オール安価でまどか☆マギカ 14 (1000)

このスレは、最初に何も決めず
安価で決めた主人公で、安価で決めた時系列で、
安価で決めた内容を方針として行き当たりばったりに進んでいく安価スレです。


★無効安価は自己判断で安価下
★混んでる時以外は基本的に連投・連続有り
★多数決は連続・連投無し
★多数決で同数に意見が割れた場合は指定内の最後のレス内容を採用
★主レスは安価先を指定する数字に含まない
★まどマギのほかに、無印おりマギ・かずマギ・漫画版まどマギ・TDS・PSP・劇場版のネタを含みます。
 逆に言えばそれ以外からのネタは出しません。
★「下2レス」と書いた時にはその1時間以内に2レス目がこなければ「下1レス」に変更します



・前スレ

『まどかマギカで安価練習』 :まどかマギカで安価練習 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369643424/)
『オール安価でまどか☆マギカ 2』:オール安価でまどか☆マギカ 2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370979872/)
『オール安価でまどか☆マギカ 3』:オール安価でまどか☆マギカ 3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371835671/)
『オール安価でまどか☆マギカ 4』:オール安価でまどか☆マギカ 4 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1372909496/)
『オール安価でまどか☆マギカ 5』:オール安価でまどか☆マギカ 5 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373645366/)
『オール安価でまどか☆マギカ 6』:オール安価でまどか☆マギカ 6 - SSまとめ速報
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『オール安価でまどか☆マギカ 7』:オール安価でまどか☆マギカ 7 - SSまとめ速報
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『オール安価でまどか☆マギカ 8』:オール安価でまどか☆マギカ 8 - SSまとめ速報
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『オール安価でまどか☆マギカ 9』:オール安価でまどか☆マギカ 9 - SSまとめ速報
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『オール安価でまどか☆マギカ 10』:オール安価でまどか☆マギカ 10 - SSまとめ速報
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『オール安価でまどか☆マギカ 11』:オール安価でまどか☆マギカ 11 - SSまとめ速報
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『オール安価でまどか☆マギカ 12』:オール安価でまどか☆マギカ 12 - SSまとめ速報
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『オール安価でまどか☆マギカ 13』:オール安価でまどか☆マギカ 13 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439045180/)


「さやか編」  1スレ目>>8から>>154まで
「中沢編」   1スレ目>>164から2スレ目>>150まで
「QB編」   2スレ目>>198から 4スレ目>>502まで
「Homulilly編」 採用箇所4スレ目>>535から>>686まで(未完)
「かずみ編」 4スレ目>>982から5スレ目>>879まで(Bad,未完)
「ユウリ様編」  5スレ目>>954から6スレ目>>792まで(BadEnd)
「恭介編」  6スレ目>>815から 7スレ目>>240(BadEnd+)
「Charlotte編」 7スレ目>>264から>>285まで
「キリカ編」 7スレ目>>309から>>704まで, 8スレ目>>475から9スレ目>>151まで
「アマネ(オリ主)編」7スレ目>>807から>>963まで,8スレ目>>130まで(GiveUp)
「メガほむ編」9スレ目>>181から12スレ目>>666まで
「なぎさ編」12スレ目>>717から(★現行)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448012780

 システム関連
好感度
・物語をある一区切りのエンディングを迎えた場合に表示します。
・ある一定以上の好感度があると、主人公不在のシーンでも、そのキャラの視点のストーリーを覗けます。
 逆に、ストーリーを進める際に、好感度が低いと不利になることがあります。

セーブとロード、その他進行
・NormalEnd(ワルプルギスの夜を仲間を全滅させずに越える)以上で指定箇所からロードが可能。
・Normalは良し悪しの幅が広いので、詰んだ展開に入った場合にはその前に物語中一回のみセーブできます。
 ある一区切りがついたときに入るオートセーブはその回数には含みません。
・続きが用意されているのはGoodEndのみ。
・NormalでもGoodに非常に近い場合(ワルプル戦のみでEnd分岐した場合。NearGood)は
 GoodEndを見ることが出来(選択肢・こんな結末認めない)、GoodEndを経験した扱いになり、そこから再開可能。
・おなじくイベント条件などを見ることが出来るのもNearGood以上か、もしくはセーブなしでバッド行きなどもう続きを見ない場合のみ。

ワルプルギスの夜
・ワルプルを目標としたキャラで戦前の時系列を選択orカオスでもそれっぽい安価によりフラグ。
・一回沈め、その後耐え切ることにより乗り越えられます。ただしまどか抜きでの撃破は相当な鬼畜難易度。
・戦えない主人公の場合、一定好感度以上の魔法少女がいれば一時的に主人公と同様にそのキャラを動かすことが可能。
・撃破成功は最後に実績として載るだけで特にエンディングは変わらない。ただ、何かおまけとしていいことはあるかも。

 ※とか書いてますがギャグだとほぼ無視なんで、まあシリアスに進めるときのみ参考に


 学校に着くと、校庭では運動部の人たちが元気に練習しています。
 体育館からも音が聞こえます。


なぎさ「えーと、――…中学校…… ここですね?」

 漢字が読めなかったのでごまかして言いました。
 読み方は後でマミが教えてくれました。

マミ「やっぱり生徒はそこそこ残ってるみたいね」


 神様の案内で学校を目指して歩いている間、
 神様は少女Aのことについて知っていることを話してくれました。

 彼女も人のために契約したタイプの魔法少女らしかったのです。
 部活の部長をやっていて、周りの人のことも人一倍気にかけていたというのです。

 それで、
 家が厳しいせいで練習にこなくなった友達が部活を続けられるようにと願って契約したのだとか……


杏子「とりあえずその部活覗きにいくか。音はしてるしやってるだろ」

あすみ「そうだね。その子友達多いんだし、なにか知ってる人がいるかも」

―音楽室


 『吹奏楽部』。
 その名前から活動場所はすぐ推測できました。

 楽器の音のする教室へと向かっていきます。


さやか「ふーん、なかなか良いじゃないの」

ほむら「県大会金賞って垂れ幕もあったし、多分力も入れてるんでしょう」

 音楽に詳しくない人からしても、確かに綺麗だと思います。
 壁越しとはいえ、すぐそこで奏でられる音はCDなんかとは違います。大迫力でした。

なぎさ「さやかは耳が肥えてそうですよね~」

あすみ「さやかさんは音楽に詳しいの?」

さやか「まあ、あたしの… 友達?の影響かな」

 その不自然な言い方に首をかしげるあすみ。
 演奏が終わりました。

さやか「あっ、演奏終わったよ! 今が聞き込むチャンス!」


 …………逃げましたな。


さやか「練習中すみません! ここの部長の人、今失踪してるんですよね?
    そのことについて聞きたいんですけど」

 部員が一斉にさやかに注目します。
 壇上に立っていた生徒がこちらに来ました。

 「えっと…… あなたたち、栄子ちゃんの友達?」

さやか「えっと… 」

 「いや、“部長の人”なんて言い方をしてたし違うかしら」

 「興味本位で聞き込みでもしてるなら、そういうのはやめてくれないかしら?」

 「今私たち練習中なの」


 白けたような空気。
 容赦ない冷たい視線がいっぺんに突き刺さってきます。


さやか「そ、そんな言い方ないでしょ! ていうか興味本位ってだけじゃないんだから!」

 「じゃあ、なんなのよ?」

マミ「ごめんなさい、でも他にもこういうことって起きてないかしら?」

マミ「私たち、それについて追ってるの。
   もしかしたら、ここに手がかりがあるかもと思って調べにきたのよ」

 「……『こういうこと』って、失踪のこと?」

 「…………」

 数秒の沈黙の後、彼女は続けました。

 「…ええ、起きてるわね。先月から… だったかしら、うちの学校で何人か失踪した人がいる」


なぎさ「…やっぱり!」

マミ「何か手がかりはない? 知ってることとか……」

 「……ないわ」

マミ「他の人は?」

 他の部員たちに話を振るけれど、みんな首を横に振っています。

 「もういい? 悪いけど、私たちも何もわからないのよ」


 みんな、何も知らないと言います。
 まだ何か聞きましょうか? それとも別の人に聞きましょうか?

・自由安価

 下2レス

栄子さんが失踪する直前に何か言ってた事とか、いつもと違った事とかありませんでしたか?
どんな些細な事でも、意味がなさそうな独り言とか…誰かと会ったとか出かけたとか、最近きにかけてた事とかは有りませんでしたか?


なぎさ「栄子さんが失踪する直前に何か言ってた事とか、いつもと違った事とかありませんでしたか?」

さやか「そうよ、母親は様子がおかしかったって言ってたわよ。
    それなのに、あんたたちは何も知らないって……!」

さやか「あんたたちだってそのくらい気づいてなかったの?」

 「様子がおかしかった……ね。…まあ、そうだったかもしれないわね」

さやか「かもしれないって、ちょっと冷たすぎるんじゃないの?
    かみ…… その子の知り合いからは、人一倍仲間思いの部長だったって聞いたわよ」

 再び教室内に重い沈黙が流れる。

なぎさ「どんな些細な事でも、意味がなさそうな独り言とか……」

なぎさ「誰かと会ったとか出かけたとか、最近気にかけてた事とかはありませんでしたか?」

 「……誰と会ってたか… ですって? …どうしてそんなことを聞くの?」

 その質問をした途端、顔色が変わった。
 何か知っているのでしょうか?

なぎさ「え? だから何か前兆みたいのがなかったか調べてるんですって。
    何か知ってるんだったら教えてください」


 「……そう、そうよね」

 「悪いけど、さっき言ったとおりその事件については私たち何も知らないから」

なぎさ「……本当に何も知りませんか?」

なぎさ「この学校の生徒たちの失踪が起こる前に学校で何かあった、とかなんでもいいんですって」

 「知らないって言ってるでしょう」

なぎさ「じゃあ誰かが転校してきた、あるいは転校したとか、変な噂とかは?」

 「もう練習を再開したいの。
  今のうちに新入生にも力つけてもらわなきゃいけないし」

 「じゃあみんな、再開します。
  さっきの演奏だけど、30小節目あたりからクラパートちょっと走ったところがあったから気をつけて」

 「またはじめからね」

なぎさ「ちょ、ちょっと!」


 これ以上何か聞けそうにありません。
 しぶしぶ音楽室を出て行くことになりました……。


 音楽室前の廊下、また壁越しに同じ演奏の音が聞こえてきます。
 なぎさたちは溜息をつきました。

さやか「なにあれちょー怪しい! 絶対何か隠してるじゃん!」

さやか「良い演奏だと思ったけど、技術があるってだけね。まさかあんな冷たい奴らばっかだったなんて。
    それを知ってからだと全然良く思えないわ……」

杏子「さっきの、何か知ってて答えたくないって感じだったな」

なぎさ「うーん…… じゃあ本当は誰かに会ってたんでしょうか?」

マミ「まだなんとも言えないわね…… それが犯人かもわからないし」



1自由安価
2他の人に聞き込み
 a廊下を探す
 b校庭へ
 c体育館へ
 d図書室へ
 e職員室へ

 下2レス

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ここまで
次回は21日(土)18時くらいからの予定です


 音楽室から離れ、私たちは校内を歩き回って誰か情報を聞けそうな人を探すことにしました。

 しかし、部外者の私たちがあまり長居もできません。
 早く誰か見つかれば良いのですが……


なぎさ「……なんか、このうすぐら~い感じがいやなのですー」

ほむら「このあたりは人がいないのかもね。……ん、あっちの教室が明かりついてるわよ」

なぎさ「あれは… 」



 下1レスコンマ判定
0~25 理科室
26~50 家庭科室
51~75 美術室
76~99 会議室


なぎさ「理科室ですね!」

マミ「みんなで机に向かってるみたいだけど…… 居残りなのか、勉強会なのか」

なぎさ「まあどっちでもいいです、聞きに行ってみましょう!」


 …というわけで、理科室へ突撃することに。
 ここなら途中で追い出されるってこともないとは思いますが……


マミ「勉強中にごめんなさい。
   私たちちょっと聞きたいことがあって来たのだけど、少しいいかしら」

 「え? 僕達に?」

 眼鏡をかけたガリ勉そうな生徒が聞き返す。
 居残りっていうより、多分なんか勉強会なのかな…?

マミ「三年生で、3日前から失踪している子がいるでしょう?
   その子についてなにか知っていることはないかしら」

マミ「最近、このあたりで失踪事件が起きてるのよね?
   私たち、今それについて調べているのよ」

ガリ勉「ああ、その人のことは知っていますが、詳しいことは…… あなたは話したことないですか?」

 ガリ勉が女子生徒に話題を振る。同じく目立たなそうな子です。

女子生徒「栄子さんは目立つグループのリーダーみたいな存在で、
     グループが違ったというか、私もあんまり話したことないけど…… 」

女子生徒「言われてみれば何かおかしかったかも。いなくなる数日前から、一人だったような」

さやか「ハブられてたってこと?」

女子生徒「私もそこまでは……」

マミ「……もしかしてそのグループって、吹奏楽部の人たちが多かったりする?」

女子生徒「はい、そうですけど」


 ……やっぱり、事情を知ってるのはさっきの部員たちなのでしょう。
 もしかしたら直接の原因にもなってそうです。もう一度問い詰めてみる必要がありそうですが……


1まだここで聞き込む(安価)
2音楽室へ

 下2レス


なぎさ「小耳にはさんだのですが、栄子さんは部長として周りをきにかけてたそうですね」

なぎさ「最近家庭の事情で部活動を続けるのが難しい友人がいたと聞きました」

なぎさ「その友人って誰なのか知ってますか?」

女子生徒「さぁ…… 私には吹奏楽部のことはちょっと」

なぎさ「そうですか……」



1まだここで聞き込む(安価)
2音楽室へ

 下2レス


なぎさ「栄子さん以外にもいなくなった生徒がいるって聞きました。
    それっていつぐらいからなんですか?」

女子生徒「先月からだったかな…… 確かあの頃からうちの生徒が何人か失踪したって話があった」

女子生徒「……あ、でも生徒に限ったことじゃないかも。前からたまに報道されてたし」



なぎさ『生徒以外だと、魔女にやられて死んでしまった人でしょうか』

さやか『ここ、魔女多いって言ってたもんね』

ほむら『それが、魔法少女が一斉に居なくなって狩る人が居なくなったのなら尚更ね……』

あすみ『………じゃあ、あすみたちも魔女退治がんばらなくちゃ。
    せっかく私も魔法少女になったんだもん』


 ……あすみの親もその中の一人でした。

 何かの原因でいなくなった魔法少女と、魔女に食べられて死んでしまった一般人、
 どちらも混じって話がややこしくなっているようです。

 吹奏楽部でも聞いた“先月”という時期のここの生徒の数人の失踪、これはどちらなのでしょう……。


なぎさ「ええと…… じゃあその先月って、この学校でなにかありませんでしたか?
    誰かが転校してきたとか、変な噂とか」

ガリ勉「転校生? もしかして君たちは失踪の原因が学生だと疑っているのですか?」

なぎさ「え、いや…… それは別のことです!別のことで聞いてるんです」

ガリ勉「大体どっかの不審者の犯行か、思いつめて自分の意思で失踪したかのどちらかと思われていますから。
    何か推理があるなら聞いてみたいと思ったのに…」

 ……とはいっても、いきなり“魔法少女”なんて話を出すわけにもいきませんし。

女子生徒「他の学年のことはわからないけど、3年には転校生はきてないと思う」

女子生徒「……噂といえば、なんか幽霊がどうとかいう噂が流行ってるけど……」

なぎさ「幽霊ねえ……」

女子生徒「でも所詮は噂だよ。私はそんなことは信じてないし…」



1まだここで聞き込む(安価)
2音楽室へ

 下2レス

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ここまで 遅筆すぎて本当申し訳ない
次回の予定は、少しあきますが28日(土)18時くらいになるかと思います。


なぎさ「幽霊! 学校で噂になるくらいならそこそこ信じられそうな話ですね!」

女子生徒「あー 興味もっちゃった……?
     いやいや、本当どこにでもありそうなただのオカルト話だよ?信憑性もなにもないわよ?」

なぎさ「そんな、ユメをぶちこわすんじゃないのです! 本当に幽霊がいるかもしれないのに!」

女子生徒「それに…… 場所が場所だけにね。
     そんな話して変なとこ行ったら幽霊とか関係なしに危険だし…」

マミ「まあ、私達も居ますし。こちらに迷惑はかけないようにはしますから。
   あまり否定しなくても、話くらいしてあげてもいいじゃないですか」

あすみ「そ、そうだよ! あすみも聞きたい!」

杏子「なに、危ないことはさせないさ。こいつらは信じてるんだし、わざわざ怖い目には遭いたくないだろうよ。
   ただ怪談ってスリルな響きがガキどもの興味をそそったんだろ」

女子生徒「まあ、それもそうか……
     でも私は興味がなかったからあんまりわからないな」

女子生徒「それに、なんだか聞くたびに場所も内容もまちまちだったような。
     誰か詳しく知ってる人いる?」

 女子生徒が周りの子たちに話を振ります。


 少しの間、ざわざわと小声で話し合った後、一人の生徒が手を挙げました。
 またもや真面目そうな生徒です。


真面目子「私…… 少しだけ覚えてるのあるけど」

なぎさ「本当ですか!」

真面目子「確か、廃屋には幽霊が棲みついていて、そこに入った人は二度出てこない…… とか
     あれ、深夜の市民館だったっけ、ベタにどっかの旧校舎だっけ…… いや、色んな場所のバージョンがあるのかも」

なぎさ「二度と出てこない!? まさか失踪の事件とも関連してたり」

真面目子「いや、それはただの定番の文句かと……」

ガリ勉「幽霊の正体が犯罪者ということは考えられますが、場所がまちまちでは調べようにありませんね」

真面目子「幽霊の姿についてもまたまちまちで、ペンキを被ったお化けだと言う噂もあれば、
     目がたくさんあるお化けだというのもあるし、動く毛だるまだらけだったっていうのもあって…」

女子生徒「……いやいや、『なんで二度と出てこられない』のに見た人がいるの?」

真面目子「そんなこと私に言われても困ります……」


 さすがに噂というだけあって、かなり不確定です。
 もしかしたら嘘も混じってそうです。

 まあ、魔女も同じ場所にばかりずっと留まってもくれません。
 所詮は噂、でしょうか……


 考えていると、あすみが俯いていることに気づきました。

あすみ「…………」

女子生徒「あ、そんなに怖かった……?」

あすみ「う、うん…… ちょっと、ね」


マミ『…ええと、今の知ってるの?』

杏子『……ああ、その中の一つだが。あたしとあすみは、その魔女に会ったことがある』

杏子『あたしがここに来たばっかの時…… あすみが契約する前のことだ』

杏子『あすみにとっちゃ、あまり思い出したくないことだろうな』

あすみ『……その時ね、私、魔女に襲われちゃって…
    杏子が助けに来てくれたんだよ』

あすみ『杏子が助けてくれなかったら私も死んでた……
    杏子、本当にありがとう』

杏子『あんときも言ったが、あたしは偶然魔女を狩りに来ただけだ』

杏子『それに…… お前の親は助からなかっただろ』

あすみ『それでも私は杏子のおかげで助かった。
    それにこうして私と一緒にいてくれるから……』


マミ『佐倉さん、きっかけは偶然とはいえ良い方向に変わったみたいね』

なぎさ『はい…… でも、きっかけはあすみだけど、
    きっと、根っこのほうはあれから何も変わってなかったのですよ』


 ふと時計を見ると、そろそろ暗くなる時間です。
 部活もそろそろ片付けに入る時間でしょうか。


なぎさ「色々答えてくれてありがとうございました!
    さて、時間がアレなのでそろそろ退散ですよ!」

マミ「ありがとう、勉強の邪魔をしてしまってごめんなさいね」



なぎさ「では、最後にまたあの方達を問い詰めるとしましょうか……」


 なぎさたちは再び階段を上り、音楽室へと向かっていきました……


―音楽室


なぎさ「失礼します!」

 「…! あなたたちまだ居たの?」


 音楽室の扉を開けると、部員たちは楽譜の片付けや楽器の手入れをしてました。
 その中でさきほど壇上に居た生徒が私たちに反応しました。

なぎさ「あなた、栄子さんの友達ですか?」

 「は……? なんなのよ急に」

なぎさ「じゃあこの中に栄子さんの友達だっていう人はいますか?」


 教室全体に問いかけます。
 ……しかし、みんな関わりたくないというように目をそらすだけでした。


なぎさ「あれから違う生徒たちに聞き込みをしてたんですけど、
    栄子さんは目立つグループのリーダーみたいな存在だと聞きました」

なぎさ「そしてそのグループは吹奏楽部の人が多いとも」

なぎさ「だから、友達なら何か知ってるかもと思ったのです」

 「………」

なぎさ「……いえ、というよりは…
    何も知らないというのはおかしいと思うのです」

なぎさ「なのにあなたたちは何も答えてくれませんでした」

 「と、友達だって知らないことだってあるわよ!
  いきなり失踪したんだから、何があったかなんてわかるわけないじゃない!」

なぎさ「更に、栄子さんはいなくなる数日前から一人だったと聞きました。
    でもそんなこと誰も教えてくれませんでしたよね」


さやか「いきなり前兆もなく消えたなんて嘘なんでしょ?
    こっちは知ってるんだからね!」

さやか「あんたたちなにを隠してるの?」

さやか「……っていうか」

さやか「なんでハブったの?」

 「……………!」


 彼女は険しい表情で黙り込みました。
 それから沈黙が続きます。
 重い雰囲気に、部員全員がその場から動けないでいます。


「……私たちのせいじゃない。私たちは先輩達に言われたから仕方なくやっただけだし……」

 一人の部員が小さな声で言いました。


なぎさ「やったって、何をです…?」

 「無視しろ って……」

 「その言い方やめてよ!私たちが悪いみたいじゃない!」

 「確かに部長も悪いと思います。でも、自殺したんでしょう?
  私たちはそこまでやる気はありませんでした」

 「じ、自殺かはわからないじゃない!
  他にも失踪事件が起きてるんでしょ? ヘンな不審者の仕業かもしれないし…」

 「このタイミングでただの失踪だなんて思えないですよ…」

 「違う、私のせいじゃない!
  あ、あなたたちは失踪事件のことを探ってるんでしょ? だったら私たち本当に何も知らないし関係ないから!
  もう私たちに関わらないでよ!」


 ……確かにこれは魔法少女狩りとは関係が無さそうですが、この失踪事件の真相がこれとは……
 なんとも後味が悪いです。どうしましょうか?

1自由安価
2学校を出る

 下2レス

----------------
席外します
23時ごろには戻ってくる予定です


なぎさ『……みんなはどう思います?』

さやか『いじめに加担しておきながら、みんなして“私のせいじゃない、私のせいじゃない”って……!
    関係なくても許せないな。このまま引き下がれないっしょ!』

マミ『そうね。自殺したかはわからないけれど実際に失踪しているわけだし
   自分達に関係ないからって放っておけるほど軽い問題でもないわよ』

なぎさ『そうですね…… ここまで来たら、なぎさもせめてこうなった原因は突き止めたいと思うのです。
    聞いてるかぎりだと何か事情がありそうですしね……』


 「なにボーッと突っ立ってんの!出てってったら!」


なぎさ「チョット待ってください! 私たちの質問にまだ答えてないですよ!」

さやか「そうだよ、これだって十分ほっとけるよーな問題じゃないでしょうが!
    みんな自分は悪くないって言ってるけど、何かいいわけがあるんだったら言ってみれば?」


 「……あの子は私の彼氏をとったのよ」

 「少し前、彼に別れを切り出された」

 「今は受験勉強に専念したほうがいいから、私のためだって言われて……
  確かに付き合ってからも中々会えてなかったし、親にも言えないし、その時は仕方ないって思ってたけど……」

 「この間二人が一緒に居るとこ見て、付き合ってるって知って……」

 「私のこと応援しておきながら、前から栄子が彼のこと好きだったの知ってたんだよ」

 「いつもそう! みんなにいい顔して、いい人ぶって本心を言わない。
  最初は騙されてたけど、気づいたのよ。あんなの上っ面だけだって! せめてちゃんと話してくれればよかったのに……!」

 「そしたら怒りが沸いてきた。
  私はずっと勉強が忙しくてろくに部活にもこられなかったのに、栄子は…… 」

 「……まあでも、彼は彼で栄子が自分の行動がきっかけで失踪したって知ってあっさり自分は関係ないって顔しはじめたしね。
  クズだったってことには気づけたけど……」


さやか「……友達を傷つけたくないから言えないって気持ちも、とられたって思う気持ちもわからなくはない」

さやか「でもそんなのって結局八つ当たりでしょ!
    それで後輩まで使って寄ってたかっていじめさせるとか卑怯だと思わないの?」

 「説教なんていらないわよ……」

マミ「別に私たちはこれを誰かに言いつけるつもりはないわ。そんなことをしても還ってこないでしょうしね。
   でも、あなたたち…… 全然反省する気がなさそうね」

マミ「彼のことをクズだと言うなら、あなたはどうなの?
   本当はわかってるんでしょう、誰かのせいにばかりして逃げるのはやめたほうがいいわよ」

マミ「加担してた人たちもそう。命令されたからってやっていいことじゃないでしょう」


 「…………っ」


『まもなく、下校の時刻です。在校中の生徒はすみやかに下校しましょう』

 下校のチャイムが鳴り、音楽と共に放送が流れます。


なぎさ「……帰りましょうか」


---------------------
ここまで
次回は29日(日)18時くらいからの予定です


杏子「……結局、神様の言ってた奴の一件は、
   恋愛がらみで友情がこじれたってだけの問題だったってわけか」

ほむら「もちろんキュゥべえは事情を知ってて、
    こうなることも予測済みだったのでしょうけれどね……」


 一通り聞き込みを終えたところで下校時刻となり、私たちは調査を終えた。
 帰り道を歩きながら、二人が溜息混じりに零した。


マミ「……多分さっきの主犯の子が栄子さんの契約理由になった子よね」

マミ「栄子さんは友達に裏切られて絶望したんだわ。
   友達も栄子さんに裏切られたと思ってる。嫌な話ね。友達同士だったはずなのに」


 みんなはっきりとは言わないけれどきっとわかっている。
 後輩は自殺したと言っていたけれど、きっとそれは少し違う。


さやか「でも結局誰が悪かったのかっていうと、みんな悪いところはあったと思うよ。
    友達の元彼と付き合ってるの隠してたのもどうかと思うし、だからっていじめは当然ダメだし、従ってた後輩も悪いよ」


ほむら『……忌々しいけれど、ありふれているといえばありふれた話よ。
    それに、この状況にキュゥべえが目をつけたのも納得はできる』

ほむら『友人関係の悪化、いじめ、思春期によくあるような心の傷、絶望……
    私たちが死ぬ理由なんてきっと大体はそんなもんなんだと思う』

 『……気づいてあげられなくてごめんね。こういうことを防ぐためにわたしがいるのに。
  わたしがもっとちゃんと見てれば……』

ほむら『……あなたのせいじゃないわ』


あすみ「……でも、本当に死んじゃったのかな」

 テレパシーで話していると、あすみが呟きました。

 この言葉を聞いて気になることができました。
 さっきほむらが会話をテレパシーにしたのも、あすみのことを考えてのことだったのでしょう。


なぎさ『杏子、魔女化のことあすみには……』

杏子『話してない』

なぎさ『やっぱそうですか……』

杏子『あたしにも話してほしくなかったよ』

なぎさ『………』

杏子『……まあ今となってはどうでもいいけど』


 なぎさは今更ながらにあの頃のことを後悔します。

 言わないほうがよかったのでしょうか。
 早いうちに受けいれてもらったほうがいいと思って話すことを決めましたが、あの頃にはあんなことが起きるなんてわかりませんでした。


さやか「みんな!」

マミ「ええ、魔力があるわ。どちらのかわかる?」

さやか「えーと… 使い魔?」

杏子「バカ、魔女だよ」


 さやかによびかけられてハッとしました。
 後悔していてもしょうがありません。でも、どうしたら前みたいに戻れるのでしょう?


さやか「ちょっと! バカは余計よ!」

 『でも、さやかちゃんもわかるようになったんだね!』

マミ「じゃあ、今日最後の仕事といきましょうか」

―星の魔女結界


 結界に入ってみると、迷路はなく広場のような場所に出ました。
 あとは魔女を倒せばいいだけですが、ただ……


さやか「魔女どれ!?」


 ……広場の中に星の数ほど居る敵は、全部同じ姿をしているのです。


さやか「まあいいやとりあえず切る! ……うーん、結界が消えないってことはハズレか」

なぎさ「一体一体はそこまで強くなさそうですね。ただ、数が多いです」

マミ「でも、これだけ居ればすぐ片付けられるわよ」



なぎさ(そうですね。なぎさのシャボンで一網打尽にもできますが、ここは分担でいきましょう)

なぎさ(あすみの戦い方や現在の実力も気になりますしね)



なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]


仲間:マミ 状態:正常
   ほむら 状態:正常
   さやか 状態:正常
   杏子 状態:正常
   あすみ 状態:正常

敵:??? × 無数

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4シャボンバースト(魔力-10):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。(加減)
5シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンに敵を閉じ込める。


 下1レス


なぎさ「ここ一列を吹き飛ばします、スクリームトランペットッ!」


 いつもの間の抜けた音とはかけはなれた高音と衝撃波がなぎさの前方を襲う!
 使い魔?たちは何匹か消え、倒せなかったのも壁際に吹っ飛ばされて固まりました。

杏子「いい感じに敵がまとまったな、狙えあすみ!」

あすみ「はいっ! たぁぁぁぁああああー―」

 あすみが勢いよく振り上げた武器は、鎖のついたトゲトゲの鉄球です。
 フレイルというやつです。聖職者が使う感じの武器です。なぎさもゲームで見たことがありました。

 そして敵のかたまりに振り落とします。

あすみ「とりゃーっ!」


なぎさ(なるほど、当たれば破壊力は抜群でしょうか。ただちょっと重そうなのが気になります。
    今みたいに相手が止まっていれば良いですけど、普通に戦ってたら当てるのが難しいでしょうね……)

なぎさ(誰かサポートしてくれる人が居れば戦いやすいでしょうけど、
    色んな敵と一人で戦えるようになるには少し工夫が必要かもしれません)


あすみ「まだみたい、もっと奥のほうなのかな」

杏子「次はあっちのほう倒しにいくか。アレやってみろ」

あすみ「アレだね!」

なぎさ「あ、アレとは?」


 フレイルから鎖と鉄球がなくなり、ただの杖になってしまいました。
 これなら素早く動けそうですが、また随分と戦い方が変わります。

なぎさ「武器二つ分覚えてもらうんですか? 大変じゃありません?」

杏子「でもフレイルだけだとどうしてもあまり素早く動けないだろ? それだけじゃ多分困るときがくる。
   それに、マスターしたらすげー強くなるよ。あいつは」

 そういえば、杏子もまた戦い方をあの頃と随分と変えていることに気づきました。
 今杏子が手にしているものは普通の槍ではありません。これも、いくつかに分かれた柄と刃の部分が鎖でつながった多節槍です。


なぎさ(………)

なぎさ「あの… 杏子。今、分身の魔法は使わないんですか? それとも、使うまでもないってだけ?」


 その時、結界が消えました。


マミ「終わったわ! 当たりを引いたみたい!」

なぎさ「おお! ラッキーですね、マミ」


 そして、その直後に声がしました。

 「なんだかやけにたくさんの魔法少女の魔力を感じると思ったら…… 君たちもこっちに来ていたんだね」


なぎさ「キュゥべえ!」

QB「確か君たちは仲が悪かったはずだけど、いつのまに仲直りしたんだい?」

マミ「キュゥべえ、私たちは魔法少女狩りが起きてないか調べてるの。何か心当たりはない?」

ほむら「元はといえばお前がさっさと私たちの前に現れないから
    今日一日使って自力で調べ回る歯目になったのよ」

QB「それは言いがかりだよほむら。それより、魔法少女狩りだって?」

ほむら「……」


ほむら『正確に、そしてあすみ以外の魔法少女だけにテレパシーで質問に答えなさい。
    この間この街で契約したっていう栄子って名前の魔法少女は魔女になったの?』

QB『うん、確かに栄子は数日前に魔女になったよ。それがどうしたんだい?』

なぎさ『やっぱりそうですか……』


ほむら「……栄子っていう名前の魔法少女が契約するところを神様が見ていたの。けれど数日前その子はいきなり姿を消した」

ほむら「それを神様が怪しんだの、魔法少女を襲うような者がいるかもしれないと考えて。
    いくらなんでも早すぎると思ってね」

ほむら「実際数日の間に魔女になった証拠はもう掴めた。
    でも他にも失踪者がいると聞いた。だから一応確かめておくわよ」

ほむら「この街には栄子がいなくなる前には魔法少女はいた?」

QB「もちろんいたよ。でも他の魔法少女の情報を君たちに教えるわけにはいかないな」

なぎさ「……たしかになぎさたちはこの街にいた魔法少女とは無関係ですからね。
    でも私たちは変にいきなり消えていった人がいないかを調べているだけなのです」

なぎさ「キュゥべえだってそんな事件があれば困るでしょう?
    なにも思うことがなければいいのです」

なぎさ「ただ、失踪したのが先月くらいってのは聞きました。
    そのあたりで契約したはずの人が消えたとか殺されたみたいなことが起きてなければいいんです」

QB「先月死んだ魔法少女はいるけど、僕もその場に居て見届けた。不審な点はなかったよ」

なぎさ「そうですか…… それならいいんです」


 『ごめんね…… わたしの勘違いでみんなをつき合わせちゃった』

 『しかも、わたしがもっとちゃんと見てれば防げたはずなのに……』

ほむら「だから、あなたのせいじゃないって言ってるじゃない」

なぎさ「いいのですよ。なぎさは、また神様や杏子と一緒に行動できてちょっと嬉しかったのです」

なぎさ「あすみとも出会えましたしね」


 勘違いだったのでしょうか。それならたしかに一番いいのですが……

なぎさ(……だけど、もうこれで杏子とはお別れなのですね)

 それを少しだけ寂しく思いました。
 でも向こうは寂しいとは思っていないのでしょう。


マミ「……ねえ、ところで今あすみちゃんは佐倉さんと一緒に暮らしてるのよね?」

あすみ「うん、そうだよ」

マミ「あのホテルで?」

杏子「……なんだよ、別にいいだろ」

マミ「よくない! 非常に教育上良くないわよ!
   ていうかあのホテル、鍵を持ってなかったみたいだけどまさか……?」

あすみ「あ、うん…… こっそりと…」

杏子「一人で生きていく術を教えてたんだよ」

マミ「教えることが間違ってるわよ!」

杏子「んだよさっきから!こいつがあたしについてくるっつったんだよ!
   文句があるならお前がつれてけ」

あすみ「ええ!? ちょっと杏子!」

マミ「つれてけってひどいじゃない、ねえあすみちゃん!
   あなたあすみちゃんのこと心配じゃないの?」

あすみ「え?」

杏子「お前ほんっとうざいな! さっさと見滝原帰れもう!」

ほむら「二人ともやめなさい」

なぎさ「そうですよ、喧嘩しないでください!あすみも困ってるじゃないですか」


 困ったものです。
 どうにも見本にならないお姉ちゃんたちです。


杏子「……そうだな。確かに良いとはいえねえ生活だよな」

マミ「!」

杏子「わかってたよそんなことは!
   なにもかも終わってるあたしはともかく、あすみはこんな生活に付き合うもんじゃない」

杏子「あすみはお前らが預かってくれ。あたしはやっぱり一人で生きてく」

なぎさ「な、何を言ってるんですか今更!」

マミ「佐倉さん、私はそんなつもりじゃ……」

あすみ「……ほ、本気なの?」

杏子「本気だよ。つうか最初から迷惑だったんだよ!」

杏子「お前も我慢してただろ? 家はないわ、物は盗むわ、あんな生活に付き合わされてさ。
   あたしに会うまでは普通の暮らししてただろうに」

あすみ「普通………?」

杏子「あの時はあたしについてくるしかなかったかもしれないが、
   今は他にもっといいやつがいるだろ」

杏子「そっちのお姉ちゃんたちについてけばずっとマシな生活ができるぞ」

なぎさ「杏子、あなた自分が何言ってるかわかってるんですか!?
    それってあすみのこと捨てるってことですよ!」

 『杏子ちゃん、考え直そうよ! あすみちゃんがそんなこと望んでると思う!?』

杏子「うるせえ!大体仲間とか今更ガラじゃなかったんだよ。一人の方がずっとやりやすいっての」

杏子「じゃあな、これで本当にさよならだ。もうお前らと関わるつもりもない」



――――――
―――――

―――

---------------
途中寝落ちてましたがここまで
次回は2日(水)20時くらいからの予定です



 新幹線の中、景色は行きの時とは違い真っ暗です。

 帰りは予定していたよりすっかり遅くなってしまいました。
 お父さんより遅くなるかな、怒られてしまうでしょうか……

 ……といっても、今は時刻なんて気にしている場合でもないのです。


あすみ「………」

マミ「ごめんなさい。私が余計なことを言ったばかりに……」

マミ「いつもそうだわ。どうしてこうなってしまうんだろう、私は心配していただけなのに」

ほむら「……悪気がないのはわかっているけれど、あなたは説教になりがちなのよ。
    あなたの言っていることは正しい。けれど、正しさを押し付けられるのは…… 辛い時があるから」

マミ「…………」

ほむら「ごめんなさい。私も余計なことを言ってしまったわね」

マミ「いいの。本当のことだろうから。同じようなことを佐倉さんからも言われたことがあるわ」

ほむら「……まだマミはなぎさの家でしょう? これ以上居候を増やすわけにもいかないわよね。
    それに、お父さんにどう説明したらいいかも難しいでしょうし」

ほむら「あすみは私の家に泊めるわ。丁度一人暮らしも寂しいと思っていたところよ」

あすみ「うん……、ありがとう、ほむらさん」


ほむら「そうだ、荷物とかはまだ家にあるの?
    距離がかなり離れてしまうから、何か重要なものがあったら持ってきたほうがいいと思うけど」

あすみ「え? いいよ、別に大した荷物なんてないよ?」

なぎさ「あ、そういえば学校は? 私たちはちょっと事情があって暫く休みになってるんですけど」

あすみ「そうなんだ、いいなあ」

マミ「ま、そのおかげで始まった通信の映像と演習問題がどっさりなんだけどね……」

さやか「見滝原とか無駄にハイテクだからなー。
    むしろ学校に行ってない今のほうがやること多くなってる気がするよ」

あすみ「ああ、それは残念……」


なぎさ「でも、夏休み前にはみんな顔を合わせられると言っていました」

なぎさ「半壊して使えなくなった教室があるものの、
    壊れた部分の工事さえ済めば元通り通えるらしいのです」

なぎさ「なぎさはそれが楽しみです。
    今は時間に余裕があって気楽ですが、少し寂しいものがあります」

なぎさ「あすみはどうなのです? 学校の人たちと会いたいですか?」

あすみ「……私は、杏子についてくことになってから行ってなかった」

あすみ「杏子はそういう話全然しなかったし……」

あすみ「私、家にも学校にもあまり良い記憶がないから。だから逃げたかったのかもしれない」

なぎさ「そうだったのですか……」

ほむら「小学校の勉強くらいなら私も教えられるし、無理して行くこともないかしら」


 話していると、ついに見慣れた見滝原の駅が見えてきました。
 今日は朝から本当に色々とありましたが、やっと帰ってきたのです。


さやか「着いたね」

マミ「ここよ」

あすみ「ここが見滝原……」

――――
―――――

 みんなとは駅で解散となりました。
 神様はこれから他の街に行く前に杏子のところに行くと言っていました。やっぱり一人じゃ心配なようです。

 私達も、家に帰ってから
 少し遅めの晩ごはんを食べて、マミと布団に入りました。


なぎさ「やっぱり、注意されちゃいましたね……」

マミ「まあ、今日は仕方なかったわよ。次からは気をつけましょうか」

なぎさ「………」

なぎさ「結局、何もなかったんですかね」

マミ「何もなくてよかったわよ。でも、あの街の魔法少女は本当に先月全滅してしまったのよね」

マミ「その後魔法少女になった栄子さんも、すぐ魔女になってしまったし……」

なぎさ「……先月何かはあったのかもしれませんね。
    キュゥべえも詳しく話してくれなさそうでしたし、私たちにはわかりませんけど」

マミ「佐倉さんはこれから無事に過ごしてくれるといいわね……」

なぎさ「そうですね」



 ……目を瞑って、明日のことを考えます。
 明日は何をして過ごそうか。


1あすみとさやかの訓練
 a魔力コントロール
 b格闘
2魔女狩り
3遊びに行く
 aほむらの家
 bさやかの家
 cその他(みんなでどっか行くとか)
4自由安価

 下2レス


なぎさ「明日はほむらの家に遊びに行きましょう。あすみがどうしてるかも気になりますし」

マミ「そうね」

 今はほむらが傍についているとはいえ、杏子のことはかなりショックだったと思います。
 落ち込んでるようなら励ましてあげないと。


なぎさ「……それとマミ、
    キュゥべえはあの街の魔法少女の最期について「不審な点はなかった」 と言いました」

なぎさ「けど魔女に殺られたのか、魔女になったのか、なにも肝心なところは聞いてません」

マミ「そうねぇ…… 他の魔法少女の情報を君たちに教えるわけにはいかないって言ってたわね。
   そもそも教えてくれる気がなさそうだし、しょうがないわよ」

なぎさ「直接自分に関係しそうなことだったら教えてくれることはありますが
    他の街で過去に死んだ魔法少女達の事情ですからね……」

マミ「ただ、強力な魔女に全員殺されたというのは可能性が低いかと思うかな。
   さすがにそんなのが居てまだ倒されていないなら大問題だし」

マミ「とすると、仲間同士が連鎖的に魔女になってしまったとか、魔法少女同士で抗争があったとかかしら……
   死因は色々混ざってるかもしれないけれど」

 はっきりわかるのは、全員先月にキュゥべえの見ているところで死んだということだけ。
 いやまあ、何かがあってそうなったとして、それ自体は別に珍しくもないことです。
 そうなった無難な理由はいくらでも推測できます。勿論、魔法少女がかかっていたことも十分ありえます。

 しかし。

なぎさ「……… これ以上は私たちの出る幕ではない……でしょうか」

 なんにせよ、あちらの街の問題です。
 何かあるかもしれないというだけではどうにもできません。
 『気をつけて』と伝えようにも、杏子はもう私たちの心配を素直に受け取ってすらくれないのでしょうから。


 今日は魔法少女狩りを疑うきっかけについては片をつけられました。
 あすみを守るためならと杏子も協力してくれました。

 しかし、杏子はまた一人で居ることを選んでしまいました。
 あすみも、私達も捨てて。


マミ(久しぶりにみんなで行動して……
   もしかしたら今日でまた佐倉さんとも接点が出来たかもしれないのに)

マミ(私は……)


なぎさ(とりあえず、今日は……)

なぎさ(早く寝ましょう)





―EX・1日目終了


なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv5]



・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5]  [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

ほむら
[魔力コントロールLv5] [体術Lv2] [射撃能力Lv25] [精神系状態異常無効]

さやか
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv3]

あすみ
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]

---------------------
ここまで
次回は6日(日)18時くらいからの予定です

―暁美宅


 【14時】


ほむら「相変わらず何も無い家でごめんなさいね」

 午前中には勉強をして、それから昼食を済ませて
 ほむらの家に遊びに行くと、ペットボトルの緑茶を出してくれました。

なぎさ「いえいえ、おかまいなくーなのですよ」

マミ「これを機会に色々やってみるのはどう? お料理とか」

 ほむらといえば最初は生活のほうは相当酷かったらしいけれど、
 今はなんとかもう少しまともになったらしい。

ほむら「……料理はあまり自信がないわ。
    でもまあ、これからはあすみも居るのだしずっとこのままも良くないかしらね」

あすみ「別にそんな、気にしないでいいよ? おかまいなく」

マミ「ずっと……」

マミ「本当にずっとこのままなのかしら」

マミ「これからもう佐倉さんと会うことはないのかしら」


ほむら「……」

マミ「あすみちゃんは、やっぱり佐倉さんと暮らしたいと思う?」

あすみ「私は……」

マミ「あすみちゃんが佐倉さんのところに戻りたいと言うなら、なんとか話をつけたいと思う」

あすみ「で、出来るの?」

マミ「それは…… でも私の一言が招いたことだもの。私がなんとかしないと」

ほむら「責任を感じているのね」

ほむら「……でも、
    最初から諦めるというわけじゃないけれど、説得をするのは難しいと思う」


 ワルプルギスの夜の件でも今まで二度杏子に話しに行きました。
 けれど、結局聞いてはくれなかったのです。
 それに、移動だけでもあの距離。街に着いてから探すだけで時間がなくなってしまう可能性も高いのです。


なぎさ「……とりあえず、神様からの報告を待ちましょう。神様もあちらで話しているみたいですから」

マミ「……そうね」

ほむら「…それで、今日はどうする? 映画でも見る?」


1自由安価
2じゃあ映画で
3ゲームにしましょう

 下1レス


あすみ「そういえば、これすごいスクリーンだね。迫力すごそう」

ほむら「ええ、今日は一応この前借りたものがあって」

あすみ「へえー」


なぎさ『あの、ちょっといいですか?』

ほむら『……テレパシーじゃないといけないこと?』

なぎさ『はい、ちょっと考えてることがあって』


 あすみは丁度映画の説明を読んでいるようだ。


なぎさ『杏子に聞ければよかったのですが……
    私たちは魔女に襲われてたあすみを杏子が助けたとしかわからないのです』

なぎさ『あの杏子があすみが契約するのを許したとはとても考えられませんよね。どう思います?』

ほむら『杏子がついているなら、くだらない願いで契約したってことはないでしょうね』

ほむら『願いが杏子に関連している…… ということは考えられるかしら』

なぎさ『だとしたらますます杏子と離れさせるわけにはいきませんよ! あすみの心の健康的にやばいです!』

マミ『といっても全部推測に過ぎないわね……
   佐倉さんとの間にどんな事情があるのか、別に踏み込む気もなかったけれどそうも言ってられなくなったし』


 今度訓練をする時に、使える魔法や得手不得手などの特徴から推測するということもできるけど…… それも確かじゃないし。
 それとなく聞いてみようか。


あすみ「へえ、これちょっと難しそうだけどおもしろそうだね」

なぎさ「あの…… ところで、あすみの願いってもしかして、杏子に関係してたりしますか?」

あすみ「えっ?」

なぎさ「あ、言いたくないかもしれませんが……」

あすみ「…… うん」



――――――
―――――

―――

―ホテル


杏子「うっとうしいって言ってるのに。あんたは本当に人の心配をするのが好きだな」

 『………うん、うっとうしいって言われても心配なんだ。
  杏子ちゃんのこともだけど、あすみちゃんのことも』

 『杏子ちゃんは、あすみちゃんのこと心配じゃない?』

 『二人の間に何があったかは詳しく知らない。でも、あすみちゃんだって杏子ちゃんのために契約したんじゃないの?』

杏子「……それでもだ」

杏子「………最初はここまで来たらあたしが責任を取らなきゃいけないと思ってた」

杏子「魔法少女の素質があるかもしれないって、疑わなかったあたしも甘かった。
   まさかあんな目を離した隙にキュゥべえが来やがるなんて思わなかったんだ」

 『………』

杏子「結局あたしがやったことって、
   ガキに変なこと教えた挙句、魔法少女の世界にまで引き込んじまったってだけなんだ」

杏子「考えてみたらこれ以上あたしと一緒に居ても、あいつにとっていいことなんかないんだよ。
   マミのヤツもああ言ってたしな。あれが普通の反応なんだ」

杏子「これ以上巻き込むわけにはいかないだろ。あたしみたいのがあたりまえと思うようになっちゃ終わりだ」

 『……あすみちゃんとの間に何があったのか、聞いてもいい?』

――――……
― EX・-10日


 長年研ぎ澄まされた勘が、魔女の魔力を探知する。
 結界を見つけて中に入ると、親子と思われる二人の姿を遠くに見つけた。

「――…す… み…… …――…ッ…!」

あすみ「………」


杏子「おいバカお前も逃げろ!」

 魔女に槍を向けて走り出したが一歩遅く、
 親のほうは少女に向けて手を伸ばしたまま魔女に呑まれた。

 その直後、槍が魔女を深く突き刺す。

 ――魔女は倒したが手遅れだった。
 魔女がグリーフシードになり結界が消えても、還ってくることはなかった。


あすみ「………待って…」

あすみ「あなたは、あすみのこと助けてくれたの?」

 去ろうとすると、残された少女に声をかけられる。

杏子「勘違いするな、助けるとかそういうんじゃない。あたしたちはヒーローなんかじゃねえんだ」

杏子「……災難だったな、だが現実なんてこんなもんさ」

杏子「お前もさっさとおうちに帰って、もう忘れな」

あすみ「…… 待ってよ」

あすみ「忘れるっていったって…… そんなの無理だよ! だって、私これからどうすればいいの?」

あすみ「私には帰る場所なんてない。だって私… 、もうひとりぼっちなんだよ……?」

杏子「さあな、とにかくあたしみたいのに関わっても良いことなんかないぞ」

あすみ「お願いまだ待って、放っておかないで……」

杏子「………なんなんだよ」

あすみ「………」

杏子「あーもーわかったよ! 勝手にしろ」

杏子「着いてきたいなら着いて来いって言ってんだよ」

あすみ「…! うん!」

―ホテル


 自分のことをあすみと言っていたか。

 とにかくそいつと一緒に来たのは、駅前のホテルだった。
 そこに、いつもどおり隙を突いてこっそりと侵入した。


あすみ「ど、どきどきした~っ! ばれるかもって思った!」

あすみ「えーっと……」

 あすみがこっちを見て何か言いかける。

あすみ「あなたは、いつもこうやって過ごしてるの……?」

杏子「杏子だ。佐倉杏子」

あすみ「ああ、うん。杏子さん」

杏子「さん付けなんていらねえよむず痒い。 で、お前は?」

あすみ「私はあすみ。神名あすみっていうの」

杏子「そうか。 ……まあ、大体こんなんだよ」

あすみ「おうちはないの?」

杏子「……ああ。
   あたしもあすみと一緒だ。魔女に殺されたわけじゃないけどな」

あすみ「そっか…… 杏子は一人で生きてたんだ。すごい」

杏子「別にすごかねえよ、こんなの……」

―翌日

 【朝】


 朝、誰かと一緒に寝ているだなんていつぶりか。
 少しの間あすみの寝顔を見ていたが、寝返りを打った拍子に起きたようだ。

あすみ「! ……あ、そっか。杏子と一緒なんだった」

杏子「やっぱ家族が恋しいか」

あすみ「………」

杏子「腹減ったな、飯とってくるか」

あすみ「買い物に行くの?」

杏子「……まあついて来てもいいが、外で待ってろよ?」


―――――……


杏子「っしゃ! 逃げ切った!」

あすみ「びっくりしたよ、いきなり色々抱えて走って出てくるんだもん。しかもすごい速いし…」

あすみ「私を中までつれてかなかった理由はわかったけど……」

あすみ「それより、おなかすいたね。どこで食べる?」

杏子「そうだな………」

 と、気配に気づく。

杏子「その前にちょっと用ができたな。あすみ、ちょっとこれ持って先戻ってろ!」

あすみ「魔女!? また昨日みたいのが人を……」

杏子「ああ。魔女が多いのは良いことだけどさ。全く、ゆっくり飯の時間くらいとらせろっての!」


 あたしは魔女結界に乗り込んだ。
 あすみは先に帰らせた、はずだったのに……


――――
―――――……

―EX・2日目


あすみ「キュゥべえは、魔女との戦いは危険なんだって言ってた。ベテランでも命を落とすこともあるって言ってた。
    だからその後心配になって駆けつけて……」

なぎさ「完璧にあの野郎に騙されてるじゃないですか!!」

ほむら「……まあ、事実といえば事実だけど。全く、あの畜生は無駄に不安を煽るようなことを言うのが得意だから…」


あすみ「……でも本当なんでしょ?」

なぎさ「いやまあ… 本当ではありますけど……」

あすみ「私はね、杏子についていって、あんなふうに生きていくなんて私一人じゃ出来ないって思ったの」

あすみ「杏子のことは私のお姉ちゃんみたいに思ってる。
    でも、いつまでも子供みたいに杏子に面倒みてもらって、杏子に全部やってもらうわけにはいかないから」

あすみ「だから、私も力を手に入れたいと願ったの。杏子と一緒に戦って、助けて、一緒に生きていける力を……」

マミ「その願いを、佐倉さんが許してくれたの?」


 静かに横に首を振るあすみ。
 やっぱり………


あすみ「………余計なお世話だったみたい」

あすみ「私は、私が勝手にしたことで後悔なんてなかったけど……」

あすみ「あのときから杏子は、契約しないほうが良かったって言ってたから。
    それどころか、杏子の居ない隙をついて私を騙したキュゥべえが悪いとも言ってた」

あすみ「……それでも魔法少女としての面倒まで見てくれた。でも…」

 その矢先のあの宣言。

あすみ「もちろん杏子がああ言ったのは私のためだっていうのはわかってる」

あすみ「みんなやほむらさんにも感謝してる」

あすみ「でも、こうなったのは……」

あすみ「仕方ない…… のかな」


なぎさ「杏子はきっと、あすみのことを役に立たないとか、いらないとか思ってるわけじゃありませんよ」

なぎさ「巻き込みたくなかったんです。あすみの気持ちは嬉しいのですが……
    魔女と命懸けで戦うことになんてさせたくなかったんです」

なぎさ「その上杏子自身の生活があまりにも普通とかけ離れていますからね……」

なぎさ「ああは言っていいたけれど、きっと負い目を感じているんです。一緒に居るべきじゃないと」

あすみ「………そうだね。そうだと嬉しい」

なぎさ「……でも待ってください」

なぎさ「あすみが杏子の生活に付き合うとか付き合わない以前に、杏子だって、あんな生活を続けるのはどうかと思うのです」

ほむら「まあ……それもそうよね」

なぎさ「だから、一番は杏子が自分を許せば良いんじゃないかなぁ……って」

マミ「………多分、それができないからあすみちゃんを突き放したのでしょうね…」

----------------------
ここまで
次回は11日(金)20時くらいからの予定です

------------------
すみません、今日は中止にします
次回は12日(土)18時くらいからの予定です


 【15時】

 話しているうちにおやつの時間になりました。


ほむら「…と、話しているうちに大分時間が経ってしまったわね。
    何かおやつ持ってくるわね」


 持って来たカゴの中を見てみると、見覚えのある黄色いパッケージがたくさん。


なぎさ「あら、おやつというか某バランス栄養食じゃないですか!」

あすみ「ほむらさん、これすごいいっぱい持ってるんだよ」

マミ「え、まだあるの?」

ほむら「前に箱買いしたのがあまっちゃって」

なぎさ「なんとなく生活が想像できてしまいますね……」

なぎさ「じゃあそれでも食べながらそろそろ見ましょうか」


 ディスクをセットして映画を再生しつつ、ティータイム(?)がはじまりました。
 マミとのおやつとなると洋菓子ばかりなので、たまにはこういうのも良いでしょう。


なぎさ「おお、はじまりましたよ……不思議な世界観ですねえ。
    そういえばこれってレンタルですか?それとも買ったのですか?」

ほむら「レンタルよ。買うと高いしかさばるから」

マミ「もう少しくらい物が増えても全然良いと思うけどね」


 最初来たときは生活感がなく殺風景だと思ったこの部屋も、
 これでもすこーしずつ物が増えているようでした。

 映画を見て笑ったり驚いたりしているほむらを見ていると、もう普通の子にしか見えません。
 というか、魔法少女なんかと関わる前はみんな普通の子だったのです。


なぎさ(……なんというか、私たちは平和です)

なぎさ(まどかやほむらのことや、ワルプルギスとか、
    あの一ヶ月で色々あったけど見滝原は平和に戻りました)


―――映画が終わる頃にはおやつも食べ終わり、みんな集中して見入っていました。


なぎさ「ちょっと難しいお話だったけど、面白かったですね! バトルシーンとかカッコ良かったのです!」

マミ「色々と驚きの展開だったわねー」

ほむら「ええ、まさかラストでヒロインが悪魔になるなんて驚いたわ」

あすみ「ちょっと悲しいお話だね」


 スタッフロールも終わり、みんなが口々に観想を言います。
 どんな映画だよって感想ですが、内容はご想像にお任せしましょう。


 さて、そろそろ夕方でしょうか。まだ一日は終わりません。
 今度はなにをしましょうか。

【17時】

・自由安価

 下1レス


なぎさ「ずっと座ってたらちょっと身体を動かしたくなってきましたね!
    ちょっと散歩に行きません?」

あすみ「この辺のこと全然わからないし、楽しそうかも。
    見滝原ってキラキラしてて、すごい進んでそうだよね」

ほむら「どこに行く?」


1駅周辺
2後援
3土手
4その他(自由安価)

 下1レス

―駅周辺


 ほむらの家から出て少し歩くと駅が見えます。
 見滝原駅の周辺、多分この街の中で一番賑わっているあたりです。大体なんでも揃ってます。


マミ「そうそう、この前この近くに良いケーキ屋さんができたのよ」

なぎさ「あの店はなんでもおいしいですねー。
    ちなみにショートケーキとアップルパイは完璧マスターしましたから、今度作ってあげますよ!」

あすみ「え? お菓子作りできるの?」

なぎさ「魔法で、ですけどねー」

あすみ「そんな魔法もあるんだ!便利だね」


 さて、歩いていて何か気になったものは…


1繁華街のゲーセン
2駅前の路上ライブ
3大きなスーパー
4自由安価

 下1レス


あすみ「演奏の音が聞こえるね」

なぎさ「駅前で路上ライブをやってるみたいですね」

マミ「本当だ、ちょっとした人だかりが出来てる」

ほむら「私達も見に行ってみる?」

あすみ「うん!」


 近くに行ってみると、演奏している姿が見えた。
 バイオリン2人に、キーボードが1人。ノリのいい曲です。そういえば前にも見たことがあるかもしれません。


なぎさ(上条さんが弾いているのはクラシックばかりみたいですが、
    こういうバンドも有りなんですねぇ……)

 そんなことを思いながら見ていると、突然声をかけられました。

 「おー、奇遇じゃん」


なぎさ「あれ、さやかも来ていたのですか! 奇遇ですね」

さやか「うん、ちょっと買い物ついでに演奏が聞こえたから
    どんなもんかと思って見てた」

なぎさ「買い物? 何かの用事の帰りですか?」

さやか「ちょっと前までまどかの家で勉強会しててね」

さやか「演習問題わかんないとこ結構あって。溜めるとかなりヤバいし魔法少女との両立がキビシーなんの!
    マミさんはどのくらい終わってますか?」

マミ「私は今日までのところなら大体終わってるわ。帰ったらまたやるつもり」

さやか「うわー、さすがだなぁ」

ほむら「私も」

ほむら「応用に少しひっかけみたいのがあるけれど、
    ほとんど今までの授業をちゃんと理解していれば難しくない問題よ」

さやか「うわでた優等生! あんたが言うとイヤミに聞こえるんだよなー」

ほむら「なんなのよその差は」


なぎさ「ところであすみ、もしこういうのが好きなら、さやかはすごい人とお友達なんですよ!」

あすみ「え?」

さやか「うん、さやかさんはバイオリンの達人とお友達なのだよ!
    もし気になるなら今度聴かせてくれないか頼んでみてもいいよ」

あすみ「へえ、それは楽しみかも!」



【17時半】

・何かしゃべります?

1自由安価

2ほかのところへ(安価)
3もう少し聴いている
4そろそろ帰る

 下1レス

------------------
ここまで
次回は16日(水)20時くらいからの予定です

------------------
遅くなりましたがそろそろはじめます


なぎさ「そういえばさやか、
    上条さんはクラシック以外のジャンルを弾いたり聴いたりはするのですか?」

さやか「クラシック以外を弾いてるのは見たことないけど、友達のすすめとかで聴くことはあるみたいよ」

なぎさ「そうなんですか!」

なぎさ「こういう風にみんなでバンドとか組んだらきっと楽しいと思います、さやかは歌とかでどーでしょー?」

なぎさ「あ、でも他に楽器できる人知りませんでした…」

あすみ「私も楽器は習ったことないなあ」

さやか「歌はよくカラオケで歌うけどねー」


さやか「そういやなぎさはトランペットできるの?」

マミ「楽器としては使ってないわよね。というかあの怪音波のイメージが……」

なぎさ「あれは攻撃です!わざとなのですよ!」

なぎさ「…まあ、今度演奏に挑戦してみるのもいいかもしれませんね、上手くいったら新技ゲットできるかもですよ」

なぎさ「そういえば上条さんの脚の具合はどうですか?」

さやか「順調順調、ゆっくりとだけど歩けるようにもなったし」

さやか「最近学校がないから、家の中や近所でリハビリしてるみたい」

なぎさ「それはよかったです」


 曲が終わり、みんなで拍手を送ります。
 次の曲でラストだそうです。


・何かしゃべります?

1自由安価

2ほかのところへ(安価)
3こうなったら最後まで聴いてましょう
4そろそろ帰る

 下1レス

寝落ちと多忙で連絡できず申し訳ありませぬ…
ちょっと年末までまとまった時間を取るのが難しそうなので、レスが来次第ちょいちょい返して進めようと思います
-------------


なぎさ「おーっ、がんばれなのですー!」

 拍手しつつ声援を投げかけると、バンドのお兄さんが微笑んでくれました。
 別にファンというわけでもないのですが、ライブという雰囲気は楽しい感じがするので好きなのです。

さやか「おお、いい盛り上げ役」

なぎさ「こうなったら最後まで聴こうかと、さやかは?」

さやか「あたしも後は帰るだけだし、折角だから聞いてようかな」


なぎさ「今度久しぶりに上条さんに会いたいですね」

なぎさ「ワルブル戦の前に聞いた、さやかに送る曲がどうなったのか興味がありますしね」

さやか「お、なぎさも聴きたい? 聴きたい!?」

さやか「ふふ、じゃあ恭介に頼んでみるよ。プチ演奏会にしよう。恭介もみんなに会いたいだろうし」

なぎさ「お、さやかはもう聴かせてもらったのですね? 二人っきりで」

あすみ「あ、なるほど、友達って…・…」

さやか「二人っきり強調すんな恥ずかしい!あすみちゃんも変なこと考えないの!
    ……まあね、ワルプルギスの夜の2,3日くらい後に呼び出されてね」

なぎさ「そうだったのですかー」


 ……相変わらず進展はなさそうだけど、
 なんだかんだでこの2人はずっと一緒に居るような気がします。


 最後の一曲も終わって駅前が普段の様子に戻ろうとしていた頃、
 なぎさたちもさやかと別れて帰り道を歩き出しました。


なぎさ「ちょっとしたお散歩のつもりでしたが、長くなっちゃいましたね。まさかさやかと会うとは」

マミ「今度楽しみね」

あすみ「うん!」


なぎさ「ん」

 歩いていると、ポケットに振動を感じます。
 さやかからです。早速連絡が来たようです。


なぎさ「おお、早速さやかからです! 明日オッケーみたいですよ」

なぎさ「みんなは明日空いてます?」

ほむら「ええ。予定はないわ」

なぎさ「じゃ、こっちもオッケーって出しておきます」

なぎさ「ではまた明日です! ほむら、あすみ!」

マミ「今日はありがとうね、映画面白かったわ」

ほむら「ええ、こちらこそ来てくれてありがとう」

―自宅


 家に帰ると、マミは夕飯の準備を始めました。

 なぎさも同じ部屋のソファでごろんとしています。



1マミに安価内容で話す
2メール
 aほむら
 bさやか
3ごろごろしてる
4自由安価

 下1レス


 ソファでごろんとしながら杏子のことを考えます。


なぎさ(そういえば神様は杏子と話せて何かわかったのでしょうか?)

 神様なら一番鬱陶しがられずに傍で見守ることが出来るでしょう。
 しかし、一人だけで杏子を説得するのは難しいように思います。
 どうしたらよいものでしょうか……


なぎさ(杏子があすみを突き放したのは、これ以上自分の生活に巻き込まないため)

なぎさ(杏子本人も今の生活が駄目なのはわかっているのにあんな生活を続けているのは、自分が許せないから)

なぎさ(人は誰かを許す事は出来ても、自分を許す事は出来ませんからね…)

なぎさ(今の杏子を許す事が出来るとしたら、なぎさやマミではなく…あすみなんでしょうかね…)


お父さん「だたいまー。お、この匂いはカレーかな?」

なぎさ「! お父さんおかえりなさいですー」

マミ「はい、もう少しで出来るところですよ」

お父さん「ありがとう、いつも助かってるよ」

マミ「いえ、居候させてもらってる身ですから。このくらいはしないと」


―――

―その頃のほむら家


あすみ「な、何をやってるの?」

ほむら「いえ、少し料理をしようと……」

ほむら「いや、料理とも呼べないかもしれないわね。
    ネットであった電子レンジだけで作れるお手軽レシピというのを参考にしようと…」

あすみ「ええと、なになに… 失敗なし、5分でできる…?」

あすみ「もしかしてそれってプリン……」

ほむら「いや、その… 途中で割れるなんて思ってなかったのよ。しかも発火するなんて」

あすみ「マグカップによっては割れるから…… あと多分それ、設定間違えてると思う」

ほむら「やっぱり素直に弁当でも買ってくるべきだったわね……」

あすみ「も、もし料理に興味があるんだったら私が教えようか?」

ほむら「出来るの!?」

あすみ「一応…… 授業でもやったことあるし、家の手伝いとかはしてたから」

あすみ「ていうか、ほむらさんは料理苦手なんでしょ? 居候させてもらってるんだし私がやらなくちゃ!」


―――

―自宅


 夕飯を食べて、寝る準備を済ませて、あとは寝るだけになりました。
 マミは授業の演習問題の続きをやっているようです。


マミ「あ、先に寝てていいわよ。私はもう少しやってるから」

なぎさ「遅くまでお勉強お疲れさまなのですー。
    それにしても中学校の内容って難しそうですねー… さっぱりわかりません!」

マミ「なぎさちゃんもきっとわかるようになるわよ」

なぎさ「その頃にはマミは大人になってますね」



1マミに安価内容で話す
2メール
 aほむら
 bさやか
3寝る
4自由安価

 下1レス


なぎさ「ではおやすみなさいです、マミ」

マミ「ええ、おやすみ」




―EX・2日目終了


なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv5]



・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5]  [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

ほむら
[魔力コントロールLv5] [体術Lv2] [射撃能力Lv25] [精神系状態異常無効]

さやか
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv3]

あすみ
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]

―EX・3日目 上条家


恭介「久しぶり、みんなようこそ」

なぎさ「わぁ、お久しぶりなのです!」

マミ「お久しぶりね」

 今日は、昨日約束したミニ演奏会です。
 前にもなぎさはさやかとここに来たことがありましたが、ここでこうしてみんなで集まるのは初めてです。
 ワルプルギスの夜まで忙しくてこういう時間をとれませんでした。

あすみ「あの、はじめまして。神名あすみっていいます」

恭介「はじめまして。さやかから昨日電話で聞いているよ。
   僕は上条恭介、よろしくね」


恭介「それにしても…… 魔法少女って結構小さい子も居るんだね。
   こんなに小さいのに魔女と戦うだなんて… ああ、でもきっと可愛いんだろうなぁ」

 あら、どこか妄想の世界へ飛んでいこうとしている予感。

さやか「こらっ、恭介!戻ってきなさい!」

なぎさ「恭介さん、百歩譲って魔法少女好きなのは認めてもそっちの趣味はたぶんやばいですよー?
    なぎさちゃんも身の危険を感じてしまうのです」

恭介「い、いやいや! 僕は決してそういうのじゃないから!!」

なぎさ「本当でしょうかー、それなら良いのですが」

ほむら「ところで、もう大分調子は良さそうね?」

恭介「うん、腕はあれから完全に元通りだし、やっと遅れも取り戻せてきたところかな」


恭介「みんなに聴かせても恥ずかしくないくらいには、やっとなってきたと思う」

恭介「それに、家の中では杖もいらなくなってきたし」

さやか「あたしは練習の時とかも前から聴いてたけどね」

さやか「小さい頃から思ってたけど、練習してるときの恭介はたまに怖いくらい真剣なんだよ」

 なんだろう、なんとなく想像がつく気がします。
 魔法少女のこととなると少々浮かれ気味になるものの、バイオリンに対してはすごくストイックなのをなぎさも知っています。

なぎさ「病院で聴いたときよりももっとすごいんですよね! 楽しみです!」

恭介「うん、じゃあ準備するから待ってて。あ、そうだ。母さーん、みんなに飲み物とお菓子出しといて」

さやか「あたしも手伝うよ!」


なぎさ「これおいしいですね! これは高級そうですよ」

あすみ「そうだね」

マミ「気を使わせちゃったかしら」

ほむら「いつもこんな感じなのかしら。お母様にもまた改めてお礼言わないと」


 さすがは良家でしょうか、出されたお菓子が高級そうなものだというのは幼いなぎさにもわかりました。
 恭介さんの準備が整うのを待つ間、それを大事に食べつつ話を始めます。


 話題
1自由安価
2おまかせ

 下2レス


なぎさ「そういえばお菓子で思い出したのですが、昨日おやつにカ○リーメ○トが出てきました」

さやか「あれっておやつなのか?」

ほむら「ど、どちらにもなるのだから素晴らしいじゃない」

なぎさ「どちらにもですってー!?」

なぎさ「いくらたくさんあるからといって、まさかご飯もあれみたいな物ばかりではありませんよね?
    …何か考えていたら不安になってきたのです」

なぎさ「あすみ! 実際のところどうなのです?」

あすみ「いや、さすがにそこまでではないけど… あすみにはちゃんとお弁当とかおにぎりとか買ってきてくれたし」

ほむら「え、ええ。確かにちょっと前まではそんなもんだったかもしれないけど……」

なぎさ「いや、これも十分まずい感じでしょう…… しかもちょっと前までは更にひどかったと!」

なぎさ「なんというか、おっさんの一人暮らしみたいな感じになっているのです。女子力のかけらもないのです」

ほむら「えー……」

なぎさ「そんなこと考えたこともなかったみたいな顔しないでください!
    今の時代、魔法少女には女子力も求められるのです!」

なぎさ「ほむほむ、あすみのためにもマミの指導の元、料理の修業を開始するのですよ!」


ほむら「でもいいの? 多分私ものすごく料理の才能がないわよ」

あすみ「じ、自信落とさないで! そんなことないよ、多分!
    昨日のは失敗しちゃったけど、苦手なのに挑戦してみたってだけでもすごいことだよ!」

ほむら「だって『失敗なし』なのよ。『簡単』なのよ。『5分で』『誰でも出来る』『お手軽』なのよ」

ほむら「それで失敗したのよ。もう何やったって無理よ……」

なぎさ「あちゃー、何かありましたねこれは」

ほむら「もう卵かけご飯とカップめんさえ作れれば十分だわ」

なぎさ「それは料理と呼ばない気がしますが……」

マミ「失敗したのも何か原因があるのよ。
   どんな失敗をしたのかわからないけど、私がちゃんと見ていればそんなことにはさせないわ」

マミ「もしよかったら今日の帰りにでも暁美さん家に寄って教えるわよ」

ほむら「本当に失敗しないならまあ、いいけど……」


恭介「おまたせ、準備できたよ」

 そうこう話しているうちに準備のほうも整ったようです。


恭介「それにしても、マミさんは料理が得意なのか」

さやか「恭介からしたら、やっぱ料理が得意な人のほうがいいと思う?」

恭介「僕は料理はできないけど、そりゃあ、何事も出来ないよりは出来たほうがいいんじゃないかな?」

さやか「あ、そういう…… まあそれはそうだね」

 さやかは好みとかの話をしたのでしょうが、ものすごく普通の答えが返ってきてしまいました。
 こういうところ、本当に鈍感ですよね。というか、そういうことを考えていないようです。


恭介「1曲目はあの時病院の屋上で弾いた曲。『アヴェマリア』」

なぎさ「おお、阿部さんなのですね!」

さやか「それはなんか違う」

恭介「あはは、小さい頃さやかも同じこと言ってたじゃないか」

さやか「そうだっけ?」

恭介「そうだよ」


恭介「それでは――聴いてください」

-------------------
ここまで
多分明日(31日)もだらだらと続けていきます


 バイオリンの済んだ音色が響きます。

 さやかはやっぱり嬉しそうです。
 演奏している恭介さんのほうも嬉しそうです。

 これがさやかの願いの結果。


なぎさ(実際なぎさには前よりどこが良くなったとか細かいところはあまりわからないのですが、
    こうしているとこちらも嬉しい気持ちになります)


 そして次の曲は今日のメイン、恭介さんがさやかに贈った曲でした。

 明るさと暗さと穏やかさ、様々な感情が伝わってきました。

 今までの恭介さんの思いをそのまま音楽に込めたのだと思います。

 そして、その恭介さんの思い出の中には、いつも傍に居たさやかも含まれているのでしょう。


―――演奏が終わると、私たちは立ち上がって盛大に拍手をしました。


なぎさ「これがさやかに贈った曲ですか! すごいです、迫力あります!
    色んな思いが込められているようで感動なのですよ!」

あすみ「そうだね、これをこうして間近で聴けるなんて」

ほむら「やっぱり、今までの入院生活や、さやかのことをイメージした曲なのかしら?」

恭介「うん、まあそうなんだけど、
   今までの気持ちを書こうとすると自然とさやかをイメージした曲にもなるんだよね」

恭介「単にさやかをイメージした曲…というよりも
   僕が見てきたさやかを書いたっていう感じかな」

マミ「ちなみに、題名は?」

なぎさ「さっきのが阿部さんだったから、これは美樹さんとか?」

さやか「べつにアヴェマリアは阿部さんのイメージソングってわけじゃないけどね……」

恭介「改めて聞かれるとちょっと恥ずかしいけど、『傍にいてくれた人』……かな」

恭介「さやかは本当に大切な友達だよ。感謝してもしきれない」


 なるほど……
 “さやかが恭介さんに対してどう思ってるか”はもう言うまでもないですが、
 これは恭介さんがさやかをどう思ってるかが表現された曲ともとれるわけです。


なぎさ(最後の言葉で盛大にフラグが壊されたような気もしますけど…… ね)


・自由安価

 下2レス


 さやかと上条を良い関係にさせるにはどうすればいいのでしょうか。
 だってさっきから、さやかのことを恋愛対象として意識してないんだなってことばかり伝わってきているのですから。

なぎさ(まあ、後でさやか以外のみんなと話し合ってみましょうかね……?)


マミ「私たちも今日は上条君の元気な姿が見られて嬉しいわ。こんなに素敵な演奏も聴かせてもらえたし」

ほむら「さやかも幸せそうにしてるしね」

さやか「うん!」

なぎさ「では、私たちはそろそろ失礼します!ほむほむのお料理レッスンがありますから!」

恭介「そっか、夕飯に間に合わなくなっちゃうね」


さやか「ん、じゃああたしも……」

なぎさ「さやかはお片づけを手伝ってあげてはいかがでしょうか? 準備のときも大変そうでしたし」

さやか「それもそうか。じゃあもうちょっと残ってるよ。別に急ぐような用事はなにもないし」

恭介「いつも悪いね、さやか」

さやか「そのくらいいいのよ。じゃ、みんな気をつけてね」

恭介「気をつけて」

なぎさ「はい! それではさようならなのです」

マミ「また聴かせてちょうだいね」

あすみ「ありがとうございました! すごくいいもの聴けました!」

ほむら「練習とリハビリ頑張ってね」


 最後に恭介君のお母さんにももう一度挨拶をして、私たちは上条低を後にしました。
 これから夕飯の材料を買いに、この近くのスーパーに向かいます。

--------------
今日はここまで みなさん良いお年をー
次回予定は3日(日)です


なぎさ「ところでみんな、二人のことどう思います?」

ほむら「とりあえず安心したわ。このままなら大丈夫そうね」

あすみ「…でも、上条さんはさやかさんのことはっきり友達って言ってたよね」

あすみ「さやかさんは上条さんのことが好きなんでしょ?」

あすみ「……だったら、ずっと『このまま』でいられるのかな」

あすみ「あ、もちろん二人のことを知らない私が口を出すことでもないっていうのはわかってるけどね。
    さやかさんはさやかさんで、あれで納得してるのかもしれないし」


なぎさ「とはいえ、今の上条さんにとってさやかが『本当に大切な友達』だとしても
    これからどうなるかはわからないですしね」

なぎさ「上条さんの魔法少女への想い、あれだけ熱く語ってたんですから
    バイオリン以外にも興味が向くものがあるということは確かなのです」

なぎさ「まぁ、少々変というか、おかしな気配が漂ってるのですが……
    それがさやかに向けば良いだけなのでその点はおいておきましょう」

なぎさ「上条さんにさやかを意識させるには、そこらへんから攻めて行くしかないですかねー?」

なぎさ「さっきの曲の『傍にいてくれた人』を、
    『これからもずっと傍にいてくれる人』といった感じで作曲してくれるようになればいいのですが」

マミ「それが一番大変なんだけどね……。
   『魔法少女』をアピールしたらますます美樹さん個人を見ようとしなくなりそうだし」

ほむら「魔法少女はあくまで属性……ってことね」

マミ「………もしかしてあれだけのアピールで気づかないって事は
   本当に小さい子しか興味がないんじゃ……」

なぎさ「そうでないことを信じたいです。でもそう考えるのが一番自然な気すらしてくるのですよ~…」


あすみ「もしさやかさんに告白されたら、上条さんは断るのかな」

なぎさ「それは……… どうでしょう。さやかには恩もありますしね。意外とオッケーしてくれる気もしなくもないです」

マミ「でもそれって、断れないってことよね。美樹さんはそれを卑怯だと思ってるから告白しないのかしら……」

あすみ「……じゃあ他の人だったらどうなのかな。もし、他の人に告白されたら」

なぎさ「……確かにそれは考えたことあります。
    バイオリンが上手で顔も良くて、お金持ちで… モテる要素ばっちりですしね」

なぎさ「これから先、さやか以外にも好きになる女の子が現れてもおかしくありません」

なぎさ「で、でも、さやかを捨てて他の女と付き合うなんて!」

ほむら「……いえ。もしそうなったら、付き合うかもしれないわよ。
    今のままでは上条君はさやかのことを友達、恩人としか思っていないんだもの」

ほむら「恐らく捨てたとも思わない。上条君の中ではさやかはさやかで今までどおり大切な友達のまま」

ほむら「他人から見れば薄情にも見えるかもしれないけど、ね……」


 ほむらがこう言ったということは、今までの経験からの考えなのでしょう。
 ループのことを知って以降、ほむらの発言には妙に重みを感じてしまいます。

 話しながら歩いていると、いつのまにかスーパーに着きました。
 店内に張ってあるチラシを見ながら夕食のことについて話します。


ほむら「…それで、今日は何を作るの?」

マミ「そうねえ、今日は……」


 作るもの
・自由安価

 下2レス


マミ「卵が安いわね。まずは目玉焼きに挑戦してみましょうか」

ほむら「め、目玉焼きですって? 上手くできるかしら…」

マミ「……失敗してもこれだけ人数が居るから何回かは練習できるわ。
   意外とやってみると簡単なものよ、自信持って!」

マミ「それから、ウィンナーの炒め物と… 汁物は味噌汁でいいかしら。じゃ、早速材料買うわよ。
   あすみちゃん、嫌いなものがあったら言ってね」

あすみ「大丈夫、好き嫌いはないほうだから」

マミ「偉い! さすが短い間でも佐倉さんと一緒に居ただけあるわね」

―――
上条家


さやか「じゃ、片付けようか」

恭介「待って。やっぱりあと1曲だけ弾いていい?」

さやか「ん。じゃ、聴いてるよ」



さやか「………聴いたことない曲だね。でもいい曲。この曲も聴かせてあげればよかったのに」

恭介「まだみんなに聴かせられるレベルじゃないんだ」

さやか「お、1番に聴けたあたしはラッキー?」

恭介「今度のコンクールも近いし、明日のレッスンでも弾かなきゃいけない。
   それまでにできるだけ完成させたいんだけど……なかなか思うような表現ができなくてね」

さやか「切羽詰ってるんだね…… じゃあもっと練習する?」

さやか「ほら、こういうとき褒めてもあんた喜ばないでしょ。あたしとしては十分良く聴こえるんだけどね」

さやか「あたしも付き合ってあげるからさ。聴いてるだけだけど」

恭介「はは、やっぱりさやかは僕のことをよくわかってるよ。
   ホント、さすが僕のファン1号だ」

さやか「ふふっ」


さやか(ファン1号…… か)

さやか(嬉しいんだけど、やっぱりそういう見方でしかないんだろうな)

―――

 買い物を済ませると、今度はほむらの家に向かって歩き出しました。

 買い物袋を持つほむらというのもなんだか珍しいです。あすみも手伝うと言って袋を一つ持っています。


ほむら「相変わらず何もない部屋だけど、上がって。あ、こっちが台所よ」

マミ「なんだか、使ってなさそうなキッチンね……先に少し掃除しましょうか」

なぎさ「あわわ、炊飯器がないのですよ!」

ほむら「確か、まだダンボールにしまったまま押入れの中ね……」

なぎさ「一度も出したことなかったのですか。あちゃーなのです」


 炊飯器を出したり、掃除をしたりで
 本題に入る前に色々と時間を使ってしまいました。

 更にほむらの話では、電子レンジでさえも出したのは昨日だというのです。

 まあ、なんだかんだでこうしてほむらの殺風景な部屋にも
 少しずつ生活感がでてきたのでした。


なぎさ「準備だけでとんでもなく疲れた気がします」

マミ「休んでる暇はないわよ…… まず、卵ね。暁美さん、卵割れる?」

なぎさ「なぎさは割れますよ! た、たまに失敗しますけど!」

 マミがほむらに卵を渡して、容器を差し出します。
 受け取ったほむらは卵を慎重にコンコンした後…… 見事にぐちゃっといきました。


ほむら「………」


ほむら「ほら、だからこうなると思ったのよ……」

マミ「練習…ええ、練習するしかないわね。これはなんとか殻を除いて卵焼きにするとして……」

なぎさ「あなた卵かけご飯なら作れるっていってたじゃないですかー!」

ほむら「それもやったのが数年前なのよ! 多分、ちょっと練習すれば大丈夫だから!」

あすみ「これ、私ができるだけ殻を取るから練習してて」

マミ「ええ、お願いね。……卵にも限りがあるから、出来るだけ練習は早く済ませてね」

ほむら「……はい」

――――……

 数個犠牲になったところで、なんとか目玉にできそうな卵ができました。
 多分これからも失敗するような気がしますが、足りるか心配になってきます。

マミ「卵を使う料理は多いから、これから慣れていきましょう。じゃあ、焼きましょうか」

マミ「半熟と固めとっちがいい?」

なぎさ「なぎさは半熟がいいですねー、あすみは?」

あすみ「えっ?」

 あすみは未だに犠牲になった卵の殻を取る作業に専念していました。

マミ「半熟と固焼きどっちが好き?」

あすみ「半熟がいいかな」

マミ「じゃあ、固まり過ぎないように気をつけましょう。……失敗したらごめんなさいだけど」


 そして更に時間が経過。
 やっと『目玉焼き』が完成しました。


マミ「やっと…… できたわね」

ほむら「私一人だったらいくらかかったことか。というか、ほとんどマミの力な気がするわ」

マミ「だって、私が手を出さなかったら大変なことになるじゃない!」

なぎさ「なぎさも、超固焼きくらいなら食べられますが、消し炭みたいのは食べたくないのです」

あすみ「わざわざ食べ物を消し炭にするのはもったいないしねえ……」

なぎさ「でも、途中で卵焼きみたいになったのもありますね……」

ほむら「半熟だから早めにと思ったら、早すぎてぐちゃっといったんだったわね」

マミ「だからまだっていったのに…… まあ、味は悪くないはずよ」

なぎさ「これからウィンナーと味噌汁がありますが、時間は大丈夫なのですかね?」

ほむら「ほとんどマミがやってくれれば、いけるわ。私もう余計なことしない」

マミ「え!? ……まあ、今日は時間がないからそれでいいわ。その代わりしっかり見ておくのよ」


―――――
――――


 お父さんには今日の夕飯は友達の家で食べてくるとメールしましたが、
 やっぱり全て出来上がった頃にはずいぶん時間がかかってしまいました。


【20時】

なぎさ「さて! 夕飯の準備が整いましたね!」

あすみ「マミさん、手際いいんだね」

ほむら「今日はありがとう。でも私にはやっぱり料理は無理だとわかったわ」

なぎさ「どうしましょう。更に自信がなくなっていじけてしまいましたよ、ほむら」

ほむら「別に料理なんてできなくても何も困らないわ。
    惣菜売り場だって充実していたし。大丈夫よ、うん」

マミ「まあ、本人がそう言うならそれでいいけど……」


 なんだかんだで食べ始めます。
 食卓に並ぶ料理はほとんどマミが作ったものです。

 成功した目玉焼きはあすみに、失敗したものはほむら、なぎさ、マミで食べることになりました。
 まあ、失敗したものも食べられないレベルではありませんので、良しとしましょう。

 ほむらが超固焼きの目玉焼きをつっつきます。

なぎさ「…お味はどうです? 焼きすぎかなって感じに見えますけど」

マミ「焦げてるところは捨てた方がいいわよ」

ほむら「………どうかしら。別に問題なく食べられるわ」

ほむら「もう随分と、味や美味しさなんて気にしたこともなかったから」

 そうじゃなければ、某バランス栄養食で3食済まそうなんて考えないはずです。
 卵かけご飯は数年前から作ってないと言っていましたが、その数年のうちにいろんなものが犠牲になってここまで来てしまったのでしょう。

あすみ「………」

なぎさ「どうしました?」

あすみ「……ううん。なんでもない。 ……私も同じようなときがあったなって思っただけ」

あすみ「でも、これおいしいよ。ありがとうね」

ほむら「……お礼ならマミに言いなさい」

あすみ「マミさんもありがとう」

マミ「ええ」


なぎさ「あすみも、これおいしいですよ!失敗とは思えないです!」

あすみ「殻入ってない?」

なぎさ「はい!今のところ大丈夫です」

 今食べているのはあすみが殻を取ってくれていたあの卵。
 予想以上に多くなったので、目玉焼き騒動の後こっそりオムレツにしてくれてました。

マミ「最初殻割るのに失敗しただけで、調理に失敗したわけじゃないものね。それは」



 話題
・自由安価

 下2レス

-------------------
ここまで
次回は7日(木)20時くらいからの予定です


なぎさ「ほむほむ、とにかく料理は続けてもらいますよ?
    幸い今は学校がお休みなんですから時間はたっぷりあるのです」

なぎさ「当面の目標は目玉焼きを作れるようになる、でいくのですよ?」

ほむら「いえ、私はもういいわよ」

ほむら「だって、『目玉焼きを作る』……その目的のために
    どれだけ繰り返し、どれだけ卵が犠牲になるのを見届けなければならないの?」

ほむら「そんなの―――私には耐えられないわ」

なぎさ「何を言ってるんですか」


ほむら「というか、結局あすみのほうが料理できるわけじゃない?
    だったら、私が今から無理して覚える意味も薄くなるし…… 私、数年はろくなもの作れない気がするわよ?」

ほむら「いや、下手したら一生……」

あすみ「さ、さすがにそんなことはない…と思うけど」


なぎさ『でしたらほむほむ、
    お料理ができるようになったら学校が始まったときにお弁当を持っていけますよ?』

なぎさ『そうなればまどかもすごいとほめてくれると思うのですよー』

ほむら『そんなの間に合うわけないじゃない!
    お弁当っていっぱい具が入ってるんでしょう? 目玉焼きだけでもコレなのに何品も作るなんて絶対無理よ』

ほむら『不恰好な弁当なんか持っていったら逆に笑われちゃうじゃない』

なぎさ『まどかは笑ったりしないと思いますが……』

 ……まあ、まどかの前ではカッコいいとこだけ見せたいんだろうな、っていうのはわかりますが。
 未だにまどかからすれば、ほむらはカンペキ超人なイメージみたいですし。


マミ「まあ、どっちにしてもたまにはこうして一緒に食べましょうよ」

マミ「今度はみんなで一緒に作りましょう。今度は暁美さんでもできそうな仕事を振ってあげるから」

マミ「そしたらきっと、楽しいわよ」

なぎさ「そ、そうですよ! 料理は楽しいものなのですよ! …あ、なぎさはやったことありませんけど」

マミ「なぎさちゃんも今度やってみる?まずはお手伝いから。今から花嫁修業を始めたら将来良いお嫁さんになれるわよ~?」

なぎさ「そ、そうですかね?」

ほむら「………まあ、こうして来て作ってくれるのは感謝するわ」

ほむら「今日はありがとう。結局ほとんど任せちゃって悪かったわね。それにこんなに遅くなってしまって」

マミ「いいえ、いいわよ」


 色々と話していると、そろそろみんなも食べ終わっていて、
 かなり遅い時間になっていました。
 そろそろお開きでしょうか。

ほむら「じゃあ、みんな食べ終わったみたいだしそろそろ…… ん」

なぎさ「メールですね。なぎさにも来たようです。一斉送信?」

マミ「美樹さんから? なにかしら」


 一斉に鳴ったコールに携帯を見てみます。
 さやかからのメール、件名はなく、本文には……

なぎさ「『恭介のうちにお泊りちう♥』?」

あすみ「えっ?」

マミ「なによ、意外と積極的なとこあったんじゃない」

 続きを読むと、どうやら
 あの後上条さんはまだ練習をしたいと言ったらしく、
 そのまま付き合っていたらいつのまにか夜になってしまったみたいでした。
 そしてそのまま泊まっていくことになったのだとか。


ほむら「『小さい頃以来で久しぶり』……ね。どうなるのかしら」

なぎさ「……問題は、進展するのかですけどね。上条さんは相変わらずバイオリンのことしか頭になさそうですし」


ほむら「…ああ、じゃ、二人とも気をつけて帰って」

あすみ「またね!」

マミ「ええ、おやすみなさい」

なぎさ「おやすみなさいなのです!」


 色々と気になることはありますが、
 とりあえず今日はもうほむらたちと別れて帰り道を歩き始めました。




1自由安価
2メール(さやか・ほむら)
3翌日の予定(安価)
4翌日へ

 下2レス


マミ「明日はどうする?」

なぎさ「そうですねえ、明日は久しぶりにみんなで訓練しましょうか」

なぎさ「この間の魔女戦で見ましたが、
    あすみの固有魔法や戦闘能力をしっかり見ておきたいですし、今後の戦い方を考えないといけません」

マミ「そうね。佐倉さんが教えてくれた分があるとはいえ、まだまだ契約したてだし」

なぎさ「また後輩が増えますね、マミ?」

マミ「そうね。いつのまにか私も長いこと魔法少女やってるんだなって、ちょっと思っちゃった」

なぎさ「それからそれからー、
    なぎさの『シャボン・ホワイト』のようにあすみの『カラー』と『異名』を考えないといけませんしね!」

マミ「あすみちゃんなら、シルバーとか? 異名は何がいいかしらね」

なぎさ「それとチーム名もいい名前を考えないといけませんね、マミと相談しないと… 」

なぎさ「さやかもバカ・ブルー(仮)のままなので考え直さないといけませんが、
    いっそのこと上条さんに考えてもらうというのもありですかね?」

マミ「たしかに上条君なら張り切って考えてくれそうね」


なぎさ「じゃ、みんなにもメールで知らせておきますねー」

マミ「ええ」

なぎさ「あ、それと」


To:さやか
本文:
どうせ泊まるのなら上条さんと一緒の布団で寝て
『きせーじじつ』とやらをやらかすのです!


 訓練についてのことを一斉送信した後、さやかにだけもう一件追加で送った。
 なぎさが聞きかじった話では、どうやら『きせーじじつ』とやらがあれば結婚ができるらしいのです。
 ということでガンバレさやか。

―自宅


なぎさ「ただいま、なのです」

マミ「ただいま帰ってきました……あら?もう寝ているみたい」

なぎさ「疲れているのですねー。私達も早く寝ましょうか」

マミ「そうね」


 寝る支度をして、お布団に入ります。
 布団の中で暗い天井を見ながら少しだけ考え事をするのでした。


なぎさ(……そういえば神様戻ってきませんね…杏子とのお話や様子見が長引いてるのでしょうか?)

なぎさ(あちらはあちらで何事もなければいいのですが…)


―――

―――
―ほむらの家


 『ほむらちゃん、あすみちゃん』

あすみ「神様!」

ほむら「あら、おかえりなさい。それで、様子はどうだった?」

 『みんなやあすみちゃんとのこと、なんとか説得してみたんだけど……』

 『あすみちゃんのこと、心配してるみたいなのに…… やっぱり別れるって言うの』

 『やっぱり、わたしじゃダメなのかな。“お前には関係ないだろ”って、言われちゃって……』


 悲しそうな声、落ち込んでいる姿が見えるようだった。
 これでは自分も辛いとほむらは思った。

ほむら「落ち込まないで。一人で解決するなんて難しいと思うから」

ほむら「あれから何か変わったことはなかった?」

 『一応、数日間様子を見てた感じだとあの街がなにか危険ってことはないと思う』

 『グリーフシードも多くて…… 多分、活動するには良い場所だとは思う』

ほむら「そう…… それなら当分は安心だけど……」

ほむら「……詳しい話は明日、みんなですることにしましょう」


――――……

 あれから数十分後
 電気を消した後の部屋で、神様は二人を見守っていた。

 次元の狭間を漂う『思念』である神様に睡眠は必要がない。
 神様というよりも、願いの力を持った幽霊といったほうが正しいのかもしれない。


あすみ『ねえ、神様。まだいる?』

 『ん? あすみちゃんどうしたの? 眠れない?』

あすみ『えっとね…… ちょっと聞きたいことがあるんだけど』

あすみ『……神様のこと、少しだけほむらさんから聞かせてもらったんだ』

あすみ『神様は、みんなを助けるために契約して…… ずっと、ほむらさんのことを助けようとしてたんだよね』

 『……うん。それがやっと叶ったの。だから今はとっても幸せ』

 『こうして、あすみちゃんにも出会うことができたしね』


あすみ『でも、もし…… もしもだよ。縁起でもないっていうのはわかってるんだけど…
    もしほむらさんや周りのみんなが、これから何かあったら……神様はどうする?』

あすみ『それに、そうじゃなくても神様は私たちよりずっと長く生きるんだと思う』

あすみ『……そうしたら、一人になっても、神様はずっと神様を続けるの?』

 『………』

あすみ『私が契約した時、杏子は人の為に契約するのはダメなことだって言った』

あすみ『人の為に契約したって、いつか後悔する……って』

 『あすみちゃんは後悔してる?』

 『わたしも、あすみちゃんのこと杏子ちゃんから聞いたんだ』

 『杏子ちゃんのために契約したんでしょ』

あすみ『……あのとき私が契約しなくてもよかったのかなっていうのは、少し思ってる』

あすみ『契約しても杏子を助けられたことなんかないと思うし、
    それに、その杏子も……今傍にいなくなっちゃったし』


あすみ『……でも、私は自分の願いに後悔はしてないよ』


 『わたしもだよ』

 『わたしは今大切に思ってる友達がいて、そのみんなを“救う”ことができたから』

 『それだけで満足……かな』

 『契約したときから、一緒には居られないっていうのはわかってた。そこは……覚悟してる』

 『寂しい……とは 少し、思うけれど』

 『わたしの友達だけじゃなくて、すべての人のことを助けたいと思って魔法少女になったから。
  ……だからその願いを一生をかけてかなえるよ』

あすみ『………』

あすみ『……強いなぁ、神様は』


 『それじゃ、あすみちゃん。そろそろ寝ないと。おやすみ、ね?』

あすみ『うん。おやすみなさい』


 神様は二人の寝顔を見て、無い顔で微笑んだ。

 神様はまだ漂い続ける。
 ずっとずっと、いつまでも。


―――

―――


なぎさ(……ダメなのです、キュゥべえも来ませんか)


 どうにもワルプルギスの夜以来、グリーフシードの回収以外で来ようとしない。
 というか、前からだっけ?
 決まって、キュゥべえが頻繁に現れる時は新しい標的を見つけただとか、嫌なことを教えに来ただとか、悪いことが起こるときなのです。


 そのままいつのまにか目を閉じて、すやすやと寝てしまっていた。



―EX・3日目終了


なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv5]



・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5]  [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

ほむら
[魔力コントロールLv5] [体術Lv2] [射撃能力Lv25] [精神系状態異常無効]

さやか
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv3]

あすみ
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]

-------------
ここまで
次回は9日(土)20時くらいからの予定です

―Ex.4日目 空き地


 【昼】

 午前中はいつもどおり勉強をして、
 お昼に一昨日の残りのカレーを食べて、訓練場所へと出発しました。

 久しぶりのいつもの面子、プラスあすみちゃん。
 このメンバーでここに集まるのは初めてです。


なぎさ「じゃあ結局、何もなかったんですかー?」

さやか「なにもないよ。普通に練習してるの横で聴いてて、
    恭介のお母さんお父さんたちと一緒に夕飯食べて、その後は寝ただけだし」

さやか「それに、練習してるときはそっちに集中してるしさ。たまに感想やアドバイスを求められることもあるけど」


 昨日おくったメールへの返信は、
 『どこで覚えたのよそんなこと!』という一言でした。

 こうして話を聞く限り、やっぱり何もなかったようです。


なぎさ「でも、せっかくの大イベントですよ? それが何もなしで終わらせるなんて」

さやか「いや、大イベントって言ってもさ、お泊りなんて小さい頃は普通にしてたことだよ?」

さやか「ほら、あたしたち幼馴染だからさ。別に、特別なことでもないんだって」

なぎさ「……さやか、本当にそう思ってます?」

さやか「………」

さやか「きょ、恭介からしたらだよ。だからこっちもそう思うしかないじゃん……」

なぎさ「それを特別なことって意識させるためのイベントなんじゃないですかー」


 訓練の前にこうして恋の話なんかで盛り上がるのも、魔法少女チームとしては大切なことです。
 今はやっと、根をつめて訓練をしなければいけない時期も過ぎ去ったのですから。


あすみ「……やっぱり、待ってるだけじゃ何もおきないってことなんだろうね」

マミ「うーーん…… 結局、積極性が大事ってことかしら」

なぎさ「やっぱり、『きせーじじつ』を作ったほうが!」

さやか「だからなんでそうなるのー! ていうかそれ意味わかって言ってるの?」


さやか「えっと…でもさ。
    これでも魔法少女になったときから、前よりまたさらに深い関係になったわけだし」

さやか「昨日も、今すごく近くに居るんだなって感じたんだよね」


 そう語るさやかはどことなく幸せそうです。
 もちろん、上条さんがさやかを大切に思っていることも知っていますし、二人の信頼の強さも知ってます。
 確かに、今上条さんの一番近くにいるのはさやかなのでしょう。


なぎさ「それはそうなんでしょうけど……」

なぎさ「……まあいいです、とりあえず昨日メールで送ったこと、話し合いましょうか」

なぎさ「あすみの異名は詳しく能力見てから決めようと思うのですが」

なぎさ「まず、さやかの異名もいくらなんでもバカのままじゃアレですしね。
    何か上条さんから聞けました?」

さやか「…………」

なぎさ「……って、さやか?」

さやか「ああ、うん!ごめん! で、何だっけ?」

なぎさ「さやかの異名の話ですよ」

さやか「あー、恭介に聞いたらそれっぽいのいくつかもらえたよ」

なぎさ「それっぽいの?」


さやか「これ」

 そう言って紙を見せてくれました。

なぎさ「なになに……」


・『メロディック・ブルー』
・『ヒーリング・ブルー』
・『ブリンク・ブルー』
・『セレスティアル・ブルー』
・『キュア・ブルー』


ほむら「……わ、ガチだこれ。いや、なぎさがこういうのを本気で楽しんでるのはいいのよ?
    けど、男子中学生が本気で考えたと思うと少し痛く思えるわね」

あすみ「プ○キュアのノリと中二病が混じってる、ような……」

さやか「まあ、そう言ってもあたしたち中二だし」

なぎさ「さやか的にはどれがいいと思うのです?」

さやか「割とシンプルに上の2つとかでいい気がする。なぎさ的には?」



1「【自由安価】かな」(上にないやつでもOK)
2「やっぱりバカ・ブルーが一番いい気がします」

 下1レス


なぎさ「メロディック・ブルーってスマホで調べたら『青い旋律』のようですね?
    これなんてさやかにぴったりのような気がするのです」

さやか「ん、じゃそれ採用ね」

ほむら「じゃあ、そろそろ訓練といきましょうか。
    今日は神様も居るから、遠慮なく魔力を使えるわよ」

 『うん…… 実は今ここにいる』

なぎさ「えっ? それならそうと最初に言ってくださいよー」

 『なんか、みんなが集まってすぐにさやかちゃんの恋の話になっちゃったから、
  ちょっと入りづらくて……』

なぎさ「あ、ところでどうだったのです?」

 『杏子ちゃんと色々お話してきた。
  あすみちゃんと出会ってからのこと聞かせてもらったり……』

 『でも、絶対心配してる様子なのに…… いや、心配してるからなんだろうけど、
  やっぱり一緒にいないほうがいいって言ってて』

ほむら「傍に居て見守ったり、話が出来ただけでも意味があったんじゃないかしら。
    私たちでは追い払われて傍に居ることはできなかっただろうから」

ほむら「あの街の様子もわかったのでしょう?」

 『うん。数日見た様子だと、あの街が何か危険ってことはないと思う』

なぎさ「とりあえず杏子も神様も無事でなによりです。
    これで全部安心ってわけにはいきませんけど……」


 『それで、訓練だよね? 何かこれまでに杏子ちゃんとの訓練で言われてることってある?』

あすみ「えっと…… 回復が得意なタイプって言ってた」

あすみ「あと、もっと普通に戦ったり、前見せたように武器を変形させて戦う時とかの立ち回りを身につけた方がいいって」

なぎさ「さやかのような癒しの祈りじゃないにしても、回復が使えるってことですね。
    それはいざというときに役立つと思います」

ほむら「多分、杏子の方針では近接格闘術をもっと教える予定だったんでしょう」

ほむら「杏子のように武器に色々と工夫を加えたりして、どんな敵とも戦えるように」


なぎさ「……そういえば杏子、昔と戦い方ずいぶん変わってましたね」

ほむら「使えなくなった魔法を補うために、変えなくてはならなかったんでしょう」

なぎさ「! ……やっぱり使わないんじゃなくて、使えなくなっていたのですね」

マミ「まさかあれからずっと…… それならあの時言ってくれればよかったのに」

あすみ「杏子、そんなことがあったなんて。出来てたことが出来なくなることなんてあるんだ……」

ほむら「それは、彼女の願いに関係する魔法だったからよ」

ほむら「あすみが『杏子の力になる』という願いで回復が得意な魔法少女になったように、
    私たちの魔法の力は契約のときの願いが反映されているの」

ほむら「あすみには特にそういう魔法はないようだけど、
    その願いによっては普通の魔法少女が使えないような魔法を持つこともあるわね」

なぎさ「近接格闘術については杏子が教えてくれたほうが早く習得できるのでしょうけど、今は仕方がありません」



1「今日はさやかと一緒に近接格闘の訓練をしましょう」
2「今日は魔力コントロールを訓練しましょう」
3自由安価

 下1レス

----------------
ここまで
次回は12日(火)21時くらいからの予定です


なぎさ「今日は近接戦闘の訓練をするのです。
    あすみは近接型みたいですし、さやかと一緒に立ち回りをしてみてください」

さやか「あ、そういえばあたしにもついに後輩ができたわけだ」

あすみ「よろしくね、さやかさん」

さやか「といってもあたしもまだまだ教わる立場なんだけどさ」

なぎさ「ま、でもちょうどいい相手ができたでしょう。今まで近接型はさやかしかいなかったのですから」

なぎさ「もうそろそろ、さやかも今までの訓練で基礎が身に付いてきたころです。
    あすみも、さやかの動きから学ぶことがあると思いますよ」


 訓練開始ということで、ソウルジェムを掲げて変身する二人。
 あすみは今は基本のフレイルを手にしています。


なぎさ「それにしても、あすみの衣装もかわいいですよね。
    色は落ち着いた感じだけど、ベールなんか花嫁さんみたいだし!」

さやか「普段の服が割とボーイッシュだし、印象変わるよね」

あすみ「そ、そうかな」

マミ「ソウルジェムが後ろにあるのね。
   私もそうだけど、普段見えない場所だから濁り具合は注意したほうがいいわよ」

なぎさ「あっ、本当だ! どこかと思ったらこんなところに。
    銀色も綺麗なのです。髪と同じですね」

あすみ「あ、あんまり褒めすぎないでよ。照れるよ」

場所は資料の絵に見当たらなかったので正面から見えないなら多分後ろにあるんだろうと解釈
--------------------------------


さやか「じゃ、訓練はじめよっか」

なぎさ「とりあえず、基本からいきましょうか!」


――――………

 【夕方】

 練習をはじめて数時、気づくと夕方になっていました。

 まずは基礎、それからコントロール。一通り終わったら一度さやかと組み手をしてもらいました。

 さやかと同じ近接戦闘といっても、あすみの武器は結構特殊です。
 立ち回りを鍛えるのはもちろんとして、的に命中させるためのコントロールも鍛えないといけません。


あすみ「うーん、やっぱりむずかしいね」

なぎさ「でも杏子から教わった土台が少しあったおかげでやりやすかったですよ」

なぎさ「そういえばその武器も、杏子が使ってた鎖のやつと似てるといえば似てますしね」


さやか「ていうか組み手、初めて勝ったんだけど!」

なぎさ「まあ、後輩相手に初戦で負けてたら悲しいですよね……」

マミ「あすみちゃんもなかなか良い戦いしてたわよ」

あすみ「そうかな」


 今日見たところだと、守護結界らしき魔法を使っていたのは確認できました。
 それで一度さやかの攻撃を防いだのでした。


なぎさ(杏子の評価である『回復が得意』という特徴もあわせて考えてみると、
    守ったり助けたりというイメージを強く感じます)

なぎさ(逆にいえば、それ以外に大きな特徴があるわけではないのですが……)

なぎさ(これが『杏子の力になる』という願いから得た力なのでしょうか?)

なぎさ(願いと言っても、さやかのように実際に大怪我を回復させたりという願いだったわけではありません。
    願いの内容や結果から言えば相応でしょうか)


 だからこそ、本当は契約しなくてもよかったはずだと思うのです。悔しく思うのです。
 最早今できることはあすみが幸せになれるように、私たちで支えてあげるということだけなのですが……


 『ソウルジェムの浄化、完了したよ』


なぎさ「はい! ところでこれから神様はどうするのです?」

なぎさ「また違う場所に行ってしまうのですか?」


 『すぐには遠い場所は行かない。やっぱりわたしも心配だから……』

 『またたまに来るから、なにかわたしにできることがあったら言ってね』


なぎさ「はい。また来てください」

さやか「また離れちゃうのか、さみしくなるなぁ。用がなくてもまた来てよ!」

ほむら「ええ、いつでも待っているわ。あなたの居場所はここにあるから」



 さて、そろそろ解散の雰囲気です。
 その前に何か言っておくことは……

1自由安価
2とくになし

 下1レス


なぎさ「明日も訓練やりましょうか。その後みんなで魔女狩りに行きましょう」

ほむら「了解。じゃあみんな、お疲れ様」

さやか「おつかれー、あすみもまた明日」

なぎさ「そういえばさやか、今日訓練始める前なんかぼーっとしてましたけど
    なにかありました?」

さやか「え? うーん……」

 何か口ごもるさやか。

あすみ「あ…… 私がテレパシーで話してたの」

あすみ「ちょっと、さやかさんへのフォローをと思って」

なぎさ「へ? なんだ、そうだったのですか」

なぎさ「それじゃあみなさん、また明日なのですよ!」

マミ「ええ、帰りましょうか」


なぎさ『神様、ちょっといいですか?』

なぎさ『頼みたいことがあります』


なぎさ『神様、あすみの願いなのですが『杏子の力になる』であのナマモノと契約したんでしたよね?』

なぎさ『だとすると今の状況はその願いと微妙に異なっているような……
    今のあすみは杏子の力にはなれてないと思うのです』

 『うん…… 力になるどころか、離れ離れなんて悲しすぎる』

 『でも杏子ちゃん、“このままずっと一緒にいたらあすみの人生まで全部駄目にさせてしまう”
  って、言ってて……』

なぎさ『これ以上巻き込みたくない、ってことなのでしょうね。
    私たちにはずっとあんな態度だったたけど、ここまで巻き込んだことも実はかなり後悔してるのかもしれません』

 『それでみんなに任せたのは、なんだかんだでみんなをすごく信頼していたからなのかもしれないね』

なぎさ『でも、私たちだけじゃやっぱり足りませんよ』

なぎさ『それに、信頼と甘えは違うのですよ。そこのところ、もうちょっとビシッと叱っちゃったほうがいいと思います』

なぎさ『いきなりソウルジェムが危険な状態になるとは思えませんが、
    あすみの精神状態次第ではあすみの身に何か起きたときに支えられるのは杏子しかいないと思うのです』

なぎさ『あんな別れ方をしたのですから、2人とももう一度会って話をするべきです。
    このままだと2人ともあとで後悔すると思うのです』

なぎさ『それに魔女化のことを話すときは絶対に来るのですから、
    その時あすみが信頼してる杏子が傍にいてあげなければ……』

なぎさ『あのナマモノがあすみを魔女にするために余計な事を吹き込むかもしれませんし、なるべき早く2人を会わせてあげたいのです』

なぎさ『ですから神様、杏子に会いに行って今なぎさが言った事を伝えて欲しいのです』


 『……うん、わかった。伝えてくるね』


―――――
―――



 分かれ道で立ち止まる。
 家に帰る道の途中で悩んでいた。


さやか「…………」


――



あすみ『……でもさやかさん、多分、一緒に居るだけじゃ進展しないんだよ』

あすみ『だって、幼馴染ならもうこれまでも長い間一緒にいたわけでしょ?』

あすみ『それ以上を目指すなら、やっぱり積極的に仕掛けないと……』

さやか『し、仕掛けるったってどうするのよ。あたし、駆け引きとかそういうの苦手だし』

あすみ『気持ちを伝えないことにはどうにもならないと思う』

さやか『でも………』

あすみ『昨日みんなと話してて聞いたんだけど、さやかさんが告白をためらってるのってさ』

あすみ『上条さんなら恩があるから、
    さやかさんのことを好きじゃなくてもオッケーしてくれてしまうだろうから……なんだよね?』

さやか『……まあ… そんな感じだけど』

あすみ『だったら、付き合って、って言うんじゃなくて
    とりあえず自分の気持ちだけでも伝えておくっていうのはアリなんじゃないかなって』



 ずっと先送りにして諦めてきた『気持ちを伝える』ということ。
 このまま何も変わらなければ心地よいのに、ふとしたときやっぱり胸がくるしくて。


さやか(伝えておくだけでも…… か。
    それなら関係性は今のままでいられる、のかな……)


 このまま少し進めば家だ。
 少し違う道を進めば恭介の家がある。


さやか(でもなにも、今じゃなくても。やっぱり普通に帰ろうかな……)


恭介「さやか、そんなところに突っ立ってどうしたの?」

さやか「!」

 帰ろうと思った矢先、声をかけられて振り向く。まさか本人がここに来るなんて。

 そういえば今日はバイオリン教室があると言っていた。
 今まで親に車で送り迎えしてもらっていたが、今日からは一人で行くと言っていたんだった。


さやか「いや…… えっと」

恭介「?」


さやか「レッスンの帰り?」

恭介「うん」

さやか「どうだった? 一人で大変じゃなかった?」

恭介「大丈夫だったよ」

さやか「それはよかった。あたしも実は訓練の帰りなんだよね」

恭介「あすみちゃんも来てたの?」

さやか「そうだけど…… もう、何であすみのことばっか気にしてるのさ! やっぱりロリ○ン…」

恭介「ち、違うよ! ただ、新しい子が加わったんだなって思って!」

さやか「ならいいんだけど」


さやか「……はは。こんな会話を恭介と普通にしてるなんて、変な感じ」

恭介「うん、夢みたいだよ」

さやか「どういう意味だか……」


さやか「………」

 会話が途切れた。
 少しだけ沈黙が流れて、恭介も去ろうとする。

恭介「またね、さやか」


さやか「…ごめん、やっぱ待って」

さやか「……ねえ。恭介にどうにかしてもらいたいって話じゃないから、聞いてくれる?」

恭介「? どうしたの、さっきから。何かおかしいけど……
   なにか頼みごとがあるなら別にいいよ?遠慮する仲でもないし」

さやか「頼みごとっていうか…… ただあたしの気持ちを聞いてほしいんだけど」

恭介「……」


さやか「……実はあたし… ずっと前から恭介のこと、好きだった」


恭介「えっ?」

さやか「なんで二度も言わせんのよ! ~~…っていうか、友達としてって意味でもないわよ」

さやか「最初はバイオリン弾いてる恭介を見てあこがれて……
    それで、仲良くなって…… 恭介はずっと友達としか思ってないだろうけど……」

さやか「別に恭介はあたしにそういうこと全く思ってないのわかってるし、付き合ってってことでもないんだけど」

さやか「あたしは好きだったの! …恋してたの!」

恭介「…―――」



さやか(いきなりすぎてきょとんとしてるよ恭介。
    でも今言わなかったらまた明日、今度ってずっと言えなくなりそうだし……)

さやか(この時間がものすごく長く感じる)

さやか(ああもう、どうにでもなれ!)


恭介「――さやかがそんな風に思ってたとは思わなかった」

恭介「でも…」

恭介「ごめん、付き合ってる人がいるから」

さやか「……えっ?」


 『もしあたしを本気で好きになってくれる時が来たら、その時は付き合ってほしい』
 最後にそう言おうとして、思わぬ言葉に掻き消された。


 …誰? 仁美? そんなの聞いてない。
 頭の中を色んな感情が巡って覆いつくす。


さやか「………誰?」

恭介「同じバイオリン教室の子…」

さやか「……なんで言ってくれなかったの?」

恭介「告白されたのはごく最近だし、さやかの知らない人だったから…」

さやか「………」

恭介「えっと、ごめん。なんていうか全然気づかなくって」

さやか「い、いや別に! だからどうしてほしいとも言ってないって言ったじゃん!じゃあね!」



『付き合ってほしいとは言わない』その言葉を逃げ道のように使って。
 逃げるように走って帰ってきた。

―自宅



なぎさ「ただいまーなのですー」

マミ「ただいま」

なぎさ「今日の夕飯も楽しみなのです」

マミ「ええ、待っててね」


 いつもどおり、ソファでごろごろしながらスマホをいじります。
 この時間がたまらなく好きだったりします。


なぎさ「お、ほむらからメールです。
    『あすみがこの前の残りのウインナー焼いてくれた』……よかったですね」

なぎさ「なぎさもウインナーくらいなら焼けるでしょうか…… しかしまだ火は危ないって言われるし」

なぎさ「マミとかがついていてくれれば大丈夫かな?」

なぎさ「またみんなでほむらの家に行きたいですね」

なぎさ「今度はさやかにお料理教えるのもいいかもなのです。
    上条さんにクッキーでも焼いてあげたらきっと喜ばれるのです。楽しみですね」




―EX・4日目終了


なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv5]



・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5]  [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

ほむら
[魔力コントロールLv5] [体術Lv2] [射撃能力Lv25] [精神系状態異常無効]

さやか
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv3]

あすみ
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]

--------------------
ここまで
次回は15日(金)20時くらいからの予定です

―――

【午前】

 なぎさたちの居る見滝原から遠く離れた街。
 神様は再びここに来た。


 『(この前のホテルの空き部屋を探してみたけど、いない……)

 『(どこかに出てるのかな)』


―――

―駅付近の路地


 駅の近くでありながら、活気のあるほうの通りから外れたこのあたりはどことなく暗く寂しい雰囲気が漂っている。
 魔女がいても良さそうな雰囲気ではあるのだが、今はその気配はない。


 「あら、あなたは最近あすみちゃんと一緒に居たお姉ちゃん?」


杏子「は?」


 魔女はいない。
 その代わりにいきなり声をかけてきたのは、どこにでも居そうなおばさんだった。


 「ああ、私はあすみちゃんの家の近所に住んでる者でね」

 「てっきり、今日もあすみちゃんに会いに来たんだと思ったけど……」

杏子「ん? てことは、その家ってこの近くなのか?」

 「うん、そこのアパートだよ。私もそこに住んでるんだけどね」

 「最近見かけないなぁって思ってたんだけど、何か知らない? 元気にしてる?」

杏子「……さあね、あたしは知らないよ」

 「そう、残念。元気にしてればいいんだけど……」

 「ああ、ごめんね引き止めちゃって。何か用事の途中だった?」

杏子「ああ、少しな。じゃああたしはもう行かせてもらうよ」


 「うん」


 おばさんは穏やかに返事をして、杏子を見送った。
 ……と思いきや、ふと何かを思い出してもう大分離れた後姿に叫んだ。

 「あっ、そういえば今日は学校ないの!?」

杏子「………」


 杏子はそれを無視して歩いていった。




―――

―――
見滝原・空き地

【昼】


なぎさ「………」

マミ「………」

ほむら「……いくらなんでも遅いわ。何をしているのかしら、あの子は」

あすみ「約束の時間から30分経つね…」

なぎさ「……はっ、危うくスマホゲーにのめりこんでしまうところでした」

なぎさ「もう30分ですか…… さやか、何かトラブルに巻き込まれてなければいいのですけど」


 これからどうしようか、と考え始めたのと同時に、手に持っているスマホから音がしました。
 再びそっちに目線を移してみると、さやかからの連絡のようでした。


なぎさ「あ、さやかから連絡来ましたよ。『ごめん、今日やっぱ無理』、だそうです」

ほむら「なんだ、それならそうともっと早く連絡してくれたらよかったのに」

マミ「でも無事でよかったわね」

なぎさ「じゃ、ちゃっちゃと今日の訓練はじめちゃいましょうか!
    後で魔女狩りにも行きますしね」

なぎさ「では、変身してくださいっ
    実戦前のウォーミングアップ、大事ですよ!」

――――……

 【15時】

 1時間程ウォーミングアップついでに格闘訓練の基礎のおさらいをして、
 それから魔力の扱いについても軽く特訓をやっておきました。

 守護結界にしても回復にしても、あすみの得意とする魔法はなにかと魔力をそのまま扱うものが多いのです。

 格闘だけじゃなく、魔力のコントロールを上手にできるようになればもっと強くなれるはずなのです。


なぎさ「っと、十分身体と精神力的なアレがほぐれたところで魔女狩りにいきましょうか」

マミ「一緒に戦うのは始めてね」

あすみ「これだけいて、私役立てるかなぁ」

マミ「魔女狩りも訓練のうちよ。メインはあすみちゃんだし指示もするから、遠慮なく動いていいのよ」


 行く場所
1公園
2通学路
3駅
4病院
5繁華街
6土手
7荒地

 下1レス

―病院


なぎさ「! あそこ、窓から身を乗り出している人が!」

あすみ「どうしよう、落ちちゃう!」

マミ「任せて!」

 マミが変身してリボンで受け止めます。

マミ「大丈夫ですか?」

*「死なせてくれェ~… この怪我じゃもう駄目だぁ~… 仕事できないし死ぬしかないんだぁ~…」ヒックヒック

ほむら「魔女の口付け…… 本体を片付けるしかないわね」

マミ「そうね。でもその前に、この人をなんとかしないと」

*「あれ? 痛みが和らいだぞ?」

マミ「完全ではないけど、治しておいたわ。本当は美樹さんが居れば一番良かったんだけど……」

マミ「あ、ここで見たことはナイショにね」

なぎさ「結界ありました! 突入します!」


・・・

―鳥かごの魔女結界


あすみ「みんなすごい手際よかったね…… こういうの慣れてるんだ」

なぎさ「はいっ。魔法少女は、こうやって人を助けることができるのです」

なぎさ「その瞬間だけは、魔法少女やっててよかったなって本当に誇らしく思うのです」

マミ「私は自分のための願いで契約したけれど、
   だからこそこうしてこの力で他人を救うことができると思うと嬉しい」

マミ「あすみちゃんは、他人のために契約した心優しい子よ」

マミ「『佐倉さんの力になりたい』という願い…… それによって手にいれた力は、
    佐倉さんだけでなく色んな人を助ける力になるわ」

あすみ「……うん。そうだね」


ほむら「……さて、とうとう魔女のお出ましみたいよ」

マミ「!」

 鳥かごの中に閉じ込められてばたばたと足を踏み鳴らし続ける下半身と、
 その周りを囲むような鳥に似た使い魔の群れ。

 何故鳥が外にいて、鳥かごの中に足があるのでしょう。
 魔女は今のところ外に出てくる気配はありません。


Gotz「……!」バササ

なぎさ「使い魔がこちらに気づきましたよ!来ます!」


あすみ「えいっ! えいっ!」

 飛んできた使い魔に、あすみが武器を振り回します。
 飛んでいるものに当てる、いい訓練になる気がします。


マミ「敵が多いからって焦らずちゃんと狙うのよ!」

あすみ「そうはいっても…… うっ、倒せなかったのが向かってくる!」

なぎさ『近寄られすぎたと思ったらすかさず一歩引いて体勢を整えなおしてくださいっ とにかく落ち着いてですよ!』

ほむら「それに何も鉄球を当てることだけを考えなくてもいいのよ。訓練で教えた体術も使えるわ」


 あすみの動きを見つつ、アドバイスしながら使い魔を倒していくみんな。さすがベテランでしょうか。
 なぎさは攻撃しながらだと話すことができないのが悩みどころです。だから一人だけ戦闘中の会話がテレパシーなのです。


なぎさ「さて、襲ってきたマッチョさんたちは大分片付きましたね。そろそろ魔女のほうを倒しましょうか…!」

マミ「それより、どうやってあそこまで近づくかだけど…… !」


 いつのまにか私たちの頭上に移動していた魔女が、ずしんと音を立てて真下目掛けて落下してきます。
 かごごと私たちを押しつぶそうと企んでいたわけです。

 しかし、そんなものに気づかないわけもありません。

 マスケット銃2丁で軽々と打ち砕くマミ。
 かごの底が粉々になり、巨大な下半身が落ちてきます。


マミ「近づくまでもなく、やられに来てくれたわね。
   大きいだけでそんなに硬いわけでもなさそうでよかった」

 そしてすかさず縛り上げるマミ。
 大きな敵の動きを止めるにはマミの拘束が一番向いています。

マミ「あすみちゃん、やっちゃって!」

あすみ「はぁぁぁぁあッ!」


 鉄球部分を大きくして、力技で思い切り打ち付けました。
 魔女も完全に砕け散りました。
 敵を動かなくしてからじゃないと隙が多きすぎるものの、トドメの必殺技としては破壊力は抜群です。


 景色がいつもの病院へと戻ります。

 戦利品のグリーフシードを拾って浄化タイムです。
 とはいっても濁っていたのは大技を使ったあすみと回復魔法を使ったマミくらいで、他はほとんど消費してません。


なぎさ「お疲れ様なのです! そういえばあすみってグリーフシードはどれくらい持ってるのです?」

あすみ「3つは持たせてもらってたけど……」

なぎさ「あ、それくらいあればひとまず安心ですかね。私たちも大体そんな感じです」

ほむら「あの街は魔女が多いらしいし、杏子はかなり蓄えてそうね……」

なぎさ「じゃ、次いきましょうか」




なぎさ 魔力[95/100] 状態:正常
GS:4つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[30/100]


 【16時】

 行く場所
1公園
2通学路
3駅
・病院[現在地]
4繁華街
5土手
6荒地

 下1レス

----------------
ここまで
ベテラン揃いの仲間たち+あすみがメインとなるとなぎさのターンが吹き飛んでしまった申し訳ない

次回は21日(木)20時くらいからの予定です

------------------------------
アカン、仮眠のつもりが寝落ちて気づいたら数時間…
大遅刻ですみませんがそろそろはじめます

―駅


 病院の魔女を倒して、私たちは次に駅のほうへと歩いていきました。


なぎさ「さっきはお見事でした、あすみ」

あすみ「でも、みんなのサポートのおかげも大きいし……」

マミ「まあ、細かい反省点はまた後で話し合いましょう。
   それより、必殺技の名前はどうしましょうかしら」

あすみ「え、名前?」



 下1レスコンマ判定
0~10魔女
11~20使い魔


 さて、話しているうちに何事もなく駅を通り過ぎていきました。
 次はどこに行こうか。



 【16時半】

 行く場所
1公園
2通学路
・駅[現在地]
4繁華街
5土手
6荒地

 下1レス

―荒地


 ワルプルギスの夜の被害で壊滅したあたりに歩いていきます。
 確かこのあたりは工場がいっぱいあったはずなのですが、今では跡形もありません。


あすみ「ここも街があったんだよね。ひどいことになってる……。
    このあたり、全部こうなの?」

なぎさ「はい。そのせいでマミも家がなくなって、うちに居候しているというわけなのですよ」

あすみ「あの日の大災害のことはニュースで見ていたけど、まさかあれも魔女の仕業だったなんて」

マミ「確か、佐倉さんの家もここからもう少し進んだところにあったはずだけど……」

ほむら「そうだったわね。あのあたりだと、どうかしら」


 舗装の剥がれたデコボコの地面。
 下を見ると紫に変色しているところもあります。

 瓦礫の山をどうにかこうにか進んで、記憶を頼りに歩いてみても、見滝原と風見野の県境、
 街の離れに昔あったはずの小さな教会の
 その存在の痕跡すら見つけることができませんでした。

ほむら「やはり……」

なぎさ「……」


 杏子が未練なくここを去ったのもわかる気がします。
 もちろん、本人の言っていたとおりグリーフシードの問題というのもあるのでしょうが……


 見滝原のほうに戻りつつ、更に探索します。

 闇雲に歩いていると迷いかねない、延々と続く荒地。
 死者は少なくても、ワルプルギスの夜の爪あとははっきりと残っています。


なぎさ「ここだけ見ていると、まるで違う世界みたいですね……」

マミ「そうね。被害が軽かったところや見滝原の主要な場所はまだともかく、
   このあたりとなると復興は随分先でしょうし……」


 歩いていると、瓦礫の傍で動く影を見つけました。

*「俺は駄目なんだ……小さな工場も切り盛りできなかった。しかしその工場もいまやもう跡形もない。
  辛かった思い出も嬉しかった思いでも全部消えてしまった」

*「どうせどこにも居場所がないなら、生きてる価値ないよなぁ……」


マミ「! 大変だわ、魔女の気配があるわよ」

ほむら「あれは…。
    結局のところ、人々の負の感情そのものが除かれない限り解決にならないってわけね……」

なぎさ「ワルプルギスの夜は、たくさんの人の大事なものを奪っていったのでしょう」

なぎさ「そうやって傷ついた人たちの後始末までが、魔法少女の使命ってことなのですね!」

―薔薇園の魔女


マミ「襲われた人は眠らせておいたとはいえ、早めに倒したいところね」

なぎさ「この魔女は以前も倒しましたね……。やっぱり、今のこの状況って増殖しやすいのですかね」

あすみ「そっか、魔女は人の負の感情が多いところに出やすいんだったよね…」

マミ「それも佐倉さんから習ったの?」

あすみ「? うん、そうだけど」

マミ「私が前に教えたことだわ。なぎさちゃんとも一緒に研究しあって、ノートにまとめてたのよ」

なぎさ「マミは本当に熱心でしたからね。マミの考察とか聞いてたのもなつかしいです」


 迷路を進んで奥へ奥へ。
 見覚えのある扉を開けます。

ほむら「さて、そろそろボスのお出ましね」


なぎさ「そういえば、ほむほむと最初に一緒に戦ったの、この魔女でしたね」

ほむら「そうね」

あすみ「使い魔は居るけど襲ってくるのはいない… 今のうちに本体叩きに行く?」

ほむら「今は隙があるように見えるけど、薔薇を踏み荒らすといきなり怒って猛攻してくるわよ」

ほむら「あまり考えなしに突撃しにいくのはおすすめしないわ」

あすみ「不用意に近づいたら危ないってこと?でも近づかなきゃ倒せないし」

 さやかも同じようなこと言ってました。
 近接武器だとそう考えやすいのでしょうか。

なぎさ「こういうときのための役割分担なのですよ、折角これだけ仲間がいるのですし」



なぎさ 魔力[95/100] 状態:正常
GS:4つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[30/100]


仲間:マミ 状態:正常
   ほむら 状態:正常
   あすみ 状態:正常

敵:Gertrud
  使い魔(Anthony)
  使い魔(Adelbert大)
  使い魔(小)

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4シャボンバースト(魔力-10):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。(加減)
5シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンに敵を閉じ込める。


 下1レス

--------------------
ここまで
次回は27日(水)20時くらいからの予定です


なぎさ「まず、遠距離のなぎさとマミが射撃してこちらに注意を向けさせます」

なぎさ「そしたらあすみが攻撃に行ってください」

なぎさ「ほむほむは回り込みつつ近づいて、あすみのサポートです」

ほむら「了解よ」

あすみ「たしかに、それなら倒しやすいかも!」

なぎさ「では、いきますよ?」

マミ「ええ、準備はオッケーよ」


 なぎさがラッパを構えてシャボンの嵐を直撃させてやります。
 同時にマミも2発打ち込みます。

Gertrud「.....!」ブンッ

 魔女がこちらを認識すると、こちら目掛けて椅子を飛ばしてきます。


なぎさ「まだシャボンの嵐は終わってませんよ!」


 遅れてきたシャボンが椅子を砕くと、もうあすみが攻撃範囲内に着いている頃です。
 あすみが大きく振りかぶって渾身の一撃を叩き込みました。


あすみ「たぁっ!」


 魔女はその巨体をよろめかせたものの、背に生えてる蝶のような翅を羽ばたかせました。
 退避しようと考えたみたいです。


なぎさ「げ、あいつ飛ぶんですか!」

あすみ「えいっ!」

 あすみが再び大きく振りかぶります。
 ジャララ、と音が響くと鎖が何倍にも伸びて魔女に襲い掛かります。
 巨体に巻きつけるようにして捕らえました。

あすみ「捕まえた!」

ほむら「ええ、見事だわ!」

 最後はほむほむの爆弾でトドメになりました。
 結界が消え去り、グリーフシードが落ちてきます。

―荒地


ほむら「お疲れ様」

ほむら「頼ってくれてありがとう。良い判断だったわ」

あすみ「杏子が使ってたのを真似したの。でも、あれじゃ捕まえるのが精一杯で自分じゃ攻撃ができないから」

あすみ「一人だったらちょっと大変だったかも」

なぎさ「一人でも戦えるようにしなきゃいけませんが、
    まずは仲間がいるときは頼れることが重要だと思うのです」

マミ「美樹さんも未だに危なっかしいときあるしね」

マミ「じゃ、この人一応運んでおきましょうか」

ほむら「そうね。こんな場所に放っておくわけにもいかないわ」

ほむら「魔女を倒したとはいえ、根本的な悩みが解決してない以上まだ油断はできない。
    これから冷静になって、考え直してくれればいいのだけど……」

なぎさ「そういえば悩みがあるようでしたね。
    また魔女にとりつかれたり、最悪自殺なんてことにならなきゃいいのですけど」


 魔女に襲われたおじさんを介抱してあげて、今日の魔女狩りを終えました。

 私たちのチームワークもなかなかです。
 これでいつか、杏子も加えることができたら一番良いのですが………


 なんとかみんなで説得をすると、おじさんは最後にはわかってくれたようでした。

 魔女に魅入られる人間というのは、大体が付け入りやすい心の闇を抱えているのです。

 その悩みを解決するということは、魔女を倒すより重要で、難しいことなのかもしれません。
 神様は私たちの心を救ってくれました。なら、魔法少女でない人の心を救うのは私たちの仕事です。


 そういえば神様は今頃どうしているでしょうか。
 杏子にあのこと、伝えてくれたでしょうか……?


―――

―――

【夕方】


 もう日も暮れた頃。
 今日も数匹の魔女を狩って、適当に遊んだりしたその帰り、ホテルに戻る前にふと違う方向に進んでみた。

 あの暗く寂しい通りは、日が落ちて更に暗い雰囲気を増している。
 どんよりとした暗闇と、ちかちかと明滅する蛍光灯の青白さが不気味だった。

 昼に見たぼろいアパートに近づいてみる。
 思えばあの時、家の中の荷物も家族の思い出も置き去りにさせてしまったのだと気づいた。


杏子(……あれ?)

 小さなアパートにあるのは6つの部屋。
 しかしそのどこを見ても『神名』の文字はない。


杏子(まさかもう他の人が越してきたのか?)

杏子(いや、それにしてはいくらなんでも早すぎるか)

杏子(……だとしたら)


 「あら、昼の」

 気の抜けた穏やかな声がした。
 あのおばさんが買い物袋を持って立っていた。

 「あすみちゃんの部屋なら、その部屋よ」

杏子「……そうか」

 「会わないの?」

杏子「……」

 不審がられてもうざいのでチャイムを押してみる。
 どうせ留守だということはわかっている。この家には今誰もいないのだから。

杏子「うん、留守みたいだな」

 「あすみちゃんまだ帰ってないのね」

 「保護者の人も、ほとんど姿を見たことないし……」

杏子「それってここ最近のことか?」

 「先月この二人が越してきてからずっとよ」

 「でもその人に関しては…… 嫌な噂があるし」


杏子「…噂?」

 「あ…… こんなこと話していいのかしら」

杏子「いや、別に無理には

 「えーとね、なんだか、犯罪者だとか……
  新聞に載ってたらしいのが近所で話題になったのよね。たしか、会社の金を横領したとかで」

 「ここに越してきたのも何か変な理由があるんじゃないかって言われてたわ」

 結局話すのか。
 杏子は心の中で思った。


 「そのせいか今無職らしいのよ。あすみちゃんから聞いたんだけどね。生活大変そうよね」

 「あ、言わなくていいこと言ってしまったわね。本当、おばさんの嫌な癖なのよ。
  なんていうかまあ……あんまり気にしないであげて、ねっ」

杏子「……口は災いの元だ。あたしは別にそういうの気にするつもりもないが、気をつけな」

杏子「他人に好き勝手言われるのは結構うざいからな」


 アパートから離れ、駅のほうへ歩いていく。
 別に、あすみの家庭事情なんか根掘り葉掘り調べるつもりはない。


 しかし、ここに思い出も何も置き去りにさせてしまったことを少し後悔していたが……
 あすみは父親代わりの男とあの家で暮らしていた時、幸せだったのだろうか。

 それだけが少しだけ気になった。

―ホテル


 『やっと見つけた、杏子ちゃん』

杏子「……なんだよ今度は。疲れたから寝ようかと思ってたたんだけど」


 あれから杏子が空いているホテルの部屋に侵入した頃、
 神様も再びここを探し回っていた。


 『こんな時間に寝ると、変な時間に起きちゃうよ』

杏子「はぁー? 一日をどう使おうがあたしの勝手だろ。
   学校もないのに規則正しい生活なんてする必要ないんだし」

 『うーん…… えっとね、なぎさちゃんから伝えてほしいことがあるって頼まれて来たんだけど』

 『あすみちゃんの願い事は、杏子ちゃんのためだったんだよね』

 『でも今の状況だとその願いは叶わないことになる』

 『杏子ちゃんはあすみちゃんを思って遠ざけたっていうのはわかるよ。その考えもわかるけど……』

 『出来ればわたしは、杏子ちゃんもみんなのところに戻ってみんなで一緒にいてほしいって思う』


 『今、あすみちゃんはほむらちゃんが面倒見てる。
  一緒に暮らすのが厳しかったら、みんなと一緒に仲間としていてくれるだけでもいい』

 『まだ魔法少女の真実とかも知らないままだし、
  やっぱり、もしこれから何か起きたときにあすみちゃんを支えられるのは杏子ちゃんだけだと思うから』

 『まずは、もう一度会ってくれないかな。あすみちゃんと』

杏子「しつこいなお前も……」

杏子「……でも、そうだな。確かにあたしは、あいつの『幸せ』を勝手に決め付けすぎていたかもしれない」

 『!』

杏子「わかった。わかったから、もう少し時間をくれ」

杏子「あすみとも、なぎさやマミともまだ何て話したらいいかわからねえし
   また勢いに任せて変なこと言っちゃいそうで…… な」


 『うん! 待ってる』


―――

―――


さやか(はぁ…… 今日1日何もしてない)

さやか(明日からはちゃんとしないと……)





―EX・5日目終了


なぎさ 魔力[90/100] 状態:正常
GS:4つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[30/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv5]



・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5]  [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

ほむら
[魔力コントロールLv5] [体術Lv2] [射撃能力Lv25] [精神系状態異常無効]

さやか
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv3]

あすみ
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]

----------------------
ここまで
次回は2日(火)20時くらいからの予定です

---------------------------------
はじめる前に【訂正】
なぎさ 魔力[90/100] 状態:正常
GS:4つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[30/100]
・薔薇園[100/100]

>>252度々すみません、5つです
-----------

――Ex.4日目 空き地


 【昼】


マミ「――ええ、そういうわけだからちょっとあなたの力を貸してほしいんだけど」

さやか『……』


 マミが電話ごしにさやかに話します。

 昨日の魔女狩り後話し合った結果、
 病院で襲われていた人の治癒の続きをさやかに任せることにしたのです。

 昨日マミが行ったものは傷の表面を治す程度のものでした。
 でもさやかなら治せるはずです。


マミ「……美樹さん? まだ都合悪かった?」

さやか『い、いえ! わかりました、病院に行って怪我を治してあげればいいんですね』

さやか『恭介みたいな悩み抱えた人ほっとけませんもん。
    それに、ワルプルギスの夜が原因でそうなったならなおさら』

マミ「ありがとう、美樹さん」

マミ「こう言ったらきりがないのかもしれないけど、
   いつかそういう人全員を助けてあげられたらいいのにね……」

マミ「今度神様が戻ってきたら、相談してみようかしら」

さやか『そうですね、神様ならきっと力貸してくれますよ』


マミ「美樹さん、大丈夫だって」

 マミが電話を終えて言いました。


なぎさ「さっそく支度して行きましょうか」

マミ「ええ!」


――――……

―病院


さやか「おまたせです、二人とも!」

マミ「こんにちは、美樹さん」

なぎさ「こんにちはです!」


 病院の前で待ち合わせをして、建物の前まで近づく。
 見上げると、昨日一般人が窓から飛び降りようとしていたあの病室が見えた。

 患者はゴツイ系のおっさんなのに、窓際にはかわいいぬいぐるみたち。
 なかなか良い目印です。


なぎさ「そこでしたよね」

さやか「ってことは1・2・3…、6階の…… 」

なぎさ「今なら窓からいけますよ!」

さやか「わぁ大胆」

―――――……
――――

 さすが『癒しの願い』でしょうか。
 分厚く包帯が巻かれた足にさやかが癒しの魔法をかけると、みるみるうちに傷が良くなりました。 


*「本当に、天使って居たんだなぁ…… 」ヒックヒック

マミ「天使だなんておおげさです」

なぎさ「昨日も言いましたけど、私たちのことはナイショにしててくださいねっ」


 病院からすれば当分治らないはずだった足が突然完治しているのは奇妙かもしれませんが、
 考えてみれば既に前例が居ることですし、この人だけが何か言われることもないでしょう。


 この後身の上話を聞いて相談に乗ったり、色々なことを話したりしてから別れました。
 おじさんの人生も、幼いなぎさたちには思いつかない苦労が色々とあったようです。


なぎさ「なにはともあれ、治ってよかったですね!」

さやか「うん!」

マミ「とkろで、これからどうする?」



・自由安価

 下2レス

>>256【訂正】とkろで→ところで
-----------------

なぎさ「今日はこの後、昨日の魔女狩りについてみんなでお話しをしようと思うのです」

マミ「そういえば昨日は襲われた人の介抱で忙しくて、話し合いが出来てなかったものね」

なぎさ「はいです。特にあすみの反省点、改良点などを中心にみんなで意見を述べてみようと思うのです」

なぎさ「さやかも不参加とはいえ参加してくださいね?
    あすみより先輩とはいえさやかもまだ初心者、色々な意見を聞くだけでも価値があるのですよ」

さやか「そだね、昨日みんながどんな戦いしたのかも気になるし」

なぎさ「話し合いの後はお茶会をするのです!
    なぎさが出すのでさやかも食べたいお菓子を言ってくださいね」

さやか「おお、やった!」


なぎさ「ところで最近のまどかの様子はどうなのです?」

さやか「まどか? たまに一緒に遊んだりしてるけど、ふつーに元気そうだよ。
    前にも増して、ボランティアのほうも熱心にやってるみたい」

なぎさ「それならよかったのです!」

マミ「ワルプルギスの夜以降、ボランティアの募集も多そうね」

なぎさ「ちなみに、ほむらとはどうなのです?」

さやか「メールのやりとりを始めたみたい。
    といっても、大抵まどかから小さな相談をしてみたりっていう感じみたいだけど……」

さやか「でも、丁寧に答えてくれるみたいだよ」

さやか「なんか、文通始めた付き合いたてのカップルみたいだよね。嫁が取られた気分だよー」


 まどかを嫁とか言う前に、自分の恋をなんとかしなさい。
 そう思ったのはなぎさだけではないと思います。


なぎさ「じゃ、ほむらもあまり直接会ってないんですね?」

なぎさ「私たちも最近会ってないですし、
    忙しくなければお茶会するときまどかも呼びましょうかね?」


 こうして大体話が決まりました。
 二人に連絡をしてから、ほむらの家に向かいます。まどかも家が近いので、すぐ来られるでしょう。

―ほむらの家



ほむら「いらっしゃい」

なぎさ「まどかも来られるようです。もうすぐ来ると思いますよ」

あすみ「まどかさんのことはほむらさんから聞いたけど、神様と同じ人なんだよね…… 不思議な感じ」

なぎさ「きっとすぐ仲良くなれますよ。あすみも知っているとおり、優しい人ですから」


 話していたところで、チャイムが鳴ります。
 まどかが来たようです。見てみると、手には紙袋を持っています。


まどか「こんにちは。直接会うのは久しぶりだね、ほむらちゃん。それにみんなも」

ほむら「いらっしゃい。…久しぶり」

なぎさ「おー、お久しぶりなのです!」

マミ「元気そうでよかったわ」

まどか「それで、その子があすみちゃん? 新しく魔法少女の仲間が出来たんだよね?」

あすみ「はじめまして。神名あすみっていいます。まどかさんのことは、少し聞いてます」

まどか「よろしくね、あすみちゃん」

さやか「まどか、ちなみにその袋は?」

まどか「これはこの間家族で旅行に行ったときのお土産。お茶会の時、みんなで食べよう!」


 とりあえず、まどかは幸せそうです。

 魔法少女にもならず、大好きな家族や友達と何事もなく暮らしている。それ以上のことはないでしょう。
 ほむらもそう再確認したようで、とても穏やかな表情をしています。

あれ?
まどかと神様が同じ人物だということをほむほむが知ってるってこと、なぎさ達聞いてましたっけ?

>>262
一旦終了からおまけ開始までの空白期間でそのあたり話が進んでることがあるので、適当に脳内補間お願いします
-----------------------


 みんなで丸いテーブルを囲んで座ります。

なぎさ「えー、それでは反省会をはじめるのですよ。まず、なぎさから改良点を言うのです」

なぎさ「あの鳥かごの魔女との戦いで気になったことは、やっぱり、飛んでいる的に当てるとなると難しいようでしたね」

なぎさ「ああいうときは、焦らず冷静に、間合いを守って戦うことを心がけてください」

マミ「いきなり格闘の技術を上げることはできないけど、とにかくそこは経験ね。
   私も最初はなかなか攻撃が命中しなくて焦ったことがあったわ」

マミ「あの鉄球、大きくすることができたわよね。
   的が小さいなら思い切って鉄球を大きくして一網打尽を狙うのもいいかもしれないわね」

ほむら「ただ、その時は十分間合いを取ってからね。やっぱり、敵のペースに飲まれないことは大事よ」


あすみ「でも、まだ大きくするのも自由自在ってわけにもいかないんだよね……」

なぎさ「必殺技も結構消費が大きそうでしたね」

なぎさ「さやかもそうなのですが、力を込めすぎてしまうというのでしょうか。
    あれだと無駄が多いでしょうから、もうちょっと魔力のコントロールの仕方の研究がいりますね」

さやか「最近上手くなってきたと思うんだけどなー。まだ無駄ある?」

なぎさ「最初よりマシになりましたけど、スパークエッジも改良の余地はまだありますよ」

マミ「追求していくときりがないわよね。
   私ももうベテランだけど、まだ完成っていうわけじゃなくて上はあると思っているわ」

なぎさ「それと、さやかは日によって安定しないことが多いですかねー…」

ほむら「思春期、ね」

さやか「ちょ、なによそれ。みんな思春期でしょうがー
    あ、なぎさはまだな気がするけど……」


あすみ「私もぎりぎり思春期なのかな?」

まどか「あれ? あすみちゃんって中学生じゃないんだ?」

あすみ「あ、はい。まだ6年生です」

まどか「勝手に仲間見つけた気になってた……」

ほむら「あなたはそのままでいいと思うわ」

マミ「ふふ それでそうそう、薔薇の結界の魔女との戦いはなかなか見事に連携だった思うわ」

なぎさ「今度はさやかも一緒に連携確認しましょうね」

あすみ「今度は一緒に行こうね」

さやか「あぁ、うん」

マミ「美樹さんも後輩に良いところ見せないとね」

なぎさ「じゃ、反省会はこのくらいにしてお茶会の準備といきましょうか。希望のスイーツを言ってください♪」

さやか「待ってました! あたしはフルーツタルト!」

まどか「じゃあ、わたしはロールケーキ」

マミ「イタリア栗のモンブランがいいわ」

なぎさ「イタリア栗ってところにこだわりを感じますね」


あすみ「私はどうしようかな…」

なぎさ「遠慮せずどうぞ」

あすみ「じゃあ、チーズケーキ」

なぎさ「あ…… すみませんが、それはちょっと無理なのです」

なぎさ「なぎさもチーズは大好きなのですけどね。
    なぎさの魔法はなんでもお菓子を出せますが、チーズだけは出せないのです」

あすみ「え、どうして?」

なぎさ「それは…… 」

マミ「何度も出そうとしたけど無理だったみたい。魔法でも、どうしようもならないことってあるのよ」

マミ「他のチーズを使ってないものだったら大丈夫だから、何か他に食べたいものはない?」

あすみ「じゃあ、ショートケーキ」

なぎさ「OKなのです! マミはお茶の用意お願いします」

マミ「ええ」

-----------------------
今日はここまで
次回は5日(金)20時くらいからの予定です


 なぎさの魔法のスイーツとまどかの持って来たお土産、それからマミのリボンから作った紅茶がテーブルに並ぶと、
 今までの反省会から一気に華やかな雰囲気に変わりました。


まどか「――うん、とてもいい天気でね、景色も綺麗だったんだよ。ほら、みんなで写真もとったの」

ほむら「良く撮れているわ。楽しそう」

なぎさ「わぁ、いいですねー!」


 写真に写るまどかとその家族はとても幸せそうな顔をしています。
 まどかの旅行の話を聞かせてもらったりしながらお菓子を味わいます。今日もハッピースイーツは絶好調です。



話題
・自由安価

 下2レス

まどかの写真を見て映ってる家族について聞いてみる

ほむほむ…ではなく、ふむふむ、優しそうなご両親ですね
む?なぎさよりも小さい子がいるのです。妹…いや、弟さんでしょうかね?今度会ってみたいのです
そしてなぎさを「おねえちゃん」と言わせるのです!


なぎさ「隣の小さい子は弟さんでしょうか?」

まどか「うん、タツヤっていうの」

なぎさ「後ろに居る女の人はお姉さんでしょうか?」

まどか「こっちの人……って? あぁ、ううん。それはお母さんだよ。そんなに若く見えるかな?」

なぎさ「え? そうだったのですか。若くて綺麗なお母様なのですね! 最初こっちの方がお母さんかと思ってました」

まどか「え? うん?」

なぎさ「綺麗な黒髪ですね。死にそうなほど身体も痩せてるし青いくらい色白です。心なしか足が景色と一体化しているように見えます」


一同「・・・・・。」

貞子?


さやか「うおおお、それまどかの家族じゃない! 幽霊だ!」

マミ「というかそんな人間いるわけないじゃない!」

なぎさ「なんということでしょう」

あすみ「え! 新手の魔女?」

まどか「うううう~ どうしよう、どうしよう」

ほむら「大丈夫、あなたは私が守るから(とりあえず大量の塩とお札を盾に入れておきましょう)」


 心霊写真疑惑に、各々いろんな反応をします。
 ほむらなんか久しぶりにであった頃の仏頂面に戻っています。

 この空気は非常にアレなので、ここはなぎさから話をふって、そろそろ話題を変えてあげたほうがいいでしょうかね?


話題
・自由安価

 下2レス

むむ、場の雰囲気が何かよくないのです
ここはひとつ、なぎさの考えていたあの件を遂に明らかにしてこの場の雰囲気を変えるのです!

ではあすみも加ったことですし、そろそろチーム名を決めるのです!
いつまでも魔法少女戦隊、見滝原ガーディアンズ(仮)ではカッコがつかないのです
こういうのはマミが得意な分野なのですが、マミに内緒でこっそり考えてみた案があるのです!
5人ですので『ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット』というのはどうでしょうか?


 むむ、場の雰囲気が何かよくないのです
 ここはひとつ、なぎさの考えていたあの件を遂に明らかにしてこの場の雰囲気を変えるのです!


なぎさ「ではあすみも加ったことですし、そろそろチーム名を決めるのです!」

なぎさ「いつまでも魔法少女戦隊、見滝原ガーディアンズ(仮)ではカッコがつかないのです」

マミ「それもそうよね。どういうのがいいかしらね」

なぎさ「こういうのはマミが得意な分野なのですが、マミに内緒でこっそり考えてみた案があるのです!」

ほむら「まどか親衛隊、とか?」ボソッ

なぎさ「なんなのですかそのセンス」

まどか「悪いけど…… 恥ずかしいから他のがいいよ、ほむらちゃん」

まどか「それでなぎさちゃん。なんていうチーム名を考えたの?」

なぎさ「よくぞ聞いてくれました!」


なぎさ「5人ですので『ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット』というのはどうでしょうか?」

マミ「良いんじゃないかしら! なによりリーダーであるなぎさちゃんの案ですもの。私も気に入ったし賛成よ」

さやか「うん、いい感じじゃない?」

ほむら「…こほん。別に私はチーム名はこだわらないわ。あなたたちが気に入っているならいいんじゃないかしら?」

 …さっき、まどか親衛隊とか言ってましたけどね。

あすみ「私もみんなが賛成ならこれでいいと思う!」

なぎさ「なら決まったのですね! ふふふ、いいじゃないですか!
    『ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット』ここに誕生なのです!」


 丸いテーブルを囲んでひとしきりわいわいと語り合って楽しんだ後は、みんなで後片付けをします。
 お茶会が終わると丁度日が沈みそうなくらいの時間です。そろそろ帰る支度をはじめました。


マミ「あ、そうそう。これ、少し多めに作ったからよかったら食べて」

ほむら「ありがとう、助かるわ」

あすみ「おいしそう!」

 マミが渡したのは煮物です。
 なぎさも昨日の晩ごはんに食べました。味は折り紙つきです。


さやか「さすがマミさん、イタリアンだけじゃなく煮物とか和食も得意だなんて
    花嫁スキルの高さを見せ付けてきますなぁ!」

マミ「みんなも慣れちゃえばきっと出来るわよ」

まどか「今日はありがとうございました。楽しかったです!……ちょっぴり怖い思いもしたけど」

ほむら「なにかあったら連絡して。……除霊グッズと爆弾を持って駆けつけるわ」


 そうして、なぎさたちはほむらの家を後にしました。
 いつもどおりなぎさはマミと、さやかはまどかと一緒に帰り道を歩きます。


―――

―――
まどかの家 前


まどか「送ってくれてありがとうね、さやかちゃん」

さやか「ん。またね」


 まどかと別れて、帰り道を進む。

 ……その途中で、バイオリンの音が聞こえてきた。

 マンションに帰る前に、恭介の家の前を通ってしまう。

 いつもと同じ綺麗な音色なのに、今はあたしの心をざわめかせた。


さやか(……なんなのよ)

さやか(別に、距離を置く必要はないんだから……)

さやか(恭介に彼女が出来たからって、あたしたちの仲も絆も変わってない)

さやか(変に意識したり遠ざけたりしないで、いつもどおりでいいのよ)

―上条邸


 インターホンを慣らす。
 前別れた時だってあんな別れ方だった。このままほっといたら気まずくなってしまう。


恭介「ん? どうしたの、さやか」

さやか「練習途中に邪魔しちゃってごめん」

さやか「いや……、大した用はないんだけどさ。
    バイオリンの音が聴こえてきたから、もっと近くで聴いていたくなっちゃって」

さやか「練習につき合わせてほしいなって」

恭介「そっか、さやかならいつでも大歓迎だよ」

恭介「…あ、でも」

さやか「え…?」



*「誰? お友達が来てるの?」

さやか「……!」

 奥のほうから現れたのは、小奇麗な女性だった。
 見てみると、もろに育ちの良さそうな格好をしている。


恭介「ああ、うん。僕の小さい頃からの友達だよ。こうしてよく練習に付き合ってくれるんだ」

さやか「……どうも、はじめまして」

*「ええ、はじめまして。あなたもバイオリニストなの?」

さやか「いや、あたしはただ聴きにきてるだけ。楽器はできないけど……」

恭介「……ええと、さやか。この人がその前に言った彼女なんだ」

恭介「コンクールも近いし彼女と一緒に練習してるんだけど、それでもいい?」

さやか「……………」

恭介「……さやか?」


さやか「ううん、じゃあいいよ。せっかくの二人きりの時間邪魔するわけにもいかないし!」

恭介「いや、別に二人きりっていうか、そういうわけじゃないんだよ。ただ練習してるだけだし」

さやか「そんなこと言ったら彼女がかわいそうでしょ?」

さやか「ていうかさ、別にあたしが居たってたいしたアドバイスできるわけでもないし」

さやか「プロ目指してるバイオリニスト同士が切磋琢磨してるところに
    あたしみたいな音楽知らないトーシローが居ても場違いもいいとこじゃん」

恭介「別に僕はそんなふうには…」

さやか「だから―――もういいって言ってるじゃん!」

さやか「あたしがあんたらと一緒には居たくないんだよ……! どうしてそんなこともわかんないの?」



 あの女の人の顔、どこかで見たことがある気がする。 ……たしか、彼女もバイオリン奏者としてそこそこ有名な人だ。
 話したりしたことはないけど、恭介と同じバイオリンスクールの……

 彼女はきっと、恭介だけじゃなくて恭介のバイオリンにも理解がある。
 バイオリン一筋の恭介に、同じバイオリン奏者の彼女なら案外お似合いなのかもしれない。


 一番の理解者という立場……… それすらも奪われちゃうのかな。


 外に飛び出してきてしまった。

 家の傍で立ち止まって、さっき言ったことを後悔していた。
 別に彼女になんてなれなくてもいい。それでも恭介はあたしのことを特別に大切に思ってくれている。
 腕を治してあげられればそれでいいと覚悟した、はずなのに。これじゃ……


さやか(………綺麗な二重奏)

さやか(やっぱり、二人の演奏を聴くって言えばよかったな)

さやか(そうすればまだ恭介の大切な友達ではいられたのに……)

さやか(あたし自身の手で友情まで壊してどうするのよ……)


さやか(……でも)

さやか(あたしの願いはもう叶った)

さやか(それで恭介が幸せになってくれれば、もうあたしが傍に居ることもないのかもしれない)



―――



 『なぎさちゃん、マミさん』


なぎさ「神様! 杏子とのお話、どうなりました?」

 『それがね、杏子ちゃん会ってくれるって!』

なぎさ「! 本当ですか!」

 『うん。ちょっと心の準備がしたいからもう少し時間がほしいって言ってたけど』

マミ「それでも、来てくれるのよね」

なぎさ「あ、そうだ。神様、次の街に行く前に、明日ちょっと付き合ってくれませんか?」

 『明日?』

なぎさ「ほら、ワルプルギスの夜以降、魔女に襲われる人が増えているじゃないですか」

なぎさ「あの大災害のせいで心にヤミを抱えた人がたくさんいるわけなのです」

なぎさ「それで、ワルプルギスの夜の時に負ったケガが原因で魔女につけ込まれた人もいまして……」

マミ「魔女が増えている分グリーフシードも使えるとはいえ、
   さすがにそういう人たち全員を治してあげるとなると私たちの魔力ではとても足りないから……」

マミ「だから 神様に力を貸してほしいのよ」

マミ「明日、私たちと一緒に病院に来てくれないかしら?」

 『わかった。そういうことなら協力するね』




―EX・6日目終了


 ★浄化されました



なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:5つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[30/100]
・薔薇園[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv5]



・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5]  [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

ほむら
[魔力コントロールLv5] [体術Lv2] [射撃能力Lv25] [精神系状態異常無効]

さやか
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv3]

あすみ
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]

---------------
ここまで
次回は6日(土)17時くらいからの予定です

今更すごい間違いに気づいちゃったんで【訂正】
>>253は4日目じゃなくて6日目ね
-----------------------
―Ex.7日目 病院


『――あたしはあなたのようにつらい思いしてる人のことを助けに来た、ただそれだけなんです。代償を求める気もありません』

『まあ、信じられないのはあたりまえだろうけど……』

『これから起こる“奇跡”は、そっと胸のうちにとどめておいて。ね?』

*「頭の中に直接声が響いてくるようだ。あなたは誰なんだ、これは一体!?」


さやか『あたしたちは……そうだな。 神の使い、天使とでもいっておこうかな?』



*「奇跡だ……!」

*「ありがとう……! ありがとう……!」


 さやかと一緒に病院に出向いたなぎさたちは、神様に魔力を回復してもらいながら
 けが人や重い病気を抱える患者の治癒に励んでいました。

 普通ならこんなこときりがないことです。
 これをできたのも、神様が居たからこそでした。


さやか「いやぁ、ちょっとかっこつけすぎちゃったかな」

 『でも今日のはさやかちゃんのおかげだよ! みんな感謝してたよ』

さやか「いやいや、あんたの浄化能力がなかったらこんなことできなかったし」

なぎさ「2人のお陰なのですよ」

さやか「はぁーっ、集中してたら疲れちゃった。これからどっか遊びにいこうよ」

なぎさ「ふむ、これからですか」



1いいですよ、息抜きも必要です (詳細はおまかせ)
2自由安価

 下2レス


なぎさ「私は少し神様と話があるので遠慮します」

さやか「ん、そっか。じゃあマミさんは行けます?」

マミ「ええ、私は良いけど」

さやか「やった、じゃあ久しぶりにカラオケでもいきましょうよ!」

マミ「いいわね」

なぎさ「では、ここではなんですし、少し落ち着いて話せる場所に行きましょうか」


 病院の近くのベンチに腰掛けます。


なぎさ『よしっ、ここなら良いでしょう』

 『それで、話って?』



・自由安価

 下2レス


なぎさ『ちょっと気になることがありまして』

 『気になること?』

なぎさ『さやかの事なのですが、昨日あすみが魔女狩り一緒に行こうと言ったときなんか生返事でした』

なぎさ『いつもの元気いっぱいさやかちゃんなら初めてできた後輩にいいとこ見せようと張り切ると思うのですが…』

なぎさ『それ以外では普段のさやかと見えなくもないのですが何か気になるのです』

なぎさ『一昨日魔女狩りに来れなかった理由もはっきりとはわかりませんし、
    神様から見てどこか無理とかしてないのでしょうか?』

 『うーん…… とくにわかんないけど…』

 『さやかちゃんに聞いてみようか?』

なぎさ『聞いて話してくれればそれでもいいのですけど……』

なぎさ『まずは今晩とかさやかに気づかれないように、こっそり様子を見に行ってもらえませんかね?』

なぎさ『姿が見えない神様なら話しかけられても返事をしなければ、いると気づかれませんし…』

なぎさ『こう考えると神様って忍者みたいですね』

 『わかった』



1自由安価
・さようなら
 2マミとさやかのところに突撃
 3ほむらの家に突撃
 4一足早く帰宅

 下2レス


なぎさ「じゃ、なぎさはマミより一足早く帰宅しますね」

 『うん。気をつけてね』

なぎさ「はいなのです。さっきのこと、頼みましたよ」



―自宅


 家に帰って少しすると、マミから写真が送られてきました。
 2人で映っている写真です。


なぎさ「よくとれているのですよ、ところで後ろのお姉さんは誰ですかっと……」

なぎさ「あはは、冗談なのです」

なぎさ「いやしかしあの時はびっくりしましたね…… 本物なのでしょうか?」


 それから少しして、ほむらからもメールがきます。

 あれから神様はほむらのところに行ったようです。
 内容は、杏子が来てくれる気になったと聞いたということや、まどかへのメールの返信内容についての相談などです。


なぎさ(相変わらずそういうのが苦手なようですが…… 丁寧に返信しようとしているのですね)


 久しぶりに家でゆったりとごろんごろんとしていると、
 マミから『今日の夕飯、食べたいものはある?』とメールが来ました。

なぎさ(作る人からすると『なんでもいい』が一番困るようです。
    ここは何かなぎさの好きな物を書いておきましょうか)



・『今日の夕飯、食べたいものはある?』
 下1レス


なぎさ「鶏のから揚げとマカロニサラダがいいな、っと」

なぎさ「楽しみになってきたのです」


 メールの返信を送ってから少し、マミが帰ってきた。

マミ「ただいま。ちょうどよく鳥もも肉が安く売ってたわ。おいしいの作るからね」

なぎさ「楽しみなのです!」



―――その頃のほむらの家



あすみ「からあげおいしいね」

ほむら「ええ、電子レンジって便利ね」

ほむら「電子レンジ1つあれば大体事足りてしまうものね」

あすみ「それはやることによると思うけど…… でもちょっと冷たいところがあるね」

ほむら「ムラが出来てしまうのは仕方がないわ。唯一の欠点ね……」

―――

なぎさ「ごちそうさまでした!」

お父さん「ごちそうさま。今日もとてもおいしかったよ。揚げ物まで作れるなんてすごいよ」

マミ「やっぱり、少し手間がかかってもお惣菜を買うより自分で作るほうが美味しいから」

なぎさ「マカロニもなぎさ好みの味付けで大満足でした」

マミ「私となぎさちゃんの好みが合ってるのかもしれないわね」


 部屋に戻ってから、寝る前の支度をしながら話します。

なぎさ「さやかとのカラオケはどうでした?」

マミ「楽しかったわよ。たくさん歌うことができたし」

なぎさ「それなら良かったのです」


 そういえば、今頃神様はさやかのところに居る頃でしょうか。
 ベッドに寝そべって目を閉じていると、とろんと眠気が襲ってきました。



―EX・7日目終了


なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:5つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[30/100]
・薔薇園[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv5]



・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5]  [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

ほむら
[魔力コントロールLv5] [体術Lv2] [射撃能力Lv25] [精神系状態異常無効]

さやか
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv3]

あすみ
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]

―Ex.8日目


なぎさ「どうでした?」

 『うーん…… 』

 『わからない…… 見てた限りでは普通にしてた、と思うよ』

なぎさ「見てた限りでは?」

 『家族での会話とか。あと夜は寝てるだけだったし』

なぎさ「そうですか……」


 まだなんともいえません。



なぎさ「神様は、まだこの街に居られますか?」

 『あー…… いや、ちょっとそれが…』

なぎさ「えっと?」

 『ちょっと気になる街があって。
  そっちも早いところ様子を見ておかないとだから、あんまり長くは居られないの』

なぎさ「気になる街……ですか』

 『なにか変な事件が起きたみたいで……』

なぎさ「それなら仕方ありません。神様は人助けがお仕事ですからね」

 『うん、ごめんね』

なぎさ「大丈夫です。後輩のサポートは先輩のお仕事なのです!」

なぎさ「ま、なにかあるなら相談に乗って、ないならそれでよしです」

なぎさ「神様も、もし私たちの力がほしいことがあったら言ってくださいね」

 『うん、ありがとう』


なぎさ「さて…… 」


 とにかく、今日も活動をはじめましょう。
 一緒に居るなかでそれとなく様子を見るのです。



1あすみとさやかの訓練
 a魔力コントロール
 b格闘
2魔女狩り
3遊びに行く
 aほむらの家
 bさやかの家
 cその他(みんなでどっか行くとか)
4自由安価

 下2レス

―空き地


なぎさ「みんな、集まったのですね!」

ほむら「こんにちは」

あすみ「こんにちは!今日は魔力のコントロールの訓練なんだよね」

さやか「あれかー、あたしあれ苦手なんだよね」

マミ「あすみちゃんは割と手先は器用なほうよね。美樹さんも抜かれないようにがんばらないとね」

さやか「も、もちろんだよ! 先輩の威厳はたもってみせないと」

なぎさ「ではでは変身してください。早速ですが訓練開始なのですよ」


―――――……


 魔法は精神状態が強く影響します。

 昨日は魔力を大量に使っていたせいで気づかなかったのですが、やっぱりさやかの魔力は不安定気味です。

 不安定というの自体は今日に限った話でもないのですが、特別に不調といって良いでしょう。


さやか「はぁ、なんか疲れてきた…」

なぎさ「今日は不調ですね」

さやか「はは、ああ言っといてなんだけど、これじゃ威厳もなんもないわ」

さやか「昨日の疲れが残ってるのかも。早くゴロ寝したーい」

ほむら「もうちょっと根性見せなさいよ……」

 あすみのほうを見ていたほむらも、さやかのやる気なさげな言葉を聞いて言いました。

マミ「……」

なぎさ「本当に疲れてるなら寝たら治りますし、今日はもう休んだらいいですけどね」

なぎさ「私はさやかがそんなにひ弱だとは思ってないわけです」

 むしろさやかはタフさが売りのようなものですし。

なぎさ「何か嫌なことでもありました?」

さやか「………」


さやか「いや、ちょっとね」

さやか「失恋しちゃった」


なぎさ「……え?」

 思わずみんなが訓練を中断してさやかに注目します。
 それって……

さやか「この前告白したんだけどさ、既に恭介には彼女がいたのよ」

さやか「でしかも相手は恭介と同じバイオリンスクールに通うお嬢様で、しかもそこそこ有名な人」

さやか「色々お似合いというか」

さやか「だからまあ、恭介が幸せになるんならそれでもいいかなーっ、て……」

マミ「ちょ、ちょっと、『いいかな』って……」

さやか「あたしの願いはもう叶った。もう恭介の傍に居る必要もないじゃん?」

さやか「だからね、うん。恭介からはもう離れようって」


 さやかはなんでもないことのように軽く言います。
 そんなさやかに、ほむらは久しぶりに見る怖い表情で問いかけます。


ほむら「……それでいいの?」

さやか「いいんだよ」

ほむら「それであなたは幸せになれるの?」

さやか「幸せだよ。あたしの願いはもう叶ったから、後悔はしてない」

ほむら「嘘よ。あなたはそんなに強くない!」

マミ「あなたそれ…… どういう意味で言ってるの?」

さやか「もう十分幸せなんだよ。だからこのまま魔女になってもいいってぐらい」

なぎさ「は!? 何言ってるんですか!」

さやか「いつか魔女になるなんて、契約する前からわかってたことでしょ。覚悟してたことだよ」

マミ「馬鹿なこと言わないでよ! あなたが魔女になったら……ッ」

さやか「その時はお願いしますね」

マミ「……っ!」


 みんなが憤る中、一人だけ唖然とした顔でこちらを見ていることに気が付きました。
 さやかは勢いで話してしまったのでしょうが、こんな話したらまずいような……


あすみ「………」


マミ「私、上条君のところに行ってくるわ」

なぎさ「あっ」


 マミが走り出して行ってしまいました。
 なぎさはどうしよう……



1マミを追いかけていく
2ここに残る

 下3レス中多数決


あすみ「えっと…… さっきから何の話をしているの?」

あすみ「さやかさんが魔女になるって……」

さやか「……!」

なぎさ「そ、それはですね……」

さやか「はぁ………なにやってんだろ、あたし」

さやか「勢いに任せて余計なこと言ってチームの空気壊して」

さやか「……帰る。なんか今ダメだわ」

ほむら「待ちなさい! そのまま姿を消すつもり?」

さやか「疲れたから寝るだけだよ!」


 さやかもこの場から去ろうとします。


・自由安価

 下2レス

-----------------------
寝落ちてた
このあたりは一気にやりたいんで本日18時くらいから再開予定


なぎさ「さやか、ちょっと待つのです!」

さやか「放して! ……もうほっといてよ」

 なぎさはとっさに追いかけて手を掴みます。
 しかし、振りほどかれてしまいます。

なぎさ『さやか、これからあすみに魔法少女の真実を話します!』

なぎさ『居づらいとは思いますがさやかもその場にいてください…お願いします』


 ……返事はありませんでした。


 2人がかりで全力を出せば追えないことはありませんが、あすみをこのままにしておくわけにもいきません。
 こんな状況でキュゥべえにでも付け入られたら取り返しの付かないことになってしまいます。


なぎさ「ほむほむ、この後あすみに話したいことがあるので家に行ってもいいですか?」

ほむら「ええ……」

―ほむらの家


 マミにさやかが家に帰ったと連絡を入れ、私たちはほむらの家に来ました。
 

あすみ「………」


 いつものようにテーブルを囲んで座ります。

 不安そうにしているあすみ。いつもと違う思い空気に、どうしたらいいのかわからないのでしょう。
 沈黙を破ってなぎさが話し始めます。

なぎさ(…どう切り出しましょうか?)


・話す内容
 下2レス



 さきほどのメールに加えて、上条さんの説得を終えたら来るように連絡した。


なぎさ「少し待っててくださいね。マミが来たら話しますから」

あすみ「うん……」

あすみ「…あの!」

なぎさ「なんでしょう?」

あすみ「さやかさんは大丈夫なんだよね……?」

なぎさ「すぐに何か起こるということはない…… と思いますが……」

あすみ「すぐには……」

なぎさ「な、何か起こる前になんとかしてみせます! 私たち、5人でチームですから!」

なぎさ「それに、マミだって手を打ってくれたはずです」

ほむら「……今は、マミを待ちましょう」

あすみ「うん……」


マミ「時間がかかってしまってごめんなさい、上条君のことは大体説得してきたわ」

マミ「というか、責任を問い詰めてきた。半分は怒りの気持ちもあったけど……」

マミ「このことを根本から解決できるとしたら、私たちじゃなくて上条君だと思うから」

なぎさ「そうですね……」

ほむら「……では、4人揃ったところで本題に入りましょう」

ほむら「これから話すのは私たちに…――魔法少女とって重大な真実」




――――――
――――――



あすみ「そんな… そんなことって……」


 魔法少女の真実を全て話しました。

 『あたしにも話してほしくなかったよ』――そう言った杏子の影がちらつきます。
 ですが、ここまできてしまったら話さないわけにいきません。

 ここで話さなければ……


 この真実を知ったら、あすみはどうするのでしょう……



あすみ「……じゃあ、このソウルジェムが濁ったときは…」

マミ「やっぱり…… ショックよね」

あすみ「うん、本当はすごく怖い。……だけど、私が落ち込んでる場合じゃないよ。それが本当ならさやかさんが……!」

あすみ「それに、さやかさん、“そう”なってもいいだなんて。そこまで追い詰められてたなんて」

ほむら「さっきもなぎさが言っていたけど、さやかをこのまま魔女にさせるつもりはないし、
    それに私たちだってそんな運命受けいれる気はない」

ほむら「このまま幸せに、インキュベーターの期待通りになんてならずに生きてやるつもりよ」

ほむら「けれど、この真実は…… この真実を背負って生きていくことは」

ほむら「あすみは受けいれられそう?」

あすみ「………」

あすみ「……うん。私もみんなと一緒にまだ生きていたいから」



1自由安価
2解散

 下2レス


なぎさ「そうです、あすみ」

なぎさ「生きていくと言う想いだけは決して失ってはいけないのです!」

なぎさ「もうすぐ杏子も見滝原に戻ってきますし、杏子とこれからのことをしっかり相談すればいいのですよ」

あすみ「そうだね。杏子も戻ってくるんだもんね」

なぎさ「それと、なぎさの目標はしわしわにお婆ちゃんになって、
    子供や孫たちに囲まれながらお布団の上で大往生することなのです」

なぎさ「そしてあのナマモノに『なぎさは魔女になんかならずに死ぬのです、ザマーミロなのです!』と言ってやることなのですから!」

ほむら「ええ、その意気よ! 私たちならきっとやってやれる」


 ふと時計を見てみると、いつのまにかもうすっかり夜になっていました。


マミ「よかった…… あすみちゃんが真実を知っても変わらないでいてくれて」

マミ「やっぱりあなた、強い子よ」

あすみ「そうかな……」

あすみ「説得もしたし、上条さんもさやかさんのこと気にかけてくれるんだよね」

マミ「ええ、今頃話しに行っている頃だと思う」

あすみ「うまくいくといいね」

なぎさ「上条さんだって、さやかのこと大切に思ってますから」

なぎさ「元々絆の強い二人なのです。今は少し、食い違ってしまったけれど」

なぎさ「2人で話し合えばきっと、わかってくれるはずですよ」


―――

―――
さやかの家


 家に帰った後、みんなに言ったとおりずっと部屋で寝ていた。
 しかし寝て寝ても疲れが取れる気配がなかった。それでも今は休ませてほしかった。

 いっそこのまま眠ったまま、いつのまにか消えてなくなってしまえばいい。
 魔女になるよりはそのほうがマシだ。


 でもさすがにそんなことはなくて、気づいたら日が沈んでいた。

 ただ無気力に時間が過ぎていく。


 チャイムが鳴る。
 お母さんはもう帰っている。この時間だとお父さんだろうか。


さやか母「さやか、上条君が来てるわよ」

さやか「え?」

恭介「さやか、入るよ」

さやか「……何の用?」

恭介「もしかしたらもうさやかは僕と話したくなんてないのかもしれないけど」

恭介「それでもやっぱり、さやかのことほっとけないよ」


恭介「契約する前に話し合ったよね」

恭介「さやかは全てを懸けて僕の腕を治してくれた。さやかが魔女になってしまったら僕の責任だ」

恭介「ほっとけるわけがない」

恭介「僕もさやかとそんなふうに別れるのは嫌だよ」

さやか「………」

恭介「それで僕は…… 彼女と別れたほうがいいのかな」


恭介「っ……」

 パシン、と音が響く。


さやか「……馬鹿じゃないの」

さやか「なにそれ、無神経すぎ。よくそんな軽い気持ちで付き合ったり別れたり出来るわね!」

恭介「え!? だ、だって……」

さやか「あたしのためにそんなことされたってうれしくないわよ!
    ……あたしのことだって好きじゃないくせに!」

恭介「じゃあどうしたら!」

さやか「何もしないでいいわよ。……もう勝手にして」

さやか「………はぁ。馬鹿みたい、あたしも。
    あんたみたいなの好きになって…… こんなに振り回されて……!」

さやか「あたしって、ほんと馬鹿みたい……」

恭介「さやか!? どこ行くんだよ!」

さやか母「さやか? ちょっと、何があったの? こんな時間にどこに……!」



―――このときから、さやかは姿を消した。
   そのことをなぎさたちが知るのはこの翌日だった。



―EX・8日目終了


なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:5つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[30/100]
・薔薇園[100/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv5]



・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5]  [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

ほむら
[魔力コントロールLv5] [体術Lv2] [射撃能力Lv25] [精神系状態異常無効]

さやか
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv3]

あすみ
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]


―???


 【深夜】


 どこを歩いているのかわからない。

 どこへ行こうとしているのかもわからない。

 どこにも居たくなかった。だから歩き続けた。



さやか(そういえば、これじゃほむらには嘘ついたことになるな……)

さやか(でも、もういいか。このままじゃ迷惑かけるだけだし。今はもうあの中にも居たくない)



 ずっと歩き続けた先には、なにがあるんだろう。
 魔法少女という居場所も放棄したら、あたしは……


さやか「………… !」

--------------------
ここまで
次回は9日(火)20時くらいからの予定です

――Ex.9日目 自宅

 【朝】


 今日は平日、学校がないからといって遅くまで寝ているわけにもいきません。
 午前中に勉強をすませて、午後には何かしらの活動をはじめたいところです。

 特に今日はさやかがあれからどうしてるかも確かめなきゃですし……

 マミの作ってくれた朝食を食べた後、お父さんが出かけたらいつもどおりパソコンを起動します。

 パソコンが完全に起ち上がるまでの数秒、
 今日の一日を思い描いていたとき、玄関のチャイムが鳴りました。


なぎさ「んむ? お客さん?」

マミ「私が見てくるわね」



 マミが扉を開けるとそこには、なにやら息を切らした上条さんの姿が。


マミ「ど、どうしたの? こんな朝から」

恭介「……さやかが…っ」

なぎさ「え?」

恭介「さやかがどこかに行ってしまったんだっ!
   昨日、失敗してしまったみたいで……っ!」

なぎさ「えぇ!?」


なぎさ「―――…話は大体わかりました」


恭介「昨日も探したんだけど見つからなくて、警察にも連絡はしたんだけど……」

マミ「それにしてもあなた…… 最低ね」

なぎさ「恋愛経験のないなぎさでも、
    あなたが恋愛に関してはとことんダメな男だっていうのはわかりましたよ」

恭介「返す言葉もないね……。悪いのは僕だ。それはわかってる」

恭介「……僕は、どうしたら良かったんだろうか…」

恭介「僕にとってさやかは大事な友達だし、彼女も大事な仲間だった」

恭介「僕はただ、何事もなくみんな仲良くしていた頃に戻りたいだけなのに」


マミ「あなたの決断が招いたことなのよ。それなのに、あなたがそれを言うのね」

マミ「昨日は『恩のある幼馴染より金持ちのお嬢様を選ぶような男』って言ったけれど、それも違うようね」

マミ「そもそもあなたは選んですらいなかった」

マミ「ひたすら考えが足りなかった…… それだけだったのよ」

恭介「さやかはもう僕に失望してしまったかな……」

マミ「やってしまったことを責めてもしょうがないわ。
   今更後悔したって、なかったことにはできないのだから」

マミ「ここで反省会を開けるほど悠長には構えていられないわよ。
   それより今はとにかく早く探し出すこと…… それと」

マミ「あなたはどうするの?」


恭介「僕は…… 」

マミ「………」


 続く沈黙に、マミが溜息をつきます。


なぎさ「…ほむらたちに連絡しました。ここは二手に別れて探しましょう」

マミ「ええ!」


 最低限の荷物だけ持って、靴を履いて外に出ます。

 結局、上条さんからの返事は得られないままでした。


マミ「まずどこから行くの?」

なぎさ「まずは……」


 行く場所
1公園
2通学路
3駅
4病院
5繁華街
6土手
7荒地

 下1レス

―病院


 さやかにとって思い出があるだろう病院。このあたりから探すことにしました。
 一応看護師にも聞き込み手分けして内部まで探しますが、姿はありませんでした。


マミ「暁美さんたちのほうから連絡、土手には居なかったそうよ。
   それから……」

マミ「鎧を着た人魚のような魔女を見かけたら連絡するように……って」


 ほむらは単独での行動は避けるようにと言っていました。
 もし一人で魔女に遭遇した場合、対処が難しいからと言っていましたが……


なぎさ(ほむらは、さやかの末路を知っているのですね……)

なぎさ(対処が難しいというよりは、たぶん戦力的なもの以外で嫌な思い出があるのでしょうか)

なぎさ(……いえ、過去に繰り返した世界がどうだろうと、ここではそうはさせません)

なぎさ「…はい、こちらも病院にはいなかったと送っておきましょう」


 【8時】

 行く場所
1公園
2通学路
3駅
・病院[現在地](8時:×)
4繁華街
5土手(8時:×)
6荒地

 下1レス

―荒地


 無限に続くとも思えるような荒野をひたすら探します。
 瓦礫の影、壊れた鉄塔の上まで見落とさないように歩きますが……




 下1レスコンマ判定
10の倍数

『※0=100』と書いた場合以外は0は0で扱ってきたので、
すみませんが0は0です……
-----------------------------

なぎさ「これは…… 」

マミ「これは、美樹さんの携帯?」

なぎさ「何故これが瓦礫の下に……。捨てていったということでしょうか」

マミ「電源が切られてる。位置を知られたくなかったということかしら」

マミ「とすると、美樹さんはこのあたりにはいない?」

なぎさ「それはまだ探してみないとわかりません。ですが、これのおかげでわかったことがあります」

なぎさ「さやかはここを通ったということ」

なぎさ「そして、どのくらいの頻度かはわからないけど移動している……ということですね」

マミ「そうなると、一度調べたところでも行き違いになってしまった可能性もあるわね……」



 一通り探しましたが、見つかりませんでした。
 次はどこを探しましょうか?


 【10時】

 行く場所
1公園(9時:×)
2通学路(10時:×)
3駅
4病院[現在地](8時:×)
5繁華街(8時半:×)
6土手(8時:×)
・荒地[現在地](10時:×)

 下1レス

―駅


 通勤・通学ラッシュの落ち着いた駅。
 もし見滝原から出られでもしたら大変です。



 下1レスコンマ判定
5の倍数


さやか「………」


 さやかは、駅のホームのベンチに俯いて座っていました。


なぎさ「やっと見つけましたよ……さやか」

さやか「……」

マミ「家出したって聞いて、心配したんだから……」

さやか「心配、ね」


さやか「恭介となに話したのか知らないけど、マミさんって余計なお世話が好きだよね」

さやか「どうせ安っぽい説教でもしたんでしょう? その結果がアレ」

さやか「せめてあのままでよかった」

さやか「会いたくなんてなかった」

さやか「そんなんだから佐倉杏子も嫌になって出て行ったんですよ」

マミ「………っ」

なぎさ「ちょ、ちょっと!
    マミは本当に心配してくれていたのですよ、そこまで言わなくても……」


マミ「……美樹さん。もう戻ってくる気はないの?」

さやか「ないよ」

さやか「ただでさえ少ない自分達の分のグリーフシードを犠牲にして人助け?
    馬鹿馬鹿しいよそんなこと」

さやか「何の得にもならないことに魔法を使って、あたしの負担になってたとも気づかずに」

さやか「結局エゴなんだよ」

さやか「どんなに奇麗事言ってたって、人はみんな醜い心で出来ている」

さやか「追い詰められれば追い詰められるほど本質が剥き出しになってくる」

さやか「マミさんだってそうなんでしょ?
    本当は一人になりたくないだけ。……自分の考えを全て正しいと思いたいだけ」

さやか「自分を肯定してくれてる仲間がいるから理想を保っていられるけれど、
    こうしてあたしを探したのだって、自分にとって都合の良い居場所を失いたくないだけなんでしょ?」

マミ「私はそんなこと……!」

なぎさ「さやか、いい加減にするのですよ!」


さやか「なぎさだってじき嫌になるよ、こんな世界」

さやか「なぎさ以外の仲間がずっと周りに居てくれるとも限らないんだから……さ」

なぎさ「私が死なせたりなんてしません! もちろんさやかだってですよ!」

さやか「人はそんなに強くないよ? ちょっとしたきっかけで崩れちゃうんだから」

さやか「その時も今みたいな正義の味方ごっこを続けていられる?」



・自由安価

下2レス

--------------------
ここまで
次回は11日(木)20時くらいからの予定です


なぎさ「……別に魔法少女だろうが人であることに変わりはありません」

なぎさ「なぎさだって聖人君子ではありませんから、
    さやかの言う様に誰かに対して暗い醜い感情を抱くことだってあるのです」

なぎさ「人間誰だって心が追い詰められたり、どうしようもなく悲しく辛くなった時には
    自棄になったり、醜い感情が出てきて誰かに当り散らしたりしてしまう」

なぎさ「でも、それは人としての感情の一面であって全てではないのです」

なぎさ「だから、なぎさはその一面を突きつけられたからといって、
    それだけでさやかを見捨てるなんて絶対にしないのです!」


なぎさ「正義の味方ごっこ?上等じゃないですか!」

なぎさ「神様だって全てを救う事はできないって言ってましたから、
    魔法少女とはいえ人であるなぎさ達のやってることはごっこなのかもしれません」

なぎさ「でも、この魔法少女の力で助けてあげる事ができた人はいたのですから、
    誰かを助けるのにむずかしい理屈なんて必要ないのです!」

なぎさ「えーと……上手く言えないのですけど、
    みんなが『ありがとう』って喜んでくれると嬉しくて、がんばれる気になるのですよ、なぎさは」


さやか「それはなぎさが今幸せだからだよ。だからそんなことが言える」

さやか「前まではあたしだってそう思ってたはずなのにさ。今はあたしの中には恨みや呪いばかり溜まって」

さやか「もうあたし、無理なんだよ。戻れないんだよ」

さやか「絶望を知った時、誰かの幸せが妬ましく思えてくる」

さやか「そうなったとき、きっとなぎさだって今のままじゃいられない」

なぎさ「……言いませんでしたっけ。私はその気持ちを知っています。絶望しかけたことがあるのです」

なぎさ「どうしようもなくなって、
    世の中に呪いを振りまいて滅茶苦茶にしてしまおうかという思いが出てきたことがあります」

なぎさ「でも神様が居たから立ち直れたんです!」

なぎさ「だからさやかだってまだ間に合います。今度は私がさやかを救ってあげる番です」


さやか「…………」

なぎさ「さやか、契約の願いはただその願いに関わった人だけのものではないのですよ?」

なぎさ「さやかがいなくなったら私たちだけじゃない」

なぎさ「さやかを育ててくれたご両親も親友のまどかも、
    さやかを大切に想って慕っているたくさんの人を悲しませる事になるのですよ?」


さやか「………そうだね」


なぎさ「!」

さやか「それでいいんだよ」

なぎさ「 ………さやか?」


 空気が凍りついたような錯覚を覚えます。
 まだ昼前なのに、人の雑踏も日の明るさも吹き飛んだかのように暗く冷たく感じます。


なぎさ(わからないけど、何かがまずい……!)


さやか「その程度の絶望しか知らないくせに、わかったようなこと言うなぁぁぁッ!」


マミ「ッ……… くっ!」

 いつのまにか変身したマミが目の前に出てきていました。
 まだ何も形作っていないばらけたリボンの束と、そこに刺さる剣………

なぎさ「マミッ!?」

マミ「大丈夫…… 未完成とはいえいくらか防御はできたから…」

マミ「それより……!」

―――気づくとさやかがすぐ横まで接近していました。

なぎさ「!」


 とっさに変身し、同時にラッパを構えると激しい金属音が鳴り響きました。
 しかし近接での戦いを想定されていない空洞のラッパでは耐久で負けてしまいます。


なぎさ「さやか! こんなこと意味ないですよ!!」

さやか「確かなぎさって、素早い相手は苦手なんだよね……?」


 ラッパに罅の入った音がしました。
 剣がラッパの胴を破った瞬間にシャボン液をぶっかけて目潰しします。


さやか「!」

なぎさ「…工夫次第ですよ。苦手だからって、さやか相手に戦えないわけじゃありません」


 きゃあきゃあと周りから悲鳴が聞こえます。


なぎさ「全く、こんな一般人もいるような場所で……! 本当に手のかかる後輩です!」

なぎさ「とりあえず倒して“保護”です。話はそれからですね」



 ラッパを再び手中に作って握りなおし、戦闘態勢に入ります。



なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:5つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[30/100]
・薔薇園[100/100]


仲間:マミ 状態:負傷(中)【戦闘不能2ターン】

敵:さやか

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
5シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンに敵を閉じ込める。
6他人の負傷を回復(魔力-30) 【なぎさの基準:足一本再生で-100程度】


 下1レス


なぎさ(シャボンを飛ばす余裕はない、この隙に間髪入れず怯ませて次に繋ぐ……!)

 ビィィィィィィイィィィン――――

 突き刺すような高音。前方一列に巻き起こされる突風。


さやか「…―――!」ダダダダッ

なぎさ(!? 効いてな――…いや、違う!効いてないわけじゃない)


 しかしさやかはそれを気にしないとでもいうように向かってきます。

 効いていないわけではないのです。
 恐ろしいことに、しっかりと全身でダメージを受け突風の中をズタズタになりながら突進しているのです……――!


さやか「はぁッ!」

なぎさ「くっ……!」

 それでも、さやかの攻撃は直線。
 突風で衝撃が相殺されていることもあり深い傷にはならなかったものの―――

 近寄られた状態での戦闘にもちこまれてははまずい……!


なぎさ(マミもすぐには復帰できそうにない……)

なぎさ(これは…なかなか厄介ですよ。
    いつ、『こんな戦い方』を覚えたのかはわかりませんが……)

なぎさ(すでにさやかのソウルジェムは光をなくしかけている)

なぎさ(あまり長引かせるわけにもいかないのに……!)



なぎさ 魔力[70/100] 状態:負傷(軽)
GS:5つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[30/100]
・薔薇園[100/100]



仲間:マミ 状態:負傷(中)【戦闘不能1ターン】

敵:さやか

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
5シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンに敵を閉じ込める。
6自分の負傷を回復(魔力-15) 【なぎさの基準:足一本再生で-100程度】
7他人の負傷を回復(魔力-30) 【なぎさの基準:足一本再生で-100程度】


 下1レス


なぎさ(なぎさの技は基本的に範囲重視……トラップとしても使える。
    しかし全体を囲う技をこの距離で仕掛ける隙はない)

なぎさ(せめてこちらから注意が逸れてくれれば……)

なぎさ(マミが復帰するまで耐え続けるしか…――!)



なぎさ「っ…もうやめてください! 傷つけたいわけじゃないのに…!」

さやか「……」

なぎさ「前にもあんな戦い方はダメって言ったでしょう! 学習しませんね…っ!」

さやか「喋りながら避けていられる?」

なぎさ「で、出来ますよ! さやかの単調な動きくらい!」



 さっき腹に喰らった一撃のせいで動きが鈍る。

 さやかにはああ言いましたが既に何発かは喰らっています。

 しかし向こうがその気なら、こちらも『気合』を入れるしかないでしょう。

 まだ動きを止めてしまうわけにはいかない……!



 下1レスコンマ判定
防御・回避率 0~99
※0=100


なぎさ「……っ」

 切り裂かれた傷の痛みもさほど気にならない。
 魔法少女の機能がそうしたというだけじゃなく、信念の強さだと私は思いたい。

 再び金属音が激しく鳴り響く。

 ラッパで防御すると、剣を持っていないほうの手でラッパを持つ手首を叩きつけられる。

なぎさ「同じ手にはひっかかりませんか……」

 ラッパが手から離れ、防御がなくなりましたが―――

なぎさ(こうしている間に、マミが背後に回っている)

なぎさ(気づいたそぶりはなかった)

なぎさ(これでマミが隙を作ってくれれば……!)


マミ(この位置からなら……っ!)



さやか「………」

 マミがリボンを仕掛けようとしたその瞬間

マミ「!?」

 さやかが飛び上がり―――
  剣を何本か投げつけました。


マミ「そんな…… 気づいてるそぶりなんて全く…」

 リボンが切り裂かれ、足は剣で地面に縫い付けられています。

なぎさ(私の目線を読み取って……? それとも魔力で? )

なぎさ(それにしたって見えない方向からの攻撃なのに)


さやか「っ!」

 しかし体勢を立て直す隙としては十分です。
 シャボンを爆発させてさやかを吹き飛ばし、更にシャボンで囲みます。


なぎさ「後ろに目でもついてるんですかあなたは…… これが訓練だったら褒めてましたのに」

さやか「はぁ…、はぁ…、ふぅ…っ」


 さやかもさすがに限界です。

 身体のほうはソウルジェムで制御できても、そのソウルジェムがこれではそう戦えません。
 臍についたソウルジェムは、既に魔女化寸前の色をしています。


なぎさ「もうやめてください! もう限界です……ッ!」


 それでも剣を構えるさやか。
 このシャボンも意に介さず、また無理矢理突っ切ろうとするのでしょうか……

 これ以上戦闘を続けたら…… 魔力を使ったらさやかは―――


 ―――こちらもラッパを構えます。


さやか「!? な………っ」

 ラッパの口から出るのはシャボンではなく優しい音色。 
 穏やかな子守唄がさやかの集中を一瞬ですがグラつかせました。


なぎさ『これは奥の手だったのですが……。最近密かに練習してたのですよ』

なぎさ『なぎさ版ローレライの旋律“A Trumpeter's Lullaby”』


 そして次の瞬間にはマミがさやかの四肢を拘束しました。
 一瞬の思考の乱れが勝負の決め手となったのです。


マミ「なぎさちゃんナイス! さあ、これで観念して!」

さやか「そんな……っ!」

 さやかの入眠魔法より完全に効果が出るのに時間がかかるのが難点です。
 そこをカバーできたのはチャンスを逃さなかったマミのおかげです。


さやか「―――っ」


 暫くするとさやかがばたりと倒れ込みました。
 ホームに残っていた一般人たちもいつのまにか眠っています。


なぎさ「足、大丈夫ですか?」

マミ「ええ、今なんとか治してるところ…… なぎさちゃんこそ傷だらけじゃない」

なぎさ「このくらいへっちゃら…… う~、やっぱり気を抜くと痛いのです」

なぎさ「……警察とか来ちゃったらまずいのです。早いところ逃げましょうか」

マミ「そうね…」


 さやかのソウルジェムを浄化した後、
 『さやか確保、これからほむらの家に集合』とほむらの携帯にメールを送りました。


なぎさ「ほむらの家に向かいましょうか。
    鍵はこんな時くらい勝手に魔力であけてしまっても怒られないでしょう」

マミ「それにしても…… 本当に無事でよかった」

マミ「美樹さんがあそこまで追い詰られたのも、私に責任がなかったわけじゃない」

マミ「これで魔女になんてなられたら私……」

なぎさ「まだ気は抜けないのですよ。目を覚ました後が肝心ですから」


なぎさ「しかし……」


なぎさ(気のせいでしょうか?)

なぎさ(さきほどのさやかの戦い…… やっぱり少し違和感を感じます)

-------------------------
ここまで
次回は13日(土)17時くらいからの予定です


なぎさ「何かおかしいと思いませんか? マミは…――」


 「失敗…… か。いや、同じことか」

 「ここで貴女達を…… まとめて始末してしまえば」


なぎさ「え!?」


 私たち以外の人が眠りあたりが静まり返っている中、どこからか声が聞こえてきました。


 私たちのよく知っている声です。


マミ「なんであなたがここに? それに、なんでそんなの連れてるの……?」

なぎさ「それより… 今のはどういう…――!」



あすみ「…………」


 あすみは駅のホームに佇み、静かに微笑んでいました。
 キュゥべえを肩に乗せて……


あすみ「計画に変更は無し。今の美樹さやかなら2人を倒した後にどうとでもできる」

あすみ「大丈夫、今回の仕事もきちんと終わらせられる」

QB「うん、期待してるよ」

QB「これからの出来事は『魔法少女同士の抗争』だ。僕にどうこうできることじゃない」


 手に持っていたスマホをポケットにしまい、
 こちらにゆっくりと近づいてきます。


マミ「……意味がわからないわ。なんで私たちが戦わなければならないのよ!」

なぎさ「さやかの時といい…… まさか、誰かに操られでもしているのですか?」

あすみ「当たらずとも遠からず、半分は合ってるかな」

あすみ「ネタバラシ聞きたい? いいよ、聞かせてあげる」

あすみ「わけもわかんないまま唐突に打ち切られるストーリーなんて駄作以下……
    完結させなきゃここまで仕組んだ意味がない」


あすみ「杏子に出会ってから契約したと言ったけど、あれ嘘なの。本当に契約したのはもっと前」

あすみ「肉体再生も魔力結界も魔法少女なら誰でも出来る魔力の使い方の一部だしね」

マミ「じゃあ、私たちを騙すために……」

マミ「こんなことをする目的は何、私たちになんの恨みがあったというの!」

あすみ「恨み? 恨みなんかないよね」

QB「君個人としての感情は知らないけど、そうだね。“僕ら”は個人的な感情で動いているわけじゃない」

QB「それに、あすみにもそうお願いしているはずだ」

なぎさ「僕“ら”って……」

QB「僕も予想外だったんだけどね。あんなことを言い出す魔法少女が居るなんて」

QB「あすみは魔法少女だけど、立場上インキュベーターでもあるんだ。少なくとも今はそれで契約が成立している」

あすみ「そういうことっ」


あすみ「趣味と実益を兼ねた仕事よ。ちょうど、私の“力”にもぴったりだったし」

あすみ「魔法少女たちの情報もくれるし結構満足してる」

あすみ「まあ、『宇宙を救うため』とかそんな大それた目的は私にはないんだけど」

マミ「……つまり、魔法少女を絶望に落とすのを趣味にして楽しんでるってこと……!」

 マミの顔つきが変わる。
 さっきまではただショックを受けているだけだったけど、今は怒っている――それがわかる。

なぎさ「なんて悪趣味な!」

 なぎさも同じ気持ちだった。


 この人の思い通りにさせてはいけない!!


あすみ「――と、説明ばかり話されても飽きてくる頃だと思うし。
    私のことが大体わかったところで次のネタバラシに行きましょうか?」

なぎさ「ずいぶんと余裕ぶっていますけど…… そろそろ駅員さんやおまわりさんが来るころでは?」

あすみ「そんなこと。それなら気にしなくても来ないよ。
    それに他の人たちは貴女の魔法で全員寝てるわけだし」

なぎさ「もうあなたの話なんて聞きたくありません!」

なぎさ「信じてたんです!あすみのことも、チームの一員だって! これから守らなくちゃいけないって思ってたんです!」

 なぎさの心からの叫びにも、あすみはふっと微笑むだけでした。

なぎさ「……でも最後にこれだけ聞かせてください」

なぎさ「一体あなたはさやかに何をしたんですか」

あすみ「ちょっと細工をしただけだよ。察しはついてると思うけど―――私の魔法でね」

マミ「じゃあ…… 美樹さんはあなたに操られてただけなのね?」

あすみ「でもね、支配下にあるとはいえ半分は意識があるからね。さやかが言った言葉はまぎれもなく本心だよ」

あすみ「本気で抗えば抵抗できたはずなのに、結局は受けいれてたんだよ」

あすみ「貴女達のこと殺しちゃってもいいって!」


なぎさ「……嘘です」

なぎさ「わかってたんでしょう。自分じゃ敵わないし、そうする前に魔女になるって……」

なぎさ「そして、それがあなたの目的でもあるんでしょう?」


 余裕ぶった表情。演技してたときとはまるで違う。
 ―――怒りが煮えたぎってくる。


マミ「正直…… 悲しみと怒りでいっぱいでもうわけがわからない」

マミ「でも、あなたを倒さなければ美樹さんは死んでしまう。それに、暁美さんや佐倉さんも……」

マミ「だったらやられるわけにはいかない! 私たちはここで…… あなたを倒す!」

あすみ「できるの? そんなボロボロの身体と心で!」



 同時に変身し、そして武器を構える。



なぎさ 魔力[85/100] 状態:負傷(中)
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:負傷(軽)

敵:あすみ

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
5シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンに敵を閉じ込める。
6自分の負傷を回復(魔力-30) 【なぎさの基準:足一本再生で-100程度】
7他人の負傷を回復(魔力-15) 【なぎさの基準:足一本再生で-100程度】


 下1レス


マミ「は――っ!」

 マミが何十丁もの銃の群を召還する。
 そして逃げ場をなくすように広範囲に弾丸の雨を降らせる――


マミ「魔弾の舞踏【パロット・ラ・マギカ・エドゥー・インフィニータ】」


なぎさ(初っ端からこんな大技…… マミ、やっぱりいつもと違う。キレてる…?)


マミ「っ……」

なぎさ「マミっ、飛ばしすぎですって!」

マミ「でも早く倒さなくちゃ……」

 マミに駆け寄って傷の回復をする。
 無茶されたらまずい。

マミ「……いえ、そうね。ありがとう」



なぎさ「!」


 こうしてる場合じゃない、何かが飛んでくる―――



 下1レスコンマ判定
31~50 なぎさ回避
11~30 防御が間に合う
0~10 両方回避


マミ「なッ!」

なぎさ「っく―――…!」


 鉄球に押しつぶされる。これはフレイルの先についてた―――
 棘が食い込んで傷を抉る。


あすみ「随分とまぁ油断しちゃって! さっきので倒せたとでも?」


 魔力壁での防御とフレイルの鎖で銃弾をなぎ払ったのか……――


あすみ「遠距離攻撃の手段がないなんて思ってた?」

あすみ「まだまだ楽しませてよ!」


 走りながら、あすみが追撃とばかりに叩き込んできます。

 その鎖をマミがリボンで掴み、引き寄せる。


マミ「同じところばかり狙ってるようじゃまだまだよ!」

あすみ「わざわざ得意な近距離戦に持って来てくれてありがと!」


 フレイルの鎖部分を消し、引き寄せていた勢いに乗って振りかぶってくる。
 ――というよりあすみが手に持っているものはもうフレイルでもなく、スタッフでもなく……


 バキン、と金属が割れる音がする。
 咄嗟に出した銃が割れた音だ。


マミ「きゃあぁっ!」


 もともと威力が高いのにあれだけ勢いが乗っていたら相当な破壊力になっていたはず―――


なぎさ「マミッ!」

マミ「っ……ぅう」

あすみ「まだまだ♪」

なぎさ「随分と応用の効く武器みたいですね…… そんなのまで隠し持ってたんですか」

あすみ「私の武器が『フレイル』と『スタッフ』だけだって誰が言ったの?」

あすみ「私の武器は…… そうね、夢広がる『あすみんず☆モーニングスター』…とでも言っておく?」

あすみ「杏子がスタッフ形態を考えたのは機動力を重視したからだろうけど
    それ以外にも出来るんだよ、色々とね」


なぎさ(マミを放っておくわけにはいかない。でも、あすみのほうだって放っておけない……!)



なぎさ 魔力[70/100] 状態:負傷(中)
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:負傷(大)

敵:あすみ

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
5シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンで囲んで防御したり拘束したり。
6自分の負傷を回復(魔力 全快:-40 軽:-30)
7他人の負傷を回復(魔力 全快:-60 軽:-45 中:-30)
 ・マミ


 下1レス


なぎさ(あっちいってったら―――!)


 超高音から発生させる衝撃波で吹き飛ばす!

 あすみにはこれを発動前に防ぐほどのスピードはない。
 鉄球無しのスタッフならともかく今のメイス形態なら尚更だ。


あすみ「なるほどね」


 涼しい顔を崩さないまま、
 武器をフレイルに戻し鎖を絡ませて後方に吹き飛ばされるのを防ぐあすみ。

 とりあえず距離はできました。

 しかし油断しているとすぐ攻撃がくるでしょう。次の一手は……


なぎさ 魔力[40/100] 状態:負傷(中)
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:負傷(大)

敵:あすみ

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
5シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンで囲んで防御したり拘束したり。
6自分の負傷を回復(魔力 全快:-40 軽:-30)
7他人の負傷を回復(魔力 全快:-60 軽:-45 中:-30)
 ・マミ


 下1レス


なぎさ「マミ、待っててください!」

マミ「ええ、ごめんなさい。すぐに回復するから」


 シャボン結界でマミに防御を施します。

 マミは重傷だけどまだ戦闘不能というわけじゃない。
 ここまで容赦のない相手なら、きっと復帰する可能性を完全になくすためにまず優先的にマミを狙いにくるはず。


あすみ「それまで耐えられるといいね」


 飛んできた鉄球を避けます。
 遠距離からの不意打ちでのシュートも、さすがに二度目は警戒していました。


なぎさ「遠距離からの攻撃ならなぎさのほうが得意ですよ…――」

なぎさ「――試してみます?撃ち合い!」


あすみ「お断りっ!」


なぎさ「!」


 ラッパを構えた瞬間――

 鎖の音が響いたと思うと、足元の床から鉄球が現れました。


なぎさ(体勢崩させるのが狙い……ですか!)


 前方にはフレイルを振りかぶるあすみ。

 なぎさを直接叩くのが狙いではなく…―――


なぎさ(拘束!)

なぎさ「っと………!」

 間一髪避けました。


なぎさ「ッ!」

 しかし次の瞬間
 全方位から鎖が伸びてくる――!



あすみ「そろそろ遊びは終わりにしよっか」


あすみ「一本避けたから躱わせたって油断した?」

あすみ「同時に出せるのはなにも一本だけじゃない。二本出せばすむこと」

あすみ「鎖拘束中は攻撃できないって言ったの、まさか鵜呑みにしてないよね」



なぎさ「……っ」

いつのまにかマミとなぎさのいる場所が鎖で雁字搦めにされている―――


なぎさ(なぎさの魔法はこの状態じゃ使えないものばかり……)

なぎさ(マミなら破れるでしょうか……? しかし、もう消耗が激しすぎる。回復でも魔力を使ってるのに)


 あすみが柄を伸ばし、棒高跳びのように使って高く飛び上がる。


 武器のモーニングスターを鎖のついたフレイル形態から、柄と鉄球のみのメイス形態に変える。

 そして、視界を覆うほどの大きさにまで巨大化させた鉄球を見た後――――



――――――そこで意識が途絶えた。



―――



あすみ「………」

QB「お疲れ様。1戦して消耗してたとはいえ2人はベテランだ。それに勝てるなんてすごいじゃないか」

あすみ「別に疲れてないし」

QB「でもさすがに派手にやりすぎたんじゃないかな。ここだけ大地震でも来たようだよ」

あすみ「どうでもいいよ。ワルプルギスの夜の後で半分壊れてるようなもんだし」

あすみ「うん。ていうかさ」

あすみ「戦ってるときのほうが楽…… かな」

あすみ「そっちのほうがどうでもいいか」

あすみ「行こう。仕事はまだ終わってない」



―――

―――

 インキュベーターなんていう仕事に付き合い始めたのは、いつからだったか。


 それまでは好き勝手暴れたい放題やっていたが、それではつまらないことに気づいた。
 圧倒的な力で捻じ伏せたり魔法で無理矢理絶望させようとするなんて、あの男と同じだ。品が無い。
 それに、そんなことを続けていてもすぐにバレて狙われてしまう。

 人はみんな醜い心で出来ている。

 何もしなくても破滅しやすい環境というものはある。大抵、人間達の醜い心が産んだ不幸だ。

 私はただ少し環境をいじってあげるだけ。
 最終的に、悪いのは人々の心の醜さで、きっかけはあすみとしても、自滅していったのは乗り越えられなかったその人たちのせい。

 必要な時には実力も使うけれど、基本的にそれがインキュベーターとしてのやり方だった。


あすみ「私、その仕事手伝うよ」

QB「魔法少女の君が僕らの手伝いかい?」

あすみ「ちょっと違う」

あすみ「私と契約してインキュベーターにしてよ、ってところかな?」

QB「君が僕に契約を迫るとは。しかし、インキュベーターか。
   確かに君の魔法はインキュベーターとしては役にたつ魔法だろうね」

あすみ「ただし、私もインキュベーター、貴方達と同じ存在として扱うんだから……
    情報の共有はしっかりしないと」

あすみ「それから、インキュベーターとして動いているときの私は立場上魔法少女じゃないんだから」

あすみ「わかってると思うけど、私に不都合なことは“魔法少女”たちに言わないでね」

あすみ「以上を踏まえて、契約してくれる?」

QB「なかなか面白いことを言う」

QB「但し、こちらからも条件をつけさせてもらうよ」

QB「インキュベーターでいるからには常に君個人の感情より仕事を優先すること。
   勝手な行動も許さない。僕らの指示には従うことだ」

QB「以前のように、カッとなったからといって魔女化もさせずに頭数を減らすようなことも禁止だ」

あすみ「わかってるって」

QB「いいよ、君と契約しよう。君も今から僕たちの仲間だ」



 神名あすみは2度契約した。
 一度目は魔法少女の契約を。二度目はインキュベーターの契約を。

 一度目の契約は、ここから少し前に遡る。


 その日はいつもより傷が痛んだ。

 教室のストーブの炎を見るたびに、腕を焼いたライターの火を思い出して恐怖した。
 夜から続く頭痛の原因が外傷のせいか、熱のせいか、精神的なものなのかもわからない。

 とにかく全身がひどくだるくて痛くて倒れそうになりながら、それでも学校に行った。
 学校も居心地が悪かったが、学校では暴力は振るわれないだけマシだった。


あすみ「本当に…… これで願い事が叶ったの?」

QB「うん、間違いなく願いは遂げられた」


 このぬいぐるみが現れたのは、ついに意識が朦朧として痛みもぼやけてきた頃だった。


『僕の名前はキュゥべえ。何か困っているのかい?
 僕と契約して魔法少女になってくれればなんでもかなえてあげる』


 ふざけてる。あすみはそう思った。
 自分の心が生んだ幻なのかもしれないとも思った。


『だったらたすけてよ……』

 あすみはキュゥべえに話しかけられたとき、そう言おうとした。

 もしかしたら、この願いで契約したらまた違う未来もあったのかもしれない。


 しかし、言わなかった。
 助けを求めたら救われるという、そんな希望すらこのときのあすみは持ち合わせていなかった。

 あすみはその“まやかし”を否定した。けれど、消えることはなかった。


 そうして言ってしまった“願い”


『私の知る全ての人間を不幸にしてほしい』


 これがどこまで本気だっただろうか。
 本当に叶うと思ってなかったからこそ、こんな本心が言えたのかもしれない。



あすみ「―――キュゥべえ、この事件って本当なのかな?」

QB「それは僕にはわからないよ」

あすみ「ううん、そんなのどっちでもいいや! 本当にすごい!」

あすみ「このまま返ってこなくなっちゃえばいいのに……」


 純粋に、殴られないですむと思うと嬉しかった。その時あすみは幸せだった。
 後日、業務上横領の罪で逮捕されたことが新聞にまで取り上げられていた。



 でも結局、数日後には帰ってきた。男は会社をクビになった。

 家には借金だけが残った。


 「おいあすみ、こっちこい」

あすみ「どうしたの?」


 意味もなくストレス解消に殴られたり焼かれたりする頻度が増えた。


 この男は不幸に出来たけれど、束の間の幸せは消え、私も不幸に逆戻りとなった。
 私がした願いは自分を幸せにする願いではなかったのだと改めて認識させられてしまった。


 でも大丈夫だった。魔法少女には感覚を遮断できる機能があった。
 だから不幸だと思わなくてすむようになった。


あすみ「…………」

 「なんとか言えよオイ!うめき声の一つでも上げてみせろや!マグロかお前はよ!」


 悲鳴を上げるとうるさいと怒るくせに。


 「こちとらストレス溜まってンだ! ガキはいいよなぁ気楽で、俺の大変さなんか知りもしねえんだからよ!」

 「俺がこんなに不幸な目にあってんのにお前だけが幸せになれると思うなよ!お前は一生俺のサンドバッグでいりゃいいんだよ!」



あすみ「ふっ…………」


 「!! なんだこいつ、笑ってやがる…… 気味の悪いガキだ」


 痛みだとか怖さだとかを取り払って改めて観察してみると、なんだかこの男が随分と必死なように見えてしまった。

 この人は今、紛れもなく不幸だ。

 そう思うと、不思議と良い気持ちになってしまった。
 もう自分が幸せじゃないことなんて気にならないくらいに。


―――これが、私がどんどんズレていくきっかけだったのかもしれない。


---------------------
今日はここまで
14日(日)17時くらいからの予定です

―――
ほむらの家



あすみ「起きてほむらさん。ただいま」

ほむら「あら、おかえり…… ってどうしたのよその2人の傷!ボロボロってもんじゃないわよ!」


 目に入ったあまりの惨状に、ほむらは思わず目を背ける。
 何か重い塊に押しつぶされたかのように、頭が、腹が、手足が、身体全体が潰れてひしゃげているのだ。


あすみ「……どうしたと思う?」

ほむら「え……? そうね、普通ならそんな酷いことにはならないわ。魔女に負けた……?」

あすみ「ベテランの魔法少女が2人もいるのに?」

ほむら「さやかは? 二人よりは傷は軽そうだけど、さやかの魔法なら2人を治せるかしら……」

あすみ「さやかさんは今なぎさちゃんの魔法で眠っているの」

あすみ「でも、それだけじゃない」

ほむら「……? 話が見えないわ」


あすみ「思ったより察しが悪いな。それとも、日和すぎたか?」

あすみ「あんたのことはこの中では割と好きだったのにな」

ほむら「え……?」

あすみ「私の必殺技見たことあるよね?
    『必殺ビッグハンマー』……もとい『絶望ビッグハンマー』 (笑)なぁんて」

あすみ「丁度あれにやられたって言われれば納得できるやられ方じゃない?」

あすみ「やったのは私」

あすみ「貴女が眠りこけている間にね」


ほむら「…………!?」

 そういえば、とほむらは考えはじめる。
 現状をまとめるために、頭をフル回転させる。

 いつまで寝ていた? 今は何時だ? どうしてずっと眠っていた?

 みんなはいつ集まってた? さやかはあれからどうなったのか?


あすみ「今は12時だよ。お昼時だね」

あすみ「ずっと寝ていたのは私の魔法。
    元々寝ていて敵対心もないほむらさんになら全く抵抗なくかけられたよ」

あすみ「さやかさんは恭介さんの心無い一言で失望して昨日から失踪して…… あ。これ見た方が早い?」

 あすみがほむらにスマホを投げ渡す。

ほむら「どうして私の……」

あすみ「スマホを持ってたか? …それも答えた方がいい?言わないとわからない?」

ほむら「………」

あすみ「ここで問題です。どうして私は倒した獲物を貴女の前に持って来たんだと思う?」


ほむら「人質……?」

あすみ「正解」

あすみ「あ、魔法で動きを止めればどうにか出来るとか思わないでね。
    魔力結界張ってるから3秒じゃ破壊できないよ」

あすみ「それに、さっき眠ってるだけじゃないって言ったよね。
    ちょっと操作すれば魔女化させるのとか簡単なんだよね」

ほむら「……!」


 ほむらがいつになく険しい表情になる。

 さっきのやりとりからして、精神操作系統の能力を持っているのは確定だ。
 この脅しが本当かはわからないが、ハッタリと決め付けるのは危険すぎる。


あすみ「やっといい顔をするようになった。昔の貴女はいつもそうだったはずなのに」

ほむら「……昔の私を知っているの?」

あすみ「最初にこの家に来た夜、全て読み取った」

ほむら「な……」

ほむら「なんて悪趣味な……!」


あすみ「とりあえず、ソウルジェムちょうだい?」

ほむら「渡したら解放してくれる? 何をしたら返してくれるの?」

あすみ「さぁ。でも、渡してくれなかったらこの場で大事な友達が魔女になるよ」

ほむら「……」

あすみ「それとも嫌? こんな人たちのために命張るの」

あすみ「酷いことをたくさん言われて、醜いところをさくさん見てきたんでしょう?
    本当は苦手だって思ってたんだもんね」

あすみ「貴女って、見捨てることなんてなんとも思わない冷たい人間……いや、ただのゾンビなんだもんね?
    こんな奴ら死のうが魔女になろうがなんとも思わないのかな?」


ほむら「……あなたの言ってることは当たってるわよ」


 少しの沈黙の後、ほむらは素直に投げ渡す。
 これが罠だなんてことはわかっている。―――でも、そうするしかなかった。


ほむら「でも今は……今目の前に居るみんなは違う。
    私が失いたくないのは、みんなが幸せや暖かさをくれた今のこの世界だから」

ほむら「みんなは私のことを知っても受けいれて、一緒に戦ってくれた! 私の大事な仲間で友達よ!」

ほむら「見捨てられるわけないじゃない……!」

あすみ「ありがと」

ほむら「………」


あすみ「でも同じだよ。貴方がよぉく知っているように、みんな本当は同じように脆くて醜い」

あすみ「さやかが上条恭介に振られたって聞いたとき、焦ったでしょう?
    『またいつものようになるかもしれない』って」

あすみ「私がいなくたって、さやかはいつか魔女になってたよ。
    同じような状況になったら打ち勝てない」

ほむら「まさかさやかのこともあなたの仕業なの!?」

あすみ「私は恋する二人のことをちょっと後押ししてあげたってだけだよ?」

あすみ「さやかが追い込まれたのは上条恭介の無思慮さのせい。
    あれだけ最初に覚悟したはずの失恋を乗り越えられなかったさやか心の弱さのせい」

あすみ「きっかけは私だとしても、結局“自滅”しただけなんだよ」


あすみ「それに、見たでしょ? あの最初にあの街で追ってた事件。あれもそうだった」

あすみ「あの子が友達の元カレと付き合ってたって話、あれ最初はただの噂だったの」

あすみ「もちろん噂を流したのは私」

あすみ「でもそんな噂なんて否定すれば済むことなのに、
    元カレのほうは否定するどころか、噂を本当にしようと告白しちゃったのね」

あすみ「そんであの子のほうも断れずに…… まあ、この後は知ってるとおり」

あすみ「あれは醜かったよね! 友達や後輩まで使って部活にも学校にも居場所なくさせるなんて酷いっ!」


 あすみは楽しそうに話す。笑い話でも話すように。
 そんなあすみを見て、ほむらは今まで見たどんな人間よりもどす黒く、むしろインキュベーター以上に危険な存在だと思った。


ほむら「黙りなさい…… あなたには避難する資格なんて無い」

ほむら「あなたは歪んでいる。歪みすぎている」

ほむら「目的は何? そもそも杏子に近づいたのは何故? 親が魔女に殺されたというのは嘘だったの?」

あすみ「あれは親じゃない。杏子が勘違いしただけだ。そのほうが都合が良いから親ってことにしておいたけど」

あすみ「でも保護者がいなくなって行く宛てがなかったのは本当。偶然そこに現れたのが杏子だっただけ」

あすみ「……でも、あいつが死んだのも私の願いのせいなんだけどね」

あすみ「あの男が魔女に食われるの見て内心スカッとしてたよ。全然悲しくなんてなかった」

ほむら「お前……!」

あすみ「勘違いしないでよ?
    何も知らないあんたに口を出されると今すぐ惨殺してやりたくなるほどムカつくから」


あすみ「―――私の仕事は違う。
    貴女には死んでもらうんじゃなくて、魔女になってもらう」

ほむら「……!」

あすみ「そろそろ話も飽きたでしょう? 今すぐあなたを絶望させてあげるッ!」

あすみ「わかってると思うけど、人質を助けてあげる気なんてさらさらないんだよねッ!」

あすみ「みーんな魔女になっちゃえ!」



――――その瞬間、何か罅の入ったような音が聞こえた。
どこからだろう? ソウルジェムから?

いや……


あすみ「え!?」


 大きな音を立てて、何か巨大な丸太のようなものが壁を突き破ってくる。
 これは――――


 壁が壊れると、そこに立っていたのは―――


ほむら「杏子!」


 杏子は返事を返さなかったが、その代わりに
 直後にあすみの真下の床から槍が突き出した。


杏子「何してんだ!早くソウルジェムとそいつら回収しろ!」

ほむら「え、ええ!」


あすみ「な……ッ なんてタイミングで邪魔を!」

ほむら「あった! 私が3秒動きを止める!」


 さきほどの攻撃でソウルジェムはあすみの手から落ちていた。
 咄嗟に拾って変身し、魔法であすみの動きを止める―――!


あすみ「……―――!」

 3秒の間に杏子が多節槍の鎖であすみを縛り上げ、
 ほむらは人質3人を回収しに行く。攻撃を受けたショックで魔力結界ももう解けていた。


杏子「駅で事件起こしたのもこいつか? そのせいでここまで来るのに手間取ったが」

杏子「ちょっととんでもないこと聞いちまったからな……!」

ほむら「本当に助かったわ、ヒーローみたいねあなた」

杏子「縛ったくらいじゃまだ悪あがきしかねない。ソウルジェムを…――」

杏子「…無い? 隠してやがんのか!?」

ほむら「まずい、もう3秒経つ――!」


あすみ「――――ハッ!? はぁっ、はぁ…」

あすみ「くっ……!」


杏子「っ! なんだ、鉄球!?」


 近くに居た杏子やほむらを狙ったのではない。あすみの狙いは自分だった。

 あすみは鉄球をぶつけて自分の身体ごと鎖を壊す。
 左半身を犠牲にして逃げようとする。


杏子「待てッ! 逃がすか!」

 動きを遅くしようにも、停止に魔力を使いすぎた。魔力を回復しなくては……
 しかしここで逃がすわけにはいかない……!


*「な、なんださっきの衝撃は! 何が起こった?!」

*「壁に穴が開いてる! テロか!?」


 同じアパートの住人や近所の人がわらわらと出てくる。

 あすみは通行の邪魔になった人に容赦なく棘鉄球を浴びせた。
 あすみにとってはただの邪魔物だとしても、ほむらにとっては知り合いだ。


ほむら「!? やめなさい! その人たちは関係ないでしょう!」

あすみ「来るな! ついてくるなら関係ない人たちが大勢死ぬことになるぞ!!」

杏子「チクショウ、どこまでも汚い奴だな! おいほむら、どうすんだよ!?」

ほむら「……っ」


 躊躇っている場合じゃない。わかっているとしても……

 ―――結局、逃がしてしまった。

―――
―公園


 なんだか、とても深い眠りに入っていた気がします。
 目を覚ますと、どこか茂みに囲まれた場所にいました。


なぎさ「………あれ? ここは…」

ほむら「よかった、気がついたのね……」

なぎさ「! そうだ、あすみが……!」

杏子「あすみの件については知ってる。結構追い詰めたんだけどな…… 逃がしちまった」

ほむら「あなたたち二人がいて負けたことを考えると、まともに戦ったら相当強いんでしょうね」

ほむら「とはいえ、こちらは5人……。万全の準備でかかれば倒せなくはない」

ほむら「杏子と2人だけであのまま戦って勝てたかもわからないしね」

ほむら「問題はあすみがどこへ逃げたかということだけど……
    なんにせよ、あんな危険な存在を放っておけるわけがない」

ほむら「……ところであなたも含めて5人として考えていいのよね? 杏子」

杏子「元々こっちの問題だ。さすがにここまで来て見捨てるほどクズじゃねえよ」

ほむら「それならよかった」

ほむら「それと、さやか。あなたはどうするの」


 そういえば傷が治っています。
 これもさやかが治してくれたのでしょうか?

さやか「………」


さやか「あたしは…… わかんない」

さやか「目が覚めたらここにいて、2人が死んでるんじゃないかってくらいボロボロになってた。だからとにかく治さなくちゃって思った」

さやか「……なんだか昨日街中を彷徨ってた時から意識がぼんやりしてて
    なぎさやマミさんにひどいことを言ったりやったりした覚えがある」

さやか「昨日のことから全部悪い夢みたいな気がしているけど、そんなことはなくて……」

なぎさ「もういいのです。それより、あの時さやかの心が暗い気持ちに支配されていたなら、もう一度言います」

なぎさ「私たちは何があってもさやかのことを見捨てません。
    あなたがいなくなったら、周りに居る人みんなが悲しみます。もちろん私達もです」

なぎさ「だからどうか…… 絶望に負けないでください」

杏子「ちょっとだけ話は聞いたけどさ、あんた、こんな自分だけ犠牲になるような終わり方は辛いって前に言ってたじゃないか」

杏子「あの時あんだけあたしに説教したんだ、ここで諦めんのは卑怯だぞ」

さやか「……わかった。もういいよあんな奴! いつまでも悩んでんのが馬鹿らしくなってきた」

さやか「これだけ心配してくれる人がいて、あたしの幸せは他にもあるんだもんね……」

さやか「こんなんで絶望してやるもんか…… あんまりすぐには立ち直れそうにないけど」

なぎさ「はい! 私達も支えますよ!」


なぎさ「そういえば、マミは?」

ほむら「もうすぐ来るんじゃないかしら」

マミ「みんな、お昼買ってきたわよ」


 言ったそばからマミがこちらに走ってきました。
 手にはコンビニの袋を持っています。


ほむら「マミ、寝起きの一言目が『おなかすいた』だったのよ」

マミ「ちょ、ちょっと! その言い方じゃ私が食いしん坊キャラみたいじゃない!」

マミ「実際、もう15時よ? この時間まで何も食べてないんじゃおなかすいて当然よ」

なぎさ「それもそうですね。お昼食べながら今後の作戦会議でもしましょうか」


 サンドイッチの包装をはがしてかぶりつく。
 おなかがすいているときの食事はいつもよりおいしく感じる。


ほむら「まず…… 杏子があすみについて知ってることを話してもらってもいいかしら?」

杏子「ああ」

杏子「あすみと同じアパートに住んでるっていうおばさんに声をかけられて、話してるうちに家の場所を知ったんだ」

杏子「そんで、行ってみたんだが…… 『神名』なんて表札はなかった」

なぎさ「偽名でしょうか?」

ほむら「いや、さっき聞いた限りでは一緒に暮らしていた男っていうのは親じゃないって言っていたわ」

杏子「色々と複雑な家庭らしいんだが、先月引っ越してきた時からその保護者のほとんど姿を見たことがなくて、
   しかも横領で捕まったことがあるなんて噂があったらしい」

杏子「……まあ、その時はもう関らない気だったし、それ以上調べる気もなかったんだけどな」

杏子「だが、あれから偶然古新聞でその事件のニュースを見つけて」

杏子「引っ越してくる前に住んでいたところがわかって、見滝原に行く途中の街だったから少しだけ寄ってみたんだ」

杏子「そこで見つけちゃったんだよ。あすみがその街で魔法少女やってた痕跡を」


マミ「……ちなみに、その痕跡って?」

杏子「魔女から助けてやったらやたら怯えてる奴が居て。
   最初は魔女に襲われたのがそんなに恐かったのかと思ったが、どうやら“魔法少女”自体にただならぬ恐怖をもってるようだった」

杏子「話を聞けば、数年前魔法少女やってた友達が他の魔法少女と言い争いになって殺されたとか言いやがる」

なぎさ「それが……」

杏子「ああ。そいつの特徴がどう聞いてもあすみだったんだよ」

ほむら「……あのときのやりとりからしても、本性は割とキレやすい性格みたいね」

杏子「まあ、はっきりと痕跡が残ってるのはそれだけだったんだけどな。途中から足つかないようにやってたんだろうな」

杏子「あの街と同じようにやたら失踪は多かったみたいだよ。しかも、先月からは止んだっつってた」


ほむら「……なぎさとマミの2人でもやられた以上、これからは単独行動どころか別れて行動することすら危ないわ」

ほむら「あと、私も暫くあの家には戻れない。
    居候が増えて悪いのだけど、少しの間なぎさの家に泊めてくれないかしら」

ほむら「その…… マミと違って家事もできなくて悪いのだけど」

なぎさ「はい、今日お父さんに話してみますよ」



・自由安価


下2レス


なぎさ「ほむほむ、あすみは『私たちを魔女にできる』と言ってたんですよね?」

なぎさ「となるとあすみの能力は精神操作、もしくは幻覚のようなものでしょうかね?」

なぎさ「魔法少女にかけて嫌な過去や絶望しそうなトラウマを見せるとか…
    なぎさの場合だとお母さんが亡くなる所を延々と見せ続ける、といった感じでしょうかね?」

なぎさ「なぎさの推測どおりなら厄介な能力なのです…」

ほむら「精神を操作する能力を持っているのは間違いないわね。
    心や記憶も読めるみたいだったし、そういうことが出来てもおかしくない。応用の幅が広いのかも」

ほむら「それから、警戒心や敵対心がなかったり、弱っているほど効きやすいみたい。
    もしかしたら、ソウルジェムの濁り具合とかも関係あるのかしら?」

杏子「厄介だな。だが、もう正体知ってるんだ。完全に騙されてた今回とは違う」

さやか「心を強く持たなきゃ…… だね」

なぎさ「何にしても、あすみは既に人として外道というべきところまで踏み込んでいます。
    先ほどの話によれば逃げる際一般人にまで平然と攻撃をしたとか…」

なぎさ「また、彼女の性格からしてこれまでも相当の犠牲者を出してきたと思われますので、
    これ以上犠牲者を出すわけにはいきません」

なぎさ「…見滝原の管理者として、彼女は斃さなければいけません。彼女を拘束した際にソウルジェムはなぎさが砕きましょう」ギリッ

マミ「ええ、嫌な役回りだろうけど…… 今回ばかりはそうしなくてはならない」

ほむら「しかし、さっきもそうしようとしたけれどソウルジェムが見つからなかった。
    それに拘束したからって油断はできない。あまり手間取っているとまた逃げられるわよ」


なぎさ「あすみの次の行動は何でしょうか?」

なぎさ「私たちを人質にしてほむほむに脅しをかけたとなると、また人質をとるかも知れないのです」

なぎさ「だとすると私たちに深く関係していて、あすみが知ってる人となると…まどかと上条さんが危ないかもしれません!」

なぎさ「ほむほむとさやかのスマホの中身を見て2人の電話番号やメールアドレスを見て呼び出したりするかもしれません」

なぎさ「すぐに2人に連絡してあすみの素性を話して注意しましょう!」

ほむら「ええ、私がまどかに連絡をとる。あなたは上条恭介のほうに連絡をして」

ほむら「あすみの正体の件と、それから一応さやかが無事だったことも伝えましょう」

なぎさ「はいっ」



―――

―――
―???


あすみ「――………クソッ! クソッ!!」

あすみ「なにこれ、ありえない………私が負けて逃げるとか。かっこ悪いかっこ悪いかっこ悪いかっこ悪い……」

あすみ「………わざわざ全員魔女化させようとしたから負けたんだ」

あすみ「もう小細工はしない。でも手段も選ばない。こうなったら今度はなりふり構わず全員ぶっ殺す」

あすみ「それに」

あすみ「絶望させられそうな奴ならまだいるじゃない」

あすみ「これで全てを終わらせてあげる……」


―――

----------------------
ここまで
17日(水)20時くらいからの予定です

―――――
――――


 「あすみィーっ! 喜べ!俺は今最ッ高に気分がいい!」

 大きな袋を持って男が帰ってくる。
 中にはぬいぐるみと大量のチョコレートが入っていた。

 いっつもビクビクしながら暮らしてるくせに、今日は嫌に機嫌がいい。酔ってるのだろう。

あすみ「………またパチンコか」

あすみ「そんな金ないくせに。生活どうするの?今日もまた取立ての怖い人来てたよ」

 「そんなこと知るか!メシがまずくなっちまう! とにかく今日はいいもんが手に入ったんだ!」

あすみ「それがメシ、ね…」

 こいつに生活保護をやってる政府も、金をドブに捨ててるようなもんだなと思った。

 「気分がいいからお前にもやるよ、ホレ、食え食え」


あすみ「………」

 頼んでもいないのにチョコレートを口元に押し付けてくる。

あすみ「いらないそんなもの!」

 「ンだよ! 人がせっかく親切にしてやってんのによ!」

あすみ「別に頼んでないでしょ……」

 「大体お前はいつもどこで食ってきてんだよ! 友達の家か!?」

 「いいよなぁ、いいよなぁお前は! 俺のほうはアレから知り合い全員連絡つかなくなったんだからよ!」

 「俺は悪くない!俺を嵌めた馬鹿と、あいつらのほうを信じる社会の馬鹿が全部悪いってのに!」

あすみ「……」


 「クッソ、馬鹿にしたツラしやがって!どうせお前も俺を見てざまあみろとか思ってんだろ」

 「本当お前みたいな気味の悪い奴引き取るんじゃなかった!さっさとそこらで野垂れ死ね、バァーカ!」



 一度“反抗”してからは暴力を振るってくることはなくなった。


 今なら私が負けることなんてない。
 でも私は別にこの男を暴力でどうこうしようとは思わない。


 決して、『仕返しなんかしたってしょうがない』だとか奇麗事を考えているわけじゃない。


 私が自らの手で痛めつけたって面白くないし、最早そんな必要もなかった。


 こいつはもうとっくに奪う側じゃなくて奪われる側で、
 私は奪われる側じゃなく奪う側なのだから。


―――『自分の知る全ての人を不幸にすること』。
これが私の願いですべてのはじまりだった。


 あの男は今では無職で借金塗れのくせにパチンコに入り浸る人生の落伍者だけど、

 元は、友人の亡き妻の娘を引き取って虐待していたということを除けば、

 そこそこの会社で働いている、どこにでもいそうな極普通のサラリーマンだった。



 しかし、私の願いによって男の人生は一気に崩壊した。


 会社の金を横領したという濡れ衣を着せられて会社をクビになったあとは、
 何件受けても再就職先が見つからず借金は膨れ上がり、荒れに荒れた。


 当然虐待も悪化したけれど、魔法少女の肉体は便利で感覚さえ切っていれば何も気にならなかった。


 とはいえあまりに絡んでくるのでさすがにうざくなってきた。

 そうしていつの日か、こちらのほうが力が上だということを思い知らせてやった。

 あの男の唯一のストレス解消方法を奪ってやったと思うと良い気分だった。

 その時にはもう『恐怖』なんて感情はなくなっていて、
 以前のような、怯えることしかできない弱い私は完全に居なくなっていた。


 そして、今のような状況になっている。


――喚く男を無視して別の部屋に向かう。
冷蔵庫の中にも何も入っていない。電気が通ってないのだから当たり前だ。


あすみ「……いいや。食べ物がないなら魔力で補えばいいじゃない」


 今ならやろうと思えばもっとマシな生活が送れる。
 それでも私は今から幸せになる気などもうなかった。

 あの願いをしたときからそんな道はもう消えていたのだろう。


――――
――それから2年くらい経っただろうか。


 今の場所に越してきて1ヶ月程度。
 一戸建てだった前の家とは違い、今は駅から近いくらいしか良いところのない、
 電車と踏み切りの音のうるさいボロいアパートに住んでいる。

 前の家は“不幸にも”火事になってなくなった。2人とも外出中だったのは“幸い”だろうか?
 あの男にとってはさっさと死んでいたほうが楽だったかもしれない。


 どっちにしても、今あの男は死んだように生きている。

 最早荒れるだけの気力も体力もなくなり、パチンコにも行かなくなった代わりに

 ただただ無気力な引きこもりのニートと化した。


あすみ(その方がこっちとしても楽、か……)


 そのおかげで少ない生活補助もほとんど私が管理できるようになった。
 パチンコの件が知られてからは減額されたが、私はともかくこの男にとっては大事な生命線だ。
 多分、今この男は私が面倒を見ないと生きていけない。



 今になって思う。
 私がまき散らした呪い。あの願いは復讐だったのだろうか。

 だとしたら、どこまでいけば私の願いは叶うのだろう?


 「…………」


 考え事をしていると、ふと男が立ち上がった。
 ふらふらとどこかへ歩いていく。向かう先は外のようだった。


あすみ「……珍しいね。どこ行くの?」

 「……行かないと」

あすみ「……答えになってねーよ」


 虚ろに返事をした男の後をついていく。

 ――ーその先がどこかはもう気づいていた。

 どんどんその気配は強くなる。―――男が向かう先は魔女結界の中だった。


 これがこの男の最後の不幸らしい。
 あんだけ威張り散らしてた男が、最後には私の餌の餌になってしまうらしい。

 死ぬまで不幸は終わらない。そしてこれで私の願いは完成する。

 最後の不幸として納得できるものだった。


 ―――なんて傑作なんだろう!


 だったら今までどおり最後までただ見届けよう。私の願いの結果を。


――魔女結界の中、男は目の前に化け物が居るというのにその場で突っ立っている。
私は変身するでもなく、ただ男が魔女に食われる様を傍で見ていた。


 やがて目の前の恐怖に気づいて目を見開いたときにはもう遅い。


「――…す… み……ィ…――…!」

 最後に男は私に助けを求めるように手を伸ばした。
 そしてそのまま魔女の口の中へ。


 ―――助けを求めるように? 今更。助けるわけないじゃん!

 でもあれから3年間観察するのはちょっと楽しかった。

 この3年間、“生かしておいた”わけじゃない。3年かけてじっくりと殺していた。

 そして今完成した。今までの全ての時間はこの瞬間のためにあった。

―――

さやかの家


【17時】


 「どこ行ってたのよ! 本当に心配してたんだから……!」

さやか「ご、ごめんごめん。もう大丈夫だからさ」

 「本当に大丈夫なの? もし悩みがあったら相談して。もう一人で抱え込まないでよ!」

さやか「うん……」


 2人に連絡した後、さやかの家に寄りました。

 さやかは少し照れくさそうにしてますが、なんだかなぎさにはうらやましい光景です。


 「それに、こんなにたくさんの友達が探してくれるなんて。心配してくれる人がたくさんいるのね」

 「みんなありがとうね」


 あすみにはこちらのことをほとんど知られた状態、
 あすみがこれからどのような行動をするかはわかりませんが、おそらくこちらは受け身で迎え討つことになります。

 あまり離れるわけにはいかないし、集合住宅で戦闘になったらほむらの時以上にマズイことになります。

 これからどうしましょうか……


・自由安価

 下1レス

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寝落ちで連絡遅れました
次回は20日(土)18時くらいからの予定です


 やっぱり、このままじゃ安心して帰せません。
 テレパシーで少し作戦会議をします。


なぎさ『あすみの性格からして、手段を選ばずこちらに攻撃をしてくる可能性が高いと思うのです』

なぎさ『1人になったら確実にこちらの事情など気にせず、家族と一緒にいても家族ごと殺しに来るでしょう』

ほむら『あすみの目的は魔法少女を絶望させることだと言っていた……
    むしろ家族を人質にしたり、先に家族を殺して絶望させようと謀るなんてことは彼女がやりそうなことね』

なぎさ『はい。まどかと上条さんの身も気になりますが、私達がバラバラになるのもマズイと思います』

なぎさ『最低でも2人は一緒にいた方がいいと思うので、
    さやかのところに1人…マミが一緒にいた方がいいと思うのですが…みんなはどう思いますか?』


マミ『私と美樹さんか……』

マミ『……』

 母親と話すさやかを眺めながら、マミが考え込む。

なぎさ『どうでしょうか?』

マミ『正直、それでも襲われたら厳しいかもしれない』

マミ『美樹さんはまだ新人、それに、先手を取れないこちらの状況は不利』

マミ『また人質として使われるなんてことだけは避けたいけれど……』


 「あ、もしかして待たせてしまったかしら?
  それとも、何かまだ話があるようだったら上がってく?」


さやか『ど、どうしようか?』

杏子『しかしなぁ…… さやかは昨日から失踪してたって話じゃないか。今からまた外泊だなんてどう説明つけんだよ?』

杏子『それに、なぎさの家だってそんなに広くはないだろ』

マミ『それもそうなのよね』

マミ『……こちらもできるだけ対策は練っておく』

マミ『あなたたちも気を付けて』

―帰り道


 さやかとさやかのお母さんに挨拶をして別れました。マミはこのまま上がらせてもらい、一緒にいてもらいます。
 あまり決着が長引いたときは、また何か考えなければいけませんが……

 朝から歩き回って戦って、もう日も暮れる時間。だいぶ疲れは溜まってますが、まだ気を抜くわけにはいきません。


なぎさ「杏子はほむほむと一緒にうちに来てくれますよね?
    一人で戦える相手じゃないってことは私たちの話からもわかってると思いますが……」

杏子「そりゃあたしだって戦うなら無謀な戦いはしたくないが、ほむらも泊まるんだろ。2人もいいのか?」

なぎさ「2人ぐらい平気ですよ。今は学校もないんですし、たぶんオッケーもらえます」

杏子「そういや学校ないのか」


 その後無事に家に着いたなぎさたち。
 しかしこの後、重大なことに気づきます。

―自宅


ほむら「お風呂上がったわ」

なぎさ「これで全員入れましたね。やっぱり、疲れを癒すなら寝るかお風呂が一番です!」

ほむら「ドライヤー使わせてもらうわね」

なぎさ「どうぞー…… って、ちょっと待ってください、杏子髪乾かすの適当すきますよ!」

なぎさ「せっかくこんなに伸ばしてるんだから、もうちょっと気を使いましょうよー」

杏子「いいんだよこれで。そのうち乾く」

なぎさ「ほむらはきれいな髪してますね」

ほむら「あまり気にしたことはなかったけど」

なぎさ「………」


なぎさ(まったくこの2人は………)

なぎさ(さて、そろそろおなかすいてきました)

なぎさ(今日の夕食はどんな料理が食べられるのでしょう)

なぎさ(―――あれ? ちょっと待つのです)

なぎさ(よく考えたら料理できる人1人もいなかった)


杏子「腹減ったな」

ほむら「今日はお昼食べたのが遅かったけど、もうそんな時間なのね」


なぎさ(考えてみたら、マミが来てから
    待ってたらおいしい料理が出てくるのがあたりまえになりつつあったのですね)

なぎさ(お母さんが元気だったころのように……)

 マミがいたことで非常に助けられていたということが改めて感じさせられます。

なぎさ(……待ってても料理は出てこない)

なぎさ(どうしましょうか?)


1買いに行く
2なんとか自分たちで作る
3自由安価

 下2レス


なぎさ「今日はマミがいませんからね」

ほむら「そういえば、いつもはマミが居たわけね。何か買いに出る?」

なぎさ「や、こんなときにはなぎさがはりきっちゃうのです!」

なぎさ「とりあえずおなかがふくれそうなアップルパイとかでどうでしょう?」

杏子「あたしは構わないけど」

ほむら「じゃそうしましょう」




なぎさ 魔力[90/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


 大きめのアップルパイを出して、みんなで切り分けます。
 お父さんの分はラップに包んで冷蔵庫に入れておきました。


なぎさ「どうでしょう、お味は!」

ほむら「ええ、おいしいわよ」


 杏子から返事はないものの、がっつくように食べています。

 ……そういえば、杏子は私たちと離れてから一人でどんな生活をしていたのでしょう。
 お菓子などを食べている姿はよく見ましたが、今まであまりちゃんとしたものを食べてなかったのかもしれません。


なぎさ(仲直りできたら、こういうスイーツもいいけどマミの料理も食べさせてあげたいな……)


杏子「んー、食ったっ」

なぎさ「おかわりもありますよ」

杏子「おう」


 私たちをだましていた敵だけど、ずっと一人で生きようとしてた杏子の心を溶かしたのはあすみ。
 ……そう考えると不思議なものです。

なぎさ(あすみにだまされていたと知って、一番辛いのは杏子なのですよね)

なぎさ(杏子はあすみのこと、どう思っているのでしょうか……)


杏子「……なんか」

杏子「久しぶりだな、こういうの」

なぎさ「そですねっ こうして一緒にスイーツを食べるの、久しぶりです」

なぎさ「……今日は、ほむほむのこと助けてくれてありがとうございました」

杏子「結局逃げられちまったけどな」

ほむら「でも、あなたが来てくれなかったら私たちは全滅していた」

杏子「勘違いすんな。あたしがここに来たのもあの時戦おうと決めたのも、あたしのためだよ」

杏子「もともとあいつの標的はあたしだった。あんときだって、お前らを始末したら次に狙われたのはあたしだろうな」

杏子「おまけにあいつ、キュゥべえから情報もらってるんだろ?きっとどこまでも追っかけてくるぜ。放って逃げらねえだろ」

 素直じゃない言葉ですが、ちゃんとわかっていますよ。
 それもあるけれど、きっとそれだけじゃない。

 だって杏子は、あすみのためとはいえ私たちと一応の和解をする気で見滝原の来たのですから。



 食事中の話題

・自由安価

 下2レス


なぎさ「二人ははあまりあすみの戦いを見たわけではないんですよね?」

ほむら「ええ、あれじゃまともに戦ったとはいえないでしょうね」

杏子「すぐ逃げられたからな。まさか自分ごと攻撃して逃げるとは思わなかったが……」

なぎさ「戦ったときの状況について詳しく話しておこうと思いまして」

―――――…

 武器の変形、鉄球のみを飛ばす射撃技、なぎさの敗因である何重もの拘束など……
 使った技や戦闘の方法や技術など、駅での戦いの時の詳細を話しました。

―――――…

なぎさ「私が見たのがすべてってこともないと思うので、とにかく油断はできませんよ」

なぎさ「接近戦では5人の中で杏子が1番のベテランです、あすみの戦い方で何か思うことはありますか?」

ほむら「杏子の槍も似た武器ではあるわよね。いくつかあなたも参考にできるんじゃない?」

杏子「そうだな、あいつの戦いを参考にするってのも複雑なもんだが……」

 ……すべてが嘘だったとはいえ、今まで弟子だと思っていた存在ですからね。

杏子「……もしかしたら、あいつのほうがこの業界長いのかもな」


なぎさ「あと、2人はあすみのソウルジェムがなかったといいましたが杏子は見たことありましたか?」

杏子「もちろん前に見てたソウルジェムの位置を確認したさ」

ほむら「ええ、前に私たちもソウルジェムの色を確認するときに見たわよね。そこにはなかったわ」

なぎさ「あすみはあのナマモノとつるんでるみたいですから、
    弱点とも言うべきソウルジェムを守る何かしらの方法をナマモノから聞きだしているのかもしれません」

杏子「ソウルジェムを守る方法……ねえ」

ほむら「服の中……とか? それくらいしか思いつかないわ」

なぎさ「そういえば私たちもワルプルギスの夜と戦うとき、衝撃で壊れないようにそうしましたっけ」


 しかし、服の中…… 戦いの中でそんな場所まで確認してる暇があるのでしょうか。


なぎさ(やるなら眠らせてから……ですかね)


なぎさ「ほむほむ、時間停止はもうできなくても盾はマジカル武器庫になってるんですよね?」

ほむら「ええ、最近は実弾が少なくなってきたところだけど……」

杏子「実弾って、魔法じゃないのかよ。え?じゃあどこから盗んだんだ?」

ほむら「杏子、世の中には聞かないほうが良いことがある」

杏子「………」

ほむら「銃が少なくなった分、爆弾なら今まで以上に在庫があるわよ」

なぎさ「あの爆弾自作なんですっけ。がんばってるんですね!」


杏子(ええ、さっきからなんなんだこいつ…… 聞かないほうがいいってやつか)

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もう遅いので、中途半端ですが次の安価に行く前に終了とします
次回は21日(日)17時くらいからの予定です

-------------
あ、ちなみにレーザーガンはここでも使えます
ただ消費魔力対威力を考えると爆弾のほうが優秀なので大めに作ってるだけです


なぎさ「まあそれはともかく、入れられるのは武器だけじゃないですよね?」

ほむら「ええ……まあ。武器以外にも入れてたりするわよ」

なぎさ「盾の中にまどかや上条さん、みんなの家族を匿うことは可能でしょうか?
    それができれば状況的になぎさ達が多少有利になると思うのですが」

なぎさ「…まぁ、その場合魔法少女のことを話さなければならなくなりますが」

ほむら「人くらいなら入れられるけど」

杏子「けど、一般人に魔法少女のこと話すのはやめといたほうがいい」

杏子「どうせそんなの話聞いたって理解不能な現象だ。
   昏倒させて無理やりにでもその武器庫とやらに詰め込んどきゃすむんじゃないのか?」

ほむら「……まあ、そうね。そんな話をして回るより昏倒させたほうが早いわね」


 「ただいまー、お友達来てるんだったね」


 ちょうどお父さんが帰ってきました。
 盾に入れるなら寝ている間に子守唄を使えば確実だと思いますが……


1話す
2話さない

 下2レス


なぎさ「おかえりお父さん! メールに書いたけど、今日はマミは友達の家にお泊りにいってるよ」

なぎさ「あと、夕食は冷蔵庫に入ってる。夕食っていうか、アップルパイなんだけど……」

お父さん「アップルパイか。たまにはいいかもしれないな」

ほむら「お邪魔しています。私まで泊めていただいてありがとうございます」

お父さん「家の付近でテロがあったんだってね。ニュースにもなっていた。とにかく無事でよかったよ」

お父さん「えっと……」

ほむら「あ、自己紹介遅れました。暁美ほむらです」

お父さん「うん、よろしくね。……あ、もしかしてマミさんのお友達?」

ほむら「はい」

お父さん「杏子ちゃんも久しぶり」

杏子「あぁ、久しぶり…… 」


 お父さんも杏子の家の事件のことは知っていますが、あえてその話題には触れず昔のように挨拶します。

 一通り挨拶を終えたら私たちは再び部屋に戻りました。


ほむら「それで、どうするの? 他はともかく、お父さんに話をするかはあなたの問題よ」

杏子「いや、でも……」

なぎさ「そうですね……杏子がおすすめしないのもわかります」

なぎさ「ただ今日明日で済む話ではないのも確かなのです」

なぎさ「何日も盾の中に入れてると、中に入れた人は浦島太郎みたいになってしまいます」

なぎさ「命がかかってるとはいえお父さんにはお仕事もありますし、
    無断でお仕事を休んでいたらお仕事がくびになってしまうかもしれません」

ほむら「まあ、クビは困るし長引くなら考えないといけないわね。
    無断じゃなくてもあまり長い間仕事は休ませるわけにもいかないでしょう」

杏子「仕事には行かせて家に居る間だけ入れとけばいいんじゃないか。
   さすがに親の仕事場まで邪魔しにいくほどセコいことしないだろ」

なぎさ「とりあえず今晩はお父さんを盾の中に入れて安全を確保しましょう」


 一応意見がまとまり、全員でうなずきます。


なぎさ「……さてっ、難しい話はいったんやめて今はスイーツ楽しみましょうか」

なぎさ「杏子、今日は本当にありがとうございました。
    杏子が来てくれなければ、なぎさ達は今頃あすみにやられていたでしょうし……」

なぎさ「というわけですので、杏子のリクエストに応えますので食べたいお菓子を言ってください!
    今なぎさができるのはそれぐらいですから」

杏子「……まあそこまで言うならお礼ぐらいは受け取ってやるよ。
   プリン、特別にデカイの頼むぜ」

なぎさ「はい、バケツプリンですねっ」



 食事を終えたあとは一気にパジャマパーティの雰囲気に。
 ……といっても、二人は昼の服のままですが。

 というか、ほむらの場合は今着ているのが寝間着なのでしょうか? そういえばそんな気もします。

 マミから無事の報告と、『私の着替え使ってもいいわよ』とメールがありましたが……


ほむら「……サイズが合いそうにないわね」

杏子「大して身長は変わらないのにな」

なぎさ「あ、そういえば今日の分の勉強やってない……」

ほむら「しょうがないわ。休日でまとめてやりましょう」

ほむら「………それにしても眠くないわ。昼まで眠らされていたからかしら」

なぎさ「私たちもまだすぐには寝ませんよ。パジャマパーティなんですから」



1自由安価
2定番の恋バナでも
3UNOでもやりましょう
4まくら投げしたい

 下2レス


なぎさ「眠くなる前に見張りの順番を決めましょう」

なぎさ「交代で2人が寝て1人が起きてる、こんな感じでいいでしょうかね?」

ほむら「なら最初の見張りは私ね。次は……」

なぎさ「じゃあ、私がやりますよ」

ほむら「頼んだわ」

なぎさ「眠気は魔力で補うことができますが、あまり長期間は避けたいところですね……
    神様がいてくれればよかったのですが」

ほむら「……確か気になる事件が起きたからそちらを調べたいと言っていたわ」

ほむら「あすみは昨日から私たちが分断されるように意図的に仕組んでいた」

ほむら「もし神様が昨日から見滝原にいてくれてたら、あすみの計画は成功しなかったでしょうね」

ほむら「というよりも、そんな計画は実行できない。
    私たちが見つける前に神様がさやかを助けてたかもしれないのだし、そうしたらあすみには最早手出しできない」

ほむら「このタイミングで、本当にその事件って偶然なのかしら」

杏子「それもあすみが起こしたかもしれないってことか?」

なぎさ「今回に限った話ではありませんが、いざという時神様と何とか連絡をとる方法を考えておきたいですね

なぎさ「といっても神様に携帯をもたせることはできませんし……何か良い方法を考えないといけないのです」


ほむら「物理的な干渉ができないというのは不便よね……」

なぎさ「……ということで相談は以上です。そろそろはじめましょうか」

ほむら「え?」

なぎさ「パジャマパーティ定番の恋バナでも」

杏子「恋バナ? ……そういうのあたしは興味ない、言い出しっぺのなぎさから話せ」

なぎさ「まあいいでしょう。まずなぎさの初恋は幼稚園のときですね。おませにもそのとき初チューとかしちゃってたりして」

杏子「最近の子はやいな!」

なぎさ「あ、ほっぺですけどね」

ほむら「なんだ」

なぎさ「杏子だってそのくらいの時はいたんじゃないですか?好きな人とか」

杏子「そんなん覚えてねーよ」


なぎさ「ほむほむはどうなのでしょう?」

ほむら「居るわけないわ。小さいころから入院生活ばかりでまともに学校に通ったことなかったから」

なぎさ「これからすれば良し、ですね!
    まどかと仲良くするのはいいのですが、学校が再開したらまどか以外の同級生とも仲良くしてみればいいのです」

なぎさ「じゃないと変な噂がたちますよ?」

ほむら「まどかの平穏を私が壊しちゃいけないわね。

      …………私は別にかまわないけど」

杏子「おい」

ほむら「言い寄ってくる男子はいたけど、まだそういう気持ちになれないし。
    そもそもほとんど話したこともない人ばかりで、私のどこに惹かれたのかもわからないし」

 ……顔でしょうか。

ほむら「私としては別に言いたいなら言わせておけばいいと思うのよ。
    仲良くしたい人と仲良くするほうが私にとっては大切だから」

なぎさ「ほむほむかっこいい!」

ほむら「……まあ、もし気になる人ができたらそういうことも考えなくはないけど」


 ほむほむの考え方も、以前とは変わりつつあるようです。
 まあ、これはこれでいいことでしょう。


 と、恋バナに盛り上がっていると廊下からお父さんの足音が聞こえてきました。


なぎさ「そろそろお父さんが来そうな予感!」ヒソヒソ

ほむら「別に聞かれてまずいようなことは話してないと思うけど……」

なぎさ「雰囲気ですっ!」ヒソヒソ


お父さん「盛り上がるのはいいけど、あまり寝るのが遅くなりすぎないようにね。おやすみ」


なぎさ「はいっ、おやすみなさい!」

ほむら「おやすみなさい」


 足音が遠ざかって、あたりがしーんと静まります。


杏子「…………そろそろしまいにいくか」


 なぎさの子守唄で完全に眠らせ、その間にほむらが盾の中に収納していきます。

 実は前にも効果のテストでお父さんに試したことがあったりします。
 実はその日は寝つきが良かったと好評だったりしました。


ほむら「これでここで戦闘になっても家族に被害が及ぶことはない」

杏子「こいつがやられない限り、な」

ほむら「責任重くなるような言い方しないで。
    ……でもそうね、万が一私がやられたら盾の中ごと消えてしまう」

なぎさ「まあ、なにもしないよりはずっと安全です」

なぎさ「では、なぎさたちもそろそろ寝ましょうか」


 部屋に戻って、布団に入ります。


ほむら「電気消すわよ」

なぎさ「はい」



・おやすみの前に
1自由安価
2「おやすみなさい」

 下2レス


なぎさ「逆に言えばほむほむを守りきれば大丈夫ということですからね」

なぎさ「ほむほむを守りつつなぎさかさやかの眠りの魔法であすみを眠らせればOKなのです」

ほむら「それはそうだけど……
    駅での戦いのとき、さやかやその場にいた一般人が眠っている中あすみは起きていたのよね」

ほむら「あすみの魔法はおそらく精神に関係するもの……
    対抗する術を持っていないともわからない。油断は禁物よ」

なぎさ「あすみは狡猾ですから私達5人まとめて相手をしようとは思わないでしょうから、各個撃破を狙うでしょうね」

なぎさ「逆に何とかしてあすみをおびき出す方法はないでしょうかね……」

杏子「おびき出す方法、か。あいつの行動パターンがわかればこっちからも動きやすいんだが」

ほむら「とにかく全力をぶつけるしかなかったワルプルギスの夜とは別種で手強い相手ね……
    魔法少女相手に戦うのって本当に厄介だわ」

なぎさ「では、いったんおやすみなさい」

ほむら「ええ、おやすみ」

―――
さやかのマンション 深夜


あすみ(……さやかの寝室はそこの窓際の部屋)

あすみ(―――今確実にそこに居る。さやかと…… キュゥべえからの情報通り、マミも一緒)

あすみ(マミの魔力も感じる。どうせくだらない浅知恵で私への対策でもしてるんでしょう)

あすみ(部屋中に薄く張り巡らされた魔力の気配……
    さしずめ触れたことを探知して拘束か何かをする糸の結界)

あすみ(あの部屋にいるけど、寝てなんかいない。臨戦態勢だ)

あすみ(私の魔力を感じ取ったら、すぐにでも迎撃するつもりなんだろう。
    警戒されていれば私の魔法も通じにくくなる)

あすみ(……でも、だからどうしたというの?)


 静かな夜の住宅街、マンションの一室で大爆発が起きる。
 警報機が鳴り響き一斉に周りの住民が飛び起きる。


あすみ「現代兵器を使えば済む話なんだよね!」


 あすみが撃った後の大砲を地面に放り、窓のふちへと飛び移る。


あすみ「魔力の小ささからして糸の硬度はほとんどない。今の一撃で全てぶち破れる」

あすみ「魔力で気づかれることもないし便利だよねぇ、暁美ほむらが愛用するのもわかるよぉ。だから私も盗んできちゃった」


 中に足を踏み入れても結界は作動しない。
 それどころか、2人とも突然の攻撃に変身すらする暇なく倒れている。


あすみ「そしてあなたたちももうボロボロ。余計なことする前に殺してあげる!」


 あすみがうずくまるさやかに近づき、容赦なくブーツでソウルジェムを踏み抜く。
 続いてマミの頭に鉄球を食らわせ、同じくソウルジェムをかかとで壊す。


あすみ「……もう思考も無い。物言わぬ死体ね」

あすみ「あっけなかったわね」



あすみ(……いや、魔力はまだ消えてない)

あすみ(まさか今の―――)


 あすみの足元にあった死体がぐにゃりと姿を歪めると、リボンの束となる。
 そしてそれはあすみの足を捕えようと襲う。

あすみ「!」

 あすみが気づき、とっさに跳んで躱した瞬間

さやか「でぇぇぇええいっ!」

 物陰からさやかが突進し剣をふるう―――


マミ「いいえ、それは物言わぬ物体よ。物言わぬ物体を攻撃して楽しそうね」

マミ「部屋全体に薄く魔力の糸を張っておいたのは、罠の役割以外に
   それが偽物だとばれないようにするためのフェイクでもあるの」

マミ「あなたのようなひねくれ者のことを考えて、罠は二重三重に張っておくものよ」

マミ「さすがに大砲なんて持ってくるとは予想できなかったけどね……」


 深く切り込まれる前にあすみがさやかの剣を結界で弾く。


マミ「そういえば、私たちのこと『魔女化』させるんじゃなかったの?」

マミ「それとも、昼佐倉さんたちに追い詰められたのが気に食わなくて仕返し?」

マミ「インキュベーターともあろうものが、ずいぶんと幼稚な思考で動くのね」

あすみ「ナメやがってっ! 超ムカつく……!」

あすみ「でも、ボロボロなのは変わらないよォッ!」


さやか「っ!」

 鉄球の強打を受けてさやかが大きく後退させられる。
 それでもまだ体勢を崩さず立っていられるのは、頑丈なさやかだからだろう。


マミ「お互い様ね。あなただって、さっきの美樹さんの不意打ちをすべて防げたわけじゃないでしょう?」

さやか「それに回復はあたしの得意分野! こんな怪我なんてすぐに治せるんだから!」


あすみ「……ふん」

あすみ「私だって、魔力を使えばこのくらいの怪我すぐ治せるんだよ!」

あすみ「続けようじゃない、大したハンデはないよ? まとも戦ったってお前らじゃ私に勝てない!」

あすみ「……ただ」

あすみ「親は起きてくるかもね?」


 廊下のほうから足音がする。


「さやか! さっきすごい音がしたけど大丈夫!?」


さやか「!」

あすみ「よそ見してる場合?」

マミ「美樹さん!」


 さやかが再び鉄球を食らわされ、半壊した壁へと吹き飛ばされる。

 しかし倒れた直後、廊下のほうへ向けて催眠の魔方陣が広がる―――


あすみ「しぶといな」

あすみ「!」


 あすみが床に落ちているものに気づく。さやかが吹き飛ばされた近く……
 スマホ―――それも通話中の画面になっている。


マミ「気づいたようね。2人だけじゃないわ」

 マミが右手に銃を構え、加えて何丁ものマスケット銃を空中に生成する。

あすみ「増援が駆けつける前に決着をつける」

あすみ「あいつらにはあなたたちの亡骸を見せつけて絶望させてあげるよ……!」



マミ(なぎさちゃん、暁美さん、佐倉さん…… 早く来て)



―――



―EX・9日目…………To Be Continued―



★浄化しました

なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[80/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


◆ステータス

[魔力コントロールLv5]



・仲間

マミ
[魔力コントロールLv5]  [体術Lv3] [射撃能力Lv20]

ほむら
[魔力コントロールLv5] [体術Lv2] [射撃能力Lv25] [精神系状態異常無効]

さやか
[魔力コントロールLv2] [格闘Lv3]

杏子
[魔力コントロールLv5] [格闘Lv20]



あすみ
[魔力コントロール:???] [格闘:???]

---------------
ここまで 次か次の次で最終になるかも
次回は24日(水)20時くらいからの予定です

―――

 街が寝静まった深夜。ほむらから見張りを交代してからそこそこの時間が過ぎました。
 最初眠くないと言っていたほむらも今ではぐっすりと眠っています。


なぎさ(うーーん)

なぎさ(こうも変わり映えのしない静かな景色を見続けていると……やっぱり眠たくなってきます)

なぎさ(車の通りなんかもほとんどないし……)

なぎさ(とはいえ、気を抜いているうちに襲われたらたまったものじゃありません。
    しっかりしないと……)


 虫の音も聞こえない静かな空間に、唐突に大きな電子音が鳴り響きました。
 携帯の着信音です。


なぎさ「わっ!? ……って、着信か。さやか……? まさか何か」

なぎさ「もしもし、無事ですか!?」

 『………』

 問いかけるけれど、返事はありません。

なぎさ「さやか!?」


 さやかからの返事がない代わりに、遠くにあすみの声が聞こえます。
 そして、さやかやマミが話す声も………


ほむら「さやかから? 何かあったの?」

杏子「奴が現れたのか!? あいつらのほうに?」


 この騒ぎに二人も起きてきます。

 さきほどの電話、直接会話はなかったけど聞こえてきた声で状況はわかりました。
 二人ともまだ無事ですが、戦いは始まっている。急いだほうがよさそうです。


なぎさ「のようです。急ぎましょう!」


 家を出てさやかのマンションに向かう途中にも電話から聞こえる声を確かめていました。
 しかし、それも途中で途絶えてしまいました。


なぎさ「どうやらあすみはまた派手にやらかしたみたいですね」

ほむら「何が駆けつけてこようと奴は気にも留めないのでしょうね……。また周りの人たちに被害が出ないと良いけれど」

杏子「とりあえず今から作戦練ったほうがいいんじゃないか?
   あすみはあたしたちが来ることをわかってるんだろ?」

なぎさ「確かに三人がバラバラの考えで仕掛けるより、何か考えといたほうが良いかもしれませんね」



・自由安価

 下2レス


なぎさ「まず現場に付いて周りに人がいたらなぎさの魔法で眠らせないといけませんね」

なぎさ「次に多少手荒ですが使用済みグリーフシードを孵化させて、
    あえて魔女の結界を作り出し私たちとあすみだけを巻き込むようにするというのはどうでしょうか?」

なぎさ「上手くいけば多少の時間は稼げると思うのですが……」

ほむら「結界内で戦うというのは一番周囲に迷惑がかかりにくい方法だと思うけれど、
    魔女を倒した後の結界はすぐに消えてしまう」

ほむら「放っておいても問題のない魔女なら良いけれど……」

杏子「しかし、そうするとあたしらにとってもあすみにとっても戦いにくくはなるかもな」

杏子「魔女は勝手に襲い掛かってくるわけだし。
   それに、孵化したてで腹減ってんだろーし、あんまり長引いて人間を呼び込まれたら逆に被害が拡大するかもしれないぞ」

なぎさ「上手くいけばいいんだけど……って感じですかね~……」


なぎさ「戦いはまずは状況確認をして、あすみがどんな形でマミ達を襲ったかを確認しましょう」

なぎさ「同時にマミとさやかの安否の確認して、
    怪我をしてたらさやかを優先でなぎさが意識が戻るくらいまで回復させます」

なぎさ「ほむほむと杏子はあすみの足止めをお願いします!」

ほむら「ええ! 足止めなら得意よ」

杏子「だがやられてたら意味がない。とにかく急がないとな」


 グリーフシードの作戦については、その場の状況を見てからどうするか考えることにしましょう。
 なぎさの手持ちでは2つありますが、どの魔女を孵化させるかというのも考えたほうが良さそうです。

 作戦をまとめたところで、今までよりさらに速く走りだしました。

 ……ついでにいるかどうかわからないキュゥべえにも文句を言いながら。



なぎさ『キュゥべえ、これもあなたの指図ですか!』

なぎさ『こんな人目のつく襲わせ方をして、映像に残ったら今の時代インターネットで瞬く間に拡散してしまうのですよ!』

なぎさ『そうなったら収集つかなくなりますよ!』


 ……いないのか無視されたのか。
 返事はありませんでした。


―――さやかのマンションが見えてきます。

一見何事もないように見えますが、なにやらざわざわと人が集まっています。
逃げる人、遠くからこわごわと眺める人、さらには警官まで集まり何やら話し合っているようです。

周囲の人たちが遠巻きに注目する先は、外から一か所だけ大きく壊された一室。
確かあの場所は、さやかの部屋です。


ほむら「あれは……」

 ほむらが地面に転がる筒のようなものに目を向けます。

 ワルプルギスの夜の時に撃っていたような大砲の殻…… ほむらには見覚えのある武器みたいです。
 とんでもない襲撃の仕方をしたのはわかっていましたが、まさかこんなものまで使ってたとは。


なぎさ「とりあえず、周りの人たちを眠らせますよ!」


 変身し、子守唄を奏でます。
 ラッパの音がこの場に響き渡り、再び静けさを取り戻しました。

 しかし、ここから離れたあすみの居る場所までとなると催眠の効果もだいぶ薄くなっているはずです。
 加えて即効性のない魔法……戦場までも眠らせられたとは思えません。

 今の音で存在を気づかれたでしょう。

 ここからは手際よく進めないといけません。



1突入前に鳥かごのGSを孵化させる
2突入前に薔薇園のGSを孵化させる
3突入
4マミ・さやかとテレパシー
5自由安価

 下2レス



 さやかの部屋の近くまで来て、突入前に二人にテレパシーを送ってみる。


なぎさ『今着きました! マミ、さやかっ、無事ですか!?』

さやか『なんとかしぶとく回復して頑張ってる! けどそろそろ魔力がキツいな……』

マミ『なんとか持ってるって感じよ…… あまり良いとは言えない状況ね』

マミ『それから、廊下に家の人が居るの。こっちに来る前に家の人を安全な場所に移しておいて!』

マミ『そうしたらこっちも場所を移せるから』

ほむら『わかった。それは私がやる』

ほむら「玄関から突入しましょう。廊下の人は私が回収する」

なぎさ「はい!」


 さやかの部屋の前、戦場が見える場所からはあえて突入せず、玄関から入って廊下に倒れているさやかの親をほむらの盾に入れる。
 ドアは閉ざされていて、部屋から出た形跡はないようです。さやかの魔法で眠っている……のでしょうか?


ほむら『廊下の人は回収したわ』

なぎさ『今から合流します、私たちについてきてください!考えがあります』


なぎさ(このドアの向こうにあすみとみんなが居る……!
    まずはあすみを誘いこまないと)


 砲撃の衝撃で歪んでしまったドアを蹴破ると、荒れ果てた部屋が目に入りました。

 そして、あすみと戦う二人の姿。
 二人は私たちがドアを破ったのを確認すると、隙を見てこちらに走りだしました。

 隙というのも動きを遅くするほむらの魔法――こちらが作り出したものです。



 廊下を通ってリビングのほうへと向かう。


ほむら「奴の時間を遅くした。これで少しは余裕ができるでしょう」

さやか「いやぁこのままだったら死ぬかと思った!それか魔女になるかと」

杏子「ほら、どうせお前らグリーフシード少ないんだろ。これで魔力回復しとけ」

マミ「ええ、助かるわ」

マミ『それで考えって? ただ逃げ続けるってわけじゃないんでしょう?』

なぎさ『奴は追ってきてますね?』

なぎさ『あすみを倒すためっていうより…… 、これで』

 茨の模様の入ったグリーフシードを掲げ、穢れを吸わせる。


なぎさ『周囲に迷惑をかけないで済むのと、上手くいけば時間稼ぎになるかもと思いまして!』


 景色が変わっていく。
 広い結界の最深部と、奥にはかつて戦った魔女の姿。


 追いかけてきているあすみのほうへ振り返る。


なぎさ「……あすみ。ここで決着です」

あすみ「………」

------------------
ここまで
次回は27日(土)17時くらいからの予定です

-------------------
すみません、間に合いそうにない(すでに間に合ってない)ので今日の開始予定を19時に変更します


あすみ「ようこそ。昼ぶりね、みなさん?」

杏子「何余裕こいてんだ! 誘われたのはお前のほうなんだぜ、あすみ」

なぎさ「まったく、どうするつもりですか! こんなに目立つやり方しちゃって!」

あすみ「あぁ…… そんなこともうどうでもいいんだ」

あすみ「どうせ貴女たちが死ねば、この世界はもうすぐ終わるんだから」

ほむら「……どういうこと? 今度は何を企んでいるの!」

あすみ「貴女たちのほかに、もう一人この近くに魔法少女が居るって忘れてない?」

なぎさ「!?」

あすみ「一人って言い方でいいのかはわからないけどね」

あすみ「神様―――あれだって所詮魔法少女だ」


あすみ「みんなを救うことができたからそれだけで満足、なんて言ってたけど
    実際にはどうかな?」

あすみ「ただ寿命や戦死で死んだというだけならともかく、
    時空を渡り歩いて救おうとしてきたみんなが私みたいなのに騙されて殺されちゃったと知ったら……」

あすみ「それって救えてないのと同じだよね!」

ほむら「そんなことさせないわ! それに、相手は神様よ。魔法少女の魂を救う神様が魔女になんて……!」

あすみ「希望を願ってキュゥべえと契約した以上、ソウルジェムはある。たとえ実体がなくてもね」

あすみ「そして、希望が絶望に変われば魔女になる。このシステムは絶対だ」


ほむら「そんな………!」

あすみ「多分本人は自分の魔力の源を認識できているんじゃないかな?
    今まで自力で浄化することができたから、グリーフシードがなくても大丈夫だっただけで……」

あすみ「絶望には抗えない!」

あすみ「神様には、神様としても魔法少女としても大きな欠陥がある」

あすみ「ソウルジェムの浄化はできても、魔女を倒すことさえ叶わないのは魔法少女として致命的な欠陥…… そして」

あすみ「自分が魔女になってしまった時対処する術がない…… これも魔法少女の魂を救う神様としては致命的な欠陥じゃない?」

あすみ「魔法少女を救う神様どころか、世界を絶望に染める破壊神になるよ」


なぎさ「これもキュゥべえの入れ知恵ですか……!」

あすみ「前に聞いた考察をもとに考えてみただけだよ」

マミ「あなた……それがどういうことかわかっているの?
   もしそんなことが起これば、あなた自身も死ぬことになるのよ!」

あすみ「こんな世界、そろそろ消しちゃったほうがいいんだよ。私もそろそろ飽きてきた」

杏子「イカれてんな! だがあたしたちに勝てると思ってんのか? これで5対1だぜ?」

あすみ「思ってなかったらこんなことやるわけないじゃん!」


 パチン、とあすみが指を鳴らす。

 みんなが警戒して構えた頃、

 頭上には………



Gertrud「――――――!!!」



あすみ「殺れ、Gertrud」


 さっきまで結界の奥にいたはずの魔女が、背後から私たちのことを踏みつぶそうとしていた―――


下1レスコンマ判定
0~99 被害

 ※0=100
 ※5の倍数で全員回避


なぎさ「っ! な、なんで……… 魔女が!」


 なぎさはなんとか飛びのいて避けましたが、背後からの攻撃ということもあり何人かはまともに食らってしまいました。
 怪我は大したことありませんが、体勢を崩されたのが痛い―――!


あすみ「私をおびき出して何をするかと思えば、これが『考え』だったんでしょ?」

あすみ「私の魔法、忘れた? 思考を読んでテレパシーの内容は筒抜け!」

あすみ「それに、警戒しきってるあんたたち相手には厳しくとも、その辺の魔女程度なら精神を支配するのは容易いんだよ!」

杏子「チッ、こんなショボい魔女味方につけたくらいで調子のってんなよ!」




なぎさ 魔力[100/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[65/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:負傷(小)・スタン
   ほむら 状態:正常
   さやか 状態:負傷(小)・スタン
   杏子 状態:正常

敵:あすみ(状態:クロックダウン)
  Gertrud

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4ラッパ吹きの子守唄(魔力-15):トランペットから眠りを誘う音楽を奏で、敵全体を眠らせる。ただし、効果が出るまでに時間がかかる。
5シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
6シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンで囲んで防御したり拘束したり。
8他人の負傷を回復(魔力 全快:-20)
 ・マミ


 下1レス


なぎさ「マミッ、さやかッ!」

 とりあえず、体勢を崩した二人をシャボンで囲んで防御します。

 その直後、魔女がはさみを出してきました。
 杏子がそれを振り払います。

杏子「ああもう、うざいっ!」

あすみ「よそ見してる場合!?」

杏子「くっ……!」

 振り返りざまに鉄球を槍の柄で受け止めましたが、重い衝撃に耐えられずに後退させられてしまいます。


ほむら「あなたこそ!」ジャキッ
 その間にほむらが小銃を突きつけます。


あすみ「いくら私の動きが遅くされていても、タイミングさえわかれば防げるんだよね!」

 空中にもう一つ武器を出し、鎖を出して銃弾を弾くあすみ―――
 その間にも魔女が攻撃を仕掛けようとしています。


 前方と背後、挟み撃ちの形になっているのが非常によくない。それはみんなもわかっていると思います。

なぎさ(早くこの状態から抜け出さなくては不利なまま……!)

なぎさ(魔女自体は強くないけど、やっぱり放ってはおけない。はやいとこ相手を一人に絞りたいところ……!)



なぎさ 魔力[90/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[65/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:負傷(小)・【シャボン結界】
   ほむら 状態:正常
   さやか 状態:負傷(小)・【シャボン結界】
   杏子 状態:正常

敵:A あすみ(状態:クロックダウン)
  B Gertrud

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4ラッパ吹きの子守唄(魔力-15):トランペットから眠りを誘う音楽を奏で、敵全体を眠らせる。ただし、効果が出るまでに時間がかかる。
5シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
6シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンで囲んで防御したり拘束したり。
 a敵を拘束
 b仲間の防御
 c自分の防御
 d解除
7他人の負傷を回復(魔力 全快:-20)
 aマミ
 bさやか


 下1レス


 幸い、あすみはこちらに意識はない模様。
 単純にシャボンでの防御があるから攻撃を優先しないということでしょう。

なぎさ「マミ、今治します!」

マミ「いえ、このくらいの傷……!」

さやか「あたしも全部は回復してなかったからな…… 今のうちに治しておくか」


 魔女が使い魔を召喚しました。


ほむら「増えられたらたまったものじゃない!」」

 それをほむらが即刻撃ち殺し、
 同時に杏子がほむらの背後を守るようにしてあすみのほうへ向きなおる。

杏子「お前、魔女ごときに遅れはとらないな?」

ほむら「当たり前よ!」

杏子「ならあたしがあすみを相手する!」

あすみ「やれるもんならやってみれば!」


 二人が踏み出した瞬間。

 あすみの真下から槍が突き出す―――と同時に杏子の真下からも鉄球が飛び出した。

杏子「ッ!」

あすみ「『意気込んだところで正面から体術勝負……と見せかけて真下からの攻撃』」

あすみ「考えが被ったようだけど…… でももう私に不意打ちは効かないッ!」

 杏子がとっさに踏み込むのを止めて下がったところに、鉄球が飛んでくる。続いてフレイルでの追撃―――

ほむら「なっ――!?」

 背後からやってきた衝撃にほむらまで倒れこむ。

杏子「顔面狙うとかひでえの……仮にも少女だろあたしたち…―――」

あすみ「背中を守るとか言って共倒れしてたら世話ないよねぇ」

あすみ「そいつらまとめて切り刻め!」


なぎさ「まずいっ!」

 とっさにラッパを構えようとしたなぎさにも鉄球が飛んでくる。


あすみ「遊ぼうよ、なぎさちゃん♪」


なぎさ「!」

なぎさ(今ので利き手が……)

 その直後、銃撃があすみを襲いました。

マミ「私とは遊んでくれないの?」

さやか「あたしのことも忘れんな! ちょっと出してくれる?このままじゃぶった切りにいけないからさ!」

なぎさ「は、はい!」


 さやかのシャボンを解除しました。

なぎさ(しかしまずはほむらたちのほうを助けにいかないといけません)

なぎさ(普通魔女はソウルジェムを直接攻撃しようとはしませんが、今はあすみが操っている。
    どういう攻撃に出るかはわかりません)


1あすみをマミ・さやかに任せてなぎさが魔女のところへ
2さやかを魔女のところへ行かせる
3マミを魔女のところへ行かせる
4自由安価

 下1レス



なぎさ「さやか、あっちお願いします!」

さやか「任せろ!」

マミ「昼のリベンジになるわね」

あすみ「今度は気絶じゃ済まさないよ?」



なぎさ 魔力[70/100] 状態:負傷(中)
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[65/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:正常・【シャボン結界】
   ほむら 状態:負傷(中)
   さやか 状態:正常
   杏子 状態:戦闘不能

敵:A あすみ
  Gertrud

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4ラッパ吹きの子守唄(魔力-15):トランペットから眠りを誘う音楽を奏で、敵全体を眠らせる。ただし、効果が出るまでに時間がかかる。
5シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
6シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンで囲んで防御したり拘束したり。
 a敵を拘束
 b仲間の防御
 c自分の防御
 d解除
7自分の負傷を回復(魔力 全快:-30 軽:-20)


 下1レス


なぎさ(左手でも吹けるとはいえ、利き手のハンデははやいうちに治さないと……!)


マミ「これはどうかしら!」

 マミの攻撃はいつにもまして容赦がありません。
 次から次へと銃を召喚して発砲することで連射ができないという欠点を克服しています。

あすみ「別に避ける必要もないなッ、そんな豆鉄砲!」

マミ「な…――っ!?」

 弾丸の連打に、あすみは避けるでもなく防御するでもなく気にしないというように攻撃を続けた。

なぎさ「マミッ!」

あすみ「攻撃こそ相手の攻撃を防ぐ最大の防御。敵を倒せば被弾なんか関係ない」

あすみ「便利だよね。魔法少女になって私が最初に覚えたのは痛覚遮断なんだ」

あすみ「だから私はもう何にも怯えない」

マミ「シャボンを割ったくらいで勝った気になるのは早すぎるんじゃないかしら?」

 マミが前面にリボンで防護結界を張り、距離をとる。

マミ「だったら大きいのをお見舞いするまでよッ!」


 マミが次の攻撃に出ようとすると―――

 結界が消え、マンションのリビングに景色が戻った。
 さやかが魔女を倒したようですが………一気に状況は数分前に戻ってしまいました。

あすみ「どうしたの?撃つんでしょ? 大きいの、ここで撃ってみろよ!」



なぎさ 魔力[40/100] 状態:正常
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[65/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:正常
   ほむら 状態:負傷(中)
   さやか 状態:正常
   杏子 状態:戦闘不能

敵:あすみ

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4ラッパ吹きの子守唄(魔力-15):トランペットから眠りを誘う音楽を奏で、敵全体を眠らせる。ただし、効果が出るまでに時間がかかる。
5シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
6シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンで囲んで防御したり拘束したり。
 a敵を拘束
 b仲間の防御
 c自分の防御


 下1レス


なぎさ(魔女を放っておくわけにはいかなかったとはいえ、これではこちらが不利……!)

なぎさ(これ以上騒動を起こすわけには………―――!)

 この咄嗟の判断によりラッパを構え、子守唄を吹きはじめます。

 しかし、その直後にやってきた無慈悲な攻撃によりかき消されてしまいました。


 長い鎖により薙ぎ払われるなぎさとマミ―――


あすみ「動揺した結果判断ミスなんてださいなぁ! さっさと大砲ぶちこんでれば勝てたかもしれないものを」


 ジャラ、と鎖の鳴る音が聞こえる。

―――さきほどの攻撃で吹っ飛ばされた先に、あすみがさらに追撃を打ち込もうとします。


 ジャラ、と鎖の鳴る音が聞こえる。

―――吹っ飛ばされた先に、あすみが追撃をふるおうとします。

あすみ「チッ……」


 あすみが舌打ちしたかと思うと、建物が破壊される音が響きました。
 あすみの背後から突撃してきていたさやかを天井から鉄球を突き出させて阻んだようです。

 更に銃撃を防護結界で防ぎ、別方向から飛んできた槍を避けるあすみ。


あすみ「だから不意打ちは効かないって! 面倒だな」

ほむら「不意打ち自体はそうでしょうね」

ほむら「確かにあなた、強いわよ。多分、私が今まで戦ったどんな魔法少女よりもね」

ほむら「結局、私たちがバラバラに攻撃したところで打ち勝てないってことでしょう?」

杏子「今まで分断されてきたけど、もう魔女も片づけたしな」

杏子「簡単な話だ。タイミングがわかろうが避けられなければおしまいだろ。
   このまま数の暴力で殺す」


あすみ「数の暴力? ただ最初に戻っただけでしょ」

あすみ「何みんな怖い顔しちゃって」

杏子「あ? 今更怖気づいたっても聞かねえぞ」

あすみ「あぁ、そうそう。杏子があの時一人で生きていくってみんなに私を預けてくれて助かったよ」

あすみ「正直あんな生活に付き合わされてうんざりだったんだよね」

あすみ「あの男が死んでくれたのはよかったけど、これからどうしようかなぁとは思ってたから」

あすみ「丁度都合よく出てきた貴女に寄生して、
    家族も家も何もかも奪ってのっとってやろうかなって思ったのに」

あすみ「まさか何にもないなんて! おかげで計画が崩れちゃったじゃん」

あすみ「私も、貴女みたいに野良犬同然の生活にまで落ちたくなかったからさぁ……」

杏子「………」


あすみ「何その顔、怒った?」

杏子「そうやって人を馬鹿にして楽しいか?」

杏子「まあ、楽しいんだろうな。
   ここに来る前、お前が先月まで居たっていう街を見てきた。お前のやってきたことを少し聞いたよ」

杏子「あたしはお前の事情なんか知ったこっちゃない」

杏子「自分が一番不幸だとでも思ってるのかもしれないけどさ」

杏子「お前は力を手に入れて調子乗ってるただのガキだ」


 今までの挑発するようなにやけた顔が、無表情へと変わります。
 あすみが杏子の言葉に反応したのがわかりました。


杏子「煽られて怒ってんのはお前のほうじゃねえか」

杏子「だが、あたしももちろん怒ってるぜ! ここまでされて怒らないほうがどうかしてるってもんだ」

あすみ「言ってくれるね! けど、あなたの動揺も確かに伝わってるよ!」


 ポイントは人数差を活かした一斉攻撃ということ……
 バラバラの攻撃ではおそらく時間稼ぎにしかならないのでしょう。

 あすみがさっき言っていた『攻撃こそ相手の攻撃を防ぐ最大の防御』というのも強ち間違いではないということです。


なぎさ(しかし、残りの魔力が心配ですね……)

なぎさ(どうやら三人は魔女を倒した後ソウルジェムを浄化したようですが)



なぎさ 魔力[25/100] 状態:負傷(小)
GS:3つ
・[100/100]
・[100/100]
・[65/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:負傷(小)
   ほむら 状態:正常
   さやか 状態:正常
   杏子 状態:正常

敵:あすみ

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4ラッパ吹きの子守唄(魔力-15):トランペットから眠りを誘う音楽を奏で、敵全体を眠らせる。ただし、効果が出るまでに時間がかかる。
5シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
6シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンで囲んで防御したり拘束したり。
 a敵を拘束
 b仲間の防御
 c自分の防御
7自分の負傷を回復(魔力 全快:-10)
8他人の負傷を回復(魔力 全快:-10)
 マミ
9浄化


 下1レス


 グリーフシードを出して浄化しつつ、周囲の状況も目で追っていきます。

 あすみが最初に狙ったのはほむらでした。

 その理由はなんとなくわかりました。
 2人がピンチになった時からあすみの動きが速くなっていましたから。かけなおしをしようとしたのでしょう。


なぎさ(ほむらは厄介な技が多い。というより今も…… だから最初に潰そうと考えたのでしょうね)

 昼ほむらの家で戦ったときのように3秒の停止というのは消費が大きすぎるため、諸刃の剣ですが……


 フレイルでの狙い打ちに鉄球射出―――あすみの猛攻によりほむらは体勢を崩しましたが、
 すかさず他の仲間があすみを攻撃しに行きます。


ほむら「一回解けちゃったから、プレゼントしなおすわ」


 そうしている間にほむらのクロックダウンが決まります。
 これも、タイミングはわかっても避けられなかったことでしょう。


なぎさ(4人相手にまともに立ち回っているのはさすがというか、戦い方の参考にはなりますけどね)


あすみ「!」

 部屋全体にシャボンが浮かんでいることにあすみが気づきます。
 いえ、これももっと前から気づいていたのでしょうが、4人の攻撃への対応でこちらまで対処する隙がなかったのでしょう。


なぎさ「これこそ数の暴力! タイミングがわかっても避けられない攻撃なのです!」

あすみ「こんなチンケなシャボン玉薙ぎ払えば済むんだよ!」

なぎさ「この数を? まして動きを遅くされている状態で。その間に別の攻撃を仕掛けられますよ!」

あすみ「なら…」

 フレイルの鎖が伸び鉄球がこちらに飛んでくる――更にこのままこちらへ向かってくるようです。

 その途中でマミが鎖をリボンで掴み、壁へと叩き付けようとします。

 引っ張られたときには武器をメイスに変形させ鎖を消し、同時に壁に打ち付けることで衝撃を緩和しましたが、
 漂うシャボンは消えないどころかさきほどよりも増えています。


なぎさ「バーストッ!」

 あすみの周囲にあるシャボンを爆裂させます。
 しかしまだまだシャボンは残っています。



なぎさ 魔力[85/100] 状態:負傷(小) 【使用中魔法:シャボンバースト継続中】
GS:3つ
・[100/100]
・[90/100]
・[0/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:負傷(小)
   ほむら 状態:正常
   さやか 状態:正常
   杏子 状態:正常

敵:あすみ

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4ラッパ吹きの子守唄(魔力-15):トランペットから眠りを誘う音楽を奏で、敵全体を眠らせる。ただし、効果が出るまでに時間がかかる。
・シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
5シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンで囲んで防御したり拘束したり。
 a敵を拘束
 b仲間の防御
 c自分の防御
6自分の負傷を回復(魔力 全快:-10)
7他人の負傷を回復(魔力 全快:-10)
 マミ


 下1レス


マミ「なぎさちゃん、ナイスッ!」

杏子「捕えたッ!」

 すかさずマミがあすみの足に銃弾を撃ちこみ、杏子が鎖と打ちこんだ小さめの槍で壁に張り付けました。

なぎさ「これで一応なんとかなりましたかね……」


 なぎさが再びあすみの周りをシャボンで囲んでから子守唄を吹く。


なぎさ『おとなしくしてください。抵抗したらバーストが待ってますからね』

なぎさ『もっとも、完全に人間を捨てたあなたではその程度じゃ脅しにもならないのかもしれませんが……
    その足じゃまた縛られるのがオチです』

あすみ「………」

 何を考えているのか、あすみは反応を返すことはありませんでした。
 今度はさすがに邪魔されることもありません。


ほむら「その曲、無差別ってわけじゃないのね」

なぎさ「ええ、そこはまあ練習したのでっ」

なぎさ「一曲終わりましたけど、どうしましょうか?」


 ソウルジェムをとろうにも、どこにあるのかがわかりません。
 どうしましょうか?


・自由安価

 下1レス


なぎさ『もしかしたら寝たふりしてるかもしれませんしね……慎重に近づきましょう』


 警戒していればあすみの魔法はかかりにくい、ということは隙を見せて油断すればアウトということです。
 ソウルジェムを破壊するまでは気を抜かないほうがいいでしょう。


なぎさ『まずはマミのリボンで足首と手を上に挙げた状態で拘束するのはどうでしょう?』

杏子『拘束、一回解くのか? それこそあいつが起きてたら……』

マミ『一応あの弾丸は腱に命中したはず。最悪逃げられることはないと思うけど……』

なぎさ『反撃のチャンス……にはなりますね。昼も、拘束状態から鉄球が飛んできたんでしょう?』



・自由安価

 下1レス


なぎさ『……さやか、すみませんが、剣を貸してくれませんか』

さやか『え?』

なぎさ『ここであすみを斃せず、逃がしたりしてしまえば犠牲者が増え続ける』

なぎさ『心を鬼にしてあすみを今確実にここで斃します』

なぎさ『――今からあすみの首を刎ねる。
    それからほむらの盾の中に首を入れてもらえば、さすがにすぐには回復できないでしょう』

なぎさ『ほむらにも、こんなこと頼むのは気が引けますが……』

ほむら『………』

杏子『……いい。あたしがやる』

なぎさ『!』

杏子『リーダーぶってなんでも一人でやろうとしてんな! それに汚れ仕事ならあたしのほうが慣れてんだよ』

杏子『人の武器借りてまであんたがやることはねえ』

なぎさ『………』


 杏子が前へ出て、あすみに向けて槍を構えます。
 ゆっくりと首元に狙いをさだめる―――

 みんな、それを見守ることしかできずに居ました。


なぎさ「あ、あの……!」


 切っ先を首元に向け、一歩踏み込んだ。
 そのとき―――


杏子「!」

 ―――杏子が動きを止めました。

 目を見開いたまま……槍を持っている手にはすでに力が抜けています


 直後に、脳に響く声―――


 『 動 揺 し た ね … … 』

 『 あ な た た ち が 危 惧 し た と お り 、

  私 は 痛 覚 を 切 る の と 同 じ よ う に 聴 覚 を 切 っ て 、 意 識 を 保 っ て い た 』


 『 忘 れ た ? 私 は お 見 通 し な ん だ よ ? テ レ パ シ ー の 内 容 も 、考 え て い る こ と も 』


 記憶の中の景色が目の前にちらつき、思考にもやがかかったように身体が思い通りに動かなくなる。
 これがさやかや魔女にやったような精神支配―――?


 『 警 戒 し て い れ ば 私 の 魔 法 は か か り に く い と は 言 っ た け れ ど 、
   全 く 効 果 が な い わ け じ ゃ な い 。 隙 を 作 る の に は 十 分 』


 『 私 の 本 領 発 揮 、 見 せ て あ げ る … … 苦しみなさい 』


 昔の記憶と今ある現実がごっちゃになってくる。

 まるで、夢に引き込まれるように……


なぎさ(だ、駄目だ、このまま逃がしたら―――)

なぎさ(それは現実じゃない。 ……しっかり、……気を持たないと―――)




 下1レスコンマ判定
0~99 有効度

※0=100
※補正-10


あすみ「……どうせこれで完全に落とせるわけじゃない」

あすみ「さっさと殺したほうが得策か」


 ―――気づくと
 あすみの拘束は解けていて、みんなもあの思考を蝕む感覚に苦しんでいるようでした。

 特に、杏子……

 動揺しないわけがない。私ですら動揺していた。―――だから、付け入る隙ができてしまった。


あすみ「!」

 銃弾があすみの肩を貫く。
 魔法じゃない火器の音、硝煙の匂い……撃ったのはほむらだった。

あすみ「……思ったより正確な狙いだね、その状態で」

あすみ「やっぱ面白いかも。でもうざいわ」


ほむら「今でもたまに、夢を見ることがあるの」

ほむら「私はまだあのループの中にいて、まどかが私の目の前で死んでいく夢」

ほむら「前はしょっちゅうだった」

ほむら「私はもうあの日々には戻りたくない。
    ここで貴女に負けたらあの日々にすら戻れない。だから私は動揺しない」

ほむら「マミに撃たれた足もまだ治していない。まともに動くのは左腕だけでしょう? もう諦めなさい」

あすみ「それはどうかな? まだ戦えるよ、アンタ1人くらいならね」


 あすみが左手にメイスを作り直し、ほむらに向けて鎖付きの鉄球を射出しつつ体当たりのように跳んでくる。

ほむら「!」

 回避したほむらに、あすみが左腕を床に付き大きく回転蹴りをかまそうとする。

 しかしそれは、ほむらに届くことはない。

 あすみの蹴りが当たったのはシャボンだった。


ほむら「なぎさ!」

あすみ「あのまま引っ込んでればよかったものを。
    私の魔法がかかった状態で、魔法を維持なんてできるわけないじゃん」

ほむら「どうかしらね。私はしてみせたわよ」

なぎさ「……正直落ち着いた状態とはいえないし、魔力は不安定かもしれません」

なぎさ「でも、私だって自分の魔法くらい制御してみせますよッ!」


なぎさ 魔力[70/100] 状態:負傷(小)・精神攻撃
GS:3つ
・[100/100]
・[90/100]
・[0/100]
・鳥かご[0/100]
・薔薇園[0/100]


仲間:マミ 状態:負傷(小)・精神攻撃
   ほむら 状態:正常・精神攻撃
   さやか 状態:正常・精神攻撃
   杏子 状態:傷心・精神攻撃

敵:あすみ

1シャボンストーム(魔力-5):シャボン玉を吹いて攻撃。
2シャボンブラスター(魔力-40):ストームの上位版。更にたくさんのシャボンをぶつける。
3スクリームトランペット(魔力-30):トランペットから衝撃波のような高音を出し、前方への貫通吹き飛ばし&周囲の敵を怯ませる攻撃。
4ラッパ吹きの子守唄(魔力-15):トランペットから眠りを誘う音楽を奏で、敵全体を眠らせる。ただし、効果が出るまでに時間がかかる。
5シャボンバースト(魔力-15):たくさんのシャボン玉で敵全体を囲い、一斉に破裂させて攻撃。
6シャボン結界(魔力-10):大きなシャボンで囲んで防御したり拘束したり。
 a敵を拘束
 b仲間の防御
 c自分の防御
7自分の負傷を回復(魔力 全快:-20)
8他人の負傷を回復(魔力 全快:-20)
 マミ


 下1レス


 ほむらのシャボンを解き、みんなのほうにかけなおします。


なぎさ「マミ、みんな、大丈夫ですか?」

マミ「ごめんなさい、私より佐倉さんを心配してあげて」

なぎさ「とりあえずみんなシャボンで防御はしておきますから!」

さやか「あたしはいいよ、あんなのに負けたくない!なぎさもほむらも頑張ってるのにあたしだけ見てるだけなんて……!」

なぎさ「……昨日今日にあんなことがあったばかりです。無理しないでください」

なぎさ「無理して突っ走るのも悪い癖です…――― っ!」


 こちらに飛んできていた鉄球をほむらが盾で弾く。


ほむら「……あなたこそよ。みんなを守ろうとして死んだら意味ないんだから」

ほむら「!」

 あすみがほむらの頬目掛けてフレイルを振るう。

ほむら「っつ………!」

あすみ「それはあなたにも言われたくないんじゃない?」


あすみ「死角ができたね」


 あすみが追撃しようと腕を振り上げた瞬間、またもや発砲音がした。
 黄金色の魔力の弾丸。今度はマミだ。

 弾丸はあすみの腕の横を通り抜け、壁に当たった。
 その代わり―――弾丸は壁を壊す代わりにリボンに変わりあすみを捕えようと襲った!


あすみ「外しても大丈夫なようにって考えたんだろうけど、残念!不意打ちは――― !」


 再び鉄球を射出して移動しようとしたところを、シャボンに閉じ込める。
 わかったとしても、ついてしまった勢いは止められない。


 あすみをシャボンに閉じ込めた際、みんなにかけたシャボンは解けていました。

 全員があすみを囲み、一斉に武器を向けます。

 今度はどんな方法で破ってくる気なのか―――そう考えていた私たちには、あすみの言葉は意外なものでした。


あすみ「なんなんだよ、どいつもこいつも……!」

あすみ「どうしてッ! 弱いはずの癖に、どうして絶望を乗り越えてくるんだよッ!」

あすみ「ああぁッ! その自信に満ちた表情がムカつく!!」

さやか「そりゃ、完全じゃないって自分で言ってたし…… こんだけ時間が経ったらねぇ」

マミ「多分、それだけじゃないのよ」

マミ「悔しいんじゃないかしら? 賭けに負けて」

マミ「結局、あなたの魔法に屈するかどうかはかかった人の心次第なんでしょう?」

マミ「だからみんなが動揺や不安だとかを乗り越えて平常を保てるどうかは、心の読めるあなたでもわからなかった」

マミ「そして、あなたが最初に私たちを絶望させようと仕組んだ計画も一緒」


ほむら「私の記憶を覗いたのなら、みんなの弱い一面も見たのでしょうね」

ほむら「確かに私も、みんなの弱い一面を面倒だと恨んだこともある。……そんな私も醜かったのだろうけど」

ほむら「だからって、私と一緒に色んなことを乗り越えてきた私の仲間をナメないでもらえるかしら」


 そして―――


なぎさ「あすみの言う通り、強くなんかないんです。
    人は些細な出来事で簡単に追い込まれて、醜い一面を出してしまうものなのです」

なぎさ「でも、あの時さやかと一緒だったんだから聞いてますよね」

なぎさ「それはただの人としての感情の一面であって、全てじゃない」

なぎさ「あなたにはまだ、納得できないのかもしれませんけどね」

あすみ「……いや、納得できたよ? 消えるべきは、世界じゃなくて私のほうだったわけだ」

あすみ「まあ、同じことね。どうでもいいし……」

杏子「………」


 呆れか憐みか、杏子だけが何も言わず、複雑そうな表情であすみを見つめていた。

 あすみは多分、もうこの世界にも自分の命にも未練なんかなかったんだろう。
 ただ自分の中にある呪いを振り撒くためにここまで戦って、他人を絶望に陥れてきた…… そんな気がした。



何か言いたければ
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なぎさ「……あすみにはひとつだけ聞いておきたいことがあるのです」

なぎさ「何で希望を叶えるような願いとは逆の願いであのナマモノと契約したのですか?」

なぎさ「あのナマモノは希望を叶える奇跡をおこしておいて、それを絶望に変えるようにしむけるようにしています」

なぎさ「でもあすみの願いで何か希望は生まれたのですか?
    最初から呪いを生み出す願いは奇跡でもなんでもないと思うのです」

なぎさ「あすみが契約した願いは結局他人だけでなく自分も不幸にしてるだけで、
    願いはかなってるどころか奇跡も何も起こってないのでは?」

なぎさ「……キュゥべえ」


 呼んでみると、案の定ひょっこりと出てきました。

 ずっとあすみの近くに居たのでしょう。

 そして、こうしてあっさり出てきたのも、もうあすみは私たちに殺されると見て捨てたのか。


QB「なんだい」

なぎさ「まさかとは思いますけど、奇跡を起こさずあすみを利用する気だったのですか?」

QB「契約時の願いは、どんな願いでも必ず達成される」

QB「仮に達成できなかった場合……その場合は契約が成立しない。
   たとえば素質が足りないほどの大規模な願いだったり、もしくはすでに願いの内容が達成されている場合などだね」

QB「つまり、魔法少女になっているということは何かしらの奇跡が叶ったということなんだ」


あすみ「うん、私の願いは叶ったよ」

ほむら「あなたの保護者のことと関係あるの?」

あすみ「昼に少しだけ話したんだっけ? そう、あの男が死んだのは私が起こした奇跡のせいなんだから」

杏子「そいつが死んだのは魔女のせいだろ。しかもそれも最近のことだ」

あすみ「だから考えすぎじゃないかって?」

あすみ「違う。ここまで来たら最後におしえてあげる――
    ―――私の願いは『私の知るすべての人を不幸にすること』」

あすみ「理由については話す気はないけど。強いて言えばあの男があまりにもうざかったから、かな?」

あすみ「その願いであの男は横領の罪を着せられ、借金を背負い、再就職もできず、
    絵に描いたような不幸に堕ちて心を壊し、最後は魔女に食べられて終わった」

あすみ「もちろん、あの男だけじゃなく、
    私のクラスメイトもお父さんも知ってる人全員人生めちゃくちゃになった」

あすみ「アンタたちからしたら希望でもなんでもないのかもしれないけど、その時はそれが希望だったんだからしょうがないよね。
    今更説教しても遅いでしょ?」

あすみ「感情エネルギーは絶望から希望への転移でも生まれる。
    最初から呪いを振り撒いていたところで、契約には何の不都合もないわけだ」


 その不幸すべてが奇跡の力によるものだったとは立証のしようがありません。
 しかし、全員が全員次々と不幸に苛まれたのだから、多分偶然というわけでもないんでしょう。


 ……こんな願いを希望だと思うなんて、どんな状況なのでしょうか。

 あすみは『うざかったから』と言いましたが、そんな適当な理由なわけもないでしょう。


 あすみが見せたがらない弱い部分。そこに本当のあすみが居るのかもしれない。
 しかし、こうなってしまってからではあまりにも遅すぎた。


なぎさ「だったらその願いで…… 幸せにはなれたのですか?」

あすみ「別に」

あすみ「結局幸せにも不幸にもならなかった」

あすみ「だからもう飽きてきた。
    結局汚いものだらけの世界だけが私の周りにあって、何も変わらない」

あすみ「………そう思ってたのは、私だけだったのかもしれないけどね」


QB「ところであすみ。魔法少女を魔女にする計画を立ててくれたのはいいんだけど、世界まで滅ぼしたら意味がないじゃないか」

QB「それに、私情で魔女にもせず魔法少女の頭数を減らすのは禁止だと言ったはずだよ」

あすみ「こんな時まで業務の話かぁ…… 思ったよりブラックだなぁ、インキュベーターっていうのも」

あすみ「まだ私が仕事続けられると思ってんの?」

あすみ「死ぬ間際にクビ宣告とか、ださ……」



何か言いたければ
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 下2レス

テレパシーの内容がバレてるのは読心によるものです。
---------------------

 キュゥべえとあすみの関係もいろいろと奇妙です。
 昼に聞いた話では、あすみのほうから何かもちかけたようでしたが……


なぎさ「……そもそもなんであすみはインキュベーターなんてやってたんですか」

QB「あすみのほうから持ちかけてきたんだ。『私と契約してインキュベーターにしてよ』と」

QB「当然、あすみはインキュベーターとしての能力があるわけじゃない。
   ただ僕らの仕事を手伝ってくれるならこちらとしても好都合だったし、あすみにも得があったようだったからね」

QB「それでも所詮、あすみは人間で魔法少女だ。僕らとは違う」

QB「いくつか条件があったんだけど、今回のことでこの契約ももう破棄だ」

QB「まあ、今までよく役に立ってくれたとは思うよ」


何か言いたければ
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 下1レス


 あすみの言葉を聞いて、余計に悲しいようなむなしいような気持ちになりました。


なぎさ「……―――バースト」


 中に包んだあすみごと、シャボンを弾けさせました。


ほむら「……もうこのまま丸ごと盾の中に入れておきましょう」

ほむら「ありったけの爆弾を使ってソウルジェムがどこにあろうが木端微塵に吹き飛ばすことも考えていたけれど、さすがにここではできない」

ほむら「昔の私ならやっていたかもしれないけれどね」

杏子「せっかく倒したってのに、気分が晴れないな」

杏子「普通だったら本当にただのガキでいいはずの年だろうにな」

ほむら「……そうね」


----------------------
前に言ってたより結構長引きましたが次回エンディングと新章をはじめようかと思います。
次回は2日(水)20時くらいからの予定です

-----------------
すみません、今日は更新できなさそうです。
次回は5日(土)15時くらいからの予定です

―――――

――――


――あれから約一週間。

私たちはなんとかあの事件を乗り越え、日常に戻ったのです。


今では学校も再開し、忙しい日々を送っています。


 ある帰り道のことです。


なぎさ「学校お疲れ様なのです、マミ!」

マミ「なぎさちゃんもお疲れ様」

なぎさ「ほむほむはまどかたちののほうに居るのでしょうか」

マミ「学校が再開してからは一緒に居るの、結構見るわよ」

マミ「メールでのやりとりもいいけれど、やっぱり会って話すのが一番よね」

なぎさ「そうですね~」


 今はまだ二人ともうちに居候しているけれど、二人とももう次に住む場所は考えているようでした。
 ほむらはまた以前の家の近くのアパートに。マミもマンションを借りるみたいです。

 二人さえよければずっとうちにいても良いとは言ったのですが……


 雑談を交わしながら二人で家までの道を歩いていると、見知った姿が。


なぎさ「杏子! 久しぶりです」

杏子「ん」

 短い返事が返ってきました。

 あのまま一緒に住むのはどうかと提案したときには拒まれ、それから姿を見なかったのですが……


マミ「またこっちで住むことにしたの? それとも偶然?」

杏子「考えてみたらこっちも今は魔女がいっぱいいると思ってな」

杏子「あの街も魔女が多かったけど、どうせあれもあすみの仕業だし種となる魔法少女ももう尽きてる。
   減ってく一方だ」

杏子「こっちは大災害の後なわけだし、復興だってまだまだかかるんだろ?
   だったら、なんていうの? 長期的な利益?が見込めるかと思って…―――」

なぎさ「なにムズカシー言葉つかってんですか! そんな理屈はいらないのです」

なぎさ「戻りたいの一言だけで、私たちは素直に受け入れるのですよ」

マミ「おかえりなさい。そうだ、これからお茶会しましょうよ! 歓迎会よ」

杏子「そういう大げさなの苦手なんだよ!」

なぎさ「でもお菓子あるですよ?」

杏子「……わかった、お菓子な。菓子は食いに行ってやる」

―自宅


 みんなにメールを送ってから、一緒に家に戻りました。



なぎさ「待っててくださいね、マミが今お紅茶淹れてくれてますから」

マミ「ティーポットにティーカップ、新しく買ってきたのよ。今まで紅茶飲めないのさみしかったから。茶葉も新品よ」


 そう話すマミは楽しそうです。

 マンションが壊れてからは、今まで魔法で出す紅茶しか飲んでこなかったのですから。
 やっぱり、普通に淹れたほうが雰囲気もあっておいしいみたいです。


なぎさ「テレビでも見て待ちましょうか」


マミ「あれから一週間経つけど、最近あの騒動の話題でもちきりよね」

マミ「なんでも、テロ集団が動いてるとか思われてるって」

なぎさ「実際あの壊れようじゃ騒ぎになるのはわかりますけど、
    確か国内の基地から兵器が大量に盗まれたって言ってましたねー?」

杏子「大量に? そりゃ穏やかじゃないな。戦争でも起きるのか?」

マミ「……まあ、そんな感じのことを言ってる人もいるけれど」


 ……多分兵器に関してはそのほとんどの犯人はあすみじゃない気がしますが、
 あすみはあれだけ目立つ形で使ったのです。その疑いが全てそちらに向けられるのもしょうがないのです。


 テレビを見ていると、チャイムが鳴りました。

 ほむらとさやか、まどかも一緒に居ました。 ……とりあえずチャンネルは教育番組にでも切り替えます。


さやか「やほー」

まどか「お邪魔します」

ほむら「あら、懐かしいの見てるわね」

マミ「ええ、まあ。熱で学校を休んだ時とかにたまに見たくなる番組よね」

さやか「なんだ、結局戻ってきたんだ?」

杏子「まあ……な。 だがお前らに全部面倒見てもらうとかじゃない」

杏子「いつか本当の意味であたし一人で生きていけるようになってやる」

杏子「あすみを見て思ったけど、ああはなりたくないしな」

杏子「それにあたしも、悔しいけどまだまだだなって思った。
   あの時お前らが来なかったら、あたし多分あいつにやられてたんだろうしな」

杏子「戦力としても、もっと強くなっていつかは超えてやるさ」

なぎさ「はい! その意気ですよ!」


 物を盗んで生活するのは本当の意味で一人で生きているとはいえない。
 それも本当は多分わかっていたことなのでしょう。


 マミとほむらも、もうすぐまた一人での暮らしに戻ってしまいます。
 でも、大丈夫。いつでもこうしてまた集まれますから。



 それに、再会早々ですが、夏休みだってもう近いのです。



―――

―――


 お茶会が終わった後、夕方。
 マンションのエントランスの前に、少年が立っている。


さやか「……なにしてんの」


 そっけない声で言った。
 さやかにとってはもう会いたくないだろう相手だった。


恭介「……来なかったらどうしようかと思った。でも、郵便受けにまだ名前があったから」

恭介「さやか、あれから部屋変わったの?」

さやか「……ていうかさ、どうしたのそれ」



 恭介の問いを無視して、さやかが聞く。
 というより、さすがに聞かずにはいられなかった。……恭介の頬には赤い手形がついていたのだから。


 それを指摘すると、どことなくばつが悪そうに、そして少し申し訳なさそうにしていた。


恭介「ああ、うん…… これから話すよ。話していい?」

さやか「……どうぞ」

恭介「よかった…… やっぱりあのままじゃ駄目だとは思ってたんだ」

恭介「君になんて言ったらいいかわからなくて、今まで逃げてた」

恭介「……相変わらずなんて言ったらいいかわからないし、気の利いたことは言えないけど、
   でも、逃げずにちゃんと話すよ」

さやか「…………」


恭介「実は…… 彼女と別れたんだ」

恭介「さやかの言葉を聞いて、やっぱり間違ってたのかな……って思って」

恭介「僕には恋とかまだわかんないんだ。
   結局、君やあの子とどうなりたいのかっていったら、友達や仲間とかで」

恭介「それなのに何も考えずに告白を受け入れちゃって……」

さやか「……で、そう言った結果がそれ?」


 無言でうなずく恭介。
 これにはさやかも苦笑いを浮かべるしかなかった。


恭介「前に君に言われた通り、バカなんだよ僕は」

恭介「それで誰かを傷けるなんて思いもしなくて」

恭介「君にも迷惑をかけてしまった」

さやか「あーもういい! わかってるって!」

さやか「あれだけ一緒ん居てさ、あたし本当は理解してたはずだったんだよ。
    少なくとも今は、あんたはそういう人なんだろうなって」

さやか「いろいろ悩んで考えて、恨んだり傷ついたりしてたけど…… でもなんか、もう今は未練ないから」

さやか「こんだけ盛大に失恋したらね……むしろスッキリしたくらい」

さやか「あきらめがついたっていうより、失望したって感じだけど。
    考えてみたらわかってたことだし」

恭介「し、失望か。そうだよね。それじゃあ…… 」

さやか「友達くらいでならいてあげる」

さやか「同じクラスで家も近所、露骨に避けてるわけにもいかないでしょ」

さやか「もう誰が悪いとか考えたくないし、誰かを恨みたくはないから」

さやか「なにより、やっぱり、あたしの願いを託したあんたと悪い関係で終わらせたくはない」

恭介「!」

さやか「じゃあたしもう帰るからね」



 この関係は、もう以前と同じようにはならないのだろう。
 それに、さやかも以前と同じような関係に戻ることを望んでいたわけではない。

 それでも、希望を願い、それをずっと背負っていく魔法少女として

 さやかも少し成長していた。


――なぎさ編 After Story・あすみ参入 終了

・主人公
 【百江なぎさ】(契約・生存)


※☆は前回ENDからの変更点です

 巴マミ(契約・生存):親友
 ☆暁美ほむら(契約・生存):友人+
 鹿目まどか(未契約・生存):友人
 美樹さやか(契約・生存):友人+
 ☆佐倉杏子(契約・生存):友人+
 ☆上条恭介:知人-

 鹿目まどか(契約):友人



END


※あすみの設定は話によって変えます



この物語での神名 あすみ:

魔法少女歴が長く、非常に強力な戦闘能力を持つ。
魔法は警戒していると効果が弱まるものの応用が広い。

終わらない虐待により希望をなくし、周囲を憎み、魔法少女たちを絶望させていく中で人間の醜さと脆さを思い知る。
以前まで抱いていた恐れの感情や弱さを完全になくしたと同時に、自分を取り巻く世界すべてに呆れていた。
もとは優しい性格だったが、契約をきっかけに徐々に攻撃的でプライドが高く『自分が搾取する側であること』に固執する性格に歪んでいってしまった。


母と2人で貧しいながらも幸せに暮らしていたが、母が過労により他界。
その後父の知り合いに引き取られ虐待を受け『自分の知る全ての人の不幸』を願い契約、というところまでは元スレの設定通り。

あすみは契約してからすぐにはやりたいように暴れていたが、
力でねじ伏せることのつまらなさに気づき『インキュベーター』としてキュゥべえの仕事を手伝いを始めた。
直接ねじ伏せることは少なく、キュゥべえから情報をもらい間接的な介入で魔法少女たちを絶望に導いていた。

あすみの願いによって保護者の男は横領の濡れ衣を着せられ逮捕。仕事をクビになり多額の借金を背負い、再就職もできず荒れる。
しまいには何者かの放火により家を消失、杏子が来るより1ヶ月ほど前に離れた街のアパートに引っ越してきた。
ついに心を壊して家に籠りきりになっていた男が魔女に食べられたのは、最後の不幸だった。

日程

-12日 ワルプルギスの夜
-10日 あすみの保護者が魔女に食われる。杏子が引っ越してくる。あすみと出会い同行。
-9日 設定上ではあすみ契約

-7日 少女契約。神様がこの街に来る、杏子たちのことを発見。

-2日 少女失踪。

EX.0日 プロローグ、なぎさたちのもとに神様が来る
Ex.1日 杏子に会いに行く。あすみと対面、魔法少女狩りのことを情報交換。このときにあすみも神様の存在を知る。
      結局、少女の失踪の原因は友達に裏切られたことによる絶望=魔女化だったということがわかる。
      帰り道で魔女出現。倒した後QBがみんなに声をかける。QBに聞くと、魔法少女狩りなんてものは起きていないと答える。

      この日までで魔法少女狩りの件を解決してない場合は、危ないのであすみと杏子がほむらの家に泊まる。
      解決した場合は杏子はマミと言い合いになった挙句、あすみをなぎさたちに預けると言う。
      ここから杏子・神様と別れ、あすみは見滝原でほむらと一緒に暮らすことに。

      あすみ:ほむらの記憶を視る。ここで見滝原の魔法少女たちと杏子について大体の事情を知る。
          (この前から杏子の記憶を覗いていたため杏子・マミ・なぎさの事情については知っていた) 神様の正体を知り、目をつける。

Ex.2日 見滝原:ほむらの家に遊びに行くことに。あすみの契約が杏子のための願いだったことを知る。
      杏子:神様と話してた。

Ex.3日 見滝原:恭介の家でプチ演奏会。その後ほむらの家で料理指導。ほむらは投げ出した。その頃さやかは恭介の家に泊まってた。
      一日終了後にほむらの家のシーン。
      神様が帰ってくる。説得したけれどダメだったことと、たまには様子を見にいくということ。就寝後、あすみとの会話。

Ex.4日 見滝原:昼~夕方まで訓練。神様との話し合い。
         その後さやかが恭介に告白、しかし恭介は既に他の子と付き合っていたことが発覚。

Ex.5日 訓練・魔女狩り。
     杏子:午前、あすみの近所に住むおばさんと出会う。家がわかる。
        夜に家に寄ったらおばさんと再会。あすみの保護者についていくつかの情報がわかる。

Ex.6日 5日目に出会った怪我人を魔法で治す。まどかを含めてみんなでお茶会。
     その後、さやかが恭介の家を訪ねると彼女も一緒に居た。さやかは自分はもう恭介のそばにいなくていいと思い、自滅を受け入れてしまう。

Ex.7日 神様に手伝ってもらい入院中の人を治していく。マミ・さやかがカラオケに。なぎさは一足先に帰った。
     神様は何か気になる事件が起きたのでそちらを見たいというが……

Ex.8日 魔力コントロールの訓練中にさやかが恭介とのことをみんなに話す。
     マミは上条を問い詰めに行き、その後みんなであすみに魔女化のことを話す。夜、さやか失踪。深夜、あすみがさやかを魔法により支配下に。

Ex.9日 朝、上条がやってきてさやかの失踪が発覚。マミと二人でのVSさやか・VSあすみ。
     VSあすみ敗北後、杏子が見滝原に到着。あすみがいったん逃げる。あすみ、深夜に再襲撃。

乙です
あすみの格闘とかのレベルはどのくらいだったんだろ?

---------------
>>621
戦闘シーン用に資料作ってたので一応載せておきます

あと、あすみの武器について指摘してくれている方がいましたが、
わざわざフレイルと表記したのはフレイル型とメイス型をどちらも出そうと思っていたため区別して書いていたためです。
フレイルしかないのに設定通りにモーニングスターと呼ばないのも不自然といえば不自然な点ではある。



あすみ 戦闘コマンド(仮)

1フレイル 柄と棘鉄球が鎖でつながった近~中範囲打撃武器。基本形態。
 a必殺ビッグハンマー(魔力-50) :鉄球を大きくしてぶつける。パワー重視でスピードはなく、繰り出すのに時間がかかる。
 bチェインバインド :鎖部分で拘束。ただしこちらも動けなくなる。
2スタッフ :鉄球をなくして軽量化。その分威力は大分下がる。
3守護結界 :ドーム状の結界を張る。
4神の祈り(負傷回復)

◆ステータス
[魔力コントロールLv1] [格闘Lv1]



あすみ 戦闘コマンド

1モーニングスター【現在:フレイル】
 aフレイル(近~中):基本形態。柄に鎖で棘鉄球がついた形態。
 bメイス(近):鎖部分をなくした形態。地面に叩きつければ棒高飛びのように飛び上がることも可能。
 cスタッフ(近):鎖も鉄球も取っ払ったらこうなった。非常に身軽に動ける。でもモーニングスターでもなんでもなry
 d絶望ビッグハンマー(魔力-50) :棘をなくして鉄球部を大きくした超重量武器。威力は絶大だが機動力は最低。主に必殺技として使う。
2スターシュート(魔力-15):棘鉄球を飛ばす。主に拘束時や不意打ちに使える。
3チェインバインド :フレイルを複数ばら撒き、鎖を伸ばして敵を雁字搦めに捕える。予め設置しておけば罠としても使える。
4精神攻撃:悪夢に引き込み精神を蝕む。心に隙があるほど効果が高い。
5精神支配:相手の行動を乗っ取る。警戒心が高い相手には抵抗される。

5自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【基準:両腕使用可能レベル再生で-100程度】
6他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【基準:腕一本再生で-100程度】
7魔力結界Lv5

◆ステータス
[魔力コントロールLv5] [格闘Lv30]

○好感度一覧


・巴マミ
百江なぎさ:親友
暁美ほむら:友人+
鹿目まどか:友人
美樹さやか:友人+
佐倉杏子:友人+
上条恭介:後輩-
鹿目まどか:友人

・暁美ほむら
百江なぎさ:友人+
巴マミ:友人+
鹿目まどか:友人+
美樹さやか:友人+
佐倉杏子:信頼
上条恭介:知人
鹿目まどか:一番の理解者

・鹿目まどか
百江なぎさ:友人
巴マミ:友人
暁美ほむら:友人+
美樹さやか:親友
上条恭介:友人
佐倉杏子:知人
神様:恩人

・美樹さやか
百江なぎさ:友人+
巴マミ:友人+
暁美ほむら:友人+
鹿目まどか:親友
上条恭介:知人
佐倉杏子:仲間
鹿目まどか:親友

・佐倉杏子
百江なぎさ:信頼
巴マミ:信頼
暁美ほむら:仲間
美樹さやか:仲間
鹿目まどか:知人
神様:仲間


・神様
百江なぎさ:友人
巴マミ:友人
暁美ほむら:最高の友達
鹿目まどか:自分自身、自分の分身のような存在
美樹さやか:親友
佐倉杏子:心配
上条恭介:友人


★セーブしました


1セーブデータからロード
 ほむら編【After1後から再開。新展開】【指定場所からロード】
  [獲得した補正:(料理)Lv2中級者 アルティメット炒め物]
 キリカ編【ワルプル後から再開。翌日へ】【指定場所からロード】
 かずみ編【6日(水)朝】 ※Good・NearGood未クリア物語
  [獲得した補正:魔力コントロールLv2・格闘Lv1]
 Homulilly編【二周目の世界】 ※Good・NearGood未クリア物語
 QB編【ワルプル後から再開。翌日へ】【指定場所からロード】 ※暫定END
 中沢編【ワルプル後から再開。翌日へ】【指定場所からロード】
  [獲得した補正:成績関係の結果の補正が+18]
 なぎさ編【あすみ編後から再開。あすなろ編】【指定場所からロード】
2新主人公を決めて新物語


 下3レス中多数決

――――――――――――――――――
【メガほむ編ロード】
今までのあらすじ。

 ○メガほむ編After EX・6日目 13時

・ワルプルギスの夜の後

・別の平行世界から持ってきた織莉子が消えるという日の間近、おりキリの企みがわかったあたりの話です


ほむら 魔力[80/100] 状態:正常

GS:4つ
・[0/100]
・[0/100]
・銀[65/100]
・落書き[100/100]
・ハコ[100/100]
・[100/100]


・肉体強化
 ――【現在不使用】

所持品(盾)
・武器
 拳銃(デザートイーグル50AE) 残弾:23
 ショットガン(レミントンM870) 残弾:10
 日本刀
 爆弾×38
 ゆまちゃんからの手紙
・その他
 なし

◆ステータス

[魔力コントロールLv4] [体術Lv1] [射撃能力Lv3]



・時間停止:時間を止める【使用不可】
・時間遡行(魔力-15)【使用不可】
・世界移動(魔力-20) 今まで繰り返して出来た平行世界に移動する。但し時間の移動はできない。
1クロックダウン(1ターンにつき魔力-6)解除 :単体の時間を減速する。爆弾にかければ起爆までの時間も操れる。
2クロックストップ(魔力-70・効果時間3秒):単体の時間をほぼ動けないくらい減速させる。
3射撃
 a拳銃(強化用魔力-5)(残弾:23)
 bショットガン(強化用魔力-5)(残弾:10)
 cレーザーガン(魔力-10) :拳銃から魔力を直接発射。もう弾を盗めないほむらの苦肉の策。
4爆撃(爆弾所持数:38) :爆弾を投げつける。注意して余裕を持って使わないと仲間や自分に被害が及ぶ危険有り。
5打撃【体術Lv0】
 体術:主に盾で殴るくらい
6その他盾の中に入ってるもの
 a日本刀(強化用魔力-15) :【剣術Lv0】現物なので耐久力はあんましない。更にすぐ刃こぼれする。
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:両腕使用可能再生で-100程度】
7他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:軽症回復で-100程度】



――――――――――――――――――

―EX・6日目


【13時】


QB「それで、あの二人にいくつスペアを潰されたことか……
   なんとか逃げてきたけどね」

ほむら「……話は大体わかったわ。嘘だった、と」

ゆま「オリコが別なところにいかなくてすむのはうれしいけど、でも…」

杏子「あっちがかわいそう… か?
   だがあいつら、きっとすぐ襲ってくるぞ。あっちの事情がバレた以上あとは直接対決しかないだろう」

杏子「それにもうこれ以上相手にとって良い状況になることはないんだ。
   こんな話聞いたらバラけたりは絶対しないしな。機を待ったところで意味もない」

ほむら「そうですね…… でも、出来れば他の住人とかに迷惑かかるのは嫌です」

ほむら「最悪、家ごと壊されたり、一般人を人質にされたりなんてこともありそうですから」


 まどかの時は、世界がかかっていて、結果的に多くの人の命もかかっていた。
 その目標自体は、正義の行動だといっても間違ってはいなかった。

 でも、きっと規模や善悪なんて関係ない。“自分の世界が壊される”ことに変わりはないのだから…
 その気持ちを、昨日まどかを殺すことを覚悟して理解した。


織莉子「……… 私は、帰らなくて済む…の?」

ほむら「はい。消えるというのも嘘だったんです。このままなら消えるのは、あっちの… 元からこの世界に居た美国織莉子……」

織莉子「……それを、向こうは許しはしないでしょうね」

ほむら「……」


QB「気をつけた方がいい」

QB「向こうの織莉子は、自分の未来が見えづらくなる代わりにこっちの織莉子の未来が見えやすくなっている。
   もうリミットはあと1日。本来の未来予知にかなり近い精度でこっちの織莉子の未来を視ることが出来るようになっているはずだ」



1自由安価
2場所移動
 a路地裏
 b歩道橋
 c土手
 d鉄塔
 e廃工場
 f立体駐車場

下1レス


ほむら「とりあえずすぐにここから離れましょう。インキュベーター、あなたも一緒に」


 インキュベーターがぴょこんと肩に乗る。

 ……正直振り落としたいけれど、ここは我慢だ。


QB「構わないけど、どこにいくんだい?」

ほむら「そうね、どこに逃げようか…?」



場所移動
 a路地裏
 b歩道橋
 c土手
 d鉄塔
 e廃工場
 f立体駐車場
 gその他(安価指定)

 下1レス


ほむら「織莉子には予知がある以上逃げ切れる可能性は低い」

ほむら「戦いになっても困らないなるべく人気が少ないところ……町外れに行きましょう」


 家を出て走り出す。
 町外れといったら、工業地帯の先か…… 風見野との県境のほうに行けば、人通りは相当減るだろう。


 移動しながら、戦いに向けて作戦を話す。


ほむら「……とりあえず、織莉子達と戦いになったときのフォーメーションを考えてみたのですが」

ゆま「フォーメーション?」

ほむら「はい。どう戦うか……というか」

ほむら「私が織莉子を抑えますので、佐倉さんはキリカをお願いします。
    ゆまちゃんは織莉子さんの護衛をお願いします」

杏子「ああ、了解だ」

ゆま「オリコが怪我しないように守ればいいんだよね!がんばる!」



 ビジネス街を抜け、工業地帯を抜け、人気の少ない開けた場所へと出る。


ほむら「ここまでくれば……」

杏子「戦う準備は万全だな」

ほむら「……はい。ここで迎え討ちます」


キリカ「へえ、迎え討つ……か」


織莉子「! あれが…… この世界の私!」


 ゆまちゃんがサッと織莉子さんを守るように前に出る。


「どうも、はじめまして。私は…… いえ、私が。美国織莉子よ」

「この世界ではね」

織莉子「…………」

ほむら「……来ましたか。というよりも、つけてたの? まあ、いいわ」

ほむら「丁度こちらも準備ができたって思ってたところだったんですよ…… あなたたちと戦う準備が」

「ええ、私たちだってちゃんとした場所で戦えるほうがいい。だから、あなたたちがここにたどり着くまで待った」

杏子「人目なんて気にするような奴らかよ」

「キリカは世間では死んだはずの身。騒ぎを大きくしてしまったら、あなたたちに勝っても私たちが快適に暮らせない」

「それじゃ困るでしょ?」


 両者の間に滾る闘気。
 しかし、織莉子は今までと同じ、落ち着いた口調で話を始めた。


「……でもその前に、ちょっと待ってくれる?」

ほむら「…………」

「私たちだって、本当は戦いたいわけじゃない」

杏子「なんだ今更、ここまで来て本当は戦いたくないだと?」

「少し話がしたいの。……そちらの私」

織莉子「!」

「貴女がいるべきはこの世界じゃない。この世界は私が苦悩の果てに勝ち取ったもの。私の幸せ」

「それを、ただ貴女が『返す』と言ってくれれば全てが済むのよ」

「私たちが戦うことはなくなる。誰も傷つかない。誰も死なない。最善の選択だと思わない?」

織莉子「……私は……――」

ほむら「いいんです」

ほむら「話とか言って私たちのことを引き合いに出して、断れば殺すだなんてただの脅しじゃないですか!」


「……言い方が悪かったわね」

「けれど、断れば戦うしかない。どちらも譲れない。そうでしょう?」

「元々私がこの世界に居た。私はこの世界で生きてきた。この世界の、未来を救った……!
 なのに、何故いきなり現れたやつに大人しく奪われなきゃいけない?」

「だって、そんなのは理不尽じゃない!」

「折角“美国”から解放されたのに、その結果がこれなんて
 私は幸せになってはいけないとでもいうの…?」

「そっちが帰れば済む話よ。消えるわけでもなく、元居た場所に戻るだけ。それが一番自然な解決じゃない…!」

ほむら「……」

「私は自分の命を、自分の未来を守るために戦うの。
 あなたたちが受けいれない限り、そのために戦うのはしょうがないこと。でも、あなたたちが受けいれれば戦わなくて済むことなのよ……!」


「……ねえ。自分の世界に帰ってくれない?」


1自由安価

2安価内容で提案
3安価内容で質問

4二人の意見を聞く
5織莉子さんの意見を聞く

 拒否 (戦闘開始)
6「あなたが視えているとおりです。帰る気はありません」
7「かわいそうですけど、もうあなたのことを信じられません」
8「あなたに殺された人たちも命乞いもできずに理不尽に殺されていきました。因果応報じゃないですか?」


 下3レス中多数決(セリフは各選択肢により態度が若干変わるので1つのみ選択)


ほむら「答えを出す前に、でもひとつ言わせてください」

「……」

ほむら「理不尽とか言ってましたけど、あなた方にそれを口にする資格はあるんですか?
    あなた方に殺された人たちも理不尽に殺されていきましたよね?」

ほむら「まどかも、美樹さんも、上条くんも名も知らない魔法少女達も、何も悪いことをしてなかったのに…」

ほむら「彼らに理不尽な死を与えて未来を奪っておきながら、虫が良過ぎるとは思わないんですか!?」

キリカ「な… 君達、織莉子のおかげで平和に暮らしてられるってのに今更文句言うのか!」

キリカ「織莉子のやり方は間違ってなかった!あれは救世のための仕方の無い犠牲だっただけ!それとこれとは別だ!」

杏子「駄目だこいつ… 救いよう無いな。罪悪感まるで無しか」

「…いいえ、そういうことじゃないわ、キリカ。
 そうね、確かに救世の為とはいえあまりにも多くの命を奪った」

「奪われる側からすればどんな事情も関係ない。『しょうがなかった』なんていって諦められない。
    自分の番が回ってきた時にだけ嘆くのは虫が良すぎるというのは確かにそうなんでしょう」

「でも、だから諦めろというのなら私は…」

ほむら「あなたの予知の力を、まどかをキュゥべえから守ることに向けてくれていたら、守ることが出来たかもしれなかったのに……」


「……『出来たかもしれない』。そんな可能性にかけるのが正しいと、本気で思っている?」

「いつ契約するかわからない、守ろうとしたって守り切れる保証すらない存在をずっと見張るより、
 最初から消してしまうのが世界を守るには確実な選択だった…… だからやった。結果、こうしてこの世界が続いている」

「本当は貴女だってわかっているのでしょう。ただ一人全てを識っていた私が、こうするしかなかったことを!」

ほむら「……正しいですよ。目的を遂げるための手段としては最適だったんでしょう」

ほむら「でも言いましたよね。『奪われる側からすればどんな事情も関係ない』」

ほむら「私はあなたたちのことを恨んでるんです。それこそわかってないわけじゃないくせに」

ほむら「それに今回の件で、やはりあなた達は信用のおけない相手だとわかりました」

ほむら「これまであなた達には散々騙されてきましたし……
    かわいそうですがこちらの織莉子さん…私たちの大切な友人の未来のために消えてもらいます」


ほむら「……今度は貴方達が理不尽な目にあってください、自業自得ですけどね」


織莉子「あ、暁美さん……――!」

ゆま「あぶないよ、そのままうしろにいて!」


キリカ「死ねェ!」


―――ビュンッ
 鋭い刃が首を刈り取りにかかる

 辺りを包む魔力。速度低下の能力…… 呉キリカは既に戦闘態勢に入っていた。


ほむら「っつ……!」

 一筋の血が飛ぶ。
 怒って攻撃してくるだろうことは予測はできていた。回避したはずなのだが、かすってしまった―――

 とはいえ傷口は深くない。

 変身をする。


杏子「いきなりだな!ご主人を悪く言われてお怒りかよ!」

杏子「っ!」

 佐倉さんはすかさずキリカに攻撃しようとしたが、そこに水晶が飛んでくる。
 攻撃をやめ、槍で払う―――


 計画とは異なってしまったが、もう後にはひけない。どうにかやるしかない。



ほむら 魔力[80/100] 状態:負傷(小)

GS:4つ
・[0/100]
・[0/100]
・銀[65/100]
・落書き[100/100]
・ハコ[100/100]
・[100/100]


仲間:
杏子 状態:正常
ゆま 状態:正常


敵:美国織莉子 呉キリカ


装備:なし【体術Lv0】(近接・魔力-0)

・時間停止:時間を止める【使用不可】
・時間遡行(魔力-15)【使用不可】
・世界移動(魔力-20) 今まで繰り返して出来た平行世界に移動する。但し時間の移動はできない。
1クロックダウン(1ターンにつき魔力-6)解除 :単体の時間を減速する。爆弾にかければ起爆までの時間も操れる。
2クロックストップ(魔力-70・効果時間3秒):単体の時間をほぼ動けないくらい減速させる。
3射撃
 a拳銃(強化用魔力-5)(残弾:23)
 bショットガン(強化用魔力-5)(残弾:10)
 cレーザーガン(魔力-10) :拳銃から魔力を直接発射。もう弾を盗めないほむらの苦肉の策。
4爆撃(爆弾所持数:38) :爆弾を投げつける。注意して余裕を持って使わないと仲間や自分に被害が及ぶ危険有り。
5打撃【体術Lv0】
 体術:主に盾で殴るくらい
6その他盾の中に入ってるもの
 a日本刀(強化用魔力-15) :【剣術Lv0】現物なので耐久力はあんましない。更にすぐ刃こぼれする。
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:両腕使用可能再生で-100程度】
7他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:軽症回復で-100程度】


 下1レス


 拳銃を抜き、目線を織莉子のほうに移す。胸元に真珠色のソウルジェムが目に入った。
 織莉子のほうに向けて―――


ほむら「――ッ!」

キリカ「遅いッ! 銃じゃ私に勝てないよ!!」


ほむら(まずいっ!)


 執拗に私を狙うキリカのその懐に佐倉さんがタックルをかます。
 それも当たらずすぐに体勢を整えたが、一瞬でもこちらから意識は外れた。


杏子「走れ―――!」

キリカ「二人とも刻むッ!」


 その時、織莉子が推奨を浮かび上がらせ広範囲に流星のように降らせる。
 後ろにまで届く水晶……続けさせるわけには―――!



 下1レスコンマ判定
奇数 逃れる


 拳銃を向けなおすと、織莉子はそれに気づいて射線を避けるように走る。

 魔力を銃口からビームにして放出する。

 速度低下のせいでとても追えるようなスピードじゃないが―――



下1レスコンマ判定
10の倍数 かする
00 命中


 しかし、走りながらで正確な狙いができないのは向こうも同じようで、
 気づけば攻撃の範囲は大分狭まっていた。

 ゆまちゃんと織莉子さんのほうへの攻撃はやみ、
 代わりに――――代わりに?


ほむら(後ろ――――ッ!?)

ほむら「ぐっう……!」


 狭まったんじゃない。私のことを狙っていた―――!


「それじゃ、攻撃を…………再開」

「一生懸命盾になって治癒魔法で治しながら守ってるみたいだけど、どれだけ持っていられる?」

「千歳ゆま」



下1レスコンマ判定
10の倍数


織莉子「……………っ」

織莉子「も、もういいわ! 私が帰ればいいんでしょう!?」

ゆま「お、オリコ!」

織莉子「戦いというより、正真正銘の殺し合いなのだと…… 今やっと実感しました。……私が一番の当事者だというのに情けないことです」

織莉子「このままではみんな死んでしまいます……!」

「……そのセリフ、もっと早くに言うべきだったわね」

「もう戦いは止められない」

杏子「悪いがその通りだ。互いに、今降参したところで相手が素直に攻撃をやめてくれるかはわからないんでね」

キリカ「当たり前だ! それに今更許すわけないじゃん!ねえ、織莉子?」

「……ええ、私たちは貴女たちをここで確実に殺す」


 足音を立てないように、静かに起き上がる。
 見てみると、ゆまちゃんはもうボロボロだった。それでも織莉子さんの前に立っている。

 ゆまちゃんにはあれほどの珠を全てさばく技術はない。まだ魔力結界なんてものも張れない。
 唯一確実に防げる方法は、自分の体を盾にすることくらいだった。


 佐倉さんのほうも、やや押され気味だ。
 技術だけなら佐倉さんのほうが上だろうに、『速度』のアドバンテージのせいでまともに攻撃を仕掛けられないでいる……



ほむら(それで私はいつまで寝ているの)

ほむら(戦うことを決めたのは私だ。だったら最悪死んでしまうまで戦わなければならない)

ほむら(ここからでも、狙えば……!)


ほむら 魔力[70/100] 状態:負傷(中)

GS:4つ
・[0/100]
・[0/100]
・銀[65/100]
・落書き[100/100]
・ハコ[100/100]
・[100/100]


仲間:
杏子 状態:正常
ゆま 状態:負傷(大)


敵:美国織莉子 呉キリカ


装備:なし【体術Lv0】(近接・魔力-0)

・時間停止:時間を止める【使用不可】
・時間遡行(魔力-15)【使用不可】
・世界移動(魔力-20) 今まで繰り返して出来た平行世界に移動する。但し時間の移動はできない。
1クロックダウン(1ターンにつき魔力-6) :単体の時間を減速する。爆弾にかければ起爆までの時間も操れる。
2クロックストップ(魔力-70・効果時間3秒):単体の時間をほぼ動けないくらい減速させる。
3射撃
 a拳銃(強化用魔力-5)(残弾:23)
 bショットガン(強化用魔力-5)(残弾:10)
 cレーザーガン(魔力-10) :拳銃から魔力を直接発射。もう弾を盗めないほむらの苦肉の策。
4爆撃(爆弾所持数:38) :爆弾を投げつける。注意して余裕を持って使わないと仲間や自分に被害が及ぶ危険有り。
5打撃【体術Lv0】
 体術:主に盾で殴るくらい
6その他盾の中に入ってるもの
 a日本刀(強化用魔力-15) :【剣術Lv0】現物なので耐久力はあんましない。更にすぐ刃こぼれする。
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:両腕使用可能再生で-100程度】
7他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:軽症回復で-100程度】


 下1レス +コンマ10の倍数で…

---------------------
ここまで
次回は7日(月)20時くらいからの予定です



 片眼を瞑り、狙いを定める。


「!」


 引き金を引くのと織莉子が動いたのは同時だった。


「……そろそろ起き上がれる頃か。時間切れね、先にあちらの対処をしないと」


 ……――打ち出された鉛玉が当たることはなかった。
 しかし、一旦織莉子さんとゆまちゃんから意識を離すことはできた。


ほむら(しかし、どうしたらいいんだろう?)

ほむら(予知を抜いても、呉キリカの魔法がある限り攻撃を当てることは難しいのに)

ほむら(時間停止さえあれば……。思えば、私はずっとあれに頼り切りだった)


 攻撃の対象をこちらに移し、織莉子が水晶の弾幕を放つ。

ほむら「っ! ……く…!」

 一つ一つに大した威力はないものの、連続して当たるのは結構堪える。
 生身の人間である織莉子さんだったら数発も当たれば、恐らく……



ほむら 魔力[70/100] 状態:負傷(中)

GS:4つ
・[0/100]
・[0/100]
・銀[65/100]
・落書き[100/100]
・ハコ[100/100]
・[100/100]


仲間:
杏子 状態:正常
ゆま 状態:正常

敵:美国織莉子 呉キリカ


装備:なし【体術Lv0】(近接・魔力-0)

・時間停止:時間を止める【使用不可】
・時間遡行(魔力-15)【使用不可】
・世界移動(魔力-20) 今まで繰り返して出来た平行世界に移動する。但し時間の移動はできない。
1クロックダウン(1ターンにつき魔力-6) :単体の時間を減速する。爆弾にかければ起爆までの時間も操れる。
2クロックストップ(魔力-70・効果時間3秒):単体の時間をほぼ動けないくらい減速させる。
3射撃
 a拳銃(強化用魔力-5)(残弾:22)
 bショットガン(強化用魔力-5)(残弾:10)
 cレーザーガン(魔力-10) :拳銃から魔力を直接発射。もう弾を盗めないほむらの苦肉の策。
4爆撃(爆弾所持数:38) :爆弾を投げつける。注意して余裕を持って使わないと仲間や自分に被害が及ぶ危険有り。
5打撃【体術Lv0】
 体術:主に盾で殴るくらい
6その他盾の中に入ってるもの
 a日本刀(強化用魔力-15) :【剣術Lv0】現物なので耐久力はあんましない。更にすぐ刃こぼれする。
7自分の負傷を回復(魔力 全快:-50 軽:-35)
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:軽症回復で-100程度】
8引き続き防御


 下1レス +コンマ10の倍数で…


 織莉子のほうが手数が多く速さもある。このまま撃ち合いをすれば私に勝ち目はない。狙われっぱなしだ。

 飛んできた水晶をショットガンで砕く。
 織莉子のほうへと走り出し、もう一度織莉子に向けて構え、発砲する。


「……!」

ほむら「当たって!」




 下1レスコンマ判定
0~42 命中



「っつ!」


 大したダメージではないにせよ、一瞬の隙ができたことは確かだ。
 立ち直るまでの時間に追撃できれば……!



ほむら 魔力[70/100] 状態:負傷(中)

GS:4つ
・[0/100]
・[0/100]
・銀[65/100]
・落書き[100/100]
・ハコ[100/100]
・[100/100]


仲間:
杏子 状態:正常
ゆま 状態:正常

敵:美国織莉子 呉キリカ


装備:なし【体術Lv0】(近接・魔力-0)

・時間停止:時間を止める【使用不可】
・時間遡行(魔力-15)【使用不可】
・世界移動(魔力-20) 今まで繰り返して出来た平行世界に移動する。但し時間の移動はできない。
1クロックダウン(1ターンにつき魔力-6) :単体の時間を減速する。爆弾にかければ起爆までの時間も操れる。
2クロックストップ(魔力-70・効果時間3秒):単体の時間をほぼ動けないくらい減速させる。
3射撃
 a拳銃(強化用魔力-5)(残弾:22)
 bショットガン(強化用魔力-5)(残弾:8)
 cレーザーガン(魔力-10) :拳銃から魔力を直接発射。もう弾を盗めないほむらの苦肉の策。
4爆撃(爆弾所持数:38) :爆弾を投げつける。注意して余裕を持って使わないと仲間や自分に被害が及ぶ危険有り。
5打撃【体術Lv0】
 体術:主に盾で殴るくらい
6その他盾の中に入ってるもの
 a日本刀(強化用魔力-15) :【剣術Lv0】現物なので耐久力はあんましない。更にすぐ刃こぼれする。
7自分の負傷を回復(魔力 全快:-50 軽:-35)
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:軽症回復で-100程度】


 下1レス



 更に走り出す。

 ―――銃を向ける。




 下1レスコンマ判定一桁
0~1命中
2~3間に合わず



キリカ「織莉子っ……!」



――――――――――
―――――


ほむら「―――…ぇ……?」


 気づいたら遠くに飛ばされていた。
 そして……ひどい重傷を負っていた。



 見上げると目の前には織莉子の姿。

 遠くには散弾銃が転がっていて……

 自分の状態はたくさん水晶を撃たれたような重い打撲と、大きな刃で斬られたような傷。

 しかし攻撃を受けた過程はまったくわからなかった。


杏子「おい、もう観念しろ」


 その頃キリカは地面に倒れこんでいた。

 簡単なことだった。キリカは織莉子のピンチを察した時、一時的にほむらだけに向けて強力な速度低下をかけた。
 その結果、戦いの途中だったというのに意識が逸れ、織莉子が助かった代わりに杏子の一撃をまともに食らってしまったのだった。

 ……つまり庇ったということだった。


キリカ「へえ……もう勝った気でいるのか」

キリカ「まだ織莉子が居るんだよ? 動けなくなろうが速度低下だけは持続させてやる……!」

キリカ「お前らなんかに……織莉子の全てを奪われてたまるものか……!」

キリカ「私は負けてもいい。じきに君のことは織莉子が殺す!」

 キリカはソウルジェムを庇うように、腰を地面につけたまま腹のあたりを腕で覆っている。

杏子「……そうかい」


 しかしそれを意に介さず、杏子は地面から槍を突き出させてキリカのソウルジェムを貫いた。
 地面からの攻撃はさすがに予想してなかったのか、あっけなく終わった。


杏子「これで速度低下の術もなくなったぞ」

杏子「……一つ聞くが、お前はその罪を背負ったまま、一人でもこの世界で生きたいのか」

「…………」


 織莉子は答えない。


「どうでしょうね。でも……それでもやめることはできない」


 織莉子が手に持つ水晶の刃は、ほむらの体を切り裂いたものだった。
 織莉子はもう一度刃を振るう。

 その腕へ向けて。


杏子「……」

ゆま「……ホムラッ!」


 駆け寄ってきたゆまに向けて、織莉子が水晶を放つ。


「今の私は」

「もう怒りで動いているだけなのかもしれない」


 みんなが見ている前でソウルジェムを踏み抜いた。



―BADEND.

----------------------
ここまで
どちらも本気で相手を殺そうとしているわけで、無犠牲はかなり難しい気も……

次回は9日(水)20時くらいからの予定です


1セーブデータからロード
 ほむら編【After1後から再開。新展開】【指定場所からロード】
  [獲得した補正:(料理)Lv2中級者 アルティメット炒め物]
 キリカ編【ワルプル後から再開。翌日へ】【指定場所からロード】
 かずみ編【6日(水)朝】 ※Good・NearGood未クリア物語
  [獲得した補正:魔力コントロールLv2・格闘Lv1]
 Homulilly編【二周目の世界】 ※Good・NearGood未クリア物語
 QB編【ワルプル後から再開。翌日へ】【指定場所からロード】 ※暫定END
 中沢編【ワルプル後から再開。翌日へ】【指定場所からロード】
  [獲得した補正:成績関係の結果の補正が+18]
 なぎさ編【あすみ編後から再開。あすなろ編】【指定場所からロード】

2新主人公を決めて新物語



 下3レス中多数決


キリカ「余裕で喋ってる時間すらあげない!」

キリカ「織莉子のためならと恥を忍んで頼んだのに!殺してやる!」

 私とゆまちゃんも変身する。
 これは、もう後には退けなそうだ。


 喋ってる間にも猛攻は続き、佐倉さんは防戦一方でやや押され気味だ。


織莉子「あくまで私達は、どこまでも戦わなくてはいけない運命なのね…」

織莉子「それなら仕方ないわ。…――徹底的に排除する!」




ほむら 魔力[80/100] 状態:正常

GS:4つ
・[0/100]
・[0/100]
・銀[65/100]
・落書き[100/100]
・ハコ[100/100]
・[100/100]


仲間:
杏子 状態:負傷(小)
ゆま 状態:正常


敵:美国織莉子 呉キリカ


装備:なし【体術Lv0】(近接・魔力-0)

・時間停止:時間を止める【使用不可】
・時間遡行(魔力-15)【使用不可】
・世界移動(魔力-20) 今まで繰り返して出来た平行世界に移動する。但し時間の移動はできない。
1クロックダウン(1ターンにつき魔力-6)解除 :単体の時間を減速する。爆弾にかければ起爆までの時間も操れる。
2クロックストップ(魔力-70・効果時間3秒):単体の時間をほぼ動けないくらい減速させる。
3射撃
 a拳銃(強化用魔力-5)(残弾:23)
 bショットガン(強化用魔力-5)(残弾:10)
 cレーザーガン(魔力-10) :拳銃から魔力を直接発射。もう弾を盗めないほむらの苦肉の策。
4爆撃(爆弾所持数:38) :爆弾を投げつける。注意して余裕を持って使わないと仲間や自分に被害が及ぶ危険有り。
5打撃【体術Lv0】
 体術:主に盾で殴るくらい
6その他盾の中に入ってるもの
 a日本刀(強化用魔力-15) :【剣術Lv0】現物なので耐久力はあんましない。更にすぐ刃こぼれする。
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:両腕使用可能再生で-100程度】
7他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:軽症回復で-100程度】


 下1レス


 拳銃を取り出――――

ほむら「きゃっ!」

 ――取り出そうとした手を狙って水晶が打ち込まれる。


織莉子「先手は取らせない」

織莉子「貴女たちにはこのまま倒れてもらう!」


 これは予知というより単純に速度差によるものだろう。

 次々と放たれる弾幕……
 まともに食らってしまえばあちらのペースだ。


 さっきの攻撃で拳銃の落ちた場所を目で確認する。

ほむら(避けられる……かしら?)


 下1レスコンマ判定
0~20 回避
+30~90内で10の倍数なら機転により回避


 地面に飛び込む。

ほむら「く……――っ!」

 完全に避けきれたわけでないにせよ、間一髪で直撃は免れた。

 拳銃に手を伸ばす。


 下1レスコンマ判定
10の倍数 命中


ほむら「えいっ!」

 拳銃を拾って立ち上がってすぐ、織莉子のほうに向けて発砲する。


ほむら(外した――!)


 再び織莉子の周囲に水晶が浮かび上がるのが見えた。


ほむら(……ただでさえこの速度差のせいでよく狙う時間がない)

ほむら(このまままともに撃ち合いをするのはこちらが不利だ…… どうしたら)


 防御の態勢に入る。
 しかし予想していた衝撃は来なかった。


ゆま「やぁあッ!」


 代わりに、水晶を巻き上げ一直線に織莉子のほうへ向かっていく衝撃波。


ほむら「すごいよゆまちゃん!これで隙が……――」

ゆま「! ホムラ、見て!」


 しかし……気づくと目の前に織莉子の姿はなくなっている。


ほむら(当たる前に予知して逃げていた――? でもどこに)


ほむら(――――後ろ!)


 代わりに、斜め後ろから。

 さきほどの水晶の弾幕とは打って変わって、織莉子は水晶でできた大きな刃を手に持ち振りかぶっていた。



 下1レスコンマ判定
5の倍数 攻撃により負傷

5の倍数のうち、
30以下ならほむら
40~60でゆま
70~90で両方

-------------------
ここまで
次回は13日(日)17時くらいからの予定です



―――刃が空を斬る。


ほむら「はぁ……っ、はぁ…っ」

織莉子「間に合わなかったか、まあいいわ」



 織莉子が再び剣を構える。


ほむら(強い…… なんて隙の無い動き、攻撃……)


キリカ「攻撃してこないの? さっきから必死に守ってばっかでさぁ」

キリカ「そんなんじゃ私は殺せないよ?」

杏子「フン、安い挑発には乗らないぞ」


杏子「だが……」

キリカ「!」


 地面から槍が突き出す。

 キリカは軽々と避けてみせ、さらに踏み込んで攻撃を仕掛けた。
 それと同時に、攻撃を受け止めた柄がいくつかに分解され、間をつなぐ鎖が現れる。

 その直後に鎖の先端についた刃が襲ったのはキリカの背後だった。


杏子「そろそろ防戦一方じゃつまらないと思ってたのは、あたしも同じだ」


 しかし刃は当たることなくから回った。


キリカ「その程度、攻撃のうちに入らないけど!」

 キリカはいつの間にか上に居る。
 蹴りを腕で受け止めて杏子が言う。

杏子「じゃあ覚悟してな、次は避けられない攻撃用意してやるからよ!」

キリカ「そんな暇、あげると思う?」


 決着はまだつきそうにない。



織莉子「やはり、貴女の治癒魔法は厄介だわ。せっかく追い詰めてもすぐに回復されてしまう」

織莉子「出来れば早くに潰しておきたいところだけれど」

ゆま「っ!」


 一振り一振りが素早く鋭い。

 普段格闘で戦うイメージはないのに、その動きは明らかに素人のものではなかった。


 育ってきた環境……か。



ほむら 魔力[75/100] 状態:正常

GS:4つ
・[0/100]
・[0/100]
・銀[65/100]
・落書き[100/100]
・ハコ[100/100]
・[100/100]


仲間:
杏子 状態:負傷(小)
ゆま 状態:正常


敵:美国織莉子 呉キリカ


装備:拳銃【射撃Lv3】(強化用魔力1ターン-5)

・時間停止:時間を止める【使用不可】
・時間遡行(魔力-15)【使用不可】
・世界移動(魔力-20) 今まで繰り返して出来た平行世界に移動する。但し時間の移動はできない。
1クロックダウン(1ターンにつき魔力-6)解除 :単体の時間を減速する。爆弾にかければ起爆までの時間も操れる。
2クロックストップ(魔力-70・効果時間3秒):単体の時間をほぼ動けないくらい減速させる。
3射撃
 a拳銃(強化用魔力-5)(残弾:21)
 bショットガン(強化用魔力-5)(残弾:10)
 cレーザーガン(魔力-10) :拳銃から魔力を直接発射。もう弾を盗めないほむらの苦肉の策。
4爆撃(爆弾所持数:38) :爆弾を投げつける。注意して余裕を持って使わないと仲間や自分に被害が及ぶ危険有り。
5打撃【体術Lv0】
 体術:主に盾で殴るくらい
6その他盾の中に入ってるもの
 a日本刀(強化用魔力-15) :【剣術Lv0】現物なので耐久力はあんましない。更にすぐ刃こぼれする。
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:両腕使用可能再生で-100程度】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:軽症回復で-100程度】


 下1レス


ほむら(まともにやりあったら、私だったら多分ついていけない)

ほむら(ゆまちゃんだって、まだなんとか耐えてるけど……)

ほむら(…………ここから狙えるだろうか?)


 拳銃を構え、発砲のタイミングを狙う。
 相手は動いている。しかも高速で……


ほむら(当てるのは難しいかもしれない。しかし、牽制くらいになら)


織莉子「……」


ほむら(こっちを見た!?)

 一瞬だけど、織莉子はこちらを横目で捉えた。
 反射的に引き金を引いた。


 下1レスコンマ判定
00 命中
1~10 かする
11~20 誤ってゆまに当たる

スレ主は嫌なコンマ判定出すな
散々時間かけてこれかよ


 引き金を引くと、織莉子は私の弾丸を避けるでもなく視線を戻した。


ゆま「うっ!?」


織莉子「あらあら、よく狙いなさいな」

ほむら「ご、ごめんなさい! よりにもよって…… そんなつもりじゃ!」


 私の弾が当たった先は、ゆまちゃんのほうだった。
 織莉子は私が誤射するという未来も視ていたんだろう。

 それをチャンスとばかりに踏み込み、腹に刃を突き立てた。


ゆま「っ……………!!」


 更にトドメを指そうとする織莉子に、今度こそ後ろから頭を狙って発砲する。

織莉子「………」

 ……織莉子は体をひねって回避し、ゆまちゃんにありったけ水晶を撃ち込んでからこちらへ向きなおった。



織莉子「……いいわ、先に貴女から仕留めてあげる」

織莉子「回復をさせるだけの時間はかけない。貴女のことも、さっさと潰させてもらうわ!」


ほむら(―――!!)



ほむら 魔力[70/100] 状態:正常

GS:4つ
・[0/100]
・[0/100]
・銀[65/100]
・落書き[100/100]
・ハコ[100/100]
・[100/100]


仲間:
杏子 状態:負傷(小)
ゆま 状態:戦闘不能


敵:美国織莉子 呉キリカ


装備:拳銃【射撃Lv3】(強化用魔力1ターン-5)

・時間停止:時間を止める【使用不可】
・時間遡行(魔力-15)【使用不可】
・世界移動(魔力-20) 今まで繰り返して出来た平行世界に移動する。但し時間の移動はできない。
1クロックダウン(1ターンにつき魔力-6):単体の時間を減速する。爆弾にかければ起爆までの時間も操れる。
2クロックストップ(魔力-70・効果時間3秒):単体の時間をほぼ動けないくらい減速させる。
3射撃
 a拳銃(強化用魔力-5)(残弾:19)
 bショットガン(強化用魔力-5)(残弾:10)
 cレーザーガン(魔力-10) :拳銃から魔力を直接発射。もう弾を盗めないほむらの苦肉の策。
4爆撃(爆弾所持数:38) :爆弾を投げつける。注意して余裕を持って使わないと仲間や自分に被害が及ぶ危険有り。
5打撃【体術Lv0】
 体術:主に盾で殴るくらい
6その他盾の中に入ってるもの
 a日本刀(強化用魔力-15) :【剣術Lv0】現物なので耐久力はあんましない。更にすぐ刃こぼれする。
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【ほむらの基準:両腕使用可能再生で-100程度】
7他人の負傷を回復(魔力 全快:-120 軽:-100 中:-70)
 ゆま
8防御


 下1レス

----------------------
ここまで
次回は16日(水)20時くらいからの予定です


ほむら「!」

 拳銃を構える。
 その間にも織莉子はこちらに向かってきていた。素早く、まっすぐと。


 引き金を引く。


ほむら(どちらが速いか――――)

 ゆまちゃんが回復するのにあとどれくらいかかるだろう?
 その数秒の間の、1対1の戦い。


ほむら(…………ッ!)


織莉子「……」


 織莉子が冷ややかな目で私を見下ろす。
 ―――気づいたときには決着がついていた。

 倒れていたのは私の方だった。



下1レスコンマ判定 10の倍数


織莉子「貴女の負けです」

ほむら「…………」


 すべてを見透かすような青い瞳。
 私のよく知るものより、ずっと冷たい色をしているように思えた。


 このままでは死んでしまうのだと実感する。

 身体の傷は立てないほどに酷い。おそらく、時間は1秒と残されていない。

 そんな私に、今最後にできることは……


1装備:拳銃【射撃Lv3】
 a織莉子に向けて
 b織莉子のSGを狙う
 cその他(安価)
3織莉子の時間を止める
4他の世界に退避
5なにもしない

 下1レス


 拳銃を握る手に力を入れる。
 銃口を上に向け―――織莉子の胸元に輝くソウルジェムを狙って。

 記憶の中では真珠色だったソウルジェムは、今ではもう半分ほど濁っている。



 その時、織莉子の青い瞳がギラリと光った気がした。


ほむら「――――――っ……!」


 まだ戦いは続く。
 しかし、それ以降の意識はもうない。



―BADEND.

速度低下と銃系の武器は相性が悪く(狙うのに時間がかかるため)、同時に攻撃を仕掛けるような場面だと押し負けてしまう
更に1対1になってしまうと純粋な戦闘能力を競うとメガほむではちょっときついというのが敗因かなぁ…と
最後の選択肢だけでいえば、失敗したのは狙うのにかかる時間と未来予知のせいです
------------------


1セーブデータからロード
 ほむら編【After1後から再開。新展開】【指定場所からロード】
  [獲得した補正:(料理)Lv2中級者 アルティメット炒め物]
 キリカ編【ワルプル後から再開。翌日へ】【指定場所からロード】
 かずみ編【6日(水)朝】 ※Good・NearGood未クリア物語
  [獲得した補正:魔力コントロールLv2・格闘Lv1]
 Homulilly編【二周目の世界】 ※Good・NearGood未クリア物語
 QB編【ワルプル後から再開。翌日へ】【指定場所からロード】 ※暫定END
 中沢編【ワルプル後から再開。翌日へ】【指定場所からロード】
  [獲得した補正:成績関係の結果の補正が+18]
 なぎさ編【あすみ編後から再開。あすなろ編】【指定場所からロード】

2新主人公を決めて新物語



 下3レス中多数決

キリカ編最初から

―教室


 生徒が席についていて、教師が前で出席をとっていて。
特にいつもと変わらない朝の風景。
生徒は教室の中に集まり、廊下には殆ど人はいない。
しかし今廊下では、この教室に向かっている生徒の足音が響いていた。…遅刻してきた生徒だ。

出席もとり終わり、今日一日の予定なんかを大まかに告げて教師が教室から出て行こうとしたとき。
その生徒は入ってきた。


1キリカ「【下2レス】」
2何も言わず席に着いた

 下2レス

あ、世界観設定からね…… じゃあここからで悪いけど今から決めましょう
-----------------


キリカ「黒い子猫に構っていたら遅れました」

教師「猫? ……次からは気を付けなさい。もう3年生なんだから、進路にも響くんだぞ」

キリカ「……」




ところでこの物語の時系列や前提設定は……


1未設定:安価で色々きめていく。だれたらすまん、力量不足です
2Chaos:たぶんギャグ用

指定から
3契約直後
4契約前
5劇場版後改変世界
6安価内容設定

 下3レス中多数決


―――さっき、学校につくまでのこと。


 今日は特に寝坊をしたわけでもなかったのだけど……

 道に子猫が居た。近づいても逃げない、おとなしくて人懐こい猫だった。
 本当に、そのまま放っておいたら車道にでも出て行ってしまいそうな……

 ―――まあ、遅れてしまった理由はそれなわけだけれど、一つ気がかりなことがある。


 子猫に構っていたら年が同じくらいの女の子と出くわした。
 話しかけられたがとっさに逃げ出してしまったのだ。


キリカ「今度会ったら逃げだした事をあやまろう……」


 私は、自分の席に座ってからどこへ向けるでもなくつぶやいた。

 教師はなにもなかったかのように出席の続きをしていて、クラス中は緊張感なくがやがやとにぎわっている。
 多分、誰も聞いてはいない。

京豚の僕が書いたオナニーSS、読んでくれよな!!!





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【咲-Saki-】京太郎「俺が種牡馬に……??」【安価SS】
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――放課後


 帰りのHRが終わり、席を立つ。

 授業も学校もいつもどおりで、いつもと変わらず退屈だった。


キリカ(……早く帰ろう)


 授業を受けているようで、ちゃんと聞いてるわけじゃない。
 そもそも、気が向かないときは学校自体休んでしまうこともある。
 学校での私は、いわゆる真面目系クズと呼ばれるような人種だった。

 そんな私は学校でも自分の席から離れるということはほとんどなく……
 一人でもいい、むしろ一人のほうが気が楽だと思っていた。


キリカ(……そんなこといって、人と関われないだけなのに)


 これも今朝思い知った。話しかけられただけだったのに、あそこまで“関われなく”なっていたなんて。


キリカ(一人のほうが楽というのは事実だ。気を遣わなくて済むし、苦労がない)

キリカ(けど、私はどうしたいんだろう……?)


 通学路の途中、思わず足を止めた。
 ―――望んでいた姿はなかった。

 ここは、朝、猫が居た場所だった。


キリカ(ちょっと……がっかりかな)


 散歩中なら仕方がないけど、会えないのは残念だ。
 猫好きということもあるけど、せっかく少しだけ仲良くなれたのに。


 それに、あの朝の人も……

 そう思ったとき、後ろから誰かの声が聞こえた。



【下2レス】「あ、あなたは朝の……」


 気づくと横にまで来ていた。
 ……驚いて固まったまま、最早逃げる機会まで失っている気がする。

キリカ(いやだから、逃げちゃダメだって……)


「友達、いたんですね」

キリカ「えっ!?」

 私がどう返したらいいかわからないでいると、「あっ」と小さく焦ったような声をあげた。

「あ、エイミーの…… あの猫の、友達」

「ほかにも友達、いたんだなぁって……」


キリカ(エイミーっていうんだ)


キリカ「今朝会ったばっかりだけど……」

「そうなんですか」

キリカ「……でも、今はいないみたいだね」


「…………」


キリカ「?」



1ほむら「散歩かな、無事だといいけど……」
2ほむら「一応、私知ってますけど……」

 下2レス


「一応、私知ってますけど……」

キリカ「え?」

「あ、うーん……と、知ってるっていうか……」

「…………」


キリカ「???」


 黙ってしまった。
 ……相手も多分口の上手くないほうなんだろうけど、こういうのは困る。


 二人して黙っちゃったら、この空気をどうすればいいんだよ……


1自由安価
2帰る

 下2レス


キリカ(……と、とりあえず今こそ今朝の事を謝るのにいい時なんじゃ)


 相変わらず彼女はしゃべりだそうとしない。

キリカ(……話し出しづらい)


キリカ「もしかしてエイミーって…君の飼い猫なの?」

「え! は、はい。…まぁ、はい」

キリカ「そうだったんだ~……」


キリカ(なんだこの微妙な返事)

 内心そう思いつつも、口には出さない。


「野良猫だったみたいだけど…… なんだか、ずっとあのままじゃ危なそうだったから」

「……でも、せっかく仲良くしてたのになんだか申し訳ないなぁって思って……」

キリカ「あぁ…… まあ、しょうがないよ」

キリカ「私もうちじゃ飼えないし……」


 そういえばこの子、どこの子なんだろう。
 今朝もこの時間も私服だった。

 というか何して……?

--------------------
ここまで
次回は19日(土)17時くらいからの予定です


「……なんか、引きとめちゃってすみませんでしたっ」

キリカ「あ、いや……」

「じゃあ、私もこれから買い物に行く途中だったから…… その、エイミーのための準備で」


 彼女は、そう言ってわたわたと去っていく。
 別に気にしなくていいのに。


キリカ(結局謝れなかった……)

キリカ(もうちょっと気の利いたセリフでも言えればなぁ)



キリカ(それにしても、猫いいなぁ)


 道の隅で一人、ぽつりとそんなことを思っていた。


 私も家に向かって歩き出す。

 もうこの場所で見られないのはさみしいけれど、
 誰かがちゃんと飼ってくれるならエイミーも幸せだろう。



 ……ふと思い出す。

キリカ(そういえば朝は猫缶が置いてあったけど、あれもあの子が?)



 家に帰る前、ふと思い立ってコンビニに寄ってみる。



キリカ(新商品のお菓子がある。買っていこうかな)

キリカ(雑誌は……とくにいいのはないや)


 お菓子だけ持ってレジに向かう。


 財布をあけて気づく。

キリカ(……あ、小銭が多いな)

 チャリチャリと音をさせながら財布の中を掻き回して10円玉を掴んでいく。
 後ろにも人がいる。あまり時間をかけるわけにもいかない……

キリカ(あれ?これ何枚目だろ… 1,2… あと…)

キリカ(――あっ)

 バシャ…

キリカ「……」

 財布の中身をぶちまけてしまった。
 無駄に枚数のたくさんある小銭どころか整理されていなかったレシートまで床に散らばる。

 後ろから不満の声が上がる。


キリカ(最悪だ、早く拾わないと)

 屈んで拾おうとすると、誰かが近づいて…
さっと手伝ってくれた。



 その人は
1美国織莉子
2鹿目まどか
4美樹さやか
5巴マミ
6上条恭介
7それ以外(安価内容)

※ほむらは別の場所に買い物に行っているのでなしとします

 下2レス


「わわっ、大丈夫ですか?」

 女の子が駆け寄ってくる。
 見滝原の制服……同じ学校の子らしい。1年か2年か。


キリカ(……どこかで見たことあるっけ?)


「あ、あのっ これで全部ですよね」


 そんなことを考えているうちに、彼女は拾い終えていた。


キリカ「あ、はい……」

―自宅



キリカ(……お礼も言えなかった)

キリカ(猫の時の事といい、なんで私ってこうなのかなぁ)


 家に帰った私は、さっそく自己嫌悪に陥っていた。

 急いで会計を済ませたころには、女の子はもうどこかへ行っていた。
 とはいっても、その気があれば店内を探して声をかけるくらいできたはずなのに。


 『さっきはありがとうございました』

 たったそれだけでいいのに、それが言い出せなかった。


―――その翌日。


 朝と放課後、両方で昨日エイミーが居た場所付近で足を留めて探してみた。
 しかし、昨日の女の子はいなかった。


 軽くため息をついて、歩き出す。


キリカ(……会えたらどうするつもりだったんだろう)

キリカ(今度こそ私はちゃんと謝れたのかな)

キリカ(コンビニで会った子のことだって……)


 嫌な考えがわいてくる。
 一度ネガティブな思考を始めてしまうと、もう止まらない。



キリカ(学校でも、今日も一日誰ともしゃべらなかった)

キリカ(身のない話なんて無意味だから。関わる価値のある人がいないから)

キリカ(人と関われないくせに。無駄話すらできないくせに)

キリカ(結局自分への言い訳ばかりで、本当はなんにもできない)

キリカ(一番無価値なのは今の私自身じゃないか……)



それなら……


―――死 ん で し ま っ た ほ う が い い ん じ ゃ な い か ?



―――――途中から、どこを歩いているのかもわからなくなっていた。

どこへ向かおうとしていたのかわからない。

けれど、このまま歩いていけば“楽”になれる――そんな気がした。






キリカ「!!」


 気づいたときには、よくわからない場所にいた。

 いつもの通学路はどこへいったのかわからない。

 甘い匂いのたちこめる、変な洞窟のような場所。

 辺りはそんな感じだった。


 見たことのない大きな黒いねずみのような動物がそこらじゅうを歩いている。

 少し可愛いような気がしなくもないけれど……


キリカ(ドーナツに、ワッフル……大きい。本物かな?)

キリカ(……夢?)


 さすがに現実とは思えない。


キリカ(……ぬいぐるみ)


 少し離れたところに、ぬいぐるみが置いてあった。
 ピンク色の愛らしい姿。

 近づいて、触れようとしてみる。



「それから離れて!」

キリカ「!」


 人の声がして、驚いて足を留めた。

 と同時に、ぬいぐるみの頭部に穴が開いた。


キリカ(……銃?)

 振り返ると、なにやら派手な衣装を纏った少女の姿。
 手には銃を持っている。


 少女は、手に持っていた銃を捨てて新しい銃をどこからか取り出し、
 手のひらでくるくると回してから構えた。


「これが魔女ね? 魔力の割に、想像していたのとは少し違うけれど……」

「いいわ。なにかする前にこのまま消してしまえばいいだけね」

『油断は禁物だよ』


キリカ(……?? 今の声はどこから?)

 辺りを見回してみるけれど、少女の他に姿はなかった。


 瞬く間にぬいぐるみは穴だらけになり、黄金のリボンで締め上げられた。

 ……正直、何が起きているのかも、少女が何をしたいのかもよくわからなかった。

 なにせ、少女が銃でボロボロに痛めつけているそれはただの動かないぬいぐるみなのだから。



 ―――その認識が間違いだったとわかるのは、この後すぐのことだった。



「ティロ・フィナーレ!」



 大砲のようなものを出したとき、ボロボロになったぬいぐるみの中から何か黒いものが飛び出てきた。

 それはあっという間に人を丸呑みできるくらいの大きさになり……


「……!」


 何かピンクの筋のようなものが視界を横切ったかと思うと、怪物の巨体に突き刺さった。

 怪物が痛みに顔をしかめる。


「よかった、間に合って! 大丈夫ですか?」


 後ろには昨日の女の子がいて……

 ―――そこからはもう、
 混乱したまま、二人が戦っている様子をぼーっと眺めていた。


 これは夢なのか。現実なのか。


―――戦いに決着がつくと、あたりも私のよく知る景色に変わっていた。

……ただ、こんな場所に来ようと思ってはいなかったはずなんだけど。



「もう、キュゥべえ。新しい魔法少女がいるならなんで早く言ってくれなかったのよ」

 少女が話しかけたのは肩に乗る白い猫のようなうさぎのようなぬいぐるみだった。
 ……あれは敵じゃないよね?


QB「ごめんよ。まどかは昨日契約したばかりで、マミにもすぐに話すつもりだったんだけど」

マミ「それならいいんだけど……」

マミ「それにしても、ありがとう。
   先輩としていいところ見せたかったけど、いきなり助けてもらっちゃったわね」

まどか「いえいえ、こちらこそあなたがいなかったら倒せなかったかもですし」



 二人……と一匹?が何か話しているけど、私は完全に蚊帳の外だった。
 ……残念ながら、未だ夢から覚める気配はない。


マミ「……あ。これはあまり気にせず、悪い夢でも見てたと思って帰って……ね?」

まどか「そ、そうです!」

QB「…………」


 ……あやしい。


1とりあえず昨日の礼だけ言っておく
2さっきのことについて聞いてみる
3さようなら
4自由安価

 下3レス中多数決



キリカ(いや、意味わからないしどういうこと?)

キリカ(でも夢だったらせめて……)


キリカ「あ、あの…――」

キリカ「―――……!」


 言いかけた時、途端に意識が遠のいた。

 ……あぁ、やっぱりこれはただの夢だったんだろうか?



――――――

―――――

―――



キリカ「―――!」

キリカ(何か夢を見ていたような……)




目を覚ました場所は……

・自由安価
下2レス



 無機質な白い部屋。
 白いベッド。……それに、薬っぽい匂い。


キリカ(……病院かぁ)


 しばらくすると看護婦がやってきた。


看護婦「目を覚ましたみたいね。倒れている人がいるって連絡があったのよ」

キリカ「はぁ……そうなんですか」

看護婦「この後少し検査をするから、まだ安静にしていてね」

キリカ「はい……」


キリカ(倒れて運び込まれるなんて初めてだけど)

キリカ(なんか怖いな)



 結局原因はわからず、栄養剤だけもらって帰ることになった。
 もう時間はすっかり遅い。



キリカ(なんだか、変な一日だなぁ)

キリカ(…………まあいいや。帰ろう)

-----------------
ここまで
次回は21日(月)20時くらいからの予定です

----------------
今日は体調がすぐれないので、お休みさせていただきます。
次回は22日(火)20時くらいからの予定です

―――
???


まどか「今日はありがとうございました。ケーキまでごちそうになっちゃって」

マミ「いいのよ。さっきのお礼。それに、これから一緒に活動する仲間なんですもの」

まどか「はい!よろしくおねがいしますね!」

QB「もっきゅもっきゅ……」

マミ「ふふ、キュゥべえったら、口の周りにクリームがついてるわよ」

まどか「……でも、さっきの人、あれでよかったんですかね?」

マミ「あれだったら一番、夢だって納得してくれるんじゃないかと思って」

まどか「それはそうかもしれないけど……」

QB「彼女のことか。僕も少し、気になってたんだけどね……」

マミ「……もしかして、彼女にも魔法少女の素質が?」

QB「まあ、これから考えることにするよ」

マミ「あまり強引にしちゃダメよ」

QB「わかってるよ」

QB「それに、気になることならもう一つあるんだ」



―――

―――
翌日


 あれから特に何事もなく朝を迎えた。


キリカ(朝かぁ……)

キリカ(昨日はなんか大変だったけど、もうなんともなさそうかな?)


1行こう
2学校行きたくないなぁ……

 下2レス


キリカ(んー、でも)

キリカ(学校行きたくないなぁ……)

キリカ(今だったらまだ体調がよくないとか言い訳できるはず)

キリカ(……まあ、昼休みくらいに行けばいいか)


 ……とかなんとか思いつつも、本当に学校に連絡するわけではない。
 わざわざ電話で話すというのも億劫だった。



1コンビニにでも行こう
2適当に散歩する
3寝てよう
4自由安価

 下2レス


 家を出て、どこに行こうかと考える。

 制服を着た集団とすれ違う。

 私もその流れに逆らわずに進んでいく。

 これならまだサボろうとしてるなんて見えないだろう。

 ……なんだかんだいって、まだここは普段の通学路の途中なんだから。


キリカ(!)


 歩いていると、見覚えのある姿を見つけた。

 普段の通学路の途中―――最初にエイミーと会った場所。


キリカ(まど……か?)


「…………」


 名前なんか私が知るはずがない。

 ただ、この名前は……そうだ。夢の中で聞いた―――


 彼女はそこで、屈んで茂みを覗きこんでいるようだった。

 何かを探しているように。


キリカ(けど、もし本当に“まどか”だったらどうする?)

キリカ(なんて、ね…… あれはただの夢だ)

キリカ(……あの子は、エイミーを探しているのかな)

キリカ(もしかしたら、あの猫缶を置いたのも……)


 彼女は、探しているものがいないとわかると、覗くのをやめて立ち上がった。

 ……目が合う。


「!」


キリカ(まだこの子はエイミーがここに居ると思ってる)

キリカ(私は知ってる…… 教えてあげないと……)

キリカ(それで……あのときのお礼も……)


「な、なにかご用でしょうかー……?」

キリカ「あ、えっと……! エイミーだったらもうそこにはいないよ」

「……えっ?」

キリカ「ええと…… おととい、別の子が保護したって……」

「え……別の子って?」

キリカ「名前はわからないけど…… 私たちと同じくらいの年の子だったと思う」


 彼女は少しの間頭をかしげて「う~ん」と考え込むようにしていた。
 その姿が妙にかわいらしい。

「あれ? なんでエイミーって名前知ってるんですか!?」

キリカ「え、そ、その子が言ってた……けど……」

「…………」

「そっか……会えないのはちょっとさみしいですけど、しょうがないですね」

キリカ「そうだね……」


 ……なんだろう、何かおかしいこと言っちゃったのかなぁ。


「……あっ、急がないと遅刻しちゃいますよ!」

キリカ「あ、うん……」


キリカ(本当はサボろうかなって思ってたんけどね……)

 隣を歩く。

 こうして一緒に登校するなら悪い気はしなかった。

キリカ「……あの」

「はい?」

キリカ「この前は…… ありがとうございました」

「こ、この前って!?」

キリカ「あ、ええと……」


キリカ(……やっぱり、私のことなんてもう覚えてないのかな……)


「! ああ、コンビニでのことですよね?」

キリカ「! うん……!」

「そんなの気にしなくていいのに」


 少女はそう言ってにっこりと笑った。


キリカ(きっと、優しい子なんだろうな……)

キリカ(……それにしても、通学路で会うなんて。もしかして家近いのかな?)



1自由安価
2無言


下2レス


 お礼は言うことができた。
 それだけでも私にとっては、すごく大きな一歩を踏み出せた気分だった。


キリカ(……これ以上何を話せばいいのかわからない)

キリカ(お礼は言えたし、今は一緒にいることはない……よね)

キリカ(忘れ物をしたから取りに戻るってことにしよう……)

キリカ「あ、あの……!」

「なんでしょう?」

キリカ「わ、私 忘れ物しちゃって……」

「忘れ物? わたしに貸せるものなら…… あ、学年違うから無理かな……」

キリカ「い、家に戻るから」

「え、今からだと間に合わなくなるんじゃ……」


「おーい、まどか! どうした?今日はちょっと遅いぞ!」

 そのとき、まどかを呼ぶ快活な声がした。
 ……青い髪の活発そうな少女と、緑の髪のおしとやかそうな少女が前に立っていた。



キリカ(……今、“まどか”って…………)


まどか「ご、ごめんさやかちゃん、仁美ちゃん!」

さやか「いやー、あたしもさっき来たとこなんだけどさ」

仁美「二人とも、気を付けてくださいね?」

さやか「わかってるって。でもまだセーフっしょ」

仁美「そちらの方は?」

まどか「先輩だよ、手芸部の。ちょっと話してたの」


 どこかで見た憶えがあると思ったら………… 部活の後輩か。
 同学年ならともかく、後輩となるとあまり憶えていなかった。

 そもそも部活といっても気が向いたときに顔を出すくらいの緩い部活だった。
 この子だって毎回熱心に顔を出していたタイプの子でもないだろう。

 どこかで名前を見て記憶に残っていたから、夢にまで出たのか……


 ……本当にそれだけ?



キリカ「……先、行ってていいよ」


 ……なおさらこんなに大勢で一緒に登校するなんて無理だった。
 この中に私がいたら邪魔な気がして。

まどか「一緒に行きましょうよ。誰かに借りればいいんですし、忘れ物取りに行って遅刻しちゃ元も子もないですよ」

キリカ「借りられる人なんて……」

 …………自分で言っててむなしくなってきた。

さやか「ま、いんじゃね? 本人もこういってるんだし、貸し借りもできないものなんでしょ?」

さやか「取り帰るなら走ったほうがいいっすよー」

キリカ「う、うん……」


 走った。

 まどかたちに背を向けて、来た道と逆方向に。



キリカ「………はぁ」

 途中で疲れて座り込む。

 ………私は、一体どこに向かって走っているんだろう。


キリカ(…………疲れた)

キリカ(何やってるんだろうな、あんな嘘ついてまで)

キリカ(やっぱり、一人でいるのが一番楽だなぁ……)

キリカ(こうしているのが一番平和でいいことだ)



【完】
END00.壮大に何も始まらない

-----------------------------
ここまで
次回は24日(木)20時くらいからの予定です


キリカ(…………嘘だ。本当は平和だけどすごくつまらない)

キリカ(学校はもっとつまらない。それも一人だから?)

キリカ(まどかみたいに友達がいれば変わる?)

キリカ(……友達、か)

キリカ(もう一度友達を作る勇気は、私にはない)


1ちょっと途中からやり直す(一応一回END迎えてる特権)
2【完】

 下3レス中多数決




・やり直し地点



下2レス

【再開・>>771】――――――



キリカ「―――!」

キリカ(何か夢を見ていたような……)




目を覚ました場所は……

・自由安価
下2レス

エイミーを保護した=まどかの契約理由を潰した、と考えていいのでは?
もっともまどかは別の理由で契約しちゃったけど…


キリカ(ここは…… どこ?)

「…………」

キリカ「!」

 意識が戻った時、傍にいたのはエイミーを保護したと言っていた女の子だった。

キリカ(なんでこんな場所に?どいうかここはこの人の部屋?というか私、確か家に帰るところで……)

キリカ(さ、さっきの夢も意味わからなかったけどこの状況も意味わからない! これも夢?)


「……ごめんなさい」

「でも、どうしてもあなたをあの2人に近づけさせるわけにはいかなかった」


キリカ(えっ、何急に?ますます意味がわからないよ!)


 私がどうすることもできずにいると、少女はこう続けた。



1「あなたに契約されると困るから」
2「あの子にはもう関わらないで」

 下1レス



「あなたに契約されると困るから」


 はじめて会ったときとは違う、怖いくらい真剣なトーンで言った。
 そんな顔でよくわからないことを言うのだから混乱してしまう。

 ……契約・あの2人もそんな話をしていたような気がするけれど。


キリカ「……その……言ってることがよくわからないんですけど。どうして私ここに?」

「それは……」

「……わ、わからないならそれでいいのかもしれません」

「もう何もかも間に合わないのかもしれないけれど、せめてあなたくらいはこのままでいてくれれば……」



キリカ(……質問に答える気はないんだろうか)

 そう思いながらも、なんだかあまりにも悲しそうな雰囲気でこれ以上問い詰めるのは躊躇してしまった。
 ……そうはいっても、どうしようかこの状況。


1自由安価
2さようなら

 下2レス



キリカ(彼女の様子からして聞かないほうがいいのかな……)


キリカ「……あ、今エイミーってここにいるんですか?」

キリカ「いるなら会いたいなって……」

「……あの。もう私にも深入りしないほうがいいと思います」

キリカ「……どうしていきなり」

「……気を悪くしたんならすみません。そうですね、エイミーはあなたの友達なんだから」

「エイミーならリビングのソファーにいます。用事が終わったら帰っていいですから」

キリカ「…………」


 ……何かあったのかな。



キリカ「……エイミー」

 言われたとおりリビングのほうに行ってソファの上を見ると、黒い毛玉のように丸まっていた。
 呼ぶと『にゃあん』と返事が返ってくる。

キリカ「何か……飼い主さん、元気なさそうだね」

キリカ「深入りしないほうがいいって、どういうことなんだろう?」

 エイミーに聞いても何もわからないけれど。

キリカ「それとも、やっぱり私なんかがいつまでも居たら迷惑ってことなのかな」

キリカ「……いや、よくわからないけど連れてきたのはあの子なんだけど」


キリカ(……って、冷静に考えてみると拉致なんだけどなぁ)

キリカ(全く知らない仲ではないとはいっても、やっぱなんか怖いわ)

キリカ(……一体何者なのあの子。何に巻き込まれたの私は)


 しばらくエイミーを撫でたりしてから玄関へと向かった。


キリカ「えっと、私は帰りますけど……」

 用事が終わったら帰っていいとは言っていたけれど、さすがに無言で帰るのは気が引ける。

 一応言ってみたものの、返事はない。

キリカ「…………」


 しょうがないのでそのまま出て、表札を見てみる。


キリカ(……『暁美』か)

キリカ(よくわからない人……)

------------------
ここまで うわぁ、どうしようこの時間軸
次回は26日(土)18時くらいからの予定です

―――その夜。


「やあ」


夕食を終えて部屋に戻ると、机の上に見覚えのあるぬいぐるみがいた。

……夢の中で遭った、ような。

あれが現実だったのだと再確認することになってしまった。


キリカ「…………」

「昼の事は覚えているかい? 僕はキュゥべえ。君に話があってきたんだ」

キリカ「はぁ」

「ところで、君はまだ契約はしていないよね?」

キリカ「……契約」

 すごく最近聞いた言葉だ。

「僕には、あの時君がいきなり消えたように思えたんだけど……」



・自由安価

 下2レス


キリカ「……君が今目の目にいるということは、今日の出来事は夢じゃないということなのかな?」

QB「うん、あれは全て現実の出来事だ。やはり君は契約してないってことでよさそうだ」

QB「だとすれば、あの魔力は一体……」

キリカ(魔力……)

 またもや頭を抱えたくなるような厨二ワードが飛び出てきた。
 面倒事には関わりたくないんだけどなぁ……

QB「君はあの後どこにいたのかな? 君をあの場から消した人に心当たりはないかい?」

キリカ「…………」

 心当たりならある。しかし……

キリカ(……これって話していいのかなぁ)

キリカ(まあ、正直怪しいのはどっちもなんだけど)


キリカ「……悪いけど、あの時自分の身に何があったのかはわからないんだ」

キリカ「気づいたら公園のベンチで起きたから夢だと思ってて……」

QB「そうか。まあ、同じ町に居るならこれから会うことになるかな」

キリカ「それより、あれが夢じゃないなら…… あのお化けというか怪獣みたいのはなんだったの?」

QB「ああ、もちろんその話もこれからするよ」

QB「あれは魔女。結界にひそみ、人々を誘い込んで襲う悪い怪物だ」

QB「そして、あの二人は魔法少女。魔女を倒す者だ」

キリカ「……いや、おかしいよ。なんでそんなのがいるのに世間で話題になってないの?」

QB「結界は普通の人には見ることができないんだ。
   だからその存在に一般人は気づけない。魔法少女にしか倒せないんだよ」


 信じがたいけど、ここまで自分の目で見てしまっては信じるしかない。

 あの二人は、確かに私を助けてくれたんだ。
 それと一緒に居たぬいぐるみ……

 ……暁美のことを知ったらどうする気なんだろう。

 暁美はいい人なのか、悪い人なのか。
 暁美はあの二人やキュゥべえの敵なの?


QB「人の暗い感情につけこむ。君も何か悩みがあったんじゃないかな?」

キリカ「私の……悩み…………」

QB「君には魔法少女の素質がある」

QB「もし君にも戦う覚悟があれば、僕が君の願いをなんでも叶えよう」

キリカ「そんな、戦うって。いきなり言われたって……」

キリカ「……私じゃ足手まといになるかもしれないよ」

QB「そんなことはないさ。君の素質はかなり強力なものだ」

キリカ「ほ、本当に?」

QB「うん、本当だよ」


キリカ(……もし魔法少女になったら、あの二人と同じ世界にいることができる。……私も仲間になれる)

キリカ(未だにお礼すら言えてない私を変えられる……?)


 下4レス中多数決
1契約する
2今は帰ってください


キリカ「……ごめんね。今はまだ、もうちょっと待ってほしい」

キリカ「なんだか今日はいろんなことがありすぎて……」

QB「わかった。まあ、考えてみておいてくれ」

キリカ「うん」

QB「じゃあ、おやすみキリカ」

キリカ「おやすみ……」


キリカ(……魔法少女か)

キリカ(夢みたいな出来事だけど、でも……)

キリカ(つまらなかった今の生活にも、これでやっと希望が持てるのかもしれない)

―――翌日の朝。


 いつも通り登校して自分の机で時間をつぶしていると、誰かがこちらに近づいてくるのがわかった。


マミ「少し、いいかしら?」

キリカ「えっと……」

マミ「私はマミ。あなたのことはキュゥべえから聞いたの。同じ3年生なんですってね」

 彼女はそう言って柔和に微笑む。どことなく上品な雰囲気。
 あの時私を助けた“魔法少女”の一人だった。

キリカ「えっと、魔法少女のことで?」

マミ「ええ、あなたも素質があるって聞いて」

マミ「キュゥべえから聞いただけじゃまだ実感わかないだろうし、
   もしよかったら私たちと一緒に行動して魔法少女がどんなことをやってるか見てもらうのはどうかと思って」

マミ「それで、今日もパトロールに行く予定があるんだけど……」

キリカ「で、でも……」

マミ「あ、何か予定があった?」

キリカ「いや……」

 どうせ契約するなら、契約した自分を見せたい。
 会ったばかりのマミはともかく、まどかには……


キリカ「……私の願い事、なんだけど」

マミ「ん?」

キリカ「あなたは私のことをもう知ってしまったから言うけど」

キリカ「……私、実は『今とは違う自分になりたい』って願いで契約しようか迷ってるんだ」

マミ「なるほど……」

キリカ「や、やっぱりそんな願いで契約するのって駄目なことだと思う?」

キリカ「応援……してくれる?」

マミ「それは……、やっぱり軽はずみには応援できないわよね。人生を変える大事なことだと思うから」

マミ「そうでなくても、どんな願いでも魔法少女の契約をすること自体、今までの人生を変えてしまうものなのよ」

マミ「望むと望まざるとにかかわらず、ね」

マミ「本当は、そんな願いをしなくてもあなたがちゃんと自分を好きになってくれるのが一番良いと思ってる」

キリカ「…………」

マミ「じゃあ、一応まだ鹿目さんには内緒にしておきましょうか」

マミ「折角同じ学年なんだし、魔法少女のこととは別に、友達になりましょう」

マミ「改めてよろしくね、呉さん」

キリカ「…………」

キリカ「…… うん」


 ……きっと、マミは良い人なんだと思う。

――数日後


 あれからというもの、マミと行動することが多くなった。

 そして、魔法少女としての活動――魔女退治のパトロールにも同行することになった。


 でも、あれからまだまどかには会っていない。
 私が契約するか、もしくは……決心が着くまでは当分このままになると思う。


キリカ(こうして気にかけてくれるマミには本当に感謝しなきゃだけど……)

キリカ(いつまでもこのままなわけにはいかないよね……)


 ぼんやりと、マミが戦う様子を見守る。
 最初の時も傍で見ていたけれど、こうしてみていると本当にすごい。


キリカ(もし契約したら、私もこれと戦うのか……)


 マミが手際よく魔女を片づけ、こちらに戻ってくる。


マミ「よし、今日も魔女退治完了っと」

キリカ「お疲れ様」

マミ「どう? 数日見てみて何か思ったことはある?」



1自由安価
2自分を変えるために契約しようと思う
3自分を変えるために契約するのはやめようと思う
4契約は
5そろそろまどかに会おうと思う
6暁美という人物について

 下3レス中多数決

4の選択肢が途切れてませんか?

---------------
>>848 うげ、やらかしました
>>846を一旦なしにして【訂正】
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1自由安価
2自分を変えるために契約しようと思う
3自分を変えるために契約するのはやめようと思う
4契約はひとまず考えるのをやめようと思う
5別の願い事を思いついた
6そろそろまどかに会おうと思う
7暁美という人物について

 下3レス中多数決



キリカ「契約はひとまず考えるのをやめようと思う」

マミ「……そっか」

キリカ「マミもああ言ってくれたわけだし…… 今すぐじゃなくてもいいのかな、って」

キリカ「それと、少し気にかかることもあって…………」

マミ「気にかかること?」


 どうやら、“暁美”にとっては私に契約されると困るらしい。

キリカ(マミたちとは敵対してるんだっけ……あの人)

キリカ(暁美のことをマミたちが知ったらどうなるのか)

キリカ(……私が契約したとして、それを知ったら暁美はどうするのか)


キリカ(話を聞きに行ったほうがいいか……)

キリカ(しかし、私一人で行くのは……)


 相手だって魔法を使えるんだし、魔法少女でもなんでもない私が一人で行くのは少々危険な気がする。


マミ「悩んでるまま契約してしまって後悔したら遅いものね」

キリカ「ごめんなさい、こうしてわざわざ連れてきてくれたのに」

キリカ「一緒に戦えなくて……」

マミ「あなたが引け目を感じることはないわ。それに、鹿目さんもいるから」

マミ「鹿目さんも新人だけどとても強いのよ」

マミ「……強すぎて、たまに恐くなっちゃうくらい」

キリカ「恐く?」

マミ「私も頑張らないとね、久しぶりに弟子ができたんだから」

マミ「そうそう、今度は鹿目さんとも話してみたらいいわ」

マミ「いつか自分の力で願いをかなえられるように応援してるわ」

キリカ「うん………」


 契約を見送ることを伝えても、マミは変わらず優しく言ってくれた。

 ……いつか、自分の力で自分を変れられる日がくるのだろうか。


キリカ(でも、頑張らないと駄目だよね)

キリカ(みんなも頑張ってるんだから)

―――その夜。


QB「マミから聞いたよ。契約は見送るんだってね」

キリカ「うん、ごめんね」

QB「いや、いいんだ。僕としても無理強いするつもりはないからね」

キリカ「……そういえば、前に言ってた人って見つかったの?」

QB「いや。あれから数日たったけど、それらしい存在は確認できない」

QB「意図的に動きを隠して活動しているのか…… 今は活動そのものをしていないのか」

QB「とにかく、次にまた動きを見せたら要注意だね」

キリカ「…………」

QB「もしマミやまどかと一緒に居ることでまた何かされたら教えてくれ」

キリカ「うん、ありがとう」


 キュゥべえとはひとまずそこで別れた。
 もうこうして1対1で話すことも当分ないんだろう。


キリカ(キュゥべえも、心配してくれているんだな)

キリカ(私はあの件に関しては結局どちらの味方もしていないけど……)


―――

―――


QB「一体なんの因果なのか、この街には高い素質を持つ人がたくさん集中しているようだ」

QB「一人契約は逃してしまったけれど……」

QB「いや、まだ逃したと言うには早すぎるか」

QB「今見滝原で活動している魔法少女は3人…… いや、イレギュラーの存在も数えれば4人なのかな?」

QB「今契約している分だけでも最早十分すぎる素質ではあるけれど……」

QB「まあ、この先何が起こるかはわからないかな」

QB「僕の邪魔をする存在が現れないとも限らないからね」


---------------------
ここまで
次回は29日(火)20時くらいからの予定です

----------------
すみませんが、今日はちょっとできそうにないので中止とさせていただきます
次回は31日(木)20時くらいからの予定です

―――
 私がまどかとちゃんと話したのは、あの翌日だった。


 帰りのHR後、マミに連れられて二年生の教室のほうへ行くとそこに姿があった。


まどか「あ、マミさん! 授業お疲れさまですっ」

マミ「ええ、鹿目さんも」


 まどかは友達と一緒に話していたようだった。
 その友達もマミのことをすでに知っているらしく、まどかに続いて挨拶していた。


マミ「邪魔しちゃったかしら?」

まどか「いえ、気にしないでください。それより、今日はキリカさんと一緒なんですね」

キリカ「あ、うん。どうも…… 」


 とりあえず3人で帰り道を歩き始める。

 ……帰り道。

 そういえば、今日もパトロールをやったりするんだろうか。


キリカ「えっと、聞いてるかもしれないけど、契約は見送ることになって」

まどか「あ、はい。聞いてます」

まどか「そういうのって、叶えたい願いごとができたときでいいと思います。
    わたしはそれがあったから」


 私の場合、願い事がなくなった代わりに目標ができた。

 まどかは知らないと思うけど……


キリカ(……うん、知らなくていい)

キリカ(恥ずかしいし、まどかにはまだ内緒にしておこう)

キリカ(でも、いつか達成できれば……)


キリカ「それって一体どんな……」

 言ってから気づく。言いたくないと思ったのはこっちだって同じなのに。

 ……こういうところがまだダメだと感じて呆れてしまう。

キリカ「あ、言いたくないなら言わなくていいんだけど」

 しかしまどかは気にする様子もなく、いつもと同じように胸を張って言う。

まどか「いえ、わたしのは本当些細な願いなんです。些細だけど、わたしにとってとても大事な」

まどか「『家族みんな、幸せに暮らせますように』って」


キリカ(……なんでも叶うと言われて、そんな願いがすぐに出てくることがすごいよ)

 同時に、自分はなんて自分勝手な願いしか浮かばないんだと思ってしまう。

キリカ(やっぱり私はまだ自分しか見えてない)

キリカ(私は結局、どんな自分になりたいんだろう?)

キリカ(まだはっきりわからないけど……、
    いつかこういう風に優しい人になれたら、もうあんな願い事をしようなんて思わないだろうな)



1自由安価
2二人のこれからの予定について
3魔法少女の活動について
4コンビニでのことについて

 下2レス

----------------
寝落ちて連絡遅れました
次回は3日(日)18時くらいからの予定です


 そうだ、まどかにコンビニでのことにお礼を言わないと……。

キリカ「あ……あのねっ」

まどか「?」

キリカ「あの時は一緒に拾ってくれてありがとう」

まどか「あの時……」

キリカ「あ、あの、コンビニで…… 私、レジでお金を落としちゃって」

 どきどきしながらあの時のことを話してみる。

 覚えてなかったらどうしよう。

まどか「…… あぁ。そんな、気にしなくていいのに」

キリカ「そ、それにっ 魔女からも助けてもらって」

キリカ「あの時はよく状況がわかってなくて、何も言えなかったけど……」

まどか「はい、それはわたしたち魔法少女ですから」

マミ「でも、そうやって感謝してもらうことってあまりないの」

マミ「呉さんもそうだったように、すぐに状況が理解できる人なんてそうそういないし
   なにより私たちだって見返りを求めているわけじゃない」

マミ「でも、面と向かってそう言ってくれるとやっぱり嬉しいわね」


 未だにどきどきと心臓の音がうるさく鳴っている。

 でも、言えずに悩んでいたころよりも胸の内は晴れていた。


キリカ(……うん、ちゃんとお礼を言えた、この前までの自分ではこうもはっきりといえなかった)

キリカ(他の人から見ればたいしたことではないかもしれないけど、私にとっては大きな一歩だと思う)

キリカ(ちょっとした勇気で大きな一歩を踏み出せた……
    契約しなくても出来る事があるんだね、こんな自分でも少し変われたのかな?


マミ「じゃあ、私はこっちだから」

 校門を出て少し進んだところでマミがそう言った。

キリカ「そういえば、今日は予定はなし?」

マミ「ええ、最近はパトロールが続いたから、今日はお休み」

 『また明日ね』と手を振るマミ。

 このままじゃ離れて行ってしまう。

キリカ「あ…………あの!」

マミ「ん?」

キリカ「連絡先……聞いてもいい?」

マミ「ええ、もちろん」


 連絡先の交換なんて、いつぶりだろう。

 慣れない操作で戸惑ったけれど、なんとか教えてもらいながら二人と連絡先を交換することができた。


 マミと別れてからもまどかとは一緒に歩いていた。

 どうやらまどかとは家が近いようだった。

 気づけば、私たちはあの場所の前を通っていた。
 前にエイミーが居た、通学路の途中の茂み。
 隣を歩くまどかも、どことなくそこを気にしているように見える。

まどか「……最近見ないなぁ」

 茂みを見つめて、まどかがつぶやく。

キリカ「見ないって、もしかして……猫?」

まどか「はい。キリカさんも知ってるんですか?
    わたしは、勝手にエイミーって名前つけてたりするんですけど」

 そういえば、と猫缶が置かれてあったのを思い出す。


キリカ(…………勝手に?)


キリカ「もしかしてまどかって、暁美って人と知り合いなの?」

まどか「え? ……いえ、知らないですけど」

キリカ(あれ?)

 エイミーという名前は、あの人が言っていた名前だった。
 だったら、知り合いでもない限りその名前を知らないわけがない。

 ……そう思ったんだけど…………

キリカ(あの人……やっぱりよくわからない)


キリカ「……あ、私こっちの道なんだ」

まどか「はい。また明日」

キリカ「うん」


 エイミーの居た場所よりもう少し進んだ分かれ道で、私たちは別れた。

 そこから少し進んだところに自宅があって、
 さらに駅の方向に進むとあの時見た『暁美』のアパートがあった。


キリカ(――『暁美』のこと、やっぱりまどかも知らなかったんだ)

キリカ(けれど、暁美はまどかたちのことを知っている)

キリカ(あんな話を聞いたらますます気になる……)

 自宅を過ぎて、少し駅のほうに進んだところで一度足を留める。

キリカ(……やっぱり、そんな得体のしれない人に私だけで関わりに行くべきじゃないんだろうな)

キリカ(なんの力も持たない私が一人で行ったところで、何ができるんだろう?)


 考えていると、どこからか声をかけられた。
 ……いや、“脳裏に声が響いている”といったほうが正しいのか。


『悩んでいるの? 行くか、行かないか』

『でも貴女は結局踏み留まる。賢明ね、それでいいの』

『もう彼女に近づくのはやめておきなさい』

『命が惜しければね』


キリカ(……なにこれ? これも魔法? それより、この声は一体誰が?)


キリカ「……そ、それってどういう意味ですか!?」

キリカ「なんでそんなこと……! 近づくとあなたが困るから? それとも……――」


『彼女に殺されるのよ』

『私は貴女の事は何とも思っていない、今のところはね』


キリカ「…………」


―――

―――
通学路・東側



 通学路の途中、マミはスマホを片手に歩いていた。
 スマホの画面に映るのはまどかからのメールだった。


マミ(……私は、鹿目さんと知り合ってから一度も訓練をしたことがない)

マミ(鹿目さんは自覚していないのかしら? 自分の持つ強さを……)



今より六日ほど前のことがマミの頭に思い浮かんでいた。

それはマミとキリカと初めて会った日であって、マミとまどかと初めて会った日でもあって、

そしてまどかの初めての戦闘だった。


 ――マミが魔女に首ごと持って行かれそうになった時、魔女はまどかの矢に貫かれていた。
 それからずっと一緒に戦っている、マミにとっての命の恩人。


 でも、思えばあの時から。
 そして、あの時に限らず。


 横で一緒に戦っているまどかの一撃を見るたび

 ほとばしる魔力を感じるたび

 時々、言いようもない恐怖を覚えることがあった。


マミ(……情けない話ね。仲間で、私のほうが先輩なのに)

マミ(鹿目さんが本気を出したら、きっと私よりずっと強い)

マミ(私が彼女に教えられることなんて何もないのでしょうね……)


―――

―――
通学路・西



まどか(マミさんも訓練とかしてた時期があったんだなぁ)

まどか(わたしもなんとか手さぐりでやってるけど……)

まどか(なにかマミさんみたいな必殺技とかあったらかっこいいかな!)


 メールを終えて、かばんにスマホをしまおうとする。

 その動作に気を取られていた。


 ――――だから、接近してくる人影なんかを気に留めることもなかった。


まどか「! ――――ッ…う……!?」


 まどかの手からスマホが落ちる。

 わき腹に衝撃を感じて、まどかは崩れ落ちながら“犯人”のほうに視線を向けようとした。


 顔や体型を隠した、男だか女だかもわからない怪しい風貌。

 ――フードから覗いた淡い蒼の瞳と目があう。


まどか(なにこれ…………、通り魔……?)


 まどかを刺した犯人は、すかさず指輪を指から強引に引き抜き去っていく。


まどか「……! それはダメッ、返して!」

まどか(治さ、ないと……治して追いかけないと)

まどか(……でも、ソウルジェムがないと魔法使えないんだった…………)



―――

―――


キリカ(……一体なんだったんだろう。さっきの人)

キリカ(声しか聞いてないけど、あれも魔法少女……?)

キリカ(暁美はやっぱり危険な人だったの……?)

キリカ(……とはいっても、姿すら見せようとしない人のことだって信用してるわけじゃない)


 ただ、何の根拠もないことを言うことはないんだろうなとも思っていた。
 さっきの声の人は、まるで監視でもしてるように私の考えや行動を言い当てていたのだから。


キリカ(―――え?)


 帰る途中、道端に誰か倒れているのが見えた。


キリカ(だ、誰か倒れてる……!まどか…………!?)

キリカ「まどか!」

------------------
ここまで
次回は6日(水)20時くらいからの予定です


 呼びかけても反応がなかった。

 わき腹には包丁が刺さっている。


キリカ(こ、こういう時どうすればいいの!? 止血? 抜かない方がいいんだっけ?)

キリカ(と、とりあえず、救急車を……)

 電話をしようとスマホを取り出したところで、別の考えが浮かぶ。

キリカ(――魔法って、こういう怪我とかも治せたりするんだろうか?)

 もしできるなら、魔法で治してもらったほうが効果はあるかもしれない。

キリカ(一応、その前にマミに電話してみようか……)



マミ「はい、もしもし?」

 マミは丁度家に着いたところだった。
 今日一日をどう使おうかと思考を巡らせていた頃に電話が鳴った。

キリカ『あ、あのね、まどかがその、大変で!それでえっと……』

 電話に出ると、キリカは挨拶も抜かしてひどく慌てた様子で捲し立てた。
 その雰囲気に、ただごとじゃないことはマミにも察せられた。

マミ「えっ? ちょっと落ち着いて話してみて。鹿目さんがどうかしたの?」

キリカ『う、うん。……まどかがすごく怪我してて、それで、魔法で怪我を治したりってできないのかなって……』

マミ「今どこにいるの?」

キリカ『大きな噴水のある公園の近くの――――――』



――――――神妙な顔で俯く。

傷は全て治ったはずのまどかの身体。

しかし、意識を取り戻すことはなかった。


マミ「どうして……目を覚まさないのよ……」


 マミに連絡した後、息をしてないことに気づいた。そして、脈も。

 それでも、もしかしたら魔法なら治せるかもしれないって思っていた。


 ……“手遅れ”という言葉が頭に浮かぶ。しかしそれを認めたくはなかった。


キリカ「誰がこんなことを…… 犯人は今どこに?」

マミ「…………待って、鹿目さんの指…… ソウルジェムがない」

キリカ「……え?」

マミ「普通、ただの中学生の持ってる指輪をわざわざ盗っていくと思う?」

キリカ「確かに。そんな高価なものだとは思わないだろうしね……」

マミ「ただの無差別殺人じゃなくて、犯人が魔法少女だとしたら……」

マミ「……もしつきとめて復讐をしたとしても、鹿目さんは帰ってはこないけれど」


 しかし、そうだとしたらどうにも引っ掛かる。
 相手はおそらく魔法を使っていない。

キリカ「でも、魔法少女だったらせっかくの魔法を使わずにこんな普通の襲い方するかな……」

マミ「それはそうなんだけどね。犯人が魔法少女だと知られたくなかった、か…………」

キリカ「……そういえば、さっき、魔法少女らしき人に会ったんだ」

キリカ「会った、というか…… 声しか聞いてないけど」

キリカ「その人なら何か知ってないかな……」

マミ「どこで会ったの?」

キリカ「まだ近くにいるかはわからないけど……」



―――

―――暁美家


QB「やっと見つけたよ。最近は活動していなかったみたいだね?」

「……なぜここがわかったの?」

QB「最近は動きがなかったけど、どうしたんだい?」

QB「君なりに考えがあってのことだったら、僕は口を出さないけど」

 キュゥべえは構わず話を続けた。質問に答える気はないらしい。

QB「さて、本題に入ろうか」

QB「僕は君と契約した覚えがない。君はどうやって魔法少女の力を得たんだい?」

「…………」

 薄暗い部屋の中に浮かぶ赤い瞳を鬱陶しげに見つめる。

「それこそ私が答える必要なんてない」

QB「そうか、それなら仕方ない」

QB「けど、君もこの街で活動する魔法少女だ。これからは気にかけておくよ」

「…………」

QB「おや、どこに行くんだい?」

「気にかけてもらわなくて結構よ」

「あなたと二人っていうのが嫌なの」

―――


キリカ「この近くだった。あの、ちょっと行ってくる……!」

マミ「待って、一人で探しに行くの? 危険よ。その人が犯人かもしれないのに」

キリカ「でもその人、私のことは何とも思ってないって、何もしないって言ってた」

キリカ「……マミが会うよりは、安全かもしれない」

マミ「でも…………!」

キリカ「聞いてくるだけだから」

キリカ「それにまどかのことだって、放っておくわけにはいかない」


 駅に近づいていってるということもあり、だんだんと人通りが増えてくる。

 まず、あの人と会った場所へ行ってみた。


 あの時は、『暁美』のアパートへ行こうか迷っていた……


キリカ(……犯人が魔法少女かもしれないか)

キリカ(もしかすると、犯人が『暁美』ってこともありえるのかな)


 そう考えた時、人ごみの中に見覚えのある姿を見た。

「!」

 向こうもこちらに気づいたらしい。

 ……近所なんだから、会ってもおかしくはないけれど、
 こういうのも噂をすれば影が差すというのに入るんだろうか。


キリカ(嫌なことを考えた時に会ってしまったなぁ……)

キリカ(……どうしよう)


 身体に力が入る。
 一度そういう疑念を持ってしまうと、なんだかとても恐ろしく思えてきてしまった。

 『彼女に殺されるのよ』

 その言葉がよみがえってくる。


「…………」

 暁美は一度立ち止まったものの、しばらくすると再び歩き出そうとしていた。
 しかしそこで、これまたよく知る姿を見ることになる。

QB「やあキリカ、なんだか怖い顔してるね。どうしたんだい?」

 キュゥべえは、暁美の足元からひょっこりと現れこちらを見上げていた。

「……あなた、まだついてきてたの」

QB「僕が魔法少女の動向を見守るのは義務でもある」

QB「君だってあのまま僕に部屋に残られても困るだろう?」

 キュゥべえ、会えたんだ。
 ……あまり関係はよくなさそうだけど。

QB「なんだか君のことを見てたみたいだから、用でもあるのかなって思ったんだけど」

キリカ「……キュゥべえはずっとその人と一緒にいたの?」

QB「そうだね、ここ1時間ほどは」

キリカ(……じゃあ犯人ではなさそうか)


 少しほっとする。けれど、それなら誰が?

 ……そのことを抜きにしても安心できるわけじゃないけれど。


キリカ「……あの、キュゥべえ、さっき大変なことがあって」

QB「大変なこと?」

キリカ「まどかが…………」

 その言葉に暁美も反応する。

QB「まどかに何かあったのかい?」

キリカ「…………まどかが誰かに刺された」

QB「刺された?無事なのかい?」

キリカ「マミが治したんだけど…………」

QB「…………」

キリカ「ソウルジェムを取っていったみたいだから、
    多分ただの通り魔じゃないだろうって……マミが言ってた」

「…………」

 しばらく何か考え込んでいた暁美だったが、
 キュゥべえの言葉を遮るように話し始めた。

「まどかは、あなたにとって大事な人なんですか?」

キリカ「え? ……うん…………大切、だよ」

キリカ「たくさん助けてもらったし…… 友達だから」



「……そうですか」

 そう言った途端、暁美は目の前から消えていた。


キリカ「また瞬間移動…… なんだったんだろう」

QB「謎が深いね。やっと会えたけど、彼女のことはまだわからないことが多すぎる」

QB「それより……」


キリカ「!」


―――マミからの着信だった。

―――


マミ「どうしてこんなことになるのよ……」

マミ「鹿目さん…………っ」

マミ「私たち、一緒に戦い始めたばかりだったのに……」

マミ「一緒に魔女と戦って、一緒にお茶して、話して、笑って…………」

マミ「今までずっと一人だった私が……やっと出会えた大切な仲間だったのに」


 キリカがいなくなって一人になった後、マミは泣き崩れていた。
 冷たくなっていく手を握る。

 その時だった。


 何も聞こえなくなったはずの胸から、心音が聞こえた気がした。


まどか「…………マミ……さん?」

マミ「……鹿目さん!? ……心臓の音が聞こえる」

まどか「そ、そうだ、わたし、歩いてたら変な人に刺されて……」

マミ「これって、幻じゃ……ないのよね……? 本当に……」

マミ「私、もう目を覚まさないかと思ったんだから……」



 その指には、いつのまにか桃色の宝石のついた指輪が戻っていた。

------------------------
ここまで
次回は9日(土)18時くらいからの予定です

---------------
すみません、明日の予定を取り消させていただきます
次回は10日(日)18時くらいからの予定です

―――
自宅付近


 マミから電話をもらった後、事件現場へと戻った。

 戻ってみると、マミの言ったとおりそこにはいつもどおりの元気なまどかがいた。


 何事もなかったかのようだった。大量の血と、包丁がある以外は……


 すぐにマミが魔法で治したおかげだろうか?

 それとも、やっぱり、暁美が何かしたおかげか――――


キリカ「いろいろあったけど、とりあえず無事でよかった」

キリカ「まどかがあのまま息を吹き返さなかったらと思うと、私……」


 帰り道をマミと歩く。

 あれからまどかは事件について警察の人と話しているようだった。


マミ「ええ、でもまだ安心はできないわ。犯人についてまだ何もわからないんだもの」

キリカ「…………」



1「確かにね」
2「ソウルジェムがないんじゃ、まどかはしばらく魔法少女引退になるのかな」
3自由安価


 下2レス


キリカ「うん、まどかが息を吹き返してくれたのはよかった……
    だけど犯人の魔法少女もわからずじまいなのは不安だ」

マミ「呉さんが話したという『声』についても、まだ詳しいことはわからない」

マミ「さすがに同じ手を二度使うとは思えないけど……」

キリカ「……なんで犯人はあんな方法をとったんだろう」

マミ「…………」

マミ「そのことだけど…… 私にはその理由が、少しだけ理解できる気がするの」

キリカ「え?」

マミ「『魔法少女同士の戦い』に発展してしまったら、負ける。それを犯人は知っていたんじゃないかしら?」

マミ「だから犯人は互いに変身もしてないまま路上で奇襲をかけ、
   ソウルジェムを奪って魔法を使えなくする手段に出た」

マミ「それしか勝てる見込みがなかった」

キリカ「…………」

マミ「卑怯な手段だけどね」


 ……ふと、マミが以前言っていたまどかへの評価を思い出す。

 それほどまでに、犯人はまどかを“恐れて”いたんだろうか?


キリカ(魔法少女じゃない私には、その気持ちはいまいち理解できないけど……)


QB「確かに、敵対するなら相手にとってまどかは脅威だろうからね」

 キュゥべえまでそんなことを言う。

マミ「キュゥべえは何か知らないの? 犯人らしき魔法少女について」

QB「今回犯人は魔法すら使っていないし、まどかの話では変装してたようだった」

QB「犯人を特定できるような証拠がまだない」

マミ「まあ、そうよね……」


 安易に魔法少女の情報は漏らせないということだろうか。
 たしかに、下手したら無意味な対立を煽ることにもつながってしまう。

 でも……

キリカ(キュゥべえも、私たちだけの味方ってわけじゃないんだな……)

 そんなことを少しだけ実感した。


QB「…………イレギュラーの彼女なら知っているんじゃないかな?」

キリカ「暁美?」


 まどかが回復したという連絡があったのは、『暁美』が瞬間移動をした後だった。
 キュゥべえも『暁美』が何かしたと考えているのだろうか?


マミ「何故そう思うの?」

QB「今日、ついに彼女との接触に成功したんだ」

QB「それで少し気になることがあって」

QB「まあ、聞いたところで彼女が話してくれるとは限らないけど」

キリカ「キュゥべえはまどかが回復した理由を知ってるの?」

QB「彼女が何をしたのかについては僕にもよくわからない。それについてはまだ考え中だよ」

キリカ「そっか…………」


 キュゥべえが一緒にいたということは、暁美は犯人ではない……ということなのかな?
 今度お礼を言いにいくべきだろうか?


キリカ「あ、私の家そこなんだ」

マミ「そう、じゃあまた明日ね」


 話しているうちに、家が見えてくる。
 今日はいろいろとありすぎて、随分遅くなってしまったなぁ……


キリカ「あの…… 」

マミ「?」

キリカ「……気を付けてね」

マミ「ええ」

―――翌日。



担任教師「朝集会でも話していたが、昨日学区内で通り魔が出た」

担任教師「うちの生徒が狙われたそうだ。まだ犯人は捕まっていない、一人では帰らないように!」


 担任教師が帰り際に昨日のことを話していた。

 今日もマミに連れられてまどかの居る二年生の教室へと向かう。


マミ「何か先生と話しているみたいね」

キリカ「……あ。話、終わったみたい」


まどか「もしかして待たせちゃいました?」

マミ「いえ、今来たところよ」

キリカ「もしかして、昨日のことで……?」

まどか「あ、はい。それもありますけど……」

まどか「ちょっとした用事を引き受けて」

マミ「あら、それなら終わるまで待ってようか?」

まどか「あ、いえ。帰るついでなんで大丈夫です」

マミ「そう、それならいいんだけど。じゃ、帰りましょうか」


 まどかが若干長い袖を指でいじっている。


キリカ「そういえば、制服どうしたの?」

まどか「これは学校にあった予備のものを貸してもらってるんです」

マミ「緊急集会まで開かれて、なかなか大きい騒ぎになってるみたいね」

まどか「そうですね……」

まどか「でも、魔法少女同士で戦ったり…… それどころか命を狙ったりするなんて」

マミ「良くないことだけど、それ自体は珍しいことじゃないわ」

マミ「人助けよりグリーフシードが目当てで魔女を倒す魔法少女は多い」

マミ「その中には、力ずくで縄張りを奪おうとする人もいるのよ」

まどか「そんなのダメです! 早くわたしたちが犯人を見つけないと……」

キリカ「でも今魔法が使えないんじゃ……」

まどか「それが………… ソウルジェムがあったんです」

キリカ「え?」

まどか「気づいたら身に着けてて……」

キリカ「……離れたら勝手に戻ってくるみたいな機能ってないよね」

マミ「さあ…… 私もあまり身体から離したことがないからそれは……」

マミ「でも聞いたことはないわ。一応、後でキュゥべえに聞いてみるけど」



・自由安価

 下2レス

-------------------
ここまで
次回は13日(水)20時くらいからの予定です


キリカ「私もそれについては気になるかも」

キリカ「みんな一緒に居る時に聞いてみようか」

マミ「キュゥべえは今どこかしらね?
   イレギュラーの魔法少女に会えたと言っていたけど、どうなったのかしら」

キリカ「あまりいい雰囲気じゃなかったみたいだった、けど……」

マミ「キュゥべえの話では、鹿目さんを襲った犯人ではないようだった。危険な子じゃなければいいのだけどね」

まどか「そうですね…… できれば、せっかく魔法少女同士なんだし仲良くできたらと思いますけど」

キリカ「……」


 まどかはそう言っているけれど、あっちはどう思っているのか。

 でも、まどかが助かったのは暁美のおかげで…………


 じゃあ、あの『声』の言っていたことは何?


------------------
1レスしか書いてないのに途中でぐっすり寝落ちてた……
そろそろ更新できると思いますのでお待ちください


キリカ「そういえば、用事って何? 帰るついでって言ってたけど……」

まどか「ちょっと、今日休んでた子に届け物をしないとで」

キリカ「えっと、友達?」

まどか「そういうわけじゃないんだけど、ずっと入院してた子で」

まどか「今日が転入日だったのに無断で欠席して、学校とも連絡がとれないから先生が心配してたんです」

マミ「わざわざ引き受けるなんて、鹿目さんは本当に優しいのね」

まどか「私も先生の話聞いたら心配になったし、家も近いみたいだったから」



 昨日と同じ道でマミと別れて、まどかと二人で歩く。


キリカ「家が近いって言ってたけど、どのあたり? まだ大丈夫?」

まどか「まだ先ですよ、駅のほうです」


キリカ(じゃあ、別れた後か)


 見滝原駅はそこそこ大きな駅で、周辺にはマンションやアパートが多く建っている。
 その子も、そのへんに住んでいるんだろう。



・話題

1昨日あれからどうだったか
2クラスメイトについて
3自由安価

  下2レス


キリカ「昨日あれからどうだった?」

まどか「警察と話して、学校にも連絡して、家族とも一緒に先生と話したりしました」

キリカ「それは大変だったね……」

まどか「いろいろ聞かれたりしたのは大変だったけど、でもみんなわたしの無事を喜んでくれたから」

まどか「本当に生きててよかったなって……」

まどか「キリカさんにも感謝してます! キリカさんが発見してくれなかったら死んでたかもですし」

キリカ「あ……、あのさ。用事、私もついてくよ」

キリカ「魔法少女でない私が付いていても力にはなれないかもしれないけど……」

キリカ「昨日みたいな事があったら心配だから」

キリカ「家に着くまで一緒にいるよ」

まどか「それは嬉しいんですけど……、もし危険なことがあったらすぐ逃げてくださいね?」

まどか「キリカさんが危険に巻き込まれたら、守らなきゃいけないのはわたしのほうです。わたし、魔法少女ですから!」

キリカ「うん……」


キリカ(迷惑……だったかな。調子乗っちゃっただろうか……)

キリカ(結局無力だなぁ…………守られるしかできないなんて)


 駅のほうに進んでいく。


キリカ(あれ……この場所って)

キリカ「……ここなの?」

まどか「はい、このアパートって聞きましたよ。確か部屋は……」


 たどり着いたのはいつか見たアパートだった。


キリカ(まさか、部屋まで同じなんて)

キリカ(……そういえば前に会ったときも学校に行っている様子がなかった)

キリカ(転入前だったからなのか)


 部屋の前まで来て、チャイムを押して待つ。

 しかし返事はなかった。


まどか「わたし、同じクラスの鹿目まどかっていいます」

まどか「今日の分の授業資料とかを持ってきたんだけど……
    暁美さん、今日学校に来なかったけど、元気にしてますか?」


まどか「今居ないのかな…………」

まどか「…………」

キリカ「……どうするの? 資料、郵便受けに入れておく?」

まどか「資料を渡すのも大事だけど、中でどうしてるか心配ですし……」

まどか「魔力には応用の使い方があるってマミさんが言ってました」

まどか「わたしじゃまだ上手く出来るかわからないけど……」


 まどかが指元に集中するように真剣な表情をする。

 しかし、こちらが開ける前にドアが開いた。


まどか「! こんにちは」

まどか「無事みたいでよかった。もし倒れてたらどうしようかと……」

まどか「――……顔色悪いね。やっぱり、調子よくないの?」

キリカ「…………」


 目があった。

 しかし暁美は気づいていないように話し始める。


「私、もう学校には行かないと思います」

まどか「え?」

「わざわざありがとうございました。心配かけてすみません」

「……でも、もう来ないでください」

まどか「ちょ、ちょっと待って暁美さん!」


 扉が閉まる。
 無事が分かった以上、どうすることもできず……

 その日は帰るしかなかった。

―――



ほむら「…………」


 まどかたちが帰ってから数分後
 暁美ほむらは、まだ玄関で立ち尽くしたままだった。


ほむら「!」

 後ろで扉の開く音がした。

ほむら「まだ居たんですか?」


 振り返ると、そこにいたのはまどかでもキリカでもなかった。
 ……しかし、ほむらにとって知らない姿ではなかった。


「鍵、開いてたわよ」

「別に戦うつもりはないの。恐らく私じゃ貴女には敵わないのでしょうしね」

ほむら「…………」

「貴女は昨日、どこからか私の妨害をした」

「私の前に姿を現すことはなかったけれど、空間移動のような能力を使うということはキュゥべえから聞いていたわ」

「でも」

「貴女は私を識っていて、いつでも殺せたはずなのに、それをしようとはしなかった」

「貴女は何者なの? ……何がしたいの?」

ほむら「……なんでそんなこと、わざわざ今聞きに来たんですか?」

「聞くまでもないことよ。……その理由は貴女はもうわかっているんじゃないかしら?」

ほむら「…………」

ほむら「…………わかりました。話しましょう」


ほむら「まず、昨日のことからです」

ほむら「私の魔法は時間を止める能力です」

ほむら「あなたは昨日、通り魔のような形で鹿目まどかを襲った」

ほむら「恐らく、戦えば負けることがわかっているから完全な不意打ちを狙ったんですよね」

ほむら「変身もしてない状態のまま。……ソウルジェムを具現すらさせてない状態のまま」

ほむら「犯行後、犯人はまずソウルジェムと身体の接続が途切れる100m以上を離れることを最優先にするはずだと思いました」

ほむら「現場から近い場所に長く居合わせるわけにもいきませんしね」

ほむら「一度接続が切れれば再び身体に触れるまで命を吹き返すことはない。その時点で勝ったも同然と思うはずです」

ほむら「だからといってずっと壊さずにそのまま持っておくとは思いませんが、
    あまり時間が経っていないうちなら取り返せる可能性はある」

ほむら「私が妨害できたのは、あなたが油断してくれていたおかげです。すぐに壊していたら手遅れでした」

「…………なるほど。それで、時間を止めて私を探し出して奪ったと」

「凄まじい執念ね」

ほむら「……いえ。執念なんかじゃないんです」

ほむら「ただ、目の前で契約しそうになっているその光景を見たくなかった。私が妨害した動機はそれだけです」

ほむら「……別に、あなたと敵対するつもりもありません」

「…………ますますわからないわね」

「執念じゃなければ、投げやりのようにも聞こえるわ」

ほむら「…………」


ほむら「次は、あなたが知りたがっていた“私が何者か”についてです」

ほむら「私の魔法の2つめの能力は――――――」



――――――――

――――――――


 扉を閉めて、背を向ける。


「………………」


 アパートの部屋の外で、暫く動くこともできなかった。


(予想以上だったわね)

(彼女の正体、能力…… こんなの予想できるわけがない)

(……同情した? かわいそうだと………… でも、そんなこと言っているわけにもいかない)

(彼女の言っていたとおりだとすれば、もう手遅れでしかない)

(けれど………… 彼女の話を、少しだけ羨ましいとも思った)





―――

------------------------
ここまで
次回は19日(火)20時くらいからの予定です

------------------------
すみませんが、次回予定を20日(水)20時に変更します

―――



まどか「!」

 帰ろうとしたとき、ふと猫の鳴き声がした気がした。

 足元のほうを見ると、黒猫が居た。

まどか「この猫…………」

キリカ「……エイミー?」

まどか「…………」

まどか「そういえばキリカさん、あの時言ってましたね。『暁美』って人を知らないかって……」

まどか「知り合いなんですか?」

キリカ「知り合い、というか……」


 エイミーはまだ足元からじっとこちらを見つめている。


キリカ(……まどかはまだ『暁美』が『イレギュラーの魔法少女』だということに気づいていない)

キリカ(本当にこのまま帰っていいんだろうか?)



・自由安価

 下3レス中多数決


キリカ「前に通学路でエイミーと会って、その時に少し……」

キリカ「轢かれると危ないから引き取る、って言ってた」

まどか「それじゃあ、なんで今こんなところに?」

キリカ「それはわからないけど……」

キリカ「『もう来るな』とまで言われちゃったから、すぐに行っても駄目かもしれないけど、
    また後で届けてみようか」

キリカ「そのくらいなら……、
    まどかと一緒にエイミーと会いに行くくらいなら許してくれるかな?」

まどか「そうですね……いなくなって困ってるかもですしね」

まどか「恩を売るってわけじゃないけど、
    クラスメイトだし心を開いてくれるきっかけにできたらって思います」

まどか「でも、後ってどのくらい経てばいいですかね?」

キリカ「とりあえず、【下2レス】でもしようか」


・下2レス


キリカ「ちょっと喉が渇いたし飲み物でも買いに行かないか?
    飲み終わったころに暁美のとこに行けばいいんじゃないかな?」



――――飲み物を買って公園のベンチに腰掛ける。
……エイミーはその間もずっと腕の中でおとなしくしていた。


まどか「大人しい猫ちゃんですね」

キリカ「うん……」



キリカ(それにしても……)

キリカ(『暁美』は案外そそっかしい……のか?)


 最初に見たときの印象だけならともかく、あれからいろいろありすぎて少し違和感があった。

 結局敵なのか、そうでないのか? 昨日の一件から、さらに考えていることがわからなくなった。

 まどかはやっぱり、クラスメイトとして暁美のことを心配しているようだけど……


キリカ(……キュゥべえはもう会ってるし、まどかやマミが『暁美』のことを知るのも時間の問題だろうな)

キリカ(また嫌なことにならなきゃいいんだけど…………)

 あんなことがあった後で、もしもまた魔法少女同士で戦うことになってしまったら……
 それは嫌だと思った。

 まどかは強いらしい。でも、すごく優しい。どうなるかはわからない。


・話題

1自由安価
2とくになし

 下2レス


キリカ「まどかはエイミーと会うのは久しぶりなんだよね」

まどか「はい、といっても、わたしも会ったのは少し前なんですけどね」

キリカ「どうせだから、暁美のところに返す前にたくさん撫でておく……くらいはいいよね」

キリカ「ほら、エイミーも……――――」

 エイミーをまどかの膝の上に載せてあげようとすると、手から抜けてベンチから降りてしまった。
 そして、そのまま公園の外のほうへ走っていく。

キリカ「あっ……」

まどか「待って、エイミー! …………どうしよう、久しぶりで覚えてないのかなぁ……」

まどか「だからってわたしの時だけ逃げなくても……」

 まどかがしょんぼりした声をあげる。
 エイミーを追おうと私たちも立ち上がると、エイミーは一度立ち止まってこちらを振り返った。

キリカ「なんか…… 急いでる?」

まどか「来てってこと?」



 エイミーを追っていくと、やっぱりアパートに行こうとしているようだった。

 それがわかってからは、違和感が嫌な予感に変わってきていた。

 『暁美』は本当にエイミーとはぐれてしまっただけなのだろうか?
 そもそも、これだけおとなしいエイミーが逃げ出すなんて……


 再び部屋の前に立つ。


まどか「二度もすみません! でも、届けなきゃいけないものがあって……」

 チャイムを押したけれど、出ない。

まどか「やっぱり、出てくれないのかな……」

まどか「……あれ? 鍵が開いてる?」

キリカ「……入る? エイミーをこのままにしておくわけにはいかないし……」

キリカ「それに…………」

まどか「…………」

 少しの間迷った後、まどかは扉を開けた。

まどか「……ごめんなさい、失礼します!」


 中に入って呼びかけても、出てこなかった。


 この場所には一度だけ入ったことがある。

 思えばあの時から何か落ち込んでいたようだった。


 エイミーが奥の方に走っていく。


キリカ「…………」

まどか「……追いかけましょう」


 私たちもエイミーを追って奥へと進む。

 そこで見たものは――――


「……………………」


 ソファに腰掛け、俯いている暁美だった。

---------------------
ここまで
次回は23日(土)18時くらいからの予定です


まどか「……暁美さん?」

 まどかが呼んでも揺すっても返事がない。

 近づこうとしてみると、何か鋭いものを踏んだ感触があった。

キリカ「痛っ…… なにこれ?」

キリカ(なにか落ちてる?……ガラスの破片?)


 床を見てみると何かの破片が散らばっていた。
 そして、その近くにはぽっかりと中が割れたソウルジェム……


まどか「これ……ソウルジェム!? 暁美さんも魔法少女だったの…?」

まどか「それって……暁美さんがキュゥべえの言ってた魔法少女ってこと? それとも――――」

 ――その時、何かが床に落ちて音を立てる。
 揺すった拍子に暁美の手から落ちたようだった。

まどか「!」

キリカ(……拳銃?)

まどか「な、なにこれ……本物? なんでこんなものが……?」

まどか「ううん、そんなことより今は早く治さないと……!」


 まどかがソウルジェムをかざして治療を始める。
 しかし、一向に目覚める気配はなかった。

まどか「……だめ……目を覚まさない……」

 もともと見たところ身体に傷はない。
 拳銃も、ソウルジェムを撃つのに使っただけのようだった。


「残念だけど、無理だよまどか。いくら魔法でも死んだ人は生き返らせられない」


 その声に振り返ってみると、いつのまにかキュゥべえが居た。


まどか「キュゥべえ、いつからここに?」

QB「まどかの魔力がしたから寄ってみたんだ。でも、まさかこんなことになってるとはね……」

まどか「……暁美さんはどうしてこんなことになっちゃったの?」

まどか「暁美さんがキュゥべえが前に話してた魔法少女なの?」

QB「そうだよ。 暁美ほむら――彼女がイレギュラーの魔法少女だ」

QB「僕にも正体が何もわからないまま終わってしまったけど……」

まどか「これもその……わたしを襲った魔法少女と関係あるのかな」

QB「いや、その線は薄いね。昨日君を襲った時犯人が使った凶器は拳銃や現代武器じゃなくて市販の包丁だった」

QB「恐らく彼女が自分でやったんだろう」


まどか「自殺ってこと……? どうしてそんな」

QB「……とりあえず、ずっとこのままにしておくのはまずいんじゃないかい?」

まどか「そうだね……。えっと、こういう時はどこに連絡すれば……」


 やっぱり、『暁美』のことはキュゥべえも詳しくはわからないらしい。

 私たちからすれば、突然すぎた。でも、本人はもしかしたらずっと何かを抱えていたのかもしれない。


 それに、拳銃があるのにそれを使わずに死んだというのも違和感がある。

 まどかの話ではもともと身体が弱かったそうだから、それが原因と考えられなくもないけど……



・自由安価

 下2レス


キリカ「……ちょっと待って。まどか、警察に連絡するのは少し待ってくれない?」

まどか「え?」

キリカ「その前にちょっとキュゥべえに聞きたいことがあるんだ」

まどか「……」

QB「なんだい?」

キリカ「キュゥべえから見て、でいいんだけど…… 暁美の死因はなんだと思う?」

キリカ「ソウルジェムが壊れているのと関係はあるの?」

キリカ「私は魔法少女じゃないから魔法少女のことを詳しく知ってるわけじゃない」

キリカ「……でも、ソウルジェムは魔法少女の証で魔力の源だってマミが言ってた。
    それがないと魔法を使えなくなっちゃうんだよね?」

 だから、昨日まどかを襲った犯人もソウルジェムを狙った。

QB「そうだね」

キリカ「……まさか、ソウルジェムが壊されたら死んじゃったりするの?」

まどか「いや、そんな話は聞いたことありませんけど……」

QB「まあ、言ってなかったからね」

まどか「え?」

キリカ「……じゃあまさか、本当に………」

QB「魔法少女として契約する時、魂はソウルジェムに変わる」

QB「人間の肉体というものは君たちが考えているよりも脆い。そのままで戦わせることなんてとてもできないからね」

QB「普段は魂と肉体が切り離されていることで安全かつ便利に戦えるんだ。
   しかし、魂であるソウルジェムが壊れれば…… 結果は見ての通りだ」


キリカ「ちょ、ちょっと待ってよ! まどかにも言ってなかったって……」

まどか「……なんで言ってくれなかったの?」

QB「知らないままでも問題はない。聞かれなかったし言う機会もなかった、ただそれだけだよ」

キリカ「本当に問題はないって言い切れる?」

キリカ「もしあのまま犯人に壊されてたら、まどかは死んでたのに……」

QB「確かに知らないままだと不利になることもあるね。悪かった、それは謝るよ」

キリカ「そういうことじゃない。不利とか有利とか、それもあるかもしれないけど、そういうことじゃなくて……!」


 ズレている、と思った。

 キュゥべえにとっては、それはそれほど重要じゃないことだったんだろう。


まどか「……マミさんは知っているの?」

QB「知らないと思うよ」

まどか「……そっか」


 まどかが自分のソウルジェムを見つめる。

 私が動揺を隠せないでいる中、当事者であるまどかはむしろ落ち着いていた。

 ただ、やっぱり少し悲しそうでそれが辛かった。


キリカ「だから魔法でも治せない……か」

キリカ「……じゃあたとえばの話だけど、契約の奇跡だったら生き返らせられたりするの?」

QB「少なくとも君には無理だ」

キリカ「…………」

キリカ「……まるで、他の人なら出来る見込みがあるって言いたげだね」

QB「もしかしたら出来る人は居るかもしれない。でも僕にはわからない」

まどか「……」

QB「怒っているのかい?」

まどか「……ううん。ただ、ちょっと悲しいだけ」

まどか「味方だと思ってたのに、なんだかキュゥべえが遠い存在に思えてしまって」

QB「確かに、僕たちと人間は近い存在ではないだろうね」


 あくまで悪気はない……んだろうか。

 私にはどうすることもできなかった。

 何か気の利いたことを言って元気づけられたらよかったけれど、それも私には無理だった。



 帰り道を二人で歩く。


 ――――この件は、警察に連絡して一旦幕を閉じることになった。

 エイミーのことはまどかが家族に飼えないか相談してみると言っていた。

 まどかの腕の中で、エイミーは相変わらずおとなしく抱かれている。


キリカ「…………」

まどか「……マミさんになんて説明しよう」

まどか「…………というより、マミさんに話したほうがいいのかな……」


 昨日の通り魔の件といい、確実に相手はソウルジェムのことを知っている。

 もしかしたら、知らないままだと危険なこともあるかもしれないけど……


キリカ(こんな話……マミはなんて思うかな)


・自由安価

 下2レス


キリカ「まどかは私よりマミと付き合いが長いよね」

 初対面は同じだけど、まどかはあれからマミと一緒に居た。

キリカ「この話を聞いたら、マミはどうなると思う?」

キリカ「ソウルジェムのこと、マミもショックを受けるかな?
    2人とも魔法少女を辞めたいと考えるのかな……」

まどか「……多分ですけど、辞めたいとは言わない気がします」

まどか「マミさん、本当に魔女からみんなを救う正義のヒーローとして頑張ってますから」

まどか「この世から魔女がみんないなくなっちゃえば、戦う理由もなくなるんですけどね……」

キリカ「それって、どのくらいかかるんだろう……」


まどか「わたしは、それでも辞めたいとは思いません」

まどか「せっかく魔女と戦う力を手に入れたんだから、マミさんと一緒に頑張りたいです」

まどか「魔女と戦う人がいなくなっちゃったらみんなも困ると思いますし……
    マミさんにだけ任せるなんてことはしたくありません」

キリカ(……まどからしい答えだなぁ)

キリカ(それにマミも……)

まどか「でも、まったくショックがないってわけにもいかないと思います」

まどか「やっぱり、もうちょっと様子を見たほうがいいんでしょうかね……」

キリカ「……」


キリカ「…………やっぱり、強いなぁ。2人とも」

キリカ「私、もし私が2人を元の人間に戻せることができて彼女たちがそれを望むのなら契約してもいいって思ったんだ」

まどか「え! で、でもそれじゃ代わりってことじゃないですか!」

まどか「自分の代わりにキリカさんに全部背負わせるなんてできませんよ! きっとマミさんだって望まないはずです!」

キリカ「それは、2人は私の命の恩人だから。そうしてもいいってくらいに思えたんだ」

キリカ「……でも、私は出る幕なさそうだね」

まどか「わたしは大丈夫ですから」

まどか「キリカさんも、わたしたちの代わりにみたいな願いで契約するのはやめてください」

キリカ「…………」

まどか「……では、また明日学校で!」

キリカ「……うん。また明日ね」



 挨拶を返してくれるようにエイミーが鳴いた。

-----------------------------
ここまで 次回は27日(水)20時くらいからです


次スレ:『オール安価でまどか☆マギカ 15』オール安価でまどか☆マギカ 15 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461427177/)
>>1にちょっとしたあらすじの説明文つけました
あと★同じ内容で連投はダメ、と追加

――――翌日 昼休み


 暁美が死んでから1日が経った。

 それでも、学校ではいつも通り授業を受けて、休み時間にマミと話したりして…… 何も変わりはなかった。


マミ「呉さん、お昼食べましょ」

キリカ「あ、うん」

 私なんかのためにいつもこうしてわざわざこっちの教室にまで来てくれる。

 ……恥ずかしながら、マミのほうから積極的に来てくれなかったら今でもずっと一人だった。

キリカ(それか、契約していたか……)

キリカ(……何も知らないまま契約して…………あんなことを知ったら私、後悔してたかもしれない)


 ソウルジェムのことをマミはまだ知らない。

 昨日は『様子を見てから話そう』ということでまどかと別れた。

 いつかは話さなくちゃいけないけど、今はまだ、話すきっかけがわからない。


マミ「ところで呉さん、イレギュラーの魔法少女のことは聞いた?」

キリカ「!」

マミ「昨日、キュゥべえが言っていたんだけど…… 自殺した、って」

キリカ「そ、そうなんだ…… あ、いや、うん。一応聞いたんだけど」

マミ「彼女のことは警戒しなくちゃとは思っていたけれど、まさかこうなるなんて」

マミ「結局、何が起きていたのかしら……」

キリカ「……」

マミ「あ、ごめんなさい。暗い話しちゃって。知ってたならいいの」

マミ「せっかくのランチタイムなんだし、何か楽しい話をしましょうか。
   そうだわ、朝見た記事なんだけど…… 」


 ……さすがに、『見た』なんて言えない。


1自由安価
2おまかせ

 下2レス


 マミはよくニュースや新聞を見ているらしい。

 魔女のせいで起きた事件がないか調べたり、
 魔女の出やすいポイントを推測できるからと言っていた。


マミ「――……やっぱり、魔女退治のためと思うと悲しい記事ばかり見ることになるけれど、
   こういう楽しい記事を見つけると良い気分になるわね」

キリカ「そうだね」

 食べ終わった弁当箱を片づけながら話す。

キリカ「……あの、ところでさ」

マミ「?」

キリカ「契約のことだけど……マミは他人の為の願いで契約することをどう思う?」

キリカ「自分の為でなくどうしても誰かの為に叶えたい願いがあって契約したとしたら……」

キリカ「例えばの話、その願いが契約した理由の誰かに否定されたとしたらどう思う?」

マミ「そうね…… 難しい話だけど、私は他人のために契約することを悪いことだとは思わないわ」

マミ「ただ、今呉さんが言ったように、それで自分が傷つくことがある。
   ……取り返しのつかないことになって後悔してしまうことがある」

マミ「――だから、気安くおすすめはできないかな」

キリカ「そっか…… やっぱり、そうだよね……」


マミ「……もしかして、何か新しい願い事でも?」

キリカ「ううん、そういうわけじゃないけど……」

キリカ「少し気になっただけ」


 まどかからはああ言われてしまったし、すぐには考えていない。

 けれど、いざとなったら2人のためなら契約してもいいという気持ちはある。


キリカ(今マミには言わないけど……ね)


マミ「それと、一つ考えておいてもらいたいのは、
   自分が傷つくだけじゃなくて、相手を傷つけることもあるかもしれないってこと」

キリカ「……どういうこと?」

マミ「よかれと思って契約しても、相手が本当にそれを望んでいるとは限らない」

マミ「……場合によっては、裏目に出ることもあるのよ」

キリカ「なるほど…………」


 少し驚いてしまった。

 そこまで考えていたなんて。


キリカ「……あの、言いたくなかったらいいんだけど……
    もしかして、マミの願いって他人のための願いだったりするの?」

マミ「……いいえ、私が契約した時は願いを考える時間もなかったの」

マミ「事故に遭って、大けがをして……ただ自分が助かりたいっていうだけで魔法少女になったから」

マミ「――じゃ、そろそろ教室戻るわね。午後の授業も頑張りましょう」

キリカ「うん」


――――授業が終わって、放課後になる。
今日もマミと一緒にまどかの教室に向かった。



まどか「こんにちは、授業お疲れ様です!」

マミ「ええ、鹿目さんもお疲れ」

キリカ「お疲れ」

 全員揃ったところで歩き始める。

まどか「ところで、今日はどうします?」

マミ「そろそろパトロールをしなくちゃね」

マミ「鹿目さんを襲った犯人についても、そろそろ新しい情報が欲しいところだけど……」

マミ「キュゥべえもまだ何も掴めていないみたい」

マミ「今日のパトロール、呉さんも来る?」


・自由安価

 下2レス


キリカ「うん、行くよ」


 キュゥべえがまだ何か隠しているかもわからないし、通り魔の件だって解決してない。
 自分たちが知らない魔法少女もいるかもしれない。

キリカ(魔法少女じゃない私じゃ戦力にはなれない)

キリカ(昨日まどかも言ってた。2人は魔法少女で、強くて、私はまだ守られるだけでしかない)

キリカ(でも、いざとなったら契約することくらいならできるから……)


キリカ「そういえば、あれからエイミーはどうなった?」

まどか「両親も飼うのオッケーしてくれました。今は元気にしてます」

まどか「でも、なんとなく外を見つめてさみしそうにしていることがあって……」

まどか「やっぱり、理解してるのかなって」

 エイミーは暁美の異変に気づいて私たちのもとに来てくれた。
 きっと、全部理解しているんだろう。もしかしたら、私たちが気づく前から。

まどか「よかったら、今度うちに来てください。マミさんも」

マミ「ペット?」

まどか「はい。黒猫です」

マミ「猫か、いいわね。お言葉に甘えて、今度お邪魔しようかしら?」


校門から出ると、いつも帰るのとは違った方向へ進んでいった。


――――まずは、通学路付近だった。

早速結界に乗り込んで魔女を倒し、現実世界に帰ってきた。


まどか「やりましたね!」

マミ「ええ、こんなに早く済むなんて鹿目さんのおかげよ」


キリカ(確かに、こうして見てると楽勝に見えてくるな……)

キリカ(まどかがそれほど強いのか……)

キリカ(とはいっても気は抜けない、よね)

キリカ(……それに、一番怖いのは、魔女よりもこの間みたいな魔法少女だ)

 まどかが手元に持つソウルジェム。
 魔力に反応して明滅する桃色の宝石。

キリカ(あれが壊されれば一発で死ぬだなんて)



・自由安価

 下2レス


 心配になり、あたりを見回してみる。

 誰もいないことを確認して、二人に聞いてみる。

キリカ「そういえば2人とも銃に弓と遠距離武器だけど、接近戦は大丈夫なの?」

まどか「一応わたしの弓は杖にもなるんですよ」

まどか「接近戦というか、体術みたいのってあんまり得意じゃないんですけどね……
    わたし運動苦手だから」

マミ「それでも鹿目さんなら大体倒せちゃうと思うけど…… そうね、確かに体術とか教えてないものね」

キリカ「マミ、体術もできるんだ」

マミ「一応、基本的な立ち回りくらいは」

キリカ「じゃあ、そういうのが得意な知り合いとかは……?」

マミ「……残念ながら、教えてもらえるような人はいないわ。興味があれば私でよければ教えるけど」

まどか「じゃあ、今度お願いしますね!」

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次スレ行けなかったけど時間的にアレなのでここまで
次回は28日(木)20時くらいからの予定です


 最初の魔女を倒した後は、繁華街を回り駅のほうへと歩いていった。

 反応があったのは、駅近くのデパートだった。


マミ「魔女の魔力があるわ。ええと、こっちの…… この立ち入り禁止の奥かしら?」

まどか「ソウルジェムを見なくても感覚でわかるなんて、さすがですよね」

まどか「わたしも集中すればなんとなく魔力があるかないかくらいはわかるようになってきたけど……」

まどか「わたしもいつかマミさんみたいにできるようになるのかなぁ」

マミ「きっと、すぐできるようになるわよ。こういうのは慣れだから」

 改装中のフロアを進んでいく。
 通学路の時と違って、今度の魔女は人気のない場所に居るらしい。


キリカ(魔力、か。どんな感覚なんだろ……)

 二人の話を聞きながら、そんなことを考えていた。
 私にはまだ魔力という概念がわからない。


マミ「入口発見。行きましょうか」

まどか「はい!」



――――決着はすぐについた。


 迷宮の途中に居る使い魔は姿を現すと同時にマミが撃ち落としてくれたし、
 最深部の魔女を消し去るのもそう時間はかからなかった。


 改装中のフロアを出て一息つく。


まどか「ちょっとどきどきしますね、立ち入り禁止を無視して入るなんて」

マミ「まあ、こういう時は特別ね」

マミ「さて、そろそろ少し休憩にしましょうか?
   せっかくデパートにいるんだし、どこか寄りたいところはある?」



1自由安価
2カフェ
3ハンバーガーショップ
4CDショップ

 下2レス

2


 あ、ラノベの新刊買ってなかった。

キリカ「先にちょっと本屋寄っていいかな?」

マミ「ええ、もちろん」


――――本屋


まどか「キリカさん、読書好きなんですか?」

キリカ「まぁ、うん。少し……」

まどか「そうなんですか。でもいいですね、なんか知的そうで」

キリカ「あ、でもそんなに難しいのは読まないよ。話題になったのとか、目についたのだけだし」

キリカ(やっぱり、今までは一人でも楽しめるからっていうのが大きかったけど……)


 まどかが店内を見回す。
 店内には色とりどりの個性的なポップがそこかしこにあった。


キリカ「まどかも、気になるのがあったら買ってみたら?」

まどか「そうですね。……あ、これなんかおもしろそうかな?」



 一方、マミは雑誌のほうを見ているようだった。

マミ「今月号、昨日が発売日だったっけ」



 下1レスコンマ判定 0~20


まどか「これCMでもやってるやつですよね。この付録のバッグ今日友達が持ってました」

マミ「へぇ、早速発売日に買ったのね。
   私も今週はちょっと節約しなきゃだけど…… 買っちゃおうかな」


 全員欲しいものが見つかったようだった。

 会計を済ませて店を出る。


まどか「ちょっとおなかすきません? ハンバーガーショップとかどうでしょう」

マミ「そこで次どこに行くか話し合いましょうか」


――――まどかの提案により私たちはハンバーガーショップに向かった。

 まどかが小さい口でホットドッグにかぶりつく。
 なんだかそんなちょっとしたしぐさも、まどかがやると小動物みたいで可愛く思えてくる。


マミ「ここならカフェより安く済ませられるから、丁度よかったかも」

まどか「今日はこれがお茶会の代わりですかね」

まどか「さっきの戦い、何か改善点とかってありますか?」

マミ「改善点、ねえ……」

マミ「…………さっきも話題に出たけど、接近された時に杖をもう少し活用するといいかもしれないわね」

まどか「あ。やっぱそうですよね。もっと臨機応変に戦わないとってことですね」

まどか「わたしもはやくマミさんみたいに戦えるようになりたいです」

まどか「マミさんを見てると、やっぱりカッコいいって思うから」

マミ「きっと、鹿目さんなら私なんてすぐに追い越すわよ」

マミ「…………もしそうなっても、鹿目さんは……」

まどか「え?」

マミ「いえ! そうそう、次に回る場所も今のうちに決めておかないとね」



・自由安価

 下2レス


 ……確かに、見ているとマミの戦いは手際もよく華やかだ。

 しかし、マミが言うにはまどかのほうが強いということだった。ライバルの魔法少女が恐れるほどに。

 思えば、さっきもまどかの一撃で魔女が沈んだんだっけ。

 ――――のわりにはマミのような必殺技があるわけでもなく、
 大した攻撃じゃないように見えたから今まであまりピンとこなかったけど……


キリカ(……そしておそらく、本人も自覚がない)

キリカ(まどかはマミのことを慕って教わる気でいるけれど、
    マミは自分より強い後輩をどう扱うか悩んでいるようだった)


キリカ「マミ、その前にちょっと思いついたんだけど……」

マミ「ん? 何かしら?」

キリカ「まどかは魔力が高いから強い……ってことなのかな?」

キリカ「たとえば、ゲームで言うと最大MPの限界値が最初から高くて強力な魔法をバンバン撃ってる、とか」

マミ「それはちょっと……わからないけど」

マミ「鹿目さんは自己分析できる? 毎回、全力で攻撃してるってことはないわよね?」

まどか「はい、別に強力な魔法を撃とうとしてるわけじゃないですけど…… あんまり考えたことなかったです」

まどか「わたし、そんなに全力で攻撃しちゃってたんですか……?」

マミ「いや……ソウルジェムの濁り方からすれば、大した消費ではないのでしょうけど……」

マミ「……まあ、なんにしても、鹿目さんはちょっと力抜くくらいでもちょうどいいんじゃないかしら?」

まどか「はあ…………」


 まどかは気の抜けた返事をした。

 多分本当にまどかとしては大した攻撃をしてなかったんだと思う。


キリカ(それでそんなに恐れられるって……)

キリカ(まどかはひょっとして…… というかひょっとしなくても、かなりすごい人なのかな……?)

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寝るので以下適当に埋める

☆ここから>>1000までに書かれた内容を今後の展開のどこかにいれるかも
 (ただし死亡キャラの生き返りとかは設定上の事情によりできませんです)


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  フ  _彡イ /  /                      .彡´    \
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/.    /   /                              |: |   : : :.
/}   : /: :/  .:      |    八: .               |レ     : : : .
, イ  : /// : :イ    _/_|」斗/-‐‘. :..   | \ー‐--=   ,: : : : . : : :|\\)
 | : ::ハ/ //|:   : / |  / _   \:.. :|  \  ト、:.   }、: : : :ト、: . : |  \〉
 |    'イ/: //|:   /  ,|ィ爪_ぅ    \ |  えミぇ、∧  /.}.: : :.:| ヽ. :}
 | :/  |: : /从|  / 〃..i じ |         | じ | ㍉ ハ | ノハ: :.N   V
     |: /.   |: ∧.    乂cノ          乂cノ  ′/レ′V
     |/    |∧:::'.   .:.:.:.:.:.:.:.         .:.:.:.:.:.:.:. / /
         ─ -            '       く ̄ ヽ
          ,′     ヾ >     -:::-    .<i/    ‘,
          .′      |il \.  ≧ ─ ≦  ノ lii|       .
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書き込みありがとうございました。違う話に移ったため締め切ります。
わざわざ安価を出しておいたくせに使えてなくて申し訳ありません。
話の構想はできてますのでまたいつか再開の機会があれば。

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