友紀「原付講座をします!」幸子「何故!?」 (42)

友紀「なんか里奈ちゃんが運転しているのを見てたらふと思いついてさ」

幸子「あぁ、いつも乗ってますよね」

みく「また友紀チャンの唐突な思いつきかにゃ?」

友紀「まぁそう決め付けなさるな。どう? 皆は乗ってみたくない?」

かな子「でも道路を走るのってちょと抵抗があるよね……」

茜「確かに……自分の足で走ることが出来ないのはもどかしいですもんね!」

みく「いや、かな子チャンは道路走るのが怖いなって意味で言ったんだと思うにゃ……」

幸子「ボクはそもそも乗れる年齢じゃありませんしね」

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友紀「まぁまぁそう言わずに! ここは一つ、君達まだ免許を持っていない子達にお姉さんが直々に交通ルールのなんとやらを教えようではありませんか!」

幸子「いつもながら押せ押せで来ますね……他に付き合ってくれる人は居なかったんですか?」

友紀「一応ここに来る途中に杏ちゃんが居たから試しに声をかけてみたんだけど……」

杏『え? 別に杏はいいよ、きらりが居るし』

友紀「って言われちゃったぁ!」アハハハ

茜「流石は杏さん……」

みく「そのぶれない姿勢は軽く尊敬の域に達しているにゃ」

かな子「というかきらりちゃんは乗り物に部類されているんだね」

幸子「まぁいつもの杏さんを見てるとそんな感じですし。それにしても原付講座ですか……別に今覚えたところでって感じなんですよね……」

みく「みくも特に乗りたいって訳でもにゃいし……」

友紀「甘い甘い! そんなたるんだ心持ちじゃアイドル道と言う名の坂道は乗り越えられないぞ!」

幸子「原付関係なくないですかね!? それに崖ならまだしも坂道だとあまり険しそうなイメージが湧かないんですけど」

友紀「アイドルと崖って組み合わせは既にあるみたいだから」

幸子「そ、そうなんですか……」

友紀「なんでも、アイドルが崖を補助具無しの素手で登るらしいよ」

みく「なにそれこわいにゃ」

茜「修行ですか! 燃えますね!」

かな子「そういうレベルの話じゃないと思うよ……」

早苗「よいしょっと……原付かぁ。まぁ勉強しておいてもいいんじゃない?」

茜「あっ! 早苗さん!」

かな子「仕事から帰ってきたんですか?」

早苗「いや。ちょっと仮眠室で寝てたのよ。んでさっきの話だけど、原付に乗らなかったとしても免許証は身分証としても便利だし持ってて損はないわよ」

幸子「身分証ですか……確かにそう言われて真っ先に思いつくのは免許証ですね」

早苗「しかも原付の免許って、試験を受けて合格したらその日に貰えるしね」

かな子「そうなんですか?」

早苗「うん。まぁ一応実習がその日にあるけど」

幸子「そんな簡単に乗れるようになるっていうのは、少し危なげな気もしますけど……」

早苗「大丈夫よ。原付なんて楽よ楽。それに今は取る気がなくても知っておくのもいいと思うわよ。知識は人を豊かにするって言うし」

友紀「流石早苗さん! 先人の言う事には重みがあるね!」

早苗「ん? 何? シメて欲しいって?」ゴゴゴゴゴゴ

友紀「心にもない冗談を口走ってしまい、誠に申し訳ございませんでした。今日も早苗さんはお若く綺麗でいらっしゃいます」

幸子(何で怒られるの分かってるのにああいう事言うかな……)

幸子「ともかく、早苗さんが言う事も一理ありますね。テレビ番組に出演した時に知識を披露して、道路交通法を知ってるボクカワイイ! なんてことにもなるかもしれませんし……」フフフ

5人(それはないなぁ……)

かな子「私もとりあえず勉強してみようかな。もしかしたらその中で興味が湧いてくるかもしれないし」

茜「よく考えたら走るのとは違う爽快感を味わえるかもしれませんし、原付もアリかもしれませんね!」

みく「皆乗り気になってるにゃ……まぁ? みくも講座とやらを受けてあげても? いいっていうか、友紀チャンが折角準備したのなら顔を立てるって意味でも」

友紀「よし、みくちゃん以外の三人は受けるんだね! じゃあ早速始めるぞ~!」

みく「ごめんごめんにゃ! みくも受けるにゃ! 除け者は寂しいのにゃ!」

幸子「素直にちゃんと言えばいいのに……」

早苗(幸子ちゃんがそれ言うと普段の言動的にもブーメランになると思うんだけど)

友紀「分かってるって。4人ともごしょうた~い」

みく「ほっ」

友紀「実は講座に使う為にちゃんとフリップボードとかまで用意してあるんだよね」スッ

幸子「準備よすぎじゃないですかね」

友紀「何事も備えあれば憂い無し! よ~し! じゃあ会議室を勝手に借りて講座開始~!」タッタッタ

茜「お~!!」

かな子「お、お~」

幸子「はぁ……やれやれですね」スタスタ

みく「まったくにゃ……」スタスタ

早苗「じゃあ頑張ってね~」(まぁ友紀ちゃんだし、ぐだるんだろうけど)

友紀「では皆が席に着いたところで第一問いってみようか」

みく「展開がはやいにゃ」

友紀「早さってのは大事なんですよ前川くん。では第一問!」ジャンッ

『アルコール?%のお酒までなら飲んでも運転できる ?に入る数字を答えよ』

幸子「随分と初歩的な問題から出すんですね」

みく「簡単だにゃ!」

友紀「まぁ準備体操みたいなもんかな?」

かな子「流石にこれは運転のルールを知らなくても分かるね」

茜「飲酒運転ダメ、ゼッタイってことですね!」

友紀「むむっ、引っかからなかったかぁ……」

幸子「そりゃあそうでしょう」

友紀「だってこの前早苗さんが、『えっ? 発泡酒くらいならヨユーヨユー! あんなのに呑まれる私じゃないから!』って言ってたけど」

幸子「元婦警さ~~~ん!?」

かな子「普通にアウトじゃないかな……?」

友紀「……さて! なんだか雲行きが怪しいので、次の問題へGO!」ジャンッ

『問題です。あなたは原付を走行中です。前方に幼稚園のバスが停まっていて、園児達が乗降しています。次のうち、1番適切な判断はどれ』

①速く通らないと、邪魔になってしまうかもしれないので、一気に突き抜ける。
②園児が飛び出してくるかもしれないので、徐行(すぐ止まれるような速度)しながら気をつけて通る
③エンジンを止めて、原付から降りて押して通る。

幸子「これはまともな問題ですね」

かな子「う~ん……やっぱり①番は危険だし違うよね」

茜「となると、②番か③番のどっちかですか……」

みく「にゃ~~……わざわざエンジン止めなくても良いようにゃ気もするし、かといって万が一もあるし……」

4人「「う~ん……」」

友紀「カチッ、カチッ、カチッ……カンカンカーン! シンキングタイム終了~!」

幸子(あっ、わざわざ口でベルの音とかまで言うんですね)

友紀「では、正解をどうぞ! 代表してみくちゃん!」

みく「みくかにゃ!? ん~……③番で」

友紀「う~~ん……残念!」

みく「にゃ……にゃんと」ガックシ

かな子「って事は②番が正解なのかな?」

幸子「まぁ消去法でそうなりますよね」

④ハイパーキネティックポジションリバーサーを使う

4人「「!?」」

友紀「あっちゃ~、結構難しかったかな~」アチャー

幸子「いやいやいや! どう考えてもそういうことじゃないでしょう!」

みく「何で選択肢が増えてるにゃ! そんなの反則にゃ!」ギャース

友紀「遊び心ってやつ?」

幸子「そんな不必要なものは今朝の不燃ごみの回収の時にでも出しておいてくださいよ! 
ってかだいたいそのハイパーなんちゃらって何ですか!」

友紀「相手と自分の位置を入れ替える凄いスキルなんだよ! 杏ちゃんの家に行った時に教えてもらった!」

幸子「知らないですよ……杏さんの家でって事は多分アニメかゲームなんでしょうけど」

友紀「おまけに物理的に硬くなれる!」グッ

みく「何故にグッドサイン!? アイドルにその要素はいらないにゃ!」

茜「物理的に! それは強そうですね!」メラメラ

幸子「茜さんのやる気スイッチが押された!?」

かな子「というか、そんな事は現実じゃ出来ないと思うけど……」

友紀「確かにその通り……でも! これはパネル問題! 絵の中の世界! ということは現実では起こりえない事だってあるかもしれない!」

みく「……友紀チャンがまともな講座をしにゃいとは思っていたけど、まさかここまでとは……」

幸子「はい……また悪い方向で期待を裏切ってくれましたね……」

友紀「……? もしかしてパネル問題はあまりご所望ではない?」

かな子「あ、あはは……」

友紀「う~む、分かったよ」ショボン

※本当の正解は②番です

幸子「次はまともなのお願いしますよ」

友紀「はいはい。じゃあ次は○×問題だ!」

茜「おぉ~~!!」ボンバー

みく「何故にエキサイトしてるにゃ!?」

茜「そろそろボンバー要素が必要かなと思いまして!」

幸子「どんな要素ですか!?」

かな子「元気なのはいいことだけどちょっと落ち着こうね」ドウドウ

友紀「では、早速第一問!」

『原付は二人乗りをしてもよい』

幸子「う~ん、これは×ですかね~」

かな子「問題の書き方からしてもそれっぽいよね」

茜「ですよね! よって答えは×!」

みく「みくはあえて皆とは反対の○を選ぶにゃ!」

友紀「答えが出揃ったところで正解発表~」

『正解 × (原付は運転手しか乗っちゃダメ)』

みく「あぁ……奇をてらったのが間違いだったにゃ」シクシク

友紀「大丈夫大丈夫。次の問題で挽回すればいいんだよ!」

みく「にゃ、にゃるほど! 次こそは正解にゃ!」

かな子(ノリが完全にバラエティ寄りになってるなぁ)

友紀「では、第二問」バンッ

『原付のガソリンは志乃さんが愛蔵しているワインを使用しても良い』

幸子「また変なのが出てきましたけど!?」ガビーン

みく「問題にすらなっていないにゃ! 最早交通ルールもへったくれもないにゃ!」

かな子「実際にやったら志乃さんに凄く怒られそうだね」

茜「当然×に決まってます!」

友紀「なるほどなるほど。全員×ってことだね。じゃあ正解は~?」

『正解 × (エンジントラブルの元となります)』

友紀「イエ~ス! 全員正解! 皆中々やるね!」グッ

みく「イエ~ス、じゃないにゃ! もう少し問題を真面目な方向にシフトして欲しかったにゃ!」

友紀「うむむむ、ご注文の多い講習生さんだ。ならこれならどうだ!」バンッ

『原付の車輪が突如としてオ○オになってしまったので、とりあえず半分に割る』

かな子「食べます」

友紀「えっ! あの~、問題の形式的に答え方として、食べるとかそういうんじゃなくって……」

かな子「食べます」

友紀「いや、だからね? 一応これ○×問題なんだけど……」

かな子「じゃあ×で。かぶりつきます」

友紀「あっ……はい」シュッ

三人(諦めてフリップしまった!?)

友紀「なんか……すみませんでしたはい」

三人(しかも気圧されてる~!)

幸子「つ、次の問題は何でしょうかね~?」

みく「い、いやぁ……今の問題はかな子チャンに答えられちゃったから、次の問題で挽回したいにゃ~」

茜「そ、そうですね! もっと問題を解きたいですね!」

かな子「……ハッ! あれ? 私……もしかして暴走してた?」

みく(無自覚かにゃ! てか食べ物が絡むと暴走するのかにゃ!?)

友紀「そんなことないから大丈夫大丈夫~……そう大丈夫だよ私、怖くないよ」ボソボソ

幸子(言い聞かせてる!?)

友紀「さて! じゃあ問題の続きを出していこうか!」

幸子(かな子さんの件でツッコミ忘れてましたけど、今のも大概ふざけた問題でしたし、多分次の問題も……)

『原付を走行中にタイムスリップしてしまった場合、すぐに方向転換をして出せる限りのスピードを出す』

幸子「だ・か・ら!」バンッ

友紀「うおっと! 輿水くん、講座の途中に机を叩くのは良くないですよ」メガネカチャ

幸子「どこから出したんですかそのメガネ……」

みく「小道具ばっかり充実してて一番重要な問題の中身は滅茶苦茶にゃ……」

友紀「まったくだらしのないなぁ……分からないの?」メガネカチャッカチャッ

かな子「分かるも何も答えようがないというか……」

幸子「逆に即答していたらどうかしてますよ」

みく「友紀チャンはその状況になったことあるのかって話にゃ」

茜「気合でどうにか出来る話でもありませんし……」

友紀「皆すぐ諦めるんだから……それじゃあ答えはこれ」ジャンッ

『正解 × (過去に戻ったとしても法定速度は守りましょう。何事も冷静でいる事が肝心です)』

かな子「何で毎回解説のところはそれっぽいんだろう……」

みく「でも不可思議現象に見舞われているのに『何事も冷静で居る事が肝心です』って言われても無茶にも程があるにゃ!」

茜「いやぁ……そもそも原付でタイムスリップするのが難しいですしね」

幸子「というより不可能ですよね」

友紀「よし! ○×クイズしゅうりょ~う!」

幸子「何が『よし!』なんでしょうか」

友紀「まぁここらで座学の時間は終了かな。これで皆も大分原付への理解は深められたと思う」

みく「どこがにゃ」

幸子「友紀さんのハチャメチャさならますます理解出来ましたけどね」

友紀「よって次は実習です!」

茜「実習ですか?」

友紀「ざっつらいと! 既に晶葉ちゃんに用意してもらった原付が外でスタンバイしているのだ!」

かな子「ほ、本当に準備がいいね」

友紀「てことで皆、外に出るよ~!」タッタッタ

茜「分かりました~!」タタタタタッ

晶葉「おっ、来たか」

友紀「ごめんごめんお待たせ~。頼んどいたのはもうあっちの駐車場に?」

晶葉「うむ。調整してもらってから運んでおいたぞ」

友紀「ありがと!」

晶葉「なぁに、気にする事はないさ。それと後で美世にもお礼を言っておくんだな。原付は彼女のお古だし、調整も主に彼女がやっていた」

友紀「オッケー! 美世ありがとー!」

かな子「今叫んでも聞こえないと思うよ!?」

茜「美世さんありがとうございま~す!!」

幸子「茜さんまで!?」

晶葉「……そういえばこっちが頼んでいた件はどうなった?」

友紀「大丈夫! 明後日辺りで菜々さんに会うからその時なんとかする!」

晶葉「了解だ……フッフッフ、これでウサミンの生態が……」

みく「あれ? なんか菜々チャンの何かが取引に使われている気が……」

幸子「菜々さん……ドンマイです」

友紀「さてと! 皆の衆! 私が手本を見せるからしっかりと見ているんだぞ!」

幸子「何キャラですかそれは」

友紀「まずは、なんか車体とかその他諸々を確認します!」カクニーン

友紀「そんでスタンドを外してなんやかんやするとエンジンもつきま~す!」ブーン

幸子「そこちゃんと教えてくださいよ!」

友紀「大丈夫だって。そこら辺もあたしは抜かりなく説明するから。じゃあ出発進行~!」ブロロンブロロン

幸子「あぁ、行っちゃいましたね」

みく「無事に帰ってくるといいんにゃけど……」

晶葉「そうだな……まぁ改造してあるし、保障は出来ないが」

4人「「えっ!」」

晶葉「えっ? これって原付を使用した実験なんじゃないのか?」

幸子「違いますよ!?」

晶葉「いやぁ……てっきり友紀助手のことだからエキサイトする何かだと思って、既にパルプンテくんロボを取り付けてしまったよ」

みく「嫌な予感しかしないネーミングのロボにゃ!」

かな子「だとしても先に言っておいた方が良かったんじゃ……」

茜「あっ! Uターンして帰ってきますよ!」

幸子「良かった……特に何も起こらなかったんですね」ホッ

晶葉「そりゃあパルプンテくんロボだからな。何も起こらないこともあるさ」

幸子「それはそれで発明品としてはどうかと思いますけど」

みく「なんかどんどんスピード上がってにゃい?」

かな子「危ないよ~!」

ブーーーーン シューーーーー パシュッ!

茜「あっ……」

かな子「……えっ」

晶葉「…………」

幸子「友紀さんと……」

みく「原付が……」

晶葉「地面に炎の軌跡を残して……」

5人「「消えた(にゃ)……」」

茜「あれ? 友紀さんはさっきまで目の前に居たのに……でも今はどこにも居なくって……あれ~?」グルグル

晶葉「か、かか考えても混乱するだけだぞ! ととにかく落ち着くんだ!!」アセアセ

みく「1番焦ってるの晶葉ちゃんだにゃ」

晶葉「だって! 流石にタイムスリップするとは思わないじゃないか!」

かな子「……どうしよっか……」

幸子「……法定速度を守りながら帰ってくるんじゃないでしょうか」

………。
……。
…。

事務所 物置

友紀「んんん(誰か)~~~~!! んんんん(助けて)~~~~~!!」バタバタ

皆さんと友紀さんを捜索したところ、某映画のように未来に行った訳ではなかったようで、事務所共有の物置にあるぴにゃこら太入れに埋もれていました。
どうやら瞬間移動をしたみたいです。まぁそれでも充分に凄まじいことなのですが。
とにかく友紀さんは無事だったので良かったです。

ちなみに原付は美世さんの元に戻っていたそうです。ハーレーになって。

夏樹「よっ! 今度ツーリングにでも……って、えぇ!! いつの間にハーレーなんて買ったんだよ!」

美世「買ったんじゃなくて……お古のレッツ4と物々交換?」

夏樹「意味が分からない」

お わ り

晶葉ちゃんならタイムマシン作るのも造作もないはず。俺は信じてる。

読んでくれた方、ありがとうございます!

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