モバP「だりやすかれんとぬくぬくもこもこ」 (21)



―――事務所


やかん「しゅんしゅん……」


李衣菜「寒いねぇ……。ストーブ点けないとやってらんないよ」

泰葉「うん、寒いね……。朝、ちゃんと起きられてる?」

李衣菜「だ、大体お母さんに叩き起こされてるかなぁ……」

泰葉「モーニングコール、入れたほうがいい?」

李衣菜「……多分無意識に切っちゃうかも」

泰葉「じゃあ毎日起こしに行っちゃう。それならどう?」

李衣菜「あははっ、アニメや漫画の幼なじみじゃないんだから」

泰葉「ふふ♪」


加蓮「ねぇねぇ、事務所来た瞬間ぬくもこにされた私は放置なの?」ヌクモコ

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李衣菜「加蓮が悪いんだよ? そんな薄着で来るから」

加蓮「だ、だって事務所あったかいと思ったからっ。電車だって暖房効いてるし」

泰葉「だからって肩出しニットは……」

加蓮「オシャレは我慢だってカリスマアイドルが言ってた!」


泰葉「李衣菜。明日の朝から毎日、加蓮の家に集合ということで」

李衣菜「おっけー。加蓮のためならいくらでも早起き出来るよ」

加蓮「ちょっとちょっと!?」

李衣菜「いやなら厚着して来なよねー」

泰葉「もう雪も降ってる地域だってあるんだからね?」

加蓮「はいはい分かりましたー」

加蓮「……んもう、過保護なんだから」ボソッ

泰葉「なにか」

李衣菜「言った?」

加蓮「なんでもないでーす。ふふふっ」

李衣菜「む。なに笑ってんの?」

加蓮「ふふ、なんでもないってば」

泰葉「隠しごと……。――はっ! つまり……!」

李衣菜「そうかっ、また体重が減ったんだな!」

泰葉「加蓮! もっと食べなさい!」

李衣菜「お肉! お肉食べなさい!」

加蓮「ちがーう! 二人とも私のことになると急にバカになるよね!?」

李衣菜「もはや猶予はないよ、泰葉!」

泰葉「そうね李衣菜……! かくなる上は、今の部屋を引き払って加蓮の家に居候しなきゃっ」

李衣菜「私も荷造りしないと!」

加蓮「はぁ!? そんなのうちの両親が許すわけ――」


加蓮ママ『あら♪ いらっしゃい李衣菜ちゃん泰葉ちゃん!』

加蓮パパ『好きなだけいてもいいからね。娘をよろしく頼むよ』


加蓮「――許しそうで困る……!!」ガクー

「「うん、決まり!」」

加蓮「ちょ、ちょっと! 本気でうちに来るつもりっ?」

李衣菜「うん、行くよ?」

泰葉「当たり前じゃない」

加蓮「そんな『当然でしょ』みたいな顔しないでよ!」

泰葉「くすっ、さすがに居候は嘘だけど……でも、遊びに行くくらいはいいでしょう?」

加蓮「そ、それならむしろ歓迎なんだけど……」


李衣菜「そして加蓮ママたちを懐柔して……ふふふ」

泰葉「ゆくゆくは加蓮のお世話を全部任せてもらうの……うふふふ」

加蓮「やっぱり来ないで!」

加蓮「もう私んち来ないでよねっ、二度と敷居は跨がせないから!」

泰葉「ということは、加蓮が風邪を引いてもお見舞いにも行けないのね……ふふっ」

李衣菜「あはは、残念だなぁ」

加蓮「う……! そ、そのときは来てよっ、寂しいでしょっ」

泰葉「ふふ、わがまま……♪」

李衣菜「わがまま加蓮~♪」

加蓮「うぅ、もぉ~……!」

李衣菜「へへ、お喋りしてたらあったかくなってきたね」

泰葉「そうね。加蓮をからかうと楽しいな……」

加蓮「私すんごい疲れたんだけど……。はぁ、なんで私こんな役回りなんだろ……?」

李衣菜「だって、ねぇ?」

泰葉「ええ。こんなに可愛いんだもの……えいっ」


むぎゅっ


加蓮「ひゃ! な、なにいきなりっ」

泰葉「ふふ、あったかい」スリ…

李衣菜「私もー。とうっ」ギュッ

泰葉「ん……うん、ぬくもこ加蓮の抱き心地……んー、んー……♪」モコモコ

李衣菜「ぬくもこぬくもこ。えへへっ」モフモフ

加蓮「なんなの、もー……。アンタたちがぬくもこにしたんでしょー?」

李衣菜「へへ。嫌がらなかったじゃん?」

加蓮「……心配されるのは嫌じゃないのっ」プイ

泰葉「ね、もしかして……わざと薄着で来たの?」

加蓮「…………ちょっとだけ、こうしてくれるの期待してた」

李衣菜「このバカ」

加蓮「えへへ……ずるかったよね。ごめんなさい」

李衣菜「ほんとだよ……」

泰葉「いつも以上にもふもふするから覚悟しなさい」モフモフモフモフ

李衣菜「もふもふもふもふっ」

加蓮「あはっ、くすぐったいよ……ふふふ♪」

泰葉「もふもふ」

李衣菜「もっふもふ」

加蓮「えへへ。もふもふ……あったかーい」

李衣菜「おっきな毛布持ってこようか? 三人一緒に包まれるようなの」

加蓮「あ、それいいねっ」

泰葉「せっかくだから一緒に選びましょう。可愛いのでもいいし、いっぱいもふもふ出来そうなのでもいいし……」

加蓮「うんっ、今度買いに行こ!」


もふもふ

  もこもこ……


李衣菜「はー、これならストーブいらないね……」モフモフ

泰葉「うん……なんだかあったかくて眠く……」モコモコ

加蓮「ふふっ、まだ朝だよ泰葉♪」ヌクヌク


ぬくぬく……


加蓮「はぁ、しあわせー……♪」


―――

――




―――


がちゃり


P「おはよーございまーす」

P「……あれ?」


李衣菜「すや……」

泰葉「すぅ……」


加蓮「あ、Pさん。おはよー」

P「あぁ、おはよう加蓮。……二人とも寝てるのか?」

加蓮「ふふ、うん。人をぬくもこにしといてこれだもん、笑っちゃうよ」クスクス…

P「あはは……幸せそうな寝顔だな」

加蓮「それより抱きつかれてて身動き取れないんだけど……助けてPさーん」

P「ふふ、仕事まで時間あるんだから、それまで寝かせといてやりな」

加蓮「えぇー……もう、しょうがないなぁ」


李衣菜「……ぇへへ……」ムニャ

泰葉「ん……ふふ……」ムニャムニャ…


加蓮「……ふふっ♪ いい夢見てね。李衣菜、泰葉っ♪」



おわり

というお話だったのさ
もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ(ry

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