ゼロ「我々は行政特区日本に参加する」 (336)


これはコードギアス、コードギアスR2のssです

本編分岐、いわゆるIFものです
もしもユーフェミアの行政特区日本の参加提案の時にギアスが暴走しなければというお話し

今日で書き溜め分消化してあとは週に一、二回投下でまったり続けたいなと思ってるので読者もご理解下さい


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448077500




ユーフェミア「良かった。ありがとうルルーシュ。これで日本の皆さんも喜びます」


ルルーシュ「ああ。これからはよろしく頼む、ユフィ。俺に出来ることは何でもする。日本を共に良くしていこう」


CC「なるほど、それで向こうを罠にハメるつもりがこちらが説得されてしまったということか。ミイラ取りがミイラになるとは言うがな」



CC「見たぞ、行政特区日本の式典でのお前の姿。これは我々が七年という長い歳月の間、ブリタニアの統治を受け入れながらも日本を忘れずにしてきた成果だ

   何だと高らかに宣言していたな。そして最後には我々の手でこの行政特区を始点に日本を盛り立てていこうなどど」



CC「ブリタニアの監視がいる手前、独立や抵抗など直接的な言葉には気を付けていたがゼロを信じていた日本人たちはどう思っていたんだろうな」



ルルーシュ「大半の者は好意的に見てはくれているだろう。あとは抵抗運動過激派、ブリタニアに極度な不信を持つものはひよったと見られたかも知れないがな」




ルルーシュ 「黒の騎士団内部で今回ゼロに不信を抱いたのは少数派だな。ずっと抵抗運動を行ってきた藤堂グループやゼロに良くわからない

        理想を抱いているディートハルトなどは少し視線が冷たかったな」



CC 「それで、今後はどうするんだ?  向こうのユーフェミアにはお前がルルーシュだとはばれているのだろう。

   別に無理してゼロを演じ続けなくてもいいのではないか?  お前の一番の目的はナナリーの安全な未来だろ。

   このままなら向こうが再び皇族扱いしてくれるとしたら安全は保障されるのではないか?」

   



ルルーシュ 「いや、ゼロはこのまま続けていく。  恐らく向こうから何らかのアプローチを受けるだろうが

        もしも皇族として身分を公に保証されたとしても母上を見殺しにした皇帝シャルルが信用できない以上、ゼロの立場はまだ利用価値がある」



ルルーシュ (それに個人的な感情でもこのままゼロを、黒の騎士団やそれを信じた人たちを捨てるようなことはしたくないしな)




CC 「わかった。どちらにせよお前は私の契約者だ。お前の選択に私はついていくさ」



ルルーシュ「すまないな」




    



数日後



ルルーシュ 「それで今回呼び出したのはどのような要件だ?」


ユーフェミア 「はい、あの・・・ルルーシュはいつまでゼロでいる気なのですか?」


ルルーシュ 「え?」





ユーフェミア 「今のルルーシュはルルーシュ・ヴィ・ブリタニアではなく ルルーシュ・ランペルージなのですよね」



ユーフェミア 「今まではルルーシュが日本にいる間に戦争が起きて生死不明という形になっていましたが今なら皇族として戻ることができます。

         家格が重くなって少し学園生活に支障が出るでしょうが今よりもずっとナナリー共々身の安全が保障されるんです。

         その、正直これからのゼロは行政特区日本代表の一人といっても名ばかりの仕事をさせられるだけになるそうで・・・。

         ゼロとしてよりも皇族として、の方がより内部から日本を変えられると思うのですが、いかがでしょう」




ルルーシュ 「・・・悪いがゼロは捨てられない。たとえその通りであったとしてもだ。ゼロはまだ日本人への影響力が残ってる。

         それにまだ解体されていない黒の騎士団がある。シャルルを信用できない以上まだ俺には彼らの力は必要だ」



ユーフェミア 「ルルーシュ・・・やはりお父様のことを」


 
ルルーシュ 「ああ。奴は母上を見殺しにした。それに俺をナナリーを外交の道具として日本に送った挙句日本を攻め滅ぼした。

        運よくアッシュフォード家に助けてもらえたがそんなことをすれば俺たちがどうなるか知らなかったとは言わせない。

        あいつを俺は信用できないんだ。

        だが、勝手だとは俺も思っているが・・・皇族の件はお願いしてもいいだろうか」


ユーフェミア「・・・はい。わかりました」










ユーフェミア「・・・・・・ルルーシュ」









コーネリア 「何!?ルルーシュが見つかった! ではナナリーもか?」


ユーフェミア 「はい、今はアッシュフォード家が後ろ立てとなってランペルージと姓を変えアッシュフォード学園に二人とも在籍してます」


コーネリア 「そうか・・・二人とも無事だったか。良かった・・・。もし、クロヴィスも生きていたら同様に喜んでいただろうに」


ユーフェミア 「・・・・・・そう、ですね」



コーネリア 「それでは早速父上にルルーシュたちの身分の保証を願い入れよう。

        皇族であればより二人の安全を守れるし何より今後のこのエリアの統治も随分と楽になる」



ユーフェミア 「お姉さま、それはどういうことでしょう?」


 
コーネリア 「今は私がエリア11の総督となっているが元々私は誉れあるブリタニア軍司令官。

        今もこの地位は名ばかりで実質ユーフェミアと側近に任せてばかりだ。それにこの地位にいては中途半端にここに

        拘束されてEUへの軍事作戦を取るのに足枷となってしまう」



コーネリア 「それならユーフェミアを総督に、身分を保証したルルーシュを副総督に添えれば私もこの任から離れられるし

        日本に長い間いたルルーシュはここの空気をよく知っているであろうからほとんど何も出来ない私よりは

        ここの統治も随分と捗るだろう」



ユーフェミア 「なるほど」


コーネリア 「学生であったものをいきなり副総督になどとは誰も言えんさ。何せユーフェミア自身がそういう経緯を経てなっているわけだし

        ブリタニアは血筋、身分がものをいう。皇族である以上そこまで大きな反発もないだろう」


コーネリア 「ふむ、話していたらこれはますますいい案に思えてきた。近々父上に提案をしよう」


ユーフェミア 「はい、お願いします。コーネリアお姉さま」




アッシュフォード学園



リヴァル 「おールルーシュ。見たか?昨日のニュース」


ルルーシュ 「行政特区日本の式典のことか?」


リヴァル 「そうそれ。 ユーフェミア様の日本とブリタニアの融和政策?ってやつ。

      なんか一部じゃかなり猛反発があったらしいけどあのお姫様が押し切ったって話しだろ。 凄えよな」


ルルーシュ 「ユーフェミア様も副総督の地位はただのお飾りでは無かったということだな。 ここの統治を真剣に考えている証拠だ」




リヴァル 「そして昨日のもう一つの目玉はゼロが式典に参加したってことだよな。黒の騎士団、悪を許さない正義の味方ってフレーズで汚職政治家や

       裏取引した商人、犯罪常習犯の軍人なんかをしょっ引いていくってところに俺、ネットとかにかっけえって書き込んではいたんだけど

       実はゼロの行動は人気取りのためでそのうち大きな反乱でも起こすんじゃないかってどっかで思ってたんだ」



リヴァル 「だけど、昨日のあれを見て俺は確信したわ。あいつはまじで正義のヒーローだ。

       イレブン、っつーか日本人とブリタニア人関係なくこの地域のために行動してる、あいつは」


ルルーシュ 「そうだな。実は俺も昨日のテレビを見てそうかもしれないって思い始めていたんだ」



ルルーシュ (ふっ、ブリタニア側にもかなりゼロを好意的に見るものが多くなってきたな。

         勿論、根強い差別意識がそうそう払拭できるわけがないがゼロの今までの行動でゼロに救われたものもそれなりにいる。

         さらに今まで日本の武力抵抗組織とゼロを一色単にしていたものたちも少しは違うと思ってくれたのだろう)




      




シャーリー 「あっ!ルル、お早う」


ルルーシュ 「む、シャーリーか」


シャーリー 「いつもは二人で賭けチェスの話しをしてるのに今度は政治の話し?」


リヴァル 「まあ賭けチェスはちょっとはまずいとは思ってるけどこれは別にいいだろ。

       昨日にあれだけのことがあったんだぜ。そりゃ友達と話したくなるだろ」




ルルーシュ 「シャーリーはどう思う?行政特区日本とゼロを」


シャーリー 「うーん、行政特区はいい政策なんじゃないかな。日本の人たち酷い扱い受けてたしね。

        ゼロは・・・たとえどんなに言われようと私は許せない。私はゼロにお父さんを殺された・・・。

        どんなにいいこと言っても結局人を何人も殺してるわけだしゼロの言ってることがただの詭弁にみえちゃって私は信用できない」



ルルーシュ 「シャーリー・・・」



シャーリー 「もう、こんな話はやめようよ。私たちは学生だよ。

        政治なんかを話しても私たちがどうこうできるわけじゃないし、ね」




シャーリー 「あっ、そういえば今日から転校生が来るんだって。 中等部と高等部でそれぞれ1人ずつ。

        なんか噂だとナイトオブラウンズに所属してる騎士様らしいよ」



ルルーシュ 「何!?」



生徒会



ミレイ 「っというわけで今日からうちの学園に入った転校生のジノ君とアーニャちゃんを生徒会に入れるわ」



ジノ 「よろしく、皆」



アーニャ 「・・・どうも」




ルルーシュ 「また急な・・・」


カレン 「でも、会長らしいって言ったら会長らしいですね。 私も突然誘われて入ったわけですし」


シャーリー 「ええっと、二人ともナイトオブラウンズなんですよね。 騎士様なのにここの学校に来るなんてどういう理由で来たんですか?」


ジノ 「うーーん、守秘義務に引っかからない範疇でだけどこれからある程度の期間このエリアにいなきゃいけないからね」


ジノ 「俺はまだ17だし学校休学の身だから仕事のない間だけは学校に行ってみようと思ってユーフェミア様に頼んだら

    一発オッケーしてくれたからここにいるって感じかな」


アーニャ 「同じく」




ルルーシュ 「・・・・・・」


ジノ 「まあ庶民と騎士、貴族じゃ身分差があるけど俺はこの学校にいる間は皆を同じ生徒として見るから敬語とかそんな堅いものは

    気にしないでため口でいいから。 ミレイ会長も貴族だけどそんなの気にせず平等に接してるだろ。

    俺もそうするし皆もそれで頼む」


ミレイ 「そうそう。皆同じ学校の生徒なんだから堅いことは無視無視。

     じゃあ早速活動、の前に新たな生徒会メンバーを祝してパーティーと行きましょうか♪」





パーティー後・ルルーシュの部屋





ジノ 「改めて、これよりよろしくお願いします。ルルーシュ様」


アーニャ 「お願いします」





ルルーシュ 「つまり今の俺は正式に皇族の身分の保証がされていてナナリーと俺の安全のために君たち二人がここに派遣されてきた、

         ということで間違いないか?」


ジノ 「その通りです。そしてルルーシュ様やナナリー様にはこのままランペルージとして学校内での生活をされることも可能となっております」



ルルーシュ 「なるほど、随分と優しいものだな皇帝陛下は。 それともコーネリア姉さんが頑張ってくれたのかな」





ジノ 「ブリタニア姓を名乗るのもランペルージ姓を名乗るのもルルーシュ様の御判断に任せるとの命ですが

    もしもブリタニア姓を名乗るなら皇帝陛下はルルーシュ様にエリア11の総督に就任してもらいたいとのことです」


ルルーシュ 「何だと!?それは本気か!」


ジノ 「ええ、どういった意図かはわかりませんが皇帝陛下曰くルルーシュ様は“組織の運営に慣れて”いらっしゃるので

    ユーフェミア様よりも総督に向いているとのこと」





ルルーシュ 「なっ!?」


ルルーシュ (どういうことだ・・・俺がアッシュフォード学園の副生徒会長だからその実績をかわれた・・・というのもおかしな話しだ。

         まさか、奴は俺がゼロだということを知っているのか!)


アーニャ 「ルルーシュ様?」


ルルーシュ 「あっ、いや、その余りにもスケールの大きな話しだったから少し驚いただけだ」





         




ジノ 「無理もありません。 今までただの学生だったルルーシュ様にこれからここの統治を任せたいなどと言われれば

    そうもなられるでしょう。 返答は一か月待つとのことです。 それまでは私、ジノとアーニャが身辺警護を行います。

    またKMFも持ってきているので大規模な犯罪に巻き込まれた際にも我々がルルーシュ様をお守り致します」


ルルーシュ 「わかった。 これからはよろしく頼む。 アーニャはナナリーと同じクラスだったな。
 
         同世代で接しやすいこともあるだろうし学校にいる間はずっとナナリーを守ってやってくれ」


アーニャ 「わかりました。 ナナリー様のことは任せてください」




     




ルルーシュ 「二人とも頼もしい限りだ。 期待している。 それではナナリーと咲世子さんに紹介するから二人とも頼むな」


ジノ、アーニャ 「「はっ」」


ジノ (流石は皇帝陛下の血を引くお方だ。人を使うということに長けている。これなら総督就任の話しもあながち・・・)


アーニャ 「・・・・・・」








ナナリー 「私たちが再び皇族へと、ですか」


ジノ 「はい、これはすでに皇帝陛下の承認もいただいております」


ナナリー 「そうですか。良かった・・・私とお兄様は本国に見捨てられたわけでは無かったのですね」


ルルーシュ (・・・すまない、ナナリー。 元はといえば俺がシャルルの気を損ねたのと俺の意地でお前をこの立場に

         追いやってしまったともいえるのに。 ナナリーは色々と思い悩んでしまっていたのだな)





ナナリー 「ユーフェミアお姉さまにもお会いしたいですしジノさん、皇族復帰の件、喜んで引き受けさせてもらいます」

 
ジノ 「そうですか、わかりました」


咲世子 「ナナリー様、ルルーシュ様がようやく皇族へと戻られたのですね。

      使用人の私としましてもこれほど嬉しいことはありません」  シクシク






ルルーシュ (ふっ、皇族復帰も総督への就任も全てはシャルルに近づきギアスであの事件の真相を知るため。

         そして時間をかけブリタニアも変える。 奴の生死はともかく俺たちの存在を脅かすことのない皇帝を添えなければな)




ルルーシュ (そしてもう一つはこの日本の独立。 ブリタニアの影響力を削ぐためにもエリアの独立をさせたいが

         そうでなくともこの日本には世話になったものがたくさんいる。 スザクにも随分と助けられた。 人質時代、そして今も。

         俺が総督になってこの日本を内部から変えていこう。 それが俺の恩返しだ)



咲世子 「それでは私はこの件をアッシュフォード家宗主様へとお伝えします。 学園理事長のルーベン様だけでなくミレイ様も喜ばれるでしょう」

   
      

ルルーシュ 「アッシュフォード家、ミレイ会長か。 アッシュフォード家には日本が大変なときに後ろ立てになってもらい

         この学園にも入れてもらったしミレイ会長には学園でも随分と世話になった。 皇族に復帰し総督に

         就任した際には恩返しの一つでもしなければな」




一旦離席します。 2時半ごろにまた再開します。


再開します


学園


スザク 「ルルーシュ」


ルルーシュ 「スザクか、今日は学校に来れるんだな。 軍の仕事もゼロの行政特区入りで少しは楽になったのか?」
    

スザク  「話しがある。ちょっとついてきてくれないか?」


ルルーシュ 「・・・分かった」







学園屋上


スザク 「ルルーシュ、ユフィから聞いたよ。 ナナリーと一緒に皇族に戻るんだってね」


ルルーシュ 「ああ。ユーフェミアからそうしないかって言われてな。

         どうやら皇帝陛下にも申し立てをしてくれたそうだ」


スザク 「良かったじゃないか、ルルーシュ。 今までは後ろ立てがアッシュフォード家だけだったけど

      これでブリタニアも身分を保証してくれたんだ。 ナナリーとも何不自由ない幸せな生活が望める」


ルルーシュ 「ああ。 このことについてはナナリーも凄く嬉しがってたよ。 俺も気づかなかった。

         いくら俺たちを外交の駒として扱った挙句日本を攻めて俺たちをこんな目に合わせたという国でも

         やはり愛郷心はあるんだな。 あんなに嬉しがるほどナナリーはブリタニアを愛していたのだと初めて気付いた」





スザク 「ルルーシュ、やはりブリタニアのことを憎んでいるのか?」


ルルーシュ 「ああ。 だが生まれ育った国でもある。 少し複雑な気分だ。

         それよりもお前の方が憎んでいるのではないか? 祖国を滅ぼした国だぞ」




スザク 「確かにブリタニアは日本を支配している。 だけどブリタニアが悪いと

      一方的に決めつけてはダメな気がするんだ、僕は。
 
      同様にブリタニア人が悪い人ばかりではない。 ユフィもこの学園の皆も皆いい人ばかりだ」



スザク 「あの戦争はああならざるしかない何かがあったんだと思おうとしている。

      そして日本を内部から変えていければいいと僕は思っている」



ルルーシュ 「・・・そうか。やはり強いな、スザクは」




スザク 「そんなことはないよ。ただ僕はこのままにしたくないって必死にあがいてるだけさ。

      だからブリタニア軍人にもなった」



ルルーシュ 「それ自体がスザクが強いって証拠さ。 もしも本当に弱ければ巷でゴロゴロいるような

         リフレイン中毒者になっているだろうしそもそも周りの日本人から恨まれるようなブリタニア軍人になんてならないさ」



スザク 「ルルーシュ・・・」




ルルーシュ 「俺は恐らくこのままいくとこのエリアの総督となる。

         皇帝陛下は俺に皇族復帰後はここの総督となって欲しいらしい」



スザク 「ルルーシュが総督に!?」



ルルーシュ 「ああ。 だからもし、もしここの総督になったらスザク、お前には

         俺の手助けをしてほしい。 ダメだろうか?」


スザク  「・・・・・・」




スザク 「ふっ、君と僕の仲じゃないか。 その時には一緒にこの国を良くできるよう頑張ろう」



ルルーシュ 「スザク・・・。 そうだな」



ルルーシュ 「スザク、俺は総督になったら日本をよくしていきたいと思っている。

         ブリタニアの支援の下だが経済を回復させ地力で周る段階になったところで

         日本を独立させる方向でここの統治をしていきたい」



スザク 「ルルーシュ!? そこまで日本を・・・」






ルルーシュ 「俺が人質になっていたころ、ここの国の人たちには大分お世話になった。 スザクの実家の枢木家や

         それを含めた京都六家には特に、な。

         勿論今の日本人の惨状にも心を痛めているがその人たちへの恩返しがしたいというのが俺の思うところだ」



スザク 「ルルーシュ・・・」




黒の騎士団本部



ゼロ(ルルーシュ) 「良し、幹部は皆揃っているな。 さて、諸君、今回行政特区日本実行委員会で話された内容だが

             現在行政特区は建設中だがそこは日本人とブリタニア人の共生地域」



ゼロ 「当然のことだが日本人はブリタニア人にいい感情を持っていないのが現状だ。
   
     そこで代表委員らと共に日本各地を周り特区の説明並びにブリタニア人への

     意識改革の演説を我々で行うこととなった」



玉城 「待てよゼロ。 何で俺らがブリキ野郎の手先になんなきゃいけねえんだよ。

     それにんなこたぁ俺らがやることじゃねえだろ!」








扇 「玉城、言い過ぎだぞ。 ブリタニア人が皆悪い奴ばかりというわけではないだろ」



玉城 「んなことはわかってんだよ、意識の上ではな! でもそう納得できねぇだろ。

     奴らの大半が俺らを同じ人間と見てねえんだからよ!」






藤堂 「玉城の言うことは少し感情的過ぎますがゼロ、私も納得しかねます。

     我々がやってきたのは日本の開放のためです。 これでは我々がブリタニアに

     屈服し支配を受け入れたと同じではないですか?」


 
ゼロ 「いや、そんなことはない。 この行政特区という譲歩をブリタニア側に引き出せたのは

    紛れもなく我々の抵抗運動が実を結んだ証拠。 今は一自治区ではあるが我々が参加し

    時間はかかるがこれから盛り立て日本を独立させればよい。 世界の歴史を見れば 

    欧州が帝国主義の時代にいくつもの小国がこの手で独立に成功している」



ディートハルト 「あなたにしては少し消極的ではありませんか? それともこの行政特区を

          どうにかする計画があり我々に知らせずに現在進行中であるとしたら意識統一のためにも

          知らせるべきですが」




           



ゼロ 「そのような計画はない。 余り場を騒ぎ立てるな」


ディートハルト 「っ・・・わかりましたゼロ」


ディートハルト (くっ、どうしたということだゼロは。 何故こうも消極的な行動を・・・

           黒の騎士団の武装放棄が行われる可能性もあるというのに。

           あなたはあのとき行政特区の計画を台無しにするために行動にでたのではないのですか。

           あなたはカオスの権化であるべきなのだ。 もっと大胆で皆に魅せるような行動を

           しなければいけないのです、あなたは)





ゼロ 「ふむ、皆勘違いをしているようなのでそれを正そう」



ゼロ 「この黒の騎士団は正義を成す組織だ。 無論私は今までの不当なブリタニアの支配を断じて

     受け入れはしない。 だが今回の行政特区日本に騎士団が参加したのは総督ユーフェミアが

     日本人のためを思って行おうとしていると私が信じたからだ。

     そしてこれならば長期的にだが日本の独立を果たせると思っている」



ゼロ 「もし、戦力が揃い政庁への大規模作戦が取れるようになったとしよう。 

    それにより日本の独立をその時に果たすことが出来ても日本各地は今だ廃墟が絶えず租界以外は

    まともに経済が周っていない。そのような状況では再びブリタニア軍が攻めてきた際には

    再度植民地へと逆戻りする可能性が高い」


 




ゼロ 「しかし行政特区へ参加すれば後々ブリタニアへの理解を得、合法的に独立を勝ち取る

    可能性もあり得る。 その可能性と天秤にかけた上で私はこちらを判断した」



玉城 「えっ、と。 え~っと・・・」



扇 「なるほど、ゼロの言うことはもっともだ。 日本人とブリタニア人が共生すれば

   単にイレブンとしか認識していないブリタニア人への意識も変わり、

   よりそうなる可能性も高いな」




ゼロ 「もしもブリタニア側がこの計画を白紙にすれば我々は再度抵抗組織として

    奴らに立ち向かえばいいだけの話しだ。

    それに私にはブリタニア側に有利に交渉を行う秘策がある。 今は皆に話せないがな」



藤堂 「秘策・・・」



ディートハルト (成るほど、ゼロはやはり何か策があってこの案に乗ったわけですか。

           ならば私からは何も言うことはありません。 しばらくはゼロの

           指示に何も言わずに従いましょう)





会議後、藤堂と四聖剣



藤堂 「今回のゼロの話し、どうみる四人は」



千葉 「ゼロは日和ったのです。 日本の開放をいいながらやっているのはブリタニアのご機嫌伺い。

     大方自分の命が惜しくなったのでしょう。 行政特区というこの政策だってどれだけ本気か

     わかりません。 ブリタニア上層部は日本人の単なるガス抜き程度にしか思ってないでしょう」



朝比奈 「千葉君のようにゼロがひよったとまでは思ってないけど、僕もどうにも信じられませんね、ゼロのやってることは。

      もしかしたら上層部あたりと通じて後々日本の支配者にでも取って代わろうとか思ってるのかもしれないですよ、奴は」




仙波 「ワシもゼロは信じられん。 だがだからといって頭ごなしにこの案を否定はしない。

     メリットも確かにあるしの。 奴が明らかにおかしいことをやっているときはそれを糾弾するのみ」



卜部 「私は今の段階では一応はゼロを信じてもいいと思ってます。 少なくても彼は

     今までブリタニアの不正を正してきた実績もありますし、鎮圧されそうに

     なった日本の抵抗グループたちを救ってもらった恩もあります。

     今の策はともかく彼のいう信用を行動で示すという言葉は今の段階ではまだ

     守られていますしそれが信用に値すると思います」



卜部 「それに彼はどうも作戦の全容を我ら幹部にも教えず秘する傾向があります。

     会議でも秘策があると言っておりましたし今回も何か大きな作戦のための布石の一手とも考えることもできるかと」




千葉 「なっ!? 卜部、ゼロを信用してるのか! お前は」



卜部 「彼の怪しさはともかくやってることは、な。 別に妄信してるわけではない。

     少なくとも今の我々が日本を開放するにはゼロが必要と思うぐらいにはかっている」



朝比奈「まさかね、それって大分じゃない? まあ確かに彼の能力は認めるけどね」



藤堂 「ふむ、皆の言いたいことはわかった。 ゼロの今回の行動に

     千葉、朝比奈は否定派、仙波は中立派、卜部は肯定派といったところか。

     それでだが私はゼロの今回の行動にはいささか不満を持っている。 だがゼロの今までの実績においては

     何もいうことが無い以上卜部や仙波の言う通りまずはゼロに従い暫くは行動を見ていこうと思う」



藤堂 「他の皆はどうだろうか」




     




千葉 「藤堂さんがそういうなら私は何もありません」



朝比奈 「僕も同じく」



仙波 「ワシもだ」



卜部 「同じく」





藤堂 「ありがたい。 そして我々は黒の騎士団である前に日本を憂う日本軍人だ。

    奇跡の藤堂、四聖剣の名を汚してはならぬ。 我々はゼロに従うのではない、日本に従うのだ。

    もしもゼロが日本独立からそれた場合は我々がそれを正す。 いいな」



四聖剣 「「「「承知」」」」



政庁





ユーフェミア 「よく来てくれました、ルルーシュ」



コーネリア 「久しぶりだな、ルルーシュ」



ルルーシュ 「コーネリア姉さん、お久しぶりです」



コーネリア 「ふむ、最後に会ったのは日本に人質に行く前にアリエスの離宮で

        ユーフェミアやナナリーと一緒に追いかけっこをしたときだったか?

        随分と大きくなったな。 私は会えてうれしいぞ」






ルルーシュ 「俺も会えてうれしいです、姉さん。 こうして取り止めのない世間話をするのをどれだけ望んだか。

         積る話しはありますが、姉さん、それにユーフェミア、何の用で俺を読んだのですか?」



ユーフェミア 「そのことなんですが・・・実は」



コーネリア 「父上がお前のエリア11総督への承認を公式に認めてくださったのだ」



ルルーシュ 「俺がこのエリアの総督に成るのを公式に・・・」

 




コーネリア 「ああ、そこで三日後、ルルーシュは私やユーフェミアと一緒に皇族用の飛行機で

        本国に戻る予定になっている。

        本国で父上に正式にルルーシュの総督就任、並びにユーフェミアの副総督継続と私の解任の勅令が下される。 いいな」




ルルーシュ 「はい、問題ありません。 恐らく学園も公欠扱いにしてくれるでしょう」



コーネリア 「ふむ、それは結構。 さて要件も終わったし、私の次の公務までおよそ1時間。

        それまではただの姉弟として共にとりとめのない話しでもしようか」


ルルーシュ 「・・・そうですね」



ユーフェミア 「それでは私は学園のことなどを聞きたいです」



ルルーシュ 「あはは、それでは・・・」



二日後・自宅




ルルーシュ 「では明日ブリタニアに行ってくるがそれまでCC、俺の代わりにゼロの代わりを頼む。

         それと何かあったら携帯に連絡をしてくれ」



CC 「わかった。 またあの奇天烈な仮面とマントをつければいいのだな」



ルルーシュ 「なっ、何を言ってる! あれは最高のセンスではないか」



CC 「はいはい、あれをかっこいいと言ってるなど女にもてんぞ童貞坊や。

    中等部からやり直した方がいいんじゃないか?」



ルルーシュ 「ちっ、魔女め。 お前は男心を知らん。 男は皆ああいう姿に憧れるものだ」




ルルーシュ 「まあいい。 俺が留守の間は頼んだが何か聞きたいことはないか?」


CC 「ない・・・っとその前にお前のプライベート口座のカードと暗証番号を教えてくれ。

    お前がいないとピザ代を出してくれる奴がいないからな」


ルルーシュ 「くっ、他にいいたことはないのか。 カードはこれだ! 暗証番号は教えん。

         必要な分だけ咲世子さんに言うんだ」


CC「なあ、教えてくれないか? それだと好きな時に食べられないだろ」


ルルーシュ「駄目だ!」


CC「・・・教えてはくれないのか・・・」



アッシュフォード学園




ルルーシュ (さて、明日にはブリタニア本国に戻るわけだが・・・立つ鳥あとを汚さずともいう。

         明日の生徒会の活動に行けない分自分の仕事分くらいやっておこうか)



ミレイ 「あら、ルルーシュ君。 どうしたの生徒会室に来て。 今日は活動はないけど」



ルルーシュ 「やっぱり会長は熱心ですね。 前日には活動内容の点検をいつもしてる。

         今日は明日の生徒会の仕事をやりに来たんですよ。 明日はいけないですから」



ミレイ 「それって明日ブリタニア本国に戻るから?」




ルルーシュ 「ええ。 家の方には説明したので会長はもう知ってますよね」


ミレイ 「そうね。 皇族の身分が保証されたのとエリア11の総督に就任するってことはね」


ルルーシュ 「それなら良かった。 明日の議題を見せてもらえませんか?

         俺の意見と案を書いておきますから」


ミレイ 「ねえ、ルルーシュ君。 もし総督になったら学園は中退するのかしら?」


ルルーシュ 「いえ、来れる時はきちんと来ますよ。 忙しいときは一時休学扱いにするでしょうけど」





ミレイ 「そう、それにしてもルルーシュ君が皇族かー。

     そうなったらもう私もルルーシュ君に慣れ慣れしい言葉遣いも言えなくなっちゃうのかな。

     次に返ってくるときは敬語で迎えなきゃいけないかしら」



ルルーシュ 「・・・はは、何を言ってるんですか。 学園では生徒同士に身分は関係ない

         って言ったのは会長じゃないですか。

         例え皇族になろうとも総督になろうとも公の場で以外はいつも通りに接して下さっていいですよ」


ミレイ 「あら、そうかしら。 やっぱりそうよね。 私もルルーシュ君にルルーシュ様なんて

     堅苦しく言うのはちょっと想像つかないわ。 ふふ」


ルルーシュ 「全く、会長。 あなたという人は・・・。 もういいです。 明日の書類を渡してください」












ルルーシュ 「それではこれで俺の分は終わりですね。 それでは帰らせてもらいます」


ミレイ 「ええ。 お疲れさまルルーシュ君」


ミレイ 「・・・そういえばまだランペルージ姓でいるけど、帰ってきたらブリタニア姓に戻るのよね」


ルルーシュ 「そうですね」


ミレイ 「多分、クラスの皆も驚くし対応も変わると思うけど気にしないようにね。

     皇族が学園にいるってのはそれだけで興味を持たれるから」





ルルーシュ 「ええ、そうですね。 お気遣いありがとうございます。

         ただ、俺は少なくとも仲のいい人たち、今の生徒会メンバーには

         今まで通り接してほしいですね」



ミレイ 「そうよね。 多分皆ならいつも通りまた接してくれるわ」



ルルーシュ 「そうであることを願います。 それでは会長、今日はこれで」










ミレイ 「・・・・・・」





ミレイ  「そうは言ったけど、変わらないものなんてないのよ、ルルーシュ君。

     今の生徒会の平穏もいつまでも続くわけじゃない。 いつかは終わりが来るもの。

     あなたのこと以前と同じように接しろって言われても多分無理なのよね。

     あなたのことを考えるとそうしてあげたいけど私の家の立場とこれからを考えれば、ね・・・」




ミレイ 「あなたの派閥、その最大勢力がアッシュフォード家だったのよ。

     あなたは知らされてなかったかも知れないけど私は知らされてたの・・・。

     私とあなたはあのときは・・・・・・」






学園廊下





ルルーシュ 「ん、アーニャ、か」


アーニャ 「・・・ルルーシュ様」


ルルーシュ 「聞いたぞ、ナナリーから。 ナナリーと随分と仲良くしてくれているようだな。

         ナナリーの話し相手や遊び相手になってくれてるそうじゃないか。

         ナナリーの兄として礼を言う」


アーニャ 「いえ、ナナリー様とのお話しは楽しいですし私の趣味にも

       非常に興味を示して聞いて下さるので私が好きで関わっているので

       礼を言われることではないです」




ルルーシュ 「趣味? アーニャは何が趣味なんだ?」


 
アーニャ 「ネットでブログを掲載することと写真を撮ることです。

       自分が心を動かされたもの、面白いと思ったものを写真で撮ります」


ルルーシュ 「それは興味深いな。 もしよければ撮った写真の一部を俺にも見せてくれないか?」






アーニャ 「はい、それでしたら最近撮ったこのフォルダの写真が面白いかと」



ルルーシュ 「どれどれ・・・・・・。 はははっ、これは三日前の生徒会の活動の時に

         スザクがアーサーにデザートのプリンを盗られた時じゃないか。

         スザクのこのときの悔しがっている顔がまた上手く取れている」



ルルーシュ 「次は・・・っとリヴァルが下校中の会長を追っている現場じゃないか!

         リヴァル、最近遊んでやれないと思って悔やんでたのに俺と遊ばなくなった後に

         こんな犯罪まがいの行動をしていたのか!」



アーニャ 「ちなみにナナリー様と下校してる最中に現場に遭遇し、リヴァルを

       追っかけて撮ったところです」




ルルーシュ 「全くリヴァルの奴・・・」











ルルーシュ 「うん、ありがとう。 面白い写真が多いな。 楽しめた」



アーニャ 「恐縮です」





アーニャ 「・・・・・・」


アーニャ 「ルルーシュ様、見てもらいたい写真があるのですが」


ルルーシュ 「ん?何だ?」




ルルーシュ 「これ、は・・・幼いころの俺・・・か・・・」



アーニャ 「恐らくは・・・」



ルルーシュ 「しかしこれはいつ撮られたのだろうか。 そもそもこのカメラに

         これだけ至近距離で俺が写っているということは

         俺が覚えていないだけで実はアーニャとは一度会っているのか?」




ルルーシュ 「アーニャ・・・これの写真はいつ・・・」



アーニャ 「・・・・・・」  フルフル



ルルーシュ 「アーニャ・・・どうしたんだ?」




アーニャ 「私は・・・この写真のことは覚えていない。

       それどころか昔のことも途切れ途切れしか覚えていない・・・の、です。

       そしてそれは今も、たまに起こることです」



ルルーシュ 「アーニャ・・・」



ルルーシュ (これはどういうことだ・・・。 記憶障害・・・にしては少し・・・。

         なるほどだからアーニャは写真を撮ることに執着しているのか。 

         しかしこの時期の写真・・・もしかすると俺の母上の無くなったときとほぼ同時期なのではないか。

         何かありそうだな・・・。 だが、取りあえず、今は)







ルルーシュ 「アーニャ、事情は分かった。 アーニャはこの写真のことを俺に確かめたくて聞いた、そうだな」



アーニャ 「はい」


ルルーシュ 「だが、残念だが俺は何も覚えていない。 もしかしたらアーニャに

         あっていたのかも知れないが俺は何も知らないしこれに関して今は

         アーニャの期待する返事を出せない」


アーニャ 「・・・・・・」


ルルーシュ 「だが、これについては俺も全力で答えを探す手助けをしよう。

         ちょうど本国へと帰る。 昔のアルバムをのぞけばもしかするとアーニャの

         期待するアーニャの昔の記憶の一部が分かるかもしれない」






アーニャ 「ルルーシュ様・・・」


ルルーシュ 「まああまり期待しないでほしいが」


アーニャ 「・・・いえ、それだけでも十分ありがたいです」





ルルーシュ 「・・・電話、か」   ピロリンッ



ルルーシュ (これは・・・黒の騎士団。 ちっ、もう少しアーニャから事情を詳しく聞きたかったが・・・)



ルルーシュ 「すまない。 これから少し用事が出来た。

         明日は俺はブリタニア本国に行くからナナリーの守りをする

         アーニャに次会うのはいつになるのかわからないがアーニャの

         件は必ず調べておく。 それまではナナリーのことを頼むぞ」



アーニャ 「はい」



ルルーシュ 「それではまた」













アーニャ 「・・・・・・」



アーニャ 「ルルーシュ様・・・あなたをずっと写真を見ていた。 お会いしたかった」



アーニャ 「想像していた通りお優しいお方。 やはり私の過去を思い出す鍵はルルーシュ様・・・」




       



翌日



コーネリア 「ふむ、天候も良く出発するにはよき日だ。 それでは飛行機に乗ろうか」


ユーフェミア 「ええ、本当に」


ジノ 「ルルーシュ様、道中の警護はお任せください」


ルルーシュ 「ああ、頼んだ」




ルルーシュ (ブリタニアに行く人員はパイロットや乗務員を除けば俺とユフィとコーネリアと

         護衛のジノ他数名。 まあ無難か。 ナナリーに関しては咲世子さん、アーニャ、それに

         スザクにも任せているし安心だ。 黒の騎士団もCCが上手くやっている・・・と信じたいな)









ディートハルト 「ゼロ、九州地区への演説の件ですが・・・我々にやらせるよりは

           ゼロに陣頭に立ってもらった方がより効果があるはずでは?」




ゼロ(CC) 「それに関しては私の練った演説の文章を渡していたはずだ。

        講演では扇にそのようにやらせろ。 私は今気分が悪い、それだけなら

        自室にこもらせてもらうぞ」



ディートハルト 「はあ・・・」


ディートハルト (ゼロは何をお考えなのだろうか・・・)




南 「なあ、最近黒の騎士団の食事がピザになる日が多くないか?」

 
玉城 「確かに二日に一回ペースは流石に飽きるよな」


カレン 「ピザって重いしあんま好きじゃないんだよね」


扇 「うーむ、どういうことだ・・・ゼロ」





藤堂 「またピザか・・・」


千葉 「すまない朝比奈、私の分食べてもらえないだろうか(ぼそり)」


朝比奈 「オッケ、オッケ。 やっぱり体型が気になっちゃうかな、好きな人の前だと(ぼそり)」


千葉 「なっ、朝比奈!どういう意味だ!」


朝比奈 「ちょっ、声大きいって」


藤堂 「うむ?」










仙波 「行政特区に参加して平和な会話が増えたのう」


卜部 「しかり」




ブリタニア首都ペンドラゴン






ルルーシュ (首都ペンドラゴン、この地を久々に踏んだな。

         流石に俺の知っている風景とは様変わりしているか・・・)


ユーフェミア 「つきましたね、ルルーシュ。 まずは宮殿にてお父様へ挨拶に伺いましょう。

         総督への任命は明日ですのでお父様や親せきの方々にご挨拶を終えたら今日は自由です。

         部屋に荷物を置いた後、街へ遊びに行きましょう」






ルルーシュ 「そうだな。 まずは親戚一同にご挨拶だがそれが終わったら少しは羽目を外してもいいかもな」



ユーフェミア 「そうです、折角久しぶりに来たのですから楽しまないと。

          コーネリアお姉さまはいかがです?」



コーネリア 「非常に魅力的な提案だが、私は近習のギルフォードらと少しこれからについて

        の話しがある。 すまないが今回は遠慮させてもらう」




ユーフェミア 「そうですか・・・残念です」



ルルーシュ 「ジノはどうだ?」



ジノ 「お二人方がよろしければ私も喜んで。 ですが、折角のご兄弟のお時間です。

    私は会話に入らず護衛に専念させてもらいます」






ユーフェミア 「そんな堅苦しいことは言わずともよろしいのに。 ジノさんも

          私たちと同世代ですから一緒に楽しんでもよろしいのですよ」



ジノ 「はあ・・・わかりました。 それでは私もご一緒に楽しませていただきます」



ルルーシュ (ジノ・ヴァインべルグ、どうやら皇族への忠誠意識が高いようだな。

         普段はそういうのを感じさせないが貴族意識も意外と高そうだ。

         今の段階では手駒にするのは難しいかもしれないな)


取りあえずこのあたりで止めます。 夜にまた投下を行う予定ですのでよろしくお願いします


ミレイはルルーシュに君付けしないで呼び捨てで呼んでるよ。


ミレイはルルーシュを呼び捨て
ルルーシュはコーネリアを姉上呼びじゃなかったっけ?



>>94>>96
確認したらミレイはルルーシュを呼び捨てだった。

全編通して見てるはずなのになぜこうキャラがガバガバなのか・・・

でもどうしてミレイはルルーシュを君づけしてるイメージが>>1にあったのだろう・・・

取りあえずミレイはルルーシュと二人っきりのときはルルーシュ君、他人数でいるとき、

もしくはルルーシュがいないときは呼び捨てで統一させます。

コーネリア様は姉さんで統一で。 一回やっちゃったあとに変えると余計ガバガバになりそうなんでそこんとこよろしくお願いします

それでは再開します



ルルーシュ (皇帝への謁見の際にギアスをかけ母上の事件の真相を問いただす。

         そしてあわよくばシャルルを・・・。 しかし、アーニャの一件もある。

         可能性は低いがもし、アーニャの記憶障害がギアスによるものだとしたら?)



ルルーシュ (つまりはラウンズのものにギアスをかけるもの、皇帝、もしくはそれに比する地位にギアスを持つものが

         いる可能性があるということ。 むやみに大勢人がいる中でギアスを使おうとするのは愚策か・・・)





ルルーシュ (そもそも俺はギアスについて知っている情報が少なすぎる。 マオの一件もある。

         誰がギアスを持っているか分からない。 なるべく周りに人がいない状況で使うほうがいいか。

         少なくとも挨拶周りで使うのはよそう)



ルルーシュ (それと、何事もなく日本へ帰ることも想定しここに滞在する間に

         できるだけ手駒を増やしておいた方がいいかもな)




ペンドラゴン宮殿・皇帝の間





シャルル 「よぉく来たぁ、ルルゥーシュよ。 こうして会うのはひさぁしぶりだなぁ」



ルルーシュ (くっ、皇帝シャルル。 久しく会っていなかったが幼少期に感じた威圧感はやはり一向に衰えんか)



ルルーシュ 「お久しぶりでございます。 皇帝陛下。 不肖息子のルルーシュ・ヴィ・ブリタニアに

         皇族の権利を再び与えてくださることに感謝し、このたび参じました」



シャルル 「ふふ、良い、良い。 ルルーシュとナナリーのことは余も気にかけておった。

       生きて再び父のもとへ顔を見せてくれたことは余も嬉しいぞ」



ルルーシュ (ちっ、心にもないことを)





シャルル 「親戚一同にそれぞれ挨拶周りに行くのは大変であろう。

       よって食事会を余は設けた。

       オデュッセウスやシュナイゼルら兄弟他親戚一同よんでおる故、その機に挨拶を皆にすればよい」



ルルーシュ 「はっ、皇帝陛下のご厚意、深く感謝しております」



シャルル 「部屋に荷物を置きに行くが良い。 食事の時間は今から一時間後の十二時だ。

       わかったか、ルルゥーシュよ」


ルルーシュ 「イエス・ユア・マジェスティ」




食事会





ルルーシュ (これは何とも豪勢な食事会だ・・・。 兄弟親戚合わせて30人以上がいる食事会とは・・・。

         それにこれは王位継承権の高いものと有力者である叔父、叔母らのみ。

         集められたのは皇国の中枢を担う親族ばかりではないか。

         さらに既に皆着席済み、座っていないのは俺だけ。 居心地が悪すぎる)





ルルーシュ 「・・・皇帝陛下第11皇子、第17皇位継承者であるルルーシュ・ヴィ・ブリタニアでございます」









ルルーシュ (やっと終わった。 正直食事会では何を言っているか自分でもよくわからなくなっていた。

         あのような緊張感のある場を久しぶりに体験したぞ。 だが俺は失言はしていないはずだ。

         これでも俺はゼロと学生を演じきった男だからな)



ルルーシュ (そして食事会が終わりシャルルが帰ったと思ったら今度は親族らの交流に身を置かねばならないとは・・・。

         何とも面倒なことだ、皇族という立場は。 いや、むしろこれはチャンスか?

         この機にシャルルを廃した後の親ルルーシュ派に成り得る皇帝を見極めることができるかもしれない




         





オデュッセウス 「ルルーシュも大変だったね。 日本に人質として送られ、それから

           ブリタニア軍と日本の戦争に巻き込まれるなんて・・・。

           アッシュフォード家が助けてくれたから良かったけど、もしもそれさえなかったらと思うと

           ぞっとするよ」



オデュッセウス 「あの当時は僕も随分と心配したものだ。 なんせルルーシュが人質に行っているのだから

           平和的な外交で日本との関係を終わらせると思っていたのだが、まさか父上があんな行動に出るとは・・・。

           いやそれにしても生き残っててくれて良かった」



ルルーシュ 「そこまで心配してくださりありがとうございます、オデュッセウス兄さん。

         ここまで心配して下さる兄上がいて私も嬉しい限りです」









ルルーシュ (何が心配しただ。 お前の言葉の端々から他人事と感じていたってことが

         よく伝わってくるよ。 お前は俺のために日本で探そうとしてくれたか?

         誠意というのは行動で示そうとしなければ本気ではないんだ)



ルルーシュ (まあオデュッセウスに関してはただの愚鈍だ。 人がいいだけの人物。

         平和な治世の統治には向いている人材だな。

         サポートしてくれる人間がいればだが。 シャルルの後釜にすれば扱い易い

         皇帝になってくれるかもしれない男だ。 少なくとも俺に敵愾心はないし

         ナナリー共々丁重に扱ってくれるだろう)





シュナイゼル 「ルルーシュ、生きてくれて嬉しいよ。 僕も兄上同様君の境遇に関しては同情する。

          だけどいくら同情しようとあの時の君を救えるわけでもない。 

          今までよく生きてくれたとだけ言おう」



シュナイゼル 「それで私事なんだが君とのチェスの勝負を超えるチェスの試合は今だ行えていない。

          もしも時間があればまた私のお相手になってもらえないかな」



ルルーシュ 「シュナイゼル兄さんは相変わらずですね。 捉えようのない方だ。

         いいでしょう。 明日の任官の後、一局行いましょう」



シュナイゼル 「ふっ、明日が楽しみになってきたよ」



ルルーシュ (シュナイゼルは相変わらず何を考えているか読めない。

         この人は次期皇帝には添えられないな。 俺では制御しきれない。

         しかしこの人自身も皇帝には向いてないんじゃないだろうか。

         裏方、補佐の仕事の責任者の方が向いている気がするが・・・)


ルルーシュ (次期皇帝の有力候補の一人であるし後押しする連中は多いことが怖いな。

         シュナイゼル自身は皇帝の座を狙っているのか、そうでないのか知りたいところだ)



         




ルルーシュ (その他ギネヴィア、カリーヌに出会ったがあまり好意的には

         思ってもらえていないようだな。

         逆にマリーベルはユーフェミアのように俺やナナリーの身の上を

         本気で心配してくれたのかもしれない。

         彼女は軍事の才能もあるし今の時点では駒にしたい候補の一人だな)



ルルーシュ 「ふむ、親族との交流も終わり15時か・・・。

         そろそろユーフェミアとの待ち合わせ場所に行くか」




帝都、城壁内部市民街





ユーフェミア 「あらら、三十分は早く来たんですが・・・すみません待ちました?」


 
ルルーシュ 「いや、俺もついさっき来たところだ。 気にすることはない」



ジノ (良くいいますよ。 一時間近く前に来てあたりをうろうろしていたというのに)



ルルーシュ (帝都ペンドラゴン、東京租界の比ではない。

         流石は世界最大の都市と言われるだけのことはある。人口も多いし何より活気が違う)



ユーフェミア 「良かった~。 それではまず私のお気に入りの洋服屋に案内します。 行きましょう」





ユーフェミア 「わあ♪ やっぱりルルーシュはスタイルがいいですから何を着ても似合いますね。

         では今度はこれなんかどうですか?」



ルルーシュ 「もう十着以上試着したんだがまだ着せるのか・・・」



ジノ (良かった。 あの立場にならなくて。 それにしても甘いですよ、ルルーシュ様。

    デートで男の服屋を見に行ったあとは次は必ず女物の服やに行きますから。

    これより長い試着、はしごを覚悟してください)





ルルーシュ 「はあ、はあ。 疲れた・・・」



ユーフェミア 「もう、ルルーシュは体力が無さすぎです」



ジノ (ルルーシュ様は異様に身体の線が細いからな。 やはりデートでは男が

    女の荷物を背負える気概を見せなければ・・・まあ今回俺が持ってるんだが)







ユーフェミア 「そうです、休憩がてらあそこの喫茶店に入りましょう」


 
ルルーシュ 「あっ、ああ。 わかった」







ルルーシュ 「ふう、ようやく落ち着けた」



ユーフェミア 「ルルーシュは体育の時間はどうしているのですか?」



ルルーシュ 「出席日数を数えサボれるギリギリまではいつもサボっている。

         ただ運動神経自体は悪くないと思っている。

         これでもそんなに悪い評定ではないからな」


ユーフェミア 「うー、凄い宝の持ち腐れ感がします」





ユーフェミア 「ふふ、それにしてもこうやってルルーシュとペンドラゴンの市民街で

         遊べる日が来るとは思いませんでした」



ルルーシュ 「俺が日本に人質に行く前は年齢の関係で市民街に遊びに行くことは出来なかったからな。

         知っているのは宮殿内部だけだった。

         こうして大人になったおかげで自由な時間にここに来れるようになったと言えるな」



ユーフェミア 「違います。 確かにそれもありますが、私が嬉しいのはルルーシュと一緒にということです。

         私は日本とブリタニアの戦争でルルーシュが行方不明になったと聞いたとき

         もうルルーシュとこういう時間を過ごせないと思いました」



ユーフェミア 「子どものころからの夢だったんです。ルルーシュと、宮殿内だけではなく、

         外で、自由に服を見てルルーシュの選んだ服を着て買い物終わりに

         ルルーシュとこうやってカフェでくつろぐ。 そういうデートをしたいと

         ずっと前から思っていたんです。 だからそれが叶って私は嬉しいです」




ルルーシュ 「ユフィ・・・」


ジノ (それってもはや遠まわしの告白ではないですか!

    ルルーシュ様とユーフェミア様は御兄妹なのでは・・・

    いや異母兄妹と考えれば皇族的にはあり、なのか?)


ユーフェミア 「あっ///・・・っと凄い恥ずかしいことを言ってしまいましたね。

         要するに私は今楽しいんです。 ルルーシュとこうした時間を過ごせて」




ルルーシュ 「・・・いっ、いや。 ユフィの言いたいことは伝わった。

         なっていたときは幾度かそう思うことがあった。

         ユフィもそう思ってくれていて俺も嬉しい」



ユーフェミア 「本当ですか!」



ルルーシュ (全くこの人はいつもいつも・・・

         どうしてこう人を惑わすようなことをさらっと平気で言えるのか。

         そうやって自分に気があると勘違いをさせて数多くのを泣かせてきたに違いない。 ユフィは)


ルルーシュ (だがユフィのこういうところが変わってなくて良かった。

         変わらないものなどないが人の性質、根強い部分はどのくらい時が経とうとそうそう変わらないのだな。

         昔俺が好きになったユフィのそこはまだ変わってなかった)



ユーフェミア 「あのー///。 お茶も飲み終わりましたしもう少し店を見て周りませんか? ルルーシュ」




         




ルルーシュ 「あっ、ああ///。 俺も疲れは取れたしもう少し見にいこうか」



ルルーシュ (くっ、やはりユフィに心をかき乱される。 この感情は何だ・・・。

         ただ一緒にいるだけなのに何故こうも言葉が上手く回らないのだ)



ジノ 「・・・・・・」  ニヤニヤ


書き溜め分の投下が終わったので投下を終了します

今後の投下も書き溜め→投下 という形でまったり投下できたらと

思うので読まれる方お付き合い下さい


>>115

ルルーシュ 「・・・いっ、いや。 ユフィの言いたいことは伝わった。

         なっていたときは幾度かそう思うことがあった。

         ユフィもそう思ってくれていて俺も嬉しい」


   ↓ 訂正


ルルーシュ 「・・・いっ、いや。 ユフィの言いたいことは伝わった。

         俺も日本で人質になっていたときは幾度かそう思うことがあった。

         ユフィもそう思ってくれていて俺も嬉しい」



誤字脱字も多いんで見つけ次第訂正します・・・

改行おかしくない?

期待


短いですが投下します



ユーフェミア「今日はすっごく楽しかったです。私のお買い物に付き合っていただいてありがとうございました、ルルーシュ」


ルルーシュ「ああ。俺も楽しかった」


ユーフェミア「今度は日本に帰ったら東京租界で買い物をしましょう。最近いい店も増えて来たんですよ」


ルルーシュ「そうだな」





ルルーシュ(さて、ユーフェミアとは別れたがどうするか・・・)


ジノ「ルルーシュ様、お買いになった衣服ですがルルーシュ様の部屋まででよろしいでしょうか?」


ルルーシュ「ああ、それで頼む」


ジノ「わかりました。それではすぐにお帰りになりますか?」


ルルーシュ「・・・このままもう一度この街を散策してもいいが、今日は帰るとするか」


ルルーシュ(随分と長い間ジノに荷物を持たせているしこれ以上持たせるのも少し申し訳ないしな)


ジノ「それでは宮殿に帰りましょう」




宮殿内に割り当てられた自室




ルルーシュ (さて、明日の日程を把握しておくか。明日は13時から任官式、そしてその後16時からシュナイゼルとのチェス。恐らくは一時間そこらだろう。そしてその後は自由と。朝食は8時だからそれほど夜更かしは出来ないが黒の騎士団の状況でも聞いてみるか)


ルルーシュ 「・・・もしもし、CC、聞こえているか」


CC 「聞こえているぞ、それで何の用だ?」
 

ルルーシュ 「黒の騎士団はどうなってる。CC、お前は上手くゼロを演じて入れてるか?」


CC 「大丈夫だ。皆には特段怪しまれてはいない。」


ルルーシュ 「そういえば今日は大阪の方で行政特区日本の説明会だったがどうだった?」


CC 「別に。お前の原稿通りに扇が講演を行った。私は最後に少し話した程度だな。成果はぼちぼちだ。それと特に妨害などはされなかったぞ」


ルルーシュ 「ふむ、なるほど」


ルルーシュ (キョウト六家がこの政策に協力的な以上表立った反対はないが、この政策に否定的なグループは少なからずいる。特に今だに日本蔑視の傾向が強いブリタニア人の多い地方都市の租界には。抵抗活動の動きもあるという情報だったが・・・大阪では何事も無かったか。だが警戒は怠らない方がいいな。取りあえず情報は集めつつ黒の騎士団には注意を促しておくか)




ルルーシュ 「もしもの時が起こっても大丈夫なよう警戒は怠るなよ。KMFとカレン他隊長クラスを何人か控えさせておくのを忘れるな」


CC 「ふむ、まあ私が死ぬことはないが注意はしておく。反乱があったという事実自体があってはならないからな」


ルルーシュ 「頼んだ。それではな」  ピッ




PM8時





ルルーシュ 「わかってはいたがやはり朝食も護衛が一緒か」


ジノ 「すみません。こういう決まりでして。少し窮屈でしょうがそこはこらえてください」


ルルーシュ 「・・・いや、そこまで言わなくていい。ただ今まではナナリーや咲世子さんと一緒か一人だったから少し違和感を感じるだけだ。ここにはもう数日はいるのだからそのうち慣れるだろう」


ルルーシュ (まあ知らないおっさんと一緒に食べるよりはましか)


ルルーシュ 「そういえば俺の護衛をする前はジノは欧州戦線にいたんだったか」


ジノ 「はい。といいましても一時期だけで途中参加という形でしたが。近々コーネリア様がEU方面軍総司令となるようですね。戦線は膠着状態ですがこれで状況が動くでしょう」


ルルーシュ 「そうか」






宮殿・PM1時





シャルル 「でぇは、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアにエリア11の総督を任せる。総督は任せられたエリアに対しては自由な裁量を行える。ブリタニア領土であるエリア11の発展と我が国の発展を願う」


シャルル 「エリア11を任せたぞ、ルルーシュ」


ルルーシュ 「はっ、お任せ下さい陛下」


シャルル 「うむ。余はお前に期待している。組織の運営に関しては十分経験があるようだしのう」


ルルーシュ (こいつ・・・どういうつもりでその言葉を。いやどこまで知っている?)


ルルーシュ 「アッシュフォード学園の生徒会といった小規模なコミュニティの運営ならば少しはありますがエリア11の総督のような大規模な領地の統治は流石に初めてですので周りに助けてもらいながら上手く統治していきたいと思う所存です」

 
シャルル 「ふふ、まあ多少のミスくらいは目をつぶる。成果を期待しておる」


ルルーシュ 「はっ」








ユーフェミア 「ようやく終わりましたね、ルルーシュ」


ルルーシュ 「ああ」


ユーフェミア 「これから何か用事はありますか?」


ルルーシュ 「これからシュナイゼル殿下とチェスをする予定だ」


ユーフェミア 「そう、ですか。ではそのあとは?」


ルルーシュ 「何もないが?」


ユーフェミア 「! それでは今度は貴族街に出かけませんか?シュナイゼルお兄様の用事の後に」


ルルーシュ 「分かった。それじゃ終わったら電話をするよ」


ユーフェミア 「分かりました。電話、待っていますね」








PM4時40分





ジノ 「・・・・・・」
 

カノン 「・・・・・・」


シュナイゼル 「ルルーシュは随分とチェスが上手くなったね。私も昔よりチェスをする機会は減ったけど腕は落ちてないと思っていたんだけど・・・ここまで追いつめられるとは」


ルルーシュ 「ですが流石は兄上です。この展開になってしまった以上なかなか崩せそうにないです。鉄壁の守りと言うところでしょうか」


シュナイゼル 「そういう君は攻め上手だね。時には守りを崩して相手に攻めの展開を与えない。ルルーシュ相手だと中々攻められないよ」


ルルーシュ 「ですが今は膠着状態。千日手が増えつつあります。ここまで行くとどう攻めればいいか私も迷いますよ」


シュナイゼル 「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいよ」


シュナイゼル 「エリア11で裏では有名な打ち手を幾人も破っている君に言われるとね」


ルルーシュ 「!?」









ルルーシュ 「・・・知っていましたか」


シュナイゼル 「まあ、ね。知人が君に敗れて大層悔しがっていたよ」


ルルーシュ 「知ったのはその知人経由からですか?」


シュナイゼル 「いや、その前からだね。実は君のことは日本との戦争の時から調べててね。5年ほど前かな、君のことを知ったのは。アッシュフォード学園にルルーシュ・ランペルージという生徒がいることに気付いてね。姓は違うけどルルーシュという名前からまさかと思って調べたらそのまさかだったよ。君のチェスでの活躍を知ったのはそのあとかな」


ルルーシュ 「知っていてなお黙っていたのですか。全く人が悪い」


シュナイゼル 「皇族に戻りたいなら例えあのようなことがあっても直ぐにアッシュフォード家を通じて戻っていただろう。そうしないのには君自身に何か理由があると思ったから黙っていたんだ。外れてはいないと思うけど」


ルルーシュ 「ええ、そうですね」






シュナイゼル 「逆に今さらになって皇族に戻るためにこうして姿を現したということはそうせざる負えない何かがあったのかな?」


ルルーシュ 「・・・何のことでしょうか」


シュナイゼル 「例えばエリア11の反抗グループの一つの黒の騎士団がここ最近目覚ましい活躍をしているようだけど・・・それに関係があるとか」


ルルーシュ 「!?」


ジノ 「えっ!?」


シュナイゼル 「おっと、そんな手でいいのかい?なら攻めさせてもらうよ」  カチッ


ルルーシュ 「くっ・・・」


シュナイゼル 「守りも中々上手いね。でもこれで状況が動いたね。さてどうしようかな」


ルルーシュ 「流石ですね、このような手で状況を動かしにくるとは」


シュナイゼル 「心理戦だよ。思考がどちらも冷静ならあのような局面では状況はそうそう動かない。なら積極的に揺さぶらなければ」


ジノ (ルルーシュ様が黒の騎士団と関係が・・・どういうことだ。ルルーシュ様はこれからエリア11の総督になるはずでは)





これで今回の投下を終えます

それと返信で

>>118>>120-124
乙ありがとうございます

>>125
改行がおかしいということですので試しに今回少し変えてみました。
読まれている方はどうでしょうか? 少しご意見が欲しいです。

>>126
期待ありがとうございます

おつおつ


訂正
PMではなくAMですね



AM8時





ルルーシュ 「わかってはいたがやはり朝食も護衛が一緒か」


ジノ 「すみません。こういう決まりでして。少し窮屈でしょうがそこはこらえてください」


ルルーシュ 「・・・いや、そこまで言わなくていい。ただ今まではナナリーや咲世子さんと一緒か一人だったから少し違和感を感じるだけだ。ここにはもう数日はいるのだからそのうち慣れるだろう」


ルルーシュ (まあ知らないおっさんと一緒に食べるよりはましか)


ルルーシュ 「そういえば俺の護衛をする前はジノは欧州戦線にいたんだったか」


ジノ 「はい。といいましても一時期だけで途中参加という形でしたが。近々コーネリア様がEU方面軍総司令となるようですね。戦線は膠着状態ですがこれで状況が動くでしょう」


ルルーシュ 「そうか」

乙です


3レスだけですが投下します




ルルーシュ「なっ!?」


シュナイゼル「思考に集中し過ぎたね。まあこれが公式試合だったらこんな相手を惑わす行為は反則だけど」


ルルーシュ「兄上、あなたはただ私を探るためだけにチェスに誘ったのですね。残念で仕方ありません」


シュナイゼル「いや、純粋に強くなったルルーシュと対局したかったという気持ちも大きいよ。ただ君にこんな嫌われるようなまねをしたのは本当に君が黒の騎士団の協力者か知りたかったからさ。もしそうなら私たちは協力し合える関係だ」


ルルーシュ「何!?」


ジノ「!?」


シュナイゼル「まあ黒の騎士団は今は表面的には行政特区日本の協力者だがユーフェミア以外の皇族は皆懐疑的。君はまだまだ影響力はないし、私なら色々と助けられる」


シュナイゼル「黒の騎士団が行政特区日本に参加するのは本来なら下策中の下策だけど君という協力者だいるなら内部から徐々に支配出来ると踏んだんだろう。でも時間がかかりすぎる。私がいればそれも大分縮まるだろう」


ルルーシュ「それも全て私が黒の騎士団の協力者ならという前提の上でですが。一応は黒の騎士団はテロリストから協力者になったので罰せられることはないですがかなりの問題発言ですよ、兄上。」


シュナイゼル「これくらい平気さ」





ジノ(わからない。ルルーシュ様は本当に黒の騎士団の協力者なのか。単なるシュナイゼル殿下の余興なのか。
   しかし私が聞いているというのにこのような会話をするということはただの余興なのか・・・)

ルルーシュ「・・・失礼します。今の話しは聞かなかったことにしますよ兄上」


シュナイゼル「・・・もしも気が変わったらいつでも私に声をかけて欲しい」


ルルーシュ「そのような機会があれば。行くぞ、ジノ」


ジノ「はっ、はい」


シュナイゼル「・・・・・・」





ルルーシュ (わからない。何故あのようなことを俺に。奴は何を考えている。少なくても俺を黒の騎士団に所属していると決め込んだうえで俺にあそこまで露骨に接触してきた。そして最後の発言から俺が奴にそう遠くないうちに協力を求めると思っている。気に食わないが確かに俺は奴の提案に揺れている。だがまだ決めるには早い。もう少し情報を集めてからだ。どっちにしろな)


ジノ 「ルルーシュ様、先ほどの会話は・・・」


ルルーシュ 「・・・心配するなジノ。あれは兄上が良くやる戯れだ。ああいって人をおちょくる性格なのだ」


ジノ 「そうでしたか。良かった」


ルルーシュ (ジノをもう少しこちら側に引き込む必要が出来たな。あの会話を聞かれた以上は。ギアスを使うか・・・いや、まだ早いか)


ルルーシュ 「さて、約束通りユーフェミアに電話をしなければな」






以上で投下を終えます


>>139>>141-143

乙ありがとうございます

待っとるぜ兄貴


投下を開始します



PM18時30分


貴族街




ユーフェミア「先日は市民街でしたので今日は貴族街を散策しましょう。ルルーシュがいない間にできたいい店が沢山あるんですよ」

ルルーシュ「そうだな」

ルルーシュ「それで最初はどこに行くんだ?」

ユーフェミア「最初はアクセサリーや小物などを売っているお店ですね。ここから歩いて行ける距離にあるんですよ」

ルルーシュ「そうか、なら歩いて行こうか」

ユーフェミア「ええ。ジノさんもそれでよろしいでしょうか?」

ジノ「はい。どのような場所でもお供します」


PM20時 



ユーフェミア「どうですか、ここのお店は。ここのブリタニア料理は貴族街の中でも特に味にこだわりを持つお店として有名なんですよ」


ルルーシュ「ああ、美味しいという言葉を使うのは陳腐過ぎて俺は余り使わないがそれでも美味しいと言いたくなる料理だ。ユフィがそこまで言うのも頷けるよ」


ルルーシュ「それにいいのは食事だけじゃない。ここは他のお店みたいに外装も内装も派手過ぎないのがいい。貴族ご用達のレストランなのに少し落ち着いた雰囲気を出している」


ユーフェミア「そうですね。私もそこを結構気にいっているんです」


ルルーシュ「そういえばユフィは今はエリア11の副総督だが少し前まではここペンドラゴンで学生だったな。ここには友達と来たりしていたのか?」


ユーフェミア「そうですね。何度かは。でも私の場合貴族街にお友達と行くのはあまり多くないので頻度としては月に一、二度あればというとところですね」


ルルーシュ「あまり外で遊ばないのか?」


ユーフェミア「そうですね。お互いに忙しいということがあるのかもしれません。それとよく遊ぶお友達とは貴族街だけではなく市民街にも遊びに行きますので」


ルルーシュ「そうか・・・皇族は何かと忙しい身分だしそもそもこの店に何度も食事に来たりはしないか」


ジノ「それにしてもユーフェミア様がお友達の方々と市民街にそれなりの頻度で足を運ばれるとは意外ですね。ユーフェミア様のお友達ともなればご身分もご立派な方々ばかりでしょうし・・・」


ルルーシュ「中には市民街を快く思わない人もいる、か」


ジノ「あっ、いえ」







ルルーシュ「ユフィがよく遊ぶ友達なら流石にそこまで差別主義者はいないだろう。といっても公式に映像で出されてる身分の立派な“お友達”たちはそう考えていてもおかしくはないが」


ユーフェミア「それは表向きに仲良しとされている方々です。あまり・・・こういうのは失礼ですが身分がよろしくないとされている人たちといるところはテレビなどには映させてはもらえませんから」


ジノ「・・・そういうものなのですか」


ユーフェミア「そういった人たちの中には使用人や市民を同じ人とは思ってない過激な思想の方たちもいたりして・・・あまり好きになれないんですよね」


ルルーシュ「だろうな。俺もあまり共感はできない」


ユーフェミア「・・・貴族街を周っている時ですけど冬でもないのにやたら肌の露出が少ない使用人がそれなりにはいるのにルルーシュは気付きましたか?」


ルルーシュ「確かにいたな。少しは」

ユーフェミア「外を歩くときに連れる使用人は外面的な意味からブリタニア人がほとんどですが・・・中にはそれほど裕福でない貴族たちには他の国の出身の使用人を連れていたりします。そしてそういう場合大抵は夏でも不自然に長袖や長ズボンだったりします」




ユーフェミア「なぜなら他のエリアから連れてこられた奴隷、の使用人だからです。そしてその人たちは少なからず虐待を受けています」


ルルーシュ「外面のために外傷は見せないようにする、か。と言っても奴隷の使用人を貴族街に連れ歩くぐらいだから取り繕っても今更だが」


ユーフェミア「外を歩いている人たちだけではありません。ブリタニア人の使用人を伴って出歩いている人たちも大半が奴隷の使用人を持っています」


ユーフェミア「雇うコストも少なくて済みますし、何をしても許される、そう考えてる人たちが多いんです」


ジノ「失礼ですが、それは少し極端な考えでは?他のエリア出身といっても同じ人。そこまで酷い扱いをするブリタニア人がいるとは考えたくないですが」


ルルーシュ「ブリタニアの主義は競争主義、帝国主義だ。差別を肯定している。そんな考えの中育って何十年も生きていれば思考ががちがちに固まっていてもおかしくはない。もっともそれが多数派とは思いたくはないがな」


ユーフェミア「それでも・・・ここは王都ペンドラゴンで、極端な差別行為を自重していると言えます。少なくとも外面を取り繕ってはいるのですから。でもエリア11に行って私はここよりも酷い惨状を見ました」


ルルーシュ「租界では元日本人にブリタニア人が堂々と威張り散らしているな」


ユーフェミア「スザク、もそうですけどエリア11の人たちも私たちと変わらない人間です。私は今まで何も疑わずに・・・いえ、本当は少しおかしいなと思いながらこの国の考えを受け入れて生きてきましたけどこれは本当に正しい姿なのでしょうか・・・」


ルルーシュ「正しくはない。少なくとも俺はそう思う。シャルルの考えは弱者を切り捨てる考えだ。暴論だ。だから俺は・・・シャルルに反抗した」


ジノ「・・・・・・」





ユーフェミア「・・・そう、ですよね。理屈だけじゃないんです。何か別の部分で違うって私は思っていたんですけど・・・ルルーシュと話していてその思いもようやく固まりました」


ユーフェミア「今日のあの任官式から私たちはエリア11の総督と副総督なんです。一緒に日本を良くしていきましょう」


ルルーシュ「ああ、勿論だ」


ルルーシュ「・・・すまないな、ジノ。ジノにはあまり受け入れがたい話しだろうが」


ジノ「・・・いえ。私も差別はあまり好きではありません。勿論、今のこの身分に誇りを持っています。身分の上下は大事ですが極端な上から下への押さえつけは私もダメだと思っています。ユーフェミア様の仰る通り身分は違えど同じ人、相互に分かり合えなければならないですよね」


ユーフェミア「・・・ジノさん」


ルルーシュ「もし良ければエリア11に残って俺の手助けをしてくれないだろうか?恐らくは俺がブリタニアからエリア11に帰った後に役目は解かれるが短い期間ではあったがジノと俺は理解し合えたと、少なくとも俺は思っている」


ジノ「・・・私もルルーシュ様を快く思っていますが・・・こればかりははっきりとは言えません。ラウンズはそもそも皇帝陛下直属ですので陛下の勅がないことには」


ルルーシュ「・・・そうだな。すまない」


ジノ「いえ、ですが個人的にはこれからもルルーシュ様のそばにいてお仕えしても良いのではと思ってはいます」






PM21時



ユーフェミア「今日も楽しかったです。何か別れるのが少し寂しいと思ってしまいます・・・」


ルルーシュ「俺もだ。が、それは名残惜しさだな。どうせここだけでじゃなく総督、副総督として関わっていく。今のうちかもしれないな、そう思えるのも」


ユーフェミア「くす、そうかもしれませんね。それでは、また今度」


ルルーシュ「ああ」


ルルーシュ(これでハッキリした。ユフィはやはり行政特区への意気込みは本気だった。これで俺もこれからの方針をずっと決めやすくなった)


ルルーシュ(それにしてもユフィはやはり人を惹きつける何かを持っている。それが何かは分からないが彼女にはそのままでいてもらいたい。表のことは俺とユフィでやらなければいけないとしても裏の汚いことはゼロとしての俺や黒の騎士団がやらなければな)


ルルーシュ(それとジノ・・・上手くいけばこちら側に引き込めるか?そしてシュナイゼルの提案と皇帝シャルル、その他懸念はまだまだある)


ジノ「ルルーシュ様、これからどうなさいますか?時間も遅いですしお帰りになりますか?」


ルルーシュ「・・・・・・そうだな。今日のところはひとまず帰ろうか」


ルルーシュ(今日はもう遅い。明日だな、明日に懸念の一つを片付けに行くか)




旧アリエスの離宮



ルルーシュ(ふむ、ここは随分と変わってしまった。昔はあんなにきらびやかであったというのに・・・あの事件、そして俺やナナリーが日本に飛ばされた後は使用人も出払い廃れてしまっている。母上、旧マリアンヌ派の家臣というのも当時はいたようだがそれもバラバラになってしまったのだろうな)


ルルーシュ「っと感傷に浸るために来たのではなかったな、俺は。さて、まずは手探りでいくか」


ルルーシュ(アーニャの失われた記憶。経歴から当時を知る者にも問い合わせ調べたが何一つ俺と接点のあると思われる情報は無かった。だがアーニャはアールストレイム家出身。調べればどうやら皇帝にも謁見出来るほどの名門。親皇帝よりな名門は子息子女を行儀見習いとして送り出す風習がよくある。もしも、ただの推測だがその当時アーニャが俺のところに行儀見習いとして使用人として来ていたとしたら?記録がないがもしそれが本当なら誰か、皇帝かそれに近いものが記録を意図的に消したことになる。そうだとしたらその理由は?)


ルルーシュ(あの写真から母上暗殺からそう遠くない時期のはず。ということは事件の真相に関わっているのかもしれない。調べる価値はある)




今回の投下は以上です

それと返信
>>149-152 乙ありがとうございます。





訂正

>>155 PM18時30分→ PM6時30分

>>156 PM20時→ PM8時

>>160 PM21時 → PM 9時

なぜこんな誤字?をしてしまったのだろうか・・・訂正です


少しだけですが投下します







ルルーシュ「ふむ・・・」


ルルーシュ(ここの記録にアーニャに関する記載がされたものはない。アルバムなどを調べてもアーニャらしき女の子は見当たらない)


ルルーシュ(データだけでなく紙媒体なら、っと思っていたが・・・。ここの情報も改ざんされてる、か。シャルルならやりかねんが何もそれらしき痕跡を見つけることも出来ていないし今の段階では俺の邪推でしかないな)ぺらっ


ルルーシュ「仕方ない。ここでの調査は打ち切りにして当時アーニャに近しかったものやここの使用人らにギアスを使って探るか・・・」


ルルーシュ(っと言ってもここに来たのを無駄にはしたくないな。当時ここにいた従者やここを訪れていたマリアンヌ派と思しき人間を調べておこう。有事の際に俺に味方してくれる可能性のあるものを知っておいた方が後々役に立つ)



ルルーシュ「・・・・・・」ぺらっ


ルルーシュ「ん?」


ルルーシュ(誰かの足音・・・廃れたここに来るものが俺以外にもいるのか。誰だ?)










ルルーシュ(いた。後姿だけでは誰かはわからないが体格から間違いなく男性。がたいもいい。軍人、か?)


ルルーシュ(俺のいた書斎に入って来なくて助かった。あのままで鉢合わせになってしまうからな)


ルルーシュ(どこに行くんだ、この男。・・・暫く尾行するか)




ルルーシュ(宮殿の大広間に・・・。あそこは・・・俺の母上が殺された場所・・・)


???「・・・・・・」


ルルーシュ(この男・・・どうしたんだ、階段の前で立ち止まって。感傷に浸っているのか?・・・まさかあの事件に関係のあるものか!)


ルルーシュ(くっ、ギアスをかけて問いただしたい。こいつがあの事件のことを知っているのかどうか。だが少し我慢だ。まだこの男の何も知らない。せめてどんなやつなのか知らなければ)


???「あア、お久しぶりデシタ、コノ場所。ここ二来るト何度も胸が痛ミいる」


???「マリアンヌ様、私はあなたを敬愛してイル。どうしてあのとき私はナニもできなんだ」


ルルーシュ(!やはり関係があったか。話しを聞くに奴は母上が死んでしまったのを後悔しているようだが・・・。しかしこいつ何を言ってるんだ?言葉の使い方がおかしすぎる)


???「嗚呼、悔やみ入る」


ルルーシュ(!顔が見えた!)


ルルーシュ(!?こっ、こいつは・・・オレンジ、いやジェレミア・ゴットバルト!)





ルルーシュ(どっ、どうして奴が。奴はナリタ攻防戦で行方不明になっていたはず・・・。いやそんなことより奴はなぜここにいてあのようなことを口走ったのだ)


???「やっと見つけた。やはりここにいたのか」


ジェレミア「ム、バトレーか」


バトレー「急にいなくなったから探したぞ。まあお前のことだ。この辺りでいなくなったのだから恐らくこの離宮にいるだろうと思ったが」


ジェレミア「ふむ、成るほど、そうデシタ。私も同じ立場らそう思いマシた」


バトレー「やはり言語野にまだ以上が見られるな。もう少し調整をしてからではないと周りに出せないぞ」


ジェレミア「それは困りマしょう。ようやくルルーシュ様がイキているとおわかりになったというノニこれではやはり会えないでしょうか」


バトレー「当たり前だ。そんな状態では皇子に失礼であろう」


ジェレミア「さもありなん」






ルルーシュ(ジェレミアはマリアンヌ派、だったのか?言葉のところどころに母上や俺への忠義を感じられる)


ルルーシュ(接触すべきか否か。・・・恐らくは接触すべきだろうが、今するべきなのだろうか。いや、まだ早いか)


バトレー「良し、もう用は済んだな。ジェレミア、そろそろ行くぞ」


ジェレミア「ハイ、わかりマシタ。ただ・・・」


ジェレミア「ここにいる誰かに挨拶をしてカラではないと帰れませム」


ジェレミア「そこの角に隠れているもの、やましい気持ちがナケれば出てくるのだ。ここで何をシテイルのか聞かせてもらおう」


ルルーシュ「!?」


バトレー「何!?」


ルルーシュ(なっ、何だと!何故俺がここにいることを・・・・・・)


ルルーシュ(くっ、致し方ない。素直に出るか)




短いですが今日はこれで投下を終了します

おつ


訂正します

>>177 バトレー「やはり言語野にまだ以上が見られるな。もう少し調整をしてからではないと周りに出せないぞ」

→バトレー「やはり言語野にまだ異常が見られるな。もう少し調整をしてからではないと周りに出せないぞ」

以上ではなく異常ですね。

それと返信を

>>180-184 乙ありがとうございます。次の投下もよろしくお願いします。


少しだけですが投下を行います



ルルーシュ「・・・・・・」ざっ


ジェレミア「!?るっ、ルルーシュ様!」


バトレー「・・・ルルーシュ様」


ルルーシュ「・・・盗み聞きしていたことはすまないと思っている。だが、どうしても知りたかった。ここにあなたたち二人が何をしに来たのかを」


ルルーシュ「ジェレミア卿とバトレー元将軍だな。俺が何故ここにいるかは大体は想像がつくだろう。ここは俺が生まれ育った場所。ここに来て幼少の頃に思いをはせていた」


ルルーシュ「先ほどまで書斎にいたのだが何やら足跡が聞こえたので既に使われなくなって久しいここに誰が訪ねてきたのか気になり来た者らを追い、その目的を知りたくなったというわけだが信じてもらえるだろうか」


ジェレミア「信ジます。ここは元々ルルーシュ様の宮殿。エリア11にて7年モノ間堪へ忍び、ヨうやくブリタニアに戻ってきたルルーシュ様がここに足を運ぶことに、ソシテ誰もいないここに突然ヤッテきたものにルルーシュ様が気にするのは当たり前です」


バトレー「・・・元々ジェレミアも私も勝手にこの宮殿に入り込んだ身です。どうしてルルーシュ様の非を咎められましょうか」


ルルーシュ「そうか、すまないな」


ジェレミア「話しをお聞きになられていたのでしたら既に察してイルと思いますが、ワタシは元々はマリアンヌ様に仕えてオリマスた。あの事件でマリアンヌ様がお亡くなりになるまでは」


ルルーシュ「母上の親派は意外にも多かったと聞くがジェレミア卿もそのうちの一人か」




ジェレミア「アノ事件、マリアンヌ様が殺されたジケンですガあの日私はマリアンヌ様の身辺警護をしていました」


ルルーシュ「何!?」


ジェレミア「アノ日、マリアンヌ様、人と会われる約束ヲしてイました。いつもならそのときでも私やその他の近習をそばに置いているはずですのにアノ日は私たちをとおザキておりました。私は少し釈然としないでしたが素直に従い外で待っておりました。シカシ次にマリアンヌ様にお会いするのがまさか銃を至るところに打たれ身体が冷たくなっていたお姿のマリアンヌ様とは・・・」


ジェレミア「こコ二寄ったのはあの当ジの自分の不甲斐なさを悔いると朋二あの日のことを忘れないためです。そしテ、マリアンヌ様の遺児であるルルーシュ様やナナリー様にいつこのことをお話ししてもよそしいように覚悟を決めるためでもありました」


ジェレミア「それがマサか直ぐにルルーシュ様にお会いできることになろうとは・・・」


ジェレミア「日本が戦争になり行方不明になったという知らせを聞いたトキも生きていると信じておりました。そしてそのためにエリア11の総督にクロヴィス殿下がナラレルと聞いた際にはクロヴィス殿下に近づキ、近衛にもなりました。いつか必ずルルーシュ様やナナリー様は戻られる。ナラバそれまでにエリアの統治ヲ出来る限りすすめようと」


ジェレミア「くっ・・・」じわっ


ルルーシュ(涙・・・嘘を言っているようには思えない、な。こいつにギアスを既に使っている以上本心を知る術はないが・・・嘘ではないと信じさせる何かを持っている。書斎にあった資料はまだ全ては見ていないがこの様子ならジェレミアがマリアンヌの近習だったという裏はすぐ取れるだろう)


ルルーシュ(むしろ今すべきなのは・・・)





ルルーシュ「話しは分かった。色々と聞きたいことはあるが・・・まずは感謝を。ありがとう。母上のこと、そしてその子供の俺やナナリーのことをそこまで気にしてくれて。卿のしたことに気付いたのは今日だが知らず知らずのうちに何度も助けられていたんだな。卿がいなければエリア11の治安は今以上に酷いものだっただろう。俺はアッシュフォード学園で何不自由なく過ごしていたがその平穏は支えてくれる人がいて初めて成り立つものだったのだな」


ジェレミア「るっ、ルルーシュ様。滅相モナい。私ハ、マリアンヌ様を救えず今までのルルーシュ様のツライ日々の遠因を作ったといえる存在です。せめてもの償いをイるだけで何も感謝サレルようなことは」


ルルーシュ「あの事件は卿の責任ではない。起こるべくして起こったのだ。そこまで深く考えなくてもいい」


ジェレミア「くっ・・・なんとオココロのひろいお方」


ルルーシュ「・・・話しは変わるが二人は今まで何をしていたんだ。確かジェレミア卿はナリタ攻防戦で行方不明、バトレー将軍はクロヴィス殿下殺害の責任で本国、つまりこの国で終身刑だったはずだが」


ジェレミア「それは・・・」


バトレー「そのことですがルルーシュ様、今我々はシュナイゼル殿下にお世話になっているのです」


ルルーシュ「シュナイゼル・・・兄上に」






バトレー「はい。私はクロヴィス殿下のもとにおりましたときにとある研究を進めておりまして・・・その実績を殿下はいたく買ってくださり殿下の権限で刑を軽くしてもらったのです。今は殿下のもとで研究を続けております」


ルルーシュ「・・・成るほど。ジェレミア卿は?」


バトレー「彼も私と同じようなものです。彼はナリタ攻防戦の際に重症を負い、死にかけました。彼が今だに生きていられるのは殿下が自身の権限で最新の治療を融通してもらったからです。といってもあまりの重症のためか今の彼は身体の半分が機械と化していますが。脳にも若干障害が残っておりますが調整とリハビリ次第でどうにかなるレベルです。今は私の研究の手伝いをしてもらっています」


ルルーシュ「そうか。ということは今日はその研究のために二人が一緒にいたということか」


バトレー「その通りです」


ルルーシュ(何の研究か気になるな。クロヴィスのもとでバトレーが行っていた研究。・・・C.Cを研究対象としていたのがもしもバトレーならギアスに関するものだとしてもおかしくはない。だが今この場でこいつに聞き出すことまず出来ないだろう。となるとジェレミアから崩して聞き出すか。ジェレミアはマリアンヌ派で俺のことをずっと気にかけていたようだし俺の側にくる可能性が高いからな)


ルルーシュ(研究も気がかりだがそれと同じくらい気がかりなのがシュナイゼルのこと。この件に一枚かんでるということはギアスやC.Cのことを認知している可能性も考慮に入れなければ。奴はどこまで情報を掴んでる?そして俺に接触してきたことといい何を考えているんだ)


バトレー「そろそろ、ですな。ルルーシュ様、誠に申し訳ないのですが、殿下から命じられた研究を進める時間が差し迫ってきております。ですのでまだまだお話ししたいことはあるでしょうが今回はここまでにしてもよろしいでしょうか」


ルルーシュ「・・・・・・。分かった。俺もまだまだ聞きたいことは沢山あるが公務である以上は無理を言えんな。だがジェレミア卿、連絡先を教えてもらえないだろうか?まだまだあなたに聞きたいことはある。出来れば本国にいる間に少しでも多くあなたとお話ししたいと思っているのだが」






ジェレミア「わかりマシタ。私としても願ったり叶っタリの提案です。これが私の携帯の番号です。ルルーシュ様は都合のいいときにでいいのでいつでも電話をかけてクダサイ」


ルルーシュ「ああ、分かった。近日中にまた連絡をする」


バトレー「ではルルーシュ様、私共は失礼します。そろそろ暗くなる時間帯です。ここは一部の電気器具以外は電気が通っておりません。ルルーシュ様も早めにお帰りになった方がいいでしょう」


ルルーシュ「そうだな。俺も少ししたら帰ろう。それではな、バトレー将軍にジェレミア卿」









ルルーシュ「ふむ。アーニャの記憶を調べることからここに来たが・・・主目的は達成できなかったが意外な出会いをしたものだ。案外これからを考えると得難い繋がりを手に入れることが出来たのかもしれないな」


ルルーシュ「さて、調べられるものは調べたしそろそろ帰る・・・か・・・」


ルルーシュ(待てよ。この出会い・・・偶然か?)


ルルーシュ(確かバトレーは自分は今シュナイゼルのもとにいると言ってたな。もし、もしも今日あの二人がここにくることが仕組まれたものだとしたら・・・。いや、少なくともジェレミアはそれを知らないかもしれないがバトレーに詳細を知らせ俺に接触をさせたとしたら、どうだ。・・・・・・だが、だとしたら何故あの二人を俺に?C.C関連の情報を掴んでいることを俺に伝えたかった?なら俺に黒の騎士団とのつながりを自分から言わせ協力関係を繋がせたいと奴は考えているのか?そうだとしたら手に負えないな。前よりもシュナイゼルの提案に益々興味を持ってきたのだからな、俺自身)


ルルーシュ(だが考えれば考えるほど偶然とは思えなくなってくる。くそっ、昔から変わらない。俺と奴の関係は。昔から奴に惑わされてばかりだ。一先ず帰ろう。一旦腰を落ち着けるべきだ)







その頃の黒の騎士団


キュウシュウ




扇「えーー、ということにより今回の行政特区日本への参加は我々日本人にとってイレブンという蔑称を払拭するチャンスでもあり~~~我々はこれに参加することを~~」


ゼロ(C.C)(トウキョウ、ナゴヤ、オオサカと来て今日はキュウシュウか。今のところ結果は上々だしここでも何事もなく終わればいいが)


ゼロ(C.C)(それにしても四度も同じ演説を聞くと流石に飽きてくるな。どうでもいいことを考えて時間でも潰すか。そういえば今度のポイント交換のチーズ君は限定版だったな。何ポイント溜めれば良かっただろうか・・・)


???「ふざけるな!」


ゼロ(C.C)(ん?)


市民A「行政特区日本なんて言葉信じられるか!それに今はトウキョウだけだが地方都市にも順次作る予定だと?笑わせるな。不穏分子の隔離政策でも行うつもりか!」


扇「なっ!?何を言うんだ。これは日本人の尊厳を取り返すためとブリタニア人の意識を変えるために必要な・・・」


市民A「ブリタニア人の意識を変えるだと?既に日本が占領されて七年経つが全く変わってないじゃないか!」


市民A「黒の騎士団も随分頼もしくなったものだな。今までの黒の騎士団ならこんな提案乗らずに特区地区を潰してるだろうに。大方ゼロがオレンジのように賄賂でも貰ったのだろうな」


市民A「皆も黙ってないで奴らに抗議するんだ!そもそも日本人の尊厳を保証するといってるが元々は俺らのもんだ。ブリキ野郎に認めてもらうもんじゃねえ。行政特区日本なんか糞くらえだ。特区内だけじゃなくこの国のどこででも認めろ!」


市民B「そっ、そうだそうだ!」


市民「ブリタニアの不当な占領を認めるな!」




扇「まっ、待ってくれ皆。これは本当に今までの日本を変える政策なんだ」


市民「信じられるか!」 「ゼロを呼んで来い」 「ブリタニアに魂を売ったごみが!」


玉城「くっ、これじゃ何のために俺らが協力したかわかんねえ」


ブリタニア人官僚(以下官僚)「ちっ、これだからイレブンは。今まで甘い統治をしてきたというのに。そしてユーフェミア様は寛大にも昔の呼び名を使う許可を出す箱庭を与えて下さったというのに何もわからんとは」


玉城「・・・おい、今お前何つった」ピキッ


官僚「ああ?この政策に反対するイレブンを早く片付けろ!」


玉城「おらぁ!」バキッ


官僚「ぐふっ」


玉城「イレブンじゃねえ!日本人だ!」


南「玉城!やめろ。それじゃ暴徒と変わらないだろ」


玉城「くそっ、放せ。放しやがれ!」


扇「くっ、扇は任せたぞ南。ゼロ、この場をどうすればいいんだ?」


ゼロ(C.C)「最悪の場合はKMFにのったカレンに任せるしかない。いつでもカレンを出す準備をしていろ。出来る限り私が市民を冷静にして落ち着かせる」


扇「あっ、ああ」



以上で今日の投下を終了します



取りあえず報告レスを

次の投下は1月4日に行います


短いですが投下を開始します




ブリタニア兵「くそっ、このイレブン共が!騒ぎ立てるな!講演会は中止だ、散れ!散れ!」

市民「ひっ、にっ逃げろ!殺される」「止めてくれ!友達が押しつぶされてしまう!」

扇「なっ、KMFで市民に危害を与えるだと!?」

扇「くっ、カレン!ブリタニア側のKMFを止めてくれ」

カレン「くそ、ブリタニアは無抵抗な市民にまで」

ゼロ(C.C)「カレン、間違ってもブリタニア側の兵士を[ピーーー]ようなことはするな。動きを抑えるだけでいい」

カレン「でも、ゼロ、あいつらはKMFで市民を!」

ゼロ(C .C)「市民の避難は黒の騎士団が誘導する。今我々はブリタニア側なんだ。例え溝があってもこちら側から進んで軋轢を作るようなことは避けなければならない。今後の活動を考えても。分かるな、カレン」

カレン「っ!ですが、なるべくとしか言えませんよ。絶対とは保証できません」

ゼロ(C.C)「それでいい」

ゼロ(C.C)(面倒ごとは避けたかったが・・・このような状況では仕方ないか。ルルーシュが帰国するまでは私がここを支えなければ)




中華連邦・とある一室



星刻「ふむ、キュウシュウでの工作はある程度は成功したとみるな」

洪古「しかし小規模なデモ程度でしたがよろしいので?」

星刻「小規模だからこそかえって都合がいい。むしろ大規模であるほど裏を念入りに洗われるからな。重要なのは行政特区日本に反対するものが都市規模で存在するというという
事実が知れ渡ればいいのだ。今の日本、いやエリア11に」

洪古「なるほど」

香凛(周香凛)「その事実があるだけでブリタニアの特区反対派は盛り返すでしょう。目論見通りですね」

星刻「ああ。エリア11が内戦状態であるほど我らにとって都合がいい。エリア11はブリタニアがこちらに侵攻する際の前線拠点と成り得るからな。内患を抱えてる間はこちらに牙が向くことはそうそうないだろう」

香凛「少なくともこちらのクーデターが成功するまでは日本に眼が向けられたままでいて欲しいですね」

星刻「ああ、曹と澤崎の起こしたキュウシュウでの反乱があれほどまでに短期間で制圧されることは予想外だったが・・・、まだまだ日本には付け入る隙はいくらでもある」

洪古「こちらに亡命してきた旧日本人はそれなりにいますからね。今回も帰国を名目に送り付けた日本の間者が行った工作ですし」

星刻「ああ。手駒はいくらでもある。これからもエリア11の動向には注意を向け、可能であればこちらから火種を作らなければな」

星刻「天子様を大宦官からお救いするためにも外患を増やすわけにはいかないのだ。エリア11の工作は引き続き頼む」





ルルーシュ「・・・そうか。キュウシュウで市民の反対運動が起こったか」

C.C「私としては出来る限り手を打ったつもりだが・・・カレンはブリタニアの兵士を[ピーーー]ことは無かったが数名軽傷を負わせたためブリタニア側には軋轢を生んだし、黒の騎士団にもブリタニア側への不信感は増大してると思うぞ」

ルルーシュ「C.Cの責任ではない。俺がいても同じことだっただろう。ブリタニアを信用していない日本人が行政特区を素直に受け入れるはずがない。これは起こるべくして起こったとしか言う他ないだろう」

ルルーシュ「黒の騎士団には帰った後にフォローをしておく。つらいだろうが俺が帰るまで頼む、C.C」

C.C「ふっ、問題ない。ただし、これから一週間はピザを自由に食べさせてもらうぞ。異論は受け付けないからな」

ルルーシュ「ふっ、安い女だ。これが終わればデラックスだろうが何だろうがいくらでも頼ませてやる」

ルルーシュ「それではな」ピッ



>>204


ゼロ(C.C)「カレン、間違ってもブリタニア側の兵士を[ピーーー]ようなことはするな。動きを抑えるだけでいい」



伏字になってしまった部分ですが「死なす」と考えてください


今日はこれで終了です


メール欄にsagaっていれれば殺す死すにフィルターかからなくなるよ




ルルーシュ「キュウシュウでの反対運動・・・。ある程度反発が起こることは想定の範囲内だったが・・・何か匂うな。何だ・・・。何が引っかかっている・・・。」


ルルーシュ「・・・待てよ。そうか、そういうことか。キュウシュウでの澤崎の反乱といい、地理的な意味もあるだろうがキュウシュウは何かと中華連邦の影響が強い場所だ。あの反乱もそう簡単に鎮圧されるだろうとは向こうも思っていなかっただろうし今回の件ももしかしたら向こうが裏から手引きしている可能性はあるな。エリア11における実質的な反ブリタニア最大勢力の黒の騎士団は表向きにはブリタニア指揮下に入っているわけだしな。もっとも推測の域を過ぎないが可能性はある、か。一応情報を集めておくか」


ルルーシュ「さて、そろそろエリア11に戻らなければならないわけだが・・・ここに来た収穫はそれなりにはあったとみていいか」


ルルーシュ(俺としては優先事項はナナリーと俺が平穏に暮らせること、そしてエリア11、日本を今よりも安定化させ、場合によっては独立をさせることだが、その為には俺が総督としてエリアを少しずつ変えていくしかないがそれだけでなく現在のブリタニアの考えを変えるしかないな。)


ルルーシュ(この本国滞在中にシャルルを殺すという手もあったが・・・奴を殺したところで本当に良くなるのかという疑問がある。勿論奴には俺自身恨みもある。血のつながりでは親かもしれんが奴のやったことは到底許せるものではない。だがこの国の思想はトップを変えたところでそう簡単に変わるものではない。もっと根は深い)


ルルーシュ(奴が帝国主義、格差社会を押し広めたのは事実だがこの思想はこの国が成立する以前からのもの。そう、まだイギリスという国であったころのものだ。奴からオデュッセウスやシュナイゼルに変わった所で国の根本がそう簡単に変わるかというと疑問だ。まあだからと言って奴を殺さない理由にはならんが迂闊にはギアスは使えない)


ルルーシュ(気になるのはマオのこととバトレーの研究。マオの件からずっと考えてたこと。いやそれ以前に俺がギアスを使うようになってから思っていたことか。それはギアスを使えるのは俺だけか、ということ。そしてギアスを与えることが出来るのはC.Cだけなのか、ということ。マオは昔C.Cが与えたという形だったが俺以外のギアス保持者の存在がいたということに変わりがない。往々にして権力者のもとには多岐にわたる才能を持ったものが集まる。バトレーの研究もそうだがクロヴィスがC.Cを拘束していたことからブリタニアにはギアスに関する情報を抱えている可能性がある。ここでギアスを使うということに今一つ踏み切れないのはその為だ)


ルルーシュ(どのような力も全能なものは存在しない。そう思えても信じてはいけない。そして謁見で改めて思い知らされた奴の威圧感。果たして奴が本当にギアスを知らないだろうか。ギアスに対する対策が本当になされていないだろうか。きりがないが慎重にならざる負えない。事が事だけにもし失敗したらどうなるかなど想像に難くない。その辺の奴にギアスを使うのとはわけが違う。だがC.Cにギアスについて話してもはぐらかされるだけ。そしてC.Cにはギアスに効かないし打つ手がない。勿論ある程度信頼はしているが・・・ギアスに関しては俺が独自で情報を集めるしかない)


ルルーシュ「エリア11に戻るのは三日後。少なくとも今出来る範囲で可能な限り動かなければ。今一度ジェレミアに接触するか」




少ないですが時間があったので投下を。

今回はこれで終わりです

それと返信で>>209>>211-214 乙ありがとうございます

>>209 情報ありがとうございます






アッシュフォード学園


教室





モブA「なあ、今日のニュース見た?」


モブB「ああ、ルルーシュのことだろ。新聞にも見開きの一ページ前面に載ってたもんな」


モブC「「朗報。長らく消息不明であったルルーシュ皇子、ナナリー姫の行方がようやく判明する」ってやつだろ。俺も見た。そんでそのあとニュースも見たよ」


モブA「ここが日本って国だったころに友好の証として暫く遊学なさってい皇子と姫がいらっしゃったというのは随分前に聞いたことがあったがまさかそれがルルーシュとその妹のナナリーだったなんてな。おっと、今は様をつけないといけないか」


モブB「まあそこはおいおいだな」


モブC「A、お前はその当時に皇子と姫の名前知っていたなら何で気づかなかったんだ?まあ俺は陛下のお子自体数えきれないほどいるからそもそもこの話しに余り詳しくなかったが、知ってたなら名前でピンとくるもんじゃないのか?」


モブA「バカいうなって。姓も違うしファーストネームで同じっつたって分かるかよ。ルルーシュっていう名前もナナリーっていうのもジャックやハリーとかエヴァ、オリヴィエみたいにどこにでもいるってわけじゃないが探せばいくらでもいるだろ」


モブB「まあそりゃそうだな」


モブC「ていうかさ、このニュースなんだけど・・・・・・」






リヴァル(おーー。学園来たけどやっぱこの話しで教室は持ち切りか。そりゃそうだわな、同級生が実は皇子様でしたなんて普通あるわきゃねえし。小説とか漫画の世界だよな、こういう展開がまかり通るのって)


リヴァル(実際俺も新聞見たときはビックリしてルルに確認の電話を直ぐに送ったもんだぜ。電話ではルルも事実を知った俺とどう会話すればいいか少し距離を掴み兼ねてたようだけど・・・まあそれであいつと距離を置くなんてことはしちゃだめだよな。それもあいつの親友を自負してる俺が、さ)


リヴァル(例えルルが皇族でもいつも通りの関係を壊したくもないし、あいつも俺も・・・そして生徒会の皆もそういうことになるのはやだよな。って何考えてんだろ、俺。それよりもスザクだ、スザク。あいつはどこにいるかなっと・・・)








リヴァル「おっ、いたいた。おーーい、スザク」


スザク「あっ、リヴァルか。おはよう」


リヴァル「おうおはよう。ってそんなことよか今日のニュースだよ、ニュース。ルルのことだよ」


スザク「ああ。皇族復帰の件か」


リヴァル「随分長期間学園休むなぁって思ってたらまさかルルが本国でこういうことをやってたなんてな」


スザク「・・・そうだね、僕も驚きだよ」


リヴァル「あいつの周りも・・・こういっちゃ何だが今まで通りにはいられなくなるだろうな。それこそ皇族なんだし」


スザク「・・・・・・」


リヴァル「・・・でも俺らは今までの態度を崩すようなことはしないでやろうぜ。あいつも気の置けない奴が少しは必要だろ」


スザク「・・・リヴァル。ああ、そうだね。それがルルーシュのためだ」


スザク(リヴァル、本当にルルーシュの親友だったんだね。君のような友人がいれば、ルルーシュも今後どんなつらい思いをしても、大変な道を進もうとしても耐えられるに違いない)







シャーリー(ルルが、皇族。・・・知らなかった。でも知ると妙に納得する。ルルは不思議な雰囲気を持ってるし。普通の人とは違う何か、特殊な・・・)


カレン(キュウシュウの暴動鎮圧に駆けずり回ってようやく一息と思ったらこの騒ぎ。嫌になる。でもそのおかげであの暴動のことが大きく新聞に取り上げられなかったからある意味ホッとしたけど)


カレン(・・・それにしてもルルーシュが皇族、か。あのブリタニアの皇帝の息子。ブリタニアの・・・)






これで今回の投下を終了します

おつおつ!

保守

保守

期待


カノン「殿下・・・諜報員からの報告ですが、どうやら対象はあのアリエスの離宮にてバトレーと被献体に接触したようです」


シュナイゼル「・・・そうか。それは興味深い」


シュナイゼル「引き続きルルーシュの動向を見張っていてくれないかな。特に、バトレー、もしくは被献体との接触には念を入れて」


カノン「・・・何を、なさろうとしているのですか?」


カノン「ルルーシュ皇子は今だ表向きは世間から生存が確認されたばかりで政治的な勢力もなければ傀儡にするほどの人々を惹きつけるカリスマもない。あなたがそれほどまでに執着なさる理由が私にはわかりません。本来皇帝の身辺を探るために私財と投じて育てた子飼いの密偵をお使いになるなどと」


シュナイゼル「・・・ふふ、本当はある程度見当がついてるだろうに。何も知らない風な口ぶりで僕に説明させようとするそういうチャーミングなところは君のいいところだよ」


カノン「ふふ、茶化さないでください。今回は本当に少し読めないのですよ」


カノン「彼がエリア11で評判のゼロ、だからですか?ですがそれだけなのでしょうか」





シュナイゼル「別にそれはどうでもいいんだ。前々から彼に目を付けていた僕にとってはそんなことはどうでも」


シュナイゼル「・・・いや、訂正しよう。彼がゼロであることでより彼に関心が向いたのも事実だ」


シュナイゼル「彼がより一層、僕にとって必要な駒に成り得るという意味ではね」


カノン「それは以前からおっしゃっていたあれのことですか?」


シュナイゼル「・・・そう。父上の持つ切り札。彼の行ったキャスリングを崩す最後の鍵をバトレーらに探らせていたけどもしかしたら鍵はルルーシュになるかもしれない。そう思っているから虎の子を出したのだよ、僕は」


カノン「だから接触させて確かめると」


シュナイゼル「そう、もしも彼のゼロとしての活動が父上の持つ不可思議な力と同じ類の力を持って行っていたとしたら」


シュナイゼル「そう考えると彼のことを放置は出来ないだろう」


カノン「ぜひそうであってほしいですね」


シュナイゼル「ああ、これ以上父上の思惑通りに世界を差配されるわけにはいかないからね。僕と、他ならぬ彼のためにもね」



今日はここまで
明日もおそらく夜に投下を行います
それと
>>224-227乙ありがとうございます
>>228>>230保守ありがとうございます
>>231期待ありがとうございます

追い付いた保守


首都ペンドラゴン 市民街



ルルーシュ「おや・・・待ち合わせ時間にはまだ二十分もあるがもういるのか」


ジェレミア「おおっ、ルルーシュ様。オハやいご到チャクで」


ジェレミア「ルルーシュ様をマタせるなどとんでもない。フショウ、このジェレミア、ルルーシュ様の提示したジカンより一時間前にはここに立っておりました」


ルルーシュ「それは・・・何と言えばよいだろうか・・・。忠義いたみいるとでも言えばいいのだろうか」


ルルーシュ「それにしても二日前より大分流暢に話せるようになったな。前は言葉を自分の中で翻訳しなければならなかったが今はイントネーションが若干おかしい以外は違和感がなくなっている」


ジェレミア「ソウですか!それは誠に喜ばしいことだ」


ジェレミア「ルルーシュ様にアッタあの日、ワタシはルルーシュ様に次にオアイするときはもっときちんとハナせるようになりたいと思いバトレーにナンとかならないかと相談したのです。それで脳のゲンゴヤだけ調整を早めてモラいました」


ジェレミア「おっと、話しが長くなるとボロがデやすくなる。それで今日ワ、どのようなご用件でしょうか?」


ルルーシュ「ああ、それなんだが・・・立ち話では私的な話しも興が乗らないだろう。席のある飲食店、もしくはちょっとした茶店にでも入らないか?」


ジェレミア「わかりました」





ルルーシュ(ふむ・・・十時半、そろそろか)


ルルーシュ「ジェレミア卿、ここなどはどうかな?」


ジェレミア「中々洒落た茶店デスな。支店モあり、テレビでも宣伝サレテいるような店ではナイですが店が小さく落ちツけそうな雰囲気がタダヨッテおります」


ルルーシュ「では入ろうか」






ジェレミア「・・・どうやら席が埋まってイルようですな。別の店もアタリましょうか」


客A「あっ、それなら私たちは丁度今出ようと思っていたところでしたのでお二人方どうぞ」


ルルーシュ「おや、そうですか。ありがとうございます」


ルルーシュ「どうやら席が空いたようだな。あそこに座ろう、ジェレミア卿」






ジェレミア「それにしテも平日の昼前というの二ここは随分と込み入っておりマスな。以外と有名店ナノでしょうか?」


ルルーシュ「そうなのかも知れないな。有名所のチェーン店よりもこういった所のほうが飲食物の質がいいということはよくあることだ。そうでなくとも店の内装の独特な雰囲気を好んだ固定客が多い店なのかもしれない」


ルルーシュ(っとでも言っておけば納得するだろうな。ジェレミアはここには来たことはないし、この店を一々調べるような細かい男でもないだろう)


ルルーシュ(この店は前にユフィとジノと出かけた際に入った店だが休日午後で漸く席が三分の二埋まればいい方の閑散とした店だ。今日これほど埋まっているのも・・・丁度良く俺たちが入ったときに客の一人が席を立ったのも全てギアスによる仕込み)


ルルーシュ(周囲にはギアスの掛かった意識がなく内容のない話を時々行うだけの客。今日ここに寄ったのも俺以外の者にはあくまで偶然。これなら俺とジェレミアの会話を盗聴の類を除いて誰にも聞かれるということはない、はずだ)






ルルーシュ「そういえばジェレミア卿は母上を敬愛しているとのことだがどのようなところに卿は惹かれたのだ?」


ジェレミア「・・・そうですな。挙げろと言われレば沢山挙げられマスが、一番というよりも最初に惹かれたのはあの気高さデスな」


ルルーシュ「気高さ?」


ジェレミア「そう。マリアンヌ様ヲ最初に見たのはKMFに乗っている姿デス。ああ、当時私は仕官学校の訓練兵でしタ。その時の光景をイマでもワタシは覚えています」


ジェレミア「操縦が巧みで誰モ寄せ付けズ・・・そう、今のナイトオブワン、ビスマルクですら寄せ付けないあの強さ。閃光のマリアンヌと巷では呼ばれましタが、ワタシが感動したのはマリアンヌ様の乗ったKMFの一種の芸術的な機動を見たとき、そしてそれをこなした後、機体から姿を現したマリアンヌ様は汗一つかいておらず、優雅に私を含めた兵士たちに手を振っておられました。それが何とも、ナンとも気高い存在にミえた」


ルルーシュ「・・・・・・」


ルルーシュ「俺の中の母上は、俺やナナリーにいつでも笑顔を向けてくれる優しい母上だ。勿論、母上が閃光のマリアンヌという異名を持っていたほどKMFに長けた凄腕のデバイサーであったことも、意外とシャルル・・・父の妻の中でも武断派であったのは資料で知ってはいたが・・・」


ルルーシュ「やはり付き添って来た母の家臣に直接、俺の知らない母上の違った側面を聞くと受け取り方が違うな。実感ともいうべきか」


ジェレミア「・・・・・・」


ルルーシュ「話しを折ってすまない。続けてくれ」


ジェレミア「はい、それでは」


ジェレミア「ワタシはマリアンヌ様に一度操縦の教えを受けたことがアリます。その時のワタシは、今よりもまだまだ未熟で新兵にも達しない素人に毛がハエた程度の腕デした」


ジェレミア「そのときは実践形式のシミュレータをツカッた訓練でして横でマリアンヌ様がみてオラレたのですが・・・かなりシごかれました。この一回の戦闘でオマえはゴカイは死んでいる、ターゲットだけを注視セズに操縦してイルときは周りの味方の位置ヲ把握シロ・・・。苛烈ナお方デ鉄拳制裁も辞さなイ方でした。ですが、一人一人に最後に決まって言うのでス。だけどお前はここが良かった、っと」




ジェレミア「飴と鞭と思うかもしれませんがマリアンヌ様は本当に最後は褒めて終わって下さッタ。苛烈ではありましたが、その実、一人一人に対する慈愛も持ち合わせてオラれた」


ジェレミア「そしてそれはルルーシュ様、ナナリー様に接してこられた母の側面にも通じます。ですから私はなお気高い存在にオモエた」


ジェレミア「これが私が敬愛する理由デス。惹かれたブブんというところデスな」


ルルーシュ「・・・そうか」


ルルーシュ「卿の言葉で少しだけより母上のことを知れた気がする」


ジェレミア「とはイえこれは私の視点からのマリアンヌ様の姿デス。人が変われば、ソウ、視点が変わればまた違うでしょう」


ルルーシュ「そうだな。・・・話しは少し変わるが、ジェレミア卿からみてあの事件・・・そうアリエスでの母上の暗殺事件だ。あれをどう見る?」


ジェレミア「ドウ、とは?」


ルルーシュ「あの事件、誰が何故起こしたと思う?俺が知っているのはあの日の警備を担当していたのがジェレミア他数名の母上の派閥とコーネリア姉さんの派閥。そして死体の処理を行ったのがシュナイゼルの手によるものということだが」


ジェレミア「・・・分かりませぬ」




ジェレミア「正直にイエば・・・そう、意外かもしれませぬガあのお方は味方も多ければ敵も多かった。コーネリア様ほどではアリませぬが。苛烈な側面だけを敵視している方々。皇帝陛下の寵愛を気に食わぬ側室、その皇子皇女の派閥等。誰の手かは特定デキませぬがあの事件、その様ナ者たちノ手という可能性ガ高いでしょう」


ルルーシュ「やはり、か。俺個人としては寵愛を気に食わぬ派閥だと思ってはいるが・・・」


ジェレミア「コノ事件は皇帝陛下モ真相の追求にカナリ力を入れていたようでス。ですから私よりも陛下が事情ヲ知ってイルでしょう。そしてその陛下デスラ追及を打ち切り二したのですから真相は闇トしか言えませぬ」


ルルーシュ「・・・本当に真実を掴めなかったのだろうか。父は」


ジェレミア「と言いますと?」


ルルーシュ「俺は・・・奴が真相を握り潰しているようにしか思えないんだ。事件は大事だったにも関わらずシュナイゼル他数名の皇族に秘密裏に捜査を行ったにしては早々に打ち切っている。そして事件から程なく俺やナナリーを日本に送る。まるで宮から遠ざけるかのように・・・」


ルルーシュ「あいつは真相を既に握っていてそれを握りつぶしたという風にしか俺には思えない。この事件、俺の考えている以上に根が深い気がするんだ」


ジェレミア「では真相ヲ究明シタイと?」


ルルーシュ「できれば、だが俺にはそのような力はない。個人で出来ることなどたかが知れている」


ルルーシュ「それに今はナナリーと今の俺自身のことで手いっぱいだ。そんなことをする余裕もないさ」


ルルーシュ「ただ母上の敵対派閥が俺やナナリーの方に矛先を向けてきたらどうすればいいか、皇帝に未だ疎まれていて更なる不遇を受け入れねばならぬことになるのではないか、という懸念を抱き矮小なこの身を嘆いてはいるがな」


ジェレミア「・・・・・・」


ジェレミア「・・・ルルーシュ様おひとりではありマセン」


ジェレミア「かつてマリアンヌ様に付き従った不肖、コノ、ジェレミアゴッドバルトがおります。私がいる限り、ルルーシュ様の、そしてナナリー様の御身を害する輩を近づけさせることはサセませぬ」


ルルーシュ「ジェレミア・・・」





これで今回の投下を終了します

それと返信で
>>237 乙ありがとうございます
>>238 保守ありがとうございmす

おつ





ルルーシュ「・・・ありがとう。そう卿が、いやあなたが言ってくれるだけでも俺は嬉しく思う。だがあなたは今は兄上の下にいる。母上のことは・・・もう過ぎたことだ。今の主をないがしろにしてはならない。あなた程の人物ならば次代皇帝と目されている兄上の下にいれば、今は不運が重なり燻っているが、いずれ帝国に己の錦を飾ることも出来るだろう」


ルルーシュ「あなたが俺たちに尽くしてくれたとして兄上程の報いを与えることは俺には出来ない」


ジェレミア「・・・確カにシュナイゼル殿下にハ生死を彷徨ってイタ私を救って頂いた御恩が御座いまス。そしてルルーシュ様のオッシャル通リ、殿下にお仕えスレば・・・好機に恵まれレば中央にて立身栄達モ叶うやもシレマせぬ」


ジェレミア「ですが、私にはそれでも忠義が勝ル。このジェレミア、生涯仕えると決めた方の遺児をないがしろ二はシマせぬ。ワタシの剣はマリアンヌ様に捧げました。ソして生前にもしもの事あらバ、ルルーシュ様、ナナリー様のお力になって欲しいとも言われたのデス」


ジェレミア「であるカラして、殿下に恩を返しキッたと判断シタ其の時には、ワタシは必ずやルルーシュ様の下へと馳せ参じマス。マリアンヌ様を救えズ、エリア11でハ幾度もの失態を繰り返したコノ非才な身でアリマスが・・・どうかコノ剣、来るべき日のため、受け取っテはもらえませぬでしょうか」


ルルーシュ「ああ。今の俺には重く、腰に付けるのも分不相応な剣だが・・・あなたの忠義に、赤心に恥を欠かせない為にも有り難く受け取らせてもらう。いつかあなたを使いこなせるだけの大器になるまで、兄上の下で待っていてくれ」


ジェレミア「アあっ、ルルーシュ様。わかりマシタ。その日が来るのを心待ちにシテオリまする」










ルルーシュ(ふっ、これでシュナイゼルの事情を俺に知らせてくれる駒が手に入ったな。ギアスを使えば帝国の情報をある程度は手に入れられるが催眠のようなギアスの強制力による駒は思考が読めないし扱いづらい。そしてそうではない理性的な判断の出来る駒は中々得難い物だがまさかこの短期間で手に入れることが出来るとは・・・)


ルルーシュ(オレンジ・・・いや、ジェレミアがここまでも俺に固執するのは亡き母上への贖罪のつもりなのだろうか。会話の所々にそう思わせるような部分が見え隠れしていていっそ哀れとすら感じるな。だが今はそれを利用させてもらう。何せ皇族ルルーシュには勢力的基盤がないのだからな)


ルルーシュ(シャルル、シュナイゼルもか、奴らに対抗できる力が必要だ。結局、ユフィの件も契機に過ぎない。いずれは俺やナナリーは表舞台に立たなければならなかった。それが早まっただけだ。奴らが俺たちをそのままにしておく保証はないわけだし・・・俺自身が信じられぬから)


ルルーシュ(ナナリー・・・必ず俺がお前の為に優しい世界を作ってやる)





>>246-247
乙ありがとうございます

保守を度々して下さる方にも感謝を
気づけば最初に投下したときから半年近く経ってしまった・・・
遅筆で申し訳ないですがこれからも宜しくお願いします






明朝・ペンドラゴン中央空港



ユーフェミア「なんか、あっという間でしたね。本国に帰ってきたのがつい先日のよう」


ジノ「ユーフェミア様は此度の本国での滞在を随分と楽しんでおられたのですからそう感じるのも無理はないでしょう。久方ぶりに会う御兄妹との会話や本国でのルルーシュ様との買い物などが御座いましたから」


ルルーシュ「俺も久しぶりに本国に帰って来て・・・ユフィとペンドラゴンのあちこちを歩き周れて楽しかった。ユフィと同じく俺もここに来たのがつい先日のように思うよ」


ユーフェミア「そっ、そうですか!それなら良かったです」


ユーフェミア「・・・正直、私は本国に招聘されると聞いたとき・・・ルルーシュのことを気にかけていたのです」


ルルーシュ「っと言うと」


ユーフェミア「日本に送られたのは・・・皇族という身分を考えればやむを得ぬことと納得できるかもしれない。ただ、それから程なくして、不運にも日本と開戦することになって、随分と窮屈な思いを強いられたのですから、本国に余りいい思いをしていないと私も思います」


ユーフェミア「だから・・・もしそうなら、どんなことがあってもここはルルーシュにとって故郷なわけだし、そんな気持ちに縛られてるとしたら楽しい思い出で塗り替えようと私は思ってた」


ルルーシュ(成るほど・・・だからやたらと俺と一緒に街に出かけたがっていたのか)


ジノ(ルルーシュ様とただデートがしたいだけでは無かったのですか・・・。意外とこのお方も考えていらっしゃるのだな)





ユーフェミア「でも、私の杞憂だったようですね。何にせよ、ルルーシュも本国での滞在期間を楽しめたようで良かった」


ルルーシュ(相変わらずだな。ぽやけているようで変に鋭く、そして人を、俺もだが、引きつけてやまない。その眩しさが羨ましいよ、ユフィ)


ルルーシュ「ああ、いい滞在期間だった。帰ってきて良かったと思ったよ。いや、これも気を使ってくれたユフィのお蔭かな」


ユーフェミア「そっ、そんなこと///」


ルルーシュ「これからエリア11でお互いに総督、副総督としての公務が始まると思うとやや鬱屈した気分になるがそれでもユフィと一緒ならなんとかなりそうな気がしてくるよ。でも、疲れたときはまた、買い物にでも付き合ってくれないか?」


ユーフェミア「!ええ、勿論です。お互い、頑張りましょう」


ルルーシュ「ああ」





乙です!



ランペルージ邸




ルルーシュ「ただいま、ナナリー。元気にしてたかい?」


ナナリー「お兄様!ようやくお戻りになられたのですね」


ルルーシュ「ああ。少しの間留守にして気がかりだったけどナナリーはいつも通り元気そうで何よりだ」


ナナリー「私も、お兄様が何事もなくこうしてお帰りになられて嬉しいです。帝都での滞在期間も長かったですし様々な出来事があったと思います。帝都でのお話、お聞きしたいです」


ルルーシュ「そうだな。帝都では色々なことがあった。ナナリーに楽しんでもらえる話もいくつかあるし、他の皆にもな」


ルルーシュ「ああ、そうだ。これは帝都でのお土産だ。ちょっとした菓子だが折角だしここで皆で食そうか」


ナナリー「わあっ、ありがとうございます」


アーニャ「クッキー、ですか。これは美味しそうです」


咲夜子「紅茶に合いそうですね。少しお待ちください、皆さまの分の茶を入れてきます」


ルルーシュ(これが平穏、か。こうしてナナリーに再開して話しをして改めて思う。ここが帰るべき場所なのだと。・・・俺はここを守りたいんだということを)









ルルーシュ(ナナリーとの楽しい団欒を満喫出来たが、少し手持ち無沙汰になったな。荷物でも片付けていようか)


ルルーシュ(うん?あそこにいるのはアーニャ、か。何故、俺の部屋の前にいるんだ?)


ルルーシュ「どうしたんだ、アーニャ。こんなところで」


アーニャ「あっ、ルルーシュ様・・・」


ルルーシュ(アーニャの部屋と俺の部屋は逆方向。だというのにここにいるということは・・・)


ルルーシュ「俺に、用があるんだな」


アーニャ「・・・はい」


アーニャ「ルルーシュ様が帝都に行かれる前にお伝えした、私のことについてです」


ルルーシュ(アーニャのこと、か。滞在中も気にはかけていた・・・が、結局何の情報も得られなかった。いや、勿論収穫は無くはない。だが、記憶を失い、手掛かりを求めて俺に頼みこんだ彼女に、俺は納得の出来る答えを与えることは・・・出来はしない)


ルルーシュ「・・・すまない、アーニャに関することは滞在中に調べた。だがアーニャの情報を得ることは出来なかった」


アーニャ「・・・そう、ですか」





アーニャ「そう、ですよね。私自身、随分と前から調べているのに何の情報も掴めていないのですから・・・」


ルルーシュ「っ・・・」


ルルーシュ(いや、ある程度の、確証とも言っていい、推測は俺の中に出来ている。だが、これをアーニャに言っていいのか・・・)


アーニャ「ありがとうございます。私の為にお時間を割いて下さって。私は・・・これで・・・」


ルルーシュ「待て。・・・確かに俺はアーニャに関することを調べられなかった。だが、手掛かりという程ではないが、一つ分かったことがある」


アーニャ「・・・何ですか、それは」


ルルーシュ(俺は何を言っている。・・・いや冷静に考えろ、これはある意味チャンスだ。もし、もしもこれが上手くいけば・・・)


ルルーシュ「これは俺の推測に過ぎない。が、的を得ていると俺は思っている」


ルルーシュ「ただアーニャ、君はある領域を踏みこまなければならない。それは危険な領域だ。そして君にはこれから言うことを聞かないという選択肢もある」


ルルーシュ「だが聞いてしまったら、君は俺を狂人と思うか、はたまた俺に叛するか。勿論そうなったら俺にもそれ相応の備えはあるが・・・アーニャ、君はどうする?」


アーニャ「・・・・・・」











ルルーシュ(アーニャの件はひとまず片付いたと言っていいか。いや、勿論問題はこれから、と言えるが。目下の懸念はそれだけではない)


ルルーシュ(黒の騎士団をこれからどうしていくか。ここの総督となる以上、特区の統治政策と騎士団との調整をしつつ俺の都合のいいように動かしていかなければな。中華連邦の干渉もある。考えるべきことは多い)


ルルーシュ(が、エリア11の総督のルルーシュと裏のゼロという仮面、使いこなしてみせる)







>>252-253 
乙ありがとうございます


>>254 誤字訂正

再開→再会ですね

ルルーシュ(これが平穏、か。こうしてナナリーに再会して話しをして改めて思う。ここが帰るべき場所なのだと。・・・俺はここを守りたいんだということを)


>>256 訂正


アーニャ「そう、ですよね。私自身、随分と前から調べているのに何の情報も掴めていないのですから・・・」


ルルーシュ「っ・・・」


ルルーシュ(いや、ある程度の、確証とも言っていい、推測は俺の中に出来ている。だが、これをアーニャに言っていいのか・・・)


アーニャ「ありがとうございます。私の為にお時間を割いて下さって。私は・・・これで・・・」


ルルーシュ「待て。・・・確かに俺はアーニャに関することを調べられなかった。だが、手掛かりという程ではないが、一つ分かったことがある」


アーニャ「・・・何ですか、それは」


ルルーシュ(俺は何を言っている。・・・いや冷静に考えろ、これはある意味チャンスだ。もし、もしもこれが上手くいけば・・・)


ルルーシュ「これは俺の推測に過ぎない。が、的を得ていると俺は思っている」


ルルーシュ「ただアーニャ、これを聞いてしまったら君はある領域を踏みることになってしまう。それは危険な領域だ。そして君にはこれから言うことを聞かないという選択肢もある」


ルルーシュ「だが聞いてしまったら、君は俺を狂人と思うか、はたまた俺に叛するか。勿論そうなったら俺にもそれ相応の備えはあるが・・・君が真実に近づく可能性は高まるだろう。さて、アーニャ、君はどうする?」


アーニャ「・・・・・・」











ルルーシュ(アーニャの件はひとまず片付いたと言っていいか。いや、勿論問題はこれから、と言えるが。目下の懸念はそれだけではない)


ルルーシュ(黒の騎士団をこれからどうしていくか。ここの総督となる以上、特区の統治政策と騎士団との調整をしつつ俺の都合のいいように動かしていかなければな。中華連邦の干渉もある。考えるべきことは多い)


ルルーシュ(が、エリア11の総督のルルーシュと裏のゼロという仮面、使いこなしてみせる)





取りあえず今回の投下はここまで
五月は割と時間も取れるので五月中はなるべく投下をしたいと思います

おっつおっつ

乙です



アッシュフォード学園





リヴァル「よう、ルルーシュ。久しぶり!」

ルルーシュ「リヴァルか・・・、久しぶりだな」


リヴァル「聞いたぜ、これから総督様になるんだってな。公務とかもるだろうし、学校とかこれから不定期登校になるのか?それとも・・・今後は来なくなるのか?」


ルルーシュ「リヴァル・・・心配しなくてもいいさ。確かに色々とやることが増えてお前とも遊ぶ機会は今よりも減るだろう。だが・・・学校には、不定期にはなるだろうが来るようにはする。生徒会のことも、中途半端に役を投げ出したりするわけにはいかないからな」


リヴァル「そっ、そうか。大変そうだけど、それならいいんだ。俺も、だけど会長もシャーリーも、スザク、ニーナ、カレン・・・皆、お前に会いたがってるよ。お前がいないと、なんつーか物足りないしな。授業の後の何気ない会話でも、ないとやっぱ寂しいだろ?」


リヴァル「そうだ、帝都に行ったときの話しでもしてくれよ。朝一の授業まではまだちょっと時間あるしさ」


ルルーシュ「ああ、そうだな」


ルルーシュ(リヴァル、俺の立場が変わったというのに変わらずに接してくれる。教室に来るまでの間、周りがどんな目で俺を見るようになったか、それが分かるだけにこういう配慮をしてくれるのは素直に嬉しいな)


ルルーシュ(むっ・・・)


リヴァル「おっ・・・スザク、おはよう。ルルーシュが来てるぜ」


スザク「・・・ルルーシュ」


ルルーシュ「・・・スザク」


スザク「お帰り。これから大変だと思うけど、君ならそれも出来るはずだ。前も言った通り、僕はいつでも君に手を貸す。君の、そしてユフィのいう日本人の為の統治の為に、ね」


ルルーシュ「ああ、頼らせてもらう。お前の力はこれから先、必要だからな」





カレン(・・・ルルーシュ。ブリタニアの皇帝の息子。ふんっ、あいつに私たちのことを想った統治が出来るものか。・・・こんな特権階級で、そもそもがブリタニア皇族として育ったあんな青瓢箪如きに・・・私たちのことを本当に想った・・・)


カレン(やっぱりゼロしかいない。結局、ここ(租界)で日本人の惨状を知らない奴らは自分たちの都合でしか動かないんだ・・・。キュウシュウの講演会の時もそう。結局ブリタニア人は私たちなんかイレブンとしてしか見てない。ゼロ、ゼロしかいない。・・・だけどなら何故ゼロは行政特区なんかに。本当にそれを信じているの?分からない・・・)





授業中





ルルーシュ(さて・・・、学校に来たはいいが・・・授業時間という何事にも縛られぬ時間を有効に活用せねばな)


ルルーシュ(スザク・・・白兜、あのランスロットのデバイサーとして散々煮え湯を飲まされてきたが・・・。改めて思うとやはりあの力は脅威的だな。PCでの戦闘データを眺めるだけでのその突出した戦闘力が分かる。勿論、戦いは数で本気で戦争をするなら単騎での戦闘力等戦術レベルでの問題に過ぎないが・・・俺は大規模な戦争を起こしたいわけではない。そんな博打なぞ打ちたくもない)


ルルーシュ(だが・・・一騎当千の戦闘力はそれ自体を保有しているだけで十分優位となる。有事の際に備えるのは必要だ。スザクはなんとしてもこちらで確保しておきたい)


ルルーシュ(となると・・・一番妥当なのは、総督の護衛として特派から人事を移動してもらうと言った所か。スザクの場合、シュナイゼルが人事権を持っているのか?それとも、スザク自体は特派のデバイサーの実験に参加という形だから特派の責任者が持っているのだろうか?ロイドとか言ったか、彼に後ほど打診しておこう)


ルルーシュ(後は・・・黒の騎士団のことだな。C.C.は上手くやれてると言ったが・・・正直不安だ。書類の処理や方針は帝都からでも連絡出来たが・・・団員の雰囲気などは直接会って感じ取らなければ分からぬしな)


ルルーシュ(おっと、授業は終わりか。学校が終わったらナナリーに顔を出した後、騎士団のアジトに向かうとするか)








取りあえず投下はここまで
>>261>>262
乙ありがとうございます

前から楽しみにしてた
頑張っておくれ




黒の騎士団本部



ルルーシュ(ゼロ)「ふむ・・・都での行政特区への参加者は着々と増えているな。だが地方での講演会の効果はまずまずといった所か」


ディートハルト「まあ富士周辺に住んでいるものやトウキョウ等の差別がより激しいところでは参加の意欲も高いですが、地方では今一つ実感が持てないのも仕方がないでしょう。その為のゼロと黒の騎士団メンバーらによる講演会でしたが・・・キュウシュウでの騒動もあり、地方のものらは様子見の姿勢でいるようです。こればかりは成果を出さぬ以上は難しいかと」


ルルーシュ「インフラなどはクロヴィス政権のときの政策が続いてるおかげか未だ戦前の状態を保っており、制限が少なく地方の者も参加しやすいはずではあるのだが・・・やはり実績を示さねば地方からの移入はそう簡単には行かないか」


扇「行政特区建設のセレモニーでは全国からかなりの人たちが来てくれてはいたのだが・・・実際にそこに住むとなったらそれなりに抵抗感もあるのだろう」


扇「キュウシュウでのデモでもそうだ。あれによる死傷者はそこまで多くはない。だが、ブリタニア人の兵士が民間人をKMFで踏みつぶすという残虐行為を平気で行ったことでキュウシュウに住む日本人とブリタニア人との間の溝は更に深まることとなった。ブリタニア側も情報規制を行ってはいるがあくまで情報が広まるのを遅らせることしかできない。こんなことを平気で行うブリタニア側を俺たちが信じろと皆に言っても信じてくれるだろうか」


ルルーシュ「・・・こればかりはどうしようもないな。そもそもの時点でブリタニア側と日本人の間には溝が出来ていた。我々がそれを埋めるには年単位で活動していかなければならないのはこの政策の参加を表明したことで皆には言ったはずだ。だが、安心してほしい。現政府との折衝を私に一任すれば必ずこちら側に有利な政策を行わせてみせる」


ディートハルト「となると鍵は新総督のルルーシュ皇子となりますか。ゼロはユーフェミア皇女と繋がっておられるそうですが・・・」




ルルーシュ「それに関しては既に手を打ってある」


ディートハルト「そうですか、それなら何も言うことはありません。私が考える程度のことなぞゼロが考えぬはずがありませんから。ですが・・・こればかりはお気を付けて下さい。ただ、黒の騎士団内で情報操作を一任されている私の個人的な意見ですが、今、日本の民のブリタニアへの猜疑心が高まっております。そしてそれを擁護する現在の黒の騎士団にも懐疑的な目で見られ始めているのです」


ディートハルト「日本の民たちも馬鹿ではありません。特区政策がただの体裁を整えた隔離政策であれば現政権への今あるわずかばかりの期待も、我々が築いてきた黒の騎士団への信頼も全て失われます。それを常々忘れないでください」


ゼロ「肝に銘じておく」


藤堂「・・・・・・」


ゼロ「どうした?藤堂」


藤堂「いや、何でもない。全てはこれからの動向次第だな。我々がこのまま伏しているのも、直接的な行動を取るのも」


ゼロ「・・・どういうことだ」


藤堂「どういう、という程のことでもない。ゼロの言った通りだ。当面はこのままでいい。ゼロには今までの実績があるからな。だが・・・私は今まで通り有事の際に備え戦力を整えておく」


ゼロ「・・・早まったことはするなよ、藤堂」


藤堂「しはせんよ。部下はきちんと抑えておく。ただ、精力的に働いてもブリタニアのためだけになっているのではないかと疑心暗鬼になっている部下もいることを頭の中に置いておいてほしい」


ゼロ「ああ。頭にとどめておく」





カレン「・・・・・・」







今回の投下はここまで
>>267 ありがとうございます
     遅筆ですが少しでも進めていけたらと思っています

乙、気長に待ってるよ

保守

乙です

本気で「捨て駒」扱いだったのはサイタマまでで、ナリタ以降は必要な「駒」として見ていると思うよ?>騎士団
じゃなきゃ、わざわざあんな演説ぶってまで覚悟させる必要は無いし

キョウトに関してはもったいない設定だったし、是非とも有効活用してほしいな
作者さん頑張ってくれ



ゼロの私室




ルルーシュ「長い間ごくろうだったな。キュウシュウでの騒動も聞いたが、無難に対処してくれたようで助かった」


C.C「ふっ、お礼なんていいぞ。私たちは共犯者だからな。お前に今倒れてもらっては困るからこそ私はお前の身代わりを務めたというだけの話しだ。それよりも何だ、そのお土産のお菓子とやらを早く広げろ」


ルルーシュ「せっかちだな。ほらっ、貴族階級御用達のシフォンケーキだ。ここらでは中々手に入らない上物だぞ。ピザばかりではなくたまにはこういうのもいいだろう。ゆっくり味わえ」


C.C「ふむ、悪くは・・・、いや中々」


C.C「まあそれはさておきとして、どうするんだ?これからは」


C.C「元はといえばなし崩し的に特区に入ったわけではあるしこのまま年単位でここを何とかしていく気か?お前の目指す、自分とナナリーを脅かさない優しい世界とやらを作るために」


ルルーシュ「嘲笑を隠しきれてないぞ、ピザ女。俺は大真面目だ。ナナリーの為にこそこんな馬鹿げたことをやっている」


C.C「そうでなくては今までの自分をも否定してしまうから、か?」


ルルーシュ「・・・何が言いたい?」





C.C「いや、何でもない。お前は妹想いの優しい兄だよ。続けてくれ」


ルルーシュ「・・・まあいい。だが、俺は特区自体は手段であって目的ではない。つまりは状況によっては切り捨てるし、そもそも全部が全部上手くいくとは思ってもいない」


ルルーシュ「それに大前提として、奴、ブリタニアの現皇帝シャルルをこのままにはしておけない。奴は帝国主義を推し進め、いずれはこの世界の頂点に君臨するつもりだ。奴について行けるのは、オデュッセウスのようなイエスマンや、腹は黒くても有能であり、利害が一致する間は信用の置けるようなシュナイゼルのようなもののみ。気に喰わぬものは排斥する」


ルルーシュ「幼いころ、奴の逆鱗に触れ、ここに飛ばされ、ここを蹂躙してきたときに奴の考えてることを悟った。奴にとっては血族さえも自分に従うもの、従わぬもの、自分の意に添えられるもの、添えられるものの二極でしか考えていないということがな。そしてどうやら俺とナナリーは奴には煩わしかったようだ」


ルルーシュ「だから、だ。俺は奴の存在を看過出来ない。いつ奴にこの身が脅かされるか知ったものではないからな。奴を力を奪った上で社会的に抹殺、いやこの世からも、か。そうすれば、少なくとも次期皇帝の権力争いに巻き込まれなければ俺もナナリーも安寧を得られるだろう」


C.C「成るほど、では特区に参加すること自体も単なる口実か。黒の騎士団のゼロと皇族のルルーシュを使い分けるための。いずれは皇帝を退けるための、力を蓄えるための期間に過ぎないと」


ルルーシュ「ああ。そして奴の私設部隊のラウンズの隊員であるアーニャは既に手のうちにある。ジノも時間をかけてこちら側に引き込もう。そして、本国にいるジェレミアと特区のユフィ、この二人をどの程度までこちらに引き込めるか、だな。まだまだ手駒は少ないがじっくりと奴を追い詰めていく」


ルルーシュ(そして、懸念がシュナイゼル。何を考えているのか読めん上に俺をゼロと、少なくとも騎士団の関係者と決め込んでる上で放置している。だが・・・今は俺から打てる手が無い以上はひとまず放置だ)






C.C「随分と僧上慢にも思えるが、自信に溢れ、理想を追い求めるお前のそういうところは嫌いじゃないぞ。まあ今しばらくは私も協力しようじゃないか」


ルルーシュ「そうか、すまないな。頼りにさせてもらう」


ルルーシュ「それで、だがいくつか聞きたいことがあるが・・・いいか?」


C.C「何だ?」


ルルーシュ「まず、前にも聞いたことだと思うが、ギアスについてだ。俺のギアスはお前から与えられた。そして俺と同じくマオもお前からギアスを与えられたものだったな」


ルルーシュ「ということは、俺以外にもギアスを使うものがいるということが考えられる。それに関しては前にお前に聞いたら、以前はノーコメントだったな。では質問を変えよう。お前以外にギアスを人に与えられる者はいるか?」


C.C「ふむ、そうだな。質問の答えとしては・・・イエスだ。ギアスは私以外にも継承させられるものはいる。最も今はどうしているかは私は関知していないがな」


ルルーシュ「・・・では、お前はお前が与えた以外のギアス持ちの人間を関知していないということだな」


C.C「そうだな。私が与えた者以外は私は知らん。それに、深くは言えんがギアスは真に望みのある者に、力を渇望するものにのみ与えられる。お前の時もそうだっただろう。それに能力はその者の望みに適した能力が与えられる。マオは人を理解したいために思考を読むギアス、お前は他者を自分の支配下に置きたいために絶対服従のギアス」


C.C「つまりはそうそう能力者は生まれぬし、能力がお前の脅威に成り得るとは限らないということだ。だから、あまりギアスの影に怯えずに大胆に行動したらどうだ?手っ取り早く奴に闇討ちでもかければいいのではないか?」


ルルーシュ「俺は博打は打ちたくはない。やるなら確実に、だ」


ルルーシュ(C.Cは本当のことを言っているのか?・・・だが俺にはそれを確かめる手段はない。やはりギアスの情報に関しては別口で得る他はないか)





取りあえず今回は投下はここまで
それと返信を

>>271-272>>276
乙ありがとうございます

>>275
保守ありがとうございます

>>279
ありがとうございます

>>282誤字訂正 

C.C「随分と増上慢にも思えるが、自信に溢れ、理想を追い求めるお前のそういうところは嫌いじゃないぞ。まあ今しばらくは私も協力しようじゃないか」


くっそ面白いです

保守




ルルーシュ邸




ナナリー「まあ、そうなんですか。帝都では今そのようなことが・・・」


ユーフェミア「ええ。友達も皆そこのブランドの装飾品に夢中になっていて。最近私服で出かける際にこっそり付けているんです。そしたら爺やに見つかって、それはもうカンカンに怒られて」


ナナリー「そうなんですか」くすくす


ガチャッ


ルルーシュ「んっ、ユフィ、来てたのか」


ユーフェミア「あらっ、お帰りなさい、ルルーシュ」


ナナリー「お帰りなさい、お兄様」


ルルーシュ「ただいま。それで・・・今日はただ来ただけじゃないんだろう、ユフィ。要件は明日のことについてか?」


ユーフェミア「まあ。ナナリーやルルーシュとお話しをしに来るのも私にとっては大事なことなのに!」




ルルーシュ「あー・・・俺が悪かった。そう機嫌を悪くしないでくれ。ナナリーもだ」


ユーフェミア「くすっ、分かってますよ、ルルーシュに悪気がないくらい。いえ、むしろルルーシュがこれから就く立場を考えれば私心無く公的な立場のあるお方が面会してきたなどと考えない方がいいというものです」


ユーフェミア「それでですが、今日ここに来たのは、勿論こうしてナナリーやルルーシュとこのような取り止めのない会話を楽しみたい、という気持ちもありますが・・・メインは明日についてのことをルルーシュに確認しておきたかったのです」


ルルーシュ「明日・・・俺がエリア11の総督として行う行政特区日本に関する総会だな」


ユーフェミア「そうです。ルルーシュにとっては初の仕事となりますね」


ルルーシュ「と言っても、政策案は既に大半が可決済みのもので、その経過報告が殆どと聞いたが・・・」


ユーフェミア「そうですね。私たちの役目としては最終的な案の認可の決定のみです。そもそも特区施設建設の事業に関する実務は専門家が行うものですし、法律関係は官僚らが既に整えています」





ユーフェミア「勿論、私たちの身分ならある程度は我を通せます。ただ・・・他の官吏らからの信頼は失われますけど」


ルルーシュ「そうだろうな・・・となると・・・」


ルルーシュ「んっ、ナナリー、少し席を外してくれないか。少し踏み込んだ話をしなくてはならないからね」


ナナリー「分かりました。お話しが終わりましたらまた呼んでください、お兄様」


ルルーシュ「・・・行ったか。それでは話を戻そう。前に会ったときに渡してくれた前回の総会についての書類や進行中の議題や可決済みの議題については目を通した。それで、だが・・・俺の感じた限りでは正直このままではただの箱庭による隔離政策だな」


ルルーシュ「蔑称の禁止はいいが、特区内でも特区外から入るブリタニア人の優遇具合が酷い。露骨なまでに隠れた差別が見え隠れしている。総会とやらは保守派がやはり多いのだろうな」





ユーフェミア「ええ。実のところ、私のこの政策も何度も握りつぶされそうになりました。私の側近たちが頑張ってくれたおかげでここまでこぎつけることが出来ましたけど・・・」


ルルーシュ「何とか保守派の官吏らをコントロールしなければな。となると・・・やはりキーはゼロ、か」


ユーフェミア「・・・ゼロの立場であれこれと総会を掻き回す、ということですか?」


ルルーシュ「ああ、取りあえずは日本人寄りの発言をゼロに言わせ、官吏らとの議論を激化させる。そして平行線に行ったところで妥協案を俺やユフィの立場から、もしくはユフィの側近から提示する。議題を保守よりな政策から上手く中庸へとシフトさせていくにはこれがいいと俺は思う」


ユーフェミア「そうですね・・・それなら今のうちに明日の議題についてゼロの提示案と私たちの提示案を考えておきましょう」


ルルーシュ「うん。ゼロの提示はなるべく極端な方がいい。そして受け入れやすい案も考えておこう」


ルルーシュ(終わったらC.Cにも意見を聞いておかねばな)


これで今回の投下は終了です

>>285>>288
乙ありがとうございます

>>287
保守ありがとうございます

乙。

オッツオッツ




ブリタニア本国・首都ペンドラゴン







コーネリア「EU方面への本格的な侵攻は三か月後か。ブリタニア本国からの我が軍の進行経路の確保に問題はないか?」


側近「はい。経路は既に我が国が制海権、制空権を得ていますので奇襲の心配はありません。兵站はユーロブリタニア軍が担当するので補給に関しても大丈夫です」


コーネリア「・・・ユーロブリタニア、か」


ギルフォード「殿下?」


コーネリア「いや、何でもない。それよりもこの侵攻作戦、長引けば泥沼だ。出来れば半年足らずでこの侵攻作戦を遂行させたいものだが・・・果たして・・・」









コーネリア「ふぅ・・・やはりこういう大規模な侵攻計画は中々進まんな。それに、軍の再編にも手間取っているとのことではないか。これでは本当に三か月後に侵攻出来るかもわからんな」


ギルフォード「殿下、少し焦っておられるようにもみえますが、何か気がかりでもおありなのですか?」


コーネリア「・・・そうみえるか」






ギルフォード「ええ。いつものように大胆且つ余裕を持ったお姿ではないので少々。エリア11でのことでしょうか、やはり気がかりなのは」


コーネリア「その通りだ。少し、な。ダールトンも、側近の官僚らも幾人か向こうに残しては来たが、本国に来てからどうもな」


コーネリア「ルルーシュやユフィの手前、安心だと言った・・・だが、新米総督に経験の浅い副総督、そして私のいないこの時期にあの男が果たして黙っているだろうか」


ギルフォード「ゼロ・・・」


コーネリア「ユフィは大丈夫と私に言い、奴も、奴の私兵も管理下に置いている。だが・・・どうにも嫌な気がする。父う、いや皇帝陛下の勅令とはいえ、な」


ギルフォード「・・・キョウト六家とは接触を断っておりますし、数少ない傍にいる構成員と奴個人で出来ることなど限られてはいますが、確かに得体の知れない何かを感じさせますね、奴は」


ギルフォード「とはいえダールトン将軍もグラストンナイツを本国から招集されましたし、ルルーシュ様の補佐も抜かりはないとのこと。確かに不安はありましょうが、今は経過を見守ることしか出来ませんよ、今の我らは」


コーネリア「ふむ・・・そうだな。まずは、目の前のコレを片付けてからか。暫くはユフィたちを見守るとするか・・・」






少し短いですが今回は以上です

それと返信で

>>295>>297-300
乙、保守ありがとうございます


乙です




エリア11総督府・議会







議長「では、今回の議題である特区内における管理区、及び志納別区内整理に関してですが・・・」


ルルーシュ(これは、酷いな。余り期待はしていなかったとはいえ、初めての参加ということもありほんの僅かでもユフィの気持ちを汲んだ政策を話していてくれればと思っていたのだが・・・ここにいる者らは殆どが特区に住む日本人を喰い物にしようとしている)


ルルーシュ(特区の区画別の差別。志納と銘打った納税差によるクラス分け。貧困層、反政府思想の者らの隔離区。・・・そして官吏らによる利権争いか。ユフィの理想を踏みにじる箱庭だな、これは)


ルルーシュ(そして日本人寄りの議員が、今回から特別に参加することとなったゼロを除くとブリタニア政府寄りな旧日本政権の閣僚数名に、神楽耶を抜いたキョウト六家の面々か。おまけに俺やユフィにはここでの大権は与えらえていない。これではブリタニア側の一方的に有利な政策となるのも頷けるというものだ)


ルルーシュ(だが・・・今回は違う。そう、ゼロがいる。ゼロの役をやっているC.Cが俺の通りに進めれば・・・)


議長「むっ、ゼロ、意見がおありか」


ゼロ(C.C)「ええ。まずはこの議案の区画整備ですが、管理区以外の区画は全て、今議案で認められている区の権利を平等にしましょう。それと、管理区内でのインフラ整備に紛れたブリタニア人における強権は必要ないと思われます」








議長「・・・・・・」


桐原(なっ!何を言っておる。そのようなことを行き成り切り込むとは!)


官吏A「必要ないとはどういうことかな、ゼロ。区画整理は既に既定路線だ!それを・・・」


官吏B「特区内の強権はエリアの治安維持のためだ。ブリタニア人不利な制度を強いることは特区といえど本国は看過出来ん!」


ゼロ「ほぅ。しかしそれではユーフェミア副総督の仰られた特区での権利保障にそぐわないのでは?」


官吏C「出来る限りだ。それにトウキョウの特区は他の地域に設けられる特区の試験も兼ねている。その為の、だ」


議長「静粛に。ゼロ、議員らの揚げ足を取るような発言は止め、建設的な意見を言いたまえ。まずは貴方の議案改定における論拠を説明してもらいたい」


ゼロ「はい。まず、管理区の強権の撤廃ですが、これは現在のEUにあった、旧ヨーロッパ諸国の植民地政策におけるデータなのですが・・・」






ゼロ「・・・このように、最初に出した政策とかけ離れた政策を推し進めることはナンバーズのみならずブリタニア臣民にも動揺が生まれ、エリアの統治そのものに関わるかと」


ダールトン「それは主張の裏付けとなっていない。貴方の予想、極端に言えば妄想に過ぎない。旧統治下と今の統治はそもそも前提が違うのだ」


ダールトン「大体、特区のナンバーズの差別をなくしたいのならばもっと上手く・・・」


ゼロ「特区に差別など無い筈ですが、何のことですか将軍。架空の主張に誤った反論をしては困りますな」


ダールトン「!この、詭弁を・・・」


ユーフェミア(ゼロが上手く掻き回している。審議で数の差に負ける前に、ルルーシュ) チラッ


ルルーシュ(ああ、分かっている)


ルルーシュ「ふむ、議長。彼の意見だが、その中でも志納別の区画分けは一部、行き過ぎた所もなくなないとも思えるが、そこはどうなのだ?」


ルルーシュ「もしも、ゼロの提示したデータ、予想が全くの出鱈目でないのならば、この部分に関しては私は一向の余地もあると思う」


議長「・・・総督の言う通り、そこは余りにも行き過ぎではないかとの意見が上がったこともあります。ですが、この場では決められませんので一度官吏らに調べさせ次回に持ち越しとしましょう」


ダールトン(くっ・・・赴任したばかりのルルーシュ様に付け込む気か!ゼロの目的は)


ルルーシュ(先ずは一つ・・・だが、先は長いな)


桐原(成るほど、そうして変えていこうとする気か。だが・・・そのような立場を頼りにした手が幾度も通用はしまい。更なる手を考えてはおるのか、ゼロよ)






黒の騎士団本部・ゼロの私室







ルルーシュ「ふふ、完璧じゃないか、C.C。俺の言った通りだけでなくああいう風にダールトンや官吏らをおちょくるとは。奴らの頭に血が上って発言の粗が増えていく様は見ていて痛快だったぞ」


C.C「そうたいしたことではない。昔にこういう場は何度か経験している。私としては上手く審議を止め、官吏らを動かしたお前を称賛したいぐらいだ」


C.C「それで、ギアスでも使って少しずつ議会を掌握していくのか?初めからギアスを全員にかけておけば手っ取り早く済んだだろうが」
ルルーシュ「そうやって俺に皮肉を言うのも相変わらずだな」


C.C「皮肉ではない。単に思っただけだ。その方が楽だというのに」


ルルーシュ「・・・ギアスに関する情報を掴んでいることが分かった。ブリタニア側は」


C.C「・・・ふむ、それはオレンジ、いやジェレミアからの情報か?」


ルルーシュ「ああ。それと、ギアスをかけた何人かの本国にいる俺の駒からもな」






ルルーシュ「ジェレミアの実験はアンチギアス、ギアスの対抗とギアスの解明に関する人体実験のようだ。勿論被験者にはそれも伏せられてはいるが、ジェレミアの実験内容と発言からほぼ、そうであると俺は読んでいる」


ルルーシュ「ギアスの絶対性を余り信じすぎない方がいい、と俺は判断した。いや元々そう思ってはいたが、このことからより一層、な」


C.C「だからギアスは使わないと?笑える話だ。カードを持っているのに切るのが怖くて震えているだけではないか」


ルルーシュ「・・・そう思いたくば思えばいい。だが、俺には失敗は許されない。俺の失敗は俺の死のみならず、俺の周りにいる者たち、更にはナナリーにさえも害が及ぶ。だから、だ。慎重になるのは。だが、使う必要があれば使うさ。その為の力だ」


C.C「・・・拙速は巧緻に勝るとも言うが、機を逃さぬようにはしろよ。私はそうやって時間をかけすぎて失敗する馬鹿を何度も見ているからな、長い人生の中で」


ルルーシュ「勿論だ。半年だ、半年の間に議会を俺は掌握する。そして、二年・・・いや、一年でエリアを掌握する」


C.C「これはまた随分と大口だな」


ルルーシュ「ふっ、ただのビックマウスでないことを証明するよ。他ならぬ今の俺を一番良く知るお前にな」




投下は以上です

それと返信で

>>305
乙ありがとうございます

期待してる



シンジュクゲットー




カレン「・・・前ってこんなにここ、人が少なかったっけ?前はもっといたような気がしたけど」


玉城「ん?ああ、そういえばそうだな・・・いつもは昼間っからボーっとしてるやつらも結構いたのにあんまいなくなってんな。何でだ?」


南「特区施設の建設の効果だろう。今の政府、総督府にとっては行政特区建設は一大プロジェクトだ。大規模公共事業には膨大な数の人足が必要になる。フジ周辺の再整備もこの機に行うようだしな」


南「だから全国から日雇いの労働者を募っているようだ、ブリタニアは。ここにいた奴らも出稼ぎで出て行ったのもそこそこいるだろう」


玉城「ってことは仕事無くして日頃ダラダラしてたやつらが仕事貰って特区で生活するために頑張っている、ってことか。そりゃいいことじゃねえかよ!ゼロが早速日本人の為にここを変えたってことだろ」


南「・・・まあ、そういうことだな」


南(ただ、事はそう単純でもない、と思うが・・・)






カレン「・・・でも、結局はブリタニアにいいように使われてるって事実は変わらないのよね」


南「・・・その通りだ。これまでも自活能力のあるものはブリタニアに気持ちを押し殺して頭を下げて職を貰っていた。勿論このお陰で燻っていた貧困層の中に特区に住むという目標を掲げ新たな生活の為に一歩踏み出せたものも大勢いるが・・・体制が変わっているわけではない」


玉城「ふんっ、確かに鰤鬼野郎に顎で使われるのは嫌だがよう、それもほんの少しの辛抱だ。その胸糞悪い現状もゼロが変えてくれるさ」


カレン「・・・確かに、ゼロなら・・・」


南「・・・・・・だといいが、な」


南「まあ変えようとしてもそう簡単に変わるものでもないか・・・こういうのは時間がかかるからな」


カレン「・・・・・・」


南「そういえば扇の奴、遅いな・・・今日はあいつも俺らと一緒にここの前のアジトに来る予定だったろ。何してるんだ?」


玉城「ああ、扇の奴なら今日は来ねえぜ。へへっ、コレとちょっと用事があるんだとよ」


カレン「・・・コレ?」


南「女、か。どこの女だよ。いや、そもそもそんな理由で・・・」


玉城「まあまあそう言ってやんなよ。あいつも今までレジスタンス、そしてその後の黒の騎士団での活動で多忙続き、休む暇も碌に無かったじゃねえか。その女と特区に一緒に住むらしいしいい機会だ、ちょっとぐらい気休ませてやんねえとな」


南「そうか・・・あいつは特区に住むのか、そのいい関係の女と」


カレン(・・・扇は特区を支持している、か。いや私もちょっと前まではそうだったからそんな責めることは出来ないけど)






玉城「にしてもあいつどこでそんな女ゲットしたんだか。あれか、ゲットー裏の商売女にでもコロッといった口か?あいつそういうのに引っかかりそうだもんなぁ」


南「ふんっ、ああいう場所は好かん」


カレン「・・・玉城、あんたがそういうところに経費で落として行ってるの知ってるから、幹部は皆。止めた方がいいよ。多分ゼロも敢えて見逃してるんだろうけど目につくようなら切られるよ」


玉城「なんだと!お前みたいなガキにはああいうのの良さが分かんねえだろうがよ・・・」


カレン「はいはい、長くなるなら後でにしてね、興味ないから」


南「・・・風俗街、そしてそこに連なる娼館か。戦後にあそこに身を落した婦女子も多いだろうな」


カレン「・・・私は、運よく生活には困らない程度の立場でいれたけど・・・そうじゃない子たちの中には、多分・・・」


南「・・・早く現体制が変わればいいがな。ブリタニアの支配ではなく日本人の為の国による統治であれば・・・」


カレン「・・・そうね」


カレン(・・・ゼロ、私に出来ることがあれば何でも言ってほしい。私は、やるから・・・何でも。向こうを掌握するのに今の総督のルルーシュが邪魔なら、学園にいる間に闇討ちをかけてもいい。どんなに危険な、後ろ暗い任務でも、この日本を変える為なら・・・)






今回は以上です

>>311ありがとうございます



総督府・総督室





ルルーシュ「・・・何?もう少し発言を自重して欲しい、と・・・?」


ダールトン「ええ、そうです。ここ最近のルルーシュ様はゼロにいいように利用されているのです。ゼロは相手に失言させ、それを突くことで相手の主張を自分に有利な方向へと誘導しています」


ダールトン「ですから、ルルーシュ様にはそのような手口に乗らぬよう御自重願いたいのが我らの総意です」


ルルーシュ「・・・しかし、ゼロの言っていたこと、そして時折出るNECの人間の指摘も決して的が外れてはいないように思うが・・・」


ルルーシュ「そもそも今回はこのエリアの民の為の政策だろう?ならば余りにも露骨なブリタニア人贔屓、イレブン軽視な部分は極力減らすべきではないのか・・・?」


ダールトン「いえ、そもそもルルーシュ様のお考えが、前提が違います。我が国の方針は不平等の肯定、エリアの二級市民とブリタニア人の差を決して縮めてはいけないのです。明確な差があってこそ立場を逆転しようと民は努力し、上へと進むことを渇望する。名誉ブリタニア人制度など下から上へと上げるシステムはきちんとあります。このエリアのみを特別視して身分の境界を曖昧にするわけにはいかぬのです」


ダールトン「そして特区の建設は・・・あくまでも反ブリタニア思想を持つイレブンを隔離するための箱庭。そしてコーネリア様はこの箱庭へと閉じ込め、ブリタニアの支配を受け入れるものを整備されたゲットーに住む権利を与える、そういった新たなシステムを構築しようと考えておられます」






ルルーシュ「なっ!それではそもそものユフィが考えた構想は・・・」


ダールトン「残念ですが、本国の意思こそ最重要です。我々コーネリア様の派閥のものはそう思っておりますし、ルルーシュ様の意にそぐわぬかもしれませぬが、総督となったからにはその職務を全うしていただきたく諫言した次第に」


ダールトン「ですから・・・今後はきちんとご自身の立場を理解して・・・」


ルルーシュ「黙れ!お前のような奴がいるからブリタニアの今のような増長があるのだ。ユフィの気持ちを理想を簡単に切り捨てやがって!何が俺の補佐だ、お前などいらん。『コーネリアの下へと帰れ!』」 キィーン・・・


ダールトン「・・・・・・・」


ダールトン「・・・はっ、それでは」 ガチャッ


ルルーシュ「はぁ、はぁ・・・クソッ!しまった、俺としたことがこうも感情任せなことを・・・。ぐっ、これでは・・・」





翌日



ルルーシュ「何!?ダールトンが・・・!」


官吏A「はい、突然のことでした・・・。今朝方いきなりコーネリア様の下へ戻ると、本国へと・・・」


ルルーシュ「そんな・・・馬鹿な・・・」


ルルーシュ(まさか、ギアスが発動したのか・・・!そんな筈はない!俺は意図してギアスを発動させてはいない。だが、それならこのダールトンの突然の行動は・・・それによく思い返せばあの時、僅かに奴が硬直していた気が・・・)


ルルーシュ(まさか本当に、無意識にギアスが発動した、ということなのか!?ぐっ・・・どういうことだ。いや、一度C.Cに問いただすしかないな)







黒の騎士団アジト・ゼロの私室



C.C「ほう・・・つまり、無意識にギアスが発動したかもしれない、と?」


ルルーシュ「ああ、俺はそうだと睨んでいるが・・・こういうことはあり得るのか?」


C.C「・・・・・・」


ルルーシュ「・・・知らないのか?それとも、答える気はない、と?」


C.C「いや、別に・・・もうその段階に来たのかと正直驚いているだけだ。案外早かったな」


ルルーシュ「ということは、ギアスは無意識に発現することもあるのだな。条件はあるのか?」


C.C「使い続けていれば次期にそうなる。マオのことを覚えているだろう?奴が最初から無差別に心の声を聞くだけの力があったと思うか?」






ルルーシュ「心の声が本人も意図せず聞こえてしまうのは異常だが、つまりギアスを手に入れたときはそれだけの人間の気持ちを読み取るだけの力はなかった、ということか」


ルルーシュ「・・・成程、つまりギアスは使えば使うほど力が増してしまうということか・・・能力を所持するものの意図とは別に・・・」


ルルーシュ「このままいけばマオと同じか・・・。なあ、C.C、この力はもう制御は出来ないだろうか?」


C.C「そんなのは知らん。ただ、マオがヘッドフォンで別の声を聴き続けることで他の声を弱めたように何かしらで制御は出来るかもしれん・・・」


ルルーシュ「・・・成程な」


ルルーシュ(ということは直接相手と視線を合わせなければ・・・レンズ越しならギアスが弱まるだろうか・・・?実験しなおさなければな)


ルルーシュ(それと・・・ギアスとは別件だが、議会をやはり何とかしなければ・・・手っ取り早くギアスをかけて官僚らを操るか・・・いや、だがあまりにも曖昧な命令では誰かにふとしたことで気づかれるかもしれない・・・となると、別の何かを・・・)






今回の投下はこれで以上です

>>317-319

乙、ありがとうございます

乙です



アッシュフォード学園、クラブハウス空き室



ルルーシュ(・・・ギアスを使って議会を操る。やはりそれしかないか・・・。だとしたら最悪のことを覚悟しなければ・・・)


ミレイ「ねえ、何してるの?ルルーシュ君」


ルルーシュ「んっ、会長・・・。いえ、少し考え事を。部屋だとどうしてもナナリーに構ってしまうのでじっくり一人で考えたくて」


ミレイ「そっか・・・。まっ、そうよね」


ルルーシュ(何しに来たんだ、会長は?単に俺のことが気にかかり、話しかけただけ、か?まあ、会長ならそれもあり得るが・・・)


ミレイ「・・・ねえ、ルルーシュ君が考えてたのって公務のこと?」


ルルーシュ「・・・ええ、そうですよ。今は皇族で、ここの総督ですから・・・。色々と悩むことも多くて・・・」


ルルーシュ「あっ、でもあんまり会長に言うべきことでもないですね・・・」


ミレイ「いいのよ・・・。大変なのは分かってるから」


ミレイ「・・・本当に大変なんでしょ。ユーフェミア様が提案した特区作りが難航していて」


ルルーシュ「それは・・・!」





ミレイ「分かる人には分かるわよ。ルルーシュ君とユーフェミア様の関係や、ルルーシュ君の人柄・・・それにナナリーへの想いを知っている人にはね」


ミレイ「御爺様に議会の状況を聞いて、ルルーシュ君が何をやろうとしてるか、私なりに考えもしてるんだし」


ルルーシュ「・・・・・・」


ミレイ「でも、まあ今のブリタニア貴族では到底受け入れられないわよね。そりゃそうよ、ナンバーズを貪って生きて来たんですもの、そうそう変えられないし、自分の立場を脅かす政策なんて出来ない」


ルルーシュ(そう、皆そうだ。ダールトンのような奴らが大半・・・いや、あれでもマシな方だ、ブリタニアでは。だから、俺は・・・)


ルルーシュ「・・・よしましょうよ、会長。政治批判だなんて。柄でもないですし、それに誰かに聞かれたら・・・」


ミレイ「そうね、うんっ・・・ごめん」


ミレイ「でも・・・あなたには変えるだけの立場があるじゃない」


ミレイ「それに、力が欲しかったら頼めばいいのよ、信じられる人に素直に打ち明けて」


ルルーシュ「えっ!?」



ミレイ「うちの家がね・・・ルルーシュ君が皇族に復帰して、総督になってからルルーシュ君に擦り寄ろうと考えてるの」


ミレイ「上手く利用すれば、今の状況を何とか出来るかも。大きな力はないけど、これでもここに7年は居続けた貴族だもの。エリア11の政界にはコネがあるのよ、うちは」


ルルーシュ「かいちょ・・・ミレイ・・・それは」


ミレイ「もし、その気があるならいつでも言ってね。私は、協力するから」


ミレイ「だって・・・うぅん、じゃ」 タッタッタッ


ルルーシュ「待て!それはつまりは・・・」


ルルーシュ(・・・行ってしまった)


ルルーシュ(ミレイの言っていたこと。まさか、アッシュフォード家を使えということか)


ルルーシュ(だが・・・いや、ナナリーはもう皇族だ。アッシュフォードに握られたままではない。それに、上手く行けば議会も・・・)


ルルーシュ(だが、何故だ。何故、俺にそれを・・・諭したんだ)





今回はここまでです

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>>326-330
乙ありがとうございます

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