【安価・コンマ】ファンタジー世界であれこれ【バトル?育成?18スレ目?】 (1000)



 17スレ目
 1人目の主人公モニカは王国を憎み、とうとう悲惨な末路をたどった…
 2人目の主人公シリウスはトレジャーハンターとして世界を歩み、どんな宝にもまさるものを手に入れ、旅を続ける
 3人目の主人公スピカは人の悪意が跋扈する現実で大切なものを失いつつ、誰もが手と手を取り合える理想の世界を信じた
 4人目の主人公ヨダカは見下している人間と一蓮托生の呪いを受けたが、人間との友情を手に入れた
 5人目の主人公エルは生きるための悪行を重ね続け、過ちを繰り返しながら最期は笑って死んだ
 6人目の主人公ライドは生まれ持った聖眼によって畏れられ、人の手を渡り、大切な約束を目前にしながら戦争に巻き込まれ奴隷となった
 7人めの主人公ジェシカは鍛治師として行商の旅をしていたが元は領地であった故郷の事件を知って解決のために奔走し、新領主として返り咲いた
 8人目の主人公インガは魔族の盗賊。亡国の姫とともに旅をして回り、ともに戦場を生き延びて絆を紡いだ
 9人目の主人公ジュダルは革命によって奴隷に身をやつした元王族だが、暗夜王国で騎士となり王国の剣として生きる

 アーケノは実母から虐待されて育ち、周囲に認められるために旅立つが気づいたら暗夜王国国王の勅命を受けていた

 どんな結末も安価とコンマ次第?
 ぶっちゃけ、コンマ要素がけっこう強いかも知れない




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 過去スレ
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 アーケノ
 職業:(自称)殺し屋 年齢:15歳 属性:火
 武器習熟度:鎖★★★★★ 杖★★★☆☆ 短槍★★☆☆☆
 習得魔法:極大~小・劫火/火球/爆裂 障壁

 仲間データ
 テレサ 15歳 武器:剣 近接:6 魔法:1 友好度:★★★★☆
 モニカ (外見)14歳 武器:マスケット銃 近接:8 魔法:4 友好度:★★★★☆
 シリウス 31歳 武器:槍 近接:7 魔法:5 友好度:★★★★☆
 スピカ 23歳 武器:仕込み杖 近接:6 魔法:9 友好度:★★★★☆
 ヨダカ (外見)14歳 武器:ブーメラン 近接:8 魔法:7 友好度:★★★★☆
 エル (外見)21歳 武器:短剣 近接:9 魔法:2 友好度:★★★☆☆
 ライド 17歳 武器:剣 近接:5 魔法:9 友好度:★★★★★
 ジェシカ 22歳 武器:鎚 近接:7 魔法:3 友好度:★★★★☆
 インガ 22歳 武器:二刀流&手甲 近接:8 魔法:6 友好度:★★★★☆
 ジュダル 15歳 武器:槍 近接:7 魔法:4 友好度:★★★★☆


アーケノ「勉強って…読んでるだけ?」

モニカ「普通の料理と違って、お菓子は微妙な調味料の加減とかが大事なんだって。だから、頭に入れてるの」

アーケノ「…」

モニカ「…けっこう細かくて、大変なの」

アーケノ「……勉強なんかするよか、実践しろよ」

モニカ「実践?」

アーケノ「それじゃいつまで経っても勉強勉強で、ずぅーっとこのままになるぞ」

モニカ「…そんなにずっとのつもりないけど」

アーケノ「何かもう…お前らって話さないからびみょーにきまずいんだよ…」

モニカ「…そう」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 じゃあちょっと練習つきあってよ、て
 4~6 次に落ち着けるところついたらね、て…
 7~9 分かった、ってさ!! てさ!!


モニカ「うん、分かった」

アーケノ「!」

モニカ「でも、ちゃんとしたとこに着いたらね」

アーケノ「は?」

モニカ「野宿しながら作れるほど馴れてるわけでもないし、それまでにばっちり勉強しとくから」

アーケノ「…は?」

モニカ「アーケノ、寝なくていいの?」

アーケノ「いや、寝るけど…」

モニカ「じゃあおやすみ。わたしはまだ、読んでるから」

アーケノ「……………はぁぁ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 じょーさいとし~♪
 4~6 荒れ果てたライドくんの故郷に到着…
 7~9 ライドくんの故郷に到着…あれ、人の出入りした痕跡が…?


 ――旧バイス地方・秘境・隠れ里――

ジェシカ「見たことのない植物だな…」

シリウス「ああ」

アーケノ「古の原生林……だっけか…これのこと?」

テレサ「じゃない?」

ジュダル「でも、誰もいなくなっちゃったんだね…」

エル「これだけ派手に家が壊れていればな…」

インガ「……骨まで落ちてるぜ」

ヨダカ「んで、ここが…天使ってのと関係あんのか?」

スピカ「らしいけど…」チラッ

ライド「僕は…ずっと、お社に閉じ込められてたから、この里のことは何も…」

ライド「……前に来た時は、あそこは無事だったから…そこにまずは行こう?」

 ザッザッ…

モニカ「………あれ?」

テレサ「モニカー、どしたのー? 行っちゃうよー?」

モニカ「うん、行く」

モニカ(この足跡…まだ、新しい…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 おうおう、何事だいこりゃ
 4~6 …んん…?
 7~9 ライドくんがやっと、前のお仲間コンプ


 ――旧バイス地方・秘境・隠れ里・社――

ライド「…?」

アーケノ「どした?」

シリウス「人がいるな…」

モニカ「あっちにも、足跡あったよ」

ジェシカ「あん? …早く言えよ」

モニカ「この中の誰かのかとも思って確証なかったから」

ジュダル「でも、誰がいるの? しかも、ライドの家に」

インガ「叩き出せばいいだけだろ、そんなん。さっさと行こーぜ」

 カツカツ…

ジェシカ「あいつにゃ、警戒ってのはねえのか…?」

 バンッ

インガ「おい、誰だか知らねえが出てけよ。俺らが居座るんだ」

ライド「…」

テレサ「言い方…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 謎の集団と戦いです。…集団?
 4~6 謎の集団が慌てふためき始めた。…あれ、ライドくんが見覚えがあるって
 7~9 いきなりひれ伏してきた…何こいつら?


 ザワッ…

ライド「…あれ、この人達――」

ジュダル「知り合い?」

ライド「どこかで…」

 ダダダッ

インガ「うおっ…?」

 ズザァァァッ

アーケノ「な、何だ…?」

教団員A「お…お、おま、お待ちして、おりました…我らが神の遣い…ライド様…」

教団員B「な、ななな、長らく、お、お迎えに上がれず、お、お許しくださいませ…」

シリウス「……ライド…様?」

モニカ「……神の、遣い…?」

スピカ「ライドが?」

テレサ「………天使ってこと?」

ライド「………え?」


 【安価下1】
 1 なんか気色悪い。インガが追い出してくのを眺めた
 2 どういうこっちゃ? 話だけでも聞いとこう
 3 謎の教団員をとりあえず追い出して、ライドに話を聞こう


教団員A「さ、さあ…我々と、ともに…参りましょう…」

教団員B「どうぞ…わたくしどもを、お、おみ、お導き、ください…」

ライド「…え、いや……あの…」

インガ「うっぜえんだよ、3秒以内に消えろ。灰にするぞ。極大・劫火――」

スピカ「ちょっ、インガ…!」

シリウス「まあ待て、インガ」ガシッ

インガ「きめえんだよ、こーゆーの!」バタバタ

アーケノ「……一応分かるし…出てけ」

教団員A「あ…ああ…ら、ライド様…」

ライド「……」

モニカ「あっちから出てってね」スッ

インガ「中・火球!!」

 シュボォォォォォッ

教団員B「ひ、ひいいいっ…!」バタバタ

 ダダダッ

エル「………行ったな」

テレサ「それでこれ…どういう、こと?」

アーケノ「ライド、何か知ってんだろ?」

ライド「……………うーん…」

ライド「とりあえず…上がって。座って話そう」


 【直下 コンマ判定】(お忘れだろうか、ライドくんの悪癖を:-3)
 1~3 さっぱり興味をなくしてた、けっこう前のことだからさっぱり教団について忘れてるライドくん
 4~6 そう言えば昔、拉致られたなあ…ってだけ
 7~9 うん? おう? 出ないよ、この判定は


ジェシカ「――で、さっきの、あの白装束の怪しい連中は何だったんだ?」

ライド「…」

ジュダル「…話しにくいこと?」

スピカ「あ…それなら…別にムリしなくてもいいんだけど…」

ライド「ううん…その」

アーケノ「ん?」

ライド「…………なーんか、見覚えはあるけど…覚えてなくって…」

テレサ「あんなに変な人達なのに?」

ライド「……忘れっぽいんだ…僕、これでも…」

アーケノ「マジかよ…」

ライド「だから正直、何が何だか…って感じ」

シリウス「神の遣いだとか、お迎えとか言っていたが?」

ライド「…何も」

モニカ「ここに、祀られてたんでしょ? ライドは」

ライド「うん…でもそれは、里の人にだから。…あんな風にへりくだられることはないし…忌避されてただけ。あの人達のことは知らないし…」

ジュダル「……まつられてた…ってことは、何かあるんでしょ? ライドに」

ライド「………この、聖眼くらいしか」

ライド「これが気味が悪い、って…里の人が僕を怖がってたんだ」

アーケノ「……そっか…」

ジェシカ「……ま、変なヤツらってだけならいいさ。関係ないんなら、それはそれで関わらなきゃいいだけだ」


 【安価下1】
 1 じゃあ、改めて天使についての手がかりを里から探そう
 2 ちょっとさっきの変なヤツらをとっちめて話を聞き出してみよう。もしかしたら、かも知れないじゃん?
 3 ここまで来るのに疲れたから休憩としとこうよ…


スピカ「あの人達、大丈夫かな?」

アーケノ「放っときゃいいじゃん…。それよか、疲れた…」ゴロン

ライド「あっ、アーケノ!」

アーケノ「っ…な、何だよ?」

ライド「………お掃除、してないからまだ寝転がっちゃダメだよ」

シリウス「…別に、外で、泥まみれのところで寝るよりマシだが」

ライド「掃除するから、皆は外で待ってて。……一応…僕の家だし、汚いままって、やだし…」

ジェシカ「…んじゃ、ちょっくら自由時間とするかい」

ジュダル「お腹へったー」

シリウス「今日の食事当番は俺だったな…。手持ちの食材で足りるものなら、何でも作ってやる」

ジュダル「ほんとっ? じゃあね、じゃあね、うーんと……肉!」

シリウス「………分かった」

ジェシカ「野菜も出せよ」

インガ「いらねーよ、野菜なんか」


 【安価下1】
 1 ライドのお掃除を手伝っとく?
 2 モニカ、今だ。さあお菓子を作れ!
 3 コミュる
 4 その他、自由行動


ヨダカ「~♪」シャカシャカ

アーケノ「………おい、モニカ」ヒソ

モニカ「何?」

アーケノ「野宿ってわけでもないし、自由時間だし…今なら、いけるだろ? 菓子作り」

モニカ「あー…」

アーケノ「作れよ、約束だろ」

モニカ「それはそうなんだけど…」

アーケノ「何?」

モニカ「…………ひとりで作るの、大変みたいなんだよね。初めてだと尚更」

アーケノ「はあ?」

モニカ「どうせなら、ちゃんとしたの作りたいし? ………また今度でいいと思って」

アーケノ「【安価下1】」

 1 ダメ、作れ
 2 ひとりが大変で渋るくらいなら、手伝ってやるから作れ
 3 その他、自由台詞


アーケノ「ダメ、作れ」

モニカ「むぅ…」

アーケノ「作れ」

モニカ「や」

アーケノ「や、じゃねえよ。かわいこぶりやがって」

モニカ「だって、気乗りしないんだもん」

アーケノ「何で? ヨダカはいつも、しゃこしゃこしゃこしゃこ、ご機嫌でいつも難かしらかき回してんじゃねえかよ。見習えよ」

モニカ「面倒だしー…」

アーケノ「面倒言うな。何したってそうなるぞ」

モニカ「………むぅぅ…」プクッ

アーケノ「ほっぺ膨らますな」プニッ

モニカ「………だってさ?」

アーケノ「あん?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 道具ないんだもん…って言われた
 4~6 ヨダカの製菓レベルがけっこう高いから、下手なの見せるの恥ずかしいんだもん、って
 7~9 あんまり自信ないんだって


モニカ「………ヨダカが、喜んでくれるかどうか分からないんだもん」

アーケノ「…何言ってんだよ、今さら…」

モニカ「ヨダカは甘いものが好きでしょ?」

アーケノ「だから作ってやるんだろ?」

モニカ「そうだったけど…好きなことに、中途半端に踏み込まれてくるのも、嫌な人っているでしょ?」

アーケノ「…」

モニカ「それでヨダカにまた、拒絶されちゃったら嫌だし…」

アーケノ「…」

アーケノ(……何か達観してるヤツとは思ってたけど…)

アーケノ(こいつも…そういう不安とか抱えたりするのか…)


 【安価下1】
 1 ヨダカはずっとモニカと一緒にお菓子を作りたがってたから胸張れ、って
 2 じゃあ自信がつくまでは味見係も何でも気の済むまでつきあってやるよ、って
 3 相手はあのヨダカなんだから、ちゃんと甘けりゃ何出しても大丈夫だろ、って


アーケノ「……じゃあ、お前が自信つくまで、味見係でも何でも、気の済むまでつきあってやるよ」

モニカ「…」

アーケノ「…だから、練習しろ、ちゃんと」

モニカ「うん」

アーケノ「…」

モニカ「…………んー…」

アーケノ「何だよ?」

モニカ「じゃ、まず計量スプーン作るところからね」

アーケノ「は?」

モニカ「何でも手伝ってくれるんでしょ?」

アーケノ「」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 先は長そうだ…
 4~6 こき使われた後、試食品にありつけた…
 7~9 モニカと仲良くなった気がする


アーケノ「これは…?」

モニカ「んー………デザインが」

アーケノ「んなのどうでもいいだろ…」

モニカ「じゃあ、これで勘弁してあげる」

アーケノ「……で、次は…?」

モニカ「お菓子作りにかかせない、秤が欲しいんだよね…」

アーケノ「」

モニカ「……でも、きりないから、一旦ここまでってことでいいや」

アーケノ「…あと…他は…?」

モニカ「いっぱい」

アーケノ「どんだけかかるんだよ…」

モニカ「最低限しか求めてないよ」

アーケノ(モニカって、素のスペックが高いからな…最低限のレベルも高いんだよな…そういうことだよな…?)

モニカ「また今度も手伝ってね、アーケノ」

アーケノ「……味見係だけのつもりだったのに…」


 【直下 コンマ判定】
 1~6 うーん…
 7~9 おっおっおっ? やっと?


アーケノ「ジェシカー」

ジェシカ「ん?」

アーケノ「腰据えたろ、鎖」

ジェシカ「炉がねえよ、ここにゃあ」

アーケノ「」

ジェシカ「まあそう焦るな、忘れちゃねえから」

アーケノ「…」


 【安価下1】
 1 さて、自由時間はおしまいだ
 2 里を歩き回ってみる
 3 ライドくん、お掃除は終わったかい?


アーケノ「はぁ…」

アーケノ「俺の鎖…」トボトボ

アーケノ「…」

アーケノ「……にしても、この里…」

 キョロキョロ

アーケノ「……見事にまあ…ぶっ壊れてるな…」

アーケノ「壊れた家に、植物がはってるし…」

アーケノ「廃墟ってほど寂しい感じでもないけど…これはこれでなあ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 謎教団員が…
 4~6 住民は皆殺しにされたっぽいなあ…って
 7~9 散策してたら、変なのを見つけた

4~6はルビー死亡確定…か?
それ以外で


アーケノ「ったく…葉っぱが伸びて、邪魔ったらありゃしない…」

 ガサッ

アーケノ「ん…?」

アーケノ「……何だこれ?」

アーケノ「…でっけえ…石版…?」

アーケノ「…」

アーケノ「……何の字だ、これ…? 読めねえし…」

アーケノ「絵も…よくわっかんねえな…」

アーケノ「…………んー…?」

アーケノ「…まあいっか」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 散策終了
 4~6 地面にガラス玉が落ちてた
 7~9 地面に紙が落ちてた…紙?
     7 どこかの誰かが、どこかの誰かにあてたラブレターらしい…人がちゃんと住んでたんだな…
     8 子どもの字でラブレターがしたためてある…ほほえましい子どもがいたんだなあ…
     9 子どもの字が書いてある。…けっこんのやくそく、だそうだ


王子「判定、把握です」

王子「キリがいいんでここで終わりです」

王子「>>35で【0.00】が出てればね、ルビー確定復活もタイミング的にありえたんだけど…惜しかったね」

王子「まあ、それくらい絶望的にルビーが出てきそうな感じはないんで…あまり機体せずに…ね?」

王子「ありがとうございました」


王子「申し訳ないですが、本日もないだろうと思われます」

王子「よろしくお願いします。明日はがんばる」


王子「昨日はごめんよ、がんばりが足りなかったよ」

王子「でも今日はやるよ」

王子「ガンバリマス!!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 アーケノが見つけた石版…字が読めぬ
 4~6 解読が大変そう…
 7~9 解読? いけるいける


 ――旧バイス地方・秘境・隠れ里――

アーケノ「これ見つけたんだけど」

シリウス「ふむ…」

テレサ「………全然、読めないね」

インガ「見たことねーな」

ヨダカ「……魔界の字じゃあねえな」

スピカ「古い字…なのかな? ってなると、解読も大変そう…」

ジュダル「わたしパース」

ジェシカ「知ってるっての。…ライド、見覚えは?」

ライド「ないけど…」

モニカ「調べてみる?」

ジェシカ「そうだな…。手がかりらしい手がかりだし」

エル「さっさと解読しろ」

ジュダル「がんばっ」

アーケノ(他人事だな、こいつら…)

アーケノ(………俺も全然だけど)


 【安価下1】
 1 字は読めなくても、絵から何か…分かるかな?
 2 解読組(モニカ・ライド・ジェシカ)を邪魔しないように過ごそう
   A 解読組以外の人とコミュ
   B ライドの社でまったり
   C その他、自由行動

ごめんM-1見てた
2A


王子「おっとぉ…コミュの場合は、原則、相手も併記なんです」

王子「※の注釈つけてなくてごめんね。>>52の人でも、違う人でも、コミュ相手おなしゃす」


 【安価下1】
 コミュ相手
 ※モニカ・ライド・ジェシカを除く


アーケノ(解読済むまでは、まったり過ごしてるか…)

アーケノ「……けど、暇っちゃ暇だな」ゴロン

アーケノ(何かするか…?)

アーケノ(あんまり、あいつらを邪魔しないようなこと…z)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ふるぅーい、昔、ライドくんが読んでた本を拝借して読書
 4~0 話しかけられたよ
     4 シリウス
     5 スピカ
     6 ヨダカ
     7 エル
     8 インガ
     9 ジュダル
     0 テレサ


アーケノ「…」キョロキョロ

本棚『被ってた埃はライドくんが落としてくれたんやで~』

アーケノ「…本か」

アーケノ「どれ…」

アーケノ(小説だの、絵本だのが多いな…)

アーケノ(ん…? うわ、小難しそうな本も置いてある…)

アーケノ(どれもこれも傷んでるし、焼けてるのもあるし、何かカビ臭いけど…まあいいか)

アーケノ(適当に読みながら時間潰そうっと…)

アーケノ(どーれーにー、しーよーうーかーなー…)


 【安価下1】
 1 英雄譚
 2 絵本『羊飼いと3匹の狼』
 3 実用書『掃除のススメ』
 4 実用書『雑草刈りは戦いだ』
 5 実用書『素直な美徳』
 6 小説『隣の愛人と屋根裏の間男』


アーケノ(やっぱりここは…)

本棚『どれ選ぶんや?』

アーケノ「これだな」スッ

アーケノ「英雄譚…」

アーケノ(……………俺が読んでたのと、ちょっと装丁違う気もするけど…まあいっか)

 パラ…

アーケノ「…」

アーケノ(この英雄譚のモデルが…あの、ベテルギウス、か…)

アーケノ(前、変な幻みたいの見せられたけど…あんなシーン、あったか…?)

アーケノ「……」パラ

アーケノ「…」

 ・
 ・
 ・

 パタンッ…

アーケノ「…………ふぅぅ…」

アーケノ「おっもしれぇぇ…」

アーケノ「…」

アーケノ「………大冒険ってのは、まさにこれだな…」

アーケノ「…」

アーケノ「……地上の平和のために、悪の魔王を倒しにいって…ハッピーエンド」

アーケノ「…………って、話のはずなのに…何で、ベテルギウスってのはあんなことになってんだ…?」

アーケノ「結局、これも作り話になってて…脚色されまくってんのか…?」

アーケノ「………でも…丸っきり全部が、嘘っぱち…のはずもないよな?」

アーケノ「んー…」

アーケノ「……………ベテルギウスも、普通にいいヤツのはず…だったんだよな…」

<ガチャッ

アーケノ「?」

テレサ「アーケノ、来て来て。解読できたって!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 結論を言おう…天使には会えぬ!!
 4~6 石版の意味するところを、なんとなーく突き止められたらしい
 7~9 順調にいこうぜ?


王子「すっごくすっごくすっごーく、久しぶりの【0】ですね」

王子「何日ぶりでござんしょね…」


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 採用するつもりのなかった、前スレ>>1000へこじつけにいきますか…
 奇数 それとも、ライドくんの試練的な? コンマ神はライドくん嫌いだし? ルビーとクソったれな感じの再開するとか?
 ※0は偶数扱いやで


アーケノ「解読できたのか?」

ジェシカ「合ってれば…な」

テレサ「で、どんな内容だったの?」

ライド「ここに書かれてたのがまさに、天使に関連する伝承だったんだ」

シリウス「ほう…。それで、何と?」

モニカ「天使の召喚方法…みたいな感じ?」

インガ「しょーかん~?」

ジュダル「天使って、そういう風に呼べるの?」

スピカ「方法も分かった?」

ジェシカ「そいつは確かめてみないと、合ってるか分からないんだが…まあ、やってみるしかねえさ」

ヨダカ「さっさと始めろよ」

ジェシカ「ああ――」

エル「待て」

アーケノ「どした?」

ヨダカ「……ん?」チラッ

シリウス「…先ほどの連中か? 気配は完全に消えていなかったが…隠す気もなくなったようだな」

 ガサガサ…

ジュダル「…」パシッ

テレサ「…何だろうね…」チャキ

教団員A「ああ…ら、ライド…様…」

ライド「…………何ですか…?」

教団員B「て、天使は…あなた様です…」

インガ「きめーんだよ、とっとと消えろ…。今度こそ、焼くぞ」

ライド「…僕は、ただの…何でもない…取るに足らない人間だから…帰ってください」

教団員A「何故ですか…? 何故…我々を、そのように拒まれる…!?」

教団員B「ずっと、あ、あな、あなた様の、お帰りを…ここで待っていたのに…!」

アーケノ「勝手なことを…」

教団員A「あなた様を無礼にも疫病神として祭り上げていた、この里の人間さえ、我々で処分したというのに…どうして…」

ライド「…処、分…?」

ジェシカ「…キナ臭くなってきたな…」

教団員B「正気を失われているのですか…? ああ、なんと嘆かわしい…」

教団員A「わ、我々の、祈りに…む、報いてはくれぬのですか…? 邪教徒の神を、その遣いなどに…そんな教えに毒されてしまわれたのですか!?」

インガ「るっせえな、いい加減に――」

教団員A「見てください…ライド様…! わ、我々は…あ、あなた様のために、ここここっ、こう、こうして…!」

 ズズ…
 ボコボコ…

シリウス「何だ…? 地面から…」

テレサ「……ひっ…ぞ、ゾンビ…?」

教団員B「い、いつか…この、罰当たりな者どもに…ら、ライド様の罰を…直接…あ、与え、られるように…用意をしていたのですよ…!?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 うげぇぇ…ぐろいし、きもいし、再生するし…
 4~6 うげぇ…ぐろくてきもくて数が多い…
 7~9 地味に生前の姿を残してるから、余計に…


王子「あ、あれ…? ここぞとばかりに、温存してたのかな…?」

王子「やだねえ…奇数が怖いねえ…」


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 会話はできるよ!! …………操られてるけど…
 奇数 ルビーゾンビ…SAN値は投げ捨てるものってえろい人が言ってた気がする…ライドくんがんば
 ※0は偶数よ


 ボコボコ…
 ズズ…

テレサ「うっ…」

モニカ「………ゾンビ…」

ジェシカ「くせえし、きもいし…数も多すぎる…」

ヨダカ「悪趣味なことしやがって…」

教団員A「ライド様…ど、どうですか…? あなたを軟禁した…こ、この、不届きものどもへ…ば、罰を…!」

ライド「っ…何を、言って…」

ジュダル「自分の世界に入りすぎ」チャキ

シリウス「ああ…ジュダルの言う通りだな。妄信とは恐ろしいものだ」

スピカ「こんなの、ひどすぎる…」

アーケノ「やっちまうか」

インガ「そうしちまおうぜ。極大・劫火!」

 シュボォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

テレサ「っ…や、焼かれてるのに、効いてないよ!?」

インガ「ああ…?」

教団員B「ど、どんな罰でも…この者達は…し、死ぬことはないのです…ライド様…」

教団員A「さあ…! 存分に、痛めつけ…あなた様に対する無礼の数々を、今こそ…! こ、この娘などは、ライド様のお社に居座っていたのです」

ライド「…ぁ………」

???ゾンビ「……ぉ…ぉぉ…」ヨロ

教団員A「どうぞ…お、お気の済む、まで…。そ、そして…我々を、ど、どうか、お導きに…!」

ジュダル「ライド…?」

ライド「ル、ビー……?」

ルビーゾンビ「………ぁ……ぃ…ぉ……」ヨロッ

ヨダカ「焼いてダメなら、塵にして消してやらぁ…!」

ライド「っ…待って…!!」ガシッ

ヨダカ「ああっ!?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ルビーゾンビの、噛みつく攻撃! ライドくんの心身に大ダメージ!!
 4~6 ルビーゾンビの、噛みつく攻撃! しかし、横からジュダルがルビーゾンビを弾き飛ばした!!
 7~9 ルビーゾンビは…かろうじて、意識が…ある…のか…?


王子「ここぞと…ばかりに…?」

王子「また奇数とか…ないよね…?」


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 かろうじて意識のあったルビー。再開の形としてはかなり、最悪な感じではあるけれども…?
 奇数 ライドくんが止めるものの、攻撃されちゃあ撃退するしかなくって、ゾンビ達は叫びながら苦しみ悶える。ライドくんも精神的に超ダメージ
 ※0は偶数扱いなんだよ…


ライド「ルビー…ルビー…だよね…? 僕のこと…分かる…?」

ルビーゾンビ「……あ……ぁぁ……」ヨロヨロ

ライド「……ルビー」

ルビーゾンビ「あ、あああ、あああああ…!」ガバッ

ライド「っ――」

ジュダル「危ない、ライド!」

 ブォォンッ
 ドゴォォッ
 ズザァッ

ゾンビA「おおおおおっ…!!」

シリウス「ダメだ、やらねばやられるぞ!」

ジェシカ「しっかりしな、ライド!」

 ザシュゥッ
 ズドォォォッ
 ドゴォォンッ

ライド「ダメっ…やめて、皆…!」

ライド「この人達は…この里に、いた…ただの――」

ゾンビA「あが、がががががぁっ…!」

ゾンビB「がぼっ…ご…」

ライド「やめ…て…」


 【直下 コンマ判定】(コンマ神への叛逆・ライドくんを救い隊:+9)
 1~9 幸い(?)、ゾンビには弱点があったので手こずることなく倒せそう


モニカ「首の付け根から下に20センチくらいのところが弱点!」

 チャキッ
 パァァァンッ
 ズドォォンッ

ゾンビA「」ドサッ

テレサ「わ、分かった…!」ダンッ

テレサ「てえいっ!」

 ブォンッ
 ズドォォォッ

ゾンビB「」ドサァッ

シリウス「なるほど、そこを突けば止まるわけか」

ジェシカ「とにかくやっちまえ…!」

アーケノ(数が多いし、弱点が分かったのはありがたいけど――)チラッ

ライド「…」

アーケノ(ライド…)

ルビーゾンビ「が、ああ、ああああっ…!」

アーケノ「!?」


 【安価下1】
 ルビーゾンビ…
 1 再び殺す
 2 義足を鎖に戻して、ルビーゾンビを身動きとれないように拘束する


アーケノ(首の付け根から下――あそこか!)シュバッ

ライド「っ…アーケノ…!」

 ズドォォォォッ

ライド「っ――」

ルビーゾンビ「がご…ぼ…」ピクピク

アーケノ「ライドっ…?」


 【直下 コンマ判定】(叛逆タイム続行中:+9)
 1~9 短槍の扱いに馴れてなかったのが幸いして、ルビーゾンビを即死はさせてなかった
  0  ちょっとでも、良い方に転がってもらいたいものです


 【0】

ライド「ルビー!」バッ

アーケノ「痛っ…」ドサッ

ルビーゾンビ「が…がぎ…」ピクピク

ライド「……ルビー、僕が分かる…?」

ルビーゾンビ「が、がががっ…!」ガブゥッ

 ブシュァァッ

ライド「がっ…ぐ…」

アーケノ「ライド!」

ジュダル「っ…ライドっ? ライド!?」

ライド「………ルビー…今、楽にして、あげるから…」

 パァァァァァッ

アーケノ(この光――)

ルビーゾンビ「が、が、があああっ…」

 パァァァァァァアアアアアアアアアッ
 バシュゥンッ…

ルビー?「………らい…ど…」

ライド「………ルビー…」

アーケノ(……ライドの、聖眼の力…? それとも、解呪の方か…?)

アーケノ(あんな、骨まで見えてた…ひでえ見た目だったのに…)

ライド「会いたかった…ずっと…ルビーと、僕…」

ルビー「………おお、きく…なったね、ライド…」

ライド「…ルビーも…綺麗になったね…」ギュ

ルビー「うん…」

ライド「ごめん…」

ルビー「何が…?」

ライド「……約束…してたのに、守れなくて…」

ルビー「約束…そう、だね…。もう、ライドのお嫁さんには…。でもね、ライド…」

ライド「…?」

ルビー「また、会えて…本当に良かった。ちゃんと、バイバイできるね」

ライド「っ……うん…」

ルビー「………ちゃんと、幸せになるなら…別の人と結婚して、いいよ…?」

ライド「え…?」

ルビー「だからね、がんばってね。この約束は…守ってね」

ライド「……………うん…」

ルビー「…えへへへ…ライドに、抱き締めてもらえて…ちょっと恥ずかしいけど、嬉しい――」

 クシャッ
 サァァァァ…

ライド「…」

アーケノ(………灰みたいに…崩れて消えた…)

ライド「…………………顔も、声も…もう、忘れないよ…ルビー………」

―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


 シュボォォォッ
 パチパチ…

教団員A「ひ、ぃぃ…」ブルブル

インガ「さあーて…手ぇ煩わせてくれやがって、どうなるか分かってんだろうな?」

教団員B「お、おた…お助けをぉっ…!」ダッ

ヨダカ「あるわけねえだろ――」

 シュルルルルッ…

教団員B「!?」

 スポ------ンッ

教団員Bの首「」ドサッ

ヨダカ「…」パシッ

教団員A「ら…らら、らい、ライド…様ぁ…」

ライド「…っ」

インガ「ん…? ああ、じゃ、ライド、好きにしていいぜ、こいつを」

アーケノ「おい…」

インガ「よく知らねーけど、ライド絡みなんだからいいじゃんか。ただし――逃げようとしたら、速攻で焼くぞ? コラ」

教団員A「ひ、ひぃぃ…」

アーケノ「…」


 【安価下1】
 1 ライドが何かするまでもないよ、こんな外道はさっさと始末だ
 2 ライドを見守る…
 3 勝手に逃がす。もう二度と関わってくんなよ、って念押して


ライド「…」

アーケノ「…………ライドが手え汚すまでも、ねえよ」パシッ

テレサ「え? アーケノ――」

 ズドォォッ

教団員A「か、ふ…っ…」

ライド「っ…」

インガ「んだよ、お前がやっちまうのかよ」

テレサ「アーケノっ…!」

アーケノ「死んどけ、外道」

教団員A「ぁ…が……」バタッ

スピカ「…」

ジェシカ「………スピカ、バカインガのせいでそこら中が焼けちまう。消火してくれ」

スピカ「え? あ、うん…」

シリウス「それで、天使の件だが…石版には何と?」


 【直下 コンマ判定】(叛逆タイムはも少し続くんじゃよ:判定表は全て良いこと)
 1~5 天使を召喚(降臨?)させる場所があるらしいから、そこへ行こうかって
 6~9 さっさと天使を呼びつけて、この里を去ろうかって


王子「多い…」

王子「昨日から引き続き…多い」

王子「叛逆タイムは、この判定除いてあと1回でおしまいにしときます」


 【0】(叛逆タイム:どっちも良いこと)
 偶数 天使降臨! ベテルギウスを弱体化するための方法を教わることに
 奇数 天使降臨! ベテルを倒すために必要なものを教わることに
 ※0は偶数扱いやで~


モニカ「天使を呼ぶ方法…みたいのが書かれてたよ。実践してみて、合ってるか確かめないといけないけど」

ジェシカ「じゃあ、すぐにやるか。……ライド、いいな?」

ライド「…うん」

ジュダル「…だいじょぶ?」

ライド「平気だよ…」

エル「なら、さっさとやれ」

テレサ「…」

ヨダカ「……天使、ね…」

インガ「あんま、俺らは関わりたくねえけどなぁ…」

スピカ「何で?」

シリウス「魔族だから、じゃないのか? ……まあ、だが襲ってくるはずもないだろうし、問題あるまい」

ヨダカ「どうだか…」

ジェシカ「やるぞ」

 ・
 ・
 ・

 バシュゥン…
 パァァァァァァッ

アーケノ「っ………成功…?」

ジェシカ「すげえ光だな…」

シリウス「天使、か…」

エル「…」

 スゥゥゥ…

テレサ「あっ…何か、出てきた…」

天使「――元勇者ベテルギウスへ立ち向かう者達であるな」ファサァッ

ライド「……羽根がある…」

アーケノ「これが、天使…」

天使「わたしを呼び寄せた理由は分かっている」

ジェシカ「だったら話が早い。あたしらはベテルギウスを討つ。…が、歯が立たねえ」

シリウス「ヤツの力が、女神と関連をしているのであれば…それを抑える方法もまた、女神にしか分からぬと考えている。何か方法はあるか?」

天使「…ベテルギウスは永遠に繰り返す世界の仕組みを捩じ曲げた」

ジュダル「…世界の仕組み…を…捩じ曲げた?」

天使「勇者という称号は何もベテルギウスのみに与えられたものではない。ベテルギウスの以前より、何人も、何十人もの勇者はいた」

天使「そして、時代ごとに魔王と戦い続けてきた。だがベテルギウスはその仕組みを作り替えたのだ」

天使「永遠に勇者と魔王を作り続ける、この世界の力の流れを変え、自分のみに向けるようにした。単純な力ではない」

天使「地面へ落ちた種が芽生えるような、生物が子を作りながら遺伝子を紡いでいくような、そういう営みにも似た世界そのものの力である」

モニカ「…ふうん……」

ジュダル「分かってるの?」

モニカ「何となく」

天使「それを断ち切らねば、ヤツは肉体の死も乗り越える。魂も消し去れぬ。永遠不滅であり続けるだろう」

エル「………それで、どうすればヤツの息の根を止められる? せいぜい対等に持ち込む方法は?」

天使「ベテルギウスの力の大元になっているのは、ヤツが勇者であったころのもの。勇者と魔王は、絶対無二の多大なる力を持つ」

天使「故に創造主は、有事に備えてその抑止力となりうるものを用意していた。その在処を伝えよう」


モニカ「そんなのがあるんなら、ベテルギウスが世界を作り替えようとした時にやってたんじゃないの?」

天使「ヤツは用意周到だった。対となる魔王を討ち倒す前に、その手立てを封じていたのだ」

天使「故に汝らはベテルギウスの施した、抑止力の封印を解かねばならない」

アーケノ「一筋縄じゃあいかないのか…」

ライド「その場所は?」

天使「天の島。魔界の蓋。狭間の宮。――全て地上から通じている」

天使「この三箇所を巡り、抑止力を手にしてベテルギウスへ挑むが良い」

ジュダル「ちゃんとした場所教えてよ。天の島…とか言われても意味不明だよ」

天使「そこへ辿り着くことさえもできないのであれば、このまま世界はベテルギウスによって滅ぶのが道筋であろう」

エル「…ふんっ、やはり女神だの、天使だのというヤツはクソ以下だな。信じようが信じまいが、何も救いはしない」

ジュダル「神父が、神父なのに天使にぶっこんだ…」

天使「…」

スピカ「えっと…その、抑止力って、どんなものなの?」

天使「行けば分かる」

インガ「随分とまあ、天使様ってのは放任主義なこって…」


 【安価下1】
 1 とりあえず、ベテルに対抗する手段っぽいのは分かったし、行動あるのみだね
 2 天使に何か質問をする
   ※質問内容も併記だよ。1こだけよ


アーケノ「スピカの繰り返しになるけど、どんなかくらい教えてくれてもいいだろ。武器みたいのか?」

天使「行けば分かる」

アーケノ「………答えるつもりなしかよ…」

ライド「…行くしか、ないね」

シリウス「そのようだな。…ところで、天使とやら」

天使「…」

シリウス「……人間は、お前を模した存在を作り出した」

シリウス「年も取らず、ケガも負うことがない。…人造天使、と呼ばれている者だ」

天使「知っている」

シリウス「…いずれ、時代に置き去りにされるかも知れない。見知った人間は、恐らく…彼女の寿命にはついていけないだろう」

シリウス「まがい物として作り出されてしまった、悲しい存在だ。…だが、俺はそれを人間の責任だとするのは忍びない」

シリウス「お前の仲間に入れてやってもらうことはできるか? もの静かだが、良い娘だ。彼女に寂しい思いをさせたくはないのだが…」

天使「…」


 【直下 コンマ判定】(今回最後の叛逆タイム:判定表は全部良いこと)
 1~3 そんなの杞憂に済むって言い返されちゃったシリウスさん
 4~6 当人がそう望むなら一考はしてやる、って上から目線で言われたシリウスさん
 7~9 天使は太っ腹?


天使「無用な心配をすることはない」

シリウス「無用な心配…だと?」

天使「ベテルギウスを討つが良い。世界を動かし続けるのは人間と魔族だ」

 パァァァァァァッ

アーケノ「っ…眩し――」

 バシュゥンッ

テレサ「……っ……あれ…消えた…?」グシグシ

ジェシカ「…しっかし…いたんだな、天使ってのは…」

スピカ「そうだね…」

エル「…」

ジュダル「で…何だっけ…? 天の蓋?」

モニカ「天の島、魔界の蓋、狭間の宮」

インガ「そこに行って…抑止力ってのを持ってくりゃいいわけか」

テレサ「何なんだろうね、抑止力って…。教えてくれなかったけど」

インガ「めんどくさかっただけじゃねえの」

スピカ「また…探すことになるんだね」

シリウス「だが、その抑止力というものを揃えれば終わりが見える」

アーケノ「終わり…」

ジェシカ「そうだな。…もう一息だ」

ジュダル「じゃあ、また情報収集?」

テレサ「だね。がんばろ」

ライド「…」


 【安価下1】
 1 じゃ、移動しますか
   A 姐御の町にいくかいな
   B ヴァーゴ王国に戻るかい
   C 王都デーモンまで行こうか
 2 ちょっと休んでから出発としますか


スピカ「どうする? すぐに移動…する?」

ジェシカ「そうだな…。何もねえところよか――」

ライド「あ…もう少しだけ、いていい?」

シリウス「…いいのか?」

ライド「うん…」

アーケノ「じゃ、少しゆっくりしてからだな」


 【安価下1】
 1 誰かと話す
   ※相手も併記
 2 ライドの社で読書でも…?
   A 絵本『羊飼いと3匹の狼』
   B 実用書『掃除のススメ』
   C 実用書『雑草刈りは戦いだ』
   D 実用書『素直な美徳』
   E 小説『隣の愛人と屋根裏の間男』
   F 小説『日暮れの町で』
 3 コミュ
   ※相手も併記
 4 その他、自由行動


スピカ「…よいしょ、と」

アーケノ「スピカ」

スピカ「ん? あ、どしたの?」

アーケノ「…いや、別に。暇だったから……何してんだ?」

スピカ「ライドがね、ここの里で暮らしてた人のお墓を作りたいんだって」

アーケノ「墓?」

スピカ「うん。だから、良さそうな石、見繕ってたの」

アーケノ「…魔法でやりゃいいのに」

スピカ「こういうのは気持ちが大事でしょ? だから、手で運ぼうと思って。……重たくて、まだ1個しか運べてないんだけどね…」

アーケノ「ああ…」


 【安価下1】
 1 手伝う
 2 がんば
 3 何か話題をふる
   ※話題も併記だよ。1つだけよ


スピカ「よいしょ…よいしょ…」

アーケノ「…なあ」

スピカ「んん…?」

アーケノ「…ライドの、昔の仲間ってさ、他にもいんのか?」

スピカ「んー……いるね…。女の子がいたと思う、よ…」

アーケノ「…」

スピカ「何で?」

アーケノ「いや…いるんなら、探してやったり、とか…って思って」

スピカ「難しいからやめといたら? 他にもやることあるんだし…」

アーケノ「…でもスピカなら魔法でできるだろ?」

スピカ「だからって、やることあるのに、それを放り出して探すのはできないよ…。時間は止まってくれないし…」

スピカ「ベテルギウスがいつ、何をするかも分からないんだしさ…」

アーケノ「…そっか」

スピカ「見てるくらいなら…ちょっと、手伝って…」

アーケノ「…はいはい…」

スピカ「はい、は1回だよ」

アーケノ「………よっ…と」

スピカ「おお、力持ち…」

アーケノ「普通だっての…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ただ石を立てただけのお墓がいっぱいできたとさ…
 4~6 一応で、エルに頼んで簡単な葬式めいたものをやったライドくんでしたとさ
 7~9 ライドくんはもう悪い方に落ちないけど、気持ちの整理をつけるのに必要な時間だったね。でもって…?


エル「――これで、終わりだ」

ライド「……ありがとうございます」

エル「布施は後で請求する…」ザッ

ジュダル「……なまぐさ…って言うんだっけ? ああいうの」

テレサ「まあまあ…」

アーケノ(結局、色々手伝わされた…)

モニカ「ちゃんとお葬式…するんだ?」

ライド「…うん」

スピカ「つらくない? 平気?」

ライド「大丈夫です…。みんなも、手伝ってくれて…ありがとうございます」

ジュダル「いいよ、別に」

テレサ「うんうん、仲間だしね」

アーケノ「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 こっそり、アーケノに…
 4~6 お?
 7~9 いくのか…ライド…


アーケノ(むずがゆいヤツら…)ザッ

 スタスタ

アーケノ(まあでも…ライドも、別に大丈夫そうな感じだし、いっか…)

アーケノ(この分じゃ、出発は明日の朝を待って…って具合か)

アーケノ(……暇だから、社にあった本でも適当に読んで時間潰すかな…)

ライド「アーケノ」

アーケノ「んぁ…? 何だよ?」

ライド「……うん、あの…」

アーケノ「?」

ライド「…………僕、決めたことがあって」

アーケノ「何を?」

ライド「黙ってるまんまじゃ、奮い立てなくなれそうっていうか…背水の陣を覚悟で、アーケノにだけ、知っててもらおうかな…って」

アーケノ「……だから、何を?」

ライド「…この旅が終わったら、僕…ジュダルにちゃんと僕の気持ちを伝えようと思うんだ」

アーケノ「…」

ライド「……ルビーとの、新しい約束だから。……今度はちゃんと、守ろうと思って」

アーケノ「…そっか」

ライド「うん…」

アーケノ「でも…バカ陛下だってライバルだろ? むずいんじゃねえの?」

ライド「それでも…想いを伝えるだけなら、誰でも、チャンスあるんじゃないかと思って…。ダメなら、ダメで…」

アーケノ「玉砕覚悟、か…」

ライド「ぎょ、玉砕はしないっ……つもり、ではあるけど…」

アーケノ「冗談だって」

ライド「…うん」

アーケノ「…でも、そっか。………じゃあ、ちゃんと、べてエルギウスを倒さねえとな」

ライド「うん…。がんばろう」



 【安価下1】
 翌日、情報収集をすべくライドくんの故郷を去ることに…
 1 とりあえず姐御の町へいくかい?
 2 とりあえずヴァーゴ王国かいな?
 3 情報収集なら王都デーモンかな?


 ――暗夜王国・丘陵の町・領主邸――

 バシュンッ…

スピカ「到着っ!」

ラジエ「うおおおおおっ…!? あ、あ、あ、あ、姐御ぉぉぉっ!!」ダダダッ

 ゲシッ…

ジェシカ「おう、帰ったぞ」

ラジエ「お…かえりなひゃ、い…ましぇ…」

シリウス「では、ここを拠点にさせてもらって、情報収集だな」

スピカ「天の島、魔界の蓋、狭間の宮、の3つについてだよ」

モニカ「どうやって集める?」

ライド「場所が多いし…手分けした方がいいだろうね」

アーケノ「……仕方ない、か」

ジェシカ「転移魔法の使えるスピカはいいとして…スピカと分かれる組はこの町を基点にあちこちへ行って情報収集って具合だな」

インガ「んで、どう分けるんだよ?」


 【安価下1】
 2つの組に分かれるようにして分けてね☆
 スピカを含むグループは、魔力値が合計30以上になるようにしてね
 アーケノ:9
 テレサ:1
 モニカ:6
 シリウス:5
 スピカ:6
 ヨダカ:8
 エル:6
 ライド:9
 ジェシカ:5
 インガ:7
 ジュダル:2
 ※面倒臭いなら「おまかせ」って書いてくれれば勝手に決めるよ


アーケノ(歩いて移動組か…めんどくせえけど…モニカとヨダカ、一緒にして平気か…?)

テレサ(このメンツなら大丈夫かな…)

ライド「僕らは、歩きだね」

ジェシカ「そうだな。…ま、あちこち行ける分、メインはあっちに頼むとするか」

インガ「宝の地図あるから、こいつを探そうぜ」

ジュダル「宝の地図!?」

モニカ「ちゃんとそっちも情報収集だよ」

シリウス「ああ、頼むぞ?」

スピカ「戦力的にも問題なさそうだしね」

ヨダカ「さっさと行こうぜ」

エル「…」

ジェシカ「んじゃ、何かあったらスピカ、そっちから飛んできてくれ」

スピカ「りょーかい」

アーケノ「手がかりが見つかりゃあいいけど…どうなることやら」

シリウス「探せば見つかるさ。諦めなければきっと、どんな宝でも手に入る。トレジャーハンティングの鉄則だ」

インガ「すでにぶんどられてるかも知れねえぜ? お宝ちゃんは。だから、さっさと宝の地図をだな…」

シリウス「いや待て、それは俺も興味がある。そいつを探すなら、俺も連れてってくれ」

インガ「ああ?」

アーケノ「つーかそれ、担保だかんな? お前のもんじゃねえからな?」

インガ「じゃあさっさと、俺にお宝ちゃんを持ってくるんだな」

ジェシカ「いいから、さっさと行動を起こすぞ?」

ラジエ「姐御っ、いってらっしゃいませぇええええええっ!!!!」

ジェシカ「うるさい」ゲシッ

ミーシャ「いってらー」

テレサ「ミーシャは軽いんだね…」



―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


王子「はーじまーるよー!」

王子「一応、整理です」

 徒歩組
 ・アーケノ
 ・テレサ
 ・ライド
 ・ジェシカ
 ・インガ
 ・ジュダル

 転移組
 ・モニカ
 ・シリウス
 ・スピカ
 ・ヨダカ
 ・エル

 さがすもの
 ・天の島 という場所についての情報
 ・魔界の蓋 という場所についての情報
 ・狭間の宮 という場所についての情報

王子「さあ、がんばっていこー!」


 【安価下1】
 1 姐御、鎖直してよ…転移組が一応はメインだし…ちょっと鎖直すのに時間取るくらい、いいべ?
 2 とりあえず、近場の町だのを巡ってみますかい
 3 転移組は暗夜王国外にも行くだろうし、暗夜王国内の主要な場所を巡ってみますかい


今後は2班視点切り換え?


王子「>>145は考え中でござる」

―――――

 ――暗夜王国・丘陵の町・ジェシカの専用工房――

アーケノ「やっとか…」

ジェシカ「そろそろ、ちゃんとしといた方がいいだろ。完成までもうしばらく、辛抱してくれ」

アーケノ「分かった」

ジェシカ「…ついでに、他の連中の装備もって考えてんだが…お前はどう思う?」

アーケノ「どうって?」

ジェシカ「お前の鎖は前から頼まれてるしな、直してやるのは約束だ」

ジェシカ「これに時間を割くのは問題ないだろう。……が、他のまで見てやるとなりゃ、ちょっと時間もかかるしな」

ジェシカ「もし、あたしがいなくても大丈夫ってんなら、ここにあたしだけ残って、その間に他の連中の分まで作ってやれる」

ジェシカ「…いてやった方がいいか?」


 【安価下1】
 1 この機会に、皆の武器も新調してあげようぜ
   A その間は、情報収集もおやすみで
   B 姐御がいなくたって大丈夫だから、残りの5人で情報収集はいくよ
 2 鎖だけ直してくれりゃあいいよ


アーケノ「ガキじゃあるまいし…ジェシカがいなくたって大丈夫だっつの」

ジェシカ「…そうかい」

アーケノ「だから…まあ、皆の分も作ってやれば?」

ジェシカ「……そうだな。そうすっか」

ジェシカ「じゃあ、その間の情報収集は頼むぞ」

アーケノ「ん」

ジェシカ「喧嘩すんなよ」

アーケノ「しねえよ」

ジェシカ「歯くらい磨いて寝ろよ」

アーケノ「言われるまでもねえし…」

ジェシカ「あと腹出して寝るんじゃねえぞ」

アーケノ「へいへい…」

ジェシカ「んじゃ行け」

アーケノ「じゃ、鎖頼むな」


 【安価下1】
 1 近場から回ってみよう。最初は1日で丘陵の町まで戻れるくらいの距離から
 2 暗夜王国の主要な場所を片っ端から巡ろう
 3 情報収集なら、王都やろ


 ――暗夜王国・街道――

インガ「あーあ、俺も転移魔法のが良かったな…。歩くのなんてかったるいし…」

ジュダル「だね」

テレサ「でも、転移魔法でも行ったことがある場所しかダメだから結局は歩くんじゃない?」

インガ「どこでもぱっぱと行けるようになりゃいいのに…」

ライド「魔法は万能じゃないからね…」

インガ「ま、どんだけ飲もうがやかましくするヤツがいねーのはいいけどな」キュポン

アーケノ「歩きながらも飲むのかよ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 久しぶりに、闇を払うことに
 4~6 空振りで1日終わった…けど、姐御の屋敷に戻れる距離なのらー! プチ旅気分
 7~9 おや、商隊だ。聞き込んでみよう


ジュダル「ん?」

インガ「何だあれ? 向こうに何かいるぞ」

テレサ「キャラバンだね」

ライド「色々な場所に行ってるだろうし、聞いてみようよ」

アーケノ「そうだな」

ジュダル「こんにちはー」

商人「やあ、どうも」

ライド「あの、ちょっと聞きたいことがあるんですけどいいですか?」


 【直下 コンマ判定】
 1~2 あっ…てなった
 3~6 がめつい商人だなおい
 7~9 聞いたことがない…だとう?
  0  幸先がいい…のか? どうなんだ? さらに判定だよ


商人「何だい?」

ジュダル「あのね、今、ちょっと探しもの…っていうか、知りたいことあってね…」

インガ「…ふわぁぁ…」

アーケノ「何欠伸してんだよ…」

インガ「だって退屈だろ?」

アーケノ「だって、って…ん?」チラッ

アーケノ「………………………………ん?」

インガ「あん? どした?」

アーケノ「……ライド、ライド」クイクイ

ライド「な、何…?」チラッ

アーケノ「あ、あれ…あれ見ろ…」ヒソ

ライド「あれって…?」

アーケノ「荷馬車に、ほら…張ってあんだろ、紙…」ヒソ

ライド「紙…ああ、あれ――えっ…」

インガ「おっ…」

ジュダル「――そっかぁ…知らないか…」

ライド「じゅ…ジュダル」クイクイ

ジュダル「何?」

ライド「……落ち着いて、聞いて」ヒソ

ライド「………手配書…出回ってる…」

ジュダル「……………手配書?」


 【直下 コンマ判定】(無自覚誘惑:+2)
 1~3 商人にも気づかれた
 4~6 そういえば、何だか見覚えあるような顔じゃない、って商人に…そそくさとバイバイした
 7~9 ジュダルの無自覚誘惑によって商人はさっぱり気づいてない模様。ラッキー!!


ジュダル「…」チラッ

ジュダル「………ねえ、おじさん」

商人「んん? 何だい?」

ライド(えっ…)

アーケノ(何する気だ、ジュダル…?)

ジュダル「いらない紙とかない? ちょっと欲しいなあーって」

商人「いらない紙? いいよいいよ、あげるよ。ええとね、確か…」ゴソゴソ

ジュダル「とうっ」サッ

商人「ん?」クルッ

ジュダル「この紙、ちょうだい?」

商人「ああいいよ」

インガ「手癖悪いな、お前」

ジュダル「しーっ…」

ライド(早業…しかも、手配書って気づかれてない…)

アーケノ(意外とジュダルって…あれだな)

ジュダル「じゃ、ありがとね、おじさん。ばいばい」


 【安価下1】
 1 ジュダルがさっともらっちゃった手配書を見てみる
 2 一旦、丘陵の町へ帰ろう
 3 このまま近くの村までいこう


ジュダル「手配書だ…」

ライド「………お尋ね者…」

インガ「つーか、これ、ヘタクソな絵だな、おい」

アーケノ「かっこ悪いな」

テレサ「そういう問題でもないような…」

ジュダル「……困っちゃうね」

ライド「でも、全員分の手配書が出回ってるわけでもないんだね…」


 【直下 コンマ判定】
 手配書が出回ってるのは…
 1~3 アーケノ・モニカ・シリウス・ヨダカ・ライド・ジェシカ・ジュダルの6人分
 4~6 モニカ・シリウス・ヨダカ・ジェシカ・ジュダルの5人分
 7~9 モニカ・ヨダカ・ジェシカ・ジュダルの4人分


アーケノ「………何で、俺まで…」

インガ「シリウスとヨダカもか…」

ライド「……僕も…」

ジュダル「…わたしもなんだけど…これ、もう騎士じゃなくなってるのかな…?」

テレサ「…モニカと、ジェシカもなんだね…」

ライド「手配書が出される時の、基準みたいなものってあるの?」

ジュダル「知らなーい」

ライド「…」

アーケノ「騎士だろ…?」

ジュダル「だって担当じゃないし、聞いたことないもん。目立つ見た目だったから…とか?」

インガ「そんじゃ俺が目立ってないみてえじゃんか」

アーケノ「そんなで張り合うなよ…」

テレサ「……でも、一応…生死不問じゃあないんだね」

ライド「モニカ以外は…ね」

ジュダル「『見かけたら騎士に通報を』…だって」

インガ「通報されたらどうすんだ?」

ジュダル「言われちゃったら仕方ないから、捕まえに行かなくちゃダメだよ」

テレサ「仕方ないから…って…」

ジュダル「休憩中でも非番でも関係ないから大変なんだよね…」


 【安価下1】
 1 バカ陛下を頼ってどうにかしてもらおうよ!って。情報収集どころじゃなくなっちゃう
 2 丘陵の町にこの手配書が届いてたら、良くないんじゃね?
 3 顔を見られないようにする程度の対策とるか…


アーケノ「…どうする?」

ジュダル「どうしよっか?」

インガ「アテムに直談判すりゃいいじゃんか」

テレサ「王様に?」

ライド「でも…取り消してくれるのかな…? 立場もあるだろうし…」

ジュダル「アテムならどうにもしてくれるんじゃない?」

アーケノ「じゃ、そうするしかねえって」

ライド「……そうだと、いいけど」

インガ「王都行くか?」

テレサ「そうだね。目立たないように気をつけよ」

ライド「…」

アーケノ「……大丈夫だっての」ポン

ライド「う、うん…」


 【安価下1】
 1 一度丘陵の町へ戻って、姐御に伝えてから行こう
 2 このまま王都へレッツゴー


インガ「んじゃ行くか」

ジュダル「行こー」

インガ「どっちだ?」

ジュダル「あっちじゃない?」

テレサ「しゅっぱーつ!」

ライド「……反対だよ…」

テレサ「えっ…」

アーケノ(……ライドがいて良かった…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 道中、顔バレしちゃった☆
 4~6 検問…だと…?
 7~9 王都の近くまでは、無事に到着した…



ジュダル「あ、王都見えた!」タタタッ

インガ「意外とあっさりだったな」

ライド「けっこう、こそこそしたからね…」

テレサ「でも…王様のところに行くんなら、王都の中を通らなきゃいけないんだよね」

アーケノ「問題はこっからだな」

ライド「そうだね…。顔を隠したって、情勢として警戒は強いだろうから騎士に声をかけられかねないし」

アーケノ「……んー…ジュダル、何かねえの?」

ジュダル「誰かに入れて、って頼んでみるとか?」

インガ「誰に?」

ジュダル「んー…仲いい騎士でも見かければいいんだけど…そううまく、出てこない?」

ライド「あんまり、いい案じゃなさそうだね…」


 【安価下1】
 1 顔を隠して、こっそり王都に入ろう
 2 ジュダルが信頼できる騎士を、テレサとインガに呼んできてもらうとか?
 3 いっそ、アテムのことだし城下をぶらぶらしてるんじゃねえの? 城まで行くのはリスク高いし、そこを狙うか?


ライド「…騎士が通りかかるのを待つくらいなら、呼びに行った方がいいかも」

ジュダル「あ、ナイスアイデア!」

テレサ「呼びに行くって?」

ライド「インガとテレサは手配書が出されてないから、普通に出入りができるでしょ?」

ライド「ジュダルに、信頼できる騎士のことを教わって、その人をここまで呼んできてもらえればどうにかなるかも」

インガ「おつかいかよ…」

アーケノ「仕方ないだろ」

インガ「はぁーぁ…」

ジュダル「特殊任務班の皆なら、誰でもいいかも…」

テレサ「それなら行ったことあるし、場所もばっちりだよ」

ライド「じゃあ、そこに行ってもらうってことでいい?」

インガ「へいへい…」

アーケノ「間違っても問題起こすなよ…?」

ジュダル「よろしくねー」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 全員分の手配書が出ていないのは、罠だった…
 4~9 さあ、誰がくるかな?
     4 ドラシロだよ
     5 デネブだよ
     6 ゼドファだよ
     7 レイドだよ
     8 オッサンだよ
     9 だれや?


ジュダル「ちゃんと呼んでこれるかな…?」

ライド「…だといいけど」

アーケノ「連れてこられても、ちゃんとどうにかできるヤツじゃないとだよな…」

ジュダル「あ、それもそうだね。ドラシロじゃ、ちょっと頼りないし…」

ライド「でも、力になってくれるんなら、誰でも…」

 ザッ…

テレサ「呼んできてよ」

ドラシロ「ジュダルっ…!」

ジュダル「あっちゃー…まさかのドラシロ…」

インガ「こいつしかいなかったぞ」

ドラシロ「まさかって何さ! こっちが、どんだけ心配したと…」

ドラシロ「どうしてキミが、あの極悪人と一緒に行動してるんだい!? 今、キミは騎士団から除名処分までされてるんだよ!?」

ジュダル「じょめー…?」

ドラシロ「要するにクビだよ…」

ジュダル「うわぁ…」

ライド「あの…それで、ドラシロさん、アテム陛下にお願いして、手配を撤回してもらいたいんですけど…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 アテムでもこの件は難しいかも…って言われた
 4~6 バカ陛下は今、王都にいないらしい…おいおい…
 7~9 下っ端のドラシロじゃ、アテムに謁見する機会がないんだってさ…


ドラシロ「陛下でも、このことはちょっと…難しいと思うよ」

インガ「は? 王だろ? ちゃらんぽらんでも」

ドラシロ「…そもそも、あのモニカって女がしたことをキミらは知ってるのかい?」

ライド「…この、王都で?」

ドラシロ「そうさ」

アーケノ「…それは知らないな」

ドラシロ「…騎士を何十人と殺しまくったんだ」

ジュダル「……モニカが…?」

ドラシロ「そうだよ。…僕らの同期だって、何人もやられた。ほら…チュミヌとか」

ジュダル「チュミヌが?」

ドラシロ「王都に魔物を引き入れて、住民にも大きな被害を与えたしね…」

ドラシロ「そんな、大悪党の滞在人なんだ。騎士であるキミまで除名して、手配書を作ったほどなんだ…」

ドラシロ「ヒヒイロさんやレイドさんが反対をしたって、ダメだったほどだ。騎士団はもう、あのモニカって女を捕まえない限り引き下がれない」

ドラシロ「それだけ多くの仲間がやられてしまっているんだ…」

テレサ「……王様でも、止められないの?」

ドラシロ「騎士団が持つ権限は国王から移譲されているものなんだ。だから、いくら陛下でも…ここまで騎士団が本腰を入れてる件に口を挟めない…」

ドラシロ「もしも、手配をやめろと言ったとしても…受け入れられることがないと思う」

ドラシロ「色々な事件がこの数年で立て続けに起きてきて、それだけ騎士団の結束は強くなったけれど…その分だけ、モニカという女を許せないんだ」

アーケノ「……バカ陛下でもダメとか…」

ジュダル「…そんなに、なんだ…」

ライド「うすうす、そうじゃないかとは思ってたけど…」

ドラシロ「でも、陛下はジュダルのことを心配してたよ。顔を見せるだけでも、した方がいいかも知れないね」

ドラシロ「……モニカ本人は難しいだろうけど、それ以外の…キミ達の手配書なら、どうにかしてくれる可能性はある」

ドラシロ「陛下に会っていきなよ。……僕ができる範囲で、協力するよ」


 【安価下1】
 1 いや、そんなにアレなら王都には近づかない方がいいよ…遠慮しとこう
 2 そうね、一応、アテムには会っておこう


アーケノ「つっても…」

ライド「…危険はつきまとうしね…」

テレサ「え、会ってかないの?」

インガ「俺はどーでも」ホジホジ

ジュダル「んー……アテムでもどうにもならないんなら、別に…かな」

ドラシロ「えっ…い、いやでも、心配してるんだよ?」

ドラシロ「ジュダルだけでもさ、ちょっとだけでも顔を見せに行った方がいいよ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ドラシロに言われて、じゃあ…ってジュダルはひとりで行くようです
 4~6 渋っていたら…ららら?
 7~9 ばっさり断っておいた


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 ドラシロと、会う会わないの押し問答をしてたら、にいやが現れた
 奇数 ああ…呼んできたのがオッサンかレイドだったならこんなことにはならなかったのに…
 ※0は偶数扱いやで


ジュダル「でもどーにもなんないじゃん」

ドラシロ「そういう問題じゃないんだってば」

ジュダル「じゃあ絶対安全なの?」

ドラシロ「え、いや、絶対とはちょっと…言いがたいけれど…」

アーケノ「…何か、振られた男と、サバサバしてる女みてえ」

ライド「…距離が近い」ボソ

テレサ「ん? ライド…何か言った?」

ライド「えっ…? あ、い、いや、別に何も…」

インガ「ふわぁぁぁ…どーでもいいっての…さっさとし――ん?」ピク

アーケノ「どした?」

 ガサァッ
 ヒュバッ

インガ「誰だ、そこにいる――のわぁっ!?」

ヴォルド「ジュダル!」

ジュダル「っ…にいやっ!?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 にいやのお仕置き鉄拳が炸裂…。にいやは厳しい人だから、何をしてるんだっていうお叱りのゲンコツから
 4~6 にいやは色々とジュダルに関してはアレ
 7~9 にいやの行動力ありすぎィ!


ジュダル「にいや、心配してくれてt――」

 ドグシャァッ
 グルンッ
 ドサァッ…

アーケノ「」

テレサ「」

ライド「」

インガ「おー…」

ドラシロ「」

ヴォルド「何をしていた、ジュダル」

ジュダル「痛い…」

ライド「じゅ…ジュダル、大丈――」

ジュダル「けど…えへへへ…にいやの痛みだ…うぇへ…うぇへへへ…」

アーケノ(え、何こわいんだけど…)ゾゾッ

テレサ(ジュダルが…何か、おかしくなってる…)

ライド「…」←唖然としてる

ヴォルド「立て」

ジュダル「う、うん…」

ドラシロ「あ、あのー…」

ヴォルド「何だ?」ギロッ

ドラシロ「ひっ…あ、いや、あの…何でも…」

ヴォルド「来い」パシッ

ジュダル「うんっ」ウキウキ

アーケノ「え、あ、おい…どこ行くんだよ…!?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 にいやの頭ん中は残念パニック状態のようでござんすなあ…
 4~6 ジュダルを匿うためににいやが隠れ家を用意してた…すげえなおい
 7~9 にいや、いつの間にそんなことを…恐るべしやで


 ――暗夜王国・王都デーモン・下町・隠れ家――

 バタムッ…

ジュダル「ここ、何…?」

ヴォルド「…ここなら誰にも見つからない。安全だ」

ヴォルド「食料はここに備蓄している。水はそこの瓶だ」

ヴォルド「衣類はそこのクローゼットにある」

ライド「……どうして、こんな場所が…」

ジュダル「だってにいやだもん♡」

テレサ(ていうかジュダル…この人が出てきてから、声がとろけすぎ…)

アーケノ「は?」

ヴォルド「…ジュダル、ひとつ問う」

ジュダル「うん?」

ヴォルド「お前は、罪に問われることをしたのか?」

ジュダル「してないよ」

ヴォルド「………貴様ら、本当のことか?」

インガ「知らね」

ライド「本当です。…ジュダルは、何も悪いことをしていません」

ヴォルド「…分かった」

ドラシロ「て言うか、あの…お兄さん? ジュダルをこんなところへ連れてきて、どういうつもりなんだい?」

インガ「おにーさん?」

ジュダル「あっ…まだちゃんと紹介してなかったね。わたしのにいやなのっ!」ギュッ

ヴォルド「しがみつくな、鬱陶しい」パシッ

ジュダル「あうっ…でもそんなとこも…にいや、かっこいい…」ポッ

ライド「…」

アーケノ「………ブラコン…?」

テレサ「だね…」

ドラシロ「いや…あの、だから、どういうつもりなのかって僕は…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 にいやならやりかねない怖さ…モニカを捕まえてきて、ジュダルの潔白を証明するって…
 4~6 このシスコンめ…ジュダルの手配が取り消されるまでずっとここに匿うって…。旅どころじゃないやんけ…
 7~9 小国とは言え、一国の王女を手配したことを暗夜王国に対して抗議して取り下げさせる…って…




ヴォルド「ほとぼりが冷めて、手配書の効力がなくなるまでジュダルをここに置く」

ドラシロ「へ?」

ジュダル「?」

ヴォルド「どこかの土地を買って安全を確保したら、そっちへ移動をさせる」

ヴォルド「不当な手配ならそうするしかない。騎士団に手配を取り下げるように求めるのは無意味だ」

ライド「…それって、匿うってことですよね…?」

ヴォルド「それ以外にどう取れる?」

ライド「………軟禁…」

ヴォルド「同じようなものだ」

アーケノ「…え? じゃあ、ジュダルはここに閉じ込められるってことか?」

テレサ「それはちょっと…」

ヴォルド「文句があるのか? コレは俺の妹だ」

ジュダル「俺の女発言…ぐふふふ…」

インガ「お前、頭だいじょぶか?」

ジュダル「幸せすぎて、もうどうでもいいや…えへへへ…」

インガ「いい頭してんな…」

ヴォルド「貴様らは、この場所のことを忘れてどこへなりとも行け」


 【安価下1】
 1 いやいやいやいやいやいや、何を言うてはりますのん? って
 2 果たしてジュダルが素直にそうするかな? って
 3 アテムならモニカ以外の手配書は取り下げられる…かも知れないらしいから、ここにアテム呼べよって


アーケノ「何言ってんだよ…」

アーケノ「ジュダル匿うくらいなら、あのバカ陛下でもここに呼びつけろよ」

アーケノ「そしたら、モニカ以外の手配書は取り下げられるかも知れないんだろ?」

ヴォルド「…断る」

ライド「どうしてですか…?」

ヴォルド「その保証はない。この場所を知る者は、今、ここにいる人間の数しかいない」

ヴォルド「アテムを呼びつければ、恐らくはヒヒイロが来るだろう。下手すれば、騎士団長がくる」

ヴォルド「強硬な態度を騎士団が取ってくれば、この場所がバレることになる。そんなリスクを負うわけにはいかない」

テレサ「そんな…」

インガ「俺らがこの場所バラすぞ、って脅すかも知れないぜ?」

ヴォルド「やってみろ――。まずは貴様らの息の根を止めてやる」ギロッ

ドラシロ「い、いやいや…そんなこと言わずに…。そうだ、ジュダルだって、ジュダルの意思も大事じゃないか。ジュダルはどうしたいんだい?」

ジュダル「にいやの言うこと聞くっ!」

ドラシロ「………」

ライド「…でも…そしたら、ジュダル、ここに閉じ込められることになるんだよ…?」

ジュダル「だから何?」キョトン

テレサ「…いいの…?」

ジュダル「だってにいやがそう言うなら、そうするもん」

アーケノ「…………アホかよ…」

ヴォルド「出ていけ。そして、二度とジュダルと関わるな」

ライド「っ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 にいやとバトる…ことになった
 4~6 騎士ならちょっとはバカ陛下のこと信じてやれよ…って
 7~9 ジュダル…兄離れとかさ…しないの?


王子「コンマ、把握しました」

王子「そしてそして、本日はここまでです」

王子「どうもありがとうございました」

王子「ジュダルに対しては容赦なく手をあげるけど、その実、ちゃんとシスコンだからあまりにいやを嫌いにならないであげてもらえると嬉しいです」


アーケノ(これがほんとにジュダルの兄貴かよ…)

アーケノ(ちゃらんぽらんで脳みその代わりに綿でも詰まってそうな妹と、間違いなく鋼並みに硬い頭の兄貴って…正反対すぎるだろ)

ヴォルド「出ていかないのであれば…」チャキ

ドラシロ「ちょ、ま、待った待った。お、落ち着こうよ、ねっ?」

ライド「ジュダル…ジュダルは、それでいいの……?」

ジュダル「いいって?」

テレサ「…だって…」

ライド「……ジュダルは、お兄さんが言うことなら…何でも聞くの…?」

ジュダル「うん」

インガ「…やーれやれ…」

ライド「…」

ジュダル「ダメなこと?」

アーケノ「出会い頭でぶん殴ってくるような兄貴だぞ…?」

ジュダル「でもにいやは間違ったことしないもん」

ライド「…でもジュダルは自分で考えることを放棄してるんだよ?」

ジュダル「……ほうき…」

ヴォルド「いいから出ていけ」ガシッ

ライド「っ…」

ジュダル「あ――にいやっ…」

ヴォルド「何だ?」

ジュダル「……ライドに、乱暴なことしちゃダメだよ」

ヴォルド「お前は黙っていろ」

ライド「お兄さんのことを大事に思うのと、ただ従順に言うことを聞くのは別だよ、ジュダル」

ジュダル「…?」

ライド「僕は家族がいないから分からないけど…ジュダルは本当に、それでいいって思えるの?」

ライド「お兄さんが言うようにここへ留まるってことは、もう旅をしないってことだよ? 騎士としてがんばってきたのも投げ出すことになるよ?」

ライド「それで、ほんとに――」

ヴォルド「黙っていろ、小僧」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ひやひやします…
 4~6 悩むジュダル
 7~9 考えるジュダル


ヴォルド「さっさと、出て行――」

 パシッ

ヴォルド「っ……ジュダル、何のつもりだ?」

ジュダル「待って、にいや」

ライド「ジュダルっ…」

ヴォルド「俺に、逆らうのか?」

ジュダル「そうじゃなくて…だって、何か…」

アーケノ「…」

ドラシロ「そ、そうだよ、ジュダル。僕ら、一緒に騎士としてがんばってきたじゃないか」

ドラシロ「不当な手配ならちゃんと汚名を返上しなくちゃ! 王都の住民だって、ジュダルの手配に困惑してるんだ。陛下だって心配し――」

ジュダル「ドラシロうるさい」

ドラシロ「」

ジュダル「ちょっと、悩んでるんだから…」

ヴォルド「………何を悩む。空っぽの頭で、お前に悩みだと?」

アーケノ「お前さ…さっきから聞いてりゃ、兄貴だからってジュダルを何だと思ってんだよ」

アーケノ「確かに抜けてるとこはたくさんあるけどな、言い過ぎじゃねえのかよ」

ヴォルド「黙っていろ、お前にこのバカの何が分かる?」

ライド「ジュダルはバカじゃないです!」

ヴォルド「…………何?」

ライド「…ちょっと考えが、行きつかないようなところはあるけど…愚かしいという意味合いのバカじゃない」

ライド「一生懸命ものを考えて、騎士らしく人を助けて、僕らとの旅だって何度も助けてくれて…」

インガ「ま、バカはバカだけど…少なくとも足を引っ張りゃしねえしな。あんまずけずけ言ってんじゃねえよ」

テレサ「うん、ジュダルにいっぱい、美容のコツとか教えてもらったし」

アーケノ(そんなことしてたのか、こいつら…)

ヴォルド「…」

ジュダル「……………にいや…わたし、やっぱり、ここにいるの…やめていい?」

ヴォルド「………何だと?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 このシスコンめ…またポーカーフェイスで頭ん中は暴走してやがるな
 4~6 ジュダルが成長した…
 7~9 シスコンと、いいお兄ちゃんは両立…する?


ジュダル「……あのね、にいや」

ジュダル「わたし…にいやに誉めてもらいたいから、騎士のお仕事がんばってきたよ」

ヴォルド「…」

ジュダル「でも…ちゃんと考えたら、騎士になってからにいやが誉めてくれたことないし…でも、辞めたいって思ったことも、なかったかなって」

ジュダル「…何でか、いまいち分かんないけどね、多分…オッサンとか、デネブとかが誉めてくれたり…」

ジュダル「王都に住んでる人にありがとうってお礼言ってもらえたり…そういうのが、嬉しかったからだと思う」

ジュダル「ドラシロと早朝の巡回してお喋りするのも好きだし、ゼドファが変なお薬作ってきてそれをドラシロに飲ませて反応見るのも楽しいし…」

ジュダル「王都の人に、顔と名前覚えてもらって、赤ちゃんが産まれたから抱いてあげてって言われた時も嬉しかったし…」

ジュダル「アテムに意味不明の理由で呼び出されて、変なこと言いつけられたりするのもそこまで嫌じゃないし…」

ジュダル「この旅でもね、いっぱい楽しいことあったしね…それで…」

ヴォルド「何が言いたい?」

ジュダル「…………んー…ここで、にいやと一緒に暮らすのもありだけど――」

ヴォルド「一緒に暮らすわけではない。匿うだけだ」

ジュダル「……………………………………え?」

ヴォルド「…」

ジュダル「……ちょっと待って、考え直すから――」

ヴォルド「いいから結論を言え。何が言いたい? 何を悩んだ? どうしたい?」

ジュダル「うぇぇぇ…そんないっぱい言われても…何かね、何となくだけど…」

ジュダル「…………にいやとゆっくり、2人っきりで幸せに暮らすのは、まだ先でもいいかな…って」

ジュダル「にいやが騎士にしてくれたから、わたしでもできることたくさん見つかったし…考えるの苦手だし…」

ジュダル「だから…うんと……その、にいやのこと大好きだけど、今はにいやの言うこと…聞けない、ってこと……かな」

ジュダル「ライドと、皆と、まだ一緒にいたいし…そうしなくちゃ、ダメだと思うの」

ヴォルド「…」

ライド「…」

アーケノ「…」

ヴォルド「……………いいだろう」

ジュダル「にいやっ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 デレのないツンツンにいや
 4~6 分かってくれたにいや
 7~9 よかったねジュダル


ヴォルド「…そこまで言うなら、もう何も言わん」フイッ

ジュダル「じゃあ、行ってもいい?」

ヴォルド「…」

ドラシロ「あ、や、折角…こんな、安全な場所があるんだから、ここに陛下をお呼びして――ちょっ…お兄さん? どこ行くのさ?」

ヴォルド「好きに使え…」

 ガチャッ
 バタムッ…

ジュダル「あっ…」

ライド「…ジュダル…」

テレサ「好きに使えって…言ってたけど」

インガ「酒がねえな…」ゴソゴソ

アーケノ「物色していい、って意味じゃねえだろ…」

ライド「………ここに、アテム王を呼んでもらうことってできますか?」

ドラシロ「…あー…いや…僕の権限じゃ、難しいかな…って」

アーケノ「じゃ、偉いやつに言って」

ドラシロ「残念ながら…ヒヒイロさんも、レイドさんも、デネブも王都を離れてるんだ…」

テレサ「ゼドファは?」

ドラシロ「手が放せない…」

アーケノ「使えねえ…」

ドラシロ「……お兄さんなら、序列も高いし、チャンスはあったと思ったんだけど…」


 【安価下1】
 1 じゃあ、しばらくここに隠れておくから、ドラシロに王都での情報収集頼んじゃおう。手配の取り下げは諦めて
 2 こっそり城に忍び込む…とか?
 3 ドラシロ、どうにかしてよ


インガ「だったらもう、城に乗り込めばいいだろ」

ドラシロ「いやいやいやいや、バカ言っちゃいけないよ! そんなことして、もし捕まってもごらんよ、擁護不可能だよ!?」

アーケノ「でもお前じゃどーにもならねんだろ?」

ドラシロ「それは…」

テレサ「せ、せめて夜にしない? こっそり…」

インガ「白昼堂々、真正面からだろ」

アーケノ「それはバカすぎだろ…」

インガ「ああ?」

ドラシロ「百歩譲って、夜にしてくれよ…」

ジュダル「…」

ライド「……ジュダル…大丈夫?」

ジュダル「うん…でも……」

ライド「でも…?」

ジュダル「にいやに、見捨てられてたらどうしよ…? うぅぅ…」

ライド「…」


 【直下 コンマ判定】(にいやはシスコン:+2)
 1~3 さあ、城に忍び込むお時間です…
 4~6 一応、ドラシロに夜間の警備をしている騎士の見回り場所とかを教わった
 7~9 さあ、行くぞ…て時に?


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 アテムの方から隠れ家へやって来た。しかも、にいやからジュダルへのプレゼントつきで
 奇数 騎士団の魔法部隊は優秀ですね(白目
 ※0は偶数扱いやで


インガ「んじゃ、行くとするか…」チャキ

ライド「………極力、武器を使わない方向でね…」

テレサ「何度かお城は行ってるし、大丈夫だよね…」

アーケノ「さあ?」

ジュダル「…じゃ、行こ」

ドラシロ「成功を祈って――」

 ガチャッ

アーケノ「!?」

アテム「――おお、ジュダルっ!」

ジュダル「アテムっ…?」

ライド「なんで…」

ドラシロ「へ、陛下っ…今、何時だと…!?」

アテム「ヴォルドにお前らがここにいると聞いてのう。ついでに、こっそり出られるように手引きまでされたのだ」

ジュダル「にいやが…?」

アテム「まったく、余を心配させよって…。で、どうしてこうなっておる? 話してみるがいい――っと、その前に」

アテム「ジュダルよ、こいつをヴォルドから預かってきた。受け取るがいい」スッ

ジュダル「何…これ?」

 シュルル…

ジュダル「………あっ…これ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~5 魔力を込めることで、雷の矢を放てる魔法道具。ちなみに、にいやは雷属性の人
 6~9 にいやが用いていた業物の短剣。魔力を込めることで、雷魔法も放ててしまう優れもの
  0  ジュダルとにいやの故国に代々伝わっていた、由緒正しき槍。国宝級の逸品です


ジュダル「魔法道具…? ペンダントみたいだけど…」

アテム「『為すべきことを為せ、己に課した使命は最後までまっとうしろ』――と、ヴォルドからの伝言だ。伝えたぞ」

ジュダル「にいや…」

ライド「………良かったね、ジュダル」

ジュダル「うんっ」

アテム「よし…では、本題に入るとしよう」

アテム「あまり長居もできぬからの。簡潔に話すが良い」

 ・
 ・
 ・

アテム「――ふうむ…なるほどのう」

アテム「………モニカ、か」

テレサ「知ってるの?」

アテム「バイスへ行った時、何となく…気にはしておったが、やはり…モニカであったか…」

アーケノ「やはりって?」

アテム「…それは後回しで良いわ。ともかく、手配書をどうにかしなければの」

ジュダル「どうにかできる?」

アテム「んむ…まあ、やるだけやってみるとするかの。……だが、騎士団にもメンツがあろう。余がそれを潰すのも忍びない」

アテム「モニカだけは…余でも、どうにもならぬだろう。そこだけは理解せよ」

ライド「……はい…」

アーケノ「けど…俺らが、モニカと一緒に行動してたら、手配書取り下げても、意味ない…よな」

インガ「モニカの大捕り物が始まって、それに巻き込まれて手配されちまってるようなもんだしな」

アテム「うむ…。モニカを連れて王都には来ないことだの。次は庇いきれぬだろう、余でも」

テレサ「………この旅が終わったら、モニカ…どうするんだろ…?」

ライド「…」

アーケノ「…さあな…」

インガ「どうでもいいだろ、今は」

ジュダル「…ベテルギウスを倒せたらさ、それでチャラに――」

ドラシロ「できないよ、そんなこと…。罪は消えない」

ライド「…」

アテム「モニカに恩赦などを余が出そうものなら、玉座から追い出されてしまうわい…」

ドラシロ「大勢、殺されたんだ…。いくらその時の記憶が彼女から消えたと言っても、納得なんかできやしないよ」

ジュダル「………うん…」

アテム「…っと、思っていたよりも時間がかかってしまったのう。そろそろ、余も戻らねば」


 【安価下1】
 1 じゃあ、手配書の件はよろしくねー
 2 ちょいちょい、モニカのこと訳知りじゃんか。教えろよ
 3 ついでにさ、アテムなら天の島とか、魔界の蓋とか、狭間の宮とか、知らんの? ねえねえ


アーケノ「なあ、バカ陛下」

アテム「んむ?」

アーケノ「モニカのこと、何か知ってんのか?」

ライド「…そう言えば、そんな口ぶりも…」

アテム「ああ…うむ。昔の話だし、余もまだ幼かったころだから、詳しくは知らんのだがのう」

テレサ「昔のって…その…残酷なころのこと?」

アテム「いや、それよりも前のことだ。……モニカは貴族の娘だったのだ」

ジュダル「そうなの?」

アテム「うむ。……だが、よくある話だ。名家の貴族でな、ある商人の娘を嫁に迎え入れて、モニカの家は存在感を増した」

アテム「貴族というのは伝統や格式といったものを大切にする者が多く、モニカの家が栄えていくのを快く思わない者がいた」

アテム「そして…まあ、ありていに言えばハメられたのだ」

アーケノ「ハメられた…?」

アテム「酷い事件だったと余は聞いている。国家転覆を謀っていた、とされて討ち滅ぼされたのだ」

アテム「一族郎党全てがギロチン台へと送られた。だが…ひとりだけ、その家の娘は行方不明となっていたらしい」

ライド「それが、モニカだった…?」

アテム「恐らくは。無罪を主張し続け、つき合いのあった全てに助けてほしいと懇願をしたそうだが、その全てにそっぽを向かれたらしい」

アテム「屋敷も燃やされ、全てが灰になったそうだ。唯一、難を逃れたのは幼い少女と、その屋敷にいた馬一頭のみ」

アテム「…………確か、サリーの調書ではモニカは武器商人をしていたらしいが、どうにかこうにか、必死になって生き延びたのであろう」

ドラシロ「…その、彼女の家を陥れた貴族は、今は…?」

アテム「さあのう。もうずっと前のことだからよくは分からん。だが…その家の者の髪色は、黒か金かしか、いなかったそうだ」

アーケノ「ん? でも…モニカの髪って、銀髪…」

アテム「ひどいストレスで、髪が白くなることもあるそうだ」

テレサ「そんなに…?」

ライド「…でもそれが…非道なことをしてもいい理由には…」

アテム「それは当然だ。…が、記憶をなくしてからのモニカというのの気性はどうだ?」

ライド「…………もの静かだけど、素直だし、いいコです」

アテム「…そういうことなのであろう」

インガ「んな昔のこと、どーでもいいじゃねえかよ…。過去に戻ることなんてできやしねーんだ」

ジュダル「……そうだね」

アテム「裏切られて没落し、この国を憎んだ。そして、多くの罪を犯した」

アテム「治世が悪かったのか、人の心の弱さを恨むか、そのような定めであったのか――いずれにせよ、モニカはいずれ、裁きを受けるべきであろう」

ジュダル「もし…そうなったら、モニカの受ける罰って、どんなのになるの?」

アテム「極刑であろうな」

ライド「…」

アテム「……さて、もう余は行く。まだしばらくは、手配書も取り下げられんだろう。ここへ残るのなら、注意するのだぞ」

アテム「それとジュダルよ」

ジュダル「うん?」

アテム「何があろうと、余はお前の味方だ。何かあればすぐに頼るが良い。ではな」

 バタム…


 【安価下1】
 1 手配書が取り下げられるまで待ってから情報収集しよう
 2 手配書が取り下げられるまでは、テレサとヨダカで情報収集よろしく
 3 一旦、丘陵の町に戻ろうか? 下手に留まって何かあってもやだし…


アーケノ「…」ボ-

ライド「…」

ジュダル「Zzz」

アーケノ「…暇」

ライド「…だね」

ジュダル「Zzz」

アーケノ「テレサとインガ、ちゃんと情報収集できてっかな…?」

ライド「インガは…ちょっと不安だね」

アーケノ「酒場に入り浸ってそう…」

ライド「テレサががんばって連れ戻そうとしてる様子も簡単に想像できるね…」

ジュダル「Zzz」

アーケノ「…」

ライド「…」


 【安価下1】
 1 テレサとインガが戻ってきたよー
 2 ライドと何か喋ろう
   A 旅が終わったらモニカはどうするんだろね、って話
   B アテムって恋のライバルとしては強敵すぎるんじゃねえの、って話。ジュダル寝てるし
   C ライドの社にあった本のタイトルがなんか気になってるんだけど、どんな内容なのよ、って話
 3 コミュる


アーケノ「昨日の話だけどさ」

ライド「うん…?」

アーケノ「…旅が終わったらモニカは、どうするんだろうな」

ライド「…」

アーケノ「前に、あいつ、言ってたんだ。騎士に捕まってもいいけど、一緒に逃げた俺らに悪いから…そうなるのは最後だって」

アーケノ「記憶が消える以前の自分が犯した罪も消えることはないから、その報いも受けるって」

アーケノ「…………でも、騎士に捕まっても、待ってるのは極刑だろ? 今のモニカは…悪いヤツじゃないし、何か、おかしいんじゃねえか…?」

ライド「…僕がモニカの記憶を消したのは…私刑だよ」

ライド「記憶が消えれば培われてきた人格もなくなって、死ぬのも同じだ。そういう意味での、罰も兼ねてる…けど」

アーケノ「…けど?」

ライド「…………記憶がない、犯した覚えのない罪に裁かれるのは………いい気味だって、少し考えてた」

アーケノ「っ…お前…」

ライド「…モニカの顔を見る度に、平静を装うんだ。気を抜いたら…モニカにされたことが蘇って、頭の中が爆発しそうになる…」

ライド「そういうのを押し込めても…仄暗いものが、胸の中でずっとくすぶってて、消えない」

ライド「……どうしようもないんだ…自分自身」

アーケノ「…」

ライド「報いは受けてもらう…。そういうつもりだよ、僕は。…法に照らして、正式に」

アーケノ「【安価下1】」

 1 ……減刑とか、できないのか…? モニカの罪を、ちょっとでも
 2 これから何をしたいんだ、ってモニカに尋ねたら…何て言ったと思う?
 3 その他、自由台詞


アーケノ「これから何をしたいんだ、ってモニカに尋ねたら…何て言ったと思う?」

ライド「…分からない」

アーケノ「……お前とヨダカを、笑顔にしたいんだと」

ライド「え…?」

アーケノ「自分のせいで、お前らが辛そうな顔をするのが気になってるらしい…」

ライド「…」

アーケノ「罪は消せないし、裁かれても仕方ないんだろうけど…今のモニカは大切な仲間だ。……だから、なんとかしてやりたい」

アーケノ「………とは思うけど…どうしたもんか…」

ライド「…」

アーケノ「…」

ライド「…そう…だね…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 まあ、ライドくんは色々と植えつけられてるしねえ…
 4~6 どうにかしてやりたくってもね…て
 7~9 ライドくんも、モニカをちょっとでも許せるようになるといいね


ライド「でも…どうにもならないよ」

アーケノ「どうにもって…」

ライド「逃げ続けるか…極刑となるか…」

ライド「それしか、ないんだよ、もう…。過去は、消えない」

アーケノ「…」

ライド「犯した罪は当人が忘れたって、のしかかってくるんだ」

ライド「色々な形で…」

アーケノ「…」

ライド「………どうにかしたくても、世の中は、思い通りにならないことばかりだから」


 【直下 コンマ判定】
 帰ってきたテレサ&インガ
 1~6 手がかりなっしーんぐ…だとさ
 7~9 ほんのり手がかり
     7 天の島
     8 魔界の蓋
     9 狭間の宮


王子「ファ!?」

王子「油断しすぎてたぜぃ…」

王子「ここできたか…久しぶりだな、【00】め」

王子「…どうしてやろうか…」


 【00】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 固有の名前はないけど、以前も登場したスーパー・チートなキャラがいるんです。さ、だーれだ?
 奇数 血相を変えてテレサが戻ってきた。なにさ? え? アテムが…?
 ※0は偶数扱いなんよ~


<コンコン

ライド「あっ…帰ってきた」

アーケノ「バカ」

<陛下

ライド「っ…?」

アーケノ「あれ…? 合い言葉は、合ってるけど…」

ライド「…どういう…?」

<コンコンコン

アーケノ「…ライド、開けるぞ?」ヒソ

ライド「うん…」チャキ

 ガチャッ

アーケノ「誰だ、お前!?」チャキッ

ライド「あっ…」

情報屋「やあやあやあ、聖眼少年。大きくなったんじゃないかな? 見違えたね」

アーケノ「は…? ライドの、知り合いか…?」

ライド「知り合い、って、言うか…」

情報屋「情報を商いにしている者だよ。入れさせてもらおう」

アーケノ「つか、合い言葉…」

情報屋「ん? 6人しか知らない合い言葉をどうして知っているのかって? それは情報屋だからさ」

情報屋「どうだい、腕を信用してくれるかな?」


 【安価下1】
 1 何しにきた
 2 情報屋、情報屋って…名前は!?
 3 もしかして、テレサかインガかドラシロに何かして…?



―――――

王子「中途半端ですがここまでです。無事に偶数が出て良かったね」

王子「どうもありがとうございました。安価、よろしくねー」


王子「【00】が出てもジュダルがいれば大丈夫!!」

王子「…………って、風潮が崩れる時が地味に怖いです…」

王子「コンマ神は天の邪鬼だからね…」

王子「と、ゆーわけで」

王子「書いてきまーす。今日もどうぞしくよろ」


アーケノ「情報屋…って…」

ライド「でも…前に1回、お世話になったけど…本当だったよ」

情報屋「うんうん。辿り着けなかったのは残念だったけれどね」

ライド(そこまで知って…)

アーケノ「…で、その情報屋が何しにきたんだよ…?」

情報屋「何だか困っている風な具合だったから、ちょっと顔を出したのさ。リピーターがいた方が商売はやりやすいだろう?」

アーケノ「…」

ライド「……でも…かなり、とんでもない大金取る…んですよね…?」

情報屋「HAHAHA!」

アーケノ「…」

ライド「…」

情報屋「大丈夫さ、これでも情報屋なんだから」

情報屋「足元ギリギリ、踏み外さないラインまでは見極められるつもりだよ」

アーケノ(足元ギリギリまで見るって宣言かよ…)


 【安価下1】
 1 帰れ、いらん
 2 そんじゃあ教えてもらおうか…
   A 天の島、ってどこだよ
   B 魔界の蓋、ってどこだよ
   C 狭間の宮、ってどこだよ
   D 3箇所とも知ってるんだろーなあ? ええ?
 3 ほんっとーに信用できんのぉ?


アーケノ「だったら教えてもらおうか。天の島、ってどこだよ?」

情報屋「それはつまり、取引をすると?」

アーケノ「…」

ライド(お金…いくらかかるんだろう…?)

情報屋「あれ? おやおや?」

情報屋「そこは即答するところだと思ったけれど…お試し価格だとか、言おうとしてたのかな?」ニコニコ

アーケノ「…」

アーケノ「【安価下1】」

 1 単なるストーカー、って線もあるんだから…まずはひとつ、確かな情報ってのを寄越したら信用してやるよ
 2 リピーター欲しいんだろ? 負けろよ
 3 ………いくらだ?


アーケノ「リピーター欲しいんだろ? 負けろよ」

情報屋「負けろ、か…」

情報屋「仕方がない、負けてあげよう」

アーケノ(マジか)

ライド(負けても…いくらなんだろう…?)

情報屋「でもその代わり、また次回もご利用いただける…ということになるね」

アーケノ「…」

ライド「けど…普段、どこにいるかも分からないのに…バイス王国も、なくなったし…」

情報屋「必要としているのなら分かるさ。何と言っても、僕は情報屋なんだ。ふふっ、頼もしいだろう?」

ライド「…」

アーケノ(逆に怖い…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 莫大な金を吹っかけられそうになった…けど、お金なんて一国の姫であるスピカがいるからどうにもなるよねー…って金以外を要求された
 4~6 情報量50Gって…どんだけ負けられたん…?
 7~9 サービスで、タダにされた…。うーん…


 【0】

情報屋「さて、じゃあ天の島について教えよう」

アーケノ「金は?」

情報屋「対価は後で言うよ。まずは情報が確かか、そういう信頼関係が取引には重要なはずさ」

ライド「…」

情報屋「天の島、というのは文字通り、お空の島だ」

アーケノ「…は?」

ライド「お空…って、空…?」

情報屋「そうさ。青い、青い――っと、今はベテルギウスくんのせいで、世界中が赤い空になってるけど、あのお空だ」

アーケノ「お前、ベテルギウスって…!?」

情報屋「だって情報屋だよ? 何でも知ってて当然じゃないか」

ライド「…あ…え…? どこまで…?」

情報屋「僕がどこまで知っているのかって? それはちょっと教えられないなあ…」

情報屋「で、だ」

情報屋「具体的に言おうか。天の島はデルザー大陸で1番高い山の、さらに上にある」

情報屋「その1番高い山は頂上が遺跡になっていてね、転移魔法と同じような装置があるからそれで行けるんだ」

情報屋「雲の上にぽっかりと浮かんでいる島だから、さぞ景色はいいはずだ。でも、落ちたら空を飛ぶ術がなければ死ぬから気をつけるんだよ」

情報屋「デルザー大陸で1番高い山、というのは世界樹から南西へ……ざっと800キロといったところかな」

情報屋「船で行くのなら、ぐるっと大陸を回り込んでいった方がいいと思うよ。歩くよりは船旅の方が楽だからね」

アーケノ「…ライド…覚えられたか…?」

ライド「……いや…その、別のことばかり…気になっちゃって」

情報屋「メモをあげよう」つメモ書き

ライド「ありがとう…ございます…」

情報屋「どういたしまして」

アーケノ「……で…金は?」

情報屋「お金はいらないよ。代わりのものをもらおう。………今、知りたいかい?」


 【安価下1】
 1 …今
 2 ……後でいい


アーケノ「…今」

情報屋「本当にいいのかな?」

アーケノ「…は、早く教えろよ…」

ライド「…」ゴクリ

情報屋「じゃあ、教えよう」

情報屋「先に言っておくと…お金を用意するよりも難しいことだ」

情報屋「命がいくつあっても足りないことを僕はこれから要求する」

ライド「そん、なに…?」

アーケノ「さっさと教えろって…」

情報屋「では発表しよう」



情報屋「情報の対価として、平和な未来を要求する」



アーケノ「…は?」

ライド「…え?」

情報屋「うん?」

アーケノ「………いや、うん? って…」

ライド「…どういうことですか…?」

情報屋「だってベテルギウスを放っておいたら、この世界はパーだ」

情報屋「そんなの忍びないだろう?」

アーケノ「【安価下1】」

 1 ……そんだけ…?
 2 ……………なあライド…もしかしてこいつ…協力してくれてる…?(小声
 3 1ゴールドも、払わないでいいのか…?
 4 その他、自由台詞


アーケノ「………………なあライド…もしかしてこいつ…協力してくれてる…?」ヒソ

ライド「……そういう…ことなのかな…?」ヒソ

情報屋「さあ、この条件を飲めるかい?」ニコッ

アーケノ「…」

ライド「…」

情報屋「ん? どうなんだい?」

アーケノ「………まあ…そうするつもり…だし?」

ライド「うん…」

情報屋「じゃあ、よろしく頼むよ。後払いでいいんだ、こっちは」

アーケノ「先払いなんかできるかよ…」

情報屋「してもらえるなら、それがいいんだけれどね。どうするのか、是非とも見てみたいよ」

ライド「…」

アーケノ「…」

情報屋「それじゃあ、がんばりたまえ。また気が向いたらご用聞きにうかがうよ」

 バタム…

アーケノ「…」

ライド「…」

アーケノ「変なヤツ…」

ライド「うん…」

 ・
 ・
 ・

テレサ「――で…これが…メモ?」

ライド「うん…」

インガ「ほらなー、問題なかったろ? サボってたってよ」グビッ

テレサ「そういう問題じゃないの…もう…」

アーケノ「やっぱり酒飲んでサボってたのか…」

ジュダル「じゃあ…ジェシカのところ、帰る?」

インガ「そんな急がなくてもいいじゃんか…」

ライド「でも手配書のこともあるし…」

テレサ「あ、それだけど、もう撤回されてたよ。モニカのだけは…残ってたけど」


 【安価下1】
 1 帰ろう
 2 ジュダルはこのまま王都離れてええのん?
 3 王都を出てく前に…何かしたいなら併記して


ライド「もう、なくなったの?」

テレサ「うん。手配書剥がしてるところ見たし」

インガ「何でかジュダルの手配書は、オークションになってたぜ」

アーケノ「どんだけ人気あるんだ、お前…?」

ジュダル「謎」

アーケノ「自分のことだろ…」

ライド「でも…とりあえずは、安心だね」

ジュダル「だね。……ん、でも…」

アーケノ「ん?」

ジュダル「んー…ちょっと、気になることもあるんだよね…」

ライド「ここを離れたら、また次にいつ来られるか分からないし…用事があるなら、済ませても…いいよね?」

アーケノ「俺はいいけど」

テレサ「いいよ」

インガ「じゃ、俺はその間、酒場でも行ってる」

アーケノ「……何が気になるんだ?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ドラシロが過労死してないかだって
 4~6 結局、騎士団を除名されたままかどうかだって…確かに大事ね…
 7~9 王都の人が変な誤解してないかだってさ


ジュダル「ほら、手配書が出回ったでしょ?」

ジュダル「王都の人って、思い込み激しいから…また、わたしがどうこうなったって誤解してるんじゃないかと思って…」

ライド「また…?」

アーケノ「前も何かあったのかよ?」

ジュダル「色々ね」

テレサ「ちょっと気になる…」

ジュダル「でも、ちょっと様子見てくるだけで終わるから」

アーケノ「ふうん…」


 【安価下1】
 1 ライドも行ってくれば?って
 2 じゃ、半日くらい各自自由行動で
 3 いってらー


アーケノ「んじゃ行ってこいよ」

ジュダル「そーする。すぐ戻るから」タタタッ

 バタムッ

テレサ「何だかんだ…ジュダルって、ちゃんと騎士なんだね…」

アーケノ「………んで、ライドは行かねえの?」

ライド「えっ…? いや、でも…」

アーケノ「…」ジィッ

テレサ「…?」

ライド「…………ありがと…」

 ガチャッ
 バタム

テレサ「…………ふぅん…」

インガ「んで?」ズイッ

アーケノ「うおっ…で、って何だよ?」

インガ「は? 見に行かねえの?」


 【安価下1】
 1 行かねえよ
 2 …インガって意外とこういうの好きだよなって
 3 行きたきゃ勝手に行けば?


アーケノ「お前…こういうの好きだよな」

インガ「で、行くのか、行かねえのか?」ガシッ ←肩組まれた

アーケノ「………行くけど」

テレサ「アーケノも好きだよね…」

インガ「んじゃ、とっとと行こうぜ」ニタッ

 ・
 ・
 ・

アーケノ「…」コソッ

インガ「…」コソッ

テレサ(ついてきちゃった…)コソッ

アーケノ「………いつも通りっぽいな…」

インガ「つまんねえの…」

<まだ…顔出すところあるの…?

<うん、あと…4、5箇所?

<そう…

アーケノ「…意外とジュダルって、慕われてんだな…」

テレサ「意外だよね」

インガ「何か面白いこと起これよ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 行く先々でジュダルにほの字の人達がいっぱい現れてライドくんは終始、渋面していました
 4~6 おいバカ陛下おい
 7~9 おや? 休憩かな? なかなかいいロケーションじゃまいか


アーケノ「…」

インガ「…」

テレサ「…」

<わいわい

<がやがや

アーケノ「…つーかさ」

アーケノ「………次から次へと下は3歳くらいのガキから、上は天寿をまっとうする寸前くらいのジジイまで求婚しすぎじゃね?」

テレサ「すごいモテ方だね…」

インガ「つまんねー…」

アーケノ(ライドのライバル多すぎだな…)

<ジュダルちゃん、僕とっ…!

<いいや、ワガハイと!

<ははは、わたしとだよ

<ワイやで!

<俺様だ!

<ほっほ…この…老いぼれめが…ひとつ…

<バウバウ!

<にゃーん

<余だ、ジュダルは余のものになるのだー!

<我がもとに!

<ふひ、ふひひっ…せ、拙者がここは…でゅふふっ…

テレサ「…いっそ、異常だよね」

アーケノ(ジュダルを取り囲んでる人混みのせいで、ライドが完全に蚊帳の外になってるし…こりゃ厳しそうだな…)

インガ「いやでも…こんなになってるのに、当のジュダルが全部真に受けねえのが逆にすげえな…」

アーケノ「………つか…バカ陛下混じってね?」

テレサ「………………………………………………き、気のせい…じゃないかな…?」



―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


王子「【00】偶数のお陰で、情報屋が協力をしてくれるようになったね」

王子「性別も本名も不明の人です。名前とか性別とか聞こうとしても、高確率で教えてもらえないと思いますよ」

王子「と、いうわけで」

王子「今日も張り切って、いってみよー」


 【直下 コンマ判定】
 姐御のとこへ帰ってきたよ
 1~3 魔法の鎖、修理完了。長かったねえ…
 4~6 魔法の鎖が修理完了。モニカ達も戻ってきてたよ
 7~9 魔法の鎖に追加機能? あと、全員揃ったよ


 ――暗夜王国・丘陵の町・領主邸――

アーケノ「お、お、お、俺の…鎖っ!」ジャラッ

ジェシカ「デキはどうだ? 問題ねえか?」

アーケノ「どれどれ――」

 ジャラッ
 ヒュォンッ
 スパンッ
 ジャララララッ
 グルンッ
 ガッシャアアアンッ

アーケノ「」

ジェシカ「…………盛大に花瓶ぶっ壊しやがって…」

アーケノ「」

ジェシカ「安物だ、安心しろ。怒りゃしねえよ…。お前の第一声次第で」

アーケノ「………………ごめん」

ジェシカ「許す」

アーケノ「ふぅ…」

 バシュンッ

アーケノ「うおっ…!?」

スピカ「到着っ…と」

シリウス「屋敷に直接、か…」

ジェシカ「……急に出てこられると、少し驚くな、こりゃ」

モニカ「ただいまー」

エル「そっちも戻っているのか…」

ヨダカ「んで、何か分かったかよ?」

アーケノ「そっちは?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 手がかりなしだってさー
 4~9 情報屋がそっちにも…?
     4~6 魔界の蓋 について
     7~9 狭間の宮 について


シリウス「それらしいことは何も」

スピカ「色々、行ったつもりだったんだけどね…」

アーケノ「ふうん…」

ジェシカ「で、アーケノ達はどうだったんだ?」

アーケノ「前にライドが世話になったとか言う、情報屋ってのが向こうから来て…とりあえず1箇所教わった」

モニカ「情報屋?」

エル「場所は?」

アーケノ「ライドがメモ持ってる。デルザー大陸だと」

ジェシカ「遠いな、そりゃ…」

スピカ「あー…船だね」

エル「他の2箇所は?」

アーケノ「まだ聞いてない。…ほんとかどうかも、まだ分かんねえし?」

アーケノ「まあ…何か、情報量の対価として、平和な未来を要求する~……みたいなこと言ってたけど…」

ヨダカ「訳知りか、そいつ」

ジェシカ「とりあえず行ってみて、それが本当なら頼もしいな」


 【安価下1】
 1 じゃ、早速行くべ
 2 1日くらい休んでから出発だ


スピカ「ちょっと疲れちゃったから、行くの明日にしない…?」

ジェシカ「そうだな」

シリウス「ではまた、世話になる」

ジェシカ「ああ。良識をもって好きにくつろいでくれ」

<姐御ぉー!! 食材がもうなくなったってシェフが泣いてるんすけどぉー!!

モニカ「……インガかな?」

スピカ「…だと思う…」

ジェシカ「…あいつはほんとに…」

エル「酒を持ってこい」スタスタ

ジェシカ「こいつも…やれやれ…」


 【安価下1】
 1 誰かと喋る
   ※相手併記やで。コミュは内容が自由になるけど、こっちはちょっち違うんやで
 2 コミュる
   ※相手併記やで
 3 部屋で休む


アーケノ「ふぁぁ…そろそろ、寝るかな…」

アーケノ「寝る前に、水だけ飲んで…」

 スタスタ…

アーケノ「ん…?」

アーケノ(食堂に明かりが…)

 コソッ…

テレサ「…」

アーケノ「…何だ、お前か」

テレサ「ひゃっ…!?」バッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 つまみ食いしてる、こいつ…
 4~6 しーっ、てされた。何だよ?
 7~9 驚きすぎのテレサ


 ガシャンッ…

テレサ「ああっ…」

アーケノ「……何それ?」

テレサ「あわわ…」サッサッ

アーケノ「…」ジィィッ

テレサ「……………お、お腹すいちゃって…」

アーケノ「…」

テレサ「…………食べる?」つクッキー

アーケノ「…いらね。太るぞ?」

テレサ「うぐ…」

アーケノ「…」

テレサ「ちゃ、ちゃんと…体動かしてるもん…大丈夫だもん…」

テレサ「それにジュダルの方が、たくさん食べてるし、ほら…わたしだってね…」


 【安価下1】
 1 ジュダルとはもう体の作りがもう別物だろ、って言っちゃう。………胸らへんを見ながら
 2 こそこそする必要ないじゃん、って
 3 その他、何か言ってやっていいよ


アーケノ「別にこそこそしてつまみ食いする必要ねえじゃん…」

テレサ「女の子なんですぅー」

アーケノ「…はあ?」

テレサ「考えてみなよ」

アーケノ「…」

テレサ「女の子がいます」

アーケノ「…ん」

テレサ「いっぱい食べます」

アーケノ「…うん」

テレサ「どう思う!?」

アーケノ「…………大食らいがどんだけ身近なとこにいると思ってんだよ」

アーケノ「スピカもジェシカもジュダルも、めちゃくちゃ食うだろ」

テレサ「それはほら…3人とも、スタイルいいし…」

アーケノ「…」

テレサ「ちゃんと栄養があるべき場所に還元されてるのは見れば分かるじゃない?」

テレサ「でもさあ…やっぱ、ね…?」

アーケノ「【安価下1】」

 1 お前も十分かわいいだろ
 2 ………モニカほどじゃないからいいだろ
 3 じゃあ食えばデカくなるんじゃねえの?


アーケノ「お前も十分かわいいだろ」

テレサ「え?」

アーケノ「え?」

テレサ「…」

アーケノ「あっ、いや、違…! ふ、普通に、って意味で、別に特別とか、そういんじゃなくて…!?///」バッ

テレサ「あ、ああ、う、ううん、うん、そ、そそそそう、そうだよねっ!?///」バッ

アーケノ(口が滑った…!!!!)

テレサ(すごくナチュラルに言われた…!?)

アーケノ「…」

テレサ「…」

アーケノ「…」

テレサ「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 結局、無言のままおやすみした
 4~6 全然これっぽっちも普通に以上の意味なんか込めてないんだからな!!て力説しまくっておいたアーケノでした
 7~9 お返し…?


アーケノ「……お、おやすみ…」

テレサ「あ、う、うん…おやすみ…」

テレサ「――って、何かしにきたんじゃないの?」

アーケノ「あ、明かりがついてたから、何か気になっただけだっつの…じゃな…」

 スタスタ…

テレサ「…」

テレサ「……かわいい…って言われちゃった…」

テレサ「…」

テレサ「~っ…」バンバンバン

テレサ「って、何、照れてるのわたしっ…!?」

 ・
 ・
 ・

アーケノ「……かわいい…って言っちゃった…」

アーケノ「…」

アーケノ「~っ…」バンバンバン

アーケノ「何だよ、何だよ、あの反応っ! くっそ、かわいい顔で驚きやがって、くっそ…!」バンバン


 【直下 コンマ判定】
 1~3 デルザー大陸が、おかしなことになってる…
 4~6 デルザー大陸は何故か、強烈な魔物がいっぱい動いてる…なんでや…ベテルギウスとパルミラの仕業か
 7~9 デルザー大陸は闇に丸ごと飲まれてまする


王子「1日1【0】はノルマか何かなのかな…?」

王子「全然出なくなったなー、なんて日和ってたらこれだもんね…」

王子「やれやれ、コンマ神め…」


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 RPGでこういうのが出てくると、もう終盤なのかなあ…ってちょっと物悲しくなる人はいますか?
 奇数 デルザー大陸が壊れかけてる…次元的な具合で←
 ※0は偶数扱いよ


 ――デルザー大陸近海――

 バチッ…
 バチバチ…

 ゴゴゴ…

アーケノ「……何これ…?」

テレサ「デルザー大陸って…初めて来たけど…こんな場所、なの?」

アーケノ「雷降ってて…何か、バチバチ言いながら地面が……何か、変な、溶けてるみたいな感じで、黒い何かが渦巻いてて…」

スピカ「……普通だった…はずなんだけど」

シリウス「普通ではなくなっているな」

ヨダカ「ベテルギウスの仕業じゃねえの?」

インガ「何がどーなってんだろな」

ライド「それに、闇がかなり濃いし…」

エル「闇が濃いせいでこうなってるのか?」

ジェシカ「さあな…」

ジュダル「これ、歩いても平気?」

モニカ「ロープみたいのない?」

スピカ「あるけど…」

モニカ「えいっ」

 ポイッ…
 ヒュォッ

モニカ「…………よいしょ」スッ

ライド「………切れてる…」

シリウス「焼き焦げて切れた…といった具合だな。落ちたらひとたまりもなさそうだ」

スピカ「何がどうなっちゃってるんだろう…?」

アーケノ「でも…行くしかないんだろ?」

インガ「落ちなきゃいいだけなんだから問題ねえだろ」

ジュダル「もし落ちたら…どこ行っちゃうんだろ?」

ライド「………想像もしたくないね…」


 【直下 コンマ判定】
 そして、登山です…
 1~3 なんで魔物おんねん! 動いとんねん!
 4~6 鎖が直ってて良かった。アーケノはけっこう楽に進める。ちなみにヨダカはふわふわしてるから超よゆー
 7~9 まあがんばって登ったよ、うん


 ――デルザー大陸・最高峰・頂上――

アーケノ「………ほんとに、遺跡みたいのがあった…」

シリウス「随分と古い建築様式だな。…だが、同じようなところへ入ったこともある」

シリウス「これはおよそ、3000年ほど前に――」

ジェシカ「蘊蓄は後で聞いてやるから、さっさと行くとしよう」

ライド「この遺跡の中に、天の島へ行く…装置みたいのがあるって」

スピカ「まだ動くといいけど…」

ジュダル「動かなかったらどうする?」

エル「情報屋をとっちめればいいだけだ」

モニカ「動くんじゃない? 情報屋が行けるって言ったんだし」

インガ「行って確かめりゃいいだけだ」

テレサ「だね」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ベテルギウスの施した封印…を解除しなければならないんだけど…
 4~6 でも、ベテルギウス一派がおんねんな…3人も出てきた
 7~9 2人だけ


インガ「お宝の匂いがするぅぅ…」グググ

アーケノ「あ、と、に、し、ろ…!」グググッ

ライド「もう、ちょっと…だから…!」グググッ

モニカ「こっちだよー」グイグイ

インガ「おーたーかーらー…!」グググッ

 ズルズル…

シリウス「――ここが最奥部だな」

ジュダル「あそこ、何かすっごく…闇が集まってる」

スピカ「あれが封印かな?」

ジェシカ「だろうな…。ライド、どうにかできるか? バカの手綱寄越せ」パシッ

ライド「ふぅ…」

インガ「宝ぁ…!」グググッ

モニカ「アーケノ、ジェシカ」

アーケノ「何だよ…?」グググッ

モニカ「いっせーの」

アーケノ「?」

ジェシカ「ん」

 パッ
 ガツンッ…

インガ「」ズルズル

アーケノ「……自滅した…」

エル「どうだ?」

ライド「………これまでのとは、ちょっと違う感じが…。呪術ってよりは、魔法…?」

スピカ「それなら、わたしの出番だね。どれどれー…?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 べ、ベテルギウスがあらわれた…!?
 4~6 まっくろいモヤみたいのに包まれた魔物があらわれた!
 7~9 いきなり黒いのが噴出してきて、どっかへ飛ばされた…


スピカ「何か…うーん、何だろう…?」

ライド「どうですか?」

スピカ「割と簡単に、解除はできそうだね。多分…これを、こうすると――」

 パァァァァァッ

アーケノ「っ…何だ?」

ジェシカ「何か出てき――」

ベテルギウス?『封印は、解かせない』チャキ

エル「こいつは…!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ちょーつえーよぅ…
 4~6 クソ強いけど、全く対抗できないほどでも…?
 7~9 ふつーに強いから困るバトルだよ


ジュダル「来たぁっ…!?」

ヨダカ「どいてろ…!」ダッ

 ギャリィィィッ

シリウス「はああああっ!」

 ブォンッ

ベテルギウス?『っ…!』

 ギャリンッ
 シュダッ

ジェシカ「おらよぉっ!」

 ブゥゥンッ
 ガッ
 ドゴォォンッ

 ズザァァッ

ベテルギウス?『極大・爆裂魔法』

ライド「極大・爆裂魔法!」

 カッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ


 【安価下1】
 1 魔法主体で戦おう
 2 果敢に攻撃していく
 3 サポートに徹しておこう


 ダダダッ

テレサ「でえいっ!」ブンッ

 ギャリッ

テレサ(っ――受け流される…!)

 ジャラララッ
 ギィンッ

ベテルギウス『ちっ…!』

アーケノ「どんどん行け!」

テレサ「アーケノ――うんっ!」

シリウス「大・雷撃魔法!」

 バチバチィィッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォッ

ベテルギウス?『ぐ…!』

モニカ「――当たるかな?」

 カチッ
 パァァァァァンッ
 ズドォォッ

モニカ「弾けちゃえ」

 ズズズッ

ベテルギウス?『!』

 グシャァッ
 ジャキィィィィンッ

モニカ「錬金弾を見破った――」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 11人総掛かりなのに凌ぐし、耐えるし、反撃してくるし…
 4~6 数の差でどうにかこうにか…
 7~9 モノホンじゃあ…ないっぽい



 シュルルルルッ…

ベテルギウス?『ブーメラン…!』

 ギャリィンッ

インガ「俺が本命だ、ぜぇっ!」

 ブォンッ
 ドグシャアアアアッ

ジェシカ「今だ、畳みかけろ!」

ジュダル「でやぁあああああっ!」

 ブンッ
 ギャリンッ

シリウス「はああああああっ!」

ベテルギウス?『これなら…!』

 ブォンッ
 ギャリィィッ
 ザシュゥゥッ

エル「隙ありだ」

 ヒュォォッ

ベテルギウス?『障壁――!』

 バチバチィィッ

ジェシカ「ぶっ壊す…!」

 ブォンッ
 ドゴォォォォッ
 バリィィィンッ

ライド「爆裂球!」

 カッカッカッカッカッ…
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ

アーケノ「丸ごと、ぶっ潰す!」

 ジャラララララッ
 ガシガシィィッ

 ブォォォォォォンッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォンッ

 パラパラ…
 ダダダッ

ベテルギウス『極大・爆裂火球!!』

スピカ「反射魔法!!」

 ピカァッ
 カッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ
 シュボォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

ヨダカ「火力上げてこーぜ。極大・竜巻魔法!!」

インガ「極大・劫火!」

アーケノ「極大・爆裂劫火!」

ライド「極大・劫火!」

ジュダル「大・火球!!」

 カカァッ…
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 嘘やろ?
 4~6 しぶとい…
 7~9 倒せた…?


 シュゥゥゥゥゥ…

ベテルギウス?『――もらったよ』

 シュボォォォォ…

スピカ「えっ…」

アーケノ「嘘…ぶつけた魔法が、全部…」

テレサ「おっきい、玉になってる…」

シリウス「………マズいんじゃないか?」

スピカ「だと思う――」

ベテルギウス?『爆ぜろ』

 カッ…


 【直下 コンマ判定】
 1~3 でっでーん…
 4~6 戦闘続行可能は…
     4 アーケノ+モニカ+エル
     5 アーケノ+モニカ+シリウス+エル+インガ
     6 アーケノ+モニカ+シリウス+エル+ジェシカ+インガ
 7~9 間一髪…でした


ベテルギウス?『爆ぜろ』

 紅蓮の炎がベテルギウスの一言で広がった。
 凄まじい熱が周囲へばら撒かれていき、何もかもが炎へと飲まれて炭化する。

スピカ「反射魔ほ――」

ベテルギウス?『させないよ』

 バリィィィンッ

 スピカの張った魔法反射の魔法は、瞬時に迫ったベテルギウスが振るった剣に破壊される。

アーケノ「っ…!」

ベテルギウス?『封印は誰にも解かせない』

ベテルギウス?『これは未来に必要なものだ――』

 その言葉を最後に、アーケノは赤い炎で意識を遮られた。



                                            ――――― DEAD END


王子「言わなくても伝わってるはずだと思うけど…」

王子「でっでーんは、でっどえーんど、だよ」

王子「でっどぇーん→でっでーん、な感じだよ!」


 【安価下1】
 リトライ
 1 >>310
 2 >>312
 3 >>314


 ダダダッ

テレサ「でえいっ!」ブンッ

 ギャリッ

テレサ(っ――受け流される…!)

 ジャラララッ
 ギィンッ

ベテルギウス『ちっ…!』

アーケノ「どんどん行け!」

テレサ「アーケノ――うんっ!」

シリウス「大・雷撃魔法!」

 バチバチィィッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォッ

ベテルギウス?『ぐ…!』

モニカ「――当たるかな?」

 カチッ
 パァァァァァンッ
 ズドォォッ

モニカ「弾けちゃえ」

 ズズズッ

ベテルギウス?『!』

 グシャァッ
 ジャキィィィィンッ

モニカ「錬金弾を見破った――」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 11人総掛かりなのに凌ぐし、耐えるし、反撃してくるし…
 4~6 数の差でどうにかこうにか…
 7~9 モノホンじゃあ…ないっぽい


モニカ(ううん――見破ったっていうより、勘づいた…って感じ?)

モニカ(もしも、この人が本当に記憶喪失前のわたしを知ってるんなら、とっくに知ってるはず…)

モニカ(でも、あの反応は――)

 シュルルルルッ…

ベテルギウス?『ブーメラン…!』

 ギャリィンッ

インガ「俺が本命だ、ぜぇっ!」

 ブォンッ
 ドグシャアアアアッ

ジェシカ「今だ、畳みかけろ!」

ジュダル「でやぁあああああっ!」

 ブンッ
 ギャリンッ

シリウス「はああああああっ!」

ベテルギウス?『これなら…!』

 ブォンッ
 ギャリィィッ
 ザシュゥゥッ

エル「隙ありだ」

 ヒュォォッ

ベテルギウス?『障壁――!』

 バチバチィィッ

ジェシカ「ぶっ壊す…!」

 ブォンッ
 ドゴォォォォッ
 バリィィィンッ

モニカ(ベテルギウスの力の源は、世界を動かす力――)

モニカ(でもこれは、人間が人間として鍛え上げた…純粋なもの…)

モニカ「このベテルギウスは、本物のベテルギウスじゃないのかも…」

アーケノ「何、ぶつぶつ言ってんだよ!?」

モニカ「ちょっと思いついたことあるんだけど」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 そんな悠長なことしてる暇はない
 4~6 モニカすごい
 7~9 勝利…というか?


アーケノ「思いついたことぉっ?」

モニカ「わたしの弾丸が届くようにしてね」チャキッ

アーケノ「届くようにって、どこ狙って――!?」

ベテルギウス?『っ――やめろ…!』ダッ

アーケノ「っ…何だっ!?」

モニカ「…」ジィッ

アーケノ「とにかく、止めるっきゃないか…!」

 ジャラララッ
 ガシッ

アーケノ「どりゃあっ!」ブンッ

 ギャリィィンッ

ベテルギウス?『邪魔を…!』

アーケノ「するに決まってるだろ…!」

 ジャラッ…

ベテルギウス?『鎖がほどけて…!』

 ガシッ

アーケノ「インガ、エル!!」

 ブォォォンッ

インガ「おらよぉっ!!」

エル「ぶった切る――」

 ドグシャアアアッ
 ズッバァァァァァンッ

モニカ「読みが当たってるなら――」カチッ

 パァァァァァンッ
 バリィィィィィィンッ…

ベテルギウス?『ぐっ…!?』

スピカ「えっ…?」

ライド「あれはっ…ベテルギウスの出てきた――」

ベテルギウス?『あああああっ…!』バリィィィンッ

テレサ「っ……く、砕けて…消えちゃった…」

モニカ「やっぱり…何かの魔法とかじゃない? 多分、ベテルギウスだけどベテルギウスじゃない何かだったんだよ」

モニカ「だからその要になってた、アレを壊したの。これで封印は解けた?」

スピカ「あっ……うん…」

アーケノ「………何か、釈然としねえ…」

インガ「ぶっ飛ばさせろよ…」

モニカ「ぶん殴ったからいいじゃない」

ジュダル「まあ、あのまま戦ってても勝てたかちょっと分かんなかったしね」

シリウス「………封印が解けたのなら、天の島へ向かうとしよう。そこに、抑止力とやらがあるはずだ」



―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


 ATEM ―― 道楽王

アテム(うむ…いつもながら、余の変装は完璧だのう。この特技を自慢したいが、変装などという特技を明かしてはリスクも増えるからのう…)

*「おっ、兄さん兄さん、久しぶりだね。今日も一発、やってくかい?」

アテム「むっ…そうだの――そうだなあ…。じゃあ一発だけ、やっていくか。ほれ」つ10G

*「まいどっ。そいじゃ、月に一度の王都バザー名物、パンチ力測定どうぞ。今月の賞品は、なんと王都の新名物・アテムクッキーだよ!」

アテム「………これは、何としても優勝しないとな。ふぅぅー……………そいやあああああっ!!」

 ドッゴォォォォォォォォッ

*「今回は…3450点! 残念だったね、兄さん。さっき、やたら目つきが悪いけど顔はいい神父みたいな人が3510点を叩き出したんだ」

アテム「何…だと…?」

*「一発、10Gだけど…もう一発やってくかい?」ニヤ

アテム「よし…だったら本気を出さねばのう」ゴゴゴ

*「ん? 兄さん、何か口調が――」

アテム「光衝打ッ!!」

 カッ シュバァッ ズッドォォォォォォォォォォォォォォォッ

*「なぁっ…!? あ…え……5、480点……。し、新記録…しかも、過去最高3810点なのに…」

アテム「ふぅ…いいストレス発散だ。ではまた夕刻に来る。余――俺の記録はまあ、破られはしないだろうがな。じゃあな」スタスタ

 ――で

アテム(ふうむ…商品開発のために余の自腹で800万ゴールドも注ぎ込んだというのに、アテムクッキーはあまりはやってないようだの…)

アテム(まだまだ売り込み中ということか…。市民にもっと浸透させねばならないが、何か良い方法など――んむ?)

デネブ「…よしっ、この花束に給金半年分で買った、この指輪を仕込んで……」ギュッ

アテム(デネブか…何やら豪勢な花束など持って………むっ、もしや、例の見事な蹴り技の娘のところへ行くのか? 後をつけねば…!)

デネブ「あ…アリアっ、俺っ――」

シリウス「俺の目が黒い内は、アリアに手出しはさせn」

アリア「雷虎猛襲脚ッ!!」

 バチバチィィッ ギュォォォンッ ドグシャァアアアアアアアアアアアアアアアッ

シリウス「」バタッ

アリア「どしたの、デネブ? あれっ…その、焦げたの、何?」

アテム(気迫が虎のごとく迫力を醸し出したかと思えば、それが雷と蹴りと一体化しおった! そして一瞬でデネブの花束が炭と化した…!)

デネブ「…………………………………………帰る…」トボトボ

アリア「えっ?」

アテム(良い蹴りを見た…余は満足だ。他の何か面白いことでも探しにいくとしよう)

 ――で

*「兄さん…さっきね、騎士のあんちゃんがきて、さらに最高点を叩き出したんだよ。半年分の給金を注ぎ込んだ指輪が一瞬でダメになったとかで」

アテム「何と…」

*「5560点も叩き出したんだ。いやあ、あの悲痛な怒りようはすごかった。だから賞品もあげちゃってね。また挑戦しにきてよ」

アテム「そ、そうか…。アテムクッキーは欲しかったが…仕方がないな。ところで…売物としてはここへ置いていないのか?」

*「あんまり売れなくてね。試食品を出したこともあったけど、赤い髪の、不思議な虹色の瞳をしたコ以外は悲しそうな顔してくんだ」

アテム「ま、まずいということか…? それは…」

*「クッキーなのに何でか激辛な上、歯ごたえがぐちょぐちょしてるからどうもねえ…。見た目も陛下そっくりで食べづらいし」

アテム「そう…か…」シュン


 アテムは変装をして王都をふらふら散策しながら、市井の声をこっそり聞いています。
 王都の遊び場を知り尽くしていて、至る所へ出没してはさまざまな記録を打ち立てるため、道楽王などと巷で呼ばれているとかいないとか。


王子「昨日はごめんよ!」

王子「でも今日はやるからね、がんばろーね!」

王子「ざっくりあらすじ」

王子「ベテルギウスと対峙するためには、抑止力なるものが必要ということになった」

王子「その抑止力は、『天の島』、『魔界の蓋』、『狭間の宮』という3箇所にあるらしい」

王子「訳知りな情報屋に天の島の場所を教わったアーケノ達は、ベテルギウスが施した封印を突破して天の島へと辿り着いた!!」

王子「果たして、抑止力とは何なのか!? 答えは、直下のコンマ判定で!!!!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 オーブ的なもの
 4~6 武器的なもの
 7~9 特別な力みたいなもの


 ――天の島――

アーケノ「………すげっ…。見渡す限り、雲だ…」

ジュダル「ねえライド、雲ってさ…綿みたいだよね。あそこにぽーんって飛び込んだら、ふわふわかな?」

ライド「いや、雲は…綿じゃないから、突き抜けて、そのまま地面まで落っこちちゃうよ…?」

ジュダル「嘘っ!?」

モニカ「試してみれば?」

ジュダル「ええー…?」

ジェシカ「やめとけ、ほんとにやりかねないぞ」

シリウス「しかし、高いな…。高すぎて、高い実感がない」

エル「抑止力というのはどこだ?」

インガ「さあ? 歩き回ってみりゃ分かるんじゃね?」

ヨダカ「危ない感じは、何もないな…」

テレサ「そう広くもない感じだしね」

スピカ「じゃ、探してみよ」

インガ「スンスン……宝の匂いが…」

シリウス「お前も匂ったか。あっちだな」

アーケノ「……探すまでもない…っぽい?」

 ・
 ・
 ・

インガ「お宝だぜ…」

シリウス「これに抑止力とやらが入っている…のか?」

アーケノ「ほんとに見つけるし…」

テレサ「でも…何が入ってるんだろうね、この箱」

ジェシカ「開けりゃ分かるさ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 儀礼的な剣。攻撃能力は持たないっぽい…
 4~6 不思議な力が感じられる剣。強いかどうか、っていうと姐御曰く、ぼちぼちらしい
 7~9 すごそうな剣。オーラがある。お宝好きのシリウスとインガが垂涎もので、姐御も思わず目を見張るほど


 パカッ…

アーケノ「…剣?」

テレサ「だね」

インガ「んー……思ったほどじゃねえな」ヒョイ

ジェシカ「見せろ」パシッ

シリウス「どうだ?」

ジェシカ「………別段、武器としてすぐれていそうなもんじゃねえな」

スピカ「でも何だか、力を感じるね」

ライド「うん…」

ジュダル「これを使ったら、ベテルギウスがうぎゃーってなるの?」

エル「……だったら楽だな」

ヨダカ「他に2つもあるんだし、これだけじゃどうにもならねえんじゃねえの?」

スピカ「ともかく、1つゲットだね。あとは魔界の蓋と、狭間の宮。……でも情報屋さんに、どうやって会えばいいんだろ?」

アーケノ「気が向いたら用聞きに来る…って」

ライド「こっちの行動が、何かしらの手段で筒抜けになってるのかな…? だとしたら、すぐ来てくれそうだけど」

ジェシカ「そうか…。ま、景色はいいが人も動物も魔物も、何もねえ場所だ…。とっとと、帰るとしよう。長居するこたぁない」

シリウス「そうだな」


 【安価下1】
 1 姐御の屋敷へ
 2 バーダン・ジュドー号へ
 3 ヴァーゴ王国へ


 ――ヴァーゴ王国・王宮――

 バシュンッ

ピース「何だっ…!?」チャキ

スピカ「到着――って、ピースっ…!? どしたの、剣なんか抜こうとして!? 敵!?」

ピース「スピカ…?」

ジェシカ「いきなりこんなとこに出てきたから身構えたんだろ…」

スピカ「あ、そっか…」

インガ「んじゃ、情報屋ってのが来るまでは好きにさしてもらうぜ~」スタスタ

エル「酒を持ってこさせろ」スタスタ

ヨダカ「厨房使わせろ」スタスタ

シリウス「……あいつらは自由だな」

ジェシカ「だな…」

テレサ「にしても、転移魔法って便利だね」

ジュダル「もっと気軽に使えればいいのに」

ライド「……気軽に?」

ジュダル「だって、ひとりで簡単に使えれば絶対に遅刻とかしないじゃない?」

テレサ「でも寝過ごしたらダメだよ?」

ジュダル「あっ…」

ライド「……はは、は…」

モニカ「スピカが使ってるからいいけど、悪用しようと思えばいくらでもできそうだしね」

アーケノ(俺は何してっかな…?)


 【安価下1】
 1 素直に休んでよう
 2 誰かとお話しよう
   ※相手も併記
 3 誰かとコミュる
   ※相手も併記
 4 その他、自由行動


アーケノ「にしても…スピカって、ほんとに姫様なんだな…。こんなとこに住んでるなんて」キョロキョロ

テレサ「だね」

アーケノ「…」

テレサ「ねえ、ちょっと探検してみない?」

アーケノ「探検って…」

テレサ「だって、なかなかないじゃない。こういうところを見れる機会」

アーケノ「…まあ…」

テレサ「ねっ、だから行こ」

アーケノ「…へいへい…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ヴァーゴの王宮七不思議の一。何故か看板が多い
 4~6 中庭に人影が2つ…何だろう?
 7~9 ラブコメ(?)な波動が…
     7 傍若無人野郎と健気姫のいちゃいちゃ…爆ぜろ
     8 不運な少年と、割と強運かも知れない元姫のほほえましい様子
     9 あれ、厨房で…


アーケノ「ん…? 中庭にライドとジュダル…?」

テレサ「ほんとだ。椅子まで持ち出して…何してるんだろ?」

アーケノ(ちょっと様子見しとくか…)

 ・
 ・
 ・

ライド「ほ、ほんとに…大丈夫…?」

ジュダル「大丈夫だって、任せて任せて」

ライド「いやでも…もし、もしもがあったら――」

ジュダル「気持ちよくなるから平気だよ。肩の力抜いて、ほらほら」

ライド「う、うん…」

ジュダル「じゃあ、やるね…」

ライド「よ…よろしくお願いします…」ゴクリ

ジュダル「ライドの髪の毛をぉー……ちょきんっ!」

 チョキンッ

ライド「…」

ジュダル「………あ、ちょっと切りすぎちゃったかも」

ライド「えっ…!?」

ジュダル「でも大丈夫、大丈夫、修正可能だから。今度は、こっちがわをー…ちょきんっ、と」

 チョキンッ

ジュダル「――あ…」

ライド「何、何っ…? ど、どうなってるの…?」

ジュダル「………何でもないよっ、平気、平気」

ライド「待って待って待って、ちゃんと考えながら――」

ジュダル「動いちゃダメっ、はいっ」ガシッ

ライド「っ…!?///」

ライド(ち、近い…ジュダルが、近い…)

ジュダル「そのままね。あ、リラックスはしてていいから」

アーケノ(髪切ってもらってんのか…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 どんまいライドくん
 4~6 プラマイ…どうなんやろなぁ?
 7~9 あら、意外と…?


ジュダル「じゃじゃーん、でーきたー!! はい、鏡」スッ

ライド「ありがと――うっ…これ…」

アーケノ(悲惨ってのは、ああいうのを言うのか…)

テレサ(いくらなんでも…あれはちょっと…)

ジュダル「……まあ、はじめてだし、こんなもんだよね?」

ライド「…」

ジュダル「あれ? ライドー?」フリフリ

ライド「…」

ジュダル「おーい、ライドってばー? きーいーてーるー?」ユサユサ

ライド「はっ…」

ジュダル「あ、戻ってきた。どうどう?」

ライド「………えっと…ちょっと、さすがに擁護できないっていうか…どうしてくれるの…これ…?」

アーケノ(あのライドが、ジュダルに責任を求めた…!? ………まあ、自分の身に置き換えれば当然か…?)

ジュダル「んー…ほら、せいちょーのよちがある、ってことで?」

ライド「」

ジュダル「いい仕事した…。それじゃあね、また髪の毛切ってあげる! お腹減ったからヨダカにお菓子分けてもらおーっと」トトトッ

アーケノ「…」スタスタ

テレサ「あ、アーケノ…?」

 ポンッ…

ライド「っ…アーケノ…テレサも」

アーケノ「【安価下1】」

 1 ……どんまい
 2 スピカらへんなら、髪の毛を生やす薬とか持ってるんじゃね?
 3 ……………実はちょっと嬉しいんだろ? 良かったじゃんか
 4 その他、自由台詞


アーケノ「……どんまい」

ライド「ドンマイじゃないよっ!?」

テレサ「うわっ…」

ライド「さ、さすがにこれじゃ…恥ずかしいし、みっともないし…ああああ…」

アーケノ「…まあまあ」

ライド「まあまあでもないよぉ…」

テレサ「す、すっきりしたと思えば…ねっ?」

アーケノ「そう、そうだって。また生えるって」

ライド「………そこまで言うんなら…アーケノも、切ってもらえば?」ジトッ

アーケノ「はあ?」

ライド「……………テレサとかに?」チラッ

テレサ「わたし?」

アーケノ「お前な…」

ライド「…」ジィィッ

アーケノ「うっ…」


 【安価下1】
 1 逃げる
 2 ああいいぜ、上等だ。だからそんな目をするな…
 3 はぐらかしにかかる


アーケノ「あ、ああ、ああ…いいぜ、上等だ」

ライド「えっ…」

アーケノ「は? 何だよその反応――」

テレサ「はじめてだけど…大丈夫かな…?」

ライド「…………まあ、いっか…」

アーケノ「おい、何だよその反応!?」

ライド「あはは…ま、まあまあ。ほら、場所譲るから…」

テレサ「よし…じゃ、がんばるね、アーケノ」

アーケノ「………何だ、この釈然としない感じ…」

ライド(まさか本当に乗ってくるなんて思ってなかった…)

ライド(スピカさんに教わって、髪の毛だけ生える魔法薬でも…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ライドくんと同じ道を辿ってしまったアーケノ…
 4~6 産まれてこの方、ずっとセルフカットだったアーケノは、誰かに髪の毛を切ってもらうのは初体験。実はライドくんもだったんだよ
 7~9 意外とやるやんけテレサ! しかも肩をもんでくれたり…距離が近い! 思春期めこのやろう


 チョキチョキ…

アーケノ「…」ドキドキ

テレサ「…あっ…んー……」

アーケノ「お、おい…だ、大丈夫だろうな…?」

テレサ「話しかけないで、失敗しちゃうから…」チョキチョキ

アーケノ「…っ…」

テレサ「……て言うか…かたくなりすぎだよ。そんなに不安?」

アーケノ「いや…それもあるけど…」

テレサ「…けど?」

アーケノ「…何でもない…」

テレサ「……まあいいや」

アーケノ(誰かに髪の毛触られるの、全っ然、落ち着かねえ…!)

アーケノ(普通、皆、こうやって誰かに切ってもらってるんだよな…? よくできるな、そんなこと…)

アーケノ(あれ? …でも、ライドも…ひとりぼっちで過ごしてきたんだよな…? てことは…あいつも髪の毛切られるのって、初めてだったのか?)

アーケノ「…」

アーケノ(そう考えると…これって、けっこう――)

 チョキンッ

テレサ「あっ…」

アーケノ「えっ? おい、何した…?」

テレサ「……………だ、大丈夫…」

アーケノ「ほんとだろうな!?」

テレサ「ああもう、だから黙っててよ…! 失敗しちゃうでしょ」

アーケノ「黙ってたのに不安にさせるような声出すからだろっ!?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ………うん…
 4~6 馴れてきたら、割といい気分だった
 7~9 せめて失敗させないように、って静かに押し黙ってたら…


テレサ「……できたっ」

アーケノ「…か、鏡寄越せ、鏡」

テレサ「…」

アーケノ「え、おい」

テレサ「………み、見ない方が、いいんじゃないかなぁー…?」

アーケノ「は?」

テレサ「見たい…?」

アーケノ「何したんだよっ!?」

テレサ「…………はい」つ手鏡

アーケノ「どれど――おいっ!!」

テレサ「だって初めてだったんだもん!」

アーケノ「何だよこれっ!? ライドの頭とどっこいじゃねえかよ!?」

アーケノ「ああああああっ、クッソ、クッソ!!」

テレサ「そんなに怒んないでよ…」

アーケノ「ああもう、クソ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 髪の毛がもじゃもじゃなライドくんがやってきて、無言で謎の液体をくれた
 4~6 髪の毛がばっちりなライドくんがシリウスとやってきて、にっこりしながら謎の液体をくれた
 7~9 お詫び?


 スタスタ…

アーケノ「んっ…?」

ライド「…」モジャモジャ つ謎の小瓶

アーケノ「お前、その頭…」

テレサ「どしたの!?」

ライド「…」コク

アーケノ「いや、頷かれたって…何この、液体…?」

ライド「…」スッスッ ←ジェスチャー

アーケノ「……頭にかけろ…?」

ライド「…」コク

テレサ「毛生え薬?」

ライド「…」ザッ

アーケノ「…………まあ、いいや」

 キュポンッ
 パシャパシャ

アーケノ「お、うっ…? 何だ、頭が、むずむずして…」

テレサ「あ、すごい…何か、伸びてる!」

アーケノ「熱い、何か頭が、頭皮が熱い…!」

 ボフンッ…
 モジャァッ

アーケノ「…」サワッ

アーケノ「…」モジャモジャ

アーケノ(………何だか、確実に、毛根に良くない気がする…)

アーケノ(禿げるんじゃね、これ…? 一時的じゃね…? 大丈夫なのか…?)

テレサ「あ、アーケノ…?」

アーケノ(マジで…? 生えたけど…生えたけどこれ、将来的に何か頭に良くないんじゃね…?)

テレサ「おーい…どうして、無言になっちゃったの…?」

アーケノ「…」

テレサ「え、何、髪の毛伸びる代わりに喋れなくなるの!? アーケノ、大丈夫っ!?」

アーケノ「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 その後、無言でセルフカットして、無言で過ごした。散髪イベントしゅーりょー
 4~6 好きな娘に散髪してもらったけど大失敗して頭皮にダメージを負った感じがする微妙な気分をライドくんと共有して絆が深まった気がする
 7~9 もじゃもじゃな髪の毛のまま過ごしてたらシリウスに切ってもらえた。ちゃんとした散髪は良かった


アーケノ「…」モジャモジャ

ライド「…」モジャモジャ

アーケノ・ライド「「はぁぁ…」」

シリウス「ん…? どうした、2人とも」

アーケノ「…」

ライド「…」

シリウス「………頭が大変なことになっているな。切ってやろうか?」

アーケノ「……とか言って、失敗すんだろ…」

ライド「……髪の毛はやっぱり…自分でね…」

シリウス「何があったか知らないが、安心しろ。変になることはない」

アーケノ「…失敗したら?」ジト

シリウス「上着を着たところを見せてやろう」

ライド「っ…!?」

アーケノ「シリウスが…上裸じゃ、なくなる…?」

シリウス「…まあ、ないと思うがな」

 ・
 ・
 ・

アーケノ「おおっ…!」

ライド「ばっちり…」

シリウス「ふっ…」

シリウス「アリアの髪の毛も、リリの髪の毛も、俺が切ってやっていたんだ。この程度はわけないさ」

シリウス「服を作ってやることもできるし、そうそう、髪の毛を結んでやるのも得意だった。ああしてほしい、こうしてほしいとリクエストされてな」

アーケノ「…シリウスって、地味にそういうの得意だよな」

シリウス「ん?」

アーケノ「何か……こう……んー…何て言うか…」

ライド「……お母さん力?」

アーケノ「それか?」

シリウス「…………褒め言葉として、受け取っておこう…」


 【直下 コンマ判定】
 散髪イベント終了
 1~3 情報屋が来た…けど?
 4~6 情報屋がきおった…でも急いだ方がいいって忠告されて
 7~9 情報屋がちゃんときやがったよ。島を丸ごとバリア的なもので覆ってるのにどうやって…


シリウス「そして俺がそのダンジョンの最奥部に行った時……」

ライド「…」ワクワク

アーケノ「へえ…」

ジェシカ(少し目を放した隙に、何でアーケノとライドはシリウスに懐いてんだ…?)

<コンコン

ジェシカ「ん…?」

情報屋「やあやあ、はじめまして、丘陵の町の領主様」ペコリ

ジェシカ「誰だ?」

アーケノ「あっ…情報屋!」

シリウス「ん…? 情報屋? こいつがそうなのか?」

ライド「………どうやって…この島に…」ボソ

情報屋「さて、無事に天の島へ行って戻ってこられたようだね。おめでとう」

ジェシカ「どうして知ってる?」

情報屋「だってキミらがここへいるんだ。行って、戻ってこれたというのは明白だろう?」

シリウス「そもそも、何故、俺達がここへいると知っている?」

情報屋「その情報量は高くつくよ?」

アーケノ「………ちなみに、いくら?」

情報屋「僕に関する情報は全て、一律50億ゴールドさ」ニコッ

ライド「一律…」

ジェシカ「払えるヤツいねえよ…」

情報屋「さて、では魔界の蓋と、狭間の宮の場所を教えてあげよう」

 ・
 ・
 ・

ジェシカ「魔界の蓋には…人魚の暮らす町から、か…」

シリウス「狭間の宮が、まさかブラックサタンの閉じ込められていた場所とはな…」

情報屋「ちゃんと場所は教えたよ。それじゃあがんばってくれ」

ライド「ありがとうございます」

アーケノ「また、封印ってのを解かなきゃいけないのか…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 情報屋の忠告…
 4~6 2箇所の情報の対価を求められた
 7~9 封印について、サービスしてもらった


情報屋「ああ、そうそう…。これは忠告だけれどね」

アーケノ「ん…?」

情報屋「ベテルギウスは着々と、力を取り戻しつつあるだろうね」

ライド「力を…取り戻す?」

情報屋「そうさ。彼は一度、魔界の姫君と壮絶に戦って、死にはしなかったもののダメージを負って本調子じゃなかった」

情報屋「だけれど、それも回復しつつある…ということだ。彼が調子を取り戻したら、世界中が、現在のデルザー大陸のようになるだろう」

ジェシカ「あの変な大地か…。ありゃ、何なんだ?」

情報屋「さて、何だろうね?」

シリウス「お前も知らないのか?」

情報屋「別料金さ。こっちはちゃんとお金をもらうけれど、払えるかい?」

ジェシカ「……やめとくか」

情報屋「それがいい。とにかく急いだ方がいい。残された時間は、そう多くない」

情報屋「僕がどうして、2箇所を同時に教えたのか、ちゃんと考えておくれよ。それじゃあね。また今度は――ないかも知れないけれど」

 スタスタ…

ライド「……行っちゃったけど…どうやって、この島にきたんだろう…?」

ジェシカ「さあな…。全員集めるか。もたもたしてる時間はないってわざわざ教えてきたんだ」

シリウス「ああ。早く行動を起こした方がいいだろう」

アーケノ「世界中が、あんな風に…。そうなったら…どうなるんだろうな」

ライド「多分だけど…普通には暮らせないと思う。それこそ…僕らの負けだよ」


 【安価下1】
 1 じゃ、忠告もされちゃったし…二手に分かれるか
 2 いや、全員で一箇所ずつ行った方がええんとちゃうか? 結果的にその方が早く…すむかな?



ヨダカ「――んで、二手に分かれるのか」

エル「どうでもいい。早くしろ」

ジュダル「どうやって分かれるの?」

スピカ「クジする? クジやる?」

モニカ「スピカって、クジ好きなの?」

スピカ「わくわくしない?」

テレサ「ちょっと分かる」

ジュダル「うん」

アーケノ「分かんねえよ…」

ライド「狭間の宮に行くのは転移魔法が必須なんだね…」

ジェシカ「そうらしいな。しかも、あのデルザー大陸へ乗り込んで、ブラックサタンの屋敷まで行かなきゃならねえときた」

インガ「めんどくせ…」

アーケノ「んで…どうやって分かれる?」


 【安価下1】
 A:魔界の蓋
 B:狭間の宮(魔力値合計30以上かつ、スピカを含めてください)
 アーケノ:9
 テレサ:1
 モニカ:6
 シリウス:5
 スピカ:6
 ヨダカ:8
 エル:6
 ライド:9
 ジェシカ:5
 インガ:7
 ジュダル:2
 AとBに、それぞれ割り振ってね!
 ※面倒臭いなら「おまかせ」って書いてくれれば勝手に決めるよ


 魔界の蓋:シリウス ヨダカ ライド ジェシカ ジュダル

シリウス「人魚の町…と言うと、海か…? 大丈夫か…?」

ヨダカ「何心配してんだよ?」

ライド「……泳げないから…?」

シリウス「…」

ジェシカ「ま、素潜りで海の底に行くってわけでもねえんだろ?」

ジュダル「もしそうだったらどうする?」

シリウス「困るな」

ヨダカ「…ないだろ…」

 狭間の宮:アーケノ テレサ モニカ スピカ エル インガ

アーケノ「狭間の宮…って、要するに、この世界とは、違う…感じなんだよな? 大丈夫か?」

スピカ「わたしが使ってる転移魔法って、その狭間の世界からブラックサタンって一族が出てくるために編み出された魔法なんだよ」

テレサ「じゃ、安心だね」

スピカ「……………理論上は、ね…」

モニカ「不安要素あるの?」

スピカ「多分…大丈夫だとは思うんだけど…」

エル「心配などしたところでどうにかなるわけではない」

インガ「そーそー、ダメだったらそん時に考えりゃあいいだろ」

アーケノ「…だいじょぶかぁ…?」

ジェシカ「とりあえず、その人魚の町まではスピカの転移魔法で行くとして…」

スピカ「うん。その後で、わたし達は狭間の世界に向かうよ」

シリウス「互いに、無事に戻ってくるとしよう」

インガ「できればな」

ヨダカ「やるんだよ、バカ」

エル「時間が惜しい。さっさと行くぞ」

ジュダル「じゃあ、しゅっぱーつ!」


―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


王子「今日はないです」

王子「また次回!」


王子「今日は、やります」

王子「一応、パーティーが分かれたからちゃんとここに書いておくのだ」

 魔界の蓋
 ・シリウス
 ・ヨダカ
 ・ライド
 ・ジェシカ
 ・ジュダル

 狭間の宮
 ・アーケノ
 ・テレサ
 ・モニカ
 ・スピカ
 ・エル
 ・インガ

王子「そいで、もって…」

王子「アーケノは狭間の宮に行くから、もう一方は…どうする?」

王子「結果的には、まあどうにかなるんだろうし? 割愛しちゃってもいいかなー…と思ったり」

王子「でも折角の人魚再登場の可能性だし、何も見ないままってのもあれだよね?」

王子「て、ことで開幕安価でーす! さ、今日もがんばってやろー!」


 【安価下1】
 1 割愛していいよ
 2 魔界の蓋組はコンマ判定のみで進行されまする
   A 先にこっちをやっちゃおう
   B 先にアーケノ達でいいよ


 ――人魚達の孤島・人魚の里――

フゥエラ「お、おお、おおおおお、大勢ひ、引き連れてきてっ、い、いいいいったい、どどどどどんなつもりだ、貴様らっ!?」

ライド「相変わらず…何だか、警戒心が…」

ジュダル「あ、フゥエラ、元気だった?」

フゥエラ「活きのいいわたし達を狙うつもりだな!?」

シリウス「……何かしたのか?」

ライド「何も…」

ヨダカ「んで、魔界の蓋、ってーのは…どうやって行くんだ?」

ジェシカ「そいつじゃ話にならねえから、別の人魚がいるな…」

フゥエラ「無視をするな貴様らーっ!!」プンプン


 【直下 コンマ判定】
 1~3 魔界の蓋に行きたいんだよ、って言ったら…ららら?
 4~6 姐御の名采配! フゥエラの相手をジュダルにさせた! バカ同士で話はどんどん明後日の方向へ向かっていく!
 7~9 話の通じるおねーちゃんがきた


 ポカッ

サーカナ「まったく、あなたはいつもいつも…」

フゥエラ「姉さん…でもだって、人間がー!」

サーカナ「よく見なさい、この人達が悪そうな人に見える?」

ライド(前もこんなくだり、あった気がする…)

フゥエラ「…」ジィッ

ライド「…」

フゥエラ「変な色の目」

ライド「…」

フゥエラ「…」ジィッ

ジュダル「…」ジィッ

フゥエラ「………おなかま?」

ジュダル「何が?」キョトン

フゥエラ「…」ジィッ

ヨダカ「…」ジトッ

フゥエラ「ガキ」

ヨダカ「あん?」

フゥエラ「…」ジィッ

シリウス「…」

フゥエラ「………………ノーコメント」

シリウス「!?」

フゥエラ「…」ジィッ

ジェシカ「観察するのはいいが、あたしらは魔界の蓋ってえとこに行きたいんだ。ここから行けるらしいって聞いたんだが、知らねえか?」

フゥエラ「何でそうやって段取りをー!! 姉さん絶対にこいつらいいやつじゃない!!」プンプン

サーカナ「魔界の蓋…」

シリウス「知っているか?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 あかん
 4~6 よく分からんて
 7~9 案内してくれた


フゥエラ「……姉さん」

サーカナ「……ええ」

ライド「…?」

ジェシカ「どうした?」

サーカナ「立ち去ってください」

フゥエラ「やっぱり人間なんか…!」ギリッ

シリウス「待て、いきなりどうした? 理由くらい――」

サーカナ「魔界の蓋へ行かせることはなりません」

サーカナ「ベテルギウスと結んだ古の盟約により、我々、人魚の一族は魔界の蓋を守護しています」

ヨダカ「はあ…?」

ライド「そんな…でも――」

フゥエラ「立ち去れ、人間どもっ!!」

フゥエラ「魔界の蓋へは絶対に行かせはしない!」

 ザワザワ…

ジェシカ(……人魚が集まってきた…)

ジェシカ(こりゃ、説得するのは難しそうだな…)

ライド(かと言って…戦うなんてことも…)

シリウス「ふむ…」

ジュダル「……どうする?」

ヨダカ「…」

サーカナ「見逃すから、立ち去っていただきたい。そして二度と、ここへ来ないでください」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 説得を試みたものの…ののの…
 4~6 追い返されちゃった…
 7~9 説得に揺れる人魚達


ライド「待ってください。魔界の蓋へ行かなくちゃいけないんです」

フゥエラ「そんな事情知るか!」

ジェシカ「このままじゃ、世界中がぶっ壊れることになる。それでいいのか?」

サーカナ「ありえません」

シリウス「何…?」

サーカナ「ベテルギウスは我々を守り、人間が寄りつかぬようにこうして里まで作ってくれた一族の恩人」

サーカナ「彼との盟約を我々が守る限り、我ら一族もまた滅びることもないのです」

ライド「でもっ…」

 ザッ…

フゥエラ「出ていけ!」

ヨダカ「……んじゃあ、手荒に――」

 ガシッ

シリウス「やめろ、ヨダカ」

ジェシカ「……一旦、退くぞ」

ジュダル「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 こっそり捜しまわるかー、って
 4~6 ヨダカが持ってた、姿を変える指輪…
 7~9 あまり、手荒なことをせずにどうにかしよう、って


ジュダル「――で、どうする?」

シリウス「魔界の蓋へはここから行けるらしいが…あの様子では案内してくれそうにはないな」

ジェシカ「ああ…。それに、出ていけとまで言われちまったんじゃあ…堂々と行けねえ」

ライド「じゃあ…」

ヨダカ「ぶっ飛ばすか」

シリウス「いや、ダメだ。彼女達は人間に対して、恐怖を抱いている。それを増長させるようなマネはしたくない」

ヨダカ「めんどくせ…」

ジェシカ「こっそり行くか…?」

ジュダル「こっそり?」

ライド「お魚って…夜も寝ますか?」

シリウス「夜行性もいるだろうな、中には」

ジェシカ「……まあでも、文化的な暮らしをしてるんだ。夜は休んでもらうことを期待するしかねえ」

ヨダカ「夜になったら行く、ってことだな」

ジュダル「あ、そうだ。ヨダカの魔法で透明になったらいいんじゃない?」

ヨダカ「ムリ」

シリウス「何故だ?」

ヨダカ「あちこちに水が浮いてたろ。風をまとってるから、ああいうのがあったんじゃ巻き込んじゃってダメになる」

ジェシカ「そうか…。まあいい、夜を狙って行こう。シリウス、頼むぞ」

シリウス「ああ、努力しよう」

ジュダル「もし見つかっちゃったら?」

ライド「………できるだけ、戦わない方向で」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 淡い期待だったね、色々と
 4~6 フゥエラと遭遇…
 7~9 それらしきところには到着したんだけど…封印ってのがあるからねえ…


 コソッ…

ライド「…」キョロキョロ

ジュダル「案外、いけたね…」

シリウス「ふっ…まあ俺にかかればこんなものだ」

ヨダカ「俺が風の流れ読んでやったからだろ」

シリウス「いや、こういうのはダンジョンと同じだ。いかに効率良く、大事なものがある場所へたどり着けるかという、勘の冴えがあってこそ――」

ジェシカ「張り合うんじゃねえよ、こんなとこで」

ライド「…これが、封印…」

ジュダル「また、何か出てきたりするのかな?」

ジェシカ「さあな…。だが、もたもたしてる暇はねえ。さっさと封印とやらを突破して、魔界の蓋へ行くぞ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 封印されていたのは、三つ又の槍を持った古代の人魚達の王らしいです。暴君だそうです。強いです
 4~6 封印されていたのは、その昔、人魚の暮らしてた里をめちゃくちゃに壊しまくった魔物だそうです。強いよ
 7~9 封印を解こうとしたら、5人がコピーされてほぼほぼ同じ強さの分身体が襲ってきたよ。強い…ていうか、何ていうか?


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 封印を解いた瞬間、瘴気が溢れ出してきた! でも、抑止力の剣があった…から?
 奇数 封印を解いた瞬間、人魚の里が壊れ始めた…あかん…もう…
 ※0は偶数扱いやで


シリウス「壊すぞ」チャキ

ジェシカ「ああ」

ヨダカ「何が出てくるか…」

ライド「…」

ジュダル「ちゃちゃっと、やっちゃお!」

シリウス「では、行くぞ…!」

 シュルルルッ
 ブォンッ
 バリィィィィンッ…

 ズズ…
 ズォォォォォォォォォォォッ

シリウス「何だっ…!?」

ライド「っ――ジュダル!」

ジュダル「うわっ…!?」

 パシッ

ジェシカ「吸い込まれる…!?」ズズズ

ヨダカ「このままじゃ、飲み込まれるぞ…!」

シリウス「だがっ…踏ん張るだけで…!」

ライド「僕が、一瞬だけ食い止めます…! 小・爆裂魔法!」

 カッ
 ドゴォォォォンッ

ジェシカ(爆裂魔法で吹っ飛ばして、あの吸引から…! 乱暴すぎるが…!)

ジェシカ「今の内だ…!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 シリウスが魔眼を発動して全員まとめて逃れた…けどもねえ…
 4~6 ヨダカが風魔法で全員引き連れて逃れた…けども、人魚はどんどん吸い込まれてく…
 7~9 あれっ…て、なりかけた


 ズォォォォォォォォォォォッ

ライド「っ…あっ――」フワッ

ジュダル「ライドっ…!」

ライド「ジュダルっ…来ちゃ、ダメだ!」パシッ

ジュダル「ちょっ…!?」

ヨダカ「手ぇ、かけさせんな!」

 ビュォォォォォォォォォォッ

ライド「う、あっ…!?」

ヨダカ「放すな!」パシッ

ライド「ヨダカ――」

ヨダカ(あの吸引力、やべえ…! それに周囲がどんどん壊れてく…! この小さい島ごと飲み尽くしかねない!)

 ズォォォォォォォォォォッ

 ヒュンッ…

人魚A「あ、あ、あ、ああああああああ―――――――――――――――っ!?」

 ブォンッ…

ライド「っ…」

ジュダル「人魚が…!」

ジェシカ「とんだ封印だな、クソったれが…!」

ヨダカ「っ――仕方ねえか。来い、サンっ!!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 サンに乗ってどうにか島を脱出した
 4~6 サンのフルパワーでどうにかブラックホール的なヤバいやつをぶっ壊した
 7~9 チートっすなぁ…


 パァァァァァッ
 バッサァァァ

シリウス「なっ…!?」

ジェシカ「おいおい…」

ジュダル「竜だ!」

ライド「っ…」

ヨダカ「サン、飛べっ!」

 バサァァァッ

シリウス「捕まるところが…!」

ジュダル「ない…! 乗り心地悪いよ!」

ヨダカ「お前ら乗せる目的なんか、そもそもねえんだよ!」

 ヒュォォォォォッ

ライド「すごいっ…あんだけすごい力だったのに、みるみる…」

ジェシカ「だが――」

<うわあああああっ

<何だ、何が起きてるぅ…!?

ライド「…人魚の、里が…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 跡形もなく消失するどころか、海水さえどんどん飲み込んじゃってて、これヤバいやつよ…
 4~6 ブラックホール的なものを消す作戦、開始
 7~9 勝手にブラックホール的なものは消えてった…甚大な被害の爪痕を残して


 ヒュォォォォ…

ライド「全然、収まらない…」

ジェシカ「おいおい…あの島が、もう…跡形も…」

シリウス「ぽっかりと海の上に黒いボールが浮かんでいるようだな…」

ジェシカ「でもあれ…海水も、吸い込んでるの…?」

ヨダカ「………永遠に、ああやって周りのもんを消し続けてくのか?」

 バサァッ…

ライド「どうにか、しなきゃ…」

シリウス「そうだな。だが――どうすればいいかの検討もつかん」

ジュダル「どかーんって魔法で!」

ジェシカ「ありゃ、何でもかんでも吸い込んでいくようなもんじゃねえのか…?」

ヨダカ「徐々に強くなって、サンが引きつけられそうになってる…。いつまでも旋回して様子見ってわけにいかねえぞ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 折角、5、6人も乗せられるくらいにまた成長したのに…
 4~6 とにかく止めようとして、色々と試してく中で…
 7~9 吸い込まれかけてたフゥエラとサーカナを発見して救出した…


ライド「とにかく、何か方法を考えて――」

ヨダカ「んな時間ねえっつってんだよ」

シリウス「だったらどうすると言う?」

ヨダカ「………とりあえず、お前ら落ちてろ」

シリウス「は?」

ジュダル「えっ?」

 グラァッ

ライド「っ――うわ…!」

ジェシカ「ヨダカ、てめえ…!」

ジュダル「落ちたら、あれに吸い込まれちゃうってばー!!」

 ヒュォォォォッ…

ヨダカ「サン、悪いな。また、で」ポン

ヨダカ「思いっきり、ぶっ放せ。これで消えなきゃ、あんなもんどうにもなりゃしねえし…」

 コォォォォッ…

ヨダカ「ドラゴンブレス――!!」

 カァッ
 ブワァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ

 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ブラックホール的なものは消えた。人魚達も…消えた
 4~6 ブラックホール的なものは消えた。多くの人魚が死んで…僅かに生き延びた人魚には…
 7~9 ブラックホール的なものは消えた。人魚達はその多くが死んだし、生き残ってるのもひどいケガで…


ヨダカ「…よくやったな」ギュッ

サン「くぅっ」ペロッ

ヨダカ(また…抱えられるサイズにまで…)

シリウス「げほっ…ごほごほっ…はぁ…死ぬかと…思った…」ゼィゼィ

ジェシカ「カナヅチくらい克服したらどうだい…?」

シリウス「克服か…できるものなら、とっくにしている…」

ジェシカ「…」

ジュダル「ライド、だいじょぶ?」

ライド「う、ん…。海水、飲んじゃったくらいで…」

ライド「それよりも…人魚の里が――」

ジュダル「…」

人魚A「っ…ぅぅ…」

人魚B「何で…何が起きたの…?」

ジェシカ「……魔界の蓋へ、行くぞ」

ジュダル「えっ…でも…いいの…?」

シリウス「…」

ライド「何か…手当てとか――」

ヨダカ「ここを、こんな風にしたのは俺らだぞ。そんなのに手当てされたいとでも思うのかよ」

ライド「っ…」

シリウス「……抑止力の封印が、里を滅亡させるほどのものだったとはな…」

ジェシカ「人魚はベテルギウスとの盟約だのと言っていたが…封印を守らないと里が滅ぶってえことになってたわけだ…」

ジェシカ「かと言って、封印をそのままにしようが…いずれ世界はどうにかされちまう」

ジェシカ「……世界が丸ごと滅びるか、人魚達の犠牲で済むか、だ…。切り替えろ」

ライド「そんな言い方…!」

ジェシカ「さっさとしろ、ぐずぐずしてる時間はないんだ」

ライド「ジェシカさん…!」

ジェシカ「ふんっ…」ザッ

シリウス「……ライド」ポン

ライド「シリウスさんも…同じようなこと、言うんですか…?」

シリウス「やるべきことが、今は他にあるはずだ。違うか?」ザッ

ジュダル「…悲しいね…」

ライド「…」

ヨダカ「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 多大な犠牲を払って、2つ目の抑止力はゲットされました
 4~6 ベテルギウスのやり方に怒りを覚えるライドくん達でした
 7~9 ヨダカは何かとフォロー役?


ライド「……許せない、こんなの…」

ジュダル「…」

ライド「人魚の皆は…ベテルギウスのことを信じていたのに…」

ライド「結局、封じられていたのは…人魚の里をめちゃくちゃにするものだった」

ライド「盟約を守る限り、滅びることはない…って、逆だよ。あの封印を…解かなきゃいけない封印を盾に、人魚達を守護者に仕立てあげてただけだ」

ジュダル「…騙してた、ってこと?」

ライド「…」

サン「くぅっ」パタパタ

ライド「っ…」ポフッ

サン「…くぅ?」ペロッ

ジュダル「かわいい…」

ライド「……慰めて、くれてるの…?」

サン「くぅっ♪」スリスリ

ライド「…」チラッ

ヨダカ「…」スタスタ

ライド「………ありがと…」


―――――


 本日はここまでです
 ありがとうございました


王子「一体、コンマ神は人魚の何が気に食わなかったんだ…」

王子「さて、今日はアーケノ視点になるので安価も入り込んできますよ」

王子「ではいってみよー!」

王子「あ、デルザー大陸は壊れかけなので、色々と危険がつきまとってます」

王子「注意してね!」


 【直下 コンマ判定】 
 1~3 ハニー城があるところまでは川を遡上していったから順調だった。けども…そっからはね…うん
 4~6 地下空洞にある、ブラックサタンの屋敷までの道のりが軽くダンジョンと化してる…
 7~9 転移魔法はブラックサタンが編み出したもので、やつらはデルザー大陸を拠点としていた…ので


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 デルザー大陸においては、転移魔法で行ける場所の制限が緩くて簡単に地下空洞のブラックサタンの屋敷へ行けた
 奇数 どんどんデルザー大陸が崩壊していってる…その上、刺客も差し向けられてて…
 ※0は偶数扱いよ~


 ――デルザー大陸・某所――

 バチバチッ…
 ゴゴゴゴゴ…

アーケノ「何だよ、これ…やばくね?」

テレサ「ばちばちしすぎだよ…」

モニカ「メカニズムは分からないけど…ベテルギウスがやろうとしてることが、デルザー大陸だと早いのかもね」

テレサ「どういうこと?」

モニカ「そのまま。…世界中が、いずれ、この大陸みたいなことになるのかも。ここだけ早くて…」

スピカ「ブラックサタンがやろうとしてた、反転の禁忌にちょっと似てるんだよね…この現象」

エル「反転の、禁忌…」

インガ「そういや、何だかんだ、世界樹もどうにかなっちまったんだったか?」

インガ「連中をぶっ倒したのに意味なかったなんて無駄足だったな…」

アーケノ「ブラックサタン…?」

スピカ「うん。前にね、わたし達と対峙することになった一族で…」

スピカ「狭間の世界っていうところに長い間、閉じ込められていたみたいなの。それで、狭間の宮って言うのは…彼らが閉じ込められていた世界」

テレサ「閉じ込められてた…」

スピカ「そこから逃れるために転移魔法が編み出されたらしいんだけど…またそこへ向かうのに使われるなんてね」

エル「さっさと行くぞ」

アーケノ「慎重に歩けよ…。踏み外したら………どうにかなるぞ、これ」

インガ「あなぽこだらけで、歩きにくいったらありゃしねーな…」


 【直下 コンマ判定】
 刺客…
 1~3 本腰入れてきおった…パルミラとパラサ
 4~6 ナイリィと不愉快な軍勢
 7~9 3人も同時にきおったぜぃ…


王子「おーう…」

王子「何なんでしょう…?」

王子「【0.00】なんて…いつぶりだよ…」


 【0.00】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 時空的な崩壊の影響で、色々と捩じ曲げられてます。狭間の世界が見えちゃってます。ついでに事態を危惧した情報屋も登場
 奇数 ベテルギウスがとうとう…。世界中で同時多発的に崩壊現象が開始…残り時間は少ないぜぃ…色々とヤバいぜぃ…
 ※0は偶数扱いなんやでぇ~


 バチィィッ
 ズズズズッ…
 ドゴォォォォォォォォンッ…

テレサ「きゃっ…!?」

アーケノ「テレサ…!?」

テレサ「だ、だいじょぶ…」

インガ「地面が落っこちた…と思ったら、何かあんぞ」

エル「………地下でもない、ようだな」

スピカ「これって…一体、どういう――」

情報屋「――時空そのものが崩壊してきているんだ」

アーケノ「うおっ…!?」

テレサ「誰っ…!?」

アーケノ「じょ、情報屋…」

スピカ「え、いつの間に…ていうか、どうやって…」

情報屋「デルザー大陸の崩壊は、物理的なものとは違う。世界そのものが壊れているんだからね」

情報屋「この大地の下には本来、地層があって、地核がある。だけど、それさえもねじ曲がってしまって、本来隔てられている次元が繋がっている」

情報屋「そして…この世界には地上と魔界と天界の三つしかないから、それ以外の場所は――狭間の世界だ」

情報屋「下に見えている、あそこがキミらの目的地というわけだ」

インガ「飛び降りりゃあいいのか」

情報屋「それで行けてしまうほど、世界は壊れかけているね」

エル「だったら飛び降りるぞ」

スピカ「ちょっ、2人とも待ってって…!」

アーケノ「ほ、ほんとに行けるのか…?」

情報屋「長居はしない方がいい。あそこは瘴気に満ちている」

テレサ「瘴気って…」

情報屋「急いだ方がいいよ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 パラサが出てきた…
 4~6 ナイリィと不愉快な軍勢
 7~9 意を決して狭間の世界へ飛び込んだ…


インガ「よし、行くぞ――」ダッ

エル(そう暗くはないな――)ダッ

スピカ「2人とも、躊躇なさすぎっ…!」

テレサ「だ、大丈夫だよね…?」

アーケノ「………行くしかねえなら、行くぞっ!」ギュッ

テレサ「え、あ、アーケノ――」

 ダッ

テレサ「って、引っ張って、いかないで、落っこちちゃ――」

スピカ「うわあ、大胆…」

情報屋「若者はあれくらいがいい」

モニカ「……あなたは、いくつ?」

情報屋「さて、それは高額だよ?」

モニカ「そう…。じゃあいいよ。行こ、スピカ」

スピカ「ま、待って、心の準備が…」

モニカ「しゅっぱーつ」パシッ

スピカ「え、ちょっ――」

 ダッ

情報屋「さて、どうなるかな…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 はぐれた…
 4~6 だだっぴろすぎる空間…
 7~9 ベテルギウスの手下も乗り込んできて、早速バトるよ


アーケノ「――っ…う…」

アーケノ「……あり…? 何で、俺、寝て…」

アーケノ「そうだっ…確か、飛び降りて、それで――テレサっ…いた」

アーケノ「おい、テレサ、起きろ」ユサユサ

テレサ「ん…?」パチ

テレサ「ここ、って…」

アーケノ「狭間の世界…ってヤツだろ」

テレサ「あ、そっか…」

アーケノ「…」

テレサ「みんなは…?」

アーケノ「……見当たらないな」

テレサ「はぐれちゃった…?」

アーケノ「かも…」


 【直下 コンマ判定】
 1 救助を待つ時は…あまり動かないのが得策! だった気がする
 2 とりあえず、狭間の宮ってのを探すか。そこに行けば合流できる…よね?


王子「おもっくそ、ミスってたけど…安価だね。安価の2、把握」

―――――

アーケノ「………とりあえず、行くか」

アーケノ「狭間の宮、って場所に行けばあいつらも来るだろうし…」

テレサ「うん、そうだね」

アーケノ「つっても…」キョロキョロ

テレサ「…………何にも、見えないね…」

テレサ「ずぅーっと…何もない、平らな…」

アーケノ「方向感覚もおかしくなりそうだな…」

テレサ「…だね」

アーケノ「…行くぞ」

テレサ「うん」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 敵だよ! さっきから出そうとしてんのに、全然出てこないのね…
 4~6 まもーの
 7~9 一番乗りっぽい…?


アーケノ「…」

テレサ「…」

 スタスタ

アーケノ「……こっちで、いいと思うか…?」

テレサ「さあ…?」

 スタスタ

アーケノ「…」

テレサ「…」

アーケノ「何も、な――」

 スゥゥゥゥ…

テレサ「……あれ?」

アーケノ「……なくない…?」

 ブォンッ…
 ブゥンッ…
 ブゥンッ…」

テレサ「な、何…?」

アーケノ「知るかよ…取り囲まれてくけど…何だ、この、変な、半透明の…」

テレサ「ゆ、ゆゆゆ…幽霊?」

アーケノ「は、はあ? ゆ、幽霊なんか、い、いいい、いる、いるはず、ねねねねねえだろっ!?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 幽霊的な何かにビビるアーケノとテレサ…魔物なんだけどねー
 4~6 強がって攻撃を始めたアーケノだけど、冷静にならな…
 7~9 幽霊なんていないよね、そうだよね、ってお互いに確認しあいながら、幽霊じゃないって思い込むために戦闘開始や!


 ブゥン…
 ブゥン…

アーケノ「っ…」ビクッ

テレサ「ち、ちちち、ちか、近寄って、きたよ…?」

アーケノ「ちがうちがうちがう、いないいないいないいない、幽霊なんかいない幽霊なんかいない幽霊なんかいない…」ガタガタ

テレサ「ちょっと、アーケノっ…現実逃避しないでよっ!?」

アーケノ「あーあーあーあーあーあーあー、きこえないきこえないきこえないきこえないきこえなーいー!」

テレサ「聞こえてるよねっ!?」

 ポゥゥ…

テレサ「うわあ、人魂ぁーっ!?」

アーケノ「ぎゃーっ!!!!?」

 カッ…

アーケノ「――え」

 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 シャレにならんくらい直撃してもうた…
 4~6 攻撃されてやっと、ビビるのをやめられたけどダメージはダメージ
 7~9 アーケノも場慣れしてきたのう…


 バチバチィッ…

テレサ「っ…」

アーケノ「ふぅーっ…間に合った…」

テレサ「今の…魔法?」

アーケノ「爆裂魔法」

テレサ「……幽霊って、魔法使えるの…?」

アーケノ「………いや…魔法なんか使うのは、幽霊じゃねえだろ…」

テレサ「…」

アーケノ「…」

テレサ「じゃ、怖がる必要なかったね!」チャキッ

アーケノ「べ、別に怖がってねえよ!」

テレサ「怖がってたよ、アーケノ」

アーケノ「誰がどこで、いつ、何時何分何秒に怖がってたんだよ!?」

テレサ「だから今だって――もう、こんなこと言い合ってる場合じゃないよ!」

アーケノ「怖がってなんかないかんな!」


 【安価下1】
 1 久々に、鎖を使って派手に暴れてやりませう
 2 魔法でガンガン攻め立てませう
 3 怖がってなんかなかった、ってテレサによくよく言い聞かせないと沽券に関わる…!


―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


アーケノ「ゆ、幽霊なんかいねえし、こんな連中が幽霊のはずがねえ! 極大・爆裂!」

 カッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

テレサ「うわっ…い、いきなりぶっ放さないでよ!」

アーケノ「どんどんぶっ放してくぞ、おらぁっ! 極大・火球!」

 シュボォォォォォォォォォォォォォッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ

テレサ「わたしだって…!」ダッ

テレサ「でえいっ…!」

 ザシュゥゥッ
 タンッ
 ズバンッ
 シュバババッ
 ズバァァァンッ

テレサ「手応えちゃんとある…!」

アーケノ「幽霊じゃねえんだから当然!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 合体してきた…
 4~6 増えてる…
 7~9 割とあっさりめに倒して、いえーい、ってハイタッチした


 ジャララララララッ
 グギュッ…

アーケノ「ぶった切れ!」

テレサ「うんっ…!」

 ズバァァンッ

アーケノ「でもって、焼却! 極大・劫火魔法!」

 シュボォォォォォォォォォォォォッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

 プスプス…

テレサ「ふぅ…」

アーケノ「よっし、終わった」

テレサ「やったね!」

アーケノ「おう」

テレサ「いえーい!」

 パシンッ

テレサ「じゃ、行こっか」

アーケノ「ん」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ベテル一派が仕掛けてきたよ! しかも…
 4~6 ベテル一派がきたよ
 7~9 魔物を蹴散らしつつ歩いてくと…


?(男の方は、魔法と鎖…。女の方は剣)

?(魔法の火力は高いし、あの鎖も魔法で操ってると見た…)

?(剣は荒削りだが実戦には充分に対応ができる程度…)

?(だったら、魔法の対策と、物理的な防御性能が必要)

?(それで、事は済む――)ニタッ

 ・
 ・
 ・

アーケノ「…広すぎ…」

テレサ「だね…」

アーケノ「…」

テレサ「…」

アーケノ「反対に行ってたり、しねえかな…?」

テレサ「でも、正しい方向なんて分からないし…それじゃ歩きようがないよ」

アーケノ「それはそうだけど…」

?「――心配するな、少年少女」

アーケノ「っ…!?」

 スゥゥゥッ…

?「キミらはここで、あの世に行くんだ」


 【安価下1】
 ひっさびさな敵さんの登場だよ
 名前と性別をおなしゃーす


アーケノ「敵か…!」ジャラッ

テレサ「でも…どうして、ここに…」

ムニ「そんな些事はどうだっていい。とっとと、くたばりたまえ!」

 ブワァァァァァッ

アーケノ「っ…何だっ…!?」

 ズズズ…

テレサ「ゴーレム…?」

ムニ「さあ行け!」

ゴーレム「ゴォォォ…!」


 【安価下1】
 1 魔法でぶっ飛ばすのだ
 2 鎖で攻撃するのだ
 3 ムニを直接、攻撃するのだ
   A 魔法
   B 鎖
   C 接近戦


 ブォンッ
 ズガァァァンッ

アーケノ「うおっ…!」

テレサ「地面が割れた…!」

ゴーレム「ゴォォォ!」

アーケノ「させるかよ…!」

 ジャラララッ
 ガシィィィッ

アーケノ「このまま、ぶん投げてやらぁっ…!」

 ググッ
 フワッ
 ズッシィィィィィィンッ…


 【直下 コンマ判定】
 1~3 クッソ頑丈な模様…
 4~6 ダメージうっすいな、おい
 7~9 あしらうのは、できる


ムニ「ムダだよ、そんなの」

ゴーレム「ゴォォォ…」ググッ

テレサ「そりゃ…起き上がるよね」

アーケノ「…自重でワンチャン、あると思ったんだけどな…」

ゴーレム「ゴォォォォ!!」ブォンッ

アーケノ「て、早っ――!」

 ジャララララッ
 ビィィンッ…
 ズドォォォォンッ

テレサ「やっぱりこういうのは、直接攻撃で…!」ダダッ

テレサ「でえええいっ!」

 ブォンッ
 ガキィィィンッ…

テレサ「~~~っ…手が、痺れ――」

ムニ「やっちゃいな」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 テレサー
 4~6 障壁魔法が一発でぶち破られちゃうパワー
 7~9 あれこれけっこうあれじゃね、って気づいた


ゴーレム「ゴォォォォォォォォ!!」

 ブォォォォンッ

アーケノ「障壁、と――!」

 バリィィィィィィィンッ
 ジャラララララララッ
 ガシィィィッ

ゴーレム「ゴォォォォォォォ!」

アーケノ「ぐ、おおっ…!」ズズズ

テレサ「あ、ありがと…アーケノ…!」ザッ

アーケノ「これも、食らっとけ…! 極大・爆裂魔法!」

 カッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

テレサ「…っ」

ゴーレム「ゴォォォォ…」

アーケノ「効いてない…?」

アーケノ(やべえな…あしらえるのはできるけど…すげえパワーだし、爆裂魔法直撃させたのに傷一つ…)

ムニ「まだまだ続くよ? さあ次はどうする?」

ゴーレム「ゴォォォォ…!」

テレサ「また来る…!」


 【安価下1】
 1 ムニへ攻撃だ
   A 魔法
   B 鎖
   C 近接
 2 ゴーレムをどうにかしよう


アーケノ「だったら、直接、あいつを…!」

 ヒュォンッ
 ジャラララララッ

ムニ「ムダムダ」

 バチバチィィッ
 ガシャァァンッ

アーケノ「障壁、魔法――」

テレサ「アーケノ、ゴーレム!」

ゴーレム「ゴォォォォォォォ!!」

アーケノ「!?」

 ブォォォンッ
 ドッゴォォォォォォォォォォンッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 鎖使ってたからね、ゴーレムの攻撃を防げなかったね
 4~6 爆裂魔法で自分をぶっ飛ばして、どうにか直撃は免れた
 7~9 ひょえっ…てとこで
     7 エル
     8 インガ
     9 モニカ&スピカ


 グシャァァァッ
 メリメリィィィッ…

アーケノ「っ、ぐ――」

 ドッゴォォォォォォォンッ

テレサ「アーケノ――」

ムニ「まず1匹。次もやれ」

ゴーレム「ゴォォォォォォォォ!!」ブォンッ

テレサ「う、わっ…!?」ザッ

 ドッゴォォォォォォンッ

ゴーレム「ゴォォォォォォォォ!!」

 ブンブンブンブンブンブンッ

テレサ「ちょっ、待っ、何、その…連打…!?」

アーケノ「げっほ…ごほ…クッソ…」ムクッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ムニまで攻撃に参加してきた(白目
 4~6 ゴーレムあかんな
 7~9 ゴーレムは鎖で対処はできる…破壊には至らないけど…


アーケノ「木偶が…!」

 ジャラララララッ
 グルングルンッ…

ムニ「ん――?」

ゴーレム「ゴォォォォォォォォォ!!」ググッ

テレサ「っ…あれ…」

アーケノ「はっ…はっ…」

ムニ(関節部分に鎖を巻きつけて、動きを封じてきたか…)

ムニ(あれじゃ引きちぎるのも振り払うのもできない…)

アーケノ(鎖は足止めにしかできないけど…)ヨロッ

アーケノ「てめえをぶっ飛ばせばいいだけだ…!」

ムニ「……ふうん?」


 【安価下1】
 1 テレサ、行くぜ
 2 魔法じゃい!
 3 行け、テレサ


アーケノ「極大・火球魔法!」

 シュボォォォォォォォォォォォォォォッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ

アーケノ「行け、テレサ…!」

テレサ「言われなくても…!」ダダッ

 シュゥゥゥゥッ

テレサ「ぜえいっ!」

 ブォンッ
 バチバチィィィッ

ムニ「ワンパターンだな、キミらは」

テレサ「また、これ…!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ふつーに戦っても強いっておい
 4~6 鎖で動きを封じてたゴーレムが…!
 7~9 2人だけじゃつらいよ
     7 エル
     8 インガ
     9 モニカ&スピカ


テレサ(これじゃ攻撃が届かない――一旦、距離を取って…!)ザッ

ムニ「じゃ、反撃といこうか」

ゴーレム「ゴォォォォォォォ!!」

アーケノ「なっ…!?」

 グニュッ…
 ヒュバッ

アーケノ(何だ!? ゴーレムの体を鎖がすり抜けた…!?)

ムニ「特別製なんだよ、それは。たっぷり味わってくれよ」

ゴーレム「ゴォォォォォォォォ!!」

 ブォォォォンッ
 ドゴォォォォォンッ

テレサ「ぐぅっ…!」

アーケノ「クッソ、どうすりゃいいんだよ…!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 防戦一方な展開に
 4~6 物理攻撃は硬くて弾き返されるし、鎖で動きを封じようとした一瞬だけゲル状になってすり抜けられるし、魔法ぶちこんでもきかないし…
 7~9 増援くれよ、な? 仲間ってこういう時に出てくるもんじゃん? 789はそれぞれ、エルインガモニカ&スピカで変わらずよ


 ジャラララララッ

ゴーレム「ゴォォォォォォォ!」

 ブォォォンッ
 ガシャアアアアンッ

アーケノ(鎖の盾もダメ…!)

ゴーレム「ゴォォォォォ!」

 ブォォォォンッ
 ドッゴォォォォォォォォォンッ

アーケノ(パンチの余波で、ぶっ飛ばされるとか…!)ズザァッ

テレサ「でぇえええいっ!」

 ヒュバッ
 ギィィィィィンッ

テレサ「ダメ、やっぱり…硬すぎ…!」

ゴーレム「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」

 ギュォォォンッ…

アーケノ「障壁!」

 カァッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

 バチバチィィィッ
 ピシピシィィィッ…

テレサ「ありがと、アーケノ!」

アーケノ「来てるぞ、今度は壊される!」

ゴーレム「ゴォォォォォォォォ!!」

 ブォォォォンッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォンッ

ムニ「ほらほら、さっきから同じことの繰り返しだ。つまらないよ。どうにかしなよ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 つまんないから、ってムニまで参戦してきた…
 4~6 現状維持が手一杯
 7~9 閃け!


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 エル&インガ登場。…この2人のコンビは、色々とゴリ押しが怖いね。戦闘時に限っては頼もしいけど
 奇数 暇だよー、ってムニが2体目のゴーレム作りおった…
 ※0は偶数扱いよ


アーケノ(魔法がさっぱり通じないんじゃ、火力が足りない…!)

アーケノ(俺やテレサじゃ、あんな硬いゴーレムに物理的にダメージ与えらんねえし――)

ゴーレム「ゴォォォォォォォォォ!!」

 ブォォォォンッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォッ

テレサ「っ…!」

ムニ「はあ…もう引き出しはなさそうだ。仕留めちゃおうか」

ゴーレム「ゴォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 ギュォォォンッ…

アーケノ「また、何かくる…!?」

 ダダダッ
 ダンッ

テレサ「!?」

インガ「人形遊びなんか楽しいかよ?」

アーケノ「インガっ…!?」

 ブォォォンッ
 ドッゴォォォォォォォォォォッ

ゴーレム「ゴゴ――」

ムニ「力押しで…!?」

 ヒュォォォォンッ

ムニ「!」ザッ

 ズドォォォォォンッ…

エル「避けたか…」チャキ

テレサ「エルも…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ムニが面白がってゴーレムを増やしてきた…
 4~6 ゴーレムの相手はエルとインガがやってるから、ムニと戦おう
 7~9 力こそパワーだ、を地でいくやつら


ゴーレム「ゴォォォォォ!!」

インガ「かかってきやがれぇ!」

 ブォォォンッ
 ドッゴォォォォォォォォォォッ
 ズズズッ…

インガ「っ――なかなか、ってとこ、だな!」グンッ

ゴーレム「ゴォォォォォ!」ヨロッ

インガ「手ぇ貸せ、エセ神父!」

エル「命令をするな」

 パァァァァァァッ

アーケノ「っ…サンキュ」

エル「あの女はお前らでやっていろ」

アーケノ「分かった」

ムニ「……まあ、いっか。これはこれで」

アーケノ「覚悟しやがれ、こんにゃろう…!」


 【安価下1】
 1 鎖や
 2 魔法や
 3 テレサと一緒に攻撃や


アーケノ「極大・劫火!」

 シュボォォォォォォォォォォォォォォッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

 タタタッ

テレサ「ここでっ…!」

 ブォォォンッ
 ギャリィィィッ

テレサ「!?」

ムニ「ただゴーレムに命令出すだけとか思ってた?」

 ギャリィンッ
 ブォンッ
 シュタッ

テレサ「っ…」タジ

アーケノ(一筋縄じゃ、いかねえか…!)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 魔法を跳ね返された…
 4~6 障壁魔法が厄介
 7~9 まあでも2対1だし…


アーケノ(けど、どうせゴーレムが本命のヤツだろ。だったら、ガンガン攻め立ててれば…!)

アーケノ「極大・爆裂劫火!!」

 カァッ
 シュボォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ

アーケノ「今だ! さすがにこれなら…!」

テレサ「うんっ…!」

 ダダダッ
 ブォォンッ

 バチバチィィィッ

ムニ「甘いねえ…」

テレサ(障壁、魔法…!)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 カウンター
 4~6 くっそう…
 7~9 さっき見てたし!


ムニ「近づきすぎだよ――風刃」

 ヒュバァァッ
 ズバァァァンッ

テレサ「あっぐ…!?」

アーケノ「テレサ…!」

ムニ「さ、次はどうす――」

アーケノ「極大・劫火!」

ムニ「聞かないのか」

 シュボォォォォォォォォォォォォォッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

ムニ「――ま、無意味だけれど。極大・竜巻魔法」

 ビュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

アーケノ「嘘っ、火が…巻き返されて…!?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ふつーに強いやんけこんちくしょー!
 4~6 凌いだと思ったら、接近戦を仕掛けられた
 7~9 エルがゴーレムよりムニの方に興味を示して参戦してきた


アーケノ「障壁…!」

 バチバチィィッ

アーケノ(これなら凌げる――)

 ザッ…

ムニ「で、どうするの?」

アーケノ「こいつ…!?」

 ブォォォンッ
 バチバチィィィッ

 バリィィィィィンッ

ムニ「ほらほら、まさか? ゴーレムよりも弱いんじゃないかとか、期待してなかったよね?」


 【安価下1】
 1 鎖で応戦
 2 魔法でぶっ放す
 3 障壁で凌ぎつつ隙をうかがう


アーケノ「っ――極大・爆裂魔法!」

 カッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

 バチバチィッ

ムニ「学習したら? その程度は防げるんだよ?」

アーケノ「クッソ――」

 ザシュゥゥッ
 ズバズバァァァァッ

アーケノ「あ、っが…!?」

テレサ「でいやぁぁっ!」

ムニ「おっと――」

 スカッ

テレサ「とうっ!」

 ブォンッ
 ギャリィィィッ

ムニ「もっと楽しませてくれなきゃ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 あれだね。攻撃力よりも防御性能に特化してるタイプだね。やりにくっ!
 4~6 2人がかりなのに…あしらわれてる
 7~9 なめんなボケなす


アーケノ「こいつ!」

 ジャラララッ
 グルンッ…

ムニ「そうくるか――」パッ

アーケノ「えっ…」

テレサ「今の内に!」

ムニ「障壁」

 バチバチィィィィッ

アーケノ「でも、獲物はねえんだ…! 大・火球!」

ムニ「だからさ、学習しようよ――極大・烈風」

 ビュォォォォォォォォォォォォォォォォッ
 ズバズバズバァァァァァッ

テレサ「きゃっ…!」

アーケノ「ぐ、クソ…!」


 【安価下1】
 1 魔法で倒すんだもん! 曲げないもん!
 2 テレサと連携しながら仕掛けていこう
 3 鎖の汎用性をなめるなー!


ムニ「それしかできないの~? つまんなーい」

アーケノ「言ってろ…! テレサ、一緒に仕掛けるぞ!」

テレサ「うんっ…!」

ムニ「…ふーん…」

 ヒュバァッ
 ジャララララッ

ムニ(鎖で牽制して…)ヒョイッ

テレサ「はあっ…!」

ムニ(斬りかかってきておいて――最初に放った鎖を再利用)

 タンッ

アーケノ「えっ…」

テレサ「ちょっ…!?」

 ジャララララッ
 グオンッ

アーケノ「何で読まれてんだよ…!?」

テレサ「あっぶな――あれ、あの人、どこに消えたの…?」

アーケノ「あん? ……あ、れ…?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 姿を見せないまま攻撃してくる…どいひー…
 4~6 あっぶね!
 7~9 だったら全包囲攻撃じゃーい


 ズバァァァァァッ

アーケノ「っ…!?」

テレサ「アーケノ…!」

アーケノ「消えてる…ほんとに、あいつ、姿消してやがる…!」

テレサ「それ…どう、すれば…」チャキ

アーケノ「クソ…」

 ヒュオンッ
 ザシュゥゥッ

テレサ「あうっ…!?」

アーケノ「ちまちま…しやがって…」


 【安価下1】
 1 鎖を体に巻きつけておく。こうすればダメージなんか…
 2 心の眼で見るんだ…
 3 まどろっこしいから魔法で周囲をぶっ放したるわ


アーケノ「だったら…」

 ジャラララ…
 グルグルグルグル…

テレサ「…………一応聞くけど、何してるの?」

アーケノ「こうしとけば、ちょろっと切られる程度、どうってことねえだろ」ズシッ

アーケノ「どっからでもかかってきやがれ…」

テレサ(………ひどい見た目になってるけど…まあいっか)

ムニ「キミってバカ?」

アーケノ「っ…!?」バッ

アーケノ(重い…!?)

 ゲシィィッ

アーケノ「う、お…!?」ドサッ

テレサ「ちょっと…!?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 著しく機動性を損なってしまった…これは失敗だ
 4~6 痛くはなかったけどちょっとあれだった
 7~9 なんてね!!


―――――

 きり悪いですが、本日はここまでです
 ありがとうございました


 後ろから蹴り倒され、鎖の重さで倒れかけるアーケノ。
 だが、巻きつけている鎖は完全にアーケノが制御し、自在に動かせるようになっている。

アーケノ「――なんちゃって」

 自分の体を動かすのではなく、身に纏った鎖を動かしてアーケノは片手を突いた。
 肉体を人形のように鎖で動かしているのだ。

ムニ「!」

 俊敏に素早く反転して起き上がり、左足の義足をスプリング状にして変形させて飛び出す。

 シュバァッ
 バチバチィィッ

 飛び出した勢いで繰り出した拳は、障壁魔法に阻まれた。
 だが、障壁魔法は素早く二発以上の衝撃を叩き込めば壊れやすい。

テレサ「ナイス、アーケノ…!」

 即座に察したテレサがさらにムニの障壁へ剣を叩きつけた。
 ピシピシと音を立てながら障壁にヒビが入り、そして壊れる。

 バリィィィィンッ

アーケノ「やっと剥き出しだなぁっ!?」


 【安価下1】
 1 そのまま、全力パーンチ
 2 極大・爆裂劫火魔法
 3 義足を刃に変えて、蹴り上げることで斬れるのだ!! これぞ奥の手! …手? 足?



ムニ「くっ…!」

ムニ(拳か、魔法か、鎖か――? すぐに対策を――)

アーケノ「どおおおりゃあああっ!」ブォンッ

ムニ(蹴り――いや、この足は!?)

 ブォンッ
 ズバァァァッ

テレサ「一気に、終わらせる…! でえええええいっ!」

 ブゥゥンッ
 ズッバァァァッァンッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ムニの奥の手…
 4~6 もう一押し!
 7~9 勝った!


ムニ「ぐっ…!」

アーケノ(まだ倒れねえ…!)

ムニ「極大・烈風魔法!」

 ビュォォォォォォォォォォォォォォォォォッ
 ズバズバズバァァァァァァァァッ

テレサ「きゃっ…!」

アーケノ「痛っ…クソ…! 大・爆裂魔法!」

 カッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォッ

ムニ(爆裂魔法でかき消してきたか…!)

アーケノ「あと何発ぶち込めばいいんだぁっ!?」ダッ

ムニ「風刃!」

 ヒュバァッ

テレサ「そこっ!」ブォンッ

 ギィィィンッ

ムニ「見切っただと…!?」


 【安価下1】
 1 魔法の鎖の真骨頂! 超質量巨大武器攻撃だ! 一気に決めるぜ!
 2 男なら、殴って勝負は、終わらせよう! 字余り
 3 魔法で追い立てていこう


 ヒュォッ
 ジャララララッ

ムニ「鎖如き…!」パシッ

 グルンッ
 グイッ

ムニ「逆に捕まえて――」

 ジャララララッ

ムニ(鎖が、伸び続けて引っ張れない…!?)ヨロッ

アーケノ「もらったぁああああああ―――――――――――――――――っ!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 クロスカウンター!!
     1 アーケノ…
     2 みっともない…
     3 ギリ勝てた
 4~9 勝てた!
  0  まだ続くん…?


 ブォォォンッ

ムニ「!?」

 ドグシャアアアアアアアッ
 ゴロゴロゴロッ
 ドサッ…

ムニ「」

アーケノ「ふぅーっ…」

テレサ「………容赦ないね」

テレサ「3回転くらい、転がっていったよ…」

アーケノ「ハッ、殺しにきといてこれで済むなら安いもんだろ」ペッ

テレサ「……まあ、ゴーレムとかヤバかったし――ってそうだ、ゴーレム…!」バッ

ゴーレム「ゴォォォォ…」ドスゥンッ

インガ「あー、かったるかった」グイッ

エル「手応えがないな」チャキ

アーケノ「…」

テレサ「…」

アーケノ「………めちゃくちゃ、形変わってたな、ゴーレム」

テレサ「何かもう、ぼろっぼろだったね…。何したの、あの2人…?」

アーケノ「ゴリ押し…?」

テレサ「筋肉すごい」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 建物らしいものがやっと見えた! …と、思ったら、ら、ら…?
 4~6 モニカとスピカと合流できた
 7~9 狭間の宮に到着だぜ!


インガ「なーんもねえなー、って歩いてたらドンパチやってたから行ってみたらお前らいるんだもんな」

アーケノ「ああ…そういう…」

テレサ「助かったから良かったけど」

エル「…あと2人は?」

アーケノ「しらね。はぐれたし」

テレサ「そっちは一緒だったの?」

インガ「まさか」

エル「着いたのが同時だっただけだ」

テレサ「まあ…嬉しい偶然…?」

アーケノ「あとは、狭間の宮ってとこに到着できればいいんだけど…」

エル「ん…?」

テレサ「あれっ?」

インガ「向こうに、何かあるな」

アーケノ「…あれか?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 これが狭間の宮かなー?って中に入ってみたら、モニカとスピカがいたんだけど、あかん…て顔された
 4~6 人質とは卑怯な…ていうか、モニカとスピカさん、揃って何しとるんですか
 7~9 狭間の宮、っぽいんだけれども…入口がない。モニカとスピカもいて、さんざん調べ尽くしたらしい…


テレサ「あっ、モニカとスピカいる! おーい!」

モニカ「ん? あ、来た」

スピカ「無事だったんだね。良かった」

アーケノ「…ま、一応?」

インガ「そっちは?」

モニカ「すぐにこれ見つけたんだけど…」

エル「中に入らないのか?」

スピカ「入れないんだよ…。入口が、見つからなくて」

アーケノ「入口?」

テレサ「………えっと…ここ、入口っぽいけど?」

モニカ「行ってきていいよ」

テレサ「いいよ…って…」

 スタスタ…

アーケノ「…」

モニカ「…」

 スタスタ…

アーケノ「戻ってきた…」

テレサ「行き止まりになってた…」

スピカ「隠されてる入口でもあるのかな、って探してみたけど、さっぱり」

モニカ「中に入る方法が分からないの」

エル「…面倒だな」


 【安価下1】
 1 じゃ、壊すか
 2 ちゃんと調べろよ
 3 アーケノ達も調べてみよう


インガ「よっし、じゃあぶっ壊す――」

 ガシッ

インガ「……放せよ」

モニカ「壊れると仮定して、盛大に壊れたら…抑止力も分からなくなっちゃうかも」

インガ「それがどうした?」

モニカ「本末転倒になっちゃうから、それはやらないで?」

インガ「…めんどくせっ」

テレサ「とにかく、わたし達も調べてみよ。壊すのはなしの方向で」

エル「…………ちっ」

アーケノ(こいつも壊す気だったのかよ…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 分からぬっ! て、モニカ以外が投げ出した。スピカは頭脳派ではないんだよ
 4~6 変な、仕掛けっぽいのを見つけた
 7~9 おや? ふるくさーい文字が…


アーケノ「…」ペタペタ

アーケノ「何もねえ…」

エル「…」ジィッ

アーケノ「ん…?」

アーケノ(エルが、すげえ真剣な顔してる…。…………ま、いつも仏頂面だけど)

アーケノ(でも、何見てるんだ…?)チラッ

エル「…」

アーケノ「…?」

アーケノ(壁の、しみ…?)

エル(トレバーは…おねしょされた布団を持ち上げられるだけの体力があるのか…?)

アーケノ(何考えてんだろ、あんなマジメな顔で…)

<おーい、みんなー

<何かみっけたの、きてきてー!

アーケノ「!」

 ・
 ・
 ・

テレサ「えっへん」

インガ「何だこれ?」

モニカ「…字だね」

スピカ「読めないけど…」

アーケノ「読まないんじゃ、意味なくね…?」

エル「…」

テレサ「か、解読さえできれば…」

スピカ「解読って言っても…資料とかがないと、さすがに難しいよね…」

テレサ「…」

モニカ「読めた」

アーケノ「はっ?」

インガ「読めんのかよ?」

モニカ「これ、前に解読したヤツと同じ字だったから。覚えてたし」

スピカ「……覚えてたんだ…?」

エル「何と書いてある?」

モニカ「『交わらざる禁忌の結実を示せ』」

スピカ「………交わらざる…?」

インガ「禁忌の結実ぅ…?」

モニカ「…」チラッ

アーケノ「ん?」


 【直下 コンマ判定】(モニカとの友好度:+3)
 1~3 ハーフのアーケノがいればいいんだよ、って
 4~6 ジェスチャー…?
 7~9 何だろうねー、って言いつつもモニカにこっそり呼び出された


モニカ「何だろうね?」

テレサ「だろうね、って…」

スピカ「うーん…」

インガ「…」ホジホジ ←考える気なし

エル「…」←考えてるようで何も考えてない

アーケノ「読めても意味が分からないんじゃ…ん…?」

モニカ「…」チョイチョイ

アーケノ「…?」

モニカ「しーっ…」

アーケノ「…」

モニカ「…」スタスタ

アーケノ「…?」スタスタ

アーケノ「何だよ…?」

モニカ「『交わらざる禁忌の結実を示せ』」

アーケノ「それが?」

モニカ「多分、アーケノがいればいいと思うの」

アーケノ「俺…?」

モニカ「人間と魔族のハーフなんて、そのまま、交わらざる禁忌の結実でしょ?」

アーケノ「っ…」

モニカ「皆の前で言うと、ちょっとあれかと思って」

アーケノ「………でも…示せって?」

モニカ「入口っぽいところの奥、入った? あそこに、変な台座みたいのがあったの」

アーケノ「ああ、あれな…」

モニカ「触った?」

アーケノ「触った」

モニカ「………じゃあ、他に…。そうだ、血とか? ちょっと垂らしてみて」

アーケノ「…違ってたら?」

モニカ「舐めて止血してあげる」

アーケノ「いいっての…」

モニカ「じゃ、とりあえずやってみて」

アーケノ「……まあ、いいけど…」

モニカ「はい、ナイフ」

アーケノ「…こんなで開くのかよ…?」

 ・
 ・
 ・

モニカ「抑止力、ゲット」

アーケノ(開いちゃったし…)

スピカ「どんな仕掛けだったの?」

モニカ「よく分からないけど開いたよ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 世界の崩壊はデルザー大陸だけで収まっていなかった…だと…。程度は異なるけど
 4~6 3つの抑止力を揃えられた…と思ったら、ら、らー…?
 7~9 崩壊の影響で、人魚達はかろうじて…? 【0.00】偶数だったし、こんくらいのサービスはええやろ?


 ――人魚達の孤島――

 バシュンッ…

スピカ「お迎え来たよ――って…」

 バチバチッ…
 ゴゴゴ…

テレサ「えっ…何これ…?」

モニカ「…崩壊?」

インガ「にしちゃ、壊れすぎじゃね?」

エル「…人魚の姿も見えない」

アーケノ「何か、あったのか…? つか、デルザー大陸と同じようなことなってるし…」

テレサ「皆、無事なのかな?」

モニカ「探そ」

ジェシカ「その必要はねえよ」

インガ「お、メスゴリr」

ジェシカ「死ねこらっ!」

 ブォォォンッ
 ガシィッ

インガ「っぶねー…」

ジェシカ「ちっ…」

モニカ「何があったの?」

ジェシカ「説明は後だ。…それに、急にそこら中がバチバチし始めてな…。デルザー大陸はどうだった?」

アーケノ「向こうの方が酷いけど…」

ジェシカ「どっちにしろ…世界中に広がってるっぽいか。……とにかく、移動しよう。向こうにシリウス達もいる」


 【安価下1】
 1 ヴァーゴ王国へ戻ろう
 2 丘陵の町へ戻ろう


 ――暗夜王国・丘陵の町――

 バシュゥン

ラジエ「うおおおおおおっ!? うおおお、おおおおおおおおっ!?」バタバタ

ミーシャ「わー、わー、わーっ! わーっ!」バタバタ

ジェシカ「……何だ、この騒ぎ…?」

ラジエ「ハッ!? あ、姐g」

ミーシャ「ジェシカーっ!」ガバッ

ジェシカ「うおっ…どうした?」

ラジエ「こらミーシャ、お前、それは俺の役目――」

ジェシカ「るっせえ」ブンッ

 ガツンッ

ラジエ「かはっ…」ドサッ

ミーシャ「大変なの、大変すぎて、もう大変っていうか、大変なの!!! もうっ!」

ジェシカ「何でキレてんだよ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ここも崩壊現象が…
 4~6 とっくに取り下げられてる手配書で大騒ぎしてた…なんというタイムラグ
 7~9 産婆さんも町医者もいないのに旅してた妊婦が産まれそうで大騒ぎしてたんだって。結局どうにかなった。…平和かよ


ジェシカ「はぁぁ…ったく、大騒ぎしやがって」

スピカ「平和でいいじゃない」

ジェシカ「ここを空けてるのが不安になってくる…」

モニカ「でも、もう少しだからいいんじゃない?」

テレサ「そうだよね…抑止力が3つ揃ったし、これで、どうにかなるんだもんね?」

インガ「で、具体的にどう、どうにかなるんだよ?」

シリウス「確かに…不思議な力こそ感じられるが、特別すごいようなものでもないしな」

アーケノ「剣と、鏡と、変なアクセサリ?」

ライド「この3つを、どう使うかも分からないしね…。持ってるだけでいいのかな?」

ジュダル「じゃ、ベテルギウスのとこに出発!」

ヨダカ「どこにいんだよ…」

エル「世界樹じゃないのか?」

シリウス「そこにまだいてくれるなら、探す手間は省けるが…」

テレサ「でも…やっと、終わるんだね」

アーケノ「…終わる、か」

ジェシカ「そうだな…。ま、どうなるかはまだ分からねえが、ベテルギウスを倒せばいつもの日常へ戻るわけだ」

ライド「……日常…」

ジュダル「何だか変な気分になってくるかも…」

モニカ「感慨深い?」

ジュダル「かんがいぶかい…?」

ライド「しみじみ…って感じ、かな」

スピカ「ベテルギウスの場所を特定したら、最後の出発になるね」

ジェシカ「そうだな…」

シリウス「各自、抜かりのないように準備をすることだな」

アーケノ「…」

アーケノ(ベテルギウスを倒したら…終わり、か…)



―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


王子「皆さんこんばんは。年の瀬が迫ってきましたね」

王子「この時期に風邪をひいちゃうと、色んなイベントがあれこれとなってしまうので体には気をつけてください」

王子「と、挨拶をしたとーこーろーでー、今日も開始しまーす!」

王子「とうとう抑止力なるものを3つ揃えたアーケノ達! あとはベテルギウスを倒すだけだ!」

王子「ま、そう簡単に倒すのは難しいだろうけど…ともかく最終決戦が近いぜ! そんなわけで!」

王子「安価です」


 【安価下1】
 1 最終決戦前にちょいちょい、キャラごとのエピソードも回収しときたいよね。モニカとヨダカとか、シリウスとマリリーとか、その他いろいろ?
 2 さっさと最終決戦いこうぜ、オーライ!


 ――暗夜王国・丘陵の町・領主邸――

スピカ「んー…」

ジェシカ「どうだ?」

スピカ「ちょっと、精度良くないかも…地里魔法も万能じゃないからね」

スピカ「時間を置かないと…ベテルギウスの居場所を突き止められないよ」

シリウス「そうか…」

アーケノ「時間を置くって、どんくらい?」

スピカ「さあ…?」

テレサ「さあ、って…」

ヨダカ「分かるようになんのかよ?」

スピカ「まあ、多分…」

エル「…だったら、その間は何もすることがないのか?」

ジュダル「そうなっちゃうよね」

ライド「じゃあ…ベテルギウスとの決戦に色々と備えた方がいいかも…知れないよね」

モニカ「心残りがあるなら、先に解決しておくとかね」

ジェシカ「……そうだな…。どっちにしろ、動きようがねえし」


 【安価下1】
 さて、誰からやろうか
 1 モニカ
 2 シリウス
 3 スピカ
 4 ヨダカ
 5 エル
 6 ライド
 7 ジェシカ
 8 インガ
 9 ジュダル
 ※選んだキャラのサブなエピソード的なものをやってくよー


ヨダカ「………んー…」

アーケノ「ん? ヨダカ、どうしたんだ? てっきり、厨房にこもってお菓子作りまくってると思ったら、腕組みなんかして…」

ヨダカ「……お前か」

アーケノ「何だよ?」

ヨダカ「新作を考えてるんだけど、いまいち、ピンとこないんだよ…」

アーケノ「新作…?」

ヨダカ「ケーキは、素手で食うとどうしても手が汚れるだろ」

アーケノ「…あれって素手で食べるもんじゃないだろ」

ヨダカ「だから、もっと手軽にケーキを食えるような…」

ヨダカ「…………いいアイデアが浮かばねえ…」

アーケノ(何悩んでるんだこいつ…)


 【安価下1】
 1 ひとりで考えてもダメなら、誰かに聞いてみれば? って
 2 いつも菓子創作してんの? って
 3 アイデアが欲しいなら、何かインスピレーションを受ければいいんじゃね? って


ヨダカ「何か…いい方法…うーん…」

アーケノ「……よく分からねえけどさ」

ヨダカ「ん?」

アーケノ「ただ腕組んで考えるより、何か…インスピレーションみたいなの受けたらいいんじゃね?」

ヨダカ「インスピレーション…」

アーケノ「具体的には知らないけど」

ヨダカ「………そうか…それも、そうだな…だったら…」ブツブツ

アーケノ(お、いい具合…?)

ヨダカ「…アーケノ」

アーケノ「あ?」

ヨダカ「ちょっとつき合え」

アーケノ「何に?」

ヨダカ「食材調達」

アーケノ「食材調達ぅ?」

ヨダカ「いいのが見つかったら、いい発想が出てくるかも知れないだろ」


 【安価下1】
 食材調達に連れていきたい仲間を、2人まで選んでね。1人でも可
 1 モニカ
 2 シリウス
 3 スピカ
 4 テレサ
 5 エル
 6 ライド
 7 ジェシカ
 8 インガ
 9 ジュダル


 ――暗夜王国・某所・森――

ジェシカ「何であたしが…」

シリウス「そう文句を言わなくてもいいんじゃないか?」

アーケノ「暇そうだったんだからつき合えよ」

ジェシカ「休んでたんだよ…」

ヨダカ「ちゃっちゃと探せよ!」

アーケノ「何だっけ…えーと、ブドウみたいなのだけど、黄色くてでっかい粒のやつ…?」

シリウス「そんな果物があるのか?」

ヨダカ「あるって聞いた」

ジェシカ「聞いた、ってな…」

シリウス「どんな味がするんだ?」

ヨダカ「酸っぱいらしい」

アーケノ「酸っぱいぃ? そんなの菓子にすんのか?」

ヨダカ「酸味なめんなよ。すっきりしててうまいんだから」

シリウス「確かに、酸味はいいものだ」

ジェシカ「まあな…」

アーケノ「………酸っぱいんだろ…?」

ヨダカ「子ども舌にゃあ分からねえんだよ」

アーケノ「外見は1番ちっさいくせに…」

 ゴソゴソ…
 ガサガサ…

アーケノ(ブドウみたいな、でかい果物…黄色いやつ…)

アーケノ(ほんとにそんなのがあるのか…?)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 見つからないのう…
 4~6 魔物か
 7~9 おや


アーケノ「んー…」ガサガサ

シリウス「高いところにあったりするのか…?」

ジェシカ「さーてな…」

ヨダカ「見つかんねえな…ほんとにあんのか、ここに…?」

アーケノ「確信ねえのかよ…」

ヨダカ「仕方ねえだろ」

ジェシカ「何がだよ…」

ヨダカ「…………別に」プイッ

シリウス「何故、そこで拗ねる…?」

 ガササッ

アーケノ「何だ?」

ジェシカ「魔物だ!」

 ガササッ
 ドドドドッ

魔物「ブモォォォォォッ!!」

ヨダカ「邪魔すん――あっ、あれだ!」

アーケノ「あれって?」

シリウス「それより目の前の魔物を倒すぞ!」


 【安価下1】
 1 鎖で
 2 魔法で
 3 仲間任せで


アーケノ「そうだな…!」

 ジャラララッ
 ブォォォンッ

アーケノ「大人しく、しやがれっ!」

魔物「ブモォォッ!?」

 ビシィィィッ
 ドゴォォンッ

ジェシカ「いい具合に肥えてやがんな、うまそう、だっ!」

 ブォォォンッ
 グシャアアアッ

シリウス「生命力も強い。頭を潰されて、まだ立ち上がろうとはな」クルルッ

魔物「ブモ――」

 ズドォォォォォッ
 バチバチィィィィッ

魔物「」ドサッ

シリウス「血抜きをしておこう」

ジェシカ「ああ、うまそうだ」

アーケノ「おい…。って、ヨダカは――」チラッ

 ボトボトッ

アーケノ「うおっ…」

ヨダカ「ちゃんとキャッチしろ、傷めるなっての」フワフワ

アーケノ「魔物そっちのけで収穫かよ…」ヒョイ

アーケノ「……で、これが、その果物? けっこう、デカいな。それに、確かに黄色い…」

シリウス「香りも良いな。柑橘類か」

ジェシカ「粒ってか、果実が寄り集まってるな。確かにブドウみたいな具合に実ってるが…」

 ストッ

ヨダカ「よし…グレープフルーツと命名してやろう、この俺が」

アーケノ「何で、グレープ?」

ヨダカ「ブドウみたいになってるから」

シリウス「で…これはどんな味がするんだ? こんままかじりついていいものか…?」

ヨダカ「………皮剥くのか? でも硬いな…」

ジェシカ「とりあえず食ってみりゃあ分かるだろ。アーケノ、食っていいぞ」

アーケノ「何で俺が…」

ヨダカ「ほら食え」

アーケノ「………ったく…。どれ…」

 ガブッ…

アーケノ「………………酸っぱぁぁっ!?」

シリウス「確かに…けっこう、酸っぱいな」モグモグ

アーケノ「ぺっぺっ…うぇぇ…酸っぺえ…。つか、ヨダカが食えよ…インスピレーションだろ」

ヨダカ「……ん、まあ…」

ジェシカ「インスピレーション?」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 それだけでもない…感じがしないでもない具合だったけど、ヨダカは語らず
 4~6 とりあえず、グレープフルーツを使って試作するから味見係にしてやる、って
 7~9 実は…?


 【0】

ジェシカ「インスピレーションって…お前、これでか?」

ヨダカ「何だっていいだろ」ムスッ

シリウス「これが、甘いお菓子になるのか…」

アーケノ「信じられねえ…」

ヨダカ「…なるんだよ」

シリウス「随分と自信があるようだな。初めて扱う食材なのだろう?」

ヨダカ「だから、そう聞いたって…」

ジェシカ「誰にだい?」

ヨダカ「………モニカ」

アーケノ「モニカぁ?」

ヨダカ「…記憶なくす前の、な」

アーケノ「っ…」

ヨダカ「…………栽培はされてないけど、自生してるとこがあるから摘みにいこうって…約束してたんだよ」

ヨダカ「そのまま食うとすげえ酸っぱいけど、ちゃんと甘くなる、って…」

シリウス「モニカは、菓子作りがうまかったのか?」

ヨダカ「俺よりは、な」

ジェシカ「けど、今さらになって何でこいつを? お前さん、モニカのこと避けてただろうが」

ヨダカ「…避けてねえよ」プイッ

アーケノ「嘘つけ…」

シリウス「さっぱり話もしないくせに…」

ヨダカ「でも…ふと、思い出したんだよ。これ取りに行って、うまいの作ろうって約束」ガブッ

ジェシカ「…そうかい」

ヨダカ「……酸っぱいだけ、だけど」モグ

ヨダカ「…甘くなるんだと」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 だがしかし、酸っぱい酸っぱいグレープフルーツを甘いお菓子にするヨダカの研究は難航している模様
 4~6 お礼を兼ねた味見係にされたものの、酸っぱいばっかり…成功してよ…
 7~9 お菓子に関しては熱心すぎるヨダカ


 ――暗夜王国・丘陵の町・領主邸・厨房――

ヨダカ「………クソ」

ヨダカ「酸っぺえ…」

ヨダカ「どうしたらこれ…甘くなるんだ…?」ワシャ

ヨダカ「…」

ヨダカ「…あむっ」

 モグモグ

ヨダカ「………酸っぱい…」

ヨダカ「…」

ヨダカ「…………このままでも、アリな気はしてきたけど…こんなのお菓子じゃねえ…」

ヨダカ「ちゃんと甘くなきゃ、ダメだ…」

ヨダカ「でも、どうすれば…」ワシャワシャ

アーケノ「…」コソッ

アーケノ(おいおい…戻ってきてから、もう3日だぞ…? どんだけあいつ、試行錯誤してんだ…?)


 【安価下1】
 1 何か手伝うって声かけてみる…?
 2 うん? 誰か厨房に…夜中なのに
 3 シリウスとジェシカに、ちょっと相談してみよう。頼れる大人組の、あの2人なら何かしら…あるかな?


 カツカツ…

アーケノ「っ…?」チラッ

アーケノ(こんな時間に誰が――またテレサか…? つまみ食いするくらいなら普通に食えば……って)

モニカ「何してるの?」キョトン

アーケノ「モニカ…? 何でお前――」

モニカ「ヨダカに食べてもらうお菓子の練習」

アーケノ「………ああ…」

モニカ「………あれ? ヨダカ、まだいたの…?」コソッ

アーケノ「…何か、すげえ酸っぱい果物を、甘いのにするんだと」

モニカ「ふうん…そう…」

モニカ「…分かった」

 スタスタ

アーケノ「あ、おい…」

モニカ「ヨダカ」

ヨダカ「っ…?」ビクッ

アーケノ(頭ん中、お菓子でいっぱいかよ…。普段のヨダカなら、気づきそうなもんを…。俺には、気づいてないっぽい…な)

ヨダカ「…………んだよ」

モニカ「それ、何?」

ヨダカ「……………グレープフルーツ」

モニカ「どんな味?」

ヨダカ「………食えば?」

モニカ「じゃ、もらうね」パクッ

モニカ「~っ……酸っぱい!」

ヨダカ「…」

モニカ「…」チラッ

ヨダカ「…」

モニカ「………これ、お菓子にするの?」

ヨダカ「それ以外にどうすんだよ」プイッ

モニカ「…ね、これひとつ、ちょうだい?」

ヨダカ「…」

モニカ「わたしも、これを甘いお菓子にしてみたいなって思って」

ヨダカ「…………好きにすれば?」ガタッ

モニカ「どこ行くの?」

ヨダカ「寝る…」スタスタ

アーケノ(来たっ…か、隠れとくか、一応…)コソッ

 スタスタ

ヨダカ「…」


 【安価下1】
 1 約束について、モニカに教える
 2 ヨダカも苦戦してるのにできんの?ってモニカに
 3 露骨に避けられたけど、だいじょぶ?って


アーケノ「なあ、モニカ」スタスタ

モニカ「なあに?」

アーケノ「…ヨダカも苦戦してんのに、できんのかぁ?」

モニカ「さあ?」

アーケノ「おい」

モニカ「でもわたし、ちゃんと勉強してから実践するタイプだから」

アーケノ「は?」

モニカ「一通り、レシピは頭に詰め込んでおいたの」

モニカ「だから、これと同じようなフルーツを使ったもののレシピも知ってる」

モニカ「あとはこのフルーツで同じようにできるかを確かめて、ダメならどう活かせばいいか考えてくくらい?」

アーケノ「…」

モニカ「……どうしたの? 黙って」

アーケノ「いや…何か、お前ならできちゃいそうな気がして」

モニカ「どうだろうね」ニコッ


 【直下 コンマ判定】(手続き記憶は残ってる:+2)
 1~3 理論だけじゃダメか…
 4~6 惜しいところまではいってるらしいけど…
 7~9 さすモニ


モニカ「……うーん…」

モニカ(お菓子作りって、難しい…)

モニカ(もっと上手にできそうな気はしてたんだけど…)

<コンコン

シェフ「あの…」

モニカ「……おはよ」

シェフ「え、ええ…おはようございます」

シェフ「皆様の朝食のご用意をしたいのですが、よろしいですか?」

モニカ「もう朝…。うん、今、片づけちゃうね」

シェフ「いえ、よろしいのですよ、そのままで」

モニカ「ううん、いいの」

モニカ「……………ねえ、あなたは、お菓子は作れる?」

シェフ「わたしですか? いえ…あまり、甘いものは」

モニカ「…そっか…」

 ・
 ・
 ・

アーケノ「あー、食った食った…。ジェシカんチってメシうめえ…」ポンポン

モニカ「ねえ、アーケノ」

アーケノ「うおっ…!? い、いきなり出てくんなよ」

モニカ「そんなつもりなかったけど…。あ、それでね?」

アーケノ「……まさか、できたのか…?」

モニカ「ううん、できない」

アーケノ「できないのかよ…」

モニカ「上手にできなくって。…あ、技術的にね?」

モニカ「多分、考えてるようにできれば、おいしいのができそうなんだけど…お菓子作りって、繊細な作業でしょ?」

モニカ「だから、思ったようにできないの」

アーケノ「へえー…」

モニカ「……で、ちょっと考えたんだけど」

モニカ「ヨダカって、やっぱり…あんまり、わたしと一緒にいたくはないかな?」

アーケノ「……何で?」

モニカ「………嫌なら仕方ないけど、ヨダカなら、わたしの思うように作ってもらえるかもって思って」

モニカ「嫌なら…ジェシカにお願いするか、自分でがんばってみようかな…って」


 【安価下1】
 1 ヨダカと作れば?
 2 ジェシカに作ってもらえば?
 3 自分でやれよ…


アーケノ「……まあ、けっこう、避けてるしな…」

アーケノ「…ジェシカらへんに頼んだら?」

モニカ「…やっぱり、それがいい?」

アーケノ「だってジェシカなら何でもできそうだろ?」

モニカ「……そうだね、ジェシカに頼んでみる。ありがと」スタスタ

アーケノ「…」

 ・
 ・
 ・

ジェシカ「これは、よぉーくかき混ぜねえとダメなんだ…。大体、こんくらいだな」

モニカ「全然、かき混ぜるの足りてなかった…」

ジェシカ「でもって…この工程もじっくりじっくり、3回か、4回は繰り返した方がいいな」

モニカ「めもめも…」カキカキ

ジェシカ「でも…お前、これ…ヨダカに作らせた方が良かったんじゃねえのか?」

モニカ「でも避けられてるもん」

ジェシカ「…あいつが素直じゃねえのは知ってるだろ…」

モニカ「わたしは素直なの、知ってるでしょ?」

ジェシカ「………まあな…」

ジェシカ「けどお前、ヨダカがまたへそ曲げるんじゃねえのか? 自分でやってたのをお前に先越されちゃ」

モニカ「……どうだろね」

ジェシカ「おいおい…」

モニカ「でも…」

ジェシカ「ん…?」

モニカ「んーん、内緒っ。次は? 教えて、ジェシカ」

ジェシカ「…何が内緒なんだか…。型を用意しな」

 ・
 ・
 ・

モニカ「できたっ…!」

ジェシカ「……我ながら、いいデキだな」

モニカ「問題は、味なんだけどね…」

ジェシカ「味見といくか」

モニカ「うん。はい、ジェシカ」

ジェシカ「どれ――」

 パクッ
 モグッ

モニカ「…」モグモグ

ジェシカ「…」モグモグ

モニカ「…」ゴクン

ジェシカ「………うめえ…」

モニカ「…よしっ」

モニカ(あとは…ヨダカに食べてもらえれば…。喜んでくれると、いいけど…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 しぶぅーい、反応
 4~6 くやしそーな、反応
 7~9 んん?


アーケノ(ジェシカが、モニカが動いたとか言って、気になってきたものの…)コソッ

アーケノ(何だ、あの緊張感…?)

 パクッ…

ヨダカ「っ…」

 モグモグ

モニカ「…」

ヨダカ「…」ゴクンッ

モニカ「どう?」

ヨダカ「…」ジロッ

モニカ「………おいしくない?」

ヨダカ「……うまい…」ムスッ

アーケノ(うまいなら、そういう顔しろよ…)

モニカ「じゃあ、何で…いつも、甘いもの食べてるヨダカの顔じゃないの?」

ヨダカ「…っ」

モニカ「……ヨダカががんばってたのに、わたしがやっちゃって…怒っちゃった…?」

ヨダカ「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ヨダカめんどい…
 4~6 ぷい、ってしちゃうヨダカ…
 7~9 変な緊張感…何これ


ヨダカ「…」

モニカ「…」

ヨダカ「…」

モニカ「……ごめんね、余計なことしたみたい…」

モニカ「………じゃあ、もう、しない」

 スタスタ

アーケノ(えっ…何これ…嘘だろ…?)

モニカ「…」チラッ

モニカ「……結局こうだったね…」ボソ

アーケノ「モニカ――」

モニカ「だいじょぶ、想像してたから」スタスタ

ヨダカ「…」

アーケノ「…」

アーケノ(ああもう…何だよ、これ…)


 【安価下1】
 1 おいヨダカ!
   A お前、何でそんな拗ねてんだよ!?
   B モニカが折角がんばったのに、何だよその反応!?
   C その他、何かヨダカに言ったって。簡潔にね?
 2 おいモニカ!
   A そんなあっさり引き下がっていいのかよ!?
   B 1回ダメだったくらいで何で諦めてんだよ!?
   C その他、何かモニカに言ったって。簡潔にです


―――――

 本日は、一旦、ここまでです
 再開予定は23時前後です

 ありがとうございました


アーケノ「…」

アーケノ「……よし」

 コンコン

<はーい

アーケノ「モニカ…」ガチャッ

モニカ「アーケノ、どうしたの?」

アーケノ「さっき、もうしないって言ってたけど――」

モニカ「盗み聞き? やだ~」

アーケノ「分かってたくせに何言ってんだよ…」

モニカ「………ちょっとおどけただけだもーん」プクッ

アーケノ「…ヨダカのことな、あれ――」

モニカ「あ、そうそう。ジュダルとライドがね、今日デートしてきたんだって」

モニカ「相変わらず、何もなかったみたいだけど、ジュダルって鈍いよね」

アーケノ「…」

モニカ「鈍いっていうか、そういう対象に誰も入ってないのかな? ブラコンらしいし?」

モニカ「ブラコンって言えば…ヴァーゴの王宮にいた時なんだけど、スピカにも弟がいたんだって。仲良しだったらしくて、方向音痴のスピカを――」

アーケノ「1回ダメだったからって、何諦めてんだよ!?」バンッ

モニカ「…」

アーケノ「つか、はぐらかそうとすんな」

モニカ「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ほら、モニカって精神値は高くないからさ…
 4~6 逆ギレ?
 7~9 ぷくー、てなったモニカ


アーケノ「ちゃんとお前、お菓子作るの色々、勉強したんだろ?」

アーケノ「なのに1回、ヨダカにビミョーな反応されたから終わりってどういうことだよ」

アーケノ「ヨダカなんか、記憶なくなる前のお前を――」

モニカ「だってヨダカがまともに取り合ってくれないんだもん!」

アーケノ「っ…」

モニカ「分かるよ? 分かってるもん、別人なんでしょ、わたしと、前のわたしは!」

モニカ「だけど我慢してるのに、向こうがつれないんだもん、どうしようもないもん!」

モニカ「人の心なんてそうそう変わらないの! 良くも悪くも!」

アーケノ「お前…開き直って――」

モニカ「1回ダメだったから諦めるなって何?」

モニカ「確かにこの試みは1回目だよ? でも他に何回、わたしがヨダカと仲良くなろうと思ってるか知ってるの? 知らないでしょ?」

モニカ「それもぜーんぶ、全部全部全部、ダメだったの! さっきみたいに、無言でむすって拗ねたみたいな感じになられておしまい!」

モニカ「どうしようもないのをどうしろって言うの?」

モニカ「どうにもならないんだから、もうどうにもしないもん!」

アーケノ「…いや、けど…」

モニカ「けど、何?」ジロッ

アーケノ「…」

モニカ「色々我慢してきたもん、それでもダメだったんだもん」

モニカ「意味ないんだよ、どーせ」

モニカ「わたしだって拗ねたいの、拗ねちゃダメなの? ねえっ!?」バンッ

アーケノ「【安価下1】」

 1 …………悪い…
 2 …何か…新鮮だな…お前がそんな怒るの…
 3 その他、自由台詞。簡潔にお願いね?


アーケノ「…何か…新鮮だな…お前がそんな怒るの…」

モニカ「だって、わたしまで怒りん坊になったら皆困っちゃうじゃない」ツン

アーケノ「は?」

モニカ「インガ」

アーケノ「ああ…」

モニカ「ヨダカ」

アーケノ「んー…」

モニカ「エル」

アーケノ「…」

モニカ「らへん」

アーケノ「ざっくりだな、おい…」

モニカ「円滑にいくならちょっとくらい我慢するけど、ならないんだし、もう我慢しなくていーもーん」

モニカ「ほんとならいくらでも仕返ししてやりたいくらいだし」

アーケノ「仕返し?」

モニカ「ヨダカのお菓子作りの材料の砂糖を塩にすり替えたり」

アーケノ「えげつねえ…」

モニカ「……大体、ヨダカもヨダカじゃない。王都で騎士に囲まれた時、簡単に死にたがるなって言った」

モニカ「それなのに自分が取ってる態度もどうなの?」

モニカ「今のわたしに何をしてほしいのか、さっぱり! 嫌いだって言って、死にたがるなって言って…意味不明」

アーケノ「…」

モニカ「分かんなくなるよ…あんな態度取られちゃ、ヨダカと、どう接したらいいかなんて…」

モニカ「…………だから、拗ねてやるの! 知らないんだから」プイッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 一応、ヨダカの方にもいってみるかな…
 4~6 どうしようかなぁ…って
 7~9 いつからだっ!?


 【0】

モニカ「…折角、おいしくできたのに」ボソ

アーケノ「…はぁぁ…」

モニカ「…もう寝る」ガバッ

モニカ「アーケノ、出てってよ。レディーが寝るんだから」

アーケノ「へーへー…」スタスタ

アーケノ(ヨダカも拗ねてて、モニカもこれじゃ…どうにもならないよな…)

アーケノ(………一応…ヨダカの方も見にいくか…)

 ・
 ・
 ・

アーケノ(さて…ヨダカは、何して――ん?)

ヨダカ「…」モグモグ

アーケノ(普通に食ってる…あれって、モニカが作ったやつだよな…?)

アーケノ(文句のひとつでも言ってやるか…? よし――)

ヨダカ「…グスッ…」モグモグ

アーケノ「っ…?」

ヨダカ「…」ムシャムシャ

アーケノ(泣いてる…? ヨダカが…? ……いや、鼻すすってるだけか…? いやでも…ヨダカがぁ~…?)

アーケノ(………声かけて、みるか…)

アーケノ「………あ、あー……よ、ヨダカっ」

ヨダカ「……んだよ…グスッ…」モグモグ

アーケノ「…………お前、何で鼻すすってん…目まで赤いし…」

ヨダカ「うまいんだよ…うまいだけだっつの…。悪いか、ばーか」グスッ

アーケノ「…ひとつ」

ヨダカ「ダメ」ガシッ

アーケノ「…ひとつくらいいいだろ」

ヨダカ「………こんなうまいの、誰かにやれるか」ジトッ

アーケノ「…そんなうまいのか…?」

ヨダカ「…モニカの、味だからな…」

アーケノ「…」

ヨダカ「…………あいつの、作ったお菓子の味なんだよ」

アーケノ「そりゃそうだろ…」

ヨダカ「…記憶なくす、前の」

アーケノ「…え?」

ヨダカ「もう、食えないと思ってたのに…不意打ちで、こんなん出して…あいつ…」

アーケノ「……モニカ、拗ねてたぞ。お前があんな態度取ったから」

ヨダカ「知るか…」

アーケノ「……それ、もう食えなくなるのに、いいのかよ? やめる、って言ってたろ」

ヨダカ「…別に、そもそも、食えるようなもんじゃなかったし…これが最後になるだけだろ。それがどうしたんだよ」

アーケノ「いいのかよ、それで」

 【直下 コンマ判定】
 偶数 ワガママ…
 奇数 素直じゃねえ…
 ※0は偶数扱いよ


ヨダカ「…」

アーケノ「魔族の寿命がどんだけあるか知らねえけど、一生だぞ?」

アーケノ「これから先、一生、それがもう二度と味わえなくていいのかよ?」

ヨダカ「………自分で作るし」

アーケノ「3日もやってできなかったのにかよ?」

ヨダカ「…」

アーケノ「ほんとはもっと食いたいんだろ?」

ヨダカ「…だったら何だよ?」

アーケノ「認めるのかよ…」

ヨダカ「ああ?」

アーケノ「…モニカにちゃんと言ってやりゃいいじゃんかよ。そしたら機嫌直してまた作ってくれんだろ」

ヨダカ「やだ」プイッ

アーケノ「何で」

ヨダカ「あのモニカは、俺のモニかじゃねえし」

アーケノ「でも同じ味なんだろ」

ヨダカ「前のモニカが、これを作れば良かったんだよ! 元々そういう、約束で…!」

アーケノ「できねえのにワガママ言うなよ!?」

ヨダカ「アーケノには関係ねえだろ!」

アーケノ「…っ」

ヨダカ「ふんっ…」プイッ

アーケノ「…ジェシカがそれ作ったんだと」

ヨダカ「あ?」

アーケノ「モニカだけじゃ、レシピができても再現できねえからって」

ヨダカ「じゃ、ジェシカに聞くから問題ねえな」

アーケノ「絶対教えるなって言っとく」

ヨダカ「あ?」

アーケノ「んだよ? だって最後でいいんだろ」

ヨダカ「…っ」

アーケノ「嫌ならモニカに頭下げろよ」

ヨダカ「絶対やだ」

アーケノ「もう認めちまえよ、お前どうせ胃袋で掴まれたクチだろ!?」

ヨダカ「だったら何だよっ!?」

アーケノ「なら同じ味作ってくれてんだからいいだろ!? モニカだけじゃそれは作れなかったんだから、お前がモニカと作れよ!?」

ヨダカ「だからやだって言ってんだろ!? 俺は前のモニカがこれを作りさえすればいいんだよっ!!」

アーケノ「んなことできねえだろうが! ワガママばっか言うなよ、中身はお前いい大人なんだろっ!?」

ヨダカ「人間なんかと魔族の基準を一緒にすんな!」

アーケノ「俺はハーフだ!」

ヨダカ「るっせえ!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 バトる
 4~6 夜中にうるせえ、って皆が起き出してきちゃった
 7~9 モニカがあらわれた


モニカ「うるさいのは2人だからっ!」バンッ

アーケノ「っ…!?」

ヨダカ「お前っ…」

モニカ「…」ジロッ

ヨダカ「…ちっ」プイッ

モニカ「舌打ち」

ヨダカ「あ?」ジトッ

モニカ「感じ悪いからやめて」

ヨダカ「…は?」

モニカ「あと、わたしはもうわたしだから」

モニカ「記憶がなくなる前のわたしなんて、知らないもん。どうしようもないから、いつまでもぐちぐち言って引きずらないで」

アーケノ「…も、モニカ…?」

モニカ「分かったから。もうヨダカに期待しないから、ヨダカもわたしに期待しないで」

モニカ「別人なの。ヨダカの知ってるわたしは、もうとっくにいないの。見た目が同じで気持ち悪いなら、髪型でも何でも変えてあげるから」

モニカ「ちょっと気を遣ってたらつけあがって、調子こいて、拗ねて、不貞腐れて…そんなヨダカ、きらいだから!」

ヨダカ「…」

アーケノ「…」

モニカ「あと、夜なのにうるさくしないで。寝ようと思ってたのに寝れなくなっちゃったじゃない。もう、ばか」

ヨダカ「………も、にか…?」

モニカ「残念でした、わたしはヨダカの知ってるモニカじゃありません。モニカちゃん、とかって呼んで差別化をご自分ではかってくださいまし」ベ-ッ

モニカ「じゃ、そういうことだから。おやす――」

ヨダカ「モニカっ…!」

 ガバッ

モニカ「えっ…ちょ――」

ヨダカ「…っ……」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 変なことになったな…
 4~6 ま、まあ…いいか?
 7~9 お、おう…?


 【0】

モニカ「……何なの、もうっ…!」バッ

ヨダカ「っ…」

モニカ「…………わたしは、ヨダカの知ってるわたしじゃない」

ヨダカ「…そんなの、知ってる…」

モニカ「じゃあ――」

ヨダカ「けどっ…やっぱり、お前は、お前だ…」

アーケノ「……はぁ?」

ヨダカ「……どんだけ、否定したって…やっぱ、モニカなんだよ…」

ヨダカ「全部が全部、あのモニカじゃないけど…そう、思えた」

ヨダカ「モニカの甘い香りがする」

ヨダカ「怒る時の顔も、笑ってる時の顔も、全部…やっぱり、モニカだ」

ヨダカ「この手は、銃を使ってるこの手は同じところにマメができてて…でも、しなやかで、少し不器用だけど綺麗で…」

ヨダカ「下手に同じ部分があるのに…違うとこがあって、それが…認められなくて、ムカついたりしたけど…違った」

モニカ「…」

ヨダカ「記憶がなくても…同じように怒る」

ヨダカ「同じような味のお菓子を作れるし、腹が立った時は、お前はきらいって言う。……ほんとに、嫌いになるわけでもないのに」

モニカ「ほんとにきらいだもん」

ヨダカ「お前が本当に嫌いだって言う時は、もっと突き放した言い方になる」

モニカ「っ…」

ヨダカ「図星突かれたりするとムキになるし」

モニカ「なってない」

ヨダカ「なっただろ」

モニカ「…」

ヨダカ「……ほら。前言撤回して、認める時は黙る…」

モニカ「…」

ヨダカ「…」

モニカ「で…何?」

ヨダカ「…」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 ごめんなさいしたヨダカ
 奇数 魔族めんどくせっ…
 ※0は偶数扱いよ


ヨダカ「…その…」

モニカ「…」

ヨダカ「………まだ…お前の、今の、お前のこと…認めたくねえけど」

アーケノ(おい)

ヨダカ「……認めてやるような努力は…してやらないこともない」

モニカ「…」ジト

ヨダカ「……だからお前も、俺に認められるような努力をしろ」

モニカ「…」

アーケノ「…」

ヨダカ「……何だよ、その顔」

モニカ「やだ」プイッ

ヨダカ「あ?」

モニカ「もういいって決めたもん」プクッ

ヨダカ「…」ツンッ

モニカ「ぷぅ…て、何すんの!?」

ヨダカ「俺のために努力しろ」ビシ

モニカ「い・や・だ」

ヨダカ「俺もしてやるからしろ」

モニカ「もういいの」

ヨダカ「良くないっつってんだろ、俺が…」

アーケノ(めんどくせ…何なんだよ、もう…)

モニカ「大体、努力って何させる気?」

ヨダカ「……これ」

モニカ「……このお菓子?」

ヨダカ「ジェシカじゃなくて…俺と、作れ」

モニカ「…」

ヨダカ「……お前、下手くそになったんだろ。だから、お前に俺が教えてやる」

モニカ「何その上から目線。きらい」

ヨダカ「~っ…」

モニカ「…………でも」

アーケノ「?」

モニカ「…そんなに、これ気に入ってくれたんなら…レシピ教えてあげなくはないけど」

ヨダカ「…じゃあ、教えろよ…。お前が言うように作るから」

モニカ「…いつにする?」

ヨダカ「今」

アーケノ「おい…」

モニカ「……いいよ」

アーケノ「いいのかよ…」

モニカ「…でも、ヨダカ好みの女になんてなるつもりないから」

ヨダカ「別に好みになんかならねーし」

アーケノ(……………何か変なことにはなったけど…仲直りって言うか、なんていうか…これはこれで、いい…のか?)

アーケノ「…にしても……人騒がせなヤツら…はぁぁ…」


 ――翌朝

アーケノ「ふわぁぁ…今日の朝飯、何だろ…」

<朝っぱらから、何だよこのメシは!?

<いいじゃん、おいしいし

<メシが甘くてたまるかっつの! ヨダカの仕業かっ!

<だったら何だよ

アーケノ(何だ…? 朝から揉めてる…?)ガチャッ

インガ「俺はこんな甘いのが朝飯なんて認めねえ」

ヨダカ「じゃあ食うな」

アーケノ「……何の騒ぎだよ?」

テレサ「朝ご飯がね…ほら」

アーケノ「………何この、大量の…ケーキ…?」

ジュダル「これが朝ご飯だって」モグモグ ←抵抗なし

ライド「………甘い…」←味覚バカ

エル「…」モグモグ ←甘いのは貴重品な価値観

シリウス「………少々、朝からでは重いな」

ジェシカ「チビっこコンビが作りまくったんだと…だから、その処理だ」

アーケノ「……チビっこ、コンビ…」

ヨダカ「嫌なら食わなきゃいいだけだろーが」

インガ「ふつーのメシを用意させねえでこんなん出しといて何言ってんだよ、ああ?」

アーケノ「…」チラッ

モニカ「Zzz」←毛布代わりに濃緑色の外套をかけられてる

テレサ「ヨダカとモニカ…何かあったみたいだね」

アーケノ「……ん」

テレサ「やっぱり…皆、仲良しの方がいいよね」

アーケノ「…朝からこれは、どうかと思うけどな…」

スピカ「普通においしいよ、これ。甘さ控えめだけど」モグモグ

アーケノ「ふうん…」パクッ

アーケノ「………何これ、うまっ」

テレサ「酸っぱいフルーツ使ってるんだってね」

アーケノ「それは知ってるけど…」

アーケノ(あんな酸っぱいのが…ほんとに甘くなってるし、くどくないし…)モグモグ

アーケノ(………でも何か…甘過ぎねえ? 気のせい…? 元のが酸っぱすぎたから、俺が勝手に甘く感じすぎてるだけ…?)

シリウス「約束が、果たせたみたいで何よりだな」

ジェシカ「……酸っぱいフルーツを甘くした要因は、何だろうな」ニタ

アーケノ「…砂糖だろ?」

シリウス「さてな…砂糖だけが甘いとは限らないからな」

アーケノ「…甘いもの、ねぇ」チラッ

モニカ「むにゃ……んぅぅ……ヨダカぁ…むにゃむにゃ…」モゾ


―――――

 今夜はここまでです
 ありがとうございました


王子「今年もクリスマスがやってきますね。近づいてるね。ひたひたと忍び寄ってきてるね」

王子「皆の王子様であるこの俺は嫁がちゃんといるからいいけど、これを書いてる人は気合いを入れてフライドチキンを手作りしてみるらしいよ」

王子「目指せ、カーネルおじさん超えだって」

王子「じゃ、今日もがんばろう!!」

王子「で………ええと、そうね。モニカとヨダカは、まあ…一応、区切りついたね」

王子「コンマ神が【0】を何故か出しまくったけど、そんなにベストには近づかない状態だけど…まあ、ベターくらいではあるかな?」

王子「でもって、まだキャラクターエピソードは……まあ、あるっちゃ、ある…ね」

王子「スピカとかライドくんとか姐御とかインガとかジュダルらへんは…あんまり、もうやることない…と思われるけど…」

王子「まあでも選択されたら、考えてひねり出してみる…よ、うん」

王子「そんなわけで! 誰のエピをやりたいか、選んでね!」


 【安価下1】
 1 シリウス
 2 スピカ
 3 エル
 4 ライド
 5 ジェシカ
 6 インガ
 7 ジュダル


 ――暗夜王国・丘陵の町・領主邸――

エル「…」バサッ

アーケノ「あれ?」

エル「…」チラ

アーケノ「どしたんだよ、そのかっこ。どっか行くのか?」

エル「…野暮用だ」

アーケノ「野暮用…?」

エル「関係ない」

 ギィィッ…
 バタムッ

アーケノ「…?」

<おい、エルー?

アーケノ「ジェシカの声…?」

 スタスタ

ジェシカ「おお、アーケノ。エル、見なかったか?」

アーケノ「今、出てったけど」

ジェシカ「あのバカ…」

アーケノ「何だよ?」

ジェシカ「あいつの短剣、ヒビが入ってんだ。知ってるか?」

アーケノ「…………ああ、んー…? ああ…」

ジェシカ「だから別のを用意してやったのに、そっちを使いやがらねえ」

ジェシカ「あの短剣がぶっ壊れたら、あいつも死ぬってのに…アホか」ワシャ

ジェシカ「……暇か?」

アーケノ「…何で」

ジェシカ「これ、エルに持ってけ」ポイッ

アーケノ「これって…」パシ

ジェシカ「頼んだ」


 【安価下1】
 1 しゃあねえなあ…
 2 おーい、誰かいこーぜー
   ※連れていきたい人を2人まで、選んでいいよ


 ――暗夜王国・丘陵の町――

アーケノ「どこ行ったんだ…?」キョロキョロ

アーケノ「…」

アーケノ「はぁ…野暮用って何なんだか…」

アーケノ(普通に旅支度だったし、何日か出てくるつもりとかか…?)

アーケノ(だったら早く見つけねえと…)

 スタスタ
 キョロキョロ

アーケノ「…なあ」

*「ん?」

アーケノ「体のでかい神父服のやつ、見なかったか?」

*「ああ…それなら、あっちに行ったよ」

アーケノ「サンキュ」

 タタタッ

アーケノ「………思いっきり、町を出てく感じだな…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 追いつかない!? エルの特技:足が速いのせいかな?
 4~6 2日くらい追いかけるはめになったよね
 7~9 どうにか見つけた


 ――暗夜王国・某所――

アーケノ「何でだよ…」グッタリ

アーケノ「もう、4日だぞ…」

アーケノ「俺、けっこうなペースで歩いたぞ…?」

アーケノ「なのに、何でいつまでも追いつけねえんだよ…あの脳筋神父…」

アーケノ「…」

アーケノ「……お、誰か歩いてくる…。聞いてみるか…」

 タタタッ

アーケノ「なあ」

*「んぁ?」

アーケノ「神父、見なかったか?」

*「ああ…ほんならこの道、ずぅーっと行ったとこですれ違ったわい」

アーケノ「ずっと…?」

*「小さい村の手前で、森ん中に曲がってったわい」

アーケノ「小さい村の手前…森の中に曲がる…」

アーケノ「……ありがと、じゃ」

アーケノ(どこまで行くんだか…」

 ・
 ・
 ・

 ――暗夜王国・エルの教会――

アーケノ「………ここって、確か…前に…」

<神父さま、かえってきたー!!

<ねえねえ、神父さま、神父さま、肩車して、肩車!!

アーケノ「……エルの、教会…か」

アーケノ「決戦前に、顔を見せにきた…とか…?」

アーケノ「…時間かかったけど、まあいいか…」

アーケノ(にしても…エルがずっと移動してたら、ずっと追いつけなかったんじゃね…? どんだけ足速いんだよ…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 おや…?
 4~6 おい
 7~9 慕われてるのがすごく意外に見える…


アーケノ「さて…おーい、しーんーぷーさまよー」

 ガチャッ

エル「…」ジロッ

ギレン「神父さま、やっぱりでけー!」←エルによじのぼってる

ミーズ「あのね、あのね、神父さまに、ほめてもらえるようにいいコにしてたからなでなでして!」←エルに頭を向けてる

カイン「あ、あの、あの…神父さま、あの…ぼくも…」ウロウロ

アーケノ(うわ、何この光景…エルが…)

エル「…何でお前がここにいる」

アーケノ「…ジェシカから、忘れもんだと」ポイッ

 パシッ

エル「…ミーズ」

ミーズ「うんっ」

エル「包丁代わりにこれでも使え」

アーケノ「おい!」

エル「トレバーはどうしている?」

カイン「おかいもの!」

エル「……村か」

アーケノ「おいこら、エル、お前、それ包丁にするようなもんじゃ――」

<ガンガンガンッ

カイン「ひゃっ…!?」ビクッ

ギレン「またきた…」ギュッ

ミーズ「…」

エル「また…?」

<おーい、いい加減、貸したもんを返してもらいたいんですけどぉー?

<女神様ってえのは人様から借りた金を返さなくてもいいって教えてんですかぁー?

<ガンガンガン

アーケノ「何だぁ…?」

 ザッ…
 スタスタ

 ガチャッ

エル「………何だ、お前らは」

高利貸し「ああ? おやおやぁ~…? あんた、ここの神父さん?」

エル「だったら?」ギロッ

高利貸し「っ…こ、ここの小僧っ子が、金ぇ借りてんだよ。さっさと返してもらいてえんだ」

エル「…いくらだ」

高利貸し「300万ゴールド」

アーケノ「300万…?」

エル「…本当に借りたのか?」

高利貸し「はぁぁ~? 女神様は、人を疑えって教えてんですかぁ~?」

エル「………今日は帰れ」ギロッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 エル相手にこの高利貸しは無茶しやがる…
 4~6 ビビって高利貸しは逃げて、そこにトレバーが帰ってきた…
 7~9 高利貸しを追い返しはしたけど、トレバーがなかなか帰ってこないのう…?


王子「おいコンマ神」

王子「何を求めてるんだ、おまいは…」

王子「どうしたいんだよ…分かんないよ…」


 【00】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 最近のトレバーの行動について、子ども達が語った。そしたら、エルは、ほっとしたらしい
 奇数 近くですんごい音がしたから見に行ったら…暗夜王国まで、デルザー大陸みたいに崩壊現象が…しかもそこに…トレバーも…?
 ※0は偶数扱いやで


高利貸し「はいぃ? 帰れってねえ、神父さん、こっちは金を貸してやっ――」

 ドゴンッ
 パラパラ…

エル「………何だ?」ギロッ

高利貸し「……は、はい…」

 クルッ
 ダッ

アーケノ(すげえ威嚇…)

エル「…」

ギレン「神父さますげー!!」

ミーズ「かっこいー!」

カイン「床…こわれてる…」

エル「…金貸し、か…」

アーケノ「教会って…貧乏なのか? じゃらじゃら宝石つけてるヤツとか見たことあるけど」

エル「…そんなのは一部だけだ」

 バタム

エル「………お前ら、来い」

ギレン「おー!」

ミーズ「ねえねえ、神父さま、神父さま、あのね、わたしね!」

カイン「あ、し、神父さま…!」

アーケノ「…」

 ・
 ・
 ・

ギレン「んでー、いっぱい野菜つくった! トレバーが、むずかしい本よんだらどんどんできて、それ売りにもいったんだぜ!」

ミーズ「ほかにもね、トレバー、村までいって、はたらいてるんだって。おてがみを書いてあげたり、すうじとか教えてあげたりしてるの」

カイン「ぼくもおしえてもらったんだよ」

ギレン「おまえだけじゃないだろ!」

ミーズ「ギレンはれきしのおべんきょー、すぐにげるくせに」

ギレン「あ、神父さまにいうなよ!」

 ワイワイ

エル「…………そうか…」

アーケノ(つか…帰るタイミング失った…)

アーケノ(んでも、4日もかけてここまできたし、すぐ帰るのもなあ…)

エル「…おい、アーケノ」

アーケノ「ん?」

エル「……帰るならさっさと行け」

アーケノ「…こいつ…」

エル「まだ行かないなら…ここにいるなら、働け」ガタッ

アーケノ「え? ……ああ…」


 【安価下1】
 1 孤児達の相手をする…
 2 食事の支度をする
 3 トレバーの迎えにいく


ギレン「おらー!」

 ドスッ

アーケノ「っ…」

ミーズ「えいっ!」

 ボカッ

アーケノ「ぐ…」

カイン「……え、えい」

 ポカ

アーケノ「…」

ギレン「とうっ!」

 ドスンッ

アーケノ「ぐおっ…!?」ドサッ

ギレン「勝ったぁー!!」ビシッ

ミーズ「アーケノよわーい」

カイン「………え、えい」ポカ

ギレン「もーいっかい! ほら、はやく!!」グイグイ

アーケノ(ガキの体力おそろしい…どんだけやられ続ければいいんだよ…)

 バンッ

アーケノ「っ…」

エル「…メシだ、来い」

ギレン「やったー! ごーはーんっ!」タタタッ

ミーズ「ねえねえ、神父さまがつくったのー!?」タタタッ

アーケノ「やっと解放された…ん?」

カイン「…」ジィッ

アーケノ「…」

カイン「…」タタタッ

アーケノ(何だよ…?)


 【安価下1】
 1 結局、孤児たちが寝つくまで子守りをさせられた…
 2 食後にようやく、一息つけた…
   A でもエルと2人になっちった…
   B トレバーと2人になっちった…あんま、関わりなかったしなあ…


アーケノ「はぁぁ…やっと、落ち着ける…」グッタリ

トレバー「食器を下げても、かまいませんか?」

アーケノ「…ん」ツイ

トレバー「どうも」

アーケノ「…」

 チャプチャプ
 ゴシゴシ

アーケノ「…」

トレバー「…」

アーケノ(………ガキどもから解放されたのは、いいけど…)

アーケノ(何か、気不味い…)

<ねーねー、神父さまー、この本よんで!

<こっちがいい!

<ふぇぇぇぇんっ!

アーケノ(にしてもエル…なつかれてんな…)

トレバー「…ありがとうございます」

アーケノ「へっ…?」

トレバー「…エルさんが、ここへ戻ってきたのはあなたや、お仲間の皆さんのお陰でもあるのでしょう?」

アーケノ「…いや、別にそんなことは…あいつなら、ひとりで何にでも勝てそうだし。バカ強いからな」

トレバー「それでも、感謝しています」

アーケノ「…お前って、ひとりでいつも、あの3人の世話して、野菜とか作って、働いてんのか?」

トレバー「はい。それが何か?」

アーケノ「………いや、しんどくねえのかと思って」

トレバー「でもここは、やっと訪れた…平穏な場所なんです。エルさんに、僕は救ってもらいました」

トレバー「ここはエルさんにも大切な場所で、だから…僕がここを守ると決めていました。救われた恩を考えれば、苦痛ではありません」

アーケノ「…」


 【安価下1】
 1 あんなに無愛想なのに、どこがいいんだよ…って
 2 ところで、300万Gも金借りてんだろ…って
 3 エルがヒビの入ってる短剣を使い続けてることを教える


アーケノ「…そういや、お前、300万ゴールドも金借りたんだって?」

トレバー「……また、来たんですか…」

アーケノ「エルが追い払ったけどな」

アーケノ「何をしたら、300万も借りることになるんだよ」

トレバー「借りたのは30万ゴールドです」

アーケノ「は? 桁が――」

トレバー「利子、だそうで」

アーケノ「利子で……10倍?」

トレバー「借りた分はすでに返したのに、しつこく利子の分だと取り立てにくるんですよ…」

トレバー「金を出さないと、教会を荒らしていくから…仕方なく、支払ったこともあります。でも、エスカレートする一方で」

アーケノ「そんなん、騎士にでも言えよ。それか自分で――」

トレバー「からきしなんです、腕っ節は…。それに、騎士は……信じられない…」

アーケノ「…」

トレバー「だけど、エルさんが戻ってきてくれたから、もうこれで…」

アーケノ「え?」

トレバー「……何か?」

アーケノ「いや…エル、言ってないのか? まだ、大事な、最後の戦いが残ってるんだ。だからまた離れることになるぞ…?」

トレバー「…………そう、ですか」

トレバー「でも、また戻ってきてくれるなら問題ありません。何があっても、エルさんに代わってこの教会は僕が守ります」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 あれ?
 4~6 エルさん…?
 7~9 ぽろっと


アーケノ「…ふうん…」

トレバー「…ただ、エルさんが誰かと仲良くやってる姿は、想像できません。…どんな旅を、してるんですか?」

アーケノ「どんなって…」

トレバー「良ければ、教えてください」

アーケノ「…特に仲良くしてるってわけでもないけど…そうだな…」

 ・
 ・
 ・

トレバー「――っと、もう…遅い時間ですね」

アーケノ「意外と話し込んだな…」

トレバー「子ども達も、もう眠っているようですし…」

アーケノ「エルって寝るの早いよな」

トレバー「……暗いところが、嫌いみたいです」

アーケノ「何それ…マジで? ………インガに教えてやろ…」ボソ

トレバー「でも…子ども達を寝かしつけて、そのまま寝てしまった…? 顔を出しても…」

アーケノ「つきあい悪いからな、意外と…」

トレバー「…空いている部屋を使ってください。おやすみなさい」

 スタスタ

アーケノ「え、あ…おう…」

アーケノ「…?」

アーケノ「……ま、いっか。ボロいとこだけど、寝床が地面じゃないだけマシ――」

 タタタッ

トレバー「アーケノさん…!」

アーケノ「あ? 寝たんじゃ――」

トレバー「エルさんが、いないんです」

アーケノ「いないって…?」

トレバー「もう外は暗いのに、いないんです…」

アーケノ「……そんな時だってあるだろ、たまには…」

トレバー「…………誰かを、殺しに行く時はいつも…夜なんです」

アーケノ「え…?」

トレバー「…もしかしたら、金貸しのことを聞かれて…?」

アーケノ「…でも、エルなら問題ないだろ…。どんだけ強いと思ってんだよ…」

トレバー「違うんです、用心棒を雇ってて…あの金貸しは。……ただの用心棒でもないんです。多分…魔族とかの」

アーケノ「は?」

アーケノ(そういや、エルの短剣って、ヒビ割れてるし、結局あいつ…台所にジェシカの作ったヤツ置きっぱなしだし――)

アーケノ「お、おいそれ…! ヤバいじゃねえか…!」


 【安価下1】
 1 ちょっくらエルに加勢にいってくるわ。場所教えろ
 2 行くぞトレバー


 ――暗夜王国・某所・高利貸しの家――

高利貸し「ひぃ、ふぅ、みぃ…」

高利貸し「取り立ては数を稼いで、足を運んで取るもんだな…へへへ…」

高利貸し「旦那がいてくれるからっすよ、ほんと」

魔族「ハハハッ、お前は人間にしては気が合うな。そうだ、もっと俺を誉め讃えろ」

高利貸し「よっ、旦那はサイキョー!」

魔族「ハーッハハハハッ!!」

高利貸し「で、これ…今日の分の、報酬ってえことで」つ模型

魔族「ああ、これだ、これ。んん~…なかなか」ジィィッ

高利貸し(あんなガキ向けのおもちゃにご執心とはな…力こそとんでもねえが、扱いやすくて助かるぜ…)

<ガンガンガン

高利貸し「…あ?」

<開けろ

魔族「何だぁ…?」

高利貸し「旦那ぁ、何かありゃあ、よろしく頼みますぜぃ?」

魔族「はんっ、小物に用などはないがな…」

 ガチャッ…

エル「…」ギロッ

高利貸し「ひぃぃっ…!?」ドサッ

高利貸し「な、なな…何だ、お前…神父…か、金でも揃えてきたのか…?」

エル「借りた分はすでに返したと、言っていた」

高利貸し「はぁぁ? 利子だよ、利・子! わっかんないのぉ?」

エル「…分からんな」

高利貸し「っ……じゃ、じゃあ…神父だろーが関係ねえ…。旦那ぁ、旦那、やっちまってくだせえよ、こいつを」

魔族「……ほう?」

エル「魔族か…」

高利貸し「ぶ、ぶっ殺してやってくださいよ、旦那!」

魔族「ああ…少しは、骨がありそうだな」ニタァァッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 つよいな
 4~6 脳筋神父が押されるだと…?
 7~9 派手にやってるとこにアーケノが到着したよ


魔族「極大――」

高利貸し「だ、旦那ぁっ!?」

魔族「閃熱魔法!」

 ズドォォォォォォォォォォォッ
 シュボォォォォォォォォォォォッ

 ズザザザァァァッ

エル「っ――」

 ダンッ

魔族「楽しませろよ、人間ッ!!」

 ブォォォンッ
 ドッゴォォォォォォォォォッ

エル「ああ、いいだろう」ググッ

高利貸し(う、受け止めたっ…!?)

魔族「いーいぞぉぉ~? それでこそ、だなぁぁっ!!」

 ブワァァァアアアアアアアッ
 ドゴォォォォォォォォォォォンッ

エル(力は、互角――か?)

魔族「はあああああああああっ!!」

 ズドドドドドドッ

エル(だが、ヤツの方がガタイがあるな。問題は――)

エル「――ないか」

 ドゴォォォォォォンッ

魔族「極大・火球!」

エル「っ!」

 シュボォォォォォォォォォォォォォォォッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

エル(火が邪魔か!)

魔族「どぉぉぉおおおおおしたぁっ!?」

エル「!?」

 ドグシャアアアアアアアアッ
 ドゴォォンッ

高利貸し「す…すげ…さ、さすが旦那だっ! ははっ、ははははっ!」

エル「…………っ」ムクッ

エル「それが、どうした?」パァァァァッ

魔族「回復しただとぉ? 生意気な…。だったら、即死させてやる」

 バシュゥゥンッ
 パシッ

エル「獲物は槍、か…」チャキ

魔族「そんなチンケな剣で、一体どうする…!?」


 【直下 コンマ判定】
 アーケノが、到着…すると?
 1~3 ひょぇぇ…この魔族、かなり強いんじゃねえの? 捨て身戦法を得意としてるものの、エルがぼろぼろよ
 4~6 なんでこの脳筋神父は、壊れたら死ぬような短剣でガンガン戦ってるかなあ?
 7~9 やっぱりエルつよい…


魔族「まだ回復するのかぁ?」

 パァァァァッ

エル「…」ムクッ

魔族「ムダだと分かれ、面倒臭えなぁっ!!」

 ズバババババッ
 ギャリッ
 ギンッ
 ガッ
 ズドドドドドッ

エル「ぐっ…」

 ズドォォッ

エル「か――」

 ブンッ
 ドサァッ

魔族「即死しねえなあ~? 頑丈な体しやがって、人間のクセによぉぉ~」

 パァァァァァッ

エル「…………魔族のクセに、人間ひとり、即死させられないのか」チャキ

魔族「あ?」プチッ

魔族「上等だ、ぶっ殺して手足ちぎってやら――」

アーケノ「極大・爆裂魔法!!」

 カッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

魔族「っ…!」

高利貸し「うぐお…!?」

 ザッ…

アーケノ「やっと、到着した…」

エル「……何をしにきた?」

アーケノ「【安価下1】」

 1 忘れもん持ってきてやったんだよ、ばーか
 2 トレバーが心配してんぞ
 3 その短剣壊れたら、お前死ぬんだろ? …それじゃ困るから、加勢に来たんだよ


アーケノ「忘れもん持ってきてやったんだよ、ばーか」ポイッ

 パシッ

エル「…」チャキ

魔族「そんな包丁でどうなる?」

エル「……必要ない」ポトッ

アーケノ「何でだよ!?」

エル「どうせ、俺は死人だ。生き延びようとするつもりは、毛頭ない」

アーケノ「は…?」

エル「どこで死のうが、もういい」

エル「トレバーがいれば教会はそれでいい。このクソどもを血祭りに上げれば、もう――」ダッ

アーケノ「あ、おい…!?」

 ギャリィィィッ

魔族「折角のプレゼントを捨てるなんて、バカなのかぁっ!?」

 ギィィンッ

エル「貴様などは、折れかけの短剣で充分だ!」

 ガシッ
 ブォォンッ
 ドゴォォォォォォッ

高利貸し「だ、旦那を、投げ――」

魔族「そんな程度でぇぇっ!!」グンッ

 ズドォォォォォッ

エル「…がふっ」ボドボドッ

アーケノ「エル――!」

魔族「死んでおけ、人間ッ!!」


 【安価下1】
 1 鎖だ
 2 魔法だ
 3 接近戦だ


アーケノ「何、考えてんだよっ! 中・爆裂魔法!」

 カッ
 ドッゴォォォォォォォッ

魔族「邪魔すんなら、てめえからやんぞぉっ!?」ダッ

アーケノ(速っ――)

 バチバチィィッ
 バリィィィィィィィンッ

魔族「障壁魔法なんか、俺には意味ねえぞぉ?」

アーケノ「嘘、だろ…!?」

 ドゴォォォォォォッ

アーケノ「がっ…!」ドサァッ

魔族「ぷちっと死ねや――」

アーケノ「っ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 お、奥の手が…!
 4~6 抵抗
 7~9 エル


 ズドォォォォォッ

アーケノ「っ…」

 ポタッ…

アーケノ「え…」

魔族「こ、の…人間ッ、よくも、俺にぃ――」

 ズバァァァァァァンッ

魔族「がふぉ…っ」

エル「俺に背を向けたから、こうなっただけだ」

 ザシュゥゥゥゥッ

魔族「」ドサッ

高利貸し「ぁ…ぁ、ぇ…ぁ……?」

高利貸し「だ……旦那…? う、嘘でしょ…嘘だろぉぉ…?」

エル「――貴様」ギロッ

高利貸し「ひ、ぃ…」

高利貸し「ま…ま、待ってくれ、待ってくれよ、なあ…そ、その魔族に、お、俺は、脅されてて…被害者なんだよ…俺だって…」

高利貸し「と、取り立てなんかもうしないし…こ、ここからさっさと引き上げる、から…な…?」

エル「死ね――」チャキ


 【安価下1】
 1 止める
 2 止めない


高利貸し「い、嫌だ、やめろ、や、やめ…」タジ

エル「…」ザッ

高利貸し「も、もうしないっ…嘘つかない、女神に祈るからっ…!?」

エル「…いいことを、教えてやる」

高利貸し「き、聞くっ…ど、どど、どんな教えも…ちゃんと、ま、守る、守るからっ、命だけは…!」

エル「お前のようなクズがいるせいで、この世はクソ以下になっているんだ――!」

 ブォォォンッ

高利貸し「ああああ……!?」

 ズドォォォンッ

高利貸し「」ブクブクブク

アーケノ「……え…?」

エル「…」

アーケノ「…こ、殺さない…のか…?」

アーケノ「地面…ぶっ叩いただけで…」

エル「…だったらお前が殺しておけ」

アーケノ「…え」

エル「トレバーに言われてお前が来たんだろう…」

アーケノ「…そう、だけど」

エル「なら…人間を殺すことはできない」

エル「代わりに、手足はもぐがな…。死なないように」


 【安価下1】
 1 死んでもいいとか言ってたことについて問い質す
 2 トレバーに、エルが生きようとしてないことを教える
 3 エルが死んだら、孤児たちもトレバーも悲しむぞ、って言う


 ――暗夜王国・某所・森の小道――

 スタスタ…

エル「……火を点けろ」

アーケノ「は?」

エル「火だ」

アーケノ「………小・火球」

 シュボォッ

エル「…それでいい」

 スタスタ

アーケノ(そういや…暗いとこが、嫌いだったんだっけ…?)

アーケノ(つっても、こんなちっせえ炎程度で…)

エル「…」

アーケノ「……なあ、さっき、死んでもいいって言ってたろ」

エル「…それがどうした」

アーケノ「だから、ジェシカが作った武器も使わなかったのか?」

エル「…そうだ」

アーケノ「…でも、お前が死んだら…教会のガキどもも、トレバーも、悲しむぞ?」

エル「それがどうした」

アーケノ「どうしたって…」

エル「俺には不要だ」

アーケノ「何だよ、それ…?」

エル「…不要になった」

エル「戻るつもりはあった。だがトレバーが、全て自分でやっていた。俺がいなくとも、教会は維持される」

エル「ガキどもも育つ。そこに血塗れの俺はいない方がいい」

アーケノ「…お前にはいらなくても――」

エル「現に俺がいなくとも、あいつらはうまくやっていた。あの金貸しを始末した時点で、全ての尻拭いは済んだ」

エル「明日には教会を出て、もう二度と、戻るつもりはない。他言するな。……あとは、俺を勝手に蘇らせたベテルギウスを殺して終わりだ」

アーケノ「あんなに懐かれてんのに…ほんとに、そんな…いいのかよ?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 いいんだって…
 4~6 いいも悪いもないんだって…
 7~9 悪人はさっさと死ななくちゃいけないんだって…


 【0】

エル「俺はクズの悪人だ」

エル「こんな服を着て、十字架を身につけたところで変わらない」

エル「相手を痛めつける、殺す、それ以外の方法は何も知らない」

アーケノ「…そんなこと、ないだろ」

アーケノ「お前がほんとに、今、お前が言うだけのようなヤツなら…あんなに、頼られたりするかよ」

エル「…悪人ばかりが、この世には栄える」

エル「善人ほど早死にしていく」

エル「俺のような悪は、とっととくたばっていくのが正しいだけだ」

アーケノ「…」

 ・
 ・
 ・

 ――翌日

ギレン「神父さま、つぎはいつかえるの!?」グイグイ

ミーズ「いいコでまってるからはやくかえってきてね!」

カイン「ふぇぇ…」

トレバー「気をつけて、くださいね」

エル「…ああ」

アーケノ「…」


エル『明日には教会を出て、もう二度と、戻るつもりはない。他言するな。……あとは、俺を勝手に蘇らせたベテルギウスを殺して終わりだ』


アーケノ(ほんとに…これで…)

エル「…じゃあな」ザッ

アーケノ「…」


 【安価下1】
 1 暴露しちまおう! エルは死ぬつもりだって
 2 悪人がとっととくたばるべきなら、善人は…長生きするべきって、こと…だよね
 3 トレバーにこっそり教える。…あとは、当人同士のこと…で


アーケノ(悪人がとっととくたばるべきなら、善人は――)ギュッ

アーケノ「…よし」

エル「おい、何をしている――」

 ガシッ

カイン「ふぇっ…?」

アーケノ「さんざん、おもちゃにしやがって」

トレバー「アーケノ、さん…?」

ギレン「何してんのアーケノ?」

ミーズ「いじわるしたらカインすぐ泣くからダメなんだよ!!」

カイン「い、いたい…」ジワッ

アーケノ「どーせもう会わねえし、ちょっくら最後に、俺のペースで遊んでやるよ!」

 ジャララララッ
 グルングルンッ

カイン「う、わ、あああああっ…!? ふぇええええええ―――――――――――――――――んっ!!」ビュンッ

エル「何をしている――!」ダッ

アーケノ「障壁!」

 バチバチィィィッ

エル「はああっ!」

 バリィィィィィィンッ

アーケノ(嘘、まさかこれ、ぶち破られるなんて――)

エル「カインを、降ろせ」ギロッ

 ガシッ
 グググッ

アーケノ「っ…が、あ…」

 ジャラララッ
 スッ…

カイン「ふぇえええええんっ!」ヒシッ ←エルにしがみついた

エル「っ…何の、つもりだ?」

ギレン「カインいじめんなよ、バカアーケノ!」ゲシッ

ミーズ「ばーか!」ゲシゲシ

アーケノ「げほっ…けっほ……蹴るな…っ!」

アーケノ「はぁ…死ぬかと思った…」

トレバー「何のつもり、ですか…?」

アーケノ「カイン…エルは、助けてくれたよな」

カイン「グスッ…うん…?」キョトン

アーケノ「じゃあ…ヒーローだな」

ギレン「そんなの当たり前だろ! 神父さまは、おれらの味方なんだよ!!」ゲシゲシ

ミーズ「ばーかばーか!」ゲシゲシ

アーケノ「………だとさ、神父、さ・ま。……長生きしろよ」

エル「何…?」

アーケノ「…善人が早死にしちゃ、いけないんだろ。昔のことなんか知らねーけど、魔剣士じゃなくて神父のお前は…善人だろ」

アーケノ「魔剣士は一度死んでるんだから…神父としては、長生きしてやれよ」

 【直下 コンマ判定】
 1~4 トレバーは、頭がいいなあ
 5~9 あいされてるねえ、保f…じゃなくて神父さまは


王子「眠いでござる」

王子「もうちょいで終わるつもりで待ってたけど、明日に響くと嫌なので今夜はここまでにしちゃうでござる」

王子「引き続き、判定は続行です。これは数えませぬ!」

王子「そういうわけで、本日はここまで! ありがとうございました」


エル「………ふんっ、お前には関係な――」

 ギュッ

エル「…」

カイン「神父さま…しんじゃう、の…?」ジワァァッ

ミーズ「えー、そうなの!?」

ギレン「アーケノのせいかっ! おれがせいばいしてやる!」ゲシゲシ

アーケノ「ちっげ、ちげえって…!」

ギレン「神父さまはな、すげーつよくって、すっげーかっこよくて、すっげーんだよ!」ポカポカ

ミーズ「そーだそーだ! それでミーズとしょーらい、けっこんするんだもん!!」ポカポカ

カイン「しーんじゃーやーだー!」ビェェェン

アーケノ「だぁぁぁっ、クソ、もう、俺こんなとこ二度とこねえかんな!」ダッ

ギレン「あ、にげた!」

カイン「ふぇぇぇぇぇぇん!」

トレバー「………エルさん――」

ギレン「神父さま、しんじゃわないでしょ!?」ギュッ

ミーズ「でしょ?」ギュゥゥッ

エル「…」

カイン「グスッ…ほんとなの…?」

ギレン「ほんとなもんかよ、バカイン!」

カイン「でぇもぉぉ…ヒック…うぇぇぇぇぇんっ!」

トレバー「よしよし、大丈夫だよ…」ナデ

トレバー「エルさんは…きっと、また無事に戻ってきてくれるから」

エル「…」

カイン「グス…ほんと…?」

トレバー「……約束を守らないのは、悪い人がすることだから。僕らの神父様は、やさしい、いい人でしょ?」

ギレン「あったりまえじゃん!」

ミーズ「うん!」

エル「…」

トレバー「だから……きっと戻ってきてくれるよ」

トレバー「そうですよね?」

エル「………………………ああ」

トレバー「ほらね」

ギレン「あ、じゃあさ、じゃあさ、神父さま、今度、おみやげかってきて! おみやげ!」

ミーズ「あ、ギレンずるい! わたしも! ねっ、いいコにしてるから! きれいなね、かいがらほしいの!」

トレバー「カインはおねだりしないの?」

カイン「神父さま…ちゃんとかえってくる?」

エル「…………ああ」

カイン「じゃあ…それだけで、いいっ」

トレバー「だ、そうですよ。……約束、守ってくださいね」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 エルが姐御の新しい武器を使うようになった
 4~6 後日、姐御の屋敷へトレバーからアーケノ宛ての手紙が届いた
 7~9 エルに…ちょっとは認められた…?


 ――暗夜王国・丘陵の町・領主邸――

ラジエ「おい、手紙」

アーケノ「あ…?」

ラジエ「お前宛て。ほれ」ポイッ

アーケノ「って、投げ、んなっ…!」パシッ

ラジエ「じゃーな~」

アーケノ「手紙…って、誰から――トレバー?」

アーケノ「どれどれ…?」

アーケノ「……何この挨拶…季節の挨拶なんてはじめてされた…しかも字ぃ上手っ…」

アーケノ「で…本文は…」

手紙『――エルさんの強さは、危ういものに支えられています』

手紙『エルさんなりの哲学に基づく行為でしょう。善人は早死にをし、悪人が生き長らえる』

手紙『彼は自分自身を悪人だと断じていますが、僕を救ってくれたことがあります』

手紙『少ない教会の稼ぎで、3人の身寄りのない子ども達を養い、育てていました』

手紙『多くの罪業に手を染めた過去は変わらずとも、これからの未来はきっと変えられるはずと僕は信じています』

手紙『不躾なお願いとなりますが、もしもエルさんが命を投げ打つような行為をした時は引き止めてください』

手紙『子ども達の純真な言葉はエルさんの心を引き止めたようにも思えますが、根の深い考えだとも思われます』

手紙『どうか、よろしくお願いいたします』

手紙『そしてエルさんの寂しげだった顔の理由を教えてくれて、ありがとうございました』

アーケノ「……お願い、ね…」

 ガチャッ

アーケノ「ん?」

エル「角男が食材を全て食い尽くした。…狩りへ出る、お前も来い」

アーケノ「……へいへい…」

アーケノ(……よろしくお願いされたけど…ま、大丈夫だよな…)

アーケノ(包丁呼ばわりしてた一品物の獲物が神父服にぶら下がってることだし――)


 【安価下1】
 次のキャラエピは、どなた?
 1 シリウス
 2 スピカ
 3 ライド
 4 ジェシカ
 5 インガ
 6 ジュダル


シリウス「………ふうむ」ムキッ

アーケノ「……何してんだ?」

シリウス「見て、分からないか?」ムキッ

アーケノ「…鏡の前で、ポーズ取ってるだけ…?」

シリウス「服を新調してみたのだ」

アーケノ「………ズボンだけじゃん…」

シリウス「どうだ、似合っているか?」ムキッ

アーケノ「…似合うも何も…何で上は着ないんだよ…」

シリウス「ポリシーだ」

アーケノ「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 王都行くってさ
 4~6 宝探しだってさ
 7~9 マリリー、きたってさ


シリウス「それに、こうして常に上半身を露出することで得られるメリットもある」

アーケノ「メリットぉ…?」

シリウス「ああ、衆目を気にする必要があるからな、だらしのない体にはなれないだろう」

シリウス「その結果、心身ともに引き締まるのだ」

アーケノ「…あっそ」ポリポリ

シリウス「それに旅をする時、着替えが少なくて済む」

アーケノ「…」

<おーい、シリウスー、客だぞー?

アーケノ「ん?」

シリウス「客?」

アーケノ「誰がくるんだ…?」

シリウス「さて、な…。まあ会えば分かるか」

 ・
 ・
 ・

ジェシカ「ま、ゆっくりしてきな」

マリリー「はい。ありがとうございます」ペコリ

 ガチャッ

シリウス「ジェシカ、客人というのは――」

マリリー「およ…し、シリウスさん…!」

シリウス「マリリーか…。久しいな」

マリリー「はい。シリウスさんも、おかわりがないようで…」

アーケノ「…」ヒョコッ

アーケノ(………デカい)


 【安価下1】
 1 だれだれ、だれなん? って
 2 ま、邪魔はしないどくか
 3 でかいなぁ…って


アーケノ(………80オーバー…?)

アーケノ(…………シリウスと、一体、どういう…?)

アーケノ「…ジェシカ、ジェシカ」

ジェシカ「あん?」

アーケノ「誰?」

ジェシカ「…シスターだろ」

アーケノ「いやだから…」

ジェシカ「野暮なことしてんじゃねえよ、ったく…」

アーケノ「…ちっ」

ジェシカ「ま、どうなるかはちと気にはなるがな…」

アーケノ「どうなるか…?」

ジェシカ「…耳貸せ」

アーケノ「…?」

 ヒソヒソヒソ

アーケノ「……え、嘘…シリウスが……え、マジか…」

 ヒソヒソヒソ

アーケノ「シリウスが…あ、あんな…でかい、むちむちに…惚れられ、てる…だと…?」

ジェシカ「そーゆーこった」


 【安価下1】
 1 神父様、質問です。シスターって結婚していいもんなの?
 2 おいスピカ、今すぐ王都だ、王都へ行くんだ。でもってアリアに教えてやるんだ、きっとブラコンのアリアならどうにかしてくれる!
 3 うらやましいぞ、こんちくしょう…って、ぐぬぬってしてる


 バタバタ
 バンッ

アーケノ「スピカ!!」

スピカ「うわっ…な、何?」

アーケノ「王都、王都に転移魔法! でもって、アリア連れてこよう、アリア! シリウスの妹!」

スピカ「な、何で?」

アーケノ「何でもいいから、ほら、早くっ! 早くしよう!」

スピカ「いやでも2人じゃ、転移魔法は…」

アーケノ「クソっ…不覚!」

スピカ「何があったの?」

アーケノ「かくかくしかじか」

スピカ「…なるほどね」

アーケノ「ってわけだから、あとはライドとインガらへんでも声かければいけるか?」

アーケノ「よっしゃ、すぐ呼んでくるからな!」


 【直下 コンマ判定】(スピカは姉属性:-2)
 1~3 とうとうとスピカにお説教された…人の恋路の邪魔をしてはいけません、って
 4~6 スピカに止められた。落ち着きなさいって、そんなのダメだよって
 7~9 アリアを連れてきちゃった


 ガシッ

アーケノ「あっ…?」

スピカ「アーケノ、座って座って」ポンポン

アーケノ「は? それどこじゃ――」

スピカ「いいから、ね、はい、座ってね」グイッ

アーケノ「…」

スピカ「えー、こほん…」

スピカ「アーケノの年頃だと、ちょっとこういうことに敏感で、多感で、色々と考えることはあると思うの」

スピカ「でもね、だからって人の邪魔をすることはよくないよ」

アーケノ「いや、説教とかいらね――」

スピカ「自分がされて嫌なことは、他人にしたらダメなんだよ」ズイッ

スピカ「それにシリウスはもう30歳を超えてる人なの。いい大人なの。それなのに、そんなことをしてどうなるの?」

スピカ「そもそもね、アーケノ。人というのは――」

アーケノ(ああああああああ…くそ、スピカがこれじゃ何もできねぇぇぇ………)

スピカ「聞いてる?」

アーケノ「…」

スピカ「………続けるけど、人間がどうして社会性っていうのを築くようになったかっていうのは、もともと――」

 ・
 ・
 ・

スピカ「以上、これが現代の魔法の理論が確立された経緯だって言われてるんだよ」

スピカ「面白い話だったでしょ?」

アーケノ「」プスプス

スピカ「あれっ、何で頭ショートしてるの!?」

アーケノ(話、飛躍しまくりすぎ…)


 【安価下1】
 1 ところでマリリーは、何でここへ来たんだ…?
 2 でもって、シリウスとマリリーはどうなった?
 3 ちぇ、もういいよ、どうにもなっちゃえよ…常時上裸男がむちむちぼいんな美人とくっついても別にひがまないもん、いいもん…


アーケノ「ひどい目に遭った…」

アーケノ「スピカって、いまいち頼りになりきれねえよなあ…」ブツブツ

アーケノ「…シリウス、どうなってんだろ…?」

 スタスタ

アーケノ「…」ヒョコッ

アーケノ(普通に話をしてる…)

アーケノ(つまんね…)

シリウス「ところで、マリリー。ここへは偶然、立ち寄ったのか?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ハッとしたマリリー
 4~6 うっかりマリリー
 7~9 攻めるマリリー…


マリリー「およっ…」

アーケノ(およ?)

マリリー「およよよ…」

シリウス「…どうした?」

マリリー「あの、ですね…」

シリウス「ああ」

マリリー「そのぅ…」

マリリー「……………お、覚えておいでですか? 以前のお約束を」

シリウス「……ああ」

マリリー「…こちらへ、シリウスさんのようなお方がいると聞きまして、もし本当ならば…と訪れたのです」

マリリー「以前、海上交易都市でお会いした時は、とてもリリちゃんを心配して、焦った様子でしたが…今はそれほどでもないと思って、安心しました」

シリウス「…そんなに、以前は焦ったように見えていたか?」

マリリー「ええ…」

シリウス「そう、か…」

マリリー「何か大変なことがあったのではないかと、ずっと、シリウスさんとお別れしてから心配していました」

マリリー「ですから…一目だけでも、お顔を見られればと思いまして…」

マリリー「そうしたら、そのぅ…ジェシカさんが、今は時間があるからゆっくりしていくようにとはからってくださいまして…」

マリリー「およよ…本当は、その…すぐにおいとまするつもりだったのですが、シリウスさんとお話をしていると、名残惜しく…」モジモジ

シリウス「…」

マリリー「も、申し訳ありません…待つとお約束したのに、催促をするようなまねをしてしまい…」

シリウス「ふむ…そうだな」

マリリー「およ…?」

シリウス「わざわざ、俺に会いに足を運んだのだ。すぐに帰ることもあるまい」

シリウス「ジェシカには俺から言っておくから、1日くらいは休んでいけ」

マリリー「そ、それはつまりっ――」

シリウス「また一人旅なのだろう、休める時に休んだ方がいい」

アーケノ「【安価下1】」

 1 いや文脈読めよ!?(つっこむ
 2 …(呆れて無言
 3 シリウス…もしかして、さっぱりその気がない…?(ひとりごと


アーケノ「…」

マリリー「およよよ…」

シリウス「ん? どうした?」

マリリー「何でも…ありません…」

アーケノ「…もういいや…」

シリウス「居候の身だが、ここは住みやすくていいぞ」

マリリー「お気遣い、痛み入ります…およよ…」

シリウス「…ああ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 それは夜のこと
 4~6 マリリーとおしゃべるアーケノ
 7~9 モニカとマリリー


マリリー「お風呂までいただけるなんて…何とお礼をすればいいか…」

マリリー「何か考え内といけませんが…どうすれば…」

 シュルルッ
 パサッ…

マリリー「………お湯に浸かれば、きっと何か良い考えも浮かぶでしょう」

マリリー「女神様、この導きに感謝いたします」

マリリー「…」

マリリー「…さて、ではお風呂に…」

 ガララッ

モニカ「ん…?」ワシャワシャ ←シャンプーなう

マリリー「およ…?」

モニカ「ねえ、誰かいるの…? お湯…流し――」

マリリー「モニカ、さん…?」

モニカ「あれ、誰?」

マリリー「およよよっ!? もっ…モニカさんっ…!?」ギョォッ

 ツルッ
 ステ----ン

モニカ「へっ…?」

 ガツンッ

マリリー「およ――」ドサッ

モニカ「え、何…何…? 目ぇ、開けられないのに…! ちょっと、ねえ、誰かー!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 呼ばれたから行っただけなのに、アーケノったらかわいそうな子…いや、役得?
 4~6 哀れ、モニカ…
 7~9 およおよと取り乱しまくっちゃうマリリー


 ガララッ

アーケノ「んだよ、うるさい声で――」

マリリー「およぉぉ…」タプンタプン ←全裸でぶっ倒れて目を回してる

アーケノ「」パクパクパク

 バシャッ
 ブルブルッ

モニカ「誰か何か倒れたみた――アーケノ…」ツルペタ----ン ←やっとシャンプー流した

アーケノ「…」ブシャッ ←鼻血出た

ジェシカ「おい、何があっ――何してんだ、てめえはぁあああああっ!?」

アーケノ「え――」

 ブォォォォンッ
 ドグシャァァァァァァァァッ

アーケノ「」ピクピク

 ・
 ・
 ・

アーケノ「っ…ぅ…」パチ

アーケノ「……痛ってぇぇ…」

モニカ「…アーケノ」

アーケノ「うおっ…!? い、いたのか…な、何だよ…?」

モニカ「………見た?」

アーケノ「何を?」

モニカ「…………わたしの…」

アーケノ「お前は見てない」

モニカ「…」カチンッ

モニカ「…………あっそ」プイッ

 スタスタ

アーケノ「………何だ…?」

 ピタッ

モニカ「あ、それと」

アーケノ「ん…?」

モニカ「スピカもジェシカもジュダルもテレサも、アーケノ変態って言ってたから」

アーケノ「」

モニカ「女の子の入浴中に入ってきちゃダメだよ」

アーケノ「お前が呼んだんだろっ!?」

モニカ「運が悪かったと思ったらいいんじゃない?」

アーケノ「何だよそれ…」

 ガチャッ

マリリー「あ、あの…モニカ、さん…?」

モニカ「……あ、シリウスの」

マリリー「モニカさん、ですよね…? わたくしのことは…やはり、覚えては…?」


 【直下 コンマ判定】(巨乳は敵:-1)
 1~3 何かツンとしちゃうモニカ
 4~6 淡白なモニカ
 7~9 良かったね、マリリー


モニカ「………うん、覚えてない」

マリリー「およよ…そう、ですよね…」

モニカ「…でも」

マリリー「およ…?」

モニカ「わたしのこと、知ってるんなら教えて?」

モニカ「何か悪いことをしてたんでしょ?」

モニカ「あなたはやさしそうな人だから、きっと前のわたしにもやさしくしてくれたんでしょ?」

マリリー「…ですが、わたくしは、あなたを…」

モニカ「その分も、ちゃんと謝らせて。だから教えて」

モニカ「そしたら……」チラッ

アーケノ「ん?」

モニカ「…………耳塞いでて」

アーケノ「何で――」

 パァァァァンッ

アーケノ「…はい」ギュッ

マリリー「あ、あの…」

モニカ「あのね…友達になって…?」

マリリー「およっ…?」

モニカ「それで、その………おっぱい、大きくなる方法…教えて…?///」

マリリー「およよっ!?」

モニカ「…ダメ?」

マリリー「………い、いえ…その、特別なことは何も…」

モニカ「…」シュン

マリリー「で、でもあの、きっと、ええ、きっと…だ、大丈夫ですから、ねっ?」

マリリー「それに…あなたと、仲良くできるなんて、わたしは……ずっと…」グスッ

モニカ「…え、ちょっと…?」

マリリー「ごめんなさい…いきなり、泣いてしまうなんて…もう…大丈夫」ニコッ

モニカ「…名前は何ていうの?」

マリリー「およっ…そうですね、ちゃんと名乗らないとなりませんでした。わたくしは、マリリーと申します」

モニカ「そう…。じゃあ、マリリー、今から友達ね」

マリリー「ええ」

アーケノ「まーだーかー…?」


 ――廊下――

シリウス「…………ふむ」

ジェシカ「乙女の会話を盗み聞き、か?」

シリウス「……マリリーが以前、心残りなことがあると言っていた。救えなかった少女がいる、と。…それがモニカだったのか」

ジェシカ「…奇妙な縁があったもんだ」

シリウス「ああ…。だが、良かった。何もできなかったことの無力感というやつは、どうも気分を悪くする。それが少しでも和らいだのなら…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ところでシリウス、マリリーに何も言わないのん…?
 4~6 でもって、マリリーは朝になるともう行くって言い出しちゃってね
 7~9 マリリー出発前に、シリウスが呼び出した…!?


 ――翌朝

マリリー「暖かいお食事と、寝場所、それにお風呂で転んでしまったケガの手当てまで…」

マリリー「何から何まで、ありがとうございます」ペコリ

ジェシカ「そう気にするこたぁないさ。…女神様の敬虔な信者を無碍にはできねえさ」

マリリー「女神様のご加護がありますよう…」

シリウス「マリリーも、気をつけるといい」

マリリー「はい…」

ジェシカ「…」

アーケノ「…」

ジェシカ「…って、アーケノ、お前、いつの間に――」

アーケノ「シリウス…結局、何もなしか?」ヒソ

ジェシカ「…ま、何もねえようだが…」ボソ

マリリー「では、ありがとうございました。これにて失礼いたします」

ジェシカ「ん、ああ…」

シリウス「…気をつけて」


 【安価下1】
 1 無言で見送る
 2 シリウス、ほんとにこのまま何もないのん…? マジで?
 3 せめて町の外まで送ってくとかさ、すれば? って


マリリー「では…」ペコリ

 スタスタ

アーケノ「…」チラッ

ジェシカ「…」チラッ

シリウス「…ん? どうした、2人とも。ちゃんと顔も洗ったつもりだが、何かついてるか?」

アーケノ「…いや、何つーか」

ジェシカ「お前って、つくづく変な野郎だな…」

シリウス「そうか?」

アーケノ「……せめて町の外まで送ってくとかさ」

ジェシカ「紳士的なのか、そうじゃねえのか、分からねえな、お前は」

シリウス「ああ、そういうことか」

ジェシカ「そういうことってのはどういうことだ?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 シリウス「下手な期待をさせても申し訳がないだろう」
 4~6 シリウス「変に彼女と接しても、彼女が名残惜しくなってしまうだけだ。それでは可哀想だろう?」
 7~9 シリウス「俺が彼女へどのような答えを出すにしろ、今は何も言えないのだ。リリを取り返し、ベテルギウスを倒すまでは」




シリウス「下手な期待をさせても申し訳がないだろう」

ジェシカ「下手な期待ってな、お前――」

シリウス「前向きには、考えられていなくてな…」

アーケノ「は?」

シリウス「いや正直、何も考えてさえいない…といった状態だ」

ジェシカ「…だから、お前…」

シリウス「俺自身のことは、何もかも…リリを取り戻した後だ」

シリウス「考える余裕も持ち合わせていない。マリリーには悪いがな」

アーケノ「そんで…あんな態度を…?」

シリウス「どんな結果を出すのであれ、今は何も、どうにもならないのだ」

シリウス「だから、悪いとは思うが――このままにしておこうと思っている」

ジェシカ「…」

アーケノ「…キープ?」

シリウス「む?」

ジェシカ「さいってーだな、お前…」

シリウス「いや、それは違うぞ…? そういうわけでは――」

アーケノ「やっぱシリウスは、ちげえな…」ボソ

アーケノ「あんなぼいんなねーちゃんをキープできるとか…マジでか…」

ジェシカ「見損なったぜ、お前がそんなことを…」

シリウス「いや違う! 誤解だぞっ!?」

ジェシカ「おう、24時間話しかけないでくれ」ザッ

シリウス「違うっ!!」

アーケノ「俺…シリウスのこと尊敬するわ…」

シリウス「だから違うと…! くっ、どうしてこうなるんだっ!?」


―――――


 本日はここまでです
 ありがとうございました


王子「さて、えー…まあ、何人か、キャラエピもやりましたね」

王子「消化事項は…まだ、あるっちゃある…のかな、うん」

王子「今日もがんばってやりませう! えいえいおーっ!」

王子「さ、誰いこーか!?」


 【安価下1】
 1 スピカ
 2 ライド
 3 ジェシカ
 4 インガ
 5 ジュダル


アーケノ「これで、どうだっ」ペシッ

アーケノ手札『ツーペアだぜ!』

ライド「…」ペッ

ライド手札『ブタです』

インガ「俺の勝ちか、こりゃ」

インガ手札『スリーペアなのだ』

テレサ「むふふ…」ペッ

テレサ手札『フルハウスやでぇ~!』ドヤッ

アーケノ「だーっ、クソ!」

ライド「負けた…」

インガ「ちっ、俺が勝ったと思ったのに」

テレサ「やった!」

インガ「飽きたな、俺やーめた」

アーケノ「お前が暇って言い出したんだろっ!?」

インガ「勝てねーんじゃ意味ねーし」スタスタ

ライド「…自由だなぁ…」

テレサ「えへへへ、勝っちゃった。ぶいっ!」ビシ

ライド「ふぁ……僕、もう今日は寝るね、おやすみ…」

アーケノ「俺も寝るかな」

テレサ「うん、おやすみー」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 翌朝、ジェシカから緊急召集が…
 4~6 あっ…
 7~9 ライドくんはいいコやなぁ…


アーケノ「さーて、寝るか…。明日は何すっかな…」

アーケノ「………ま、明日考えれば――」

<がっしゃーんっ!!

<うわああっ!?

アーケノ「何だ…?」

アーケノ「……隣…ライドの部屋?」

アーケノ「…ま、いっか」

アーケノ「おやす――」

 ガチャッ

ライド「あ、アーケノ…」

アーケノ「あん?」

ライド「……き、来て、お願い…」

アーケノ「…お、おう」

 ・
 ・
 ・

割れた花瓶「」

アーケノ「…何か音したと思ったら…さっさと片づけたら?」

ライド「お、落ち着いて、聞いてね…?」

アーケノ「ん?」

ライド「これ…あの、すごい、貴重なもので…いくらって尋ねたことがあって」

アーケノ「おう」

ライド「…………60万ゴールド…って」

アーケノ「…高っか」

ライド「弁償しようにも、そんなお金ないし…」グッタリ

アーケノ「ジェシカなら、別に弁償しろとか言わねえだろ…。お前もわざとじゃないんだろ?」

ライド「でも、もう何日もここにお客さんとしていさせてもらってるし、申し訳ないよ…」

アーケノ「…とりあえず、謝ってくれば?」

ライド「謝るけど…はぁぁ…」

アーケノ「あと、何で俺呼んだんだよ?」

ライド「…アーケノ、お小遣い、足りてる…?」

アーケノ「は?」

ライド「………べ、弁償がてら、何かしてお金稼ごうかと思って。手伝って…くれない?」


 【安価下1】
 1 ……しゃあないのう
 2 確かに金はいるし、うん
 3 そんな目でお願いしなくても手伝ってやるよ、友達だろ


アーケノ「…んな顔すんなって」

アーケノ「友達だろ、手伝ってやるよ」

ライド「アーケノ…。うん、ありがと」

アーケノ「いいって」

アーケノ「でも…どうやって稼ぐんだ?」

ライド「大金だし…うーん…」

アーケノ「そういや、前も情報屋に大金払ったんだろ? そん時は?」

ライド「闘技城っていうのがあったんだ。それでファイトマネーを稼いだんだけど、もうないから…」

アーケノ「ふうん…」

アーケノ「他に、稼げる方法は?」

ライド「うーん…」


 【安価下1】
 1 ギャンブルだ!!!
 2 傭兵的なことをしてみるか
 3 トレジャーハンティング?


ライド「……傭兵業?」

アーケノ「傭兵?」

ライド「ほら、酒場とかに行くと依頼があるでしょ?」

アーケノ「あー…そう言えば、俺もやったことある」

ライド「ああいうのをこなせばお金も入るし…ベテルギウスと戦うんだから、腕っ節もちょっとは鍛えないとね」

アーケノ「そうだな」

ライド「じゃあ僕…これ片づけて、謝ってくる…ね」

アーケノ「ああ…ついてってやろうか?」

ライド「大丈夫だよ」

ライド「それより、明日から、依頼をこなしてお金稼ごう? ありがとうね、アーケノ」

アーケノ「気にすんなって」

 ・
 ・
 ・

 ――翌朝

ライド「…どれに、しようか?」

アーケノ「60万だろ…? ちまちましてるのじゃ、どんだけかかるか…」

ライド「でも、あんまり大金のも危険そうだし…」

アーケノ「んー…」

ライド「うーん…」


 【安価下1】
 1 草刈り:800G/日
 2 魔物討伐A:1600G
 3 魔物討伐B:3000G
 4 商隊護衛:2000G×5日
 5 宝探し:2万G


アーケノ「これは?」ピッ

ライド「商隊護衛? 1日2000ゴールド…」

アーケノ「しかも、これが5日分だぜ?」

ライド「確かに、何もなければのんびり5日潰すだけで1万ゴールドになる…」

アーケノ「…一気に60分の1も稼げるぜ」

ライド「5日で、1万か…」

アーケノ「…」

ライド「あ、ご、ごめんっ、嫌ってわけじゃなくて!」

アーケノ「とりあえず、これにしとこうぜ」

ライド「そ、そうだね、うん」


 【安価下1】
 2人まで、仲間を連れていけるよ
 1 ライドと2人でじゅーぶん!
 2 よし、誰かつれてこう
   ※連れていきたい仲間を併記してね。2人まで、だから1人でもいいよ

 【採用安価のコンマ判定】
 1~3 おい騎士団は何してるんだ
 4~6 割に合うような合わないような…
 7~9 割とのんびりめ。うまい仕事だったかも?


 ――暗夜王国・街道――

*「ま、また来ましたっ…こ、今度は後ろから!」

アーケノ「またぁっ!?」

ライド「挟み撃ちされた…?」

アーケノ「何で追いはぎなんかが挟み撃ちしてくるんだよ…」

ライド「アーケノ、後ろ頼める?」

アーケノ「分かった…!」タッ

アーケノ(これでもう何回目の襲撃だよ…)

アーケノ(魔物なら出くわすのも分かるけど、相手は人間ばっかだし…この国の治安はどうなってんだよ、騎士団サボりすぎだろ!)



 ――姐御の屋敷

ジュダル「へっくしゅ!」

スピカ「風邪?」

ジュダル「ううん、何か誰かに悪口言われた気がする…」

テレサ「ねえねえ、ジュダル、この服は何合わせたらいいかな?」

ジュダル「それは…こういう感じ?」




アーケノ「でぇいっ!」

 ジャララララッ
 ガィンッ
 ガンッ
 グルングルンッ

賊「ぐっ…クッソぉ…!」

アーケノ「はぁぁ…こっちは終わった、と…」

ライド「僕も終わったよ」

アーケノ「……ふん縛って放置しとくか」

ライド「うん」


 【安価下1】
 1 なんでこんなに襲われてるんだよ、って依頼主に文句を言う
 2 文句は言わないでおこう…5日も過ぎれば1万もらえるんだ…うん…


 ――夜

アーケノ「どうなってんだよ?」

*「ど、どうと言われましても…」

アーケノ「おかしいだろ、今日だけで18回も襲われてるんだぞ」

*「ええ、ええ、お陰様で雇った甲斐があったというものですよ、ええ」

ライド「…何か、狙われる理由とか、あるんですか? ……積み荷、とか?」

*「ぎくっ…」

アーケノ「露骨に怪しい反応したぞ、こいつ…」

*「おほんっ…1日2500ゴールド、に変更いたしましょうか?」

アーケノ「は?」

*「ですから、これ以上の詮索は…。あなた方も報酬が増える、というのは嬉しい話でしょう?」

*「明日からもよろしくお願いしますよ」

*「で、では、これにて失礼…」

アーケノ「…」チラッ

ライド「……怪しい、ね…」

アーケノ「だよな…」


 【安価下1】
 1 まあでも、いっか。報酬増えたし
 2 知らない内に犯罪の片棒とか担がされてちゃたまんねえ、積み荷を見てやる
 3 呼び止めて、報酬アップはいらないから積み荷教えろ、って


ライド「だ、大丈夫…?」

アーケノ「ヤバいもん運んでる最中で、また指名手配とかされたらたまんねえだろ」

アーケノ「こっそり見て、ヤバいもんならとんずら。問題ないなら知らんぷり、それでいいだろ」

ライド「で、でも…」

アーケノ「ちゃんと見張れよ」

ライド「あ、ちょ…」

 ゴソゴソ…

アーケノ(さてさて…)

アーケノ(おっ…? 布に包まれてる、いかにもなもんが…これが積み荷だな?)

アーケノ「どれ、拝見さしてもらうぜ…?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 見ーたーなぁぁ~…?
 4~6 ヤバいものなのか、そうじゃないのか、判別がつかない…orz
 7~9 セーフ!


 バサァッ…

アーケノ「これは…」

アーケノ「…」

<アーケノ、分かった…?

アーケノ「………何だこれ…?」

アーケノ(植物…? 何かの薬の材料になるとか…ハーブとか?)

アーケノ(さっぱり、分かんねえな…)

アーケノ「…」

<だ、誰かきそう…早くっ

アーケノ「お、おう…」

アーケノ「布を戻して…と」

 バサッ

アーケノ「……結局、何が何だか、分からねえな…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 戦場の再開…
 4~6 ちょっと雑魚くない襲撃者が…
 7~9 やたら襲撃されながらも、5日かけて目的地へついた。報酬ゲット


 ――翌日

 ガタガタ…

ライド「…早朝から数えて、4回…。最後の襲撃から、1時間だから…そろそろ、またくるのかな?」

アーケノ「まーさかぁ…」

ライド「いつ来るかは分からないよ?」

アーケノ「だからって、1時間も襲撃がないのはおかしい…って考える方が気苦労するだろ」

ライド「…まあね」

アーケノ「来ない、来ない、って思ってれば案外――」

 ガタッ…

ライド「…」

アーケノ「はぁぁ…」

<だ、誰だっ?

<積み荷に用があるの、大人しく差し出してくれる?

アーケノ「…来たか…」

ライド「女の人の声だね…」

アーケノ「男だろーが、女だろーが、関係ねえけどな。行くぞ、ライド!」

ライド「うんっ…!」

 ザッ
 タタタッ

*「ああ、いいとこに、やっちゃってください、お2人さん!」

アーケノ「任しとけ! そらよっ!」

 ブンッ
 ジャララララッ

 ギャリィィンッ

?????「ったくもう、用心棒なんか雇っちゃって――!」

 ダダダッ

ライド「でやあっ!」ブンッ

 ガンッ
 ギャリィッ

?????「えっ…」

 パサッ…

アーケノ「フードがとれ――あれ?」

ライド「え…?」

アルエレナ「…………ライド?」

ライド「…アルエ、レナ…?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ここ、戦場なのよね…
 4~6 アルエレナにも仲間がいたらしく…撤退してった
 7~9 どうするどうする?


アーケノ「え、知り合い――てか、あれ? どっかで、俺も見たことあるような…?」

*「な、何を御見合いしてるんです! さっさと、やっつけちゃってくださいよ!」

ライド「え、あ…でも…」

アーケノ「どうするよ?」

アルエレナ「っ…」ダッ

アーケノ「あ、ちょ、逃げるのかよ…!?」

ライド「アルエレナ…!」


 【安価下1】
 1 追いかけよう、2人で
 2 追いかけろ、商隊は引き受けるから
 3 積み荷を狙ってるんならまたくるさ


*「ちょっとちょっと、どこ行くんでっ…!?」

ライド「あ、うっ…」

アーケノ「行こうぜ、ライド」ダッ

ライド「アーケノっ…?」

*「ああ、ちょっ…!」

アーケノ「知り合いなんだろ!?」

ライド「……うんっ!」ダッ

*「ねえ、ちょっと…! 報酬、値引きますよっ!?」

*「あんたらがいない間に、また何かあったら、報酬パーどころか、違約金――!」

 タタタッ

ライド「…だ、大丈夫かな?」

アーケノ「さあな…」

ライド「…」

アーケノ「ま、どうにかなるんじゃね?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 アルエレナが大変なことになってた…
 4~6 追いついたけど…アルエレナ、おこ?
 7~9 ライドくんの本命変遷が気になるけど野暮なことは触れずにおこう、うん


 タタタッ…
 ガサッ

ライド(アルエレナ…!)

ライド(アルエレナがいた…! でも、何で…ううん、アルエレナがいたんだ…!)

 ガササッ

アルエレナ「はぁ…はぁ…」

ライド「…………っ…アルエレナ」

アルエレナ「っ…」バッ

ライド「…」

アルエレナ「ライド…」

ライド「…良かった、ずっと、僕――」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ほら、アルエレナはツンが強いから
 4~6 アルエレナ節
 7~9 ライドくんて、意外と…あれなのよね


アルエレナ「…ライド」

 ギュッ…

アーケノ(何この展開…?)

アーケノ(何でライド、あんな…女の子とふっつーに、感動の再会ついでの抱擁までしちゃってんの…?)

ライド「…アルクトスとセーブルには、会ったんだ。でも、ずっと、アルエレナには…」

アルエレナ「…はい、終わり」

ライド「え?」

 ドンッ

ライド「ちょ…アルエレナ――」

アルエレナ「あんたねえ、今まで、どこほっつき歩いてたのよ!?」ズイッ

ライド「いや…その…」タジ

アルエレナ「あたしが、どんだけ歩き回って探してやったと思ってるの!?」

アルエレナ「暗夜王国も、バイスの方も、ガマーベまで行ったわよ! それでも全然いないし!」

アルエレナ「挙句に、こんな手配書まで出回ってて!」グシャ

ライド「あ、それ…」

アルエレナ「言い訳は、今はいらないから」バキバキ

ライド「へ…あ、え、あの…何…?」

アルエレナ「歯、食いしばって」

ライド「ちょ、待って待って、待って、アルエレ――ごふっ!?」

 ドサッ…

アーケノ(………ざまあみろ)

アルエレナ「ったくもう…心配させんじゃないわよ…もう…バカライド…」プクッ

アーケノ(………………もう一発、ぶち込まれねえかな…)

ライド「ご…ごめん、なさ…い…」ボロッ

アルエレナ「…許してあげる、素直に謝ったから」

ライド「……う、うん…」


 【安価下1】
 1 で、何であの商隊狙ってたん?
 2 で、2人はどんな関係?
 3 で、ライドくん、女の子とぎゅーって抱擁したことはジュダルとアテムに伝えてもおk?


アーケノ「でさ、あんた…何であの商隊狙ったんだ?」

アルエレナ「あれ、どっかで会ったっけ?」

アーケノ「…そんな気はする」

アルエレナ「ま、興味ないからいいけど」

アーケノ「おい」

ライド「あ、アルエレナ…あの、こっちは、アーケノ。今、他にも仲間がいて、旅してて…それで」

アルエレナ「はいはい、今はいいから、そういうの」

ライド「あう…」

アルエレナ「あんた達こそ、何してるか分かってたの?」

アーケノ「1日2000ゴールドで、護衛してただけ」

アルエレナ「積み荷のことは知らないの?」

ライド「アーケノが確かめようとはしたんだけど…」

アーケノ「何かの植物、って以外、さっぱりで分かんなかった」

アルエレナ「……植物…」

ライド「アルエレナは、何を知ってるの? どうして狙ったの?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ハッピーになれるお薬の原料だってさ! でもって、色んなわるーい人達が狙ってるんだと
 4~6 何だか食い違いが…?
 7~9 とっても貴重な、お薬になるんだって。それを奪って闇ルートで売りさばくと莫大な金になるから狙う人が多いらしい


アルエレナ「幸福薬…って、知ってる?」

アーケノ「こーふくやく…?」

ライド「知らないけど…」

アルエレナ「……幸せになれる薬だって」

ライド「そんな薬があるの?」

アルエレナ「だけど、頭がパッパラパーになるだけ」

アルエレナ「だからそれを処分したい、って依頼を受けて奪いにいったのよ」

アーケノ「パッパラパーで、幸せって、どういうことだ?」

ライド「……麻薬…?」

アルエレナ「みたいね」

アルエレナ「ちょっと前までも、出回ってて、一時期途絶えたんだけど…逆にそれがトリガーになって、この幸福薬の売買が活発になったの」

アルエレナ「前に元締めをしてたところが、よっぽど影響力強かったんだと思うけど…」

アーケノ「だから、積み荷は何だって聞いたら挙動不審になったわけか…」

ライド「だね…」


 【安価下1】
 1 よし、じゃあ護衛をしてお金をきっちりいただいてから、アルエレナへ引き渡そう。金もゲット、麻薬も撲滅!
 2 そんなん、さっさと焼き払っちまおう。すぐに戻ろうぜ
 3 …それさ、こっちでかすめ取ってから売っちゃって、それから処分ってのはダメ…? ほら、金儲けできるしさ…


アーケノ「んなの、さっさと焼き払っちまおうぜ」

ライド「うん…」

アルエレナ「焼いたら、変な成分が出て悪影響なんだって。だから、手に入れて、ちゃんとした処分をしなきゃダメなの」

アーケノ「めんどくさ」

ライド「…でも、そういう事情ならアルエレナに協力するよ」

アルエレナ「…」

ライド「アルエレナ…?」

アルエレナ「……あ、当たり前でしょ、あたしに協力するのは! 心配してあげたたんだから、その迷惑料よ」

ライド「あ、ははは…うん…」

アーケノ「…お前、尻に敷かれてね?」

アルエレナ「敷いてないわよ! 大体ね、それくらい要求しないと、あたしが何年も必死こいて探してたのが…まるで、ライドのこと…」

アルエレナ「って、何言わせんのよ!?」ゲシッ

アーケノ「勝手に言ってるんだろ!? つか、蹴るな!」

ライド「でも、僕、ほんとに…またアルエレナと会えて、良かった」ギュッ ←手を握った

アルエレナ「~っ!?/// ば、ばばばば、バカ言ってないで、さっさと行くわよ! ほら、もう、どんくさいんだから!」

ライド「い、痛い、痛いってば…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 なんと…すでに、奪われて…
 4~6 げっ、襲撃なうじゃんか
 7~9 難なくやったよ


アーケノ「あれ?」

アルエレナ「ああもう、ちょっと目を放した隙に!」

ライド「また襲われてる…!」

 タタタッ

アルエレナ「しかも数多いし…!」

ライド「アーケノ、燃やしたらダメみたいだから魔法は…!」

アーケノ「分かってるって!」

*「あああ、やめろ、やめてくれっ! 俺の荷物だ、奪うなぁーっ!!」

アーケノ「おいこらオッサン!」

*「おおっ、いいとこに、ほら、さっさとやっつけてくれ!」

アーケノ「順番だから、首洗っとけよ」

*「」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 むっ、ひとり、強いのがいる
 4~6 楽勝だぜ!
 7~9 アルエレナさん、ライドくんにぞっこんな勢いじゃないすかー…


 ヒュバッ
 ジャラララッ

アーケノ「おらおら、雑魚どもめっ、出てくるだけムダだっつーの!」

 ドゴォンッ
 バゴォンッ

アーケノ「よしっ…こっちは一丁上がり…っと」

アーケノ「あいつらは――ん?」

 ザシュゥッ

アルエレナ「ライド、背中が無防備すぎ!」

ライド「アルエレナがいるからと思って――」

アルエレナ「じゃ、じゃああたしがいなかったら、どど、ど、どうすんのよっ!? バカなの!?」

ライド「いや、その時はその時で――」

アルエレナ「ほんっと、あたしがいなきゃダメじゃない! 前も疎かに、してっ!」ダッ

 ズバァァンッ

ライド「…あ、ありがと――って、危ない!」ガバッ

アルエレナ「ちょっ…!?」

 ヒュォンッ

ライド「中・爆裂魔法!」

 カッ
 ドゴォォォォッォォォンッ

ライド「ふぅ…これでもう――」

アルエレナ「ちょ…ら、ライドっ」

ライド「え? 何…あ、重かった!? ごめん、とっさで…ぶたないでっ…! ……………あれ?」

アルエレナ「ぶ、ぶたない、わよ…。ありがと…」

ライド「……あ、う、うん…」

アーケノ(やべえ、砂糖口から吐き出せそう…)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 話がちげえ!!
 4~6 結局、金はゲットならず…か
 7~9 いやあ、良いことすると良いことがあるもんですね


 ――暗夜王国・某町――

アーケノ「はぁぁ…」

ライド「どうかしたの?」

アーケノ「いや…変な植物を処分…ってのは良かったけど、金は結局だったよな」

ライド「…そう言えば、そうだね」

アーケノ「ま、お前はアルエレナと再会できていい気分なんだろうけど…」ジト

ライド「いい気分…?」キョトン

アーケノ「ちっ…」

ライド「な、何で舌打ち…?」

 ザッ…

アルエレナ「お疲れさま」

ライド「!」

アーケノ「へいへい、お疲れさん…」

ライド「ちゃんと引き渡せた?」

アルエレナ「もちろん、その辺は抜かりないわよ。報酬もゲットできたし」チャラッ

アーケノ「…」

ライド「…」

アルエレナ「どしたのよ?」

ライド「う、ううん、何でも…」


 【安価下1】
 1 久々の再会らしいし、空気を読んで2人きりにしてやるか…
 2 協力してやったんだから分け前くれよー
 3 また依頼をこなすか…今度はちゃんとしてそうなのを…


アーケノ「しゃあないし、気を取り直してまた依頼こなすか。なっ、ライド」ポン

ライド「うん…そうだね」

アルエレナ「依頼って…お金いるの? 何してるのよ、一体」

ライド「ちょっと、花瓶を割っちゃって…60万ゴールド、稼がなきゃって……」

アルエレナ「60万!? …それで、依頼?」

アーケノ「別に弁償しろなんて言われたわけでもねえのに…律儀なんだよなあ」

ライド「だって…」

アルエレナ「…ふうん…そう…」

アーケノ「て、わけだから」

ライド「あ、うん…。しばらく、丘陵の町の領主さんのお屋敷にいると思うから、遊びにきてよ」

ライド「今度はゆっくり、アルエレナとお話できたら嬉しいし…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ツン成分が比重多めなので、アルエレナは表面上サバサバしちゃう…
 4~6 60万ゴールド、立て替えてもいいけど? なんて言ってきた。ははーん…?
 7~9 一緒に依頼をやる、って


アルエレナ「ったく、ほんとにバカマジメよね、あんた…」

ライド「ばか、まじめ…」シュン

アルエレナ「………ま、でも…」

アーケノ「ん?」

アルエレナ「…その60万ゴールド…立て替えてあげても、いいわよ?」

ライド「え?」

アーケノ「は?」

アルエレナ「…た、立て替えるだけで、ちゃんと返してもらうから!」

ライド「でも…悪いよ」

アルエレナ「っ…悪くないの」

ライド「えっ?」

アルエレナ「…」ジィッ

アーケノ(……どういうことだ…?)

アーケノ(60万ゴールドの大金を貸したがってる…? でも、何で、そんな…まさか、利子でライドから金を巻き上げて…?)

アルエレナ「無利子でいいから」

アーケノ(違うのか…)

アーケノ(じゃあ、一体…)

アルエレナ「その代わり、絶対に返してくれること。…ちょっとずつでも、いいから」

アーケノ(……これはつまり…あれか。…ライドとまた会う、口実みたいなものを取りつけるために…?)

ライド「でも僕、そんな…アルエレナががんばって貯めたお金でしょ?」

アルエレナ「っ…」イラッ

アルエレナ「そういうのはいいの、ねえ、分かってる? 人の好意を無碍にするっていうの?」

ライド「…えっと…」

アルエレナ「こ、好意って言っても、あ、あれだからね? 勘違いしないでよね? その…ま、前に旅した仲間のよしみ、みたいな…!」

ライド「う、うん…気持ちは、有り難いけど…」

アーケノ(ライドは完全に気づいてないな…。さて…)


 【安価下1】
 1 ライド、多分、お前、惚れられてるんだよ…って小声で教える
 2 借りとけば、って言っとく
 3 見守ろう…



アーケノ(…よし)

 チョンチョン

ライド「?」クルッ

 ガシッ

ライド「ちょ…アーケノ…?」

アーケノ「お前…多分、惚れられてるぞ」ヒソ

ライド「……え?」

アーケノ「大体、何年もお前のことを探してくれてたんだろ…? 普通、ただ仲間だってだけで探すかよ?」ヒソ

ライド「でも…アルエレナ、僕にキツいし…」

アーケノ「そういう女だっているだろ、中には…」ヒソ

ライド「…そう…なの…?」

アーケノ「そうそう」

ライド「…いやでも、アルエレナだよ…?」ヒソ

アーケノ「お前に金を貸し付けたいのだって、お前と会う口実みたいのが欲しいんだって、きっと」ヒソ

アーケノ「だって自分から、何の用もなく会いに行くんじゃ好きだって言ってるようなもんだろ? いや、お前はそう思わないかもだけど…」

アーケノ「多分、そういうような感じなんだって」ヒソ

ライド「……そう…なんだ…」

アーケノ「…でもお前、ジュダル一筋なんだろ?」

ライド「…」

アーケノ「…はっきり言ってやった方がいいぜ?」

ライド「う、うん…」

アルエレナ「なに、ひそひそ話してんのよ?」

ライド「あ、うん」

アーケノ「…びしっと決めろよ」バシッ

ライド「痛っ…」

ライド「あー…えっと、あ、アルエレナ…」

アルエレナ「何よ、お礼なんて、別にいいわよ…?」

ライド「…その…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 おいライド
 4~9 きっぱりライドくん…アルエレナも可哀想やな…でも仕方ないね


ライド「……あのね、アルエレナ」

アルエレナ「何よ?」

ライド「…僕、今、一緒に旅をしてる仲間の女の子が、好きなんだ」

アルエレナ「…………ぇ…」

ライド「…だから、その…」

ライド「………そ、相談とか…乗ってもらえない、かな?」

アーケノ(…まあ、告白されたってわけでもないし…いきなり、おつきあいできませんじゃ、あれだしなぁ…)

アルエレナ「……す、すすす、好きって…その…友達、として…?」

ライド「…女の子、として…」

アルエレナ「……そ、そう…」

ライド「…うん」

アルエレナ「…」

ライド「…」

アルエレナ「…………素敵な、コなの…?」

ライド「うん。騎士の女の子で、かわいくって…やさしくて、明るくて…大切な人」

アルエレナ「…そう」

アルエレナ「…………ま、仕方ないわね…。あんた、そういうの、全然、疎そうだし…」

アルエレナ「まあ、相談くらいなら、いつでも乗ってあげる…わよ」

ライド「…ありがとう」

アルエレナ「でも…それ、そのコとくっつかなかったら、怒るから」

ライド「え?」

アルエレナ「……だって、そ、相談、乗ってあげるんだし…? そうよ、じゃ、前祝いってことで60万あげる」

ライド「えええっ!?」

アルエレナ「いいの! て言うか、持ってきなさい! その代わり、ありがたいって思うこと! それと!」

アルエレナ「……………あんたのことだから、どうせ、まあ…失敗ばかりするんだろうし?」

アルエレナ「その…相談役を引き受けてあげるから、いつでも、何度でも…相談しなさいよ」

ライド「……う、うん…」

アルエレナ「…………うん」

アルエレナ「…よし」

アルエレナ「とりあえず、丘陵の町…だっけ? そこにいるんでしょ? 今度、お金持ってくから、その相手の女の子のこと、紹介しなさいよ」

アルエレナ「ついでに色々、相談のってあげる…」

アルエレナ「………あー、お腹減った! もう、ものすっごくお腹へっちゃって、ちょっと男には見せらんないくらい食べたい気分!」

アルエレナ「だから、今日は、じゃあね! 変なことに巻き込まれないで帰るのよ! じゃあね!」タタタッ

ライド「…ば、バイバイ…」

アーケノ「…………モテる男はつらいんだな…」

ライド「…泣きかけてた…」

アーケノ「告白する前に振られたようなもんだし…な」

ライド「や、やっぱり僕、追いかけて…」

アーケノ「ぶっ飛ばされるぞ」

ライド「…」

ライド「……ごめんね、アルエレナ…。………ありがとう」


王子「本日はここまでです!」

王子「ありがとうございました。また次回!」


王子「さて、今日も1日で1人分を消化できればいいね」

王子「アーケノの棚上げはすごいけど、ほら、アーケノはね、自分で好きになっちゃいけないんだって思い込んでるから」

王子「そこら辺は、まあ…その内、多分、メスが入ると思うから」

王子「と、ゆーわけで」

王子「今日は、誰いっとくー?」

王子「ちなみに、分かってると思うけどキャラエピ中にどっかへ行く場合は、選択されたキャラ+アーケノと、2人まで行動できるよ」

王子「この+αの2名はいなくても大した問題はないけど、仲良くなっておきたいなー、ってキャラを選んでおくと交流をちょっと深められるよ」

王子「別にこの+αがなくってもデメリットみたいのはないから安心してね」


 【安価下1】
 1 スピカ
 2 ジェシカ
 3 インガ
 4 ジュダル


 ――暗夜王国・丘陵の町・領主邸――

インガ「暇だな」

アーケノ「毎日言ってるな、お前…」

インガ「暇なんだから仕方ねえだろ。一発芸でもやれよ」

アーケノ「やらねえよ…」

インガ「はぁぁ…」

アーケノ「…」

インガ「……………ライドでもいじめて遊ぶか」

アーケノ「やめてやれよ…」


 【安価下1】
 1 宝探しいこうぜ、って
 2 どうせ待つなら姐御の屋敷より、ヴァーゴの王宮の方がいいな、って言い出した
 3 暇ならヨダカに遊んでもらえば、って


インガ「はぁーぁ…ほんっとにつまんね」

インガ「シケた面ばっかで代わり映えねーし、シケたことしか起きねーし」

アーケノ「シケた面って誰のことだよ、おい」

インガ「鏡見てこいよ」

アーケノ「やんのか?」

インガ「お、いいぜ、暇潰しにやってやるよ」

アーケノ「…やめとく…」

インガ「あん? 逃げんのか、こら、かかってこい、ほら」

アーケノ「ジェシカにぶっ飛ばされたくねーかんな」

インガ「けっ…そういうとこがシケてんだよ」

インガ「こんなら、ヴァーゴにいた方がまだマシ――ってそうか」

インガ「よーし、ヴァーゴ行くか、ヴァーゴ!」

アーケノ「はあ?」

インガ「どーせ待ってるだけだし、いいじゃねえかよ。そうと決まりゃ、スピカだな。おーい、スピカー?」

インガ「どこいんだー、俺が呼んでんだから3秒で返事しろっつーの、おーい!」

 スタスタ

アーケノ「………ほんっとに、インガって…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 移動手段は…徒☆歩
 4~6 移動手段が…ないだと…
 7~9 転移魔法って便利~


スピカ「転移魔法?」

インガ「そそそ、ぱぱーっとやれよ」

スピカ「あー…」

インガ「ん?」

スピカ「ごめん、ムリ☆」キャピッ

 ガンッ

スピカ「ご、ごめんってば、そんなすぐに壁殴らないでよ…」

インガ「何で?」

スピカ「今、ベテルギウスを探してるの。地利魔法使って。地利魔法って、自分が今いる場所を基点に探すから、離れられないんだよ」

スピカ「だから転移魔法使えないんだ」

インガ「…嘘だろ、嘘っていえよ」

スピカ「嘘じゃないって」

インガ「………クッソ、最悪。マジ使えねえ」

スピカ「そこまで言わなくても…」

インガ「どーすっかな…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 バーダン・ジュドー号は借りた
 4~9 閃くインガ


インガ「……うーん…」

アーケノ「ん? あれ、スピカに頼んだんじゃねえの?」

インガ「つっかえねーんだよ、スピカ」

アーケノ「使えねえって?」

インガ「ごめん、ムリ、きゃぴ…だとさ」ペッ

インガ「船貸すとか言ってきたけどだりーし? あーあ、どーすっかな、やれやれ…」

アーケノ「普通に行くって選択肢はないんだな…」

インガ「………空でも飛べりゃ…そうだ」

アーケノ「?」

インガ「ヨダカ、どこだっ!?」

アーケノ「ヨダカ…?」

 ・
 ・
 ・

インガ「おう、連れてけ」

ヨダカ「はぁぁ~?」シャカシャカ

インガ「いいだろ、お前ならひとっ飛びでいけるじゃんか」

ヨダカ「めんどくせえよ。大体、どんだけ距離あると思ってんだ。ひとりならまだしも、お前連れてとか…」

インガ「こいつをやるって」チャポッ

ヨダカ「…酒?」

インガ「お前の好きな、リキュール。あまったりーやつ。間違えて買ったんだよ」

ヨダカ「!」

アーケノ(ちょろっ…)

ヨダカ「けどめんどくせ」

インガ「あん?」

ヨダカ「………あ、そうだ。…いいぜ、連れてってやるよ」

インガ「お、話が分かるじゃんか」

ヨダカ「その代わり」

インガ「ん?」

ヨダカ「ちょっとめんどいからな」

ヨダカ「サンが今、ちっこくなってんだけど…大きくなれば乗っていける。そうすりゃ、余裕だ」

ヨダカ「だから大きくしてやればいい」

インガ「どーやって?」

ヨダカ「魔力の補給してやりゃいいだけ。簡単だろ? ただし、サン呼び出すとそれでまた力使っちゃうから、そこまでは歩いてけよ」

インガ「めんどいから却下」

ヨダカ「じゃ、この話はなしな」

インガ「………ちっ、分かったよ」

 ・
 ・
 ・

アーケノ「で、何で俺まで…」


 【安価下1】
 1 インガと2人で行くぜ
 2 誰か連れてこう
   ※スピカ以外のお仲間から選択です。2人まで可


インガ「いいだろ、お前も暇そうなんだから」

アーケノ「決めつけんなよ」

インガ「じゃー何かあったのかよ?」

アーケノ「…………ないけど」

インガ「だったら文句言うな、ぶわーか」

アーケノ「っ…」カチン

インガ「で、えーと…風鳴の村…だったか。ここにいるんだとよ、ヨダカの竜が」

アーケノ「ヨダカの竜って、白くてでかかったり、ちっこくなったりした?」

インガ「眷属だな、ヨダカの」

アーケノ「…眷属って、何だ?」

インガ「魔物は人間からしたら、動物みたいなもんだ。で、人間は動物を飼い馴らすだろ」

インガ「魔族は魔族で、魔物を飼い馴らしたりするわけ。つーか、魔物ってのは元々、大昔の魔王が生み出した生き物なんだよ」

インガ「だから存在として魔族なら従わせられるようになってんだ」

インガ「眷属になった魔物は、主の影響を受けて変質する。竜なんて、最強クラスの魔物だからな、眷属としても最高峰だ」

アーケノ「へえー…。インガはいねーの」

インガ「めんどいんだよ、眷属って。常にご主人様から魔力吸うしな。たくさんの眷属を従えるってことは、そんだけ魔力を持ってかれんだ」

インガ「供給してやってる魔力が繋がりになって、その魔力の影響を受けて変質してくからな」

アーケノ「じゃ、ヨダカの竜ってどんな感じに影響受けてんだよ?」

インガ「力使うとすぐ小さくなるとこじゃねーの? ヨダカもちっせーし、それに引っ張られてすぐ縮むんだろ」

アーケノ「…そんなどうでもいいようなとこが…」

インガ「んなもんだっての」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 サンに魔力をあげなくちゃいけないらしくて、そのためにちょっと面倒なことをしなくちゃいけないらしいです
 4~6 風鳴の村へ到着したけど…どこにいるんだろうね
 7~9 久々登場のあいつ


 ――暗夜王国・某所・山間の洞窟――

アーケノ「……何ここ?」

インガ「洞窟」クンクン

アーケノ「風鳴の村ってとこ行くんだろ? 何で寄り道してんだよ」

インガ「ちっこくなったままじゃ、乗れねえだろ。だからヨダカの竜をデカくしにいくわけ。分かってんのか、お前」

アーケノ「だから、それが寄り道とどう関係あるんだって言ってんだよ」

インガ「こーいうとこの最奥部には大体、魔力仕掛けのもんがあるだろ」

アーケノ「それが?」

インガ「そいつをかっさらっておいて、竜に食わせるんだよ。そしたら、その魔力でぼんっ」

アーケノ「爆発?」

インガ「デカくなるってわけ」

アーケノ「……食うの?」

インガ「竜だからな、雑食だぜ」

アーケノ「…ふうん…」

インガ「なんなら、お前でも食わせた方が早いんだけどな」

アーケノ「お前が食われろ」

インガ「ハッ、何で俺様が食われなきゃならねーんだよ」

アーケノ「つっても…こんなとこ潜るとか、時間食いそう…」

インガ「俺の鼻なめんなよ」


 【直下 コンマ判定】(盗賊の鼻:+2)
 1~3 鼻づまりですか?
 4~6 意外と人の手が入ってなくて、インガが寄り道しまくる件。さっさと奥に行けよ!
 7~9 ちゃちゃっと済ませた


インガ「よし、こっちだ」クンクン

アーケノ「どれ…」

インガ「…」ピタ

アーケノ「ん? おい」

インガ「……やっぱこっちか」クンクン

アーケノ「は?」

 ・
 ・
 ・

アーケノ「どーいうことだよ、さっきから同じとこを行ったり来たり!?」

インガ「るっせー、黙ってろ!」

アーケノ「なにが、俺の鼻なめんなよキリッ…だよ!? その鼻詰まってんじゃねえのか!?」

アーケノ「鼻くそを脳みそに代わりに詰め込んどけ!」

インガ「ああ? てめえ、何言っちゃってんだ? ぶっ飛ばすぞ、てめえ」

アーケノ「やってみろよ、こら」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ケンカ…
 4~6 お腹が減っててやめた
 7~9 ケンカしてたら壁が抜けて、ちゃっかり辿り着いた


 グゥゥゥ…

アーケノ「…」

インガ「…」

 グゥゥ…
 ギュルルル…

アーケノ「………やめた…はぁ」

インガ「ちっ…メシ食おうぜ、メシ」

アーケノ「メシって? 何かあんの?」

インガ「ねえのかよ?」

アーケノ「ない」

インガ「ちっ、使えねー…」

アーケノ「こんにゃろう…」


 【安価下1】
 1 もうつき合ってられるか、帰る!
 2 餓死する前にやることやって洞窟出ようぜって
 3 そこら辺の魔物でも取っ捕まえて食うか


インガ「はーらー減ったー」

インガ「メシくらい用意しとけよな、常識だろうがよ」

アーケノ「あー、はいはいはい。じゃあお前はそこでのたまってろよ。俺は魔物でも殺して料理して食うから」

インガ「俺の分も用意しろ」

アーケノ「やだ」

インガ「あ?」

アーケノ「文句言われる筋合いはねーよ」

 バサッ
 バサササッ

魔物「キィッ!」バサバサ

アーケノ「!」

 ジャララララッ
 ガシィッ

アーケノ「身は少なそうだけど、まあいっか…!」

 グギュッ
 グシャァッ

アーケノ「よし…血抜きして――」

 ヒョイッ

アーケノ「あ、おい…!」

インガ「こんなん食えるかよ」ポイッ

アーケノ「俺がとっ捕まえたんだぞ!?」

インガ「バッカじゃねーの、こんなん食ったら腹壊すぞ」

アーケノ「え?」

インガ「下痢便垂れ流されちゃたまんねーよ。毛玉みたいのいたろ。あれなら食えるから、それ持ってこい」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 なんだ、いいとこもあるじゃん…て見直してたらこれだよ…
 4~6 人格は難があるけど、頼りになる分野では頼りになることもあるんだよな…って
 7~9 何だかんだで…とか思ってたらやっぱりインガだったけど、いい方向に向かえ!


アーケノ「ほら、これでいいのか?」

 ドサッ

魔物「」

インガ「これこれ。内臓取り出して…と」

 ザシュッ
 グチュッ

インガ「でもって、丸焼き。小・業火」

 シュボォォォッ

インガ「そしたら勝手に毛が燃えて、火が消えたらかじりつけるって寸法」

アーケノ「へー…」

インガ「あー、腹減った! 早く焼けろ、こんにゃろ」ツンツン

 プス…

アーケノ「焼けた?」

インガ「焼けた。でもって、剣で刺して…持ち上げて、こうだ」

 ガブッ
 ジュワッ…

インガ「うは、うっめ! これこれ」ムシャムシャ

アーケノ「俺にもくれよ」

インガ「俺が焼いたんだよ、てめえでやれ」

アーケノ「」

インガ「よーし、じゃ、先行くか。食いながら」

アーケノ「こんにゃろう…」


 【安価下1】
 1 文句言いまくる
 2 もうさっさと終わらせたい…
 3 まだ残ってる分をよこせ、って奪い取る


アーケノ「はぁぁ…クソだった」

インガ「何か言ったか、うんこ」

アーケノ「目ぇ悪いんじゃねえの」

インガ「俺の目が悪いとか考えるお前の頭が悪いな」

アーケノ「死ね…」

インガ「てめえがな」

アーケノ「っ…」

アーケノ「まあでも、よーやくお目当てのもんを手に入れて外に出れたし…ちょっと休憩して――」

インガ「さっさと行くぞ」

アーケノ「おい」

インガ「あ?」

アーケノ「腹減ってんだよ、こっちは!!」

インガ「俺は減ってねえし」

アーケノ「~っ…」

インガ「その辺の木の実でももいでくってろよ」

 ガサッ
 ピンッ
 ドスッ

アーケノ「痛って!」

インガ「んだよ、くれてやったのにデコでキャッチして」

アーケノ「ぶつけてきたんだろうが、お前が!」

インガ「とろいんだよ、ぶゎーか」

アーケノ「うっ………ぜぇぇ~…」

アーケノ「…」パク

 ガキッ…

アーケノ「硬った…!?」

インガ「割って食うんだよ、アホ」

アーケノ「言えよ、そんくらい!」


 【安価下1】
 1 でも意外と物知りだな、って
 2 インガって地上で何してるん?って
 3 ヴァーゴに行ってもやることないんじゃ暇になるんじゃないの、って


インガ「お前がものを知らなすぎるんだっつーの」

アーケノ「っ…」

インガ「お、ぐうの音も出ねえか? じゃ、3回回ってワンだ、ほれ回れ」

アーケノ「意味が分かんねえよ、そんこと命令される…」

インガ「つまんね」

アーケノ「…逆にきくけど、何でお前はどーでもいいようなことばっか知ってるんだ?」

アーケノ「燃やすだけで食える魔物とか、こんな木の実の食い方とか」

インガ「知ってるもんは知ってるだろ」

インガ「じゃ、お前は何で自分がメシ食う時はフォークとナイフを使うって知ってんだ?」

アーケノ「はあ?」

インガ「おら、いつ知ったんだよ、言ってみろ。言えねえだろ? そーゆーもんだ」

アーケノ「…説明になってねえよ…」

インガ「説明できねーもん」

アーケノ「…」

インガ「あ、でもあれか」

アーケノ「ん?」

インガ「お前と違って、人生経験が豊富、ってことだ」

アーケノ「…お前に言われるとムカつくな」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 からかわれて終わり
 4~6 にしたって自分勝手がすぎるよなー、って漏らしたら
 7~9 インガに振り回されてばっかりだけど、インガ的にはアーケノは気に入ってるらしいよ


インガ「ムカつけ、ムカつけ」

アーケノ「こんにゃろ…」

インガ「お前みたいに反応するヤツはけっこー好きだぜ?」

アーケノ「はあ?」

インガ「スカしてるとからかい甲斐がねーし? 暇潰しの玩具にゃあ丁度いい」

アーケノ「…」

インガ「黙るんじゃねーよ」

アーケノ「あっそ…」

インガ「ま、リナが1番だけどな」

アーケノ「リナ? …リナって、ヴァーゴの王宮にいる…」

インガ「そ、俺の女」

アーケノ「!?」

インガ「あ?」

アーケノ「お、俺の女って…」ゴクリ

インガ「…………あんなことも、こんなこともやってんぜ?」ニタァ

アーケノ「な、で、でも…確か、バイスの、姫様とか何とか――」

インガ「だから何だよ。俺のもんに変わりねえよ。あいつのもんは俺のもの。だからバイスだって俺のもんになるんだぜ?」

アーケノ「なるって…占領されてんじゃん」

インガ「だから、それ取り戻すんだよ。めんどくせーことになってるけど、ベテルギウスをぶっ殺したら暗夜と一緒に攻め込むわけ」

インガ「ガマーベだろうが魔族軍だろうが、ぶっ飛ばして奪い返す」

アーケノ「………お前、土地欲しいの?」

インガ「ちげーよ」

アーケノ「あ、じゃあお宝目当てか? 宝物庫の」

インガ「アホだな、お前…」

アーケノ「ああ?」

インガ「リナは俺のもんだ。なのに、リナはてめえのなくなっちまった国にめそめそしてんだよ」

アーケノ「……だから、取り返すのか? 女のためだけに?」

インガ「俺のためだ。リナは俺のなんだからな」

アーケノ「…ひねくれてんな…」

インガ「他人事みたいに言ってんじゃねーよ」ガシッ

アーケノ「何を? つか放せ」

インガ「んんん~? テレサのことどーすんだ、おめー」

アーケノ「…別に?」

インガ「じゃ、俺がもらうか」

アーケノ「あ?」

インガ「反応はなかなかだしなあ? 俺は盗賊だぜ、誰のもんだろうが、誰のもんでもなかろうが、手に入れる手段なんざいくらでも用意してやら」

アーケノ「っ…や、やめろっつーの!」

インガ「どーすっかな~」

アーケノ「テレサに手ぇ出したらお前だろうがぶっ飛ばすぞ」

インガ「んじゃ、とっととツバでも何でもつけちまえ。オスだろーが、てめえはよ」ニタ

アーケノ「っ…」

インガ「さっさと歩け、早くリナをいじめてえんだよ」


 ――暗夜王国・風鳴の村――

 ヒュォォォォ…

インガ「ここか」

アーケノ「地味に遠かったな…」

インガ「んで…ヨダカの竜はどこにいんだ…?」

アーケノ「聞いてねえのか、場所」

インガ「シャニっつーのと一緒にいるんだと」

アーケノ「ふーん…」

インガ「さっさと探すぞ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 あらまあ、シャニさんったら…
 4~6 これがシャニ…?
 7~9 すっかりぐーたらになっちゃって…


サン「くぅ」スリスリ

シャニ「そうかそうか…暇か…ほら、猫じゃらしだ…」フリフリ

サン「くぅっ」カプ

シャニ「ははは…そうかそうか、腹が減ったか…ほら、猫じゃらしだ…」フリフリ

サン「くぅ…」

 ザッ

アーケノ「…いたけど…」

インガ「おう、竜借りるぞ」

アーケノ「いきなりだな…」

シャニ「…ああ、そうかそうか…持ってけ――って…ん?」

インガ「こい、竜」

サン「くぅ?」

インガ「ほれ、これ食え。でもってデカくなれ」

シャニ「…」

シャニ「……ん、んん?」グシグシ

インガ「んでもって、ヴァーゴまで飛べ。いいな、ヨダカにお前借りるって言ってあるかんな?」

サン「くぅっ」モグモグ

アーケノ(ほんとに食ってる…)

インガ「1秒でも早くリナんとこ行くからな、頼むぞ、おい」

 バンッ

アーケノ「うおっ…?」

シャニ「お前っ…カルカリナ様とともにいた…!?」

インガ「ん?」

シャニ「それに今…カルカリナ様のところへ行くと…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 早まるな、って勘違いシャニさん
 4~6 余計なことをまたインガは…
 7~9 すっかりしおれてたシャニが復活した


インガ「そう言ったけど何だよ?」

インガ「つっまんねーことぁどーでもいいんだよ。リナをからかって遊び尽くしてやる腹づもりなんだからごたごた言ってんな」

シャニ「カルカリナ様は…生きておられるのか?」

インガ「そー言ってんだろ」

シャニ「…」

インガ「ん?」

シャニ「…………だとしても、何がからかって遊び尽くすだ、貴様っ!?」バッ

アーケノ(うわ、さっきまでよぼよぼジジイみたいなだったのに立ち直った)

シャニ「カルカリナ様を貴様のようなヤツが弄ぶと言うのか、そこへ直れ、不敬罪で処断してやる!」

インガ「リナは俺のもんだ、ごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ」

シャニ「貴っ様ぁああああああ―――――――――――――っ!」

 ダンッ
 ブォォォンッ

 ガキィィィンッ

インガ「やろうってのか、こんにゃろうが!」ブォンッ

 ザッ

シャニ「上等だ、剣の錆びにしてく――」ポロッ

アーケノ「剣が錆びてるって、どんだけだよ…」

インガ「もらったぁっ!」

 ドグシャアアアアッ

シャニ「か、は――」ドサッ

アーケノ「…………………知り合い?」

インガ「ヨダカのダチ」

アーケノ「………こいつと、ヨダカが…?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 哀れ、シャニはリナが生きてることを知ったけど置いてけぼりにされてしまったのだった…
 4~6 シャニというリナの護衛役ができてしまって、インガは折角ヴァーゴまで戻れたのにいちゃつけなかったそうです
 7~9 リナと再会したシャニは、それはそれが喜んだそうです。ヴァーゴの守りも手厚くなるね、良かったね


 ――ヴァーゴ王国・王宮――

 バサァッ

リナ「皆さん…そ、空からいらっしゃるなんて、どうして――」

シャニ「カルカリナ様!」

リナ「あなたは…」

シャニ「バイス王国が兵、シャニと申します。お顔を覚えておいでもらえていましたか」

リナ「え、ええ…」

シャニ「あなたがご存命だとは知りませんでした。駆けつけたことが遅れたことを、深くお詫び申し上げます」

リナ「いえ、そんな…。あなたもご無事だったようで、何よりです」

シャニ「ありがたきお言葉…」

インガ「おう、リナ」

シャニ「貴様、気安く声を――」

リナ「インガ様っ、どうしてお空からいらしたのですか? その後、どうなられました?」

インガ「今暇だから、お前をからかいにきたんだよ」

リナ「か、からかいになど…困ります」プクッ

インガ「困らせにきてんだから当たり前だろ、もっと困っちまえ、それそれ」ツンツン

リナ「や、もう、インガ様っ…! ふふっ、もう…くすぐったいです、インガ様、おやめになってください」クスクス

インガ「やめるかよ、ばーか」ニタニタ

アーケノ(マジで何なんだこの光景…)

シャニ(カルカリナ様が…笑っておられる…だと…? あんなことをされて…!?)

シャニ「……………くっ」ギリッ

アーケノ「こっちはこっちで、何か歯ぎしりしてるし…」

シャニ「だが…良かった…。俺の務めも、これでまた全うできるというもの…」

シャニ「カルカリナ様!」

リナ「あ、は、はい。何でしょう?」

シャニ「これより、バイス王国の最後の兵として、あなたをお守りいたします。必ずや」

リナ「ええ、ありがとうございます…。けれど、もう、国は――」

シャニ「あなたがおられればきっと、再びバイス王国を再興することも叶うでしょう。その時まで、この身が朽ち果てようとも従います」

インガ「じゃ、お前も俺のもんだな」

シャニ「何?」

インガ「リナは俺のもの。お前はリナのもの。――だったら、お前は俺のもんだよな」

シャニ「っ…貴様は、何様のつもりだ…」チャキ

インガ「その錆びた剣で何すんだよ」

シャニ「っ…しまった…」

リナ「シャニさん、邪見にしないでください。インガ様はわたくし達のお力になってくださる方です。少々の口の悪さには、目をつむってください」

シャニ「……カルカリナ様が、そう仰られるのであれば」

インガ「んじゃーな、てめーは俺がいない時にちゃっきりリナのこと守っとけよ。おう、リナ、腹減ったから何か持ってこさせろ。行くぞ」

アーケノ「……………………結局、俺、何でここまでついてきたんだ…?」

リナ「きゃっ、インガ様、どこをお触りに――」

インガ「ちったあ膨らんだか、もっとデカくしてやるよ」

シャニ「貴っ様ぁああああああああ―――――――――――――――――――っ!!」

アーケノ「………もう考えるのよそう…疲れた…。俺もメシ食わしてもらお…」


王子「本日はここまでです」

王子「ちなみに、シャニはヨダカのことはさっぱり、心配してません。呪いが発動しなきゃ無事って分かるからです」

王子「インガの好感度の上げ方は振り回されて、それにいいリアクションを取ることなのです」

王子「あとヴァーゴ王国にシャニが加わったのはけっこうなプラスなんだよ」

王子「そんなわけで、ありがとうございました。また次回!」


王子「サンタさんは赤い服のイメージがすっかりついてるけど、これがコカコーラの仕業って考えると…影響力ヤバいよね」

王子「よし、今日はコーラを飲もう」

王子「というわけで! キャラエピも残りすくないね! サクサクいけるといいね!」

王子「今日は誰をいこうか!?」


 【安価下1】
 1 スピカ
 2 ジェシカ
 3 ジュダル


 ――暗夜王国・丘陵の街・領主邸――

アーケノ「はぁー……やっとヴァーゴから帰れた…」

サン「くぅっ」バサァッ

アーケノ「はいはい、ありがとよ、運んでくれて」ポンポン

ヨダカ「お、デカくなったな、ちゃんと」

 ボフンッ

サン「くぅ♪」スリスリ

アーケノ「て、ちっさくなった…!?」

ヨダカ「戻れるからいいの。力使って縮んだんじゃねえんだから、デカいと燃費悪いしな」

アーケノ「あ、そういう…?」

ヨダカ「インガは?」

アーケノ「向こう残った」

ヨダカ「……まいっか、静かになるし」

アーケノ「そうだ、スピカ、どこいる?」

ヨダカ「部屋にいるだろ。行くぞ、サン」スタスタ

サン「くぅ」パタパタ

アーケノ「部屋か…」

アーケノ「つっても、戻るならついでにとか言って手紙渡してくるとか…俺を何だと思ってんだ」


 【安価下1】
 1 影のうっすぅーい、スピカパパンからのお手紙をアーケノは預かってました
 2 ゼノビアからのお手紙を預かってます
 3 ピースからのお手紙を預かってます


 コンコン

アーケノ「入るぞー」

<どーうーぞぉー………

 ガチャ

アーケノ「何だよ、やたらしゃがれた声で…」

スピカ「………ミスっちゃった…はは、ははは…」

アーケノ「何を?」

スピカ「地利魔法…間違って、解除しちゃって…やり直し…グスッ…」

アーケノ「はああああああっ!?」

スピカ「昨日、こってりジェシカに言われたからやめてよぉー! 泣きたいのはわたしもなんだからぁー!」

アーケノ「……………マジかよ…」

スピカ「……それで、どしたの?」

アーケノ「あ、そうだ。ヴァーゴの王宮行ったら、スピカにこれ渡してくれって。何だっけ…あの、ゼノビアっていう」つ手紙

スピカ「手紙? ゼノビア先生から?」

アーケノ「……何て書いてあんだ?」

スピカ「何だろ…?」

 ピリピリ…
 ガサッ

スピカ「んーと…どれどれー…?」

スピカ「ふんふん…ふんふんふんふん…」

アーケノ「…」

スピカ「…」

アーケノ「…」

スピカ「………なるほど」

アーケノ「何だって?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 スピカの設定をようやく回収する時が!!
 4~6 地利魔法を途絶えさせちゃった今の内にやりたいことができたから手伝って、って
 7~9 魔術具職人としてものすごぉぉぉーい、権威のゼノビアに前々から相談してたことがあったんだって


スピカ「………まさか、このタイミングだなんて思ってもなかったよ…」

アーケノ「何が?」

スピカ「んー…あのね、わたし、実は探してる人がいたの」

アーケノ「探してる人?」

スピカ「うん。サイズが変わっちゃって何回か新調したけど、こういう服をくれた人」

アーケノ「服って…その、全然魔法使いチックじゃない、魔物の皮みたいな?」

スピカ「そ」

アーケノ「…で、それが?」

スピカ「実はその人に憧れて、魔法使いになりたいって思ったんだよ」

スピカ「だから、もう1回会いたいなって、ずっと。すごい魔法使いだったけど、さっぱり音沙汰なくてね」

スピカ「ゼノビア先生なら何か知ってるかも、って思って前に話したことがあったんだけど…そのことについて、思い出したみたい」

アーケノ「それが手紙の内容…」

スピカ「うん」

アーケノ「…で」

スピカ「……………ちょっとだけ、ちょっとでいいから、探しにいくの、手伝って!」


 【安価下1】
 1 ちなみに断る選択肢はありません。スピカと2人でレッツゴー
 2 誰か連れてくかー
   ※インガを除く仲間パーティーから2人まで選べます


シリウス「まあ、暇だからいいが…」

スピカ「ほんと? やった、ありがとね」

アーケノ「お前も暇か…」

シリウス「ああ、お陰でいいトレーニングに精を出せている」ムキッ

スピカ「うわ、カチカチ」ツンツン

アーケノ「スピカって、あんま物怖じしないよな…」

スピカ「そう?」

シリウス「で、どこへ行くんだ?」

アーケノ「どこ?」

スピカ「どこって場所は知らないんだよね…。ただ、弟子とかも取ってるような人だったから、弟子に当たってみたらって」

アーケノ「は? え、居場所が分かってるとかじゃなくて…?」

スピカ「えへへー」ポリポリ

シリウス「………迅速に動くとしよう」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 徒☆歩
 4~6 姐御に馬借りた
 7~9 ヨダカにサン借りた


 ――暗夜王国・上空・サンの背の上――

スピカ「空を飛んでる! 空飛んでるぅー!」

シリウス「ところで、スピカはヨダカのように風魔法で空を飛ぶことはできないのか?」

アーケノ「あ、そう言えばそうだな」

スピカ「あれって、難しいんだよ…」

アーケノ「坂道とか、登るのキツい山とか、あいついっつもぷかぷか浮くみたいに飛んでるじゃん」

スピカ「ヨダカって魔族だから、そういう…何だろう、魔力の感覚的なコントロールが得意なんじゃない? 魔人族ってそういうの長けてるみたいだし」

シリウス「そうだったのか」

アーケノ「ふうん…で、どこ向かってるんだ? 雲の上じゃ、何も見えねえ」

スピカ「王都デーモンだよ」

シリウス「そこにスピカの探し人の弟子がいるのか?」

スピカ「らしいよ」

スピカ「まだ若いらしくて、それで…すごい魔法使いだって」

アーケノ「若くてすごい…って?」

シリウス「もっと絞り込めないのか?」

スピカ「物腰が穏やかな人で、調合とかが大好きで、変な薬とか作るのが好きみたい」

アーケノ「…何か物語に出てくる魔女みたいな想像しちゃうんだけど…」

シリウス「ああ、似たたぎる紫色の液体が満たされたツボをかき混ぜる、アレだな」

スピカ「男の人だって」

シリウス「…その手がかりで見つかるものか…?」

サン「くぅっ!」

 ヒュォォォォッ

アーケノ「うお…降りるのか――ってもう着くのかよ、速いな」

シリウス「いいことだな」

スピカ「じゃ、王都についたら手分けして探そう」


 【安価下1】
 手分けして、って言われても…
 1 尋ね回るか
 2 そうだ、こういう時は騎士にきいてみるか
 3 王都にいる魔法使いらしいし…ゼドファらへんにきいてみるか


 ――暗夜王国・王都デーモン――

 スタスタ…

アーケノ「…若くて魔女みたいなグツグツの優秀な男の魔法使い…」

アーケノ「あれ? 魔女みたいな魔法使いの、すごい……若い魔法使い?」

アーケノ「…あれ?」

アーケノ「…」

アーケノ「まあいいか…」

 スタスタ

アーケノ「けど…一口に王都って言っても広いしなぁ…」

アーケノ「…そうそう見つかるような感じも…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ふらっとジャンヌの店に入ってくつろいでたアーケノでした…
 4~6 少年よ、って呼び止められた
 7~9 行列があった


 チョンチョン

アーケノ「ん?」

ヒヒイロ「少年よ、足を止めたまえ」

アーケノ「……………何だっけ…ええっとー………」

ヒヒイロ「何、俺の顔忘れちゃったの、ショック~…」

アーケノ「顔は覚えてるけど、名前が………オッサン」

ヒヒイロ「………もういいや、オッサンで」

アーケノ「でオッサン、何してんの…。騎士だろ」

ヒヒイロ「オッサンはさー、すぐにくたびれちゃうのさ」

アーケノ「…」

ヒヒイロ「暇そうね、少年」

アーケノ「…暇じゃないけど」

ヒヒイロ「ままま、まあまあまあ、悪いことは言わないから、ちょっとさ、オッサンの相手をしなさいな」

アーケノ「オッサンの相手なんか誰が好き好んで――」

ヒヒイロ「最近オッサン、息抜きにつきあってくれるのもいなくてさみしいのよ」

ヒヒイロ「どっかの誰かさん達が、オッサンのかわいいかわいい部下のジュダルちゃんを連れてっちゃったからさぁ?」チラチラ

アーケノ「…」

ヒヒイロ「な、オッサンがお金は出してあげるから、ちょちょいっとついておいでよ」


 【安価下1】
 1 ………ついてっちゃう
 2 やることあるしー
 3 じゃあ、手伝ってくれたら考えないでもないよ


ヒヒイロ「頼むよ少年~、オッサンのこの、誰にも相手をしてもらえない寂しい心境を理解してっ…」ユサユサ

アーケノ「…んじゃ、ちょっと手伝えよ」

ヒヒイロ「えー、オッサン、お仕事サボってる最中なのよ?」

アーケノ「じゃーな」スタスタ

ヒヒイロ「はいはいはい、ストップ、ストップ、どうどう、少年、せっかちはいけないぞ」

ヒヒイロ「少年はオッサンと違ってまだまだたっぷり時間があるんだ、うん、ゆっくりした方がいいさ」

アーケノ「…」ジトォッ

ヒヒイロ「おほん…で、何かね、このヒヒイロに手伝ってもらいたいことというのは?」キリッ ←低音ボイス

アーケノ「魔法使い探してんだけど知らねえ?」

ヒヒイロ「んなのそこらにいるじゃないのよ」

アーケノ「えっと…すごいグツグツな魔女っぽいことをする若い魔法使い。男」

ヒヒイロ「…グツグツな魔女っぽいことをする、若い魔法使い…?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 めんどうくさがられてオッサンは逃げた。クソっ、オッサンめ!
 4~6 使えるオッサン
 7~9 ビンゴなオッサン


ヒヒイロ「グツグツって、調合みたいな?」

アーケノ「そうかも」

ヒヒイロ「んじゃー…そういう店に行けば見つかるんでないの?」

アーケノ「そういう店?」

ヒヒイロ「そそ、調合用の材料とかを扱ってる店があんのよ。王都には2軒くらいしかないから、そういうことしてる人ならすぐ分かるって」

アーケノ「すげえな、オッサン…」

ヒヒイロ「ダテにオッサン歴は長くないからね~」

アーケノ「じゃ、そういうことで」

 ガシッ

ヒヒイロ「さ、教えてあげたんだからオッサンのターンよ」

アーケノ「急いでるんだって」

ヒヒイロ「オッサンだってこんなとこをデネブくんに見つかったらしょっぴかれちゃうから急いでんのよ」

アーケノ「しょっぴかれろよ!」

ヒヒイロ「教えてあげたんだからちょっとくらいやさしくしてくれていいじゃないの」

アーケノ「デーネーブー!! オッサンがここにいるぞぉーっ!!」

ヒヒイロ「いやいやいやいや、何言っちゃってんの。大体ね、デネブくんだって暇じゃ――」

 チョンチョン

ヒヒイロ「…え」クルッ

レイド「ヒヒイロさん、巡回、ご苦労さまです」

ヒヒイロ「ふぅぅー…レイドか。あいよ、お疲れさん。んじゃあ――」

レイド「書類が溜まっているので目を通してください。行きましょう」

ヒヒイロ「レイドくんの鬼ー、悪魔ー!!」ズルズル

アーケノ「…………また今度な、オッサン」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ちょっとちょっと、スピカさんよぅ…
 4~6 3人ばったり、同じとこに来た
 7~9 見つけたぞぉー!!


アーケノ「えーと…確か、この辺…」

<見つけたー!

アーケノ「スピカの声…?」タタタッ

 ドンッ

アーケノ「っと…」

シリウス「すまない、前方不注意だった――アーケノか」

アーケノ「シリウス?」

シリウス「怪しげな薬を作るならその材料を扱っているところもあるだろうと思ってな」

アーケノ「…お、俺も」

シリウス「そうか。スピカの声もしたが…」

アーケノ「ほぼ同じタイミングだったみたいだな…」

シリウス「らしいな」

 スタスタ

スピカ「へえー! こんな便利なお店があったんだー、へええ~」キョロキョロ

スピカ「あ、これ…こんな材料まで…こっちのは――うわ、目に染みるっ」

アーケノ「何はしゃいでんだよ…」

スピカ「あうあうあう…あ、アーケノ…? 目が、染みちゃって、今、何も…」

シリウス「ほら、ハンカチだ。これで拭け」

スピカ「シリウスもいたんだ…これで…よしっ、と。ふぅ…ありがと、シリウス」

アーケノ「ここなら、弟子のこと分かるかもな」

<こんにちはー

シリウス「若い男の声――」

スピカ「それに何か、物腰も穏やかそうな…!」

アーケノ「え? でもあれって…」

ゼドファ「いつものください」

*「あいよー」

アーケノ「………ゼドファじゃん」

ゼドファ「? あれ、アーケノ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 どうやら弟子らしいんだけど、その師匠のことを聞いたら…ららら…
 4~6 師匠の居場所は丁度分かるよー、って。少しめんどいとこにいるらしいけど
 7~9 教えてくれるってさ。ついてきてくれるってさ


アーケノ「ゼドファって、師匠いる?」

ゼドファ「師匠…?」

スピカ「こういう服、着てる人で!」

ゼドファ「………………………ああ…いるよ…」

シリウス「ん? どうした、いきなり顔を変えて…」

スピカ「わたし、その人に会いたいの。居場所知ってたら、教えてくれない?」

ゼドファ「…」

アーケノ「どした? ゼドファっぽくないな…」

シリウス「もしや、師との仲が悪いのか?」

スピカ「えっ…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 スピカのキャラエピが、1番しんどくなるかも
 4~6 ゼドファは師匠が嫌いらしいです。人の好いゼドファをして、嫌いと言わせるなんて…
 7~9 ゼドファの師匠は、ゼドファが思わず顔をしかめるような人物らしいです


スピカ「そ…そうなの…?」

ゼドファ「いや…僕はけっこう、いやかなり…いや、とんでもなく…かわいがられた方だと思ってるよ」

アーケノ「じゃあいいじゃん」

ゼドファ「ただね…師匠は、奇人と言ってよい類の人間なんだ」

シリウス「奇人か…それは、少々、関わりたくもないかも知れんな」ムキッ ←上裸筋肉男

アーケノ「…………そうだな」ソソソ ←距離取った

スピカ「でも悪い人じゃないでしょ?」

ゼドファ「……………オシショウサマハ、ワルイヒトデハ、アリマセンヨ」

アーケノ「は?」

スピカ「…」

シリウス「…どうした?」

ゼドファ「ハッ…刷り込みが…!?」

アーケノ「…刷り込み…?」

ゼドファ「師匠に会いたいのなら、覚悟をすることだよ」

アーケノ「覚悟…」ゴクリ

ゼドファ「そう…全身の、毛という毛をむしられてもいいやと、そう思える覚悟だ」

シリウス「…」

スピカ「…」

アーケノ「…」

ゼドファ「…本当に」

アーケノ「じゃ、場所分かったみたいだし、俺とシリウスは先に帰るわ」

シリウス「ではな、スピカ。会いたかった人物との再会だ、邪魔をしないでおこう」

スピカ「やめてっ、ひとりにしないでっ!?」


 【安価下1】
 1 あ、オッサンにお礼しなきゃいけないんだったー。えー、シリウス、オッサンと知り合いなの、じゃあ一緒にいこうぜー、あはははー
 2 なんか怖いからゼドファも一緒にいこうぜ、ってお願いする
 3 覚悟を決めて乗り込もう…


 ――暗夜王国・朽ちた塔――

 バサァァッ

アーケノ「ここ…か?」

スピカ「だと思う…」

シリウス「宝のしない、か…」クンクン

サン「くぅっ」パタパタ

アーケノ「街中じゃないし、お前も来るか?」

サン「くぅ♪」ノシッ

アーケノ「頭に乗るのかよ、お前…意外と重いし…」

スピカ「き、緊張してきた…」

シリウス「スピカは1度、会ったことがあるのだろう? その時はどのような人物だったのだ?」

スピカ「うーん…はっきり覚えてないんだよね」

スピカ「ただ…何かがあって、ちょっとしたピンチで、あの人が服をくれて…魔法がすごかった…っていう、すごい断片的な…」

アーケノ「ふうん…」

シリウス「とにかく、行ってみれば分かるだろう」

 ギィィ…

スピカ「お…お邪魔しまぁーす…」

アーケノ「………ギャルコが出てきそうな感じだなぁ…。こういうとこに住んでるのって、おかしなヤツばっかなのか…?」

シリウス「ギャルコ?」

アーケノ「何でも…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 超・大歓迎な様子…だけど、歓迎の仕方って色々あるやん…?
 4~6 意味不明すぎた
 7~9 陽気そうな人だなー、って印象


<ぴーんぽーんぱーんぽぉぉぉぉ~~~~~んっ!!

アーケノ「うおっ…?」

スピカ「な、何…?」

シリウス「トラップ…?」

<ようこそ、哀れな子羊たちよ。ここはオオカミさんの胃袋の仲だぞー!☆キャピッ

スピカ「…え」

アーケノ「…このノリ…は…」

シリウス「時々、こういうのはあるのだ。ダンジョンのどこかに仕掛けを制御できるところがあってな、そこを掌握する」

シリウス「すると、おもちゃ箱をひっくり返したかのように次々とトラップを作動させたりできる」

アーケノ「へ、へえ…」

<と、いうわけでー! ようこそ、地獄の入口へ♡

<めちゃくちゃ歓迎してあげるよ!! あっ、帰っちゃダメだよー、入ってきたドアはボッシュート!!

 ズガガガガンッ
 ドゴォォォォォォンッ

アーケノ「うおおおっ!?」

シリウス「……過激、だな」

スピカ「…」←唖然としてる

<さ、そういうわけで! まずはまずは~、どれだけあなた達が強いのかを、見極めさせてもらいまぁーす!!」

<がんばって、塔の上まで登ってこられたーらー………そうだなー…

<うーん……よしっ、めっちゃくちゃかわいがった弟子から、ある日いきなり送りつけられてきたギャルコちゃん特製の呪いの道具をあげよう!

<あ、安心してね、これはあたしのことしか呪えない仕様になってるから! ほんじゃま、がんばー!!

<ぴーんぽーんぱーん…ぽぽぽぽーんっ!!

アーケノ「…え?」

 ズズズ…

シリウス「何だ…?」

スピカ「…」←固まってる

アーケノ「何か降ってきたぞ!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 あかんて…師匠、アカンて
 4~6 いやー、修行場として解放したらとってもいい感じじゃないですかー?
 7~9 やだ、スピカがヤケになっちゃった!?
  0  チート発動


シリウス「魔物だな――」

 ブォォォンッ
 ガィィィンッ
 ズドォォォォォッ

アーケノ「ってシリウス、何か、すっげえ感じで、ぶっ飛ばしたな…いきなり」

シリウス「ジェシカに新しく作ってもらったものだ、いいだろう?」

アーケノ「…俺だって!」

 ジャララララッ
 ガィィィッ
 ドゴォォォォォォォンッ

シリウス「なかなかだ」

アーケノ「へっへーん」

 ボトボトッ

シリウス「だが、どんどん降ってくる…雨のように魔物を降らすとはどうなっているんだ」

アーケノ「とりあえず、上行くか」

シリウス「そうだな。スピカ、行く――スピカ?」

アーケノ「ん?」クルッ

スピカ「…」

アーケノ「……お、おい、どした?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 スピカさんがおこです
 4~6 イメージと違いすぎてて、ものすごぉぉぉぉーく脱力してた…乾いた笑いが止まってくれない
 7~9 ほら、スピカさんって別にインテリキャラじゃないから…ちょっと、頭が緩いところもあるから


スピカ「こんな…こんな、ことって…」フルフル

アーケノ(まさか…!)

シリウス(新調してまで同じような服を着続けるほど尊敬していた相手がこのような仕打ちをしてきて――)

アーケノ・シリウス((ショックを受けて怒っている…!?))

スピカ「すっごいよね!? どうやってるんだろう!?」キラキラキラ

アーケノ「眩しいっ!? 目の輝きがめちゃくちゃ眩しいっ――ってグラサンしてたな、俺」

スピカ「よーし、こうなったらわたしも、ガンガンいくよー!」

スピカ「極大・濁流竜巻魔法!!」

アーケノ「おい、ここ、上はあるけど幅は――!?」

 ザッバァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ
 ブワァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ

シリウス「いや、上手いぞ! 降ってくる魔物を、凄まじい水柱で押し返している!」

スピカ「レッツゴー!」タタタッ

アーケノ「……スピカって…すごい時と、全然すごくない時があるけど…こう、ハマるとすごいよな」

シリウス「魔法使いというのは、そういうものらしいぞ。ハメて勝つ、が定石だとか」

アーケノ「…へ、へえ…」


 【安価下1】
 一応、スピカの探し人の性別を
 あ、お名前は「師匠」にしちゃいますので悪しからず

 【採用安価のコンマ判定】
 1~3 とは言え、かなりひいひい言いながら辿り着いたのでした
 4~6 ほとんどスピカがひとりでやっつけていった感じ。かなりへばったみたいだけど
 7~9 勢いってすごい。そしてついに、師匠こと、スピカに魔物の革の服をくれた人が登場!!


師匠「あーっひゃひゃひゃっ!! ほんとに、ほんとにきちゃったのぉー!?」

師匠「マジかよ、マジかよ、マージーでぇぇ~っ!?」ゲラゲラ

アーケノ(ぶん殴りてえ…!)ボロッ

シリウス「…」ボロッ

スピカ「はぁ…はぁ…」ゼィゼィ

師匠「それじゃあー、景品の、呪いの道具をプレゼーントフォーユー!!」ポイッ

アーケノ「いるかそんなもん!!」バシッ

師匠「ええええ~っ!? 折角、どこやったか忘れてたから探しまくったのにー?」

師匠「探してる間にこられたらかっこ悪いだろうなーとか考えて、途中で魔物の数も1.8倍にまで多くしたのに」

シリウス「確かに途中からグッと増えたな…」

アーケノ「すげえイライラするんだけど、殴っていい? いい?」

シリウス「こらえるんだ、暴力は何も生まない。その手を開いて、手と手を取り合うべきだ」←平和主義者

スピカ「はい!」ピッ ←挙手した

師匠「何だいっ、お嬢さんっ!?」ビシッ ←指差した

スピカ「わたしのこと、覚えてないですか!?」

師匠「ん? んん~…んんんん~……?」ジロジロ

スピカ「…」ジィッ

師匠「んー…」

スピカ「…」

師匠「……………いいセンスしてるじゃないの」

スピカ「…………小さいころ、あなたにもらったんですけど…」

師匠「うわ、マッジッでっ!? それマジ? …………………何歳くらい?」

スピカ「覚えてないけど…何歳だろう…? 5歳とか?」

師匠「幼女にこんな服を贈るとなると……………………………………………………………………………ヴァーゴ王国?」

スピカ「!」

師匠「…ははーん?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 クズ野郎だよこのひと
 4~6 奇人だなあ
 7~9 覚えてるんだね


師匠「………………………………………………………………………………………………………………いやほんとに申し訳ございませんでした」ドゲザッ

スピカ「へっ?」

アーケノ「え」

シリウス「?」

師匠「へへ、へへへへっ…いや、いやほら、でも、何年も昔のことでしょう、ねえ、ねえそうでしょう?」

師匠「だからその…今さらになって、とっ捕まえるっていうのはどうかご勘弁願いたいもんで…」

スピカ「え、えっ…? わ、悪いことしたんですか…?」

師匠「……………うん?」

アーケノ「…」

スピカ「…え」

師匠「いやでも…」ボソ

師匠「そうか、そうなのか…そういうことなのか…別にバレちゃいなかったのか、バレてなかったんだよな、この反応ってことは…かわいい天使みたいな女の子がいるじゃんとか思って気軽に声かけたら迷子だったからこれみよがしに方向音痴を治すための魔法をかけてみてそれが大失敗で方向感覚をめちゃくそ悪くしちゃう効果を発揮させちゃったこととかそれきりガンガン迷子になってるからその度良心の呵責に苛まれてこっそりお迎えに行ってだけど顔を覚えられたからバレたらマズいとか考えてちょっとした記憶を曖昧にする魔法をかけておいて記憶喪失になんてなったら大変だからってそこら辺の魔物の革を剥いで魔法で服に仕立てあげたものをプレゼントして茶を濁しておいてとっととヴァーゴから逃げ出したこととか全然バレてないってことだよなうん、うん、うんっ!!」

アーケノ「…」

スピカ「…」

シリウス「…」

師匠「……………それで、何の用?」

スピカ「…」

アーケノ(何かスピカが不憫になってきた…だだ漏れの聞こえるような声でぶつくそ呟いてんじゃねえよこいつ…)

シリウス「さすがに、怒ってもいいと思うが…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 何だかすごく脱力しちゃうスピカでしたとさ
 4~6 魔法で方向音痴を治すとか魔物の革から瞬時に服を作るとか記憶をぼかしにするとか、そういう魔法に心を奪われるスピカさんマジ知識欲旺盛
 7~9 成り行きはどうあれ、魔法使いになろうと思ったキッカケなんです、ってことを伝えて尊敬するスピカさんマジ聖人


スピカ「…」

師匠「まー、色々と突破してきたわけじゃんっ!?」

師匠「死んじゃってもいいかなー、なんて感じでやってたけどちゃんとつけたし、何か用事とかあるんでしょ?」

師匠「いいよいいよ、聞いたげる。片手間でできることなら」

スピカ「………はぁぁぁ…」

アーケノ(あのスピカが、こんなため息をつくなんて…)

シリウス「…」

師匠「ん? どったのよー? ちょいちょい、なになにー? テンション高かったじゃーん?」

スピカ「ザニア…お姉ちゃん、長年の目標を叶えられたよ…」ホロリ

師匠「ええー…何その、ムダなことに人生費やしてましたー、みたいな反応」

師匠「傷つくわー、マジ傷ついちゃうわー」


 【直下 コンマ判定】
 偶数 お土産に、スピカは師匠さんからスーパーすごい魔法が(失敗したり成功したりする)載ってる本を1冊もらいましたとさ
 奇数 お土産に、スピカは師匠さんからスーパーすごいかも知れない魔法(が発動したりしなかったりする)道具をもらいましたとさ
 ※0は偶数扱いです


―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


 SPICA ―― スピカさん、荒れるの巻き

スピカ「もーう一杯だけ~ちょーおーだーいーよぉー!」

シリウス「さすがに飲み過ぎというものだ、水でも飲め」

アーケノ「ああもう、ジタバタして…ほら、サン」ヒョイッ ←大きな革袋の中に料理をこっそり入れる

革袋?「くぅ♪」モゾモゾ

スピカ「だってさー、だってさー、仕方ないじゃーん? じゃーん?」ズイッ

シリウス「仕方ない…とは?」タジ

スピカ「ずっと尊敬してたんだよ…なのにさ、なのにさ、何だかイメージと違ったしさ?」

スピカ「…………そりゃ、魔法はすごかったけど…」

スピカ「でも!!」ガンッ

アーケノ「うおっ…」

スピカ「おかしくないっ!!? シリウス、一般論でいいから教えて!」バンッ

シリウス「あ、ああ…何だ?」

スピカ「他人よりもすごい力を持ってる人なら、それらしい振る舞いをするよねっ!?」バンバン

シリウス「…………人による、だろうな。……………………い、一般論、だとそういう人物の方が、多いかも知れん…が」

アーケノ(何この言わされてる感)

スピカ「でしょっ!? なのに、なのにさぁぁ~…………んもー……もう一杯飲ませてー!」

シリウス「はぁぁ…最後だぞ。店員、すまないがこっちに――」

 スッ

シリウス「ん?」

ヒヒイロ「さ、どうぞ、お姫様。今宵の騎士から、あなたへの贈り物です」キリッ

スピカ「ありがと」ゴクゴク

アーケノ「ぷっ…カッコつけてそれかよ」

ヒヒイロ「んで、何でこのお姫様は荒れてるのよ? オッサンにも教えてよ~」

アーケノ「かくかくしかじか」

ヒヒイロ「なるほど、そりゃあそのゼドファの師匠が悪い、分かる、オッサンすごく分かるよ」

スピカ「ほんとっ? 分かる?」

ヒヒイロ「よくいるのよね、貴族とかでも。えらーい権力持ってるくせに、レイドくんの性癖なんて塵同然くらいとんでもない趣向のヤツとか」

スピカ「詳しくは突っ込まないけど、そうなの!? 何かもう、腹立っちゃって、やるせなくて、信じてたわたしがバカみたいでね!」

ヒヒイロ「うんうん、分かる分か――」

 バンッ

デネブ「オッサン、何してんだよこら…」ゴゴゴ

ヒヒイロ「やべっ…デネブくん、これはね、あの――」

デネブ「二つ星の序列3位が、こんなとこでサボってねえでまっとうに働けっつーの!! 新人騎士がお前見て何て言ってるか知ってんのか!? 話に聞いてたヒヒイロ殿とは違う、特殊任務班もいかがわしい、だぞ!? 俺やレイドはともかくっ、ドラシロとゼドファとジュダルだっているんだから、オッサンがしっかりしなきゃダメだろうがよ、分かってんのか!? 大体、オッサンの巡回は1日10分でいいって前に決めたのに、何で巡回、巡回ってその名目で逃げ出してんだよ! もうサボってるのは丸分かりなんだよ、オッサン! いい年こいて俺みたいな若造にこんなに怒鳴られて叱られて自分が恥ずかしくなったりしねえのかよっ!! おいおってば!」

シリウス「デネブ、声が大きいぞ…」

アーケノ「つーかオッサン、そんな偉いのにさっぱり威厳ない――あっ」チラッ

スピカ「…………………うわああああんっ、やっぱり世の中は憧れた方の負けなんだぁー!! 世界にはやさしさが足りてないんだーっ!」グビグビ

シリウス「デネブ、前々から、お前はしっかり者とは思っていたが…ヒヒイロの首根っこを掴んで恫喝できるようにまでなったか。成長したな」

アーケノ「どんな成長の実感だか…。つーかスピカ、さっきからガバガバ飲んでるけど、その金――」

デネブ「オッサンのツケにしといていいから。おら行くぞ、オッサン。人手が足りてないのはオッサンが1番分かってるだろ」ズルズル

スピカ「おかわりー!!! もうタルごと持ってきてー!!」

 スピカはしばらく荒れて、その晩、アーケノとシリウスは徹夜でつき合わされました。
 ですが、お土産にもらった本はとってもすごい(だろうと思われる)魔法が載ってる本なので、魔法においては尊敬するようになりました。


王子「明日、というか日付が変わったから今日? の更新はないです」

王子「よろしくお願いします」


王子「ごめんね、今日もないです」

王子「そういうことで、よろしくお願いします」

王子「また次回」


王子「仕事は納めてきたぜ! ハッハー!!」

王子「いやー、仮装したりコスプレするイベントの日でもないのに、どうして渋谷や新宿に赤い服着た人がたくさんいたんでしょうね」

王子「居酒屋の後ろの席に赤い服着たお兄ちゃんやお姉ちゃんの一団が現れた時なんか、サンタさんも分業制なのかなって思っちゃったよ」

王子「プレゼントは未来を生きる新しい生命の種さ、なんちゃって?」

王子「死ね、って思うよね」

王子「おっと、汚い言葉は使わない方がいいね、めんご」

王子「さ、キャラエピは残り2人! ……………姐御って、特にこれといったのが浮かばないのよね…。何かあったっけかな…?」


 【安価下1】
 1 ジェシカ
 2 ジュダル


 ――暗夜王国・丘陵の街・領主邸――

アーケノ「…」

アーケノ「…」

アーケノ「…」

テレサ「アーケノ、何でそんな、黙って膝抱えて隅っこに座ってるの?」

アーケノ「目立たないように」

テレサ「どうして?」

アーケノ「…何か最近、誰かに目ぇつけられて面倒臭いことに巻き込まれてばっかだから」

テレサ「…」

アーケノ「ハッ…今回はお前か…!?」

テレサ「特にアーケノには用事ないけど…」

アーケノ「ならいいや」

テレサ「警戒しすぎじゃない?」

 バンッ

アーケノ「!?」

ジェシカ「面貸しな、アーケノ」

アーケノ「来た…」

テレサ「み、皆に頼られてるってことだよ、きっと」


 【安価下1】
 1 王都までおつかいです。またかよ…
 2 姐御は今、とってもとっても忙しいらしいです。でも…?
 3 姐御は領主であると同時にひとりの鍛治師でもあります


 ――暗夜王国・丘陵の街・領主邸・書斎――

ジェシカ「…」

アーケノ「……何だよ、いきなり面貸せって…」

ジェシカ「実はな、面倒臭いことになった」

アーケノ「面倒臭い?」

ジェシカ「あたしはここの領主だが、鍛治師を辞めたつもりはない」

アーケノ「結局、シリウスとエルとライドとジェシカとインガの分まで作ってやったんだっけ? 俺の鎖もか」

ジェシカ「ま、それはいい。手間だったが、久しぶりに色々と作って満足した」

ジェシカ「が――先日、手紙が届いてな」

アーケノ「手紙?」

ジェシカ「あたしが鍛治師になるにあたって師事した人からだ」

アーケノ「ジェシカの、鍛冶の師匠?」

ジェシカ「そういうことになる」

アーケノ「……そんで?」

ジェシカ「『鍛冶の腕がどれだけ上達したかのかが気になったから、最高傑作を用意しておけ』だと」

アーケノ「…最高傑作」

ジェシカ「色々とあたしも作ってきたし、質ならそこらの職人に負けるつもりはねえ」

ジェシカ「だが、最高傑作と胸を張れるほどのものは、ない。まして師に見せられるほどのものはな」

アーケノ「ははーん…?」

ジェシカ「手伝え」

アーケノ「だが断る!」

ジェシカ「なら居候してる分の金を払え」

アーケノ「俺、ジェシカに何かお返しした方がいいなって前々から思ってたんだ」

ジェシカ「そうかい、そいつは都合がいいな」

アーケノ「けど…何をどう手伝うんだよ?」

ジェシカ「いい武器には、いい素材がいる。そいつを取りにいく」

アーケノ「…イエスマム」

ジェシカ「あたしはお前の母親になったつもりはねーよ」


 【安価下1】
 1 姐御と2人でいくのだ
 2 誰か2人まで連れていけるよ。仲間キャラの中から併記してね
   ※スピカとインガは不可です

 【採用安価のコンマ判定】
 1~3 お目当ては最硬級の魔物らしいです
 4~6 お目当ては超凶暴な、角が売りの魔物らしいです
 7~9 お目当ては超珍しい、牙が特徴的な魔物らしいです
  0  ドラゴン狩りじゃーい!!


王子「一応、言っとくけど…」

王子「姐御とアーケノは決定メンツだから、モニカの他にも枠としては連れてけるのよ?」

王子「アーケノと姐御とモニカのメンツでおk? ちなみに、判定は2=最硬級で決定にしときますけど」


 【安価下1】
 1 3人でおk
 2 もひとり、いこう。併記してね


王子「…ごめんなさい、スピカとインガは、不可って…改めて書くのは忘れてたね」

王子「改めて」


 【安価下1】
 1 3人でいいよ!
 2 スピカとインガと、あとモニカも決定してるから、この3人を除いた中からあとひとり連れていけるよ!


 ――暗夜王国・某所・大草原――

ジュダル「疲れたぁ…」

モニカ「けっこうかかっちゃったね」

ジェシカ「だが本番は、ここからだ」

アーケノ「…で、何狙うんだっけ?」

ジェシカ「あたしが知る中で、1番硬い外骨格を持ってるって魔物だ」

ジェシカ「でっかい四本足の魔物らしくて、黒い外骨格を持ってるらしい」

モニカ「どれくらい硬いの?」

ジェシカ「さあな」

ジュダル「強いの?」

ジェシカ「動きも速いみたいだ。毛皮のない、殻に覆われてる魔物だ」

アーケノ「それって、倒せるのか?」

ジェシカ「ムリならあたしと一緒に死んでくれ」

ジュダル「えー、ヤダ!」

ジェシカ「んじゃ死ぬな。探すぞ」

モニカ「そうだね」

アーケノ「…軽いな、色々」


 【安価下1】
 1 ところで、ジェシカの鍛冶の師匠ってどんな人?
 2 あれこれ、地味にハーレム状態じゃね?
 3 お目当ての魔物を狩ったら、どんな武器作るの? 最高傑作を作らなきゃダメなんでしょ?


ジュダル「全然いなーい」

モニカ「…」ガサガサ

モニカ「…フンとかも見当たらないから、この辺じゃないかも」

ジェシカ「目当てじゃねえ魔物はそこそこいるんだがな…」

アーケノ「だな」

 ジャラララッ
 ズガァァンッ
 ブシュッ

ジュダル「次出てきたらわたしやる!」

アーケノ「何で?」

ジュダル「だって歩いてるだけじゃ暇なんだもん…」

 パァァァァンッ

ジェシカ「…何撃ったんだ?」

モニカ「向こうにいたから仕留めた」

ジュダル「やるって言ったのに」

モニカ「距離あったから、あそこまで行って戻ってきてじゃだるいでしょ?」

アーケノ「…ま、いいや」

 スタスタ

アーケノ「ところで、ジェシカの鍛冶の師匠ってどんな?」

ジェシカ「ん?」

ジュダル「ジェシカって偉そうだけど、師匠にも偉そうだったの?」

ジェシカ「どんな偏見だ」

ジェシカ「……だが、まあ、そうだな。師匠か…。特になんてことのない、勘違い野郎さ」

アーケノ「勘違い野郎?」

ジェシカ「ものを見極める目はいいんだが、作る方となりゃせいぜい並より上程度。自分の目に腕が追いつかねえってんで、弟子を取るわけだ」

モニカ「変な理由だね」

ジェシカ「だから基礎だけ叩き込むようにして教えたら、ポイだ。教え方が特別上手いとか、そういうのもなかった」

アーケノ「ふうん…」

ジェシカ「だが、師には違いねえしな。目もいい。それが最高傑作を見せろと来るんだから、適当なマネあできねえのさ」

ジュダル「へえー」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 夜行性だったらしい
 4~6 思ってたよりインパクトの強い遭遇だった
 7~9 発見!


 パチパチ…

ジェシカ「見つからないもんだな…」

モニカ「そうだね」

ジュダル「おやすみ」ゴロン

アーケノ「にしたって、歩き通して見つからねえんじゃなあ…」

モニカ「…罠を張るとか」

ジェシカ「悪いが、あたしはお目当ての魔物の特徴については知ってる分を全部言っちまった」

ジェシカ「それでも有効な罠を用意できるかい?」

モニカ「ムリだね」

アーケノ「警戒心が強いとか」

ジェシカ「知らん」

モニカ「雨が降ってないと出てこないとか」

ジェシカ「だったら雨季がくるまであたしらはさまようことになっちまうな」

アーケノ「はあ…お手上げだな」

モニカ「だね…」

ジェシカ「とっとと休むとす――」ピク

モニカ「ジュダル、起きて!」チャキッ

 パァァァァンッ
 ガィンッ

 ザザザッ

アーケノ「何か来る――」


 【安価下1】
 1 魔法ぶっぱ
 2 鎖で捕まえにかかる
 3 鎖で物理攻撃


アーケノ「とりあえず、姿くらい見せろ…!」

 ジャララララッ
 ブォォォンッ

 ズザァッ
 ダンッ

アーケノ「跳んだっ…!?」

ジェシカ「黒い――向こうから来たか!」

ジュダル「んぅぅぅ…いきなり、何…? まだ、朝じゃない――」

モニカ「目当ての魔物がきたよ」

 パァァァンッ
 ズザッ

アーケノ「動きが速いな…!」

 ジャラララッ
 グルンッ

アーケノ「よし、捉えた、動きさえ止めちまえば…!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ありゃ…
 4~6 力も強い!
 7~9 姐御とジュダルがガツンとやったけど…


 グググッ

アーケノ「けっこう力が強いけど、こんなら、どうだ!」

 魔物の首と足に絡めた鎖をさらに伸ばす。
 先端部が地面を潜り、別の地点から飛び出しては魔物を地面へ縫い込むようにして取り押さえた。

ジェシカ「やはり、お前で良かったな…!」ダッ

ジュダル「久しぶりの、必殺!」

 ジェシカとジュダルが、ほぼ同時に飛び出した。
 大きな鎚を背の後ろにまで振りかぶりながら、一気にジェシカが振り下ろす。
 ジュダルは槍の穂先へ紅蓮の炎を纏い、それを渾身の一突きとともに繰り出した。

 ズガァァァァアアアアアアッ

 シュボォォォォォッ
 ズッドォォォォォォォォォォッ

 だが――

モニカ「ダメみたいだね、やっぱり――」

魔物「ガァァァァァァッ!!」

 まともに2人の攻撃を食らいながら、魔物は大きく吼えた。
 四肢に力が篭ってアーケノが鎖をさらに引き締めようとしたが、口を開くとそこから光が溢れる。

アーケノ「嘘…!?」

 カァァッ
 ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォッ


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ……うん、強い
 4~6 思ってた以上に厄介ね
 7~9 戦い馴れてるから、多少はね


 魔物が口から放ったそれは、地面を抉りながら前方広範囲を焼いた。
 アーケノは障壁魔法で、モニカとジェシカは土魔法で壁を形成して防げたがジュダルは、あっ、と何かを悟ったように声を漏らして飲み込まれた。

モニカ「ジュダル…!」

 地面を削ったことで鎖が緩み、魔物は拘束を逃れて飛び出してきた。

魔物「ガァァァァァッ!」

ジェシカ「厄介なヤツだ…!」

 ブォォォォッ
 ガァァンッ

 即座にジェシカは向かってきた魔物へ土を叩きつける。
 しかし、硬い魔物の外骨格によってそれはダメージとならない。

アーケノ「クソったれ!」

 ジャララララッ
 ズガンッ

 魔物の横顔に鎖の先端部――アンカーのようなそれがぶつかった。
 本来ならば突き刺さるのだが弾かれてしまう。その一瞬でジェシカは大口を開けていた魔物の牙からは逃れられた。


 【安価下1】
 1 物理がダメなら魔法だ!
 2 モニえもん! どうすればいいの!?
 3 魔法の鎖名物、超巨大武器で叩き潰したる!


アーケノ「質量で勝負してやる…!」

 ジャラララララッ
 ガシガシッ

 アーケノが魔法の鎖を伸ばし、畳むようにして組み合わせて巨大武器を形成していく。
 30メートル四方はあろうかという、巨大な鎖のブロックだ。

アーケノ「ぶっ潰れろ!!」

 空中に形成したそれを高いところまで持ち上げ、一気に落とす。

 ヒュォォッ
 ズッドォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ


 【直下 コンマ判定】(とにかく硬い:-2)
 1~3 マジかよ
 4~6 えー…?
 7~9 めり込んだ…けど外傷らしいものはないっぽい


魔物「ガァァァ…!」ググッ

アーケノ「嘘だろ、めり込んだだけとか…!?」

ジェシカ「いい考えだな」

モニカ「だね」

アーケノ「は? 何が――」

ジェシカ「モニカ、硬いの集めてやるから頼むぞ! 中・土壁魔法!」

 ジェシカが魔物の四方に土の壁を呼び起こした。
 モニカがそこへ即座に1発ずつ、錬金弾を打ち込むと土の壁が波打って形状を変える。

アーケノ「何、してんだ、あれ…?」

ジェシカ「さすがに地面の中へ埋め込んじまえば動けねえだろ」

 土の壁がどろりと溶けたかに見えた。しかし、液状化をしたわけではない。
 壁は板状だった形を忘れたかのように不安定な物質となって魔物へと覆い被さった。魔物を生き埋めにするのだ。

モニカ「固めにやっといた!」

ジェシカ「叩くぞ! アーケノ、さっきのと似たようなのをピンポイントでぶち込め!」

アーケノ「ピンポイントって…!」

モニカ「質量同じで尖らせればいいよ!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 あれれー?
 4~6 さすがにちょっと…やりすぎた?
 7~9 やっと倒せたぜ…


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 魔法の鎖が―! ってなった。ごめん、って姐御に謝られて、もっといいの作ってあげるって。一部損壊だったんだけどね
 奇数 やったー、倒せたー、と思ったら血の臭いでも嗅ぎつけたのか…もっと凄そうなのがきちゃった☆
 ※0は偶数扱いやで


 ジャラララララッ
 ガシガシィィィッ

アーケノ「じゃ、落とすぞ…!」

 巨大な、鋭い三角錐を作り出してアーケノが叫ぶ。
 魔物は暴れ続けていて、もうすぐ這い出してきそうだった。

 ヒュォォォォッ
 ズッドォォォォォォォォォォォォッ

 アーケノがそれを落とすと、物凄い砂埃が舞い上がった。
 だが、鎖を通じた手応えでアーケノは驚愕する。かち割るには至っていない――。

ジェシカ「そのままだ、アーケノ!」

 冷や汗を垂らした時、三角錐と繋がっている鎖をジェシカが走っていた。
 曲芸師も顔負けだ。一気に鎖を駆け上ったジェシカが、大きく土を振り上げて三角錐をさらに叩きつけた。

 ズドォォォォォッ

 さらなる衝撃が起きて、鎖が軋む。
 何かを貫通した手応えが今度は伝わって、組んでいた鎖をほどいて巻き戻した。

 スタッ…

ジェシカ「どうだ?」

モニカ「やった…?」

アーケノ「……多分」

ジュダル「………………何で誰も…心配してくれなかったの…?」ムスッ

モニカ「心配はしたよ? でも大丈夫だと思って」

ジュダル「むぅ…」

ジェシカ「……おお、見事に仕留めたな」

魔物「」

アーケノ「ふぅ…そんじゃ、この死骸を持ち替えるか」

ジェシカ「そうだな。お前の鎖なら重かろうが問題ないだろ?」

アーケノ「………そこまで計算して俺を…まあいいけど…けっこう大きいし、持ち上げられる…か?」

 ジャラララッ
 ヒョイッ

アーケノ「余裕だな、うん」

 ドサッ

ジュダル「お風呂入りたい」

モニカ「とにかく今日は寝ない?」

ジェシカ「そうだな。見張りはあたしからでいい、お前らは休――」

 ズズズ…

ジュダル「地震?」

モニカ「………にしては、変な感じがするけど」

 ドゴォォォォォンッ

アーケノ「何だっ…地面が、いきなり――」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 クッソでっかいです
 4~6 でかくてキモいとかさ…
 7~9 同じ魔物だけど、サイズがかなり違うね…
  0  ドラゴン狩りじゃーい


巨大魔物「…」

アーケノ「」

ジェシカ「」

ジュダル「…おっきい」

モニカ「これ、本で知ってる。地上でも最大級の魔物で、大人しいけど食いしん坊で、でも怒ると街のひとつくらい余裕で滅ぶって」

モニカ「前足のついたヘビみたいな姿らしいけど、地上に出たサイズの4倍はあるって。これくらいだと…全長は500とかあるんじゃない?」

巨大魔物「…」チラッ

魔物「」

巨大魔物「…」スンスン

 パクッ
 モグモグ

 ゴクンッ…

巨大魔物「…」

 ズズズ…

ジェシカ「――って、何食うだけ食って帰ろうとしてやがるっ!!?」

ジェシカ「食ったもんくらい、吐き出してから行きやがれ!!」

アーケノ「こんなのとやんのかよっ!?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 アカン
 4~6 ちょーつよい
 7~9 倒せないくらい強いってことはないらしいけど強敵だそうです


モニカ「弱点は尻尾! あと前足の付け根! 口から割と何でも溶かせる粘液を吐くけど障壁魔法なら防げる!」

モニカ「攻撃方法は噛むか、粘液か、潜って下からパクンか、前足を出してきたら、それで色々!」

モニカ「頭ほど硬くて、尻尾に近づくほど柔らかくなっていくって!」

ジュダル「え、え? 何、どうすればいいの!?」

ジェシカ「お前はいつも通りにやってろ!」

アーケノ「モニカがいて良かった」

モニカ「とりあえずアーケノ、どんどん引きずり出した方がいいから魔法で地面とか削りまくって」

アーケノ「了解。――極大・爆裂魔法!!」

 カッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

巨大魔物「グゴ…」

ジェシカ「無視してんじゃねえぞっ!」

 ブォンッ
 ドゴォォッ

モニカ「あと脂肪も蓄えてるから、あんまり打撃は効かないって」

ジェシカ「そういうのも先に言っとけ!」


 【安価下1】
 1 とりあえず、引きずり出すのに専念だ!
 2 バカでっかいから、魔法でガンガン攻撃した方がいいっぽいのかな?
 3 粘液とかヤダから、口をふん縛っちまおう


―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


アーケノ「とにかく、引きずり出せばいいんだろ!?」

モニカ「そうだよ」

アーケノ「だったら、ガンガン、地面を掘る! 派手にやるぞ!」

 アーケノが爆裂魔法を連発して放った。
 黄金の火花が盛大に爆ぜる度、巨大魔物が身を潜めている地面を吹き飛ばしていく。

ジェシカ「前足が出るぞ!」

モニカ「大きいだけ力も強いから、まともにもらったら即死かもよ」

ジュダル「神父はどーしてこういう時にいないかなー!?」

 巨大魔物の前足が出てくる。前足、とは言葉だけで腕のようなものだ。
 それを思いき振りつけるだけで凄まじい衝撃と風が4人を吹き飛ばした。

モニカ「あ、溶解液くるかも」

 グッと巨大魔物が頭を引いた。そのモーションを見たモニカが言うと、だっと走ってジュダルがアーケノの後ろへくる。

ジュダル「障壁!」

アーケノ「命令すんな!」

 シュバッ
 ジュワァァァッ

 バチバチィィッ

 吐き出された粘液は雨のように降った。
 アーケノは障壁で自分とジュダルを、モニカとジェシカは土魔法でそれを防ぐ。

ジェシカ「とっとと、掘り出せ!」

アーケノ「分かってるっての!!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 でも前足が出てきたからかなり大変になってきた
 4~6 あ、地面に潜ろうとした!!
 7~9 じゅんちょー


アーケノ(ライドなら、もっとガツンとすっげー魔法とかぶっ放せたりすんのか?)

 カッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォッ

ジェシカ「モニカ、足!」

モニカ「分かってる、よ!」

 ジェシカの命令にモニカはすぐ反応する。地面から柱のようなものがせり出し、ジェシカが飛び乗った。
 そうして高度を稼ぎ、全身全霊でもって大鎚を巨大魔物の頭へと叩き込むのだ。

 ドッゴォォォォッ

ジュダル「ずるい! わたしもやりたい!」

モニカ「分かったってば…」

 そしてジュダルもそれに続く。
 モニカは従ってはいるものの、乗り気ではない。この巨大魔物の頭に近い部分を攻撃しても意味がないのだ、と。

アーケノ「掘っても掘っても、全然じゃねえかよっ! モニカなら、どーんってできねえの!?」

モニカ「わたしじゃ魔力足りないもん。貸してくれるならやるよ。それでもどうなるか知らないけど」


 【安価下1】
 1 やっぱいいや
 2 貸す!
 3 魔力なんか大量にあげるから一発で頼むよ


アーケノ「貸す、貸す、いや返せとか言わない!」

モニカ「返せないしね」

ジェシカ「何をごちゃごちゃ言ってる!?」

ジュダル「ちゃんと相手してよ!」

アーケノ「だってさ」

モニカ「じゃあ、手え貸して。確か……スピカが言うには、こう、無理やり、魔力の根っこを手繰り寄せて引き抜くみたいな…」

 ギュッ

アーケノ「何そのスピカの…それ」

モニカ「転移魔法の時に皆で魔力分担するでしょ。その時、どうするか聞いておいたの」

アーケノ「ああ、そう…」

モニカ「だから、それと同じ要領で魔力もらえると思って。ぶっつけ本番だから、失敗したらどうにかしてね」

アーケノ「さらっとお前は――」

 ギュゥゥゥンッ…

アーケノ「お、おっ…?」

モニカ「みんなー、離れてね。地形変えるよ」

アーケノ(地形っ!?)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 それでも半分くらい…かな?
 4~6 けっこう引きずり出したね
 7~9 モニカさまさまやでー


 ズズズッ…

アーケノ「お、思ったより魔力持っていってねえっ…!?」

モニカ「黙ってて、ちょっと……つらい、からぁっ!!」

 ズドォォォォォォッ
 ドゴォォンッ

 地形が、変わる。
 巨大魔物を中心に、地面が陥没をした。下がった地面の体積分だけ、周囲に無数の高い塔のようなものが立つ。

モニカ「ふぅっ…やっぱダメみたい。半分くらい?」

アーケノ「すっげ…」

ジェシカ「ジュダル、あたしがヤツの攻撃を惹きつける! お前は下をガンガンやれ!」

ジュダル「はーい!」

モニカ「…もっかい、やる?」

アーケノ「さすがに、もっかいやったら…俺の魔力もけっこう底が見えそうな具合なんだよなあ…」


 【安価下1】
 1 でもやっとこう
 2 やらんでいいよ
   A 引き続き、掘削に専念する!
   B 鎖で引っこ抜けないかな…? でも、これを引きずり出すとなると、鎖をそれように用意するだけで時間かかるかも…?
   C こっからはガンガン攻撃だ!


モニカ「わたしも疲れるから、いいんだけどね」

アーケノ「……疲れてるようには見えないけどな…」

モニカ「そうしてるから」

アーケノ「まあいいや、半分出たんだ、ガンガンいこーぜ」

モニカ「オッケー。あたしは前足の付け根ねらっていくから、アーケノは下ね」

アーケノ「あいよ!」

 チャキッ
 パァァァァァンッ

 ガスッ…
 ジャキィィィィィィッ

モニカ「ジェシカ、あたしが撃ったところに叩き込んで!」

ジェシカ「分かった、任しときなぁっ!」

 ダダダッ
 ダンッ

 ブォォォォッ
 ドグシャアアアアアッ

ジュダル「あーもう、全然、これダメージ入ってるか分かんない!」

アーケノ「何か攻撃くるぞ!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 いやー、強いな…
 4~6 消耗戦になってきるよ…
 7~9 ジュダルが業を煮やして、超必殺技を放った


巨大魔物「グゴ…ゴオオオオオッ!!」

 ズズズッ…
 カァァァッ

アーケノ「何だっ――」

モニカ「こんなの知らない!」

 ヒュバァァッ
 ドゴォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ

 巨大魔物がみじろぎしたかと思うと、大きく口を開いて何かを吐き出した。
 暴風と光と熱が発散されて、何もかもが白いものに包まれていく。

ジェシカ「ぐっ…お、おおおおおおっ…!?」

ジュダル「うぎゃあああーっ!!」

モニカ「っ…!」

アーケノ「うおおおおおっ…!?」

 シュゥゥゥゥゥ…

 それが過ぎると、誰もが地面を転がっていた。
 ぷすぷすと地面は熱を持ってくすぶっている。

巨大魔物「グガ…」

アーケノ(何…した…こいつ…)

アーケノ(やっべえ…やべえ、っつか…あー……体動かねえかも)


 【安価下1】
 1 体が動かずとも、鎖を身にまとって強制的に動かせるのだ!! 魔力さえあれば
 2 魔力はある。から、とりあえず魔法をぶっ放しまくってやるのだー!! 周りの状況なんかさっぱり見えなくても魔法は放てるもん!
 3 ねえこれ諦めぬ?


アーケノ(まあ、いいか――)

アーケノ「とっととくたばれ…デカブツ…!」

アーケノ「極大・爆裂劫火!!」

 カァッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ
 シュボォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ

アーケノ「もう一丁どころか、5発は見舞って、やらぁ…!」

 カァッ
 カァッ
 カァッ
 カァッ
 カァッ

 相次ぐ、黄金の爆発。
 爆炎はすさまじい勢いで広まり、あちこちを凄まじい炎に埋め尽くす――!


 【直下 コンマ判定】
 1~3 あれっ…
 4~6 もう一踏ん張り、がんばろー
 7~9 そろそろ決着にしたい


ジェシカ「あっちいよ、アホが!」

 ガツンッ

アーケノ「痛っで…!」

モニカ「けっこう、がんばってると思うんだけどなあ…」

ジェシカ「ああ、もう一踏ん張りだ…さっきのが、またきたら終わるけどな」

モニカ「あれ、ジュダルは?」

アーケノ「っ…また、あれ直撃とかしっ…痛っ…」

ジェシカ「魔法があんならそれで守れっての、お前って防御弱いな」

アーケノ「るっせ…ジュダルは?」

モニカ「…………あー……伏せるか、避けた方がいいね」

アーケノ「は? 何で――」

ジュダル「――極光斬ッ!!」

 カァァァッ
 ズッバァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ


 【直下 コンマ判定】
 巨大魔物を討伐した!!
 1~3 でもあんまりにも死骸がデカすぎるので、当初の目的の魔物をどうにか取り出して持ち帰った
 4~6 いやはや、すんごい素材がたんまりでござんすよ
 7~9 めちゃくちゃなものばっかり取れちゃったよ。強敵だったからね


 ――暗夜王国・丘陵の街――

 ザワザワ…

<さすが領主様だ、すげえ魔物だな

<あれでどんなものを作るんだろう?

<でも領主様が戻ってきて良かったわ~。ラジエじゃ頼りなくって

<ミーシャちゃんはかわいいからいいんだけどなあ、ラジエじゃあなあ

 ズルズル…

アーケノ「…」ゲッソリ

モニカ「…」ウツラウツラ

ジュダル「疲れたぁ…」ヨロヨロ

ジェシカ「もう少しだ、さっさと歩け…」


 【安価下1】
 1 んでさー、どんな武器作るん?
 2 え、ジェシカの師匠がもうきてる?
 3 クソでっかい魔物まで倒したんだし、居候の見返りにしちゃあ釣り合ってなくねー?って


 ――暗夜王国・丘陵の街・領主邸――

アーケノ「…ジェシカぁ…」グッタリ

ジェシカ「…なんだい…」グッタリ

アーケノ「…あのクソデカいの倒してさ、見返りって…ここで居候だろ?」

アーケノ「シリウスとかスピカとか、その他もろもろもいっぱい今居着いてるじゃんか…」

アーケノ「…割に合わなくね?」

ジェシカ「…だな」

アーケノ「あ、認めるのか…」

ジェシカ「……………何がほしい?」


 【安価下1】
 1 改めて言われるとちょっとなあ…
 2 武器ちょーだい
 3 おこづかいがほしい


アーケノ「折角なら何か作ってくれよ、武器」

ジェシカ「つってもお前は鎖があるだろう」

アーケノ「…そりゃそうだけど」

ジェシカ「いいか、その鎖はあたしが作り直したんだ」

ジェシカ「鎖自体の強度だって前のとは比べ物にならないぞ」

アーケノ「マジか」ジャラッ

ジェシカ「でもってお前は鎖以外に満足に扱えるのがあるか?」

アーケノ「………杖?」

ジェシカ「そいつはスピカみたいな魔法使いの領分だ。頑丈なだけの杖がいいなら作ってやらねえでもないが、鎖で足りてるだろう」

アーケノ「確かに…」

ジェシカ「…それでも、武器か? 杖みたいな棒状の武器を使いたいんなら、鎖でその形状にすりゃいいだけだ」

ジェシカ「それともちゃんと刃がついてるもんが欲しいか? 剣か、槍か、何だ?」

アーケノ「………そう言われるとな…」


 【安価下1】
 1 そうだ、じゃあアーケノ用じゃなくていいから剣作ってよ、剣
 2 もっと鎖強化できないの?
 3 やっぱり見返りとかいいや。でもすっげー武器作れよ。でもって見せてね


アーケノ「んー…」

ジェシカ「どーすんだい?」

アーケノ「……………そうだ、剣」

ジェシカ「お前、まともに振れるのか?」

アーケノ「俺用じゃなくてもいいから」

ジェシカ「何で」

アーケノ「いいから、剣くれよ、剣。すごいの」

ジェシカ「………ま、いいだろ」

ジェシカ「アーケノが剣で、モニカが弾で、ジュダルが髪飾り…高くついちまったな…」

アーケノ「え」

ジェシカ「ん?」

アーケノ「……モニカとジュダルは、すでに要求してたのか?」

ジェシカ「素材引きずって帰ってる道中でな。お前が大イビキかいてる間だ」

アーケノ「抜け目ねぇぇ…」

ジェシカ「けど、お前、自分の剣じゃないってどういうつもりだ?」

アーケノ「…それは…」

ジェシカ「それは?」

アーケノ「あー……………言わないけど」


 【安価下1】
 1 ………テレサに、あげたり…みたいな…? 一応、ベテルと戦う予定だし、ちゃんとしたのが、いいし?
 2 かっちょいい剣は男の子のロマンだからね
 3 何かで役立つかも知れないし、財産的な意味合いもかねて…なんて言ったら姐御に怒られちゃうかもだし…?


テレサ「~♪」スタスタ

アーケノ「よーし…寝よ寝よ」バタム

テレサ「アーケノ!」

アーケノ「お、おお…テレサか」

テレサ「おかえり。なんか、すごかったんだって? ジュダルに聞いてたけど寝ちゃって」

アーケノ「ん、まあ…余裕だったけどな」

テレサ「アーケノが最後はぶっ倒されてた、って」

アーケノ「……………位置取りが悪かっただけだよ…」

テレサ「ふふっ」

アーケノ「何だよ」

テレサ「ううん、おかえり」

アーケノ「…………………ただいま」

アーケノ(気合い入れて作るとか言ってたし…1週間やそこらじゃ、出来上がらないんだろうな…)

アーケノ(つっても…できたとして、それをどう渡したもんか…)

テレサ「おやすみ、アーケノ」

アーケノ「あ、おう…おやすみ……テレサ」


 【安価下1】
 テレサに贈る剣…
 1 素材の影響なのか、装備してるだけでものすごーく防御力が高まるのだ。切れ味その他は姐御自信作なので優秀
 2 それなりの重量だけど使われてる素材よりも硬くないものなら、割と何でもスパスパ切れちゃうスーパー切れ味重視なやつ
 3 スピカの協力も得て、普通の障壁なんぞよりもんのすげー硬度を誇る障壁魔法を発動できるすごい剣。エルの全力パンチ30連打くらいで壊れる


 ――後日

アーケノ「…」

アーケノ「……こうして、ちょっと時間が空くと、またくるんだよなあ…」

アーケノ「…ていうか、もう全員から何かしら…?」ブツブツ

 チョンチョン

アーケノ「来たかっ…!?」バッ

ライド「ど、どうしたの…?」

アーケノ「…弁償のことか?」

ライド「え? いや…アルエレナにそれは…」

アーケノ「何絡みだ、どこ行くんだ?」

ライド「いや、特にないけど…何か、ぶつぶつ呟いてたから、どうしたのかなって」

アーケノ「………ならいいや」ホッ


 【直下 コンマ判定】
 キャラエピ:ジュダル スタート
 1~3 バカ陛下プレゼンツ・王都デーモン女装デー
 4~6 ジュダルがバカ陛下にお呼出をされたそうです
 7~9 ジュダルがにいや成分が足りないそうで…
  0  精神値:9のジュダルでも狂いそうになるほどの事件が勃発!!

―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


 バンッ

ジュダル「ライド!」

ライド「っ…な、何?」

アーケノ「どしたんだよ?」

ジュダル「あ、アーケノもいたんだ」

ライド「どうしたの?」

ジュダル「……王都、行こ」

ライド「え」

アーケノ「あー…ジュダルか…」

ライド「何で?」

ジュダル「実はね、すごく今、大変なことになってるの…」

ライド「まさか、暗夜王国にも、崩壊が――」

ジュダル「にいや成分が、にいや成分が足りないんだよー!」

アーケノ「…」

ライド「……あー…」

ジュダル「だから、にいやに会いに行くの!」

ライド「…えっと…それ、僕も行った方が…?」

ジュダル「だって暇でしょ?」

アーケノ(まあでも、まっさきにライドにいくあたりは…うん)

ライド「暇は、暇だけど…」

ジュダル「じゃあ行こ!!」


 【安価下1】
 1 え、ライドくん行けへんの? なに、代わりに? …ジュダルと2人で王都行きでござんす
   A ヨーダーカーくん、サン貸して
   B 歩いていこか
 2 ライドくんがね、最近よくジュダルと2人でいて新鮮みがうすれつつあるから、ダブルデートみたいなことしたいって…はい?
   A し、しししししかた、しかたねえな、じゃあテレサも連れてって…
   B 知るかよ、って言ったんだけどついてきてってお願いされたから3人で
 3 折角、王都行くんなら他にもひとりくらい連れてこーぜ
   ※モニカ・スピカ・インガを除く中から選んで併記してね


 ――暗夜王国・王都デーモン――

アーケノ(来ちゃったよ…)

テレサ「王都、久しぶりだね、何か」

アーケノ「そうか…?」

ライド「アーケノは、ちょこちょこ来てるよね」

ジュダル「にいやどこだろう」クンクン

アーケノ「鼻で探すのかよ…」

ライド「は、ははは…」

ジュダル「いた、あっちだ!」ダッ

ライド「ジュダル…ちょ、待って…!」タタタッ


 【安価下1】
 1 追いかけておこう
 2 …まあいいや、放っておこう
   A とりあえず、ぶらぶら王都歩こうか…?って
   B テレサは何か王都でしたいこととかあるのん?って
   C でも特に見たいものとかないし、知り合いにでも会いにいくか
     ※王都にいる、会いたい人がいるなら併記してね。なければ非公開の王都在住者のアーケノに対する友好度が高い人が出てくるよ


テレサ「行っちゃったね」

アーケノ「ライドって…何か、犬みたいだよな」

テレサ「あ、ちょっと分かる」

アーケノ「…」

テレサ「…」

アーケノ「…」

テレサ「どうしよっか? ライド達、追いかける?」

アーケノ「別にいいんじゃね…? 俺、ジュダルの兄貴って何か苦手だし…」

アーケノ「テレサは、何かしたいこととかねえのか?」

テレサ「わたし? うーん…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 久しぶりに王様に会いたい、って
 4~6 ジャンヌのお店に行きたい、って
 7~9 劇をやってるらしくて、見たいって言われた


テレサ「特にないけど…何かないか、探してみようよ」

アーケノ「ん」

 スタスタ

テレサ「なーにかないかなー?」キョロキョロ

テレサ「…武器屋さんは…いいや。何か、ああいうところに入り浸ってたら、ダメになりそう…」

テレサ「あ、かわいい雑貨屋さんある…! 見てっていい?」

アーケノ「えー…」

テレサ「アーケノが振ったんだから、いいでしょ。ほらほら」グイッ

アーケノ「ちょ…ひ、引っ張るなって…!」

 ・
 ・
 ・

アーケノ「これは?」

テレサ「ない」

アーケノ「…こっち」

テレサ「うーん…」

アーケノ「んだよ…選べとか言っといて…」

テレサ「あ、じゃあじゃあ、こっちとこっち、どっちがいい?」

アーケノ「……………右」

テレサ「あー…右ね…」

アーケノ(何だよ、その反応!?)

アーケノ「じゃあ左!」

テレサ「んー、そっか…」

アーケノ(だから何なんだよっ!?)

 ・
 ・
 ・

アーケノ「結局、見るだけとか…時間のムダだろ…」

テレサ「分かんないかなー、アーケノには…」

アーケノ「分かるか」

 スタスタ

テレサ「ん? 何だろう、あの人だかり。行ってみよ!」タタタッ

アーケノ「すぐまたどっか行くし…」

アーケノ「ったく、こんな人混みにわざわざ入ってくのが意味分かんねえし…てか、これって行列…? 何の…?」

 クイクイ

アーケノ「あ、いた。これ、何なんだよ?」

テレサ「何かね、劇やってるみたい! 見てみようよ、わたしちょっと興味あったんだ」

アーケノ「……劇、ねえ…」

アーケノ「どんなのやってんだ…?」


 【安価下1】
 1 演劇『略奪こそ愛なれば』/どこにでもいる貴族の女性にモテ期が訪れた! しかし、それは泥沼の愛であった…
 2 演劇『隣の愛人と屋根裏男』/大人気ベストセラー小説の舞台化! 涙あり、笑いあり、感動あり、そして最後にはどんでん返しが!?
 3 オペラ『妾の足に接吻せよ』/高慢で勘違いしやすいけれど絶世の美女が巻き起こす、ドタバタ喜劇が何故かオペラ化!


 ワイワイ
 ザワザワ

<まさか、あんなラストだったとは…

<あら、おたくは小説を見たことはありませんでしたの?

<いやしかし、あれは劇には向かぬ。文章で読むからこその面白みというものが…

 ワイワイ

アーケノ(けっこう、長かった…。途中寝そうになっちったよ…)

アーケノ(何か、いまいち話も分かんなかったし…どういうことだったんだか…)

アーケノ「…テレサ、満足したか?」

テレサ「…」

アーケノ「………テレサ?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ビミョー…だってさ。テレサはあんまり好みじゃなかったらしいです
 4~9 大興奮。めちゃくちゃ気に入ったっぽいです。ヨカッタネ…


テレサ「んー…」

テレサ「もっと真剣な恋のお話の方が良かったなあ…」

アーケノ「………お前が見たいって言ったのに」

テレサ「中身の話、お話のこと! 劇はすごかったけどね、何だか…うーん、お話がなあ…」

テレサ「次の公演の演目がね、『略奪こそ愛なれば』っていうのなんだって。こっちの方が見たかったな」

アーケノ「…ああそうかよ」

テレサ「全然面白くなかったんじゃないけど…」

テレサ「何だかなぁー…退屈でもなかったけど、こう…」ブツブツ

アーケノ(めんどくせっ)

テレサ「あ、今、めんどうくさいって顔した」

アーケノ「っ…し、してねえよ!」

テレサ「ほんとに?」

アーケノ「……………まあ、ちょっと」

テレサ「むっ…」

アーケノ「何だよ、どうすりゃいいんだよ、じゃあ」

テレサ「開き直っちゃって…」

アーケノ「だーっ、もう、ほんっとにめんどくせえ!」


 【安価下1】
 1 ジュダルとライドがどうなったか、そろそろ身にいこーぜ
 2 そんなに文句言うくらいならひとりでぶらつけ!って
 3 さんざん、つきあってやったんだから今度は俺のターンな!って


テレサ「めんどくさいって何?」ジト

テレサ「アーケノが誘ったんじゃない、王都に一緒に行こう…って」

アーケノ「それはライドが――」

テレサ「ライドが?」

アーケノ「…………いや、いいや」

テレサ「気になる…」

アーケノ「ライドとジュダルがどうなったか見に行こうぜ」

アーケノ「ジュダルの兄貴に血祭りにでもあげられてたら悲惨だし」

テレサ「ないって、さすがに…」

アーケノ「いいから、行くぞ」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 BOUSOU☆NIIYA
 4~6 ライドくんがげっそりしてる…
 7~9 ジュダルがげっそりしてた…


 ――暗夜王国・王都デーモン・騎士団本部――

ヴォルド(どういうことだ、これは)

ヴォルド(整理をしろ。そう、いきなりジュダルがやって来たのだ…。そして気づいたら……)


ジュダル『にいやー!』ダキッ

ヴォルド『人前でいきなり飛びつくとはどういう了見だ!』ドゴッ

ジュダル『げっほ…に、にいやの、痛みだ…うぇへへへ…』

ライド『あ、あの…』

ヴォルド『何だ』ギロッ

ライド『…………じ、ジュダルは何も考えられない子どもじゃ、ありません。そうやって、暴力と一緒に考えを押しつけるのは…どう、かと…』

ヴォルド『黙れ、お前には関係ない』

ライド『っ…』

ジュダル『ねーねー、にいや、にいや! 聞いて、ライドがね、この間ね…………』


ヴォルド(ジュダルが、この小僧のことばかりを話す…! どういう、ことだっ!?)

ヴォルド(釣りをしただと、ジュダルの手が生臭くなったらどうする!? 山に登るなど、ジュダルが変なものを拾い食いして腹を壊したらどうする!?)

ヴォルド(挙句にこの小僧を着せ替え人形にして遊んだだの、寒い地方へ凍った滝を見に行ったら身を寄せ合ったから暖かかっただと!?)

ヴォルド(どういう、ことだ…!?)ワナワナ

ジュダル「それでね――あれ、にいや? 聞いてる?」

ライド「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 にいやの思考回路はおかしくなると、とことんおかしくなる
 4~6 アーケノにまで疑心暗鬼なにいや
 7~9 決闘だと…!?


アーケノ「おーい、ライド、ジュダルー」

テレサ「いたいた、ちゃんと会えて良かったね」

ライド「あ、2人とも…」

ジュダル「どしたの?」

アーケノ「どうしたもこうしたもあるかよ…」

ヴォルド(さらに増えた…だと!? しかも、何だこのグラサン小僧の態度は!? どれだけ気安く…!?)

ヴォルド(騎士団の同僚ならばまだ許容できるが、こいつはジュダルを何だと思っている!? まさか、ジュダルはこいつらに…!?)

ヴォルド(いや、それは早計というものだ、落ち着け、お前は冷静な男だ、ヴォルド)

アテム「おおっ、何やらそれらしい匂いがあると思えばジュダルよ、戻ってきておいたのか、わはははっ!」

アーケノ「――うおおおっ、い、いきなり…お前、どこにいたんだよ!?」

ジュダル「あれ、アテム、また勝手にお城抜け出したの?」

ヴォルド(アテム…!? こいつはジュダルを狙っている、それは前からだ! しかし、このタイミングで現れるとは…!)

ヴォルド(すなわち、アテムはこの赤髪の小僧と、グラサンの小僧をライバル認定し、牽制するために出てきたということ!)

ヴォルド(そういった愚かしい感情でもなければ容易に城を抜け出してくるなどという愚行をしまい!)

ヴォルド(そう、ジュダルは今、この場にいる男どもに――求愛をされている!)

ヴォルド(いかにバカなジュダルとてそれに気づき、俺に接触することでどうにかしろと求めてきているということか!?)

ヴォルド(本来ならば余計な介入をしてジュダルの成長を阻害してはならないが、相手は王と、馬の骨2匹!)

ヴォルド(こういった連中が変な考えを起こせば目もあてられぬことになるのは必至! 今、俺の為すべきことは――!!)

アテム「良いではないか、ジュダルよ。どれ、余とともに少々、茶でも…」

ジュダル「えー?」

テレサ「王様のおごりですか?」

アテム「うむ、余に任せておくが良い、わはははっ!!」

アーケノ「バカ陛下…」

ライド「……はは、は…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 にいやがおもむろに剣を抜いて襲いかかってきた!
 4~6 にいやがいきなりジュダルをさらった。追いかけることに
 7~9 にいやの鉄拳がジュダルに炸裂した


ヴォルド(ダメだ――ネズミよりも粗末な頭のジュダルでは、いいように弄ばれることが確定している!)

ヴォルド(完全に詰んでいる! ならばここは仕切り直し、各個撃破を狙うまで!)

 ガシッ

アテム「ぬっ…?」

ジュダル「え、に、にいや…?」

ヴォルド「貴様ら、ジュダルが欲しければせいぜい死なぬことだ…!」ダッ

ジュダル「きゃーっ!! にいや、にいやに誘拐されてるー! うぇへへへ、うぇへへへへ…」

ライド「え…?」

アーケノ「どういう…」

アテム「なるほど、ヴォルドめ――。良いであろう、つまり…ジュダルを取り戻した者にこそ、相応しいということか」

テレサ「そう…なんですか?」キョトン

アーケノ「どういうこっちゃ…」

アテム「ふっ、とうとう、ジュダルを余のものとする時がきた…!」ダッ

ライド「え、ええっ…?」

アーケノ「…と、とりあえず、追うか、ライド」

ライド「あ、う、うん…!」

テレサ「それにしてもジュダルが嬉しそうだよね…」ボソ


 【安価下1】
 1 挟み撃ちをするぞ、ライド。迂回して正面に回り込め!
 2 アテムはテレサと一緒にひきつける、その間だ、ライド
 3 ヴォルドを追い詰めるまでバカ陛下と協力ってのはどうだ


アテム「ええい、足の速い…! しかも、ジュダルを脇に抱えるなど、なんという羨ま――けしからんことを!」タタタッ

アテム「そうは思わんか、ライドよ!」

ライド「え、は、はい…」

アーケノ「とりあえず、ライド」チラッ

ライド「うん…?」

アーケノ「バカ陛下は、任せとけ。お前が連れ戻せ」

ライド「えっ――」

 ジャララララッ
 ガシッ

アテム「ぬぅっ…!?」

アーケノ「テレサ、バカ陛下を足止めするぞ!」

テレサ「ええっ、だ、大丈夫なのそんなことしてっ…!?」

アテム「そうか――良かろう。窮地に手を貸す仲間というのも、個人の持つ力のひとつ」

アテム「ならば余は正面から打ち破ってやろうではないか。せいぜい、ライドよ、余がアーケノとテレサを討ち倒す前に辿り着くことだな!」

アーケノ「ノリノリかよ」

アテム「とは言え、街中。被害は出すでないぞ、良いな!」

テレサ「あ、ちゃんとルールももうけてくれるんだね…」

ライド「2人とも…ありがとう…!」ダッ

テレサ「ライドも、何かこの展開に乗ってるし…男の子だから…?」

アーケノ「いつまでも一方的にはやられねえぞ、バカ陛下!」

アテム「良かろう、余にお前らの力を見せてみよ!!」


 【安価下1】
 1 テレサとの連携だ!
 2 撃破ではなく足止めを狙うんだ、まともにやり合って勝てる相手じゃない!
 3 アテムにだってきっと弱点はあるはずだ、そこを突けばあるいは…でも弱点って…うーん…
   A ジュダルの今朝の食べかけのパンを投げる。食べるなり収集するなりしたところを拘束だ!
   B 最近のジュダルの下着の色を教えて欲しければ抵抗をするな!!(実は知らないからふかすよ
   C ジュダルが巨大魔物をいかにして倒したかと話して聞かせて足止めだ!


アテム「さあ、どこからでもかかってくるがよい」スッ ←落ちてた棒切れが獲物

アーケノ(隙がない…!)ジリッ

テレサ「…っ」ジリ

アーケノ(………よし、こうなったら)ゴソゴソ

アテム「む…?」

アーケノ「見ろ、これを…!」

アテム「………何だ、その食べかけのパンは」

アーケノ「これは今朝、ジュダルがかじりつきながら食べてたパンの残りだ」

アテム「何故そんなものを持っておる…」

アーケノ「食事当番が俺だったから」

アテム「なるほど。して、それがどうした」

アーケノ「いいか、ちぎって食べてたんじゃない、かじりついて食べてたんだ」

アテム「む…」

アーケノ「これを…こうだ!」ブンッ

アテム「な、何ぃっ…!?」

テレサ(何してるの、この人達…?)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 しかし、アテムは引っかからなかった
 4~6 さすがはアテム…素早くパンを収集するなり、アーケノの攻撃を防いできた
 7~9 口でパンをキャッチしてアーケノの攻撃を受け止めてきた! しかし、ブラフだったのさ…フッ


アテム(ジュダルの食べたパン――しかし、手で取ってはいかん! これは、口で…!)

 パクッ

アーケノ「そこだああああっ!」

 ジャラララッ
 ギャリィィッ

アテム「ふっ…ふごふっふふ…」モグモグ
アテム(ふっ…あまかったな…)

アーケノ「なんちゃって――」

アテム「ふごっ…?」

アーケノ「それはいつかの食事当番の時に、多分インがらへんが加えて地面に落としたからって捨てようとしたのを勿体ないだろって回収したけどそれきり忘れてた、多分もうカビとかがはえかけてる古い古いパンだ、ジュダルのでも何でもねえっ!!」

アテム「もごっ…げほっ!」

アーケノ「もらったあっ!!」

 バシィィィンッ

アテム「ぐはっ…!」

テレサ「えっと、ひ、卑怯でごめんなさい、王様!」ブンッ

 ガンッ

アテム「ぐ、しかし、これしきで余は――!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 やっぱ強かった
 4~6 アテムを惑わせばいけそうだな!
 7~9 味を占めて、似たような作戦でどんどんアテムを攻撃していく! バカ陛下め、これがバカといわれてしまう由縁だ!


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 まるで奇跡だな、あのアテムをのしてしまった…。ギャグバトルにせよ
 奇数 一撃もらってしまったアテムは気を引き締めちゃって、瞬殺だったよ…あとはがんばれ、ライド…
 ※0は偶数扱いやで


アーケノ「この布を見ろ、バカ陛下ぁっ!」バッ

アテム「そ、その、こんもりとした薄めの布地――まさか、それはっ…!?」

アーケノ「言うまでもないだろう、欲しけりゃくれてやる…!」ブンッ

アテム(いや、あれも罠――そうだ、アーケノが何故ジュダルの下着を持っているという!?)

アテム(だがもしも本物であったならば、くっ、余は、余は…!)ダッ

 パシィィッ

アテム「取った…!」

テレサ「そ、それってわたしの…!!」

アテム「むっ――?」

テレサ「お、王様のエッチぃー!!」

 ブォォォンッ
 ズガァァァァァッ

アテム「か、は…」ドサッ

アーケノ「フ…アテム、敗れたり――」

 ゴスッ

アーケノ「げっほ…!」

テレサ「アーケノ~…? どうして、アーケノが、こんなの、持ってるのかなぁ…?」ゴゴゴ

アーケノ「ち、違う…あの、せ、洗濯当番の時に…」

テレサ「アーケノのエッチぃ!!」

 ガスッ
 ドゴッ
 ズガァンッ

アーケノ「ぅ…」ボロッ

テレサ「もう知らない!」プイッ

アーケノ「ば…バカ陛下は…倒したし…まあ、いっ、か…」ドサッ

アーケノ「ライド…あとは…がんば、れ……」

テレサ「もう…」

テレサ「……………ぱ、パンツ、なんて…何で、持って…///」

 ・
 ・
 ・

ライド「ジュダル…!」

 ザッ…

ヴォルド(アテムと、グラサンの小僧はいなくなった――が)

ジュダル「えへへ、にいや~」スリスリ

ライド「はぁ…はぁ…」

ヴォルド「…………ここまで追いつけたのは、お前だけか」

ライド「ジュダルを返してください…」

ヴォルド「言葉など不要、全力で来い――!」チャキッ

ライド「…っ!」

ジュダル「きゃー! にいやー! かっこいいー!」キャッキャッ


 【安価下1】
 1 ライドくんオート
 2 ライドくんマニュアル操作
   A 正々堂々、受けて立つ!
   B ジュダルの安全を確保するのが先だ!
   C 説得できないのかな…?


ヴォルド「…」チャキ

ライド「……ま、待ってください。僕は、あなたと戦うつもりはありません」

ヴォルド「戦いを放棄する――? ああ、そうか」

ライド(分かってくれた…?)

ヴォルド「つまり、貴様はその程度でジュダルに手を出そうとしたということか!」ダッ

ライド「うぇぇっ!?」

ヴォルド「切り捨てる…!」

 ブォォォンッ
 ヒュォッ

ライド(ダメだ、通じない…!?)

ジュダル「キャー!! にいやー!!」

ライド(ジュダルも完全に、イッちゃってる…!?)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 迷ってる間にライドくんはやられた…
 4~6 応戦すれどもにいやはつおい
 7~9 ライドくんの真摯な訴え


 ブォンッ
 ギャリィィィッ

ヴォルド「受けるか、だが…!」

 バッ
 ギィィィンッ

ライド「聞いてください、僕は――!」

ヴォルド「言葉などは不要、すでに俺は心を決めた!」

 ギャリッ

ライド(受け流され――)

 ズバァァンッ

ヴォルド「雷鐘!」

 バチバチィィッ
 ドゴォォォォォォォンッ

ライド「ぐっ…!?」

 ダダッ
 ザシュゥゥゥゥッ

ヴォルド「命さえ賭けられぬ者が、ジュダルをどうにかしようなど――!」

ライド「ジュダルはあなたのものじゃないっ!」

ヴォルド「!?」

 ギャリィィンッ
 ギチギチッ

ライド「彼女は意思を持った、ひとりの女性だ! それをあなたは…!」ブンッ

ヴォルド「黙れ、文句があるのなら俺を討ち倒せ!」

ライド「そうやってジュダルの意思を無視するから、いつまでも彼女は盲目的なんだ!」

 ガィンッ

ヴォルド「くっ…!」

ライド「あなたはジュダルを守っているつもりでも、それはひとりよがりの保護に過ぎない!」

 ギィンッ
 ガンッ
 ギャリッ

ヴォルド(俺が、押されている――!? 違う、動揺を誘われているだけだ…!)

ライド「本当に彼女のことを想うなら、あなたはジュダルを――」

ヴォルド「俺は道を指し示し続けている…! 俺に恥ずべき点はない、俺の背のみをジュダルは見ていれば良い!」

ヴォルド「それでも尚、ジュダルの力と頭が足りぬ時、俺は絶対的な盾となるのだ…!」

 ガァンッ
 ズザァッ

ライド「くっ…!」

ヴォルド「崩した――そこだっ!」

ライド「だったらジュダルがちゃんと、助けてって言ってからにしてください!!」

 ヒュバッ
 ヒュバッ
 ギャリィィィィィィィィッ
 ブワァァァッ

ヴォルド「っ――ジュダルのことは、俺が1番知っている…!」

ライド「そんなことない…! ジュダルを本当に知ってるなら、こんなことしない…!」

 【直下 コンマ判定】
 1~3 あはれ、ライド…
 4~6 にいやが、ちょっぴりだけライドを認めてくれた…のかな?
 7~9 ジュダルは鈍いとか以前の問題だからねえ…


 【0】

ヴォルド「…っ」チャキ

ライド(剣をおろした…)

ヴォルド「………ジュダル!」

ジュダル「何、にいやっ!?」パァァァッ

ヴォルド「…この男は、何だ?」

ライド「っ…?」

ジュダル「何って? ライドだけど」

ヴォルド「お前が、こいつを――ライドというこの男をどう思っているかをきいている!」

ヴォルド「好いているのか、否か!?」

ライド「なっ…!?」

ジュダル「…」キョトン


 【直下 コンマ判定】
 偶数 ライドくんの恋が、一歩前進…?
 奇数 無慈悲な一言がライドくんを撃墜した
 ※0は偶数扱いよ


ライド「ぁ…ぇ、ぁ…」

ジュダル「ライドを…?」

ヴォルド「どうなんだ」

ライド(いや…でも…ビビっちゃダメだ…僕だって、ずっと、ジュダルに――)

ジュダル「友達だよ」

ライド「」

ヴォルド「………友達?」

ジュダル「うん」

ライド「」

ヴォルド「…それだけか」

ジュダル「それ以外に…あるの?」キョトン

ライド「」

ヴォルド「…」チラッ

ライド「」

ヴォルド「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ならば良し、だってさ。ライドくんはその日、ずっと硬直してた
 4~6 めちゃくちゃ釘を刺されたライドくんだった
 7~9 ジュダルさん、ちょっとはこう…さ? ね?


ライド「」

ジュダル「?」

ヴォルド「……………ライドとか、言ったな」ギロッ

ライド「」

ヴォルド「…ジュダルはお前に、その気はないようだ」ボソ

ライド「」

ヴォルド「もし、ジュダルに強引なことをしてみろ」

ヴォルド「例え地の底、魔界の果てまでだろうが、貴様を追いかけて殺す」

ライド「」

ヴォルド「…分かったら失せろ」ザッ

ジュダル「あ、にいや、どこ行っちゃうの…!? 待ってよ…!」タタタッ

ライド「」

<あ、いた!

アーケノ「ライド、どうなっ……あれ?」

ヴォルド「ジュダル、こいつは何だ?」ピタッ

アーケノ「は?」

テレサ「どういう状況になってるの…?」

ジュダル「何って、アーケノだよ? 友達の」

ヴォルド「…ふん」

ジュダル「あ、ねえ、待って、にいや!」

テレサ「え、あれ…? ライドは何でかたまってるの?」

アーケノ「おい、ライド?」ユサユサ

ライド「」

テレサ「おーい…?」ツンツン

ライド「」

アーケノ「…………すぅぅー…………わっ!」

ライド「ハッ…」

テレサ「どうしたの?」

ライド「…」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 その日、ライドは泣きながら眠った。そしてヴォルドに自分を認めさせようと誓うのでした
 4~6 復活したバカ陛下がやってきて、ライドは奮起することを決めたようです
 7~9 負けるな、ライド。がんばれ、ライド。きっといつかは………成就するといいね


ライド「………決めたよ…」

アーケノ「何を?」

ライド「将を射んと欲すれば馬を射よ――」

テレサ「?」

ライド「お兄さんを…ううん、お義兄さんに認めさせる…」

ライド「ジュダルには…ちゃんと、気持ちを伝える…」

ライド「何回、ダメでも…何度でも、ちゃんと、アタックする」

テレサ「ら、ライド…」

ライド「思ったんだ…」

ライド「絶対に認めてもらえないんだ、って時に」

ライド「でも…それで諦められないって…いつまで経ったって、諦めきれないって、感じた」

ライド「だから僕は…アテム陛下にも、お義兄さんにも、誰にも負けない…!」

アーケノ「ら、ライド…お前…」

テレサ「ほえー…」

ライド「……………………ジュダルに、今からアタックしてくる!!」ダッ

アーケノ「ら、ライド…がんばれ!」

テレサ「うまくいくって、祈ってるね!」

<ジュダル、僕の話を聞い――

<失せろぉっ!!

<カッ

<ドッゴォォォォォォォォォォォォォッ

アーケノ「あ、撃沈した…」

テレサ「……うまくいくと思ったけど…」

アーケノ「…………まだ、先は長いのか」



―――――

 本日はここまでです
 ありがとうございました


王子「皆さん、今年はどうだった!?」

王子「びょーきとか、大怪我とか、終わってみれば笑い話にできるけど、やってる最中は色々と面倒だし大変だからね!」

王子「皆さんが来年も健康で過ごせることをディスプレー越しに祈ってます!」

王子「というわけで、今年最後です、いってみよー!」


 【安価下1】
 ベテルギウスの居場所判明!
 1 インガも呼び戻して、直行するぜ!
 2 ヴァーゴ王国にインガ拾うついでに寄ってからゴーだぜ!
 3 とりあえず行ってくるわー、ってアテムに挨拶しておきませうかって運び


 ――ヴァーゴ王国・王宮――

リナ「インガ様、おやめに、み、皆さんが見ていらっしゃいますから…」アタフタ

インガ「ああ? いーだろ、別に。クソうっぜーシャニが今はいねーんだから」

リナ「だ、ダメですぅー!」

 イチャイチャ…

アーケノ(死ねリア充…)

ライド(何だろうこの気持ちすごくむずむずする)

モニカ(昼間っからお盛ん…)

テレサ(インガずっとこんなことして過ごしてたの…?)

ジェシカ「おいアホ角、行くぞ」

インガ「あ? まだすぐじゃねえだろ、ならいいじゃねえか」

シリウス「……魔族の貞操観念はどうなっているんだ?」

ヨダカ「さーな」

アーケノ「スピカは?」

テレサ「色々、お話してるみたいだよ」


 【安価下1】
 1 待つか
 2 顔を覗かせよう
   A おとーちゃんとお話してたらしい
   B ゼノビアとお話してたっぽい
   C ピースおじさんらしい


スピカ「よーしっ…挨拶はしゅーりょー!」グイッ

アーケノ「お、スピカいた」

スピカ「ん? どしたの?」

アーケノ「いや、別に…何か話してたんだろ?」

スピカ「行ってきまーす、って」

アーケノ「ふうん…。もういいのかよ?」

スピカ「まーね。今生の別れになるってわけでもないし」

アーケノ「でも…ベテルギウスが、相手になるだろ?」

スピカ「大丈夫じゃない? ほら、ゼドファのお師………師匠さん…にもらったのが、思いの外、すごかったから…」

アーケノ「口にするだけでダメージ受けてるのにほんとに大丈夫かよ…?」

スピカ「ま、まあ、だいじょぶ! 世の中、ポジティブに考えないとね!」

アーケノ「…スピカって、こう…何つーか…」

スピカ「それにね、今、今度帰ってきたらセーブル紹介するね、って約束しといたんだ」

スピカ「まあ、まだ結婚とかは随分と先になるんだろうけど…」

アーケノ「何で?」

スピカ「いやー…セーブルって剣のこと以外はさっぱりだからね、そういうのって、けっこう難しくてね…」

アーケノ「…………つーかそれ」

スピカ「ん?」

アーケノ「………………………いや、いいや」

スピカ「そう?」

アーケノ(死亡フラグって言うんじゃね?)

スピカ「いやー、セーブルのこと教えたら『そんな相手は絶対にダメだー』って! セーブル、説得できるかなー…?」

スピカ「最悪、駆け落ち? …………いやーでもロマンだけど、ダメだよね、さすがに」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 さて、最初はヴァーゴ防衛だね!
 4~6 デルザー大陸に行きましょうかね、ベテルギウスの本拠地までがんばっていこー
 7~9 一気に世界樹まで行きますぜ


スピカ「そうだ、宮内別居しちゃえばいっか、お父さんと」

アーケノ「はあ?」

スピカ「認めるまで顔合わせてあげないんだ、ふふーん」

アーケノ「…」

スピカ「………ザニアがいれば、それが1番だったんだろうけどなあ…」

アーケノ「弟?」

スピカ「…うん。…ま、仕方ない――」

<ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

アーケノ「!?」

スピカ「な、何っ…」

アーケノ「今の音、どっから…」

スピカ「もしかして、また襲撃…。今度はガマーベ? それとも、また魔族…」

スピカ「ああもうっ!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 どっちでも、ない…?
 4~6 魔族軍
 7~9 ガマーベらしいよ


 タタッ

スピカ「今度は何!?」

ピース「来たかい、姫様よ」

スピカ「どこ? 誰?」

ピース「魔物の大群、だな」

スピカ「じゃあ、魔族軍――」

ピース「いや、そうでもないみたいだぜ。ヤツらも一応は軍艦で来てたみたいだが、そいつが見えねえ」

スピカ「じゃあ…」

ピース「さあな」

スピカ「………ベテルギウス」

ピース「空から来られちまう」

スピカ「でも、魔物の大群くらいなら大丈夫だよ、障壁がちゃんと――」

 バチバチィィッ
 バシュゥゥゥンッ

ピース「………ちゃんと?」

スピカ「け、消され、た…?」

 バンッ

ゼノビア「ヤバいのが出てきたわよ!」

スピカ「先生、ヤバいのって?」

ゼノビア「パラサ。正真正銘の、超天才魔法使いよ」

ピース「魔物が島へ入ってきやがるな。俺はそっちの対処をする」

ゼノビア「わたしは障壁の復旧を急ぐわ」

スピカ「うん。じゃあ…あとは、わたし達に任せて」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ひょえー、4人くらい引き連れてきちゃった
 4~6 パルミラとパラサみたい
 7~9 パラサ単身…?


スピカ「みんな、きっとベテルギウスだよ!」

シリウス「ああ、見れば分かる」

ジェシカ「……あの男…」

ヨダカ「向こうから来るなら手間省けたな」

モニカ「…ベテルギウスはいる?」

テレサ「いないみたい」

アーケノ「ぶっ飛ばせばいいだろ、とりあえず」

インガ「前哨戦だな」

ジュダル「いち、にー、さん…全部で5人」

ライド「真ん中の、魔法使いみたいな人…障壁を消したよ」

エル「叩き斬れば終いだ」

パラサ「――さて、暴れる許可ももらったことだし、久しぶりにやってみようか」ニコッ

ジェシカ「……………どっかで、見たような面なんだよな」


 【安価下1】
 1 パラサとやるお
 2 その他とやります


パラサ「とりあえず、好き勝手にしていいよ。キミらは」

パラサ「僕の邪魔をしなければね」

 ヒュォッ
 ジャラララララッ

パラサ「鎖――」

アーケノ「とりあえずぶっ飛ばしてやる、来いよっ!」グイッ

パラサ「いいよ?」

アーケノ「えっ…?」

 ズドォォォッ

アーケノ「げっほ――」

パラサ「爆裂球」

 ポゥッ…
 カァァッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

 バチバチィッ

アーケノ(魔法か、何かで、物理攻撃…!?)

アーケノ(魔法使い、だよなぁっ…!?)

 ピシピシッ

パラサ「強度が足りてないよ、障壁の」


 【安価下1】
 パラサ戦メンツ選択
 2人までです。1人でも可です


シリウス「中・雷撃!」

 バチバチィッ
 ドゴォォォォォォォォッ

パラサ「おっと――」

スピカ「あなたが島の障壁を解除したの?」

パラサ「そうだよ。あんまりデキのいいものじゃなかったね」

シリウス「御託はいい。大勢をこのように危険に晒す行為は関心しない」

パラサ「じゃあ止めてみたらどうかな?」

スピカ「言われなくても。あなたが主犯でしょう?」

パラサ「主犯はベテルだよ。…ただの、現場指揮官」

アーケノ「どっちにしろ、今はお前らが敵だ!」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 ゲスいぞこいつ!
 4~6 強いなあ、相変わらず
 7~9 魔法を使わせずに倒しちゃえばいいんだ! 速攻だ!


パラサ「それがいいよ。シンプルで」

アーケノ「だから死ね!」

 アーケノが鎖を棒状に固めて振るった。
 即座にパラサは障壁魔法を発動するが、シリウスがさらに槍を叩き込んで障壁を破壊した。

シリウス「スピカ!」

スピカ「うん…!」

 シリウスが脇へどく。
 位置を取り替えるようにスピカが飛び込み、仕込み杖を腰溜めから一閃する。

 ヒュバァッ

アーケノ「こいつ――」

シリウス「今のを…!」

スピカ「かわしたっ…!?」

パラサ「さあ、めくるめく魔法合戦でもしようじゃないか」

パラサ「まずはこれから――。極大・烈風雷撃魔法」

スピカ「反射魔法!」

パラサ「さらに反射」

スピカ「へっ――?」


 【直下 コンマ判定】
 1~3 あかんくない?
 4~6 近づくのもままならんし、かと言って魔法は反射されちゃうし…
 7~9 どーにか


 カァァッ
 ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

パラサ「爆裂魔法って、実際はどんなものか知ってるかい?」

パラサ「ある程度以上の魔力を圧縮することで、魔力は勝手に変質して、それを解き放つのが爆裂魔法なんだ」

パラサ「そして複合魔法はその圧縮をさせないように制御しなくちゃいけないから、こうして反射魔法をやりとりすると――って…」

アーケノ「っ…」

シリウス「スピカ…無事か」

スピカ「まだ、だいじょぶ…」

パラサ「まだまだこんなもんじゃないよ? ついて来られる?」

アーケノ「うるっせえ、死ね!」

シリウス「全力でやらせてもらうぞ…!」

パラサ「良かった、まだ余裕があって。もっと楽しませておくれよ」


 【安価下1】
 1 接近戦主体で
 2 前衛をシリウスに任せて、鎖でのサポートだ
 3 跳ね返されても同じのやり返せばいいだけだ、ガンガン魔法で押してやる


アーケノ「極大・劫火!」

パラサ「反射」

 シュゴォォォォォォォォォォォォォォォォッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

アーケノ「相殺してやらぁっ!」

 ダダダッ

シリウス「そのまま魔法を押さえてくれ、アーケノ!」

パラサ「そうくるんだ?」

スピカ「わたしだって…!」

パラサ「楽しくやろうよ、怖い顔しないでさ」

 ギャリィィッ
 ガィンッ

シリウス(こいつの腕――俺の槍とスピカの剣を生身で受け止めている!?)

スピカ(生身じゃない、魔力で…魔法みたいな何かで強化してるんだ!)

アーケノ「もう、一丁! 極大・爆裂劫火!!」

パラサ「反射魔法って言っても、指向性を持たせられるって知ってた?」

シリウス「避けろ…!」

アーケノ「嘘、おい…!」

スピカ「だいじょぶ、それも反射しちゃえば…!」

 カァァッ
 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ

パラサ「うん、じゃあお返しをしよう」

 スピカが反射し返した魔法を浴びたパラサは、涼しい顔をしていた。
 腕を振るってきたのをシリウスが反射的に槍で受けるが、直後に衝撃に煽られて吹き飛ばされかける。

 タンッ

パラサ「3対1ならもっとがんばろうよ」

シリウス(こいつ、強い――!)


 【直下 コンマ判定】
 1~3 手も足も出ないっていうか、余裕をもって完封されてね?
 4~6 シーリウース!
 7~9 呆れられた…


 【0】
 【直下 コンマ判定】
 偶数 もう帰るー、って
 奇数 魔眼とか使っちゃってよー、って
 ※0は偶数扱いよ


王子「コンマ、把握しました!」

王子「でもって今夜はここまでです」

王子「また来年もどうぞよろしくお願いします!」

王子「そして次スレです」

 【安価・コンマ】ファンタジー世界であれこれ【バトル?育成?19スレ目?】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451566709/)

王子「次回からの更新は次スレでやりまーす」

王子「そして、Q&Aコーナーです!」

王子「アシスタントはいつものように、最初の質問を寄せてくれた人が指定したのを採用です」

王子「どうもありがとうございました」


 アシ候補
 マリリー ヒヒイロ スピカ エル トレバー リナ ゼドファ アテム

リナ
ジュダル兄妹、スピカ姉弟、シリウス兄妹のブラコンシスコン具合はどうなんだい


王子「皆の王子様と! 亡国のお姫様という、俺にぴったりなアシスタントです!」

リナ「ご紹介にあずかりました、カルカリナと申します。リナという愛称で皆さんに呼んでもらっています」ペコリ

王子「きゃわいい!」

リナ「だ、ダメです、王子様っ、そんな…わ、わたしはインガ様の…」

王子「けっ」

 >>971

リナ「ジュダル兄妹と、スピカ姉弟と、シリウス兄妹のそれぞれシスコンとブラコンの度合いがどの程度でしょう、というご質問です」

王子「そうねー、まとめてみました。リナちゃん、フリップを!」

リナ「はいっ」パタッ


 シリウス → アリア
 シスコン度:★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★

 ザニア → スピカ
 シスコン度:★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★

 ヴォルド → ジュダル
 シスコン度:★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★


 アリア → シリウス
 ブラコン度:★★★★

 スピカ → ザニア
 ブラコン度:★★★★★

 ジュダル → ヴォルド
 ブラコン度:★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★★★★|★★

 ★×1=身内程度の認識
 ★×2=何かあったら頼る程度の認識
 ★×3=兄妹としての尊重をする
 ★×4=たまに喧嘩をしてもすぐ仲直りできるくらいの仲の良さ
 ★×5=割とあけっぴろげに何でも相談したりできるくらい心を開いてる仲
 ★×6=結婚話とか恋人とかのワードが出てくると軽く嫉妬するレベル


王子「こんな具合です」

リナ「王子様、★が5つごとに区切っているのはどういうものですか?」

王子「単純に見やすさだよ。ただ、だーっと並べても見にくいからね、って配慮の」

リナ「ええと…アリアさんとスピカさんは、分かるのですが…異常に★が多いような、気が…」

王子「いやー、おかしいね。ぶっ飛んでるよね! こじらせてるよね!」

リナ「…あと、兄妹と言えば、ジェシカさんとレイドさんも、ご兄妹でしたよね。一緒に教えてはもらえませんか?」

王子「オーケー、オープン!」


 ジェシカ → レイド
 好感度:★★

 レイド → ジェシカ
 好感度:★★★


リナ「………ごめんなさい、あまり面白い結果ではありませんでした」

王子「まあ、ここの兄妹は割とドライよね。でも嫌い合ってたりするわけじゃないからだいじょーぶ!」

リナ「でも★が6つを超えてると、少しアレな感じになっているのですね…。こんなに多いとなると…」

王子「まあ、ベクトルは割とそれぞれなんだけどね! にいやみたいな厳しいタイプとか、ザニアみたいなひょえ…てなるタイプとか」

王子「でも根底には重すぎる愛がある、って考えていいと思うよ!」

リナ「…愛というのは、ないといけないでしょうけど…多すぎたりするのも時に困ってしまうのなんですね…」

王子「そうだね」

魔族と人間が交わるのは汚らわしいって話だけどさ
だったらインガもリナを愛しはせど、ブチ込みたくはないのか?


 >>973

王子「リナちゃーん、質問を呼んでくーださい♪」

リナ「はいっ。えー、魔族と人間が交わるのは穢らわしいという話ですが、だったらインガ様もわたしを愛しはせど、ぶち込みた…!?///」

リナ「な、何を読ませるんですか、王子様っ!///」

王子「でへへ、かわゆいのう、かわゆいのう…」

リナ「もう、知りません」プイッ

王子「えー、そうね…。まあ、インガは、自分のことは棚上げするからね」

リナ「しますね」

王子「だからノープレブレムですね」

リナ「……ですね」

王子「…何で、ちょっと間が空いたの?」

リナ「へっ!? あ、や、そ、それは…あの…」

王子「ははーん? さては? インガをよっぽど信頼してるなぁ~? このこの」

リナ「い、インガ様はその…わ、わたしにはとても、よくしてくださいますし…」

王子「よっ、ダメンズ好き!」

リナ「ち、違います! インガ様は決して、ダメンズではありません!」

王子「いいないいなー、こんなにリナちゃんに愛されちゃってて…」

王子「で、で? インガといちゃいちゃって、具体的にどこまで進んでるの?」

リナ「ひゃっ…!? そ、そそそ、そそ、そん、そんな、こ、こことは、お、お教えで、できませんっ…!///」

王子「……え、何その反応?」

リナ「へっ…?」

王子「いや…そこはさ、顔を真っ赤にして、キスまで~…とか、そういう…さ?」

王子「そんな反応されちゃうともう、ABCのCくらいまで――まさかっ!?」

リナ「///」

王子「……………インガはぜろ」

リナ「だ、ダメですっ!」

王子「リナちゃんが汚されてるぅー!!」

リナ「お、大きな声をお出しにならないでくださいっ…!///」

時代背景的にまともな避妊具とかないよね
ヤッた後うっかり妊娠することってある? あったらどーするの? 腹蹴り?


 >>975

リナ「……し、質問の内容は、王子様にお願いいたします…」

王子「避妊具はないねー」

リナ「あ、あの…王子様、あんまり、そう…堂々と…」

王子「ヤることはヤってるみたいだけど、妊娠の心配ってないんだよね、実は」

リナ「そうなのですか?」

王子「あ、インガとリナちゃんに限っては、ね?」

リナ「何故でしょう…?」

王子「そもそもインガは魔族で、リナちゃんは人間でしょ? だから生まれるとしてもハーフなんだよ」

王子「けど、ハーフってそうそう生まれないんだよね。着床自体がないというか…」

リナ「そう言えば、どこかでそういうお話も…」

王子「だからまあ、基本、ありえないんだよね」

リナ「けれどアーケノさん…」

王子「そうそう、アーケノみたいのって、まずいないくらい珍しいのよ」

リナ「可能性は…ごくごく僅かでも、あるのですよね…?」

王子「ごくごく僅かならね」

リナ「そうなった場合、インガ様は…」

王子「………腹パンとかはしないだろうけどね」

リナ「そ、それは当然ですっ」

王子「まー、でも…インガだし、もらえるもんはもらっとこう精神だし、何だかんだでうっとうしがったりはしないはずだよ」

リナ「……本当ですか?」

王子「そこまで悪逆なキャラでもないしね…」

リナ「ふう…それなら安心です…」

王子「で、リナちゃんは子どもは何人ほしーの?」

リナ「兄妹はたくさんいた方が賑やかで楽しいと思うので――って、王子様、セクハラですっ!」プクッ

王子「いやー、かわいくって、リナちゃんが。インガがいじめたくなっちゃう気持ちも分かるよねー」

リナ「むむ…」

王子「じとーって目もかーわいいっ」

リナ「はぁ…」

王子「いやー、いいアシスタントだ」

性行為(挿入)経験者の名前あり女キャラを全て教えてください
娼婦の適正ランキングも作ってくれると嬉しい


 >>977

王子「んー…いや、そこまではちょっと…ねえ?」

リナ「生々しい感じがあるからめっ、です」

王子「だそうです。ごめんなさい」

ジュダルが奴隷商人に貫通されたとき、にいやはどんな気持ちだったんだろ
やっぱジュダルに興奮してたのか?


 >>979

王子「そういうアレじゃないかな、にいやは」

リナ「でも…ヴォルドさんは、その…けっこう、異常な方ですし…」

王子「性的な対象としてはさっぱり見てませんので、ご安心を」

リナ「はい…」

王子「まあでも、心境としてはアレだね。ぶっ殺してやる、くらいじゃない?」

リナ「…あの、先ほどから、地味に…その、ちょっと、ご質問の内容に偏重が…」

王子「年越しが近いからね!」グッ

リナ「………それでも、ちょっと…」

王子「…良いではないか、ぐへへへ…」

リナ「よくありません」

王子「はい…」

リナ「めっ、ですよ」

王子「………らしいので、ちょっと離れた話題に――」

リナ「ちょっとじゃないです」

王子「………下ネタ系から、離れた話題で、お願いします」

王子「ご理解のほどをよろしくお願いします、ごめんなさい」

リナ「…お願いいたします」

故意にエロ質問連投するやつはスルーしていいかと
個々のキャラの武器で強いランキングとかある?

あとサファイアは元気?

皆の料理の腕前ランキングが見たいな 誰が胃袋を握っているのか…
あっセーブルは殿堂入りでいいので


 >>981

リナ「皆さんの使っておられる武器の強さのランキング…みたいなものはございますか?」

王子「んー…まあ、じゃあ、ピックアップした中からの武器の紹介って形にしてみようか。ランキングはちょっと…めんご。じゃあリナちゃん」

リナ「はい。こちらですね」パタン

 魔法の鎖/アーケノ
 ・無尽蔵に鎖を伸ばし続けることができる
 ・鎖自体の強度もあり、10トンくらいまでは余裕で耐えられるかも知れない
 ・先端のアタッチメントは返しがついていて、一度突き刺さるとなかなか抜けない仕様

 仕込み杖/スピカ
 ・見た目はただの魔法使いっぽい杖だが、中に剣が仕込まれている
 ・細身の片刃の剣で実はヴァーゴ王家に伝わる、由緒正しきもの(ザニアの剣)
 ・ガワにあたる杖の部分にも工夫がこらされ、中に剣が仕込んであることはそうそう見抜けない

 騎士団正式採用武具/暗夜王国騎士
 ・紺碧水晶という魔力貯蔵量の多い鉱石が核としてはめ込まれている剣や槍などといった騎士団正式採用の武器
 ・武器の使用者の魔法の威力を底上げすることができ、魔法の不得手な騎士でも多少は使えるようになっている
 ・武器そのものは頑丈で刃こぼれがしにくく、騎士として一生使えるものになっている

 吸魔のブーメラン/ヨダカ
 ・持ち手のついている少々大振りのブーメランで、刃は鋭くそれなりに重量もある
 ・回転することで周囲の魔力を吸収しながら刃の切れ味を上げていく
 ・何かにガツンと突き刺さっても持ち手がついているので、そこを握って振り切れば問題なし

 血錆のマスケット銃/モニカ
 ・色々な人の血がこびりついて表面が錆ついてしまっている曰くつきのマスケット銃
 ・モニカは錬金魔法との併用で内部構造を変えているのでかなり頑丈になり、様々な鈍器や刃に変身もできる
 ・ちなみにモニカの早撃ち速度は0.8秒。モニカの命を繋ぎ止めているものでもある

 エルの短剣/エル
 ・エルが生前に身につけていた十字架を溶かし入れられている
 ・ジェシカの渾身の逸品でもあり、切れ味は折り紙付きだがエルのパワーと強敵のせいで現在はヒビが入っている
 ・エルの命を繋ぎ止めているものでもある

王子「……まあ、ざっくりね」

リナ「そう言えばアーケノさんがテレサさんに贈る、ジェシカさんの剣は…」

王子「それは後ほどです」

 >>982

王子「で、サファイアは元気?」

リナ「はい、とっても元気です」

王子「姿が見えないけど」

リナ「普段はわたしがサファイアさんの本体を身につけているので、何かあった時でも安心です」

 >>983

リナ「皆さんのお料理の腕前ランキングだそうです」

王子「オーケー!」

 パーティーメンバー
 上手← ジェシカ > シリウス > テレサ > ヨダカ > モニカ
     > スピカ > エル > アーケノ > ジュダル > 料理当番から外される壁 > インガ > ライド →下手

 料理上手
 上手← パルミラ > アルクトス > デネブ > マリリー > レギオン > アルエレナ
     > ジェシカ > アリア > ピース > ラジエ > ベテルギウス > リナ

 料理下手
 上手← ギャルコ > アテム > ミーシャ > サリー > ライド > セーブル →下手

王子「リナちゃん、料理上手の最後だけど食い込んだね、良かったね!」

リナ「あの…ジェシカさんが、料理上手の下段におられて、かつ、料理下手のブービーにライドさんがおられるって…」

王子「上手な人と下手な人が混在してるからね、パーティーメンバーは。ちなみにヨダカは何でも甘い味つけにする困ったちゃんです」

リナ「それでも上から4番目にいらっしゃるのは…お菓子作りがお上手だから、お料理の腕は悪くないということでしょうか…?」

王子「あ、ちなみに料理下手で括った中の上下はつけておいたけど、ギャルコ含み、それ以下はまあ食えたもんじゃないです」

リナ「…胃袋を掴んでいる方、となるとやはりジェシカさんなのでしょうか…? 何でもおできになる方なのですね」

ライド君はモニカの罰がどうこうほざいてるけど
自分が犯した殺人、強姦、人食の罪を償う気はないんか

>料理上手
>上手← パルミラ > アルクトス > デネブ > マリリー > レギオン > アルエレナ
     > ジェシカ > アリア > ピース > ラジエ > ベテルギウス > リナ

>料理下手
>上手← ギャルコ > アテム > ミーシャ > サリー > ライド > セーブル →下手

テレサやモニカ、スピカ姫の
料理の腕ってどのくらいなの?

ガマーベって今どうなっているんだっけ
シグルドさんは死にました?

エルの教会の子供トリオの情報とか

アルクトスの料理の腕前になんか笑った

リナがインガのどこが好きか長々と語っていただきたい
可能ならばシャニを交えたい


 >>985

王子「別に忘れてるようなことはないんだろうけど、今は他に優先することとかあるしね」

リナ「ではベテルギウスさんを倒した後に…?」

王子「じゃないでしょうかね? モニカは放置するだけでも危険だったから、っていうのもあるし」

リナ「どのようにして償うのでしょう…?」

王子「まー、スッキリ償う方法なんてないだろうからねー」

 >>986

王子「パーティーメンバーってとこを参照してくだされ!」

リナ「テレサさんは仲間内では上手な方なのですね。…モニカさんも半分よりは上ほどで、スピカさんは…」

王子「ま、ちょびっと劣るところはあるけど普通に食べられるものは作れるよ。ちなみに、記憶喪失前のモニカだったらジェシカと同等くらいです」

 >>987

リナ「ガマーベはどうなっているんでしょう?」

王子「相変わらずですね。シグルド将軍も生きてるし、そこら辺はこれから関わってくるはず」

リナ「相変わらず…と言うと、侵略戦争に、相変わらず…?」

王子「そうだね。今はバイス地方の領土を巡って魔族軍と小競り合いとかもしてるけど、戦争まみれですね」

 >>988

リナ「エルさんの教会のお子様トリオについての情報だそうです」

王子「ふむ…情報か。そうねえ…まあ、特筆するようなことはないんだけど、まとめてみますか」


 ギレン
 ・腕白やんちゃ坊主。長男格
 ・ミーズとは同い年なものの男の子だから、という意識が強いのでミーズとカインに何かあったら守ろうと決めている
 ・トレバーに勉強を教わってはいるものの、あまり頭は良くない模様
 ・お手伝いでは主に、菜園の水やりが担当。サボるとミーズに怒られてよく喧嘩になり、カインが泣き出すまでがワンセット
 ・将来の夢は強い戦士になって悪者をやっつけること
 ・賊に村ごと襲われて唯一生き残っていたところを老神父に発見されて拾われてきた
 ・エルの尊敬するところは「強いところ」で、トレバーの尊敬するところは「何でも知ってる」ところ
 ・お兄ちゃんらしくありたい願望がちらほらあり、カインがもじもじしてると直してやる、って張り切るが泣かれてしまって怒っちゃう

 ミーズ
 ・お転婆面食いしっかり者ガール。長女格
 ・ギレンとは同い年なものの女の子なので、精神的にはこちらの方がお姉さんな感じがあり、ダメなものはダメとトレバーやエルにちくる
 ・ギレンと一緒になって元気に遊び回っている
 ・お手伝いでは主に、洗濯物を干すのと食事の下拵えが担当。たまにトレバーが疲れてると張り切ってご飯を作るが、あまりおいしくない
 ・将来の夢はお嫁さんになること
 ・赤ちゃんのころ、教会の戸口に捨てられていて老神父が拾って育てることになった
 ・エルの尊敬するところは「顔がイイ」ことで、トレバーの尊敬するところも「顔がイイ」ところ
 ・ギレンのこともカインのこともお子様ね、とばかりの態度を取ることはあるがけっこう彼女もお子様で、女の子だけど虫取りとか超得意

 カイン
 ・泣虫で弱虫で甘えん坊でおねしょ癖のある男の子。末っ子格
 ・鈍臭いのでギレンやミーズと遊んでいてもいつもひとりで失敗しては泣いてしまい、それをからかわれてしまう
 ・誰かが喧嘩してると泣き出しちゃう
 ・お手伝いでは主に、お部屋の片づけが担当。たまにものを壊してあわあわして泣き出してギレンとミーズにからかわれてしまう
 ・将来の夢は馬を飼うこと
 ・魔物に両親を食い殺されて危うかったところを老神父に拾われた
 ・エルの尊敬するところは「やさしい」ことで、トレバーの尊敬するところは「物憂げでも何も弱音を吐かない」ところ
 ・ことあるごとにカインとミーズにからかわれてしまうが、泣き止めばころっとそんなことを忘れて遊んでもらいたがる

リナ「健やかな成長を期待してしまいますね」

王子「高等な教育を受けてるトレバーくんが色々と教えたり世話をしてるから将来性はけっこうある3人なんだよね」

王子「いつもわいわい楽しくやってるけど、この子達が笑って過ごせてるのはエルやトレバーみたいに見守ってくれる人がいるからだしね」

リナ「早くエルさんが教会に戻れるといいですね…」

王子「ちなみに年齢設定は考えてません! せいぜい、小学校低学年くらいで考えてどうぞ」


 >>989

リナ「意外ですよね…」

王子「アルクトスは何でも手を出すからね」

リナ「でもどのようなお料理を作るのか、少し想像がつきません…」

王子「独創的だと思うよ。何かこう…すごそうなフレンチを想像すればいいんじゃないかな? 手の込んだやつ」

リナ「まあ…」

王子「けど手を込みすぎて、味は良くても平気で数時間くらいかけてくるから料理人には向かないかも」

 >>990

王子「お、いちゃいちゃな質問がきてるよ」

リナ「い、いちゃいちゃだなんて…」

王子「リナちゃんはー、インガのー、どこが好きなんですかっ?」

リナ「…ぎゃ、ギャップが…」

王子「ギャップ!?」

リナ「あまり他人の気持ちを考えて行動をするようなタイプの方ではなく、平気で大変なことをしてしまうのですが、それでも不意にやさしいところを見せてくれることがあるのです。きっとインガ様としては何も不思議なことではなく、ごくごく自然な行動なのでしょうが、そういうところにこう、惹かれるものがありまして…。あ、で、でも、だからって普段のインガ様の言動を肯定することはできません。ワガママです、めっ、です。けれども、不意に、わたし自身が忘れていたようなお約束を持ち出して『リナがやるなって言ったんだろ』とぶっきらぼうに、自分がやろうとしてたことをやめながら言われた時など、ちゃんとわたしのことを尊重してくださることもできるんだ、と胸がほうっと暖かくなる心地がいたしまして…。それにですね、わたしはバイスの姫に生まれまして、あまり…こう、強引なことをされるお方というのはいらっしゃりませんでした。常に一歩引いたところから、皆さんは接してきておりまして。けれどインガ様はそのようなことがなく、グイグイとわたしを引っ張っていってくださって、その力強さに身を任せる中でインガ様のお持ちしているエネルギッシュな部分がどうにもや、ヤミツキになる、とでも言いましょうか…ああ、何だかはしたないことを口にしてしまっているような…ち、違うのです、わたしはただ、そういうインガ様の飾らない態度というのが最初は新鮮だっただけだったのですが、その中に彼なりのやさしさであったり、義理堅さのようなものが見え隠れする内に、この方はきっとわたしには特別なのだという気持ちが生まれまして、それが――」

王子「ねえねえ、リナちゃん、リナちゃん」

リナ「はっ…は、はい。何でしょう?」

王子「まだ続く?」

リナ「い、いけませんか…?」

王子「……どうぞ」

リナ「は、はい。何もインガ様のアタックにわたしが陥落させられてしまった、というだけではないことも是非ともここでご説明をしておきたいと思います。インガ様は少々、ちょっかいと言いますか、人を突ついた時の反応を面白がるというような一面がございまして、ありとあらゆる手でわたしに何かと手や口を出してこられるのですが、これはインガ様なりの歩み寄っている形なのだとわたしは考えています。少々、恥ずかしいようなことを口にされてわたしがそっぽを向くと、にやにやとしながら頬や首をつんつんと突ついてくるようなことがあるのですが、それを我慢していてもこそばゆくなってしまって、つい、手で制してやめてくださいとお願いをするのですが、そうするとインガ様はわたしの手を取ってくださって、インガ様の手は武人らしいごつごつした手なのですが、不思議なことにやわらかくも感じられるので、その度にハッとしてしまいまして、インガ様がちょっかいを出されるのはこうして手と手を取り合うための不器用なコミュニケーションなのではないかと、そう思うと何だかとてもインガ様がかわいらしくも感じられるのです。好きな子にはちょっかいを出したくなる…とどなたかが、どこかで仰っていたのを聞いたことがあるのですが、インガ様はまさしくそれだと思っております。それに最近はこのアプローチの手法にも変化が見られまして、以前は秘め事のように、不意に、何でもないかのようにからかってこられることがあったのですが、最近は何かこう、人に見せつけるようなことも多くなって参りまして、後ろから忍び寄っていきなりわたしを抱き締めてくださった時は周囲の視線で顔から火が出るかのような心地で、インガ様に講義をしたところ、満足そうに彼は笑いながらその……あの、ま、まさぐるとでも表現をすればいいのでしょうか、顔を擦り寄せてわたくしの匂いを嗅いだり、手をわたしの腕やお腹に回してきたりと、そ、そういうのを公衆の面前でするものですから、しょ、少々、視線に堪え難くて逃げ出してしまうこともありました。しかしインガ様はわたしが逃げ出すまでを満足そうに眺めておいでになられていて、どのような理由があってするのでしょうかと正面切ってお尋ねしたところ、インガ様は『俺のものをどこでどうしようが自由だ』などと仰られて、わたしを以前から道具のような物言いをするのは変わっておられないのですが、よくよく考えてみるとインガ様は魔族として日頃から『人間なんか~』といった発言をしておられまして、わたしはれっきとした人間で、おかしいと一瞬だけは思ったのですがすぐに、インガ様はわたしを気に入ってくださっているのだと思いまして、それをインガ様は見せつけることで支配欲とでも言うのでしょうか、殿方が抱くような、そういう感情を埋められて悦に浸っておられるのではないかと。わたしは恥ずかしいので嫌なのですがインガ様なりにわたしをそこまで認め、大切にしてくださっていると思うと胸が弾むようでもありまして――」

王子「リナちゃん、リナちゃん」

リナ「はい?」

王子「…………まだ、続く…?」

リナ「あ、ええと…やめた方が…?」

王子「………どうぞ…」

リナ「ありがとうございます、王子さ――」

<カルカリナ様、お気を確か――

王子「退場!」ポチッ

<うおおおおおっ…!?

リナ「……あ、あの、今のお声は…?」

王子「俺はね、全ての女の子を大切にするんだ。だから、幸せそうにリナちゃんが語ってる限り、手出しも口出しもさせないよ」キリッ

リナ「……は、はあ…」

王子「………ただ、さ?」

リナ「はい」

王子「続く…?」

リナ(本当はもう王子様も飽きておられるのでは…?)

王子「…」

リナ「…ま、満足いたしました。ありがとうございまし……って、こ、このような取り留めのないお話で良かったのでしょうか?」

リナ「き、きちんと出会いから今に至るまでの経緯を時系列ごとにまとめて、内容も精査した上でお話をした方が――」

王子「お腹いっぱいです!!」

王子「だから大丈夫、リナちゃんはばっちりだから安心して!!!」

バイス王国には国家公認奴隷がいましたか?

シスコンブラコン含めて誰かのことが好きな人の好き度合いとか

これからの展開でガマーベを滅ぼす事って出来るの?


 >>993-994

王子「そこまでの設定は、考えられておりません!」

リナ「だそうです」

 >>995

王子「好き度合い…」

リナ「まとめるのが大変そうですね…」

王子「……まあ、全部ってわけにもいかないから、ピックアップって形で。あと、>>972みたいに★で表すと多くて大変そうなのでコメントで」

 シスコン&ブラコン編
 ジュダル→ヴォルド / 精神値9という超スーパー安定性の源はにいや。にいやに結婚話とか浮上したら失神する勢いで大好き
 ヴォルド→ジュダル / ジュダルへの態度はかなり厳しいものの全てはまともな人間に育ってくれることを期待する裏返し…だといいね
 ザニア→スピカ / 本人が納得しない縁談なら破談にしようとして一線飛び越えちゃったくらいの大好き
 シリウス→アリア / けっこう小さいころから連れ歩いて旅をしてたデネブ相手でも交際を認めたくないくらい愛しちゃってる

 異性として編
 セーブル→スピカ / ヘタレだなんだと揶揄されながらも一途に想い続けるくらいのピュアーなラブ
 スピカ→セーブル / プレゼントされた手袋をぼろぼろになっても使い続けたり、立場的に難しいんだろうけどちゃんと表明するくらい好き
 ヨダカ→モニカ / 記憶がなくなっても関係ねえ、な勢いで今はあれだけど素直になれなくてドライになるのが自分でもどかしいくらい好き
 マリリー→シリウス / 三十路が目前に迫ろうとも一途に待ち続けるくらい好き。けっこうマリリーもモテはする方
 アーケノ→テレサ / 好きになっちゃいけないって自分に言い聞かせて距離を取ろうとしてそれが逆に抑圧になって余計好きになっちゃう連鎖
 ライド→ジュダル / 超怖いヴォルドとか、(権力も実力も)手強すぎるライバルのアテムがいながらも根負けしないで挑めるくらい好き
 アテム→ジュダル / あらゆる口実をつけてジュダルを呼び寄せてはアプローチして釣れない態度でもさっぱりめげずに次の手を打つくらい好き
 デネブ→アリア / 不慮の事故でアテムが舌を巻くほど強烈な蹴りをもらったり、シリウスに全力で抵抗されても屈しないくらい好き
 リナ→インガ / >>992参照なくらい好き。まだ語り足りないらしい

 番外編
 ヨダカ→甘いもの / ヨダカ的にはもう神様かよってくらい大切なもの。宗教レベルで愛しちゃってる
 インガ→リナ / 異性として云々じゃなく、もう物欲とか支配欲とか色んなそういう本能的な欲望レベルで「俺のもの」宣言
 レイド→かわいいもの / レイドが公権力側(騎士団)じゃなければムショとシャバを何度も行き来してたくらいの勢いで好き

リナ「番外編が少々…濃いな、と思ってしまうのはわたしだけでしょうか…? い、いえ、インガ様の欄は嬉しいのですが…」

王子「いやー、ジュダルを手に入れるのって難しそう…。周囲の障害もさることながら、本人がヴォルドラブだからね…」

リナ「そ、そうですね…」

王子「ジュダル関連だけ男女を逆転すると、もうハーレムに囲ってやれや、って勢いなんだよね…」

王子「ものすごく愛してくれるお姉ちゃんと、何度かピンチを救ったらものすごく好きになってくれる女の子と、一国のお姫様と…」

王子「俺でも真っ青なスーパーハーレムになれるよ、ジュダルのとこだけ男女逆転しちゃうと」

 >>996

リナ「今後の展開でガマーベを滅ぼすことはできるのでしょうか?」

王子「能動的にこっちから仕掛けてそうすることはできません」

王子「が、まあ…成り行き次第で自滅したり、あるいは…まあ、巨悪を前に共闘になったり…? はあるんじゃないかな?」

リナ「なるほど…」

王子「さて、そういうわけで、今回のQ&Aコーナーはこれでおしまいです! ありがとう、リナちゃん!」

リナ「はい、ちゃんとお手伝いができたのなら光栄です」

王子「やっぱりアシは女の子だよね、うん…。リナちゃんはもう、過去最高クラスにいいアシさんだったよ、かわいいし、からかい甲斐あるし」

王子「何より素直だし!!」

リナ「あ、あの…」

王子「どうもありがとうございました」ペコリ

リナ「いえ、こちらこそ…」

王子「と、いうわけで! 皆の王子様と!」

リナ「リナの」

王子・リナ「「Q&Aコーナー、これにておしまいでーす!」」

王子「>>1000だったら、このシリーズの最後は、幸せなキスをして終了」

>>1000ならアーケノの父親が変態鬼畜強姦魔として登場

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