新田美波「クリスマスプレゼントですか?」 美城専務「そうだ」 (55)

※アニメ本編の時期から1年後のクリスマスを想定しています

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専務「………」ペラッ

今西部長「やあ。今日も精が出るね」

専務「片付けなければならない案件、目を通さなければならない書類が山ほど残っていますから」

部長「そうか。だが、根を詰め過ぎないように気をつけることだ。時には気分転換も必要だよ」

専務「遊んでいる暇はありません」

部長「ははは、相変わらずだね……なら、ひとつ提案がある」

専務「提案?」

部長「もうすぐクリスマスだ。日ごろ頑張っているアイドル達へ、クリスマスプレゼントでも用意してみたらどうかね」

専務「アイドル達への報酬は、給料という形ですでに支払っていますが」

部長「それとこれとはまた別だろう。さすがにアイドル全員には難しいだろうけど、君がここに来て初めて形にしたプロジェクトのメンバーにくらいは、何か贈ってあげてもいいんじゃないか」

専務「……プロジェクト、クローネ」

部長「プレゼント選びは気分転換にもなる。それに彼女達とのさらなる信頼関係の醸成にもつながるだろう。……これなら、ただの遊びではないと思うがね」

専務「………」

専務「(一応、探してみるとしよう)」

専務「(しかし、今時の若者が喜ぶプレゼントとはどのような物なのか)」

専務「(まあ、適当に選んでいけば問題はないだろう)」

とあるショッピングモール


美波「みんなへのプレゼント、何にしようかな」

美波「まだクリスマスまで日にちは残ってるから、今日はとりあえず下見だけでも……あら?」



専務「………」ジーー


美波「あそこのDVD売り場にいるの……美城専務?」

専務「……む?」

美波「あ、こっちに気づいた……とりあえず、挨拶しよう」

美波「こんにちは、専務さん」

専務「新田美波か。君も買い物か?」

美波「ええ。アイドルのみんなへのクリスマスプレゼントを探しているんです」

専務「……私と同じか」

美波「同じ……えっ、専務さんもみんなにプレゼント贈るんですか!?」

専務「そこまで意外か?」

美波「い、いえ。別にそういうわけじゃ」

専務「顔に出ている。取り繕うのはやめなさい」

美波「は、はい」


美波「その……誰に贈るんですか?」

専務「プロジェクトクローネのメンバーだ」

美波「クローネですか……なるほど」

美波「アーニャちゃんや凛ちゃん、奏ちゃんたちのこと、大事に思ってくれているんですね」

専務「当然だ。彼女達は、私が選んだダイヤの原石なのだから」

美波「あ、あはは……(なんだか、『大事』の意味がちょっとずれてるかも)」

専務「昨年のオータムフェスの時のような失敗を繰り返さないためにも、彼女達の管理を完璧に行っておく必要がある」

専務「ある程度の関係の醸成も、その一環だ」

美波「……と思ったけど、やっぱりあんまりずれてないかも」

専務「何か言ったか」

美波「い、いえ。なんでもないです」

MS(美城サンタ)

美波「それで、DVDを選んでいたんですか?」

専務「速水奏は映画鑑賞が趣味と聞く。ならば、いくつか映画のDVDを贈るのが良いと判断した」

美波「なるほど。私もいいと思いますけど……どんな映画にするんですか?」

専務「彼女は愛や恋といったものへの関心が深いようだからな。私が以前見て面白いと感じた恋愛映画を選べば問題はないだろう」

美波「あ、恋愛映画はやめておいたほうがいいかもしれません」

専務「なぜだ」

美波「奏ちゃん、ああ見えて恋愛映画は苦手なんです。見てて恥ずかしくなるからって言ってました」

美波「痛快なアクションとかコメディとか、そういうジャンルのほうが好きみたいです」

専務「ふむ、それは初耳だった。参考にしよう」

専務「助かった」

美波「いえいえ。奏ちゃんが恋愛映画好きっていう勘違い、私もしたことあるんです」

美波「大人っぽいオーラが出てるから、そう思っちゃいますよね」

専務「そうか」

美波「(うーん。なかなか会話が弾まない……)」

専務「とりあえず、映画のDVDはこんなところでいいだろう」

美波「他のみんなには、何をプレゼントするか決めているんですか?」

専務「大まかに決まっている者と、そうでない者とがいる」

専務「たとえば、鷺沢文香は読書が趣味のようだから」

美波「(おすすめの本をプレゼントするのかな)」

専務「私が帝王学と経営学を学ぶ際に参考にした書物を10冊ほど」

美波「ストップ! ストップです!」

専務「? 落ち着きなさい。アイドルが取り乱すものではない」

美波「あ、すみませんつい……じゃなくて。その、あまり堅苦しすぎる本はどうかなって」

専務「そういうものなのか」

美波「文香ちゃんが目指しているのは、社長じゃなくてトップアイドルなので……」

美波「もっと普通の本でいいんです。専務さんがプライベートで読んで、面白かった本とか」

専務「ふむ……検討しよう」

美波「あとは、ブックカバーとかいいかもしれませんね。複数あって困るものじゃないですし」

専務「それも考えておこう。少し探してくる」スタスタ

美波「(……なんとなく予想してたけど、専務さんはプレゼント選びに慣れてる感じじゃない)」

美波「(乗りかかった船だし……手伝った方がいいわよね)」

美波「大丈夫。私はシンデレラプロジェクトのリーダー、みんなのお姉さんだもん」

美波「クローネのみんなのためにも、専務さんのサポートをちゃんとしないと」

美波「美波、いきます!」





専務「ブックカバー、ブックカバー……む」

専務「………」

専務「ぴにゃこら太のブックカバー……悪くないな」

今日はここまで
続きは夜が明けてからの予定です

乙乙、これは面白くなりそうだw

乙!
でも専務さんって言い方は却って失礼かと

>>13
この呼び方どうなんだろうって思ったんですがやっぱり失礼ですか
でも今回はこれで始めてしまったので最後までこれで通します
次書くことがあったら直します

専務「次は北条加蓮へのプレゼントだ」

美波「加蓮ちゃんですか。なにがいいかな……」

専務「最近は冷えるから質のいいカイロ一式、加えて体調を崩さないよう健康サプリメントを一式――」

美波「って過保護すぎですっ!」

専務「しかし彼女は幼少の頃に病弱だったと」

美波「だからってクリスマスにそれはどうかと……過保護なところまで凛ちゃんや奈緒ちゃんの真似しなくていいんですよ」

専務「………」

美波「……あ、ごめんなさい。思わず強い調子でツッコミを……」

専務「いや、かまわない」

専務「私は大学時代から海外で暮らし、現地の陽気な学友達と親睦を深めてきた。その中で、積極的にツッコまれたりボケを要求されたりする機会も一度や二度ではなかった」

専務「君達の前では見せたことはないが、アメリカンジョークにも多少は嗜みがある」

美波「そ、そうなんですか?」

美波「(この人がジョーク……どんなジョークなのか、ものすごく気になる……! 半分怖いもの見たさだけど)」

専務「……気になるのか?」

美波「えっ? いや、その」

専務「素直に言いなさい。怒ったりはしない」

美波「……すっごく気になります」

専務「そうか……君が望むのなら、ひとつ披露してもいいが」

美波「本当ですか?」

専務「こうしてプレゼント選びのアドバイスをもらっているわけだから、そのくらいは」

美波「見たいです」

専務「わかった。では」コホン

専務「ある日、ジムは友人のジョンと話していた」

専務(ジム)「HEY、ジョン。俺は昨日常務にきっついお小言くらったぜ」

専務(ジョン)「なんだって? ジム、いったいなんて言われたんだ」

専務(ジム)「ちょっとしたミスをネチネチ責め立てられてさ。しまいには辞めろだなんて、とにかくめちゃくちゃさ。きっと虫の居所が悪かったんだ」

専務(ジョン)「待て待て。そいつはきっと彼なりのジョークさ」

専務(ジム)「ジョーク? どうしてそう言い切れる」

専務(ジョン)「そりゃあ君、アメリカンジョーム(ジョーク)だからさ」

専務(ジム)「なるほど!HAHAHA」



専務「――以上だ」

美波「………」

美波「(か、楓さんと同レベル……!)」

美波「(でもちょっとクスリと来ちゃった。私、笑いの沸点低いのかな)」

専務「さて、北条加蓮へのプレゼントについてだが」

美波「今思い出したんですけど、加蓮ちゃんは小さい頃によくアニメを見ていたそうです」

専務「アニメをか」

美波「学校を休みがちだったから、たくさん見ていたって言ってました。だからその頃のアニメには詳しいらしいです」

美波「昔のアニメのDVDとかを贈ったら、懐かしんでくれるかも」

専務「昔のアニメか。その方向で探してみよう」

美波「はい!」

専務「ではやはり魔法使いサリーだな」

美波「ちょっと古すぎると思います」

専務「橘ありすは、ゲームをするのが好きだったと記憶している」

美波「上手ですよ。たまに勝負するんですけど、いつも私が負けちゃいます」

専務「ゲームを贈るのは良策に思えるが……本人が持っていない物を選ぶ必要があるな」

美波「最近のゲームは結構持ってそうですよね。ここはちょっと古めの、大人の専務さんだからこそオススメできるなにかを」

専務「私だからこそ、か」

専務「………」

専務「ならば、ドリームキャストのシェンムーを贈ろう」

美波「どりいむきゃすと……?」

専務「そうか、君は知らないか。時代の流れだな」

専務「良いソフトに良いハードだと当時は思ったのだが……儚いな」

美波「はあ……」

美波「(なんだか落ち込んでるし、元気の出るようなこと言った方がいいのかしら)」

美波「えっと……シェンムーをセンムーがプレゼント!」

専務「………」

美波「な、なんちゃって……あはは」

専務「………」



専務「まあまあだな。65点といったところか」

美波「思ったより点数高かったです」

美波…酔った楓さんの介抱するうちにダジャレがうつったのか…w

美波「あ、お花屋さんがあります」

専務「花か……」

美波「凛ちゃんへのプレゼントにどうでしょう?」

専務「………」

美波「専務さん?」

専務「贈り物において、相手の専門分野を攻めるのは難しい。覚えておきなさい」

美波「そうなんですか?」

専務「なまじ向こうはその分野において詳しい。こちらもそれ相応の知識があるならともかく、そうでないなら贈るべきでない物を贈ってしまう可能性もある」

美波「えっと……凛ちゃんはお花について詳しいから、目が肥えている。だから気に入ってもらえる物を選ぶのが難しいってことですか?」

専務「そういうことだ」

美波「なるほど……勉強になります」

美波「それじゃあ、凛ちゃんには何を贈りましょうか」

専務「確か彼女は犬を飼っていたな」

美波「はい、ハナコちゃんっていうんですよ」

専務「……犬用の首輪かリードにするか。実用的だろう」

美波「いいですね。ハナコちゃんは見たことあるので、似合いそうなデザインとかはわかります」


ペットショップに移動


専務「種類が多いな……」

美波「ですね……あれ? あそこにいるのって、346のアイドルの」



時子「さて。豚に合う首輪とリードは……」



専務「……最近は豚をペットとして飼うのが流行しているのか?」

美波「多分違うと思います」

専務「次は神谷奈緒への贈り物を選ぶ」

美波「奈緒ちゃんですか」

専務「彼女に関してはひとつアドバンテージがある」

美波「なんだか自信がおありみたいですね」

専務「ふ……私は知っている」



専務「彼女の隠れた趣味がアニメ鑑賞だということを」キリッ

美波「………」

美波「……えーと、それは多分みんな知ってると思います」

専務「!?」

美波「奈緒ちゃん、アニメ見てることについては別に隠そうとしてませんし」

専務「……そうか」

美波「(がっかりしてる……?)」

美波「とにかく、アニメとか漫画関連のプレゼントを贈れば喜んでくれますよ!」

専務「……そうだな」

専務「しかし、彼女は多くの作品をすでに所持しているようだ。いまだに彼女の目に留まっていないものを探す必要がある」

美波「うーん……私はアニメはあまり観ないので、ちょっと力になれないかもしれません」

専務「申し訳なさそうな顔をする必要はない。私が自分で探せばいいことだ」スタスタ


美波「……あ、そうだ。蘭子ちゃんなら力になってくれるかも」

美波「今、電話で話せればいいんだけど――」

蘭子『――魔の覚醒を促す素因としては、こんなモノね(オススメのアニメと漫画はこんな感じかな)』

美波「ありがとう、蘭子ちゃん」

蘭子『うむ。健闘を祈る!』

ピッ

美波「いろいろ教わったし、早速専務さんに……あら? どこに行ったのかしら」キョロキョロ

美波「……あ、いた」


専務「………」ジーー


美波「専務さん。何か良さそうなもの、見つかりました?」

専務「ああ……神谷奈緒が読んでいなさそうな漫画は見つけたが、これは駄目だ」

美波「え? この本に何が問題が――」ペラッ

美波「………」

美波「………!?」

美波「お、男の人同士でこんなことを……ええっ!?」

美波「ああ、うそっ、そんなところまでっ!」カアァ

専務「……興味があるのか? 穴が開くほど見つめているが」

美波「ち、違います! びっくりしすぎただけです!」

美波「蘭子ちゃんに情報をもらったので、それを参考にして探しましょう!」

専務「……そうか」

専務「私としては、公私をわけるなら大抵の趣味は許容するが……」

美波「だから違いますってばー!」

続きは夜に投稿します

美波「次は唯ちゃんですか?」

専務「ああ。彼女は……ギャル、というやつだな」

美波「ですね。みんなと仲良くなれるギャルさんです」

美波「オシャレも好きみたいだし、メイク用の道具とかアクセサリーとかがいいかもしれませんね」

専務「そうだな。それは私も考えていた」

専務「ギャルのメイクとなると、ヤマンバメイクでチョベリグなイメージの」

美波「だから古いですって!」

専務「さすがに今のは冗談だ」

専務「芸能プロダクションの専務が、ファッションの流行り廃りを認識していないわけがないだろう」

美波「あ、アメリカンジョークですか……」

専務「ところで、古い古いと言いながら、君はその古い言葉の意味を正しく理解しているようだが」

美波「それはですね。菜々ちゃんとおしゃべりしていると、自然とそういう知識が溜まっていって――」

専務「塩見周子は和菓子屋の娘だったな」

美波「ということは、凛ちゃんの時と同じで、和菓子系は避けた方がいいんですね」

専務「そうなるな」

美波「周子ちゃんはダーツが好きなんですよ。一度勝負したことがあるんですけど、コテンパンにやられちゃいました」

専務「ダーツか。道具一式を揃えるという手もあるが……ひとまず、その方向で検討してみるとしよう」

美波「はい」

専務「………」スタスタ

美波「………」スタスタ



美波「(……あれ、オチがない?)」

専務「次は宮本フレデリカだが……」

美波「フレデリカちゃんですか……」

専務「………」

美波「……つかみどころが、ないですよね。おしゃべりするのは楽しいんですけど」

専務「君もおおむね私と同意見のようだ。彼女に適した贈り物とは、いったいなんなのか」

専務「あのオープンな性格は、母がフランス人であることが要因なのか?」

美波「どうなんだろう……とりあえず、フランス語は話せないみたいですけど」

専務「……考えてみれば、それでは母方の親戚に会った時にコミュニケーションが満足にとれないな」

専務「今後のことを考慮して、フランス語の教材とCDを贈ることにする」

美波「えっ……クリスマスプレゼントに、お勉強の道具ですか?」

専務「何か問題でも?」

美波「問題というか、なんというか……フレデリカちゃんのお母さんって、お父さんと駆け落ちしたって聞きました。そもそも親戚と会う機会あるんでしょうか」

専務「だからこそ、将来会う機会が生まれた時は、それを大事にしなければならないだろう。そうなるとやはりフランス語は必要だ」

美波「………」

専務「どうした」

美波「いえ。フレデリカちゃんのこと、よく考えてあげてるんだなって」

専務「……別に、論理的に思考を重ねた末の結論にすぎない」

美波「ふふ、そうですか」

美波「……そうだ。フレデリカちゃん、大学でデザインの勉強してましたよね? そっち方面で何か道具を買ってあげるのはどうでしょうか?」

専務「デザインか。確かに、大学での学業も重要だな……ここはどちらも用意するか」

美波「(とりあえず、これで語学のテキストだけって状況は避けられそうね)」ホッ

専務「さて。これで残るはアナスタシアだけだが」

美波「アーニャちゃんはですね、天体観測が趣味なんです」ニコニコ

美波「星を見るのが大好きで、あと雪とかオーロラとか、大自然を感じさせるものも好きなんですよ」ニコニコ

美波「お料理もできて、得意なのはおばあちゃんに教わったボルシチで、でも和食も好きだから朝食はごはん派で実は猫耳がかなり似合って」

専務「……一度に一気に話されても困るのだが」

美波「あっ……すみません」

専務「だが、君からの情報は役に立ちそうだ。力になってもらおう」

美波「任せてください!」グッ

そして――


美波「……これで、クローネのメンバー全員のプレゼントが揃いましたね」

美波「クリスマスまでは秘密ですね」

専務「別に公開してもかまわない情報だと思うが」

美波「ダメですよ。こういうのはサプライズにしましょう、せっかくなんですし」

専務「そういうものなのか」

美波「そういうものです♪」

専務「……君は」

美波「はい?」

専務「君は、仲間達のことをよく見ているようだ」

美波「見ている……私は、普通にみんなと仲良くしているだけですけど」

専務「クローネのメンバー10人分。それぞれの個性を踏まえ、私のフォローを行った」

専務「君は周囲が見える人間だ。私が保証しよう」

美波「……そうですか?」

専務「そうだ」

美波「……そうですか」

美波「私、これでもシンデレラプロジェクト一期生のリーダーですから」フフッ

専務「リーダーか……今後も、その責務を果たしなさい」

美波「はいっ。頑張ります!」

時は流れ、クリスマス当日


専務「………」(書類チェック中)

コンコン

専務「入りなさい」

ちひろ「失礼します、専務」

専務「君か。頼んでおいたプレゼントは、全員に届けてくれたか」

ちひろ「はい。きちんと10人みんなに渡しておきました」

ちひろ「みんな、びっくりした後にうれしそうにしていましたよ」

専務「そうか……それで、用件はなんだ」

ちひろ「用件はですね……これです」

専務「……なんだ。このラッピングされた大きな包みは」

ちひろ「クローネの皆さんも、専務と同じことを考えていらしたようですよ?」

ちひろ「この中に入っているのは、みんなから専務へのクリスマスプレゼントです」

ちひろ「クローネの10人と、あとは新田美波ちゃん」

専務「……っ!」

専務「……そうか。彼女達が」

ちひろ「では、私はこれで失礼します」

専務「ああ。ご苦労」

ガチャ、バタン


専務「………フッ」

同時刻


未央「メリークリスマス、みなみん!」

美波「未央ちゃん。メリークリスマス!」

未央・美波「いえーい♪」

未央「というわけで、未央ちゃんからのプレゼントです! ホントは昨日渡したかったんだけどね」

美波「ありがとう。イブはみんな忙しかったし、しょうがないよ」

美波「はいこれ、私からもプレゼント」

未央「おー、ありがと!」

未央「何が入ってるかなー――」


武内P「新田さん、少しよろしいですか」

美波「プロデューサーさん」

未央「プロデューサー、メリークリスマス!」

武内P「ど、どうも……メリー、クリスマス」

武内P「……新田さんに、お渡ししたい物があります」

美波「私に?」

未央「ひょっとしてクリスマスプレゼント?」

武内P「いえ。自分からのプレゼントは、あとで皆さんに一斉にお渡しするつもりです」

美波「その言い方だと、別の人からのプレゼントですか?」

武内P「ええ。美城専務からです。新田さんに渡しておいてほしいと頼まれました」

武内P「これです」

美波「美城専務から……綺麗な箱……」

未央「みなみんだけに?」

武内P「シンデレラプロジェクトの中では、渋谷さんとアナスタシアさん、そして新田さんだけです」

未央「むぅん。しぶりんとアーニャはクローネのメンバーだとして……みなみん、専務といつの間に仲良くなったの?」

美波「あはは……ちょっとね」

美波「何が入っているのかしら……」パカッ


未央「おお、これは!」

武内P「……ワイン、ですね。有名なブランド物のようです」

未央「みなみん二十歳越えてるもんね。おっとなー♪」

美波「ワイン……大人、か」

美波「私のこと、認めてくれたっていう意味なのかな」

未央「うん? みなみんなんか言った?」

美波「……ううん、なんでも」

美波「プロデューサーさん、よかったら一緒に飲みませんか?」

武内P「……自分と、ですか?」

未央「おー? 一緒に飲もうだなんてみなみんだいたーん♪」

美波「そ、そういうのじゃないからっ。もう!」


美波「(ありがとうございます。それとメリークリスマスです、美城専務)」




未央「……あれ? なんかこの箱、底分厚くない?」

美波「え? そういえばそうね。下にまだ何かあるのかしら」パカッ

美波「………!!?」

武内P「!」

未央「わ、わわ……こ、この漫画の表紙、男の子同士でキスして……!?」カアァ

美波「専務さーーん!! 違うって言ったのにーー!!」



おしまい

大西「尊いじぇ」

終わりです。お付き合いいただきありがとうございます
今回でSS100本書き上げたことになるようです。うち40本以上が飛鳥か梨沙で占められているので、本数に対して描いたアイドルの数はあまり多くないのですが

過去作の宣伝
新田美波「リレー小説ですか?」 武内P「はい」(新田美波「リレー小説ですか?」 武内P「はい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448118951/))

アニメの美波はアーニャや蘭子達との微笑ましいやり取りも印象に残りましたが、みんなのリーダーやってる場面もよかったですね

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