八幡「次は…向こうの家か」

八幡「なんで、選んだバイトが郵便配達なんだ」

八幡「まあ、人と話さんでいいから楽ではあるが」


八幡「大学に通って、バイトして家帰って寝る」

八幡「うむ、いい感じの大学生活だな」


八幡（高校卒業をして半年が経過していた）

八幡（俺は地元の大学に通って…一人暮らしして、バイトもしていた）


八幡「暑いな」

八幡「あ、そういえば…」

八幡「由比ヶ浜にもらったんだっけ、ライブのチケット」

八幡「あいつ確か、軽音楽部に入ってるとか」

八幡「ライブに行くとか…俺のキャラに合ってないけど」

八幡「プロのライブじゃないとはいえ…」


八幡「まあ、2枚あるし雪ノ下と来いってことだろうけどね」

八幡「葉山や三浦達も来るのか？」


八幡「由比ヶ浜か、会うのは久しぶりかな」

八幡（俺は…高校卒業間際に…）

八幡（由比ヶ浜に告白した）


八幡（もう、卒業だったしな…周りからもはっきりしろって言われてたし）

八幡（結果は…断られたけど）

夕方


いろは「あ、せんぱ～～いっ」

八幡「げっ、一色…」

いろは「ちょ、なんですか、その露骨な表情はっ！」

八幡「ていうか、俺の家の前でなにしてんの？」


いろは「先輩を待ってたんですよ」

八幡「いやいやいや、ここアパートだからね？おかしいよね？」

いろは「とりあえず、いれてください」

八幡「…雪ノ下に知られると大変なんですけど」

いろは「泊まったりしませんって、お邪魔するだけです」

八幡「それ、もう何回目だよ…」

いろは「まだ一回も泊まってませんし」

八幡「そういう問題じゃない…」

いろは「お邪魔しま～す」

八幡「適当に座ってろよ」


いろは「はい、適当に座りますね」


八幡「なんで一色を連れ込んでるの…俺は？」

いろは「雪ノ下先輩なら、わかってくれますって」


八幡「いや…雪ノ下はあれで…嫉妬深い…」

いろは「へ～～そうなんですか～」

八幡「あと、あっちの方も積極的というか…」

いろは「惚気てますよね先輩？春がきて浮かれてますね？」

八幡「春……か」


いろは「どうしました？」

八幡「いや、なんでも。ウーロン茶でいいか？」

いろは「なんでもいいですよっ」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

八幡「最近、高校の方はどうなんだ？まだ半年で聞くのもあれだけど」

いろは「あんまり変わってないですかね、平塚先生もいますし」

八幡「そういや、まだいるんだなあの人…」


いろは「やっぱり、妹さんがかわいいですよね～」

八幡「小町か当たり前だろ」

いろは「もう、かなりの人気者みたいですよ～」

八幡「複雑だけどな…」

いろは「もう彼氏もいるかも」

八幡「やめろ…俺のメンタルがバーストする」

いろは「シスコンですもんね」


八幡「うるさい、それのどこが悪い」

いろは「悪くはないですけど」


いろは「あ、そういえば」

八幡「ん？」

いろは「結衣先輩から、ライブのチケット頂きましたよ」

八幡「お前にも来たのか？あいつも律儀だよな」

いろは「先輩もですか？そっかそっか～」

八幡「な、なんだ…？」

いろは「いえいえ、行くんだろうなって思って」

八幡「そりゃ、まあ…雪ノ下とな」


いろは「一人でも行ってたんじゃないですか？」

八幡「…」

いろは「結衣先輩って彼氏いるんですかね？」


八幡「どうだろうな、電話ではそういう話しないしな」

いろは「いると思いますけどね～」

八幡「かもな、あのルックスだし…な」

いろは「先輩を振ったあと、結局誰とも付き合わなかったけど…」

八幡「おい、俺の傷にさらっと触れるな…」


いろは「あれから半年以上経ってますし、付き合ってますよきっと」

八幡「聞いてないし」


八幡「…別に付き合ってたって問題ないだろ」

いろは「気になりませんか？」

八幡「まあ、ちょっとは…な」

八幡「そういう、お前は？」

いろは「わたしですか？いないですよ」

八幡「いたら、こんなところ来ないだろうしな」

いろは「安心しました？」

八幡「なんでだよ…意味わからん」


八幡（気になる…か。確かに気になってるな…）

ｺﾝｺﾝ


八幡「ん？」


いろは「あれ、誰か来ましたよ？」

八幡「すごく嫌な予感が…」


八幡「一色、向こうに隠れててくれ」

いろは「え～なんでですか～？」

八幡「いいから」

いろは「はい」


八幡「はいっ？どちらさま？」

雪乃「比企谷くん、私よ」

八幡「ああ、やっぱりね」