【FRONT MISSION】ハフマン紛争【閲覧注意】 (82)

20世紀終盤から21世紀の前半、太平洋での隆起現象により、わずか70年余りで西之島などの新しい島々が姿を現す。


そんな新島の中の1つに太平洋ほぼ中央に位置する『ハフマン島』と言う島がある。


この話は、そのハフマン島で起こった紛争の最中、一人の男を愛してしまう ある女の話しである―――



――― 21世紀中盤ハフマン島の出現に合わせるかのように世界には、二つの大きな国家が成立する。

1つは、カリブ海諸国などの数ヶ国を残し、アメリカ大陸のすべてが統一した。ニューコンチネント合衆国(USN)

もう1つは、オセアニア、東アジア、東南アジア地域からなる経済的な共同連合を実現させためにオシアナ共同連合(OCU)

21世紀半ばまでに『OCU』と『USN』の二つの大国が成立したのである。



2065年
ハフマン島の隆起現象が沈静化すると、太平洋のちょうど中央に位置するこの島の豊富な地下資源を求め、OCUとUSNの両陣営からの大量入植が開始される。


2070年
島の地下資源を巡り両陣営の一触即発の緊張関係が続いていた。


ただ、まだこの時点では、ハフマン島を東西に分けるように中央に流れる『メール河』と呼ばれる河を挟んで、島の西部をOCU陣営 東部をUSN陣営として明確な国境線はなかった。


《2070年》
―メール河西岸―

川辺は随分と暗く、月が川面に映る。

『メール河』の川岸を闇夜に溶け込む様にミッドナイトブルーの『ヴァンツァー』が疾走する。

管制官「Zelkova 応答せよ!! 今どこにいるのだ?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449069431

ヴァンツァーの機内にコードネームを呼ぶ声が響く、所属する基地から無線を通しての声だ。

哨戒任務のコースを大幅に外れたからであろう。


今、その機体は、OCU側の首都である『フリーダム』から少し東に行ったメール河の近くを走っているのだ。


男(くっ…イイ場所が見つからない!このままでは、『ペセタ』の近くまで行ってしまう。)


『ペセタ』とは、『メール河』のほとりに位置しOCUの首都『フリーダム』に一番近い都市でもある。


ヴァンツァーの操縦桿を握る搭乗者は何かに焦っている。

管制官「Zelkova!応答しろ!どうした?」


あまりにも何度もコードネームでの呼び出しを受けるのでヴァンツァーの搭乗者は声を少々荒げて応答する。

男「Zelkova 無事です!後で説明します!」


ペセタは、メール河の東側にありUSN領と言っても良いくらいUSN陣営の入植がかなり進んだ地域でもある。


戦争状態ではないと言っても、両陣営の緊張状態を考えば、こんな場所に長時間、OCUのヴァンツァーがウロウロしているのは、非常にマズイ。


今、このマズイ状態にあるヴァンツァーの搭乗者は、士官学校を出たばかりの、OCUの陸軍少尉である。


そんな新米少尉が、今の基地に来て、初任務の哨戒中に非情に危機的な状態に陥ったのである。


男(ヤバイ、どうしよう…!! 身を隠せる場所…身を隠せる場所…どこかないか? うわぁぁぁぁ!どこにもないぃぃぃ!?ホンマ、どないしたらええんやあぁぁぁ…!?)

哨戒ルートでは、見通しの効く場所が多く、身を隠すのに適していない。


もちろん、この危機的状況を回避する為に新米少尉は所属基地に帰ろうと思いもしたが、今いる位置からは遠すぎるのだ。


急ぎ身を隠せるのは、多少の危険を伴うが、ペセタ近郊にある河辺に生え揃う草木の中くらいしかなかった。


河岸の小さな林に入ると整地されてない為か、ヴァンツァーが不規則に揺れる。


新米少尉は、カタカタと揺れるコックピットに不安と焦りを倍増させ、ヒリつくプレッシャーに嫌な汗が常に背を伝う。


男「少尉候補生時代でも、こんなピンチに陥ったことなんてなかったのに…。」


新米少尉は、焦りからか、独り言をぼやく。


予想される最悪な未来を考えただけで、口で言い表せない恐怖が腹の中で黒い渦を巻き身震いをする。


男「どこか、ヴァンツァーごと身を隠せる場所を探さないと…。」


もう時間がない、OCU本部にも詳細を話せないこの危機的状態を回避するには、自分一人で立ち向かわなければならなかった。

男「よし、あそこに……! 何とか、間に合った!!」


たまたまヴァンツァーを隠せそうな地面の隆起を河辺に見つけ、ヴァンツァーを隠し、急いで起動停止をさせる。

男「メインスイッチオフ! 起動停止!」


停止を確認して、急いで機を降り草の茂みに身を隠すようにしゃがむ。


護身用の銃を持つ手が異常なまでの汗で濡れている。




  ホー ホー ホー…




フクロウだろうか… 河辺の木々に囲まれた草むらの中で夜の雰囲気を身に感じる。


男「何が失敗の原因だったのかな…?」







ブビイィィ… ブジュッ… ブリリリイィィィ…ミィチミィチミィチィィ…



フクロウの鳴き声が消え、夜の静寂を突き破る破裂音が草むらに響く…。


新米少尉は、額に玉の様な汗を浮かべながら、涙目で考える。


男「んほぉぉぉぉぉぉ!いっぱい出ちゃうのぉぉぉ!」



男(今朝食べた味が少しおかしかったリッチバーガーの肉のせいだな…クソッ!)



男「んひぃぃぃ!!止まらないよぅ…。」




ブバッブジュッ… ブリブリブリイィィィ…




男「んへぇ…クサいよぅ!」




河辺の草木の匂いから、嗅ぎなれたドドメ色の匂いに辺りが包まれる。


初任務中、ヴァンツァーの中で、下痢便を漏らしたら、きっと後世まで言われ続けるだろう。

勿論、哨戒ルートの途中で野糞する方法もあったが、哨戒中の味方に下痢便を垂れているところを見られる可能性もある。

バレれば必ず笑いものにされる。

書き遅れましたが、内容は、残酷描写あり、グロあり、エロあり、胸糞注意になると思います。(※18禁です。)

フロントミッションの世界観を借ります。

おかしな部分が多数あるかも知れませんが、そこら辺りは適当に流して下さい。


主人公達(男と女)はOCU側の設定で話を進めていきたいと思います。

男「ぐうぅwwwケツが痛いwww しかもwww今日に限ってwww何故ティッシュやハンカチを持っていないんだwww情けなさすぎwww」

下痢でヒリヒリと痛む尻を靴下で拭きながら、男はつい呟く。

男(少し熱っぽいな、もしかしたら腹にくる風邪でも引いたのかも知れない。)

尻を拭く為に使った靴下を下痢便の上に乗せ、額に手をあてて、多少フラつきなが立ち上がる。

男は尻の痛みからか、すぐに機に搭乗する気持ちになれず、火照った尻を冷やす様にフルチンのまま腰に手をあてて、先程まで乗っていた 『ヴァンツァー』 を見上げる。


ヴァンツァー(WAP)人型機動兵器の総称である。

WAP自体の歴史は2025年、ドイツのシュネッケ社が開発した試作機、WAW(ヴァンダー・ヴァーゲン、Wander Wagen)人型作業機械に端を発する。

2034年、アフリカ紛争勃発を受け、O.C.U.がWAWとパイロット、技術者をアフリカに派遣。

WAWは、戦車の地位を脅かすなど多大な成果を上げ、陸戦に変革をもたらした。

この後、WAWの兵器化は進み、規格を戦闘仕様に共通化したもの誕生する。

以後、戦闘用・軍用に設計されたモデルはヴァンダー・パンツァー(Wander Panzer)WAP、ヴァンツァーと呼称されることになった。


男「全長約6m 重量約25t 半永久機関を駆動に利用し、従来の兵器の枠組みに囚われない柔軟な運用が出来る鉄の巨人か…。」

シュボッ!!

男は呟きながら、煙草を咥え火をつける。

男「フッ…、煙草とジッポと灰皿は、あるのにケツを拭くティッシュは持ってないもんだな…。」


シュイィィィィーン!!


唐突な機械音に我にかえる。


男「ヴァンツァーのローラーダッシュ音!!敵? しまった!長居し過ぎた!」


男は、煙草を携帯灰皿でもみ消し、パンツとズボンを履くと、急いで梯子を登りミッドナイトブルーにカラーリングされた愛機『ゼニス』のコックピットに体を押し込めハッチを閉める。


男「メインスイッチオン!! 全システムオールグリーン! ヴァンツァー起動!!」


一機のヴァンツァーが対岸のペセタから勢い良く飛び出してくる。


男は木々の間に愛機を隠し、マシンガンを出現したヴァンツァーに向け構える。


男「スナイパーライフルの調子が悪かったから下ろして来ちまった…。接近戦は苦手なんだよなぁ…。」

男(ここで戦争が始まっちまうのか? しかし、それは困る。)


男「ウンを出しちまった分www運が悪くなっちまったかなぁwwwなんちゃってwww」


男はぼやきながらも、即応射撃を出来る様に準備する。


出現したヴァンツァーは、足裏に装備されているライドホイールによるローラーダッシュで高速移動をし、前方の河に向かう。


ガリッ!ガリガリガリガリッ!


ローラーダッシュで脚部の一部が地面に接する度に地面との間に火花が散り小石が弾き飛ばされる。

男「上手いな…まるで人間の様な滑らかな動きだ…。」

火花の明滅で肩のOCUの識別マークと部隊番号が見える。


深緑色にカラーリングされたその機体は、右手にパイルバンカー 左手にナックルを持っている。


右肩と左肩には日の丸のエンブレムが描かれた肩部用の装甲板を装備している。


深緑のヴァンツァーは白兵戦闘を主にするストライカーのスタイルらしい。
所謂、重火器と言うモノを装備していなくナックルと言う打撃武器で敵を叩き壊し粉砕し、パイルバンカーと言う鋭利な突起のついた武器で相手を突き貫いて戦うタイプの様だ。


男「日の丸?OCU日本のヴァンツァーか?
でも、『日防軍』って肩部に書いて無いな…?
装備はバリバリの白兵戦タイプだな…遠距離攻撃主体の俺と真逆なタイプか…。

それにしても、肩部の装甲板は、重いだろうに、動きが軽快だ… 東側のペセタから来たところを見ると強行偵察か?

緊張状態の続くハフマン島で日の丸をつけて良くやる…。」


出現したヴァンツァーは、跳んで踊るかのように器用に河を渡りおえて、男の搭乗する最新鋭機種であるゼニスの横をすり抜けて、ペセタの西側にあるOCUの首都『フリーダム』のある方向へ、走り去る。

走り去るヴァンツァーを目で追いながら呟く。

男「腕いいなぁ… 肩の番号は、同じ部隊みたいだし、まぁ、仮設基地で会えるだろう。」


無線が入る…。


仮設基地少佐「Zelkova 哨戒コースを外れて勝手な行動をとるな! 偵察衛星で何をしていたか、大体わかる…。哨戒任務はもういい!!帰還せよ!」


男「Zelkova 了解…。」
……………
………



-仮設基地執務室-
男は、緊張の面持ちで、先程から少佐の前に立っていた。

その空間の男を無視するかの様にカリカリと無機質な筆の音をたてて、少佐はもくもくと書類を書く。


ある程度少佐が筆をはしらせた後、書類にハンコを押しバサバサと束ね机の端に置く。


少佐は休む様に腕を組み溜め息をついた後、基地の購買部で買ったであろう新しい靴下を男に渡しながら呟く様に言う。


少佐「君は、哨戒任務も出来ないのかね?」

男「はい… スミマセン…ちょっと怪しい場所があったので、ルートを外れて偵察と、ついでにその…色々してました…。」


男(たぶんしっかりと見られた。もうお婿に行けない…。)

少佐「まぁ、本当なら明日までは非番だし、初任務だから大目に見るが、以降こう言うコトがないように。」


男「サ…、サー イエッサー!」ピシィッ!

少佐の威圧感に圧されながら精一杯の敬礼で返す。


「シャボン玉飛んだ~♪屋根まで飛んだ~♪屋根まで飛んで~♪こわれて消えた~♪」

その緊張感を壊す様に綺麗な日本語で歌を唄う者がいる。

少佐「何だね?女軍曹?」


女「いつまで私を待たせるのかなぁ? 暇だから歌を唄って存在をアピールしたんですよ。
気に入らないなら部屋に帰りますけど?
そっちの男性より私の方が先に待っていたのをお忘れですか?」


少佐「君を呼んだ理由は 非番だからといって勝手な行動はしないで欲しいと伝える為だ!」

女「ふ~ん…あ~、はいはい、それだけ? わかったからもう部屋に帰ってもいいですか?」

先程のストライカーの操縦者は、気のない返事と態度で執務室の長椅子にだらりとダルそうに座りながら返事をする。


男と同じ日本人の血を引いているのだろうか?黒い瞳と髪を持つその女は男より随分若く見える。

ヴァンツァーに乗る時に通信用のヘッドギアをつけるコトから髪が邪魔になるのだろう 髪はショートヘアーにしている。

しかし、とても軍人に見えないくらいに華奢で何処にでも歩いていそうな女性だ。


今、部屋で日本の歌を唄っていたのは、彼女である。

女「何ジロジロ見てるんですかイヤらしい!」


女はかなり機嫌が悪いらしく男を鋭い眼光で睨みつける。

少佐「それより、何か情報はあるか?」


女「ないわ!あればコッチから言うから、いちいち聞かないで、煩わしい! それより、帰っていい? ここにいたくないんだけど?」


女は、長椅子から立ち上がりイラつきながら面倒臭そうに返答する。

男(うわっ…態度悪っ!)

少佐「フン…、ところで、女軍曹 ちょうど良かった。
彼が昨日からウチに配属された男少尉だ 君の上司になる。 君と分隊を組むコトになるんだから仲良くな?」


女「こいつが私の僚機?随分頼りなさそうね?今まで通り一人の方がいいんだけど?」


女は、男を一瞥し、少佐に低い声でぼやくように抗議する。
そんな態度を見せる女に少佐は強い語気で返す。


少佐「女軍曹 不満なら君が自分好みに上司を育てたまえ! 以上解散!」

女「はぁ…。面倒臭い…。私は、一人がいいのに…。誰とも関わりたくないのに…。」


女は、溜め息をつき、さっさと執務室から出て行ってしまう。
少佐は、そんな女の出て行った方を睨む様に見た後、男を睨み強い語気で言う。


少佐「何をしている?君も部屋に帰りたまえ!」

男「失礼しました!」ピシィッ!


男は少佐の語気にビビりながら敬礼をきちりと返し執務室から出る。

女は、執務室を出ると、スタスタと外の廊下を先に先にと歩いて行ってしまう。

男はそんな女を呼び止めて、取り敢えず友好的に挨拶をする。


男「女軍曹 ヨロシク頼むよ。僕を別に上司だなんて思わなくて結構だから、仲良くやろう?」

そう言いながら握手をする為に手を女の方に出す。


女「男少尉って言いましたっけ?
気安く声かけないで!貴方みたいな士官学校出のヒョロヒョロ野郎が私は一番嫌いなの!

それに、何処かで合ったことある?何かイラつく顔なのよね。
私は今まで通り自分の好きにやるから、じゃあね。 」


女は、握手をしようとした手を無視して再び廊下を歩き出す。
男は為す術もなくその場に呆然として立つしか出来ない。


女「そうだ、ひよこ少尉殿に一つ良いことを教えてあげるわ!」

突然立ち止まり意地悪そうな顔を男に向ける。


男「……何?」

女「貴方の配属されたこの仮設基地のヴァンツァー部隊はね?
使えないクソが来る予備の部隊なんですよ。」


男「…。」

男は歯を食い縛り体を小刻みに震わす。


女「つまり、貴方は誰からも必要とされてないと言う訳なのよ。」ニコッ

女は、更に意地悪そうな顔で、男に可愛く微笑みかける。


男「知ってるよ…。」

男は手をグッと握り、拳をワナワナと震わす。


女「あぁ、知ってましたか… まぁ、私もそうなんですけどね…。」

女(くくくっ…頭に来ちゃいましたか?ほら殴って来い!返り討ちにしてやる!)

男「…。」

女「それと、さっきの基地司令の少佐のコトだけどね?」

男「基地司令官が何か?」


女「あの人、昔は大佐だったのよ…。 色々とあって今は少佐だけどね。
新米少尉君? あの人には、気を付けなさい!先輩からの忠告です。分かりましたか?頭が馬鹿そうなヒヨコ少尉殿?(ホラ殴ってこい!カウンター決めてやる!)」

女はクスクスと男をからかうように笑う。









  ぶびいぃぃぃっ!!



女「へっ!?」

男は爆裂音で女に返事をしてしまう。
そのドドメ色の爆裂音は女に間抜けな声をあげさせる。


男「あ屁えぇぇぇ…いっぱい臭いの出ちゃうのぉぉぉ!」

男は、さっきから我慢をしてた屁が出てしまったのだ。

 ブリブリブリwwwブビィwww

男は、固まる女に気の利く言葉を考えるが冗談の1つも思い浮かばない。

女「ちょっと!ホント馬鹿じゃない? こんな奴が私の僚機なの?ホント、冗談じゃないわ!」


女は涙目で鼻を摘まみ男を睨む。

女「この屁タレ!覚えておきなさいよ!」


言うだけ言うと、女は、その場に男を残して逃げる様に廊下を走っていく。

男(俺は、いったい、どうなってしまうのだろう…。)


男は不安になると同時にまたお腹の具合がまた悪くなる。

女「うきゃああぁぁぁ!?」


廊下の向こうで女がコケたのだろうか…派手に転ぶ音がする。おっちょこちょいで、そそっかしい性格なようだ。

男「取り合えず、医務室に行こうかな?」


男は有毒ガスを廊下に残し医務室に向かう。

……………
………

-医務室-
薬用のアルコールの匂いだろうか、医務室独特の匂いが立ち込める中、先程から、知的な眼鏡をかけたブロンドの長髪を持つ女医の問診が続く。


女医「成る程、お腹がユルユルなんですね?」

男「はい、結構ヤバめに下痢ら豪雨状態ですwww」


女医「まぁ、環境が変わると過剰なストレスがかかり、そうなるコトがありますからねぇ…。」


男「結構、体は丈夫な方だと思っていたんですが…。」


女医「もしかしたら『過敏性腸症候群』の可能性が高いですね…。
取り合えず、軍で用意するいつものサプリメントの他に、下痢止めと整腸剤その他のお薬を出しておきますので、飲んで下さい。」


男「はい、ありがとうございます。あの過敏性腸症候群は治るんですかね?
ヴァンツァーに乗ってる時に下痢気味になるとヤバいんですが?」


女医「じゃあ、水なしで飲める下痢止めも一応出しておきます。
ヤバい時は、それを飲んで下さい。」

男「はい…。」


男は落ち込む様に返事をする。

女医「今いる環境に慣れれば治る可能性もありますから、あんまり心配しないで下さい。
まぁ、私もヴァンツァーに乗りますから気持ちは分かります。」

男「えっ? 先生もヴァンツァー乗るんですか?」

女医「えぇ、一応、戦闘時には、ランチャーの担当もします。」

男「ミサイルを撃つ女医ですか… 凄いですね?」

女医「基本は軍医ですよ ただ、ヴァンツァーに乗れると言うだけです。」


パリッと白衣を纏う女医は、とても36歳には見えないくらいの可愛らしさと美しさをもつ女性で、どこか涼やかで清楚な白人の女性であった。
22歳で女性経験の少ない男にはとても魅力的に見える。


男(日本人にはない透き通る様な肌でとても綺麗な人だなぁ…。癒される…。しかも、胸が大きい…。女軍曹もあるにはあるが普通なんだよな…。)


女医「ちょ、ちょっとジロジロ見すぎです。恥ずかしいじゃないですか?」

女医は隠す様に白衣の胸元を閉めて顔を赤らめる。
男は言われてハッと気がつく。


男「す、すみません…。ちょっと、疲れていまして…。ボーっとしてました。」

女医「本当ですか?何か目がエッチでしたが?」


男「そっ、そんなコトありませんよ?」

男は慌てて否定する。


女医「ふーん…怪しいですが、まぁ、それだけ喋れる気力があれば大丈夫そうですね?」

女医はクスクスと笑い男を許す。
男は、そんなやり取りの中で癒されて医務室から出る。

-自室-
医務室でクスリを貰った後、男は部屋に戻り、ベットに仰向けに寝転ぶ。

男宛てに来た二通の手紙を見る。


男「一通は、従姉の家族からの金の催促の手紙か…、もう一通は女教官からの手紙か…。『念願の尉官おめでとうございます。』か…。フンッ…何がおめでとうだ…。」


まだ昨日の夜に訓練施設のある国からハフマン島に来たばかりで、部屋はガランとして味気無い。


ただ男にとって、この味気無い殺風景な部屋を与えられたコトがとても嬉しかった。


この基地では、一人一人に相当狭いが個室を与えられる。


男は、常に一人で生きて来た為に部屋に誰かがいると落ち着かないタチなのだ。


男は、そんな一人だけの空間で今日の出来事を思いだす。


任務中の突然の下痢、任務の失敗、疎外感をあらわにするチームメイト、三重苦である。


『つまり、貴方は誰からも必要とされてないと言う訳なのよ。』女軍曹に言われた言葉を思い出し男は胸が苦しくなる。


男(そんなコトは、わかっている。本来なら自分は少尉にすらなれてなかったんだハズなんだ。)


少尉候補生の中でもヴァンツァーの扱いがイマイチな男は、一度 少尉になる為の権利を剥奪されてしまっていた。


しかし、そんな男が再び少尉として、OCUのヴァンツァー小隊の隊長に選ばれた時は、それは物凄く喜んだ。


だが、実のところは緊張感が高まるハフマン島で、ヴァンツァー部隊を急増させる必要があり、編成を多く揃える為の頭数あわせで男は少尉になれただけなのだ。

おそらく、そう言う理由からか男が配属された基地は、ちゃんとした基地ではない。


フリーダム郊外の周りに何もない様な野原に臨時に建てられた仮設基地であった。

男は、フリーダム内部の正式な基地には、入れなかった。


少尉になった他の同期は、主要な都市内部の基地に配属されている。

男だけ予備軍の兵士として、中隊規模の仮設基地に配属された。


男「配属されて3日は、非番扱いなんだよな… 張りきって、哨戒任務なんかするんじゃなかった… 明日は大人しくしてよう…。」


仰向けのまま目を瞑り静かに色々と考える…。

今日に限ってカチッ…カチッ…と時計の秒針の音がやけに耳につく。


そして、部屋の壁が薄いのだろうか?

時たま聴こえる物音や聞き取れないくらいの小さな声が耳障りで男は考えがまとまらない。

男「この基地に来て知り合いもいないし、フリーダム市内に行って夜飯でも食べるかな…。」

目を瞑りながらバイクで行った場合とヴァンツァーで行った場合の駐車場の場所をどうするか考える。

男(リッチバーガーは辞めておこう、きっとアレのせいでお腹を壊したにちがいない…。)

男は、夕食のコトを考えながら、先程の意地悪な女の態度を再び思い出していた。

男(女軍曹は、黒い瞳だったし日本の歌を唄ってたから多分、日本人だよな?
同じ日本人同士仲良くしたかったのだが…。 でも、何か性格悪そう…。
俺も中央の基地に出向だったらこんな苦労もしなかったかも知れないのに…。
全て女教官のせいだ………。)

……………
………

男は訓練生の頃の自分を思い出す。

男「男、四番、ローラダッシュします。」


シュイイィィン… ガコガコガコ…プスン…。


女教官「コラァ!何故止まるぅ! 10メートルも進んでないぞ! 四番!?」

男を担当していた女教官は、東南アジア系の顔立ちがハッキリした美人で日本人とは違う黒い長髪が綺麗である。OCU軍では優しい教官だと有名であったが、何故か男には厳しかった。

男「あ、あのっ…ローラーが取れちゃったみたいで進まないです…。」

女教官「四番失格! 次ぃ! 五番!」

男「そっ、そんな! 整備が不良だったのでは?」

女教官「オノレの操作が下手だから脱輪するんです!四番失格!」
。。。。。
。。。

男「男、四番、マシンガン射撃開始します。」

ガガガ… ガキッ… ドカアアァァァン!

男「うげぇ? ヴァンツァーの腕もげたぁ!? 暴発!?」

女教官「コラァ!ヴァンツァー壊すな!四番失格!」

男「そんなあぁぁ!!」
。。。。。
。。。

男「男、四番、ライフル撃ちます!」

男(コンピューターの照準通りに撃てば当たる!!)

ズドン!!

女教官「コラァ!隣のマトに当てるなぁ! 男は失格!」

男「んな馬鹿なぁぁ!」
。。。。。
。。。

男(ヨッシャ!!この格闘戦貰った!この角度ならナックルが相手に入る。)

ゴシャアァァ!メキメキメキ ボキイィィ!?

男「ふっ!決まった!!」

女教官「デデーン!!男アウトぉぉ!!ヴァンツァーでタイキック!!」


男「えぇっ!?」

女教官「機の腕を見てみろ!」

男「んなぁ!? 何故腕が折れてんのや? コレ!絶対に整備不良やで!!ワイのせいじゃない!」
。。。。。
。。。

男「あ、あのっ… 女教官? 私のヴァンツァー成績なのですが、ABCDEのランク分けの部分空欄になってて、真っ白なんですが?」

女教官「君ね…軍にいらないわ…辞めなさい…。」

男「そっ、そんなああぁぁぁ!!もう一度チャンス下さい!お願いします!」

女教官「既にそれ10回目よ…。」

男「だって、乗ってるヴァンツァーが何故か調子悪いんです!!おかしいんです!!」

女教官「おかしいのは、お前の頭じゃ!!」

男「そんな20回以上テストをやり直してる奴もいるじゃないですか?不公平です!」

女教官「それは、ソレ!これは、コレ! 君に追試はありません! 口答えすると、軍属から追放するぞ!!」

男「そんなあぁぁあぁぁ…あんまりです…。」

女教官「君ね真面目だけど使えないの!無能なの!早く軍をやめなさい!他の仲間が迷惑するわ…。」

男「嫌だ…絶対辞めない…。」

女教官「じゃあ、辞めれる様に後押ししてやる! 軍辞めたら、私がお前と付き合ってやるよ…。彼女になってやる。どうだ?」

男「はぁ?何言ってるんすか? 確かに、人気者で美人ですが、お断りします。性格があいません!」

女教官「そう…………なら…今期の候補生の試験結果を楽しみにしてろ…。必ず落とす!」
。。。。。
。。。

実施試験が駄目でも、男は頑張った。

男「緊急時におけるリペアの使い方は、後部バックパックより側方のハッチを開けて…」ブツブツブツ…

女教官「ご飯の時くらい勉強辞めたら?」

男「もう、後がないんですー邪魔しないで下さいー。上官としての心構えは…」カリカリカリ…

女教官「軍を辞めても幸せになる方法はいっぱいあると思うけどなぁ?」

男「ありませんよー。回避行動の手順は…」メモメモメモ…

女教官「ねぇ…私のコト嫌い?」

男「好きでも嫌いでもありませんよー。ただの教官ですからー。フラッシュグレネードの操作手順は…」ペラペラペラ…

女教官「そう…。君…少尉になれば、必ず戦争の時に前線に配備されるわよ?
分かっているの?君みたいなタイプは早死にするわ!」

男「戦争が起こればーそうなるかも知れませんねー。チャフグレネードの有効範囲は…。」サラサラサラ…

女教官「男!聞きなさい!」
。。。。。
。。。

男「な、何故 筆記試験が0点なんだ? 全部解ったハズなのに!? 自己採点でも余裕で9割以上だったのに!?」

女教官「貴方の答案用紙、名前が書いてなかったわよ?」

男は答案用紙を見せて貰う。確かに名前が書かれていないが消されているようにも見える。

男「ちょwww 誰かがワイを陥れようとしてるwww こんなん酷過ぎやwww」

女教官「残念だったわね?」

男「つ、次のテストの為に猛勉強せなアカン!」

女教官「勉強よりも、私と映画でも見に行かない?」

男「DVDで見るからいいです。」ツーン…

女教官「ぐぅぅ…。」
。。。。。
。。。

[ハフマン島に来る5ヶ月前]

男は、ヴァンツァーの操作や試験は、全然駄目だったが、その他の能力面がずば抜けて優れているコトから、スパイになる為の訓練も受けていた。


男は何としても尉官が欲しかった。

OCU軍の軍人として死んでしまった父親のコトを詳しく調べる為に何でもいいから早く昇進したかったのだ。


男が次に思い出していたのは、ある敵性国に潜入潜伏して、必要な資料を集め、脱出をすると言う普通では絶対に行うコトのない実戦の中で行うテストであった。


男は、このままでは、尉官になれない状態だった。
そこで敢えて危険なレベルの高いスパイのテストをクリアして少尉になろうとしていた―――




――― 薄暗い狭いアパートの一室にアジトを構え男はその作戦に挑んでいた。


男「女教官、大丈夫ですか?」

男のパートナー兼監視係りとして、女教官が、そのテストに同伴していた。


女教官「男君、もう必要な資料も集まったし、この国から出るだけよ…。

今日が期限なんだから早く行きなさい。待ち合わせの時間に遅れるわ。良く頑張ったわね…。」


男の教官である女教官は薄暗く狭い部屋のベット上にシーツだけを纏った状態で横たわっている。


脱出する当日に体調を崩し、体が動かすコトが出来ないくらい悪い状態になっていたのだ。


男「いくらテストでも、女教官を敵性国に置いていくコトは出来ません。」

女教官「私を置いて行きなさい…。後60分で合流地点まで行かないと、試験に失格するわよ。
貴方の能力ならここから20分で行けるわ。余裕でしょ?」


そう女教官は言いながらも、目に涙をいっぱいに溜め『行かないで!』と無言で男に訴える。



男「解りました…今から脱出を支援する部隊と合流して、救援をすぐに連れてきます!

それならば試験を合格して、女教官も救うコトが出来ます!

待っていて下さい!必ず戻って来ますから!」



男は足を引きずる様に立ち上がる。
資料を集める際に、女教官が重大なミスをして敵に襲われてしまったのだ。

その時に男は女教官を庇い、太股に大きな斬りキズを作ってしまった。



女教官「あの時、私なんか庇うからキズつくのよ…。何で見捨てていかなかったの?」

男「仲間を捨てて自分だけ助かる様な奴にはなりたくないんです。それに、あの時、女教官を見捨てていたら…多分教官は死んでいました…。」


女教官「分かっているわ…でも、貴方…そんなコトを繰り返していたら、すぐに死んでしまうわよ?
貴方は軍人に向いていない!
貴方には他に幸せになる道があるはずよ!?」

女教官は男の未来を心配して、泣きそうな顔をしながら上気した顔で寝そべるベットから男を見上げる。


男の目から見ても顔立ちがハッキリしてる器量良しの顔が歪む。
美人で気丈である女教官が普段見せない弱気な顔を男に見せているのだ。

男「どうか弱気にならないで下さい。」

女教官「私…寒いの…男…私を…暖めて…。」


女教官は起き上がりシーツに包まれたまま、しおらしくフルフルと震える。

女教官「ねぇ…。キスして…。」

女教官は瞳を潤わしながら男に訴える。

男はベットに座り女教官を慰める様に励ます。

男「キスは、好きな人とするべきです。俺なんかとそう言うことは、すべきでは……。」


女教官はボロボロと涙を頬を伝う―――

女教官「私は、貴方のコトが好きなの!解ってよ!」

―――女性独特の甘い感じと匂いが男の鼻を掠める。


女教官「貴方をこのまま行かせたら、きっと貴方は仲間の為に死に急ぐ少尉になるわ。本当は行かせたくない…。」


女教官は唇を男の口に近づけてくる―――

女教官「キスしてくれないなら、キスしちゃうから…。」

―――情煽的な柔らかい舌先で男の口をこじ開け口の中をねぶる様に男を愛す。


クチュクチャチュルルルっと男の唾液を吸い舌を舐めあげる。


女教官「好き!大好き!男…。」

抱き締められる男は、薄手のシーツを通して女教官の暖かさと柔かさが伝わる。


女教官は膝立ちをすると、モジモジと恥ずかしそうに体に巻いてあるシーツをたくしあげて、恥丘の茂みをベッドに座る男に良く見せる。


男(えっ?これエッチな話しなん?18禁やないか!?)

女教官「私の命救ってくれたお礼…したいの…。」

女教官は男の手を掴むとその茂みの中心に男の指を導く―――

女教官「はあっ…ん…。」

―――茂みの中でヌルッとした温かい湿り具合を男の指先が感じとると、女教官はビクッと体を震わしながら艶かしい吐息を吐く。



女教官「ふんんっ…はあっ…んっ……ああんっ…。指先が気持ちいい…凄くエッチだよぅ…。」

頬をピンク色にしながら、男の指先を使って、恥じらいながらヌメる花ビラを弄る。


女教官「男の指がクチュクチュエッチに苛めてくるの…アソコが…ヒクヒクしちゃう…。」



男は誘われる様に、淫花の秘芯を指先でネットリと掻きまわしてやると、奥からトロトロの熱い蜜を肉ビラに全体をヌルヌルと染み出させ―――

女教官「あっ…駄目っ!」

―――女教官は肢体を淫靡に震わせながら蕩けた顔で男を見る。



女教官「はっ…んっ…~~っ……!!あまり…苛めないで…あっ…んっ!!」

男は淫花の花ビラを弄るのに飽きると、だらしなく淫蜜を垂らす壷に悪戯な指を飲み込ませる。

女教官「ちょっ、ちょっと、はぁっ… ふんんんっ!!指を中に入れたら……はぁっん、おちんちんと勘違いして、キュウキュウと吸っちゃってる。」

何枚もの肉ひだがイヤらしく侵入したモノに絡み付きぺニスを揉みしだく様に吸い付く。


女教官「はぁっ、欲しいよぅ…。」

男はヌメる壁をこねりあげる様に指を動かし上にある敏感な部分を悪戯にこする。

女教官「あっ、そこは駄目ぇ…。」

男は言うコトを聞かずにそのヌメる窪みを指の腹で掻き出す様に押し上げながら擦りあげる。

女教官「そこは、コシコシこすったら、いっぱい吹いちゃうからあまりコシコシしたら駄目ぇ…。あっ!いやっ!イクッ!あっあっあぁっ!イクゥゥ!」

女教官はイヤらしく体をくねり、フルフルと体を震わしながら甘い電流に耐える。
そんなヒクつく様子を見た男は更に奥の甘い蜜を掻き出す様に指を動かす。


女教官「ああぁぁぁ、今イッたのに!まだジュクジュク掻き回されて、指がクニクニ動いてるぅぅぅ…。」

女教官は涙目でイヤイヤをする様に首を横に振るが、快感の波がそのスポットより甘くジンワリと腰に込み上げてくる。

女教官「また…来ちゃうぅ…。」



男の腕にしがみつく様に身を預けて、されるがままに悪戯を受け入れ―――

女教官「あっ!いやっ!駄目!そこっ掻き出したら駄目!絶対イクッ!激しくイッちゃう!イヤ!イヤアァァァン!イクううぅぅぅ!イッちゃうぅ…~っ…からああぁぁぁぁっ!!」

プシャッ…プシャシャッ…プシャシャッ-…ブッシャアアァァァァァ…

―――密壷からサラサラの液体が弾け飛ばさせてしまう。



女教官は男の指を蜜壷に咥えさせられながら快感にうち震え大きくビクビクと体をわななかせる。

女教官「うぅ…駄目って…言った…のに…。」

割れ目から途絶えるコトのない淫汁を男の手を伝わせてベットに垂らし、男の顔をくすぐる様に艶かしい吐息を吐く。


女教官「あっ…あうぅっ…おちんちん…まだなのに激しくイッちゃったぁ…。はぁっ…はぁっ…はぁっ…。」

男は柔らかい胸の感触と甘い吐息の匂いにつられ未熟な茎をどんどん硬く反らせてしまう。

女教官「男だけズルいよ…。」

女教官はそう言うと、男を優しくベッドに倒し、手際よく反り返る茎を外に出してやる。

女教官「私の触ったんだから触っていいよね?」

太い血管が浮き出て硬く反り返りグロテスクな肉棒の尖端に指先を置き―――

女教官「もうガチガチだね?」

―――男の口をキスで塞ぎ、人差し指で亀頭の表面を優しく弄る。



女教官(いじめて ア・ゲ・ル♪)

ヌメル舌は、男の口の中全体をを懐柔し、細い指先は鈴口から透明な粘りある汁を滲み出させる。

女教官(ヌルヌルしたお汁が溢れてきちゃってるよ?イヤらしおちんちん…。)

男は、長い口づけと指先の甘い愛撫で頭が朦朧とする。

亀頭を撫でてた指先がぺニスのカリ首をなぞり始めると更にヌメリある雫を亀頭の先に送り出してしまう。

その潤滑油はカリの溝をユックリ這う細い指先をピチャピチャとイヤらしく濡らす。

男「んあぁぁっ!?」

女教官「カリの部分が気持ちいいの?悪い子…。」



女教官は悶える姿を観察しながら苛め加減を調節し―――

女教官「ねぇ?私の中でおちんちんを出し入れしたい?」

―――女をしらないぺニスに細い人差し指を這わせ裏筋に引っかかる様に上下に動かす。


裏筋に優しく指が触れるたびに甘い電流がペニスから背筋を伝って男の全身を駆け抜ける。

女教官「ねぇ?想像してみて? 貴方のおちんちんが私の中でにゅぶにゅぶって、ねぶられて苛められちゃうところ…。」

細い一本の指がぺニスの裏筋を上下に動くリズムが次第に早くなってくる。

女教官「こんな感じでクチュクチュ音をたてながらぺニスが私のアソコでシゴかれちゃうんだよ?」

そんなリズムに呼応する様に男の体の中の白い欲望が外に出ようと蠢く。

ニュルニュルクチュクチュと男のぺニスは一本の指にコキあげられ、男は顔を快感に歪ませてしまう。


女教官「ねぇ…? 貴方のチェリー食べてもいいいよね?美味しく食べてあげるから…。」



女教官は人指し指と親指で輪を作ると男のカリに引っ掻け―――

女教官「コチコチのおちんちんをこんな感じでクチュクチュって私のヴァギナで苛めたいの…。
きっと貴方は耐えきれずすぐにピューって出して悶えちゃうけど、その時のイヤらしい顔を見たいな…。」

―――女を知らない若く硬い茎は、嵌め込まれる様に激しく上下するエッチな指の輪に翻弄される。


そんな淫靡な指の輪の中心に白い熱をもった濁流が駆け昇り―――

女教官「ほらほら、こんな感じで、おちんちん苛めちゃうよ?私のオマンコで貴方の精子を優しく吸ってあげるよ?」

―――濁流は あっと言うまに男のペニスを突き抜けて女教官のイヤらしい指の輪の外にビューっと出てしまう。

びゅくうぅぅぅ…びゅっびゅびゅ…

男「んっ~…!……っ…あぁ…はぁっ!!」

女教官の指先がカリくびにクチュゥっと触れるたびに、びゅくぅぅっと精液を漏らす。

女教官「あんっ!!びゅーびゅー!!出ちゃったの?」

女教官は突然のコトで白く細い指を男のスペルマで更に白くさせてしまう。

女教官「ヌルヌルしたの出して気持ちいいんでしょ?カワイイ顔してるもの…。」

女教官は、ピュクンピュクンと震えながら精液を出しつづけるピンク色のぺニスをまじまじと見る。

女教官「まだ、精液出してるこのおちんちん…。」

男は、射精の心地良さに意識が朦朧として何が起こっているか分からないでいる。

女教官「本当はもっと苛めてあげたいけど、今日だけは、すぐに貴方の初めてを奪ってアゲル。」

女教官は、そう甘く囁くと纏っているシーツを脱ぎ捨て、男から良く見える角度でM字開脚をする。

女教官(女のアソコ良く見たことないもんね?ジロジロ見すぎよ?ウフフ…。)

男に恥丘の割れ目を精液で汚れた指先で広げながら見せる。

女教官「ほら、良く見て…貴方に弄られて、ここがこんなに濡れてるの。」

赤く淫靡に濡れた大人の女性器は、ヒクヒクと物欲しそうに貪欲に蠢き―――

女教官「この中でぇ…貴方のぺニスは搾り出されてぇ…惨めにすぐに果てちゃうんだよ? でもきっと病み付きになっちゃうね?その童貞おちんちんじゃ…。」

―――淫花の奥からは、蜜が溢れ出し、男の未熟な雄しべを飲み込む準備が整っているコトを教える。


女教官「はあっ…んっ…貴方のネバネバした精液が私のクリトリスを苛めるの…。」

そのまま女教官は自分の秘芯を男の出した精液を使ってヌルヌルと指先で弄り始める。

女教官「カチカチのぺニスが早く欲しいよぅ…。
私の中ヌルヌルで気持ちいいんだよ?
何枚もの肉ひだが君の未熟なおちんちんを締め上げちゃうんだから!
ヴァンツァーのテストみたいに厳しく私の中で苛めてあげる! 嬉しいでしょ?」

クチャクチャクチャとイヤらしい淫水の音を男に聞かせながら囁く。

女教官「今から、この部分に貴方の美味しそうに反り返った未熟な茎が飲み込まれるのよ?」



女教官の蜜壷からは、大人の女性の放つ雌特有の匂いを放ち、男の頭の芯を蕩けさせ―――

女教官「多分最初はすぐにイッちゃうね?」

―――ぺニスは、女教官が見せる自慰行為で再び硬さを取り戻し、茎の部分に太い血管の筋が浮き出て、ゴツゴツとした複雑な隆起をもった肉棒に変化する。


女教官「また硬くなってる…。エッチなおちんちんね?」

女教官は、男の反り返るぺニスを跨ぐと再びM字開脚をする様に卑蜜の赤い花弁を男に見せつけながらユックリとしゃがんでいく。

女教官「貴方のぺニスに、私のアソコが近づいてきたよ?」




女教官は男のぺニスを優しく握って淫靡な肉びだにこすりつけ―――

女教官「あぁっ…おちんちんが入り口でヌルヌルしてる。」

―――赤い淫花にゴツゴツと怒張した肉棒の裏側をニュルニュルと舐め上げさせる。





女教官は、前のめりになり男の体に体重を少し預ける感じで騎乗位の体勢をとり―――

女教官「じゃあ、入れる…ね?」

―――プジュウゥ…と淫靡な音をたてながら男の亀頭だけを柔らかくキツいヌルヌルした部分に飲み込む。



女教官「はぁっ…んっ……おちんちんの先っぽがヌルンって、入口の部分に入ってきちゃってる!! 私の小さな入り口を無理矢理広げられちゃう!! イヤらしいよぅ!」

男は、初めての感覚に脳が甘く痺れて蕩ける。

女教官は、反り返るぺニスを亀頭から根本の方まで柔らかく締めながら、クプププっと滑らしていき、焦らす様にキュウキュウと包み込んでいく。

女教官「んああぁぁ!? ニュルルルって私の中をこじる様に入って来てるの!」


男のぺニスは、ヌメリある柔かな締め上げに更にガチガチに硬くなり、女教官の秘蜜の筒の中でヒクンヒクンと脈をうつ。

女教官「ねぇ?凄く気持ちいいんでしょ?おちんちんが中でピクピクしてるよ?」



薄暗い狭い部屋で女教官は、片手を股間の部分にあてがったまま男に体を預け腰をユックリとグラインドさせ―――

女教官「童貞おちんちんを私の中でトロトロに溶かしてエッチなお汁出させちゃうね?」

―――卑蜜の筒は男の茎をヤワヤワと締める。



女教官「はあぁん!!貴方の硬いのが、私の肉ヒダを何度もイヤらしく捲りあげながら中に入ったり出たりするよぅ!
私、イキやすいんだからそんなに硬いので中をこすんないで!すぐに痙攣してイッちゃうじゃない?」

男は、女教官の艶かしい吐息と声にぺニスを更にひくつかせる。

女教官「反り返ったぺニスの先っぽが、私の気持ち良いところに当たってイキそう…。」

女教官は時おりピクンと小刻みに震え、整った綺麗な顔を歪めトロッとしただらしない淫靡な表情を男に見せる。


そんな女教官は、体を快感にヒクつかせる様に震わせながら、男に懇願する。

女教官「男、一緒に軍隊を辞めて結婚して? いいでしょ?」

男は後ろめたさを感じながらも小さく頷く。

女教官「ふふっ、嬉しい!!」

男には、快感に顔を歪め激しく喘ぐ女教官が、絶頂を迎える様に見えた。

女教官「貴方をイカす筈だったのに…このままじゃ…ふんんっ~……~っはぁっ…ん…あは…んっ…」

男は突然を女教官を下から突き上げる様に腰を動かす。

女教官「あんっ!激しい!」

男の上にいる女教官は跳ねる様に踊らされそうになり股間に手をあてがいながら必死にしがみつく。



女教官「男のが私の中を激しく掻き回してるの!!凄いのが…凄いの来ちゃう!」

男が腰を動かすたびにクチャクチャと腰の動きと同調して、カリと裏筋がシゴきあげられビリビリと甘い電流が体を走り男の脳を蕩かす。


女教官は、目を潤ませながら、男に甘く可愛い喘ぎ声を聞かす。

女教官「イクイクッ!!イヤアァン!ああああぁぁぁ!!」


女教官は、体をビクビクと大きくイヤらしく震わせる様にしながら男を観察する様に見る。

女教官「えっ!?男?ちょっと腰振るの激し過ぎる。」


男は、女教官の言葉を無視して、腰を何度も奥の方に打ち付ける様に腰を振る。


女教官は、目を硬く閉じて甘い喘ぎ声をあげながら再びイキそうな仕草を男に見せる。

女教官「あっ あっ あっ 駄目駄目、気持ち良すぎておかしくなる! ああぁぁあぁぁっ…。イクゥゥゥゥゥ」


男の上でリズミカルに跳ねる女教官から蒸れた汗の匂いがする。
その雌の匂いに誘発される様に男は、再び甘い濁流が射精管を駆け昇る感じを腰に感じる。

男「くぅっ…出る…!!」

ビュクンビュクンビュー…っと男は琥珀色の欲望をぺニスの先から放ち始める。

女教官「私の中に精子がドンドン溢れて入ってきちゃってるぅぅぅ。気持ちいいようぅぅ。」


男はなおも女教官の反応を楽しみたい為に射精しながらも腰を振りつづけ、硬く反り返る淫靡な茎を包み込まれている部分に激しくすりつける。


女教官「もう!本当に可愛いいんだから? そうそうもっと腰を使ってクチャクチャしてみせてね?最後までビュクビュクエッチなお汁出しちゃおうね?」


腰を振るたびにミッチャミッチャと粘り気の多いいエッチな音を女教官に聞かす。

女教官「無駄うちの童貞精子出して気持ちいいね? もっと出して!もっと悶えてね? 貴方のエッチなイキ顔もっと見せて!」


女教官はさらに激しく優しく男の陰茎を締めつけながら上下に責め立てて更なる男のピュアな白濁液を搾り出す。


女教官「ほら、膣の中と勘違いしちゃってる童貞おちんちんをもっとコネ回してあげるから、もっと気持ち良くなっちゃおうね?」

男(えっ!?膣の中じゃないの?)


女教官「ほらほら、クッチャクッチャヌルヌルピュッピュッピュ-カワイイ顔してピュッピュッピュ-!!」

ヌルヌルとした部分で、しごかれたぺニスは外部に琥珀色の欲望をドンドン排出させてしまう。


男「うああああぁぁぁ!搾り出されるぅぅぅ!蕩けるぅぅぅ!ああぁぁぁ、止まらないぃぃぃ!?」

男は恍惚とした顔をさらに歪ませ体をビクンビクンと痙攣させ悶えながらスペルマを撒き散らす。

女教官「男の悶える顔とってもエッチで可愛いよぅ。もっと、エッチな顔を見せて!ドンドン逝ってね?」

女教官の秘蜜の筒はキュウキュウと男をシゴき続ける。

女教官「女の子みたいに体をくねらせて、凄くイヤらしくてかわいいよぅ…。
ほらほらもっと精液出しちゃおう?貴方のイクところ良く見せて?」


男のぺニスはビュビュビュビュウゥゥゥーっと白い魂を女教官に捧げ続ける。

男「んぁぃぃぃ…、あはぁっ…また、いぐぅ…!!」


男は、何度ものぺニスからゼラチンの様な粘るザーメンを吹き出させられて失神しかけ―――

男「んっ…ぎも…ぢ…良かっ…たっ……。」

―――イッた後も涙目で体をわななかせながら男は小刻みに震える。



女教官「少しは、我慢して頑張れるじゃない?私の手マンコ泣くほど気持ち良かったの?」

男「ふぇっ?」



女教官は、抱きついてた体を男から離す様に起こすと、脈をうちながらまだトロトロと漏れる様に精液を吐き出すぺニスは、女教官の手に握られた状態のままだった。


女教官「喘いでイク真似上手かったでしょ?一生懸命に腰を振る男君可愛いかったわよ?」

男は、一人相撲をさせられたコトに気がつき恥ずかしく惨めな気分になる。


女教官「童貞じゃ、本物か偽物か解らないもんね? ウフフ…。」


そんな、様子を満足そうに見ながら女教官は、手と指と太股に粘りつく男の白く熱い空回りの情熱を指ですくい取る。

女教官「ゴメンね?貴方が可愛い過ぎて、少し悪戯しちゃった!」

そして、その液体の絡みついた細い指をまるでぺニスを口淫するかの様に、口にもっていき官能的にねぶりながらしゃぶる。


女教官「んふっ、この青臭くて若い味、とても好きよ。」

男は、まだ女教官の演技力と素股だけでイカされショックで茫然とする中で女教官の情煽的な指フェラを見てまたぺニスを硬くさせる。


女教官「もう、エッチだなぁ…。じゃあ、今度は本当にしちゃう? 待ち合わせの時間過ぎてるけど…♪ 軍を辞めて結婚するから別にいいよね?」


男「えっ?まじっ?ヤバい!」

女教官「…ヤバいっ…て何よ?」

女教官は男を冷ややかな目で見下ろす。


女教官「軍隊辞めるって約束したじゃない?
どうせ、とてもつまらない理由で軍に入ったんでしょう?」


男「離せよ!!俺が軍人になった理由なんて、アンタにゃきっと理解できねぇよ!俺は軍を辞めない!」


女教官は悔しそうな悲しい顔を一瞬するが、すぐに冷酷な笑みを浮かべる。

女教官「そう…それが貴方の答えね?」

男のいきり立つぺニスに『プッ』と唾を吐きかけ指で摘まみあげる。


女教官「男を逝かすなんて、簡単なのよ!? じゃあ、5分耐えたら私の中に入れさせてあげるし、スパイのテストも上手く口を聞いてあげるわ!絶対にこの試験も落ちると思うケドね…。」

女教官は、いきり立つぺニスを、優しく柔らかくに握り込み唾のヌメりを使いクチュクチュとしごきはじめる。

女教官「悔しい?ただの手こきで何度もイカされて、テストまで落とされて悔しい?
どうせこの節操のないチンポは、また私の手で惨めに精子を噴き出させられて逝かされちゃうんだけどね…。」

男は泣きそうになるのを堪える。

女教官「情けないトコロ良く見て嫌ってあげるわ!」

男は女教官の手の中ですぐに果てそうになり腰を引いて逃げようとするが、女教官はそれを許さない。

女教官「男の子はね、カリと裏筋の部分をこう言う感じで柔らかく滑らす感じでしごき続けちゃうと大抵出ちゃうのよ? 特に貴方の様な童貞は1分かからないわ!」


男はなす術もなくカリ首と亀頭を女教官の手の中でイヤらしく揉みしだかれる。

女教官「観念して、私の試験にも堕ちちゃいなさい!…って言っても、すぐにイッちゃって精液ピューってしちゃうから観念する暇もないかな?」


女教官は、突然男の足を肩にかけて持ち上げると、男に情けないポーズをとらせる。
男の眼前に自分の太いぺニスがあるのだ。

女教官「苛めてあげる!このまま出したら、貴方の顔に精液かかっちゃうかもね? でもこのまま優しく出してあげるからね?」



男は女教官にちんぐり返しをさせられ、冷たい目で事務的にぺニスをシゴかれる―――

女教官「おちんちんがヒクンヒクンしてるね?もう出ちゃいそうだね?」

―――ただの事務的なイカせるだけの手こきに腰をガクガクさせて男は涙目になる。



女教官「もう出しちゃう?いいよ? ネバネバの気持ちいい液体を撒き散らして果てちゃおう?お姉さんが優しくいっぱい出させてア・ゲ・ル♪」


男は頭をブンブンと横に振るが、女教官はそんな男をフンッ!と鼻で笑いながら冷たい目で見続ける。


女教官「大丈夫よ? いっぱい出して、精液だらけの恥ずかしいイキ顔見せてね? そして、自分の精液飲んでみて? きっと、敗北の味がするから…。」

男は、罵られながらもいきり立つ肉棒を射精寸前まで優しくシゴきあげられる。

女教官「精液びゅうびゅう出しちゃってる時の男の人の顔ってなんか切なくて可愛いのよね? 喘いでる顔とかも好きよ?
特におちんちんをただの手コキで射精に導いてあげる時なんて、凄く恥かしい顔して喘いじゃって格好悪いのよね?
でも、私、格好悪い男の人のイキ顔が凄く好きなの!
しっかり見ててあげるね。貴方の情けなくて可愛い顔射!」


男は屈辱感の中にも屈伏する悦びを少し感じてしまい自己嫌悪の中で射精に導かれていく。


女教官は冷たい目で優しく滑らかにぺニスをシゴき男にチュコチュコとイヤらしい音を聞かせる。

女教官「ほら情けない可愛い顔になってきた。ぺニスをただ手で弄られてるだけなのな気持ちいいね?
もう出ちゃいそう?いいよ?ほらっ!惨めに果てちゃいなよ?ただの手こきで!」


男「ああぁぁっ、もうっ…もう出ちゃう…。」

女教官「うんうん 出ちゃう出ちゃう、お姉さんのお手てで搾られて、恥ずかしいくらいに白いのいっぱい出されちゃうね?ほらー、びゅーって出してイキ悶えなよー… そして、自分のザーメン飲んじゃおぅ?美味しいよ搾りたての敗北ザーメンは…」


男「うわああぁぁぁっ!!」


びゅくうううぅぅぅ…!!びゅっびゅっびゅびゅっびゅびゅっ…

男は自分のぺニスから迸る熱く粘る精液を自分の顔にビュクンビュクンと出して顔を白く汚していく。

女教官「あらあら、そんなにいっぱい飲みたかったの? たくさん出してイヤらしい子だわ…。」

男の口の中には苦く塩辛い敗北の白い粘液が入る。男は顔をグシュグシュにし泣きながら自分の生臭いスペルマを飲む。


女教官「ねぇ?美味しいでしょ自分の精液?もっと味わいたいでしょ?」


女教官はちんぐり返しを下ろしてやると、今度は男をガニ股にし大量のヌルヌルの精液を使い肛門をコチョコチョと爪をたててくすぐりはじめる。

女教官「貴方の始めて貰ってあげるね?」


   ツンッ…


男「あぃっ!?」


  ツンッ…ツプッ…


男「んっ!あっ!駄目!そこっ!それだけは!イヤ!」

女教官「ほら、貴方のアナルひくひくしてイヤらしいわよ? 私の指の先が食べたいみたい…クパクパ開いて凄くエッチなんだから?」


女教官の細い指の爪の先がツンツンと肛門をくすぐり男の中に侵入しようと蠢く。


  ツププ…ププ…


女教官「イヤらしいアナルちゃんねぇ? 私の指が美味しいってモグモグさせながら指の先っぽをもう飲みこんじゃってるよ?」


女教官は嫌がりながら体をくねらす男を無視して細い指先をユックリと焦らす様に男のアナルに押し入れていく。

男「やっ…やめてっ…おっ…お願い!!ふんんっ!!?」

ユックリだが確実にアナルの中に入っていく感じに、男は体を小刻みに震わせて快感として捉え始める。

男はその快感を否定する様に首をイヤイヤさせながら涙目で女教官を見る。


女教官「嬉しい癖に!」


女教官は、サディスティックな表情を見せると、途中まで這わす様にユックリ入れてた指先を一気にズプゥっと男の中に押し込む。


 ズプウゥゥ…グリグリ…


男「あぎぎぃぃぃ!!?んがあぁぁぁ…かっ…あっ…うっ…。」

男は直腸の内部を押し上げられる感じで排泄器官に細い指をねじ込まれてしまい、体をガクガクさせながら悲鳴をあげて痙攣する。



女教官「あっ、あったあった!この膨らんだところをグリグリするとね?白いのいっぱい出ちゃうんだよ!?」


男は自分の中を指の腹でまさぐられ始めるとジワーッとした熱い快感が腰の奥に広がり始める。

男「はふんっ!!? あぁっ…? はあっん…!? あぅぅ…!?」


女教官「前立腺気持ちいいね? ほら、コシコシコリコリ…。」


女教官は優しく指でを中をこねりあげ―――

男「ふぅんっ…あはぁっ…あぁん…はん…あん…あはぁっ…。」

―――男はその指の動きに合わせる様に女教官の細い指をキュッキュッと締めて体をくねらせながら喘ぎ声を漏らしてしまう。



女教官「童貞卒業する前にバージン散らしちゃったね?情けないね?恥ずかしいなぁ!?」


たちまち男は無理矢理勃起させられると、前立腺をマッサージされながらぺニスを柔らかくシゴかれる。


女教官「女の子みたいに喘いで可愛いですよ?」

男「あんっ…あんっ…はあんっ…うぅっ…あぁんっ…。」

女教官「悔しいね?泣きたいね?手こきで逝かされまくって、前立腺まで弄られて…。ほらほら、もう出されちゃうね?情けないイキ顔を晒しながら恥ずかしく悶えちゃいなよ?」


男「死ぬ!死んじゃう!もうやめ…あはぁんっ…はあんっ…あんっ…あんっ…はあんっ…。」

女教官の嗜虐性に火がつき、前立腺を執拗に中指でこねりあげられ男は喘ぎ声が止まらなくなる。

女教官「ほらっ!前立腺だけでイッちゃいなよ!!
もどかしく精子をドロっと溢れさせちゃえ!」


女教官はいきり立つぺニスをシゴかずにただ手を添えるだけの状態で、前立腺だけをグリグリとまさぐる。


女教官「おちんちん擦られてないのに、溢れて来ちゃいそうでしょ?」

男は緩やかで長く甘い痺れを腰の奥に覚えユックリ漏らす様なもどかしく甘い射精感を腰の奥で感じだす。


女教官「ウフフ、体をモジモジさせて、気持ちいいね? 自分のアナルをほじられてユックリもどかしく出してね?」


コリコリと艶かしくほじり出す指先の動きにあわせて、切れることのない精液が緩やかにもどかしく溢れ出す。

男「あふぅぅぅ…んっ…あっ…はぁ…~~っ…!!…~っ…!!」


 ドクゥゥゥっ…



男は目の前の亀頭からユックリ垂れ落ちる精液が自分の腹を汚すのを見せられ―――

女教官「はいっ!じゃあ気持ちいい射精をさせま~す!また美味しい精液飲んでね?」

―――そこから再びちんぐり返しをされると、ぺニスをグチャグチャとシゴきあげられる。



男「あぁんっ…もう…ゆるしてぇ…。」

男はもう抵抗する気力を失い、なすがままにいきり立つ肉棒を激しく搾られ再び自分の顔面に琥珀色の熱い粘液を撒き散らす。


 ビュビュビュビューッ!


女教官「ほらっ!もっと出しちゃえ!逝き狂っちゃえ! 軍を辞めたくなるくらいに惨めに無駄うち精子いっぱい出しちゃえ!」


男「ケホッケホッ…もう…やめてよぉぉ…うぐっ…グスッ…エグッ。」


女教官「本当に泣いちゃって情けな~い…。あ~あ指に貴方のウンコついちゃった~。」

男は顔と体を精液で濡らしながら悶えながら泣く。

女教官「どの男でも、精液だらけの顔でイカされた体をビクつかさせて悶え泣いてる姿はカワイイわね?」

女教官は、男にタオルを投げつけて吐き捨てる様に言う。

女教官「手に入れた資料はOCUで大事に使わさせて頂きます。後日、試験の合否を教えますが、分かってますよね?
男候補生…貴方は軍を辞めた方が良いわよ。 正直邪魔だわ!」
。。。。。
。。。

男は目を開ける。

男「ううぅ…えっぐぅ…ひっくぅ……お尻…痛かったよぅ……。 今思い出しても腹が立つ!! 何がおめでとうございますだ!!」

男は腹とあそこを立たせて悔し涙を流し、女教官からの手紙をビリビリに破り丸めてゴミ箱に叩きつける様に捨てる。

男「あんなの、セクハラじゃんかよ…。酷いよ…。本来なら訴えるところだよ…。」

男は煙草に火をつけて深く肺の奥まで入れ込む様に吸う。

男「あああぁぁ、ムシャクシャする!!ストレス溜まるぅぅ!」

男は煙草の煙りを吐き出しながら涙とチンコをティッシュで拭くと立ち上がり呟く。

男「まさか…アナル拡張されちゃったから下痢が出やすくなったとか…。いや、それが原因でPTSDになったとか…。」

男は色々考えるがうなだれて、立ち上がる。

男「飯食いに行く前に体を軽く動かしてストレス発散しよう…。」
……………
………

-ジム-
男が基地内のジムに来ると10人程の人がいた。
特設のリングもありボクシングをしている者もいる。


リングを良く見ると女軍曹と他のヴァンツァー隊員だろうかスパーリングをしている。


女軍曹は、余裕の顔で相手の攻撃を避けて相手を殴っていく。
女軍曹は全くダメージを受けていないのか、随分と綺麗な顔をしている。


男(へぇ…女軍曹は強いんだねぇ。あそこまでボコボコにされると相手の男が可哀想に見えてくるな…。)


  ドスッ!!


女軍曹のフックが相手の腹に食い込む。

女「キマったわね?フフフ…。」

相手の男性は白目を剥きマットに沈んでゆく。

女「フンッ… 弱い…。」

相手の男にセコンドらしき仲間が寄ってくる。

相手セコンド「クソッ!軍の大会で3位の実力者なのに!」


女「弱いわ… これじゃあ私が出たら優勝しちゃうんじゃない? まぁ、男の大会には私は出れないけれどね…。」


男(女軍曹には、セコンドがいないんだな…。まぁ、それより女軍曹って何か感じ悪いのな…。)


女は、男がいるのに気がつく。


女「あらっ?ヘタレがいるじゃない? ジムに何しに来たの?」

女は涼しい顔でリングから男を見下ろす。

男「……まぁ、汗を流しに?」


女「ふーん… 貴方の実力見てあげるからリングに上がりなよ?」

男(腹の具合がいまいちなんだよな…下利便漏らしたら恥だしなぁ…。)


女「どうしたの? 今の見て怖くなっちゃった? 逃げちゃう?」

女は意地悪な顔をして男を煽る。

男はそんな女を見上げながら少し考えて応える。

男「あぁ、(下痢便漏らすのが)怖いから辞めておくよ…。」

男はそう言うとサンドバッグの方に向かって歩き始める。

女「ふんっ… つまらない奴…。」

女はリングを独占するようにキュッキュッと足をならしながらリズムを取り踊る様にリングの上でシャドウボクシングを始める。

男(他にもリングを使いたい奴いるんじゃね?シャドウするなら下ですればいいじゃん…。)

男は器用にバンテージを手に巻き貸し出し様のグローブをつけるとサンドバッグを叩き始める。

女「ねぇ? ヘタレはボクシングやるんでしょ? 一応型はしっかりしてんじゃん? やろうよ?」

男「…。」

女「ふんっ… 無視ですか? 基地の先輩を無視するとか教育の必要があるわね? おいヘタレ!命令だリングに上がれ!」

男はもくもくとサンドバッグを叩く。

女「おい!聞けよ!このヘタレ!! ヘタレがいきがるなよ! お前がヘタレなら、お前の親もヘタレな……」


ズ ド オ ォ ォ ー ン!!


男の放つ右ストレートがサンドバッグにめり込み次の瞬間真上に吹っ飛ぶ。


ガ シ ャ ア ー ン!!


サンドバッグを吊り下げてあるチェーンが千切れて、サンドバッグが床に転がる。

男「えっ? あれっ?」

男は女の言葉に腹を立ててサンドバッグを思いっきり殴り飛ばしたが、まさかチェーンが切れると思っていなかった。

男「あっ… あれぇぇ? おかしいな… あのコレ劣化してました?」

女「先週入れた新品よ…。 リングに上がりなよ基地の備品壊して逃げるとかないよねヘタレ君?」


男(ちっ…たまたま千切れただけだろ? ちゃんと繋いでおけよ…。)


男「何ラウンド勝負?マウスピースもヘッドギアもなし?」


女「1ラウンド勝負よ?いらないでしょ?」


男(1ラウンド?3分間逃げ切ればいいのか?)

男が渋々リングに上がると外野が集まってくる。


女はニヤリと笑う。男はこの基地のローカルルールを良く知らないのだ。時間無制限と知らずに試合が始まる。


ゴング何てものも無い女は男より小さな体を右左に揺らしながら突然懐に飛び込んでくる。


女(腹に一発入れてヘタレの吐き様見て笑ってやる!)


ビュンっ!!


女の左フックは空を斬る。

女(えっ!?アレッ?)


男は既に違うコーナーに回避している。


男(今日の晩飯何にしようかな?)

女(ふんっ!追い回してやる!)


女は、突進して来るが男は戦わず他のコーナーにまた逃げる。


野次馬「新入り!ちゃんと打ち合え!」

野次馬達が男に文句をガヤガヤと言い出し、回りで賭けが始まる。


男(後2分間ダルいなぁ…。しかし、今日の俺、体のキレがいつもより随分調子良いな…。下痢気味だけど…。)


女は打ち合いに行くが男は逃げ回ってばかりで勝負にならない。
そんな男を見て女は意地悪な笑みを浮かべて口を開く。


女「あのさぁ…この勝負時間無制限だから逃げ回っても無駄だよ?」

男(あぁっ、ヤッパリそんな裏があったか。面倒臭いなぁ…。)

――― 数時間後、つまらない試合になりジムには、男と女だけになっていた。

女(運命に負けて、これにまで負けたら…私の勝てるものが何にもなくなっちゃう!! 一番得意な格闘技だけは誰にも負けたくない!!)


男は、一発も女に打たない上に全く息が上がらない。

女(大体、私、強化人間なんだよ? 普通の人の三倍強い筈なんだよ? なんでそれについてこれるのよ? 何故ダウンしないのよ?)


一方、男は晩御飯の心配をする。

男(あぁ、殴れないからストレス溜まるし、防御する腕が痛い…。何発か貰ってるし…。
それと、ファミレス深夜料金になっちゃったなぁ…。しかし、女軍曹は良く飽きないねぇ…。)

女「ゼェ…ゼェ……ゼェ…舐めた……真似……して……くれる……わね?」

女は始まってから絶え間なくラッシュをしていて、既に息が上がり、足がガクガクとしている。


男「あのさぁ…お腹空いたから、もう辞めにしない? 一応、お付き合いで試合してますが、正直飽きました。」


女はケロリとしている男を見てイラつく。

女「ふんっ……なら……私に勝って……みなさいよ……打ち合え!
チョロチョロと……動き回って……この卑怯者!!」


男「チョロチョロ動くのはお互い様でしょ? 俺、女の人を殴りたくないんだけど?」


女「ヘタレ! ゼェ…ゼェ…ゼェ…男女差別…するのか?」

女は息絶え絶えの状態で大きな声を張り上げる。


男「女性だから顔は殴れないし、胸は叩くとセクハラになるし、腹と肩だけ打てるにしても 正直言うと手が出せないんだよ…。」

女「なら、一回でも私をダウンさせるコトが出来たらヘタレ扱いから少尉扱いしてあげるよ…フゥ……。」


女(ヨシ!息が整った!イケる!鼻折ってやる!もがき苦しめ!)


男「じゃあ、一発だけ肩を叩くけどゴメンね?」


男はそう言うと一気に間合いを詰めて肩を押して女を後ろに突き倒す。


女「えっ?きゃあ!?」

女はドスンと尻餅をつく。


男「じゃあ10数えるね?」

女「ふんっ!こんなのすぐに立って…。」

女の足は突然痙攣をおこす。


女「えっ!?あれっ?」

男「え~っと、1・2・3・4・5・6ねぇ?もう引き分けにしません?」


女「クソッ!舐めやがって!お前みたいなナヨナヨしたどこにでもいそうな男に負けるか!」


男「ナヨナヨでどこにでもいそうな男で済みませんね…。でも、外見で判断しないで欲しいもんだ…え~っと…カウント7…ねぇ、もう辞めましょうこんなコト…。」


女(負けれない!こんな奴に負けれない!

このヘタレ野郎は真剣に試合をしてない!全然殺気も感じ無ければ勝負の真剣さも感じられない!

もし、真面目に戦っていれば、それを感じ取って私は狂戦士化するハズなのに!

コイツに遊ばれてる!!

お願い私の足!立ってよ!言うコト聞いてよ!コイツの鼻っ柱折らないと気がすまないよ!!)

女「うぅ…ただのスリップだもん、ダウンじゃないもん! 殴ってないじゃん押し倒しただけじゃん!卑怯だ!」


男「じゃあ、聞くけどボクシングに肘とか頭突きとか足踏んだりとかしていいの?
この反則何回もしてくれて、シッカリ全部貰っちゃったよ。酷いコトするなぁ…。え~っとカウント8…。」


女「うぅっ…ボクシングじゃなかったら絶対に勝てるのに!」


男「俺の負けで良いよwww本当に手が出せなかったしwww
ただ、もう無理矢理こう言うコトに誘わないで欲しいんだけどwww 正直面倒臭いからさwww」


女は悔しそうに体を震わし目に涙を溜める。

女「ズルだ!ズルして勝って何が嬉しい!?このヘタレめ!」


男「カウント始めてから3分は経つけど、もう帰って良い? 俺の反則負けで女軍曹の勝ちってコトでヨロシクwww
それと、上司面するつもりはないけど、その…俺を呼ぶ時『ヘタレ』とだけ呼ぶのは正直辞めて欲しい…確かに君の前で屁はたれたけどwww」

男は、女にタオルを投げる。

男「じゃあね?また明日って言うか、日付変わってるな…じゃあまた朝にね?」

投げたタオルは女の頭に引っ掛かり女にタオルの匂いが優しく女を包む。

女「タオル投げるな!私は負けてない!私の方が強いんだ!!」

男「だから僕の反則負けだって! 立てないなら部屋まで送っていこうか?」


女「ふざけるな!」

男「ですよねwwwじゃあねwwwタオルはあげるwww」

男はジムに女を残して部屋に帰る。

-男自室-
男「うぅっ…、体が痛いよぅ…。石でも握って殴ってたんじゃないの?」


男の体は打ち込まれ青アザだらけだ。 アザの部分を触ると当たり前だが痛い。


男「同じ負けなら、意地を張らずに、とっととあそこで寝てしまえば良かったんだ…。 ムキになるんじゃなかった。
くそぅ…バカスカ殴りやがって…。」


男は涙目で鏡を見る。

男「アイツは俺に何か恨みでもあるのか? 何で着任して早々に部下に苛められなければならないんだ?」


男は午前2時の時計を見て項垂れた後、ベッドに寝転ぶ。

男「アナル掘られたコトあるしwww下痢は垂らすしwww女にボコボコにされるしwww俺、格好悪過ぎwww」
……………
………

-女自室-
女「乱暴モノでwww態度悪くてwww売った喧嘩に負けてwww私、格好悪過ぎwww」

女は午前2時の時計を見て不貞腐れながらベッドで寝転ぶ。

女「何て言って笑ってられるかぁぁぁ! 舐めた真似をしてくれて、一発も打ち込まれないで…負けた…。」

女は部屋まで這う様にして帰ってきたのだ。悔しそうにギリギリと歯を食い縛る。

女「どの格闘技でも負けたコトないのに! 大体、私は通常の人間の三倍くらいは強いハズなのよ!?

  アイツ何者よ!?

判断能力や空間の距離感覚(たまにコケるけど…)、動体視力、色々な能力が高いからヴァンツァーに乗ってても無敵だし、私自身も恐ろしく強いハズなのに!!」

女の目に涙が溜まって行く。しかし、そんな女を慰める様に甘い良い匂いが鼻を掠める。
女は男が投げて渡したタオルに顔を近づける。

女(懐かしい…匂い…?)


ピピピ… ピピピ…

目覚しの音で気がつく 窓の外が明るい。太陽の光が男の頬を優しくくすぐる。

起き上がりあくびをしながら大きく伸びをする。

ファ~~アッ……


男「んあっ?俺、寝ちゃってたんだ?」

男はジムから帰って来た後、ベッドに寝転んで、そのまま眠ってしまったらしい。


男「ヤバい風呂も入ってなければ、歯も磨いてない。んっ!?げげっ!?」

男は下着の中のヌメリを感じ焦りを覚える。


男は、黒毛の髪をぼりぼりと掻きながらぼやく。

男「やっちまった!女教官とのコトを夢に見ちまった。ジムでストレス発散出来なかったもんな…。」


男は腹とアソコを立たせながら急ぎバスタブに湯を張る。
タオルや着替えを用意する時、昨日少佐から貰った靴下が目に入る。


下痢で苦しんだ昨夜を思い出し、急いで貰った薬を飲もうとする。

しかし、お腹の調子は、良くなり、いつも通りの状態に戻ったことに気がつく。


男「腹の調子が戻ったみたいだしサプリメントと整腸剤だけでいいかな?」

それらをハフマン島の美味しい水で胃に流し込む。


 グ グ ウ ゥ ゥ ー


空っぽの胃に水が入った為か唐突にお腹が鳴る。

男は、昨日の夜、何も食べていなかったことを思い出した。


男「そうだ後で基地内の食堂に行ってみよう…」


穏やかで静かな朝だった 。
この仮設基地に来てまだ三日目だが、何となくゆっくりと出来る朝であった。


男は、薬を飲む以外の茶色い染みと精液のついたパンツを洗うなど他の朝の支度を色々としていく。

……………
………

-食堂-

男が食堂に来ると多くの兵士で賑わっていた。

トレー置き場からトレーを取り順番待ちをしている兵士達の列に男も並ぶ。

食堂のスミの方で、女軍曹がダルそうに朝食をつついているのが見える。

食堂の中央では、各々がグループを作って談笑をしながら食事を取っているのに、女軍曹の回りには、人がいない。

『貴方みたいな士官学校出のヒョロヒョロ野郎が私は一番嫌いなの!』昨日、女から言われた言葉が頭に甦る。

男「俺、あぁいう奴、本当は凄く苦手なんだよな。嫌いなら試合に誘うなよ…。
今後 どうやって付き合っていこう…。」


「ほら、アンタは何にすんだい?」


唐突に声をかけられ、前を見る。
調理エプロンをしたガタイのいいオバサンが、男に注文を促した様だ。

男「あぁ、スミマセン…、じゃあ、これとこれ、それとこれを下さい。」

品書きの写真を指差しながら注文をする。

男は、昨日食べてなかった分、少し量を多めで頼む。

始めて来た食堂で注文の仕方があっているか解らず、少し緊張しているのが、自分でわかった。

オバサン「名前を言っとくれ!」

オバサンは、面倒臭そうにそう男に言う。

男「はい! 名前は男です。階級は少尉です。」

オバサンは、深い溜め息をつき、可哀想な子を見る目で諭すように言う。

オバサン「そうじゃないよ少尉さん… 食べたいモノの名前を教えとくれ…。」

男は こう言う調子で何かがズレる だから人との話しが噛み合わないことが多い。

男「ハンバーガーとサラダとカレーライスを下さい…。」

男は注文したモノを受け取り口で受け取り、重い足取りで僚機である女軍曹のトコロに行く。


少佐から聞いた話では、この仮設駐屯基地には、総勢20人のヴァンツァーパイロットがいるらしい。

OCUでは、1分隊を2機で編成し3分隊の6機で1小隊とするらしい。


すでに3つの小隊があるらしく3つのグループに別れて座っている。

男は、小隊長と言う形で基地に呼ばれたが、実際は、女軍曹と1つの分隊を作るだけとなっている。


男は出来るだけ爽やかな顔をしながら優しく女に話しかける。


男「おはよう… 席を一緒にしてもいいかい?」

女軍曹は、フォークで、ハンバーグ何度もをブスブス突き刺している。


女「気安く声をかけないでって言ったはずだけど?」

女軍曹は、低い声で顔をあげずに面倒臭そうに言う。


男(昨晩のボクシングまだ根に持ってるのかよ面倒臭ぇ…。
そっちは話かけてもオッケーで、コッチから話かけるの駄目とか酷い嫌われようだな?)


男は、溜め息をつき、何度も突き刺されているハンバーグを見ながら言う。


男「ハンバーグが可哀想だよ?」

女「あんたの知ったこっちゃないでしょ?ハンバーグには、痛覚がないから大丈夫なのよ!話しかけるなヘタレ少尉!」

女は不機嫌そうな声で返す。


男(ヘタレからヘタレ少尉にランクアップですか?)

男「下品だねぇ…親はそう育てなかっただろ?」


男は、つい思ったコトを口に出してしまう。

女「!!!……っ~!」


女は、悔しくて声が出せない。それでも何とか絞り出すように言う。

女「何? 何か用ですか?」


女は、フォークを皿にガチャンと乱暴に置きながら、男を睨んで聞き返す。

男「お邪魔するよ…。」


男は、そう言うと構わず女軍曹の食べているテーブルにつく。

女「他にも席は空いてますよ? そっち行ったらいいんじゃありませんか?ヘタレ少尉殿?」


男「別に、どこで食べても自由だろ? 嫌ならどっかに行けば?」

女は男を睨みながら言う。


女「…ヘタレ少尉殿は、友達いないでしょう?」

男「それは、君も同じだろ? ボクシングの試合の時も誰もセコンドにいなかったし、今だって一人で食べてるじゃないか?」


男は負けじと返す。

女「そうですね… 失礼します…。」


女はそう言うとトレーを持ちどこかへ、行ってしまう。

男「失敗したか…。」


男は、仕方なく一人でもくもくと朝食をひたすら食べつづける。

男は一人には慣れていた。

幼い頃から一人だった。

男は、両親ともに日本人であったが産まれも育ちも日本ではなかった。


父親の軍の仕事の関係で、OCUの日本以外の様々な国々に転居を繰り返していた為だ。

その為、男は友達がなかなか出来なかった。

男の父親は仕事が忙しかった為にほとんど家にいなかった。

母親も、朝早くに仕事へ行き、夜遅くに帰ってくるという生活が毎日であった。


そんな生活を繰り返すうちに、男は一人で生活をすることが苦ではなくなる。

男は10歳の頃に事故で両親を亡くしてからは、さらに孤独であった。


その事故と言うのは、軍事演習の見学会で軍人だった父親とその演習を見学に行った母親が錯乱したOCUの兵士に撃ち殺されたのだ。


男と毎日生活していた母親には、親類縁者が全くいなかった。
その為、男は、疎遠であった父方の従姉妹の家に引き取られる。

従姉妹の住んでいた国に男は馴染めなかった。


男はその地でも、いつも一人であった。

男「別に淋しくもなければ、何ともない。」


男は、朝見せた穏やかな顔から一変して無表情な顔で呟き、ぼんやりと窓の外を見る。

先程から軍のヘリが轟音をたてて基地の周辺を飛んでいるからである。


ドカドカーン!ズドドドン!と突然激しい地響きと轟音が遠いフリーダムの方向から伝わる。

男(フリーダムの中央か? 朝から軍事演習を派手にやっているらしいな?住民はいい迷惑だろう…。)


男はポケットから煙草の箱を取り出して、今日の予定を考える。

男(休みだしフリーダムの基地でも見学してみるかな?)


男はそう思いながら最後の一口を食べ終えて、煙草に火をつけて燻らす。

男は、何をするでもなく宙に漂う煙りをぼんやりと眺め続ける。


ちょうど、その時一人の通信兵が食堂に慌てて入ってきた。


通信兵「大変だ!フリーダムで、OCU側の駐留軍とUSN側の治安維持部隊との間で戦闘が発生したらしい!!」


そう彼が大声で食堂にいる皆に言うと、冗談を言うなよ? と笑うものや、不謹慎だ! と怒るものが ガヤガヤと騒ぎたてる。

ところが、それが冗談ではないことが、すぐにわかる。


 ファーォン!ファーオン!ファーォン!


けたたましいサイレンがなりアナウンスが入る。


『これは、訓練ではない!実際!訓練ではない!実際!

各戦闘員に継ぐ、フリーダムでUSNとの戦闘が発生! 繰り返す フリーダムでUSNとの戦闘が発生!

ヴァンツァーパイロットは、至急ブリーフィングルームに集まるように! 繰り返す……』

仮設の基地内にアナウンスが流れる。


食堂内にいる兵士達のざわめきが消え皆が一斉にブリーフィングルームに走り出す。

今まで、戦争状態になかった両陣営がはじめて、戦火を交えるコトになる。

後に第一次ハフマン紛争と言われる戦争がこの日に始まったのだ。
……………
………


[始まりの朝 終]

―ブリーフィングルーム―
女軍曹は、先にブリーフィングルームへ来ていた。

女「タイミング悪いわね… まぁ、私の人生はいつもそうだったから…別にもういいんだけどね…。」ブツブツ…

男「女軍曹、隣座るよ?」

女は声をかけられ睨むように男を見る。

女「ヘタレ少尉? コッチ来んな!アッチ行け!邪魔だわ!」


随分な言われようだ。
しかし、男は構わず隣に座る。

女「ホント、ウザっ!」

女は露骨に嫌そうな顔をする。


男「多分、ヴァンツァーに乗って戦わなくては、いけなくなる… 私達はチームだろ?作戦ぐらいは一緒に…」


女は、イラつきからか、勢い良く椅子から立ち上がり 男に顔を近づけると、矢継ぎ早にまくし立てる。


女「嫌よ!!私は、今まで一人でやってきたの!ヘタレ少尉、アンタと組むつもりはないわ!」


男「そんな勝手が許されるはずがない!!」

女は、男にだけ聞こえるくらいの小さな声で教える。


女「この基地で、私だけは、特別な存在なんですよ。」

男「何だって?」

女「何をやっても、許される存在ですから… 条件付きですけどね…。」

男「軍隊は秩序を重んじる!勝手は許さないぞ!」

男は、同僚に声を荒げる。


女「うるさいなぁ…アンタもUSNもOCUも街の人間も、みんな死んじゃえばば良いんだ…。」ボソッ…

男「な、なんだって…?」ビクッ!

女「冗談ですよ?じゃあ、私は行きますので!」ニッコリ…


そう言うと女軍曹は部屋から一人で出ていってしまう。

男は、その行方を呆然として見るしかなかった。

女が出て行ってから暫くして、入れ替わるように少佐とその取り巻きの兵士が部屋に入ってくる。


部屋の前の壇上に立ち、パイロット達を見回しながら重い口を開く。


少佐「みんなも、もう知っているだろう… ここから少し南に行った我々の首都フリーダムが、USNからの攻撃を受けている。

フリーダムが、制圧占領されると、ハフマン島全土におけるOCUの立場はかなり危ういものとなる。

何としてもこの危機を乗り越えなければならない。」


男を含めて19名のヴァンツァーパイロットは、少佐の話を黙って聞く。

少佐の取り巻きが説明用のモニターをセッティングして、部屋を薄暗くする。


少佐「作戦を説明する…。

フリーダム内部にいるUSNの部隊は、駐留中の部隊と航空部隊で対応するそうだ。

我々の今回の任務は、単純明解だ!
南東のペセタ方面より来るだろう敵の増援を叩くコトで、フリーダム内部のUSNの部隊を孤立化し各個撃破の助けをする。

3時間後には、フリーダムの南西にあるグレイロックからOCUの増援が到着する。

また本国オーストラリアでも、この事態を重く見て、空母『AKAGI』を主軸とする第1航空戦隊の派遣をすると決定した。到着は24時間後である。
我々は1日耐えればいい…… 以上が総司令部からの通達だ!」


明かりがつき、部屋が明るくなる。少佐は、壇上で考え込む様に腕を組みながらユックリと歩き回る。

少佐「諸君聞いてくれ!

私の一番上の子供は今年、中学校にあがる。

週末は家族でキャンプにでかけ一緒に釣りをする約束をしていた。

妻は明後日が誕生日だ。

私は、そんな彼女にプレゼントを送る為に、君達の年金を隠密に使用するつもりだった。」



パイロット達「「「死ねよ少佐!」」」ブーブー



当たり前だがブーイングの嵐である。


少佐「ところがだ!!!
こんな私のささやかな楽しみをすら壊されようとしている。

妻は、一昨日、離婚届けをおいて蒸発した。

私は、偵察衛星を駆使して探したさ…。

どこにいたと思う?

ヤツは、俺の子供達とUSNのフォートモーナスにいやがった。楽しそうに、USNの兵士といちゃつきながら歩いていたんだ…。

去年やっと、フリーダムに買った家のローンが払い終えたんだ…。

なのに何故……家まで失ったらもう……USNは全てを奪っていく……。

今戦火にさらされようとしているどこだ?」



ドヨ ドヨ ドヨ ザワ ザワ ザワ

あまりの告白に皆はどよめく。しかし、少佐は話を続ける。



少佐「そうだ、ここだ! 今我々のいるここなのだ!
フリーダムは、我々の家族、友人、大切な人達、が棲むはずのかけがえのない土地で故郷なのだ!

諸君、このままでいいのか?」



パイロット一同「「「ノー サー!!!」」」

少佐の演説を遮る様にサイレンがけたたましくなる。

 ファーオン ファーオン ファーオン ファーオン…

『メール河付近より多数の攻撃ヘリおよびヴァンツァーの増援が侵攻中との確認がとれました。 繰り返します…』


ダ ア ァ ァ ー ン !


室内は騒然となり浮き足立つヴァンツァーパイロット達を鼓舞する様に、少佐は壇上の机を拳で叩き、少佐はこうしめくくった。

少佐「諸君、ヤツらクソ虫どもが来たぞ!! クソがつまっても、困らないように、ケツにありったけの弾丸を撃ち込んで穴を増やしてやれ!!」

その台詞に一同は、使いなれた当たり前の台詞で返答をする。

パイロット一同「「「サー イエッサー!!」」」
。。。。。
。。。




フリーダム……中西部のベットタウンともいうべき100万人弱の人口を誇るOCUの首都である。
人々の生活水準は島内でも非常に高い。


そこで、OCUとUSNのヴァンツァー部隊の間で戦闘がおきたのだ。


今まで、どんなコトがあっても、戦争にならなかったので、対応が遅れ、大規模な市街戦に発展しフリーダム市民に多数の死傷者が出ている。


今、市街では、フリーダムに駐留する精鋭のOCU陸軍のヴァンツァー部隊がUSNと戦っている。


男が所属するフリーダムの予備軍は、もちろん、戦闘支援に駆けつけなければならない。

男はブリーフィングルームから一度部屋に戻り、急いで、下痢止めを胃に流し込む。


男「また下痢に悩まされるのは、怖いからな。
しかし、戦争始まっちまった…。
オヤジのコトを調べる為に軍に入ったんだが…。」


緊張からか、独り言を喋り落ち着こうとする。


男「USN!何故このタイミングで戦争をする? 何故、安全と言う名の偽りの平和が気に入らない!! 多くの人を巻き込み殺し、何がしたい正義の国よ…。」


男は、父親が言った言葉で気になった言葉があった。『俺に何があっても、俺のコトを調べようとしたり 軍に入ったりはするなよ!』この言葉が10歳の彼には凄く気になった。


ダンボール箱から、写真立てを出しベッドサイドに置く。


その写真には、幸せそうな男と男の両親が写っている。


男「オヤジ、あんたとの約束を破ってゴメンな…。最期に逢った時にあんなコトを俺に言うからだぜ…。」


男は、そう言うと首にかけてある十字架を手に取りキスをして静かに祈りをあげる。


男は、別にクリスチャンと言うわけではない。


男がケヤキの木の端材を削り出して作って、母親の誕生日にプレゼントしたもので、母が最期の時に身に付けていた物だ。


十字架に男のお気に入りのコロンをつける。

ひょんなコトから父親から貰ったモノだが、男はこの匂いが気に入っていた。
十字架とこの匂いがあると、父親と母親が傍にいてくれる様な感じがするのだ。


男「オヤジ、母さん…行ってきます…。」


覚悟を決めて、男は愛機ゼニスがあるハンガーに行く。
……………
………

―ある孤児院―
深緑のヴァンツァーが一機、ある孤児院の様子を遠くから窺うように止まる。

女「怖くて来れなかったけど…久しぶりね…この場所…。」

女は双眼鏡を使い孤児院の外で何かの作業をする子供達を見る。

女「私の知る子は、もういないか…。私のせいで知る子は全員死んでしまったものね…。」

仮設基地から少しだけ離れた場所にひっそりと立つ孤児院である。

女「私が運命に負けたから、みんな死んでしまった…。 私が無駄な足掻きをしてしまったから、みんなを殺してしまった。」

女は作ってきた石鹸水を出すと、ストローでしゃぼん玉を飛ばす。

女「シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ♪
屋根まで飛んで こわれて消えた♪

シャボン玉消えた 飛ばずに消えた♪
産まれてすぐに こわれて消えた♪

風、風、吹くな シャボン玉飛ばそ♪

フフフ……しゃぼん玉が綺麗…。


皆…戦争が始まっちゃったの……仇を取れなくてゴメンね…弱い私を許してね?」


女は、しゃぼん玉の道具と双眼鏡を仕舞うと小さな華奢な体をヴァンツァーのコックピットに押し込む。


女「でもね…今日…皆のいる場所にやっと行けるよ…。きっと、お父さんもお母さんもいるよね?」


女は深緑のヴァンツァーのコックピットのハッチを閉める。


女「激戦区はフリーダム市内か…。出来れば、故郷 日本のあの地で死にたかったけど、贅沢は言ってられないよね…。
さぁ…旅立とう…この残酷な世の中から…。」

寂しく走り出す深緑のヴァンツァーの日の丸が冷たく悲しく太陽の光りを反射させる。

―整備場―
男はミッドナイトブルーにカラーリングされた最新鋭機体のゼニスを見上げる。

ジェイドメタル・ライマン社の全長5.8m、重量24tの最新鋭の機体『ゼニス』(Zenith=頂点)は、まだ数が揃わない為に、この基地では男少尉しか使っていない。

左手にスナイパーライフル右肩に装甲板を装備させてある。
装甲板には、首に下げた十字架をモチーフにした絵を描いて貰った。

女整備兵「鉄と鋼で作ろぅ~ ヴァンツァーを 作ろぅ~♪
鉄と鋼で作ろぅ~ マイフェアレディ♪

十字架の絵、こんな感じでどうでしょう?」

男「白縁に黒い十字架か…シンプルだけど渋くて気に入ったよ!絵が上手だね!
しかし、ロンドン橋の歌の替え歌かい?緊張感ないなwww」

男は緊張感をぶち壊す歌の旋律に脱力感を覚える。

女整備兵「スナイパーライフルの整備は完璧です。マシンガンを下ろして、ライフルに換装しておいきました。セットアップは済んでいます。いつでも出撃可能です!」

男「歌に関しては無視ですか?まぁ、いいや、ありがとう、じゃあ行くよ!」

女整備兵「鼻歌混じりでもUSNなんて、余裕で勝てますよwww
少尉は2034年のアフリカ紛争を忘れたのですか?
憎っきECを余裕でボコボコにとっちめてやったじゃないですか!? OCUは強いのです!世界最強なのです!」

男「もう終わった話しじゃないか…。ECだって負けてなかったさ…。

リアルマッコイこと『アール・マッコイ中尉』がいなければ逆にOCU側がボロボロに負けてたんだ…。」

男はアフリカ紛争の話しを悲しそうな目で語る。

男「それに、その戦争のせいでアフリカに住む人々はとても悲惨な目にあった…。
それは、今もアフリカ大陸に大きな爪跡を残しているよ…。 アフリカに住む人達にしてみればいい迷惑だよな…。」


女整備兵「ふーん?少尉はOCUの軍人らしくないですね? でも、もし私がECヨーロッパやUSNの人間だとしたら少尉は喋るのも嫌いなくらい嫌悪感を抱きませんか?」


男「女整備兵がECやUSNの人間でも別に憎くはないよ! 君は可愛いし優しそうじゃないか?むしろ喋れて嬉しいさ!
それに、今やECはOCUの良いパートナーさ…。本当はUSNとだって分かり合えるはずなのに…。」


男はそう言いながら、女整備兵の頭を撫でる。


女整備兵「ちょっ、ちょっとレディーの頭を軽々しく撫で撫でしないで欲しいのです。」

女整備兵は、顔を真っ赤にしながら嬉しそうに怒る。


男「ゴメンゴメンあまりにも可愛くてついね…。」

女整備兵は気持ち良さそうに頭を撫で続けられる。


女整備兵「ふぅ…満足しました。男少尉、どうか御武運をお祈りします。」

背の丈は女軍曹と同じぐらいだが、胸が大きい。
赤茶色の長い髪の毛を持ち後ろで束ねている。
雰囲気が可愛らしい女整備兵は、綺麗な姿勢で男に敬礼を贈る。


男「うん!道を開けてくれ!フリーダムを防衛してくる!」

女整備兵と挨拶を交わしコックピットに乗り込む。

他の小隊は、僚機と出て行くが、男の僚機は、既に出撃していた。

男「いつも通りまた一人か…まぁ、一人は馴れているからいいけどね…。」


パチッパチッパチッ…

男は、馴れた手つきでスイッチを入れキーボードを叩く。

カチャカチャカチャカチャ…

男「メインスイッチオン! ヴァンツァー起動を確認! システムオールグリーン! 敵哨戒データインプット! こちらzelkova!コントロール?」

管制官「こちらコントロール。」

男「出撃許可を!」

管制官「zelkova出撃どうぞ!」

男「zelkova了解!出撃する!」
……………
………

-フリーダム郊外-
基地を出ると男の機は、ハフマン島中部に広がるサバンナをペセタの方向に向かいローラーダッシュで疾走する。

男「しかしUSNは何故フリーダムを選んで戦争を仕掛けたんだ? 敵首都への攻撃は解るが、同時に他の軍事施設も攻撃すべきだろう…。
一部の噂で誤射と言われているが、誤射なら一発だよな?何故規模の大きな戦いになった?」

カタカタと、揺れる感じが不快でつい呟いてしまう。

男「やっぱり、コックピットが微妙に揺れるなぁ。」

基地を出た後は、敵航空機による爆撃から身を守る為、各小隊ごとに散開してフリーダムに侵攻する敵を迎撃せよとのコトだった。

男「どこに、機体を隠そうかなぁ…。」

男は、フリーダムに侵入しようとする部隊を狙撃するために、フリーダム郊外の少し小高い丘の木々の間に愛機を隠し一度ヴァンツァーを止める。


男「一人でどこまで出来るかな?
俺はガンナーだから接近戦になったら素早く敵との距離を離さなくちゃ行けない…。」

そう自分にダンドリを言って聞かせる。何かを喋っていないと落ち着かないのだ。

男「一人で良かったかも知れない。
女軍曹はストライカーだから機体を隠して戦うという戦法はとらないだろうし、どう考えても俺との相性が悪い。」

初めての生死を賭けた戦いに体が少し震える。


男「しかし、女軍曹は何処に行ったんだ?
ストライカーが単機でうろつくのは、正直危険だと思うのだが……。
だいたい、対空兵器がないじゃないか! 攻撃ヘリ相手とかどうするつもりなんだよ!!」

だんだん女の身勝手さに腹がたって来てイライラして来たところに、対空レーダー基地からデータが送られてくる。


男「ヘリが来るのか… ちっ、女軍曹の為ではない。他の仲間の為だ!」

男は、精密な長距離射撃をする為にヴァンツァーを座らせ足場を固定し砲台化させる。


カタカタカタ…タン!


男「ライフル射撃時反動制御パターンインプット! スキル『エイム』発動準備完了!」


男は一抹の不安があった。『エイム』のスキルを使うと、普通は命中率が100パーセントになるはずなのに、男の場合は、動かない的に70パーセント当たれば良い方なのだ。

しかも、そのスキルパターンを使うには、足場を固める必要がある。
射撃後すぐに移動出来ないのだ。

男「これすると、移動が出来ないんだよなぁ…。
敵に見つかったら、いくら最新鋭の機体と言っても瞬殺されるよなぁ…。」

程なくすると、USNのヘリ3機が低空飛行でフリーダムに侵攻しようとするのが見えた。


おそらく対空レーダーが近くにある為、高度を下げているものと思われる。


男の機はスナイパーライフルを構える。

男「コチラzelkova、USN機と思われるヘリ3機を発見!攻撃するか?」


基地に確認をとる。すると、すぐに殲滅命令がくる。

基地司令室「攻撃を許可します!攻撃して下さい!」

男「zelkova了解!敵に攻撃を開始する!(やはり、戦わなければならないか…残念だ…。)」


男のライフル射撃の命中率は、正直、ガンナーとしては、不合格の腕である。

男(何をやっても上手く出来なかったなぁ、でもヴァンツァーを色々な地形に隠すのだけは、誰よりも上手かったと思う…。)

スコープの照準がコックピット内部のモニターとリンクする。

男「え~っと…照準の円の二個分上とちょっと右側当たりを狙うといつも大体目標に当てれてたよな? なんで、照準通り撃つと俺の場合は外れるんだろう?
取り合えずいつも通り最初の三発で照準を合わせないと…。」



引き金を引く―――

  ド ン ッ!!

―――男が思った方向に弾丸はそれていき、ヘリには当たらない。



男「うん…ヤッパリ当たらない…。少し下でちょっと左側かな?」



薬莢を排出させ、次弾を装填させて撃つ―――

  ド ン ッ!!

―――また、弾は自分の思った方向にそれてはずれる。



男「あれっ?照準通りかな?よく解らないぞ?」

男は少尉候補生時代の頃を思い出しながら射撃をする。

男はいつも自分の思っている場所と違う場所にコンピューターの照準指示が来てしまって大変な思いをしていた。


しかし、コンピュータのはじき出す照準通りに撃っても、いつも当たらない。


候補生時代の男は10発の弾丸を撃つテストで最初の3発で照準を合わせてから7発を命中させる。それが動く的になると更に難易度が上がるのだ。


少尉候補生時代は、それで最悪な成績を出している。

だが、一発目と二発目の弾道が何故か男の思った通りの軌跡を描きハズレていったのだ、どうせ当たらないならと、一発だけ試したくなった。

男は、何故か自分を信じれば当たる気がしたからだ。

男は、ヘリのコックピットを狙ってみる 勿論コンピュータのはじき出す照準は無視して撃つ準備をする―――

ド ン ッ!! プゥッ…

―――スコープとリンクさせたモニター越しだが、小さい爆発が起きてヘリのコックピットが粉々になるのがわかる。


制御を失ったヘリは、その場でグルグルと回り始める。

男「命中した!?と言うより、これコンピューターの照準通り!? あれっ? 今まで照準通り撃っても当たらなかったのに!?」


撃った本人が、驚きであった。



  グギュルルルル!?



その瞬間緊張したのか、男は何故かまたお腹が水っぽい感じになるのがわかった。


男「ぐはぁっ…こんな時に…ちゃんと下痢止め飲んで来たんだが…!?」

戦闘中なので気にせず次弾を装填する。

男「次弾装填完了!」



最初の一機目の行方いを最後まで確認せずに次を撃つ―――

ド ン ッ !! ブブッ…

―――射撃時の衝撃がヴァンツァーを通してお腹に響く。




2機目のヘリのコックピットで小さな爆発が起きて内部が赤く爆発する。

たまたまだが、最初の制御を失ったヘリと空中接触をしてズガァァンと爆発をする。

大きな火の玉となり、2機は地面に落ちていき大きな火柱をあげる。



男はすぐに次弾を装填し終えて体が勝手に撃つ―――

ド ン ッ!! ミチッ…

――― ゼニスの構えるライフルから激しい火線が跳ぶ。




3機目もコックピットを直撃したようだ。しかし、しぶとく空中にあり続ける。



すかさず男は無意識にライフルのトリガーをヴァンツァーに引かせる―――

ド ン ッ!! ブリリッ!?

――― 出射された弾はローターに命中し3機目のヘリも、きりもみ状態で墜落していく。




男のいる地形が良かったのか、敵の高度が低かったせいなのかわからないが、たったの4発の弾丸で装甲ヘリ3機を落とす。


男「まさか…候補生時代に使ってたヴァンツァーの照準が意図的にずらされてた? いやいや上官を疑うもんじゃない…。」


3発目以降は、男の思った通りの弾道を描いて、弾が敵に吸い込まれていったのだ。

男「しかし照準が合っていると言うより、弾道がわかる…何なんだこれは?」

正確に言うと最初の一発目から男には弾道が見えた。

男「候補生の時は、全然解らなかった弾道の軌道や敵の動きの未来位置と必中点が手にとる様にわかる…それと、勝手に体が動く?」


   ぎゅるるるるるうぅ…


男「んぐぅ…あと、腹が凄んごく痛ぇええのは、なんでやあぁぁぁぁ!!!」

自分の腹の悲鳴が聴こえるが、無視して戦闘をつづける。


男「集中しないと!!」

男は戦闘中に勝手に体が動いてしまって、まるで自分では、ないような感じすらした。


その後も来るヘリを撃ち落としつづけ、合計8機のヘリの撃墜したところで我にかえる。

気がつくと体全体が汗まみれで気持ち悪い。


戦闘服のズボンがまるで漏らしたかのようにビシャビシャであった。

下着の前の方までびしょびしょで気持ち悪く、嗅ぎなれたドドメ色の匂いがヴァンツァー内にする。


男「まさか!!? …………ヤベェ…どうしよう…下痢ラ豪雨状態だ……。」


いや、本当に漏れていた。


男「ちょwww屁たれ少尉からクソッたれ少尉にランクアップしちまったwww」


男はクチャクチャと穢れた音を漏らす自分の股間を見つめ糞臭の中で途方に暮れる。



男「空はこんなに青いのに…。」



男は悲しくなりヴァンツァーのモニターに映る無限の青空を見る。



男「何故、俺の股間には茶色い水溜まりが出来るのだろう…。」


男がこの惨状をどうしようかと悩んでいると基地から無線が入る。

少佐「Zelkova 応答せよ!」

男「Zelkova!」


少佐「さっきから何度も呼び掛けていたが、ようやく気がついてくれたな?

今そちらに増援の味方ガンナーが向かっている。場所を交代してやれ!

いい場所を見つけたな?
ガンカメラを通じて活躍は見ていた!よくやった!!

貴機は、一度帰投せよ!」


男「Zelkova了解!基地に帰投する…。」

……………
………

-基地整備場-

格納庫の決められた場所にヴァンツァーを移動させて停止させる。

外から整備兵の声が聞こえる。

女整備兵「少尉!お疲れ様なのです どうぞ機体から出て下さい!」


男「………。」



女整備兵「……どうかしましたか?」



男「どうかwwwみんなにはwww言わないでwww欲しいのだwww 機内の掃除はwww自分でするのだwww お願いでござるwww」


女整備兵「まさか… 漏らしたのですか…?」


男「突然www雨が降ってきてwww中がwwwビチャビチャにwwwなったのwww」


女整備兵「ヴァンツァーはwww基本全天候型ですからwww雨漏りしませんwww」



男「今度、飯を奢るから お願いだ! みんなには、言わないでくれ…。ううぅぅ…。」


既に下痢便がビチャビチャに染み込んだシートと男のズボンは、酷い悪臭を放っている。

鼻が麻痺している男には気にならないレベルであったが、臭いモノは臭い。

女整備兵「まぁ、良くあるコトですよ… 漏らして一人前ですから。」


男「わかった… 今、コックピットを開ける…。」


プ シ ュ ウ ゥ ゥ ー !


コックピットのハッチが開きヴァンツァーの内部の空気が外に出ていく。

女整備兵「くさいのですうぅぅ!!! まさか大の方ですか?」

女整備兵は赤茶の髪を逆立てるくらいにビックリする。


男「うぅ……。」

女整備兵「ま、まぁ、ウチの部隊では、ヴァンツァーの中でクソ漏らす人は他にもいますから、安心して下さい。」

カワイイ女性の整備兵に下痢便を漏らしたトコロを見られたのも恥ずかしいが、その娘がクソと言うのもギャップがあり更に恥ずかしさが増す。

男「あぁ、すまないね。」

女整備兵「はい、舐めても大丈夫なくらいにクソの始末をしておきますので安心して欲しいのです。」

女整備兵は鼻を摘まみながら苦笑いをする。

男「その、みんなには、くれぐれも黙っておいて欲しい…。」

女整備兵「はい!大丈夫です。誰にも言いません。
そこの近くにある勝手口から外に出て、部屋に戻れば、誰にも見つからないように帰れると思いますよ。」

背中まで、濡れた重いズボンを引きずるようにヴァンツァーから出る。

男「すまない、恩にきる。」

女整備兵「今度、何か、おごって欲しいのです! 楽しみにしてるのです!」

女整備兵は、男にそう言うとヴァンツァーのコックピット内部に入っていった。

女整備兵の元気のいい笑みに男は頬が緩む。

男「いい娘じゃないか… 何か後で差し入れしてやろう。」

……………
………

-男自室-
男は自室のシャワーで尻と股を必死に洗った後に着ていたズボンを洗う。

男「これ、血の色してないか? ついでに痔になっちまったかな? ケツ痛いし最悪だ…。
多分、女教官が無理矢理 アナル整備したせいだ!クソッ!!」

2時間後に再度出撃命令が出ている。それまでにズボンを洗って瞬間乾燥機で乾かすコトを考えていた。

男「しかし、戦場は人を変えると言うが本当だな…。」

男は、つい興奮して独り言を喋ってしまう。

男は、今まで、体力的にも精神的にも強い方だと思っていた。しかし、実際は、戦場で追い詰められると、精神的に胃腸に来るコトがわかった。

それと、実戦に出て突然覚醒したかの様に勘が冴えたのは、男自身おどろいたのであった。

男「装甲ヘリを8機撃墜は、凄いんじゃないか?
予備兵にしては、かなりやれた方だと思うんだが?」

プルルルル… プルルルル…

部屋に備え付けの電話が鳴る。

男は洗濯に忙しく迷惑だが出ないわけにもいかない。

男「はい、もしもし… はい… はい…わかりました執務室に向かいます。」

少佐からの呼び出しであった。

洗ったズボンを瞬間乾燥機に入れて、急いで、もう一度シャワーを浴び、新しい服に着替える。

外では、散発的に爆発音が聞こえる。激しい時に比べれば、随分静かであった。

男(俺が、ここでユックリしてられるということは、かなりOCUが優勢なんだな。)

……………
………
-執務室-

コンコンコン

男「男です。入室の許可をお願いします!」

「入れ!」

短い返事が返ってくる。

男「失礼します。」

重い扉を開けると、女医も中にいた。

少佐「ご苦労 男少尉 装甲ヘリ8機撃墜素晴らしい戦果だ!」

男「ありがとうございます!」

少佐「君の能力をもう少し借りたいんだが、いいかね?」

男「ハッ!喜んで!」

少佐「実は、女軍曹がまだ戻っていない。彼女のコトだ。また好き勝手に出撃をしたんだろう?」

男「……はい、私の責任です。」

少佐「今、フリーダム市内にいる様だ… 行けるかね?」

男「はい、行きます。」

少佐「そうか、助かる。彼女を連れ戻してくれ!それと、女医が君に話があるそうだ。」

女医「先程、女整備兵から聞いたのですが、下痢便を漏らされたとか?酷い下痢の状態が続いているみたいですね?」

男(コラコラコラwwwちょっとwwwいきなりバラしているんじゃないですよwww整備兵のお嬢ちゃんwww)

女医「何か、悪い病気かも知れませんので、少しだけ採血をさせて下さい。」


男「は、はぁ…。」


採血用の道具を用意する女医の横で、見慣れた顔を写真の中に見つける。


男「その写真に写っている人達は?」

少佐「気がついたかね…? こうみえても、私は、昔 大佐だったんだよその時の写真だ… 私の直属の部下との集合写真だ。」

男「この少佐の右隣にいる男の人ですが?」


少佐「男父少尉… イヤ、二階級特進して大尉だったね… 君の父親だったな…。」

男「私の父親を御存知で?」


少佐「あぁ、私の不注意で死なせてしまった…。彼は優秀で大切な部下だったんだ。」



演習中の事件当時、男の父親のいた部隊は、父親の正規に所属していた部隊ではなく、他の歩兵部隊に臨時で編入された部隊であった。



男は、自分の父親が本当はどの部隊に所属して誰の部下か知らなかった。

自分の父親の所属していた部隊はOCU内部の人間でさえ極秘扱いの部隊だった為である。



男は、ほとんど逢うことが出来なかったが、優しく頼もしい父親が好きだった。


その父親が最期に言った『俺に何があっても、俺のコトを調べようとしたり軍に入ったりはするなよ!』その言葉がどうしても気になっていた。嫌な予感がしていたのだ。


男は父親が軍で何をしていたのかどうしても知りたかった。
その為だけに軍に入ったのだ。


男「12年前、錯乱した兵士が、演習を見に来ていた観客達に銃を乱射し、それを止めようとして、殉職したと聞いています。」


男はこの日、部活の大切な大会があった為に演習を見に行けなかった。

少佐「観客の被害者の中に君のお母様もいたな…。」

男「はい…」


少佐「すまなかったな… 嫌な思い出だろう…。」

男「いえ、大丈夫です。」

女医「はい、終わりましたよ…。」


いつの間に採血をしたのだろうか?すでに終わっていた。

女医「採血後なので、本当は、ヴァンツァーでの出撃は控えて欲しいのですが…。」

女医は優しく微笑み、静かに言う。

男「もっと、大量に採るのかと思ってましたが、その、小さな試験管みたいなの一本でいいんですか?」

女医「はい、大丈夫です。では、私はこれをすぐに調べますので、失礼します。」

そう言うと、すぐに部屋から出ていく。


男「あのぅ…少佐…いつでもいいので、私の父が、軍で何をしていたか教えて頂けないでしょうか?」

少佐「わかった。いつか話しをしよう…。 ただ、今は戦時中だ。君の父親が守ろうとしていたOCUの為に力を貸して欲しい。」


男「わかりました。すぐに、女軍曹の捜索に向かいます!」


少佐「本来なら、他にも仲間をつけるべきなんだろうが、他の作戦の通達が上層部からきていてな…。
女軍曹の捜索に他の部隊をまわすコトが出来ない。スマナイな…。」


男「大丈夫です! 必ず連れて帰ってきます!」

少佐「あぁ、後、彼女が君に気づかない場合は彼女のヴァンツァーを撃っても良いからな?」


男「またまたご冗談をwww」


少佐「いや、それくらいのコトをしないといけないかも知れんぞ?」

男「まぁ、怒鳴り付けるくらいのお仕置きにします。
では、男!出撃します!」

-フリーダム市内-

男「こちら、zelkova 方角は正しいか?」


管制官「はい、女軍曹、コードネーム[ZEKE]は、このまま、真っ直ぐに行ったハルモニー運河のあたりにいるはずです。」

男「了解!捜索を続ける。」


管制官「それと、未確認情報ですが、そこには、USNの新鋭機がいるそうです。カラーリングは茶色!
ディアブルアビオニクス社の新型機種のヴァンツァーで『フロスト』と言う機種だそうです。」


男「了解!注意する!」


今、男は[水の都]フリーダムの市内にいる。ヴァンツァーでの隠密行動は元々得意なので、敵に遭遇しないように女軍曹の捜索をつづける。

フリーダムが別名[水の都]と言われるのは、市内に流れるこのハルモニー運河のお蔭である。
大型船舶が行き来し、イベント時には花火も打ち上げられ、この運河に映し出される夜景の美しさは口で言い表せないくらいに華やかで綺麗なのだ。



だが、その首都の象徴たる運河が今は無残な姿を見せる。
運河は汚れ、橋や欄干は崩れ落ち、道の至るところに爆発によりえぐれた部分や銃痕がある。

未だ、街の至るところに火の手があがり夜なのに明るい。



男「建物も崩れかけたところが多いいな…慎重に進まないと…。」


男がハルモニー運河の近くにくると―――

ガ ッ シ ャ ー ン !!

――― ヴァンツァー同士の激しく激突する音がする。

一方のヴァンツァーは、深緑色にカラーリングされ、両方の肩部に装備した装甲板には日の丸が描いてある。


もう片方はアタッカータイプだろうか、ヴァンツァー用の機関銃が腕部に内臓されたUSN機のようだ。


どうやら、OCUストライカーのパイルバンカーがUSNアタッカーのコックピットのを貫いた様だ。


USNのヴァンツァーが崩れ落ちる…。


男「コチラ zelkova! ZEKE 応答せよ!」

呼び掛けても返答がない。


男「くそっ! 無線を切ってるのか? あんなボロボロな状態で戦い続ければ死ぬぞ女軍曹!」



 バ ス ウ ゥ ゥ ー ン!



突然、女軍曹の乗機するヴァンツァーのナックルを装備する左腕が肩部から吹き飛ぶ。


男「しまった!女軍曹が狙撃されている!」

さっきまで軽快な動きを見せていた女軍曹の乗るヴァンツァーは、突然動きを止める。


ヴァンツァーの狙撃された方向と、入射角から、内臓コンピューターで敵の位置を割り出す。

男「いた!」


ライフルを構え、敵を狙う。敵は、まだ物陰に隠れている男に気がついてない。

男は、コンピューターの照準を手順通り素早く設定する。


男「ヴァンツァーのコックピットに当てても、一発じゃ沈まない!!」

男は、敵のライフルを持つ腕部を狙う―――

  ド ン ッ !!

――― 敵のライフルを持つ腕が吹き飛ぶのが、モニター越しに確認できる。




矢継ぎ早に次弾を撃つ―――

  ド ン ッ !!

――― コックピットに命中するが、敵は仰け反るだけで破壊までは至らない。


不利を悟ったのか、敵ヴァンツァーは、逃げていく。

女の機は、殺されるのを待つかの様に、棒立ちの状態で微動だにしない。

違う方向から増援の敵アタッカーが来る。先程逃げた敵のガンナーが仲間を呼んだ様だ。

既にボロボロの女の機にマシンガンを構えながら突っ込んでくる。

男「おい!女軍曹!応答せよ!右側より狙われてるぞ!クソっ!なんで通信を切ってるんだ!?」



射線上に女の機がある為にライフルを撃てない―――

男「くそっ!間に合ってくれ!!」

――― 男の機は、ローラーダッシュで、敵と女の機の間に割って入る。



敵の機はマシンガンをガガガガと激しい連射音を響かせながら撃ち始める。



男の機は、防御体勢を取れないまま、まともにバスンバスンと銃弾を喰らう―――

  ビィービィービィー…

――― 女の機を庇う為に殆ど全弾を真正面から受けてしまったため、コックピットに深刻なダメージを負ってしまう。



男「くぅ、コックピットダメージレッド!」

男の耳に警告音が煩い。

男「ビィービィー泣くな我慢しろゼニス!くそっ!」

男の機は深緑のヴァンツァーを庇いながら被帽徹甲弾を撃つ―――

  ド ン ッ !

――― ズガガァン!

男の放ったライフルの弾は、走り寄るアタッカーのコックピットにカウンター気味に入った為か、USN機は爆発四散する。


女軍曹は無事な様だ。


男は女軍曹のヴァンツァーに近づき、発光信号を送る。

すると、ヴァンツァーのコックピットが開き女が、気ダルそうにのそっと外に出てくる。


男もヴァンツァーのコックピットを開ける。


虚ろな目をした女が呟く様に文句を言う。

女「やっと、死ねると思ったのに……死ぬ邪魔を…しないでよ…。ヘタレ少尉は……本当に…使えませんね?」ボソッ…


男は命を張ってまで庇ったその行動を全否定された感じがして、流石に言葉使いが荒くなる。

男「ヴァンツァーは、お前に与えられた玩具じゃない!いい加減にしろ!」


女は、心なしか悲しい顔を見せながら丁寧に聞く。

女「何か用ですか?」


男「我々の部隊は、次の作戦があるため、撤退命令が出ている。基地からの無線を聞かなかったのか?」

女「無線? あぁ、何か調子悪かったから切ってたわ… 基地に戻ればいいのね? 了解…。」


男「無線、開けておけよ…。」


女「了解… 一応…、その…まぁ…わざわざご苦労様です…。」

男「言われた仕事をしただけだ。帰るぞ!」


女「少佐は、何か言ってた?」

男「いや… ただ、君をとても大切な存在だと思っているらしい。雰囲気でわかる。」

女はギリッと歯を食い縛ると声を絞り出す。

女「ふん… そうね…私は、ヤツにとって、とても大事なモノだからね…。
あぁ…馬鹿らしい…ほっといてくれればいいのに…。」

男は、そんな態度の女にイラつき再び声を荒げる


男「おい! 生きたくても生きるコトが出来ない奴もいるんだぞ!?
お前に殺されたUSN兵が憐れでならないぜ!
俺は、お前みたいなひねくれた人間と一緒に帰りたくない!」


男は、そう言うと深刻なダメージを負ったままのゼニスで単機、フリーダムの町を駆け抜ける様に先に走り出す。


男(あぁ、あそこの瓦礫の下に人が潰れてる…。きっと、成人男性かな?革靴だけが見える。

…あぁ、向こうの方で真っ黒に焼けた大きな人と小さい人の死体がある。
きっと親子連れだったんだな…子供の方は女の子かな?
人形を握っている方の手だけが焼け残ってる。)

男「何でこんな大規模な市街戦になったんだ?
OCUの駐留軍は何をしていた?
何が世界最強の軍隊だ!!

2034年のアフリカ紛争での勝利を今だに誇らしく謳っているがにここまでやられているじゃないか…。
これじゃあ、負けてるのと同じだ…フリーダムの人間を守れてないじゃないか!!くそぉっ!」



男は、ヴァンツァーを一度止める。

ヴァンツァーの真下で『カッ!』と目を見開いて胴体が真っ二つに千切れている女性の死体があるのだ。

男はヴァンツァーを降り女性の目を閉じさせると、手を合わせて冥福を祈る。

男「命令では、女を連れて帰るコトになっている…死にたい人間なんていないハズだ…ヤッパリ迎えに行くべきだよな…。」

男がふたたび機に乗ると突然通信が入る。


   ザザーガッ…



輸送隊「こちらOCU輸送部隊!友軍は近くにいないか!?」

鬼気迫る感じの焦り声が無線から聞こえる。



男「こちらOCUフリーダム方面軍予備隊!どうした?」

輸送隊「ポイントD-5援護を頼みたいUSNにやられている!急いでくれ!」

男「ポイントD-5だな? Zelkova了解した!今行く!頑張れ!」


女教官「Zelkova?まさか男君?何で君がフリーダム市内に?
貴方は安全な場所で戦っているはずでしょう?」



突然聞き慣れた声が無線に混ざる。



男「その声?女教官?あんたそこにいるのか?」

女教官「男少尉!中佐として命令します!今すぐに基地に戻りなさい!」

男「中佐だと?フンッ…随分昇進したもんだ…。
輸送隊5分持ちこたえてくれ!今イク!」

危機に瀕する友軍機を助けるべくミッドナイトブルーのゼニスは崩れたビルの合間を縫うように走り抜ける。

男「ここからブロックを2つ先に行ったところだ!ゼニス急いでくれ!」


男の機から遠くの現場が見える、破壊されたOCUのヴァンツァーが5機、残り1機で装甲車を守っている。OCUの1小隊が全滅しかけているのだ。


男は、ゼニスにライフルを構えさせ走らせる。

男「スキル『ズーム』発動!」

カタカタ…タン!

素早くヴァンツァー内部のコンピューターに遠距離射撃用の戦闘パターンを打ち込む。

男「敵は5機!いずれもダメージを負っている!コックピットに当てれば一撃でどれも破壊できるはず!」



男は機を走らせライフルの射程外から水平射撃を始める―――

ドンッ!…ドンッ!…ドンッ!…

―――三連射した弾は、三機の敵のコックピットを穿つ。



男「よし!三機の敵の沈黙を確認!
輸送隊!ポイントC-3まで退け!」


女教官「男少尉、何故逃げないの!!?」

女教官は悲痛な叫び声の様な怒声を上げる。


男「あんた、中佐だろ? フリーダムを守る指揮をするのがあんたの仕事だろ!
ここで死んでどうするんだよ!!市民を守れ!!」


女教官「男の癖に!!男の癖に!!上官命令無視しやがって!!
どうせ、しょうもない理由で軍に入って来た癖に!私がどれだけ……」

男「うるせえ!!!冷静になれ女教官!!なすべきコトをしろ!!

あんた、俺を真面目な無能者と言ったな? 真面目な奴は上官命令を守るんだよ!!

……輸送隊!早く中佐を連れて逃げろ!ここは、引き受けた!」


男の機は、一気に現場に駆け寄り、二機の残敵と味方の間に割って入る。

男「残敵は両方ともストライカータイプか… ガンナーの俺が白兵戦闘するとは、思わなかったぜ!」

男の機は、迫りくるストライカーの攻撃を避けると、ライフルの銃底で敵をかち上げる様に殴りつける。

男「輸送隊!行け!早くしろ!レーダーに敵の増援を確認した。ここが囲まれる前に逃げろ!!」

輸送隊「わかった、済まない後を頼む!」

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