女の人が立っていた。
 紫色のロングヘアに、ニコニコと楽しそうな笑顔。比較的地味めな服だけど、その下からは女性らしいスタイルが窺える。
 大人っぽいのにどこか子供っぽくて、不思議な人だ。

???「錬金科の子かしら?」

ココア「あ、はい」

???「やっぱり。もっと近くに来て」

 手を合わせ、嬉しそうに笑う。
 手招きする彼女に従い、私はカウンターの前に。

パメラ「私はパメラ。あなたのお名前は?」

ココア「ココアです」

パメラ「ココア。ロロナとそっくり。雰囲気もそっくりだし……なんだか懐かしいわぁ」

 ロロナ……前も話に出てきたような。誰だったっけ?

パメラ「ここに来たってことは、課題にとりかかろうってことかしら?」

ココア「え? 課題?」

パメラ「ええ。課題のレシピ。違うの?」

ココア「あ、そうです! そろそろ頑張ろうと……」

 そ、そっか。学校の課題だもんね。
 最初の課題なんだし、レシピは用意してもらわないと。
 ――あれ? でも購買部にあるってことは……。

パメラ「課題のレシピが載った本は300コールよ」ニッコリ

ココア(ゆ、有料……!)

 アトリエ経営して稼げということなのだろうか。
 それとも依頼? いずれにしてもこの学校……不安しかない。

 【学園購買部】

 ・第一の本 『レシピ ・ヒーリングサルヴ
            ・クラフト 』 価格:300コール
 ・料理の基本  『レシピ ・小麦粉
              ・塩
              ・ピュアオイル
              ・錬金酵母』 価格:700コール
 ・初歩的アクセサリー 『レシピ ・新緑の羽飾り
                 ・モノクログラス』  価格:1000コール
 ・童話の遺産  『レシピ ・アリスの懐中時計
              ・不思議なティーカップ』  価格:1500コール


 ↓1 何か買う?


 釈然としないけど、買わないといけないよね。
 釈然としないけど。

ココア「じゃあ、その本を一冊ください」

パメラ「まいどありー。はい、どうぞ」

ココア「ありがとうございます」

 本を受け取り、ポーチにしまう。
 お金を払うのはあれだけど、こうして錬金術の本が手に入るのは嬉しい。
 これを読めばきっと私の錬金術も上達……。

パメラ「大変よねぇ。自費で参考書買って、自分でお勉強って」

ココア「で、ですよね。――あ、他の錬金科の人は来ました?」

パメラ「他の? ええ。入学式の日、その次の日に大体の生徒は来たみたいよ」

ココア「ええっ!? そんなに早く!?」

パメラ「レシピを全部買っていった子もいたわねぇ」

 う、羨ましい……!
 きっと素材とかもいっぱい買ってるんだろうなぁ。

ココア「私も頑張らないといけないですねっ」

パメラ「ポジティブねー、ココアちゃん」

 私もお仕事頑張って、錬金術勉強して、早く一人前にならないと。
 本を入れたポーチを撫で、私は購買部を後にした。


ココア「――さてと。どこに行こうかな」

 お店を出て、私は考える。
 一通り街はまわっておきたいから――


 行き先
 1・ラビットハウス
 2・フルール・ド・ラパン
 3・甘兎庵 【選択不可】
 4・学園購買部【選択不可】
 5・冒険者ギルド 【選択不可】

 ↓1

【1 ラビットハウス】


 ※と、決まったところで今日は落ち


ココア「これで行ってないところはないかな」

 とりあえず、気になるところは全部回ったはず。
 出掛けるのはまた今度にして、ラビットハウスに向かおうかな。

ココア「チノちゃんにも会いたいし」

 私のかわいい妹(仮)のチノちゃんにも会わないと。
 私はうきうき気分で学校からラビットハウスへと向かった。


 ラビットハウスへやって来た。

ココア「……」ドキドキ

 今は営業時間。前はミミちゃんもいたけど、今回は私一人。
 ここへ居候させてもらってる身だけど、やっぱりこういうお洒落なお店はちょっと緊張してしまう。
 しっかり深呼吸。ドアに手をかけ、慎重に開く。

ココア「……いくよ」ガチャ

 さぁ、チノちゃん。私を出迎え――

ミミ「いらっしゃいませ、ってココアじゃない」

ココア「あ、間違えました」バタン

ミミ「何を!?」

 ドアを閉じ、私はお店の看板を見つめる。
 ラビットハウス……間違ってない。ならあの、お店の制服に似た服を着ていたミミちゃんみたいな子は一体。

ミミ「こら、なんで戻るのよ! なんだか恥ずかしいじゃない」ガチャ

ココア「あ、本物のミミちゃんだ」 

ミミ「あんた、入ってきたとき何を思ったのよ」

ココア「つっこみ具合も本物そのものだね」ウンウン

ミミ「紛れも無い本物よ。なんで偽者なんて思うのよ」

ココア「え? だって――」

 私は視線を下に。ミミちゃん、チノちゃんのお店の制服と色違いのピンク色の服を着ていて――いつもの服と印象が大分違う。
 サイドテールは変わりないけど、なんだかキリッとしていてそれでいてかわいいというか。

ココア「って本物なら、ミミちゃんいつからラビットハウスに就職したの!?」

ミミ「してないわよ! バイト!」

ココア「あ、そうなの? バイト……私もした方がいいのかな?」

ミミ「いいんじゃない? 私だって、いつも働けるわけじゃないし」

ミミ「まぁココアは錬金科大変そうだから、少し落ち着いてからでも――」

ココア「ちょっとチノちゃんに聞いてくる!」

ミミ「話を聞きなさい」ガシッ


 ラビットハウス店内。

チノ「そうですね……バイトですか」

ココア「うん! 住まわせてもらってるんだし、お手伝いさせて!」

チノ「人手は充分足りているんですけど……」

 言って、店内を見回すチノちゃん。
 確かにお店は……静かだよね。

チノ「でも、そうですね。ココアさんも暇ができた時でもいいので、手伝ってくれると嬉しいです」

ミミ「ごめんなさい。気を遣わせちゃったかしら」

チノ「あ、いえ、そんなことは。楽になるのは確かなので」

チノ「ココアさん。ということで、暇ができたらお願いします」

ココア「うん! 暇ができなくても働くから!」

ミミ「やめなさい。まずは学問第一でしょ」

ココア「学問かぁ……学問……なんだよね、アレ」

ミミ「……ごめん」

チノ「?」


 『バイトチュートリアル』

 ラビットハウスで働くことができる。
 現在は昼コマンドの際にのみ選択可。昼コマンド分の時間を消費し、バイト代を得ることができる。
 お金だけではなく、時にはイベントも。バイト代は現在100コール。

『遅れて申し訳ないっす』


 4月8日 夜
 所持金 280コール
 錬金レベル 2
 知ってるレシピ ・中和剤 赤
         ・ヒーリングサルヴ
         ・クラフト

 読み返して、ココアのレベルアップを忘れていたことが発覚。
 というわけで、


 レベルアップ!

 ココア Lv.2(Next.7)
 HP:20
 MP:25
 LP:10
 攻撃力:8
 防御力:2
 素早さ:5

 スキル
  ・万物の理 『アイテムを一回分消費し、タイムカードを200の間隔で三枚発行。効果は一枚30%』

 ステータスポイントを1入手。
 スキルポイントを5入手。


 ↓1 ステータスポイントでどのステータスを成長させますか? 1ポイントなので1つ選択
    加えて、今このタイミングでスキル習得選択をするか否か(一覧だけ見ることも可能)



ココア「ん、強くなったみたい!」


 ココア Lv.2(Next.7) Spt.5
 HP:20
 MP:25
 LP:10
 攻撃力:8
 防御力:2
 素早さ:6(+1)

 スキル
 ・万物の理 『アイテムを一回分消費し、タイムカードを200の間隔で三枚発行。効果は一枚30%』



 習得可能スキル一覧

 『習得に必要なスキルポイント5』
 ・HP強化Lv.1 『HP最大値を5アップ』
 ・MP強化Lv.1 『MP最大値を5アップ』
 ・LP強化Lv.1 『LP最大値を5アップ』
 ・攻撃力強化Lv.1 『攻撃力を3アップ』
 ・防御力強化Lv.1 『防御力を3アップ』
 ・素早さ強化Lv.1 『素早さを3アップ』

 『必要スキルポイント10』
 ・エーテルソード 『消費MP:10 敵一体へ攻撃。コンマに+20の効果 隙:250』
 ・エーテルブロー 『消費MP:15 敵一体へ攻撃。コンマに+10の効果。敵へ50ポイント分のノックバック効果』

 『必要スキルポイント15』
 ・消えない闘志 『一定確率で戦闘不能になるダメージを耐える ※パッシブ』
 ・道具の理 『アイテムを通常使用時、コンマに+20 ※パッシブ』
 ・万物の理解 『スキル【万物の理】の効果をアップ ※パッシブ』

 『必要スキルポイント20』
 ・第六感 『ココアのクリティカル発生条件が追加 ※パッシブ』
 ・快活行動派錬金術士 『通常攻撃に常にコンマ+10の効果。攻撃力+20 ※パッシブ』


 ↓1 現在スキルポイント5
    どのスキルを習得しますか? それともポイント温存?


 とりあえず、もう寝るので今日は落ちま
 すっごく遅れて申し訳ないです

 眠れる気がしないのでちょこっと更新。



 夜コマンド
 1・出掛ける(昼と同じく。ただし夜限定の出来事もあり)
 2・勉強する(昼と同じく)
 3・調合する(昼と同じく)

 ↓1

ココア「もう一仕事しようかな……」

 ラビットハウス。自室でのんびりしながら、私は考える。
 アトリエへ出掛ける時間もあるし、仕事も受けたし、お金も欲しいし……調合してみるのもいいかもしれない。



【現在の素材】

                『品質ランク特性』          《カテゴリ》
・うに 【C 7個】       『大きい、安物Lv.1』         植物、食材
・ニューズ 【C 5個】     『弾けるトゲ、威力アップLv.1』    植物
・アイヒェ 【C 7個】     『防御力+2 効果安定Lv.1』     植物、木材
・正体不明のタマゴ 【C 8個】 『攻撃力+2 使用回数+1』     食材、燃料
・水 【C 5個】        『威力保証Lv.1』           水、液体
・赤の粘土 【C 3個】 『クリティカルLv.1』             粘土、火薬
・ぷにぷに玉 【C 1個】    『品質アップLv.1』          食材、薬の材料


【知ってるレシピ】
  [名前(カテゴリ)]        [必要材料]       《一個作成による経過日数》

 ・中和剤 赤(中和剤)     『火薬×2』   《一個0.5日》
 ・ヒーリングサルヴ(薬)  『マジックグラス×2 マンドラゴラの根×1 水×1』 《一個一日》
 ・クラフト(爆弾)      『ニューズ×2』  《一個1日》


 ↓1 どれを調合する?  調合せず、夜コマンドに戻ることも可能

【調合レベルの概念を忘れてましたので追加】

 Lv.1 ・中和剤 赤(中和剤)     『火薬×2』   《一個0.5日》
 Lv.1 ・ヒーリングサルヴ(薬)  『マジックグラス×2 マンドラゴラの根×1 水×1』 《一個一日》
 Lv.2 ・クラフト(爆弾)      『ニューズ×2』  《一個1日》



『中和剤 赤』
 一個しか作れないので、一個調合。
 0.5日経過で4月9日昼へ。

ココア「――よし! 決めたよ」

 予定を決めベッドから降りる。
 ミミちゃんとチノちゃんにアトリエに向かうことを告げると、私は薄暗い街を歩いて行った。



 ココアのアトリエ。

ココア「ええと、手順確認しないと……」

 ランプで照らされたアトリエ内で、私は本を読む。
 調合。故郷では何度も手順を確認してきたけど、やるのは初めてだ。
 成功するといいけど――

 4月9日 昼


ココア「で、できた……!」

 長かった……。材料入れてかき混ぜて、ちょっと寝てまたかき混ぜて――寝坊がちな私が、よくできたものだ。
 完成した中和剤を試験管に入れ、蓋をしっかりと。眠気も忘れて私ははしゃぐ。


 中和剤 赤を一個調合。

  中和剤 赤 カテゴリ:中和剤
  トトリ「錬金術士の基本、中和剤だよ」
  トトリ「これは赤だから、主に爆弾に使用することになるかな」
  ココア「爆弾……それも錬金術士の基本ですよね!」
  チノ「錬金術士って一体……」


  所持 ・ランクC 特性……クリティカルLv.1(アイテム使用時クリティカル条件にコンマ末尾2を追加) 一個所持


ココア「ランクは低そうだけど、でも成功したことがすごく嬉しいなぁ」

 これで夢のパン錬金へ一歩近づいたね。


 錬金レベルが1アップ。 現在3レベル。

 眠くなったので今日はこれで落ちま

【試験的だけれど自動補充ということで。あまりにも溢れたりしたら考えまふ】

 
 完成した中和剤をテーブルの上に。
 満足しながら眺めていると、アトリエのドアがノックされた。

ココア「はーい? 入って大丈夫ですよ」

 答えると、ドアが開く。
 ゆっくりと開いたドアからひょこっと顔を出し微笑んだのは、

トトリ「こんばんは、ココアちゃん」

ココア「あ、トトリ先生。どうしたんですか?」

トトリ「昨日の夜、電気が点いてたの見かけたから――頑張ってるみたいだね」ドアシメ

ココア「頑張って……るのかな。9日目で調合初めてって遅くないですか?」

トトリ「うーん、ちょっと遅めかな。でもまだ全然早い方だと思うよ」

トトリ「――で、ちょっと調合したもの見せてもらってもいい?」

ココア「はいっ! これです」

トトリ「なるほど……品質は低めで、特性も少ない……でも中和剤だし、作ったのは一個だけみたいだし……これで妥当だね」

 中和剤を見つめ、こくこくと何度か頷く先生。
 見ただけでそれが分かってしまうのだから、流石は先生。

トトリ「うん。これなら心配なさそう」

トトリ「中和剤は基本だから、これが作れるなら大丈夫だね」

トトリ「ちょっと調合に慣れてきたら、特性とか、品質に気をつけてもいいかも。中和剤を何個か作って、材料を数種類選んで特性をいっぱいつけたり、欲しい特性がついた素材と、品質がいい素材を混ぜて完成品の品質を上げたり……。調合の手段は色々あるから、試してみて」

ココア「は、はいっ。……」

トトリ「……? どうしたの?」

ココア「ちゃんと先生は先生してくれるんだなぁ、って」

トトリ「私も罪悪感があるからね……」

ココア「あはは……ありがとうございます、トトリ先生」

 お礼を言うと、トトリ先生は嬉しそうに笑う。
 優しいし、教え方も丁寧だし、いい人だよね、トトリ先生。 
 先生に迷惑かけないためにも、頑張らないと。


ココア「……よし、ご飯も終わり!」

ココア「まだまだ元気だし、どっか行こうかな?」

 パンを一つぺろりと完食。
 まだまだ尽きない活力を感じつつ、私は考えはじめる。


 昼コマンド
 1・出掛ける(コマンド決定後、場所を選択。イベント、依頼、買い物など起こること、できることは様々)
 2・街の外へ(採取地へと向かう)  
 3・勉強する(錬金レベルの経験値を入手)
 4・調合(アイテムを調合する)

 ↓1

ココア「調合、しようかな」

 せっかくだから、色々作っておかないと。
 元気もやる気もあるうちに、私は調合してしまうことを決める。

ココア「何を作ろう?」



【現在の素材】

                『品質ランク特性』          《カテゴリ》
・うに 【C 7個】       『大きい、安物Lv.1』         植物、食材
・ニューズ 【C 5個】     『弾けるトゲ、威力アップLv.1』    植物
・アイヒェ 【C 7個】     『防御力+2 効果安定Lv.1』     植物、木材
・正体不明のタマゴ 【C 8個】 『攻撃力+2 使用回数+1』     食材、燃料
・水 【C 5個】        『威力保証Lv.1』           水、液体
・赤の粘土 【C 1個】 『クリティカルLv.1』             粘土、火薬
・ぷにぷに玉 【C 1個】    『品質アップLv.1』          食材、薬の材料


【知ってるレシピ】
  [名前(カテゴリ)]        [必要材料]       《一個作成による経過日数》

 ・中和剤 赤(中和剤)     『火薬×2』   《一個0.5日》
 ・ヒーリングサルヴ(薬)  『マジックグラス×2 マンドラゴラの根×1 水×1』 《一個一日》
 ・クラフト(爆弾)      『ニューズ×2』  《一個1日》


 ↓1 どれを調合する?  調合せず、夜コマンドに戻ることも可能

ココア「うん、クラフトに決めた!」

ココア「ええと、それで……二個分の素材はあるけど、いくつ作ろうかな」

 ↓1 いくつ調合する? 特性は3個以下なので固定

ココア「うん、これでよし!」

ココア「それじゃあ、調合するよ」


 『クラフトを一個調合 一日経過』

 4月10日 昼


 クラフト 一個調合。
   品質 C  威力(=アイテム使用時の攻撃力)……25
         隙……200
         範囲……敵二体
         最大使用回数……3回


 クラフト  カテゴリ:爆弾
 ココア「投げるとタネが飛び散る、自然にやさしい爆弾、クラフトだよ」
 リゼ「そう聞くとなんとなく弱そうに思えるな」
 リゼ「そうだ、種を金属とか刃物に変えれば威力が――」
 ココア「すっごく物騒!」


 所持 ・ランクC 特性……威力アップLv.1(アイテム使用時コンマに+10の効果)
              弾けるトゲ (アイテム使用時コンマに+5の効果)  一個所持


ココア「……できた」

 調合を終え、私はおそるおそるクラフトを手に取る。
 爆弾。初めて作った、戦いのための道具だ。

ココア「せっかく作ったんだから外に出る時はしっかり身につけて、いつでも使えるようにしておかないとね」

 うん、と頷く。ちゃんと扱えるだけ、探索にアイテムを持っていくとしよう。


 『アイテム装備チュートリアル』

 弱めな錬金術士の戦い、その主軸はアイテムです。
 アイテムがあれば攻撃、防御、サポートと様々な役割を果たせるため、積極的にアイテムを調合、装備していきましょう。
 アイテムを装備、使用できるのは錬金術士のキャラのみです。
 今後、昼、夜コマンドに装備変更のコマンドが追加されますので、そこでアイテムの装備変更を行えます。

 ココアは現在アイテムを三個装備することができます。
 条件を満たすことで装備数が増えることも。

 また、アイテムには使用回数が決められています。
 探索に出かけ、街に戻った時に使用回数が回復するため、タイミングを考えて使用しましょう。

 今は装備しないメリットも、他の錬金術士もいないため無条件でココアがクラフトを装備します。



ココア「みんなの足を引っ張らないためにも、強いアイテムは持っていたいよね」

 武器とか防具も大事だけど、私は錬金術士。
 敵を叩いて戦うなんて、スマートじゃないよね☆

【錬金レベル……忘れがち。
   新しいものを作ったので、レベルアップ。現在は4
    それとバイトと、装備変更のコマンド追加】



ココア「アイテムを装備して、なんだか生まれ変わったみたいな気分!」フンス

ココア「やる気満々だね!」


 4月10日 昼

 昼コマンド
 1・出掛ける(コマンド決定後、場所を選択。イベント、依頼、買い物など起こること、できることは様々)
 2・街の外へ(採取地へと向かう)  
 3・勉強する(錬金レベルの経験値を入手)
 4・調合(アイテムを調合する)
 5・バイト(ラビットハウスでお仕事)
 6・装備変更(武器防具装飾品、アイテムの装備変更)

 ↓1


ココア「出かけようかな」

 調合してたし、たまには外に出ないと。
 せっかくこの街に来たんだからね。

ココア「さーて、今日はどこに行こうかな」

 わくわくしながら私は、街の地図をポーチから取り出した。


 行き先(色々解禁されております。!がついている時はイベント発生。イベントがなく、やることもない場所は選択肢から外します)

 【と、このタイミングでルール訂正。出掛けるコマンドは時間消費なしで、問題なければそれで続行】


 1・ラビットハウス !
 2・フルール・ド・ラパン !
 3・甘兎庵  !
 4・学園購買部
 5・冒険者ギルド !
 6・兵士科 !
 7・錬金科 !
 8・学園グランド !

 ↓1


 冒険者ギルドに私は向かった。
 色々したいこともあったし、顔を出すだけでも無駄ではないだろう。

ココア「まずはカウンターかな」

 相変わらず賑やかなギルドの中をのんびりと歩いて行く。
 ギルドのカウンター。お客さんの列に並んで待つことちょっと。
 私を最後尾に、番が回ってきた。

ココア「フィリーさん。こんにちは」

フィリー「あ、ココアちゃん。こんにちは。元気そうだね」

ココア「はい! やる気も元気も満々ですよ」

フィリー「そっか、安心したよ。錬金科のお話最近聞いたから」

ココア「うっ、やっぱり噂に……」

フィリー「それはもう、すごいわよ。放任主義の極みだって」

ココア「だよね……。ま、まぁでも私は元気ですよ。学校だって楽しいですし。どちらかというと……」

 私はそこで一度沈黙。
 カウンターにいるフィリーさん。彼女の顔をジーッと凝視。

フィリー「ど、どうしたの? 見つめられると恥ずかしいんだけど」

ココア「フィリーさん、元気ないような気が」

フィリー「……あ、やっぱり……分かる?」グッタリ

ココア「ぐったりしてますし。休んでます?」

フィリー「うん。休んでるには休んでるんだけどね。その、お仕事が大変で」

ココア「お仕事? そういえば、私が並ぶ前はお客さんすごかったですね」

フィリー「そうなのよ。怖い人ばっかりでね、もう疲れちゃって」

ココア「怖い人?」

フィリー「うん。いかつい人とか、言葉遣いとか、目つきとか」

ココア「そ、そうですか……」

 冒険者ってそういう人多いような……冒険者ギルドの受付に向いてないような気が。

フィリー「でも今日はココアちゃんが来てくれたから頑張れそう」

ココア「あはは……ちょくちょく顔出すようにしますね」

フィリー「そうしてくれると、私もこの仕事が長続きしそうだよ」

フィリー「あ、つい話し込んじゃったね。――えっと今日の用事は何かな?」

フィリー「依頼見ていく?」


 ・ 『中和剤 赤』の調合 一個納品 報酬80コール
 ・ 『ゼッテル』の調合 二個納品 報酬100コール
 ・ 『ニューズ』の納品 二個納品 報酬80コール
 ・ 『マジックグラス』の納品 二個納品 報酬50コール
 ・ 『青ぷに』の討伐 二体 報酬100コール
 ・ 『緑ぷに』の討伐 二体 報酬120コール


 ↓1 どの依頼を受ける? 納品する?

【ミス ニューズの依頼消し忘れ】


 『中和剤 赤』の調合 を納品

 報酬80コール 合計360コール

フィリー「うん、確かに受け取りました」

フィリー「これは報酬だよ」

フィリー「えっと――他にも依頼受ける?」

 ・ 『ゼッテル』の調合 二個納品 報酬100コール
 ・ 『マジックグラス』の納品 二個納品 報酬50コール
 ・ 『青ぷに』の討伐 二体 報酬100コール
 ・ 『緑ぷに』の討伐 二体 報酬120コール


 ↓1 どの依頼を受ける? 納品する? 受けなくてもOK

ココア「じゃあ……これも!」

フィリー「討伐依頼だね。ココアちゃんにはちょっとむずかしいかもしれないけど――実入りはいいから、頑張って」

ココア「はいっ。仲間はいるから、多分大丈夫だと思います」

ココア「よいしょ……それじゃ、また」

フィリー「ん、さようなら。また来てねココアちゃん」

 ポーチに依頼の書類をしまい、受付カウンターから離れる。
 よし、これでお金もちょっと手に入った。で、次は――


1・武器屋を見てく
2・他の場所へ
3・昼コマンド選択へ

 ↓1

ココア「他の場所に行こうかな、っと」

 武器屋はまだお金が……材料もだし……。
 他のところに行くとしよう。


 1・ラビットハウス !
 2・フルール・ド・ラパン !
 3・甘兎庵  !
 4・学園購買部
 5・冒険者ギルド !
 6・兵士科 !
 7・錬金科 !
 8・学園グランド !

 ↓1  どこへ行く?

ココア「シャロちゃん、来たよー」

シャロ「……ここ指名できるお店じゃないんだけど?」

 フルール・ド・ラパン。
 テーブルの席に案内された私はシャロちゃんを呼んだ。

ココア「ちょっとお話するだけだから。ね?」

シャロ「まぁいいけど。平日だし、人はそんなにいないから」

ココア「あ。そういえばそうだよね。シャロちゃん、学校どうしたの?」

シャロ「ココアがそれ言うのね……学校の授業の一環よ」

ココア「あー、なるほど。シャロちゃんの科も私と似てるのかも」

シャロ「それはない」

 断言された。

???「おお、君がネリ金科の生徒か」

 なんて調子で話ながらメニューを見ていると、お店の奥から見知らない男の人がやって来た。
 シャツにベスト、ネクタイをしっかりつけてモノクル……っていうのかな。片目だけの眼鏡みたいなものをつけている。
 お洒落な人だ……けど、

ココア(ネリ金……?)

シャロ「店長、珍しいですね」

???「うむ。ネリ金術を学ぶ生徒がいると聞いてね。街に関わる者として挨拶をしようと思ったのさ」

ハリー「お嬢さん。ボクはハリー・オルソン。ハリー商会のオーナーであり、この店の経営者でもある。これからよろしく頼むよ」

ココア「は、はい。私はココアです」

ハリー「ココア君か。ネリ金術という学問を学ぼうと志す、知的好奇心の強い人物――ボクは大いに応援しているよ」

ココア「は、はぁ……」

ココア(いい人、なんだよね。多分)

シャロ「ココアが圧されてる……」ボソッ

ハリー「勉強はどうかね? 調合というものは、感覚や才能といった部分も重要だと聞いているがね」

ココア「順調ですよ。調合も成功して、一段落なところです」

ハリー「そうか。何か困ったことがあれば相談してくれたまえ。ボクにできることなら、できるかぎり協力させてもらおう」

ココア「はい! ありがとうございます」

 すたすたと歩いて、またお店の奥へ戻るハリーさん。
 最初の印象はなんだか偉そうというか、あんまり良くなかったけど、やっぱりいい人だった。

ココア「ハリーさん、いい人だね」

シャロ「まぁ、いい人ね」

シャロ「けど、今に厄介さが分かるわよ。……鬱陶しいから」

ココア「そ、そうなのっ?」

 深いため息を吐き、そう口にするシャロちゃん。
 鬱陶しい……。気になる。

シャロ「でも頼りになるのは確かだから、困ったら相談するのもいいんじゃない?」

 で、そんなこと言われてるのに信用されているのも気になる。
 ハリーさん……どんな人なんだろう?

ココア「……ふぅ、癒やされた」

ココア「やっぱりリラックスにはお茶だよね」

ココア「えっと、次はどこに行こうかな」


 1・ラビットハウス !
 2・フルール・ド・ラパン【選択不可】
 3・甘兎庵  !
 4・学園購買部
 5・冒険者ギルド !
 6・兵士科 !
 7・錬金科 !
 8・学園グランド !

 ↓1  どこへ行く?


※今日はここで落ちま

ココア「私は更なるリラックスを所望するよ……!」

ココア「チヤちゃんならあののほほんとしたオーラで癒やしてくれるはず……」

 うん、と頷いて私は目の前、甘兎庵のドアを開いた。

ウィルベル「いらっしゃいませー」

 すると出迎えたのは着物姿のチヤちゃん――ではなく。
 ぴったり合ったサイズの甘兎庵の制服を着た、ウィルベルちゃん。帽子もとって、

ウィルベル「あらココア。今日は甘味? それとも買い物?」

 なんだか奥様のような台詞。あぁっ、かわいい……。

ココア「今日はちょっと遊びに来たんだけど」

ウィルベル「あー、なるほど。でもチヤは今いないよ。学校だから」

ココア「えっ? あ、そうだよね」

ウィルベル「平日でも授業ない日があるんだけど、今日はその日じゃないね。で、どうするの?」

ココア「じゃあ、ウィルベルちゃんと遊ぼうかな」

ウィルベル「あたしと? いいけど、本当珍しいわね、ココアって」

ココア「そうでもないと思うけど」

 ウィルベルちゃんと仲良くなりたい、って思うのは普通じゃないかな?

ウィルベル「いやいや、営業中のお店に遊びに来る時点で色々」

 そういえば、そうだよね。



ウィルベル「錬金科って案外暇そうね」

 接客が一段落つき、雑貨屋の方で待っている私の近くへやって来たウィルベルちゃんは、まず一言そんなことを言った。

ココア「そ、そんなことないよっ。調合だってしっかりしてるし、今は課題のために頑張ってるし」

ウィルベル「課題ねぇ。素材は集まってるの?」

ココア「それは……まだだけど」

ウィルベル「なんだか頼りない答えねえ」

ココア「うぐっ、ウィルベルちゃんは、学校どうなの?」

ウィルベル「学校? あたしは行ってないよ。学校では学べな――コホン。生きてくのに、困ってないし」

ココア「そうなの? やっぱり魔法使えると違うのかな」

ウィルベル「そうそう――うえええっ!?」

 こくこくと頷いていたウィルベルちゃんがいきなり奇声を上げる。

ウィルベル「な、なな何言ってるの? あたしは別に魔法なんて」

ココア「でもウィルベルちゃん、いかにもな格好――」

ウィルベル「違う! 違うから!」

ココア「う、うん……そこまで言うなら」

ココア(魔法使い嫌いなのかな?)


 ↓1 ウィルベルのお店を見ていく? 移動?

 移動。


 1・ラビットハウス !
 2・フルール・ド・ラパン【選択不可】
 3・甘兎庵  【選択不可】
 4・学園購買部
 5・冒険者ギルド !
 6・兵士科 !
 7・錬金科 !
 8・学園グランド !

 ↓1  どこへ行く?  昼コマンド選択へ戻るのも可能


 『冒険者ギルド』


ココア「武器武器……」

ミルカ「……何を探しているの?」

ココア「あ、ミルカちゃん。こんにちは」

ミルカ「こんにちは。今日は何の御用?」

ココア「私にも使えるような武器がないかなぁと思ったんだけど……ダメそうだね」

ミルカ「まぁ、錬金術士に売るような杖はないわね。剣とかはあるけど」

ココア「うーん、あんまり重いのは苦手で」

ミルカ「そうね。ココアがそういうタイプじゃないのは、見て分かるから」

 それって、か弱く見えるとか? 嬉しいようなそうじゃないような……。

ミルカ「もし武器が欲しいなら、前も言ったように素材を持ってきてくれればなんとかなるわ」

ココア「えっと、でも素材も武器を作る素材を作るレシピも……」

 素材もお金もない。ちょっとミルカちゃんに頼る気持ちで私が言うと、ミルカちゃんは仕方ないといった顔をする。

ミルカ「素材なら、採れそうな場所を知っているわ」

ココア「本当っ!? 教えてくれると嬉しいな」

ミルカ「ええ。営業のためにも、教えた方が得だから勿論教えるわ」

ココア「わぁ、ありがとう!」

ミルカ「その代わりお金は自分でなんとかして」

ココア「ま、まぁそれはそうだよね」

 でも、素材が採れるならできるお仕事だって増えるだろうし。
 私の努力次第ってことだよね。


 採取地 『近所の廃炭鉱』の場所を教えてもらいました。

ミルカ「それと、そこは敵も強いから注意すること」

ココア「そ、そうなんだ……。うん、頑張る!」

 怖いけど仲間がいるから大丈夫!
 ……ちゃんと準備ができたら行こうかな。


1・ラビットハウス !
2・フルール・ド・ラパン【選択不可】
3・甘兎庵  【選択不可】
4・学園購買部
5・冒険者ギルド
6・兵士科 !
7・錬金科 !
8・学園グランド !

 ↓1  どこへ行く?  昼コマンド選択へ戻るのも可能
     武器屋のお店を見ていくのも可能

 8 学園グラウンド へ移動


ココア「グラウンド……なんで来たんだろう」

 なんとなくの気分で、私は学園のグラウンドへとやって来た。
 理由はさっぱり分からない。まぁ、街をうろうろする時間はあるのだからいいだろう。

ココア「何かないかなぁ」

 キョロキョロと周りを見る。
 グラウンドにいる、目につく人は――

1・目つきが鋭い男の人
2・白髪の男の人
3・大声を上げながら走る女の子

 ↓1

???「どおおおっ!」

 大声を上げながら走る女の子だった。
 目につくよね、これは……。
 白いシャツに水色のセーター、スカート。頭には耳のようなものがついた帽子をかぶっている。
 ポーチと箒を身に着けていて――あの子は何科なのかな。

ココア「なにしてるんだろう」

 思わず気になって凝視してしまう。

???「……ああ、もうだめ! ぜえはぁ……ん?」

 すると、急に立ち止まった彼女は私の視線に気づいた。
 目が合い、一瞬の沈黙。何かコミュニケーションでもとろうかと瞬間的に考えると、女の子は手を振ってこちらへと走ってきた。

???「やっほー! アトリエうまくいってる?」

 あれ? 私の事知って――あ!

ココア「シャルロッテちゃん!」

 思い出した。そういえば彼女もまた錬金科の生徒。
 一応私と同じクラスだったはずだ。

シャルロッテ「あ、なんか今思い出したようなリアクション」

ココア「気のせいだよ。お話もちょっとしたし、しっかり覚えてるよっ」

シャルロッテ「えー? そのわりにはシャリーとか呼んでくれないじゃん」

ココア「え?」

シャルロッテ「ほら忘れてる! もう、しっかり覚えてよ」

ココア「ご、ごめん。顔は覚えてるんだけど」

シャルロッテ「まぁあの急展開じゃしょうがないよね。今も大変だけど、あの時はてんやわんやで」

シャルロッテ「あ、そうだ。アトリエ。どう? ココア、うまくやってる?」

ココア「うん。それなりだと思うよ。調合したし、お仕事もしたし、お出かけもしたから」

シャルロッテ「ほうほう。やっぱりみんな色々してるんだなぁ」

ココア「みたいだね。みんながどれくらいうまくいってるかは分からないけど」

シャルロッテ「だねぇ。ま、お互い頑張っていこう! じゃ、そゆことで!」

 ふいっと話を区切り、シャルロッテちゃんは短く挨拶。学園の校舎へと走っていく。
 ……結局、グラウンドで走って何をしていたんだろう?
 無性に気になる私であった。



1・ラビットハウス !
2・フルール・ド・ラパン【選択不可】
3・甘兎庵  【選択不可】
4・学園購買部
5・冒険者ギルド
6・兵士科 !
7・錬金科 !

 ↓1  どこへ行く?  昼コマンド選択へ戻るのも可能


※今日はここまでで落ちま

遅れました

6 兵士科へ移動


ココア「なんとなく兵士科に来たけど――」

ココア「普通コースも錬金科とは全然違うよね」

ココア「普通の学校って感じで、ちょっと羨ましいかも」

 私の視線の先。兵士科の普通コースがそこにある。
 普通コースといえどやはり兵士さんは兵士さんらしいオーラがあって、とても強そうに見える。

ココア「護衛は……今は別に不自由してないかな」ジーッ

???「俺の兵士科に何か用か?」

ココア「ふえっ!?」ビクーン

 突然掛かる声に跳びはねる。いつの間にか私の横に、男の人が立っていた。
 すらっとした長身で、髪は若干ウェーブがかかっており、なんだかお洒落な印象の人だ。この人も兵士科?

ココア「あ……特に用はない、かな」

???「そうか。なら目立つことは避けろ」

ココア「目立つ?」

 言われて、私は自分の状態を省みる。
 曲がり角から顔だけ出して様子をジーッと見ている少女。ちょっと怪しいかもしれない。

???「錬金科か。あそこはこんな生徒が多いな」

ココア「こ、こんな?」

 すごく不名誉なことを言われているのはなんとなく分かってしまった。

???「俺はハロルだ。護衛を探すなら堂々と教師の俺を通してもらおうか」

 あ、先生だったみたい。
 なんとなく顔立ちはそれっぽいけど、体格的にはどうなんだろう?

ココア「はいっ、ごめんなさい」




途中で投稿してしまったので、投稿しなおし



6 兵士科へ移動


ココア「なんとなく兵士科に来たけど――」

ココア「普通コースも錬金科とは全然違うよね」

ココア「普通の学校って感じで、ちょっと羨ましいかも」

 私の視線の先。兵士科の普通コースがそこにある。
 普通コースといえどやはり兵士さんは兵士さんらしいオーラがあって、とても強そうに見える。

ココア「護衛は……今は別に不自由してないかな」ジーッ

???「俺の兵士科に何か用か?」

ココア「ふえっ!?」ビクーン

 突然掛かる声に跳びはねる。いつの間にか私の横に、男の人が立っていた。
 すらっとした長身で、髪は若干ウェーブがかかっており、なんだかお洒落な印象の人だ。この人も兵士科?

ココア「あ……特に用はない、かな」

???「そうか。なら目立つことは避けろ」

ココア「目立つ?」

 言われて、私は自分の状態を省みる。
 曲がり角から顔だけ出して様子をジーッと見ている少女。ちょっと怪しいかもしれない。

???「錬金科か。あそこはこんな生徒が多いな」

ココア「こ、こんな?」

 すごく不名誉なことを言われているのはなんとなく分かってしまった。

???「俺はハロルだ。護衛を探すなら堂々と教師の俺を通してもらおうか」

 あ、先生だったみたい。
 なんとなく顔立ちはそれっぽいけど、体格的にはどうなんだろう?

ハロル「……」ジーッ

ココア「は、はいっ、ごめんなさい!」

 じっとハロルさんを見ていると、すごく冷たい目で見返される。
 う……なんでだろう。私、すごく苦手な…… 

ハロル「おい、何止まっ――」

ココア「ごごごごめんなさい! じゃあまた!」ピューン

 さながら蛇に睨まれた蛙。
 誰とでも仲良くなれるんじゃないかな、なんて思っていたのに私は反射的に駆け出す。
 兵士科普通コースの先生、ハロルさん。トトリ先生と比べると……うん。錬金科に入ってよかったと思う。

1・ラビットハウス !
2・フルール・ド・ラパン【選択不可】
3・甘兎庵  【選択不可】
4・学園購買部
5・冒険者ギルド
6・兵士科 【選択不可】
7・錬金科 !

 ↓1  どこへ行く?  昼コマンド選択へ戻るのも可能

4 学園購買部へ移動

ココア「ふぅ……なんで逃げちゃったんだろう?」

ココア「……。あんまり考えないようにしよう」ガラッ

パメラ「いらっしゃーい」

パメラ「あら、ココアじゃない。元気にしてた?」

ココア「はいっ、元気ですよ」

パメラ「それは良かったわぁ。あ、お買い物よね。何を買いにきたの?」

ココア「何を――あ」


 ・料理の基本  『レシピ ・小麦粉
              ・塩
              ・ピュアオイル
              ・錬金酵母』 価格:700コール
 ・初歩的アクセサリー 『レシピ ・新緑の羽飾り
                 ・モノクログラス』  価格:1000コール
 ・童話の遺産  『レシピ ・アリスの懐中時計
              ・不思議なティーカップ』  価格:1500コール


ココア「何も買えない……」 ←所持金360コール

パメラ「え? 何も?」

ココア「えっと……きょ、今日はお話にっ」

パメラ「お話に? ふふっ、それじゃあお茶を用意するわね」

ココア「はい、ありがとうございます」

ココア(……今度から気をつけよう)

 お金がもっと貯まったら、本を買わないと……申し訳ないし。

1・ラビットハウス !
2・フルール・ド・ラパン【選択不可】
3・甘兎庵  【選択不可】
4・学園購買部 【選択不可】
5・冒険者ギルド
6・兵士科 【選択不可】
7・錬金科 !

 ↓1  どこへ行く?  昼コマンド選択へ戻るのも可能

7 錬金科に移動


ココア「錬金科……」

 のんびりのほほんとしたティータイムを終えて。
 私は錬金科、普通コースの教室前に来た。本当になんとなくの気まぐれだけど――

ココア「誰もいないよね?」

 授業なんてない。
 だから誰もいないのが普通。でも私は教室のドアを開けた。

???「……?」

 で、見つけた。
 珍しい服を着た、ピンク色の髪の女の子を。私はこの子のことを良く覚えている。
 ちっちゃくて可愛い錬金術士……。

ココア「コルネリアちゃん!」

コルネリア「……あ、ココアさん」

 チノちゃんに似た雰囲気の彼女は私を見ると若干怯えた顔をした。
 ……あ、あれ?


 ※今日はここまでで

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom