卯月「凛ちゃんは今週ラブレターいくつ貰いましたか?」 (27)


凛「え?えっと、20通くらい……かな」

卯月「わぁ、流石は凛ちゃんですね!私なんて5通でしたよ」

凛「アイドルとしては別にもらっても困るだけなんだけどね……しかも何故か半分くらい女の子からだし」


卯月「へえ、でもそれ分かります、凛ちゃんって同性でも見惚れちゃうくらいかっこいいし」

凛「……それこそ困るっていうか、何ていうか……うーん」ポリポリ


未央「96通」

卯月「……へ?」
凛「えっ!?」


未央「……96通」

卯月「」
凛「」



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未央「…えっ?!なにその意外そうな目、いやいやいや何で?なんでさしぶりんもしまむーも」

卯月「あっ、ごめんなさい……別にそういう意味じゃなくて、その」

凛「えっと……なんか急に大きい数字言われてビックリして……え?それって今週だけでってこと」

未央「そうだよ」

凛「累計じゃなくて?」

未央「いやいや、こうみえて私ってば実はモテモテだからね、学校でも声かけられまくり?みたいなさ」


凛「ああ……でもそっか、未央ってこの中じゃかなりオープンな方だし……けっこうラブレターとか渡しやすいのかも」

卯月「あっ、なるほど……確かにそうですね、未央ちゃんは誰とでもフレンドリーですから」

未央「そこはせめてひとえに私の人徳のなせる技といってくれたまえよ、君たちさあ」



未央「ひどいやひどいや、二人とも私のことなんだと思ってたのさ……まったくもう」イジイジ


卯月「それは、ホントにごめんなさい」

凛「変なリアクションしちゃったのは謝るってば、未央……」

未央「…………」

卯月「……未央ちゃん?

未央「……ぷっ、ごめんごめん、実はちょっとからかっただけだったり」

凛「……なんだ、心配して損した」


未央「まぁ私もかなり気軽にラブレターとか渡されてるなーってのは自覚してるからさ」

未央「数は勝ってても、そこらへん質とかになると流石にしぶりんには勝てませんからなぁ」

凛「うっ」ギクッ

卯月「?」


プレゼントの山「」ドォォオオーーンッ


卯月「わぁぁ、こ、これ全部凛ちゃん宛てのプレゼントですか?」

凛「うん、みたいだね……」

未央「凄いよねぇ、プロダクション全体で見ても断トツなんだってさ……流石はしぶりんだね」


凛「まぁ、でも嬉しいというか……複雑というか」

卯月「凛ちゃん?」

未央「おやおや、それはまた……どういうこと?」


凛「……例えばこのぬいぐるみとか」

卯月「あっ、それ雑誌で見たことあります、たしか何万円かするブランドのぬいぐるみだとか」

未央「うへぁ、すごいじゃんしぶりん、それがどうかしたの?」

凛「…………えっと、たぶんこの辺に」ビリビリピリッ


卯月「り、凛ちゃん!?」

未央「ちょっ、何やってんのさ!うん万円のブランド物なんか破いたらバチが当たる」

コロンッ

未央「……って、あれ?今何か落ちたような、これは?」


凛「それね、超高性能小型盗聴器……なんだってさ、ここにあるやつには全部似たようなのが仕込まれてたんだって」


卯月「ええっ!そうなんですか?これも?この花瓶にも、こっちの置き物にもですか?」

凛「うん、そっちのは隠しカメラだったかな……まぁこういうわけだから」


未央「………うへぁ、なるほど……そういうことか」

凛「もう電源は切ってあるから別にいいんだけど、それでもやっぱり……そういう人からの贈り物はちょっとね」


未央「確かにそれは、うん……しぶりんも実は知らないところで苦労してるんだね」

卯月「大変なんですね、凛ちゃん……」


凛「まぁ、流石にもう慣れたけどね……ふぅ」

卯月(………あ、あれ?でも、これってもしかして……)


卯月(未央ちゃんはいっぱいラブレター貰ってるし、凛ちゃんは曲がりなりにもプレゼント()を沢山贈られてて……)

卯月(なんだか、私だけ………置いていかれている、ような)


未央「?……しまむー?どうしたの、大丈夫?」

卯月「えっ?!ぁ、ああはい!大丈夫ですよ未央ちゃん」

凛「ホントに?なんか顔色悪いように見えるけど……どこか座る?それとも仮眠室とか」


卯月「だ、大丈夫ですってば、もう二人とも心配しすぎですよ」

未央「……う、うん」

凛「……卯月がそういうなら、いいけど」


卯月「あ、あはは……あの、ちょっと私いくところがあるので、失礼しますね凛ちゃん、未央ちゃん」

凛「ちょっと待って、卯月!」


卯月「……っ!」ダッ

未央「……行っちゃった、大丈夫なのかなしまむー」

凛「…………………」


P「……なるほど、それで二人に置いていかれてるような気がしたと……そういうことか?」


卯月「はい、自分でもバカなことだとは思うんですけど……どうしても」

卯月「っ……その、こんな自分が二人と肩を並べてて……いいのかな、なんて……思っちゃって」

P「……ふむ」


卯月「…………プロデューサーさん、私…どうしたらいいんでしょうか」


P「……まぁ大丈夫じゃないか?卯月も十分二人に引けを取らないくらい人気者だと思うぞ?」

卯月「……で、でも」


P「なんでも学校じゃクラスの誰もが『卯月ちゃんは友達』なんて言ってるらしいじゃないか、ウワサだけど」

卯月「そう、なんですか?プロデューサーさん」


P「ああ……まぁつっても大半は「私ぃ、友達にアイドルの子がいるんだよねぇ」ってSNSとかで自慢話したいだけの連中ばっかりだったみたいだけどな」

P「未央は普通に友達多いし、凛は逆に交友関係狭そうだし……卯月くらいが丁度いいというか手頃なカモなんだろうなきっと」


卯月「うわぁぁーーーーーーーーーんっ!!!」ダダダダダッ

P「あっ!ちょっと待、しまった……つい口が滑って余計なことまで言ってしまったぜ!」


卯月「うぅ、ひどいです……プロデューサーさん、何もあんなこと言わなくても……ぐすっ」


卯月「私、これからいったいどうしたら……」ポロポロ

美穂「……卯月ちゃん?」

卯月「え?……美穂、ちゃん?」

美穂「ど、どうしたの卯月ちゃん、何で泣いて……」


卯月「み、みほぢゃぁーーんっ!」ガバッ

美穂「わ、わわっ」ドキッ


卯月「うっ、ぐす……」メソメソ

美穂「……そう、そんなことがあったんだ」


卯月「私、もう自信が持てなくて……アイドルも、続けられるかどうか……ぐすっ」

卯月「美穂ちゃん、私……これからどうしたら」

美穂「……………」




美穂「……ねぇ卯月ちゃん……卯月ちゃんはこの世で何が一番尊いか、知ってる?」


卯月「え?なんですか……何の話を、美穂ちゃん?」

美穂「知らないのなら、私が教えてあげるよ……そのカラダに」ガバッ

卯月「へ?え、あっ」ドサッ


美穂「どれだけたくさん愛されることよりも、たった一人の相手と愛し合うことの方が……ずっと尊いってことを、ね」

卯月「み、みほちゃん?……ん、んっ?!」チュー

美穂「ん、ちゅ……卯月ちゃん、卯月ちゃん!」チュー



卯月「美穂、ちゃん……はうっ」ハラリ


未央「うぅん、しまむーはああ言ってたけど……やっぱり心配だなぁ」

凛「そうだね……」

未央「やっぱり、今からでも追いかけたほうがいいんじゃ」


ガチャッ
卯月「……………」

凛「!……卯月」

未央「しまむー!よかった、大丈夫なの?」

卯月「はい、ごめんなさい心配かけて……けど、私気づいたんです」

凛「気づいたって……何、を」


卯月「この世で一番、何が尊いか……」ハート目

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このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月08日 (金) 15:34:07   ID: Y45zls1x

時間返せよクソが

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