【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ5】 (1000)

このスレは安価で

結城友奈は勇者である
鷲尾須美は勇者である

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的


・バーテックスの殲滅
・秘密の解明
・恋愛についてを考える


安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります


日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡。1/10以下で瀕死状態になり、全ステータスが1/3減少
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる

※HPに関しては鷲尾ストーリーでは0=死になります


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに


前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ1】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ1】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437905159/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ2】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440313909/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ3】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ3】 - SSまとめ速報
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ4】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ4】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445246073/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448167615



樹「おはようございます、久遠さん」

天乃「樹……」

樹「時間があったので、来ちゃいました」

樹はいつも通りの表情で、私に語りかけてくる

声を音として拾えるのなら

その違いも考えることができたのかもしれないけれど

生憎、私についている耳はただの飾りだ

天乃「もう、早起きなんて簡単なのかしら」

樹「簡単じゃないですよ……でも、頑張ればなんとかなりますっ」

ちょっと自慢げな樹

いつもらしさに満ちるこの子に

昨日のことを掘り返すなんてこと、しても良いのかしら


樹「久遠さん」

天乃「うん?」

樹「ヒトツ、言いたいことがあって来ました」

その瞳は真剣で

茶化し言葉を言うわけにも行かなくて

私は小さく頷いて目を向け、

なぜ昨日あんなことを言ったのか

そう聞かれるだろうと身構えた

けれど

樹「お姉ちゃんとは、しないようにしてください」

それはお願いだった

それはなにを? と

とぼけることを許さない言葉だった

天乃「キスのこと……よね?」

樹「はい」


天乃「私だって、出来ればしたくないわ」

樹「でも、久遠さんは求めてました」

天乃「それはっ」

言い訳はない

だって、事実だから

私は樹にキスを求めた

血迷った。気が狂った

いずれにしても、私が求めたのは変わらない

天乃「っ」

樹「お姉ちゃんも久遠さんが好きです。だから、して欲しいとまで言われたら、断れなくなると思います」

ただでさえ魅了の力があるのに

相手が嫌がっているというストッパーがなくなったら

止める意味も理由も何もなくなる

だから、風までもが天乃とキスをする。樹はそう考えずにはいられなかった


1、ええ、善処するわ
2、なんでそんなこと言うのよ……私は誰彼構わず求めるようなこと、してないのにっ
3、私は貴女のこと、利用するつもりなんてなかった。ただ、私がそうしたいと。思っただけなの
4、ごめんなさい……求めたりはしない。でも、しちゃうかも知れないから。ごめんなさい


↓2


天乃「私は貴女のこと、利用するつもりなんてなかったのよ」

樹「え……?」

天乃「ただ、私がそうしたいと。思っただけなの」

樹「っ」

泣き落しなんて小細工を使うつもりなんてない

でも、なんでか、泣きそうで

我慢しても、押さえ込んでも

目頭の熱さは拭えなくて

天乃「っ……これも。別に、貴女の優しさを利用したいわけじゃ、ないからっ」

樹「久遠さ」

天乃「言い訳にしかならないのかもしれないけど。でも、言うべきだと。思って」

困惑する樹に、天乃は笑みを向ける

それは嬉々とした感情を一切感じることのできない笑みだった

天乃「……嫌われたく、ないから」

樹「……………………」


01~10 謝罪
11~20 抱きしめる
21~30 謝罪
31~40 キス
41~50 犬吠埼樹は勇者である
51~60 キス
61~70 謝罪
71~80 抱きしめる
81~90 キス
91~00 抱きしめる

↓1のコンマ  

空白は無い


うつむきかけた天乃のことを

樹は力いっぱい、抱きしめた

天乃「樹……?」

樹「……………」

抱きしめていたら声は届かない

でも、抱きしめるだけで思いは伝わる

音が聞こえない。振動が伝わらない。だとしても……。

嫌いになんて。なるわけないよ

天乃「樹? 少し苦しい……」

樹「我慢してください」

声が届かないから会話は成立しない

一方的で、狡くて、弱虫で、意気地なしで

奥手な自分だと噛み締めながら、久遠さんを抱きしめる

天乃「……樹、私」

樹「好きです。久遠さんが好きです。だから、何かの埋め合わせが、嫌でした」

面と向かって言えたらいいのに

でも、言えない。言おうとすると、途端に声が出なくなる

きっと私は………


樹は初めて、自分の好きという言葉の意味を正しく理解した


天乃「樹、どうして」

樹「久遠さんが嫌われたくないって言ったからです」

だから、自分は嫌いになんてなっていない

むしろ体を密着させられるほどの好意があるのだと、示した

樹「嫌いになるわけないじゃないですか」

天乃「……でも、私」

樹「むしろ、自分が嫌になりました。日常で頼ってと言ったのは、私なのに」

なのに

自分の気持ちを優先して、久遠さんを突き放してしまった

理由も聞かずに、利用されたくないなんて冷たいことを言った

樹「キスは、その……しません。でも、さっきみたいにするだけなら」

天乃「……ぎゅって、してくれるの?」

樹「っ……反則ですっ」

すがるような瞳、求める言葉に樹は赤面して、首を縦に振る

キスは好きな人と、するべきだ

樹「久遠さんが望むなら、何回だってします」

自分がそうでも天乃は違うだろう。そう考える樹はもう一度、天乃を抱きしめた

√ 6月13日目 昼(新居) ※木曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール

01~10 風
11~20 樹
21~30 友奈
31~40 東郷
41~50 夏凜
51~60 須佐之男
61~70 春信
71~80 大赦
81~90 死神
91~00 九尾

↓1のコンマ  


瞳「お久しぶりです、久遠様」

天乃「本当にね。私が出てからはあんまり来てくれなかったし」

瞳「忙しいのです。大赦は」

そう言って笑みを浮かべる瞳は

直ぐに表情を切り替えると、軽く咳払いをして

空気を入れ替えた

瞳「春信様との関係は良好でしょうか?」

天乃「まさか、そんなことを聞きに来たの?」

瞳「一応、一週間ほど経ちましたし、様子を見て来い。とのことなので」

天乃「春信さんに直接聞けばいいじゃない」

そう言うと

瞳はちょっぴり困った表情を浮かべた

どうやら、もう聞いた上で

天乃にも聞かなければいけない。ということらしい


瞳「現状、春信様と久遠様は寝室を分けていると、伺いました」

天乃「ええ」

瞳「しかし、春信様はそろそろ。久遠様とご一緒したいそうです」

天乃「……うん?」

瞳「聞いたときにそう言っていたんです」

瞳の言葉に

天乃は目を疑うまでもなくため息をついた

嘘だ

これはただの問いだ

そう言われたとき、そう求められたとき

なんて答えるかというテストだ

とはいえ、

春信さん自身が拒んでいるんだから、

そんな展開なんてありえない



1、そう。私は別に良いわよ?
2、嘘、ついてるわね?
3、嫌よ。まだ、もうちょっとね
4、で。春信さんは似たような質問になんて?


↓2


天乃「そう。私は別に良いわよ?」

瞳「いいんですか?」

天乃「ええ。春信さんは信頼できるもの」

本当の本当に奥手なだけの可能性もあるが

春信は欲望に乱されたりすることなく

現状では異性にも関わらず天乃の魅了に唯一侵されていない人物だ

瞳「春信様は異性です。それでもですか?」

天乃「そんなこと分かった上で。よ」

瞳「肌に触れられてもいいんですか?」

天乃「春信さんはそこまでしないわよ」

むしろ

事故で肌が触れた瞬間

思いっきり体を引いた上で謝罪してくるような気もするわ

結構、遠慮しがちだものね


天乃「それにね?」

瞳「はい」

天乃「私としては、春信さんにちゃんとした場所でちゃんと寝て欲しいのよ」

瞳「……………」

天乃「別々で寝るために彼がソファを使うのなら。二人でベッドの方が良い」

天乃の冗談の混じっていない答えに

瞳はしばらく黙り込んで、そうですか。と、呟く

瞳「恥じらいは、ありますか?」

天乃「さぁ? 今のところ、春信さんの前ではあまりないと思うわ」

もちろん、着替えを見られるだのなんだのに関しては

やはり抵抗があるし

それに関しては使用人などに任せている

でも、一緒に寝るだけというなら、別に恥じらうことでもない

瞳「分かりました。ちなみにですが、春信様は彼女が良くても私はダメだ。と、言われました」

天乃「…………………」

瞳「春信様に良い眠りをさせたいのであれば、強引に誘うほか、ないかと思われます」

瞳はそう言うと

報告しに戻りますね。と、言い残して部屋を出ていった

√ 6月13日目 夕(新居) ※木曜日

風との通い妻イベントです


1、デート
2、風に任せる
3、家でゆっくり



↓2


01~10 家
11~20 海
21~30 公園
31~40 樹に関して
41~50 爆発すると恐ろしい人理論的展開
51~60 海
61~70 公園
71~80 家
81~90 樹に関して
91~00 家

↓1のコンマ  


では、少し中断します。
19時または20時ころには戻る予定になります



ここで1/10を引く久遠さんの運の悪さ


では、再開いたします


天乃「今日は家でいいの?」

風「ん、家じゃないとダメなのよねーこれが」

天乃「勇者部最年長の貴女のご鞭撻。楽しみだわ」

風は一旦家に帰ってから来たのだろう

学生鞄を持ってはいるが

私服でどことなく露出が多く感じる

もちろん、中学生の範疇をでない程度でだが

風「そんな期待されてもね……まぁ、やれるだけはやるつもりだけど」

天乃「ふふっ、やる気十分じゃない」

手の感触を確かめるように

何度も握っては開きを繰り返す風を一瞥して

天乃はクスクスっと笑う

天乃「貴女となんて、久しぶりだから……ちょっと、嬉しい」

風「……天乃」

天乃「一人一人とこうやって接して、色々して」

風「?」

天乃「困ることもあったけど、嬉しいわ。ほんとに」


風「企画っていうか、提案は東郷だけどね」

天乃「それを引き受けてくれたのは、貴女たちみんなでしょ?」

風「……ったく」

天乃の満面の笑みに

風は目を見開き、一瞬だけ表情を暗くしたが

天乃は気づかなかった

風「天乃は本当、いい性格してる」

天乃「そうかしら」

風「そっ。だって、それもそうねって言えばいいのに、貴女達が~なんてさ」

天乃「その通りだからそう言っただけよ」

半ば俯いた風の言葉に

天乃は苦笑と共に言葉を返す

……どうかしたのかしら

少し、様子がおかしい気がする


風「だから、あたしが天乃に恋人がどんなことをするのか、教えてあげる」

天乃「う、うん……?」

風「他の誰も、きっと教えられないような。本当の恋人がすることを」

天乃「風、貴女まさ――っ」

動かそうとした右手に手を重ねられ

喋ろうとした唇に、唇が重なる

天乃「んっ、っ」

風「………………」

風の空いた手が天乃のパジャマのボタンを外していく

上からではなく、下から

一つ一つ、慎重にあるいは、焦らすように

天乃「っ、ゃ……」

抵抗する術がない

動かしたい右腕は完全に抑えられ、説得するための唇は塞がったまま

天乃「っ!」

季節も相まって汗ばんだへそ周りに、風の手が触れた


天乃「っは……」

風「恋人っていうのは、こういうことするもんなのよ」

天乃「風、待って、お願い……っ」

息を止められ、

感覚の鈍った天乃をベッドに押し倒し

風はパジャマの裾から忍ばせた手を胸元にまで届かせ、触れる

左手は動かない

両足も動かない

右手は押さえつけられた

そんな状況では、何もできることなんてない

叫んでおおごとにする? 九尾や死神は助けてくれる?

天乃「っんっ、っ」

風「ビクビクして……天乃。やっぱり、天乃は可愛い」

そう言いながらも

罪悪感を感じているのか、風の表情には陰りがあり

そして、天乃の頬に涙が滴り落ちた

天乃「風……」


1、死神さん。何とかして
2、止まって、お願い
3、……ごめんね。良いよ。したいことをして


↓2


天乃「っ………」

ただキスするだけなら

それだけならまだ、流すことができたかもしれない

でもこれ以上は嫌だ

これ以上は怖い

これ以上は……っ

天乃「死神さんっ! お願いっ!」

死神「ハァーイ」

風「!」

風の手が天乃の胸に触れようかというところで

天乃の腹部あたりから死神が姿を現す

死神「イタダキマス」

そして、妖しく光る鎌で、風の体を真っ二つに引き裂く

天乃「っ!」

風「あっ……」

死神「ダイジョウブ、カラダハキッテナイ」

力の抜けた風の体が天乃に重なるようにして、倒れこむ

血は流れていない、体が変にずれることもない

死神の言うとおり、風は傷一つついてはいなかった


死神「フウノ、カミサマノチカラヲキリトッタ」

天乃「神様の力?」

死神「クオンサンノエイキョウ、ソレト。ユウシャトシテノチカラ」

死神はそう言って満足そうにくるりと回ってみせる

私からの影響は理解できる

でも、勇者としての力を切り取ったというのが理解できず

瞬きすると、死神は鎌を振るって私に向けた

死神「マンカイ、スルタメ。ヒツヨウナ、モノ」

天乃「………………」

死神「タマシイノ、ダイカ。フウノイノチ、トッチャダメデショ?」

天乃「貴方……ッ」

死神の仮面の笑みがとてつもなく恐ろしく

体が震えたのを感じつつ、睨む

死神「……ワタシハシニガミ。ダカラ、ソッチガフツウ。ダヨ」

死神は仮面の表情とは裏腹に

悲しそうな言葉を残して消えていく

本当は魂を奪いたかった

でも、天乃の親友だからこそ控えた

では、死神との仲、風との仲どちらか一つでも悪かったら?

天乃「っ」

考えるのは、やめておくことにした


√ 6月13日目 夜(新居) ※木曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、東郷、友奈はメール
※風は今回はお泊りのため、普通にいます

01~10 
11~20 覚えない

21~30 
31~40 
41~50 覚えてない

51~60 
61~70 
71~80 覚えてない

81~90 
91~00 覚えてない

↓1のコンマ  


天乃「風、大丈夫?」

風「ん……ごめん。疲れてたのかも。来てからのこと全く覚えてないや」

天乃「……そう」

風の困った表情

それが演技ではないと、私は断言できる

死神の能力かもしれない

ただ、力を奪われたがゆえの後遺症かも知れない

魅了の能力に深く冒されてしまったせいかもしれない

風「どうかした?」

天乃「っ、いや……その」

思わず顔を真っ赤にして、体を抱きしめる

あんなことをして、覚えてない。なんて

天乃「……………」


1、そうね、疲れてるのよ
2、キスをしたのよ。私と
3、来てからのことを全部話す
4、恋人っぽいこと、私としようとしたのは何?
5、来てからのこと全てと魅了の件を話す


↓2


天乃「驚かないで聞いてね」

もはやテンプレートと言える切り出し文句を告げ

天乃は風に、来てからのことを告げた

風「あたしが……?」

天乃「うん」

風「冗談じゃ、ないのよね?」

天乃「ごめん」

天乃の謝罪に

風は謝るべきは自分だと、首を振る

けれど、天乃は風をまっすぐ見つめて言う

天乃「私には人を魅了し、惑わせる力があるのよ」

風「魅了?」

天乃「うん。だんだんと、思い出せてきたんじゃない? 私としたこと」

顔をしかめたふうに対して

天乃はそういうことをしたくなるの。と、悲しげな笑みを浮かべた


天乃「黙っててごめんね」

風「………………」

天乃「……ごめん」

天乃の謝罪を、風は唇を噛み締めて聞き流す

謝られる理由なんてない

確かに

そんな能力があったのかもしれない

でも、それに負けたのは自分自身だと思っている

風もやはり、そう考える子だったのだ

でも、気になることがあった

風「なら、樹……達とは?」

天乃「それは……」



1、樹とはしていない
2、全員とした
3、してないわ
4、ごめんなさい
5、何も言わない


↓2


天乃「ごめんなさい」

風「……そっ、か」

風は天乃の沈んだ表情と声で

何があったのかを察した

でも、追求をすることはなかった

怒ることもなかった

抱き寄せることも――出来なかった

風「っ」

また同じことをしてしまうかもしれないと、思ったからだ

風「みんな……普通に見えた」

天乃「うん」

風「でも、みんな。みんなこんな気持ちを抱えてるのね」

普通に見えた勇者部員

でも、それはただの見せかけでしかなかったのだと、

風はようやく、気づいた

それでもなお、恋愛沙汰で関係が壊れていないのは

天乃が恋を知らず、誰とも定めず、全員と常に平然と過ごしているからだとも、知った


抱きしめたい、キスをしたい

体に触れたい、胸に手を……

酷い思考だと自己嫌悪してもなお、

天乃に対する要求は大きくなっていく

風「……でも、あたしが一番。やりすぎたわよね」

天乃「そんなこと言われても、困るわ」

肯定したら風を傷つけるだろう

否定したら誰かがもっと酷いことをしたんだと、悩む

答えを出さないという答えを返し、天乃は微笑む

天乃「全員。だから、樹ともした……許してくれるの?」

風「……天乃を責める権利なんか誰にもない」

天乃「姉としての言葉は?」

風「そうね……」

普段の樹や天乃の誕生日前の樹を思い出して、風は苦笑する

風「樹が望んでるなら、それでも。女の子同士でも。まぁ……いいんじゃない?」

自分が現在進行形だから

いや、そうでなくても

風はきっと、拒絶を口にはしなかった

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流有(蹂躙、魅了、真実)
・  犬吠埼樹:交流有(利用、好きということ)
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流無()
・  三好春信:交流無()
・     九尾:交流無()

・      死神:交流有(ストッパー)
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流有(春信について)
・     神樹:交流無()


6月13日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 48(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 83(かなり高い)
  結城友奈との絆 47(少し高い)
  東郷三森との絆 44(少し高い)
  三好夏凜との絆 58(高い)
  三好春信との絆 23(中々良い)
   夢路瞳との絆 11(普通)

     九尾との絆 31(中々良い)
      死神との絆 26(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■%


では、此処までとさせて頂きます
明日は早め、祝日なので可能であれば今日と同じような時間からになります



九尾「子を宿せぬと? くふふっ、神格に近い主様なら処女懐胎も出来ようぞ」


では、ぬるりと始めていこうかと思います


√ 6月14日目 朝(新居) ※金曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹、友奈、東郷は来客


樹にメール

今日の夕方は夏凜の予約につき、交流不可
明日、土曜日は春信との交流につき、交流不可


1、ごめんね、風ともしちゃった
2、風とのことを全部話す
3、ねぇ。日曜日。貴女を予約しちゃダメ?
4、樹は女の子との恋愛ってどう思う?


↓2


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ごめんね、樹

貴女に言われたのに、風とキスしちゃった

体も、少しだけだったけど……触られた

それでも

風の満開するためのエネルギーを削ることになったけど

死神さんのおかげで大事には至らなかった

でも、したことには変わりないから……ごめんね

樹達とキスしたこと、魅了の能力のこと

全部話したわ

怒らなかった。樹とのことだって

樹がそれを望んでるならって、言ってたわ

……望んでるなら。だけど

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

文章を打ち込み、天乃は一息つく

送信ボタンを押す前に画面をスクロールして

変な言葉がないか

余計な言葉がないかを確認する

天乃「……メール一つで、なんでこんな緊張するんだか」

自分のおかしくなりつつある部分に呆れていた


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ごめんね、樹

貴女に言われたのに、風とキスしちゃった

体も、少しだけだったけど……触られた

それでも

風の満開するためのエネルギーを削ることになったけど

死神さんのおかげで大事には至らなかった

でも、したことには変わりないから……ごめんね

樹達とキスしたこと、魅了の能力のこと

全部話したわ

樹とのことも、別に怒ら

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「っ……」

風が樹とのことについて、樹が望んでいるなら別に良い

そう言っていたのも付け加えるかどうかで、天乃は悩んでいた

天乃「た、ただの報告。報告なんだけどっ」

でも、樹とのことだけしか聞かなかったっていうのは、変に思われないかしら

いや、樹は風の妹だもの。妹のことだけしか聞かなくてもおかしくは

でも。あれだけ仲良いメンバーの中で妹だからって樹だけっていうのは……

天乃「そもそも、なんで私は樹だけをピックアップしたのよ……っ」

全員まとめて聞けばいいだけなのにっ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ごめんね、樹

貴女に言われたのに、風とキスしちゃった

体も、少しだけだったけど……触られた

それでも

風の満開するためのエネルギーを削ることになったけど

死神さんのおかげで大事には至らなかった

でも、したことには変わりないから……ごめんね

樹達とキスしたこと、魅了の能力のこと

全部話したわ

風は少し動揺してたけど

なんとか受け入れてくれたと、思う

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「そうね、こうしましょう。これでいい。おかしくない」

最後の文章を入れ替えて、付け加えて

樹のことだけという文章を完全排除

受け入れてくれたかはともかく、全員としたことを知っても怒らなかったことは事実

何も間違ってない

聞き間違えて、聞いたけど。間違えたことだから報告しないほうがいい

天乃「うん。そうね、そうだわ」

誰に言う訳でもなく頷いて、文章を確認すると

天乃はメールを送った


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

そうですか……しちゃったんですね

謝らなくていいです

久遠さんがしたくてしてることじゃないのは、分かってますから
で何度も言ってるかもしれませんが

みんな久遠さんが好きなんです。大好きなんです

魅了の力なんかがなくたって、とっても好きなんです

だから、一週間入れ替えの恋人ごっこだって

快く引き受けたんだと思います

お姉ちゃんもです

だから、責任を感じる必要はないです

だから、もう一度です

謝る必要はないです

悪いと思う必要もないです

むしろ、久遠さんがしたくないことをしてる私たちこそ

謝るべきだと、思います

ごめんなさい

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

樹からの返信は意外に遅く

でも、それが理解できるくらいには、長い文章だった

天乃「…………何言ってるのよ」

考えにに考えた文章なのだろう

一部改行が切り取られていたり、【で】が、樹にしては不自然な位置に残っていたりしていた

天乃「そこまで考えたのに、なんで謝るの?」

一言もしたくないこと。なんて……

天乃「っ」

自分が勇者部とのキス、女の子とのキス

強引なものにはやや嫌悪感を抱きつつも

それに関しては満更でもないのだと気づいて、頬を染め、唇に触れる

天乃「っ、な、違っ……っ、うぅ……」

首を振り、端末を放り出して、布団をかきあげ顔を隠した


樹に返信

1、する
2、しない

↓2


返信内容


1、強引なのは嫌だけど、別に。それ以外で謝られる理由はないわ
2、なんで貴女が謝るのよ。貴女にはちゃんと……して良いって言ったのに
3、私もみんなが好きよ
4、ありがとう。でも、謝罪は要らないわ
5、ねぇ、女の子同士の恋愛ってどう思う?


↓2


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

なんで貴女が謝るのよ

貴女にはちゃんと……して良いって言ったのに

貴女は襲っちゃいますよと、言った

それでも私は。貴方なら良いって言った

だから

ごめんなさいって言われても困る

ごめんなさいなんて言われたくない

言うべきなのは私だから

だって、襲いたくさせたのは私の力

貴女にそんな気を起こさせて、それを貴女の思いにさせたのは私の力

貴女の大事な唇とのキスを、同意の上という位置に押し上げたのも私の力

ごめんなさいは、私のほうよ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

文章を打つのに時間はかからなかった

ただ、思っていることをそのまま打ち込むだけだった

考える必要なんてなかった

ずっと抱いていたことだから、そんな必要なんてなかったのだ

天乃「……っ」

メールを送って、自分の心臓が激しいのに気づく

音は聞こえない。でも、早鐘に体が揺れる

天乃「なんでそんなに興奮してるのよ……私は」

自分でも、その感情は理解できなかった



01~10 
11~20 返信あり

21~30 
31~40 
41~50 返信あり

51~60 
61~70 
71~80 返信あり

81~90 
91~00 返信あり

↓1のコンマ  


樹からの返事はなかった

学校がある

だから、それは何もおかしいことなんかではないのに

天乃「っ」

ドキドキしていた

不安になっていた、怯えていた

間違ったことを言ってしまったんじゃないか。と

それで、怒らせてしまったんじゃないのかと

天乃「……私は」

天乃は

自分が樹の一挙一動に気を引かれ過ぎているのだと気づいて

端末を手放す

なぜそこまで気になるのか、わからないまま時間は過ぎていく


√ 6月14日目 昼(新居) ※金曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール

01~10 風
11~20 樹
21~30 友奈
31~40 東郷
41~50 夏凜
51~60 須佐之男
61~70 春信
71~80 大赦
81~90 死神
91~00 九尾

↓1のコンマ  


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんにちは、今日は夏凜ちゃん。ですよね

それで、明日は夏凜ちゃんのお兄さん

それで、日曜日は久遠さんが自由に選ぶ

あの、もしよければなんですけど

日曜日は全員一緒にお出かけするのはダメですか?

久遠さん、樹ちゃん、風先輩、夏凜ちゃん

私、久遠さんそれと、夏凜ちゃんのお兄さん

7人で、どうですか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


友奈からのメールは誘いだった

日曜日に全員でデート。というところだろうか

どうしよう

みんなで一緒

それも家の中ではなく出かけるというのなら

襲われるような心配もきっとないはず



1、受ける
2、受けない
3、春信さんはいない方がいいんじゃない?

↓2


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

春信さんはいない方がいいんじゃないかしら?

差別するつもりはないんだけど

中学生6人に

大人の男性一人って結構不味い構図だと思うの

それに多分

私達が良くても、春信さんがダメだと思うのよ

彼、いい人なんだけど

異性には弱いらしいのよ


友奈の春信さんもっていう姿勢はいいと思うけど

でも、ね

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

春信さんがいやいやと首を振る様を想像して小さく笑う

春信に対し、天乃は嫌悪感を抱いているわけではなく

天乃に対し、春信が嫌悪感を抱いているわけでもなく

春信は良い関係の異性だと、天乃は認識している

けれど、だからこそ知る春信には無理だと思ったのだ

天乃「……まぁ、ダメもとで誘うのもありだとは思うけどね」


友奈からの返信は早く、

それなら仕方がないですね

でも一応、できたら聞いてみてください。と

綴られていた

一応、恋人サイクルの一員だから

友奈としては外したくないのかもしれない

いや、もしかしたら

それを口実に、春信さんとお近づきになりたいのかもしれない

天乃「一応、私の婚約者なんだけどね」

友奈と春信が付き合いだすのを想像して

あり得るのかなと、苦笑して

ちゃんとした恋愛感情を持ち

ちゃんとした恋愛をするのならいいのかもしれない。と思った


友奈に返信

1、する
2、しない

↓2


返信内容


1、もしかして、春信さんが好きなの?
2、ねぇ、樹はどんな様子?
3、相手の一挙一動がすごく気になる。それってどういうことだと思う?
4、わかったわ。できたら誘ってみる
5、私。別に強引じゃなければ良いから。あんまり抱えないでね


↓2


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ねぇ、友奈に一つ聞きたいんだけど

相手の一挙一動がすごく気になる

それってどういうことだと思う?

例えるなら、メールの返信がないと不安になったりして

自分がなにか間違えちゃったんじゃないかなって思って

ドキドキする。的な感じ

貴女の自論でいいから、教えて欲しいのよ

私には良く分からなくてね

もちろん、分からなければわからないで全然構わないから


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「………………」

おかしいところがないか

間違った解釈をされないか、ちゃんと見直してから

メールを送る

友奈は知ってるのかしら

私のこの気持ち。私のこの不安

その意味、その理由

友奈なら、答えを出してくれるかしら


01~10 仲いい相手なら、誰にでもそうだと思いますよ
11~20 相手は誰ですか?
21~30 ごめんなさい、分からないです
31~40 仲いい相手なら、誰にでもそうだと思いますよ
41~50 それは恋です
51~60 仲いい相手なら、誰にでもそうだと思いますよ
61~70 相手は誰ですか?
71~80 仲いい相手なら、誰にでもそうだと思いますよ
81~90 ごめんなさい、分からないです
91~00 それは恋です

↓1のコンマ  


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

漫画で見たそれの答えは


相手に対して、恋をしてる


だそうです

それを見たとき、私は本当にそうなのかなって驚きました

私も同じような経験してるからです


目の前にいるわけでもない、触れ合っているわけでもない

話をしているわけでもないのに

相手のことを考えただけで無性に恥ずかしくなって、

ドキドキとして、何をするにもためらいが出来てきて……

いつしか、

相手の一つ一つがすごく気になるようになっていました


久遠さんのそれが絶対とは言えません

でも、少なくとも私のこの気持ちは

本当に恋なんだろうなって、思ってます

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


天乃「……恋?」

友奈のメールを上から下に読み、

下から上へと読み返して、呆然と呟く

私が恋をしてる?

樹に? 同性の、女の子に?

天乃「っ………」

その気持ちが恋だと思い始めた瞬間

想いを抱いているだけで途端に恥ずかしさが増した

考えようとしていないのに

樹のことばかりが頭に浮かんで

恥ずかしさに顔が真っ赤になって、熱に呻く

天乃「や、やだ……なにこれっ」

必死になって頭を振っても

樹のことが頭から離れることはなく

天乃「っ、うぅっ……う~っ!」

枕に顔を埋めるしかなかった


√ 6月14日目 夕(新居) ※金曜日


夏凜との通い妻イベントです


1、夏凜に委ねる
2、海に出かける
3、公園に行く
4、家でゆっくり
5、……私、樹に恋してるんだって
6、ごめんね、夏凜。今日は一人にして


↓2


天乃「ごめんね、私のわがままで」

夏凜「別に良いわよ。相手に合わせるのも、こ、恋人。として? 当然らしいし」

恋人という言葉を使うだけで

夏凜は気恥ずかしそうに目を伏せ、頬を染める

天乃「………………」

自分が樹に恋をしてると知って

恋とはどういうものかを完全とは言えずとも知って

夏凜のそんな照れくさそうな仕草が

自分への好意ゆえのものなんだと、天乃はなんとなく理解った

天乃「恋人として当然、ね」

夏凜「も、もちろん! 本当にそういう関係じゃないっていうのは分かってるわよ」

天乃「うん」

夏凜「でも、そうだって思うっていうか、考えたほうが……やりやすいじゃない」

天乃「そうね……」

それが理解ったとたん

自分がどうしようもないほどに酷いことをしているんじゃないかと

天乃は……思った


夏凜「……なんで見つめてんの?」

天乃「ううん、別に」

夏凜「そう……で、どうなのよ」

天乃「どうって?」

夏凜「恋愛について。多少はわかるようになったわけ?」

夏凜のその言葉に、

天乃は一瞬、驚きを顕にしたが

直ぐに目をそらして、下を向く

なんて言えばいいんだろう

自分は樹に恋をしているって言う?

まだ知らないふりをする?

なんとなくわかってきたと、はぐらかす?

夏凜「天乃?」



1、樹のことが、好きみたい
2、ええ、なんとなくは。ね
3、ううん、まだ全然
4、一人しか好きになったらダメなの? 全員じゃ、ダメなの?


↓2


天乃「私ね」

これが酷いことだと分かっている

これがおかしいことだと分かっている

でも、天乃はそれを口にする

天乃「樹のことが、好きみたい」

夏凜「!」

さんざん利用して、キスをさせて

思いをこちらに向かせておきながら最低だと思う

でも、

いつまでも黙ったまま利用するなんてことはしたくないと思った

夏凜「……そっ、か」

天乃「うん。ごめ――」

夏凜「謝んな!」

天乃「っ!」

夏凜「……頼むから。謝んないで」


酷いことをした

なのに、夏凜はその謝罪を受け付けなかった

夏凜「っ」

夏凜は涙をこらえるように眉をひそめ

握りこぶしを震わせて、俯く

いつか誰かが好きだと思うこと

それを覚悟していないわけではなかった

でも、

そんな覚悟なんて役には立たないのだと

直ぐに気づいた。気づかされた

夏凜「……樹には?」

天乃「まだ」

夏凜「いつ気づいたのよ」

天乃「今日のお昼」

夏凜「……そっか」

今日は二人で恋人のようなことをする

そんなことに胸を躍らせていたことがあまりに惨めで

道化らしく、夏凜は苦笑して、首を振る

夏凜「…………………」



01~10 襲撃
11~20 応援
21~30 懇願
31~40 拒絶
41~50 三好夏凜は……
51~60 応援
61~70 拒絶
71~80 襲撃
81~90 懇願
91~00 逃走

↓1のコンマ  


夏凜「ごめん……無理」

天乃「え?」

夏凜「私は……やだって、言ってんのよ」

夏凜はポロポロと涙をこぼしながら

天乃のことを睨むように見つめた

認めてあげたい

認めたくない

認めてあげたい

認めたくない

認めてあ――げたくない

夏凜「認めないわよッ!」

蹴飛ばされるように倒れた椅子が夏凜の耳に大きく響く

目の前の天乃はいきり立った夏凜に驚いていて、戸惑っていて

その中に罪悪感を感じて……夏凜は首を振る

夏凜「そんなの……認めないッ!」

夏凜はそう言って、部屋を飛び出していった


√ 6月14日目 夜(新居) ※金曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール

※夏凜からの返信は判定有。イベントでは夏凜は低確率


春信「話とは……なんだ?」

天乃「………………」

春信さんは話がある。というと

別室での仕事を打ち切って部屋に来てくれた

本当なら自分から行くべきだったかもしれないのに

春信「夏凜が逃げるように帰っていったことは報告を受けているが……その関係か?」

天乃「使用人から聞いたの?」

春信「そうだな。いつも、聞かされる」

天乃「……プライベート、ないのね」

春信「仕方がない」

困ったように呟く春信さんを一瞥して、私は言葉を考えた


1、私、好きな人ができて。でも、夏凜は認めないといったのよ
2、そっちは何とかするわ。ただ、日曜日のデートにあなたもどうかと思って
3、私が女の子を好きと言ったら、どうする?


↓2


天乃「私、好きな人ができて。でも、夏凜は認めないといったのよ」

天乃は事の顛末を率直に

でも、簡潔にして春信へと告げる

春信は驚いた様子もなく

落ち着いた声色で「そうか」と、息をついた

春信「夏凜の気持ちを、君はわかっているか?」

天乃「……うん」

春信「分からないのなら言えることもある。だが、分かっているとなると……」

春信は言葉をあやふやにして、目を瞑る

分からないなら、君が悪い。と

注意することもできたのだろうが、わかった上での言葉なら

注意することも望ましくはない

ならどうするか、どうすればいいか

夏凜にそれを認めさせるには何をどうするべきなのか

春信「……下手なことは言えない。すまない」


春信は何も言えなかった

自分にはそんな経験などないし

そうなったばいいの答えなど当然知るわけもないからだ

加えて

自分が関係を悪くしてしまった経験のある夏凜が相手だということが

春信から言葉を奪ったのだ

春信「私では、さらに悪化させる可能性もある」

天乃「そっか……そうよね」

春信「もしもあれなら、勇者部を頼るといい。彼女達は両者に通じているのだろう?」

けれど、天乃はそうするとは言えなかった

今までのみんなの言動

それもまた、夏凜と似ている

いや、ほぼ変わらないものだと、分かってしまったからだ

恋愛は誰も傷つかない

そんな展開が不可能なんだと――天乃は知った

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流有(風との出来事、なぜ謝るのか)
・  結城友奈:交流有(日曜デート、恋)
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流有(樹のことが)
・  三好春信:交流有(夏凜の拒絶)
・     九尾:交流無()

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


6月14日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 48(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 84(かなり高い)
  結城友奈との絆 49(少し高い)
  東郷三森との絆 44(少し高い)
  三好夏凜との絆 58(高い)
  三好春信との絆 23(中々良い)
   夢路瞳との絆 11(普通)

     九尾との絆 31(中々良い)
      死神との絆 26(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■%


少し中断します
19時くらいには、再開できればなと

忘れていましたが、安価に関しては試してみたいことがあるので
ちょっとだけ試験的なことをする予定です




夏凜「……私を好きになるようにすればいいのよ。この、サプリで!」


では、少しずつ進めていきます



√ 6月15日目 朝(新居) ※土曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール

※夏凜からの返信は判定有。イベントでは夏凜は低確率


夏凜へのメール内容


1、どうしたら認めてくれるの?
2、貴女も好き、樹も好き。それはダメ?
3、どうして認められないの?
4、謝っても仕方がないと思う。だから、同じくらい辛い思いを私にさせて
5、空メール


↓2



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ねぇ、夏凜

どうしたら認めてくれるの?

なぜ認められないのか

それを、私はなんとなくだけど、分かるわ

ふざけるなって思うかもしれないけど

本当に、わかるのよ

でも

どうしたら認めるのかは人それぞれだと思う

だから、教えて。夏凜

どうしたら、貴女が認めてくれるのかを

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

もしかしたら、驚き、戸惑って

つい感情的になったという可能性もあるかもしれない

でも、多分

私も樹と同じようなことをしてて、突然言われたら

認められないと言うと思う

だって、突然諦めてって言われるようなものだもの

そんなの「はい、そうですか」なんて言えるわけない


私だったら

相手と話して、相手の気持ちを聞いて

両思いで、ちゃんと守り導ける人だったら

諦められると思う

でも、夏凜がそうだとは限らな――

天乃「あっ」

考えを言葉として脳裏に書き出して、気づく

夏凜はその相手と

樹と同じ家で暮らしてるのだ

天乃「まさかとは思うけど……っ」

樹に私がどう思ってるか話してるんじゃ……

天乃「っ」

可能性がある

ありえないということはない

天乃「待って、待って、待って、そんなのやだ……っ」


01~10 あんたが私に大嫌いって言えばいいのよ
11~20 
21~30 三好夏凜は愚者である
31~40 
41~50 なんで認める必要があるのよ
51~60 
61~70 樹からのメール
71~80 
81~90 三好夏凜は勇者である
91~00 

↓1のコンマ  

空白は返信なし


追撃メールを

1、送る
2、送らない

↓2


追撃内容


1、お願い。樹には言わないで
2、お願い、返信をちょうだい
3、お昼、会って話しましょう?


↓2


天乃「お昼、会って話しましょう?」

夏凜からの返信はなかったが

なくても想いが通じるようにと、もう一度メールを送る

春信さんとの付き合いは夕方以降

お昼はまだ時間が作れる

だから……お願い

天乃「……嫌なことしないで」

祈るように送信を選択して、布団をかぶる

このメールを送ったあとも

夏凜からの返事は来なかった

沈黙という肯定か

それとも、沈黙という拒絶か

高鳴る心音はは止めが聞かず

天乃は泣きそうな気持ちで、身を縮めた


√ 6月15日目 昼(新居) ※土曜日

01~10 樹
11~20 来る
21~30 
31~40 来る
41~50 
51~60 来る
61~70 
71~80 夏凜かと思った? バーテックスだよ
81~90 
91~00 来る

↓1のコンマ  


空白は来ない

√ 6月15日目 昼(新居) ※土曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定
0、抜け出す:要九尾の力

↓2


※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※判定でのみ、風、樹、友奈、東郷は来客

※何をしても夏凜交流は要判定(低確率)


天乃「九尾!」

九尾「まったく……主様という人間は」

天乃の呼び出しに答えて現れた九尾は

出てくるや否や、呆れを口にして頭を振る

天乃「なに?」

九尾「友奈にしたように、相手が居ると匂わせる程度で良かったものを」

天乃「……………」

九尾「犬姉は気づいてはおらぬじゃろうが……友奈も感づいておる。おそらくは東郷もな」

天乃「友奈たちも?」

好きな相手が居る。という程度はな。と

九尾は付け足して、ため息をつく

天乃がそれにすら気づいていなかったことに

少し、呆れてしまったのだ

九尾「言葉を誤るでないぞ? 恋慕は時に人を殺める。気を付けよ。愚かな主様」


九尾はそう言うと

天乃ののぞみを叶えるために

勇者へと変身させる

天乃「………………」

両手両足が動くことを確認

人間のものではない、耳と尻尾が健在なのも

図らず確認して、息をつく

天乃「夕方にはもどるから……ごめんなさい」

その場にいない春信へと謝罪を残し

天乃は窓から、飛び出していく


――行き先は


1、友奈
2、東郷
3、犬吠崎家


↓2


天乃「夏凜、貴女が来てくれないから。私から来たわよ」

夏凜「……ったく」

端末をいじっていた夏凜は不意に悪態をつくと、

端末を手放して、天乃へと目を向ける

夏凜「会いたくない。話したくない。私のそんな気持ちも、あんたは解らないのね」

明らかな嫌悪感

それを言葉として吐き出す夏凜に

天乃は申し訳なさを感じて、俯く

確かにその可能性もあった

一人になりたいと思っているという可能性も

でも、何も言ってくれないから。だから、来た

夏凜「まぁ良いわ。きちゃった以上はどうしようもないし」

天乃「夏凜……」

夏凜「別にあんたが悪いわけじゃない。ただ、突然心をへし折られてどうすれば良いか分からなくなっただけよ」


夏凜「認められないと言ったのも、仮にでもそうしとかなきゃ、泣きそうだっただけ」

天乃「……………」

夏凜「ようするに、意地張っただけ」

夏凜は自分自身を嘲笑するような笑みを浮かべ

感情の希薄な言葉を漏らして、曇り空を見つめる

お先真っ暗で、私みたいだ。と

夏凜はため息をついて、天乃へと向き直る

夏凜「日常では寝たきりになるまで頑張ったあんたの気持ちを砕きたくないと思った」

天乃「っ」

夏凜「でも、私はあんたが好きで、前々から素直になっとけば可能性があったのかもしれないと思うと、やるせなくて」

天乃「……うん」

夏凜「あんたに対する言葉が何も見つからなくなった。会いたいのに、会いたくなくなった」

夏凜の差し向けてきた端末には

天乃宛への返信文章が作られていたが、文字は一文字も入っていなかった

夏凜「悪かったわね。返事、返さなくて」


夏凜「……天乃」

天乃「なに?」

夏凜「あんたがそれで幸せになれるなら。今までの頑張りが報われるのなら。私はそれでいいと思う」

天乃「えっ?」

夏凜は少し悲しげな雰囲気を織り交ぜながらも

天乃の気持ちをダメとは言わず

寂しげで、悲しげで

でも、ちょっぴり嬉しそうな笑みを浮かべていた

夏凜「私は別に、恋路を邪魔するほど腐った性格してないわよ」

天乃「で、でもっ」

夏凜「樹を部屋に呼んだほうがいいわけ?」

天乃「それは――」

夏凜「冗談」

天乃「っ」

顔を真っ赤にする天乃を見つめて、夏凜は首を振る

夏凜「…………………」

思えば、樹が一番頑張ってた。ずっと頑張っていた

だから

初めから勝ち目なんてなかったのだと

当然の敗北なんだと……夏凜はため息をついて苦笑する

夏凜「幸せになりなさいよ? 色々と面倒だろうけど」


天乃「そうね……樹が同性でもいいのか分からないし」

夏凜「?」

天乃「友達の好きから、恋愛の好きにしないといけないものね」

夏凜「なに言ってるのか分かんないんだけど……」

夏凜は困ったように顔をしかめて

ほっぺをつねる

痛い、現実だ

えっ、冗談とかじゃなくて本気でそう言ってるわけ……?

天乃「前に、樹に恋ってどうしたら恋なのかって聞かれたことがあってね」

夏凜「……で?」

天乃「樹には好きな人がいるんじゃないかなと……だから、頑張って振り向かせなきゃ」

夏凜「後ろ向かせてどうすんのよ」

天乃「なんで後ろなの?」

夏凜「何でもない」

もう勝手に伝えてしまおうか。と

悩みに悩んで、夏凜は大きくため息をついた


夏凜「どうせ来たなら、樹と話していけば?」

天乃「でも……」

夏凜「樹、昨日からちょっと機嫌悪いのよ」

天乃「どうして?」

夏凜「さぁ? 十中八九あんたのせいじゃないの?」

この気持ちは

私の気持ちは

魅了の力とか、誘導とか

そういうののせいじゃないのに……っ

と、樹の部屋から聞こえたことは胸にしまう

言えば解決するのだろうが

そうしたら、樹の気持ちが勝手に伝わってしまうと思ったからだ

天乃「私のメールのせいかしら?」

夏凜「心当たりあるなら行ってきなさいよ。一つだけ言うけど、とりあえずごめんなさいするのはやめて。面倒くさくなるから」

夏凜はそう言うと、行くなら行く。帰るなら帰るでさっさとしろ。と

手を振った


1、樹に会う
2、風に会う
3、戻る


↓2


※夕方交流分消費選択肢です


春信に申し訳ないと思いつつ

天乃はもう少しだけ、外出することにした

と言っても、同じ犬吠埼家の樹の部屋に行くだけだが

天乃「樹、入るわよ」

ノックをして、有無を言わせずに部屋に入る

返事がどうであれ、天乃には聞こえないからだ

樹「……っ」

天乃「樹」

樹の部屋はきれいに整頓されていて

でも、一部

ベッドの上だけは激しく乱れていて

その上に座り込む樹の表情は

怒っているのか悲しんでいるのか、複雑で

樹「久遠さんの――ばかっ!」

樹は手元の枕を投げつけた


天乃「な、なんなのよ……」

樹「バカだからバカって言ったんですっ」

天乃「樹……っ」

樹は相当ご立腹らしく

心底不快な思いをしたというのが

ひしひしと伝わってきて、天乃は目を伏せる

昨日の最後のメール

きっとあれがいけなかったに違いない

天乃はすぐに判断して、文章を思い出す

樹に謝られても困るといったこと?

襲いたくさせたことの謝罪が弱かった?

そんな気を起こさせたといったこと?

ごめんなさいと謝ったこと?

天乃「え、えっと………」


1、貴女の謝罪、ちゃんと受けるわ
2、襲いたくさせたのは私の力よ。本当に、ごめんなさい
3、もしかしてだけど……元から気を起こしてた?
4、ごめんなさいって言ってごめんなさい
5、とりあえず、ごめんなさい
6、まだ何もわからない……だから、まずは樹の出方を伺う


↓2


適当に何かを言うのはまずいと言葉を飲み込んで、首を振る

そっと樹に目を向けると

樹の悲しそうな瞳と視線がぶつかった

樹「……あんなメールが返ってくるとは思いませんでした」

天乃「っ」

樹「ショックでした。全部自分のせいだとしか、思ってなかったんですね」

天乃「ぅ………」

樹の罵倒未満の苦言に

胸が突き刺されて痛みに呻く

ごめんなさいと言いたくて口が動き

とりあえずはダメだという夏凜の言葉にせき止められて、閉口する

樹「思ってないことを増幅したところで、意味があるんですか?」

天乃「え?」

樹「0を何倍にも、何十倍にもして。意味があるんですか?」


0に1をかけようが、10をかけようが

たとえ100をかけようが、0は0で

思ってないことをどれだけ増幅しようが

結局は、思ってないことでしかない

樹「……なんで襲いたくなったんですか?」

天乃「それは……」

なぜ襲いたくなったのか

それは九尾から聞いている

好意を増幅させ、そういった感情を抱かせる。と

天乃「好意があったから」

樹「そんな気を起こさせて、私の思いにしたって、久遠さんは言いました」

天乃「あっ」

樹「逆です。そんな思いがあったから、そんな気が起きちゃったんです」

天乃「樹…………」

樹「何回も、何回も。私は久遠さんのことが好きだって言ったのにっ!」


ようやく気づいた天乃に対して

樹は力いっぱい、怒鳴った

悲しかった、辛かった

あれだけ言っても、どれだけ言っても

ただ責任を感じているだけで、全く気づいてくれていないと知って

樹「なんでごめんなさいなんですか? なんで、力のせいなんですかっ!」

天乃「それは……」

樹「だからばかって言ったんです。こんなにっ……私っ」

ポロポロと涙を零して

樹は言葉を嗚咽に変えていく

天乃「…………………」



1、ごめんなさい。だって、貴女には好きな人がいるでしょう?
2、何も言い返せないわ
3、抱きしめる
4、貴女だって、私がキスしたくてしてるわけじゃないって思ってたじゃないっ
5、きっと、昨日の私は貴女の思いをねじ曲げているかもしれないと、怖くて仕方が無かったのよ


↓2


天乃「貴女だって、私がキスしたくてしてるわけじゃないって思ってたじゃないっ」

樹「みんなとって意味に決まってるじゃないですかっ」

天乃「あっ」

樹「そんなにキスするのが好きなんですか。みんなとしたいんですかっ、キス魔なんですかっ!」

天乃「いや、その」

言い返して、敗北して

樹の言葉の激流に飲み込まれた天乃は困った顔で、目を逸らす

樹「久遠さんは私以外ともキスしたいんですねっ!」

天乃「あぅ」

樹「いいですよ、どうぞ。みんなとしてくださいっ」

天乃「っ」

樹「みんながどれだけ久遠さんを好きか知ってますから」

天乃「………………」

樹「私達の気持ちを受けた上で、久遠さんが全員とそういう関係を維持したいというのなら。いいと思います」

樹はそう言って自分の涙を拭うと、笑みを浮かべる

樹「もちろん……その。私一人に。その、アレな方が……ですけど」

最後の方は口が全く動かず、天乃は読みきることができなかった


では、ここまでとなります
明日はおそらく通常通り22時以降
安価の試用は明日、余裕があれば




風「うどんを啜ってかき消すわよ」

九尾「ふむ。きつねうどんを所望する」

風「はいよっ」

夏凜「……何してんのよっ。どいつもこいつも」


では、ゆるりと再開します


天乃「私は別にキス魔なんかじゃないわよ」

樹「じゃぁどうして、あんなこと言ったんですかっ」

天乃「それは、だってっ」

樹とはしたくてしてる……と、いうか

樹にだけは襲われてないし

樹にだけは自分からお願いしたりしてるし

それは多分、やっぱり。そういうことなんだろうし

樹「久遠さん?」

天乃「~~~~~っ」

言わなきゃダメ?

言わなきゃダメなの……っ

顔を真っ赤にする天乃は

潤んだ瞳を樹に向けた


1、貴女とはしたいからよっ
2、言わせないでっ
3、わたしも好きだからよっ、樹のこと、好きだからよっ!
4、黙り込む

↓2


天乃「わたしも好きだからよっ、樹のこと、好きだからよっ!」

樹「えっ?」

天乃「っ……ばかっ」

呆然と間の抜けた声を漏らした樹に

天乃は投げつけられた枕を投げ返す

樹「っ」

天乃「……馬鹿」

樹「久遠さん……」

天乃「言わせるなんて、酷いじゃないっ」

樹「……何回も言わせたのは、久遠さんじゃないですかっ」

もう一度枕を投げ返す

好きを投げて

好きを投げられて

樹「……好きです」

好きをもう一度投げる

天乃「…………………」

樹「っ」

天乃は枕を、受け止めた


天乃「いつ――」

樹「いいんですか?」

天乃「?」

樹「婚約者がいるのに、女の子同士なのに」

春信との件

同性という問題

確かに、これからが大変だといった夏凜は

何も間違っていないと、天乃は思った

天乃「そうね、問題があるわね」

ピクピクと動く耳

ふりふりと動くしっぽ

天乃はそのこそばゆさに顔をしかめて、息をつく


お兄ちゃんやお姉ちゃん、両親はともかく

祖父母は絶対に認めてはくれないだろう

もしかしたら、樹達に対して何か酷いことをする可能性だってある

天乃「……………」

九尾「それでもなお、主様は蛇の道を選ぶのであろう?」

天乃「九――っ!?」

樹「久遠さんっ!」

不意に現れた九尾に驚くまもなく

勇者としての力が消えて、私は思いっきり尻餅をついた

九尾「面倒で、大変で、苦しいかも知れぬ。それでも。良いのじゃな?」

天乃「っ……」

樹「久遠さん、ベッドに」

樹にベッドへと引き上げられ、九尾と見つめ合う

天乃「私は」


1、後のことなんて知らないわ。私はそうしたいからするのよ
2、ええ、樹となら。みんなとならなんとかなると思うから
3、そんなこと言われても……


↓2


天乃「ええ、樹となら。みんなとならなんとかなると思うから」

九尾「ふむ……」

九尾はそう言って考え込むと

樹を一瞥して、天乃へと向き直る

九尾「仕方があるまい」

天乃「?」

樹「何がですか?」

九尾「主様がそう思っているのなら、そう信じているのなら、好きにすれば良い」

九尾の瞳に見つめられ、

樹は少しばかり身をすくめたけれど

すぐに首を振って、私の体を抱きしめた

九尾「くふふっ、別に。とって食うきなどないぞ」

樹「……好きにします」

樹の意志のこもった一言に

九尾は微笑を返して、姿を消した


√ 6月15日目 夜(新居) ※土曜日


1、ごめんなさい
2、私ね、樹を選ぶことにしたわ
3、春信の出方を待つ
4、怒ってる?


↓2


※流石に連れ戻されました


天乃「私ね、樹を選ぶことにしたわ」

春信「犬吠崎家の次女か?」

天乃「ええ、おかしい?」

春信「……………」

春信は明らかに困惑した表情で天乃を見つめると、

こめかみを指でなぞって、首を振る

春信「私には分からない。ダメだと言えない、良いとも言えない」

天乃「なぜ?」

春信「分からないからだ。そのような気持ちが」

春信の声はどこか寂しげで

でも、本人自体がそれに気づかず、空気に消える

春信「しかし、ひとつ問いたい」

天乃「?」

春信「それは君の本心なのか?」


天乃「いたずらに思えるの?」

春信「そういうわけではない。だが、どうなのかをしりたいと思ったのだ」

無理に言う必要はない

春信はそう付け足して、天乃を見つめる

答えを求めるその瞳はどこまでも真っ直ぐで

何も知らない、子供のようだった

天乃「そうね、本心よ。思えば思うほど……ふふっ、恥ずかしながら。照れちゃうんだもの」

そう言って笑った天乃の頬はほんのりと赤く

春信は目をそらして、頷く

春信「そうか」

天乃「ええ」

春信「………………」


1、じゃぁ、貴方の本心を教えて
2、ごめんね、春信さん
3、どうかしたの?
4、どうしたらいいと思う? 家のこと


↓2


天乃「どうしたらいいと思う? 家のこと」

春信「難しい問題だな……きっと、認めはしないだろう」

天乃「でしょうね」

春信「君は力を受け継いだ純粋な後継だからな」

春信は悩ましそうにつぶやき、考え込んで、息をつく

春信「………………」

能力を受け継がせた子供を産めば

あとは必要ないと言われるかもしれない

そんな解決策も考えたが、口にはできなかった

春信「私も考えておこう。だが、しばらくは内密に頼む。なんの手立てもなく知られるのは危険だ」

天乃「うん……そうね」

春信「君の人生だ。君が誰に愛を捧げようと許されるはずなのだがな」

天乃「相手は女の子でも?」

春信「恋愛を知らない私には、答えようのない問だ」

春信は困ったように、そういった


では、今日はここまでとなります
明日もいつも通りの再開になる予定です



春信「園子様、渡したい物とは?」

園子「天さんといっつんの恋愛についてよくわかる本だよ~」


では、再開していきます


天乃「私よりも上の年齢なのに」

春信「何度も言わせないでくれ」

天乃「ふふっ、ごめんなさい」

天乃の言葉は謝罪だ

けれど、そこには茶化すような明るみが含まれていて

春信は肩をすくめると、息をつく

生真面目な春信にとって

そういった性格の人は天敵だが、それでも親友が居る

言わずもがな、天乃の兄だ

春信「やはり、君たちは兄妹だ」

天乃「うん?」

春信「謝罪しつつも、罪悪感を微塵も感じないところが似ている」

春信は微笑を浮かべ、天乃の頭に――触れた


驚く天乃を尻目に、春信は二度三度天乃の頭を撫でると

ハッとしたように目を見開いて、手を引く

ほぼ無意識の行動だったらしい

春信「すまない」

天乃「別に謝るようなことでもないけど……」

春信「女性は信頼できる人間にしか触らせないと――」

春信の反応に

天乃は「信頼できない相手に相談するの? 私は」と

困ったように呟いて苦笑する

春信「……そうか」

天乃「?」

春信「っ」

春信は気恥ずかしそうに、天乃の視線から顔を背けた


1、夏凜と重なった?
2、私好きよ。貴方の手
3、ねぇ、明日みんなで出かけるのだけど。よければどう?
4、からかってごめんなさい。でも、信頼してるのは事実だから
5、私は嬉しかったわよ。貴方が触れてくれて

↓2


天乃「ねぇ」

春信「どうかしたか?」

天乃「明日みんなで出かけるのだけど。よければどう?」

春信「みんな。とはまさかとは思うが」

天乃「うん。勇者部」

天乃の答えを聞いたとたん、

春信はあからさまに困惑した

春信からしてみれば、そんなのは女子会に誘われたようなものだ

しかも同年代のちょっとした食事会とかならば

まだ救いようもあるだろうが

年下。しかも妹と同年代の少女たちとの外出

春信「……な、なぜ私を誘う」

天乃「春信さんは私の婚約者だし、恋人ごっこの全員でっていう話だから」

春信「勇者部が私を含めているとは限らない」

天乃「含めてるのよ……残念だけど」

男なら喜ぶべきことに

春信は――困った顔で首を振った


春信「申し出は素直に嬉しい。が、やはり私は不釣り合いだと思うのだ」

天乃「どうして?」

春信「男女に差がありすぎる。私はただの邪魔者だろう?」

春信は自分が

ショッピング等お出かけするにあたって、

邪魔にしかならないと考えていた

異性との交流は少なく

そのコミュニケーション能力は妹と疎遠になるほどで

年の差ゆえ、話題に入れなければフレもしないだろう。と

天乃「邪魔者って……」

春信「勇者部の面々には私から謝罪を入れておく」

春信はそう言って、扉へと振り返った


1、手を掴む
2、やりもしないで結果を決めつけちゃうの?
3、そっか……残念
4、友奈たちも私も。気にしないわ
5、黙って見送る

↓2


天乃「友奈達も私も。気にしないわ」

春信「………………」

天乃「どうしても、だめ?」

天乃が意図したのかは分からない

しかし、自分自身に聞こえないそれは

本人が思っているよりも、寂しげな声色で

春信は振り向くことは出来なかったが

無下にすることもできなかった

春信「…………」

春信は後ろ手に手話で「わかった」と、答えを返し

部屋を出ていく

天乃「良かった」

それでも無理というのなら

本当の本当に無理なのだろう。と

諦めるつもりだった

けれど、その必要はなかったらしい


明日は春信を含めた全員で――出かける予定だ

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  犬吠埼風:交流有(樹との関係)
・  犬吠埼樹:交流有(出方を見る、貴女だって、樹が好き)
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流有(どうしたら、追撃、突撃)
・  三好春信:交流有(樹を選ぶ、家のこと、お出かけの誘い、私たちは)
・     九尾:交流有(みんなとなら)

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


6月15日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  犬吠埼風との絆 49(少し高い)
  犬吠埼樹との絆 88(かなり高い)
  結城友奈との絆 49(少し高い)
  東郷三森との絆 44(少し高い)
  三好夏凜との絆 60(高い)
  三好春信との絆 27(中々良い)
   夢路瞳との絆 11(普通)

     九尾との絆 32(中々良い)
      死神との絆 26(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■%


では、此処までとさせて頂きます
本来15日目までですが、16日目の延長戦になります



東郷「知ってました」

友奈「おめでとう。樹ちゃん!」ギリッ


では、再開します

√ 6月16日目 朝(新居) ※日曜日


天乃「つまりどういうこと?」

風「んーだから。行き先が決まらなかった」

天乃「……なるほど」

風「最初でわかってたくせに」

風は少し困ったように言い捨てて、ため息をつく

出かけることを計画したはいいが

全員がそれぞれ考えたために、計画はバラバラ

もちろん、全員同時進行などできないわけで

それならもういっそ、行き先はレディに決めていただきましょう。ということらしい

天乃「なによレディって」

東郷「気にしないでください。久遠さんが女性役ってだけですから」

春信「……女性、役……?」

自分以外全員女性ではないだろうか。と

春信は困惑した


1、海
2、遊園地
3、山
4、イネス
5、うどん
6、映画
7、音楽会

↓2


天乃「そうね、じゃぁ。遊園地で」

デートといえば遊園地

そんな定番があるのかどうかですら

天乃は知らないが、みんなで楽しむといえばそれしか思い浮かばなかった

映画や音楽会は聞いている間、見ている間は黙っていることになるし

某お姉ちゃんが提案したうどんは常識で考えて行っても昼だ

そもそも、店はまだ開いてない

山は天乃が自力で登れない分誰かに多大な負担をかける

海はいいが、見に行くなら朝より夕方頃が望ましい

イネスでのウインドウショッピングはありだが、おしゃれのしにくい天乃には却下

ということで、遊園地に決めたのだ

春信「私が車を出そう」

天乃「ありがとう、春信さん」

春信「気にしなくていい」

唯一男性である春信はそう言って

少女6人を車に乗せ、遊園地へと向かう

軽い、遠足のような状態だった


友奈「お待たせしましたー」

天乃「ありがと」

友奈「えへへっ」

お礼一言に満面の笑みを浮かべた友奈だったが

すぐに困ったような表情へと切り替わる

乗り物系は観覧車以外全部不可

それ以外ではお化け屋敷くらいしか天乃には無理だった

というのも

足だけが不自由。なのではなく

耳が聞こえないため、説明や物語を聞きながらのアトラクションは出来ず

乗り物系は安全柵等を右手でしかつかめないため

安全性を考慮する場合、却下。となったのだ

ないとは思うが、一般人の目の前でジェットコースターから落ちて無傷とか

そういった超常現象を引き起こすわけにも行かない


春信「移動なら、私が手を貸してもいいが……」

夏凜「手を貸すって……何するつもり?」

春信「何ともなく、抱くか、背負うかだろう?」

夏凜の訝しむ瞳に戸惑いながら

春信が答えると、夏凜は変態。と

いわれもない侮蔑を呟く

天乃の兄を見たからか、どうしても

夏凜は変な意味を含んでいるように感じてしまったのだ

春信「変……」

樹「どうしますか?」

天乃「そうね……」

今更別の場所。というのもあれだけど

かと言って、みんなをつまらないままは……


1、みんなは楽しんできていいわよ
2、誰か。私とおばけ屋敷に行かない?
3、食べ歩き、誰か付き合わない?


↓2

※お化け屋敷、食べ歩きの相手はコンマ(くじ引き)です。選べません


01~10 樹
11~20 春信
21~30 風
31~40 友奈
41~50 東郷
51~60 夏凜
61~70 風
71~80 友奈
81~85 東郷
86~90 樹
91~95 春信
96~00 夏凜

↓1のコンマ 


夏凜「私、みたいね」

天乃「そんな残念そうな顔しなくてもいいじゃない」

夏凜「そりゃするでしょ。私としてはハズレを引きたかったんだから」

天乃「えっ」

カリンの言葉にあからさまに残念そうな顔をした天乃に対し

困った表情でため息をつくと「違うわよ」と、呟く

夏凜「別にあんたと組みたいからじゃなくて、あんたと組ませたい相手がいたからよ」

天乃「……変な気を回さなくてもいいのに」

夏凜「別に、そんなんじゃないわよ」

気を回しているわけじゃない

むしろ、これは自分が変な気を起こさないためだ

昨日から、不思議と襲いたくなるような衝動を感じてはいない

けれど

二人きりになると、やはり。意識してしまうことがある

だから、もしかしたら昨日以上に強い気持ちを吐露してしまうのではないか。と

夏凜は不安だったのだ


では、此処までとさせて頂きます
明日はできたら少し早め。21時半からできればなと


夏凜と楽しいお化け屋敷。終了後

天乃「……誰かが胸触ってきたわ」

夏凜「私はやってない。幽霊の仕業でしょ」

九尾「魔が差した女の妖怪……っ!?妾じゃないもんっ」

速くはなれませんでした。すみません
遅くなって、いつも通りです
では、進めていこうかと思います


夏凜「ねぇ、天乃」

天乃「うん?」

夏凜「怖いの平気?」

天乃「そうね……」

夏凜は存外、平気そうな表情で

ただ、天乃を気遣うように見つめる

それが強がりなのか

それとも、純粋に心霊的なものに興味がなく

合わせて、怖いとは思わないのか

天乃「私は」


1、平気よ
2、怖い、かな
3、怖いということにしておく


↓2


天乃「怖い、かな」

夏凜「……そう」

天乃「理由は聞かないの?」

夏凜「怖いってことは、怖がる理由があるってことでしょ?」

夏凜は天乃の問に首をかしげてそう言うと

顔だけでなく、体も天乃に向けて「それってさ」と、続けた

夏凜「あんたの嫌なこと。なんじゃないの?」

もちろん、そこを冗談として取り上げて

面白半分に刺激するようなこともあるだろう。人もいるだろう

夏凜自身も、半ばそのつもりではあったが

消えゆく線香花火に息を吹きかけるような行いをするほど

悪戯心を持ち合わせてはいなかった

天乃「………………」

夏凜「嫌なら、無理する必要はないわよ?」

天乃「別に、苦手って言うほどでもないのよ」

夏凜「……そ。まぁいいわ。私が絶対に。あんたの後ろに居てあげるから安心しなさい」

前では……ないのね。まぁ、仕方がないけど

夏凜「…………」

車椅子を押さなければいけない関係上、

夏凜はどうしても後ろに居るしかないのだ

本当は、車椅子の持ち手ではなく手を掴みたい。というのも仕方がなく諦めた


ガンガンに冷やされた廃病院をモチーフとした屋敷内を見渡し

天乃はじっと目を凝らす

……人の気配がする

そこに気づき、天乃は首を振った

この遊園地のお化け屋敷というものは

作り上げた人達の愉悦が詰まっている

それは決して悪い意味ではなく

ただ単に【どうしたら驚くか】、【なにが心霊なのか】、【なにを恐怖とするのか】

そういった疑問の塊に向かい合って

答えを見つけた時の歓喜で彩られた城だ

しかしながら、天乃には何も響かない

耳が聞こえないために、音による最大限の煽りは無意味に等しく

優れた感覚は心霊現象を引き起こすスタッフに気づかせる

夏凜「結構、手が込んでんのね」

天乃「そうね」

そして最も惜しむらくは

天乃が純粋な巫女の家系であり

そう言った類のものを感じ取れないわけがない。という点だった


夏凜「ッ!」

天乃「んっ」

入る前に手渡された懐中電灯の光が手術室と書かれたプレートを照らすと同時に

天乃の車椅子が揺れ、思わず声を漏らす

床にはいたるところに張り紙やカートなどが散乱していて

肝試しや盗人の類に荒らされたような惨状となっており、

年季を感じさせるプレートは薄汚れている上に

文字も掠れている

本当に廃病院に来たと思わせるその作り込みに、

夏凜も恐怖を覚えてきたのかもしれない

夏凜「あ、開ける?」

天乃「そう聞かれても」

ルートはこっちだ

でも、開けてはいけないという警笛のような悪寒を感じて

天乃はドアへと伸ばした手を止めた


1、別ルートにする
2、夏凜に開けてもらう
3、自分で開ける

↓2


天乃「……夏凜」

夏凜「開けるわ」

天乃の求めるような瞳に、

夏凜は息を呑み、覚悟を決めて扉をスライドさせる

手術室の扉は誰かが手を貸したかのように勢いよく開き

ストッパーにぶつかってガシャンッ! と音が響く

夏凜「っっっ!!!」

天乃「?」

それでも、驚くのは夏凜だけで

天乃は恐る恐ると震え、静止した頼りない懐中電灯の光を目で追うと

乏しい道を細かい粒子が漂っているのが見えた

ただ掃除をしていないのか

それとも、これも演出なのか

天乃「けほっ、けほっ」

妙な埃っぽさに、思わず咳き込んだ


夏凜「天乃、大丈夫?」

天乃「ええ……」

夏凜「なんか埃っぽいわね……やりすぎじゃない?」

演出とは言え

咳き込むほど埃っぽくするのはいかがなものか

そう悪態をつく夏凜が懐中電灯を動かすと

「…………おや」

夏凜「ひィッ!?」

天乃「っ」

白衣を着た、髪の長い女性がボロボロの診察台のそばに立っていた

女性は真っ白で痩せこけた顔で

体は骨ばっていて、手先に至っては白骨化を疑うほどに

肉がない

「遅かったじゃない。相変わらず、役に立たないんだから」

夏凜「な、何――」

天乃「っ……夏凜答えちゃダメッ」


ピクリと、女性の指が動いて止まる

夏凜「ど、どうしたのよ」

天乃「なんか嫌な予感がする。物凄く。こう、なんかとてつもなく嫌な感じが」

そういった天乃は身震いをして、女性を見つめる

目を離したら気づかないうちに目の前にいそうな不安

脈打つ鼓動に体が揺れて、息を呑む

人間がいるべき場所に、いないべき【なにか】

問答をしてはいけない。そんな気がしたのだ

夏凜「天乃?」

「どうかしたのかね?」

夏凜「どうかって――」

天乃「ダメっ」

夏凜「っ」

「…………………」

夏凜が答えようとするたび、女性が動く

危険だと、心臓がアラートを響かせる



1、引き返す
2、後ろ向きで退散
3、あえて横を抜ける
4、じっと待つ


↓2

4


では、此処までとさせて頂きます
さらっと終わらせる予定だったのに……
すみませんが、暫くお化け屋敷をお楽しみください



夏凜「……気づいたら、天乃が車椅子にいなかったんだ」

樹「っ!」


遅くなりましたが、再開します
描写抜けしてますが 話すときは大体天乃が振り向いてます
女性が現れからは天乃からの一方通行です


なお、前回終了時
確認不足でしたが、単発みたいなので
ルールに則って>>390でいきます。すみません


天乃「夏凜、動かないで」

振り返ることなく、天乃が言うと

夏凜は答えるように、天乃の肩を掴む

車椅子は動かさない。という意思表示である

「……早く、持ってきなさい」

女性はしびれを切らしたように

けれども、どこからともない冷気を帯びた声色で言う

暗闇故か

それとも、実際にそうなのか

女性の井戸底のような瞳が天乃ではなく、夏凜を見据えた

「ソレ、持ってきなさい」

夏凜「っ」

天乃「………………」

ソレに該当するのが天乃だろうと夏凜は気づき

天乃は自分自身であることを察して息を呑む

手術室、不自由な体

そっか。私がこの人の患者という役回りなのね

そして、夏凜はその担当看護師で、手術室に連れてきた

と言うところだろうか


夏凜の手が僅かに震えているのを感じて

天乃は右手を夏凜の手に重ねる

あの瞳を傍から見ているだけでも悪寒がする

なのに、見つめられているともなれば、恐怖を感じずにはいられない

天乃は振り向いてあげたかった

視界から覆い隠してあげたかった

けれども、右手だけしか動かない体は

それを許しはしない

「初めてだから……怖いのね?」

女性はニタリと三日月型に口元を曲げる

生命力を感じさせない枯れた上下の唇を、唾液ではない不気味な液体が繋いでぶつりと切れた

「大丈夫。だからこそ、車椅子なの」

天乃「…………………」

「貴女はただ、手違いで車椅子を押した。そんなつもりはなかったけれど、躓いて、押しちゃうのよ」

それだけ。ね? 簡単よ?

ふふふっ……っと、誘うような笑みを浮かべ、

女性はぎらりと光るメスを手に取った


「それとも、先に貴女の手術が必要?」

夏凜「っ…………」

必要ない。そう叫びそうになって首を振る

問答はしてはいけない

そう言われたからだ

けれど

「頭を切り開いて、その嫌という感情を切り取らなきゃね」

夏凜「っ」

首を振った

そう、応えてしまった

それに気づいたときには遅く

女性の体がさらに近づいてきていた

天乃「夏凜ッ!」


1、私を置いて逃げなさい!
2、正面突っ切って逃げるわよ!
3、戻るわよ!


↓2


天乃「正面突っ切って逃げるわよ!」

天乃は諦めて振り返り、そう怒鳴る

怯え、立ち竦んでいた夏凜はハッとしたように目を見開いて天乃の肩ではなく

車椅子の持ち手を掴んで駆け出す

壁には屋敷に入ったばかりの時に見た案内板が貼ってあり

それに従って走る

「ふふっ、ふふふっ、ふふふふふふふふふふふふ」

女性の笑い声だけが

室内に反響して夏凜と天乃を追いかける

この時だけは、耳の聞こえ無い天乃が羨ましく

そして、どこかで妬ましさが芽を出す

夏凜「っ」

「あはははは、アハハハハハハッ」

いつまでも。いつまでも

手術室の奥の扉を開け放ち

別室へと逃げ込んでも

女性の笑い声は、途絶えることはなかった


夏凜「はぁっ、はぁっ……っ、はぁ……」

天乃「ごめんなさい。夏凜、平気?」

車椅子を押しての全力疾走だったからか

夏凜は呼吸を荒くして、立ち止まる

何部屋分駆け抜けただろうか

案内板は途切れることなく道を指し示すが

ゴールと思しき白い光はどこにも見当たらず、

点滅の激しい非常灯のランプだけが階段を見せつける

夏凜「少し……休憩」

一刻も早くこの屋敷から出たい

そう思いつつも体は不自由で、休みを求めて止まる

幸い、もう声は聞こえてこない

夏凜「一体何なのよ。アレ」

天乃「詳しいことはなんとも。ただ一つ言えるのは、人間じゃなかった」

夏凜「人間じゃないって……機械?」

そういって、夏凜はそれはない。と否定する

あれから聞こえた音声は明らかに人間だと、夏凜は確信していた

機械音声のようなブレは、一切感じられなかったからだ


女性の見た目からして、人間とはとても言い難い

しかしそれを差し引いたとしても

あれはどうあがいても。人間ではない

特別な力のない夏凜でも、それは感じ取れていた

夏凜「あの目」

天乃「うん?」

夏凜「あの目に……吸い込まれるかと思った」

いや、むしろ落とされる

あるいは引き摺り込まれると言った方が正しいかもしれない

あるのかもわからない、仄暗い穴の底に……

夏凜「っ!」

天乃「夏凜?」

夏凜「……なんでもない。気のせいだった」

一瞬、頭の中であの暗闇の中に丸い目玉がぎょろりと浮かび上がったのが見え

夏凜は思わず、体を震わせてしまった


1、電話を取り出す
2、案内板に従って進む
3、適当な部屋を覗く
4、「まさか、ここまで凝った作りしてるなんてね」と、笑う
5、「気をつけて進みましょ。夏凜」と、注意を促す
6、「危なくなったら置いて行って良いからね」と、指示する


すみません。
ここから↓2でお願いします


天乃「……ん」

こう言った非科学的ホラー的展開の場合、

端末は圏外になっているのが定石

けれど、そんなことはないらしい

天乃「電話もメールもできるみたいよ」

夏凜「当たり前でしょ」

天乃「でも、当たり前じゃないことが。起こった」

天乃の単調な声色に、夏凜は目を開く

当たり前

そう、今いるのは遊園地のお化け屋敷

人工的に作られ、楽しませるための施設

なのに――なぜ、不可解、不自然、異常、異様、奇怪、奇妙

そんなものが、そこにいたのか

天乃「外界から遮断。つまり、樹海化的状況ならまだ良かった。でも、これは現実だとするなら」

夏凜「抜け出す道が……ない?」

天乃「可能性はあるわ」


夏凜「っ」

考えたくはないことだけれども

それがないと言えないのが今の現状だ

そもそもの話

自分たちは日常を形作るパズルのピースとして

勇者、戦い、バーテックス

それらを当たり前に組み込んでいる

それらが、一般にはありえないものだという概念すら忘れて……だ

要するに、摩訶不思議な何かが日常にいても

それは勇者の力などと等しく、日常なのに異常とし

異常であるのに日常としているだけなのかもしれないと、夏凜は思った

天乃「……………」


1、メール
2、電話(夏凜が掛けます)
3、案内に従って2階に行く
4、近くの部屋へ
5、案内に逆らってまっすぐ進む


↓2


では、此処までとさせて頂きます


安心してください、日常パートです
選択肢にミスがあっても、ゲームオーバーとかにはなりませんので
お化け屋敷を楽しんで下さい

ゴールするとスタンプが貰えます


では、再開していきます
17時頃に一度中断予定ですので、そこまで駆け抜けます


天乃「案内板とは逆に行きましょ」

夏凜「えっ?」

天乃「多分、それが正攻法だと思うから」

天乃の言葉に、

夏凜は疑問符を浮かべて首を傾げる

本来、案内板に従って進むのが手順だ

暗いため、迷子になっても案内板がありますので。と

係の人にも言われたからだ

しかし、天乃は首を横に振る

天乃「きっと、異常なことに当たり前をしたり、当たり前に異常なことをしてたらここからは出られないと思う」

夏凜「どういうことよ」

天乃「あの女の人は私達が当たり前に異常をぶつけている間しか動かなかったでしょう?」

夏凜「?」

天乃「えっと……」

天乃は困惑する夏凜に、自分の考えを述べた


人に話しかける。という、当たり前の行動に対して

天乃達は【異常に話しかけない】という当たり前を行った

天乃「解りやすく言い換えれば、【幽霊と話す】という異常を行わなかった」

女性に対し天乃達が問答を行った場合、【居ないはずの存在との会話】という

ある種の異常が発生すると言うわけである

それを知っていたわけではないが、天乃が問答をさせなかったために

夏凜は【話し相手に話しかける】という当たり前に対して、【居ないモノとは問答しない】という当たり前を行った

夏凜「つまり、どういうこと……えっと。かみ合わないとダメってこと?」

天乃「多分……」

天乃は自信なさげに答える

正直、こんな異常事態は天乃にも初体験だったのだ

これがこの遊園地のギミックであるのだとすれば

制作者には子供の事を考えて。と、怒鳴りつけたい

夏凜「でも、それなら案内板通りに進むって当たり前のことをしないとダメじゃない?」

天乃「異常事態に対し、当たり前のように案内板に従う? それとも、あえて逆らう異常を進む?」

夏凜「……なるほど。面倒くさくてやってらんないわ」

夏凜はこのお化け屋敷は二度と利用しないと決めた

もっとも、此処から出られれば。の、話だが


案内板とは逆の道に進んでいると

天乃が思い出したように端末を取り出す

夏凜「どうかした?」

天乃「異常事態の時、誰かに助けを求めると言う当たり前。でも、求めないと言う異常」

夏凜「……でも、異常事態に圏外だという当たり前が適用されていない異常」

つまり、この端末は当たり前と異常の相互干渉を起こしていない

だから、圏外ではないのだろう。と、天乃は息をつく

もしも助けを求め

異常と異常の均衡を崩したらどうなっていたのか

考えそうになる頭を振ると、夏凜の足が止まった

天乃「夏凜?」

夏凜「エレベーターと階段。行先は上のみ」

天乃「………………」

エレベーターはどうやら、客や患者用ではなく、

大きい機材を運ぶための貨物用のエレベーターのようだ


1、エレベーターを使う
2、夏凜の手を借りて階段を上がる


↓2


天乃「ごめんね、夏凜。階段から行きましょ」

夏凜「階段からって……」

車椅子の天乃を二階まで連れていくだけなら

抱っこしたりして持って行けばいいだけ

問題は車椅子だ

電動式の重いものではないにしても

車椅子と天乃を同時に連れていくのは無理だ

夏凜「車椅子、ここに置いて行って良い?」

天乃「あ……そっか」

夏凜「二階であんたを一人にしたくない。置き去りなんて。私には出来ない」

天乃「………………」


1、車椅子を諦める
2、私は大丈夫だから。悪いけど……お願い
3、仕方がないから貨物エレベーターで行きましょう


↓2


>>445-447の2/3なので3で進めます


天乃「それなら、貨物エレベーターで行きましょ」

夏凜「でも」

天乃「ううん。車椅子ないと。今以上に貴女に迷惑かけちゃうじゃない」

夏凜の言葉を遮ってそう言うと

自力で車椅子のタイヤを回し、エレベーターのボタンを押す

あらかじめ待機していたのか

暗闇の中の箱からは間を置くこともなく、歓迎の光が零れだす

闇の階段、光のエレベーター

まるで、どちらが正しいかを示すかのような差に

夏凜は小さく頷いて、エレベーターへと乗り込む

階層のボタンが無いと言う異常

そこに何かをいう気力もなく、止まるのを待つ

夏凜「思ったんだけど」

天乃「うん」

夏凜「貨物エレベーターを使うと言う異常。これで、良かったのかもね」

天乃「……そうね。もしかしたら、そうかもしれない」

夏凜にだけ聞こえる音で、チンッと音がしてエレベーターが止まる

目の前の通路はさっきまでの通路よりも少し、明るかった


天乃「……………」

明るくなった通路に安堵の念を抱く一方で

天乃には拭えない不安があった

というのも

ここに来るまで、天乃達は二度もルールを破っているからだ

小学校と少しの中学生活しか経験していない天乃の道徳観念でも

そのルールを破ると言う事がどれほどいけないのか、解っている

悪いことをしなければゴールにたどり着けない

果たして、それは本当に正しいゴールなのか。と

ゴールは元々二つあって、善悪に分かれているだけなのではないか

女性などの異常はただの壁で、自分達が逃げるか否かを試しているのではないか。と

夏凜「いくつか部屋があるわ」

天乃「それはあるだろうけど……全部開ければいいんじゃない?」

夏凜「そうもいかないみたい」

夏凜はそう言うと、

一本しかない鍵を天乃に見せた


夏凜「全部の部屋に鍵がかかってる。で、開けられるのはこの鍵だけ」

天乃「開けられるのは一部屋だけってことなのね?」

夏凜「多分、開けたらもう抜けないタイプのカギ」

夏凜はそう言うと

天乃の手に、カギを握らせる

夏凜「答えは、あんたにしかわからない」

天乃「?」

夏凜「これ見て」

首を傾げる天乃を見つめ、夏凜は車椅子を動かす

視界に映った案内板には天乃の親友。と書かれており

その他には1=Hと書かれている

天乃「なにこれ」

夏凜「知らないわよ。あんたの親友って書いてあるからあんた関係なんじゃないの?」

部屋は全部で18部屋、階層は5階

天乃「正解は……どれなの?」


案内板に書かれたヒントらしきものは

天乃の親友および、1=Hと言うもののみで

他には左9部屋、右に9部屋の計18部屋

後ろに乗ってきたエレベーター

部屋番号は5階だからか、

1からではなく、37から54までの数字が割り振られている

天乃「私の親友……」

夏凜「私達の中の誰か。もしくは、あんただけが知る親友」

だからあんたに任せるわ。と

夏凜は天乃の手を握る

夏凜「出れなくても。私は……あんたを恨まない。あんたの傍にずっといる。だから、怯えなくて良い」

夏凜の瞳は真剣で

嘘も我慢も無理もなく、まっすぐに天乃へと信頼を捧げる


天乃「うん。解った」

夏凜「……よろしく」

夏凜はそう言って、天乃の手を離し

すぐ横へと移動する

天乃が行先を選んだら、そこに連れていくためだ

天乃「っ……」

正直、ヒントが少なすぎて分からない

5階なら50からではないのかという疑問もある

なぜ、37と言う中途半端な数字から始まっているのか

1=Hとは何なのか

天乃「っ」

親友……私の親友は

勇者部のみんな、先代の勇者としてのみんな

風、樹、夏凜、友奈、東郷、園子、銀

パッと上がるのはこの7人

天乃「……決めた」


37~54の中の数字を一つ選んでください
選ばれた数字の部屋に入ります


↓2


では、ここまででいったん中断し、19時ごろまでには再開したいと思います


死神「スイヘーリーベー」

九尾「妾の方舟」


では、再開します


天乃「決めたわ」

夏凜「どこに行く?」

天乃「38番」

天乃がそう答えると

夏凜はなぜ38なのか。という疑問を口にすることなく

扉の前へと連れて行く

天乃が鍵を差し込んで捻ると

特有の仕組みが働いて鍵が吸い込まれるようにシステムの一部となって

扉が開く

その瞬間、通路の明かりが停電したかのように消失

天乃「きゃぁぁぁっ」

天乃の腕を誰かが掴み、闇の中へと連れ去ると

夏凜「天乃ッ!」

車椅子が音を立てて倒れ、夏凜も慌ててその後を追う

取り残された車椅子のタイヤは

ひとりでにカラカラと回って……止まる

そして誰も。いなくなった


暫く、何も見えなかった

何も感じなくて

当たり前だと言うには、少し悲しいけれど

音も聞こえなくて

天乃「―――ッ!」

夏凜「……えっ?」

気が付けば、お化け屋敷の出口

車椅子は何処に消えたのか、

夏凜は天乃を抱きかかえながら、

段々と耳に入ってくる喧騒と戻りつつある感覚に顔を顰める

天乃「本当の外、なのよね?」

夏凜「解んないけど……」

夏凜が困ったように言うと、「久遠さーん。夏凜ちゃーん」と、

聞き馴染んだ声が聞こえて夏凜が頷く

夏凜「みんなが呼んでる。だからきっと……現実よ」

天乃「見せて。私にも」

天乃のそのお願いに、夏凜は小さく息をついて

駆け寄ってくる友人たちが見えるように、体を動かした


九尾「……くふふっ、化けは妾の専売特許じゃぞ。主様や」

離れで見つめる九尾は、にやりと笑った


風「あんた達、意外と遅かったわね」

天乃「そう?」

友奈「長くながーくみても1時間くらいで終わるーって係の人は言ってたけど、2時間かかってました」

東郷「その間、樹ちゃんがハンカチを噛み締めてぐぬぬって唸ってました」

樹「ないですっ」

東郷の言葉を即座に否定した樹は、

夏凜が抱きかかえたままの天乃を見つめて、首を振る

樹「久遠さん、車椅子はどうしちゃったんですか?」

天乃「あーその……」

九尾「こっちじゃ、こっち」

声のする方に全員が振り向くと

無人の車椅子を押して、九尾が駆け寄ってきた

九尾「主様があまりにもつまらぬ顔をしていたからのう。どうじゃ。音があり、気配があれど、楽しめたであろう?」

天乃「貴女の仕業だったのね」

九尾「いかにも。人間風情に妾の技術が真似できると思うてか?」

天乃「……まぁ、なんとなくそんな気はしてたわよ」


九尾「しかし……主様達の親睦も良く深まった」

夏凜「っ……」

九尾「照れることなどありはせん。主のあの言葉は立派じゃったぞ」

顔を真っ赤にして目を背けた夏凜

その頭をよしよし。と撫でて、九尾は苦笑する

九尾「最後の答え、あれは47番。銀。じゃ」

天乃「あっ」

九尾「死神がどうしても。と言うので作ってみたが、流石に難しかったようじゃのう」

天乃「……死神が?」

九尾「まぁ、ただの遊びじゃ。気にするでない。可愛い可愛い妾の主様」

九尾がそう言って陰に逃げ込み姿を消すと

周りの人からの視線が集まっていることに気づく

「ままーあのお姉さん尻尾生えてるーっ」

天乃「ッ!」

言われて、気づく

耳を隠すことは出来ていたが、尻尾は

抱きかかえられたままの天乃のスカートの裾から見事にはみ出している

東郷「一時撤退ーッ!」

ショーか何かだと騒がれる前に

急いでその場から撤収した


観覧車に乗ります
相手を選択してください

車椅子の為、相手は付添人一名のみとなります


1、風
2、友奈
3、東郷
4、樹
5、夏凜
6、春信


↓2


天乃「心配させちゃった?」

樹「夏凜さんもいたので、大丈夫だろうって、思ってました」

天乃と夏凜がお化け屋敷にいる間

多少はアトラクションを楽しんだ

でも、時間になっても戻ってこなくて

係の人も、まだ戻ってきてないと言ってて

心配にならなかったと言えば、嘘になる

樹「………………」

ゆったりとした動きをする観覧車の中で

寄り添う天乃の腕を抱きしめて

樹は支え合うように、体を委ねる

樹「けど、ずっと久遠さんと一緒で。夏凜さんが羨ましいな。とは、思ってました」

天乃「うん?」

樹「あの二時間を、この10分間に欲しいです」


樹は求めるような瞳を天乃へと向ける

これに、天乃の魅了の能力は一切関与していない

純粋な、犬吠埼樹の要求だった

段々と高くなっていく

残念ながら、夕方ではない観覧車に、彩る夕日はない

それでも、天乃は胸が高鳴るのを感じていたし

樹自身もまた、なにを言っているんだろうと。困惑していた

樹「……久遠さん」

天乃「い、いつ……き」

けれど、ここで止まることを樹は是としなかった

久遠さんの甘い香りがする

少し前までは私と一緒の匂いだったのに、今はもう違う

でも、だからこそ敏感に感じるこの匂いが、私は好きです

天乃の手に手を重ねて

支え合う状態から、一方的なものへと流れを変える

お餅のようなシュークリームを潰したような感触が、頬を押し返す


天乃「っ……」

樹の朱に染まった顔が近づく

体温の上昇に伴って重なり合った手がじっとりと汗ばみ

キャミソールやインナーの中も時折雫が流れ落ちる

自然と漏れる熱っぽい吐息と吐息が重なり、混じり合う

天乃は生唾を飲み込んで、

じっと樹と顔を見合わせる

観覧車はカウントダウンをする秒針のように、天辺を目指し

時を待つかのように、近づいてきていた樹が動きを止めて、目を瞑る

一度目は求められ、応えて

二度目は求めて、断られて

ならば三回目はどうなのだろうか



1、抱きしめる
2、キスをする
3、それは夜にしましょ
4、しないわよ。と言って、不意にキス



↓2


天乃「しないわよ」

天乃は断った。樹は目を見開いて、悲しそうに逸らす

前回自分が断ったからかもしれない

そんな罪悪感があるからこそ、樹はどうして? なんで? とは言えなかった

樹「そうですよね。ごめんなさい」

そう言って、笑みを浮かべる

夏凜さんと何かあったのかな

夏凜さんとしたのかな

夏凜さんは応えてくれたのかな

夏凜さんはファーストキスの相手だもんね……

あの好き。だって、思えば付き合ってくださいなんてどっちも言ってない

恋人になれたのかもしれない。なんて浮かれた私は

そんなことも、考えてなくて

樹「っ……ぁ、違っ、ごめんなさっ」

泣きたいと思ったときにはもう、拭いきれないくらいに泣いていた


樹「っ、ぅぇ……ぅ……ぐすっ」

天乃「……………」

内心、焦りに焦る天乃は一周して黙り込む

どうしよう。泣いた

ないちゃった。樹が泣いちゃった

驚いた隙に――って考えてたのに、真に受けて泣いちゃった

天乃「っ」

いつもなら茶化して空気を変える九尾は出てこない

どこかでお腹を抱えて「やりおったわ。たわけめっ。くふふふっ」と、大笑いしているに違いない

樹「違、違うんですっ、これは、その……っ」

必死に言い訳を探す樹

その頬に触れ、天乃はさっと涙を払い除けると

樹の下あごを引き寄せ、角度の上がった唇に口づけをする

ほんのりと涙の味がする。そして、柔らかい

天乃「馬鹿ね……私がからかうの好きだって。知ってるでしょうに」

少しして離れた天乃の言葉に

樹は頬を膨らませ、眉を潜める

樹「時と場合……考えてくださいっ!」

魅了の力など関係なしに、天乃は襲われることになった


樹「……久遠さん」

天乃「なに?」

樹「好きです。付き合ってください」

横顔を天乃の胸元に埋め、寄りかかる樹はそう願う

付き合ってくださいと言わなくても

きっと、付き合ったことになっていたんだろう

けれど、樹は正式に願おうと、求めようと。思った

それは天乃の不倫を恐れているからではなく

キスと言う行為を当たり前のものとするため

言葉にして、口にして

それをより実感するために

天乃「………………」

真っ赤な顔で、背けようとした天乃の頬に触れ

無理矢理向き直らせる

それでも泳ぐ瞳に、樹は笑みを返す

樹「係の人が開けたときも、ずっとキスし続けても良いですか?」


1、つ、付き合って。そんなの。言わなくたって……
2、ええ。愛してるわ。ずっと傍にいてください
3、うん。私も好きよ。樹
4、どうぞ。私と貴女は恋人だもの。見せつけてやりましょうか


↓2


天乃「どうぞ」

樹「えっ……?」

天乃は一呼吸の後にそう言うと

自分の頬に触れる樹の手に触れ、

流れるように、樹の頬に触れる

天乃「私と貴女は恋人だもの。見せつけてやりましょうか」

樹「えっ、えぇぇぇぇぇっ!?」

天乃「あら、どうしたの?」

樹「だ、だって、そんな……」

冗談だった

からかうつもりだった

さっきの仕返しだった

恥ずかしがる表情から一転、余裕の笑みを浮かべる天乃は

樹の頭を固定して、顔を近づけていく……

01~10 
11~20 
21~30 
31~40 
41~50 犬吠埼樹は勇者である

51~60 
61~70 
71~80 
81~90 
91~00 

↓1のコンマ 

またはぞろ目でまじゆうしゃー 


樹「だ、ダメですダメですっ!」

天乃「あら」

押し退けられて、天乃は抵抗することもなく樹と距離を開ける

家族や友人でも見られたくない

なのに、赤の他人に見せつける。なんて言うことが出来るはずもなく

樹は顔を真っ赤にして首を振る

樹「恥ずかしいです」

天乃「うん」

それはもちろん、天乃もだ

経験済みの夏凜達ならばまだ、なんとかなるが

赤の他人には、見られたくはなかった

段々と景色が低くなる中で、天乃達は何事もなかったように取り繕って、息を吐く

「ありがとうございました」

それからすぐ、スタッフによって扉が開けられた


√ 6月16日目 夕( ) ※日曜日 (昼行動はイベントで流れています)


流石にお化け屋敷と観覧車を何往復することも出来ず

屋台チックな食べ物屋さんを食べ歩いて、遊園地を後にする

風達は一切文句を言わなかった

つまらなそうな素振り一つ、見せなかった

天乃がいたせいで、ほとんどのアトラクションに手を付けられなかったのに……

天乃はそれが嬉しくも申し訳なくて、赤信号で車が停まると

振り向く

天乃「ごめんね? 貴女達だけならもう少し楽しめたのに」

風「天乃は、楽しくなかった?」

風は天乃の問いに答えることなく、、問いを投げかける

その目は天乃ではなく、窓の外へと向いていた


1、楽しかったわ
2、怖かったわ……お化け屋敷
3、どうして聞いてくるの?

↓2


天乃「どうして、聞いてくるの?」

風「天乃のその疑問は、アタシが抱いてる疑問と一緒だからよ」

天乃「……………」

風「そもそも、天乃を家に置いたまま遊園地来て。楽しめると思ってる?」

風は少しばかり怒っているような声で言う

腑に落ちない、納得いかない。心外だ

そう言いたげな膨れ顔に

天乃は首を振る

天乃「疑問じゃなくて、愚問だった。ってこと?」

風「そういうこと。アタシたちは天乃とここに来たかったのよ。天乃がいなかったら、行きたいとさえ、思わなかった」

天乃「そっか」

風「それに、天乃と出かけるってだけで、十分幸せだったと思うわよ? 少なくとも。あたしは」

風がそう言うと、

示し合わせていたとでもいうかのように、「そうだ、そうだー」と、抗議の声が上がる

春信「……君は、自分を負担になると考えているのかもしれないが、そんなことはない」

天乃「……………」

春信「君と言う存在は、それ以上に。彼女たちの負担を和らげているのだから」


天乃「……なんなのよ。みんなして」

そう悪態をつくそぶりを見せながらも

こみあげる嬉しさに赤くなっていく頬を、

天乃は尻尾を抱きかかえることで覆い隠す

東郷「久遠さん、そうしていると。なんだかぬいぐるみを抱えている女の子みたいですね」

天乃「なっ」

友奈「ホントだ、かわいーっ」

天乃「っ、っ!」

風「抱きしめたいなぁっ、天乃っ」

樹「だめーっ!」

天乃「ふぎゅっ」

好き勝手言う東郷達

駄目だと言って、自分は天乃を抱きしめる樹

それらを見て、仲間に入りたそうな、夏凜

それをミラー越しに見る春信は、仕事の疲れを忘れられそうだと、微笑んだ


では、ここまでとなります
明日からは日曜日含めて通常営業(22:00)頃から
時々、投下はないと思います。ご了承ください


春信「…………」

夏凜「…………」

春信「………仲間に、入るか?」

夏凜「ん」

では少しですが、再開していきます


√ 6月16日目 夕(車内) ※日曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

待ってた


天乃「ねぇ、風」

風「ん?」

天乃「遊園地って言いだしたのは誰なの?」

風「そりゃぁ、友奈に決まってるじゃない」

風はそう言うと、車内で燥ぎ、

さらに疲れて東郷と寄り添い合って眠る友奈を一瞥する

風「と、言いたいけど。実の所。樹なのよね」

天乃「樹?」

風「意外でしょ」

天乃「それは、まぁ」

樹のことだから音楽会とか、そういった動かなくてもいいインドアなものを出す

そう思っていった天乃は抱きついたまま、寝息を立てる樹の頭を撫でた

風「久遠さんには出来ないことがある。でも、させてあげられるんだって。思って欲しい」

天乃「?」

風「樹がね? そう言ったのよ。私達で、できないことをなくしてあげよう。って」


そうでしたか。確認不足
確認したけど、>>515から>>516が5秒だから狙ってやったわけではないのかなーとも思いますが
そこを許すと後後に響きそうなので、仕切り直し

リセットしときます


01~10 風
11~20 樹
21~30 友奈
31~40 東郷
41~50 夏凜
51~60 須佐之男
61~70 春信
71~80 樹海化
81~90 死神
91~00 九尾

↓1のコンマ  


樹「久遠さん」

天乃「うん?」

樹「私、考えたんです」

そういった樹は天乃の動かすことのできない左手を手に取ると

ギュッと掴む

暖かいような気もする

けれど、掴まれているという圧迫感はない

そのことに改めて気づき、天乃が取り繕うような笑みを浮かべると

樹は首を横に振る

樹「分からなければ、分からないでいいんです」

天乃「どうして?」

樹「分からないことがあったら、私たちが教えますから」

天乃「……何言ってるのよ」

樹「久遠さんのことをみんなで支えようって決めたんです」


そのための遊園地

そのための勇者部

樹は眠っている友奈達や

聞こえていないふりをする風や夏凜を見回して

それらを包み込むかのように

大きく手を広げる

樹「みんなで、そのえっと……」

そこまで言葉を出したのに、

後に続く言葉は気恥ずかしくて、詰まる

二人きりなら言えるのに

聞かれているとなると、どうしても言難い

とても勇気がいる言葉。でも、それは望み、願い、祈り。欲

だからこそ――言う

樹「その」

天乃「うん」

樹「久遠さんの……笑顔が見たいからって」


樹「っ」

それも事実だ

それも本当のことだ

でも、言いたいこととは別のこと

だから、樹は息を飲んで頭を振る

弱音を吐く頭の中をぐしゃぐしゃにして、

いいたいこと、気持ちの言葉を言えるように

樹「久遠さん、私。決めました」

介護するのには色々と必要な知識とかがあって

きっと大変だろうとは思う

でも、私は大変だから諦めるなんてできない

大変、難しい、辛い思いをする。苦しい思いをする

そんな未来を考えてもなお、決めた

天乃「決めたって、なにを?」

樹「進路です」

天乃「進路って、貴女まだ――」

樹「まだ中一です。でも、だからできないと言われてることを。少しでも早く、出来るようになるために」

私は。と、

樹は天乃に口を挟ませることなく、続ける

樹「看護師を目指そうかと思ってます。ううん、目指してます」


介護士か、看護師か迷った

夏凜は普通なら介護士だと言った

もちろん、それでも楽なわけではないけれど

天乃の介護という面を果たすのなら

介護士で十分に務まるからだ

でも、何かあった時

自分で助けることが出来るようにと樹は後者を選択した

勇者として戦い

傷つくこともあるからこそ、その選択をしたのだ

樹「何年もかかります。その時には、もう。全部終わってるかもしれません。でもっ」

それでも

誰かを助けるという仕事がしたいと思った

助けられてばかりだったからこそ

そのありがたさを分かっているからこそ……樹はそう決めた


1、良いんじゃない? 立派だと思う
2、ダメよ。貴女は私の妻なんだから。専業主婦でよろしく
3、……そしたら、私の耳を治してくれる? 貴女の、声が聴いてみたいから


↓2


天乃「良いんじゃない? 立派だと思う」

樹「えへへっ」

天乃「大変だと思う。辛いと思う。でも、頑張れっ、樹」

樹「はいっ」

ぎゅっと、年上の先輩でありながら

自分と全く変わらない

もしかしたら数ミリくらい背の低い天乃の体を樹は抱きしめる

そして、天乃は樹の体を抱きしめ返す

風「…………」

夏凜「………」

風「…………」

夏凜「………」

なんとかしなさいよ

無理

あたしたちもイチャイチャしてみる?

誰がするかっ

そんな会話を視線だけでする二人のすぐ横で

東郷と友奈が寄り添い合い、天乃と樹が抱き合う

春信「…………」

九尾「主は、今宵。妾と呑むか?」

春信「遠慮しよう。私は明日、仕事がある」

九尾「ふんっ、妾の誘いを断るとは……この、いけずっ」


それぞれ満喫できた……かもしれない、集団デートだった


では、此処までとさせて頂きます
明日はできるかと思いますが

3日、4日は二夜連続でやらないかもしれません



須佐之男「……………」

九尾「主はまだじゃ。待たれよ」


では、本日も少しだけ

√ 6月16日目 夜(新居) ※日曜日

九尾、死神、風、樹、友奈、東郷、夏凜、春信との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール


天乃「ねぇ、死神さん。ちょっといいかしら」

天乃がそう呼ぶと

死神はいつもと変わらない様子で、暗闇の中から姿を現し

紅い瞳を光らせる

別に、怯えさせるつもりはないらしいが、

暗いとどうしても、光って見える

死神「オバケヤシキ?」

天乃「そうね。それもあるわ」

死神「ソレモ?」

大熊猫や、穿山甲が模倣して作られただけの

偽物の精霊なら、作り変えることはできるのか。とか

死んだ人は精霊として呼び出せるのか。とか

死神が言ったように、なぜ、お化け屋敷で銀の名前を使ったか。とか


1、貴方、大熊猫と穿山甲以外に、なにかしてないわよね?
2、精霊は作り替えられないの?
3、死んだ人も精霊として呼べるの?
4、なぜ、銀の名前を使ったの?
5、今日は一緒に。寝る?

↓2


天乃「死んだ人も、精霊として呼べるの?」

死神「デキナイトハ、イワナイケド」

天乃「けど?」

死神「キオクガ、アルトハ、カギラナイ」

死神は死んだ人。という言葉だけで

それが可能なら誰を呼びたいのかを察したのだろう

先手を打つようにそう言うと、

くるりと回って天乃を見つめる

死神「ヨシテル。ミタイナ。コト。ナルカモ」

天乃「…………」

義輝は夏凜の精霊で、

天乃の九尾・死神を除けば人の言葉をしゃべる精霊

けれども、そのレパートリーは少なく、言語学習も出来ない

そうなる。と、死神は言いたいらしい


天乃「そっか……」

死神「レイガイハ、バイタイガアルトキ。カナ」

天乃「うん?」

死神「アト、ワタシ、ヤ、キュウビ。ミタイニシンカクカシテレバ。クオンサンナラ。デキルカモ?」

死神は励まそうとしてくれているのか

無茶苦茶なことを言う

亡くなってから神聖な存在として扱われるようになることもないとは言えないけれど

そうそうあることじゃない

勇者という存在を知らず、バーテックスを知らない人々が

死んでいった勇者に敬意を評し、祈りを捧げるはずもない

天乃「つまり無理ってことね?」

死神「デキナイトハイッテナイ。フカンゼンノ。カノウセイガタカイダケ」

天乃「失敗したらどうなる?」

死神「セイレイガフタツキエテ、ヒトツダケニナル」


二つ消えて、一つだけになる

つまり、大熊猫と穿山甲が消えて、その失敗作が残るということだろうか。と

天乃は考えて、首を振る

分が悪い賭けだわ

賭けなくても良い賭け

天乃「成功したら、二体は残る?」

死神「ノコラナイ。フタツハ、ヨワイ。カラ、フタツ。ツヨイノハアト、ヒトツガゲンカイ」

つまり、成功してもしなくても

穿山甲と大熊猫は素材として消失する

成功した優秀な精霊が来るか

失敗した不完全が来るかは運次第。ということ

死神「ヨビタイ? ギンヲ」


1、呼ぶ(穿山甲と大熊猫消失 成功確率20%+ゾロ目)
2、呼ばない


↓2

01~10 
11~20 
21~30 成功

31~40 
41~50 
51~60 
61~70 
71~80成功 
81~90 
91~00 

ゾロ目で成功

↓1のコンマ

空白で失敗  


天乃「いいわ。常に命懸けなんだもの。この程度の賭け事。逃げるわけには行かないわ」

死神「ホントウニイイノ?」

天乃「ええ。やってちょうだい」

天乃がそう言うと、

死神の両脇に大熊猫と穿山甲が姿を現す

改めて見ると

確かに、異質の中でも異質だと天乃は思った

ある程度特殊な何かがある精霊たち

にも関わらず、この二体はあまりにも普通。平凡すぎた

死神「ッ!」

横に構えた鎌で二体を同時に仕留める

その瞬間、切られた体は粒子になって消失し

粒子は死神の鎌へと集まって、消えていく

死神「……………」

死神は完全に吸収したのを確認すると

天乃の胸元に切っ先を押し当てる

死神「……オイデ」

そして、樹海化が発生したかのような眩い光に包まれたかと思えば

天乃と死神だけだった部屋には、もうひとり。少女の姿が生まれていた


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来るかとは思いますが
明後日、明々後日。最悪五日もやれないかもしれません



銀「アタシの斬魄刀は13kmや!」

死神「マチガエタ」


では、再開していきます


銀「……?」

生まれたばかりの少女は状況に困惑し、

辺りを見渡して、ふと。見知った顔がいることに気づく

でも、それはありえないはずだと頬をつねる

銀「……痛い」

天乃「でしょうね」

銀「天乃……まさか」

天乃「死んでないわよ。私は」

生まれた少女、三ノ輪銀の言葉を塞ぐ

死んじゃったのか。という疑問をぶつけてくると、わかっていたからだ

銀「じゃぁ、なんであたしはここにいるんだ? 死んだはずなのに」

天乃「私の精霊として、ここに来たのよ」

銀「精……霊?」

銀がまだ生きていた頃は、精霊は出てきていなかった

ゆえに、銀は首をかしげてすぐ横の死神を見つめた

銀「これみたいなことか?」

天乃「ええ。そうよ」


1、貴女には私を守ってもらうわ
2、貴女には私のそばにいてもらうわ
3、……もう、死なせないから
4、ありがとう。守ってくれて
5、ごめんなさい。貴女に無理をさせてしまって


↓2


天乃「ごめんなさい。貴女に無理をさせてしまって」

ずっと言い続けた

でも、それは全て冷たい石に触れるだけで

風が吹き、雨が降る。無音の中で、ただ、独りごちるだけだった言葉

銀「……ん」

銀はここに来てまだ数分で

少しばかり戸惑いながらも、息をついて

銀「なーに言ってんだよ」

天乃の頭を小突く

天乃「っ」

銀「そこはありがとう。だろ?」

天乃「でもっ」

銀「さんざん言ったじゃんか。行かないで。止めて。連れて行ってって。それでも、あたしは行ったんだから」

銀は昔を懐かしむような

はかなげな笑みを浮かべると、クスッと笑って首を振る

銀「ごめんな。生きて戻ろうとも思ってたんだけど。無理だった」


冗談を言う時に似た、困り顔で

銀は自分の死を語る。それは銀が後悔していないと表すのには十分で

天乃の謝罪が必要ないと、物語る

銀「いつもみたいに、何してんのよ。ばかっって、可愛く怒られたかったよ」

天乃「可愛いって、貴女ね……」

銀「いや、ホントそう思ってたんだよ」

耳をビシッと立てた天乃に対して、銀は笑いながら頭を掻く

怒った天乃が好きで、怒ってない天乃が好きで

嬉しそうな天乃も、楽しそうな天乃も、全部の天乃が大好きだった

銀「というか……天乃さん。ひとついい?」

天乃「うん――ひゃっ」

銀「おぉぉう。血が通ってる温かさ。そして最高のモフモフ感っ」

天乃「っ、っっ!」

天乃の耳と尻尾を弄り、頬ずりする。ただのアクセサリかと思っていた銀にとってそれは意外で

思わず、耳にかぶりつく

天乃「きゃんっ!」

銀「!?」

天乃「バカぁっ!」

しっぽで殴られた銀は、臀部を強打して、呻いた


銀「いたた……」

殴られたほほの痛み、強打したお尻の痛み

それがまた、

自分がこの世界にいられる証として、じんわりと痛みを染み込ませる

だから、銀は笑みを浮かべる

あの日、あの時失った

三ノ輪銀と何一つ変わらない姿で

何一つ変わらない、笑顔を浮かべる

銀「……またよろしくな。天乃っ」

天乃「ええ」

かぶりつかれた耳を撫でながら、

天乃は穏やかな笑みを返す

いつか、勇者ではなくなることがあったとき。私は力を失って精霊も消えてしまうだろう

でも、それまでは

その日までは――ずっと

天乃「私のそばに、居て貰うからね」

銀「イエス、マイプリンセス。仰せのままに」

天乃「こらっ」

音は聞こえない。けれど、騒がしい毎日になる気がした


銀さん絆地初期判定

園子の19を基礎として
親戚ボーナス+5して

↓1コンマ一桁(ゾロ目なら、付与2倍)

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  三ノ輪銀 :交流有(精霊化、ごめんね)
・  犬吠埼風:交流有(デート、どうして?)
・  犬吠埼樹:交流有(デート、観覧車、キス、いいと思う)
・  結城友奈:交流有(デート)
・  東郷美森:交流有(デート)
・  三好夏凜:交流有(デート、お化け屋敷、失敗)
・  三好春信:交流有(デート)
・     九尾:交流有(お化け屋敷)

・      死神:交流有(精霊統合)
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


6月16日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 32(中々良い)
  犬吠埼風との絆 50(高い)
  犬吠埼樹との絆 92(かなり高い)
  結城友奈との絆 50(高い)
  東郷三森との絆 45(少し高い)
  三好夏凜との絆 63(高い)
  三好春信との絆 28(中々良い)
   夢路瞳との絆 11(普通)

     九尾との絆 33(中々良い)
      死神との絆 27(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■%


では、今回はここまでとなります
明日、あさってはできない予定ですが
出来そうならやるかと思います



次から7月
銀は天乃の技にするか、個別のNPCとしてかは未定です


では、2日振りとなりますが。始めます


7月 日目


久遠天乃が三ノ輪銀の精霊化に成功して以降、

大赦による監視はより一層厳しくなった

当然というべきだろう

三ノ輪銀の精霊化は、大赦の言葉で言えば【蘇生】だ

神樹様ですら

現状では成し遂げることが出来ないであろう死者蘇生

それを人間であるはずの天乃が行ったというのは

大赦に尋常ではない衝撃を与えたのだ

勇者部との接触は許可されているが、やはり。監視下でなければいけないという制限がある

九尾曰く、囚人の面会時間。だ

何をするにも、どうするにも。人の手が必要だった天乃にとって

誰かがいるという点では何一つ変わりはない

しかし、手伝い+監視ではなく

監視+監視という状況に、天乃は酷く……嫌気がさしていた


「久遠天乃。起床されましたか」

天乃「んーん。まだ寝てる」

「そうですか。構いませんよ。お好きになさってください」

天乃「…………」

目を開けた瞬間、目の前には大赦から派遣された人がいる

男性一名、女性一名

正直、煩わしいと思わずにはいられない

けれど、思ってしまったら

いなくなる事を願ってしまったら、

なにか。いけないことが起こってしまいそうな気がしてならない

天乃「ひと……。瞳さんは?」

「彼女は任務中です。時期に戻られる予定ではございますが、断定は出来かねます」

天乃「そう」


√ 7月1日目 朝(新居) ※月曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹、友奈、東郷は来客
※大赦職員は男女職員両方です

01~10 風
11~20 樹
21~30 友奈
31~35 東郷
36~40 夏凜
41~50 銀
51~60 須佐之男
61~70 春信
71~80 大赦
81~90 死神
91~00 九尾

↓1のコンマ  


天乃が大赦職員と沈黙を保っていると

薄く白い煙が部屋を一瞬で包み込み

ほのかに甘い香りが漂ったかと思えば

煙が消え去って、鎧に身を包んだ須佐之男が姿を現した

天乃「須佐之男……どうかしたの?」

須佐之男「………………」

人型であり、サイズも友奈達と同等という精霊にしては規格外ではあるが、

須佐之男に九尾や死神のような意思疎通の能力はない

首が疲れそうな重厚な兜の目元の隙間からは、薄紫の瞳が覗く

天乃「須佐之男?」

須佐之男「……………」

須佐之男はじっと天乃を見つめると

窓の外を見るわけでもなく

体の向きを70度ほど変えて、指をさす

天乃「なに?」

「久遠天乃。精霊はなんと?」

天乃「知らないわよ」


空気も読めずに聞いてくる大赦職員を一蹴し、須佐之男の指さす先を見つめる

部屋の中で見るなら、洋服タンス

家の中で見るならお風呂場

地域で見るなら……あの方角は

天乃「……なんて。そこまでは分からない」

普段、話すどころか

戦闘中のアシスト以外で自分の意思で姿を現すこともない須佐之男が

何もないこの時間に勝手に現れて何かに向かって指を指す

何の意味があるのか

きっと、意味のないことなんてしたりしないはず

天乃「…………」

であれば、意味が有るはず

きっと。絶対に



1、タンスを開けてもらう
2、お風呂場へ
3、この地域の指差す方角の主要建造物を聞く
4、バーテックスの警戒を促す
5、翻訳精霊 KYUBI
6、翻訳精霊、SHINIGAMI


↓2


では、ここまでとなります
明日は日曜日ですが、関係なく。22時頃からになります


この代謝職員は仮面を装備していませんので
応対は普通に可能です



須佐之男「……………」

九尾「……主の下着は朱色の紐を所望する。だそうじゃ」

天乃「この翻訳、もうダメそうね」


では、再開します


天乃「お願い、九尾」

九尾「狐使いの荒い主様じゃのう」

天乃「そういうの良いから、貴女なら。わかるでしょう?」

冗談を跳ね除けられ、九尾は少し顔をしかめる

大赦による監視が一層厳しくなったことで

ストレスが溜まる一方だということを九尾は理解しているが

それでも。この対応にはやや不満があった

九尾「主様のタンスを漁りたいらしいぞ」

天乃「……………」

九尾「沈黙が一番堪えると……くふふっ。冷たい主様は好かぬ」

嘲笑するかのような笑いを漏らし、

九尾は須佐之男を見つめる

九尾「っ!」

その瞬間、余裕そうな表情は一転し

九尾「貴様……それは本気か?」

牙を剥き出しにして――唸った


須佐之男「……………」

須佐之男の頭が動き、九尾と目を合わせる

頷かず、首を振らず

言葉を発さず

天乃「?」

須佐之男は、天乃を一瞥して九尾に向き直る

九尾「……なるほど。きゃつの差金か」

天乃「誰?」

きゃつ。に当てはまるのはいくつかいる

よく言われるのがバーテックスだが、死神やその他大勢全員を

九尾は呼び捨てる以外にそう呼ぶからだ

故の問いに、九尾は目を向け息をつく

九尾「こやつは、主様の本殿に祀られた生大刀を所望のようじゃ」

天乃「生大刀……って、元は須佐之男が持ってた刀よね? でもあれ、ボロボロじゃなかったかしら」

九尾「それでも。と、言っておる」


「許可できません」

九尾「む……」

「あれは貴女方が触れていい代物ではございません」

女性型とは言え、九尾にひるむことなく進言すると

大赦の女性職員は鎧人形のような須佐之男にも目を向ける

「久遠天乃。この者達を下げなさい」

天乃「かってに――」

「お下げなさい」

天乃「………………」

女性は天乃の言葉など、聞く気はなかった

交渉の余地はない

バーテックスとは違う意味ではあれ、同レベルの危険度指定であり、

数ヶ月前、大赦職員6名を殺害した可能性のある天乃のことを

この2人の監視者だけでなく、大赦自体が、同情する気も何もなかった

耳と尻尾の生えた獣人のような天乃を

人としてではなく、犬や猫。ペットと同等のように見て、指示をする

「私は下げなさい。と、言っているのですよ。久遠天乃」

否、命令する



1、なによ。偉そうに
2、知らないわよ。九尾はともかく、須佐之男は勝手に出てきたんだから
3、一応、私は生大刀の祀られている神社の娘で、正式な後継者なのだけど
4、良いわ。九尾。取ってきちゃって
5、貴女に。そんな命令の権限があるとでも?
6、ねぇ、九尾。なぜ生大刀が欲しいの?

↓2


天乃は無表情な女性を一瞥すると

そのまま九尾へと視線を戻して、話を戻す

目には目を、無視には無視を。である

天乃「ねぇ、九尾。須佐之男はどうして生大刀を?」

九尾「ふむ。そこは語らぬのだ。ただ、必要だから。と」

天乃「……そう」

ベッドが揺れ、体が揺らされる

大赦職員が催促しているのかもしれない

それを分かりながら、天乃は我関せずと思考に浸る

理由は言えない

でも、生大刀が欲しい

ボロボロだろうと、使い物にならなくても。必要だから。と

天乃「九尾。取ってこられる?」

九尾「神獣とは言え、妖の類である妾に聖域で聖遺物に触れろ。と? そこまで恨まれてるとはのう」

天乃「……そんなつもりはないわよ」


九尾の遠まわしな拒絶に、天乃はため息をつく

おそらく、九尾だけでなく精霊には取ることができない

たとえ出来たとしても

触れただけで木っ端微塵になる可能性すらある骨董品を

不誠実な手で入手するのは不可能なはずだ

「久遠天乃。いい加減になさい!」

天乃「……なによ」

「せいれ――」

「久遠天乃。三好殿の御厚意でここにいられることを、ゆめゆめ、お忘れなきよう願います」

天乃「貴方は怒鳴らないのね」

「貴女には感情をむきだしにしても無意味だ。と、ストレス性の胃腸炎で倒れた先輩に伺いましたので」

天乃「あら……そう」

女性の言葉を遮った男性職員はそう言って、一礼すると

感情が垣間見える女性に首を振る

天乃「そっか」

少し前、急に担当が切り替わったかと思ったらそんなことがあったのね

悪気100%だったとは言え、流石に申し訳ない気もするわ

天乃「彼はどう?」

「暫く、入院が必要だそうです」


天乃「……………」

基本的に外出を認めない監視組

というより、大赦

春信と二人きりすら許さないというのだから、ひどい話だ

そう思って、考える

なら、なにかもっと別の

大義名分的なものがあればいいんじゃないか。と

そこで、天乃は目を閉じ、瞼の裏に水分を溜め込み

眉をひそめて、男性職員を見上げるように目を開く

天乃「じゃぁ、お見舞いとか」

「却下です。先輩が死ぬので」

天乃「私……そこまでひどいことはしてないと思うのだけど?」

九尾「主様がそう思うのなら、そうなんじゃろうな」

天乃「むっ」

九尾「黄泉の者の力を使って隠れるせいで、72時間一睡も出来なくさせたのがひどくないというのなら。じゃがのう」


くすくすと面白そうに笑う九尾から目を逸らす

色仕掛け。というほどのものでもないが

それでも無理らしい

もっとも、死んだはずの人間を使役している天乃を

そう易々と外出させるわけにはいかないのも仕方がないことだった

なにしろ、

三ノ輪銀の死を知る人物の前で

銀が姿を現したりなんかしたら、確実に騒がれるからだ

須佐之男「……………」

九尾「そうか。わかった」

九尾と須佐之男は視線を交わすと

須佐之男が姿を消して、九尾が天乃を見つめる

九尾「近いうちに、また。きゃつらが来る。怠るな。とのことじゃ」

天乃「……また、戦うのね」

窓の外を眺める。清々しいほどの青空は

太陽の光を一切遮断することなく、天乃の部屋を照らしていた


では、ここまでとなります
明日は可能なら16時、17時頃からの再開となる予定です


銀はステータスを作っておきます


遅くなりましたが、進めていきます

√ 7月1日目 昼(新居) ※月曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※メールは職員の検閲が入ります
※大赦職員は男女職員両方です


天乃「須佐之男。出てきてくれる?」

「久遠天――ッ」

天乃の呼びかけに注意しようとした職員の前に、

応えた須佐之男が姿を現す

須佐之男は刀を持ってはいないが、

持っているかのように身構えて、威圧する

天乃「ダメよ。怪我をさせたりしちゃダメ」

須佐之男「…………」

こくり。と、頷くと、須佐之男は臨戦態勢を解く

多少の自我があるとは言え、基本忠実なのだ

「久遠天乃。今すぐ下げるのです」

天乃「私の話し相手まで奪う気?」

「話し相手ならば私達が――」

天乃「務まるとでも?」

怒りはないのだろう

しかし、弓矢に狙いを定められたかのような恐怖を覚え

女性職員は一歩引き下がった


須佐之男「………………」

天乃「………………」

以前から判っていた事ではあるが

須佐之男は言葉を発することはない

ゆえに話す。と言っても天乃の一方的な言葉になるし

ただの聞き役、聞かせ役でしかない

天乃「ねぇ、須佐之男」

須佐之男「…………」

天乃「兜。外して素顔を見せることはできないの?」

天乃の問いに、須佐之男は瞳を閉じ

考えるような素振りを見せて首を振る

リーダー格を象徴するためか、兜の後頭部付近にある黄金色の毛が

それによって揺れた



1、どうしても。生大刀が欲しい?
2、貴方は誰の差金なの?
3、貴方。本当に話せないの?
4、貴方は男? それとも女?
5、バーテックスはいつごろ来るの?

↓2


天乃「貴方は誰の差金なの?」

須佐之男「………………」

薄紫の瞳が揺らぐ

兜の中の暗闇その中で揺れるその光は

どこか妖艶で、天乃は思わず、ジッと見つめる

須佐之男は答えない

ジェスチャー一つせず、押し黙り見つめ返す

天乃「答えられない?」

須佐之男「……………」

天乃「それとも、教えたくない?」

須佐之男「……………」

考えることもなく、

須佐之男は沈黙を保つ

答えてくれる可能性というものが見えていたわけではないけれど

でも、ここまで頑なだと、余計に知りたくなってくる

天乃「私が兜を脱がすことってできるの?」

須佐之男は迷わず首を横に振った


須佐之男は初めて召喚された時から

全身を鎧に包んだ重装兵士のような姿だった

つまり、義輝にとっての帽子や鎧のように

兜含めた鎧全てを含んで神樹より遣わされた精霊・須佐之男なのだ

それを外すことなど、普通に出来るはずがないのだ

天乃「そっか、残念」

須佐之男「………………」

天乃「貴方の正体が余計に知りたくなっちゃうわね」

須佐之男「………………」

須佐之男は拒絶を示そうと首を横に振る

欲しがっている生大刀

それを渡してあげれば、鎧の中を見せてくれるのだろうか

少しばかりの期待を込めて、天乃は苦笑する

しかし、

そのためには、大赦職員が邪魔だった


天乃「私、出かけたりしたらダメ?」

「許可できません」

天乃「春信さんとデート」

「許可できません」

天乃「春信さんと二人きりになりたい」

「許可できません」

残念ながら、大赦側の対応はこの通りだ

春信と二人きりですら許さないのは

おそらく、春信が天乃に甘く、窓などからの逃走を許すかも知れない。という警戒ゆえだ

少し前、九尾の口車に乗せられ、天乃が女子中学生が言うべきではない発言をした時も

行為をされるのでしたらお構いなく。ただの人形とでも思ってください。としか言わなかったくらいだ

それほど、大赦は天乃のことを警戒しているのだ

天乃「大赦が私と春信さんを結婚させようとしているのに?」

「それでも、許可することは許されていません。関係が良好であれば尚更です」


「たとえ悪くとも、許可は出来かねます」

天乃「なんでよ」

「三好春信様を、貴女が殺害する可能性があるからです」

天乃「ッ」

そんなことをするはずがない

そんなことあり得るわけがない

仲が悪いという仮定があるとは言え、

そこまでの悪意は天乃には存在していない

それなのに

「貴女が私達や勇者部。そして三好様に危害を加える可能性は拭えません」

天乃「わ、私が……私が、樹やみんなを。傷つける? 本気で言ってるの?」

「冗談を言うような理由はございません」

天乃「ふざけないでよ」

「……残念ながら、久遠天乃。貴女が欺く事を得意としているのは把握しています」

逆立った耳や尻尾。見開かれた瞳

それでも、女性職員はためらわずにそういった

√ 7月1日目 夕(新居) ※月曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

01~10 風
11~20 樹
21~30 友奈
31~35 東郷
36~40 夏凜
41~50 樹海化
51~60 銀
61~70 春信
71~80 大赦
81~90 死神
91~00 九尾

↓1のコンマ  


東郷「相変わらず。な、ようですね」

天乃「ええ」

東郷「誰でもだとは思いますが、久遠さんだとより一層息苦しそうです」

天乃「良く分かってるじゃない」

天乃がどういう人間かを理解しての言葉に

天乃は苦笑する

その間も、職員二名がただ黙って二人を見つめる

何かがあったとき、即座に対応するためだ

東郷「もちろんです。久遠さんのことを解っているのは、樹ちゃんだけではありませんから」

天乃「そこでなんで、樹の名前が出てくるのよ」

東郷「ふふっ、説明が必要ですか?」

天乃「要らないわよ」

ぷいっと顔を背けた天乃は紅潮した頬を掻き、

照れ隠しのごとく中折れした耳を隠す

東郷「みんな元気です」

天乃「日替わりで来てるんだもの。知ってるわ」


天乃「それで? 今日はどうしたの?」

東郷「いつも通りです」

東郷はそう言うと天乃の手を握る

本当は尻尾をもふもふ、頭をなでなでしたかったのだが

耳や尻尾は敏感ゆえ、天乃はあまり触られたくないのだ

東郷「久遠さんを一人、このような場所に置いておくのは忍びないので」

天乃「一応、ここが私の部屋なんだけどね」

東郷「ですが、久遠さんには自由がありません」

天乃「…………」

東郷「久遠さんが職員を殺害した可能性がある。と、私たちも聞いています」

天乃「……………」

ですが。と、東郷は続けていい、首を横に振る

東郷「そんなことはありえないと、私たちは信じています。考える余地も悩むまでもなく。です」


東郷の手の温もりを感じて天乃はくすっと笑う

馬鹿にするわけじゃない

そう。ただの照れ隠しだ

「火のないところに、煙は立ちません」

東郷「隣接した場所の火なら、誤認をするのでは?」

大赦職員の言葉に即座に釘を打ち

東郷は狙い撃つかのような瞳を向ける

東郷「神樹様への信仰心と、大赦への信頼が等号で結ばれると誤認していませんか?」

「…………………」

東郷は大赦職員に厳しく言う一方で

天乃に対しては優しい笑みを浮かべて、言う

東郷「樹ちゃん達に、伝えておくことなどはありますか?」



1、お兄ちゃんに、生大刀を借りられないか聞いてくれる?
2、もうすぐ戦いがあるかもしれないわ。注意して
3、樹に、樹海化したらしようねって
4、泊まっていけない?
5、またいつか、出かけましょう。って


↓2


天乃「じゃぁ、申し訳ないんだけど」

東郷「はい」

天乃「お兄ちゃんに生大刀を借りられないか聞いてみてくれない?」

東郷「生大刀……?」

天乃「言えばわかるから……そうね。渡しに来るという理由なら別にいいよってオマケ付きで」

天乃は悪戯っ子特有の含み笑いを浮かべ

東郷はそれを察しつつも、注意することなく了承する

「それは許可できません」

東郷「私は伝言を伝えるだけです。どうするかを決めるのは、所有権のある久遠の者では?」

「っ」

職員は黙り込んでそれでも許可できないと言ったが

それに制止の力などなく、

東郷は良い返事が聞けるといいですね。と、呟く

天乃「そうね。良い返事じゃなかったら。私、ちょっとショックかも」

東郷「久遠さん。耳も尻尾も動いてないですよ」

天乃「あら……ふふっ」


東郷に生大刀関連の伝言を頼みました


では、一時間ほど中断します
再開時に、夜に移行します


では、再開します


√ 7月1日目 夜(新居) ※月曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール


銀「あたしのせいで、ごめんな」

天乃「別に、あなたのせいではないわよ」

天乃自身が、

誰に求められたわけでもなく、銀の精霊化を行った

その責任は、銀にはない

天乃「そもそも。私を警戒していたのは元々だろうしね」

銀「天乃を?」

天乃「ええ、私ってほら。特殊だから」

満面の笑みで異常を口にする親友を見つめ

銀は、小さく息をつく

銀は自分を何かに巻き込まれやすいタイプの人間だとしているが、

天乃はその逆で

何かを巻き込むタイプの人間だと、銀は評価している

銀「須美……いや、美森が天乃をなんて言ったか覚えてるか?」

天乃「久遠さん」

銀「そうじゃなくて……ほら。動力源ってやつ」

天乃「あぁ、それね」


東郷美森が鷲尾須美だったころ、

須美は天乃についてどう思うかと聞かれたとき

【須美「動力源ね。良いことも悪いことも全てを動かす動力源」】

こう言ったのだ

現に、大赦はほとんど天乃のために動くことになってしまっているし

勇者部はみんな

勢力関係で言えば神樹・大赦側ではなく

天乃側の立場になっている

国防について熱く語る東郷美森でさえ。だ

銀「実際、あたしはその通りだと思う」

天乃「なぜ?」

銀「見たまんまだよ。アタシみたいな死人も、大赦も。みんなが天乃を中心に動いてるからだ」

天乃「……なるほど」

同じことを須美も言っていたことを思い出して、思いを馳せるように窓を眺める

確かにそうだと、今も昔も思う

自慢ではないけれど、考えてみれば。自分中心だった


銀「大赦の味方をする気はないけどさ、少し。気をつけたほうがいいんじゃないか?」

天乃「ええ、善処するわ」

銀「そうしてくれよなっ」

素直に応えた天乃に意外な印象を受けつつも

銀は笑みを浮かべて言う

銀「で、どうしたのさ。わざわざ夜に呼んで」

天乃「……えっと」

大赦職員二人の目が天乃と銀を見つめる

眠る気は一切ないというかのように

見開かれた瞳にはさすがの天乃も寒気を感じて身震いする

もはや、執念や怨念の類だ



1、一緒に寝たいなって
2、東郷に、言わなくていいの?
3、貴女は須佐之男の中身とかわからない?
4、九尾があの二人に手を出さないように。見ていて欲しいの
5、明日の朝、軽く模擬戦でもどうかなって

↓2


天乃「東郷に、言わなくていいの?」

銀「今は東郷美森なんだろ? だったら、アタシは初めましてでいいさ」

天乃「でも」

銀「それに、言ったところでどうしようもないじゃんか。須美の性格を知ってるだろ?」

だれかのことを気遣うくせに

自分のことになったら抱え込んで、悩んで、苦しんで、追い詰められる

銀「下手に悩ませたくないんだよ。あたしはさ」

天乃「………………」

銀「経緯はどうあれ、あいつが幸せそうならそれで良い。いつか思い出した時は、また考えるよ」

銀は無理する様子もなく、笑みを浮かべる

本当にそう思っているからこそ、出来る表情だと、天乃は頷く

天乃「本当に、貴女も考えて欲しいわ」

銀「……約束はできないけどな」

天乃の言葉が

いなくならないで欲しいという願いのこもったものだと分かっているからこそ

下手に肯定することなく、銀は言う

銀「できるだけ。頑張るよ」


天乃「出来るだけって……」

銀「っ……」

意図してのことなのか

それとも、本気でそうなっているのか

ションボリと垂れる尻尾、折れた耳

今にも泣きそうな天乃の瞳

逸らしたくても逸らせない

断りたくても断れないその姿に

銀は髪を掻いて、ため息をつく

銀「わかった、超頑張る。頑張るからっその顔やめてくれっ」

女の子を可愛いと思うことに関しては

銀にも抵抗はなかった

だが、守りたいだとか、抱きしめたいだとか

ちょっと変わったドキドキ感とかを感じずにはいられず、銀は思わず唸った


01~10 
11~20 九尾
21~30 
31~40 九尾

41~50 
51~60 
61~70 九尾

71~80 
81~90 九尾
91~00 

↓1のコンマ  

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  三ノ輪銀 :交流有(東郷須美)
・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流有(生大刀について、話)
・  三好夏凜:交流無()
・  三好春信:交流無()
・     九尾:交流有(翻訳)

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


7月1日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 33(中々良い)
  犬吠埼風との絆 50(高い)
  犬吠埼樹との絆 92(かなり高い)
  結城友奈との絆 50(高い)
  東郷三森との絆 47(少し高い)
  三好夏凜との絆 63(高い)
  三好春信との絆 28(中々良い)
   夢路瞳との絆 11(普通)

     九尾との絆 34(中々良い)
      死神との絆 27(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■%


では、今回はキリもいいのでここまでとさせていただきます
明日も早めにできるかと思います
大体、17時を予定



須佐之男「……………」

九尾「なるほど。きゃつのあの言葉はそういうことか」


では、初めて行こうかと思います


√ 7月2日目 朝(新居) ※火曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※判定でのみ、夏凜、風、樹、友奈、東郷は来客
※大赦職員は男女職員両方です


天乃「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど」

「お答えできること以外はお答えいたしませんが……」

天乃「別にそれでもいいわよ」

大赦職員

主に女性職員の冷たい対応に

天乃は憤ることを通り越し、呆れ混じりに言い捨てる

天乃「貴方達、次の交代はいつなの?」

「何事もなければ、明後日にも交代の職員が来るかと思います」

天乃「じゃぁ、貴女とは明後日までってこと?」

「また数日後戻りますが、なぜ。そのようなことを?」

女性職員の疑問に対し、天乃は「別に」と、つぶやくだけで

そっぽを向く

人間に有るまじき尻尾の揺れに、職員の視線が思わず動く

「久遠天乃。貴女は私達にとって驚異です」

天乃「………………」

「貴女に関わった6名の職員が消息を絶ち、亡くなったはずの三ノ輪銀を、精霊として使役しているからです」


天乃の視線に動じることなく、女性職員は天乃を睨む

道徳観念が行き届いているからといって

恨み、妬み、僻みを持たないとは限らない

「貴女は知っているはずです。消息不明になった6人がどこに消えたのかを」

天乃「知らないわよ」

「知らないはずがありません」

天乃「知らないものは知らない。分からないものは分からないわよ」

なおも食いつことする女性職員の肩を叩き、

男性職員が首を横に振る

「でも……っ」

「少し落ち着いてください。責め立てても無意味です」

「っ」

男性職員のなだめるような言葉に

女性は悔しそうに顔をしかめ、目元を拭って俯く

「失礼しました」


1、その6人に、知り合いでも?
2、私に何か恨みでも?
3、ごめんね。私も……知っているのなら。分かるのなら。言いたいのよ
4、何も言わない
5、ごめんね


↓2


天乃「その6人に、知り合いでも?」

天乃がそう聞くと

女性職員は目を見開き、

怒りを携えた瞳で天乃を睨み、首を振る

感情を抑え込むように息を吐いて、頷く

「……恋人がいました」

天乃「……っ」

「だからこそ、私は久遠天乃。貴女が許せません」

明確な敵意を感じて

でも、反抗するような視線も態度も示さない

天乃にとって、それは理不尽な怒りだ

不当な恨みだ

けれど、自分と関わったからと言われてなお、

だからどうしたと切り捨てられるほど、天乃は大人びてなどいない

天乃「……そっか」

「はい」

悲しさを示す寝込む尻尾を一瞥し、女性は頷いた


樹がもしもバーテックスに殺されてしまったとしたら

私はどうなるだろうか

銀を殺されてしまった時と同じなのか

それとも、それ以上に怒り狂ってしまうのか

天乃「…………」

どっちなのかは分からない

でも、大切な人を殺された経験のある天乃には

女性職員の気持ちが分かっていた

だからこそ、容易に謝罪を口にすることは出来なかった

謝るのは悪いことをしたという気持ちがあるからだ。と

誰かが言った

でも、別の誰かはこういう

謝るのは、許して欲しいという気持ちがあるからだ。と



1、私に。して欲しいことはある?
2、精霊に邪魔はさせないから。私にしたいこと、してもいいわよ
3、でも。私は何も知らないわ
4、見つかるといいわね。無事に
5、沈黙


↓2


1時間ほど中断します
21時には再開します


では、さいかいします


01~10 しない 
11~20 掴
21~30 魅
31~40 打
41~50 怒
51~60 悲
61~70 しない
71~80 打
81~90 魅
91~00 怒

↓1のコンマ

ゾロ目ならしない  


天乃「精霊に邪魔はさせないから。私にしたいこと、してもいいわよ」

「! 久遠天乃。それはっ」

天乃「貴方も。手出し無用よ」

感情を顕にした男性職員を一瞥し、首を振ると

天乃はすぐ隣の女性を見つめる

「本当ですか?」

天乃「ええ。引掛けでもなんでもなく。何者にも邪魔させないと約束する」

「………………」

そこまで言っても、疑わしい目を向けてくる女性職員に対し

天乃は困ったような笑みを浮かべる

天乃「貴女の憎しみには理由があるし。私は、憎まれる理由があると自覚してる」

「自覚、あるのですね」

天乃「どんな理由があるにせよ、知っているべきことを知らないんだから」

「…………………」

天乃「無知は罪。私はそれを、よく知っているから」

天乃はそう言って苦笑する

齢15。女子中学生

そんな年頃の少女ができるはずのない儚さを携えた表情に

女性職員だけでなく、男性職員までもが息を呑み、目を逸らす


だが、それでも

たとえ手が震えていようとも

女性職員は天乃のことを見つめ、近づき

右手を振り上げる

天乃「……目を瞑ってもいいのに」

「っ」

天乃「失明するのは嫌だから。ちゃんと当ててね?」

振り上げた手をいちど抱きしめて、息を吐き

見つめてくる天乃を見据えて手を振り上げ――振り下ろす

天乃「っ」

「っ」

天乃には聞こえない快音が部屋に響き、天乃の視線が大きく右にそれる

ピリピリとした痛みをほほに感じながら

天乃は呻かず、泣かず、痛みを抑えようともせずに女性職員へと向き直る

「久遠天乃。貴女という人は」

天乃「なに?」

「上の方々がなぜ、貴女を危険視するのか。それが良くわかった気がします」


右手を抱きしめ、肩を震わせる女性職員を椅子に座らせ

男性職員が天乃を見つめる

暴力行為など、理由があるとしても是とされたことではない

たとえそれが、頬に平手打ちするという比較的軽度のものであったとしても。だ

「貴女はモラルの崩壊を招きかねない」

天乃「そんなつもりは」

「貴女にその気がなかろうと、周りには現に神樹様への信仰心を損なう者や、暴力行為を行う者が出てきています」

天乃「……そんなこと言われても」

何でもかんでも自分のせい、自分のせい

次々に責任を押し付けられて

否定しても、無理やり押し込まれて

天乃はションボリと尻尾を垂らして、女性職員を見る

叩いた手が痛いのかそれとも別の何かが痛むのか

女性職員は俯いたままだった

√ 7月2日目 昼(新居) ※火曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※大赦職員は男女職員両方です
※メールは職員の検閲が入ります

01~10 瞳
11~20 樹海化
21~30 夏凜
31~40 変態
41~50 樹
51~60 風
61~70 お兄ちゃん
71~80 友奈
81~90 東郷
91~00 女性

↓1のコンマ  


天乃「あら、メールだわ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

あんたの家で、猫飼えない?

飼えないわよね。分かってるけど

今日は猫の引取りがあるらしいのよ

だからまぁ、悪いんだけど。今日は会いに行けない


……学校行かせたほうが監視しやすいんじゃないの?
私たちだっているし、生徒がいるしで天乃はヘタにて出しできないし
車椅子での移動云々だって東郷がいる時点で問題ないはずだし
人の目が多いから一挙一動が監視しやすい
耳が聞こえないっていう難点はあるけど
それならいっそ勇者特別学級的なものを作ればいいのよ
大赦ならそういう捻じ曲げたりするのくらいできんでしょ?
それに、勇者特別学級なら、万が一樹海化した時の
先生、生徒への変な言い訳とか必要なくなるし
検討しなさいよ。

………

ここまで言っても、どうせ、聞く耳も持たないんだろうけど

天乃が讃州中学の3年生として。先輩部員として

学校にいてくれたら。きっと。もっと楽しいんじゃないかって。私は思う

だからさ、天乃……中学は無理でも。高校で

高校が無理でも、大学で

あんたと先輩後輩。いつかやってみたい

……なんて。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「残念ながら、許可はできません」

天乃「でしょうね」

メールをくまなくチェックした男性職員から

回答と端末を受け取って、ため息をつく

夏凜から珍しく長文がきたかと思えば

ほとんど大赦に向けてのものだった

天乃「そもそも、私宛なのに大赦宛が入ってるってどういうことよ」

「私達が見ていることを知っているが故の、当てつけかと」

天乃「そう……」

もう一度夏凜のメールに目を通す

先輩後輩がしたい。なんて

天乃「メール返しても?」

「どうぞ。ただし、内容は見せていただきます」

天乃「プライバシーなんてないのね」


1、樹も会いに来てくれないの? 会いたいなー、抱きしめられたいなー
2、あら、貴女が素直なんて。何かあったの?
3、そうね。できたらいいわね
4、私の分も。学校生活楽しんで。頑張ってね
5、無理だって。ひどい話よね
6、近々襲撃がある可能性があるわ。気をつけて

↓2


では、ここまでとします
ルールに則り6で進行しますご了承ください
明日は通常通り22時ころ


「私の恋人になりなさい。久遠天乃」

天乃「っ!」

魅了の力がまだ無差別だった場合、ありえた世界はモラル崩壊


では、再開していきます


天乃「……………」

端末を横画面へと移行させ、

右手だけでパソコンを操作するように文字を打ち込んでいく

検閲される以上、無駄な言葉はどうせ弾かれるし

誤字脱字があればそれも言ってもらえる


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

近々、襲撃がある可能性があるわ

私の精霊からの情報だけど、まず間違いないと見てもいいと思う

どれくらいの数が来るのかまではわからないけど

一応、覚悟はしておいてちょうだい

前回以上の敵が出てくる可能性とか。をね

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「……この程度の忠告ならば問題はないでしょう」

天乃「これすらダメだなんて言われたら、流石に怒るわよ」

男性職員に言い放って、送信ボタンを押す

一般人相手ならともかく

同じ勇者との情報共有さえできないとなったら

勇者に死んでほしいと思っているとしか思えないからだ


天乃「あなたたちは、バーテックスについてどれくらい分かっているの?」

「お答えできません」

天乃「大分知っているけど、答えられないと捉えるけど。良い?」

瞳を向けていないようで向けている横目の視線に睨まれて

男性職員は一瞬息を飲んだが、直ぐに息を吐く

吐かなければ空気で窒息してしまうと思ったからだ

天乃「壁の外のことくらい知ってるのよね? 当然、私の監視役というのなら」

「………………」

天乃「じゃなきゃ、知られるべきじゃない情報が漏洩してしまうリスクがあるものね」

天乃はクスッと笑うと

使い物にならない女性職員と、無表情を貫こうとする男性を交互に見つめた

天乃「バーテックスって、一体何なのかしらね」

「……それに関しては、私の知るところではございません」

天乃「そんなはずないと思うわ。貴方だってこう思ってるはず。人類の敵だって」


天乃の一言に、男性職員は頷く

バーテックスの正体ではなく、

バーテックスをなんだと思っているのか。という問いなら

確かにその通り【敵】と思っているからだ

天乃「じゃぁ、監視して、危険視して、警戒している私は?」

「……それは」

敵。少女。勇者。巫女。異能者

男性職員にとって、天乃を現す言葉は複数あって

どれを言うべきかを迷って、黙り込む

下手なこと言っても、天乃はきっと笑うか悲しむかのどちらかだろう

それを分かっていても、男性は下手に言えなかった

天乃「私とバーテックスって、きっと。同類なんでしょうね。貴方たちの中では」

儚げな表情は、悲しさを押し隠しているからか

波紋の広がっていく水面のように、不自然な静けさがある

その息苦しい空気を、夏凜のメールが切り裂いた


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

襲撃ね

了解。いつ来るかわからないっていうのが難点だけど

まぁ、来ることが確実というのなら、こっちの話も通しやすくて助かるわ

現状

勇者は私、風、樹、友奈、東郷そして天乃の計6人がいる

で、組としては、

現状では、友奈&東郷、風&私&樹。そして、余り者で天乃っていう

状況になってるわけ。

いくらあんたが優秀で、最強で、最悪で、一人の方が戦いやすいといっても

集中砲火喰らうような奴を一人にはしておけないっていうのが勇者部の総意

ちょうど、私と風と樹で3人だし、誰か一人

そうね。樹をあんたのところに送って基本原則二人一組での行動にしようと思うわ

既に上申して確認中。勇者の戦いもあるし無下にはできないだろうから

この話は通るはずよ

次もみんなで無事に帰るわよ。絶対

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

天乃「樹が来るの……?」

天乃のメールを確認した男性職員は

ちょうど、連絡の入った端末をチェックし、目を見開く

「どうやら、そのようです。大赦は樹海でおかしな行動を取られても困る。と」

天乃「……敵を目の前にして不審な行動するほど。私、バカじゃないんだけど」

「あなたの敵がバーテックスとは限らない。というのが、現状の判断です」


では、少し早いですがここまでで
明日はできない可能性がありますが
出来たらやります

再開したとして、22時半からとなります



夏凜「襲撃があるらしいわ。二人人一組が好ましいわよね」

風「じゃぁ、樹が天乃のところで」

樹「えっ!?」

流れるような可決


では、今日は進めていこうかと思います


天乃「なにそれ」

「神樹様や勇者部に危害を加える可能性がある。ということです」

天乃「貴方もそう言うのね」

「もちろんです」

衣着せぬ言い方に、

天乃は拳を握り締めようとして、脱力する

怒ったところで何にもならない。それを分かっているからだ

天乃「相手は樹でも良いのね?」

「犬吠埼樹は貴女のストッパーになり得ると、私達は判断しました」

天乃「樹が私の側に回る可能性は?」

「彼女の家は現在、大赦による援助あってのものです。それを捨てることが出来るのでしょうか」

大赦からの問いに、天乃は答えなかった

それを答えるのは私じゃない

答えるのは、決めるのは樹であって私じゃない

だから、天乃は答えなかった

√ 7月2日目 夕(新居) ※火曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※メールは職員の検閲が入ります
※判定でのみ、夏凜、風、樹、友奈、東郷は来客
※大赦職員は男女職員両方です

01~10 瞳
11~20 樹海化
21~30 夏凜
31~40 変態
41~50 樹
51~60 風
61~70 お兄ちゃん
71~80 友奈
81~90 東郷
91~00 女性

↓1のコンマ  


「先ほどは、失礼いたしました」

天乃「ううん。別に」

覇気のない沈んだ表情

まだ、引っぱたいた感触が拭えていないのかもしれない

この人にとって

あれは初めての経験だったのかしら

「痛みは、ありますか?」

天乃「貴女がまだ痛いのなら。私も痛い。その手が、私よ」

「……この手が?」

女性職員は自分の右手を見つめ、天乃を見つめる

よく見ると、天乃の左頬は右頬よりもほんのりと赤かった

天乃「両手を叩き合わせるとどっちも痛いでしょ? そういうこと」

「……そうですか」

天乃「ええ」


沈痛な面持ちの女性は、もう一度自分の手を握り締めると

天乃の赤くなった頬を撫でる

痛かった。傷つけたはずなのに、自分が痛かった

手も、心も

「………………」

天乃の何も言わず、ただ目を向けるだけという仕草に

思わず泣きそうになって目を伏せる

八つ当たりだったかもしれない

憂さ晴らしだったかもしれない

理不尽な恨みだったかもしれない

「……すみませんでした」

女性は謝って、天乃の方に身を寄せる

なぜか、そうしたかったのだ



1、謝る必要はないわ
2、頭を撫でる
3、抱きしめる
4、何もしない
5、別に構わないわ。それで貴女が少しでも楽になるのなら。それで良い

↓2


短いですが、此処までとさせて頂きます。
明日も同じくらいの時間になるかと思います


「私がこの子を叩けば私達が痛い。つまり、私はこの子でこの子は私?」


遅くなりましたが、さいかいします


天乃「別に構わないわ」

「え?」

天乃「それで貴女が少しでも楽になるなら。それで良いのよ」

驚き戸惑う女性の瞳に映る天乃は

変化のない表情で見つめ返すと、笑みを浮かべた

天乃「だって、私は勇者だもの」

「………………」

誰の勇者なのか

なんの勇者なのか

天乃の言葉に疑問符を浮かべた女性は

すぐにハッとして、首を振る

「なぜ……ですか? 私は貴女の嫌う大赦の人間ですよ」

天乃「だとしても、貴女は一人の人間でしょう? 悲しんでる人まで敵視するほど。私、恨みで肥えてないのよ」

少女は苦笑した

子供とは思えない言葉を述べながらも

子供らしい、純粋さの残る笑みだった

「……貴女は。貴女はどうして」

天乃「どうしてと聴かれても困るわよ。そういう人間だと、割り切ってくれると助かるわ」


「……っ」

女性は正しいことが分からなくなりかけていた

大赦からは厳重注意の指示を受けている

何をするかわからない。だから、何一つ自分で好き勝手にはさせるな。と

だけどどうしたことか

思えば自分がした挑発的な言動に対しても

天乃は多少の反抗はしつつも目に余る言動はなく、

それどころか自分のために痛みを受け入れてくれた

「何を考えているのです」

「……わから、なくて」

「………………」

「久遠天乃は。彼女は……本当に。6人も殺したのですか? 本当に、ここまで縛られなければいけない人なのですか?」

女性は男性職員に問う

男性は黙り込んで天乃を一瞥すると、頷く

「貴女は騙されている。忘れたのですか? 久遠天乃は人を騙すのが得意だと」


天乃「別に得意ではないんだけど」

「いいえ、伺っています。貴女は人を騙し心に付け入る魔性の少女だと」

天乃「過大評価よ」

「現に、以前。貴女の担当をした職員数名が大赦の方針に不信感を抱いて退職しています」

男性職員の自分を折らない言葉に

天乃は驚きさえ忘れて、ため息をつく

もはや何を言ってもむだ。なのかもしれない

「貴女も、退職しますか?」

「……私は」

女性は伏し目がちに呟いて、天乃へと視線を移す

天乃「?」

「…………………」


1、それは貴女の決めることよ
2、貴女まで、いなくなっちゃうの?
3、好きにしたらいいと思うけど
4、何も言わない
5、貴女が信じたいと思ったものを信じなさい


↓2


ルールに則り1でいきます


天乃「それは貴女の決めることよ」

「……大人。なのですね」

天乃「私は私が信じたいものを信じて行動してるし、それがいいと思ってるだけ」

大人ではないと思うけど。と

天乃が付け足して言うと、女性は困ったように笑って「そうですか」と、返す

けれど、女性からしてみれば天乃は大人だった

見た目が子供らしかろうと、その内側。心はきっと

経験を積んでいるという意味では大人だと、思っているからだ

天乃「どうするの?」

「私は疑いを持つわけではありません。それに、貴女は少し。危険です」

天乃「顔赤いけど、熱?」

「やはり、貴女は厳重注意ですね。犬吠埼樹が被害に遭わないよう。気を付けないといけませんね」

女性はさっきまでとは打って変わって

感情の宿った笑みを浮かべる

「……………」

その一方で、男性職員の表情は厳しかった


では、此処までとさせて頂きます
明日もできれば同じような時間から



「毒牙にはかけさせません」

→「猛毒には勝てませんでした」


昨日できなかったので、今日は早めて、16時頃を予定しています


16時と言いつつ、17時。失礼しました。初めて行きます

√ 7月2日目 夜(新居) ※火曜日

01~10 侵入者

11~20 
21~30 
31~40 いつも妹の傍に這いよる不審者

41~50 
51~60 宅配便
61~70 
71~80 お兄ちゃん
81~90 
91~00 シスコン

↓1のコンマ  

√ 7月2日目 夜(新居) ※火曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※メールは職員の検閲が入ります
※大赦職員は男女職員両方です

※明日から樹が常駐します


天乃「春信さん、もう。話は聞いてる?」

春信「聞いている。明日の放課後からこちらに移るそうだ」

天乃「部屋とかはどうなるの?」

春信「少し無理があるかもしれないが、彼女もこの部屋になる」

春信はそう言いながら、大赦職員へと目を向けると

男性だけが見返して、息をつく

「三好殿、言いたいことはわかります。が、言っても意味はありません」

春信「理解している。だが、私にはどうしても。その必要があるようには思えない」

「貴方の視界が濃霧に包まれているからでしょう」

春信「なら、逆に大赦は陽の光に目が眩んでいるのかもしれない」

春信は男性の言葉に引くことなく告げて

天乃へと向き直ると、困ったような表情で首を振る

春信「犬吠埼樹共々監視したいらしい。やはり、君にプライバシーはあげられないようだ」


天乃「つまり、これからは樹まで監視対象になるってこと?」

「端的に言えばそうなります。貴女との接触機会が増え、その分。影響も大きくなるので」

天乃「影響って何よ……」

聞いて欲しかったわけでもないけれど

私のつぶやきを男性は無視して、黙り込む

大赦からとことん嫌われているのか

それとも、女性同じくこの人も私に恨みがあるのか

それはわからないけれど、でも

少なくとも好かれていないということだけは確かね

春信「……久遠天乃」

天乃「うん?」

春信「すまない。私の力不足だ」

天乃「……………」



1、謝る必要なんてないわ
2、銀を蘇らせた以上、私はただの勇者に収まらないことくらい。自覚してるわ
3、罪悪感があるのなら。今日は、一緒に寝てくれる?
4、……それより。ねぇ、春信さん。お兄ちゃんからなにか受け取ったりしてない?



失礼しました
いつも通り↓2で 2で進行します


天乃「仕方ないわ」

春信「だが……」

天乃「銀を蘇らせた以上、私が普通の勇者じゃないことくらい。自覚してるから」

春信「だからといって……いや、君がそれでいいと言うのなら仕方がない」

春信は何かを言いかけたが、仕切りなおしてうやむやに終わらせると

職員2名に向き直る

「……分かりました」

「はい」

職員二名は春信になにか言われたのか

動揺を交えた表情で頷く

残念ながら、天乃からでは春信の表情は見えず

言葉を読み取ることはできない

春信「明日、犬吠埼樹と共に、君の兄が来る」

天乃「持ち出しの許可が出たの?」

春信「持ち出しの許可……?」

天乃「ぁ、ううん。何でもない」


どうやら、生大刀の件は春信にさえ伝わっていないらしい

だとしたら、なぜ大地が樹と一緒にここに来るのか

ただ手伝いとして駆り出されたかもしれないし

もしかしたら、秘密裏に持って来てくれるのかもしれない

いずれにしても、大地が来ることで何かがある。と、天乃は覚悟を決めて、息を呑む

春信「なにか必要なものでもあったのか?」

「生大刀の件かと。久遠天乃が精霊の申請に応じて、久遠大地に持ち出しを願ったのです」

天乃が誤魔化したことが気に食わなかったのか

男性職員はあっさりと本当のことを話すと

天乃のことを侮蔑するような瞳で見下して、春信に告げる

「念のため、大赦から久遠の方に通達しておきましたが、あの兄のことです。安心はできないかと」

春信「そうか」

「万が一、久遠大地が持ち出していた場合、拘束することも許可されています」

春信「拘束出来るのなら。だろう?まず無理だ。そもそも、大赦はむしろ……」

生大刀が天乃に渡ることを望んでいるかもしれない

そう考えて、口を閉ざす

天乃を責め立て、追い詰め、それでいて何かと利用しようとしている

春信はそんな気がしてならなかった


「三好殿?」

春信「とにかく、怪我するだけだ。無駄な手出しはしないほうがいい」

「しかし、生大刀は唯一奉納された神器! 久遠天乃の手に渡らせるわけには……」

春信「いずれ、彼女はその神器のある神社の巫女となる。早いか遅いかの違いだ」

「三好殿まで、久遠天乃に惑わされてしまったのですかっ」

そう怒鳴る男性職員を女性職員は驚いた表情で見つめ、

その視線に気付いた男性が目を見開く

「なんですっ!」

「いえ……貴方がそこまで感情をむき出しにするとは思っていませんでしたので」

「――ッ」

女性の言葉にハッとして、男性は天乃を睨む

以前の冷静沈着あるいは冷酷非道なイメージとは一転して

天乃はその表情に人間らしさを感じていた


春信「少し休むといい」

「くっ……」

男性職員は悪態をついて、部屋を出ていく

その姿を目で追った女性は呆然とし、悲しげな瞳を持つ少女を見据えた

「………………」

久遠天乃という危険人物、監視対象

大赦が天乃に騙され、唆され、道を誤ると言っていた事を思い出し

女性は首を振る

それは違うような気がした

それは、とてつもなく重要な何かを間違えてしまった解答のように思えた

天乃の味方になると決めたわけではない

けれど、天乃に傾いた心を持つ女性は、違和感を拭えなかった

天乃「なに?」

「あっ」

呼ばれて気づけば目が合って、思わず逸らす

「貴女の瞳が……綺麗だなと」

ごまかすための一言は、何かがおかしかった

1日のまとめ

・  乃木園子:交流無()
・  三ノ輪銀 :交流無()
・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流有(襲撃、樹)
・  三好春信:交流有(仕方がない)
・     九尾:交流無()

・      死神:交流無()
・      稲狐:交流無()
・    夢路瞳:交流無()
・     神樹:交流無()


7月2日目終了後の結果


  乃木園子との絆 19(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 33(中々良い)
  犬吠埼風との絆 50(高い)
  犬吠埼樹との絆 92(かなり高い)
  結城友奈との絆 50(高い)
  東郷三森との絆 47(少し高い)
  三好夏凜との絆 64(高い)
  三好春信との絆 30(中々良い)
   夢路瞳との絆 11(普通)

     九尾との絆 34(中々良い)
      死神との絆 27(中々良い)
      稲狐との絆 20(中々良い)
      神樹との絆 3(低い)

 汚染度■■■%


√ 7月3日目 朝(新居) ※水曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※メールは職員の検閲が入ります
※判定でのみ、夏凜、風、樹、友奈、東郷は来客
※大赦職員は男女職員両方です

01~10 風
11~20 友奈
21~30 東郷
31~40 女性
41~50 夏凜
51~60 死神
61~70 樹
71~80 樹海化
81~90 男性
91~00 沙織

↓1のコンマ  


汚染率判定

↓1 コンマの半分


天乃「……殺したいほど、私が憎いの?」

音が聞こえないながらも、

気配で接近に気づいた天乃はそう言って、目を開ける

男性は天乃へと伸ばしていた手を引っ込めて、息をつく

天乃「6人の中に、貴方も誰かがいたの?」

「……いや、そんなことはない」

天乃「ならどうして」

「自分でも分からない。でも、なぜか君を許せない」

天乃「なぜか?」

男性職員は頷くと

近くの椅子に座り込んで、天乃を見つめる

その瞳の奥に、怒りに似たものを感じて

天乃は見つめ返す

「知らなかったよ。自分がこれほどまでに強く、誰かを憎むことができるなんて」

天乃「その理由。わからないの?」


いつもの仕事と割り切っていない口調

男性職員のらしさがある言葉遣い

それを気にしつつ、天乃が聞くと男性は首を横に振った

「さっぱりだよ。でも。もしかしたら君を認めるべきじゃないという考えが強すぎるのかもしれない」

天乃「……………」

「君は覚えているか? 三ノ輪銀が亡くなった時。神樹様に対し、私は二度とお前を信じないって言ったことを」

男性職員の言葉に、天乃は軽く頷く

銀の葬式という大切な日、それでも侵入を許してしまう神樹を

守ってくれた勇者を守れなかった神樹を。天乃は憎んでそう言った

「だから僕は君が害になると思った。神樹様の敵だと思った。いや……今もそう思ってる」

天乃「……………」

「正直に言えば、君が二度と満足に体を動かせなくなったと知った時、自業自得だとさえ思ったよ」

男性は沈んだ表情でそう言うと

天乃の悲しそうな瞳を見つめ、続ける

「なんでだろうね。君は勇者で、僕達を守ってくれているのに……どうしても。君を認められなくなってしまった」


少し中断で
22時には戻る予定ですが、22時半になる可能性もあります


遅くなりましたが、再開します


男性職員の辛そうな表情に

天乃は何も言わずに目を向ける

聞くことはできないが

言葉を受け取ることはできる

黙って聞いてあげるべきだと思ったからだ

「だから、僕は君を傷つけたいと思ったのかもしれない」

天乃「………………」

「信じられない相手は。敵だと思って」

男性は自分の両手を見つめる

眠っていた天乃に何をしようとしたのか

それを思い浮かべて、首を振る

きっと、やっていたとしても精霊が阻んでくれていただろう

でも、やっていようがやっていなかろうが

やろうとした時点で、それは罪なのだ

「もしかしたら、先日の彼女との一件で僕は君なら死んでくれると思ったのかもしれないな」

流石に一睡もしないというわけにも行かず、すぐ近くで眠る女性社員を一瞥すると

男性はそう言って笑う。とても、悲しそうな笑みだった


1、私を傷つければ。その気持ちは少しでも楽になる?
2、死ねないけど。でも、代わりになんでもして良いわ。あの人だけでは、不公平だから
3、抱きしめる
4、私を敵とすることに罪悪感は必要ないわ。だって、事実なんだから
5、貴方が私を許さなくても。私は貴方を許すわ。私のことをどれだけ傷つけても。どれだけ憎んでも。私は許すわ

↓2


天乃「……そうね」

「…………………」

天乃は男性を見つめる瞳を細めて、息をつく

男性職員にはいいイメージはない

けれど、女性職員にだっていいイメージなんてなかった

それでも、恨みを引き受けた

天乃「残念ながら死ねないけど。でも、代わりになんでもして良いわ」

「久遠天乃……」

天乃「あの人だけでは、不公平でしょ?」

慈愛に満ちた。というと語弊があるのかもしれない

けれど、男性職員は天乃の表情にそれに似た優しさを感じた

「僕は君を殺そうとしたのに」

天乃「だからこそ。それを今ここで。私以外の何かが巻き込まれる前にぶつけて欲しいの」

「………………」

天乃「どうせ死ねないけど、私の体に鋏を突き刺してもいい。カッターで斬りつけてもいいわ」

「そんなことは……」

天乃「心が傷つくかも知れない。そう思うのなら、別の何かでもいいから。ね?」


01~10 抱
11~20 魅
21~30 絞
31~40 殴
41~50 しない
51~60 絞
61~70 しない
71~80 抱
81~90 殴
91~00 魅

↓1のコンマ


「……精霊は」

天乃「もちろん。邪魔をさせないわ」

「そうか。なら」

男性は悲しげな表情で天乃の首を両手で包み込む

首を絞めるんだと考えるまでもなく判断して、

天乃は男性を見つめた

天乃「本当に良いの? きっと、貴方の心に一生残るわよ」

「それでいいんだ」

天乃「……………」

「そうすれば、僕はもう二度と、君を傷つけようだなんて思わないはずだから」

天乃「そっか」

悲しい表情ではあれど、

覚悟を決めた瞳に、天乃は小さな笑みを浮かべる

天乃「良いわ。貴方がそう決めたのなら」

「すまない」

男性職員はそう言って、天乃の首を力一杯絞め上げた


天乃「ぁ……っ……」

「っ………くっ」

人の首を絞める経験などしたことがない男性の手は、

抑えるべき動脈を抑えることはできず

天乃は苦しそうに呻きそうな声を押し殺す

天乃「っ」

息苦しさと、痛みに手が震える

もしかしたら

窒息以前に首がへし折れるのかもしれない

そんなことを考えながら、

天乃は男性の頬に指を這わせて、涙を拭う

「っ!」

天乃「だ……め」

精一杯の力でそう言った天乃は、笑みを浮かべる

それが泣いてはいけない。背負いすぎてはいけない

そう言いたいのだと、男性はすぐに理解した

けれどどうしても。頑張っても。涙は止まらない

そして心は、罪悪感に満たされていく


天乃「……………………」

「すまない……本当に。本当に……っ」

目を閉じ、呼吸をしていない少女を見下ろして

男性職員は謝罪を口にする

どうしてやらなければいけなかったのか

どうして、こんなにも許せない気持ちでいっぱいだったのか

モラルが崩壊する。自分の言葉を思い出し、男性は頭を抱えた

「僕が殺した……僕が。合意の上だった。でも、殺す必要なんか……っ」

思考回路がショートし、頭の中が真っ白になって

横たわる少女で視界が一杯になったとき

「あ゛あぁぁ゛ぁぁああ゛あぁぁ゛ぁぁっ」

男性職員は耐え切れず叫び声をあげた

殺した。死なせた。絞め殺した

無抵抗だった。優しかった。何も悪くなかった

なのに――殺してしまった

その衝撃を受けるには、男性職員の心はあまりにも脆かったからだ


1、抱きしめる
2、頭を撫でる
3、大丈夫。貴方は誰も殺してなんかいない
4、落ち着きなさい


↓2


天乃「けほっ……けほっ」

「!」

天乃「……ふぅ」

何度か咳込み、呼吸を整えながら

喉をさすった天乃は男性職員を見つめると笑みを浮かべた

天乃「大丈夫。貴方は誰も殺してなんかいない」

「ぁ……ぁ……」

天乃「ちょっ」

放心状態の男性職員は言葉にならない声を漏らし

とめどなく涙をあふれさせて、天乃の体を抱きしめる

その体が暖かい事を確かめるように

心臓がしっかりと動いていることを確かめるように

「生きて、生きてる……っ」

天乃「だから死なないっていったじゃない」

「すまない。すまない……っ。僕は君を」

天乃「……もうっ」

泣すがる男性職員に困った表情を浮かべた天乃は、

男性の背後でいつの間にか目を覚ましていた女性が呆然としているのをみとめ、息をつく

天乃「違う。違うから……ねっ?」

女性はわかってます。分かっていますよ。と言うと

お邪魔でしたら言ってくださいね。と、続けた


では、此処までとさせて頂きます。

明日もはやめの再開になるかと思います
16時~17時頃を見込んでいます



「あっ、そうそう。彼女ね。この人と抱き合ってたの」

「なっ」

樹「……この糸。お兄さんの首を抱き締めたいみたいです」


遅くなりましたが、再開します


√ 7月3日目 夕(新居) ※水曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

※樹、夏凜、風、東郷、友奈はメール
※メールは職員の検閲が入ります
※大赦職員は男女職員両方です

01~10 風
11~20 友奈
21~30 東郷
31~40 女性
41~50 夏凜
51~60 死神
61~70 樹
71~80 樹海化
81~90 沙織
91~00 男性

↓1のコンマ  


「あんなに険悪だったのに、一体何をしたんです?」

天乃「険悪になる理由を解決しただけよ」

「その結果が朝の激しい抱擁だったのですね」

女性は真相を知らない

だからか、茶化すように苦笑すると

天乃と男性を交互に見て、「でも」と、切り出す

「貴女と彼の交際って大赦的にはとてつもなくNGなのでは?」

「なっ」

「以前、久遠天乃の婚約者候補で見事に?溢れたわけですから。おそらく、許可はおりませんよ?」

天乃「勝手に話を進められても……」

困った表情の天乃を一瞥すると

男性職員はため息をついて、女性の目を向けさせた

「彼女が困っています。控えてください」

「困っているのは彼女だけですか?」

「っ」

「古い文献によれば、恋を認めてもらえない男女は駆け落ち。というものをしたそうですよ」


続けていう女性に対し、

どこか恥ずかしげな男性は感情を顕にして睨むと、目を逸らす

怒るに怒れないのかもしれない

「もちろん、現代ではそんなことをしたところで時間は少しかかりますが、確実に見つかりますね」

天乃「そもそも、そんなことしないわ」

「認めさせるんですか?」

天乃「何をよ」

男性職員と恋愛をするつもりは天乃には全くない

情報収集が甘いのか、それともデート以降全く触れ合えていないからか

大赦から見れば、天乃と樹はただ仲がいい止まりだが、

実際はそれどころの話ではない

ゆえに、どれだけ美少年、美少女を生贄に差し出そうが

天乃はそのほか大勢との恋愛に身を投じるつもりは全くないのだ

天乃「彼と交際する気はないわ」

「わ、私もだ」

こほんっと咳払い一つ、男性職員は気を取り直して言う

「久遠天乃の婚約者は三好殿です。私がその役目を奪うなど……できません」



1、ほら。こう言ってるし
2、婚約なんて、ただの約束。決まったわけでもないけどね
3、奪えるなら奪いたいの?
4、ところで、園子は今どんな様子なの?
5、悪いけど。私女の子のほうが好きよ


↓2


天乃「奪えるなら奪いたいの?」

「な゛っ」

天乃「ふふっ、なんてね」

男性職員の動揺を見た天乃は満足そうな笑みを浮かべて

口元に手を充てがうと

ちょっぴり、困った顔で言う

天乃「私みたいな世話されるだけの人なんて、面倒くさいでしょ」

何もして貰えないのに、してあげなければいけない

それが介護というもの。と、言うつもりはないが

天乃は事実、してくれたことへの感謝くらいしか出来ることはなかった

天乃「私の笑顔を世話の報酬にしたい。なんていう物好きなら別かもしれないけどね」

「自虐するのが好きなのか?」

天乃「ううん。ただ、それが事実だから言ったのよ」


「事実ではないと、私は思う」

天乃「え?」

「現に、君は私を……その。恥ずかしい話だが、救ってくれた」

何から救ったのか

それを深く言及することは男性自身にも出来なかったが

少し前までの自分とは明らかに違うと、男性は実感していた

「体が不自由で、味覚がなく。耳も聞こえない。だが、それでも君にはできることがある」

天乃「……………」

「君が思う以上に。いや、もしかしたら私が思っている以上にあるかもしれない」

男性の表情は優しく、

無表情、無感情だった少し前とは全く違っていて

女性職員も天乃も、思わず黙り込み、言葉を受け取る

「それに、君はもの好きと言ったが。存外、君の笑顔は下手なお礼よりも嬉しいかも知れない」

天乃「……何言ってるのよ」

「そうですね。事実……でしょうか」

一言褒めただけで、恥ずかしそうにする天乃を見つめ

男性職員は今まで何を思いつめていたのか。と、息をつき笑みを浮かべた


「言われるだけでいいのですか?」

天乃「何を言い返せって言うのよ」

無茶を言う女性職員に向かって言い捨てると

天乃は困ったように男性を見上げる

感情の宿った表情は見ていて安心する

天乃「貴方は、もう。無理をしなくていいのね」

「………はい」

天乃「そう。良かった」

心も言葉も何もかもを殺していた男性職員の肯定

それに安堵を示すように一息つくと、天乃はそれじゃぁ。と、続ける

天乃「三日間お疲れ様。ありがとう」

「どうしたのですか?」

疑問符を浮かべる女性に、天乃は言葉の理由を告げる

天乃「どうせ、夕方には貴方達の代わりが来るんでしょう?」

「……そうですね。きっと」

天乃「だから、お疲れ様」

監視という喜ばれるはずもない行為に対しての、労い

男性職員も女性職員も驚きを顕にして、徐に頷く

「大赦から去っていく職員の気持ちが、なんとなく分かった気がします」

女性職員は潤んだ瞳でそういった

√ 7月3日目 夕(新居) ※水曜日  さっきのは昼です



01~10 沙織

11~20 
21~30 
31~40 樹海

41~50 
51~60 
61~70 
71~80 
81~90 樹海

91~00 

↓1のコンマ  


樹「久遠さーんっ」

天乃「いつっ」

扉が開くやいなや、

駆け込んできた樹に抱きしめられて言葉が消える

暖かい。優しい、いい匂い

樹「今日からここでお世話になります」

天乃「監視されるのは、分かってるわよね?」

樹「はい。久遠さんだけそんな嫌な目に合わせるなんてしません」

天乃「樹……」

樹「もう大丈夫です。これからは、私も一緒ですから」

樹は天乃の体を抱きしめて、堪能すると

一緒に来た大地の足音に気づいて、扉に振り向く

大地「はしゃぎ過ぎだ。荷物全部置いていったぞ」

樹「すみません」

大地「天乃。頼まれたやつ。持ってきたからな」

大地は樹の荷物を適当な所に置くと

竹刀が入っているような細長い筒を天乃の前に差し出す

大地「大事な奉納品だ。使うのは構わないが、壊すなよ?」

天乃「うん。ありがと」


天乃「春信さんにも言わなかったのね」

大地「まぁ、人の妹に手を出すような奴だからな」

大地はあからさまに嫌そうな表情で言い捨てると

あいつにも妹がいるんだよな……と、含み笑いを浮かべた

天乃「どうせ、一切興味ないくせに」

大地「まぁ……俺は自分の妹にしか興味ないからな」

樹「そ、それを平然というのはどうかと……」

樹の引きがちな姿勢と声に大地が苦笑すると

樹と大地だけにしか聞こえないノックをして、二人の職員が入ってきた

天乃「……ん。新しい人ね」

「…………………」

「久遠天乃、犬吠埼樹。両名の監視を担当させて頂きます」

どちらも無表情で無感情

男性はただ会釈をしただけだが、

女性の方は普通に話すつもりはあるらしい

「久遠大地様。荷物は既に運び出しが完了しています。お引取りを」

けれど……話す分。厳しそうだった


大地「少しくらい良いじゃないか」

「許可できかねます。あらかじめ、そうお断りしているはずですが」

大地「……そうか」

女性職員の揺るがない姿勢

それを押し倒すわけにも行かず、大地はため息をついた

大地「ということらしい。悪いな」

天乃「ううん、私こそごめんね」

大地「謝るな。どうせなら――」

大地の寂しげな表情に

天乃はどうせなら言ってほしい言葉を理解して頷く

本来持ち出すことを許可されないものを持ってきてくれたのだ

その程度の期待には答えてあげるべきだろう

天乃「ありがとね。お兄ちゃん」

聞いた大地は満面の笑みで部屋を出ていく

相変わらずの、兄だった

√ 7月3日目 夕(新居) ※水曜日

九尾、死神、風、樹、銀、友奈、東郷、夏凜、春信、男性、女性との交流が可能です

1、九尾
2、死神
3、春信
4、風
5、樹
6、友奈
7、東郷
8、夏凜
9、銀
0、大赦職員
11、須佐之男
12、イベントの判定

↓2

※夏凜、風、東郷、友奈はメール
※メールは職員の検閲が入ります
※大赦職員は男女職員両方です
※樹は通常交流です

01~10 風
11~20 友奈
21~30 東郷
31~40 樹海化
41~50 夏凜
51~60 死神
61~70 樹
71~80 樹海化
81~90 須佐之男
91~00 職員

↓1のコンマ  


銀のステータスつくり忘れてたので休憩入れます。
21時半には全部準備終わるかと思います

https://i.imgur.com/6dIylKv.png

全部終了して、マップはこのような形になりました

失礼しました。銀に関してはHP850  SP180です


天乃「あっ……」

樹との再会を喜ぶ間もなく、

世界は姿を一変させて、木々の中

そう、樹海の中へと私たちを誘う

端末を見てみると

風や友奈達とは離れていて、合わせるようにバーテックスも分かれていた

天乃「なにこの配置」

樹「バーテックスにも、なにか作戦があるのかもしれません」

銀「とはいえ、敵がどこにいるのか分かってるなら、不意打ちはされないだろ?」

不安そうな樹とは裏腹に、

生前まとっていた勇者衣装に身を包んだ銀が笑う

天乃「貴女は精霊だから、死ぬことはないと思う。でも、あんな無茶は二度としないで」

銀「わかってる。もう二度と、置いていかないよ」

樹「あの。それで……どうしますか?」



1、移動 ※マップより座標選択
2、待機 ※先に勇者部と敵が行動
3、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
4、加速 ※SPを8消費して 機動+2
5、須佐之男を呼ぶ

↓2

※樹、銀は同行します

https://i.imgur.com/6dIylKv.png


天乃「須佐之男」

須佐之男「…………」

呼びかけに応じて姿を現した須佐之男に

なぜか、一緒に樹海へと巻き込まれた生大刀を差し向ける

天乃「貴方が求めていたものよ」

須佐之男「…………」

古びた奉納品

戦いに使おうものならば、一撃にすらならずに砕け散ってしまいそうな刀

それを見つめる須佐之男は、どこか懐かしむような様子で受け取る

その瞬間、刀はまばゆい光に包まれて

気づけば、オンボロなどではなく

鐺や鯉口などに金色の装飾が施され、紅い下げ緒の垂れる白く綺麗な鞘と柄に変わっていた

天乃「……どういうことよ」

死神「モツベキヒトガ、モッタカラ」

天乃「え?」

死神「イッタヨネ。ゼンブハワタサナイッテ」


再開してすぐですが。ここまでとさせていただきます
明日はまた通常の22時ころ

その時に判定


若葉「生大刀といえば、私だな」

九尾「この時代に主の出番はないぞ」

若葉「なん……だと」


遅くなりましたが、少しだけさいかいします


01~10 聴覚
11~20 味覚
21~30 脚
31~40 腕
41~50 記憶
51~60 脚
61~70 聴覚
71~80 腕
81~90 味覚
91~00 記憶

↓1のコンマ  


死神「クオンサン」

天乃「うん?」

死神「スサノオハ、ワタシノモノ。ワタシノモノハ。クオンサンノモノ」

くるりと回る死神は天乃を見つめると

立ち尽くす須佐之男へと目を移す

須佐之男はその視線に背中を向け、バーテックスだけを睨む

鮮やかゆえに幻想的な樹海

その空間に佇むバーテックスは身じろぎ一つせず、勇者部と対峙する

まるである種のオブジェクトとでも言うかのような硬直に

樹は息を呑み、天乃の手を握る

樹「久遠さん。行動しなきゃ……動かなきゃ。何も始まりませんっ」

天乃「……そうかもしれないけど」

死神「?」

不可解なことを言った死神は遊泳するだけ

特に何かをすることもない


1、移動 ※マップより座標選択
2、待機 ※先に勇者部と敵が行動
3、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
4、加速 ※SPを8消費して 機動+2
5、死神と話す ※勇者部・敵が先に行動します

↓2

※樹、銀は同行します

https://i.imgur.com/6dIylKv.png

https://i.imgur.com/Uw5XzSO.png

天乃移動処理
樹・銀移動処理

風・夏凜移動処理
友奈・東郷移動処理
バーテックス移動処理


天乃「っ……?」

九尾の力を何度も借りて慣れたからか

足の反応は鋭敏で、まるで自分の足のように軽快だった

じゃりっと地面の木屑が削れ落ちる

銀「んー嫌な感じがするね」

天乃「銀?」

動きはしたものの、

バーテックスはほぼ微動としか言えないような動きしかしない

改めて攻めてきたバーテックスの中には

以前の戦いで逃げ延びたバーテックスがいる

だからきっと、手の内はほとんど知られているに違いない

須佐之男「……………」

樹「どうしますか?」

天乃「そうね……」


完全にとまではいかなくても

少しは力を知られてしまっている以上、迂闊な行動はできないだろう

バーテックスが知性の欠片もない行動を取るならともかく

学び、考え、実行するのであれば、尚更

銀「こっちが近づいたら動くつもりかも知れない」

天乃「集まったところを囲むか、空いた隙間から一気に突破していくか」

まだ視認できるほどの距離にはいないが

バーテックスの配置を考えると

その辺りが一番ありえる可能性といってもいい

樹「じゃぁ、合流しないほうがいいですか?」

天乃「かと言って、ばらばらになると力で劣るこちら側が不利になるのよね」

単独封印が可能なのが夏凜しかいない以上

東郷、友奈のペアでは満開を使わない限りバーテックスを倒すことはできない

天乃「さて……」


では、短いですがここまでで
明日はできればいつも通りの時間です


>>902は満開判定ではないです


では、さいかいします

https://i.imgur.com/ob5qcZc.png

1、移動 ※マップより座標選択 (黄土色の座標は加速を使用します)
2、待機 ※先に勇者部と敵が行動
3、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
4、死神と話す ※勇者部・敵が先に行動します
5、銀に東郷・友奈の救援指示
6、樹に東郷・友奈の救援指示
7、東郷・友奈に銀、風・夏凜に樹を向かわせる
8、東郷・友奈に樹、風・夏凜に銀を向かわせる

↓2

※移動の場合は樹、銀が同行します


天乃「死神、ちょっと待ちなさい」

先行して誘導しようとする死神を、天乃が呼び止める

どんな時も変わらない仮面の表情の奥、紅い瞳が天乃を見つめ、頷く

天乃「須佐之男が貴方のものって、どういうことなの?」

さらっと言われた不可解な発言

それは当然、天乃に疑問を抱かせたのだ

天乃「………」

巨躯を持つバーテックスがまた動いたのだろう

木々が揺れ、地面が揺らぐ

それでも黙って立ち止まる天乃に、死神は無言を貫けず、答える

死神「ワタシハ、シンジュノチカラヲ、ウバエル」

天乃「知ってるわ」

死神「ダカラ、ウバッタ。シンジュノセイレイ」

天乃「それが須佐之男ってこと?」

死神「チガウ。セイカクニハ、ソノ。ナカミ。スサノオガ、シンジュノセイレイトイウノハ、カワラナイ」


天乃「えーっと?」

須佐之男が神樹の精霊ということは変わらない

が、

須佐之男。正確にはその中身が死神のものになっている。ということらしい

ではその中身とは一体何なのか

天乃が疑問を抱いたのを察してか、並ぶ須佐之男が天乃を見つめる

薄紫の瞳に、死神の赤い瞳よりも人間らしさを感じた天乃はもしかして。と、首を傾げる

天乃「鎧の中は空洞で、園子が入ってるとか?」

銀「いやいや、園子とは目の色が違うだろ」

天乃「そうよね……」

銀「それに、園子がこんなどことなく凛々しさを感じる雰囲気あるか?」

天乃「ないわね」

即答だった。

つまり、乃木園子ではなく三ノ輪銀でもなければ現存する勇者の誰でもないのは

死神の力によるもの。というので分かる

では誰か

天乃「まさかとは思うけど……生大刀を使ってた先代勇者?」

死神「………………」

死神は答えなかった


天乃「なんで黙るのよ」

死神「マチガッテナイ。カラ?」

天乃「えっ」

半ば冗談で言ったことが正解だったらしい

死神は紅い瞳を点滅させ、須佐之男を見つめる

須佐之男は何も言わずその視線を受けて頷く

死神「タダ、シンジュノ、シバリツヨイ。ダカラ、コレハミカンセイ」

天乃「というと?」

銀「つまり、辛さを足す前の麻婆ってことじゃないか?」

天乃「なるほど」

樹「それでわかるんですかっ?」

樹の動いた口を見つめ、読み終え、頷いた天乃は笑みを浮かべると須佐之男へと目を移す

非科学がありえることを知り、すでに死者を蘇らせた

天乃は遺物というべき代物があるなら尚更不可能ではない

どこかから流れてくる風は須佐之男の甘い匂いを天乃にぶつける

思えば、実に女性らしい匂いだと、天乃は今更ながらに思った


牡牛→友奈  命中判定↓1  01~86 で命中
牡羊→友奈  命中判定↓2  01~62 で命中


友奈に115ダメージ


では、途中ですが此処までとさせて頂きます
明日もできれば同じような時間から


現状のマップデータです

https://i.imgur.com/XcPlyAU.png


遅くなりましたが少しだけ進めていきます


天乃「……っ、まずい」

リアルタイムで樹海内部の状況を教えてくれるマップ

それを見つめ、天乃が唸る

6体中、4体が友奈立ちの方に向かい、

足の速い双子座が両端から抜けていく

幸い、単独封印が可能な夏凜が左端にいるおかげで

なんとかなる可能性はまだある。けれど

友奈、東郷ペアに風が向かったところで、封印ができず攻撃されることは免れない

そしてバーテックスに知性がある以上

傷を負った友奈を集中攻撃することは確定と見ていい

銀「右端のやつから叩いていくか?」

天乃「そうね……ソレを見逃すわけにはいかないし」

問題はだれがどう攻めるか

九尾ではなく、死神の力を借りれば一気に攻撃まで行けるけど……

大丈夫なのかしら


1、移動 ※マップより座標選択 (黄土色の座標は加速を使用します)
2、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
3、銀に東郷・友奈の救援指示
4、樹に東郷・友奈の救援指示
5、二人に東郷・友奈の救援指示
6、死神の力を借りて勇者になる

↓2

※移動の場合は樹、銀が同行します

https://i.imgur.com/wFhfyJk.png


天乃「樹、友奈たちをお願いできる?」

樹「わかりました」

樹は聞かない

天乃はどうするのか。なぜ自分なのか

何一つ疑わず、悩まず、その指示に頷く

そして

樹「久遠さん、お願いします」

天乃「ええ、すぐに追いかけるわ」

銀「あたしもいるしな」

銀の言葉に樹は「そうですね」

と、笑みを浮かべると

マップを確認して友奈達のもとへと飛び去っていった

天乃「……さて」

銀「天乃の本気を見るには、まだ少し。レベルが低い?」

天乃「そういうわけじゃないけど、全員で行く必要はないから」

銀「ごもっとも」



https://i.imgur.com/dIvRMZS.png

1、移動 ※マップより座標選択 (黄土色の座標は加速を使用します)
2、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
3、死神の力を借りて勇者になる

↓2

※移動の場合は銀が同行します


天乃「死神さん。あなたの力を借りるわ」

死神「ウン」

天乃は九尾の力を一旦開放すると

銀に体を支えられたまま、端末の画面をスライドさせる

すると、明るかった画面が暗転し、禍々しい赤黒い光を解き放ち、天乃の体を包み込む

白を基調とした九尾の装いとは打って変わった黒装束に身を包み、

天乃はあらかじめ待機していた急日に跨がる

九尾「久しいのう。主様や」

天乃「一気に攻め込む必要があるの。お願いね?」

九尾「承知」

銀「あたしも乗っていいのか!?」

獣化した九尾の姿に目を輝かせる銀に頷くと

銀は嬉しそうに「よっしゃ!」と声を上げると、九尾に跨がる

天乃「九尾!」

九尾「振り落とされるでないぞ!」

そして、白き神獣が地を駆け出した


加速を使って敵との距離を1にする?

1、する
2、しない


↓2

※使用しない場合の攻撃技 →突撃   威力800
※使用した場合の攻撃技   →草薙剣 威力1250 命中・CRI+10


では、此処までとさせて頂きます
明日も同じような時間からになる予定です

機能できなかったので、13時頃から始めようかと思います


では、今回は予定通り行きます


銀→ふたご座 命中判定↓1(必中 ゾロ目または40~49でクリ)

天乃→双子座 命中判定↓2(必中 ゾロ目または40~49でクリ)


銀→600ダメージ
天乃→1020ダメージ

計1620ダメージ

計算ミス 天乃がクリなので、2640ダメージ


天乃「銀」

銀「おーけーッ!」

九尾の背中から飛び降りた銀は

巨大な斧を手に、引き絞られた弓矢のように体を反らせる

銀「――――っ」

ふたご座が近づいてくる

でも、まだだ

さらに近づく

けれどまだだ

目を閉じて深呼吸

研ぎ澄まされた感覚のフィールドに不快な足音が侵入する

その瞬間

銀「ここだぁッ!」

叫び、体を回転

勢いよく斧を投げ飛ばした


斧が風を切り、急接近してきている

双子座がそれに気づき、進路変更を試みた瞬間には

すでに風斬り音は背後へと過ぎ去って

膝から下が、崩れ落ちていく

ふたご座「!?」

人間ではなく、精霊

それゆえの超越した力を測りかねたのだ

上半身を地に伏せた双子座は天を仰ぎ、瞳のない顔で天を見る

天乃「出てきたことを、後悔させてあげる」

天駆ける白き獣に跨がる黒き少女はまるで騎士のようだ

ふたご座「……………」

回避する術はなく、ただ衝突までの時間を双子座は少女へと頭を捧げる

自身の役目を終えた双子座にとって

今ここで、【久遠天乃の攻撃を受ける】ということ自体が残ったバーテックスへのアシストになるからだ

双子座がニヤリと笑った直後、天乃の特攻に直撃し塵さえ残さず、消し飛んだ


天乃「一体は……でも」

銀「あたし達はとりあえず、こっち側から掃討するしかないんじゃないか?」

天乃の端末のマップを覗き見て、銀が呟く

それはもっともな話で、

それが一番当たり前な選択

けれど……天乃は何か嫌な予感がした

天乃「昔みたいな不意打ちはないけど……」

結界の外から新たに増援。なんていう可能性もなくはない

外の世界を知っているからこその不安に、天乃は唸った



https://i.imgur.com/1nYs6Bl.png

1、移動 ※マップより座標選択 (黄色の座標は加速を使用します)
2、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
3、待機 ※勇者部・バーテックスが先に行動します

↓2

※移動の場合は銀が同行します


夏凜→双子座(封印回避判定)   ↓1  01~60で成功


風→牡羊座 命中判定↓2  01~66

樹→牡羊座 命中判定↓3  01~70

友→牡羊座 命中判定↓4  01~69






夏凜→ミス
風→ミス

樹→380ダメージ
友→535ダメージ

計915ダメージ


東郷→牡羊座(封印中)  ↓1  ゾロ目クリ


魚→友奈        命中判定↓1
牡牛→友奈      命中判定↓2
水瓶→友奈      命中判定↓3
牡羊ダミー①→友奈 命中判定↓4
牡羊ダミー②→友奈 命中判定↓5
牡羊ダミー③→友奈 命中判定↓6



数が多いので連投可


ダミー=68以上で回避 回避 命中 回避
牡牛=86以上で回避 命中
水瓶=86以上で回避 回避
魚==76以上で回避 命中




ダミーA→55ダメージ
牡牛→115ダメージ
魚→105ダメージ

=友奈に275ダメージ

【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ6】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ6】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450594811/l50)

つぎスレ

https://i.imgur.com/pYJ5JSA.png


天乃の予想通りだった

その通り、最悪な方向に進んでいく

爆発したかのような土煙が舞い、

離れた銀と九尾に聞こえるほどの怒号や悲鳴が響く

天乃「っ」

九尾「ちっこいのはただの陽動だったようじゃのう」

天乃「そう……ね」

樹を向かわせていたことが幸を奏して

一体は封印されているのだろう、神秘的な光がどこかで踊っている

けれど、それを抜いてもまだ数体いるし

それら全てが友奈に集中砲火を浴びせているのは間違いない

天乃「こんなの……っ」

銀「あたしが牡羊座を狩るから、天乃は魚座に行ったほうがいい」

天乃「でも」

銀「天乃の本気の一撃なら、あの程度。一撃だろ?」



1、銀の指示に従う
2、移動 ※マップより座標選択 (黄色の座標は加速を使用します)
3、隠密 ※SP30消費で1ターンの間姿を消す
4、待機 ※勇者部・バーテックスが先に行動します

↓2

※移動の場合は銀が同行します

銀→牡羊座 命中判定↓1(必中 ゾロ目または40~49でクリ)

天乃→魚座 命中判定↓2(必中 ゾロ目または40~49 60~70でクリ)

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