魔法少女「世界の平和を守るんだから☆」 (81)

魔女「フッフフ……現れましたわね、魔法少女マジカルミサキ!」

魔法少女「極悪魔女ワルジャーク!今日こそ決着をつけるんだから!!」キラン☆

マスコット「ミサキちゃん!ここが正念場だよ!!この新しい変身ステッキで最後の戦いに挑むんだ!」

魔法少女「ありがとうタルタル!」

魔女「さぁ最終決戦の幕開けですわよ!!来なさい、ミサキさん!!」シュバーン☆

魔法少女「この戦いで、全てを終わらせるんだから!!」

魔法少女「みんな笑って!笑顔は私の力になるから!!」キララン☆



あの熾烈を極めた戦いにより
マジカルミサキの勝利で世界に平和が訪れた!!

人々は歓喜し、魔法少女マジカルミサキを称え、その名を永遠に胸に刻んだ

……そして、あの戦いから20年の月日が流れた……



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――――――
―――



女「……」カタカタカタ

女「……」カタカタカタ

上司「あ、上原さん。この資料連休明けの会議で使うから、それぞれ20部ずつコピーしておいて」

女「はい」

同僚「ミサキちゃん、そろそろ定時だけど……終わりにしたら?」

女「いえ、今日中に処理しておきたいのでまだ残っていきます。あ、タイムカードは切りますけど」

同僚「そかそか、じゃあ私は先にあがるねー」

女「お疲れ様です」

上司「じゃあ悪いけど、僕も先に上がるよ。上原さん、あんまり根詰め過ぎないようにね」

女「はい、大丈夫ですよ。お疲れ様です」



女「……」カタカタカタ

女「……」カタカタカタ

女「……」

女「……ハァ……」

女(あの戦いから20年……)

女(水水しくも華々しく魔法少女として活躍していた私は、今や三十路)

女(制服着こんで、眼鏡をかけた地味な服装……私があんな衣装を着て戦っていたなんて誰も気が付かないだろう)

女(未だに相手もいなけりゃ出会いも無い、女として腐っていくだけの人生)

女(こうして会社に勤め、必中パソコンの前でキーボードを打ち続ける毎日)

女(家は六畳一間の狭いアパート。安いからって住み続けているが、いかんせん壁が薄い)

女(……魔法少女として世界を救い、遊びや恋に花咲かせていたあの時はもう戻ってこない……)

女(あの体験から手元に残ったものと言えば……)

……

ギィ

女「……ただいまー」

マスコット「おかえりミサキ!君の帰りをずっと待っていたよ!」

女「……」

マスコット「ねぇねぇ、今日のご飯は何かな?もうボクお腹ペコペコだよぉ」

女「……」

女(厄介な事に、手元に残ったのはこのよくわからん生物だけだ)

女「はいはい、すぐに作るからちょっと待ってて」

マスコット「うん!ミサキの作る料理はおいしいからね!」

女「……ねぇタルタル」

マスコット「ん?どうしたんだい?」

女「……アナタっていつまで私の所に居るつもりなの?」

マスコット「いつまでって、この世界から僕らの敵がいなくなるまでだよ」

女「ワルジャークも倒して世界に平和が戻ったじゃない……」

マスコット「いいや、日々この世界には悪の手が迫っているのさ!現に君の後輩に当たる魔法少女も数十人と存在し、とっかえひっかえに種類だけ多い悪の組織と戦っているんだ!」

女「私にこれ以上戦えと?」

マスコット「必要ならね!」

女「……」

マスコット「うん、君の言いたい事は分かるよ。一戦士としての戦いも終わって、休息が必要だとも思う。疲れであまり無理もさせられない、だからこそ僕が傍にいて……」

女「正直30歳であの姿で戦うのはちょっと見苦しいと思うんだけど」

マスコット「あぁそっち……」

女「というか、後輩たちがいるなら尚更私いらないじゃない」

マスコット「君ほどの魔法少女となれば、彼女達の指標とならなければいけないんだ。だから辞められないし、僕達も辞めさせられない。それが精霊界で決められた掟だからね」

女「(サラッと精霊界とか新単語出すなよ……)それを抜きにしてもアナタ、いつまでも私の所に居る必要も無いじゃない。その後輩の所にでも行ったら?」

マスコット「担当が決まっているから、それも僕が決める事じゃないんだよ」





マスコット「……君の担当っていう箔が付いちゃってて、他で出ちゃうと仕事取るなって言われるし、使いまわしだのなんだのってバッシング受けて雇ってくれないんだ……僕も家族養ってるし、戦わない君でもこうして傍についていないとお給料もらえないし。こんな事言った後で言うのもなんだけど、常時キャラ作るのも面倒なんだから……」ハァ…

女「なんかゴメン」

マスコット「そういえばミサキ、明日から会社は連休らしいけど、何か予定はあるかい?」

女「ん?特には。お買い物くらいかな」

マスコット「そっかそっかー!」

女「どうかした?」

マスコット「……お忍びで精霊界に帰りたい」

女「……ああ……うん」

マスコット「……子供、3人目が生まれたばっかりなんだ」

女「……そう」

マスコット「ホント辛いよ……単身赴任って」ハァ…

女「……」

女(なにこの私が悪いって雰囲気)


女(生活は荒んでるし、タルタルは小言が喧しいし……)

女(こんな事になるんだったら、魔法少女なんてやるんじゃなかったなぁ……)

――――――
―――



女(買い物買い物ー)

女(って言っても言う程何か必要ってわけでも無いしなー……)

女(あ、トイレットペーパー安いや)サッ

「あら、ちょっと失礼」シュバーン☆

女「え?あ、はい……」

女(人が取ろうとしたものに割り込むなんて非常識だなぁ)

魔女「トイレットペーパーは長持ちするシングルに限りますわ!生活必需品はすぐに消費してしまいますし!」

女「……」

魔女「……」




女「……ワルジャーク?」

魔女「……ミサキさん?」

……

女(……流れで喫茶店入っちゃったけど)

魔女(気まずいですわ……)

女「……」

魔女「……」

「「あ、あの……!」」

女「あ……」

魔女「あ、み、ミサキさんからどうぞ……」

女「あ、じゃあ失礼します……」

女「ワルジャーク……さんは、その……死んでなかったんですか?」

魔女「あの戦いの後ひそかに逃げのびて、人々にバレない様に細々と生活していましたわ」

女(私の一撃で月までぶっ飛ばしたんだけどなぁ……)

女「その後どうしたんですか、そんな庶民的な服なんて着て……」

魔女「色々経験しましたの……水商売にも手を出しましたし、好き合っていたと思っていた男性には実は何人もの浮き相手がいて、結局体よく財布にされていただけでしたり……身体だけが目当てだった人もいましたわね、今にして思えばどうしてそんな人と私は一夜を共にしまくっていたのでしょう。そんな男性にばかり引っかかる度に枕を涙で濡らす毎日を」ハァ…

女(苦労したんだなぁ……)

魔女「ミサキさん、貴女は何ですのその恰好」

女「へ?普通に……」

魔女「普通にジャージ、だなんて言わせませんわ。まだ若いのに」

女「若いって嫌味ですか。私もう30ですよ」

魔女「ワタクシは40ですわ」

女「……」

魔女「……」

女「ごめんなさい」

魔女「謝らないで」

女「というか、二十歳で魔女なんてやってたんですか。あの衣装ただでさえ露出多いのに恥ずかしくないんですか」

魔女「ず、ズバズバと言いますわね……それはまぁ悪の女幹部のお約束というか……」

女「女幹部どころかトップだったじゃないですか」

魔女「ともかくですわ!今は昔の事はお互い忘れましょう!!」

女「そうですねー」

魔女「……出来ればこんな出会い方したくありませんでしたわ」

女「今は何をしてらっしゃるんですか?まだ水商売を?」

魔女「いえ、今はもっぱら専業主婦ですわ」

女「あ、結婚は出来たんですね。どういったお仕事をなさってる方で?」

魔女「街の小さな工場で機械の修理をして……」

女「へーいいじゃないですか、素朴な感じでもしっかり生活出来てて」

魔女「いましたわ(過去形)」

女「……ごめんなさい。工場潰れたんですね」

魔女「お願いだから謝らないでください」

魔女「ミサキさんは……」

女「普通にOLやってます。ハハッ、お互いに魔法少女と魔女なんてやってたせいで燃え尽きちゃったのか、20年経って面白味の無い人生歩んじゃってますね」

魔女「笑い事じゃありませんわ。お付き合いなさっている方は?」

女「居ません。つーか邪魔者が家に住み着いてて迂闊にヒトを呼べません」

魔女「んー。お肌もまだプルプルですし、メガネをとったら可愛いですし、何よりオッパイ大きいですわ」

女「品定めするような眼で見ないでくださいよ……」

魔女「ちゃんと着飾ればまだまだイけますのに……相手は見つけておいた方がいいですわよ?何なら紹介しましょうか?」

女「昔馴染みを心配する近所のおばちゃんみたいになってますよ。余計なお世話です」

女「……気になってるヒトはいるんですけどね」

魔女「あらーあらあらまあまあ!どなたどなた!?ご近所さん?同じ職場?年上?年下?それとも女の子……キャー!!」

女「(ホンットにおばちゃんだなぁ……)えっと、まぁ……年上の上司ですけど」

魔女「分かりましたわミサキさん!!アナタの恋、ワタクシが応援してあげますわ!!」

女「はぁ……まぁ応援くらいなら」

魔女「じゃあ早速、最近完成したこのワルジャーク印のピンクのゴムを!」バリバリー!

女「や め て」

魔女「あら、装着するとどんな相手でもメロメロになるというのに」

女「まず動機が不純で手順が逆」

魔女「手っ取り早いですわよ。男ってみんな盛ってますし」

女「完全に精神が擦り切れてるじゃないですか……」


上司「ん?上原さん?」

女「あ!ぶ、部長!?」

魔女「あら、この方が噂の?」

上司「噂?」

女「わー!!わー!!」

上司「はは、上原さんなんか会社にいる時と違って表情豊かだね」

魔女「いつも仏頂面でしたの?まぁ勿体ない、美人が台無しですわ」

上司「そうだね、みんな君の事よく可愛いって噂してるくらいなんだし、もっと笑ったらどうだい?」

女「かッ……!!?」

女「はぅ……」プシュー

魔女「あら可愛い」

女「か……帰ります!!」ガタッ

上司「おや、もう行くのかい?」

女「買い物の途中でしたので!はいワルジャークさんお金!私が出します!」

上司「わる……?」

魔女「あ、ああ気にしないでくださいましー!おほほほほ……」

女(当然ながらこのヒトもあんまり過去の事については知られたくないのか……)

女「し、失礼しましたーーー!!」ピュー!

……


女(は、恥ずかしさのあまり飛び出してきてしまった……)

女「……」

女(こんな失礼な態度だから出会いもないんだよなぁ……あとでメールで部長に謝っとこ)


同僚「あれ?ミサキちゃん?」

女「ああもう次から次へと……」

同僚「おージャージ……ご近所なの?」

女「そーですよー、どうせ三十路で女が腐ってますよー」

同僚「ちょっとやさぐれ過ぎだよ……お買い物の帰り?」

女「はい、シノブさんはどちらに?」

同僚「ちょっと待ち合わせを」

女「……彼氏ですか」

同僚「そんなとこー♪」

女「羨ましいですね、そういう人がいるって」

同僚「ミサキちゃんも作ればいいのに」

女「私みたいな女、誰も貰ってくれませんよ」

同僚「貰われるんじゃなくて!自分からガツガツ行かないと!もうお互い若くないんだから!」

女「」グサッ

同僚「ほら、出かける時もちゃんとした服着て!眼鏡も外せばイケてるんだから!」

女「同性からの"イケてる"は見下しも入ってるって知ってますか?」

同僚「卑屈になるのも禁止ー。もう、会社じゃ出来る子なのに……」

女(唯一一緒に飲みに行ける彼女は私の事を割とよく知っている。何だかんだでこんな感じで私も助けられているが……)

同僚「ま、そういう事だから。私も彼を待たせてるから急ぐねー」

女「はい、ごゆっくりー」

女「……」

女「割と容赦なく見せつけてくるんだよなぁ。充実っぷり」

……

女「……ハァ」

女(家に帰っても誰もいない……いや、居てもわけのわからない生物なのだが、今はいない訳で)

女(……なんかこう……辛いなぁ)

女「……そうだ、アレどこにしまったっけな」ゴソゴソ

女「……」

女「……あった」

女「魔法少女変身ステッキ……アハハ、埃被ってるや」

女「懐かしいなぁ。コレ最後に使った……3代目だっけ?タルタルが新しいの持ってくる度に強くなっていったんだよなぁ」

女「……今でも使えるかな?どっこいしょ」

女「ぷるるんつるんキラキラリーン☆魔法のお水で私を満たして☆聖なる力で全てを照らして☆」

女「大変身☆魔法少女マz」


『うるせぇぞ!!今何時だと思ってんだ!!!』ドンドンドンドンッ!!


女「ひっ!?ご、ごめんなさい!!」

女「……」

女「壁が薄い(再確認)。つーかまだ夕方の5時だっての」

女「まぁいいや、えっとどこまで言ったかな……」

女「大変身、魔法少女マジカルミサキ、ただいま見参☆」ボソボソ

ブォ゛ーン゛

ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛


キラーン☆


魔法少女「おお!まだ変身できる!……ステッキが壊れてるのか最後以外電池切れ間近の玩具のような音がしたけど」

魔法少女「魔法少女ってのも変な話かな、もうそんな呼ばれる歳でもないのに」

魔法少女「衣装は自動でサイズ合わせてくれるんだ。便利だなー」

魔法少女「胸がちょっと際どいなー。おっきくなり過ぎたか……」

魔法少女「……ハハ、もうこんなの着て戦う事なんて無いのにな。何やってんだろ、私」

魔法少女「……魔法少女である自分って、思い返してみたらそんなに好きでも無かったのかなーって……」

魔法少女「結局、今の自分がこうして在る原因って、あの頃のバカみたいに頑張っちゃってた魔法少女の自分のせいなんだよね……」

魔法少女「……」

魔法少女「……ご飯作ろ」

――――――
―――



女「……」

女「……ふぁ~あ……」

女(辛いわー、連休やること無さ過ぎてまたジャージ着て公園のベンチで独りでボーっとしてるよー……朝からベンチでコーヒー飲んでリラックスしてるよー……)

女「タルタルいないと話し相手もいないんだなー私って。なんか軽くあの子の評価が一段階上がったわー」グビグビ

「あ、あの!」

女「ん?」グビグビ

少女1「も、もしかして……マジカルミサキか!?」

少女2「……」ジー

女「ゴッボァッ!?な、何故アナタ達それを!?」

少女1「何故と言われてもファンなのじゃ!!」

少女2「……」コクコク

女「えっと、いやファンって……私が活躍してた時代って多分アナタ達生まれてすらいないと思うんだけど」

少女1「うむ!これを見て貰えば分かると思うのじゃが……心してみるがよい!」キラン☆

少女2「……」キラン☆

女「なぬ?」

少女1「くるりんくるりんつやつやりーん☆乙女の純情花となるのじゃー☆」キララーン☆

少女2「森羅万象全てを突き貫け☆アブソリュート・パワーフォース☆」キララーン☆

女「おいちょっと待て二番目」

魔法少女S「魔法少女ミラクルシグレ☆」

魔法少女R「魔法少女デーモンレイカ☆」

「「☆二人はモノキュア☆」」

女「……」



女「今の魔法少女ってソロじゃないのかー」グビグビ

魔法少女S「最終的な感想はそこか」

魔法少女R「……」ジーン

魔法少女S「悪の手先との戦いも日々高速化しておるのじゃ、一人では手が中々回らなくてのう」

魔法少女R「……」コクン

魔法少女S「だからこうして、私達みたいに二人で、あるいはもっと多い人数で活動している者達も多いのじゃ!」

魔法少女R「……」フーン

女「無口とか、のじゃロリとか、キャラ付け大変だね」グビグビ

魔法少女S「興味の無い態度が大爆発しておるな」

女「それで、私の後輩に当たる訳だけど、どうして私のファンなんかに?」

魔法少女S「マジカルミサキと言えば、我ら魔法少女たちの憧れであり目標でもあるのじゃ」

女「私が……」

魔法少女S「それ故、例えどれだけの月日が流れようとも、ミサキちゃんは私達のレジェンドなのじゃ!」

魔法少女R「……」ウンウン

女「……」

女「……私なんて」

魔法少女S「む?」

女「私なんて、全然そんなんじゃないよ」

女「確かに、毎日が楽しかった。恋も学校も魔法も、全部両立出来て。大変だったけど、充実してた」

女「でも正直ね、昔の戦いが終わった後、全部に嫌気がさしてたんだ……突然、自分が何の為にこんな事をしていたか分からなくなって」

女「ちょうど思春期ってやつだったかな、こういう衣装を着るのも恥ずかしくてさ」

女「時が経つにつれて、自分の中の魔法少女が嫌で嫌で仕方なくなっていったんだ」

女「自分の人生の汚点だなんだって……今でも笑い話にするのも辛いくらい」

女「それで、新しい魔法少女達が出てくるとね、自然とマジカルミサキの事もみんな忘れていったの」

女「都合がいいや、もう恥ずかしい思いをして戦わなくてもいいんだって」

女「気が付いたら、変身ステッキも段ボールの中に仕舞い込んでて」

女「もっと気が付いたら、中学も高校も大学も卒業してて……いつの間にか大人になってて」

女「ずっと魔法少女のことが頭から離れないであの頃はあの頃はって思いながら生活してたら、全ての事を無難にこなすだけの空っぽの女になっちゃってたんだ」

魔法少女S「……」

魔法少女R「……」

女「二人とも、こんな大人にはなっちゃダメだよ?人生棒に振りかけたこんなおばさんになっちゃったからさ」

魔法少女R「それは、ただ卑屈になっているだけ」

女「え?」

魔法少女R「アナタはただ……今の自分の姿を魔法少女のせいにしたいだけ」

女「……」

女「……そうかも……ね」

魔法少女S「そんなミサキちゃんでも私達は変わらずにファンなのじゃ☆」

女「……」

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

女「ファッ!?な、なに!?」

魔法少女S「むむ!スクランブルコールなのじゃ!どこかで悪の手先が現れたようじゃ!」

女「い、今そんなのあるんだ……」

魔法少女S「ミサキちゃんの時代には無かったか?」

女「うーん……なんか、毎回都合よく敵に遭遇したり、あっちからアプローチを掛けて来てたから……」

魔法少女S「むぅ、ならば今の悪の手先共はお約束というのを分かっておらぬようじゃのう」

魔法少女S「まぁよいわ、偉大な先輩に会えたのじゃ!これで心のハートも百倍☆どんな敵でも倒せそうなのじゃ☆では行ってくるぞ!」

魔法少女R「……☆」ブイッ☆

女「うん、気をつけてね」

女「……」

女「変な娘達だったけど、元気だったなぁ」

女「私も、昔はあんな感じで魔法少女の仕事に燃えてたんだよなー」

女「……」

女「後輩にこんな姿見られてみっともないや……」

上司「おや?上原さん?」

女「ブッ!?ぶ、部長!?」

上司「奇遇だね、こんな場所で会うなんて」

女「ど、どうなさったんですか!?」

上司「どうもこうも、朝のジョギングだけど……」

女(あぁ……またしてもこんな恰好で……)

上司「上原さんもジョギングかい?ハハハ、お互い体力は落としたくないもんだね」

女「あ、アハ、アハハハ……そ、そういう事にしておいてください……」

上司「それより、また異世界からの侵略者がこの世界を攻めてきたんだって?最近多いよね」

女「そうですね。でも、魔法少女達がいるから何とかしてくれるでしょう」

上司「そうだね、彼女達は日々、僕らの平和を守る為に戦ってくれている」

女「……部長は」

上司「ん?」

女「部長は、魔法少女とかってどう思ってます?」

女「誰からも報酬を貰えるわけでもなく、ただ愛と平和の為に戦って、そして誰も知らぬうちに姿を消す」

女「昔からの、私達の身近な存在といっても、正直得体の知れたものじゃありません」

女「彼女達も、いつしか歳をとって、大人になって表舞台から姿を消していきます」

女「そんな彼女達の幸せや楽しみって何なんでしょう……」

上司「どうしたんだい急に?」

女「ああ、いえ……ただ、私も魔法少女に憧れていた時期があったなーって思い返していただけですよ!アハハハ……」

上司「うーん、確かに僕達からは彼女達の事はよくわからないが……」

上司「でも、彼女達はそれでもこの世界の笑顔を守っているんだ」

女「え?」

上司「僕は昔ね、魔法少女に助けられたことがあったんだ」

上司「魔法少女マジカルミサキ……って、流石にしっているよね?世界を救ったヒロインだ」

女「……!」

上司「彼女は助けた僕に微笑んでこう言ってくれたんだ"笑って!笑顔は私の力になるから!"ってね」

上司「正直感動したよ、彼女達の戦いっていうのはこう……さ、理屈じゃないんだよ!」

女「ッ!」

女(何だろう……この思い……何かを思い出せそうで……)

上司「アハハ、それで恥ずかしい話が、それが僕の初恋だったんだなって事だけどね!」

女「ぅぐゅ!?」カァァ

上司「だ、大丈夫かい?」

女「は……はひ!大丈夫れす……で、では私はここで失礼します!!」ピューン!!

上司「あぁ……行っちゃった」

上司「……」





上司「頑張れ、ミサキちゃん!」

……


女「……」

女(後輩たちにぶちまけて、部長と話してよくわかった)

女(私は魔法少女である私が嫌いなんじゃない、魔法少女である私が今の私を嫌ってるんだ)

女「そうだ!卑屈になるなミサキ!魔法少女だった頃のお前はもっと輝いていたぞ!!」パンパンッ!

『うるせぇぞ!!朝何時だと思ってんだ!!』ドンドン!

女「うるせええええ!もう10時だぞ!!毎日毎日家でグータラしやがって!!怒鳴る元気があるなら仕事探せクソニート!!」ドンドンッ!!

『ひッ!?』

女「……」

女「……うっし!」グッ

女「でもま……意識が変われても、特に起こせる行動が無いんじゃどうしようも無いよね」

女「恋も仕事も……これからどんどん積極的になれるかな、ミサキ……」


[き、緊急速報です!!ただいまヘリにて中継しております!!緊急速報です!!]


女「ん?」


[N市A区にて巨大ロボットが出現!街を破壊しながら進んでいます!そ、その先には魔法少女協会本部が!]


女「ンな!?隣の市じゃない!ていうか魔法少女協会って何!?」

[ああっと!ただいま魔法少女が二名駆けつけました!今売り出し中の新人魔法少女、シグレちゃんとレイカちゃんです!!]


女「あ、あの子達だ!」


[おおっと!シグレちゃんの強烈な酸だー!攻撃もレイカちゃんの火炎放射器もものともしません!なんなんだあのロボットはーッ!!]


女「……今の魔法少女ってそんな技とか武器使うのか……じゃなくて!?ちょっと!ピンチだよ二人とも!!」

女「くっ……原付飛ばせば30分くらいか!それまで持ちこたえていて二人とも!!」ダッ

……

『くっくっくっく……ぬっふっふっふ……』

『うっしゃしゃしゃしゃしゃ!!』

魔法少女S「ぐぅ……なんという強さなのじゃ……!」

魔法少女R「あれが……極悪商人の力……!」

極悪商人『コックピットの中から失礼。どうだ見たかこの世界の魔法少女達よ!!これが異次元極悪大商人、リンゴール様の最強の力よ!!』

極悪商人『この裏取引でコツコツパーツ単位で集めて街の小さな工場でちょっとずつ作ってもらった最強のスーパーロボット、その名も……』

極悪商人『グレートリンゴールZ・ダイザー・ゴッド・カイザー・SKL!!黒光りするこの鉄の巨神の前にひれ伏すがいいわ!!』

魔法少女S「くっ!見た目も名前もパチもん臭いがめちゃんこ強いぞ!」




魔女「ごめんなさい……お金沢山くれるっていうからダーリンがこんなものを作ってしまったのですわ……」オヨヨヨヨ

極悪商人『いやー、しかしこんなベッタベタなセリフ一度思いっきり言ってみたかったんですよー。特撮最高ッ!』

手下A『オイ、聞こえてるぞ』

極悪商人『おっと失礼!では手下の諸君!デビルウイングで空を飛び!!デビルビームをぶちかませ!』

手下B『ほいほい、ポチッとな』

手下C『ウッキュウ!!』ピッ



魔法少女S「こ、このままでは本部が!」


「やらせはしない!」


魔法少女R「この声は……」

魔法少女U「降りたつ地平、惨状に参上☆プリティウルシ☆」

魔法少女M「妖艶なる瞳に映す奴の影……ミステリックメノウ☆」

魔法少女K「きゃッ、き、き、きさまをたおす刃をかざす!ストロングカナメ!!!」


「「「三 人 揃 っ て!!」」」


極悪商人『うるせぇモブは消えろ!焼却!』


「「「ギャア――――――――――――――!!」」」


[緊急速報です!ひとつ前の世代の魔法少女達が救援に駆けつけましたが歯が立たず全滅しました!!]


魔法少女R「名乗るだけ名乗って一瞬で全滅したーーーーーーーーッ!?」

魔法少女U「あーこれはこれで楽しいわ」ボロッ

魔法少女M「役に立たんを分かっていて呼び出すのはいかがなものか……」ボロッ

魔法少女K「ダメなお姉ちゃんで済まない……」ボロッ


極悪商人『キャラ増えすぎると扱い辛いだけなんだよなー、モブはモブらしくしてろっての』ホジホジ


魔法少女S「酷い理由で一掃しおった……」

魔法少女R「こんな時、あのヒトがいてくれたら……」

極悪商人『しかし残念だったなモノキュアの二人よ……貴様らの弱っちい力でこの私のロボットを倒す事は出来ない!』

極悪商人『恐れ戦け!私を称えよ!!この世界のありとあらゆるパイプを利用し!リンゴール印の商品を世に流通させる計画は着実に進んでいる!!』

極悪商人『私の流した超便利な極悪商品を買って自堕落な生活を送らせて、人々の心が堕ちきった頃に世界を制圧……フフフ!気が付けば私無しでは生きられない身体になっていること間違いなし!この世界で私は神となるのだ!!アーッハッハッハッハ!!』


「そんな事……させはしない!!」


極悪商人『あん?今度は誰だ?』


魔法少女R「あ、あれは!!」

魔法少女R「うおおおお!!モノホンじゃー!!モノホンのミサキちゃんじゃーーー!!」

魔法少女S「……来てくれたんだ」


魔法少女「私を目指してくれていた子達を、放っておくことなんて出来ないよ」

極悪商人『はん!新勢力のお出ましって事かい!アンタもさっきの三人組みたいにコンガリ美味しく焼いてやるよ!スピンストーム用意!!』

魔法少女「そうはさせるものですか!メリメリズッキュン!飛んでけおなか!!」


ズゴッ


極悪商人『ぐっふぉ!?な、なにが起こった!?今機体が変な揺れ方したぞ!?』

手下A『腹部被弾、よくわからんがなんか綺麗に腹だけ消し飛んだぞ』

極悪商人『な、なんだってーッ!?』

魔法少女「私の魔法は消滅魔法!この魔法を直接当てられたらその部位が無くなるの!」

極悪商人『ヒィィ!?』

手下B『ちょっとエグ過ぎない!?』

魔法少女「だから私は常に力を抑えて戦わなければいけないの」


魔女「ちょっとミサキさん!!私と戦っていた時は手加減していたんですの!?」ギャーギャー


魔法少女「黙ってろ今回の原因!!ともかく、ロボットが相手である以上その手加減の必要も無いの、だから私の言いたい事……分かるよね?」ギロッ

極悪商人『ま、魔法少女がしちゃいけない眼をしてるぅ……こ、殺されるぅ……』ガクガクガク


[やったぞ我らがヒロイン!我らがアイドル!!眼力だけで相手を殺す!それでこそみんなが知ってる魔法少女だ!]


魔法少女「自分の戦法がなんか不名誉な言われ方してるみたいだからやめて」

魔法少女「さぁリンゴール!アナタの野望は潰えたも同然!このまま大人しく」ビビッ

魔法少女「大人しく……な、なにこれ?」ビビッギギッ


バチューン!!


女「え……あ……アレ?」


魔法少女S「ぬあ!?」

極悪商人『へ、変身が解けた……のか?』


女「そんな!何で……」

ピーガガッ
カ゛メ゛ン゛ラ゛イ゛ド゛ゥ゛……ピュウウ
ビガッ

女「」

女(とうとうステッキがお亡くなりになった……)


魔法少女R「あれが長年タンスの中に押し込められていた変身ツールの末路……」

極悪商人『ふ……ふふ……ふふふ!』

極悪商人『ダーッハッハッハッハ!!何だかわからんが勝利の風が私に吹いてきたようだ!!』

極悪商人『ミサキだかミサワだか知らんが、大枚叩いて創り上げたこのリンゴールZを壊した落とし前!その身体で償ってもらおうか!!』


女「せっかく、新しい自分に変われると思ったのに……こんなところで終わりだなんて……ッ!」


「まだ君の戦いは終わっていないよ!ミサキちゃん!!」


女「この声は!?」

マスコット「ふぃー!間に合ったー!」

女「タルタル!」

マスコット「いやぁ精霊界も一枚岩じゃないね……ここまでボクをコケにするとは……」

女「何の話だよ」

マスコット「それよりミサキちゃん!君はまだ戦える!」

女「ステッキはもう壊れて使えないんだよ?ただのおばちゃんになっちゃった私にどうしろっていうの!」

マスコット「大丈夫、これを君に届けに来たんだ!」

女「これは……」

マスコット「その名も!"魔法少女変身ステッキ・レジェンドオブミサキ"!」

女「レジェ……?私の伝説って?」

マスコット「ああ!……これはミサキちゃんのために生まれたこの世にたった一本のステッキ」

マスコット「したがって名前は……"レジェンドオブミサキ"以外考えられない!!」

女(会話のドッジボール……)

マスコット「こんなこともあろうかと!こんなこともあろうかと(強調)!!精霊界が用意した、君の最後の変身アイテムなんだ!だから、今こそその力を解き放つんだ!君が……僕らの最後の希望だ!!」

女「私の……新しい力!!わかったタルタル、私やってみる!!」

マスコット「……本当は組織の金をちょろまかしてこの20年で開発した極秘アイテムなんだけどね」

女「おいその一言で全部台無しだよ」

女「すぅ……ふぅ……」

女「ぷるるんぷるんキラキラリーン☆魔法の力よ私に集え☆」

女「天よ地よ、今こそ目覚めよ☆夢も闇も時も光も、全てを一つに私に集え☆」


極悪商人『な、なにぃまた変身だとォ!これ以上あんな魔法使われたらこっちが持たん!』

手下A『今のうちに追撃しないのか?』

極悪商人『……』

手下A『今のうちに追撃しないのか?』

極悪商人『2回言うなよ。変身の最中に攻撃しちゃダメだろ』

手下A『そうなのか』

魔法少女「ドレスアップ☆ラストレジェンド・マジカルミサキただいま参上☆」


[うぉおおおおお!!ミサキちゃんドレスアップーーー!!ウェディングドレス!!ウエディングドレス!!可愛い!!可愛い!!ぶひぃいいいいいいい!!オイカメラ寄せろ!!オッパイ写せオッパイ!!]


魔法少女「さっきから何なのあのヒト……」

マスコット「多分、ファンじゃないかな……」

魔法少女「それより何これ?何でウェデイングドレス?」

マスコット「魔法少女の最終形態って言ったらやっぱりコレでしょ!」

魔法少女「ふーん」

マスコット「……」

魔法少女「……当てつけ?」

マスコット「ごめん」

極悪商人『フッハハハハ!マジカルミサキ!パワーアップしたとしても貴様も所詮は人よ……こちらが一撃貰う前にドでかいのをお見舞いしてやれ!そいつでジ・エンドだ!!』

手下A『シャインスパーク用意だ』

手下B『了解、みんなで一斉にペダルを踏めばいいんだね』

手下C『ウキュ!』


マスコット「ミサキちゃん!見て!この戦いで逃げずに君を見守ってくれている人達が!!」


[やっちゃえミサキちゃん!!]

「ミサキちゃーーん!!」

同僚「マジカルミサキーーー!!」

「負けるなーーー!!」

上司「頑張れーーーーーー!!」

「僕らを守ってーーー!!」

魔女「グッチャグチャにやっておしまいなさい!!」

魔法少女S「とどめをさせーーー!!」

魔法少女R「鉄屑に変えてやれーーー!!」

魔法少女U「ゴミはゴミ箱へ!!」

魔法少女M「売り飛ばせーーー!!」

魔法少女K「ダメな声援ばかりですまない……」


魔法少女(魔法少女サイドが過激なのは何故だろう)

極悪商人『これで最後だミサキ!!4つの心を一つにすれば!!』

ゴォォォォォォォ!!

魔法少女「終わるのは……アナタの方なんだから!!」

魔法少女「みんな笑って!笑顔は私の力になるから!!」キララン☆

魔法少女「マジカルブライド!!照らしてサンシャイン!!」

魔法少女「ハッピー……ウェディング☆」シャララーン☆

シュパアアアアアア

極悪商人『 な ん の 光 !? 』

パァァァ……

マスコット「グレートリンゴールZ・カイザー……?なんだっけ?が、消えていく……」

「わぁ綺麗!」

「光だ!光のカーテンだ!」

「すごいよミサキちゃん!」

「まるで本当のお嫁さんみたいだ……」

[やりました……やりましたミサキちゃん!!]



極悪商人「お。覚えてやがれコンチクショウ!!必ず新しいロボット拵えて帰ってくるからなあああーーー!!」ピューン

手下A「あの木偶の棒は光になって消えたのに何故私達は吹っ飛ぶんだ」ピューン

手下B「お約束ってやつかなー」ピューン

手下C「ウッキュン」ピューン

魔法少女「みんな……」パァァ……


「ずっと待っていたんだよ。君がまた僕らの前に来てくれるのを」

同僚「おかえりなさい、ミサキちゃん」

「おかえりなさい!」

魔女「フフン!それでこそワタクシのライバルですわ!」

上司「ミサキちゃん……」


魔法少女「みんな……」


魔法少女「ただいま!」

――――――
―――



女「ア゛ー、疲れた」

マスコット「お疲れさまミサキちゃん」

女「なんか、ありがとねタルタル。家族の所に行ってたのに……早めに切り上げてきたんでしょ?」

マスコット「いいよ、僕は君の担当なんだ。君のピンチには必ず駆けつけるさ……これは本音だよ?」

女「うん……だからこそだよ、ありがと」





マスコット「でも夜の公園でまたジャージ姿でコーヒー飲んでるのはどうかと思うよ」

女「このスタイルが凄く落ち着くから仕方ないよ」

マスコット「それとさミサキちゃん」

女「ん?」

マスコット「君さえ良ければ精霊界に住んでみないかい?」

女「精霊界に?何でまた」

マスコット「君は今の自分があまり好きではないみたいだし。この世界で生きていくよりは、精霊界に来てあの頃の姿に戻って生活するってのもいいんじゃないかな」

女「ふーん……あの頃の姿にねぇ……はい!?出来るのそんな事!?」

マスコット「うん、出来るよ。精霊界の偉い人達が君なら特別にいいってさ。その代り、あっちで魔法少女を続けてもらう事になるけどね。なんなら、君の好みのタイプの男の人も沢山紹介してもいいってさ」

女「……やめとく」

マスコット「どうして?」

女「確かに、昔の姿に戻るのは魅力的だし、ちょっと前の私ならこんな世界捨ててホイホイ話に乗ったかもしれないけれど……」

女「今は……昔の自分も、今の自分も好きになれたから、それはいいかなって」

女「それに、まだまだこの世界は後輩には任せられないかな?フフ!」

マスコット「……うん、わかった。大人になったね、ミサキちゃん」

女「アハハ、成人式はもう10年前に済ませたっての」

マスコット「おっと!」ササッ

女「ん?どうしたの?」


上司「お、上原さん。こんな時間に女の子一人は危ないんじゃないかな?」

女「ぶ、部長!……もうそんな歳でもないですって」

上司「いや、君は変わらないよ。ずっとマジカルミサキのままだ」

女「あー……知ってたんですか……」

上司「君が入社してきてから似ているなーとは思ってたからね。それで、今日間近で見て確信した」

女「お恥ずかしい……」

女「……」

上司「……」

上司「君は、君のままでいいんだよ。ま、何も知らない人間の言葉だから、上手くは言えないけれど」

女「部長……」

上司「君らしく生きて行けばいいんだ。難しく考えずにさ」

女「……」

女「私らしくか……」

女(恋も仕事も魔法少女も……)

女「部長!私……私!!」

――――――
―――



「それでは、新郎新婦の入場です!」



「綺麗……」

「いやぁ、あの二人がくっ付くとはなぁ」

「ぃよッ!カッコいいぞ部長!!」

「元々、美男美女だったからな」

「お似合いだね」

「素敵なウェディングドレス……」

「おめでとう!お幸せに!!」












「シノブちゃん!」

「おめでとう、部長!シノブさん!」

上司「ありがとうみんな!」

同僚「私達、幸せになります!!」


女「」

……


女「……ふっざけんなよぉ……いつからデキてたんだよぉ……」グビグビ

魔女「はいはい飲み過ぎない飲み過ぎない」

女「つーか……そっちはいいですよね。りん……なんとかの襲撃で保険おりてお店始められるくらいお金貰ったんですから」

魔女「飲み屋ですわ。夫は裏で機械弄ってますけれど。最近林檎なんとかってヒトから発注を受けたみたいで。ロボットの強化で大忙しだそうで」

女「ふーーーーーーーーーーーん」グビグビ

魔女「ハァ……ミサキさん、そろそろ……」

女「……」

女「……」グスッ

魔女「……そろそろ看板仕舞いますわね。好きなだけ泣いていってくださいまし」

女「ありがどうございましゅ……」グスッ

マスコット「元気出してミサキちゃん!君ならきっといい相手が見つかるって!」

女「タルタルぅ……」

女「……精霊界行きの話ってどうなってる」

マスコット「は?」

女「いい男、いっぱいいるんでしょ?」ガシッ

マスコット「う、うんまぁ……人間タイプの人も沢山いるからね……ミサキちゃん?酔ってる?」

女「決めたァ!!もうこんな現実になんて居られるか!!私は精霊界に行くぞ!!」

マスコット「ええええええ!?だ、だってあの時は行かないって……」

女「事情が変わったんだよ!!精霊界は私を必要としている人達が居るんだから……だから私はこの世界を捨てる!!」

マスコット「そ、それじゃあこの世界は……」

女「そんなもん後輩たちに任せればいいじゃない!!」

マスコット「えー……」

女「いや……それだけじゃ足りない……」

女「こんな世界……魔法少女に厄介ごと押し付けるようなこんな世界!!私の思い通りにならないこんな世界は全部ぶっ壊してやる!!ワルジャークさん!!旦那さんに言ってロボットもう一機作ってもらって!!精霊界で領収書切って!いや、精霊界も亡ぼすから関係ないわァッ!!」

マスコット「支離滅裂だよミサキちゃん!!精霊界に行くんじゃなかったの!?」

魔女「待ってましたわミサキさん!!こんな事もあろうかと!私の夫が既に作っていましたわ!!」ババーン!!

マスコット「煽 る な よ !?」

女「この世界は私のものだーーーッ!!私が世界の救済者となってやるーーーッ!!」

魔女「よく言いましたわミサキさん!今日は驕りですわ!もっと飲んでいってください!!」


マスコット「なんだこの……なんだ……」



お酒が冷めて冷静になったミサキを説得し、ちゃんと元の生活に戻りましたとさ☆


魔法少女「世界の平和を守るんだから☆」おわり!

終わった
終わった(白目)

もしお付き合いしていただいた方がいましたら、どうもありがとうございました

過去作
http://blog.livedoor.jp/innocentmuseum/

>>1読んでる途中でブログ閉鎖してたんだけど何なの

>>79
よくわかんないけど私の方では何も弄ってないからライブドア側の不具合かも
まぁ時間経ってるからもう問題解決してると思うけどね……

失礼

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