美希「おおきなおにぎり」 (19)

美希(みき)は、おいしくておおきな おにぎりをつくろうと、ごはんを たきました。

美希「おいしい おいしい おにぎりにするの。おおきな おおきな おにぎりにするの」



やがて、おいしいごはんが たけました。


美希は、おにぎりを つくろうとしました。

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……なんかダメなの」

けれども、美希がもとめる おにぎりは できません。


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春香「どうしたの、美希?」

じむしょの なかまの、春香(はるか)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ…


春香「ふーん……おおきくて すごいおにぎりを つくりたいんだね」

春香「それじゃあ、このクッキーも いれてみたら どうかな?」

春香は、おてせいの クッキーを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、春香!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……なんか たりないの」

それでも、美希がもとめる おにぎりは できません。

雪歩「あっ、美希ちゃんと春香ちゃん。どうしたの?」

じむしょの なかまの、雪歩(ゆきほ)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル…


雪歩「お、おおきくて すごいおにぎり? 美希ちゃんらしいなぁ」

雪歩「それじゃあ、あの……わたし、こんなのしか もっていないけれど……」

雪歩は、おちゃの はっぱを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、雪歩!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……まだ ちがうの」

やっぱり、美希がもとめる おにぎりは できません。

伊織「なにしてんのよ、みんなして」

じむしょの なかまの、伊織(いおり)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク…


伊織「おおきくて すごいおにぎりぃ? まったく、しょうがないわね」

伊織「この、かじゅう100%の オレンジジュースでも つかいなさい」

伊織は、オレンジジュースを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、デコちゃん!」

伊織「デコちゃんいうな!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……もっと なにかほしいの」

まだまだ、美希がもとめる おにぎりは できません。

響「はいさーい! みんな、なにしてるんだー?」

じむしょの なかまの、響(ひびき)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク デコデコ…


響「おおきくて すごいおにぎりか! じぶんにまかせてよ!」

響「このサーターアンダギーで、すっごいおにぎりが できるはずさー!」

響は、サーターアンダギーを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、響!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて
響が、サーターアンダギーを ちぎって

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……どうも うまくいかないの」

なかなか、美希がもとめる おにぎりは できません。

やよい「うっうー! みなさん、どうしたんですかー?」

じむしょの なかまの、やよい(やよい)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク デコデコ ダゾダゾ…


やよい「おおきくて すごいおにぎりですね! いよーし、それじゃあ……」

やよい「たかつきけ とくせいの もやしいためを ぜひつかってくださーい!」

やよいは、もやしを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、やよい!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて
響が、サーターアンダギーを ちぎって
やよいが、もやしを いためて

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……もっともーっと ひつようなの」

これでも、美希がもとめる おにぎりは できません。

あずさ「あらあら~、みんなで なんだか たのしそうね~」

じむしょの なかまの、あずさ(21)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク デコデコ ダゾダゾ ウッウー…


あずさ「あら~、おおきくて すごいおにぎりなんて、ゆめがあって いいわね~」

あずさ「よかったら、これも そえてみると どうかしら~」

あずさは、ゴージャスセレブプリンを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、あずさ!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて
響が、サーターアンダギーを ちぎって
やよいが、もやしを いためて
あずさが、ゴージャスセレブプリンを そえて

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……やっぱり たりないの」

だが、美希がもとめる おにぎりは できません。

貴音「おや、なにやら めんような おにぎりですね」

じむしょの なかまの、貴音(たかね)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク デコデコ ダゾダゾ ウッウー アラアラ…


貴音「ふむ……おおきくて すごいおにぎりであれば、この らぁめんを…」

貴音「なんと! しるものが えぬじぃとは……では、らぁめんのもとを あなたに」

貴音は、ラーメンのもとを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、貴音!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて
響が、サーターアンダギーを ちぎって
やよいが、もやしを いためて
あずさが、ゴージャスセレブプリンを そえて
貴音が、ラーメンを たべて

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……なんで できないんだろう」

どうにも、美希がもとめる おにぎりは できません。

千早「みんな、なにを しているの?」

じむしょの なかまの、千早(ちはや)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク デコデコ ダゾダゾ ウッウー アラアラ イケズイケズ…


千早「おおきくて すごいおにぎり……ごめんなさい、わたしには なにもないわ」

千早「せめて、うたをうたって みんなのことを おうえんさせて もらえないかしら」

千早は、うたを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、千早さん!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて
響が、サーターアンダギーを ちぎって
やよいが、もやしを いためて
あずさが、ゴージャスセレブプリンを そえて
貴音が、ラーメンを たべて
千早が、うたを うたって

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……こんなんじゃないの」

なぜか、美希がもとめる おにぎりは できません。

亜美「なになにー?」 真美「真美たちも いーれて→」

じむしょの なかまの、亜美(まみ)と真美(まみ)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク デコデコ ダゾダゾ ウッウー アラアラ イケズイケズ クッ…


亜美「んっふっふー。おおきくて すごいおにぎりとは、ミキミキもワンパクですなぁ」

真美「それでは、この チョ→げきからガムを ミキミキにプレゼントしちゃうよん♪」

亜美と真美は、げきからガムを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、亜美と真美!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて
響が、サーターアンダギーを ちぎって
やよいが、もやしを いためて
あずさが、ゴージャスセレブプリンを そえて
貴音が、ラーメンを たべて
千早が、うたを うたって
亜美と真美が、げきからガムを ほうりこんで

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……もうちょっとなんだけどなぁ」

しかし、美希がもとめる おにぎりは できません。

律子「なにしてんのよ、みんなして」

じむしょの なかまの、律子(りつこ)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク デコデコ ダゾダゾ ウッウー アラアラ イケズイケズ クッ アミマミ…


律子「おおきくて すごいおにぎり、っていわれても……」

律子「……えっ? こんなものを いれるつもり?」

律子は、インスタントコーヒーを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、律子! …さん」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて
響が、サーターアンダギーを ちぎって
やよいが、もやしを いためて
あずさが、ゴージャスセレブプリンを そえて
貴音が、ラーメンを たべて
千早が、うたを うたって
亜美と真美が、げきからガムを ほうりこんで
律子が、インスタントコーヒーを ふりかけて

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……ミキ、つかれてきちゃったの。あふぅ」

これでは、美希がもとめる おにぎりは できません。

真「うわっ!? みんな、なに このおにぎり?」

じむしょの なかまの、真(まこと)が きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク デコデコ ダゾダゾ ウッウー アラアラ イケズイケズ クッ アミマミ メガネクイッ…


真「おおきくて すごいおにぎりかぁ……おもしろそうだね!」

真「よしっ! それじゃあ ボクも 美希が にぎるのを てつだうよ!」

真は、そのてを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう、真クン!」


美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて
響が、サーターアンダギーを ちぎって
やよいが、もやしを いためて
あずさが、ゴージャスセレブプリンを そえて
貴音が、ラーメンを たべて
千早が、うたを うたって
亜美と真美が、げきからガムを ほうりこんで
律子が、インスタントコーヒーを ふりかけて
真が、それらを にぎって

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「うーん……あと もうすこしなのに~!」

どうしても、美希がもとめる おにぎりは できません。

「おじょうさんたち、どうしたんだい?」

美希のピンチに、いろいろなひとが きてくれました。

カクカク シカジカ ナノナノ ハルハル ザクザク デコデコ ダゾダゾ ウッウー アラアラ イケズイケズ クッ アミマミ メガネクイッ マコマコ…


カールおじさん「それじゃあ、このカールを つかってくれたまえ」

クレアおばさん「シチューの ひみつも、とくべつに おしえてあげるわ」

くまモン【この からしれんこんと ばさしも つかうと いいモン!】スッ…

ふなっしー「この なしも おいしいなっしー!」

テリーマン「おれもいるぜ」
ブロッケンJr.「おまえだけに、いいカッコさせるかよ」
ロビンマスク「せいぎちょうじんは、おまえだけじゃないんだぜ 」
ウォーズマン「コーホー」
キン肉マン「みんな……」
悪魔超人「こ、これがゆうじょうパワーか」

「おれも!」「わたしも!」「ぼくの かおも すこしあげるよ!」


いろいろなひとが、おうえんのため、てや かおを 美希にさしだしました。


美希「ありがとう! みんな……みんな、ありがとうなの!」

美希が、ごはんを よそって
春香が、クッキーを まぜて
雪歩が、おちゃっぱを まぶして
伊織が、オレンジジュースを かけて
響が、サーターアンダギーを ちぎって
やよいが、もやしを いためて
あずさが、ゴージャスセレブプリンを そえて
貴音が、ラーメンを たべて
千早が、うたを うたって
亜美と真美が、げきからガムを ほうりこんで
律子が、インスタントコーヒーを ふりかけて
真が、それらを にぎって
いろいろなひとが、たくさん てつだって
高木社長が、ちょさくけんりょうを しはらって

「うんとこしょ、どっこいしょ」


美希「……できた! できたの、やったぁ!!」

とうとう、美希がもとめる おにぎりが できました。

「おめでとう!」「おめでとう」「めでたいなぁ!」「クァー」「おめでとう」

美希「みんな……ありがとうなの!!」


美希「みんなでつくったおにぎり、いただきますなのー!」アーン パクッ

美希「……おぅえ、まっず!!!」オロロロ…!

律子「ウソでも おいしいって いいなさいよ!!」


美希に ひつようなものは、しょくレポの けいけんでした。

 おしまい



小鳥「……はっ! ゆ、夢か」

P「仕事してください」


~おしまい~

元ネタは、童話『おおきなカブ』です。
小さいお子様にも読めるSSを目指しました。

美希、誕生日おめでとう。
皆さんも、勤労感謝の日にはおにぎりを作って五穀豊穣を祝いましょう。じゃあの。

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