京太郎「俺が三年生?」美穂子「傍にいられるだけでいいんです」 (1000)

まず注意書き

・このスレは京太郎主人公の安価スレです

・いわゆる設定改変してるので上記の内容も含めて苦手な方は注意

・安価ですがバトルや成長要素はありません でも好感度はあるかも

・息抜き用のスレなので結構適当です




過去スレ

京太郎「俺が三年生?」久「私が幼馴染じゃ不満?」
京太郎「俺が三年生?」久「私が幼馴染じゃ不満?」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」照「私が幼馴染……二番目だけど」
京太郎「俺が三年生?」照「私が幼馴染……二番目だけど」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」咲「私だって幼馴染だもん……一応」
京太郎「俺が三年生?」咲「私だって幼馴染だもん……一応」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」小蒔「初めては私です!」
京太郎「俺が三年生?」小蒔「初めては私です!」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」由暉子「ゆきみだいふく、食べませんか?」
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京太郎「俺が三年生?」咏「婿養子とかいいんじゃね? 知らんけど」
京太郎「俺が三年生?」咏「婿養子とかいいんじゃね? 知らんけど」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」マホ「お兄さんと一緒です!」
京太郎「俺が三年生?」マホ「お兄さんと一緒です!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444502844/)


エピソードを時系列順にまとめたwiki
http://www62.atwiki.jp/kyo3nen/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449156946

のよりん吊し上げかー
本編とifのどっちですかね?

それはともかくとして、お好きなキャラをどうぞ
登場済みのキャラに限ります
以下のキャラは不可

以下のキャラは『不可』です


照・玄・美穂子・小蒔・健夜・竜華・衣・マホ・久・怜・霞・誓子・はやり・揺杏・由暉子・宥・白望・哩・姫子・やえ

灼・爽・咏・憧・成香・咲


下5まででコンマ高いの一つ

のどっちで了解

それじゃ、少々お待ちを



和→京太郎 初夏、将来の夢 以降


和「先輩ですか?」

和「将来を誓い合った仲です」

和「もちろん、想いは通じ合ってます」

和「え? 誤解はないのかって?」

和「そんなオカルトありえません」

和「だって先輩はお父様の前であんなにも……」ウットリ

和「と、とにかく、私と先輩は将来結ばれるんですっ」

和「これは決定事項で覆せません」

和「咲さんたちには悪い気もしますけど……仕方ないですよね」


てなわけでおやすみなさい



・三年、夏、クレプスキュール――if after


はやり「えーっと、それではこれよりりさちゃんへの尋問会を始めたいと思います☆」

健夜「お、おー」

咏「きりきり吐いてもらおーじゃん。知らんけど」

理沙「お、お手柔らかに……」

咏「さ、それは答え方次第じゃね? こう見えてあたし、結構ムカッ腹きてるからさ」

健夜「と、とりあえず落ち着こうよ、ね?」

咏「小鍛冶さんさー、どっちの味方なわけ?」

はやり「はいはーい、まずはりさちゃんの話からだよー」





理沙「しゃ、シャワー中におっぱいを……」ポッ


健夜「お、おっぱいって胸?」

咏「当たり前じゃん」

はやり「おっぱいかぁ」ポヨン


理沙「それから、アソコに指を……」カァァ


健夜「あ、あそこってまさか……」アワワワワ

咏「小鍛冶さん、あんたどんだけウブなのさ」

はやり「うーん、いつもキレイにしてるから大丈夫かな?」



理沙「壁に手をつかされて、き、キスしながらそのまま……」ボンッ


健夜「あ、あわわわわっ」ボンッ

咏「……つーかあいつ、手慣れすぎじゃね?」

はやり「はやりの前だと初々しくしてくれるのになぁ」

理沙「も、もう無理っ!」プンスコ!

はやり「ダメダメ、それって二回目の話だよね? 最初のも聞きたいかな」

咏「んー、野依さんが困るんならそれもありかもねぃ」

はやり「健夜ちゃんも気になるよね?」

健夜「それは……その、聞けるなら」

理沙「多勢に無勢っ!」プンスコ!

はやり「ダメだよー? 絶対に逃がさないんだからね☆」ワキワキ



「ソーリー、遅れました。はやりさん、いきなり集合とは――」


「――っと、部屋を間違えたようです。グッバイ」

はやり「良子ちゃーん、おいでおいでー」クイクイ

「ノーウェイ、たった今用事ができました」

はやり「またまたぁ、いっつもそういうこと言って私の気を引こうとするんだよね☆」

「ノーウェイノーウェイ」

理沙「た、助けてっ」ガシッ

「ふぅ……これはとんでもないことに巻き込まれたかもしれませんね」





京太郎「理沙さーん」コンコン

京太郎「……いないのかな? てか、もうチェックアウトした後だったり」

京太郎「まいったな……名前以外何もわからないのに」


理沙「……入って、どうぞ」ガチャ


京太郎「ああ、いたんですか……って、大丈夫ですか?」

理沙「ダメかも……」グッタリ

京太郎「失礼しますよ……っと」ヒョイッ

理沙「あっ――」

京太郎「ベッドまで運びますから、あんま動かないでくださいね」

理沙「う、うん」ドキドキ



京太郎「よいしょっと」

理沙「きょ、今日もする?」

京太郎「たいがい頭の中ピンク色だな、理沙さんも」

理沙「違うの?」

京太郎「それよりも色々話しとこうと思いまして」


京太郎「理沙さん、恋人とか婚約者とかいませんよね?」


理沙「いない、けど」

京太郎「だったら、俺が立候補してみようかと」

理沙「……え?」

京太郎「成り行きとは言えしちゃいましたし……年下のガキが生意気なこと言ってるって思われても仕方ないんですけど」



京太郎「責任、とってもいいですか?」


理沙「……」ポカーン

京太郎「すいません、相当恥ずいんで沈黙は勘弁してください」

理沙「――ぜっ」

京太郎「ぜ?」


理沙「是非っ」プンスコ!




さすがにもう続かないよ!

というわけで前スレ1000はこれで勘弁してください
もうこれがのよりんエンドでいいんじゃないかな?

それじゃ、去ります


そういや前スレ見て思ったけどシロがはとこって事京太郎言わないのな
内緒にする理由あるのかね?

>>38
京太郎的にはいつか機会があるときに、みたいな感じです
作者的にはネタつぶしを避けるためです


それじゃ、唐突に安価とります

清澄の一年生の中から一人どうぞ

下1~下5

一年生以外無効なんです……

とりあえずコンマで

和:1-50
咲:51-75
優希:76-00

直下

優希ってことで

それじゃ、また後で

それじゃ、風呂から上がったらやります

湯上りほかほか
始めますー



・三年、夏、スク水巫女とお姫様抱っこ


京太郎「んー、いい朝だ」


久「意外に早起きね」

京太郎「俺は基本的に寝坊はしないって」

久「最近してたと思うんだけど」

京太郎「何事にも例外はつきものです」


京太郎(実際は朝帰りだったなんて口が裂けても言えないな)


久「というわけで」

京太郎「なにがというわけでだ」

久「あんた午前中は勝手に出かけるの禁止ね」

京太郎「あれ、なんかあんの?」

久「昨日言ったでしょ。一年生たちのフォロー」

京太郎「え、あれってマジだったの?」

久「当たり前でしょ」





優希「タコス、タッコスー♪」


優希「いやー、先輩が誘ってくるなんて……私って罪作りな女?」

京太郎「アホ言うな」ピシッ

優希「デコピンは痛いじぇー!」

京太郎「ま、ほったらかしにしたのも事実だし、タコスをご馳走しようかとな」

優希「先輩も素直じゃないじぇ」

京太郎「思えばいつもご馳走してるような気がするな。よし、今日はお前が払いなさい」

優希「横暴だじぇ!」

京太郎「冗談だ、冗談」

優希「むむっ、こうなったらタコスフルコースをお見舞いしてもらわないと」

京太郎「そんなものはない」


「そ、そこの人、退いてくださいぃ!」



京太郎「おっと」サッ

「わっ、とと」

優希「見事な回避っぷりだじぇ」

京太郎「君、大丈夫か?」

「あ、いえ……って、ちょい隠れるんでここにおるって言わんといてください!」ササッ

京太郎「はぁ?」


「すーずーちゃーん?」



京太郎「あれ?」

恭子「あ……たしか竹井の」

京太郎「その覚え方はどうなんだまつばらさん」

恭子「末原です」

優希「このスパッツの人と知り合いかー?」

京太郎「ああ、この人は姫松の……なんだっけ? マネージャー?」

恭子「まぁ、ろくな自己紹介もしてなかったですけど……末原恭子、今年は姫松の大将やってます」

優希「おお、咲ちゃんのお相手か!」

京太郎「京太郎と恭子できょうきょうコンビだな」

恭子「なんですか、それ。もう戦々恐々ですよ」

京太郎「……」

恭子「な、なんですか?」

京太郎「俺ら、上手くやっていけそうだな」ポン

恭子「ちょっ」



優希「てーい!」


京太郎「いった! お前、いきなり頭突きとはどういう了見だ!?」

優希「危険な香りがしたじぇ。ここでフラグをクラッシュしとかないと後で絶対大変なことになる、みたいな?」

京太郎「わけわかんないこと言ってんじゃないよ」ピシッ

優希「あうっ、私にだけ体罰が厳しいじょ!?」

京太郎「ただのデコピンだろうが。これぐらいするよな?」

恭子「あー、たしかにしますね。おでこになると書いたりとか」

京太郎「な、なると? それはさすがに……なぁ?」ヒソヒソ

優希「きっと油性だじぇ」ヒソヒソ

恭子「水性! きちんと水性!」





京太郎「ところで、誰か探してるんじゃないのか?」

末原「あ、そうやった……こういうふうに髪を結ってて、こんなふうにおでこが出てる子なんですけど」

京太郎「……」


京太郎(それ、さっきの子じゃん)

京太郎(多分、今も後ろに隠れてると思うけど……)チラッ


優希「おー、そういえばさっき――もがっ」

京太郎「ああ、なんかすごい焦った様子で向こうに走ってったよ」

恭子「ん、ありがとうございます。それじゃ」タタッ


優希「行っちゃったじぇ」

京太郎「そうだな……それより」


「い、行きましたよね?」



京太郎「ああ、行ったな」

優希「で、何者なんだじぇ?」


「あ、うちは姫松の二年、上重漫っていいます。一応レギュラーで先鋒です」


優希「おお、ということは私のお相手だじぇ」

漫「あ、これはどうも」

優希「うむ、くるしゅーないじぇ」

京太郎「ま、何したかは知らないけど、大事になる前に戻っとけよ」

優希「私たちはこれから優雅にお食事だじぇ」

漫「あ、それなんですけど……お好み焼き、ご馳走させてもらってもいいですか?」

京太郎「お好み焼きか……いいな!」

優希「え……」

京太郎「よし、予定変更だ。お好み焼き食いに行くぞ!」





京太郎「ふぅ、うまかったなー」

優希「海鮮お好み焼きがなかったらアウトだったじぇ」

京太郎「お前はタコが入ってりゃいいんだもんな」

優希「もちろん!」


漫「あの、割り勘でよかったんですか?」

京太郎「男のプライドだ。女の子に全部払わせるってのもな」

漫「……ありがとうございます」ペコッ

京太郎「気にすんな、一番お礼を言わなきゃいけないのはタダ飯のこいつだから」

優希「うむ、くるしゅーないじぇ」

京太郎「お前はまたそれかっ」グリグリ

優希「頭のてっぺんグリグリしたら下痢になっちゃうじぇ!」





漫「うちの時間つぶしに付き合ってくれて、ほんまありがとうございました!」


京太郎「こっちもおいしいお好み焼きご馳走になったしな」

優希「あのヘラさばきは見事だったじょ」

漫「もうほとぼりも冷めたと思うんで、戻ります」

京太郎「おう、愛宕姉妹によろしくな」

優希「今度はこっちがタコスをご馳走するじぇ。先輩のポケットマネーで」

京太郎「おいこら」

漫「あはは、それじゃあ」


優希「行っちゃったじぇ、パート2」

京太郎「俺らも戻るぞ。午後から調整やるんだろ?」

優希「そうだったじぇ! タコス力を蓄えなければ……!」

京太郎「お前はまだ食う気なのか……」





小蒔「う~……」

霞「小蒔ちゃん、どうしたの?」

小蒔「せっかくインターハイに出場したのに、京太郎様と全然会えません!」

春「私は会った」ポリポリ

小蒔「そんな!?」

春「もちろん偶然」

小蒔「な、なら仕方ないですよね……でも羨ましいな」

初美「なら押しかければいいのですよ。押しかけ女房なのですよ」

小蒔「そんな、キスもまだなのに……」テレテレ


巴「でも実際、こっちに来てもらったほうが都合がいいのは確かですよね?」

霞「ふんふむ……私たちが呼んでくるのはどうかしら?」


初美「なら私が行くのですよー」

霞「言いだしっぺなんだから、私が行くわ」

春「私が行く。あの人には借りがあるし」

巴「他の人がいかないなら私が立候補しようかと」



春「え」

霞「あら?」

巴「ええっと」

初美「むむむ……行くのは一人で十分なのですよ」

霞「そうね、私がちゃちゃっと済ませてくるからみんなは休んでて」

春「ダメ、これは譲れない」

巴「ほ、他の人が行くんならいいんだけど」


初美「埒があかないのですよ」

霞「もういっそジャンケンで決める?」

春「名案」

初美「じゃあ巴ちゃんを抜いた私たち三人で――」

巴「わ、私も参加しますっ」





京太郎「んで、お前が来たのか?」

初美「その通りなのですよ」

京太郎「なるほどな……で、その格好は?」

初美「や、やっぱりおかしいと思うのですか?」

京太郎「巫女服の下にスク水ってのはまぁ……新鮮だな」

初美「その格好じゃダメだと無理やり着せられたのですよ……」

京太郎「そんなやばい格好してたのか?」

初美「私にとっては普段着なのですよ」

京太郎「そっか……ところでさ、ここに来る前はスク水はなかったんだよな?」

初美「夏は涼しくて快適なのです」


京太郎(つまり、今の格好からスク水を引いたのが普段着ってことだよな)

京太郎(……え、色々はだけてないか?)



京太郎「なるほど、クレイジーだな」

初美「どうしてですか!?」

京太郎「だいたいお前な、大晦日にそっち行った時はちゃんとした巫女服着てただろうが」

初美「冬もこの格好だったら寒いに決まってるのですよ」

京太郎「それもそうか」


京太郎(国広も寒くなってくると普通の格好になるからな)


京太郎「まあいいや、今度お前に気が合いそうなやつ紹介してやるよ」

初美「いきなりなんなのですか?」

京太郎「私服がハイセンスな者同士、きっと話が弾むだろ」

初美「そもそも巫女服は私服ではないのですよ」

京太郎「え、そうだったの?」





京太郎「ああ、それじゃついでに買出ししてくるから」ピッ


初美「話はついたのですか?」

京太郎「あんまり遅くならないならオーケーだってさ」

初美「なら善は急げなのですよ」グイグイ

京太郎「その前にちょっと付き合え」

初美「つ、付き合え?」

京太郎「え、なんか問題ある?」

初美「危ない危ない……これがウブな霞ちゃんあたりだったらコロリなのですよ」

京太郎「ああ、そういう意味じゃないから。買い物に付き合えって意味」

初美「買い物ですか?」

京太郎「細々としたもんだけどな」

初美「帰りに行けばいいのでは?」

京太郎「何言ってんだ。一人で黙々と買い物するより、だれかと一緒の方が楽しいだろ」

初美「仕方ないですねー、この私が付き合ってあげるのですよ」

京太郎「偉そうだな、この」グニッ

初美「ふぁにふるふぇすかー!」





京太郎「さて、頼まれてたのはこんなもんか」

初美「本当に細々としたものばかりなのですよ」

京太郎「ま、いわゆる旅行中の身だしな……ところで、お土産に買うならなにがいいかな?」

初美「お土産ですか?」

京太郎「久しぶりに会うしな」

初美「姫様なら何をもらっても喜ぶと思うのですよ」

京太郎「なんでもっていうのが一番困るパターンだよな」

初美「しょうがないですねー……」チラッ


初美「あ、アイスとか」


京太郎「絶対お前が今食べたいだけだろ」

初美「暑いし仕方がないのですよ」

京太郎「ま、でもいい案かもな」

初美「わかればいいのですよ」ウンウン

京太郎「それじゃ、物色するか」





京太郎「で、味の好みとかわかるか?」

初美「はるるは――」

京太郎「それはいい、よくわかってるから」

初美「それもそうなのですよ」

京太郎「石戸は……苺練乳とか?」

初美「あたりなのですよ。よくわかりましたねー」

京太郎「そ、そうか」


京太郎(下世話な推測だったんだけど、本当に当たってるとは……)


京太郎「じゃあ狩宿は抹茶とか?」

初美「印象だけで当てようとするのは安直なのですよ」

京太郎「ハズレか」

初美「むしろ飲み慣れてるから違う味のほうが良いと思うのですよ」

京太郎「あーもう、もったいぶらずに教えろよな」

初美「えー? それじゃつまらないし……」

京太郎「よし、お前には特別に二個買ってやろう」

初美「なんでも聞くといいのですよ!」





初美「ん~、冷たくておいしいっ」

京太郎「やべっ、頭痛い……」キーン

初美「そういうときは冷たいものをくっつければいいって聞いたのですよ」

京太郎「今食ってるのはソフトクリームだぞ……くっ」

初美「額にくっつけたらユニコーンの出来上がりですねー」

京太郎「ニュータイプをデストロイするぞこの野郎……」

初美「仕方ないですねー」ナデナデ

京太郎「……なにしてんの?」

初美「なでなでですよー? こうすると痛みが引く……こともあるのですよ」

京太郎「恥ずかしいんだけど……なんか回復魔法的なの使えないのか?」

初美「術もそんな便利なものじゃないのですよ」

京太郎「術があることは否定しないと」

初美「それより頭、どうですか?」

京太郎「まあ、もう痛みは引いたよ」

初美「なでなでの効果がありましたねー」

京太郎「はいはい、そういうことにしといてやるよ」





京太郎「これで買うものは買ったか」

初美「みんなの分のアイスもバッチリなのですよ」

京太郎「溶ける前に行こうぜ」

初美「では、案内するのですよ」タタッ


初美「こっちですよー」


京太郎「そんな急ぐなって。危ないぞ」

初美「こう見えて運動神経抜群なのですよ」

京太郎「こう見えてって、わりと見たまんまだよな」

初美「むっ、なにやら邪念を感じたのですよ」

京太郎「気のせい気のせい。子供は風の子なんて思ってないから」

初美「やっぱり!」

京太郎「どうどう、どうどう」

初美「もう許さないのですよ!」ガバッ

京太郎「よっ」サッ

初美「わわっ」グラッ

京太郎「おっと、危ない」ガシッ



京太郎「大丈夫か?」

初美「はい、なんとか――っつ」

京太郎「ちょっと見せてみろ……腫れてるな」

初美「大したことないのですよ。こうして歩けるし――っ」

京太郎「顔が引きつってるぞ」

初美「へ、平気ですよ~」

京太郎「平気そうに見えないっての……よいしょっと」ヒョイ

初美「わっ、なにするですかっ」

京太郎「歩かせるのもあれだし、このまま運んでやるよ」

初美「だからといってお姫様抱っこなんて恥ずかしすぎるのですよっ」カァァ

京太郎「だろ? さっきのなでなでのお返しだ」

初美「そ、そんなぁ」





小蒔「京太郎様!」タタッ

京太郎「元気だったか?」

小蒔「はい、この時を一日千秋の思いで待ちわびました」

京太郎「はは、大げさだな。たまに手紙のやりとりしてただろ」

小蒔「だって、実際に会わないと……」ギュッ


小蒔「こうして触れることができません」


京太郎「それもそうだな……よしよし」ナデナデ

小蒔「えへへ……」





初美「うぅ……」プシュー


巴「……はっちゃん、どうしたの?」

霞「なんとなくわかる気はするけれど……」

春「私にはよーくわかる」ウンウン

初美「は、はるるぅ……」ヒシッ

春「これで私たちは同志」ヒシッ

初美「いつか、いつかリベンジを果たすのですよ……!」

春「その意気」


巴「なんか共感してるみたいですけど」

霞「私たちも抱き合ってみる?」ドタプン

巴「……やめときます」



選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再会
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
十一月十三日、始まりの日
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ
八月二日、パンツの日
秋、ロッカーの中
秋、月見の夜に
九月二十一日、プレゼントの意味
九月二十四日、お揃い
秋、キャットチャンバー
秋、初めての学校祭
秋、牌のお兄さん
秋、こどな
秋、苗字と名前
冬、記憶と縁
冬、王者の休日
冬、蓼食う虫もなんとやら
冬、鎖でつなぐもの
三月、主役のいない旅行
三月、ゆきが消える前に

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック
初夏、個人戦9位と卓上の天使
初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
初夏、男子個人戦
初夏、南風
初夏、代償
初夏、いつも傍にあるもの
初夏、好きこそものの上手なれ
初夏、お兄ちゃんと一緒
初夏、将来の夢
夏、楽しい合同合宿(地獄編)
夏、楽しい合同合宿(天獄編)
夏、プライスレスなもの
夏、ストーカーズ
夏、ドライブ(と書いて決死行と読む)
夏、一足先の出立・一番星
夏、知り合いの多いインターハイ
夏、クレプスキュール
夏、鋭い女と時々レジェンド
夏、大きな彼女とサイン
夏、お金で買えるものと買えないもの
夏、絵描きの彼女と金髪と
夏、スク水巫女とお姫様抱っこ
そのころの阿知賀編
そのころの阿知賀編その2
そのころの阿知賀編その3

・EX
小学五年、幼馴染
小学五年、嫉妬
小学五年、十月二十七日、憧憬
中学一年、十一月十一日、細長い棒状のお菓子
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

てなわけで終了
次回は

『三年、夏、失くした記憶のありか』です

それじゃ、おやすみなさい

おはようございます

こんな時間だけど始めますね



・三年、夏、失くした記憶のありか


京太郎「またな、小蒔」

小蒔「はい……私、頑張ります!」

京太郎「はは、うちの一年坊、あんまいじめないでやってくれよ……じゃ」ポンポン

小蒔「あ……」


小蒔(熱が離れていきます)

小蒔(別れの時間……この感覚にはいつまでも慣れる気がしません)

小蒔(とは言っても、京太郎様との別れはまだ三度目です)

小蒔(去年の夏と、年末年始……そして今)

小蒔(私は去年の夏、運命の人と出会った……でも)


『私、運命の人に出会っちゃったんです!』


小蒔(それだけじゃ、ないような……)

小蒔(私と京太郎様が出会ったのは去年の夏)

小蒔(そもそもどうして私は去年、インターハイに……)

小蒔(それに、京太郎様や霞ちゃんたちが私を見る目……)

小蒔(なにか違うものを……私の向こうにあるものを見ているような……)



小蒔「……だれなんでしょうか?」

霞「小蒔ちゃん?」

小蒔「霞ちゃんは、本当に私を見ていますか?」

霞「ふふ、こんな可愛い子が目に入らないわけないじゃない」ムギュッ

小蒔「そ、そういうことじゃなくてっ」ジタバタ

霞「大丈夫よ、心配する事なんてなにもないわ」

小蒔「……はい」

霞「お茶を淹れるから、みんなでお饅頭でも食べましょうか」


小蒔「心配することはない……」ズキッ


『こんな私、見ないで……』


小蒔「本当に、そうなんでしょうか?」





小蒔「来ちゃいました」


京太郎「えっと……割とさっき別れたばっかだと思うんだけど」

小蒔「……ご迷惑でしたか?」シュン

京太郎「俺は迷惑じゃないけど、ちゃんとあいつらには言ってきたのか?」

小蒔「それは……」


久「あら、神代さんじゃない」


小蒔「あ、初めまして」

久「え、会ったことあるわよね?」

小蒔「ええっと……」

京太郎「久ちゃん、ちょっとこっち」グイッ



久「なに、どうしたのよ?」

京太郎「結構デリケートな問題があってだな……」

久「あんまり詮索しない方がいいパターン?」

京太郎「まぁ、有り体に言えば」

久「しょうがないわね……口は挟まないことにする。その方がいい女っぽいし」

京太郎「自分でそういうこと言ったら減点対象だぞ」


小蒔(……お二人で何を話しているのでしょうか?)モヤモヤ

小蒔(我慢です、私。あの方はきっと同じ学校なんです)

小蒔(京太郎様と竹井さんは同じ麻雀部……だから一緒にいても――)


小蒔「あ、れ?」


小蒔(私、どうして知らない人の名前を……?)


京太郎「小蒔、大丈夫か?」

小蒔「あ、はい」

京太郎「ちょっと一緒に歩くか……久ちゃん」

久「わかった、和や咲が来る前にいってきなさい」

京太郎「遅くなる前に戻るよ」





小蒔「……」

京太郎「今日は元気ないな」

小蒔「変なんです、私」

京太郎「変? いつも通り可愛いじゃないか」

小蒔「も、もう! 京太郎様も霞ちゃんと同じこと言って!」

京太郎「あらま、かぶったか」

小蒔「嬉しいですけど、今日はしりあすなんですっ」

京太郎「悪い悪い、ちゃんと聞くって」


小蒔「時々、知らないはずのものが頭に浮かぶんです」

小蒔「誰かの声だったり、誰かの名前だったり、体験したことのない光景だったり」

小蒔「それに……」



『あの時、桜の木から落ちた私を受け止めてくれたのに』

『あの時、食べかけのお饅頭で間接キスをしたのに』

『あの時、手をつないで参拝したのに』

『あの時、お姫様抱っこしてくれたのに』

『あの時、名前で呼んでくれたのに』


『どうして……どうしてどうしてどうしてっ!!』


小蒔「私の中に、何かいるような気がするんです」

小蒔「神様たちとは全然違う、もっと邪で、おぞましいなにかが……」

小蒔「……京太郎様は去年の夏、またとよろしくを同時に言いました」

小蒔「もしかして、私たちはもっと前から……」


京太郎「あー……っと」


京太郎(徐々に思い出してきてるのか?)

京太郎(嫉妬を受け入れられればどうのこうのって神様が言ってたけど)

京太郎(……どうすっかな)

京太郎(無理に揺り動かしてもまた神様が出てきそうだし)



京太郎「小蒔の思ってるとおり、俺たちはもっと前に知り合っていたよ」

小蒔「じゃあ、どうして忘れてしまったんでしょうか……」

京太郎「色々あって、としか言えないけど……思い出したいのか?」

小蒔「はい……でも、怖いです。そうしたら私の中の黒いものがみんなを傷つけるんじゃないかって」

京太郎「……」


京太郎(これは、もう奥底ではなにがあったか気づいてるのかもな)

京太郎(なら……)


京太郎「じゃあ、それは俺だけに向けてくれ」

小蒔「そんな!」

京太郎「いいか? 女の子はさ、ちょっとくらい嫉妬深いほうがかわいいんだよ」

小蒔「嫉妬……? もしかしてそれが……」

京太郎「そんで、それを受けとめられるのが良い男ってやつなんだよ、きっとな」


京太郎「だから小蒔、俺を男にしてくれないか?」



小蒔「……」


小蒔(こんな台詞、どこかできいたことがあるような気がします)

小蒔(たしか、初美ちゃんと読んでいた漫画で――)


小蒔「はわっ」ボンッ

京太郎「ど、どうした?」

小蒔「い、今すぐというのは心の準備が……」カァァ

京太郎「たしかに急ぎすぎるのも良くないよな」

小蒔「は、はい……」

京太郎「まあ、記憶があろうとなかろうと、お前は変わらないよ」

小蒔「そう、なんですか?」

京太郎「そこらへんは俺の実感だから保証する」



京太郎「ちなみにさ、運命の人だってさ」

小蒔「え?」

京太郎「二年くらい前、俺と初めて会った日にお前がそう言ってたって聞いたんだ」

小蒔「……」


小蒔(運命の人……私の知らない私もそう思ったんだ)

小蒔(私は私……京太郎様の言う通り)


小蒔「……私が、何も思い出せなくても嫌いにならないでいてくれますか?」

京太郎「嫌うほうが無理だろ」

小蒔「私が、すべてを思い出して悪い子になっちゃっても受けとめてくれますか?」

京太郎「一回やったことあるから大丈夫だ」

小蒔「よかった……これで安心して――」フッ

京太郎「おいっ」


小蒔「まったく、あなたはどれだけこの子の心を揺らせば気が済むのやら」



京太郎「あんたが出てきたってことは、やりすぎちゃったってことか?」

小蒔「多少不安定になったことはたしかです」

京太郎「大丈夫なのか?」

小蒔「潜在的に抱いている恐れと不安は解消されつつあります」

京太郎「えっと、良い方に向かってるってことだよな?」

小蒔「そう捉えても問題はないでしょう」

京太郎「なら最初っからそう言ってくれよ」

小蒔「私があなたの前でこうして言の葉を紡いでいるだけでもありがたいと知りなさい」


京太郎(えっらそうに……って神様だから偉いのか?)

京太郎(でもこいつすっごい過保護だしなぁ)

京太郎(お前は母親かってぐらい)

寝てた寝てた

それじゃ、再開します



小蒔「邪念を感じますね……神罰でも下しておきますか」

京太郎「の、のーうぇい」

小蒔「あなたには女難の相が出ていますね。ならばそれをより悪化させる方向で――」

京太郎「やめてください、本当に刺されちゃうから!」

小蒔「まあいいでしょう。この子が悲しむのは私の望むところではありません」

京太郎「いやもう……ホント勘弁してください」


京太郎「それでさ、全部思い出すのか?」

小蒔「今すぐ、というわけにはいきません」

京太郎「だよなぁ」

小蒔「ですが、時間の問題でしょう」

京太郎「そのうちってことだよな……さて」ギュッ

小蒔「……なにをしているのです?」

京太郎「いや、そろそろいなくなりそうだから前もって支えておこうかと」

小蒔「……」バチッ!

京太郎「いって! なんかビリってきたんだけど!?」

小蒔「私は去ります。この子を任せます」スゥッ

京太郎「結局いなくなるんじゃないか!」ガシッ





霞「小蒔ちゃん、どこにいったのかしら?」

霞「……怒るのも無理ないわ、ずっとはぐらかしているのだもの」

霞「それでも、またあんなことになるぐらいだったら……」


京太郎「石戸、散歩か?」


霞「……あなたと一緒だったのね」

京太郎「やっぱりこいつを探してたか……のんきに寝てるよ」


小蒔「――zzz」


霞「どんな夢、見ているのかしらね」

京太郎「悪い夢ではないんじゃないか?」

霞「それならいいのだけど」

京太郎「まぁ、お前はあんま気負うなよ」

霞「何か聞いたの?」

京太郎「いいや、なんも」

霞「あなたは鋭いのね」

京太郎「鈍感って罵られること、結構あるんだけどな」

霞「そこは否定できないわ」

京太郎「どっちだよ、おい」





霞「私は、小蒔ちゃんの身代わりなの」

京太郎「体力の四分の一削って作るあれな」

霞「……何の話?」

京太郎「悪い、シリアスになりそうだったからつい」

霞「……潰しちゃおうかしら」

京太郎「悪かったって! で、身代わりってどういう意味なんだ?」

霞「ふぅ……本来、小蒔ちゃんに寄ってくる良くないもの、それを引き受けるのが私の役目」


霞「でも、私は去年、それを果たせなかった……」


京太郎「それを言うんだったら、そもそも悪いのは俺なんだけどな」

霞「あなたに咎はない……とは言い切れないけれど」

京太郎「だから自分一人であーだこーだ悩むな。気分が落ちるだけだぞ」


京太郎「お前の周りには色々いるだろ。みんな喜んで一緒に落ち込んでくれるぞ?」

京太郎「ま、それでも不十分っていうんだったら俺に任せとけ。肩揉みぐらいだったらしてやるよ」



霞「一緒に落ち込んではくれないの?」

京太郎「さぁな、俺は自分の分で精一杯だし」

霞「それを誰かと分かち合いたいとは……思わないのよね、きっと」

京太郎「ま、全部俺のものだからな」


京太郎(でも、それができるとしたら……)


『だから! ひっくるめて肯定してあげるって言ってんの!』

『――私が京ちゃんから離れてくなんてありえない』


京太郎(やっぱりあの二人、なのかな)


霞「大丈夫? ボーッとしてるわ」

京太郎「ちょっと疲れただけだ。ちょっとお姫様をベンチに置かせてもらうかな」



小蒔「――京太郎様ぁ」ムニャムニャ


霞「あら、可愛い寝言ね」

京太郎「まったくだな」

霞「……」


霞「自分で精一杯……でもそう言いながら、あなたは他人のものも一緒に持ってくれる」

京太郎「あん? それは――」

霞「私では、ダメ?」ギュッ

京太郎「ちょっ、いきなりなにしてんの!?」


京太郎(背中にすっごい柔らかい感触が……!)

京太郎(落ち着け、落ち着け落ち着け落ち着けっ)

京太郎(俺はおもちに屈したりなんて――)



霞「私では、あなたを支えられない?」

京太郎「そ、そういうのはな、自分の抱えてるものをどうにかしてから言おうぜっ」

霞「……そうね、ごめんなさい」スッ

京太郎「……ふぅ」


京太郎(あと一秒遅かったら死んでいた……)


小蒔「う~ん……あれ、霞ちゃん?」

霞「おはよう、小蒔ちゃん」

小蒔「私、寝ちゃってたんだ……」

京太郎「人の背中の上で気持ちよさそうにな」

小蒔「は、恥ずかしいです……」

霞「戻りましょう。みんな心配してるわ」

小蒔「あ、そうですね」

京太郎「小蒔、無理すんなよ」

小蒔「大丈夫です。私、頑張りますから!」

京太郎「わかってるのかわかってないのか……まあいいか」

小蒔「?」



京太郎「石戸」


霞「な、なにかしら?」ビクッ

京太郎「ありがとな、色々と」

霞「……ずるい人ね」

小蒔「なにかあったんですか?」

京太郎「俺も無理はするなって注意されたんだよ。な?」

霞「え、ええ……それじゃあ、そろそろ」

小蒔「京太郎様、また今度」

京太郎「ああ」





霞「楽しかった?」

小蒔「はい、明日へのもちべーしょんが高まりました!」

霞「そう、じゃあ戻ったらお説教ね」

小蒔「ど、どうしてですか」

霞「勝手にいなくなって……どれだけ心配したと思ってるの?」

小蒔「あうぅ……ごめんなさい」


霞(……本当にいけないことをしているのは、私なのに)

霞(我慢が出来なかった。小蒔ちゃんが見ていないのならと、あんなことを……)


小蒔「霞ちゃん?」

霞「大丈夫、なんでもないから」

小蒔「霞ちゃんも無理はしないでくださいね?」

霞「なら小蒔ちゃんにはもう少しいい子になってもらわないと」

小蒔「ええっ」


霞(大丈夫、きっと)

霞(私は、耐えられるから)



選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再会
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
十一月十三日、始まりの日
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ
八月二日、パンツの日
秋、ロッカーの中
秋、月見の夜に
九月二十一日、プレゼントの意味
九月二十四日、お揃い
秋、キャットチャンバー
秋、初めての学校祭
秋、牌のお兄さん
秋、こどな
秋、苗字と名前
冬、記憶と縁
冬、王者の休日
冬、蓼食う虫もなんとやら
冬、鎖でつなぐもの
三月、主役のいない旅行
三月、ゆきが消える前に

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック
初夏、個人戦9位と卓上の天使
初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
初夏、男子個人戦
初夏、南風
初夏、代償
初夏、いつも傍にあるもの
初夏、好きこそものの上手なれ
初夏、お兄ちゃんと一緒
初夏、将来の夢
夏、楽しい合同合宿(地獄編)
夏、楽しい合同合宿(天獄編)
夏、プライスレスなもの
夏、ストーカーズ
夏、ドライブ(と書いて決死行と読む)
夏、一足先の出立・一番星
夏、知り合いの多いインターハイ
夏、クレプスキュール
夏、鋭い女と時々レジェンド
夏、大きな彼女とサイン
夏、お金で買えるものと買えないもの
夏、絵描きの彼女と金髪と
夏、スク水巫女とお姫様抱っこ
夏、失くした記憶のありか
そのころの阿知賀編
そのころの阿知賀編その2
そのころの阿知賀編その3

・EX
小学五年、幼馴染
小学五年、嫉妬
小学五年、十月二十七日、憧憬
中学一年、十一月十一日、細長い棒状のお菓子
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

霞さんは春と同じくらいには好感度ありました
二年編の大晦日とインタビューっぽいのを参照してください
今回選ばれたってのも大きいですけど

というわけで今回は寝落ちしまくりながら終了です
次回は

『三年、夏、第二回戦開始』です


それじゃ、また今度

the 暇人

というわけで、お好きなキャラをどうぞ
登場済みのキャラに限ります
以下のキャラは不可

以下のキャラは『不可』です


照・玄・美穂子・健夜・竜華・衣・マホ・久・怜・誓子

はやり・揺杏・由暉子・宥・白望・哩・姫子・やえ・灼・爽

咏・憧・成香・咲・和


下3まででコンマ高いの一つ

というわけで捨てるっすモモですね

んじゃあ、少々お待ちを



桃子→京太郎 三年編の夏ぐらい


桃子「金髪さんっすか?」

桃子「うーん、同士とか?」

桃子「あ、でも先輩と並んでたらお似合いっぽく見えるのは問題っすね」

桃子「当人たちがそんな気はなさそうっすけど」

桃子「あとかくれんぼが上手いのは悔しいっすねぇ」

桃子「あんなにしっかり見つけてくるのはあの人ぐらいっすよ」

桃子「え? 裸を見られた件?」

桃子「そ、そのことはもういいんすよ! 本人も見てないって言ってたし!」

というわけでアリーヴェデルチ

こんばんはー
もうちょっとしたら始めます

んじゃ、始めます



・三年、夏、第二回戦開始


京太郎「……」


和「先輩、あーんしてください♪」

咲「きょ、京ちゃん、これ美味しいから食べてみて」


京太郎「お前らさ、俺に自由に食べるって選択肢はないのか?」


久「ないわねぇ」

まこ「ないじゃろな」

京太郎「こら、なんでそこが答える」


優希「まったく、二人はもうちょっと余裕を持つべきだじぇ」ヤレヤレ


和「……」ピキッ

咲「……」ピキッ

京太郎「あー、落ち着け落ち着け、とりあえず落ち着け」



こ「相変わらずじゃの、あそこらへんは」

久「あれだけほったらかしにされてたら、しょうがないんじゃないかしらね?」


京太郎「おーい、加害者と被害者と傍観者で一番悪いのは傍観者だぞー」


久「いや、その理屈はおかしい」

まこ「普通に考えてやらかしたやつが一番悪いけぇ」


優希「また一緒にタコス食べに行くじぇ」

和「先輩! 一緒に出かけましょう、なんなら今からでも!」

咲「えっと、京ちゃんがどうしてもって言うならその……また一緒に寝てあげてもいいけど」


京太郎「くっ、俺に味方なしか……」





小蒔「う~ん……」ウトウト


春「姫様、また寝てる」

霞「あれだけはしゃいでたんだもの、仕方ないわ」

巴「明日は試合だし、このままゆっくり休んでもらった方が良いですね」

霞「ええ、そうね」


初美「ところで、霞ちゃんは浮かない顔してどうしたのですか?」


霞「あら、そんな顔してるかしら?」


初美「しまくりなのですよ」ジー

春「いつもと変わらないように見えるけど」ジー

巴「うーん、いつもよりちょっとにこやかかな?」ジー



霞「み、みんなしてどうしたの?」

初美「だから、どうしたはこっちのセリフなのですよ」

霞「残念ながら杞憂よ」

巴「本当に大丈夫なんですか?」

春「元気がないときには黒糖」

霞「心配してくれるのは嬉しいわ。でも、本当に平気だから、ね?」

初美「むむむ、私の勘違いでしたか……」

霞「さ、明日に備えて早めに休みましょうか」

初美「はーい」


初美(普通、平気って言葉は何かあったときに使うものなのですよ)

初美(でも霞ちゃんが詮索されたくないなら、これまでかな)





白望「んー」ダルダル


胡桃「もう、明日は試合なんだからシャキッとするっ」

塞「夜に張り切られても困るんだけどね」

エイスリン「……コレ!」パッ

豊音「わぁ、パンダさん、ちょーかわいいよー」

塞「このタレ具合がシロにそっくりだ」

胡桃「あ、かわいい……」


白望「……」ダルダル


胡桃「……はっ! だからってだらけすぎるのは許さないんだからね!」

白望「えー?」ダルダル

胡桃「いいから机から身を起こすのっ」グイッ

白望「あー」


胡桃「それで、こうして……」チョコン



塞「また充電?」

胡桃「もちろん、明日のためにチャージだよ」

白望「吸い取られる……ダル」


エイスリン「ジューデン、チャージ……」

豊音「京太郎くんとしてみたいなぁ」

エイスリン「シロ、キョータロトソックリ」

豊音「シロでお試ししてみよーよ!」

エイスリン「ン、Nice idea!」


白望「ちょっ、無理、定員オーバー」

エイスリン「ジャア」

豊音「胡桃は塞に」ヒョイ

胡桃「わっ」

塞「え、私?」


エイスリン「ジューデン!」

豊音「しちゃうよー?」


白望「……塞、ヘルプ」

塞「あはは……無理かな?」

胡桃「そこ! シロは先鋒なんだから無理させない!」ビシッ

塞「いやいや、胡桃もしてることはおんなじだったからね」





恭子「これでよし……っと」


漫「うう……」

洋榎「見事ななるとやなぁ」

絹恵「えっと、漫ちゃん……なにしたん?」

「それはぁ、末原ちゃんが善野さんの妄想を――」

恭子「代行、変なこと言わんといてください」

「えぇ?」

絹恵「大体分かりましたけど……それだけですか?」

「とは言うものの、その後怯えて逃げちゃったのが決定打なのよー」

洋榎「まぁ、照れ隠しみたいなもんやろ、これ水性水性」キュッキュッ

恭子「すぐ消したら意味ないやないですか」

「油性ペンならここに用意しとるよ~」

漫「ちょっ、それは勘弁してくださいぃっ」



「まぁまぁ、漫ちゃんも悪気があったわけやないし、許してあげるのよー」

恭子「……まぁ、そんな取り立てて騒ぐことでもないですし」

洋榎「せやせや、恭子は騒ぎすぎやねん」

恭子「主将、うるさい」

洋榎「相変わらずツッコミが冷たーい!」


漫「あ、そういえば須賀京太郎さん? が主将と絹ちゃんによろしくって」


絹恵「あれ、須賀京太郎さんて……」

洋榎「なんや、ガースーに会ったんかい。ま、うちも抽選会の後に会うたけど」

絹恵「え、それ聞いてない!」

洋榎「なかなかの強者やな。ツッコミがあないかわされるとは」

恭子「……漫ちゃん、もしかしてあの時隠れとった?」

漫「え、あ……はい」

恭子「なるほどなるほど、全部聞いとったんやなぁ」

漫「まあ、そうなりますね」



「恭子、目がグルグルしてるのよー」

洋榎「あれやな、きっと男と話しとるの見られてー、とかそんな感じ」

絹恵「え、先輩どんだけウブなん?」

「うふふ、末原ちゃんかわいいわぁ」


恭子「代行、油性!」

「はい~」

漫「そんなぁ!」





優希「お腹いっぱい、タコスもチャージ完了だじぇ!」

久「そう、じゃあ試合の方はバッチリね」

優希「任しとくじぇ」グッ

まこ「ところで、そのマントは?」

優希「ふふふ、それは秘密だじぇ」


和(きっとかっこいいから、とかそんな理由ですね)


咲「優希ちゃん、頑張ってね」

優希「おう! ……ところで先輩はどこだじぇ?」

まこ「補充用のタコスを用意しとるんじゃろ」

優希「つまり私のため!」


和「むっ」

咲「むっ」


久「はいはい、火種はまかないの」





京太郎「う~~タコスタコス」


京太郎(今、タコスを届けに全力疾走している俺は長野の清澄高校に通うごく一般的な男子生徒)

京太郎(強いて違うところをあげるとすれば、おもちに興味があるってとこかナ――名前は須賀京太郎)


京太郎「とまぁ、冗談はさて置き、これだけありゃ十分かな?」

京太郎「試合前に2、3個で、前半と後半の合間に1、2個」

京太郎「試合後の分も考えれば……十個」

京太郎「この出費は地味に痛いぞ……よし、半分くらい払わせよう」


漫「あっ」サッ


京太郎「上重さんだっけ?」

漫「昨日はどうも」

京太郎「いいって、機会があったらまた一緒にお好み焼き食べようぜ」

漫「あ、はい」

京太郎「ところでさ、なんでおでこ隠してんの?」

漫「それは、その……」

京太郎「ふむ……どれ」パッ

漫「ああっ」

京太郎「んー、綺麗なもんだ。跡は残ってないぞ?」




漫(ちょっ、顔近いんですけどぉ!?)


京太郎「なんだ、口開けっぱで」

漫「え、いや……あの、どうしてわかったんです?」

京太郎「なんとなくそうだろうなって思っただけだけど」

漫「結局、なると書かれちゃいまして」

京太郎「末原も案外厳しいなー」ペチッ

漫「あうっ」

京太郎「ま、人に見られても大丈夫だから安心しな。これ食べて元気出せよ」

漫「あの、これは?」

京太郎「タコス。食ったら力になるかも……じゃ」


漫「……変な人」





『さあ、Aブロックの第二回戦、こちらの卓は結果の見えない好カードです!』

『神代小蒔を擁する、シード校の一つである永水女子!』


小蒔「それでは、行ってきます」

霞「無理しないでね?」

小蒔「大丈夫です。私にはみんながついてますからっ」


『シード落ちはしたものの、実力に衰えは見えない姫松!』


恭子「漫ちゃん、しっかりな」

漫「精一杯やってきます!」

恭子「その意気や。点差開いたらまたなるとやけど」ボソッ

漫「ちょっ、今なんて言いました!?」


『初出場の宮守女子はどのような活躍を見せてくれるのでしょうか!』


白望「……行ってくる」

塞「うん、先生がいつも通り打てって」

白望「わかってるよ。慣れないことやったら疲れるしね」



『そして、昨年個人戦上位の竹井久が率いる清澄!』


京太郎「行ってこい、んでしっかり稼いで戻ってこい」

優希「わかってるじぇ。東場は私の領域!」

京太郎「お前はその後が問題だな」

優希「あうっ」

京太郎「ま、多少失点しても後のやつらが取り返すから安心しろ」

優希「期待されてるのかされてないのかよくわからないじぇ」

京太郎「ま、活躍したらご褒美は用意してるから安心しな」ポン

優希「合点承知!」


京太郎(つっても、かなり厳しいだろうな)

京太郎(上重さんはよくわからないけど、小瀬川はしっかり対応してくるだろうし)

京太郎(それになんと言っても、先鋒の卓には小蒔がいる)

京太郎(出てくる神様にもよるけど、やばいのが来たら先鋒戦で終了しかねない)


京太郎「なんともまぁ、正に神頼みってとこだな」



選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再会
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
十一月十三日、始まりの日
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ
八月二日、パンツの日
秋、ロッカーの中
秋、月見の夜に
九月二十一日、プレゼントの意味
九月二十四日、お揃い
秋、キャットチャンバー
秋、初めての学校祭
秋、牌のお兄さん
秋、こどな
秋、苗字と名前
冬、記憶と縁
冬、王者の休日
冬、蓼食う虫もなんとやら
冬、鎖でつなぐもの
三月、主役のいない旅行
三月、ゆきが消える前に

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック
初夏、個人戦9位と卓上の天使
初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
初夏、男子個人戦
初夏、南風
初夏、代償
初夏、いつも傍にあるもの
初夏、好きこそものの上手なれ
初夏、お兄ちゃんと一緒
初夏、将来の夢
夏、楽しい合同合宿(地獄編)
夏、楽しい合同合宿(天獄編)
夏、プライスレスなもの
夏、ストーカーズ
夏、ドライブ(と書いて決死行と読む)
夏、一足先の出立・一番星
夏、知り合いの多いインターハイ
夏、クレプスキュール
夏、鋭い女と時々レジェンド
夏、大きな彼女とサイン
夏、お金で買えるものと買えないもの
夏、絵描きの彼女と金髪と
夏、スク水巫女とお姫様抱っこ
夏、失くした記憶のありか
夏、第二回戦開始
そのころの阿知賀編
そのころの阿知賀編その2
そのころの阿知賀編その3

・EX
小学五年、幼馴染
小学五年、嫉妬
小学五年、十月二十七日、憧憬
中学一年、十一月十一日、細長い棒状のお菓子
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

てなわけで終了
次回は

『三年、夏、迷い家に東風――炎が爆ぜて神降る』です

まるでクライマックスのようなタイトルですけど先鋒戦です
だけどくっそ長くなる予感

安価取りたいですけど人います?

微妙ですねぇ

それじゃ、永水、宮守、姫松の先鋒を除いたメンバーから一人どうぞ

下1~下5

埋まりきらなかったら適当に切ります

パソコンの不調……

そんじゃ、コンマで

豊音:21-40 61-80
春:1-20
霞:41-60
エイスリン:81-00

直下

そんじゃはるるで

では、おやすみなさい

みなさんの言う通り間違えました
Aブロックって書いてるとこはBブロックです

お詫びというわけじゃないけど安価を一つ

好きなキャラを一人どうぞ

下1~下5



京太郎→美穂子


京太郎「かわいい、お嫁にしたい」

京太郎「みたいな感じで接してたらすっごく警戒されてたんだよな……」

京太郎「色々あって仲良くなったけどさ」

京太郎「でも、弁当くれたり、キスマークつけられたり……」

京太郎「あれって普通に考えてこっちに気があるってことにならないか?」

京太郎「勘違いしていいんだか、ダメなんだか」




京太郎→穏乃


京太郎「元気だよなー、あいつ」

京太郎「むしろあいつとボウリングしてみたかった」

京太郎「無邪気なとこも眩しいっていうかさ」

京太郎「一緒にいたら童心を思い出しそう……スカート捲りとか」

京太郎「いや、冗談だけど。あいつのを捲ったら大変なことになりそうだし」

京太郎「ま、元気のいいちびっこは嫌いじゃない」




京太郎→豊音


京太郎「姉帯かー、姉帯な」

京太郎「あいつには天国と地獄を何回も体験させられたぜ……」

京太郎「ま、力が強いとか背が高いとかは置いておくと、ただのかわいい女の子だよな」

京太郎「なんかすごい好かれてるとは思ってたけど……」

京太郎「なんというか、勘違いしようがなくなってきたよな」




京太郎→竜華


京太郎「エロい、やたらエロい」

京太郎「松実の妹とちがって包容力があるのもやばい」

京太郎「一晩中二人きりにさせられたら我慢できない自信はある」

京太郎「まあ、そんなことはないと思うけど」

京太郎「でも普通にいい嫁さんになりそうだよな」

京太郎「みほっちゃんとはタイプが違うけどさ」




京太郎→佳織


京太郎「あの面子の中では普通だよな」

京太郎「なんつーか、ちょっとほっとする」

京太郎「俺の周りには変な奴多いから、ああいう子がたまに恋しくなるというか」

京太郎「それでなくてもおおきなおもちは良いものというか」

京太郎「まぁ、初めてのまともな接触があれだったけど、仲良くできるといいな」


というわけでおさらば

過去作はあるにはありますが、エタった上にトリップも違うので秘密ってことで

それじゃ、ご飯食べたらやります



・三年、夏、迷い家に東風――炎が爆ぜて神降る


小蒔「……」トン

漫「……」トン

白望「……」トン


優希「……」


優希(姫松のなるとの人はよくわからないけど、他の二人は先輩たちからアドバイスがあったじぇ)

優希(まず、左のだるそうにしてる人)


久『いい? 先鋒の小瀬川さんだけど……多分オカ持ちよ』

優希『出前?』

久『なんか変な能力持ってそうってこと。前に打ったときは見れなかったけど』

優希『どんなのが来ても東場は敵なしだじぇ』

久『とは言っても、彼女普通に強いのよね……まあ、気をつけてね』


優希(部長が強いっていうから多分、かなり強い)

優希(そして、右隣の巫女さん)

優希(かなりやばいって聞いたけど……)



京太郎『永水の先鋒の神代小蒔……場合によっては最悪の相手だ』

優希『場合によっては?』

京太郎『なんつーか、むらがあるって言ったらいいのかな』

優希『調子良い時はとことんやばい、的な?』

京太郎『まあそういう解釈でいいか。多分、やばくなったらお前はわかると思う』

優希『何もかも曖昧だじぇ』

京太郎『まさに運次第だからな……ま、困っても神様には頼らない方がいいぞ、この試合に限ってはな』


優希(とかいうろくにアドバイスになってないアドバイス)


小蒔「……」


優希(今のところ先輩が言うやばそうな感じもしないじぇ)

優希(なんにしても、私のやることは変わらない)

優希(この絶好の配牌、リーチせざるをえないじぇ!)


優希「リーチ!」



小蒔(今、風が……)

白望(速いな……)


漫「……」


漫(この手の速さ、末原先輩の言う通りや)

漫(まだ二巡目だし、事故の可能性も大いにありうる)

漫(一発ツモも多いらしいし、ここは鳴いて少しでも被害をおさえないと――)


漫「ポン」トン

優希「ローン!」

漫「え」


優希「リーチタンヤオ三色、裏ドラ二つで18000!」





恭子「……」

「まあ、事故みたいなものなのよー」

洋榎「うちだったらサッとかわすけどなー、サッと」

絹恵「お姉ちゃんと一緒にされても困ると思うんやけど」

「う~ん、出だしから順風満帆とはいかないんやねぇ」

恭子「……次やな、次」



優希「ロン、12300!」

漫「ちょっ」


優希「またまたロン! 9600の二本場は10200!」

漫「まっ」


優希「ツモだじぇ! 4300オール!」

漫「ひぇっ」


小蒔(わぁ、凄いです!)

白望(姫松の人、哀れ……)ナムナム





恭子「……」

絹恵「……」

洋榎「あー……」

「ま、まあ、今回は運が悪すぎたってことなのよー」

「でもぉ、もうトップとの点差は90000近いわけやなぁ」

恭子「代行、ちょい黙ってください」


恭子(信じとるで、漫ちゃん……!)



優希「連荘!」


白望(とは言うものの、ツモられたらこっちにも被害が出るわけだし)

白望(ちょっと、走り回りすぎだよね)


優希「リーチ!」



白望(私の能力は聴牌が速くなるわけじゃない)

白望(だからここは正攻法)

白望(多分あっちほどじゃないけど、私の手牌も完成してるし)トン

白望(正直点数は高くない。でも、相手の勢いを削ぐためにも上がっておきたい)

白望(誰か差し込んでくれたら楽なんだけど……)


小蒔「……」ポワポワ

漫「……」アワワワワ


白望(なんかダメっぽいなぁ……)

白望(どうしようかな……よし)


白望「リーチ」トン





恭子「……今、小瀬川がリー棒出す前に考え込みましたね」

洋榎「せやなぁ」

絹恵「えっと、長考してから上がると手が高くなる、でしたっけ?」

「ちょっとばかし不可解なのよー」

恭子「その場合は手を変えて上がっている。でもまだこの局が始まって間もない……これが何を意味するか」



白望「ツモ、リーチタンヤオピンフに……裏ドラ2。四本場だから、3400・6400」


優希(上がられちゃったじぇ……でも、まだ東場は終わってない!)

優希(速く動けるうちは少しでも相手の出目を潰して――)


優希「ポン!」

優希「チー!」


白望「ロン、7700」

優希「じぇっ!?」


白望(焦りすぎたね、もらっていくよ)





エイスリン「シロ、Cool!」

豊音「ちょー盛り上がるよー!」

トシ「迷い家の財宝は王牌の中に潜んでいたみたいだねぇ」

塞「竹井さんのとこの先鋒、一度躓いたら案外もろそうだね」

胡桃「この調子で潰しちゃえ!」


塞(胡桃は体型的に潰される側だって言ったら怒るんだろうなぁ)


胡桃「どうかした?」

塞「やけに張り切ってるなーって」

胡桃「チーム戦といえど、竹井さんには負けたくないからね!」





白望「ツモ、3900オール」


白望(ラス親のツモ上がり……これで清澄をまくってトップ)

白望(さて、ダルいからここでやめときたいけど――)


白望「連荘」


白望(後のみんなのためにもうちょっとだけ……)


優希(宮守の白い人、本当に能力とか関係なく強い……)

優希(トップも取られちゃったじぇ……)ションボリ


漫(後には主将たちが控えてるからとか、そない悠長なこと言っとる場合やない)

漫(少しでも差を縮めな、おでこに何書かれるか……!)


小蒔「あ、ツモです」


白望「……」

優希「じぇ……」

漫「ウソやん……」


小蒔「ツモのみ、一本場だから400・600です!」


白望(ちょっと、欲張りすぎたかな?)





『前半戦終了――!』



漫(あかんあかんあかん)

漫(前半終わってもう点数は半分ちょい……)

漫(このままじゃ、おでこに油性でなると書かれるくらいじゃ済まなくなる……!)


漫「はぁ……」トボトボ


恭子「すーずーちゃん?」


漫「ひっ」

恭子「なんや、鬼に会うたみたいな反応して」

漫「すいません……あんなに点取られて」

恭子「一回戦以上の大失態やな」

漫「……」

恭子「でも、まだ半分や。時間も点棒もまだ半分残ってる」

漫「もう、半分やないですか」

恭子「だからってうつむいとってもなんも変わらん。ほら」



恭子「顔上げて、これ食べて元気だしぃ」


漫「これって」

恭子「漫ちゃんがほったらかしにしてたタコス。主将の餌食になるところを死守したわ」

漫「そういえば」


京太郎『食ったら力になるかも……』


漫「いただきます……あ、おいしい」

恭子「うん、多少元気戻ったみたいやな」

漫「あの、ありがとうございます」ペコッ

恭子「礼より結果やな。トップとの点差は20000点以内に縮めること」

漫「できんかったら油性、ですか?」

恭子「頑張ってな?」ニッコリ





優希「うむ、タコスの運搬ご苦労」

京太郎「はいはいお礼は素直に言おうなー」グリグリ

優希「部活内暴力反対! 部活内暴力反対!」

京太郎「まったく……今のとこ点数はプラスだけど油断すんなよ?」

優希「それは骨身に沁みました……」

京太郎「だろうな」


優希「でも、負ける気は毛頭ないじぇ!」


京太郎「その意気だ」ワシャワシャ

優希「うわわっ」

京太郎「そんじゃ、行って来い」

優希「大船に乗った気で待ってるじぇ」




京太郎「でも後半はどうなるかね」


春「それこそ神のみぞ知るところ」


京太郎「なんだ、いきなりあらわれて」

春「姫様に糖分届けてきた」

京太郎「黒糖か」

春「食べたい?」

京太郎「もらえるならな」

春「口移しでいいなら」

京太郎「おいこら」

春「じゃあポッキーゲームならぬ黒糖ゲームで」

京太郎「一瞬でケリついちゃうだろーが」

春「手っ取り早くていい」

京太郎「お前な……そんなことやってると本当に勘違いされてキスされるぞ?」

春「ん、どうぞ」

京太郎「あんまり年上をからかうな」ペシッ

春「あうっ」



春「からかってるけど、勘違いじゃないのに……」ボソッ


京太郎「もうそろ後半戦が始まるな」

春「それじゃ、そろそろ戻る」

京太郎「ああ、だな」

春「あ、そういえば……」

京太郎「ん?」

春「霞さんになにかした?」

京太郎「石戸?」


霞『私では、あなたを支えられない?』


京太郎「……いや、何もないと思う」

春「そう、ならいい」





久「うーむ、どうなるかしらねー」

まこ「前半の収支は少なくない、後半もこの調子で稼げるなら問題ないと思うがの」

久「ところが、大きな不確定要素があるのよね」

まこ「神代小蒔、かの?」

和「前半では目立ったところはありませんでしたけど、そんなにすごい打ち手なんですか?」

久「やばいときはとことんやばいわ」

和「調子にむらがある、ということでしょうか?」

久「そういうのとも少し違うとは思うんだけど……最大風速で言えば宮永照より上かもね」

咲「お姉ちゃんより……それって」

久「ええ、間違いなく巷で言われるところの魔物ね」


久(ま、実際に話したらぽやぽやした女の子なんだけど)

久(うちの大将だって似たようなところがあるからそんなもんなのかしらね)


京太郎「戻ったぞー」

和「先輩、ゆーきの様子は……」

京太郎「届けるもの届けてきたから大丈夫だ。ほら、タコスが切れないうちは調子良いだろ」

和「そうですね」クスクス


京太郎(でも、なーんか嫌な予感するな)

京太郎(過保護な神様がなんにもしなきゃいいけど)





巴「姫様、今のところ安定してますね」

霞「練習のかいがあったってことね」

巴「神様に頼るだけじゃダメだって言ってましたから」

初美「でもでも、最近ローテーションが安定しないのですよ」

霞「去年みたいにある程度狙って調整するのが難しくなってるのよね……」


春「まさに不安定な神様」


巴「おかえりなさい、姫様大丈夫だった?」

春「糖分補給したから問題なし、あとあの人に会った」

巴「あの人? 戒能さん?」

春「姉さんは解説中」

霞「須賀くんね」

春「黒糖ゲームしようとしたら断られた」

初美「なんですか、それ?」

春「ポッキーゲームの黒糖バージョン」



巴「ポッキー?」

霞「ゲーム?」


初美「はるる、まさかそれは……!」

春「うん、そのまさか」

初美「うぅ、そんな恥ずかしいことを……そこまでやらないと雪辱は果たせないということなのですね」


霞「どうも事態が呑み込めないわ」

巴「一体なんなんでしょうかね?」





優希「ロン、12000!」

小蒔「はい」


漫(清澄、相変わらず東場は速い……!)

漫(今回は永水がかぶってくれた言うても、いつまた事故るかわからんし)

漫(ここは消極的でも点を減らさないように……)


漫「――っ」バチン


漫(アホか、私!)

漫(主将のように万能じゃない、真瀬先輩のように安定感はない、末原先輩のように速くもない)

漫(そんな私がここに置かれた理由、それはなんや!)



恭子『レギュラーに推した理由?』

漫『はい、自分で言うのもあれなんですけど、お世辞にも成績は良くないですし……』

恭子『たしかに漫ちゃんはちょっとした火じゃろくすっぽ火がつかん、しけった爆弾やな』

漫『し、しけった爆弾?』

恭子『でも、火種が大きいとこに放り込めばどうなるんやろな? うちが期待しとるのはそういうとこ』

漫『先輩……』

恭子『不発やったらデコに一筆やな』

漫『が、頑張ります!』



漫(だから――)


漫(――火ぃ、つけっ!)ボッ


白望「……大丈夫?」

漫「え?」

白望「自分のほっぺた叩いてたから」

漫「あ、大丈夫です」

白望「そう」


白望(なんか雰囲気変わった……かな?)





恭子「漫ちゃん……」


「でも、実際先鋒だけでひっくり返すのは厳しいと思うのよー」

洋榎「ん、大丈夫やないかな。火ぃ、ついたっぽいし」

絹恵「なんか変わったようには見えへんけど」

洋榎「感や、感」

絹恵「はぁ」

恭子「今度こそ見せてくれるやんな……!」


(あららぁ? 油性ペン、どこいったんやろ?)

(う~ん、代わりとってこよ~)





漫「ロン! リーチチャンタダブ東ドラ1……12300!」

優希「じぇじぇっ!?」


漫(やっと大きいのあがれた……)

漫(でも、まだまだ――!)


漫「ツモ! 4000・8000!」


白望(親っ被り、痛いな……)


漫「一発ツモ! 6000・12000!」


小蒔(炎が、爆ぜて……)ユラッ





恭子「爆発した!」ガタッ


洋榎「ようやっと収支プラスかー」

絹恵「漫ちゃん、ガンバ!」

「そのままバンバン稼ぐのよー」


「ただいま~」


恭子「代行、どこ行ってたんですか」

「ん~? ちょっと物品補充~」

絹恵「見てください、中継!」

「巻き返してる……漫ちゃん、やったんやな~」


恭子(一度火がつけばそう簡単には消えへん……)

恭子(神代にはムラがあるとはいえ、ここで稼いでおけるのはありがたい)

恭子(漫ちゃん、ようやった!)





白望(まずいな……今度は姫松が調子づいてる)

白望(しかも次は親番か……)チラッ


優希「ぬぅ……」グヌヌ

小蒔「……」ウトウト


白望(ここで止めておかないとまずいよね)


白望「――ポン」


白望(求められるのは、巧遅より拙速)

白望(迷ってる暇はない。上がられる前に上がる……!)


白望「ツモ、500・1000」





「あちゃ~、あがられてもうたなぁ」

恭子「まだです」

「末原ちゃん?」

恭子「漫ちゃんの火は、まだ消えません」



漫「ツモ! 3000・6000!」


白望(まだ勢いが消えてない? ダルすぎるよ……)

白望(次は親か……あがっておきたいところだけど――)


小蒔「……」スゥ


白望(……寝てるの? でも、この気配は……)


小蒔「……」フッ





春「あ、寝た」

霞「どの神様が降りるのかしら?」

巴「順番通りに行ったら、そこまで酷いことにはならないと思うんですけど」

初美「なんにしても注目ですねー」



塞「うわ、モノクルが」

豊音「ちょー真っ白だよー」

胡桃「すりガラスみたい」

トシ「神代小蒔……去年は鬼のような強さだったみたいだねぇ」

エイスリン「Hmm……」カキカキ


エイスリン「オニミコ!」スチャッ


トシ「おや、随分かわいらしい鬼じゃないか」





咲「――っ」ゾクッ


久「んー、ちょっと怪しい雰囲気ね」

京太郎「降りてきやがった……」

まこ「去年みたいなことが起こるなら……ちと厳しいかの?」

和「三位に落ちたとはいえ、そこまで点差は開いてないですよね?」

京太郎「下手したらここから永水の一人浮きだ」

和「そんな、まさか……」


咲(優希ちゃん、気を付けて)





小蒔「……」


優希(なんか、巫女さんの雰囲気がちがうじぇ)

優希(先輩が言ってたのって、もしかしてこれ?)


小蒔「賽を振りなさい」

白望「あ、うん」ポチッ


漫(また牌が上の方に偏ってる)

漫(火は消えてない……まだまだいける!)


小蒔「ツモ、4000・8000」


漫「んなっ!」


漫(速い、速すぎるやん!)

漫(せっかく南場に入って清澄が大人しくなったのに)



小蒔「次の親は私ですね」


白望(親番……やばそうな気配はそのままだし、あがらせたくないな)

優希(先鋒戦で終了なんてやだじぇ!)

漫(あかん、勢いが……)


小蒔「……」

白望「捨てないの?」

小蒔「その必要はありません」


小蒔「ツモ、天和です」


優希(そ、そんなオカルトありえないじぇ……)

白望(キツ……)

漫(あかん、メゲそう……でも)



(((次はなんとしてでも阻止しないと……!)))


小蒔「……」フッ

小蒔「……あれ? 私、寝てました?」


漫(ばっちり起きてたやん!)

白望(変な気配は薄くなったけど……)

優希(今まで寝てたなら、ここから先はどうなるんだじぇ……!)


小蒔「ここからは、全力以上であたらせてもらいます……!」



白望「ロン、5200の一本場は5500」

小蒔「あうぅ……」





霞「まぁ、こうなるわよね」

巴「姫様が頑張ってるのはわかるんだけどね」

初美「素の実力だけだと厳しいものがあるのですよ」

春「もうすぐ終わる。大きなのに当たらなきゃ点数的には問題ない」


霞(でも、さっき降りてきた神様は……)



小蒔(失点しちゃいました……)

小蒔(私一人じゃ実力が足りないのはわかっています)


漫「……」トン

優希「……」トン

白望「……」トン


小蒔(相対しているのも、強い方ばかり……ここまで来れたのは、みんなや神様のおかげだということも)

小蒔(それでも、後ろ向きにはなりたくありません)


『是非もない、か』

『待ってろ、今行く』


小蒔(夢か現か判然としない記憶の中で、私の愛しい人はそう言って私を救ってくれました)

小蒔(恐らくは、強大な力にさらされて、傷つきながらも)

小蒔(だから、私も前を向いていたい)


小蒔「ツモ、2000・4000です!」





『先鋒戦、終了――!!』



久「最後の、今までのに比べたらかわいかったわね」

京太郎「そりゃそうだろ」


京太郎(だって、神様はとっくに去ってたんだからな)

京太郎(ま、最後の最後は自分次第ってことなんだよな)

京太郎(でなきゃ、あんな過保護な神様が中途半端なところでやめるはずがない)

京太郎(うちの失点を嘆くべきなんだろうけど……)

京太郎(小蒔、頑張ったな)



てなわけで終了


人いるかわかんないけど安価とります

永水、姫松、宮守の次鋒から一人どうぞ

下1~下3

のよー登場なるか……!(次は次鋒戦だから出ますけども)

コンマ判定

1-33:エイスリン
34-99:のよー

00:?

直下

それじゃ、のよーで

次 永水、姫松、宮守の中堅から一人

下1~下3

例によってコンマ

春:1-33 67-99
胡桃:34-66

00:?

直下

宮守の座敷童で了解

んじゃ、次は永水、姫松、宮守の次鋒以外から一人

下1~下3

いきなりの豊音攻勢

コンマで

小蒔:1-33
豊音:34-99

00:?

直下

亜熱帯さんで

最後、永水、姫松、宮守の中堅以外から一人

下1~下3

愛宕姉は無効だから一個とりなおします

直下

そんじゃコンマで
あねったいさんは削ります

豊音:1-20
小蒔:21-60
塞:61-00

直下

腰がエロい人で了解
というわけで次回は

『三年、夏、描いた夢と揺るがぬ強者』です

次鋒、中堅はそれぞれ先鋒の半分位でさくっといきたいですね

それじゃ、寝ます

乙です
>>264
こういう事ですか?
https://youtu.be/UJj-YtD0agA

乙です
しかし00の?が気になる…誰だったんだろ?

>>329
直前に前作の再放送やるとか巧妙だよね

>>330
プロ勢(実は出るわけないと考えてたなんて言えない……)

人いるかわかんないですけどお好きなキャラどうぞ

美穂子・穏乃・豊音・竜華・佳織は不可

下1~下3

不可なのを除くと憧、ネリー、霞ですね
んじゃ、ちょっと失礼します



京太郎→憧


京太郎「ああ、神社で巫女さんやってたかわいい子だよな」

京太郎「高鴨の友達なんだっけ?」

京太郎「そういや、やたら警戒されてたよな」

京太郎「おしゃれとかにも気を使ってるふうだったけど……」

京太郎「まさかあれで男に耐性ないなんてことはないよな」ハハハ

京太郎「さて、結局どっちに進学したんだろうな」




京太郎→ネリー


京太郎「金の亡者」

京太郎「小銭持って消えようとするは、いきなり生涯賃金の半分よこせだとか」

京太郎「まったく、プロポーズじゃあるまいし」

京太郎「でもそこらへんを抜かせば甘えたがりの子供だな」

京太郎「一応チームのやつらのことも考えてるっぽいし」

京太郎「俺はそういうやつは嫌いじゃない」




京太郎→霞


京太郎「デカい、とにかくデカい」

京太郎「あれを押し付けられた時はやばかった」

京太郎「色々経験値をつけて耐性もついたはずなのに……」

京太郎「松実の妹とは会わせられないな」

京太郎「……多分、あいつは自分は後回しにするタイプだ」

京太郎「もっと俺みたいに好き勝手にやればいいのにとは思うよ」


新事実

ここの京太郎はちっこいのが相手だと評価が甘くなることが判明

それじゃ、去ります

クリスマスの朝にこんにちは

アコチャーは友達の友達って感じです
認識的にはあんな可愛い子に彼氏がいないほうがおかしいって感じです
風評被害じゃないよ!

もうちょっとしたらやります

やるったらやります



・三年、夏、描いた夢と揺るがぬ強者



漫「た、ただいま戻りました」

恭子「漫ちゃん?」ニッコリ

漫「ひっ」


洋榎「見てみ、ゆーこ。あれが後輩いびりの微笑みや」ヒソヒソ

「げに恐ろしきはその笑顔の裏なのよー」ヒソヒソ

恭子「そこ、うっさい!」ビシッ


絹恵「でも先輩、正直仕方なかった部分もありますし……天和とか」

恭子「いかなる理由があろうとも、約束は約束や」

漫「はい……」

恭子「早速油性で……あー、しもたー。油性、切らしとったわー」

洋榎「なんやて!? しゃあない、ここは筆ペンでっ」ゴソゴソ

「油性がなくてどうして筆ペンがあるのよー」

洋榎「あった! と思ったら水性マジックやった!」

絹恵「お、お姉ちゃん……」

恭子「まあ、油性がないなら仕方なし。そのマジックで第三の目やな」



「油性、ここにあるんよ~?」


恭子「……」

漫「……」

洋榎「……」

「……」

絹恵「……」


「備えあれば憂いなし、やね~」ニコニコ


恭子「漫ちゃん……」

漫「……」

恭子「ごめん」キュポッ

漫「はい……」


「じゃ、じゃあいってくるのよー」

絹恵「あ、いってらっしゃい」

洋榎「椅子暖めといてなー」

「同じ椅子に座る確率は四分の一なのよー」

洋榎「あ、せやな」





小蒔「ただいまです!」

初美「おかえりなのですよ」

巴「お疲れ様です」

春「糖分、また補給する?」

霞「結果は一人浮き。頑張ったわね」ナデナデ

小蒔「でも、ほとんど私の力じゃありません」

霞「最後のあがり、小蒔ちゃんらしかったわ」

小蒔「京太郎様、見ててくれたでしょうか?」

霞「ええ、きっとね」


初美「でもでも、今回は結構楽に行けそうなのですよ」

春「たしかに姫様が点を取ってきてくれたのはありがたい」

巴「うーん、問題があるとしたら……中堅かな?」

春「私?」

巴「はるるがどうとかじゃなくて、相手がね」

初美「そうだったのですよ。清澄の中堅はたしかあの人だったですねー」

春「あの人?」

巴「そう、竹井さん。はるるは会ったことないと思うけどね」





優希「……ただいま」

和「おかえりなさい」

咲「おかえり、優希ちゃん」

久「お疲れ様」

優希「最下位で申し訳ないじぇ……」

京太郎「あれは天災じみたもんだ。久ちゃんだって対処しきれないさ」

久「そうね。むしろよく喰らいついていったと褒めてあげたいわ」

まこ「神代相手にあれぐらいのマイナスで済んだのも、なんだかんだで稼いだおかげじゃけぇ」


まこ「県予選よりはましじゃ。あとは任しときんさい」


優希「うむ、頼んだじぇ。私はタコス分を補充するゆえ」

まこ「復活のスピードが速くなってきちょる」

京太郎「じゃ、そろそろ行こうぜ」

まこ「見送りかい。珍しいのぅ」

京太郎「トイレ行きたいからそのついでだな」

まこ「デリカシーはどこ行ったんじゃ」


咲「見て、あれが京ちゃんの本性だよ?」

和「ああ言って染谷先輩が気を使わないようにしてるんですね……さすがです!」

久「盲目ってるわねぇ」





京太郎「さて、用もたしたし戻るか」

「お、遅れそうなのよー」タタタタ


京太郎「ん?」


京太郎(声はすれども姿は見えず)

京太郎(振り向いてもいないから、そこのT字路のどっちかから近づいてきている)

京太郎(どこのだれが言い出したのかは知らないけど、曲がり角で衝突っていう古典的な出会いは、ああやって急いでるから起こるんだろうな)

京太郎(まぁ、こっちが把握してればそういう事故は防げる)

京太郎(こうやって広い廊下なら、真ん中を歩けばいいわけだしな)


「わっ、人がいたのよー」ビクッ


京太郎(ここで誤算があったとしたら、それは相手の反応だ)

京太郎(こっちが把握してても、向こうはしてないんだから、衝突は起こらずとも驚いてしまう可能性はあったわけだ)

京太郎(そしてこんな風に――)


「あ――」グラッ


京太郎(バランスを崩して転びそうになることだって)



京太郎「っと、大丈夫か?」ガシッ

「ん……あれ?」

京太郎「危なかったな……って、あれ?」フニッ

「あー、助けてもらったところ悪いんやけど、つかむなら別の場所にしてほしかったのよー」

京太郎「悪い、思わずラッキースケベってしまった」パッ

「わざとだったら思いっきり犯罪よー?」

京太郎「おっしゃる通りです」


「ともかく、助けてくれてありがとうございました」ペコッ

京太郎「その制服、姫松だよな?」

「三年の真瀬由子なのよー」

京太郎「須賀京太郎、清澄の三年だ」

由子「須賀……漫ちゃんたちが言ってた人なのよー」

京太郎「まぁ、そうなるな。ところで、もうそろそろ試合始まるけどいいのか?」

由子「あっ! そういえばうちの主将に突っ込んでたら遅刻寸前だったのよー!」

京太郎「愛宕姉はなにやってるんだかな……」

由子「じゃ、失礼するのよー」タタッ





白望「……ダル」


エイスリン「シロ、コータイ!」

白望「仕方ないね……」ノソノソ

エイスリン「ダイジョウブ?」

白望「点取られちゃったからね……自分で戻るよ」

エイスリン「モーマンタイモーマンタイ」

白望「……なぜに中国語?」

エイスリン「ベンキョウ、シマシタ」

白望「するとこが違うと思うけど……」

エイスリン「モーマンタイモーマンタイ」

白望「使い方は間違ってないね」


白望「……そろそろ他の人たちも来たし、戻るよ」

エイスリン「マカセテ!」

白望「うん、任せた」





まこ(さてさて、こうして始まったのはいいとして……)


巴「……」トン


まこ(とりあえず点を取るなら、一人浮きの永水)


エイスリン「――♪」トン


まこ(じゃが、一番の警戒対象は、こっちか)

まこ(たしか、地区大会での和了率があのチャンピオンを凌ぐほど高い……じゃったか)

まこ(今年の一月に始めたばかりじゃというのに、化け物じみた成績じゃの)


久『エイスリンさん、私たちと打ったときは初心者だったけど、凄い成績よ』

まこ『これは……』

久『素点の高さはともかく、速効で誰かが上がらない限りは上がっちゃってるわね』

まこ『局の中ごろには大体手が揃っとるの』ペラッ

久『常識じゃ考えられない打ち手はいるけど、彼女もその類ね』


まこ(まったく、どの口が言うとるんじゃか)

まこ(まぁ、やったるけぇ。しっかり見ときんしゃい)スチャ





和「染谷先輩がメガネを外しましたね」

久「言うなればあれが本気モードってところね」

咲「本気モードですか?」

優希「前も言ってたけど、具体的にどうなるんだじぇ?」

久「まこはね、雀荘の育ちなのよ」

優希「それは知ってるじぇ」

久「だから経験豊富、以上」

和「あの、なんの説明にもなってません」

久「そう言われてもねぇ……河を見て手を予測してるとか?」

咲「それって当たり前のことじゃ……」

久「まこの場合は自分の経験の中から似たようなものを引っ張ってきて、相手の手とか狙いを大体把握できるのよ」

和「過去のデータに基づいて、ですか。なるほど……」

優希「でも、メガネ外したら逆に見にくくなっちゃうじぇ」

久「その方がいいのよ。余計なものも目に入らなくなるしね」


久(大体のイメージと雰囲気で察するんだっけ)

久(和は納得してたけど、結局のところ感覚で打ってるのよね)

久(頑張って、まこ。信じてるわ)





まこ「チー!」


由子(またなのよー)

由子(意味不明なタイミングでの副露)

由子(まるで場をかき乱そうとしてるみたいなのよー)

由子(もしそれが宮守対策なら……)


由子「ロンなのよー」

エイスリン「――っ!」


由子(ちょっとだけラクさせてもらうのよー)


まこ(ちぃっ、利用された……!)

まこ(しかし、対策が有効なのはこの数局で実証できちょる)

まこ(永水は点数差があるから静観、となると)



由子「さ、次の局に行くのよー」


まこ(ここでの最大の障害は姫松……)

まこ(宮守を抑えつつ、姫松に競り勝つ……)

まこ(やれやれ、とんだ大役を任されたもんじゃの)


巴(ここまでは清澄の安いツモと宮守の放銃だけ)

巴(私たちの役目は中継ぎ……姫様が稼いできた以上、無理することはない)

巴(基本方針はオリで、流せそうな時は流す)


由子「聴牌」

まこ「ノーテン」

巴「聴牌」

エイスリン「……ノーテン」グスッ





白望「……意外だね、エイスリンがまだあがれてないなんて」

胡桃「塞と打ってる時みたい」

塞「私のは塞ぎ続けるのは無理だけどね。疲れちゃうし」

豊音「お腹痛いのかなっ」オロオロ

白望「いや、多分相手のせい。不自然な鳴きとかじゃないかな?」

トシ「そうさね。経験の少なさが露呈しちゃってるみたいだねぇ」

胡桃「エイちゃん、大丈夫かな」

トシ「あの子の能力は、自分の理想を卓上に描くこと。今は途中で勝手に線や色を加えられて混乱してるのさ」


トシ(とは言え、その能力に必要なのは強い想い)

トシ(それが、どんな障害も飲み込んでしまえるほどなら……)





エイスリン「……」


エイスリン(全然あがれない……)グスッ

エイスリン(みんなと練習したのに……)

エイスリン(勝手に線を足されて、勝手に色を加えられて絵がめちゃくちゃ……)

エイスリン(このままじゃ……)


トシ『ほら、この形、見てごらん?』

エイスリン『Hmm……ナニコレ?』

トシ『三色同刻って役さ』

エイスリン『サンショク?』

トシ『三つの色……えーっと、トリコロールってことさね』

エイスリン『Colorful!』ポン


エイスリン(……)



白望『エイスリン』

塞『エイスリン』


エイスリン(……まだ)


胡桃『エイちゃん!』

豊音『エイスリンさん!』


エイスリン(諦めたく、ない……!)ズズッ


巴「……?」


巴(なに? この力の流れ……)



由子「……」トン

エイスリン「ポン!」


巴「……」トン

エイスリン「ポン!」


巴(もしかして今、つかまされた?)


エイスリン(他の人が私の絵を汚すなら――)


エイスリン「ツモ! サンショクタンヤオドラ3……3000・6000!」


エイスリン(その前に、私の色で染めきる……!)


まこ(……わりゃあ、聞いとらんわ、こがぁな打ち方)

まこ(しかも丁度鳴けなかったのも偶然かのぅ?)

まこ(やれやれ、ほんにまぁ……難易度、上がったわな)





『次鋒線終了――!』



まこ「すまん、ひっくり返すつもりが……」

久「まぁ、それでも収支はプラスじゃない」

優希「私の借金が迷惑かけてるじぇ」

京太郎「まったくだなー」グニグニ

優希「あーうー」

和「でも、どこもとりたてて大きな点数の変動はなかったわけですし」

久「そゆこと」

咲「次はお昼挟んでですよね?」

京太郎「なんだ、もう腹ペコで耐えられないってか」

咲「ち、違いますー!」

久「とりあえずお昼にしましょ。なにか希望ある?」



まこ「なんでも」

和「私もなんでもいいです」

咲「うーん、取り立てては」


久「主婦を悩ませるワードね」

優希「タコス!」

京太郎「はいはい、それはこっちにあるから」

優希「エスパー!」

京太郎「お馴染みのパターンな」

まこ「もう弁当でいいじゃろ」

久「そうしますか」





エイスリン「モドリマシタ!」


白望「ん、おかえり」

塞「お疲れさま」

胡桃「エイちゃんえらいえらい……と、届かないっ」

豊音「こうすればラクショーだよー」ヒョイッ


トシ「頑張ったね。自分の苦手な相手に対してプラス収支で戻ってくるんだから」


エイスリン「……オナカスイタ」グゥ

塞「もうお昼時だね。何食べる?」

白望「デリバリーの何か」

塞「動きたくない気持ちがあふれ出てるねー」

豊音「はいはーい! せっかくだからお外に食べに行きたいかなーって」

胡桃「それだね。賛成の人は?」


エイスリン「ハイ」ピッ

塞「私も」ピッ

胡桃「当然」ピッ

豊音「私も……シロも!」グイッ

白望「!?」


トシ「ふふ、頑張ったご褒美に奮発しようかねぇ」





京太郎「ジャンケンで負けてしまった……」

京太郎「人数分の弁当と……飲み物も買ったよな」

京太郎「そもそもジャンケン勝負ってだけであいつらに勝てる気はしないけど」


胡桃「あっ」


京太郎「えーっと、鹿倉さんだよな」

胡桃「竹井さんの幼馴染!」

京太郎「まあ、そうだけど」

胡桃「エイちゃんのはとこ!」

京太郎「まあ、そうでもあるけど」

胡桃「豊音を悪の道に引きずり込む人!」

京太郎「いや、それは違う」



胡桃「とにかくっ、清澄には負けないんだから!」ビシッ

京太郎「なんか敵視されてる?」

胡桃「竹井さんにはデカい顔させないんだからねっ」

京太郎「そういや、久ちゃんとなんかあったのか? やたら目の敵にしてるけど」

胡桃「マナー悪いしからかってくるし、そのくせ強いし……とにかくムカつく!」プンプン!

京太郎「ああ、なるほど……」


京太郎(ぴょんぴょん跳ねて……なんかかわいい)ホッコリ

京太郎(多分久ちゃんもだからからかってるんだろうな)


豊音「あれ、京太郎くんだ」



京太郎「姉帯もいたのか。じゃあ他のやつらは?」

豊音「私たちはお花摘んでたから、この後合流予定だよー」

京太郎「ああ、それでこの凸凹コンビ」

胡桃「むっ」

豊音「あの……それでね?」

京太郎「ん?」

豊音「良かったら一緒にお昼どうかなーって。エイスリンさんも喜ぶと思うし」

京太郎「誘ってくれてるのに悪いんだけど……ほら」ガサッ

豊音「あ、お弁当……じゃあ仕方ないね」

京太郎「それに、こっちも」


胡桃「むー」


京太郎「なんか思いっきり警戒されてる」

豊音「く、胡桃は勘違いしてるんだよ」

胡桃「戻ろっ」グイグイ

豊音「またねー」

京太郎「じゃあなー」


京太郎「うーん、あの状態でからかったら噛み付かれそうだな」





洋榎「んじゃ、行ってくるでー」

絹恵「あ、ちゃんと前見て歩かな……」

洋榎「――あだっ」ゴツン

絹恵「あちゃー」

洋榎「め、メガネメガネ……」


漫「うわ、痛そう……」

由子「とっさのボケでごまかそうとしてるのよー」

恭子「素直に痛そうにしてればいいものを……」ハァ

「絆創膏ならあるよ~?」


洋榎「わかってんならそっとしといてくれたってええやろっ」


絹恵「お、お姉ちゃん、そろそろ時間やから」

洋榎「せやな……じゃ、今度こそ行ってくるでー」





京太郎「冷えピタは持ったか?」

久「ちゃんと持ってるわよ」

京太郎「県大会の時みたいに買いに行かされるのは勘弁だからな」

久「あの時も色々あったわねー」

京太郎「このクッソ暑い中、外に出たくはないし」

久「でもあんたこっち来てから出歩きまくりでしょ」

京太郎「暇は時に人を駆り立てるもんだ」

久「はいはい」


久「ここまででいいわ。そろそろ報道陣が構えてそうだし」

京太郎「今日も中堅戦で終わらせんのか?」

久「もちろん……と言いたいとこだけど、無理ね」

京太郎「まぁ、愛宕レッドもいるしな」

久「レッド?」

京太郎「なんとなく。イメージカラー」

久「あんたねぇ」

京太郎「行ってこいよ。俺は応援だけはしてる」

久「じゃあキスしてって言ったら?」

京太郎「足腰立たなくする」

久「あら、それじゃ無理ね。残念」

京太郎「はいはい、いいから行ってこい」

久「じゃあお菓子でも用意しといて。終わったら食べるから」

京太郎「りょーかい」





京太郎「お菓子ね……やっぱ糖分?」

京太郎「じゃあポッキー……って、俺もだいぶ染められてるな」

京太郎「さて、何を買おうかな」


「うーん、みんな何食べるかなぁ」


京太郎「あ、悪い」

塞「あ、ごめんなさ……って、須賀くん?」

京太郎「そっちもお菓子の買い出しか?」

塞「うん、お茶請けがなくなっちゃったし」

京太郎「あー、お茶請け大事だよな」

塞「そうそう、こまめに買い足しておかないとあっという間になくなるし」

京太郎「そっちは怠け者がいるからなおさら消費が速そうだな」

塞「あはは、シロはあれで結構気を使ってくれるんだけどね」

京太郎「お、そうなのか。あいつともそのうちじっくり話してみたいな」

塞「良かったらいつでも遊びに来てよ」

京太郎「でも、俺なんか警戒されてるだろ」

塞「胡桃のこと? うーん、あんまり男子に慣れてないだけだと思うんだけど」

京太郎「お、百戦錬磨並みの意見? 頼もしいな」

塞「ひゃ、百戦錬磨って……」

京太郎「照れんな照れんな。俺らぐらいになったら恋人の一人や二人……ごめん、俺が言っても説得力ないわ」ズーン

塞「えっと、大丈夫! 私もアレだし……ほら、処女だから!」



京太郎「え……」

塞「あ……」

京太郎「……」

塞「……」カァァ


京太郎「その……なんかごめん」

塞「うん、そっとしといてくれたら嬉しい……」





洋榎「出端くじきリーチ!」


久(調子良さそうねぇ)

久(ま、でもこっちも出端くじいとこうかしら?)


久「じゃ、追っかけリーチで」


洋榎(お、来るんか竹井)

春(……)

胡桃(ダマでつぶす……!)


春「チー」

春「ツモ、500オール」


久「あら……」

洋榎「出端くじかれてもーたな」


久(この子とだけ面識無いのよね……)

久(でも、今安手で上がったのって)


洋榎(偶然やないやろな)

洋榎(次やな、次)


春「……連荘」





初美「はるる、しっかり対応してるですね」

巴「とりあえず最初は、だけどね」

霞「せっかくの親番だし、大事にしたいけど……」

小蒔「……zzz」



「あらら~、リー棒取られてもうた」

恭子「主将ならなんも心配いらんでしょ」

由子「そやね、問題なしよー」

絹恵「むしろ問題は私といいますか」

漫「主将なら、きっと」





洋榎(って思われとるやろなぁ)ホッコリ

洋榎(まぁ、うちの実力なら実際問題なし)

洋榎(調子いいうちに仕掛けとこかな)


洋榎「またまたリーチ! 次こそ一発取っちゃうでー!」

胡桃「そこ、うるさい!」

久「残念……ポン」

洋榎「……orz」


春(……またリーチ)

春(一発は消えたとはいえ、大きそう)


春「チー」トン

洋榎「ロン、12300」

春「……え」

洋榎「聖闘士に同じ技は通用しないんやで?」


胡桃(意味わかんない……!)



胡桃「次、私の親番っ」ポチッ


久(これで姫松が収支プラスか……)

久(そろそろ私も気を入れないとね)


久「リーチ」


春(この人もリーチ……)

春(みんなが言ってたっけ、この人は天邪鬼だって)

春(セオリーではありえない待ちを好む……)

春(じゃあ、ここかな?)トン


久「そこなのよね……ロン」

春「……」

久「一発ついて16000ね」

春「……はい」



洋榎「なんや、また清澄と横並びかい」

久「気に入らない?」

洋榎「もやもやする。どっちが上かようわからんし」

久「今時点で獲得した点数はこっちが上よねー」

洋榎「はぁ? すぐうちが上がるしー」

久「その前にこっちが上がればもっと差が開いちゃうのよねぇ」

洋榎「なんや、やるんか?」

久「あら、もうやってるんじゃないの?」

洋榎「せやな」


胡桃(親番終わった上に蚊帳の外……!)


胡桃「次の親、サイコロ回す!」

洋榎「あ、はい」


春(直撃二連……痛い)





『中堅戦終了――!』

『この一戦で順位が大きく変動しました』

『姫松、清澄はほぼ同じ得点で一位、二位』

『宮守は点数をキープで三位、これまでトップを走っていた永水は最下位へと転落してしまいました』



久「おっつかれー」ヒラヒラ

洋榎「おつかれさんさんさんころり~」

春「……」

胡桃「あっ……」


胡桃(竹井さんのダイナミックツモ、注意するの忘れてた!)



選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再会
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
十一月十三日、始まりの日
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ
八月二日、パンツの日
秋、ロッカーの中
秋、月見の夜に
九月二十一日、プレゼントの意味
九月二十四日、お揃い
秋、キャットチャンバー
秋、初めての学校祭
秋、牌のお兄さん
秋、こどな
秋、苗字と名前
冬、記憶と縁
冬、王者の休日
冬、蓼食う虫もなんとやら
冬、鎖でつなぐもの
三月、主役のいない旅行
三月、ゆきが消える前に

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック
初夏、個人戦9位と卓上の天使
初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
初夏、男子個人戦
初夏、南風
初夏、代償
初夏、いつも傍にあるもの
初夏、好きこそものの上手なれ
初夏、お兄ちゃんと一緒
初夏、将来の夢
夏、楽しい合同合宿(地獄編)
夏、楽しい合同合宿(天獄編)
夏、プライスレスなもの
夏、ストーカーズ
夏、ドライブ(と書いて決死行と読む)
夏、一足先の出立・一番星
夏、知り合いの多いインターハイ
夏、クレプスキュール
夏、鋭い女と時々レジェンド
夏、大きな彼女とサイン
夏、お金で買えるものと買えないもの
夏、絵描きの彼女と金髪と
夏、スク水巫女とお姫様抱っこ
夏、失くした記憶のありか
夏、第二回戦開始
夏、迷い家に東風――炎が爆ぜて神降る
夏、描いた夢と揺るがぬ強者
そのころの阿知賀編
そのころの阿知賀編その2
そのころの阿知賀編その3

・EX
小学五年、幼馴染
小学五年、嫉妬
小学五年、十月二十七日、憧憬
中学一年、十一月十一日、細長い棒状のお菓子
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

てなわけで終了

人いるかわからないけど安価とります

永水、姫松、宮守の副将から一人どうぞ

下1~下3

コンマ

はっちゃん:1-33
腰がエロい人:34-99

00:?

直下

まずは塞さんで

んじゃ、次は副将以外の人から一人どうぞ

下1~下3

うーん、亜熱帯さんは出番あったんで削りますねー

豊音:1-50
霞:51-00

ゾロ目:?

コンマ

すこやん:1-25
はやりん:26-50
うたたん:51-75
のよりん:76-00

のーうぇい:ゾロ目

直下

どっちにしてもはやりんですね

んじゃ、永水、姫松、宮守の大将を一人

下1~下3

コンマ

豊音:1-66
霞:67-99

00:?

直下

亜熱帯さんで

最後に大将以外を一人

下1~下3

はるるは先鋒の時に出番あったんでちょい削ります

小蒔:1-40
春:41-60
洋榎:61-00

ゾロ目:?

直下

それでも真ん中を当ててくるあなたはすばら
というわけで春で了解
次回は

『三年、夏、塞ぎ封じるものと凡人の意地』です

それじゃ、休みます



・二年、三月、湯煙大作戦


京太郎「えーっと、ここを登ればいいのか?」ガサガサ

京太郎「おっと、足元気を付けないとな……虫はいないけど雪は残ってるし」

京太郎「にしてもなんだよこの宝の地図……自作臭がプンプンするな」


爽『はい、これ』

京太郎『なにこれ?』

爽『宝の地図』

京太郎『は?』

爽『浪漫があるよねー』

京太郎『このコピー用紙のどこに浪漫があるのか』

爽『いいから行ってきて確かめてみてよ。きっといいものあるんじゃないかな?』



京太郎「出だしからして怪しさしかないんだよな……」

京太郎「暇だからって付き合ってやってる俺にも問題はあるけど」

京太郎「ってか、結構道険しいな……」

京太郎「つまらないものだったら思いっきりデコピンしてやろう」ガサガサ


京太郎「よし、到着!」ガサッ

京太郎「さて、お宝は……」キョロキョロ


誓子「……」アゼン

京太郎「……え」

誓子「なに、してるの?」

京太郎「にゅ、入浴中でしたか……」

誓子「も、もしかしなくても……のぞき、だよね」プルプル

京太郎「待て! 俺は嵌められたんだ!」

誓子「はぁ……だよね」

京太郎「わかってくれたか! のぞきなんてする気はさらさらないってことを……!」

誓子「……」



誓子(それはそれで私の体には興味ないって思われてるみたいで複雑なんだけど……)


誓子「……早く出てって」

京太郎「……機嫌悪い?」

誓子「いいからっ」

京太郎「失礼しましたー!」ガサガサ


誓子「ふぅ……」

誓子「ちょっと感情的になりすぎちゃったかな?」

誓子「でも、裸見られちゃったのはたしかだし……貸しにしておこう、うん」カァァ

誓子「それにしても、中々来ないと思ったら……あの二人」

誓子「懲らしめておかなきゃね」





揺杏「なぁなぁ、どうなったー?」

爽「わっ、ちょっ、押すな押すな」


――ガラッ


誓子「で、二人は何してるのかな?」ニッコリ

揺杏「あ……」

爽「やばっ」

誓子「へぇー、清掃中。誰も入ってこないと思ったらこんな小細工をね……」

揺杏「いやいやいや、チカセン! これには事情があって!」

爽「ちょーっと背中を押してやろうかなってさー」

誓子「二人とも、正座」





京太郎「ふぅ……とんでもない目にあいそうだった」

誓子「あ、いた」

京太郎「……今更ビンタとかやめてくれよ?」

誓子「そんなことしないわよ」

京太郎「お前が話の分かる奴で助かった」

誓子「でも、あれは貸しにしておくから」

京太郎「まぁ、しゃあないな。責任は取るよ」

誓子「せ、責任!?」

京太郎「え、おかしなこと言った?」

誓子「とにかくっ、そういうことだから!」


京太郎「……さて、なにをさせられるのやらな」



というわけでチカセンの温泉・のぞき案件

人いるか不明ですけどお好きなキャラをどうぞ
登場済みのキャラに限ります
以下のキャラは不可

以下のキャラは『不可』です


照・玄・美穂子・健夜・竜華・衣・マホ・久・怜・誓子

はやり・揺杏・由暉子・宥・白望・哩・姫子・やえ・灼・爽

咏・憧・成香・咲・和・桃子


下3まででコンマ高いの一つ

こまっちゃんで了解

ちょっと時間をもらいます



小蒔→京太郎 三年編、夏


小蒔「京太郎様は……私の愛しいお方です」

小蒔「私の知らない私もそうだったんです」

小蒔「それがわかって、とても心が晴れ晴れしています」

小蒔「私の心は、同じ想いで満たされてたんだって」

小蒔「だから、私の嫌な部分と向き合おうと思います」

小蒔「だって京太郎様はどんな私でも受け止めてくれるから……」

というわけでおやすみなさい

今日は更新できません!

人いるかわかんないですけどお好きなキャラどうぞ

美穂子・穏乃・豊音・竜華・佳織・憧・ネリー・霞は不可

下1
下2



京太郎→玄


京太郎「ああ、松実さんちの妹ね」

京太郎「あいつはなぁ、見た目も好みだし気も合うのにな」

京太郎「なんだあの無防備さは」

京太郎「正直、わざとやってるんじゃないかと勘違いしそうになる」

京太郎「いや、天然っぽいからそれはなさそうだな」

京太郎「もうちょっと姉を見習って落ち着きを……」

京太郎「……姉も姉で問題あるな」



京太郎→ 一


京太郎「国広とは正直、結構仲良い方だと思ってる」

京太郎「気も利くし、仕事仲間としては申し分ないよな」

京太郎「色々世話焼いたし、焼かれたし」

京太郎「なんだろうな、女友達ってくくりだったら一番じゃないかな」

京太郎「唯一の欠点をあげるとしたら……私服だな」

京太郎「なんであそこだけやたらハイセンスなんだか……」


というわけで玄ちゃんと一ちゃんでした


んじゃ、お好きなキャラをどうぞ
登場済みのキャラに限ります
以下のキャラは不可

以下のキャラは『不可』です


照・玄・美穂子・健夜・竜華・衣・マホ・久・怜・誓子

はやり・揺杏・由暉子・宥・白望・哩・姫子・やえ・灼・爽

咏・憧・成香・咲・和・桃子・小蒔


下3まででコンマ高いの一つ



豊音→京太郎 三年編 夏


豊音「京太郎くんは本当に素敵な人で」

豊音「いつの間にか女の子の知り合いも増えてて……」

豊音「正直お持ち帰りできたらなーって思います」

豊音「でもでも、エイスリンさんと一緒ならそれもいいかなーって」

豊音「うん、みんな一緒ならきっと楽しいよー」

豊音「あと、京太郎くんがシロのこと気にかけてるのがちょっと気になっちゃうかも」

ネリーが悪役面を晒してるかと思えばメスの顔になってた
な…何を言っているのかわからねーとは思うが(ry

寝ます

お腹減った……なんか食べたらやります

んじゃあやりますね



・三年、夏、塞ぎ封じるものと凡人の意地


洋榎「Vやねん!」


恭子「お疲れです」

洋榎「どやった!? 痺れたやろ!」

由子「とりあえず死亡フラグぶち立てたことには感心するのよー」

恭子「へし折らなきゃいけなくなったやないですか。反省してください」

洋榎「orz……」


漫「でも、永水と宮守まくってトップですし。さすが主将って思います」

洋榎「……」ピクッ

絹恵「うん、お姉ちゃんは頑張った。串カツ買っといたから」

洋榎「……」ピクッ


洋榎「よっしゃ! 準決もやったるで!」


「復活早いわ~」





久「ただいまー」

まこ「お疲れじゃな」

久「ほんとよね。鹿倉さんはダマで張り通すし、愛宕さんはあの調子だし、永水の子もちょっと厄介だったわね」

優希「でもしっかり稼いできたから流石だじぇ」

久「素直に褒められるのも悪くない、うんうん」

和「見てたらハラハラする打ち方は相変わらずでしたけど」

咲「むしろ終始普通に打ってたらその方がハラハラするよ……」


久「そういえば京太郎は?」

まこ「お菓子買いに出かけとるわ」

久「まだ買ってなかったのね」

まこ「買ってきたは買ってきたんじゃが……」ジッ


優希「ん?」



久「ああ、なるほどね」

優希「タコスがないならお菓子で代用するしかないっ」

咲「えっと、代わりになるの?」

優希「正直微妙だじぇ。タコがつけばあるいは……」

和「ほら、食べかすついてますよ」

優希「んっ」


久「まぁ、お菓子は待つしかないとして……次の副将戦、頼むわよ」

和「はい、いつも通り打ってきます」

久「ペンギンは持った?」

和「ここに」

久「じゃ、行ってらっしゃい」

和「トップ、とってきますね」


和(先輩のためにも……!)





初美「うーん、けっこう取られてしまいましたねー」

春「きっと黒糖が足りなかった。そうに違いない」

霞「春ちゃーん」クイクイ

春「うっ……」

巴「そうだね、けじめはつけなきゃいけないし」

霞「可哀想だとは思うけど、ね」

春「やめて、そんなことされたら……」

初美「はーい、黒糖は没収ですよー」

春「ああっ」


春(と見せかけて、実は服の中にも黒糖を隠してたりする)


霞「ふんふむ、服の中も調べなきゃね」

春「!?」

巴「その反応、あたりかな」

春「わ、私の裸に興味があるのはわかるけどっ」

初美「はーい、脱ぎ脱ぎするですよー」

春「あーれー」





春「ううっ……汚された」


霞「これで全部かしら?」ドッサリ

巴「一体どこにこれだけ収納してたのやら」

初美「軽いマジックですねー」

春「鬼、悪魔……」ボソッ

霞「酷い言われようねぇ……」ニッコリ

春「ひっ」


初美「笑顔は肉食獣が狩りをする時に見せるものだと聞いたことがありますねー」ヒソヒソ

巴「はっちゃん、聞こえちゃうよ?」

霞「もちろん聞こえてるわ」

初美「さ、行ってくるのですよー」ソソクサ


霞「まったく……」

春「……」ドンヨリ

霞「そんな顔しなくても、食べさせてあげるわよ」

春「ほ、ほんと?」パァァ

霞「ええ、一時間に一個」

春「……やっぱり鬼」





塞「……その荷物、どうしたの?」

京太郎「ああ、臼沢か」

塞「たしかさっきもお菓子買ってたよね」

京太郎「うちの一年に食い尽くされた」

塞「あ、そうなんだ……それで、そっちの大きな袋は?」

京太郎「こっちはタコス。もういやだって言うまで食わせる」

塞「あはは、後輩いじめちゃダメだよ?」

京太郎「教育的指導だからいいんだよ」

塞「私らには後輩いないからあんまりわかんない感覚かな」

京太郎「全員同じ学年だもんな。それはそれで気楽だと思うけど」

塞「隣の芝は青いってやつだね」



京太郎「ところでさ、そのモノクルって熊倉さんのと同じやつ?」

塞「そうだよ」

京太郎「戦闘力見れたりすんの?」

塞「え、何の話」

京太郎「ごめん、出来心」

塞「まぁ、力を感知したりすると曇ったりするけどね」

京太郎「やっぱりスカウターじゃないか!」

塞「だからなんの話!?」


京太郎「……コホン、とりあえずそろそろ行った方がいいんじゃないか?」

塞「それもそうだね。じゃ、後輩さんには優しくね」

京太郎「前向きに検討しつつ善処する」

塞「うーん、この政治家発言」

京太郎「冗談だ。言われなくても俺は優しい」

塞「自分で言っちゃうと株が下がるよね」

京太郎「じゃあそう喧伝しといてくれ。ポッキーやるから」

塞「あはは、そんな買収にかかる人はさすがにいないでしょ」

京太郎「まぁ、俺の知る限りでは一人」

塞「いるんだ!?」





京太郎「さて、和はもう行ったのかな」

京太郎「せっかくだし、一声かけておきたいけど」キョロキョロ


和「先輩っ」タタッ


京太郎「よう、丁度探してたよ」

和「私もですっ」

京太郎「じゃあ両想いってとこか」ハハッ

和「もちろんです!」

京太郎「一筋縄じゃ行かないと思うけど、頑張ってこいよ」

和「先輩が応援していてくれるなら、心強いです」

京太郎「アドバイスもしてやりたいとこだけど、臼沢としか打ったことないしな」

和「……あの、お知り合いなんですか?」

京太郎「ああ、どこもかしこも知り合いばっかだよ」

和「女性の知り合いが多いんですね」

京太郎「まあ、久ちゃんにくっついてあちこち行ってたら自然と」

和「でも私、信じてますから」

京太郎「おう、自分を信じて頑張ってこい」





京太郎「ってな感じで送り出してきた」

久「あんた、それ絶対食い違ってるわよ」

京太郎「そうかな? 久ちゃんがそう思うだけじゃ――」


まこ「いや、その通りじゃろ」

咲「京ちゃんはいっつもそうだもんね」

優希「先輩のアシストをしたいけどこれは無理だじぇ」


京太郎「――ないみたいだな……」

久「とりあえずインハイ終わるまでは黙ってるけど、ちゃんと清算しなさいよね」

京太郎「清算ね……」

優希「きっと凄惨なことになるじぇ」

まこ「否定できん」

咲「ちょっと痛い目見ればいいと思うよ」

京太郎「い、いつになく風当たりが冷たい」

久「はいはいそこまで。試合始まるわよ」





和「ツモ、2000オール」

和「ツモ、2700オールです」


塞(まずいなぁ)

塞(原村が連荘……)

塞(要注意が永水とはいえ、トップに独走させるもやばいよね……)


塞「……」フゥ


塞(さて、塞いでみますか)


和「……?」


和(なんでしょうか、急に肩が重くなったような……)

和(もしかして、また大きくなったんでしょうか?)ポヨン

和(肩こりがひどくなるのはちょっと)

和(あ、でも先輩に頼めば揉んでくれるかも……)



絹恵「ロン、5200」

和「はい」


絹恵(ぬいぐるみを蹴ってもうて悪いとは思うとるけど、もらえるもんはきっちりもらうで……!)

和(いけません、集中しないと)


初美「次、私の親番なのですよー」


塞(……余計な消耗したかも)



トシ「おや、まさか先にそっちを塞ぐとはねぇ」

豊音「原村さん相手じゃしかたないかも」

白望「実際、連荘は止めておいて正解だったと思う」

胡桃「清澄をトップから引きずりおろさなきゃね!」

エイスリン「Hmm……Big tits」スカッ





恭子「今ので副将も収支はプラスですね」

由子「うんうん、堅実なのよー」

「漫ちゃんはもうちょい頑張らんとね~」

漫「うぅ、肩身が狭い……」

洋榎「よしっ、そのままいったれ!」



塞「ロン、3900」

初美「はーい」


塞(どうにか上がれたね……でも、次は薄墨が北家)


初美「……」ズズッ


塞(さぁ、来なよ……悪石の巫女!)





霞「さてさて、この試合で何回あがれるかしら、役満」

巴「一回上がるだけでも負債がなくなりますね」

春「そうしたら私の黒糖も戻って――」

霞「来ないわよ?」

春「なん……だと……?」シオシオ

巴「ああっ、はるるがしおれて」

春「私はもうダメ……せめてお墓には一日ひと袋黒糖を……」

霞「大げさね……はい、これ飲んで」

春「ん……こ、これは!」

霞「黒糖ジュース。ためしに作ってみたの」

巴「いつの間にそんなものを……」


小蒔「えへへぇ、京太郎さまぁ」ムニャムニャ





絹恵「ノーテン」

塞「聴牌」

和「ノーテン」

初美「……聴牌です」


塞(ふぅ……消耗するけど、しっかり塞げてる)

塞(でも最後まではキツイかな……)

塞(それにしても……)


初美「ぶぅ……」


塞(親に振り込んでまで北家を続けようとするなんて……)

塞(今回は流局したから助かったけど)

塞(なんにしても前半戦、薄墨の北家はあと一回)


初美(せっかくの北家なのにあがれないなんて……)

初美(宮守の副将、本当にこっちの手を塞いでるのですよ……)

初美(でも、塞ぎ続けることはできないみたいですねー)

初美(こうなったら根比べ……とことんやってやるのですよ!)





『前半戦終了――!』



塞「つ、疲れたぁ」

白望「お疲れ」

塞「あれ、珍しい。シロが出てくるなんて」

白望「心配いらないよ、トイレのついでだから」

塞「うん、ぶち壊しだね」

白望「……がんばって」

塞「まぁ、任せなさい」


京太郎「お、休憩中か」



塞「今日はよく会うね」

白望「ども」

京太郎「お疲れだな」

塞「あはは、まだ大丈夫」

京太郎「これ、やるよ」

塞「ジュース?」

京太郎「糖分補給にいいと思ってさ」

塞「いいの? 敵に塩送っちゃってさ」

京太郎「心配すんな、もののついでだ。うちの副将に届けるとこだから」

塞「だよね」

京太郎「ほら、お前も」

白望「……ありがと」

京太郎「ま、無理せず頑張れよー」


塞「……やっぱりさ、なんか似てるよ」

白望「それ、前も言われたね」

塞「いや、見た目だけじゃなくてさ」

白望「……自分じゃよくわからないかな」





京太郎「それじゃ、俺は戻るぞ」

和「あの、先輩」

京太郎「ん?」

和「ご褒美、ほしいです」

京太郎「褒美ね……」

和「もちろん、活躍できたらでいいですから」

京太郎「んー、そうだな、頑張ってるしな」

和「約束です」

京太郎「おーけー」


和(私が頑張ればお父様に認めてもらえる)

和(ゆーきや咲さんとも一緒にいられる)

和(それに、先輩のご褒美……キス、とか)

和(負けられませんね)





京太郎(ご褒美かぁ……食べ物、いやぬいぐるみとかか?)


京太郎「なんにしても気合は十分っぽいな」


はやり「あ、京太郎くん発見」


京太郎「は、はやりん!」

はやり「そうだよー、京太郎くんのはやりんだよっ☆」

京太郎「ど、どうしてこんなところに、解説中じゃ」

はやり「ちょっと休憩中なんだ。これから戻るところ」

京太郎「頑張ってください。俺、リモコンぶんどってでも見ますから!」

はやり「うーん、それより……」ギュッ

京太郎「!?」

はやり「ちょっと来てもらおうかな?」





「さて、後半戦の開始です……ところで瑞原プロ、その男子生徒は一体」

はやり「えー? 須賀京太郎くん。地方のイベントで手伝ってくれたことがあるんだよ?」

「は、はぁ……」

はやり「大丈夫、京太郎くんはタレント性あるから☆」

「そういう問題ではないんですけど……」


京太郎「……」ガッチガチ


京太郎(なんだこの状況は……)

京太郎(てか、これがテレビデビューか?)


はやり「さ、ここ座って?」

京太郎「は、はいっ」


京太郎(腹をくくれ、俺。もうどうにもならん……!)





玄「さーて、今日の瑞原プロのおもちは……」ポチッ


京太郎『……』ガッチガチ


玄「ふぇ?」

玄「……おっ、おおおっ、お姉ちゃーん!」


宥「なにー?」

玄「きょっ、京太郎くんが瑞原プロとおもちで!」

宥「わぁ、京太郎くんだぁ」ホッコリ



怜「あ、須賀くんやん」

竜華「こらっ、話そらそうとしてもダーメ」

セーラ「たしかに須賀やな」

泉「あ、本当ですね」

「須賀? 先輩たちが話してたアレですか」

竜華「うそっ、ほんまに!?」





淡「あ、キョータローだ」

菫「……なんでテレビに」

照「……」


照(瑞原プロと一緒なんだ……)

照(ちょっと鼻の下、のびてる)


淡「どーかしたの?」

照「ううん、相変わらずだと思っただけ」

淡「ふーん」


「……ねえ、なんか最近淡と宮永先輩、空気微妙じゃないか?」

「私にはよくわからないかな」ズズッ





姫子「部長、こい見てください!」

哩「なんね……って、須賀くんはなんばしょっとね……」

煌「テレビ出演……すばらです!」


「……誰?」

「わからん。多分政治が悪い」



成香「チカちゃんっ、これ!」

誓子「須賀くん? ……なにしてるのよ、もう」

揺杏「テレビ出演とか有名人じゃん」

爽「ってことは友達の私らも有名人!?」

誓子「そんなわけないでしょ」





ネリー「サトハー、これこれ」

智葉「メグのことなら心配いらないだろう」

ネリー「そっちはいいよ。こっちだってば」

智葉「解説か? ……なぜ須賀がそこにいる」

明華「スカウトされた……とか?」

ハオ「拉致されたとか」

智葉「もうちょっと現実的な答えを頼む」

ネリー「まいったなぁ、見てるんだったらもうちょっと流れ寄せといたのに」



久「京太郎、ちょっと遅いわね」

まこ「また道草でもくっとるんじゃろ。心配いらん」

優希「さ、さすがにギブだじぇ……」

咲「……よくあの量、食べれたね」





和「ツモ、4000オール」

和「ロン、8100」

和「ツモ、2200オール」


塞(ここにきて清澄がのってる……!)

塞(しかも薄墨が北家……まずいぞ、この状況)

塞(もう限界が近いのに……)


絹恵(あかんわ、せっかくお姉ちゃんが稼いできたのに……)

絹恵(まずは清澄を止めな、どうにもならんし)

絹恵(だれかが上がるか流局するか……)


初美「うぅ……」グスッ


絹恵(永水はあかん。自分が上がれないなら親に振り込んででも北家を続けようとするし)

絹恵(じゃあうちか、宮守か)チラッ


塞「……」トン

絹恵「――っ、ロン! 1300は2200!」


塞(うまくいった……姫松も同じ考えだったみたいだね)





トシ「うまいことはまったねぇ」

胡桃「清澄調子のりすぎ!」

白望「そうだね、結構点差も開いちゃったし」

豊音「私が取り返すから問題なしだよー」

エイスリン「メザセ、ユウショウ!」



洋榎「相手の差し込み、うまいこと入ったなぁ」ホッコリ

恭子「このまま順調にいけばいいんですけど」

由子「なにか心配事?」

恭子「宮守は明らかに永水を警戒してるけど、清澄はそうでもない」

漫「トップの余裕ですかね?」

「もしくは、うちらが警戒してる隙を狙ってるとかやないの~?」

恭子「なんにしても薄墨の北家はあと一回……油断は禁物です」





和「リーチ」


塞(親リーチ!? また連荘するつもりか!?)

塞(まだ薄墨は鳴いてない。これなら原村を塞げば……!)


初美「カン」

初美「もう一回、カン」


絹恵「――っ」

塞「――っ」


絹恵(最初から持ってた!?)

塞(暗槓でもありなのか……!)

初美(この千載一遇のチャンス……今度こそ上がってやるのですよ……!)


塞(あーもう、どうする、私!)

塞(もう塞げるのはこの局が最後……なら)



塞「……」ジッ

和「?」


和(また、なにか重いような……)


塞(オリに徹して、原村は塞ぐ)

塞(振り込め……全中王者!)


和「……」トン

初美「ロン! 32000!」

和「……はい」


和(リーチをかけていたとはいえ、役満に振り込んでしまうなんて……)

和(少し、焦りすぎましたね)

和(これじゃご褒美なんてお願いできません)





久「あちゃ~、振り込んじゃったかぁ」

まこ「まぁ、-32000でもスタート時と同じくらいじゃけぇ」

久「それもそうね。トップなのは変わらないわけだし」

優希「こ、これぐらい、県大会の決勝に比べればマシだじぇ……」ウプッ

まこ「まったくじゃ。次鋒で役満を二回あがるやつはいるし、大将では三回も飛び出す始末」

久「長野が魔境だっていう人もいるけど、正直そこらへんは大きいわよね」

咲「あ、あはは……」



『副将戦終了――!』





はやり「それじゃ、またねー」

京太郎「はーい」デレデレ


京太郎「いやー、まさか頬にキスしてもらえるとは……」

京太郎「よし、またライブに行こう、そうしよう」


豊音「あ、京太郎……くん?」


京太郎「ああ、今から試合か」

豊音「うん……あのね、一つ聞いてもいいかな?」

京太郎「スリーサイズ以外だったら」

豊音「それじゃあさ――」


豊音「そのほっぺたの口紅、なぁに?」


京太郎「ほっぺた……口紅……まさか!」バッ

豊音「まさかってことは覚えがあるんだ」

京太郎「いや、これはさっき――」



春「うう……黒糖……」フラッ


京太郎「……」

豊音「……」

春「……浮気を問い詰められて追いつめられる男の図?」

京太郎「登場するなりなんてことを言いやがる!」

豊音「そんな、浮気とか……まだお付き合いもしてないよー」モジモジ

春「じゃあ早い者勝ち」チュッ

京太郎「……は?」


豊音「あー!」


春「この人は私の……じゃなくて姫様のものだから」

豊音「わ、わたしもするー!」

京太郎「ちょっ、ウェイトウェイト!」





京太郎「はー、どうにか試合に向かわせることに成功したぜ」

春「この女誑し」

京太郎「おまえはなんだ。やっぱり俺に恨みでもあるってのか」

春「別に。でも当然の報い」


春「その口紅、相手は?」

京太郎「黙秘権を行使する」

春「ダメ、あることないこと付け加えて姫様に報告する」

京太郎「こら、ないことは付け加えるな」

春「あなたにはないけど、清澄には黒糖の恨みがある」

京太郎「黒糖の恨み?」

春「清澄と姫松のせいで取り上げられた……」

京太郎「おまえなぁ……」

春「もし黙っていてほしいなら、口を塞げばいい」

京太郎「は?」

春「んっ」



京太郎(なんだこれ、また口移しとかそういう話か?)

京太郎(でも黒糖はないし……)


京太郎「……動くなよ」

春「……」ドキドキ

京太郎「そのまま……ていっ」ゴツン

春「――っ!?」

京太郎「まったく、おまえがからかってくるのは毎度のことだもんな」

春「……痛い」サスサス

京太郎「しょうがないな……ちょっとこい」





春「黒糖入りの飴?」

京太郎「近くに売ってた。これだったらまぁ、多少はマシだろ?」

春「うん」

京太郎「ばれないように隠しとけ」

春「わかった」ゴソゴソ

京太郎「それじゃ、黒糖分補充して元気になったら戻れよ?」

春「あの……あ、ありがとう」

京太郎「気にすんな。お前が黒糖食べてるところ見ると、なんか安心するんだよ」ワシャワシャ

春「わっ」

京太郎「はは、じゃあな」


春「……手強いなぁ」





京太郎「ただいまー、試合どうなってる?」

久「どこ行ってたのよ」

京太郎「いや、ちょっとはやりんと会っちゃって……」

久「あんたそこに関してはほんと揺るぎないわね」

京太郎「空けてたことは悪かったって。で、もう副将戦終わったんだろ?」

久「そうね。うちはほとんど点数変わらずトップ。姫松と宮守が下がってその分、永水が上がった感じね」

京太郎「えっと、順位的にはうち、姫松、宮守、永水か」

久「でもあんまり点差はないから油断はできないってところかな」

京太郎「なるほど」


まこ「なんじゃ、いたんかい」

京太郎「他の二人は?」

まこ「優希が腹痛で和はその付添いじゃな」

京太郎「タコスがなくなってる……まさか一気に食べたのか?」

まこ「そういうことじゃ」

京太郎「ある意味感心するな……」

久「とりあえず見守りましょう。もうそれぐらいしかすることないし」





咲「嶺上ツモ、1300・2600」


恭子(これで二連続嶺上開花……噂通りやな)

恭子(永水の石戸も宮守の姉帯もまだなんか隠し持ってる……)

恭子(二位に甘んじてどうにかなる状況やない)

恭子(ここは――)


恭子「リーチ!」


恭子(できるだけ食いとって点数を稼ぐ……!)


豊音(末原さん、ちょー速いよー)

豊音(どうしよう、使おうかな?)


恭子「ツモ、1000・2000!」


咲(わっ、親番とばされちゃった)

霞(あらあら)


末原「ロン、5800」

末原「ツモ、2700オール!」





洋榎「キレッキレやなー、恭子のやつ」

絹恵「うちが減らした点数があっという間に……」

由子「速さは恭子の武器なのよー」

漫「か、かっこいい……」ボソッ

「え~? なぁに漫ちゃん」

漫「な、なんでもないですっ」



豊音(やっぱりすごいよー)

豊音(でも、親の連荘は止めないとねー)ズズッ


恭子「リーチ!」

豊音「じゃあ、私も」


豊音「通らばー、リーチ」

豊音「追っかけるよー」


恭子(追っかけ……殴り合いか)

恭子(当たりが多いのか、そこまでして上がりたい大物手なのか)トン



豊音「ロン、8000の二本場はー、8600」

恭子「――っ」


恭子(振り込んでもうたか……)

恭子(ならその分稼げば……!)


恭子「リーチ!」

豊音「追っかけるよー」


恭子(また追っかけ!?)

恭子(そうそううまくいくはずが――)トン


豊音「ロン、12000」

豊音「次、私の親番だね」





久「あれが姉帯さんの……」

まこ「わしらと打ってるときは普通にやってたがの」

久「多分あの熊倉さんが止めてたのね」

まこ「情報流出を避けたわけかい」

久「その点、私たちってお構いなしに打ってたわよね」

まこ「対策されて当然じゃな」

久「うっ……」


京太郎(でも、きっとあれだけじゃない)

京太郎(まだなにかある……)





恭子(あかん、宮守にトップを取られた……!)

恭子(もうちょい様子見しときたいとこやけど……)


豊音(末原さん、おとなしくなったかな?)

豊音(じゃあ、次は赤口で……)ズズッ


豊音「ツモ、4000オール」

豊音「連荘、いっちゃうよー?」


恭子(宮守の大将……! 能力は一つだけやない!?)

恭子(様子見しとったら試合が終わる)

恭子(ここはリーチを避けて、確実に……!)


豊音「――♪」トン

咲「カン――ツモ、2100・4100……責任払いですね」

豊音「わわっ」



豊音(宮永さん、ちょーすごいよー)

豊音(でもね……負けないよ?)ズズッ


豊音「ポン」

豊音「チー」


恭子(ここで副露? まだなにかあるんかい……!)


豊音「チー」

豊音「ポン」


豊音「ぼっちじゃないよー」


恭子(裸単騎? 一体どういうつもりで……)


豊音「ツモ、1300・2600です」


霞(ふんふむ……そろそろ前半が終わる)

霞(だいぶ削られてしまったわ)

霞(使うとしたら、後半からね)

霞(……この、忌まわしい力を)





『前半戦終了――!』



胡桃「トヨネ! お疲れ様」

豊音「みんな強いよー」

トシ「でも、あんたならできるさ」

豊音「うん、まだまだ終わらせたくないからね」


豊音「頑張っちゃうよー?」



洋榎「恭子」

恭子「主将……」

洋榎「キツそうやな」

恭子「実際キツいですわ。どいつもこいつも常識はずれ……なんぼメゲそうになったことか」

洋榎「でも、やってくれるんやろ?」

恭子「もちろんですよ。たかが凡人、されど凡人」


恭子「その意地ってやつ、見せてやります」





巴「霞さん」

霞「大丈夫よ。去年みたいなことにはならないから」

巴「頑張ってください。試合が終わったらすぐに私とはるるで祓っちゃいますから」

霞「ええ、お願いするわ」


霞(抑え目でいけば大丈夫、小蒔ちゃんも離れてるから心配いらない)

霞(あとは、私の気の持ちようね)



咲「……優希ちゃん、大丈夫?」

優希「膨大なタコス力を蓄えたが故、このような事態を招くとは……」

和「何を言っているんですか。ただの食べ過ぎですよ」

優希「そうとも言う」

和「そうとしか言いません」

咲「……みんなで勝とうね」

優希「もっちろん」

和「はい」


咲「じゃ、行ってくるね」





久「さて、どうなるかしらね」

まこ「宮守とうちが大体同じで、ちょっと下がって姫松……永水は一人沈みじゃな」

久「もちろん、このまんまってことはないと思うんだけど」

京太郎「だな……」


京太郎(去年、石戸がやってたことを考えれば……)


京太郎「ひょっとしたらやばいのが来るかも」





霞(私は小蒔ちゃんの身代わり)

霞(一番近しい血筋で、容姿も似ている)

霞(小蒔ちゃんに寄り付く禍を引き受けるのが役目)

霞(逆に考えれば、その力を利用することも可能ということ)

霞(さぁ……)ゾゾッ


豊音「――っ」

咲「……」


恭子(なんや、悪寒……?)


霞「次は私の親ね」ポチ


恭子(今まで動きがなかった永水……)

恭子(あがらず、されど振り込まず)

恭子(仕掛けてくるならここやな)


霞「……」トン

咲「……」トン

豊音「……」トン

恭子「……」トン



霞「ツモ、混一色ドラ2……6000オール」


恭子(染め手? 河を見ても読めんかった……)

恭子(むしろ萬子を締め出そうとしてるように……まさか!)

恭子(うちの河と他の二人の河……萬子だけが見当たらない)

恭子(傍から見たら染め手に見えるこの捨て牌……もし他の二人もまったく萬子を引けなかったとしたら)

恭子(うちらに回ってくるはずだった萬子を、全部永水のおっぱいオバケが持ってった?)

恭子(結果こっちは絶一門……)


霞「連荘ね」


恭子(永水の大将は守りが得意……)

恭子(それが一度攻撃に転じたらこうなる)

恭子(結局うち以外みんな化物ってことかい!)





小蒔「んん……」

初美「あ、姫様お目覚めですねー」

小蒔「また、眠ってたんですね」クゥ

巴「お饅頭食べます?」

小蒔「お願いします」

春「じゃあ私はお茶を用意する」


小蒔「霞ちゃんは……試合、みたいですね」

初美「丁度今攻撃に転じたところなのですよ」

小蒔「じゃあ、今は……」


小蒔(霞ちゃんが降ろしているもの)


『どうして……どうしてどうしてどうしてっ!!』


小蒔(私は、あれを身に宿したことが……ある?)


初美「姫様?」

小蒔「え、あ……だ、大丈夫です」


小蒔(負けないで、霞ちゃん……!)





霞「ツモ、8100オール」


豊音(石戸さん、やばやばだよー)

豊音(打点も高いし、親にさせておくのはまずいよね)

豊音(あんまり使いたくないけど……仏滅)ズズッ


霞「ノーテン」

咲「ノーテン」

豊音「ノーテン」

恭子「ノーテン」


霞(寄ってくる牌は相変わらず)

霞(だというのに聴牌にこぎつけなかった)

霞(これも宮守の子の能力かしら?)

霞(でも今の親で一気にトップ……このままいけるといいけれど)


恭子(これで永水の親は流れた……でも出てくる牌の状況は相変わらず)

恭子(もしかしてずっとこんな感じなん?)

恭子(キツいなぁ……)



洋榎『由子、恭子、今日もやるで』

由子『また三麻なん? 最近ずっとそれなのよー』

洋榎『三人しかおらへんのやから仕方なしー』

恭子『まぁ、これも練習になると考えれば』


恭子(……でも、負けられへんのはこっちかて同じ)

恭子(才がない以上、頭使うしかない)

恭子(考えろ……現状、また一種類だけ全く来ない)

恭子(この状況、まさに三麻やってるときと同じやな)

恭子(だとすれば、多少の対応もできるっちゅー話や)


恭子「チー」

恭子「ツモ、1000・2000!」


霞(この状況下であがってくるなんて……)

豊音(末原さん、ちょーかっこいいよー)



恭子「……」トン

咲「カン」

恭子「――っ」


恭子(あかん、リンシャンツモ……!)


咲「……」トン

恭子「……」


恭子(普通に捨てた? 手が揃ってなかったんかな?)


咲「ツモ、1300・2600です」


恭子(と思ったらあがった……もうなんやねんな)





京太郎「なんだ、今の上がり」

まこ「さあの」

久「多分だけど、試してたんじゃないかしら?」

京太郎「自分の能力をか?」

久「あの状況下でどれぐらい通用するのかをね」

まこ「となると、次は……」



咲「ツモ、2000・4000」


恭子(親っかぶりでさっき稼いだ分が吹っ飛んでった……!)

恭子(めげるわ……なんて言っとる場合やない!)


霞(あら、またトップを取られてしまったわ……)

霞(もうこの局で終わりだし、一回上がって終わりにしましょうか)


豊音(かなりやばいかも……)

豊音(最後の局、しっかり上がらないとね……!)





洋榎「恭子……」

由子「もう最後の局、恭子に全部任せるしかないのよー」

絹恵「ラスからの逆転……」

「ん~、ちょっと心配やね~」

漫「先輩はっ!」


漫「先輩は、絶対勝って帰ってきます!」


洋榎「……せやせや! よし、パーティーの準備して待っとこか!」

絹恵「お姉ちゃん、それは気が早すぎや」

由子「羨ましいのよー」

「もう、漫ちゃんは末原ちゃんが好き好きやんな~」

漫「え、あ……そ、それはなんというか」カァァ





洋榎「恭子……」

由子「もう最後の局、恭子に全部任せるしかないのよー」

絹恵「ラスからの逆転……」

「ん~、ちょっと心配やね~」

漫「先輩はっ!」


漫「先輩は、絶対勝って帰ってきます!」


洋榎「……せやせや! よし、パーティーの準備して待っとこか!」

絹恵「お姉ちゃん、それは気が早すぎや」

由子「羨ましいのよー」

「もう、漫ちゃんは末原ちゃんが好き好きやんな~」

漫「え、あ……そ、それはなんというか」カァァ





恭子(ラスト一局……これで上がれなかったら全部おしまい……)

恭子(化物ぞろいのこの卓で、誰よりも速く)

恭子(やれるか……いや、やらなあかん)

恭子(うちには大した才能も運もない)

恭子(でも、うちには仲間から受け取ったバトンがある)

恭子(それに、あの人から受け継いだ技術がある……)

恭子(それだけあれば十分すぎる――!)


恭子「ポン!」


豊音(わっ、ドラ鳴かれちゃった)

豊音(こっちも赤口で対抗して……)ズズッ


霞(くっ……力の制御が)ゾゾッ


咲「――カン」


咲(えっ? あがれない……?)トン

咲(まさか、鹿児島のお姉さんの力が)



恭子(引きが悪い、運が悪い……舐めんなっ!)

恭子(上がる、絶対上がる、意地でも上がる……!)


恭子「ツモ! 6000・12000!」



『大将戦終了――!』

『激闘を制し、一位で通過したのは――姫松高校です!』



てなわけで終了
クッソ長くなりましたね

安価とかはまた今度取ろうと思います

てなわけで次回は

『三年、夏、勝敗の後に残るもの』です

それじゃ、失礼します

あけおめことよろ

あと二週間でこのスレも一周年
一年以内には終わるだろうと思ってたあの頃が懐かしいですね

それはともかくとして安価とります

永水、姫松、宮守の中から一人どうぞ

下1~下3

コンマ

エイちゃん:3の倍数
かすみん:それ以外

ゾロ目:のーうぇい

直下

かすみんで了解

次、行きます

清澄、永水、姫松、宮守以外のキャラを一人どうぞ

阿知賀と照は選べません

下1~下3

コンマ

淡:3の倍数
ネリー:それ以外

ゾロ目:どっちも

直下

ネリーっすね

こんなにいるんだったら範囲増やしとけば良かったな……
なんか申し訳ないんでもう一人ぐらい

選べるのはさっきと同じで

下1~下5

見事にバラバラ

竜華:1-20
咏:21-40
哩:41-60
由暉子:61-80
淡:81-00

ゾロ目:?

直下

ゆきんこで了解

それじゃ、次の話と関係ないけど安価をもう一つ

1と2のどちらか好きな方をどうぞ

これは多数決です

下1~下5

2で了解

この安価の結果は今日のどこかで反映される予定です

それじゃ失礼します



中学二年、元日、二人の願い


照「京ちゃん、おはよう。初詣」

京太郎「……眠い、明々後日にしてくれ」

照「それだと三ヶ日が終わっちゃう」

京太郎「昨日は親戚に会いに行ってたから疲れてんだよ……」

照「京ちゃんも必勝祈願した方がいいと思う。一年の計は元旦にありって言うし」

京太郎「照ちゃん……」

照「わかってくれた?」

京太郎「出店に興味があるだけだろ」

照「……そんなことない」メソラシ

京太郎「しかももうすぐ昼だし、元旦はもう過ぎたってことで……はい解散」

照「ダメ、用意して」

京太郎「眠さマックス。しばらくは布団の住人だから……」

照「ダメ、起きて」ユサユサ

京太郎「ん~……」

照「起きて、京ちゃん」ユサユサ

京太郎「あーもう、わかったよ……」フワァ

照「じゃ、下で待ってるから」


京太郎「……サクッと行ってサクッと帰ってこよう」





京太郎「ふわぁ……」

照「あくび、おっきい」

京太郎「だから帰ってきたのが遅かったんだって」

照「親戚のところに行ってたんだよね?」

京太郎「ああ……だけど同年代のやつ少なくてさ」


京太郎「いや、でも一人だけ可愛い子はいたな」


照「……」ピクッ

京太郎「そういや胸もおっきかったなぁ」シミジミ

照「……」ギュッ

京太郎「えっと、しがみつかれたら動けないんだけど」

照「チョコバナナ」

京太郎「は?」

照「チョコバナナ、食べたい」

京太郎「わかった、わかったから」

照「んっ」パッ

京太郎「それじゃ」ギュッ

照「あ……」

京太郎「迷子になられても困るし、手は繋いどくか」

照「うん」





京太郎「さすがに人多かったな」

照「みんなきっと出店が気になってる」

京太郎「いや、主たる目的は参拝だろ」


京太郎「でも、初詣はしばらくぶりだな」

照「そうなの?」

京太郎「うちの母さんが行きたがらないからさ」

照「そうなんだ」

京太郎「前に行ったのは……そうだな、小学生の時だったっけ」

照「私と会う前?」

京太郎「多分」

照「……ふーん」



照「ねえ、京ちゃんはなにお願いしたの?」

京太郎「そうだな、はやりんにキスしてもらえる――」

照「むっ」

京太郎「というのは冗談で……照ちゃんがお腹を壊さないようにって」

照「……」ジトッ

京太郎「わかったわかった、正直に言うよ」


京太郎「ずっとこうやってられたらいいなって」


照「……」ギュッ

京太郎「今度は腕をホールドか」

照「当ててる」

京太郎「ごめん、何が当たってるのかわからない。コートのボタン?」

照「むっ」

京太郎「それより照ちゃんはなに願ったんだよ」

照「……教えない」

京太郎「じゃあ当てよう……そうだな」



京太郎「ポッキー一年分とか?」


照「……その手もあった」

京太郎「あ、一応外れたのね」

照「ハズレはハズレ。私の言うこと聞いてもらう」

京太郎「事後承諾とは卑怯な……で、なにすりゃいいのさ」

照「このままでいい」

京太郎「マジか、中々に恥ずかしいんだけど」

照「ダメ、離さないから」ギュウウ

京太郎「しゃあないな……」

照「ふふっ」


照(ずっと、このまま……)



今日は元日なので一つ

2が選ばれたので二番目の幼馴染の出番ということで

それじゃ、去ります

こんばんはー

ちょっと遅いけどもう少ししたらやります

んじゃ、やります



・三年、夏、勝敗の後に残るもの


『大将戦終了――!』


京太郎「終わった、か」

まこ「中々危うかったのぅ」

久「姉帯さんに石戸さん、とんでもない力の持ち主には違いないけど……」


『激闘を制し、一位で通過したのは――姫松高校です!』


久「蓋を開ければ姫松が一位でうちが二位」

久「咲が手を抜いていたわけではないんでしょうね」


優希「でも、咲ちゃん最後は驚いた顔してたじぇ」

和「まるで想定外のことが起こったような、そんな顔でした」

まこ「ふむ、たしかに最後のカンは意味不明じゃったな」

久「意味不明ってより不発ね。当たりを引けてたら一位抜けだったもの」

京太郎「……」



京太郎(あの絶一門……間違いなく石戸のだ)

京太郎(ということは、あれを降ろしたのか)

京太郎(去年の夏、小蒔を乗っ取った……)


京太郎「ちょっと出てくる」

和「私も迎えに行きます」

京太郎「いや、俺は別件だ。咲の方を頼む」





和「咲さん、お疲れ様です」

咲「うん、どうにか二位通過だけど」

和「それでも次に進めたんだから、問題ありませんよ」

咲「でも、私一位通過するつもりだったんだ」


咲(なのに、最後の局で……)


咲「あのやな感じ、まだ続いて……ううん、大きくなってる」

和「?」

咲「戻ろ、疲れちゃった」





照「……京ちゃん」

照「久しぶりに顔見たな」

照「ちょっとかっこよくなってた」

照「もう三年半だもんね……」


照「……ポッキー、買ってこよ」





霞「……ちょっと、つらいわね」フラフラ

霞「まさか一瞬でも制御を誤るなんて……」

霞「まだまだ修行が足りないということかしら」

霞「いえ、これは――」


『私では、ダメ?』


霞「私の心の弱さ……」

霞「だから、隙を突かれたのね」

霞「は、やく……祓ってもらわないと……」ゾゾッ


京太郎「やっぱりか」


霞「――っ、聞いていたの?」

京太郎「探してたからな」

霞「私を?」

京太郎「ああ、最後のとこでやな感じがしたからさ」

霞「そう……あなたはあの場に居合わせていたものね」



霞「でも、大丈夫。すぐ巴ちゃんたちに祓ってもらうから」

京太郎「本当に大丈夫なのか?」

霞「ええ、小蒔ちゃんには危険は及ばないわ」

京太郎「小蒔じゃない、お前だよ」

霞「ふふ、問題ないわ」

京太郎「なるほど、問題ありと」

霞「ええっと、今問題ないって言ったばかりのはずだけれど」

京太郎「つまりそれが嘘だな」

霞「祓ってもらえばまた元通りなのよ?」

京太郎「……」トン

霞「あ……」フラッ

京太郎「ほら見ろ」ガシッ



京太郎「軽く押しただけなのにふらふらだ」

霞「……一時的なものよ」

京太郎「悪いけど、あんまり信用はできないな。お前みたいなやつは特に」

霞「酷い言われようね」

京太郎「だってお前、また抱え込もうとしてるだろ」

霞「……」

京太郎「どうせこうなったのも自分が悪い、負けてしまったのも全部自分のせいとか思ってるだろ」

霞「……そうよ。でもそれの何が悪いというの?」

京太郎「悪いね。他のやつらを信頼してないのはともかく、俺にまでそうするのはな」

霞「私の重荷を一緒に背負う気はない、そう言ったのはあなたよ」

京太郎「そんでお前は俺を支えたいって言ったよな。自分はそうしようとするくせに俺にさせないのは不公平だ」

霞「呆れた……自分のことは棚に上げておいて」

京太郎「ああ、じゃあ正直に言ってやるよ」


京太郎「俺は抱え込んで苦しそうにしてるやつを見るとムカつく」

京太郎「同じように悲しそうにしてるやつや泣いてるやつを見るのもイラってくるな」

京太郎「全く知らない他人だったらいいけど、知ってるやつだったらなおさらだ」

京太郎「だからお前のこともほっとかない。諦めろ」



霞「なんて酷い身勝手……」

京太郎「そうだ。全部全部俺がそうしたいからだ。当たり前だろ」

霞「呆れ果てたわ……あなたがそんな人間だったなんて」

京太郎「ああ……これからすることはもっと酷いけどな」


京太郎「――霞」ギュッ


霞「――っ」

京太郎「もういいから、せめて俺の前でだけは」

霞「やめて、はなして……」

京太郎「やめない。だってお前、俺のこと好きだろ」

霞「違う、ありえないわ……」

京太郎「なら好きになってもらう」

霞「でも、あなたはきっと私のものにはなってくれない」

京太郎「言ったろ、もっと酷い事するって」

霞「酷い、酷すぎるわ……」ポロポロ

京太郎「だから気にしないで押し付けろ。それでお前が楽になるなら」

霞「いや、いやぁ……」ゾゾゾッ


霞「代わりなんていや! 羨ましい、妬ましい……!」


霞「あなたに、愛されたい……」



京太郎「――っ」ズズッ


京太郎(来た、これが石戸が降ろしていたもの……)

京太郎(ほんと、ろくでもない力だよな)


『結局のところ、久ちゃんのそばにいるのは罪悪感だ』


京太郎(まったくだ。でもそれだけじゃない)


『笑えるよな。みんなしてこんなやつを頼ってるんだから』


京太郎『そうだよ。でも嬉しいだろ、そういうの』


『でも恨んでるんだろ? なにも言わないでいなくなったあの女を』


京太郎「……」



『――私が京ちゃんから離れてくなんてありえない』


京太郎「本当、そうだよな」

京太郎「あれだけ一緒にいたのに……どれだけポッキーやったと思ってるんだよ」

京太郎「なのに何も言わないでいなくなりやがって」

京太郎「言いたいことなんて山ほどある」


京太郎「……でも、一番言いたいのは――」





巴「霞さん!」


京太郎「ああ、大丈夫だ」

巴「でも、まだ力が残って……」

京太郎「俺が大部分を引き受けた。だからそっちに残ってるのはすぐ祓えるだろ、多分」

巴「そんなまさか……え? 本当に霞さんからは少ししか……」

京太郎「それぐらいだったら心配いらないだろ。だからもう任したわ」

巴「ちょっと待ってください……あなたはなにをしたんですか?」

京太郎「……他人の運気を奪う力なんだってさ。だからそういうのも奪えるんじゃないかって」

巴「まさか、姫様の時も……?」

京太郎「そうなんだろうな……じゃ、そういうことで」

巴「待って、あなたも祓います」

京太郎「こっちにきたやつは徐々に戻ってくから問題ない」

巴「そういう問題じゃありません」

京太郎「悪いけど一人にしてくれ……それとも、神様に勝った俺が信じられないってのか?」

巴「だからそういう問題じゃ……!」

京太郎「うるさいキスするぞ」

巴「~~!?」カァァ

京太郎「じゃあな、こいつ頼むぞ」



巴「どうして、そこまでして……」

京太郎「多分、あのままほっといたら去年よりまずくなってたんじゃないか?」

巴「……」

京太郎「そうなったら困る。この夏は久ちゃんの夢がかかってるからな」

巴「本当に、そんな理由だけで……」

京太郎「ああ、結局自分のことしか考えてないんだよ」

巴「嘘です。だってあなたは去年、姫様を!」

京太郎「勝手に勘違いするのは自由だけどな」


京太郎「悪いけど、俺はそういうやつなんだよ」





京太郎「だる……さっきから頭の中でうるせえし」

京太郎「いい加減諦めろよな。そんなんで今更揺らぐわけないだろ」

京太郎「ふぅ……」


ネリー「お疲れだね」


京太郎「試合、終わったのか」

ネリー「ちょっと時間がかかっちゃったけどね」

京太郎「意外だな。お前もうちのやつと同じ類だと思ってたんだけど」

ネリー「ネリーは無駄な出費はしない主義だよ?」

京太郎「あー、要するにケチか」

ネリー「元ケチな人には言われたくないよ」

京太郎「お前な、元つけたらなんでもありになっちゃうだろ」

ネリー「また一緒に何か食べられるかなって思って」


ネリー「でも、結構やばそうなもの抱えてるね」



京太郎「自己満足の塊だな」

ネリー「じゃあ興味ないかな」

京太郎「平常運転だな」

ネリー「うん。ということで行こうよ」

京太郎「おいこら、どこに連れてく気だ」

ネリー「ネリーの祝勝会」

京太郎「他の面子は?」

ネリー「キョウタロウだけだよ?」

京太郎「つまり俺にご馳走してもらおうって腹だな」

ネリー「それもあるけど、それだけじゃないかな」

京太郎「なんにしても無理だ。先約あるし」

ネリー「えー? 断ってよ、ネリーのために」

京太郎「清々しいくらいの自己中だな」

ネリー「だってそうじゃないと欲しいものは手に入らないもん」

京太郎「かもな……」フラッ



ネリー「ネリーを置いてっちゃうんだ」

京太郎「年下にかっこ悪いとこは見せられないからな」

ネリー「別にいいよ、キョウタロウに求めてるのはそういうことじゃないから」

京太郎「いい女ってやつは男の顔を立てるもんだぞ?」

ネリー「むっ、その言い方はズルいかも」

京太郎「年の功ってやつだ。悪いな」ワシャワシャ

ネリー「あ……」

京太郎「じゃあな。たまにはラーメンに付き合ってやれよ」





由暉子「あ、須賀さん」パァァ

京太郎「真屋か」

由暉子「試合、見ててくれたんですね。おかげで無事勝ち抜けました」

京太郎「俺のおかげってわけではないと思うけど……まさかのテレビデビューだよ」

由暉子「かっこよかったです!」キラキラ

京太郎「そ、そうか?」


京太郎(まぁ、たしかに年下にかっこ悪い姿は見せられないって言ったばっかだけどよ)

京太郎(とはいえ……だんだん流れ込んだ力が戻っていってる)

京太郎(お祓いってやつをやってるんだろうか)


由暉子「そういえば、須賀さんは瑞原プロとお知り合いで?」

京太郎「ん、まあ、色々縁があって前にも仕事を手伝ったこともあるんだ」

由暉子「なるほど……」

京太郎「また暇だったら手伝ってって言われてさ。はは、びっくりだよな」

由暉子「……」



由暉子(私がポストはやりんにおさまれば共演できるかも……)

由暉子(共演したことが縁になってお付き合いを始めることも多いと聞きます)

由暉子(そうしたらゆくゆくは……)


由暉子「頑張ってくださいっ、私も頑張りますから!」

京太郎「? あ、ああ……」


京太郎(俺はなにを頑張ればいいのか)


京太郎「まぁ、でもアイドルってのは大変だぞ? 恋愛はタブーって聞くし」

由暉子「あ、そうです……よね」

京太郎「デビューできたら陰ながら応援するよ。頑張れ」ポンポン

由暉子「ん……」

京太郎「じゃ、次の試合はお手柔らかに」

由暉子「はい、左手の封印を解いて臨もうと思います」

京太郎「はは、なんだそりゃ」





京太郎「……腹減ったな」

京太郎「結構楽になったし、戻ろうかな」


久「こんなとこでなにやってんのよ」


京太郎「久ちゃんか」

久「中々帰ってこないから探しに来たの」

京太郎「悪いな」

久「悪いと思ってるなら最初からやるなって言いたいけど……」


久「今度はなにをしてきたわけ?」


京太郎「やっぱわかるか?」

久「少なくとも私には」

京太郎「そうだよな……」


京太郎「……俺の力、使った」



久「私はなんともなかった……ということは」

京太郎「ああ、石戸に酷い事した」

久「……」

京太郎「……」

久「叩かないわよ? 罵ったりとかそういうことも」

京太郎「そっか」

久「どうせなにかをなんとかしようとして、とかそんな感じだろうし」

京太郎「お見通しか」

久「その上で、相手には自分のためにやったからどうのこうのって言ってきたんでしょ」

京太郎「いや、そこは本心だけども」

久「それってあんたがどう思ってようと関係ないのよね」

京太郎「だけど、人の心を弄んでることには変わりないから」

久「でも、両想いじゃないと意味ないんでしょ?」

京太郎「つまり、自分の気持ちも道具のように使ってるってことだよな」

久「また悲劇のヒーローぶって……」



久「前も言ったけど、あんたの能力って目に見えないつながりを表したものだって思うの」

久「あの子も好き、この子も好き……口で言うのは安っぽいし軽薄にしか映らない」

久「でも、あんたの想いってどれもこれも本物ってことでしょ?」

久「胸張ればいいじゃない。自分は愛が多いけど、どれも本物だって」


京太郎「……久ちゃん、皮肉混じってないか?」

久「当たり前でしょ。気に入るか気に入らないで言えば気に入らないんだから」

京太郎「だよな」


久「言っとくけど、きちっと清算しなきゃ本当に酷い事になるわよ」

久「一人を選ぶにしろ、全部抱え込むにしろ、愛想つかされるにしろ」


京太郎「……わかってるよ」

久「私だってこれで結構我慢してるの」


久「だから……ちょっとは誠意、見せてよ」



京太郎「……えっと」

久「言わなきゃわからない?」

京太郎「下手したら麻雀、できなくなるぞ?」

久「そこらへんはなんとかしてよ」

京太郎「どうにかなるんだったら苦労はしないって」

久「じゃあ、私もなんとかするから」

京太郎「無茶言うなよ……」

久「悪いけど、女って感情で動く生き物なの」

京太郎「これってある意味、叩かれたりするのよりきついんだけど」

久「じゃあいいお灸ね」

京太郎「……わかったよ。目、閉じてくれ」

久「んっ――」





照「道に迷っちゃった……」

照「ポッキーは手に入ったのに」ポリポリ

照「菫、探しに来るかな」

照「でも、ここに来る前は……」

照「京ちゃん、会いたいな」


『……久ちゃん、皮肉混じってないか?』

『当たり前でしょ。気に入るか気に入らないで言えば気に入らないんだから』


照「この声……まさか」

照「京ちゃんと、上埜……久」


京太郎『……わかったよ。目、閉じてくれ』

久『んっ――』


照「……そっか、そうだよね」

照「元はあの人の場所で、それが私の場所になって……そして戻っただけ」

照「だから、おかしなことなんて……あれ?」


照「ポッキー、なんだかしょっぱい」




『中学一年、秋、約束』
『三年、夏、再会』が解放されました

選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再会
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
十一月十三日、始まりの日
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ
八月二日、パンツの日
秋、ロッカーの中
秋、月見の夜に
九月二十一日、プレゼントの意味
九月二十四日、お揃い
秋、キャットチャンバー
秋、初めての学校祭
秋、牌のお兄さん
秋、こどな
秋、苗字と名前
冬、記憶と縁
冬、王者の休日
冬、蓼食う虫もなんとやら
冬、鎖でつなぐもの
三月、主役のいない旅行
三月、湯煙大作戦
三月、ゆきが消える前に

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック
初夏、個人戦9位と卓上の天使
初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
初夏、男子個人戦
初夏、南風
初夏、代償
初夏、いつも傍にあるもの
初夏、好きこそものの上手なれ
初夏、お兄ちゃんと一緒
初夏、将来の夢
夏、楽しい合同合宿(地獄編)
夏、楽しい合同合宿(天獄編)
夏、プライスレスなもの
夏、ストーカーズ
夏、ドライブ(と書いて決死行と読む)
夏、一足先の出立・一番星
夏、知り合いの多いインターハイ
夏、クレプスキュール
夏、鋭い女と時々レジェンド
夏、大きな彼女とサイン
夏、お金で買えるものと買えないもの
夏、絵描きの彼女と金髪と
夏、スク水巫女とお姫様抱っこ
夏、失くした記憶のありか
夏、第二回戦開始
夏、迷い家に東風――炎が爆ぜて神降る
夏、描いた夢と揺るがぬ強者
夏、塞ぎ封じるものと凡人の意地
夏、勝敗の後に残るもの
そのころの阿知賀編
そのころの阿知賀編その2
そのころの阿知賀編その3

・EX
小学五年、幼馴染
小学五年、嫉妬
小学五年、十月二十七日、憧憬
中学一年、十一月十一日、細長い棒状のお菓子
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、元日、二人の願い
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

んじゃ、どっちの話か選択で


1・三年、夏、再会

EX・中学一年、秋、約束


下2

EXで了解

まあ、所詮は二次創作なんで肩の力抜いて読んでください

したらば、去ります

いつもより早いけど、もう少ししたらやります

んじゃ、やります



・中学一年、秋、約束


照「……」フラフラ


京太郎『……わかったよ。目、閉じてくれ』

久『んっ――』


照「ここ、どこだっけ?」

照「……迷子になっちゃった」

照「そもそも、なんで麻雀やってたのかな……」


『じゃあ、夏の大会で三連覇。これでどうだ』


照「私の理由……京ちゃんとの……」





照「京ちゃん、お昼」

京太郎「いや、慌てなくても給食は逃げないから」

照「でもプリンはなくなるかもしれない」

京太郎「んなわけあるか。人数分用意されてるのに」

照「だれかが欲張って二個持ってくかもしれない」

京太郎「安心しろよ。一番やりそうな奴は見張っておくから」ジッ

照「まさかもう犯人に目星が……名探偵?」

京太郎「というかそんな事する奴は一人しか思い浮かばない」

照「許せない……私が先にとって守らないと」

京太郎「はい確保ー」ガシッ

照「離して、プリンが取られちゃう」

京太郎「落ち着け、まだ授業中授業中」





照「無事手に入った」ホクホク

京太郎「だから言ったろ」

照「でも今後そういうことが起こらないとも限らない」

京太郎「多分照ちゃんがおとなしくしてれば平和だから」

照「じゃあだれがプリンを守るの?」

京太郎「現状なら俺じゃないか?」


「あのさぁ、隣で夫婦漫才とか勘弁してくれよー」


京太郎「なにが夫婦か」

照「たしかにおかしい。まだ婚姻届は出してないのに」

京太郎「そういう問題かよ」

「やっぱり夫婦漫才じゃないか!?」



「くそう、席替えでどの子の隣になるかなーってわくわくしてたっていうのに……まさかこれほどの猛者が前にいるなんて!」バンバン

京太郎「違うから、猛者でも夫婦でもないから」キッパリ

照「……」ムッ


照「京ちゃん」


京太郎「なんだ、プリンはやらな――むぐっ」

照「私の唐揚げ、おいしい?」

京太郎「――んぐっ、いきなりなにすんだよっ」

照「じゃあ代わりにプリンもらうね」ヒョイッ

京太郎「一方的かつ不平等!」

「須賀なんて爆発したらいいのに!」

京太郎「お前はさっきからうっさいよ!?」

照「プリンおいしい」





京太郎「……で、反省は?」

照「悪かったと思ってる。でも後悔と反省はしてない」

京太郎「まったく……そこと迷子と胸だけは小学生から成長なしなんだもんなー」

照「むっ、私だってちゃんと大きくなってる」

京太郎「いや、俺の目はごまかされないよ?」

照「じゃあ触って確かめて」

京太郎「ちょっ、それはさすがにまずいでしょ」

照「どうして? はやりんの胸は凝視してるくせに」

京太郎「あれは国宝だからしかたない」ウンウン

照「……京ちゃんだって成長してない」ジトッ

京太郎「俺は背が伸びたからいーの」

照「小学校のころは私とあんまり変わらなかったのに」

京太郎「成長期ってやつだよ」

照「なら私の胸だって成長途中。きっと将来は大きくなってる」

京太郎「……あまり期待してても辛いだけじゃないか?」


京太郎(てか親を見る限りあんまり期待できなさそう)


照「……世の中には突然変異というものが――」

京太郎「照ちゃん、さらっと人の心を読むのはやめよーぜ」





京太郎「それじゃ、部活行くわ」

照「ん、行ってらっしゃい」

京太郎「別に待ってなくてもいいんだからな?」

照「本があれば平気」

京太郎「照ちゃんもなんか部活やればいいのに」

照「興味ない」

京太郎「麻雀だったら大きな大会もあるし、優勝までいけると思うんだけどな」

照「別に、そこまでして麻雀したいわけじゃないし」

京太郎「そっか……あ、じゃあ今度練習試合あるから見に来いよ」

照「麻雀の?」

京太郎「違う、ハンドボール。どうせ休みの日は暇してるだろ?」

照「暇じゃないけど……いいよ」

京太郎「それで、俺が勝ったら一回だけでも大会に出ること。やっぱもったいないし」

照「優勝したら私のお願い、なんでも聞いてくれる?」

京太郎「いや、それだと優勝だけじゃ条件緩すぎるような……わかった」



京太郎「じゃあ、夏の大会で三連覇。これでどうだ」


照「三連覇……」

京太郎「一番大きなのだからな。さすがに難しいんじゃないか?」

照「……わかった、やる」

京太郎「え、マジで? かなり厳しいと思うんだけど」

照「その代わり、さっきの約束は絶対」

京太郎「お、おう」

照「じゃあ早速今年の……あっ」

京太郎「どした?」

照「インターミドル、もう終わってる」

京太郎「あー、もう秋だしなぁ……じゃあ少なくとも高一までお預けだな」

照「この引き延ばし……酷い詐欺にあった」

京太郎「人聞き悪いからやめよーぜ」



京太郎(これでなんでも聞くとは言ったけど叶えるとは言ってない、とか言ったらどうなるんだろうな?)


照「別に、そこはわかってる」

京太郎「――!? な、何の話?」

照「京ちゃんに叶えてほしいことはないけど、聞いてもらいたいことはあるから」

京太郎「だから人の心を読むのはやめろとあれほど……」

照「顔見れば大体わかる」

京太郎「よし、今度からマスク常備だな」

照「目は口ほどに物を言う」

京太郎「ならグラサン装着だな」

照「不審者の出来上がり」

京太郎「くっ、まさか照ちゃんに追い込まれるなんて……」

照「ほぼ自滅」


京太郎「まぁ、わかったよ。照ちゃんがそれでいいならそれで」

照「うん、約束」



照(三連覇できたら、京ちゃんに……)


照「ねえ、京ちゃん」

京太郎「ん、なに」

照「私ね……ううん、やっぱりとっておく」

京太郎「その切り方はさすがに気になる」

照「じゃあ待ってて」


照(好きって)


照「絶対、伝えるから」





照「約束、だったのにな……」

照「でも、もう……」プルルル


照「もしもし、菫?」


菫『今どこいる』

照「……わかんない」

菫『お前はまた迷子に……あまり一人で出歩くなと言ったのに』

照「うん、そうだね」

菫『……なにかあったのか?』

照「ううん、なんにもない」


照「なんにも、なくなっちゃった」



選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再会
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
十一月十三日、始まりの日
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ
八月二日、パンツの日
秋、ロッカーの中
秋、月見の夜に
九月二十一日、プレゼントの意味
九月二十四日、お揃い
秋、キャットチャンバー
秋、初めての学校祭
秋、牌のお兄さん
秋、こどな
秋、苗字と名前
冬、記憶と縁
冬、王者の休日
冬、蓼食う虫もなんとやら
冬、鎖でつなぐもの
三月、主役のいない旅行
三月、湯煙大作戦
三月、ゆきが消える前に

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック
初夏、個人戦9位と卓上の天使
初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
初夏、男子個人戦
初夏、南風
初夏、代償
初夏、いつも傍にあるもの
初夏、好きこそものの上手なれ
初夏、お兄ちゃんと一緒
初夏、将来の夢
夏、楽しい合同合宿(地獄編)
夏、楽しい合同合宿(天獄編)
夏、プライスレスなもの
夏、ストーカーズ
夏、ドライブ(と書いて決死行と読む)
夏、一足先の出立・一番星
夏、知り合いの多いインターハイ
夏、クレプスキュール
夏、鋭い女と時々レジェンド
夏、大きな彼女とサイン
夏、お金で買えるものと買えないもの
夏、絵描きの彼女と金髪と
夏、スク水巫女とお姫様抱っこ
夏、失くした記憶のありか
夏、第二回戦開始
夏、迷い家に東風――炎が爆ぜて神降る
夏、描いた夢と揺るがぬ強者
夏、塞ぎ封じるものと凡人の意地
夏、勝敗の後に残るもの
そのころの阿知賀編
そのころの阿知賀編その2
そのころの阿知賀編その3

・EX
小学五年、幼馴染
小学五年、嫉妬
小学五年、十月二十七日、憧憬
中学一年、秋、約束
中学一年、十一月十一日、細長い棒状のお菓子
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、元日、二人の願い
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

てなわけで終了

ちなみにこの話で交わした約束は京太郎が怪我をしなかったもしもの中でも続いてます
ただ色々あったので伝える言葉は別のものだと思います
具体的に言えばプロポーズみたいな

それじゃ、また次の機会にでも

飯食ったらやるよ!



・三年、夏、再会


『いよいよAブロック準決勝戦の開始です! 決勝に進めるのは二校のみ……はたして残り一つの枠に嵌まるのはどこだ――!?』

健夜『あの、二校のみって言った直後に残り一つってどういうことなのかな?』

『だからさぁ、例年通り白糸台の進出はほぼ確定として――』

健夜『ちょっ、まだ始まったばっかりなのにそういうこと言っちゃう!?』


久「始まったわねぇ、準決勝」

まこ「奈良の阿知賀は順調に勝ち進んどるの」

久「ここが正念場ね。白糸台はもちろん、千里山と新道寺だって紛れもない強豪だもの、本当に」

まこ「実感こみこみじゃな」

久「蓋を開けてみれば、勝ち進んでるのって知り合いのいる高校ばかりなのよね」

まこ「たしかに……にしても、昨日なにかあったんかい」

久「あら、どうして?」

まこ「顔に出とるわ」

久「そう? どんな顔してる?」

まこ「明らかに浮かないっちゅー感じじゃ」

久「そっか、そんな顔してたんだ……」



久(ならあいつはどんな顔してるのかしらね)


久「ちょっと散歩行ってくる」

まこ「朝御飯は?」

久「適当に済ませとくから……初体験でナイーブになってるみたい」

まこ「……は?」

久「あ、Aまでだから大丈夫よ。じゃ」バタン


まこ「……そうでなくても爆弾発言じゃろうが」


咲「……んぅ」ゴロン

和「……」スースー

優希「もうくえないじぇ……」ムニャムニャ


まこ「もし聞かれとったら軽い修羅場じゃな」ハァ





京太郎「ふぅ……もう朝か」

京太郎「まったく眠れなかったな……」

京太郎「それもこれも自業自得だって話だけど」

京太郎「にしたって、昨日は色々ありすぎたよ」


『あなたに、愛されたい……』


京太郎「……俺みたいなやつのどこがいいんだかな」

京太郎「なんてぼやいても仕方ない、か」

京太郎「やってしまったことは変えられないんだから」

京太郎「いっそ開き直れたら楽なのに……」


京太郎「あー、やめやめ! ちょっと走ってくるか」





京太郎「うあー、暑い」パタパタ

京太郎「あんまり走ってないのにこの汗……着替えたい」

京太郎「ハンドやめてから、走り込みとかあんまりしなくなったしな」

京太郎「……やめよう、また気分が沈みそうだ」


小蒔「あ、京太郎様を発見です」


京太郎「……探してたのか?」

小蒔「お散歩してたらなんとなく会えそうでしたから」

京太郎「なんとなく、ね」

小蒔「はい、なんとなくです」

京太郎「ちゃんと言って出てきたのか?」

小蒔「書置きを残してきたから大丈夫です!」


京太郎(あ、これ絶対騒ぎになってるパターンだ)



京太郎「まぁ、ほどほどに戻っとけよ」

小蒔「私は大丈夫ですよ?」

京太郎「他のやつが心配するだろ」

小蒔「みんな心配性なだけです」

京太郎「まあ、そう……なのか?」

小蒔「むぅ、否定してくれないんですか?」

京太郎「まぁ、小蒔はぽやぽやしてるからな」

小蒔「そ、そんなことありませんっ」

京太郎「はは……それで――」


小蒔「霞ちゃんのことですか?」


京太郎「……聞いたのか?」

小蒔「いえ、でも感じました」

京太郎「そうか……」

小蒔「京太郎様は、また無茶をしたんですね」

京太郎「俺はさ、自分のしたいことをしてただけだ」

小蒔「それでも、私は……」



『――っと、ギリセーフ……大丈夫か? お転婆姫さんよ』


小蒔「二年前のあの日、京太郎様が受け止めてくれたことを忘れません」

京太郎「小蒔、まさか……」

小蒔「一年前のあの日、私を止めてくれたことも」


小蒔「関節キスは好きな人と、本当のキスは契りを結んだ殿方と」


小蒔「京太郎様が嫌われようとしたってダメです」

小蒔「だって私はあの時に感じた運命を信じてますから」

小蒔「途中でなにがあっても、最後には絶対結ばれると」

小蒔「だから、私はずっと味方です。京太郎様が何をしても、誰に嫌われようと」


京太郎「……まいったな、全部思い出したって感じか」

小蒔「愛のぱわーです」

京太郎「愛か……でも、俺は相当ひどい奴だぞ?」

小蒔「それでも、私の答えは変わりません」

京太郎「そうか……なら、俺も答えを出せるようにしないとな」


京太郎(そうだ。ずっとあの言葉が、言えなかったことが引っかかってる)

京太郎(それを吐き出すために、照ちゃんに会いに……)


京太郎「行ってくるよ」

小蒔「はい」





和「うぅん……あれ、もうこんな時間ですか」

まこ「ようやっと起きた。もう向こうの準決の先鋒戦が終わるとこじゃな」

和「そうですか……え? ゆ、ゆーき!」

優希「だからもう食べられないとあれほど……」

和「は、花田先輩、花田先輩ですよ!」

優希「なぬっ!?」ガバッ

まこ「なんじゃ、知り合いか」

和「中学校の時の先輩で」


和(それに、玄さんも……)チラッ


優希「こうしちゃいられないじぇ……のどちゃん、行くじょ!」

和「ちゃんと着替えてからです!」

まこ「一気に騒がしい……それ以外にも驚くことはあるじゃろうに」

咲「ん……もう朝?」



『先鋒戦終了――! まさかの白糸台、チャンピオンの大失点だー!』


咲「え……お姉、ちゃん?」


優希「着替えよし、タコスよーし!」

和「準備できましたね」

優希「てなわけで出発――」


咲「待って!」


咲「私も、私も行く!」

優希「よーし、じゃあ40秒で支度するんだじぇ」

咲「ええっ」

和「こらっ」

優希「冗談だじぇ」





『先鋒戦終了――! まさかの白糸台、チャンピオンの大失点だー!』


菫「……」

「やっぱ……まずいですねよね、これ」

「宮永先輩、明らかに気が入ってなかった……」

菫「いや、問題ない。その分私たちが稼げばいいだけの話だ」

淡「そーそー、たかが満貫五個分じゃん。私だけでひっくり返しちゃうよ?」

「こういう時の淡の調子に乗りっぷりは実に頼りになるなぁ」

淡「なんたって高校百年生の実力だしね!」

「よーし、じゃあ今度また山をまるくして打ってみようか」

淡「あわっ、そ、それはどうかと思うけどなー?」


「……でも、決勝もこの調子だとさすがに」

菫「なに、心配はいらないさ。今日はたまたま調子が悪かっただけだろう」

「そうだといいんですけど」


菫(照……本当に何があったんだ?)





優希「のどちゃーん、咲ちゃーん、こっちだじぇー」


和「も、もうちょっとペースを……」ハァハァ

咲「優希ちゃん走るの速い……」ハァハァ

優希「そのかいもあって到着だじぇ」

和「ええ、ここに花田先輩と……」

咲「……二人とも、私、お姉ちゃんに会ってくるから」

和「わかりました。頑張ってください」

優希「ばっちしかましてくるといいじぇ」

咲「いや、多分かまさないと思うけど」

優希「ともあれ、相手は大魔王。覚悟していくといいじょ」

咲「あのね? 私のお姉ちゃんだからね?」ゴゴゴ

優希「総員退避ー!」

和「ふざけてないで行きますよ」

咲「うん……それじゃ」



優希「さ、花田先輩にタコスを届けてくるじぇ」

和「もう試合は終わってしまったみたいですし」

優希「寝坊しなきゃ先輩の勇姿が見れたんだじぇ」

和「それはもう仕方ないですよ。せめて先輩に挨拶だけでもしましょう」

優希「おっけー」


穏乃「あれ……和?」


和「穏乃……」


玄「わわっ、和ちゃん……成長してる」ワキワキ

憧「ちょっとは自重する」ペシッ

玄「はうっ」


和「憧に、玄さんも」

憧「私たちも全国に来たよ。和もきっと来るって思ってたから」

玄「インターハイ……まだ見ぬおもちもきっと!」

憧「はいはい。でも玄はそれだけじゃないんでしょ?」

玄「そ、それはなんといいましゅか……」モジモジ

和「?」


灼「軽い疎外感」

宥「クロちゃんたち、楽しそう」

優希「うんうん、わかるじぇ」





照「……初めてだな、あんなに失点したの」

照「普通の試合だったら飛んじゃってたよね……」

照「菫、みんな……ごめん」

照「でも、私にはもう……」


咲「お姉ちゃん!」


照「咲……」

咲「私、全国まで来たよ?」

照「知ってるよ」

咲「それに、京ちゃんだって」

照「……」


照(そして、上埜久も……)



咲「私、京ちゃんもお姉ちゃんも恨んでた」

咲「みんな、私を置いていなくなって、お父さんと二人で残されて」

咲「私にお姉ちゃんなんていないって思おうとしてた」

咲「でも、無理だったの」

咲「京ちゃんが久しぶりに会いに来て、拒絶しようとして、思い出しちゃったから」

咲「私、お姉ちゃんと――」


照「やめて」


照「私にはなにもない……ここにいる理由だって、なくなっちゃった」

照「だからもう……かまわないで」ポロポロ


咲「お姉ちゃん、待って!」





照「また、迷子……」

照「でも、どこだって一緒」

照「空っぽになった私がどこにいたって……」


京太郎「よっ、また迷子か?」


照「――っ」


京太郎「目、腫れてんな。夜更かしでもしてたのか?」

京太郎「ほら、こんなに――」


照「やめて、触らないで」


京太郎「照、ちゃん?」



照「私に幼馴染なんていない」


『照ちゃん、一緒に帰ろうぜ』


照「私は約束なんてしてない」


『じゃあ、夏の大会で三連覇。これでどうだ』


照「私に……」


『俺も、照ちゃんって呼ばせてもらおうかな』


照「好きな男の子なんて、いない」


京太郎「……」

照「だから……もう、関わらないで」


京太郎「……なんだろうな、もしかしてとは思ってたけど」

京太郎「そうか、俺はやっぱり恨まれてたのか」

京太郎「正直……キツいな」


京太郎「照ちゃん……」



というわけで終了

次回は

『三年編、エピローグA』です

ここでは準決も決勝も豪快にキンクリしていきます

それじゃ、眠いので寝ます

ご飯食べたらやりますよー

んじゃ、やります

エピローグからエンディングまで行く予定なんでよろしく



・三年、エピローグA


照「……」

菫「寝ているのか?」

照「……」

菫「準決勝はうちが一位抜けだ。みんなが頑張ってくれた」

照「……」

菫「なにがあった。お前がそのままだと、その……困る」

照「……ごめんなさい」


照「私、もう打てないかも」





淡「もう打てないかもって?」

菫「ああ、理由も何も話さずにそれだけだ」

淡「ふーん、スミレも甘いね。そういうの許すんだ」

菫「そうかそうか。なら普段お前に関して見逃していることも厳しく追及しようか」

淡「あわっ、や、やぶへび!?」


菫「正直言うと戸惑ってしまってな。あいつがあんな揺らいでるのは初めて見たから」


菫(あえて言えば一年前、個人戦の時に少し様子がおかしかったが)


淡「大体わかったよ。つまりこれは……失恋だね!」

菫「……は?」

淡「きっと気づいちゃったんじゃないかな? 私とキョータローのラブパワーに!」

菫「そうかそうか。ということはあれもこれもそれもどれもお前のせいか……!」ゴゴゴゴ

淡「またしてもやぶへび!?」





優希「せんぱーいタコスーって、あれ?」

和「いないですね。どこかに出てるんでしょうか?」

まこ「朝からこの調子じゃ。めっきり姿を見せん」

優希「むむ、またいつもの放浪癖がでたじぇ」

和「そういえば、部長もいませんね」

まこ「探しにいっちょるわ」

和「そうですか……」

優希「で、咲ちゃんはぼーっとしてどうしたんだじぇ」


咲「……え、私?」


まこ「ほんに心ここにあらずか」

和「お姉さんとなにかあったんですか?」

咲「……」


『だからもう……かまわないで』


咲「なにも、できなかったな」

和「はい?」

咲「ごめん、私ちょっと外の空気吸ってくるね」





京太郎「……」


『だから……もう、関わらないで』


京太郎「だから、なんだよ」

京太郎「そうかもしれないってずっと思ってたろ」

京太郎「俺の方がよっぽどひどいこと言ったくせによ」

京太郎「落ち込む資格もないよな」


久「ところでさ、落ち込むのに資格っているわけ?」


久「って、あんたなら言いそうだけど」

京太郎「……」

久「まったく姿見えないから探しに来たんだけど、やっぱりなにかあったみたいね」

京太郎「俺さ――」

久「ああ、言わなくていいわよ。どうせ宮永照のことだろうし」

京太郎「……お見通しか」

久「あんたがそんなに落ち込むのって、私のことじゃなければあの子のことでしょ」

京太郎「昨日の今日でよく自分のことじゃないって思えたな」

久「だってそうなんでしょ? 気にされてないってのも癪だけど」

京太郎「んなわけないだろ……少なくとも日中はそれで顔出せなかったわけだし」



京太郎「……ずっと言いたかったことがあって、それを言おうとして……でも言えなかった」

久「なに、思いっきり拒絶されたの?」

京太郎「まぁ、そんな感じ」

久「……なにそれ、なんかムカつく」

京太郎「なんでだよ」

久「だって、私の時はそんなに落ち込んでなかったじゃない。なにごともなかったかのようにまたまとわりついてきてさ」

京太郎「落ち込んだに決まってんだろ。見えないとこでさ」

久「じゃあ今回もさっさと立ち直りなさいよ」

京太郎「無茶言うなよ……」

久「ほら、やっぱり」



久「前々から思ってたけど、あんたあの子のこと特別視しすぎ」

京太郎「そんなことないって」

久「だって話題に上がるたびに微妙な顔してるし」

京太郎「してない」

久「してる。そもそもちょくちょくポッキー食べてるのだってそうでしょ」

京太郎「いや、だからそれは……」

久「思いっきり引きずってる証拠じゃない」

京太郎「あーもう!」


京太郎「ほんと勘弁してくれ……しばらく一人になりたいんだよ」


久「……ふぅ、うまくいかなかったか」

久「煽れば立ち直ると思ったんだけどね」

久「……あと一押し、なにか考えとかなきゃね」

久「あーあ、なんで敵に塩を送ろうとしてるんだろ、私」

久「まぁ、卑怯なことしちゃったしね……」





久「さ、今日も勝ち進んで決勝、行くわよ」


和「先輩、具合が悪いんでしょうか?」

優希「今日も顔ださないじぇ」

まこ「部長が大丈夫と言うんじゃけぇ、心配いらん」


まこ(とは言うものの、またなにかあったな、こりゃ)


咲「……」

久「あと、咲には話があるから」

咲「今日の試合のことですか?」

久「それも込みで色々とね」


久「てなわけで優希、がっつり行ってきなさい!」

優希「合点承知!」





照「ん……もう明るい」

照「……向こうの準決勝、始まってるかな」

照「清澄が勝ちあがってきたら……」


淡「おっはよー」


淡「テルー、朝だよー」

照「……」

淡「寝たふりだってのはわかってるんだからねっ」

照「淡、重い」

淡「おっぱい大きくなったから体重増えたのかな?」

照「……出てって」

淡「えー? やだ」

照「いいから」

淡「やだってば」

照「……もういい、勝手にして」

淡「うん、好きにする」



淡「スミレ、心配してたよ?」

照「……そう」

淡「私はいいんだけどねー。むしろ活躍の機会が増えちゃうし」

照「悪いとは思ってる……けど」

淡「テルーもさ、キョータロー取られたからって気にしすぎだよね」

照「……」

淡「ま、私とのラブラブっぷりを見せられたら仕方ないけどね」

照「それはない」

淡「じゃあ別のだれかってことだね。キスでもしてたの?」

照「……」

淡「そっかぁ……私もしたけどね」

照「――っ」

淡「いったぁ……いきなり平手打ち?」



照「京ちゃんは、私に色んなものをくれた!」

照「いつも一緒にいてくれた!」

照「でも、離れなきゃいけなくなって……!」

照「だからせめて約束だけはって……!」


淡「……ならさ、なんで諦めちゃうの?」

淡「ううん、なんで諦められるの?」

淡「私なら絶対無理。なにがなんでも欲しいんだもん」

淡「私は言ったよ? 行動したよ?」

淡「照はなにもしないで泣き寝入りしちゃうんだ」

淡「そんなことなら本当に私が全部もらってっちゃうから」


照「……そんなの、許さない」

淡「じゃあ、どうするの?」

照「会ってくる……まだ、一番したいことをしてないから」

淡「ま、私には負けると思うけどね」

照「勝手に言ってて」





京太郎「……今なら投身自殺した奴の気持ちがわかるな」

京太郎「しないけどさ」

京太郎「やっぱり、曖昧なままにしとくべきだったかな」

京太郎「答えを出さないなら、少なくともこんな風になることはなかったわけだし」

京太郎「なんにしても、もう取り返しがつかないんだよな……」


咲「やっぱり、ここにいた」


京太郎「咲か」

咲「お姉ちゃんに会ったんだね」

京太郎「久ちゃんに聞いたのか」

咲「うん……またここにいるんじゃないかって」

京太郎「こっぴどくやられたよ。結果は見てのとおりってか」

咲「私も、お姉ちゃんに会ったよ」

京太郎「そうか……」

咲「かまわないでって言われちゃった」

京太郎「やっぱ愛想つかしていなくなったのかな」

咲「ううん、違う」



咲「だって、お姉ちゃんは言ってたもん」

咲「お父さんとお母さんが別々に暮らすことになって、お姉ちゃんはお母さんについて行って」

咲「私に、お父さんと京ちゃんをお願いって」

咲「私は自分のことだけで精一杯だったけど……」

咲「お姉ちゃんはずっと京ちゃんの心配してた」


京太郎(ずっと知りたかったことの一つ)

京太郎(蓋を開けたらこんなもんか)

京太郎(最初からこいつに聞けば早かったんだ)

京太郎(ただ、聞くのが怖かっただけで)


咲「だから、もう一回お姉ちゃんに会って……ううん、会ってあげて」

京太郎「ダメだ……もう足がすくんでる。またあんなこと言われたらって思うとさ」

咲「……京ちゃん、こっち向いて」

京太郎「なんだ、俺の情けない顔が見たいのか?」

咲「うん、だから」

京太郎「好きにしろよ……」

咲「じゃあ――」グイッ

京太郎「――」



京太郎「咲、お前……」

咲「……やっぱり、私じゃダメなんだね」

京太郎「……俺の能力のこと、知ってるのか?」

咲「うん、それも部長から聞いたの」

京太郎「……」

咲「妹だもんね、私」

京太郎「ああ……」

咲「じゃあ、京ちゃんのかわいい妹からのお願いです」


咲「お姉ちゃんと仲直りしてください」


咲「京ちゃん、いっつも誰かのために動いてるもんね」

咲「結局は自分のためだって言ってるけど」

咲「なら、聞いてくれるよね?」

咲「だってこれは自分のためじゃなくて、かわいい妹のためなんだもん」



京太郎「……まったく」

京太郎「どいつもこいつも気安くキスしやがって」

京太郎「いいぜ、やってやるよ」

京太郎「でもこれは俺がそうしたいからするんだ」

京太郎「色々溜まった恨み辛みをぶちまけにいくんだからな」


咲「うん、それでいいよ」

京太郎「かっこわるいとこ見せて悪かったな……けど、やってくるよ」

咲「待ってるから」

京太郎「あと、久ちゃんにも礼を言っといてくれ。絶対入れ知恵されたろ、お前」

咲「はいはい、わかったよ」

京太郎「そんだけだ。じゃ」


咲「……頑張ってね」


咲(私の本当に欲しかったもの)

咲(また、三人で……)





照「……迷子になっちゃった」

照「そもそも、京ちゃんがどこにいるのかわからないし」

照「どうしよう……」


京太郎「また迷子か、こりないな」


照「京ちゃん、私……」

京太郎「何も言うな。まずはこっちの話を聞け」

照「……」


京太郎「照ちゃんにはさ、色々言いたいことがあるよ」

京太郎「それこそ恨み言だってある」

京太郎「でも、そんなのは後回しにして、一番言いたいことがあるんだ」


京太郎「――ありがとう」


京太郎「俺が立ち直れたのも、ここまで来れたのも、全部あの時照ちゃんが傍にいてくれたからだ」

京太郎「照ちゃんが俺のことを恨んでいても、憎んでいてもかまわな……くはないけど」

京太郎「ずっと、それだけ言いたかったんだ」



照「……私も、京ちゃんにずっと言いたかったことがある」

照「でも、それは後回し」

照「今はこれだけ――」


京太郎(その唇は柔らかくて、ポッキーの味がしそうだと思ったけど、そんなことはなかった)

京太郎(少したってからその感触は離れて――)


照「待ってて、勝ってくるから」


京太郎(照ちゃんは微笑む)

京太郎(そこには、俺がずっと心に思い描いていた太陽があった)



このままエンディング入ります




京太郎「えっと、今日は大会の最終日で……そのあとはテレビ出演だな」

照「おやつの予定は?」

京太郎「そんなのスケジュールに書けるか。買い置きしてるから適当にどうぞ」

照「もう開けてる」モグモグ

京太郎「早すぎだろ」


京太郎「もう照ちゃんがプロ入りして三年目か……なんか早かったな」

照「実際時間が飛んだような気がする。いわゆるキンクリ」

京太郎「なんだそれ、高校の後輩が使えそうな響きだけど」

照「もしくは妖怪のせい」

京太郎「なんにしても鉄筋コンクリートの略ではなさそうだな」



照「それにしても、京ちゃんがマネージャーで良かった」

京太郎「あのさ……それ、わざわざ頭を下げられて頼まれたんだぞ?」

照「ヘッドハンティング」

京太郎「蓋を開けてみれば納得したよ……これは俺にしか務まんないってな」

照「他の誰かに任せられるかって? 情熱的」

京太郎「照ちゃんが好き放題やったせいだろうが! だれもかれも匙投げて俺に回ってきたんだよ!」

照「むっ」

京太郎「カメラの前では社会性あるのにな!」

照「それは……照れる」テレテレ

京太郎「いやいや、褒めてないから」


照「でも、京ちゃんだって就職に困ってたはず」

京太郎「うっ……たしかにそうだけどよ」

照「じゃあ私に感謝するべき」

京太郎「いや、就職しようと思えばいけたんだけどさ」


透華『就職が決まっていない? ならうちに来なさいな』

衣『うんうん、そうすべきだ』



京太郎「なんか永久就職になりそうだったから」

照「永久就職?」

京太郎「身を固めることの隠語でもあるな」

照「むっ、それはダメ」

京太郎「そうでなくても神社の方から婿にならないかとか誘われたり、一番シャレにならなかったのはアレだな」

照「アレ?」

京太郎「弁護士を敵に回すと怖い」

照「なにがあったの?」

京太郎「いや、全く身に覚えのない婚約が進んでるんだぞ? 軽い恐怖だよ」

照「……どうせ京ちゃんが悪い」プイッ

京太郎「リアルに殴り合いになったんだから勘弁してくれ……なんとか誤解は解けたけど」



照「京ちゃんは大学に行こうとは思わなかったの?」

京太郎「大学なぁ……久ちゃんから誘われたけど」

照「……」

京太郎「結局行かなかったな」

照「それで私のとこに来たと」

京太郎「違う。貯めた金で旅に出て、たまたま照ちゃんのとこに寄ったらスカウトされたんだよ」

照「つまり、私のことが恋しくなったと」

京太郎「どこを要訳したらそうなるかなぁ」


京太郎「っと、そろそろ時間だな」

照「ん、今日は気合入れていく」

京太郎「目指すは優勝か」

照「勝てば三連覇」

京太郎「三連覇、ね」


『じゃあ、夏の大会で三連覇。これでどうだ』


京太郎(なんか昔、そんなこと言ったような気がするな)



照「待ってて、勝ってくるから」

京太郎「そういえばさ、最後のインターハイのときも同じこと言ってなかったか?」

照「うっ……」

京太郎「結局白糸台が優勝したけど、個人戦では咲が優勝してたよな」

照「あれは……不調だったから」

京太郎「まあ、多分俺のせいだな」

照「……自覚あったんだ」

京太郎「照ちゃんは知ってたのか?」

照「うん、ずっと前から」

京太郎「じゃあなんであの時キスなんてしたんだかな」

照「抑えきれなくて、つい」

京太郎「抑えきれなかったのは俺の方なんだけどな」

照「じゃあ悪いのは京ちゃん?」

京太郎「わかっててしてきたそっちにも責はあるだろ」

照「私の処女、奪ったくせに」

京太郎「それとこれと関係あるかのように言うのはやめなさい」



京太郎「でもさ、結局あの時言いたかったことってなんだったんだ?」

照「教えない。三連覇したらって決めてるから」

京太郎「団体戦で達成したろ」

照「あれは……チーム戦だし、私は散々だったから」

京太郎「まぁいいや。いくらでも待ってるよ」

照「本当?」

京太郎「死ぬ時まではな」

照「じゃあ大丈夫。アラフォーまでにはなんとかするから」

京太郎「おい、なんで期限をそこにした」


照「大会終わったら休み」

京太郎「ん……そうなってるな」

照「久しぶりに長野に帰りたい」

京太郎「だな……咲のお願いもあるし」

照「お願い?」

京太郎「ああ、三人で会わないかってことかな」

照「そういうことなら許す」

京太郎「なんだったら許さないんだよ」

照「浮気」

京太郎「ないから」





 世には女子プロ、それもトッププロほど婚期が遅れるという俗説、風説、都市伝説がある。

 それを見事否定して見せたのはプロ入りして三年目の旧姓宮永照。

 夏のとある大会で優勝した後、自身のマネージャーと結婚したことを発表し、世間を大いに騒がせた。

 そのニュースは世代問わず、女子プロに衝撃を与え、一説によれば日本列島沈没の危機にも陥ったらしい。



「京ちゃん」

「ん?」

「好き」

「それ、何回目だよ」

「ずっと言えなかったから」

「じゃあ俺は……愛してる」

「うん」


「――私も」




『エンディング――約束の行方』

というわけで数ある……と思われるエンディングのうちの一つです
というかルートAのエンディングはこれだけです

ほかにルートが何個あるかと聞かれれば、一つです
ただ、ルートBの方はエピローグ後も続きます
お好きなキャラをどうぞってやつです
一番目と二番目の修羅場が見たいという方はルートBでどうぞ
次回は時が遡ります

バッドエンドは考えてないわけではありませんが、マルチバッドエンディングは採用していません

それでは、失礼します

ハーレムかぁ……
書こうとしたら死ねる
二人三人……最悪一校なら別ですけど

もうすこししたらやります

すいません、所要でちょっと遅れます

用事終了
んじゃ、やります



・三年、夏、勝敗の後に残るものB


『大将戦終了――!』


京太郎「終わった、か」

まこ「中々危うかったのぅ」

久「姉帯さんに石戸さん、とんでもない力の持ち主には違いないけど……」


『激闘を制し、一位で通過したのは――姫松高校です!』


久「蓋を開ければ姫松が一位でうちが二位」

久「咲が手を抜いていたわけではないんでしょうね」


優希「でも、咲ちゃん最後は驚いた顔してたじぇ」

和「まるで想定外のことが起こったような、そんな顔でした」

まこ「ふむ、たしかに最後のカンは意味不明じゃったな」

久「意味不明ってより不発ね。当たりを引けてたら一位抜けだったもの」

京太郎「……」



京太郎(あの絶一門……間違いなく石戸のだ)

京太郎(ということは、あれを降ろしたのか)

京太郎(去年の夏、小蒔を乗っ取った……)


京太郎「ちょっと出てくる」

和「私も迎えに行きます」

京太郎「いや、俺は別件だ。咲の方を頼む」





和「咲さん、お疲れ様です」

咲「うん、どうにか二位通過だけど」

和「それでも次に進めたんだから、問題ありませんよ」

咲「でも、私一位通過するつもりだったんだ」


咲(なのに、最後の局で……)


咲「あのやな感じ、まだ続いて……でも、少し収まってる?」

和「?」

咲「戻ろ、疲れちゃった」





霞「……ちょっと、つらいわね」フラフラ

霞「まさか一瞬でも制御を誤るなんて……」

霞「まだまだ修行が足りないということかしら」

霞「いえ、これは――」


『私では、ダメ?』


霞「私の心の弱さ……」

霞「だから、隙を突かれたのね」

霞「……大丈夫、大丈夫よ。私は役目を果たせている」

霞「さ、戻って叱られてこようかしら」


京太郎「よう、元気か?」



霞「あら、敗者に鞭打ちに来たの?」

京太郎「んなわけないだろ。負けて悔しいって気持ちはよく知ってるよ」

霞「悔しい……とは少し違うわ」

京太郎「まぁ、そこらへんは置いといて……最後の方で少し様子がおかしかったからさ」

霞「やっぱり気づいてしまったのね……去年見たものね」

京太郎「そういうことだな。えっと、肩でも貸そうか?」

霞「別に歩けないわけではないのだけど……そうね」


霞「胸、借りてもいいかしら?」


霞「ちょっと疲れちゃったから……」

京太郎「……ま、特別だぞ」


京太郎(ひとまずは大丈夫そうだな)

京太郎(この後は祓ってもらうんだったっけ?)


春「浮気現場を見た」



京太郎「……」

霞「は、春ちゃん?」

春「霞さん、やる」

霞「あの、これは違うの……ね?」パッ

京太郎「うおっ」

春「じゃあ私が」ピトッ

京太郎「こらこら、お前は石戸を迎えに来たんじゃないのか」

春「そうだった」


春「じゃあ、回収してく」


霞「か、回収って……」

春「みんな、心配してる。姫様も」

霞「……そうね」


霞(もう少し甘えたかったけれど、これ以上は……)



霞「あなたにはお世話になりっぱなしね」

京太郎「こっちは世話した気なんてないって」

霞「じゃあ勝手にそう思わせてもらうわ」

京太郎「ま、勝手に思う分には自由だな」


春「ん、そろそろ」

霞「早く祓ってもらわなきゃね」

京太郎「ところでさ、お祓いって具体的にどうやるんだ? お札で殴打したりすんの?」

霞「流石にそんなことはしないけれど」

春「……知りたいの?」

京太郎「まあ、純粋に気になる」

霞「えっと、それはちょっと……」

春「……変態」

京太郎「なんでやねん」





京太郎「試合で勝った負けたか……」

京太郎「ましてやチーム戦だもんな」

京太郎「やっぱ懐かしいよな……色々と」

京太郎「あの時、怪我なんてしなければ……」


ネリー「さてはお金の悩みだね」ヒョコッ


京太郎「いきなり生えてきてなんだ」

ネリー「人を菌糸類みたいに言わないでよ」

京太郎「冗談だ。そっちも試合終わったみたいだな」

ネリー「結構時間かかっちゃったけどね」

京太郎「意外だな。お前もうちの大将と同じ類だと思ってたんだけど」

ネリー「ネリーは無駄な出費はしない主義だよ?」

京太郎「あー、要するにケチか」

ネリー「元ケチな人には言われたくないよね」

京太郎「お前な、元をつけたらなんでもありになっちゃうだろ」

ネリー「じゃあ元暇人だね」

京太郎「悪いがそれは現在進行形なんだな」

ネリー「本当? じゃあ行こうよ」

京太郎「ちょっと待て、どこに連れてく気だ」

ネリー「えっとね……特に考えてないかな?」

京太郎「なんだそりゃ」



ネリー「いいから付き合ってよ、祝勝会」

京太郎「祝勝会って、臨海のか?」

ネリー「ネリーとキョウタロウだけだよ?」

京太郎「奢らされる予感がバリバリするな」

ネリー「それもあるけど、それだけじゃないよ」

京太郎「奢らせる気はあるのかよ」

ネリー「甘えてもいいんだよね?」

京太郎「あーもう、もうちょっと子供らしい甘え方をしなさい」

ネリー「パパー、ネリーおいしいご飯が食べたいなぁ」

京太郎「なんかいかがわしいからダメ」



京太郎「なんにしても先約あるからな」

ネリー「えー? 断ってよ」

京太郎「ま、冷たい飲み物でも奢ってやるから勘弁してくれ」ワシャワシャ

ネリー「あっ……うん、そだね」

京太郎「急に素直だな」

ネリー「ズルいよね、キョウタロウはさ」

京太郎「はぁ?」

ネリー「いいからいこっ」グイグイ

京太郎「わかったから引っ張るなって」

ネリー「手、つないで」

京太郎「はいはい」


由暉子「じゃあこっちの手は私が」ギュッ



京太郎「出てくるなりなんだ」

由暉子「もっとかっこいい登場も考えたんですけど……」チラッ

ネリー「……」

由暉子「もたもたしていると機会を逃しちゃいますから」

京太郎「まぁ、久しぶりだな。桧森には会ったんだけどな」

由暉子「試合、見ててくれたんですね。おかげで無事勝ち抜けました」

京太郎「それは真屋が頑張ったからだろうけど……まさかのテレビデビューだよ」

由暉子「かっこよかったです!」キラキラ

京太郎「そ、そうか? がっちがちだったけど」

由暉子「でもだんだんはやりんのフリにも対応できてましたし」


ネリー「ちょっと待ってよ」



由暉子「はい?」

ネリー「たしか有珠山の副将だよね?」

由暉子「そういうあなたは、臨海の大将さんですよね?」

ネリー「なら見てたっておかしくない? 試合中だったんでしょ?」

由暉子「動画サイトにアップロードされていたものを、先輩たちに見せてもらいました」

京太郎「ど、動画サイト?」


京太郎(もしかして、思ったより騒がれてる?)


ネリー「ふぅん、別にどうだっていいけどね。でもネリーたちは行くとこあるから」グイッ

京太郎「うおっ」

由暉子「私もついていっていいですか?」グイッ

京太郎「うおっ」

ネリー「ダメに決まってるじゃん。ネリーとキョウタロウの時間だよ?」グググ

由暉子「そうなんですか?」グググ

京太郎「まずお前らさ、大岡裁きって知ってるか?」





京太郎「はい、お兄さんの奢りだ」


ネリー「ありがと」

由暉子「ありがとうございます」

京太郎「いいか? 無理に仲良くしろとは言わないけど、せめて飲んでる間はおとなしくしとけ」

由暉子「私たちって仲が悪かったんですか?」

ネリー「ネリーに聞かないでよ」

由暉子「どう思います?」

京太郎「ん、こいつがつっかかんなきゃってとこだな」

ネリー「こっちが悪いみたいに言わないでよ。邪魔してきたのはあっちなのに」

由暉子「邪魔だったんですか?」

ネリー「わかっててやったくせによく言うよね」

由暉子「私はただ須賀さんとお話しできたらと思っただけなんですけど……」ブルン

ネリー「……次の試合で有珠山潰す」

京太郎「おーい、さっき言ったことが早速抜けていってるぞー」





京太郎「ただいまー」

久「おかえり。ご飯とお風呂、どっちからにする?」

京太郎「じゃあ久ちゃんで」

久「じゃあお布団の用意するわね」

まこ「こら、いい加減にせぇ」

京太郎「まぁ、ただの冗談だから」

久「京太郎がそう言ってるうちはね」

京太郎「さ、飯にしようぜ!」

久「ごまかしたわね」

まこ「ごまかしたな」



久「で、どこ行ってたの?」

京太郎「ああ、ちょっと石戸の様子が気になってさ。結局は心配しすぎだったみたいだけど」

久「咲もちょっと気にしてたわね」

京太郎「まあ、実際に対面してたわけだしな」

久「なにもなかったんならそれでいいじゃない」

京太郎「だな」

久「じゃあご飯食べに行きますか。みんな待ちくたびれてたし」

京太郎「悪いな、遅くなって」

久「いいわよ。思うとこもあったみたいだし」

京太郎「ちょっと、中学の時のこと思い出してさ」


京太郎(もしあの時、怪我なんてしなければ……)

京太郎(俺は今頃、どうなってたんだろうな)

京太郎(だれが傍にいたんだろうか)


京太郎「ま、考えてもどうしようもないけどな」



選択済みエピソード

・一年
入学式、久との再会
春、美穂子登場
春、二人のあいだにある壁
美穂子再び
初夏、久との対立
初夏、美穂子への依頼
初夏、美穂子との特訓
初夏、決戦前夜
決戦
初夏、リスタート
夏、新たな出会い
夏、欠けた月
夏、初めての執事(アルバイト)
夏、衣の麻雀講座
今宵、月が満ちるとも
夏休み、遠征初日
夏休み、松実姉妹
夏休み、遠征二日目――鹿児島
夏休み、眠り姫
夏休み、遠征三日目――大阪
夏休み、目覚めぬ未来
夏休み、遠征四日目――岩手
夏休み、八尺(実際には六尺五寸)
夏休み、遠征最終日――東京
夏休み、グランドマスター
夏の始まり
エピローグ
その後の美穂子
秋、バイト執事再び
秋、衣の誕生日(略してころたん)
秋、膝枕の日
秋、祭りの後で
秋、恋敵?
十一月十三日、始まりの日
冬、雪の降り始め
冬、年の初めに
冬、画面の向こう側
冬、節分の前の日
冬、アラフォー(予備軍)
三月八日、一年後の誕生日
三月十五日、好みのタイプは?
三月十六日、初めてのお出かけ
三月、おもちと温泉と
三月、温泉のあとのマッサージ(意味深)

・二年
部活動紹介、まこ入部
春、学食にて
美穂子との再会
初夏、ストーカー?
初夏、池田の逆襲
初夏、タイムリミット
初夏、県予選開始
初夏、団体戦決着
初夏、縺れた糸
初夏、まこの苦労日記
初夏、ライバル
夏、全国へ
夏、ワールウィンド
夏、奈良の王者
夏、修羅の国のクールビューティー
夏、大阪の魔物
夏、大阪の姉妹
夏、神代の姫
夏、一番目と二番目
夏、スリーピングビューティ
秋、次の目標
秋、まこの苦労日記その2
秋、二人と一人
冬、旅行に行こう
冬休み、小悪魔
冬休み、ゆきみだいふく
冬休み、神社の娘と王者の進路相談
冬休み、はとこ
エピローグ
五月十日、膝枕とおんぶ
八月二日、パンツの日
秋、ロッカーの中
秋、月見の夜に
九月二十一日、プレゼントの意味
九月二十四日、お揃い
秋、キャットチャンバー
秋、初めての学校祭
秋、牌のお兄さん
秋、こどな
秋、苗字と名前
冬、記憶と縁
冬、王者の休日
冬、蓼食う虫もなんとやら
冬、鎖でつなぐもの
三月、主役のいない旅行
三月、湯煙大作戦
三月、ゆきが消える前に

・三年
優希との出会い
春、和の初恋?
春、インハイチャンプ
初夏、最後の一人
初夏、不和
和の悩み
咲との微妙な関係
優希の好物
初夏、合宿
初夏、家庭訪問@原村家
初夏、最後の県予選
初夏、鏡
初夏、見えない彼女の見つけ方
初夏、決意
初夏、県予選決勝戦
初夏、東風とビギナーズラック
初夏、個人戦9位と卓上の天使
初夏、花天月地――嶺上の花と海底の月
初夏、男子個人戦
初夏、南風
初夏、代償
初夏、いつも傍にあるもの
初夏、好きこそものの上手なれ
初夏、お兄ちゃんと一緒
初夏、将来の夢
夏、楽しい合同合宿(地獄編)
夏、楽しい合同合宿(天獄編)
夏、プライスレスなもの
夏、ストーカーズ
夏、ドライブ(と書いて決死行と読む)
夏、一足先の出立・一番星
夏、知り合いの多いインターハイ
夏、クレプスキュール
夏、鋭い女と時々レジェンド
夏、大きな彼女とサイン
夏、お金で買えるものと買えないもの
夏、絵描きの彼女と金髪と
夏、スク水巫女とお姫様抱っこ
夏、失くした記憶のありか
夏、第二回戦開始
夏、迷い家に東風――炎が爆ぜて神降る
夏、描いた夢と揺るがぬ強者
夏、塞ぎ封じるものと凡人の意地
夏、勝敗の後に残るもの
そのころの阿知賀編
そのころの阿知賀編その2
そのころの阿知賀編その3

・EX
小学五年、幼馴染
小学五年、嫉妬
小学五年、十月二十七日、憧憬
中学一年、秋、約束
中学一年、十一月十一日、細長い棒状のお菓子
中学二年、初夏、ゆみとの出会い
中学二年、夏、試合観戦
中学二年、元日、二人の願い
中学二年、三月、照との別れ
中学三年、初夏、空白

というわけでおしまい

安価とりたいけど人いますかね?

んじゃあ阿知賀でお好きなの一人どうぞ

下1~下4

これは阿知賀のドラゴンロードですねぇ

憧:1-25
玄:26-00

直下

クロチャーきた
それじゃ次回は

『三年、夏、友達の友達が他人ではない場合』

です

んじゃ、去ります

おはようございます
もうちょっとしたらやります

当方、夜勤明けにつき

んじゃ、始めます



・三年、夏、友達の友達が他人ではない場合


豊音「サイン、いっぱいもらってきたよー」ドッサリ

胡桃「大量だね」

白望「これ、どうしたの?」

豊音「清澄と姫松と、永水の人たちからもらってきたんだ」

塞「んー、悪石の巫女のもあるね」

エイスリン「ワカメノモ!」

白望「……わかめ?」

塞「染谷さんのことじゃない?」

胡桃「ぴったりかも!」

白望「まぁ、わからなくはないけど」


トシ(もうちょっと勝ち進めると思ったんだけどねぇ)

トシ(これは相手の力を完全に見誤っていた私の責任……)

トシ(あの子たちにはすまないことをしたねぇ)



豊音「……」

胡桃「どうかした?」

豊音「もう少し、もう少しだけみんなと打っていたかったなーって」ジワッ

エイスリン「トヨネ……」グスッ

胡桃「二人とも、泣かないで」ジワッ

塞「あーもう、もらい泣きしちゃいそう」グスッ

白望「好きなだけ泣けばいいよ。それはそれで思い出になるし」

塞「うん……そだね」





小蒔「霞ちゃん、大丈夫ですか?」

霞「ええ……二人に祓ってもらったから」

春「今日のは難敵だった」

巴「あれを抑えただなんて、さすがですね」

霞「ふふ、日々の修行の賜物かしら?」

初美「それにしてはちょっと危うい雰囲気だったのですよ」

小蒔「それでもこうしてみんな無事ですから、問題なしです!」

霞「……」


霞「小蒔ちゃん、ごめんなさい」

小蒔「試合のことなら気にしなくてもいいのに……」

霞「それでも、最後は私のミスだから」


霞(それと、もう一つ……)


初美「はいはーい! やなことは忘れてここはパーッと遊ぶのですよ」

巴「うん、私は賛成かな」

春「黒糖の解禁を求む」

小蒔「みんなこう言っているし、もういいと思います」

霞「そうね……」





洋榎「祝! 二回戦突破!」


恭子「……帰ってくるなりいきなりなんですか」

洋榎「ささっ、今回のMVPはこっち座って」

恭子「は、はぁ」


漫「先輩、お疲れ様です」

恭子「今回はそれこそ運が良かったとしか言えへんけど……」

漫「そんなことないです!」

絹恵「そうですよ。漫ちゃん、ずっと先輩は勝つって信じてましたし」

由子「好き好きなのよー」

漫「ちょっ」カァァ

恭子「ん……まぁ、悪い気はせぇへんけど」

「末原ちゃんも素直じゃないんやね~」


由子「ともかく、準決でも宮永って子はいるわけやし、要対策なのよー」

「あ、それならうってつけの練習相手頼んどるわ~」

洋榎「ならもう怖いものなしやな!」

恭子「死亡フラグっぽくないですか?」

洋榎「Vやねん!」

末原「せやから死亡フラグ!」





京太郎「はよーっす」

久「今日はちゃんといるのね」

京太郎「今日はって、いないことなんか……あったな、うん」

久「わかればよろしい」

京太郎「他のやつらは?」

久「まこは部屋、三人娘はぐっすり」

京太郎「まじか……ちょっと腹減ったんだよな」グゥ

久「そうねぇ……もうちょっと待ってもいいけど、先に食べにいっちゃう?」

京太郎「いいのか?」

久「まこも呼ぶから待ってて」



美穂子「京太郎さん、おはようございます」

京太郎「おはよう。今日はうるさいのいないのか?」

美穂子「華菜はちょっと疲れてたみたいで」

京太郎「まだ寝てるわけね」

久「あら、美穂子?」

美穂子「おはよう、久」

京太郎「まこっちゃんは?」

久「三人を残してくのもアレだし、部屋にいるって」

京太郎「ん、そうか」

久「せっかくだし、美穂子も一緒にどう? 朝御飯」

美穂子「そうね、ご相伴にあずかりましょうか」

京太郎「じゃあ行こうぜ。腹減って死にそうだ」





久「それでさ、こっちのことほったらかしなのよもう」

美穂子「ええっと、本当なの?」

久「本当よ。東京に来てから遊び歩いてて、瑞原はやりのライブにも行っちゃってさ」

美穂子「瑞原プロの?」

久「昔っから好きなのよね。主に胸部とか」

美穂子「胸部……」ポヨン

久「あー、はいはい。自分の武器見せびらかすのはやめてよねー」

美穂子「そ、そんなつもりはありませんっ」


京太郎「……」


京太郎(完璧居場所ないよな、これ)



久「で、なんかコメントとかないわけ?」

京太郎「ここで急に振るのかっ」

久「だってあんた、テレビ出てたみたいだし」

美穂子「あ、見ましたそれ」

京太郎「マジか……あ~、今更ながら恥ずい」

久「有名税ってやつでしょ」

美穂子「雑誌のインタビューとは違いますものね」

京太郎「そういや二人は取材とか受けたことあったんだっけ」

久「そんな大したものでもないけどね」

美穂子「私はその、初めての時は緊張して……」

京太郎「その話詳しくっ」ガタッ

美穂子「えっ」

久「はいはい、やらしい話じゃないから興奮しない」





京太郎「これからどうする?」

久「午後からは調整しようかとは思ってるけど……」

京太郎「午前中は暇人か」

久「美穂子も帰っちゃったしね」

京太郎「俺らも戻るか」

久「そうね」



久「和たちが出てった?」

まこ「向こうの準決勝に中学時代の先輩が出とるとか」

久「まぁ、そういうこともあるか」

まこ「ほんに知り合いの多いインターハイじゃの」


京太郎「あれ、二人はいないのか?」


久「そうみたいね」

まこ「一応まだ起きとらんやつがいるけぇ、入ってくるのはひかえんかい」

京太郎「ああ、こいつだったら問題ない。今更気にすることでもないし」



咲「んん……」


京太郎「あー、よだれ垂らして」フキフキ

まこ「にしても手馴れすぎじゃな」

久「世話焼きのお兄ちゃんだしね」

京太郎「はいはい、それよりお客さんだ」


ゆみ「お邪魔する」

桃子「っす」


久「いらっしゃい」

ゆみ「少し時間が早いが、明日の激励をしようかと」

桃子「おっぱいさんはいないんすかね?」

まこ「さっき出て行った」

桃子「それは残念っすね」



京太郎「なんか女子会の様相だし、俺は二人のとこ行ってくるよ」

久「スキャンダルなことはしないようにね」

ゆみ「そういえば、昨日テレビに出てなかったか?」

桃子「あ、そうっすよ。こーこちゃんと知り合いだったりしないんすか?」

京太郎「いや、別に」

久「小鍛冶プロとは知り合いだけどね」

桃子「その話詳しくっ」ガタッ

久「うーん、同じような反応を見たばっかなのよねぇ」

京太郎「えーい、こんなとこにいられるか。俺はもう行くからな」

ゆみ「そして君は何故死亡フラグを残していく」





京太郎「さて、会場に向かったんだっけ?」

京太郎「中学校の先輩か……詳しく聞いてなかった」

京太郎「まさか照ちゃんってわけないだろうし、園城寺も玄も中学は長野じゃないし」

京太郎「となると……花田か。そういや長野出身って言ってたな」

京太郎「じゃあ、新道寺の控え室に向かってるのか……ついでにあいつらに挨拶でもしとこうかな」


『のどちゃーん! こっちこっちー!』

『も、もう少しペースを落として……』


京太郎「お、いた」

京太郎「二人とも――」


「和っ」


和「穏乃……」



玄「わわっ、和ちゃん……成長してる」ワキワキ

憧「ちょっとは自重する」ペシッ

玄「はうっ」


和「憧に、玄さんも」

憧「私たちも全国に来たよ。和もきっと来るって思ってたから」

玄「インターハイ……まだ見ぬおもちもきっと!」

憧「はいはい。でも玄はそれだけじゃないんでしょ?」

玄「そ、それはなんといいましゅか……」モジモジ

和「?」


灼「軽い疎外感」

宥「クロちゃんたち、楽しそう」

優希「うんうん、わかるじぇ」

京太郎「てかあいつら知り合いだったのか」

優希「さすがの私にもわからなかったじぇ」

宥「あ、京太郎くん久しぶりだねぇ」

灼「いきなり出てくるのはどうかと思……」

優希「ふむふむ、先輩たちも知り合いと」



和「あの、先輩?」


京太郎「あ、積もる話もあるだろうし続けててもいいぞ」

和「それよりも……阿知賀の人達と知り合い、だったんですか?」

京太郎「ああ、一昨年から何回か遊びに行ってて」

和「えっ」


玄「あ、京太郎くん!」パタパタ

憧「ふーん、和と同じ学校だったんだ」

穏乃「えーっと、じゃあ京太郎も清澄だったんだね」

和「えっ」


和「ええええぇぇええっ!?」





和「ど、どうして言ってくれなかったんですかっ」


京太郎「いや、阿知賀に通ってたこと知らなかったし」


和「穏乃に憧に玄さんもっ」


玄「えっと、同じ学校だとは思わなかったし」

憧「そもそも最近連絡とってなかったし」

穏乃「もうみんな友達ってことだよね!」


和「そ、それはそうですけど……」


「あ、全中王者の原村和に瑞原プロの隣にいた男子生徒!」


優希「いつかのインタビュアーだじぇ」

京太郎「げっ、カメラ付きかよ……俺逃げるわ」

和「せ、先輩」

京太郎「昨日の今日だからさ、あんま目立ちたくないんだよ」


京太郎「じゃっ、そういうことで」





京太郎「離脱したのはいいけど、なにするかな」

京太郎「久ちゃんたちは女子会の途中だろうし」

京太郎「……せっかくだし、千里山と新道寺のとこに顔出しに行くか」


玄「あるいはおもち探索とか!」


京太郎「いきなり出てきて何を言うか。てかなんでついてきた」

玄「私はもう出番終わったし……お姉ちゃんが行ってこいって」

京太郎「で、本音は?」

玄「東京にはまだ見ぬおもちがあるはず! 探索しないわけにはいかないのです!」

京太郎「悪いけど俺、そういうの卒業したから」

玄「ええっ、そんな!?」

京太郎「そもそも俺が街中で人の胸凝視してたら普通に不審者だからな」

玄「うぅ……でも、でもぉ」

京太郎「まぁ、お茶の一つや二つだったら付き合うけど――」



玄「えいっ」ムニュッ


京太郎「――ってお前なにしてくれちゃってんの!?」

玄「わ、私のはおもちには程遠いけど、京太郎くんがおもちの良さを思い出してくれるんじゃないかって……」

京太郎「だからって自分の胸を揉ませるとか……」


「ヒュウ、あっついねぇ」

「リア充は爆発すればいいと思うよ」

「てかもげればいいと思うよ」

「そういえばあいつ、昨日試合の解説ではやりんと一緒に映ってなかったか?」


京太郎「……ちょっと来い」

玄「お、おもち探索?」パァァ

京太郎「違う。場所変え&説教だ」





玄「うぅ……」ジワッ

京太郎「……そんな落ち込むなって」

玄「だって、だって京太郎くんがぁ……」

京太郎「うーん、わりかし真っ当なことを言ったはずなのに」


京太郎(罪悪感が半端ない……なんでやねん)


玄「ごめんね、私が悪いんだよね。私がわがまま言ったから……」


京太郎(なに、この別れ話をしてるカップルみたいな状況)


京太郎「あーもう! わかったから泣くな!」

玄「でも、おもちのこと嫌いになったんじゃ」

京太郎「建前に決まってるだろ。こうやって二人きりだったら問題ないわけだし」

玄「ふ、二人きり」

京太郎「そういうことだ」



玄「じゃあ……私の、揉んでくれる?」


京太郎「だからどうしてそうなるっ!」

玄「だ、だって、二人きりならいいって」

京太郎「そこにそれは含んでないからな?」


京太郎「大体、女が男にいきなり胸揉めって言ってる状況を考えろ」

京太郎「思いっきり痴女だろうが」

京太郎「恋人同士とかそういう理由があるなら別かもしれないけどな」


玄「り、理由ならあるよっ」

京太郎「……一応聞くけど、その理由ってのは?」

玄「えっとえっと、それは京太郎くんのことがす、すすすす、すk……」

京太郎「酢? ビネガー?」

玄「む、無理だよぉ……そ、そうだっ、京太郎くんには責任があるのです!」

京太郎「……は?」

玄「だって京太郎くんはおもちって言ってくれたけど、私はそう思えないから……」



玄「だから、京太郎くんが育てて欲しいなって」


京太郎「アホか!」ビシッ

玄「はうっ」

京太郎「もっぺん説教だ! 徹底的にやるから覚悟しとけ!」

玄「そんなぁ」


玄(でも、こうやって一緒にいられるなら……)


玄「えへへ……」

京太郎「こら、何笑ってんだ」

玄「わ、笑ってないよ!」





京太郎「疲れました!」

久「帰ってくるなりなによ」

京太郎「俺昼飯まで休むから。時間になったら呼んでくれ」

久「あ、ちょっと――」

まこ「部屋に引っ込んだ……早技じゃな」

久「まったくなんなんだかね」

咲「ん……あれ、もう朝?」

まこ「おんしは寝すぎじゃ」



んじゃ終わりです
安価はまた後でということで失礼します

こっちは引き伸ばしルートだからあっちほどシリアスにはならない……はず

さて、安価取りたいから人いたら挙手をお願いします

あんま人いなさそうだけど……

阿知賀、千里山、新道寺、白糸台から一人どうぞ
ただしセカンド幼馴染は除く

下1~下3

見事な分散
それじゃコンマ判定

クロチャーは今回出たからちょっと削ります

玄:1-20
竜華:21-60
憧:61-00

ゾロ目:?


直下

はい、竜華さんで

次、さっきと同じ条件で一人
竜華とセカンドは除外

下1~下3

うーん、めんどいんで4人でコンマ

淡:1-27
怜:28-54
哩:55-81
玄:82-00

ゾロ目:?

直下

クロチャーもといドラゴンロードの底力

次、例によって同じ条件で一人どうぞ
ただし竜華、松見妹、宮永姉は除く

下1~下3

ここまでかぶらないのも珍しい
んじゃコンマで

憧:1-33
怜:34-66
淡:67-99

ゾロ目:?

直下

淡で了解
てなわけで次回は

『三年、夏、ドラゴン・ドラゴン・スター』

です

それじゃ、いい加減真面目に働きます



※『二年、秋、初めての学校祭』の直後です


・二年、秋、祭りの後と後の祭りは全然違う


豊音「う~ん」


京太郎「おーい」


豊音「もう無理だよぉ」ムニャムニャ


京太郎「姉帯さんやー」


豊音「ダメだってばぁ、京太郎くぅん」モゾモゾ


「なに、今の声?」

「もしかしていたしちゃってるとか?」

「こんなとこでか……とんだ上級者だな」


京太郎「お願いだからもう起きてっ」





豊音「んー、すっきりしたかも!」

京太郎「それはよかった……」

豊音「うん、いい夢見ちゃったよー」

京太郎「どんな?」

豊音「えっとね、京太郎くんのお母さんとお父さんに挨拶して」

京太郎「ふんふん」

豊音「それから私のお父さんに挨拶しに行って」

京太郎「ふんふん」

豊音「もう夜遅いからって京太郎くんを泊めて」

京太郎「なるほど」

豊音「それから……」


豊音「ちょ、ちょっとここから先は言えないかなー」カァァ


京太郎「一番気になるとこで切ったな!」





豊音「もう時間だね」

京太郎「明日は無理なんだっけ?」

豊音「うん、用事があるから」

京太郎「そっか、明日はビッグなイベントがあるというのに」

豊音「あはは、残念だね」


京太郎「今日は楽しめたか?」

豊音「京太郎くんも一緒だったしね」

京太郎「そりゃよかったよ」

豊音「演劇はまた見たいかも!」キラキラ

京太郎「そ、そうか」


豊音「じゃあ、そろそろ」

京太郎「悪いな。送ってきたいけど、クラスの方に顔ださなきゃいけないんだ」

豊音「いいよ、今日はいっぱい楽しませてもらったし」

京太郎「またこっちに遊びに来たかったらいつでも言ってくれ」

豊音「うん……またね」

京太郎「おう」





京太郎「ふぅ、これで一日目は終了か」

京太郎「明日は色々あるし、さらにハードかもな……」

京太郎「さて、今更だけど片付けぐらいは手伝うか」


京太郎「おつかれー。なんかやることある?」ガラッ


一太「も、戻ってきたのか」

京太郎「なんだよそれ、押し付けたのは悪いと思ってるけどさ」

一太「いや、それはいい……と言えば嘘になるけど」

京太郎「なんか他に問題でもあるってのか?」

一太「君がただサボってる分には大したことじゃなかったんだけど……」

京太郎「いや、だから何が言いたいんだよ」

一太「あぁもう……ぼくは知らないぞ」

京太郎「はぁ?」


久「やっと帰ってきたわけ? いいご身分じゃない」



京太郎「ああ、久ちゃ……ん?」

久「あら、私の顔になにかついてる?」

京太郎「いや、顔っていうより……」


京太郎(ものすごく不機嫌オーラが出てるんですけど……)


京太郎「えっと、なにかあったのか?」

久「別に。忙しすぎてなんにもなかった」

京太郎「わ、悪かったよ。抜け出してさ」

久「しかも女の子とデートしてたみたいだしね」

京太郎「え」

久「しかも休憩所でよろしくやってたそうじゃない」

京太郎「いや、それは誤解が――」

久「うるさい黙れ」

京太郎「……はい」



久「とりあえず色々言いたいことあるからこっち来なさい」グイッ

京太郎「いでっ! み、耳引っ張るのはやめてくれっ」

久「じゃあさっさと来る!」

京太郎「わかった! わかったから!」


「竹井さんこわ……」

「そりゃあ彼氏が他の女と遊び歩いてたらなぁ」

「え、あの二人って付き合ってたの?」

「状況証拠的にそうだべ」


一太「あーあ……」


京太郎「ひ、久ちゃん、謝るからとりあえず落ち着こうぜ?」

久「今更それで済むかっ!」



とかいう一周年記念
間が開いてしまって申し訳ない


さて、人いるかわかんないですけどお好きなキャラどうぞ

美穂子・穏乃・豊音・竜華・佳織・憧・ネリー・霞・玄・一は不可

下1
下2

アコチャー不可なんでうたたんとマイル・シローズで

んじゃ、また時間もらいます



京太郎→咏


京太郎「なんだよあのこどな」

京太郎「あそこまで大人気ない大人も珍しいんじゃないか?」

京太郎「そもそも最初は年下のフリしてたし」

京太郎「婿養子とか人をからかいすぎだっての」

京太郎「でもなんだかんだ言って年上なんだよなぁ」

京太郎「曲がりなりにも相談には乗ってくれるし」

京太郎「さて、どういうつもりで着物を送りつけてきたんだかな」




京太郎→哩


京太郎「白水ね……」

京太郎「あいつ、クールに見えるけど、テンパると色々面白いよな」

京太郎「本人の前で言ったら怒るかもしれないけど」

京太郎「でも、そういう隙があるやつって俺は嫌いじゃないよ」

京太郎「まぁ、ほっとくと無理するけど、あいつの場合は大丈夫だろ」

京太郎「良い相棒がいるみたいだしな」


京太郎の好感度は相手が常識的、かつ良識的だったら高い傾向にあります
国広君とかがいい例です
いい比較例がまいひめコンビです

というわけで、また朝にでも顔を出すかもしれませんが失礼します

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