春香「私の思い」 (44)

アイマスSSです

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春香「私、なにしてるんだろ…」


美希にミュージカルの件で責められてからちょうど一週間後のことだった

私はあれ以来仕事を休み家で引きこもっていた

その時もいつものようにはベッドで横になっていた

私は一体何をやっているのだろう。何がしたいのだろう。

1人でいくら考えても一向に答えは見つからない。…私は1人では何もできない

春香「みんな、どうしているのかな」ポチットナ

TV<今日のお空はどんな空?大空お天kパチッ

TV<ぷりぷりかしこまぷsyパチッ

TV<μ's!ミュージックスtブチッ


春香「ええと確か765プロの公式ホームページがあったはずだけど…」パソコンキドウポチー

春香「ええと…“如月千早”っと検索?これでいいのかな」カチッ

春香「ん?“如月千早とかいう歌姫wwwwwwww”何かの掲示板かな…」クリックー

春香「WWWwwwwwwwwwww??? ? ? ? ? ? ? ????? ????????wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

wwwwww」

この瞬間の混乱と興奮を、私は生涯忘れないだろう

グレーの背景のシンプルなネット掲示板で繰り広げられる軽妙で独特なライムの応酬

殺伐としていながらもスラングという同じ文脈を共有した者同士の思考の溶け合い

脳の活動が徐々に停滞し個が薄まっていく快い痺れ

これが私と“なんでも実況J”との出会いだった


そしてあれから1ヵ月が過ぎた現在。私は今も変わらず仕事を休み引きこもっているが

なんJのアイドルコテハン“春閣下”として活動している


春香「…でもそろそろ仕事に復帰しないとなあ」

【事務所】

春香「…おはようございまーす」

千早「春香…?来たの…」

春香「うん、心配かけてごめんね」

千早「それはいいんだけど…、もう大丈夫なの?」


やっぱり千早ちゃんは優しい

みんなが千早ちゃんみたいに優しければ私も仕事を休まなくても済んだのかな…


春香「もう大丈夫。ところでミュージカルのほうはどうなってるのかな」

千早「それは…」

ドア<ガチャ

P「ただいま戻りましたー」

美希「ただいまなのー。今日も疲れた…」


プロデューサーさんと…美希だ

P「ん?春香か?来たのか」

美希「春香?」

春香「お騒がせしました。もう大丈夫です。復帰します」

P「いやその…まあとにかく元気そうで安心したよ」

春香「あの、それで仕事のことなんですけど。ミュージカルはどうなっているんですか?

今日も台本を持ってきていますしいつでもいけます」

P「いや、そのことなんだけどな―

美希「春香はもうあの舞台の主役じゃないよ」


美希…いったい何を言っているの…?

春香「でも…―

美希「デモもシカもないの。春香は一度チャンスを捨てて逃げ出したんだよ?今更戻ろうなんてムシが良すぎると思うな」

千早「美希、ちょっと言い過ぎよ」

春香「プロデューサーさん…」

P「…美希の言う通りだ。今は美希があの舞台の主役をやっているんだ。今日も稽古の帰りだ」

P「……すまん」

美希「ミキだってクツジョク?なんだよ?春香が放り出したオコボレを拾っているみたいで。

でもチャンスだし役自体はやりがいがある仕事だから頑張って取り組んでる」

春香「でも…オーディションで―

美希「ミキ、やっぱり春香が何がやりたいのか分からないよ。

いきなり逃げ出したと思ったら今度はいきなり帰ってきてまたやりたいなんておかしいよ」

千早「美希!」

P「美希、春香はみんなで中々集まらないことについて悩んでいたんだ。春香の苦しみの責任の一端はお前にもあるんだぞ」

美希「…言い過ぎたの。ごめんなさい」

春香「…」


美希はどうしてしまったのだろうか?

美希は何でこんなに変わってしまったのだろうか?

それとも最初から?

最後には謝ってはくれたけど言い過ぎたことを謝罪したのであって、意見が間違っていたと認めたわけじゃない…

やっぱりこれが美希の本心なのだろうか?

P「春香、あんまり気にするな。1人で抱え込むのがお前の悪い癖だ。それを見抜けたなかった俺が悪いんだ。

たまには俺や律子を頼って言いたいことをぶちまけてほしい」

春香「…」

P「とりあえず春香はしばらく仕事がないから今はレッスンを頑張ってくれ。

最近はみんな自主的に練習に集まろうとしているんだ、そうだよな?」

千早「そうよ春香。私も出来る限り全体練習に付き合うわ。美希もよね?」

美希「分からない…これから忙しくなるって監督さんも言ってたし…」

P「監督には俺が言っておくから…!」

美希「うーん…」


もうここには私の居場所はないのかな…

私はどこにいればいいんだろう

美希以外は優しくしてくれるけどどこか遠慮がちなんだよね…

春香「レッスンに行ってきます」

P「お、おう。頑張ってくれ。後で見に行くよ」

千早「私も、今日は行けないけど明日必ず顔を出すから!」

美希「千早さん明日はスタジオに缶詰だって言ってたの。練習がレコーディングより大事なの?」

千早「美希っ!春香!明日絶対に行くから!」

春香「無理しなくていいよ…。それじゃ、レッスンいくね」ドアガチャ


また美希だ。元々は私が悪いとは言えあの態度はあんまりだ

美希は私のことが嫌いなの?ずっと同じ765プロの仲間だと思っていたのに、仲間より自分の出世が大事だなんて…


春香「そっちがその気なら私にも考えがあるよ」スマホポチポチー

春香「…」

でもいいのだろうか。今から私がやろうとしていることはただの影口だ

やっぱりこんなこん陰湿なことはやめよう。それが私にとっても、美希にとっても一番いい道だ。そうに違いない。それなのに…


春香「なにこれ…」


レッスン室の扉に私が主役として出るはずだったミュージカルのポスターが貼ってあった

主役の欄に美希の名がクレジットされ、キラキラした笑顔の美希の写真が添えてある

私はこんなところではいつくばっているのに美希は…本当は私がでるはずだったのに、全部美希が悪いんだ…

春香「プロデューサーさんも1人で抱え込まないでぶちまけろって言ってたし、いいよね」スマホポチー


いつものようにスマホの専ブラからなんJを開く。ちょうどいい具合にアイドルに関するスレッドを見つけることができた


春香「…プロでアイドルかじってる者だけど…っと」ポチポチ


書き出しはこんなかんじでいいか。

私、何やっているんだろう。ネットの掲示板で仲間の影口なんて最低だ。でも、全部…全部美希が悪いんだ

美希が私からすべてを奪っていくのが悪いんだ、私は悪くない!


春香「…星井美希…ビッチ…金髪毛虫…っ!」ポチポチポチー


今の私には社会の底辺が集まる糞溜めに美希の悪口を書き込むくらいしかできない

これが良くないことだということは分かっている。でもアイドルとして落ちぶれた私にはもうなんJくらいしか輝ける場所は…


春香「美希が…美希が悪いんだ…美希が…っ!」ポチポチポチポチポチー

春香「ふう…」

春香「…こんなもんかな」

もしかしたらとんでもないことをしてしまったのかもしれない。すべてのレスを投下し終えてから、そう思った

インターネット掲示板に一度書き込んだものは二度と取り消せない。私が匿名で美希を誹謗中傷した記録は電子の海に永遠に残るのだ

しかし罪悪感以上に胸で膨らむ感情も確かにあって…


春香「ちょっと、スッキリしたかも…」


スレは私への反応や美希についてのレスで一瞬盛り上がるもすぐに落ちた。この一瞬の爆発的な反応、みんなが私に注目するあの一瞬はまるで…


春香「…ステージの上にいるみたい」

春香「とにかく今はレッスン頑張ろう」

律子「春香、最近調子もどっきたじゃない」

春香「えへへ、ありがとうございます。ほとんどレッスンばかりですけど…」

伊織「
まあこれで春香も少しは反省したでしょ。仕事にもレッスンにも手を抜かないこの伊織ちゃんをちょっとは見習いなさいよね!」

春香「…」イラ

春香「…うん、そうだね。えへへ」

伊織「そうやってすぐヘラヘラする…」

亜美「そんなこと言っちゃってー、いおりんは相変わらず素直になれませんな~」

あずさ「伊織ちゃんはずっと春香ちゃんのこと心配していたんだよ。そうよね?」

伊織「まあ私たちもあまり全体練習に参加できなかったのは悪いと思っているから…
でもそれとプロとして仕事をこなすことは別の問題よ!」

律子「そういうこと。春香ももうプロのアイドルなんだから、目の前の仕事に対して真摯に向き合うことを覚えないとね
みんなライブのやる気がないわけじゃないんだし」

春香「分かっています。あの時はどうかしていました」イライラ

亜美「ライブは竜宮小町がドッカンドッカン盛り上げちゃうかんね!覚悟してなよはるるん!」

春香「ははは…私もライブの練習もっと頑張らないとな…」イライライラ


春香「…」カタカタカタ

春香「竜宮小町…負け犬…天ヶ瀬冬馬…33-4…っと」カタカタカタカタカタ

春香「…ふう。明日もがんばろ」

雪歩「お茶が入りましたあ」

真「おっ!雪歩サンキュー!」

春香「ありがと雪歩、いただくね。…ってアチッ」イラ

雪歩「ごめんなさい!ごめんね春香ちゃん…」

春香「てへへ、舌ヤケドしちゃった」テヘペロ

真「そんなに熱いかな~?春香は大袈裟なんだから」ゴクゴク

真「…うん!いつも通りおいしいよ!」

雪歩「真ちゃん!」ジュン

イチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ

小鳥「あら^~」

春香「…」イライライラ


春香「…」カタカタカタ

春香「萩原組…違法薬物…萩原雪歩…ヤク中…」カタカタカタカタカタ

春香「菊地真…ホモ…日ハム…監獄戦艦…戦艦脱糞ネキ…っ!」カタカタカタカタカタ

春香「…うへへ」テカテカ

春香「なんJの連中、私の登場で大騒ぎしてら」

春香「へへ」

千早「春香、最近はレッスンばかりだけでなくて小さい仕事も少しずつ始めているらしいわね」

春香「うん。でもライブが終わるまではレッスンが最優先だよ!だから今日はこうやって一緒にレッスンできてうれしいよ」

真美「まったく、はるるんは寂しがり屋ですな~」

春香「えへへ…ごめんね」

真美「仕方ないから今日のダンスレッスンははるるんに付き合ってあげるよん♪ね?千早おねーちゃん!」

千早「そうね、まったく春香は寂しがり屋なんだから…」

春香「えへへ…っ!?うわっ」ドシーン

真美「あれあれ~?はるるんちょっと鈍ってるカンジ?」

春香「ごめん…そうかも」イラ

真美「ではこの真美が手本を見せてしんぜYOU」イージードゥーダンスポウッ

千早「真美、このところ歌もダンスもどんどん伸びてる。毎日練習していたものね」

真美「真面目にやってきたからよ(アリさんマークの引越社)。はるるんも真美を見習って毎日練習しなYO」ダンスクルクルー

春香「へへ…そだね。真美の言う通りだよ」イライライラ


春香「双海真美…劣化…出がらし…売れてないほう…クローン…」カタカタカタ

春香「如月千早…72…んあー…今井麻美…ヘタクソ…歌姫(笑)…コンドーム…壁…」カタカタカタカタカタ

春香「あっ、なんJのカス共が生意気にも反抗してきる」

春香「GP…っと」カタカタ

春香「我那覇くんくさそう…くさい…ワキガ…不潔…沖縄土人…詐乳…」カタカタカタ

春香「…ん?」


72 :風吹けば名無し:20xx/xx/xx(x) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN1

こいついつも765プロのアイドルdisってるけど天海春香叩いてるのは見たことねーわ

まさかな



社会の底辺板のくせにこういうのがいるのがネットの恐ろしいところだ

ここは撤退したほうが利口だけど、最近なんJ民の私への喰いつきが悪いんだよね

スレ立ててもすぐに落ちるし、私がレスつけるとスレが止まってそのまま落ちる

実際にプロのアイドルをやっている強みを生かしてここで一発かませばなんJでの地位も復権できるかも…


春香「…よし」カタカタカタ

83 :春閣下 ◆AMAMIHARUKA:20xx/xx/xx(x) xx:xx:xx.xx ID:harukassu

天海春香さんとはいつとは言わんが以前ガチで同じクラスだっただけになんとも言えないですわ・・・・・・


85 :風吹けば名無し:20xx/xx/xx(x) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN2

証拠うp



証拠、証拠と言われても…卒業アルバムなんかでいいかな

これを写真で撮ってIDを書いた紙と一緒にアップロードすればいいんだっけ?


春香「…」カタカタカタカタカタッターン!

春香「これでよし」

86 :春閣下 ◆AMAMIHARUKA:20xx/xx/xx(x) xx:xx:xx.xx ID:harukassu

ttp://i.imgur.com/sotugyouarubamunosyasinn

これでいいか?


90 :風吹けば名無し:20xx/xx/xx(x) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN3

ファーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


91 :風吹けば名無し:20xx/xx/xx(x) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN4

マジやんけwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww



それから先は大変だった。ちょっとした祭状態になり、「春閣下、天海春香の同級生だった」みたなスレがいくつも乱立されついには鯖が落ちた

私がアップロードした卒業文集の写真は無限にコピーされフリー素材と化し、まとめサイトやTwitterなどによって急速に拡散されていった

なんJ中のみんなが私の話を聞きたがり、私がレスをすれば誰もが耳を傾けた

これだ、これが私の欲しかったもの

こうして熱狂の夜は更けていった…


春香「はー面白かった」

春香「まあ、大丈夫だよね?」

それからの私は公私で絶好調だった。仕事で嫌なことがあってもなんJを荒らせば心が晴れる

仕事では上手くいかないことや思い通りにならないことばかりだ。でもなんJはそうではない

何せなんJでの私はアイドル天海春香と面識がある王者コテハンなのだ。誰もが私を構わずにはいられない

なんJでトップを上り詰めた私はすべてのストレスをなんJの底辺共に預けリアルのアイドルの道をも極め始めた

リアルでアイドル天海春香が成功すればなんJでの私、春閣下の地位も自動的に上がる。まさに好循環だった

そしてついには…

P「春香!おめでとう!今年のシャイニングアイドル新人賞は春香だそうだぞ!」

春香「ウソ…」

千早「春香!おめでとう!」

美希「悔しいけど…最近の春香は絶好調だし、仕方ないの。おめでとう!春香!」

P「はい、これが賞状だ。表彰式ではでっかいトロフィーがもらえるからな!」

千早「おめでとう」

美希「おめでとう」

真「おめでとう」

雪歩「おめでとう」

亜美「おめでとう」

真美「おめでとう」

律子「めでたいなあ」

あずさ「おめでとう」

貴音「おめでとうございます」

響「クエックエッ」

小鳥「おめでとう」

春香「…」

みんなが祝ってくれる。私も嬉しい。でもなんだろう、この場違いなかんじ

私を祝福し、私が感謝する場はここではない

そうだ。私がここまでこれたのはなんJのお陰だ。こんなところで寸劇をしている場合ではないのだ

ここで私が目の前の連中を無視して家に帰ってPCに向かうと知ったら、こいつらは怒り、嫌な思いをするだろう

でもそれがどうした?だからなんだと言うんだ。そんなことは知ったことか

だって私は嫌な思いしてないから

それに765プロの連中が嫌な思いをしようが私の知った事ではないわ

だって全員どうでもいい人間だし

大袈裟に言おうがこいつらが死んでもなんとも思わない

それはネットでの繋がりがないから

つまり765プロに対しての情などない

私の心は決まった

春香「…私、帰りますね」

千早「春香?」

春香「賞状、貰っていきます」ガシッ

P「え?どうしたんだ春香」

春香「それでは失礼します」


美希「春香、どうしちゃったんだろ」

春香「なんJのみんな、ありがとう」カタカタ

春香「最高にうれしい、嬉しくてもう何も考えられないよ」カタカタカタッターン



250 :春閣下 ◆AMAMIHARUKA:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:harukassu

シャイニングアイドル新人賞獲ったンゴwwwwwwwwwwwwwwwwお前らのお陰やでwwwwwwwwwwww


251 :風吹けば名無し:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN1

証拠うp


春香「もー仕方ないなー。賞状の写真アップしたろ!」

春香「よっと」カタカタカタターン!

250 :春閣下 ◆AMAMIHARUKA:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:harukassu

ttp://i.imgur.com/syoujounosyasinn

照井や篠田を見てきたから特定後の恐怖は知ってるし

もうこれ以上ヒントは言いたくないからお前らもいちいち聞くなよ


251 :風吹けば名無し:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN12

ヒントも何も完全に天海春香って書いてあるんだが
何これコラ?


252 :風吹けば名無し:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN3

こマ?


春香「あっ」

253 :風吹けば名無し:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN4

ファーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


254 :風吹けば名無し:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN5

天海春香、なんJの糞コテだった


255 :風吹けば名無し:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN6

道理で卒アルなんて出せるわけだ
まさか本当に本人だったとはな


春香「あっ…あ…どうしよ、どうしよ」

256 :風吹けば名無し:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN7

99%クロだな

これで完全にクロだと確定したら伝説になるな


257 :風吹けば名無し:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:NANJMIN8

証は揃っているんだ。もう逃げられないぞ



春香「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」カタカタカターン!

334 :春閣下 ◆AMAMIHARUKA:20xx/03/07(水) xx:xx:xx.xx ID:harukassu

開き直る!ワイが天海春香や!

春香「ふふふふはっははははははアハハハハハハハハあああああああああああ!!!!!!」キーボードハカイガシャーン

春香「あースッキリした」

春香「…」

春香「もう寝よ」

私がコテハンを使ってなんJに書き込んでいたという事実がインターネット上を駆け巡るのにそう時間はかからなかった

この件は2ch至上最大の祭となり、Twitter、まとめサイトはおろか、テレビや週刊誌、新聞のニュースにまで伝播した

現在はなんJ民により、私の過去の発言を発掘する作業が進んでいる。コテをつけていたため猿にでもできる簡単な作業だ

もはや、万事休すだ

天海春香=春閣下が発覚してからちょうど一週間がたった

私はあれ以来仕事を休み家で引きこもっていた

その時もいつものようにはベッドで横になっていた

私は一体何をやっているのだろう。何がしたいのだろう。

1人でいくら考えても一向に答えは見つからない。…私は1人では何もできない

春香「千早ちゃん、どうしているかな」


ふと気になってテレビをつけてみた。すると―!

『とういうわけて 765プロ NEW YEAR LIVE よろしくお願いします』

『皆さん、みに来てくださいね』

『最高のパフォーマンスをお届けてきるよう』

『皆で力いっぱいいっぱい頑張ります』

『あれあれ?誰かひとつ足りませんぞ?』

『春香!』

『春香、今まで待たせてごめんね』

『私たちいつもの場所にいるよ』

『皆で待ってます』

『会って、いっぱい話そう!』

『待ってるよ』

『私達の場所で』

涙が止まらなかった。なんJなんかに頼らなくても、私には最初から仲間がいたんだ

私には帰る場所がある、こんなに嬉しいことはない


春香「待ってて!今行くよ!」


私は着の身着のままスニーカーをつっかけて走り出した

片道2時間の電車、冬の街並み、全部がきれいだ

そして私の帰る場所、765プロが見えてくる、みんなの姿も見える、待ってくれている…

春香「みんな!ありがとう」

一同「…」


あれ?何かがおかしい


P「これをネットに書き込んだのは春香ってことで確かなんだな?」


プロデューサーさんは震える手で紙の束を突きつけてきた。これはなんJでの私のレスのプリントアウト…


春香「ごめんなさいプロデューサーさん!でも私、改心したんです!みんなが呼んでくれたから!」


そう、リアルの繋がりで私は真人間に戻れたのだ


P「俺たちが君を呼んだのは確かだ。これを渡したくて」


何これ…『訴状』?なんで…

P「これはコピーだ。我われ765プロは君を名誉棄損で訴えることにした。正本はもう裁判所に提出している。もう帰ってくれ」

春香「ウソですよね…」

P「…」

春香「千早ちゃん?冗談だよね」

千早「…」

春香「美希、ウソでしょ?」

美希「あなたなんかしらない」

春香「ねえ…みんな返事してよ…ねえ」

真「…」

雪歩「…」

律子「…」

あずさ「…」

亜美「…」

真美「…」

伊織「…」

やよい「…」

響「…」

貴音「…」

小鳥「帰って、どうぞ」

春香「」

春香「」

春香「…ほげっ」


~エピローグ~

春香「あの、ネット関連で裁判しなくてはいけないんですけど、あなたがネット関連の訴訟のエキスパートだというのは本当ですか?」

??「いかにも。当職は日本で一番ネットに強い弁護士ナリ」

春香「先生!お願いします!765プロを倒してください!ついでに私の個人情報を拡散したなんJのクズ共に制裁を加えてください!」ドゲザー

??「任されたナリ。取りあえずは着手金30万円いただくナリよ」


ほんとうに完

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