???「にゃし、にゃしぃ~」サワサワ (41)

そんな鳴き声をあげながら舞浜鎮守府秘書艦、吹雪の身体を何者かが触れた。
こんな特徴的な声を出すのは吹雪の知り合いには一人しかいない。
普段と比してもやけに馴れ馴れしい触り方であったが、友人同士そう気になることでもない。
構ってほしいのかな、なんて考えて執務中とはいえ少しくらいいいかな、と吹雪は親しい友人に対する笑顔で振り返る。


吹雪「なぁーにぃ?睦月ちゃん」


そう声を出した瞬間、吹雪の瞳孔が開く。身体が固まる。全身から一瞬で冷や汗が湧き出る。


吹雪「って、え、し……」


がくがくと震える。あまりの予想外の出来事に、恐怖にも似た驚愕が吹雪の内側から襲いかかる。
その視線の先には――――


吹雪「司令官ッ!?」


提督「そう、僕だ」バァ―z_ン!!


彼女の司令官、この鎮守府の提督だけがそこにいた。
彼女の友人、睦月の制服を着て。

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吹雪「な、え、ちょ、え、な……」

提督「おいおい、驚きすぎだろう」ハハハハ

吹雪「なんて格好してんですか!?バカなんですか!?」

提督「そんなこと言ってやるなよ、睦月がかわいそうだろ」

吹雪「司令官がその格好をしてるから言ってるんです!睦月ちゃんが着てたら普通に睦月ちゃんです!」

提督「睦月が普通にバカってことか?」

吹雪は艤装を装着した。攻撃力が上がった。殺気が目に見えるようになった。

提督「ごめんなさい」

吹雪「分かればいいんです」

そう言って、目の前の人物に砲を放った。

書き溜めなしです。
エタったら申請を出しに行きます

吹雪「で?」

提督「はい」

執務室。変わらず二人は執務室にいた。
ちなみに砲は当然空砲、それも陸上で艦娘の艤装を使ったのだ。
2m吹っ飛ばされるだけで済んだ。睦月の制服は中破した。

吹雪「なんで司令官が睦月ちゃんの服着てるんですか?」

提督「びっくりするかなーって…」

吹雪「そりゃびっくりはしましたけど……」

提督「こう、もっと『ひゃあ!』みたいなかわいい驚き方するかなと思ったらマジの驚き方するんだもん。俺のほうがびっくりしちゃった」

吹雪「うるさいです」

はあ、と溜息をつく。

吹雪「それにしてもよく制服貸してもらえましたね?そんなことのために、サイズの合わない制服を」

提督「ああ、この吹雪がボロボロにした制服か」

吹雪「うぐっ……」

提督「普通『分かればいいんです』って言ったら許すよね?分かったのに撃ったら全然いいと思ってないよね?」

吹雪「それもそうですけど……でもやっぱり撃っとかなきゃいけないですよ。そういうこともあるんです」

正直ノリで撃ったのでそこは強引に丸め込んだ。

吹雪「まあ、でも撃ったのは私ですし睦月ちゃんにはちゃんと謝って私が替えの制服を用意しておきますよ」

提督「いや、その必要はないぞ」

吹雪「え?」

提督「睦月に制服を借りに行った時だがな……」

・・・・・・・・

20分前。
提督は睦月と如月の部屋の扉を叩いた。

如月『は~い?』

提督「私だ」

如月「あら、執務中じゃないんですか?」

がちゃり、とドアを開きながら如月は至極当然の疑問を口にした。

如月「うふ、司令官も悪い人ですね……?」

提督「そういう用事じゃなく……睦月はいるか?」

睦月「およ?」

提督「いま着てる制服をくれ」

時間が、止まった。

言い訳をしますと、「エタる」を『作ったものを未完のまま放り出すこと』と覚えてはいたのですが「放り出す」を『オチを付けるのを諦める』くらいの意味だと思ってました
なるほど、もう全部放り出しちゃうんですね……参考になりました、ツッコんでいただいてありがとうございます
あと寝てました
これからあと数レスくらい投げてたぶん数日空けます

提督「いま着てる制服をくれ」


「「…………」」


提督「? 睦月が、今着ている、その制服を、私に、くれないか?」


「「…………」」


提督「睦月の『制服』が欲しいッ!」ドッギャ―z_ン

如月「分かりました!分かりましたから!!」
睦月「何度も言わないでほしいのです!!」

提督「え、そう?よかった~」

睦月「全然よくはないんだけどぉ……」

如月「そ、その、どうして睦月ちゃんの制服がほしいんですか?」

睦月「そうだそうだ!」

提督「いや、ほら、吹雪いるだろ?秘書艦の方の」

如月「はい」

提督「あいつの前で睦月のフリしてつんつんしたら驚くかなぁ~って思って」

如月「……」

睦月「……」

如月「いや、驚くとは思いますけd
睦月「なるほど!」
如月「えっ!?」

如月「む、睦月ちゃん?」

睦月「睦月のフリして提督がつんつんしたら絶対吹雪ちゃん驚くよ!」

提督「だろう!?」

如月「『だろう!?』じゃなくって!」

睦月「でもどうやって提督が睦月のフリするのかにゃ?身長も体格もぜんぜん違うのです」

如月「それ以前に司令官は殿方でしょう……」

提督「そこで睦月の制服だよ!」

睦月「なるほど!」

如月「ごまかしきれないと思いますけど!?」

提督「ということで早速くれないか?その制服」

如月「……睦月ちゃんは乗り気だからいいですけど、それなら予備の制服でもいいですよね?」

提督「頭いいな!」

如月(司令官、こんなに頭悪かったかしら……?)

如月「とにかく、睦月ちゃんも渡すなら予備のにしましょ?」

睦月「全然いいけど、一度着たら絶対そのまま捨ててほしいのです」

『一度着たら絶対そのまま捨ててほしいのです……』

『一度着たら絶対そのまま捨ててほしいのです…』

・・・・・・・・

・・・・・

・・・

提督「と、いう訳だ」

吹雪「頭痛いです……」

提督「俺はちょっと心が痛くなった……」

ここまでです。

予定ではそろそろ書いて投げつけてるはずだったのですが未だに12時の魔法が解けないので来週くらいに書けたらいいなぁと思っています

中途半端ですがそろそろ一週間経つので5レスくらい投げてみます

睦月型駆逐艦13番艦の誕生と轟沈から3日経った朝。
吹雪は廊下を歩いていた。

吹雪(結局司令官は何がしたかったんだろう……?)テクテク

吹雪(私を驚かせたかった、なんて言ってたけどそもそもなんで驚かせたかったのかについては教えてくれなかったし……)テクテク

提督『え?理由?あ、理由って漢字だとすっごいカクカクしてて書いてて楽しくないか?そうでもないか?』

吹雪(すっごい雑に話逸らされたし)

吹雪(……でも、理由もなく奇行に走るような人でもないよね……?)テクテク

吹雪(あ、着いた)ピタリ

舞鶴鎮守府、第697執務室。
そこが吹雪の今日の目的地だ。

秘書艦交換制度。
200万を超える提督たちのあまりに多種多様になりすぎた環境から何か新しいことを学ぶため、という名目で行われる査察のようなものである。
月に一度、ランダムに交換先が選ばれそこへ自らの保有する艦娘を派遣、一日秘書官を務めさせ報告書を提出させるのだ。

吹雪(正直、不安だなぁ……どんな人だろう)

吹雪(まあ、でもうちの司令官みたいに睦月ちゃんの格好する人なんてこともないだろうし、そう考えると気が楽かな?)

思いつつ、吹雪は扉を叩く。
どうぞ、と部屋の中から返答があった。

吹雪「失礼します」

ドアを開け、一礼。後ろ手にドアを閉める。

吹雪「はじめまして、吹雪です。よろしくお願いいたします!」

顔を上げると、そこには、


提督「初めましてなんて寂しいじゃないか、私と君の仲だろう?」どジャアァぁぁぁ~~ン


夕立の制服を着た吹雪の司令官がいた。

吹雪「またですか!!!!!!というかなんでここにいるんですか!?!?!?」

提督「大事な秘書艦を他の提督なんかに渡すわけにはいかないだろう?」

吹雪「先月までは普通に派遣させてましたよね!?」

提督「そうだっけ?」

吹雪「そもそもここの司令官さんはどうしたんですか!?」

提督「ああ、彼なら……」

提督が親指で後ろを示すと、そこには入り口を縛った大きな麻袋が蠢いていた。

吹雪「何してるんですか!?!?!?バカなんじゃないですか、バカですよね!?!?」

提督「え~、そんなことないっぽい~~」(・3・)クネクネ

砲撃音が響いた。

吹雪「あ~もう、大丈夫ですか!?今開けます!」

袋に駆け寄り、口をほどきにかかる。

吹雪「くっ……なんかすごい堅く縛ってるし……本当に何を考えて…………」

吹雪「ほどけました!今出しますから」
「ぽい~~~!!!!!」ズボルシュ
吹雪「ひゃああああああ!!??」

麻袋の中から白い塊が凄まじい勢いで飛び出す。
見事に着地を決めたそれはどうやら人のよう、見覚えのある金色の髪は、


吹雪「夕立ちゃん……何やってるの…………」ガックリ

夕立「ぽいー!!」ババァ――ン


吹雪の友人、駆逐艦夕立が、彼女の司令官の制服に着られている姿だった。

吹雪「で?」

提督「はい」大破

夕立「はい」

執務室。変わらず三人は第697執務室にいた。

吹雪「今度はなんなんですか」

提督「喜んでくれるかなーって…」

吹雪「喜ぶわけないでしょう?」

夕立「驚かせたかったっぽい」

吹雪「またですか……遠回しに私の心臓でも止めようとしてるんですか?」

夕立「むしろ求めようとしてるっぽい?」

提督「あ、バカ」

夕立「な、なんでもない!」

吹雪「はぁ……?邪神でも召喚したいんですか?」

提督「召喚するならもうちょっといいものを召喚したいかな……」

ここまでです。
夕立ちゃんこんなにぽいぽい言わせて大丈夫だったっけ?とwikiを見に行くとけっこう大丈夫だなあと安心します

そうだ、SSを書くのが初めてなのでなにか変なところがあったらエタったら依頼の時のようにツッコんでくださると嬉しいです。
優しめの言葉でツッコんでくださるとなお嬉しいですが厳しめの言葉でツッコんでくださってもそれはそれで嬉しいです。

>あんまレスしないほうがいい
その通りですね…
実際読む側からすればなんでこの1わざわざそんなこと書き込んじゃうんだろとか思ってましたが、気が付いたら自分もやってました
なのでこの手のレスはこれで最後にします、してみせます

続きははまた来週中にでも投げます

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