モバP「大馬鹿者と」 喜多見柚「ステキな日!」 (20)

P「…………」zzz・・・

柚「……」


つんつん


P「んにゃっ……」zzz

柚「……」


つんつん


P「んぐぅ……」zzz

柚「♪」

ちひろ「あの」

柚「あっダメだよ、Pサン起きちゃうよっ」しぃー

ちひろ(だからつっつくのやめてって言おうと思ったのに)

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柚「へへ、Pサンよく寝てるね」

ちひろ「ここ最近調整に追われてましたからね」

柚「調整って?」

ちひろ「もちろん今日のパーティーイベントですよ」

柚「みんなで柚の誕生日をお祝いしてくれたやつ!」

ちひろ「そうですそれです」

柚「そっかーPサンのおかげでみんな集まってくれたんだー」ニパニパニヨニヨ

ちひろ(すごく嬉しそうですね)クス

柚「でも困ったナー。せっかく二人きりだと思ったのに全然起きないや」ツンツン

P「すかー……」zzz

ちひろ「起こさないようにしてたんじゃ…?」

柚「あれっ」

ちひろ「え?」

柚「あ、そうだよ、Pサン疲れてるから起こしちゃダメだよね。ワガママだよっ」

ちひろ(いい子だ)

ちひろ「それにまだ私も残ってますし」

柚「ホントだ」

ちひろ(やっぱりちょっとひどい)

柚「でもPサンこんなところで寝てカゼひいちゃわないカナ? 最近ずっと寒いよー」

ちひろ「そうですねぇ。プロデューサーさんに風邪ひかれたら事務所が大変です」

柚「事務所全部?」

ちひろ「ですね」

柚「事務所の危機だ!」

ちひろ「ですねぇ」

ちひろ「ほんと、プロデューサーさんが休んだりなんてしたら大変ですよ」

柚「柚たちのオシゴトっていつもPサンが持ってくるもんね」

ちひろ「ええ。私にできるのはサポートくらいですし」

ちひろ「それにみんなプロデューサーさんのことが大好きですからね」

柚「そだねー。柚も大好きだよー」ニパー

ちひろ(眩しい)

柚「…?」ペカー

ちひろ「まったく、こんなに慕われてるのに素知らぬ顔して寝ちゃって」プニ

柚「そうだぞーせっかく誕生日なのにもっと構えー」プニ


ぷにぷに


P「んがぁ……」zzz

ちひろ「まったく起きませんね」

柚「ものすっごく疲れてるんだね」

ちひろ「やっぱりたたき起こしちゃいましょうか」ヨット

柚「えっダメだよっちひろサン」ワタワタ

ちひろ「体壊される方がよっぽどダメです。ついでにすぐにでも休み取らせるつもりだったんですから」

柚「あれっそうなの」

ちひろ「この人全く有給取ってないんですよ。残業代にしても出す側になってみて欲しいもんです」

柚「お休みっていつ?」

ちひろ「さあ? 聞いてみないことには。明日なんかすごく丁度いいんですけどね」

柚「明日って……あ、柚明日お休みだよ!」

ちひろ「それはよかったですね」

柚「……でもPサンの貴重なお休みに柚が誘ったりしてもいいのカナ?」

ちひろ(やっぱりいい子だ)

ちひろ「……」クス

ちひろ「でも、いいんじゃないですかね」

ちひろ「アイドルといる時のプロデューサーさんは、やっぱり、どんな時よりも楽しそうに見えますから」

柚「それ以外のPサンは? 知ってるの?」

ちひろ「さあ? 四六時中アイドルの子と一緒ですからね」フフ

柚「四六時中かー。へへ、ゼータク者だー」プニプニ

P「んぅー……」

柚「くしゅっ」

ちひろ「あれ、柚ちゃん」

柚「ううん、ムズムズしただけ」

ちひろ「でも、もうそろそろ帰った方がいいですよ」

柚「Pサンに送ってもらうつもりだった!」

ちひろ「そうですか。じゃあやっぱり起こさないと」

ちひろ「ほら起きてくださいよこのお馬鹿」ユサユサ

柚「おバカ!」ガーン

柚「Pサンはすごいよー柚が宿題で困ってたらちょっとだけ助けてくれるよー」ユサユサ

ちひろ(そういう意味じゃないけど)

ちひろ「はぁ。まったく、こんないい子の大切な日にぐーぐー寝てちゃダメじゃないですか」ユサユサ

柚「ホントだっ。このままじゃホントのおバカになっちゃうよー」ユサユサ

P「んむぅー……」

P「ん……あ……?」

ちひろ「ようやく起きましたか」

P「……」パチクリ

P「あ、ちひろさんすいません……。土下座で勘弁してもらえませんか……」

ちひろ「寝ぼけないでください。人をなんだと思ってるんですか」

P「ええと、どのくらい……二時間も寝てたか……」

柚「おそよう!」ペカー

P(起き抜けには眩しいわー……)

P「……って、あれ。柚?」

柚「Pサンが起きるのを待ってたんだよー」ニパニパ

P「もう時間が時間じゃないか。すぐに送っていくよ」

柚「へへ、だと思ってた!」

ちひろ「そうですよ。柚ちゃん送ってもらうからって待ってたんですよ」

P「ありゃ、マジか……。そりゃすまなかった」



ブルルルン


P「後ろ乗れー」

柚「助手席に座る!」

P「はいはい」

P「家族に連絡は?」

柚「とっくに入れてあるよー。食べてから帰るって言ってある!」

P「おいおい……家族の方で何か用意してるんじゃあないのか?」

柚「ううん、ずっと先に言ってあることだし」

P「そ、そうか……。いいのかねえ……」

柚「Pサンと二人でごはん食べるからーって言ったら納得してくれたよ!」

P「信用していただいてるのはありがたい話だがなあ」

P「まあ、よし。今日は大事な日だからな! どんな所でも連れて行ってやる!」

柚「ファミレス!」

P「ファミレス? いつもの所か?」

柚「豪華なものはお昼にたくさん食べさせてもらったからねー。Pサンのおサイフにも優しいよー」ヘヘー

P「本当にいいのか?」

柚「もう、Pサンと食べられるなら何でもいいってことだよっ!」

P「ううむ……」

柚「……」クス

柚「へへっ、Pサンはやっぱりお馬鹿カモ!」

P「お、おバカ!?」

柚「うんっ、ばーか!」



おしまい

誕生日以内にまるで間に合わなかった大馬鹿者は俺です
無邪気な顔で「ばーか」って言われたい

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