速水奏「私達アイドルが船で、プロデューサーは港」 (31)

モバマスSSです

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奏「『男は船・女は港』って言うらしいけど……」

奏「私達の場合は逆なのかもしれないわ…なんとなく…そう思うの」

奏「私達アイドルが船で、プロデューサーは港…」

モバP「港ですか」

奏「いつだって、私達が未知の世界へ漕ぎ出して行けるのも

奏「送り出してくれて…そして帰ってこれる港が存在するから……」

奏「ねぇ…プロデューサー。これからも、そんな場所でいてね

モバP「はい。…えーっと………で?」

奏「なに?」

モバP「私の家に、奏さんが持って来た…その段ボール箱は何です?」

奏「だからアイドルが船で、プロデューサーは港…そう言ったじゃない?」

モバP「そうですね。でもそれと、その段ボール箱は関係ないですよね?」

奏「船が港へ運ぶものと言えば何?」

モバP「人間とか、荷物・コンテナ、燃料ですかねぇ」

奏「ご名答。段ボール箱を開けてもいいわよ」

モバP「どれどれ……こ、これは!!」

奏「私のCDでした」

モバP「『Hotel Moonside』ですね」

奏「担当プロデューサーがCDを、一枚も持ってないのは変だと思ったの」

モバP「買わなくても、CD発売の時に聴きましたし……CDは買わなくても良いかなって」

奏「自宅に担当したアイドルのCDが一枚も無いなんて、悪いプロデューサーね」

モバP「すみません…あれ?…と言うことは、今まで発売されたアイドルのCD」

奏「……クスッ」

モバP「まさか全部、持って来てくれたんですか!?」

奏「私のCD『Hotel Moonside』だけよ」

モバP「本当だ……段ボールの中身は全部『Hotel Moonside』…!」

HotelMoonsideHotelMoonsideHotelMoonsideHotelMoonsideHotelMoonsideHotelMoonsideHotelMoonsideHotelMoonside
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奏「全部、自腹なの。当然、自分のCDを買うわ」

モバP「そ、それはご尤もです……」

奏「プロデューサーは知らないと思うけど、事務所の関係者専用女子トイレと更衣室にはね」

奏「各アイドルのCD売り上げ枚数のグラフが張り出されるの」

モバP「ええー!そうだったんですか…知りませんでした」

奏「ちひろさんがグラフを作成して掲示するわ」

モバP「トイレで落ち着きませんね」

奏「自分のCDの売り上げ枚数を確認しながら排泄するの……」

モバP「ストレスで便秘になりそうです…」

奏「売れてないときは、糞みたいな気分ね」

モバP「糞だけに…ですか」

奏「トイレですすり泣く声も聞こえるわ」

モバP「ひぇぇぇぇ~」

奏「そういう他人の泣く声を聞きながら……大便をするとスッキリでるわ」

モバP「勝利の愉悦を感じつつ、排便ですね」

奏「アイドル事務所内も弱肉強食なの。例外は一部あるけど、多かれ少なかれ」

奏「『自分が目立ちたい。一番でありたい』…そう思うのよ」

モバP「そうですよね」



……

奏「よし…!」

モバP「何が『よし…!』ですか!?」

奏「これで安眠できるわ」

モバP「我が家の本棚が『Hotel Moonside』で埋まったじゃないですか!!」

プルルルルル


奏「あら?電話が鳴っているわプロデューサー」

モバP「ちょっと失礼して…」

モバP『ハイ!もしもしー桃華さんですか?え?今、どこに居るか?』

モバP『私は自宅にいますよー、それがどうかしました?…え?…もしもしー!?』

奏「何かあったの?」

モバP「桃華さんからの電話だったのですが……途中で電話が切れてしまったんです」

ババババババララララッッッ!


モバP「何だ……この音!?」

奏「これは……ヘリコプターのエンジン音のようね。近づいてくるわ」


―――プロデューサーちゃまが、わたくしのCDを買っていないと耳にしたものですから

―――プロデューサーちゃま――ッ!わたくしのCDをコンテナに入れて、持ってきましたわ!!


モバP「この声は桃華さん!?」

奏「ヘリコプターから音声をスピーカーで流しているようね」

―――わたくしのデビューCD『ラヴィアンローズ』受け取って下さいまし

―――コンテナの中には『ラヴィアンローズ』が十万枚ありますわ

―――ですから、大型輸送ヘリコプターで、コンテナごと持って参りましたの!


モバP「『ラヴィアンローズ』のCD十万枚…!?」

奏「くっ…大金持ちはスケールが違うわね」

―――プロデューサーちゃま、受け取ってくださいな!キャプテン、投下よ

―――Sir!コンテナ、投下!投下!!



ドカーン!!


モバP「ぎゃあああああああああああああ」

奏「きゃああああああああああああああ」


……

奏「ケホケホッ……私…アイドルを船、プロデューサーのことを港に喩えたけど…」

奏「まさか、コンテナが直撃するなんて…ゴホゴホッ!」

モバP「奏さん、大丈夫ですか?」

奏「大丈夫よ…何ともないわ」

モバP「よかった。しかし……コンテナにCDを入れて、投下するとは……」

奏「プロデューサーのアパートは全壊。私のCD『Hotel Moonside』も木っ端微塵…」

モバP「残ったのは『ラヴィアンローズ』のCDとコンテナ」

奏「しばらくは、コンテナ暮らしね」

モバP「………」

奏「げ、元気出して!ほら、『ラヴィアンローズ』CDはフリスビーの代わりにもなるし」

奏「『ラヴィアンローズ』CDを大皿として使えるわ。餃子を載せたりして…」

モバP「………」

奏「あら~♪キラキラ光るお皿で、料理が美味しそう!……なんて」

モバP「………」

奏「あ、そろそろ夕方五時だし…JKの私は……帰らなきゃ…ごめんなさい」

――次の日


TVレポーター「視聴者の皆さん、御覧下さい。あれがCDハウスです」

モバP「見世物ではありません!」

TVレポーター「壊れたコンテナの残骸とCDだけで、住宅を作っているようです」

モバP「取材許可は出していませんよ!帰って下さい!」

CDの仮設住宅


桃華「プロデューサーちゃま、この度は申し訳ありませんわ」

モバP「アパートは潰れましたけど……済んだことですし、気にしてませんよ」

桃華「アパートは買収しましたわ。急ピッチでアパートから高層マンションに建て替え中ですの」

美佳「プロデューサー、アタシのCD二百枚持ってきたよ★後、パンツと下着、靴下ね」

凛「私のCD千枚と毛布。冷えるから使って」

卯月「プロデューサーさん大変でしたね。CD三千枚枚と歯ブラシ、石鹸を持ってきました!」

早苗「アルコールで温まりなよ。オマケでCDもアゲちゃう」

ありす「デビューCD100枚と苺パスタ、苺蕎麦、苺ジャム、苺大福、苺パフェ、苺牛乳の差し入れです」

モバP「皆さん…ありがとう!本当にありがとうございます!」

友紀「プロデューサー!CDあげるから、野球しよう!」

モバP「……友紀さんは帰って下さい」

友紀「ええー!?そんなぁー…プロデューサー、雨、プロデューサー、プロデューサーの中継ぎ起用だよ?」

モバP「帰れ!!」

おわり

ありがとうございました

飛鳥さんのCDはオサレな椎名林檎みたいな感じかなぁ…
HTML依頼だしてきます

乙!
CD三千枚枚…?

>>20
卯月「プロデューサーさん大変でしたね。CD三千枚枚と歯ブラシ、石鹸を持ってきました!」

卯月「プロデューサーさん大変でしたね。CD三千枚と歯ブラシ、石鹸を持ってきました!」

誤字がありました。訂正します。
>>22ありがとうございました

訂正します。本当にすみませんでした
>>19
美佳「プロデューサー、アタシのCD二百枚持ってきたよ★後、パンツと下着、靴下ね」

美嘉「プロデューサー、アタシのCD二百枚持ってきたよ★後、パンツと下着、靴下ね」

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