水瀬父「娘を辞めさせたい」 (33)

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プルルルルルルル

小鳥「もしもし、765です」

小鳥「今繋ぎますね」

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社長「はいもしもし」

水瀬父「やあ高木君久しぶりだね」

社長「おお水瀬君の方から電話をかけてくるなんて珍しいじゃないか」

水瀬父「そうだな」

社長「この時期は忙しいだろうに」

水瀬父「まったくだ」

社長「それで、用件はなんだね?」

水瀬父「うちの娘を辞めさせたいのだがーー」

社長「どういう風の吹き回しかね?」

水瀬父「正直娘が765プロに入った時、1年と持たないと思った」

社長「そうだね、メンバーの協力ど努力のおかげだよ」

水瀬父「娘は良く頑張っていると思う。でもそれは水瀬家には関係がない」

社長「......なるほど。なら社長として私から言える事は、本人の意思を尊重するという事だけだよ」

水瀬父「ふん。兄弟揃って勘が良い。もう理由が予想ついたのだろう?」

社長「......ああ」

水瀬父「君の予想通り。娘を辞めさせる理由はーー」

P「政略結婚!?」

律子「そんな困りますよ。竜宮小町は順調に人気を保っているのに」

小鳥「それに恐らく伊織ちゃん本人は望んでないことですよねえ」

社長「ああ、私もそう思うよ」

P「それじゃあどうするんですか......?」

社長「本人にはまだ言ってないそうだ」

社長「それでね、伊織君本人は感づいていたらしい」

小鳥「この事をですか?」

社長「ああ、それも3年近く前から」

律子「3年近く前って......じゃあこれを避ける為に765プロに入ったってことですか!?」

社長「水瀬君はそう予想している」

P「伊織は最初こう言ってましたーー」

  『私は私の手で何か掴みたい』

P「だから伊織にはこれを成し遂げるまでは、伊織が満足するまでは、765プロに居続けて欲しいんです」

律子「プロデューサー......」

社長「だがねぇ、水瀬君は本気で結婚させるようだ」

社長「アイドルは不安定で現役が短い。早く御曹司と結婚して幸せに暮らして欲しいと言っていた」

小鳥「......」

社長「それに基本的に事務所側は、一家族の問題に深く介入することは出来ないのだよ」

律子「......」

社長「如月君の時もそうだっただろう?」

社長「だからこの件は本人に任せよう」

P「このままだと伊織が引退する可能性が高いんですか......?」

社長「ほぼそうだろう。準備を着々と進めているらしい」

P「それは納得いきません。伊織とよく相談して慎重に決めないと」

社長「そうは言っても......」

P「このまま伊織が引退したらファンだって心配するし、アイドルの皆だって不安になるでしょう?」

P「一家族に関わる権利はないけれど伊織には望む未来を歩んで欲しい。だからこの件、俺がなんとかしたいと思います」

P(俺がハリウッド研修から帰って来たとき伊織は何故か不安そうな顔をしていた......)

P(もうそろそろだと気付いていたのかもしれない......)

伊織「今日の収録も完璧だったわね! さすがスーパーアイドル伊織ちゃんだわっ」

やよい「うっうー! 今日も伊織ちゃんスゴかったですー! プロデューサーただいまですっ!」

P「ああ、やよい、伊織お疲れ様」

P「伊織、ちょっといいか?」

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伊織「何よ、二人で話したいって」

P「質問がある。伊織はどうしてアイドルをやろうと思ったんだ?」

伊織「前にも言ったじゃない。家の力を借りずに自力で何かを成し遂げたいからよ」

P「じゃあ今......今この時は何を目標にアイドルをやってるんだ?」

伊織「そんなの分かりきってるじゃない。日本一キュートなトップアイドルになる事よ」

P「そうか......」

伊織「回りくどいわね、何か言いたいのなら素直に言いなさいっ!」

P「分かった......実は伊織の父親から社長に電話があったんだ。それでーー」

P「ーーということなんだ」

伊織「予想通りで呆れるわ。私がパパの話をそのまま呑むと思う?」

P「いや......」

伊織「そういうことよ。さっきも言ったけど私には目標があるわ。ここまで積み上げてきたのを無駄にはしたくないの」

伊織「それに結婚何てもっての他よ!」

P「じゃあ父親には......」

伊織「私からキッパリ断っておくわ」

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水瀬邸

伊織「......パパ、ちょっと大事な話があるの」

水瀬父「伊織から私に話があるなんて珍しいじゃないか」

伊織「そうね。早速本題に入るけど......」

伊織「私はこの仕事辞めないし、結婚もしないわ」

水瀬父「残念だがそれは無理だ。もう相手方とは話してある」

伊織「そんな勝手なこと許さないわ!」

水瀬父「ふん! アイドル何ぞ続けても将来が見えん」

水瀬父「早く結婚して今の様な裕福な家庭を手に入れ、私を安心させるくらいの親孝行をしてくれ」

伊織「じゃあ私が今までやってきた事は? これからの目標はどうなるのよ!」

水瀬父「まだお前にはたっぷり時間がある。これから新しく探せば良い」

伊織「私の夢を奪おうっていうの!?」

水瀬父「伊織、お前は水瀬家の人間だ。名に恥じない生き方をして欲しい」

伊織「それを言うときは、いつも何かの前ね。私に教師つけて勉強させたときも、パーティーでいい顔するためだった」

水瀬父「今回はそんな一時の話ではない。水瀬グループの行く末を決める重要な事だ」

水瀬父「海外に進出することになった。北米の大企業と手を結びMINASEの拠点を置くことにしたんだ」

伊織「!!」

水瀬父「その大企業だが、代表が年をとり息子がメインで経営している。その人は今独り身で後継者が居ない後は分かるだろう」

伊織「パパから誘ったのね......」

水瀬父「当たり前だ、海外の大企業でそういうところを探したんだ。手を結ぶと言っても孫が勤めるころには私の息子達が取り込むだろう」

水瀬父「グローバル企業になった所で他地域にも進出しやすい。お前の結婚は水瀬家の、いや日本を代表する企業グループの未来を決めることだ」

伊織「......」

水瀬父「今日はもう遅いから寝なさい」

翌日 事務所

P「伊織、話してみたか?」

伊織「......ええ」

P「父親はなんて?」

伊織「相手は海外の人だって......」

P「えっ!! それじゃ水瀬グループは海外進出するのか!?」

伊織「そうよ」

P「話が大きすぎるな......それを聞いて伊織は、どうしたいんだ」

伊織「アイドルは辞めたくないわ。でも......家に迷惑はかけられないわ」

P「! じゃあまさか......!」

伊織「私ね......こういうことにならないために765プロに入ったのよ」

P「ああ......」

伊織「自分一人でもやっていける、与えられなくても生きていけるっていうことを認めて貰う為に」

P「......」

伊織「でも......もう諦めるしかないのかしら......」

P「伊織、自分にとって何が正解なのかを見つけて欲しい......他人ではなく自分にとって」

伊織「......」

P「じゃあこれから俺は春香に付き添わなくちゃいけないから」

伊織「ええ......」

3日後

P(くそっ! 俺は一体ハリウッドで何を学んできたんだ!)

P(伊織は何だかんだで竜宮で忙しいし、今は先伸ばししてるが時間も待ってはくれないだろうな......)

P「ただ今戻りましたー」ガチャ

伊織「そう......ええ、うん......分かったわ、じゃあ」カチャ

P「どうした伊織?」

伊織「......ママが倒れて病院に運ばれたって......一命はとりとめたみたい」

P「え......」

伊織「あと仕事休んで少し考える時間を作れって」

P「そ、そうか......母親のお見舞いとかあるし......」

伊織「私、今日はもう帰るわ......」

P「ああ......スケジュール調整しておくよ」

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律子「竜宮小町の新曲のレコーディングは終わってるから良いとして......」

小鳥「トーク&ミニライブイベントが控えてますね......」

律子「それを休むのは痛いわ。何としてもその時に間に合わせたいわね」

小鳥「伊織ちゃんの事、信じてるんですね」

律子「当たり前じゃないですか。私達竜宮小町はどんな困難も乗り越えますからっ」

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やよい「プロデューサー、最近伊織ちゃんが元気ないですー」

P「ああ、ちょっとな。色んなことがありすぎて......」

やよい「何があったんですか? 私伊織ちゃんの力になりたいですっ!」

P(今言うのがベストかもな......)

P「皆、ちょっと聞いてくれ。伊織についてなんだがーー」

P「ーーそれで、どっちが良いっていう判断が難しいんだ」

P「それから今日電話がかかってきて、伊織の母親が入院したらしい。それでしばらく仕事を休むことになった」

あずさ「あらまあ、それは大変ねえ」

亜美「ええーそれじゃあ、竜宮小町解散しちゃうのー?」

P「そうならないように何か考えている。一応皆の伊織に対する意見を聞きたい」

響「自分難しいことわからないけど、伊織が辞めちゃうのは嫌だぞ」

真美「真美も難しくてわかんないけど、いおりんが居なくなるのは寂しいよー」

雪歩「伊織ちゃん、いつも自分に自信があって、何て言うか一番アイドルに熱を入れてるって感じがして頼れる存在です」

貴音「伊織は、いつも冷静にものを見れてまこと、逞しいと思います。だから伊織は必ずや正しい解答を持ってくることでしょう」

真「その......いつも言い争ってばかりだけど、やっぱり居なくなると......寂しいかな......」

美希「でこちゃんはミキと違って凄い努力家さんで、そのうちミキを追い抜きそうだからウカウカしてられないの」

千早「私は、伊織がアイドルを続ける為に何か出来ることがあれば協力するわ」

春香「伊織ちゃん、アイドルが好きなら続けて欲しい。でも、負い目を感じながらは絶対やって欲しくない」

やよい「伊織ちゃんは765プロの仲間ですっ! どこかへ行っちゃうなんて嫌ですっ!」

亜美「いおりんは竜宮小町のリーダー的存在ですからねぇ、なくてはならない存在ですよ」

あずさ「伊織ちゃんって強い子よね。だから、何でも一人で悩んでしまって相当辛い思いをしてじゃないかしら」

P「皆の率直な意見ありがとう。皆の為にも伊織を簡単に辞めさせるわけにいかないな。何かいい案があればいいんだが......」

春香「プロデューサーさん」

P「うん?」

春香「この事が直接関わるかはわからないですけどやってみたいことが有るんです」



春香「......伊織ちゃんのお母さんのために千羽鶴を作りたいの」

やよい「せんばづるですか......?」

春香「家の方針は私達がどうにか出来ることじゃないけど、今伊織ちゃんはお母さんが入院して悲しんでると思う」

千早「......」

春香「余計なお世話かもしれないけど、伊織ちゃんとお母さんが少しでも元気になるように、私達の気持ちが物として見えることをやりたいの」

P「......そうだな。俺達の出来る範囲のことをやっていこう。でも時間は大丈夫なのか?」

春香「明日から皆で仕事の合間にコツコツ作って、伊織ちゃんがお見舞いに行くときには完成させたいけど......」

律子「皆で折ればすぐだと思うわ。繋げるのに少し時間が掛かるけど」

P「よし! 俺がこのあと折り紙を買って来るから明日事務所に来た時受け取ってくれ。伊織が面会に行く日も聞いておく。質問はあるか?」

P「それじゃ皆忙しいと思うがよろしく頼むぞ!」

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小鳥「本当に大丈夫ですかね......」

P「今は伊織と春香達を信じるしかない......はさすがに無責任だよなぁ」

小鳥「千早ちゃんや春香ちゃんの時も私達は見守るしかなかったですよね......」

律子「それでも皆、自分達で乗り越えてしっかり成長しているわ」

P「そうだな。俺達は俺達で皆のバックアップをしっかりこなさなくちゃいけない」

小鳥「......そうですね私達もしっかりしないとですね」

P「じゃあ俺はこれから折り紙とテグスを買ってくるから」

小鳥「分かりました。気を付けて行ってきてください」

律子「一応多めに買ってきてくださいね。あと色もしっかり考えてくださいよ」

P「ああわかった。じゃあ行ってきます」

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千早「千羽鶴作ろうなんて春香らしいわね」

春香「そう?」

千早「ええ。ストレートなところが」

春香「私って特殊なこと出来ないし、いつも単純な事しか思いつかないんだよね」

千早「春香はそれでいいのよ」

春香「......あっ、もう一つ思いついた。千早ちゃん時間ある?」

千早「えっ? 大丈夫だけどーー」

春香「じゃあちょっと選ぶの手伝ってくれるかな?」

千早「選ぶ?」

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春香「ありがとう千早ちゃん付き合ってもらって」

千早「良いのよ。でも私の選んだやつで良かったの?」

春香「うん! とっても良い物を買えたと思う」

千早「それなら良かったわ。それより春香、時間大丈夫?」

春香「わわっ、もう帰らないと! じゃあね千早ちゃん」

千早「ええ、また明日ーー」

翌朝 事務所

ガチャッ

春香「おはようございます!」

P「おはよう春香。折り紙はそこの棚にあるから、作り終わったらその段ボールに入れてくれ」

春香「分かりました......ってあれ? もうこんなに出来てる......」

千早「おはよう春香」

春香「あっ、千早ちゃんもう来てたの?」

千早「ええ、今日私歌番組の収録があるから早めに来て作ろうと思って」

春香「......ありがとう千早ちゃん」

小鳥「おはよう春香ちゃん」コト

春香「おはようございます。あの小鳥さん」

小鳥「なに?」

春香「ある写真をプリントして欲しいんですけど」

ガチャッ

真「おはようございます!」

雪歩「おはようございますっ」

P「真、雪歩おはよう。折り紙はーー」

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P「皆集まったから言っておくが、伊織がお見舞いに行くのは4日後だそうだ。だからその1日前には折り終わるように頑張ってくれ」

P「あと、鶴折るのに夢中になりすぎて仕事有るのを忘れないように。スケジュールはしっかり確認しておいてくれ」

皆「はーい」

3日後 事務所

律子「よしっ。あとは最後20本の束2つを、束ねて」

P「なかなかスムーズだな」

律子「そうですか? 以前に2回作ったことあるからですかね」

P「へぇ......律子、そのリボンは?」

律子「このリボンはを固めた結び目を隠すための飾りです。こうして結んであげれば......完成!」

小鳥「わぁ千羽鶴完成したんですね。グラデーションが綺麗......」

亜美「えーなになに? 完成したの?」

あずさ「キレイですねえ」

千早「とても綺麗だわ......」

P「これを明日伊織に届けて欲しいんだけど......」

やよい「私、伊織ちゃんの家に行ったことありますっ」

P「じゃあやよいお願いして良いか? 今日持って帰って明日の午前中に届けてくれ」

やよい「分かりましたー」

春香「ただいまー」

P「あっお帰り春香、千羽鶴完成したぞ! これだ!」

春香「はあぁ! 良かった......!」

律子「時間ない中でもしっかり丁寧に折ってくれたから凄い綺麗に仕上がったのよ。これなら本当に元気になってくれると思うわ。春香と、皆のおかげね」

春香「......はい!」

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水瀬邸

水瀬父「そろそろ決心ついたかい」

伊織「決心も何も最初から反対してるじゃない」

水瀬父「まだ分からんのか。水瀬グループの更なる発展と、伊織の約束された将来。デメリットがまるでない」

伊織「私は水瀬グループの駒じゃないし、敷かれたレールの上の人生なんて歩まないわ」

水瀬父「この期に及んでまだそんなことを言っているのか。分かった、自分で生きていくと言うのならここから出ていきなさい」

伊織「なに言ってるの?」

水瀬父「この邸から出て行けと言っているんだ!」

伊織「ひっ......!」

高槻宅 寝室

伊織「ごめんねやよい。急に泊めてとか言って」

やよい「大丈夫だよー」

伊織「......」

やよい「それにこうして伊織ちゃんとお泊まりするのすっごく楽しいからっ」

伊織「なら良かったわ......今日ちょっとパパの機嫌悪くてね」

やよい「あの......伊織ちゃん」

伊織「?」

やよい「アイドル辞めちゃうの......?」

伊織「......辞めないわ」

やよい「本当?」

伊織「本当よ......」

やよい「でも、伊織ちゃん結婚しなくちゃいけないって」

伊織「そんなのパパが勝手に言ってるだけ」

やよい「じゃあ今苦しそうな顔してるのはお母さんが入院してるから?」

伊織「違うわ......ママは無事で後遺症の可能性も無いって聞いたし......」

伊織「......」

やよい「私、いつまでも伊織ちゃんとアイドルやっていたい!」

やよい「伊織ちゃんに、元気取り戻して欲しい! 伊織ちゃんのチカラになりたい!」

伊織「ありがとう......やよい」

伊織「やよいとアイドルの仕事するのとても楽しいわ。ファンの人達の応援も嬉しい」

やよい「うん......」

伊織「竜宮小町の人気も765全体の人気も上がり続けてる」

伊織「こんな良い状況でこんなに楽しい仕事をしてるの。これを辞めるのは惜しいことよ」

伊織「だから私から辞めるっていう言葉が出るのはありえないわ」

やよい「うん......」

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伊織「......私、ここ2,3日しっかり考えてみたの。でもどれだけ考えても......パパの方が明らかに正しいの」

やよい「えっ......?」

伊織「日本が誇る企業グループの海外進出と私一人の人生。これを天秤にかけるの」

伊織「客観的に考えれば私の人生なんてちっぽけなものよ」

伊織「じゃあ私、パパにワガママ言ってるの?」

やよい「......」

伊織「そうよパパにとって私の夢はただのワガママ......子供のワガママなんて、軽くあしらわれるだけよ」

伊織「いつもパパや兄さんにバカにされて、見返してやる為にアイドルはじめたのに......ワガママなんて言われたら、もう......」

やよい「そんーー」

「おねーちゃん......」

やよい「ああ浩三がトイレ......ごめんねちょっと行ってくるから」

伊織「うん......」

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ジャー

やよい「はい、じゃあ戻ろうねー」

浩三「うーん......」

やよい「しっかりお布団かけてね......よしっ」

タンタンタン

長介「あ、やよい姉ちゃん。浩三のトイレ?」

やよい「うん」

長介「浩三、俺に言えば行くのに」

やよい「長介がいつも面倒見てくれて助かってるよ、だから夜中くらいは寝てても良いよー」

長介「姉ちゃんがそれで良いならいいけどさ。じゃあお休みなさい」

やよい「お休みなさい」

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やよい「あれ、伊織ちゃん寝ちゃった......私ちょっと心配かも」

やよい「伊織ちゃんが辞めないように、千羽鶴にお願いしておこーっと」

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翌日 病院

伊織(ママと面と向かって話すの久し振りね......)

伊織(それにしてもこのかなりバッグ大きいわね。変装しててもバッグで目立つわ)

伊織(この中身......)

『千羽鶴、春香さんが提案して765プロの皆で作ったんだよー。伊織ちゃんのお母さん元気になりますようにって』

『あと春香さんが、これも一緒に飾ってねって』

伊織(......もう、皆優しくて本当に良い事務所だわ)

伊織(ええと、この通路の一番奥の、ここね......)

コンコンコン

「はい、どうぞ」

ガラガラガラ

伊織「ママ......」

水瀬母「あらいらっしゃい、伊織」

伊織「ママ......無事で良かったわ......」

水瀬母「ごめんね、心配かけちゃって」

伊織「いいの、無理しないでね」

水瀬母「ありがとう」

伊織「............」

水瀬母「伊織、最近よく頑張ってるじゃない」

伊織「え......?」

水瀬母「アリーナライブは大成功したって」

伊織「うん......」

水瀬母「竜宮小町の方は写真集が発売されて、新曲も出すんだって?」

伊織「う、うん。でも私、パパに......」

水瀬母「あぁ、聞いたわその話......」

水瀬母「あの人、悔しかったのよ」

伊織「え......」

水瀬母「伊織がこうして人気を出してることにね」

伊織「パパはパパで順調じゃない。どうしてそこに私が出てくるのよ」

水瀬母「うーん......」

水瀬母「ほら例えばね、伊織が『この人私より魅力無いし、才能も無いわね』と思ったとするでしょ?」

水瀬母「それでその見下してた人が、急に自分位の人気を得る有名なアイドルになったとしたら?」

伊織「それは......なんか悔しいわね」

水瀬母「そうよね。その人が精一杯努力して短期間でのしあがったのなら、悔しいわよね」

伊織「でも企業経営とアイドルじゃ全然違うじゃない」

水瀬母「一緒よ。伊織も自分を売り込む為に営業をやってきたでしょ?」

伊織「......」

水瀬母「でもじゃあ何で今、あの人は結婚話なんてしたと思う?」

伊織「それは今話した悔しいからっていうのと、海外進出のため......」

水瀬母「そういうことじゃないわ。伊織、あなたが一人前になったからよ」

伊織「えっ......?」

水瀬母「自慢の娘として相手に、しかも企業のお偉いさんに紹介出来る位しっかり者に成長したのよ」

伊織「私は......」

水瀬母「伊織は私達が何も言わなくても仕事をこなして、結果を出して、有名人になった」

水瀬母「自分の夢はこれって言えるような素晴らしい人間になった」

水瀬母「母親としてあまり面倒見てあげられなかったけど......それでも私は娘を、伊織を誇りに思っているわ。そしてこれはあの人も同じ思いなのよ」

水瀬母「認めてもらえたの、伊織が一人前だって......」

伊織「......」

水瀬母「ところで、その大きなバッグどうしたの?」

伊織「あっこれは765プロの皆がママの為に千羽鶴を作ってくれたの......よいしょっと」

水瀬母「あらありがとう。伊織のカラーがグラデーションの一番上に......凄い綺麗ね......」

伊織「あと、これはアリーナライブの時の写真」

水瀬母「......」

伊織「こんなおしゃれなピンクの写真立てまで用意してくれるなんて、驚いたわ」

水瀬母「......伊織、とてもいい笑顔ね......アイドルの仕事は楽しい?」

伊織「辛いこともあるけど、それを含めてとても楽しいわ」

水瀬母「この仕事をこれからも続けて行きたい?」

伊織「もちろんよ。世界一キュートなトップアイドルを目指してるんだからっ」

水瀬母「分かったわ......私は伊織の夢を応援する」

伊織「え、じゃあーー」

水瀬母「今回の話は私から直接説得してみるわ」

伊織「大丈夫なの?」

水瀬母「大丈夫よ。安心して」

伊織「ありがとう......」

水瀬母「伊織は伊織の人生を歩みなさい。伊織が正解だと思う道を進みなさい」

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数日後 某所

\\\うぉぉぉぉーーーーーー/// \あみぃぃぃぃぃぃ/ ガヤガヤ
    \あずさぁぁぁぁぁぁぁ/ ガヤガヤ \いおりぃぃぃぃぃぃん/

亜美「会場の兄ちゃん姉ちゃん! 今日も盛り上がって行くよー!」

       \\\イェーーーーーーイ///

亜美「竜宮小町、双海亜美でーす」

      \\\フゥーーー/// パチパチパチパチ 
                           \あみぃぃぃぃぃぃ/

あずさ「どうもー、皆さん今日は、ゆったり楽しんでいってくださいねぇー」

     \\\イェーーーーーーイ///

あずさ「竜宮小町、三浦あずさです。今日はよろしくお願いしますー」

      \\\フゥーーー/// パチパチパチパチ
                            \あずさぁぁぁぁぁ/

伊織「ファンのみんな、今日は来てくれてありがとう! 精一杯頑張るからみんなよろしくねっ!」

      \\\イェーーーーーーイ///

伊織「竜宮小町、水瀬伊織でーすっ」

     \\\フゥーーー/// パチパチパチパチ
                          \いおりぃぃぃぃぃぃぃぃん/

亜美「そしてそして、このイベントの司会をしてくれる人に登場してもらいまーす」

        \\\おおおおぉぉぉ↑↑///

亜美「それではどうぞー」

律子「どうもー、こんにちはー!」

   \\\うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!///

律子「本日は竜宮小町のトーク&ミニライブイベントへようこそ!」

律子「本日司会進行を勤めます、竜宮小町プロデューサーの秋月律子です! よろしくお願いします!」

     \\\フゥーーー/// パチパチパチパチ
                           \\りっちゃぁぁぁぁぁぁぁん//

律子「それでは早速参りましょう! 最初のコーナーはーー」

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後日 事務所

P「そうか伊織の母親が......まあ何より伊織が辞めないでくれて嬉しいよ。休みも2週間で済んだし」

伊織「ふ、ふんっ。あんた全然役に立ってなかったじゃない。ハリウッドで何を学んで来たのよっ!」

P「いやあ、そう言われると......ああところで、水瀬グループはどうなるんだ?」

伊織「全部ママから聞いた事だけど、海外進出は決まったみたいよ」

P「えっどうして?」

伊織「もともと相手は結婚なんて考えてなくて提携を受け入れたの。それでパパが相手との食事の席でーー」

『君独身だろう? ウチの娘はまだ若いがしっかりしてる どうだ?』『あははそうですね。考えておきます』『そうかそうか』

伊織「お酒入ったところでこんなやり取りが数回あったらしいの」

P「伊織の父親は社交辞令を鵜呑みにしてしまったのか?」

伊織「提携決定後で嬉しかったのと、酔ってたのがあるのかもね」

伊織「そして私を結婚させようとした理由は利用だけじゃなかったの。パパが私を認めた、その感情の表と裏返しの混ざり愛......」

伊織「何か色々複雑な気持ちだけど、やっぱりアイドルやってて良かったって思うわ」

P「そうか。そう言ってもらえると嬉しいよ」

伊織「ふん。あんたは今回の事振り返っても、以前とあまり変わらないわね。少しは成長しなさいっ」

P「頑張るよ。まあ、伊織は(心が)さらに成長したみたいだな」

伊織「まあ、スーパーアイドル伊織ちゃんは常に完璧......ってあんたどこジロジロ見て言ってるのよ!」

P「え? あ......」

伊織「......この変態っ! der変態っ! 変態大人っ!!」



おわり

>>1はアイマスあんましらないだろ
春香と千早の呼び方が違う
千早は水瀬さん、春香は伊織呼び

>>31
実はアイマスは箱版とSPのPSとSFのGTをプレイした程度でそれほど詳しく無いです。
竜宮小町やPがアメリカから帰ってきた時伊織の顔が雲っていたことはさらっと調べたものです。ごめんなさい

2作目以降オリジナルSSのみを書いていきますので、ご縁があればまたよろしくお願いします。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年12月05日 (土) 21:56:08   ID: Vgmo2z7f

キャラ知らないならss書くなよ
しかも面白くないし

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