副委員長「トリックオアトリート!」  委員長「オイ」 (10)



委員長「何か言い残すことはあるか?」 ギリギリギリギリ

副委員長「イタイイタイイタイちょ、冗談だから!?」 アタマミシミシ

委員長「まったく、ハロウィンは先月終わっただろう」

副委員長「だって私さー、肺炎で寝込んでたんだもん、仕方ないじゃない?」

委員長「仕方ないの使い方がおかしい」



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委員長「夕飯のおかずにカボチャコロッケがあるから食べてくか?」

副委員長「食べまーす! お邪魔しますっ」

委員長「でも、家が隣だからってこんな時間に遊びに来るなよな」 ハァ

副委員長「まーまー、独りで食べるご飯が味気ないのはお互い嫌ってほど味わってきたじゃない?」

副委員長「委員長は強いし賢いよね…うちの両親は私を気味悪がったのにね」

委員長「誰もいない部屋で壁に向かってしゃべってるのを見たら、誰でもビックリするだろう」

副委員長「普通に接してくれるじゃない、委員長」

委員長「俺は実際見れたからな、一度きりだけど」



副委員長「あ、委員長ストップ」 グイッ

委員長「!」



    ドサドサドサ!!

副委員長「こらー、神棚で遊んじゃダメでしょ!」

      キャッキャ

委員長「…おフダと葉っぱが落ちてきた…」

副委員長「榊っていうんだよー」



委員長「あー、そいつらもハロウィンしたいのか?」

副委員長「そうみたいだね、普段は和服なのにドレスとか着てる」

副委員長「うわ、そのシーツどこからもってきたの!戻しておいで!」

委員長「……シーツお化けって中に『そいつら』が入ってるから浮いてたのか」

副委員長「ギャーーッ!! ケチャップを血糊がわりにすんなーー!」

委員長「……姿は見えないはずなのに…何でだろう、小さい妖精がケチャップをかぶったかの姿に…」 

委員長「というより、掃除が…大変…」



副委員長「つ、疲れた…」

   キャッキャッ!! (背中にのってる) ピョンピョン

委員長「夕飯準備できたよー」

副委員長「ありがとー いただきまーす」

委員長「いただきます」

副委員長「…ダメだよ、そのカキアゲ、玉ねぎ入ってるからね」 モグモグ

   しょぼーん…

委員長「…うん、もう見慣れた光景だけど、床見ながら喋るのはやっぱり不審だな」

委員長「玉ねぎがダメってことは、猫神さんでもいるのか?」

副委員長「うん、犬神の仮装してる」

委員長「意味あるのかそれは」



副委員長「カボチャコロッケおいしい!」

委員長「そりゃドーモ」

副委員長「やっぱり将来はシェフ?」

委員長「んー、カフェでもやろうかなって」

委員長「家の跡継ぎは兄貴だし、社長補佐とか俺には無理だ」

副委員長「いよっ ガラス屋社長子息!」

委員長「ガラスも料理も両方綺麗だけど、やっぱり料理のほうがいいな」 ウム

委員長「副委員長は将来どうするんだ?」

副委員長「あのね!今、弟子入りしてる探偵事務所があるんだー」

副委員長「チビ神様たちに手伝ってもらって、尾行とか失せ物探しなんかをやってるよ」

委員長「あー、すっげえ納得できるわー  完全企業秘密だろうけどな」

副委員長「それがさ、そこの所長さんって『見える人』だったんだよねー」

副委員長「つまりー同じ手法でしたわ、あちらは九十九神さんがお友だちになりやすいみたい」

副委員長「アンティークっていうのかな?そういうのにとりついた方々が和洋中問わず、たくさんいらっしゃったよ」

委員長「結構身近に居るもんだな」

副委員長「私は動物神さんと相性がいいらしいね」



副委員長「あとはー、委員長のお嫁さん?」 キャ-ッ

委員長「そいつぁ光栄だ」

副委員長「むー、真面目に聞いてない!」

委員長「ちゃんと聞いてるって」

委員長「店がつぶれる心配ないくらいに軌道にのったらもらいにいく」

副委員長「へ」

委員長「まあ、副委員長の両親はどこいったんだか分からないし、お婆様はお亡くなりになったし…だれからもらえばいいんだか」


お婆様(霊)『あらあら、私ならここですよ』 魔女

副委員長「あ、お婆ちゃん!お盆ぶりだね!」

お婆様(霊)『ええ、ええ、こんばんは』

お婆様(霊)『地上ではろういんっていうお祭りがあったのねえ、にぎやかで明るすぎて降りてこれなかったけど、来年は混じってみようかしらねえ』

副委員長「いいと思うよー、私も付き添うから呼んでね!」

委員長「……姿は見えずも声だけ聞こえる…」

お婆様(霊)『うふふ、あの世でがんばって経験値を貯めると、色々融通してもらえるのよ』 ポイントカード

副委員長「まさかのポイントカード制!?」



お婆様(霊)『委員長君、孫をよろしくお願いしますね』

委員長「はい、ありがとうございます」

副委員長「え、ちょ、スルーされてます?」

お婆様(霊)『それじゃあ、また来年のお盆に会いましょうねぇ~……』 ポフッ

副委員長「え、それだけのためにわざわざ時期外れなのに来てくれたの?!申し訳ないよ!」

委員長「まあいいんじゃないか? お婆様の許可は頂けたし」

副委員長「え、ええー…」

委員長「ご両親、帰ってくるといいね」

副委員長「今さらだけどね…」

委員長「出来れば快く祝ってもらいたいだろ、適当じゃなくてさ」

副委員長「ぬ、う…」

委員長「さ、早く食べちゃって帰りな?」

副委員長「そこは、泊まるか?とか聞かないの?」

委員長「なんで?まだそういう仲じゃないだろ?」

副委員長「え」

委員長「卒業するまで不純異性交遊はしないよ、お婆様の許可があったとしてもね」

副委員長「融通がきかない」



委員長「まあそういうわけだ、殺気を飛ばすのはやめてもらえませんかね?神様方」

     じとーーー

副委員長「え、なんで皆睨んでるの」

委員長「そりゃあ、大事なヨリシロを持っていかれてたまるかっていう感情だろうさ」

委員長「見えないはずなのにさっきからずっと視線が痛くて痛くて」

副委員長「なんか…ええー…」


   はぁーーー… (盛大なため息)

副委員長「え、私が悪いの?」

委員長「とりあえず、卒業するまでも、したあとも、また宜しくな」

副委員長「あ、う、うん よろしく」









おわります。
山も落ちもないですが、読んでいただきありがとうございました。

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