橘純一『Daring!!』 (742)

アマガミ×ラブライブです。

橘純一と西木野真姫のお話です。

大将にならどんな女の子でも任せられるという方以外は
気分を害する場合がありますので、ご注意ください。

また、アマガミ側の今回の主な登場人物は七咲と美也です。

超ゆっくり投下な上、
割と初っ端からやりやすいように書いてます。
読んでくださる方いらっしゃいましたらどうかご容赦ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448728829

~プロローグ~
『ある寒い日のこと。遠い遠い記憶の――――』

――――――屋上

??「ほら、あれがオリオンざで、ちょっと上におうしざ、下にうさぎざとおおいぬざ!」

?「へぇ…すごいなぁ、~~ちゃんは!なんでもしってるんだね!」

??「ふふん、そう?まぁ、これでもてんたいかんそくはしゅみだから!」

?「かっこいいなぁ、しゅみかぁ…」

??「~~くんには、しゅみはないの?」

?「うーん…」

?「…あ!じゃあぼくも、きょうからテンタイカンソクをしゅみにするよ!」

??「うぇぇ!?」

?「だから、いろいろおしえて!~~ちゃん!」

??「でも、ごほんとかよんだほうがくわしく…」

?「ううん!ぼくは、~~ちゃんにおしえてもらいたいよ!そのほうがたのしいもん」

??「そ、そう…」カァァ

?「どうしたの?」

??「っ…なんでもない!しかたないから、おしえてあげる!」

?「やったー!ありがとう、??ちゃん!」

??「ぅん…」クルクル

??「…あ、じゃあとくべつにおしえてあげる!」

?「え?なにを?」

??「あのねあのね、あそこ!みてみて!」ビッ

?「どこどこ?」

??「あの、あっちのそら!」

?「えーっと…あのあかいほし?」

??「そう!あれはね、ほんとうは『かせい』ってほしなの」

?「きいたことある!あれが『かせい』かぁ…」

??「でもね、ちがうの。てんたいかんそくをしてたわたしはべつのなまえをつけたのよ!」フフン

?「えっ、すごい!~~ちゃん、ほしになまえまでつけたの!?」

??「そうよ?あのあかいほしはね…」

――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

――――――――――――

橘「…」パチッ

橘「…」

橘「…ああ、夢…」

橘「…」

橘(あの夢)

橘(…子どもの頃、体調を崩して、両親の都合で少し遠くの病院に入院していたときのこと)

橘(病院の屋上で、僕はよく仲良しの女の子とおしゃべりしていた)

橘(その子と一緒に夜空を見上げては、星の話を聞いたり、星をつなげて適当な名前をつけて笑いあったり…)

橘(…)

橘(…それ以上のことは、あまり思い出せない)

橘(退院でこの家に戻ってくるとき二人して大泣きしていた、というのは親から聞いた話)

橘(もう会えないというのがショックで、押入れに閉じこもっていたのも。…あの子のことが忘れられなくて、押入れの中に蛍光ペンで星の落書きをしたのも)

橘(全部親から聞いた話だ)

橘(…未だに押し入れのプラネタリウムは気分が落ち込むと使うくらいには気に入ってるけどさ)

橘(まぁ、それはともかく)

橘(そんなに小さかった僕はもう高校二年生で)

橘(…ここ何年か、寒い季節になってくるとたまにこの夢を見る)

橘(あの病院で会った、赤毛の女の子と楽しくおしゃべりする夢を――――――――)

本日はここまで、プロローグのみです。
すみません。

そんなに前作から間空いてませんが、
書いていきたいと思います。

また、
橘純一『Snow halation』 橘純一×高坂穂乃果
橘純一『Snow halation』 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436421962/)

橘純一『soldier game』 橘純一×絢瀬絵里
橘純一『soldier game』 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441899053/)

もよろしくお願いします。

ではまた

~デアイ~
『アイドルが転校してくる…大イベントじゃないか!』

――――――教室

ザワザワ…

橘(…やっぱりみんな、落ち着きがない)

橘(それはそうか。なんてったって今日は…)

橘(スクールアイドルの特別転校!その初日!)

橘(一年生というのがちょっと残念だけど…それでも期待はしちゃうよな!仕方ない!)

橘(どんな子なんだろうなぁ…)ワクワク

梅原「よ、大将。おはよーさん」

橘「梅原。おはよう!」

橘「ああ!だってアイドルだぞ?きっとかわいいんだろうなぁ…」

梅原「そんな大将に朗報だ。俺も実際見たわけじゃないんだが、目撃者から情報が届いてるぜ!」

橘「おおっ!流石は梅原!それでそれで?」

梅原「えーっと…まずは発達途上ながらなかなかのプロポーション」
橘「き、期待できそうだな…」ゴクリ

梅原「そして、顔立ちはどちらかというと綺麗系らしい」

橘「なるほど…かわいいタイプではないと…」

梅原「おう。赤毛の美少女!って噂だぜ!」

橘「赤毛…?」ピクッ

橘「…赤、か」

橘「…」

梅原「…どうした?」

橘「…いや、なんでもない!楽しみだな!是非見に行かないと!」

梅原「ああ…?」

橘「でも、どうして急に転校なんだろうな。中途半端な時期に…」

梅原「なんでも、スクールアイドルの大きな大会の認知度を上げるのと、地方の高校を活気づけるためとからしいぞ」

橘「そんな無茶苦茶な…」

梅原「学力審査を通った上で、各アイドルグループ内の話し合いで決まった人がランダムで比較的近くの高校に配属される…ってさ」

橘「ふーん…?」

梅原「あと、期間は1ヶ月程度らしいが…俺にもこれ以上詳しいことはわかんねぇ」

橘「十分だろ…よく知ってるなそんなこと」

梅原「まぁな!梅原正吉の情報網を舐めちゃならねぇ、ってこった!」ハハハ!

橘「ははは、恐れ入ったよ」

橘「そういえば、名前とか出身校はわからないのか?」

梅原「ん?そうか、当たり前の情報過ぎて忘れてたぜ!」

橘「おいおい頼むよ梅原~」

梅原「すまんすまん…出身は音ノ木坂学院。国立の名門だな」

橘「音ノ木坂…聞いたことあるぞ!たしか女子校だよな!」

梅原「よく知ってるな!そこのスクールアイドルグループ、μ’sのメンバーでな」

梅原「作曲担当、名前は西木野真姫!」

橘「西木野…」

橘「…真姫」

梅原「おう!」

橘「…」

梅原「…?」

橘「うーん…聞いたことあるような…」

梅原「あー…」

梅原「スクールアイドル界でも、μ’sは最近特に勢いをつけてきてる!どっかで名前を見たことあるかもな!」

橘「…」

橘「そうか…そうだな!」

梅原「それにしても今日はおかしいな大将。体の調子でも悪いのか?」

橘「え?そんなことないけど…」

梅原「ならいいけどよ」

橘「ああ」

橘「…」

橘(アイドルの情報…)

橘(今日もいつもの夢を見たから、赤毛っていうのに変に反応してしまった)

橘(梅原も訝しんでたし、気をつけよう…)

橘(それに、西木野真姫…)

橘(たしかに、どこかで…)

橘(…)

橘(…ダメだ、思い出せない)

橘(梅原の行ったように、テレビか何かで見たのかもしれないな…)

『休み時間になったし、早速噂のアイドルを見に行こう!』

キーンコーンカーンコーン…

橘「んー…」ノビー

橘「はぁ…」ダラン

橘「やっと終わった…!なんだか体感時間がすごく長かったぞ…」

橘(さて、梅原でも誘って一年生の教室でも行くか…)スクッ

橘「梅原ぁー」

梅原「んが…んあ?ああ…数学終わり?」ゴシゴシ

橘「なに寝ぼけてるんだよ…休み時間だ。西木野真姫、見に行かないか?」

梅原「!」ガタタッ!

梅原「そうだな!行こうぜ大将!」キリッ

橘「お、おお…」

―――――1年生、教室前

梅原「…ここだな!このクラスだ!」

橘「…本当に?」

梅原「おう!」

橘「うーん…アイドルがいるにしては、なんだか落ち着いてるというか、人もいないし…」キョロキョロ

梅原「…確かに、そうだな…教室は合ってるはずなんだが」

美也「あれ?梅ちゃん…と、おにいちゃん」

梅原「あれ?美也ちゃん。よっす!」

橘「美也。そうか、美也のクラスだったか」

美也「なにー?2人して何の用?」

梅原「今噂のスクールアイドルを拝みにちょいとな」

美也「へー…おにいちゃんも?」ジトッ

橘「え?う、うん…」

美也「ふーん…そっかぁー…」シラーッ

橘「な、なんだよっ!いいだろ別にっ!」

美也「…」ムムム…

梅原「あー…でさ、美也ちゃん。その、アイドルは…?」

美也「真姫ちゃんなら、逢ちゃんが今学校案内してるよ。どこ行ったのかは知らない!」

梅原「七咲がぁ?そうか…」

橘「なんで七咲が案内なんて…」

美也「騒ぎになりすぎたら困るから、って先生が選んだんだよ。みゃーだって一緒に行きたかったのに…」ブツブツ

橘「あー…」

橘(美也と一緒にするとそれだけで騒がしくなりそうだしなぁ…)

美也「むっ!今なにか失礼なこと考えたでしょ!」

橘「へぇっ!?そ、そんなことないぞ!!」

美也「うそだ!みゃーにはわかるよ!ばかにぃにっ!」

橘「だからにぃにって呼ぶなって…」

美也「知らない!」ダッ

梅原「あ、美也ちゃん!…行っちまったか」

橘「けど、これで何があったのかはわかったな。七咲と一緒か」

梅原「先生に選ばれたって言ってたな。なんで七咲…?」

橘「さぁ…本人に聞いてみるか?」

梅原「…それは名案だが、探すには時間が足りなくねーか?昼休みならまだしも、今は普通の休み時間だぜ?」

橘「それもそうだな…仕方ない、また昼休みにでも出直すとしよう」

梅原「そうするか。あーあ、期待が募るばかり、だな」

橘「でも、長く楽しめてお徳かもしれないぞ!」

梅原「お、大将珍しく前向きだな」

橘「珍しくって…」

『昼休みだ…昼食を捨ててアイドルを追うかどうか…』

――――――屋上

橘(…)モグモグ

橘(屋上で購買の売れ残りパンを食べる…)

橘(なんでこうなったのか…)

橘(梅原は、

『今日はデラックス定食の日…!アイドルは逃げねぇが、デラックス定食はいつ来るかわからねぇ!すまん大将!』

と言い残して学食へ向かった)

橘(一方僕は、やるったらやる!と、1年生の教室に向かった…)

橘(が、結果はごらんの通り。またも七咲が校内を案内していた(不機嫌な美也と慰める中多さん談)ため、空振り…)

橘(こうしてここでパンを齧っているのである…)モグモグ…

橘(…)

橘(寂しい)ヒュウウ…

橘(こんなことなら、梅原と学食行けばよかったかな…)

橘「…」

橘(いや!)

橘(僕は信念を貫いたんだ!悔いはない!)

橘(…)

橘(ないったら…ない…)

橘「…」

橘「ハァ…」モグモグ


ガチャ

橘「…?」

橘(誰か来た…気まずいから、カップルじゃないといいけど…)

??「はい、ここが屋上。…何もないけど、強いて言うならちょっと広くて、景色はいいかな」

??「ホントね。なかなか素敵な景色じゃない」

橘「…」

橘「ぶーっ!?」

??「!? な、なに!?」

??「あれ…先輩」

橘「な、七咲!と…!」

??「…あの色、二年生の人…?」

七咲「えーと…真姫ちゃん、こちら橘純一先輩。美也ちゃんのお兄さん」

真姫「あぁ、あの子の…」

真姫「…そう」

真姫「…」フーン…?

七咲「先輩、こちら、転校してきたアイドルの…」

橘「西木野真姫ちゃんだねっ!?」

真姫「ぇえ!?そ、そう、だけど…」

橘「や、やった…やったぞ梅原…僕はついに会えたんだ…!」

七咲「あのー…先輩?真姫ちゃん、怖がってるのでその辺で…」

橘「えっ!?ご、ごめん!つい…」

真姫「…別に、いいわよ」クルクル

七咲「先輩、私たちを探してたんですか?」

橘「なっ、どうしてそれを!」

七咲「だって、さっきついに会えたって」

橘「あ…」

七咲「…さては、美也ちゃんがさっきの時間不機嫌だったのも先輩のせいですね」

橘「えー…その…まぁ…」

七咲「はぁ…そんなに真姫ちゃんに会いたかったんですか?」

橘「そ、そういうわけじゃ…!」

七咲「ないんですか?」

橘「う…そ、そうです…」

七咲「運が良かったですね。私たちがたまたま屋上に来て」

橘「ソウダネ…」

真姫「…」ジッ

七咲「…真姫ちゃん?どうかしたの?」

真姫「…ん、なんでもないわ。よろしくね、橘先輩」

橘「え、あ、うん!こちらこそ!よろしく!」

七咲「先輩、緊張しすぎです」

橘「え!?そ、そう、かな?はは、は…」

七咲「さて、じゃあお弁当食べに教室戻ろっか。時間なくなっちゃうし」

真姫「ええ。そうしましょうか」

七咲「では、というわけで失礼します、先輩」

橘「あ、うん…」

真姫「…」ジッ

橘「…?」

真姫「…」

真姫「まさか、ね」ボソッ

橘「へ?」

真姫「…またね、先輩」プイッ

橘「は…」

真姫「…」ツカツカ

橘「…」

橘(こうして、噂のアイドルとの第一接触は終わった)

橘(たしかにかわいい子だったけど、なんだかツンケンしてたなぁ)

橘(…あと、あんまり気にしてないけど、初対面でタメ口ってどうなんだろう)

橘(あの七咲が親しげに名前で呼んでたのも気になる…)

橘(まぁ、十中八九美也の影響だろうけどさ…)

橘(…)

橘(またね、か…)

橘(…)

本日ここまでです。

真姫ちゃんって特に難しいですね。
悩みながら書いてます。

キャラ的なご指摘や感想はいつもいつまでも大歓迎ですので、
見ている方で気になるって思ったらじゃんじゃん書き込んでくださると嬉しいです!

あとラブライブのスレって荒れるんですか…
怖いっすね…

ともかく、今回も書きたいように書いていきますので、
お付き合いしてくださる方、よろしくお願いします。

ではまた

『西木野さんに会えたことを梅原に自慢しよう!』

梅原「なにィ!?屋上でばったり!?」

橘「ああ!しかも『またね』なんて言われたぞ!」ムフフ

梅原「ちくしょー…俺も行けば良かった…」

橘「ふふふ…まだまだだな、梅原!」

梅原「くそー…で、どうだった?やっぱかわいかったか?」

橘「もちろんだよ!前評判どおり、1年生とは思えない美人さだった!」

梅原「くぁー!いいなぁ大将…」

梅原「俺も美人に『またね』って言われてぇなぁ…」

橘「ま、肝心なのは諦めない事だよ、梅原」ポンポン

梅原「ぐぐぐ…」

橘「はっはっは!」

『そろそろ家に帰ろう!』

――――――橘家

橘「~♪」

橘(今日は初日から西木野さんと会えたし)

橘(またね、なんて言われちゃったぞ!)

橘(ふふふ…なんていい日なんだ!)ニヤニヤ

美也「…」

橘「フフ…フフフ…」ニヤニヤ

美也「…にぃに」

橘「フヘフヘフヘ…」

美也「にぃに!」

橘「おわっ!?なんだ、美也か…」

美也「なんだじゃないよ!すっごいだらしない顔してたよにぃに!」

橘「ええっ!?そ、そんなに顔に出てたか?」

美也「外でそんな顔してたら捕まっちゃうよ?」ニシシ

橘「ひどいな!?」

美也「それで、どうかしたの?なにかいいことあった?」

美也「あ、もしかしてかわいい女の子と知り合えた…とか…」

美也「…もしかして、真姫ちゃん?」

橘「なっ」

美也「やっぱり…いいなぁにぃに…みゃーも仲良くなりたい…」

橘「そういえば、なんで美也は一緒じゃなかったんだ?あと、七咲って別に委員長とかでもないのになんで…」

美也「逢ちゃんはね、しっかりしてるから…先生に頼られることがあるんだよ…」

橘「ふーん?そうだったのか」

美也「みゃーはね…一緒にいると騒ぎになりやすいからって…」

橘「あー…」

美也「せっかく予習までしたのに、あんまりだよー!」ウワーン!

橘「予習?」

美也「うん…逢ちゃんがね、パソコンでμ’sの動画が見れる、って…」

橘「μ’s…西木野さんのグループか」

美也「ゆーちゅーぶにあるよ。にぃにも見てみたら?」

橘「…そうだな。そうしようかな」

美也「みゃーはお風呂入ってくる…のぞいちゃだめだよ?」

橘「のぞくかっ!」

―――――――――自室

橘(美也もなんだかかわいそうだな…七咲に会ったらそれとなく伝えておくか…)

橘(それはそれとして、パソコンパソコン…)

橘「えーっと…」カチカチッ

〈ハロウィンイベント♪スクールアイドルライブ動画!〉

橘「これかな?」カチッ

イッツアマージカール!フシギガグウゼンヲマーネイーテールー

橘「…!」

橘(西木野さんだ…本当にアイドルやってる!)

橘(いや、当たり前か…でも、こうして直接見るとやっぱり違うよね)

モットモットーオードラセテー! ミンナミンナートーマラナイー!

橘(…すごい。こんな人が、うちの高校に…)

橘「…」

橘(…ん?μ’sの紹介ページ?)カチッ

橘「西木野真姫…作曲担当」

橘「μ’sの曲は全て自作しています…?」

橘(すごい…じゃあさっきの曲も西木野さんが…)

橘(…)カチッ

橘「ラブライブ出場、優勝に向けて頑張ります?ラブライブって…梅原が言ってた、大会のことかな」

橘「…」カタカタ

――――――――――――――――

―――――――――――

――――――

橘「…」

橘(なんてこった…)

橘(スクールアイドル…μ’s…)

橘「すごいんだな、西木野さんって…」

橘(…)

橘(さっきまで調子に乗っていた僕を殴ってやりたいよ…)

橘(もしかしたら、なんて…思ってた僕を…)

橘(…)

橘(…ダメだダメだ!前向きに行こう!)

橘(せっかく知り合えたんだ!もっと仲良くなって…)

橘(一番仲のいい先輩後輩になるぞ!)

橘「おーっ!」

パソコン<イミワカンナイ!

『音楽室に誰かいるぞ!…なんだか落ち着くピアノだけど、誰だろう?』

橘(昨日の決意もそこそこに、今日はまったく西木野さんに会えなかった…)

橘(行動はしたんだけどなぁ…どこ行ってもすれ違いで、運が悪いよ…)

橘「…よし」カチャ

橘(ふー…やっと理科室の片付けが終わった)

橘(梅原め、この前の腹いせに逃げ出すなんていい度胸じゃないか…)

橘(今度のお宝本取引、覚悟しろよ!)

橘(…)

橘(…疲れた。教室までカバンを取りに行って帰ろう…)

―――――音楽室前

ポロロン…

橘(…ん?音楽室に誰かいるのかな)

橘(合唱部…?でも、この間大きな大会が終わってしばらく休みって聞いたけど…)

橘(…)

橘(なんだか、聞いてると落ち着くピアノだなぁ…誰が弾いてるんだろう)

橘(…少し、のぞいてみようかな)

橘(…)ソーッ

橘(…)ヒョコッ

真姫「…」ポロロン…

橘(…!西木野さん!)

橘(…綺麗だなぁ。ずっと聞いていられるし、見てられる)

橘(…)

真姫「…」ピタッ

真姫「…ダメね。こんなのじゃ、A-RISEには…」

真姫「…?」

真姫(…)

真姫「…」チラッ

橘「…」ジーッ

真姫「ヴぇぇ!?何してるのよ!!」

橘「うわぁっ!見つかった!?ご、ごめんなさい!」ガララッバッ

真姫「ちょ、ちょっと…そんな、土下座までしなくても…」

橘「…あ、しまった…つい癖で…」サッ

真姫「どんな癖よ!」

橘「ごめんね、西木野さん。綺麗なピアノだったから、ついのぞいちゃって…」

真姫「…お世辞はいいわよ」

橘「お世辞なんかじゃないよ!聞いてて落ち着くというか…安心するというか…」

橘「とにかく、いつまでも聞いていたくなるような…」

真姫「…そ」

橘「本当だよ!嘘は苦手なんだ」

真姫「…」

真姫「…」ジッ

橘「…?なに?」

真姫「っ…なんでもない!」

橘「え、ごっ、ごめん…」

真姫「…」

橘「あの、邪魔、かな?出て行ったほうがいい、とか…」

真姫「…別に、いい」

真姫「聞いていたいなら、そこにいていいわ。なんだか、あなたは不思議と嫌な感じがしないもの」

橘「へ…」

真姫「聞いてていい、って言ったの」

橘「あ、え、ありがとう」

真姫「…」スゥッ

ポロン…

真姫「愛してる、ばんざーい♪ここでよかった―――――」

橘「ぁ…」

橘(ピアノと…歌声…)

橘(…)

真姫「――――――♪」

橘(どこかで聞いた、優しい歌声…)

橘(…どこで?)

橘(…思い出せない。でも、ずっと、ずっと昔)

橘(…)

――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――

――――――――――――――――

真姫「――――…」ジャジャン…

真姫「…ふぅ。どうだった?」

橘「…」ポーッ

真姫「…?ねぇ…」

橘「…綺麗だ。まるで、女神みたいに…」

真姫「なっ…!」

橘「…はっ!あ、あの、曲もそうだけど、西木野さんも綺麗だったというか、音楽と弾いてる姿が合わさって女神みたいだとか、ぐわっ!な、なにを言ってるんだ僕はっ!」アタフタ

真姫「~~~~!」カァッ

橘「あわわ…」

真姫「あ、あなたねぇ…」プルプル

橘「わーっ!ごめんなさい!ごめんなさい!」

真姫「…」プルプル

真姫「…」

真姫「もう、いいわ…」

橘「えっ」

真姫「…褒めてくれたし、ありがたく受け取っておいてあげる」

橘「ほ…よかった…」

真姫「だからって調子に乗らないでよ!次変なこと言ったらただじゃおかないんだから!」

橘「は、はい…」

――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――

―――――――――――――

真姫「――――♪…」

橘「…!…!」パチパチパチ

真姫「…飽きないわね、あなた」

橘「西木野さんのピアノならいつまでも聞いていられるよ。お世辞じゃなくさ」

真姫「…」

真姫「ふん」プイッ

橘「あれ、照れてる?」

真姫「なっ…!」

橘「ははは、冗談だよ」

真姫「ぅ…もう!からかわないで!」

橘「ごめんごめん」

真姫「…そういえば、あなた橘さんの兄だったわね」マッタクー

橘「美也のこと?そうだよ」

真姫「たった今理解したわ…そっくりよ橘兄妹…」

橘「もしかして、美也も同じようなことを?」

真姫「ええ。いい子なのはわかるけど、かわいいって言っては顔が赤いだの照れてるだの…」

橘「あー…」

真姫「…でも、やっぱり不思議」

真姫「あなたたち兄妹は、嫌な感じがしないもの。どうしてかしら…」

橘「…?」

真姫「…」フム…

真姫「…さて、そろそろ私は帰るわ。もう遅いし」

橘「え?うわ!?もうこんな時間!」

真姫「鍵は返しておくし、あなたももう帰ったら?」

橘「そうしようかな…」

真姫「…」

真姫「…また」

橘「?」

真姫「また明日も、放課後は音楽室にいるから」

真姫「…来たかったら、来たらいいじゃない」

橘「!」

橘「絶対来るよ!」

真姫「ヴぇぇ!?そ、そう…」

橘「!」フンス





橘(こうして、西木野さんと放課後を過ごした…)

橘(いい時間だった…)

橘(…)

橘(…でもやっぱり、なにか引っかかるなぁ)

橘(なんだろう…)


『アイドルの転校、思ったほど騒ぎになってないな…』

―――――1年生教室階

橘(アイドルが転校してきたのに、どうしてみんな遠巻きで見るだけなんだ…?)

橘(おかしいよな…ざわついてはいるけど、寄って集って見に来たりしないし…)

橘(…それとも、僕や梅原みたいなヤツの方が少数なのかな…)

橘(うーん…)

橘(…)

橘(…お、あれは)

橘「七咲!」

七咲「え?…あ、先輩。おはようございます。なにしてるんですか?1年生の階で」

橘「おはよう。もちろん、西木野さんに会いに来たんだ!」

七咲「はぁ…好きですね、先輩も」

橘「仲良くなるためならなんだってやるって決めたからね!意志は固いよ!」

七咲「なんだか気持ち悪いですね」

橘「そんなっ!?」ガーン

七咲「ふふっ…でも、そんなに真姫ちゃんにべったりだと、怒られますよ?」

橘「怒られる…?」

七咲「はい。初日に私、真姫ちゃんを連れて校内を見学していたのは知ってますよね?」

橘「うん」

七咲「やっぱり、結構寄って来たんですよ。人が」

橘「それはそうだろう!あれだけ美人な上にアイドルで話題性抜群だもんな」ウンウン

七咲「…最初はよかったんですけどね。だんだん表情が険しくなってきて」

橘「え…」

七咲「いえ、別に怒鳴ったりしたわけじゃないんですよ?ちゃんと対応はしてたんですけど…」

七咲「…目に見えて不機嫌になってしまって」

橘「あー…」

七咲「すごいうんざりした顔で…」

真姫「…私、そんな顔してたかしら」

橘「ひぃっ!?」ビクッ

七咲「真姫ちゃん。うん。してたしてた」

真姫「ヴぇぇ…にこちゃんに怒られそう…」

橘「あーびっくりした…西木野さん、おはよう…」

真姫「…おはよう、先輩」

七咲「…あれ、真姫ちゃん、なんで照れてるの?」

真姫「!」ビクッ

七咲「耳、真っ赤だよ?」

真姫「そっ、そんなことないわよ!適当なこと言わないでっ!」

七咲「ふーん…?…あ、もしかして先輩が会いに来てくれたから?」

橘「!」

真姫「っ…そんなこと言ってないじゃない!」プイッ!

七咲「だ、そうですよ先輩」

橘「西木野さんはかわいいなぁ」

真姫「…!!」プルプル

真姫「バカにしないでっ!違うって言ってるでしょ!」

美也「真姫ちゃーん!」ガバッ

真姫「きゃぁっ!?」

美也「真姫ちゃん真姫ちゃん真姫ちゃーん!」スリスリスリ

真姫「え!?え!?り、凛!?じゃない!やめなさい!橘さん!こら!」

七咲「美也ちゃん。真姫ちゃん困ってるよ?」

美也「ふーん!また美也をのけものにして逢ちゃんと仲良くしてたでしょ!これはオシオキなのだ!」ギュゥゥ

真姫「なによそれ!」イミワカンナイ!

橘「…」ゴクリ

七咲「…?」

七咲「…」

七咲「先輩」

橘「…ん?なんだい七咲」

七咲「先輩も抱きついてみたらどうですか?美也ちゃんみたいに」

橘「ええっ!?それ、許されるのかっ!?」

真姫「!!」ビックゥ!

美也「ふぇ…?おにいちゃん、いたんだ。っていうか!ダメだよ!そんなのダメに決まってるじゃん!」ギュー!

真姫「当たり前でしょ!何言ってるの七咲さん!」

七咲「ふふっ…残念でしたね、先輩」

橘「ああ…まったくだよ…」ガクッ

美也「むー…にぃにのえっち!」

橘「なっ、僕は普通だ!並の男子高校生だぞっ!あとにぃにって呼ぶな!」

真姫「ちょっと、なんでもいいからいいかげん離しなさいよっ!あーもうっ!」

七咲「ふふっ…そろそろ時間だよ?美也ちゃん」

美也「え?そっかぁ…しょうがないなぁ」パッ

真姫「はぁっ…はぁっ…」

美也「これに懲りたら、みゃーとも仲良くしてね?真姫ちゃん!」

真姫「…考えとくわ」プイッ

美也「むむむ…まだ足りてない?」

真姫「っ!わかったわよ!わかったからにじり寄ってこないでっ!」

美也「わかればいいよー♪にしししっ!」

橘「…まるでいじめっこだな」

七咲「あれはあれで真姫ちゃんも楽しそうですから…」

橘「ならいいけど…」

真姫「はぁ…」

橘「あ、西木野さん」

真姫「? なに?」

橘「美也も悪気はないんだ。仲良くしてやってね」

真姫「…わかってるわよ」

橘「よかった。それじゃ、また」

真姫「ええ。また…」

七咲「…」

美也「…」

真姫「…さ、授業始まるわよ?私たちも…」

七咲「…」ジーッ

美也「…」ジーッ

真姫「…なによ」

美也「…べつにぃ?」

七咲「なんでもないよ?」

真姫「…そうは見えないけど」

美也「なんでもないってば。ね?逢ちゃん」

七咲「うん。なんでもないなんでもない」

真姫「なんなのよ…」

本日ここまでです
真姫ちゃんクソ難しいですね…

ではまた

『放課後だ!音楽室へ急ごう!』

橘(今日も授業が終わった!)

橘(昨日言われた通り、音楽室へ行こう!)ガタッ

梅原「あれ?大将、何急いでるんだ?」

橘「う、梅原…いや、ちょっとね」

梅原「用があるのか?今日はゲーセン付き合ってもらおうと思ったのによ」

橘「今日はちょっと…」

梅原「そうか…じゃあ、途中まで一緒に帰ろうぜ!」

橘「うぐ…そ、それも…」

梅原「ぁあ?なんだよ、つれねーな大将」

橘「うぅ…」

橘(…待てよ)

橘(ここで優しさを見せて、梅原も音楽室に連れて行った方がいいのかな)

橘(この前は散々自慢しちゃったし…ここで突っぱねるのも悪いような…)

橘「…」

橘「梅原!」

梅原「おわっ!?なんだ、どうした大将?」

橘「黙って僕について来てくれないか!」ガシッ

梅原「は?」

橘「いいから!これは僕なりの償いなんだよ!」グイグイ

梅原「ど、どういうことだよ…いてて!わかった、行く!行くから引っ張らないでくれ!」

―――――音楽室

橘「と、いう訳で…」

真姫「どういう訳よ!」イミワカンナイ!

梅原「ひゃー!本物だ!どうも!梅原っていいます!」

真姫「ヴぇぇっ!?どうも、西木野真姫です…」

梅原「いやーやっぱりアイドルってだけあって華があるなぁ!な!七咲!」

七咲「どういう意味の『な!』なのか、理解しかねます」

美也「梅ちゃん、みゃーにもわかるよ…逢ちゃんに失礼だよ!」

橘「ははは…にしても、七咲と美也がいるとは…」

真姫「どうしてもって言うから。断る理由はないもの」

美也「紗江ちゃんも呼びたかったんだけど、用事があるって帰っちゃったんだよねー」

真姫「だいたい、来たって面白いものなんてないわよ?」

美也「そっ…」

橘「そんなことはないよ!西木野さんのピアノは最高だよ!」

真姫「ヴぇぇっ…」

美也「うえーん!おにいちゃんにかぶせられた!」

七咲「よしよし、残念だったね美也ちゃん」

真姫「…」クルクル

梅原「しっかしアイドルの生演奏なんて、贅沢なこったな!」

真姫「そ、そんなたいしたものじゃない…ですよ」

橘「!?」

美也「!?」

七咲「!?」

真姫「なによその反応!」

美也「真姫ちゃんって敬語できたんだ…」

七咲「うん…いつも使わないからびっくりしちゃったね」

真姫「失礼ね!私だってこれくらいはするわよ!」

梅原「な、なんだ?そんなおかしいことだったのか?」

橘「まぁね…」

美也「…でも、おにいちゃんにはタメ口だよね」

七咲「…そうだね」

梅原「あぁ…そういうことか…」

真姫「なっ、そ、それは…」

橘「えっ、そうなのか西木野さん」ポッ

真姫「っ意味わかんない!なに赤くなってるのよ!」カァッ

美也「真姫ちゃんも真っ赤じゃん!ひゅーひゅー!」

真姫「ぐ…くくく…」グヌヌ

七咲「美也ちゃん、さすがにやりすぎだよ」クスクス

梅原「かぁーっ!羨ましいぜ大将!」

橘「そうか?へへ、へへへ…」

真姫「~~~~!」

真姫「もう!いいかげんにして!邪魔するなら出ていきなさい!」

美也「うわわっ、真姫ちゃんが怒った!」

橘「ひぇぇ!ごめんなさい!許してください!」ガバッ

真姫「…」フン!

梅原「…大将も大変だな」

七咲「真姫ちゃんの方が強いですもんね」

梅原「はははっ、尻に敷かれてるな!」

七咲「ふふふふっ」

梅原「ははははっ」

橘「笑ってないで2人も謝れよっ!」

真姫「…」

真姫「…フフッ」













橘(こうして、西木野さんの機嫌が直るまで謝り続けた…)

橘(結局ピアノも聞けたし、なんだか昨日よりも楽しそうに弾いてたし)

橘(まぁ、いいか…)

『西木野さんを駅まで見送ったぞ!…なんだ、美也に七咲に梅原、その目は』

橘(ピアノを弾きながら歌う西木野さんを堪能したあと)

橘(美也、七咲、梅原と僕で西木野さんを駅まで送った)

橘(今日は楽しかった!…けど)

橘「…なんだよ、三人とも。なにか言いたいことでもあるのか?」

梅原「…いやー」

美也「…ねー?」

七咲「…うん」

橘「?」

梅原「大将」ポン

橘「??」

梅原「…いつの間に西木野さんを落としたんだ?」

橘「は?」

美也「にぃにっ!白状して!こんな短期間で真姫ちゃんになにしたのっ!?」

橘「はぁ!?」

七咲「先輩…」

橘「な、七咲ぃ…僕にはなにがなんだか…」

七咲「しらばっくれないでください。なにをしたんですか?」ニッコリ

橘「七咲まで…なにがどうなってそうなったんだよ!さっぱり意味わかんないぞ!」

梅原「はぁ…あくまでシラを切る気か…」

美也「やれやれだね…」

橘「だいたい、今日わかったことだけど僕だけ先輩なのに初対面でタメ口だったんだぞ!」

橘「それのどこが落としたとかなんとかなるんだよっ!」

梅原「…そうだ、大将はこういうヤツだった」

美也「ハァ…がっかりだね…」

七咲「今のはちょっと…」

橘「なっ!?」

梅原「あーあー…もう帰ろうぜ美也ちゃん、七咲」スタスタ

美也「そーだねー!ばかにぃにはほっとこー」スタスタ

七咲「…またにぃにって言ってるよ?美也ちゃん」スタスタ

橘「は…」ポツン

橘「…」

橘「お、おい、待ってよ!どういうことだっ!?おーいっ!」タッタッタッ…

『居心地が悪くて珍しく朝早く家を出たけど、なんなんだよ美也は…』

橘(結局、家に帰っても美也は知らんぷりで、なにも教えてくれなかった)

橘(それどころか今日になっても機嫌が悪いままだった…)

橘(僕としては、タメ口を使われたぐらいだからよっぽど眼中にないとか…)

橘(そう思ってひそかに落ち込んでたんだけど、そうじゃないのかな)

橘(うーん…)

橘「…」スタスタ

橘「…」

橘「…ん?」バッタリ

真姫「え?」バッタリ

橘「…おはよう、西木野さん」

真姫「…おはよ」

橘「こんな早い時間なんだね」

真姫「普通の時間に来ると騒がしいから、このくらいの時間がちょうどいいのよ」

橘「なるほど…」

真姫「…ちょっと、どうかしたの?あからさまに元気ないじゃない」

橘「…んー…」

真姫「?」

橘「…昨日、西木野さんを駅で見送った後さ」

真姫「ええ」

橘「あの3人に、どうやって西木野さんを落としたのかとかなんとか言われて」

真姫「はぁっ!?」イミワカンナイ!

橘「僕も意味がわからなかったよ…でも全然教えてくれなくて、美也は今日の朝も不機嫌でさ…」

真姫「そ、そう…それは…なんというか…悪いことしたわね…?」クルクル

橘「西木野さんのせいではない…と思うけど…」

真姫「…まぁ、そうよね」

真姫「っていうか!落としたってどういうことよ!」

橘「さぁ…どこをどう見たらそうなるんだって言ったんだけど、取り合ってもらえなかったよ」

真姫「…」ムー

橘「それでさ、聞きたいことがあるんだけど…」

真姫「…なに?」

橘「なんで僕だけタメ口なの?」

真姫「っ」

橘「あ、別に嫌ってわけじゃないんだ!でも、昨日梅原には敬語だったし、もしかして西木野さんが僕のことを苦手とかだったら…」

真姫「…あなたも十分意味わかんないことを言うわね」

橘「へ?」

真姫「でも、そうね…なんで、って言われても…」

真姫「…」ウーン

橘「…?」

真姫「…なんとなく、かしら」

橘「なんと、なく…?」

真姫「ええ。橘先輩は、なにか…不思議と身近な感じがしたというか…初めて会ったのにそんな感じがしないというか…」

真姫「…言葉にし辛いけど、そういうこと。嫌いとかじゃないわよ」

橘「そ、そっか!よかった…」

真姫「だいたい、タメ口使われたから苦手と思われてるって考え方がよくわからないわ」

橘「え?そうかな…」

真姫「普通、親しくなったとか思わない?」

橘「うーん…でも、一応後輩だしさ」

真姫「…面倒な人」クルクル

橘「うぐ…あ、そういえばμ’sって先輩後輩関係禁止だったよね」

真姫「よく知ってるわね。そうよ」

橘「公式サイトの紹介に書いてあったから。それで敬語の価値観が僕と違うんじゃないかな?」

真姫「えぇ?…そんなことはないと思うけど」

橘「自分じゃ気付かないものだって!…まぁそもそも西木野さん、敬語苦手そうってのもあるけど」

真姫「!」カチン!

真姫「敬語くらいできるわよ!バカにしないで!」

橘「へー?できるの?やってみてよ!」

真姫「ぅえ!?そ、そんな急には…」

橘「やっぱりできないんだ」

真姫「っ!できるってば!いいわよ、やってやろうじゃない!」

橘「ふーん?無理しなくてもいいんだけどなぁ」

真姫「…」スーッ

真姫「…」フーッ

真姫「…橘先輩」

橘「ん?」

真姫「おはようございます。今日はどうかなさいましたか?」

橘「おお…いや、ちょっと美也と気まずくて」

真姫「それは大変ですね…早く仲直りしてくださいね」ニコッ

橘「ふぁっ!?」

橘(かわいい…こんなに無垢な微笑みもできるのか…恐るべし西木野真姫)ゴクリ

橘「…」

橘「…!」ピーン

真姫「…?」

橘「西木野さん」

真姫「はい?」

橘「僕のこと…好き?」

真姫「は」

真姫「はぁっ!?」

橘「敬語敬語」

真姫「え…?」

真姫「…」

真姫「嫌いじゃないですよ」

橘「ということは?」

真姫「ぅえっ!?そ、その…」

橘「…」

真姫「…っ」

橘「…」ニヤニヤ

真姫「…!!」

真姫「バカっ!」バシーン!

橘「いてっ!?」

真姫「敬語関係ないじゃない!なに『ひらめいた!』みたいな感じで聞いてきてるのよっ!」キッ

橘「い、いや、今ならかわいく照れる西木野さんが見られると思ってつい…」

真姫「なによそれ!バカにして!知らない!」プイッ

橘「ああっ!待ってよ西木野さん!ごめん!悪かったよ!」

真姫「ふんっ!」スタスタ





橘(西木野さんとばったり出会った)

橘(朝から濃い体験をありがとう…)

橘(…後輩バージョンの西木野さんもかわいかったなぁ)

手探り手探りでやっておりますが
まだ真姫ちゃんのキャラが掴みきれていない気がします
気になったところがあったら是非とも書き込んでくださると幸いです

まぁそもそも男キャラと絡むラブライブキャラってのがすでに空想なんですがね

ではまたまきちゃん

『昼休みだけど…音楽室からピアノの音が聞こえる』

橘(さーて、今日はB定食が確かとんかつスペシャル…)

橘(食堂に…)

ポロロン…

橘「…?ピアノだ」

橘「…この曲」

橘「…」

――――――――音楽室

真姫「――――――♪」

ガラッ

真姫「…?」

橘「やっぱり。こんにちは、西木野さん」

真姫「…橘先輩。なにしにきたのよ」

橘「何ってことはないけど…西木野さんのピアノの音が聞こえたからさ」

真姫「よく私だってわかったわね」クルクル

橘「聞いたことある曲だったから…μ’sの曲だよね」

真姫「よく知ってるわね。もしかしてファン?」

橘「まぁ、そんなところかな」

真姫「…そ」

橘「それにしても、昼休みも練習?」

真姫「練習、というか…アイドルの活動にピアノはそんなに関係ないのよ」

橘「?」

真姫「…作曲をしないといけないの」

橘「あ、そういえば西木野さん、μ’sの曲全部作ってるんだって?」

真姫「全部が全部、っていうわけじゃないけど…そうね、ほとんどが私の作曲ね」

橘「すごいなぁ…ということは、今は新曲の作成かぁ」

真姫「…ええ」

橘「おー…って、僕、もしかして邪魔だったかな」

真姫「…いいわ。根を詰めすぎてもいい曲はできないもの。気晴らしは大事だし」

真姫「もうそろそろお昼にしようと思ってたし」スッ

橘「お弁当…もしかして自分で作ってるの?」

真姫「うっ…これはその…ママに…」

橘「ははは、流石にそうだよね。料理まで出来ちゃうのかと思ってびっくりしたよ」

真姫「むっ」カチン

真姫「べ、別に!料理くらいは出来るわよ!ただ、今日はちょっと朝から忙しかっただけなんだから!」

橘「そんなにムキにならないでも…」

真姫「なってない!いいわよ、なら今度お弁当作ってきてあげる!その時はちゃんと謝罪しなさいよね!」

橘「ええっ!?でも忙しいのは本当だろうし、無理はしなくても…」

真姫「ヨユーよヨユー!この私を誰だと思ってるのよっ」

橘「うーん…そんなに言うならまぁ…」

真姫「ふん!見てなさいよ…」

橘「…」

橘「…あ、西木野さんさ」

真姫「?」

橘「母親のことママって呼ぶんだね。かわいいなぁ」ハハハ

真姫「…!」

真姫「~~~~~!」カァッ

真姫「お・母・さ・ん・っ!!!」モー!







橘(こうして、西木野さん手作り弁当が確約された)

橘(楽しみなような、怖いような…)

『あんまり行くと邪魔になるだろうし、今日のところは帰ろう』

橘(梅原も今日は家の手伝いだし)

橘(昼はなんだかんだ西木野さんの時間を潰してしまったし)

橘(今日はなにもせずに帰ろう…)

橘(…水泳部も休みだし)

――――――――公園前

橘「はーっ…」テクテク

橘(寒くなってきたなぁ…それはそうか、もう冬だし)

橘(…今年もクリスマスは梅原と2人かもなぁ。考えたくないけど)

橘「…」

橘(いやいやいや!ダメだダメだそんなんじゃ!)ブンブン

橘(絶対今年は誰か女の子と過ごすんだ!もうあんな悲しいクリスマスはこりごりだ!)

橘(でも誰と…)

橘(…)ウーン

橘「西木野さん…」ポツリ

橘「…」

橘「…」

橘「…」

橘「…」

橘「…」

橘「…」

橘「…」

橘「…」

橘「…」

橘「…」

橘「…!」

橘(ぐわーっ!僕は今何を考えた!)ガシガシ!

橘(違う違う!確か西木野さんとクリスマスを過ごせたらそれは最高だけど!)

橘(あくまでも先輩後輩として仲良くなるだけだって!決めたじゃないか!)

橘(…)

橘(でも、先輩後輩として過ごすならアリなのかな…)

橘(…)

橘(ぐぬぬ…)

七咲「…」

橘「~~~!」ブンブン!

七咲「…」

七咲「先輩?」

橘「はぇっ!?」

七咲「思いっきり不審者ですよ。なにしてるんですか」

橘「な、七咲…」

七咲「どうせろくでもないことでしょうけど…」

橘「ろくでもないとは失礼だな!僕はただクリスマスは誰か女の子と過ごしたいなぁと考えてただけだぞ!」

七咲「…はぁ」ジトッ

橘「なんだよっ!その目は!」

七咲「いえ…そういうことは考えてたとしても口に出すことではないですよね」

橘「…それはそうかもしれないけど」

七咲「先輩は欲にまみれすぎです」

橘「ひどい言い草…」

七咲「…真姫ちゃんと過ごせたらいいなぁとか、考えてたんですかね」

橘「なっ!?」ビクッ

七咲「図星ですか…」

橘「そ、そんなこと!だいたい、西木野さんはアイドルだし、僕なんかに興味はないだろうし、やることたくさんあるし!」

七咲「わかりやすいですね」クスッ

橘「う、うぐ…」

七咲「…」

七咲「もし」

橘「…?」

七咲「もし、真姫ちゃんに断られたら」

七咲「…そのときは私と美也ちゃんと紗江ちゃんのパーティに来てもいいですよ?」

橘「…」

橘「そ、それは勘弁したいかな…」

橘(妹のクリスマスパーティに乱入なんて、悲しいにもほどがあるぞ…)

七咲「…どうせなら、梅原先輩や塚原先輩も呼んで、ちょっと盛大にしてみたりとか」

橘「あ、それは楽しそうだな」

七咲「…」

橘「…?七咲?」

七咲「…」

七咲「どうせなら、私と2人でも…」

橘「え…っ!?」ドキッ

七咲「…」

七咲「…ふふっ、冗談ですよ」

橘「あ、ああ…そっか…」ドキドキ

七咲「…さて、私はそろそろ帰ります。先輩はどうしますか?」

橘「あ、え、僕も帰るよ」

七咲「なら、途中まで一緒に帰りましょうか」

橘「う、うん」







橘(こうして、七咲と途中まで帰った)

橘(しかし、七咲にドキッとさせられるなんて…)

橘(なんて冗談を言うんだ七咲は!)

橘(そもそも僕は別にクリスマスを真姫ちゃんと過ごそうなんて!)

橘(…)

橘(はぁ…)

橘(思って、ないよ…)

『クリスマスの予定を西木野さんに聞いてみよう!…一応、一応ね』

橘(あんなことを七咲が言うから気になって仕方がない!)

橘(西木野さんにクリスマスの予定を聞こう!)

橘(あくまでも下心はなく、興味本位でね!)

橘(うんうん!一応ってやつだよ!一応!)

――――――――――放課後、音楽室

真姫「クリスマス?」

橘「うん。なにか予定はあるのかなぁって…」

真姫「なんでそんなことをあなたに言わなきゃいけないのよ」クルクル

橘「うぐ…それはそうだけど…」

真姫「…」

真姫「…まぁいいわ」

真姫「クリスマスは、そうね…いつもは家族で別荘に行ったり…」

橘「別荘!?」

真姫「ええ。そこでクリスマスパーティかしら。今年はどうか知らないけど…」

橘「ちょ、ちょっと待って!西木野さんのご両親、ご職業は…?」

真姫「なによ急に…一応2人とも医者よ」

橘「な、なるほど…お医者さんか…」

橘(お金持ちなんだなぁ…そういえば、どことなく品があるような…)

橘「でも、今年はどうかわからないって?」

真姫「…今年は、ラブライブの最終予選があるじゃない」

橘「…あ」

真姫「最終予選の2日後がクリスマスでしょ?」

真姫「浮かれてる場合じゃないのよ。クリスマスのことは最終予選が終わってから考えるわ」

橘「…そっか」

真姫「…」

真姫「なに?デートにでも誘ってくれるつもりだったかしら?」フフン

橘「うん…」

真姫「えっ!?」カァッ

橘「…」

橘「…へぇっ!?」

橘「あ、いや、そんな、違うよ!うん!そういうのじゃなくて!今のはなんと言うか…流れでっ!」

真姫「ぅ…そ、そう」

真姫「…そんなに否定しなくてもいいじゃない」ボソッ

橘「え…?」

真姫「ッ…なんでもないわよ!」プイッ

橘「えぇっ!?なんだかわからないけどごめん!」ババッ

真姫「なんだかわからないのに謝らないでっ!」

橘「うぅ…ごめんなさい…」ドゲザー

真姫「…」マッタクー…

橘(…クリスマストークがしたかっただけなのになんでこんなことに)ウゥ…

真姫「…」クルクル…

真姫「…」クル…

真姫「…ぁ」

橘「…?」

橘「どうかした?西木野さん」スクッ

真姫「…どうって言うほどのことはないんだけど」

橘「うん?」

真姫「今年別荘に行けなかったら、サンタさんにお手紙出しておかないと」

橘「…」

橘「ん?」

真姫「だから、サンタさんにお手紙!間違って別荘に行っちゃうかもしれないでしょ!」

橘「…」

橘「…」

橘「ん?」

真姫「ちゃんと話を聞きなさいよ!いつも別荘でプレゼントをもらうから、今年は…」

橘「ストップストップ!わかった!わかったよ!」

真姫「…はぁ?なんなのよ…」

橘「…」

橘(まさかとは思うけど…)

橘(西木野さん、サンタクロース信者なのか!?)

橘(ふざけている様子はないし…)

橘(…)

橘(これは僕には罪深すぎてどうすることも…)

真姫「…だけど、もう高校生だし、子どもじゃないものね。サンタさんは子どもにプレゼントをあげるわけだし」

橘「あ、ああ、そうだね…」

真姫「一応、暖炉は掃除しておこうかしら…もしかしたら、ってこともあるし…」ブツブツ

橘(…思いっきり浮ついてるけど、それは言っちゃいけないんだろうな)

真姫「…なによその目は」

橘「なんでもないよ!サンタさん、来るといいね!」グッ!

真姫「?」

真姫「先輩のところには来ないの?」

橘「…僕はほら、いい子じゃないから…」

真姫「ふーん?なんだかかわいそうだけど、それじゃ仕方ないわよね」

橘「あはは…」












橘(結局、西木野さんは暖炉を掃除して様子を伺ってみるそうだった)

橘(…嗚呼)

橘(かわいいなぁ…)

お久しぶりの投下です。
アマガミにはいないタイプ、
ツンデレが難しすぎて難航し続けております。

まだ読んで下さる方いらっしゃいますでしょうか
いましたらありがとうございます!

色々と都合よく都合よくやっていますので、
その辺はご了承ください。

ではまた

『あれは七咲と西木野さん…?なにをしてるんだろう』

橘(西木野さんとクリスマス談義をして少し経った)

橘(放課後は音楽室で西木野さんや七咲、美也や梅原とお話をして)

橘(ピアノを聞いて、ダンス練習を見て…)

橘(そんなことが日常になりつつある)

橘(…)

橘(仲良くなった、って美也も七咲も梅原も言うけど)

橘(僕は特に、最初に会ったときと変わっていない気がしてならない)

橘(果たして僕は、前に進んでいるのかな)

橘(…)

橘(…まぁ、考えてもしょうがないか)

――――――――屋上

橘「ふぅ…」

橘(さて、今日の取引の前にお宝本の確認を…)キィィ…

橘「…ん?」

橘(七咲と西木野さん…屋上で何を…?)コソッ

真姫「…それで、どうかしたの?七咲さん。話がある、って」

七咲「…」

真姫「…?」

七咲「…真姫ちゃんはさ」

真姫「なに?」

七咲「…」

七咲「先輩のこと、どう思ってる?」

真姫「先輩…?」

七咲「うん。橘先輩」

橘(え!?僕について!?)

橘(こ、これは聞いてていいわけがなさそうだぞ…)

橘(…)

橘(でも気になる…)コソソッ

真姫「あの人ね…」クルクル

七咲「…」

真姫「…どう、って」

七咲「…」コクリ

真姫「…不思議な人よね。まるで、どこかで会った事があるみたいな」

真姫「安心する、っていう表現がぴったり…かもしれないわ」

橘(…)

橘(そんな話、前に西木野さんとしたよね…)

橘(相性がいいとか…そういうことなのかもしれないけど)

橘(もっと別の…一緒にいるとほっとする感じが)

橘(…)

七咲「…それだけ?」

真姫「?」クルクル

真姫「…要領を得ないわね。どういう意味?」

七咲「…それは」

七咲「…」

七咲「…」ギュッ

七咲「ぅ…」

七咲「…」

七咲「…ううん、やっぱりいい!」

真姫「へ?」

七咲「なんでもない、ってことにしておいて。ごめんね、真姫ちゃん」クルッ

真姫「…イミワカンナイ」

七咲「でも、本当に不思議だね。真姫ちゃん、あんまり人と仲良くするの上手くなさそうなのに」

真姫「それどーいう意味よ!七咲さんも人のこと言えないでしょ!」

七咲「む…そういうこと言うんだ」

真姫「まったく…あなた、案外毒舌よね」クルクル

七咲「クスッ…そうかな。それこそ真姫ちゃんには言われたくないけど」

真姫「そうかしら」

七咲「そうだよ」クスクス

真姫「ふふふっ…さ、教室戻りましょう?ここ、寒いのよね…」

七咲「あ、ごめんね。戻ろっか」

七咲「そういえば今度美也ちゃんの家でお泊り会するんだけど来る?」スタスタ

真姫「ヴぇっ!?…ま、まぁ、誘ってくれるなら…予定が合えば」スタスタ

七咲「じゃあまた予定決めよっか。美也ちゃん喜ぶだろうなぁ」

真姫「…そ」クルクル

橘(…)

橘(…!)

橘(まずい!こっちに来る!)

橘(どうしよう…隠れないと、覗き見してたのがばれたら…!)

橘(…考えたくもない!なんとかしないと!)

橘(どうすればどうすれば…)

橘(…!)


七咲「お昼ご飯、またお弁当自分で作ってきたの?」スタスタ

真姫「うん…なかなか上手くいかないものね。早く上達しないと…」スタスタ


橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(…)

橘(行ったかな)

橘(…)

ガタンガタン!

橘「っててて…」ガコガコ…

橘「…っと」スタッ

橘(ふー…掃除用のロッカーがあって助かった…)

橘(でも、なんで七咲はこんなところで西木野さんとあんなことを…?)

橘(…)

橘(…まぁ、いいか)

橘(そもそも僕は知らないはずだもんな!気にしない気にしない!)

橘(お宝本を確認して早く教室に…)

キーンコーンカーンコォーン…

橘「ええっ!?もうこんな時間!?」

橘(しまった…2人の話を聴いてるうちに…!)

橘(急いで教室に戻らないとっ!)ダッ

『教室は誰もいなくなったな…よし!取引開始だ!』

――――――放課後、教室

橘「これが今日のとっておき、ローアングル探偵団幻のハワイ編だ!」バサッ

梅原「な、なにぃ!?大将、こいつぁとんでもねぇモンを出してきたな…」ゴクリ

橘「ふっふっふ…あのベストセラーの特別編集バージョン、高くつくぞ梅原…!」

梅原「ああ、確かにな。だが、俺も今日は切り札を持参してきた!」

橘「見せてもらおう!梅原の本気を!」

梅原「見て驚くなよ…こいつだっ!」バサァッ

橘「…!こ、これは!」

梅原「どうだ!こいつが俺の隠し玉…」

梅原「フレッシュ水着学園メモリアル!」

橘「歴代の水着ガールの…総集編であり総決算と言われたあの…!」

梅原「この取引…文句はないだろ、大将」

橘「ああ…素晴らしいよ梅原。完璧だ」

梅原「フッ…」スッ

橘「フフッ…」スッ

ガシッ!

橘「言葉はこれ以上いらないな」

梅原「おう。これ以上は野暮ってヤツだぜ」

美也「…とまぁ、この2人はいつもこうなのだ」

七咲「先輩…」

真姫「…サイテー」クルクル

橘「えっ!?」

梅原「なっ!?」

美也「にしし~♪なーにしてんのかなー梅ちゃんとおにいちゃんは~♪」

橘「美也!それに、七咲と西木野さんも…!」

梅原「ど、どうしてここに…!」

七咲「先輩を探してたんですよ。美也ちゃんがお家の鍵を忘れてきたみたいで」

美也「靴箱のとこにりほちゃんがいてね?教室付近をうろついてたーって」

美也「それで来てみたらこれだもん…やれやれだよ」フゥ…

真姫「…」クルクル

橘「うぐ…でも、なんで西木野さんまで…」

美也「真姫ちゃんはみゃーが連れてきたのだ!気分転換にね!」

七咲「音楽室で難しそうな顔してたから、外の空気を吸うついでに、って」

橘「また迷惑かけて…ごめんね西木野さん」

真姫「…それはいいわ。橘さんは私のこと考えて行動してる…ことにしておいてあげるから」

美也「しておいてあげるって、厳しいなー真姫ちゃん!」

橘「そいつすぐ調子に乗るから、もっと厳しくするといいよ」

真姫「いいってば。そんな些細なことはどうでも」

七咲「…真姫ちゃん、さっきから耳が真っ赤ですよね」ボソボソ

梅原「ああ。わかりやすくて結構なこったよ」ボソボソ

真姫「聞こえてるわよっ!七咲さん!梅原先輩!」

七咲「あ、ごめんね真姫ちゃん」

真姫「もう!」カラカワナイデッ!

真姫「っていうか、なんでもいいからその本さっさとしまいなさいよ!」

橘「うっ…」ガクッ

真姫「だいたい、その、え、えっちな本を読むのは、まぁオトコノコってそういうものらしいし、仕方ないとして…」ゴニョゴニョ

真姫「学校で、しかも教室でって!どういう脳みそしてたらそうなるのよっ!」イミワカンナイ!

橘「がはっ!」ザクッ!

真姫「あとなによ言葉はこれ以上いらないって!何になり切ってるのかわかんないけど、とにかくキモチワルイっ!」

橘「ぐふっ!」グサグサッ!

真姫「それと…」

梅原「見てらんねぇ!もうやめて!大将のライフはゼロだ!」ババッ

橘「あ、ぁぁ…梅…原…」

梅原「おう…どうした大将…」

橘「僕…最後に…」

橘「フレ水メモリアル…読みたかっ…た」ガクッ

梅原「大将?大将!!たいしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおっ!」

美也「うーんと…」ガサゴソ…

美也「あっ!鍵あったよ!帰ろー逢ちゃん真姫ちゃん」

七咲「うん。真姫ちゃんはどうする?」

真姫「…気分転換にはなったし、もう少し残ってくわ」

美也「そっかー…がんばってね!真姫ちゃん!」

七咲「またピアノ聞きに行くから」

真姫「ええ。それじゃあね」

真姫「…」

ガラッ

タッタッタッ…

シィーン…

梅原「…はぁ。俺たちも帰るか、大将」

橘「…そう、だな」ムクリ

梅原「散々な目にあった…」

橘「ああ…これからは梅原の家でやろう…」

梅原「とりあえず、ローアングル探偵団は借りてくぜ…これがないと今日が報われねぇよ…」パシッ

橘「うん…僕もフレ水メモリアルを…」

橘「…あれ?ここにあったフレ水は?」

梅原「は?俺は知らねぇけど…」

橘「ええっ!?そんな、なくなるなんてことは!」

梅原「おいおい!俺の秘宝がっ!さ、探せ大将っ!」

橘「どこだ!どこ行ったんだぁぁああああ!!!」






橘(結局、フレッシュ水着学園メモリアルは見つからなかった…)

橘(梅原は、見つかるまで預かるといってロー探を持って行ってしまった)

橘(消えたお宝本事件…どこへ行ってしまったんだ…)

『西木野さんとお話ししよう!』

橘(梅原のとっておき、フレッシュ水着学園メモリアルが行方不明になって数日)

橘(この事件は迷宮入りの様相を呈している…)

橘(あの状況下でどうやったら机の上にあった本を失うことができるのか)

橘(僕と梅原の頭脳では全くわからないよ…)

橘(まぁ、それはそうと今日は梅原もいないし、お昼は一縷の望みをかけて音楽室に行ってみよう!)

橘(もしかしたら運よく西木野さんに会えるかもだし!)

――――――音楽室

真姫「…それで、私に会いに来たって?」

橘「うん!お昼を食べながらお話でも、どうかな」

真姫「…いいけど、変なことしたら大声を出すから」クルクル

橘「しないよっ!」

橘(たぶん)

真姫「どうだか…」

橘「信用ないなぁ」アハハ…

真姫「顔にろくでもない話をするって書いてあるもの」

橘「さすがにそんなことは…」

真姫「…」クルクル

橘「…えっ、ホントに書いてあるの!?」ペタペタ

真姫「冗談に決まってるでしょ」

橘「な、なんだ…驚かさないでよ…」

真姫「ふふっ…考えなくてもわかるわよそのくらい」

橘「ひどい…」

真姫「…で、お話するんでしょ?どうぞ」

橘「うん…」

〈世間話〉

橘「μ’sのみなさんと一緒に練習とかってしてるの?」

真姫「してるわよ。主に土日になっちゃうけど、たまに平日でも急いで帰って合わせたり…」

橘「大変だね…」

真姫「まぁ、このくらいは平気よ。それに今はダンスや歌を練習するより、曲、作らなきゃいけないし」クルクル

橘「そっか…なにかできることがあったら、僕でよければいつでも手伝うからね!」

真姫「うぇ!?そ、そう…」

橘「って言っても、そんなにできることなんてなさそうだけど」アハハ…

真姫「…気持ちは受け取っておくわ」クルクル

〈勉強〉

橘「美也に聞いたけど、勉強得意なんだって?」

真姫「そうね。テストならそうそう負けない自信はあるわ」フンス

橘「へー…1年生のうちから、すごいなぁ…」

真姫「これでも医学部志望だもの。コツコツ勉強はしないと、ね」

橘「美也や七咲に聞かせてやりたいよ」

真姫「あぁ…七咲さん、数学苦手って言ってたわ…」

橘「七咲、公式丸覚えするから問題が解けないんだよね…」

真姫「…そんなことまで、よく知ってるわね」

橘「一度、図書室で教えたことがあって」

真姫「…ふーん」

橘「…?」

真姫「…」クルクル

橘(…なんだか機嫌悪いぞ。なにかやってしまったのかな)

〈運動〉

橘「西木野さん、もしかして体育も得意だったりするの?」

真姫「え?」

橘「いや、勉強もできて音楽もできて、これで運動までできたら…」

真姫「…体を動かすのは嫌いじゃないわ」

橘「…そっか」

真姫「な、なによ!別に運動音痴とか、そこまでひどくはないんだから!」

橘「うんうん、わかってるよ」ニコッ

真姫「むかつく笑顔ね…」

橘「完璧な人間なんていないんだよ。そうでしょ西木野さん」

真姫「いみわかんない!」

〈娯楽〉

橘「休日は何してるの?」

真姫「ピアノを弾いて、授業の予習復習、あとは本とか読んでると一日が終わるわね」

橘「す、すごい…インテリジェンスに溢れてるよ…」

真姫「そうでもないと思うけど…」クルクル

橘「テレビを見たりゲームをやったりなんかは?」

真姫「テレビはたまに見るけど…特に何を見てる、ってわけでもないし」

橘「アイドルの番組とか見たり…」

真姫「どちらかというと音楽番組かしら。アイドルは…」

橘「…?」

真姫「…見ないとうるさいのがいるからたまに見るけど」

橘「うるさいの?」

真姫「…なんでもない、こっちの話よ」

橘「?」

〈食べ物〉

橘「最近寒いから、こたつに入ってみかんを食べてだらだらしちゃうんだよね」

真姫「うぇぇ…私、みかん嫌いなのよ。こたつも家にないし…」

橘「え?みかん嫌い?それたぶんこたつが家にないからだよ」

真姫「どういうことよ」

橘「みかんとこたつの相性がわからないからそういうことが言えるんだ…」

真姫「…こたつにはアイスだと思うけど」

橘「アイス!アイスも捨てがたい…」

真姫「ぶれぶれじゃない…」

〈おしゃれ〉

橘「西木野さんってさ」

真姫「うん?」

橘「きれいだよね」

真姫「!?」カァァ…

真姫「きゅ、急になによ!」

橘「え?あ、いや、ほら!お化粧とかそんなにしてなさそうなのに、きれいだなぁって…」

真姫「…あなた、そういうこと誰にでも言ってるワケ?」

橘「誰にでもってことはないよ!本当に、ただ肌とかきれいだなって!そういう意味でっ!」

橘「そんなに変な意味じゃないよ!」アタフタ

真姫「…」

真姫「…ま、いいけど」クルクル…

橘「…?」

真姫「化粧だったっけ?私も人並みにはしてるけど、確かに薄いかも」

橘「やっぱり元がいいんだろうね!」

真姫「…」ジトッ

橘「な、なにその目は」

真姫「…別に」クルクル

橘(…うーん)

橘(機嫌が悪いのかいいのかわからないなぁ…)

〈恋愛〉

橘「彼氏がいたこととか…」

真姫「ないわね。やっぱり私くらいになるとなかなか釣り合う男性がいない、みたいな?」

橘「おぉ~!さすが!」

真姫「冗談よ…私、そんなこと言うような人間に見えるのかしら」

橘「えっ…ウン…」

真姫「どうなってるのよあなたの中の私は!」イミワカンナイ!

〈エッチ〉

橘「エッチな本って読んだことある?」

真姫「なっ、あるわけないでしょ!」カァッ

真姫「急になんなのよっ」クルクル

橘「いや、なにってほどじゃないんだけど…気になって…」

真姫「だからって、聞いていいことと悪いことがあるわよっ!」

橘「ムキになるあたり怪しいけど…」

真姫「ないって言ってるでしょ!」マッタクー!

橘「そっか…」

真姫「…」クルクル

〈行動〉

橘(西木野さんともっと仲良くなりたい…)

橘(よし、もうちょっと距離を詰めてみよう!)

橘「…」

真姫「…?」

橘「…」

スススッ

真姫「ぅえ?」ササッ

橘「なっ…」スススッ

真姫「な、なによ…」サササッ

橘「なんで逃げるのさ!」ススッ!

真姫「あなたが近寄ってくるからでしょ!」ササッ!

橘「僕はもう少し西木野さんとお近づきになろうとだね…!」

真姫「イミワカンナイ!物理的に近づいてどうするのよぉっ!」

橘「…それもそうだね」

真姫「もう!変なことしないでっ!」プイッ!

橘(う…怒らせちゃったかな…)

〈アタック〉
シュインシュシュシュシュシュ…

橘(…それにしても)ジーッ

真姫「…なに?」クルクル

橘(あのボリュームのある髪の毛)

橘(すっごい触り心地よさそうだなぁ…)

真姫「…なにじーっと見てるのよ」

橘「触りたい」ボソッ

真姫「へ!?」ビクッ

橘「えっ!?こ、声に出てた!?」

真姫「出てたわよっ!触りたいって…なに!?まさか本物の変態…」

橘「わーっ!違うよ!変な意味じゃなくてっ!」

真姫「触りたいなんて願望に変もなにもないでしょっ!何言ってるのよ!」

橘「かっ、髪の毛がね!?きれいだなぁて思って!触ってみたいなぁみたいなさぁ!!」

真姫「どこであろうとおかしいわよっ!髪なんて…」

真姫「…髪?」

橘「う、うん…」

真姫「…」フム

橘「…?」

真姫「なかなか目の付け所がいいわね。今日、たまたまだけどちょっと入念にお手入れしてきたのよ」

橘「へ」

真姫「やっぱりわかる人にはわかるのね♪あなたもなかなかやるじゃない♪」

橘「う、うん…そうでしょ…ははは…」

真姫「♪」

橘(失言はなんとかなったみたいだぞ)

橘(それにしても…偶然って怖いなぁ…)

橘(でも結果オーライか…これもすべて日頃の行いがよかったんだな!きっと!)

真姫「…そうだ」

橘「?」

真姫「気分もいいし、せっかくだから触ってもいいわよ?」

橘「…」

橘「えッ!!!!!!???????」

真姫「あ、でも、優しく丁寧に、ほんの少しだけ!髪は女の子の命なんだからっ!」

橘(…どうしたことか、出会ってから今までで最高に機嫌がよさそうだ!)

橘(まさかこんなことになるとは…)

橘(僕としては願ってもない!ありがとう神様!)

橘「そ、それじゃあ少しだけ…」

真姫「どうぞ♪」

橘「…」ドキドキ

橘「…」ソッ

真姫「ん…」

















モフッ



橘「!!」

モフモフ

橘(な…)

橘(なんてこった!)

モフモフモフ

真姫「んん…」

橘(軽く押せばふわふわの弾力、手櫛でとかせば絹のようにさらっさら!)

橘(…いや、絹は触ったことないけど、きっとこれは絹よりも手触りいいよ!)

モフモフッ

真姫「ぅ~…」

橘(あぁ…一生触っていたい…)モフモフ…

真姫「~~~~~!はい、終わりっ!」バッ!

橘「ああっ!」

真姫「少し、って言ったでしょ!もうおしまい!」

橘「はい…」シュン

真姫「…」クルクル

真姫「…で、どうだった?」

橘「え?」

真姫「だからっ!…私の髪、どう、だった?」ゴニョゴニョ

橘「!」

橘「素晴らしかったよ!さらさらと流れるようで、それでいてふわっとした感触!まるで羽毛にでも包まれているかのような…」

真姫「…それ褒めてるの?」

橘「当たり前だよ!僕は一生触っててもいいくらいだったね!」

真姫「!」カァッ

真姫「そ、そう…」クルクル

橘「西木野さんありがとう…夢のような時間だったよ…」

真姫「喜びすぎよ…でも、まぁこの真姫ちゃんの髪を触れたんだからそのくらいのリアクションは当然よね!」フフン!

橘「うん!当然当然…」

橘「…」

橘(そういえば、まだ右手には西木野さんの髪の感触が…)

橘(…)

真姫「?」

橘「…」

橘「…」スンスン

真姫「…!」

真姫「ばっ、な、なにしてるのよー!」パッチーン!

橘「痛っ!?」

真姫「い、いま手の匂いを…」

橘「ふぇぁ!?ごめんつい…」

真姫「もう!やっぱりあなたって変態ねっ!」

橘「でも、すごくいい香りがしたよ?」

真姫「聞いてないわよ!私教室に帰るっ!」

橘「うぇっ!?待ってよ!ごめん!!西木野さーん!!!!」





橘(こうして、西木野さんと密度の濃い昼休みを過ごした)

橘(最後はちょっと失敗しちゃったけど、割といい雰囲気だったんじゃないかな!)

橘(…髪の毛、また触りたいなぁ)

本日以上です。
会話とご褒美イベントでした。

デアイでこれかよ!みたいな



難しいんですよ真姫ちゃん…

ではまた

『放課後だ!今日も音楽室に行こう!』

―――――音楽室

橘「失礼しまーす」ガララッ

美也「じゃあじゃあ、今週の土曜日ね!」

七咲「うん、わかった。真姫ちゃんは?」

真姫「…別に、いいわよ。練習もないし」

美也「にしししっ♪楽しみだね~!ホントは紗江ちゃんも来てほしかったんだけどな~」

七咲「仕方ないよ。お家の都合なんだから」

橘「…?なんだ美也、土曜日遊びに行くのか」

美也「ふぇっ!?お、おにいちゃん!いつの間に!」

橘「たった今、普通にドアを開けて入ってきたぞ」

七咲「先輩。盗み聞きとはいい趣味ですね」

橘「別に盗んでない!聞こえただけだっ!」

真姫「サイテー」クルクル

橘「西木野さんは話聞いてた!?というかわかるでしょ!」

美也「にししし♪からかうのもこれくらいにしてあげよっか♪」

七咲「うん。いい反応もしてくれたし」

真姫「ふふふっ…そうね」

橘「そんな一致団結しなくても…」

橘「というか美也。土曜日遊びに行くなら、父さんも母さんもいないし昼ごはんどうするのかだけ…」

美也「っ!急にそういう話しないでよっ!なんかはずかしーじゃん!」

橘「え?そうかなぁ…」

七咲「なんだか兄妹っていいね、真姫ちゃん」フフフッ

真姫「ええ…微笑ましいわね」クスクス

美也「ほらー!」

橘「なにがだよ…」

美也「むー…」

美也「なんだか腑におちないけど…お昼もみゃーはお家にいるよっ」

橘「そうか。いつ出てくんだ?」

美也「でてかないよ?」

橘「は?」

美也「にしししし!なんとなんと、土曜日はね…」

橘「…?」

美也「みゃーのお家でお泊り会なのだ!」バーン!

橘「…」

橘「…」

橘「…な」

橘「なっ…」

橘「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいい!?」

七咲「お邪魔しますね、先輩」

真姫「!…そっか、そういうことにもなるわけね」

橘「う、うん…はははは…」

美也「…変なこと考えてるでしょおにいちゃん!駄目だよ!土曜日は出かけるとかして!」

橘「へ、変なことなんて考えてないぞ!というか出かけろって無茶苦茶なことを!」

七咲「そうだよ美也ちゃん。さすがに先輩がかわいそうだよ」

真姫「私たちが行くことで追い出されるのはちょっと不憫ね…」

美也「えー?…じゃあ絶対絶対絶対!変なことしないでね!」

橘「するわけないだろっ!」

美也「どうかなぁ…」

七咲「どうなんだろうね…」

真姫「…どうなのかしら」

橘「そんな三人で寄ってたかって怪しまないでもいいじゃないか…」

真姫「普段の行いが悪いからそうなるのよ」クルクル

橘「えー…でも、どう考えたってこの前のアレは素行のいい僕への神様からのご褒美だったけどなぁ」

真姫「? この前のアレ…?」

橘「ほら、髪の毛をさ…」

真姫「!」カァッ

真姫「い、言わなくてもいいわよっ!」バチーン!

橘「へぶっ!?」ビターン!

美也「え!?え!?なになに、なにしたのおにいちゃん!」

七咲「…真姫ちゃん、詳しく話そ?ね?」

真姫「ぅえ!?う、うう…」ヴェェ…






橘(こうして、西木野さんは自分の髪の毛を触らせた話を二人にした…らしい)

橘(帰ってきてから美也に聞いたんだけど…真っ赤になりながら喋る西木野さんはとてもかわいかったとかなんとか)

橘(ちくしょう…!見たかった…!)

橘(…土曜日、どうしようかな)

短いですが本日ここまでです。

次の投下でデアイが終わらせられたらいいなぁって感じです。
再放送見てると、
みんなアイドル一直線で、恋愛なんかさせていいのかなぁって気持ちになってしまいますね…

頑張って完結はさせますので、
読んでくださる方いらっしゃれば長い目で見ていただけると幸いです。

ではまた

『土曜日だ!西木野さんと七咲が家に来る…』

橘(あれから)

橘(結局、特に約束をするでもなく、土曜日を迎えた)

橘(そもそも妹の友達が来るから家を出るなんて…)

橘(なんだか無茶苦茶だしな!僕はいつも通り過ごすだけだ!うん!)

橘(…)

橘(ううっ、それでも緊張する…)

橘(七咲だけならまだしも、西木野さんだぞ!?)

橘(落ち着かないなぁ…)ソワソワ

――――昼、橘家

七咲「お邪魔します、美也ちゃん」

真姫「お邪魔します」

美也「お~!よく来たね真姫ちゃん逢ちゃん!どうぞあがってあがって!」

真姫「あの、橘さん」

美也「んー?」

真姫「…ぁ」

美也「? どしたの真姫ちゃん」

七咲「…」

真姫「…」

真姫「今日…って、あの人は家にいるの?」クルクル

美也「あの人…?」

真姫「…だから、その…」

美也「?」

真姫「~~~~っ…橘先輩のこと!」

美也「お兄ちゃん?うん、いるよ?」

真姫「…」

真姫「…そ」

七咲「…」クスッ

七咲「美也ちゃん、さっそくだけどお昼ごはんにしない?」

七咲「泊めてもらう代わりに、私と真姫ちゃんで作るから」ガサッ

美也「ええっ!?それでそんな袋持ってたんだ。気にしなくていいのにぃ」

七咲「いいからいいから。買ってきた食材も無駄になっちゃうし、断られてももったいないよ?」

美也「むぅ~…あ、じゃあみゃーも一緒に作るよ!」

真姫「…そうね。それもい
七咲「いやっ!き、気持ちだけでうれしいから!美也ちゃんはゆっくりしてて!」

真姫「ヴェェ…?」

美也「えぇ~?つまんないよ~」

真姫「いいじゃない別に。なら橘さんは私のお昼ご飯作ってくれる?」

美也「!」

七咲「!?」バッ

美也「うん!とっておきの料理にするから、楽しみにしててね~♪」

真姫「期待しといてあげる」フフッ

七咲「…」アーアー…

真姫「…なによその顔」

七咲「…なんでもないよ」ポン

真姫「なによこの手は」

七咲「がんばってね、真姫ちゃん」

真姫「…?」

――――橘家、純一の部屋

タチバナサン!ソンナニイレタラカクシアジニナッテナイデッショー!

デモキットオイシイヨ!

ヒィィィイ!

橘「…ん」

橘(下が騒がしい…ということは、二人が来たのかな)

橘(とうとうこの部屋から出辛いなぁ…)

橘(…)

橘(西木野さんが家に遊びに来る、ってだけで)

橘(どうして僕はここまでまいってるんだろう)

橘(前にも七咲が来たことはあったじゃないか…あの時もあの時でいい思い出はないけど)

橘(…)

橘(…僕は)

橘(…)

橘(…どうしたいんだろう)

橘(…)

橘(…ダメだ、考えすぎても答えなんて)

橘(…)

橘(…こういうときは)スクッ

スー…ストン

橘(…)ギュッ

橘(ふぅ…ここが一番落ち着くよ)

橘(押入れの僕専用プラネタリウム)

橘(今日はここにいてもいいかも…)

橘(そうだよ、こんな気持ちで西木野さんに会っちゃ…)

橘(…ダメ、だよな)

橘(…)

橘(…)ボーッ

橘(…)ボーッ…

橘(…)

橘(…)

橘(…この星)スッ…

橘(…)

橘(…記憶にはないけど、お母さんが言ってたなぁ)

橘(いくら火星だって言っても聞かない、これはあの子の星なんだ、ってぐずってたって…)

橘(…)

??『あれぇー?部屋にいたはずなんだけどなー』

??『っ…出かけちゃったのかしら』

??『えー?そんなことないと思うけど…』

??『お手洗いとか?』

橘「…!?」

橘(美也!?なんで僕の部屋に…!)

橘(それに、声の感じからして七咲と西木野さんまで!?)

美也『…あ、わかった!またこんなところに!』

七咲『え?…押入れ?』

美也『お兄ちゃん!お兄ちゃんってば!』

真姫『…ねえ、あの人いつもこんなところにいるの?』

七咲『先輩、変わってるから…』

美也『気分が沈むとすぐここだもん…お兄ちゃん!出てきなさい!』

橘「なっ…!?」

美也『…今声がした。やっぱりここだ!開けるよにぃにっ!』

橘「にぃにって呼ぶなっ!いや、待て!開けるなっ!お願いだからっ!」

七咲『何言ってるんですか…休日にそんなところに引きこもって』

橘「いいだろ別にっ!そういう気分なんだっ!」

真姫『…どうしても出てきたくないなら、仕方ないわよ。行きましょう、橘さん、七咲さん』

橘(西木野さん…うぅ、情けないなぁ僕は…)

美也『うー…でも真姫ちゃんせっかく作ったのに…』

真姫『…』

七咲『…!』ピーン

七咲『あれ?真姫ちゃん、どうして下着姿に?』

真姫『!?』

橘「!?」

真姫『ちょ、ちょっと!なによそれムグッ』

美也『…あれれ?本当だ!急にどうしたの真姫ちゃん!』

真姫『ムグ!?モガモガ…!』

橘(…)

橘「はぁ…」ヤレヤレ

橘(…なんてわかりやすい罠だ。こんなものに釣られる橘純一ではない!)

橘(甘く見られたものだな…ふふん)

七咲『真姫ちゃんって下着も大人っぽいんだね。びっくりしちゃった』

美也『うんうん!大人の魅力~ってやつ?セクシーだよね!』

真姫『~~~!!』






橘「…」

橘(…いや、でももしかしたら本当に…?)

橘(…)

橘(す、少しだけ!ちょーっとだけ開けてのぞくだけだから!)

橘(決して信じたわけじゃないよ!?でもこれが本当だったら一生後悔する!)

橘(うん!橘純一、やるったらやる!ほんの少し…!)ソーッ…

橘(…)ゴクリ

ス…

美也『はぁっ!』ガバッ!

七咲『やぁっ!』ババッ!

橘「なにィ!?こいつら、わずかな隙間に指をっ…!」

美也「にししし…お兄ちゃんなら絶対開けると思ったもんね…!」

七咲「観念してください、先輩…ッ!」

真姫「ぅええ!?ホントに開けたの!?何考えてるのよっ!」イミワカンナイ!

橘「男には…負けられないときってのがあるんだよ…っ!」

真姫「はぁ…」シラーッ…

橘「ぐ…た、多勢に無勢…!これ以上は戸が壊れる…!」

美也「!」キラーン

美也「もらったぁぁ!!!」グイッ!

七咲「えいっ!」バーン!

橘「あ…ああ…」

美也「ふっふっふ…正義は勝つ!」

七咲「まったく…なにやってるんですか先輩」ハァ…

橘「う…僕がどう過ごしてようといいだろっ!むしろ七咲たちがどうしたんだよっ!」

美也「あー、そうだそうだ。ね、真姫ちゃんがお兄ちゃんにお昼ご飯作ってくれたんだよっ!」

橘「…え?」

真姫「っ…ほら、前に作るって言ったじゃない!」

橘「…あー…」

真姫「だからっ!ちょうど今日は都合がいいかなって…それだけよっ!他意はないわ!」プイッ

橘「僕まだなにも言ってないんだけど…」

橘(…断るのも変かな)

橘「でもそういうことならいただこうかな…ありがとう西木野さん!」

真姫「~~~~!」

真姫「別にあなたのために作ったわけじゃないんだからっ!」カァッ

美也「うわー…すごいね逢ちゃん。なって言うんだっけ、つん…どら?」

七咲「ツンデレだよ美也ちゃん」

真姫「誰がツンデレよっ!」

橘「さて…ちょっと出るからそこどいてくれるかな」

七咲「あ、はい」

真姫「…」ムスッ

橘「よい…しょっと」トサッ

七咲「…?先輩、この押入れの中…」

橘「? …!な、なんでもないんだ!ちょっとした落書きでさ…!」

七咲「ふーん…?」ヒョイッ

橘「あっダメだって!七咲!」

七咲「クスッ…すごいですねこれ。ほら、真姫ちゃんも見てみなよ」

真姫「…?」ヒョイッ

橘「うわぁぁ!!み、見ないでくれぇっ!」

美也「まぁまぁ、そんなに落ち込まない落ち込まない!…みゃーもちょっと恥ずかしいけど」ポンポン

橘「うぅ…」

七咲「蛍光ペンで描いてあるからぼんやり光るんだね」

真姫「押入れに、っていうのはどうかと思うけど、気持ちはわからないでもないわね」

七咲「そういえば真姫ちゃん、星見るの好きなんだっけ」

真姫「そうね。だから雨の日なんかにはいいかもしれないわね」クスッ

七咲「フフッ …?これ、何だろう…この星だけ名前が…」

真姫「え?どれ?」

七咲「ほら、これ…」

真姫「…」

真姫「…」

真姫「…!!」ガタン!

ゴツッ!

真姫「った~~~~!!!」

七咲「わっ!?真姫ちゃん大丈夫!?」

橘「な、なんだ?」

美也「すごい音したね…どうしたの真姫ちゃん?どじっ子ってやつ?」

真姫「~~~~~!!!」ババッ

橘「へ…?」

ガシッ!

橘「うわっ!?」

真姫「ドウシテ…ルノヨ」プルプル

橘「え?え?」

真姫「…!!」

真姫「どうしてあなたがあの星の名前を知ってるのよっ!」グイッ

橘「なんのこと!?って、近いよ!西木野さん!」

七咲「真姫ちゃん…?」

美也「逢ちゃん!どうして真姫ちゃんはにぃにの襟をつかんでるのっ!」

七咲「わからない…でも、この星の名前をみた途端に…」スッ

美也「…?とまとせい?」

真姫「答えてっ!あの名前は…まさかあなたが考えたとか言うんじゃないでしょうねッ!」

橘「と、トマト星のこと!?あれなら昔、入院した先で女の子に聞いたらしくて…」








真姫「…え?」

橘「実を言うと、僕もあんまり覚えてないんだけど…」

橘「親からそう…やって…」

橘「…聞い…て…」

橘「…」

橘「…!!」














――――あのあかいほしはね、とまとせいっていうのよ!













――――すごいや!ほしになまえまでつけたんだね!































――――――――――――――――――まきちゃん!




















次回、やっとデアイ終了

途中ですが切ります
読んでくださってる方すみません

ではまた

橘「…まき、ちゃん…」

真姫「…!」

橘「昔、病院で仲良くなった…」

七咲「病院で…?」

美也「…にぃには小さいころ、お母さんの知り合いの病院に入院してたことがあるんだ」

七咲「そうなんだ…」

美也「みゃーも覚えてないくらい小さいころだけどね。そこで友達になった女の子がいたっていうのはお母さんに聞いてたけど」

真姫「…まさか、あなたが…」

橘「…まきちゃんとの別れがつらくてつらくて」

 『グスッ…せっかくなかよくなったのに…ヒック』

橘「僕は…」

 『…そうだ…ズズッ…そういえば、ひかるペンがあるって、おかあさんが…』

橘「この押入れに星を描いたんだ」

 『…これで、すこしさびしくなくなった…かも』

橘「絶対に忘れないように…」

 『へへっ、このほしはまきちゃんのほし!』

橘「…」

真姫「…」

橘「…久しぶり、まきちゃん」

真姫「…っ」

真姫「…」

真姫「久しぶり…じゅんくん…」

―――――――――――橘家、リビング

美也「いやーよかったね!感動的な再会だね!」モグモグ

七咲「それで不思議と気が合う、って言ってたんだね、真姫ちゃん」モグモグ

橘「胸のつかえがとれたよ。こんなこともあるんだなぁ…」モグモグ

橘「あ、これすごいおいしいよ!さすが真姫ちゃんはなんでもできるね!」

真姫「…当たり前でしょ。このくらいちょちょいのちょいよ」

七咲「…ふーん?」ニマニマ

美也「へー…」ニヤニヤ

真姫「なによ!」モー!

橘「?」モグモグ

美也「そういえばさ、真姫ちゃんさっきおにいちゃんのこと、じゅんくんって呼んでたよね?」

真姫「そうね。そうやって呼んでたから」

美也「ふぇー…よく覚えてるねぇ。同い年なのに、みゃーは全然覚えてないよ」

橘「それはそうだろ。美也はたまにお見舞いに来るだけだったし」

真姫「…悪いけど、私も橘さんのことは覚えてないわ」

美也「うーん…そっかぁ…」

七咲「真姫ちゃんは先輩に会ったとき、気づかなかったの?」

真姫「なんだか雰囲気は懐かしい感じがしたんだけど…まさかじゅんくんだとは思ってなかったわね」

真姫「だいたい、じゅんくんのことなんてさっき押入れを見るまで考えてなかったわよ。こんなことになるなんて思いもよらなかったわ」

七咲「ふふ…なんだかマンガみたいですね?…先輩?」

橘「…んん」

七咲「どうかしたんですか?」

橘「…真姫ちゃんにじゅんくんって呼ばれるのがむずがゆくてさ」

真姫「ぅええ!?仕方ないじゃない!慣れてるんだから!」

橘「別に呼ばれるのが嫌って言ってるわけじゃないよ!?ただちょっとさ…ほら、もう高校生なんだし…」

真姫「ヴェェ…名前で呼べっていうの…?」

橘「あ、いや、好きに呼んでくれていいよ!うん!」

七咲(真姫ちゃん、自然と名字呼びを選択肢から外したなぁ)

美也「…」

七咲「…?美也ちゃん?」

美也「…」プルプル

七咲「だ、大丈夫?どうしたの?」

美也「…!」

美也「ずーるーいー!」ガバッ

真姫「きゃっ!?」

橘「み、美也!?」

美也「にぃにばっかり名前とかあだ名とか!みゃーも名前で呼んで!」ギューッ

真姫「わぷっ、ちょっと、離しなさい!苦しい!苦しいからっ!」ジタバタ

美也「やだ!真姫ちゃんが名前で呼んでくれるまで離さない!」ギュゥゥゥ

真姫「わ、わかったわよ!美也っ!これでいいんでしょ!?」

美也「!」パァッ!

美也「うん!にししし!」パッ

真姫「はぁ…はぁ…もう…」

橘「無茶苦茶するなぁ美也…あとにぃにって呼ぶんじゃない」

美也「~♪」

真姫「ふぅ…少しは七咲さんを見習いなさいよ…」マッタクー

七咲「…真姫ちゃん」

真姫「?」クルクル

七咲「せっかくだから、私のことも名前で呼んで?」

真姫「ぅええ?」

七咲「…だめ?」

真姫「ぅ…別に、いいわ…逢」プイッ

七咲「フフッ…うん、ありがとう、真姫ちゃん」

真姫「…」クルクル

美也「さ、お昼ご飯食べちゃおうよっ!できたてなのに冷めちゃう!」パクパク

橘「調子のいいやつめ…」モグモグ

真姫「…ねぇ」

橘「?」モグモグ

真姫「ち、ちょーっとだけ、私のと交換してみたりしない?」

橘「え?でもこれ真姫ちゃんが作ってくれて…」

美也「そうだよ真姫ちゃん!それに真姫ちゃんのはみゃーの愛情たっぷりだよ!?おにいちゃんにはもったいないよ!」

橘「…なるほど」

真姫「う、ぅぅ…」

真姫「逢!は、どう…」

七咲「真姫ちゃん」ポン

真姫「!」パァァ

七咲「…」フルフル

真姫「」ガーン!

橘「あーおいしかった!ありがとう真姫ちゃん!お皿は洗っておくよ!」タッ

真姫「あ、ちょっと!」

七咲「ごちそうさま!先輩手伝いますよ!」タッ

真姫「ぅえええ…」

美也「ふんふんふーん♪ほら真姫ちゃん、食べて感想聞かせてー?」

真姫「…」

真姫「…」フー…

真姫「…」

真姫「…!」カッ!

真姫「いただきます…!」パクッ!










…マキチャン?マキチャァーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!

☆『日曜日。真姫ちゃんと七咲が帰るから、玄関で見送りくらいはしようかな…』

美也「楽しかったねー!また来てね!」

七咲「うん。次はいつにしようね?真姫ちゃん」

真姫「いつでもいいけど…ラブライブの最終予選が近いからそんなに頻繁には無理よ」

美也「あ、そっかぁ…大変だもんね、練習」

真姫「…でも、いい息抜きになったわ。…ありがと、美也、逢」クルクル

美也「~~~~!もう、かわいいなぁ!真姫ちゃんは!」

真姫「…」カァッ

七咲「クスッ…じゃあ、またね美也ちゃん」

美也「うん、ばいばい!」

真姫「…またね」フリフリ

美也「はーい!」

…バタン

美也「…」

美也「…で」

美也「にぃにはいつまでそこにいるのさ!」

橘「うわっ!?なんでここにいるのがわかったんだ!?」

美也「それはなんとなくだけど…お見送りに来たんじゃなかったの?」

橘「…まぁな」

美也「まぁなって…」

橘「だ、だって出ていきにくいだろっ!妹の友達が帰るだけなのにお見送りなんて…」

美也「それ、すっごい今更だよ…」

橘「うぐ…」

美也「それで、どうするの?まだその辺にいると思うよ?」

橘「…」

美也「…もう、ヘタレにぃにっ!」バシッ!

橘「てっ!何するんだ美也!」

美也「どうせ真姫ちゃんについて変なこと考えてうじうじしてるんでしょ!ばればれだよっ!」

橘「なっ…」

美也「早く追いかけて!言いたいことは今言ってきなさいっ!」

橘「っ…」

美也「そんな顔のにぃにと家に一緒にいるみゃーの気持ちにもなってよ!」フシャー!

橘「うぅ…」

美也「ほら、はやく!ごー!」シッシッ

橘「…でも」

美也「はー…いい?にぃに」

橘「…」

美也「こういうのはね、なるようにしかならないの」

橘「…」

美也「にぃにが何をしたって、結果はおんなじかもしれないけど…」

美也「なんにもしないで後悔しても、全然いいことなんてないんだからねっ!」

橘「美也…」

橘「…」グッ

橘「…ありがとう!行ってくる!」タッ!

美也「…」ハフー

美也「…」

美也「…にぃに、がんばれーっ!!」

―――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――

――――――――――――――

―――――――駅前

橘「はあっ、はあっ…」ゼェゼェ

橘「え、駅に着いてしまった…追いつけなかった…?」

橘「いや、追い越したかな…違う道だった可能性が…」キョロキョロ

真姫「…?」

真姫「…」

真姫「…なにしてるのよ」

橘「?」クルッ

橘「うわぁっ!?」ビクッ!

真姫「きゃっ!?」ビクッ

真姫「お、驚かさないでよっ!」

橘「ごめんごめん…まさか本当に会えるなんて…」

真姫「うぇえ?私を追いかけてきたってこと?」

橘「…うん」

真姫「…ま、いいわ。何か用なの?」

橘「…あー…えっと…」

真姫「?」

橘「…」ダラダラ

橘(しまった!なにをどう伝えるかをあんまり考えてなかった…)

橘(ど、どうすれば…)

真姫「…」

真姫「何もないなら行くけど…」

橘「あっ、待って!」ガシッ

真姫「ひぅっ!?」

橘「う、あ、ごめん…」スッ

真姫「な、なによ!話があるなら早くしてっ!」キッ

橘(うぅ…とは言われても…)

橘「ここは人の目もあるし話しづらいから…移動とか、しない?」

真姫「…いやよ。だいたい、そんな後ろめたい話なら聞くのお断りよ」フンッ

橘「そ、そんな…」

真姫「もういい?ホントに遅くなるから、帰りたいの」

真姫「話なら明日学校で聞いてあげるわよ…変なことじゃなければだけど」クルクル

橘「…」

橘(明日…)

橘(明日までに考えをまとめて…)

橘(…それでもいいかな)

 『ヘタレにぃにっ!』

橘「…う」

真姫「…?」

 『言いたいことは今言ってきなさいっ!』

橘(…思えば)

橘(美也が僕のことを思って、あんなに強い言葉を言うって初めてじゃないか)

橘(…ヘタレ、か)

橘(僕は…)

橘(…)

真姫「ねぇ、どうかし」

橘「真姫ちゃん」

真姫「ぅぇ?」

橘「…」

橘「…昨日今日は、美也の相手をしてくれて、ありがとう」

真姫「…別に、相手をしてあげたってわけじゃないんだけど」

橘「忙しい中、わざわざ泊りで遊びに来てくれてるんだから、お礼くらい言わせてよ」

真姫「…受け取っておいてあげる」

橘「ははは…あと、お昼ご飯もすごく美味しかったよ。ありがとう」

真姫「…それ二回目よ。どういたしまして」

橘「それと…」

真姫「…」クルクル

橘「…」

橘「っ」

橘「真姫ちゃんと再会できて、すごく嬉しかった!」

真姫「!」ピタッ

橘「って、昨日まであの子が真姫ちゃんだって気づかなかったけど…」

橘「それでも!…ずっと会いたかったんだ。こうしてお話しできて、よかった」

真姫「…そうね。私も、じゅんくんとこうしてお話しできて…よかった」クルクル

橘「…」

真姫「…」

橘「あと、最後にひとつだけ」

真姫「?」

橘「…」

橘「…僕は真姫ちゃんが、」

橘「っ」

橘「好き、なんだと思う」














真姫「…」クルクル

真姫「…」クル…

真姫「…」

真姫「…!?」

真姫「なっ、え!?」カァッ…

橘「…けど!」

橘「僕はまだ、小さいころの『まきちゃん』を見てるのかもしれない!」

橘「だから、返事はしなくていい!」

橘「また、気持ちの整理がついたら、改めて想いを伝えるよ!」

真姫「え、ちょっと…え?」

橘「話おしまい!じゃあ、気を付けて帰ってね!」ビッ!

真姫「ちょっと!待ちなさいよ!待ちなさいってばぁ!」

橘「待たないよっ!恥ずかしいじゃないかっ!」タッ!

真姫「もー!私はアイドルなんだからっ!恋愛禁止なんだからーっ!」

真姫「~~~~~~~~~~!!」

真姫「いみわかんないっ!!!!!」ウガー!







橘(…こうして、激動の休日は終わった)

橘(言いたいことはちゃんと言えたし、文句なしかな!)

橘(…)

橘(…なるようにしかならない、か)

橘(…がんばろう)

『一方その頃…』

―――――西木野家、真姫の部屋

真姫「…」ゴロン

真姫「…」

真姫「…」

真姫「…!」

真姫「~~~~~!!」

真姫「~~~~~…」

真姫「…」

真姫「…」ハァ…

真姫(まったく…あんなこと言って逃げるなんて…)

真姫(どうかしてるわよ!なんで私がこんなにならなきゃいけないのよっ!)

真姫(…)

真姫「好き、かぁ…」

真姫(中学の頃は、結構告白されたけど…)

真姫(…こんな風にはならなかったわね)

真姫「…」

真姫「…」

真姫「…!」ボフッ!

真姫「もー!!!!!」

真姫(なんなのよーーーーーーーーっ!!!!)

デアイ終わり、次の投下からアコガレです。

まきちゃんも大将も、
お前だれだよ!
みたいな感じになっちゃってませんかね

ラブライブの再放送見てから
今までより更にすっごく書き辛くなったのは
あるのかもしれませんしないのかもしれません…

ではまた

~アコガレ~
『屋上でダンス練習かぁ…美也もいるみたいだけど、どうしようかな…』

橘(真姫ちゃんに告白みたいなことをして、少し経った)

橘(相変わらず七咲や美也、梅原と楽しく過ごせてる…気がする)

橘(結局あれ以来、真姫ちゃんとそういう話はしていない)

橘(まだ…もうちょっとだけ悩みたいんだ)

橘(もうちょっとだけ…)

橘(…)

―――――放課後、屋上

真姫「ハッ…!フッ…!」ババッ

美也「1!2!3!4!」パン!パン!

真姫「…!…!」バッ

美也「はい、そこでポーズ!」

真姫「はいっ!」キラリン!

美也「おぉ~っ!お疲れ真姫ちゃん!はいこれお水!」サッ

真姫「ありがと、美也。悪いわねつき合わせちゃって」パシッ

美也「ううん!真姫ちゃんのダンス、見るの楽しいし気にしないで!それに…」

真姫「?」

美也「友達だもん!このくらいはね!」グッ!

真姫「ぅ…そう」カァッ

美也「あ、照れてる照れてる♪かわいいなぁ真姫ちゃんは~」ニシシ

真姫「からかわないでっ!」モー!

橘「…」ボーッ

美也「…むむ」グリグリ

真姫「…美也。私に抱きつくのやめなさいよ。汗かいてるんだから」

美也「んー?んんー…」

真姫「ちょっと、聞いてるの?」


美也「…ねぇ真姫ちゃん」

真姫「? なによ」

美也「おにいちゃんと何かあった?」

真姫「ぅええっ!?」ビクッ!

美也「あったんだ…まぁそれはそっか。あれだけ言えば流石のにぃにも何かはするよね…」ウーン

真姫「私何も言ってないんだけど…」クルクル…

美也「そんなの言わなくてもわかるよ。真姫ちゃん今身体がビクビクッ!ってしたし」

真姫「ヴェェ…」

美也「おにいちゃんはあんなだし」

橘「…」フゥ…

美也「わざわざダンス見に来たーって言ってたのに、柵にもたれて景色なんて見ながらため息―って…」

真姫「…」

美也「はぁ…しょーがないなぁ」パッ

真姫「あっ…」

美也「おにいちゃーん!真姫ちゃんのダンス、録画一緒に見ない~?」ブンブン

橘「んー…」

美也「…ダメだぁ、聞こえてなさそう…」

真姫「ああいうときの反応、美也とそっくりよね。兄妹って感じがするわ」

美也「ぇえ!?それはショックだよ!みゃーはあんなにヘタレじゃないもん!」

真姫「ヘタレって…何の話よ…」

美也「うーん…あんまり口出ししてもしょーがないし…みゃーもこれ以上はちょっと嫌なんだよねー…」ブツブツ

真姫「…」クルクル

橘「…」ボーッ

真姫「…」ジッ

真姫「…」

真姫「…!」カァッ!

真姫「~~~~~!!」ブンブン

真姫「美也!休憩終わりよ!また最初からお願い!」

美也「ふぇ?ああ、はいはい!用意するねー!」




橘「…」

橘(昔じゃなく、今の真姫ちゃん…)

橘(真姫ちゃんはアイドル)

橘(恋愛禁止なんて、当たり前の話だ)

橘(…スクールアイドル)

橘(やっぱり在学中は活動していくのかな)

橘(もしかしたら、卒業後の進路なんかも…)

橘(あの時は勢いで好きだなんて言っちゃったけど)

橘(僕にその夢を邪魔する権利なんてあるのか…?)

橘(…だからこそ断られる理由にもなるし)

橘(そもそも勝算はあるのか…?)

橘(そうだよ!邪魔も何も、断られたら終わりな話…)

橘(僕にしてはポジティブに考えすぎてた…)

橘(…)

橘(うー…ん…)

橘(将来、か…)

橘(…)

橘(ああ…)

橘(もし仮に)

橘(仮にだ)

橘(真姫ちゃんは家を継ぐとして)

橘(そしたら…)

橘(もしかして日常的にナース服!?)

橘(…いや、継ぐなら女医か…)

橘(白衣の真姫ちゃん…)

橘(『仕方ない人ね…ほら、診察するから上脱いで』)

橘(『っ…診察よ!あくまでも診察のため!何考えてるのよ!』マッカッカ)

橘(…)

橘(…いい)デレッ




美也「1!2!3!4!」パンパン!

美也「ごー…」ピタッ

美也「…」

美也「あちゃー…」

美也「…あの顔は絶対脱線してるよ…まったく、えろにぃに…」ヤレヤレ

真姫「美也っ!手拍子っ!」

美也「…へ?うわわ!ごめんごめん!」



橘(ああっ!でもナース服も捨てがたい!また真姫ちゃんに聞いてみるとしよう!)ムフッ


アコガレ突入でした。

こういう大将はさらさら書けるんですよね
もっと女の子のかわいい姿とさらさら書けるようになりたいです

ではまた

『あれは真姫ちゃん…?ちょうどいい、白衣かナース服かどっちがいいか聞いてみよう!』

――――休み時間、自販機前

橘(えーっと…)チャリンチャリン

橘(ホットコーヒー…っと)ポチッ

ガコン!

橘「…」ヒョイ

橘(あー…コーヒーってカイロ代わりになるよね…すぐ飲むんじゃ熱いくらいだし)

ヒュゥゥ

橘(…寒いし早く教室に戻ろう)スタスタ

橘(…)

橘(…ん、あれは)

真姫「…」スタスタ

橘「真姫ちゃん!」タッタッ

真姫「え?」クルッ

橘「奇遇だね!こんなところでどうしたの?」

真姫「こんなところって…この格好見てわからない?次、体育だから校庭に移動してるのよ」

橘「それもそっか、確かに体操着…」

橘「…!」ハッ!

真姫「…?」クルクル

橘(…輝日東の体操着は…上は普通だけど下はブルマ…)

橘(残念ながら真姫ちゃんはジャージ着用だが…ふむ…)

橘(…)ニヘッ

真姫「…こら」ビシッ

橘「あてっ!」

真姫「今何かいやらしいこと考えてたでしょ?そういうの、すぐわかるんだから。やめて」

橘「そ、そんなそんな、いやらしいことなんて…ねぇ?」

真姫「誰に同意を求めてるのよ…」

橘「それはもう、真姫ちゃんに…」

真姫「はぁ?支離滅裂もいいところよ。なに言ってるの?」イミワカンナイ

橘「うぐ…今日はなんだかいつになく辛らつだね…」

真姫「いつも通りよ」クルクル

橘「いや、そんなこと…あるかな…」

真姫「ハァ…そろそろ行くわね。美也に昇降口で待っててもらってるし」ヒラヒラ

橘「あー…うん…」

橘(うーん…)

橘(…なんだか勝負に負けた気分だ。悔しいなぁ)

真姫「…」スタスタ

橘(…)

橘(!)ピーン!

橘「真姫ちゃん!」

真姫「?」クルッ

橘「ナース服と白衣、どっちが自分に似合うと思うー?」

真姫「はぁ!?な、なによそれ!」

橘「僕はどっちも捨てがたいけど、そのジャージに隠されてるブルマも気になるよ!」

真姫「!?」カァッ

橘(…よし!決まった!)グッ

真姫「~!」

真姫「知らない!」プイッ!タッタッタッ…

橘「ふっふっふ…完勝だ!」ビシッ!

橘「…」

橘(僕は何をしてるんだ…)

橘「…」

橘「教室に戻ろう…」スタスタ…

『今日の放課後は七咲に呼ばれてるんだった…プールに行こう!』

――――――放課後、プール

七咲「どうも、先輩。来てくださってありがとうございます」

橘「うん、予定もなかったしいいんだけど…」

七咲「けど、なんですか?」

橘「…どういう風の吹き回しでこうなってるんだ?」

七咲「どうって…」

七咲「…ああ、のぞきの常習犯をわざわざ呼んで、ってことですか?」

橘「うぐ…ま、まぁ…」

七咲「ふふっ…たしかにそうですね。では今日はもういいです。お引き取りください」

橘「そんな!?呼んでおいてそれはあんまりだ!」ガーン!

七咲「クスッ…冗談ですよ。実はですね、タイムを計っていただきたくて」

橘「タイム…?そんなのたくさんいる水泳部員にやってもらえばいいじゃないか」

橘「…ん?そういえば今日はどうしたんだ?いつもならもうみんな練習してる頃だろ?」

塚原「なんでいつもの練習開始時間を知ってるのよ…」

橘「うわぁっ!?」ビクッ!

塚原「そんなに驚かなくてもいいじゃない」

橘「そんな急に登場したら誰だって驚きますって!」

七咲「塚原先輩。タイム計ってくれる人、連れてきましたよ」

塚原「…橘君?てっきり美也ちゃんが来ると思ってたんだけど…」

七咲「美也ちゃんは紗江ちゃんと真姫ちゃんとどこか行くって言ってたので」

塚原「代打ってことね…」

橘「あの、そろそろワケを教えてくれませんか…?」

塚原「ああ、ごめんなさい。実は、水泳部で風邪が大流行しちゃって。七咲以外は休むって連絡があったのよ」

橘「塚原先輩は…」

塚原「私もこれから進路についての面談があるから抜けなきゃいけなくて…」

橘「なるほど…」

七咲「大会も近いので、練習はしたいなぁと思いまして」

橘「そっか…うん、そういうことならわかりました!七咲の面倒は見ておきましょう!」

七咲「面倒を見るって…」

塚原「クスッ…ありがとう、橘君。それじゃあ、よろしくね」フリフリ

スタスタ…バタン

橘「…」

橘(塚原先輩っていい人だよなぁ)

橘(スタイル良し性格良し頭脳明晰容姿端麗!)

橘(ただちょっと近寄りがたい雰囲気を醸し出してて…)

橘(それもまた良し!)

橘「…」ウンウン

七咲「…なにやってるんですか。ストップウォッチ持ってください」

橘「…」

橘「…はい」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――

橘「…ついたっ!」カチッ

七咲「ぷはぁっ!」ザバン!

橘「…おおっ!すごいぞ七咲!今日一番速い!」

七咲「見せてください… …まぁまぁ、ですかね」

橘「まぁまぁって…これでも足りないのか。すごい世界だな…」

七咲「それほどでもないんですけど…さて、今日はそろそろ切り上げます。ありがとうございました」

橘「どういたしまして。七咲もしっかり感謝できる子になってて僕は嬉しいよ」

七咲「どういう意味ですかそれ…」

橘「初めて会ったときの七咲はこう…ツンケンしてたし」

七咲「ツンケンって…そんなこともないと思うんですけど」

橘「いやいや、あの頃の七咲は尖ってたよ…」

七咲「そんなに変わりませんって…あ、片付けと戸締りはやっておくので先に帰ってもいいですよ」

橘「んー?せっかくだから待ってるよ。途中まで一緒に帰ろう」

七咲「そんな、悪いですよ。もう結構遅いですし」

橘「いいっていいって!ほら、片付けして校門で待っとくから七咲は着替えてきなよ」

七咲「…わかりました。どうも」

タッタッタッ…

橘「…よし、片付けるか」

――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――

―――――――校門

橘「…」ボーッ

七咲「お待たせしました…」

橘「…」

七咲「…先輩?」

橘「…ん、七咲。帰ろうか」

七咲「はい…どうかしたんですか?」

橘「…別に、どうもしないよ?」

七咲「…そうですか」

橘「ああ。…そうだ、駅前においしいメロンパンの店が出てるんだ。寄っていかないか?」

七咲「…仕方ないですね。行ってあげてもいいですよ」

橘「よし!そうと決まれば早く行こう!」

七咲「…はぁ」

―――――――駅前のベンチ

橘「焼きたてなんて運がよかったな!」モグモグ

七咲「そうですね。ほかほかで美味しいです」ムグムグ

橘「…」モグモグ…

橘「…」モグ…

橘「…」

七咲「… …?あの、先輩」

橘「…んー?」

七咲「やっぱりおかしいですよ。なにがあったんですか?」

橘「んー…なんにもない、けどさ」

橘「最近町がクリスマスっぽくなってきたなぁって」

七咲「はぁ…」

橘「…」

橘「七咲は」

七咲「はい?」

橘「クリスマス、美也たちと過ごすって言ってたよな?」

七咲「…まぁ、そうですね」

橘「…それで、さ」

七咲「…」

七咲「…もしかして、真姫ちゃんと何かあったんですか?」

橘「ぇえっ!?な、なんで!?」

七咲「わかりやすい…やっぱりですか。おかしいと思いました」

橘「やっぱりって…」

七咲「で、なにをやらかしたんです?」

七咲「どうせまたセクハラまがいの冗談でもして怒られたとか」

橘「…」

橘「…実は、」

七咲「…?」

橘「…」

橘「…っ」

橘「…」

橘「…僕、真姫ちゃんのことが」



…――――――――――――好き、なんだと思う。


七咲「っ…え?」

橘「…」

七咲「…」

七咲「そっ…!」

七咲「…」

七咲「そう、ですか」

橘「うん…」

七咲「…」

七咲「…」グッ…

七咲「…」

七咲「…まぁ、そんなことだろうなとは思ってましたけど」

橘「この前、家に遊びに来ただろ?」

七咲「はい」

橘「あの時、真姫ちゃんが帰るのを追いかけて」

橘「…告白、みたいなことをしたんだ」

七咲「…!」

橘「いや、告白でも何でもなかったかもしれないけど…とにかく、そんなようなことを」

七咲「よくわかりませんけど…それで真姫ちゃんも様子がおかしかったんですね」

橘「やっぱり、迷惑かけてるよね…」

七咲「…惚れた腫れたに迷惑もなにもないですよ」

橘「…場合によるさ。真姫ちゃんはアイドルだから」

七咲「だったらあきらめて手を引けばいいじゃないですか」

橘「それはっ…」

橘「…そう、だけど」

七咲「っ…」

七咲「…」

七咲「…私っ」

橘「…?」

七咲「ッ…」

七咲「…」

七咲「…いえ、なんでもないです!」スタッ

タッタッタッ…クルッ

七咲「ヘタレの先輩はずっとそうしてればいいんですよっ!」ベー

橘「なっ…」

七咲「今日はありがとうございました!メロンパンおいしかったです!」

橘「おい、七咲…!」

七咲「…もっと」

橘「ぇ?」

七咲「もっと自分の行動に責任を持ってください!それでは!」

タッタッタッタッ…

橘「な、七咲!?それってどういう…」

橘「…行っちゃったか」

橘「…」

橘(自分の行動に責任を…か…)

橘(…美也といい七咲といい)

橘(…)

橘(僕ってかっこ悪いなぁ)

橘(…)

橘「…よしっ!」パン!

橘「…帰ろう」

七咲ってどんな子でしたっけ

ね!

ということで、
そろそろスキかナカヨシか決めたいと思いますが…

どうせスキですよね?
スキにしますね

ではまた

『音楽室に鍵がかかってないし荷物もあるのに誰もいない…?そのうち戻ってくるかな…』

――――――放課後、音楽室

ガラッ

橘「-…?」

橘(あれ?誰もいない…)キョロキョロ

橘(真姫ちゃんの荷物と…美也のもある。お手洗いとかかな?)

橘(…椅子と机があるし、宿題でもして待ってよう)

橘「…」ガタ…

橘「…」トサッ

橘「…」ガサゴソ…

橘「…」ペラペラ

橘「…」カリカリ…

橘「…」カリカリ…

橘「…」カリ…

橘「…ふぁ~…ぁ…」クァ

橘「はぁ…」

橘(予想以上に眠い…ちょっとだけ寝ようかな…)

橘「…」コテン

橘「…」

橘「…」スヤ…


――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――

―――――――――――

橘「…」

橘「…」パチッ

橘「ん…」ムクリ

真姫「…」カリカリカリ…

橘「…あれ…真姫ちゃん…?」

真姫「あら、起きたの。ずいぶんとぐっすり眠ってたわね」

橘「んー…」

橘「…え!?今何時!?」

真姫「もうすぐ最終下校時間よ。よかったわね、間に合って」パタッ

橘「そ、そんなに寝てたのか…!」

真姫「起こすのも忍びないくらい安らかだったわよ」クスクス

橘「うぅ…ちょっとだけのつもりだったんだけどなぁ…」

真姫「…さて、誰かさんのおかげでこんな時間だし、そろそろ帰りましょうか」ガタッ

橘「うん…ああ、宿題結局やれてないや…」トホホ…

橘「…そういえば真姫ちゃんは何を書いてたの?」

真姫「数学の問題集解いてたのよ。ピアノを弾きに来たのにどこかの誰かさんが寝てるから仕方なく……」

橘「えっ!?僕が起きないように気を使って!?」

真姫「なっ…!」

真姫「…」ム…

真姫「っ…そ、そうよ!あなたのせいで全然練習できなかったんだから!」

橘「そっか…ごめん、真姫ちゃん…悪いことしたね…」シュン

真姫「ぁ…」オロオロ

橘「…?」

真姫「ぅ…なんでもないわよ!ほら、もう出るから支度してっ!」ウガー!

橘「は、はいっ!!」ビクッ

真姫「まったくー…」

―――――――音楽室の外

真姫「忘れ物、ないわね?」

橘「大丈夫だよ」

真姫「はい、よろしい」ガチャリ

真姫「それじゃあ、私は鍵を返してくるから。またね」ヒラヒラ

橘「うん!」

橘「…うん?」

橘「え?一緒に帰らないの?」

真姫「ぅええ?」

橘「外で待ってるから一緒に帰ろうよ!…あ、それとも僕が鍵返してこようか?」

真姫「なっ、いいわよ別に!二人で帰るって…なんだか…」ゴニョゴニョ

橘「…?じゃあ僕、先に行って待ってるよ」

真姫「…は?ちょっ、ま、待ちなさいよっ!こらー!」

――――――校門

橘「…!」

橘「おーい真姫ちゃーん!」ブンブン

真姫「…!」スタスタスタ

橘「早かったね!さ、帰ろ」

ゴスッ

橘「痛っ!?」

真姫「大声で呼ぶとか、恥ずかしいからやめて!」

橘「うぅ…容赦ないなぁ…」サスサス

真姫「っ…ほら、さっさと帰るわよ!ぐずぐずしてたら置いていくから!」スタスタスタ…

橘「ええっ!?歩くの速っ!待ってよ真姫ちゃん!」タッ…

―――――――帰路

橘「それにしても今日、真姫ちゃん一人だったんだね」

真姫「一人…?」

橘「うん。最初美也の荷物も音楽室にあったから、あいつもいるのかと思ってたけど」

真姫「ああ、美也なら先に帰ったわよ。『お兄ちゃん起きないねー…みゃーもう帰ろっかなぁ』って」

橘「…!」

橘「真姫ちゃん、もう一回お兄ちゃんって…」

真姫「言わないわよ!何考えてるのよ!」

橘「そこをなんとか…」

真姫「無理。いみわかんない」

橘「そっか…」

橘「そっか…」

真姫「…」

真姫「…だって」モゴモゴ

真姫「…兄妹じゃ、ないもの」ボソッ

橘「それはそうだけどさぁ」

真姫「っ!?聞こえてた!?」

橘「え?うん、まぁ」

真姫「ぅええ…」カァァッ

橘「?」

橘「…あ、ほら見て真姫ちゃん」

真姫「ぅぅ…なによ」

橘「あれ。一番星だよ」スッ

真姫「… 本当ね」

橘「きれいだよね…金星だっけ」

真姫「…あれは金星だけど、別に一番星イコール金星ってワケじゃないのよ」

橘「へぇ…?」

真姫「そもそも一番星っていうのは学術用語じゃないわ」

橘「違うの?」

真姫「ただその人がその日最初に見た星のことを指す単語なのよ」

橘「じゃあ、季節によって違ったりするんだね」

真姫「ええ。でも夕方に金星が見える場合は、やっぱり目立つ明るさだから一番星は金星になりやすいかもしれないわ」

橘「ふーん…ふふふっ」クスッ

真姫「…?なに?」

橘「ふふっ…いや、まるで子どものころと同じだなって。真姫ちゃんに解説してもらって、感心しながらうなずいて…」

真姫「…ふふふっ、そうね。あなたはすっかり忘れてたみたいだけど」

橘「星を見たのは覚えてるよ…というか、今でもたまに夢に見てたんだ」

真姫「夢に?」

橘「はっきりと思い出したのはこの前真姫ちゃんたちが家に来たときだけど」

橘「そのずっと前から、冬になると必ず見るんだ」

橘「…小さな赤毛の女の子と二人で、建物の屋上から星を見る夢」

真姫「…」

真姫「…そう」クルクル

真姫「…」

真姫「また」

橘「?」

真姫「…またああやって、ゆっくり星を見れたらいいわね」

橘「…うん、そうだね!」

真姫「今度はこんな都会じゃなくて、もっと光源の少ないところで…」

橘「…そっ」

橘「…」

橘「…それはさ」

真姫「…?」

橘「…」

橘「…2人で、かな」

真姫「…」

真姫「クスッ…」

真姫「あなた次第、かもね」

橘「ぇ…あ…」

真姫「…じゃあ、私こっちだから。また明日」

橘「ぁ……うん…」

真姫「ふふっ…」クルッ

スタスタスタ…

橘「…」

橘「…」

橘「っは…」

橘「…」

橘「なんだあれ…かわいすぎる…」

橘(…)

橘(去り際にちらっと見えた耳…)

橘(…真っ赤だったなぁ)

橘(…)

橘「う、」

橘「うおおおおおおおおおおおお!」ダッシュ!

橘「うああああああああああああああああああああ!!!!!!」ダダダダダダッ



橘(こうして、叫びながら家に帰った)

橘(いやー…一緒に帰ってよかった!)

橘(なんにも解決してないけど、いい日だったな!)

橘(美也には気持ち悪い顔してるって言われたけど)

橘(それくらいはいいだろう!良しとしよう!!)

橘(…)

橘(まきちゃん、か…)

『失ったお宝本を求めて旅を…どこにあるんだろう…』

――――休み時間、教室

橘(フレッシュ水着学園を失くしてからというものの)

橘(心の拠り所を失ってしまった梅原は心身ともに限界まで衰弱していた)

橘(僕の超お宝であるローアングル探偵団でも埋められない心の傷が)

橘(彼をここまで追いつめているとは思いもしなかった…)

橘「…っていうモノローグでいいかな」

梅原「ああ…だいたい合ってる」

橘「梅原…すまなかった…」

梅原「大将は悪くねぇさ…少し目を離した隙にきれいさっぱりなくなるなんて…どうしようもねぇ…」

橘「ううっ…優しい、優しすぎるぞ梅原…」

梅原「ははは…どうってことない、親友だろ…」

橘「う、梅原ぁ…」

梅原「…ああ、ははっ…でもよ…贅沢言えるなら…」

梅原「死ぬ前にもう一度、23ページのピンナップ…」

梅原「見たかっ…た…」ガクッ

橘「…梅原?おい、嘘だろ…」

梅原「…」

橘「梅原!梅原!」

梅原「…」

橘「梅原ぁあああああああああああ!!!!」

橘「くっ…くそっ!こうなったら、やってやる!」キッ

橘「命に代えても…お前のフレ水は…」

橘「見つけ出してみせる!待ってろ梅原!」ダッ!

棚町「…」ジトッ

棚町「…あのさぁ」

梅原「…なんだ、棚町」

棚町「純一は待ってろって言ってたけど、あんたは今死んだの?死んでないの?」

梅原「…無粋だな、女ってのは」

棚町「なにカッコつけてんのよ」ゴチン!

梅原「ぐはっ!」

―――――――1年生教室前

橘(…意気込んだはいいけど、まったくアテがない)

橘(学校中をうろうろしてるだけじゃ無駄だよなぁ…)

美也「…あれ?」

七咲「え?」

紗江「へ?」

橘(聞き込み…もなにも、知らない人にお宝本の在り処なんて聞けないしなぁ…)

橘(うーん…)ウロウロ

七咲「…先輩?こんなところでどうしたんだろ」

美也「うーん…どうせロクでもないことじゃないかな?」

紗江「どうせって…決めつけすぎだよ美也ちゃん」

美也「えぇー?紗江ちゃんはお兄ちゃんに甘いからなー」

紗江「ふ、普通だと思うけど…」

橘「…」

橘「…!」ブンブン

七咲「あ、こっちに気づいた」

美也「もー…恥ずかしいなー…」

紗江「仲良しでいいよね、先輩と美也ちゃん」

美也「んー…ノーコメント…」

橘「おーい!七咲に中多さんに美也!奇遇だね!」

七咲「奇遇もなにも、私たちの教室の前なんですけど…」

紗江「お久しぶりです、先輩」

橘「久しぶり!また大きくなったね!」

紗江「ふぇっ!?そ、それは…」カァッ

美也「こら!何言ってるのさバカにぃに!」

七咲「会うたびにセクハラするのやめてあげてください、先輩」ジトーッ

紗江「う、うぅ…」

橘「挨拶みたいなものなんだけど…」

七咲「仲良くなる過程を知らない人が見たらただの事案ですよ」

美也「そーだよ!反省しなさい!」ビシッ

橘「うっ、ごめんごめん」

紗江「い、いいんです…私がうろたえすぎなんですぅ…」

橘「う…」

美也「ほーら、悪いことしたなーって思ったでしょ!まったく…」

七咲「で、先輩はセクハラするためにここに来たんですか?」

橘「い、いやいや。まさかそんなわけないじゃないか!」

美也「じゃあ何しに来たのさ!」

橘「なにって…」

橘(言えるわけないだろっ!)

美也「んんー?怪しい…何か隠してるなー…」

橘「うぐ…」

橘(鋭い…!さすが我が妹…!)

橘(なんとかしてごまかさないと…)

七咲「…あ、もしかして」

橘「!」ビクッ!

七咲「真姫ちゃんに会いに来たんじゃないですか?」

橘「…!」

橘(それだっ!)

橘「…ばれちゃ仕方ない」

美也「え?」

橘「実はそうなんだよ!真姫ちゃんに一目会いたくてさー!」

紗江「真姫ちゃんに…?」

美也「紗江ちゃん!」ガバッ

マエニイッタデショ!マキチャンノコトヲ…ゴニョゴニョ

橘「…?」

紗江「…なるほど、そういうことですか」

橘「へ?なにがかな…」

紗江「ふふっ、頑張ってくださいね!先輩!」

橘「う、うん、ありがとう…?」

七咲「…」

美也「でも残念だったねお兄ちゃん!真姫ちゃんはここにはいないよ!」

橘「そういえば見当たらないな…」キョロキョロ

七咲「…最近休み時間はそそくさとどこか行っちゃうんですよ。カバンまで持って…」

橘「ふーん?」

紗江「ついてこないでって言われてるから追いかけるのも悪いので…」

美也「絶対秘密の特訓だよ!屋上の方に向かってたし、みゃーの予想は特訓!」

橘「屋上なぁ…」

美也「あ、お兄ちゃんも行ったらダメだよ!みゃーだって我慢してるんだから!」

七咲「美也ちゃんは真っ先に行こうとしたけどね…」

紗江「止めるの大変だったよね」

美也「気になるのは気になるんだもん…しょーがないじゃん…」

紗江「人が嫌がることはしちゃだめだよ?美也ちゃん」メッ

七咲「説得力が…」

橘「…」

橘(…はっ!)

橘(もしかして、なんだかうやむやになってる今ならここから脱出できるんじゃないか!?)

橘(そうと決まれば…)

橘「…あー!真姫ちゃんいないんだったら教室戻ろうかな!ありがとうみんな!」タッタッタッ…

七咲「ちょ、先輩?…行っちゃった。なんだったんだろう」

美也「よくわからないけど、ごまかしてすぐ逃げる…情けないお兄ちゃんだなぁ…」

紗江「あはは…」

途中ですけどすごく眠いので続きは明日です
すみません

紗江ちゃんは実は攻略したことないんですよ
いつかしっかり書く時までにプレイしときます

ではまた

―――――屋上

橘「…さて」

橘(中多さんはああ言ってたけど、気になるのは気になるっていう美也の気持ちもわかる)

橘(…だとしたら、僕がすることなんて決まってるじゃないか!)

橘(臆するな橘純一!進めば道は開けるものさ!)

橘(いざ…!)

ガチャ…キィィィ…

橘「…」

橘「あれ?誰もいない…」

橘(おかしいなぁ…美也達も偽の情報をつかんだってことか?)

橘(うーん…仕方ない)

橘(せっかくだからあの教室のお宝本だけ確認して教室に戻るか)

橘(無差別お宝本窃盗団とかいたら僕のも危ないしな…)スタスタ

橘「…」キョロキョロ

橘(…よし、誰もいないな。ここのこの辺を…)ヒョイッ

真姫「…!」ハッ!?

橘「…」

真姫「…」

橘「…んな」

真姫「黙って!」ガバッ

橘「ムグッ…!?ムッグー!」

真姫「おとなしくしなさい!このっ!」ビシッ!

橘「ムググ…ぷはっ、痛い!なにするんだよ真姫ちゃん!」

真姫「うるさい!こ、こんなところ見られたら私は…私は…」ウルッ

橘「え!?ちょっ」

真姫「…!泣いてないわよっ!」グシグシ

橘「なんにも言ってないだろ!?落ち着いてよ真姫ちゃん!」アタフタ

真姫「う、うぅぅ…」

真姫「うぇぇ…」グスグス

橘「え、な、なんで!?よくわからないけどごめん!ごめんって!」アワアワ

真姫「悪くないのに謝らないでっ!」グスッ

橘「えぇー…どうすれば…」

橘「…ん?」

橘(真姫ちゃんが持ってるのは…まさか…)

橘「…あーっ!フレッシュ水着学園メモリアル!!!」

真姫「ぅ…」

橘「な、なんで真姫ちゃんが!?もしかしてあのとき持って行って…」

真姫「それ以上言わないで…わかった…白状するから…」ゥェェ…

橘「う、うん…」

真姫「…そう、私よ。このえ…っちな本を盗んで、最近こっそり屋上の影の階段で読んでた…」

橘「なんで真姫ちゃんが…はっ!もしかして…女の子のことが…!?」

真姫「違うわよっ!」

橘「そ、そっか…ならなんで…」

真姫「…」

真姫「勘違いされたくない…から、この際ちゃんと言うわ…」

橘(女の子がお宝本を読む理由…なんだろう…)

橘「…」ゴクリ

真姫「…ガ…ッテ…タノヨ」ボソボソ

橘「え?」

真姫「…っだから!」

真姫「男の子が興味を持つ女の子ってどんなのか知りたかったのよっ!」

橘「え」

橘「えぇぇぇっ!?」

真姫「っ…」カァァッ

橘(そ、そんな理由でお宝本を…!)

橘(真姫ちゃん…上級者…いや、達人の域に…)

橘「…?」

橘「でもさ」

真姫「ナニヨ…」

橘「それなら、ファッション誌とかの方がしっかり書いてあるんじゃない?モテる格好とか…」

真姫「…!」

真姫「~~~~!」

真姫「~~~~~…」

真姫「…」ハァ…

真姫「…あなたってそういう人だものね」

橘「?」

真姫「いい?こんなこと言うの、最初で最後かもしれないんだから、よーく聞きなさいよ?」

橘「うん?」













真姫「…私は!」

真姫「あなたの…」

真姫「…じゅっ」

真姫「じゅん…っくんの興味を引く女の子が気になったのよっ!」カァッ









橘「えっ」

橘「ええええっ!!!」

真姫「ハァ…ハァ…き、聞いてた?」

橘「ばっちり…聞いてたけど…」

真姫「…じゃあ、私は教室戻るから」フラフラ

橘「なっ…そんな、ちょっと…」

真姫「っ!もどるからっ!またねっ!」ダッ!

タッタッタッタッ…

橘「うわっ!速…」

橘「行っちゃったよ…」ポツン

橘「…」




橘(…ん?)

橘(今の真姫ちゃんの発言…)

橘(…もしかして、もしかする…?)

橘(…)

橘「…!」カァッ

橘「…」パタパタ

橘(熱っ!…か、勘違い、じゃないよね?)

橘(…うぅぅ)ドッドッドッドッ…

橘(と、とりあえず僕も教室に行こう…授業が始まっちゃうよ…)スタッ

橘(…)ドキドキ

橘(ち、ちくしょー…完全にやられちゃったよ…まいったなぁ…)

タッタッタッ…

言い逃げしあいすぎィ!

全体的に「」の前の橘を穂乃果に変えても
不思議としっくりくる感じしません?

それはともかく
西木野さんのアコガレパートはすごく独特なものになってます。
キャラが違う!とかありましたら存分にご意見いただけると幸いです。
努力させていただきます。

短い投下ですみません

ではまた

『僕は真姫ちゃんをどう思っているのか…もう、答えは出てるはずだ』

橘(あの後、真姫ちゃんが置いていったお宝本を梅原に渡し、)

橘(名探偵やら紳士警察やら言われた)

橘(出所については、廊下の端に落ちていたことにして、真姫ちゃんの名誉は守った)

橘(…真姫ちゃん)

橘(屋上での言葉は、僕を揺さぶるのに十分すぎる効果を発揮したよ)

橘(さすがは真姫ちゃん!現役スクールアイドル…)

橘(…)

橘(アイドル、か…)

橘(…)

橘(…)

橘(…いつまでもうじうじしてる場合じゃない)

橘(そう決めたろ…!)

――――――橘家

橘「ただいまー…」

橘「…」

橘「…」

橘「ぬああああああああああ!!!!!」

橘「なんで僕は帰ってきたんだっ!!」ゴロゴロゴロ

橘(今日は音楽室に行って真姫ちゃんとお話しするって決めてたじゃないか!)

橘(この!この!ヘタレ!ダメ人間!)

橘「…」ピタッ

橘「…」ハァ…

橘「あー…あー…」

橘(…自分が嫌になるなぁ)

橘「…」

橘(そもそも、僕はなにが怖いんだ?)

橘(フラれることか…それとも、相手がアイドルってことか…)

橘(…)

橘(…あと一歩)

橘(真姫ちゃんっていう女の子に、踏み込む勇気…)

橘「…」

橘「勇気…」

橘「…ああ」

橘「そうか…」

橘(…僕は、自分勝手になれていないんだ)

橘(惚れた腫れたに、迷惑も何もない)

橘(七咲の言う通りだ。感情に、言い訳したって仕方ないんだ)

橘(…認めよう。僕は真姫ちゃんが好きで…)

橘(ただ、一緒にいたいってことを)

橘(そして…)

橘(真姫ちゃんのすべてを)

橘(僕が背負うって覚悟を…!)

橘「…」グッ

橘「よし!」スクッ

橘「まずはこのみなぎるパワーのやりどころがないからランニングでもしよう!」

橘「うおおおおおおおお!!!僕はやるぞっ!」バッ!

――――――河原

美也「ふぃー、今日もいい汗かいたね!」

真姫「美也はなにもしてないでしょ。カウントしてただけじゃない」

美也「そういうこと言うんだ!手伝ってあげたのにぃ」

真姫「う…それは、その…」

美也「にししっ♪じょーだんじょーだん!このくらいするの当たり前でしょ?友達だもんね!」

真姫「ぅ…そ…そう、ね…」カァッ

美也「照れない照れない♪…あ!ほら、真姫ちゃん!夕焼けがきれいだよ!見て見て!」

真姫「え?…本当。きれいね…」クルクル

美也「ふぁー…今度は逢ちゃんと紗江ちゃんとも一緒に見に来ようね!」

真姫「夕焼けを?天気が良くないといけないから、難しそうね」クスッ

美也「それもそうだね…見計らって来ない…と…ね?」

真姫「…?どうかした?」


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

真姫「…なに、この声」

美也「…向こうの岸、走ってる人がこっちに来るよ!あの人かな?」

真姫「あれって…」

美也「…!!」

ウオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!

美也「…見なかったことにしよ」

真姫「…そうね」

真姫「…ハァ」チラッ

真姫「…なんでよりにもよってあんな人が…意味わかんない」ゴニョゴニョ

美也「んー?なにか言った?」

真姫「なっ、なんでもない!ほら、駅前行くんでしょ?遅くなっちゃうわよ」スタスタ

美也「そうそう、逢ちゃんが言ってたメロンパンのお店がー…って真姫ちゃん歩くの速いよ!待って~!」タッタッタッ…

『僕はやるぞ!前向きに、前進あるのみだ!』

―――――休み時間、1年生教室前

橘「…」ソワソワ

ガラッ

橘「!」

七咲「へー、夕焼けかぁ」

美也「きれいだったよ!今度みんなで見に行こうね!」

真姫「次晴れる日っていつなのかしらね」

橘「真姫ちゃん!」バッ

真姫「ぅえ!?」

美也「げ、お兄ちゃん…」

七咲「…先輩?」

真姫「な、なに?なんの用…?」

橘「いや…用は特にないんだけど…」スッ

橘「かわいい真姫ちゃんの姿を一目見ておきたくてさ!」

真姫「なっ!」カァァ

七咲「…は?」

美也「んぇ?」

真姫「なななななな何言ってるのよっ!?からかってるの!?」

橘「からかってるだなんて!僕は本気だよ!」

真姫「本気だからいいってことにはならないでしょ!?こんな公の場で何言ってるのよ!!」

橘「あー…ごめんごめん。次からは二人きりで…ね?」

真姫「そういう意味じゃないわよっ!」

橘「おっと、もうこんな時間だ…名残惜しいけど、またね真姫ちゃん!」

真姫「な、え?は?」

タッタッタッ…

七咲「…なんだったんだろう」

美也「…さぁ…実の兄のあーいう姿を見たみゃーの気持ちにもなってほしいよ…」

真姫「…」ボーゼン

七咲「真姫ちゃんフリーズしちゃったし…おーい、大丈夫?」ユサユサ

真姫「…っは!私はいったい何を…?」

美也「忘れておいた方が身のためだと思うな…」

真姫「…ぁ、ぁああ…」カァァ

七咲「ダメだったみたいだね」

美也「南無…」

ザワザワ…イマノ、タチバナサンノ…ザワザワ…

美也「…!!」

美也「うう…お兄ちゃんめ…」ワナワナ

七咲「美也ちゃん…よしよし」ナデナデ

七咲「ハァ…何やってるんですか、先輩は…」ボソッ

―――――――昼休み、テラス

美也「逢ちゃーん!こっちこっち!」

七咲「美也ちゃん。いい席とれたんだね」ヨイショ

美也「いいでしょ?日当たり良好!学食からも近いしー♪」

美也「それじゃーいっただきまーす!」モグモグ

七咲「いただきます」ツルツル

真姫「いただきます…って、逢はまたラーメンなのね」

七咲「おいしいよ?」

真姫「太るわよ…って、水泳やってるからそんなこともないのかしら」キュポ

美也「…いい匂い!真姫ちゃん、その水筒なにが入ってるの?」

真姫「紅茶よ?たまたま朝時間があったから…」

七咲「へぇ…おしゃれだね」

真姫「そうでもないわよ」ゴクッ

橘「…」キョロキョロ

橘「…!真姫ちゃーん!」ブンブン

真姫「ぶふっ!ゲホゲホ…」

美也「えぇ?また!?」

七咲「真姫ちゃん大丈夫?」サスサス

真姫「平気…よ…」ゴホゴホ

橘「いつ見てもかわいいね!立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は西木野真姫ちゃんだね!」

美也「い、意味が分からないよ…そんなことわざわざ言いに来たの…?」

七咲「先輩、とうとう頭が…」サスサス

真姫「ゴホッゴホッ…なんでもいいけど、恥ずかしいからやめなさいよ…!」ケホッ

橘「そう照れないで真姫ちゃん!ああでも照れてる姿も素敵だよね!」

真姫「だからそういう意味じゃないってば!」

美也「…みゃー達は眼中にないみたいだね」

七咲「…頑張り方を間違えてるよね」

橘「う…そ、それじゃあ僕は昼食をとるから!またね!」ダダダッ!

真姫「待ちなさいよ!…なんなのいったい」マッタクー…

七咲「悪気はなさそうだけど」

美也「うん、うっとーしいから次はお説教しよう…」

七咲「賛成。どうにかしないと…」

―――――――放課後、音楽室

橘「真姫ちゃーん!」ガチャッ!

美也「ほかくー!」

七咲「…」ババッ

橘「うわっ!?な、なんだ!?」ドサッ

美也「ふっふっふ…来ると思ってたよお兄ちゃん!さぁ神妙にお縄につけぃ!」グイグイ

七咲「おとなしくしてください。その方が先輩の身のためですよ」ガシッ

真姫「…」クルクル

橘「いてっ、なっ、僕が何をしたっていうんだ!こらっ、七咲!椅子に縛り付けるのやめろっ!」

七咲「それは無理な相談ですね」グルグル

橘「くっ…美也!どういうことか説明しろっ!」

美也「それはこっちのセリフだよ!今日のお兄ちゃん、なんだったの!?」

橘「えっ?」

美也「えっ?じゃない!みゃーも真姫ちゃんもすっごく恥ずかしかったんだから!」

橘「…あー…」

美也「あーじゃなくて!もー、真姫ちゃんもなにか言ってやってよ!」

真姫「…」スクッ

橘「ま、真姫ちゃん?」

真姫「…」ツカツカ

橘「な、なんだか顔が怖いけど…どうかしたのかなー?なんて…」

真姫「…」ピタッ

真姫「…」

真姫「…」スッ

橘「ひぃっ!?」

真姫「…」





ムニッ

橘「あふぇ!?」

グイーッ!

橘「いふぁい!いふぁいよまひひゃん!」

真姫「…説明しなさい」

橘「ふぁ!?」

真姫「どういう考えで私にあんな辱めを受けさせたのか…」

真姫「納得いく説明をしなさいっ!」ギューッ!

橘「あがががが!ふぁなふ!ふぁなふはらふえらあいえ!」

美也「何言ってるかわかんないよおにいちゃん」

七咲「自業自得だよ…」ハァ…

―――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

―――――――――――――――

美也「…で」

七咲「先輩なりに考えた好意の表現だった、と…」

橘「そう!そうなんだよ!いろいろ考えたんだけど…やっぱり口に出さないと伝わらないかなって!」

七咲「はぁ…不器用すぎますよ。それにわけのわからないこと言ってましたし」

真姫「そうよ!あんなの褒められてるのか馬鹿にされてるのかわからないでしょ!」

美也「…」

七咲「…」

真姫「…なによ二人とも、こっち見て…」

美也「…いや」

七咲「何でもない、よ?」

美也(耳が真っ赤だよ…かわいいけど…)

七咲(わかりやすいなぁ…)

真姫「…ともかく!あれはナイわ!今後一切やめなさいよ!」

橘「ええっ!?そんな!僕の決意が…」

真姫「決意?わけわかんないこと言わないで!普通にしなさい普通に!」

橘「はい…」ショボン

美也「お兄ちゃんってたまに変な暴走するからなぁ…」

七咲「まぁ今回は反省してるみたいだし、このくらいで許してあげよ?真姫ちゃん」

真姫「…わかった。次はないから、覚えときなさいよ!」

橘「肝に命じます…」








橘(こうして、真姫ちゃんを褒めまくろう大作戦は失敗に終わった)

橘(ダメだったかぁ…たしかに梅原にはやめろやめろと言われてたけど…)

橘(…でも音楽室で怒ってる真姫ちゃん、耳は真っ赤だったなぁ)

橘(ストレートに好意があるとかなんとか言われるのはやっぱり照れるみたいだし)

橘(方向性はいいと思うんだけど…)

『今日は体育ではりきりすぎて疲れたな…まっすぐ家に帰ろう』

橘(あれからまた少し経って)

橘(結局いい作戦も思いつかず)

橘(今まで通り、真姫ちゃんと接している)

橘(悪くはないんだよね…興味があるとか言われたから期待はしてるんだけど、)

橘(やっぱり真姫ちゃんから行動はしなさそう…)

橘(なんとかならないかな…)ウーン

―――――――放課後

橘「はー」

橘(つっっっかれた!二時間目の体育、一年生の教室から見えるところだったからって頑張りすぎたな…)

橘「今日は帰ってゆっくりしよう…」ガタッ

橘(頑張ったはいいけど、肝心の真姫ちゃんに見られていたかどうかが…)スタスタ

橘(美也曰く席は窓際らしいし、もしかしたらってことを思い出したはいいけど)

橘(…)ウーン

橘(まぁ悪いことじゃないよね…まじめに授業を受けたってことだし)

橘(…おかげでその後の時間はズタズタだったけど)

橘「フゥー…」スタスタ

真姫「…」ツカツカ

橘「…あれ」

橘(前を歩いてるのは…真姫ちゃん?下駄箱に向かってるみたいだ。帰るのかな)

橘「…」

タッタッタッ…ポン

真姫「?」クルッ

橘「こんにちは、真姫ちゃん」

真姫「あぁ…あなたなの。こんにちは」

橘「今帰り?」

真姫「ええ。今日は音楽室、合唱部が使うらしくて。家でピアノ弾こうかと思って」

橘「なるほど!僕も今帰ろうと思ってたところなんだけど、途中まで一緒にどうかな?」

真姫「いいわよ。退屈しのぎにはなりそうね♪」フフッ

橘(おおっ、なんだか機嫌がいいみたいだぞ!ありがとう神様…)ジーン…

――――――土間~校門

真姫「そういえば、二時間目だったかしら。体育のサッカー、はりきってたわね」

橘「ええっ!?見てくれてたんだ!」

真姫「ぅええ!?たっ、たまたまよ!目の端にチラチラ知ってる顔が動いてたなーってくらい!」

橘「でもそれじゃはりきってたかどうかなんてわからないんじゃ…」

真姫「っ…だから!…たまたま…!~~~~!」プイッ

橘「ははっ、ごめんごめん。実は真姫ちゃんが見てるかもしれないと思ってかっこいいところ見せたかったんだ」

真姫「はぁ!?…そ、そう」クルクル

橘「思った通り、見ててくれてたみたいで嬉しいよ」

真姫「…っ」カァッ

橘「あはは…」

真姫「もう…」

橘「真姫ちゃんは表情がコロコロ変わって面白いよ」

真姫「…馬鹿にしてるの?」クルクル

橘「うーん…かわいいってことだよ」

真姫「っ!?」

橘「そうそう、そういう感じ」

真姫「かっ、からかわないでっ!」

??「かぁああああああああああっ!!!!」バッ

真姫「きゃっ!?」

橘「えっ!?」


??「ーーーーーーーー!!!」ブンブンブン!

橘「うわっ!猫パンチ!?」

パシッ

真姫「ちょ、ちょっと!なにするのよ!」

橘「真姫ちゃん!」

??「…」グイグイー

真姫「引っ張らないで!もう!なによー!」タッタッタッ…

タッタッタッタ…


橘「…は?」ポツン

橘(…)

橘(真姫ちゃんが…)

橘(連れ去られた!?)

橘「…!」

橘「ま…」

橘「待てえええええええええええええええええっ!」ダダダッ!

―――――――公園

??「…」ピタッ

真姫「~!」ピタッ

??「…」

真姫「なんなのよ…あなたは何が…」

真姫「…!」

橘「真姫ちゃん!」タッ

??「…」スッ

橘「このっ!真姫ちゃんを離せっ!」グアッ

??「…」

真姫「待って!」バッ

橘「うわっ!?っとと!」ピタッ

橘「真姫ちゃん…?」

真姫「…」

真姫「…ねぇ、わざわざ何しに来たのよ。こんなところまで」クルッ

??「…」

橘「…知り合い?なの…?」

真姫「知り合いもなにも…」

??「…」

真姫「よく見たら…こんな格好するの、日本であなただけよ…」














真姫「―――――にこちゃん!」

??「…」

橘「…え」

橘「えぇーっ!?あ、あの大銀河宇宙ナンバーワンアイドルの矢澤にこちゃんが…!?」

真姫「なんでそんなに詳しいのよ…」

橘「だって僕一応μ’sのファンだし…」

??「…!」

??「――――――――――そのとーりっ!」ババッ

橘「!!」

にこ「にっこにっこにー♪」

にこ「あなたのハートににこにこにー♪」

にこ「笑顔届ける矢澤にこにこー!にこにーって覚えてらぶにこっ♪」

橘「うおおおおお!!!にこにーーーー!!!!!」

真姫「…はぁ?」イラッ

にこ「いっくよー?大銀河宇宙―?」

橘「ナンバーワン!!」

にこ「ありがとーっ!」フリフリ

橘「うわあああああああ!!!な、生にこにーだよ真姫ちゃん!サイン貰ってもいいかな!?」

真姫「…勝手にしたら?」イライラ

にこ「もー、しょがないなー!今プライベートだけどぉ、特別にサインしてあげちゃうにこ~♪」

橘「ほっ本当ですか!」パァッ

橘「やった!やったよ真姫ちゃん!にこにーはアイドルとのオンオフがきっちりしてるから意外と塩対応なんてネットの評判は当てにならないね!」

真姫「…そんなこと書いてあるのね。初めて知ったわ」イライラクルクル

橘「うん!じゃあにこにー、サインを…ここに、純一くんへって…」ゴソゴソ

にこ「はーい♪ちょっと待っててねー」サラサラ

真姫「…」イライライラ…

にこ「…うん!でーきた♪大切にしてね?」ハイッ

橘「ありがとうございます!あと握手も…」

真姫「…」ブチッ

真姫「ちょっと!」ガッ

橘「いたっ!ど、どうしたの真姫ちゃん!」

真姫「いつまでやってるのよ!にこちゃんも!用があって輝日東まで来たんじゃないの!?」

にこ「…!」ハッ

にこ「都心じゃなくてもファンがいると思って舞い上がっちゃったわ…そうよ!話があるのよっ!」

橘(舞い上がってたんだ…)

真姫「話?話なら音ノ木坂ですればいいじゃない」

にこ「真姫ちゃんじゃないわよ。そっちの…純一とか言ったかしら」

橘「へぇっ!?はい!橘純一です!」ビシッ

にこ「あんたよあんた!話があるの。ちょっと面貸しなさいよ」

橘「僕に話…?」

橘(というかにこにー性格変わりすぎだよ…すごいなぁプロって…)

真姫「…にこちゃん、この人になんの話?」

にこ「真姫ちゃんは帰って。もともとそのつもりだったし…」

真姫「ふざけないで!にこちゃんとじゅんくんを二人きりにさせるなんて、オコトワリよ!」

にこ「…じゅ・ん・く・ん~~~~~?はっ、もうそんな風に呼ぶような仲なのね」

真姫「っ…こ、これは…」

にこ「いいわ。それも含めて話しましょ。…橘純一くんと…真姫ちゃん」

橘「え?え?」

真姫「なんなのよ…イミワカンナイ…」ブツブツ

すみません途中ですけど今日はここまでで

いやー
七咲ファンの方申し訳ありません!!!
本筋はあくまでもラブライブのキャラクターを大将が落とす
ということですので、ご了承ください…

ちなみにアマガミは
森島スキ七咲スキナカヨシ梨穂子スキ薫スキ絢辻全部
あとちょおまを少しだけやった限りです。
というかプレイ中なんですけどね…

それでは次回、にこ襲来

ではまた

――――――――――――――――――――――――

にこ「…ふーん、小さいころに、ね」

真姫「そう。病院に入院してた男の子と仲良くなって、それがたまたまこの人だった、ってわけ」

にこ「…まぁあんたたちが過去何があったのかはこの際どうだっていいのよ」

にこ「問題は今…」

真姫「…今?」

にこ「…単刀直入に言うわ」

にこ「橘純一くん。真姫ちゃんにそれ以上近づくのをやめなさい」

橘「…!」

真姫「なっ…!」

にこ「真姫ちゃんも、自分の立場はわかってるはずよ」

真姫「っ…」

にこ「…μ’sはあのA-RISEのライバルとして世間に認められつつある。そのメンバーから男の匂いがしたら…」

にこ「ラブライブの結果にも関わるだけじゃなくて、もしかしたら真姫ちゃんにも被害が出るかもしれない。その男が例え何者だとしても、ね」

真姫「そんなのっ…!」

にこ「悪いことは言わないわ。あんたもファンだって言ってたくらいだからわかるでしょ?」

橘「…」

真姫「ちょっとにこちゃん!なにもそこまで…!」

にこ「…甘いのよ真姫ちゃんは」

真姫「っ」

にこ「スクールアイドルとはいえアイドルはアイドル。スキャンダルを理由に引退するアイドルがファンにどう言われ続けるか…!」

にこ「…わかるはずよ。そんなに生易しい世界じゃない」

真姫「…それは、そう…だけど…」

橘「…矢澤先輩」

にこ「…なによ」

橘「…」

橘「…そのことについては、僕もずっと考えてました」

にこ「…!」

橘「自分の気持ち…立ち振る舞い…どうすべきか…」

橘「真姫ちゃんの立場と…自分の立場。アイドルであること…」

にこ「だったら…!」

橘「わかったんです。これは…僕の考えることじゃない」

にこ「…はぁ?」

橘「知ってますか?…人を好きになると、その人のこと以外は本当にどうだってよくなるんです」

にこ「…それがなんだって言うのよ」

橘「…」

橘「僕は…」










ーーーーーーーーーーーーーーやっぱり真姫ちゃんが好きです








にこ「!!」

真姫「…ぇ…?」

橘「いろいろ考えました。考えて考えて考えて…」

橘「…気付いたんです。ポジティブなことであれネガティブなことであれ」

橘「どちらにしろ、真姫ちゃんのことしか考えてないんだって」

にこ「…」

真姫「ぅ…」カァッ

橘「…だから、覚悟しました」

にこ「…!」

橘「真姫ちゃんが僕を選ぶなら…何があっても、僕は真姫ちゃんを守る」

真姫「ぁぅ…」プシュー…

橘「アイドルがどうとか、僕には関係ない。それを決めるのは真姫ちゃんだから…」

橘「全てひっくるめて…任せてもらえるようになろうって」

にこ「…」

にこ「…ふん」

にこ「…いいわ。なら、勝負ね」

橘「…!」

橘「…はい」

にこ「私は…アイドルを」

橘「僕は、恋人を」

橘「…負けませんよ」

にこ「…こっちこそ」

にこ「…」

にこ「ふっ…」クスッ

にこ「…じゃあ、私は帰るわ。真姫ちゃんは…」クルッ

真姫「」ボヒュー…

にこ「!? オーバーヒートしてるっ!?」

橘「ええっ!?真姫ちゃん!話し終わったよ!真姫ちゃん!」ユサユサ

にこ「ちょっと!デリケートなんだからもっと優しくしなさいよ!」ガクガク

橘「先輩こそ雑です!僕の真姫ちゃんがケガしたらどうするんですか!」

にこ「あー!今僕のって言ったわね!!まだなんにもしてないくせに!調子のってんじゃないわよっ!このっ!」ゲシゲシ

橘「いてっ!やめてくださいよ!それよりもなんとかしないとっ!」

にこ「わかってるわよっ!変なとこ触るんじゃないわよ!」

橘「触ってませんって!!神に誓って!!!」

にこ「あーもー!なんなのよ!」

ダレカタスケテェェェェ…

橘(…こうして、憧れのにこにー、もとい)

橘(矢澤先輩との初の対面は幕を閉じた)

橘(真姫ちゃんはしばらく目を覚まさなかったので、矢澤先輩はベンチで僕とお話をして時間をつぶし)

橘(すっかり夕焼けで真っ赤になってから、気が付いた真っ赤な真姫ちゃんを引きずって帰っていった)

橘(…)

橘(…なんだかんだ告白しちゃったけど)

橘(これからが大切なんだ…!頑張らないとな…!)

『真姫ちゃんとお話ししよう!』

橘(あれから)

橘(驚くほど今まで通りに接してくれる真姫ちゃんに面を食らって)

橘(結局僕も普段通りにしている)

橘(…それとも覚えてないとか?)

橘(…)

橘(いやいや、いくらなんでもそれは)

橘(…ないよね?)

――――――――放課後、音楽室

橘「お邪魔しまーす」ガラッ

真姫「…ん?…ああ、あなたなの」

橘「あれ?真姫ちゃん一人?」

真姫「ええ。美也は帰ったし、逢は部活」

橘「そっか。…ピアノ、邪魔しちゃった?」

真姫「…ちょうど気分転換したかったし、いいわ」

橘「じゃあ少しお話でもする?」

真姫「そうね。かまわないわよ」クルクル

橘「よし、えーっと…」

〈世間話〉

橘「真姫ちゃんって、矢澤先輩と仲良いの?」

真姫「? 矢澤先輩…?」

橘「?」

真姫「…」ウーン…?

真姫「あ、にこちゃんのことね!」

橘「わからなかったの!?」

真姫「仕方ないじゃない!そんな呼び方、ほとんど聞いたことないんだから!」

橘「そんな呼び方って…」

真姫「あと別に普通よ!特別仲良いってわけじゃないわ!」

橘「そんなムキにならないでも…」

真姫「なってない!」キー!

橘「どうどうどう…」

〈勉強〉

真姫「そういえば」

橘「ん?」

真姫「あなた、テストは大丈夫なの?なんだったら私が教えてあげても…」

橘「ええっ!真姫ちゃんまだ1年生でしょ!?」

真姫「そんなの大した問題じゃないわ。平均的な高校2年生よりできる自信があるもの」フフン

橘「はー…すごいなぁ…」

橘「でも、大丈夫だよ。なんだかんだ、僕もそんなに成績悪いわけじゃないし」

真姫「ぅええ!?そうなの?」

橘「驚きすぎだよ…」

真姫「だってそんなに頭よさそうに見えないから…」

橘「失礼な!だいたい、僕に教えるくらいなら美也と七咲に教えてあげてよ。あの2人はそんなに成績よくないしさ」

真姫「…うん」クルクル

橘「…?」

橘(急に元気がなくなったぞ…なんだろう?)

〈運動〉

橘「体育のときとか」

真姫「ん?」

橘「その…髪の毛って邪魔になったりしない?」

真姫「…別に気にならないけど」

橘「そっか…」

真姫「…?」

橘(髪をくくった真姫ちゃん…)

橘(見てみたいなぁ…)

橘「はぁ…」

真姫「???」

〈娯楽〉

橘「音楽とかよく聞いたりする?」

真姫「そうね…クラシックやピアノの曲なら結構聞くわ」

橘「へー…さすが真姫ちゃん、期待を裏切らないね!」

真姫「どーゆー意味よそれ…あ、でも最近は流行りのアイドルソングとか、他のスクールアイドルの曲とか聞いたりしてるわよ」

橘「研究してるんだ」

真姫「それもそうだけど…」

橘「?」

真姫「…物好きが2人もいるから」

橘「物好き…?」

真姫「ほら…にこちゃんと、もう一人、小泉花陽って子が」

橘「花陽ちゃん…は、真姫ちゃんの同学年のμ’sの…」

真姫「そうね。その二人がアイドル大好きなのよ…」

橘「あー…」

真姫「まったく…私はそんなに興味があるわけじゃないのに…」

橘「でも嫌々ってこともなさそうだね」

真姫「っ…ま、まぁ…参考にもなるし…」

橘「ふーん?」ニヤニヤ

真姫「なによ!」

橘「別に?」ニヤニヤ

真姫「マッタクー…」クルクル

〈食べ物〉

橘「ずばり、好きな食べ物は?」

真姫「え?そうね…トマト、かしら」

橘「ほうほう」カキカキ

真姫「…なによそのメモ」

橘「え?真姫ちゃんの個人データ」

真姫「なっ、なにやってるのよっ!貸しなさい!」バッ

橘「うわっ!?いくら真姫ちゃんでもそれはダメだね!これは僕が自分の足で集めた情報がびっしりと…」

真姫「うぇぇ…なんというか、フツーにキモチワルイ」

橘「そんなっ!」ガーン

真姫「ストーカーみたいじゃない」クルクル

橘「うう…そんなはっきりと…」ガクッ

真姫「だいたい」

橘「…?」

真姫「そんなものなくても、聞けば教えてあげるわよ…知らない仲じゃないんだから」

橘「真姫ちゃん…!」

真姫「…」クルクル

橘「じゃあ…」

〈おしゃれ〉

橘「その…シャンプーって何を使ってるの?」

真姫「…真っ先に聞きたいことがそれ?…というかナニヨその質問。知ってどうするのよ」

橘「いやぁ…ティッシュに染み込ませて寝るときに枕元に置くと添い寝してる気分に…」

真姫「ひぃっ!?」バチン!

橘「ふぐっ!?」ビタン!

真姫「あ、ご、ごめん…本気で気持ち悪かったわ今の…」

橘「うん…さすがに冗談だよ…」ヒリヒリ


〈恋愛〉

真姫「…」

ジーッ

橘「…?」

橘(なんだ…急にすごいこっちを見てくるぞ…)

橘「あの…どうかした?真姫ちゃん?」

真姫「…」

真姫「…!」ハッ

真姫「べ、別になんでもないわよ!」

橘「ええっ!?そんな怒鳴らなくても!」

真姫「ふん!」プイッ

〈エッチ〉

橘「そういえばさ…」

真姫「?」

橘「キャベツを食べると胸が大きくなるって、どうなんだろうね」

真姫「は、はぁ!!?」

真姫「…っ」

真姫「…あなたはなにを期待して私にその質問をしたのよ」ヒクヒク

橘「えっ…と、その、い、医学的根拠とか…」

真姫「…」ハァ…

真姫「…いい?生のキャベツにはゴイトロジェンっていう成分が含まれてて、その成分が甲状腺の機能を抑制するの。そうすると、ネガティブ・フィードバックが効かなくなって、甲状腺刺激ホルモンの分泌が促進される。だから乳腺発達効果のあるホルモンのプロラクチンが…」

橘「ストップ!わかったごめんごめん!」

真姫「…もういい?」

橘「はい…」

真姫「まったく…」

橘「…でも、よく知ってるね。もしかして気になって調べたりとか…」

真姫「…!」カァァ

橘(あっ)

真姫「しっ、してないわよっ!なんなのよもう…」ブツブツ…

橘「あはは…興味を持つのは悪いことじゃないよ!」

真姫「だから特別調べたりしてないってば!」

〈行動〉

橘(よし、ここは目を見つめていい雰囲気にしよう!)

橘「…」

橘「…」ジーッ

真姫「…?」

橘「…」ジッ

真姫「う…」

橘「…」ジッ

真姫「ぅぅ…」カァッ

橘「…」ジーッ…

真姫「…」モジモジ

橘「…」

橘(こ、これは…もしかして成功!?)

橘(やった!…でもここからどうすれば…)

橘「…」

橘「真姫ちゃん」

真姫「ふぇっ!?」ビクッ

橘「…」

橘「今日のパンツ何色?」

真姫「…」

真姫「…は?」ジトッ

橘「…」

橘(しまった!これは明らかにミス!)

真姫「…」

橘「…なーんて」

真姫「ハァッ!!」ブン!

橘「がふっ!」ゴスッ…

バタン…

真姫「はぁ…はぁ…危ないところだったわ…雰囲気に飲まれるところだった…」

橘「…」チーン

すみません…ずいぶん久しぶりです

アタックは後日ですが、とりあえず生存報告ってことで…

年度末年度初めはどこも忙しいですよね…
まぁあんまり関係ないんですけど

ちゃきちゃき頑張りますので、
読んでくださる方、気長に待ってくださると光栄です

ではまた

〈アタック〉
シュインシュシュシュシュシュ…

真姫「ふぅ…」トントン

橘「あれ、どうかしたの?」

真姫「んー…最近作曲してばかりだったからか、肩がこってて…」

橘「大変だね…」

真姫「そうね…でも仕方ないわ。早く仕上げないといけないし」

橘「うーん…」

橘「あ、僕でよければ肩、揉もうか?」

真姫「うぇぇ!?」

橘「あ、いや、そんなヨコシマな気持ちがあるとかじゃなくて…」

真姫「まだなんにも言ってないじゃない…そういうことを言い出すってことは、あるのね。ヨコシマな気持ち」

橘「ないってば!僕はただ真姫ちゃんのためを思って…!」

真姫「そんなに必死になるのも怪しいけど…まぁいいわ。お願いしようかしら」

橘「へ…」

真姫「…なによ。自分で言っておいて嫌だとか言わないわよね」

橘「い、言わないよ!ぜひ!やらせていただきます!」

真姫「そんなにはりきらなくてもいいけど…じゃ、お願い」ストッ

橘「う、うん…」ゴクリ

橘(真姫ちゃんの後ろ姿…)

橘「…いくよ」

真姫「ん…」

橘「…」

橘(いざ…!)

ギュッ

橘「!」

橘(あったかい!真姫ちゃんの体温が…体温がッ!)

真姫「んぅ…もう少し上…」

橘「えっと…このあたりかな…」

グリッ

真姫「痛っ…もう少し優しくして…」

橘「あっ、ごめん!このくらいかな…」

コリコリ…

真姫「…うん…気持ちいい…」ハフー…

橘「…」コリコリ

真姫「ん…ん…」

橘「…」コリコリ

真姫「ん…あっ…」

橘「…」コリコリ

真姫「んんっ…そこ…いい…」

橘「…」コリコリ

橘「…」

橘(…)

橘(…これ…)

真姫「あっ…ん…」

橘(…)

橘(…ふふっ)

橘(もう僕死んでもいいや…)

真姫「んー…」

橘「…結構こってるね、真姫ちゃん」クリクリ

真姫「でしょ?…っん…あ、それ…もう少し右手を左の方に…」

橘「了解…っと?」ククッ

橘(…?なんだろう、これ)グッ

真姫「ん…ん!?」

橘「真姫ちゃん、なんだか紐みたいなものが…」

真姫「きゃぁーーーーーっ!??!?」ババッ

橘「え?え!?」

真姫「この…!」

橘「な、なに!?なにが!?」

真姫「変態っ!!!!」バチン!

橘「理不尽っ!!」ベフッ!

真姫「はぁ…はぁ…」

橘「…」パタリ

真姫「う…」

真姫「…わざと?」

橘「な、なんのことでしょうか…」ムクッ

真姫「…違うなら、その…」

真姫「…」

真姫「ゴメンナサイ…」

橘「…!?」

真姫「っ…なんでもない!そろそろ完全下校時刻だから帰るわよっ!」プイッ

橘「んぇっ?ちょっ…」

真姫「早く!」

橘「…はい」





橘(こうして、真姫ちゃんと濃い時間を過ごした)

橘(家に帰ってよくよく考えてみると、あの引っかかった紐みたいなものはどう考えても…)

橘(…うへへ)

橘(でもそんなことってあり得るのかな…この寒いのにインナーとか…)

橘(…)

橘(まいっか!!)

橘(めでたしめでたし)

http://imgur.com/vNClUrs.png
http://imgur.com/Ld7y9YS.png
http://imgur.com/sUs4KnH.png
http://imgur.com/Cmzvki7.png
http://imgur.com/ahUYAOD.png
http://imgur.com/gQvFwK9.png

>>485
グロいんで注意して下さい

『屋上は気持ちがいいなぁ…考え事をするにはうってつけだよね…』

―――――――休み時間、屋上

橘「はー…」

橘(あれからまた、日が過ぎた)

橘(矢澤先輩とあった日のことを全く話に出さない真姫ちゃんは、)

橘(相変わらず普段通りに接してきてくれる)

橘(…でも、僕は)

橘(…)

橘(軽口を叩きながら、楽しいだけの時間を過ごす日がどんどん過ぎて)

橘(気付けば真姫ちゃんの転校期間はもう半分以上終わっていて)

橘(…このまま、過ぎて行ってしまうんじゃないか)

橘(…)

橘(それだけは…)

橘(…)

橘「はぁ…」

??「なにをそんな黄昏てるんですか」

橘「んぇ?」

七咲「…似合ってませんよ」

橘「…七咲」

七咲「…隣、いいですか」

橘「うん。七咲も考え事?」

七咲「…まぁ、そんなとこですかね」

橘「そっか。大会近いもんな」

七咲「…」

橘「…」ボーッ

七咲「…」

七咲「…先輩」

橘「ん?」

七咲「相談、してもいいですか?」

橘「…いいけど、今の僕じゃ力になれないかもしれないぞ?」

七咲「構いません。話を聞いてほしいだけ、っていうのもありますから」

橘「…ならいいけど」

七咲「ありがとうございます…あのですね」

橘「うん」

七咲「…っ」

七咲「…私、最近失恋したんです」

橘「ふーん…」

橘「…」

橘「…」

橘「…え!?」バッ!

七咲「なんですか、その反応」

橘「え、あ、いや…ちょっと意外でさ…」

七咲「そうですか?」

橘「うん…好きな人、いたんだな。七咲」

七咲「健全な女子高生ですから。恋愛くらいしますよ」

橘「…そっか」

七咲「はい。でも…」

橘「?」

七咲「実は告白はしてないんです」

橘「えぇ?ならなんで…」

七咲「好きな人に私以外の人を好きになったって言われまして」

橘「それは…」

七咲「どうしようもないですよね」

橘「…そうだな」

七咲「しかも、女の子の方も友達なんです。最近仲良くなって…」

橘「うわぁ…それはつらいなぁ…」

七咲「…つらい、ですけど」

七咲「幸せになってほしいですよね」

橘「…」

七咲「好きになって、ずっと見てきて…」

七咲「あんなにそわそわして、うきうきして、」

七咲「相手の言葉や行動で一喜一憂してる姿…初めて見ましたから」

橘「…」

七咲「隣にいていいのは、私じゃないって」

七咲「悲しくもなります。だけど…」

七咲「…だけどっ」ウルッ

七咲「…好きな人の幸せを願うのも、片思いした人の役目だと思ってますから」グスッ…

橘「七咲…」

七咲「…すみません、取り乱しました」グシグシ

七咲「とにかく、決めたんです。どうなるんであれ、応援しようって」

七咲「それがけじめにもなりますし…」

橘「…」

橘「七咲はすごいな」

七咲「…そうですかね」

橘「ああ。強いよ」

七咲「…」

七咲「じゃあ…そんな強い私からプレゼントを差し上げます」

橘「え…?それってどういう…」

七咲「先輩、後ろ向いてください」

橘「へ?」

七咲「いいから、早くしてください」

橘「う、うん…?」クルッ

七咲「…」

七咲「…」スーッ…

七咲「…」ハーッ…

七咲「…」

七咲「えいっ」



ギュッ!



橘「え!?な、七咲!?」

七咲「…先輩」

橘「どっ、どうしたんだよ!急に抱き着いたりなんて…」

七咲「先輩は、いい人です。変なところでかっこいいし、変なところで度胸があります」

橘「それ、褒めてるのか…?」

七咲「ふふっ、はい。これでも精一杯褒めてます」

橘「…」

七咲「…そんな先輩が、うまくいかないはずがありません。先輩のことをずっと見てきた私が言うんだから、間違いないです」

橘「…!」

七咲「…ちゃんと、目を見て、自分の想いを伝えてみてください。きっと大丈夫ですよ」

橘「七咲っ…!」クル…

七咲「ダメです。振り向かないでください!」

橘「!」ビクッ!

七咲「…すみません、わがままで」

七咲「…先輩」

橘「…」

七咲「が…んばって…くださいね…」グスッ

橘「…うん」

橘「ありがとう…七咲…」

七咲「…はい、どういたしまして…っ」

パッ

七咲「…私は教室に戻ります。扉の閉まる音がするまで、振り向かないでくださいね」

橘「っ…」

七咲「…」

七咲「…では」

タッタッタッタッ…バタン!

橘「…」

橘「七咲…っ」

橘「…」

橘(僕のために、こんな…)

橘(…)

橘「ありがとう…七咲…本当に…」

橘「…」

☆『いつもの放課後、音楽室で』

―――――――――放課後、音楽室

橘「お邪魔しまーす…」ガラッ

橘「…誰もいない」

橘(鍵はかかってないし…荷物もない。まぁ、待ってればいいか)ストッ

橘(…)

橘(もう、迷ったり悩んだりしてる場合じゃない)

橘(七咲に言われて思い出した。僕はまだ、真姫ちゃんと1対1で想いを伝えたことがないんだ)

橘(決めたんだから。今日こそ、本当に――――――)

橘「…」

橘「ふぁ…」

橘(…眠い…)

橘(最近眠れてないからかな…一人でいると、眠気が…)

橘「…」ウツラ…ウツラ…

橘「…」

橘「…!」カクッ!

橘(いやいや!こんな大事な時に寝てる場合じゃない!)ブンブン!

橘(目を覚ませ!勝負の日なんだぞ!)

橘(うぅ…)

橘(…)

橘(…)

橘「…」

橘「…」スヤ…

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――

~♪

橘「…」

橘「…」パチッ

橘「…ん」ムクッ

真姫「~♪」カキカキ

橘「…」

橘「…真姫、ちゃん…」

真姫「♪~…」カキカキ

橘「…」

橘(真姫ちゃんが…向かいの机で何か書いてる)

橘(イヤホンをつけて、鼻歌を歌いながら…)

真姫「~♪」カキカキ

橘(…日が傾いてきて、夕日が差し込んで)

橘(真姫ちゃんの横顔を照らしてる)

橘(…)

橘「綺麗だな…」ポツリ

真姫「♪~…?」チラッ

真姫「あら…おはよう、ねぼすけさん」スッ

橘「あ…うん…おはよう」ポリポリ

真姫「ずいぶんぐっすり眠ってたから…って、前にもこんなことあったわね」クスッ

橘「…そうだね、ごめん。またピアノ練習の邪魔しちゃったよね…」

真姫「いいのよ。今日は家で弾いてきた音源を楽譜にしてたから」

橘「…そっか」

真姫「…?どうしたのよ。じろじろこっち見て…」

橘「…ううん、ただ」

真姫「ただ?」

橘「…」

橘「…綺麗だな、って」

真姫「っえ?なっ…なによ突然!」カァッ

橘「…」

真姫「まだ寝ぼけてるの!?なら、顔でも洗って…」

橘「大丈夫。すっきりしてるよ」

真姫「そ、そう…ならなおさら、どうかしてるんじゃ…」

橘「真姫ちゃん」

真姫「っ!」ビクッ

橘「真姫ちゃん、僕…」

真姫「…!」



























橘「―――――――――あなたのことが好きです。付き合ってください」

真姫「っ…っ!」カァァッ

橘「…」

橘「やっと面と向かって、ちゃんと言えた。ははっ…」

真姫「な、ななななっ!」

橘「矢澤先輩が来たとき…」

橘「こうして、目を見て言ってなかったから」

真姫「…」

橘「…」

橘「僕はやっぱり、真姫ちゃんが好きだよ。仲良くおしゃべりできる今を天秤にかけても、そんな些細なことで諦めきれないくらい」

真姫「…」

橘「…どう、かな」

真姫「…」

真姫「…」スーッ

真姫「…」ハーッ

橘「…?」ドキドキ

真姫「…」

真姫「…」キッ

橘「?」

真姫「…っ」ガタッ

橘「!」

真姫「…」スタスタ

橘「あの…真姫ちゃん?」

真姫「…」スッ

ピタッ

橘「ぇ…?」

橘(真姫ちゃんの手が…僕の頬に)

橘「あ、の…」

真姫「…」

真姫「目、閉じなさいよ…」

橘「ふぁぇっ?」

真姫「…早く」

橘「…」

橘「…」パチッ

真姫「…」

真姫「…んっ」

橘「…!」


チュッ…


真姫「っは…」

橘「え…あ…」

真姫「…遅い」

橘「…ごめん」

真姫「…許さない」

橘「えっ…」

真姫「もう一回、好きって言わなきゃ絶対許してあげないんだから」

橘「っ…」

橘「真姫ちゃん」

真姫「…」

橘「好きだよ」

真姫「ん…私も」

真姫「私も、あなたのことが好き」


















真姫「―――――――――――――――――――――――純一、くん」







橘(こうして、僕と真姫ちゃんは恋人同士になった)

橘(すっかり暗くなってしまった道を、)

橘(明かりがなくてもわかるくらい真っ赤になった真姫ちゃんと、手をつないで帰った)

橘(他愛もない話をしながら、僕も真姫ちゃんもなんだか感極まって泣きそうだった)

橘(…ああ)

橘(幸せ、だな…)

『一方その頃…』

――――――西木野家、真姫の部屋

真姫「…」

真姫「…」

真姫「あー…」ヴェー…

真姫「…」トサッ

真姫「…」ゴロン

真姫「…キス、しちゃった」ポツリ

真姫「…」

真姫「…」

真姫「…!」カァァッ

真姫「~~~~~~~~~~!!!」ジタバタジタバタ!

真姫「~~~~~~~~…」バタ…

真姫「…」

真姫(まずい)

真姫(にやけて死にそう)

真姫「…とりあえず」

真姫(…ママにばれないようにしなきゃ…面倒だし…)

真姫「はぁ…」

真姫「…」

真姫「…」

真姫「…」

真姫「…んふっ」

真姫「…~~~~~~!!!!」

ジタバタジタバタ…

アコガレ、終了です

次回からスキに突入していきます

ぐだぐだっとすみませんでした

読んでくださっている方、引き続きよろしくお願いします。

ではまた

~スキ~
『よし!今日も1日、頑張るぞ!』

――――――――朝、通学路

橘(真姫ちゃんと付き合い始めた…)

橘(改めて考えると、これはものすごいことだよね…!)

橘(幼少期に引き裂かれた男の子と女の子が高校生になって再会、そして恋に落ちる…)

橘(うわっ、ドラマみたいだな!運命的な出会い!)

橘(ふふふ…嫌でも顔がにやけてきちゃうよ…)ニヤニヤ

ピュウウウウ…

橘「…」ブルッ

橘「寒い…冬ってだけでも寒いのに、朝はまた格段と寒いなぁ…」ブルブル

橘(早く教室に行って暖まろう…)テクテク

橘「…ん?」

真姫「…」ハァー…

真姫「…息が真っ白ね」

橘(あれは…)

橘「真姫ちゃん。おはよう!」

真姫「!」ビクッ

真姫「お、お、おはよう…!遅かったじゃない!」

橘「え?…なにか約束してたっけか」

真姫「!!」

真姫「じゃなくて!私もちょうどこの時間に登校だから、偶然ね!偶然!」

橘「…!」

橘「…ふーん」ニヤニヤ

真姫「なっ、なによ!たまたま通りがかっただけ!なにか文句があるの!?」

橘「別にぃ…ないよ?」ニヤニヤ

真姫「~~~!!」カァァ…!

真姫「もう!その顔やめて!!」

橘「ふふっ、ごめんごめん。真姫ちゃんがかわいくて、つい」

真姫「う…」カァッ

真姫「なんなのよ…まったく…」ポソッ

橘「っと、それより真姫ちゃん」ギュッ

真姫「きゃっ!?な、なななななっ!」ドキッ

橘「やっぱり…手がすごく冷たい。早く学校に行こう!」グイッ

真姫「ちょっと、引っ張らないでよっ!というか離しなさい!1人で歩けるからっ!」

橘「…でも、僕の手暖かいでしょ?さっきまでポケットに入れてたから」

真姫「ふぇっ!?…それは、そう、ね…」

橘「なら、手をつないで行こうよ。引っ張りはしないからさ。どう?」

真姫「…」

真姫「…まぁ…あなたがどーしても、って言うなら…いい…わよ」クルクル

橘「お願い真姫ちゃん!どうしても手をつないで学校に行きたいんだ!」コノトーリ!

真姫「…」クル…

真姫「仕方ないわね…もうっ」ギュッ

橘「!」

橘「ありがとう、真姫ちゃん!なんだか昨日の帰りを思い出すね!」

真姫「昨日…」

真姫「…」

真姫「…~~~~~!!!!」カァァッ…!

真姫「余計な事言わないの!ほら、行くわよ!」ズンズン

橘「わっ!?ちょっ、待ってよ真姫ちゃん!ゆっくり!ゆっくり行こう!できる限り長い時間このすべすべの手を握っていたいからっ!」

真姫「だからそういうこと言わないでってば!離すわよっ!?」

橘「あー!ごめん、もう言わない!言わないから引っ張らないで…!」






美也「…」ジトッ

美也「もーちょっと遅めに出てこれば良かった…みゃーは何を見せられてるんだろう…」

美也「…でもまぁ」

美也「にぃにも頑張った、ってことだよね!よかったよかった!にししししっ♪」

『真姫ちゃんと過ごす昼休みだ!…七咲…』

―――――――――昼休み、屋上

美也「まっきちゃーん♪」ダキッ

真姫「なっ…どうしたのよ急に!やめなさいってば!」ババッ

美也「にしししし…見たよ~真姫ちゃん!」

真姫「…?」

美也「朝、お兄ちゃんと手を…」

真姫「! わぁ~っ!!」ブンブン!

美也「うわわっ!そんなに暴れなくてもいいじゃん!」

真姫「う、うう…通学路でああいうことするのは考え物ね…」

美也「むむ…なにそのいちいちかわいい発言は…」

美也「…とにかく!おめでとう真姫ちゃん!お兄ちゃんをよろしくね!」グッ!

真姫「ぅええ!?あ、えっと…ハイ…」プシュウー…

美也「かわいいなぁ真姫ちゃん…ね?」

橘「…うん…」

橘「というか、実の妹が目の前で付き合いたての恋人によろしくって…」

真姫「改めて言わなくていいわよっ!恥ずかしいでしょっ!」

橘「僕もなんだか言いようのない恥ずかしさに襲われてるよ…」カァァッ…

美也「みゃーもどうかと思ったけどさ!こういうの大事かなって!」

真姫「いみわかんない!」プイッ

美也「えー?うーん…あ、逢ちゃんはどう思う?」

橘「!」ビクッ!

七咲「…」

七咲「…そうだね。いいと思うよ?先輩はだらしないですし」

美也「だよねー!いやー真姫ちゃんもお兄ちゃんのだらしなさをもっと痛感すべきだよ!」

真姫「すごい言われようね…」チラッ

橘「…」

真姫「…?」

美也「? お兄ちゃん?」

橘「…」

橘「…ん、え?な、なにかな?」

美也「聞いてなかったの?だめだなぁお兄ちゃんはー」

橘「は、はは…ごめんごめん…」

美也「…んー?」

橘「…」オドオド

美也「…んー…??」

七咲「…」ハァ

七咲「…ほら、美也ちゃん!そろそろご飯食べないと、時間なくなっちゃうよ?」

美也「…それもそうだね!食べよ食べよー♪」ガサガサ

七咲「真姫ちゃんと先輩も。あ、2人で食べたいとかなら別のところに行ってもいいですよ?ね、美也ちゃん」

美也「はっ!それは気が付かなかったよ…うん!いいよ真姫ちゃん!許可しよう!」エッヘン

真姫「ばっ…別にいいわよ!むしろあなただけ他で食べれば?」ツーン!

橘「うっ…ええっ!?僕もここで食べるよ!」

真姫「ふんっ!好きにすれば?」クルクル

美也「こら!けんかしないの!仲良くしなさい!世話が焼けるんだからー!」

橘「くっ…美也め…」

七咲「…」

橘「まったく…」ヨッコラセ

七咲「…先輩」

橘「えっ!?な、なんだい七咲!?」ビックゥ!

七咲「…」

七咲「…おめでとうございます。真姫ちゃんも」

真姫「ぅええ!?…あ、アリガト…」カァッ…

橘「っ…七咲…」

七咲「…ふふっ」

七咲「真姫ちゃんを悲しませるようなことがあったら、ただじゃおきませんからね!」

橘「…!」

橘「もちろん、絶対にそんなことはしない。約束するよ!」

七咲「クスッ…はい。そうしてください」

美也「…」

真姫「ナンナノヨ…ナンダッテイウノヨコレ…」ブツブツ

美也「逢ちゃん、真姫ちゃんのこと大好きなんだね」

七咲「…うん、とっても」

真姫「…」カァッ

美也「にしししっ!みゃーも真姫ちゃんのこと、大好きだよ?」ダキッ

真姫「きゃっ!?…もう、わかったわよ。仕方ないわね…」ナデナデ

美也「~♪」

七咲「…さて、これで先輩も水泳部を覗いたりはしなくなるんですよねー?」

橘「ばっ…!」

真姫「!!」

橘「七咲!何を言って…!」

真姫「ふーん…?のぞき、ね」ゴゴゴゴ…

橘「まっ、ご、誤解だよ!最近は全然やってないっていうか、うん、僕って…ほら!水泳大好きだからさ!ね?」

真姫「…」ジトッ

橘「そう!そうなんだよ!純粋にね!?泳いでる人を見るのが好きなんであって、決して!水着姿とか、すらりと伸びた足なんかを見てるワケでは…」

真姫「…」プルプル

七咲「あ」

美也「あーあ…」

橘「え?え?」

真姫「この…」

真姫「ど変態!知らないわよもうっ!!!!」

橘「あっ!?そんな!ごめんなさい!もうしません!もうしませんからぁ!!!」

美也「…もう上下関係ができてる」

七咲「仲が良いねー」

橘「七咲!なんで余計なことを…」

真姫「よ・け・い~?逢のせいにしてないで反省しなさいよっ!!」

橘「はいッ!すみませんでしたーッ!!!」ドゲザー

七咲「…」

七咲「お幸せに」ボソッ

美也「? 何か言った?逢ちゃん」

七咲「…んーん、なんでもない!お昼食べよっか」

美也「うん!」








橘(こうして、恋人になって初めての昼休みは終わった)

橘(真姫ちゃんの機嫌を直すために、誓約書にのぞきをしないことを書かされた)

橘(七咲め…)

橘(…)

橘(すごい奴だな、七咲は)

橘(頭が上がらないよ…)

『梅原にも報告しておいてやろう…』

―――――――――休み時間、教室

梅原「…は?」

橘「だから…真姫ちゃんと付き合うことになったんだって」

梅原「…」

橘「…」

梅原「…?」

橘「…なんだよその顔」

梅原「いや…とうとうおかしくなっちまったのかと…」

橘「嘘じゃないからな。なんなら今度真姫ちゃんに聞いてみればいいじゃないか」

梅原「はっはっは…はぁ?は?本当なのか?」

橘「ああ…だからそう言ってるだろ」

梅原「…」

橘「…」

梅原「大将」スッ

橘「?」スッ

ガシッ

梅原「まずはおめでとう…とうとうあの忌々しい過去を捨てることができたな」

橘「…ああ、そうだな。ありがとう、梅原」

梅原「…そして」

橘「ん?」


ガガッ…ガシッ!

梅原「これは裏切りへの罰だ!」ギギギッ…

橘「がああああ!!」


棚町「…ごめんなさいね。見ての通り取り込み中みたいだから、大事な用なら伝えとくわよ?」

真姫「…いえ、いいです。来てたってことだけ伝えといてください」

棚町「おっけー…」


橘「ぐああああああ!!」

梅原「このっ!このっ!お幸せになっ!」ギギギギ…


『風が強いな…でも今日は真姫ちゃんが屋上でダンス練習だし…』

――――――――――放課後、屋上

ビュゥゥゥゥ…

橘(すごい風だな…特に屋上なんて、遮るものがないから余計にだよ)

橘(…今日は屋上って言ってたけど、やめておいた方がいいんじゃないかな)

橘(…来たら提案してみよう)

ガチャ ヒュゥゥゥ…

真姫「ぅえぇっ!?」

橘「あ、真姫ちゃん!大丈夫?」

真姫「え、ええ…すごい風ね…」

橘「うん。だから、今日は屋上で練習はやめておかない?真姫ちゃんくらいだと飛ばされるかもよ」

真姫「私を何だと思ってるのよ…まぁ確かに、この風はちょっと怖いわね」

橘「…あれ、まだ制服なんだね。ということは…」

真姫「様子だけ見てどうしようか決めようと思って。でもあなたの言う通り、今日はおとなしく音楽室にしておくわ」

橘「それがいいよ。じゃあ、寒いし早く移動して…」






ピュゥゥゥゥ…ヒュゥゥゥゥゥ…!!







真姫「!! きゃぁっ!?」バッ

橘「!!」

橘(スカートがめくれて…!)

真姫「うぅ…」

橘(う、くそっ!よく見えなかった…けど、なんだか黒っぽかったから、黒なのかな…)

橘(大人っぽいなぁ…でも似合ってるかも…)ニヘラ

真姫「…」

真姫「ちょっと」

橘「…!」

橘「は、はい!見てません!」ビシッ!

真姫「まだなにも言ってないじゃない…」

橘「あ、そっか…うっかり…」

真姫「…見たの?」

橘「うぇえ!?だから見てないってば!」

真姫「…ふーん?」クルクル

橘(なんだ…なんのふーんなんだ…)ハラハラ







真姫「…ねぇ」

橘「はっ、はい!?」ビクッ

真姫「…見たい?」

橘「なっ…!」ドキッ

真姫「スカートの中。どうなの?」

橘「そ、そそそそっ、そんな!嫁入り前のお嬢さんが軽々しくだね…!」

真姫「軽々しくじゃないわよ」スッ

橘「!」

橘(真姫ちゃんがスカートに手をかけて…!)

真姫「…あなたなら、いいかなって」クスッ

橘「…」ドキドキ

真姫「…」スススッ

橘「…!」ドキドキドキ

真姫「…」

チラッ

橘「う、うわーっ!!!やっぱり駄目だよ!?こういうことは時と場所と場合をしっかりして…!」

真姫「もう…大丈夫よ。ね、見て?」

橘「な、ななな…!」カァッ

真姫「ほら、早く…♪」

橘「う…うぅ…」

橘「…」バクバクバク…

橘「…」


橘「~~~~!」

橘「~~~…」

橘「…」

橘「…」




チラッ




橘「…!!」

橘(こ、これは…!)

真姫「ふふふっ!どうかしら?感想は?」

橘「ぶっ!ブルマ履いてるじゃないかっ!僕をからかったんだね!?」

真姫「いやらしいこと考えてるからそうなるのよ♪まさか本当に私がこんなことすると思ったの?」

橘「うぐ…」

真姫「いい顔してたわよ?まさにポカン、って感じで!」

橘「うぅ…純粋な男心をもてあそんで…」

真姫「ふふん!これに懲りたらもう少し紳士的になれるように努力しなさい!」

橘「…でも」

真姫「え?」

橘「たくしあげたスカートにブルマ…これはこれでマニアック!僕はいいと思うよ!」グッ!

真姫「なっ…!」カァッ

橘「恥じらう真姫ちゃんもいいけど、妖艶な真姫ちゃんもこれはこれでだったし…」

真姫「よ、妖艶って…」

橘「うん!できれば映像とかに残したいくらいだったよ!ありがとう真姫ちゃん!」

真姫「ぅぇえ…なによその反応…思ってたのと違いすぎ…」

橘「はっはっは!まだまだ僕には勝てないね真姫ちゃん!」

真姫「別に勝とうとしたわけじゃないわよっ!というかなんの勝負よっ!!」

橘「はっはっはっは!」

真姫「っ…いみわかんない…」

『せっかくの休日だけど、何をしようかな…』

―――――――日曜日、橘家、純一の部屋

橘「ふぁ~~あ」ノビー

橘「日曜日…か。今日はなにも予定がないし、どうしようかな…」

橘「…久しぶりにパソコンで情報収集でもするとしよう」

橘「…」カチッブゥーン…

橘「…」カチカチッ

橘(えっと…ラブライブ、っと)ケンサク

橘(うーん…すごいなぁ…なにより、μ’sがトップに出てくるのが…)

橘(…)

橘「西木野真姫…っと」カタカタ…

橘「…」カチッ

橘「へぇ…μ’s内のグループBiBiに所属…にこにーと…絵里ちゃんか!すごいグループだな…」

橘「…おおっ、ソロ曲なんてものもあるのかっ!聞けないかな…」

橘「ん…期間限定、公式サイトでμ’sの楽曲配信中?」

橘(μ’sのサイトもあるんだ…誰が管理してるんだろう…)

橘「…」カチッ

橘「…!あった!西木野真姫ソロ曲、『daring!!』…」

橘「どれどれ…」カチッ







ダーリン!ユー!ビーワーイルド!







橘「…!!!」

ドンウォーリードンウォーリー♪イマスグチョウセンシャ?♪

ドンウォーリードンウォーリー♪マヨワズゴーゴー!♪

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

―――――――――――――


橘「…」スクッ

橘「…」

橘「あー…」

橘「…」

橘「なんだよこの曲…」

橘「…」

橘「…一日終わってしまったじゃないか」

橘「…」

橘「最後の笑うところすっごいかわいい…」

橘「…」

橘「もう一回だけ聞こう…」カチカチッ

神風イベントが終わりまして

今回長いですよね。
もっと早く投下できればと思い、頑張ってます

読んでくださっている方、コメントをくださる方
ありがとうございます。
真姫ちゃんは本当に難しいですが、サクサク書いていきたいです

ではまた

『トイレも済ませたし教室に戻ろう』

橘「ふぅ~」

橘「トイレもすんですっきりしたし、教室に戻ろうかな」

スッ…

橘「!?な、なんだ!?」

???「だーれだっ?」

橘「…!」

橘(この声は…)




橘「>>564だっ!」

棚町さん


橘「薫だっ!」

???「…」ピクッ

???「…」ハァ…

真姫「違うわよ。誰よ薫って」

橘「ま、真姫ちゃん!?いや、薫ってほら、僕と同じクラスの…」

真姫「そんなことどうだっていいのよっ!」

橘「えぇ~…真姫ちゃんが聞いたんじゃないか…」

真姫「せ、せっかくあんなことまでしたのに、他の人と間違えるなんていみわかんない!もう二度とやらないからっ!」プイッ

橘「ええっ!?ちょっと待ってよ真姫ちゃん!そうやって拗ねるのも大変かわいいけどっ!ごめん!ごめんってば!」

真姫「ふん!」カァッ…

スタスタスタ…

橘「ああ…行ってしまった…」

橘(なんで僕は薫の名前を出してしまったんだ…うぅ…)

?「ふーん…」

橘「…?」クルッ

棚町「見てたわよ~純一ぃ!なかなかに恥ずかしいくらい仲良いわねあんたたち~」

橘「か、薫?見てたって…」

棚町「純一はチャンスに弱いわね~。声だってそんなに似てなかったでしょ?」

橘「うぐ…まぁ、似てないけどさ…」

棚町「で?追いかけて謝らないの?」

橘「…こういう時は時間をおいて、ほとぼりが冷めてから謝った方が効果的なんだよ…」

棚町「あー…そ。よくご存じなのねー」

橘「はぁ…まぁな…」

棚町「で・も?さっきからあの子、こっち見て顔真っ赤にしてるわよ?」

橘「へ!?」バッ

マキ<ナンデオイカケテコナイデホカノオンナノコトハナシテルノヨッ!イミワカンナイッ!キーッ!

橘「なっ…真姫ちゃーん!ごめーん!!」タッタッタッ…

マキ<!! コ、コナイデッ!ナンナノヨーッ! タッタッタッ…

棚町「…純一の彼女になるなんて、どんな子かと思ったけど」

棚町「…」

棚町「あれはかわいいわ。うん」

棚町「お幸せに~♪」ヒラヒラ

『なんだか真姫ちゃんを祝いたい衝動に駆られる…!これは一体…!』

橘「真姫ちゃん!」ガラッ!

真姫「きゃっ!?な、なによ!そんな大声で…」

橘「いや、なんだかわからないけど、おめでとうって言いたくてさ!」

真姫「はぁ…?なによそれ」

橘「だからよくわからないんだって。でも、こう、内側からさ…なんていうか…」

橘「そう!ポジティブが溢れ出すみたいな!」ドヤァ

真姫「上手いこと言ったみたいな顔やめて。不快だわ」イミワカンナイ

橘「そんなぁ…あ、プレゼント用意したんだ!」

真姫「今日のあなたはいつにも増して行動すべてが突然すぎるわね…プレゼント?」

橘「うん!えーっと…はい!」スッ

真姫「…ガム?」

橘「うぉーたりんぐきすみんとだよ!」

真姫「見ればわかるけど…これをくれるのね?」

橘「おーっと!ただ渡すだけじゃないよ!」

真姫「は?なんなのよ…」

橘「ふっふっふ…これをこうして…」パクッ

真姫「…?あなたがくわえてどうするのよ」

真姫「…」

真姫「…!まっ…さか…」

橘「ほうはよまひひゃん!ほうほ!(そうだよ真姫ちゃん!どうぞ!)」グイッ

真姫「うぇぇえええ!?こ、このまま私もくわえろっていうの!?」

橘「ふん!ほほほうい!(うん!その通り!)」

真姫「な、ななななな…」

橘「~♪」

真姫「…」

真姫「…」ゴクリ

真姫「…」

真姫「…う、うぅ…」

橘「♪」

真姫「…」

真姫「…」アー…

橘「!!」ドキッ

真姫「…」

真姫「…」

真姫「っ…」

真姫「やっぱり無理!」ヒョイッ!

橘「ああっ!そんな!」

真姫「せ、せっかくだから受け取っといてはあげるけど、もうこんなことさせようとしないでよっ!?」パクッ

橘「…!!」

橘(僕の口からとったガムを…!)

真姫「モグモグ…」

橘「…」

橘「…真姫ちゃん」

真姫「モグ…なによっ」

橘「…」

橘「いや、僕は満足だよ…」

真姫「…ふん!」プイッ

橘「ふふふっ」ニヤニヤ

真姫「その顔やめて!」

橘「え~?そう言われてもな~」ナデナデ

真姫「なでないで!」モー!



誕生日ということで1つイベント書いてみました。

4月19日、西木野真姫ちゃん誕生日おめでとうございます!

『今日はなんだか気合が入ってるな…』

橘(少しだけ、時間が過ぎた)

橘(僕と真姫ちゃんは相変わらず美也や七咲にからかわれながらも、)

橘(なかなかいい雰囲気のまま付き合うことができてる)

橘(…けど、最近なんだか真姫ちゃんがピリピリしているみたいだ)


―――――――――屋上

真姫「はっ、はっ、はっ、はっ!」バババッ

橘「…」

橘(今日は、音楽室で少し作曲した後、屋上でダンス練習をしてる…)

橘(いつもならどっちかなのに…最終予選も近いからだろうけど、頑張りすぎなんじゃ…)

真姫「…っ!」キュッ!

真姫「ハァ…ハァ…」フラフラ

橘「お、お疲れさま。はい、タオルとスポーツドリンク」

真姫「あり…がと…」パシッ…ゴクゴク…

橘「…」

橘「真姫ちゃん、ちょっと無理してない?今日はこのくらいで…」

真姫「…無理なんて」

橘「え?」

真姫「…っ…」

真姫「無理なんてしてないわよッ!」

橘「!」ビクッ

真姫「こんなことでダウンしてたら…予選突破なんて…!」

橘「…真姫ちゃん…」

真姫「…」

真姫「…!」ハッ

真姫「…ごめんなさい、少し…疲れてるみたい」

橘「…」

橘「うん、気にしないでいいよ。じゃあもう今日はこれで…」

真姫「…いえ、あと少しだけ…ステップの確認をするわ」

橘「えっ…!」

真姫「…大丈夫。本当に、無理はしてないから」

橘「…」

真姫「…そんな顔しないでくれる?」

橘「で、でも…」

真姫「それともこの天才美少女マッキーが、自分の限界すらわからないような子に見えるのかしら?」

橘「そ、それは…」

真姫「でしょ?…じゃあ、撮影お願いねっ!」タッ!

橘「あっ!……うん…」









橘(結局真姫ちゃんはこの日、フラフラになって倒れそうになるまで練習を続けた)

橘(駅までは送ったけど、ちゃんと家に帰れたかどうかが心配で仕方なかった…)

橘(…焦ってるんだろうけど、これじゃあもたないんじゃ…)

橘(…)

『音楽室に真姫ちゃんと2人…だけど、様子がおかしいな。どうしたんだろう?』

―――――――――放課後、音楽室

真姫「…」イライラ

橘「…」

橘(今日の真姫ちゃんは見てわかりやすい…)

橘(ものっっっっっっっっすごく機嫌が悪い!)

橘(何かあったのかな…書きかけの楽譜とずっとにらみ合ってるけど…)

真姫「…」イライラクルクル

真姫「…」イライライラ

真姫「…!」

真姫「あーもう!」グシャッ!

橘「うわっ!?どうしたの真姫ちゃん!?」ビクッ

真姫「新曲が出来上がらないのよ!あと少し…だと思うんだけど…っ」

橘「新曲…って、最終予選の?」

真姫「そうよっ!…そろそろ作り終えないと、練習する時間が無くなっちゃうわ」

橘「そう…だね」

真姫「歌詞はできてるのよ。あとは曲だけ…」

橘「…作曲って真姫ちゃん以外にできないの?負担が大きすぎるんじゃ…」

真姫「もちろんみんなで作ってるわよ。でも、思いついたメロディラインを楽譜にしたり、つないでいったりは私しかできないわ」

橘「なるほど… ?その楽譜は…?」

真姫「…ん、これ?」カサッ

橘「うん。割とびっしり書いてあるから、なにかなって」

橘(…楽譜なんて読めないからよくはわからないしなぁ)

真姫「これがさっきから言ってる新曲よ」

橘「ふーん…」

橘「…ええっ?!そんなに出来上がってるのに完成じゃないの!?」

真姫「…ええ。このままでもそこそこの出来の曲なのは確かよ?でも…」

橘「でも?」

真姫「…納得いかないのよ。まだ出来る。まだこんなものじゃない、ってどこかで思ってる…」

真姫「あと少し、なにかが足りないのよ…!でも全然わからない。何が…」

橘「真姫ちゃん…」

真姫「っ…」

真姫「…ダメね。今日はあと、ダンス練習にする」ガタッ

橘「え…」

真姫「…あなたは、どうする?」

橘「どうって…」

真姫「…」

橘「…もちろん一緒に行くよ。当たり前じゃないか!」

真姫「…そ」


橘「…」

橘(…)

『どう見ても頑張りすぎな真姫ちゃんに息抜きの提案をしよう!』

橘(最近の真姫ちゃんはどう考えたって頑張りすぎだ!)

橘(どうにかして息抜きをさせてあげないと…)

橘(…でも、どうやって…)

橘(うーん…)

橘(…)



A:そもそもなんで新曲にこだわるんだろう…作ってる曲について聞いてみよう!



B:これ以上見てられないよ…もっと僕にできることはないか聞いてみよう!



明日パッと見て多かった方にします。

書き込みがなかった場合はテキトーに決めます。

投下自体はおそらく平日になると思いますが、
ちょっとよくわかりません。

見てくださってる方、ありがとうございます。

ではまた

A:そもそもなんで新曲にこだわるんだろう…作ってる曲について聞いてみよう!



――――――――――――音楽室

真姫「新曲について教えてほしい?」

橘「うん!」

真姫「…どうして?」

橘「恋人が悩んでることを分かち合いたいと思うのは当たり前だと思うからだよ!」

真姫「っ…!」カァッ…!

橘「っていうのも…もちろん本心だけど」

橘「何でそんなに、この新曲に思い入れが強いのかが知りたいんだ」

真姫「え…?」

橘「安定した完成度を求めるなら、すでにある曲をバージョンアップした方がいいに決まってる」

真姫「…!」

橘「時期が時期だし、そう思うのは当たり前だよ。でも、真姫ちゃんは…ううん、μ’sのみなさんはその新曲で行きたい、って言ってて…」

橘「…何か理由があるのかなって」

真姫「…」

真姫「…この新曲はね」

橘「…うん」

真姫「希…わかるわよね?東條希」

橘「ああ、わかるよ。μ’sの三年生の、ナイスバディの…」

真姫「そう。…鼻の下伸ばさないでよ、キモチワルイ」

橘「うっ…ご、ごめん…」

真姫「…ま、いいわ。その希がね。みんなで一緒に曲を作りたい、ってわがままを言い出して作ることになったものなのよ」

橘「わがまま…?」

真姫「ええ。今までの曲はほとんどが私が作曲してきたって言ったじゃない?」

橘「そうだね。聞いたよ」

真姫「それでなおかつ、作詞は海未…園田海未ね。あの人が担当してきたのよ」

橘「え…」

真姫「…だから」

真姫「…μ’sの思い出になるような、みんなで作った曲がほしい、って」

橘「…!」

真姫「そんなこと言われたらやるしかないじゃない?」

真姫「希は陰からμ’sの活動をずっと支えて…そんな人のたった一つのわがままなんだもの」

真姫「歌詞を考えて、メロディを考えて…ようやくここまで来た。妥協なんて、したくないわ」

橘「それは…」

橘「…」

橘「そう、だね」

橘(全員で作る、大切な曲…)

橘(真姫ちゃんがここまで気合を入れてるのもわかる)

橘(けど…)

橘(…)

橘(足りないもの…あと少し、なにか足りないもの…)

橘(…)

橘「…」


真姫「…」

真姫「…この新曲ね」

橘「…ぇ?」

真姫「…」

真姫「…ラブソング、なのよ」

橘「へ…」

真姫「だから…」

真姫「っ…」

真姫「…だから、ね」

真姫「…」クルクル

真姫「っ…こ、」

橘「…?」


真姫「こいっ…びとが、できて、その…」

真姫「そういう気持ちがわかった私なら…」

真姫「なにか劇的なものができるかもしれないって」

真姫「…」

真姫「…そう、思ってたのよ」

橘「…」

真姫「…だから、余計に往生際が悪くなっちゃった…のかも」

橘「…」

真姫「…」

橘「…そっ、か」

真姫「…うん」

橘「ふふっ…」

真姫「…え?」

橘「はははっ、あはははははははっ!」

真姫「ちょっ…」

橘「はーっはっはっはっはっはっはっは!!」

真姫「な、なに笑ってるのよっ!私は、本気で…!」

橘「…真姫ちゃん」ガシッ

真姫「ふぇ…?」ビクッ

橘「…やっぱり真姫ちゃんはかわいいよ」

真姫「なっ…!」カァッ…

真姫「っ…からかわないで!」

橘「からかってなんかいないさ。そんなことを真面目に考えてる真姫ちゃんはすごくかわいい」

真姫「ふぇ…っ…」マッカッカ

橘「そんなかわいい真姫ちゃんに提案があるんだけど」

真姫「な…に、よ…」アカー…

橘「…」コホン

橘「今度僕とデートをしようっ!」

真姫「で、でー…と?」

橘「うん!二人で待ち合わせて、出かけるんだ!1日使って…」

真姫「そっ!れ、は…」


橘「…ん?」

真姫「…」

真姫「…っ」

真姫「…ダメ」

橘「…」

橘「…!?」

橘「ええっ!?なんでっ!?」ガーン!

真姫「勘違いしないで?私だって…したくないことは、ない…わ」

橘「だったら…!」

真姫「でも、時期が時期じゃない…」

橘「う…」

真姫「…本当に、嫌ってわけじゃないの。…軽く息抜きならまだしも、そんな時間は作れそうにはないのよ」

橘「…そっか…」

真姫「…」

橘(…ダメか…いいアイデアだと思ったんだけどなぁ)

橘(真姫ちゃんの言うこともモットモだし、仕方ない…のかな…)

橘「ハァ…」ショボン…

真姫「…」

真姫「…?」ハテ

真姫「おでかけ…」

真姫「…」クルクル

真姫「…ぁ」

橘「…?」

真姫「…ぅー…でも…」ウーン…

橘「…どうかしたの?」

真姫「…日曜日」

橘「うん?」

真姫「だ、だからっ!…次の日曜日…なんだけど」

橘「う、うん」

真姫「…暖炉の掃除をしに別荘に行く予定だったの」

橘「…へ」

橘(暖炉…?掃除…)

橘「…ああ!クリスマスの!」

真姫「ええ。…それでよければ、来てもいいわよ?」クルクル

橘「えっ!?いいの!?」

真姫「今年はパっ…」

真姫「…」コホン

真姫「お父さんもお母さんも仕事で行けないって言ってたから、私一人で行くつもりだったの。これだけは前々からμ’sのみんなにも言ってあったし…」

橘「行く行く!ぜひ!」

真姫「ぅええ!?そ、そう…そんなにはりきらなくても…」

橘「なに言ってるのさ!日曜日に恋人と2人でお出かけなんて、テンションが上がらない方がどうかしてるよっ!」


真姫「そっ…れは、そうかもしれないけど…」

橘「うんうん!なら僕は日曜日、真姫ちゃんの家の最寄駅まで行けばいいかな?」

真姫「え?あ、ああ…そうね。それがいいわね…」

橘「よしっ!楽しみだね!真姫ちゃん!」

真姫「…」

真姫「…フフッ」

真姫「…ええ。とっても」

ずいぶん放置してすみません
仕事が忙しくて…

完結はさせます!スレも…まだ平気ですよね…?

あとちょっとの予定なので、読んでくださってる方、よろしくお願いします…

すみません
一応生存の報告だけ…

忙しくて書いてる暇がないです
待ってくださってる方、本当に申し訳ありません…

今週中にちょっとでも投下できればと思ってます。
繰り返しになりますが完結はするのでどうか気長にお付き合いください

面目ない…

『真姫ちゃんとお話ししよう!』

橘「~♪」

橘(日曜日は真姫ちゃんとお出かけだと思うと、わくわくが留まるところを知らないなぁ!)

橘(今日は調子も良かったし、なんだかいいことがありそうだ!)

橘「…ん?」

真姫「…え?」スタ…

橘「真姫ちゃん!奇遇だね、どうしたの?」

真姫「どうしたって…今日は音楽室を合唱部が使うらしくて」

橘「へー…」

真姫「屋上も演劇部が使ってるからおとなしく帰るところよ」

橘「そっか…じゃあちょっとお話しようよ!」

真姫「…いいけど、つまらなかったら帰るから」

橘「えぇっ!」

真姫「冗談よ」クスッ

橘「だ、だよね…ははは…」

〈世間話〉

橘「そういえばさ、この間μ’sについて調べてみたんだけど…」

真姫「ふーん?」

橘「真姫ちゃんって最初どんなキャラクターで行こうと思ってたの?」

真姫「は?それってどういう…」

真姫「…」

真姫「…!!」

真姫「ま、まさか…!」

橘「あ、うん…『こーんなにかわいいのに、ただの一般人として埋もれてるなんて、ちょっともったいな

真姫「きゃああああああっ!!や、やめなさいよっ!」

橘「えー」

真姫「っだいたい、あれは活動し始めた時に希が!」

橘「無理やりやらせたの?」

真姫「そうよっ!その方が人気出るとかなんとか言ってっ!」

橘「その割にはノリノリだったような…」

真姫「くっ…もう!知らない!」ツーン!

橘「ああっ、ごめんごめん!パソコンのデータも消しておくから機嫌直してよ!」

真姫「ダウンロードしてるんじゃないわよっ!絶対消しなさいよ!」

橘「うん…」

真姫「まったく…」

〈勉強〉

橘「この間のテスト、どうだった?」

真姫「…5教科で498点」

橘「うわっ!すごい!もうそこまでだとなにで間違えたのかが気になるよ!」

真姫「国語の問題。萩原を荻原って書いてたの」

橘「もったいないね…」

真姫「今回はすっごく調子よかったから、5教科パーフェクトも余裕だと思ってたんだけど…油断したわ」

橘「十分すごいと思うけど…」

〈運動〉

橘「輝日東のさ」

真姫「うん?」

橘「綺麗な河原の道があるんだ」

真姫「はぁ」

橘「この前舗装工事が終わって、サイクリングロードができたみたいで」

真姫「…」ピクッ

橘「自転車も貸し出してるみたいだから、今度時間ができたらどうかな?」

真姫「…」

橘「…?真姫ちゃん…?」

真姫「…ん、そ、そうね。いいわね、サイクリング。こう…風を切って走るの、気持ちいわよね?」

橘「う、うん…?」

真姫「ぜひ、そうね、春頃なら気候も落ち着いていいんじゃないかしら。春頃」

橘「そうだね…?」

真姫「あはは、はは…」

真姫「…」

真姫「…練習しないと」ボソッ

橘「…?」

〈娯楽〉

橘「真姫ちゃんのソロ曲ってかわいいよね」

真姫「ソロ…って…!」

橘「daring!!って曲…」

真姫「聞いたの!?」

橘「え?うん」

真姫「そ、そう…」

橘「すごい曲だったよ!もう一日中聞いて…」

真姫「…そう」クルクル

橘「…?どうしたの真姫ちゃん」

真姫「え?な、なにがよ」

橘「いや、反応が薄いなって…」

真姫「別に…そんなに騒ぐほどじゃないでしょ?」

橘「それはそうかもしれないけど…」

真姫「…あの曲」

橘「え?」

真姫「…daring」

橘「あ、うん」

真姫「…良かったの?」

橘「へっ」

真姫「っだから、気に入ったのかって聞いてるのよっ!」

橘「え!?う、うん。ずっと聞いていられるよ…?」

真姫「…」

真姫「…そ」クルクル

橘「…?」

橘(な、なんだかわからないけど…)

真姫「~♪」クルクルクル

橘(…喜んでるみたいだし、いっか)

〈食べ物〉

橘「寒くなってきて、鍋の季節だね」

真姫「そうね。…あんまりしたことないけど」

橘「ええっ!?鍋しないの!?」

真姫「ええ…3人家族で、両親とも医者だから。一人で鍋ってやらないでしょ?」

橘「あ…そっか…なんかごめん」

真姫「クスッ…なに謝ってるのよ」

橘「…そうだ!」

真姫「?」

橘「今度ウチで鍋やろうよ!美也も喜ぶだろうし!」

真姫「ぅええ!?そんな、別に気を使わなくても…」

橘「ううん、僕がやりたいんだ!それにほら、最近はトマト鍋なんていうのもあるし」

真姫「…トマト鍋」ゴクリ

橘「じゃあ決定!美也に伝えておくからね」グッ

真姫「ちょっ…もう、仕方ないわね…強引なところなんかホントそっくり」

橘「~♪」

〈おしゃれ〉

橘「僕はさ」

真姫「?」

橘「『これからのsomeday』と『Dancing stars on me!』の衣装が好きなんだけど」

真姫「…そ」

橘「あっ!μ’sの西木野真姫ちゃんじゃないですか!握手してください!」

真姫「…」ギュッ

橘「うわ~感激だなぁ!サイン!サインをここに…」

真姫「…」サラサラ

橘「おおっ!ありがとうございます!家宝にします!」

真姫「…満足?」

橘「…比較的」

真姫「そう…」

橘「で、真姫ちゃんはどの衣装がお気に入り?」

真姫「どれもかわいいと思うけど…強いて言うならユメノトビラかしら」

橘「ああ、いいよね!花冠がまたかわいくて…」

真姫「…ねぇ」

橘「ん?なに、真姫ちゃん」

真姫「あなたもしかして、ライブやPV全部見たの?」

橘「うーん…μ’sのを全部ってわけじゃないけど…」

橘「真姫ちゃんが出てるのはたぶん全部見たかな」

真姫「えぇ…」ヒキッ

橘「な、なんでヒくのさ」

真姫「別にヒいてないわよ…」

橘「…あ」

真姫「?」

橘「誘惑リボンで狂わせるわ!」クルクル

真姫「!! や、やめてっ!っていうかなんで知ってるのよっ!」

橘「え?公式サイトにあったんだけど…」

真姫「なっ…!の、希ィ…!」

〈恋愛〉

橘「憧れのデートシチュエーションとか、ある?」

真姫「な、なによ突然…なくはないけど…」

橘「へぇ!どんな?」

真姫「どんなって…それは…その…」

橘「?」

真姫「っ…」

真姫「あ、あるにはあるけどっ!!」

橘「うん!?」ビクッ

真姫「…ぅ」

真姫「…」

真姫「…今は、あなたと2人でいられればそれでいい」ボソッ

橘「へぇっ!?」カァッ

真姫「っ…」カァァァァ…

橘「そ、そっか…へへ、へへへ…」

真姫「…」コクリ

橘「…照れるね」

真姫「そ、うね」プイッ!クルクルクルクルクル

橘(くっ…かわいすぎて死にそうだ!たまらん!!)

〈エッチ〉

橘「下着ってさ」

真姫「…」ビシッ

橘「あてっ!なにするのさ!」

真姫「当然の報いよ。そんな出だしで碌な話題なわけがないもの」クルクル

橘「うぐ…で、でも一応最後まで聞いてみない?」

真姫「自信があるならどうぞ」

橘「下着って着けないほうが健康にはいいらしいよ!」

真姫「…」ビシッ

橘「あてっ!なにするのさ!」

真姫「予想以上にくだらなかったから…」

橘「ぐぬぬ…だ、だから真姫ちゃんも健康のために下着は」

真姫「…」スパーン!

橘「うぎゃっ!?」

真姫「はぁ…なんでこんな人を好きになったのかしら…」

橘「う、うう…」サスサス

〈行動〉

橘(真姫ちゃんって猫っぽいよなぁ)

真姫「…?」クルクル

橘(…よし、あごの下のところを撫でてみよう!)

橘「…」

スッ

真姫「?」サッ

橘「あっ…」

真姫「…なに?この手は」

橘「い、いや、なにってほどではないんだけど」

真姫「…?」

橘(うっ…こうなったら…!)

ササッ!

真姫「なっ…?!」

橘「先手必勝!とりゃっ!」

バッ!

真姫「!?」

コショコショ…

真姫「な…え…?」

橘「よーしよしよし…」コショコショ

橘(おおっ!なんて柔らかくてすべすべの肌…)

真姫「な、ななな…」カアァッ…

橘(…もう片方の手で頭もなでてみよう)

橘「…」コショコショ

スッ…モフッ

真姫「!!」アカー…

橘「おふっ!な、なんだこれは…!これが天国!」モフモフコショコショ…

真姫「ちょっ…」

橘「右手は真姫ちゃんのかわいらしいあごを!左手は真姫ちゃんの美しい髪を!」

橘「ああぁ~!やめられないとまらないッ!廃人になる…」

真姫「っ…」マッカッカ

バッ

橘「あっ…」

真姫「このっ…!」ワナワナ

橘「ひぃっ!?ご、ごごごごめんなさい調子に乗りすぎましたッ!」バッ

真姫「~!」ワナワナ

真姫「~…」

真姫「…」

真姫「…」

橘「…?真姫ちゃん?」チラッ

真姫「…そういうこと」

橘「え?」

真姫「…したいなら、してもいいから」

橘「!!」

真姫「っ…急には、やめて」クルクルクルクル

橘「は、はいっ!」

真姫「…」クルクルクルクルクル

橘「…」

橘「ふふっ」ニヘラ

真姫「…だらしない顔」プイッ

〈アタック〉
シュインシュシュシュシュシュ…

真姫「そろそろ帰る時間ね」

橘「あ、もうそんな…」

真姫「…」クルクル

橘「…」

橘「…!」ハッ

橘「駅まで一緒に行こうか。せっかくだし」

真姫「え、ええ…そうね。せっかくだものね…」クルクル

橘(今絶対僕が言い出すの待ってたよね)

橘(かわいいなぁ…)デレー

真姫「…なによその顔」

橘「うええっ?な、なんでもないよ!」

真姫「…」ジトッ

橘「ははは…」


――――――――――駅前

真姫「…ねぇ」

橘「ん?なに?」

真姫「ちょっと寄りたいところがあるんだけど…いいかしら?」

橘「?いいけど、珍しいね。真姫ちゃんが寄り道の提案なんて…」

真姫「う…っ…べ、別にいいでしょ!ほら、ついて来てっ」グイグイ

橘「ちょっ…行く!行くから引っ張らないでよっ!」

―――――――――ゲームセンター

橘「…ここ?」

真姫「そ、ここの…」ズンズン

橘「…?」

橘(ずいぶん奥の方に行くんだな…この先って何のコーナーだっけ…)スタスタ

真姫「っ…これ!これよ」ピタッ

橘「へ?これ…これ!?」

橘(これって…これって!)

橘「プリクラ…?」

真姫「ほら、ぼーっとしてないで入って!」グイグイ

橘「あ、え、はい!」スタスタ

―――――――――――プリクラ機内

橘(こ、これがプリクラ…)

橘(入った事ないから妙に緊張するなぁ…)ゴクリ

真姫「えーっと…お金を入れて…」チャリン

橘「あっ、僕出すよ!」ガサゴソ

真姫「もう入れたわ。それに、私のお願いなんだから気にしないで」

橘「そっか…それで?これって、フツーに立ってるだけでいいのかな!?」

真姫「…」

橘「プリクラって初めてで、どうしたらいいか…」

真姫「っ…」

真姫「あなたは…私の後ろで」

橘「へっ…後ろ…?」

真姫「っそう!後ろ!撮影始まるからはやくっ!」

橘「はっ、はいっ!」ササッ

橘(真姫ちゃんも緊張してるのかな…なんだか顔も赤いし…)

真姫「それで…その…」

橘「?」

真姫「~~~~~~~っ」

真姫「う、しろから」

橘「うん?」

真姫「だっ…抱きつく、感じで」マッカッカ

橘「…」

橘「ええっ!?」

真姫「う、二回は言わないわよっ!聞こえてたでしょ!」

橘「聞こえてたけど!だ、抱きつくって…」

橘「…」ゴクリ

真姫「前、向いてるから…」クルッ

橘「は、ひゃいっ!?」

橘「…!」ドクンドクン

橘「……!」ドクンドクン

橘(だ、抱きつくって…いわゆるあすなろ抱きってヤツ…!?)

橘(くっ…真姫ちゃんが勇気を出してお願いしてくれたんだ!はやくしないと…)

橘「…」ソーッ

真姫「…」グッ

橘(ああ、いい匂いがする…心臓がうるさい…)ドキドキ

橘「…」

キュッ…

パシャッ!

―――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

―――――――――――――

―――――――駅前

橘「あー…」

真姫「…」

橘「じゃ、じゃあ真姫ちゃん!また明日ね!」

真姫「…」コクン

橘「…うん、ははは…」

真姫「…これ」スッ

橘「ん…?」

真姫「半分…プリクラの」

橘「あ、ああ…ありがとう」

真姫「…また、明日」

橘「うん!気をつけてね!」

真姫「…」コクン

フラフラ…

橘「…大丈夫かな」

橘「…」

橘「…」スッ

橘(うーむ…幸せそうにしやがって)

橘(2人とも真っ赤だけど、すごいなこのプリクラ)

橘(…バカップルっぽい)

橘(…)

橘(人には見せられないよ)

橘(…)

橘(あー…狭い場所で抱きつくのがあんなに緊張するなんて)

橘(真姫ちゃんも限界っぽかったし)

橘(…)

橘(帰ろう…まだふわふわする…)フラフラ

橘(いい日だった…ふふ…)ニヤニヤ

フラフラ…

本日ここまでです。

見てくださってる方、いらっしゃったら本当にありがとうございます

サンシャインが始まってしまいました
果南ちゃんかわいい

もう少しで終わるつもりですので、
引き続きのんびり見てくださると幸いです

頑張って早く投下したいと思ってますのでよろしくお願いします…

『日曜日!今日は真姫ちゃんと別荘へ行く日だ!』

――――――――西木野家最寄り駅

橘「…」ソワソワ

橘(待ち合わせ時間まであと1時間…ちょっと気合入れて早く来すぎたかな…)

橘(いやいや、でもせっかく2人で休日にお出かけなんだし!このくらいは!)

橘「…」ソワソワ

橘(うーん…格好とか、変じゃないよね?ちょっとフォーマルな感じで決めたけど)

橘(もう少し楽な格好の方がよかったかな…)

橘「…」グヌヌ…

真姫「…なにしてるのよ」クルクル

橘「…」

真姫「…?」

橘「…」

真姫「…」

橘「…うわっ!?」

真姫「きゃっ!?な、なによ!」

橘「ま、真姫ちゃん!?どうしてここに…」

真姫「どうしてって…待ち合わせしてたじゃない」

橘「そういえばそうだった」

真姫「しっかりしなさいよ」マッタクー

橘「…」

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